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特表2022-525098成形ゲル体、それを製造するための方法、およびその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-11
(54)【発明の名称】成形ゲル体、それを製造するための方法、およびその使用
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/12 20060101AFI20220428BHJP
【FI】
A61B8/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021554662
(86)(22)【出願日】2020-03-30
(85)【翻訳文提出日】2021-10-15
(86)【国際出願番号】 EP2020058962
(87)【国際公開番号】W WO2020201216
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】102019204522.7
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520199587
【氏名又は名称】レチナー,ヨハン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】レチナー,ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】ベルント,ジマーマン
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル,シュトルム
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601DD12
4C601EE17
4C601FE06
4C601GB41
4C601GC03
(57)【要約】
本発明は、成形ゲル体(1)、その製造、および医療または歯科分野の超音波検査におけるその使用に関する。特に、成形ゲル体(1)は、透過型肺胞超音波検査(TAU)によって、顎骨の歯腔を検出および位置特定するために使用される。成形ゲル体(1)は、超音波送信機および/または受信機(7)を受容するためのレセプタクル(2)を有する。成形ゲル体(1)およびレセプタクル(2)は好ましくは、超音波送信機および/または受信機の形状に適合される。取り扱いを容易にするために、成形ゲル体(1)は、レセプタクル(2)と同様に、寸法安定性のない超音波ゲルで満たすことができる、柔軟で、生体適合性の保護カバー(6)内に挿入される。成形ゲル体(1)を製造するために、適切なサイズの次元的に安定なゲルの直方体は、好ましくは、直方体の狭い側面上で切り開かれるが、好ましくは完全には切断されず、4つの辺のうちの3つの上のみ切断されて、レセプタクル(2)を製造するか、または完全に切り開かれない場合、4つの辺のうち2つの上のみの端が閉じられるか、もしくは接着される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波検査における使用のための成形ゲル体(1)であって、
前記成形ゲル体(1)が、弾性であり、
送信機および/または受信機(7)のためのレセプタクル(2)が、前記成形ゲル体の内側に提供され、
前記レセプタクル(2)が、外側への開口部(3)を有し、それによって前記超音波送信機および/または受信機(7)を前記レセプタクル(2)に挿入することができることを特徴とする、成形ゲル体(1)。
【請求項2】
前記レセプタクル(2)および前記外側への開口部(3)を接続することにより、超音波検査のために使用される機械的、電気的および/または電子型の超音波送信機および/または受信機(7)の接続要素を少なくとも部分的に受容して、装置を形成することができることを特徴とする、請求項1に記載の成形ゲル体(1)。
【請求項3】
前記成形ゲル体(1)が、実質的に直方体の形状で互いに平行もしくは実質的に平行である底面および上面を有すること、ならびに/または、
前記成形ゲル体(1)が、4つのより狭い側面を有し、1つの側面に前記開口部(3)が提供され、これが好ましくは前記底面および上面に平行に延びることを特徴とする、請求項1または2に記載の成形ゲル体(1)。
【請求項4】
特に球形の場合、直径が、1cm~10cm、好ましくは1.5cm~7cm、特に好ましくは2cm~5cmであり、かつ/または実質的に直方体の形状の場合、前記底面もしくは上面の長さが、1cm~10cm、好ましくは2cm~8cm、特に好ましくは2.5cm~4cmであり、前記底面もしくは上面の幅が、1cm~8cm、好ましくは1.5cm~6cm、特に好ましくは2cm~4cmであり、かつ/または高さが、0.8cm~4cm、好ましくは1cm~3cm、特に好ましくは1.4cm~2.4cmであることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の成形ゲル体(1)。
【請求項5】
存在する角および/または外端が面取りされるか、または丸み付けられていることを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の成形ゲル体(1)。
【請求項6】
実質的に直方体の成形ゲル体(1)の場合、前記開口部(3)の反対側の側面が丸み付けられており、
前記丸み付けられた部分の方向が、前記開口部(3)の位置合わせに対して平行(4)および/または垂直(5)であることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の成形ゲル体(1)。
【請求項7】
前記開口部(3)の反対側の側面および/または前記開口部(3)の反対側の前記レセプタクル(2)の領域が、丸み付けられていることを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載の成形ゲル体(1)。
【請求項8】
前記超音波送信機に提供される成形ゲル体(1)が、前記超音波受信機(7)に提供されるゲル体よりも大きく、
前記成形ゲル体の長さ、幅、および/または高さが、互いに1.1~6倍、好ましくは1.2~4倍、特に好ましくは1.5~3倍異なることを特徴とする、請求項1~7のいずれかに記載の成形ゲル体(1)。
【請求項9】
前記超音波送信機に提供される成形ゲル体において、少なくとも1つのゲル層が、前記超音波受信機に提供される成形ゲル体におけるゲル層よりも厚く、
前記異なる厚さのゲル層の厚さ比が、1.1~7、好ましくは1.2~5、特に好ましくは1.5~3であることを特徴とする、請求項1~8のいずれかに記載の成形ゲル体(1)。
【請求項10】
前記レセプタクル(2)が、切り込みまたは窪みであることを特徴とする、請求項1~9のいずれかに記載の成形ゲル体(1)。
【請求項11】
前記成形ゲル体(1)が、ポリマー性本体および低分子量液体を含むことを特徴とする、請求項1~10のいずれかに記載の成形ゲル体。
【請求項12】
前記成形ゲル体(1)が、好ましくは、1,000m/秒~2,000m/秒、好ましくは1,200m/秒~1,800m/秒、さらにより好ましくは1,460m/秒~1,615m/秒の範囲の音速、0.1dB/cm~2.5dB/cm(1MHz)、好ましくは0.2dB/cm~2.0dB/cm(1MHz)、特に好ましくは0.3dB/cm~1.5dB/cm(1MHz)の範囲の音の減衰、および/もしくは最大150mm/秒、好ましくは最大120mm/秒、さらにより好ましくは最大80mm/秒の自発的回復の回復速度を有する、寸法安定性弾性ゲルであるか、またはそれを含むことを特徴とする、請求項1~11のいずれかに記載の成形ゲル体(1)。
【請求項13】
前記成形ゲル体(1)の内側の前記レセプタクル(2)が、寸法安定性のない超音波ゲルで満たされていることを特徴とする、請求項1~12のいずれかに記載の成形ゲル体。
【請求項14】
前記成形ゲル体(1)が、柔軟で、好ましくは生体適合性であり、
任意選択で寸法安定性のない超音波ゲルで満たされている保護カバー(6)内に、前記成形ゲル体(1)が、前記カバー(6)の内側の超音波ゲルによって完全にまたは部分的に囲まれるように配置されることを特徴とする、請求項1~13のいずれかに記載の成形ゲル体。
【請求項15】
請求項1~14のいずれかに記載の成形ゲル体(1)と、超音波送信機または受信機(7)と、を含む、システム。
【請求項16】
超音波送信機を含む請求項15に記載のシステムと、超音波受信機を含む請求項15に記載のシステムと、を含む、システム。
【請求項17】
請求項1~12のいずれかに記載の成形ゲル体(1)を製造するための方法であって、
(i)寸法安定性弾性ゲルからなる当初の成形体を、完全にまたは部分的に切り開くことと、
(ii)得られた切断面を、前記レセプタクル(2)および前記開口部(3)を含む前記成形ゲル体(1)が作成されるように、辺によって接着することと、
を特徴とする、方法。
【請求項18】
前記切断面の前記接着が、加熱された金属表面との接触によって、または好ましくは制御可能な熱気流で加熱し、続いて前記切断面を互いに押圧することによって行われることを特徴とする、請求項17に記載の成形ゲル体(1)を製造するための方法。
【請求項19】
存在する角および/または外端が少なくとも部分的に面取りされるか、または丸み付けられていることを特徴とする、請求項17または18に記載の成形ゲル体(1)を製造するための方法。
【請求項20】
請求項6に記載の前記側面の前記丸み付けられた部分(4)、(5)が、前記当初の成形体において既に事前定義されているか、またはその後、前記側面をトリミングすることによって形成されることを特徴とする、請求項17または18に記載の成形ゲル体(1)を製造するための方法。
【請求項21】
請求項12に記載の特性を有するゲルが、成形ゲル体(1)として所望の形状を有する金型内に射出成形され、冷却後、前記金型から取り外すことにより製造されることを特徴とする、請求項1~12のいずれかに記載の成形ゲル体(1)を製造するための方法。
【請求項22】
前記成形ゲル体(1)の内側の前記レセプタクル(2)が、寸法安定性のない超音波ゲルで満たされていることを特徴とする、請求項13に記載の成形ゲル体(1)を製造するための請求項17~21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
前記成形ゲル体(1)が、柔軟で、好ましくは生体適合性の保護カバー(6)内に挿入されることを特徴とする、請求項14に記載の成形ゲル体(1)を製造するための請求項17~21のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
前記保護カバー(6)が、寸法安定性のない超音波ゲルで、前記カバー(6)の内側の前記成形ゲル体(1)が、前記寸法安定性のない超音波ゲルによって完全にまたは部分的に囲まれるように満たされていることを特徴とする、請求項14に記載の成形ゲル体(1)を製造するための請求項23に記載の方法。
【請求項25】
医療または歯科分野における超音波検査のための、特に前記成形ゲル体(1)または前記システムを患者の口腔へ導入するための、請求項1~14のいずれかに記載の成形ゲル体(1)、または、請求項15もしくは16に記載のシステムの使用。
【請求項26】
医療または歯科分野における使い捨て物品としての、請求項1~14のいずれかに記載の成形ゲル体(1)、または、請求項15もしくは16に記載のシステムの使用。
【請求項27】
顎骨の空洞を位置特定するための透過型肺胞超音波検査における、請求項1~14のいずれかに記載の成形ゲル体(1)、または、請求項15もしくは16に記載のシステムの使用。
【請求項28】
DE102017011311.4号に記載のデバイスを用いた、および/またはそれに記載の方法のための、請求項1~14のいずれかに記載の成形ゲル体(1)、または、請求項15もしくは請求項16に記載のシステムの使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形ゲル体(1)、その製造、および超音波検査におけるその使用に関する。特に、成形ゲル体は、透過型肺胞超音波検査(TAU)によって顎骨の歯腔を検出し、位置特定するために使用される。
【背景技術】
【0002】
医療分野では、パルスエコー超音波検査があらゆる種類の軟組織を視覚化するために集中的に使用される。原則として、体内の構造は超音波からの反射を評価することによってマッピングされる。しかし、この方法は、骨と軟組織の界面で超音波がほぼ完全に反射されるため、顎骨の状態に関する有用な情報を取得するのには適切ではない。特に、顎骨の海綿骨部分は、一般的に使用されている超音波装置では検査することができない。したがって、今日まで、超音波は歯科で非常に限られた用途しかなかった。
【0003】
顎の海綿骨の状態は、臨床的に非常に重要である。Jerry Bouquotは、顎の海綿骨部分が大幅に変性する可能性があるという解剖学的証拠を提示した。これは、とりわけ「空洞性病変につながる虚血性骨壊死」と彼が呼ぶ現象である。彼は顎骨の骨壊死を神経痛と結びつけ、「神経痛誘発性空洞性骨壊死(NICO)」と呼ばれる疾患を定義する。(J.E.Bouquot,A.M.Roberts,P.Person and J.Christian,“Neuralgia-inducing cavitational osteonecrosis(NICO)Osteomyelitis in 224 jawbone samples from patients with facial neuralgia,”Oral Surg Oral Med Oral Pathol.1992,73(3):307-319、J.Bouquot,W.Martin and G.Wrobleski“Computer-based thru-transmission sonography(CTS)imaging of ischemic osteonecrosis of the jaws-a preliminary investigation of 6 cadaver jaws and 15 pain patients,”Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol Endod.2001、92:550を参照。)
【0004】
Johann Lechnerは、無傷の皮質内の脂肪の塊として現れる、そのような損傷した領域の組織を集中的に調べた。手術中、この材料は単にスプーンで排出される。この組織は、虚血性の脂肪変性状態にある。したがって、Lechnerは、観察された変化を「顎骨の脂肪変性骨溶解/骨壊死(FDOJ)」と定義する。彼は、顎骨に見られるこれらの脂肪の塊が、特定のサイトカイン、すなわちRANTES(CCL5)およびFGF-2だけでなく、PDGFおよびMCP-1も大量に産生するという点で、極度に生化学的に活性であることを示した。これらのサイトカインの濃度は、癌、認知症、多発性硬化症、関節炎などのいくつかの全身性疾患でも増加する。このような組織の外科的除去後のセンセーショナルな臨床的改善により、さまざまな全身性疾患の発症と持続が顎骨の脂肪変性骨溶解/骨壊死に関連しているという強力な証拠がある。しかし、ほとんどの症例では、局所神経痛(NICO)の影響はない。(J.Lechner and V.von Baehr,“RANTES and fibroblast growth factor 2 in jawbone cavitations:triggers for systemic disease?”International Journal of General Medicine 2013,6:277-290、J.Lechner and W.Mayer“Immune messengers in neuralgia inducing cavitational osteonecrosis(NICO)in jaw bone and systemic interference,”Eur.J.Integr.Med.2010、2(2):71-77を参照。)
【0005】
さらに、最近発表された刊行物によると、NICOおよびFDOJならびに「顎骨の無菌性虚血性骨壊死」(AIOJ)がすべて、International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems,10th Version(ICD-10)のCode M87.0に列挙される顎骨の同じ病理学的状態を記載することはもっともらしい。(J.Lechner,S.Schuett and V.von Baehr,“Aseptic-avascular osteonecrosis:local`silent inflammation`in the jawbone and RANTES/CCL5 overexpression,”Clinical,Cosmetic and Investigational Dentistry 2017:9 99-109を参照。)
【0006】
さらに、Bilal Al-Nawasによる以前の刊行物によると、顎骨の海綿骨部分の状態は、歯科インプラントおよびインプラント学の成功にとって非常に重要である。(M.O.Klein,K.A.Grotz,B.Manefeld,P.H.Kann and B.Al-Nawas,“Ultrasound transmission velocity for non-invasive evaluation of jaw bone quality in vivo prior to dental implantation,”Ultrasound in Medicine&Biology 2008,34:1966-1971参照)
【0007】
したがって、顎骨の脂肪変性骨溶解に関連する深刻な健康上のリスクが存在することができる。しかし、ここでの顕著な問題は、脂肪変性骨溶解を伴う顎骨がX線で何らの異常な所見を示さないことである。これは、顎骨が大部分変性した状態にあり、健康な海綿骨(FDOJ)の海綿骨の代わりに脂肪組織しかない場合でも当てはまる。AIOJ、FDOJ、およびNICOの発生および現象は、大部分が不明なままであり、何らのX線検査では検出することができないため、論争や否定さえされる。(J.Lechner,“Validation of dental X-ray by cytokine RANTES-comparison of X-ray findings with cytokine overexpression in jawbone,”Clinical,Cosmetic and Investigational Dentistry 2014,6:71-79を参照。)
【0008】
上記の問題を克服するために、異なるアプローチが必要であった。X線または他の確立された健康診断方法の代わりに、透過型肺胞超音波検査(TAU)の使用が評価された。透過型超音波検査は、航空宇宙産業などの一部の技術分野で、例えば溶接部の検査でよく知られる。この検査方法は、骨粗鬆症を診断する際の骨密度を決定するために医療分野でも使用される。(C.M.Langton and C.F.Njeh.“The Measurement of Broadband Ultrasonic Attenuation in Cancellous Bone-A Review of the Science and Technology,”IEEE Transactions on Ultrasonics,Ferroelectrics,and Frequency Control,2008(55)7:1546-1554を参照。)
【0009】
米国特許第6,030,221A号は、顎骨の空洞を検出するための透過型肺胞超音波検査(TAU)のためのデバイスの最初の開示である可能性が高い。このTAUデバイスは、超音波パルスを生成し、そのパルスを患者の顎骨に送る。次に、超音波パルスが超音波受信機ユニットによって測定および記録される。超音波パルスの振幅の減衰(減衰(damping))は、顎骨の病理学的変化を示す。結果はカラーモニターに表示され、さまざまな減衰度に対応するさまざまな色を示す。
【0010】
米国特許第6,030,221A号によるTAUデバイスは、数年間市販された。それは、Cavitat Medical Technologiesのエンジニアによって開発されたCavitat Ultrasonograph CAV4000であった。この既知のTAUデバイスは、複数の受信機要素を使用し、送信された超音波パルスの周波数および音波は、約2.5MHzの範囲にあった。受容された音波は、約100MHzの動作周波数でデジタルコンバーターによって処理された。Jacques Imbeauは、刊行物J.Imbeau,“Introduction to Through-Transmission Alveolar Ultrasonography(TAU)in Dental Medicine,”The Journal of Craniomandibular Practice,2005(23)2:100-112で、このデバイスの基本原理および取り扱いについてより詳しく記載する。
【0011】
前述のTAUデバイスにはいくつかの欠点があり、Imbeau,loc.cit.,Pp.106/107によってより詳細に説明される。ドイツ特許出願DE102017011311.4号は、これらの欠点を克服する新しいTAUデバイスを記載する。これは、再現性のある簡単な方法で超音波送信機および受信機を位置決めすることの難しさに関連する。また、古いCavitatデバイスの感度が低く、超音波受信機が機械的に不安定で、最終的にデバイスを較正できないことにも関連する。
【0012】
測定デバイスおよび測定対象物の信頼性の高い音響結合は、すべての超音波検査にとって重要である。この結合は、顎の領域におけるものなどの不規則な形状の対象物では特に困難である。したがって、本発明によって対処される問題は、歯槽堤と超音波送信機および/または受信機の表面との間の異なる距離を補償することの問題である。さらに、本発明は、超音波送信機および/または超音波受信機の位置を迅速に調整することができるようにすることを目的とする。これは、測定の再現性をさらに向上させながら、成形ゲル体の取り扱いを単純化し、特に安全にすることを目的とする。
【発明の概要】
【0013】
この問題を解決するために、本発明は、成形ゲル体、その製造、および超音波検査におけるその使用を記載する。
【0014】
成形ゲル体は、好ましくは直方体であるか、または直方体に由来し、超音波送信機および/または受信機を受容するための内部空間、窪み、切り込み、スリットなど(以下「レセプタクル」)を有する。直方体の端は、好ましくは面取りされるか、または丸み付けられている。狭い側面の少なくとも1つは、好ましくは丸み付けられることができ、ならびに/または底面および上面の端は、対で外側に湾曲することができる。成形ゲル体および提供されたレセプタクルは、好ましくは、超音波送信機および/または受信機の形状に適合されている。しかし、任意の成形当初体には、超音波送信機および/または受信機を受容するためのレセプタクルが提供されることもできる。
【0015】
取り扱いを容易にするために、レセプタクルには十分な量の無次元的に安定な超音波ゲルが充填される。さらに、成形ゲル体(または複数の成形ゲル体)は、柔軟で、生体適合性の保護カバー内に挿入されることができ、これを、無次元的に安定な超音波ゲルで満たすこともできる。
【0016】
本発明はまた、任意選択で柔軟で、生体適合性の保護カバーにおいてであり、任意選択で無次元的に安定な超音波ゲルで満たされた成形ゲル体、ならびに超音波送信機および/または受信機からなるシステムに関する。
【0017】
成形ゲル体を製造するために、適切なサイズの次元的に安定なゲルの直方体を、直方体の狭い側面上で切り開くが、好ましくは完全に切断されず、4つの辺のうちの3つの上のみで切断されて、レセプタクルを製造するか、または完全には切り開かれない場合、4つの辺のうちの2つの上のみの端の上で閉じられるか、もしくは接着される。
【0018】
任意選択で保護カバーにおける成形ゲル体は、医療または歯科用に、好ましくは使い捨てアイテムとして、特に顎骨の空洞を位置特定するための透過型肺胞超音波検査に使用される。DE102017011311.4号によるデバイスおよび方法での使用が特に好ましい。したがって、成形ゲル体の使用に関するDE102017011311.4号の教示は、本発明によってさらに発展する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明によるレセプタクル(2)を含む成形ゲル体(1)を示す。
図2】丸み付けられた側面(4)を含む成形ゲル体を示す。
図3】底面および上面(5)の端が対で外側に湾曲している成形ゲル体を示す。
図4】成形ゲル体(1)、保護カバー(6)、および超音波送信機または受信機(7)からなるすぐに使用できるシステムを示す。
図5】成形ゲル体(1)の2つの例を示しており、狭い側面の両方が丸み付けられており、底面および上面の端が対で外側に湾曲している。
図6図7によって、成形ゲル体(1)を保護カバー(6)において輸送するための実物大のプラスチックバッグを示す。
図7】保護カバー(6)における実物大の、すぐに使用できる成形ゲル体(1)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、超音波検査用の成形ゲル体(1)を示し、提供されたレセプタクル(2)を破線で示す。成形ゲル体の弾性のため、レセプタクル(2)を、単純な切り込みとして、または側面に参照記号(3)でマークされるスリットとして設計することができる。超音波送信機および/または受信機を、切り込み(3)を介してレセプタクル(2)内に簡単に押し込むことができる。弾性成形ゲル体(1)は、好ましくは実質的に直方体であり、底面および上面、ならびに4つのより狭い側面を有する。
【0021】
成形ゲル体は、図2に示すように、狭い側面の少なくとも1つが丸み付けられるように直方体から派生されることもできる(4)。代替の丸み付けられた部分(5)を図3に示す。特に好ましい実施形態では、図5に示すように、両方の丸み付けられた形状が組み合わされる。
【0022】
レセプタクル(2)は、超音波検査用に提供される送信機および/または受信機(7)を受容することができる成形ゲル体の内側に提供され、レセプタクル(2)は、外側への開口部(3)を有して、送信機または受信機(7)を挿入し、超音波送信機および/または受信機(7)の接続要素を受容することができる。
【0023】
成形ゲル体(1)は、特に実質的に球形の場合、直径は、1cm~10cm、好ましくは1.5cm~7cm、特に好ましくは2cm~5cmであり、かつ/または、実質的に直方体の形状の場合、底面もしくは上面の長さは、1cm~10cm、好ましくは2cm~8cm、特に好ましくは2.5cm~5.0cmであり、底面上面の幅は、1cm~8cm、好ましくは1.5cm~6.0cm、特に好ましくは2cm~4cm、非常に特に好ましくは3.0cmであり、かつ/または高さは、0.8cm~4cm、好ましくは1cm~3cm、特に好ましくは1.0cm~1.4cmである。
【0024】
このような成形ゲル体(1)は、製造が簡単で、安全で使いやすく、優れた音響結合、したがって、優れた測定結果の前提条件を提供する。
【0025】
成形ゲル体(1)に何らの鋭い端および角がない場合、測定結果が向上する。これを達成するために、成形ゲル体(1)の角および外端は、好ましくは面取りされるか、または丸み付けられている。
【0026】
成形ゲル体(1)の外形が、受容される超音波送信機および/または受信機(7)の形状に適合されている場合も好ましい。提供されるレセプタクル(2)が、受容される超音波送信機および/または受信機(7)の形状に適合されている場合も好ましい。
【0027】
超音波技術の理由から、超音波送信機を超音波受信機よりも大きくすることが有利であることが証明されており、したがって、関連する成形ゲル体を異なるサイズで製造することもできる。超音波送信機に提供される成形ゲル体の少なくとも1つのゲル層を、超音波受信機に提供される成形ゲル体のゲル層よりも厚くすることも好ましい。1つの可能な実施形態は、超音波の経路にあるゲル層の厚さのために7mmおよび4mmを提供する。
【0028】
DE102017011311.4号によるTAU測定の診療では、超音波受信機を口内、つまり口の内側で使用し、超音波送信機を患者の頬の外側に位置決めして、任意選択で、いくつかの超音波ゲルを使用して良好な音響結合を確立することが有利であることが証明されている。しかし、口の内側の解剖学的状態が難しい場合、超音波受信機のみが、単一の位置で良好な測定結果を送達することが可能である。しかし、特定の状況下では、より厚いゲル層が超音波送信機のために提供されていない場合、これは、超音波送信機が十分な音響結合を可能としないことを意味することができ、ここで教示されるように、それはかくして、音響結合を失うことなく、薄いゲル層で可能であるよりもより強く変形されることができる。
【0029】
顎の領域で測定を行う場合、患者に使用したときの不快感や痛みを避けるために、超音波送信機および受信機(7)がそれらの部分のために何らの鋭い角および端を有しないことが有利である。したがって、図4に示すように、超音波測定要素の外形は丸み付けられていることが好ましい。これは、好ましくは開口部(3)の反対側の領域にある、提供されるレセプタクル(2)も丸み付けられていることを意味する。さらに、丸み付けられた(4)側面は開口部(3)に対向すること、ならびに/または底面および上面の端が対で外側に湾曲し(5)、開口部(3)に面することが好ましい。
【0030】
従来技術のパルスエコー超音波検査では、例えば、音響技術の理由から、ゲル層、いわゆるフロントセクションを骨または関節の上で使用しなければならない。このようなゲル層は、任意の形状の超音波ヘッド用の成形ゲル体(1)を使用することによって簡単な方法で提供することができ、その成形ゲル体は、超音波ヘッド用のレセプタクル(2)を内側に有し、厚さが1.0cm~5.0cm、好ましくは1.2cm~3cmであるゲル層によって囲まれる。
【0031】
適切な、次元的に安定な、弾性ゲルを選択する場合、ポリマー性の本体が適切な低分子量液体を受容することができる熱可塑性エラストマーから開始することができる。成形ゲル体の音響特性が測定に悪影響を及ぼさないように注意する必要がある。これは、成形ゲル体が、音速が1,460m/秒~1,615m/秒の範囲であり、音の減衰が0.3dB/cm~1.5dB/cm(1MHz)の範囲である、次元的に安定な弾性ゲルを好ましくは含むことを意味する。
【0032】
適切な次元的に安定な弾性ゲルは、柔らかく、(非常に)弾性であり、(非常に)柔軟でなければならず、その結果、次元的に安定な弾性ゲルと超音波受信機および歯槽堤との最も完全な可能な接触を常に確保することができる。少なくとも使用されるゲルが最大80mm/秒の自発的回復のための回復速度を有する場合、これらの特性のすべてが満たされることが示されている。
【0033】
ゲルの柔軟性により、ゲルの接触を妨げることなく、また測定を妨げることなく、超音波送信機および受信機からなる測定ユニットの位置を調整することも可能である。ゲルの次元的に安定な特性は、ゲルが測定前または測定中に流れ始め、測定が行われない領域に消えるのを防止する。これは、無次元的に安定な、一般的に使用されている超音波ゲルを使用すると簡単に発生し、信頼性のある測定をしばしば実行することができないことを意味する。
【0034】
成形ゲル体(1)の次元的安定性は、上顎の超音波検査にとって特に重要である。これは、上顎領域では、重力によって超音波ゲルが流出する傾向が非常に顕著であるためである。しかし、本発明による成形ゲル体(1)を使用して、TAU測定はまた、ゲルを所定の位置に保持するためのさらなる補助構造を必要とせずに、上顎領域で容易かつ再現可能に実行されることができる。
【0035】
上記の特性を有する次元的に安定な弾性ゲルは例えば、SONOGEL Sonokit soft、商品番号6510および6520として市販され、Sonogel Vertriebs-GmbH in Bad Camberg,Germanyによって販売される。それは、スチレン-エチレン/ブチレン-スチレンまたはスチレン-エチレン/プロピレン-スチレン製の水素化中央ブロックを有するスチレンブロック共重合体であり、低分子量成分としてパラフィン油を有する熱可塑性エラストマーのクラスに属する。他の適切な材料は、例えば、シリコーンオイルと混合されたシリコーンまたは非常に可塑化されたポリ塩化ビニルである。
【0036】
超音波送信機および/または受信機(7)の、成形ゲル体(1)への挿入を容易にするためには、提供されるレセプタクル(2)を、超音波検査で日常的に使用される無次元的に安定なゲル(以下、「超音波ゲル」)で満たすことが有用であることが証明されている。これに必要な超音波ゲルの量は、超音波ゲルの粘度および成形ゲル体の復元力に依存する(1)。
【0037】
さらに、衛生および適用の理由から、成形ゲル体(1)に、可能な限り生体適合性である柔軟な保護カバー(6)を提供することが有利である。図4は、成形ゲル体(1)、保護カバー(6)、超音波送信機または受信機(7)、およびレセプタクル(2)の外側への開口部(3)からなるすぐに使用できるシステムを示す。無次元的に安定な超音波ゲルは示されていない。このシステムはまた、同様に示されていない、超音波送信機および超音波受信機の両方が成形ゲル体に挿入される構成を含む(保護カバーの有無にかかわらず)。
【0038】
保護カバーにより、成形ゲル体の輸送と取り扱いがはるかにより簡単になる。使用する超音波ゲルの量に依存して、この保護カバー(6)を超音波ゲルで満たすことも可能であり、成形ゲル体(1)は、超音波ゲルによって完全にまたは部分的に囲まれている。保護カバー(6)は、例えば、ポリウレタン、ポリエチレン、またはラテックスで作ることができるが、好ましくはポリプロピレンからなる。
【0039】
これにより、成形ゲル体(1)の取り扱いが非常に簡単になる。これは、歯科診療では、例えば超音波送信機および/または受信機(7)のみを成形ゲル体(1)内に挿入する必要があるためであり、それは保護カバー(6)において配置されており、超音波ゲルがすでに充填されているため、その挿入を清潔、便利、迅速に行うことができる。手袋を使用すると、衛生要件を満たすことも簡単になり、口腔内での測定は何らのさらなる予防措置なしに実行されることができる。
【0040】
図7は、図6の輸送用の実物大のプラスチックバッグの隣にある保護カバー(6)における実物大の、すぐに使用できる成形ゲル体(1)を示す。
【0041】
成形ゲル体(1)に気泡がないことは、製造時にすでに確認されており、したがって、成形ゲル体の製造時の品質管理の一部である。したがって、使用される成形ゲル体(1)には気泡がない。超音波ゲルの充填時に気泡が発生した場合、これらの気泡は容易に認識でき、指で軽くなでることで測定領域から簡単に取り除くことができる。この手順を使用すると、毒物学的および法的な理由で許容されないため、超音波ゲルは口腔内に挿入されないが、とりわけ、患者にとって不快で不合理であろう。
【0042】
本発明はまた、特定の弾性成形ゲル体(1)に挿入された超音波送信機および/または受信機(7)からなるシステムに関する。成形ゲル体(または複数の成形ゲル体)は、次に、柔軟性な、可能な限り生体適合性であり、超音波ゲルで満たすことができる保護カバー(6)において配置することができる。超音波送信機および受信機(7)、成形ゲル体(1)ならびに超音波ゲルで満たされた保護カバー(6)を含むシステムは、直ちに適切であり、意図された測定のために準備される。
【0043】
本発明はまた、成形体を切り開いて部分的にのみ再び接着して、成形ゲル体(1)のレセプタクル(2)を形成する、成形ゲル体(1)を製造するための方法に関する。
【0044】
この方法は、次元的に安定な弾性ゲルで作られた成形体に基づく。直方体または直方体に由来する成形体(底面、上面、および側面ならびに関連する外端を有する)は、好ましくは、底面および上面の間で完全にまたは部分的に切り開かれて、成形ゲル体(1)においてレセプタクル(2)を形成する。切断は、鋭利なナイフまたははさみで行うことができる。
【0045】
成形体が完全に切り開かれると、成形ゲル体(1)の内側のレセプタクル(2)が形成され、ここで、切断によって形成された2つの半分は、成形体の元の形状が再現されるように、互いの上部に置かれ、ここで、成形体は、接着によって3つの辺上のそれぞれの端によって再び閉じられ、その結果、内側の残りのレセプタクル(2)は所望のサイズを有し、レセプタクル(2)における必要な外側への開口部(3)は確保される。
【0046】
部分的にのみ切り開かれた成形体は、接着によって2つの辺上の端によって再び閉じられ、その結果、成形ゲル体(1)の内側のレセプタクル(2)は所望のサイズとなり、レセプタクルにおける必要な外側への開口部(3)が確保される。接着後、成形体が完全に切り開かれなかったため、何もしなくても元の形状に戻る。
【0047】
接着の場合、可能な限り正確に制御されることができる加熱された金属表面または熱気流と接触させることにより、表面を加熱して接着剤にすることができる。実際の接着は、加熱された表面を互いに押圧することによって行われる。したがって、接着に接着剤は必要ないが、使用されるポリマー性本体の熱可塑性が接着に使用される。
【0048】
形成された成形ゲル体(1)の角および外端は、好ましい音響状態を作り出すために、切削工具を使用して少なくとも部分的に面取りされるか、または丸み付けられていることが好ましい。任意選択で、狭い側面の少なくとも1つも、切削工具を使用して丸み付けられている(4)。底面および上面の端は、対で外側に湾曲させることもでき(5)、その結果、関連する狭い側面が湾曲しているように見える。この形状は、切削工具を使用しても実現される。
【0049】
本発明による成形ゲル体(1)を製造するための別の方法は、請求項8に記載の特性を有する次元的に安定な弾性ゲルに基づく。ポリマー性本体および適切な低分子量液体は、冷却後に金型から取り出される成形ゲル体(1)として所望の形状を有する金型に射出成形することによって製造される。この場合、レセプタクル(2)は、射出成形金型の適切に成形された要素によって作成される。
【0050】
成形ゲル体(1)では、レセプタクル(2)の内側に無次元的に安定な超音波ゲルを充填することができる。これにより、超音波送信機および受信機を成形ゲル体(1)に簡単に導入できる。
【0051】
さらに、成形ゲル体(1)は、柔軟で、生体適合性の保護カバー(6)に挿入することができ、その結果、成形ゲル体を快適に取り扱うことができる。
【0052】
保護カバー(6)は、カバー(6)の内側の成形ゲル体(1)が完全にまたは部分的に超音波ゲルによって囲まれるように、無次元的に安定な超音波ゲルで満たすことができる。保護カバー(6)は、成形ゲル体(1)および超音波ゲルが保護カバー(6)に安全に受容されることができ、誤って滑り落ちるか、または流出することができないように十分な長さであるべきである。DE102017011311.4号に記載されているデバイスを使用する場合、保護カバー(6)の長さは、少なくともそこに記載されているハンドルの一部である2つの剛性アームの長さに対応する。
【0053】
超音波送信機および超音波受信機(7)をそれぞれ、超音波ゲルで満たされた保護カバー(6)において配置される、対応する成形ゲル体(1)内に挿入すると、TAU測定用に直接使用されることができる超音波測定ユニットが得られる。超音波ゲル内の気泡は、指で軽くなでることによって測定領域から取り除くだけで済む。
【0054】
本発明は、最終的に、医療分野(例えば、膝などの関節)または歯科分野(特に口腔内)における超音波検査のための、請求項1~10に記載の成形ゲル体(1)および請求項15または請求項16のいずれかに記載のシステムの使用に関する。本発明はまた、医療または歯科分野における使い捨て物品としての本発明による成形ゲル体(1)の使用に関する。本発明は、従来技術のパルスエコー超音波検査と比較して、フロントセクションの使用を大幅に単純化する。
【0055】
本発明による成形ゲル体(1)は、好ましくは、顎骨の空洞を位置特定するために、特に好ましくはDE102017011311.4号によるデバイスおよび方法において、請求項1~10に記載の透過型肺胞超音波検査および請求項15または請求項16のいずれかに記載のシステムにおいて使用される。
【0056】
衛生および測定技術の理由から、使い捨て物品として、請求項1~10に記載の成形ゲル体(1)および請求項15または請求項16のいずれかに記載のシステムの使用が行われる。各患者の後に成形ゲル体(1)を新しい成形ゲル体と交換すると、最適な衛生状態が保証される。また、外側からは見えない成形ゲル体の内側の損傷により、測定値が改ざんされることを可能な限り防止する。このような損傷は、連続した測定が多すぎるために発生することができる。しかし、各患者の後に成形ゲル体を交換することにより、そのような損傷が発生する可能性は無視できるほど小さく保たれる。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】