IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 江▲蘇▼多▲維▼科技有限公司の特許一覧

特表2022-524988磁気抵抗センサ・クロスポイント・アレイに基づくデジタル液位センサ
<>
  • 特表-磁気抵抗センサ・クロスポイント・アレイに基づくデジタル液位センサ 図1
  • 特表-磁気抵抗センサ・クロスポイント・アレイに基づくデジタル液位センサ 図2
  • 特表-磁気抵抗センサ・クロスポイント・アレイに基づくデジタル液位センサ 図3
  • 特表-磁気抵抗センサ・クロスポイント・アレイに基づくデジタル液位センサ 図4
  • 特表-磁気抵抗センサ・クロスポイント・アレイに基づくデジタル液位センサ 図5
  • 特表-磁気抵抗センサ・クロスポイント・アレイに基づくデジタル液位センサ 図
  • 特表-磁気抵抗センサ・クロスポイント・アレイに基づくデジタル液位センサ 図6
  • 特表-磁気抵抗センサ・クロスポイント・アレイに基づくデジタル液位センサ 図7
  • 特表-磁気抵抗センサ・クロスポイント・アレイに基づくデジタル液位センサ 図8
  • 特表-磁気抵抗センサ・クロスポイント・アレイに基づくデジタル液位センサ 図9
  • 特表-磁気抵抗センサ・クロスポイント・アレイに基づくデジタル液位センサ 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-11
(54)【発明の名称】磁気抵抗センサ・クロスポイント・アレイに基づくデジタル液位センサ
(51)【国際特許分類】
   G01F 23/62 20060101AFI20220428BHJP
【FI】
G01F23/62 P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021552572
(86)(22)【出願日】2020-02-26
(85)【翻訳文提出日】2021-10-26
(86)【国際出願番号】 CN2020076803
(87)【国際公開番号】W WO2020177595
(87)【国際公開日】2020-09-10
(31)【優先権主張番号】201910160547.0
(32)【優先日】2019-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514116947
【氏名又は名称】江▲蘇▼多▲維▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】MULTIDIMENSION TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Building E, No. 7 Guangdong Road, Zhangjiagang Free Trade Zone, Jiangsu 215634, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ディーク、ジェイムズ ゲーザ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィスヴァナタン、エラムパリティ
【テーマコード(参考)】
2F013
【Fターム(参考)】
2F013AA05
2F013BC04
2F013BG01
2F013CA30
2F013CB02
(57)【要約】
磁気抵抗センサ・クロスポイント・アレイに基づくデジタル液位センサであって、複数のTMR磁気センサ・チップと、マイクロコントローラ、行デコーダ、および列デコーダであって、マイクロコントローラは行デコーダおよび列デコーダに電気的に接続され、TMR磁気センサ・チップは複数のMTJ素子を備え、ダイオードはMTJ素子の各行と行リードまたは列リードとの間で接続され、TMR磁気センサ・チップは行デコーダおよび列デコーダによりデコードされたデータによって、ならびにAddress=m+[Mx(n-1)]という式に基づいてアドレス指定され、Addressはアドレス値を表し、mは現在行の値を表し、マイクロコントローラは、最も高い作動状態のMTJ素子のアドレスについてTMR磁気センサ・チップのアドレスを走査し、アドレス値をそれと線形比例関係で液位値に変換し、液位値を出力インターフェースへ伝達するために用いられる、マイクロコントローラ、行デコーダ、および列デコーダと、永久磁石および保護管と、を備えるデジタル液位センサを開示する。センサ素子の消費電力は、毎回たった1つのセンサ・チップ素子に電力供給することによって大きく最小化される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気抵抗センサ・クロスポイント・アレイに基づくデジタル液位センサであって、
PCBボードと、
該PCBボード上に設けられた複数のTMR磁気センサ・チップと、
MおよびNを1以上の整数として該PCBボード上に設けられたM個の行リードおよびN個の列リードと、
該PCBボード上に設けられたマイクロコントローラと、行デコーダおよび列デコーダと、
永久磁石と、
該PCBボードを取り囲む保護管と、を備え、
該マイクロコントローラは、該行デコーダおよび該列デコーダに電気的に接続され、
該列デコーダは、該列リードを介して該TMR磁気センサ・チップに接続され、
該行デコーダは、該行リードを介して該TMR磁気センサ・チップに接続され、
各該TMR磁気センサ・チップは、複数のMTJ素子を備え、該MTJ素子はM行およびN列のMTJ素子アレイの中に電気的に接続され、
ダイオードは、MTJ素子の各行と行リードまたは列リードとの間で接続され、
該TMR磁気センサ・チップは、該行デコーダおよび該列デコーダによりデコードされたデータによって、ならびにAddress=m+[Mx(n-1)]という式に基づいてアドレス指定され、ただし、Addressはアドレス値を表し、mは1≦m≦Mの範囲で現在行の値を表し、nは1≦n≦Nの範囲で現在列の値を表し、
該マイクロコントローラは、最も高い作動状態のMTJ素子のアドレスについて該TMR磁気センサ・チップのアドレスを走査し、該アドレス値をそれと線形比例関係で液位値に変換し、該液位値を出力インターフェースへ伝達するために用いられ、
該永久磁石は、該PCBボードの長軸方向に沿って移動するとともに、該永久磁石の近くでMTJ素子の磁場状態を変化させる磁性の浮きに取り付けられ、該磁性の浮きは、該液位センサが沈められている液体の表面に対して浮く、
デジタル液位センサ。
【請求項2】
前記TMR磁気センサ・チップごとのMTJ素子の各行の一端は、列リードに接続された1つまたは複数の列リード・パッドに電気的に接続され、
MTJ素子の各行の他端は、行リード・パッドに電気的に接続される、
請求項1に記載のデジタル液位センサ。
【請求項3】
MTJ素子の各行は、MTJ素子、または直列に接続された少なくとも2つのMTJ素子を含むMTJ素子ストリングを含む、
請求項2に記載のデジタル液位センサ。
【請求項4】
前記PCBボードは、フレキシブルPCBボードである、
請求項1に記載のデジタル液位センサ。
【請求項5】
前記TMRセンサ・チップは、リード・ボンディングまたはチップ・フリップによって前記PCBボードに接続され、線形または双極性の応答を有する、
請求項1に記載のデジタル液位センサ。
【請求項6】
前記ダイオードは、前記TMR磁気センサ・チップに一体化され、MTJ素子の各行と該行に設けられた前記行リード・パッドとの間で直列に接続される、
請求項3に記載のデジタル液位センサ。
【請求項7】
前記ダイオードは、前記TMR磁気センサ・チップに一体化され、MTJ素子の各行とそれに電気的に接続された前記列リード・パッドとの間で直列に接続される、
請求項3に記載のデジタル液位センサ。
【請求項8】
行選択MOSFET、列選択MOSFET、および比較回路をさらに備え、
該行選択MOSFETのドレインは、行リードに電気的に接続され、
該行選択MOSFETのゲートは、前記行デコーダの出力端に接続され、
該行選択MOSFETのソースは、第1の抵抗器R1の一端および該比較回路の第1の入力端に直列に接続され、
該行選択MOSFETと第1の抵抗器R1との間の電気ノードは、出力電圧Voutとして出力され、
第1の抵抗器R1の他端は、電源電圧VCCに接続され、
前記列デコーダは、該列選択MOSFETのゲートに電気的に接続され、
2つの第2の抵抗器R2は、該電源電圧VCCとグラウンドとの間で直列に接続され、
該2つの第2の抵抗器R2の中間点は、基準電圧Vrefを出力し、該比較回路の第2の入力端に接続され、
該比較回路の出力端は、前記マイクロコントローラに電気的に接続され、
該比較回路は、出力電圧Voutが基準電圧Vrefよりも小さいときに高レベル信号値を出力し、出力電圧Voutが基準電圧Vref以上であるときに低レベル信号値を出力し、
前記出力レベル信号値は、アドレス指定されている前記TMRセンサ・チップ内の前記MTJ素子の作動値を表す、
請求項2に記載のデジタル液位センサ。
【請求項9】
MTJ素子が作動されておらず、前記磁性の浮きが最も低いポジションで前記センサを通過するときに、液位をゼロ充填レベル状態に設定するゼロ液位設定装置をさらに備える、
請求項1に記載のデジタル液位センサ。
【請求項10】
永久磁石により発生される磁場が、2つのMTJ素子間の間隔よりも大きいが3つのMTJ素子間の間隔よりも小さい距離で前記MTJ素子を作動させ、充填レベル値は、2つMTJ素子間に永久磁石を挿入することによって計算される、
請求項1に記載のデジタル液位センサ。
【請求項11】
前記TMRセンサ・チップは、2つのポートを有する磁気抵抗センサ・チップを選択する、
請求項1に記載のデジタル液位センサ。
【請求項12】
前記TMRセンサ・チップは、CSPでパッケージされる、
請求項1に記載のデジタル液位センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル液位測定システムに関し、より詳細には、磁気抵抗センサ・クロスポイント・アレイに基づくデジタル液位センサに関する。
【背景技術】
【0002】
液位センサが磁場センサを使用することは、先行技術においてよく知られている。ごくありふれたセンサ(例えば、リード・スイッチ)は液体に沈められた管内にリニア・アレイで配置され、永久磁石は浮きに取り付けられ、それによって液面の高さが変化するとき、浮きは管の外側に沿って移動し、次いで、どのスイッチが永久磁石によって閉じられるか決定するために用いられる電子デバイスを使用して液位を決定する。
【0003】
特許のWO2015/034656に関する特許出願では、典型的な例の「Resistive Level/Temperature Sensor and Transmitter」が示されており、リード・スイッチのアレイが直列抵抗器アレイに取り付けられ、永久磁石によってリード・スイッチが作動させられると、リード・スイッチが抵抗器アレイの一部をグラウンドに接続して、測定されている液位に線形に比例するようにアレイの抵抗を変化させるようになっている。したがって、抵抗器アレイは、液位を簡単に測定する方法を提供する。この古典的な設計は、リード・スイッチが大きいサイズであることにより低分解能であり、リード・スイッチのガラス・パッケージおよび機械的特性により損傷しやすく、組み立てるのに費用がかかる。さらに、読み出しがインピーダンスであるので、それは雑音と温度に敏感であり、サーモメータは較正が必要とされる。
【0004】
インピーダンス設計の欠点を克服するために、他の液位センサは、開閉を含むリード・スイッチのデジタル状態を検出するように設計される。この設計は、多数のリード・スイッチの問題に対処するのが難しい。一般的な解決策の1つは、各リード・スイッチがリード・アレイにおける行リードと列リードの交差点に位置するクロスポイント・アレイ構造を使用することである。リード・スイッチが開状態において無限の抵抗値を有し、閉状態においてとても小さい抵抗値を有するので、全ての可能な行リードおよび列リードを走査することによってアレイ内でどのスイッチが閉じられているのか検出することが可能である。典型的な例は、「Method and Device for Measuring Liquid Level Using Liquid Level Indicator Having Reed Switch for Determining Position of Magnetic Float」と名称付けられたカナダ特許CA2,179,457である。この設計の欠点は、リード・スイッチが脆く、組み立てに費用がかかり、その分解能がその比較的大きいサイズにより制限されることである。さらに、クロスポイント・アレイにおけるリーク電流がエラーを引き起こすので、それは開状態において無限抵抗を有さないセンサに使用できないようになっており、抵抗の変動を伴う2ポート・センサは特に厄介である。リード・スイッチ以外の典型的な3ポート磁気スイッチは、抵抗値の変動よりも電圧出力を与える。
【0005】
リード・スイッチは脆く、製造費用が高価になるので、液位センサ内の磁性の浮きの位置を検出するために磁気抵抗センサまたはホール・センサを使用することが通常望ましい。磁気抵抗スイッチ・センサは、測定を完成するためにリード・スイッチの代替として通常使用される。スイッチ・センサの出力は、線形抵抗器アレイ液位センサの複合に加えられる通常デジタルの電圧であるが、デジタル・アーキテクチャにとても役立つ。磁気抵抗スイッチを用いるデジタル液位センサ設計は、「Digital Liquid Level Sensor」と名称付けられた特許出願WO2014/114259に開示されている。この設計では、レベル・センサのデジタル出力は、エンコーダの数値が最も高い作動させられた磁気抵抗スイッチの位置を表すようにエンコーダに接続される。これは、単純なロバストな設計であるが、全てのデジタル・スイッチが同時に電力供給される必要があるので、高い消費電力によって影響を受ける。この課題を解決するために、クロスポイント・アレイに配置された小型の受動2ポートMTJ素子を、液位センサを開発するために利用することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
先行技術における上記課題を克服するために、本発明は、センサ素子の平均消費電力を減少させ、各センサによる出力を受ける処理用デジタル回路の要求をさらに簡素にするために磁気抵抗センサ・クロスポイント・アレイに基づくデジタル液位センサを提案する。MTJ素子と共に直列のダイオードを加えることによって、クロスポイント・アレイ・アーキテクチャに複数の小型の受動MTJ素子ストリングを配置することを可能にする。加えて、受動センサ素子を使用するため、小さいベア・センサのダイスが使用され、チップ・オン・ボード(COB:chip on board)技術、または他の小さいチップ・スケール・パッケージ(CSP:chip scale package)を用いて液位センサ内に配置することができる。加えて、複数のセンサ素子を単一のチップ上へ配置することにより、センサの測定分解能を向上させることができる。
【0007】
本発明の実施形態は、磁気抵抗センサ・クロスポイント・アレイに基づくデジタル液位センサであって、PCBボード、該PCBボード上に設けられた複数のTMR磁気センサ・チップ、MおよびNを1以上の整数として該PCBボード上に設けられたM個の行リードおよびN個の列リードと、
該PCBボード上に設けられたマイクロコントローラ、行デコーダ、および列デコーダであって、該マイクロコントローラは該行デコーダおよび該列デコーダに電気的に接続され、該列デコーダは該列リードを介して該TMR磁気センサ・チップに接続され、該行デコーダは該行リードを介して該TMR磁気センサ・チップに接続され、各該TMR磁気センサ・チップは複数のMTJ素子を備え、該MTJ素子はM行およびN列のMTJ素子アレイの中に電気的に接続され、ダイオードはMTJ素子の各行と行リードまたは列リードとの間で接続され、該TMR磁気センサ・チップは該行デコーダおよび該列デコーダによりデコードされたデータによって、ならびにAddress=m+[Mx(n-1)]という式に基づいてアドレス指定され、ただし、Addressはアドレス値を表し、mは1≦m≦Mの範囲で現在行の値を表し、nは1≦n≦Nの範囲で現在列の値を表し、
該マイクロコントローラは、最も高い作動状態のMTJ素子のアドレスについて該TMR磁気センサ・チップのアドレスを走査し、該アドレス値をそれと線形比例関係で液位値に変換し、該液位値を出力インターフェースへ伝達するために用いられる、該PCBボード上に設けられたマイクロコントローラ、行デコーダ、および列デコーダと、
永久磁石であって、該PCBボードの長軸方向に沿って移動するとともに、該永久磁石の近くでMTJ素子の磁場状態を変化させる磁性の浮きに取り付けられ、該磁性の浮きは、該液位センサが沈められている液体の表面に対して浮く、永久磁石と、
該PCBボードを取り囲む保護管と、を含むデジタル液位センサを提供する。
【0008】
さらに、TMR磁気センサ・チップごとのMTJ素子の各行の一端は、列リードに接続された1つまたは複数の列リード・パッドに電気的に接続され、MTJ素子の各行の他端は、行リード・パッドに電気的に接続される。
【0009】
さらに、MTJ素子の各行は、MTJ素子、または直列に接続された少なくとも2つのMTJ素子を含むMTJ素子ストリングを含む。
【0010】
さらに、PCBボードは、フレキシブルPCBボードである。
【0011】
さらに、TMRセンサ・チップは、リード・ボンディングまたはチップ・フリップによってPCBボードに接続され、線形または双極性の応答を有する。
【0012】
さらに、ダイオードは、TMR磁気センサ・チップに一体化され、MTJ素子の各行と該行に設けられた行リード・パッドとの間で直列に接続される。
【0013】
さらに、ダイオードは、TMR磁気センサ・チップに一体化され、MTJ素子の各行とそれに電気的に接続された列リード・パッドとの間で直列に接続される。
【0014】
さらに、デジタル液位センサは、行選択MOSFET、列選択MOSFET、および比較回路をさらに含み、該行選択MOSFETのドレインは行リードに電気的に接続され、該行選択MOSFETのゲートは行デコーダの出力端に接続され、該行選択MOSFETのソースは第1の抵抗器R1の一端および該比較回路の第1の入力端に直列に接続され、該行選択MOSFETと第1の抵抗器R1との間の電気ノードは出力電圧Voutとして出力され、第1の抵抗器R1の他端は電源電圧VCCに接続され、列デコーダは該列選択MOSFETのゲートに電気的に接続され、2つの第2の抵抗器R2は該電源電圧VCCとグラウンドとの間で直列に接続され、該2つの第2の抵抗器R2の中間点は基準電圧Vrefを出力し、該比較回路の第2の入力端に接続され、該比較回路の出力端はマイクロコントローラに電気的に接続され、該比較回路は、出力電圧Voutが基準電圧Vrefよりも小さいときに高レベル信号値を出力し、出力電圧Voutが基準電圧Vref以上であるときに低レベル信号値を出力し、出力レベル信号値はアドレス指定されているTMRセンサ・チップ内のMTJ素子の作動値を表す。
【0015】
さらに、デジタル液位センサは、MTJ素子が作動されておらず、磁性の浮きが最も低いポジションでセンサを通過するときに、液位をゼロ充填レベル状態に設定するゼロ液位設定装置をさらに含む。
【0016】
さらに、永久磁石により発生される磁場が、2つのMTJ素子間の間隔よりも大きいが3つのMTJ素子間の間隔よりも小さい距離で前記MTJ素子を作動させ、充填レベル値は、2つMTJ素子間に永久磁石を挿入することによって計算される。
【0017】
さらに、TMRセンサ・チップは、2つのポートを有する磁気抵抗センサ・チップを選択する。
【0018】
さらに、TMRセンサ・チップは、CSPでパッケージされる。
【0019】
本発明の実施形態による磁気抵抗センサ・クロスポイント・アレイに基づくデジタル液位センサは、少数の構成要素を利用するとともに、毎回たった1つのセンサ・チップ素子に電力を供給することによってセンサ素子の消費電力を大きく最小化する。本発明のデジタル液位センサは、信頼でき、迅速で、費用対効果が高いやり方で液位のデジタル測定を成立させる。
【0020】
本発明の実施形態または先行技術の技術的解決策をよりはっきりと示すために、以下に、実施形態または先行技術の説明に使用される必要がある添付図面を簡潔に紹介する。以下の本明細書における添付図面は、本発明のほんのいくつかの実施形態である、当業者は、何ら発明の努力をすることなく、これらの添付図面に従って他の添付図面を得ることもできることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態による磁気抵抗センサ・クロスポイント・アレイに基づくデジタル液位センサの部分断面概略図である。
図2】本発明の一実施形態による磁気抵抗センサ・クロスポイント・アレイに基づくデジタル液位センサの構造図である。
図3】いくつかのMTJ素子を配置するためのTMR磁気センサ・チップのオンボード・チップ・レイアウトの概略図である。
図4】本発明の一実施形態による行パッドおよび列パッドを備えたTMR磁気センサ・チップの接続構造の概略図である。
図5】本発明の一実施形態による行パッドおよび列パッドを備えたTMR磁気センサ・チップの別の接続構造の概略図である。
図6】本発明の一実施形態による行パッドおよび列パッドを備えたTMR磁気センサ・チップの別の接続構造の概略図である。
図7】本発明の一実施形態によるPCBボード・レイアウトの概略図である。
図8】本発明の一実施形態による別のPCBボード・レイアウトの概略図である。
図9】本発明の一実施形態によるクロスポイント・アーキテクチャ磁気抵抗センサの行リードおよび列リードの構成および配置のためのスイッチング回路の概略図である。
図10】本発明の一実施形態によるPCBボードの長軸に沿ったクロスポイント・アーキテクチャ磁気抵抗センサの線形化の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の目的、技術的解決策、および利点を明確にさせるために、以下、本発明の実施形態の添付図面と併せて本発明の実施形態における技術的解決策をより明確かつより完全に説明する。説明される実施形態は、本発明の実施形態の全てではなく、その一部であることが明らかである。説明を容易にするために、図面には、構造の全部ではなく、本発明に関連したほんの一部が示されていることにも留意されよう。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態による磁気抵抗センサ・クロスポイント・アレイに基づくデジタル液位センサの部分断面概略図である。図2は、本発明の一実施形態による磁気抵抗センサ・クロスポイント・アレイに基づくデジタル液位センサの構造図である。図1および図2を参照すると、磁気抵抗センサ・クロスポイント・アレイに基づくデジタル液位センサは、PCBボード8、PCBボード8上に設けられた複数のTMR磁気センサ・チップ1、ならびにMおよびNを1以上の整数としてPCBボード8上に設けられたM個の行リード(図示せず)およびN個の列リード(図示せず)と、
PCBボード8上に設けられたマイクロコントローラ5と、を備え、このマイクロコントローラ5は、最も高い作動状態のMTJ素子のアドレスについてのTMR磁気センサ・チップ1のアドレスを走査し、アドレス値をそれと線形比例関係で液位値に変換し、液位値を出力インターフェース4へ伝達するために使用され、
最も高い作動状態の上記MTJ素子は、作動させられたMTJ素子の中で液位高さに最も近いMTJ素子であり得る。行デコーダ41および列デコーダ42は、デジタル論理回路3に含むことができる。デジタル・センサの出力インターフェース4は、ICチップまたはインターフェース・ボードの形態のI/Oインターフェースであり得る。
【0024】
図1を参照すると、代替として、PCBボード8はストリップであってもよく、このストリップは、液位センサをストリップの中に作製するのに都合がよいものであり、液位センサによる液位の検出を容易にし、したがってユーザ体験を高める。
【0025】
図1を参照すると、液位センサは、スイッチング回路7をさらに備える。TMR磁気センサ・チップ1は、ストリップCBボード8上に設けられており、マイクロコントローラ5は、TMR磁気センサ・チップ1のアドレス(具体的には、最も高い作動状態のMTJ素子のアドレスについてのTMR磁気センサ・チップ1ごとに含まれる複数のMTJ素子のアドレス)を走査し、出力インターフェース4(例えば、上述したI/Oインターフェース)と同時に、作動状態を含めて、TMR磁気センサ・チップごとに各MTJ素子の状態を記録し、この作動状態において、上述したように、最も高い作動状態のMTJ素子が、作動させられたMTJ素子の中で液位高さに最も近いMTJ素子であり得る。
【0026】
PCBボード8は、フレキシブルPCBボードである。ストリップCBボード8は、保護管31に配置される。一方、永久磁石10は磁性の浮き11に取り付けられ、磁性の浮き11は液位センサが沈められている液体の表面に対して浮き、永久磁石10および磁性の浮き11も保護管31の外側に配置される。永久磁石10は、PCBボード8の長軸方向に沿って移動し、永久磁石の近くのTMR磁気センサ・チップの磁場状態を変化させ、永久磁石も、液体の表面に対して浮いて上下する。
【0027】
ストリップCBボードの長軸方向に沿ったTMR磁気抵抗センサ・チップ1内のMTJ素子の間隔距離、ならびにTMR磁気抵抗センサ・チップ1のサイズ、および浮いている永久磁石10のサイズは、液位測定の精度を決定する。マイクロコントローラ5、およびI/Oインターフェースを有する他のデジタル論理回路は、ストリップCBボードの上部に設けられる。行デコーダおよび列デコーダなどのこれらのデジタル論理回路は、MTJ素子の行リードおよび列リードを選択するように図1に示されたコンプレックス・プログラムマブル・ロジック・デバイス(CPLD:Complex Programmable Logic Device)IC6に対してプログラムすることができる。マイクロコントローラ5は、行デコーダおよび列デコーダによって選択されるリードへアドレス入力を与えるとともに、行デコーダの出力を与え、列デコーダは、特定のMTJ素子を駆動して特定のMTJ素子を作動させるために使用される。作動させられたTMR磁気センサ・チップの状態は、マイクロコントローラ5によって記録され、作動させられたMTJ素子は、マイクロコントローラ5によって記録される。
【0028】
図3は、いくつかのMTJ素子を配置するためのTMR磁気センサ・チップのオンボード・チップ・レイアウトの概略図であり、図3に示されるように、オンボード・チップ・パッドは、16個のTMR磁気抵抗センサ・チップに対応することができ、16個のTMR磁気抵抗センサ・チップは、16*16のMTJ素子を含む設計に使用され得る。パッケージング・パッドは、全部で16個のMTJ素子の一端をユニバーサルで接続するために列リード・パッド12を有し、16個のMTJ素子の各々の他端を接続するために別個の行リード・パッド13を有する。各行リードは、いくつかの溶接パッド14を含むこともでき、これらの溶接パッド14は、MTJ素子ストリングの単一行を形成するようにリード・ボンディングによって行ごとにMTJ素子ストリングを直列に接続するために使用される。
【0029】
図4は、本発明の一実施形態による行パッドおよび列パッドを備えたTMR磁気センサ・チップの接続構造の概略図であり、対応するダイオード9の構造は、オンチップ・ダイオードの形態にあり、各TMR磁気センサ・チップ上のMTJ素子の各行16の一端は1つまたは複数の列リード・パッド12に電気的に接続され、1つまたは複数の列リード・パッド12は列リードに接続され、TJ素子の各行の他端は行リード・パッド13に電気的に接続される。
【0030】
本発明のPCBボードは、チップ・オン・ボード(COB)、またはチップ・スケール・パッケージ(CSP)技術を使用する。本発明は、COB技術を一例としてとっており、TMRセンサ・チップによって使用されるCOBパッドは、列リード・パッドと、この列リード・パッドに接続された複数の行リード・パッドとを有する。COBパッドの個数は、列要素の個数に対応する。MTJ素子は、TMR磁気センサ・チップ1上に設けられ、パッドは、複数のMTJ素子に対応する。TMR磁気センサ・チップに使用されるパッドは、列リード・パッドとM行のリード・パッドとを有する。複数のTMR磁気センサ・チップは、PCBボードの長軸方向に沿って直接的に配置され、そこに含まれる複数のMTJ素子は、クロスポイント構造で接続される。TMR磁気センサ・チップの個数は、MTJ素子の列数に対応する。
【0031】
図4を参照すると、図4は、1つのMTJ素子を含むMTJ素子の各行を示す。ダイオード9は、TMR磁気センサ・チップに一体化され、MTJ素子の各行と列に設けられた行リード・パッド13との間で直列に接続される。行リード・パッド13は、ダイオード9に接続され、ダイオード9は、電流が選択されていないMTJ素子に流れ込むのを防ぐための障壁として働く。
【0032】
図5は、本発明の一実施形態による行パッドおよび列パッドを備えたTMR磁気センサ・チップの別の接続構造の概略図であり、対応するダイオード9の構造は、オフチップ・ダイオードの形態である。
【0033】
図6は、本発明の一実施形態による行パッドおよび列パッドを備えたTMR磁気センサ・チップの別の接続構造の概略図である。図6を参照すると、代替として、ダイオード9は、TMR磁気センサ・チップに一体化され、MTJ素子の各行とそれらと電気的に接続された列リード・パッド12との間に直列に接続される。
【0034】
代替として、MTJ素子の各行は、MTJ素子、または直列に接続された少なくとも2つのMTJ素子を含むMTJ素子ストリングを含む。
【0035】
代替として、TMRセンサ・チップは、リード・ボンディングまたはチップ・フリップによってPCBボードに接続され、線形または双極性の応答を有する。
【0036】
図7は、本発明の一実施形態によるPCBボード・レイアウトの概略図であり、図8は本発明の一実施形態による別のPCBボード・レイアウトの概略図であり、図7および図8に示されるように、図7および図8は、ストリップCBボード、およびマイクロコントローラ・ユニット、および他のデジタル論理回路3の完全な概要を示す。アドレス指定は、最も低いTMRセンサ・チップのMTJ素子から最も上のTMRセンサ・チップのMTJ素子へ始まる。言い換えれば、最も低いセンサの開始アドレスはゼロであり、最も上のセンサは、最も高いアドレス・ビットを有する。ストリップCBボードは、リニア・センサ素子以外のTMRスイッチ・センサ素子を使用することもできる。浮いている永久磁石10の磁性の向きは、PCBボード上で用いられるTMRセンサ内のMTJ素子のスイッチング特性を決定する。図7に示されるように、永久磁石10の移動方向がデジタル・センサの検出軸に平行である(例えば、図7の永久磁石10の移動方向はY軸方向であり、デジタル・センサの検出軸もY軸であり、2つは平行である)場合、単極性のスイッチ・センサが、用いられてもよい。永久磁石10磁化方向がデジタル・センサの検出軸とは異なる場合(図8の場合に対応するとき、永久磁石10の磁化方向はX軸であり、デジタル・センサの検出軸はY軸であり、2つは異なる)、極性スイッチ・センサが用いられてもよい。好ましくは、TMRセンサ・チップ内のMTJ素子の位置は、X軸に沿ってPCBボードの中間位置であり、ならびに行リード・パッド、列リード・パッド、およびダイオードのリード・ボンディングは、X軸に沿ってPCBボードの両側を占める。
【0037】
図2を続けると、本発明の技術的解決策は、行デコーダのためのパッドおよびTMR磁気センサ・チップの列デコーダ、ならびにTMR磁気センサ・チップの状態を走査および読み出すためのマイクロコントローラ・ユニットなどの異なる要素ブロックを含む。図2は、10バイトの210として表され得る1024個のMTJ素子を含むデジタル・センサを示す。行リードおよび列リードは、分離され、同じ個数の2ビットのラインを共有する。したがって、この場合には、行リードおよび列リードは32*32であり、これは、1024個の可能性ある組合せをもたらし得る。各MTJ素子は、行デコーダおよび列デコーダを用いてアドレス指定される。TMR磁気センサ・チップの状態および値の変化は、行リード上で読み出すことができ、比較器は、この値をその基準値とさらに比較し、マイクロコントローラによって後で読み出されるデジタル出力を与える。
【0038】
図9は、本発明の一実施形態によるクロスポイント・アーキテクチャ磁気抵抗センサの行リードおよび列リードの構成および配置のためのスイッチング回路の概略図である。スイッチング回路は、磁気抵抗センサ・クロスポイント・アレイに基づくデジタル液位センサの一部である。図9は、デジタル液位センサとしてクロスポイント・アーキテクチャで構成された3X3のMTJ素子16を備えたPCBボード・レイアウトを示す。図9を参照すると、代替として、磁気抵抗センサ・クロスポイント・アレイに基づくデジタル液位センサは、行選択MOSFET44、列選択MOSFET7、および比較回路24も示し、行選択MOSFET44のドレインは、行リードに電気的に接続され、行選択MOSFET7のゲートは、行デコーダ(図示せず)の出力端に接続され、行選択MOSFET44のソースは、第1の抵抗器R1の一端および比較回路24の第1の入力端に直列に接続され、行選択MOSFET44と第1の抵抗器R1との間の電気ノードは出力電圧Voutとして出力され、第1の抵抗器R1の他端は電源電圧VCCに接続され、列デコーダ(図示せず)は列選択MOSFET7のゲートに電気的に接続され、2つの第2の抵抗器R2は電源電圧VCCとグラウンドの間に直列に接続され、2つの第2の抵抗器R2の中間点は、基準電圧Vrefを出力し、比較回路24の第2の入力端に接続され、比較回路の出力端Goutはマイクロコントローラ(図示せず)に電気的に接続され、比較回路24は出力電圧Voutが基準電圧Vrefよりも小さいときに高レベル信号値を出力し、出力電圧Voutが基準電圧Vref以上であるときに低レベル信号値を出力し、出力レベル信号値はアドレス指定されているTMRセンサ・チップ内のMTJ素子の作動値を表す。
【0039】
図10は、本発明の一実施形態によるPCBボードの長軸に沿ったクロスポイント・アーキテクチャ磁気抵抗センサの線形化の概略図である。図10に示されるように、図10は、クロスポイント・アーキテクチャ磁気抵抗センサがストリップCBボードの長軸方向に沿ってどのように線状にされるのかを説明し、センサ配線の配置、およびそのそれぞれのスイッチング回路を示す。例えば、3X3MTJ素子が、図10に示されており、3つのMTJ素子ごとに要素ブロックに属する列を形成する。図10は、3つの要素ブロック451、452、453を含む場合を示し、各要素ブロックは列リードに対応し、各要素ブロックに対応する行は同じ行リードに接続される。要素ブロックごとの各MTJ素子16の一端は共に接続され、MTJ素子16の他端は対応する行リードに接続され、これは、一例としての図において、それぞれm、(m+1)、および(m+2)である行リードで、およびそれぞれn、(n+1)、および(n+2)である列リードで示され、ただし、m≧1、およびn≧1である。最終的に列リードはグラウンドに接続され、行リードはVCCに接続される。外部磁場によって行リードを介して引き起こされるセンサ抵抗の変化を検出するために、行リードは基準抵抗器R1を介して電源VCCに接続される。VCCをリードに接続するとともに、行リードをグラウンドに接続することによって、および列リード上でセンサ抵抗の変化を検出するために、基準抵抗器R1を介してVCCに接続される別の組合せも可能である。3x3のシナリオの計算された連続したアドレス値は、以下の表1に示される通りである。
【0040】
【表1】
【0041】
表1の連続したアドレス値は、現在の行の総数と行の総数の合計に先の列数を乗じるものとの合計を用いて計算され、以下のように表される。
【0042】
TMR磁気センサ・チップは、行デコーダおよび列デコーダによってデコードされたデータによって、ならびにアドレス=m+[Mx(n-1)]という式に基づいてアドレス指定され、アドレスはアドレス値を表し、mは1≦m≦Mの範囲で現在行の値を表し、nは1≦n≦Nの範囲で現在列の値を表す。マイクロコントローラは、最も高い作動状態のTMR磁気センサ・チップ1のアドレスについてTMR磁気センサ・チップ1のアドレスを走査し、アドレスをレベル値に変換し、次いでこのレベル値を出力インターフェースへ伝達する。
【0043】
次に、アドレス値に対応する液体充填レベルの割合を、アドレス値の積を行の総数および列の総数の積で除算したものを用いて計算することができ、これは、
【数1】
のように表すことができる。
ただし、Fill valueは、充填レベルの値を表し、Adress valueはアドレス値を表し、Total Columnsは列の総数を表し、Total Rowsは行の総数を表す。
【0044】
充填レベルの値は、連続したアドレス値に線形に比例する。センサ素子が作動状態になく、磁性の浮きが磁気センサを通過するとき、液位センサは、ゼロ充填レベルのデフォルト状態に入る。
【0045】
実際の設計では、N個の列リードおよびM個の行リードを選択することによって作動させられるセンサ素子は、も低いポジションを占めるはずであり、(n+2)および(m+2)を選択することによって作動させられるセンサ素子は、PCBボードの最も上のポジションに位置するはずである。上記は、MTJ素子の3x3アレイが与えられる場合であり、本発明において必要に応じて、様々なアレイが与えられてもよい。
【0046】
本発明の一実施形態による磁気抵抗センサ・クロスポイント・アレイに基づくデジタル液位センサは、MTJ素子が作動されておらず、磁性の浮きが最も低いポジションでセンサを通過するときに液位をゼロ充填レベル状態に設定するゼロ液位設定装置も含む。
【0047】
代替として、TMRセンサ・チップは、2つのポートを有する磁気抵抗センサ・チップを選択する。
【0048】
代替として、永久磁石により発生される磁場が、2つのMTJ素子間の間隔よりも大きいが3つのMTJ素子間の間隔よりも小さい距離でMTJ素子を作動させ、充填レベル値は、2つのMTJ素子間に永久磁石を挿入することによって計算される。作動させられたセンサと充填レベルの間の関係は、具体的には、表2に見ることができる。この場合、2つの隣接したMTJ素子が作動させられるとき、マイクロコントローラは、高さが2つのMTJ素子間の等距離の点の高さに等しい高さを有する磁石を挿入することができる。たった1つのMTJ素子が作動させられるとき、液位は単一の作動させられたMTJ素子のポジションにあると推測される。以下、表2は、3X3MTJ素子に基づいて作動させられた行センサ素子および列センサ素子の個数、および補間法のアドレス値と充填割合値の間の変換関係を示す。
【0049】
【表2】
【0050】
表2の示された上記場合については、第1の素子が浮磁石によって作動させられるとき、充填値は、永久磁石が第1のセンサに隣接することが起こるゼロから始まり、逆も同じであり、最も高いMTJ素子の場合に100%の液体充填に到達する。アドレス値は、浮磁石が最も低いセンサ素子または最も上のセンサ素子よりも低い場合については無効とみなされる。
【0051】
表2のアドレス値は、
Adress value=2*[RSA+(Total Rows)*(CSA-1)
として表すことができる。
ただし、RSAは、以下の式に従って計算することができる。
【数2】
【0052】
一方、CSAは、以下の式に従って計算することができる。
【数3】
ただし、Sum(m)の項は実行している行センサの総数として定義され、Sum(n)の項は実行している列センサの総数として定義され、ACTColsは作動させられた列センサの総数として定義され、ACTRowsは作動させられた行センサの総数として定義され、Ceil[ ]は1による単数の丸めを表す。
【0053】
上記アドレス値を充填レベル割合に変換するために、以下の式に従って計算する。
【数4】
ただし、Fill valueは充填レベルの値を表し、Adress valueはアドレス値を表し、Total Columnsは列の総数を表し、Total Rowsは行の総数を表す。
【0054】
代替として、TMRセンサ・チップは、CSPでパッケージされる。
【0055】
発明の努力をすることなく本発明の実施形態に基づいて当業者により得られる全ての他の実施形態は、本発明の保護範囲内に入るものとする。本発明は好ましい実施形態で概略的に説明されているが、当業者は、様々な変更および修正が、それらが本発明の特許請求の範囲を超えない限り、本発明になされてもよいことを理解されよう。
図1
図2
図3
図4
図5
【図
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】