(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-11
(54)【発明の名称】移動装置固定システム
(51)【国際特許分類】
A61G 3/08 20060101AFI20220428BHJP
B60P 7/08 20060101ALI20220428BHJP
【FI】
A61G3/08
B60P7/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021549646
(86)(22)【出願日】2020-03-30
(85)【翻訳文提出日】2021-08-24
(86)【国際出願番号】 US2020025803
(87)【国際公開番号】W WO2020198747
(87)【国際公開日】2020-10-01
(32)【優先日】2019-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】519154494
【氏名又は名称】ヴァレダ カンパニー,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001656
【氏名又は名称】特許業務法人谷川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジラルディン,ジャン-マルク
(72)【発明者】
【氏名】ジラルディン,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】オット,ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】トゥルカヌ,オビディウス
(72)【発明者】
【氏名】スレビンスキー,ポール
(72)【発明者】
【氏名】マルテ,イワン
(57)【要約】
本明細書に記載および請求される実施形態は、車輪付き移動装置を自律型公共交通機関の車両に搭載された指定されたステーションにロックする自動固定システムを含み、したがって、WMDユーザおよび他の乗客の両方にとって不快で潜在的に危険である意図しない動きを防止する。自動化された固定システムには、一般的な自律型公共交通機関の車両と統合する機能が含まれており、展開中の効果を最大化しながらも、収納中の障害を最小限に抑える。
【選択図】
図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送中に積み荷を固定するように適合された固定システムであって、前記固定システムが、
形状適合状態およびロック状態を有するバンパーを備え、
前記形状適合状態において、前記バンパーと表面が互いに押し付けられると、前記バンパーが前記表面の形状に少なくとも部分的に適合することができ、
前記ロック状態において、前記バンパーが非適合であり、それによって前記バンパーが前記表面とかみ合う堅いトポグラフィを画定する、固定システム。
【請求項2】
前記バンパーが、スマート材料を含むブラダーを含み、前記スマート材料が、トリガーに応答して第1の状態から第2の状態に変わるように構成され、前記第1の状態において、前記スマート材料が、前記ブラダー内を略自由に流れ、それによって前記ブラダーは第1の形状を有し、前記積み荷と前記ブラダーが接触状態へと押し付けられると、前記ブラダーは第2の形状に変化して前記積み荷の輪郭に少なくとも部分的に適合し、前記第2の状態において、前記スマート材料の粘度が増加し、前記スマート材料が自由に流れることが少なくとも部分的に制限され、それによって、前記積み荷と前記ブラダーが前記接触状態にあるとき、前記ブラダーは前記積み荷の前記輪郭とかみ合って、前記積み荷の動きを制限する、請求項1に記載の固定システム。
【請求項3】
前記スマート材料が磁気レオロジー流体であり、前記トリガーが磁場である、請求項2に記載の固定システム。
【請求項4】
前記スマート材料が非ニュートン流体であり、前記トリガーがあるレベルの力である、請求項2に記載の固定システム。
【請求項5】
前記バンパーが、複数の粒子を含み、第1の状態および第2の状態を有するブラダーを含み、前記第1の状態では、前記粒子は前記ブラダー内を略自由に動き、それによって前記ブラダーは第1の形状を有し、前記積み荷および前記ブラダーが接触状態へと押し付けられると、前記ブラダーは第2の形状に変化して前記積み荷の輪郭に少なくとも部分的に適合し、前記第2の状態では、前記粒子は、前記ブラダー内を自由に流れることが少なくとも部分的に制限され、それによって、前記積み荷と前記ブラダーが前記接触状態にあるとき、前記ブラダーは前記積み荷の前記輪郭とかみ合って、前記積み荷の動きを制限し、前記固定システムは、前記ブラダーからガスを排出して、前記ブラダーを前記第1の状態から前記第2の状態に変えるためのバキュームをさらに備える、請求項1に記載の固定システム。
【請求項6】
前記バンパーが磁気レオロジー流体を含み、それにより、前記磁気レオロジー流体が磁場にさらされると、前記バンパーが前記ロック状態に入る、請求項1に記載の固定システム。
【請求項7】
前記バンパーが非ニュートン流体を含み、それにより、前記非ニュートン流体が鋭い力を受けると、前記バンパーが前記ロック状態に入る、請求項1に記載の固定システム。
【請求項8】
前記バンパーは、前記バンパーが前記形状適合状態にあるとき、外向き位置にばね付勢される複数のピンを含み、前記ピンのうちの少なくともいくつかの各々は、前記バンパーが前記ロック状態にあるとき、固定位置にロックされる、請求項1に記載の固定システム。
【請求項9】
車両への接続のために適合された第1の端部および前記積み荷への接続のために適合された第2の端部を含む積み荷拘束装置をさらに含む、請求項1に記載の固定システム。
【請求項10】
前記積み荷拘束装置が、引張状態に誘導されるように適合され、それによって、前記積み荷拘束装置は、前記積み荷を前記バンパーと前記接触状態へと勢いを与えることができる、請求項9に記載の固定システム。
【請求項11】
前記積み荷拘束装置に前記引張状態を誘導するように適合された引張機構をさらに備える、請求項10に記載の固定システム。
【請求項12】
車両に取り付けられている、請求項11に記載の固定システム。
【請求項13】
前記積み荷が車輪付き移動装置である、請求項12に記載の固定システム。
【請求項14】
移動機構によって前記バンパーがベースから分離され、それによって、前記移動機構が、前記バンパーを第1の位置から第2の位置に移動するように適合され、前記第1の位置において、前記バンパーが前記ベースに隣接し、前記第2の位置において、前記バンパーが前記ベースから離隔され、それによって、前記バンパーは、前記第2の位置で前記積み荷と接触状態になるように適合されている、請求項1に記載の固定システム。
【請求項15】
第2のバンパーをさらに含み、前記第2のバンパーは移動可能であり、前記バンパーの反対側に配置され、それによって、前記バンパーおよび前記第2のバンパーが、圧縮によって前記積み荷の第1の側部および第2の側部とそれぞれ係合するように適合され、前記第1の側部が前記第2の側部の反対側にある、請求項14に記載の固定システム。
【請求項16】
前記バンパーおよび前記第2のバンパーの各々は、スマート材料を含むブラダーを含む、請求項15に記載の固定システム。
【請求項17】
前記バンパーおよび前記第2のバンパーの各々は、前記バンパーが前記形状適合状態にあるとき、外向き位置にばね付勢される複数のピンを含み、前記ピンのうちの少なくともいくつかの各々は、前記バンパーが前記ロック状態にあるとき、固定位置にロックされる、請求項15に記載の固定システム。
【請求項18】
請求項1に記載の固定システムを使用する方法であって、前記積み荷および前記バンパーが接触するように勢いを与えるステップであって、前記バンパーの形状が、前記積み荷の前記輪郭に少なくとも部分的に適合するように変化する、勢いを与えるステップを含む、方法。
【請求項19】
前記バンパーを前記ロック状態に置くことによって、前記バンパーと前記積み荷をかみ合わせるステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記バンパーが、有害な運転イベントのときまたはその前後に前記ロック状態に置かれる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記積み荷の輸送前に前記バンパーが前記ロック状態に置かれる、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記勢いを与えるステップが、前記積み荷と接触するように前記バンパーを移動させることによって、実行される、請求18に記載の方法。
【請求項23】
前記勢いを与えるステップが、前記バンパーと接触するように前記積み荷を移動させることによって、実行される、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
輸送中に車輪付き移動装置を固定するように適合された固定システムであって、前記車輪付き移動装置および前記車椅子移動装置の乗員のうちの少なくとも1つの特徴を示す信号を受信し、前記特徴に基づいて固定パラメータを設定するようにプログラムされたプロセッサを含む、固定システム。
【請求項25】
前記信号は、前記車輪付き移動装置および前記乗員の一方または両方の固定領域における位置を示す、請求項24に記載の固定システム。
【請求項26】
前記信号は、前記固定領域の床に配置された感圧部材を含むセンサによって提供される、請求項25に記載の固定システム。
【請求項27】
前記信号が、近接センサを含むセンサによって提供される、請求項25に記載の固定システム。
【請求項28】
前記信号が、複数の赤外線センサによって画定されるアレイを含むセンサによって提供される、請求項25に記載の固定システム。
【請求項29】
前記固定パラメータが、前記車輪付き移動装置の固定位置である、請求項25に記載の固定システム。
【請求項30】
前記固定位置が車輪位置である、請求項29に記載の固定システム。
【請求項31】
前記プロセッサが、前記固定位置に基づいて固定部材の固定長さを設定するようにさらにプログラムされている、請求項29に記載の固定システム。
【請求項32】
前記固定部材が前記固定長さを有するとき、前記固定部材の把持ゾーンは、前記固定位置に略隣接する、請求項31に記載の固定システム。
【請求項33】
前記信号が、前記車輪付き移動装置および前記乗員の一方または両方の大体の重量を示す、請求項24に記載の固定システム。
【請求項34】
前記信号が、前記車輪付き移動装置および前記乗員の一方または両方のRFIDタグおよびQRコードの一方または両方によって提供される、請求項33に記載の固定システム。
【請求項35】
前記固定パラメータが固定力である、請求項33に記載の固定システム。
【請求項36】
前記信号が、固定領域の床に配置されている感圧部材を含むセンサによって提供される、請求項33に記載の固定システム。
【請求項37】
前記信号が、前記車輪付き移動装置のタイプを示す、請求項24に記載の固定システム。
【請求項38】
前記信号が、固定領域の床に配置された感圧部材を含むセンサによって提供される、請求項37に記載の固定システム。
【請求項39】
前記感圧部材が、前記車輪付き移動装置の複数の車輪の数および位置を識別するように構成されている請求項38に記載の固定システム。
【請求項40】
前記信号が、前記車輪付き移動装置および前記乗員の一方または両方のRFIDタグおよびQRコードの一方または両方によって提供される、請求項37に記載の固定システム。
【請求項41】
前記信号が、カメラを含むセンサによって提供される、請求項37に記載の固定システム。
【請求項42】
前記固定パラメータが固定力である、請求項37に記載の固定システム。
【請求項43】
前記信号が、固定部材と前記車輪付き移動装置との間の距離を示す、請求項24に記載の固定システム。
【請求項44】
前記信号が、移動装置の少なくとも2つの車輪の位置を示し、前記プロセッサが、固定部材の理想的な接触点として前記少なくとも2つの車輪のうちの少なくとも1つを選択するようにプログラムされている、請求項24に記載の固定システム。
【請求項45】
前記プロセッサが、前記少なくとも2つの車輪のうちのより大きな車輪を選択するようにプログラムされている、請求項44に記載の固定部材。
【請求項46】
輸送中に車輪付き移動装置を固定するように適合された固定システムであって、前記固定システムが、第1の時間における前記車輪付き移動装置の第1の位置を示す第1の信号を受信し、第2の時間における前記車輪付き移動装置の第2の位置を示す第2の信号を受信し、前記第1の信号と前記第2の信号を比較し、前記第1の信号と前記第2の信号の比較に基づいて車輪付き移動装置動き警告信号を生成するか否かを決定するようにプログラムされたプロセッサを含む、固定システム。
【請求項47】
モータ電流センサが、前記第1の信号および前記第2の信号を生成する、請求項46に記載の固定システム。
【請求項48】
引張センサが、前記第1の信号および前記第2の信号を生成する、請求項46に記載の固定システム。
【請求項49】
カメラが、前記第1の信号および前記第2の信号を生成する、請求項46に記載の固定システム。
【請求項50】
赤外線ビームのアレイが、前記第1の信号および前記第2の信号を生成する、請求項46に記載の固定システム。
【請求項51】
少なくとも1つの近接センサが、前記第1の信号および前記第2の信号を生成する、請求項46に記載の固定システム。
【請求項52】
少なくとも1つの固定部材位置センサが、前記第1の信号および前記第2の信号を生成する、請求項46に記載の固定システム。
【請求項53】
固定力センサが、前記第1の信号および前記第2の信号を生成する、請求項46に記載の固定システム。
【請求項54】
車両オペレータが、照明装置またはスピーカ装置のうちの1つ以上を介して、前記車輪付き移動装置動き警告信号への警告を受ける、請求項46に記載の固定システム。
【請求項55】
輸送中に車輪付き移動装置を固定するように適合された固定システムであって、前記固定システムが、前記車輪付き移動装置が輸送中に前記車輪付き移動装置に加えられた固定力を示す信号を受信し、前記信号に基づいて、車輪付き移動装置非固定警告信号を生成するか否かを決定するようにプログラムされたプロセッサを含む、固定システム。
【請求項56】
モータ電流センサが、前記信号を生成する、請求項55に記載の固定システム。
【請求項57】
引張センサが、前記信号を生成する、請求項55に記載の固定システム。
【請求項58】
カメラが、前記信号を生成する、請求項55に記載の固定システム。
【請求項59】
赤外線ビームのアレイが、前記信号を生成する、請求項55に記載の固定システム。
【請求項60】
少なくとも1つの近接センサが、前記信号を生成する、請求項55に記載の固定システム。
【請求項61】
少なくとも1つの固定部材位置センサが、前記信号を生成する、請求項55に記載の固定システム。
【請求項62】
固定力センサが、前記信号を生成する、請求項55に記載の固定システム。
【請求項63】
車両オペレータが、照明装置またはスピーカ装置のうちの1つ以上を介して、前記車輪付き移動装置非固定警告信号への警告を受ける、請求項55に記載の固定システム。
【請求項64】
前記信号が所定の閾値をしたまわると、前記車輪付き移動装置非固定警告信号が生成される、請求項55に記載の固定システム。
【請求項65】
車輪付き移動装置用固定システムであって、前記固定システムが、
前側、後側、左側、および右側を含む周囲を有する車輪付き移動装置固定領域と、
前記右側と前記左側のうちの一方に配置された第1のモジュールおよび前記右側と前記左側のうちの他方に配置された第2のモジュールであって、各々の上側が座位-立位乗客用の座面を含む、第1のモジュールと第2のモジュールと、
前記第1のモジュールおよび前記第2のモジュールそれぞれに少なくとも密接に隣接する第1の位置を各有する第1の固定部材および第2の固定部材と、
前記第1のモジュールから離隔して第2の位置に移動可能である前記第1の固定部材の少なくとも第1の接触部材と、を含み、それによって、前記第1の位置における前記第1の接触部材と前記第2の固定部材との間の第1の距離は、前記第2の位置における前記第1の接触部材と前記第2の固定部材との間の第2の距離よりも広い、固定システム。
【請求項66】
前記後側に配置された第3のモジュールをさらに含み、前記第3のモジュールが前記第1の固定部材および前記第2の固定部材を支持し、前記第1の固定部材および前記第2の固定部材を前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動するための中央に取り付けられた伸縮機構を含む、請求項65に記載の固定システム。
【請求項67】
第3のモジュールの上側が、座位-立位乗客用の座面を含む、請求項66に記載の固定システム。
【請求項68】
前記第1の固定部材が、第1の旋回軸を含み、それによって、前記第1の接触部材が、前記第1の旋回軸の周りを回転して、前記第1の位置と第2の位置との間を移動し、
前記第2の固定部材が、第2の接触部材および第2の旋回軸を含み、それによって、前記第2の接触部材が、前記第2の旋回軸の周りを回転して、前記第1の位置と前記第2の位置との間を移動する、請求項65に記載の固定システム。
【請求項69】
前記第1の旋回軸および前記第2の旋回軸が、略水平である、請求項68に記載の固定システム。
【請求項70】
前記第1の旋回軸が、前記右側に略平行であり、かつ隣接し、前記第2の旋回軸が、前記左側に略平行であり、かつ隣接する、請求項69に記載の固定システム。
【請求項71】
前記第1の旋回軸が、前記第1の接触部材の上に配置され、前記第2の旋回軸が、前記第2の接触部材の上に配置される、請求項70に記載の固定システム。
【請求項72】
前記第1の旋回軸が、前記第1の接触部材の下に配置され、前記第2の旋回軸が、前記第2の接触部材の下に配置される、請求項70に記載の固定システム。
【請求項73】
前記第1の旋回軸および前記第2の旋回軸が、略垂直である、請求項68に記載の固定システム。
【請求項74】
前記第1の固定部材がまた、第3の旋回軸を含み、それによって、前記第1の接触部材が、前記第1の旋回軸および前記第3の旋回軸の周りを回転して、前記第1の位置と前記第2の位置との間を移動し、
前記第2の固定部材がまた、第4の旋回軸を含み、それによって、前記第2の接触部材が、前記第2の旋回軸および前記第4の旋回軸の周りを回転して、前記第1の位置と前記第2の位置との間を移動する、請求項68に記載の固定システム。
【請求項75】
前記第1の旋回軸、前記第2の旋回軸、前記第3の旋回軸および前記第4の旋回軸が、略垂直である、請求項74に記載の固定システム。
【請求項76】
前記第1の接触部材を前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動させるためのはさみ機構をさらに含む、請求項65に記載の固定システム。
【請求項77】
前記第1の接触部材を前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動させるための膨張可能なベローズをさらに含む、請求項65に記載の固定システム。
【請求項78】
前記第1の接触部材が、第1の把持部分および第2の把持部分を含み、前記第1の把持部分は、前記第2の位置において前記車輪付き移動装置の前記側部に略平行および隣接するように構成されており、前記第2の把持部分は、前記第1の把持部分の端部に旋回可能に取り付けられ、かつ引き込み位置と拡張位置との間で関節運動し、前記引き込み位置において、前記第2の把持部分は、前記第1の把持部分と略平行であり、前記拡張位置において、前記第2の把持部分は、前記第1の把持部分に対して非平行に角度付けられており、全体的に、前記第1のモジュールから離れる方向を指している、請求項65に記載の固定システム。
【請求項79】
前記第1の接触部材が、膨張可能なブラダーを含む、請求項65に記載の固定システム。
【請求項80】
前記膨張可能なブラダーを急速に膨張させるように構成された急速膨張部材をさらに含む、請求項79に記載の固定システム。
【請求項81】
前記急速膨張部材は、空気圧システム、火工品システム、または圧縮ガス容器から選択される、請求項80に記載の固定システム。
【請求項82】
前記第1の接触部材が、前記接触部材の係合面に配置されたブラダーを含み、前記ブラダーは、磁気レオロジー流体で充填されている、請求項65に記載の固定システム。
【請求項83】
前記第1の接触部材が、前記第1の接触部材に旋回可能に取り付けられ、前記車輪付き移動装置の輪郭に適合するように、引き込み位置から拡張位置に回転するように構成される少なくとも1つの輪郭適合部材を含む、請求項65に記載の固定システム。
【請求項84】
前記第1の接触部材が、前記第1の接触部材の長さに沿って並進するように構成された車輪付き移動装置係合部材を含み、前記移動装置係合部材は、前記車輪付き移動装置の輪郭に適合するように引き込み位置および拡張位置の間で移動可能な複数の輪郭適合部材を含む、請求項65に記載の固定システム。
【請求項85】
前記車両の床に配置され、引き込み位置および拡張位置を有する、第3の固定部材をさらに含み、前記引き込み位置において、前記第3の固定部材の第3の接触部材は、前記車両の床に少なくとも隣接しており、拡張位置において、前記接触部材は、前記車輪付き移動装置の車輪の内向きの表面と係合するように配置されている、請求項65に記載の固定システム。
【請求項86】
前記車輪付き移動装置固定領域における前記車両の床用の感圧部材であって、前記車輪付き移動装置固定領域における車輪付き移動装置の前記存在を検出するように構成されている感圧部材をさらに含む、請求項65に記載の固定システム。
【請求項87】
前記第1の接触部材に配置された近接センサであって、前記車輪付き移動装置の表面の前記存在を検出するように構成される近接センサと、をさらに含む、請求項65に記載の固定システム。
【請求項88】
前記車輪付き移動装置の前記存在を検出するために、前記第1の固定部材および前記第2の固定部材のアレイに配置された複数の赤外線センサをさらに含む、請求項65に記載の固定システム。
【請求項89】
車輪付き移動装置用固定システムであって、前記固定システムが、
前側、後側、左側、および右側を含む周囲を有する車輪付き移動装置固定領域と、
前記後側、前記左側、および前記右側のうちの少なくとも1つ以上に隣接して配置されている少なくとも1つのモジュールであって、第1の固定部材および第2の固定部材を保持し、ならびに少なくとも1つのモジュールの上側が、座位-立位乗客用の座面を含む、少なくとも1つのモジュールと、を含み、
第1の位置において、前記第1の固定部材および前記第2の固定部材がそれぞれ前記右側および前記左側に隣接して配置され、前記第1の固定部材および前記第2の固定部材の少なくとも一部が前記座面の下に配置され、
前記右側から離隔して第2の位置に移動可能である前記第1の固定部材の少なくとも第1の接触部材と、を含み、それによって、前記第1の位置における前記第1の接触部材と前記第2の固定部材との間の第1の距離は、前記第2の位置における前記第1の接触部材と前記第2の固定部材との間の第2の距離よりも広い、固定システム。
【請求項90】
車両内での輸送中に移動装置を固定するための固定システムで使用するように適合された固定部材であって、前記固定部材が、
収納構成および少なくとも1つの固定準備完了構成であって、前記固定部材が、前記収納構成における第1の軸に沿った収納長さ、および前記少なくとも1つの固定準備完了構成の前記第1の軸に沿った固定長さを有し、前記固定長さは、前記収納長さよりも長い、収納構成および少なくとも1つの固定準備完了構成と、
移動装置固定位置であって、前記固定部材が、前記少なくとも1つの固定準備完了構成から前記移動装置固定位置まで第2の軸に沿って移動可能であり、前記第1の軸は前記第2の軸を横切る、移動装置固定位置と、を含む、固定部材。
【請求項91】
前記収納構成と前記少なくとも1つの固定準備完了構成との間で前記固定部材を再構成するように動作可能である拡張機構をさらに含む、請求項90に記載の固定部材。
【請求項92】
前記拡張機構が、伸縮部材、膨張可能なベローズ、アコーディオン、はさみ機構、線形アクチュエータ、ならびにシリンダおよびピストンを含む群から選択される、請求項91に記載の固定部材。
【請求項93】
ベース、拡張ゾーン、および把持ゾーンをさらに含み、前記拡張ゾーンが、前記拡張機構を含む、請求項92に記載の固定部材。
【請求項94】
前記拡張ゾーンが、前記ベースおよび前記把持ゾーンのうちの少なくとも1つと少なくとも部分的に同一の広がりを有する、請求項93に記載の固定部材。
【請求項95】
前記拡張ゾーンが、前記ベースおよび前記把持ゾーンのうちの少なくとも1つと完全に同一の広がりを有する、請求項93に記載の固定部材。
【請求項96】
前記拡張ゾーンが、前記ベースと前記把持ゾーンとの間に少なくとも部分的に配置されている、請求項93に記載の固定部材。
【請求項97】
前記拡張ゾーンが、前記ベースと前記把持ゾーンとの間に完全に配置される、請求項93に記載の固定部材。
【請求項98】
前記収納構成において、前記固定部材が前記車両の内部構造と統合されている、請求項90に記載の固定部材。
【請求項99】
前記収納構成において、前記固定部材が、アンブル乗客の着席用の追加スペースを提供する、請求項98に記載の固定部材。
【請求項100】
前記収納構成において、前記固定部材が、アンブル乗客用の座席の下に少なくとも部分的に配置される、請求項98に記載の固定部材。
【請求項101】
前記収納構成において、前記座席の端部が、前記固定部材部材の端部が延びるよりも前記車両の床領域内にさらに延びる、請求項100に記載の固定部材。
【請求項102】
前記固定部材の収納長さが、前記座席の深さ以下である、請求項100に記載の固定部材。
【請求項103】
前記座席が、使用位置および収容位置を有する、請求項100に記載の固定部材。
【請求項104】
前記座席が、前記使用位置から前記収容位置に上方に反転する、請求項103に記載の固定部材。
【請求項105】
前記座席の下側が、前記座席が前記収容位置に配置されたときに、前記移動装置のためにバックレストを提供する、請求項104に記載の固定部材。
【請求項106】
前記固定部材が、前記移動装置の表面を前記移動装置固定位置に係合するように、前記第2の軸に沿って移動可能である、請求項90に記載の固定部材。
【請求項107】
前記固定部材が、圧縮によって前記移動装置を固定する、請求項106に記載の固定部材。
【請求項108】
前記固定部材は、引張状態によって前記移動装置を固定する、請求項106に記載の固定部材。
【請求項109】
第2の固定部材であって、前記固定部材および前記第2の固定部材が、圧縮によって前記移動装置を固定するように構成された第2の固定部材を、さらに含む、請求項106に記載の固定部材。
【請求項110】
前記固定部材および前記第2の固定部材は、前記移動装置の反対側の面と係合するように構成されている、請求項109に記載の固定部材。
【請求項111】
第2の固定部材であって、前記固定部材および前記第2の固定部材が、引張状態によって前記移動装置を固定するように構成された第2の固定部材を、さらに含む、請求項106に記載の固定部材。
【請求項112】
前記固定部材および前記第2の固定部材が、前記移動装置の反対側の面と係合するように構成されている、請求項111に記載の固定部材。
【請求項113】
前記固定部材が、少なくとも1つの作動機構によって、前記固定準備完了構成と前記移動装置固定位置との間で移動可能なバンパーを含み、前記少なくとも1つの作動機構は、略一定の力を提供するように構成されている、請求項111に記載の固定部材。
【請求項114】
前記略一定の力が、許容値の範囲である、請求項113に記載の固定部材。
【請求項115】
前記固定部材は、少なくとも1つの作動機構によって、前記固定準備完了構成と前記移動装置固定位置との間で移動可能なバンパーを含み、前記少なくとも1つの作動機構は、変動する力を前記車両の加速に対抗するために、前記移動装置に提供するように構成されている、請求項111に記載の固定部材。
【請求項116】
高摩擦材料との接触面を有する把持ゾーンを含む、請求項90に記載の固定部材。
【請求項117】
前記固定部材および第2の固定部材が、少なくとも部分的に独立して移動するように構成されている、請求項111に記載の固定部材。
【請求項118】
車両内の車輪付き移動装置用の固定システムであって、
輸送中に前記車輪付き移動装置および前記車輪付き移動装置の乗員のうちの少なくとも1つのために固定を提供する少なくとも1つの能動的固定部材と、
輸送中の前記車両、前記車輪付き移動装置、および前記乗員のうちの1つ以上の状態を監視し、異常状態を検出し、前記異常状態に対応して少なくとも1つの受動的固定部材を展開するようにプログラムされたプロセッサによって制御される、前記車輪付き移動装置および前記乗員のうちの少なくとも1つのための少なくとも1つの受動的固定部材と、を含む、固定システム。
【請求項119】
前記車輪付き移動装置の表面に隣接して前記固定位置に配置されるように構成されている接触部材をさらに含み、前記接触部材は、第1の把持部分および第2の把持部分を含み、前記第1の把持部分は、前記固定位置において、前記車輪付き移動装置の前記表面に略平行かつ近接しており、前記第2の把持部分は、前記第1の把持部分の端部に旋回可能に取り付けられ、かつ引き込み位置と拡張位置との間で関節運動し、前記引き込み位置において、前記第2の把持部分は、前記第1の把持部分と略平行であり、さらに、前記拡張位置において、前記第2の把持部分は、前記第1の把持部分に対して非平行な角度にあり、前記第1の把持部分は、前記少なくとも1つの能動的固定部材を含み、前記第2の把持部分は、前記少なくとも1つの受動的固定部材を含み、前記プロセッサは、前記異常状態に応じて前記第2の把持部分を前記引き込み位置から前記拡張位置に移動させるようにプログラムされている、請求項118に記載の固定システム。
【請求項120】
前記車輪付き移動装置の表面に隣接して固定位置に配置されるように構成されている接触部材をさらに含み、前記接触部材は、把持部分および引き込み位置と拡張位置との間で移動可能な少なくとも1つのペグを含み、前記把持部分は、前記少なくとも1つの能動的固定部材を含み、前記少なくとも1つのペグは、前記少なくとも1つの受動的固定部材を含み、前記プロセッサは、前記異常状態に応じて前記少なくとも1つのペグを前記引き込み位置から前記拡張位置に移動させるようにプログラムされている、請求項118に記載の固定システム。
【請求項121】
前記車輪付き移動装置の表面に隣接して固定位置に配置されるように構成されている接触部材をさらに含み、前記接触部材は、前記接触部材の係合面に配置されている磁気レオロジー流体で充填されたブラダーを含み、前記係合面は、前記少なくとも1つの能動的固定部材を含み、前記磁気レオロジー流体で充填されたブラダーは、前記少なくとも1つの受動的固定部材を含み、前記プロセッサは、前記異常状態に応じて磁場が前記磁気レオロジー流体で充填されたブラダーに印加されるようにプログラムされている、請求項118に記載の固定システム。
【請求項122】
前記車輪付き移動装置の表面に隣接して固定位置に配置されるように構成されている接触部材をさらに含み、前記接触部材は、前記接触部材の係合面に配置されている膨張可能なブラダーを含み、前記係合面は、前記少なくとも1つの能動的固定部材を含み、前記膨張可能なブラダーは、前記少なくとも1つの受動的固定部材を含み、前記プロセッサは、前記異常状態に応じて前記膨張可能なブラダーを膨張させるようにプログラムされている、請求項118に記載の固定システム。
【請求項123】
前記車輪付き移動装置の表面に隣接して固定位置に配置されるように構成されている接触部材をさらに含み、前記接触部材は、把持部分および引き込み位置と拡張位置との間で移動可能な少なくとも1つの輪郭適合部材を含み、前記把持部分は、前記少なくとも1つの能動的固定部材を含み、前記少なくとも1つの輪郭適合部材は、前記少なくとも1つの受動的固定部材を含み、前記プロセッサは、前記異常状態に応じて前記少なくとも1つの輪郭適合部材を前記引き込み位置から前記拡張位置に移動させるようにプログラムされている、請求項118に記載の固定システム。
【請求項124】
前記車輪付き移動装置の表面に隣接して固定位置に配置されるように構成されている接触部材をさらに含み、前記接触部材は、把持部分および引き込み位置と拡張位置との間で移動可能な複数の輪郭適合部材を含み、前記把持部分は、前記少なくとも1つの能動的固定部材を含み、前記複数の輪郭適合部材は、前記少なくとも1つの受動的固定部材を含み、前記プロセッサは、前記異常状態に応じて前記複数の輪郭適合部材を前記拡張位置にロックさせるようにプログラムされている、請求項118に記載の固定システム。
【請求項125】
前記少なくとも1つの受動的固定部材が、前記接触部材が前記車両の床に少なくとも隣接する引き込み位置と、前記接触部材が前記車輪付き移動装置の車輪の内向きの表面と係合するように配置される拡張位置とを有する接触部材を含み、前記プロセッサは、前記異常状態に応答して、前記接触部材を前記引き込み位置から前記拡張位置に移動させるようにプログラムされている、請求項118に記載の固定システム。
【請求項126】
使用位置と引き込み位置との間で移動可能な座席を有する固定領域における輸送中に車輪付き移動装置を固定するように適合された固定システムであって、前記固定システムが、車輪付き移動装置の存在を表す第1の信号を受信し、前記第1の信号に応答して、前記車輪付き移動装置の前記固定領域をクリアするために、前記座席を前記使用位置から前記引き込み位置に移動させる第2の信号を送信するようにプログラムされたプロセッサを含む、固定システム。
【請求項127】
前記プロセッサは、前記第1の信号に応答して、着席している乗客に対して視覚的、聴覚的、および触覚的警告のうちの少なくとも1つをトリガーするようにさらにプログラムされている、請求項126に記載の固定システム。
【請求項128】
輸送中に車輪付き移動装置を固定するように適合された固定システムであって、前記固定システムが、前記車輪付き移動装置および前記車椅子移動装置の乗員のうちの少なくとも1つの位置を示す第1の信号を受信し、前記位置が車椅子固定領域にあるか否かを決定し、前記位置が前記車椅子固定領域内にあることに応答する第2の信号を送信するようにプログラムされたプロセッサを含む、固定システム。
【請求項129】
前記第2の信号が、前記固定システムに、前記車輪付き移動装置の固定を開始させる、請求項128に記載の固定システム。
【請求項130】
輸送中に車輪付き移動装置を固定するように適合された固定システムであって、前記固定システムが、前記車両の位置を示す第1の信号を受信し、前記車輪付き移動装置の目的地を示す第2の信号を受信し、前記位置が前記目的地でないときに前記固定システムが、前記車輪付き移動装置を解放するのを防ぐ第3の信号を送信し、前記位置が前記目的地であるときに前記固定システムが、前記車輪付き移動装置を解放することを可能にする第4の信号を送信するようにプログラムされたプロセッサを含む、固定システム。
【請求項131】
車輪付き移動装置の表面に隣接して固定位置に配置されるように構成されている接触部材を含む前記車輪付き移動装置用の固定システムであって、前記接触部材が、第1の把持部分および第2の把持部分を含み、前記第1の把持部分は、前記固定位置において、前記車輪付き移動装置の前記表面に略平行かつ近接するように構成されており、前記第2の把持部分は、前記第1の把持部分の端部に旋回可能に取り付けられ、かつ引き込み位置と拡張位置との間で関節運動し、前記引き込み位置において、前記第2の把持部分は、前記第1の把持部分と略平行であり、さらに、前記拡張位置において、前記第2の把持部分は、前記第1の把持部分に対して非平行な角度にある、固定システム。
【請求項132】
車輪付き移動装置の表面に隣接して固定位置に配置されるように構成されている接触部材を含む前記車輪付き移動装置用の固定システムであって、前記接触部材は、前記接触部材の係合面に配置されたブラダーであって、磁気レオロジー流体で充填されている、ブラダーを含む、固定システム。
【請求項133】
車輪付き移動装置の表面に隣接して固定位置に配置されるように構成されている接触部材を含む前記車輪付き移動装置用の固定システムであって、前記接触部材は、前記接触部材に旋回可能に取り付けられ、かつ前記車輪付き移動装置の前記表面の輪郭に適合するように、引き込み位置から拡張位置に回転するように構成された少なくとも1つの輪郭適合部材を含む、固定システム。
【請求項134】
車輪付き移動装置の表面に隣接して固定位置に配置されるように構成された接触部材を含む前記車輪付き移動装置用の固定システムであって、前記接触部材が、前記接触部材のある長さに沿って並進するように構成された車輪付き移動装置係合部材を含み、前記車輪付き移動装置係合部材が、前記車輪付き移動装置の輪郭に適合するように引き込み位置と拡張位置との間で移動可能な複数の輪郭適合部材を含む、固定システム。
【請求項135】
前記車両の床に配置され、引き込み位置および拡張位置を有する、固定部材を含む車輪付き移動装置用の固定システムであって、前記引き込み位置において、前記固定部材の接触部材は、前記車両の床に少なくとも隣接しており、拡張位置において、前記接触部材は、前記車輪付き移動装置の車輪の内向きの表面と係合するように配置されている、固定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年3月28日に出願された米国仮特許出願第62/825,325号および2020年1月14日に出願された同第62/960,883号の優先権を主張するものであり、これら出願を参照として本願に組み込む。
【背景技術】
【0002】
本明細書で説明および請求される実施形態は、全般的に、限定するものではないが、自律型車両を含む車両における車輪付き移動装置を固定するように構成される自律型または半自律型の固定システムに関する。
【0003】
背景技術
今日、アメリカには何百万もの車輪付き移動装置(「WMD」)ユーザがいる。多くのユーザは、自家用車や大量輸送機関の車両に乗り込んだり乗ったりしている間、WMD(例えば、車椅子、スクータなど)に留まる。WMDに縛られた乗員を保護するためのシステムが開発され、採用されてきた。これらのシステムは、通常、少なくとも1つのショルダーベルトと1つ以上のラップベルトを含む乗員拘束装置で構成されている。それらはまた、1つ以上のベルト、バンパー、バリア、ラッチ、および/または自動把持器を含むことができる何らかの形態のWMDの安定を含む。これらのシステムは、乗員の安定性のニーズと基本的な衝突試験の要件を満たすことに成功していることが証明されているが、通常、適用するのは面倒で時間がかかる。これらの従来技術のシステムのほとんどを使用するために、車両オペレータなどの別の人が、車椅子の乗員および車椅子の固定を支援しなければならない。自動輸送車両の出現により、車両オペレータがいる場合といない場合があり、それ自体が自律的であるか、そうでなければ他の人の助けなしに車椅子の乗員が適用できる固定システムの必要性が予想される。このような自律型固定システムの設計は複雑であり、自律型車両のスペースが不足することが予想され、車椅子の固定エリアはスペースを効率的に利用し、アンブル乗客用の座席エリアに簡単かつ迅速に変換できる必要がある。低速自動輸送車両の出現は、衝突イベントの可能性が非常に低く、衝突が発生した場合のエネルギーが低いため、乗員拘束の必要性を低減または否定する可能性もあり得る。しかし、依然としてWMDの固定システム、特に、WMDに縛られたライダーと、新たに出現した自律型公共交通機関が提供する交通体験をシームレスに統合する、新しい簡素化された迅速な固定システムが必要である。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に記載および請求される実施形態は、これらのニーズを満たし、従来技術の解決策の欠点を解決するように設計されている。
【0005】
自律型車両は内部スペースが限られており、方向転換、停止、潜在的な障害物回避など、様々な操作やイベントに遭遇する。自律型の低速公共交通機関の車両が衝突に巻き込まれた場合、低速環境に典型的な衝突力は、他の形態の公共交通機関で使用されるタイプの高エネルギー占有およびWMD固定のニーズを保証しない。しかし、通常の操作中のWMDの混乱した動きや、事故時の潜在的に有害な動きを防ぐために、ある程度の安全性が保証されている。本明細書に記載および請求されている実施形態のいくつかは、そのような目的に適合しているが、他の実施形態もまた、高速でスペースが制限された環境に適している可能性がある。
【0006】
一実施形態において、自動化されたWMD固定システムが提供されて、自律的な公共交通機関の車両に乗っている間のWMDおよび乗員の過度の移動を排除する。このシステムは、車両の内部構造や備品と統合され、すべての乗員の潜在的な障害物を最小限に抑える。使用されていないときは、自動化されたWMD固定システムが完全に収容されているため、自律型の公共交通機関の車両はアンブルライダーを完全に乗せることができる。WMDと乗員が適切に配置されている場合、圧縮によってWMDを固定するように構成できる複数の固定部材を含む自動WMD固定システムを配備して使用することができる。固定部材は、所定の値または値の範囲でほぼ一定の力の自動化された移動および維持を可能にする動力作動機構を備えた頑丈なバンパーまたはアーム構造の形態を取り得る。WMDと接触するように設計された固定部材の部分は、積極的な把持パターンに形成された高摩擦材料で構築された柔らかく、マーキングのない表面を備え得る。固定部材は同時に作動させることができ、WMDの非対称配置に適応するために、ある程度の、または完全に独立した動きを提供することができる。固定部材には、すべての乗員に動きや潜在的なつまずきの危険または障害物を通知する照明付きステータスインジケータを装備し得る。
【0007】
いくつかの実施形態では、固定部材は、固定プロセスを自動化するためにセンサおよびコントローラと組み合わせ得る。車両内の固定部材および/または他の構成要素は、自動化されたWMD固定システムのインテリジェントコントローラと通信するセンサポイントを備えていてもよい。これらのセンサは、障害物の存在、物体からの範囲、力などの情報を伝達し得る。センサは、機械的スイッチング、電流検出、可視光、IR、RF、ソナー、磁気、慣性検出、抵抗、ホール効果、誘導、または静電容量、あるいはその他の既知のセンサ技術のうちの1つまたはそれらの組み合わせを介して動作し得る。WMD乗員および車両係員インターフェース(個別または複合ユニット)は、車両係員ステーションおよび/またはWMD固定位置に隣接して配置できるため、自動化されたWMD固定システムを呼び出してオンデマンドで機能させることができる。追加的または代替的に、マイクロフォンが、コントローラによる処理および応答のための音声命令を受信するために提供され得る。自動化されたWMD固定システムの完全に自律的な機能は、安全性と利便性を高めるために、センサ入力のみで実現することもできる。
【0008】
自動化されたWMD固定装置の使用は、規定された一連の出来事にしたがう可能性があり得る。まず、WMDの乗員は、自律型公共交通機関の車両に乗って指定された駅の乗車位置に移動する。第2に、乗員または係員は、乗員の物理的スペースをチェックして、自動化されたWMD固定システムによって挟まれる可能性のあるWMDの横に身の回り品や手足が配置されていないことを確認する。固定部材の経路がクリアされたことをいったん確認すると、乗員または係員は、自動化されたWMD固定システムがアクティブになるように信号を送り得る。前述のように、この機能は、必要に応じて、自動化されたWMD固定装置によって自律的に実行することもでき、例えば、WMDと乗員の位置、サイズ、タイプなどを示すセンサからの入力に基づいて実行できる。
【0009】
特に、自動化されたWMD固定装置は、一連の様々なセンサからの入力を通じて、WMDが適切な位置にあること、および/または固定部材の経路が明確であることを確認することができる。完全自律モードで動作している場合、WMD固定装置は、固定装置内に含まれる様々なソースおよび/または他の外部ソースからのセンサ入力に基づいて一連の決定を計算するプロセッサによって制御され得る。
【0010】
手動であろうと自動であろうと、固定機能が開始されると、把持アームとしての形をとることができる2つ以上の頑丈な固定部材が、収納構成から固定準備完了構成に同時にまたは連続して展開し得、次に移動装置固定位置に移動する。固定部材は、移動装置が固定領域に入る前、または移動装置が固定領域の最終位置に移動した後のいずれかで、固定準備完了構成に展開することができる。自動固定システムによって実行される任意の動きは、力の要件と潜在的な障害物について監視され得る。規定の力の制限を超えた場合、または障害物が特定された場合、ユニットはすぐに機能を逆転させ、規定の動きを再試行する前に一時停止する。クリアするために乗員または係員による相互作用を必要とするアラームを鳴らす前に、複数の試行、たとえば3回の試行を実行し得る。固定段階の間、固定部材は、WMDの車輪またはフレームと軽く接触し得る。次に、乗員または係員は、WMDと自動化されたWMD固定装置の把持構造との間に閉じ込められた物品がないことを確認するために最終チェックを行い得る。次に、乗員または係員は、自動化されたWMD固定システムに信号を送り得、指定された完全な力でWMDを固定する。これらのステップは、完全な自律機能が利用されている場合を含め、自動的に完了する可能性があるため、乗員または付添人の入力は必要とされない。
【0011】
固定部材は、自動固定システムが使用されているときの運転条件または車両状態(パーク、リバース、ドライブ、速度、任意の軸に沿った加速、任意の軸に沿った減速)に応じて、ほぼ一定の力または所定の範囲の力または可変力の自動移動および維持を可能にする動力作動機構を装備し得る。WMDがシフトした場合(例えば、現在の把持力を反映するセンサ出力から検出された把持力の減少から決定される)、自動再把持が実行されて、指定された固定力を迅速に再取得することができる。固定システムは、車両の操作とかみ合う場合があり、その結果、乗員または係員は、車両が安全に停止または駐車されるまで、または車両の点火がオフになるまで、解放の信号を送ることができない。インターロック機能はまた、車両が下車するように指定された場所に到着するまで固定システムの解放を妨げるジオロケーションの態様を含み得る。自動固定機構は、乗員の移動に必要な緊急時に手動で解除できる。
【0012】
一実施形態では、少なくとも1つの固定部材は、拡張可能な長さを有し、固定部材の長さは、選択的に延長および短縮し得る。固定部材は、少なくとも1つの固定準備完了構成および収納構成を有し得る。少なくとも1つの固定準備完了構成の各々において、固定部材は固定長さを有する。収納構成において、固定部材は収納長さを有する。少なくとも1つの固定長さの各々が収納長さよりも長い。
【0013】
いくつかの実施形態では、固定部材は、固定部材を延長および短縮するように動作可能な拡張機構を含み得る。拡張機構は、伸縮部材、膨張可能なベローズ、アコーディオン、はさみ機構、線形アクチュエータ、シリンダおよびピストン、または他の長さ変更部材または機構を含み得る。
【0014】
固定部材は、ベース、拡張ゾーン、および把持ゾーンを含み得る。拡張ゾーンは、拡張機構を含み得、ベースおよび把持ゾーンの一方または両方と少なくとも部分的または全体的に同一の広がりを有し得る。拡張ゾーンは、ベースと把持ゾーンの間にさらにまたは代替的に配置し得る。いくつかの実施形態において、拡張ゾーンは、完全にベースと把持ゾーンとの間にあり得る。
【0015】
収納構成では、固定部材を任意の内部構造および/または車両の備品と統合し得、すべての乗員による潜在的な障害物を最小限に抑え、および/またはアンブル乗客の着席用の追加のスペースを提供する。使用されていないとき、固定部材は、自律的な公共交通機関の車両がアンブルライダーの完全な定員を乗せることができるように、部分的に、大部分に、または完全に収容され得る。いくつかの実施形態において、固定部材は、アンブル乗客用の座席の下に部分的または完全に配置することができ、座席の端部は、固定部材の端部が延びるよりも車両の床領域内にさらに延びる。固定部材の収納長さはまた、シートの深さ以下であり得る。アンブル乗客座席は、固定部材が移動装置を固定するために使用されているときに、上向きに反転し得るか、さもなければ収容し得る。そのような構成において、アンブル乗客座席の下側は、移動固定領域の固定位置に配置されたときに、移動装置のバックレストまたはバックストップとして機能し得る。
【0016】
固定部材は、移動装置の表面に係合し、圧縮および/または引張状態によって移動装置を固定するために、横方向に(固定部材の長さに対して横方向に)移動可能であり得る。いくつかの実施形態において、複数の可動固定部材を配備して使用することができ、圧縮によってWMDを固定するように構成され得る。例えば、固定部材は、移動装置の反対側の面または移動装置上の構造(例えば、移動装置の左側および右側、または単一の車輪の外面および内面)に係合し、圧搾するように構成され得る。他の実施形態では、複数の可動固定部材を配備して使用することができ、引張状態によってWMDを固定するように構成し得る。例えば、固定部材は、反対側の車輪の反対側の内面と係合し、外側に(互いに離れるように)押し付けるように構成し得る。さらに他の実施形態では、3つ以上の固定部材を配備して使用することができ、圧縮および引張状態の一方または両方によってWMDを固定するように構成し得る。
【0017】
固定部材は、所定の値または許容値の範囲でほぼ一定の力の自動化された移動および維持を可能にする動力作動機構を備えた頑丈なバンパーまたはアーム構造の形態を取り得る。他の実施形態において、固定部材は、移動装置に可変の力を加え得、車両の加速および減速を打ち消し、そうでなければ発生する可能性のある移動装置の動きを防止または低減する。WMDと接触するように設計された固定部材の部分(把持ゾーン)は、積極的な把持パターンに形成された高摩擦材料で構築された柔らかく、マーキングのない表面を備えていてもよい。固定部材は同時に作動させることができ、WMDの非対称配置に適応するためにある程度の独立した動きを提供することができる。固定部材は、すべての乗員に動きおよび潜在的なつまずきの危険または障害物を通知する照明付き状態インジケータおよび/またはスピーカを装備または関連付け得る。
【0018】
把持機能は、1つまたは複数の追加機能によって提供されるか、またはさらに増強され得る。例えば、追加の把持部材は、ドッキングステーションの下の床、またはドッキングステーションの中央内の床に堂々と位置することができる浅いハウジングに収納されることができる。これらの把持部材は、外側の把持部材によって固定されているWMDの車輪の内側に接触するように持ち上げて広げるように構成されることができる。内側の把持部分には、高摩擦面やWMD車輪の表面や細部にかみ合う積極的なラグパターンなど、車輪に対する確実な固定を促進する細部が含まれ得る。内側の把持部分はまた、WMDに損傷を与えるリスクなしに、より高い把持力を可能にする実質的な安定化と反力を提供する。衝突が発生した場合、多くの管理基準で必要とされる20超のgに耐えるために、非常に高い圧搾荷重を適用することができる。非常に高い圧搾荷重は、蓄えられたばね力、空気圧、火工技術、圧縮ガス容器、またはその他の原動力を介して加えることができる。
【0019】
代替的に、把持部分の固定は、各外側の把持部材に関節運動を追加することで強化し得る。把持部材が車輪を押し付けることによってWMDを固定するとき、余分な関節運動により、把持部材の端が内側に回転して車輪を閉じ込め、激しい操作中または衝突時にWMDが外れるのを機械的に防ぐ。
【0020】
固定を強化するための別のアプローチは、外側(または内側)の把持部材内の内部ブラダーを利用することできる。ブラダーは、収容時または通常の圧搾機能中に収縮したままになる可能性があるが、衝突イベントまたは積極的な操作が感知されると急速に膨張する。ブラダーが拡張し、把持部分がWMD車輪の表面と細部にしっかりとかみ合うように勢いを与えるため、固定が大幅に向上する。ブラダーは、圧縮空気、火工ガス、または貯蔵された液体で充填されることができる。
【0021】
把持部材は、システムの捕捉セキュリティを改善するために、部分的に充填されたブラダーを含むことができる。ブラダーは、アームがWMDに押し付けられている間、容易に流れる磁気レオロジー流体で充填されることができる。把持面が移動すると、磁気レオロジー流体には、WMD面の細部とかみ合う堅いトポグラフィを作成するように、エネルギーが与えられる。代替的に、ブラダーは、アームがWMDに押し付けられたときに流れやすく、WMDの形状に一致する非ニュートン流体で充填されることができ、その後、例えば、自動車事故の際の突然の力にさらされたときに、WMD表面の細部とかみ合う堅いトポログラフィを自動的に作成する。さらに別の代替案として、ブラダーは、スタイロフォーム(または同様の柔らかい材料)またはゴムまたはより堅さのある材料で作られたボールなどの充填剤または小さな粒子を含み得、これらはブラダー内で比較的自由に動き得、アームがWMDに押し付けられたときに、WMDの形状に従い得る。次に、例えば真空ポンプを使用してブラダーに真空を適用し得、これは、充填剤または小さな粒子がブラダー内で自由に移動するのを防ぎ、それによってブラダーは、WMD表面の細部とかみ合う堅いトポグラフィを提供する。
【0022】
車両のWMDステーションは、インテリジェントな機能認識ソフトウェアにリンクされたカメラまたはその他のセンサを介して監視される。WMD固定装置は、状況を自律的に処理し、最高のライダー体験と旅行の安全性を提供する適切な機能に反応することができる。このような機能には、WMDと乗員の存在と位置の認識、WMDの種類の認識、固定のための理想的な接触点(通常は駆動輪)の特定、フェンダー、アクセサリーバッグ、乗員の手足などの敏感な表面や物品の回避が含まれる。WMDタイプまたは理想的な接触点が認識された場合(RFID信号、QRコード、近接センサ、レーザーレーダ、床の圧力センサ、光線、画像認識、またはその他の識別方法を使用)、この情報を固定プロセスにおける、入力として使用でき、かつシステムはWMDタイプまたは理想的な接触点について固有の固定設定でWMDを固定する。これらの設定には、力、位置、監視および調整戦略などの様々なパラメータを設定できる(乗車中に椅子を再度固定する必要がある場合)。例えば、固定部材の展開段階中に、固定長さは、様々なWMDタイプに適切に事前設定および適切である特定の長さに設定することができ、固定長さは、特定のWMDタイプに適切に決定または事前設定することができ、あるいは固定長さは、固定部材が移動装置の固定位置に移動したときに、把持ゾーンが理想的な接触点のほぼ上または隣接するように設定することができる。データベースまたはルックアップテーブルを確立して、RFIDまたはQRコードまたはバーコード内のエンコードされた情報に基づいて、またはカメラによって主要な識別機能を認識することにより、WMDの様々なメーカおよびモデルを識別できる。WMDタイプが識別されると、圧搾力基準のセットおよび/または固定長さ基準を展開して、各アプリケーションについての固定を最適化する。データベースで特定のメーカまたはモデルが識別および/または参照されていない場合は、信頼できるデフォルトの圧搾力値および/または固定長さ値を使用できる。データベースは中央の場所に構築および保守でき、定期保守中に各WMD固定装置のパラメータを最新バージョンでダウンロードできる。
【0023】
上および下で論じられる特徴のいくつかの組み合わせを含む他の実施形態、および当技術分野で知られている他の特徴は、そのような実施形態が本明細書で具体的に識別および論じられていない場合でも、特許請求の範囲に含まれると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】車輪付き移動装置固定システムの第1の実施形態を組み込んだ自動運転車の第1の斜視図である。
【
図2】屋根を剥がした、車輪付き移動装置固定システムの第1の実施形態を組み込んだ自動運転車の第2の斜視図である。
【
図3】車輪付き移動装置固定システムの第1の実施形態を車両内部の視点から組み込んだ、自動運転車の断面斜視図である。
【
図4】第1の位置または格納された位置にある把持部材を示している、車輪付き移動装置固定システムの第1の実施形態の把持部材の第1の斜視図である。
【
図5】第2の位置または拡張位置にある把持部材を示している、車輪付き移動装置固定システムの第1の実施形態の把持部材の第2の斜視図である。
【
図6】第1の位置または格納された位置にある把持部材を示している、車輪付き移動装置固定システムの第2の実施形態の把持部材の第1の斜視図である。
【
図7】第2の位置または拡張位置にある把持部材を示している、車輪付き移動装置固定システムの第2の実施形態の把持部材の第2の斜視図である。
【
図8】第1の位置または格納された位置にある把持部材を示している、車輪付き移動装置固定システムの第3の実施形態の把持部材の第1の斜視図である。
【
図9】第2の位置または拡張位置にある把持部材を示している、車輪付き移動装置固定システムの第3の実施形態の把持部材の第2の斜視図である。
【
図10】第1の位置または格納された位置にある把持部材を示している、車輪付き移動装置固定システムの第4の実施形態の把持部材の第1の斜視図である。
【
図11】第2の位置または拡張位置にある把持部材を示している、車輪付き移動装置固定システムの第4の実施形態の把持部材の第2の斜視図である。
【
図12】第1の位置または格納された位置にある把持部材を示している車輪付き移動装置固定システムの第5の実施形態の把持部材の第1の斜視図である。
【
図13】第2の位置または拡張位置にある把持部材を示している、車輪付き移動装置固定システムの第5の実施形態の把持部材の第2の斜視図である。
【
図14】第2の位置または拡張位置にあり、保護ベローズを含む把持部材を示している車輪付き移動装置固定システムの第5の実施形態の把持部材の第3の斜視図である。
【
図15】格納された状態と完全に拡張された状態との間の中間位置にある把持部材を示している、車輪付き移動装置固定システムの第6の実施形態の把持部材の第1の斜視図である。
【
図16】把持部材が完全に拡張された位置にあることを示している、車輪付き移動装置固定システムの第6の実施形態の把持部材の第2の斜視図である。
【
図17】収納された状態と完全に拡張された状態との間の中間位置にある、把持部材を示す車輪付き移動装置固定システムの第7の実施形態の把持部材の第1の斜視図である。
【
図18】把持部材が完全に拡張された位置にあることを示している、車輪付き移動装置固定システムの第7の実施形態の把持部材の第2の斜視図である。
【
図19】把持部材が収納位置にあることを示している車輪付き移動装置固定システムの第8の実施形態の把持部材の第1の斜視図である。
【
図20】把持部材が拡張位置にあることを示している、車輪付き移動装置固定システムの第8の実施形態の把持部材の第2の斜視図である。
【
図21】車輪付き移動装置固定システムの第9の実施形態の把持部材の斜視図である。
【
図22】車輪付き移動装置固定システムの第10の実施形態の把持部材の斜視図である。
【
図23】車輪付き移動装置固定システムの第11の実施形態の斜視図である。
【
図24】収納位置にある把持部材を示している、車輪付き移動装置固定システムの第12の実施形態の把持部材の第1の斜視図である。
【
図25】把持部材が拡張位置にあることを示している、車輪付き移動装置固定システムの第12の実施形態の把持部材の第2の斜視図である。
【
図26】車輪付き移動装置固定システムの第13実施形態により固定されている車輪付き移動装置を検出するための位置センサパッドの斜視図である。
【
図27】車輪付き移動装置固定システムの第14の実施形態によって固定されている車輪付き移動装置を検出するための近接センサの斜視図である。
【
図28】車輪付き移動装置固定システムの第15の実施形態によって固定されている車輪付き移動装置を検出するための第1の赤外線センサアレイの斜視図である。
【
図29】車輪付き移動装置固定システムの第16の実施形態によって固定されている車輪付き移動装置を検出するための第2の赤外線センサアレイの斜視図である。
【
図30】自動化された固定および解放シーケンス中に使用できる論理テーブルである。
【
図31】車輪付き移動装置固定システムの代替実施形態を組み込んだ代替自動運転車の斜視図である。
【
図32】
図31の車輪付き移動装置固定システムの代替実施形態の斜視図である。
【
図33】車輪付き移動装置固定システムの別の代替実施形態を組み込んだ別の代替自動運転車の斜視図である。
【
図34】
図33の車輪付き移動装置固定システムの代替実施形態の斜視図である。
【
図35】車輪付き移動装置固定システムの別の代替実施形態を組み込んだ別の代替自律型車両の斜視図である。
【
図36】
図35の車輪付き移動装置固定システムの代替実施形態の斜視図である。
【
図37】は、
図15~16に示すものに代わる把持部材の第1の斜視図である。
【
図39】
図15~16に示すものとは別の代替把持部材の斜視図である。
【
図40】
図15~16に示すものとは別の代替把持部材の斜視図である。
【
図41】傾斜した係合面を組み込んだ固定システムの平面図である。
【
図43】複数のばね付勢ピンを組み込んで、車輪付き移動装置の側面の様々な構造および輪郭と係合する係合部材の様々な斜視図である。
【
図44】複数のばね付勢ピンを組み込んで、車輪付き移動装置の側面の様々な構造および輪郭と係合する係合部材の様々な斜視図である。
【
図45】複数のばね付勢ピンを組み込んで、車輪付き移動装置の側面の様々な構造および輪郭と係合する係合部材の様々な斜視図である。
【
図46】複数のばね付勢ピンを組み込んで、車輪付き移動装置の側面の様々な構造および輪郭と係合する係合部材の様々な斜視図である。
【
図47】車輪付き移動装置の車輪のハブを把持するように設計された把持部材の代替実施形態を有する固定部材の斜視図である。
【
図48】車輪付き移動装置上のフレーム部材または他の構造物を把持するように設計された把持部材の代替の実施形態を有する固定部材の斜視図である。
【
図49】固定部材に追加の圧搾と下向きの力を提供する安全システムを示す図である。
【
図50】車輪付き移動装置の固定における理想的な接触点を示す図である。
【
図51】横向きの位置に固定された車輪付き移動装置を示す図である。
【
図53】車輪付き移動装置の特徴を識別するための様々な方法を示す図である。
【
図54】無線通信機能を備えたバスを示す図である。
【
図55】悪い運転状況に展開できる各種エアバッグを示す図である。
【
図56】悪い運転状況に展開できる各種エアバッグを示す図である。
【
図57】悪い運転状況に展開できる各種エアバッグを示す図である。
【
図58】ポールに取り付けられた固定部材を示す図である。
【
図59】本明細書で説明される様々な自律的固定方法を実行するように構成されたコンピューティング装置を示す図である。
【
図60】ピンを所定の位置に保持するために複数の可動ピンを組み込んだ係合部材と共に使用することができるロックの斜視図である。
【
図62】固定部材は収納構成であり、アンブル乗客座席は使用位置にある、アンブル乗客座席領域内に配置された移動装置固定システムのさらに別の実施形態の第1の斜視図である。
【
図63】固定部材が収納構成であり、アンブル乗客座席が不使用位置にある、
図62の実施形態の第2の斜視図である。
【
図64】固定部材が移動装置固定位置にあり、アンブル乗客座席が不使用位置にある、車輪付き移動装置を固定する
図62の実施形態の第3の斜視図である。
【
図65】空気圧式または油圧式で移動およびロック可能なピンの概略図である。
【0025】
図面は必ずしも縮尺通りではなく、実施形態はグラフィック記号、仮想線、概略図および部分図によって示されることがあることを理解されたい。場合によっては、本明細書に記載および主張している実施形態を理解するのに必要ではない、または他の詳細を理解するのを困難にする詳細は省略されている。当然のことながら、本明細書に記載の発明は必ずしも例示した特定の実施形態に限定されないことを理解されたい。実際、当業者であれば、本主張の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書に示し説明した実施形態と類似および同等の多数の代替構成を考案できることが予想される。
【0026】
以下の図面の詳細な説明において、図から図への類似または類似の部分を指すのに類似の参照番号が使用される。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1~5は、自律型車両1に車輪付き移動装置42を固定するための車輪付き移動装置固定システム20の第1の実施形態を示している。図示されているように、自律型車両1は、車両1の第1の側部に沿ったドア開口部2、中央に配置された歩行路または通路4、および車両1の周囲に沿って配置されたアンブル乗客座席6を含む。座席6および通路4は、車両の両端に配置された2つの全体的にU字形の座席領域8、10を集合的に画定する。構成されているように、車両1は、U字形の座席領域8、10の一方または両方に配置された1つまたは2つの移動装置固定システムを含み得る。図示のように、単一の車輪付き移動装置固定システム20は、自律型車両1の座席領域8に提供されるが、第2の同様に構成されたシステムは、座席領域10に提供され得る。
【0028】
車輪付き移動装置固定システム20は、中央に配置された通路4の一部または一端を占める車輪付き移動装置固定領域22内に配置されている。固定領域22は、前側24、後側26、右側28、および左側30からなる周囲を有する(
図3に示されるように、固定されたときの車輪付き移動装置42の意図される方向にしたがって画定される)。固定領域22の後側26、右側28、および左側30のうちの1つ以上は、上面に座席表面を含み得るモジュール12、14、16を含むと言われ得るアンブル乗客座席6に当接する。誤解を避けるために、それぞれ右側28、左側30、および後側26のモジュール12、14、16は、単一のユニットとして統合されるか、または別個のユニットとして提供され得る。さらに、座席とともに示されているが、モジュール12、14、16は、上面に座面を有する場合と有さない場合がある。
【0029】
車輪付き移動装置固定システム20は、固定または把持部材を含み、これは、第1の実施形態では、中央に配置された伸縮機構36によって支持されるアーム32、34としての形をとり得る。伸縮機構36は、例えば、一端がアーム32に固定され、他端がアーム34に固定されている線形アクチュエータを隠す2つの伸縮部材38、40を備えることができる。伸縮機構36は、モジュール16内で密接に隣接、当接、同一平面、または凹んでいてもよい。伸縮機構は、モジュール16の前面に面する表面とほぼ面一に重なり合うかまたは伸縮するパネルを含み得る。
図2に最もよく示されるように、伸縮機構36は、モジュール16と統合され、および/またはアンブル乗客座席6の略または真下に配置され、それにより、伸縮機構36は、通路4につまずく危険または障害物を提供しない。
【0030】
伸縮部材36は、アーム32、34を第1の位置または収納された位置(
図1、2、および4)から第2の位置または拡張位置(
図3および5)に移動するように構成される。第1の位置では、アーム32、34は、モジュール12、14に密接に隣接しているか、当接しているか、面一であるか、またはモジュール12、14内に埋め込まれている。モジュール12、14は、アーム32、34の形状に一致するポケットまたは凹んだ領域を含み得、それにより、アーム32、34は、第1の位置に配置されたときに、モジュール12、14の横向きの表面とほぼ同一平面になる。
図2に最もよく示されているように、第1の位置では、アーム32、34は、アンブル乗客座席6の略または真下に位置していると言え、それにより、アーム32、34は、通路4につまずきの危険または障害物を提供しない。第2の位置において、アーム32、34は、車輪付き移動装置と係合するために、モジュール12、14から離隔されている。第1の位置において、アーム32、34は、距離D
1だけ離れて配置されている。第2の位置において、アーム32、24は、距離D
2の間隔で配置されている。距離D
1はD
2よりも長く、それにより、車輪付き移動装置42は、少なくとも圧縮によって車両1に固定される。
【0031】
第1の実施形態では、伸縮機構36によって分離されたアーム32、34として示されているが、把持部材は、多くの形態をとることができ、多くの異なる機構を使用して原動力を提供することができる。すべての実施形態において、把持部材および関連する機構は、それらの第1の位置または収納された位置において、完全にまたは少なくとも大部分が、モジュール12、14、16または車両の床または他の構造内、および通路4の外側に含まれ、これにより、把持部材および関連する機構は、通路4につまずきの危険または障害物を提供しない。代替的に、把持部材および関連する機構は、それらの第1の位置において、完全にまたは少なくとも大部分が、アンブル乗客座席6の略または真下、および通路4の外側に配置され、それにより、把持部材および関連する機構は、通路4につまずきの危険または障害物を提供しない。
【0032】
伸縮機構1736、1836、1936のさらなる実施形態が
図31~36に示されている。特に、
図31~32において、車輪付き移動装置固定システム1720は、伸縮機構1736および把持部材1732、1734の両方がポケット内に収まるか、または、座席モジュール1712、1714、1716(別個のモジュールまたは座席モジュールとして形成される)におけるアンダーカットまたは凹んでいる領域1740とドロップインタイプのシステムとして提供される。その点で、システム1720は、収納された構成に配置された場合、ほとんどまたは完全にフローリング領域の外側で、モジュール1712、1714、1716の着座面の下に配置され、つまずきの危険または障害物を通路4に提供しない。
【0033】
図33~36において、車輪付き移動装置固定システム1820、1920は、車両の床の下または床と略同じ高さに配置された伸縮機構1836、1936を含む。システム1820において、伸縮機構1836は、把持部材1832、1834の後端に配置され、それによって、伸縮機構1836もまた、後部座席モジュール1816の下に配置される。システム1920において、伸縮機構1936は、図示のように中央を含めて、把持部材1832、1834の長さに沿ってどこにでも配置され得る。車両の床は、把持部材1832、1834が互いに向かって移動することを可能にするチャネル1850を含む必要がある。両方のシステム1820、1920において、モジュール1812、1814、1912、1914、および場合によって、モジュール1816、1916は、把持部材1832、1834、1932、1934を収納位置に配置した場合に、受容するためのポケット、またはアンダーカットまたは凹んだ領域1840、1940を含む。
【0034】
他の実施形態では、把持部材は、第1の位置と第2の位置との間で回転することができる。より具体的には、
図6~7に示す第2の実施形態において、把持部材は、下端に移動装置係合部236、238、上端に旋回軸240、242を有する翼232、234の形態をとる。旋回軸240、242は、固定領域22の右側28および左側30とほぼ平行に、ほぼ水平および長手方向に整列している。翼232、234は、旋回軸240、242にて、それぞれモジュール12、14に接続され得る。代替的に、翼232、234の一方または両方は、旋回軸240、242の一端でモジュール16に接続され得る。把持部材は、モジュール12、14、16内に近接して配置され、当接し、面一に配置され、または埋め込まれ得る1つ以上の回転機構を含む。回転機構は、第1のまたは収納された位置と第2のまたは拡張された位置との間で翼232、234を移動させるために、旋回軸240、242に結合される1つ以上の回転または線形アクチュエータを含み得る。別個の線形アクチュエータの場合、各係合部材236、238は、例えば、固定領域における車輪付き移動装置の中心から外れた配置によりよく対応できる方法で、独立して操作することができる。第1の位置(
図6)において、翼232、234は、ほぼ垂直に配置されるか、または互いにわずかに離れて角度が付けられ、それによって、翼232、234は、モジュール12、14内で密接に隣接、当接、同一平面、または凹んでいる。第2の位置(
図7)において、翼232、234は互いに向かって角度が付けられ、それによって、係合部236、238は、車輪付き移動装置42と係合するためにモジュール12、14から離隔されている。第1の位置において、係合部236、238は、距離D
3だけ離れて配置されている。第2の位置において、係合部236、238は、距離D
4だけ離れて配置されている。距離D
3はD
4よりも長く、それにより、車輪付き移動装置42は、少なくとも圧縮によって車両1に固定される。
【0035】
図8~9に示される第3の実施形態において、把持部材は、それらの上端に移動装置係合部336、338を有し、それらの下端に旋回軸340、342を有する翼332、334の形態をとる。旋回軸340、342は、固定領域22の右側28および左側30とほぼ平行に、ほぼ水平および長手方向に整列している。翼332、334は、旋回軸340、342でそれぞれモジュール12、14に接続され得る。代替的に、翼332、334の一方または両方は、旋回軸340、342の一端でモジュール16に接続され得る。把持部材は、モジュール12、14、16内、および/または車両の床内に隣接して、当接して、面一に、または凹んで配置され得る1つ以上の回転機構を含む。回転機構は、第1のまたは収納された位置と第2のまたは拡張された位置との間で翼332、334を移動させるために、旋回軸340、342に結合される1つ以上の回転または線形アクチュエータを含み得る。別個の線形アクチュエータの場合、各係合部材436、438は、例えば、固定領域における車輪付き移動装置の中心から外れた配置によりよく対応できる方法で、独立して操作されることができる。第1の位置(
図8)において、翼332、334は、ほぼ垂直に配置されるか、または互いにわずかに離れて角度が付けられ、それによって、翼332、334は、モジュール12、14内で密接に隣接、当接、面一、または凹んでいる。第2の位置(
図9)において、翼332、334は互いに向かって角度が付けられており、それにより、係合部336、338は、車輪付き移動装置42と係合するためにモジュール12、14から離隔されている。第1の位置では、係合部336、338は、距離D
5だけ離れて配置されている。第2の位置では、係合部分336、338は、距離D
6の間隔で配置されている。距離D
5はD
6よりも長く、それにより、車輪付き移動装置42は、少なくとも圧縮によって車両1に固定される。
【0036】
図10~11に示される第4の実施形態において、把持部材は、4バーリンケージ432、434の形態をとる。4バーリンケージ432、434は、旋回部材444、446、448、450を介してベース部材440、442に接続された移動装置係合部436、438を含み、それにより、旋回部材444、446、448、450は、係合部436,438についてオフセット旋回を提供する。旋回部材444、446は、4バーリンケージ432,434の第1の端部で係合部材436、438をベース部材440、442に相互接続し、旋回部材448、450は、4バーリンケージ432、434の第2の端部で係合部材436、438をベース部材440、442に相互接続する。旋回部材444、446、448、450は、ほぼ垂直に整列された旋回軸を中心に回転する。ベース部材440、442は、それぞれモジュール12、14に接続され得るか、または車両1の床に接続され得る。把持部材は、モジュール12、14、16内で、または車両の床内に配置されて、密接に隣接して、当接して、面一で、または凹んで配置され得る1つ以上の回転機構を含む。回転機構は、第1の位置または収納された位置と第2の位置または拡張された位置の間で4バーリンケージ432、434を移動させるために、旋回部材444、446、448、450の1つ以上の旋回軸に結合される1つ以上の回転または線形アクチュエータを含み得る。別個のアクチュエータの場合、各係合部材436、438は、例えば、固定領域における車輪付き移動装置の中心から外れた配置によりよく対応できる方法で、独立して操作することができる。第1の位置(
図10)では、4バーリンケージ432、434は、モジュール12、14内で密接に隣接して、当接して、面一に、または凹んで配置され、それによって、係合部材436、438は、概してベース部材440,442の上に配置される。第2の位置(
図11)では、係合部材436、438は、車輪付き移動装置42と係合するためにモジュール12、14から離間され、それにより、係合部材436、438は、ベース部材440、442から横方向に離隔される。第1の位置において、係合部436、438は、距離D
7の間隔で配置されている。第2の位置において、係合部436、438は、距離D
8の間隔で配置されている。距離D
7はD
8よりも長く、それにより、車輪付き移動装置42は、少なくとも圧縮によって車両1に固定される。
【0037】
第1から第4の実施形態は、伸縮機構または旋回機構のいずれかを使用して、把持部材を第1の位置と第2の位置との間で移動させるが、追加の実施形態は、拡張機構を使用し得る。例えば、
図12~14に示される第5の実施形態において、把持部材は、はさみ部材532、534としての形態をとる。はさみ部材532、534は、はさみ機構544、546を介してベース部材540、542に接続された移動装置係合部536、538を含む。ベース部材540、542は、それぞれモジュール12、14に接続されてもよく、または車両1の床に接続されてもよく、ベース部材540、542は、モジュール12、14内で密接に隣接して、当接して、面一に、または凹んで配置される。はさみ機構544、546は、例えば、はさみ部材532、534を第1のまたは収納された位置と第2のまたは拡張された位置との間で移動させる共通または別個の線形アクチュエータを含み得る。別個の線形アクチュエータの場合、各係合部材536、538は、例えば、固定領域における車輪付き移動装置の中心から外れた配置によりよく対応できる方法で、独立して操作することができる。第1の位置(
図12)では、はさみ部材532、534は、モジュール12、14内で密接に隣接して、当接して、面一に、または凹んで配置され、それによって、係合部材536、538は、折りたたまれ、隣接するか、またはベース部材540、542に埋め込まれる。第2の位置(
図13)では、係合部材536、538は、車輪付き移動装置42と係合するためにモジュール12、14から離隔され、それにより、係合部材536、538は、ベース部材540、542から横方向に離隔される。第1の位置において、係合部536、538は、距離D
9の間隔で配置されている。第2の位置では、係合部536、538は、距離D
10の間隔で配置されている。距離D
9はD
10よりも長く、それにより、車輪付き移動装置42は、少なくとも圧縮によって車両1に固定される。他の実施形態で可能であるように、係合部536、538は、長手方向に前後に移動するか、垂直軸または水平軸を中心に旋回するか、またはWMDのプロファイルに一致するようにその長さに沿ってプロファイルを変更するように構成され得る。
図14に示されるように、はさみ機構544、546はまた、車輪付き移動装置42の使用者および車両1におけるアンブル乗客の保護についての保護ベローズ548、550を備え得る。第5の実施形態のはさみ機構544、546の代替として、
図14に示されるベローズ548、550は、係合部材536、538を第1の位置と第2の位置との間で移動させるための膨張可能なベローズの形態をとり得る。
【0038】
さらに別の実施形態において、
図62~64は、車両2610内に車輪付き移動装置2650を固定するための移動装置固定システム2700の第1の実施形態を示している。移動装置固定システム2700は、図示のように車両2610の周囲に沿ったものを含めて、車両2610内の任意の場所に配置されたアンブル乗客座席領域2620に統合され得る。座席領域2620は、1つ以上の座席2622および/またはシートバック2624を含み得る。座席2622は、アンブル乗客座席の場合の
図62に示される使用位置と、
図63に示される非使用位置との間を移動し得る。不使用位置において、座席2622は、移動装置を固定するための追加の領域を空けるために邪魔にならない位置に配置される。座席2622は、水平軸2626を中心に、図示のように上位置または下位置に旋回し得る。水平軸2626の周りの旋回は必須ではなく、他の軸、旋回またはスライド、または他の移動機構を使用して、座席2622を邪魔にならない不使用位置に移動させることができる。座席2622の下側は、固定システム2700によって固定されたときに、移動装置に対してバックレストを提供し得る。
【0039】
移動装置固定システム2700は、移動装置2650を固定するための少なくとも1つ、好ましくは2つの固定部材2710、2712を含む。固定部材2710、2712は、
図62~63に示される収納構成から、
図64に示されるような、固定準備完了構成、および移動装置固定位置に移動するように構成される。固定準備完了構成においては、固定部材2710、2712の長さが拡張され(
図62の長さを
図64の長さと比較)、それにより、固定部材2710、2712は、もはや座席2622の下に収納されず、移動装置2650との係合/固定のための床領域の移動装置固定ゾーンに拡張される。移動装置固定位置において、固定部材2710、2712は、軸2726に沿って横方向に移動し、
図64に示すように移動装置2650が圧縮によって固定されている場合は、互いに接近し、移動装置2650が引張状態によって固定されている場合はさらに離れている可能性がある。
【0040】
固定部材2710、2712は、ベース2714、2716、拡張ゾーン2718、2720、および把持ゾーン2722、2724を含み得る。固定部材2710、2712は、ベース2714、2716で支持され得る(すなわち、車両に固定され得る)。この実施形態では、固定システム2700は、軸2726に沿って固定部材2710、2712を互いに近づけたり遠ざけたりするために(例えば、横方向に)ベース2714、2716に力を及ぼす移動機構(内部、図示せず)を含む中央ハウジング2702を含む。移動機構は、伸縮部材、膨張可能なベローズ、アコーディオン、はさみ機構、線形アクチュエータ、シリンダおよびピストン、または他の長さ変更部材または機構を含み得る。
【0041】
拡張ゾーン2718、2720は、拡張機構(内部、図示せず)を含み得、ベース2714、2716および把持ゾーン2722、2724のうちの一方または両方と少なくとも部分的または全体的に同一の広がりを有し得る。拡張ゾーン2718、2720は、ベース2714、2716と把持ゾーン2722、2724との間にさらにまたは代替的に配置され得る。いくつかの実施形態において、拡張ゾーン2718、2720は、図示されるように、ベース2714、2716と把持ゾーン2722、2724との間に完全にあり得る。拡張機構は、軸2728に沿って固定部材2718、2720を延長および短縮するように動作可能である。軸2728は、軸2726に対して横方向であり得る。拡張機構は、伸縮部材、膨張可能なベローズ、アコーディオン、はさみ機構、線形アクチュエータ、シリンダおよびピストン、または他の長さ変更部材または機構を含み得る。
【0042】
固定部材2710、2712の把持ゾーン2722、2724は、移動装置2650と接触するように設計されており、積極的な把持パターンに形成された高摩擦材料で構築された柔らかく、マーキングのない表面を備え得る。
図3に示されるように、把持ゾーン2722、2724は、移動装置2650の車輪と係合するが、いくつかの実施形態またはいくつかのタイプの移動装置については、把持ゾーン2722、2724が、異なるまたはより大きな車輪、または車輪付き移動装置上の他の構造と係合することが好ましい場合がある。
【0043】
いくつかの実施形態では、固定準備完了構成の固定部材2710、2712の長さ(本明細書では固定長さと呼ばれる)は、広く使用されている移動装置の大きなサブセットとの互換性のために事前に決定され得る。他の実施形態において、固定長さは、必要に応じて、ユーザ(車両オペレータ、移動装置所有者)によってカスタム設定され得る。さらに他の実施形態において、固定システム2700は、把持ゾーン2722、2724のための移動装置上の理想的な接触点を決定するための様々なプロセッサ、コントローラ、およびセンサを含み得る。そのような一実施形態において、1つ以上の近接または光学センサを単独で、または人工知能と組み合わせて使用して、移動装置上の様々な構造を示す1つ以上の信号を提供し、一方、コントローラは、それらの信号から理想の接触を識別することができる。光学センサは、固定部材2710、2712の把持ゾーン2722、2724の一方または両方に配置することができる。別のそのような実施形態では、感圧フローリングシートまたは感圧ストリップまたはパッドのアレイを使用して、移動装置の1つ以上の車輪の位置を示す信号を提供することができ、一方、コントローラは、その信号に基づいて固定長さを設定することができ、そのため、把持ゾーン2722、2724は、これらの車輪のうちの1つに略隣接して配置される。コントローラは、把持ゾーン2722、2724が大きい方の車輪に略隣接して配置されるように、固定長さを設定するようにプログラムされ得る。さらに他の実施形態において、固定システム2700は、全般的な移動装置タイプまたはモデルを決定し、その装置タイプまたはモデルに理想的であると考えられる、固定長さ、力のような、様々なパラメータのうちの1つ以上を設定するための様々なプロセッサ、コントローラ、およびセンサを含み得る。そのような一実施形態において、移動装置上のRFIDタグを読み取るためのセンサを提供することができ、ここで、RFIDタグは、移動装置のタイプまたはモデル、または移動装置についての1つ以上の好ましいパラメータ(例えば、固定長さ、力、または他のパラメータ)の1つ以上を識別する。
【0044】
移動装置固定システムの前述の実施形態のいずれも、把持部材の把持機能を強化する特徴で拡張し得る。例えば、
図15~16に示すように、把持部材は、旋回点642で二次把持部分640に旋回可能に接続された一次把持部分638を有する係合部材636の形態をそれぞれとることができる。一次把持部分638は、係合部材636が第2の位置(
図15)に移動されると、車輪付き移動装置42の側部と係合する。続いて、二次把持部分640は、旋回点642を中心に、引き込み位置または収納位置(
図15)から関節運動または係合位置(
図16)まで回転して、車輪付き移動装置42の前向きの表面または構造、例えば、車輪付き移動装置42の車輪の前面と係合し得る。この位置において、二次把持部分640は、車輪付き移動装置42としっかりと接触し、捕捉の安全性を向上させる。任意の数のアクチュエータまたは同様の構造を使用して、二次把持部分640を、回転式または線形アクチュエータなどの格納された位置と関節運動位置との間で移動させることができる。二次把持部分640は、通常の動作中に使用することができるか、またはばね力、空気圧、火工品、圧縮ガス容器または他の原動力によって事故中に所定の位置に急速に移動することができると考えられる。
【0045】
一次および二次把持部分の両方を有する他の実施形態が
図37~40に示されている。
図37~38において、把持部材2036の端部は、把持部材2036が車輪付き移動装置の側部と接触するように移動された後、
図38に示されるような車輪の前面のような、車輪付き移動装置の一部を捕捉するように動力を戻す、反転する引き込み式ペグ2040を含む。ペグ2040を様々な位置の間で移動させるために、任意の数のアクチュエータまたは他の機構を使用し得る。
図39~40において、把持部材2136は、その長さに沿って延在可能であり、その端部に固定ペグ2140を含み得る。車輪付き移動装置を係合する前に、把持部材2136は、拡張された状態(長い)に置かれる。把持部材2136が車輪付き移動装置の側部と係合するように配置された後、把持部材は引き込み位置(短い)に移動し、それによってペグは、
図40に示すような車輪の前面のような、前部などの車輪付き移動装置の前向き構造を捕捉する。線形アクチュエータを備えた伸縮機構などの任意の数の機構を使用して、把持部材2136を長くしたり短くしたりすることができる。
【0046】
一次および二次把持部分を有するのと同様の効果は、
図41~42に示されるように、内側に角度が付けられた係合面2240を備えた把持部材2236を介して達成することができる。例えば、係合面2240の第1の部分は、係合面2240の第2の部分よりも遠く離れていてもよく(すなわち、距離D
11>距離D
12)、第1の部分は、第2の部分の後方に配置される。このような構成では、車輪付き移動装置が前方に移動した場合に、車輪付き移動装置の側部のトラッピング力が増加する。
【0047】
別の実施形態において、把持部材は、装置の捕捉セキュリティを改善するために圧力ブラダーを備えていてもよい。例えば、
図17~18に示すように、各把持部材は、収縮状態(
図17)および膨張状態(
図18)を有する内圧ブラダー738を含む車輪付き移動装置係合部材736の形態をとることができる。係合部材736は、把持を強化するために、リブ、ラグ、およびノブ742などの輪郭が描かれた係合面740を有し得る。圧力ブラダーは、膨張すると、係合面の輪郭と、車輪スポークなどの車輪付き移動装置の様々な細部との間の係合を強化する。ブラダーシステムは非圧縮性流体を使用する場合があり、これは圧縮性流体よりも速い膨張とより良い固定を提供する。圧力ブラダー738は、通常の動作中に使用され得るか、または空気圧、火工品、圧縮ガス容器または他の原動力によって事故中に急速に膨張し得ることが企図される。代替の実施形態において、係合部材736の面740は、ブラダー738が収縮したときに平坦であり得、それにより、ブラダー738は、膨張したときに輪郭のある特徴742を形成する。
【0048】
さらに別の実施形態では、把持部材は、車輪付き移動装置の捕捉セキュリティを改善するために「相変化」ブラダーを備えていてもよい。例えば、
図19~20に示されるように、把持部材836はそれぞれ、係合面840にブラダー838を有することができる。ブラダー838は、
図20に示されるように、アームが車輪付き移動装置の側部に押し付けられている間、最初は柔らかく、および/または順応性があり、および/または形状が変化し得る。係合面840が車輪付き移動装置の側部の様々な輪郭の周りで変位すると、ブラダーの「位相」を変更して、硬化および/または不適合にし、および/または形状を固定することができ、それによって堅いトポグラフィが、ブラダー838を車輪付き移動装置42の表面の細部とかみ合わせるように、形成されている。
【0049】
「相変化」ブラダーは、流体が自由に移動または流動することを可能にし、ブラダーが車輪付き移動装置表面の形状または側面輪郭に一致するように形状を変化させることができる第1の条件を有する「スマート流体」を含み得る。「スマート流体」はまた、流体が自由に動くのを妨げられ、より粘性のある流体または粘弾性の固体のように、場合によっては固体のように振る舞う第2の条件を有し得る。第2の条件では、流体充填されたブラダーは、車輪付き移動装置表面の側部輪郭の山と谷と係合するように「ロック」されていると言うことができる。流体は、トリガーを介して第1の状態から第2の状態に変化し得る。一例として、ブラダー838は、
図20に示されるように、アームが車輪付き移動装置42の側部に押し付けられている間に容易に流れる磁気レオロジー流体で充填され得る。係合面840が車輪付き移動装置42の側部の様々な輪郭の周りに移動すると、磁気レオロジー流体がトリガーされ、特にエネルギーが与えられて、車輪付き移動装置42の表面の細部とかみ合う堅いトポグラフィを作成することができる。磁気レオロジー流体は、通常の動作中に通電することができるか、または事故の検出後に急速に通電することができることを企図される。よく知られているように、磁気レオロジー流体には、キャリア流体(例えば、鉱油、合成の、油、水、またはグリコール)中のマイクロメートルサイズの磁性(例えば、鉄)粒子と、鉄粒子の沈降を妨げる物質が含まれる。磁性粒子は、流体に磁場を加えると、通常は磁束の方向に直交して、繊維構造に整列する。これが、磁場のパワーと強度に比例して、流体の動きを制限する(例えば、粘度を上げる)。
【0050】
磁気レオロジー流体の代わりに、流れに対する抵抗が印加された電界によって変化される可能性がある電気粘性流体、鋭い力の適用から生じるせん断増粘特性を持つ非ニュートン流体、粒子が集合的に、WMDの側部プロファイルに略一致または対応する略剛性のある構造を集合的に形成するバキュームを使用して空気を排出することができる、小さなボールまたは略球形のビーズ(または、ポリスチレンボールまたはスタイロフォームを含むがこれらに限定されない、互換性のある形状、サイズ、および材料の他の構造、ビーズまたは粒子)で満たされた密封されたバッグ/ブラダーのような、他の「相変化」または「スマート」材料または流体を使用することができる。
【0051】
同様のスマート材料で充填されたブラダーを、車輪付き移動装置のバックおよび/またはヘッドレストに使用することができ、これにより、バックおよびヘッドレストは、車輪付き移動装置のベースおよび/または座席フレームおよび/または乗員の頭部の後ろに適合できる。
【0052】
さらに他の実施形態において、把持部材は、車輪付き移動装置の捕捉セキュリティを改善する様々な輪郭、ノブ、パドル、フィンガ、および他の把持部分または先端を含み得る。例えば、参照により組み込まれる米国特許出願公開第2010/0086375号に開示されているように、把持アームは、固定を改善するために車輪付き移動装置の細部とかみ合う複数のバネ負荷フィンガを含むことができる。ばねは、板ばね、コイルばね、または例えば穴がドリルされた剛性ブロックによってガイドされる係合ピンのマトリックスを押す他のメモリ装置の形で提供されることができる。例えば、
図43~46に示されるように、把持部材2336は、ガイドブロック2350、複数のピン2352、およびばね板またはマットレス2354を含むことができる。ガイドブロック2350は、ピン2352を受け入れる穴2356を備えている。ばね板2354は、複数のばねフィンガ2358を含む。各ピン2352の一端は、把持部材2336の係合面2340から外向きに延在し、ピン2352の他端は、ばね板2354上の対応するばねフィンガ2358に対して配置されている。ピン2352は、車輪付き移動装置を保護するために、ゴム引き布または他の好適な材料から構成される成形された可撓性表面膜によって覆われ得る。ブロック2350は、プラスチックまたは他の好適な材料で形成することができる。ピン2352は、鋼、プラスチック、または他の好適な材料で形成することができる。ばね板2354は、鋼または他の好適な材料で形成することができる。ピン2352は、ばね付勢をかける必要はなく、代わりに、ソレノイドまたは線形アクチュエータまたは他の移動機構を介して、それぞれが引き込み位置と拡張位置との間で移動可能であり得る。その点に関して、ピン2352は、ソレノイドまたは他の移動機構の状態に応じて、引き込み位置または拡張位置のいずれかに選択的にロックされ得る。
【0053】
いくつかの実施形態において、把持部材2336は、複数のピン2352が車輪付き移動装置の接触面の細部とかみ合った後、ピン2352の1つ、いくつか、ほとんど、またはすべてを所定の位置に保持するための1つ以上の「ロック」を備えてもよい。その点で、ピン2352を備えた把持部材2336は、上述のスマート材料で満たされたブラダーと同様の方法で動作し得る。より具体的には、把持部材2336は、ピン2352が外側にばね荷重され、把持部材2336と車輪付き移動装置が接触するように勢いが与えられると内側に移動するという第1の状態を有し得る。変位可能なピン2352のおかげで、把持部材は順応性であり、および/または車輪付き移動装置の側面の様々な輪郭の形状に概ね一致するように形状を変化させる。1つ以上のロックがかみ合うと、1つ以上のピンが所定の位置に固定され得る。その点で、把持部材2336の係合面は、「硬化」するか、不適合になるか、または固定形状になり、それによって、堅いトポグラフィが形成されて、把持部材2336を車輪付き移動装置表面の細部とかみ合わせる。把持部材2336は、車輪付き移動装置表面の側部輪郭の山と谷と係合するように「ロック」されていると言うことができる。ロックは、ばね付勢ピンに限定されず、ソレノイドまたは上記の他の移動機構の実施形態に組み込むことができる。
【0054】
ロックは、ソレノイド、線形アクチュエータ、または他の移動機構を介してピンと摩擦係合するように移動される摩擦ブレーキを含むがこれらに限定されないブレーキの形態をとることができる。
図60~61に示される別の実施形態では、ロックは、それぞれがピン2352を受容する複数の開口2372を備えたスライド式ロック板2370の形態をとる。開口2372の構成に応じて、ロック板2370は、ピン2352が開口2372に自由に出入りできるロック解除位置と、ピン2352が開口に自由に出入りすることができないロック位置との間で図示されるように横方向にスライドするように構成され得る。ピン2352のベースは、ロック板2370の開口2372のエッジを受容するように構成されたピン2352の長さに沿った複数のスロット2360を含み得る。その点で、ロック板2370は、
図60に最もよく示されているように、異なる程度に引っ込められて拡張された複数のピン2352をロックすることができる。図示される実施形態において、ピンの基部は、ロック板2372の厚さに等しいかわずかに長い距離だけ離隔された、その長さに沿って直径が増加した複数の円筒形フィン2364を備えた直径が減少されたシャフト2362を備える。スロット2360は、フィン2374間のスペースによって画定される。ロック板2370の開口2372は、フィン2364の増加した直径に等しいかまたはわずかに大きい直径を有する第1の円形穴2374と、シャフト2362の減少した直径に等しいかまたはわずかに大きい直径を有する第2の円形穴2376によって画定される。第1の円形穴2374および第2の円形穴2376は重なり合い、これにより、ロック板は、ピン2352が第1の円形穴2374の中心となるロック解除位置と、ピン2352が第2の円形穴2376の中心となるロック位置とを有することができる。
【0055】
別の実施形態では、ピンのロック力および付勢力は、空気圧または油圧で提供することができる。例えば、
図65に示されるように、ピン2852の各々は、シリンダ2860の長さに沿って、極限で完全に引き込まれた位置Aと完全に拡張された位置Cとの間に位置し、かつ移動可能であり得る。シリンダ2860を加圧および/または排気して、ピン2852の外向きの付勢を提供し、および/またはピン2852を引っ込めるための手段が提供され得る。より具体的には、複数のピン2852は、流体またはガスのシリンダ2860を排気することによって達成することができる完全に引き込まれた位置A(車椅子固定領域に入るときに車輪付き移動装置の障害物を排除する収納位置)を有し得、さらにシリンダ2860を流体またはガスで加圧することにより、完全に拡張された位置Cを有することができる。ピン2852のいくつかまたはすべては、障害物(例えば、車輪付き移動装置の側部)に遭遇する可能性があり、部分的に拡張された位置Bにのみ到達する可能性があり、それにより、複数のピン2852は、車輪付き移動装置の側部輪郭に一致または対応する。複数のピン2852が車輪付き移動装置の輪郭に一致すると、シリンダ2860は、ピン2852を所定の位置にロックする1つ以上のバルブ2880または流量制限器を介して、圧力源2870から個別にまたは集合的に隔離されることができる。
【0056】
別の実施形態では、
図21に示されるように、把持部材936は、横方向に移動および/または回転して椅子の形状に係合することができる、パドル940などの1つ以上の関節運動式輪郭適合部材を含むことができる。パドル940は、周囲の任意の点を含む、把持部材936上の任意の場所、または把持部材936の椅子係合面上に設けることができる。パドル940は、収納位置に突出することができ、把持部材の係合面によって画定される平面の後ろに引き込むことができ、または収納位置の把持部材936内に窪ませることができる。パドル940は、任意の形状をとることができ、動きを実現するための様々なアクチュエータまたは他の機構を備えることができる。代替的に、パドル940は、本質的に受動的であり、ばねを使用して拡張された位置に付勢をかけることができる。パドル940は、通常の動作中に使用することができるか、またはばね力、空気圧、火工品、圧縮ガス容器または他の原動力によって事故中に所定の位置に急速に移動することができることを企図される。
【0057】
図22に示される別の実施形態において、把持部材1036には、把持部材の長さに沿ってレールまたはチャネル1044内で長手方向に移動可能であり、車輪付き移動装置の一部を捕捉するための1つ以上の輪郭確認部材を備えて構成される車輪付き移動装置係合部材1040が設けられる。図示されるように、係合部材1040は、車輪付き移動装置上の車輪構造(例えば、ハブ)を捕捉するために半径方向に延びる複数のフィンガ1042を含む。フィンガ1042のそれぞれは、フィンガ1042が車輪構造を包み込むことを可能にするために、ジョイントまたはナックルによって分離された1つ以上のセグメントを有し得る。係合部材1040の動きを実施するために、様々なアクチュエータまたは他の機構を使用し得る。光学センサ、ビデオ分析、RFIDタグなどの様々なインテリジェントセンサ技術を単独で、または人工知能と組み合わせて使用して、車輪付き移動装置のモデルを識別し、および/または車輪の位置を特定し得る。車輪付き移動装置係合部材2440を備えた把持部材2436の代替の実施形態が
図47に示されている。係合部材2440は、係合部材1040と同様であり、ほとんど同じように機能するように設計されているが、より小さく、車輪のハブ中心を捕捉するように設計されている。
【0058】
図23に示されるさらに他の実施形態においては、車輪付き移動装置固定システムは、車輪付き移動装置を固定するように構成された1つまたは一連のロボットアーム、例えばアーム1136、1138の形態をとり得る。アーム1136、1138は、1つ以上の軸の周りの回転を可能にするジョイント1140、1142によってそれぞれが分離された1つ以上のセグメントを含み得る。アームはまた、各アームの長さを延長または短縮することを可能にする伸縮セグメントまたは他の長さ変更構造を含み得る。光学センサ、ビデオ分析、RFIDタグなどの様々なインテリジェントセンサ技術を単独で、または人工知能と組み合わせて使用して、椅子またはその構成を識別でき、これにより、図示するように、アームを収納位置から適切な固定位置にガイドでき得る。アームの1つ以上は、フレーム部材、指定された接続点、または係合部材1040および2440が
図22および
図47に示すように車輪ハブを捕捉することができるか、または把持ハンド2640が
図48に示すように、フレーム部材および指定された接続点を把持することができる。係合部材1040および2440は、通常の動作中に使用され得るか、またはばね力、空気圧、火工品、圧縮ガス容器または他の原動力によって事故中に所定の位置に急速に移動し得ることが企図される。
【0059】
さらに他の実施形態において、
図1~23および31~47の把持部材によって提供される固定は、車両の床に面一または非常に低い輪郭で収容することができる、
図24~25に示される把持部材1236、1238を使用することによって交換または補足することができる。把持部材1236、1238は、収納位置から、車輪付き移動装置42としっかりと接触する係合位置に移動し、摩擦係合による移動を防止するように構成される。例えば、把持部材1236、1238には、様々なアクチュエータまたは他の移動機構(例えば、4バー機構)が設けられ得、把持部材1236、1238を、それらが車輪付き移動装置42の車輪の内側エッジ、または車輪付き移動装置42の他の内向きの面としっかりと接触するまで上向きおよび外向き方向に展開させる。把持部材1236、1238は、車輪付き移動装置42の下側との衝突を回避し、床近くの車輪を安定させるために、低いままである。車輪付き移動装置の外面と係合する
図1~23の把持部材と組み合わせると、把持部材1236、1238は、外部把持部材に安定化および反力を提供する。把持部材1236、1238によって提供される安定化および反力は、車輪付き移動装置に損傷を与えることなく、外部把持部材がより高い力レベルで圧迫することを可能にし得る。二次把持部材1236、1238は、通常の動作中に使用され得るか、またはばね力、空気圧、火工品、圧縮ガス容器または他の原動力によって事故中に急速に所定の位置に移動し得ることが企図される。
【0060】
車輪付き移動装置の捕捉セキュリティをさらに改善するために、上述のものを含むセンサの様々な組み合わせを提供して、とりわけ、車両内の車輪付き移動装置の正確な位置、車輪付きのモデルまたはタイプ、または車輪付き移動装置と乗客の個々のおよび合計重量、さらには車輪付き移動装置が移動しているか静止しているかを決定する。車輪付き移動装置はまた、輸送中の動きについて監視され得、過度の動きが検出された場合、または車輪付き移動装置固定システムの他の障害が検出された場合、例えば、車両オペレータに警告が提供され得る。例えば、
図26に示されるように、位置センサパッド1300は、車輪付き移動装置ステーションが車輪付き移動装置で占有されているとき、車輪付き移動装置がステーション内に配置されていると、車輪付き移動装置および乗客の合計の重量、車輪付き移動装置が静止しているか移動しているか、および車輪付き移動装置が適切な固定位置にあるかどうかを決定するために設けられ得る。例えば、車輪番号および位置1302、1304、1306、1308に基づいて、センサパッド1300は、ステーション内のアイテムのタイプを示すデータを提供することができる。特に、パッド1300は、単一の一元の感圧シート、または感圧ストリップまたはポイントのアレイの形態をとることができる。
【0061】
別の実施形態において、車両内の把持部材1436、1438、または他の構造は、車輪付き移動装置上の様々な表面の存在を感知し、その位置を検出するために、1つ以上の近接センサ1440、1442を備えることができる。
図27に示すように、把持部材1436、1438上に存在する場合、把持部材1436、1238は、センサ1440、1442がアイテムの存在を感知したときに反応して、車輪付き移動装置を把持するか、または邪魔なアイテムとの接触を避ける。
【0062】
図28~29に示されるさらに他の実施形態において、車両内の把持部材1536、1538、1636、1638、または他の構造には、プロジェクタが把持部材のうちの1つに配置され、対応する受信機が反対側の把持部材に配置され、車輪付き移動装置の存在を感知し、位置を検出する、1つ以上の赤外線ビームプロジェクタおよび受信機が提供され得る。赤外線ビームプロジェクタには、垂直方向に延びるアレイ1540、長手方向に延びるアレイ1640、横方向に延びるアレイ(図示せず)(例えば、プロジェクタまたは受信機のうちの1つ以上が、部材1536、1538の間のステーションの後部、例えば背もたれ上に配置される)、またはそれらのアレイの組み合わせが提供され得る。赤外線ビームプロジェクタは、車輪付き移動装置の前部、後部、および側部の位置を識別するように構成および配置され得る。
【0063】
近接センサ1440、1442およびIRアレイ1540、1640はまた、車輪付き移動装置の側部プロファイルを決定するために使用することができ、これは、その後、固定面の形状が車輪付き移動装置の側部面プロファイルに一致するように、固定部材の固定面を準備するために使用することができる。これは、固定部材の長さに沿って配置された複数の拡張部材(例えば、膨張可能なベローズ)を使用することによって、または横方向または回転方向に、あるいはその両方で互いに移動可能な複数のセグメントを有する固定部材を使用することによって行うことができる。
【0064】
図49に示されるように、固定部材は、ばね力、空気圧、火工品、圧縮ガス容器または他の原動力などの様々な速効型装置を提供され得、これにより、固定部材は、追加の圧搾力および/またはWMDの固定を、不利な運転条件での回転下降力、例えばバスが交通サークルを周回するときや高速フリーウェイのオンランプを通り抜けるときに見られるような、長距離の操縦負荷中に、改善する。衝突時の安全性と安全性を向上させる手段として、衝突時に、車輪付き移動装置に損傷を与える可能性がある場合でも、より高い追加の力を加えることができる。
【0065】
図50に示されるように、一実施形態において、(A)床面接触、(B)バックレスト接触、および(X)調整可能な第3のポイント固定という、3つの主要な接触点があり得る。転倒を防ぐために、ポイントXを車輪の車軸線より上に配置し、固定部材の端に車輪の上部に折りたたむ付属物を設けることができる。いずれにせよ、自律型システムは、固定される車輪付き移動装置および/または乗員のタイプ、構成、位置、および重量を示す様々なセンサから得られた情報を使用することができ、(1)理想位置を見つけるために固定部材が接触するための車輪付き移動装置上の位置を探し、(2)固定部材にその場所に移動するように指示する。
【0066】
図51に示されるように、固定部材は、ロックまたは摩擦機構を含むことができ、その結果、それらは、横方向の荷重を受けて、側方着座ステーションにおいて装置を捕捉することができる。
【0067】
図52に示されるように、固定システムは、WMDの存在を検出し、歩行可能な乗客のために座席(例えば、電動座席)を自動的に折りたたんで、固定領域をクリアし、固定の準備をするように構成することができる。このシステムには、着席している乗客にWMDの存在を通知し、領域をクリアする必要があることを通知する視覚(光)、聴覚(音)、または触覚インジケータ(座席振動器)を含めることもできる。
【0068】
図53に示されるように、固定システムは、1つ以上のセンサを組み込み得、WMD上の任意の場所に配置され得るQRコードまたはバーコードまたはRFID技術を使用することによって、WMDの存在およびタイプを識別し得る。固定システムは、WMDの製造元またはその他のラベルを読み取ることもできる。車両は、WMDが搭乗し、車椅子ステーションへのアクセスが必要であることを示す無線通知を、WMDと乗客の個人および/または合計重量、さらにピックアップとドロップオフの場所などの他の情報とともに、事前に中央ディスパッチから受信することもできる。特定の種類のWMDには、適切な準備が行われるように、中央ディスパッチから通知が送信されることができる。
【0069】
固定システムは、車両からインフラストラクチャへの接続、または車両から車両への通信システムへの接続用に構成することもでき、それにより、固定システムは、固定される予定のWMDおよびその乗客の特徴を事前に識別することができる。例えば、セキュリティシステムは、自動運転システム、ロボット操作ソフトウェア、または協調自動化研究移動アプリケーションと互換性があるか、一方向または双方向の通信を行うように構成できる。
【0070】
図54に示されるように、固定システムは、WMDの存在およびタイプを識別するために1つ以上のセンサを組み込んでいる。この情報は、車両から中央のディスパッチ施設に無線で送信され、そこで処理され得る。占有情報は、アプリ、電子メール、テキストなどを介して他のトランジットユーザに再配布し、旅行計画を支援することができる。待機中の乗客は、輸送効率を向上させながら、ルート計画や車両準備を支援するために車椅子ステーションの使用を予約できる。待機中の車椅子ユーザは、搭乗を計画している特定の車両ですべての車椅子ステーションが占有されていることを確認したら、他のオプションを選択できる。
【0071】
図55~57に示されるように、固定システムは、車輪付き移動装置および乗客の一方または両方のための緩衝エアバッグを装備することができる。車両またはシステムによって提供される様々なセンサ(例えば、加速度計)のいずれかから衝突信号を受信した後、バックレスト、フロントバリア、固定部材、または車両内の他の構造に配置されたエアバッグは、エネルギーを吸収し、かつ車椅子の乗員を保護するために遭遇した事故の種類によって、様々な方法で展開され得る。
【0072】
図58に示すように、固定部材は、ポールまたはバリアに取り付けることができる。WMDの存在を感知すると、固定領域を空けて(座席を上げる)、固定部材を所定の位置に操作することができる。固定部材は、図示されているように、その基部に配置された軸を中心に回転することができ、または固定部材の長さに沿った任意の場所に配置された軸に沿って回転することができる。さらに、回転軸は、固定部材の長さに沿って移動可能であることができる。そのような実施形態では、固定部材は、固定部材がWMDに接触するための好適な位置を決定するインテリジェントシステムでの使用に適している(上記の
図50を参照)。さらに、ポールの通路側に取り付けて示されているが、ポールの壁側に取り付けることもできる。
【0073】
図59は、例示的な実施形態を自動化することができるシステム2500を示している。システム10は、上および下で説明されるプロセスのいくつかまたはすべてを実行することができるコンピューティング装置2510を含み得る。コンピューティング装置2510は、プロセッサ2520、記憶装置2540、保護された入力/出力(I/O)インターフェース20、および通信バス2570を含み得る。バス2570は、既知の技術に従って、プロセッサ2520とコンピューティング装置2510の構成要素とに接続し、それらの間の通信を可能にする。一部のシステムでは、複数のコンピューティング装置が存在する場合があり、一部のコンピューティング装置では、複数のプロセッサが組み込まれている場合があることに留意されたい。
【0074】
プロセッサ2520は、バス2570を介して記憶装置2540と通信する。記憶装置2540は、直接アクセス可能なランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリなどのようなメモリを含み得る。記憶装置はまた、ハードディスク(内部または外部であり得る)などの二次記憶装置を含み得、これは、当技術分野で知られ、慣習的であるように、追加のインターフェースハードウェアおよびソフトウェアでアクセス可能である。コンピューティング装置2510は、複数のメモリ(例えば、RAMおよびROM)、複数の二次記憶装置、および複数のリムーバブル記憶装置(例えば、USBドライブおよび光学ドライブ)を有し得ることに留意されたい。
【0075】
コンピューティング装置2510はまた、電話、ケーブル、または無線モデム、ISDNアダプタ、DSLアダプタ、ローカルエリアネットワーク(LAN)アダプタ、またはその他の通信チャネルなどの通信アダプタ2550を介して、他のコンピューティング装置、コンピュータ、ワークステーションなどまたはそれらのネットワークと通信することができる。コンピューティング装置2510は、必要な通信接続を行うために複数の通信アダプタ(例えば、電話モデムカードおよびLANアダプタ)を使用することができることに留意されたい。コンピューティング装置2510は、LANまたはWAN内の他のコンピューティング装置に関連付けられ得る。これらすべての構成、ならびに適切な通信ハードウェアおよびソフトウェアは、当技術分野で知られている。
【0076】
コンピューティング装置2510は、オペレーティングシステムソフトウェアおよびアプリケーションソフトウェアなどのソフトウェアを実行するための機能を提供する。このようなソフトウェアはタスクを実行し、このコンピューティング装置や他のコンピューティング装置上の様々なソフトウェアコンポーネントと通信する場合があることに留意されたい。当業者によって理解されるように、本明細書に記載されるようなコンピュータプログラムは、通常、コンピュータ使用可能な媒体またはプログラムコードを含むまたは格納する媒体を有するコンピュータプログラム製品の一部として配布される。このような媒体には、コンピュータメモリ(RAMおよび/またはROM)、ディスケット、テープ、コンパクトディスク、DVD、集積回路、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、通信回路を介したリモート送信、セルラーネットワークなどの無線ネットワークを介した、または適切なアダプタインターフェースの有無にかかわらずコンピュータで使用可能なその他のメディアを介したリモート送信が含まれ得る。
【0077】
コンピューティング装置2510は、WMD固定システムに搭載されていてもよく、または車両内または他の場所に離れて配置されていてもよい。全般的に、コンピューティング装置2510は、本明細書に記載の固定システムなどの固定システムにおける車輪付き移動装置の固定における1つ以上のステップを自動化するように構成されたコンピュータプログラム製品にプログラムされるか、またはコンピュータプログラム製品を含む。コンピューティング装置2510は、機械語で動作し、1つ以上のセンサ、装置、または車輪付き移動装置または固定システムに関連する外部ソース(総称して2560)から情報、信号、データ、または入力を受信して、固定プロセスに通知することができる。コンピューティング装置は、含んでいる、記憶装置2540および/または1つ以上の通信アダプタ2550、車両2595、およびユーザパネル2590から追加の情報、信号、データ、または入力を受信し得る。次に、コンピューティング装置2510は、適切なアクションを決定し、指定された出力を介してそれらを開始し得る。例えば、コンピューティング装置2510は、信号の形で、照明、可聴アラームおよび付属品、ならびにモータ制御(総称して2580)などの固定システム内の様々なコンポーネントに、コンピュータプログラム製品に含まれる論理アルゴリズムに従って命令を発行することができる。
【0078】
プロセッサ2520は、1つ以上のインターフェースパネル2590を介して車両オペレータと通信することができる。パネル2590は、信号を生成するコマンドスイッチまたはボタン、ならびにインジケータライト、可聴アラーム、音声、およびオプションのテキストまたはタッチ感知機能を備えた完全なグラフィックディスプレイを含むことができる。パネル2590は、壁に取り付けられたユニット、有線または無線のリモコン、あるいはタブレットまたはiPhoneなどのモバイル装置上で実行されるアプリケーションでさえあり得る。コンピューティング装置2510はまた、車両のコントローラ2595と直接通信して、固定システムの状態に関する情報を送信すること、ならびに車両の状態に関する情報を受信することもできる。コンピューティング装置2510はまた、通信アダプタ2550を介して中央監視設備と通信することができる。
【0079】
コンピューティング装置2510の実施形態は、車両停止、車両ニュートラル(ギアはずし、駐車中、電源断など)、車両ブレーキの適用、車両ドアの開放、加速/減速(3軸すべてに沿って)、物体からの距離(3軸すべてに沿って)、速度(3軸すべてに沿って)、車両から入手され得ることがよく知られている他の情報の中でも、衝撃のモーメント、衝撃の発生率、衝撃の推定時間のような、車両状態のうちの1つ以上を示す、車両コントローラまたは車両衝突検出システム2595からの1つ以上の入力を受信するように構成され得る。固定システムは、それ自体の車両衝突検出システム、ソナーシステム、加速度計、および/またはジオロケーション機器(例えば、gps)を含み得、そこから関連情報を取得することが企図されている。
【0080】
コンピューティング装置2510の実施形態はまた、車両上に存在する車輪付き移動装置を示す1つ以上のセンサまたは他の装置2560から1つ以上の入力を受信するように構成され得る。それらのセンサまたは装置2560は、床圧センサ1300、IRビーム1540、1640、WMDマウントまたは乗員保持RFIDタグ、WMDマウントまたは乗員保持QRまたはバーコード、および/またはカメラおよび画像認識ソフトウェアを含み得る。
【0081】
コンピューティング装置2510の実施形態はまた、WMD固定システムの占有状態および/または車両/WMD固定システムにおけるWMDの位置を示す1つ以上のセンサまたは他の装置2560から1つ以上の入力を受信するように構成され得る。それらのセンサまたは他の装置2560は、床圧センサ1300、IRビーム1540、1640、WMDマウントまたは乗員保持RFIDタグ、WMDマウントまたは乗員保持QRまたはバーコード、および/またはカメラおよび画像認識ソフトウェアを含む。
【0082】
コンピューティング装置2510の実施形態はまた、固定されている車輪付き移動装置および乗客のタイプ、サイズ、および/または個々のまたは組み合わされた重量を示す1つ以上のセンサまたは他の装置2560から1つ以上の入力を受信するように構成され得る。それらのセンサまたは他の装置2560は、床圧センサ1300、IRビーム1540、1640、WMDマウントまたは乗員保持RFIDタグ、WMDマウントまたは乗員保持QRまたはバーコード、および/またはカメラおよび画像認識ソフトウェアを含む。
【0083】
コンピューティング装置2510の実施形態はまた、WMD固定システムの把持部材または他の構成要素の位置および/または展開状態を示す1つ以上のセンサまたは他の装置2560から1つ以上の入力を受け取るように構成され得る。それらのセンサまたは装置2560は、モータ電流センサ(例えば、把持部材モータ用)、IRビーム1540、1640、近接センサ1440、1442、カメラおよび画像認識ソフトウェア、圧搾力センサ、および/またはアーム位置センサを含み得る。検出された展開ステータスには、引き込み位置または収納位置、拡張位置または固定位置(WMDに接触)、または任意の中間位置(WMDから離れている、固定されていない状態でWMDに接触しているなど)が含まれ得る。
【0084】
コンピューティング装置2510の実施形態はまた、車両の輸送中のWMDの動きを示す1つ以上のセンサまたは他の装置2560から1つ以上の入力を受信するように構成され得る。それらのセンサまたは装置2560は、モータ電流センサ(例えば、把持部材モータ用)、IRビーム1540、1640、近接センサ1440、1442、カメラおよび画像認識ソフトウェア、圧搾力センサ、張力センサ(車椅子台ダウン上のものを含む)、および/またはアーム位置センサを含み得る。輸送中の異なる時間にそれらの装置から受信した信号に基づいて、コンピューティング装置は、動きを検出し、視覚的、聴覚的、または触覚的警告を介して車両オペレータに警告することができる。
【0085】
コンピューティング装置2510の実施形態はまた、輸送中の圧搾力の喪失を示す1つ以上のセンサまたは他の装置2560から1つ以上の入力を受信するように構成され得る。それらのセンサまたは装置2560は、モータ電流センサ(例えば、把持部材モータ用)、IRビーム1540、1640、近接センサ1440、1442、カメラおよび画像認識ソフトウェア、圧搾力センサ、および/またはアーム位置センサを含み得る。この場合も、コンピューティング装置は、固定システム内のこれらの障害を検出し、視覚的、聴覚的、または触覚的な警告を介して車両オペレータに警告することができる。
【0086】
コンピューティング装置2510の実施形態はまた、把持アーム経路に障害物がないかどうかを示す1つ以上のセンサまたは他の装置2560から1つ以上の入力を受信するように構成され得る。それらのセンサまたは装置2560は、床圧センサ1300、IRビーム1540、1640、モータ電流センサ(例えば、把持部材モータ用)、カメラおよび画像認識ソフトウェア、圧搾力センサ、および/またはアーム位置センサを含み得る。
【0087】
コンピューティング装置2510の実施形態はまた、把持部材と車輪付き移動装置との間の距離を示す1つ以上のセンサまたは他の装置2560から1つ以上の入力を受信するように構成され得る。それらのセンサまたは装置2560は、床圧センサ1300、IRビーム1540、1640、近接センサ1440、1442、カメラおよび画像認識ソフトウェア、および/またはアーム位置センサを含み得る。
【0088】
特に、コンピューティング装置2510は、感知されたパラメータに基づいて様々なパラメータを計算する能力を有する。例えば、車輪付き移動装置の位置と把持部材または他のWMD固定システムコンポーネントの位置を感知するように構成されたシステムは、それらの間の距離を検出するための別個のセンサを必要としないでその距離を計算することができる。同様に、把持部材と把持部材との間の距離が感知される場合、システムは、一方の位置を感知するように構成されるだけでよく、他方の位置を計算することができる。
【0089】
コンピューティングシステム2510は、WMDが車両に入るとき、または固定領域に入るときを検出し、固定のためにシステムおよび/または固定領域を準備することによって応答するように構成することができる。例えば、コンピューティングシステム2510は、床領域が明確であるかどうかを検出し、そうでない場合、床領域が明確でないことを視覚的、聴覚的、または他の感覚的に通知することができる。別の例として、コンピューティングシステム2510は、歩行可能な乗客の座席が空いているか、および/または引き込み位置に移動しているかどうかを検出し、そうでない場合、同じことの視覚的、聴覚的または他の感覚的通知を提供することができる。別の例として、WMDが車両に入ったことを検出することに応答して、コンピューティングシステムは、座席をトリガーして引き込み位置に後退させ、オプションで、座席が動いていることを着席した乗客に視覚的、聴覚的、または振動的警告を提供することができる。
【0090】
コンピューティングシステム2510はまた、WMDが固定のための正しい位置にあることが検出または決定されると、固定シーケンスを開始するように構成することができる。例えば、コンピューティングシステム2510は、WMDの位置を検出し、WMDが横方向および縦方向の両方で中心から外れているかどうかを決定することができる。中心からの距離が所定の閾値を超える場合、コンピューティングシステム2510は、固定シーケンスを終了し、視覚的、聴覚的、または振動的な警告を提供することができる。中心からの距離が所定の閾値内にある場合、コンピューティングシステム2510は、固定シーケンスを続行し、オプションで、中心から外れた位置に収容または適応するようにシーケンスを調整することができる。例えば、固定部材の独立した制御を提供するシステムでは、固定部材は、WMDの非対称の位置に対応するために、独立して(一方が他方よりも)移動することができる。
【0091】
コンピューティングシステム2510はまた、完全に自律的な固定のために構成することができる。そのようなコンピューティングシステムは、WMDが車両に入るとき、および/または固定領域に入るときを検出することができる。次に、コンピューティングシステムは、固定システムと固定領域を準備できる。コンピューティングシステムは、WMDが固定領域に適切に配置されているかどうかを検知できる。コンピューティングシステムは、WMDが静止しているかどうかを感知できる。次に、コンピューティングシステムは、固定部材の経路が明確であるか否かを感知できる。これらの基準の1つ以上またはすべてが満たされていると仮定すると、コンピューティングシステムは、WMD乗客の車両係員からの入力を必要とせずに、固定システムをアクティブにして固定部材を所定の位置に移動できる。
【0092】
コンピューティングシステム2510はまた、上記のように、WMDおよび乗客の様々な特徴を示す情報を検出および/または受信するように構成され得る。それに応じて、コンピューティングシステムは、固定部材がWMDに接触したとき、WMDに加えられる力、固定部材の形状(例えば、WMDの側部プロファイルに一致する)、固定部材の位置など、固定部材の様々な特性を調整し、さらにどの固定装置および/または安全装置を使用するかを調整するように構成される。コンピューティング装置2510は、任意の所与のタイプまたはモデルのWMD、または任意の特定の乗客に理想的な固定特徴を提供する、ローカルまたはリモートに格納されたデータベースまたはルックアップテーブルをチェックするようにプログラムすることができる。
【0093】
WMDが固定されると、コンピューティング装置には、固定システムからのWMDの解放を防ぐインターロックが含まれる可能性がある。例えば、コンピューティング装置は、車両が安全に停止されているかどうかを示す第1の信号を受信することができる。コンピューティング装置はまた、オプションで、乗客が車両を降りるための修正位置を示す第2の信号を受信することができる。コンピューティング装置は、車両が安全に停止されない限り、および/または乗客が降車するのに適切な場所に車両が配置されていない限り、システムの解除を防止する。自律型システムにおいて、コンピューティング装置は、車両が安全に停止し、乗客が降車するのに適切な場所に車両が配置されたときに、固定システムをトリガーしてWMDを解除する。
【0094】
また、WMDが固定されると、コンピューティング装置は、不利な運転状態を感知するように、および/または不利な運転状態を示す1つまたは複数の信号を受信するように構成され得る。そのような情報を取得すると、コンピューティング装置は、車椅子の追加の固定のために1つ以上の補足的な安全システムを作動させることができる。これには、追加の圧搾力および/または固定部材への下向きの動きまたは回転の提供、固定部材内のブラダーの膨張、固定部材内に存在する磁気レオロジー流体へのエネルギー供給、所定の位置への移動、固定部材にある様々な輪郭、ノブ、パドル、フィンガ、およびその他の把持部分と四肢を固定部材に移動し、車輪ハブ、WMD車輪の内向きの表面に係合する補助把持部材、エアバッグなど、WMDの様々な構造を捕捉する上述の様々な安全システムが含まれ得る。
【0095】
コンピューティング装置2510は、把持部材がそれらの第1の格納された位置からそれらの第2のWMD係合位置に移動する「圧搾」プロセスを制御するようにプログラムされ得る。コンピューティング装置2510はまた、把持部材が第2のWMD係合位置に移動された後、十分な「圧搾力」を維持するようにプログラムされ得る。そのようなプロセスにおいて、コンピューティング装置2510は、把持部材のためにモータコントローラ(構成要素2580内に含まれる)に信号を送信する。モータ電力回路は、モータ電流を反映する情報をプロセッサ2520に送り返す電流感知ハードウェア(センサ2560内に含まれる)によって監視される。プロセッサ2520は、そのモータ電流情報を把持部材の相対移動力に変換し、それらを記憶装置2540に格納された事前にプログラムされた最小値および最大値と比較する。通常の値を超えた場合、または達成されなかった場合、プロセッサは特定の応答の範囲から最適な反応を開始する。応答は、安全を確保し、WMDおよびWMD固定装置への損傷を防ぐように設計されている。応答を開始するとともに、プロセッサ2520は、関連するエラーコードを記憶装置2540に格納する。プロセッサ2520は、エラーコードのタイプ、現場でのサービスの期間、実際の操作に費やされた時間、または記録された動作サイクルの数に基づいて、サービス検査を呼び出すことができる。
【0096】
本明細書に記載し、主張した発明は、特定の実施形態を参照してかなり詳細に記載されているが、当業者は本明細書に記載し、主張した発明を、限定目的ではなく、例示目的で提示したこれらの実施形態以外によっても実施できることを理解するであろう。従って、添付の特許請求の範囲の精神および範囲は、本明細書に含まれる実施形態の説明に限定されるべきではない。
【0097】
さらに、簡単にするために、アーム、フィンガ、関節、四肢、および他の用語という用語は、車輪付き移動装置固定システムの様々な実施形態を構成する様々な構造を指すために、特許請求の範囲を含めて本明細書で使用され得る。これらの用語が特定の形状および構成を暗示する限り(例えば、構造が人間の付属物に類似している)、特定の形状または構成が特許請求の範囲で具体的に述べられていない限り、特許請求の範囲はそのように限定されることを意図しない。
【国際調査報告】