IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ワイエムアイアール・テクノロジーズ・イーエイチエフ.の特許一覧

特表2022-525141付加価値製品へのさらなる加工の前の有機材料の処理のための蒸気爆発機器および方法
<>
  • 特表-付加価値製品へのさらなる加工の前の有機材料の処理のための蒸気爆発機器および方法 図1
  • 特表-付加価値製品へのさらなる加工の前の有機材料の処理のための蒸気爆発機器および方法 図2
  • 特表-付加価値製品へのさらなる加工の前の有機材料の処理のための蒸気爆発機器および方法 図3
  • 特表-付加価値製品へのさらなる加工の前の有機材料の処理のための蒸気爆発機器および方法 図4
  • 特表-付加価値製品へのさらなる加工の前の有機材料の処理のための蒸気爆発機器および方法 図5
  • 特表-付加価値製品へのさらなる加工の前の有機材料の処理のための蒸気爆発機器および方法 図6
  • 特表-付加価値製品へのさらなる加工の前の有機材料の処理のための蒸気爆発機器および方法 図7
  • 特表-付加価値製品へのさらなる加工の前の有機材料の処理のための蒸気爆発機器および方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-11
(54)【発明の名称】付加価値製品へのさらなる加工の前の有機材料の処理のための蒸気爆発機器および方法
(51)【国際特許分類】
   B02C 19/18 20060101AFI20220428BHJP
   B01J 3/00 20060101ALI20220428BHJP
   B01J 3/02 20060101ALI20220428BHJP
   D21B 1/36 20060101ALI20220428BHJP
   C10L 5/44 20060101ALN20220428BHJP
【FI】
B02C19/18 E
B01J3/00 A
B01J3/02 C
D21B1/36
C10L5/44
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021555196
(86)(22)【出願日】2020-03-20
(85)【翻訳文提出日】2021-11-08
(86)【国際出願番号】 IS2020050009
(87)【国際公開番号】W WO2020188606
(87)【国際公開日】2020-09-24
(31)【優先権主張番号】050258
(32)【優先日】2019-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IS
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520088591
【氏名又は名称】ワイエムアイアール・テクノロジーズ・イーエイチエフ.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100172041
【弁理士】
【氏名又は名称】小畑 統照
(72)【発明者】
【氏名】インゴルフッソン,オデュール
(72)【発明者】
【氏名】マッティアソン,アスゲイル
(72)【発明者】
【氏名】インゴルフッソン,シグルデュル
【テーマコード(参考)】
4D067
4H015
4L055
【Fターム(参考)】
4D067CG06
4D067EE05
4D067EE32
4D067GA11
4D067GA20
4D067GB10
4H015AA12
4H015AB01
4H015BA01
4H015BA11
4H015BB03
4H015BB04
4H015CB01
4L055BA08
4L055CA05
4L055FA22
(57)【要約】
付加価値製品へのさらなる加工のための有機材料の前処理のための連続的フロー蒸気爆発反応器が提供される。反応器は、ローディングセクションと、可変速コンベヤーを備えた高圧保持セクションと、圧力解放セクションと、吐出セクションとを含む。反応器は、少なくとも前記高圧保持セクションの中へ蒸気を提供するための手段と、圧力をさらに高めるために加圧ガス(たとえば、空気)を提供するための手段とを含む。ローディングセクションは、高圧保持セクションの中に高圧および高温を保ちながら、周囲圧力から高圧保持セクションへ材料を移送するように適切に構成されており、圧力解放セクションは、高圧保持セクションの中に高圧を保ちながら、高圧保持セクションから吐出セクションへ材料を移送するように構成されている。圧力解放セクションは、高圧保持セクションの中に高圧を保ちながら、圧力の降下とともに前記吐出セクションへ材料を放出するように構成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
付加価値製品へのさらなる加工のための有機材料の前処理のための連続的フロー蒸気爆発反応器であって、
ローディングセクションと、
高圧保持セクションと、
圧力解放セクションと、
吐出セクションと
を含み、
前記高圧保持セクションは、前記セクションを通してソース材料のストリームを輸送するための少なくとも1つの可変速コンベヤーを含み、少なくとも前記高圧保持セクションの中へ蒸気を提供するための、蒸気の供給源に接続されている蒸気提供手段をさらに含み、前記ローディングセクションは、前記ローディングセクションへの蒸気注入によって、前記高圧保持セクションの中に高圧および高温を保ちながら、前記ローディングセクションの上流の周囲圧力における材料を前記高圧保持セクションに移送するように構成されており、
前記圧力解放セクションは、前記圧力解放セクションへの蒸気注入によって、前記高圧保持セクションの中に高圧を保ちながら、前記高圧保持セクションから吐出セクションへ材料を移送するように構成されており、
前記ローディングセクションの中の前記蒸気注入手段、および、前記圧力解放セクションの中の前記蒸気注入手段、ならびに、セクションからのローディングおよび放出は同期化され、前記高圧保持セクションの中の圧力降下が、最小になるようになっており、高い動作圧力および温度が、動作の間に維持されるようになっている、連続的フロー蒸気爆発反応器。
【請求項2】
前記連続的フロー蒸気爆発反応器は、ガス提供手段を含み、前記ガス提供手段は、前記高圧保持セクション、前記ローディングセクション、および前記圧力解放セクションのうちの少なくとも1つの中への加圧ガスの供給源に接続されており、高圧の少なくとも一部を発生させる、請求項1に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【請求項3】
前記高圧保持セクションおよび圧力解放セクションの中の高温は、蒸気注入を通して実現され、前記セクションの中の高圧は、追加的な加圧ガス注入を通して少なくとも部分的に実現される、請求項2に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【請求項4】
前記ローディングセクションは、少なくとも1つのロータリー投与バルブおよび少なくとも1つのロータリー吐出バルブを含み、前記ロータリー投与バルブは、適切な投与量の基質を前記ロータリー吐出バルブへ移送するように寸法決めおよび構成されており、前記ローディングセクションは、圧力調節手段を含み、前記圧力調節手段は、前記蒸気提供手段および/または前記ガス提供手段に連結されており、前記ロータリー吐出バルブの中のコンパートメントの圧力を調節し、前記コンパートメントが前記高圧保持セクションへ材料を吐出するときに、前記高圧保持セクションの中の圧力および温度が、実質的に維持されるようになっている、請求項1から3のいずれか一項に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【請求項5】
前記ローディングセクションは、少なくとも1つのローディングバルブと、少なくとも1つの吐出バルブと、少なくとも1つのローディングチャンバーとを含み、前記少なくとも1つのローディングチャンバーは、前記バルブ同士の間にあるか、または、前記吐出バルブの一部であり、前記ローディングチャンバーは、前記蒸気注入ポートおよび随意的なガス注入手段に連結されており、圧力解放メカニズムを提供されており、吐出およびローディングの前に、前記チャンバーをそれぞれ加圧および減圧し、吐出の前に所望の温度に持って行く、請求項1から3のいずれか一項に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【請求項6】
前記圧力解放セクションは、少なくとも1つのロータリー投与バルブおよび少なくとも1つのロータリー吐出バルブを含み、前記ロータリー投与バルブは、適切な投与量の基質を前記ロータリー吐出バルブへ移送するように寸法決めおよび構成されており、前記圧力解放セクションは、圧力調節手段を含み、前記圧力調節手段は、前記蒸気提供手段および/または前記ガス提供手段に連結されており、吐出の後に前記ロータリー吐出バルブの中のコンパートメントの圧力および温度を調節し、前記ロータリー投与バルブからの材料を受け入れるための位置に前記コンパートメントが戻るときに、前記高圧保持セクションおよび前記ロータリー投与バルブの中の圧力が、実質的に維持されるようになっている、請求項1から5のいずれか一項に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【請求項7】
前記圧力解放セクションは、少なくとも1つのローディングバルブと、少なくとも1つの吐出バルブと、前記バルブ同士の間のチャンバーとを含み、前記チャンバーは、蒸気注入ポートおよび/またはガス注入ポートを装備している、請求項1から5のいずれか一項に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【請求項8】
前記圧力解放セクションは、前記高圧保持セクションの中に高圧を保ちながら、圧力の降下とともに前記吐出セクションへ材料を放出するように構成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【請求項9】
前記圧力解放セクションは、前記チャンバーの上側部分に接続されている圧力解放バルブを含み、前記圧力解放セクションの前記ローディングバルブは、前記圧力解放バルブの下方に位置決めされており、解放導管が、逃げる蒸気および/またはガスを受け入れるために、前記圧力解放バルブから延在しており、前記吐出バルブは、前記圧力解放セクションの底部に位置決めされている、請求項7に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【請求項10】
前記解放導管は、凝縮器と、吐出ポートと、随意的なサイレンサーとを含む、請求項9に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【請求項11】
前記加圧ガスは、少なくともいくつかのセクションに関して、二酸化炭素の分圧を含む、請求項2から10のいずれか一項に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【請求項12】
前記連続的フロー蒸気爆発反応器は、アルカリ性蒸気爆発反応器として動作するように構成されている、請求項1から11のいずれか一項に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【請求項13】
前記連続的フロー蒸気爆発反応器は、少なくとも1つの一体化されたスクラバーユニットを含み、前記蒸気爆発反応器の前記吐出セクションは、同時に、前記蒸気爆発反応器からの吐出材料がスクラビング媒体としての役割を果たすように前記セクションが構成されているという点において、前記スクラバーユニットとしての役割を果たし、前記スクラバーユニットは、少なくとも1つのガス入口部を含み、前記少なくとも1つのガス入口部は、前記スクラバーユニットの下側パーツの中に提供されており、動作させられるときに、前記高圧保持セクションからの材料のアルカリ性ストリームが、ガスストリームに出会い、二酸化炭素スクラビング、および/または、前記ガスストリームからの他の酸性ガス成分のスクラビングを促進させるようになっている、請求項12に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【請求項14】
前記スクラバーユニットの上側パーツは、前記スクラバーユニットの中央の軸線に対して所定の角度の下で、前記圧力解放セクションからの材料のストリームの送達を受け入れるように適合されており、少なくとも1つの内部スパイラルによって、材料の前記ストリームをサイクロンパターンへと方向付ける、請求項13に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【請求項15】
前記スクラバーユニットは、2つの挿入されたスパイラルを含み、前記スパイラルは、互いに対して垂直方向にオフセットされており、前記上側スパイラルは、前記スクラバーの内側壁部からクリアランスを有しており、一方では、前記下側スパイラルは、クリアランスを有しておらず、それは、前記スクラバーユニットの前記内側壁部に沿って前記上側スパイラルから前記下側スパイラルへ搬送される材料によって達成される、前記スクラビングユニットの中の廃棄物のストリームの1次サイクロンパターンフローに対して垂直の部分的な速度成分を達成する、請求項14に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【請求項16】
前記下側スパイラルは、波形のパターンと、前記スパイラルの内側縁部における突出リムとを提供されており、前記波形のパターンは、前記スクラバーの中心に向けて材料を部分的にガイドし、前記突出リムは、前記材料の垂直成分が前記スクラバーユニットの中心に向けてスプラッシュおよび分散することを引き起こす、請求項15に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【請求項17】
前記スクラバーユニットは、約1barから約5barの範囲にある圧力で動作する、請求項13から16のいずれか一項に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【請求項18】
前記スクラバーユニットは、熱交換冷却エレメントを提供され、前記スクラビング媒体の冷却、および、前記蒸気爆発からの熱の回収を提供する、請求項13から17のいずれか一項に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【請求項19】
前記圧力解放セクションは、第1の二酸化炭素スクラバーとしての役割を果たし、システムは、2次スクラバーをさらに含み、前記2次スクラバーは、スクラビング媒体として前記第1のスクラバーから液体画分を給送されるように構成されている、請求項13から18のいずれか一項に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【請求項20】
前記搬送速度は、前記ローディングセクションおよび圧力解放セクションのローディングバルブおよび放出バルブと同期化される、請求項1から19のいずれか一項に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【請求項21】
固体の有機材料の処理のためのプロセスであって、前記処理は、蒸気爆発性破壊を含み、さらなる下流の加工のために前記材料をより利用しやすくし、前記プロセスは、
a) 固体の有機材料を含む材料ストリームを受け入れるステップと、
b) 前記ストリームを湿潤および混合セクションの中へ導入し、前記固体の有機材料を濡らして混合するステップと、
c) 前記湿潤および混合セクションから、ローディングセクションのローディングバルブを通して、ローディングコンパートメントの中へ、前記ストリームを移送するステップと、
d) 蒸気または加圧ガス、たとえば、加圧空気などをその中に導入することによって、前記ローディングコンパートメントの中の圧力を増加させるステップと、
e) 前記高圧保持セクションの中に高圧および高温を維持しながら、前記ローディングコンパートメントから高圧保持セクションへ材料を放出するステップと、
f) 前記高圧保持セクションから前記ローディングセクションを閉じるステップと、
g) 前記ローディングセクションが前記湿潤および混合セクションから再ロードされる前に、前記ローディングセクションの中の圧力を解放するステップと、
h) 高圧および高温を受けながら、前記高圧保持セクションを通して前記材料を連続的に移送するステップと、
i) 前記高圧保持セクションを通して移送された材料投与量を、バルブを通して、圧力解放セクションにロードし、前記圧力解放セクションから圧力を放出し、前記材料投与量に対する蒸気爆発効果を得るステップと、
j) 下側圧力吐出セクションの中へ前記材料投与量を吐出するステップと、
k) 前記吐出セクションから前記圧力解放セクションを閉じるステップと、
l) 前記圧力解放セクションが再ローディングのために前記高圧保持セクションに向けて開けられるときに、高圧が前記高圧保持セクションの中に維持されるように、前記圧力解放セクションの中の圧力を増加させるステップと
を含む、プロセス。
【請求項22】
ステップ(c)からステップ(g)において、前記湿潤およびコンディショニングセクションからの所定の投与量の基質が、ロータリー投与バルブによって、高圧ロータリー吐出バルブのコンパートメントの中へ投与され、前記高圧ロータリー吐出バルブは、次いで、ロードされた前記コンパートメントをシール位置へ回転させ、前記シール位置では、蒸気および/またはガスが、ロードされた前記コンパートメントの中へ注入され、前記高圧保持セクションの中のものと同じレベルまで前記材料を加熱し、前記高圧保持セクションに材料を放出するために前記コンパートメントを回転させる前に、前記高圧保持セクションの中のものと同じかまたはそれよりも高いレベルまで圧力を持って行き、次いで、前記コンパートメントを第2のシール位置まで回転させ、前記第2のシール位置では、前記高圧ロータリー吐出バルブが大気圧力における再ローディングのためにそのローディング位置まで回転して戻る前に、圧力が解放される、請求項21に記載のプロセス。
【請求項23】
ステップ(c)からステップ(g)において、前記湿潤およびコンディショニングセクションからの所定の投与量の基質が、吐出バルブによって前記高圧保持セクションから閉じられているローディングチャンバーの中へ、ローディングバルブを通して投与され、前記ローディングバルブは、次いで、閉位置へと移動させられ、蒸気および随意的なガスが、前記ローディングチャンバーの中へ注入され、前記高圧保持セクションの中のものと同じレベルまで前記材料を加熱し、前記高圧保持セクションに材料を放出するために前記吐出バルブを開ける前に、前記高圧保持セクションのものと同じかまたはそれよりも高いレベルまで圧力を持って行き、次いで、前記吐出バルブを閉じ、大気圧力において前記ローディングチャンバーを再ロードするために前記ローディングバルブを再び開ける前に、前記ローディングチャンバーの圧力を解放する、請求項21に記載のプロセス。
【請求項24】
前記ステップ(i)において圧力を放出すること、および、ステップ(j)における吐出は、1つのステップで実行され、前記1つのステップでは、前記材料投与量を前記吐出セクションの中へ吐出することによって、圧力が放出される、請求項21から23のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項25】
ステップ(i)からステップ(l)において、前記高圧保持セクションからの適切な投与量の基質が、高圧ロータリー投与バルブによって、高圧ロータリー吐出バルブのコンパートメントの中へ投与され、前記高圧ロータリー吐出バルブは、次いで、シール位置まで回転する前に、ロードされた前記コンパートメントを前記吐出セクションの中へ吐出するように回転し、前記シール位置では、前記高圧ロータリー吐出バルブが前記高圧保持セクションからの再ローディングのためにそのローディング位置に回転して戻る前に、前記高圧保持セクションのものと同じかまたはそれよりもわずかに低いレベルまで、それが蒸気および/またはガス注入によって加圧される、請求項21から24のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項26】
ステップ(i)からステップ(l)において、前記高圧保持セクションからの適切な投与量の基質が、吐出バルブによって前記吐出セクションから閉じられている圧力解放チャンバーへ、ローディングバルブを通して投与され、前記ローディングバルブは、次いで、閉位置へと移動させられ、前記吐出バルブは、前記基質材料を圧力解放の下でより低い圧力の吐出セクションへ吐出するために開けられ、次いで、前記高圧保持セクションから前記圧力解放チャンバーを再ロードするために前記ローディングバルブを開ける前に、前記高圧保持セクションと同じかまたはそれよりもわずかに低いレベルまで、前記圧力解放チャンバーが蒸気および/またはガス注入によって加圧される前に、前記吐出バルブを閉じる、請求項21から24のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項27】
前記ステップ(i)において圧力を放出することは、そのローディングバルブの上方において、前記圧力解放セクションの上側パーツの中に位置付けされている圧力解放バルブを開けることによって実現され、逃げるガスおよび蒸気が前記圧力解放バルブおよび前記圧力解放バルブの反対側の導管を通って退出することを可能にし、基質が前記圧力解放セクションの中に維持されている間に、前記圧力解放セクションの中での前記基質の蒸気爆発を達成し、その後に、基質材料を吐出する、請求項21から23のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項28】
圧力解放の後の基質材料の吐出は、前記基質材料を前記吐出セクションの中へ吐出するために前記吐出バルブを開ける前に、前記圧力解放チャンバーの中の圧力を増加させることによって支援される、請求項27に記載のプロセス。
【請求項29】
ステップ(c~g)における前記高圧保持セクションのローディングおよび吐出、ならびに、ステップ(i~l)における前記圧力解放セクションのローディングおよび吐出、前記コンパートメントからの圧力解放および材料吐出、ならびに、前記ローディングおよび圧力解放セクションの加圧は、動作の間に前記高圧保持セクションの中の圧力降下が最小になるように同期される、請求項21から28のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項30】
前記可変速コンベヤーの搬送速度は、ローディングおよび解放メカニズムと同期化される、請求項21から29のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項31】
前記高圧保持セクションの中の高温および高圧は、前記セクションの中へ蒸気を導入することによって、および、随意的に、加圧ガス、たとえば、加圧空気などをさらに導入することによって実現される、請求項21から30のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項32】
材料の前記ストリームは、前記湿潤および混合セクションの中でアルカリ性水溶液と混合される、請求項21から31のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項33】
前記蒸気爆発反応器の前記吐出セクションは、同時に、二酸化炭素および/または他の酸性ガスのためのスクラバーとして利用され、アルカリ、蒸気爆発された基質、および凝縮された蒸気が、スクラビング媒体を提供する、請求項32に記載のプロセス。
【請求項34】
前記プロセスは、向流構成において、二酸化炭素または他の酸性ガスを含むガスストリームを前記吐出セクションの下側セクションの中へ給送するステップを含み、上部セクションに進入して前記吐出セクションへ下に移動するアルカリ性蒸気爆発ストリームは、前記吐出セクションを通過する前記ガスストリームに出会い、前記スクラビング媒体としての役割を果たす、請求項33に記載のプロセス。
【請求項35】
前記プロセスは、圧力解放セクションから前記吐出セクションおよびスクラバーユニットの中へ前記ストリームを移送するステップを含み、前記ストリームのフローが、前記スクラバーの中心に向けての前記ストリームの飛沫および分散を推進するフローガイディングスパイラルの上に、前記スクラバーユニットの中央の軸線に対して所定の角度で進入するようになっている、請求項34に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機材料からの付加価値製品の生産のためのさらなる加工の前の有利な前処理として、有機材料の半連続的な蒸気爆発および加水分解のための機器および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バイオマスの蒸気爆発は、繊維を開く前処理プロセスであり、後続のプロセス(すなわち、発酵プロセス、加水分解プロセス、または緻密化プロセス)のために、バイオマスポリマーをより利用しやすくする。木材などのようなバイオマス材料は、高い機械的強度を有する複合材料である。主成分は、セルロースであり、それは、リグニンおよびヘミセルロースのマトリックスの中に埋め込まれている。それらは、一緒になって、繊維束を形成する密に詰まった細胞構造(繊維)を形成しており、木材などのようなバイオマス組織のための基礎である。それらの自然な機能は、高い機械的負荷に耐えること、ならびに、微生物を通した化学的なおよび酵素的な分解に抵抗することである。蒸気爆発は、バイオマス繊維を開くための有用で重要な技術であることが示されており、バイオマスからの糖および他の有用な化合物の回収を改善する。また、発熱量を増加させること、および、バイオマスのペレット化特性を改善することが、固体のバイオ燃料ペレットの生産のための前処理プロセスとして提案されてきた。
【0003】
蒸気爆発は、1926年にMasonら(1926)によってバイオマス前処理プロセスとして導入され、特許取得された。その特許は、木材の前処理のための蒸気爆発プロセスを説明している。このプロセスでは、木材チップが、マゾナイトガン(masonite gun)の中のスクリューローディングバルブを通してビンから給送される。次いで、チップは、約285℃の温度、および、3.5MPaの圧力において、約2分にわたって蒸気加熱される。圧力は、約5秒間で約7MPa(70bar)まで急速に増加され、次いで、チップは、絞られたオリフィス(スロット付きポート)を通して吐出され、大気圧力において爆発し、パルプになる。
【0004】
一般的に、蒸気爆発は、バイオマスが、圧力(1MPaから3.5MPa)下において高温蒸気(180℃から240℃)によって処理され、バイオマスの爆発的な減圧がそれに続き、それは、バイオマス繊維のリジッド構造の破裂を結果として生じさせるプロセスである。突然の圧力放出は、セルロース束をフィブリル化し、これは、酵素的な加水分解および発酵のためにセルロースのより良好な利用しやすさを結果として生じさせる。滞留時間および温度に応じて、蒸気爆発は、木材構造の中の小さい亀裂から、木材繊維の完全なフィブリル化まで、あらゆるものを結果として生じさせる可能性がある。
【0005】
バッチ動作式のおよび連続的なモードの蒸気爆発反応器の両方が、当技術分野において知られているが、特に、連続的な蒸気爆発設備は、技術的に非常に困難である。たとえば、連続的な動作において高圧を維持すること、エネルギー効率を向上させること、および、計測的歪みを低減させることなどによって、改善された効率および経済性を有する改善された連続的フロー蒸気爆発反応器が、高く評価されることとなる。
【発明の概要】
【0006】
本発明の蒸気爆発反応器は、コンパクトな繊維材料の降伏しない構造の急激な崩壊を達成し、それらを効率的な加水分解および後続の(たとえば、発酵などを通した)分解に対して利用しやすくする。蒸気爆発ユニットは、さらに、導入される有機廃棄物材料(たとえば、セルロース、リグニン、タンパク質、および油脂など)の加水分解および/または鹸化、ならびに、廃棄物ストリームからの可溶性炭化水素、アミノ酸、またはペプチド、および、それらの脂肪酸および塩の抽出を達成する役割を果たす。蒸気爆発前処理プロセスは、i)コンパクトな繊維材料の構造の破裂、ii)たとえば、リグニンおよびセルロースの材料などのような、低バイオアベイラビリティー材料の少なくとも部分的な分解、iii)有機材料の前加水分解、iv)固体の基質からの栄養の水性抽出、および、v)すべての材料の滅菌という複数の目的を果たす。
【0007】
プロセスの中での滅菌は、それが下流製品の有用性を大幅に高めるため、非常に有利である。現在、たとえば、食肉処理場の施設または魚もしくは食品加工プラント(そこでは、廃棄物が、望ましくない細菌によって汚染されている可能性がある)からの特定の廃棄物ストリーム、ならびに、尿および糞便を伴う使用済みオムツを大量に含むことの多い家庭廃棄物を効果的に使用することが課題である。材料の断片化および加水分解に加えて、蒸気爆発処理は、所望の滅菌を提供する。多くの国および領域において、たとえば、堆肥化などのための、食肉処理場の廃棄物、食品廃棄物、または他の潜在的に細菌性の廃棄物の使用は、オートクレーブなどによる滅菌を必要とする。本システムは、堆肥材料のそのような必要な滅菌を提供し、それは、したがって、より受け入れ可能でより価値の高い製品である。
【0008】
その最も基本的な実装形態において、本発明は、蒸気爆発反応器であって、ローディングセクションと、高圧保持セクションと、圧力解放セクションと、吐出セクションとを含み、上記高圧保持セクションは、上記セクションを通して材料の上記ストリームを輸送するための少なくとも1つの可変速コンベヤーを含む、蒸気爆発反応器に関する。アルカリ性条件の下で稼働されるときには、蒸気爆発反応器は、随意的に、少なくとも1つの一体化された二酸化炭素スクラビングユニットをさらに含むことが可能であり、それは、有利には、蒸気爆発反応器とともに同時に動作するように構成され得る。
【0009】
本発明の蒸気爆発反応器は、少なくとも高圧保持セクションの中へ蒸気を提供するための蒸気提供手段を含み、また、いくつかの実施形態において、蒸気は、ローディングセクションおよび/または圧力解放セクションに提供される。有利な実施形態において、蒸気爆発反応器は、ガス提供手段をさらに含み、ガス提供手段は、反応器の選択されたコンパートメントの中へ加圧ガスを提供するために、加圧ガスの供給源に接続されている。加圧ガスは、加圧空気を含むことが可能であるが、いくつかの実施形態において、代替的なガスも使用され得、または、さらに本明細書で説明されることとなるように、他のガス状化合物(たとえば、とりわけ二酸化炭素など)を補充された加圧空気も使用され得る。加圧ガスは、高圧を発生させるための蒸気の少なくとも一部を補充するために使用され得る。いくつかの実施形態において、加圧ガスは、高圧保持セクションに提供される。他の実施形態において、加圧ガスは、追加的にまたは代替的に、ローディングセクションおよび圧力解放セクションのうちの1つまたは複数に提供される。
【0010】
したがって、本発明の態様は、有機材料からの付加価値製品の生産のためのさらなる加工の前の有利な処理として、蒸気爆発および加水分解による有機材料の前処理のための機器および方法に関する。
【0011】
連続的なまたは半連続的な蒸気爆発プロセスおよび装置は、付加価値製品へのその後続の変換の推進のための有機材料の処理を意図している。蒸気爆発プロセスにおいて処理される有機材料は、異なる起源および組成のものであることが可能である。本発明のシステムおよびプロセスは、一般的に、有機廃棄物に関係しており、または、有機物(それは、事前に分別されている場合もあり、または、事前に分別されていない場合もある)を主に含む廃棄物(たとえば、それに限定されないが、一般家庭廃棄物からの有機廃棄物など)に関係している。したがって、処理のために受け入れられる廃棄物材料は、それに限定されないが、以下のもののうちの1つもしくは複数、または、それらの任意の組み合わせを含むことが可能である:家庭廃棄物、食肉処理場の廃棄物、食品産業廃棄物、魚産業廃棄物、野菜油および魚油産業からの廃棄物、下水汚泥、下水グリースおよび油、麦わらまたは他のわらなどのような農業廃棄物、籾殻、豆腐残留物、および、草および動物の糞、ならびに、庭の廃棄物および廃棄木材。
【0012】
本発明の蒸気爆発において作り出される製品ストリームから導出される付加価値製品は、嫌気性消化を通して作り出されるメタン、発酵を通して作り出されるエタノール、土壌改良堆肥およびバイオディーゼルを含む。これらの製品、または、これらの製品のうちの2つ以上の組み合わせは、適用される分離プロセスおよび給送物の性質に応じて、蒸気爆発された材料の異なる画分から現実化され得る。
【0013】
また、蒸気爆発器具は、紙生産のための原材料の前処理のために、たとえば、紙生産または他の用途のための木材および代替的な原材料のパルプ化のために使用され得る。
【0014】
アルカリ性条件の下で蒸気爆発を動作させるときには、水性のアルカリ性抽出物および固体の基質が、その後に、好ましくは、本明細書で下記に説明されているように、一体化された二酸化炭素スクラバーの中でpHを低下させられる。
【0015】
高圧保持セクションへの導入の前に、入って来る材料は、好ましくは、前処理セクションを通して給送され、前処理セクションは、湿潤および混合セクション(そこでは、水がストリームに追加され得る)を含み、所望の固体対液体の比率を取得することが可能であり、材料が混合され、とりわけ、後続のアルカリ性蒸気爆発のために、pHが影響を受ける可能性があり、そのケースでは、アルカリ性溶液が、湿潤および混合セクションの中のストリームの中へ混合される。湿潤および混合セクションは、好ましくは、上部給送式の搬送ミキサーおよび湿潤アーマチュア(armature)(たとえば、1つまたは複数の湿潤ノズルなど)を含む。湿潤および混合セクションの退出ポートは、たとえば、本明細書で説明されているようなバルブアッセンブリなどによって、ローディングセクションを介して、高圧保持セクションに接続されている。有用な実施形態において、ローディングセクションは、ロータリー投与バルブを含み、より好ましくは、ロータリー投与バルブおよび高圧ロータリー吐出バルブの直列の組み合わせを含む。この実施形態では、ロータリー投与バルブは、適切にサイズ決めされた投与量の基質が、それが高圧保持セクションへ移送される前に、高圧ロータリー吐出バルブのコンパートメントの中へロードされることを保証する。別の実施形態では、別個のローディングコンパートメントが、湿潤および混合セクションと高圧保持セクションとの間に提供されている。このコンパートメントは、特定の(しかし、一般的に本発明に適用可能である)実施形態を参照して本明細書で下記に詳細にさらに説明されているように、高圧進入バルブおよび退出バルブによって閉じ込められている。蒸気爆発反応器の湿潤および混合セクションから高圧保持セクションへの接続は、高圧保持セクションの中に高圧が連続的に維持された状態で、周囲圧力の湿潤および混合セクションから高圧保持セクションへ連続的にまたは半連続的に材料が輸送され得ることを保証する。
【0016】
高圧保持セクションにおいて、ロードされた基質が、適切な手段によって(たとえば、それに限定されないが、可変速コンベヤーまたは混合コンベヤー、好ましくは、スクリューコンベヤーまたは混合スクリューコンベヤーなどによって)、ローディングポイントから退出ポイントへ搬送される。高圧保持セクションは、それぞれローディング端部および放出端部において、少なくとも1つの(好ましくは、2つ以上の)蒸気注入ポートおよびロータリーバルブまたは別個の移送コンパートメントを装備しており、それは、一方の端部において、少なくとも1つのロータリーバルブ(しかし、好ましくは2つのロータリーバルブ)が存在し、他方の端部において、少なくとも1つの移送コンパートメントが存在していることが可能であるか、または、それぞれの端部において、少なくとも1つの(しかし、好ましくは2つの)ロータリーバルブが存在していることが可能であるか、または、それぞれの端部において、少なくとも1つの移送コンパートメントが存在していることが可能であるということを意味している。これらは、好ましくは、必要に応じて、蒸気注入ポートおよび圧力解放ポートをそれぞれ装備しており、有利には、動作の間に高圧保持セクションの中の圧力降下が最小になるように同期され、高圧保持セクションの中の保持時間は、ローディングバルブおよび放出バルブ/コンパートメントのローディングおよび解放メカニズムと同期される搬送速度の調節によって、幅広い範囲にわたって調節可能である。同期化は、有利には、PLCシステムなどのような制御ユニットを介して制御される。
【0017】
蒸気爆発ユニットは、いくつかの実施形態において、粉砕および/または均質化ユニットをさらに含み、粉砕および/または均質化ユニットは、連続的フロー蒸気爆発反応器に給送する湿潤および混合セクションの上流に配置されている。粉砕/均質化ユニットは、本発明によるさらなる加工の前に、入って来る材料を粉砕するための、および/または、細断するための、または、同様の機械的な処理のための、当業者に公知の任意の適切な機械的なタイプのものであることが可能である。
【0018】
連続的なまたは半連続的な方式で蒸気爆発処理を動作させることがとりわけ有利であり、これは、プロセスにおける加水分解の推進のために、導入された材料を(好ましくは、アルカリ性溶液または酸性溶液の中で)高圧および高温にさらすこと、ならびに、たとえば、高圧ロータリー解放バルブまたは別個のコンパートメントなどを通して、突然の圧力降下を介して材料を吐出することを含む。適切な配置が、本明細書で下記に説明されており、高圧保持セクションの有意な圧力または温度解放なしで、基質材料が連続的にまたは半連続的に導入および吐出されている状態で、高圧保持セクションが、高い動作圧力および温度で維持されるようになっている。これは、バッチ動作式の蒸気爆発と比較して、効率を向上させ、エネルギー需要を低減させる。
【0019】
エネルギー需要のさらなる低減は、いくつかの実施形態において、上記に述べられているように、一般的にこのプロセスに必要とされる高圧蒸気を加圧ガス(たとえば、典型的に加圧空気など)と部分的に置き換えることによって、蒸気爆発プロセスを支援することによって実現される。そのような構成では、所望の温度は、一般的に、蒸気注入を通して実現されるが、所望の圧力は、加圧ガス(たとえば、空気など)の注入を通して実現され得る。これは、蒸気爆発機器のすべての高温/高圧セクションに適用され得、または、本明細書で下記に説明されているように、蒸気爆発機器の圧力解放セクションに限定され得る。
【0020】
蒸気爆発プロセスにおける対象材料の加水分解および構造的な崩壊の推進のために、加圧空気は、いくつかの実施形態において、COの分圧を含有することが可能であり、好ましくは、それぞれのセクション/チャンバー(空気混合物がその中へ提供される)の中の温度および圧力の範囲においてCOの達成可能な分圧に対して、COの高い分圧を含有することが可能である。この実施形態は、対象材料の中へのCO浸透を推進する役割を果たし、酸によって推進された加水分解を通して内部崩壊を推進し、プロセスの圧力解放ステップにおける上記材料の機械的崩壊をさらにサポートする。
【0021】
上記に述べられているように、本発明の蒸気爆発反応器は、圧力解放セクションを含む。圧力解放セクションという用語は、一般的に、加工された材料の高圧が放出され、爆発的な破壊反応を結果として生じさせる、反応器アッセンブリのセクションを指す。さらに下記に説明されているように、いくつかの実施形態において、圧力解放セクションは、高圧保持セクションからの材料を吐出するために使用される二重バルブアッセンブリ(たとえば、ロータリー投与バルブおよびロータリー吐出バルブなどを備える)を含み、ここで、ロータリー吐出バルブは、基質をより低い圧力の領域(吐出セクション)に放出し、バルブの放出コンパートメントから、および、材料のストリームを受けるその下の隣接するスペースから、蒸気爆発が起こるようになっている。他の実施形態において、圧力解放セクションは、高圧バルブによって高圧保持セクションおよびより低い圧力の受け入れセクション/吐出セクションから分離されている別個のチャンバーを構成しており、そのような構成のバルブは、それに限定されないが、フローティングボールバルブ、ロータリーボールバルブ、ナイフゲートバルブ、およびスライドゲートバルブから独立して選択され得る。
【0022】
他の実施形態において、圧力解放セクションは、少なくとも1つのローディングバルブ、圧力解放バルブ、および少なくとも1つの退出バルブによって閉じ込められたチャンバーを含む。これらの実施形態では、チャンバーは、ローディングバルブを通して側部からロードされ、圧力は、圧力解放バルブを通してローディングポートの上方から解放され、チャンバーは、退出バルブを通してその底部から吐出される。チャンバーは、事前に決定された範囲の中で所定の量の基質を受け入れるように、および、圧力解放蒸気爆発作用を収容するように適切にサイズ決めされている。有用な実施形態において、圧力解放バルブは、上記チャンバーの上側部分に接続されており、また、逃げる蒸気および/またはガスを受け入れるための、上記圧力解放バルブから延在する解放導管に接続されている。これらの実施形態では、本明細書で下記に説明されているように、爆発的な圧力放出は、上向きになっており、ガスおよび蒸気は、熱回収のために凝縮器を通して放出される。他方では、基質材料は、圧力解放チャンバーの閉じ込めを超えて膨張することはなく、圧力解放バルブは、圧力解放チャンバーの上方に設置されている。この実施形態は、固体の材料が、爆発ステップにおいて解放バルブを通って移送することはなく、したがって、摩耗に起因する、または、シーリングに損傷を与える固体粒子による、シーリング問題の可能性を大幅に低減させるので有利である。また、この実施形態は、圧力解放セクションの中の高速の固体材料によって引き起こされる計測的浸食が最小化されるので有利である。この実施形態では、蒸気爆発が起こった後に、対象材料が、別個のステップにおいてさらなる加工のために、圧力解放チャンバーの底部から退出バルブを通して吐出され、圧力が実質的に低下させられる。これらの実施形態のうちのいくつかでは、スプラッシュガード(たとえば、それに限定されないが、メッシュ、フランジ、穿孔されたプレート、またはコーンなど)が、圧力解放バルブの下方に配置され、基質材料が圧力解放バルブと接触することを防止するかまたは最小化する。いくつかの実施形態において、加圧ガス注入手段は、圧力放出の後にガス(たとえば、空気など)を注入するために、チャンバーの上側部分の中に据え付けられ、退出バルブを通した蒸気爆発された材料の吐出を加速させる。
【0023】
したがって、本発明の態様は、付加価値製品へのさらなる加工のための有機材料の前処理のための連続的フローまたは半連続的フロー蒸気爆発反応器であって、ローディングセクションと、高圧保持セクションと、圧力解放セクションと、吐出セクションとを含み、上記ローディングセクションは、高圧が高圧保持セクションの中に連続的に維持される状態で、高圧保持セクションに定期的にロードする役割を果たし、圧力解放セクションは、高圧保持セクションから材料を定期的に受け入れ、高圧保持セクションの圧力を連続的に維持しながら、圧力解放を通した上記材料の蒸気爆発を達成する役割を果たし、受け入れセクションは、圧力解放セクションから材料を受け入れる役割を果たす、連続的フローまたは半連続的フロー蒸気爆発反応器を提供する。
【0024】
本発明の別の態様は、ロータリー投与バルブを含む、より好ましくは、ロータリー投与バルブおよびロータリー吐出バルブの直列の組み合わせを含む、上記ローディングセクションおよび/または上記圧力解放セクションに関する。
【0025】
本発明の別の態様は、2つの高圧バルブ(好ましくは、フローティングボールバルブもしくは他の適切なバルブ、または、バルブの組み合わせ)によって閉じ込められた別個のチャンバーをそれぞれ(または、いずれか1つ)含む上記ローディングセクションおよび/または上記圧力解放セクションに関する。
【0026】
本発明の別の態様は、3つの高圧バルブによって閉じ込められた別個のチャンバーから構成されている上記圧力解放セクションであって、圧力解放セクションから高圧保持セクションを分離する高圧バルブを通して、高圧保持セクションから側部から給送される、上記圧力解放セクションに関する。これらの実施形態では、圧力解放は、解放導管につながる給送ポートの上方に設置されている圧力解放バルブを通して上向きになっており、解放導管は、逃げる蒸気およびガスを受け入れるために、上記圧力解放バルブから延在しており、好ましくは、熱回収のための凝縮器と接続されている。基質は、チャンバーの底部における退出バルブを通して、圧力解放の後に吐出セクションに放出される。
【0027】
この実施形態は、固体の材料が、爆発ステップにおいて解放バルブを通って移送することはなく、したがって、摩耗または固体粒子に起因するシーリング問題の可能性を大幅に低減させるので有利である。圧力解放プロセスにおいて跳ね散る材料からの解放バルブのさらなる保護は、解放バルブの下方に設置されている1つもしくは複数の保護メッシュまたは1つもしくは複数の保護カラーを通して実現され得る。また、この実施形態は、圧力解放セクションの中の高速の固体材料によって引き起こされる計測的浸食が回避されるので有利である。
【0028】
高圧保持セクションおよびローディングセクションは、適切に、上記に説明されているようになっていることが可能であり、圧力解放セクションは、上記に説明されているようになっており、チャンバーを含み、チャンバーは、上記チャンバーの上側部分に接続されている圧力解放バルブと、逃げる蒸気を受け入れるために上記圧力解放バルブから延在している解放導管とを有しており、チャンバーは、高圧で動作し、圧力解放バルブを通した圧力の突然の解放を可能にするように構成されており、圧力放出の後の基質の吐出のための吐出バルブを備えた退出ポートを有している。
【0029】
本発明の別の態様は、圧力解放セクションの中への放出の前に所望の蒸気爆発圧力に到達するための加圧ガス(好ましくは、空気)の使用に関する。この実施形態では、所望の温度は、高圧蒸気注入を通して到達されるが、より経済的な動作のために、最終的な放出および/または加工圧力は、加圧ガス(好ましくは、空気)の追加的な注入によって到達される。
【0030】
本発明の別の態様は、COと混合される加圧ガス(好ましくは、空気)の使用に関し、好ましくは、COによる高い分圧に関する。この実施形態では、COは、高圧ゾーンの中の蒸気爆発媒体の中に溶解し、対象材料に浸透し、蒸気爆発プロセスの圧力放出ステップにおけるその構造的な崩壊をさらに推進する。そのうえ、溶解されたCOの酸性の性質は、蒸気爆発プロセスの間の加水分解を推進する。特に、COが木材などのような材料に浸透する場合に、この材料の内部のセルロースの画分の酸によって推進された加水分解は、その構造的な完全性を低下させる。これは、そのような材料を蒸気爆発プロセスにおいてより脆弱にし、その崩壊を推進し、したがって、それをさらなる加工のためにより利用しやすくする。
【0031】
本発明の別の態様は、蒸気爆発および加水分解機器とスクラバーとの組み合わせに関し、スクラバーの中では、蒸気爆発材料が、蒸気爆発機器の吐出セクションにおいて向流構成のCOリッチのガスストリームと接触させられる。この実施形態では、蒸気爆発および加水分解は、アルカリ性媒体の中で実行され、アルカリ性媒体は、吐出セクションにおいて、向流ガスストリームの中に含有されるCOおよび他の酸性成分のための吸着剤としての役割を果たす。これらの成分は、HS、SOおよびNOを含むことが可能であるが、これらに限定されない。
【0032】
二酸化炭素スクラビングを含む実施形態は、特に有利であり、ここで、前処理された有機材料は、その後に、メタンの生産のための嫌気性消化に提出されることとなる。ここで、スクラバーは、このプロセスにおいて作り出されるCOリッチのメタンガスからCO成分および他の酸性成分を除去する役割を果たす。また、前処理された有機材料がエタノールの生産のために発酵させられる場合に、または、他のプロセスにおいて、COおよび他の酸性ガスの除去が必要とされるかもしくは有利である場合に、一体化されたスクラバーは、COの結合に役立つ可能性がある。
【0033】
本発明は、上記に説明されているプロセスステップおよび機器によって、固体の有機材料を前処理するためのプロセスをさらに提供する。したがって、1つの態様では、本発明は、固体の有機材料の処理のためのプロセスであって、処理は、蒸気爆発性破壊を含み、さらなる下流の加工のために上記材料をより利用しやすくし、プロセスは、
a) 固体の有機材料を含む材料ストリームを受け入れるステップと、
b) ストリームを湿潤および混合セクションの中へ導入し、固体の有機材料を濡らして混合するステップと、
c) 上記湿潤および混合セクションから、ローディングセクションのローディングバルブを通して、ローディングコンパートメントの中へ、ストリームを移送するステップと、
d) 蒸気または加圧ガス、たとえば、加圧空気などをその中に導入することによって、上記ローディングコンパートメントの中の圧力を増加させるステップと、
e) 上記ローディングコンパートメントから高圧保持セクションへ材料を放出するステップと、
f) 170℃から250℃の範囲にある高温、および、10barから40barの範囲にある高圧を受けながら、高圧保持セクションを通して材料を連続的に給送するステップと、
g) 上記高圧保持セクションを通して給送された材料投与量を、バルブを通して、吐出コンパートメントへ移送し、上記吐出コンパートメントから圧力を放出し、上記材料投与量に対する蒸気爆発効果を得るステップと、
h) 下側圧力吐出セクションの中へ上記材料投与量を吐出するステップと
を含む、プロセスを提供する。
【0034】
本発明のプロセスのさまざまな実施形態が、下記の詳細な説明においてさらに詳細に説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1図1aは、蒸気爆発装置の概略フローダイアグラムである。具体的には、この実施形態は、湿潤およびコンディショニングセクション(1000)と、ローディングセクション(1100)と、高圧保持セクション(1200)と、圧力解放セクション(1300)とを含む。また、吐出セクション(1400)が示されており、吐出セクション(1400)は、アルカリ性条件の下で、ガスストリームからのCOまたは他の酸性成分の除去のためのスクラバーとして構成され得る。図1bは、爆発的な圧力解放が、圧力解放バルブを通して得られ、基質表面の上方の圧力を放出し、逃げる蒸気およびガスを導管を通して放出する、実施形態の対応するダイアグラムである。
図2】蒸気爆発反応器、具体的には、湿潤および混合セクション、ローディングセクション、高圧保持セクション、ならびに圧力解放セクションの1つの実施形態の分解的な斜視説明図である。この実施形態では、ローディングセクションおよび圧力解放セクションは、直列になった2つのロータリーバルブによってそれぞれ現実化されており、高圧保持セクションは、スクリューコンベヤーを含む。吐出セクションは、この図に示されていない。
図3】直列になった2つのロータリーバルブの組み合わせを使用する、ローディングセクションの中の投与およびローディングプロセスの概略表現図である。個々のコンパートメントおよびそれらの位置は、投与/ローディングプロセスの中のそれぞれのステップに割り当てられており、個々のステップは、その後に、それらの実行の順序で付番されている。
図4】直列になった2つの回転バルブの組み合わせを使用する、圧力解放セクションからの圧力解放および吐出プロセスの概略表現図である。個々のコンパートメントおよびそれらの位置は、プロセスの中のそれぞれのステップに割り当てられており、個々のステップは、その後に、それらの実行の順序で付番されている。
図5】ローディングおよび圧力解放セクションの例の斜視図であり、これらのセクションは、高圧ローディングバルブ(1320)および吐出バルブ(1327)によって閉じ込められたチャンバー1330を備えて構成されている、図である。また、蒸気および加圧空気のための注入ポートが示されている。この例では、ローディングおよび圧力解放セクションは、好ましくは、同じ主要な様式で構成されており、したがって、この実施形態では、図5に示されている例は、両方のこれらのセクションに等しく当てはまる。しかし、ローディングセクションチャンバーは、湿潤および条件セクションと高圧保持セクションとの間にあり、一方では、圧力解放チャンバーは、高圧保持セクションと吐出セクションとの間にある。この例では、チャンバーを閉じ込めるバルブは、高圧ボールバルブとして示されており、好ましくは、これらは、フローティングボールバルブである。
図6】圧力解放セクションが高圧保持セクションから側方入口部(1341、1342)を通して給送される実施形態において、蒸気爆発ユニットの圧力解放セクションの斜視説明図である。圧力解放は、圧力解放バルブ(1343)を通して上向きに現実化されており、圧力解放バルブ(1343)は、基質材料および凝縮された蒸気の上方に、ならびに、チャンバーの側部における入口部の上方に設置されている。この実施形態では、蒸気爆発材料は、圧力解放バルブ(1343)を越えて突出せずまたは跳ね散らず、それは、追加的に、給送ポートと圧力放出バルブとの間で、または、1つもしくは複数のメッシュ(図示せず)を通して、スプラッシュガード(たとえば、コンパートメントの内側のカラーの中に設置されている下向きのリムなど)によって保護され得る。圧力解放セクションからの基質の吐出は、チャンバーの底部における吐出バルブ(1344)を通して現実化される。
図7】このセクションが同時に二酸化炭素スクラビングユニットとして作用するように構成されている、吐出セクションのあるバージョンの概略説明図である。これは、有利な場合に、蒸気爆発プロセスがアルカリ性条件の下で稼働されるときに、ガスからのCOまたは他の酸性成分の経済的なスクラビングを可能にする。
図8】このセクションが同時に二酸化炭素スクラビングユニットとして作用するように構成されている、吐出セクションのあるバージョンの斜視分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下では、本発明の例示的な実施形態が、図を参照して説明されることとなる。これらの例は、その範囲を限定することなく、本発明のさらなる理解を提供するために提供されている。
【0037】
以下の説明において、一連のステップが説明されている。当業者は、文脈によって要求されない限り、ステップの順序は、結果として生じる構成およびその効果に関して重要でないということを認識することとなる。さらに、ステップの順序に関係なく、ステップ間の時間遅延の有無が、説明されているステップのうちのいくつかまたはすべての間に存在し得るということが、当業者に明らかであることとなる。
【0038】
本発明の実施形態において、連続的フローまたは半連続的フロー蒸気爆発システムは、上流の粉砕および均質化セクションと、コンディショニングセクション(または、具体的には、蒸気爆発コンディショニングセクション)とも称される上流の湿潤および混合セクション(1000)と、ローディングセクション(1100)と、高圧保持セクション(1200)(高圧加熱保持セクションまたは高圧高温保持セクションとも称される)と、圧力解放セクション(1300)とを含む。圧力解放セクションから材料を受け入れるための吐出セクション(1400)は、随意的に、装置の一部を形成することが可能であり、または、加工された基質ストリームのさらなる加工のための任意の適切な受け入れユニットを表すものとして見られ得る。
【0039】
蒸気爆発がアルカリ性条件の下で行われる場合、吐出セクションは、COスクラビングセクション(1400)として適切に構成され得る。
【0040】
蒸気爆発の吐出セクションおよびCOスクラビングユニットは、アルカリ性条件の下で稼働するときに、同時に、ガスストリームからのCOまたは他の酸性成分(たとえば、それに限定されないが、HS、SOx、およびNOxなど)のための吸収体としての役割を果たすことが可能である。この文脈において、スクラビング/スクラバーは、蒸気爆発にさらされた膨張しているアルカリ性基質と対象ガスとの酸塩基反応を通して、上記ガスからの酸性ガス成分の除去を指す。式1a、1b、および1cは、アルカリ性媒体として水酸化ナトリウムを使用するCOスクラビングの例に関して、それぞれの反応を示している。
【数1】
【0041】
これが有利である例は、嫌気性消化からのCOリッチのメタンガスからの(たとえば、上記蒸気爆発からの前処理された材料からの)COおよび他の酸性ガスの除去である。他の例は、蒸気爆発からの前処理された材料の発酵からのCOの結合、ならびに、本発明の装置/プロセスのために蒸気を提供する蒸気ボイラーからの煙道ガスのCOおよび他の酸性成分の結合である。
【0042】
一般的に、本明細書で説明されている蒸気爆発プロセスにおいて、有機材料ストリームは、好ましくは、上流の粉砕および均質化セクションの中で細断されている。次いで、材料は、湿潤および混合セクション(1000)の遠端部の中へ給送され、混合下においてその退出ポイントに向けて搬送される。このステップの間に、固体の基質が濡らされ、蒸気爆発プロセスにとって最適な所望の水含有量を実現し、同時に、pH調節が実現される。
【0043】
湿潤および混合セクション(1000)は、好ましくは、アクティブに給送される搬送ミキサー(1001)を構成しており、搬送ミキサー(1001)は、液体混合および入口部システム(1002)を装備しており、それは、好ましくは、トップダウンスプレーイング構成(1003)を通して混合コンベヤーセクションの中のアーマチュアに接続されている。
【0044】
COスクラビングと一体化されたアルカリ性蒸気爆発に関して、より詳細にここで下記に説明されているように、水溶液は、好ましくは、液体/液体ミキサーの中の湿潤水に追加される水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの溶液を通して、アルカリ性である。
【0045】
しかし、蒸気爆発ユニットは、また、pH中性または酸性の給送物によって、pH調節されていない給送物によって、または、意図したプロセスを推進するのに適切な任意の他の添加剤と混合された給送物によって駆動され得る。
【0046】
1つの実施形態では、湿潤および混合セクションの退出ポートは、ローディングセクションを介して高圧セクションに垂直方向に接続されており、ローディングセクションは、回転投与バルブ(1106)および高圧回転バルブ(1101)を含み、それらは、有利には、容積移送式の構成になっていることが可能である。湿潤および混合ユニットの退出ポイント(1004)において、基質は、回転投与バルブ(1106)に進入し、回転投与バルブ(1106)は、高圧ロータリーバルブ(1101)の周囲圧力コンパートメントの中へ基質を投与する。回転投与バルブ(1106)は、高圧シーリングに望まれない歪みを引き起こす可能性がある、高圧ロータリーバルブの過負荷を回避する役割を果たす。周囲圧力におけるローディングの後に、高圧回転バルブは、シール位置まで回転し、シール位置では、基質を保持するバルブチャンバーが、蒸気注入(典型的に、180~250℃)(1102)を通して、所望の圧力(好ましくは、10~30barの範囲にあり、典型的に、高圧保持セクションの圧力を約1bar上回っている)および温度まで持って行かれる。次いで、高圧回転バルブは、高圧保持セクションの進入ポートの上方の垂直方向の設置までさらに回転する。このプロセスは、図3に概略的に示されており、図3では、個々のコンパートメント(それらの位置)は、個々のステップに割り当てられており、個々のステップは、それらの実行の順序で、以下の通りに、ローマ数字i~viによって示されている。
i. 基質が、湿潤およびコンディショニングセクションを退出し、ロータリー投与バルブ(1106)のコンパートメントを充填する;
ii. ロータリー投与バルブが回転し、高圧ロータリーバルブ(1101)のコンパートメントに基質を送達する;
iii. 高圧ロータリーバルブが回転し、投与バルブを封鎖する;
iv. 高圧ロータリーバルブの中の基質が、蒸気注入および最終的に追加的なガス(空気)注入(1102)によって、高圧保持セクションの所望の高圧および高温条件に持って行かれる;
v. 高圧バルブが回転し、高圧保持セクションに基質を送達する;
vi. 高圧バルブが、圧力解放位置まで回転し、圧力解放位置において、圧力は、圧力解放(高圧バルブがそこまで回転する)を通して解放され(1103)、コンディショニングおよび湿潤セクションの大気圧力に等しくなる。
【0047】
差圧および重力によって支援されて、高圧回転バルブの今では加圧されたチャンバーが、圧力が(圧力放出1103を通して)放出される第2のシール位置へとさらに回転する前に、蒸気爆発ユニットの高圧保持セクション(1200)の中へ吐出される。
【0048】
より多くのコンパートメントを備えた回転バルブを使用することによって、および、個々のコンパートメントの中の圧力を徐々に増加させ、個々のコンパートメント間の差圧を低下させることによって、回転バルブの上の圧力歪みが低減され得る。
【0049】
いくつかの実施形態において適用される容積移送式の構成では、加圧および減圧は、ロータリーサイクルを通したそれぞれのチャンバー体積変化によって支援される。
【0050】
プロセスのための高圧蒸気は、典型的に、ボイラーによって提供される。前処理された材料が燃料生産のためにさらに加工されることとなる場合に、生産された燃料の一部が、ボイラーを駆動するために使用され得る。これは、たとえば、嫌気性消化ユニットからの純粋なメタンまたは任意のメタン/CO混合物、バイオディーゼル、または、油脂の任意の混合物であることが可能であり、ここで、これらは、蒸気爆発された材料から分離され、適切に加工される。
【0051】
高圧保持セクション(1200)において、ロードされた基質は、可変速コンベヤー(1204)または混合コンベヤーによって、ローディングポイントから退出ポイントへ搬送され、保持時間が幅広い時間範囲にわたって連続的に調節可能になることを可能にする。
【0052】
高圧保持セクションは、適当な圧力および温度を実現するために、ならびに、補給注入によるその維持のために、蒸気注入ポート(1205)を装備している。2つのそのような注入ポイントは、例として図2に示されている。
【0053】
1つの実施形態では、高圧保持セクションの退出ポートは、回転投与バルブ(1306)および高圧ロータリー解放バルブ(1307)に垂直方向に接続されている。退出ポイントにおいて、基質は、回転投与バルブ(1306)によって高圧ロータリー解放バルブ(1307)のコンパートメントに搬送され、それは、その時点において、高圧保持セクションの退出ポートに面している。
【0054】
高圧ロータリーバルブ(1307)は、次いで回転し、加圧されたコンパートメントを周囲圧力まで開き、再加圧位置まで回転する前に、蒸気爆発を可能にし、この位置は、蒸気注入ポートを装備している。この位置から、コンパートメントは、充填位置まで回転して戻る。このプロセスは、図4に概略的に示されており、ここで、個々のコンパートメント(それらの位置)は、個々のステップに割り当てられており、個々のステップは、その後に、以下のように、それらの実行の順序でローマ数字i~vによって付番されている。
i. 基質が、高圧保持セクションを退出し、ロータリー投与バルブ(1306)のコンパートメントを充填する;
ii. ロータリー投与バルブが回転し、高圧保持セクションの退出部を封鎖し、高圧ロータリーバルブ(1307)のコンパートメントに基質を送達する;
iii. 高圧ロータリーバルブが回転し、基質を送達する;
iv. 基質が、圧力解放の下で吐出され、そこで、圧力の急激な降下が、蒸気爆発を引き起こす;
v. バルブが、圧力調節位置まで回転し、圧力が、蒸気および/またはガス(空気)注入(1308)を介して増加させられる。
【0055】
この構成では、高圧ロータリーローディングバルブのそれぞれのコンパートメント、高圧保持セクション、および、吐出バルブの再加圧セクションの中への蒸気注入の動的な同期化によって、熱効率が最大化される。すべての注入は、解放側および進入側において、ならびに、熱損失を通して引き起こされる圧力および温度の変化に応答して、個別に制御される。圧力および温度は、好ましくは、高圧保持セクションに沿って連続的にモニタリングされ、それは、セクションに沿って個々のデータを供給する。このデータ(DS01)は、P/T処理ユニット(1209)に給送され、P/T処理ユニット(1209)は、高圧保持セクション(1205)の蒸気注入ポート、ならびに、ローディングセクション(1102)および圧力解放セクション(1308)の蒸気注入ポートに、制御信号(DS02)を供給する。これらは、高圧保持セクションに沿ってこの信号に同期され、一定の条件の近くに維持する。追加的な信号が供給され、回転コンベヤー(1204)の速度を調節する。3つのP/Tモニタリングポイントは、例として図2に示されている(1208)。
【0056】
他の実施形態において、蒸気爆発ユニットのローディングセクションおよび圧力解放セクションのうちの一方または両方は、別個のチャンバー(1330)を構成することが可能であり、それらは、たとえば、それに限定されないが、高圧ボールバルブ、ナイフゲートバルブ、もしくはスライドゲートバルブ、好ましくは、フローティングボールバルブ、または他の適切な高圧バルブなどの、バルブによって、コンディショニングセクションおよび高圧保持セクション、ならびに、高圧保持セクションおよび吐出セクションから、それぞれ分離されている。例が、図5に示されており、それは、ローディングチャンバーおよび圧力解放チャンバーの両方に適用可能である。両方のケース(ローディングチャンバーおよび圧力解放チャンバー)では、チャンバーは、高圧ローディングバルブ(1320)および高圧吐出バルブ(1327)を提供されており、両方とも、適当なアクチュエーター(それぞれ、1320aおよび1327a)を装備している。チャンバーは、蒸気(1325)および/またはガス(たとえば、空気など)(1326)のための注入ポート、ならびに、圧力センサー(1323)、温度センサー(1324)、およびレベルセンサー(1322)を装備している。
【0057】
説明されているようなローディングチャンバーを有する上記に説明されている実施形態において、ローディングチャンバーは、上部からロードされ、周囲圧力条件の下でコンディショニングセクションから材料を受け入れる。投与の間に、ローディングチャンバーは、閉位置にある高圧吐出バルブ(1327)によって、高圧保持セクションから分離されている。次いで、ローディングチャンバーが加圧され、蒸気注入および随意的なガス注入(それぞれ、1325および1326)を通して所望の温度に持って行かれる前に、投与バルブ(1320)は、レベルセンサー(1322)からの読み値に応答して、閉位置へと移動させられる。一般的に、ローディングチャンバーは、このステップにおいて、高圧保持セクションの圧力をわずかに上回る(典型的に、1bar高い)圧力に持って行かれる。差圧および重力によって支援されて、今では加圧されたローディングチャンバーが、前記チャンバーの吐出バルブ(1327)を開けることによって、蒸気爆発ユニットの高圧保持セクション(1200)の中へ吐出される。次いで、ローディングバルブが、閉位置へと持って行かれ、ローディングチャンバーは、次の投与がロードされる前に、圧力解放メカニズムによって減圧される。この構成では、蒸気爆発ステップは、そのローディングバルブ(1320)が開位置にある状態で、および、解放/吐出バルブ(1327)が閉位置にある状態で、圧力解放チャンバーをロードすることによって同様に実現される。次いで、ローディングバルブ(1320)は、レベルセンサー(1322)からの読み値に応答して、閉位置へと持って行かれ、蒸気爆発は、その解放/吐出バルブ(1327)を吐出セクション(1400)へ開くことを通して達成される。次いで、解放/吐出バルブは閉じられ、圧力解放チャンバーは、そのローディングバルブが再ローディングのために再び開けられる前に、高圧保持セクションの圧力と同じ圧力またはそれをわずかに下回る圧力に持って行かれる。
【0058】
上記の実施形態では、ローディングチャンバー(1330)、高圧保持セクション(1200)、および圧力解放コンパートメント(1330)の中への蒸気注入の動的な同期化によって、熱効率が最大化される。これは、解放側および進入側において、ならびに、熱損失を通して引き起こされる圧力および温度の変化に応答して行われる。圧力および温度は、好ましくは、高圧保持セクション(1200)に沿って、および、それぞれのチャンバー(1330)から、連続的にモニタリングされる。このデータは、P/T処理ユニット(1209)に給送され、P/T処理ユニット(1209)は、それぞれの蒸気注入ポートに制御信号を供給する。これらは、高圧保持セクションに沿った信号に基づいて同期され、実質的に一定の条件を維持する。追加的な信号が供給され、それぞれのチャンバーからのローディングおよび吐出頻度、ならびに、高圧保持セクションを通して材料を移送するコンベヤー(1204)の速度を調節する。
【0059】
また、ローディングおよび圧力解放は、それぞれ、高圧保持セクションのローディング側および吐出側において、上記に説明されているようなロータリーバルブまたは別個のチャンバーの任意の組み合わせによって現実化され得る。有利な場合、ローディングセクションおよび高圧保持セクションは、また、圧力解放セクションと比較して低減された圧力で稼働させられ得、圧力解放セクションの圧力は、吐出の前に、蒸気注入および/またはガス(空気)注入によって高められ得る。
【0060】
選ばれる好適なローディングおよび吐出メカニズムから独立して、1つの実施形態では、蒸気爆発は、加圧空気の適切な注入によって支援され得る。この実施形態では、所望の温度は、上記に説明されているような蒸気注入を通して実現されるが、最終的な圧力は、加圧空気の追加的な注入を通して現実化される。この構成では、加圧空気注入ポートは、好ましくは、蒸気爆発ユニットのローディングセクション、高圧保持セクション、および圧力解放セクションのために提供される蒸気注入ポートとともに提供されている。これらは、図3図4、および図5の中のローディングセクションおよび圧力解放セクションの例示的な実施形態に示されているが、これらのセクションが任意の他の適切な手段によって現実化される場合にも適用される可能性がある。
【0061】
図6の中の斜視説明図に示されている1つの実施形態では、圧力解放セクションは、3つの高圧バルブ(圧力解放チャンバーの側にある給送ポート(1342)を高圧保持セクション(1200)の退出部に接続するローディングバルブ(1341)、給送ポートの上方に設置されている圧力解放バルブ(1343)、および、圧力解放チャンバーの底部にある吐出バルブ(1344))によって閉じ込められた別個のチャンバー(1340)を含む。すべての3つの高圧バルブは、適当なアクチュエーター(それぞれ、1341a、1343a、および1344a)を装備している。この実施形態における高圧保持セクションから圧力解放チャンバーへの基質の搬送は、高圧保持セクションの中のメインコンベヤーを通して、および/または、高圧保持セクションと圧力解放セクションとの間に設置されている中間ポンプを通して現実化され得る。圧力調節は、それぞれのローディングバルブ(1341)をロードして閉じた後に、圧力解放チャンバーの中への蒸気注入(1345)および/または加圧空気注入(1346)を通して現実化され得る。この実施形態では、蒸気爆発は、給送ポート(1342)の上方に設置されている圧力解放バルブ(1343)を通る圧力解放を通して達成される。圧力解放バルブは、圧力解放バルブの重要なコンポーネントに到達する蒸気爆発プロセスにおける固体材料および液体材料の飛沫を低減させるスプラッシュガード(たとえば、ローディングポートと解放バルブ(図示せず)との間に設置されている円錐形状の下向きに傾斜したカラーおよび/または保護メッシュなど)によって保護され得る。圧力解放を通るガスおよび蒸気の放出は、上記チャンバーの上側部分を通って、ならびに、逃げる蒸気および/またはガスを受け入れて伝送するための上記圧力解放バルブから延在する解放導管を通って膨張し、導管は、熱交換凝縮器(1347)と、吐出ポート(1348)と、随意的なサイレンサー(1349)とを含む。凝縮器は、蒸気の除去に役立ち、また、蒸気の凝縮からのおよび高温ガスからの熱回収に役立つ。圧力解放の後に、蒸気爆発された材料は、付加価値製品へのさらなる加工のために、圧力解放チャンバーの底部において吐出バルブ(1344)を通して吐出される。蒸気爆発された材料の吐出を加速させるために、吐出は、圧力解放バルブが閉位置に設置されている状態で、基質材料(1350)の上方に注入される加圧空気によって支援され得る。吐出の後に、吐出バルブが閉じられ、圧力解放チャンバーが、再ローディングの前に再加圧される。
【0062】
有利には、高圧保持セクションおよび圧力解放コンパートメントのローディング、圧力解放、ならびに、上記コンパートメントからの材料吐出は、動作の間に高圧保持セクションの中の圧力降下が最小になるように同期される。高圧保持セクションの中の保持時間は、搬送速度の調節によって幅広い範囲にわたって調節可能であり、それは、再び、ローディングおよび解放メカニズムと同期される。同期化は、有利には、制御ユニット(たとえば、PLCシステムなど)を介して制御され、制御ユニットは、上記の他の実施形態に関して例示目的の非限定的な例において説明されているように、圧力放出チャンバーの中に据え付けられている温度センサー(1324)、圧力センサー(1323)、およびレベルセンサー(1322)からの読み値を受け取り、搬送速度、ならびに、ローディング、圧力解放、および吐出のタイミングシーケンス、ならびに、蒸気注入およびガス注入を制御する。
【0063】
有利な場合、加圧空気注入を通して圧力を高めることは、圧力解放セクションに限定され、ローディングセクションおよび高圧保持セクションが比較的に低い圧力で稼働されている間に、その吐出の前にこのセクションの圧力を高めることが可能である。
【0064】
別の実施形態では、圧力を高めることが加圧空気注入を通して実現される場合、上記加圧空気は、好ましくは、高い分圧でCOと混合された空気であることが可能である。この実施形態では、CO濃度の高い加圧空気の注入が、それぞれのセクションの中の基質および凝縮された蒸気の表面の下方に、好ましくは、それらの底部(1325)から注入される。COは、対応する炭酸(式1a)として、高圧ゾーンの中の蒸気爆発媒体の中に溶解し、式2aおよび2bに示されているように酸性条件を提供する:
【数2】
【0065】
COは、対象材料に浸透し、式1aに示されているような逆反応に従って、蒸気爆発プロセスの圧力放出ステップにおけるその構造的な崩壊をさらに推進する。式2aおよび2bに示されている溶解されたCOの酸性の性質は、蒸気爆発プロセスの間に加水分解をさらに推進する。特に、COが木材などのような材料に浸透する場合、この材料の内部のセルロースの画分のそのような酸によって推進された加水分解は、その構造的な完全性を低下させる。これは、蒸気爆発プロセスにおいてそのような材料をより脆弱にし、その崩壊をさらに推進し、さらなる加工のために、それをより利用しやすくする。COの分圧は、適用される圧力範囲および温度範囲に応じて、適切に選ばれ得、安全に蒸気昇華/堆積相境界の下方にありながら、分圧がCOの有効濃度を提供するようになっている。
【0066】
いくつかの実施形態において、吐出が、高圧下にあり、プロセスの中の蒸気爆発ステップを構成する場合、圧力解放セクションの吐出ポートは、適切な構築体によって部分的に塞がれ、押し出し材料のさらなる機械的な表面の粗面化/細断のために蒸気爆発における機械的な力を利用するということが有利であるということが見出される。これは、木材チップの追加的な表面の粗面化を意図したシュレッダー歯構成体(1210)によって、図2に例示されている。
【0067】
蒸気爆発機器は、一般的に、約10bar(1.000kPa)から、または、約12barから、または、約14barから、または、約15barから、または、約16barから、または、約18barから、または約20barから、約40barまでの、または、約38barまでの、または、約36barまでの、または、約34barまでの、または、約32barまでの、たとえば、約30barなどまでの、たとえば、約28barまでの、または、約27barまでの、または、約26barまでの、または、約25barまでの、または、約24barなどまでの範囲にある圧力で動作させられることとなる。
【0068】
蒸気爆発プロセスにおける温度は、典型的に、約170~250℃の範囲にあり(たとえば、範囲180~250℃など)、選択される温度は、典型的に所望の圧力に依存することとなり、それは、温度および圧力が所定の関係で維持され、圧力が水の蒸気圧力の辺りまたは直ぐ上方にあるようになっているということを意味している。たとえば、180℃の温度において、水の蒸気飽和圧力は、10bar強になっており、200℃において、飽和蒸気圧力は、約15.5barになっており、220℃において、約23.2barになっており、250℃において、蒸気飽和圧力は、約40barになっている。
【0069】
いくつかの実施形態において、蒸気爆発反応器は、上述の範囲にある温度において、および、それぞれの温度における水の蒸気飽和圧力に対応するかまたはその近くにある圧力において動作させられる。したがって、いくつかの実施形態において、蒸気爆発反応器は、約180~200℃の範囲にある温度において、および、約10~16barの範囲にある圧力において動作させられ、いくつかの実施形態において、蒸気爆発反応器は、約200~220℃の範囲にある温度において、および、約15~23barの範囲にある圧力において動作させられ、または、約220~240℃の範囲において、および、約23~33barの範囲にある圧力において動作させられる。
【0070】
蒸気爆発が、アルカリ性条件の下で実行され、基質に伴う圧力を放出する圧力解放セクションを吐出セクションに適用する場合に、上記吐出セクションは、同時に、COスクラビングユニットを構成することが可能である。この構成では、COスクラバー(1400)の上側パーツは、サイクロンタイプ構成になっており、排気を含有するCOリッチのガスまたは他の酸性ガスの向流とアルカリ性材料との最適な接触のために、スクラバーの中心に向けて垂直の分散を推進するように設計されている。
【0071】
本明細書から理解されるように、好適な実施形態において、二酸化炭素スクラビングユニットは、蒸気爆発がアルカリ性条件の下で動作させられるときに、連続的フロー蒸気爆発反応器の一体パーツを構成している。二酸化炭素スクラビングユニットの上側パーツは、好ましくは、蒸気爆発ユニットの高圧保持セクションからの材料のストリームの送達を提供するように適合されており、圧力解放を通して提供される材料のフローが、二酸化炭素スクラビングセクションの中のサイクロンのようなパターンに方向付けられるようになっているが、同時に、スクラビングセクションの中心に向けての飛沫および分散が推進される。したがって、アルカリ性の水性の材料ストリーム(吸収体)が二酸化炭素リッチのガスストリームと出会う領域におけるアルカリ性の水性の材料ストリームの分散は、スクラビング効率を向上させる役割を果たす。
【0072】
本明細書で使用されているような「二酸化炭素スクラバー」および「二酸化炭素スクラビング」という用語は、二酸化炭素がスクラバーの中へ方向付けられ/注入されて吸収されることとなるということを指しており、したがって、スクラバーは、通常の二酸化炭素スクラバーとしての役割を果たし、通常の二酸化炭素スクラバーは、COリッチのストリームからCO含有量を除去または低減させる一般的な機能を有している。
【0073】
吐出セクションがCOスクラビングユニットとして機能する場合に、高圧ロータリー退出バルブのロードされるコンパートメント、または、圧力解放チャンバーは、好ましくは、組み合わされた吐出およびCOスクラビングセクション(1400)の上側パーツにおいて、入口部チューブ(1401)を通して、適当な角度の下で吐出され、1次スクラバーコンパートメントの内側壁部からのクリアランスを伴って、サイクロンタイプ螺旋構成(1402)の上に高速蒸気/基質を下向きに方向付ける。吐出チューブ(1401)の水平方向の/角度付きのパーツは、デミスティファイアー(demistifier)メッシュ(1407)によって、ガス排気ポートの下方のガスボイドセクションから分離されている。
【0074】
本明細書で使用されているようなサイクロンパターンという用語は、概して円形または螺旋のパターンを指す。スクラバーの内側の廃棄物ストリームおよび螺旋形状のガイドの進入角度は、サイクロンのようなフローを強化する。進入角度は、いくつかの実施形態において、水平方向から約5°から30°の範囲にあり、すなわち、水平方向から下向きに傾斜しており、たとえば、約5°からまたは約10°から、約30°までの、または、約25°までの、または、約20°までの範囲にある角度などになっている。
【0075】
しかし、スクラバーの内側の螺旋形状のガイドは、サイクロンのようなフローを部分的に乱すように設計されており、スクラビングセクションの中心領域に向けて入って来るストリームの効果的な飛沫および分散を引き起こし、二酸化炭素リッチのガスストリームとの接触を最大化する。いくつかの実施形態において、スクラビングユニットは、少なくとも1つの螺旋形状のインサート、および、好ましくは、少なくとも2つを含む。1つの実施形態では、ユニットは、互いに対して垂直方向にオフセットされた2つの内部スパイラルを含み、上側スパイラルは、スクラバーの内側壁部からクリアランスを有しており、一方では、下側スパイラルは、クリアランスを有していない。そのような例示的な構成は、図7および図8に示されている。吐出する材料の高い速度を通して、より重い画分および凝縮された蒸気が、進入の初期角度によって提供される下向き速度成分を伴って、スクラバー/サイクロン閉じ込めの内側壁部に向けて押し込まれる。この画分は、壁部クリアランス(1402)を備えたサイクロンスパイラルの下方において、および、それに対して平行に、波形のスパイラルプレート(1404)によって捕らえられる。波形体(1405)、スパイラルプレート(1404)の下向きのスロープ、および、基質/凝縮物(1403)の下向き速度は、下側スパイラルプレート(1404)の表面に沿って中心に向けてそれを部分的に方向付け、中心において、それは、上向きに方向付けられた突出部によって分散され、突出部は、スパイラルプレートの内側で終端しており、したがって、スクラバーを通って上昇するCOの向流とアルカリ性懸濁液との接触を強化する。分散する基質/凝縮物(1406)は、中央領域においておよびデミスティファイアー(1407)において凝縮する蒸気とともに、スクラバー/サイクロン閉じ込めの中心を落下し、スクラバー/サイクロンの沈下領域の中に蓄積する。
【0076】
吐出チューブ(1401)の水平方向の/角度付きのパーツは、デミスティファイアーメッシュ(1407)によって、ガス排気ポートの下方のガスボイドセクションから分離されている。
【0077】
二酸化炭素は、好ましくはユニットの下側パーツの中に提供される少なくとも1つの二酸化炭素入口部(1408、1409)を通して、二酸化炭素スクラビングユニットの中へ流入し、したがって、スクラビングセクションを通って上昇する前に、および、スクラビングセクションの中を下向きに移動する分散されたアルカリ性材料のストリームに出会う前に、スクラビングセクションの底部における沈下領域の中のアルカリ性材料蓄積を通って泡立つ。
【0078】
COを含有するガスストリーム、または、他の酸性ガスを含有するガスストリームは、好ましくは、マイクロバブルディスペンサー(1409)を通して底部から給送される。これは、好ましくは、懸濁液セクションの上側パーツから取り出された低い固体の水性の懸濁液の循環によって駆動される、傾斜した横方向配置の吸引器(1409)を通して行われる。この配置では、吸引器は、同時に、液体固体懸濁液の撹拌に役立ち、セクションの退出ポートにおいて一貫した組成を実現し、目詰まりを回避する。代替的に、COを含有する排気は、マイクロバブルまたは他のパッシブな分散セットアップ(1409、1408)を通して給送される。
【0079】
COを含有するガスストリームは、基質沈下領域を通って突出し、スクラバー(1413)の中心を上昇し、そこで、それは、凝縮器のガス退出ポート(1411)において凝縮器(1410)を通って蒸気の乾燥画分とともに退出する前に、スクラバーの凝縮セクションの上側中央パーツの中のアルカリ性吸着懸濁液とさらに接触している。
【0080】
残りの蒸気は、ガス退出ポート(1411)を退出するCO低濃度ガス(たとえば、CO/CHをスクラブするときには、CH)とともに、および、ドレインポート(1412)を退出する凝縮物とともに、凝縮器(1410)の中で除去される。凝縮の熱は、たとえば、湿潤ユニットのために給送される水性物を予熱するために使用される。
【0081】
組み合わされた圧力解放およびCOスクラビングセクション(1400)の沈下領域は、冷却スパイラルまたは他の熱交換エレメントをさらに装備しており、蒸気爆発から熱を部分的に取り戻すことが可能であり、したがって、基質温度を低下させ、たとえば、システムを提供する蒸気発生ボイラーのための水入力を予熱する。また、そのような冷却エレメントは、スクラビングユニットの上側セクションに据え付けられているかまたはそこまで延在することが可能であり、好ましくは、ガイディングスパイラルと接触しており、スクラバーの上側セクションの中にすでにある基質の急速冷却を達成する。
【0082】
スクラバーは、沈下領域の底部にあるロータリーバルブまたは任意の他の適切なバルブ(1414)を通して定期的に空にされ、好ましくは、スクラバーの中に適切に配置されている信号(DS03)液体レベルセンサー(1415)を通して基質材料をスクラバーに給送する圧力解放セクションと同期される。
【0083】
有利な場合に、ガス退出ポート(1411)は、2次スクラバーにつながっており、2次スクラバーは、上昇した圧力の下で、および、低下した温度において動作させられ得る。2次スクラバーは、従来のスプレー構成で1次吸収体/スクラバーの好ましくは冷却された液体画分を上部から給送され、1次スクラバーからのCO低濃度排気を底部から給送される。
【0084】
二酸化炭素スクラビングユニット(そこでは、蒸気爆発がアルカリ性条件の下で実行される)は、約1barから、たとえば、約1.2barなどから、たとえば、約1.5barなどから、たとえば、約2barなどから、約5barまでの、または、約4barまでの範囲にある圧力で動作させられ、代替的に、基質温度を低下させるために、および、蒸気爆発ユニットからの熱を取り戻すために、冷却エレメントを提供されている。
【0085】
蒸気爆発ユニットのスクラビング機能性は、有利には、たとえば、前処理された蒸気活用材料の嫌気性消化プロセスのから作り出される生のCO/CH混合物から、COおよび他の酸性ガスを除去するか、もしくは、この材料の発酵プロセスにおいて作り出されるCOを除去する役割を果たし、かつ/または、システムを提供する蒸気ボイラーからの煙道ガスから、COおよび他の酸性ガスを除去する役割を果たす。
【0086】
さらに、プロセスにおいて、COは、付加価値製品へのそのさらなる加工の前に、pHを低下させ、蒸気爆発プロセスにおいて発生させられるアルカリ性基質/水性抽出物(吸収体)を緩衝する役割を果たす。蒸気爆発プロセスにおいて提供される抽出物がメタンの生産のための嫌気性消化を意図している場合に、CO吸着を通して提供される炭酸塩および重炭酸塩濃度の増加は、また、メタン生産を推進する。
【0087】
解放およびCOスクラビングセクションの底部における液体-固体の懸濁液は、吐出バルブ(1413)を通した画分として定期的に放出される。これらの画分は、付加価値製品へのさらなる加工の前に、必要に応じてコンディショニングおよび分離を受ける。吐出およびCOスクラビングセクションの吐出は、好ましくは、蒸気爆発ユニットからの吐出と同期され、プロセスにおいて連続的なロード条件を実現する。
【0088】
2次スクラバーは、従来の吸着材料を用いて据え付けられ得、または、1次スクラバーの沈下領域の中に蓄積している事前濾過された液体画分をそれが給送されるように据え付けられ得、また、上昇した圧力および低減された温度において、底部から給送された1次スクラバーからのCO低濃度排気を用いる従来のトップダウンスプレーイング構成になっていることが可能である。したがって、システムの中の2次スクラバーは、いくつかの実施形態において、約5barから150barの範囲にある圧力において、たとえば、約5barから、または、約10barから、または、15barから、または、約20barから、または、約30barから、または、約40barから、約150barまでの、または、約140barまでの、または、約130barまでの、または、約120barまでの、または、約110barまでの、または、約100barまでの、または、約90barまでの、または、約80barまでの、または、約70barまでの、または、約60barまでの、または、約50barまでの範囲にある圧力値などにおいて動作させられ得、温度は、好ましくは、5℃から40℃の範囲にあり、たとえば、約5℃から、または、約10℃から、または、約15℃から、または、約20℃から、約50℃までの、または、約45℃までの、または、約40℃までの、または、約35℃までの、または、約30℃までの範囲などにある。
【0089】
条項
本発明の例示的な実施形態は、以下の条項に記載されている。
【0090】
1. 付加価値製品へのさらなる加工のための有機材料の前処理のための連続的フロー蒸気爆発反応器であって、ローディングセクションと、高圧保持セクションと、圧力解放セクションと、吐出セクションとを含み、上記高圧保持セクションは、上記セクションを通してソース材料のストリームを輸送するための少なくとも1つの可変速コンベヤーを含み、少なくとも上記高圧保持セクションの中へ蒸気を提供するための、蒸気の供給源に接続されている蒸気提供手段と、上記高圧保持セクション、上記ローディングセクションおよび上記圧力解放セクションのうちの少なくとも1つの中へ加圧ガスを提供するための、加圧ガスの供給源に接続されているガス提供手段とをさらに含む、連続的フロー蒸気爆発反応器。
【0091】
2. 上記ローディングセクションは、高圧保持セクションの中に高圧を保ちながら、ローディングセクションの上流の周囲圧力における材料を上記高圧保持セクションに移送するように構成されており、
上記圧力解放セクションは、高圧保持セクションの中に高圧を保ちながら、上記高圧保持セクションから吐出セクションへ材料を移送するように構成されており、
上記圧力解放セクションは、高圧保持セクションの中に高圧を保ちながら、圧力の降下とともに上記吐出セクションに材料を放出するように構成されている、条項1に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【0092】
3. 上記ローディングセクションは、少なくとも1つのロータリー投与バルブおよび少なくとも1つのロータリー吐出バルブを含み、上記ロータリー投与バルブは、適切な投与量の基質をロータリー吐出バルブへ移送するように寸法決めおよび構成されており、上記ローディングセクションは、圧力調節手段を含み、圧力調節手段は、上記蒸気提供手段および/または上記ガス提供手段に連結されており、上記ロータリー吐出バルブの中のコンパートメントの圧力を調節し、上記コンパートメントが上記高圧保持セクションへ材料を吐出するときに、上記高圧保持セクションの中の圧力が、実質的に維持されるようになっている、条項1または2に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【0093】
4. 上記ローディングセクションは、少なくとも1つのローディングバルブと、少なくとも1つの吐出バルブと、少なくとも1つのローディングチャンバーとを含み、少なくとも1つのローディングチャンバーは、上記バルブ同士の間にあるか、または、上記吐出バルブの一部である、条項1から3のいずれか一項に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【0094】
5. 上記ローディングセクションの中の上記少なくとも1つのローディングバルブおよび少なくとも1つの吐出バルブのそれぞれは、ロータリーバルブ、フローティングボールバルブ、ロータリーボールバルブ、ナイフゲートバルブ、およびスライドゲートバルブからなる群から独立して選択される、条項4に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【0095】
6. 上記圧力解放セクションは、少なくとも1つのロータリー投与バルブおよび少なくとも1つのロータリー吐出バルブを含み、上記ロータリー投与バルブは、適切な投与量の基質をロータリー吐出バルブへ移送するように寸法決めおよび構成されており、上記圧力解放セクションは、圧力調節手段を含み、圧力調節手段は、上記蒸気提供手段および/または上記ガス提供手段に連結されており、吐出の後に上記ロータリー吐出バルブの中のコンパートメントの圧力を調節し、上記ロータリー投与バルブからの材料を受け入れるための位置に上記コンパートメントが戻るときに、上記高圧保持セクションおよび上記ロータリー投与バルブの中の圧力が、実質的に維持されるようになっている、条項1または2に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【0096】
7. 上記圧力解放セクションは、少なくとも1つのローディングバルブと、少なくとも1つの吐出バルブと、上記バルブ同士の間のチャンバーとを含む、条項1または2に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【0097】
8. 上記圧力解放セクションの中の上記ローディングバルブおよび少なくとも1つの退出バルブのそれぞれは、ロータリー投与バルブ、フローティングボールバルブ、ロータリーボールバルブ、ナイフゲートバルブ、スライドゲートバルブからなる群から独立して選択される、条項7に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【0098】
9. 連続的フロー蒸気爆発反応器は、上記チャンバーの上側部分に接続されている圧力解放バルブと、逃げる蒸気および/またはガスを受け入れるために、上記圧力解放バルブから延在している解放導管とを含む、条項7または8に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【0099】
10. 上記解放導管は、凝縮器と、吐出ポートと、随意的なサイレンサーとを含む、条項9に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【0100】
11. 連続的フロー蒸気爆発反応器は、加圧ガス注入手段を備え、加圧ガス注入手段は、圧力放出の後にガスを注入するために、上記チャンバーの上側部分に据え付けられ、退出バルブを通した蒸気爆発された材料の吐出を加速させる、条項9に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【0101】
12. 連続的フロー蒸気爆発反応器は、圧力解放バルブの下方にスプラッシュガードを含み、基質材料が圧力解放バルブと接触することを防止するかまたは最小化する、条項9から11のいずれか一項に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【0102】
13. 上記可変速コンベヤーは、スクリューコンベヤーである、条項1から12のいずれか一項に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【0103】
14. 保持および解放温度が、蒸気注入を通して実現され、解放圧力が、追加的な加圧ガス注入を通して実現される、条項1から13のいずれか一項に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【0104】
15. 連続的フロー蒸気爆発反応器は、制御ユニットをさらに含み、制御ユニットは、上記ローディングセクションの中のバルブ、上記圧力解放セクションの中のバルブ、および、高圧保持セクションの中の搬送速度の同期化によって、上記高圧保持セクションの中の材料の調節可能な保持時間を可能にする、条項1から14のいずれか一項に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【0105】
16. 高圧保持セクションは、約10barから40barの範囲にある圧力において、および、約180~250℃の範囲にある温度において動作するように構成されている、条項1から15のいずれか一項に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【0106】
17. 圧力解放セクションのチャンバーは、約10barから40barの範囲にある圧力において、および、約180~250℃の範囲にある温度において動作するように構成されている、条項7から12のいずれか一項に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【0107】
18. 上記加圧ガスは、少なくともいくつかのセクションに関して、二酸化炭素の分圧を含む、条項1から17のいずれか一項に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【0108】
19. 付加価値製品へのさらなる加工のための有機材料の前処理のための連続的フロー蒸気爆発反応器であって、ローディングセクションと、高圧保持セクションと、圧力解放セクションとを含み、上記高圧保持セクションは、上記高圧保持セクションを通してソース材料のストリームを輸送するための少なくとも1つの可変速コンベヤーを含み、上記圧力解放セクションは、チャンバーを含み、チャンバーは、上記チャンバーの上側部分に接続されている圧力解放バルブと、逃げる蒸気を受け入れるために上記圧力解放バルブから延在している解放導管とを有しており、チャンバーは、高圧で動作するように、および、上記圧力解放バルブを通した圧力の突然の解放を可能にするように構成されており、チャンバーは、基質の吐出のための吐出バルブを備えた退出ポートを有している、連続的フロー蒸気爆発反応器。
【0109】
20. 上記解放導管は、凝縮器と、ガス吐出出口部と、随意的なサイレンサーとを含む、条項19に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【0110】
21. 上記ローディングセクションは、少なくとも1つのローディングバルブと、少なくとも1つの吐出バルブと、上記バルブ同士の間にあるかまたは上記吐出バルブの一部である少なくとも1つのローディングチャンバーと、上記高圧保持セクションと圧力解放セクションの上記チャンバーとの間にある少なくとも1つのバルブとを含む、条項19または20に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【0111】
22. 上記バルブのそれぞれは、ロータリー投与バルブ、フローティングボールバルブ、ロータリーボールバルブ、ナイフゲートバルブ、およびスライドゲートバルブから独立して選択される、条項21に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【0112】
23. 連続的フロー蒸気爆発反応器は、アルカリ性蒸気爆発反応器として動作するように構成されている、条項1から22のいずれか一項に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【0113】
24. 連続的フロー蒸気爆発反応器は、少なくとも1つの一体化された二酸化炭素スクラビングユニットを含む、条項23に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【0114】
25. 連続的フロー蒸気爆発反応器は、高圧保持セクションと、ローディングセクションと、圧力解放セクションと、吐出セクションとを含み、蒸気爆発反応器の上記吐出セクションは、同時に、上記二酸化炭素スクラビングユニットとしての役割を果たす、条項23および24に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【0115】
26. 二酸化炭素スクラビングユニットの上側パーツは、二酸化炭素スクラビングユニットの中央の軸線に対して所定の角度の下で、圧力解放セクションからの材料のストリームの送達を受け入れるように適合されており、少なくとも1つの内部スパイラルによって、材料の上記ストリームをサイクロンパターンへと方向付ける、条項24または25に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【0116】
27. 二酸化炭素スクラビングユニットは、スクラビングユニットの下側パーツの中に提供されている少なくとも1つのガス入口部をさらに含み、それによって、高圧保持セクションからの材料のアルカリ性ストリームが、二酸化炭素リッチのガスストリームに出会い、二酸化炭素スクラビング、および/または、上記ガスストリームからの他の酸性ガス成分のスクラビングを促進させる、条項24から26のいずれか一項に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【0117】
28. 二酸化炭素スクラビングセクションは、2つの挿入されたスパイラルを含み、スパイラルは、互いに対して垂直方向にオフセットされており、上側スパイラルは、スクラバーの内側壁部からクリアランスを有しており、一方では、下側スパイラルは、クリアランスを有しておらず、それは、炭素スクラビングユニットの内側壁部に沿って上側スパイラルから下側スパイラルへ搬送される材料によって達成される、炭素スクラビングユニットの中の廃棄物のストリームの1次サイクロンパターンフローに対して垂直の部分的な速度成分を達成する、条項26または27に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【0118】
29. 上記下側スパイラルは、波形のパターンと、スパイラルの内側縁部における突出リムとを提供されており、波形のパターンは、スクラバーの中心に向けて材料を部分的にガイドし、突出リムは、材料の垂直成分がスクラバーユニットの中心に向けてスプラッシュおよび分散することを引き起こす、条項28に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【0119】
30. 二酸化炭素スクラビングセクションは、約1barから約5barの範囲にある圧力で動作する、条項26から29のいずれか一項に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【0120】
31. 上記スクラバーユニットは、熱交換冷却エレメントを提供され、スクラビング媒体の冷却、および、蒸気爆発からの熱の回収を提供する、条項25から30のいずれか一項に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【0121】
32. 上記圧力解放セクションは、第1の二酸化炭素スクラバーとしての役割を果たし、システムは、2次スクラバーをさらに含み、2次スクラバーは、スクラビング媒体として上記第1のスクラバーから液体画分を給送される、条項25から31のいずれか一項に記載の連続的フロー蒸気爆発反応器。
【0122】
33. 固体の有機材料の処理のためのプロセスであって、処理は、蒸気爆発性破壊を含み、さらなる下流の加工のために上記材料をより利用しやすくし、プロセスは、
a) 固体の有機材料を含む材料ストリームを受け入れるステップと、
b) ストリームを湿潤および混合セクションの中へ導入し、固体の有機材料を濡らして混合するステップと、
c) 上記湿潤および混合セクションから、ローディングセクションのローディングバルブを通して、ローディングコンパートメントの中へ、ストリームを移送するステップと、
d) 蒸気または加圧ガス、たとえば、加圧空気などをその中に導入することによって、上記ローディングコンパートメントの中の圧力を増加させるステップと、
e) 上記ローディングコンパートメントから高圧保持セクションへ材料を放出するステップと、
f) 170℃から250℃の範囲にある高温、および、10barから40barの範囲にある高圧を受けながら、高圧保持セクションを通して材料を連続的に給送するステップと、
g) 上記高圧保持セクションを通して給送された材料投与量を、バルブを通して、吐出コンパートメントへ移送し、上記吐出コンパートメントから圧力を放出し、上記材料投与量に対する蒸気爆発効果を得るステップと、
h) 下側圧力吐出セクションの中へ上記材料投与量を吐出するステップと
を含む、プロセス。
【0123】
34. 上記ステップ(g)において圧力を放出すること、および、ステップ(h)における吐出は、1つのステップで実行され、1つのステップでは、材料投与量をより低い圧力の上記吐出セクションの中へ吐出することによって、圧力が放出される、条項33に記載のプロセス。
【0124】
35. 上記ステップ(g)において圧力を放出することは、上記吐出コンパートメントの上側パーツの中に位置付けされている圧力解放バルブを開けることによって実現され、逃げるガスおよび蒸気が上記圧力解放バルブおよび圧力解放バルブの反対側の導管を通って退出することを可能にする、条項33に記載のプロセス。
【0125】
36. 上記高圧保持の中の高温および高圧は、上記領域の中へ蒸気を導入することによって、および、随意的に、加圧ガス、たとえば、加圧空気などをさらに導入することによって実現される、条項33から35のいずれか一項に記載のプロセス。
【0126】
37. プロセスは、材料の吐出の後に、コンパートメントが上記高圧保持セクションからまたは高圧保持セクションと吐出コンパートメントとの間の中間バルブから別の材料投与量を受け入れるための位置に戻される前に、上記吐出コンパートメントの中の蒸気および/または加圧ガス(たとえば、加圧空気など)によって、圧力を増加させるステップを含む、条項33から36のいずれか一項に記載のプロセス。
【0127】
38. プロセスは、材料の吐出および上記ローディングコンパートメントから圧力を放出した後に、湿潤および混合セクションへのまたは湿潤および混合セクションとローディングコンパートメントとの間の中間投与バルブへのコンパートメントを開ける前に、高圧保持セクションへのローディングコンパートメントを閉じるステップを含む、条項33から36のいずれか一項に記載のプロセス。
【0128】
39. 材料のストリームは、湿潤および混合セクションの中でアルカリ性水溶液と混合される、条項33から38のいずれか一項に記載のプロセス。
【0129】
40. 蒸気爆発処理の後に、加工されたストリームは、上記圧力解放セクションからの材料を受け入れる吐出セクションと一体化された二酸化炭素スクラビングセクションの中での二酸化炭素スクラビングのためのスクラビング媒体として利用される、条項39に記載のプロセス。
【0130】
41. プロセスは、上記ガスストリームから上記二酸化炭素の少なくとも一部を除去するために、二酸化炭素を含むガスストリームを上記二酸化炭素スクラビングセクションの中へ給送するステップを含む、条項40に記載のプロセス。
【0131】
42. プロセスは、
圧力解放セクションから上記吐出セクションおよびスクラバーユニットの中へ上記ストリームを移送するステップであって、ストリームのフローが、スクラバーユニットの中央の軸線に対して所定の角度で進入するようになっており、材料のストリームが、サイクロンタイプフローパターンを生成させるために、上記スクラバーユニットの中に配置されている少なくとも1つのスパイラルに実質的に沿って流れるようになっている、ステップと、
二酸化炭素を含む上記ガスストリームを、スクラビングユニットの下側パーツの中に提供されている少なくとも1つの入口部を通して、上記スクラバーユニットの中へ導入するステップと
を含む、条項41に記載のプロセス。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】