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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-11
(54)【発明の名称】エアロゾル供給デバイス
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/53 20200101AFI20220428BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20220428BHJP
   A24F 40/465 20200101ALI20220428BHJP
【FI】
A24F40/53
A24F40/20
A24F40/465
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021554593
(86)(22)【出願日】2020-03-09
(85)【翻訳文提出日】2021-11-08
(86)【国際出願番号】 EP2020056250
(87)【国際公開番号】W WO2020182758
(87)【国際公開日】2020-09-17
(31)【優先権主張番号】1903247.3
(32)【優先日】2019-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ハリデー, エドワード ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】サイエド, アシュレイ ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ウォーレン, ルーク ジェームズ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AC37
4B162AD06
4B162AD23
4B162AD32
(57)【要約】
エアロゾル供給デバイスが提供され、エアロゾル生成材料を加熱するように構成された加熱アセンブリ、インジケータアセンブリ、及び制御装置を備える。制御装置は、加熱アセンブリにエアロゾル生成材料を加熱させることと、加熱アセンブリの特性を決定することと、を行うように構成されている。決定した特性が少なくとも1つの基準を満たす場合、制御装置は、デバイスの使用の準備が整ったことをインジケータアセンブリに示させるように構成されている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル供給デバイスであって、
エアロゾル生成材料を加熱するように構成された加熱アセンブリと、
インジケータアセンブリと、
前記加熱アセンブリに前記エアロゾル生成材料を加熱させることと、
前記加熱アセンブリの特性を決定することと、
前記決定した特性が少なくとも1つの基準を満たす場合、前記デバイスの使用の準備が整ったことを前記インジケータアセンブリに示させることと、
を行うように構成された制御装置と、
を備えた、エアロゾル供給デバイス。
【請求項2】
前記特性が、前記加熱アセンブリの温度である、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項3】
前記加熱アセンブリの前記温度を示す出力を与えるように構成された温度センサをさらに備え、
前記制御装置が、
前記温度センサから前記出力を受信することと、
前記温度センサからの前記出力に基づいて、前記加熱アセンブリの前記温度を決定することと、
を行うように構成された、請求項2に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項4】
前記少なくとも1つの基準は、前記決定した温度が閾値温度以上である場合に満たされる、請求項3に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項5】
前記制御装置が、前記決定した温度が前記少なくとも1つの基準を満たすものと判定された所定の時間後に前記デバイスの使用の準備が整ったことを前記インジケータアセンブリに示させるように構成された、請求項4に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項6】
前記少なくとも1つの基準は、少なくとも所定の時間にわたって前記決定した温度が閾値温度以上であった場合に満たされる、請求項3に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項7】
前記閾値温度が、およそ240℃よりも高い、請求項4~6のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項8】
前記デバイスが、第1のモード及び第2のモードの一方で動作するように構成され、前記第1のモードが前記第2のモードと異なる加熱特性を有し、前記閾値温度が、前記第1のモードと前記第2のモードとで異なる、請求項4~7のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項9】
前記インジケータアセンブリが、前記デバイスの使用の準備が整ったことを示す視覚的構成要素を備えた、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項10】
前記インジケータアセンブリが、前記デバイスの使用の準備が整ったことを示す触覚フィードバックを与えるように構成された触覚的構成要素を備えた、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項11】
前記インジケータアセンブリが、前記デバイスの使用の準備が整ったことを示す音を放出するように構成された聴覚的な構成要素を備えた、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項12】
前記加熱アセンブリが、前記加熱アセンブリに前記エアロゾル生成材料の加熱を開始させた後のおよそ30秒未満に前記デバイスの使用の準備が整ったことを前記インジケータアセンブリが示すように、前記エアロゾル生成材料を加熱するように構成された、請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項13】
前記制御装置が、前記加熱アセンブリに前記エアロゾル生成材料の加熱を開始させた後のおよそ30秒未満に前記デバイスの使用の準備が整ったことを前記インジケータアセンブリが示すように、前記加熱アセンブリに前記エアロゾル生成材料を加熱させるように構成された、請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項14】
前記制御装置が、前記加熱アセンブリに前記エアロゾル生成材料を加熱させた後の所定の時間内に、前記デバイスが動作を終えたこと又は動作を終えようとしていることを前記インジケータアセンブリに示させるように構成された、請求項1~13のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項15】
前記加熱アセンブリが、
変動磁場を生成するインダクタコイルと、
前記エアロゾル生成材料を加熱するように構成されたサセプタであって、前記変動磁場の侵入により加熱可能である、サセプタと、
を備え、
前記制御装置が、前記インダクタコイルに前記変動磁場を生成させることにより、前記加熱アセンブリに前記エアロゾル生成材料を加熱させるように構成された、請求項1~14のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項16】
前記インダクタコイルが、第1のインダクタコイルであり、前記加熱アセンブリが、第2の変動磁場を生成する第2のインダクタコイルをさらに備え、
前記第1のインダクタコイルが、前記デバイスの長手方向軸に沿う方向において、前記第2のインダクタコイルに隣り合っており、
前記制御装置が、前記デバイスの使用の準備が整ったことを前記インジケータアセンブリに示させた後、前記第2のインダクタコイルに前記第2の変動磁場を生成させるように構成され、
使用する際、前記エアロゾルが、前記デバイスの流路に沿って前記デバイスの近位端に向かって引き出され、前記第1のインダクタコイルが、前記第2のインダクタコイルよりも前記デバイスの前記近位端に近く配置された、請求項15に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項17】
エアロゾル供給デバイスを動作させる方法であって、
前記デバイスの加熱アセンブリにエアロゾル生成材料を加熱させるステップと、
前記加熱アセンブリの特性を決定するステップと、
前記決定した特性が少なくとも1つの基準を満たす場合、前記デバイスの使用の準備が整ったことを前記デバイスのインジケータアセンブリに示させるステップと、
を含む、方法。
【請求項18】
前記特性が、前記加熱アセンブリの温度である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つの基準は、前記決定した温度が閾値温度以上である場合に満たされる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記決定した温度が前記少なくとも1つの基準を満たすものと判定された所定の時間後に前記デバイスの使用の準備が整ったことを前記インジケータアセンブリに示させるステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記少なくとも1つの基準は、少なくとも所定の時間にわたって前記決定した温度が閾値温度以上であった場合に満たされる、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記閾値温度が、およそ240℃よりも高い、請求項19~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記デバイスが、第1のモード及び第2のモードの一方で動作するように構成され、前記第1のモードが前記第2のモードと異なる加熱特性を有し、前記閾値温度が、前記第1のモードと前記第2のモードとで異なる、請求項19~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記加熱アセンブリに前記エアロゾル生成材料の加熱を開始させた後のおよそ30秒未満に前記デバイスの使用の準備が整ったことを前記インジケータアセンブリに示させるステップを含む、請求項17~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記加熱アセンブリに前記エアロゾル生成材料の加熱を開始させた後の所定の時間内に、前記デバイスが動作を終えたこと又は動作を終えようとしていることを前記インジケータアセンブリに示させるステップをさらに含む、請求項17~24のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル供給デバイス及びエアロゾル供給デバイスを動作させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シガレット、シガー等の喫煙品は、使用中にタバコを燃焼させて、タバコ煙を生成する。燃焼なしに化合物を放出する製品の創出によって、これらタバコを燃焼させる物品の代替物を提供しようとする試みがなされている。このような製品の例は、材料を燃焼させずに加熱することによって化合物を放出する加熱デバイスである。この材料は、例えばタバコ又は他の非タバコ製品が考えられ、ニコチンを含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
【発明の概要】
【0003】
本開示の第1の態様によれば、エアロゾル供給デバイスであって、
エアロゾル生成材料を加熱するように構成された加熱アセンブリと、
インジケータアセンブリと、
加熱アセンブリにエアロゾル生成材料を加熱させることと、
加熱アセンブリの特性を決定することと、
決定した特性が少なくとも1つの基準を満たす場合、デバイスの使用の準備が整ったことをインジケータアセンブリに示させることと、
を行うように構成された制御装置と、
を備えた、エアロゾル供給デバイスが提供される。
【0004】
本開示の別の態様によれば、エアロゾル供給デバイスであって、
エアロゾル生成材料を加熱するように構成された加熱アセンブリと、
インジケータアセンブリと、
加熱アセンブリの温度を示す出力を与えるように構成された温度センサと、
加熱アセンブリにエアロゾル生成材料を加熱させることと、
温度センサから出力を受け取ることと、
温度センサからの出力に基づいて、加熱アセンブリの温度を決定することと、
決定した温度が少なくとも1つの基準を満たす場合、デバイスの使用の準備が整ったことをインジケータアセンブリに示させることと、
を行うように構成された制御装置と、
を備えた、エアロゾル供給デバイスが提供される。
【0005】
本開示の第2の態様によれば、エアロゾル供給デバイスを動作させる方法であって、
デバイスの加熱アセンブリにエアロゾル生成材料を加熱させるステップと、
加熱アセンブリの特性を決定するステップと、
決定した特性が少なくとも1つの基準を満たす場合、デバイスの使用の準備が整ったことをデバイスのインジケータアセンブリに示させるステップと、
を含む、方法が提供される。
【0006】
本開示の別の態様によれば、エアロゾル供給デバイスを動作させる方法であって、
デバイスの加熱アセンブリにエアロゾル生成材料を加熱させるステップと、
温度センサからの出力に基づいて、加熱アセンブリの温度を決定するステップと、
決定した温度が少なくとも1つの基準を満たす場合、デバイスの使用の準備が整ったことをデバイスのインジケータアセンブリに示させるステップと、
を含む、方法が提供される。
【0007】
本開示の第3の態様によれば、エアロゾル供給デバイスであって、
変動磁場を生成するインダクタコイルと、
エアロゾル生成材料を加熱するように構成されたサセプタであり、変動磁場の侵入により加熱可能である、サセプタと、
インジケータアセンブリと、
インダクタコイルに変動磁場の生成を開始させることと、
インダクタコイルにエアロゾル生成材料の加熱を開始させた後の所定の時間内に、デバイスが動作を終えたこと又は動作を終えようとしていることをインジケータアセンブリに示させることと、
を行うように構成された制御装置と、
を備えた、エアロゾル供給デバイスが提供される。
【0008】
本発明のさらなる特徴及び利点については、本発明の好適な実施形態に関する以下の説明から明らかとなるであろうが、これは、添付の図面を参照しつつ、一例として示しているに過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】エアロゾル供給デバイスの一例の正面図である。
図2】外カバーを取り外した図1のエアロゾル供給デバイスの正面図である。
図3図1のエアロゾル供給デバイスの断面図である。
図4図2のエアロゾル供給デバイスの分解図である。
図5A】エアロゾル供給デバイス内の加熱アセンブリの断面図である。
図5B図5Aの加熱アセンブリの一部の拡大図である。
図6】デバイスの正面図である。
図7】デバイスのハウジングの斜視図である。
図8】ハウジングのないデバイスの斜視図である。
図9】デバイス内に配置されたLEDの斜視図である。
図10】複数の開口部を備えた外側部材を示した図である。
図11】LEDの上方に配置されたデバイスの構成要素を示した図である。
図12】制御装置、加熱アセンブリ、入力インターフェース、及びインジケータアセンブリを備えたシステムを示した図である。
図13A】複数のLEDが点灯した外側部材を示した図である。
図13B】複数のLEDが点灯した外側部材を示した図である。
図13C】複数のLEDが点灯した外側部材を示した図である。
図13D】複数のLEDが点灯した外側部材を示した図である。
図14】デバイスを動作させる方法のフロー図である。
図15】デバイスを動作させる方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において、用語「エアロゾル生成材料(aerosol generating material)」は、通常はエアロゾルの形態で、加熱する際に揮発成分を与える材料を含む。エアロゾル生成材料には、任意のタバコ含有材料が含まれ、例えば、タバコ、タバコ派生物、拡張タバコ、再生タバコ、又はタバコ代替品のうちの1つ又は複数が挙げられる。また、エアロゾル生成材料としては、他の非タバコ製品も挙げられ、製品によっては、ニコチンを含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。エアロゾル生成材料は、例えば固体、液体、ゲル、ワックス等の形態であってもよい。また、エアロゾル生成材料は、例えば材料の組み合わせ又は混合であってもよい。また、エアロゾル生成材料は、「喫煙材」として知られる場合もある。
【0011】
エアロゾル生成材料を加熱して当該エアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させることにより、通常はエアロゾル生成材料の燃焼(burning又はcombusting)なく吸引可能なエアロゾルを形成する装置が知られている。このような装置は、「エアロゾル生成デバイス」、「エアロゾル供給デバイス」、「非燃焼加熱式デバイス」、「タバコ加熱製品デバイス」、又は「タバコ加熱デバイス」又は同様のものとして記載される場合がある。同様に、通常は液体の形態のエアロゾル生成材料(ニコチンを含む場合もあれば、含まない場合もある)を気化させる、いわゆるeシガレットデバイスが存在する。エアロゾル生成材料は、装置に挿入可能なロッド、カートリッジ、又はカセット等の一部の形態であってもよいし、一部として提供されるようになっていてもよい。エアロゾル生成材料を加熱して揮発させる加熱器は、装置の「永久」部品として設けられていてもよい。
【0012】
エアロゾル供給デバイスは、エアロゾル生成材料を含む物品を受け入れて加熱することができる。これに関連して、「物品」は、使用する際にエアロゾル生成材料を具備又は含有し、加熱されてエアロゾル生成材料及び任意選択として使用中の他の構成要素を揮発させる構成要素である。ユーザが物品をエアロゾル供給デバイスに挿入した後、当該エアロゾル供給デバイスが加熱されて、ユーザが後で吸引するエアロゾルが生成されるようになっていてもよい。物品は、例えば当該物品を受け入れるようにサイズ規定されたデバイスの加熱チャンバ内に配置されるように構成された所定又は特定サイズであってもよい。
【0013】
本開示の第1の態様は、エアロゾル供給デバイスであって、(i)加熱アセンブリにエアロゾル生成材料を加熱させることと、(ii)加熱アセンブリの特性を決定することと、(iii)決定した特性が少なくとも1つの基準を満たす場合、デバイスの使用の準備が整ったことをインジケータアセンブリに示させることと、を行うように構成された制御装置を備えた、エアロゾル供給デバイスを規定する。
【0014】
したがって、このデバイスは、加熱アセンブリの特性を測定又はモニタリングし、この特性に基づいて、デバイスの使用の準備が整うタイミングをユーザに応答通知することができる。したがって、このデバイスは、当該デバイスの使用を開始可能であることをユーザに報知可能である。これにより、エアロゾルの吸引までユーザを必要以上に長く待たせて、エアロゾルの消耗及び顧客の満足度を低下させることを回避することができる。
【0015】
特定の一例において、上記特性は、加熱アセンブリの温度である。したがって、制御装置は、加熱アセンブリの温度を決定し、これに応答して、温度が少なくとも1つの基準を満たす場合、デバイスの使用の準備が整ったことをインジケータアセンブリに示させるようにしてもよい。加熱アセンブリにより加熱されているエアロゾル生成材料の温度は、加熱アセンブリの温度によって決まり得る。
【0016】
この温度は、温度センサにより測定されるようになっていてもよい。したがって、このデバイスは、加熱アセンブリ(加熱アセンブリの構成要素等)の温度を示す出力(信号等)を与えるように構成された温度センサを備えていてもよい。制御装置は、温度センサからの出力を受け取り、この出力に基づいて温度を決定/計算する。温度が基準を満足する/満たす場合、制御装置は、デバイスの使用の準備が整ったことをデバイスのインジケータアセンブリに示させることができる。
【0017】
したがって、このデバイスは、加熱アセンブリの温度を測定又はモニタリングし、この温度に基づいて、デバイスの使用の準備が整うタイミングをユーザに応答通知することができる。
【0018】
加熱アセンブリの温度は、他の手段により測定又は推測されるようになっていてもよい。例えば、加熱アセンブリは、サセプタを備えていてもよい。サセプタは、キュリー温度が異なる2つ以上の異なる材料を含んでいてもよい。材料が(加熱されて)そのキュリー温度に達すると、その特性が変化し得る。この状態の変化は、デバイス内の回路により検出可能であってもよい。したがって、制御装置は、より標準的な温度センサを用いて温度を直接測定することなく、材料がそのキュリー温度に達したものと判定するようにしてもよい。
【0019】
「決定した特性が少なくとも1つの基準を満たす場合、デバイスの使用の準備が整ったことをインジケータアセンブリに示させる」ことは、「特性が少なくとも1つの基準を満たすものと判定し、特性が基準を満たすものと判定したことに応答して、デバイスの使用の準備が整ったことをインジケータアセンブリに示させる」ことを意味し得る。
【0020】
少なくとも1つの基準は、決定した温度が閾値温度以上である場合に満たされるようになっていてもよい。このため、温度が閾値を超えた場合にのみ、デバイスの使用の準備が整ったことがユーザに報知される。これは、エアロゾル生成材料が最小温度まで加熱されたことを保証し得る。この閾値温度では、エアロゾル生成材料が十分な量/濃度のエアロゾルを放出していると考えられる。この閾値を下回ると、エアロゾルは吸引に適さないと考えられる。
【0021】
制御装置は、決定した温度が少なくとも1つの基準を満たすものと判定された所定の時間後にデバイスの使用の準備が整ったことをインジケータアセンブリに示させるように構成されていてもよい。この所定の時間においては、加熱アセンブリがその温度を維持するように駆動されるため、加熱アセンブリの温度が閾値の上下に変動する可能性がある。このため、温度は必ずしも、閾値以上とはなり得ない。この所定の時間によれば、熱がエアロゾル生成材料に侵入する時間が見込まれる。そして、デバイスの使用の準備が整ったことが後でユーザに通知され得る。一例において、所定の時間は、加熱器が閾値温度に達した後のおよそ10秒超、およそ15秒超、又はおよそ20秒超である。
【0022】
代替的な一例において、少なくとも1つの基準は、少なくとも所定の時間にわたって、決定した温度が閾値温度以上であった場合に満たされるようになっていてもよい。したがって、エアロゾル生成材料は、特定の時間の長さにわたってこの温度以上に加熱され得る。これは、熱がエアロゾル生成材料に侵入して、より多く/高濃度のエアロゾルを生成可能となる時間があったことを保証し得る。例えば、温度が閾値を超えた時点では、エアロゾル生成材料が依然として、比較的低い温度の可能性がある。所定の時間は、加熱器が閾値温度に達した後のおよそ10秒超、およそ15秒超、又はおよそ20秒超であってもよい。
【0023】
加熱器は、制御装置が加熱アセンブリにエアロゾル生成材料の加熱を開始させた後のおよそ5秒未満、およそ3秒未満、又はおよそ2秒未満で閾値温度に達するようになっていてもよい。
【0024】
閾値温度は、加熱器の「設定値」、すなわち、加熱セッションの少なくとも一部にわたって加熱器が維持される温度であってもよい。加熱セッションにおいては、異なる閾値温度が存在していてもよい。
【0025】
閾値温度は、およそ240℃超、およそ250℃超、およそ260℃超、およそ270℃超、およそ280℃超、又はおよそ290℃超であってもよい。閾値温度は、およそ240℃超且つおよそ290℃未満、およそ250℃超且つおよそ260℃未満、又はおよそ280℃超且つおよそ290℃未満であってもよい。
【0026】
いくつかの例において、このデバイスは、第1のモード及び第2のモードの一方で動作するように構成されており、第1のモードが第2のモードと異なる加熱特性を有し、閾値温度が第1のモードと第2のモードとで異なる。例えば、閾値温度は、第2のモードでより高くなっていてもよい。いくつかの例において、上記所定の時間は、両加熱モードで同じである。他の例において、上記所定の時間は、第1のモードと第2のモードとで異なる。例えば、上記所定の時間は、閾値温度が低い可能性があることから、第1のモードでより長くなっていてもよい。
【0027】
したがって、このデバイスは、2つ以上の異なる加熱モードで動作し得る。一例において、各加熱モードでは、エアロゾル生成材料を異なる温度に加熱すること、及び/又は、エアロゾル生成材料を異なる時間の長さにわたって加熱することが可能である。したがって、各加熱モードは、異なる特性を有し得る。
【0028】
一例において、第1のモードでは閾値温度がおよそ240℃~およそ260℃であり、第2のモードでは閾値温度がおよそ270℃~およそ290℃である。
【0029】
また、このデバイスは、他の非加熱モードで動作するようになっていてもよい。例えば、このデバイスは、設定モードで動作するようになっていてもよい。加熱モード及び非加熱モードは、このデバイスの動作モードとしてより一般的に知られている場合がある。
【0030】
第1のモードは、デフォルトモードとして知られている場合があり、第2のモードは、ブーストモードとして知られている場合がある。第2のモードでは、例えば第1のモードよりも大量又は高濃度のエアロゾルを生成するようにしてもよい。
【0031】
加熱アセンブリの特性は、加熱アセンブリが使用するエネルギーであってもよい。制御装置は、加熱器が使用するエネルギーを決定又は計算し、加熱アセンブリが使用するエネルギーが閾値エネルギー以上である場合に、デバイスの使用の準備が整ったことをインジケータアセンブリに示させるようにしてもよい。したがって、この基準は、決定したエネルギー使用が閾値以上である場合に満たされるようになっていてもよい。例えば、制御装置は、加熱アセンブリがエアロゾル生成材料の加熱を開始してから、およそ50J超、およそ60J超、およそ80J超、およそ100J超、又はおよそ120J超を使用したタイミングを決定するようにしてもよい。使用されたエネルギーを測定することにより、このデバイスでは温度センサが不要となって、デバイスに要する構成要素の数を減らせる。
【0032】
閾値は、加熱セッションにおいて使用される全エネルギーの割合であってもよい。例えば、制御装置は、加熱セッションにおいて使用される全エネルギーのおよそ2%超、およそ3%超、およそ5%超、およそ7%超、又はおよそ10%超を加熱アセンブリが使用したタイミングを決定するようにしてもよい。
【0033】
いくつかの例において、このデバイスは、当該デバイスを動作させる入力を受け付けるように構成された入力インターフェースをさらに備える。一例において、入力インターフェースは、第1のモード及び第2のモードを含む複数の加熱モードから、加熱モードを選択する入力を受け付けるように構成されている。したがって、ユーザは、入力インターフェースとの相互作用又は入力インターフェースの操作によって、加熱モードを選択することができる。制御装置は、加熱モードを選択する入力を検出し、この入力の検出に応答して、入力に基づいて、選択された加熱モードを決定し、選択された加熱モードに従って、加熱アセンブリにエアロゾル生成材料の加熱を開始させることができる。同じ入力インターフェースの使用により、複数の動作モードから設定モードを選択する入力を受け付けるようにしてもよい。したがって、いくつかの例において、このデバイスは、加熱モードが選択された場合にのみ、加熱を開始する。これにより、デバイスのエネルギー効率を向上させることが可能である。
【0034】
制御装置は、選択された加熱モードの決定と実質的に同時に、選択された加熱モードに従って、加熱アセンブリにエアロゾル生成材料の加熱を開始させるのが好ましい。例えば、これらは同時に起こり得る。これにより、ユーザがデバイスの使用を開始するまでに待つ必要がある時間が短くなる。他の例においては、1秒未満、0.5秒未満、0.1秒未満、0.01秒未満、又は0.001秒未満等、上記ステップ間にわずかな遅延が存在していてもよい。
【0035】
いくつかの例において、インジケータアセンブリは、加熱アセンブリがエアロゾル生成材料の加熱を開始したことを示す。これにより、ユーザは、デバイスの操作を再び開始しようとしなくて済む。
【0036】
一構成において、インジケータアセンブリは、デバイスの使用の準備が整ったことを示すように構成された視覚的構成要素を備える。例えば、視覚的構成要素は、LED、複数のLED、ディスプレイ、eインクディスプレイ、又は移動によって1つ若しくは複数のパターンを表示する機械的要素を備えていてもよい。いくつかの例において、視覚的構成要素は、発光するように構成されている。
【0037】
特定の一例においては、インジケータアセンブリが複数のLEDを備え、点灯したLEDの数によって、デバイスの使用の準備が整ったタイミングを示す。例えば、加熱アセンブリが最初にエアロゾル生成材料の加熱を開始した場合は、第1の数のLEDが点灯し、デバイスの使用の準備が整った場合は、第2の数のLEDが点灯し、第2の数が第1の数より大きくてもよい。LEDの第1の数は、ゼロであってもよい。第2の数は、全LEDであってもよい。したがって、インジケータアセンブリは、デバイスの使用の準備が整うのにデバイスがどれほど近いかを示し得る。LEDは、加熱アセンブリの加熱時に、順次点灯するようになっていてもよい。LEDは、温度センサにより測定された温度に基づいて、順次点灯するようになっていてもよい。
【0038】
特定の一例においては、4つのLED等、複数のLEDが存在し、これらのLEDは、加熱アセンブリの温度に基づいて(すなわち、加熱アセンブリの加熱時に)、順次オンにされる。例えば、最初は、4つのすべてのLEDがオフにされていてもよい。温度が第1の閾値を超えて高くなった場合に、4つのLEDのうちの1つがオンされるようになっていてもよい。温度が第2の閾値を超えて高くなった場合に、別のLEDがオンされるようになっていてもよい。温度が第3の閾値を超えて高くなった場合に、別のLEDがオンされ、温度が第4の閾値を超えて高くなった場合に、4つのすべてのLEDがオンされるようになっていてもよい。第4の閾値は、上述の閾値温度に等しくてもよい。このように、温度が閾値温度に等しくなった時点で、すべてのLEDが点灯するようになっていてもよい。
【0039】
別の例においては、4つのLED等、複数のLEDが存在し、これらのLEDは、温度が閾値温度以上であるものと制御装置が判定した後に、順次オンにされる。例えば、最初は、4つのすべてのLEDがオフにされていてもよい。温度が閾値温度以上であるものと制御装置が判定した後、第1の閾値時間が経過した場合に、4つのLEDのうちの1つがオンされるようになっていてもよい。第1の閾値時間は、ゼロ秒であってもよい(すなわち、温度が閾値温度以上であるものと制御装置が判定した時点で、LEDがオンされるようになっていてもよい)。温度が閾値温度以上であるものと制御装置が判定した後、第2の閾値時間が経過した場合に、第2のLEDがオンされるようになっていてもよい。温度が閾値温度以上であるものと制御装置が判定した後、第3の閾値時間が経過した場合に、第3のLEDがオンされるようになっていてもよい。温度が閾値温度以上であるものと制御装置が判定した後、第4の閾値時間が経過した場合に、最後のLEDがオンされるようになっていてもよい。
【0040】
別の例において、インジケータアセンブリは、デバイスの使用の準備が整ったことを示す触覚フィードバックを与えるように構成された触覚的構成要素を備える。例えば、触覚的構成要素は、デバイスの使用の準備が整った場合にデバイスを振動させる触覚モータであってもよい。いくつかの例において、触覚的構成要素は、加熱アセンブリがエアロゾル生成材料の加熱を開始した後、第1のパターンに従って、触覚フィードバックを与えるとともに、デバイスの使用の準備が整った場合、第2のパターンに従って、触覚フィードバックを与える。第1のパターンは、デバイスの使用の準備が整うまで継続するようになっていてもよいし、短時間の後に終端するようになっていてもよい。したがって、触覚的構成要素は、デバイスが動作していることをユーザが認識できるように、デバイスがエアロゾル生成材料の加熱を開始したことも示し得る。
【0041】
別の例において、インジケータアセンブリは、デバイスの使用の準備が整ったことを示す音を放出するように構成された聴覚的インジケータを備える。聴覚的インジケータは、トランスデューサ、ブザー、ベル等であってもよい。
【0042】
特定の一例において、インジケータアセンブリは、触覚的構成要素及び視覚的構成要素を備える。触覚的構成要素は、加熱アセンブリがエアロゾル生成材料の加熱を開始した旨の触覚的な指標を与えるように構成されていてもよい。視覚的構成要素は、デバイスの使用の準備が整った旨の視覚的な指標を与えるように構成されていてもよい。
【0043】
いくつかの例において、インジケータアセンブリは、デバイスが動作を終えるまでに残る時間を示す指標を与えるように構成されている。例えば、インジケータアセンブリは、デバイスが動作を終えるまでに残る時間に応じて、異なる指標を与えるようにしてもよい。このデバイスは、加熱アセンブリへの給電が停止となった時点(すなわち、能動的に加熱しなくなった時点又は温度を維持している時点)、或いは、エアロゾルの温度/量が許容範囲レベルを下回ったと考えられる時点(加熱アセンブリへの給電が停止となった時点の数秒後と考えられる)で「動作の終了」を行うようにしてもよい。一例において、このデバイスは、加熱アセンブリの温度が第2の閾値を下回った時点で「動作の終了」を行うようにしてもよい。
【0044】
特定の一例においては、インジケータアセンブリが複数のLEDを備え、点灯したLEDの数によって、デバイスが動作を終えるまでに残る時間を示す。例えば、デバイスが動作している場合は、第1の数のLEDが点灯し、デバイスが動作を終えた場合は、第2の数のLEDが点灯し、第2の数が第1の数より小さくてもよい。第2の数は、例えばゼロであってもよい。第1の数は、全LEDであってもよい。したがって、LEDは、デバイスが終了に近づくにつれて「カウントダウン」を実行するようにしてもよい。
【0045】
特定の一例においては、4つのLED等、複数のLEDが存在し、これらのLEDは、加熱アセンブリの温度に基づいて(すなわち、加熱セッションの終了が近づくにつれて)、順次オフにされる。例えば、デバイスが動作を終える前は、4つのすべてのLEDが点灯するようになっていてもよい。温度が第1の度数だけ低下した場合に、4つのLEDのうちの1つがオフされるようになっていてもよい。温度が第2の度数だけ低下した場合に、別のLEDがオフされるようになっていてもよい。温度が第3の度数だけ低下した場合に、別のLEDがオフされ、温度が第4の度数だけ低下した場合に、4つのすべてのLEDがオフされるようになっていてもよい。第1の度数は、加熱アセンブリの動作温度(すなわち、閾値温度)をおよそ5~10℃下回っていてもよい。第2の度数は、加熱アセンブリの動作温度(すなわち、閾値温度)をおよそ10~20℃下回っていてもよい。第3の度数は、加熱アセンブリの動作温度(すなわち、閾値温度)をおよそ15~30℃下回っていてもよい。第4の度数は、加熱アセンブリの動作温度(すなわち、閾値温度)をおよそ20~40℃下回っていてもよい。第4の度数は、上述の第2の閾値に等しくてもよい。
【0046】
別の例において、触覚的構成要素は、加熱アセンブリの温度に基づいて、異なる触覚フィードバックパターンを与えるようにしてもよい。例えば、触覚的構成要素は、(残り時間を示し得る)加熱アセンブリの温度低下を示す触覚フィードバックを与えるようにしてもよい。触覚フィードバックの種類が残っている時間がどれくらいかを示していてもよい。
【0047】
さらに別の例において、聴覚的インジケータは、(残り時間を示し得る)加熱アセンブリの温度に基づいて、異なる音を与えるようにしてもよい。例えば、ピッチ、トーン、音パターン等が時間とともに変化するようになっていてもよい。
【0048】
別の例において、制御装置は、デバイスが動作を終えたこと又は動作を終えようとしていることをインジケータアセンブリに示させるように構成されている。これにより、インジケータアセンブリは、動作を終えた瞬間又は動作を終えようとしている瞬間を示すようにしてもよい。例えば、デバイスが動作を終えた場合は、視覚的インジケータが如何なる視覚的な指標も与えなくなっていてもよい。特定の一例において、デバイスが動作を終えた場合又は動作を終えようとしている場合は、すべてのLEDがオフされるようになっていてもよい。これにより、デバイスからの吸引をやめるべきことがユーザに示される。
【0049】
制御装置は、決定した温度が第2の基準を満たす場合、デバイスが動作を終えたこと又は動作を終えようとしていることをインジケータアセンブリに示させるようにしてもよい。第2の基準は、決定した温度が第2の閾値温度以下である場合に満たされるようになっていてもよい。第2の閾値温度は、上記閾値温度より低くてもよい。例えば、第2の閾値温度は、上述の閾値温度をおよそ10℃~およそ50℃下回っていてもよい。
【0050】
特定の一例においては、4つのLED等、複数のLEDが存在し、これらのLEDは、加熱セッションの終了が近づくにつれて、順次オフにされる。例えば、デバイスが動作を終える20秒前に、4つのすべてのLEDが点灯するようになっていてもよい。残り15秒となった場合に、4つのLEDのうちの1つがオフされるようになっていてもよい。残り10秒となった場合に、別のLEDがオフされるようになっていてもよい。残り5秒となった場合に、別のLEDがオフされ、残り0秒では4つのすべてのLEDがオフされるようになっていてもよい。
【0051】
別の例において、触覚的構成要素は、残り時間に応じて、異なる触覚フィードバックパターンを与えるようにしてもよい。例えば、触覚的構成要素は、一定の時間が残っていることを示す触覚フィードバックを与えるようにしてもよい。触覚フィードバックの種類が残っている時間を示していてもよい。例えば、20秒残っている場合は、短くて強度の低い触覚フィードバックがあってもよく、5秒又は0秒しか残っていない場合は、触覚フィードバックはより長くて強度の高いものであってもよい。
【0052】
さらに別の例において、聴覚的インジケータは、残り時間に応じて、異なる音を与えるようにしてもよい。例えば、ピッチ、トーン、音パターン等が時間とともに変化するようになっていてもよい。
【0053】
加熱アセンブリは、加熱アセンブリにエアロゾル生成材料の加熱を開始させた後のおよそ30秒未満、およそ20秒未満、およそ15秒未満、又はおよそ10秒未満にデバイスの使用の準備が整ったことをインジケータアセンブリが示すように、エアロゾル生成材料を加熱するように構成されていてもよい。
【0054】
誘導加熱アセンブリ等の特定の加熱アセンブリは、他種の加熱アセンブリと比較した場合に、エアロゾル生成材料を短い時間に好適な温度まで加熱可能であることが見出されている。したがって、デバイスのユーザは、例えばおよそ20秒未満に、デバイスを利用してエアロゾルを吸引可能となり得る。特定の加熱アセンブリがエアロゾル生成材料を急速に加熱可能であることから、準備が整ったことをデバイスが示した時点で、エアロゾル生成材料は十分な量のエアロゾルを放出していることになる。
【0055】
前述の通り、このデバイスは、第1のモード及び第2のモードの一方で動作するように構成されていてもよく、第1のモードで動作している場合は、加熱アセンブリのある構成要素が第1の温度まで加熱され、第2のモードで動作している場合は、加熱アセンブリのある構成要素が第2の温度まで加熱されるものとする。第2の温度は、第1の温度より高くてもよい。
【0056】
いくつかの例において、温度が少なくとも1つの基準を満たすタイミングは、加熱モードに基づく。例えば、第2のモードにおいては、制御装置が、第1のモードよりも高い温度まで、加熱アセンブリに当該加熱アセンブリの構成要素を加熱させるように構成されていてもよい。第2のモードにおいて、温度が基準を満たすタイミングは、デバイスが第1のモードで動作している場合より早くてもよい。
【0057】
いくつかの例において、インジケータアセンブリは、選択された加熱モードを示すようにしてもよい。いくつかの例において、この指標は、デバイスの使用の準備が整ったことを示す指標と同じである。このため、デバイスの使用の準備が整ったことを示すのに用いられる指標の種類は、選択された加熱モードに基づいていてもよい。他の例において、選択された加熱モードを示す指標は、加熱モードが選択された後であってデバイスの使用の準備が整う前に、生じるようになっていてもよい。このため、2つの別個の指標が生じるようになっていてもよい。第1の指標は、選択された加熱モードを示し、第2の指標は、デバイスの使用の準備が整ったことを示すようにしてもよい。これにより、ユーザは、意図せず間違ったモードを選択してしまった場合に、加熱をキャンセル可能となり得る。特定の一例において、第1の指標は、触覚的構成要素により与えられ、第2の指標は、視覚的構成要素により与えられる。これが有用なのは、ユーザは、加熱モードの選択時にはデバイスを手にする一方、デバイスの使用の準備が整うのを待つ間はデバイスを表面に置く可能性があるためである。視覚的な指標は、ユーザがデバイスを手に持たなくなった場合に、より容易に確認可能である。
【0058】
また、入力インターフェースは、ユーザインターフェースとして知られている場合がある。入力インターフェースは、ボタンであってもよいし、タッチスクリーンであってもよいし、ダイヤルであってもよいし、ノブであってもよいし、モバイルデバイスへの無線接続(例えば、Bluetooth)であってもよい。このインターフェースによれば、ユーザは、複数の動作モードから、動作モードを選択可能となる。動作モードには、1つ若しくは複数の加熱モード並びに/又は設定モードを含んでいてもよい。入力が受け付けられた場合、入力インターフェースは、入力を示す1つ又は複数の信号を制御装置に送信可能である。この(1つ又は複数の)信号に基づいて、制御装置は、選択された加熱モード又は設定モード等、選択された動作モードを決定することができる。
【0059】
特定の一例においては、入力インターフェースがボタンを備え、上記入力は、ボタンが解除されたことを示す信号を含む。制御装置は、入力インターフェースからの入力を受け付け可能である。これにより、加熱アセンブリは、ボタンが一度だけ解除されれば、エアロゾル生成材料の加熱を開始する。ユーザがボタンを押し下げている間、加熱アセンブリは、エアロゾル生成材料を加熱しないようにしてもよい。したがって、上記所定の時間は、ユーザがボタンを解除した場合に開始となる。ボタンは、ソフトウェアボタンであってもよいし、ハードウェアボタンであってもよい。上記信号は、単一の信号であってもよいし、2つ以上の信号であってもよい。
【0060】
特定の一例において、上記入力には、ボタンが押された時間の長さを示す信号をさらに含み、制御装置は、(i)ボタンが解除されたことを示す信号を受信することと、(ii)ボタンが押された時間の長さが閾値時間以上であると判定することと、に応答して、加熱モードを選択する入力を検出するように構成されている。ボタンが押された時間の長さを示す信号は、ボタンが解除されたことを示す同じ信号の一部であってもよいし、別個の信号であってもよい。これにより、いくつかの例において、加熱アセンブリは、閾値時間以上の特定の長さの時間にわたってボタンが押された場合にのみ、加熱を開始するようにしてもよい。特定の一例において、閾値時間は、3秒又は5秒である。ボタンが保持されて解除されるまでが閾値時間未満の場合、加熱アセンブリは、加熱を開始しないようにしてもよい。これにより、ユーザが意図せずボタンを押してしまってエネルギーを消耗するおそれがある場合にエアロゾル生成材料を加熱するのを回避することができる。このため、制御装置は、ボタンが押された時間の長さが閾値未満であると判定した場合、加熱アセンブリに加熱を開始させないように決定する。
【0061】
制御装置は、ボタンが押された時間の長さに基づいて、選択された加熱モードを決定するように構成されていてもよい。一例において、このデバイスは、ボタンが押された時間の長さが第1の閾値時間以上且つ第2の閾値時間未満の場合に第1のモードで動作するように構成されており、ボタンが押された時間の長さが第2の閾値時間以上の場合に第2のモードで動作するように構成されている。例えば、第1の閾値時間は、3秒であってもよく、第2の閾値時間は、5秒であってもよい。これにより、ユーザは、単一のボタンを用いて、異なるモードを選択可能となる。単一のインターフェースで複数のモードを選択することにより、デバイスの操作を簡素化することができるとともに、構成要素の数を減らすことができる。構成要素の数が少なくなると、デバイスがさらに軽量となり、破壊又は機能停止に至る部品が少なくなる。
【0062】
加熱アセンブリは、誘導加熱アセンブリであってもよい。例えば、加熱アセンブリは、1つ又は複数のインダクタコイル及びサセプタを備えていてもよい。別の例において、加熱アセンブリは、抵抗加熱アセンブリであってもよい。例えば、エアロゾル生成材料を加熱する1つ又は複数の構成要素が抵抗加熱されるようになっていてもよい。
【0063】
特定の一例において、加熱アセンブリは、変動磁場を生成するインダクタコイルと、エアロゾル生成材料を加熱するように構成されたサセプタとを備え、サセプタは、変動磁場の侵入により加熱可能である。制御装置は、インダクタコイルに変動磁場を生成させることにより、加熱アセンブリにエアロゾル生成材料を加熱させるように構成されている。したがって、サセプタは、加熱アセンブリの加熱される構成要素であってもよい。例えば、第1のモードにおいて、インダクタコイルは、サセプタを第1の温度まで加熱するように構成されていてもよい。例えば、第2のモードにおいて、インダクタコイルは、サセプタを第2の温度まで加熱するように構成されていてもよい。したがって、温度センサは、サセプタの温度を測定する。温度センサは、サセプタと第1のインダクタコイルとの間に配置されていてもよい。温度センサは、サセプタの外面に配置されるのが好ましい。温度センサは、サーミスタであってもよいし、熱電対であってもよい。
【0064】
誘導加熱システムは、抵抗加熱アセンブリ等の他種の加熱アセンブリと比較した場合に、エアロゾル生成材料を短い時間に好適な温度まで加熱可能であることが見出されている。
【0065】
いくつかの例においては、上記インダクタコイルが第1のインダクタコイルであり、デバイスは、第2の変動磁場を生成する第2のインダクタコイルをさらに備える。特定の一構成において、第1のインダクタコイルは、デバイスの長手方向軸に沿う方向において、第2のインダクタコイルに隣り合っており、制御装置は、デバイスの使用の準備が整ったことをインジケータアセンブリに示させた後、第2のインダクタコイルに第2の変動磁場を生成させるように構成されている。使用する際、デバイスの流路に沿って、デバイスの近位端に向かってエアロゾルが引き出され、第1のインダクタコイルが、第2のインダクタコイルよりもデバイスの近位端に近く配置されている。
【0066】
したがって、このデバイスは2つのインダクタコイルを備えていてもよく、第1のインダクタコイルがデバイスの口端に近い。したがって、第1のインダクタコイルは、ユーザの口に近いエアロゾル生成材料を加熱する。最初に、第1のインダクタコイルが動作する。第2のインダクタコイルは、後で動作可能である。例えば、制御装置は、第1のインダクタコイルに第1の磁場を生成させた後の第3の所定の時間に、第2のインダクタコイルに第2の磁場を生成させるようにしてもよい。第3の所定の時間は、例えばおよそ40秒~およそ60秒であってもよい。第3の所定の時間は、デバイスが動作しているモードによって決まり得る。
【0067】
第1のインダクタコイルは、第2のインダクタコイルが第2の磁場を生成している間、第1の磁場を生成し続けてもよい。
【0068】
特定の一例においては、第1のインダクタコイルが第1の長さを有し、第2のインダクタコイルが第2の長さを有し、第1の長さが第2の長さよりも短い。長さが短いと加熱されるエアロゾル生成材料の量が少なく、生成されるエアロゾルの量も少なくなるため、「ホットパフ」として知られる現象が抑えられる。
【0069】
別の態様においては、上述のエアロゾル供給デバイスを動作させる方法が提供される。この方法は、デバイスの加熱アセンブリにエアロゾル生成材料を加熱させるステップと、加熱アセンブリの特性を決定するステップと、決定した特性が少なくとも1つの基準を満たす場合、デバイスの使用の準備が整ったことをデバイスのインジケータアセンブリに示させるステップと、を含む。
【0070】
上記特性は、加熱アセンブリの温度であってもよい。例えば、誘導加熱システムにおいては、サセプタの温度であってもよい。
【0071】
少なくとも1つの基準は、決定した温度が閾値温度以上である場合に満たされるようになっていてもよい。この方法は、決定した温度が少なくとも1つの基準を満たすものと判定された所定の時間後にデバイスの使用の準備が整ったことをインジケータアセンブリに示させるステップをさらに含んでいてもよい。
【0072】
この方法は、加熱アセンブリにエアロゾル生成材料の加熱を開始させた後のおよそ30秒未満にデバイスの使用の準備が整ったことをインジケータアセンブリに示させるステップをさらに含んでいてもよい。
【0073】
この方法は、加熱アセンブリにエアロゾル生成材料の加熱を開始させた後の所定の時間内に、デバイスが動作を終えたこと又は動作を終えようとしていることをインジケータアセンブリに示させるステップをさらに含んでいてもよい。
【0074】
この方法は、任意の種類の加熱アセンブリに関して説明したが、当然のことながら、誘導加熱アセンブリを備えたデバイスにも適用可能である。
【0075】
別の態様において、エアロゾル供給デバイスは、変動磁場を生成するインダクタコイルと、エアロゾル生成材料を加熱するように構成されたサセプタであって、変動磁場の侵入により加熱可能である、サセプタと、インジケータアセンブリと、制御装置と、を備える。制御装置は、インダクタコイルに変動磁場の生成を開始させるとともに、インダクタコイルにエアロゾル生成材料の加熱を開始させた後の所定の時間内に、デバイスが動作を終えたこと又は動作を終えようとしていることをインジケータアセンブリに示させるように構成されている。これにより、デバイスが動作を終えた場合又は動作を終えようとしている場合、ユーザに通知可能となる。これにより、生成されるエアロゾルの量、濃度、又は温度が十分でなくなった場合は、ユーザによるデバイスの使用継続が停止される。
【0076】
別の態様において、エアロゾル供給デバイスを動作させる方法は、サセプタを加熱する変動磁場をエアロゾル供給デバイスのインダクタコイルに生成させるステップと、インダクタコイルアセンブリにエアロゾル生成材料の加熱を開始させた後の所定の時間内に、デバイスが動作を終えたこと又は動作を終えようとしていることをエアロゾル供給デバイスのインジケータアセンブリに示させるステップと、を含む。
【0077】
この方法は、誘導加熱器に関して説明したが、当然のことながら、非誘導加熱アセンブリを備えたデバイスにも適用可能である。例えば、このデバイスは、インダクタコイルの代わりに、エアロゾル生成材料を加熱するように構成された加熱アセンブリを備えていてもよい。
【0078】
特定の一例において、インジケータアセンブリは、1つ又は複数の発光ダイオード(LED)と、1つ又は複数のLEDの上方に配置された外側部材とを備える。外側部材は、エアロゾル供給デバイスの外側から視認可能な複数の開口部を備える。(例えば、可視光の形態の)電磁放射が複数の開口部を通過して、これをユーザが視認可能である。外側部材の少なくとも一部がデバイスの外面を構成していてもよい。
【0079】
インジケータアセンブリは、1つ又は複数のLEDと外側部材との間に配置された光成形部材をさらに備えていてもよい。光成形部材は、それを通して光をガイドして特定のパターン又はデザインを生成する1つ又は複数の光導体を備えていてもよい。光成形部材は、LEDからの光の一部を遮断するように構成された不透明領域を含んでいてもよい。光成形部材は、光が通過し得る透明又は半透明領域を含んでいてもよい。或いは、光成形部材は、光が通過し得る開口を含んでいてもよい。不透明領域並びに透明若しくは半透明領域を含む光成形部材は、開口を有する光成形部材よりも堅牢となり得る。また、半透明領域は、さらに光の拡散/低減が可能である。
【0080】
いくつかの例において、光成形部材は、2つ以上の外側被覆構成要素により形成されている。例えば、不透明及び透明/半透明領域が2つの外側被覆構成要素により形成されていてもよい。
【0081】
一例において、光成形部材は、その周辺/周囲/外周に延びた不透明領域を含む。これにより、外側部材の外側周辺に光が漏れることを防止可能である。不透明領域は、外側リングであってもよい。
【0082】
一例において、不透明領域は、黒色又は濃い灰色に色付けされている。
【0083】
一例において、不透明領域は、十字形状である。
【0084】
特定の一例においては、このデバイスが4つのLEDを備え、これら4つのLEDのそれぞれは、光成形部材の下方に配置されるとともに、LEDからの光が4つの四分円に分離されるように隣り合う不透明領域の間に配置されている。不透明領域は、ある四分円から隣り合う四分円への光の漏出を防止するように構成されている。
【0085】
このデバイスは、非燃焼加熱式デバイスとしても知られるタバコ加熱デバイスであるのが好ましい。
【0086】
図1は、エアロゾル生成媒体/材料からエアロゾルを生成するエアロゾル供給デバイス100の一例を示している。概略として、デバイス100は、エアロゾル生成媒体を含む交換式物品110を加熱して、当該デバイス100のユーザが吸引するエアロゾル又はその他の吸引可能媒体を生成するのに用いられるようになっていてもよい。
【0087】
デバイス100は、当該デバイス100の様々な構成要素を囲んで収容する(外カバーの形態の)ハウジング102を備える。デバイス100は開口104を一端に有し、物品110を加熱アセンブリにより加熱するために開口104に挿通してもよい。使用する際、物品110は、加熱アセンブリに全部又は一部が挿入され、加熱アセンブリの1つ又は複数の構成要素により加熱されるようになっていてもよい。
【0088】
本例のデバイス100は、第1の端部材106を備え、第1の端部材106は、物品110が所定の位置にない場合に、第1の端部材106に対する移動によって開口104を閉鎖し得る蓋108を備える。図1において、蓋108は、開放構成にて示しているが、キャップ108は、閉鎖構成へと移動することも可能である。例えば、ユーザが蓋108を矢印「A」の方向にスライドさせるようにしてもよい。
【0089】
また、デバイス100は、入力インターフェース112を具備してもよく、入力インターフェース112は、ボタン又はスイッチを備えていてもよく、押された場合にデバイス100を動作させる。例えば、ユーザは、入力インターフェース112の操作によって、デバイス100をオンするようにしてもよい。
【0090】
また、デバイス100は、ソケット/ポート114等の電気的コネクタ/構成要素を備えていてもよく、電気的コネクタ/構成要素は、当該デバイス100のバッテリを充電するためのケーブルを受け入れることができる。例えば、ソケット114は、USB充電ポート等の充電ポートであってもよい。いくつかの例において、ソケット114は、上記の追加又は代替として、デバイス100とコンピュータデバイス等の別のデバイスとの間のデータの転送に用いられるようになっていてもよい。
【0091】
図2は、外カバー102を外すとともに物品110が存在しない状態の図1のデバイス100を示している。デバイス100は、長手方向軸134を規定する。
【0092】
図2に示すように、第1の端部材106は、デバイス100の一端に配置されており、デバイス100の反対端には第2の端部材116が配置されている。第1及び第2の端部材106、116は一体的に、デバイス100の端面を少なくとも部分的に規定する。例えば、第2の端部材116の底面は、デバイス100の底面を少なくとも部分的に規定する。また、外カバー102の縁部が端面の一部を規定していてもよい。また、本例において、蓋108は、デバイス100の上面の一部を規定する。
【0093】
開口104に最も近いデバイスの端部は、使用する際にユーザの口に最も近いため、デバイス100の近位端(又は、口端)として知られていると考えられる。使用する際、ユーザは、物品110を開口104に挿入し、ユーザ制御112を操作してエアロゾル生成材料の加熱を開始し、デバイス中で生成されたエアロゾルを利用する。これにより、流路に沿ってデバイス100の近位端に向かって、エアロゾルがデバイス100を流れる。
【0094】
開口104から最も遠いデバイスの他端は、使用する際にユーザの口から最も遠くなる端部であるため、デバイス100の遠位端として知られていると考えられる。デバイス中で生成されたエアロゾルをユーザが利用する場合、エアロゾルは、デバイス100の遠位端から離れる方向に流れる。
【0095】
デバイス100は、電源118をさらに備える。電源118は、例えば充電式バッテリ又は非充電式バッテリ等のバッテリであってもよい。好適なバッテリの例としては、例えばリチウムバッテリ(リチウムイオンバッテリ等)、ニッケルバッテリ(ニッケルカドミウムバッテリ等)、及びアルカリバッテリが挙げられる。バッテリは、加熱アセンブリに対して電気的に結合され、必要に応じて電力を供給するとともに、制御装置(図示せず)の制御下でエアロゾル生成材料を加熱する。本例において、バッテリは、当該バッテリ118を所定の位置に保持する中央支持部120に接続されている。中央支持部120は、バッテリ支持部又はバッテリキャリアとしても知られる場合がある。
【0096】
デバイスは、少なくとも1つの電子機器モジュール122をさらに備える。電子機器モジュール122は、例えばプリント配線板(PCB)を備えていてもよい。PCB122は、プロセッサ等の少なくとも1つの制御装置及びメモリを支持していてもよい。また、PCB122は、デバイス100の様々な電子的構成要素を電気的に一体接続する1つ又は複数の電気的トラックを備えていてもよい。例えば、電力をデバイス100全体に配分可能となるように、バッテリ端子がPCB122に対して電気的に接続されていてもよい。また、ソケット114は、電気的トラックを介して、バッテリに対して電気的に結合されていてもよい。
【0097】
例示的なデバイス100において、加熱アセンブリは、誘導加熱アセンブリであり、誘導加熱プロセスによって物品110のエアロゾル生成材料を加熱する様々な構成要素を備える。誘導加熱は、電磁誘導によって導電体(サセプタ等)を加熱するプロセスである。誘導加熱アセンブリは、誘導要素(例えば、1つ又は複数のインダクタコイル)と、交流等の変動電流を誘導要素に通過させるデバイスとを備えていてもよい。誘導要素中の変動電流は、変動磁場を生成する。変動磁場は、誘導要素に対して好適に配置されたサセプタに侵入して、サセプタの内側に渦電流を生成する。サセプタは、渦電流に対する電気抵抗を有するため、この抵抗に対する渦電流の流れによって、サセプタがジュール加熱により加熱される。また、サセプタが鉄、ニッケル、又はコバルト等の強磁性材料を含む場合は、サセプタ中の磁気ヒステリシス損すなわち変動磁場との位置合わせの結果としての磁性材料中の磁気双極子の変動配向によっても熱が生成されてもよい。誘導加熱においては、例えば伝導による加熱と比較して、サセプタの内側で熱が生成されるため、急速加熱が可能となる。さらに、誘導加熱器とサセプタとの間の物理的な接触が一切不要なため、構成及び用途の自由度が増す。
【0098】
例示的なデバイス100の誘導加熱アセンブリは、サセプタ構成体132(本明細書においては、「サセプタ」と称する)、第1のインダクタコイル124、及び第2のインダクタコイル126を備える。第1及び第2のインダクタコイル124、126は、導電材料により構成されている。本例において、第1及び第2のインダクタコイル124、126は、螺旋状に巻回されてヘリカルインダクタコイル124、126を提供するリッツ線/ケーブルにより構成されている。リッツ線は、個別に絶縁され、一体的な撚り合わせによって単一のワイヤを構成する複数の個々のワイヤを備える。リッツ線は、導電体の表皮効果損を抑えるように設計されている。例示的なデバイス100において、第1及び第2のインダクタコイル124、126は、断面が矩形の銅リッツ線により構成されている。他の例において、リッツ線は、円形等、他の形状の断面を有し得る。
【0099】
第1のインダクタコイル124は、サセプタ132の第1の部分を加熱する第1の変動磁場を生成するように構成され、第2のインダクタコイル126は、サセプタ132の第2の部分を加熱する第2の変動磁場を生成するように構成されている。本例において、第1のインダクタコイル124は、デバイス100の長手方向軸134に沿った方向で第2のインダクタコイル126に隣り合っている(すなわち、第1及び第2のインダクタコイル124、126は、重なり合わない)。サセプタ構成体132は、単一のサセプタを備えていてもよいし、2つ以上の別個のサセプタを備えていてもよい。第1及び第2のインダクタコイル124、126の端部130は、PCB122に接続可能である。
【0100】
当然のことながら、いくつかの例において、第1及び第2のインダクタコイル124、126は、互いに異なる少なくとも1つの特性を有していてもよい。例えば、第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126と異なる少なくとも1つの特性を有していてもよい。より具体的に、一例において、第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126と異なるインダクタンスの値を有していてもよい。図2において、第1及び第2のインダクタコイル124、126は、第1のインダクタコイル124がサセプタ132に巻回される部分が第2のインダクタコイル126よりも小さくなるように、異なる長さを有する。このため、第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126と異なる巻回数を有していてもよい(個々の巻回の間隔は実質的に同じと仮定する)。さらに別の例において、第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126と異なる材料により構成されていてもよい。いくつかの例において、第1及び第2のインダクタコイル124、126は、実質的に同一であってもよい。
【0101】
本例において、第1のインダクタコイル124及び第2のインダクタコイル126は、反対方向に巻回されている。これは、両インダクタコイルが異なるタイミングで作動する場合に有用となり得る。例えば、最初に第1のインダクタコイル124が物品110の第1の部分を加熱するように動作した後、第2のインダクタコイル126が物品110の第2の部分を加熱するように動作していてもよい。コイルを反対方向に巻回することは、特定種類の制御回路と併せて使用される場合に非作動のコイルに誘導される電流を抑えるのに役立つ。図2においては、第1のインダクタコイル124が右手螺旋であり、第2のインダクタコイル126が左手螺旋である。ただし、別の実施形態においては、インダクタコイル124、126が同じ方向に巻回されていてもよいし、第1のインダクタコイル124が左手螺旋、第2のインダクタコイル126が右手螺旋であってもよい。
【0102】
本例のサセプタ132は中空であるため、エアロゾル生成材料が受け入れられるレセプタクルを規定する。例えば、物品110はサセプタ132に挿入可能である。本例において、サセプタ120は、断面が円形の管状である。
【0103】
図2のデバイス100は、大略管状であり、且つ、少なくとも部分的にサセプタ132を囲み得る断熱部材128をさらに備える。断熱部材128は、例えばプラスチック等の何れの断熱材料により構成されていてもよい。この特定の例において、断熱部材は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)により構成されている。断熱部材128は、サセプタ132において生成された熱からデバイス100の様々な構成要素を断熱するのに役立ち得る。
【0104】
また、断熱部材128は、第1及び第2のインダクタコイル124、126の全部又は一部を支持可能である。例えば、図2に示すように、第1及び第2のインダクタコイル124、126は、断熱部材128の周りに配置され、断熱部材128の半径方向外方面と接触している。いくつかの例において、断熱部材128は、第1及び第2のインダクタコイル124、126に当接しない。例えば、断熱部材128の外側面と第1及び第2のインダクタコイル124、126の内側面との間には、小さな間隙が存在していてもよい。
【0105】
特定の一例においては、サセプタ132、断熱部材128、並びに第1及び第2のインダクタコイル124、126がサセプタ132の中心の長手方向軸の周りに同軸である。
【0106】
図3は、デバイス100の一部断面側面図である。本例においては、外カバー102が存在する。第1及び第2のインダクタコイル124、126の矩形断面形状がより明確に可視化されている。
【0107】
デバイス100は、サセプタ132の一端に係合してサセプタ132を所定の位置に保持する支持部136をさらに備える。支持部136は、第2の端部材116に接続されている。
【0108】
また、デバイスは、入力インターフェース112内に関連付けられた第2のプリント配線板138を備えていてもよい。
【0109】
デバイス100は、デバイス100の遠位端側に配置された第2の蓋/キャップ140及びばね142をさらに備える。ばね142は、第2の蓋140の開放によって、サセプタ132へのアクセスを提供可能とする。ユーザは、第2の蓋140を開けることにより、サセプタ132及び/又は支持部136を清掃するようにしてもよい。
【0110】
デバイス100は、サセプタ132の近位端から当該デバイスの開口140に向かって延びる拡張チャンバ144をさらに備える。拡張チャンバ144内には、デバイス100内に受け入れられた物品110に当接して保持する保持クリップ146の少なくとも一部が配置されている。拡張チャンバ144は、端部材106に接続されている。
【0111】
図4は、外カバー102を省略した図1のデバイス100の分解図である。
【0112】
図5Aは、図1のデバイス100の一部の断面を示している。図5Bは、図5Aの一領域を拡大して示している。図5A及び図5Bは、サセプタ132内に受け入れられた物品110を示しているが、この物品110は、その外側面がサセプタ132の内側面に当接するように寸法を定められている。これにより、加熱が最も効率的になる。本例の物品110は、エアロゾル生成材料110aを含む。エアロゾル生成材料110aは、サセプタ132内に配置されている。また、物品110は、フィルター、包装材、及び/又は冷却構造等の他の構成要素を備えていてもよい。
【0113】
図5Bは、サセプタ132の長手方向軸158と垂直な方向に測定して、サセプタ132の外側面がインダクタコイル124、126の内側面から距離150だけ離れていることを示している。特定の一例において、距離150は、およそ3mm~4mm、およそ3mm~3.5mm、又はおよそ3.25mmである。
【0114】
図5Bは、サセプタ132の長手方向軸158と垂直な方向に測定して、断熱部材128の外側面がインダクタコイル124、126の内側面から距離152だけ離れていることを示している。特定の一例において、距離152は、およそ0.05mmである。別の例においては、インダクタコイル124、126が断熱部材128に当接して接触するように、距離152が実質的に0mmである。
【0115】
一例において、サセプタ132は、壁厚154がおよそ0.025mm~1mm又はおよそ0.05mmである。
【0116】
一例において、サセプタ132は、長さがおよそ40mm~60mm、およそ40mm~45mm、又はおよそ44.5mmである。
【0117】
一例において、断熱部材128は、壁厚156がおよそ0.25mm~2mm、およそ0.25mm~1mm、又はおよそ0.5mmである。
【0118】
図6は、デバイス100の正面図である。簡単に前述した通り、このデバイスは、入力インターフェース112を備えていてもよい。いくつかの例において、ユーザは、入力インターフェース112との相互作用により、デバイス100を動作させるようにしてもよい。入力インターフェース112に近接して、インジケータアセンブリが配置されていてもよく、これは、デバイスの使用の準備が整った場合及び/又はデバイスが動作を終えた場合等、1つ又は複数のイベントの発生をユーザに示し得る。また、インジケータアセンブリは、デバイス100が動作しているモードを示すようにしてもよい。
【0119】
図6は、インジケータアセンブリの上方(すなわち、前方)に配置された外側部材202を示している。他の例において、インジケータアセンブリは、デバイスの他の場所に配置されていてもよい。本明細書に記載の例において、インジケータアセンブリは、視覚的な指標を与えるように構成された視覚的構成要素を備える。視覚的構成要素は、光等の電磁放射を放出して特定のイベントをユーザに示す複数のLEDを備える。当然のことながら、インジケータアセンブリは、この追加又は代替として、触覚的構成要素又は聴覚的インジケータを備えていてもよい。このデバイス100において、インジケータアセンブリは、視覚的構成要素及び触覚的構成要素を備える。
【0120】
外側部材202は、入力インターフェース112の最も外側の構成要素を構成する。ユーザは、外側部材202を押すことにより、デバイス100と相互作用するようにしてもよい。以下により詳しく説明する通り、外側部材202は、複数のLEDからの光が通過することができる複数の開口部204を備える。
【0121】
図7は、デバイス100の(外カバーとしても知られる)ハウジング102を示している。ハウジング102は、開口206を定める。外側部材(図7には示さず)は、開口206内に配置可能である。例えば、外側部材は、ハウジング102の外面と同一平面で配置されていてもよいし、ハウジング102の外面の上方又は下方に隆起していてもよい。
【0122】
図8は、ハウジング102が所定の位置にないデバイス100を示している。本例において、外側部材202は、接着層208を介して、光成形部材210に付着されている。接着層208の接着剤は、外側部材202の内面の一部又は全体を覆っていてもよい。光成形部材210の周りには、封止部材212が延びている。
【0123】
いくつかの例において、外側部材202、接着層208、光成形部材210、及び封止部材212は、デバイスから省かれていてもよい。
【0124】
図9は、外側部材202、光成形部材210、及び封止部材212が取り外されたデバイス100を示している。デバイス100は、4つのLED214を備えた視覚的構成要素を備えるが、他の例においては、1つ又は複数のLED214等、LEDの数が異なっていてもよい。LED214は、光が当該LED214から、外側部材202に形成された複数の開口部204を通って進むように、外側部材202の下方に配置されている。したがって、光は、光成形部材210及び接着層208も通過する。また、LED214と外側部材202との間には、1つ又は複数の付加的な構成要素が配置されていてもよい。
【0125】
図9の例において、LED214は、ユーザからの相互作用を検出するように構成された入力インターフェース112の周りに配置されている。例えば、ユーザが外側部材202の押圧或いは動作を行うようにしてもよく、これが入力インターフェース112により検出される。入力インターフェース112は、ユーザが外側部材202に力を印加した場合に動作するボタン又はスイッチであってもよい。別の例において、入力インターフェース112及び外側部材202は、ユーザが外側部材202に接触したタイミングを検出する容量センサの一部であってもよい。
【0126】
図10は、外側部材202の正面図である。前述の通り、外側部材202は、複数の開口部204を規定する。本例において、開口部204はそれぞれ、ある長さ及びある幅のスロットを構成する。
【0127】
開口部204は、外側部材202の周囲/周辺/外周側に配置されているのが好ましい。図10に示すように、開口部204は、外側部材202の中心よりも外側部材202の周辺に近く配置されている。これにより、ユーザが外側部材202を押圧している場合であっても、開口部204が露出可能(ひいては、光を確認可能)となり得る。ユーザは、外側部材202の縁部よりも外側部材202の中心を押圧/保持する可能性が高いことがある。
【0128】
図11は、デバイス100の構成要素の一部を示した分解図である。前述の通り、デバイス100は、LED214と外側部材202との間に配設された接着層208を備えていてもよい。図示の例において、接着層は、接着剤が開口部204を覆うように、外側部材202と同じ形状及びサイズである。そして、光は、開口部204を通過する前に接着層208を通過し得る。したがって、接着層208は、透明又は半透明とすることができる。半透明の接着層208は、「ホットスポット」が回避されるように、LEDからの光を拡散させるのに役立ち得る。ホットスポットは、周囲の領域よりも光の強度が高い領域である。
【0129】
いくつかの例において、外側部材202は、接着層208を介して、光成形部材210に取り付けられている。図示の例において、光成形部材210は、(一体的に接合可能な)1つ若しくは複数の不透明領域230並びに(同じく一体的に接合可能な)1つ若しくは複数の半透明若しくは透明領域232を含む。半透明又は透明領域232は、光成形部材210を通る光をガイドすることから、光導体として知られている場合がある。LED214からの光は、半透明又は透明領域232を通過し得るものの、不透明領域230によって遮断される。したがって、不透明領域230は、一部の開口部204(すなわち、不透明領域230の上方に配置された開口部204)を通過する光の強度を低下させる。不透明領域230並びに半透明若しくは透明領域232は、単一の一体型構成要素の領域であってもよいが、その一方又は両方の領域がそれぞれ固有の光学的特性を有するように処理されていてもよい。別の例において、不透明領域230並びに半透明若しくは透明領域232は、外側被覆された別個の構成要素である。
【0130】
本例において、光成形部材210は、その周辺/周囲/外周に延びた不透明領域230を含む。これにより、外側部材202の外側周辺に光が漏れることを防止可能である。不透明領域は、例えば外側リングであってもよい。
【0131】
本例においては、デバイス100が4つのLED214を備え、これらのLED214のそれぞれは、LEDからの光が4つの四分円に分離されるように隣り合う不透明領域230の間に配置されている。言い換えると、LED214は、透明又は半透明領域の下方に配置されていてもよい。光を異なる領域へと分離することにより、異なる指標をユーザに与えることができる。例えば、点灯する四分円の数は、特定のイベントをユーザに明示し得る。したがって、光が開口部の一部を通過し得ないように、光が不透明領域により遮断されるようになっていてもよい。
【0132】
いくつかの例において、不透明領域230間の領域は、開口であるため、半透明又は透明材料を含まない。
【0133】
光成形部材210とLED214との間には、ガスケット等の封止部材212が配置されている。封止部材212の外径は、外側部材202及び光成形部材210の外径よりも大きい。いくつかの例において、封止部材210は、ハウジング102の内面に当接して、デバイス100への液体及び塵埃の侵入を阻止する。
【0134】
デバイスの使用の準備が整ったことの表示
図12は、制御装置302(1つ又は複数のプロセッサ等)、加熱アセンブリ304、温度センサ308、インジケータアセンブリ306、及び入力インターフェース112を備えたシステムを示している。いくつかの例においては、入力インターフェース112が省略されてもよい。制御装置302は、1つ又は複数の有線又は無線接続(破線で示す)を介して、加熱アセンブリ304、温度センサ308、インジケータアセンブリ306、及び入力インターフェース112に通信結合されている。
【0135】
制御装置302は、例えばPCB122上に配置されていてもよい。制御装置302は、加熱アセンブリ304にエアロゾル生成材料を加熱させること等、デバイス100の動作を制御可能である。いくつかの例において、制御装置302は、入力インターフェース112から信号を受信し、これに応答して、加熱アセンブリ304及びインジケータアセンブリ306を制御する。ユーザは、入力を入力インターフェース112に与えることによって、デバイスを動作させることができる。特定の例においては、入力インターフェース112を介して加熱モードが選択される。
【0136】
前述の通り、インジケータアセンブリ306は、1つ又は複数のイベントの発生をユーザに示すことができる。インジケータアセンブリ306に指標を与えさせるため、制御装置302は、信号又は命令をインジケータアセンブリ306に送信可能である。図6図11の例において、インジケータアセンブリ306は、複数のLED214を備えた視覚的構成要素を備える。当然のことながら、以下の説明は、他種のインジケータアセンブリ306にも適用可能である。
【0137】
温度センサ308は、加熱アセンブリ304の温度を測定するように構成されている。例えば、温度センサ308は、サセプタ132の温度を測定可能である。温度センサ308は、加熱アセンブリ304の温度を示す(例えば、1つ又は複数の信号の形態の)出力を与えることができる。この出力を制御装置302が受信し、出力に基づいて温度を決定することができる。いくつかの例において、この出力は、温度を示す。他の例においては、制御装置が出力を使用して、温度を計算又は決定する。したがって、制御装置302は、加熱アセンブリ304の構成要素の温度をモニタリング可能である。
【0138】
制御装置302は、温度に基づいて加熱アセンブリ304を制御することができる。例えば、制御装置302は、加熱アセンブリ304が閾値温度又はその近くに維持されるようにし得る。温度が閾値温度を超えた場合、制御装置302は、温度を下げるように加熱アセンブリ304を制御することができる。例えば、制御装置302は、加熱アセンブリ304の加熱を一時的に停止することも可能であるし、加熱アセンブリ304の電力出力を低下させることも可能である。温度が閾値温度を下回った場合、制御装置302は、温度を上げるように加熱アセンブリ304を制御することができる。例えば、制御装置302は、加熱アセンブリの加熱を開始又は継続することも可能であるし、加熱アセンブリ304の電力出力を上昇させることも可能である。
【0139】
以下の例において、加熱アセンブリ304は、1つ又は複数の磁場を生成してサセプタを加熱する1つ又は複数のインダクタコイルを備える。制御装置302は、デバイス100の(1つ又は複数の)インダクタコイルに変動磁場を生成させることができる。例えば、制御装置302は、1つ又は複数の信号を(1つ又は複数の)インダクタコイルに送信することができる。(1つ又は複数の)インダクタコイルが変動磁場を生成したら、サセプタ132が加熱され、これによって、サセプタ132の近くにあるエアロゾル生成材料が加熱される。したがって、温度センサ308は、サセプタ132の温度を測定するように構成可能である。当然のことながら、以下の説明は、他種の加熱アセンブリ304にも当てはまり得る。
【0140】
制御装置302は、およそ240℃~およそ290℃の閾値温度まで、1つ又は複数のインダクタコイルにサセプタを加熱させるようにしてもよい。特定の一例において、このデバイスは、第1のモード及び第2のモードの一方で動作するように構成されており、これら第1及び第2のモードは、加熱モードである。一例において、デバイスが第1の(デフォルト)モードで動作している場合、制御装置302は、およそ240℃~およそ260℃(およそ250℃等)の閾値温度まで、第1のインダクタコイル124にサセプタ132の第1の領域を加熱させるようにしてもよい。別の例においては、デバイスが第2の(ブースト)モードで動作していてもよく、制御装置302は、およそ270℃~およそ290℃(およそ280℃等)の閾値温度まで、第1のインダクタコイル124にサセプタ132の第1の領域を加熱させるようにしてもよい。
【0141】
第2のインダクタコイル126は、加熱セッション中の後で、第2の磁場を生成するようにしてもよい。例えば、第2のインダクタコイル126は、第1のインダクタコイル124が第1の磁場を生成してから、およそ60秒~およそ130秒後に、第2の磁場を生成するようにしてもよい。第2のインダクタコイルは、サセプタ132の第2の領域を加熱するように構成されている。いくつかの例においては、両インダクタコイル124、126が同時に動作する。
【0142】
第1のインダクタコイル124がサセプタ132の加熱を開始した後、制御装置302は、温度センサ308からの出力に基づいて、加熱アセンブリ304の温度を周期的又は継続的に決定することができる。したがって、制御装置302は、サセプタ132の温度を決定するとともに、この温度が少なくとも1つの基準を満足するかを判定可能である。制御装置302は、温度が基準を満たすものと判定した場合、デバイスの使用の準備が整ったことをインジケータアセンブリ306に示させる。例えば、制御装置302は、特定の指標を与えるための信号又は命令をインジケータアセンブリ306に送信可能である。
【0143】
一例において、上記基準は、決定した温度が閾値温度以上である場合に満たされる。
【0144】
別の例において、上記基準は、決定した温度が閾値温度以上である場合に満たされるが、制御装置302は、決定した温度が閾値温度以上であると判定されてから所定の時間が経過するまで、デバイスの使用の準備が整ったことをインジケータアセンブリ306に示させない。これが有用となり得るのは、いくつかの例において、サセプタ132の温度が閾値温度の上下に変動し得るためである。デバイスの使用の準備が整ったことをインジケータアセンブリ306に示させるのを遅らせることにより、熱がエアロゾル生成材料に侵入する時間が見込まれる。例えば、サセプタ132が閾値温度に近くても、好適な量のエアロゾルの放出には、少なくとも10秒を要する場合がある。エアロゾル生成材料が十分に加熱されるまで、最大およそ60秒を要する場合もある。
【0145】
別の例において、上記基準は、少なくとも所定の時間にわたって、決定した温度が閾値温度以上であった場合に満たされる。この場合も、熱がエアロゾル生成材料に侵入する時間が見込まれる。
【0146】
加熱アセンブリ304は、エアロゾル生成材料の加熱開始のおよそ30秒以内にデバイスの使用の準備が整うように構成されているのが好ましい。
【0147】
一例において、LED214は、デバイス100の使用の準備が整ったタイミングを示す光を放出する。例えば、デバイス100の使用の準備が整った場合(すなわち、基準が満たされた後)、LED214のうちの1つ又は全部が点灯するようになっていてもよい。
【0148】
特定の一例において、点灯するLED214の数は、デバイスの使用の準備が整ったタイミングを示す。例えば、すべてのLED214が点灯した場合に、デバイスの使用の準備が整っていてもよい。
【0149】
図13A図13Eは、4つのLED214の上方に配置された外側部材202を示している。本例において、LED214は、加熱アセンブリ304の加熱時に、順次点灯する。例えば、点灯するLEDの数は、デバイスの準備が整うのにデバイスがどれほど近いかを示し得る。4つのすべてのLEDが点灯している場合は、デバイスの使用の準備が整っている。
【0150】
図13Aは、LED214がいずれも点灯してない時点を示している。この時点では、基準が満たされておらず、制御装置302は、インダクタコイル124に変動磁場の生成を開始させている場合もあるし、開始させていない場合もある。
【0151】
図13Bは、図13Aのある時間後の外側部材202を示している。この時点では、LEDのうちの1つが点灯しており、光が一部の開口部204を通過して、外側部材202の1つの四分円を点灯させている。LEDは、サセプタ132の温度が第1の閾値を超えている場合に点灯するようになっていてもよい。例えば、このデバイスは、加熱アセンブリがおよそ250℃の閾値温度に維持されるモードで動作していてもよい。第1の閾値は、閾値温度未満であってもよい。例えば、第1の閾値は、220℃であってもよい。或いは、加熱アセンブリが既に閾値温度に達しており、閾値温度に達してから第1の閾値時間が経過していてもよい。加熱アセンブリは依然として、閾値温度以上であってもよいし、少なくとも一度は閾値温度を下回っていてもよい。第1の閾値時間は、例えば温度が閾値温度に達したとの制御装置の判定の5秒後であってもよい。
【0152】
図13Cは、図13Bのある時間後の外側部材202を示している。この時点では、LEDのうちの2つが点灯しており、光が一部の開口部204を通過して、外側部材202の2つの四分円を点灯させている。第2のLEDは、サセプタ132の温度が第2の閾値を超えている場合に点灯するようになっていてもよい。第2の閾値は、第1の閾値より高く、閾値温度より低くてもよい。例えば、第1の閾値は、230℃であってもよい。或いは、加熱アセンブリが既に閾値温度に達しており、閾値温度に達してから第2の閾値時間が経過していてもよい。加熱アセンブリは依然として、閾値温度以上であってもよいし、少なくとも一度は閾値温度を下回っていてもよい。第2の閾値時間は、例えば温度が閾値温度に達したとの制御装置の判定の10秒後であってもよい。
【0153】
図13Dは、図13Cのある時間後の外側部材202を示している。この時点では、LEDのうちの3つが点灯しており、光が一部の開口部204を通過して、外側部材202の3つの四分円を点灯させている。第3のLEDは、サセプタ132の温度が第3の閾値を超えている場合に点灯するようになっていてもよい。第3の閾値は、第2の閾値より高く、閾値温度より低くてもよい。例えば、第1の閾値は、240℃であってもよい。或いは、加熱アセンブリが既に閾値温度に達しており、閾値温度に達してから第3の閾値時間が経過していてもよい。加熱アセンブリは依然として、閾値温度以上であってもよいし、少なくとも一度は閾値温度を下回っていてもよい。第3の閾値時間は、例えば温度が閾値温度に達したとの制御装置の判定の15秒後であってもよい。
【0154】
図13Eは、図13Dのある時間後の外側部材202を示している。この時点では、4つのすべてのLEDが点灯しており、光が開口部204を通過して、外側部材202の4つの四分円を点灯させている。第4のLEDは、サセプタ132の温度が第4の閾値を超えている場合に点灯するようになっていてもよい。第4の閾値は、閾値温度に等しくてもよい。或いは、加熱アセンブリが既に閾値温度に達しており、閾値温度に達してから第4の閾値時間が経過していてもよい。加熱アセンブリは依然として、閾値温度以上であってもよいし、少なくとも一度は閾値温度を下回っていてもよい。第4の閾値時間は、例えば温度が閾値温度に達したとの制御装置の判定の20秒後であってもよい。この時点では、基準が満たされ、デバイスの使用の準備が整っている。4つのすべてのLEDを点灯させることにより、インジケータアセンブリ306は、デバイスの使用の準備が整ったことを示している。
【0155】
別の例において、第1の閾値時間は、およそ3秒~およそ5秒であってもよく、第2の閾値時間は、およそ6秒~およそ10秒であってもよく、第3の閾値時間は、およそ9秒~およそ15秒であってもよく、第4の閾値時間は、およそ12秒~およそ20秒であってもよい。第1、第2、第3、及び第4の閾値時間は、デバイスが動作しているモードによって決まり得る。例えば、デバイスが第1のデフォルトモードで動作している場合、第1、第2、第3、及び第4の閾値時間は、デバイスが第2のブーストモードで動作している場合の第1、第2、第3、及び第4の閾値時間それぞれより長くてもよい。これは、エアロゾル生成材料が第2のブーストモードにおいて、より急速に加熱されるためである可能性がある。
【0156】
特定の一例において、インジケータアセンブリ306は、触覚的構成要素をさらに備えていてもよく、この触覚的構成要素は、デバイスがエアロゾル生成材料の加熱を開始したことを示す触覚フィードバックを与えるように構成されている。これは、インダクタコイルが磁場の生成を開始した時点ではLEDが1つも点灯していない場合に有用となり得る。触覚フィードバックは、デバイスが動作しているモードを示すようにしてもよい。
【0157】
別の例において、インジケータアセンブリ306は、デバイスの使用の準備が整ったことを示す触覚フィードバックを与えるように構成された触覚的構成要素を備えていてもよい。これは、その他任意の種類の指標の代替又は追加として起こるようになっていてもよい。例えば、インジケータアセンブリ306は、デバイスの使用の準備が整ったことを示す視覚的な指標及び触覚フィードバックの両者を与えるようにしてもよい。
【0158】
別の例において、インジケータアセンブリ306は、デバイスの使用の準備が整ったことを示す音を放出するように構成された聴覚的インジケータを備えていてもよい。これは、その他任意の種類の指標の代替又は追加として起こるようになっていてもよい。例えば、インジケータアセンブリ306は、デバイスの使用の準備が整ったことを示す視覚的な指標及び音放出の両者を与えるようにしてもよい。
【0159】
入力インターフェース
前述の通り、制御装置302は、入力インターフェース112からの入力を検出し、これに応答して、選択された加熱モードを決定するとともに、インダクタコイル124に変動磁場を生成させることができる。本例において、入力インターフェース112は、単一のボタンを備えており、ユーザが入力インターフェース112を操作したことを示す信号を制御装置302に送信する。特定の一例において、この信号は、ユーザがボタンを解除したことを示す。したがって、ユーザはボタンを押して保持することができ、制御装置302は、ボタンが解除された後、選択された加熱モードを決定するとともに、インダクタコイル124に変動磁場を生成させる。
【0160】
特定の一例において、ユーザは、異なる時間の長さにわたり、ボタンを押して保持することができ、デバイスは、この時間の長さに応じて、特定のモードで動作する。したがって、入力インターフェース112から受信した入力には、ボタンが押された時間の長さを示す信号を含んでいてもよく、制御装置302は、ボタンが解除されたことを示す信号の受信と、ボタンが押された時間の長さが閾値時間以上であるとの判定と、に応答して、インダクタコイル124に変動磁場を生成させるように構成されていてもよい。時間の長さを示す信号は、当該時間自体の表示であってもよいし、ボタン押下及びボタン解除の信号間の時間測定により制御装置が時間の長さを決定できるようにするボタン押下信号であってもよい。時間の長さが閾値時間未満である場合、デバイス100は、加熱を開始しない。この時間の長さに基づいて、制御装置302は、選択されたモードを決定することができる。特定の一例において、時間の長さが閾値時間未満である場合、デバイス100は、デバイスの電源118の電力レベルを表示するようにしてもよい。
【0161】
前述の通り、デバイス100は、第1のモード又は第2のモードで動作するように構成されていてもよい。このため、特定の一例において、ボタンが押された時間の長さが第1の閾値時間以上且つ第2の閾値時間未満の場合には、制御装置302がデバイスを第1のモードで動作させるように構成されている。ボタンが押された時間の長さが第2の閾値時間以上の場合には、デバイスが第2のモードで動作するように構成されている。例えば、第1の閾値時間は、3秒であってもよく、第2の閾値時間は、5秒であってもよい。これにより、ユーザは、単一のボタンを用いて、異なるモードを選択可能となる。ユーザが3秒より長く且つ5秒より短く、ボタンを押し下げている場合は、デバイスが第1のモードで動作する。
【0162】
特定の一例において、ボタンが押された時間の長さが第3の閾値時間以上の場合には、デバイスが設定モードで動作するように構成されている。設定モードによれば、ユーザは、デバイスの設定を行うことができる。第3の閾値時間は、第2の閾値時間より長くてもよい。特定の一例において、第3の閾値時間は、8秒である。ユーザが5秒より長く且つ8秒より短く、ボタンを押し下げている場合は、デバイスが第2のモードで動作する。
【0163】
別の例において、ボタンが押された時間の長さが第4の閾値時間以上且つ第1の時間未満の場合には、デバイスが電源118の電力レベルを表示するように構成されている。第4の閾値時間は、例えば1秒であってもよい。ユーザが1秒より長く且つ3秒より短く、ボタンを押し下げている場合は、デバイスが電力レベルを表示可能である。電力レベルは、インジケータアセンブリ306により示されるようになっていてもよい。例えば、電力レベルが0%~25%の場合は、4つのLED214のうちの1つが点灯するようになっていてもよい。電力レベルが25%~50%の場合は、LED214のうちの2つが点灯するようになっていてもよい。電力レベルが50%~75%の場合は、LED214のうちの3つが点灯するようになっていてもよい。電力レベルが75%~100%の場合は、LED214のうちの4つが点灯するようになっていてもよい。
【0164】
以上では、特定の一種類の入力インターフェース112のみを説明した。別の例において、ユーザは、タッチスクリーンを用いて動作モードを選択する。別の例においては、1つ又は複数の入力インターフェースが存在していてもよい。例えば、デバイスを第1のモードで動作させるため、ユーザは、第1の入力インターフェースを動作させるようにしてもよく、また、デバイスを第2のモードで動作させるため、ユーザは、第2の入力インターフェースを動作させるようにしてもよい。したがって、制御装置302は、第1及び第2の入力インターフェースの一方から受信した入力に応答して、インダクタコイルに変動磁場を生成させるように構成されていてもよい。
【0165】
デバイスが動作を終えたことの表示
上述の通り、インジケータアセンブリ306は、デバイスの使用の準備が整ったことを示す、又は、デバイスがエアロゾル生成材料の加熱を開始したことを示すことができる。この代替又は追加として、インジケータアセンブリ306は、デバイスが動作を終えたこと又は動作を終えようとしていることを示すことができる。特定の例において、インジケータアセンブリ306は、デバイスが動作を終えるまでに残る時間を示すように構成されている。
【0166】
デバイスは、所定の時間にわたってエアロゾル生成材料を加熱するように構成されていてもよい。したがって、制御装置302は、インダクタコイルに変動磁場を生成させた後の所定の時間内に、デバイスが動作を終えたこと又は動作を終えようとしていることをインジケータアセンブリ306に示させるようにしてもよい。この所定の時間は、例えばおよそ3分であってもよいし、3分30秒であってもよいし、4分であってもよい。いくつかの例において、この所定の時間は、デバイスが動作しているモードによって決まる。
【0167】
一例において、インジケータアセンブリ306は、何れの指標も停止することによって、デバイスが動作を終えたこと又は動作を終えようとしていることを示す。例えば、デバイスが動作している間、1つ又は複数のLED等の視覚的構成要素は、デバイスが動作していることを視覚的に示すようにしてもよい。視覚的な指標が止まった場合、ユーザは、デバイスが動作を終えたことが知らされ得る。例えば、デバイスが動作している間に1つ又は複数のLEDが点灯している場合で、デバイスが動作を終えた場合は、LEDがオフとなって、ユーザに対する指標を提供するようにしてもよい。
【0168】
別の例において、インジケータアセンブリ306は、特定の指標によって、デバイスが動作を終えたことを示す。例えば、視覚的構成要素は、特定の指標によって、デバイスが動作を終えたこと又は動作を終えようとしていることを示すようにしてもよい。この視覚的な指標は、以前の視覚的な指標と異なっていてもよい。例えば、デバイスが動作している間に1つ又は複数のLEDが点灯している場合、これらは、特定のパターンで点滅して、デバイスが動作を終えたこと又は動作を終えようとしていることを示すようにしてもよい。
【0169】
特定の一例において、インジケータアセンブリ306は、触覚的構成要素をさらに備えていてもよく、この触覚的構成要素は、デバイスが動作を終えたこと又は動作を終えようとしていることを示す触覚フィードバックを与えるように構成されている。別の例において、インジケータアセンブリ306は、聴覚的インジケータを備えていてもよく、この聴覚的インジケータは、デバイスが動作を終えたこと又は動作を終えようとしていることを示す音を放出するように構成されている。2つ以上の異なる種類の指標が与えられるようになっていてもよい。
【0170】
いくつかの例において、制御装置302は、決定した温度が第2の基準を満たす場合、デバイスが動作を終えたこと又は動作を終えようとしていることをインジケータアセンブリ306に示させるようにしてもよい。第2の基準は、決定した温度が第2の閾値温度以下である場合に満たされるようになっていてもよい。第2の閾値温度は、上述の閾値温度をおよそ10℃~およそ50℃下回っていてもよい。このため、加熱アセンブリ304が特定の点を下回った場合、インジケータアセンブリ306は、デバイスが動作を終えたこと又は動作を終えようとしていることを示すことができる。
【0171】
いくつかの例において、インジケータアセンブリ306は、デバイスが動作を終えるまでに残る時間の指標を与えるように構成されている。例えば、デバイスがその終了時間に近づく様々な時点で、指標が与えられるようになっていてもよい。
【0172】
一例において、触覚的構成要素は、加熱セッションの終了から20秒に触覚フィードバックを与えるようにしてもよいし、加熱セッションの終了から15秒、加熱セッションの終了から10秒、加熱セッションの終了から5秒、及び加熱セッションの終了時に触覚フィードバックを与えるようにしてもよい。各時点に与えられる触覚フィードバックは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、フィードバックは、加熱セッションの終了に向かって強くなるものであってもよいし、長く継続するものであってもよい。
【0173】
別の例においては、インジケータアセンブリ306が複数のLEDを備え、点灯したLEDの数によって、デバイスが動作を終えるまでに残る時間を示す。例えば、デバイスが動作している場合は、第1の数のLEDが点灯し、デバイスが動作を終えた場合は、第2の数のLEDが点灯し、第2の数が第1の数より小さくてもよい。第2の数は、例えばゼロであってもよい。第1の数は、全LEDであってもよい。したがって、LEDは、デバイスが終了に近づくにつれて「カウントダウン」を実行するようにしてもよい。
【0174】
特定の一例においては、4つのLED等、複数のLEDが存在し、これらのLEDは、加熱セッションの終了が近づくにつれて、順次オフにされる。図13Eは、デバイスが動作している際の外側部材202を示し得る。第1及び/又は第2のインダクタコイルは、この時点で作動していてもよいし、作動していなくてもよい。この時点では、4つのすべてのLEDが点灯することにより、ユーザが依然としてデバイスを使用可能であることを示している。デバイスが動作を終えるまで、ある閾値時間が残っていてもよい。例えば、デバイスが動作を終えるまで、20秒が残っていてもよい。
【0175】
一例において、このデバイスは、第1及び/又は第2のインダクタコイルが変動磁場の生成を停止した時点で「動作を終えた」と言える。別の例において、このデバイスは、エアロゾルの温度/量が許容範囲レベルを下回ったと考えられる時点(第1及び/又は第2のインダクタコイルが変動磁場の生成を停止した時点の後である可能性がある。)で「動作を終えた」と言える。
【0176】
図13Dは、図13Eの後の時点における外側部材202を示し得る。例えば、デバイスが動作を終えるまで、15秒しか残っていない場合もある。この時点では、4つのLEDのうちの1つがオフとなっており、光が一部の開口部204を通過して、外側部材202の3つの四分円を点灯させている。
【0177】
図13Cは、図13Dの後の時点における外側部材202を示し得る。例えば、デバイスが動作を終えるまで、10秒しか残っていない場合もある。この時点では、4つのLEDのうちの2つがオフとなっており、光が一部の開口部204を通過して、外側部材202の2つの四分円を点灯させている。
【0178】
図13Bは、図13Cの後の時点における外側部材202を示し得る。例えば、デバイスが動作を終えるまで、5秒しか残っていない場合もある。この時点では、4つのLEDのうちの3つがオフとなっており、光が一部の開口部204を通過して、外側部材202の1つの四分円を点灯させている。
【0179】
図13Aは、図13Bの後の時点における外側部材202を示し得る。例えば、このデバイスは、動作を終えている場合もある。この時点では、4つのすべてのLEDがオフとなっており、光は見えない。したがって、インジケータアセンブリ306は、デバイスが動作を終えたことを示す一方、デバイスが動作を終えるまでに残る時間も示している。
【0180】
別の例において、LEDは、加熱アセンブリの温度に基づいて(すなわち、加熱セッションの終了が近づくにつれて)、順次オフにされる。例えば、デバイスが動作を終える前は、4つのすべてのLEDが点灯するようになっていてもよい。温度が第1の度数だけ低下した場合に、4つのLEDのうちの1つがオフされるようになっていてもよい。温度が第2の度数だけ低下した場合に、別のLEDがオフされるようになっていてもよい。温度が第3の度数だけ低下した場合に、別のLEDがオフされ、温度が第4の度数だけ低下した場合に、4つのすべてのLEDがオフされるようになっていてもよい。第1の度数は、加熱アセンブリの動作温度(すなわち、閾値温度)をおよそ5~10℃下回っていてもよい。第2の度数は、加熱アセンブリの動作温度(すなわち、閾値温度)をおよそ10~20℃下回っていてもよい。第3の度数は、加熱アセンブリの動作温度(すなわち、閾値温度)をおよそ15~30℃下回っていてもよい。第4の度数は、加熱アセンブリの動作温度(すなわち、閾値温度)をおよそ20~40℃下回っていてもよい。第4の度数は、上述の第2の閾値に等しくてもよい。
【0181】
図14は、エアロゾル供給デバイスを動作させる方法のフロー図である。この方法は、ブロック402において、デバイスの加熱アセンブリにエアロゾル生成材料を加熱させるステップを含む。この方法は、ブロック404において、温度センサからの出力に基づいて、加熱アセンブリの温度を決定するステップを含む。この方法は、ブロック406において、決定した温度が少なくとも1つの基準を満たす場合に、デバイスの使用の準備が整ったことをデバイスのインジケータアセンブリに示させるステップを含む。
【0182】
図15は、エアロゾル供給デバイスを動作させる別の方法のフロー図である。この方法は、ブロック502において、サセプタを加熱する変動磁場をエアロゾル供給デバイスのインダクタコイルに生成させるステップを含む。この方法は、ブロック504において、インダクタコイルアセンブリにエアロゾル生成材料の加熱を開始させた後の所定の時間内に、デバイスが動作を終えたこと又は動作を終えようとしていることをエアロゾル供給デバイスのインジケータアセンブリに示させるステップを含む。
【0183】
上記実施形態は、本発明の説明に役立つ実例として理解されるものとする。本発明の他の実施形態も考えられる。任意の一実施形態に関して記載の任意の特徴は、単独又は他の記載特徴との組み合わせで使用可能であり、また、実施形態のその他いずれか又はその任意の組み合わせの1つ又は複数の特徴との組み合わせで使用可能であることが了解されるものとする。さらに、本発明の範囲から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲に規定の上述していない同等物及び改良も採用可能である。
図1
図2
図3
図4
図5A-5B】
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図14
図15
【国際調査報告】