IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ワイリー・エックス・インコーポレイテッドの特許一覧

特表2022-525110モジュール式ヘッドフォン・システム
<>
  • 特表-モジュール式ヘッドフォン・システム 図1
  • 特表-モジュール式ヘッドフォン・システム 図2
  • 特表-モジュール式ヘッドフォン・システム 図3
  • 特表-モジュール式ヘッドフォン・システム 図4
  • 特表-モジュール式ヘッドフォン・システム 図5
  • 特表-モジュール式ヘッドフォン・システム 図6
  • 特表-モジュール式ヘッドフォン・システム 図7
  • 特表-モジュール式ヘッドフォン・システム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-11
(54)【発明の名称】モジュール式ヘッドフォン・システム
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/10 20060101AFI20220428BHJP
【FI】
H04R1/10 101B
H04R1/10 102
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021554727
(86)(22)【出願日】2020-03-10
(85)【翻訳文提出日】2021-10-12
(86)【国際出願番号】 US2020021847
(87)【国際公開番号】W WO2020185753
(87)【国際公開日】2020-09-17
(31)【優先権主張番号】62/816,762
(32)【優先日】2019-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/813,300
(32)【優先日】2020-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509305114
【氏名又は名称】ワイリー・エックス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】WILEY X,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100114476
【弁理士】
【氏名又は名称】政木 良文
(72)【発明者】
【氏名】フリーマン, ダニエル ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ストラウス, フランク
(72)【発明者】
【氏名】タッペイナー, マーク エー.
【テーマコード(参考)】
5D005
【Fターム(参考)】
5D005BB11
5D005BC02
(57)【要約】
音楽及びプログラミングのための聴覚保護及び高品質音伝達の設定可能な選択が着用者に対して可能なモジュール式ヘッドフォン・システムが提供される。一実施形態によると、モジュール式ヘッドフォンは、ヘッドバンドと、ヘッドバンドに取り付けられたイヤーピースとを含む。イヤーピースはスピーカを備えた缶を含み、缶はヘッドバンドに固定される。取り外し可能かつ交換可能なミュージック・イヤーカップは、スピーカの上に横たわるように缶に取り外し可能に取り付けることができる。取り外し可能かつ交換可能な聴覚保護/音増幅(HP/アンプ)イヤーカップは、スピーカの上に横たわるように缶に取り外し可能に取り付けることができる。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音楽及びプログラミングのための聴覚保護及び高品質音伝達の設定可能な選択を着用者に提供するモジュール式ヘッドフォン・システムであって、
ヘッドバンドと、
前記ヘッドバンドに取り付けられたイヤーピースと、を備え、
前記イヤーピースが、
前記ヘッドバンドに固定された、スピーカを備えた缶と、
前記スピーカの上に横たわるように前記缶に取り外し可能に取り付け可能な、取り外し可能かつ交換可能なミュージック・イヤーカップと、
前記スピーカの上に横たわるように前記缶に取り外し可能に取り付け可能な、取り外し可能かつ交換可能な聴覚保護/音増幅(HP/アンプ)イヤーカップと、を備えることを特徴とするモジュール式ヘッドフォン・システム。
【請求項2】
前記缶が缶体を含み、
前記缶体が、
前記スピーカを取り囲む周方向に延在する側壁と、
前記スピーカと前記側壁との間に画定される周方向に延在する開放領域と、を備える請求項1に記載のモジュール式ヘッドフォン・システム。
【請求項3】
前記HP/アンプ・イヤーカップが、
前記周方向に延在する開放領域内の吸音要素と、
前記吸音要素及び前記スピーカを覆う吸音層と、
を備える請求項2に記載のモジュール式ヘッドフォン・システム。
【請求項4】
前記ミュージック・イヤーカップと前記HP/アンプ・イヤーカップのそれぞれは、
前記スピーカと位置合わせされた開口領域を画定する周方向に延在する外側部分を有する下部構造と、
前記下部構造に取り付けられた、前記下部構造の前記開口領域と位置合わせされた耳を受容する開口領域を画定するクッション構造と、
を備える請求項2に記載のモジュール式ヘッドフォン・システム。
【請求項5】
前記クッション構造が、
周方向に延在する内側面と、周方向に延在する外側面と、周方向に延在する前記内側面及び前記外側面を接合する表面とを有する、周方向に延在する弾力性のあるクッション構造体と、
周方向に延在する前記内側面及び前記外側面及び前記表面を覆う構造体カバーと、
を備える請求項4に記載のモジュール式ヘッドフォン・システム。
【請求項6】
前記クッション構造体が、ポリウレタン・メモリフォームで作られ、
前記構造体カバーが、ポリウレタン合成皮革で作られている請求項5に記載のモジュール式ヘッドフォン・システム。
【請求項7】
前記クッション構造が、前記下部構造の前記開放領域を覆う音透過性カバーをさらに備える請求項5に記載のモジュール式ヘッドフォン・システム。
【請求項8】
前記HP/アンプ・イヤーカップが、
前記周方向に延在する開放領域内に吸音要素を備え、
前記吸音要素及び前記スピーカを覆う吸音層を備える請求項4に記載のモジュール式ヘッドフォン・システム。
【請求項9】
前記吸音要素が、ポリウレタンフォーム、綿、メラミン、または合成材料の内の1または複数で作られている請求項8に記載のモジュール式ヘッドフォン・システム。
【請求項10】
前記吸音要素が、5mmから15mmの厚さである請求項8に記載のモジュール式ヘッドフォン・システム。
【請求項11】
前記音層が、ポリウレタンフォーム、綿、メラミン、または合成材料の1または複数で作られ、2mm~4mmの厚さである請求項8に記載のモジュール式ヘッドフォン・システム。
【請求項12】
前記HP/アンプ・イヤーカップ内の増幅回路が、インパルス音に応答して音増幅を停止する請求項1に記載のモジュール式ヘッドフォン・システム。
【請求項13】
前記HP/アンプ・イヤーカップ内の増幅回路が、調整可能な閾値を超えるインパルス音に応答して音増幅を停止する請求項12に記載のモジュール式ヘッドフォン・システム。
【請求項14】
前記HP/アンプ・イヤーカップ内の増幅回路が、82dBのレベルを超えるインパルス音に応答して音増幅を停止する請求項12に記載のモジュール式ヘッドフォン・システム。
【請求項15】
前記HP/アンプ・イヤーカップ内の増幅回路が、2ミリ秒以内に音増幅を再開する請求項12に記載のモジュール式ヘッドフォン・システム。
【請求項16】
インパルス音を検知したときに増幅を停止するために、ユーザが前記HP/アンプ・イヤーカップ内の前記増幅回路の能力を選択的に作動させることを可能にするトグルをさらに含む請求項12に記載のモジュール式ヘッドフォン・システム。
【請求項17】
ヘッドバンドと、前記ヘッドバンドに取り付けられたイヤーピースとを備えたヘッドフォン・システムであって、
前記イヤーピースが、
前記ヘッドバンドに固定された、スピーカを備えた缶と、
前記スピーカの上に横たわるように前記缶に取り付けられた聴覚保護/音増幅(HP/アンプ)イヤーカップと、を備え、
前記缶が缶体を備え、
前記缶体が、
前記スピーカを取り囲む周方向に延在する側壁と、
前記スピーカと前記側壁との間に画定される内側領域内に画定される周方向に延在する領域と、を備え、
前記イヤーカップが、
前記周方向に延在する領域内の吸音要素と、
前記吸音要素及び前記スピーカを覆う吸音層と、
ユーザの耳と係合し、前記缶に取り付けられ、前記吸音層を覆うように構成された外側イヤーカップ構造と、を備えることを特徴とするヘッドフォン・システム。
【請求項18】
前記外側イヤーカップ構造が、
前記スピーカと位置合わせされた開口領域を画定する周方向に延在する外側部分を有する下側構造と、
前記下側構造に取り付けられ、前記下側構造の前記開口領域と位置合わせされた耳を受容する開口領域を画定するクッション構造と、を備え、
前記クッション構造がさらに、
周方向に延在する内側面、周方向に延在する外側面、及び周方向に延在する前記内側面及び前記外側面を接合する表面を有する、周方向に延在する弾力性のあるクッション構造体と、
周方向に延在する前記内側面と前記外側面及び前記表面を覆う構造体カバーと、
前記下部構造の前記開放領域を覆う音透過性カバーと、を備える請求項17に記載のヘッドフォン・システム。
【発明の詳細な説明】
【優先出願】
【0001】
本出願は、2019年3月11日出願の米国仮特許出願第62/816,762号「モジュール式ヘッドフォン・システム」(代理人整理番号WLYX1002-1)及び2020年3月9日出願の米国特許出願第16/813,300号「モジュール式ヘッドフォン・システム」(代理人整理番号WLYX1002-2)の利益を主張する。上記の出願は、全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
このセクションで議論される主題は、単にこのセクションで言及された結果として、先行技術であると仮定されるべきではない。同様に、このセクションで言及された、または背景として提供される主題に関連する問題は、先行技術において以前に認識されたと仮定されるべきではない。このセクションの主題は、単に様々なアプローチを表しているにすぎず、これらのアプローチ自体も、特許請求される技術の実施態様に対応することができる。
【0003】
ヘッドフォンは、様々な用途に使用される。1つの目的は、聴覚保護を提供することである。最も基本的な聴覚保護(HP)ヘッドフォンは、防音とも呼ばれる受動的なHPを提供するための、ユーザの耳を取り囲むイヤーカップを有するオーバーイヤー型ヘッドフォンである。受動的なHPヘッドフォンは周囲のノイズを除去し、インパルスノイズ保護も提供する。受動的なHPヘッドフォンは、典型的には電子機器を有していない。
【0004】
別の目的は、例えば、音楽、予め録音された本、及び電話会話を含む、ライブ及び予め録音された両方の音を聴くときなどに、ユーザの耳に直接音を伝達することである。これらの音伝達ヘッドフォンは、簡略化のために、通常、ミュージック・ヘッドフォンと呼ばれる。ミュージック・ヘッドフォンの中には、ユーザに高品質の音楽を提供するための電子機器を含むものがある。オーバーイヤー型ミュージック・ヘッドフォンは、耳を囲むため、周囲のノイズも除去し、限られたノイズ保護を提供する。
【0005】
HPデバイスとミュージック・ヘッドフォンの両方に、従来のノイズ・キャンセレーションを提供するための電子機器を含めることができる。このノイズ・キャンセレーションは、より低い周波数の周囲音波形とはまったく逆の音波形を生成する場合に特に効果的であり、したがって周囲音波形をキャンセルする。しかしながら、音楽及びプログラミングのための聴覚保護及び高品質音伝達の設定可能な選択肢を着用者に提供する一体化されたヘッドフォン・ソリューションは未だ存在しない。
【発明の概要】
【0006】
本明細書では、より詳細な説明及び添付の図面に続く例示的な非限定的な実施態様の様々な態様の基本的または全般的な理解を可能にするのを助けるために、簡略化された概要が提供される。しかしながら、この概要は、広範なまたは網羅的な概観として意図されていない。代わりに、この概要の唯一の目的は、以下に続く様々な実施態様のより詳細な記述の前提として、幾つかの例示的な非限定実施態様に関連する幾つかの概念を簡略化された形で提示することである。
【0007】
音楽及びプログラミングのための聴覚保護及び高品質音伝達の設定可能な選択が着用者に対して可能なモジュール式ヘッドフォン・システムが提供される。一実施形態では、モジュール式ヘッドフォンは、ヘッドバンドと、ヘッドバンドに取り付けられたイヤーピースとを含む。イヤーピースは、スピーカを備えた缶を含み、缶はヘッドバンドに固定されている。取り外し可能かつ交換可能なミュージック・イヤーカップは、スピーカの上に横たわるように、缶に取り外し可能に取り付けることができる。取り外し可能かつ交換可能な聴覚保護/音増幅(HP/アンプ)イヤーカップは、スピーカの上に横たわるように、缶に取り外し可能に取り付けることができる。
【0008】
缶は缶体を含む。実施形態において、缶体は、スピーカを取り囲む周方向に延在する側壁と、スピーカと側壁との間に画定される周方向に延在する開放領域とを備える。例示的な一実施形態では、HP/アンプ・イヤーカップは、周方向に延在する開放領域内の吸音要素と、吸音要素及びスピーカを覆う吸音層とを備える。例示的な実施形態において、ミュージック・イヤーカップ及びHP/アンプ・イヤーカップのそれぞれは、スピーカと位置合わせされた開口領域を画定する周方向に延在する外側部分を有する下部構造と、下部構造に取り付けられたクッション構造とを備え、それにより、下部構造の開口領域と位置合わせされた耳を受容する開口領域を画定するクッション構造とを備える。
【0009】
例示的なクッション構造は、周方向に延在する内側面と、周方向に延在する外側面と、周方向に延在する内側面及び外側面を接合する表面とを有する、周方向に延在する弾力性のあるクッション構造体を備えることができる。周方向に延在する内側面及び外側面及び表面を覆う構造体カバーも、クッション構造の一部とすることができる。1つの例示的な実施態様では、クッション構造体はポリウレタン・メモリフォームで作られ、構造体カバーはポリウレタン合成皮革で作られる。クッション構造は、下部構造の開放領域を覆う音透過性カバーをさらに備える。
【0010】
例示的なHP/アンプ・イヤーカップは、周方向に延在する開放領域内の吸音要素と、吸音要素及びスピーカを覆う吸音層とを備える。吸音要素は、ポリウレタンフォーム、綿、メラミン、または合成材料の内の1または複数から作製される。これらの材料の組み合わせ、他の材料、及びそれらの組み合わせは、開示された技術によって予期される。例示的なヘッドフォンの1つは、吸音要素を採用し、5mmから15mmの厚さである。別の例示的なヘッドフォンでは、吸音層がポリウレタンフォーム、綿、メラミン、または合成材料の1または複数で作られ、吸音層は2mm~4mmの厚さである。
【0011】
一実施形態では、HP/アンプ・イヤーカップ内の増幅回路がインパルス音に応答して音増幅を停止する。HP/アンプ・イヤーカップ内の増幅回路は、調整可能な閾値を超えるインパルス音に応答して音増幅を停止することができる。例えば、HP/アンプ・イヤーカップ内の増幅回路は、82dBのレベルを超えるインパルス音に応答して音増幅を停止する。HP/アンプ・イヤーカップの増幅回路は、2ミリ秒以内に音増幅を再開できる。幾つかの実施態様では、インパルス音を検知したときに増幅を停止するために、ユーザがHP/アンプ・イヤーカップ内の増幅回路の能力を選択的に作動させることを可能にするトグルをさらに含む。
【0012】
別の実施形態では、ヘッドフォン・システムが、ヘッドバンドと、ヘッドバンドに取り付けられたイヤーピースとを備える。イヤーピースは、スピーカを含む缶を備える。缶はヘッドバンドに固定される。聴覚保護/音響増幅(HP/アンプ)イヤーカップは、スピーカの上に横たわるように、缶に取り付けられる。缶はまた、缶体を備える。缶体は、スピーカを取り囲む周方向に延在する側壁を備える。周方向に延在する領域は、スピーカと側壁との間に画定される内側領域内に画定される。イヤーカップは、周方向に延在する領域内の吸音要素と、吸音要素及びスピーカを覆う吸音層と、ユーザの耳と係合し、缶に取り付けられ、吸音層を覆うように構成された外側イヤーカップ構造とを備える。
【0013】
ヘッドフォン・システムの一例であって、外側イヤーカップ構造は、スピーカと位置合わせされた開口領域を画定する周方向に延在する外側部分と、クッション構造とを有する下側構造を備え、クッション構造は下側構造に取り付けられ、クッション構造が下側構造の開口領域と位置合わせされた耳を受容する開口領域を画定するようになっている。クッション構造はさらに、周方向に延在する内側面、周方向に延在する外側面、及び周方向に延在する内側面及び外側面を接合する表面を有する、周方向に延在する弾力性のあるクッション構造体を含む。周方向に延在する内側面と外側面及び表面を覆う構造体カバーもクッション構造体の一部である。さらに、音透過性カバーは、下部構造の開放領域を覆う。開示された技術の他の特徴、態様、及び利点は、以下の図面、詳細な説明、及び特許請求の範囲を検討することによって理解することができる。
【0014】
【図面の簡単な説明】
【0015】
添付の図面は、説明のためのものであり、本開示の1または複数の実施態様のための考えられる構造及び処理動作の例を提供するためにのみ供される。これらの図面は、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者によってなされ得る形態及び詳細における如何なる変化も決して限定しない。本主題のより完全な理解は、以下の図面と併せて考慮される場合に、詳細な説明及び特許請求の範囲を参照することによって導き出され得、図面において、同様の参照番号は、図面全体にわたって同様の要素を指す。
【0016】
図1】取り外し可能かつ交換可能なイヤーカップを備えたモジュール式ヘッドフォン・システムの正面図であり、左側のイヤーピースがHP/アンプ・イヤーカップを有し、右側のイヤーピースがミュージック・イヤーカップを有する。
【0017】
図2図1の右側のミュージック・イヤーピースのミュージック・イヤーカップの分解斜視図である。
【0018】
図3図1の右側のミュージック・イヤーピースの側面図である。
【0019】
図4図3の構造を線4-4に沿って切り取った、ある程度簡略化した断面図である。
【0020】
図5図1の左側のHP/アンプ・イヤーピースのHP/アンプ・イヤーカップの分解斜視図である。
【0021】
図6図1の左側のHP/アンプ・イヤ―ピースの側面図である。
【0022】
図7図6の構造を線7-7に沿って切り取った、ある程度簡略化した断面図である。
【0023】
図8】モジュール式ヘッドフォン・システムを確立する電気回路の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の説明は、典型的には特定の構造的な実施形態及び方法を参照している。具体的に開示された実施形態及び方法に限定される意図はなく、他の特徴、素子、方法、及び実施形態が、本発明の実施態様のために使用されてもよいことを理解されたい。好ましい実施形態は、特許請求の範囲によって定義されるその範囲を限定するためではなく、開示される技術を例示するために記載される。当業者であれば、以下の説明に対して様々な同等の変形を認識するのであろう。特に明記しない限り、本出願では、特定の関係、例えば平行、整列、または同一平面内であるという関係は、特定の関係が製造プロセスの制限内及び製造変動内にあることを意味する。部品が結合され、接続され、接触しているか、または互いに接触していると記載されている場合、それらは、特に記載されていない限り、互いに物理的に直接接触している必要はない。様々な実施形態における同様の要素は一般に、同様の参照番号で参照される。
【0025】
より洗練されたバージョンの聴覚保護は、HPヘッドフォンと増幅ヘッドフォンによって提供され、これらは、通常、HP/アンプ・ヘッドフォンと呼ばれる。HP/アンプ・ヘッドフォンは、受動的なHPヘッドフォンとほぼ同様に、大きなノイズからの受動的な聴覚保護を提供する。HP/アンプ・デバイスの幾つかの実施態様には、比較的低レベルの環境音を増幅する電子機器も含まれている。受動的な聴覚保護は、工業的または製造上の周囲環境における82dBを超える大きな騒音、またはハンティング時に銃撃によって生成される大きな騒音などの突然のインパルス音から着用者を保護することを可能にする。両方の場合において、HP/アンプ・デバイスは、着用者が大きなインパルス音から保護されながら、共働者またはハンティング同伴者の話を聴くことを可能にする。電子機器は、インパルス音や他の大きな音を増幅しないように設計されている。しかしながら、それらは、ハンターが動物の音並びに発話を聞くことを可能にするように、低レベルの周囲音のための強化された聴覚を提供することができる。
【0026】
図1は、ヘッドバンド12と、ヘッドバンド12に固定された、本例では、ピボット/スイベルジョイント18によって固定された、左側イヤーピース14と右側イヤーピース16とを含むモジュール式ヘッドフォン・システム10の一例を示している。モジュール式ヘッドフォン・システム10の各イヤーピースは、聴覚保護/音増幅(HP/アンプ)モードまたはミュージック・ヘッドフォン・モードで使用することができる。各イヤーピースは、本明細書で缶と呼ばれるものと、缶に取り付けられたイヤーカップとを含む。
【0027】
一般的に、本技術により、ヘッドフォン・システムは、イヤーピースの缶に取り付け可能な2つの異なる交換可能なイヤーカップを含む。システムをHP/アンプ・デバイス・モードで使用する場合はHP/アンプ・イヤーカップを使用し、ミュージック・ヘッドフォン・モードで使用する場合はミュージック・イヤーカップを使用する。HP/アンプ・デバイス・モードまたはミュージック・ヘッドフォン・モードの2つの代替モードで使用するための本技術の電子機器を缶に含めることができる。また、以下の例では、スピーカの前の吸音層とスピーカの周りの吸音要素とによって提供されるが、缶とユーザの耳の間に追加の消音材料を設けることによって、HP/アンプ・デバイス・モードにおけるインパルス音または他の大きな音の影響に対して受動的なHPを改善することができる。
【0028】
以下に説明する例では、各缶は、スピーカ/ドライバのための電子機器を含む。HP/アンプ・デバイス・モード及びミュージック・ヘッドフォン・モードで使用するのに適した電子機器は、缶の間に配置することも、各缶がそれぞれに必要な電子機器をすべて含むこともできる。HP/アンプ・モードを実行する際に使用するのに適した電子機器の例は、図8のHP/アンプ・オーディオ・ドライバ805に見られる。ミュージック・モードでの使用に適した電子機器の例は、図8のミュージック・オーディオ・ドライバ804に見られる。電子機器が缶の間に配置されると、電子機器は、配線、無線通信、またはその両方によって互いに結合されるのであろう。
【0029】
各缶20、22は、好ましくは2つの取り外し可能かつ交換可能なイヤーカップの、HP/アンプ・イヤーカップ24及びミュージック・イヤーカップ26の内の1つと共に使用することができる。ユーザは、システムが使用されるモードに基づいて、何れのイヤーカップを缶20、22に取り付けるかを選択する。例えば、システムが雑音の多い工業環境または射撃練習場で使用される場合、HP/アンプ・イヤーカップ24が選択され、各缶20、22に取り付けられるであろう。システムが例えば、音楽を聴いている間、または飛行機でビデオを見ている間に使用される場合、ミュージック・イヤーカップ26が典型的に使用される。添付図面に示されたモジュール式ヘッドフォン・システム10は図面の不必要な重複を避けるために、左側のイヤーピース14の缶20にHP/アンプ・イヤーカップ24を取り付け、右側のイヤーピース16の缶22にミュージック・イヤーカップ26が取り付けられている場合を示しているが、使用中は、典型的には同じタイプのイヤーカップ、すなわちHPアンプ・イヤーカップ24またはミュージック・イヤーカップ26が、左イヤーピース14及び右イヤーピース16の両方に同時に使用される。従って、モジュール式ヘッドフォン・システム10は、2つの異なる交換可能なイヤーカップ、つまり、システムがHP/アンプ・デバイス・モードで使用される場合のHP/アンプ・イヤーカップ24と、システムがミュージック・ヘッドフォン・モードで使用される場合のミュージック・イヤーカップ26と共に使用され得る。
【0030】
図2図3及び図4は、図1の右側のイヤーピース16の缶22及びミュージック・イヤーカップ26を図示し、図4に分解図で示されたミュージック・イヤーカップ26の構成要素を有する。図2を再度参照すると、缶22は、スピーカ34を囲んで周方向に延在する側壁32を有する缶体30を含み、側壁32によって、側壁32とスピーカ34の間に周方向に延在する領域36が画定される。イヤーカップ26は缶22に取り付け可能かつ取り外し可能であり、下部構造38及びクッション構造40を含む。下部構造38は、缶20に向かう第1エッジ44と第2エッジ46とを有するリム42を含む。下部構造38はまた、第2エッジ46から内側に延びるフランジ(または外側部分)48を有する。フランジ48は、スピーカ34と位置合せした開放領域50を画定する。
【0031】
クッション構造40は、開放領域50と位置合わせされた音透過性カバー52を含む。カバー52は、例えば、非限定的に、不織布、及び、化学的、機械的熱、または溶剤処理によって一緒に結合することができる材料、ステープル短繊維及び連続長繊維などの布材料から作ることができる。カバー52によって提供される音の減衰量は、1dB以下であることが好ましい。クッション構造40はまた、典型的には、使用中に快適にフィットさせるために、主として化学的に処理されたポリウレタンからなるメモリフォームなどのフォーム材料、例えば、ドイツのトロイスドルフに所在するライフェンハウザー社から入手可能なReicofil(商標)(http://www.reicofil.com/)または同等物からなるクッション構造体54を含む。構造体54は、周方向に延在する外側面56と、周方向に延在する内側面58と、内側面58と外側面56を接合する表面60とを有する。クッション構造40は、構造体カバー62をさらに含み、構造体カバー62は、構造体54の内側面58に隣接し、その内部に適合するサイズの内側リング部材64と、構造体54の外側面56及び下部構造38のリム42に囲まれ、隣接するサイズの外周部材66と、内側リング部材64及び外周部材66に接合された端部材68とを含み、この点は図4に図示されている。構造体カバー62の構成要素は別個の構成要素として図2に示されているが、この例では単一の構成要素である。端部材68は内側リング部材64の開放内部72に対応する開口70を有し、その両方が開放領域50と位置合わせされている。
【0032】
クッション構造40は、下部構造38の開口領域50と位置合わせされた耳を受容する開口領域74を画定する。構造体カバー62はクッション構造40の清掃を容易にするために、非多孔質の材料で作製することができ、1つの適切な例は、皮革を模倣するように形成することができるポリウレタンまたはポリ塩化ビニルである。一般に、構造体54及び構造体カバー62は、期待される使用環境に適した、着用するのに快適な材料で作られる。図4に見られるように、外周部材66は、リム42の第1エッジ44に係合してクッション構造40を下部構造38に固定する再湾曲部分82を有する。外周部材66の可撓性はまた、クッション構造40を取り外すことを可能にし、必要に応じてクッション構造体54及び音透過性カバー52を清掃、修理、または交換することを可能にする。
【0033】
缶20を含む左側イヤーピース14は、ここで図5図6、及び図7を参照して説明する例では、HP/アンプ・イヤーカップ24と共に描写されている。イヤーカップ24、26に係合する缶20及び缶22の部分は、本質的に同じである。図5のHP/アンプ・イヤーカップ24と図2のミュージック・イヤーカップ26との間の主要な相違は、オーディオ・ドライバ804、805を実装するために使用される回路である。さらに、吸音要素76及び吸音層78をHP/アンプ・イヤーカップ24に組み込むことができる。HP/アンプ・イヤーカップ24は、この例ではミュージック・イヤーカップ26と同一である外側イヤーキャップ構造79を含むので、これらの構成要素については再度説明しない。この例では、吸音層78が吸音要素76と下部構造38のフランジ48との間に配置される。缶体30は、スピーカ35と側壁32との間に延在する内向きの壁80を有する。吸音要素76は、缶22の周方向に延在する領域36内に収容され、壁80に対して位置する。吸音要素76及び吸音層78は、モジュール式ヘッドフォン・システム10によって提供される受動的聴覚保護を、特に典型的には82dBを超える、インパルス音及び非インパルス音の両方の大きなノイズに関連して、強化する材料で作られている。一実施形態では、吸音要素76は、ポリウレタンフォーム、綿、メラミン、またはそれらの複合材料の1または複数からなり、厚さ約5mm~15mmであり、吸音層78は類似の材料からなり、厚さ約2mm~4mmである。吸音要素76及び吸音層78を実現するための1つの例示的な材料として、Sonex(商標)を試験して、ノイズ低減係数(NRC)が0.65に等しい音の減衰が得られた。図2図5を比較すると、周方向に延在する領域36は、図2のミュージック・イヤーカップ26内は開口領域であるが、図5のHP/アンプ・イヤーカップ24内は吸音要素76で実質的に満たされていることが分かる。
【0034】
開示された例では、ミュージック・モード及びHP/アンプ・モードに必要な電子機器が、モジュール式ヘッドフォン・システムを実施する電気回路の概略図である図8によって示されている。図8の回路は、缶20のスピーカ35を駆動するためのHP/アンプ・オーディオ・ドライバ805と、缶22のスピーカ34を駆動するためのミュージック・オーディオ・ドライバ804とを含む。或いは、ミュージック・モードとHP/アンプ・モードの両方に必要な電子機器が缶20または缶22の何れかにあり、反対側の缶のスピーカにワイヤーで接続する。何れの場合も、機能を分離した状態に保ち、スイッチ、ボタン、及びインジケータを互いに近すぎないようにするために、様々なスイッチ、ボタン、インジケータを缶20及び缶22の両方に配置することが好ましい。
【0035】
ヘッドフォン10は、環境雑音を検出するためにマイクロフォンを含むことが好ましい。マイクロフォンは、イヤーピース14、16の一方または両方に配置することができる。図6は、音量制御スイッチ84を示しており、この例では、ミュージック・モードにおいて両イヤーピース14、16の音量を制御し、また、工業的な周囲環境の場合、またはハンティング中、または射撃訓練場において、HP/アンプ・モードにおける低レベルノイズの増幅を制御する。図3は、ユーザが聞く必要のある音量を調整することができるハンティング・モードを起動するモード・スイッチ86を示す。一実施形態では、モード・スイッチ86の上向き矢印ボタンを押すと、ヘッドフォン10はハンティング・モードに入り、閾値よりも大きい音を増幅するための閾値を上げる。モード・スイッチ86の下矢印ボタンを押すと、ヘッドフォンは音増幅の閾値を下げる。図5を再び参照すると、種々の制御機器及び任意の視覚的インジケータが、ヘッドフォン10の機能を制御する能力をユーザに提供する。ブルートゥース(登録商標)・ボタン55は、ユーザがヘッドフォンをブルートゥース信号源とペアリングすることを可能にする。適切に配置されたブルートゥースのインジケータLEDはペアリング中に白く点滅し、ペアリングされたときには安定した白を示し、そうでなく動作していないときにはオフである。HPボタン57は、HP/アンプ・モードとミュージック・モードとの間のトグル動作に対するユーザ制御を提供する。便利に配置されたHPインジケータは作動時に白色を示し、バッテリー状態が低い場合には赤色を示し、ヘッドフォン10が作動していない場合にはオフになる。HPボタン57が押されると、HPインジケータは3秒間赤色を示し、その後、電力を節約するためにオフになる。NCボタン59は、ユーザがノイズ・キャンセリング(NC)のオン/オフを切り替えることを可能にする。近接して位置決めされたNCインジケータは、ノイズ・キャンセリングが作動すると3秒間白色を示し、ノイズ・キャンセリングがオフになると消灯する。制御ボタン55、57及び59は、長押しでオンにされ、短押しでオフにされる。或いは、機能の単純なトグルを実施することができる。任意選択的に、3.5mm入力61は、ヘッドフォンがブルートゥースに接続していないときに音楽を楽しむ能力をユーザに提供する。アクティブなとき、ヘッドフォン10は、HP保護、ブルートゥース、及びノイズ・キャンセリングを自動的に遮断する。ノイズレベルの増幅は、様々な技術によって、現在好まれている音の圧縮を用いて、提供され得る。電子機器は、好ましくは外部音、例えば、上述のようなインパルス音または周囲音のレベルが約82dBの閾値を超えるか、またはハンター・モードで調節されたように、増幅を停止するように設計される。これは、両方のモードについて当てはまる。従って、HP/アンプ・モードでは、銃声などのインパルス音に反応して音の増幅が素早く停止し、音の増幅に素早く、好ましくは2ms以内に戻る。HP/アンプ・イヤーカップ24及びミュージック・イヤーカップ26の両方を使用する左側及び右側のイヤーピース14、16の両方が、少なくとも22、好ましくは28~30のノイズ低減係数(NRR)を達成することが好ましい。ミュージック・モードでは、音楽、またはユーザに配信されている他のサウンドは電話の呼び出しを受けたときに一時停止し、電話の呼び出しが完了したときに自動的にオンに戻されることが好ましい。ミュージック・モードとHP/アンプ・モードの何れかまたは両方に対して、好ましくは少なくとも20dBの従来のノイズ・キャンセレーションを提供することができる。
【0036】
上記説明において、above、below、top、bottom、over、under等の用語(日本語訳)を用いてもよい。これらの用語は、何が開示され、限定的な意味で使用されていないかの理解の一助とするために、明細書及び特許請求の範囲において使用されてもよい。
【0037】
技術の実施態様は上記で詳述された好ましい実施形態及び実施例を参考にして開示されているが、これらの実施例は限定的な意味ではなく、例示的な意味で意図されていることを理解されたい。当業者であれば、開示された技術の精神及び以下の特許請求の範囲内にある修正及び組み合わせが想起されることが企図される。例えば、異なる材料を使用して、ヘッドフォンを構成することができ、その部品、スイッチ、及び制御機器を、異なる構成及び/または位置に配置することができる。幾つかの制御機器は、単純化のために単一の制御機器に統合されてもよい。聴覚フィードバックは、視覚的インジケータを置き換えるか、または増強させることができる。視覚的インジケータのための他の色及び状態が使用されてもよい。構成要素の値は、推奨事項であるが、製造公差のために、実施態様と特定の実施態様の個々のユニットとの間で異なり得る。構成要素は、異なるブランド名またはタイプ名の下で類似の機能性の部分を提供する異なる供給者から供給されてもよい。
【0038】
1または複数の請求項の1または複数の要素は、他の請求項の要素と組み合わせることができる。上記で言及した特許、特許出願、及び印刷された刊行物のいずれか及びすべては、参照により組み込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2021-03-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音楽及びプログラミングのための聴覚保護及び高品質音伝達の設定可能な選択を着用者に提供するモジュール式ヘッドフォン・システムであって、
ヘッドバンドと、
前記ヘッドバンドに取り付けられたイヤーピースと、を備え、
前記イヤーピースが、
前記ヘッドバンドに固定された、スピーカを備えた缶と、
前記スピーカの上に横たわるように前記缶に取り外し可能に取り付け可能な、取り外し可能かつ交換可能なミュージック・イヤーカップと、
前記スピーカの上に横たわるように前記缶に取り外し可能に取り付け可能な、取り外し可能かつ交換可能な聴覚保護/音増幅(HP/アンプ)イヤーカップと、を備え
前記缶が、
環境を取り囲む周囲の環境音を捕捉するマイクロフォンと、
前記捕捉された周囲の環境音を含む前記マイクロフォンからの信号を増幅し、それによって、増幅された周囲の環境音を提供する増幅回路と、
調整可能な閾値を超えるインパルス音に応答して、前記増幅回路による前記周囲の環境音の増幅を停止し、それによって、前記ヘッドフォン・システムが、着用者の聴覚を損傷する可能性のあるインパル音を遮断するとともに、周囲の環境から環境音を選択的に捕捉して増幅することを可能とする回路と、を備えることを特徴とするモジュール式ヘッドフォン・システム。
【請求項2】
前記缶が缶体を含み、
前記缶体が、
前記スピーカを取り囲む周方向に延在する側壁と、
前記スピーカと前記側壁との間に画定される周方向に延在する開放領域と、を備える請求項1に記載のモジュール式ヘッドフォン・システム。
【請求項3】
前記HP/アンプ・イヤーカップが、
前記周方向に延在する開放領域内の吸音要素と、
前記吸音要素及び前記スピーカを覆う吸音層と、
を備える請求項2に記載のモジュール式ヘッドフォン・システム。
【請求項4】
前記ミュージック・イヤーカップと前記HP/アンプ・イヤーカップのそれぞれは、
前記スピーカと位置合わせされた開口領域を画定する周方向に延在する外側部分を有する下部構造と、
前記下部構造に取り付けられた、前記下部構造の前記開口領域と位置合わせされた耳を受容する開口領域を画定するクッション構造と、
を備える請求項2に記載のモジュール式ヘッドフォン・システム。
【請求項5】
前記クッション構造が、
周方向に延在する内側面と、周方向に延在する外側面と、周方向に延在する前記内側面及び前記外側面を接合する表面とを有する、周方向に延在する弾力性のあるクッション構造体と、
周方向に延在する前記内側面及び前記外側面及び前記表面を覆う構造体カバーと、
を備える請求項4に記載のモジュール式ヘッドフォン・システム。
【請求項6】
前記クッション構造体が、ポリウレタン・メモリフォームで作られ、
前記構造体カバーが、ポリウレタン合成皮革で作られている請求項5に記載のモジュール式ヘッドフォン・システム。
【請求項7】
前記クッション構造が、前記下部構造の前記開放領域を覆う音透過性カバーをさらに備える請求項5に記載のモジュール式ヘッドフォン・システム。
【請求項8】
前記HP/アンプ・イヤーカップが、
前記周方向に延在する開放領域内に吸音要素を備え、
前記吸音要素及び前記スピーカを覆う吸音層を備える請求項4に記載のモジュール式ヘッドフォン・システム。
【請求項9】
前記吸音要素が、ポリウレタンフォーム、綿、メラミン、または合成材料の内の1または複数で作られている請求項8に記載のモジュール式ヘッドフォン・システム。
【請求項10】
前記吸音要素が、5mmから15mmの厚さである請求項8に記載のモジュール式ヘッドフォン・システム。
【請求項11】
前記音層が、ポリウレタンフォーム、綿、メラミン、または合成材料の1または複数で作られ、2mm~4mmの厚さである請求項8に記載のモジュール式ヘッドフォン・システム。
【請求項12】
前記HP/アンプ・イヤーカップ内の増幅回路が、82dBのレベルを超える前記インパルス音に応答して音増幅を停止する請求項に記載のモジュール式ヘッドフォン・システム。
【請求項13】
記回路が、2ミリ秒以内に音増幅を再開できるようにする請求項に記載のモジュール式ヘッドフォン・システム。
【請求項14】
前記インパルス音を検知したときに増幅を停止するために、ユーザが前記回路の能力を選択的に作動させることを可能にするトグルをさらに含む請求項に記載のモジュール式ヘッドフォン・システム。
【請求項15】
ヘッドバンドと、前記ヘッドバンドに取り付けられたイヤーピースとを備えたヘッドフォン・システムであって、
前記イヤーピースが、
前記ヘッドバンドに固定された、スピーカを備えた缶と、
前記スピーカの上に横たわるように前記缶に取り付けられた聴覚保護/音増幅(HP/アンプ)イヤーカップと、を備え、
前記缶が缶体を備え、
前記缶体が、
前記スピーカを取り囲む周方向に延在する側壁と、
前記スピーカと前記側壁との間に画定される内側領域内に画定される周方向に延在する領域と、を備え、
前記イヤーカップが、
前記周方向に延在する領域内の吸音要素と、
前記吸音要素及び前記スピーカを覆う吸音層と、
ユーザの耳と係合し、前記缶に取り付けられ、前記吸音層を覆うように構成された外側イヤーカップ構造と、を備え
前記缶が、
環境を取り囲む周囲の環境音を捕捉するマイクロフォンと、
前記捕捉された周囲の環境音を含む前記マイクロフォンからの信号を増幅し、それによって、増幅された周囲の環境音を提供する増幅回路と、
調整可能な閾値を超えるインパルス音に応答して、前記増幅回路による前記周囲の環境音の増幅を停止し、それによって、前記ヘッドフォン・システムが、着用者の聴覚を損傷する可能性のあるインパル音を遮断するとともに、周囲の環境から環境音を選択的に捕捉して増幅することを可能とする回路と、をさらに備えることを特徴とするヘッドフォン・システム。
【請求項16】
前記外側イヤーカップ構造が、
前記スピーカと位置合わせされた開口領域を画定する周方向に延在する外側部分を有する下側構造と、
前記下側構造に取り付けられ、前記下側構造の前記開口領域と位置合わせされた耳を受容する開口領域を画定するクッション構造と、を備え、
前記クッション構造がさらに、
周方向に延在する内側面、周方向に延在する外側面、及び周方向に延在する前記内側面及び前記外側面を接合する表面を有する、周方向に延在する弾力性のあるクッション構造体と、
周方向に延在する前記内側面と前記外側面及び前記表面を覆う構造体カバーと、
前記下部構造の前記開放領域を覆う音透過性カバーと、を備える請求項1に記載のヘッドフォン・システム。
【国際調査報告】