(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-11
(54)【発明の名称】ブレイアコニチンAのD結晶形及びその製造方法と使用
(51)【国際特許分類】
C07D 221/22 20060101AFI20220428BHJP
A61K 31/439 20060101ALI20220428BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20220428BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20220428BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20220428BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20220428BHJP
【FI】
C07D221/22 CSP
A61K31/439
A61P19/02
A61P21/00
A61P25/04
A61P29/00
A61P29/00 101
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021555027
(86)(22)【出願日】2020-02-21
(85)【翻訳文提出日】2021-09-10
(86)【国際出願番号】 CN2020076155
(87)【国際公開番号】W WO2020186961
(87)【国際公開日】2020-09-24
(31)【優先権主張番号】201910198109.3
(32)【優先日】2019-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521209731
【氏名又は名称】ユンナン ハオピィ ファーマシューティカルズ エルティーディー
【氏名又は名称原語表記】YUNNAN HAOPY PHARMACEUTICALS LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウー,チョンフェン
(72)【発明者】
【氏名】リ,ビアオ
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086AA04
4C086BC27
4C086GA15
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA08
4C086ZA94
4C086ZA96
4C086ZB11
4C086ZB15
(57)【要約】
本発明は、ブレイアコニチンAのD結晶形及びブレイアコニチンAのD結晶形の製造方法を開示する。Cu-Kα線で測定された本発明に係る結晶形のX線粉末回折パターンは、
図1に示される。ブレイアコニチンAのD結晶形は、イソプロパノール、アニソール、1,4-ジオキサン又はトルエンを良溶媒として、n-ヘプタンを貧溶媒として、貧溶媒法により得られる。その製造プロセスが簡単であり、かつ、得られた結晶形は、高純度であり、XRD、DSC、TGA、
1HNMRにより特徴づけしてD結晶形であると同定される。得られたブレイアコニチンAの結晶体は、安定性試験より、この結晶が光、湿気、熱に対して良好な安定性を有することを示している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線粉末回折パターンは、2θ値が7.3±0.2、9.3±0.2、11.8±0.2、12.3±0.2、13.8±0.2、14.5±0.2、15.7±0.2、18.7±0.2、21.8±0.2、22.9±0.2、29.8±0.2に明らかに特徴的な吸収ピークを有すること、を特徴とするブレイアコニチンAのD結晶形。
【請求項2】
熱重量分析曲線は、150℃まで加熱すると、重量が1.2%減少する、ことを特徴とする請求項1に記載の結晶形。
【請求項3】
示差走査熱量曲線は、170~175℃に吸熱ピークを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の結晶形。
【請求項4】
核磁気共鳴スペクトルが
図3に示される、ことを特徴とする請求項1に記載の結晶形。
【請求項5】
ブレイアコニチンAのサンプルに良溶媒を加え、撹拌して溶解させ、撹拌中に貧溶媒を加え、静置又は冷却後、固体を沈殿させ、遠心分離して固体を分離するブレイアコニチンAのD結晶形の製造方法において、
前記良溶媒がイソプロパノール、アニソール、1,4-ジオキサン、又はトルエンであり、前記貧溶媒がn-ヘプタンである、ことを特徴とする請求項1に記載のブレイアコニチンAのD結晶形の製造方法。
【請求項6】
前記貧溶媒添加時の撹拌速度が250r/min以上である、ことを特徴とする請求項5に記載のブレイアコニチンAのD結晶形の製造方法。
【請求項7】
前記の良溶媒と貧溶媒との体積比が10:1~1:10である、ことを特徴とする請求項5に記載のブレイアコニチンAのD結晶形の製造方法。
【請求項8】
冷却は、室温から-20℃まで、又はその間の任意の温度に下げる、ことを特徴とする請求項5に記載のブレイアコニチンAのD結晶形の製造方法。
【請求項9】
関節リウマチ(RA)、変形性関節症、筋線維膜炎、首・肩の痛み、腰痛・下肢痛、又は癌性疼痛を予防及び/又は治療するための医薬品の製造における請求項1に記載のブレイアコニチンAのD結晶形の使用。
【発明の詳細な説明】
【相互参照】
【0001】
本願は、2019年3月15日に、中国特許庁に出願された出願番号が201910198109.3、発明名称が「ブレイアコニチンAのD結晶形及びその製造方法と使用」である中国特許出願に基づく優先権を主張し、その全内容は援用により本願に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、医薬品化学の分野に関し、具体的には、ブレイアコニチンAのD結晶形及びその製造方法と使用に関する。
【背景技術】
【0003】
ブレイアコニチンAは、化学名が(1α,6α,14α,16β)テトラヒドロ-8,13,14-トリオール-20-エチル-1,6,16-トリメトキシ-4-メトキシメチル-8-アセトキシ-14-(4’-p-メトキシベンジル)-アコニチンであり、キンポウゲ科のトリカブト属の植物であるトリカブト(Aconitum georgei Comber)の根塊茎から抽出・単離されたジテルペンジエステルアルカロイドであり、クラッシカウリンA(Crassicauline A)と名付けられ、その後、ブレイアコニチンA(Bulleyaconitine A、T2)と改名され、植物種の既知の天然化合物であり、その構造式は次のとおりである。
【0004】
【0005】
現在、ブレイアコニチンAの製剤は、関節リウマチ(RA)、変形性関節症、筋線維膜炎、首・肩の痛み、腰痛・下肢痛、癌性疼痛、及びさまざまな理由による慢性疼痛の治療に臨床的に広く用いられている。
【0006】
医薬品の結晶多形は、創薬開発における一般的な現象であり、薬剤の品質に影響を及ぼす重要な要因である。結晶形の異なる同一の医薬品は、外観、溶解度、融点、溶解度、やバイオアベイラビリティなどの面で違いがあり、ひいては大きな違いがある場合もあり、そのため、医薬品の安定性、生体的利用能や治療効果などに影響を及ぼすことがある。さらに、医薬品の結晶形は、医薬品の薬用製剤の品質、人体における吸収挙動にも影響を及ぼし、そして最終的には該製剤が人体における該製剤の治療効果と副作用との利益率に影響を及ぼす。ブレイアコニチンAの研究の進みとともに、ブレイアコニチンAの結晶形、物理化学的特性などに関する研究が、ブレイアコニチンAの薬効、品質、安全性の評価にとって重要な意味がある。出願番号201710423005.9の中国特許には、ブレイアコニチンAをC1-4の有機溶剤で溶解して得られたブレイアコニチンAの溶液を、水に撹拌しながら滴下し、滴下終了後、吸引ろ過し、フィルターケーキを乾燥することにより製造されるアモルファスブレイアコニチンA、が開示されている。現在、結晶性ブレイアコニチンAに関する報告はまだない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記事情に鑑みて、本発明は、ブレイアコニチンAの新たな結晶形及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、結晶学的手法によって、ブレイアコニチンAの結晶形態としてのD結晶形を研究し、発見し、提供することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、国際的に認められたX線粉末回折法(XRPD)を使用し、ブレイアコニチンAの結晶形態の研究及び特徴づけを行う。測定条件及び方法は、Cu/K-alpha1(ターゲット)、45KV~40mA(動作電圧及び電流)、2θ=3~40(スキャン範囲)、ステップあたりのスキャンタイム(s):17.8~46.7、スキャンステップサイズ(2θ):0.0167~0.0263、λ=1.54Aである。
【0010】
本発明で提供される実質的に純粋なD結晶形は、そのX線粉末回折パターンが
図1に示され、そのX線粉末回折パターンは、2θ値が7.3±0.2、9.3±0.2、11.8±0.2、12.3±0.2、13.8±0.2、14.5±0.2、15.7±0.2、18.7±0.2、21.8±0.2、22.9±0.2、29.8±0.2に明らかな特徴的な吸収ピークを有する。
【0011】
さらに、本発明は、熱重量分析法を使用してブレイアコニチンAのD結晶形の研究及び特徴付けを行う。検出条件は、室温から始まり、昇温勾配:10℃/分の速度で400℃まで加熱し、保護ガスを窒素とする。
【0012】
本発明で提供される実質的に純粋なブレイアコニチンAのD結晶形は、その熱重量分析曲線が
図2に示され、150℃まで昇温すると、サンプルの重量が1.2%減少するという特徴を有する。
【0013】
本発明は、示差走査熱量測定を使用してブレイアコニチンAのD結晶形の研究及び特徴付けを行う。検出方法は、25℃から始まり、昇温勾配:10℃/minの速度で、280℃まで加熱し、保護ガスが窒素である。
【0014】
本発明で提供される実質的に純粋なブレイアコニチンAのD結晶形は、その示差走査熱量曲線が
図2に示され、170~175℃に吸熱ピークを有するという特徴を有する。
【0015】
なお、上記の結晶形のX線粉末回折パターンは、一つのマシンと別のマシンの間、及び、一つのサンプルと別のサンプルの間にある、X線粉末回折パターンの特徴的なピークが若干に変化する可能性があり、その値が約1単位、約0.8単位、約0.5単位、約0.3単位、または約0.1単位で異なる場合があるため、示される値が絶対値と見なされない。同様には、上記の結晶形の示差走査熱量分析曲線に示される値は絶対的なものと見なすこともできない。
【0016】
結晶形は、当技術分野で周知的な他の分析手段で特徴付けることもできる。例えば、核磁気共鳴スペクトル(1HNMR)が挙げられる。
【0017】
本発明で提供される実質的に純粋なブレイアコニチンAのD結晶形は、その核磁気共鳴スペクトルが
図3に示される。
【0018】
さらに、本発明は、高純度で残留溶媒を含まないブレイアコニチンAのD結晶形の製造方法を提供する。
【0019】
本発明で提供される前記ブレイアコニチンAのD結晶形の製造方法は、ブレイアコニチンAのサンプルに良溶媒を加え、撹拌して溶解させ、撹拌中に貧溶媒を加え、静置又は冷却後、固体を沈殿させ、遠心分離より固体を分離する。ここで、前記良溶媒がイソプロパノール、アニソール、1,4-ジオキサン、又はトルエンであり、前記貧溶媒がn-ヘプタンである。
【0020】
好ましくは、前記貧溶媒添加時、撹拌速度が250r/min以上である。
【0021】
好ましくは、前記の良溶媒と貧溶媒との体積比が10:1~1:10である。
【0022】
好ましくは、前記冷却は、室温から-20℃まで、又はその間の任意の温度に下げる。
【0023】
本発明に係るブレイアコニチンAのD結晶形製造方法により得られた結晶形は、含有量が99%を超え、高純度であり、X線粉末回折パターンの特性とDSC特性パターンが合致し、安定な特性、光、湿気、熱に対する良好な安定性を有する。
【0024】
さらに、本発明は、関節リウマチ(RA)、変形性関節症、筋線維膜炎、首・肩の痛み、腰痛・下肢痛、又は癌性疼痛を予防及び/又は治療するための医薬品の製造における前記ブレイアコニチンAのD結晶形の使用を提供する。
【発明の効果】
【0025】
上記の技術説明から分かるように、本発明は、ブレイアコニチンAのD結晶形及びブレイアコニチンAのD結晶形の製造方法を開示する。Cu-Kα線で測定された本発明に係る結晶形のX線粉末回折パターンは、
図1に示す。ブレイアコニチンAのD結晶形は、イソプロパノール、アニソール、1,4-ジオキサン又はトルエンを良溶媒として、n-ヘプタンを貧溶媒として、貧溶媒法より得られる。その製造プロセスが簡単であり、かつ、得られた結晶形は、高純度であり、XRD、DSC、TGA、
1HNMRにより特徴づけしてD結晶形であると同定される。得られたブレイアコニチンAのD結晶形が無水結晶形である。安定性試験の結果は、この結晶が光、湿気、熱に対して良好な安定性を有することを示している。
【図面の簡単な説明】
【0026】
以下、本発明の実施形態または先行技術における技術説明をより明確に説明するために、実施例又は先行技術の説明において使用される必要がある図面を簡単に紹介する。
【
図2】
図2は結晶形DのTGA/DSC曲線である。
【
図3】
図3は結晶形Dの
1HNMRスペクトラムである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の技術説明を、本発明の実施例を合わせてより明確かつ全面に説明するが、記載された実施形態は、すべての実施形態ではなく、本発明の実施形態の一部にすぎないことが明らかである。当業者が本発明における実施形態に基づき、創造的な労働なしに得た他のすべての実施形態は、本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【0028】
以下、本発明をさらに理解するために、具体的な実施例を合わせて本発明を詳細に論述する。以下実施例では、特に断りがない限り、試験法が、一般的に、通常の条件または製造者に推奨する条件に従って実行される。
【0029】
測定パラメータ
XRPDパターンは、PANalytacal Empyrean及びX’Pert3粉末X線回折分析装置で収集し、スキャンパラメータを表1に示す。
【0030】
【0031】
熱重量分析(TGA)及び示差走査熱量測定(DSC)
【0032】
TGAとDSC図は、それぞれTAQ5000 TGA/TADiscovery TGA5500熱重量分析計及びTAQ2000 DSC/TADiscovery DSC2500示差走査熱量計で収集し、測定パラメータを表2に示す。
【0033】
【0034】
液体核磁気共鳴
液体核磁気共鳴スペクトルは、DMSO-d6を溶媒としてBruker 400M核磁気共鳴装置で収集した。
【実施例】
【0035】
実施例1:ブレイアコニチンAのD結晶形の製造及び同定
ビーカーに約150mgのブレイアコニチンAを量り、室温で5mlのイソプロパノールに溶かし、撹拌して溶解させ、回転速度が500r/minになったら、撹拌しながら5mlのn-ヘプタンを加え、n-ヘプタンを加えた後、室温で静置し、遠心分離により固体物を分離し、固体を取り出し、XRPD、TGA/DSC及び1HNMR測定を行った。
【0036】
XRPDの結果は、回折角(2θ角)が7.3±0.2、9.8±0.2、11.9±0.2、12.4±0.2、14.2±0.2、14.8±0.2、15.7±0.2、18.7±0.2、22.1±0.2、22.8±0.2、29.6±0.2で、明らかに特徴的な吸収ピークを有することを示した。TGA/DSC結果は、温度が150℃に上がると、重量が1.2%減少することを示し、DSC曲線は、171.9℃(開始温度)で鋭い吸熱ピークが現れることを示し、溶融に起因したものだろうと推定される。TGAの重量減少を合わせて考えると、DSC曲線での200℃以後で現れた熱シグナルがサンプルの分解に起因したものだろうと推定される。1HNMRの結果は、サンプルに明らかな溶媒の残留物がないことを示した。
結晶形D、無水形であると同定された。
【0037】
パターンは、それぞれ
図1がブレイアコニチンAのD結晶形のX線粉末回折パターンであり、
図2がブレイアコニチンAのD結晶形のTGA/DSC分析図であり、
図3がブレイアコニチンAのD結晶形の
1HNMRスペクトラムである。
【0038】
実施例2:ブレイアコニチンAのD結晶形の製造
ビーカーに約150mgのブレイアコニチンAを量り、室温で5mlのイソプロパノールに溶かし、撹拌して溶解させ、回転速度が250r/minになったら、撹拌しながら0.5mlのn-ヘプタンを加え、n-ヘプタンを加えた後、-20℃で静置し、遠心分離して固体を得、固体を取り出し、XRPD及びDSC測定を行った。XRPDが
図1の結果と一致した。DSCの吸熱ピークが170℃にあった。
【0039】
実施例3:ブレイアコニチンAのD結晶形の製造
ビーカーに約150mgのブレイアコニチンAを量り、室温で5mlのイソプロパノールに溶かし、撹拌して溶解させ、回転速度が750r/minになったら、撹拌しながら50mlのn-ヘプタンを加え、n-ヘプタンを加えた後、10℃で静置し、遠心分離して固体を得、固体を取り出し、XRPD及びDSC測定を行った。XRPDが
図1の結果と一致した。DSCの吸熱ピークが170.6℃にあった。
【0040】
実施例4:ブレイアコニチンAのD結晶形の製造
ビーカーに約150mgのブレイアコニチンAを量り、室温で5mlのイソプロパノールに溶かし、撹拌して溶解させ、回転速度が1000r/minになったら、撹拌しながら25mlのn-ヘプタンを加え、n-ヘプタンを加えた後、0℃下で静置し、遠心分離して固体を得、固体を取り出し、XRPD及びDSC測定を行った。XRPDが
図1の結果と一致した。DSCの吸熱ピークが175℃にあった。
【0041】
実施例5:ブレイアコニチンAのD結晶形の製造
ビーカーに約150mgのブレイアコニチンAを量り、室温で5mlのアニソールに溶かし、撹拌して溶解させ、回転速度が500r/minになったら、撹拌しながら15mlのn-ヘプタンを加え、n-ヘプタンを加えた後、室温で静置し、遠心分離して固体を得、固体を取り出し、XRPD及びDSC測定を行った。XRPDが
図1の結果と一致した。DSCの吸熱ピークが174.8℃にあった。
【0042】
実施例6:ブレイアコニチンAのD結晶形の製造
ビーカーに約150mgのブレイアコニチンAを量り、室温で5mlのアニソールに溶かし、撹拌して溶解させ、回転速度が250r/minになったら、撹拌しながらn-ヘプタン0.5mlを加え、n-ヘプタンを加えた後、-20℃で静置し、遠心分離して固体を得、固体を取り出し、XRPD及びDSC測定を行った。XRPDが
図1の結果と一致した。DSCの吸熱ピークが173.5℃にあった。
【0043】
実施例7:ブレイアコニチンAのD結晶形の製造
ビーカーに約150mgのブレイアコニチンAを量り、室温で5mlのアニソールに溶かし、撹拌して溶解させ、回転速度が750r/minになったら、撹拌しながら50mlのn-ヘプタンを加え、n-ヘプタンを加えた後、10℃で静置し、遠心分離して固体を得、固体を取り出し、XRPD及びDSC測定を行った。XRPDが
図1の結果と一致した。DSCの吸熱ピークが171.6℃にあった。
【0044】
実施例8:ブレイアコニチンAのD結晶形の製造
ビーカーに約150mgのブレイアコニチンAを量り、室温で5mlのアニソールに溶かし、撹拌して溶解させ、回転速度が1000r/minになったら、撹拌しながら25mlのn-ヘプタンを加え、n-ヘプタンを加えた後、0℃で静置し、遠心分離して固体を得、固体を取り出し、XRPD及びDSC測定を行った。XRPDが
図1の結果と一致した。DSCの吸熱ピークが172.4℃にあった。
【0045】
実施例9:ブレイアコニチンAのD結晶形の製造
ビーカーに約150mgのブレイアコニチンAを量り、室温で5mlの1,4-ジオキサンに溶かし、撹拌して溶解させ、回転速度が250r/minになったら、撹拌しながら0.5mlのn-ヘプタンを加え、n-ヘプタンを加えた後、-20℃で静置し、遠心分離して固体を得、固体を取り出し、XRPD及びDSC測定を行った。XRPDが
図1の結果と一致した。DSCの吸熱ピークが171.8℃にあった。
【0046】
実施例10:ブレイアコニチンAのD結晶形の製造
ビーカーに約150mgのブレイアコニチンAを量り、室温で5mlの1,4-ジオキサンに溶かし、撹拌して溶解させ、回転速度が250r/minになったら、撹拌しながら25mlのn-ヘプタンを加え、n-ヘプタンを加えた後、室温で静置し、遠心分離して固体を得、固体を取り出し、XRPD及びDSC測定を行った。XRPDが
図1の結果と一致した。DSCの吸熱ピークが172.6℃にあった。
【0047】
実施例11:ブレイアコニチンAのD結晶形の製造
ビーカーに約150mgのブレイアコニチンAを量り、室温で5mlの1,4-ジオキサンに溶かし、撹拌して溶解させ、回転速度が750r/minになったら、撹拌しながら50mlのn-ヘプタンを加え、n-ヘプタンを加えた後、10℃で静置し、遠心分離して固体を得、固体を取り出し、XRPD及びDSC測定を行った。XRPDが
図1の結果と一致した。DSCの吸熱ピークが173.4℃にあった。
【0048】
実施例12:ブレイアコニチンAのD結晶形の製造
ビーカーに約150mgのブレイアコニチンAを量り、室温で5mlの1,4-ジオキサンに溶かし、撹拌して溶解させ、回転速度が1000r/minになったら、撹拌しながら25mlのn-ヘプタンを加え、n-ヘプタンを加えた後、0℃で静置し、遠心分離して固体を得、固体を取り出し、XRPD及びDSC測定を行った。XRPDが
図1の結果と一致した。DSCの吸熱ピークが174.7℃にあった。
【0049】
実施例13:ブレイアコニチンAのD結晶形の製造
ビーカーに約150mgのブレイアコニチンAを量り、室温で5mlのトルエンに溶かし、撹拌して溶解させ、回転速度が250r/minになったら、撹拌しながら0.5mlのn-ヘプタンを加え、n-ヘプタンを加えた後、-20℃で静置し、遠心分離して固体を得、固体を取り出し、XRPD及びDSC測定を行った。XRPDが
図1の結果と一致した。DSCの吸熱ピークが175℃にあった。
【0050】
実施例14:ブレイアコニチンAのD結晶形の製造
ビーカーに約150mgのブレイアコニチンAを量り、室温で5mlのトルエンに溶かし、撹拌して溶解させ、回転速度が750r/minになったら、撹拌しながら35mlのn-ヘプタンを加え、n-ヘプタンを加えた後、室温で静置し、遠心分離して固体を得、固体を取り出し、XRPD及びDSC測定を行った。XRPDが
図1の結果と一致した。DSCの吸熱ピークが170.2℃にあった。
【0051】
実施例15:ブレイアコニチンAのD結晶形の製造
ビーカーに約150mgのブレイアコニチンAを量り、室温で5mlのトルエンに溶かし、撹拌して溶解させ、回転速度が750r/minになったら、撹拌しながら50mlのn-ヘプタンを加え、n-ヘプタンを加えた後、10℃下静置し、遠心分離して固体を得、固体を取り出し、XRPD及びDSC測定を行った。XRPDが
図1の結果と一致した。DSCの吸熱ピークが171.2℃にあった。
【0052】
実施例16:ブレイアコニチンAのD結晶形の製造
ビーカーに約150mgのブレイアコニチンAを量り、室温で5mlのトルエンに溶かし、撹拌して溶解させ、回転速度が1000r/minになったら、撹拌しながら25mlのn-ヘプタンを加え、n-ヘプタンを加えた後、0℃で静置し、遠心分離して固体を得、固体を取り出し、XRPD及びDSC測定を行った。XRPDが
図1の結果と一致した。DSCの吸熱ピークが173.8℃にあった。
【0053】
実施例17:ブレイアコニチンAのD結晶形的安定性の試験
結晶形Dの固形安定性を評価するために、適量のサンプルをそれぞれ取り、25℃/60%RH及び40℃/75%RHの条件下で、開放された状態で1週間及び1ヶ月静置し、また80℃の条件下で密閉された状態で24時間静置しておいた。静置後のサンプルをXRPD及びHPLC特徴付けし、結晶形の変化及び化学的純度を検出した。
【0054】
HPLC結果を表3に示す。結果は、選ばれた測定条件でサンプルの化学的純度が変化しなかったことを示している。XRPDの結果は、選ばれた測定条件でサンプルの結晶形が変化しなかったことを示している。
【0055】
【0056】
結論:結晶形Dは良好な物理的及び化学的安定性を有する。
【国際調査報告】