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特表2022-525119計画データを処理し、通信するためのコンピュータ支援手術システム及び方法
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  • 特表-計画データを処理し、通信するためのコンピュータ支援手術システム及び方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-11
(54)【発明の名称】計画データを処理し、通信するためのコンピュータ支援手術システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20220428BHJP
   A61B 34/10 20160101ALI20220428BHJP
   G16Y 10/60 20200101ALI20220428BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20220428BHJP
【FI】
G16H10/00
A61B34/10
G16Y10/60
G16Y40/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021555006
(86)(22)【出願日】2020-03-05
(85)【翻訳文提出日】2021-11-10
(86)【国際出願番号】 CA2020050293
(87)【国際公開番号】W WO2020181363
(87)【国際公開日】2020-09-17
(31)【優先権主張番号】62/816,454
(32)【優先日】2019-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516108258
【氏名又は名称】インテリジョイント サージカル インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110000534
【氏名又は名称】特許業務法人しんめいセンチュリー
(72)【発明者】
【氏名】ファンソン・リチャード・タイラール
(72)【発明者】
【氏名】ラディオ・アンドレ・ノヴォミール
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ジャスティン・アローン
(72)【発明者】
【氏名】シッパー・ジョセフ・アーサー
(72)【発明者】
【氏名】エリ・ヴァン・デ・モセリアー・ルーカス
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA21
(57)【要約】
コンピュータ支援手術(CAS)処置のための計画データの処理および伝達を容易にするためのシステムおよび方法が提供される。スマート圧縮は(例えば、符号化および/または通信のために)手術データを低減するために実行され得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ装置であって、
記憶装置に連結されたプロセッサを備え、
前記記憶装置に記憶される命令が前記プロセッサで実行されると、
外科的処置に関連した患者のための計画データを計画システムから受信し、
前記外科的処置の実施を促進にするために手術室に配置された手術室内(OR内)コンピュータ支援手術(CAS)システムのための手術データを定義するために前記計画データを処理し、
前記OR内CASシステムに配送する符号化された前記手術データを定義するために、前記手術データを符号化し、
少なくとも1つの前記符号化された手術データと、前記OR内CASシステムに配送するための検索データであってCAS計画データ処理システムから少なくとも一部の手術データを検索するために有用である検索データとを通信することで、前記コンピュータ装置を前記CAS計画データ処理システムに提供するように構成する、コンピュータ装置。
【請求項2】
前記計画データは、前記患者のため識別データなしで通信される、請求項1記載のコンピュータ装置。
【請求項3】
前記命令は、
a)前記OR内に存在する中間モバイル装置のうちの少なくとも1つ
b)前記計画システム
c)前記中間モバイル装置および前記計画システムを通して通信することのない、通信ネットワーク経由
の少なくとも1つを介して前記OR内CASシステムに配送するために前記符号化された手術データを通信するように前記コンピュータ装置を構成する、請求項1又は2に記載のコンピュータ装置。
【請求項4】
前記計画システムを介して前記符号化された手術データを通信することは、前記手術室内の前記患者を確認するための前記患者の識別データと関連付けた前記符号化された手術データを前記中間モバイル装置に通信することを促進し、前記符号化された手術データは、前記計画システムが前記識別データを前記OR内CASシステムに配送することなく、前記中間モバイル装置から配送するためものである、請求項3記載のコンピュータ装置。
【請求項5】
前記符号化された手術データは、QRコード(登録商標)を含むものである、請求項1から4のいずれかに記載のコンピュータ装置。
【請求項6】
前記計画データを処理することは、受信されていることを確認するために完全性チェックを実行することと、1つ以上の臨床モデルに対してデータ確認を行い、計画データの正しさを確認することと、あるタイプ又はフォーマットから別のタイプ又はフォーマットへのデータ変換を実行することと、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から5のいずれかに記載のコンピュータ装置。
【請求項7】
データ認証を実行することを含む、請求項1から6のいずれかに記載のコンピュータ装置。
【請求項8】
前記計画データを処理すること、前記手術データを符号化すること、又は前記計画データを処理することと前記手術データを符号化することとの両方が、手術データの量を低減するためにスマート圧縮を実行することを含む、請求項1から7のいずれかに記載のコンピュータ装置。
【請求項9】
前記命令は、前記処置の実行を促進するためにOR内CASシステムの動作を可能にする、少なくとも最小限の量の手術データを含む前記手術データの最小限の基部から前記符号化された手術データを定義するように前記コンピュータ装置を構成する、請求項1から8のいずれかに記載のコンピュータ装置。
【請求項10】
前記符号化された手術データ内に符号化されていない残りの前記手術データは、更なる手術データを定義し、前記命令は、前記更なる手術データのOR内CASシステムの取得を促進するために前記検索データを定義するように前記コンピュータ装置を構成する、請求項9記載のコンピュータ装置。
【請求項11】
前記命令は、前記計画データに関連する再識別情報を受信し、前記符号化された手術データ及び前記計画システムによる患者と前記符号化された手術データの関連付けを促進するための検索データのうちの少なくとも1つと関連付けられる前記再識別情報を通信するように前記コンピュータ装置を構成する、請求項1から10のいずれかに記載のコンピュータ装置。
【請求項12】
コンピュータ装置であって、
記憶装置に連結されたプロセッサを備え、
前記記憶装置に記憶される命令が前記プロセッサで実行されると、
外科的処置に関連する患者のための計画データであって、前記患者のための識別データを含む又はそれに関連する計画データを保存し、
前記外科的処置の実施を促進するために手術室に配置された手術室内(OR内)コンピュータ支援手術(CAS)システムに配送するための符号化された手術データを準備するために、前記計画データをCAS計画データ処理システムに通信することで、前記コンピュータ装置を計画システムに提供するように構成する、コンピュータ装置。
【請求項13】
前記計画データは、前記患者の識別データなしに通信される、請求項12記載のコンピュータ装置。
【請求項14】
前記符号化された手術データと、検索データであって前記CAS計画データ処理システムから少なくとも一部の手術データを検索するのに有用である検索データとの少なくとも1つを前記CAS計画データ処理システムから受信し、
前記符号化された手術データと、前記OR内CASシステムに配送するための前記検索データとの少なくとも1つを通信するよう更に構成された、請求項12又は13に記載のコンピュータ装置。
【請求項15】
前記符号化された手術データと前記検索データとのうちの少なくとも1つを通信することは、中間装置に、前記符号化された手術データと前記手術室内の前記患者を確認するための前記患者のための識別データに関連した前記検索データとの少なくとも1つや、前記符号化された手術データと前記OR内CASシステムに前記識別データを配送することなく前記中間装置から配送するための前記検索データとの少なくとも1つを、通信することを含む、請求項14記載のコンピュータ装置。
【請求項16】
前記命令は、データ認証を実行するように前記コンピュータ装置を構成する、請求項12から15のいずれかに記載のコンピュータ装置。
【請求項17】
データ認証の実行は、
前記符号化された手術データの一部として、又は、前記符号化された手術データと共に前記OR内CASシステムに提供するために、前記計画データの参照と前記計画データとを前記CAS計画データ処理システムに通信し、
前記OR内CASシステムで受信した前記計画データの参照とのクロスチェックに使用するために、前記計画データのリファレンスを別個の通信で提供することで構成される、請求項16記載のコンピュータ装置。
【請求項18】
前記符号化された手術データ及び前記検索データのうちの少なくとも1つは、QRコードを含むものである、請求項12から17のいずれかに記載のコンピュータ装置。
【請求項19】
前記命令は、前記計画データを通信する前に、前記計画データから前記患者ための識別データを除去するように前記コンピュータ装置を構成する、請求項12から18のいずれかに記載のコンピュータ装置。
【請求項20】
前記命令は、ユーザからの入力を受信し、前記入力に応答して前記計画データを定義するように前記コンピュータ装置を構成する、請求項12から19のいずれかに記載のコンピュータ装置。
【請求項21】
前記命令は、
前記患者のための画像データであって、前記患者のための識別データによって構成される画像データを受信し、その画像データを前記計画データを定義するために使用することと、
患者の解剖学的構造の3次元モデルを受信または定義し、その3次元モデルを前記計画データを定義するために使用することと、
のうち少なくとも1つを前記コンピュータ装置に構成する、請求項20記載のコンピュータ装置。
【請求項22】
前記CAS計画データ処理システムに通信される前記計画データは、前記画像データ及び前記3次元モデルのうちの少なくとも1つを含むものである、請求項21記載のコンピュータ装置。
【請求項23】
前記命令は、
前記計画データと関連付けられた再識別情報を通信することと、
前記符号化された手術データ及び前記検索データのうちの少なくとも1つと関連付けられた前記再識別情報を受信し、前記符号化された手術データ及び前記検索データのうちの少なくとも1つと前記患者との関連付けを促進することと、
を前記コンピュータ装置に構成する、請求項12から22のいずれかに記載のコンピュータ装置。
【請求項24】
コンピュータ装置であって、
記憶装置に連結されたプロセッサを備え、
前記記憶装置に記憶される命令が前記プロセッサで実行されると、
コンピュータ支援手術(CAS)計画データ処理システムから、患者への外科的処置の実施を促進するために、手術室に配置された手術室内(OR内)CASシステムに配送するための符号化された手術データであって、前記外科的処置のために計画データを符号化した符号化された手術データを受信し、
その符号化された手術データを配送するために前記OR内CASシステムに提供することで、前記コンピュータ装置を中間装置に提供するように構成する、コンピュータ装置。
【請求項25】
前記符号化された手術データは、前記患者のための識別データなしで、前記計画データを符号化するものである、請求項24記載のコンピュータ装置。
【請求項26】
前記命令は、前記手術室の前記患者を確認するための、前記患者のための識別データと関連付けられた前記符号化された手術データであって、前記識別データを前記OR内CASシステムに配送することなく、前記中間装置から配送するための前記符号化された手術データを受信するように、前記コンピュータ装置を構成する、請求項24又は25に記載のコンピュータ装置。
【請求項27】
前記符号化された手術データは、QRコードを含むものである、請求項24から26のいずれかに記載のコンピュータ装置。
【請求項28】
前記命令は、前記符号化された手術データを前記OR内CASシステムに光学的に送信するために、前記QRコードを表示するように前記コンピュータ装置を構成する、請求項27記載のコンピュータ装置。
【請求項29】
前記命令は、データ認証を実行するように前記コンピュータ装置を構成する、請求項24から28のいずれかに記載のコンピュータ装置。
【請求項30】
前記符号化された手術データは、前記処置の実施を促進するために前記OR内CASシステムの動作を可能にする少なくとも最小限の量の手術データを含むものである、請求項24から29のいずれかに記載のコンピュータ装置。
【請求項31】
前記符号化された手術データの符号化されていない残りの前記手術データは更なる手術データを定義し、前記OR内CASシステムによる更なる手術データの取得を促進にするために、検索データに関連した、又は、検索データを備える前記符号化された手術データを前記中間装置によって通信させる、請求項30記載のコンピュータ装置。
【請求項32】
コンピュータ装置であって、
患者のための外科的処置を促進するために手術室に配置された手術室内(OR内)CASシステムを定義する記憶装置に連結されたプロセッサを備え、
前記記憶装置に記憶される命令が前記プロセッサで実行されると、
CAS計画データ処理システムから、符号化された手術データであって、外科的処置のための計画データを符号化する符号化された手術データを受信し、
前記CAS処置を提供するために前記符号化された手術データを使用するように、前記コンピュータ装置を構成する、コンピュータ装置。
【請求項33】
前記符号化された手術データは、前記患者のための識別データなしで、前記計画データを符号化するものである、請求項32記載のコンピュータ装置。
【請求項34】
前記符号化された手術データを使用することは、復号することと、圧縮解除することと、認証することと、のうちの少なくとも1つを含む、請求項32又は33に記載のコンピュータ装置。
【請求項35】
前記符号化された手術データは、QRコードを含むものである、請求項32から34のいずれかに記載のコンピュータ装置。
【請求項36】
前記受信することは、前記OR内に存在する中間装置から前記符号化された手術データを受信することを含む、請求項32から35のいずれかに記載のコンピュータ装置。
【請求項37】
前記中間装置は、前記手術室の前記患者を確認するための前記患者の識別データと関連付けられた前記符号化された手術データであって、前記患者の識別データを受信することなく前記中間装置から受信した前記符号化された手術データを受信するように構成される、請求項36記載のコンピュータ装置。
【請求項38】
前記命令は、前記OR内CASシステムのカメラを介して前記符号化された手術データを受信するように前記コンピュータ装置を構成する、請求項32から37のいずれかに記載のコンピュータ装置。
【請求項39】
前記符号化された手術データは、前記処置の実施を促進するために前記OR内CASシステムの動作を可能にする少なくとも最小限の量の手術データを含む、請求項32から38のいずれかに記載のコンピュータ装置。
【請求項40】
前記符号化された手術データの符号化されていない残りの手術データは、前記CAS計画データ処理システムによって格納された更なる手術データを定義し、前記符号化された手術データは前記中間装置によって、OR内CASシステムによって前記更なる手術データを取得することを促進するために、検索データに関連した、又は、検索データを含むように通信される、請求項39記載のコンピュータ装置。
【請求項41】
コンピュータ装置であって、
記憶装置に連結されたプロセッサを備え、
前記記憶装置に記憶される命令が前記プロセッサで実行されると、
外科的処置の実施を促進するために手術室に配置された手術室内(OR内)コンピュータ支援手術(CAS)システムのための手術データを定義するための前記外科的処置に関係した患者のための計画データを処理し、
前記手術データと、前記OR内CASシステムに配送するための検索データであって、少なくとも一部の前記手術データをCAS計画データ処理システムから検索するために有用な検索データとの少なくとも1つを通信することで、前記コンピュータ装置をCAS計画データ処理システムに提供するように構成する、コンピュータ装置。
【請求項42】
前記命令は、前記OR内CASシステムに配送するための符号化された前記手術データを定義するために前記手術データを符号化するように、前記コンピュータ装置を構成する、請求項41記載のコンピュータ装置。
【請求項43】
前記手術を符号化することは、前記OR内CASシステムへの光学的な通信のためのマトリクスバーコードとして符号化することを含む、請求項42記載のコンピュータ装置。
【請求項44】
前記計画データを処理することは、前記計画データのスマート圧縮を実行することを含む、請求項41から43のいずれかに記載のコンピュータ装置。
【請求項45】
前記OR内CASシステムのデータのライブラリに記憶された手術データを検索するために、前記OR内CASシステムによって使用されるルックアップコードを含む前記手術データを定義することで、スマート圧縮を実行する、請求項8及び請求項8に従属する請求項9から11と、請求項44とのいずれかに記載のコンピュータ装置。
【請求項46】
前記OR内CASシステムによって使用されるパラメータ化された解剖学的モデルであって、統計的形状モデル又は任意の他のパラメータ化可能なモデルによる解剖学的モデルに対応するパラメータを計算して計画データを処理することで、スマート圧縮を実行する、請求項8及び請求項8に従属する請求項9から11と、請求項44又は45とのいずれかに記載のコンピュータ装置。
【請求項47】
3次元モデル及びターゲットを含む前記計画データを処理し、好ましくは重要でないデータ除去を実行することによって前記ターゲットのデータに基づいて前記3次元モデルを圧縮することで、スマート圧縮を実行する、請求項8及び請求項8に従属する請求項9から11と、請求項44から46とのいずれかに記載のコンピュータ装置。
【請求項48】
前記手術データをコード、好ましくはQRコードで符号化された手術データとして符号化し、前記OR内CASシステムによって復号するのに十分なだけ前記手術データを圧縮することで、スマート圧縮を実行する、請求項8及び請求項8に従属する請求項9から11と、請求項44から47とのいずれかに記載のコンピュータ装置。
【請求項49】
モデルを予め定義された座標系に変換することを含む、データの一般化を実行することと、
データの精度を低下させることと、
統計的形状モデルを用いて前記モデルを表現するために、一般的なモデルを用いて表面を記憶することと、
標準な可逆圧縮を行うことと、のうちの少なくとも1つによって、スマート圧縮を実行する、請求項8及び請求項8に従属する請求項9から11と、請求項44から48とのいずれかに記載のコンピュータ装置。
【請求項50】
前記計画データを定義するために、手術の計画を実行するように構成された、請求項41から49のいずれかに記載のコンピュータ装置。
【請求項51】
前記計画データを定義するように構成された計画システムから計画データを受信するように構成された、請求項41から50のいずれかに記載のコンピュータ装置。
【請求項52】
計画システムによって、外科的処置に関連した患者のための計画データであって、患者のための識別データを含む、又は、それに関連した計画データを保存し、
外科的処置の実施を促進にするため手術室に配置された手術室内(OR内)コンピュータ支援手術(CAS)システムに配送するための符号化された手術データを準備するために、計画データをCAS計画データ処理システムに計画データを計画システムによって通信することと、を含む方法。
【請求項53】
前記計画データは、前記患者の識別データなしで通信される、請求項52記載の方法。
【請求項54】
前記CAS計画データ処理システムから少なくとも1つの前記符号化された手術データと、検索データであって、前記CAS計画データ処理システムから少なくとも何らかの手術データを検索するのに有用である検索データとの少なくとも1つを受信することと、
前記符号化された手術データ及び前記検索データの少なくとも1つを前記OR内CASシステムに配送するために通信することとを更に含む、請求項52又は53に記載の方法。
【請求項55】
前記符号化された手術データ及び前記検索データのうちの少なくとも1つを通信することは、前記識別データを前記OR内CASシステムに配送することなく、前記符号化された手術データ及び前記検索データのうちの少なくとも1つを、前記手術室の前記患者を確認するための前記患者のための識別データに関連して、前記中間装置に通信することを含む、請求項54記載の方法。
【請求項56】
データ認証を実行することを含む、請求項52から55のいずれかに記載の方法。
【請求項57】
データ認証の実行は、
前記符号化された手術データの一部として、又は、前記符号化された手術データと共に前記OR内CASシステムに提供するために、前記計画データの参照と前記計画データとを前記CAS計画データ処理システムに通信し、
前記OR内CASシステムで受信した前記計画データの参照とのクロスチェックに使用するために、前記計画データのリファレンスを別個の通信で提供することで構成される、請求項56記載の方法。
【請求項58】
前記符号化された手術データ及び前記検索データのうちの少なくとも1つは、QRコードを含むものである、請求項52から57のいずれかに記載の方法。
【請求項59】
前記計画データを通信する前に、前記計画データから前記患者の識別データを除去することを含む、請求項52から58のいずれかに記載の方法。
【請求項60】
ユーザからの入力を受信し、前記入力に応答して前記計画データを定義することを含む、請求項52から59のいずれかに記載の方法。
【請求項61】
前記患者のための画像データであって、前記患者のための識別データによって構成される画像データを受信し、その画像データを前記計画データを定義するために使用することと、
患者の解剖学的構造の3次元モデルを受信または定義し、その3次元モデルを前記計画データを定義するために使用することと、
のうち少なくとも1つを含む、請求項60記載の方法。
【請求項62】
前記CAS計画データ処理システムに通信される前記計画データは、前記画像データ及び前記3次元モデルのうちの少なくとも1つを含む、請求項61記載の方法。
【請求項63】
前記計画データと関連付けられた再識別情報を通信することと、
前記符号化された手術データ及び前記検索データのうちの少なくとも1つと関連付けられた前記再識別情報を受信し、前記符号化された手術データ及び前記検索データのうちの少なくとも1つと前記患者との関連付けを促進することと、
を含む、請求項52から62のいずれかに記載の方法。
【請求項64】
コンピュータ支援手術(CAS)計画データ処理システムに、及び、計画システムから、外科的処置に関連した患者のための計画データを受信することと、
前記外科的処置の実施を促進するために手術室に配置された手術室内(OR内)CASシステムのための手術データを定義する前記計画データを、前記CAS計画データ処理システムによって処理することと、
前記OR内CASシステムに配送するための符号化された手術データを定義するために前記手術データを符号化することと、
前記符号化された手術データと前記OR内CASシステムに配送するための検索データであって、少なくとも一部の前記手術データをCAS計画データ処理システムから検索するために有用な検索データとの少なくとも1つを通信することと、を含む方法。
【請求項65】
前記計画データは、前記患者のための識別データなしで通信される、請求項64記載の方法。
【請求項66】
a)前記OR内に存在する中間装置と、b)前記計画システムとのうちの少なくとも1つを介して、前記OR内CASシステムに配送するための符号化された手術データを通信することを含む、請求項64又は65に記載の方法。
【請求項67】
前記計画システムを介して前記符号化された手術データを通信することは、前記手術室内の前記患者を確認するための前記患者の識別データと関連付けた前記符号化された手術データを前記中間装置に通信することを促進し、前記符号化された手術データは、前記計画システムが前記識別データを前記OR内CASシステムに配送することなく、前記中間装置から配送するためものである、請求項66記載の方法。
【請求項68】
前記符号化された手術データがQRコードを含むものである、請求項64から67のいずれかに記載の方法。
【請求項69】
前記計画データを処理することは、受信されていることを確認するために完全性チェックを実行することと、1つ以上の臨床モデルに対してデータ確認を行い、計画データの正しさを確認することと、あるタイプ又はフォーマットから別のタイプ又はフォーマットへのデータ変換を実行することと、のうちの少なくとも1つを含む、請求項64から68のいずれかに記載の方法。
【請求項70】
データ認証を実行することを含む、請求項64から69のいずれかに記載の方法。
【請求項71】
前記計画データを処理すること、前記手術データを符号化すること、又は前記計画データを処理することと前記手術データを符号化することとの両方が、手術データの量を低減するためにスマート圧縮を実行することを含む、請求項64から70のいずれかに記載の方法。
【請求項72】
前記処置の実行を促進するためにOR内CASシステムの動作を可能にする、少なくとも最小限の量の手術データを含む前記手術データの最小限の基部から前記符号化された手術データを定義することを含む、請求項64から71のいずれかに記載の方法。
【請求項73】
前記符号化された手術データ内に符号化されていない残りの前記手術データは、更なる手術データを定義し、前記更なる手術データのOR内CASシステムの取得を促進するために前記検索データを定義する、請求項72記載の方法。
【請求項74】
前記計画データに関連する再識別情報を受信することと、
前記符号化された手術データ及び前記計画システムによる患者と前記符号化された手術データの関連付けを促進するための検索データのうちの少なくとも1つと関連付けられる前記再識別情報を通信することと、
を含む、請求項64から73のいずれかに記載の方法。
【請求項75】
コンピュータ支援手術(CAS)計画データ処理システムから、外科的処置の実施を促進するために手術室に配置された手術室内(OR内)CASシステムに配送するための符号化された手術データであって、前記外科的処置のための計画データを符号化した符号化された手術データを中間装置で受信することと、
OR内CASシステムへの配送のために、符号化された手術データを中間装置によって提供することと、を含む方法。
【請求項76】
前記符号化された手術データは、前記患者のための識別データなしで、計画データを符号化するものである、請求項75記載の方法。
【請求項77】
前記手術室の前記患者を確認するための前記患者のための識別データと関連付けられた記符号化された手術データであって、前記識別データを前記OR内CASシステムに配送することなく前記中間デバイスから配送するための前記符号化された手術データを受信することを含む、請求項75又は76に記載の方法。
【請求項78】
前記符号化された手術データは、QRコードを含むものである、請求項75から77のいずれかに記載の方法。
【請求項79】
前記命令は、前記符号化された手術データを前記OR内CASシステムに光学的に送信するために、前記QRコードを表示するように前記コンピュータ装置を構成する、請求項78記載の方法。
【請求項80】
データ認証を実行することを含む、請求項75から79のいずれかに記載の方法。
【請求項81】
前記符号化された手術データは、前記処置の実施を促進するために前記OR内CASシステムの動作を可能にする少なくとも最小限の量の手術データを含むものである、請求項75から80のいずれかに記載の方法。
【請求項82】
前記符号化された手術データの符号化されていない残りの前記手術データは更なる手術データを定義し、前記OR内CASシステムによる更なる手術データの取得を促進にするために、検索データに関連した、又は、検索データを備える前記符号化された手術データを通信することを含む、請求項81記載の方法。
【請求項83】
手術室に配置された手術室内(OR内)コンピュータ支援手術(CAS)システムにおいて、患者に対する及びCAS計画データ処理システムからのCAS処置を促進するために、符号化された手術データであって外科的処置のための計画データを符号化した符号化された手術データを受信することと、
前記CAS処置を提供するための前記符号化された手術データの使用することと、
を含む方法。
【請求項84】
前記符号化された手術データは、前記患者のための識別データなしで、計画データを符号化するものである、請求項83記載の方法。
【請求項85】
前記符号化された手術データを使用することは、
復号することと、
圧縮解除することと、
認証することと、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項83又は84に記載の方法。
【請求項86】
前記符号化された手術データは、QRコードを含むものである、請求項83から85のいずれかに記載の方法。
【請求項87】
前記受信することは、前記OR内に存在する中間装置から前記符号化された手術データを受信することを含む、請求項83から86のいずれかに記載の方法。
【請求項88】
前記中間装置は、前記手術室の前記患者を確認するための前記患者のための識別データと関連付けられた前記符号化された手術データであって、前記患者のための識別データを受信することなく前記中間装置から受信された前記符号化された手術データを受信するように構成される、請求項87記載の方法。
【請求項89】
前記OR内CASシステムのカメラを介して前記符号化された手術データを受信することを含む、請求項83から88のいずれかに記載の方法。
【請求項90】
前記符号化された手術データは、前記処置の実施を促進するために前記OR内CASシステムの動作を可能にする少なくとも最小限の量の手術データを含む、請求項83から89のいずれかに記載の方法。
【請求項91】
前記符号化された手術データの符号化されていない残りの手術データは、前記CAS計画データ処理システムによって格納された更なる手術データを定義し、前記符号化された手術データは前記中間装置によって、OR内CASシステムによって前記更なる手術データを取得することを促進するために、検索データに関連した、又は、検索データを含むように通信される、請求項90記載の方法。
【請求項92】
コンピュータ支援手術(CAS)計画データ処理システムにおいて、外科的処置の実施を促進するために手術室に配置された手術室内(OR内)CAS計画データ処理システムのための手術データを定義するための前記外科的処置に関連した患者のための計画データを処理することと、
前記CAS計画データ処理システムから、前記手術データと、OR内CASシステムに配送するための検索データであって前記CAS計画データ処理システムから少なくとも一部の手術データを検索するために有用な検索データと、のうちの少なくとも1つを通信することと、を含む方法。
【請求項93】
命令は、前記OR内CASシステムに配送するための符号化された手術データを定義するために、前記手術データを符号化するようにコンピュータ装置を構成する、請求項92記載の方法。
【請求項94】
前記手術を符号化することは、前記OR内CASシステムへの光学的な通信のためのマトリクスバーコードとして符号化することを含む、請求項93記載の方法。
【請求項95】
前記計画データを処理することは、前記計画データのスマート圧縮を実行することを含む、請求項92から94のいずれかに記載の方法。
【請求項96】
前記OR内CASシステムのデータのライブラリに記憶された手術データを検索するために、前記OR内CASシステムによって使用されるルックアップコードを含む前記手術データを定義することで、スマート圧縮を実行する、請求項71及び請求項71に従属する請求項72から74と、請求項95とのいずれかに記載の方法。
【請求項97】
前記OR内CASシステムによって使用されるパラメータ化された解剖学的モデルであって、統計的形状モデル又は任意の他のパラメータ化可能なモデルによる解剖学的モデルに対応するパラメータを計算して計画データを処理することで、スマート圧縮を実行する、請求項71及び請求項71に従属する請求項72から74と、請求項95から96とのいずれかに記載の方法。
【請求項98】
3次元モデル及びターゲットを含む前記計画データを処理し、好ましくは重要でないデータ除去を実行することによって前記ターゲットのデータに基づいて前記3次元モデルを圧縮することで、スマート圧縮を実行する、請求項71及び請求項71に従属する請求項72から74と、請求項95から97とのいずれかに記載の方法。
【請求項99】
前記手術データをコード、好ましくはQRコードで符号化された手術データとして符号化し、前記OR内CASシステムによって復号するのに十分なだけ前記手術データを圧縮することで、スマート圧縮を実行する、請求項71及び請求項71に従属する請求項72から74と、請求項95から98とのいずれかに記載の方法。
【請求項100】
モデルを予め定義された座標系に変換することを含む、データの一般化を実行することと、
データの精度を低下させることと、
統計的形状モデルを用いて前記モデルを表現するために、一般的なモデルを用いて表面を記憶することと、
標準な可逆圧縮を行うことと、のうちの少なくとも1つによって、スマート圧縮を実行する、請求項71及び請求項71に従属する請求項72から74と、請求項95から99とのいずれかに記載の方法。
【請求項101】
前記計画データを定義するために、手術の計画を実行することを含む、請求項92から100のいずれかに記載の方法。
【請求項102】
前記計画データを定義するように構成された計画システムから前記計画データを受信することを含む、請求項92から101のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下は、コンピュータ支援手術およびコンピュータ支援手術のための、計画データの処理および通信に関する。
【背景技術】
【0002】
手術室内(OR内)コンピュータ支援手術(CAS)システムは股関節、膝関節、肩、または頭蓋外科手術などであるが、これらに限定されない手術に香り(perfume)を付けるためのツールを外科医に提供する。このような処置の間、OR内CASシステムは手術ツール及び空間内の患者の身体の一部などの物体を追跡し、解剖学的測定値および相対的測定値を提供する。OR内CASシステムは、ワークフローを定義し、外科的処置を通して作業し、測定値および/または相対位置等を表示するためのグラフィカル・ユーザ・インターフェースを提供するための命令を提供することができる。そのような測定値および/または相対位置は、患者固有の画像に関連して表示されても良い。多くの場合、外科医は手術中に使用するためにOR内CASシステムにデータを提供するように計画が構成されている手術の計画を定義するために、手術前または他の手術計画(例えば、計画システム及びソフトウェアを使用して)を実施する。計画は患者の解剖学的構造の3次元モデルを定義するデータを含むことができ、このデータは、典型的には処置中に使用するための患者固有の、ターゲットのデータ、解剖学的測定値等である。
【0003】
計画プロセスは、処置が計画される患者に関して個々に識別可能な健康情報を含む患者健康情報にアクセスし、そして保存することができる。
【0004】
OR内CASシステム等に計画データを処理し、通信するシステム及び方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
コンピュータ装置の態様を含む様々な態様は、当業者には明らかであろう。それぞれのコンピュータ装置の多くのインスタンスは計画データを処理し、通信し、使用するためのアーキテクチャ/ネットワークに示される。
【0006】
第1の態様では、記憶装置に連結されたプロセッサを備え、前記記憶装置に記憶される命令が前記プロセッサで実行されると、外科的処置に関連する患者のための計画データであって、前記患者のための識別データを含む又はそれに関連する計画データを保存し、前記外科的処置の実施を促進するために手術室に配置された手術室内(OR内)コンピュータ支援手術(CAS)システムに配送するための符号化された手術データを準備するために、前記計画データをCAS計画データ処理システムに通信することで、前記コンピュータ装置を計画システムに提供するように構成するコンピュータ装置が提供される。
【0007】
前記計画データは、前記患者の識別データなしに通信されても良い。
【0008】
前記コンピュータ装置は、前記符号化された手術データと、検索データであって前記CAS計画データ処理システムから少なくとも一部の手術データを検索するのに有用である検索データとの少なくとも1つを前記CAS計画データ処理システムから受信し、前記符号化された手術データと、前記OR内CASシステムに配送するための前記検索データとの少なくとも1つを通信するよう更に構成されても良い。前記符号化された手術データと前記検索データとのうちの少なくとも1つを通信することは、中間装置に、前記符号化された手術データと前記手術室内の前記患者を確認するための前記患者のための識別データに関連した前記検索データとの少なくとも1つや、前記符号化された手術データと前記OR内CASシステムに前記識別データを配送することなく前記中間装置から配送するための前記検索データとの少なくとも1つを、通信することを含んでも良い。
【0009】
前記コンピュータ装置は、データ認証を実行するように構成されても良い。
【0010】
前記データ認証の実行は、前記符号化された手術データの一部として、又は、前記符号化された手術データと共に前記OR内CASシステムに提供するために、前記計画データの参照と前記計画データとを前記CAS計画データ処理システムに通信し、前記OR内CASシステムで受信した前記計画データの参照とのクロスチェックに使用するために、前記計画データのリファレンスを別個の通信で提供することで構成されても良い。
【0011】
前記符号化された手術データ及び検索データの少なくとも1つは、QRコード(登録商標)を含んでも良い。
【0012】
前記コンピュータ装置は、前記計画データを通信する前に、前記計画データから患者の識別データを除去しても良い。
【0013】
前記コンピュータ装置は、ユーザからの入力を受信し、前記入力に応答して前記計画データを定義しても良い。
【0014】
前記コンピュータ装置は、前記患者のための画像データであって、前記患者のための識別データによって構成される画像データを受信し、その画像データを前記計画データを定義するために使用することと、患者の解剖学的構造の3次元モデルを受信または定義し、その3次元モデルを前記計画データを定義するために使用することと、のうち少なくとも1つを前記コンピュータ装置に構成しても良い。前記CAS計画データ処理システムに通信される前記計画データは、前記画像データ及び前記3次元モデルのうちの少なくとも1つを含んでも良い。
【0015】
前記コンピュータ装置は、前記計画データと関連付けられた再識別情報を通信し、前記符号化された手術データ及び前記検索データのうちの少なくとも1つと関連付けられた前記再識別情報を受信し、前記符号化された手術データ及び前記検索データのうちの少なくとも1つと前記患者との関連付けを促進しても良い。
【0016】
第2の態様では、記憶装置に連結されたプロセッサを備え、前記記憶装置に記憶される命令が前記プロセッサで実行されると、外科的処置に関連した患者のための計画データを計画システムから受信し、外科的処置の実施を促進にするために手術室に配置された手術室内(OR内)コンピュータ支援手術(CAS)システムのための手術データを定義するために前記計画データを処理し、前記OR内CASシステムに配送する符号化された前記手術データを定義するために、前記手術データを符号化し、少なくとも1つの前記符号化された手術データと前記OR内CASシステムに配送するための検索データであって、CAS計画データ処理システムから少なくとも一部の手術データを検索するために有用である検索データとを通信することで、前記コンピュータ装置を前記CAS計画データ処理システムに提供するように構成するコンピュータ装置が提供される。
【0017】
前記計画データは、前記患者のため識別データなしで通信されても良い。
【0018】
前記コンピュータ装置は、a)前記OR内に存在する中間モバイル装置のうちの少なくとも1つ、b)前記計画システム、c)前記中間モバイル装置および前記計画システムを通して通信することのない通信ネットワーク経由、の少なくとも1つを介して前記OR内CASシステムに配送するために前記符号化された手術データを通信しても良い。
【0019】
前記計画システムを介して前記符号化された手術データを通信することは、前記手術室内の前記患者を確認するための前記患者の識別データと関連付けた前記符号化された手術データを前記中間装置に通信することを促進し、前記符号化された手術データは、前記計画システムが前記識別データを前記OR内CASシステムに配送することなく、前記中間装置から配送するためものであっても良い。
【0020】
前記符号化された手術データは、QRコードを含むものであっても良い。
【0021】
前記計画データを処理することは、受信されていることを確認するために完全性チェックを実行することと、1つ以上の臨床モデルに対してデータ確認を行い、計画データの正しさを確認することと、あるタイプ又はフォーマットから別のタイプ又はフォーマットへのデータ変換を実行することと、のうちの少なくとも1つを含んでも良い。
【0022】
前記コンピュータ装置は、データ認証を実行しても良い。
【0023】
前記計画データを処理すること、前記手術データを符号化すること、又は前記計画データを処理することと前記手術データを符号化することとの両方が、手術データの量を低減するためにスマート圧縮を実行することを含んでも良い。
【0024】
前記コンピュータ装置は、前記処置の実行を促進するためにOR内CASシステムの動作を可能にする、少なくとも最小限の量の手術データを含む前記手術データの最小限の基部から前記符号化された手術データを定義しても良い。前記符号化された手術データ内に符号化されていない残りの前記手術データは、更なる手術データを定義し、前記命令は、前記更なる手術データのOR内CASシステムの取得を促進するために前記検索データを定義するように前記コンピュータ装置を構成しても良い。
【0025】
前記コンピュータ装置は、前記計画データに関連する再識別情報を受信し、前記符号化された手術データ及び前記計画システムによる患者と前記符号化された手術データの関連付けを促進するための検索データのうちの少なくとも1つと関連付けられる前記再識別情報を通信しても良い。
【0026】
第3の態様では、記憶装置に連結されたプロセッサを備え、前記記憶装置に記憶される命令が前記プロセッサで実行されると、コンピュータ支援手術(CAS)計画データ処理システムから、患者への外科的処置の実施を促進するために、手術室に配置された手術室内(OR内)CASシステムに配送するための符号化された手術データであって、前記外科的処置のために計画データを符号化した符号化された手術データを受信し、その符号化された手術データを配送するために前記OR内CASシステムに提供することで、(コンピュータ装置を)中間装置に提供するように構成されるコンピュータ装置が提供される。
【0027】
前記符号化された手術データは、前記患者のための識別データなしで、前記計画データを符号化しても良い。
【0028】
前記コンピュータ装置は、前記手術室の前記患者を確認するための、前記患者のための識別データと関連付けられた前記符号化された手術データであって、前記識別データを前記OR内CASシステムに配送することなく、前記中間装置から配送するための前記符号化された手術データを受信しても良い。
【0029】
前記符号化された手術データは、QRコードを含んでも良い。コンピュータ装置は、前記符号化された手術データを前記OR内CASシステムに光学的に送信するために、前記QRコードを表示しても良い。
【0030】
前記コンピュータ装置は、データ認証を実行しても良い。
【0031】
前記符号化された手術データは、前記処置の実施を促進するために前記OR内CASシステムの動作を可能にする少なくとも最小限の量の手術データを含んでも良い。前記符号化された手術データの符号化されていない残りの前記手術データは更なる手術データを定義し、前記OR内CASシステムによる更なる手術データの取得を促進にするために、検索データに関連した、又は、検索データを備える前記符号化された手術データを前記中間装置によって通信させても良い。
【0032】
第4の態様では、患者のための外科的処置を促進するために手術室に配置された手術室内(OR内)CASシステムを定義する記憶装置に連結されたプロセッサを備え、前記記憶装置に記憶される命令が前記プロセッサで実行されると、CAS計画データ処理システムから、符号化された手術データであって、外科的処置のための計画データを符号化する符号化された手術データを受信し、前記CAS処置を提供するために前記符号化された手術データを使用するように構成する、コンピュータ装置が提供される。
【0033】
前記符号化された手術データは、前記患者のための識別データなしで、前記計画データを符号化しても良い。
【0034】
前記符号化された手術データを使用することは、復号することと、圧縮解除することと、認証することと、のうちの少なくとも1つを含んでも良い。
【0035】
前記符号化された手術データは、QRコードを含むことができる。
【0036】
前記受信することは、前記OR内に存在する中間装置から前記符号化された手術データを受信することを含んでも良い。前記中間装置は、前記手術室の前記患者を確認するための前記患者の識別データと関連付けられた前記符号化された手術データであって、前記患者の識別データを受信することなく前記中間装置から受信した前記符号化された手術データを受信するように構成されても良い。
【0037】
前記コンピュータ装置は、前記OR内CASシステムのカメラを介して前記符号化された手術データを受信しても良い。
【0038】
前記符号化された手術データは、前記処置の実施を促進するために前記OR内CASシステムの動作を可能にする少なくとも最小限の量の手術データを含んでも良い。前記符号化された手術データの符号化されていない残りの手術データは、前記CAS計画データ処理システムによって格納された更なる手術データを定義し、前記符号化された手術データは前記中間装置によって、OR内CASシステムによって前記更なる手術データを取得することを促進するために、検索データに関連した、又は、検索データを含むように通信されても良い。
【0039】
第5の態様では、記憶装置に連結されたプロセッサを備え、前記記憶装置に記憶される命令が前記プロセッサで実行されると、外科的処置の実施を促進するために手術室に配置された手術室内(OR内)コンピュータ支援手術(CAS)システムのための手術データを定義するための前記外科的処置に関係した患者のための計画データを処理し、前記手術データと、前記OR内CASシステムに配送するための検索データであって、少なくとも一部の前記手術データをCAS計画データ処理システムから検索するために有用な検索データとの少なくとも1つを通信することで、(コンピュータ装置を)コンピュータ支援手術(CAS)計画データ処理システムに提供される、コンピュータ装置が提供される。
【0040】
前記コンピュータ装置は、前記計画データを定義するために、手術の計画を実行するように構成されても良い。前記コンピュータ装置は、前記計画データを定義するように構成された計画システムから計画データを受信するように構成されても良い。前記コンピュータ装置はユーザ入力(例えば、手動入力)等の他の手法で、前記計画データを受信するように構成されても良い。
【0041】
前記コンピュータ装置は、前記OR内CASシステムに配送するための符号化された前記手術データを定義するために前記手術データを符号化しても良い。
【0042】
前記手術を符号化することは、前記OR内CASシステムへの光学的な通信のためのマトリクスバーコードとして符号化することを含んでも良い。
【0043】
前記計画データを処理することは、前記計画データのスマート圧縮を実行することを含んでも良い。
【0044】
任意の態様によれば、前記OR内CASシステムのデータのライブラリに記憶された手術データを検索するために、前記OR内CASシステムによって使用されるルックアップコードを含む前記手術データを定義することで、スマート圧縮の実行を構成しても良い。
【0045】
任意の態様によれば、前記OR内CASシステムによって使用されるパラメータ化された解剖学的モデルであって、統計的形状モデル又は任意の他のパラメータ化可能なモデルによる解剖学的モデルに対応するパラメータを計算して計画データを処理することで、スマート圧縮の実行を構成しても良い。
【0046】
任意の態様によれば、3次元モデル及びターゲットを含む前記計画データを処理し、好ましくは重要でないデータ除去を実行することによって前記ターゲットのデータに基づいて前記3次元モデルを圧縮することで、スマート圧縮の実行を構成しても良い。
【0047】
任意の態様によれば、前記手術データをコード、好ましくはQRコードで符号化された手術データとして符号化し、前記OR内CASシステムによって復号するのに十分なだけ前記手術データを圧縮することで、スマート圧縮の実行を構成しても良い。
【0048】
任意の態様によれば、モデルを予め定義された座標系に変換することを含む、データの一般化を実行することと、データの精度を低下させることと、統計的形状モデルを用いて前記モデルを表現するために、一般的なモデルを用いて表面を記憶することと、標準な可逆圧縮を行うことと、のうちの少なくとも1つによって、スマート圧縮の実行を構成しても良い。
【0049】
方法および他の態様は明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】一例によるCAS計画およびOR内CASの実行のためのコンピュータネットワークのブロック図である。
図2】一例によるコンピュータ装置のブロック図であり、そのインスタンスは、図1のコンピュータネットワークのそれぞれの構成要素として構成できる。
図3】A,B,C及びDは、一例による図1のコンピュータネットワークのコンピュータ装置の構成要素の動作のフローチャートである。
図4】A,B及びCは、一例に従った図3B,3Dの動作のフローチャートである。
【0051】
【0052】
【0053】
【発明を実施するための形態】
【0054】
本発明の概念は添付の図面を参照して本明細書で説明される、その特定の実施形態を通して最もよく説明され、ここで、同様の参照番号は全体を通して同様の特徴を指す。本明細書で使用されるとき、「発明」という用語は、単に実施形態自体ではなく、以下に記載される実施形態の基礎をなす発明概念を暗示することが意図されることを理解されたい。更に、本発明の一般的な概念は、以下に記載される例示的な実施形態に限定されず、以下の説明はそのような観点から読まれるべきであることが理解されるべきである。2つ以上の発明概念が示され、説明されても良く、それぞれは、別段の記載がない限り、スタンドアロンであっても良く、又は1つ以上の他のものと組み合わされても良い。
【0055】
図1は、一例によるCAS計画およびOR内CASの実行のためのコンピュータネットワーク100のブロック図である。計画システム102(典型的にはサーバ)及び計画データ記憶装置104が示されている。計画システム102は(例えば、計画アプリケーション(ソフトウェア)を介して)外科手術のための計画を実行するように構成される。本実施例では、計画クライアント装置103と通信するために、クライアント/サーバモデルに従って定義される。別のモデルを使用することもできる。
【0056】
計画システム102はコンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴画像(MRI)、X線、または独自のフォーマット(例えば、EOSイメージング、パリ、フランスから)のような1つ以上の方式に従って、患者画像データ(示されていない)を受信することができる。計画動作はまた、患者識別情報(例えば、特許の名称、住所、雇用者名、住所、医療提供者情報、支払人情報等)を受信しても良い。計画動作は所望の結果を達成するために、手術に関連する、例えば、臨床のターゲット、3次元モデル、解剖学的測定値などを含む計画データ104Aを生成しても良い。例として、股関節手術(臨床のターゲットはカップ傾斜/前傾や骨盤の3次元モデルでも良く、解剖学的測定はASIS点、恥骨(Pubis)、股関節中心(Hip Center)、骨盤傾斜等を含んでも良い)のためのものが挙げられる、この計画データ104Aの少なくともいくつかは、OR内CASシステムによって使用されること、物体を追跡すること、ワークフローを使用して測定を行い、提示すること、および外科医が(計画された)ターゲットに達することを支援するためのグラフィカル・ユーザ・インターフェース等によって、コンピュータ支援手術を提供することができる。
【0057】
計画システム102及びそのデータ記憶装置104は、コンピュータ支援手術が実行される病院(図示せず)の病院管理(図示せず)とビジネス関係を有する第1のエンティティ(図示せず)によって所有および/または運営されても良い。クライアント装置103を計画するユーザである外科医(図示せず)も、このような病院管理者と、しばしば第1のエンティティとも関係を有することができる。これらの関係は直接的である必要はなく、例えば、1つ以上の中間者を介して間接的であっても良い。それぞれの関係は、健康情報、特に個々に識別する健康情報の記憶、使用および通信に関する義務を含む。
【0058】
なお、処置のための計画データ104Aは、ネットワーク106を介して、データ記憶装置110を備えたCAS計画データ処理システム108に通信されても良い。CAS計画データ処理システム108は、計画データ104Aを処理して、処置中にOR内CASシステム112によって使用される手術データ110Aを生成するように構成される。OR内CASシステム112は病院の手術室(OR)114に配置され、CAS計画データ処理システム108は通常、OR114に対して遠隔に配置され、したがって、OR内CASシステム112から遠隔に配置される。CAS計画データ処理システム108は、異なる病院にあり得る異なる手術室に配置された、複数のOR内CASシステムによる使用のために、計画データ104Aを受信し、処理し得る。病院という用語が使用されるが、他の環境も考えられる。
【0059】
CAS計画データ処理システム108及びOR内CASシステム112は、第1のエンティティとは独立して、第2のエンティティによって所有および/または操作されても良い。第2のエンティティは、個人を識別する、又は個人を識別するために使用することができる健康情報を受信することを望まないことがある。第1のエンティティ及び/又は病院は、個人を識別する、又は個人を識別するために使用することができる健康情報を第2のエンティティに通信しないことを望むことがある。
【0060】
計画システム108から受信された計画データ104Aは、個々の患者(または、患者の親族、雇用主および家族のメンバー)の識別子が存在せず、残りの情報を使用して患者を識別することができるという現実的な認識を持たせないように、識別が解除された健康情報を含むことができる。
【0061】
一例では、計画データがDICOM規格に従う単一のファイルを含むことができる。計画データが3次元モデルを含む場合、3次元モデルはSTLファイルフォーマットであっても良い。3次元モデルは、DICOM規格からのカプセル化STL情報オブジェクト定義(IOD)を使用して、DICOMファイルにカプセル化することができる。バイナリSTLデータは「カプセル化された文書」DICOM属性(タグ0042,0011)に含まれても良い。追加の計画データ情報が長いテキスト(Long Text, LT)、無制限のキャラクター(Unlimited Character, UC)、又は、無制限のテキスト(Unlimited Text, UT)等のデータの長い文字列の値の表現を可能にするカプセル化STL IOD内の1つ又は複数の他のDICOM属性に含まれても良い。「患者コメント」はそのような属性の1つとされる。
【0062】
計画データは、CAS計画データ処理システム108によって他の方式で受信されても良いことが理解されるのであろう。計画データは、ユーザ入力(例えば、手動入力)等を介して受信されても良い。例えば、計画が非デジタル媒体(例えば、アセテートテンプレート)を使用して行われる場合、またはデジタル媒体を使用しても、CAS計画データ処理システム108と計画システム102との間に接続が存在しない場合、データ入力のためのフォームを提供するブラウザ又は他のインターフェースを使用して、データを手動で入力することができる。
【0063】
CAS計画データ処理システム108は、OR内CASシステム112に提供するための符号化された手術データ116として、特定の患者の手術データ110Aを計画システム102に提供することができる。手術データ110Aは、1つ若しくは複数のQR(Quick Response)コード(登録商標)、又は他のマトリクスバーコード、又は更に説明するようなOR内CASシステム112への光学的な伝送等のための同様の符号化の形態で、符号化された手術データ116として符号化され得る。計画システム102は符号化された手術データ116を受信し、それをその計画データ104Aと共に(例えば、データ記憶装置104内に、且つ、患者のための個別に識別可能な情報と関連付けて)記憶することができる。CAS計画データ処理システム108は、装置103の外科医/ユーザ等の計画システムのユーザにインターフェースを提供することができる。CAS計画データ処理システム108は、計画システム102又はそれ以外の方式でOR内CASシステム112への配送のために同じものを符号化し通信する前に、手術データ110Aの承認を必要としても良い。CAS計画データ処理システム108の動作により、外科医(ユーザ)は計画データ/手術データを更新し、以前に通信された符号化された手術データを呼び出し、OR内CASシステム112への配送のために更新された符号化された手術データの通信を呼び出すことができる。
【0064】
外科手術が時間的に近づくにつれて、例えば、符号化された手術データ116は、手術中にOR114に存在する第1のエンティティの代表者(例えば、ユーザ120のモバイル装置118)に通信され得る。通信は、印刷された文書、ネイティブなアプリケーションを介す等による他の手段であっても良い。通信は、計画システム102を介して、又は、CAS計画データ処理システム108から、計画システム102のそれ自体を介する通信なしに行うことができる。通信は、CAS計画データ処理システム108からモバイル装置118への電子メールであるべきであり、このような電子メールは、第1のエンティティによって、又は、第1のエンティティに代わって所有または運用される(企業の)電子メールサーバを介して送信されても良いことが理解される。
【0065】
符号化された手術データ116は、電子メール122(SMS、ネイティブなアプリケーションメッセージ等)等の通信の一部であっても良く、通信は、処置中にORに存在する患者(病院からの患者データ)に対して確認するために使用されても良い、患者のための個別に識別可能な情報を含んでも良い(又は、リンクしても良い)。
【0066】
符号化された手術データ116は、OR内CASシステム112のカメラ126を介してOR内CASシステム112に光学的に伝送するために、モバイル装置118の表示装置124を介して、又は、印刷された文書内に表示することができる。OR内CASシステム112は、符号化された手術データ116を復号し、使用することで、CAS処置の実施を促進することができる。
【0067】
いくつかの例において、OR内CASシステム112は、ネットワーク106への接続を有し、いくつかの例においては、これらの接続を有していない。したがって、接続は、存在しない可能性がある接続を表す破線の接続線によって表される。いくつかの例では、OR内CASシステム112が不完全であるか、又は一時的に利用不可能であるため、接続を有さない。符号化された手術データ116は、OR内CASシステム112がCAS計画データ処理システム108と通信することなく、OR内CASシステム112を使用して処置を実施するために、手術データ110Aの少なくとも最小限の基部を符号化することができる。
【0068】
任意に又は追加的に、符号化された手術データ116はCAS計画データ処理システム108を介して更なる手術データを要求することを促進するために、(更に説明されるように)検索データを提供するか、又は、検索データと通信することができる。OR内CASシステム112は、そのような更なる手術データのためにネットワーク106を介して通信することができる。後述するように、いくつかの例では検索データのみが、CAS計画データ処理システム108から手術データ110Aを検索するために、OR内CASシステム112(符号化された手術データ116のそれ自体なしで)に通信される。
【0069】
図2は、コンピュータ装置200のブロック図である。コンピュータ装置200は、1つ又は複数のプロセッサ202(例えば、1つ又は複数のCPU、GPU、ASIC、FPGA等)、カメラを含み得る入力装置204、1つ又は複数の通信ユニット206(例えば、有線通信または無線通信)、1つ又は複数の出力装置208(例えば、スピーカ、光等)及び入力を受信し出力を視覚的に提示するタッチスクリーン210等のジェスチャベースのI/O装置を備える。コンピュータ装置200はまた、有線通信および/または無線通信を促進するためのオペレーティング・システム214、通信モジュール216、及び、様々なコンピュータ・タスク及び機能のいずれかのためのような1つ以上のアプリケーション(例えば、アプリケーション218)を含むデータを記憶するための1つ以上の記憶装置212(例えば、メモリ、ディスクなど)を含む。コンピュータ装置200のインスタンスは異なる形態の要素(例えば、モバイル装置(ラップトップ、タブレット、スマートフォン、ウェアラブル等)、デスクトップ又はPC、サーバ等)を用いて構成されても良く、構成要素はそれ以上またはそれ以下であっても良い。例えば、サーバにジェスチャベースのI/O装置がない場合がある。いくつかの例では、ジェスチャベースである必要のない、他の組み込まれた又は結合された表示装置を有することができる。他の入力装置は、キーボード、ボタン、ポインティングデバイス、マイクロホン等を含み得る。
【0070】
コンピュータ装置200のインスタンスは、計画システム102として構成されることができる。アプリケーション218は、計画アプリケーション(例えば、サーバ側)を含むことができる。他のアプリケーションは、データストア(例えば、データベースアプリケーション)、電子メールサーバ及び/又は電子メールクライアント等の通信を含み得る。コンピュータ装置200のインスタンスは、計画クライアント装置103として構成されても良い。アプリケーション218は、計画アプリケーション(例えば、クライアント側)を含むことができる。他のアプリケーションは、通信アプリケーションなどを含むことができる。
【0071】
コンピュータ装置200のインスタンスは、CAS計画データ処理システム108として構成されることができる。アプリケーション218は、計画データ104Aを処理し、手術データ110Aを圧縮および符号化し、符号化された手術データ116を通信するためのアプリケーションを構成しても良い。2つ以上のアプリケーションが、そのようなタスクのために提供されても良いことが理解される。その他のアプリケーションには、データストア(データベースアプリケーション等)が含まれる場合がある。
【0072】
コンピュータ装置200のインスタンスは、OR内CASシステム112として構成されることができる。アプリケーション216は、説明したようなCASアプリケーションを含むことができる。アプリケーション218又は別のアプリケーションは、説明されるようにカメラ124を使用して符号化された手術データ116を受信し、更なる手術データのためにサーバ108と通信するように構成され得る。OR内CASシステム112は、空間内の物体を追跡するために、ローカライゼーションシステム(図示せず)の構成要素を結合され得る。そのような構成要素は、空間内の物体の相対位置の決定を可能にするために、物体にそれぞれ結合されたマーカーから信号を受信する光学センサー(例えば、カメラ)を含んでも良い。入力を提供する他のセンサは、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計等の位置センサを含むことができる。他のセンサは、光センサと共に筐体(housing)内にあっても良い。
【0073】
コンピュータ装置200のインスタンスは、モバイル装置118として構成されることができる。アプリケーション118は、電子メールを通信するための電子メール・クライアント・アプリケーションを含むことができる。その他のアプリケーションや設定では、QRコードを表示するための機能が提供される場合がある。ネイティブクライアントアプリケーションは、計画データ104A、QRコード等を受信するために計画システム102と通信するように構成されても良い。
【0074】
単一の計画システム102及び単一の計画クライアント装置103のみが、コンピュータネットワーク100に示されているが、任意の単一の計画システム102が、複数のユーザ等の複数のそれぞれの計画クライアント装置の各計画クライアント装置103と通信できることを理解されたい。また、それぞれの計画システム102の複数のインスタンスが、CAS計画データ処理システム108と通信することができることも理解されよう。更に、計画クライアント装置103の個々のインスタンスは、例えば、人工インプラントの異なる提供者と協働するために、2つ以上のそれぞれの計画システム102と通信するように構成されても良い。それぞれの計画クライアント装置103は、例えば、それぞれの計画システム102との計画を可能にするために、それぞれの計画クライアントアプリケーションを介して構成されても良い。
【0075】
図1における破線の矢印は、符号化された手術データ116を、CAS計画データ処理システム108から計画システム102に、次いでモバイル装置118(中間装置または中間モバイル装置)に配送し、次いで、OR114においてOR内CASシステム112に光学的に通信するための通信の流れを示す。モバイル装置118は、計画システム102からの通信を受信するために、OR114に存在する必要はないことが理解される。
【0076】
図3A~3Dは、一例による、図1のコンピュータネットワークのコンピュータ装置の構成要素102,108,118及び112のそれぞれの動作300,320,330及び340のフローチャートである。図3A及び動作300に関して、ステップ302において、計画システム102は患者の識別データを含む患者データを受信し、記憶する。患者データは、1つ以上の方式からの患者の解剖学的構造の画像を含むことがある。ステップ304において、計画システム102は(例えば、そのアプリケーションを介して)計画クライアント装置103のクライアント側アプリケーションと対話して、処置を計画し、計画データ104Aを定義し、記憶する。対話はユーザ入力を受け取り、ユーザ入力に応答する計画データを定義することを含んでも良い。上述したように、計画データ104Aは、臨床のターゲット、画像データ、患者の解剖学的構造の3次元モデル、解剖学的測定値、インプラントの視覚化、インプラント作成/モデル、運動範囲のシミュレーションなどを含むことができる。股関節手術における臨床のターゲットは、カップの傾斜/前傾、大腿骨インプラントのバージョン、股関節中心の位置、所望の脚の長さ/オフセットを含み得る。他の外科手術では、ターゲットが関節窩インプラント角度(肩)、および椎弓根スクリュー軌道(脊柱)を含み得る。股関節手術における解剖学的測定値には、ネイティブの股関節傾斜/前捻、ネイティブの大腿骨バージョン、最初の脚の長さ/オフセット、及び矢状骨盤可動性を含み得る。これら及び他のことは当業者には明らかであろう。
【0077】
306において、患者の識別データを含まない計画データ104Aが、CAS計画データ処理システム108に通信される。計画システム102は任意の識別データの識別が解除されるように、CAS計画データ処理システム108に送信された記録、画像等から、任意の適用可能なメタデータを含むデータを除去するように(例えば、アプリケーションを介して)構成されても良い。計画システム102は、送信されたデータが適用可能なプライバシー法律および規則に準拠するように、識別しない個人健康データのみを送信するように構成される。例えば、米国に関しては、伝達された計画データ104Aが1996年医療保険携帯・説明責任法(「HIPAA」)、Pub.L.104-191、及び、その下での規則および規制の下での同じもの使用または開示に制限がない場合には、識別が解除された健康情報である。計画データ104Aは、再識別のための固有の識別番号、特性またはコード(以下「再識別情報」という)を含むこともある。
【0078】
308において、QRコードの形式のように、少なくとも一部の手術データを得るための符号化された手術データ116及び検索データの少なくとも1つが受信される。符号化された手術データ116は、符号化された手術データの中で符号化されていない、又は、全ての手術データを受信することさえもされていない、CAS計画データ処理システム108から更なる手術データの検索に使用するために、CASシステム112のための検索データを含むか又はそれに関連付けられても良い。ARコードは手術データを符号化することができ、検索データは、それから分離することができる。QRコードは、検索データを符号化(記憶)するだけで良く、符号化された手術データは受信されなくても良い。
【0079】
符号化された手術データ116及び検索データの少なくとも1つは、計画データ記憶装置110等に記憶される。提供された任意の再識別情報は、計画システム102による計画データ104A及び/又は患者識別データと関連した記憶を促進するために、符号化された手術データ116及び検索データのうちの少なくとも1つの通信とともに返却される。本例では、符号化された手術データ116が患者のための識別情報なしに、患者のための外科的処置のための計画データを符号化することが理解されるのであろう。
【0080】
310において、符号化された手術データ116及び検索データのうちの少なくとも1つが、モバイル装置118に通信される。通信は、電子メール(例えば、122)又は他の形態であっても良い。この通信は、典型的にはORにおけるCAS処置中に患者を確認するために使用するが、患者の識別データをCASシステム112に提供することのない患者識別データを含む。モバイル装置118は、符号化された手術データ116及び検索データのうちの少なくとも1つをOR内CASシステム112に配送するための中間(モバイル)装置として動作する。OR内CASシステム112は、例えば、処置を継続するために患者が識別されたことを確認する入力を促すように、ワークフローを用いて構成されても良い。符号化された手術データから別個に受信された場合、任意の検索データは、OR内CASシステム112への配送のためにモバイル装置に通信されても良い。
【0081】
図3B及びCAS計画データ処理システム108の動作320に関して、ステップ322において、患者の識別データを含まない計画データ104Aが受信される。通信は、再識別情報を含む。324において、計画データ104Aが、手術データ110を定義し、記憶するために処理される。更なる詳細は、図4Aを参照して記載される。326において、動作は、手術データの少なくとも最小限の基部(最小限のサブセット)を符号化して、符号化された手術データ116を生成する。最小限の基部は少なくとも、CAS処置の実施を促進するために、OR内CASシステム112の動作を可能にする手術データの最小限の量である。符号化されていない残りの手術データは、更なる手術データを定義する。更なる詳細は、図4Bを参照して記載される。
【0082】
検索データ(例えば、固有の識別番号、特性またはコード)を生成し、符号化された手術データ116と通信して、OR内CASシステム112によってCAS計画データ処理システム108から更なる手術データを入手することを促進することができる。検索データは、ウェブ技術等を使用するネットワークアドレス/URL等を含むことができる。検索データを符号化された手術データと通信するために、符号化された手術データの一部として検索データを符号化すること、又は、それを別個のデータの項目として含むことができる。また、検索データは、符号化された手術データから導き出すことができるので、それ自体が通信される必要はないことも理解される。例えば、手術データが患者のセットにおいて固有である場合、符号化されたデータのハッシュ(それ自体が符号化されたデータでない場合)をOR内CASシステム112による検索データとして使用し、それをCAS計画データ処理システム108に提供して更なるデータを要求することができる。別の例では、検索データは送信されるだけで良く、符号化された手術データは送信されなくても良い。検索データは、手術データのいずれか及び全てを検索するのに有用である可能性がある。検索データ(何の手術データも含まない)はQRコードで符号化されても良い。
【0083】
CAS計画データ処理システム108からの符号化された手術データ116及び検索データの少なくとも1つの通信、および、CAS計画データ処理システム108への通信(例えば、計画データ)は、任意の必要とされる及び/又は所望のセキュリティ対策に従って実行され得る。暗号化を利用することができる。
【0084】
328の動作においては、更なる通信のために、符号化された手術データ116及び検索データの少なくとも1つを計画システム102に通信する。検索データは、任意に言及されている理由により通信される-そのようなデータが、全ての手術データが符号化されている、検索データが手術データの項目の一部として符号化されている、又は検索データが手術データ/符号化された手術データから導き出せるため、通信する必要がないかもしれない。通信は、計画システム102が符号化された手術データ116及び検索データの少なくとも1つを適切に記憶できるように、受信された任意の再識別情報に関連付けられる。
【0085】
図3C及びモバイル装置118の動作330に関して、ステップ332において、符号化された手術データ116が、例えば、電子メールを含む通信において受信される。計画システム102からモバイル装置118への(及びその逆の)通信は、任意の必要な、及び/又は、所望のセキュリティ対策に従って実行され得る。暗号化を使用することができる。通信は、CAS計画データ処理システム108からのものであっても良く、また、任意の必要な、及び/又は、所望のセキュリティ対策に従って実行されても良い。
【0086】
計画システム102から受信されると、電子メールは、典型的には患者の身元を確認するための患者の識別情報を含み、符号化された手術データ116及び検索データのうちの少なくとも1つが正しい患者のためのものであることを保証する。モバイル装置は、第1のエンティティのメンバー(例えば、従業員または請負業者)によって操作される。そのようなエンティティは、多くの場合、人工インプラントの供給者としての手術の実施、および/または、処置のための手術ツールにさらに関連する。エンティティのメンバーは、通常、OR内に存在する。そのメンバーは、患者識別データと、符号化された手術データ及び検索データのうちの少なくとも1つとを、メンバーのモバイル装置に受信することができる。メンバー(病院スタッフ等)は、患者の身元を確認することができる。モバイル装置は、符号化された手術データ116及び検索データのうちの少なくとも1つを光学的に転送するために、QRコードをOR内CASシステム112(例えば、カメラ126)に表示するように動作され得る。別の例では、QRコード(符号化された手術データ116)が、計画システム102及び/又はユーザ120から(例えば、紙に)印刷された文書を介して通信される。このようにして、CAS計画データ処理システム108もOR内CASシステム112も、患者の識別データを受信しない。
【0087】
図3D及びOR内CASシステム112の動作340に関して、ステップ342において、符号化された手術データ116及び検索データのうちの少なくとも1つが受信される。その正確性は、チェックサム、ハッシュ、固有の識別子等を通じて検証される可能性がある。チェックサム、ハッシュ、固有の識別子等が、OR内CASシステムに通信されるデータ中に符号化されても良い。これらチェックサム、ハッシュ、固有の識別子等は、計画レポート(例えば、ARコードとの別の、又は、同じ通信)を用いて、モバイル装置118等に通信することができる。このデータは、検証するためにクロスチェックされても良い。344において、手術データ110Aの少なくともいくつかは、コンピュータ支援手術の処置の実施を促進するために使用される。図4Cを参照して更に詳細に説明する。
【0088】
上述のように、OR内CASシステム112は、例えば、手術データの実施を可能にするために、患者が識別されたことを確認する入力を促すワークフローを用いて構成されても良い。患者の正しさ及び患者のデータの確認は、モバイル装置118(ただし、OR内CASシステム112ではない)に通信された患者の識別データと、患者に結合された情報を含む、チャート、タグ及びOR内の他の記録における患者の識別データとの比較によって実施され得る。
【0089】
更に、OR内CASシステム112において受信され、復号された手術データは、やはりモバイル装置118において受信された計画データまたは手術データのコピーと比較され得る。
【0090】
図4A~4Cは、一例に従った、図3B,3Dの動作のフローチャートである。図4Aは、計画データを処理する動作324の例を提供する。計画データを処理することは、計画データにおいて処置の期待されるデータが受信される(又は、少なくとも最小限のデータが存在する)ことを確実にするために様々な完全性チェックを実行すること(400)と、ターゲットを確認するためにデータの正確性の確認を実行すること(例えば、計画中に実行される可能性が高いが、1つ以上の臨床モデルに対して)(402)と、データ変換を実行すること(例えば、あるデータフォーマット又はタイプから、OR内CASシステム112によって使用されるフォーマット又はタイプへ)(404)と等のうちの任意の1つ以上を含み得る。これは、座標系間でのデータ転送を含むことができる。データの処理は、計画システム及びその構成に応じて変化することができ、これは、計画エンティティ/第3者計画ベンダ(計画システムのソース)に関連させることができる。示される順序は異なっていても良い。例えば、データ変換が先に実行されても良い。
【0091】
図4B及び動作326に関して、ステップ410において、CAS計画データ処理システム108は、計画データ及び/又は手術データに対してスマート圧縮を実行する。スマート圧縮は、以下の手法のうちの1つ又は複数を含むことができるが、これらに限定されない。
【0092】
- 重要ではないデータ除去(例えば、解剖学的構造の一部の非手術側を除去するためなど、計画の実行に関連しないモデルの部分を表すデータ、または、可視もしくはアクセス可能でない解剖学的特徴(例えば、骨盤の内側に面する側)を表すデータを除去すること)。
【0093】
- データの一般化(例えば、モデルを予め定義された座標系、股関節中心の周りの中心に変換すること)。
【0094】
- データ精度を低下させること(例えば、データを-2048~2047の範囲に縮小(scale)し、各浮動小数点(4バイト)数を12ビット(1.5バイト)の整数に変換し、より高い精度の倍率(scaling factor)を記憶すること)。
【0095】
- 表面を記憶するために、一般的なモデルを使用すること(例えば、関節運動する寛骨臼表面を球および境界として記憶すること、又は、統計的形状モデルを使用してモデルを表すこと)。
【0096】
- 標準な可逆圧縮(例えば、ジッピング(zipping))を実行すること。
【0097】
- OR内のコンピュータにデータのライブラリを保存し、適切なデータを見つけるために(符号化された)手術データにルックアップコードを提供すること。例えば、計画データは、患者の解剖学的構造の3次元モデルを含むことができる。OR内のコンピュータは、手術中に収集されたナビゲーションデータと3次元モデルとの間の位置合わせを実行するように構成され得る(例えば、反復最近接点(ICP)アルゴリズム等の表面マッチングアルゴリズムを使用して)。かかる位置合わせに使用される3次元モデルは、OR内のコンピュータ上のメモリ内で利用可能な静的またはパラメータ化可能な(パラメータに適合である)モデルのライブラリから選択されても良い。解剖学的地図帳(anatomical atlas)が、位置合わせに使用される3次元モデルがそこから導出されるように、OR内のコンピュータ上に実装されても良い。CAS計画データ処理システム108は、計画データを処理して手術データとして使用されるルックアップコード及び/又はパラメータを生成し、OR内CASシステム112が登録に使用される3次元モデルを検索および/または生成することを可能にすることができる。
【0098】
- 或いは、OR内CASシステム112においてパラメータ化された解剖学的モデルを利用可能にし、手術データ116を介してパラメータを提供すること。この場合、CAS計画データ処理システム108は、パラメータ化された解剖学的モデルに対応するパラメータを計算することにより計画データを処理し、これらのパラメータを手術データの一部として提供することができる。パラメータ化された解剖学的モデルは、統計的形状モデル又は任意の他のパラメータ化可能なモデルであっても良い。
【0099】
- 3次元モデル及びターゲットを含む計画データを処理し、ターゲットのデータに基づいて、例えば、上記の手法のいずれかを使用して3次元モデルを圧縮すること。例えば、スマート圧縮の手法は、臨床のターゲット(計画データ)と既知の空間的関係を有する3次元モデルの領域(計画データ)を識別することができる。識別された領域は、それらの完全な忠実度で保存されても良く、一方、3次元モデル内の他の領域は(例えば、精度を制限すること、パラメータ化すること、より疎らにすること又はデータを省略することによって)圧縮されても良い。
【0100】
スマート圧縮を介して、計画データは手術データが符号化された手術データによって完全に表される点まで圧縮され得る(例えば、QRコードは、位置合わせのための3次元モデルを生成するためのデータを含む、必要とされる手術データの全てを提供し得る)。これは、OR内CASシステム112のネットワークの接続性が、手術データを検索するために必要とされず、これによって、サイバーセキュリティリスクを軽減するので、有利である。
【0101】
スマート圧縮処理は、計画データ、手術データ又はその両方に対して実行され得ることが理解されるのであろう。即ち手術データを定義するための計画データの処理は、スマート圧縮の手法を利用しても良い。明るい線の区別は、関連性がない場合がある。従って、CAS計画データ処理システム108は、計画データを処理し、手術データを符号化し、又は、計画データの処理およびスマート圧縮の実行を両方行うことによって、手術データを符号化し、符号化される手術データの量を低減することができる。
【0102】
412において、動作は、通信のための手術データを、例えば、少なくとも1つのQRコードに符号化する。QRコードに符号化されたデータは、ハッシュ又はチェックサム等を認証データとして含み、復号されたときに、手術データ及び/又は計画データの正しさを検証することができる。それぞれのコンピュータ装置(生成装置および受信装置)によるそのような動作は、データ認証を実行することを含むことができる。ハッシュ又はチェックサムは、計画データと手術データとの一方または両方に関連する場合がある。即ち計画データを認証するための計画データのハッシュ、手術データを認証するための手術データハッシュ、及び/又は、計画データと手術データとの両方の組み合わせのハッシュが存在する可能性がある。
【0103】
上述したように、動作は、手術データの少なくとも最小限の基部(最小限のサブセット)を符号化して、符号化された手術データ116を生成する。最小限の基部は、少なくとも、処置の実施を促進するためのOR内CASシステム112の動作を可能にする、手術データの最小限の量である。符号化されていない残りの手術データは、更なる手術データを定義する。例えば、股関節関連の処置において手術中に有用である手術データの最小限の基部は、手術のターゲット(例えば、カップ傾斜、前傾、所望の脚の長さの数(desired leg length numbers))を含むことができる。この例では、OR内CASシステムが、手術を受けている患者に関連付けられることが確認された手術のターゲットを処置することができる。この例の情報を符号化するのに必要なデータの量は、QRコード上に符号化するのには十分に小さい。検索データ(例えば、固有の識別番号、特性またはコード)は、を生成され符号化された手術データ116と通信されて、OR内CASシステム112によるCASシステム108からの更なる手術データを取得を促進することができる。検索データは、符号化された手術データ116の一部として符号化されるか、又は、別個のデータの項目として含まれても良い。
【0104】
別の例では説明されているが、図示されていないように、手術データはQRコードに符号化されないが、検索データはそのように符号化される。
【0105】
本例では、符号化された手術データ116、任意の再識別情報および任意の検索データ(符号化された手術データ116に含まれるか、又は別個のデータの項目としての)は、OR内CASシステム112に配送するために計画システム102に通信される。配送は、モバイル装置118等の中間(モバイル)装置を介して行うことができる。
【0106】
図4C及び動作344に関して、420において、OR内CASシステム112は、符号化された手術データ116を復号する。データは、データ認証を実行することによって認証されても良い。復号されたデータは、CAS処置の実施を促進するために、OR内CASシステム112内のワークフロー、GUI等によって使用可能である。適用可能な場合(例えば、更なる手術データがデータ記憶装置110に記憶され、OR内CASシステム112がデータ接続を有する場合)、検索コードが受信または派生可能な場合、422において、OR内CASシステム112はCAS計画データ処理システム108に通信して、更なる手術データを受信することができる。
【0107】
別の例では説明されているが図示されていないように、手術データはQRコードに符号化されないが、検索データはそのように符号化され、そのような検索データがCAS計画データ処理システム108から手術データを検索するために使用される。
【0108】
更なる例
上記の例は、CAS計画データ処理システム108及びOR内CASシステム112が患者の識別情報を受信することを回避するために、患者の識別情報の転送を最小限に抑えることを記載しているが、コンピュータネットワークの構成要素が、その使用および記憶のために、患者の識別情報をCAS計画データ処理システム108に通信するように構成され得ることが理解される。CAS計画データ処理システム108は、患者の識別情報が符号化された手術データに符号化されるように、患者の識別情報を手術データとして処理することができる。患者の識別情報は、計画システム102及びモバイル装置118を介して、OR内CASシステム112に提供され得る。
【0109】
(例えば、手術データを符号化するか、検索データまたは両方を符号化するかした)QRコードを提供する電子メールは、CAS計画データ処理システム108から送信する(originate)ことができる。
【0110】
計画データの参照(例えば、番号)は、計画システム102からの計画データの一部として生成され、含まれても良い。その後、その参照の番号は(符号化された)手術データとして含まれる。手術室では、第三者(例えば、ユーザ120)は、参照の番号を含む「計画レポート」(例えば、モバイル装置118を介して、又は、さもなければ計画システム102から)へのアクセスが可能とされる。計画レポートからの計画データの参照と、手術データから受信および復号された計画データとは、手術データを認証するためにクロスチェックされても良い(例えば、OR内CASシステム112によって正しい手術データが受信されたことを検証すること)。参照の番号そのものではなく、計画データのハッシュを使用しても良い。計画システム102は、計画レポートと共に、又は、計画レポートに関連付けられた、モバイル装置118等のハッシュを生成し、提供することができる。CAS計画データ処理システム108は、ハッシュを受信し、それを計画データと照合しても良い。そのハッシュは、手術データ内で符号化され、最終的にOR内CASシステム112に通信されても良い。2つのハッシュは、病院スタッフ等によって検証することができる。例えば、ハッシュは、検証のためにそれぞれの表示画面および/またはプリントアウト等で提示されても良い。そのような検証等は、符号化された手術データ及び/又は検索データが、計画システム102又はCAS計画データ処理システム108からモバイル装置118に(例えば、電子メールとして)提供されるかどうかにかかわらず、採用され得る。符号化または他の手法による生成および処理された検証のための参照番号またはハッシュデータは、データ認証を実行する例であり、それぞれのステップは、本明細書のいずれかのコンピュータ装置で実行されても良い。データ認証は、計画データ、手術データ又はこれらの両方を認証するように構成しても良いことが理解される。
【0111】
QRコードを利用することは、例えば、装置が互いに接続され、信号が装置間で送信される通信ネットワークを使用することなく、(例えば、モバイル装置118から)OR内CASシステム112への通信を可能にし得ることが理解されるのであろう。しかしながら、符号化された手術データ又は検索データは、通信ネットワークを使用してOR内CASシステム112に通信することができる。例えば、これに限定されないが、ネットワークはローカルネットワークであっても良い。ローカルネットワークは、OR内CASシステム112とモバイル装置118との間に確立され得る。
【0112】
ローカルネットワークは、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、ZigBee(登録商標)ネットワーク、近距離通信(NFC)ネットワーク、Wi-Fi(登録商標)ホットスポット、またはその他の短距離ワイヤレスネットワークのいずれかである。Bluetooth は、Bluetooth SIGの商標である。ZigBeeはZigBee Allianceの商標である。時には、短距離ネットワークがパーソナルエリアネットワーク(PAN)、無線アドホックネットワーク、ニアミーエリアネットワーク(NAN)などと呼ばれる。
【0113】
無線ネットワークの代替は、オーディオ信号およびインターフェースの使用である。即ちデータは変調/復調の形態を使用し、オーディオケーブルが挿入可能なオーディオジャック(オーディオポート)を介して、それを受信するように構成された受信装置に送信(通信)され得る。
【0114】
CAS計画データ処理システム108は、例えば、モバイル装置118等の中間(モバイル)装置を必要とせずに、通信ネットワークを介して、符号化された手術データ及び/又は検索データ等のデータを、OR内CASシステム112に提供することができることも理解されよう。
【0115】
一態様では、CAS計画データ処理システム108が安全なファイルホスティングサービスを提供するか、又は、データを外部の安全なファイルホスティングサービスと、ファイルホスティングサービスを利用してデータを検索(例えば、ダウンロード)するための適用可能な情報が提供されたOR内CASシステム112とに通信することができる。例えば、ファイルホスティングサービスを利用するための適用可能な情報は、OR内CASシステム112に手動で入力することができる。もちろん、このような適用可能な情報はQRコードに符号化され、QRコードを介して受信される検索データ、又は他の手法、例えば、モバイル装置118、プリントアウト等であっても良く、OR内CASシステム112がファイルホスティングサービスを利用して符号化された手術データを得ることを可能にする。1つの方式では、CAS計画データ処理システム108がクラウドサービスとして使用可能にされ、OR内CASシステム112は、データを取得するためにそれと通信することができる。他の方式は、当業者には明らかであろう。
【0116】
更なる例からの態様は、たとえ冗長であっても、論理的に可能な場合、先の例の1つ以上の態様と組み合わせることができることを理解されたい。
【0117】
コンピュータ装置の態様に加えて、一般的な当業者は、コンピュータプログラム製品の態様が開示され、その命令が非一時的な記憶装置(例えば、メモリ、CD-ROM、DVD-ROM、ディスク等)に記憶されて、本明細書に記載および/または図示されている手法の態様のいずれかを実行するようにコンピュータ装置を構成することが理解できるであろう。
【0118】
実際の実施は、本明細書に記載された特徴のいずれか又は全てを含むことができる。これら及び他の態様、特徴および様々な組み合わせは、本明細書で説明される特徴を組み合わせる、機能、プログラム製品を実行するための方法、装置、システム、手段として、及び、他の方法で表現され得る。多数の実施形態が記載されている。それにもかかわらず、本明細書で説明されるプロセス及び技法の意図(spirit)および範囲から逸脱することなく、様々な修正を行うことができることが理解されるのであろう。加えて、記載されたプロセスから、他のステップが提供されても良く、又は、ステップが排除されても良く、記載されたシステムに他の構成要素が追加されても良く、又は、記載されたシステムから他の構成要素が除去されても良い。結果的に、他の態様は特許請求の範囲の範囲内にある。
【0119】
本明細書の説明および特許請求の範囲全体にわたって、「備える」及び「含む」という語およびそれらの変形は「含むがこれに限定されない」ことを意味し、他の構成要素、整数またはステップを排除することを意図しない(及び排除しない)。本明細書全体を通して、単数形は文脈が沿わないことを要求しない限り、複数形を包含する。特に、不定冠詞が使用される場合は本明細書がその状況が他のことを要求していない限り、単数だけでなく複数も意図していると理解されたい。
【0120】
本発明の特定の局面、実施形態または例に関連して記載される特徴、整数特性、化合物、化学の成分または基は、それらと適合しない限り、任意の他の局面、実施形態または例に適用可能であると理解されるべきである。本明細書に開示される特徴(任意の添付の特許請求の範囲、要約書、および図面を含む)の全て、および/またはそのように開示される任意の方法またはプロセスのステップの全ては、そのような特徴および/またはステップの少なくともいくつかが、相互に排他的である組合せを除いて、任意の組合せで組み合わせることができる。本発明は、前述の例または実施形態の詳細に限定されない。本発明は、本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書および図面を含む)に開示された特徴の任意の新規な1つ若しくは任意の新規な組み合わせ、又は、開示された任意の方法又はプロセスのステップの任意の新規な1つ、又は、任意の新規な組み合わせに及ぶ。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】