(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-10
(54)【発明の名称】ヒストンデアセチラーゼ10の新規の阻害剤
(51)【国際特許分類】
A61K 31/166 20060101AFI20220427BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220427BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20220427BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20220427BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20220427BHJP
A61K 31/404 20060101ALI20220427BHJP
A61K 31/416 20060101ALI20220427BHJP
A61K 31/4184 20060101ALI20220427BHJP
A61K 31/445 20060101ALI20220427BHJP
A61K 31/167 20060101ALI20220427BHJP
A61K 31/18 20060101ALI20220427BHJP
C12N 9/99 20060101ALN20220427BHJP
C07K 2/00 20060101ALN20220427BHJP
【FI】
A61K31/166
A61P43/00 111
A61P35/00
A61P37/02
A61P25/28
A61K31/404
A61K31/416
A61K31/4184
A61K31/445
A61K31/167
A61K31/18
C12N9/99
C07K2/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021555806
(86)(22)【出願日】2020-03-20
(85)【翻訳文提出日】2021-10-20
(86)【国際出願番号】 EP2020057867
(87)【国際公開番号】W WO2020193431
(87)【国際公開日】2020-10-01
(32)【優先日】2019-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2019-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】511111301
【氏名又は名称】ドイチェス クレブスフォルシュングスツェントルム
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【氏名又は名称】池田 達則
(74)【代理人】
【識別番号】100170852
【氏名又は名称】白樫 依子
(72)【発明者】
【氏名】アウブリー ミラー
(72)【発明者】
【氏名】ラファエル シュタイムバッハ
(72)【発明者】
【氏名】マガリー ジェラルディ
【テーマコード(参考)】
4C086
4C206
4H045
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC13
4C086BC21
4C086BC37
4C086BC39
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA52
4C086MA55
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZB07
4C086ZB26
4C086ZC20
4C206GA08
4C206GA31
4C206HA16
4C206JA13
4C206JA52
4C206KA01
4C206KA04
4C206KA05
4C206MA01
4C206MA04
4C206MA72
4C206MA75
4C206NA14
4C206ZA02
4C206ZB07
4C206ZB26
4C206ZC20
4H045AA10
4H045AA30
4H045DA55
4H045DA83
4H045EA20
4H045FA10
(57)【要約】
本発明は、ヒストンデアセチラーゼ10(HDAC10)の新規の阻害剤、そのような阻害剤を含む新規の医薬組成物、およびそのような新規の阻害剤を使用して疾患、例えばがん、自己免疫障害もしくは神経変性を治療する新規の方法または臓器移植においてそのような新規の阻害剤を使用する方法に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
CAP-(CR
y*R
y*’)
n-NR
2-CR
3R
3’-CR
4R
4’-CR
5R
5’-ZBD (I)
のHDAC10阻害剤であって、式(I)中、
CAPは、アリール-X-およびヘテロアリール-X-の群から選択されるキャッピング基であり、Xは存在せず、または-C(=O)-NR
1-、-NR-C(=O)-、-S(=O)
2-NR
1-、-NR-S(=O)
2-、-S(=O)(=NR)-NR
1-、-NR-S(=O)(=NR)-、-C(=NR)-、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)
2-、および-C(=O)-から選択され、
RおよびR
1はそれぞれ独立して、Hならびに直鎖状または分岐鎖状C
1~4-アルキル、シクロプロピル、ベンジル、アリールおよびヘテロアリールから選択される置換基から選択される残基であり、前記置換基は、特に-F、-OH、-OR、および-NR
2のリストから選択されるさらなる置換基により、さらに置換されていてもよく、
nは、1、2および3から選択される整数であり、
yは1~nの範囲からの値をとる整数であり、
ZBDは、-C(=O)-NH-OH、-C(=S)-NH-OH、-C(=N-OH)-NHOH、-C(=O)NH-R
6、-C(=N-OH)-C(=O)NH-R
6、-C(=O)CF
3、-C(=O)CH
2SH、C(=S)CH
2SH、-SH、-C(=NH)-NH-OH、および-C(=N-OH)-NH
2の群から選択される亜鉛結合ドメインであり、R
6は、H、直鎖状または分岐鎖状C
1~4-アルキル、-シクロプロピル、およびベンジルから選択される残基であり、
かつ
R
2は、Hならびに直鎖状もしくは分岐鎖状C
1~4-アルキル、シクロプロピル、ベンジル、アリールおよびヘテロアリールから選択される置換基から選択される残基であり、前記置換基は、特に-F、-OH、-OR、および-NR
2のリストから選択されるさらなる置換基により、さらに置換されていてもよく、かつ各R
y*、各R
y*’、R
3、R
3’、R
4、R
4’、R
5、およびR
5’は、残基H、CH
3、F、CFH
2、CF
2HおよびCF
3から独立して選択され、但し、前記残基のうちの合計で3つ以下は-Hとは異なり、
または
R
1、R
y*、R
y*’およびR
2残基から選択される2つの残基は、それらが結合した原子と共に、3~6員環を形成し、前記3~6員環は、特に-F、-OH、-OR、および-NR
2のリストから選択されるさらなる置換基により、さらに置換されていてもよく、かつ残りの残基R
1、各R
y*、各R
y*’、R
3、R
3’、R
4、R
4’、R
5、およびR
5’は、残基H、CH
3、F、CFH
2、CF
2HおよびCF
3から独立して選択され、但し、前記残基のうちの合計で3つ以下は-Hとは異なり、
または
R
2、R
3、R
3’、R
4、R
4’、R
5、およびR
5’’残基から選択される2つの残基は、それらが結合した原子と共に、3~6員環を形成し、かつ残りの残基R
1、各R
y*、各R
y*’、R
3、R
3’、R
4、R
4’、R
5、およびR
5’は、残基H、CH
3、F、CFH
2、CF
2HおよびCF
3から独立して選択され、但し、前記残基のうちの合計で3つ以下は-Hとは異なる、
HDAC10阻害剤。
【請求項2】
式(Ia)
CAP-(CR
y*R
y*’)
n-NR
2-CR
3R
3’-CR
4R
4’-CR
5R
5’-ZBD (Ia)
のHDAC10阻害剤であって、式(Ia)中、
CAPは、アリール-X-およびヘテロアリール-X-の群から選択されるキャッピング基であり、Xは-CH
2-NR
1-であり、
かつ他の残基は請求項1において定義される通りである、
HDAC10阻害剤。
【請求項3】
ZBDが-C(=O)-NH-OHである、請求項1または2に記載のHDAC10阻害剤。
【請求項4】
式(Ib)
CAP-(CR
y*R
y*’)
n-NR
2-CR
3R
3’-CR
4R
4’-NR
5-ZBD (Ib)
のHDAC10阻害剤であって、式(Ib)中、
CAPは、アリール-X-およびヘテロアリール-X-の群から選択されるキャッピング基であり、Xは存在せず、または-C(=O)-NR
1-、-NR-C(=O)-、-S(=O)
2-NR
1-、-NR-S(=O)
2-、-S(=O)(=NR)-NR
1-、-NR-S(=O)(=NR)-、-C(=NR)-、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)
2-、-C(=O)-、および-CH
2-NR
1-から選択され、
RおよびR
1はそれぞれ独立して、Hならびに直鎖状または分岐鎖状C
1~4-アルキル、シクロプロピル、ベンジル、アリールおよびヘテロアリールから選択される置換基から選択される残基であり、前記置換基は、特に-F、-OH、-OR、および-NR
2のリストから選択されるさらなる置換基により、さらに置換されていてもよく、
nは、1、2および3から選択される整数であり、
yは1~nの範囲からの値をとる整数であり、
ZBDは、-C(=O)-NH-OH、-C(=S)-NH-OH、-C(=N-OH)-NHOH、-C(=O)NH-R
6、-C(=N-OH)-C(=O)NH-R
6、-C(=O)CF
3、-C(=O)CH
2SH、C(=S)CH
2SH、-C(=NH)-NH-OH、および-C(=N-OH)-NH
2の群から選択される亜鉛結合ドメインであり、R
6は、H、直鎖状または分岐鎖状C
1~4-アルキル、-シクロプロピル、およびベンジルから選択される残基であり、かつ
R
2およびR
5はそれぞれ、Hならびに直鎖状もしくは分岐鎖状C
1~4-アルキル、シクロプロピル、ベンジル、アリールおよびヘテロアリールから選択される置換基から独立して選択される残基であり、前記置換基は、特に-F、-OH、-OR、および-NR
2のリストから選択されるさらなる置換基により、さらに置換されていてもよく、かつ各R
y*、各R
y*’、R
3、R
3’、R
4、およびR
4’は、残基H、CH
3、F、CFH
2、CF
2HおよびCF
3から独立して選択され、但し、前記残基のうちの合計で3つ以下は-Hとは異なり、
または
R
1、R
y*、R
y*’およびR
2残基から選択される2つの残基は、それらが結合した原子と共に、3~6員環を形成し、前記3~6員環は、特に-F、-OH、-OR、および-NR
2のリストから選択されるさらなる置換基により、さらに置換されていてもよく、かつ残りの残基R
1、各R
y*、各R
y*’、R
3、R
3’、R
4、およびR
4’は、残基H、CH
3、F、CFH
2、CF
2HおよびCF
3から独立して選択され、但し、前記残基のうちの合計で3つ以下は-Hとは異なり、
または
R
2、R
3、R
3’、R
4、R
4’、およびR
5残基から選択される2つの残基は、それらが結合した原子と共に、3~6員環を形成し、かつ残りの残基R
1、各R
y*、各R
y*’、R
3、R
3’、R
4、R
4’、およびR
5は、残基H、CH
3、F、CFH
2、CF
2HおよびCF
3から独立して選択され、但し、前記残基のうちの合計で3つ以下は-Hとは異なる、
HDAC10阻害剤。
【請求項5】
ZBDが-C(=O)CH
2SHである、請求項4に記載のHDAC10阻害剤。
【請求項6】
CAPが、アリール-C(=O)-NH-、ヘテロアリール-C(=O)-NH-、およびアリール-NH-C(=O)-、およびヘテロアリール-NH-C(=O)-の群から選択されるキャッピング基である、請求項1~5のいずれか1項に記載のHDAC10阻害剤。
【請求項7】
CAPが、フェニル-NH-C(=O)-、フェニル-C(=O)-NH-、1-ナフチル-C(=O)-NH-、および7-インダゾリル-C(=O)-NH-の群から選択されるキャッピング基である、請求項6に記載のHDAC10阻害剤。
【請求項8】
CAPがフェニル-NH-C(=O)-またはフェニル-C(=O)-NH-である、請求項7に記載のHDAC10阻害剤。
【請求項9】
CAPがフェニル-NH-C(=O)-である、請求項8に記載のHDAC10阻害剤。
【請求項10】
CAPがフェニル-C(=O)-NH-である、請求項8に記載のHDAC10阻害剤。
【請求項11】
CAPがベンズイミダゾール-2-イルである、請求項1~5のいずれか1項に記載のHDAC10阻害剤。
【請求項12】
nが2である、請求項1~12のいずれか1項に記載のHDAC10阻害剤。
【請求項13】
nが3である、請求項1~12のいずれか1項に記載のHDAC10阻害剤。
【請求項14】
R
2が、H、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、シクロプロピル、およびベンジルから選択される残基である、請求項1~13のいずれか1項に記載のHDAC10阻害剤。
【請求項15】
R
2がメチルである、請求項14に記載のHDAC10阻害剤。
【請求項16】
各R
y*、各R
y*’、R
3、R
3’、R
4、R
4’、R
5、およびR
5’がそれぞれ-Hである、請求項1~15のいずれか1項に記載のHDAC10阻害剤。
【請求項17】
DKFZ-711、DKFZ-775、DKFZ-772、DKFZ-728、DKFZ-777、DKFZ-773、DKFZ-748、DKFZ-750、DKFZ-757、DKFZ-771、DKFZ-774、DKFZ-746、DKFZ-747、DKFZ-749、DKFZ-751、DKFZ-752、DKFZ-753、DKFZ-754、DKFZ-755、DKFZ-756、DKFZ-769、DKFZ-776、DKFZ-758、DKFZ-759、DKFZ-767、DKFZ-770、DKFZ-714、DKFZ-715、DKFZ-716、DKFZ-717、DKFZ-718、DKFZ-724、DH22、DH25、DH35、DH40、DH53、DH67、DH71、DH79、DH88、およびDKFZ-825の群から選択される、請求項1~16のいずれか1項に記載のHDAC10阻害剤。
【請求項18】
DKFZ-711、DKFZ-714、DKFZ-715、DKFZ-716、DKFZ-717、DKFZ-718、DKFZ-724およびDKFZ-728の群から選択される、請求項17に記載のHDAC10阻害剤。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか1項に記載のHDAC10阻害剤の薬学的に許容される塩形態。
【請求項20】
請求項1~18のいずれか1項に記載のHDAC10が、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸;酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パルモイック酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2-アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、およびイセチオン酸の群から選択される酸、特に塩酸と反応したものである、請求項19に記載の薬学的に許容される塩形態。
【請求項21】
請求項1~18のいずれか1項に記載のHDAC10阻害剤、または請求項19もしくは20に記載のHDAC10阻害剤の薬学的に許容される塩形態を含む、医薬組成物。
【請求項22】
がん、自己免疫障害および神経変性のリストから選択される疾患の治療における使用のための、請求項1~18のいずれか1項に記載のHDAC10阻害剤、請求項19もしくは20に記載のHDAC10阻害剤の薬学的に許容される塩形態、または請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項23】
オートファジーが前記疾患の細胞において上方調節される、請求項22に記載の使用のための、請求項1~18のいずれか1項に記載のHDAC10阻害剤、請求項19もしくは20に記載のHDAC10阻害剤の薬学的に許容される塩形態、または請求項21に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒストンデアセチラーゼ10(HDAC10)の新規の阻害剤、そのような阻害剤を含む新規の医薬組成物、およびそのような新規の阻害剤を使用して疾患、例えばがん、自己免疫障害もしくは神経変性を治療する新規の方法または臓器移植においてそのような新規の阻害剤を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
1996年のTauntonおよびSchreiberによるヒストンデアセチラーゼ1(HDAC1)の発見
1は、トリコスタチンA(TSA(1)、
図1)およびスベラニロヒドロキサム酸(SAHA(2))のような物質に対する長く求められていた酵素標的を提供した。当時、1および2はヒストンリジンアセチル化レベルを増加させ、それにより細胞分化を誘導することが報告されたが、それらの作用機序は未知であった
2。TauntonおよびSchreiberの開示は、現在では18の機能的に関連するアイソザイムのファミリーであるHDACの阻害剤を発見するための今や20年の長い努力を開始させた
3~4。この期間中、HDACはアセチル化されたヒストンリジンの加水分解を触媒するよりも広い役割を有することも明らかとなっており、それらは核および細胞質の両方において作用するだけでなく、様々な異なるタンパク質からのアシル基の除去を触媒する
5~9。18のHDACは、それらの酵母オルソログに対する相同性に基づいて以下のような4つの異なるクラスにグループ化されている:クラスI(HDAC1、-2、-3、および-8);クラスIIA(HDAC4、-5、-7、および-9)およびクラスIIB(HDAC6および-10)にさらに分けられるクラスII;クラスIII(サーチュイン1~7);ならびにクラスIV(HDAC11)
10。クラスI、IIA-B、およびIVはZn
2+依存性アミドヒドロラーゼであるが、クラスIIIサーチュインは機構的に別個のNAD+依存性酵素である。この理由から、サーチュインは多くの場合に「HDAC阻害剤」の議論において別々に検討される。現在、4つのHDAC阻害薬が米国において(2~5)、1つが中国において(6)承認されており、多くの他の候補が臨床試験を受けており、また何十もの阻害剤が報告されている(
図1)。承認された薬物は抗がん剤として使用されたが、HDAC阻害剤は自己免疫障害、および神経変性の治療においても研究されている
3。臨床的に使用される汎HDAC阻害薬(例えば、2~5)は重篤な副作用を引き起こすことがあり、これは部分的に選択性の欠如により引き起こされる。よりアイソザイム選択的な阻害剤はこれらの傾向を克服することが期待され、この標的クラスの臨床的な価値を向上させる可能性がある
10~11。さらに、アイソザイム選択的な化学的プローブの開発は、個々のHDACアイソザイムの生物学的役割をさらに解きほぐすために不可欠である
12。現在までに、選択的阻害剤の開発における最も有意な焦点および成功は、HDAC1/2、HDAC3、およびHDAC8の選択的阻害剤が開示されているクラスI酵素、ならびにクラスIIB酵素HDAC6で為されている
3。クラスIIA、HDAC10またはHDAC11サブタイプの選択的阻害剤の報告ははるかに少ない
13~17。2003年に、ツバシン(7)は最初の選択的なHDAC6阻害剤として記載された(
図1)
18。その後、良好な選択性プロファイルを有する多くの追加のHDAC6阻害剤が記載されており、(ツバシンの他に)最もよく知られるものはツバスタチンA(8)である
19。実際に、7および8の両方は、ACY-738(9)
20と共に、Chemical Probes PortalにおいてHDAC6化学的プローブと呼称されている
21。8および9のようなほとんどのHDAC6選択的な阻害剤は、HDAC6タンパク質表面と特異的相互作用できる「キャップ基」に加えて相対的にバルクのフェニルヒドロキサム酸「リンカー」部分を組み込むことによりクラスI酵素を上回る選択性を達成する(8、
図1を参照)。
【0003】
HDAC10は2002年に最初に単離され、HDAC6に対するその高い類似性に基づいてクラスIIB HDACとしてアノテートされた22~24。HDAC6のように、HDAC10は核および細胞質の両方に局在化するらしく、転写因子25およびサイクリン26を含めて様々な機能を有するタンパク質と相互作用すること、ならびに相同組換え27およびHsp媒介性VEGFR調節28において目立った役割を果たすことが報告されている。一部の臨床的な相関研究は、HDAC10に対する明白な腫瘍抑制因子機能を指し示しているが29~33、多数の他の研究は潜在的ながん薬物標的としてHDAC10を強調している34~37。1つの研究において、高いHDAC10発現レベルは、化学療法を与えられた進行したステージ4神経芽腫患者の不良な臨床アウトカムと相関することが見出された37。これらの発見と合致して、神経芽腫細胞におけるHDAC10枯渇は、オートファジーフラックスを妨害し、化学療法に対して細胞を感作し、また強制的なHDAC10発現はドキソルビシン処理に対して神経芽腫細胞を保護する38。
【0004】
追加的に、HDAC10はPD-L1発現の調節および抗原提示細胞(APC)により媒介される免疫寛容に関与することが見出されている42。HDAC10ノックアウトマウスから単離されたマクロファージはMHC II分子の発現の増加およびPD-L1の発現の減少を呈することを示すことができた。インビボモデルにおいて、野生型マウスと比較した場合にHDAC10ノックアウトマウスにおいて腫瘍成長は遅延した。そのため、HDAC10/PD-L1アクシスの妨害はがん免疫療法のための新規の標的を提供し得る。
【0005】
最近の研究は、Foxp3+制御性T(Treg)細胞に影響することによる免疫応答の調節におけるHDAC10の関与を明らかにした。完全MHCミスマッチ心臓移植片を与えられた野生型マウスはそうではなかったがHDAC10-/-マウスは寛容となり、低用量ラパマイシン免疫抑制療法(0.1mg kg-1 d-1 i.p. 移植後14日間)だけで長期間の同種グラフト生存(>100d)を示すことが示された。これは、選択的HDAC10iは、大腸炎を含めて炎症性障害のため、そしてまた移植のための有用な治療的免疫抑制/免疫調節剤であり得ることを示唆する46。
【0006】
最近、Christiansonおよび共同研究者らはゼブラフィッシュHDAC10(zHDAC10)のx線結晶構造を解明した6。彼らは、ゼブラフィッシュおよびヒトHDAC10(hHDAC10)の両方の酵素は高度に活性のポリアミンデアセチラーゼ(PDAC)であるが、活性の乏しいリジンデアセチラーゼであることをエレガントに実証した。したがって、HDAC10はタンパク質ではなく、ポリアミン代謝物、例えばスペルミジンおよびプトレシンに作用する可能性がある。酵素の活性部位の近くの2つの特有の構造的特徴が、PDAC活性の原因となるものとして同定された。第1に、負に荷電したGlu272(hHDAC10番号付け)アミノ酸は、アセチル化されたリジンを上回る陽イオン性ポリアミン基質の特異性を確立するゲートキーパー残基であることが実証された。HDAC6の第1の触媒ドメインを除く全ての他のHDACアイソザイムにおいて、このアミノ酸は疎水性、通常ロイシンである。第2に、HDAC10のL1ループは、ゼブラフィッシュおよびヒトの両方においてHDAC6と比べて2残基の挿入を含有する。Christiansonらは、zHDAC10において、これらの挿入された残基と2残基突然変異は、活性部位を狭窄させる独特の310ヘリックスを作出して、アセチル化されたポリアミンはそうではないが、アセチル化されたリジン側鎖を、活性部位亜鉛原子に達するには短すぎるものとさせることを見出した。hHDAC10において、21~24と番号付けされるこれらの4つの残基はPro-Glu-Cys-Gluである。E272L HDAC10突然変異体および2残基ループ挿入を欠いた突然変異体の両方は、酵素アッセイにおいてHDAC活性の増加およびPDAC活性の減少を有することが見出された。興味深いことに、このモデルは、バルクな(例えば、8)クラスIIB阻害剤はL1ループの有意な運動なしでHDAC10の狭窄した結合ポケットにフィットできないことを示唆する。E272L突然変異はリジンの脱アセチル化を可能にするために単独で十分であるという事実は、しかしながら、L1ループはこの柔軟性を有し得ることを示唆する。
【0007】
その研究に基づいて、N8-アセチルスペルミジンの8つの異なるアナログと複合体化したゼブラフィッシュHDAC10のX線結晶構造が決定され、異なるN8-アセチルスペルミジン化合物中の残基およびHDAC10の間の相互作用はHDAC10阻害のために選択的な化合物の将来的な設計のために有用であり得ることが示唆された44。
【0008】
一部の公知のHDAC阻害剤はHDAC10にも結合することが見出された後に38~40、Geraldyらは、高度に選択的なHDAC6阻害剤として以前に記載されたツバスタチンAの予想外に強力なHDAC10結合性を示すことができた41。ツバスタチンA誘導体の標的化された選択の分析は、キャップ基中の塩基性アミンは、HDAC6結合性のためにはそうではないが、強いHDAC10結合性のために要求されることを明らかにした。強力なHDAC10結合剤のみが、BE(2)-C神経芽腫細胞系において酸性小胞の用量依存的な蓄積を引き起こすことによりHDAC10ノックダウンを模倣した。ヒトHDAC10相同性モデルへの阻害剤のドッキングは、塩基性キャップ基の窒素およびHDAC10ゲートキーパー残基Glu272の間の水素結合は強力なHDAC10結合性の原因となることを指し示した。
【0009】
Geraldyらの研究は強力なHDAC10阻害剤を同定する可能性を示したが、同時にHDAC6および/または他のHDACにもはや有意に結合しない、そのような強力な阻害剤を見出すことの満たされていない必要性が依然として存在する。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、アミノ基による特定のメチレン基の置換を含むスベラニロヒドロキサム酸(SAHA)のバリアントは強力かつ特異的なHDAC10阻害剤の形成を結果としてもたらすという驚くべき観察に基づく。
【0011】
そのため、第1の態様において、本発明は、式(I)
CAP-(CRy*Ry*’)n-NR2-CR3R3’-CR4R4’-CR5R5’-ZBD (I)
のHDAC10阻害剤であって、式(I)中、
CAPは、アリール-X-およびヘテロアリール-X-の群から選択されるキャッピング基であり、Xは存在せず、または-C(=O)-NR1-、-NR-C(=O)-、-S(=O)2-NR1-、-NR-S(=O)2-、-S(=O)(=NR)-NR1-、-NR-S(=O)(=NR)-、-C(=NR)-、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、および-C(=O)-から選択され、
RおよびR1はそれぞれ独立して、Hならびに直鎖状または分岐鎖状C1~4-アルキル、シクロプロピル、ベンジル、アリールおよびヘテロアリールから選択される置換基から選択される残基であり、前記置換基は、特に-F、-OH、-OR、および-NR2のリストから選択されるさらなる置換基により、さらに置換されていてもよく、
nは、1、2および3から選択される整数であり、
yは1~nの範囲からの値をとる整数であり、
ZBDは、-C(=O)-NH-OH、-C(=S)-NH-OH、-C(=N-OH)-NHOH、-C(=O)NH-R6、-C(=N-OH)-C(=O)NH-R6、-C(=O)CF3、-C(=O)CH2SH、C(=S)CH2SH、-SH、-C(=NH)-NH-OH、および-C(=N-OH)-NH2の群から選択される亜鉛結合ドメインであり、R6は、H、直鎖状または分岐鎖状C1~4-アルキル、-シクロプロピル、およびベンジルから選択される残基であり、
かつ
R2は、Hならびに直鎖状もしくは分岐鎖状C1~4-アルキル、シクロプロピル、ベンジル、アリールおよびヘテロアリールから選択される置換基から選択される残基であり、前記置換基は、特に-F、-OH、-OR、および-NR2のリストから選択されるさらなる置換基により、さらに置換されていてもよく、かつ各Ry*、各Ry*’、R3、R3’、R4、R4’、R5、およびR5’は、残基H、CH3、F、CFH2、CF2HおよびCF3から独立して選択され、但し、前記残基のうちの合計で3つ以下は-Hとは異なり、
または
R1、Ry*、Ry*’およびR2残基から選択される2つの残基は、それらが結合した原子と共に、3~6員環を形成し、前記3~6員環は、特に-F、-OH、-OR、および-NR2のリストから選択されるさらなる置換基により、さらに置換されていてもよく、かつ残りの残基R1、各Ry*、各Ry*’、R3、R3’、R4、R4’、R5、およびR5’は、残基H、CH3、F、CFH2、CF2HおよびCF3から独立して選択され、但し、前記残基のうちの合計で3つ以下は-Hとは異なり、
または
R2、R3、R3’、R4、R4’、R5、およびR5’’残基から選択される2つの残基は、それらが結合した原子と共に、3~6員環を形成し、かつ残りの残基R1、各Ry*、各Ry*’、R3、R3’、R4、R4’、R5、およびR5’は、残基H、CH3、F、CFH2、CF2HおよびCF3から独立して選択され、但し、前記残基のうちの合計で3つ以下は-Hとは異なる、
HDAC10阻害剤に関する。
【0012】
第2の態様において、本発明は、本発明のHDAC10阻害剤の薬学的に許容される塩形態に関する。
【0013】
第3の態様において、本発明は、本発明のHDAC10阻害剤、または本発明のHDAC10阻害剤の薬学的に許容される塩形態を含む、医薬組成物に関する。
【0014】
第4の態様において、本発明は、疾患、例えばがん、自己免疫障害または神経変性、特にがんの治療における使用のための、または臓器移植における使用のための、本発明のHDAC10阻害剤、本発明のHDAC10阻害剤の薬学的に許容される塩形態または本発明の医薬組成物に関する。
【0015】
第5の態様において、本発明は、疾患、例えばがん、自己免疫障害または神経変性を治療する方法であって、本発明のHDAC10阻害剤、本発明のHDAC10阻害剤の薬学的に許容される塩形態、または本発明の医薬組成物を前記疾患、特にがんを患う患者に投与する工程を含む、方法に関する。
【0016】
第6の態様において、本発明は、ドナー臓器拒絶を予防する方法であって、本発明のHDAC10阻害剤、本発明のHDAC10阻害剤の薬学的に許容される塩形態、または本発明の医薬組成物を臓器移植後の患者に投与する工程を含む、方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【発明を実施するための形態】
【0018】
第1の態様において、本発明は、式(I)
CAP-(CRy*Ry*’)n-NR2-CR3R3’-CR4R4’-CR5R5’-ZBD (I)
のHDAC10阻害剤であって、式(I)中、
CAPは、アリール-X-およびヘテロアリール-X-の群から選択されるキャッピング基であり、Xは存在せず、または-C(=O)-NR1-、-NR-C(=O)-、-S(=O)2-NR1-、-NR-S(=O)2-、-S(=O)(=NR)-NR1-、-NR-S(=O)(=NR)-、-C(=NR)-、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、および-C(=O)-から選択され、
RおよびR1はそれぞれ独立して、Hならびに直鎖状または分岐鎖状C1~4-アルキル、シクロプロピル、ベンジル、アリールおよびヘテロアリールから選択される置換基から選択される残基であり、前記置換基は、特に-F、-OH、-OR、および-NR2のリストから選択されるさらなる置換基により、さらに置換されていてもよく、
nは、1、2および3から選択される整数であり、
yは1~nの範囲からの値をとる整数であり、
ZBDは、-C(=O)-NH-OH、-C(=S)-NH-OH、-C(=N-OH)-NHOH、-C(=O)NH-R6、-C(=N-OH)-C(=O)NH-R6、-C(=O)CF3、-C(=O)CH2SH、C(=S)CH2SH、-SH、-C(=NH)-NH-OH、および-C(=N-OH)-NH2の群から選択される亜鉛結合ドメインであり、R6は、H、直鎖状または分岐鎖状C1~4-アルキル、-シクロプロピル、およびベンジルから選択される残基であり、
かつ
R2は、Hならびに直鎖状もしくは分岐鎖状C1~4-アルキル、シクロプロピル、ベンジル、アリールおよびヘテロアリールから選択される置換基から選択される残基であり、前記置換基は、特に-F、-OH、-OR、および-NR2のリストから選択されるさらなる置換基により、さらに置換されていてもよく、かつ各Ry*、各Ry*’、R3、R3’、R4、R4’、R5、およびR5’は、残基H、CH3、F、CFH2、CF2HおよびCF3から独立して選択され、但し、前記残基のうちの合計で3つ以下は-Hとは異なり、
または
R1、Ry*、Ry*’およびR2残基から選択される2つの残基は、それらが結合した原子と共に、3~6員環を形成し、前記3~6員環は、特に-F、-OH、-OR、および-NR2のリストから選択されるさらなる置換基により、さらに置換されていてもよく、かつ残りの残基R1、各Ry*、各Ry*’、R3、R3’、R4、R4’、R5、およびR5’は、残基H、CH3、F、CFH2、CF2HおよびCF3から独立して選択され、但し、前記残基のうちの合計で3つ以下は-Hとは異なり、
または
R2、R3、R3’、R4、R4’、R5、およびR5’’残基から選択される2つの残基は、それらが結合した原子と共に、3~6員環を形成し、かつ残りの残基R1、各Ry*、各Ry*’、R3、R3’、R4、R4’、R5、およびR5’は、残基H、CH3、F、CFH2、CF2HおよびCF3から独立して選択され、但し、前記残基のうちの合計で3つ以下は-Hとは異なる、
HDAC10阻害剤に関する。
【0019】
特定の実施形態において、ZBDは、-C(=O)-NH-OH、-C(=N-OH)-C(=O)NH-R6、-C(=O)CF3、-C(=O)CH2SH、-SH、-C(=NH)-NH-OH、および-C(=N-OH)-NH2から選択され、R6は、H、直鎖状または分岐鎖状C1~4-アルキル、-シクロプロピル、およびベンジルから選択される残基である。
【0020】
代替的な第1の態様において、本発明は、式(Ia)
CAP-(CRy*Ry*’)n-NR2-CR3R3’-CR4R4’-CR5R5’-ZBD (Ia)
のHDAC10阻害剤であって、式(Ia)中、
CAPは、アリール-X-およびヘテロアリール-X-の群から選択されるキャッピング基であり、Xは-CH2-NR1-であり、
かつ他の残基は第1の態様において定義される通りである、
HDAC10阻害剤に関する。
【0021】
第2の代替的な態様において、本発明は、式(Ib)
CAP-(CRy*Ry*’)n-NR2-CR3R3’-CR4R4’-NR5-ZBD (Ib)
のHDAC10阻害剤であって、式(Ib)中、
CAPは、アリール-X-およびヘテロアリール-X-の群から選択されるキャッピング基であり、Xは存在せず、または-C(=O)-NR1-、-NR-C(=O)-、-S(=O)2-NR1-、-NR-S(=O)2-、-S(=O)(=NR)-NR1-、-NR-S(=O)(=NR)-、-C(=NR)-、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-C(=O)-、および-CH2-NR1-から選択され、
RおよびR1はそれぞれ独立して、Hならびに直鎖状または分岐鎖状C1~4-アルキル、シクロプロピル、ベンジル、アリールおよびヘテロアリールから選択される置換基から選択される残基であり、前記置換基は、特に-F、-OH、-OR、および-NR2のリストから選択されるさらなる置換基により、さらに置換されていてもよく、
nは、1、2および3から選択される整数であり、
yは1~nの範囲からの値をとる整数であり、
ZBDは、-C(=O)-NH-OH、-C(=S)-NH-OH、-C(=N-OH)-NHOH、-C(=O)NH-R6、-C(=N-OH)-C(=O)NH-R6、-C(=O)CF3、-C(=O)CH2SH、C(=S)CH2SH、-C(=NH)-NH-OH、および-C(=N-OH)-NH2の群から選択される亜鉛結合ドメインであり、R6は、H、直鎖状または分岐鎖状C1~4-アルキル、-シクロプロピル、およびベンジルから選択される残基であり、
かつ
R2およびR5はそれぞれ、Hならびに直鎖状もしくは分岐鎖状C1~4-アルキル、シクロプロピル、ベンジル、アリールおよびヘテロアリールから選択される置換基から独立して選択される残基であり、前記置換基は、特に-F、-OH、-OR、および-NR2のリストから選択されるさらなる置換基により、さらに置換されていてもよく、かつ各Ry*、各Ry*’、R3、R3’、R4、およびR4’は、残基H、CH3、F、CFH2、CF2HおよびCF3から独立して選択され、但し、前記残基のうちの合計で3つ以下は-Hとは異なり、
または
R1、Ry*、Ry*’およびR2残基から選択される2つの残基は、それらが結合した原子と共に、3~6員環を形成し、前記3~6員環は、特に-F、-OH、-OR、および-NR2のリストから選択されるさらなる置換基により、さらに置換されていてもよく、かつ残りの残基R1、各Ry*、各Ry*’、R3、R3’、R4、およびR4’は、残基H、CH3、F、CFH2、CF2HおよびCF3から独立して選択され、但し、前記残基のうちの合計で3つ以下は-Hとは異なり、
または
R2、R3、R3’、R4、R4’、およびR5残基から選択される2つの残基は、それらが結合した原子と共に、3~6員環を形成し、かつ残りの残基R1、各Ry*、各Ry*’ R3、R3’、R4、R4’、およびR5は、残基H、CH3、F、CFH2、CF2HおよびCF3から独立して選択され、但し、前記残基のうちの合計で3つ以下は-Hとは異なる、
HDAC10阻害剤に関する。
【0022】
式(I)、(Ia)および/または(Ib)による構造がHDAC10に対して選択性を呈するという事実は予想できなかったものである。先行技術において、HDAC1阻害アッセイ、細胞増殖阻害アッセイ、およびインビボ抗がんアッセイにおいて試験された一般構造Aの化合物を含めて、一連のHDAC阻害剤の設計および合成が記載されている
43。追加のHDACは試験されなかったらしく、HDAC選択性および/または特異性に関するデータは入手可能ではない。
【化1】
【0023】
本発明は、本化合物上で起こる原子の全ての同位体を含むことが意図される。同位体は、同じ原子数を有するが異なる質量数を有する原子である。一般的な例として、非限定的に、水素の同位体としては重水素およびトリチウム、特に重水素が挙げられる。炭素の同位体としては12Cおよび14Cが挙げられる。
【0024】
本発明の文脈において、「アリール」という用語は、任意の安定な単環または多環系の部分である環または環系であって、そのような環または環系が3~約20個の炭素原子を有するがヘテロ原子を有さず、かつ環または環系が「(4n+2)π電子則」により定義されるような芳香族部分からなるものを意味することが意図される。明確性のために、置換基が、その多環系に含まれる1つの環または環系が本明細書において定義されるような芳香族部分からなる多環系である場合、そのような置換基は、置換が前記芳香族部分を介して起こる場合に、「アリール」と称される。これは、フェニルおよび縮合ベンゼン環系、例えば、ナフタレン、アントラセン、もしくはフェナントレン環系、または、例えば、ベンゼン環が1つもしくは複数のシクロアルキル部分に縮合して、例えば、インダニル、フルオレニルもしくはテトラヒドロナフチル(テトラリン)を形成したもの、もしくは、例えばインドレニルにおけるように、1つもしくは複数のヘテロシクロアルキル(heterocycloalklyl)環に縮合したものを含むがこれらに限定されず、しかしながら、但し、各そのような場合、そのような縮合系は芳香族部分を介して置換基として連結している。本明細書において使用される場合、「ヘテロアリール」という用語は、任意の安定な単環または多環系の部分である環または環系であって、そのような環または環系が3~約20個の原子を有し、該環または環系が「(4n+2)π電子則」により定義されるような芳香族部分からなり、かつ炭素原子ならびに1つまたは複数の窒素、硫黄、および/または酸素ヘテロ原子を含有するものを指す。明確性のために、置換基が、その多環系に含まれる1つの環または環系が本明細書において定義されるようなヘテロ原子を含有する芳香族部分からなる多環系である場合、そのような置換基は、置換がヘテロ原子を含有する芳香族部分を介して起こる場合に、「ヘテロアリール」と称される。ある特定の実施形態において、ヘテロアリール中のN、SおよびO原子の総数は1~約4である。ある特定の実施形態において、芳香族ヘテロアリール中のSおよびO原子の総数は1以下である。ある特定の実施形態において、複素環中の窒素は四級化またはN-オキシドに酸化されていてもよい。ヘテロアリールの例としては、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、インドリル、ベンズイミダゾリル、フラニル、ベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、キノリニル、キナゾリニルが挙げられるがこれらに限定されない。例えば、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルに縮合した上記のヘテロアリールを含有する、縮合ヘテロアリールもまた用語ヘテロアリールに含まれる(但し、各場合に、そのような縮合系は、少なくとも1つのヘテロ原子を含有する芳香族部分を介して置換基として連結している)。
【0025】
本発明の文脈において、「置換された」という用語は、「置換された」を使用する表現において指し示される原子または基上の1つまたは複数の水素が、指し示される基からの選択で置き換えられており、但し、指し示される原子の正常な価数、または置換される基の適切な原子のそれを超えておらず、かつ置換が安定な化合物を結果としてもたらすことを指し示すことが意図される。「置換されたもしくは置換されていない」または「置換されていてもよい」という用語は、所与の化合物、または化合物の部分構造が、非置換であるか、または指し示されるような1つもしくは複数の置換基で、本明細書において定義されるように置換されていることを意味することが意図される。
【0026】
本発明の1つの実施形態において、本発明の化合物は、90%より高い、95%より高い、98%より高い、または99%より高い純度を有する。化合物は、2つまたはそれより多くの多型形態を含めて、1つまたは複数の結晶形態で存在してもよく、乾燥固体として、または規定量の水を含む水和物を含めて、規定量の溶媒を含む溶媒和物として、存在してもよい。
【0027】
別の実施形態において、本発明の化合物は、合成化学スキームの計画的および故意的な製造物であり、すなわち、反応容器中で実行される特有の計画的な化学的プロセスにより製造され、分解、代謝もしくは発酵により、または他の化合物の合成における不純物もしくは副生成物として製造されるものではない。
【0028】
ある特定の実施形態において、本発明の化合物は、例えば、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、例えば少なくとも97%、少なくとも98%またはさらには少なくとも99%の純度を有するように、精製または単離されている。純度は、本明細書において使用される場合、絶対純度または相対純度のいずれかを指すことができる。絶対純度は、1つまたは複数の精製工程の前または後に、合成化学スキームの生成物として得られる本発明の化合物の量を指す。相対純度は、1つまたは複数の不純物、例えば副生成物、分解生成物(例えば、代謝物、酸化もしくは加水分解の生成物など)および/または分解して本発明の化合物を形成する化合物(例えば、前駆体もしくはプロドラッグ)、例えば、合成化学スキームの生成物中に存在し得る化合物に対して相対的な本発明の化合物の量を指す。そのため、絶対純度は、全ての他のものに対して相対的な化合物の量を指すが、相対純度は、無関連化合物、例えば賦形剤、安定化剤、または共同投与用の他の医薬の追加により一般に影響されない。純度は、他のものに対して相対的な1つの化合物の重量、体積またはモル比に基づいて評価することができる。純度は、元素存在量、UV可視分光法、HPLC、GC-MS、NMR、質量分析、および薄層クロマトグラフィーを含めて、様々な分析技術により、好ましくはHPLC、GC-MS、またはNMRにより測定することができる。
【0029】
特定の実施形態において、CAPは、アリール-C(=O)-NH-、ヘテロアリール-C(=O)-NH-、およびアリール-NH-C(=O)-、およびヘテロアリール-NH-C(=O)-の群から選択されるキャッピング基である。
【0030】
特定のそのような実施形態において、CAPは、フェニル-NH-C(=O)-、フェニル-C(=O)-NH-、1-ナフチル-C(=O)-NH-、および7-インダゾリル-C(=O)-NH-の群から選択されるキャッピング基である。特定の実施形態において、CAPはフェニル-NH-C(=O)-またはフェニル-C(=O)-NH-である。特定の実施形態において、CAPはフェニル-NH-C(=O)-である。他の特定の実施形態において、CAPはフェニル-C(=O)-NH-である。
【0031】
特定の実施形態において、CAP基のR1およびアリールまたはヘテロアリール基は、それらが結合した原子と共に、5または6員環を形成する。特定のそのような実施形態において、CAPはベンズイミダゾール-2-イルである。
【0032】
特定の実施形態において、nは、2および3から選択される整数であり、特にnは2である。
【0033】
特定の実施形態において、R1は、Hならびに直鎖状または分岐鎖状C1~4-アルキル、シクロプロピル、ベンジル、アリールおよびヘテロアリールから選択される置換基から選択される残基であり、前記置換基は、特に-F、-OH、-OR、および-NR2のリストから選択されるさらなる置換基により、さらに置換されていてもよい。
【0034】
特定の実施形態において、R2は、H、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、シクロプロピル、およびベンジルから選択される残基である。特定の実施形態において、R2はメチルである。
【0035】
特定の実施形態において、各Ry*、各Ry*’、R3、R3’、R4、R4’、R5、およびR5’はそれぞれ-Hである。
【0036】
特定の実施形態において、ZBDは-C(=O)-NH-OHである。特定のそのような実施形態において、HDAC10阻害剤は式(I)または(Ia)のものである。
【0037】
特定の他の実施形態において、ZBDは-C(=O)CH2SHである。特定のそのような実施形態において、HDAC10阻害剤は式(Ib)のものである。
【0038】
特定の実施形態において、CAPがフェニル-NH-C(=O)-である場合、nは2であり、各Ry*、各Ry*’、R3、R3’、R4、R4’、R5、およびR5’はそれぞれ-Hであり、かつZBDは-C(=O)-NH-OHであり、R2は-Hとは異なる。特定の他の実施形態において、CAPがフェニル-C(=O)-NH-である場合、nは2であり、各Ry*、各Ry*’、R3、R3’、R4、R4’、R5、およびR5’はそれぞれ-Hであり、かつZBDは-C(=O)-NH-OHであり、R2は-Hとは異なる。
【0039】
特定の実施形態において、HDAC10阻害剤は、DKFZ-711、DKFZ-775、DKFZ-772、DKFZ-728、DKFZ-777、DKFZ-773、DKFZ-748、DKFZ-750、DKFZ-757、DKFZ-771、DKFZ-774、DKFZ-746、DKFZ-747、DKFZ-749、DKFZ-751、DKFZ-752、DKFZ-753、DKFZ-754、DKFZ-755、DKFZ-756、DKFZ-769、DKFZ-776、DKFZ-758、DKFZ-759、DKFZ-767、DKFZ-770、DKFZ-714、DKFZ-715、DKFZ-716、DKFZ-717、DKFZ-718、DKFZ-724、DH22、DH25、DH35、DH40、DH53、DH67、DH71、DH79、DH88、およびDKFZ-825の群から選択される。特定の実施形態において、HDAC10阻害剤は、DKFZ-711、DKFZ-714、DKFZ-715、DKFZ-716、DKFZ-717、DKFZ-718、DKFZ-724、およびDKFZ-728の群から選択される。
【0040】
特定の実施形態において、2つの残基R2およびR5は、それらが結合した原子と共に、6員環を形成し、かつ残りの残基R1、各Ry*、各Ry*’、R3、R3’、R4、R4’、R5、およびR5’は、残基H、CH3、F、CFH2、CF2HおよびCF3から独立して選択され、但し、前記残基のうちの合計で3つ以下は-Hとは異なる。
【0041】
特定のそのような実施形態において、全ての残りの残基R1、各Ry*、各Ry*’、R3、R3’、R4、R4’、R5、およびR5’はHである。
【0042】
第2の態様において、本発明は、本発明のHDAC10阻害剤の薬学的に許容される塩形態に関する。
【0043】
本明細書において使用される場合、「薬学的に許容される塩」は、親化合物がその酸または塩基塩を作ることにより修飾されている開示される化合物の誘導体を指す。薬学的に許容される塩の例としては、アミンなどの塩基性残基の鉱物または有機酸塩;カルボン酸などの酸性残基のアルカリまたは有機塩などが挙げられるがこれらに限定されない。薬学的に許容される塩としては、例えば非毒性の無機または有機酸から形成される、親化合物の従来の非毒性の塩または第四級アンモニウム塩が挙げられる。好適な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 18th ed., Mack Publishing Company, Easton, PA, 1990, p. 1445、またはPH Stahl und CG Wermuth (eds.), Handbook of Pharmaceutical Salts: Eigenschaften, Auswahl und Verwendung, Weinheim / Zurich: Wiley-VCH / VHCA, 2002に見出され、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。例えば、そのような従来の非毒性の塩としては、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、および硝酸などに由来するもの;ならびに有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パルモイック酸(palmoic)、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2-アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸(ethane disulfonic)、シュウ酸、およびイセチオン酸などから調製される塩が挙げられる。
【0044】
本発明の薬学的に許容される塩は、従来の化学的方法により塩基性または酸性部分を含有する親化合物から合成することができる。一般に、そのような塩は、水中もしくは有機溶媒中、または2つの混合物中で化合物の遊離酸または塩基形態を化学量論量の適切な塩基または酸と反応させることにより調製することができ、一般に、エーテル、EtOAc、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルのような非水性媒体が好ましい。
【0045】
本発明において含有される化合物の所望の生物学的活性を保持し、かつ最小の望ましくないまたは毒物学的な効果を呈するまたはそれを呈しない任意の塩をここに含めることが意図される。薬学的に許容される塩としては、薬学的に許容される有機または無機酸および塩基に由来するものが挙げられる。薬学的に許容されない酸および塩基もまた、例えば、関心対象の化合物の合成および/または精製において、本発明において用途を有する。そのため、全ての「塩」もまた本発明の範囲内に包含される。
【0046】
好適な塩の非限定的な例としては、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、重炭酸、炭酸などに由来するもの;ならびに有機酸、例えば、ギ酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、マロン酸、アスコルビン酸、クエン酸、安息香酸、タンニン酸、パルモイック酸、アルギン酸、ポリグルタミン酸、トシル酸、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、α-ケトグルタル酸、β-グリセロリン酸およびポリガラクツロン酸などと共に形成される塩が挙げられる。
【0047】
酸性化合物を塩基と反応させることにより得られる好適な塩としては、アルカリ金属、例えばリチウム、カリウムおよびナトリウム、アルカリ土類金属、例えばカルシウムおよびマグネシウムの他に、薬学分野の当業者に周知の他の酸に由来するものが挙げられる。他の好適な塩としては、金属陽イオン、例えば亜鉛、ビスマス、バリウム、もしくはアルミニウムに由来するもの、またはアミン、例えばアンモニア、N,N-ジベンジルエチレン-ジアミン、D-グルコサミン、テトラエチルアンモニウム、もしくはエチレンジアミンから形成される陽イオンを伴うものが挙げられる。さらに、好適な塩としては、酸および塩基の組み合わせに由来するもの、例えば、タンニン酸亜鉛塩などが挙げられる。
【0048】
「薬学的に許容される」という語句は、妥当な医学的判断の範囲内で、合理的なベネフィット/リスク比に見合う過度の毒性、刺激、アレルギー性応答、または他の問題もしくは合併症なしで人間および動物の組織との接触における使用のために好適な化合物、材料、組成物、および/または投薬形態を指すために本明細書において用いられる。
【0049】
特定の実施形態において、本発明のHDAC10は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸;酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パルモイック酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2-アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、およびイセチオン酸の群から選択される酸、特に塩酸と反応させられる。
【0050】
第3の態様において、本発明は、本発明のHDAC10阻害剤、または本発明のHDAC10阻害剤の薬学的に許容される塩形態を含む、医薬組成物に関する。
【0051】
本発明の化合物は、製剤化し、個体の身体中の剤の作用部位、例えば細胞との活性成分の接触を生じさせる任意の手段により必要とする治療される個体に投与することができる。それは、個々の治療活性成分としてまたは治療活性成分の組み合わせで、医薬品と組み合わせて使用するために利用可能な任意の従来の手段により投与することができる。それは、単独で投与することができるが、一般に、投与の選択された経路および標準的な薬学プラクティスに基づいて選択される薬学的に許容される希釈剤、賦形剤または担体と共に投与される。
【0052】
別の医薬組成物、例えば抗がん剤と組み合わせて使用され、その結果、そのような組み合わせが治療的に有効である、または予防的処置のために有用であり得る場合などに、治療有効量未満の上記の化合物、またはそのプロドラッグを含む医薬組成物もまた使用され得る。
【0053】
本発明による使用のための医薬組成物は、1つまたは複数の薬学的に許容される希釈剤、賦形剤または担体を使用して従来の方式で製剤化されてもよい。本発明の医薬組成物は、全身性および外用または局所化された投与を含めて、様々な投与の経路のために製剤化することができる。技術および製剤は、一般にRemington’s Pharmaceutical Sciences, Meade Publishing Co., Easton, PAに見出され得る。以下に詳細に記載されるように、本発明の医薬組成物は、固体または液体形態における投与のために特別に製剤化されてもよく、これには、以下のために適合されたものが含まれる:(1)経口投与、例えば、水薬(水性もしくは非水性溶液もしくは懸濁液)、錠剤、カプセル、ボーラス、粉末、顆粒、舌への適用のためのペースト;(2)非経口投与、例えば、例えば無菌溶液もしくは懸濁液としての、皮下、筋肉内もしくは静脈注射によるもの;(3)外用塗布、例えば皮膚に塗布されるクリーム、軟膏もしくはスプレーとしてのもの;または(4)膣内もしくは直腸内、例えば、ペッサリー、クリームもしくは泡としてのもの。ある特定の実施形態において、薬学的調製物は非発熱性であってもよく、すなわち、患者の体温を実質的に上昇させない。
【0054】
湿潤剤、乳化剤および滑沢剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムの他に、着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤および芳香剤、防腐剤ならびに抗酸化剤もまた組成物中に存在することができる。
【0055】
薬学的に許容される抗酸化剤の例としては、(1)水溶性抗酸化剤、例えばアスコルビン酸、塩酸システイン、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、および亜硫酸ナトリウムなど;(2)油溶性抗酸化剤、例えばパルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、およびアルファ-トコフェロールなど;ならびに(3)金属キレート剤、例えばクエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、およびリン酸などが挙げられる。
【0056】
本発明の製剤は、経口、経鼻、外用(頬側および舌下を含む)、直腸、膣ならびに/または非経口投与のために好適なものを含む。製剤は、好都合には、単位投薬形態において提供されてもよく、薬学分野において周知の任意の方法により調製されてもよい。単一の投薬形態を製造するために担体材料と合わせることができる活性成分の量は、治療される宿主の他に、特定の投与モードに依存して変動する。単一の投薬形態を製造するために担体材料と合わせることができる活性成分の量は、一般に、治療効果を生じさせる阻害剤の量である。一般に、100パーセントのうち、この量は約1パーセント~約99パーセント、好ましくは約5パーセント~約70パーセント、最も好ましくは約10パーセント~約30パーセントの活性成分の範囲内である。
【0057】
これらの製剤または組成物を調製する方法は、本発明の化合物を担体、および任意選択的に1つまたは複数の補助成分と合わせる工程を含む。一般に、製剤は、本発明の化合物を液体担体、もしくは微細に分割された固体担体、または両方と均一かつ密接に合わせ、次に必要な場合、製造物を成形することにより調製される。
【0058】
全身投与のために、注射が好ましく、これには、筋肉内、静脈内、腹腔内、および皮下(それぞれi.m.、i.v.、i.p.、およびs.c.)が含まれる。「全身投与」、「全身的に投与される」、「末梢投与」、および「末梢的に投与される」という語句は、本明細書において使用される場合、中枢神経系への直接的な投与以外の化合物、薬物または他の材料の投与であって、患者の系に入り、代謝および他の同様のプロセスに供されるようなもの、例えば、皮下投与を意味する。
【0059】
注射のために、本発明の医薬組成物は、液体溶液中、好ましくは生理学的に適合性の緩衝液、例えばハンク溶液またはリンゲル溶液中に製剤化することができる。追加的に、医薬組成物は、固体形態において製剤化され、使用の直前に再溶解または懸濁されてもよい。凍結乾燥形態もまた含まれる。
【0060】
本発明の医薬組成物は、経口投与のために好適となるように製剤化されてもよく、カプセル、カシェ剤、サシェ剤、丸剤、錠剤、ロゼンジ(着香基剤、通常スクロースおよびアカシアもしくはトラガカントを使用する)、粉末、顆粒、または水性もしくは非水性液中の溶液もしくは懸濁液、または水中油もしくは油中水の液体エマルション、またはエリキシルもしくはシロップ、またはパステル剤(不活性基剤、例えばゼラチンおよびグリセリン、もしくはスクロースおよびアカシアを使用する)ならびに/またはマウスウォッシュなどの形態であってもよく、これらのそれぞれは予め決定された量の本発明の化合物を活性成分として含有する。本発明の化合物はまた、ボーラス、舐剤またはペーストとして投与されてもよい。
【0061】
経口(p.o.)投与用の固体投薬形態(カプセル、錠剤、丸剤、糖衣錠、粉末、および顆粒など)での本発明の医薬組成物の製剤化において、活性成分としての本発明の化合物は、1つまたは複数の薬学的に許容される担体、例えばクエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウム、ならびに/または以下:(1)充填剤もしくは増量剤、例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、および/もしくはケイ酸;(2)結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/もしくはアカシアなど;(3)湿潤剤、例えばグリセロール;(4)崩壊剤、例えばアガー-アガー、炭酸カルシウム、ジャガイモもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウム;(5)溶解遅延剤、例えばパラフィン;(6)吸収促進剤、例えば第四級アンモニウム化合物;(7)湿潤剤、例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなど;(8)吸収剤、例えばカオリンおよびベントナイトクレイ;(9)滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびこれらの混合物;および(10)着色剤のいずれかと混合される。カプセル、錠剤および丸剤の場合、医薬組成物はまた緩衝化剤を含んでもよい。類似した種類の固体組成物もまた、ラクトースまたは乳糖、および高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用して軟質および硬質充填ゼラチンカプセル中の充填剤として用いることができる。
【0062】
ゼラチンカプセルは、活性成分としての本発明の化合物ならびに粉末化された担体、例えばラクトース、デンプン、セルロース誘導体、ステアリン酸マグネシウム、およびステアリン酸などを含有する。圧縮錠剤を作るために類似した担体を使用することができる。錠剤およびカプセルの両方は、hの期間にかけて医薬品の連続的な放出を提供するために持続放出製造物として製造することができる。圧縮錠剤は、任意の不快な味をマスクするためおよび雰囲気から錠剤を保護するために糖コーティングもしくはフィルムコーティングすることができ、または胃腸管における選択的な崩壊のために腸溶性コーティングすることができる。類似した種類の固体組成物もまた、軟質および硬質充填ゼラチンカプセル中の充填剤として用いられ、この関連での好ましい材料としてはまた、ラクトースまたは乳糖の他に、高分子量ポリエチレングリコールが挙げられる。好ましい製剤は、軟質ゼラチンカプセル中の、油、例えばオリーブ油、Miglyol、またはCapmul中の溶液または懸濁液である。長期的な分解を予防するために抗酸化剤を適宜加えてもよい。
【0063】
錠剤は、任意選択的に1つまたは複数の補助成分を用いて、圧縮または成形により作られてもよい。圧縮錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチンもしくはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、防腐剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウムもしくは架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、表面活性剤または分散剤を使用して調製されてもよい。成形された錠剤は、不活性の液体希釈剤を用いて湿潤化された粉末化阻害剤の混合物を好適な機械中で成形することにより作られてもよい。
【0064】
本発明の医薬組成物の錠剤および他の固体投薬形態、例えば糖衣錠、カプセル、丸剤および顆粒は任意選択的に、コーティングおよびシェル、例えば医薬品製剤化分野において周知の腸溶性コーティングおよび他のコーティングを用いて、スコア化(scored)または調製されてもよい。それらはまた、例えば、所望の放出プロファイルを提供するための種々の割合のヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、リポソームおよび/またはマイクロスフェアを使用して、その中の活性成分の遅延または制御放出を提供するような製剤であってもよい。それらは、例えば、細菌保持フィルターを通じた濾過により、または使用の直前に無菌水、もしくは何らかの他の無菌注射媒体に溶解させることができる無菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことにより、滅菌されてもよい。これらの組成物はまた、任意選択的に乳白剤を含有してもよく、任意選択的には遅延された方式で、胃腸管のある特定の部分においてのみ、またはそこにおいて優先的に、活性成分を放出する組成物であってもよい。使用することができる包埋組成物の例としては、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。活性成分はまた、適切な場合、上記の賦形剤の1つまたは複数とのマイクロカプセル化形態であることができる。
【0065】
本発明の医薬組成物の経口投与用の液体投薬形態としては、薬学的に許容されるエマルション、マイクロエマルション、溶液、懸濁液、シロップ、およびエリキシルが挙げられる。活性成分に加えて、液体投薬形態は、当該技術分野において一般的に使用される不活性希釈剤、例えば、水または他の溶媒など、可溶化剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油(特に、綿実、落花生、トウモロコシ、胚芽、オリーブ、ヒマシおよびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにこれらの混合物を含有してもよい。
【0066】
不活性希釈剤の他に、経口投与用の医薬組成物はまた、佐剤、例えば湿潤剤、乳化および懸濁化剤、甘味剤、香味剤、着色剤、芳香剤、ならびに防腐剤を含むことができる。
【0067】
懸濁液は、本発明の医薬組成物に加えて、懸濁化剤、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、アガー-アガー、およびトラガカント、ならびにこれらの混合物を含有してもよい。
【0068】
頬側投与のために、医薬組成物は、従来の方式で製剤化された錠剤またはロゼンジの形態をとってもよい。
【0069】
吸入による投与のために、本発明の医薬組成物は、好都合には、好適な噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の好適な気体の使用と共に、加圧パックまたはネブライザーからのエアロゾルスプレー投与の形態で送達される。加圧エアロゾルの場合、投薬単位は、定量を送達するためのバルブを提供することにより決定されてもよい。吸入器または空気吸入器における使用のための例えばゼラチンのカプセルおよびカートリッジは、治療剤および好適な粉末基剤、例えばラクトースまたはデンプンの粉末ミックスを含有するように製剤化されてもよい。
【0070】
医薬組成物は、注射、例えば、ボーラス注射または連続注入による非経口投与のために製剤化されてもよい。注射用の製剤は、例えば、防腐剤の添加と共に、アンプル中または複数用量容器中の、単位投薬形態において提供されてもよい。医薬組成物は、油性または水性媒体中の懸濁液、溶液またはエマルションなどの形態をとってもよく、懸濁、安定化および/または分散剤などの製剤化用の剤を含有してもよい。代替的に、活性成分は、使用前に好適なビヒクル、例えば、無菌発熱物質非含有水を用いて構成するための粉末形態であってもよい。
【0071】
「非経口投与」および「非経口的に投与される」という語句は、本明細書において使用される場合、通常は注射による、経腸および外用投与以外の投与モードを意味し、非限定的に、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、脊髄内および胸骨内注射および注入が挙げられる。
【0072】
非経口投与のために好適な本発明の医薬組成物は、1つまたは複数の薬学的に許容される無菌の等張の水性または非水性溶液、分散体、懸濁液もしくはエマルション、または使用の直前に無菌の注射溶液もしくは分散体に再構成され得る無菌粉末と組み合わせて本発明の1つまたは複数の阻害剤を含み、これらは、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、製剤を意図されるレシピエントの血液と等張にする溶質または懸濁もしくは増粘剤を含有してもよい。
【0073】
本発明の医薬組成物において用いることができる好適な水性および非水性担体の例としては、水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、およびポリエチレングリコールなど)、および好適なこれらの混合物、植物油、例えばオリーブ油、ならびに注射用有機エステル、例えばオレイン酸エチルが挙げられる。適切な流動性は、例えば、コーティング材料、例えばレシチンの使用により、分散体の場合には要求される粒子サイズの維持により、および界面活性剤の使用により維持することができる。
【0074】
これらの医薬組成物はまた、佐剤、例えば防腐剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤を含有してもよい。微生物の作用の予防は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、およびソルビン酸などを含めることにより確実にされてもよい。等張剤、例えば糖、および塩化ナトリウムなどを医薬組成物に含めることもまた望ましいことがある。追加的に、注射用薬学形態の持続吸収は、吸収を遅延させる剤、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよび/またはゼラチンを含めることによりもたらされてもよい。
【0075】
以前に記載された製剤に加えて、医薬組成物はまた、デポー調製物として製剤化されてもよい。そのような長期作用性製剤は、埋め込み(例えば皮下もしくは筋肉内)または筋肉内注射により投与されてもよい。そのため、例えば、医薬組成物は、好適なポリマー性もしくは疎水性材料(例えば許容される油中のエマルションとして)もしくはイオン交換樹脂と共に、または難溶性誘導体、例えば、難溶性塩として製剤化されてもよい。
【0076】
全身投与はまた、経粘膜または経皮手段により為され得る。経粘膜または経皮投与のために、透過されるべきバリアに対して適切な浸透剤が製剤において使用される。そのような浸透剤は当該技術分野において一般に公知であり、例えば、経粘膜投与のために胆汁塩およびフシジン酸誘導体が挙げられる。追加的に、透過を促すために界面活性剤が使用されてもよい。経粘膜投与は、経鼻スプレーを通じてまたは坐剤を使用して為されてもよい。外用投与のために、本発明の医薬組成物は、当該技術分野において一般に公知のように軟膏、膏薬、ゲル、またはクリームに製剤化される。局所的に傷害または炎症を治療して治癒を加速させるために洗浄溶液を使用することができる。
【0077】
一部の場合において、阻害剤の治療効果を長期化させるために、皮下または筋肉内注射からの阻害剤の吸収を緩慢化させることが望ましい。これは、不良な水溶性を有する結晶性または非晶性材料の液体懸濁液の使用により達成されてもよい。阻害剤の吸収速度は次にその溶解速度に依存し、次いでこれは結晶サイズおよび結晶形態に依存し得る。代替的に、非経口的に投与された阻害剤形態の遅延された吸収は、油ビヒクル中に阻害剤を溶解または懸濁させることにより達成される。
【0078】
本発明の医薬組成物は、坐剤としての直腸または膣投与のために製剤化されてもよく、これは、例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール、坐剤ワックスまたはサリチル酸塩を含み、かつ室温で固体であるが、体温で液体であり、したがって、直腸または膣腔中で溶けて活性の阻害剤を放出する、1つまたは複数の好適な非刺激性の賦形剤または担体と本発明の化合物を混合することにより調製されてもよい。
【0079】
膣投与のために好適な本発明の医薬組成物の製剤としてはまた、適切であることが当該技術分野において公知であるような担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、泡またはスプレー製剤が挙げられる。
【0080】
本発明の化合物の外用または経皮投与用の投薬形態としては、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチおよび吸入剤が挙げられる。そのような化合物は、薬学的に許容される担体と、および要求され得る任意の防腐剤、緩衝剤、または噴射剤と無菌条件下で混合されてもよい。
【0081】
軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは、本発明の化合物に加えて、賦形剤、例えば動物および植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクならびに酸化亜鉛、またはこれらの混合物を含有してもよい。
【0082】
粉末およびスプレーは、本発明の化合物に加えて、賦形剤、例えばラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物を含有することができる。スプレーは、慣習的な噴射剤、例えばクロロフルオロハイドロカーボンならびに揮発性非置換炭化水素、例えばブタンおよびプロパンを追加的に含有することができる。
【0083】
経皮パッチは、身体への本発明の化合物の制御送達を提供する追加された利点を有する。そのような投薬形態は、本発明の阻害剤を適切な媒体に溶解または分散させることにより作ることができる。皮膚を越える薬物のフラックスを増加させるために吸収増強剤もまた使用することができる。そのようなフラックスの速度は、速度制御膜を提供することまたはポリマーマトリックスもしくはゲル中に本発明の化合物を分散させることのいずれかにより制御することができる。
【0084】
眼科用製剤、眼軟膏、粉末、および溶液などもまた、本発明の範囲内にあるものとして想定される。
【0085】
医薬組成物は、所望の場合、活性成分を含有する1つまたは複数の単位投薬形態を含有してもよいパックまたはディスペンサーデバイス中で提供されてもよい。パックは、例えば、金属またはプラスチックホイル、例えばブリスターパックを含んでもよい。パックまたはディスペンサーデバイスには、投与のための使用説明書が付随してもよい。他の実施形態において、パックまたはディスペンサーは、外箱中にさらに包装されてもよい。
【0086】
本発明の医薬組成物はまた、持続および/または時限放出製剤として製剤化することができる。そのような持続および/または時限放出製剤は、当業者に周知の持続放出手段または送達デバイス、例えば米国特許第3,845,770号明細書、同第3,916,899号明細書、同第3,536,809号明細書、同第3,598,123号明細書、同第4,008,719号明細書、同第4,710,384号明細書、同第5,674,533号明細書、同第5,059,595号明細書、同第5,591,767号明細書、同第5,120,548号明細書、同第5,073,543号明細書、同第5,639,476号明細書、同第5,354,556号明細書、および同第5,733,566号明細書(これらの開示はそれぞれ参照により本明細書に組み込まれる)に記載のものにより作られてもよい。本発明の医薬組成物は、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、ゲル、透過性膜、浸透圧系、多層コーティング、マイクロ粒子、リポソーム、もしくはマイクロスフェアなど、または所望の放出プロファイルを提供するための種々の割合のこれらの組み合わせを使用して、活性成分の1つまたは複数の遅延または持続放出を提供するために使用することができる。本明細書に記載のものを含めて、当業者に公知の好適な持続放出製剤は、本発明の医薬組成物との使用のために容易に選択することができる。そのため、経口投与のために好適な単一の単位投薬形態、限定されないが例えば、持続放出のために適合された錠剤、カプセル、ジェルキャップ、カプレット、および粉末などは本発明により包含される。
【0087】
注射用デポー形態は、生分解性ポリマー、例えばポリラクチド-ポリグリコリド中の主題阻害剤のマイクロカプセル化マトリックスを形成することにより作られる。薬物対ポリマーの比、および用いられる特定のポリマーの性質に依存して、薬物放出の速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。デポー注射製剤はまた、身体組織と適合性のリポソームまたはマイクロエマルションに薬物を封入することにより調製される。
【0088】
第4の態様において、本発明は、疾患、例えばがん、自己免疫障害または神経変性、特にがんの治療における使用のための、または臓器移植における使用のための、本発明のHDAC10阻害剤、本発明のHDAC10阻害剤の薬学的に許容される塩形態または本発明の医薬組成物に関する。
【0089】
特定の実施形態において、オートファジーは前記がんの細胞において上方調節される。
【0090】
第5の態様において、本発明は、疾患、例えばがん、自己免疫障害または神経変性、特にがんを治療する方法であって、本発明のHDAC10阻害剤、本発明のHDAC10阻害剤の薬学的に許容される塩形態、または本発明の医薬組成物を前記疾患、特にがんを患う患者に投与する工程を含む、方法に関する。
【0091】
特定の実施形態において、オートファジーは前記がんの細胞において上方調節される。
【0092】
第6の態様において、本発明は、ドナー臓器拒絶を予防する方法であって、本発明のHDAC10阻害剤、本発明のHDAC10阻害剤の薬学的に許容される塩形態、または本発明の医薬組成物を臓器移植後の患者に投与する工程を含む、方法に関する。
【0093】
本発明の化合物が医薬品として個体、例えばヒトおよび動物に投与される場合、それらはそれら自体で、または薬学的に許容される担体と組み合わせて例えば0.1~99.5%(ある特定の実施形態において、0.5~90%)の活性成分を含有する医薬組成物として与えることができる。
【0094】
本発明は、がん、自己免疫障害もしくは神経変性、特にがんを含めて、増殖性、変性性および他の障害もしくは疾患を治療する新たな方法、または臓器移植においてそのような新規の阻害剤を使用する方法であって、ある量、例えば治療有効量の本明細書に開示される化合物またはそのプロドラッグ、互変異性体、薬学的に許容される塩、N-オキシドもしくは立体異性体形態を投与することによる、方法を提供する。本発明はさらに、がん、自己免疫障害もしくは神経変性、特にがんを含めて、増殖性、変性性もしくは他の障害もしくは疾患を治療する方法、または臓器移植においてそのような新規の阻害剤を使用する方法であって、少なくとも本明細書に開示される化合物および別の抗がんまたは抗増殖剤の治療的に有効な組み合わせを投与することによる、方法を提供する。
【0095】
本発明の化合物は、個体への投与で、直接的もしくは間接的に親化合物、例えば本明細書において定義されるような化合物を提供することができる、またはそれ自体が活性を呈する、塩またはプロドラッグとして投与されてもよい。非限定的な例としては、「生理学的に許容される塩」と代替的に称される、薬学的に許容される塩が挙げられる。追加的に、化合物に為された改変は、その生物学的活性に影響することができ、一部の場合において、親化合物を上回るように活性を増加させる。この活性は、化合物の塩またはプロドラッグ形態を調製し、本明細書に記載の方法または当業者に公知の他の方法を使用することによりその活性を試験することにより評価することができる。
【0096】
当業者に明らかなように、所与の主題化合物のプロドラッグの使用を通じて、そのようなプロドラッグを投与されたまたはそれを用いて治療された個体、例えば動物は、主題化合物に曝露され、それゆえ主題化合物を間接的に投与される。そのような手順は、疾患、例えば、がん、自己免疫障害もしくは神経変性、特にがんを含めて、増殖性疾患もしくは障害と関連付けられる細胞、またはドナー臓器拒絶と関連付けられる細胞を主題化合物に曝露してもよい。
【0097】
本発明の化合物を調製するために使用される全ての方法およびそれにおいて作られる中間体は、本発明の部分であると考えられる。
【0098】
例えばがんまたは腫瘍の、症状の寛解を結果としてもたらすために十分な、またはそのことが医療専門家、例えば医師、薬剤師もしくは看護師により合理的に予想される化合物の治療有効量である投与される投薬量は当然、既知の要因、例えば特定の活性成分の薬力学的特徴およびその投与モードおよび経路;レシピエントの年齢、性別、健康および体重;症状の性質および程度;同時的な治療の種類、治療の頻度ならびに所望の効果に依存して変動する。
【0099】
主題化合物はまた、予防的処置において投与されてもよい。望ましくない状態(例えば、宿主動物の疾患または他の望ましくない状態)の臨床的な出現の前に化合物が投与される場合、処置は予防的である(すなわち、それは望ましくない状態の開始、発症またはさらなる発症から個体を保護する)。主題化合物はまた、状態、障害もしくは疾患、例えばがん、自己免疫障害もしくは神経変性、特にがん、または臓器移植後の臓器拒絶、または合併症候群、例えば心不全もしくは任意の他の医学的状態を予防するために投与されてもよい。これは、化合物を与えられない個体と比べて個体において医学的状態の症状の頻度を低減させ、またはその開始を遅延させることを意図した化合物の投与を含む。そのため、がんの予防は、例えば統計的および/または臨床的に有意な量で、例えば、非処置の対照集団と比べて予防的処置を与えられた患者の集団において検出可能ながん性成長物、腫瘍、もしくは悪性腫瘍の数を低減させること、非処置の対照集団と比べて処置された集団において検出可能ながん性成長物の出現を遅延させること、ならびに/または疾患進行を遅延させかつ/もしくは患者の生活の質を向上させることを含む。
【0100】
本発明の医薬組成物の毒性および治療有効性は、例えば、LD50(集団の50%にとって致死的な用量)およびED50(集団の50%において治療的に有効な用量)を決定するための、細胞培養物または実験動物における標準的な薬学的手順により決定することができる。毒性効果および治療効果の間の用量比は治療指数であり、それは比LD50/ED50として表すことができる。大きい治療指数を呈する治療剤は多くの状況のために有用である。ある特定の状況において、衰弱性または毒性の副作用を呈するらしい治療用組成物であっても使用されることがあり、これには、非罹患細胞に対する潜在的な損傷を最小化するために罹患組織の部位にそのような治療剤を標的化し、それにより副作用を低減または局在化させる送達システムを設計するための注意が払われている状況が含まれ
【0101】
細胞培養アッセイおよび動物研究から得られるデータは、ヒトにおける使用のための投薬量の範囲の定式化において使用することができる。好ましくは、投薬量は、ほとんどまたは全く毒性を伴わないED50を含む循環濃度の範囲内にある。投薬量は、用いられる投薬形態および利用される投与の経路に依存してこの範囲内で変動してもよい。本発明の方法において使用される任意の剤について、治療的に有効な用量は、最初に細胞培養アッセイから推定することができる。用量は、細胞培養物において決定されたようなIC50(すなわち、症状または生化学的活性の阻害の半数最大阻害を達成する試験治療剤の濃度)を含む循環血漿濃度範囲を達成するように動物モデルにおいて定式化されてもよい。そのような情報は、ヒトにおいて有用な用量をより正確に決定するために使用することができる。血漿中のレベルは、例えば、高速液体クロマトグラフィーにより測定されてもよい。
【0102】
治療剤の適切な用量は、当業者、例えば、医師に公知の多数の要因に依存することが理解される。主題化合物の用量は、例えば、治療または処理されている対象または試料の素性、サイズ、および状態に依存して、さらに、適用可能な場合、組成物が投与される経路、および疾患の原因、症状または効果が媒介される標的の治療標的、例えば細胞、核酸またはポリペプチドに対して実施者が治療剤に希望する効果に依存して、変動する。
【0103】
例示的な用量としては、対象または試料の重量1キログラム当たりミリグラムまたはマイクログラム量の本発明の化合物、例えば、約1マイクログラム/キログラム~約500ミリグラム/キログラム、約100マイクログラム/キログラム~約50ミリグラム/キログラム、または約1ミリグラム/キログラム~約5ミリグラム/キログラムが挙げられる。
【0104】
用量は身体表面を基準にして算出することもできることを当業者は理解する。70kgの人はおおよそ1.8平方メートルの身体表面積を有し、用量は、対象または試料の身体表面積当たりミリグラムまたはマイクログラム量の化合物、例えば、約50マイクログラム/平方メートル~約15グラム/平方メートル、約5ミリグラム/平方メートル~約1.5グラム/平方メートル、または約50ミリグラム/平方メートル~約150ミリグラム/平方メートルとして表すことができる。
【0105】
本発明はさらに、療法のための上記のような化合物を提供する。他の態様において、本発明は、予防的使用のための本発明の化合物を提供する。
【0106】
ある特定の実施形態において、前記療法または予防的使用は、増殖性障害または疾患、例えば腫瘍またはがんの治療または予防である。ある特定の実施形態において、前記治療は、プロテインキナーゼまたはその突然変異体の活性の阻害、例えばオートファジーの阻害により治療することができるがんの治療である。
【0107】
そのため、本発明は、増殖性障害もしくは疾患、または炎症性障害もしくは疾患の群から選択される疾患状態を有する個体、例えば哺乳動物を治療する方法であって、前記個体に治療有効量の上記のような本発明の化合物、プロドラッグ、または医薬組成物を投与することを含む、方法を追加的に提供する。ある特定の実施形態において、前記個体はヒトである。ある特定の実施形態において、前記増殖性障害または疾患はがんである。ある特定の実施形態において、前記治療は、プロテインキナーゼまたはその突然変異体の活性の阻害、例えばHDAC10の活性の阻害により治療することができるがんの治療である。
【0108】
本発明はまた、個体、例えば、哺乳動物、特にはヒトを含めて、動物の予防的処置の方法であって、その意図が、組成物を与えられない対象と比べて対象において医学的状態、例えばがんの症状の頻度を低減させ、またはその開始を遅延させることである、方法を提供する。
【0109】
さらなる態様において、本発明は、疾患を患う個体、例えば、家畜哺乳動物、ネコ、イヌ、ウマ、ヒツジ、ウシ、齧歯動物、およびヒトを含めて、哺乳動物を治療または予防する方法であって、前記個体に、治療有効量を含めて、ある量の主題化合物を暴露する工程を含む、方法を提供する。ある特定の実施形態において、疾患は増殖性障害または疾患、例えばがんまたは腫瘍である。さらに別の実施形態において、がんに含まれる腫瘍細胞を含めて、前記増殖性障害または疾患と関連付けられる細胞は主題化合物に曝露される。ある特定の実施形態において、前記化合物、またはそのプロドラッグは前記個体に投与される。ある特定の実施形態において、前記治療は、プロテインキナーゼまたはその突然変異体の活性の阻害、例えばHDAC10の活性の阻害により治療することができるがんの治療である。ある特定の実施形態において、疾患は炎症性障害または疾患である。さらに別の実施形態において、前記炎症性障害または疾患と関連付けられる細胞は主題化合物に曝露される。ある特定の実施形態において、前記化合物、またはそのプロドラッグは前記個体に投与される。
【0110】
さらなる態様において、本発明は、細胞を殺傷しまたはその増殖もしくは成長を阻害する方法であって、細胞を本発明の化合物と接触させることを含む、方法を提供する。1つの実施形態において、細胞はインビトロで培養されるが、代替的な実施形態において、細胞は個体中に存在する。特定の実施形態において、細胞はがん細胞、例えば、HDAC10の活性の阻害により治療することができる腫瘍からのがん細胞を含めて、腫瘍細胞系からの細胞または腫瘍に含まれる細胞である。
【0111】
本発明のさらに別の態様は、増殖性障害または疾患、例えばがん、自己免疫障害または神経変性、特にがん、例えばHDAC10の活性の阻害により治療することができるがんの治療または予防用の医薬の調製のための、上記のような化合物、またはそのプロドラッグの使用に関する。追加的に、本発明は、増殖性障害または疾患、例えばがん、自己免疫障害または神経変性、特にがん、例えばプロテインキナーゼまたはその突然変異体の活性の阻害、例えばHDAC10の活性の阻害により治療することができるがんの治療用の、上記のような化合物、またはそのプロドラッグ、および薬学的に許容される希釈剤、賦形剤または担体を含む医薬組成物に関する。
【0112】
別の態様において、本発明は、臓器移植後の患者の治療、ならびに外来臓器を与えられようとしている、または与えられた患者の治療における使用のための、上記のような化合物、またはそのプロドラッグ、および薬学的に許容される希釈剤、賦形剤または担体を含む医薬組成物に関する。
【0113】
主題化合物は、増殖性障害または疾患を含めて、様々な障害または疾患を治療するために有用である。「増殖性障害または疾患」という用語もまた当該技術分野において認識され、個体の細胞のサブセットの異常な、または他に望ましくない、増殖により特徴付けられる方式で個体、例えば動物に影響する障害または疾患を含む。がんおよび腫瘍は増殖性障害または疾患である。腫瘍を構成するまたはそれに由来する細胞は、増殖性細胞、典型的には超増殖性細胞であると一般に理解され、他の状況において、腫瘍細胞は形成異常性であり得るか、または増殖したものであり得る。ある特定の実施形態において、前記治療は、プロテインキナーゼまたはその突然変異体の活性の阻害、例えばHDAC10の活性の阻害により治療することができるがんの治療である。
【0114】
主題化合物を含む方法、医薬組成物およびパッケージ化された医薬品は、他の増殖性障害もしくは疾患の治療のため、または腫瘍細胞を含む増殖性細胞の殺傷もしくは阻害のために有用であることは、本発明の開示を読んだ当業者に明らかである。
【0115】
本発明の化合物は、異常な細胞増殖を特徴とする疾患プロセス、例えば過剰増殖性疾患、例えばがん、良性前立腺過形成、家族性腺腫症ポリポーシス、神経線維腫症、乾癬、真菌感染症、エンドトキシンショック、肥厚性瘢痕形成、炎症性腸疾患、移植片拒絶、アテローム性動脈硬化症と関連付けられる血管平滑筋細胞増殖、乾癬、肺線維症、関節炎、糸球体腎炎、血管形成術または血管手術後の再狭窄、および他の手術後狭窄および再狭窄の治療において有用であり得る。例えば、米国特許第6,114,365号明細書および同第6,107,305号明細書を参照。
【0116】
本明細書に開示される化合物は、増殖性もしくは過剰増殖性障害もしくは疾患、例えばがん、自己免疫疾患、ウイルス性疾患、真菌疾患、神経変性障害および心臓血管疾患の療法、または臓器移植後の臓器拒絶の予防において有用であることが期待される。
【0117】
ある特定の実施形態において、腫瘍は、血液、骨髄、またはリンパ系以外の身体組織のがんである固形腫瘍であってもよい。他の実施形態において、腫瘍は血液腫瘍、例えば白血病およびリンパ腫であってもよい。白血病は、悪性に変化した白血球の増殖により特徴付けられる悪性疾患の総称的な用語である。リンパ組織から生じる疾患はリンパ腫と呼ばれる。
【0118】
固形腫瘍は、肝臓がん、胃(stomach)がん、結腸がん、乳がん、膵臓がん、前立腺がん、皮膚がん、腎臓がん、骨がん、甲状腺がん、皮膚がん、例えば扁平細胞癌、食道がん、腎臓がん、膀胱がん、胆嚢がん、子宮頸がん、卵巣がん、肺がん、気管支、小および非小細胞肺がん、胃(gastric)、ならびに頭頸部がんから選択されてもよい。
【0119】
血液腫瘍は、白血病、例えば急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性リンパ球性白血病、急性白血病、急性前骨髄球性白血病、慢性顆粒球性白血病(CGL)、慢性白血病、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄単球性白血病、通常型急性リンパ芽球性白血病、好酸球性白血病、赤白血病、節外性リンパ腫、濾胞性リンパ腫、有毛細胞白血病、単球性白血病、前リンパ球性白血病であってもよい。
【0120】
血液腫瘍はまた、リンパ腫、例えばB細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、高悪性度リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、低悪性度リンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、T細胞リンパ腫、末梢T細胞リンパ腫、多発性骨髄腫、本態性血小板血症、有毛細胞リンパ腫、髄外骨髄腫、顆粒球性肉腫(Granulocytic Sarcomae)であってもよい。
【0121】
血液腫瘍はまた、急性および慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、ならびに前骨髄球性白血病を含めて、骨髄系列の腫瘍であってもよい。
【0122】
腫瘍はまた、間葉起源の腫瘍、例えば線維肉腫および横紋筋肉腫であってもよい。さらには、腫瘍は、中枢および末梢神経系の腫瘍、例えば星状細胞腫、神経芽腫、神経膠腫、および神経鞘腫であってもよく、また腫瘍は、他の腫瘍、例えば黒色腫、精上皮腫、奇形癌腫、骨肉腫、色素性乾皮症(xenoderoma pigmentosum)、ケラトアカントーマ(keratoctanthoma)、甲状腺濾胞がん、およびカポジ肉腫であってもよい。
【0123】
他の抗がんまたは抗増殖剤を用いる治療に対して抵抗性または難治性の腫瘍もまた、本発明の方法および医薬組成物を用いる治療から利益を受け得る。
【0124】
本明細書に開示される化合物はまた、がんの化学的予防において有用であり得る。化学的予防は、突然変異誘発事象の開始を遮断することまたは前悪性細胞の進行を遮断することもしくは腫瘍再発を阻害することのいずれかにより浸潤性がんの発症を阻害することとして定義される。
【0125】
本明細書に開示される化合物はまた、腫瘍血管新生および転移の阻害において有用であり得る。
【0126】
本発明の化合物はまた、公知の抗がん治療、例えば放射線療法との、または抗がん、抗増殖、細胞分裂抑制もしくは細胞傷害剤との組み合わせ(一緒にまたは逐次的に投与される)において有用であり得る。本発明の化合物と組み合わせて使用されてもよい他の抗がんおよび抗増殖剤としては、本明細書に記載のものが挙げられる。組み合わせ治療において、本発明の化合物は、本明細書に開示される任意の他の抗がんおよび抗増殖剤と共にさらに投与されてもよい。
【0127】
固定用量として製剤化される場合、そのような組み合わせ製造物は、本明細書に記載の投薬量範囲内の本発明の化合物およびその許容される投薬量範囲内の他の薬学的活性剤または治療を用いる。例えば、cdc2阻害剤オロモウシン(olomucine)は、アポトーシスの誘導において公知の細胞傷害剤と相乗的に作用することが見出されている(J. Cell Sci., 108, 2897 (1995))。本明細書に記載の化合物はまた、組み合わせ製剤が不適切な場合に公知の抗がんまたは抗増殖剤と逐次的に投与されてもよい。本発明は投与の順番において限定されず、本明細書に記載の化合物は、公知の抗がんまたは抗増殖剤の投与の前または後のいずれに投与されてもよい。例えば、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤フラボピリドールの細胞傷害活性は、抗がん剤との投与の順番により影響される(Cancer Research, 57, 3375 (1997))。
【0128】
本発明のさらなる態様
別の態様において、本発明は、本発明の化合物を含む薬学的パッケージを提供する。ある特定の実施形態において、パッケージは、前記組成物は、ヒトを含めて、それを必要とする個体の治療のために使用されてもよいことを指し示す使用説明書を含む。ある特定の他の実施形態において、薬学的パッケージは、別の薬学的成分、例えば抗がんまたは抗増殖剤と共に製剤化された本発明の化合物を含む。この場合、本発明の化合物および他の薬学的成分は、個々の投薬量において別々に製剤化されてもよい。
【0129】
本発明の化合物と一緒にまたは別々に製剤化されてもよい他の薬学的成分としては、上記のような他の抗がんおよび抗増殖剤が挙げられるがこれらに限定されない。ある特定のいっそうさらなる実施形態において、薬学的パッケージは、そのような治療を必要とする患者を治療するための使用説明書を含む。さらに別の態様において、本発明は、少なくとも本発明の化合物を含む、増殖性障害または疾患、例えば腫瘍またはがんを患う個体を治療するための薬学的パッケージを提供する。ある特定のいっそうさらなる実施形態において、薬学的パッケージは、障害を治療するための使用説明書を含む。
【0130】
本明細書において使用される場合、「薬学的パッケージ」または「薬学的パック」という用語は、医薬品の個々の用量を貯蔵および分配するための任意のパッケージングシステムを指す。好ましくは、薬学的パッケージは、治療期間にとって適切なまたはレジメンへの患者のコンプライアンスを促す量の十分な1日毎の投薬単位を含有する。ある特定の実施形態において、薬学的パックは、活性成分、例えば、本発明の化合物を含む1つまたは複数の容器を含む。そのような容器は、ボトル、バイアル、シリンジ、もしくはカプセルなどの容器であることができ、または丸剤などの単位投薬形態であってもよい。活性成分は、薬学的に許容される形態で容器中に提供されてもよく、または例えば凍結乾燥粉末として提供されてもよい。さらなる実施形態において、薬学的パックは、投与のために活性成分を調製するための溶媒をさらに含んでもよい。ある特定の実施形態において、活性成分は、送達デバイス、例えばシリンジに既に提供されていてもよく、または好適な送達デバイスがパックに含まれてもよい。薬学的パッケージは、丸剤、液体、ゲル、錠剤、糖衣錠または任意の他の好適な形態の薬学的調製物を含んでもよい。パッケージは、任意の数の1日毎の薬学的投薬単位を含有してもよい。パッケージは任意の形状であってもよく、単位投薬形態は任意のパターン、例えば円形、三角形、台形、六角形または他のパターンで並べられてもよい。用量またはサブユニットの1つまたは複数は、例えば、そのような用量またはサブユニットを同定することにより、例えば色コード、標識、印刷、エンボス加工、切れ目もしくはパターンを用いることにより、医師、薬剤師または患者を補助するために指し示されてもよい。薬学的パッケージはまた、患者、医師、薬剤師または任意の他の関連人物のための使用説明書を含んでもよい。
【0131】
一部の実施形態は、本明細書に開示される化合物を含めて、1つより多くの活性成分の投与を含む。そのような投与は同時にまたは逐次的に行われてもよい。活性成分は、1回の投与が両方の成分を送達するように一緒に製剤化されてもよい。代替的に、活性成分は別々に製剤化されてもよい。薬学的パッケージは、単一の製剤中に本発明の化合物および他の薬学的成分を含む、すなわち、それらは一緒に製剤化されてもよく、または個々の製剤中に本発明の化合物および他の薬学的成分を含む、すなわち、それらは別々に製剤化されてもよい。各製剤は、本発明の化合物および他の薬学的成分を個々の投薬量(おおよそ等しいまたは等しくない量)で含んでもよい。本発明の化合物および他の薬学的成分の投与は、治療有効量の組み合わせを結果としてもたらす濃度を結果としてもたらす。
【0132】
本明細書において使用される場合、「使用説明書」という用語は、キットまたはパッケージ化医薬品の組み立て、調製または使用に関する関連する材料または方法論を記載する製造物ラベルおよび/または文献もしくは他の情報を意味する。これらの資料は、以下:背景情報、従うべき工程または手順、成分のリスト、提案される投薬量、起こり得る副作用に関する警告、薬物を投与するための指示、技術サポート、および任意の他の関連文書の任意の組み合わせを含んでもよい。使用説明書は、印刷された形態、例えばパッケージラベルまたはパッケージ挿入物として供給され得る。パッケージ化医薬品または医薬組成物のための使用説明書は、配達カートンまたは完成品パッケージ中に、例えば、パッケージ挿入物として挿入されてもよく、その文面は適格な規制当局、例えば米国食品医薬品局(FDA)により承認されたものである。代替的または補完的に、使用説明書はまた、電子的形態で、例えば、コンピュータ読取り可能なストレージ媒体、例えばコンピュータ読取り可能なメモリーデバイス、集中データベース、磁気メディア、例えばハードディスク、フロッピーディスク、および磁気テープ;光学メディア、例えばコンパクトディスク、CD-ROMおよびホログラフィックデバイス;磁気光学メディア、例えばフロプティカルディスク;ならびにプログラムコードを貯蔵および実行するために特別に構成されたハードウェアデバイス、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)およびROM(リードオンリーメモリー)およびRAM(ランダムアクセスメモリー)デバイス上に貯蔵されてもよい。使用説明書は、より詳細な使用説明書をダウンロードすることができるインターネットウェブサイトのウェブアドレス、または記録されたプレゼンテーションを含んでもよい。使用説明書は1つまたは複数の文献または将来的なアップデートを含有することができる。
【0133】
本発明の別の態様は、HDAC10の活性を阻害するための式(I)の化合物の使用を提供する。この態様の別の実施形態において、式(I)の化合物は、HDAC10の活性の阻害用の組成物の調製のために使用される。さらに別の実施形態において、本発明は、HDAC10を阻害する方法を提供する。
【0134】
そのため、一態様において、本発明は、本発明の化合物、および薬学的に許容される希釈剤、賦形剤または担体を含む、医薬組成物に関する。
【0135】
ある特定の実施形態において、そのような医薬組成物は治療有効量の前記化合物またはプロドラッグを含む。
【0136】
ある特定の実施形態において、そのような医薬組成物はそれを必要とする個体の治療用のものである。
【0137】
そのような医薬組成物のある特定の実施形態において、前記個体はヒトである。
【0138】
別の態様において、本発明は、本発明の医薬組成物、および前記医薬組成物はそれを必要とする個体の治療のために使用されてもよいことを指し示す使用説明書を含む、薬学的パッケージに関する。
【0139】
そのような薬学的パッケージのある特定の実施形態において、前記使用説明書は、前記医薬組成物はヒトの治療のために使用されてもよいことを指し示す。
【0140】
そのような薬学的パッケージのある特定の実施形態において、前記使用説明書は、前記医薬組成物は増殖性障害または疾患を患う個体の治療のために使用されてもよいことを指し示す。
【0141】
ある特定のそのような実施形態において、前記個体はヒトである。
【0142】
別の態様において、本発明は、個体において増殖性障害または疾患を治療する方法であって、治療有効量の本発明の化合物または医薬組成物を投与することを含む、方法に関する。
【0143】
そのような方法のある特定の実施形態において、前記個体は、家畜哺乳動物、ネコ、イヌ、ウマ、ヒツジ、ウシ、齧歯動物、およびヒトから選択される哺乳動物である。
【0144】
そのような方法のある特定の実施形態において、前記哺乳動物はヒトである。
【0145】
別の態様において、本発明は、個体において増殖性障害または疾患を治療する方法であって、前記障害または疾患に含まれる細胞を本発明の化合物に曝露することを含む、方法に関する。
【0146】
そのような方法のある特定の実施形態において、前記化合物、またはそのプロドラッグは前記個体に投与される。
【0147】
そのような方法のある特定の実施形態において、前記個体は、家畜哺乳動物、ネコ、イヌ、ウマ、ヒツジ、ウシ、齧歯動物、およびヒトから選択される哺乳動物である。
【0148】
そのような方法のある特定の実施形態において、前記哺乳動物はヒトである。
【0149】
別の態様において、本発明は、細胞増殖を阻害する方法であって、細胞を本発明の化合物と接触させることを含む、方法に関する。
【0150】
別の態様において、本発明は、増殖性障害または疾患の治療用の医薬の調製のための本発明の化合物に関する。
【0151】
別の態様において、本発明は、増殖性障害または疾患の治療のための、本発明の化合物および薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬組成物に関する。
【0152】
本発明の薬学的パッケージ、方法、使用または医薬組成物のある特定の実施形態において、増殖性障害または疾患はがんである。
【実施例】
【0153】
実験セクション:
非ピペリジン化合物についての一般的考慮:
化学物質および溶媒は最高レベルの純度で商用の供給元から購入し、精製なしで使用した。MBraun SPS800 Solvent Purification Systemを用いて無水テトラヒドロフランを分配した。ガラスシリカプレート(TLC Silica gel 60 F
254;Merck)上で薄層クロマトグラフィー(TLC)を実行した。254および366nm UV光またはニンヒドリン染色剤を使用してTLC視覚化を達成した。Bruker ApexQe FT-ICR機器(Department of Organic Chemistry、University of Heidelberg)上で高分解能質量分析を記録した。298.1KでBruker 400MHzまたは600MHz機器上でNMRスペクトルを記録した。
分析的HPLC方法
Agilent 1260 Infinityシステム上で分析的HPLC/MSを行った。
【表1】
【0154】
分取HPLC方法
Agilent 1260 Infinityシステム上で分取HPLCを行った。
【表2】
【0155】
Christ alpha 2-4 LDおよび凍結乾燥機を用いて凍結乾燥により溶媒を除去した。
【0156】
中圧カラムクロマトグラフィー(MPLC)
RediSep Rfシステム(Teledyne Isco)およびRediSep Rfカラム(Teledyne Isco)を用いて順相または逆相(RP)でMPLCを行った。RP精製のために、溶媒Aは水であり、BはMeCNであった。順相分離では記載されるような溶出液を使用した。
【0157】
ピペリジン化合物についての一般的考慮:
出発材料および試薬を異なる供給業者から購入した。さらなる精製は行わなかった。Rf決定のためにMerckの薄層プレート(TLC Silica gel 60 F254およびTLC Silica gel 60 RP-18 F254s)を使用し、UV光(254nm)の下で分析した。APCIイオン供給源またはESIを使用してAdvion expression CMS分光計上で質量分析(MS)を行った。ESIモードで作動するExactiveデバイス(Thermo Fisher Scientific)上で高分解能質量分析(HRMS)を用いて最終化合物のスペクトルを記録した。Biological Magnetic Resonance Data Bank(www.bmrb.wisc.edu)を用いて理論質量を算出した。内部標準として重水素化溶媒のシグナルを使用することにより400および100MHzにおいてBruker Avance III HD分光計上で1H NMRおよび13C NMRスペクトルを記録した。スペクトルを報告するために以下の略語を使用した:1H:化学シフトδ(ppm)、多重度(s=シングレット、d=ダブレット、dd=ダブレットのダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、m=マルチプレット、b=ブロード)、積分値、カップリング定数(J Hz)。13C、化学シフトδ(ppm)。割り当てのためにHMBCおよびHSQC実験を適用した。HPLCおよびUV検出(λ=210nm)により最終化合物の純度(>95%)を決定した。以下の条件を使用してHPLC分析を行った:溶出液A、0.05%のTFAを含有するH2O;溶出液B、0.05%のTFAを含有するアセトニトリル、流速1mL/分、直線勾配条件(0~4分、A=90%、B=10%;4~29分、100%のBへの直線的増加;29~31分、B=100%;31~40分、A=10%、B=90%)、Phenomenex Kinetex 5μm XB- C 18(100Å,250×4,60mm)。
【0158】
一般手順A:ヒドロキシルアミンを用いるヒドロキサム酸の調製
1,4-ジオキサン(0.5~2mL)中のメチルエステル(典型的には50~200mg、1.0当量)の撹拌溶液にKCN(0.6当量)を加え、室温で1h撹拌し、次にヒドロキシルアミンの水性溶液(50%、0.5~2mL、min. 30当量)を加えた。TLCが完全な変換を指し示すまで、溶液を室温で24hまで撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、乾燥状態までMeOHと共蒸発させ、次に最小体積の水/MeOHに溶解させた。分取RP-HPLCまたはRP-MPLCにより精製を実行した。
【0159】
一般手順B:EDCとのアミドカップリング
アミン52・2HCl(典型的には80~200mg、1.0当量)、カルボン酸(1.1当量)、立体的に要求の厳しい酸のための触媒量のヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、およびEDC(1.3当量)をCH2Cl2(5~10mL)に懸濁させ、DIPEA(3.5当量)を加えた。TLCがアミンの完全な変換を指し示すまで反応混合物を室温で12~48h撹拌し、次に真空中で濃縮し、EtOAc(50mL)に再溶解させ、飽和NaHCO3溶液(2×40mL)、ブライン(40mL)を用いて洗浄し、次に乾燥(MgSO4)させ、濃縮した。他に記載されなければ、残留物をさらなる精製なしで使用した。
【0160】
一般手順C:ガンマ-アミノ酸の還元的アミノ化およびエステル化
アミノ酸42・HCl(100~150mg、1.0当量)およびNa(OAc)3BH(1.5当量)を0℃の窒素雰囲気下で乾燥THF(1.0mL)に懸濁させた。アルデヒド(10当量)、NEt3(2.0当量)およびさらなる乾燥THF(1.0mL)を加え、冷却浴を除去した。反応混合物を室温で2~3h撹拌し、次に水(10mL)を用いて希釈し、pH 12.0まで飽和NaHCO3溶液を用いて塩基性化させ、次に乾燥状態まで濃縮した。残留物を水(10mL)に再溶解させ、pH 1.0まで25%のHClを用いて酸性化させ、次に溶媒を真空中で除去した。MeOH(25mL)を残留物に加え、終夜撹拌し、次に濃縮し、飽和NaHCO3(30mL)に再溶解させ、CH2Cl2(3×20mL)を用いて抽出した。合わせた有機層を乾燥(MgSO4)させ、真空中で濃縮した。
【0161】
一般手順Da/b:メチルピペリジン-4-カルボキシレートのアルキル化
K2CO3(2.5~3.75当量)を丸底フラスコに入れ、指し示される極性非プロトン性溶媒((a)DMF、(b)アセトニトリル)に懸濁させた。メチルピペリジン-4-カルボキシレート(1.0当量)を加え、5分間撹拌した。所望の臭化アルキル求電子剤(1.0~1.5当量)を加えた後、混合物を室温で終夜撹拌した。TLC分析(EtOAc/シクロヘキサン、66:33(v/v))により生成物の形成を観察した。完全な変換に達したときに、溶媒を減圧下で除去した。粗残留物を水に再懸濁させた。水性懸濁液をEtOAcを用いて3回抽出した。飽和NaHCO3溶液およびNaCl溶液を用いて合わせた有機層を洗浄し、MgSO4上で乾燥させた後に、溶媒を減圧下で蒸発させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/シクロヘキサン)を介して粗生成物を精製した。
【0162】
一般手順E:LiOHを用いるエステルけん化
メチルエステルをTHFに溶解させ、1.5当量のLiOH溶液(水中1M)を加えた。混合物を40℃で4h撹拌した。溶媒を除去した後、粗残留物を水に再懸濁させ、EtOAcを用いて洗浄した。水性層を蒸発させ、生成物をさらなる精製なしで使用した。
【0163】
一般手順F:BOP-Clを用いるO-トリチルヒドロキシルアミンのアミドカップリング
カルボキシレート(1.0当量)およびBOP-Cl(2.0当量)を丸底フラスコに入れ、CH2Cl2に懸濁させた。NEt3(4当量)を加えた後、混合物を室温で10分間撹拌した。O-トリチルヒドロキシルアミン(1.2当量)を加え、室温で終夜撹拌した。溶媒を除去し、飽和NaHCO3溶液に再懸濁させることにより反応をクエンチした。EtOAcを用いて水性懸濁液を抽出した(3回)。飽和NaHCO3溶液およびNaCl溶液を用いて有機層を洗浄し、MgSO4上で乾燥させた後に、溶媒を減圧下で蒸発させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH)を介して粗生成物を精製した。
【0164】
一般手順Ga/b:O-トリチルヒドロキサム酸のトリチル脱保護
保護されたヒドロキサム酸(1.0当量)を乾燥CH2Cl2に溶解させた。TFA(10.0当量)およびEt3SiH(10.0当量)を加え、混合物を室温で撹拌した。TLC分析(CH2Cl2/MeOH、90:10(v/v))により生成物の形成を観察した。完全な変換に達したときに、溶媒を除去し、(a)フラッシュカラムクロマトグラフィー(H2O/MeCN+0.5%のTFA)を介して粗生成物を精製し、または(b)粗生成物を水に溶解させた。得られた水性溶液をシクロヘキサンを用いて3回洗浄し、水性層を減圧下で濃縮した。生成物をさらなる精製なしで使用した。
【0165】
一般手順H:TFAを用いるBoc脱保護
Boc保護された化合物をCH2Cl2に溶解させた。TFA(10.0当量)およびEt3SiH(10.0当量)を加え、混合物を40℃で2h撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(H2O/MeCN+0.5%のTFA)を介して粗生成物を精製した。
【0166】
一般手順I:ノシルアミドのアルキル化
ノシル保護されたアミン(1.0当量)、臭化アルキル求電子剤(2.0当量)、K2CO3(1.5当量)およびKI(0.2当量)をDMFに懸濁させた。反応混合物を45℃で4hおよび室温で終夜撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。残留物を水/CH2Cl2に懸濁させた。CH2Cl2を用いて水性層を抽出した(3回)。有機層をMgSO4上で乾燥させた後に、溶媒を減圧下で蒸発させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/シクロヘキサン)を介して粗生成物を精製した。
【0167】
一般手順J:ノシル脱保護
ノシル保護された化合物(1.0当量)およびK
2CO
3(4.0当量)をアセトニトリルに溶解させた。チオフェノール(3.0当量)を加えた後、反応混合物を35℃で4h撹拌した。溶媒を除去し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2/MeOH)を介して粗生成物を精製した。
略語
app 見かけ(NMRスペクトル)
BOP-Cl ビス(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)ホスフィン酸塩化物
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
EDC 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・HCl
HATU O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム-ヘキサフルオロホスフェート
HOBt 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
Morpho CDI N-シクロヘキシル-N’-(2-モルホリノエチル)カルボジイミドメチル-p-トルエンスルホネート
p ペンテット(NMRスペクトル)
q カルテット(NMRスペクトル)
quant 定量的
rt 室温、22±2℃
合成
【化2】
メチル1-フェネチルピペリジン-4-カルボキシレート(10):一般手順Daにしたがってメチルピペリジン-4-カルボキシレート(859.1mg、6.00mmol、1.0当量)から表題化合物を調製して、10を無色油(1.0459g、4.23mmol、70%の収率)として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 7.30-7.24(m,2H,フェニル H3,5)、7.23-7.14(m,3H,フェニル H2,4,6)、3.60(s,3H,-O-CH
3)、2.88-2.85(m,2H,ピペリジン H2,6)、2.73-2.69(m,2H,フェニル-
CH
2
-CH
2)、2.49-2.41(m,2H,CH
2-
CH
2
-N)、2.31(tt,J=11.2,4.0Hz,1H,ピペリジン H4)、2.01(td,J=11.6,2.4Hz,2H,ピペリジン H2,6)、1.84-1.76(m,2H,ピペリジン H3,5)、1.55(dtd,J=13.2,11.2,3.6Hz,2H,ピペリジン H3,5) ppm.
13C NMR(100MHz,DMSO-d
6) δ 175.3(-
COOCH
3)、140.9(フェニル C1)、129.1(フェニル C2,6)、128.6(フェニル C3,5)、126.2(フェニル C4)、60.4(CH
2-
CH
2
-N)、52.7(ピペリジン C2,6)、51.8(-COO
CH
3)、40.7(ピペリジン C4)、33.3(フェニル-
CH
2
-CH
2)、28.5(ピペリジン C3,5) ppm.
HR-MS(m/z):C
15H
22NO
2
+についての[M+H]
+ 計算値:248.1645;実測値:248.1644.
【化3】
リチウム1-フェネチルピペリジン-4-カルボキシレート(11):一般手順Eにしたがって10(658.7mg、2.66mmol、1.0当量)から表題化合物を調製して、粗の11を白色結晶性固体(1.0459g、定量的収率)として得、それをさらなる精製なしで使用した。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 7.30-7.23(m,2H,フェニル H3,5)、7.23-7.12(m,3H,フェニル H2,4,6)、2.86-2.79(m,2H,ピペリジン H2,6)、2.74-2.67(m,2H,フェニル-
CH
2
-CH
2)、2.45-2.40(m,2H,CH
2-
CH
2
-N)、1,94-1,85(m,2H,ピペリジン H2,6)、1.79-1.65(m,3H,ピペリジン H3,4,5)、1.53-1.40(m,2H,ピペリジン H3,5) ppm.
13C NMR(100MHz,DMSO-d
6) δ 179.0(-
COO
-)、141.2(フェニル C1)、129.1(フェニル C2,6)、128.6(フェニル C3,5)、126.1(フェニル C4)、61.0(CH
2-
CH
2
-N)、54.0(ピペリジン C2,6)、40.6(ピペリジン C4)、33.4(フェニル-
CH
2
-CH
2)、30.1(ピペリジン C3,5) ppm.
HR-MS(m/z):C
14H
20NO
2
+についての[M+H]
+ 計算値:234.1489;実測値:234.1488.
【化4】
1-フェネチル-N-(トリチルオキシ)ピペリジン-4-カルボキサミド(12):一般手順Fにしたがって11(295.9mg、1.24mmol、1.0当量)から表題化合物を調製して、12を白色固体(354.5mg、0.723mmol、58%の収率)として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 10.31(s,1H,CO-
NH-O)、7.37-7.28(m,15H,トリチル)、7.28-7.22(m,2H,フェニル H3,5)、7.20-7.13(m,3H,フェニル H2,4,6)、2.85-2.77(m,2H,ピペリジン H2,6)、2.69-2.62(m,2H,フェニル-
CH
2
-CH
2)、2.44-2.36(m,2H,CH
2-
CH
2
-N)、1.97-1.84(m,1H,ピペリジン H4)、1.82-1.68(m,2H,ピペリジン H2,6)、1.31-1.18(m,4H,ピペリジン H3,5) ppm.
13C NMR(100MHz,DMSO-d
6) δ 172.93(-CONH-)、142.86(3×フェニル C1(トリチル))、140.93(フェニル C1)、129.40(フェニル C2,6またはC3,5(トリチル))、129.03(フェニル C2,6)、128.58(フェニル C3,5)、127.89(3×フェニル C2,6またはC3,5(トリチル))、127.80(3×フェニル C4(トリチル))、126.18(フェニル C4)、92.24(O-C-トリチル)、60.42(CH
2-
CH
2
-N)、52.95(ピペリジン C2,6)、39.22(ピペリジン C4、
HSQCにおいてのみ)、33.18(フェニル-
CH
2
-CH
2)、28.46(ピペリジン C3,5) ppm.
HR-MS(m/z):C
33H
35N
2O
2
+についての[M+H]
+ 計算値:491.2693;実測値:491.2690.
【化5】
N-ヒドロキシ-1-フェネチルピペリジン-4-カルボキサミド(DH22):一般手順Gaにしたがって12(176.6mg、0.36mmol、1.0当量)から表題化合物を調製して、DH22のTFA塩を白色固体(110.8mg、0.306mmol、85%の収率)として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 10.62(s,1H,CO-
NH-OH)、9.49(bs,1H,CH
2-
NH
+
-(ピペリジン))、8.85(s,1H,CO-NH-
OH)、7.39-7.33(m,2H,フェニル H3,5)、7.31-7.25(m,3H,フェニル H2,4,6)、3.61(d,J=12Hz,2H,ピペリジン H2,6)、3.33-3.24(m,2H,CH
2-
CH
2
-N)、3.03-2.91(m,4H,フェニル-
CH
2
-CH
2+ピペリジン H2,6)、2.32-2.23(m,1H,ピペリジン H4)、1.94-1.77(m,4H,ピペリジン H3,5) ppm.
13C NMR(100MHz,DMSO-d
6) δ 170.15(-CONH-)、158.53-158.23(TFA)、137.33(フェニル C1)、129.11(フェニル C2,3,5,6)、127.29(フェニル C4)、57.09(CH
2-
CH
2
-N)、51.49(ピペリジン C2,6)、36.87(ピペリジン C4)、29.94(フェニル-
CH
2
-CH
2)、26.24(ピペリジン C3,5) ppm.
HR-MS(m/z):C
14H
21N
2O
2
+についての[M+H]
+ 計算値:249.1598;実測値:249.1596.
【化6】
リチウム1-ベンジルピペリジン-4-カルボキシレート(13):一般手順Eにしたがってメチル-1-ベンジルピペリジン-4-カルボキシレート(1015.8mg、4.35mmol、1.0当量)から表題化合物を調製して、13をオフホワイトの結晶性固体(895.8mg、3.98mmol、92%の収率)として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 7.33-7.25(m,4H,フェニル C2,3,5,6)、7.25-7.19(m,1H,フェニル C4)、3.39(s,2H,フェニル-
CH
2
-N)、2.75-2.66(m,2H,ピペリジン H2,6)、1.87(td,J=11.2,2.4Hz,2H,ピペリジン H2,6)、1.80(tt,J=11,2,3.6Hz,1H,ピペリジン H3)、1.73-1.65(m,2H,ピペリジン H3,5)、1.55-1.42(m,2H,ピペリジン H3,5) ppm.
13C NMR(100MHz,DMSO-d
6) δ (DMSO-d6,δ[ppm]):179.30(-
COO
-)、139.30(フェニル C1)、129.13(フェニル C2,6)、128.48(フェニル C3,5)、127.10(フェニル C4)、63.14(フェニル-
CH
2
-N)、53.91(ピペリジン C2,6)、44.10(ピペリジン C4)、29.86(ピペリジン C3,5) ppm.
HR-MS(m/z):C
13H
16NO
2
-についての[M-H]
- 計算値:218.1187;実測値:218.1183.
【化7】
1-ベンジル-N-(トリチルオキシ)ピペリジン-4-カルボキサミド(14):一般手順Fにしたがって13(420.7mg、1.87mmol、1.0当量)から表題化合物を調製して、14を白色固体(309.7mg、0.650mmol、35%の収率)として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 10.29(s,1H,CO-
NH-O)、7.36-7.29(m,15H,トリチル)、7.28-7.26(m,2H,フェニル H3,5)、7.25-7.19(m,3H,フェニル H2,4,6)、3.34(s,2H,フェニル-
CH
2
-N)、2.71-2.64(m,2H,ピペリジン H2,6)、1.96-1.84(m,1H,ピペリジン H4)、1.80-1.65(m,2H,ピペリジン H2,6)、1.32-1.16(m,4H,ピペリジン H3,5) ppm.
13C NMR(100MHz,DMSO-d
6) δ 172.89(-CONH-)、142.84(3×フェニル C1(トリチル))、138.88(フェニル C1)、129.39(フェニル C2,6またはC3,5(トリチル))、129.08(フェニル C2,6)、128.52(フェニル C3,5)、127.89(3×フェニル C2,6またはC3,5(トリチル))、127.79(3×フェニル C4(トリチル))、127.21(フェニル C4)、92.23(O-
C-トリチル)、62.71(フェニル-
CH
2
-N)、52.87(ピペリジン C2,6)、39.29(ピペリジン C4,HSQC)、28.46(ピペリジン C3,5) ppm.
MS(APCI,+,m/z):[M+H]
+ 477.2.
【化8】
1-ベンジル-N-ヒドロキシピペリジン-4-カルボキサミド(DH25):一般手順Gaにしたがって14(143.6mg、0.30mmol、1.0当量)から表題化合物を調製して、DH25のTFA塩を褐色油(101.8mg、0.292mmol、97%の収率)として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 10.60(s,1H,CO-
NH-OH)、9.60(bs,1H,CH
2-
NH
+
-ピペリジン)、7.51-7.45(m,5H,フェニル)、4.29(d,J=4.8Hz,2H,フェニル-
CH
2
-N)、3.37(d,J=11,6Hz,2H,ピペリジン H2,6)、3.05-2.87(m,2H,ピペリジン H2,6)、2.29-2.18(m,1H,ピペリジン H4)、1.94-1.67(m,4H,ピペリジン H3,5) ppm.
13C NMR(100MHz,DMSO-d
6) δ 170.11(-CONH-)、158.47(d,32Hz,TFA)、131.71(フェニル C2,6)、130.02(フェニル C3,5)、129.28(フェニル C4)、59.61(フェニル-
CH
2
-N)、51.11(ピペリジン C2,6)、36.83(ピペリジン C4)、26.01(ピペリジン C3,5) ppm.
HR-MS(m/z):C
13H
19N
2O
2
+についての[M+H]
+ 計算値:235.1441;実測値:235.1439.
【化9】
メチル1-([1,1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-ピペリジン-4-カルボキシレート(15):一般手順Dbにしたがってメチルピペリジン-4-カルボキシレート(1287.8mg、9.00mmol、1.5当量)から表題化合物を調製して、15を白色固体(1.771g、5.728mmol、96%の収率)として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 7.68-7.63(m,2H,ビフェニル H6,10)、7.63-7.59(m,2H,ビフェニル H3,11)、7.50-7.43(m,2H,ビフェニル H7,9)、7.40-7.33(m,3H,ビフェニル H2,8,12)、3.60(s,3H,-COO
CH
3
)、3.49(s,2H,ビフェニル-
CH
2
-N)、2.78(d,J=11.4Hz,2H,ピペリジン H2,6)、2.38-2.27(tt,11.2,4.0Hz,1H,ピペリジン H4)、2.06-1.96(m,2H,ピペリジン、H2,6)、1.85-1.76(m,2H,ピペリジン H3,5)、1.64-1.52(m,2H,ピペリジン H3,5) ppm.
13C NMR(100MHz,DMSO-d
6) δ 175.28(-
COOCH
3)、140.42(ビフェニル C5)、139.20(ビフェニル C4)、138.12(ビフェニル C1)、129.77(ビフェニル C2,12)、129.33(ビフェニル C7,9)、127.71(ビフェニル C8)、126.99(ビフェニル C6,10)、126.90(ビフェニル C3,11)、62.31(ビフェニル-
CH
2
-N)、52.67(ピペリジン C2,6)、51.81(-COO
CH
3
)、40.72(ピペリジン C4)、28.43(ピペリジン C3,5) ppm.
MS(APCI,+,m/z):[M+H]
+ 310.2.
【化10】
リチウム1-([1,1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-ピペリジン-4-カルボキシレート(16):一般手順Eにしたがって15(1002.2mg、3.24mmol、1.0当量)から表題化合物を調製して、16を白色結晶性固体(粗、定量的収率)として得、それをさらなる精製なしで使用した。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 7.68-7.64(m,2H,ビフェニル H6,10)、7.63-7.58(m,2H,ビフェニル H3,11)、7.49-7.43(m,2H,ビフェニル H7,9)、7.39-7.33(m,3H,ビフェニル H2,8,12)、3.44(s,2H,ビフェニル-
CH
2
-N)、2.78-2.71(m,2H,ピペリジン H2,6)、1.96-1.87(m,2H,ピペリジン H2,6)、1.87-1.77(m,1H,ピペリジン H4)、1.74-1.61(m,2H,ピペリジン H3,5)、1.56-1,43(m,2H,ピペリジン H3,5) ppm.
13C NMR(100MHz,DMSO-d
6) δ 178.32(-
COO
-)、140.49(ビフェニル C5)、139.04(ビフェニル C4)、138.61(ビフェニル C1)、129.74(ビフェニル C2,12)、129.33(ビフェニル C7,9)、127.67(ビフェニル C8)、126.98(ビフェニル C6,10)、126.84(ビフェニル C3,11)、62.74(ビフェニル-
CH
2
-N)、53.92(ピペリジン C2,6)、43.97(ピペリジン C4)、29.86(ピペリジン C3,5) ppm.
HR-MS(m/z):C
19H
22NO
2
+についての[M+H]
+ 計算値:296.1645;実測値:296.1645.
【化11】
1-([1,1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-N-(トリチルオキシ)-ピペリジン-4-カルボキサミド(17):一般手順F(但し4.0当量のBOP-Clを使用)にしたがって粗の16(493.7mg、約1.42mmol、1.0当量)から表題化合物を調製して、17を白色固体(265.7mg、0.481mmol、約34%の収率)として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 10.31(s,1H,CO-
NH-O)、7.67-7.63(m,2H,ビフェニル H6,10)、7.62-7.56(m,2H,ビフェニル H3,11)、7.49-7.43(m,2H,ビフェニル H7,9)、7.36-7.26(m,18H,ビフェニル H2,8,12+トリチル)、3.46-3.37(m,2H,ビフェニル-
CH
2
-N)、2.71-2.67(m,2H,ピペリジン H2,6)、1.98-1.88(m,1H,ピペリジン H4)、1.85-1.68(s,2H,ピペリジン H2,6)、1.36-1.20(s,4H,ピペリジン H3,5) ppm.
13C NMR(100MHz,DMSO-d
6) δ 172.86(-
CONH-)、142.84(3×フェニル C1(トリチル)+ビフェニル C2,12(HMBC))、140.41(ビフェニル C5)、139.25(ビフェニル C4(HMBC))、138.44(ビフェニル C1(HMBC))、129.39(3×フェニル C2,6またはC3,5(トリチル)、129.33(ビフェニル C7,9)、127.90(3×フェニル C2,6またはC3,5(トリチル))、127.80(3×フェニル C4(トリチル))、127.72(ビフェニル C8)、126.98(ビフェニル C6,10)、126.87(ビフェニル C3,11)、92.24(O-C-トリチル)、62.30(ビフェニル-
CH
2
-N)、52.88(ピペリジン C2,6)、39.35(ピペリジン C4(HMBC))、28.43(ピペリジン C3,5) ppm.
HR-MS(m/z):C
38H
37N
2O
2
+についての[M+H]
+ 計算値:553.2850;実測値:553.2850.
【化12】
1-([1,1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-N-ヒドロキシピペリジン-4-カルボキサミド(DH35):一般手順Gaにしたがって17(235.1mg、0.43mmol、1.0当量)から表題化合物を調製して、DH35のTFA塩を褐色油(113.4mg、0.267mmol、62%の収率)として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 10.61(s,1H,CO-
NH-OH)、9.60(bs,1H,CH
2-
NH-ピペリジン)、8.88(s,1H,CO-NH-
OH)、7.82-7.76(m,2H,ビフェニル H3,11)、7.74-7.69(m,2H,ビフェニル H6,10)、7.65-7.56(m,2H,ビフェニル H2,12)、7.53-7.47(m,2H,ビフェニル H7,9)、7.44-7.38(m,1H,ビフェニル H8)、4.34(d,J=4.4Hz,2H,ビフェニル-
CH
2
-N)、3.43(d,J=11.6Hz,2H,ピペリジン H2,6)、3.07-2.90(m,2H,ビフェニル-
CH
2
-N)、2.32-2.21(m,1H,ピペリジン H4)、2.07-1.70(m,4H,ピペリジン H3,5) ppm.
13C NMR(100MHz,DMSO-d
6) δ 170.13(-
CONH-)、158.59-158.26(TFA)、141.70(ビフェニル C4)、139.65(ビフェニル C4)、132.34(ビフェニル C2,12)、129.48(ビフェニル C7,9)、129.09(ビフェニル C1)、128.37(ビフェニル C8)、127.48(ビフェニル C3,11)、127.21(ビフェニル C6,10)、59.27(ビフェニル-
CH
2
-N)、51.16(ピペリジン C2,6)、36.82(ピペリジン C4)、26.05(ピペリジン C3,5) ppm.
HR-MS(m/z):C
19H
23N
2O
2
+についての[M+H]
+ 計算値:311.1754;実測値:311.1755.
【化13】
2,2-ジフェニルエチル4-メチルベンゼンスルホネート(18):2,2-ジフェニルエタノール(800.0mg、4.04mmol、1.0当量)を乾燥THFに溶解させ、氷水中で冷却した。撹拌下、NaH(55~65%の油分散体、161.6mg、4.04mmol、1.0当量)を小分けで加えた。p-トルエンスルホニルクロリド(997.5mg、5.25mmol、1.3当量)を加えた。油分散体が溶けるまで混合物を加熱し、室温で終夜窒素下で撹拌した。溶媒を除去し、残留物を水-ジクロロメタン混合物に懸濁させることにより反応をクエンチした。ジクロロメタンを用いて水性層を抽出した(3回)。飽和NaHCO
3溶液およびNaCl溶液を用いて収集した有機層を洗浄し、MgSO
4上で乾燥させた後に、溶媒を減圧下で蒸発させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/シクロヘキサン)を介して粗生成物を精製して、18を白色フレーク(405.5mg、1.150mmol、28%の収率)として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 7.71-7.68(m,2H,トシルH2,6)、7.46-7.42(m,2H,トシルH2,6)、7.30-7.18(m,10H,ジフェニル)、4.57(d,J=7.8Hz,2H,CH-
CH
2
-O)、4.35(t,J=7.8Hz,1H,ジフェニル-
CH-CH
2)、2.43(s,3H,トシル-
CH
3
) ppm.
13C NMR(100MHz,DMSO-d
6) δ 145.41(トシルC1)、140.63(トシルC4)、132.48(2×フェニル C1)、130.57(トシルC3,5)、128.97(2×フェニル C3,5)、128.27(2×フェニル C2,6)、128.03(トシルC2,6)、127.28(2×フェニル C4)、72.24(CH-
CH
2
-O)、49.74(ジフェニル-
CH-CH
2)、21.54(トシル-
CH
3
) ppm.
HR-MS(m/z):C
21H
20NaO
3S
+についての[M+Na]
+ 計算値:375.1025;実測値:375.1025.
【化14】
メチル1-(2,2-ジフェニルエチル)-ピペリジン-4-カルボキシレート(19):18(384.2mg、1.09mmol、1当量)を乾燥した丸底フラスコに入れ、乾燥MeCNに懸濁させた。メチルピペリジン-4-カルボキシレート(234.7mg、1.64mmol、1.5当量)およびNaI(1.21当量)を加えた。1部分でNEt
3(220.6mg、2.18mmol、2.0当量)を加えた後、混合物を室温で撹拌した。TLC分析(EtOAc/シクロヘキサン)により生成物の形成を観察した。不十分な生成物形成のため、炭酸銀(2.0当量)を加え、混合物を還流下90℃で2h撹拌した。溶媒を蒸発させた。粗残留物を水に懸濁させ、EtOAcを用いて抽出した。有機層をMgSO
4上で乾燥させた後に、溶媒を減圧下で蒸発させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/シクロヘキサン)により粗生成物を精製して、19を白色固体(109.8mg、0.340mmol、35%の収率)として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 7.33-7.23(m,8H,2×ジフェニル H2,3,5,6)、7.18-7.12(m,2H,2×ジフェニル H3)、4.24(t,J=8.0Hz,1H,ジフェニル-
CH-CH
2)、3.57(s,3H -COO
CH
3
)、2.92-2,83(m,4H,-CH-
CH
2
-ピペリジン+ピペリジン H2,6)、2.25(tt,J=11.2,4.0Hz 1H,ピペリジン H4)、2.01(td,J=11.4,2.2Hz,2H,ピペリジン H2,6)、1.76-1.67(m,2H,ピペリジン H3,5)、1.46-1.34(m,2H,ピペリジン H3,5) ppm.
13C NMR(100MHz,DMSO-d
6) δ 175.27(-
COOCH
3)、144.59(2×ジフェニル C1)、128.61(2×ジフェニル C3,5)、128.35(2×ジフェニル C2,6)、126.37(2×ジフェニル C4)、63.23(-CH-
CH
2
-N)、52.92(ピペリジン C2,6)、51.77(COO
CH
3)、48.33(ジフェニル-
CH-CH
2)、28.32(ピペリジン C3,5) ppm.
ピペリジン C1のシグナルは見られず。
HR-MS(m/z):C
21H
26NO
2
+についての[M+H]
+ 計算値:324.1958;実測値:324.1959.
【化15】
リチウム1-(2,2-ジフェニルエチル)-ピペリジン-4-カルボキシレート(20):一般手順Eにしたがって19(112.2mg、0.35mmol、1.0当量)から表題化合物を調製して、20を白色結晶性固体(粗、定量的収率)として得、それをさらなる精製なしで使用した。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 7.31-7.21(m,8H,2×ジフェニル H2,3,5,6)、7.17-7.12(m,2H,2×ジフェニル H3)、4.24(t,J=7.6Hz,1H,ジフェニル-
CH-CH
2)、2.88-2.80(m,4H,CH-
CH
2
-ピペリジン+ピペリジン H2,6)、1.94-1.86(m,2H,ピペリジン H2,6)、1.80-1.69(m,1H,ピペリジン H4)、1.66(s,4H)、1.67-1.58(m,2H,ピペリジン H3,5)、1.41-1.28(m,2H,ピペリジン H3,5) ppm.
13C NMR(100MHz,DMSO-d
6) δ 179.23(
COO
-)、144.80(2×ジフェニル C1)、128.58(2×ジフェニル C3,5)、128.37(2×ジフェニル C2,6)、126,30(2×ジフェニル C4)63.81(CH-
CH
2
-N)、54.23(ピペリジン C2,6)、48.38(ジフェニル-
CH-CH
2)、44.15(ピペリジン C4)、29.83(ピペリジン C3,5) ppm.
HR-MS(m/z):C
20H
24NO
2
+についての[M+H]
+ 計算値:310.1802;実測値:310.1802.
【化16】
1-(2,2-ジフェニルエチル)-N-(トリチルオキシ)-ピペリジン-4-カルボキサミド(21):一般手順Fにしたがって粗の20(119.1mg、0.35mmol、1.0当量)から表題化合物を調製して、21を白色固体(46.0mg、0.081mmol、23%の収率)として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 10.26(s,1H,-CO
NHO-)、7.40-7.27(m,15H,トリチル)、7.26-7.20(m,8H,2×ジフェニル H2,3,5,6)、7.17-7.10(m,2H,2×ジフェニル H4)、4.19(t,J=7.6Hz,1H,ジフェニル-
CH-CH
2)、2.85-2.77(m,4H,CH-
CH
2
-ピペリジン+ピペリジン H2,6)、1.90-1.80(m,1H,ピペリジン H4)、1.80-1,69(m,2H,ピペリジン H2,6)、1.22-1.02(m,4H,ピペリジン H3,5) ppm.
13C NMR(100MHz,DMSO-d
6) δ 172.90(-CONH-)、144.59(2×ジフェニル C1)、142.82(3×フェニル C1(トリチル))、129.37(フェニル C2,6またはC3,5(トリチル))、128.58(2×ジフェニル H3,5)、128.33(2×ジフェニル H2,6)、127.88(フェニル C2,6またはC3,5(トリチル))、127.78(3×フェニル C4(トリチル))、126.34(2×ジフェニル C4)、92.21(O-
C-トリチル)、63.30(CH-
CH
2
-N)、53.15(ピペリジン C2,6)、48.18(ジフェニル-
CH-CH
2)、28.36(ピペリジン C3,5) ppm.
ピペリジン C4は見られず。
HR-MS(m/z):C
39H
39N
2O
2
+についての[M+H]
+ 計算値:567.3006;実測値:567.3005.
【化17】
1-(2,2-ジフェニルエチル)-N-ヒドロキシピペリジン-4-カルボキサミド(DH40):一般手順Gaにしたがって21(43.0mg、0.076mmol、1.0当量)から表題化合物を調製して、DH40のTFA塩を褐色油(35.7mg、0.072mmol、94%の収率)として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 10.57(s,1H,CO-
NH-OH)、9.07(bs,1H,CH
2-
NH
+
-(ピペリジン))、7.50-7.41(m,4H,2×ジフェニル H2,6)、7.39-7.32(m,4H,2×ジフェニル H3,5)、7.29-7.22(m,2H,2×ジフェニル H4)、4.59(t,J=7.6Hz,1H,ジフェニル-
CH-CH
2)、3.94-3.88(m,2H,CH-
CH
2
-ピペリジン)、3.58-3.48(m,2H,ピペリジン H2,6)、3.04-2.90(m,2H,ピペリジン H2,6)、2.26-2.15(m,1H,ピペリジン H4)、1.91-1.72(m,4H,ピペリジン H3,5) ppm.
13C NMR(100MHz,DMSO-d
6) δ 141.96(2×ジフェニル C1)、129.29(ジフェニル H3,5)、128.07(ジフェニル H2,6)、127.54(ジフェニル C4)、59.98(CH-
CH
2
-N)、52.26(ピペリジン C2,6)、45.78(ピペリジン C2,6)、36.60(ピペリジン C4)、25.75(ピペリジン C3,5) ppm
CONHOは見られず。
HR-MS(m/z):C
20H
25N
2O
2
+についての[M+H]
+ 計算値:325.1911;実測値:325.1913.
【化18】
メチル1-(3-フェニルプロピル)-ピペリジン-4-カルボキシレート(22):一般手順Dbにしたがってメチルピペリジン-4-カルボキシレート(859.1mg、6.00mmol、1.0当量)から表題化合物を調製して、22を無色油(561.2mg、3.279mmol、55%の収率)として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 7.30-7.24(m,2H,フェニル H3,5)、7.22-7.14(m,3H,フェニル H2,4,6)、3.60(s,3H,-O-CH
3)、2.81-2.73(m,2H,ピペリジン H2,6)、2.60-2.54(m,2H,フェニル-
CH
2
-CH
2)、2.35-2.21(m,3H,CH
2-
CH
2
-N+ピペリジン H4)、1.97-1.87(m,2H,ピペリジン H2,6)、1.83-1.75(m,2H,ピペリジン H3,5)、1.75-1.65(m,2H,
CH
2
-CH
2-N)、1.61-1.49(m,2H,ピペリジン H3,5) ppm.
13C NMR(100MHz,DMSO-d
6) δ 175.31(-
COOCH
3)、142.49(フェニル C1)、128.71(フェニル C2,6)、128.63(フェニル C3,5)、126.04(フェニル C4)、57.73(CH
2-
CH
2
-N)、52.77(ピペリジン C2,6)、51.79(-COO
CH
3)、40.90(ピペリジン C4)、33.32(フェニル-
CH
2
-CH
2)、28.67(
CH
2
-CH
2-N)、28.44(ピペリジン C3,5) ppm.
MS(APCI,+,m/z):[M+H]
+ 262.3.
【化19】
リチウム1-(3-フェニルプロピル)-ピペリジン-4-カルボキシレート(23):一般手順Eにしたがって22(431.6mg、1.65mmol、1.0当量)から表題化合物を調製して、23を白色結晶性固体(粗、定量的収率)として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 7.30-7.23(m,2H,フェニル H3,5)、7.22-7.13(m,3H,フェニル H2,4,6)、2.79-2.71(m,2H,ピペリジン H2,6)、2.60-2.53(m,2H,フェニル-
CH
2
-CH
2)、2.25-2.18(m,2H,CH
2-
CH
2
-N)、1.96-1.87(m,1H,ピペリジン H4)、1.87-1.77(m,2H,ピペリジン H2,6)、1.74-1.64(m,4H,ピペリジン H3,5+フェニル-CH
2-
CH
2
)、1.55-1.43(m,2H,ピペリジン H3,5) ppm.
13C NMR(100MHz,DMSO-d
6) δ 178.60(-
COO
-)、142.57(フェニル C1)、128.71(フェニル C2,6)、128.62(フェニル C3,5)、126.01(フェニル C4)、58.00(CH
2-
CH
2
-N)、53.69(ピペリジン C2,6)、43.25(ピペリジン C4)、33.39(フェニル-
CH
2
-CH
2)、29.49(ピペリジン C3,5)、28.78(フェニル-CH
2-
CH
2
) ppm.
MS(APCI,+,m/z):[M+H]
+ 248.2.
【化20】
1-(3-フェニルプロピル)-N-(トリチルオキシ)-ピペリジン-4-カルボキサミド(24):一般手順Fにしたがって23(236.4mg、0.96mmol、1.0当量)から表題化合物を調製して、24を白色固体(204.0mg、0.405mmol、42%の収率)として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 10.29(s,1H,-CO
NHO-)、7.40-7.30(m,15H,トリチル)、7.30-7.22(m,2H,フェニル H3,5)、7.19-7.13(m,3H,フェニル H2,4,6)、2.80-2.63(m,2H,ピペリジン H2,6)、2.57-2.52(m,2H,フェニル-
CH
2
-CH
2)、2.23-2.07(m,2H,CH
2-
CH
2
-N)、1.95-1.83(m,1H,ピペリジン H4)、1.73-1.57(m,4H,ピペリジン H2,6+フェニル-CH
2-
CH
2
)、1.33-1.17(m,4H,ピペリジン H3,5) ppm.
13C NMR(100MHz,DMSO-d
6) δ 172.95(-CONH-)、142.85(3×フェニル C1(トリチル))、142.45(フェニル C1)、129.39(フェニル C2,6またはC3,5(トリチル))、128.70(フェニル C2,6)、128.62(フェニル C3,5)、127.89(3×フェニル C2,6またはC3,5(トリチル))、127.79(3×フェニル C4(トリチル))、126.03(フェニル C4)、92.23(O-
C-トリチル)、57.73(CH
2-
CH
2
-N)、53.04(ピペリジン C2,6)、39.65(ピペリジン C4(HSQC))33.27(フェニル-
CH
2
-CH
2)、28.63(フェニル-CH
2-
CH
2
)、28.47(ピペリジン C3,5) ppm.
MS(APCI,+,m/z):[M+H]
+ 505.2.
【化21】
N-ヒドロキシ-1-(3-フェニルプロピル)-ピペリジン-4-カルボキサミド(DH53):一般手順Gaにしたがって24(94.5mg、0.19mmol、1.0当量)から表題化合物を調製して、DH53のTFA塩を無色油(71.4mg、0.190mmol、定量的収率)として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 10.60(s,1H,CO-
NH-OH)、10.14(s,1H,CH
2-
NH
+
-(ピペリジン))、9.16(s,1H,CO-NH-
OH)、7.35-7.28(m,2H,フェニル H3,5)、7.27-7.19(m,3H,フェニル H2,4,6)、3.52(d,J=11.6Hz,2H,ピペリジン H2,6)、3.08-3.01(m,2H,CH
2-
CH
2
-N)、2.99-2.84(m,2H,ピペリジン H2,6)、2.63(t,J=7.6Hz,2H,フェニル-
CH
2
-CH
2)、2.30-2.19(m,1H,ピペリジン H4)、2.01-1.89(m,2H,CH
2-
CH
2
-CH
2)、1.88-1.72(m,4H,ピペリジン H3,5) ppm.
13C NMR(100MHz,DMSO-d
6) δ 170.14(-CONH-)、159.06+158.72+159.38+158.04(TFA)、140.84(フェニル C1)、128.88(フェニル C3,5)、128.67(フェニル C2,6)、126.60(フェニル C4)、56.05(CH
2-
CH
2
-N)、51.43(ピペリジン C2,6)、36.75(ピペリジン C4)、32.37(フェニル-
CH
2
-CH
2)、26.25(ピペリジン C3,5)、25.41(CH
2-
CH
2
-CH
2) ppm.
HR-MS(m/z):C
15H
23N
2O
2
+についての[M+H]
+ 計算値:263.1754;実測値:263.1756.
【化22】
メチル1-(4-ブロモフェネチル)-ピペリジン-4-カルボキシレート(25):一般手順Dbにしたがってメチルピペリジン-4-カルボキシレート(519.8mg、3.63mmol、1.0当量)から表題化合物を調製して、25を黄色/白色結晶性固体(912.2mg、2.806mmol、77%の収率)として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 7.47-7.43(m,2H,フェニル H3,5)、7.21-7.17(m,2H,フェニル H2,6)、3.60(s,3H,-O-CH
3)、2.88-2.80(m,2H,ピペリジン H2,6)、2.72-2.65(m,2H,フェニル-
CH
2
-CH
2)、2.48-2.43(m,2H,CH
2-
CH
2
-N)、2.35-2.25(m,1H,ピペリジン H4)、2.05-1.95(m,2H,ピペリジン H2,6)、1.83-1.75(m,2H,ピペリジン H3,5)、1.59-1.47(m,2H,ピペリジン H3,5) ppm.
13C NMR(100MHz,DMSO-d
6) δ 175.29(-
COOCH
3)、140.47(フェニル C1)、131.41(フェニル C3,5)、131.37(フェニル C2,6)、119.24(フェニル C4)、59.93(CH
2-
CH
2
-N)、52.65(ピペリジン C2,6)、51.80(-
CH
3
)、40.82(ピペリジン C4(HSQC))、32.45(フェニル-
CH
2
-CH
2)、28.42(ピペリジン C3,5) ppm.
MS(APCI,+,m/z):[M+H]
+ 326.0.
【化23】
リチウム1-(4-ブロモフェネチル)-ピペリジン-4-カルボキシレート(26):一般手順Eにしたがって25(810.2mg、2.49mmol、1.0当量)から表題化合物を調製して、26を白色結晶(699.8g、2.20mmol、Li塩として88%の収率)として得た。
1H NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):7.47-7.42(m,2H,フェニル H3,5)、7.21-7.16(m,2H,フェニル H2,6)、2.85-2.78(m,2H,ピペリジン H2,6)、2.71-2.65(m,2H,フェニル-
CH
2
-CH
2)、2.46-2.39(m,2H,CH
2-
CH
2
-N)、1.96-1.83(m,3H,ピペリジン H2,6+H4)、1.74-1.66(m,2H,ピペリジン H3,5)、1.53-1.40(m,2H,ピペリジン H3,5).
13C NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):177.92(-COO
-)、140.66(フェニル C1)、131.38(フェニル C3,5+C2,6)、119.17(フェニル C4)、60.31(CH
2-
CH
2
-N)、53.65(ピペリジン C2,6)、43.37(ピペリジン C4)、32.56(フェニル-
CH
2
-CH
2)、29.57(ピペリジン C3,5).
MS(APCI,+,m/z):[M+H]
+ 311.9+313.9
【化24】
1-(4-ブロモフェネチル)-N-(トリチルオキシ)-ピペリジン-4-カルボキサミド(27):一般手順Fにしたがって26(502.6mg、1.62mmol、1.0当量)から表題化合物を調製して、27を白色固体(526.3mg、0.924mmol、57%の収率)として得た。
1H NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):10.30(s,1H,CO
NH-O)、7.46-7.41(m,2H,フェニル H3,5)、7.36-7.27(m,15H,トリチル)、7.17-7.13(m,2H,フェニル H2,6)、2.84-2.75(m,2H,ピペリジン H2,6)、2.67-2.60(m,2H,フェニル-
CH
2
-CH
2)、2.43-2.35(m,2H,CH
2-
CH
2
-N)、1.95-1.85(s,1H,ピペリジン H4)、1.82-1.67(s,2H,ピペリジン H2,6)、1.33-1.15(m,4H,ピペリジン H3,5).
13C NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):172.90(-CONH-)、142.85(3×フェニル C1(トリチル))、140.48(フェニル C1)、131.38(フェニル C3,5)、131.35(フェニル C2,6)、129.40(フェニル C2,3,5,6(トリチル))、127.90(フェニル C2,3,5,6(トリチル))、127.80(3×フェニル C4(トリチル))、119.22(フェニル C4)、92.24(O-
C-トリチル)、59.91(CH
2-
CH
2
-N)、52.90(ピペリジン C2,6)、39.19(ピペリジン C4、(HSQC))、32.38(フェニル-
CH
2
-CH
2)、28.42(ピペリジン C3,5).
MS(APCI,+,m/z):[M+H]
+ 568.8+570.9
【化25】
1-(4-ブロモフェネチル)-N-ヒドロキシピペリジン-4-カルボキサミド(DH67):一般手順Gaにしたがって27(281.1mg、0.494mmol、1.0当量)から表題化合物を調製して、DH67のTFA塩を白色/褐色固体(201.7mg、0.457mmol、TFA塩として93%の収率)として得た。
1H NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):10.61(s,1H,CO-
NH-OH)、9.40(s,1H,CH
2-
NH
+
-(ピペリジン))、7.59-7.53(m,2H,フェニル H3,5)、7.30-7.23(m,2H,フェニル H2,6)、3.65-3.54(m,2H,ピペリジン、H2,6)、3.34-3.23(m,2H,CH
2-
CH
2
-N)、3.03-2.88(m,4H,フェニル-
CH
2
-CH
2+ピペリジン H2,6)、2.32-2.22(m,1H,ピペリジン H4)、1.94-1.73(m,4H,ピペリジン H3,5).
13C NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):170.12(-CONH-)、258.75+158.40(TFA)、136.77(フェニル C1)、131.96(フェニル C3,5)、131.43(フェニル C2,6)、120.44(フェニル C4)、56.70(CH
2-
CH
2
-N)、51.52(ピペリジン C2,6)、36.81(ピペリジン C4)、29.24(フェニル-
CH
2
-CH
2)、26.19(ピペリジン C3,5).
HR-MS(ESI,m/z):C
14H
20BrN
2O
2
+についての[M+H]
+ 計算値:327.0708+329.0801;実測値:327.0701+329.0680。
純度(HPLC,λ=210nm):99.5%(t
R=12.78分)
【化26】
メチル1-(3-ブロモフェネチル)-ピペリジン-4-カルボキシレート(28):一般手順Db(改変:1.5当量のメチルピペリジン-4-カルボキシレート、3.0当量のK
2CO
3)にしたがってメチルピペリジン-4-カルボキシレート(780.4mg、5.45mmol、1.5当量)から表題化合物を調製して、28を無色結晶性固体(827.9mg、2.54mmol、70%の収率)として得た。
1H NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):7.46-7.43(m,1H,フェニル H2)、7.41-7.35(m,1H,フェニル H4)、7.26-7.22(m,2H,フェニル H5,6)、3.60(s,3H,O-CH
3)、2.89-2.81(m,2H,ピペリジン H2,6)、2.75-2.69(m,2H,フェニル-
CH
2
-CH
2)、2.49-2.43(DMSOにより部分的に隠れている)(m,2H,CH
2-
CH
2
-N)、2.35-2.26(m,1H,ピペリジン H4)、2.06-1.95(m,2H,ピペリジン H2,6)、1.84-1.75(m,2H,ピペリジン H3,5)、1.60-1.46(m,2H,ピペリジン H3,5).
13C NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):175.29(-
COOCH
3)、143.96(フェニル C1)、131.82(フェニル C2)、130.73(フェニル C4)、129.09(フェニル C6)、128.25(フェニル C5)、121.91(フェニル C3)、59.88(CH
2-
CH
2
-N)、52.62(ピペリジン C2,6)、51.80(-COO
CH
3)、40.60(ピペリジン C4(HMBC))、32.62(フェニル-
CH
2
-CH
2)、28.42(ピペリジン C3,5).
MS(APCI,+,m/z):[M+H]
+ 325.9+327.9
【化27】
リチウム1-(3-ブロモフェネチル)-ピペリジン-4-カルボキシレート(29):一般手順Eにしたがって28(737.3mg、2.27mmol、1.0当量)から表題化合物を調製して、29を白色結晶性固体(539.5mg、1.70mmol、75%の収率)として得た。
1H NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):7.45-7.43(m,1H,フェニル H2)、7.40-7.34(m,1H,フェニル H4)、7.26-7.20(m,2H,フェニル H5,6)、2.85-2.78(m,2H,ピペリジン H2,6)、2.74-2.68(m,2H,フェニル-
CH
2
-CH
2)、2.48-2.39(DMSOにより部分的に隠れている)(m,2H,CH
2-
CH
2
-N)、1.95-1.86(m,2H,ピペリジン H2,6)、1.85-1.75(m,1H,ピペリジン H4)、1.73-1.65(m,2H,ピペリジン H3,5)、1.52-1.39(m,2H,ピペリジン H3,5).
13C NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):178.22(-
COO
-)、144.20(フェニル C1)、131.82(フェニル C2)、130.70(フェニル C6)、129.02(フェニル C4)、128.24(フェニル C5)、121.88(フェニル C2)、60.33(CH
2-
CH
2
-N)、53.87(ピペリジン C2,6)、44.05(ピペリジン C4)、32.76(フェニル-
CH
2
-CH
2)、29.87(ピペリジン C3,5).
MS(APCI,+,m/z):[M+H]
+ 312.2+314.2
【化28】
1-(3-ブロモフェネチル)-N-(トリチルオキシ)-ピペリジン-4-カルボキサミド(30):一般手順Fにしたがって29(457.9mg、1.44mmol、1.0当量)から表題化合物を調製して、30を白色固体(435.2mg、0.77mmol、53%の収率)として得た。
1H NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):10.30(s,1H,CO-
NH-O)、7.42-7.40(m,1H,フェニル C2)、7.38-7.26(m,16H,フェニル H4+トリチル)、7.23-7.17(m,2H,フェニル C5,6)、2.83-2.75(m,2H,ピペリジン H2,6)、2.69-2.63(m,2H,フェニル-
CH
2
-CH
2)、2.42-2.35(m,2H,CH
2-
CH
2
-N)、1.95-1.83(m,1H,ピペリジン H4)、1.80-1.68(m,2H,ピペリジン H2,6)、1.32-1.14(m,4H,ピペリジン H3,5).
13C NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):172.92(-CONH-)、144.00(フェニル C1)、142.86(3×フェニル C1(トリチル))、131.78(フェニル C2)、130.69(フェニル C6)、129.40(フェニル C2,6またはC3,5(トリチル))、129.06(フェニル C4)、128.22(フェニル C5)、127.89(フェニル C2,6またはC3,5(トリチル))、127.80(3×フェニル C4(トリチル)、121.87(フェニル C3)、92.24(O-
C-トリチル)、59.91(CH
2-
CH
2
-N)、52.91(ピペリジン C2,6)、39.33(ピペリジン C4(HSQC))、32.59(フェニル-
CH
2
-CH
2)、28.47(ピペリジン C3,5).
MS(APCI,+,m/z):[M+H]
+ 569.2+571.2
【化29】
1-(3-ブロモフェネチル)-N-ヒドロキシピペリジン-4-カルボキサミド(DH71):一般手順Gaにしたがって30(231.4mg、0.406mmol、1.0当量)から表題化合物を調製して、DH71のTFA塩を白色固体(130.0mg、0.295mmol、TFA塩として73%の収率)として得た。
1H NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):10.63(s,1H,CO-
NH-OH)、9.59(s,1H,CH
2-
NH
+
-(ピペリジン))、7.55-7.52(m,1H,フェニル H2)、7.48(dt,J=7.2,2.0Hz,1H,フェニル H4)、7.35-7.27(m,2H,フェニル H5,6)、3.65-3.52(m,2H,ピペリジン H2,6)、3.41-3.22(m,2H,CH
2-
CH
2
-N)、3.01-2.87(m,4H,フェニル-
CH
2
-CH
2+ピペリジン H2,6)、2.34-2.22(m,1H,ピペリジン H4)、1.93-1.75(m,4H,ピペリジン H3,5).
13C NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):170.12(-CONH-)、159,16+158.82+158.48+158.15(TFA)、140.21(フェニル C1)、131.91(フェニル C2)、131.23(フェニル C6)、130.20(フェニル C4)、128.36(フェニル C5)、122.28(フェニル C3)、56.69(CH
2-
CH
2
-N)、51.51(ピペリジン C2,6)、36.83(ピペリジン C4)、29.38(フェニル-
CH
2
-CH
2)、26.19(ピペリジン C3,5).
HR-MS(ESI,m/z):C
14H
20BrN
2O
2
+についての[M+H]
+ 計算値:327.0708+329.0801;実測値:327.0700+329.0682。
純度(HPLC,λ=210nm):97.3%(t
R=12.67分)
【化30】
メチル1-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)-ピペリジン-4-カルボキシレート(31):一般手順Dbにしたがってメチルピペリジン-4-カルボキシレート(3000.0mg、20.97mmol、1.0当量)から表題化合物を調製して、31を黄色固体(3986.0mg、13.93mmol、66%の収率)として得た。
1H NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):6.64(t,J=5.6Hz,1H,OCO
NH-CH
2-)、3.60(s,3H,-OCH
3)、3.01(q,6.4、2H,-NH-
CH
2
-CH
2-)、2.81-2.73(m,2H,ピペリジン H2,6)、2.33-2.23(m,3H,-CH
2-
CH
2
-N(ピペリジン)+ピペリジン H4)、2.02-1.91(m,2H,ピペリジン H2,6)、1.81-1.73(m,2H,ピペリジン H3,5)、1.59-1.46(m,2H,ピペリジン H3,5)、1.37(s,9H,(
(CH
3
)
3
-CH-).
13C NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):175.31(-
COOCH
3)、155.94(-O
CON-)、77.90((CH
3)
3-
CH-O-)、57.94(-CH
2-
CH
2
-N(ピペリジン))、52.78(ピペリジン C2,6)、51.80(-O-CH
3)、40.59(ピペリジン C4)、37.89(-NH-
CH
2
-CH
2-)、28.66(
(CH
3
)
3
-CH-)、28.42(ピペリジン C3,5).
MS(APCI,+,m/z):[M+H]
+ 287.2
【化31】
メチル1-(2-アミノエチル)-ピペリジン-4-カルボキシレート(32):一般手順Hにしたがって31(2122.5mg、7.42mmol、1.0当量)から表題化合物を調製して、32を黄色油(さらなる精製なしで使用、7.42mmol、2×TFA塩として100%の収率)として得た。
1H NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):10.12(s,1H,CH
2-
NH-(ピペリジン))、8.20(s,3H,
H
3
N
+
-CH
2)、3.65(s,3H,-OCH
3)、3.62-3.46(m,2H,ピペリジン C2,6)、3.34-3.18(m,4H,H
3N
+-
CH
2
-
CH
2
-)、3.15-2.95(m,2H,ピペリジン H2,6)、2.76-2.58(m,1H,ピペリジン H4)、2.18-1.96(m,2H,ピペリジン H3,5)、1.87-1.67(m,2H,ピペリジン H3,5).
13C NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):173.71(-
COOCH
3)、159.46+159.13+158.81+158.49(TFA)、53.28(H
3N
+-CH
2-
CH
2
-)、52.27(-OCH
3)、51.82(ピペリジン C2,6)、37.88(ピペリジン C4)、33.87(H
3N
+-
CH
2
-CH
2-)、25.76(ピペリジン C3,5).
MS(APCI,+,m/z):[M+H]
+ 187.2
【化32】
メチル1-(2-((2-ニトロフェニル)スルホンアミド)エチル)-ピペリジン-4-カルボキシレート(33):以下の手順にしたがって32(3072.4mg、7.42mmol、1.0当量)から表題化合物を調製して、33を黄色油(1112mg、2.99mmol、82%の収率)として得た。氷冷水を用いた冷却下、第一級アミン(1当量)および2-ニトロベンゼンスルホニルクロリド(1.2当量)をTHFに溶解させた。4当量のトリエチルアミンを加えた後、反応液を室温で4h撹拌した。溶媒を蒸発させ、水およびジクロロメタンを用いて粗残留物を懸濁させることにより反応をクエンチした。ジクロロメタンを用いて水性層を5回抽出した。有機層をMgSO
4上で乾燥させた後に、溶媒を減圧下で蒸発させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2/MeOH)を介して粗生成物を精製した。
1H NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):8.09-8.03(m,1H,ノシル H6)、8.02-7.96(m,1H,ノシル H3)、7.90-7.77(m,3H,ノシル H4,5+-SO
2
NH-)、3.59(s,3H,-OCH
3)、3.03(t,J=6.4Hz,2H,NH-
CH
2
-CH
2)、2.66-2.58(m,2H,ピペリジン H2,6)、2.31(t,J=6.4Hz,2H,CH
2-
CH
2
-N)、2.28-2.19(m,1H,ピペリジン H4)、1.95-1.85(m,2H,ピペリジン H2,6)、1.74-1.65(m,2H,ピペリジン H3,5)、1.48-1-35(m,2H,ピペリジン H3,5).
13C NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):175.21(-
COOCH
3)、148.00(ノシル C2)134.36(ノシル C4)、133.44(ノシル C1)、133.07(ノシル C5)、129.99(ノシル C6)、124.87(ノシル C3)、57.15(CH
2-
CH
2
-N)、52.50(ピペリジン C2,6)、51.79(-O
CH
3
)、40.71(
CH
2
-CH
2-N)、40.55(ピペリジン C4)、28.19(ピペリジン C3,5).
MS(APCI,+ m/z):[M+H]
+ 372.6
【化33】
メチル1-(2-((N-ベンジル-2-ニトロフェニル)スルホンアミド)エチル)-ピペリジン-4-カルボキシレート(34):一般手順Iにしたがって33(1001.8mg、2.70mmol、1.0当量)から表題化合物を調製して、34を黄色固体(852.1mg、1.85mmol、69%の収率)として得た。
1H NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):8.16(dd,J=7.6,1.6Hz,1H,ノシル H6)、8.02(dd,J=7.6,1.6Hz,1H,ノシル H3)、7.91(td,J=7.6,1.6Hz,1H,ノシル H4)、7.85(td,J=7.6,1.6Hz,1H,ノシル H5)、7.40-7.28(m,5H,フェニル)、4.57(s,2H,フェニル-
CH
2
-N)、3.58(s,3H,-OCH
3)、3.29(t,J=6.6Hz,2H,N-
CH
2
-CH
2-N)、2.62-2.53(m,2H,ピペリジン H2,6)、2.26-2.16(m,3H,N-CH
2-
CH
2
-N+ピペリジン H4)、1.88-1.77(m,2H,ピペリジン H2,6)、1.72-1.62(m,2H,ピペリジン H3,5)、1.45-1.33(m,2H,ピペリジン H3,5).
13C NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):175.17(-COO
-)、147.95(ノシル C2)、136.80(フェニル C1)、134.83(ノシル C4)、132.88(ノシル C5)、132.79(ノシル C1)、130.13(ノシル C6)、128.97(フェニル C3,5)、128.31(フェニル C2,6)、128.15(フェニル C4)、124.75(ノシル C3)、56.13(N-CH
2-
CH
2
-N)、52.61(ピペリジン C2,6)、51.88(ベンジル-
CH
2
-N)、51.80(O-
CH
3
)、44.86(N-
CH
2
-CH
2-N)、40.51(ピペリジン C4)、28.22(ピペリジン C3,5).
MS(APCI,+,m/z):[M+H]
+ 462.8
【化34】
リチウム1-(2-((N-ベンジル-2-ニトロフェニル)スルホンアミド)エチル)-ピペリジン-4-カルボキシレート(35):一般手順Eにしたがって34(852.1mg、1.85mmol、1.0当量)から表題化合物を調製して、35を黄色固体(さらなる精製なしで使用、1.85mmol、Li
+塩として100%の収率)として得た。
1H NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):Li塩(-
COOH)のためシグナルは見られず、8.22(dd,J=7.6,1.6Hz,1H,ノシル H6)、8.02(dd,J=7.6,1.6Hz,1H,ノシル H3)、7.91(td,J=7.6,1.6Hz,1H,ノシル H4)、7.85(td,J=7.6,1.6Hz,1H,ノシル H4)、7.39-7.24(m,5H,5×フェニル H)、4.56(s,2H,フェニル-
CH
2
-N)、3.29(t,J=6.8Hz,2H,N-
CH
2
-CH
2-N)、2.17(t,J=6.8Hz,2H,N-CH
2-
CH
2
-N)、1.78-1.66(m,2H,ピペリジン C2,6)、1.65-1.55(m,3H,ピペリジン H3,5+H4)、1.45-1.31(m,2H,ピペリジン H3,5).
13C NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):174.54(-COO
-)、147.99(ノシル C2)、136.77(フェニル C1)、134.86(ノシル C4)、132.92(ノシル C5)、132.78(ノシル C1)、130.18(ノシル C6)、128.98(フェニル C3,5)、128.30(フェニル C2,6)、128.15(フェニル C4)、124.75(ノシル C3)、56.67(N-CH
2-
CH
2
-N)、53.97(ピペリジン C2,6)、51.85(フェニル-
CH
2
-)、44.72(N-
CH
2
-CH
2-N)、44.09(ピペリジン C4)、29.87(ピペリジン C3,5).
MS(APCI,+,m/z):[M+H]
+ 448.2
【化35】
1-(2-((N-ベンジル-2-ニトロフェニル)スルホンアミド)エチル)-N-(トリチルオキシ)-ピペリジン-4-カルボキサミド(36):一般手順Fにしたがって35(838,7mg、1.85mmol、1.0当量)から表題化合物を調製して、36を黄色固体(535.8mg、0.760mmol、41%の収率)として得た。
1H NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):10.27(s,1H,CO
NH-O)、8.17(dd,J=7.6,1.2Hz,1H ノシル H6)、8.00(dd,J=7.6,1.2Hz,1H,ノシル H3)、7.89(td,J=7.6,1.2Hz,1H,ノシル H4)、7.81(td,J=7.6,1.2Hz,1H,ノシル H5)、7.38-7.21(m,20H,5×フェニル+15×トリチル)、4.52(s,2H,N-
CH
2
-フェニル)、3.24(t,J=6.4Hz,2H,N-
CH
2
-CH
2-N)、2.48(2H,ピペリジン C2,6,HSQC)、2.12(t,J=6.4Hz,2H,N-CH
2-
CH
2
-N)、1.87-1.76(m,1H,ピペリジン H4)、1.65-1.53(m,2H,ピペリジン H2,6)、1.20-1.03(m,4H,ピペリジン H3,5).
13C NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):172.79(
CONH)、147.96(ノシル C2)、142.84(トリチル C1)、136.72(フェニル C1)、134.86(ノシル C4)、132.84(ノシル C5)、132.67(ノシル C1)、130.18(ノシル C6)、129.38(トリチル C2,6またはC3,6)、128.94(フェニル C3,5)、128.30(フェニル C2,6)、128.14(フェニル C4)、127.90(トリチル C2,6またはC3,5)、127.80(トリチル C4)、124.72(ノシル C3)、92.22(O-
C-トリチル)、56.23(N-CH
2-
CH
2
-N)、52.88(ピペリジン C2,6)、51.73(N-
CH
2
-フェニル)、44.73(N-
CH
2
-CH
2-N)、39.13(ピペリジン C4)、28.30(ピペリジン C3,5).
HR-MS(ESI,m/z):[M+H]
+ 705.2739
【化36】
1-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-N-(トリチルオキシ)-ピペリジン-4-カルボキサミド(37):一般手順Jにしたがって36(331.8mg、0.44mmol、1.0当量)から表題化合物を調製して、37を無色結晶性固体(158.5mg、0.305mmol、69%の収率)として得た。
1H NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):10.29(s,1H,CO
NH-)、7.41-7.18(m,20H,5×フェニル+15×トリチル)、3.67(s,2H,フェニル-
CH
2
-N)、2.72-2.63(m,2H,ピペリジン H2,6)、2.49(2H,N-
CH
2
-CH
2-N,HSQC)、2.28(t,J=6.4Hz,2H,N-CH
2-
CH
2
-N)、1.89(q,J=8.0Hz,1H,ピペリジン H4)、1.75-1.61(m,2H,ピペリジン H2,6)、1.31-1.15(m,4H,ピペリジン H3,5).
13C NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):172.95(
CONH)、142.85(トリチル C1)、141.10(フェニル C1)、129.39(トリチル C2,6または3,5)、128.51(フェニル C3,5)、128.33(フェニル C2,6)、127.89(トリチル C2,6またはC3,5)、127.79(トリチル C4)、126.98(フェニル C4)、92.22(O-
C-トリチル)、57.98(N-CH
2-
CH
2
-N)、53.29(フェニル-
C-N)、53.15(ピペリジン C2,6)、45.88(N-
CH
2
-CH
2-N)、39.64(ピペリジン C4)、28.50(ピペリジン C3,5).
HR-MS(ESI,m/z):[M+H]
+ 520.2957
【化37】
1-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-N-ヒドロキシピペリジン-4-カルボキサミド(DH79):一般手順Gbにしたがって37(103.0mg、0.198mmol、1.0当量)から表題化合物を調製して、DH79の2×TFA塩を無色油(100.0mg、0.198mmol、2×TFA塩として100%の収率)として得た。
1H NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):10.64(s,1H,CO-
NH-OH)、9.62(bs,1H,CH
2-
NH
+
(ピペリジン))、9.28(bs,2H,CH
2-
NH
2
+-CH
2またはCO-NH-
OH)、7.58-7.41(m,5H,フェニル)、4.22(s,2H,フェニル-
CH
2
-NH
2
+)、3.65-3.47(m,2H,ピペリジン H2,6)、3.46-3.36(m,4H,NH
2
+-
CH
2
-
CH
2
-(ピペリジン))、3.12-2.94(m,2H,ピペリジン H2,6)、2.36-3.23(m,1H,ピペリジン H4)、2.00-1.71(m,4H,ピペリジン H3,5).
13C NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):170.05(-CONH-)、159.41+159.07+158.73+158.39(TFA)、132.07(フェニル C1)、130.26(フェニル C2,6)、129.63(フェニル C4)、129.25(フェニル)、52.08(ピペリジン C2,6、NH
2
+-CH
2-
CH
2
-(ピペリジン)、50.78(フェニル-
CH
2
-NH
2
+)、41.17(NH
2
+-
CH
2
-CH
2-(ピペリジン))、36.47(ピペリジン C4)、26.25(ピペリジン C3,5).
HR-MS(ESI,m/z):C
15H
24N
3O
2
+についての[M+H]
+ 計算値:278.1869;実測値:278.1864.
純度(HPLC,λ=210nm):95.7%(t
R=8.657分)(方法の改変:流速0.5mL/分)
【化38】
メチル1-(2-((N-(4-ブロモベンジル)-2-ニトロフェニル)スルホンアミド)エチル)-ピペリジン-4-カルボキシレート(38):一般手順Iにしたがって33(500.0mg、1.35mmol、1.0当量)から表題化合物を調製して、38を緑色油(480.4mg、0.889mmol、66%の収率)として得た。
1H NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):8.16(dd,J=8.0,1.2Hz,1H,ノシル H6)、8.02(dd,J=8.0,1.2Hz,1H,ノシル H3)、7.91(td,J=8.0,1.2Hz,1H,ノシル H4)、7.85(td,J=8.0,1.2Hz,1H,ノシル H5)、7.60-7.54(m,2H,フェニル H3,5)、7.32-7.26(m,2H,フェニル H2,6)、4.54(s,2H,フェニル-
CH
2
-N)、3.59(s,3H,-O
CH
3
)、3.31(t,J=6.4Hz,2H,N-
CH
2
-CH
2-N)、2.63-2.53(m,2H,ピペリジン C2,6)、2.27-2.16(m,3H,N-CH
2-
CH
2
-N+ピペリジン H4)、1.90-1.78(m,2H,ピペリジン H2,6)、1.73-1.63(m,2H,ピペリジン H3,5)、1.45-1.36(m,2H,ピペリジン H3,5).
13C NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):175.16(
CON)、147.96(ノシル C2)、136.55(フェニル C1)、134.90(ノシル C4)、132.92(ノシル C5)、132.61(ノシル C1)、131.83(フェニル C3,5)、130.43(フェニル C2,6)、130.13(ノシル C6)、124.79(ノシル C3)、121.22(フェニル C4)、56.14(N-CH
2-
CH
2
-N)、52.59(ピペリジン C2,6)、51.80(-O
CH
3
)、51.32(フェニル-
CH
2
-N)、45.16(N-
CH
2
-CH
2-N)、40.47(ピペリジン C4,HSQC)、28.20(ピペリジン C3,5).
MS(APCI,+):[M+H]
+ 540.1+542.1
【化39】
リチウム1-(2-((N-(4-ブロモベンジル)-2-ニトロフェニル)スルホンアミド)エチル)-ピペリジン-4-カルボキシレート(39):一般手順Eにしたがって38(468.0mg、0.865mmol、1.0当量)から表題化合物を調製して、39を黄色固体(134.8mg、0.256mmol、Li
+塩として30%の収率)として得た。
1H NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):8.21(dd,J=8.0,1.6Hz,1H,ノシル H6)、8.01(dd,J=8.0,1.6Hz,1H,ノシル H3)、7.91(td,J=8.0,1.6Hz,1H,ノシル H4)、7.85(td,J=8.0,1.6Hz,1H,ノシル H5)、7.58-7.53(m,2H,フェニル H3,5)、7.31-7.25(m,2H,フェニル H2,6)、4.54(s,2H,フェニル-
CH
2
-N)、3.30(t,J=6.4Hz,2H,N-
CH
2
-CH
2-N)、2.60-5.53(m,2H,ピペリジン H2,6)、2.19(t,J=6.4Hz,2H,N-CH
2-
CH
2
-N)、1.79-1.67(m,3H,ピペリジン H2,6+H4)、1.63-1.58(m,2H,ピペリジン H3,5)、1.45-1.32(m,2H,ピペリジン H3,5).
13C NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):179.31(
COO
-)、147.99(ノシル C2)、136.51(フェニル C1)、134.95(ノシル C4)、132.96(ノシル C5)、132.60(ノシル C1)、131.84(フェニル C3,5)、130.43(フェニル C2,6)、130.19(ノシル C6)、124.80(ノシル C3)、121.22(フェニル C4)、56.63(N-CH
2-
CH
2
-N)、53.93(ピペリジン C2,6)、51.23(フェニル-
CH
2
-N)、45.00(N-
CH
2
-CH
2-N)、44.02(ピペリジン C4)、29.81(ピペリジン C3,5).
MS(APCI,+):[M+H]
+ 526.0+528.0
【化40】
1-(2-((N-(4-ブロモベンジル)-2-ニトロフェニル)スルホンアミド)エチル)-N-(トリチルオキシ)-ピペリジン-4-カルボキサミド(40):一般手順Fにしたがって39(134.8mg、0.256mmol、1.0当量)から表題化合物を調製して、40を黄色油(136.4mg、0.174mmol、68%の収率)として得た。
1H NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):10.27(s,1H,CO
NH)、8.19-8.13(m,1H,ノシル H6)、8.00(dd,J=8.0,1.2Hz,1H,ノシル H3)、7.94-7.86(m,1H,ノシル H4)、7.86-7.78(m,1H,ノシル H5)、7.57-7.52(m,2H,フェニル H3,5)、7.41-7.22(m,17H,フェニル H2,6+15×トリチル)、4.50(s,2H,フェニル-
CH
2
-N)、3.26(t,J=6.4Hz,2H,N-
CH
2
-CH
2-N)、2.53(m,2H,ピペリジン H2,6,HSQC)、2.14(t,J=6.4Hz,2H,N-CH
2-
CH
2
-N)、1.89-1.76(m,1H,ピペリジン H4)、1.65-1.53(m,2H,ピペリジン H2,6)、1.21-1.04(m,4H,ピペリジン H3,5).
13C NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):172.79(
CONH)、147.97(ノシル C2)、142.84(トリチル C1)、136.47(フェニル C1)、134.93(ノシル C4)、132.88(ノシル C5)、132.49(ノシル C1)、131.80(フェニル C3,5)、130.43(フェニル C2,6)、130.20(ノシル C6)、129.39(トリチル C2,6またはC3,5)、127.90(トリチル C2,6またはC3,5)、127.80(トリチル C4)、124.77(ノシル C3)、121.21(フェニル C4)、56.21(N-CH
2-
CH
2
-N)、52.86(ピペリジン C2,6)、51.14(フェニル-
CH
2
-N)、45.04(N-
CH
2
-CH
2-N)、38.92(ピペリジン C4)、28.30(ピペリジン C3,5).
HR-MS(ESI,m/z):[M+H]
+ 783.1838+785.1820
【化41】
1-(2-((4-ブロモベンジル)アミノ)-エチル)-N-(トリチルオキシ)-ピペリジン-4-カルボキサミド(41):一般手順Jにしたがって40(127.7mg、0.163mmol、1.0当量)から表題化合物を調製して、41を無色油(71.0mg、0.119mmol、73%の収率)として得た。
1H NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):10.29(s,1H,CO
NH)、7.51-7.46(m,2H,フェニル H3,5)、7.42-7.19(m,17,フェニル 2,6+15×トリチル)、3.64(s,2H,フェニル-
CH
2
-N)、2.71-2.62(m,2H,ピペリジン H2,6)、2.49-2.45(m,2H,N-
CH
2
-CH
2-N)、2.27(t,J=6.4Hz,2H,N-CH
2-
CH
2
-N)、1.95-1.82(m,1H,ピペリジン H4)、1.73-1.60(m,2H,ピペリジン H2,6)、1.32-1.14(s,4H,ピペリジン H3,5).
13C NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):172.95(
CON)、142.85(トリチル C1)、140.87(フェニル C1)、131.33(フェニル C3,5)、130.49(フェニル C2,6)、129.39(トリチル C2,6またはC3,5)、127.89(トリチル C2,6またはC3,5)、127.79(トリチル C4)、92.22(O-
C-トリチル)、58.10(N-CH
2-
CH
2
-N)、53.18(ピペリジン C2,6)、52.52(フェニル-
C-N)、45.87(N-
CH
2
-CH
2-N)、40.01(ピペリジン C4,HSQC)、28.50(ピペリジン C3,5).
MS(APCI,+):[M+H]
+ 598.2+600.2
【化42】
1-(2-((4-ブロモベンジル)アミノ)エチル)-N-ヒドロキシピペリジン-4-カルボキサミド(DH88):一般手順Gaにしたがって41(65.8mg、0.11mmol、1.0当量)から表題化合物を調製して、DH88の2×TFA塩を褐色油(30.3mg、0.064mmol、2×TFA塩として47%の収率)として得た。
1H NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):10.65(s,1H,CO-
NH-OH)、9.73(s,1H,CH
2-
NH
+
-(ピペリジン))、9.37(s,2H,CH
2-
NH
2
+-CH
2またはCO-NH-
OH)、7.69(d,J=8.4Hz,2H,フェニル H3,5)、7.46(d,J=8.4Hz,2H,フェニル H2,6)、4.21(s,2H,フェニル-
CH
2
-NH
2)、3.63-3.48(m,2H,ピペリジン H2,6)、3.39(s,4H,NH
2
+-
CH
2
-
CH
2
-(ピペリジン))、3.12-2.93(m,2H,ピペリジン H2,6)、2.36-2.22(m,1H,ピペリジン H4)、1.98-1.70(d,4H,ピペリジン H3,5).
13C NMR(DMSO-d6,δ[ppm]):170.05(-CONH-)、159,40+159.06+158.72+158.40(TFA)、132.57(フェニル C2,6)、132.16(フェニル C3,5)、131.41(フェニル C1)、123.06(フェニル C4)、52.05(ピペリジン C2,6,NH
2
+-CH
2-
CH
2
-(ピペリジン))、49.94(フェニル-CH
2-NH
2
+)、41.08(NH
2
+-
CH
2
-CH
2-(ピペリジン))、36.48(ピペリジン C4)、26.23(ピペリジン C3,5).
HR-MS(ESI,m/z):C
15H
23BrN
3O
2
+についての[M+H]
+ 計算値:356.0974+358.1070;実測値:356.0963+358.0948.
純度(HPLC,λ=210nm):95.4%(t
R=9.95分)
【化43】
4-((3-オキソ-3-(フェニルアミノ)プロピル)アミノ)ブタン酸(42):70℃に加熱した水(27mL)/EtOH(17mL)中のガンマ-アミノ酪酸(3.14g、29.90mmol、2.2当量)およびK
2CO
3(2.68g、19.40mmol、1.4当量)の撹拌溶液に、EtOH(10mL)中のN-フェニルアクリルアミド(2.00g、13.59mmol、1.0当量)の溶液を滴下で加えた。反応液を70℃で3.5h撹拌し、濃縮し、CH
2Cl
2(5×20mL)を用いて抽出した。有機層を廃棄し、HClを用いて水性相を酸性化させ、次に乾燥状態まで蒸発させて白色固体を得、それを50℃で最小量の水/MeOHに溶解させ、次に沈殿が見られるまで50℃で減圧下で濃縮し、続いて緩徐に0℃に終夜冷却することにより再結晶化させた。結晶を濾過し、氷冷水を用いて1回、次にアセトンを用いて洗浄して、42のHCl塩を白色結晶(1.239g、4.32mmol、32%の収率)として得た。
TLC R
f 0.05(MeCN中10%の水).
1H NMR(400MHz,MeOD-d
4) δ 7.61-7.55(m,2H)、7.34-7.27(m,2H)、7.15-7.05(m,1H)、3.36(t,J=6.4Hz,2H)、3.18-3.09(m,2H)、2.87(t,J=6.4Hz,2H)、2.49(t,J=7.1Hz,2H)、2.00(app p,J=7.1Hz,2H) ppm.
LC/MS(m/z):[M+H]
+ 251.2、[M-H]
- 249.2
【化44】
メチル4-(メチル(3-オキソ-3-(フェニルアミノ)プロピル)アミノ)ブタノエート(43):N-フェニルアクリルアミド(2.00g、13.59mmol、1.0当量)、N-Me-ガンマ-アミノ酪酸・HCl(2.30g、14.95mmol、1.1当量)およびK
2CO
3(3.76g、27.18mmol、2.0当量)を水/EtOH(1:1、40mL)に懸濁させた。反応混合物を70℃で7h撹拌し、次にRTに冷却し、3M HClを用いてpH約1まで酸性化させ、乾燥状態まで蒸発させた。残留物をMeOH(25mL)に懸濁させ、室温で3日間撹拌し、次に真空中で濃縮し、MPLC(80gのシリカ、勾配:CH
2Cl
2中0→10%のMeOH)により精製して43のHCl塩を黄色非晶性固体として得、それを経時的に黄色/緑色固体(3.49g、11.09mmol、82%の収率)に結晶化させた。
TLC R
f 0.4(CH
2Cl
2中10%のMeOH).
1H NMR(400MHz,MeOD-d
4) δ 7.64-7.54(m,2H)、7.34-7.28(m,2H)、7.13-7.07(m,1H)、3.69(s,3H)、3.60(br s,1H)、3.45(br s,1H)、3.26(br s,2H)、2.96(t,J=6.6Hz,2H)、2.93(s,3H)、2.52(t,J=7.0Hz,2H)、2.13-2.02(m,2H) ppm.
13C NMR(101MHz,MeOD-d
4) δ 172.3、167.9、137.4、127.7、123.3、119.0、54.8、51.2、50.2、38.9、29.1(2
CH
2)、18.3 ppm.
LC/MS(m/z):[M+H]
+ 279.2.
【化45】
トランス-メチル3-アミノシクロブタンカルボキシレート(44):45(0.600g、2.79mmol、1.0当量)をMeOH(20mL、40mmol、14.4当量)中の2M HClに溶解させ、室温で終夜撹拌し、次に乾燥状態まで濃縮し、MeOHと共蒸発させて44のHCl塩を淡黄色固体(0.483g、2.92mmol、定量的収率)として得た。
TLC R
f 0.18(CH
2Cl
2中20%のMeOH).
1H NMR(400MHz,MeOD-d
4) δ 3.99-3.87(m,1H)、3.72(s,3H)、3.30-3.22(m,1H)、2.67-2.58(m,2H)、2.52-2.42(m,2H) ppm.
LC/MS(m/z):[M+H]
+ 130.2.
【化46】
トランス-メチル3-((3-オキソ-3-(フェニルアミノ)プロピル)アミノ)シクロブタンカルボキシレート(46):44・HCl(0.165g、1.00mmol、1.0当量)、N-フェニルアクリルアミド(0.155g、1.05mmol、1.05当量)およびK
2CO
3(0.276g、2.00mmol、2.0当量)を水/EtOH(1:1、10mL)に溶解させた。反応混合物を80℃で38h撹拌し、次に室温に冷却し、1M HCl(40mL)を用いて希釈し、EtOAc(2×30mL)を用いて抽出し、水性層を乾燥状態まで蒸発させた。残留物をMeOH(25mL)に懸濁させ、MeOH中のHClを用いて酸性化させ、室温で3h撹拌し、次に乾燥状態まで濃縮した。残留物を希K
2CO
3溶液(40mL)に溶解させ、CH
2Cl
2(3×25mL)を用いて抽出し、乾燥(MgSO
4)させ、真空中で濃縮した。MPLC(24gのシリカ、勾配:1CVの間CH
2Cl
2、次に10CVにかけてCH
2Cl
2中0→10%のMeOH)により粗生成物を精製して、46を淡黄色油(0.160g、0.578mmol、58%の収率)として得た。
TLC R
f 0.68(CH
2Cl
2中20%のMeOH).
1H NMR(400MHz,CDCl
3) δ 10.00(s,1H)、7.54-7.46(m,2H)、7.34-7.27(m,2H)、7.07(tt,J=7.4,1.2Hz,1H)、3.70(s,3H)、3.65-3.53(m,1H)、3.15-3.03(m,1H)、2.96-2.82(m,2H)、2.61-2.51(m,2H)、2.51-2.45(m,2H)、2.14-2.03(m,2H)、1.66(s,1H) ppm.
LC/MS(m/z):[M+H]
+ 277.2.
【化47】
シス-3-アミノシクロブタンカルボン酸(48):0℃に冷却したCH
2Cl
2(12mL)中の47(0.402g、1.87mmol、1.0当量)の撹拌懸濁液にTFA(3.0mL、39.17mmol、21当量)を加え、次に3.5h以内に室温に温めた。反応混合物を乾燥状態まで濃縮し、CH
2Cl
2およびMeOHと共蒸発させて、48のTFA塩を無色結晶(0.434g、1.89mmol、定量的収率)として得た。
TLC R
f 0.18(CH
2Cl
2中20%のMeOH).
【化48】
シス-メチル3-((3-オキソ-3-(フェニルアミノ)プロピル)アミノ)シクロブタンカルボキシレート(49):48・TFA(0.243g、1.06mmol、1.0当量)、N-フェニルアクリルアミド(0.172g、1.17mmol、1.1当量)およびK
2CO
3(0.330g、2.39mmol、2.25当量)を水/EtOH(1:1、8mL)に溶解させ、75℃で24h撹拌し、次に室温に冷却し、1M HCl(30mL)を用いて希釈し、EtOAc(2×25mL)を用いて抽出し、水性層を乾燥状態まで蒸発させた。残留物をMeOH(25mL)に懸濁させ、HCl(MeOH中2M、1mL)を用いて酸性化させ、室温で4h撹拌し、次に乾燥状態まで濃縮した。残留物を希K
2CO
3溶液(30mL)に溶解させ、CH
2Cl
2(4×20mL)を用いて抽出し、乾燥(MgSO
4)させ、真空中で濃縮した。MPLC(24gのシリカ、勾配:CH
2Cl
2中9CVにかけて0→5%のMeOH、次に8CVにかけて5%のMeOH)により粗生成物を精製して、49を無色油(0.111g、0.402mmol、38%の収率)として得た。
TLC R
f 0.40(CH
2Cl
2中20%のMeOH).
1H NMR(600MHz,CDCl
3) δ 10.13(s,1H)、7.54-7.49(m,2H)、7.32-7.27(m,2H)、7.06(tt,J=7.4,1.2Hz,1H)、3.69-3.67(m,3H)、3.32-3.25(m,1H)、2.91-2.86(m,2H)、2.86-2.78(m,1H)、2.59-2.52(m,2H)、2.49-2.43(m,2H)、2.09-2.01(m,2H)、1.76-1.70(m,1H) ppm.
LC/MS(m/z):[M+H]
+ 277.2.
【化49】
エチル4-((2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)(メチル)アミノ)ブタノエート(51):DMF(9mL)中の50(1.52g、8.74mmol、1.0当量)およびK
2CO
3(2.42g、17.49mmol、2.0当量)の撹拌懸濁液にエチル4-ブロモブチレート(1.38mL、9.62mmol、1.1当量)を加えた。反応混合物を100℃で16h撹拌し、次に室温に冷却し、水(100mL)に注ぎ、EtOAc(3×100mL)を用いて抽出した。合わせた有機層を乾燥(MgSO
4)させ、濾過し、真空中で濃縮した。FCC(280gのシリカ、溶出液:CH
2Cl
2中8%、次に20%のMeOH)により粗生成物を精製して、51を褐色油(2.21g、7.67mmol、88%の収率)として得た。
TLC R
f 0.41(CH
2Cl
2中10%のMeOH).
1H NMR(400MHz,MeOD-d
4) δ 4.12(q,J=7.1Hz,2H)、3.16(t,J=6.8Hz,2H)、2.48(t,J=6.8Hz,2H)、2.46-2.41(m,2H)、2.35(t,J=7.2Hz,2H)、2.26(s,3H)、1.78(app p,J=7.2Hz,2H)、1.44(s,9H)、1.25(t,J=7.1Hz,3H) ppm.
LC/MS(m/z):[M+H]
+ 289.2.
【化50】
メチル4-((2-アミノエチル)(メチル)アミノ)ブタノエート(52):51(1.80g、6.27mmol、1当量)をMeOH(8mL、156.74mmol、25当量)中の2M HClに溶解させ、室温で26h撹拌した。溶媒を真空中で除去し、MeOH(3×10mL)との共蒸発および高真空により残留した酸を除去して、52の2・HCl塩を黄色非晶性固体(1.54g、6.24mmol、定量的収率)として得た。生成物をMeOH中のストック溶液として貯蔵し、さらなる精製なしで使用した。
TLC R
f 0.08(CH
2Cl
2中20%のMeOH)、0.21(CH
2Cl
2中20%のMeOHおよび0.5%のNH
4OH)
1H NMR(400MHz,MeOD-d
4) δ 3.70(s,3H)、3.62-3.43(m,4H,2CH
2)、3.39-3.23(m,2H,CH
2)、2.98(s,3H)、2.53(t,J=7.0Hz,2H)、2.17-2.04(m,2H) ppm.
13C NMR(101MHz,MeOD-d
4) δ 174.3、57.1、53.7、52.4、41.0、35.3、31.1、20.4 ppm.
LC/MS(m/z):[M+H]
+ 175.2.
【化51】
メチル4-(メチル(2-オキソ-2-(フェニルアミノ)エチル)アミノ)ブタノエート(53):2-ブロモ-N-フェニルアセトアミド(0.600g、2.80mmol、1.0当量)、N-Me-ガンマ-アミノ酪酸・HCl(0.450g、2.94mmol、1.05当量)およびK
2CO
3(0.775g、5.61mmol、2.0当量)をDMF(10mL)に懸濁させ、100℃で1h撹拌し、次に2M HClを用いて酸性化させ、乾燥状態まで蒸発させた。残留物をMeOH(15mL)に再懸濁させ、HCl(MeOH中2M、0.5mL)を用いて酸性化させ、室温で終夜撹拌し、次に濃縮した。残留物を希K
2CO
3溶液(25mL)に溶解させ、CH
2Cl
2(3×20mL)を用いて抽出し、乾燥(MgSO
4)させ、真空中で濃縮した。MPLC(24gのシリカ、勾配:20CVにかけてCH
2Cl
2中0→10%のMeOH)により粗生成物を精製して、53を無色油(0.192g、0.726mmol、26%の収率)として得た。
TLC R
f 0.69(CH
2Cl
2中10%のMeOH).
1H NMR(600MHz,CDCl
3) δ 9.07(s,1H)、7.66-7.62(m,2H)、7.36-7.30(m,2H)、7.12-7.07(m,1H)、3.66(s,3H)、3.13(s,2H)、2.53(t,J=7.0Hz,2H)、2.40(t,J=7.0Hz,2H)、2.33(s,3H)、1.88(p,J=7.0Hz,2H) ppm.
LC/MS(m/z):[M+H]
+ 265.2.
【化52】
tert-ブチル(2-アクリルアミドフェニル)カルバメート(54):飽和NaHCO
3溶液(10mL)およびEtOAc(10mL)中の激しく撹拌したN-Boc-1,2-フェニレンジアミン(500mg、2.40mmol、1.0当量)に塩化アクリロイル(217μL、2.64mmol、1.1当量)を加えた。5分間の撹拌後、EtOAc(20mL)を用いて反応混合物を希釈し、相を分離させ、飽和NaHCO
3溶液(2×20mL)および水(20mL)を用いて有機層を洗浄し、次に乾燥(MgSO
4)させ、濃縮して、純粋な54をオフホワイト固体(619mg、2.36mmol、98%の収率)として得た。
TLC R
f 0.24(ヘキサン中30%のEtOAc).
1H NMR(600MHz,CDCl3) δ 8.46(s,1H)、7.57-7.52(m,1H)、7.34-7.29(m,1H)、7.18-7.10(m,2H)、6.92(s,1H)、6.40(d,J=17.0Hz,1H)、6.24(dd,J=17.0,10.4Hz,1H)、5.76(d,J=10.4Hz,1H)、1.51(s,9H) ppm.
LC/MS(m/z):[M+Na]
+ 285.1.
【化53】
メチル4-((2-(ベンズイミダゾール-2-イル)エチル)(メチル)アミノ)ブタノエート(55):54(0.609g、2.32mmol、1.0当量)、N-Me-ガンマ-アミノ酪酸・HCl(0.373g、2.44mmol、1.05当量)およびK
2CO
3(0.642g、4.64mmol、2.0当量)を水/EtOH(1:1、10mL)に溶解させ、穏やかな還流で16h撹拌し、次に室温に冷却し、2M HCl(10mL)を用いて希釈し、乾燥状態まで蒸発させた。MeOHおよびトルエン(各2×20mL)との共蒸発により残留水を除去し、次にHCl(乾燥MeOH中0.5M、30mL)を加え、終夜還流させた。反応混合物を濃縮し、希K
2CO
3溶液(30mL)に溶解させ、CH
2Cl
2(3×25mL)を用いて抽出し、乾燥(MgSO
4)させ、真空中で濃縮した。MPLC(24gのシリカ、勾配:CH
2Cl
2中8CVにかけて0→8%のMeOH、次に10CVにかけて8%のMeOH)により粗生成物を精製して、55を褐色油(0.312g、1.133mmol、49%の収率)として得た。
TLC R
f 0.28(CH
2Cl
2中20%のMeOH).
1H NMR(600MHz,CDCl
3) δ 7.59-7.51(m,2H)、7.21-7.15(m,2H)、3.65(s,3H)、3.08(t,J=6.2Hz,2H)、2.78(t,J=6.2Hz,2H)、2.47(t,J=7.1Hz,2H)、2.37(t,J=7.1Hz,2H)、2.29(s,3H)、1.87(app p,J=7.1Hz,2H) ppm.
LC/MS(m/z):[M+H]
+ 276.2.
【化54】
tert-ブチルメチル(4-オキソ-4-(フェニルアミノ)ブチル)カルバメート(56):THF(5mL)中のカルボニルジイミダゾール(0.616g、3.80mmol、1.1当量)の撹拌懸濁液にN-Me-N-Boc-ガンマ-アミノ酪酸(0.750g、3.45mmol、1.0当量)を加え、室温での3hの撹拌後、アニリン(0.299mL、3.28mmol、0.95当量)を加え、反応混合物を室温で5h撹拌し、次にEtOAc(50mL)を用いて希釈し、水(200mL)に注いだ。相を分離させ、EtOAc(2×50mL)を用いて水性相を抽出した。氷冷0.1M HCl(2×100mL)、飽和Na
2CO
3溶液(100mL)を用いて合わせた有機層を洗浄し、次に乾燥(MgSO
4)させ、濾過し、真空中で濃縮して、56を黄色油(0.821g、2.81mmol、86%の収率)として得た。
TLC R
f 0.47(CH
2Cl
2中10%のMeOH).
1H NMR(600MHz,CDCl
3) δ 9.37(br s,1H)、7.64(br s,2H)、7.31(t,J=7.8Hz,2H)、7.07(t,J=7.5Hz,1H)、3.36(br s,2H)、2.86(s,3H)、2.31(t,J=6.3Hz,2H)、1.91(app p,J=6.5Hz,2H)、1.49(s,9H) ppm.
LC/MS(m/z):[M+Na]
+ 315.2.
【化55】
メチル4-(メチル(4-オキソ-4-(フェニルアミノ)ブチル)アミノ)ブタノエート(57):CH
2Cl
2(8mL)中の56(0.810g、2.77mmol、1.0当量)の撹拌溶液にTFA(2.1mL、27.7mmol、10当量)を加え、1h撹拌し、次に乾燥状態まで濃縮した。残留物をDMF(5mL)に溶解させ、K
2CO
3(1.15g、8.31mmol、3.0当量)およびメチル4-ブロモブチレート(0.367mL、2.91mmol、1.05当量)を加えた。反応混合物を100℃に加熱し、4.5h撹拌し、次に濃縮し、希K
2CO
3溶液(100mL)に溶解させ、CH
2Cl
2(4×60mL)を用いて抽出し、ブライン(100mL、pH 12に塩基性化)を用いて合わせた有機層を洗浄し、次に乾燥(MgSO
4)させ、真空中で濃縮した。FCC(78gのシリカ、溶出液:CH
2Cl
2中5%、次に10%のMeOHおよび0.5%のNH
4OH)により粗生成物を精製して、57を黄色油(0.537g、1.84mmol、66%の収率)として得た。
TLC R
f 0.17(CH
2Cl
2中10%のMeOHおよび0.5%のNH
4OH).
1H NMR(600MHz,CDCl
3) δ 9.15(s,1H)、7.57-7.52(m,2H)、7.29-7.23(m,2H)、7.03(tt,J=7.3,1.2Hz,1H)、3.64(s,3H)、2.44-2.37(m,6H)、2.32(t,J=7.1Hz,2H)、2.21(s,3H)、1.87-1.77(m,4H) ppm.
LC/MS(m/z):[M+H]
+ 293.2.
【化56】
メチル4-((3-(ベンズイミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)ブタノエート(59):N-Boc-1,2-フェニレンジアミン(0.200g、0.960mmol、1.0当量)、N-Me-N-Boc-ガンマ-アミノ酪酸(0.209g、0.960mmol、1.0当量)およびHATU(0.438g、1.15mmol、1.2当量)をDMF(2.5mL)に溶解させ、DIPEA(0.384mL、2.88mmol、3.0当量)を加え、μ波照射により反応混合物を80℃に20分間加熱した。EtOAc(50mL)を用いて反応混合物を希釈し、希K
2CO
3溶液(30mL)およびブライン(2×30mL)を用いて洗浄し、乾燥(MgSO
4)させ、真空中で濃縮した。MPLC(10gのシリカ、勾配:ヘキサン中のEtOAc)により粗生成物を精製して、58を白色泡(355mg、0.870mmol、91%の収率、m/z:[M+Na]
+:430.2、TLC R
f 0.57 ヘキサン中60%のEtOAc)として得、それをTFA/CH
2Cl
2(CH
2Cl
2中25%のTFA、10mL)に溶解させ、室温で90分撹拌し、次に乾燥状態まで濃縮した。残留物をDMF(2.0mL)に溶解させ、エチル4-ブロモブチレート(131μL、0.914mmol、1.05当量)およびK
2CO
3(0.481g、3.48mmol、4.0当量)を加え、混合物を85℃で18h撹拌し、次に1M水性HClを用いて酸性化させ、溶液を乾燥状態まで濃縮した。残留物をメタノールHCl(0.5M、30mL)中で21h還流させ、次に濃縮し、水(30mL)に再溶解させ、K
2CO
3を用いてpH 12に調整し、CH
2Cl
2(4×30mL)を用いて抽出し、乾燥(MgSO
4)させ、真空中で濃縮した。MPLC(12gのシリカ、勾配:CH
2Cl
2中0→20%のMeOH)により粗生成物を精製して、59を褐色油として得、これは経時的に固体化した(0.133g、0.460mmol、4工程にかけて48%の収率).
TLC R
f 0.19(CH
2Cl
2中20%のMeOH).
1H NMR(600MHz,CDCl
3) δ 7.57-7.52(m,2H)、7.20-7.17(m,2H)、3.68(s,3H)、3.07-3.02(m,2H)、2.49(t,J=5.9Hz,2H)、2.45(d,J=7.2Hz,2H)、2.39(t,J=7.2Hz,2H)、2.26(s,3H)、1.98(app p,J=6.2Hz,2H)、1.89(app p,J=7.2Hz,2H) ppm.
LC/MS(m/z):[M+H]
+ 290.2.
【化57】
エチル4-((3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)(メチル)アミノ)ブタノエート(61):DMF(10mL)中の60(2.50g、13.28mmol、1.0当量)およびK
2CO
3(3.67g、26.56mmol、2.0当量)の撹拌懸濁液にエチル4-ブロモブチレート(2.09mL、14.61mmol、1.1当量)を加えた。反応混合物を100℃で16h撹拌し、次に室温に冷却し、水(180mL)に注ぎ、EtOAc(3×75mL)を用いて抽出した。合わせた有機層を乾燥(MgSO
4)させ、濾過し、真空中で濃縮した。FCC(500gのシリカ、溶出液:CH
2Cl
2中8%、次に12%、次に20%のMeOH)により粗生成物を精製し、合わせた生成物画分をセライトのパッドを通じて濾過して、61を透明な黄色油(3.27g、10.82mmol、81%の収率)として得た。
TLC R
f 0.23(CH
2Cl
2中10%のMeOH).
1H NMR(400MHz,CDCl
3) δ 5.33(br s,1H)、4.12(q,J=7.1Hz,2H)、3.19(app q,J=6.3Hz,2H)、2.50(br s,4H)、2.35(t,J=7.3Hz,2H)、2.30(br s,3H)、1.91-1.79(m,2H)、1.78-1.66(m,2H)、1.43(s,9H)、1.25(t,J=7.1Hz,3H) ppm.
LC/MS(m/z):[M+H]
+ 303.0.
【化58】
メチル4-((3-アミノプロピル)(メチル)アミノ)ブタノエート(62):61(3.27g、10.82mmol、1.0当量)をMeOH(135mL、270.4mmol、25当量)中の2M HClに溶解させ、室温で26h撹拌した。溶媒を真空中で除去し、MeOH(3×50mL)との共蒸発および高真空により残留した酸を除去して、62の2・HCl塩を褐色-橙色非晶性固体(2.924g、11.20mmol、定量的収率)として得た。生成物をMeOH中のストック溶液として貯蔵し、さらなる精製なしで使用した。
1H NMR(400MHz,MeOD-d
4) δ 3.70(s,3H)、3.44-3.14(m,4H,MeODシグナルと部分的にオーバーラップ)、3.08(t,J=7.6Hz,2H)、2.93(s,3H)、2.52(t,J=7.0Hz,2H)、2.18(app p,J=7.7Hz,2H)、2.13-2.02(m,2H) ppm.
LC/MS(m/z):[M+H]
+ 189.1.
【化59】
メチル4-((3-ベンズアミドプロピル)(メチル)アミノ)ブタノエート(63):飽和NaHCO
3溶液(4mL)およびEtOAc(4mL)中の激しく撹拌した62 2・HCl(182.8mg、0.700mmol、1.0当量)に塩化ベンゾイル(0.177mL、1.54mmol、2.2当量)を加えた。90分間の撹拌後、EtOAc(15mL)および飽和NaHCO
3溶液(15mL)を用いて反応混合物を希釈し、相を分離させ、EtOAc(2×20mL)を用いて水性層を抽出し、合わせた有機層を乾燥(MgSO
4)させ、濃縮した。MPLC(12gのシリカ、勾配:CH
2Cl
2中12CVの間0→8%、次に12CVの間8%のMeOH)により粗生成物を精製して、十分に純粋な63を黄色油(175.2mg、約0.599mmol、約86%の収率)として得た。
TLC R
f 0.20(CH
2Cl
2中10%のMeOH).
1H NMR(400MHz,CDCl3) δ 8.10-8.01(m,1H)、7.87-7.80(m,2H)、7.51-7.33(m,4H,不純物)、6.67(s,1H)、3.63(s,3H)、3.58-3.52(m,2H)、2.66(t,J=6.3Hz,2H)、2.58-2.50(m,2H)、2.36(s,3H)、2.32(t,J=7.2Hz,2H)、1.92-1.80(m,4H) ppm.
LC/MS(m/z):[M+H]
+ 292.9.
注記:化合物は95%未満の純度で得られた。塩化ベンゾイルが主な不純物であったが、物質は次の反応のために十分に純粋であり、さらなる精製なしで使用した。
【化60】
N-(2-((2-(2-(トリチルチオ)アセトアミド)エチル)アミノ)エチル)ベンズアミド(65):メチル2-(トリチルチオ)アセテート
47(0.628g、1.804mmol、1.0当量)を、開いたフラスコ中で85℃に加熱したニートtert-ブチルビス(2-アミノエチル)カルバメート
48(0.734g、3.608mmol、2.0当量)に小分けで加え、3.5h撹拌し、次に室温に冷却し、EtOAc(100mL)に溶解させ、飽和NaHCO
3溶液(2×80mL)を用いて洗浄し、乾燥(MgSO
4)させ、濃縮した。MPLC(12gのシリカ、勾配:20CVの間CH
2Cl
2中0→20%のMeOHおよび0.5%のNH
4OH)により粗生成物を精製して、64を白色泡(638mg、1.228mmol、68%の収率、(m/z):[M+H]
+ 520.3、TLC R
f 0.61 CH
2Cl
2中20%のMeOHおよび0.5%のNH
4OH)として得、それを飽和NaHCO
3溶液(10mL)およびEtOAc(10mL)に溶解させた。塩化ベンゾイル(0.163mL、1.412mmol、1.15当量)を激しい撹拌と共に加え、10分後に飽和NaHCO
3溶液(40mL)およびEtOAc(40mL)を用いて反応混合物を希釈し、相を分離させ、飽和NaHCO
3溶液(40mL)を用いて有機層を洗浄し、次に乾燥(MgSO
4)させ、濃縮した。得られた白色泡(787mg)をCH
2Cl
2(10mL)に溶解させ、塩化トリチル(0.103mg、0.368mmol、0.3当量)およびTFA(5.0mL、65.1mmol、53当量)を加え、室温で2h撹拌した。次に、CH
2Cl
2(80mL)を用いて反応液を希釈し、0℃に冷却し、1M NaOH(100mL)を用いてクエンチした。相を分離させ、CH
2Cl
2(4×50mL)を用いて水性相を抽出した。合わせた有機層を乾燥(MgSO
4)させ、濃縮した。MPLC(12gのシリカ、勾配:CH
2Cl
2中10CVの間0→10%、次に10CVの間10%のMeOHおよび0.5%のNH
4OH)により粗生成物を精製して、十分に純粋(約80%)な65を白色泡(528mg、約0.806mmol、3工程にかけて約49%の収率)として得た。
TLC R
f 0.41(CH
2Cl
2中10%のMeOHおよび0.5%のNH
4OH).
1H NMR(400MHz,CDCl3) δ 7.41-7.35(m,8H)、7.31-7.18(m,CDCl
3ピークとオーバーラップ)、6.84-6.72(br,1H)、6.32(t,J=5.5Hz,1H)、3.50(app q,J=5.4Hz,2H)、3.10(s,2H)、3.06(app q,J=5.9Hz,2H)、2.86-2.79(m,2H)、2.65-2.58(m,2H)、1.77(s,3H) ppm. 不純物のシグナルは列記していない。
LC/MS(m/z):[M+H]
+ 524.2.蒸発光散乱による純度:約80重量%。
注記:化合物は約80%の純度で得られたが、物質は次の反応のために十分に純粋であり、さらなる精製なしで使用した。不純物は243.2(Tr
+)の(m/z)を与え、その後の工程において除去した。収率は純度について補正している。
【化61】
メチル2-(1-(3-オキソ-3-(フェニルアミノ)プロピル)アゼチジン-3-イル)アセテート(66):2-(1-(tert-ブトキシカルボニル)アゼチジン-3-イル)酢酸(1.000g、4.646mmol、1.0当量)を0℃でTFA(CH
2Cl
2中25%、25mL、65.04mmol、14当量)に溶解させ、1h撹拌しながら室温に温め、次に乾燥状態まで濃縮した。水からの凍結乾燥により過剰な酸を除去した。N-フェニルアクリルアミド(0.743g、5.05mmol、1.05当量)およびK
2CO
3(1.994g、14.43mmol、3.0当量)と共に、残留物を水/EtOH(1:1、15mL)に溶解させた。反応混合物を80℃で5h撹拌し、次に室温に冷却し、1M HCl(40mL)を用いて希釈し、EtOAc(2×30mL)を用いて抽出し、水性層を乾燥状態まで蒸発させた。残留物をMeOH(25mL)に懸濁させ、MeOH中のHClを用いて酸性化させ、室温で3h撹拌し、次に乾燥状態まで濃縮した。残留物を希K
2CO
3溶液(40mL)に溶解させ、CH
2Cl
2(3×25mL)を用いて抽出し、乾燥(MgSO
4)させ、真空中で濃縮した。MPLC(40gのシリカ、勾配:2CVの間CH
2Cl
2、CH
2Cl
2中8CVにかけて0→7%のMeOH、次に7CVにかけて7%のMeOH)により粗生成物を精製して、十分に純粋な66を黄色油(0.1729g、粗、2工程にかけて約13%の収率)として得た。物質は非エステル不純物を含有したが、さらなる精製なしで使用した。
TLC R
f 0.50(CH
2Cl
2中20%のMeOH).
LC/MS(m/z):[M+H]
+ 277.2.
【化62】
N-(2-((4-(ヒドロキシアミノ)-4-オキソブチル)(メチル)アミノ)エチル)ベンズアミド(DKFZ-711):一般手順Aにしたがってエステル43(187.3mg、0.673mmol、1.0当量)から表題化合物を調製し、HPLC酸性方法(勾配:3分で1→10%のB、次に11分で10→45%のB)により精製して、DKFZ-711のTFA塩を橙色吸湿性非晶性固体(174.2mg、0.443mmol、66%の収率)として得た。
TLC R
f 0.21(CH
2Cl
2中10%のMeOHおよび0.5%のNH
4OH).
1H NMR(400MHz,D
2O) δ 7.49-7.40(m,4H)、7.33-7.22(m,1H)、3.70-3.58(m,1H)、3.51-3.37(m,1H)、3.33-3.18(m,2H)、2.97(t,J=6.7Hz,2H)、2.93(s,3H)、2.32(t,J=7.2Hz,2H)、2.14-2.03(m,2H) ppm.
13C NMR(101MHz,D
2O) δ 171.1、170.1、136.5、129.2、125.7、121.8、55.5、51.8、40.0、30.0、29.0、19.6 ppm. TFAのシグナルは列記していない。
HR-MS(m/z):C
14H
22N
3O
3
+についての[M+H]
+ 計算値:280.1656;実測値:280.1656.
【化63】
4-(エチル(3-オキソ-3-(フェニルアミノ)プロピル)アミノ)-N-ヒドロキシブタンアミド(DKFZ-714):一般手順Cにしたがって42・HCl(100mg、0.349mmol、1.0当量)から表題化合物の対応するメチルエステルを調製した。一般手順Aにしたがって粗生成物をヒドロキサム酸に変換し、HPLC酸性方法(勾配:3分で1→10%のB、次に11分で10→45%のB)により精製して、DKFZ-714のTFA塩を黄色吸湿性非晶性固体(51.8mg、0.127mmol、3工程にかけて36%の収率)として得た。
TLC R
f 0.08(CH
2Cl
2中10%のMeOH).
1H NMR(400MHz,D
2O) δ 7.48-7.41(m,4H)、7.32-7.22(m,1H)、3.59-3.50(m,2H)、3.31(q,J=7.3Hz,2H)、3.28-3.18(m,2H)、2.95(t,J=6.8Hz,2H)、2.36-2.28(m,2H)、2.12-2.01(m,2H)、1.34(t,J=7.3Hz,3H) ppm.
13C NMR(101MHz,D
2O) δ 174.0、173.0、139.3、132.1、128.6、124.7、54.7、51.3、51.1、32.9、31.9、22.1、11.0 ppm. TFAのシグナルは列記していない。
HR-MS(m/z):C
15H
24N
3O
3
+についての[M+H]
+ 計算値:294.1812;実測値:294.1816.
【化64】
4-(イソプロピル(3-オキソ-3-(フェニルアミノ)プロピル)アミノ)-N-ヒドロキシブタンアミド(DKFZ-715):一般手順Cにしたがって42・HCl(150mg、0.523mmol、1.0当量)から表題化合物の対応するメチルエステルを調製した。一般手順Aにしたがって粗生成物をヒドロキサム酸に変換し、HPLC酸性方法(勾配:3分で1→10%のB、次に11分で10→45%のB)により精製して、DKFZ-715のTFA塩を黄色吸湿性非晶性固体(33.0mg、0.078mmol、3工程にかけて15%の収率)として得た。
TLC R
f 0.04(CH
2Cl
2中10%のMeOH).
1H NMR(400MHz,D
2O) δ 7.48-7.39(m,4H)、7.28(dtd,J=8.4,5.0,3.1Hz,1H)、3.78(hept,J=6.6Hz,1H)、3.59(dt,J=13.9,7.0Hz,1H)、3.39(dt,J=13.4,6.5Hz,1H)、3.25(ddd,J=13.3,9.0,6.8Hz,1H)、3.14(ddd,J=13.4,9.0,6.5Hz,1H)、2.94(t,J=6.8Hz,2H)、2.33(t,J=7.0Hz,2H)、2.14-1.96(m,2H)、1.35(t,J=7.1Hz,6H) ppm.
13C NMR(101MHz,D
2O) δ 174.0、173.1、139.3、132.1、128.6、124.7、58.6、52.7、48.9、33.5、32.1、23.2、18.7、18.3 ppm. TFAのシグナルは列記していない。
HR-MS(m/z):C
16H
26N
3O
3
+についての[M+H]
+ 計算値:308.1969;実測値:308.1974.
【化65】
4-(プロピル(3-オキソ-3-(フェニルアミノ)プロピル)アミノ)-N-ヒドロキシブタンアミド(DKFZ-716):一般手順Cにしたがって42・HCl(150mg、0.523mmol、1.0当量)から表題化合物の対応するメチルエステルを調製した。一般手順Aにしたがって粗生成物をヒドロキサム酸に変換し、HPLC酸性方法(勾配:3分で1→10%のB、次に11分で10→45%のB)により精製して、DKFZ-716のTFA塩を黄色吸湿性非晶性固体(110mg、0.260mmol、3工程にかけて50%の収率)として得た。
TLC R
f 0.17(CH
2Cl
2中10%のMeOH).
1H NMR(400MHz,D
2O) δ 7.48-7.39(m,4H)、7.27(tt,J=5.6,2.9Hz,1H)、3.59-3.48(m,2H)、3.20(dt,J=19.4,9.8Hz,4H)、2.93(d,J=6.5Hz,2H)、2.30(ddd,J=7.4,5.2,2.0Hz,2H)、2.10-1.97(m,2H)、1.83-1.67(m,2H)、0.98(td,J=7.4,1.6Hz,3H) ppm.
13C-DEPT NMR(101MHz,D
2O) δ 129.3(CH)、125.8(CH)、121.8(CH)、55.0(CH
2)、52.4(CH
2)、48.8(CH
2)、30.0(CH
2)、29.0(CH
2)、19.2(CH
2)、16.9(CH
2)、10.1(CH
3) ppm.
HR-MS(m/z):C
16H
26N
3O
3
+についての[M+H]
+ 計算値:308.1969;実測値:308.1974.
【化66】
4-(ブチル(3-オキソ-3-(フェニルアミノ)プロピル)アミノ)-N-ヒドロキシブタンアミド(DKFZ-717):一般手順Cにしたがって42・HCl(150mg、0.523mmol、1.0当量)から表題化合物の対応するメチルエステルを調製した。一般手順Aにしたがって粗生成物をヒドロキサム酸に変換し、HPLC酸性方法(勾配:3分で1→10%のB、次に11分で10→45%のB)により精製して、DKFZ-717のTFA塩を黄色吸湿性非晶性固体(127mg、0.292mmol、3工程にかけて56%の収率)として得た。
TLC R
f 0.08(CH
2Cl
2中10%のMeOH).
1H NMR(400MHz,D
2O) δ 7.46-7.40(m,4H)、7.30-7.22(m,1H)、3.59-3.48(m,2H)、3.27-3.14(m,4H)、2.98-2.88(m,2H)、2.35-2.25(m,2H)、2.10-1.98(m,2H)、1.77-1.65(m,2H)、1.38(app p,J=7.5Hz,2H)、0.97-0.89(m,3H) ppm.
13C NMR(101MHz,D
2O) δ 171.2、170.2、136.5、129.3、125.8、121.9、53.3、52.4、48.9、30.0、29.0、25.2、19.3(2 CH
2)、12.8 ppm. TFAのシグナルは列記していない。
HR-MS(m/z):C
17H
28N
3O
3
+についての[M+H]
+ 計算値:322.2125;実測値:322.2127.
【化67】
4-(ベンジル(3-オキソ-3-(フェニルアミノ)プロピル)アミノ)-N-ヒドロキシブタンアミド(DKFZ-718):一般手順Cにしたがって42・HCl(150mg、0.523mmol、1.0当量)から表題化合物の対応するメチルエステルを調製した。一般手順Aにしたがって粗生成物をヒドロキサム酸に変換し、HPLC酸性方法(勾配:3分で1→10%のB、次に11分で10→45%のB)により精製して、DKFZ-718のTFA塩をオフホワイト固体(119mg、0.254mmol、3工程にかけて49%の収率)として得た。
TLC R
f 0.17(CH
2Cl
2中10%のMeOH).
1H NMR(400MHz,MeOD-d
4) δ 7.62-7.48(m,7H)、7.35-7.29(m,2H)、7.11(tt,J=7.4,1.2Hz,1H)、4.45(s,2H)、3.54(t,J=6.8Hz,2H)、3.28(t,J=7.4Hz,2H)、2.91(t,J=6.8Hz,2H)、2.27(t,J=6.3Hz,2H)、2.09(p,J=6.7Hz,2H) ppm.
13C NMR(101MHz,MeOD-d
4) δ 171.4、170.1、139.4、132.1、131.3、130.8、130.6、129.9、125.5、121.3、58.9、54.6、50.3、31.1、30.6、20.7 ppm. TFAのシグナルは列記していない。
HR-MS(m/z):C
20H
26N
3O
3
+についての[M+H]
+ 計算値:356.1969;実測値:356.1972.
【化68】
4-(シクロプロピル(3-オキソ-3-(フェニルアミノ)プロピル)アミノ)-N-ヒドロキシブタンアミド(DKFZ-724):42・HCl(150mg、0.523mmol、1.0当量)およびNaCNBH
3(49.3mg、0.785mmol、1.5当量)を充填したSchlenkチューブに、アルゴン雰囲気下で脱気水(1.5mL)、(1-エトキシシクロプロポキシ)トリメチルシラン(1.05mL、5.23mmol、10当量)およびHCl(37%、51.5μL、0.523mmol、1.0当量)を加えた。混合物を7d激しく撹拌し、出発材料の完全な消費まで脱気水中の溶液としてさらなるNaCNBH
3(2.2当量)を小分けで加えた。乾燥状態まで蒸発させることにより反応を停止させ、エステル化し、一般手順Cに記載されるように粗生成物を単離した。一般手順Aにしたがって粗生成物をヒドロキサム酸に変換し、HPLC酸性方法(勾配:3分で1→10%のB、次に11分で10→45%のB)により精製して、DKFZ-724のTFA塩を白色固体(32.8mg、0.078mmol、3工程にかけて15%の収率)として得た。
TLC R
f 0.17(CH
2Cl
2中10%のMeOH).
1H NMR(400MHz,D
2O) δ 7.50-7.40(m,4H)、7.29(qt,J=5.5,2.9Hz,1H)、3.71(t,J=6.7Hz,2H)、3.42-3.31(m,2H)、3.04(t,J=6.7Hz,2H)、2.86(ddd,J=11.2,7.2,4.6Hz,1H)、2.33(t,J=7.1Hz,2H)、2.15(dq,J=14.6,7.2Hz,2H)、1.06(dd,J=13.8,3.2Hz,2H)、1.05(s,2H) ppm.
13C NMR(101MHz,D
2O) δ 174.1、173.1、139.3、132.1、128.6、124.7、58.1、54.0、40.4、33.3、32.0、22.3、7.3(2 CH
2) ppm. TFAのシグナルは列記していない。
【化69】
N-(2-((4-(ヒドロキシアミノ)-4-オキソブチル)(メチル)アミノ)エチル)ベンズアミド(DKFZ-728):12mLのMeCN/水(10:2)中の52 2・HCl(321mg、1.30mmol、1.0当量)およびK
2CO
3(629mg、4.55mmol、3.5当量)の撹拌溶液にBzCl(172μL、1.50mmol、1.15当量)を加え、TLCが完全な変換を指し示すまで室温で撹拌し、次に真空中で濃縮した。残留物をEtOAc(25mL)および希K
2CO
3溶液(30mL)に溶解させ、相を分離させ、EtOAc(2×25mL)を用いて水性相を抽出した。希K
2CO
3溶液(2×25mL)およびブライン(25mL)を用いて合わせた有機層を洗浄し、次に乾燥(MgSO
4)させ、濃縮した。MPLC(24gのシリカ、勾配:CH
2Cl
2中0→10%のMeOH)により粗生成物を精製して、DKFZ-728の対応するメチルエステル(167mg、m/z:[M+H]
+:279.2)を得、それを一般手順AにしたがってDKFZ-728に直接的に変換し、RP-MPLC(43gのC18シリカ、勾配:3CVにかけて0%のB、次に12CVにかけて0→20%)により精製して、DKFZ-728を白色固体(115mg、0.412mmol、2工程にかけて32%の収率)として得た。
TLC R
f 0.26(CH
2Cl
2中20%のMeOH)
1H NMR(600MHz,DMSO-d
6) δ 10.34(s,1H)、8.68(s,1H)、8.38(t,J=5.7Hz,1H)、7.84-7.80(m,2H)、7.53-7.49(m,1H)、7.47-7.43(m,2H)、3.39-3.31(m,水のピークとオーバーラップ)、2.47(t,J=7.0Hz,2H)、2.32(t,J=7.2Hz,2H)、2.19(s,3H)、1.96(t,J=7.4Hz,2H)、1.62(app p,J=7.3Hz,2H) ppm.
13C NMR(151MHz,DMSO-d
6) δ 22.9、30.1、37.2、41.9、56.1、56.5、127.1、128.3、131.0、134.6、166.1、169.1 ppm.
LC/MS(m/z):[M+H]
+ 280.2、[M-H]
- 278.2.
HR-MS(m/z):C
14H
22N
3O
3
+についての[M+H]
+ 計算値:280.1656;実測値:280.1657.
【化70】
N-(2-((4-(ヒドロキシアミノ)-4-オキソブチル)(メチル)アミノ)エチル)-[1,1’-ビフェニル]-4-カルボキサミド(DKFZ-746):飽和NaHCO
3溶液(6mL)およびCH
2Cl
2(10mL)中の52 2・HCl(82mg、0.330mmol、1.0当量)の激しく撹拌した溶液に塩化4-フェニルベンゾイル(125mg、0.577mmol、1.8当量)を加えた。水(100mL)を用いて反応混合物を希釈し、CH
2Cl
2(3×30mL)を用いて抽出し、希K
2CO
3溶液(2回)およびブライン(50mL)を用いて合わせた有機層を洗浄し、次に乾燥(MgSO
4)させ、濃縮した。一般手順Aにしたがって残留物を直接的にヒドロキサム酸に変換し、HPLC塩基性方法(勾配:12分で1→75%のB)により精製して、DKFZ-746を白色飛散性固体(34.3mg、0.097mmol、2工程にかけて29%の収率)として得た。
1H NMR(400MHz,MeOD-d
4) δ 7.94-7.87(m,2H)、7.73-7.68(m,2H)、7.68-7.62(m,2H)、7.49-7.42(m,2H)、7.40-7.33(m,1H)、3.53(t,J=6.8Hz,2H)、2.63(t,J=6.8Hz,2H)、2.50-2.43(m,2H)、2.32(s,3H)、2.12(t,J=7.3Hz,2H)、1.81(app p,J=7.3Hz,2H) ppm.
13C NMR(101MHz,MeOD-d
4) δ 172.1、169.9、145.7、141.3、134.3、130.0、129.1、128.9、128.1、128.0、57.9、57.3、42.4、38.5、31.6、24.1 ppm.
HR-MS(m/z):C
20H
26N
3O
3
+についての[M+H]
+ 計算値:356.1969;実測値:356.1972.
【化71】
3-アミノ-N-(2-((4-(ヒドロキシアミノ)-4-オキソブチル)(メチル)アミノ)エチル)ベンズアミド(DKFZ-747):一般手順Bにしたがったがカップリング試薬としてDCCを用いてエステル52 2・HCl(80.0mg、0.324mmol、1.0当量)から表題化合物を調製した。沈殿したDCUを濾過により除去し、一般手順Aにしたがって濃縮した濾液を直接的にヒドロキサム酸に変換し、HPLC塩基性方法(勾配:12分で1→30%のB)により精製して、DKFZ-747をオフホワイト粉末(66.8mg、0.227mmol、2工程にかけて70%の収率)として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 10.82-8.38(br,2H)、8.08(t,J=5.7Hz,1H)、7.05(t,J=7.8Hz,1H)、7.00(t,J=2.0Hz,1H)、6.91(dt,J=7.6,1.4Hz,1H)、6.70-6.63(m,1H)、5.20(s,2H)、3.32-3.24(m,水のピークとオーバーラップ)、2.43(t,J=7.0Hz,2H)、2.30(t,J=7.2Hz,2H)、2.17(s,3H)、1.96(t,J=7.4Hz,2H)、1.61(app p,J=7.4Hz,2H) ppm.
13C NMR(101MHz,DMSO-d
6) δ 169.1、166.9、148.6、135.6、128.6、116.3、114.2、112.7、56.5、56.2、41.9、37.1、30.1、22.9 ppm.
HR-MS(m/z):C
14H
23N
4O
3
+についての[M+H]
+ 計算値:295.1765;実測値:295.1768.
【化72】
N-(2-((4-(ヒドロキシアミノ)-4-オキソブチル)(メチル)アミノ)エチル)-1-ナフトアミド(DKFZ-748):再結晶化させた1-ナフトエ酸を使用して一般手順Bにしたがってエステル52 2・HCl(204.1mg、0.826mmol、1.0当量)から表題化合物を調製した。MPLC(12gのシリカ、勾配:2CVの間CH
2Cl
2中0.5%のNH
4OH、次に7CVにかけて0→10%のMeOH)により粗生成物を精製して、DKFZ-748の対応するメチルエステル(172mg、m/z:[M+H]
+:329.2)を得、それを一般手順Aにしたがって直接的にDKFZ-748に変換し、RP-MPLC(43gのC18シリカ、勾配:3CVにかけて0%のB、次に12CVにかけて0→20%)により精製して、DKFZ-748を白色飛散性粉末(98.8mg、0.300mmol、2工程にかけて36%の収率)として得た。
TLC R
f 0.28(CH
2Cl
2中20%のMeOH)
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 10.37(br s,1H)、8.81(br s,1H)、8.43(t,J=5.7Hz,1H)、8.27-8.20(m,1H)、8.05-7.92(m,2H)、7.62-7.49(m,4H)、3.42(app q,J=6.5Hz,2H)、2.54(t,J=6.8Hz,2H)、2.35(t,J=7.2Hz,2H)、2.23(s,3H)、1.99(t,J=7.4Hz,2H)、1.67(app p,J=7.3Hz,2H) ppm.
13C NMR(101MHz,DMSO-d
6) δ 169.1、168.5、135.2、133.1、129.7、129.6、128.2、126.6、126.2、125.5、125.0、125.0、56.6、56.3、41.9、37.2、30.2、23.1 ppm.
HR-MS(m/z):C
18H
24N
3O
3
+についての[M+H]
+ 計算値:330.1812;実測値:330.1814.
【化73】
N-ヒドロキシ-4-(メチル(2-(2-(2-メチル-1H-インドール-3-イル)アセトアミド)エチル)アミノ)ブタンアミド(DKFZ-749):一般手順Bにしたがったがカップリング試薬としてDCCを用いてエステル52 2・HCl(84.6mg、0.342mmol、1.0当量)から表題化合物を調製した。沈殿したDCUを濾過により除去し、一般手順Aにしたがって濃縮した濾液を直接的にヒドロキサム酸に変換し、HPLC塩基性方法(勾配:12分で1→50%のB)により精製して、DKFZ-749をオフホワイト固体(48.1mg、0.139mmol、2工程にかけて41%の収率)として得た。
TLC R
f 0.33(CH
2Cl
2中20%のMeOH)
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 10.78(br s,1H)、9.45(br s,2H)、7.60(t,J=5.6Hz,1H)、7.43(dt,J=7.6,1.0Hz,1H)、7.22(dt,J=8.0,1.0Hz,1H)、6.96(ddd,J=8.0,7.0,1.3Hz,1H)、6.90(ddd,J=8.0,7.0,1.2Hz,1H)、3.43(s,2H)、3.09(app q,J=6.4Hz,2H)、2.33(s,3H)、2.29(t,J=6.8Hz,2H)、2.22(t,J=7.2Hz,2H)、2.08(s,3H)、1.91(t,J=7.4Hz,2H)、1.55(app p,J=7.3Hz,2H) ppm.
13C NMR(101MHz,DMSO-d
6) δ 170.6、169.0、135.1、133.0、128.4、119.9、118.1、117.8、110.2、104.9、56.5、56.3、41.7、36.7、31.6、30.2、22.9、11.4 ppm.
HR-MS(m/z):C
18H
27N
4O
3
+についての[M+H]
+ 計算値:347.2078;実測値:347.2077.
【化74】
N-(2-((4-(ヒドロキシアミノ)-4-オキソブチル)(メチル)アミノ)エチル)-4-(N’-ヒドロキシカルバミミドイル)ベンズアミド(DKFZ-750):一般手順Bにしたがったがカップリング試薬としてDCCを用いてエステル52 2・HCl(95.8mg、0.388mmol、1.0当量)から表題化合物を調製した。沈殿したDCUを濾過により除去し、一般手順Aにしたがって濃縮した濾液を直接的にヒドロキサム酸に変換し、HPLC塩基性方法(勾配:12分で1→20%のB)により精製して、DKFZ-750をオフホワイト固体(42.6mg、0.126mmol、2工程にかけて33%の収率)として得た。
TLC R
f 0.27(CH
2Cl
2中20%のMeOH)
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 9.58(br s,3H,-NH-OHおよび=NOH)、8.48(t,J=5.6Hz,1H,CONH)、7.86-7.79(m,2H,Ar H)、7.77-7.71(m,2H,Ar H)、5.88(s,2H,NH
2)、3.34(app q,J=6.4Hz,2H,NHCH
2)、2.46(t,J=6.9Hz,2H,NCH
2)、2.30(t,J=7.1Hz,2H,NCH
2)、2.18(s,3H,Me)、1.95(t,J=7.4Hz,2H,COCH
2)、1.61(app p,J=7.3Hz,2H,CH
2-CH
2-CH
2) ppm.
13C NMR(101MHz,DMSO-d
6) δ 168.9(CONHOH)、165.7(CONH)、150.2(HON=CNH
2)、135.7(Ar C)、134.7(Ar C)、127.0(2Ar CH)、125.1(2Ar CH)、56.4(CH
2)、56.1(CH
2)、42.0(Me)、37.3(CH
2)、30.2(CH
2)、23.0(CH
2) ppm.
HR-MS(m/z):C
15H
23N
5NaO
4
+についての[M+Na]
+ 計算値:360.1642;実測値:360.1646.
【化75】
4-ヒドロキシ-N-(2-((4-(ヒドロキシアミノ)-4-オキソブチル)(メチル)アミノ)エチル)ベンズアミド(DKFZ-751):一般手順Bにしたがったがカップリング試薬としてTHF中でMorpho CDIを用いてエステル52 2・HCl(103.8mg、0.420mmol、1.0当量)から表題化合物を調製した。一般手順Aにしたがって粗生成物を直接的にヒドロキサム酸に変換し、HPLC酸性方法によるがpH修飾剤として0.05%のギ酸を用いて精製(勾配:12分で1→8%のB)して、DKFZ-751のギ酸塩を橙色-赤色非晶性固体(37.1mg、0.109mmol、2工程にかけて26%の収率)として得た。
1H NMR(400MHz,D
2O) δ 8.42(s,1H)、7.66(d,J=7.5Hz,2H)、6.91(d,J=7.5Hz,2H)、3.72(t,J=5.6Hz,2H)、3.37(t,J=5.6Hz,2H)、3.29-3.14(m,2H)、2.91(s,3H)、2.26(t,J=6.9Hz,2H)、2.01(app p,J=7.5Hz,2H) ppm.
13C NMR(101MHz,D
2O) δ 173.9、173.8(br,HCO
2
-)、173.6、162.5、132.3、127.2、118.3、58.2、58.1、43.1、37.7、31.9、22.4 ppm.
HR-MS(m/z):C
14H
22N
3O
4
+についての[M+H]
+ 計算値:296.1605;実測値:296.1607.
【化76】
4-アミノ-N-(2-((4-(ヒドロキシアミノ)-4-オキソブチル)(メチル)アミノ)エチル)ベンズアミド(DKFZ-752):一般手順Bにしたがってエステル52 2・HCl(103.8mg、0.420mmol、1.0当量)から表題化合物を調製した。粗生成物をTFA/CH
2Cl
2(5mL、CH
2Cl
2中20%のTFA)に溶解させ、室温で1h撹拌し、次に濃縮し、残留TFAをMeOHと共蒸発させた。一般手順Aにしたがって粗TFA塩を直接的にヒドロキサム酸に変換し、HPLC塩基性方法(勾配:12分で1→30%のB)により精製して、DKFZ-752をオフホワイト固体(30.2mg、0.103mmol、3工程にかけて24%の収率)として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 8.42(s,1H)、10.66-8.26(m,2H)、7.87(t,J=5.6Hz,1H)、7.58-7.49(m,2H)、6.56-6.48(m,2H)、5.57(s,2H)、3.27(app q,J=6.4Hz,2H)、2.41(t,J=7.1Hz,2H)、2.29(t,J=7.2Hz,2H)、2.16(s,3H)、1.95(t,J=7.4Hz,2H)、1.61(app p,J=7.2Hz,2H) ppm.
13C NMR(101MHz,DMSO-d
6) δ 169.1、166.1、151.5、128.6、121.3、112.5、56.5、56.4、42.0、37.0、30.1、22.9 ppm.
HR-MS(m/z):C
14H
23N
4O
3
+についての[M+H]
+ 計算値:295.1765;実測値:295.1768.
【化77】
2-ブロモ-N-(2-((4-(ヒドロキシアミノ)-4-オキソブチル)(メチル)アミノ)エチル)ベンズアミド(DKFZ-753):分液漏斗中の飽和NaHCO
3溶液(25mL)およびEtOAc(25mL)に溶解させた52 2・HCl(103.8mg、0.420mmol、1.0当量)に塩化2-ブロモベンゾイル(120μL、0.924mmol、2.2当量)を2つの部分で加え、続いて激しく振盪した。相を分離させ、希K
2CO
3溶液(2×25mL)およびブライン(25mL)を用いて有機層を洗浄し、次に乾燥(MgSO
4)させ、濃縮した。一般手順Aにしたがって残留物を直接的にヒドロキサム酸に変換し、HPLC塩基性方法(勾配:15分で1→30%のB)により精製して、DKFZ-753をオフホワイト固体(41.5mg、0.116mmol、2工程にかけて28%の収率)として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 10.64-8.57(br,2H)8.31(t,J=5.7Hz,1H)、7.68-7.60(m,1H)、7.45-7.39(m,1H)、7.39-7.30(m,2H)、3.32-3.24(m,水のピークとオーバーラップ)、2.46(t,J=7.0Hz,2H)、2.30(t,J=7.2Hz,2H)、2.18(s,3H)、1.97(t,J=7.4Hz,2H)、1.62(app p,J=7.3Hz,2H) ppm.
13C NMR(101MHz,DMSO-d
6) δ 169.1、167.1、139.3、132.7、130.7、128.7、127.5、118.9、56.5、56.0、41.9、37.2、30.1、23.0 ppm.
HR-MS(m/z):C
14H
21BrN
3O
3
+についての[M+H]
+ 計算値:358.0761;実測値:358.0764.
【化78】
N-(2-((4-(ヒドロキシアミノ)-4-オキソブチル)(メチル)アミノ)エチル)-1H-インダゾール-6-カルボキサミド(DKFZ-754):一般手順Bにしたがってエステル52 2・HCl(65.1mg、0.263mmol、1.0当量)から表題化合物を調製した。一般手順Aにしたがって粗生成物を直接的にヒドロキサム酸に変換し、HPLC塩基性方法(勾配:12分で1→25%のB)により精製して、DKFZ-754を淡黄色固体(32.3mg、0.101mmol、2工程にかけて38%の収率)として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 12.54-9.09(br,3H)、8.50(t,J=5.7Hz,1H)、8.13(d,J=0.9Hz,1H)、8.04(s,1H)、7.80(dd,J=8.5,0.9Hz,1H)、7.57(dd,J=8.5,1.4Hz,1H)、3.38(app q,J=6.5Hz,2H)、2.56-2.45(m,DMSOのシグナルとオーバーラップ)、2.33(t,J=7.3Hz,2H)、2.20(s,3H)、1.97(t,J=7.3Hz,2H)、1.64(app p,J=7.3Hz,2H) ppm.
13C NMR(101MHz,DMSO-d
6) δ 169.1、166.5、139.5、133.4、132.4、124.2、120.2、119.2、109.6、56.5、56.2、42.0、37.4、30.2、22.9 ppm.
HR-MS(m/z):C
15H
21N
5NaO
3
+についての[M+Na]
+ 計算値:342.1537;実測値:342.1541.
【化79】
2-ヒドロキシ-N-(2-((4-(ヒドロキシアミノ)-4-オキソブチル)(メチル)アミノ)エチル)ベンズアミド(DKFZ-755):一般手順Bにしたがってエステル52 2・HCl(88.7mg、0.359mmol、1.0当量)から表題化合物を調製した。一般手順Aにしたがって粗生成物を直接的にヒドロキサム酸に変換し、HPLC塩基性方法(勾配:9分で1→5%のB)により精製して、DKFZ-755をオフホワイト固体(24.9mg、0.084mmol、2工程にかけて23%の収率)として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 10.34(s,1H)、8.97-8.42(m,1H)、8.77(t,J=5.5Hz,1H)、7.82(dd,J=7.9,1.7Hz,1H)、7.43-7.34(m,1H)、6.93-6.83(m,2H)、3.42-3.36(m,水のピークとオーバーラップ)、2.57-2.51(m,2H)、2.36(t,J=7.3Hz,2H)、2.23(s,3H)、1.96(t,J=7.4Hz,2H)、1.70-1.58(m,2H) ppm. 4つのAr Hは1:0.16の比の回転異性体シグナルを示す。主要な回転異性体のみを報告する。
13C NMR(151MHz,DMSO-d
6) δ 169.1、168.5、159.7、133.5、127.9、118.6、117.3、115.8、56.4、55.6、41.7、36.8、30.0、22.7 ppm. 主要な回転異性体のシグナルのみを報告する。
HR-MS(m/z):C
14H
22N
3O
4
+についての[M+H]
+ 計算値:296.1605;実測値:296.1609.
【化80】
N-(2-((4-(ヒドロキシアミノ)-4-オキソブチル)(メチル)アミノ)エチル)-2-メチル-1H-インドール-3-カルボキサミド(DKFZ-756):一般手順Bにしたがってエステル52 2・HCl(70.4mg、0.285mmol、1.0当量)から表題化合物を調製した。一般手順Aにしたがって粗生成物を直接的にヒドロキサム酸に変換し、RP-MPLC(15.5gのC18 #69-2203-334、勾配:3CVにかけて0%のB、次に12CVにかけて0→15%)により精製して、DKFZ-756を白色飛散性固体(29.7mg、0.089mmol、2工程にかけて31%の収率)として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 11.44(s,1H)、10.80-8.18(br,2H)、7.78-7.71(m,1H)、7.35-7.28(m,1H)、7.20(t,J=5.5Hz,1H)、7.11-7.01(m,2H)、3.41-3.33(m,水のピークとオーバーラップ)、2.57(s,3H)、2.54-2.46(m,DMSOのシグナルとオーバーラップ)、2.34(t,J=7.2Hz,2H)、2.20(s,3H)、1.98(t,J=7.5Hz,2H)、1.66(app p,J=7.3Hz,2H) ppm.
13C NMR(101MHz,DMSO-d
6) δ 169.0、165.2、139.3、134.6、125.9、120.9、119.9、119.2、110.9、107.7、56.7、56.5、41.7、36.6、30.2、23.1、13.2 ppm.
HR-MS(m/z):C
17H
25N
4O
3
+についての[M+H]
+ 計算値:333.1921;実測値:333.1921.
【化81】
N-(2-((4-(ヒドロキシアミノ)-4-オキソブチル)(メチル)アミノ)エチル)-1H-インダゾール-7-カルボキサミド(DKFZ-757):一般手順Bにしたがってエステル52 2・HCl(196.0mg、0.793mmol、1.0当量)から表題化合物を調製した。一般手順Aにしたがって粗生成物を直接的にヒドロキサム酸に変換し、HPLC塩基性方法(勾配:12分で1→40%のB)により精製して、DKFZ-757を白色固体(67.0mg、0.202mmol、2工程にかけて25%の収率)として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 8.73(br s,1H)、8.15(s,1H)、7.96-7.90(m,1H)、7.90-7.81(m,1H)、7.20-7.12(m,1H)、3.44(app q,J=6.5Hz,2H)、2.52(t,J=7.3Hz,2H)、2.34(t,J=7.1Hz,2H)、2.21(s,3H)、2.00(t,J=7.4Hz,2H)、1.65(app p,J=7.4Hz,2H) ppm.
13C NMR(101MHz,DMSO-d
6) δ 169.2、165.7、138.5、133.0、124.5、124.2、124.1、119.4、117.5、56.6、56.2、41.9、37.1、30.1、22.9 ppm.
HR-MS(m/z):C
15H
22N
5O
3
+についての[M+H]
+ 計算値:320.1717;実測値:320.1719.
【化82】
N-ヒドロキシ-4-(メチル(2-(フェニルスルホンアミド)エチル)アミノ)ブタンアミド(DKFZ-758):12mLのMeCN/水(10:2)中の52 2・HCl(121.9mg、0.493mmol、1.0当量)およびK
2CO
3(239mg、1.726mmol、3.5当量)の撹拌溶液に塩化ベンゼンスルホニル(82μL、0.641mmol、1.3当量)を加え、TLCが完全な変換を指し示すまで室温で撹拌し、次に真空中で濃縮した。残留物をEtOAc(25mL)および希K
2CO
3溶液(30mL)に溶解させ、相を分離させ、EtOAc(2×25mL)を用いて水性相を抽出した。希K
2CO
3溶液(2×25mL)およびブライン(25mL)を用いて合わせた有機層を洗浄し、次に乾燥(MgSO
4)させ、濃縮した。一般手順Aにしたがって粗生成物を直接的にヒドロキサム酸に変換し、HPLC塩基性方法(勾配:13分で1→40%のB)により精製して、DKFZ-758を白色固体(112.3mg、0.341mmol、2工程にかけて69%の収率)として得た。
TLC R
f 0.33(CH
2Cl
2中20%のMeOH)
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 8.83(br s,2H)、7.81(d,J=7.2Hz,2H)、7.71-7.52(m,3H)、2.81(t,J=7.0Hz,2H)、2.28(t,J=7.0Hz,2H)、2.17(t,J=7.2Hz,2H)、2.02(s,3H)、1.90(t,J=7.4Hz,2H)、1.52(app p,J=7.3Hz,2H) ppm.
13C NMR(101MHz,DMSO-d
6) δ 169.0、140.6、132.3、129.2、126.5、56.4、56.2、41.6、40.6、30.1、22.8 ppm.
HR-MS(m/z):C
13H
22N
3O
4S
+についての[M+H]
+ 計算値:316.1326;実測値:316.1328.
【化83】
(1r,3r)-N-ヒドロキシ-3-((3-オキソ-3-(フェニルアミノ)プロピル)アミノ)シクロブタンカルボキサミド(DKFZ-759):一般手順Aにしたがって46(131.2mg、0.475mmol、1.0当量)をヒドロキサム酸に変換し、RP-MPLC(15.5gのC18 #69-2203-334、勾配:3CVにかけて0%のB、次に20CVにかけて0→20%)により精製した。EtOAc(2回)およびEt
2O(1回)を用いて生成物を粉砕して、DKFZ-759を白色固体(56.3mg、0.203mmol、43%の収率)として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 10.29(br s,1H)、10.02(s,1H)、8.66(br s,1H)、7.62-7.53(m,2H)、7.33-7.23(m,2H)、7.01(tt,J=7.4,1.2,1.2Hz,1H)、3.43-3.24(m,水のピークとオーバーラップ)、2.79-2.66(m,3H)、2.40(t,J=6.7Hz,2H)、2.29-2.18(m,2H)、1.91-1.79(m,2H) ppm.
13C NMR(101MHz,DMSO-d
6) δ 172.0、170.5、139.3、128.7、123.0、119.1、51.2、42.6、37.1、32.5、30.7
【化84】
(1s,3s)-N-ヒドロキシ-3-((3-オキソ-3-(フェニルアミノ)プロピル)アミノ)シクロブタンカルボキサミド(DKFZ-767):一般手順Aにしたがって49(138.6mg、0.502mmol、1.0当量)をヒドロキサム酸に変換し、RP-MPLC(15.5gのC18Aq #69-2203-559、勾配:3CVにかけて0%のB、20CVにかけて0→20%、次に10CVにかけて20%)により精製して、DKFZ-767を白色固体(100.2mg、0.361mmol、72%の収率)として得た。
1H NMR(600MHz,DMSO-d
6) δ 10.34(br s,1H)、10.03(s,1H)、9.12-8.28(br,1H)、7.60-7.55(m,2H)、7.31-7.24(m,2H)、7.01(tt,J=7.4,1.2Hz,1H)、3.12-2.98(m,1H)、2.71(t,J=6.8Hz,2H)、2.46-2.41(m,1H)、2.41-2.37(m,2H)、2.25-2.17(m,2H)、1.88-1.76(m,2H) ppm.
13C NMR(151MHz,DMSO-d
6) δ 170.5、170.5、139.3、128.7、122.9、119.0、49.5、42.5、37.1、33.6、29.1 ppm.
【化85】
N-(2-((4-(ヒドロキシアミノ)-4-オキソブチル)(メチル)アミノ)エチル)-2-ナフトアミド(DKFZ-769):一般手順Bにしたがってエステル52 2・HCl(86.1mg、0.348mmol、1.0当量)から表題化合物を調製した。一般手順Aにしたがって粗生成物を直接的にヒドロキサム酸に変換し、RP-MPLC(15.5gのC18Aq #69-2203-559、勾配:3CVにかけて0%のB、次に22CVにかけて0→20%、次に4CVの間50%のB)により精製して、DKFZ-769を白色固体(82.8mg、0.251mmol、2工程にかけて72%の収率)として得た。
1H NMR(600MHz,DMSO-d
6) δ 9.53(br s,2H)、8.58(t,J=5.7Hz,1H)、8.44(s,1H)、8.05-7.89(m,4H)、7.64-7.56(m,2H)、3.41(app q,J=6.6Hz,2H)、2.52(t,J=7.1Hz,2H)、2.34(t,J=7.2Hz,2H)、2.21(s,3H)、1.99(t,J=7.4Hz,2H)、1.65(app p,J=7.3Hz,2H) ppm.
13C NMR(151MHz,DMSO-d
6) δ 169.1、166.2、134.1、132.2、132.0、128.8、127.8、127.6、127.5、127.3、126.7、124.1、56.5、56.2、42.0、37.4、30.2、22.9 ppm.
【化86】
3-(3-(2-(ヒドロキシアミノ)-2-オキソエチル)アゼチジン-1-イル)-N-フェニルプロパンアミド(DKFZ-770):一般手順Aにしたがって66(235mg、0.849mmol、1.0当量)をヒドロキサム酸に変換し、RP-MPLC(15.5gのC18Aq #69-2203-559、勾配:3CVにかけて0%のB、次に25CVにかけて0→15%)により精製して、DKFZ-770を白色固体(76.0mg、0.274mmol、32%の収率)として得た。
1H NMR(600MHz,DMSO-d
6) δ 9.98(s,1H)、7.58(d,J=8.1Hz,2H)、7.28(t,J=7.8Hz,2H)、7.01(t,J=7.4Hz,1H)、3.28(t,J=7.0Hz,2H)、2.75(t,J=6.6Hz,2H)、2.61(t,J=7.0Hz,2H)、2.59-2.52(m,1H)、2.27(t,J=6.9Hz,2H)、2.19(d,J=7.7Hz,2H) ppm.
13C NMR(151MHz,DMSO-d
6) δ 170.0、167.7、139.3、128.7、123.0、119.0、59.5、55.0、36.9、35.1、27.4 ppm.
【化87】
N-(2-((4-(ヒドロキシアミノ)-4-オキソブチル)(メチル)アミノ)エチル)アントラセン-9-カルボキサミド(DKFZ-771):一般手順Bにしたがってエステル52 2・HCl(92.7mg、0.375mmol、1.0当量)から表題化合物を調製した。MPLC(12gのシリカ、勾配:13CVにかけてCH
2Cl
2中0→4%のMeOH、次に20CVの間4%のMeOH、次に10CVにかけて4→8%のMeOH)により粗生成物を精製して、DKFZ-771の対応するメチルエステル(62.3mg、m/z:[M+H]
+:379.2)を得、それを一般手順Aにしたがって直接的にDKFZ-771に変換し、RP-MPLC(15.5gのC18Aq #69-2203-559、勾配:2CVにかけて0%のB、12CVにかけて0→22%のB、9CVの間22%のB、5CVにかけて22→36%のB、次に5CVにかけて36%のB)により精製して、DKFZ-771をオフホワイト飛散性粉末(31.2mg、0.082mmol、2工程にかけて22%の収率)として得た。
1H NMR(600MHz,DMSO-d
6) δ 11.09-9.48(br,2H、部分的に交換)、8.74(t,J=5.8Hz,1H)、8.64(s,1H)、8.14-8.10(m,2H)、8.09-8.04(m,2H)、7.60-7.51(m,4H)、3.58(app q,J=6.3Hz,2H)、2.62(t,J=6.6Hz,2H)、2.40(t,J=7.2Hz,2H)、2.29(s,3H)、2.01(t,J=7.5Hz,2H)、1.73(app p,J=7.5Hz,2H) ppm.
13C NMR(151MHz,DMSO-d
6) δ 169.1、168.1、133.5、130.7、128.3、127.3、127.0、126.3、125.5(2 Ar CH)、56.8、56.6、41.7、37.2、30.3、23.2 ppm.
【化88】
N-ヒドロキシ-4-(メチル(2-オキソ-2-(フェニルアミノ)エチル)アミノ)ブタンアミド(DKFZ-772):一般手順Aにしたがって53(165mg、0.625mmol、1.0当量)をヒドロキサム酸に変換し、RP-MPLC(15.5gのC18Aq #69-2203-559、勾配:25CVにかけて0→20%のB、次に10CVにかけて20%のB)により精製して、DKFZ-772をオフホワイト固体(121mg、0.457mmol、73%の収率)として得た。
1H NMR(600MHz,DMSO-d
6) δ 10.11-8.98(br,3H)、7.69-7.63(m,2H)、7.32-7.27(m,2H)、7.05(tt,J=7.4,1.2Hz,1H)、3.09(s,2H)、2.41(t,J=7.1Hz,2H)、2.25(s,3H)、2.01(t,J=7.3Hz,2H)、1.69(app p,J=7.0Hz,2H) ppm.
13C NMR(151MHz,DMSO-d
6) δ 169.3、169.0、138.6、128.6、123.3、119.4、61.5、56.7、42.4、30.4、23.0 ppm.
【化89】
4-((2-(ベンズイミダゾール-2-イル)エチル)(メチル)アミノ)-N-ヒドロキシブタンアミド(DKFZ-773):一般手順Aにしたがってエステル55(178mg、0.646mmol、1.0当量)から表題化合物を調製し、RP-MPLC(15.5gのC18Aq #69-2203-559、勾配:6CVにかけて0%のB、25CVにかけて0→18%のB、次に4CVにかけて18%のB)により精製して、DKFZ-773を白色固体(122mg、0.442mmol、68%の収率)として得た。
1H NMR(600MHz,DMSO-d
6) δ 13.37-9.78(br,2H)、9.71-7.75(br,1H)、7.50-7.41(m,2H,Ar H)、7.13-7.07(m,2H,Ar H)、2.93(t,J=7.5Hz,2H,NCH
2)、2.76(t,J=7.5Hz,2H,Ar-CH
2)、2.33(t,J=7.1Hz,2H,NCH
2)、2.18(s,3H,Me)、1.95(t,J=7.4Hz,2H,COCH
2)、1.63(app p,J=7.3Hz,2H,CH
2-CH
2-CH
2) ppm.
13C NMR(151MHz,DMSO-d
6) δ 169.2(CONHOH)、153.9(N=CNH)、121.1(Ar CH)、55.9(CH
2)、55.3(Ar-CH
2)、41.6(Me)、30.1(CH
2)、26.6(CH
2)、22.8(CH
2) ppm. ベンズイミダゾールNHのダイナミクスに起因して、一部のベンズイミダゾール炭素シグナルは
13Cスペクトル中で同定するには広すぎる。
【化90】
N-(2-((4-(ヒドロキシアミノ)-4-オキソブチル)(メチル)アミノ)エチル)-4-メトキシ-1-ナフトアミド(DKFZ-774):一般手順Bにしたがってエステル52 2・HCl(113.7mg、0.460mmol、1.0当量)から表題化合物を調製した。一般手順Aにしたがって粗生成物を直接的にヒドロキサム酸に変換し、RP-MPLC(15.5gのC18Aq #69-2203-559、勾配:12CVにかけて0→4%のB、16CVにかけて4→20%のB、次に2CVにかけて20%のB)により精製して、DKFZ-774を白色飛散性粉末(59.7mg、0.166mmol、2工程にかけて36%の収率)として得た。
1H NMR(600MHz,DMSO-d
6) δ 10.26-8.91(br,2H)、8.32(d,J=8.4Hz,1H)、8.29(t,J=5.7Hz,1H)、8.20(d,J=8.4Hz,1H)、7.59-7.55(m,2H)、7.55-7.50(m,1H)、6.98(d,J=8.0Hz,1H)、4.00(s,3H)、3.39(app q,J=6.5Hz,2H)、2.52(t,J=6.9Hz,2H)、2.34(t,J=7.2Hz,2H)、2.22(s,3H)、1.98(t,J=7.4Hz,2H)、1.66(app p,J=7.3Hz,2H) ppm.
13C NMR(151MHz,DMSO-d
6) δ 169.1、168.4、155.9、131.1、127.1、127.0、126.3、125.6、125.5、124.7、121.6、103.1、56.6、56.3、55.8、41.9、37.2、30.2、23.1 ppm.
【化91】
N-ヒドロキシ-4-(メチル(4-オキソ-4-(フェニルアミノ)ブチル)アミノ)ブタンアミド(DKFZ-775):一般手順Aにしたがって57(156mg、0.535mmol、1.0当量)をヒドロキサム酸に変換し、RP-MPLC(15.5gのC18Aq #69-2203-559、勾配:4CVにかけて0%のB、23CVにかけて0→20%のB、次に10CVにかけて20%のB)により精製して、DKFZ-775を白色固体(129mg、0.440mmol、82%の収率)として得た。
1H NMR(600MHz,DMSO-d
6) δ 11.13-8.04(br,2H)、9.87(s,1H)、7.62-7.56(m,2H)、7.30-7.23(m,2H)、7.01(tt,J=7.3,1.2Hz,1H)、2.36-2.26(m,4H)、2.24(t,J=7.3Hz,2H)、2.11(s,3H)、1.96(t,J=7.5Hz,2H)、1.70(app p,J=7.3Hz,2H)、1.61(app p,J=7.4Hz,2H) ppm.
13C NMR(151MHz,DMSO-d
6) δ 171.2、169.2、139.4、128.6、122.9、119.0、56.5(2CH
2、オーバーラップ)、41.7、34.3、30.2、22.9、22.8 ppm.
【化92】
4-ヒドロキシ-N-(2-((4-(ヒドロキシアミノ)-4-オキソブチル)(メチル)アミノ)エチル)-1-ナフトアミド(DKFZ-776):一般手順Bにしたがってエステル52 2・HCl(71.3mg、0.288mmol、1.0当量)および4-ヒドロキシ-1-ナフトエ酸
49から表題化合物を調製した。MPLC(4gのシリカ、勾配:20CVにかけてCH
2Cl
2中0→5%のMeOH、30CVの間5%のMeOH、次に20CVにかけて5→20%のMeOH)により粗生成物を精製して、DKFZ-776の対応するメチルエステル(78.4mg、m/z:[M+H]
+:345.2、[M-H]
-:343.2)を得、それを一般手順Aにしたがって直接的にDKFZ-776に変換し、RP-MPLC(15.5gのC18Aq #69-2203-559、勾配:6CVにかけて0%のB、20CVにかけて0→14%、10CVにかけて14→17%のB、次に4CVにかけて17%のB)により精製して、DKFZ-776をオフホワイト固体(22.4mg、0.065mmol、2工程にかけて22%の収率)として得た。
1H NMR(600MHz,DMSO-d
6) δ 10.98-9.72(br,2H)、8.31(d,J=8.5Hz,1H)、8.21-8.14(m,2H)、7.55-7.49(m,1H)、7.49-7.43(m,2H)、6.84(d,J=7.8Hz,1H)、3.37(app q,J=6.5Hz,2H)、2.54-2.48(m,DMSOのシグナルとオーバーラップ)、2.34(t,J=7.2Hz,2H)、2.21(s,3H)、1.99(t,J=7.4Hz,2H)、1.66(app p,J=7.4Hz,2H) ppm.
13C NMR(151MHz,DMSO-d
6) δ 169.2、168.6、155.0、131.6、126.7、126.7、125.5、125.2、124.7、124.5、122.2、106.6、56.6、56.3、41.9、37.2、30.2、23.0 ppm.
【化93】
(4-((2-ベンズアミドエチル)ジメチルアンモニオ)ブタノイル)(ヒドロキシ)アミド(DKFZ-777):MeOH(1mL)中のDKFZ-728(40.0mg、0.143mmol、1.0当量)の撹拌溶液に7hにかけてMeI(90.7μL、1.457mmol、10.2当量)を小分けで加え、LC/MSが完全な変換を指し示すまで室温で撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、0.1%の水性アンモニア(0.5mL)に溶解させ、陽イオン交換クロマトグラフィー(500mg Isolute SCX-2(Biotage)、勾配:2CVのMeOH、次に8CVの0.2M水性HBr)により精製した。水を用いて水性画分を希釈し、凍結乾燥した。HPLC塩基性方法(勾配:11分で1→25%のB、次に7分間25%のB)により生成物をさらに精製して、DKFZ-777の分子内塩をオフホワイト固体(19.8mg、0.068mmol、42%の収率)として得た。
注記:0.2M水性HBrを用いた溶出後にカルボン酸の形成に起因してHPLC精製が要求された。DKFZ-777および対応するカルボン酸は水に難溶性である。
1H NMR(600MHz,DMSO-d
6) δ 9.36(br s,1H)、7.91(d,J=7.7Hz,2H)、7.54(t,J=7.2Hz,1H)、7.48(t,J=7.2Hz,2H)、3.67(t,J=6.5Hz,2H)、3.47(t,J=6.5Hz,2H)、3.43-3.30(br s,CH
2、水ピーク下)3.08(s,6H)、2.01-1.73(m,4H) ppm.
13C NMR(151MHz,DMSO-d
6) δ 166.6、165.6、133.7、131.5、128.3、127.3、63.0、61.3、50.8、33.3、29.8、18.9 ppm.
【化94】
4-((3-(ベンズイミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)-N-ヒドロキシブタンアミド(DKFZ-805):一般手順Aにしたがって59(118mg、0.408mmol、1.0当量)をヒドロキサム酸に変換し、RP-MPLC(15.5gのC18Aq #69-2203-559、勾配:8CVにかけて0%のB、22CVにかけて0→19%のB、次に5CVにかけて19%のB)により精製して、DKFZ-805を無色固体(78.6mg、0.271mmol、66%の収率)として得た。
1H NMR(600MHz,DMSO-d
6) δ 12.17(br s,1H)、10.47(br s,1H)、9.43-8.42(br,1H)、7.50-7.41(m,2H)、7.12-7.08(m,2H)、2.81(t,J=7.7Hz,2H)、2.33(t,J=7.0Hz,2H)、2.25(t,J=7.1Hz,2H)、2.12(s,3H)、1.98(t,J=7.4Hz,2H)、1.87(app p,J=7.3Hz,2H)、1.62(app p,J=7.3Hz,2H) ppm.
13C NMR(151MHz,DMSO-d
6) δ 169.2、155.2、127.41-98.12(m)、121.1、56.6、56.3、41.7、30.2、26.4、25.4、22.9 ppm. ベンズイミダゾールNHのダイナミクスに起因して、一部のベンズイミダゾール炭素シグナルは
13Cスペクトル中で同定するには広すぎる。
【化95】
N-(3-((4-(ヒドロキシアミノ)-4-オキソブチル)(メチル)アミノ)プロピル)ベンズアミド(DKFZ-806):一般手順Aにしたがって63(162mg、0.552mmol、1.0当量)をヒドロキサム酸に変換し、RP-MPLC(15.5gのC18Aq #69-2203-559、勾配:5CVにかけて0%のB、15CVにかけて0→11%のB、次に20CVにかけて11%のB)により精製して、DKFZ-806を白色固体(120mg、0.412mmol、75%の収率)として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6) δ 10.34(br s,1H)、8.70(br s,1H)、8.48(t,J=5.6Hz,1H)、7.91-7.76(m,2H)、7.54-7.41(m,3H)、3.27(td,J=7.1,5.6Hz,2H)、2.32(t,J=7.1Hz,2H)、2.25(t,J=7.2Hz,2H)、2.12(s,3H)、1.96(t,J=7.3Hz,2H)、1.73-1.54(m,4H) ppm.
13C NMR(101MHz,DMSO-d
6) δ 169.1、166.1、134.7、131.0、128.2、127.1、56.6、55.0、41.7、37.8、30.2、26.8、22.9 ppm.
【化96】
N-(2-((2-(2-メルカプトアセトアミド)エチル)(メチル)アミノ)エチル)ベンズアミド(DKFZ-825):(CH
2Cl)
2(8mL)中の65(342mg、約0.522mmol、1.0当量)の撹拌溶液にホルムアルデヒド(37~41%の水性溶液、0.101mL、1.312mmol、2.5当量)、次にNaBH(OAc)
3(0.305mg、1.437mmol、2.7当量)を加え、室温で45分間の撹拌後、1M NaOH(50mL)の添加により反応をクエンチし、CH
2Cl
2(3×30mL)を用いて抽出した。合わせた有機層を乾燥(MgSO
4)させ、濃縮した。粗生成物(m/z:[M+H]
+ 538.2、TLC R
f 0.47 CH
2Cl
2中10%のMeOHおよび0.5%のNH
4OH)をCH
2Cl
2(12mL)に溶解させ、TFA(1.26mL、16.31mmol、31当量)、次に(
iPr)
3SiH(0.241mL、1.176mmol、2.25当量)を加え、無色となるまで混合物を撹拌した。次に、CH
2Cl
2(50mL)を用いて反応混合物を希釈し、飽和NaHCO
3溶液(75mL)を加え、気泡がもはや起こらなくなるまで撹拌し、次にCH
2Cl
2(4×50mL)を用いて抽出し、合わせた有機層を乾燥(MgSO
4)させ、濃縮した。MPLC(4gのシリカ、勾配:5CVの間0%、12CVの間0→20%、次に15CVの間CH
2Cl
2中20%のMeOHおよび0.5%のNH
4OH)により粗生成物を精製して、DKFZ-825を無色非晶性固体(140mg、0.474mmol、2工程にかけて約91%の収率)として得た。
TLC R
f 0.14(CH
2Cl
2中10%のMeOHおよび0.5%のNH
4OH).
1H NMR(400MHz,CDCl
3) δ 7.83-7.76(m,2H)、7.53-7.46(m,1H)、7.46-7.38(m,2H)、7.30(br s,1H)、6.98(br s,1H)、3.59(app q,J=5.6Hz,2H)、3.40(app q,J=5.6Hz,2H)、3.10(s,2H)、2.74(t,J=5.5Hz,2H)、2.67(t,J=5.6Hz,2H)、2.38(s,3H)、1.79(s,1H) ppm.
13C NMR(101MHz,CDCl
3) δ 171.1、168.2、133.3、132.2、128.8、127.3、57.4、56.9、41.8、35.7、35.4、28.1 ppm.
注記:物質は、特に溶液中で、空気に曝露されたときにジスルフィドを形成することが見出された。
【0168】
DTBTA-Eu
3+標識Streptactinの合成:水性NaOAc(100mM、pH 4.9)中のTCI、cat#A2083のATBTA-Eu
3+(39mM;60μL、2.3μmol)の溶液に塩化シアヌルの溶液(アセトン中93mM;25μL、2.3μmol)を加え、次にボルテックスし、チューブローラーミキサーで室温で30分間混合した。溶液をアセトン(1mL)に滴下で加え、得られた懸濁液を遠心分離(10000rpm、3分)し、アセトン(各回1mL)への再懸濁、続いて遠心分離により沈殿物を洗浄(3x)し、次に37℃で1h空気乾燥した。沈殿物を炭酸ナトリウム緩衝液(100mM、pH 9.3;400μL)に再溶解させた。100μLのこの溶液に炭酸ナトリウム緩衝液(100mM、pH 9.3;400μL)中のStrep-Tactin XT(5.0mg、IBA Life Sciencesからの供与)の溶液を加え、次にボルテックスし、回転式ミキサーを用いて4℃で終夜混合した。TBS緩衝液(50mMのTris/HCl、pH 7.5、150mMのNaCl、0.01%のNaN
3)を使用して、BSAで予備飽和させたPD10脱塩カラム(17-0851-01、GE Healthcare)を用いて反応混合物を精製した。NanoDrop(ThernoFisher)分光光度計を用いて生成物画分の濃度および標識比を決定した。
【化97】
【0169】
ツバスタチン-AF647-トレーサー(68):Fluoroprobes、cat#1121-1、lot#10022のAF647 NHSエステル(5.0mg、3.93μmol、1当量)を1.5mLのDMF中の6741(10.0mg、16μmol、4当量)と混合した。この溶液にDIPEA(5μL、27.0μmol、7当量)を加えた。室温で30分間撹拌した後、溶液を濃縮し、次に18分にかけて1~40%のアセトニトリルの勾配を用いて塩基性条件下でのHPLCにより精製して68(3.5mg、2.54μmol、65%)を暗青色固体として得た。
LC-MS m/z:[(M-2H)/2]2- 630.2.
【0170】
HDAC 1、2、3、6および8についてのHDAC-Gloアッセイ:組換えヒトHDAC(BPS Bioscience;HDAC1 cat.# 50051;HDAC2 cat.# 50002;HDAC3/NcoR2複合体 cat.# 50003;HDAC6 cat.# 50006;HDAC8 cat.# 50008)を用いてHDAC-Glo(商標) I/II Assay and Screening System(G6421、Promega)を使用してHDAC6およびクラスI阻害を試験した。生産者の説明にしたがって384ウェルプレート(4512、Corning)フォーマットにおいてアッセイを実行した。50μM~86,7pM(HDAC6)または100μM~8,67nM(HDAC1、2、3、8)の範囲内で3連での8つの段階希釈において阻害剤を試験した。D300e Digital Dispenser(Tecan)を用いて10mMおよび0.1mMのDMSOストック溶液から薬物投与を行った。HDAC(HDAC1について7ng/mL、HDAC2について10ng/mL、HDAC3/Ncor2複合体について200ng/mL、HDAC6について100ng/mL、HDAC8について200ng/mL)および阻害剤を一緒に室温で30分間インキュベートした。HDAC-Glo(商標) I/II試薬の添加後、プレートを振盪(800rpmのオービタルシェーカー、30s)し、遠心分離(300g、1分)し、室温で30分間インキュベートした。CLARIOstar(BMG Labtech)プレートリーダーを用いて発光を検出した。100μM SAHA処理陰性対照および非阻害陽性対照を用いて発光シグナルを正規化した。Windows(登録商標)用のGraphPad Prism version 7.04、GraphPad Software、La Jolla California USA、www.graphpad.comの非線形回帰log(阻害剤)4パラメーター最小二乗フィットを使用して正規化されたBRET比からpIC50値を算出した。
【0171】
HDAC1/6(ZMAL):商用の入手可能なヒト組換えHDAC1(BPS Bioscience、catalog no. 50051)およびヒト組換えHDAC6(BPS Bioscience、catalog no. 50006)を使用した。OptiPlate(商標)-96 F黒色マイクロプレート(PerkinElmer)において活性アッセイを行った。60μLの総アッセイ体積は、インキュベーション緩衝液(50mMのTris-HCl、pH 8.0、137mMのNaCl、2.7mMのKCl、1mMのMgCl2、および1mg/mLのウシ血清アルブミン)中の52μLの酵素溶液、DMSO中の3μLの増加性濃度の阻害剤ならびに5μLの蛍光原基質ZMAL(Z-(Ac)Lys-AMC)(126μM)を含有する。インキュベーション工程(90分、37℃)後、トリプシン緩衝液(Tris-HCl 50mM、pH 8.0、NaCl 100mM)中の5μLのトリコスタチンA(TSA)(33μM)および10μLのトリプシン(6mg/mL)を含有する60μLの停止溶液を加え、プレートを37℃で30分間インキュベートした。390nmの励起波長および460nmの発光波長を用いてBMG LABTECH POLARstar OPTIMAプレートリーダー(BMG Labtechnologies、Germany)上で蛍光シグナルを測定した。増加性濃度において阻害を測定し、Origin 9.0Gソフトウェアを用いて非線形回帰によりIC50を算出した。
【0172】
HDAC8(FDL):HDAC8活性試験のために、商用の入手可能なFluor de Lys(FDL) drug discovery kit(BML-KI178)を使用した。生産者の使用説明書にしたがってアッセイを行った。酵素溶液(15μL、C. Romier45から入手)、増加性阻害剤濃度(10μL)およびFDL基質溶液(25μL)を1/2 AreaPlate-96 Fマイクロプレート(PerkinElmer)中37℃で90分間インキュベートした。顕色溶液(50μL)を加え、アッセイを30℃で45分間インキュベートした。HDAC1/6について記載したように蛍光シグナルおよびIC50を決定した。
【0173】
HDAC10 TR-FRETアッセイのためのTwinStrepII-GST-HDAC10の発現および精製:TwinStrepII-GST-HDAC10(ヒト)をコードする合成遺伝子をGeneArt(Thermo Fischer Scientific)に注文し、pFastBac1ベクターにサブクローニングした。得られた構築物をE. coli DH10EMBacY細胞における転位のために使用した。単離されたバクミドDNAを次に利用して組換えバキュロウイルスを生成した。タンパク質発現のために、10mLのバキュロウイルスを1×106細胞/mLの密度の1LのSf21細胞に加えた。感染したSf21細胞をSf-900 III SFM培地(Thermo Fischer Scientific)中27℃で72h生育した。遠心分離により細胞を回収し、10mMのMgCl2、ベンゾナーゼおよびcOmplete protease inhibitors(Merck)を補足したランニングバッファー(100mMのTris pH 8.0、150mMのNaCl、1mMのEDTAおよび1mMのDTT)に再懸濁させた。Dounceホモジナイザーを使用して細胞を溶解し、得られた溶解液を超遠心分離機中125000×gにおいて4℃で30分間遠心分離した。清澄化された溶解液を次に、ランニングバッファー中で予備平衡化された5mLのStrep-Tactin Superflow high capacity column(IBA)にロードした。試料のローディングおよび洗浄後、5mMのデスチオビオチン(IBA)を補足したランニングバッファーにTwinStrepII-GST-HDAC10タンパク質を溶出させた。TwinStrepII-GST-HDAC10を含有する溶出画分をプールし、濃縮した後に、25mMのHEPES/NaCl pH 7.5、150mMのNaCl、0.5mMのEDTA、1mMのDTTおよび10%のグリセロールを用いて予備平衡化されたHiLoad 16/600 Superdex 200pgサイズ排除クロマトグラフィーカラム(GE Healthcare)に注入した。試料をサイズ排除クロマトグラフィーカラムから同じ緩衝液に溶出させ、液体N2中でフラッシュ凍結し、-80℃で貯蔵した。
【0174】
HDAC10 TR-FRETアッセイ:50mMのHEPES pH 8.0、150mMのNaCl、10mMのMgCl2、1mMのEGTAおよび0.01%のBrij-35を緩衝剤として使用して白色384ウェルプレート(4512、Corning)中でTR-FRETアッセイを行った。15μLの最終アッセイ体積中の試薬の濃度は、5nMのTwinStrep-GST-HDAC10(上記の調製)、25nMの「ツバスタチン-AF647-トレーサー」(上記の合成)および0.1nMのDTBTA-Eu3+標識Streptactin(上記の合成)であった。50μM~86.7pMの範囲内の3連での8つの段階希釈において阻害剤を試験し、D300e Digital Dispenser(Tecan)を用いて10mMおよび0.1mMのDMSOストック溶液から投薬を行った。緩衝液中の予備混合されたアッセイ試薬への薬物投与後、プレートを振盪(800rpmのオービタルシェーカー、30s)し、遠心分離(300g、1分)し、暗所中室温で60分間インキュベートした。TR-FRETフィルターを備えたCLARIOstar(BMG Labtech)プレートリーダーを用いてTR-FRETを測定した。100回のフラッシュを用いて試料ウェルを励起し、蛍光放出を665nmおよび620nmにおいて検出した。FRET比を665nm/620nm比から算出し、50μM SAHA処理陰性対照および非阻害陽性対照を使用して各プレートについて正規化した。HDAC-Gloアッセイに記載されるようにpIC50値を算出した。
【0175】
ゼブラフィッシュHDAC10アッセイ(zHDAC10):全てのストック溶液をDMSO中で調製した;Quisinostat(1mM)、NDA(16mM)およびAc-スペルミジン-AMC(10mM)。試験用の化合物を溶かし、DMSO中で試験濃度よりも12倍高くまで希釈した。アッセイ緩衝液(20mMのNa2HPO4、pH 7.9、100mMのNaCl、0.25mMのEDTA、10%(v/v)のグリセロール、10mMのMesna、0,01%のTWEEN 20)を用いてAc-スペルミジン-AMCストック溶液を126μMに希釈した。アッセイの決定のために、ウェル当たり5μlのNDA(16mM)、5μLのQuisinostat(1mM)および190μLのホウ酸緩衝液(100mMのホウ酸、pH 9.5)を含有する停止溶液を調製した。使用の直前に酵素溶液(0.0054mg/ml)をアッセイ緩衝液中で調製した。
アッセイを黒色96ウェルプレート(PerkinElmer、OptiPlate(商標)-96 F)中で行った。アッセイ緩衝液をプレート中に与え、これはブランク用に55μl、酵素溶液を含有するブランク用に45μl、陰性対照用に50μl、陽性対照および試験化合物用に40μlとした。5μlのDMSOをブランク、陽性および陰性対照のウェルに加えた。DMSOに対応してDMSO中の5μlの増加性濃度の阻害剤を関連するウェルに加えた。酵素を含有するブランク、陽性対照および試験化合物に10μLのゼブラフィッシュHDAC10酵素溶液(0.045mg/ml、D. Christianson6より入手)を加えた後、5μlのAc-スペルミジン-AMC溶液(126μM)を陰性対照、陽性対照および試験化合物に加えた。プレートを25℃で25分間インキュベートした。蛍光を測定(POLARstar プレートリーダー、λex=330nm、λem=390nm)する前に、各ウェルを200μlの停止溶液で満たした。
【0176】
HDAC-nanoBRETタンパク質を安定的に発現するモノクローンの製造:ナノルシフェラーゼとのHDAC6(第2の触媒ドメインのみを含有する)またはHDAC10の融合物を発現するプラスミドをPromega(N2170)から得た。HeLa細胞(0.75×106)を6cmディッシュに播種し、24h後に200μLのOptiMEM中の10μgのプラスミドおよび3μLのFugeneのミックスをトランスフェクトした。詳細には、予め温めたOptiMEMを用いて細胞を洗浄した後、2.3mLのOptiMEMを重層した。200μLのトランスフェクションミックスの添加後、細胞を37℃で24hインキュベートした。細胞を次にトリプシン処理し、0.2×105個の細胞を10cmおよび15cmの両方のディッシュに播種した。3日後の培地交換と共に1mg/mLのG-418を6日間用いて形質転換体を選択した。3mLのトリプシン/EDTA(Sigma T3924)を用いてプレートをすすぎ、続いて300μLのトリプシン/EDTAと37℃で2分のインキュベーションによりコロニーを形成したクローンを選択した。コロニーを次にほぐし、10μLのフィルターチップを用いて吸引し、選択培地を含有する24ウェルプレートに移した。様々なナノルシフェラーゼ活性を呈するクローンを拡大増殖し、最も高いBRET比にしたがって選択した。
【0177】
安定なBRET細胞系の培養:安定的にトランスフェクトされたHeLa細胞を無菌条件下、加湿雰囲気中のポリスチレン細胞培養フラスコ(658170、Greiner)中37℃および5%のCO2で培養した。D-MEM増殖培地(D6049、Sigma)に10%のFCS(FBS-12A、Capricorn Scientific)、1%のペニシリン-ストレプトマイシン(P4333、Sigma)および1mg/mLのジェネティシン(2039.3、Roth)を補足した。密集時に、古い培地の除去、DPBS(14190-094、gibco)洗浄、トリプシン処理(T4049、Sigma)および新鮮な増殖培地への播種により細胞を継代した。
【0178】
BRETアッセイ:1.9×10
4細胞/ウェルおよび0.3μMのトレーサー濃度を用いて96ウェルプレート(3600、Corning)フォーマットにおいてキット生産者により記載されるようにHDAC6およびHDAC10に対する細胞内標的エンゲージメントアッセイを行った。129pM~40μMの範囲内の3連での10の1:4段階希釈で阻害剤を試験した。D300e Digital Dispenser(Tecan)を用いて10mMおよび1mMのDMSOストック溶液から薬物投与を行い、全てのウェルについてDMSO濃度を0.5%に正規化した。注記:薬物プリンターの投薬増加に起因して、希釈係数は全ての用量レベルにかけて完全には安定でない。アッセイプレートを37℃で2hインキュベートし、続いてNanoLuc基質添加の2分後にCLARIOstar(BMG Labtech)プレートリーダーを用いて室温で450nmおよび650nmの発光(80nmのバンド幅)を測定した。BRET比を650nm/450nm発光から算出し、50μM SAHA処理陰性対照および非阻害陽性対照を使用して各プレートについて正規化した。上記のHDAC Gloアッセイに記載したようにpIC50値を算出した。
【表3-1】
【表3-2】
【表4】
【表5】
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【国際調査報告】