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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-10
(54)【発明の名称】血栓摘出カテーテルおよび使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/22 20060101AFI20220427BHJP
   A61M 25/092 20060101ALI20220427BHJP
【FI】
A61B17/22 528
A61M25/092
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021556209
(86)(22)【出願日】2019-05-01
(85)【翻訳文提出日】2021-08-11
(86)【国際出願番号】 US2019030087
(87)【国際公開番号】W WO2020122978
(87)【国際公開日】2020-06-18
(31)【優先権主張番号】16/221,471
(32)【優先日】2018-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521258201
【氏名又は名称】グェルラ、エリック ラウル
(71)【出願人】
【識別番号】521258212
【氏名又は名称】グェルラ、ショチトル ブラームス
(71)【出願人】
【識別番号】521258223
【氏名又は名称】グェルラ、マイラ パウリナ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グェルラ、エリック ラウル
(72)【発明者】
【氏名】グェルラ、ショチトル ブラームス
(72)【発明者】
【氏名】グェルラ、マイラ パウリナ
【テーマコード(参考)】
4C160
4C267
【Fターム(参考)】
4C160EE21
4C160MM36
4C267AA03
4C267BB07
4C267CC09
4C267DD01
(57)【要約】
血栓摘出カテーテルであって、貫通して延びる二重管腔を有するカテーテルまたは送達シースであって、カテーテルは、近位セグメントおよび遠位セグメントと、それらの間に結合された線形セクションとを有し、前記遠位セグメントは、ループとして構成される、カテーテルまたは送達シースと、前記カテーテルの前記二重管腔内に形成されたポートまたは開口であって、前記ポートは、前記遠位セグメントに近接して配置される、ポートまたは開口と、カテーテルの二重管腔の一方を長手方向に横断するように構成されたガイドワイヤと、二重管腔の一方に連結され、かつ生体材料を抜き出すためにカテーテルおよびループ内に真空を生成するように構成された吸引デバイスとを備えた、血栓摘出カテーテル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔操作外科デバイスであって、前記外科デバイスは、
可撓性位置決め器具であって、第1のカテーテル端部から第2のカテーテル端部まで延びる内部の二重管腔ボアを有する細長いカテーテルであって、前記二重管腔ボアは、いずれも第1の管腔および第2の管腔を有する、細長いカテーテルと、前記第2のカテーテル端部に取り付けられたピグテールとを有し、前記第1の管腔は、前記細長いカテーテルおよび前記ピグテールを通って延び、前記第2の管腔は、前記細長いカテーテルを通って延びる、可撓性位置決め器具と、
前記細長いカテーテルの前記第1の管腔および前記ピグテールを通って延長可能であり、前記ピグテールから延長可能であるガイドワイヤであって、前記ピグテールを傾斜させるように構成される、ガイドワイヤと、
前記第1の管腔に連結され、前記細長いカテーテルの前記第1の管腔および前記ピグテール内に真空を生成するように構成された吸引デバイスと
を備える、遠隔操作外科デバイス。
【請求項2】
前記第1のカテーテル端部に近接して配置されたガイドワイヤ入口開口と、前記ピグテールのピグテール端部に近接して配置されたガイドワイヤ出口開口とをさらに備える、請求項1に記載の遠隔操作外科デバイス。
【請求項3】
前記細長いカテーテルの回転が、前記ピグテールの前記回転を結果としてもたらす、請求項1に記載の遠隔操作外科デバイス。
【請求項4】
前記第1のカテーテル端部に固定されたハンドグリップをさらに備える、請求項1に記載の遠隔操作外科デバイス。
【請求項5】
前記ピグテールは、患者の血管内の場所に配設される、請求項3に記載の遠隔操作外科デバイス。
【請求項6】
前記第1のカテーテル端部に近接して配置された第1の器具開口と、前記第2のカテーテル端部に近接して配置された第2の器具開口とをさらに備える、請求項1に記載の遠隔操作外科デバイス。
【請求項7】
前記ピグテールは、前記第1の管腔と連通するピグテール管腔をさらに備える、請求項1に記載の遠隔操作外科デバイス。
【請求項8】
前記第1のカテーテル端部に近接して配置された吸引ポートをさらに備え、前記吸引ポートが前記第1の管腔と連通する、請求項7に記載の遠隔操作外科デバイス。
【請求項9】
第1の管端部および第2の管端部を有する吸引管をさらに備え、前記第2の管端部は、前記吸引ポートと連通する、請求項8に記載の遠隔操作外科デバイス。
【請求項10】
前記第1の管端部と連通する吸引デバイスをさらに備える、請求項9に記載の遠隔操作外科デバイス。
【請求項11】
前記吸引デバイスは、シリンジバレルを有するシリンジと、前記シリンジバレル内に配置されたプランジャと、前記シリンジバレルから出るアダプタポートとをさらに備える、請求項10に記載の遠隔操作外科デバイス。
【請求項12】
前記吸引管は、開位置、迂回位置、および閉位置の間で回転するコックバーを有する停止コックバルブを含む、請求項9に記載の遠隔操作外科デバイス。
【請求項13】
前記第1のカテーテル端部の回転が、内部の生体材料に隣接するピグテール端部の前記回転を結果としてもたらす、請求項10に記載の遠隔操作外科デバイス。
【請求項14】
前記吸引デバイス内の吸引が、前記吸引管、前記吸引ポート、前記第1の管腔、および前記ピグテール管腔内に吸引力を作り出して、その内部に前記生体材料を収集する、請求項13に記載の遠隔操作外科デバイス。
【請求項15】
前記吸引デバイス内でのさらなる吸引が、前記生体材料を前記ピグテール管腔、前記第1の管腔、前記吸引ポート、前記吸引管を通して前記吸引デバイス内に吸い込む、請求項14に記載の遠隔操作外科デバイス。
【請求項16】
患者の血管から生体材料を除去するための方法であって、
遠隔操作外科デバイスを提供するステップであって、前記遠隔操作外科デバイスは、可撓性位置決め器具であって、第1のカテーテル端部から第2のカテーテル端部まで延びる内部の二重管腔ボアを有する細長いカテーテルであって、前記二重管腔ボアは、いずれも第1の管腔および第2の管腔を有する、細長いカテーテルと、前記第2のカテーテル端部に取り付けられたピグテールとを有し、前記第1の管腔は、前記細長いカテーテルおよび前記ピグテールを通って延び、前記第2の管腔は、前記細長いカテーテルを通って延びる、可撓性位置決め器具と、前記細長いカテーテルの前記第1の管腔および前記ピグテールを通って延長可能であるガイドワイヤと、前記第1の管腔に連結され、前記細長いカテーテルの前記第1の管腔および前記ピグテール内に真空を作り出すように構成された吸引デバイスとを有する、提供するステップと、
前記操作外科デバイスを前記患者の血管内を通るように操縦するステップと、
前記ピグテールを前記生体材料に近接して配置するステップと、
前記吸引デバイスを吸引するステップと、
前記生体材料を前記第1の管腔内に収集するステップと
を含む、方法。
【請求項17】
前記ガイドワイヤを前記第1の管腔内で移動させて、前記ピグテールをある角度にまっすぐにするステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のカテーテル端部を回転させるステップであって、それによって前記ピグテールを前記生体材料に近接して回転させる、ステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記ガイドワイヤを前記第1の管腔内で移動させて、前記ピグテールを前記生体材料に近接して当接させるステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のカテーテル端部を回転させて、前記ピグテールを前記生体材料に近接して回転させるステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記生体材料を前記第1の管腔を通してさらに吸引して、前記生体材料を前記吸引デバイス内に収集するステップをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
法律によって許容される限りにおいて、本米国継続部分特許出願は、「X-tractor Thrombectomy Catheter and Methods of Use」と題する、2017年12月13日に出願された米国仮特許出願第62/598,436号明細書の優先権を主張する、「Thrombectomy Catheter and Methods of Use」と題する、2018年4月27日に出願された米国特許出願第15/964,593号明細書の優先権および完全な利益をここに主張し、これらの出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、医療用カテーテルデバイスに関し、より具体的には、血栓(血塊)を除去するための展開可能な器具を備えた医療用カテーテルデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
カテーテルは、疾患を治療するため、または外科的処置を行うための体内への挿入などの広範囲の機能を果たす医療グレードの材料から作られた医療デバイスまたは装置である。さらに、カテーテルは、その遠位端に操作器手段を有する細長い形態であることが多く、人体または動物体内の限定されたまたはアクセスできない空間内の物質の外科的操作に利用される。例えば、カテーテルは、縫合、ナイフもしくはハサミ動作による切断を実行するために、または小型の関節鏡、内視鏡による切開、経皮的もしくは身体の開口部を介した捕捉および回収デバイスによって利用されてもよい。
【0004】
さらに、血管形成術、粥腫切除術、ならびにステントおよびステントグラフトの展開、血管疾患を治療するための処置は、しばしば血管壁から材料またはプラークを除去し、その結果凝塊の形成または塞栓の放出をもたらす可能性があり、これらは血流に入り、より小さい下流血管を塞ぎ、潜在的に組織への血流を閉塞するのに十分な大きさであり得る。その結果、閉塞が心臓、肺、または脳などの重要な組織で起こる場合、患者の健康または生活に深刻な脅威をもたらす可能性がある。
【0005】
1つの従来の手法は、軸方向ボアを備えたカニューレを有するカテーテルデバイスを含み、ここでは、近位端部の遠隔アクチュエータ手段が、摺動式の弾性的に変形可能ループを作動させてその遠位端の展開開口部の境界を越えて延ばし、弾性的に変形可能なループと、これに取り付けられたバリア部材とを展開し、その展開構成を達成する。この手法の1つの欠点は、弾性的に変形可能なループが過度に拡張するか、または線形に拡張して、展開領域内の組織または血管内に裂け目を引き起こす可能性があることである。この手法の別の欠点は、摺動式に弾性的に変形可能なループが拡張され、および/または展開開口部内に格納されて戻るときに、弾性的に変形可能なループが、生検材料、凝塊をスライスまたは穿刺するか、または血管壁を刺し貫くことがあることである。さらに、そのような弾性的に変形可能なループは、一般に、折り畳みおよび格納のプロセス中に材料がフィルタ(バリア部材)から逃げるのを防止することができない。
【0006】
別の従来の手法は、血管系内から物質を濾過または除去し塞栓を捕捉するためのサックまたはメッシュフィルタを支持するために関節領域まで拡張可能な支持フープなどの自己拡張型血管デバイスを有するカテーテルデバイスを含む。この手法の1つの欠点は、メッシュフィルタが血管を通る流れを低下させ、その結果、閉塞された血管によって通常送られる下流の細胞および組織への損傷を生じさせる可能性があることである。その結果、小径血管内でそのようなデバイスを使用することは困難または不可能となり得る。
【0007】
したがって、組織または血管に裂け目を生じさせず、生検材料、凝塊をスライスもしくは穿刺せず、または血管壁を刺し貫かずに、展開し、血管壁から材料、凝塊、および塞栓をすくい取り、収集し、除去するように機能する、血栓摘出カテーテルおよびその使用方法の認識できる、まだ対処されていないニーズが存在することは、容易に明らかである。また、折り畳みおよび格納プロセス中に材料がフィルタ(バリア部材)から逃げるのを防止するため、閉塞された血管によって通常送られる下流の細胞および組織への損傷を結果としてもたらし得る、血管を通る流れの低下を生じさせないため、および小径血管内での動作を可能にするためでもある。
【発明の概要】
【0008】
簡単に説明すると、例示的な実施形態では、本装置は、貫通して延びる二重管腔(通路)を有するカテーテルまたは送達シースであって、カテーテルは、近位セグメントおよび遠位セグメントと、その間の線形セクションとを有し、遠位セグメントは、ループ(ピグテール)またはリムとして構成される、カテーテルまたは送達シースと、前記カテーテルの前記二重管腔内に形成されたポートまたは開口であって、ポートは、遠位セグメントに近接して配置される、ポートと、カテーテルの二重管腔の一方を通って長手方向に横断するように構成されたガイドワイヤであって、メッシュストレーナ(バスケット/ネット)を備えて構成され、メッシュストレーナは、カテーテルの二重管腔の他方を通って横断し、前記ポートを通って出て、格納可能なメッシュストレーナを形成するように前記ループを辿り、したがって組織または血管内に破れを引き起こさず、生検材料または凝塊をスライスもしくは穿刺せず、血管壁を刺し貫かずに展開し、血管内部から材料、プラーク、凝塊、および塞栓をすくい上げ、収集し、除去するように機能し、それによって折り畳みおよび格納のプロセス中フィルタ(バリア部材)から材料が逃げることを防止し、閉塞された血管によって通常送られる下流側の細胞および組織への損傷をもたらし得る、血管を通る流れの低下を生じさせず、小径血管内での動作を可能にする、ガイドワイヤとを提供することによって、上記で言及した欠点を克服し、血栓摘出カテーテルおよび使用方法の認識されたニーズを満たす。
【0009】
その主要な態様に従い広義に述べれば、血栓摘出カテーテルおよび使用方法は、貫通して延びる二重管腔を有するカテーテルまたは送達シースであって、カテーテルは、近位セグメントおよび遠位セグメントと、それらの間に結合された線形セクションとを有し、遠位セグメントは、ループとして構成される、カテーテルまたは送達シースと、カテーテルの前記二重管腔の中に形成されたポートまたは開口であって、ポートは遠位セグメントに近接して配置される、ポートまたは開口部と、カテーテルの二重管腔の一方を通って長手方向に横断するように構成されたガイドワイヤであって、前記ガイドワイヤは、メッシュストレーナに固定された第1の端部を有し、メッシュストレーナは、カテーテルの二重管腔の他方を通って長手方向に横断し、前記ポートを通って出て、格納可能なメッシュストレーナを形成するように前記ループを辿るように構成される、ガイドワイヤとを含む。
【0010】
遠隔操作外科デバイスの例示的な実施形態では、遠隔操作外科デバイスは、可撓性位置決め器具であって、第1のカテーテル端部から第2のカテーテル端部まで延びる内部の二重管腔ボアを有する細長いカテーテルであって、二重管腔ボアは、いずれも第1の管腔および第2の管腔を有する、細長いカテーテルと、第2のカテーテル端部に取り付けられたピグテールとを備え、第1の管腔は細長いカテーテルおよびピグテールを通って延び、第2の管腔は細長いカテーテルを通って延びる、可撓性位置決め器具と、細長いカテーテルの第1の管腔およびピグテールを通って延長可能であり、ピグテールから延長可能であるガイドワイヤであって、ピグテールを傾斜させるように構成されたガイドワイヤと、近位部材と、近位部材に結合された遠位部材とを有するように構成された格納器具であって、遠位部材は、変形可能なリムと、変位可能なリムに固定され、細長いカテーテルの第2の管腔を通って延長可能であるバリア膜とを有する、格納器具とを含む。
【0011】
患者の血管から生体材料を除去するための方法のさらなる例示的な実施形態では、方法は、遠隔操作外科デバイスを提供するステップであって、遠隔操作外科デバイスは、可撓性位置決め器具であって、第1のカテーテル端部から第2のカテーテル端部まで延びる内部の二重管腔ボアを有する細長いカテーテルであって、二重管腔ボアは、いずれも第1の管腔および第2の管腔を有する、細長いカテーテルと、第2のカテーテル端部に取り付けられたピグテールとを備え、第1の管腔は、細長いカテーテルおよびピグテールを通って延び、第2の管腔は、細長いカテーテルを通って延びる、可撓性位置決め器具と、細長いカテーテルおよびピグテールの第1の管腔を通って延びる延長可能であるガイドワイヤと、近位部材と、近位部材に結合された遠位部材とを有するように構成された格納器具であって、遠位部材は、変形可能リムと、変位可能なリムに固定され、細長いカテーテルの第2の管腔を通って延長可能であるバリア膜とを有する、格納器具とを有する、提供するステップと、操作外科デバイスを患者の血管内を通るように操作するステップと、ピグテールを生体材料に近接して配置するステップと、第2の管腔から変形可能なリムおよびバリア膜を展開するステップと、変形可能なリムおよびバリア膜を生体材料に近接して回転させるステップと、生体材料をバリア膜内に収集するステップと、変形可能なリム、バリア膜、生体材料を第2の管腔を通して格納するステップとを含む。
【0012】
したがって、血栓摘出カテーテルおよび使用方法の特徴は、ループとして構成されたピグテールまたは遠位セグメントを望ましくない材料に近接して複数回回転させて、凝塊、プラーク、塞栓、血栓(血塊)、脂肪沈着物、または他の望ましくない材料もしくはデブリをメッシュ血液ストレーナ内にすくい取り、それらをヒト血管から抜き出す能力である。
【0013】
血栓摘出カテーテルおよび使用方法の別の特徴は、メッシュストレーナまたはバスケット多孔体を提供する能力であり、それにより、その内部に凝塊、プラーク、塞栓、血栓(血塊)、脂肪沈着物、または他の望ましくない材料もしくはデブリが捕捉されている間、血球が自由に通過することができる。
【0014】
血栓摘出カテーテルおよび使用方法のさらに別の特徴は、一方の管腔がガイドワイヤの通路を形成し、他方の管腔がメッシュストレーナの通路を形成する二重管腔カテーテルを提供する能力である。
【0015】
血栓摘出カテーテルおよび使用方法のさらに別の特徴は、遠隔操作可能な外科デバイスまたはガイドワイヤを提供する能力である。
【0016】
血栓摘出カテーテルおよび使用方法のさらに別の特徴は、可撓性の二重管腔カテーテルを提供する能力である。
【0017】
血栓摘出カテーテルおよび使用方法のさらに別の特徴は、ガイドワイヤのための通路を有する可撓性のピグテールと、先端部に近接してまたは先端部に形成された展開または出口ポートとを有する可撓性の二重管腔カテーテルを提供する能力である。
【0018】
血栓摘出カテーテルおよび使用方法のさらに別の特徴は、格納可能なメッシュストレーナを提供する能力であり、メッシュストレーナは、ループとして構成された遠位セグメントの周りを横断してバスケットまたはネットを形成し、凝塊、プラーク、塞栓、または他の除去物質をメッシュストレーナ内にすくい取る。
【0019】
血栓摘出カテーテルおよび使用方法のさらに別の特徴は、カテーテルの遠位セグメント上のループ、ピグテールの周りを追跡する展開可能なメッシュバスケット、ネット、メッシュストレーナを備えたカテーテルを提供する能力である。
【0020】
血栓摘出カテーテルおよび使用方法のさらに別の特徴は、依然から知られている血管フィルタネットおよび血栓除去/塞栓除去デバイスの欠点を克服し、使用する構成要素が少ない血管デバイスを提供する能力である。
【0021】
血栓摘出カテーテルおよび使用方法のさらに別の特徴は、小さな送達プロファイルに収縮することができ、したがって小さい血管内でのデバイスの使用を可能にする、血管デバイスを提供する能力である。
【0022】
血栓摘出カテーテルおよび使用方法のさらに別の特徴は、特殊な送達カテーテルを必要とせずに血管デバイスを提供する能力である。
【0023】
血栓摘出カテーテルおよび使用方法のさらに別の特徴は、凝塊、プラーク、塞栓、血栓(血塊)、脂肪沈着物、または他の望ましくない材料もしくはデブリが、デバイスが格納され取り外されるときにデバイスから逃げるリスクを低減する血管デバイスを提供するために、血管デバイスを提供する能力である。
【0024】
血栓摘出カテーテルおよび使用方法のさらに別の特徴は、手術を行うことなく、または凝塊バスターを与えることなく、凝塊、プラーク、塞栓、血栓(血塊)、脂肪沈着物、または他の望ましくない材料もしくはデブリをヒト血管から経皮的に除去するための血管デバイスを提供する能力である。
【0025】
血栓摘出カテーテルおよび使用方法のさらに別の特徴は、ループとして構成されたピグテール、ループ、または遠位セグメントを望ましくない材料に近接して複数回スピンさせるだけで、凝塊、プラーク、塞栓、血栓(血塊)、脂肪沈着物、または他の望ましくない材料もしくはデブリをヒト血管から捕捉する血管デバイスを提供する能力である。
【0026】
血栓摘出カテーテルおよび使用方法のさらに別の特徴は、作業領域に隣接する、ループとして構成されたピグテール、ループ、または遠位セグメントの位置を失うことなく、二重管腔カテーテルを通してネット、バスケット、展開可能なメッシュバスケット、またはメッシュストレーナを複数回取り外す能力である。
【0027】
血栓摘出カテーテルおよび使用方法のさらに別の特徴は、望ましくない材料に近接する管腔の遠位端内に望ましくない材料を吸引し(吸引血栓除去術)、それを管腔チャネルを通して引き出すことによって、凝塊、プラーク、塞栓、血栓(血塊)、脂肪沈着物、または他の望ましくない材料もしくはデブリをヒト血管から収集し除去するために、吸引デバイスを介した吸引または吸い込みを有する血管デバイスを提供する能力である。
【0028】
血栓摘出カテーテルおよび使用方法のこれらおよび他の特徴は、添付の図面に照らして読まれたとき、以下の実施形態および特許請求の範囲の詳細な説明から当業者にはより明らかになるであろう。
【0029】
本発明の血栓摘出カテーテルおよび使用方法は、添付の図面を参照して実施形態の詳細な説明を読むことによってよりよく理解されるであろう。図面において、同様の参照番号は同様の構造を示し、全体を通して同様の要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1A】血栓摘出カテーテルの例示的な実施形態の上面斜視図である。
図1B図1Aの血栓摘出カテーテルの二重管腔の細長カテーテルの例示的な実施形態の斜視断面図である。
図1C図1Aの血栓摘出カテーテルの単一管腔ピグテールの例示的な実施形態の斜視断面図である。
図2図1Aの血栓摘出カテーテルの例示的な実施形態の上面斜視図であり、ピグテールを延長する第1の管腔を通過するガイドワイヤが示されている。
図3】血管医療器具の例示的な実施形態の上面斜視図である。
図4A図1の血栓摘出カテーテルの例示的な実施形態の上面斜視図であり、第1の管腔を横断するガイドワイヤと、第2の管腔内を横断する格納可能な器具とが示されている。
図4B図1の血栓摘出カテーテルの細長いカテーテルの斜視断面図であり、ガイドワイヤおよび格納可能な器具は貫通して横断して示されている。
図5A】格納可能な器具がピグテール間に展開された、図1の例示的な血栓摘出カテーテルの上面斜視図である。
図5B】回収のための望ましくない材料またはデブリをネットで覆って示す、血管医療器具備えた図5Aの血栓摘出カテーテルの正面斜視図である。
図6】心臓を通過し、肺の血管内に展開された図5Aの血栓摘出カテーテルの上面図であり、格納可能な器具は、回収のための望ましくない材料またはデブリをネットで覆って示されている。
図7】望ましくない材料またはデブリを血管から除去するために、図1図6の血栓摘出カテーテルを展開し、使用し、回収する方法の流れ図である。
図8】吸引デバイスを備えた血栓摘出カテーテルの例示的な実施形態の上面斜視図である。
図9】望ましくない材料が管腔遠位端に引き込まれている、図8の例示的な血栓摘出カテーテルの上面斜視図である。
図10】吸引によって望ましくない材料またはデブリを血管から除去するために、図1図6および図8図9の血栓摘出カテーテルを展開し、使用し、回収する方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
提示する図面は、例示のみを目的としており、したがって、特許請求される発明に必須であると考えられる場合を除いて、図示する構造の正確な詳細のいずれかまたはすべてに本開示を限定することは望ましくも意図もないことに留意されたい。
【0032】
本開示の例示的な実施形態を説明する際に、図1A図1B図1C図2図3図4A図4B図5A図5B図6図7図8図9、および図10に示すように、明確にするために特定の用語が使用される。しかしながら、本開示は、そのように選択された特定の用語に限定されることを意図するものではなく、各特定の要素は、同様の機能を達成するために同様の方法で動作するすべての技術的等価物を含むことを理解されたい。しかしながら、特許請求の範囲の実施形態は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。本明細書に記載の例は非限定的な例であり、他の可能な例の中の単なる例である。
【0033】
ここで図1A図1B図1Cを参照すれば、限定ではなく例として、可撓性外科用位置決め器具10の例示的な実施形態が、示されている。外科用位置決め器具10は、ハンドグリップ36などのベースセクションを含むことができ、ハンドグリップは、ハンドグリップ36から直線的に延びる細長いカテーテル20などの長手方向線形部材、カニューレ、ハウジング、カテーテル、またはシースに結合された、第1の回転フラップ37および第2の回転フラップ38を有する。好ましくは、細長いカテーテル20は、これを貫通する2つまたは二重の軸方向ボア、または細長いカテーテル20の内側に作り出され、第1のカテーテル端部21から第2のカテーテル端部22まで延びる空間を含むことができる。さらに、貫通する2つまたは二重の軸方向ボアは、仕切り33によって分離された第1の管腔31および第2の管腔32を含むことができる。
【0034】
さらに、外科用位置決め器具10の第2のカテーテル端部22は、その上に形成された、または第2のカテーテル端部22に取り付けられたピグテール50などのループ、開放式ループ、またはエンクロージャとして構成され得る。本明細書では、ピグテール50は、様々なサイズおよび構成で形成されてもよく、第1のピグテールセクション51および第2のピグテールセクション52を含み、第1のピグテールセクション51は細長いカテーテル20の第2のカテーテル端部22に取り付けられ、第2のピグテールセクション52は、ループして第2のカテーテル端部22に近接する位置に戻るエンクロージャを形成する。本明細書では、細長いカテーテル20およびピグテール50は、好ましくはプラスチックで構成または構築されてもよく、ポリマー材料は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリエチレン、テフロン(登録商標)などを含み、そのような材料は、様々な形態、形状、製造の容易さ、および柔軟性を提供すると考えられるが、本明細書に記載の目的を満たすような十分な強度、可撓性、および/または耐久性を有する材料であれば、他の適切な材料が利用されてもよい。細長いカテーテル20、第2の管腔32のピグテール50、第2の管腔または医療器具出口開口25の材料は、例えば、格納可能な器具60が第2の管腔32内に拘束され、かつ細長いカテーテル20によって変形されている間に、この器具によって及ぼされる力に耐えることを可能にするために、繊維、リング、または長手方向リブで補強され得る。
【0035】
第1の管腔31は、第1の管腔またはガイドワイヤ入口開口24などの入口穴から始まり、ハンドグリップ36、細長いカテーテル20、およびピグテール50を通って延び、第1の管腔またはガイドワイヤ出口開口26などの環境への出口または展開穴開口部を通ってピグテール端部53に近接してピグテール50から出ることができる。
【0036】
第2の管腔32は、第1の器具開口23などの入口穴から始まり、ハンドグリップ36および細長いカテーテル20を通って延び、第2のカテーテル端部22に近接する第2の器具開口25などの出口または展開穴を通り、第2のカテーテル端部22に近接して細長いカテーテル20から出ることができる。
【0037】
ここで図2を参照すれば、限定ではなく例として、細長いカテーテル20の第1の管腔31およびピグテール50のピグテール管腔31B内での展開および格納用途のためのガイドワイヤ40の例示的な実施形態が示されている。ガイドワイヤ40は、第1のガイドワイヤ端部41と、第2のガイドワイヤ端部42を含むことができる。使用において、ガイドワイヤ40などの経路または血管案内デバイスは、第1の管腔入口開口24などの入口穴から始まり、細長いカテーテル20の第1の管腔31およびピグテール50のピグテール管腔31Bを通って延ばされ、第1の管腔出口開口26などの、環境への出口または展開穴開口部を通ってピグテール端部53に近接してピグテール50から出て、ピグテール50を超えた、またはそこから延ばした、延長可能な位置に至り、第2のカテーテル端部22およびピグテール50を血管Vを通るように支援または案内し、ターンさせ、分岐させ、または他の血管操縦を行うことができる。第1のガイドワイヤ端部41は、ガイドワイヤ開口26などの展開開口部を通って延び、第2のガイドワイヤ端部42から遠隔制御される。さらに、ガイドワイヤ40がピグテール50を通過するとき、ピグテール50は、これを通過する第1のガイドワイヤ端部41の可撓性または剛性に応じて、傾斜してもよく、まっすぐになってもよく(図2に示すように)、またはピグテール角度A(細長いカテーテル20に垂直に対して約0度から270度、反時計回りに9度から12時)などの角度をなしてもよい。さらに、細長いカテーテル20の最初の回転R1は、ピグテール50の回転R2などの同様の回転を引き起こすか、または結果としてもたらす。ピグテール角度Aおよび回転R2の両方は、第1のガイドワイヤ端部41の様々な位置が、ガイドワイヤ40、ピグテール50、および第2のカテーテル端部22を血管Vを通るように支援または案内または配置し、ターンさせ、分岐させ、または他の血管操縦を行うことを可能にする。さらに、第2のガイドワイヤ端部42のプッシュ/プルPIなどのガイドワイヤ40の運動または移動は、第1のガイドワイヤ端部41をガイドワイヤ開口26から内外に移動させて、ガイドワイヤ40、ピグテール50、および第2のカテーテル端部22を血管を通るように支援もしくは案内もしくは配置し、ターンさせ、分岐させ、または他の血管操縦を行うようにする。
【0038】
あるいは、第1の管腔31およびピグテール管腔31Bは、追加の腹腔鏡または内視鏡デバイスへのアクセス、および/または流体のアクセスまたは引き出しとして、または照明、ビデオなどの医療器具40Aのためのアクセスとして利用されてもよい。そのような内視鏡はまた、レーザ、メス、灌注および吸引手段、視覚化手段などの外科用器具40Aなどを提供することもできる。第1の管腔31およびピグテール管腔31Bの具体的な構成および寸法は、外科用位置決め器具10の意図される用途、および追加の医療器具40Aのためのアクセスが提供されるかどうかによって変化する。通常、第1の管腔31の軸方向ボアは、6~12F(フレンチ=l/3mm)の内径を有することができるが、内視鏡の作業チャネルを収容するために、本明細書では他の直径が考えられる。
【0039】
ここで図3を参照すれば、限定ではなく例として、外科用位置決め器具10と共に使用するための格納可能な器具60の例示的な実施形態が、示されている。格納可能な器具60は、第1の部材端部65および第2の部材端部66を有する近位部材64などの近位または細長い部材または操作具を含むことができる。第1の部材端部65は、その上にかつ第2の部材端部66に近接して構成された変形可能なリム67などのループ、エンクロージャ、またはバスケット、ピグテールを有するように構成されてもよい。本明細書では、変形可能なリム67は、好ましくはサイズおよび形状がピグテール50に一致する様々なサイズおよび形状で構成されてもよいと考えられる。
【0040】
さらに、変形可能なリム67は、第1の変形可能なセクション61および第2の変形可能なセクション62などの1つまたは2つの構成要素から構成されてもよく、あるいは、第1の変形可能なセクション61と第2の変形可能なセクション62との間に1つまたは複数のピボットジョイント68を含んでもよい。変形可能なリム67は、好ましくは、可撓性、弾性、または形状記憶材料または合金生体適合性材料で作られ、これらの材料は、第1の器具開口23に出入りすることができる構成に撓み、曲がり、または折り畳まれること、第2の管腔32の軸方向ボアを横断すること、第2の器具開口26を通過した後に展開されたネットに拡張すること、および血管または他の血管チャネルまたは導管Vから生体材料を抜き出すために折り畳まれて第2の器具開口26に再進入することを可能にする。
【0041】
本明細書では、変形可能なリム67は、変形可能なリム67の周りまたは第1の変形可能なセクション61と第2の変形可能なセクション62との間に配置されたピボット点68などの1つまたは複数のジョイントまたはヒンジを含むことができ、それによって、変形可能なリム67、第1の変形可能なセクション61、および第2の変形可能なセクション62が、線形に折り畳まれるか、または畳まれ、第1の器具開口23、第2の管腔32の軸方向ボア、および第2の器具開口25を通って横断することを可能にしてもよいことが、さらに考えられる。本明細書では、変形可能なリム67がリム入口69などの開口部を形成してもよいことがさらに考えられる。
【0042】
拡張されたとき、変形可能なリム67は、約1cm以下から約3cmの直径を有することができるが、本明細書では他のサイズが考えられる。さらに、メッシュストレーナ63などのバリア膜または他のシフティングまたは濾過膜が、好ましくは、変形可能なリム67に緩く延び、広がり、または固定されて、リム入口69を横切る丸みのある開放端部捕捉ネットを形成する。メッシュストレーナ63は、凝塊、プラーク、塞栓、血栓(血塊)、脂肪沈着物、または他の望ましくない材料もしくはデブリをヒトの血管y内から濾過または捕捉するために利用されてもよい。
【0043】
第2の管腔32の軸方向ボアの特定の構成および寸法は、外科用位置決め器具10の使用、挿入/格納部材64などの格納可能な器具60のパラメータによって変わり、メッシュストレーナ63が第1の変形可能なセクション61、第2の変形可能なセクション62、および挿入/格納部材64の周りに畳まれた状態で、拘束構成にある第1の変形可能なセクション61および第2の変形可能なセクション62を有する変形可能なリム67を受け入れるようなサイズである。通常、第2の管腔32の軸方向ボアは、拘束構成にある格納可能な器具60を収容するために、6~12F(フレンチ=l/3mm)の軸方向ボアまたは内径を有することができるが、本明細書では他の直径が考えられる。
【0044】
あるいは、第2の管腔32は、追加の腹腔鏡または内視鏡デバイスへのアクセス、および/または流体のアクセスとして、または照明、ビデオなどの医療器具40Aのためのアクセスとして利用されてもよい。そのような内視鏡はまた、レーザ、メス、灌注および吸引手段、視覚化手段などの外科用器具40Aなどを提供することもできる。
【0045】
再び図1Aを参照すれば、カテーテル20の外径は、用途、第1の管腔31および第2の管腔32のサイズ、第1の変形可能なセクション61および第2の変形可能なセクション62を有する格納可能な器具60の変形可能なリム67のサイズ、追加の腹腔鏡または内視鏡デバイスへのアクセス、および/または流体のアクセスまたは引き出し、照明、ビデオなど40Aのためのアクセスがあるかどうか、および追加の管腔が外科用位置決め器具10内に含まれるかどうかによって変化し得る。
【0046】
ここで図4Aおよび図4Bを参照すれば、限定ではなく例として、外科用位置決め器具10の第2の管腔32内での展開および格納に使用するための格納可能な器具60の例示的な実施形態が示されている。さらに、第2のガイドワイヤ端部42を引っ張ることができ、ガイドワイヤ40がピグテール50を通して格納されると、ピグテール50は、図1および図4Aに示すようなピグテールまたはループ構成に戻ることができる。
【0047】
使用において、第1の部材端部65の変形可能なリム67は、好ましくは折り畳まれてもよく、メッシュストレーナ63は、格納可能な器具60の変形可能なリム67および/または第1の部材端部65の周りに畳まれても、または巻き付けられてもよい。折り畳まれた変形可能なリム67および畳まれたメッシュストレーナ63は、第2の管腔32の第1の器具開口23内に挿入され得る。折り畳まれた変形可能なリム67および畳まれたメッシュストレーナ63は、細長いカテーテル20の第2の管腔32内に配置され、それを通って延ばされ、横断し、第2の管腔を通って退出または展開し、そこから伸長可能であることができる。変形可能なリム67および畳まれたメッシュストレーナ63が第2の管腔32から出ると、変形可能なリム67は、展開された変形可能なリム67に拡張し、このときメッシュストレーナ63は、ピグテール50に近接して配置される拡張された収集状態に広げられる。変形可能なリム67の展開された第1の変形可能なセクション61および第2の変形可能なセクション62は、図5に示すような圧縮されない位置に拡張して戻り、それによってリム入口69およびメッシュストレーナ63を有する拡張された変形可能なリム67を作り出し、この場合拡張された変形可能なリム67は、図5に示すように、好ましくは、ピグテール50と嵌合するか、またはピグテールに近接してもしくはピグテール内に配置され得る。
【0048】
ここで図5Aおよび図5Bを参照すれば、限定ではなく例として、外科用位置決め器具103の第2の管腔32から展開されて示されている格納可能な器具60の例示的な実施形態が、示されている。使用において、第2の部材端部66のプッシュ/プルPIは、ピグテール50内でまたは第2のカテーテル端部22の遠位端部上の第2の器具開口25の範囲を超えて変形可能なリム67を展開または延ばして、変形可能なリム67およびこれに取り付けられたメッシュストレーナ63を展開し、その展開された構成を達成することができる。第2の部材端部66の回転R3は、リム入口69およびメッシュストレーナ63を有する変形可能なリム67の回転R4などの同様の回転を引き起こすか、または結果としてもたらす。回転R4はさらに、格納可能な器具60のリム入口69およびメッシュストレーナ63を有する変形可能なリム67が凝塊、プラーク、塞栓、血栓(血塊)、脂肪沈着物、生体材料、または他の望ましくない材料もしくはデブリMを血管Vからすくい上げるか、または収集するか、または捕捉するようにする。さらに、細長いカテーテル20の回転R1の結果、ピグテール50の回転R2をもたらす。さらに回転R2の結果、ピグテール50と変形可能なリム67との間の当接または接触(変形可能なリム67がピグテール50に当接すること)により、リム入口69およびメッシュストレーナ63を有する変形可能なリム67の回転R4をもたらす。回転R4は、さらに、格納可能な器具60のリム入口69およびメッシュストレーナ63を有する変形可能なリム67は、凝塊、プラーク、塞栓、血栓(血塊)、脂肪沈着物、生体材料、または他の望ましくない材料もしくはデブリMを血管Vからすくい上げるか、または収集するか、または捕捉するようにする。望ましくない材料またはデブリMは、望ましくない材料またはデブリMを含む格納可能な器具60ならびにリム入口69およびメッシュストレーナ63を有する変形可能なリム67を抜き出し、変形可能なリム67を折り畳んで第2の器具開口25内に戻し、格納可能な器具60を引っ張り外科用位置決め器具10の第2の管腔32を通って、図4Aおよび4Bに示すように第1の器具開口23から出すことによって、血管Vから除去され得る。第2の部材端部66のプッシュ/プルPIは、変形可能なリム67を折り畳むことによって変形可能なリム67を回収することができ、メッシュストレーナ63は、変形可能なリム67および/または第1の部材端部65の周りに畳まれるか、または巻き付けられてもよく、望ましくない材料またはデブリMを有する格納可能な器具60は、第2の器具開口25を通るように引っ張られ、第1の器具開口23から出ることができる。
【0049】
本明細書では、変形可能なリム67およびピグテール50は、ピグテール50と変形可能なリム67との間の当接または接触を可能にする(変形可能なリム67はピグテール50に当接する)ために、円周および/または直径などのサイズおよび形状が類似または一致してもよいと考えられる。
【0050】
ここで図6を参照すれば、限定ではなく例として、外科用デバイス、すなわち格納可能な器具60と外科用位置決め器具10との組み合わせの例示的な実施形態が、示されている。使用において、外科用位置決め器具10は、ピグテール50が患者に挿入され、血管V、心臓H、肺Lを通って肺血管V内に蛇行して展開された状態で示されている。本明細書では、外科用位置決め器具10は、デブリを除去する必要がある任意の流体搬送血管内に展開されてもよいと考えられる。
【0051】
使用において、ガイドワイヤ40のプッシュ/プルPIは、ピグテール50を通って延ばされてもよく、それによってピグテール50は、通過する第1のガイドワイヤ端部41の可撓性または剛性に応じて、血管V内でまっすぐもしくは細長くなるか(図2に示すように)、またはピグテール角度Aなどの角度をなすことができる。さらに、細長いカテーテル20の第1の回転R1は、ピグテール50を血管V内で回転R2で同様に回転させる。ピグテール角度Aおよび回転R2の両方は、第1のガイドワイヤ端部41の様々な位置が、ガイドワイヤ40、ピグテール50、および第2のカテーテル端部22を血管V、心臓H、肺Lを通るようにまたはその内部で支援または案内または配置して蛇行させ、ターンさせ、分岐を操縦し、または他の血管操縦を行うことを可能にして、血管V内でピグテール50を正確に操縦し配置する。外科用位置決め器具10の目的は、好ましくは患者の血管内の特定の場所にピグテール50を配置することである。
【0052】
第2の部材端部66のプッシュ/プルPIの結果、リム入口69およびメッシュストレーナ63を有する変形可能なリム67が第2のカテーテル端部22との間の接合部に近接して第2の器具開口25を通って退出または展開し、第2の器具開口25を通過して血管V内のピグテール50に近接する位置に至った後、メッシュストレーナ63と共に展開された変形可能なリム67に拡張する。
【0053】
さらに、第2の部材端部66の回転R3の結果、リム入口69およびメッシュストレーナ63を有する血管V内の変形可能なリム67の回転R4をもたらし、回転R4はさらに、格納可能な器具60のリム入口69およびメッシュストレーナ63を有する変形可能なリム67は、凝塊、プラーク、塞栓、血栓(血塊)、脂肪沈着物、生体材料、または他の望ましくない材料もしくはデブリMを血管Vからすくい上げるか、または収集するか、または捕捉するようにする。
【0054】
さらに、細長いカテーテル20の回転R1の結果、血管V内のピグテール50の回転R2をもたらし、この回転R2は、さらに、ピグテール50と変形可能なリム67との間の当接または接触により、リム入口69およびメッシュストレーナ63を有する変形可能なリム67の回転R4をもたらし、この回転R4は、さらに、格納可能な器具60のリム入口69およびメッシュストレーナ63を有する変形可能なリム67は、凝塊、プラーク、塞栓、血栓(血塊)、脂肪沈着物、生体材料、または他の望ましくない材料もしくはデブリMを血管Vからすくい上げるか、または収集するか、または捕捉するようにする。
【0055】
第2の部材端部66のプッシュ/プルPIの結果、リム入口69およびメッシュストレーナ63を有する折り畳まれた変形可能なリム67は、第2の器具開口25内に格納されるか、または入り、第2の管腔32を通って第1の器具開口23に至り、血管Vからメッシュストレーナ63内に捕捉された望ましくない材料またはデブリMを除去する。本明細書では、望ましくない材料またはデブリMのそのような捕捉および回収は、外科用位置決め器具10の第2の管腔32を通る格納可能な器具60の複数回の通過、展開、格納、および回収によって複数回達成されてもよいと考えられる。
【0056】
本明細書では、第2の管腔32の血管形成術、アテローム切除術、ならびにステントおよびステントグラフトの展開、血管疾患を治療するための処置が、第2の管腔32を通して展開されてもよいと考えられる。そのような器具は、しばしば血管Vの血管壁から材料またはプラークを除去し、その結果凝塊の形成、または塞栓、望ましくない材料またはデブリMなどの生体材料の放出をもたらす可能性があり、これらは血流に入り、より小さい下流血管を塞ぎ、かつ潜在的に組織への血流を閉塞するのに十分な大きさであり得る。その結果、閉塞が心臓、肺、または脳などの重要な組織で起こる場合、患者の健康または生活に深刻な脅威をもたらす可能性がある。本明細書では、格納可能な器具60を利用して第2の管腔32を横断させて、血管Vから望ましくない材料またはデブリMを捕捉して除去することができる。
【0057】
本明細書では、変形可能なリム67を取り囲むピグテール50が、変形可能なリム67が拡張するときに血管Vを保護し、血管Vとの接触を防止して、展開領域内の組織または血管の裂け目を防止できるとさらに考えられる。
【0058】
本明細書では、変形可能なリム67を取り囲むピグテール50は、変形可能なリム67が拡張または収縮したときに血管Vを保護し、血管Vとの接触を防止して、生検材料、凝塊をスライスもしくは穿刺すること、または血管Vの血管壁を刺し貫くことを防止できるとさらに考えられる。
【0059】
本明細書では、第2の管腔32は、生検を行うための縫合などの他の医療器具、または外科用位置決め器具10を用いて行われる医療用途の必要性を満たすための他の医療器具の送達に利用できるとさらに考えられる。
【0060】
本明細書では、第2の管腔32は、異なる直径またはサイズの医療器具60を収容するように調整可能にサイズされるか、または構成されてもよいと考えられる。
【0061】
ここで図7を参照すれば、凝塊、または塞栓、望ましくない材料もしくはデブリMなどの生体材料の放出を血管Vから除去するために外科用位置決め器具10および格納可能な器具60を利用する流れ図700が、示されている。ブロックまたはステップ710では、外科用位置決め器具10を提供し、外科用位置決め器具は、第1の管腔31および第2の管腔32などの2つまたは二重の軸方向ボアが貫通する細長い部材20と、一端にあるピグテール50と、(変形可能なリム67を折り畳むこと、メッシュストレーナ63を第1の部材端部65の周りに巻き付けること、および第2の管腔32の第1の器具開口23内に挿入すること)と、((第2の部材端部66のPIのプッシュ/プルによって)第1の器具開口23を横断して、第2の管腔32の第2の器具開口25に至ること)とを含んで図1図6において上記で説明したような変形可能なリム67およびメッシュストレーナ63を有する一体型の格納可能な器具60とを有する。
【0062】
ブロックまたはステップ715では、(ガイドワイヤ40のプッシュ/PIによって、または細長い部材20をR1で回転させて)ガイドワイヤ40を操作するか、または移動させて経路または血管案内デバイスのためのピグテール50の位置を変更して、外科用位置決め器具10を血管Vを通るように操縦するか、もしくは前進させ、ターンさせ、分岐させ、または他の血管操縦を行うようにし、そしてピグテール50を材料またはデブリMに近接して位置決めする。
【0063】
ブロックまたはステップ720では、メッシュストレーナ63を有する展開された変形可能なリム67を、第2の器具開口25を通過してピグテール50に近接した位置に至った後に拡張させることによって格納可能な器具60を展開する(変形可能なリム67およびメッシュストレーナ63を第2の管腔32から展開する)。展開されると、変形可能なリム67の第1の変形可能なセクション61および第2の変形可能なセクション62は、非圧縮位置に拡張して戻る。
【0064】
ブロックまたはステップ730では、格納可能な器具60の第2の部材端部66を回転させることによって、変形可能なリム67およびメッシュストレーナ63を材料またはデブリMに近接して回転R3で回転させ、その結果、リム入口69およびメッシュストレーナ63を有する変形可能なリム67の回転R4をもたらし、回転R4は、さらに、格納可能な器具60のリム入口69およびメッシュストレーナ63を有する、拡張された変形可能なリム67は、凝塊、プラーク、塞栓、血栓(血塊)、脂肪沈着物、生体材料、または他の望ましくない材料もしくはデブリMを血管Vからすくい上げるか、または収集するか、または捕捉するようにする。
【0065】
ブロックまたはステップ730では、細長いカテーテル20を回転させることによって、変形可能なリム67およびメッシュストレーナ63を材料またはデブリMに近接して回転RIで回転させ、その結果、ピグテール50の回転R2をもたらし、回転R2の結果、さらに、ピグテール50および変形可能なリム67との間の当接または接触によって、リム入口69およびメッシュストレーナ63を有する変形可能なリム67の回転R4をもたらし、回転R4は、さらに、格納可能な器具60のリム入口69およびメッシュストレーナ63を有する変形可能なリム67は、凝塊、プラーク、塞栓、血栓(血塊)、脂肪沈着物、生体材料、または他の望ましくない材料もしくはデブリMを血管Vからすくい上げるか、または収集するか、または捕捉するようにする。
【0066】
ブロックまたはステップ735では、血管Vからの凝塊、プラーク、塞栓、血栓(血塊)、脂肪沈着物、生体材料、または他の望ましくない材料もしくはデブリMをメッシュストレーナ63内にすくい上げるか、または収集するか、または捕捉することによって、メッシュストレーナ63内に材料またはデブリMを収集する。
【0067】
ブロックまたはステップ740では、第2の部材端部66のプッシュ/プルPIによって変形可能なリム67を折り畳むことによって第2の管腔32の第2の器具開口25を通して変形可能なリム67、メッシュストレーナ63、および材料もしくはデブリMを格納して、折り畳まれた変形可能なリム67を回収し、メッシュストレーナ63は、変形可能なリム67および/または第1の部材端部65に畳まれるか、または巻き付けられてもよく、望ましくない材料またはデブリMを有する格納可能な器具60は、第2の器具開口25を通して引っ張られるか、またはその内部に入り、第1の器具開口23から出ることができる。
【0068】
ブロックまたはステップ745では、ステップ715~740を繰り返す。
【0069】
ここで図8を参照すれば、限定ではなく例として、可撓性外科用位置決め器具10の例示的な実施形態が示されている。外科用位置決め器具10は、ハンドグリップ36または第1のカテーテル端部21に近接して配置された吸引ポート90などのアクセスハブまたはポートを含むことができる。吸引ポート90は、細長いカテーテル20の長さを通る第1の管腔31、ピグテール50のピグテール管腔31B、ピグテール端部53までのアクセスを提供してもよく、これらに連通して連結されてもよい。さらに、外科用位置決め器具10は、第1の管端部81などの遠位端部と、近位端部、または第2の管端部82とを含むことができる吸引管80などのサイドアームまたは導管を含むことができる。第2の管端部82は、吸引ポート90に固定されるか、または取り外し可能に固定されてもよい。吸引管80は、コックバー85を有する三方停止コックバルブ84を含むことができる。コックバー85は、通過および吸引のための開位置と、デブリMをねじ付きポートおよびキャップ83に迂回させるための迂回位置と、第2の管端部82を封止するための閉位置との間で回転されても(回転式であっても)よい。さらに、外科用位置決め器具10は、吸引デバイス70などの吸い込み、真空または負圧デバイスを含むことができる。吸引デバイス70は、シリンジバレル72などのハウジングまたは本体を有するシリンジと、その中に配置され、シリンジバレル72内の移動Mのように引き込まれるか、または移動されるプランジャ71と、シリンジバレル72への出口または入口を提供するアダプタポート73とを含むことができる。吸引デバイス70またはより具体的にはアダプタポート73は、第1の管端部81に連通して連結されるか、または取り外し可能に連結されて、好ましくは吸引管80、吸引ポート90、細長いカテーテル20の管腔31、ピグテール50のピグテール管腔31B、およびピグテール端部53を介して吸引、真空、または吸い込みSを実行することができる。
【0070】
ここで図9を参照すれば、限定ではなく例として、凝塊、プラーク、塞栓、血栓(血塊)、脂肪沈着物、生体材料、または血管V内の他の望ましくない材料もしくはデブリMに近接して示すピグテール50の例示的な実施形態が、示されている。さらに、吸引または吸い込みにより、吸引デバイス70は、好ましくは、デブリMがピグテール端部53内に吸い込まれるか、引き込まれるか、引っ張られるか(引っ張り/吸い込み)か、収集されるか、または捕捉されることを結果としてもたらす。さらに、吸引デバイス70による継続的な吸引または吸い込み(吸引血栓除去術)により、デブリMは、引っ張られるか、またはピグテール50のピグテール管腔31B、細長いカテーテル20の管腔31、吸引ポート90、および吸引管80を横断して吸引デバイス70に至り、それによってデブリMは、血管yから除去されている。
【0071】
本明細書では、ピグテール50は、デブリMの吸引または吸い込み(吸引血栓除去)中に、図5に示すようなカールした構成ではなく、図2に示すような延長構成であってもよいと考えられる。
【0072】
ここで図10を参照すれば、外科用位置決め器具10および格納可能な器具60を利用して、凝塊または塞栓の放出、望ましくない材料またはデブリMなどの生体材料を吸引または吸い込みによって血管Vから除去する流れ図1000が示されている。ブロックまたはステップ1010では、外科用位置決め器具10を提供し、外科用位置決め器具は、第1の管腔31および第2の管腔32などの貫通する2つまたは二重の軸方向ボアを備えた細長い部材20と、一方の端部のピグテール50と、図8図9で上述したような吸引ポート90、吸引管80、および吸引デバイス70とを備える。
【0073】
ブロックまたはステップ1015では、第1のカテーテル端部21を操作するか、または移動させて経路または血管案内デバイスのためのピグテール50の位置を変更して、外科用位置決め器具10を血管Vを通るように操縦するか、もしくは前進させ、ターンさせ、分岐させ、または他の血管操縦を行うようにし、そしてブロックまたはステップ1020においてピグテール50を材料またはデブリMに近接して配置する。
【0074】
ブロックまたはステップ1030では、ピグテール端部53内にデブリMを収集し、捕捉するために吸引デバイス70を動作させる(吸引するまたは吸い込む)。さらに、吸引デバイス70による継続的な吸引または吸い込み(吸引血栓除去術)ステップ1040により、デブリMは、引っ張られるか、またはピグテール50のピグテール管腔31B、細長いカテーテル20の管腔31、吸引ポート90、および吸引管80を横断して吸引デバイス70に至り(ステップ1050)、それによってデブリMは、血管Vから除去されている。
【0075】
前述の説明および図面は、本開示の例示的な実施形態を含む。このように例示的な実施形態を説明してきたが、当業者であれば、開示内は例示的なものにすぎず、本開示の範囲内で様々な他の代替形態、適合形態、および改変形態を行うことができることに留意されたい。方法のステップを特定の順序で単に列挙または番号付けすることは、その方法のステップの順序に対するいかなる制限も構成しない。前述の説明および関連する図面に提示された教示の利益を有する、本開示に関係する当業者には、本開示の多くの改変形態および他の実施形態が思い浮かぶであろう。本明細書では特定の用語を使用することができるが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定の目的では使用されない。さらに、本開示を詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲によって規定される本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、および変形を加えることができることを理解されたい。したがって、本開示は、本明細書に示す特定の実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
図1A-1C】
図2
図3
図4A-4B】
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2022-01-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の血管内を横断して、前記血管内の血栓を除去するための遠隔操作外科デバイスであって、前記外科デバイスは、
可撓性位置決め器具であって、第1のカテーテル端部から第2のカテーテル端部まで延びる内部の二重管腔ボアを有する細長いカテーテルであって、前記二重管腔ボアは、いずれも第1の管腔および第2の管腔を有する、細長いカテーテルと、前記第2のカテーテル端部から延びる可撓性ピグテールとを有し、前記第1の管腔は、前記細長いカテーテルおよび前記可撓性ピグテールを通って延び、前記可撓性ピグテールは、前記第2のカテーテル端部に近接する位置にループして戻るピグテール端部を有するループとして構成され、前記ピグテール端部は、ガイドワイヤ出口開口を有し、前記第2の管腔は、前記第1のカテーテル端部から前記第2のカテーテル端部を通り、前記第2のカテーテル端部に近接する器具出口開口まで前記細長いカテーテルを通って延びる、可撓性位置決め器具と、
前記細長いカテーテルの前記第1の管腔および前記可撓性ピグテールを通って延長可能であり、前記ガイドワイヤ出口開口から延長可能であるガイドワイヤであって、前記ガイドワイヤが前記可撓性ピグテールを通って延び、前記ガイドワイヤが前記可撓性ピグテールを通る際に前記可撓性ピグテールをまっすぐにし、前記第2のカテーテル端部および前記可撓性ピグテールが前記患者の前記血管内を横断して前記血栓に到達することを可能にするように構成される、ガイドワイヤと、
近位部材と前記近位部材に結合された遠位部材とを有するように構成された格納器具であって、前記遠位部材は、変形可能なリムと、前記変形可能なリムに固定されたバリア膜とを有し、前記変形可能なリムは、前記器具出口開口を通って拡張可能であり、前記変形可能なリムが拡張することで前記バリア膜が展開され、前記細長いカテーテルの前記第1のカテーテル端部の回転が前記可撓性ピグテールを回転させ、前記可撓性ピグテールが、前記変形可能なリムと前記バリア膜とを前記可撓性ピグテールとの接触により回転させて前記バリア膜の中に血栓を捕捉する、格納器具と、
前記第1の管腔に連結され、前記細長いカテーテルの前記第1の管腔および前記可撓性ピグテール内に真空を生成するように構成された吸引デバイスと
を備える、遠隔操作外科デバイス。
【請求項2】
前記第1のカテーテル端部に近接して配置されたガイドワイヤ入口開口と、前記可撓性ピグテールの前記ピグテール端部に近接して配置されたガイドワイヤ出口開口とをさらに備える、請求項1に記載の遠隔操作外科デバイス。
【請求項3】
前記細長いカテーテルの回転が、前記可撓性ピグテールの前記回転を結果としてもたらす、請求項1に記載の遠隔操作外科デバイス。
【請求項4】
前記第1のカテーテル端部に固定されたハンドグリップをさらに備える、請求項1に記載の遠隔操作外科デバイス。
【請求項5】
前記可撓性ピグテールは、患者の血管内の場所に配設されるように構成されている、請求項3に記載の遠隔操作外科デバイス。
【請求項6】
前記第1のカテーテル端部に近接して配置された第1の器具開口と、前記第2のカテーテル端部に近接して配置された第2の器具開口とをさらに備える、請求項1に記載の遠隔操作外科デバイス。
【請求項7】
前記可撓性ピグテールは、前記第1の管腔と連通するピグテール管腔をさらに備える、請求項1に記載の遠隔操作外科デバイス。
【請求項8】
前記第1のカテーテル端部に近接して配置された吸引ポートをさらに備え、前記吸引ポートが前記第1の管腔と連通する、請求項7に記載の遠隔操作外科デバイス。
【請求項9】
第1の管端部および第2の管端部を有する吸引管をさらに備え、前記第2の管端部は、前記吸引ポートと連通する、請求項8に記載の遠隔操作外科デバイス。
【請求項10】
前記吸引デバイスは、前記第1の管端部と連通する、請求項9に記載の遠隔操作外科デバイス。
【請求項11】
前記吸引デバイスは、シリンジバレルを有するシリンジと、前記シリンジバレル内に配置されたプランジャと、前記シリンジバレルから出るアダプタポートとをさらに備える、請求項10に記載の遠隔操作外科デバイス。
【請求項12】
前記吸引管は、開位置、迂回位置、および閉位置の間で回転するコックバーを有する停止コックバルブを含む、請求項9に記載の遠隔操作外科デバイス。
【請求項13】
前記第1のカテーテル端部の回転が、内部の前記血栓に隣接する前記ピグテール端部の前記回転を結果としてもたらすように構成されている、請求項10に記載の遠隔操作外科デバイス。
【請求項14】
前記吸引デバイス内の吸引が、前記吸引管、前記吸引ポート、前記第1の管腔、および前記ピグテール管腔内に吸引力を作り出して、その内部に前記血栓を収集する、請求項13に記載の遠隔操作外科デバイス。
【請求項15】
前記吸引デバイス内でのさらなる吸引が、前記血栓を前記ピグテール管腔、前記第1の管腔、前記吸引ポート、前記吸引管を通して前記吸引デバイス内に吸い込む、請求項14に記載の遠隔操作外科デバイス。
【国際調査報告】