(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-11
(54)【発明の名称】エアロゾル発生デバイス
(51)【国際特許分類】
A24F 40/465 20200101AFI20220428BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20220428BHJP
H05B 6/10 20060101ALI20220428BHJP
H05B 6/06 20060101ALI20220428BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F40/20
H05B6/10 371
H05B6/06 361
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021554643
(86)(22)【出願日】2020-03-09
(85)【翻訳文提出日】2021-10-07
(86)【国際出願番号】 EP2020056225
(87)【国際公開番号】W WO2020182735
(87)【国際公開日】2020-09-17
(32)【優先日】2019-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】ブランディーノ、トマス ポール
(72)【発明者】
【氏名】サイード、アシュレー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ウォーレン、ルーク ジェームズ
【テーマコード(参考)】
3K059
4B162
【Fターム(参考)】
3K059AA08
3K059AC09
3K059AC12
3K059AD27
3K059CD17
3K059CD47
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AC01
4B162AC12
4B162AC22
4B162AD08
4B162AD22
(57)【要約】
エアロゾル発生デバイスは、サセプタ装置を誘導加熱してエアロゾル発生材を加熱し、これによりエアロゾルを発生させる誘導加熱回路を含む。本発明のデバイスは、作動中にデバイスによって放射される電磁放射線のレベルが、30MHz~225MHzの周波数レンジに亘って40dBμV/m未満および/または235MHz~1GHzの周波数レンジに亘って47dBμV/m未満および/または1GHz~3GHzの周波数レンジに亘って70dBμV/m未満および/または3GHz~6GHzの周波数レンジに亘って74dBμV/m未満になるように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サセプタ装置を誘導加熱してエアロゾル発生材を加熱し、これによりエアロゾルを発生させる誘導加熱回路を含むエアロゾル発生デバイスであって、
該デバイスは、作動中にデバイスによって放射される電磁放射線のレベルが、30MHz~225MHzの周波数レンジに亘って40dBμV/m未満および/または235MHz~1GHzの周波数レンジに亘って47dBμV/m未満および/または1GHz~3GHzの周波数レンジに亘って70dBμV/m未満および/または3GHz~6GHzの周波数レンジに亘って74dBμV/m未満になるように構成されているデバイス。
【請求項2】
前記デバイスは、作動中にデバイスの作動により放射される電磁放射線のレベルが30MHz~225MHzの周波数レンジに亘って40dBμV/m未満および235MHz~1GHzの周波数レンジに亘って47dBμV/m未満になるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項3】
デバイスを充電するための操作中および/またはデバイスを放電するための操作中にデバイスの作動により放射される電磁放射線のレベルが30MHz~225MHzの周波数レンジに亘って40dBμV/m未満および/または235MHz~1GHzの周波数レンジに亘って47dBμV/m未満および/または1GHz~3GHzの周波数レンジに亘って70dBμV/m未満および/または3GHz~6GHzの周波数レンジに亘って74dBμV/m未満になるように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項4】
前記デバイスによって放射される放射線レベルが、垂直面と水平面の両方で測定される放射された放射線のレベルであることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項5】
前記デバイスによって放射される電磁放射線のレベルは、放射された電磁放射線のレベルを測定するための試験設定を使用して測定される電磁放射線のレベルであり、任意に前記デバイスによって放射される放射線のレベルは、前記デバイスによって放射される放射線のピークまたは準ピークレベルの測定によって定められたレベルであることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項6】
前記デバイスはサセプタ装置を含み、作動中にエアロゾル発生材は、サセプタ装置がエアロゾル発生材を加熱するように配置されるように前記デバイスによって収容されることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項7】
前記デバイスは、作動中にタバコ材を熱するが燃やさずにそれからエアロゾルを発生させるように構成されたタバコ加熱デバイスであることを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項8】
前記デバイスは、携帯デバイスであることを特徴とする請求項1乃至7いずれか1項記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項9】
前記デバイスは、誘導加熱回路またはサセプタ装置の周りを少なくとも部分的に延びるように構成された磁気シールド部材を含むことを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項10】
前記誘導加熱回路は、サセプタ装置を加熱するための変動磁場を発生させるように構成された誘導部材を含み、前記磁気シールド部材は、誘導部材の周りを少なくとも部分的に延びるように構成されていることを特徴とする請求項9記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項11】
前記デバイスは、作動中にサセプタ装置によって加熱されるエアロゾル発生材を収容するように構成された受け部を含み、前記誘導部材は受け部の周りを延びるインダクタコイルであることを特徴とする請求項9または10記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項12】
前記受け部はサセプタ装置によって画定されていることを特徴とする請求項11記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項13】
前記磁気シールド部材は、誘導部材を囲み、前記磁気シールド部材は、それ自体に少なくとも部分的に接合されることを特徴とする請求項9乃至12いずれか1項記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項14】
前記デバイスは、デバイスの外部電源からデバイスのバッテリーの充電を制御するように構成された充電装置を含み、この充電装置は、デバイスの充電を管理するように作動する際、充電装置の作動によるデバイスによって放射される電磁放射線のピークレベルが30MHz~225MHzの周波数レンジに亘って40dBμV/m未満および/または235MHz~1GHzの周波数レンジに亘って47dBμV/m未満および/または1GHz~3GHzの周波数レンジに亘って70dBμV/m未満および/または3GHz~6GHzの周波数レンジに亘って74dBμV/m未満になるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至13いずれか1項記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項15】
前記充電装置は、充電中に切り替え操作を行うように構成され、前記充電装置は、充電装置の切り替え操作中に電圧の変化率を制限するためのスナバ回路を含むことを特徴とする請求項14記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項16】
前記充電装置は、
外部電源に接続してそこから電力を受け取ってデバイスを充電するように構成された入力セクションと、
出力インダクタに接続された出力セクションと、
入力セクションと出力セクションとの間に接続され、入力セクションから電力を受け取り、出力セクションに供給される電流を制御するように構成された充電管理コントローラとを含むことを特徴とする請求項15記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項17】
スナバ回路は充電装置の出力セクションに配置されることを特徴とする請求項15に従属した場合に請求項16に記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項18】
前記充電装置の入力セクションは、充電管理コントローラに到達する高周波数信号をフィルターするための入力インダクタを含むことを特徴とする請求項16または17記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項19】
前記デバイスは、エアロゾル化可能な材料を加熱する作動中に30MHz~1GHzの周波数レンジに亘ってデバイスによって放射される電磁放射線のレベルが約35dBμV/m未満になるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至18いずれか1項記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項20】
前記デバイスは、エアロゾル化可能な材料を加熱する作動中に30MHz~400MHzの周波数レンジに亘ってデバイスによって放射される電磁放射線のレベルが約20dBμV/m未満になるように構成されていることを特徴とする請求項19記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項21】
前記デバイスは、デバイスを充電するための操作中に、300MHz~1GHの周波数レンジに亘ってデバイスによって放射される電磁放射線のレベルが約37.5dBμV/m未満になるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至20いずれか1項記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項22】
前記デバイスは、デバイスを充電するための操作中に、30MHz~500MHzの周波数レンジに亘ってデバイスによって放射される電磁放射線のレベルが約35dBμV/m未満になるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至21いずれか1項記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項23】
前記デバイスは、1GHz~3GHzの周波数レンジに亘る作動中のデバイスの放射される放射線の平均が約50dBμV/m未満になり、および/または3GHz~6GHzの周波数レンジに亘る作動中のデバイスの放射される放射線の平均が約54dBμV/m未満になるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至22いずれか1項記載のエアロゾル発生デバイス。
【請求項24】
請求項1乃至23いずれか1項記載のエアロゾル発生デバイスと、このデバイスに充電するための外部電源からの充電のための充電ケーブルとを含むシステムであって、該システムは、デバイスの充電作動中に、該システムによって放射される電磁放射線のレベルが30MHz~225MHzの周波数レンジに亘って40dBμV/m未満および/または235MHz~1GHzの周波数レンジに亘って47dBμV/m未満および/または1GHz~3GHzの周波数レンジに亘って70dBμV/m未満および/または3GHz~6GHzの周波数レンジに亘って74dBμV/m未満になるように構成されているシステム。
【請求項25】
前記システムは、前記デバイスの充電作動中に、300MHz~1GHの周波数レンジに亘って本システムによって放射される電磁放射線のレベルが約37.5dBμV/m未満になるように構成されていることを特徴とする請求項24記載のシステム。
【請求項26】
前記システムは、前記デバイスの充電作動中に、デバイスの作動により充電ケーブルに伝わる電磁放射線のレベルが、
150kHz~500kHzの周波数レンジに亘って約66dBμV未満および/または
約500kHzで約56dBμV未満および/または
500kHz~5MHzの周波数レンジに亘って約56dBμV未満および/または
5MHz~30MHzの周波数レンジに亘って約60dBμV未満になるように構成されていることを特徴とする請求項24または25記載のシステム。
【請求項27】
請求項1乃至23いずれか1項記載のエアロゾル発生デバイスと、エアロゾル化可能な材料を含む物品とを含むエアロゾル発生システムであって、該システムは、エアロゾル化可能な材料からエアロゾルを発生させる作動中に、該システムによって放射される電磁放射線のレベルが30MHz~225MHzの周波数レンジに亘って40dBμV/m未満および/または235MHz~1GHzの周波数レンジに亘って47dBμV/m未満、および/または1GHz~3GHzの周波数レンジに亘って70dBμV/m未満および/または3GHz~6GHzの周波数レンジに亘って74dBμV/m未満になるように構成されているシステム。
【請求項28】
前記システムは、エアロゾル化可能な材料からエアロゾルを発生させる作動中に、該システムによって放射される電磁放射線のレベルが30MHz~500MHzの周波数レンジに亘って約35dBμV/m未満になるように構成されていることを特徴とする請求項27記載のエアロゾル発生システム。
【請求項29】
前記システムは、エアロゾル化可能な材料からエアロゾルを発生させる作動中に、30MHz~400MHzの周波数レンジに亘って該システムによって放射される電磁放射線のレベルが約20dBμV/m未満になるように構成されていることを特徴とする請求項28記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエアロゾル発生デバイスに関する 。
【背景技術】
【0002】
紙巻きタバコ、シガーなどの喫煙品は使用時にタバコを燃やし、煙を発生させる。燃焼させずに化合物を放出する製品を創ることによってこれら喫煙品に代わるものが提供されている。そのような製品としてはその材料を燃焼させずに加熱によって化合物を放出する加熱装置が挙げられる。基材は、タバコまたはニコチンを含むまたは含まない非タバコ製品であってもよい。
【発明の概要】
【0003】
本開示の第1の態様ではサセプタ装置を誘導加熱してエアロゾル発生材を加熱し、これによりエアロゾルを発生させる誘導加熱回路を含むエアロゾル発生デバイスが提供され、このデバイスは、作動中にデバイスによって放射される電磁放射線のレベルが30MHz~225MHzの周波数レンジに亘って40dBμV/m未満および/または235MHz~1GHzの周波数レンジに亘って47dBμV/m未満および/または1GHz~3GHzの周波数レンジに亘って70dBμV/m未満および/または3GHz~6GHzの周波数レンジに亘って74dBμV/m未満になるように構成されている。
【0004】
本発明のデバイスは、作動中にデバイスの作動により放射される電磁放射線のレベルが30MHz~225MHzの周波数レンジに亘って40dBμV/m未満および235MHz~1GHzの周波数レンジに亘って47dBμV/m未満になるように構成してもよい。
【0005】
本発明のデバイスは、デバイスを充電するための操作中および/またはデバイスを放電するための操作中にデバイスの作動により放射される電磁放射線のレベルが30MHz~225MHzの周波数レンジに亘って40dBμV/m未満および/または235MHz~1GHzの周波数レンジに亘って47dBμV/m未満および/または1GHz~3GHzの周波数レンジに亘って70dBμV/m未満および/または3GHz~6GHzの周波数レンジに亘って74dBμV/m未満になるように構成してもよい。
【0006】
本発明のデバイスによって放射される放射線レベルは、垂直面と水平面の両方で測定される放射された放射線のレベルであってもよい。
【0007】
本発明のデバイスによって放射される電磁放射線のレベルは、放射された電磁放射線のレベルを測定するための試験設定を使用して測定される電磁放射線のレベルであってもよく、任意にデバイスによって放射される放射線のレベルは、デバイスによって放射される放射線のピークまたは準ピークレベルの測定によって定められたレベルである。
【0008】
本発明のデバイスはサセプタ装置を含んでもよく、作動中にエアロゾル発生材は、サセプタ装置がエアロゾル発生材を加熱するように配置されるようにデバイスによって収容されてもよい。
【0009】
本発明のデバイスは、作動中にタバコ材を熱するが燃やさずにそれからエアロゾルを発生させるように構成されたタバコ加熱デバイスであってもよい。
【0010】
本発明のデバイスは、携帯デバイスであってもよい。
【0011】
本発明のデバイスは、誘導加熱回路またはサセプタ装置の周りを少なくとも部分的に延びるように構成された磁気シールド部材を含んでもよい。
【0012】
誘導加熱回路は、サセプタ装置を加熱するための変動磁場を発生させるように構成された誘導部材を含んでもよく、磁気シールド部材は、誘導部材の周りを少なくとも部分的に延びるように構成されてもよい。
【0013】
本発明のデバイスは、作動中にサセプタ装置によって加熱されるエアロゾル発生材を収容するように構成された受け部を含んでもよく、誘導部材は受け部の周りを延びるインダクタコイルであってもよい。
【0014】
受け部はサセプタ装置によって画定されてもよい。
【0015】
磁気シールド部材は誘導部材を囲んでもよく、磁気シールド部材はそれ自体に少なくとも部分的に接合されてもよい。
【0016】
本発明のデバイスは、デバイスの外部電源からデバイスのバッテリーの充電を制御するように構成された充電装置を含んでもよく、この充電装置は、デバイスの充電を管理するように作動する際、充電装置の作動によるデバイスによって放射される電磁放射線のピークレベルが30MHz~225MHzの周波数レンジに亘って40dBμV/m未満および/または235MHz~1GHzの周波数レンジに亘って47dBμV/m未満および/または1GHz~3GHzの周波数レンジに亘って70dBμV/m未満および/または3GHz~6GHzの周波数レンジに亘って74dBμV/m未満になるように構成されてもよい。
【0017】
充電装置は、充電中に切り替え操作を行うように構成されてもよく、充電装置は、充電装置の切り替え操作中に電圧の変化率を制限するためのスナバ回路を含んでもよい。
【0018】
充電装置は、外部電源に接続してそこから電力を受け取ってデバイスを充電するように構成された入力セクションと、出力インダクタに接続された出力セクションと、入力セクションと出力セクションとの間に接続され、入力セクションから電力を受け取り、出力セクションに供給される電流を制御するように構成された充電管理コントローラとを含む。
【0019】
スナバ回路は充電装置の出力セクションに配置してもよい。
【0020】
充電装置の入力セクションは、充電管理コントローラに到達する高周波数信号をフィルターするための入力インダクタを含んでもよい。
【0021】
本発明のデバイスは、エアロゾル化可能な材料を加熱する作動中に30MHz~1GHzの周波数レンジに亘ってデバイスによって放射される電磁放射線のレベルが約35dBμV/m未満になるように構成されてもよい。
【0022】
本発明のデバイスは、エアロゾル化可能な材料を加熱する作動中に30MHz~400MHzの周波数レンジに亘ってデバイスによって放射される電磁放射線のレベルが約20dBμV/m未満になるように構成されてもよい。
【0023】
本発明のデバイスは、デバイスを充電するための操作中に、300MHz~1GHの周波数レンジに亘ってデバイスによって放射される電磁放射線のレベルが約37.5dBμV/m未満になるように構成されてもよい。
【0024】
本発明のデバイスは、デバイスを充電するための操作中に、30MHz~500MHzの周波数レンジに亘ってデバイスによって放射される電磁放射線のレベルが約35dBμV/m未満になるように構成されてもよい。
【0025】
本発明のデバイスは、1GHz~3GHzの周波数レンジに亘る作動中のデバイスの放射される放射線の平均が約50dBμV/m未満になり、および/または3GHz~6GHzの周波数レンジに亘る作動中のデバイスの放射される放射線の平均が約54dBμV/m未満になるように構成されてもよい。
【0026】
本開示の第2の態様では第1の態様によるエアロゾル発生デバイスと、デバイスに充電するための外部電源からの充電のための充電ケーブルとを含むシステムが提供され、該システムはデバイスの充電作動中に、該システムによって放射される電磁放射線のレベルが30MHz~225MHzの周波数レンジに亘って40dBμV/m未満および/または235MHz~1GHzの周波数レンジに亘って47dBμV/m未満および/または1GHz~3GHzの周波数レンジに亘って70dBμV/m未満および/または3GHz~6GHzの周波数レンジに亘って74dBμV/m未満になるように構成されている。
【0027】
本発明のシステムは、デバイスの充電作動中に、300MHz~1GHの周波数レンジに亘って本システムによって放射される電磁放射線のレベルが約37.5dBμV/m未満になるように構成されてもよい。
【0028】
本発明のシステムは、デバイスの充電作動中に、デバイスの作動により充電ケーブルに伝わる電磁放射線のレベルが150kHz~500kHzの周波数レンジに亘って約66dBμV未満および/または約500kHzで約56dBμV未満および/または500kHz~5MHzの周波数レンジに亘って約56dBμV未満および/または5MHz~30MHzの周波数レンジに亘って約60dBμV未満になるように構成されてもよい。
【0029】
本開示の第3の態様では第1の態様によるエアロゾル発生デバイスと、エアロゾル化可能な材料を含む物品とを含むエアロゾル発生システムが提供され、該システムは、エアロゾル化可能な材料からエアロゾルを発生させる作動中に、該システムによって放射される電磁放射線のレベルが30MHz~225MHzの周波数レンジに亘って40dBμV/m未満および/または235MHz~1GHzの周波数レンジに亘って47dBμV/m未満、および/または1GHz~3GHzの周波数レンジに亘って70dBμV/m未満および/または3GHz~6GHzの周波数レンジに亘って74dBμV/m未満になるように構成されている。
【0030】
本発明のシステムは、エアロゾル化可能な材料からエアロゾルを発生させる作動中に、該システムによって放射される電磁放射線のレベルが30MHz~500MHzの周波数レンジに亘って約35dBμV/m未満になるように構成されてもよい。
【0031】
本発明のシステムは、エアロゾル化可能な材料からエアロゾルを発生させる作動中に、30MHz~400MHzの周波数レンジに亘って該システムによって放射される電磁放射線のレベルが約20dBμV/m未満になるように構成されてもよい。
【0032】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付図面を参照して単に一例として挙げられる本発明の好ましい実施態様の以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】エアロゾル発生システムの一例によって放射される電磁放射線レベルの測定のための設定の略図である。
【
図2】作動中のエアロゾル発生システムの一例からの電磁放射線レベルの測定のプロットを示す。
【
図3】作動中のエアロゾル発生システムの一例からの電磁放射線レベルの測定の別のプロットを示す。
【
図4】エアロゾル発生デバイスの一例の前面図である。
【
図5】外方カバーが取り除かれた
図4のエアロゾル発生デバイスの前面図である。
【
図6】
図4のエアロゾル発生デバイスの断面図である。
【
図7】
図4のエアロゾル発生デバイスの分解図である。
【
図8A】エアロゾル発生デバイス内の加熱集合体の断面図である。
【
図9】エアロゾル発生デバイス内に配置された磁気シールド部材の一例の斜視図である。
【
図10】磁気シールド部材の一例の断面の略図である。
【
図13】ノッチを含む磁気シールド部材の第1の例を示す略図である。
【
図14】ノッチを含む磁気シールド部材の第2の例を示す略図である。
【
図15】開口部を含む磁気シールド部材の第3の例を示す略図である。
【
図16】エアロゾル発生デバイスの充電を制御するための装置の一例の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本明細書中では「エアロゾル発生材」なる用語は、加熱すると揮発成分を典型的にはエアロゾルの形体で供する材料を含む。エアロゾル発生材として、あらゆるタバコ含有材が上げられ、例えばタバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコまたはタバコ代替え品のうちの1つ以上を含んでもよい。エアロゾル発生材は、製品によってニコチンを含むまたは含まない他の非タバコ製品を含んでもよい。エアロゾル発生材は、例えば固体、液体、ゲル、ワックスなどの形体であってもよい。またエアロゾル発生材は、例えば材料の組み合わせまたはブレンドであってもよい。またエアロゾル発生材は、「喫煙材」として知られている。
【0035】
エアロゾル発生材を燃やさずまたは燃焼させずにエアロゾル発生材を加熱してエアロゾル発生材の少なくとも1つの成分を揮発させて、典型的には吸入可能なエアロゾルを形成する装置が知られている。そのような装置は、場合によっては「エアロゾル発生デバイス」、「エアロゾル供給デバイス」、「非燃焼加熱デバイス」、「タバコ加熱製品デバイス」または「タバコ加熱デバイス」またはそれに類似するものとして記載される。同様に通常はニコチンを含むまたは含まない液体の形体のエアロゾル発生材を気化する電子タバコデバイスと呼ばれているものがある。エアロゾル発生材は、ロッド、カートリッジまたはカセットの形体またはそれらの一部として供されてもよい。エアロゾル発生材を加熱し、揮発させるヒーターは装置の「永久」部品として設けられてもよい。本発明のデバイスは、使用時にユーザーによって吸入されるエアロゾルを発生させる際にユーザーの手で保持されるのを意図した携帯デバイスであってもよい。
【0036】
エアロゾル発生デバイスは加熱のためのエアロゾル発生材を含む物品を収容することができる。本文脈において「物品」は、使用時に加熱されてエアロゾル発生材および任意に他の成分を揮発させるエアロゾル発生材を使用時に含むまたは含有する部品である。ユーザーはエアロゾル発生材が加熱されてエアロゾルを発生させ、その後ユーザーが吸入する前に物品をエアロゾル発生デバイス内に挿入する。物品は、例えば物品を収容する大きさのデバイスの加熱チェンバー内に設置されるように構成された予め定められたまたは特定の大きさであってもよい。
【0037】
本開示のいくつかの例はサセプタ装置を誘導加熱するための誘導加熱回路を含むエアロゾル発生デバイスに関する。使用時、サセプタ装置は誘導加熱回路によって誘導加熱されたときにエアロゾル発生材を加熱し、これによりエアロゾル発生材を発生させるために配置されている。
【0038】
サセプタはインダクタコイルまたは一部の例では別の種類の誘導部材によって作り出される変動磁場をサセプタに侵入させることによって加熱することができる。加熱されたサセプタは次にエアロゾル発生材を加熱する。
【0039】
インダクタコイルは、使用の際、サセプタの周囲を延びてもよい。サセプタは、1つの例ではエアロゾル発生デバイスの一部を形成してもよい。一例ではサセプタは、加熱されるエアロゾル発生材を収容するための受け部を画定する。例えば、サセプタは実質的に管状(即ち、中空)であってもよく、サセプタによって画定された管状の受け部内にエアロゾル発生材を収容するように構成されてもよい。1つの例ではエアロゾル発生材は管状または円筒状形状であり、「タバコスティック」として知られているものであってもよく、例えばエアロゾル化可能な材料は、特定の形状に形成されたタバコを含んでもよく、これはその後コーティングされるまたは紙または箔などの1つ以上の他の材料で包まれてもよい。これとは別にサセプタはデバイスの部品でなくてもよいが、デバイス内に挿入される物品に取り付けられる、または物品内に含まれてもよい。
【0040】
誘導加熱回路は変動電流が回路を流れる際に使用時に電磁放射線を発する。例えば、電磁放射線は、変動電流が誘導部材内を流れてサセプタ装置を加熱する際に発せられる。デバイスはデバイスの充電中も電磁放射線を発してもよい。例えば、充電中、電磁放射線は少なくともデバイスの充電回路に生成される電圧を変えることによって生成してもよい。
【0041】
本発明のデバイスは、いくつかの周波数レンジに亘るdBμV/m単位の放射される電磁放射線のレベルは所定のレベル内になるように構成されてもよい。例えば、エアロゾル発生デバイスは、作動中に、30MHz~225MHzの周波数レンジに亘ってデバイスによって放射される電磁放射線のレベルが40dBμV/m未満になるようにまたは235MHz~1GHzの周波数レンジに亘ってデバイスによって放射される電磁放射線のレベルが47dBμV/m未満になるように構成されてもよい。本発明のデバイスは、作動中に、デバイスによって放射される電磁放射線のレベルが1GHz~3GHzの周波数レンジに亘って70dBμV/m未満または3GHz~6GHzの周波数レンジに亘って74dBμV/m未満になるように構成されてもよい。
【0042】
一部の例では1GHz~3GHの周波数レンジに亘る作動中のデバイスの放射された放射線のレベルの平均は、約50dBμV/m未満であってもよくおよび/または3GHz~6GHzの周波数レンジに亘る作動中のデバイスの放射された放射線のレベルの平均は、約54dBμV/m未満であってもよい。
【0043】
デバイスによって放射される電磁放射線のレベルは、電磁放射線テストによって測定してもよい。1つの例では電磁放射線テストは、デバイスが作動状態にあるときの関連する周波数のレンジに亘るデバイスからの電磁放射線を測定する。テストは、デバイスが異なる様態で作動している、例えば充電中、または例えばエアロゾルを製するための通常の使用時などの放電中に実施される。本発明のデバイスは、デバイスによって放射される放射線のレベルがデバイスが充電中そしてデバイスが放電中に上述のレベル以下になるように構成されてもよい。なお、一部の例では作動中に30MHz~225MHzおよび/または235MHz~1GHzの周波数レンジ、または本明細書に記載のあらゆる他の周波数レンジなどの1つ以上の特定の周波数レンジに亘って本発明のデバイスによって放射される電磁放射線のレベルは実質的にゼロであってもよい。
【0044】
1つの例では電磁放射線テストではデバイスによって放射される電磁放射線のレベルは、デバイスに対して標準化された位置に配置されたアンテナを使用して測定される。本発明のデバイスは、アンテナが対象の周波数レンジに亘ってデバイスから放射される電磁放射線を測定している間、作動、例えば充電または放電させられる。
【0045】
さらに本発明のデバイスは電磁放射線に対して特定のレベルの耐性を有するように構成されてもよい。電磁放射線に対するデバイスの耐性テストにおいて電磁放射線をアンテナから発して、デバイスに入射させてもよい。本発明のデバイスは、電磁放射線がそれに入射している間および後に意図する作動を続けるかを判断するためにテストされる。電磁放射線に対する耐性テストの設定は、電磁放射線テストの設定と同じであってもよい。即ち、一部の例では同じアンテナおよびアンテナとデバイスの標準化された距離を使用してもよい。一例では電磁放射線に対する耐性テストはデバイスを80MHz~1GHzの周波数で変動する強度3V/mの電界に晒し、デバイスの作動性に対するこの放射線のあらゆる影響を評価する。
【0046】
一部の例では本発明のデバイスは特定の周波数レンジに亘って行われる放射について1つ以上の所定のレベルを満たすように構成されてもよい。例えば、デバイスを充電するために電力を供給する電力ケーブルの伝導ノイズのレベルは所定のレベルに制限してもよい。伝導性放射線のこのようなレベルは、デバイスの近辺で使用されるブロードキャストおよび電気通信サービスを保護するために機能してもよい。一例では150kHz~30MHzの周波数レンジに亘って本発明のデバイスは伝導性電磁放射線のレベルは約66dBμV未満である。いくつかの例では150kHz~500kHzでは本発明のデバイスは伝導性電磁放射線のレベルが約66dBμV未満になるように構成されてもよく、約150kHzではデバイスは、伝導性電磁放射線のレベルが約66dBμV未満にそして約500kHzでは伝導性電磁放射線のレベルが約56dBμV未満になるように構成される。500kHz~5MHzの周波数レンジに亘ってデバイスは伝導性電磁放射線のレベルが約56dBμV未満になるように構成されてもよい。5MHz~30MHzの周波数レンジに亘ってデバイスは伝導性電磁放射線のレベルが約60dBμV未満になるように構成されてもよい。いくつかの例では伝導性電磁放射線のレベルは、よく理解されている技法によって測定可能な準ピークレベル(quasi-peak levels)を測定することによって定めてもよい。
【0047】
電磁放射線のいくつかのレベルそして一部の例では上述の電磁耐性デバイスに設けるために本発明者は関連する周波数レンジに亘ってデバイスから放射される放射線のレベルを小さくするデバイスの機能を提供しており、またデバイスに入射した電磁放射線に対する耐性も提供する。特定の機能はデバイスの部品をシールドしてもよく、従って入射した電磁放射線に対する一定のレベルの耐性を提供する。例えば、デバイスの部品によって放射される電磁放射線をブロックまたは吸収するためにデバイスは磁気シールド部材を含んでもよい。例えば、磁気シールド部材は誘導部材の周囲を少なくとも部分的に延びて、誘導部材によって発せられる電磁放射線から他の近辺にある電気装置(並びにエアロゾル発生デバイスの他の電気部品)をシールドしてもよい。誘導部材がコイルの場合、磁気シールドはコイルの周囲を延びてもよく、シールドは少なくとも部分的にそれ自体に結合してシールドをコイルの周囲の所定の位置に固定してもよい。
【0048】
磁気シールド部材は、デバイスの部品によって発せられる電磁放射線の影響を軽減するために1つ以上のフェライト材料からなる層/シートを含んでもよい。さらに磁気シールドは、入射する電磁放射線からデバイスの部品をシールドするように作用してもよく、従ってデバイスに入射する電磁放射線に対してある程度の耐性を提供する。
【0049】
場合によってはフェライト材はデバイスのハウジング/カバーの内面に接着させてもよいが、これは適度に電磁放射線を含むためには多量のフェライト材を必要とする。この材料は比較的重く、嵩張りそして高価であるので使用する量を減らすのが望ましい。
【0050】
ここに記載する一部の例はエアロゾル発生デバイス内のより効果的な磁気シールド部材の構成を提供する。その結果、一部の例では本発明のデバイスは、インダクタコイルに接触し、その周りを少なくとも部分的に延びる磁気シールド部材を含む。磁気シールド部材は、電磁放射線を吸収/ブロックするフェライト材などの材料を含む。インダクタコイルにより近く配置することによって少ない量のフェライト材が必要とされる。一部の状況では使用する材料の量を30%まで減らしつつ、効果的なレベルの電磁シールドを供することが分かっている。
【0051】
インダクタコイルはサセプタ/受け部の周囲を螺旋式に延びてもよい。サセプタは、磁気シールド部材が方位角方向に長手方向軸の周囲を延びるように長手方向軸サセプタを画定してもよく、従って完全または不完全な管状の構造体を形成する。
【0052】
磁気シールド部材は、フェライト層などの磁気シールド層を含んでもよい。フェライトは、それが磁化でき、および/または磁石に引きつけられるという意味でフェリ磁性体である。一部の例では磁気シールド層は磁化される。
【0053】
エアロゾル発生デバイスは2つ以上のインダクタコイルを含んでもよい。例えば、第1インダクタコイルは、受け部/サセプタの第1の部分の周囲を延びてもよく、第2インダクタコイルは、受け部/サセプタの第2の部分の周囲を延びてもよい。第1および第2インダクタコイルは、受け部/サセプタの長手方向軸に沿った方向に互いに隣接して配置されてもよい。そのようなデバイスでは磁気シールド部材は、第1および第2インダクタコイルと接触し、それらの周囲を少なくとも部分的に延びてもよい。
【0054】
一部の構成では磁気シールド部材は接着剤層によってインダクタコイルに接合されてもよい。接着剤層は、磁気シールド部材を所定の位置に保持し、これにより電磁放射線から適度に確実にシールドする。接着剤がインダクタコイルに塗布され、磁気シールド部材は接着剤と接触させられてもよい。これとは別に磁気シールド部材は接着剤層を含んでもよく、従って自己接着性であってもよい。例えば、磁気シールド部材は磁気シールド層と、接着剤層を含んでもよい。接着剤層は磁気シールド部材の内面(即ち、インダクタコイルに近く配置される面)に形成されてもよい。これはデバイスの組み立てをより効率的かつ効果的にすることができる。例えば、磁気シールド部材は、最初に接着剤をインダクタコイルに塗布せずにインダクタコイルに直接貼り付けることができる。
【0055】
磁気シールド部材はインダクタコイルの周囲で丸められ、少なくとも部分的に磁気シールド部材自体に接合される。そのような構成は、磁気シールド部材が部分的または完全にその長さに沿って封止されるので電磁放射線からより効果的な保護/閉鎖シールドを提供する。例えば、磁気シールド部材の第1縁部は磁気シールド部材の第2縁部と重なり、磁気シールド部材がその重なった領域で磁気シールド部材自体に接合/接着される。従って、磁気シールド部材は管になるように巻かれるシートから形成してもよい。接合は例えば磁気シールド部材の接着剤層によって行ってもよい。
【0056】
磁気シールド部材は、少なくとも1つの磁気シールド層と、少なくとも1つのラミネート層とを含んでもよい。これは接着剤層に加えてまたは代わりの層であってもよい。フェライト材(即ち磁気シールド層)は、エアロゾル発生デバイス内での繰り返し行われる加熱および冷却の結果として経時的に崩壊し始めることが分かっている。崩壊する材料はデバイス内でばらばらになり、音を立てる可能性がある。ばらばらになった材料は、デバイスの他の部品を損傷させるまたはこれらに影響を与える。ラミネート層(フィルムからなる層など)を含めることによって磁気シールド部材は、崩壊そしてばらばらになりにくくなる。
【0057】
ラミネート層は、磁気シールド部材の外面に向かって配置されてもよい。例えば、それは磁気シールド層から半径方向外方に配置されてもよい。1つの例ではラミネート層は磁気シールド部材の外面を形成する。しかしながら、他の例では外層を形成する別の層があってもよい。ここでは外面はインダクタコイルから離れた方の面である。ラミネート層は接着剤を介して磁気シールド層に接着されてもよく、あるいは磁気シールド層に自己接合してもよい。
【0058】
1つの例ではラミネート層はプラスチック材を含む。ラミネート層は、例えばプラスチックフィルムであってもよい。特定の例ではプラスチックはポリエチレンテレフタレート、PETである。
【0059】
磁気シールド部材はシートから形成されてもよく、シートにノッチを含んでもよく、ノッチはインダクタコイルを形成するワイヤのセクションを受けるように構成されている。ワイヤのそのセクションは、例えばインダクタコイルの端部を含んでもよい。1つ以上のノッチを含むことで磁気シールド部材が良好にインダクタコイルの形状に合致するようになる。ノッチ/切れ込みは、シートが大きなシールド効果を確実にしながらインダクタコイルの周囲に簡単に巻かれることを意味する。ノッチはシートの縁部に作られた刻み目である。
【0060】
シートは1つ以上のノッチ、「切れ込み」を有する方形/矩形のシートであってもよい。例えば、矩形シートは、「ノッチング」の工程を受け、そこでシートの材料が取り除かれる。これとは別にシートはノッチが予め形成された状態で製造されてもよい。
【0061】
エアロゾル発生デバイスは、インダクタコイルに隣接した第2インダクタコイルをさらに含んでもよく、シートはシートに形成された第2のノッチを含んでもよい。第2のノッチは第2インダクタコイルを形成するワイヤのセクションを受けるように構成されている。追加のノッチを含むことで磁気シールド部材が良好に2つのインダクタコイルの形状に合致するようになる。
【0062】
特定の例ではノッチは第1のノッチであり、シートの第1縁部に形成されてもよく、第2のノッチはシートの第2縁部に形成されてもよい。異なる縁部にノッチを有することで磁気シールド部材がインダクタコイルに簡単に付けられる。例えば、組み立ての際、第1のノッチは第2のノッチが第2のインダクタコイルを収容しているインダクタコイルに巻かれる前に第1のインダクタコイルと整列させてもよい。
【0063】
第1のノッチは受け部/サセプタによって画定された長手方向軸に沿った方向において第2のノッチからオフセットしてもよい。これはノッチのオフセットによりデバイスの組み立てを容易にすることができる。例えば、ノッチはシートが正しくコイルに確実に巻かれるようにする。
【0064】
上述のようにノッチはシートの縁部に作られた刻み目である。これらによって例えばシートとインダクタコイルが組み立てられて印刷回路板に接続された後にシートを1つ以上のインダクタコイルに巻くことができる。別の実施態様ではノッチは貫通穴/開口部に置き換えてもよく、インダクタコイルの両端が開口部に収容されてもよい。そのような構成はノッチと比較してより高いシールドを供するが、磁気シールド部材は、例えば1つ以上のインダクタコイルの端部が印刷回路板に接続される前に1つ以上のインダクタコイルに巻かれる必要がある。
【0065】
いくつかの例では本発明のデバイスは、ソケットを介して充電されるバッテリーなどの充電可能な電源を含む。ソケットは電源を充電するために電力を供給する充電ケーブルを受ける。電力は、例えば電源コンセントからまたはバッテリーパックなどの蓄電外部電源から供給してもよい。デバイスは、充電中電磁放射線を放射してもよい。例えば、充電中、充電回路を切り替えることによって放射された電磁放射線のスパイクをデバイスによって放射させてもよい。本発明のデバイスは、充電中に前記スパイクを含む放射された放射線が上述のレベル内になるように構成されてもよい。
【0066】
いくつかの例では本発明のデバイスはバッテリーの充電を管理する充電回路を含む。一部の例では充電管理回路はデバイスの種々の電機部品への電力も管理する。例えば、充電回路は充電のためにバッテリーに所望の電圧を供するスイッチモード充電器として作動してもよい。いくつかの例の充電回路は、充電回路がスイッチモード充電器として確実に作動するように切り替え作動を実行するための充電管理装置を含む。いくつかの例の充電回路の入力セクションは、外部電源と充電管理装置との間に接続され、充電回路の出力セクションは、充電管理装置とバッテリーまたは充電管理装置と充電回路の一部でないデバイスの部品の間に接続される。
【0067】
いくつかの例の充電回路は、充電回路の作動によるデバイスによって放射されるあらゆる電磁放射線が上述のレベル内になるように構成される。例えば、充電回路は、充電中に放射される電磁放射線のレベルを制限するように機能する部品を含んでもよい。特に充電回路は、充電中の切り替え作動による電磁放射線のスパイクのレベルを制限する特徴を含んでもよい。1つの例では前記特徴は、切り替え作動中に、充電回路内のいくつかのポイントの間の電圧の変化の割合を制限するように構成されたスナバ回路を含んでもよい。1つの例のスナバ回路は直列につながれ、充電回路のあるポイントとアースの間に接続された抵抗とコンデンサとを含む。スナバ回路の抵抗とコンデンサの値は、切り替え作動中の電圧の変化の割合が効果的に減少する、即ち切り替え作動による電圧スパイクが効果的に「緩衝」されるように選択してもよい。スナバ回路の抵抗とコンデンサの値は充電回路の動作周波数、入力電圧または出力電圧のいずれかまたは全てによって決められてもよい。
【0068】
スナバ回路が接続される充電回路のポイントもまた電圧スパイクを効果的に減少させるために選択されてもよい。いくつかの例では充電回路の出力セクションは、出力インダクタを含み、スナバ回路は、出力インダクタの一端とアースの間で接続されている。
【0069】
いくつかの例では充電回路の入力セクションは、充電作動によって放射される電磁放射線のレベルを制限するように構成されている。いくつかの例では入力セクションは入力コンデンサを含み、入力コンデンサの位置および静電容量は、放射された電磁放射線を特定のレベルに制限しつつスイッチモード充電回路の入力コンデンサの機能を実行するように選択されてもよい。一部の例では入力セクションは1つ以上のインダクタを含む。あらゆるそのようなインダクタの数およびインダクタンスおよび直流抵抗などのインダクタの特性は、放射された電磁放射線のレベルを制限するように選択されてもよい。
【0070】
いくつかの例では充電回路と、一部の例ではデバイスの他の電機部品を含むプリント基板のレイアウトは、デバイスによって発せられる電磁放射線のレベルを制限するように構成される。
【0071】
図1はエアロゾル発生デバイス100によって放射される電磁放射線レベルを測定するための設定の一例を略式に示している。
図1ではデバイス100は、地面から0.8mの所に位置するターンテーブル50に配置されている。ターンテーブル50は、360°回転でき、デバイスの回転が最大放射レベルが測定されるようにする。アンテナ51がアンテナタワー52に取り付けられ、デバイス100から3m離れて水平に測定される。アンテナ52は地面から1m~4mの距離から移動可能であり、デバイス100からの最大放射レベルがよく理解されている「極大化」の方法で測定できるようにする。1つの例ではアンテナ51はBiLogウルトラワイドバンドアンテナである。テストレシーバー53は、テストレシーバー53がアンテナ51から電気信号を受信するように構成されるように電気ケーブル54を介してアンテナ51に接続されている。ある例では
図1に示すデバイス100と他の機器は絶縁されたチェンバーに配置してもよい。
図1にはデバイス100がデバイス100の充電作動中にテストされるように外部電源(図示せず)から電力を供給するための充電ケーブル55が示されている。いくつかの例では充電ケーブル55は外部電源に接続されるように構成されたYJC010W-0502000J電力供給ユニット(PSU)を含む。デバイス100が放電中、例えばエアロゾルを発生させる作動中にテストする場合、充電ケーブル55は通常は存在しない。
【0072】
一部の例では
図1に示すような設定は、デバイス100の電磁放射線に対する耐性のテストに使用してもよい。そのようなテストの一例において、アンテナ51は、周波数80MHz~1GHzおよび電界強度3V/mの電磁放射線を放射する。デバイス100の機能は、入射した電磁放射線による性能の低下または機能の損失があるかを判定するためにテストしてもよい。
【0073】
図2は
図1を参照して説明したような例のテスト設定によりデバイス100の例によって放射される電磁放射線のレベルのプロットを示す。
図2は、放電中、例えばデバイスによって収容された物品に含まれるエアロゾル発生材からエアロゾルを発生させるために使用している間のデバイス100からの結果を示している。プロット2001は30Hz~1GHzの周波数レンジに亘るこの例ではプロット2001は水平面と垂直面での測定の組み合わせから発生し、組み合わせ水平および垂直マックスホールドピーク検波プレビュースキャンと言ってもよい。プロット2001の上の最初の複数のマーカー2002は特定の参照技法中に測定された最大ピーク検波を表し、参照だけのために含まれている。プロット2001の下の第2の複数のマーカー2003は、よく知られている技法でデバイス100によって放射された電磁放射線のレベルを定めるために特定の周波数レンジに亘って放射された放射線の参照レベルと比較してもよい最大準尖頭検波である。いくつかの例では特定の周波数レンジに亘っての放射される放射線の平均レベルはよく理解されるであろう方法で定めてもよい。
図2および
図3は、30MHz~88MHzの周波数レンジ亘って40dBμV/m、88MHz~216MHzの周波数レンジに亘って43.5dBμV/m、216MHz~960MHzの周波数レンジに亘って46dBμV/mそして960MHz~1GHzの周波数レンジに亘って54dBμV/mの放射された放射線の参照レベルを参照のためだけに表している参照線2004も含んでいる。一部の例では一例のデバイスによって測定された放射された放射線のレベルはこのような参照レベルと比較してもよい。
【0074】
デバイス100が放電されている間の放射された放射線のレベルを示すプロット2001は、30MHz~225MHzの周波数レンジに亘って40dBμV/mをはるかに下回り、235MHz~1GHzの周波数レンジに亘って47dBμV/mをはるかに下回っているままであることが
図2からわかる。これによりプロット2001、ピークマーカー2002および準ピークマーカー2002については事実であることが明らかである。さらにプロット2001は30MHz~約400MHzの周波数の間では約20dBμV/mを下回ったままである。プロット2001は30MHz~1GHzの周波数レンジ全体の間で約32.5dBμV/mを下回ったままである。
【0075】
図3は
図2で説明した方法と同等の方法に従って得られたテストの結果のプロット3001を示している。
図3のプロット3001は充電中にデバイス100から放射された放射線のレベルのプロットである。
図2で説明したのと同じように第1の複数のマーカー3002は最大ピーク検波を表し、第2の複数のマーカーは最小準尖頭値検波を表す。
【0076】
充電中にデバイス100から放射される放射線のレベルを示すプロット3001は、30MHz~225MHzの周波数レンジに亘って40dBμV/mをはるかに下回り、235MHz~1GHzの周波数レンジに亘って47dBμV/mをはるかに下回っているままであることが
図3からわかる。さらにプロット3001は、30MHz~約500MHzの周波数の間では約35dBμV/mを下回り、30MHz~1GHzの周波数レンジ全体の間で約37.5dBμV/mを下回ったままである。
【0077】
図4はエアロゾル発生媒体/エアロゾル発生媒体材からエアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生デバイス100の一例を示している。大筋において、デバイス100は、エアロゾル発生媒体を含む交換可能な物品110を加熱して、デバイス100のユーザーによって吸い込まれるエアロゾルまたは他の吸入可能な媒体を発生させるために使用してもよい。
【0078】
デバイス100は、デバイス100の種々の部品を囲み、収容するハウジング102(外方カバーの形体)を含む。デバイス100は、一端部に開口部104を有し、それを介して物品110が加熱集合体による加熱のために挿入される。使用時、物品110は、加熱集合体内に完全にまたは一部を挿入してもよく、そこで物品は加熱集合体の1つ以上の部品によって加熱されてもよい。
【0079】
この例のデバイス100は、第1端部部材106を含み、これは蓋108を含み、この蓋は、物品110が所定の位置に無いときに開口部104を閉じるために第1端部部材106に対して可動である。
図4では蓋108が閉じた状態に示されているが、蓋108は閉じた状態に移動してもよい。例えば、ユーザーは蓋108を矢印Aの方向にスライドさせてもよい。
【0080】
デバイス100は、押すとデバイス100を作動させるボタンまたはスイッチなどのユーザーが操作できる調整部材112を含んでもよい。例えば、ユーザーはスイッチ112を操作してデバイス100をオンにしてもよい。
【0081】
またデバイス100は、ソケット/ポート114などの電機部品を含み、これらはデバイス100のバッテリーを充電するためのケーブルを収容してもよい。例えば、ソケット114は、USB充電ポートまたは具体的にはUSC-B充電ポートなどの充電ポートであってもよい。
【0082】
図5は外方カバー102が取り除かれている
図4のデバイス100を示している。デバイス100は長手方向軸134を画定している。
【0083】
図5に示すように第1端部部材106は、デバイス100の一端に配され、第2端部部材116は、デバイス100の反対の端部に配置されている。第1および第2の端部部材106、116は、共にデバイス100の端部面を少なくとも部分的に画定している。例えば、第2端部部材116の底部面は、少なくとも部分的にデバイス100の底部面を画定している。外方カバー102の縁部も端部面の一部を画定している。この例では蓋108もデバイス100の上面の一部を画定している。また
図5は調整部材112内に関連する第2のプリント基板138を示している。
【0084】
開口部104に近い方のデバイスの端部は、使用時にユーザーの口に近くなるのでデバイス100の近位端(または吸い口端)としても知られている。使用時、ユーザーは、開口部104に物品110を挿入し、ユーザー制御部を操作してエアロゾル発生材の加熱を開始し、デバイスに発生したエアロゾルを吸い込む。これによりデバイス100の近位端に向かう流路に沿ってデバイス100内をエアロゾルが流れるようにする。
【0085】
開口部104から離れている装置の他端部は、使用時にユーザーの口から離れる方の端部となるので、デバイス100の遠位端としても知られている。ユーザーがデバイスに発生したエアロゾルを吸い込むと、エアロゾルはデバイス100の遠位端から離れるように流れる。
【0086】
デバイス100は、電源118をさらに含む。電源118は、例えば充電可能なバッテリーまたは充電不可のバッテリーなどのバッテリーであってもよい。好適なバッテリーの例としてはリチウムバッテリー(リチウムイオンバッテリーなどの)、ニッケルバッテリー(ニッケル-カドミウムバッテリーなどの)およびアルカリバッテリーなどが挙げられる。バッテリーは加熱集合体に電気的に接続され、エアロゾル発生材を加熱するために必要に応じてそしてコントローラ(図示せず)の制御の下電力を供給する。この例ではバッテリーは、バッテリー118を所定の位置に保持する中央支持部120に接続される。
【0087】
デバイスは少なくとも1つの電子モジュールをさらに含む。電子モジュール122は、例えば印刷回路板(PCB)を含んでもよい。PCB122は、少なくとも1つのプロセッサーおよびメモリーなどのコントローラを支持してもよい。またPCB122は、デバイス100の種々の電子部品を共に電気的に接続する1つ以上の電気トラックを含んでもよい。例えば、バッテリー端子がPCB122に電気的に接続され、電力をデバイス100全体に配分することができるようになっている。またソケット114は電気トラックを介してバッテリーに電気的に結合されてもよい。
【0088】
デバイス100の例では加熱集合体は、誘導加熱集合体であり、誘導加熱工程を介して物品110のエアロゾル発生材を加熱するための種々の部材を含む。誘導加熱は、電磁誘導によって導電性の物体(サセプタなどの)を加熱する工程である。誘導加熱集合体は、誘導部材、例えば1つ以上のインダクタコイルと、交流電流などの変動電流を誘導部材に通すためのデバイスとを含んでもよい。誘導部材内の変動電流は変動磁場を発生させる。変動磁場は、好適には誘導部材に対して位置決めされたサセプタに侵入し、サセプタの内側に渦電流を発生させる。サセプタは渦電流に対して電気抵抗を有し、従って、この抵抗に対する渦電流の流れによってサセプタがジュール加熱によって加熱されるようにする。サセプタが鉄、ニッケルまたはコバルトなどの強磁性材を含む場合、熱がサセプタ内の磁気ヒステリシス損失によって、即ち変動磁場と合致することの結果として磁性材の磁気双極子の向きの変化によって発せられてもい。誘導加熱では例えば伝導による加熱に較べて熱がサセプタの内側に発せられ、素早い加熱を可能にする。さらに誘電ヒーターとサセプタとの間になんら物理的な接触の必要が無く、構造および用途の自由度を高めることができる。
【0089】
デバイス100の例の誘導加熱集合体は、サセプタ構造体132(以下、「サセプタ」とする)、第1のインダクタコイル124と、第2のインダクタコイル126とを含む。第1および第2インダクタコイル124、126は、導電性材料から作製される。この例では第1および第2インダクタコイル124、126は、リッツ線/ケーブルから作製され、これは螺旋状に巻かれ、ヘリカルインダクタコイル124、126を供する。リッツ線は、複数の個別の線を含み、これらは個別に絶縁され、一緒にねじられて1本の線を形成する。リッツ線は、導体中の表皮効果損失を減らすように設計されている。デバイス100の例では第1および第2インダクタコイル124、126は、実質的に円形断面の銅リッツ線から作製される。他の例ではリッツ線は矩形などの他の形状の断面を有してもよい。
【0090】
第1インダクタコイル124は、サセプタ132の第1セクションを加熱するための第1の変動磁場を発生させるように構成され、第2インダクタコイル126は、サセプタ132の第2セクションを加熱するための第2の変動磁場を発生させるように構成されている。ここで、サセプタ132の第1のセクションは第1のサセプタ領域132aと称され、サセプタ132の第2のセクションは第2のサセプタ領域132bと称される。この例では第1インダクタコイル124は、デバイス100の長手方向軸134に沿った方向に第2インダクタコイル126と隣接する(即ち、第1および第2インダクタコイル124、126は、重ならない)。この例ではサセプタ装置132は2つの領域を含む単独のサセプタを含むが、他の例ではサセプタ装置132は2つ以上の別個のサセプタを含んでもよい。第1および第2インダクタコイル124、126の端部130はPCBに接続されている。
【0091】
当然のことながら一部の例では第1および第2インダクタコイル124、126は、少なくとも1つの互いに異なる特徴を有してもよい。例えば、第1インダクタコイル124は、第2インダクタコイル126とは少なくとも1つの異なる特徴を有してもよい。より具体的には1つの例では第1インダクタコイル124は、第2インダクタコイル126とは異なるインダクタンスの値を有してもよい。
図5において第1および第2インダクタコイル124、126は、第1インダクタコイル124が第2インダクタコイル126よりサセプタ132の小さいセクションに巻かれるように長さが異なる。従って、第1インダクタコイル124は、第2インダクタコイル126とは巻き数が異なってもよい(個々の巻き間の間隔は実質的に同じだと仮定して)。さらに別の例では第1インダクタコイル124は、第2インダクタコイル126とは異なる材料から作製されてもよい。一部の例では第1および第2インダクタコイル124、126は、実質的に同じであってもよい。
【0092】
この例ではインダクタコイル124、126は互いに同じ方向に巻かれる。即ち、第1インダクタコイル124と第2インダクタコイル126は左巻き螺旋である。別の例ではインダクタコイル124、126は両方とも右巻き螺旋であってもよい。さらに別の例(図示せず)では第1インダクタコイル124と第2インダクタコイル126は反対方向に巻かれる。これはインダクタコイルが異なる時間にアクティブな時に役に立つ。例えば、最初に第1インダクタコイル124が物品110の第1セクションを加熱するために作動してもよく、その後に第2インダクタコイル126は物品110の第2セクションを加熱するために作動してもよい。異なる方向にコイルを巻くことは、特定の種類の制御回路と使用する場合にインダクタコイルに誘導される電流の減少の補助をする。コイル124、126が異なる方向に巻かれる1つの例(図示せず)では第1インダクタコイル124は右巻き螺旋で第2インダクタコイル126は左巻き螺旋であってもよい。別のこのような実施態様では第1インダクタコイル124は左巻き螺旋で、第2インダクタコイル126は右巻き螺旋であってもよい。
【0093】
この例のサセプタ132は中空であり、従って中にエアロゾル発生材が収容される受け部を画定する。例えば、物品110はサセプタ132内に挿入することができる。この例ではサセプタ132は円形の断面を有する管状である。
【0094】
図5のバイス100は、一般に管状であり、少なくとも部分的にサセプタ132を囲む絶縁部材128をさらに含む。絶縁部材128は、例えばプラスチック材などのあらゆる絶縁材から構成してもよい。この特定の例では絶縁部材はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から構成される。絶縁部材128は、デバイス100の種々の部品をサセプタ132内に発せられる熱から絶縁するのに役立つ。
【0095】
また絶縁部材128は、完全にまたは部分的に第1および第2インダクタコイル124、126を支持してもよい。例えば、
図5に示すように第1および第2インダクタコイル124、126は、絶縁部材128の周囲で位置決めされ、絶縁部材128の半径方向外方の面と接触する。一部の例では絶縁部材128は第1および第2インダクタコイル124、126と当接しない。例えば、小さい隙間が絶縁部材128の外面と第1および第2インダクタコイル124、126の内面の間に存在してもよい。
【0096】
具体的な例ではサセプタ132、絶縁部材128および第1および第2インダクタコイル124、126は、サセプタ132の中央長手方向軸を中心に同軸である。
【0097】
図6はデバイス100の一部断面にて示した側面図である。外方カバー102がこの例でも示されていない。第1および第2インダクタコイル124、126の矩形の断面形状が
図6より明らかに視認できる。
【0098】
デバイス100は、サセプタ132を所定の位置に保持するためにサセプタ132の一端と係合する支持体136をさらに含む。支持体136は第2端部部材116に接続されている。
【0099】
デバイス100は、デバイス100の遠位端の方に配置された第2の蓋/キャップ140およびバネ142をさらに含む。バネ142は第2の蓋140を開けて、サセプタ132に触れられるようにする。ユーザーは、例えば第2の蓋140を開けてサセプタ132および/または支持体136を掃除してもよい。
【0100】
デバイス100は、サセプタ132の近位端から離れてデバイスの開口部104の方に延びた膨張チェンバー144をさらに含む。少なくとも部分的に膨張チェンバー144内に配置されているのは、デバイス100内に収容された際に物品110と当接し、保持する保持クリップ146である。膨張チェンバー144は、端部部材106に接続されている。
【0101】
また
図6は、ソケット114に隣接して位置し、デバイス100のために充電および電力供給機能を供するための充電装置(その一例を
図16を参照した以下に説明する)上に配置される充電プリント基板123を示している。
【0102】
図7は、再度外方カバー102が取り除かれている
図4のデバイス100の分解図である。
【0103】
図8Aは、
図4のデバイス100の一部の断面を示している。
図8Bは、
図8Aのある領域を拡大して示している。
図8Aおよび8Bは、サセプタ132内に収容された物品110を示し、物品110は、その外面がサセプタ132の内面と当接するような寸法になっている。これにより加熱が最も効率的になる。この例の物品110はエアロゾル発生材110aを含む。エアロゾル発生材110aはサセプタ132内に位置決めされる。また物品110は、フィルター包装材および/または冷却構造体などの他の部材を含んでもよい。
【0104】
図8Bは、サセプタ132の外面がサセプタ132の長手方向軸158に垂直な方向に測定して距離150の分だけインダクタコイル124、126の内面から離れていることを示している。1つの特定の例では距離150は、約3mm~4mm、約3mm~3.5mmまたは約3.25mmである。
【0105】
図8Bは、絶縁部材128の外面がサセプタ132の長手方向軸158に垂直な方向に測定して距離152の分だけインダクタコイル124、126の内面から離れていることをさらに示している。1つの特定の例では距離は約0.05mmである。別の例ではその距離152は、インダクタコイル124、126が絶縁部材128と当接し、触れるように実質的には0mmである。
【0106】
1つの例ではサセプタ132の壁厚154は、約0.025mm~1mmまたは約0.05mmである。
【0107】
1つの例ではサセプタ132の長さは、約40mm~60mm、約40mm~45mmまたは約44.5mmである。
【0108】
1つの例では絶縁部材128の壁厚156は、約0.25mm~2mm、0.25mm~1mmまたは約0.5mmである。
【0109】
図9は、プリント基板、PCB122、サセプタ132、第1インダクタコイル124および第2インダクタコイル126の斜視図である。この例では第1および第2インダクタコイル124、126は、円形の断面を有するワイヤから作製される。第1インダクタコイル124の第1および第2端部130a、130bは、PCB122接続されている。同様に第2インダクタコイル126の第1および第2端部130c、130dは、PCB122に接続されている。一部の例ではインダクタコイルは1つだけ存在してもよい。
【0110】
第1および第2インダクタコイル124、126の周囲を延びているのは磁気シールド部材202である。この磁気シールド部材202は、サセプタおよび/または第1および第2インダクタコイル124、126内に発生する電磁放射線からデバイス100の他の部品および/または他の物体をシールドするために第1および第2インダクタコイル124、126と接触し、これらを囲んでいる。磁気シールド部材202は、インダクタコイル124、126およびサセプタ132が磁気シールド部材202内に配置されていることを明確に示すために透明であるように示されている。この例では磁気シールド部材202は、接着剤で所定の場所に保持される。他の例では、デバイス100または磁気シールド部材202の他の機能/部品が磁気シールド部材202を所定の位置に保持してもよい。
【0111】
サセプタ132は、物品110を収容し、エアロゾル発生材を収容するように構成された受け部を画定している。他の例では(図示せず)サセプタ132は、デバイス100ではなく物品110の一部であり、従って他の部品が受け部を画定してもよい。受け部/サセプタ132は、周りに磁気シールド部材202が巻かれる長手方向軸158のような軸158を画定する。
【0112】
磁気シールド部材202は、電磁放射線に対してシールドとして機能する1つ以上の部品を含む。この例では磁気シールド部材202は、シールドとして機能するフェライト層などの磁気シールド層を含んでもよい。
【0113】
磁気シールド部材202は、1つ以上のさらなる層を含んでもよい。例えば、磁気シールド部材202は、
図10に説明されているように接着剤層および/またはラミネート層をさらに含んでもよい。
【0114】
図10は、磁気シールド部材202が第1および第2インダクタコイル124、126に巻かれる前の磁気シールド部材202の一例の断面を略式に示した図である。磁気シールド部材202はシート状である。
【0115】
この例では磁気シールド部材202は、磁気シールド層206、磁気シールド層206の第1の面に塗布された接着剤層204および磁気シールド層206の第2の面に塗布されたラミネート層208を含む少なくとも3つの層を含む。
【0116】
接着剤層204は、磁気シールド部材202が第1および第2インダクタコイル124、126に接合できるように磁気シールド部材202の内方面に配置される。追加の保護層(図示せず)が接着剤層204をカバーしてもよく、これはその後磁気シールド部材202が第1および第2インダクタコイル124、126に接着される前に取り除かれ、接着剤層204を露出させる。磁気シールド部材202の内方面は、磁気シールド部材202が第1および第2インダクタコイル124、126と接触した際に第1および第2インダクタコイル124、126に近くなる方の面である。磁気シールド部材202が第1および第2インダクタコイル124、126に巻かれると、接着剤層204の一部がラミネート層208と接触するように磁気シールド部材は、重なる領域において磁気シールド部材自体と重なる。
【0117】
ラミネート層208は、磁気シールド部材202の外方面にまたは外方面の方に配置される。磁気シールド部材202の外方面は、磁気シールド部材202が第1および第2インダクタコイル124、126と接触した際に第1および第2インダクタコイル124、126から離れた方の面になる。一部の例ではさらなる層(図示せず)が磁気シールド部材202の外方面を形成する。
【0118】
上述したように磁気シールド層206のフェライト材は、多くの加熱、冷却サイクルに亘って崩壊する可能性がある。ラミネート層208は、磁気シールド層206の崩壊する材料がばらばらになってデバイス100の内側で動き回るのを止める役割を果たす。ラミネート層208は、プラスチック材を含み、例えばプラスチックフィルムであってもよい。本例ではプラスチックはポリエチレンテレフタレート、PETである。
【0119】
図10の例ではラミネート層208は、磁気シールド層206に直接隣接している。例えば、ラミネート層208は、加熱シールによって磁気シールド層206に接合させてもよい。別の例では第2の接着剤層(図示せず)をラミネート層208と磁気シールド層206の間に配置してもよい。
【0120】
図11は、
図9に示した構成の上面を示している。サセプタ132によって画定された受け部212は、その中にエアロゾル発生材を収容する。矢印210は、受け部/サセプタから外方を指す半径方向を示している。
図10の磁気シールド部材202は第1および第2インダクタコイル124、126に巻かれると、ラミネート層208は接着剤層204より第1および第2インダクタコイル124、126から半径方向210に遠く配置される。
【0121】
図9および11に示すように第1インダクタコイル124の第1および第2端部130a、130bは、磁気シールド部材202に形成されたノッチ/穴/開口部を通過している。これらのノッチにより磁気シールド部材202が第1および第2インダクタコイル124、126の形状により近い形状になる。
【0122】
図12は他の部品から分離した磁気シールド部材202を示している。シート状の磁気シールド部材202は巻かれて円筒状の管になり、重なり領域224で重なっている。接着剤層204があるということは磁気シールド部材202がその重なり領域224で磁気シールド部材自体に接合し、良好な封止を供することを意味する。他の例では、磁気シールド部材202は、第1および第2インダクタコイル124、126の周囲を完全に延びていない。
【0123】
磁気シールド部材202は、4つのノッチ214、216、218、220を含む。他の例では、ノッチは1つ以上あってもよい。ノッチ214、216、218、220は磁気シールド部材202の縁部に形成され、それぞれがインダクタコイル124、126を形成するワイヤのセクションを収容する。ワイヤのそのセクションは、
図9に示すように第1および第2インダクタコイル124、126の第1および第2端部130a、130b、130c、130dを含む。
【0124】
図13は、磁気シールド部材202が第1および第2インダクタコイル124、126に巻かれる前の
図12の磁気シールド部材202を示す図である。磁気シールド部材202は、ほぼ矩形のシートから形成されている。シートは、磁気シールド部材202がインダクタコイル124、126に巻かれた際に受け部/サセプタ132によって画定された軸に平行に位置合わせされた軸222と第1および第2インダクタコイル124、126によって画定された軸を画定している。
【0125】
シートは、シートの第1縁部に形成された第1ノッチ214を含む。第1ノッチ214は、第1インダクタコイル124を形成するワイヤのセクションを収容し、ワイヤのそのセクションは、第1端部130aを含む。またシートはシートの第2縁部224に形成された第2ノッチ218を含む。第2ノッチ218は、第2インダクタコイル126を形成するワイヤのセクションを収容し、ワイヤのそのセクションは第1端部130cを含む。シートは、シートの第2縁部226に形成された第3ノッチ216をさらに含む。第3ノッチ216は、第1インダクタコイル124を形成するワイヤの第2のセクションを収容し、ワイヤの第2のセクションは、第2端部130bを含む。またシートはシートの第2縁部226に形成された第4ノッチ220を含む。第4ノッチ220は、第2インダクタコイル126を形成するワイヤの第2のセクションを収容し、ワイヤの第2のセクションは、第2端部130bを含む。従って、各インダクタコイル用にシートの対向縁部に形成された2つのノッチが存在する。
【0126】
ノッチ214、216、218、220は、すべてシートによって画定された軸222に沿った方向に互いにオフセットしている(且つ従って磁気シールド部材202が所定の位置にあるときにサセプタ132によって画定される長手方向軸158に沿った方向に互いにすべてオフセットしている)。
【0127】
図14はデバイス100に使用可能な別の例の磁気シールド部材302を示す図である。磁気シールド部材302は、ほぼ矩形のシートから形成されている。シートは、磁気シールド部材302がインダクタコイル124、126に巻かれた際に受け部/サセプタ132によって画定された軸に平行に位置合わせされた軸322と第1および第2インダクタコイル124、126によって画定された軸を画定している。
【0128】
図13の例と異なり、磁気シールド部材302は、シートの一縁部に沿って形成されたノッチを含む。例えば、シートは、シートの第1縁部324に形成された第1ノッチ314を含む。第1ノッチ314は、第1インダクタコイル124を形成するワイヤのセクションを収容し、ワイヤのそのセクションは、第1端部130aを含む。またシートは、シートの第1縁部324に形成された第2ノッチ318を含む。第2ノッチ318は、第2インダクタコイル126を形成するワイヤのセクションを収容し、ワイヤのそのセクションは、第1端部130cを含む。シートは、シートの第1縁部324に形成された第3ノッチ316を含む。第3ノッチ316は、第1インダクタコイル124を形成するワイヤの第2セクションを収容し、ワイヤの第2セクションは、第2端部130bを含む。またシートはシートの第1縁部324に形成された第4ノッチ320を含む。第4ノッチ320は、第2インダクタコイル126を形成するワイヤの第2セクションを収容し、ワイヤの第2セクションは、第2端部130bを含む。従って、各インダクタコイル用にシートの同じ縁部に形成された2つのノッチが存在する。
【0129】
ノッチ314、316、318、320は、すべてシートによって画定された軸322に沿った方向に互いにオフセットしている(且つ従って磁気シールド部材302が所定の位置にあるときにサセプタ132によって画定される長手方向軸158に沿った方向に互いにすべてオフセットしている)。
【0130】
図15は、デバイス100に使用可能な別の例の磁気シールド部材402を示す図である。磁気シールド部材402は、ほぼ矩形のシートから形成されている。シートは、磁気シールド部材202がインダクタコイル124、126に巻かれた際に受け部/サセプタ132によって画定された軸に平行に位置合わせされた軸422と第1および第2インダクタコイル124、126によって画定された軸を画定している。
【0131】
図13および14の例と異なり、磁気シールド部材402は、シートに形成された穴/開口部/貫通孔を含む。従って、第1および第2インダクタコイル124、126の端部は、PCB122に接続される前にこれら開口部を最初に通過しなければならない。
【0132】
シートは、第1インダクタコイル124を形成するワイヤのセクションを収容する第1開口部414を含み、ワイヤのそのセクションは、第1端部130aを含む。またシートは、第2インダクタコイル126を形成するワイヤのセクションを収容する第2開口部418を含み、ワイヤのそのセクションは、第1端部130cを含む。シートは、第1インダクタコイル124を形成するワイヤの第2セクションを収容する第3開口部416をさらに含み、ワイヤの第2セクションは、第2端部130bを含む。またシートは、第2インダクタコイル126を形成する第2セクションを収容する第4開口部を含み、ワイヤの第2セクションは、第2端部130bを含む。
【0133】
開口部414、416、418、420は、すべてシートによって画定された軸422に沿った方向に互いにオフセットしている(且つ、従って磁気シールド部材402が所定の位置にあるときにサセプタ132によって画定される長手方向軸158に沿った方向に互いにすべてオフセットしている)。
【0134】
図16はエアロゾル発生デバイス100の装置500を略式に示している。ここでの
図16の説明は、デバイス100からの電磁放射線の放射を減少させるように構成された装置500の特定の機能に重点を置く。装置500は、デバイス100に収納され、一部の例ではソケット114に隣接するプリント基板123上で収納され、外部電源(図示せず)からバッテリー118の充電を制御するためのもである。装置500は、充電管理装置550を含む。この例の充電管理装置550は、Texas Instruments bq25898集積回路充電管理およびシステム電力パス管理装置であり、その一般的な操作はこの集積回路装置の公知の仕様から理解されるはずである。充電管理装置550は、入力セクション510によって外部電源に接続される。装置500は、充電管理装置550の端子間で接続された出力セクション520をさらに含む。この例ではまた充電管理装置550は、デバイス100の他の電機部品に供給される直流電源を制御する電力管理システムとしても機能する。従って、装置500は、外部電源とバッテリー118間の接合部として機能し、さらにバッテリー118とデバイス100の他の電機部品間の接合部として機能してもよい。
【0135】
装置500は、充電中にデバイス100からある程度のレベルの電磁放射線が放射されるように構成され、これによりデバイスが上述の放射された電磁放射線のレベルを満たす。入力セクション510と出力セクション520は、デバイス100の充電中に、装置500から放射される電磁放射線のレベルを制限するように構成されている。特に装置500は、動力サイクルおよび充電中の充電管理装置550によって行われる切り替え操作中に放射される放射線のスパイクを制限するように構成されている。
【0136】
充電装置500の入力セクションは、USB-C充電ポート114から5Vの入力511を受けるように構成されている。第1ライン512を介した入力511と充電管理装置550の第1接続VBUS間に接続されているのは入力インダクタL3である。インダクタL3は、100MHzで120Ω+/-25%および25mΩの直流抵抗を有する。インダクタL3は、充電装置500からの電磁放射線の放射量を減少させるように選択される。入力インダクタL3は、装置500から発する高周波数信号を減少させるように構成されている。参照信号+5USBが充電管理装置550と入力インダクタL3の間の第1ライン512のあるポイントで取られる。さらに入力セクション510は、入力511と充電管理装置550の第2接続部PMID間で接続された第2ライン513を含む。第2ライン513上で100nFコンデンサC7が入力511とアースの間で直列につながれている。10μFコンデンサC113と1nFコンデンサC142はアースと第2接続部PMIDの間で第2ライン上で並列につながれている。種々のコンデンサC4、C12、C6、C141、C110とダイオードD3が第1ライン512と第2ライン513の間で並列につながれている。入力セクション510を画定する部品の配置は装置500によって放射される電磁放射線のレベルを減少させる役割を果たす。例えば、インダクタL3および種々のコンデンサは、種々の周波数信号のフィルター効果を供する。
【0137】
装置500の出力セクション520は、充電管理装置550の第3接続部SW、第4接続部BTSTおよび第5接続部SYSに接続されている。第3接続部SWは、交換ノードであり、第3接続部SWと第5接続部SYSの間に接続されている1μHの出力インダクタL102に接続している。47nFコンデンサC109と10Ω抵抗は、第4接続部BTSTに直列につながれている。2つの10μFコンデンサC117、C138は、第5接続部SYSとアースの間で並列につながれている。bq25898充電管理装置550の出力セクション520上の接続部SW、SYS、BTSTの機能は、例えばテキサス州 Instrumentsによって製せられているこの管理装置の技術仕様書から理解されるはずである。
【0138】
出力セクション520は、第3接続部SWとアース間に接続された「スナバ回路」を含む。スナバ回路は、直列につながれ、充電管理装置550によって拾われてしまい、望ましくない電磁放射線の原因になる過渡信号を減少、即ち「緩衝」する役割を果たす2.2nFコンデンサC136と約1Ωの抵抗R137とを含む。本発明者は
図16に示すようにコンデンサC136とR137とを含むスナバ回路の配置によって特に充電切り替え操作中に発生する電圧スパイクによる電磁放射線を減少させることを発見した。
【0139】
デバイス100内のPCB122上に装置500を形成する部品のレイアウトもまた充電中の放射される電磁放射線のレベルを上述のレベル内に維持するように構成してもよい。例えば、PCB122上のインダクタL102の配向は、部品の効果的な接地を電気ノイズを減少させるために最適化しながら放射される放射線の前記レベルを制限するように選択される。効果的な接地は、例えば特定の部品とPCB122間に良好な接地領域を設けることによって達成される。
【0140】
特定の例ではデバイス100、例えばデバイス100のコントローラ(図示せず)は、デバイス100の種々の機能を制御するために変動電圧信号を急速に出力するように構成されている。例えば、特定の周波数での変動電圧信号は、コイル124、126を含む誘導加熱回路に制御機能を供給するために使用してもよい。一部の例ではこれら急速に変動する信号は、特定の交流周波数を除去し、これにより例えばコイル124、126を含む誘導回路の特定の性状を制御するための特定の参照電圧を供するために所定の周波数で実質的に一定の信号を供するようにフィルターをかけてもよい。例えば、1つの例ではフィルターにかけられた20kHzパルス波変調信号は、64Hzなどの低い周波数で実質的に一定の参照電圧を供するためにコンデンサおよび抵抗の構造体などの適当なフィルター部品によってフィルターをかけてもよい。この参照電圧はインダクタコイル124、126を動作させるための誘導回路の性状を制御するために使用してもよい。一部の例では本発明のデバイスは、高い周波数、例えば20kHzの信号の一部を低い周波数信号に晒したままにすることによって放射された電磁放射線のピークレベルを制限するように構成されている。これは、特定の例ではコンデンサおよび抵抗などのフィルター部品の適した選択によって行ってもよい。これはより広い帯域幅に亘って信号のエネルギーを拡散させ、従って高い周波数信号をより完全にフィルターした場合よりデバイス100からの電磁放射線を低下させる。
【0141】
上記の実施態様は本発明の説明に役立つ実例として理解されたい。さらに本発明の実施態様は想定される。当然のことながら任意の1つの実施態様について説明したあらゆる特徴は単独または説明された他の特徴と組み合わせて使用してもよく、他の実施態様のいずれかの1つ以上の特徴または他の実施態様のいずれかのあらゆる組み合わせと組み合わせて使用してもよい。さらに上記で説明されていない同等物および修飾物も添付の特許請求の範囲に規定されている本発明の範囲を逸脱することなく採用することも可能である。
【国際調査報告】