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特表2022-525021伝達装置潤滑システムと潤滑剤フィルタを備えた船舶用船外機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-11
(54)【発明の名称】伝達装置潤滑システムと潤滑剤フィルタを備えた船舶用船外機
(51)【国際特許分類】
   B63H 20/14 20060101AFI20220428BHJP
   B63H 21/38 20060101ALI20220428BHJP
   B63H 20/32 20060101ALI20220428BHJP
   B63H 21/14 20060101ALI20220428BHJP
   F01P 7/16 20060101ALI20220428BHJP
   F01M 1/02 20060101ALI20220428BHJP
【FI】
B63H20/14 510
B63H21/38 A
B63H21/38 Z
B63H20/32 100
B63H21/14
B63H20/14 100
F01P7/16 507F
F01M1/02 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021552858
(86)(22)【出願日】2020-03-05
(85)【翻訳文提出日】2021-09-06
(86)【国際出願番号】 GB2020050518
(87)【国際公開番号】W WO2020178585
(87)【国際公開日】2020-09-10
(31)【優先権主張番号】1903073.3
(32)【優先日】2019-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519042375
【氏名又は名称】コックス パワートレイン リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ バラット
【テーマコード(参考)】
3G313
【Fターム(参考)】
3G313AB14
3G313BB14
3G313BB18
3G313FA01
(57)【要約】
船舶1用の船舶用船外機2が提供される。船舶用船外機は、内燃機関100と、内燃機関からの駆動力を伝達するように構成された駆動軸27と、プロペラシャフト29と、駆動軸からの駆動力をプロペラシャフトに伝達するように構成された駆動伝達装置とを有する。船舶用船外機は、また、駆動伝達装置及び駆動軸の一方又は両方を潤滑するために潤滑剤流路に沿って潤滑剤を搬送するように構成された潤滑システムと、潤滑剤流路に沿って設けられた潤滑剤フィルタ83であって、潤滑剤流路に沿って流れるときに潤滑剤から固体汚染物質を除去するように構成された潤滑剤フィルタ83とを有する。潤滑剤フィルタは、駆動軸によって駆動されるように構成される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶用船外機であって、船舶用船外機は、
内燃機関を備えるエンジンアセンブリと、
前記内燃機関から駆動力を伝達するように構成された駆動軸と、
プロペラシャフトと、
前記駆動力を前記駆動軸からプロペラシャフトに伝達するように構成された駆動伝達装置と、
前記駆動伝達装置及び前記駆動軸の一方又は両方を潤滑するために潤滑剤流路に沿って潤滑剤を搬送するように構成された潤滑システムと、
前記潤滑剤流路に沿って設けられた潤滑剤フィルタであって、前記潤滑剤流路に沿って流れるときに前記潤滑剤から固形汚染物質を除去するように構成された潤滑剤フィルタとを備え、
前記潤滑剤フィルタは、前記駆動軸によって駆動されるように構成されている、船舶用船外機。
【請求項2】
前記潤滑剤フィルタは、前記駆動軸に連結された駆動機構を介して前記駆動軸によって間接的に駆動されるように構成されている、請求項1記載の船舶用船外機。
【請求項3】
前記駆動機構は、1:1より大きな歯車比を有する、請求項2に記載の船舶用船外機。
【請求項4】
前記潤滑システムは、前記駆動機構を潤滑するために潤滑剤流路に沿って潤滑剤を搬送するように構成される、請求項2又は3に記載の船舶用船外機。
【請求項5】
前記船舶用船外機は、前記内燃機関を冷却する冷却システムを備え、
前記冷却システムは、前記内燃機関を冷却するために、冷却材流路に沿って引き込まれた水を推進させるように構成された送水ポンプを備え、
前記送水ポンプは、前記駆動機構を介して前記駆動軸によって駆動されるように構成されており、
前記潤滑剤フィルタは、前記送水ポンプによって駆動されるように構成される、請求項2~4のいずれか一項に記載の船舶用船外機。
【請求項6】
前記送水ポンプは、遠心式送水ポンプを備える、請求項5に記載の船舶用船外機。
【請求項7】
前記送水ポンプは、送水ポンプ出力軸を備え、
前記潤滑剤フィルタは、前記送水ポンプ出力軸によって駆動されるように構成されたフィルタ駆動軸を備える、請求項5又は6に記載の船舶用船外機。
【請求項8】
前記フィルタ駆動軸は、前記送水ポンプ出力軸と同軸であり、かつ、前記送水ポンプ出力軸と直接的に接続される、請求項7に記載の船舶用船外機。
【請求項9】
前記駆動機構は、前記送水ポンプ出力軸と同軸であり、かつ、前記送水ポンプ出力軸と直接的に接続される送水ポンプ駆動軸を備える、請求項8に記載の船舶用船外機。
【請求項10】
前記送水ポンプ駆動軸と前記送水ポンプ出力軸と前記フィルタ駆動軸は、全て、単一の軸によって画定される、請求項9に記載の船舶用船外機。
【請求項11】
前記潤滑剤フィルタは、機械的ヒューズを介して前記送水ポンプに接続される、請求項5~10のいずれか一項に記載の船舶用船外機。
【請求項12】
前記駆動機構は、前記駆動軸に同心円状に取り付けられた駆動歯車と、前記送水ポンプ駆動軸に同心円状に取り付けられた従動歯車とを備え、前記駆動歯車と従動歯車は噛み合い係合している、請求項5~11のいずれか一項に記載の船舶用船外機。
【請求項13】
前記潤滑剤フィルタは、前記駆動軸によって駆動されるように構成された遠心式潤滑剤フィルタである、請求項1~12のいずれか一項に記載の船舶用船外機。
【請求項14】
前記船舶用船外機は、前記プロペラシャフト及び伝達駆動部が少なくとも部分的に収容される伝達装置ケーシングを更に備え、前記伝達装置ケーシングが前記潤滑システムの潤滑剤リザーバを画定する、請求項1~13のいずれか一項に記載の船舶用船外機。
【請求項15】
前記潤滑システムは、使用中に流体リザーバから潤滑剤を引き込み、引き込まれた前記潤滑剤を前記潤滑剤流路に沿って前記流体リザーバの上方に位置する少なくとも1つの回転部品に圧送するように構成された潤滑ポンプをさらに備える、請求項14に記載の船舶用船外機。
【請求項16】
前記船舶用船外機が垂直である場合に前記駆動軸が垂直方向に延びている、請求項1~15のいずれか一項に記載の船舶用船外機。
【請求項17】
前記内燃機関はディーゼルエンジンである、請求項1~16のいずれか一項に記載の船舶用船外機。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか一項に記載の船舶用船外機を備える船舶。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、潤滑剤フィルタを備えた船舶用船外機に関する。本願は船舶用船外機に関するが、本願の教示は他の任意の内燃機関にも適用可能である。
【背景技術】
【0002】
現在、船舶用船外機の市場はガソリンエンジンが主流である。ガソリンエンジンは、通常、ディーゼルエンジンよりも軽量である。しかし、より低い揮発性によるディーゼル燃料の安全性が向上し、母船との燃料適合性のために、軍事オペレーターからスーパーヨットの所有者まで、様々な利用者がディーゼルの船外機を好み始めている。さらに、ディーゼルは、船舶用途のためのより容易にアクセス可能なインフラストラクチャを備えた、より経済的な燃料源である。
【0003】
船外機においては、船外機の寿命を延ばすために、プロペラシャフトが取り付けられている、駆動軸と伝動歯車ハウジングの潤滑が要求されている。典型的には、船外機の潤滑剤として油が使用される。船外機の構成要素の潤滑を続けると、構成要素から洗い流された固体汚染物質が油中に蓄積し始める。公知の船外機に関する問題は、潤滑剤中の固体汚染物質又は破片の蓄積に少なくとも部分的に起因して、歯車伝達装置などの船外機の構成要素が比較的に短い耐用年数となりうることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来技術に関連する1つ又は複数の課題を克服又は緩和する、改良された船舶用船外機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、船舶用船外機であって、内燃機関を備えるエンジンアセンブリと、内燃機関からの駆動力を伝達するように構成された駆動軸と、駆動軸からプロペラシャフトに駆動力を伝達するように構成された駆動伝達装置と、駆動伝達装置及び駆動軸の一方又は両方を潤滑するために潤滑剤流路に沿って潤滑剤を搬送するように構成された潤滑システムと、前記潤滑剤流路に沿って設けられた潤滑剤フィルタであって、前記潤滑剤流路に沿って流れるときに前記潤滑剤から固形汚染物質を除去するように構成された潤滑剤フィルタとを備え、前記潤滑剤フィルタは前記駆動軸によって駆動されるように構成された、船舶用船外機が提供される。
【0006】
この構成は、駆動軸の運動を利用して、潤滑剤(例えば、油)が潤滑剤流路に沿って流れるときに潤滑剤から破片を能動的に濾過するのに有利である。この構成によって、潤滑剤中の汚染物質を能動的に減少させることによって、伝達装置及び船舶用船外機の構成要素の耐用年数を向上させる。
【0007】
潤滑剤フィルタは、駆動軸に連結された駆動機構を介して駆動軸によって間接的に駆動されるように構成されうる。
【0008】
この構成によって、フィルタを駆動軸に直接的に取り付けることを要求するのではなく、フィルタを駆動軸から偏倚させてより便利な場所に配置しうるので、船舶用船外機内により容易にパッケージされるフィルタシステムのコンパクトなパッケージングを提供する。
【0009】
駆動機構は、1:1より大きな歯車比を有しうる。
【0010】
上記の「ステップアップ(step-up)」駆動装置を使用することにより、フィルタ内で発生する遠心力を、駆動軸の所与の回転速度で増加させることができる。これにより、より小さな汚染物質がフィルタによって潤滑剤から除去される効率を改善しうる。
【0011】
潤滑システムは、駆動機構を潤滑するために、潤滑剤流路に沿って潤滑剤を搬送するように構成されうる。
【0012】
船舶用船外機は、内燃機関を冷却するための冷却システムを備えうる。冷却システムは、内燃機関を冷却するために、引き込まれた水を冷却材流路に沿って推進するように構成された送水ポンプを備えうる。送水ポンプは、駆動機構を介して駆動軸によって駆動されるように構成することができ、潤滑剤フィルタは、送水ポンプによって駆動されるように構成されている。
【0013】
この構成により、送水ポンプと潤滑剤フィルタは、同じ駆動機構によって駆動される。これにより、別個の駆動機構の必要性を回避し、従って、有利には、伝達装置の損失を低減し、船舶用船外機の効率を改善しうる。
【0014】
送水ポンプは、遠心式送水ポンプを備える。
【0015】
送水ポンプは、送水ポンプ出力軸を備えることができ、潤滑剤フィルタは、送水ポンプ出力軸によって駆動されるように構成されたフィルタ駆動軸を備えうる。
【0016】
この構成により、有利には、伝達における損失をさらに低減し、これにより、船舶用船外機の効率が向上する。
【0017】
フィルタ駆動軸は、送水ポンプ出力軸と同軸とし、送水ポンプ出力軸に直接的に接続されうる。
【0018】
駆動機構は、送水ポンプ出力軸と同軸でありかつ直接的に接続されている送水ポンプ駆動軸を備えうる。
【0019】
送水ポンプ駆動軸、送水ポンプ出力軸及びフィルタ駆動軸は、全て、単一の軸によって画定しうる。
【0020】
潤滑剤フィルタは、機械的ヒューズを介して送水ポンプに接続しうる。
【0021】
機械的ヒューズを介して潤滑剤フィルタと送水ポンプを接続することで、この接続が事前に決められたレベルのトルクを超えた場合に破断するように設定されることが保証される。この構成により、送水ポンプ及びポンプ駆動伝達装置の損傷を防止するために、フィルタが詰まった場合に、送水ポンプ駆動軸とフィルタ駆動軸との間の接続が確実に破断されるようにする。
【0022】
駆動機構は、駆動軸に同心円状に取り付けられた駆動歯車と、送水ポンプ駆動軸に同心円状に取り付けられた従動歯車とを備えうる。駆動歯車と従動歯車は噛み合い係合しうる。
【0023】
駆動軸に回転可能に固定された駆動歯車を設けることにより、駆動軸によって伝達される原動力を用いて冷却システムを駆動しうることが保証される。
【0024】
この潤滑剤フィルタは、駆動軸によって駆動されるように構成された遠心式潤滑剤フィルタとしうる。
【0025】
船舶用船外機は、プロペラシャフト及び伝達駆動部が少なくとも部分的に収容されている伝達装置ケーシングを備えうる。伝達装置ケーシングは、潤滑システムの潤滑剤リザーバを画定しうる。
【0026】
潤滑システムは、使用中に流体リザーバから潤滑剤を引き込み、引き込まれた潤滑剤を潤滑剤流路に沿って流体リザーバの上方に位置する少なくとも1つの回転部品に圧送するように構成された潤滑剤ポンプを備えうる。
【0027】
船舶用船外機が垂直の場合には、駆動軸が垂直方向に延びていてもよい。
【0028】
エンジンブロックは、単一のシリンダを備えうる。好ましくは、エンジンブロックが複数のシリンダを備える。
【0029】
本明細書で用いる「エンジンブロック」という用語は、エンジンの少なくとも1つのシリンダが設けられた中実構造を指す。この用語は、シリンダヘッドとクランクケースを備えたシリンダブロックの組み合わせ又はシリンダブロックのみを指す場合がある。エンジンブロックは、単一のエンジンブロック鋳造物から形成しうる。エンジンブロックは、例えばボルトを用いて互いに接続される複数の別々のエンジンブロック鋳造物から形成されうる。
【0030】
エンジンブロックは、単一のシリンダバンクを備えうる。
【0031】
エンジンブロックは、第1シリンダバンク及び第2シリンダバンクを備えうる。第1シリンダバンクと第2シリンダバンクは、V字の構成で配置されうる。
【0032】
エンジンブロックは、3つのシリンダバンクを備えうる。3つのシリンダバンクは扇形の構成で配置されうる。エンジンブロックは、4つのシリンダバンクを備えうる。これらの4つのシリンダバンクは、W字の構成又は2つのV字の構成で配置されうる。
【0033】
内燃機関は、任意の適切な向きで配置しうる。好ましくは、内燃機関は、垂直軸線内燃機関(vertical axis internal combustion engine)である。上記の内燃機関では、内燃機関は、機関内に垂直に取り付けられたクランク軸を備える。
【0034】
内燃機関はガソリンエンジンとしうる。好ましくは、内燃機関はディーゼルエンジンである。内燃機関は、ターボチャージャ付きのディーゼルエンジンとしうる。
【0035】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様の船舶用船外機を備える船舶が提供される。
【0036】
本出願の範囲内において、特許請求の範囲及び/又は以下の説明及び図面における、先の段落に示された様々な態様、実施形態、実施例、及び、代替案、特にその個々の特徴は、独立に又は任意の組合せで理解されることが明確に意図されている。すなわち、全ての実施形態及び/又は任意の実施形態の特徴は、組み合わされる特徴が不適合でない限り、任意の方法及び/又は組み合わせで組み合わせることができる。本出願人は、最初に提出された請求項を変更又は新たな請求項を提出する権利を留保する。この権利には、最初に請求項されたものではないが、他の請求項の任意の特徴に依存するようにかつ/又は組み込むように、最初に提出された請求項を補正する権利が含まれる。
【0037】
本発明のさらなる特徴及び利点は、以下に、単なる例として、添付図面を参照してさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1図1は船舶用船外機を備える小型船舶の概略側面図である。
図2a図2aは、傾斜位置における船舶用船外機の模式図である。
図2b図2bは、船舶用船外機の様々な位置調整された位置の内の1つ及び水域内の船舶の対応する方向を示す。
図2c図2cは、船舶用船外機の様々な位置調整された位置の内の1つ及び水域内の船舶の対応する方向を示す。
図2d図2dは、船舶用船外機の様々な位置調整された位置の内の1つ及び水域内の船舶の対応する方向を示す。
図3図3は、一実施形態による船舶用船外機の概略断面を示す図である。
図4図4は、図3の船舶用船外機の中間部分及び下側部分の概略断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
最初に、図1を参照すると、船舶用船外機2を備えた船舶1の概略側面図が示されている。船舶1は、連絡船やスキューバダイビングボートなどの、船舶用船外機と共に使用するのに適した任意の種類の船舶としうる。図1に示す船舶用船外機2が船舶1の船尾部に取り付けられている。船舶用船外機2は、通常、船舶1の船体内に受け入れられている燃料タンク3に接続されている。リザーバ又は燃料タンク3からの燃料は、燃料ライン4を介して船舶用船外機2に供給される。燃料ライン4は、燃料タンク3と船舶用船外機2との間に配置された1つ又は複数のフィルタと低圧ポンプと(水が船舶用船外機2に入るのを防止するための)分離器タンクを集合的に配置したものとしうる。
【0040】
以下にさらに詳細に説明するように、船舶用船外機2は、概ね、上側部分21と中間部分22と下側部分23の3つの部分に分割される。中間部分22及び下側部分23は、しばしば、集合的に脚部として知られており、この脚部は、排気システムを収容する。プロペラ8は、船舶用船外機2のギアボックスとも呼ばれる、下側部分23において、プロペラシャフト上に回転可能に配置されている。当然のことながら、作動中、プロペラ8は、少なくとも部分的には水中に沈められており、船舶1を推進するために、様々な回転速度で作動させることができる。
【0041】
典型的には、船舶用船外機2は、ピボットピンによって、船舶1の船尾部に回動可能に接続されている。ピボットピンの回りの回動により、操作者が公知の方法で水平軸線の回りで船舶用船外機2を傾斜させて位置調整することができる。更に、当技術分野でよく知られているように、船舶用船外機2は、船舶1の船尾部に回動可能に取り付けられており、これにより、略直立軸線を中心に回動して、船舶1を操縦することができる。
【0042】
傾斜とは、船舶用船外機2全体が完全に水中から出て上昇することができるように、船舶用船外機2を十分に上昇させる動きである。船舶用船外機2の傾斜動作は、船舶用船外機2の電源を切った状態又は中立状態で行うことができる。しかしながら、いくつかの例では、船舶用船外機2は、浅い海域での作動を可能にするように、傾斜範囲での船舶用船外機2の限定的な運転を可能にするように構成されうる。従って、船舶用エンジンアセンブリは、主に、脚部の長手軸線が実質的に垂直方向にある状態で作動させられる。船舶用船外機2の脚部の長手軸線と実質的に平行である船舶用船外機2のエンジンのクランク軸は、船舶用船外機2の通常作動中では概ね垂直方向に配向されるであろうが、特定の作動条件下、特に浅い水中で船舶で作動させられる場合には、非垂直方向に配向させることもできる。また、エンジンアセンブリの脚部の長手軸線に実質的に平行に配向されている船舶用船外機2のクランク軸は、垂直クランク軸配置と呼ぶこともできる。また、エンジンアセンブリの脚部の長手軸線に対して実質的に垂直に配向された船舶用船外機2のクランク軸は、水平クランク軸配置と呼ぶこともできる。
【0043】
前述したように、適切に作動するためには、船舶用船外機2の下側部分23が水中に延びる必要がある。しかし、極めて浅い海域では、又は、トレーラーから船舶を進水させる際、船舶用船外機2の下側部分23が下方に傾斜した位置にある場合に、海底で引きずられたり、ボートが傾斜したりすることがある。船舶用船外機2を傾斜させて図2aに示す位置のように上方に傾斜した位置に傾けることによって、下側部分23及びプロペラ8の損傷を防止する。
【0044】
対照的に、位置調整は、図2b~図2dの3つの例に示すように、船舶用船外機2を完全に下降した位置から数度上方への比較的に小さな範囲にわたって移動させる機構である。位置調整は、船舶1の燃費と加速と高速作動の最良の組合せを提供する方向にプロペラ8の推力を方向付けるのに役立つ。
【0045】
船舶1が平面上にある場合(船舶1の重量が、静水揚力ではなく、流体力学的揚力によって主に支持される場合)、船首上げ構成は、抗力が比較的少なく、比較的大きな安定性及び効率をもたらす。これは、例えば図2bに示すように、ボート又は船舶1の中心線が約3度~5度で上向きである場合に一般的に当てはまる。
【0046】
傾斜が大きすぎると、図2cに示す位置などのように、水中で船舶1の船首が高すぎる状態になる。この形態では、船舶1の船体が水を押しており、その結果、より多くの空気抵抗が生じるので、性能と経済性は減少する。上方への傾斜が大きすぎると、プロペラが通気し、性能がさらに低下することもある。さらに厳しい場合には、船舶1が水中を飛び跳ね、操作者と乗客がボード外に投げ出されてしまう可能性がある。
【0047】
下方に傾斜すると、船舶1の船首が下がり、立ち上がりからの加速に役立つ。図2dに示すように、下方への傾斜が大きすぎると、船舶1が水中を「かきわけ(plough)」、燃費が落ちて速度が上がりにくくなる。高速では、下方への傾斜により船舶1が不安定になることさえある。
【0048】
図3を参照すると、本発明の一実施形態による船舶用船外機2の概略断面が示されている。船舶用船外機2は、前述した傾斜及び位置調整作動を行うための傾斜及び位置調整機構10を備えている。この実施形態では、傾斜及び位置調整機構10は、電気制御システムを介して船舶用船外機2を傾斜させ位置調整するように作動させることができる流体圧アクチュエータ11を有する。あるいは、操作者が油圧アクチュエータを使用するのではなく、手で船舶用船外機2を回動させる、手動の傾斜及び位置調整機構を提供することも実現可能である。
【0049】
以上のように、船舶用船外機2は、概ね3つの部分に分割されている。発動機としても知られる上側部分21は、船舶1に動力を供給するための内燃機関100を有する。カウリング部25が内燃機関100の周囲に配置される。中間部分22及び下側部分23は、排気システムを形成し、この排気システムは、内燃機関100からの排気ガス及び船舶用船外機2から排出ガスを輸送するための排気ガス流路を画定する。
【0050】
上側部分21又は発動機に隣接して下方に延びている、中間部分22及び下側部分23が設けられている。下側部分23は、中間部分22に隣接して下方に延びており、中間部分22は、上側部分21を下側部分23に接続している。中間部分22と下側部分23は、共に、船舶用船外機2の脚部を形成する。中間部分22は、内燃機関100とプロペラシャフト29との間に垂直方向に延びている駆動軸27を収容し、フローティング・コネクタ33(例えばスプライン接続部)を介して内燃機関のクランク軸31に接続されている。このようにして、駆動軸27は、内燃機関100から駆動力を伝達するように構成される。駆動軸27の下側端部には、駆動軸27の回転エネルギーを水平方向にプロペラ8に供給するギアボックス又は伝達装置(変速機)が設けられている。このギアボックス又は駆動伝達装置は、プロペラシャフト29の少なくとも一部分が収容された伝達装置ケーシング61を有している。このギアボックス又は駆動伝達装置は、駆動軸27からの駆動力をプロペラシャフト29に伝達するように構成されている。より詳細には、駆動軸27の底端部は、プロペラ8のプロペラシャフト29に回転接続された一対のかさ歯車37、39に接続されたかさ歯車35を有しうる。
【0051】
図3に模式的に示すように、船舶用船外機2は、船舶用船外機が使用時に作動している水域から取り出された水を、ハウジング6を通って内燃機関100まで延びる冷却材流路43に沿って搬送する冷却システムを備えている。水は、内燃機関100を冷却するために、少なくとも1つの送水ポンプ(図4及び図5参照)によって、冷却材流路43の周囲で推進される。
【0052】
船舶用船外機2のハウジング6は、船舶用船外機2が作動する水域に、使用時に沈められることを意図した1つ又は複数の開口を有している。換言すれば、使用時には、船舶用船外機2が作動する水域からの水は、船舶1が静止している水域の水線の下に位置するハウジング6内の1つ又は複数の開口を介してハウジング6内に入る。後述するように、図示の構成では、1つ又は複数の開口が下側部分23上に設けられている。
【0053】
図示の実施形態では、ハウジング6は、下側部分23において第1入口45を有する。図示されていないが、ハウジング6には、第2入口、第3入口、及び第4入口が設けられており、2つの入口がハウジング6の各対向側に設けられている。代替の構成では、冷却材流路43は、任意の適切な数の入口(例えば、1つ、2つ、5つ等)を有することができ、かつ/又は、これらの入口の1つ又は複数が中間部分22に設けられうる。
【0054】
この水線の下方に配置された開口が配置されていることにより、使用時には、船舶用船外機2が作動している水が、ハウジング6内の室52内に引き込まれることとなる。このようにして、ハウジング6内の室52には、船舶用船外機2が作動する水域から引き込まれた水が連続的に提供される。
【0055】
次に、図4を参照すると、中間部分22及び下側部分23が図示されている。
【0056】
冷却システムは、船舶用船外機2の脚部21の中に配置された遠心式送水ポンプ49を有する。使用時には、船舶用船外機2が使用される水域からの水は、第1入口45を介してハウジング6の室52に入る。他の種類の遠心式ポンプと同様に、遠心式送水ポンプ49は、羽根付き円形ディスク又はインペラ75を備え、これは送水ポンプ駆動軸71に同心的に取り付けられ、インペラ75はポンプハウジング77内でその中心軸線を中心として回転するように構成されている。
【0057】
回転するインペラ75は、引き込まれた水がインペラ75を横断して移動するときに引き込まれた水を加速し、遠心式送水ポンプ49の前後の圧力差を生成する。これにより、引き込まれた水の加圧流が、遠心式送水ポンプ49を介して冷却材流路43に沿って内燃機関100に方向付けられる。内燃機関100からの熱を吸収するために、引き込まれた水は、1つ又は複数の排水管(図示せず)を介して水域に戻る前に、内燃機関100内の少なくとも1つの冷却材通路(図示せず)に沿って流れる。このようにして、冷却システムは、ハウジング6内に水を引き込み、引き込まれた水を冷却材流路43に沿って内燃機関100に推進させるように構成される。
【0058】
図示の実施形態では、遠心式送水ポンプ49は、駆動軸27から離れて(すなわち、それに直接的に取り付けられていない)配置されておりかつ駆動軸27によって駆動されるように構成された、遠心式ポンプである。すなわち、遠心式送水ポンプ49のインペラ75は、駆動軸27の回転によって間接的に駆動される。例えば可撓性インペラポンプなどの代替タイプの送水ポンプを船舶用船外機2に使用しうることは理解されるであろう。また、代替の構成では、より詳細に後述するように、遠心式送水ポンプ49は、駆動軸27に、又は、駆動軸27の周りのスリーブに直接的に取り付けられうることが理解されるであろう。
【0059】
遠心式送水ポンプ49を駆動するために、船舶用船外機2は、駆動軸27に接続された駆動機構63を有している。駆動機構63は、駆動軸27の回転エネルギーを遠心式送水ポンプ49に供給してインペラ75を駆動するように構成されている。駆動機構63は駆動機構ハウジング73内に配置される。
【0060】
この例では、遠心式送水ポンプ49は、駆動機構によって駆動軸27に連結され、駆動軸27から遠心式送水ポンプ49に駆動力を伝達するように構成されている。駆動機構63は、駆動軸27に同心円状に取り付けられた駆動歯車65と、送水ポンプ駆動軸71に同心円状に取り付けられた従動歯車66とを有し、駆動歯車65と従動歯車66は噛み合い係合している。
【0061】
いくつかの実施形態では、遠心式送水ポンプ49は、1:1より大きな歯車比を有する駆動機構63によって駆動軸27に連結される。上記の「ステップアップ駆動(step-up drive)」は、例えば、遠心式送水ポンプ49の直径が利用可能な空間によって制限されている場合などの、駆動軸27の典型的な回転速度が遠心式送水ポンプ49を通る十分な流量を提供することができない場合に有利となり得る。
【0062】
使用時には、船舶用船外機が使用される水域からの水は、ポンプ入口79を介してポンプのインペラ75の中央領域に供給されつつ、インペラ75は駆動歯車65を介して駆動軸27によって回転させられる。回転するインペラ75は、水がインペラ75を横断して半径方向に移動するにつれて水を加速し、遠心式送水ポンプ49の前後の圧力差を発生させ、加圧された水の流れを内燃機関100の冷却材通路に方向付けるようにする。冷却水が内燃機関100の冷却材通路の周りを流れると、冷却材排出口(図示せず)を介して水域に排出されて戻る前に冷却水は内燃機関100から熱を吸収する。
【0063】
船舶用船外機2には、駆動伝達装置を潤滑するための潤滑システムが設けられている。潤滑システムは、駆動伝達装置及び/又は駆動軸27を潤滑するために、潤滑剤流路に沿って潤滑剤(例えば、油)を搬送するように構成されている。潤滑システムは、その場で潤滑剤から固体汚染物質を除去するように、潤滑剤流路に沿って潤滑剤フィルタ83を備えている。
【0064】
船舶用船外機2の作動中、潤滑剤は、伝達装置ケーシング61内に収容された異なる構成要素にわたって流れるように潤滑剤流路に沿って流れる。かさ歯車35、37、39などの伝達装置ケーシング61内の構成要素を潤滑することに加えて、潤滑剤は、固体の汚染物質又は破片を洗い流すことによっても構成要素を洗浄する。このようにして、潤滑剤は、伝達装置ケーシング61内に収容された構成要素を潤滑及び洗浄の両方を行うことができる。
【0065】
時間が経つにつれて、このプロセスで、潤滑剤内に固体汚染物質を構築することとなる。これを緩和するために、潤滑システムは、潤滑剤流路に沿って設けられた潤滑剤フィルタ83を有する。潤滑剤フィルタ83は、潤滑剤内に浮遊する固体汚染物質を除去するために、潤滑剤が潤滑剤流路に沿って流れるときに潤滑剤を濾過するように構成される。
【0066】
図示の構成では、フィルタは遠心式潤滑剤フィルタ83の形態で設けられている。駆動軸27の原動力を利用するために、遠心式潤滑剤フィルタ83は、駆動軸27によって間接的に駆動されるように構成されている。図示の構成では、遠心式潤滑剤フィルタ83は、駆動軸27に連結された駆動機構を介して駆動軸27によって間接的に駆動されるように構成されている。この構成によって、潤滑剤フィルタ83のための別個の駆動装置の必要性を除去する。
【0067】
図示の実施形態では、遠心式潤滑剤フィルタ83は、遠心式送水ポンプ49によって駆動されるように構成されている。この構成によって、遠心式潤滑剤フィルタ83及び遠心式送水ポンプ49の両方に対して駆動軸27に単一の接続部を設けるだけで、伝達における損失を低減させる。
【0068】
上述したように、遠心式送水ポンプ49は、送水ポンプ駆動軸71に同心円状に取り付けられたインペラ75を有する。送水ポンプ駆動軸71は、駆動軸27とは別体であり、駆動軸27によって駆動されるように構成されている。図示の構成では、遠心式潤滑剤フィルタ83は、送水ポンプ駆動軸71によって駆動されるように構成されている。
【0069】
遠心式潤滑剤フィルタ83は、送水ポンプ駆動軸71によって駆動されるように構成されたフィルタ駆動軸93を備える。図示の構成では、遠心式送水ポンプ49は送水ポンプ出力軸を有し、潤滑剤フィルタ83は、送水ポンプ出力軸によって駆動されるように構成されたフィルタ駆動軸93を有する。
【0070】
フィルタ駆動軸89は、フィルタハウジング94内に実質的に中央に配置され、送水ポンプ駆動軸によって駆動されるように構成されている。フィルタ駆動軸89は、送水ポンプ駆動軸71に対して軸線方向に整列されかつ回転的に固定されている。フィルタハウジング94は、潤滑剤リザーバとして作用し、潤滑剤から固体汚染物質を濾過することができるように、潤滑剤をこのリザーバに流入させることができる。
【0071】
例えば潤滑剤フィルタ83が詰まったときに遠心式送水ポンプ49に生じる損傷を防止するために、フィルタ駆動軸89は、機械的ヒューズ(図示せず)を介して送水ポンプ駆動軸71に取り付けられうる。送水ポンプ駆動軸71とフィルタ駆動軸89の機械的ヒューズを介した接続は、所定のレベルのトルクを超えて(すなわち、シャフトの1つが詰まったとき)破断するように構成されることを保証する。
【0072】
遠心式潤滑剤フィルタ83は、ロータ95がフィルタハウジング94内で回転して遠心式潤滑剤フィルタ83を駆動するように、フィルタ駆動軸89に取り付けられたロータ95を有する。また、遠心式潤滑剤フィルタ83には、潤滑剤から固体汚染物質を濾過するように構成された分離ディスク96が設けられている。分離ディスク96は、フィルタ駆動軸89から外方に延びる円錐形の形態で設けられ、上方に角度をつけられている(すなわち、遠心式送水ポンプ49に向かう方向に角度をつけられている)。分離ディスク96の上面は、遠心式潤滑剤フィルタ83の出口97を画定するように、伝達装置ケーシング61から離間されている。
【0073】
ここで、潤滑剤流路に沿った潤滑剤の移動について説明する。
【0074】
当然のことながら、潤滑剤のために様々な異なる流路を設けうる。
【0075】
図示の構成では、潤滑剤は、駆動軸27に沿って(例えば、プロペラシャフト29から離れて)移動し、この移動は、入力軸27の半径方向外側表面上のアルキメデス式スクリューポンプ81によって駆動される。
【0076】
このアルキメデス式スクリューポンプ81の連続的な作動を通して、潤滑剤は、駆動軸27の外面に沿って駆動機構ハウジング73に向かって上方に駆動される。このようにして、潤滑剤は、駆動機構63の駆動歯車65及び従動歯車66を潤滑するために駆動機構ハウジング73の中に流入しうる。
【0077】
潤滑剤が駆動機構ハウジング73の中に流れ続けると、駆動機構ハウジング73内の潤滑剤の体積が蓄積される。
【0078】
送水ポンプ駆動軸71には、送水ポンプ駆動軸71の外面から送水ポンプ駆動軸71に沿って軸線方向に延びる中央孔72まで延びる軸穴74が設けられている。潤滑剤レベルが駆動機構ハウジング73内に増加するにつれて、所定のレベルに達し、軸穴74に流入することになる。
【0079】
このようにして、潤滑剤は、潤滑剤がフィルタハウジング94を流れるように、送水ポンプ駆動軸71の中央孔72に入ることができる。図示の構成では、フィルタ駆動軸89は、送水ポンプ駆動軸71に対して軸線方向に整列されかつ回転的に固定され、潤滑剤は、中央孔72からフィルタ駆動軸89を通って延びる孔76へ及びそれに沿って、フィルタハウジング94へと流れる。
【0080】
代替の構成では、潤滑剤流路が駆動機構ハウジング73をバイパスしうることが理解されるであろう。このような構成では、上述したように、潤滑剤は、入力軸27の半径方向外側表面上のアルキメデス式スクリューポンプ81によって駆動される駆動軸27に沿って移動しうる。潤滑剤が駆動軸27から潤滑剤フィルタ83に直接的に流れることができるように入口通路を設けうる。
【0081】
ロータ95の回転は、比較的に重い固体汚染物質を比較的に軽い潤滑剤から分離するように働く。ロータ95の回転によって加えられる遠心力を介して、比較的に密度の高い固体汚染物質は、半径方向外方に付勢される。さらに、固体汚染物質は、それらの重量により、フィルタハウジング94の底面に沈殿する。このようにして、固体汚染物質は潤滑剤フィルタ83内に保持される。潤滑剤フィルタ83は、分離ディスク96を有し、分離された(又は濾過された)潤滑剤を、出口97を介して遠心式潤滑剤フィルタ83から流出する前に、半径方向外側に方向転換させる。このようにして、潤滑剤から分離された固体汚染物質は、潤滑剤フィルタ83内に保持され、濾過された潤滑剤は、出口97を介して遠心式潤滑剤フィルタ83から出て、プロペラシャフト29に向かって進むことができる。
【0082】
本発明は、1つ以上の好ましい実施形態を参照して上述したが、添付の特許請求の範囲に規定されているように、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更又は修正を行いうることが理解されよう。
図1
図2a
図2b
図2c
図2d
図3
図4
【国際調査報告】