(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-11
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 37/12 20060101AFI20220428BHJP
【FI】
D06F37/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021544232
(86)(22)【出願日】2020-01-29
(85)【翻訳文提出日】2021-09-28
(86)【国際出願番号】 CN2020074069
(87)【国際公開番号】W WO2020156493
(87)【国際公開日】2020-08-06
(31)【優先権主張番号】201910103732.6
(32)【優先日】2019-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】趙志強
(72)【発明者】
【氏名】許升
(72)【発明者】
【氏名】呂佩師
【テーマコード(参考)】
3B165
【Fターム(参考)】
3B165AA15
3B165AE01
3B165AE02
3B165AE07
3B165BA10
3B165BA42
3B165BA78
3B165BA82
3B165BA86
3B165CA01
3B165CB01
3B165CB31
3B165CB33
3B165CB60
3B165CB62
3B165CE01
3B165DW05
3B165GA12
3B165JM02
3B165JM03
(57)【要約】
本発明は、洗濯機を開示する。当該洗濯機は、ハウジングと、ハウジング内に回転可能に設けられる洗浄槽を含む。洗浄槽は貯水槽である。前記洗浄槽は、第1の部屋と第2の部屋を有している。第1の部屋は、洗濯物を投入して洗浄するために用いられる。第2の部屋は、少なくとも底部において第1の部屋と連通することで、2つの部屋の液位を同一に維持するとともに、第1の部屋内の洗濯物から隔離されている。洗濯機には、更に、第2の部屋内の液面高さを検出する液位検出装置が設けられており、第2の部屋内の液面高さを検出することで洗浄槽の水位データを取得する。本発明で記載する洗濯機は、水位の測定について極めて高い信頼性を有しており、測定が正確である。また、技術方案が成熟しており、信頼性を有するとともに、廉価である。よって、ユーザのニーズを満たし、顧客満足度を効果的に向上させることが可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、貯水槽として洗濯機のハウジング内に回転可能に設けられる洗浄槽を含む洗濯機において、
前記洗浄槽は、
洗濯物を投入して洗浄するための第1の部屋と、
少なくとも底部において第1の部屋と連通することで、2つの部屋の液位を同一に維持するとともに、第1の部屋内の洗濯物から隔離される第2の部屋、を有し、
洗濯機には、更に、第2の部屋内の液面高さを検出する液位検出装置が設けられていることを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
前記洗浄槽の外周壁には、下から上へ延伸する連通装置が設けられており、前記洗浄槽の下部には連通装置と連通する通水口が設けられており、前記洗浄槽の内部の空間は第1の部屋を構成しており、前記連通装置の内部の空間は第2の部屋を構成していることを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記洗浄槽の内周壁には、下から上へ延伸する連通装置が設けられ、前記洗浄槽の内部空間を2つの部屋に分割しており、前記連通装置の内部の空間は第2の部屋を構成しており、前記連通装置の外部の空間は第1の部屋を構成しており、前記連通装置の下部には、2つの部屋を連通する通水口が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記連通装置の上部には、外気と連通する通気口が設けられており、前記通気口が位置する水平高さは、予め定められた前記洗浄槽の最高水位の高さよりも高く、前記通水口が位置する水平高さは、予め定められた前記洗浄槽の最低水位の高さ以下であり、
好ましくは、前記連通装置の上部の通気口は、前記洗浄槽の回転時の遠心力の働きを受けて外側に水を振り出す吐水口を構成しており、
より好ましくは、前記洗浄槽の周壁の上部には、前記洗浄槽の回転時の遠心力の働きを受けて外部に水を振り出す吐水口が設けられており、前記吐水口の高さは、予め定められた前記洗浄槽の最高水位の高さよりも高くなっていることを特徴とする請求項2又は3に記載の洗濯機。
【請求項5】
更に、前記洗浄槽の外部に位置する外槽を含み、脱水及び/又は排水時に、前記連通装置内の水が前記洗浄槽の回転時の遠心力の働きを受けて通気口から外槽内へ振り出されて排出され、
好ましくは、前記通気口は外槽蓋の下方に位置していることを特徴とする請求項4に記載の洗濯機。
【請求項6】
前記洗浄槽の外周壁及び連通装置の外側には、それぞれ、上から下へ導水する排水経路が設けられており、前記排水経路は、上部が吐水口と連通するとともに、下端から外槽内へと排水し、前記外槽の少なくとも一部は前記洗浄槽の下方に設けられており、外槽の側周壁の上縁は上方へ延伸するとともに、排水経路の下端における吐水口が位置する部位よりも高くなっており、
好ましくは、前記外槽の上縁は、前記洗浄槽の上部の開口を超えず、
より好ましくは、前記外槽の上縁は、前記洗浄槽の半分を超えないことを特徴とする請求項4に記載の洗濯機。
【請求項7】
前記液位検出装置は、第2の部屋上方の洗濯機のコントロールパネルベース又は洗濯機の外槽蓋に装着されるか、第2の部屋下方の洗濯機の外槽底に装着されるか、洗濯機の外槽底下方における駆動ユニット装着部材に装着されるか、ハウジングに装着される超音波液位測定器を含むことを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
【請求項8】
前記液位検出装置は、非接触式の液位測定装置であって、レーダ液位測定器又はレーザ液位測定器を含み、前記第2の部屋の天井部には開口が設けられており、液位検出装置は第2の部屋の天井部の開口の真上に装着されており、
好ましくは、洗濯機のコントロールパネルベースの下部又は洗濯機の外槽蓋の下面に装着されることを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
【請求項9】
更に、洗浄槽の内部に装着されるパルセータを含み、パルセータは洗浄槽と同軸であり、パルセータの中心には、下から上へ延伸する連通装置が設けられ、洗浄槽の内部空間を2つの部屋に分割しており、連通装置の内部の空間は第2の部屋を構成しており、連通装置の外部の空間は第1の部屋を構成しており、連通装置の下部には、2つの部屋を連通する通水口が設けられており、
好ましくは、連通装置の外壁がパルセータの攪拌構造を形成することを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
【請求項10】
前記連通装置の天井部は封止されており、上部の側壁に通気口が設けられており、前記液位検出装置は非接触式の液位測定装置であって、洗濯機の上カバーの下面に装着されており、
好ましくは、上カバーを閉止したときに、液位検出装置が連通装置の真上に位置することを特徴とする請求項9に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄機器の分野に属し、具体的には洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のパルセータ式洗濯機は、
図1に示すように、通常、内側から外側に向かって順に設置されるパルセータ1’、内槽2’、外槽3’及び筐体4’を含む。パルセータ1’は、内槽2’の底部の中央に設置されており、駆動装置5’によって回転可能とされている。内槽2’の上部にはバランスリング6’が設置されている。また、内槽2’の側壁には、複数列の脱水孔21’が縦方向に設置されている。内槽2’の底部には排水孔22’が設置されており、当該排水孔22’は駆動装置5’の出力軸51’を挿通するためにも用いられる。
図2に示すように、外槽3’の側壁の底部にはガス室31’と水位センサ(図示しない)が設けられている。また、上部には溢水口32’が設けられており、底部には排水口7’が設けられている。ガス室31’と水位センサは外槽3’の水位を検出するために用いられ、溢水口32’は、水位センサが破損したときに、過剰となった水を排出するために用いられる。
【0003】
洗濯機が動作を開始すると、排水弁8’が閉止され、内槽2’に水が供給される。水流は、内槽2’を満たす際に、内槽2’側壁の脱水孔21’を通じて外槽3’全体にも充満する。即ち、外槽3’の底部と内槽2’の底部の間、外槽3’の側壁と内槽2’の側壁の間全てに水が満たされる。そして、ガス室31’と水位センサが槽内の水位を検出し、槽内の水が所定の水位に達すると、給水が停止されて洗濯機が洗浄を開始する。具体的には、駆動装置5’がパルセータ1’を往復回転させることで、パルセータ1’の回転に伴って、内槽2’内の水と衣類が転動する。これにより、衣類同士が摩擦し合うとともに、転動する衣類がパルセータや内槽の側壁とも繰り返し摩擦し合うことで、洗浄の目的が達せられる。洗浄が完了すると、洗濯機は槽内の水流を排出したあと、衣類の脱水を行う必要がある。具体的に、排水時には排水弁8’が開放されて、外槽3’と内槽2’の間の水流が、外槽3’底部の排水口7’、排水弁8’、排水管9’を順に経由して筐体4’の外部に排出される。且つ、内槽2’内の水は、脱水孔21’から排出されて外槽3’と同一の液面を維持する。やがて、最終的に、内槽2’内の水流は下方へと流動し、内槽2’底部の排水孔22’から外槽3’に流れ込んだあと、外槽3’底部の排水口7’から排出される。脱水時には、駆動装置5’が内槽2’を高速回転させることで、衣類内の水分が、遠心力の働きで内槽2’側壁の脱水孔21’及び底部の排水孔22’から外槽3’へと排出されたあと、排水口7’、排水管9’から洗濯機の外部に排出される(
図1参照)。
【0004】
従来のパルセータ式洗濯機では、内槽と外槽壁の間に満たされる水は洗浄には関与せず、実質的に洗浄に関与するのは内槽内の水のみである。そのため、水資源の無駄が大きくなってしまう。また、内槽と外槽の間の水が過剰であると、洗浄液中の洗剤/粉末洗剤の濃度が低下する。
【0005】
且つ、水流が内槽と外槽の間を頻繁に行き来するため、使用を続けるうちに、内槽と外槽の側壁の間の領域が汚れや垢の溜まり場となってしまう。つまり、水道水中の水垢、粉末洗剤からの遊離物、衣類のセルロース、人体の有機物及び衣類により持ち込まれる埃や細菌が内槽と外槽の側壁の間に極めて容易に滞留する。これらのカビは、使用履歴の長い洗濯機の内部に蓄積された大量の汚れが効果的に除去されないことで繁殖する。使用者の目に付かないこうした汚れが除去されなければ、次の洗浄後に細菌が衣類に付着して人体にもたらされ、洗濯による交差感染の問題を招来してしまう。
【0006】
洗浄時の節水機能を実現するために、多くのメーカーが、上記の洗濯機を改良することで孔無し内槽洗濯機を提案している。当該孔無し内槽洗濯機は、内槽全体に密閉貯水設計を採用し、バランスリング下方の槽壁にのみ脱水孔を周設している。内槽槽壁の下部には脱水用の開放された小孔は設けておらず、洗浄やすすぎ用の水は全て内槽内に集められる。これにより、内槽は、貯水洗浄槽でもあり、遠心脱水槽ともなる。また、節水洗濯機の外槽は、孔無し内槽が脱水時に振り出した水を集める役割を果たす経路にすぎない。また、排水方式の違いによって、当該洗濯機は、内槽の槽底に排水口が設けられた構造と、槽底が完全に密閉された構造の2種類に分けられる。槽底に排水口が設けられた節水洗濯機の場合、洗浄過程では内槽槽底の排水口が閉止される。また、排水時には排水口が開放されて、まずは、内槽から排水口を通じて大部分の水が排出される。遠心脱水時には、内槽が高速回転することで、衣類内に残留した水が、遠心力の働きで孔無し内槽の槽壁沿いに上方へと向かう。そして、槽壁の上部分の脱水孔から外槽へと振り出され、外槽壁を伝って外槽底の排水管に集められて外部に排出される。一方、槽底が完全に密閉された節水洗濯機の場合には、内槽の回転数を制御することで、内槽内の水を槽壁上部に周設された脱水孔から排出する。脱水に関しては上記の方式と同様である。当該洗濯機では、従来の洗濯機における内槽と外槽との「中間層」内の水が減少するため、節水効果が平均で50%以上にも達し得る。
【0007】
特許文献1は、制御ベース、筐体、孔無し洗浄内槽、パルセータ、貯水槽、駆動系及び制御系を含む孔無し内槽節水型洗濯機を開示している。前記筐体には制御ベースが装着されており、制御ベースに制御系が装着されている。また、筐体内には貯水槽が懸架されている。貯水槽内には孔無し洗浄内槽が装着されており、孔無し洗浄内槽内にパルセータが装着されている。また、駆動系は孔無し洗浄内槽とパルセータに接続されている。前記孔無し洗浄内槽は、槽体に吐水孔が設けられておらず、上部に吐水孔が設けられている。また、底部に遠心式の排水構造が設けられている。
【0008】
上記の節水洗濯機の場合、供給水が内槽に直接進入することから、従来のように洗濯機の外槽内の水位を検出することはできない。そこで、フローバルブにより給水量を検出して内槽の水位を制御するか、重量センサにより重量の変化を検出して給水量を算出するよう改造がなされている。しかし、フローバルブを用いて供給水の流量を検出する技術や、重量センサを用いて供給水を検出する技術のみでは、特殊な状況の場合、例えば、内槽への給水前に一部の水がすでに溜まっており、フローバルブで通常通りに給水を検出できずに水が溢れた場合や、フローバルブが機能喪失して給水が止まらなくなった場合、或いは、洗浄時に、内槽内の洗浄水がパルセータの激しい往復攪動により渦や大波を形成し、一部の洗浄水が大波の作用でバランスリング下方の脱水孔から外槽内へ飛散することで洗濯機に「水不足」が生じた場合に、洗浄効果に支障をきたしてしまう。
【0009】
以上に鑑みて、本発明を提案する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】中国特許出願第201120200858.4号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の瑕疵を解消するために、貯水可能な回転槽内の液面高さを正確に検出する洗濯機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の技術的課題を解決するために、本発明で採用する技術方案の基本思想は以下の通りである。
【0013】
洗濯機は、ハウジングと、貯水槽として洗濯機のハウジング内に回転可能に設けられる洗浄槽を含む。前記洗浄槽は、洗濯物を投入して洗浄するための第1の部屋と、少なくとも底部において第1の部屋と連通することで、2つの部屋の液位を同一に維持するとともに、第1の部屋内の洗濯物から隔離される第2の部屋、を有する。洗濯機には、更に、第2の部屋内の液面高さを検出する液位検出装置が設けられている。
【0014】
好ましくは、前記液位検出装置は非接触式の液位測定装置である。
【0015】
更なる方案として、洗浄槽の外周壁には、下から上へ延伸する連通装置が設けられている。また、洗浄槽の下部には、連通装置と連通する通水口が設けられている。洗浄槽の内部の空間は第1の部屋を構成しており、連通装置の内部の空間は第2の部屋を構成している。
【0016】
或いは、更なる代替方案として、洗浄槽の内周壁には、下から上へ延伸する連通装置が設けられており、洗浄槽の内部空間を2つの部屋に分割している。連通装置の内部の空間は第2の部屋を構成しており、連通装置の外部の空間は第1の部屋を構成している。連通装置の下部には、2つの部屋を連通する通水口が設けられている。
【0017】
更なる方案として、前記連通装置の上部には、外気と連通する通気口が設けられている。通気口が位置する水平高さは、予め定められた洗浄槽の最高水位の高さよりも高く、通水口が位置する水平高さは、予め定められた洗浄槽の最低水位の高さ以下である。
【0018】
好ましくは、前記連通装置の上部の通気口は、洗浄槽の回転時の遠心力の働きを受けて外側に水を振り出す吐水口を構成している。
【0019】
より好ましくは、洗浄槽の周壁の上部には、洗浄槽の回転時の遠心力の働きを受けて外部に水を振り出す吐水口が設けられている。吐水口の高さは、予め定められた洗浄槽の最高水位の高さよりも高くなっている。
【0020】
更なる方案として、更に、洗浄槽の外部に位置する外槽を含み、脱水及び/又は排水時に、連通装置内の水が洗浄槽の回転時の遠心力の働きを受けて通気口から外槽内へ振り出されて排出される。
【0021】
好ましくは、前記通気口は外槽蓋の下方に位置している。
【0022】
更なる方案として、前記洗浄槽の外周壁及び連通装置の外側には、それぞれ、上から下へ導水する排水経路が設けられている。排水経路は、上部が吐水口と連通しており、下端から外槽内へと排水する。前記外槽の少なくとも一部は洗浄槽の下方に設けられている。外槽の側周壁の上縁は上方へ延伸しており、排水経路の下端における吐水口が位置する部位よりも高くなっている。
【0023】
好ましくは、外槽の上縁は、洗浄槽の上部の開口を超えない。
【0024】
より好ましくは、外槽の上縁は、洗浄槽の半分を超えない。
【0025】
更なる方案として、前記液位検出装置は、第2の部屋上方の洗濯機のコントロールパネルベース又は洗濯機の外槽蓋に装着されるか、第2の部屋下方の洗濯機の外槽底に装着されるか、洗濯機の外槽底下方における駆動ユニット装着部材に装着されるか、ハウジングに装着される超音波液位測定器を含む。
【0026】
或いは、代替方案として、前記液位検出装置は、非接触式の液位測定装置であって、レーダ液位測定器又はレーザ液位測定器を含む。前記第2の部屋の天井部には開口が設けられている。液位検出装置は第2の部屋の天井部の開口の真上に装着され、好ましくは、洗濯機のコントロールパネルベースの下部又は洗濯機の外槽蓋の下面に装着される。
【0027】
或いは、更なる代替方案として、更に、洗浄槽の内部に装着されるパルセータを含む。パルセータは洗浄槽と同軸である。パルセータの中心には、下から上へ延伸する連通装置が設けられており、洗浄槽の内部空間を2つの部屋に分割している。連通装置の内部の空間は第2の部屋を構成しており、連通装置の外部の空間は第1の部屋を構成している。連通装置の下部には、2つの部屋を連通する通水口が設けられている。
【0028】
好ましくは、連通装置の外壁がパルセータの攪拌構造を形成する。
【0029】
更に、前記連通装置の天井部は封止されており、上部の側壁に通気口が設けられている。前記液位検出装置は非接触式の液位測定装置であって、洗濯機の上カバーの下面に装着されている。
【0030】
好ましくは、上カバーを閉止したときに、液位検出装置が連通装置の真上に位置する。
【発明の効果】
【0031】
上記の技術方案を用いることで、本発明は従来技術と比較して以下の有益な効果を有する。
【0032】
本発明で記載する洗濯機は、主に「孔無し内槽」の洗濯機の液位検出を対象に、非接触式の液位検出を採用することで、一定の距離を有する液位検出装置で液面の高さを遠隔測定する。洗浄槽内の洗濯物が検出に影響を及ぼさないよう、液位を検出する部屋と洗浄槽内の洗濯物を洗浄する部屋を隔離しているため、極めて高い信頼性を有しており、測定が正確である。また、技術方案が成熟しており、信頼性を有するとともに、廉価である。よって、ユーザのニーズを満たし、顧客満足度を効果的に向上させることが可能である。
【0033】
このほか、本発明で記載する洗濯機は、「槽間が無水」の節水洗濯機に適用可能なだけでなく、洗浄容量を相対的に増大させた容量増大洗濯機にも適用可能なため、応用範囲が広く、研究開発及び生産コストの節約となる。
【0034】
以下に、図面を組み合わせて、本発明の具体的実施形態につき更に詳細に述べる。
【0035】
図面は、本発明の一部として本発明の更なる理解のために用いられる。また、本発明の概略的実施例及びその説明は本発明の解釈のために用いられるが、本発明を不当に限定するものではない。なお、言うまでもなく、以下で記載する図面は実施例の一部にすぎず、当業者であれば、創造的労働を要することなくこれらの図面から更にその他の図面を得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】
図1は、従来技術における洗濯機の構造の概略図である。
【
図2】
図2は、従来技術における洗濯機の外槽構造の概略図である。
【
図3】
図3は、本発明における液位検出装置を外槽蓋の上面に装着した構造の概略図である。
【
図4】
図4は、本発明における液位検出装置を外槽の底部に装着した構造の概略図である。
【
図5】
図5は、本発明における液位検出装置を外槽蓋の下面に装着した構造の概略図である。
【
図6】
図6は、本発明における洗濯機の排水方式の構造の概略図である。
【
図7】
図7は、本発明における連通装置をパルセータの中心に装着した構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
説明すべき点として、これらの図面及び文字記載は、何らかの方式で本発明の構想の範囲を制限するとの意図ではなく、特定の実施例を参照して当業者に本発明の概念を説明するためのものである。
【0038】
本発明における実施例の目的、技術方案及び利点をより明確とすべく、以下では、本発明の実施例にかかる図面を組み合わせて、実施例の技術方案につき明瞭簡潔に述べる。なお、以下の実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を制限するものではない。
【0039】
本発明の記載において、説明すべき点として、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「内」、「外」等の用語で示される方向又は位置関係は、図示に基づく方向又は位置関係であって、本発明の記載の便宜上及び記載の簡略化のためのものにすぎず、対象となる装置又は部材が特定の方向を有し、且つ特定の方向で構成及び操作されねばならないことを明示又は暗示するものではない。よって、本発明を制限するものと理解すべきではない。
【0040】
本発明の記載において、説明すべき点として、別途明確に規定及び限定しない限り、「装着する」、「連なる」、「接続する」との用語は広義に解釈すべきである。例えば、固定的な接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体的な接続であってもよい。また、機械的な接続であってもよいし、電気的な接続であってもよい。更には、直接的な連なりであってもよいし、中間媒体を介した間接的な連なりであってもよい。当業者であれば、具体的状況に応じて本発明における上記用語の具体的意味を解釈可能である。
【0041】
図3~
図7に示すように、本発明で記載する洗濯機は、ハウジング1と、ハウジング1内に回転可能に設けられる洗浄槽2を含む。洗浄槽2は貯水槽である。洗浄槽2の上部にはバランスリング3が設けられており、洗浄槽2の外部には、洗浄槽から排出された水を収集する外槽4が設けられている。外槽4は、制振ユニットを介してハウジング1に接続されており、洗浄槽2を支持するために用いられる。当該制振ユニットには、懸架ロッド懸架型の制振構造及び/又は底部制振支持構造を使用可能である。図示では、懸架ロッド懸架型の制振構造を使用している。前記洗浄槽2は、第1の部屋21と第2の部屋22を有している。第1の部屋21は、洗濯物を投入して洗浄するために用いられる。第2の部屋22は、少なくとも底部において第1の部屋21と連通することで、2つの部屋の液位を同一に維持するとともに、第1の部屋21内の洗濯物から隔離されている。洗濯機には、更に、第2の部屋22内の液面高さを検出する液位検出装置5が設けられており、第2の部屋22内の液面高さを検出することで洗浄槽の水位データを取得する。
【0042】
好ましくは、前記液位検出装置5は非接触式の液位測定装置であり、超音波液位測定器51、レーダ液位測定器52及びレーザ液位測定器53のうちの少なくとも1つを含む。
【0043】
本発明で記載する洗浄槽2の周壁の上部には、洗浄槽の回転時の遠心力の働きを受けて外部に水を振り出す吐水口20が設けられている。吐水口の高さは、予め定められた洗浄槽の最高水位の高さよりも高くなっている。脱水及び/又は排水時には、洗浄槽2内の水が、洗浄槽の回転時の遠心力の働きを受けて、吐水口20から外槽4内に排出されたあと、外槽4底部の排水構造6から排出される。水がバランスリング3と洗浄槽2の間の装着隙間から振り出されないよう、バランスリング3と洗浄槽2は密封状に設置されている。この部分には、従来の各種密封装着構造を使用可能である。
【0044】
更に、
図6に示すように、前記洗浄槽2の外周壁には、上から下へ導水する排水経路7が設けられている。排水経路7は、上部が吐水口20と連通しており、下端から外槽4内へと排水する。前記外槽4の少なくとも一部は洗浄槽2の下方に設けられている。外槽4の側周壁の上縁は上方へ延伸しており、排水経路7の下端における吐水口が位置する部位よりも高くなっている。好ましくは、外槽4の上縁は、洗浄槽2の上部の開口を超えない。より好ましくは、外槽4の上縁は、洗浄槽2の半分を超えない。
【実施例1】
【0045】
図3及び
図4に示すように、本実施例で記載する洗濯機は、洗浄槽2の外周壁に、下から上へ延伸する連通装置8が設けられている。また、洗浄槽2の下部には、連通装置8と連通する通水口81が設けられている。洗浄槽2の内部の空間は第1の部屋21を構成しており、連通装置8の内部の空間は第2の部屋22を構成している。好ましくは、当該連通装置8は管状構造をなしてもよいし、蓋体を洗浄槽2の外周壁に覆設して洗浄槽2の外周壁と組み合わせ、蓋体と洗浄槽の外周壁の間に第2の部屋22を形成してもよい。
【0046】
前記連通装置8の上部には、外気と連通する通気口82が設けられている。通気口82が位置する水平高さは、予め定められた洗浄槽2の最高水位の高さよりも高く、通水口81が位置する水平高さは、予め定められた洗浄槽2の最低水位の高さ以下である。
【実施例2】
【0047】
本実施例は、上記実施例1と以下の点において異なっている。即ち、洗浄槽の内周壁に、下から上へ延伸する連通装置(図示しない)が設けられており、洗浄槽の内部空間を2つの部屋に分割している。連通装置の内部の空間は第2の部屋を構成しており、連通装置の外部の空間は第1の部屋を構成している。連通装置の下部には、2つの部屋を連通する通水口が設けられている。
【実施例3】
【0048】
上記の実施例をベースに、前記連通装置8の上部の通気口82は、洗浄槽の回転時の遠心力の働きを受けて外側に水を振り出す吐水口を構成している。
【0049】
前記通気口82は、連通装置8の天井部に設けられ、外槽蓋41の下方に位置している。排水時に、水は連通装置8によって通気口82から直接振り出され、外槽蓋41に遮られて外槽4内に落下する(
図3~
図5参照)。
【0050】
或いは、前記通気口82は連通装置8の側壁に設けられる。好ましくは、連通装置8の側壁に、上から下へ導水する排水経路7が更に設けられている。排水経路7は、上部が通気口82と連通しており、下端から外槽4内へ排水する(
図6参照)。
【実施例4】
【0051】
本実施例で記載する液位検出装置5は、第2の部屋22上方の洗濯機のコントロールパネルベース又は洗濯機の外槽蓋41に装着されるか(
図3及び
図5を参照)、第2の部屋22下方の洗濯機の外槽底に装着されるか(
図4参照)、洗濯機の外槽底下方における駆動ユニット装着部材に装着されるか(図示しない)、第2の部屋下方のハウジングに装着される(図示しない)超音波液位測定器51を含む。
【0052】
超音波液位測定器51から発射される超音波は、外槽蓋41、外槽底壁等の洗濯機構造に遮断されることがない。そのため、本実施例の前記連通装置8の通気口82は、連通装置8の天井部だけでなく、連通装置8の側壁に設けてもよい。
【0053】
本実施例で記載する超音波液位測定器は、電気供給のための電源コードを有するとともに、洗濯機の制御装置と接続して第2の部屋内の液面高さ信号をフィードバックするための信号線を有している。
【0054】
図3に示すように、超音波液位測定器51は第2の部屋22上方の外槽蓋41の上面に装着されており、発射端から発射された超音波パルスは空気と外槽蓋41を貫通する。或いは、
図5に示すように、超音波液位測定器51は外槽蓋41の下面に固定される。この場合、発射された超音波パルスは外槽蓋を貫通する必要がない。また、超音波液位測定器51をコントロールパネルベースに固定してもよい(図示しない)。この場合、超音波パルスは、外槽蓋を貫通して、連通装置8の天井部の開口82から第2の部屋22内に直接進入する。或いは、超音波パルスは、連通装置8の天井壁を貫通して第2の部屋22内に進入する。その後、超音波パルスは液面で反射され、逆の経路で超音波液位測定器8の受信端に戻る。超音波液位測定器8は、超音波パルスが往復に要した時間を測定し、媒質の音速に基づいて液位までの距離を算出することで、液面の高さを特定する。
【0055】
或いは、
図4に示すように、超音波液位測定器51は外槽底部又は任意の位置に装着される。発射端から発射された超音波パルスは、外槽底壁を有効に貫通可能である。また、超音波液位測定器51が外槽の内側に固定される場合、超音波パルスは外槽底壁を貫通する必要がない。超音波パルスは、第2の部屋22内の被測定液体中を液面まで伝播し、液面で反射されたあと、液体媒質、外槽底壁を通過して超音波液位測定器51の受信端に戻る。超音波液位測定器51は、超音波パルスが往復に要した時間を測定し、媒質の音速に基づいて液位までの距離を算出することで、液面の高さを特定する。
【0056】
言うまでもなく、エコー検出等の方法を用いることで、測定精度を更に向上させたり、媒質の違いによる誤差の影響を排除したりしてもよい。
【実施例5】
【0057】
図5に示すように、本実施例で記載する液位検出装置5は、レーダ液位測定器52又はレーザ液位測定器53を含む。前記第2の部屋22の天井部には、通気口としての開口82が設けられている。液位検出装置5は、第2の部屋22の天井部の開口82の真上に装着され、好ましくは、洗濯機のコントロールパネルベースの下部又は洗濯機の外槽蓋41の下面に装着される。
【0058】
レーザ液位測定器53は、電気供給のための電源コードを有するとともに、制御装置と接続して液面高さ信号をフィードバックするための信号線を有している。
【0059】
レーザ液位測定器53の発射端から発射されたレーザ光は、空気を貫通し、液面によりレーザ液位測定器53の受信端まで反射される。レーザ液位測定器53は、レーザが往復に要した時間を測定し、媒質の光速に基づいて液位までの距離を算出することで、液面の高さを特定する。
【0060】
また、レーダ液位測定器52の場合には、発射されたレーダが空気を貫通し、液面によりレーダ液位測定器52まで反射してレーダ液位測定器52に受信される。レーダ液位測定器52は、レーダが往復に要した時間を測定し、媒質の電波伝播速度に基づいて液位までの距離を算出することで、液面の高さを特定する。
【実施例6】
【0061】
図7に示すように、上記の実施例とは異なり、本実施例で記載する洗濯機は、洗浄槽2の内部に装着されるパルセータ9を更に含む。パルセータ9は洗浄槽2と同軸である。パルセータ9の中心には、下から上へ延伸する連通装置8が設けられており、洗浄槽2の内部空間を2つの部屋に分割している。連通装置8の内部の空間は第2の部屋22を構成しており、連通装置8の外部の空間は第1の部屋21を構成している。連通装置8の下部には、2つの部屋を連通する通水口81が設けられている。好ましくは、連通装置8の外壁がパルセータの攪拌構造を形成する。
【0062】
更に、前記連通装置8の天井部は封止されており、上部の側壁に通気口82が設けられている。前記液位検出装置5は超音波液位測定器51であり、洗濯機の上カバー10の下面に装着されている。
【0063】
好ましくは、上カバー10を閉止したときに、液位検出装置5が連通装置8の真上に位置する。
【0064】
以上は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に制限するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて実施可能なわずかな変形或いは補足は、同等に変形された等価の実施例とみなされ、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる任意の簡単な修正、同等の変形及び補足は、いずれも本発明の方案の範囲に属する。
【国際調査報告】