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特表2022-525169イソクロマニル化合物の塩およびその結晶体、ならびにそれらの製造方法、治療用途および医薬組成物
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-11
(54)【発明の名称】イソクロマニル化合物の塩およびその結晶体、ならびにそれらの製造方法、治療用途および医薬組成物
(51)【国際特許分類】
   C07D 311/76 20060101AFI20220428BHJP
   A61K 31/352 20060101ALI20220428BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20220428BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20220428BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20220428BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20220428BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20220428BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20220428BHJP
   A61P 25/30 20060101ALI20220428BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20220428BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20220428BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20220428BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20220428BHJP
【FI】
C07D311/76 CSP
A61K31/352
A61P25/16
A61P25/00
A61P25/28
A61P25/08
A61P25/14
A61P25/22
A61P25/30
A61P25/18
A61P25/24
A61P25/04
A61P29/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021555293
(86)(22)【出願日】2020-03-13
(85)【翻訳文提出日】2021-11-12
(86)【国際出願番号】 US2020022642
(87)【国際公開番号】W WO2020186165
(87)【国際公開日】2020-09-17
(31)【優先権主張番号】62/818,256
(32)【優先日】2019-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500114922
【氏名又は名称】サノビオン ファーマシューティカルズ インク
【氏名又は名称原語表記】Sunovion Pharmaceuticals Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【弁理士】
【氏名又は名称】品川 永敏
(74)【代理人】
【識別番号】100162695
【弁理士】
【氏名又は名称】釜平 双美
(74)【代理人】
【識別番号】100156155
【弁理士】
【氏名又は名称】水原 正弘
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【弁理士】
【氏名又は名称】呉 英燦
(72)【発明者】
【氏名】ボグル,ナンドクマール ニブリッティ
(72)【発明者】
【氏名】橋塚 貴彦
(72)【発明者】
【氏名】プリトコ,ロバート ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】スヌーニアン,ジョン アール
(72)【発明者】
【氏名】ウィルキンソン,ハロルド スコット
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ハイタオ
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA03
4C086AA04
4C086BA08
4C086GA14
4C086GA15
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA02
4C086ZA06
4C086ZA08
4C086ZA11
4C086ZA12
4C086ZA15
4C086ZA16
4C086ZA18
4C086ZA22
4C086ZC39
(57)【要約】
本発明は、CNS障害の治療に有用な、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンの塩、その結晶体およびその製造方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンホスフェート(化合物1のホスフェート);
(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンL-タートレート(化合物1のL-タートレート);
(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンD-タートレート(化合物1のD-タートレート);
(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンフマレート(化合物1のフマレート);
(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンシトレート(化合物1のシトレート);
(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンスクシネート(化合物1のスクシネート);
(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミングルタレート(化合物1のグルタレート);
(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンL-マレート(化合物1のL-マレート);
(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンベシレート(化合物1のベシレート);または
(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミントシレート(化合物1のトシレート);
である、塩あるいはその水和物または溶媒和物。
【請求項2】
塩が、固体形態である、請求項1に記載の塩。
【請求項3】
塩が、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンホスフェート(化合物1のホスフェート)である、請求項1または2に記載の塩。
【請求項4】
化合物1のホスフェートが、結晶である、請求項3に記載の塩。
【請求項5】
塩が、4.6°±0.2°、9.1°±0.2°および18.2°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す、請求項4に記載の塩。
【請求項6】
塩が、4.6°±0.2°、9.1°±0.2°、15.7°±0.2°、18.2°±0.2°、22.3°±0.2°、22.8°±0.2°および24.8°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示す、請求項4に記載の塩。
【請求項7】
塩が、4.6°±0.2°、9.1°±0.2°、15.7°±0.2°、18.2°±0.2°、22.3°±0.2°、22.8°±0.2°および24.8°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを示す、請求項4に記載の塩。
【請求項8】
塩が、4.6°±0.2°、9.1°±0.2°、15.7°±0.2°、18.2°±0.2°、22.3°±0.2°、22.8°±0.2°および24.8°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを示す、請求項4に記載の塩。
【請求項9】
塩が、実質的に図6(FIG.6)に表される通りの特徴的なピークのXRPDパターンを示す、請求項4~8のいずれか1項に記載の塩。
【請求項10】
塩が、約213℃の温度で吸熱ピークを示す、請求項4~9のいずれか1項に記載の塩。
【請求項11】
塩が、実質的に図7(FIG.7)に表される通りのDSCサーモグラムを示す、請求項4~10のいずれか1項に記載の塩。
【請求項12】
塩が、実質的に図9(FIG.9)に表される通りのDVS等温線を示す、請求項4~11のいずれか1項に記載の塩。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の塩と、医薬的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項14】
治療を必要とする対象における神経学的または精神医学的疾患または障害を治療するための方法であって、請求項1~12のいずれか1項に記載の塩または請求項13に記載の医薬組成物の有効量を、前記対象に投与することを特徴とする、方法。
【請求項15】
神経学的または精神医学的疾患または障害が、うつ病、双極性障害、疼痛、統合失調症または他の精神病性疾患、強迫性障害、中毒症、社会性障害、注意欠陥多動性障害、不安障害、運動障害、てんかん、自閉症または認知疾患または障害である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
神経学的または精神医学的疾患または障害がうつ病である、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
うつ病が、治療抵抗性うつ病(TRD)、大うつ病性障害(MDD)、単極性うつ病、双極性うつ病または他の疾患または障害に関連するうつ病である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
神経学的疾患または障害が、アルツハイマー病およびパーキンソン病から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
アルツハイマー病が、焦燥性興奮を伴うアルツハイマー病、攻撃行動を伴うアルツハイマー病、アルツハイマー病性の焦燥性興奮または焦燥性興奮/攻撃行動を伴うアルツハイマー病である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
請求項1~12のいずれか1項に記載の塩または請求項13に記載の医薬組成物の有効量を、治療を必要とする対象に投与することを含む、対象における焦燥性興奮を治療するための方法。
【請求項21】
治療を必要とする対象における神経学的または精神医学的疾患または障害に関連する焦燥性興奮を治療する方法であって、請求項1~12のいずれか1項の塩または請求項13の医薬組成物の有効量を対象に投与することを特徴とする、方法。
【請求項22】
構造:
【化1】

である(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミン(化合物1)を、リン酸と反応させることを特徴とする、構造:
【化2】

化合物1のホスフェート

である、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンホスフェート(化合物1のホスフェート)の製造方法。
【請求項23】
構造:
【化3】
化合物1のジベンゾイル-L-タートレート

である、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンジベンゾイル-L-タートレート(化合物1のジベンゾイル-L-タートレート)を、B1(ここで、B1は塩基である)と反応させることを特徴とする、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミン(化合物1)の製造方法。
【請求項24】
構造:
【化4】

である、1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミン(ラセミ化合物1)を、S3(ここで、S3は溶媒である)の存在下で、ジベンゾイル-L-酒石酸と反応させることを特徴とする、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンジベンゾイル-L-タートレート(化合物1のジベンゾイル-L-タートレート)の製造方法。
【請求項25】
化合物1のホスフェートが結晶である、請求項22記載の方法により製造された、化合物1のホスフェート。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、2019年3月14日に提出された米国仮特許出願番号62/818,256の優先権を主張するものであり、その内容の全てが本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本出願は、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミン(化合物1)の塩およびその結晶体、ならびにそれらの製造方法、治療用途および医薬組成物に関するものである。
【背景技術】
【0003】
中枢神経系の疾患および障害は、広範囲にわたる集団に影響を及ぼし、その重症度も様々である。神経学的および精神医学的な疾患および障害には、大うつ病、統合失調症、双極性障害、強迫性障害(OCD)、パニック障害および心的外傷後ストレス障害(PTSD)などがある。これらの疾患および障害は、人の思考、気分、行動および社会的相互作用に影響を与え、日常生活の機能を著しく損なう可能性がある。例えば、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 4th Ed., American Psychiatric Association (2000) ("DSM-IV-TR");Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 5th Ed., American Psychiatric Association (2013)("DSM-5")などを参照されたい。さらに、無気力症、うつ病、不安症、認知機能障害、精神病、攻撃行動、焦燥性興奮、衝動制御障害および睡眠障害などの精神神経症状は、現在、アルツハイマー病およびパーキンソン病などの神経疾患および障害の中核的障害として認識されている。
【0004】
CNS疾患(中枢神経系疾患)の治療のために、様々な薬剤が現在開発中である。例えば、米国特許第10,196,403号(その全てが参照により本明細書に組み込まれている)に報告されている(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンは、CNS障害の治療に有用である。安全で有効かつ高品質な医薬品の製造を容易にするために、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンの塩および新規形態が求められている。
【発明の概要】
【0005】
(発明の要旨)
本明細書は、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンの塩およびその結晶体を提供する。化合物である(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミン(化合物1)は、下記構造:
【化1】
を示す。
【0006】
いくつかの実施態様では、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミン(化合物1)、あるいはその塩または結晶体の製造方法が提供される。
【0007】
いくつかの実施態様では、CNS疾患の治療において、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミン(化合物1)、あるいはその塩または結晶体を使用する方法が提供される。
【0008】
いくつかの実施態様では、本明細書に記載された(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミン(化合物1)、あるいはその塩または結晶体ならびに1以上の医薬的に許容し得る賦形剤を含む医薬組成物が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、化合物1のヒドロクロリド形態HAのX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。
図2図2は、化合物1のヒドロクロリド形態HAの示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す。
図3図3は、化合物1のヒドロクロリド形態HAの熱重量分析(TGA)サーモグラムを示す。
図4図4は、化合物1のヒドロクロリド形態HAの動的水蒸気吸着(DVS)等温線を示す。
図5図5は、化合物1のヒドロクロリド形態HBのXRPDパターンを示す。
図6図6は、化合物1のホスフェートのXRPDパターンを示す。
図7図7は、化合物1のホスフェートのDSCサーモグラムを示す。
図8図8は、化合物1のホスフェートのTGAサーモグラムを示す。
図9図9は、化合物1のホスフェートのDVS等温線を示す。
図10図10は、化合物1のL-タートレート形態LAのXRPDパターンを示す。
図11図11は、化合物1のL-タートレート形態LAのDSCサーモグラムを示す。
図12図12は、化合物1のL-タートレート形態LAのTGAサーモグラムを示す。
図13図13は、化合物1のL-タートレート形態LAのDVS等温線を示す。
図14図14は、化合物1のL-タートレート形態LBのXRPDパターンを示す。
図15図15は、化合物1のL-タートレート形態LBのDVS等温線を示す。
図16図16は、化合物1のL-タートレート形態LCのXRPDパターンを示す。
図17図17は、化合物1のL-タートレート形態LCのDSCサーモグラムを示す。
図18図18は、化合物1のL-タートレート形態LCのTGAサーモグラムを示す。
図19図19は、化合物1のL-タートレート形態LCのDVS等温線を示す。
図20図20は、化合物1のD-タートレートのXRPDパターンを示す。
図21図21は、化合物1のD-タートレートのDVS等温線を示す。
図22図22は、化合物1のフマレート形態FAのXRPDパターンを示す。
図23図23は、化合物1のフマレート形態FAのDSCサーモグラムを示す。
図24図24は、化合物1のフマレート形態FAのTGAサーモグラムを示す。
図25図25は、化合物1のフマレート形態FAのDVS等温線を示す。
図26図26は、化合物1のフマレート形態FBのXRPDパターンを示す。
図27図27は、化合物1のフマレート形態FBのDSCサーモグラムを示す。
図28図28は、化合物1のフマレート形態FBのTGAサーモグラムを示す。
図29図29は、化合物1のフマレート形態FBのDVS等温線を示す。
図30図30は、化合物1のシトレートのXRPDパターンを示す。
図31図31は、化合物1のシトレートのDSCサーモグラムを示す。
図32図32は、化合物1のシトレートのTGAサーモグラムを示す。
図33図33は、化合物1のシトレートのDVS等温線を示す。
図34図34は、化合物1のスクシネートのXRPDパターンを示す。
図35図35は、化合物1のスクシネートのDSCサーモグラムを示す。
図36図36は、化合物1のスクシネートのTGAサーモグラムを示す。
図37図37は、化合物1のスクシネートのDVS等温線を示す。
図38図38は、化合物1のグルタレートのXRPDパターンを示す。
図39図39は、化合物1のグルタレートのDVS等温線を示す。
図40図40は、化合物1のL-マレートのXRPDパターンを示す。
図41図41は、化合物1のL-マレートのDSCサーモグラムを示す。
図42図42は、化合物1のL-マレートのTGAサーモグラムを示す。
図43図43は、化合物1のL-マレートのDVS等温線を示す。
図44図44は、化合物1のベシレートのXRPDパターンを示す。
図45図45は、化合物1のベシレートのDSCサーモグラムを示す。
図46図46は、化合物1のベシレートのTGAサーモグラムを示す。
図47図47は、化合物1のベシレートのDVS等温線を示す。
【0010】
(発明の詳細な説明)
本発明の方法は、神経学的または精神医学的疾患、障害または不全を治療するための、本明細書に開示された化合物および組成物の使用に関するものである。ある実施態様においては、神経学的または精神医学的疾患または障害は、うつ病、双極性障害、疼痛、統合失調症、強迫性障害、精神刺激薬障害、中毒症、社会性障害、注意欠陥多動性障害、不安障害、運動障害、てんかん、自閉症、アルツハイマー病、パーキンソン病または認知障害である。一実施態様では、疾患または障害は、うつ病、特に治療抵抗性うつ病(TRD)、大うつ病性障害(MDD)、単極性うつ病、双極性うつ病または別の疾患または障害に関連するうつ病である。ある実施態様においては、アルツハイマー病およびパーキンソン病などの神経学的疾患または障害における機能障害には、無気力症、うつ病、不安症、認知機能障害、精神病、攻撃行動、焦燥性興奮、衝動制御障害および/または睡眠障害などの神経精神症状を含む。
【0011】
本明細書に開示された様々な実施態様の理解を提供するために、詳細な説明を記載しているが、当該開示内容は、請求項を特定の実施態様に限定することを意図するものではなく、請求項に記載された内容の例示であることを理解されたい。したがって、本明細書に開示された特定の実施態様は、簡便性および編集のために提供されている様々な見出し下での特定の実施態様を含む本明細書に開示された別の特定の実施態様と組み合わせることができるが、いずれも請求項を限定すると解釈されるべきではない。
【0012】
本明細書に引用された全ての刊行物は、その全てが出典明示により本明細書に組み込まれる。
【0013】
(定義)
別段の記載が無い限り、本明細書で使用されている全ての技術用語および科学用語は、当業者が一般的に理解しているものと同じ意味を持つ。
【0014】
本明細書で使用される単数形の冠詞「a」、「an」および「the」は、文脈上明らかに別の意味を示さない限り、複数形も含むことを意図している。
【0015】
本明細書で使用されるように、別段の記載がない限り、「約」という用語は、特定の固体形態を説明するために提供される数値または数値の範囲(例えば、特定の温度または温度範囲、例えば、融解、脱水またはガラス転移の記述など;質量変化、例えば、温度または湿度の関数としての質量変化など;溶媒または水の含有量、例えば、質量またはパーセンテージなどに関して;またはピーク位置、例えば、13C NMR、DSC、TGAおよびXRPDによる分析などによる)との関連において使用され、これは特定の固体形態を説明する際に、当業者にとって合理的であると考えられる範囲まで、数値または数値の範囲から外れてもよいことを示している。具体的には、「約」という用語は、この文脈で使用される場合、数値または数値の範囲が、特定の固体形態を依然として記載しながらも、記載された値または値の範囲の5%、4%、3%、2%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%または0.1%まで変化してもよいことを示す。ある実施態様においては、数値は、約5%異なる場合がある。「約」なる用語は、°2θ値と共に使用される場合、±0.3°2θまたは±0.2°2θを指す。ある実施態様においては、「約」とは、±0.2°2θ値の°2θ値を指す。ある実施態様においては、「約」とは、±3℃の温度を指す。
【0016】
本明細書では、「アルカリ金属炭酸水素塩」という用語を、単独で、または別の用語と組み合わせて使用し、式:M(HCO) (式中、Mは、リチウム、ナトリウムまたはカリウムなどのアルカリ金属を指す)を示す塩基を意味する。アルカリ金属の炭酸水素塩の例には、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水素カリウムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0017】
本明細書では、「アルカリ金属アルコキシド」という用語を、単独で、または別の用語と組み合わせて使用し、式:M(O-アルキル) (式中、Mは、リチウム、ナトリウムまたはカリウムなどのアルカリ金属を指す)を示す塩基を意味する。アルカリ金属アルコキシドの例としては、リチウムアルコキシド、ナトリウムアルコキシドおよびカリウムアルコキシドが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0018】
本明細書では、「金属水酸化物塩基」という用語を、単独で、または別の用語と組み合わせて使用し、式:MOH (式中、Mは、リチウム、ナトリウムまたはカリウムなどのアルカリ金属を指す)を有する塩基を意味する。アルカリ金属水酸化物塩基の例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0019】
本明細書では、「含む」および「包含している」という用語またはその文法的変形は、所定の特徴、整数、工程または構成成分を特定するものとみなされるが、1つまたは複数の別の特徴、整数、工程、構成成分またはそれらの群の追加を排除するものではない。これらの用語には、「~から成る」という用語を包含する。
【0020】
本明細書で使用される「周囲温度」および「室温」という表現は、当技術分野で理解されており、一般的に、反応が実施される部屋の温度程度の温度、例えば、約20℃~約30℃の温度を指す。
【0021】
本明細書で使用される「非晶質」または「非晶質形態」という用語は、目的とする物質、成分または生成物が、例えばXRPDによって決定された場合に結晶性ではないか、または目的とする物質、成分または生成物が、例えば顕微鏡で観察したときに複屈折性ではない場合を意味することを意図する。例えば、非晶質とは、本質的に、分子の規則的な反復配列がないこと、あるいは結晶のような長距離秩序がないことを意味する、すなわち非晶質形態は、非結晶であることを意味する。また、非晶質形態とは、鮮明な極大値を持つ明確なX線回折パターンを示さない。ある実施態様では、物質の非晶質形態を含む試料は、別の非晶質形態および/または結晶体を実質的に含まない可能性がある。例えば、非晶質の物質は、容易に区別できる反射がないXRPDスペクトルによって同定することができる。
【0022】
本明細書で使用される「化学純度」または「純度」という用語は、純粋な化合物の測定値を意味する。ある実施態様においては、本明細書に記載の化合物は、少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%または約99%の純度で単離することができる。ある実施態様においては、本明細書に記載の化合物は、約90%を超えるエナンチオマー純度で単離することができる。ある実施態様においては、本明細書に記載の化合物は、約95%よりも高いエナンチオマー純度で単離することができる。ある実施態様においては、本明細書に記載の化合物は、約99%よりも高いエナンチオマー純度で単離することができる。測定値は、当分野で周知の方法、例えば、元素分析、カラムクロマトグラフィー、NMR分光法などによって決定することができる。
【0023】
本明細書で使用される「結晶」または「結晶体/結晶形態」という用語は、単一成分または複数成分の結晶形態、例えば溶媒和物、水和物、包接水和物および共結晶を含むが、これらに限定されない化合物の結晶性固体を意味する。例えば、「結晶」とは、分子が規則的な反復にて配列されていること、分子が規則的に配置されていること、ならびに識別可能な結晶格子を有していることを意味する。また、「結晶形態」とは、結晶性物質の特定の格子配置を意味する。同一物質であっても、様々な異なる結晶格子(単位胞)を有しており、その結晶格子に起因して異なる物理的特性を示し、場合によっては水または溶媒の含有量が異なり得る。異なる結晶格子は、X線粉末回折(XRPD)などの固体状態特性評価法によって同定することができる。その他の特性評価法、例えば、示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)、動的水蒸気吸着(DVS)などは、結晶形態を同定するのにさらに役立つだけでなく、安定性および溶媒/水含有量を決定するのにも役立つ。
【0024】
本明細書で使用される「%結晶化度」または「結晶純度」という用語は、同一化合物の非晶質形態または化合物の少なくとも1つの別の結晶形態、またはそれらの混合物などの他の形態を含む可能性がある調製物またはサンプル中の結晶形態の割合を意味する。ある実施態様においては、結晶形態は、少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%または約99%の純度で単離することができる。ある実施態様においては、結晶形態は、約90%よりも高い純度で単離することができる。ある実施態様においては、結晶形態は、約95%よりも高い純度で単離することができる。ある実施態様においては、結晶形態は、約99%よりも高い純度で単離することができる。
【0025】
本明細書で使用される、障害の発症を「遅らせる」とは、障害の発症を、遅らせる、妨害する、時間をかけさせる、安定させる、および/または延ばすことを意味する。遅らせるとは、疾患の病歴および/または治療を受ける個体に応じて、時間の長さを変更することができる。
【0026】
本明細書で使用される「障害」という用語または本明細書に開示されている特定の障害(例えば、CNS障害)とは、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth Edition (DSM-5)で定義されている障害を指す。
【0027】
本明細書で使用される「エナンチオマー純度」という用語は、キラル化合物の純度の測定値を指す。いくつかの実施態様においては、本明細書に記載の化合物は、少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%または約99%のエナンチオマー純度で単離することができる。いくつかの実施態様においては、本明細書に記載の化合物は、約99%よりも高いエナンチオマー純度で単離することができる。いくつかの実施態様においては、本明細書に記載の化合物は、約90%よりも高いエナンチオマー純度で単離することができる。いくつかの実施態様においては、本明細書に記載の化合物は、約95%よりも高いエナンチオマー純度で単離することができる。測定値は、当技術分野で周知の方法、例えば、比旋光度、キラルカラムクロマトグラフィー、NMR分光法などによって決定することができる。
【0028】
本明細書で使用される用語「水和物」は、水を含む化合物1およびその塩の固体形態(例えば、結晶体)を指すことを意味する。水和物中の水は、固体中の塩の量に関して化学量論的な量で存在することができるか、あるいはチャネル型水和物に関連して見られるような様々な量で存在することができる。
【0029】
本明細書に記載の工程の反応は、有機合成分野の当業者が容易により容易に選択できる適切な溶媒中で実施することができる。適切な溶媒は、反応を実施する温度、例えば、溶媒の凍結温度から溶媒が沸騰する温度までの範囲で、出発物質(反応物)、中間体または生成物と実質的に非反応性であり得る。所定の反応は、1つの溶媒中、または2つ以上の溶媒の混合物中で行うことができる。特定の反応工程に応じて、特定の反応工程に適した溶媒を選択し得る。いくつかの実施態様においては、反応は、試薬の少なくとも1つが液体または気体である場合など、溶媒の非存在下で実施することができる。本明細書で使用される「有機溶媒」という用語は、本明細書に記載されている1つ以上の化合物を、溶解または分散させるために用いられる炭素系溶媒(すなわち、それらは構造中に炭素を含む)を指す。
【0030】
適切な溶媒としては、ハロゲン系溶媒、例えば、四塩化炭素、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホルム、クロロホルム、ブロモクロロメタン、ジブロモメタン、塩化ブチル、ジクロロメタン(塩化メチレン)、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、1,1-ジクロロエタン、2-クロロプロパン、1,1,1-トリフルオロトルエン、1,2-ジクロロエタン、1,2-ジブロモエタン、ヘキサフルオロベンゼン、1,2,4-トリクロロベンゼン、1,2-ジクロロベンゼン、クロロベンゼン、フルオロベンゼンおよびこれらの混合物などを挙げることができる。
【0031】
適切な溶媒としては、エーテル系溶媒として、例えば、ジメトキシメタン、テトラヒドロフラン、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン、フラン、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、アニソール、tert-ブチルメチルエーテルおよびそれらの混合物などを挙げることができる。
【0032】
適切な溶媒としては、プロトン性溶媒(例えば、極性プロトン性溶媒)が挙げられ、例えば、水、メタノール、エタノール、2-ニトロエタノール、2-フルオロエタノール、2,2,2-トリフルオロエタノール、エチレングリコール、1-プロパノール、2-プロパノール、2-メトキシエタノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソ-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、2-エトキシエタノール、ジエチレングリコール、1-、2-または3-ペンタノール、ネオペンチルアルコール、tert-ペンチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェノールまたはグリセロールを挙げることができるが、これらに限定するものではない。
【0033】
適切な溶媒としては、非プロトン性溶媒として、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMA)、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン(DMPU)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)、N-メチルピロリジノン(NMP)、ホルムアミド、N-メチルアセトアミド、N-メチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、プロピオニトリル、ギ酸エチル、酢酸メチル、ヘキサクロロアセトン、アセトン、エチルメチルケトン、酢酸エチル、スルホラン、N,N-ジメチルプロピオンアミド、テトラメチル尿素、ニトロメタン、ニトロベンゼンまたはヘキサメチルホスホロアミドなどを挙げることができるが、これらに限定するものではない。
【0034】
適切な溶媒としては、炭化水素系溶媒、例えば、ベンゼン、シクロヘキサン、ペンタン、ヘキサン、トルエン、シクロヘプタン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、エチルベンゼン、m-、o-またはp-キシレン、オクタン、インダン、ノナンまたはナフタレンなどを挙げることができる。
【0035】
本明細書で使用される「ピーク」または「特性ピーク」という用語は、最大ピークの高さ/強度の少なくとも約3%の相対的な高さ/強度を有する反射を指す。
【0036】
本明細書で使用される「医薬的に許容される」または「生理学的に許容される」という用語は、獣医学的またはヒトの医薬用途に適した医薬組成物を製造するのに有用な化合物(例えば、固体形態)、組成物、投与形態およびその他の材料を指す。
【0037】
「医薬的に許容される賦形剤」とは、非毒性の結合剤、充填剤、アジュバント、担体、賦形剤、滑剤、甘味剤、希釈剤、防腐剤、染料/着色剤、香味増強剤、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、懸濁化剤、安定剤、等張化剤、溶媒、乳化剤、固結防止剤、香料、乾燥剤、可塑剤、ビヒクル、崩壊剤または滑沢剤などを指し、これらは配合された化合物の薬理活性を損なわないものである。組成物に使用できる医薬的に許容される賦形剤としては、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質、例えばヒト血清アルブミン、緩衝剤、例えばリン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、植物性飽和脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質、例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂などが挙げられる。
【0038】
明細書で使用される「予防」または「防止」とは、障害の臨床症状が発症しないように、障害の発症を防御するレジメンを意味する。従って、「予防」とは、対象における疾患の兆候が検出可能となる前に、本明細書に開示された化合物の投与を含めた治療法を対象に行うこと(例えば、障害の検出可能な症候がない状態で本明細書に開示された化合物を対象に投与すること)に関する。対象とは、障害を発症するリスクがあると考えられる。本明細書で使用する場合、「リスクのある」対象とは、治療すべき障害を発症するリスクのある対象である。これは、例えば、障害の発症と相関する測定可能なパラメータであり、当分野で知られている1つまたは複数のリスク因子によって示されてもよい。
【0039】
化合物の製造には、様々な化学基の保護および脱保護が関与し得る。保護および脱保護の必要性および適切な保護基(PG)の選択は、当業者であれば容易に判断できる。保護基の化学的性質は、例えば、Wuts and Greene, Greene's Protective Groups in Organic Synthesis, 4th Ed., John Wiley & Sons: New York, 2006に記載されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。化合物の製造には、結合の切断により脱離する分子断片である脱離基(LG)も包含され得る。脱離基は、アニオンまたは中性フラグメントであり、結合の切断をもたらす別の電子密度を安定化することができる。代表的な脱離基は、ハロゲン化物(例えば、Cl、Br、Iなど)およびスルホネートのエステル(例えば、トシレート(TsO)、トリフラート(TfO)、メシレート(MsO)など)である。
【0040】
本明細書で使用されるように、特定の工程を説明する際の「反応」、「接触」または「治療」という用語は、当分野で知られている通りに使用され、一般に、化学的または物理的変換を達成するために分子レベルでの相互作用を可能にするような方法で化学試薬を一緒にすることを意味する。ある実施態様においては、反応には2つの試薬が含まれ、第1の試薬に対して、1当量以上の第2の試薬が使用される。本明細書に記載した方法の反応工程は、同定された生成物の製造に適した時間および条件で実施することができる。
【0041】
明細書で使用される「塩」という用語は、化合物および酸または塩基との組み合わせにより生じる物質を指す。例えば、遊離塩基の化合物1は、溶媒中または溶融物中で目的の酸と組み合わせて、化合物1の塩を生成することができる。いくつかの実施態様においては、化合物1の酸付加塩は、アニオン交換によって異なる酸付加塩に変換することができる。溶媒系で製造された塩は、溶媒からの沈殿によって単離することができる。沈殿および/または結晶化は、例えば、蒸発、温度低下、逆溶媒の添加またはそれらの組み合わせにより、得ることができる。
【0042】
本明細書で使用される「固体形態」という用語は、非晶質状態または結晶状態(例えば、結晶体)のいずれかにおいて、本明細書において提供される化合物を指し、そのため本明細書において提供される結晶状態の化合物は、例えば、溶媒和または水和した結晶体を形成するために、結晶格子内に溶媒または水を所望により含んでいてもよい。いくつかの実施態様においては、本明細書で提供される化合物は、本明細書に記載されるような結晶状態にて存在する。
【0043】
本明細書で使用される「溶媒和物」は、溶媒と化合物の相互作用によって形成される。
【0044】
本明細書で使用される、投与が意図される「対象」という用語には、ヒト[即ち、あらゆる年齢層の男性または女性、例えば、小児対象(例えば、乳児、小児、青年)または成人対象(例えば、若年成人、中年成人、高齢の成人)]および/またはその他の霊長類(例えば、カニクイザル、アカゲザル);哺乳類(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ネコおよび/またはイヌなどの商業的関連がある哺乳類を含む)および/または鳥類(例えば、ニワトリ、アヒル、ガチョウ、ウズラおよび/または七面鳥などの商業的関連がある鳥類を含む)が含まれるが、これらに限定されない。「対象」とは、本明細書で定義される障害と独立して診断されている可能性があるか、障害に関連する症状を現在経験している可能性があるか、または過去に症状を経験している可能性があるか、障害を発症するリスクがある可能性があるか、または診断が行われていない場合でも障害の症状の1つ以上を示している可能性がある。いくつかの実施態様では、対象は、本明細書で定義される障害と独立して診断されている可能性があるか、障害に関連する症状を現在経験している可能性があるか、または過去に症状を経験している可能性があるか、障害を発症するリスクがある可能性があるか、または診断が行われていない場合でも障害の症状の1つ以上を示している可能性があるヒトである。
【0045】
本明細書で使用されるように、XRPDパターン、DSCサーモグラム、TGAサーモグラムなどの結晶体の特徴的な形態を説明する場合の「実質的に」という用語は、対象とする図が、本明細書に描かれた参照図とは非同一であっても、実験誤差の限界範囲内に収っており、そのため当業者が判断して、本明細書に開示されているものと同じ結晶体から得られたものとみなすことができることを意味する。例えば、本明細書のXRPDの文脈で使用される「実質的に」という用語は、本明細書に開示された偏差(例えば、装置の偏差、測定の偏差など)を包含することを意味する。
【0046】
本明細書で使用される「実質的に非晶質」という用語は、サンプルまたは調製物(例えば、化合物1の塩)の重量の大部分が非晶質であり、サンプルの残りが同じ化合物の結晶体であることを意味する。いくつかの実施態様においては、実質的に非晶質のサンプルは、約5%未満の結晶化度(例えば、同じ化合物の非結晶形態が約95%)、好ましくは約4%未満の結晶性(例えば、同じ化合物の非結晶形態が約96%)、より好ましくは約3%未満の結晶性(例えば、同じ化合物の非結晶形態が約97%)、さらに好ましくは約2%未満の結晶性(例えば、同じ化合物の非結晶形態が約98%)、さらに好ましくは約1%未満の結晶性(例えば、同じ化合物の非結晶形態が約99%)、そして最も好ましくは約0%の結晶性(例えば、同じ化合物の非結晶形態が約100%)である。いくつかの実施態様では、「完全に非晶質」という用語は、約99%未満または約0%の結晶化度を意味する。
【0047】
本明細書で使用される用語「実質的に結晶」とは、サンプルまたは調製物(例えば、化合物1の塩)の重量の大部分が結晶であり、サンプルの残りが同じ化合物の非結晶形態(例えば、非晶質形態)であることを意味する。いくつかの実施態様では、実質的に結晶性のサンプルは、少なくとも約95%の結晶化度(例えば、同じ化合物の非結晶形態が約5%)、好ましくは少なくとも約96%の結晶化度(例えば、同じ化合物の非結晶形態が約4%)、より好ましくは少なくとも約97%の結晶化度(例えば、少なくとも約96%の結晶化度(例えば、同じ化合物の非結晶形態が約3%)、さらに好ましくは少なくとも約98%の結晶化度(例えば、同じ化合物の非結晶形態が約2%)、さらに好ましくは少なくとも約99%の結晶化度(例えば、同じ化合物の非結晶形態が約1%)、最も好ましくは約100%の結晶化度(例えば、同じ化合物の非結晶形態が約100%)を意味する。いくつかの実施態様では、「完全な結晶」という用語は、少なくとも約99%または約100%の結晶化度を意味する。
【0048】
「実質的に分離されている」という用語とは、化合物が形成された環境または検出された環境から少なくとも部分的または実質的に分離されていることを意味する。部分的な分離には、例えば、本明細書で提供される化合物、塩、水和物、溶媒和物または固体形態を多く含む組成物が含まれ得る。実質的な分離には、本明細書で提供される化合物、塩、水和物、溶媒和物または固体形態を、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、少なくとも約97重量%または少なくとも約99重量%含む組成物を含むことができる。
【0049】
本明細書で使用される「治療上有効な量」または「有効量」という用語は、目的とする生物学的または医学的反応を誘起するのに有効な量を意味し、障害を治療するために対象に投与されたときに、そのような障害の治療を効果的に行うのに十分な化合物の量を含む。有効量は、化合物、障害、その重症度および治療対象の年齢、体重などに応じて異なる。有効量とは、1回または複数回の投薬量であってもよい(例えば、目的とする治療のエンドポイントを達成するために、1回の投与または複数回の投与が必要となる場合がある)。有効量は、1または複数のその他の薬剤と併用して、目的の結果または有益な結果が得られる場合または達成される場合には、有効量で投与されるべきであると考えられる。任意の共投与された化合物の適切な用量は、所望により、化合物の複合作用、相加作用または相乗作用のために低減してもよい。
【0050】
本明細書で使用される「治療」、「治療する」および「治療すること」という用語は、治療上の利益を含むが、これに限定されない有益な結果または望ましい結果を得るためのアプローチを意味する。治療上の利益には、治療される基礎疾患の根絶および/または改善が含まれる;また対象が、依然として基礎疾患に悩まされている可能性があるにもかかわらず、対象に対して改善が見られるような、基礎疾患に関連する1または複数の症状の根絶および/または改善が含まれる。ある実施態様においては、「治療」または「治療する」とは、以下の1つ以上を含む:(a)障害を抑制すること(例えば、障害に起因する1または複数の症状を減少させること、および/または障害の程度を減少させること)、(b)障害に関連する1または複数の症状の発症を遅らせるか、または停止させること(例えば、障害を安定させること、および/または障害の悪化もしくは進行を遅らせること)および/または(c)障害を緩和すること(例えば、臨床症状の退行を引き起こすこと、障害を改善すること、障害の進行を遅らせること、および/または生活の質を高めること)。いくつかの実施態様においては、1または複数の症状が発症した後に治療を行うことができる。別の実施態様では、治療は、症状がない場合に投与することができる。例えば、治療は、症状が発症する前に(例えば、病歴を考慮して、および/または遺伝的または他の感受性因子を考慮して)、感受性の高い個体に投与することができる。また、症状が回復した後も、例えば、再発を予防または遅延させるために、治療が継続されてもよい。
【0051】
本明細書で、「治療抵抗性うつ病」という用語は、「治療抵抗性うつ病」とも呼ばれ、対象が少なくとも2種類の抗うつ剤(例えば、市販されている標準的な抗うつ剤治療)による治療に対して不十分な反応を示す大うつ病性障害(MDD)の状況を指す。不十分な反応とは、無反応の場合もある。また、不十分な反応とは、対象が症状の完全な寛解を示さない場合や、医師または臨床医が、対象の反応が適切でないと判断した場合もある。治療抵抗性うつ病の症状は、軽度から重度まで様々である。不十分な反応の要因としては、治療の早期中止、投薬量の不足、患者のコンプライアンス不順守、誤診および精神疾患の併発などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0052】
EtOAc(酢酸エチル);g(グラム);h(時間);HCl(塩酸);M(モル);MeCN(アセトニトリル);MeOH(メタノール);mg(ミリグラム);min(分);mL(ミリリットル);mmol(ミリモル);NaHCO(炭酸水素ナトリウム);NaOH(水酸化ナトリウム);nM(ナノモル);Ph(フェニル);μg(マイクログラム);μL(マイクロリットル);μM(マイクロモル);wt%(重量%)。
【0053】
塩およびその結晶形態
本明細書は、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミン(化合物1)およびその結晶形態を提供する。化合物(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミン(化合物1)は、以下の構造を示す:
【化2】
【0054】
化合物1は、US特許出願番号15/663,688(特許)に記載されており、この全ては、参照により本明細書に組み込まれる。
【0055】
化合物1の(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンは、他の一般的に認識されている命名法を用いて命名または同定される。例えば、化合物は、一般名、系統名または非系統名で命名または識別されていてもよい。化学の分野で一般的に認識されている命名法には、ケミカル・アブストラクツ・サービス(CAS)および国際純正・応用化学連合(IUPAC)が含まれるが、これらに限定されるものではない。本明細書では、ChemDraw Professional 15.0で提供されるIUPAC名を化合物1に用いている。
【0056】
化合物1は、塩として製造されてもよい。いくつかの実施態様においては、化合物1は、医薬的に許容される塩として製造されてもよい。医薬的に許容される塩の非限定的な例としては、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ピロ硫酸塩、硫酸水素塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、リン酸水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、スクシン酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、セバケート、フマレート、マレエート、ブチン-1,4-ジオエート、ヘキシン-1,6-ジオエート、ベンゾエート、クロロベンゾエート、メチルベンゾエート、ジニトロベンゾエート、ヒドロキシベンゾエート、メトキシベンゾエート、フタル酸塩、スルホン酸塩、メチルスルホン酸塩、プロピルスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、乳酸塩、γ-ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩およびマンデル酸塩など、その他の適切な医薬的に許容される塩のリストは、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st Edition, Lippincott Williams and Wilkins, Philadelphia, Pa., 2006に記載されている。
【0057】
いくつかの実施態様では、化合物1の塩は、化合物1の塩酸塩である。化合物1の塩酸塩形態は、本明細書において「化合物1のヒドロクロリド」として示される。その塩についての別名は、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンヒドロクロリドまたは(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミン塩酸塩である。
【0058】
いくつかの実施態様では、化合物1の塩は、化合物1のリン酸塩である。化合物1のリン酸塩形態は、本明細書において「化合物1のホスフェート」として示される。その塩についての別名は、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンホスフェートまたは(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンリン酸塩である。
【0059】
いくつかの実施態様では、化合物1の塩は、化合物1のL-酒石酸塩である。化合物1のL-酒石酸塩形態は、本明細書において「化合物1のL-タートレート」として示される。その塩についての別名は、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンL-タートレートまたは(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンL-酒石酸塩である。
【0060】
いくつかの実施態様では、化合物1の塩は、化合物1のD-酒石酸塩である。化合物1のD-酒石酸塩形態は、「化合物1のD-タートレート」として示される。その塩についての別名は、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンD-タートレートまたは(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンD-酒石酸塩である。
【0061】
いくつかの実施態様では、化合物1の塩は、化合物1のフマル酸塩である。化合物1のフマル酸塩形態は、「化合物1のフマレート」として示される。その塩についての別名は、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンフマレートまたは(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンフマル酸塩である。
【0062】
いくつかの実施態様では、化合物1の塩は、化合物1のクエン酸塩である。化合物1のクエン酸塩形態は、「化合物1のシトレート」として示される。その塩についての別名は、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンシトレートまたは(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンクエン酸塩である。
【0063】
いくつかの実施態様では、化合物1の塩は、化合物1のコハク酸塩である。化合物1のコハク酸塩形態は、「化合物1のスクシネート」として示される。その塩についての別名は、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンスクシネートまたは(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンコハク酸塩である。
【0064】
いくつかの実施態様では、化合物1の塩は、化合物1のグルタル酸塩である。化合物1のグルタル酸塩形態は、「化合物1のグルタレート」として示される。その塩についての別名は、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミングルタレートまたは(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミングルタル酸塩である。
【0065】
いくつかの実施態様では、化合物1の塩は、化合物1のL-リンゴ酸塩である。化合物1のL-リンゴ酸塩形態は、「化合物1のマレート」として示される。その塩についての別名は、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンマレートまたは(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンL-リンゴ酸塩である。
【0066】
いくつかの実施態様では、化合物1の塩は、化合物1のベンゼンスルホン酸塩である。化合物1のベンゼンスルホン酸塩形態は、「化合物1のベシレート」として示される。その塩についての別名は、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンベシレートまたは(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンベンゼンスルホン酸塩である。
【0067】
いくつかの実施態様では、化合物1の塩は、化合物1のp-トルエンスルホン酸塩である。化合物1のp-トルエンスルホン酸塩形態は、「化合物1のトシレート」として示される。その塩についての別名は、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミントシレートまたは(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンp-トルエンスルホン酸塩である。
【0068】
本明細書に記載の塩は、化合物1に対して、約半分、約1、約2、約3当量などの酸を有することができる。いくつかの実施態様においては、本明細書に記載の塩は、化合物1に対して約半分当量の酸を含む。いくつかの実施態様においては、本明細書に記載の塩は、化合物1に対して約1当量の酸を含む。いくつかの実施態様においては、本明細書に記載の塩は、化合物1に対して約2当量の酸を含む。いくつかの実施態様においては、本明細書に記載の塩は、化合物1に対して約3当量の酸を含む。当業者であれば、酸と化合物1との間には、条件(例えば、溶媒、温度など)および酸の強度に依って、プロトンが存在する可能性のある平衡が存在する。例えば、いくつかの条件では、酸は、化合物1に対して、1つ以上のプロトンを失うことで対アニオンとなり、化合物1は対カチオンとなる。ある条件下では、酸のプロトンが、化合物1の塩基性部位と弱い相互作用を形成し、その結果、プロトンが酸と化合物1の間で共有され得る。
【0069】
本明細書に記載の塩は、塩に対して約1当量未満、約2当量、約3当量、約4当量、約5当量未満、または約6当量以上の溶媒または水和物を有することができる。いくつかの実施態様においては、記載の塩は、塩に対して約1当量未満の溶媒または水和物を有する。いくつかの実施態様においては、記載の塩は、塩に対して約1当量未満の水和物を有する。いくつかの実施態様においては、記載の塩は、塩に対して約2当量の溶媒または水和物を有する。いくつかの実施態様においては、記載の塩は、塩に対して約2当量の水和物を有する。いくつかの実施態様においては、記載の塩は、塩に対して約3当量の溶媒または水和物を有する。いくつかの実施態様においては、記載の塩は、塩に対して約3当量の水和物を有する。
【0070】
いくつかの実施態様においては、本明細書に記載の塩は、無水物である。
【0071】
化合物1の塩は、1または複数の結晶体として単離することができる。同じ物質の異なる結晶形態は、例えば、吸湿性、溶解性、安定性などに関する様々なバルク特性を有し得る。融点の高い結晶形態は、熱力学的な安定性が高く、その結晶形態を含む製剤の保存期間を延ばすのに有利な場合がある。融点の低い結晶形態は、熱力学的な安定性は低いが、水溶性が向上し、薬物のバイオアベイラビリティーが向上するという点で有利であると考えられる。弱吸湿性の結晶形態は、熱または湿度に対する安定性の点で好ましく、長期保存中に劣化しにくいことがある。本明細書に記載されている結晶体は、多くの利点を有しており、例えば、望ましい特性を有している。さらに、本明細書に開示されている結晶形態は、溶解プロファイル、保存期間、バイオアベイラビリティーなどの医薬品の特性を改善するのに有用であると考えられる。
【0072】
本明細書に記載されている化合物1のような特定の物質の異なる結晶体には、その物質の無水形態およびその物質の溶媒和/水和形態の両方が含まれ、無水形態および溶媒和/水和形態のそれぞれは、異なるXRPDパターンまたは別の固体特性評価法により、互いに区別され、また異なる結晶格子を示すことができる。いくつかの例では、単一の結晶体(例えば、固有のXRPDパターンによって識別される)は、水または溶媒の含有量が変化する場合があり、水および/または溶媒に関する組成の変化にもかかわらず、格子は実質的に変化しない(XRPDパターンも同様である)。
【0073】
XRPDパターンの反射(ピーク)は、一般的に特定の結晶体のフィンガープリントと考えられている。XRPDピークの相対的な強度は、特に試料調製技術、結晶サイズ分布、使用したフィルター、試料マウント手順、使用した特定の機器に応じて大きく変化し得ることがよく知られている。また、装置の種類または設定(例えば、Niフィルターを使うかどうか)によって、新しいピークが観測されるか、または既存のピークが消失する場合もある。さらに、機器のばらつきおよびその他の要因が、2θ値に影響する場合もある。従って、本明細書で報告されているようなピークの割り当ては、プラスマイナス(±)約0.2°(2θ)または約0.3°(2θ)まで変動する可能性がある。
【0074】
同様に、DSC、TGAまたはその他の熱実験に関連する温度測定値は、機器、特定の設定、サンプル調整などに応じて、約±3℃変動する可能性がある。したがって、図のいずれかに示される通りの「実質的な」DSCサーモグラムを示す本明細書で報告される結晶体は、そのような変動に対応するものと理解される。
【0075】
物質の結晶体は、当分野で知られているように、多くの方法によって得ることができる。そのような方法には、溶融再結晶化、溶融冷却、溶媒再結晶化、例えばナノポアまたはキャピラリーのような限定された空間での再結晶化、例えばポリマーのような表面またはテンプレート上での再結晶化、例えば共結晶対分子などの添加物の存在下での再結晶化、脱溶媒、脱水、急速蒸発、急冷、徐冷、蒸気拡散、昇華、水分への暴露、粉砕および溶媒滴下粉砕などが挙げられるが、これらに限定するものではない。
【0076】
化合物1およびその塩は、バッチ、サンプルまたは調製物と言われるバッチ類中で製造することができる。バッチ、サンプルまたは調製物は、水和形態および非水和形態ならびにそれらの混合物を含めた本明細書に記載される結晶形態または非結晶形態のいずれかの化合物1およびその塩を含むことができる。
【0077】
本明細書で提供される化合物(例えば、化合物1の塩)の1以上の構成元素は、中間体または最終化合物に存在する原子のすべての同位体を含むこともできる。同位体には、同じ原子番号を有するが異なる質量数を有する原子が含まれる。例えば、水素の同位体としては、トリチウムおよび重水素などが挙げられる。本明細書で提供される化合物の1つまたは複数の構成原子は、天然または非天然の豊富な原子の同位体で置換または代替することができる。いくつかの実施態様においては、化合物は、少なくとも1つの重水素原子を含む。例えば、本開示の化合物中の1つまたは複数の水素原子は、重水素で置換または代替することができる。いくつかの実施態様においては、化合物は、2つ以上の重水素原子を含む。いくつかの実施態様においては、化合物は、1、2、3、4、5、6、7または8個の重水素原子を含む。アイソトープを有機化合物中に含めるための合成方法は、当技術分野では既知である。本明細書に開示される化合物に組み込むことができる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、塩素およびヨウ素の同位体(例えば、H、H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、18O、31P、32P、35S、18F、36Cl、123Iおよび125I)が挙げられる。
【0078】
いくつかの実施態様においては、化合物1またはその塩およびその結晶体は実質的に単離されている。
【0079】
化合物1は、例えば、塩酸塩(形態HAおよび形態HB)、リン酸塩、L-酒石酸塩(形態LA、形態LBおよび形態LC)、D-酒石酸塩、フマル酸塩(形態FAおよび形態FB)、クエン酸塩、コハク酸塩、グルタル酸塩、L-リンゴ酸塩、ベンゼンスルホン酸塩およびトルエンスルホン酸塩などの様々な塩形態およびその多形体として存在および/または単離することができる。
【0080】
化合物1のヒドロクロリド
いくつかの実施態様では、本明細書が提供するものは、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンヒドロクロリド(化合物1のヒドロクロリド)である。いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリドは、結晶である。
【0081】
化合物1の塩酸塩は、米国特許第10,196,403号に記載されている手順に従って製造することができる。いくつかの実施態様においては、化合物1、HClおよびS1の混合物(ここで、S1は溶媒である)から化合物1のヒドロクロリド形態HAを単離することによって製造される化合物1のヒドロクロリドが提供される。いくつかの実施態様においては、S1は、有機溶媒である。いくつかの実施態様においては、S1はC1-6アルキルアルコールである。ある実施態様においては、S1はエーテルである。いくつかの実施態様においては、S1はC1-6アルキルアセテートである。いくつかの実施態様においては、S1はメタノールである。ある実施態様においては、S1はTHFである。いくつかの実施態様においては、S1は酢酸エチルである。
【0082】
化合物1のヒドロクロリド形態HA
いくつかの実施態様では、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンヒドロクロリド(化合物1のヒドロクロリド形態HA)が提供される。いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリド形態HAは、結晶である。
【0083】
いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリド形態HAは、9.4°±0.2°、11.4±0.2°および15.1°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリド形態HAは、9.4°±0.2°で2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリド形態HAは、11.4°±0.2°で2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリド形態HAは、15.1°±0.2°で2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。
【0084】
いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリド形態HAは、9.4°±0.2°、11.4±0.2°、15.1°±0.2°、17.2°±0.2°および17.6°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリド形態HAは、9.4°±0.2°、11.4±0.2°、15.1°±0.2°、17.2°±0.2°および17.6°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0085】
いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリド形態HAは、9.4°±0.2°、11.4°0.2°、14.2°±0.2°、15.1°±0.2°、17.2°±0.2°、17.6°±0.2°および27.0°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリド形態HAは、9.4°±0.2°、11.4°±0.2°、14.2°±0.2°、15.1°±0.2°、17.2°±0.2°、17.6°±0.2°、18.8°±0.2°、19.2°±0.2°、24.3°±0.2°および27.0°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。
【0086】
いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリド形態HAは、9.4°±0.2°、11.4°±0.2°、14.2°±0.2°、15.1°±0.2°、17.2°±0.2°、17.6°±0.2°および27.0°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリド形態HAは、9.4°±0.2°、11.4°±0.2°、14.2°±0.2°、15.1°±0.2°、17.2°±0.2°、17.6°±0.2°、18.8°±0.2°、19.2°±0.2°、24.3°±0.2°および27.0°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。
【0087】
いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリド形態HAは、9.4°±0.2°、11.4°±0.2°、14.2°±0.2°、15.1°±0.2°、17.2°±0.2°、17.6°±0.2°および27.0°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリド形態HAは、9.4°±0.2°、11.4°±0.2°、14.2°±0.2°、15.1°±0.2°、17.2°±0.2°、17.6°±0.2°、18.8°±0.2°、19.2°±0.2°、24.3°±0.2°および27.0°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。
【0088】
いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリド形態HAは、実質的に図1(FIG.1)に表される通りの特徴的なピークを有するXRPDパターンを示す。
【0089】
いくつかの実施態様においては、化合物1のヒドロクロリド形態HAは、約99℃および約187℃の温度で吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様においては、化合物1のヒドロクロリド形態HAは、約99℃の温度で吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様においては、化合物1のヒドロクロリド形態HAは、約187℃の温度で吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様においては、化合物1のヒドロクロリド形態HAは、実質的に図2(FIG.2)に表される通りのDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施態様においては、化合物1のヒドロクロリド形態HAは、実質的に図3(FIG.3)に表される通りのTGAサーモグラムを示す。いくつかの実施態様においては、化合物1のヒドロクロリド形態HAは、実質的に図4(図4)に表される通りのDVS等温線を示す。
【0090】
いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリド形態HAは、9.4°±0.2°、11.4±0.2°および15.1°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示し;かつ、約99℃および約187℃の温度で吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリド形態HAは、9.4°±0.2°、11.4±0.2°および15.1°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示し;かつ、約99℃の温度で吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリド形態HAは、9.4°±0.2°、11.4±0.2°および15.1°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示し;かつ、約187℃の温度での吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリド形態HAは、9.4°±0.2°、11.4±0.2°および15.1°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示し;かつ、実質的に図2(FIG.2)に表される通りのDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリド形態HAは、9.4°±0.2°、11.4±0.2°および15.1°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示し;かつ、実質的に図4(FIG.4)に表される通りのDVS等温線を示す。
【0091】
いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリド形態HAは、少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%または約99%の結晶純度で単離され得る。いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリド形態HAは、約99%以上の結晶純度で単離され得る。いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリド形態HAは、約99.9%以上の結晶純度で単離され得る。
【0092】
いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリド形態HAは、化合物1のヒドロクロリド形態HAを、化合物1、HClおよびS1(ここで、S1は溶媒である)の混合物から単離することにより製造する。いくつかの実施態様では、S1は、有機溶媒である。いくつかの実施態様では、S1はエーテルである。いくつかの実施態様では、S1は、C1-6アルキルアセテートである。いくつかの実施態様では、S1はTHFである。いくつかの実施態様では、S1は酢酸エチルである。
【0093】
化合物1のヒドロクロリド形態HB
いくつかの実施態様では、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンヒドロクロリド形態HB(化合物1のヒドロクロリド形態HB)が提供される。いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリドHBは、結晶である。
【0094】
いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリド形態HBは、8.6°±0.2°、9.6°±0.2°および10.3°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリド形態HBは、8.6°±0.2°の2θに関する特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリド形態HBは、9.6°±0.2°で2θに関する特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリドHBは、10.3°±0.2°で2θに関する特徴的なXRPDピークを示す。
【0095】
いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリド形態HBは、8.6°±0.2°、9.6°±0.2°、10.3°±0.2°および17.3°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリド形態HBは、8.6°±0.2°、9.6°±0.2°、10.3°±0.2°および17.3°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0096】
いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリド形態HBは、8.6°±0.2°、9.6°±0.2°、10.3°±0.2°、12.6°±0.2°、14.7°±0.2°、17.3°±0.2°および23.8°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリド形態HBは、8.6°±0.2°、9.6°±0.2°、10.3°±0.2°、12.6°±0.2°、14.7°±0.2°、16.5°±0.2°、17.3°±0.2°、18.3°±0.2°、23.8°±0.2°、24.4°±0.2°、26.9°±0.2°および27.1°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0097】
いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリド形態HBは、8.6°±0.2°、9.6°±0.2°、10.3°±0.2°、12.6°±0.2°、14.7°±0.2°、17.3°±0.2°および23.8°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリド形態HBは、8.6°±0.2°、9.6°±0.2°、10.3°±0.2°、12.6°±0.2°、14.7°±0.2°、16.5°±0.2°、17.3°±0.2°、18.3°±0.2°、23.8°±0.2°、24.4°±0.2°、26.9°±0.2°および27.1°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0098】
いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリド形態HBは、8.6°±0.2°、9.6°±0.2°、10.3°±0.2°、12.6°±0.2°、14.7°±0.2°、17.3°±0.2°および23.8°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリド形態HBは、8.6°±0.2°、9.6°±0.2°、10.3°±0.2°、12.6°±0.2°、14.7°±0.2°、16.5°±0.2°、17.3°±0.2°、18.3°±0.2°、23.8°±0.2°、24.4°±0.2°、26.9°±0.2°および27.1°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0099】
いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリド形態HBは、実質的に図5(FIG.5)に表される通りのXRPDパターンを示す。
【0100】
いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリド形態HBは、少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%または約99%の結晶純度で単離され得る。いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリド形態HBは、約99%以上の結晶純度で単離され得る。いくつかの実施態様では、化合物1のヒドロクロリド形態HBは、約99.9%以上の結晶純度で単離され得る。
【0101】
いくつかの実施態様では、化合物1、HClおよびS1(ここで、S1は溶媒である)の混合物から化合物1のヒドロクロリド形態HAを単離することにより製造された化合物1のヒドロクロリド形態HBを得る。いくつかの実施態様では、S1は水を含む。いくつかの実施態様では、形態HBは、形態HAを高湿度に暴露することにより製造される。いくつかの実施態様では、形態HBは、形態HAを、約75%の相対湿度に暴露することにより製造される。
【0102】
化合物1のホスフェート
いくつかの実施態様において提供されるものは、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンホスフェートである。いくつかの実施態様では、化合物1のホスフェートは、結晶である。
【0103】
いくつかの実施態様では、化合物1のホスフェートは、4.6°±0.2°、9.1°±0.2°および18.2°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のホスフェートは、4.6°±0.2°で2θに関する特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のホスフェートは、9.1°±0.2°で2θに関する特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のホスフェートは、18.2°±0.2°で2θに関する特徴的なXRPDピークを示す。
【0104】
いくつかの実施態様では、化合物1のホスフェートは、4.6°±0.2°、9.1°±0.2°、18.2°±0.2°および22.8°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のホスフェートは、4.6°±0.2°、9.1°±0.2°、18.2°±0.2°および22.8°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0105】
いくつかの実施態様では、化合物1のホスフェートは、4.6°±0.2°、9.1°±0.2°、15.7°±0.2°、18.2°±0.2°、22.3°±0.2°、22.8°±0.2°および24.8°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のホスフェートは、4.6°±0.2°、9.1°±0.2°、15.7°±0.2°、18.2°±0.2°、19.1°±0.2°、22.3°±0.2°、22.8°±0.2°、24.8°±0.2°、26.0°±0.2°、27.4°±0.2°および30.1°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0106】
いくつかの実施態様では、化合物1のホスフェートは、4.6°±0.2°、9.1°±0.2°、15.7°±0.2°、18.2°±0.2°、22.3°±0.2°、22.8°±0.2°および24.8°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のホスフェートは、4.6°±0.2°、9.1°±0.2°、15.7°±0.2°、18.2°±0.2°、19.1°±0.2°、22.3°±0.2°、22.8°±0.2°、24.8°±0.2°、26.0°±0.2°、27.4°±0.2°および30.1°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0107】
いくつかの実施態様では、化合物1のホスフェートは、4.6°±0.2°、9.1°±0.2°、15.7°±0.2°、18.2°±0.2°、22.3°±0.2°、22.8°±0.2°および24.8°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のホスフェートは、4.6°±0.2°、9.1°±0.2°、15.7°±0.2°、18.2°±0.2°、19.1°±0.2°、22.3°±0.2°、22.8°±0.2°、24.8°±0.2°、26.0°±0.2°、27.4°±0.2°および30.1°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0108】
いくつかの実施態様においては、化合物1のホスフェートは、実質的に図6(FIG.6)に表される通りの特徴的なピークのXRPDパターンを示す。
【0109】
いくつかの実施態様においては、化合物1のホスフェートは、約213℃の温度で吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様においては、化合物1のホスフェートは、実質的に図7(FIG.7)に表される通りのDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施態様においては、化合物1のホスフェートは、実質的に図8(FIG.8)に表される通りのTGAサーモグラムを示す。いくつかの実施態様においては、化合物1のホスフェートは、実質的に図9(FIG.9)に表される通りのDVS等温線を示す。
【0110】
いくつかの実施態様においては、化合物1のホスフェートは、4.6°±0.2°、9.1°±0.2°、18.2°±0.2°および22.8°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示し;かつ、約213℃の温度で吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様においては、化合物1のホスフェートは、4.6°±0.2°、9.1°±0.2°、18.2°±0.2°および22.8°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示し;かつ、実質的に図7(FIG.7)に表される通りのDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施態様においては、化合物1のホスフェートは、4.6°±0.2°、9.1°±0.2°、18.2°±0.2°および22.8°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示し;かつ、実質的に図9(FIG.9)に表される通りのDVS等温線を示す。
【0111】
いくつかの実施態様においては、化合物1のホスフェートは、少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%または約99%の結晶純度で単離することができる。いくつかの実施態様においては、化合物1のホスフェートは、約99%以上の結晶純度で単離することができる。いくつかの実施態様においては、化合物1のホスフェートは、約99.9%以上の高い結晶純度で単離することができる。
【0112】
いくつかの実施態様においては、化合物1、リン酸およびS1(ここで、S1は溶媒である)の混合物から、化合物1のホスフェートを単離することによって製造された化合物1のホスフェートが提供される。いくつかの実施態様においては、S1は、有機溶媒である。いくつかの実施態様では、S1は、C1-6アルキルアルコールである。いくつかの実施態様では、S1は、エーテルである。いくつかの実施態様においては、S1はC1-6アルキルアセテートである。いくつかの実施態様においては、S1は、有機溶媒の混合物である。いくつかの実施態様においては、S1は、C1-6アルキルアルコールおよびC1-6アルキルアセテートの混合物である。ある実施態様においては、S1はTHFである。いくつかの実施態様では、S1は酢酸エチルである。ある実施態様においては、S1は、メタノールおよびアセトンの混合物である。ある実施態様においては、S1は、メタノールおよび酢酸エチルの混合物である。
【0113】
化合物1のL-タートレート
いくつかの実施態様において提供されるものは、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンL-タートレート(化合物1のL-タートレート)である。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレートは、結晶である。
【0114】
化合物1、L-酒石酸およびS1(ここで、S1は溶媒である)の混合物から、化合物1のタートレートを単離することによって製造された化合物1のタートレートが提供される。いくつかの実施態様では、S1は、有機溶媒である。いくつかの実施態様では、S1はC1-6アルキルアルコールである。いくつかの実施態様では、S1はエーテルである。いくつかの実施態様においては、S1はC1-6アルキルアセテートである。いくつかの実施態様では、S1は、C1-6アルキルケトンである。いくつかの実施態様では、S1は、C1-6アルキルアルコールおよびC1-6アルキルケトンの混合物である。いくつかの実施態様では、S1は、C1-6アルキルアルコールおよびC1-6アルキルアセテートの混合物である。いくつかの実施態様では、S1はメタノールである。いくつかの実施態様では、S1はTHFである。いくつかの実施態様では、S1は酢酸エチルである。いくつかの実施態様では、S1は、メタノールおよびアセトンの混合物である。いくつかの実施態様では、S1は、メタノールおよび酢酸エチルの混合物である。
【0115】
化合物1のL-タートレート形態LA
いくつかの実施態様において提供されるものは、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンのL-タートレート形態LA(化合物1のL-タートレート形態LA)である。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LAは、結晶である。
【0116】
いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LAは、12.1°±0.2°、18.1°±0.2°および24.2°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LAは、12.1°±0.2°で2θに関する特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LAは、18.1°±0.2°で2θに関する特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LAは、24.2°±0.2°で2θに関する特徴的なXRPDピークを示す。
【0117】
いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LAは、12.1°±0.2°、15.0°±0.2°、16.4°±0.2°、16.9°±0.2°、17.1°±0.2°、18.1°±0.2°、23.9°±0.2°および24.2°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LAは、12.1°±0.2°、15.0°±0.2°、16.4°±0.2°、16.9°±0.2°、17.1°±0.2°、18.1°±0.2°、19.3°±0.2°、23.9°±0.2°、24.2°±0.2°、24.8°±0.2°および27.2°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0118】
いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LAは、12.1°±0.2°、15.0°±0.2°、16.4°±0.2°、16.9°±0.2°、17.1°±0.2°、18.1°±0.2°、23.9°±0.2°および24.2°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LAは、12.1°±0.2°、15.0°±0.2°、16.4°±0.2°、16.9°±0.2°、17.1°±0.2°、18.1°±0.2°、19.3°±0.2°、23.9°±0.2°、24.2°±0.2°、24.8°±0.2°および27.2°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0119】
いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LAは、12.1°±0.2°、15.0°±0.2°、16.4°±0.2°、16.9°±0.2°、17.1°±0.2°、18.1°±0.2°、23.9°±0.2°および24.2°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LAは、12.1°±0.2°、15.0°±0.2°、16.4°±0.2°、16.9°±0.2°、17.1°±0.2°、18.1°±0.2°、19.3°±0.2°、23.9°±0.2°、24.2°±0.2°、24.8°±0.2°および27.2°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0120】
いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LAは、実質的に図10(FIG.10)に示される特徴的なピークを有するXRPDパターンを示す。
【0121】
いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LAは、約89℃および約138℃の温度で吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LAは、約89℃の温度で吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LAは、約138℃の温度で吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LAは、実質的に図11(FIG.11)に示されている通りのDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LAは、実質的に図12(FIG.12)に示されるようなTGAサーモグラムを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LAは、実質的に図13(FIG.13)に表される通りのDVS等温線を示す。
【0122】
いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LAは、12.1°±0.2°、18.1°±0.2°および24.2°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示し;かつ、約89℃および約138℃の温度で吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LAは、12.1°±0.2°、18.1°±0.2°および24.2°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示し;かつ、約89℃の温度で吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LAは、12.1°±0.2°、18.1°±0.2°および24.2°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示し;かつ、約138℃の温度で吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LAは、12.1°±0.2°、18.1°±0.2°および24.2°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示し;かつ、実質的に図11(FIG.11)に示されている通りのDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LAは、12.1°±0.2°、18.1°±0.2°および24.2°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示し;かつ、実質的に図13(FIG.13)に表される通りのDVS等温線を示す。
【0123】
いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LAは、少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%または約99%の結晶純度で単離することができる。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LAは、約99%以上の結晶純度で単離することができる。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LAは、約99.9%以上の結晶純度で単離することができる。
【0124】
いくつかの実施態様では、化合物1、L-酒石酸およびS1(ここで、S1は溶媒である)の混合物から、化合物1のL-タートレート形態LAを単離することによって製造される化合物1のL-タートレート形態LAが提供される。いくつかの実施態様では、S1は、有機溶媒である。いくつかの実施態様では、S1はエーテルである。いくつかの実施態様では、S1はC1-6アルキルアセテートである。いくつかの実施態様では、S1はTHFである。いくつかの実施態様では、S1は酢酸エチルである。
【0125】
化合物1のL-タートレート形態LB
いくつかの実施態様では、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンL-タートレート形態LB(化合物1のL-タートレート形態LB)が提供される。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LBは結晶である。
【0126】
いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LBは、18.7°±0.2°、25.0°±0.2°および31.4°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LBは、18.7°±0.2°で2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LBは、25.0°±0.2°で2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LBは、31.4°±0.2°で2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。
【0127】
いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LBは、6.3°±0.2°、12.5°±0.2°、18.1°±0.2°、18.7°±0.2°、23.9°±0.2°、25.0°±0.2°および31.4°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LBは、6.3°±0.2°、12.5°±0.2°、18.1°±0.2°、18.7°±0.2°、20.0°±0.2°、23.9°±0.2°、24.2°±0.2°、25.0°±0.2°および31.4°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0128】
いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LBは、6.3°±0.2°、12.5°±0.2°、18.1°±0.2°、18.7°±0.2°、23.9°±0.2°、25.0°±0.2°および31.4°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LBは、6.3°±0.2°、12.5°±0.2°、18.1°±0.2°、18.7°±0.2°、20.0°±0.2°、23.9°±0.2°、24.2°±0.2°、25.0°±0.2°および31.4°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0129】
いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LBは、6.3°±0.2°、12.5°±0.2°、18.1°±0.2°、18.7°±0.2°、23.9°±0.2°、25.0°±0.2°および31.4°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、6.3°±0.2°、12.5°±0.2°、18.1°±0.2°、18.7°±0.2°、20.0°±0.2°、23.9°±0.2°、24.2°±0.2°、25.0°±0.2°および31.4°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0130】
いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LBは、実質的に図14(FIG.14)に表される通りの特徴的なピークを有するXRPDパターンを示す。いくつかの実施態様では、化合物L-タートレート形態LBは、実質的に図15(FIG.15)に表される通りのDVS等温線を示す。
【0131】
いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LBは、少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%または約99%の結晶純度で単離することができる。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LBは、約99%以上の結晶純度で単離することができる。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LBは、約99.9%以上の結晶純度で単離することができる。
【0132】
いくつかの実施態様では、化合物1、L-酒石酸およびS1(ここで、S1は溶媒である)の混合物から、化合物1のL-タートレート形態LBを単離することによって製造される化合物1のL-タートレート形態LBが提供される。いくつかの実施態様では、S1は、有機溶媒である。いくつかの実施態様では、S1は、C1-6アルキルアルコールである。いくつかの実施態様では、S1は、C1-6アルキルケトンである。いくつかの実施態様では、S1は、有機溶媒の混合物である。いくつかの実施態様では、S1は、C1-6アルキルアルコールおよびC1-6アルキルケトンの混合物である。いくつかの実施態様では、S1は、メタノールおよびアセトンの混合物である。
【0133】
化合物1のL-タートレート形態LC
いくつかの実施態様では、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンL-タートレート形態LC(化合物1のL-タートレート形態LC)が提供される。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LCは、結晶である。
【0134】
いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LCは、12.2°±0.2°、16.5°±0.2°および24.8°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LCは、12.2°±0.2°で2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LCは、16.5°±0.2°で2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LCは、24.8°±0.2°で2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。
【0135】
いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LCは、12.2°±0.2°、15.4°±0.2°、16.5°±0.2°、18.7°±0.2°、19.8°±0.2°、22.6°±0.2°、24.8°±0.2°および25.5°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LCは、12.2°±0.2°、12.8°±0.2°、15.4°±0.2°、16.5°±0.2°、18.7°±0.2°、19.8°±0.2°、20.0°±0.2°、22.4°±0.2°、22.6°±0.2°、24.8°±0.2°、25.0°±0.2°、25.5°±0.2°および27.1°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0136】
いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LCは、12.2°±0.2°、15.4°±0.2°、16.5°±0.2°、18.7°±0.2°、19.8°±0.2°、22.6°±0.2°、24.8°±0.2°および25.5°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LCは、12.2°±0.2°、12.8°±0.2°、15.4°±0.2°、16.5°±0.2°、18.7°±0.2°、19.8°±0.2°、20.0°±0.2°、22.4°±0.2°、22.6°±0.2°、24.8°±0.2°、25.0°±0.2°、25.5°±0.2°および27.1°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0137】
いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LCは、12.2°±0.2°、15.4°±0.2°、16.5°±0.2°、18.7°±0.2°、19.8°±0.2°、22.6°±0.2°、24.8°±0.2°および25.5°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LCは、12.2°±0.2°、12.8°±0.2°、15.4°±0.2°、16.5°±0.2°、18.7°±0.2°、19.8°±0.2°、20.0°±0.2°、22.4°±0.2°、22.6°±0.2°、24.8°±0.2°、25.0°±0.2°、25.5°±0.2°および27.1°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0138】
いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LCは、実質的に図16(FIG.16)に表される通りの特徴的なピークを有するXRPDパターンを示す。
【0139】
いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LCは、約137℃の温度で吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LCは、実質的に図17(FIG.17)に表される通りのDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LCは、実質的に図18(FIG.18)に表される通りのTGAサーモグラムを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LCは、実質的に図19(FIG.19)に表される通りのDVS等温線を示す。
【0140】
いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LCは、12.2°±0.2°、16.5°±0.2°および24.8°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示し;かつ、約137℃の温度での吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LCは、12.2°±0.2°、16.5°±0.2°および24.8°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示し;かつ、実質的に図17(FIG.17)に表される通りのDSCサーモグラムを示す。幾つかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LCは、12.2°±0.2°、16.5°±0.2°および24.8°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示し;かつ、実質的に図19(FIG.19)に表される通りのDVS等温線を示す。
【0141】
いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LCは、少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%または約99%の結晶純度で単離することができる。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LCは、約99%以上の結晶純度で単離することができる。いくつかの実施態様では、化合物1のL-タートレート形態LCは、約99.9%以上の結晶純度で単離することができる。
【0142】
いくつかの実施態様では、化合物1、L-酒石酸およびS1(ここで、S1は溶媒である)の混合物から、化合物1のL-タートレート形態LBを単離することによって製造される化合物1のL-タートレート形態LBが提供される。いくつかの実施態様では、S1は、有機溶媒である。いくつかの実施態様では、S1はC1-6アルキルアルコールである。いくつかの実施態様では、S1はC1-6アルキルアセテートである。いくつかの実施態様では、S1は、有機溶媒の混合物である。いくつかの実施態様では、S1は、C1-6アルキルアルコールおよびC1-6アルキルアセテートの混合物である。いくつかの実施態様では、S1は、メタノールおよび酢酸エチルの混合物である。
【0143】
化合物1のD-タートレート
いくつかの実施態様では、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンD-タートレート(化合物1のD-タートレート)が提供される。いくつかの実施態様では、化合物1のD-タートレートは、結晶である。
【0144】
いくつかの実施態様では、化合物1のD-タートレートは、11.9°±0.2°、16.9°±0.2°および17.9°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のD-タートレートは、11.9°±0.2°で2θに関する特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のD-タートレートは、16.9°±0.2°で2θに関する特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のD-タートレートは、17.9°±0.2°で2θに関する特徴的なXRPDピークを示す。
【0145】
いくつかの実施態様では、化合物1のD-タートレートは、11.9°±0.2°、16.9°±0.2°、17.9°±0.2°および23.9°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のD-タートレートは、11.9°±0.2°、16.9°±0.2°、17.9°±0.2°および23.9°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。
【0146】
いくつかの実施態様では、化合物1のD-タートレートは、11.9°±0.2°、12.3°±0.2°、16.1°±0.2°、16.9°±0.2°、17.9°±0.2°、19.1°±0.2°および23.9°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のD-タートレートは、6.0°±0.2°、11.9°±0.2°、12.3°±0.2°、13.4°±0.2°、14.9°±0.2°、16.1°±0.2°、16.9°±0.2°、17.9°±0.2°、19.1°±0.2°、21.6°±0.2°、23.9°±0.2°および24.6°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0147】
いくつかの実施態様では、化合物1のD-タートレートは、11.9°±0.2°、12.3°±0.2°、16.1°±0.2°、16.9°±0.2°、17.9°±0.2°、19.1°±0.2°および23.9°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のD-タートレートは、6.0°±0.2°、11.9°±0.2°、12.3°±0.2°、13.4°±0.2°、14.9°±0.2°、16.1°±0.2°、16.9°±0.2°、17.9°±0.2°、19.1°±0.2°、21.6°±0.2°、23.9°±0.2°および24.6°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0148】
いくつかの実施態様では、化合物1のD-タートレートは、11.9°±0.2°、12.3°±0.2°、16.1°±0.2°、16.9°±0.2°、17.9°±0.2°、19.1°±0.2°および23.9°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のD-タートレートは、6.0°±0.2°、11.9°±0.2°、12.3°±0.2°、13.4°±0.2°、14.9°±0.2°、16.1°±0.2°、16.9°±0.2°、17.9°±0.2°、19.1°±0.2°、21.6°±0.2°、23.9°±0.2°および24.6°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0149】
いくつかの実施態様では、化合物1のD-タートレートは、実質的に図20(FIG.20)に表される通りの特徴的なピークを有するXRPDパターンを示す。
【0150】
いくつかの実施態様では、化合物1のD-タートレートは、約76℃および約153℃の温度で吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のD-タートレートは、約76℃の温度で吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のD-タートレートは、約153℃の温度で吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のD-タートレートは、実質的に図21(FIG.21)に表される通りのDVS等温線を示す。
【0151】
いくつかの実施態様では、化合物1のD-タートレートは、11.9°±0.2°、16.9°±0.2°、17.9°±0.2°および23.9°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示し;かつ、約76℃および約153℃の温度で吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のD-タートレートは、11.9°±0.2°、16.9°±0.2°、17.9°±0.2°および23.9°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示し;かつ、約76℃の温度で吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のD-タートレートは、11.9°±0.2°、16.9°±0.2°、17.9°±0.2°および23.9°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示し;かつ、約153℃の温度で吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のD-タートレートは、11.9°±0.2°、16.9°±0.2°、17.9°±0.2°および23.9°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示し;かつ、実質的に図21(FIG.21)に示されている通りのDVS等温線を示す。
【0152】
いくつかの実施態様では、化合物1のD-タートレートは、少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%または約99%の結晶純度で単離することができる。いくつかの実施態様では、化合物1のD-タートレートは、約99%以上の結晶純度で単離することができる。いくつかの実施態様では、化合物D-タートレートは、約99.9%以上の結晶純度で単離されることができる。
【0153】
いくつかの実施態様では、化合物1、D-酒石酸およびS1(ここで、S1は溶媒である)の混合物から、化合物1のD-タートレートを単離することによって製造される化合物1のD-タートレート形態LBが提供される。いくつかの実施態様では、S1は、有機溶媒である。いくつかの実施態様では、S1は、エーテルである。いくつかの実施態様では、S1は、C1-6アルキルアセテートである。いくつかの実施態様では、S1は、THFである。いくつかの実施態様では、S1は、酢酸エチルである。
【0154】
化合物1のフマレート
いくつかの実施態様では、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンフマルレート(化合物1のフマレート)が提供される。いくつかの実施態様では、化合物1のフマレートは結晶である。
【0155】
いくつかの実施態様では、化合物1、フマル酸およびS1(ここで、S1は溶媒である)の混合物から、化合物1のフマレートを単離することによって製造された化合物1のフマレートが提供される。いくつかの実施態様では、S1は、有機溶媒である。いくつかの実施態様では、S1はC1-6アルキルアルコールである。いくつかの実施態様では、S1はエーテルである。いくつかの実施態様では、S1はC1-6アルキルアセテートである。いくつかの実施態様では、S1は、C1-6アルキルケトンである。いくつかの実施態様では、S1は、有機溶媒の混合物である。いくつかの実施態様では、S1は、C1-6アルキルアルコールおよびC1-6アルキルケトンとの混合物である。いくつかの実施態様では、S1はメタノールである。いくつかの実施態様では、S1はTHFである。いくつかの実施態様では、S1は酢酸エチルである。いくつかの実施態様では、S1は、メタノールとアセトンの混合物である。
【0156】
化合物1のフマレート形態FA
いくつかの実施態様では、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンのフマレート形態FA(化合物1のフマレート形態FA)が提供される。いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FAは、結晶である。
【0157】
いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FAは、7.7°±0.2°、14.2°±0.2°および15.2°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FAは、7.7°±0.2°で2θに関する特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FAは、14.2°±0.2°で2θに関する特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FAは、15.2°±0.2°で2θに関する特徴的なXRPDピークを示す。
【0158】
いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FAは、7.7°±0.2°、15.2°±0.2°、22.9°±0.2°および30.7°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FAは、7.7°±0.2°、15.2°±0.2°、22.9°±0.2°および30.7°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0159】
いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FAは、7.7°±0.2°、13.0°±0.2°、14.2°±0.2°、15.2°±0.2°、22.9°±0.2°、24.6°±0.2°、26.0°±0.2°および30.7°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FAは、7.7°±0.2°、12.1°±0.2°、13.0°±0.2°、14.2°±0.2°、14.6°±0.2°、15.2°±0.2°、18.1°±0.2°、18.8°±0.2°、22.9°±0.2°、24.6°±0.2°、26.0°±0.2°および30.7°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0160】
いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FAは、7.7°±0.2°、13.0°±0.2°、14.2°±0.2°、15.2°±0.2°、22.9°±0.2°、24.6°±0.2°、26.0°±0.2°および30.7°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FAは、7.7°±0.2°、12.1°±0.2°、13.0°±0.2°、14.2°±0.2°、14.6°±0.2°、15.2°±0.2°、18.1°±0.2°、18.8°±0.2°、22.9°±0.2°、24.6°±0.2°、26.0°±0.2°および30.7°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0161】
いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FAは、7.7°±0.2°、13.0°±0.2°、14.2°±0.2°、15.2°±0.2°、22.9°±0.2°、24.6°±0.2°、26.0°±0.2°および30.7°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FAは、7.7°±0.2°、12.1°±0.2°、13.0°±0.2°、14.2°±0.2°、14.6°±0.2°、15.2°±0.2°、18.1°±0.2°、18.8°±0.2°、22.9°±0.2°、24.6°±0.2°、26.0°±0.2°および30.7°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0162】
いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FAは、実質的に図22(FIG.22)に表される通りの特徴的なピークを有するXRPDパターンを示す。
【0163】
いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FAは、約138℃の温度で吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FAは、実質的に図23(FIG.23)に表される通りのDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-フマレート形態FAは、実質的に図24(FIG.24)に表される通りのTGAサーモグラムを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FAは、実質的に図25(FIG.25)に表される通りのDVS等温線を示す。
【0164】
いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FAは、7.7°±0.2°、14.2°±0.2°および15.2°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示し;かつ、約147℃の温度での吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FAは、7.7°±0.2°、14.2°±0.2°および15.2°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示し;かつ、図23(FIG.23)に実質的に示される通りのDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FAは、7.7°±0.2°、14.2°±0.2°および15.2°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示し;かつ、図25(FIG.25)に実質的に示される通りのDVS等温線を示す。
【0165】
いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FAは、少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%または約99%の結晶純度で単離することができる。いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FAは、約99%以上の結晶純度で単離することができる。いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FAは、約99.9%以上の結晶純度で単離することができる。
【0166】
いくつかの実施態様では、化合物1、フマル酸およびS1(ここで、S1は溶媒である)の混合物から、化合物1のフマレート形態FAを単離することにより製造される化合物1のフマレート形態FAが提供される。いくつかの実施態様では、S1は、有機溶媒である。いくつかの実施態様では、S1はC1-6アルキルアルコールである。いくつかの実施態様では、S1はエーテルである。いくつかの実施態様では、S1は、C1-6アルキルケトンである。いくつかの実施態様では、S1は、有機溶媒の混合物である。いくつかの実施態様では、S1は、C1-6アルキルアルコールおよびC1-6アルキルケトンの混合物である。いくつかの実施態様では、S1はメタノールである。いくつかの実施態様では、S1はTHFである。いくつかの実施態様では、S1は、メタノールとアセトンの混合物である。
【0167】
化合物1のフマレートFB
いくつかの実施態様では、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンフマレートの形態FB(化合物1のフマレート形態FB)が提供される。いくつかの実施態様では、化合物1のフマレートの形態FBは結晶である。
【0168】
いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FBは、6.7°±0.2°、13.8°±0.2°および20.2°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FBは、6.7°±0.2°で2θに関する特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FBは、13.8°±0.2°で2θに関する特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FBは、20.2°±0.2°で2θに関する特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FBは、27.0°±0.2°で2θに関する特徴的なXRPDピークを示す。
【0169】
いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FBは、6.7°±0.2°、13.4°±0.2°、13.8°±0.2°、20.2°±0.2°、23.5°±0.2°、25.1°±0.2°、27.0°±0.2°および29.6°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FBは、6.7°±0.2°、13.4°±0.2°、13.8°±0.2°、20.2°±0.2°、23.1°±0.2°、23.5°±0.2°、24.2°±0.2°、25.1°±0.2°、27.0°±0.2°および29.6°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0170】
いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FBは、6.7°±0.2°、13.4°±0.2°、13.8°±0.2°、20.2°±0.2°、23.5°±0.2°、25.1°±0.2°、27.0°±0.2°および29.6°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FBは、6.7°±0.2°、13.4°±0.2°、13.8°±0.2°、20.2°±0.2°、23.1°±0.2°、23.5°±0.2°、24.2°±0.2°、25.1°±0.2°、27.0°±0.2°および29.6°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0171】
いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FBは、6.7°±0.2°、13.4°±0.2°、13.8°±0.2°、20.2°±0.2°、23.5°±0.2°、25.1°±0.2°、27.0°±0.2°および29.6°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FBは、6.7°±0.2°、13.4°±0.2°、13.8°±0.2°、20.2°±0.2°、23.1°±0.2°、23.5°±0.2°、24.2°±0.2°、25.1°±0.2°、27.0°±0.2°および29.6°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0172】
いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FBは、実質的に図26(FIG.26)に表される通りの特徴的なピークを有するXRPDパターンを示す。
【0173】
いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FBは、約96℃、約139℃および約146℃の温度で吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FBは、約96℃の温度で吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FBは、約139℃の温度で吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態のFBは、約146℃の温度で吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FBは、実質的に図27(FIG.27)に示された通りのDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FBは、実質的に図28(FIG.28)に表される通りのTGAサーモグラムを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FBは、実質的に図29(FIG.29)に表される通りのDVS等温線を示す。
【0174】
いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FBは、6.7°±0.2°、13.8°±0.2°および20.2°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示し;かつ、約96℃、約139℃および約146℃の温度で吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FBは、6.7°±0.2°、13.8°±0.2°および20.2°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示し;かつ、約96℃の温度での吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様では、いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FBは、6.7°±0.2°、13.8°±0.2°および20.2°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示し;かつ、約139℃の温度で吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FBは、6.7°±0.2°、13.8°±0.2°および20.2°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示し;かつ、約146℃の温度で吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FBは、6.7°±0.2°、13.8°±0.2°および20.2°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示し;かつ、実質的に図27(FIG.27)に表される通りのDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FBは、6.7°±0.2°、13.8°±0.2°および20.2°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示し;かつ、実質的に図29(FIG.29)に示されている通りのDVS等温線を示す。
【0175】
いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FBは、少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%または約99%の結晶純度で単離され得る。いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FBは、約99%以上の結晶純度で単離することができる。いくつかの実施態様では、化合物1のフマレート形態FBは、約99.9%以上の結晶純度で単離することができる。
【0176】
いくつかの実施態様では、化合物1、フマル酸およびS1(ここで、S1は溶媒である)の混合物から、化合物1のフマレート形態FBを単離することにより製造された化合物1のフマレート形態FBが提供される。いくつかの実施態様では、S1は有機溶媒である。いくつかの実施態様では、S1は、C1-6アルキルアセテートである。いくつかの実施態様では、S1は酢酸エチルである。
【0177】
化合物1のシトレート
いくつかの実施態様では、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンシトレートが提供される。いくつかの実施態様では、化合物1のシトレートは結晶である。
【0178】
いくつかの実施態様では、化合物1のシトレートは、6.5°±0.2°、15.5°±0.2°および20.4°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のシトレートは、6.5°±0.2°で2θに関する特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のシトレートは、15.5°±0.2°で2θに関する特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のシトレートは、20.4°±0.2°で2θに関する特徴的なXRPDピークを示す。
【0179】
いくつかの実施態様では、化合物1のシトレートは、6.5°±0.2°、10.2°±0.2°、13.0°±0.2°、14.5°±0.2°、15.5°±0.2°、17.8°±0.2°、19.4°±0.2°および20.4°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のシトレートは、6.5°±0.2°、10.2°±0.2°、13.0°±0.2°、14.5°±0.2°、15.5°±0.2°、16.5°±0.2°、17.3°±0.2°、17.8°±0.2°、19.4°±0.2°、20.4°±0.2°、20.8°±0.2°、21.2°±0.2°、21.5°±0.2°、22.0°±0.2°、23.1°±0.2°および26.0°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0180】
いくつかの実施態様では、化合物1のシトレートは、6.5°±0.2°、10.2°±0.2°、13.0°±0.2°、14.5°±0.2°、15.5°±0.2°、17.8°±0.2°、19.4°±0.2°および20.4°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のシトレートは、6.5°±0.2°、10.2°±0.2°、13.0°±0.2°、14.5°±0.2°、15.5°±0.2°、16.5°±0.2°、17.3°±0.2°、17.8°±0.2°、19.4°±0.2°、20.4°±0.2°、20.8°±0.2°、21.2°±0.2°、21.5°±0.2°、22.0°±0.2°、23.1°±0.2°および26.0°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0181】
いくつかの実施態様では、化合物1のシトレートは、6.5°±0.2°、10.2°±0.2°、13.0°±0.2°、14.5°±0.2°、15.5°±0.2°、17.8°±0.2°、19.4°±0.2°および20.4°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のシトレートは、6.5°±0.2°、10.2°±0.2°、13.0°±0.2°、14.5°±0.2°、15.5°±0.2°、16.5°±0.2°、17.3°±0.2°、17.8°±0.2°、19.4°±0.2°、20.4°±0.2°、20.8°±0.2°、21.2°±0.2°、21.5°±0.2°、22.0°±0.2°、23.1°±0.2°および26.0°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0182】
いくつかの実施態様では、化合物1のシトレートは、実質的に図30(FIG.30)に表される通りの特徴的なXRPDピークを示す。
【0183】
いくつかの実施態様では、化合物1のシトレートは、約142℃の温度で吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のシトレートは、実質的に図31(FIG.31)に表される通りのDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のシトレートは、実質的に図32(FIG.32)に表される通りのTGAサーモグラムを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のシトレートは、実質的に図33(FIG.33)に表される通りのDVS等温線を示す。
【0184】
いくつかの実施態様では、化合物1のシトレートは、6.5°±0.2°、15.5°±0.2°および20.4°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示し;かつ、約142℃の温度での吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のシトレートは、6.5°±0.2°、15.5°±0.2°および20.4°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示し;かつ、実質的に図31(FIG.31)に表される通りのDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のシトレートは、6.5°±0.2°、15.5°±0.2°および20.4°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示し;かつ、実質的に図33(FIG.33)に表される通りのDVS等温線を示す。
【0185】
いくつかの実施態様では、化合物1のシトレートは、少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%または約99%の結晶純度で単離することができる。いくつかの実施態様では、化合物1のシトレートは、約99%を超える結晶純度で単離することができる。いくつかの実施態様では、化合物1のシトレートは、約99.9%よりも高い結晶純度で単離することができる。
【0186】
いくつかの実施態様では、化合物1、クエン酸およびS1(ここで、S1は溶媒である)の混合物から、化合物1のシトレートを単離することによって製造された化合物1のシトレートが提供される。いくつかの実施態様では、S1は、有機溶媒である。いくつかの実施態様では、S1はC1-6アルキルアルコールである。いくつかの実施態様では、S1は、エーテルである。いくつかの実施態様では、S1はC1-6アルキルアセテートである。いくつかの実施態様では、S1は、C1-6アルキルケトンである。いくつかの実施態様では、S1は、有機溶媒の混合物である。いくつかの実施態様では、S1は、C1-6アルキルアルコールとC1-6アルキルケトンとの混合物である。いくつかの実施態様では、S1は、C1-6アルキルアルコールとC1-6アルキルアセテートとの混合物である。いくつかの実施態様では、S1は酢酸エチルである。いくつかの実施態様では、S1は、メタノールとアセトンの混合物である。いくつかの実施態様では、S1はTHFである。いくつかの実施態様では、S1は、メタノールと酢酸エチルの混合物である。
【0187】
化合物1のスクシネート
いくつかの実施態様では、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンスクシネートが提供される。いくつかの実施態様では、化合物1のスクシネートは結晶である。
【0188】
いくつかの実施態様では、化合物1のスクシネートは、6.6°±0.2°、12.8°±0.2°および13.9°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のスクシネートは、6.6°±0.2°で2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のスクシネートは、12.8°±0.2°で2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のスクシネートは、13.9°±0.2°で2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。
【0189】
いくつかの実施態様では、化合物1のスクシネートは、12.8°±0.2°、13.9°±0.2°、19.8°±0.2°および26.5°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のスクシネートは、12.8°±0.2°、13.9°±0.2°、19.8°±0.2°および26.5°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0190】
いくつかの実施態様では、化合物1のスクシネートは、12.8°±0.2°、13.9°±0.2°、16.0°±0.2°、19.2°±0.2°、19.8°±0.2°、21.1°±0.2°、22.9°±0.2°、23.3°±0.2°、25.4°±0.2°および26.5°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のスクシネートは、6.6°±0.2°、9.0°±0.2°、11.5°±0.2°、12.8°±0.2°、13.9°±0.2°、16.0°±0.2°、19.2°±0.2°、19.8°±0.2°、21.1°±0.2°、22.9°±0.2°、23.3°±0.2°、25.2°±0.2°、25.4°±0.2°および26.5°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0191】
いくつかの実施態様では、化合物1のスクシネートは、12.8°±0.2°、13.9°±0.2°、16.0°±0.2°、19.2°±0.2°、19.8°±0.2°、21.1°±0.2°、22.9°±0.2°、23.3°±0.2°、25.4°±0.2°および26.5°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のスクシネートは、6.6°±0.2°、9.0°±0.2°、11.5°±0.2°、12.8°±0.2°、13.9°±0.2°、16.0°±0.2°、19.2°±0.2°、19.8°±0.2°、21.1°±0.2°、22.9°±0.2°、23.3°±0.2°、25.2°±0.2°、25.4°±0.2°および26.5°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0192】
いくつかの実施態様では、化合物1のスクシネートは、12.8°±0.2°、13.9°±0.2°、16.0°±0.2°、19.2°±0.2°、19.8°±0.2°、21.1°±0.2°、22.9°±0.2°、23.3°±0.2°、25.4°±0.2°および26.5°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のスクシネートは、6.6°±0.2°、9.0°±0.2°、11.5°±0.2°、12.8°±0.2°、13.9°±0.2°、16.0°±0.2°、19.2°±0.2°、19.8°±0.2°、21.1°±0.2°、22.9°±0.2°、23.3°±0.2°、25.2°±0.2°、25.4°±0.2°および26.5°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0193】
いくつかの実施態様では、化合物1のスクシネートは、実質的に図34(FIG.34)に表される通りの特徴的なピークを有するXRPDパターンを示す。
【0194】
いくつかの実施態様では、化合物1のスクシネートは、約153℃の温度で吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のスクシネートは、実質的に図35(FIG.35)に表される通りのDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のスクシネートは、実質的に図36(FIG.36)に表される通りのTGAサーモグラムを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のスクシネートは、実質的に図37(FIG.37)に表される通りのDVS等温線を示す。
【0195】
いくつかの実施態様では、化合物1のスクシネートは、12.8°±0.2°、13.9°±0.2°、19.8°±0.2°および26.5°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示し;かつ、約153℃の温度での吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のスクシネートは、12.8°±0.2°、13.9°±0.2°、19.8°±0.2°および26.5°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示し;かつ、実質的に図35(FIG.35)に示されている通りのDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のスクシネートは、12.8°±0.2°、13.9°±0.2°、19.8°±0.2°および26.5°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示し;かつ、実質的に図37(FIG.37)に表される通りのDVS等温線を示す。
【0196】
いくつかの実施態様では、化合物1のスクシネートは、少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%または約99%の結晶純度で単離することができる。いくつかの実施態様では、化合物1のスクシネートは、約99%以上の結晶純度で単離することができる。いくつかの実施態様では、化合物1のスクシネートは、約99.9%以上の結晶純度で単離することができる。
【0197】
いくつかの実施態様では、化合物1、コハク酸およびS1(ここで、S1は溶媒である)の混合物から、化合物1のスクシネートを単離することによって製造された化合物1のスクシネートが提供される。いくつかの実施態様では、S1は、有機溶媒である。いくつかの実施態様では、S1はエーテルである。いくつかの実施態様では、S1はC1-6アルキルアセテートである。いくつかの実施態様では、S1はTHFである。いくつかの実施態様では、S1は酢酸エチルである。
【0198】
化合物1のグルタレート
いくつかの実施態様では、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミングルタレートが提供される。いくつかの実施態様では、化合物1のグルタレートは結晶である。
【0199】
いくつかの実施態様では、化合物1のグルタレートは、9.1°±0.2°、10.6°±0.2°および18.2°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のグルタレートは、9.1°±0.2°で2θに関する特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のグルタレートは、10.6°±0.2°で2θに関する特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のグルタレートは、18.2°±0.2°で2θに関する特徴的なXRPDピークを示す。
【0200】
いくつかの実施態様では、化合物1のグルタレートは、9.1°±0.2°、10.6°±0.2°、18.2°±0.2°および19.0°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のグルタレートは、9.1°±0.2°、10.6°±0.2°、18.2°±0.2°および19.0°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0201】
いくつかの実施態様では、化合物1のグルタレートは、9.1°±0.2°、10.6°±0.2°、18.2°±0.2°、19.0°±0.2°、22.5°±0.2°、27.4°±0.2°および28.0°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のグルタレートは、9.1°±0.2°、10.6°±0.2°、18.2°±0.2°、19.0°±0.2°、21.8°±0.2°、21.9°±0.2°、22.5°±0.2°、25.8°±0.2°、27.4°±0.2°および28.0°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0202】
いくつかの実施態様では、化合物1のグルタレートは、9.1°±0.2°、10.6°±0.2°、18.2°±0.2°、19.0°±0.2°、22.5°±0.2°、27.4°±0.2°および28.0°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のグルタレートは、9.1°±0.2°、10.6°±0.2°、18.2°±0.2°、19.0°±0.2°、21.8°±0.2°、21.9°±0.2°、22.5°±0.2°、25.8°±0.2°、27.4°±0.2°および28.0°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0203】
いくつかの実施態様では、化合物1のグルタレートは、9.1°±0.2°、10.6°±0.2°、18.2°±0.2°、19.0°±0.2°、22.5°±0.2°、27.4°±0.2°および28.0°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のグルタレートは、9.1°±0.2°、10.6°±0.2°、18.2°±0.2°、19.0°±0.2°、21.8°±0.2°、21.9°±0.2°、22.5°±0.2°、25.8°±0.2°、27.4°±0.2°および28.0°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0204】
いくつかの実施態様では、化合物1のグルタレートは、実質的に図38(FIG.38)に表される通りの特徴的なピークを有するXRPDパターンを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のグルタレートは、実質的に図39(FIG.39)に表される通りのDVS等温線を示す。
【0205】
いくつかの実施態様では、化合物1のグルタレートは、少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%または約99%の結晶純度で単離することができる。いくつかの実施態様では、化合物1のグルタレートは、約99%以上の結晶純度で単離することができる。いくつかの実施態様では、化合物1のグルタレートは、約99.9%以上の結晶純度で単離することができる。
【0206】
いくつかの実施態様では、化合物1、グルタル酸およびS1(ここで、S1は溶媒である)の混合物から、化合物1のグルタレートを単離することによって製造された化合物1のグルタレートが提供される。いくつかの実施態様では、S1は、有機溶媒である。いくつかの実施態様では、S1はC1-6アルキルアルコールである。いくつかの実施態様では、S1はC1-6アルキルアセテートである。いくつかの実施態様では、S1は、C1-6アルキルケトンである。いくつかの実施態様では、S1は、有機溶媒の混合物である。いくつかの実施態様では、S1は、C1-6アルキルアルコールとC1-6アルキルケトンとの混合物である。いくつかの実施態様では、S1は、メタノールとアセトンの混合物である。いくつかの実施態様では、S1はTHFである。いくつかの実施態様では、S1は酢酸エチルである。
【0207】
化合物1のL-マレート
いくつかの実施態様では、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンL-マレートが提供される。いくつかの実施態様では、化合物1のL-マレートは結晶である。
【0208】
いくつかの実施態様では、化合物1のL-マレートは、13.5°±0.2°、18.8°±0.2°および25.2°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-マレートは、13.5°±0.2°で2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のマレートは、18.8°±0.2°で2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-マレートは、25.2°±0.2°で2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。
【0209】
いくつかの実施態様では、化合物1のL-マレートは、13.5°±0.2°、14.4°±0.2°、15.2°±0.2°、18.8°±0.2°、23.8°±0.2°、24.8°±0.2°および25.2°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-マレートは、13.5°±0.2°、14.4°±0.2°、15.2°±0.2°、17.7°±0.2°、18.8°±0.2°、22.4°±0.2°、23.8°±0.2°、24.6°±0.2°、24.8°±0.2°および25.2°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0210】
いくつかの実施態様では、化合物1のL-マレートは、13.5°±0.2°、14.4°±0.2°、15.2°±0.2°、18.8°±0.2°、23.8°±0.2°、24.8°±0.2°および25.2°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のマレートは、13.5°±0.2°、14.4°±0.2°、15.2°±0.2°、17.7°±0.2°、18.8°±0.2°、22.4°±0.2°、23.8°±0.2°、24.6°±0.2°、24.8°±0.2°および25.2°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0211】
いくつかの実施態様では、化合物1のL-マレートは、13.5°±0.2°、14.4°±0.2°、15.2°±0.2°、18.8°±0.2°、23.8°±0.2°、24.8°±0.2°および25.2°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-マレートは、13.5°±0.2°、14.4°±0.2°、15.2°±0.2°、17.7°±0.2°、18.8°±0.2°、22.4°±0.2°、23.8°±0.2°、24.6°±0.2°、24.8°±0.2°および25.2°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0212】
いくつかの実施態様では、化合物1のL-マレートは、実質的に図40(FIG.40)に表される通りの特徴的なピークを有するXRPDパターンを示す。
【0213】
いくつかの実施態様では、化合物1のL-マレートは、約82℃の温度で吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-マレートは、実質的に図41(FIG.41)に表される通りのDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-マレートは、実質的に図42(FIG.42)に表される通りのTGAサーモグラムを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-マレートは、実質的に図43(FIG.43)に表される通りのDVS等温線を示す。
【0214】
いくつかの実施態様では、化合物1のL-マレートは、13.5°±0.2°、18.8°±0.2°および25.2°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示し;かつ、約82℃の温度で吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-マレートは、13.5°±0.2°、18.8°±0.2°および25.2°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示し;かつ、実質的に図41(FIG.41)に示されている通りのDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のL-マレートは、13.5°±0.2°、18.8°±0.2°および25.2°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示し;かつ、実質的に図43(FIG.43)に表される通りのDVS等温線を示す。
【0215】
いくつかの実施態様では、化合物1のL-マレートは、少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%または約99%の結晶純度で単離することができる。いくつかの実施態様では、化合物1のL-マレートは、約99%以上の結晶純度で単離することができる。いくつかの実施態様では、化合物1のL-マレートは、約99.9%よりも高い結晶純度で単離することができる。
【0216】
いくつかの実施態様では、化合物1、L-リンゴ酸およびS1(ここで、S1は溶媒である)の混合物から、化合物1のL-マレートを単離することによって製造される化合物1のL-マレートが提供される。いくつかの実施態様では、S1は、有機溶媒である。いくつかの実施態様では、S1はC1-6アルキルアルコールである。いくつかの実施態様では、S1はエーテルである。いくつかの実施態様では、S1は、C1-6アルキルアセテートである。いくつかの実施態様では、S1は、メタノールである。いくつかの実施態様では、S1はTHFである。いくつかの実施態様では、S1は酢酸エチルである。
【0217】
化合物1のベシレート
いくつかの実施態様では、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンベシレートが提供される。いくつかの実施態様では、化合物1のベシレートは結晶である。いくつかの実施態様では、化合物1のベシレートは、6.0°±0.2°、12.0°±0.2°および24.1°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のベシレートは、6.0°±0.2°で2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のベシレートは、12.0°±0.2°で2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの態様では、化合物1のベシレートは、24.1°±0.2°で2θに関して特徴的なXRPDピークを示す。
【0218】
いくつかの実施態様では、化合物1のベシレートは、6.0°±0.2°、12.0°±0.2°、16.6°±0.2°、24.1°±0.2°、26.8°±0.2°および30.3°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のベシレートは、6.0°±0.2°、12.0°±0.2°、16.4°±0.2°、16.6°±0.2°、19.0°±0.2°、21.2°±0.2°、22.2°±0.2°、23.2°±0.2°、24.1°±0.2°、26.8°±0.2°および30.3°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0219】
いくつかの実施態様では、化合物1のベシレートは、6.0°±0.2°、12.0°±0.2°、16.6°±0.2°、24.1°±0.2°、26.8°±0.2°および30.3°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のベシレートは、6.0°±0.2°、12.0°±0.2°、16.4°±0.2°、16.6°±0.2°、19.0°±0.2°、21.2°±0.2°、22.2°±0.2°、23.2°±0.2°、24.1°±0.2°、26.8°±0.2°および30.3°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0220】
いくつかの実施態様では、化合物1のベシレートは、6.0°±0.2°、12.0°±0.2°、16.6°±0.2°、24.1°±0.2°、26.8°±0.2°および30.3°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のベシレートは、6.0°±0.2°、12.0°±0.2°、16.4°±0.2°、16.6°±0.2°、19.0°±0.2°、21.2°±0.2°、22.2°±0.2°、23.2°±0.2°、24.1°±0.2°、26.8°±0.2°および30.3°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを示す。
【0221】
いくつかの実施態様では、化合物1のベシレートは、実質的に図44(FIG.44)に表される通りの特徴的なピークを有するXRPDパターンを示す。
【0222】
いくつかの実施態様では、化合物1のベシレートは、約136℃の温度で吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のベシレートは、実質的に図45(FIG.45)に表される通りのDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のベシレートは、実質的に図46(FIG.46)に表される通りのTGAサーモグラムを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のベシレートは、実質的に図47(FIG.47)に表される通りのDVS等温線を示す。
【0223】
いくつかの実施態様では、化合物1のベシレートは、6.0°±0.2°、12.0°±0.2°および24.1°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示し;かつ、約136℃の温度での吸熱ピークを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のベシレートは、6.0°±0.2°、12.0°±0.2°および24.1°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示し;かつ、実質的に図45(FIG.45)に表される通りのDSCサーモグラムを示す。いくつかの実施態様では、化合物1のベシレートは、6.0°±0.2°、12.0°±0.2°および24.1°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを有し;かつ、実質的に図47(FIG.47)に表される通りのDVS等温線を示す。
【0224】
いくつかの実施態様では、化合物1のベシレートは、少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%または約99%の結晶純度で単離することができる。いくつかの実施態様では、化合物1のベシレートは、約99%以上の結晶純度で単離することができる。いくつかの実施態様では、化合物1のベシレートは、約99.9%以上の結晶純度で単離することができる。
【0225】
いくつかの実施態様では、化合物1、ベンゼンスルホン酸およびS1(ここで、S1は溶媒である)の混合物から、化合物1のベシレートを単離することによって製造される化合物1のベシレートが提供される。いくつかの実施態様では、S1は、有機溶媒である。いくつかの実施態様では、S1は、C1-6アルキルアルコールである。いくつかの実施態様では、S1はエーテルである。いくつかの実施態様では、S1は、C1-6アルキルアセテートである。いくつかの実施態様では、S1は、C1-6アルキルケトンである。いくつかの実施態様では、S1は、有機溶媒の混合物である。いくつかの実施態様では、S1は、C1-6アルキルアルコールおよびC1-6アルキルケトンの混合物である。いくつかの実施態様では、S1は、酢酸エチルである。いくつかの実施態様では、S1は、THFである。いくつかの実施態様では、S1は、メタノールおよびアセトンの混合物である。
【0226】
化合物1のトシレート
いくつかの実施態様では、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミントシレート(化合物1のトシレート)が提供される。
【0227】
いくつかの実施態様では、化合物1、p-トルエンスルホン酸およびS1(ここで、S1は溶媒である)の混合物から、化合物1のトシレートを単離することによって製造される化合物1のトシレートが提供される。いくつかの実施態様では、S1は、有機溶媒である。いくつかの実施態様では、S1は、C1-6アルキルアルコールである。いくつかの実施態様では、S1はエーテルである。いくつかの実施態様では、S1はC1-6アルキルアセテートである。いくつかの実施態様では、S1は、C1-6アルキルケトンである。いくつかの実施態様では、S1は、有機溶媒の混合物である。いくつかの実施態様では、S1は、C1-6アルキルアルコールおよびC1-6アルキルケトンの混合物である。いくつかの実施態様では、S1は、メタノールである。いくつかの実施態様では、S1は、THFである。いくつかの実施態様では、S1は、酢酸エチルである。いくつかの実施態様では、S1は、メタノールおよびアセトンの混合物である。
【0228】
化合物1および化合物1のホスフェートの製造方法
本明細書では、化合物1またはその塩を製造するための方法も提供される。化合物1を製造する方法は、米国特許第10,196,403号に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書で提供される化合物1またはその塩を製造する方法は、当分野で現在開示されている方法と比較して、特定の利点を有する。例えば、本明細書に記載の方法は、良好な規模拡張能、収率および立体化学的選択性を示す。本明細書に記載の方法は、HPLCによるキラル分割を回避して、結晶化によるキラル分割することができるため、数キログラム規模での製造により適している。
【0229】
本明細書では、下記構造:
【化3】

化合物1のホスフェート

を示す(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンホスフェート(化合物1のホスフェート)を製造する方法を提供するものであって、該方法は、下記工程:
(a) 下記構造を示す式III:
【化4】
(式中、Xは、ハロである)
の化合物またはその塩を、A1(式中、A1は、酸である)の存在下において、下記構造:
【化5】
を示すN-メチルアミノアセトアルデヒドジメチルアセタール(化合物4)
と反応させて、下記構造を示す式II:
【化6】
(式中、Xはハロである)
の化合物またはその塩を得る工程;
(b) 金属触媒の存在下において、式IIの化合物またはその塩を水素化して、下記構造:
【化7】
を示す1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミン(ラセミ化合物1)を得る工程:

(c) S3(ここで、S3は溶媒である)の存在下において、ラセミ化合物1をジベンゾイル-L-酒石酸と反応させて、下記構造:
【化8】

を示す(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンジベンゾイル-L-タートレート(化合物1のジベンゾイル-L-タートレート)を得る工程;
(d) 化合物1のジベンゾイル-L-タートレートを、B1(ここで、B1は塩基である)と反応させて、下記構造:
【化9】
を示す化合物1を得る工程;ならびに
(e) 化合物1を、リン酸と反応させて、化合物1のホスフェートを得る工程、
を含む。
【0230】
本明細書は、下記構造:
【化10】

を示す化合物1を製造する方法を提供するものであって、該方法は、下記工程:
(a) 下記構造を示す式III:
【化11】
(式中、Xはハロである)
の化合物またはその塩を、A1(ここで、A1は酸である)の存在下において、下記構造:
【化12】
を示すN-メチルアミノアセトアルデヒドジメチルアセタール(化合物4)と反応させて、下記構造:
【化13】
を示す式IIの化合物またはその塩を得る工程;
(b) 金属触媒の存在下で、式IIの化合物またはその塩を水素化して、下記構造:
【化14】
を示す1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミン(ラセミ化合物1)を得る工程;
(c) 該ラセミ化合物1を、S3(ここで、S3は溶媒である)の存在下において、ジベンゾイル-L-酒石酸と反応させて、下記構造:
【化15】
(化合物1のジベンゾイル-L-タートレート)

を示す(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンジベンゾイル-L-タートレート(化合物1のジベンゾイル-L-タートレート)を得る工程;ならびに
(d) 化合物1のジベンゾイル-L-タートレートを、B1(ここで、B1は塩基である)と反応させて、化合物1を得る工程、
を含む。
【0231】
いくつかの実施態様では、化合物1の製造方法が提供され、該方法は、下記工程:
(a) 金属触媒の存在下で、式IIの化合物またはその塩を水素化して、ラセミ化合物1を得る工程;
(b) 該ラセミ化合物1を、S3(ここで、S3は溶媒である)の存在下で、ジベンゾイル-L-酒石酸と反応させて、化合物1のジベンゾイル-L-タートレートを得る工程;および
(c) 化合物1のジベンゾイル-L-タートレートを、B1(ここで、B1は塩基である)と反応させて、化合物1を得る工程、
を含む。
【0232】
いくつかの実施態様では、化合物1の製造方法が提供され、該方法は、下記工程:
(a) ラセミ化合物1を、S3(ここで、S3は溶媒である)の存在下において、ジベンゾイル-L-酒石酸と反応させて、化合物1のジベンゾイル-L-タートレートを得る工程;および
(c) 化合物1のジベンゾイル-L-タートレートを、B1(ここで、B1は塩基である)と反応させて、化合物1を得る工程、
を含む。
【0233】
本明細書では、下記構造:
【化16】
化合物1のホスフェート

を示す(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンホスフェート(化合物1のホスフェート)を製造する方法を提供するものであって、該方法は、下記構造:
【化17】

を示す(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミン(化合物1)を、リン酸と反応させる工程を含む。いくつかの実施態様では、化合物1のホスフェートは結晶である。
【0234】
いくつかの実施態様では、リン酸とは、リン酸水溶液である。いくつかの実施態様では、リン酸水溶液は、約80重量%~約95重量%のリン酸水溶液である。いくつかの実施態様では、リン酸水溶液は、約87重量%のリン酸水溶液である。
【0235】
いくつかの実施態様では、化合物1とリン酸の反応は、S1a(ここで、S1aは溶媒である)の存在下で行われる。いくつかの実施態様では、S1aは、極性プロトン性溶媒、水またはその混合物である。いくつかの実施態様では、S1の極性非プロトン性溶媒は、アセトニトリルである。いくつかの実施態様では、S1aは、アセトニトリルと水の混合物である。
【0236】
いくつかの実施態様では、化合物1とリン酸の反応は、約15℃~約25℃の間の温度で行われる。いくつかの実施態様では、化合物1とリン酸との反応は、約20℃で実施される。いくつかの実施態様では、約1モル当量~約5モル当量のリン酸が、化合物1のモル当量あたりで使用される。
【0237】
化合物1は、下記構造:
【化18】

を示す(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンジベンゾイル-L-タートレート(化合物1のジベンゾイル-L-タートレート)を、B1(ここで、B1は塩基である)と反応させる工程を含む方法により製造することができる。
【0238】
いくつかの実施態様では、B1は、水酸化アルカリ塩基である。いくつかの実施態様では、B1は、水酸化カリウムである。いくつかの実施態様では、B1は、水酸化カリウム水溶液である。いくつかの実施態様では、水酸化カリウム水溶液は、約10重量%~約20重量%の水酸化カリウムの水溶液である。いくつかの実施態様では、水酸化カリウムの水溶液は、約14重量%の水酸化カリウム水溶液である。
【0239】
いくつかの実施態様では、化合物1のジベンゾイル-L-タートレートおよび塩基との反応は、S2(ここで、S2は溶媒である)の存在下で行われる。いくつかの実施態様では、S2は極性非プロトン性溶媒である。いくつかの実施態様では、極性非プロトン性溶媒は、エーテルである。いくつかの実施態様では、S2はtert-ブチルメチルエーテルである。
【0240】
いくつかの実施態様では、化合物1のジベンゾイル-L-タートレートとB1との反応は、約20℃~約30℃の間の温度で行われる。いくつかの実施態様では、化合物1のジベンゾイル-L-タートレートと塩基の反応は、約23℃の温度で行われる。いくつかの実施態様では、化合物1のジベンゾイル-L-タートレートのモル当量あたり、約0.5~約5モル当量のB1が使用される。いくつかの実施態様では、化合物1のジベンゾイル-L-タートレートのモル当量あたり、約1モル当量~約3モル当量のB1が使用される。いくつかの実施態様では、化合物1のジベンゾイル-L-タートレートのモル当量あたり、約1モル当量と約2モル当量のB1が使用される。いくつかの実施態様では、化合物1のジベンゾイル-L-タートレートのモル当量あたり、約1モル当量のB1が使用される。
【0241】
いくつかの実施態様では、化合物1のジベンゾイル-L-タートレートとB1との反応は、塩化ナトリウムの存在下でさらに行われる。いくつかの実施態様では、化合物1のジベンゾイル-L-タートレートのモル当量あたり、約1~約10モル当量の塩化ナトリウムが使用される。いくつかの実施態様では、化合物1のジベンゾイル-L-タートレートのモル当量あたり、約5モル当量の塩化ナトリウムが使用される。
【0242】
(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンジベンゾイル-L-タートレート(化合物1のジベンゾイル-L-タートレート)は、下記構造:
【化19】
を示す1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミン(ラセミ化合物1)を、S3(ここで、S3は溶媒である)の存在下において、ジベンゾイル-L-酒石酸と反応させる工程を含む方法により製造することができる。
【0243】
いくつかの実施態様では、S3は、極性プロトン性溶媒である。いくつかの実施態様では、S3は、C1-6アルキル-OHである。いくつかの実施態様では、S3はメタノールである。いくつかの実施態様では、S3は、メタノールおよび水の混合物である。いくつかの実施態様では、反応は、約20℃~約70℃の温度で行われる。いくつかの実施態様では、約20℃の温度で沈殿させる。いくつかの実施態様では、約1~約5モル当量のジベンゾイル-L-酒石酸が、ラセミ化合物1のモル当量あたりに使用される。
【0244】
化合物1のジベンゾイル-L-タートレートを製造する方法は、ラセミ化合物1、ジベンゾイル-L-酒石酸およびS3を含む混合物から、化合物1のジベンゾイル-L-タートレートを沈殿させることをさらに含むことができる。いくつかの実施態様では、S3はメタノールである。いくつかの実施態様では、S3は、メタノールおよび水の混合物である。
【0245】
化合物1のジベンゾイル-L-タートレートを製造する方法は、化合物1のジベンゾイル-L-タートレートを、S3a(ここで、S3aは溶媒である)から単離する工程をさらに含むことができる。いくつかの実施態様では、S3aは、極性プロトン溶媒である。いくつかの実施態様では、S3aは、C1-6アルキル-OHである。いくつかの実施態様では、S3aは、メタノールである。いくつかの実施態様では、化合物1のジベンゾイル-L-タートレートの単離工程は、約10℃~約65℃の温度で行われる。
【0246】
1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミン(ラセミ化合物1)は、下記構造:
【化20】
(式中、Xがハロである)
を示す式IIの化合物またはその塩を、金属触媒の存在下で、水素化する工程を含む方法によって製造することができる。
【0247】
いくつかの実施態様では、式IIの化合物は、化合物2であり、これは下記構造:
【化21】
を示す1-(5-ブロモ-8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミントリフルオロメタンスルホネート(化合物2)である。
【0248】
いくつかの実施態様では、金属触媒は、パラジウム/活性炭である。いくつかの実施態様では、式IIの化合物の水素化は、約2~約10バールの水素圧にて行われる。いくつかの実施態様では、式IIの化合物の水素化は、約5バールの水素圧にて行われる。
【0249】
いくつかの実施態様では、式IIの化合物の水素化は、約20℃~約30℃の温度で行われる。いくつかの実施態様では、式IIの化合物の水素化は、約25℃の温度で行われる。
【0250】
いくつかの実施態様では、式IIの化合物の水素化は、S4(ここで、S4は溶媒である)の存在下で行われる。いくつかの実施態様では、S4は、極性プロトン性溶媒である。いくつかの実施態様では、S4は、C1-6アルキル-OHである。いくつかの実施態様では、S4はメタノールである。
【0251】
いくつかの実施態様では、式IIの化合物の水素化は、B2(ここで、B2は塩基である)の存在下で行われる。いくつかの実施態様では、B2は、炭酸塩の塩基である。いくつかの実施態様では、B2は炭酸カリウムである。いくつかの実施態様では、B2は、炭酸カリウム水溶液である。いくつかの実施態様では、炭酸カリウム水溶液は、約5重量%の炭酸カリウムである。
【0252】
式IIの化合物は、下記構造:
【化22】
(式中、Xはハロである)
を示す式IIIの化合物またはその塩を、A1(ここで、A1は酸である)の存在下において、下記構造:
【化23】

を示すN-メチルアミノアセトアルデヒドジメチルアセタール(化合物4)と反応させることによって、製造することができる。
【0253】
いくつかの実施態様では、式IIIの化合物は、下記構造:
【化24】

を示す2-(2-ブロモ-5-フルオロフェニル)エタン-1-オール(化合物3)である。
【0254】
いくつかの実施態様では、A1はトリフルオロメタンスルホン酸である。いくつかの実施態様では、式IIIの化合物および化合物4の反応は、S5(ここで、S5は溶媒である)の存在下で行われる。いくつかの実施態様では、S5は、ハロゲン化溶媒である。いくつかの実施態様では、S5はジクロロメタンである。
【0255】
いくつかの実施態様では、式IIIの化合物と化合物4の反応は、約0℃~約35℃の温度で行われる。いくつかの実施態様では、式IIIの化合物と化合物4の反応は、約30℃の温度で行われる。いくつかの実施態様では、式IIIの化合物のモル当量あたり、約1.2モル当量の化合物4が使用される。いくつかの実施態様では、式IIIの化合物のモル当量あたり、約4モル当量のA1が使用される。
【0256】
理解し易い様に、別々の実施態様の文脈に記載されている本発明のある特徴は、1つの実施態様において組み合わせて提供することもできることが理解される(一方で、実施態様は、マルチクレーム形式で書かれる場合、組み合わせることが意図されている)。逆に、簡潔にするために単一の実施態様として説明されている本発明の様々な特徴も、別々に、またはあらゆる適切なサブコンビネーションにて提供することができる。
【0257】
本明細書に記載されている方法の反応は、空気または不活性雰囲気下で実施することができる。通常、空気と実質的に反応する試薬または生成物を含む反応は、当業者に周知の空気過敏性の合成技術を用いて実施することができる。
【0258】
本明細書に記載された方法は、当技術分野において既知のあらゆる適切な方法に従ってモニタリングすることができる。例えば、生成物の形成は、分光学的手段、例えば、核磁気共鳴分光法(例えば、Hまたは13C)、赤外分光法、分光光度法(例えば、UV-可視)または質量分析法;あるいはクロマトグラフィー、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)または薄層クロマトグラフィーなどによってモニタリングできる。反応によって得られた化合物は、当技術分野において既知のあらゆる適切な方法で精製することができる。例えば、適切な吸着剤(例えば、シリカゲル、アルミナなど)を用いたクロマトグラフィー(中圧)、HPLCまたは分取薄層クロマトグラフィー;蒸留;昇華、トリチュレーションまたは再結晶化などが挙げられる。化合物の純度は、一般に、融点の測定(固体の場合)、NMRスペクトルの取得またはHPLC分離の実施などの物理的方法によって決定される。融点が低下した場合、NMRスペクトルの不要なシグナルが減少した場合、またはHPLCトレースの不要なピークが除かれた場合、化合物は精製されたと言うことができる。いくつかの実施態様では、化合物は、実質的に精製されている。
【0259】
使用方法
いくつかの実施態様では、本明細書は、有効量の本願化合物(または、その医薬的に許容される塩)または本願化合物(または、その医薬的に許容される塩)を含む組成物を、対象に投与することを特徴とする、対象における神経学的または精神医学的な疾患または障害を治療するための方法を提供する。神経学的および/または精神医学的な疾患および障害は、無気力症、うつ病、不安症、認知障害、精神病、攻撃行動、焦燥性興奮、衝動制御の低下および睡眠障害を含む、様々な精神医学的および行動学的症状を示す可能性がある。
【0260】
一実施態様では、神経学的または精神医学的な疾患または障害は、双極性障害、不安、うつ病、焦燥性興奮を伴うアルツハイマー病、攻撃行動を伴うアルツハイマー病、アルツハイマー病性の焦燥性興奮または焦燥性興奮/攻撃行動を伴うアルツハイマー病である。
【0261】
一実施態様では、神経学的または精神医学的疾患または障害は、双極性障害、不安、うつ病、認知症、アルツハイマー病、焦燥性興奮を伴うアルツハイマー病、攻撃行動を伴うアルツハイマー病、アルツハイマー病性の焦燥性興奮または焦燥性興奮/攻撃行動を伴うアルツハイマー病、神経認知障害、行動的および心理的症状を伴う神経認知障害である。
【0262】
一実施態様では、神経学的または精神医学的な疾患または障害は、神経認知障害の行動的および心理的症状、例えば、認知症およびアルツハイマー病である。行動および心理学的症状には、認知、思考内容、気分または妄想(苦痛を伴う信念)を含む行動における障害、幻覚、精神病、焦燥性興奮(易動揺性、質問の繰り返し、口論または文句を言う、ためこみ症、ペーシング、不適切な叫び声、泣き叫び、破壊音、外出拒絶(rejection of care leaving home))、攻撃行動(身体的または言語的)、抑うつまたは情動不安、不安症(心配性、シャドーイング)、無気力または無関心、脱抑制(社会的に不適切な行動、性的に不適切な行動、イライラまたは不安定)、運動障害(目的のない反復行動)、徘徊、物色、夜間行動(夜間に目が覚めたり起きたりする)、衝動性、注意欠陥、実行機能障害が挙げられる。
【0263】
本明細書では、代表的な治療候補を同定するためにアッセイを使用した。治療候補の例には、限定されないが、焦燥性興奮を伴うアルツハイマー病、攻撃行動を伴うアルツハイマー病、アルツハイマー病性の焦燥性興奮および焦燥性興奮/攻撃行動を伴うアルツハイマー病の治療が挙げられる。攻撃行動および焦燥性興奮は、神経学的および精神医学的な疾患または障害に共通する症状である。攻撃行動および焦燥性興奮は、皮質下の脳領域における過活動と関連しており、これは精神刺激剤(例えば、PCP、アンフェタミン)を用いて動物でモデル化することができる。例えば、精神刺激剤は、動物における過剰な自発活動(HLA)を誘発する。抗精神病薬(例えば、ハロペリドール、クロザピンおよびリスペリドンなど)は、精神刺激剤により誘導されたHLAを減少させ、アルツハイマー病における焦燥性興奮に対して有効であることが実証されている。アルツハイマー病に対して、適応外で使用されるその他の薬剤、または、現在治験中の薬剤としては、リチウムなどの気分安定薬(アンフェタミンにより誘導されるHLAを減少する)および抗うつ薬(シタロプラムなど)がある。抗うつ剤は、強制水泳試験および尾部懸垂試験などのアッセイにて活性が実証される。従って、前記アッセイは、アルツハイマー病性の焦燥性興奮またはその他の神経疾患および精神疾患における焦燥性興奮/攻撃行動に対する治療法の候補を特定するのに役立つ。
【0264】
一実施態様では、治療を必要とする対象における双極性障害を治療する方法であって、式Iによる化合物またはその医薬的に許容される塩の有効量を、前記対象に投与する工程を特徴とする方法が提供される。
【0265】
一実施態様では、治療を必要としている対象における不安を治療する方法であって、式Iによる化合物またはその医薬的に許容される塩の有効量を、前記対象に投与する工程を特徴とする方法が提供される。
【0266】
いくつかの実施態様では、神経学的または精神医学的疾患または障害は、例えば、統合失調症(妄想型、無秩序型、緊張型または未分化型)、統合失調症様障害、統合失調感情障害、妄想性障害、短期精神病性障害、共有精神病性障害、一般的な医学的症状を理由とする精神病性障害および物質誘発性または薬物誘発性(例えば、フェンシクリジン、ケタミンおよび他の解離性麻酔薬、アンフェタミンおよびその他の精神刺激剤ならびにコカイン)の精神病、精神病性障害、情動障害に関連する精神病、短期反応性精神病、統合失調感情障害、「統合失調症スペクトラム」障害(例えば、統合失調症または統合失調型人格障害など)または精神病(例えば、大うつ病、躁うつ病(双極性)障害、アルツハイマー病、心的外傷後ストレス症候群など)に関連する病気(これには、統合失調症およびその他の精神病に関する陽性症状、陰性症状および認知症状の両方が含まれる);認知症を含む認知障害(意味性認知症、前頭側頭型認知症、うつ病的特徴を有する認知症、持続性認知症、皮質下認知症、レビー小体型認知症、パーキンソン-ALS認知症複合体、アルツハイマー病に関連する認知症、虚血、多発梗塞性痴呆、外傷、血管障害、脳卒中、HIV疾患、パーキンソン病、ハンチントン病、ダウン症、ピック病、クロイツフェルト・ヤコブ病、周生期低酸素症または物質乱用)、せん妄、健忘症または加齢に伴う認知機能低下;不安障害、例えば、急性ストレス障害、広場恐怖症、全般性不安障害、強迫性障害、パニック発作、パニック障害、心的外傷後ストレス障害、分離不安障害、社会恐怖症、特定恐怖症、物質誘発性不安障害および一般的病状に起因する不安症;物質関連障害および嗜癖行動(例えば、物質誘発性せん妄、持続性認知症、持続性健忘症、精神病性障害または不安障害;アルコール、アンフェタミン、大麻、コカイン、幻覚剤、吸入剤、ニコチン、オピオイド、フェンシクリジン、鎮静剤、催眠剤または抗不安剤を含む物質に対する耐性、依存性または離脱);摂食障害、例えば、肥満、神経性過食症、異食症および強迫性摂食障害;双極性障害(例えば、双極性I型障害、双極性II型障害、気分循環性障害、物質/薬物誘発性双極性障害および関連障害、他の病状に起因する双極性障害および関連障害、その他の特定の双極性障害および関連障害ならびに特定不能の双極性障害および関連障害)、うつ病性障害(例えば、単極性うつ病、季節性うつ病および産後うつ病)、非定型うつ病、緊張型うつ病、老人性うつ病、内因性うつ病、メランコリー型うつ病、周産期うつ病、状況的うつ病、慢性うつ病、月経前症候群(PMS)および月経前不快気分障害(PDD)、一般的な医学的状態による気分障害ならびに物質誘発性気分障害;注意障害、学習障害および発達障害、例えば、自閉症を含む広汎性発達障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)および行為障害を含む注意障害、自閉症および自閉症スペクトラム障害(例えば、アスペルガー症候群、広汎性発達障害、レット症候群および脆弱X症候群を含む)などの障害、うつ病、良性の物忘れ、小児学習障害、限局性学習症、知的発達障害および閉鎖性頭部外傷;運動障害および症状、例えば、振戦、ジスキネジア、ジストニア、チック障害、発声障害、運動失調、ミオクロニー、本態性振戦、遅発性ジスキネジア、レストレスレッグス症候群、トゥレット症候群、多系統萎縮症、多発性硬化症、ハンチントン病、パーキンソン病および非定型パーキンソニズム;てんかん発作;尿失禁;神経細胞障害、例えば、眼球障害、眼の網膜症または黄斑変性症、耳鳴り、聴覚障害および難聴および脳浮腫;嘔吐;ならびに睡眠障害、例えば、不眠症、睡眠障害、中途覚醒、時差ボケ、過眠症、カタプレキシー、睡眠時無呼吸症候群、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、レム睡眠行動障害、レストレスレッグス症候群、周期性四肢運動異常症、概日リズム睡眠障害、睡眠相遅延障害、夢遊病、夜驚症、夜尿症、急速眼球運動睡眠行動障害、交代勤務睡眠障害、過度の眠気、非24時間睡眠覚醒症候群、睡眠麻痺およびナルコレプシーを含む精神病から選択される。
【0267】
いくつかの実施態様では、神経学的または精神医学的疾患または障害は、アルツハイマー病、パーキンソン病、うつ病、認知障害、卒中、統合失調症、ダウン症または胎児性アルコール症候群である。いくつかの実施態様では、神経学的または精神医学的障害は、アルツハイマー病である。いくつかの実施態様では、神経学的または精神医学的障害は、パーキンソン病である。いくつかの実施態様では、神経学的または精神医学的障害は、うつ病である。いくつかの実施態様では、神経学的または精神医学的障害は、認知障害である。いくつかの実施態様では、認知障害は、うつ病に関連した認知機能障害、例えば、大うつ病である。いくつかの実施態様では、神経学的または精神医学的障害は、卒中である。いくつかの実施態様では、神経学的または精神医学的障害は、統合失調症である。いくつかの実施態様では、神経学的または精神医学的障害は、ダウン症である。いくつかの実施態様では、神経学的または精神医学的障害は胎児性アルコール症候群である。
【0268】
いくつかの実施態様では、神経学的または精神医学的疾患または障害は、双極性障害である。双極性障害(例えば、双極性I型障害および双極性II型障害の両方を含む)は、人口の約2%の有病率を示す深刻な精神疾患であり、性別を問わず同じ様な影響を受ける。双極性障害は、気分の高揚状態(即ち、躁病状態)とうつ状態を繰り返す再発寛解型の疾患であり、大うつ病および統合失調症などの他の疾患とは異なる。双極性I型障害とは、殆どの人が、著しい落ち込みを経験するものの、完全な躁病エピソードが発現することにより規定される。躁病の症状には、気分の高揚または過敏、多動性、誇大性、睡眠の必要性の低下、観念奔逸などが挙げられ、場合によっては精神病を発症することもある。うつ病エピソードは、無快感症、悲壮感、絶望感、自尊心の低下、集中力の低下および無気力などが挙げられる。双極性II型障害は、大うつ病エピソードおよび軽度の躁病(重度ではない躁状態)エピソードが発現すると規定されているが、対象はうつ病状態にある時間がかなり長い。その他の関連する症状には、気分循環性障害が挙げられる。
【0269】
いくつかの実施態様では、神経学的または精神医学的疾患または障害は、統合失調症である。統合失調症は、原因不明の障害であり、通常は、成人期に初めて現れ、精神病の症状の段階的な進行と発症および/または社会行動および職務能力の低下などの特徴を有する。特徴的な精神病の症状は、思考内容の障害(例えば、多発的、断片的、支離滅裂、非現実的または単なる妄想的な内容あるいは被害念慮)および精神障害(例えば、連想力の喪失、想像力の欠如、不可解なまでの支離滅裂)、ならびに知覚障害(例えば、幻覚)、感情障害(例えば、表面的または不適切な感情)、自己認識、意図、衝動および/または人間関係の障害ならびに精神運動性障害(例えば、緊張病)である。また、その他の症状も、この障害に関連している。統合失調症は、以下のサブグループに分類される:妄想および幻覚を特徴とし、思考障害、無秩序な行動、感情の平坦化が見られない妄想型;思考障害および感情の平坦化が同時に現れる解体型(破瓜型統合失調症とも呼ばれる);顕著な精神運動障害が明らかであり、症状には緊張性昏迷およびろう屈症が含まれ得る緊張型;ならびに、精神病の症状は存在するが、妄想型、解体型および緊張型の基準を満たさない鑑別不能型。統合失調症の症状は、通常、陽性症状、陰性症状および認知症状の3つに大別して現れる。陽性症状とは、幻覚および妄想などの通常の経験の「過剰」を示すものである。陰性症状とは、無快感症や社会的相互関係の欠如などの、患者が通常の経験の欠如に苦しんでいる徴候である。認知症状とは、統合失調症患者の認知機能の障害に関連するもので、持続的な注意力の欠如および意思決定の欠如などがある。
【0270】
いくつかの実施態様では、神経学的または精神医学的疾患または障害は、不安障害である。不安障害は、恐怖、心配および不安を特徴とし、通常、状況に対する過剰反応として全般的かつ不定のものである。不安障害は、恐怖、不安または回避行動を誘発する状況および対象の種類および関連する認知的観念において異なる。不安が恐怖とは異なるのは、不安が将来の脅威の認識に対する情動反応であるのに対し、恐怖は、即時の脅威の認識または現実に関連していると点である。また、不安と恐怖は、関連する思考または信念の内容も異なる。不安障害の例としては、分離不安障害、選択的緘黙症、特定恐怖症、社会不安障害(社交恐怖症)、パニック障害、パニック発作特定症、広場恐怖症、全般性不安障害、物質/薬物誘発性不安障害、その他の病状による不安障害、病気不安障害、社会的(実際的)コミュニケーション障害、その他の特定不安障害および特定不能の不安障害;ストレス関連障害(例えば、反応性愛着障害、社会的関与の抑制障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、急性ストレス障害および適応障害)が挙げられる。
【0271】
認知機能障害には、認知機能または認知領域、例えば、作業記憶、注意および警戒、言語学習および記憶、視覚学習および記憶、推論および問題解決力(例えば、実行機能、処理速度および/または社会的認知)の低下が含まれる。特に、認知障害は、注意力の障害、解体型思考、思考緩徐、理解の困難性、集中力の低下、問題解決力の障害、記憶力の低下、思考を表現する際の困難性および/または思考、感情および行動の統一困難性あるいは無関係な思考消去の困難性を示し得る。
【0272】
いくつかの実施態様では、神経学的または精神医学的疾患または障害は、認知欠如を伴う(DSM-5において定義されている認知領域とは、複雑性注意、実行機能、学習および記憶、言語、知覚運動、社会的認知)。いくつかの実施態様では、神経学的または精神医学的障害は、ドーパミンシグナル伝達の欠如と関連している。いくつかの実施態様では、神経学的または精神医学的障害は、大脳基底核機能障害と関連している。いくつかの実施態様では、神経学的または精神医学的障害は、自発運動調節不全と関連している。いくつかの実施態様では、神経学的または精神医学的障害は、前頭前野の機能障害と関連している。
【0273】
いくつかの実施態様では、本発明は、本明細書で提供される神経学的および/または精神医学的疾患または障害の1または複数の症状を治療する方法を提供する。このような疾患または障害には、次のものが挙げられる:気分障害、例えば、双極I型障害、双極II型障害、躁病、気分循環性障害、物質/医薬品誘発性双極性障害および関連疾患、その他の病状を理由とする双極性障害および関連障害ならびに特定不能の双極性障害および関連障害;精神病性障害、例えば、統合失調症、統合失調症スペクトラム障害、急性統合失調症、慢性統合失調症、NOS統合失調症、統合失調症性人格障害、統合失調症性人格障害、妄想性障害、精神病、精神病性障害、短期精神病性障害、共有精神病性障害、一般的な医学的症状を理由とする精神病性障害、薬物誘発性精神病(例えば、コカイン、アルコール、アンフェタミン)、統合失調感情障害、焦燥性興奮、攻撃行動、せん妄、カタレプシー、緊張病、解離性同一性障害、妄想性人格障害、精神病性うつ病、統合失調型人格障害、小児期崩壊性障害(ヘラー症候群)、崩壊性精神病、解離性健忘症、身体症状障害、パーキンソン病性精神病、興奮性精神病、トゥレット症候群および器質性精神病またはNOS精神病;うつ病性障害、例えば、破壊的気分調整障害、大うつ病性障害(MDD)(例えば、大うつ病エピソード)、ジスキミア、持続性うつ病性障害(ジスキミア)、治療抵抗性うつ病、月経前不快気分障害、物質/薬物誘発性うつ病性障害、その他の病状によるうつ病性障害、その他の特定のうつ病性障害および特定不能のうつ病性障害;不安障害;ならびに、その他の障害、例えば、物質乱用または依存症(例えば、ニコチン、アルコール、コカイン)、中毒症、インターネットゲーム障害、摂食障害、行動障害、痙攣、めまい、てんかん、焦燥性興奮、攻撃行動、神経変性疾患、アルツハイマー病、パーキンソン病、ジスキネジア、ハンチントン病、認知症、月経前不快感、注意欠陥障害(ADD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、運動過多症、自閉症、自閉症スペクトラム障害、強迫性障害、疼痛、線維筋痛症、片頭痛、認知機能障害、運動障害、レストレスレッグ症候群(RLS)、多発性硬化症、原発性進行性多発性硬化症、パーキンソン病、ハンチントン病、ジスキネジア多発性硬化症、睡眠障害、睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー、日中の過剰な眠気、時差ぼけ、薬の眠気の副作用、不眠症、性機能障害、高血圧、嘔吐、レッシュ・ナイハン病、ウィルソン病、レット症候群およびハンチントン舞踏病。いくつかの実施態様では、神経学的および/または精神医学的障害は、焦燥性興奮および攻撃行動を含む。
【0274】
いくつかの実施態様では、焦燥性興奮および攻撃行動は、アルツハイマー病、パーキンソン病および/または自閉症と関連している。
【0275】
いくつかの実施態様では、焦燥性興奮は、精神系疾患、例えば、うつ病および統合失調と関連している。
【0276】
いくつかの実施態様では、神経学的および/または精神医学的疾患または障害は、強迫性障害および関連する障害(例えば、身体醜形障害、ホーディング障害、トリコチロマニア、排泄障害)である。
【0277】
いくつかの実施態様では、神経学的および/または精神医学的疾患または障害は、破壊的行動、衝動制御および行動の障害であり、例えば、反抗挑発症、間欠性爆発性障害、行為障害、反社会性人格障害、放火癖、クレプトマニア、その他の特定される破壊的行動、衝動制御および行動の障害、特定されない破壊的行動、衝動制御および行動の障害を含む。
【0278】
うつ病性障害には、大うつ病性障害および気分変調症が挙げられ、抑うつ気分(悲しみ)、集中力の低下、不眠、疲労、食欲不振、過度の罪悪感および自殺念慮などと関連がある。
【0279】
いくつかの実施態様では、本明細書は、1以上の以下の症状を治療するための方法を提供する:うつ病(例えば、大うつ病性障害または気分変調症);双極性障害、季節性情動障害;認知欠損;精神系疾患の症状により発症する睡眠障害を含む睡眠関連障害(例えば、睡眠時無呼吸症候群、不眠症、ナルコレプシー、カタプレキシー);慢性疲労症候群;不安障害(例えば、全般性不安障害、社会不安障害、パニック障害);強迫性障害;閉経後の血管運動症状(例えば、ホットフラッシュ、寝汗);神経変性疾患(例えば、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、原発性側索硬化症、進行性筋萎縮症、進行性水疱(萎縮)麻痺、仮性球麻痺、脊髄性筋萎縮症(例えば、SMA I型(ウェルドニッヒ・ホフマン病とも呼ばれる)、SMA II型、SMA III型(クーゲルベルグ・ウェランダー病とも呼ばれる)、ケネディ病(進行性脊髄性筋萎縮症とも呼ばれる)、ハレルフォルデン・スパッツ病、ザイテルバーガー病(幼児神経軸性ジストロフィー)、アドレノロイコジストロフィー、アレキサンダー病、常染色体優性小脳失調症(ADCA)、純粋自律神経失調症(ブラッドバリー・エグルストン症候群)、CADASIL症候群、バッテン病などの神経細胞セロイドリポフスチン障害(シュピールマイアー・フォークト病);躁病性障害;気分変調症;および肥満。
【0280】
いくつかの実施態様では、うつ病性障害は、急性の自殺傾向または自殺念慮と関連している。米国食品医薬品局は、抗うつ剤が、MDDなどのうつ病性障害に罹患している一部の小児、未成年および若年成人(24歳まで)における自殺念慮および自殺行為のリスクを増加させる可能性があることを示す「ブラックボックス」ラベルの警告を採用している。いくつかの実施態様では、提供される本願化合物は、MDDなどのうつ病性障害に罹患している小児、未成年および/または若年成人における自殺念慮および/または自殺行為のリスクを増加させない。いくつかの実施態様では、本発明は、自殺念慮および/または自殺行為のリスクを増大させずに、小児、未成年および/または若年成人における1以上のうつ病性障害(例えば、MDD)の症状を治療する方法を提供する。
【0281】
いくつかの実施態様では、本発明は、老人性認知症、早期発症型アルツハイマー病、アルツハイマー型認知症、認知症、記憶喪失、健忘症/健忘症候群、意識障害、昏睡、注意力低下、言語障害、聴覚失認症、失語症、失行症、軽度認知障害(MCI)、良性の健忘症、軽度の神経認知障害、重度の神経認知障害、疾患による神経認知障害(例えば、ハンチントン病、パーキンソン病、プリオン病、外傷性脳損傷、HIVまたはAIDS)、ビンスワンガー病(皮質下白質脳症)およびカプグラ症候群を含む1つ以上の症状を治療する方法を提供する。
【0282】
いくつかの実施態様では、本発明は、疼痛、例えば、神経因性疼痛、神経因性疼痛に伴う感作または炎症性疼痛の1または複数の症状を治療する方法を提供する。いくつかの実施態様では、疼痛は、ヘルペス後(または、帯状疱疹後)の神経痛、反射性交感神経性ジストロフィー/カウザルギーまたは神経外傷、幻肢痛、手根管症候群および末梢神経障害(例えば、糖尿病性神経障害または慢性的なアルコール使用により生じる神経障害)を含む神経障害性疼痛である。いくつかの実施態様では、疼痛には、急性疼痛、侵害受容性疼痛、関節炎痛、関節リウマチ、変形性関節症、関節痛、筋骨格系痛、腰痛、脊椎痛、椎間板膨隆痛、股関節痛、内臓痛、頭痛、緊張性頭痛、急性緊張性頭痛、慢性緊張型頭痛、慢性群発性頭痛、一般的な片頭痛、古典的な片頭痛、群発性頭痛、混合型頭痛、外傷後頭痛、眼精疲労頭痛、短時間持続型片側神経形(SUNCT)頭痛、SUNCT症候群、帯状疱疹、急性帯状疱疹、単純疱疹、帯状疱疹後(単純疱疹後)神経痛、カウザルギー、中枢性疼痛、中枢性疼痛症候群、慢性腰痛、神経痛、神経障害性疼痛症候群、神経障害、糖尿病性神経障害、糖尿病関連神経障害、糖尿病関連神経痛、繊維症、化学療法を原因とする末梢神経障害、末梢神経疾患、末梢神経障害、神経痛、神経外傷、神経障害性疼痛を伴う感作、複合性局所疼痛症候群、圧迫性神経障害、頭蓋顔面痛、慢性関節痛、慢性膝関節痛、慢性疼痛症候群、癌性疼痛、三叉神経痛、疼痛性チック、反射性交感神経性カウザルギー、有痛性末梢神経障害、脊髄神経損傷、くも膜炎、脊髄痛、ロス・ベルンハルト症候群(半身不随性痛)、手根管症候群、脳脊髄液症候群、シャルコー・マリー・トゥース病、遺伝性運動および感覚神経障害、腓骨筋萎縮症、群発性症候群、尾骨痛症候群、コンパートメント症候群、椎間板変性症、腰部手術失敗症候群、性器-骨盤痛/挿入障害、痛風、炎症性疼痛、腰髄神経根障害、神経腫(有痛性瘢痕)、多発性硬化症に伴う疼痛、骨盤底障害、幻肢痛、梨状筋症候群、心因性疼痛、神経根痛症候群、レーダー症候群、関連痛、反射性交感神経ジストロフィー症候群、坐骨神経痛、坐骨神経痛の痛み、脊柱側弯症、椎間板ヘルニア、体性痛、脊柱管狭窄症、スティッフ・パーソン/スティッフ・マン症候群、断端痛、交感神経維持痛、トロサ・ハント症候群、むち打ち症またはライム病に伴う疼痛が挙げられる。
【0283】
いくつかの実施態様では、本発明は、肥満;片頭痛または片頭痛性の頭痛;ならびに男性または女性における性機能障害(例えば、心理的および/または生理的要因による性機能障害、勃起不全、早漏、膣乾燥、性的興奮の欠如およびオルガスムを得ることができないことを含むが、これに限定しない)および精神的性機能障害(例えば、性的欲求の阻害、性的興奮の阻害、女性オルガスムの阻害、男性オルガスムの阻害、機能性性交疼痛症、機能性膣炎および非定型的精神性機能障害を含むが、これらに限定されない)の1以上の症状を治療する方法を提供する。
【0284】
いくつかの実施態様では、本発明は、睡眠および日中に相当する両方の間に、急速眼球運動(REM)を抑制する方法を提供する。
【0285】
いくつかの実施態様では、本発明は、夜間または昼間に相当する間の病的または過剰なREMを抑制または排除する方法を提供する。
【0286】
いくつかの実施態様では、本発明は、カタプレキシー(覚醒時の突然の不随意な一過性の筋力低下または麻痺の発作);ナルコレプシーまたは他の症状に関連した夜間の睡眠障害/睡眠の断片化;ナルコレプシーまたは他の症状に関連した睡眠麻痺;ナルコレプシーまたは他の症状に関連した入眠時幻覚および半覚醒状態幻覚;ならびに、ナルコレプシー、睡眠時無呼吸症候群またはシフトワーク障害およびその他の病状(例えば、がん、慢性疲労症候群、線維筋痛症)に関連した日中の過剰な眠気を含む、1以上の症状を治療する方法を提供する。
【0287】
いくつかの実施態様では、本明細書は、アキネジア、アキネティック・リジッド症候群、ジスキネジアおよびジストニアを含む、運動疾患または障害の1以上の症状を治療する方法を提供する。アキネジアおよびアキネティック・リジッド症候群の例としては、パーキンソン病、薬物誘発性パーキンソニズム、脳炎後パーキンソニズム、二次性パーキンソニズム、パーキンソニズムプラス症候群、非定型パーキンソニズム、特発性パーキンソニズム、進行性核上性麻痺、多系統萎縮症、大脳皮質基底核変性症、パーキンソニズム-ALS認知症複合体および大脳基底核石灰化症、薬剤誘発性パーキンソニズム(例えば、神経弛緩剤誘発性パーキンソニズム、神経弛緩剤悪性症候群、神経弛緩剤誘発性急性ジストニア、神経弛緩剤誘発性急性アカシジア、神経弛緩剤誘発性遅発性ジスキネジアおよび薬剤誘発性体位性振戦)、ジル・ド・ラ・トゥレット症候群、てんかん、筋痙攣および振戦を含めた筋痙性障害または筋力低下に関連する障害などが挙げられる。ジスキネジアの例としては、薬剤(例えば、L-DOPA)誘導性ジスキネジア振戦(例えば、安静時振戦、体位性振戦、意図的振戦)、舞踏病(例えば、シデナム舞踏病、ハンチントン病、良性遺伝性舞踏病、神経有棘赤血球症、症候性舞踏病、薬物誘発性舞踏病および半盲症)、ミオクローヌス(例えば、汎発性ミオクローヌスおよび局所性ミオクローヌス)、チック(例えば、単純チック、複雑チックおよび症候性チック)などが挙げられる。ジストニアの例としては、全身性ジストニア、特発性ジストニア、薬剤誘発性ジストニア、症候性ジストニア、発作性ジストニア、焦点性ジストニア、眼瞼痙攣、顎口腔ジストニア、痙攣性発声障害、痙攣性斜頸、軸性ジストニア、ジストニア性ライターズクランプおよび片麻痺性ジストニアなどが挙げられる。運動性疾患または障害のその他の例としては、常同運動障害、持続性(慢性)運動障害、薬剤誘発性運動障害、心因性運動障害、物質/薬剤誘発性運動障害、錐体外路性運動障害、運動機能亢進性運動障害、運動機能低下性運動障害、交代性片麻痺、アンジェルマン症候群、ハレルフォルデン‐スパッツ症候群、運動失調、歯状脊髄小脳失調症、毛細血管拡張性運動失調症(ルイ・バー症候群)、フリードライヒ運動失調症、遺伝性脊髄失調症、遺伝性脊髄硬化症、マチャド・ジョセフ病、脊髄小脳失調症、進行性ミオクローヌスてんかん、アテトーゼ、バリスムス、眼瞼痙攣(眼球の痙攣)、脳性麻痺、遅発性ジストニア、遅発性ジスキニア、特発性捻転性ジストニア、捻転性ジストニア、局所性ジストニア、特発性家族性ジストニア、特発性非家族性ジストニア、頸部ジストニア(痙攣性斜頸)、原発性ジストニア、口腔顔面ジストニア、発達性協調運動障害、球脊髄性筋萎縮症(ケネディ病)、シャイ・ドレーガー症候群およびスティッフ・パーソン(スティッフ・マン)症候群が挙げられる。
【0288】
いくつかの実施態様では、本発明は、てんかんおよび/または発作の1つ以上の症状を治療する方法を提供するものであって、該症状には、腹部てんかん、アブサンス発作、後天性てんかん、後天性てんかん様失語症、エカルディ症候群、アルパーズ病、アルパーズ-ハッテンロッハー症候群、アンジェルマン症候群、良性局所てんかん、小児良性局所てんかん、良性頭蓋内圧亢進症、良性ローランド型てんかん(BRE)、CDKL5障害、小児欠神性てんかん、歯状小脳失調症、ドゥース症候群、ドラベ症候群、認知障害性局所発作、大発作てんかん性疾患、ミオクロニー欠神てんかん、てんかん性片麻痺、熱性発作、局所発作、前頭葉てんかん、全身性強直性間代性発作、素因性てんかん、グルコーストランスポーター1欠損症症候群、視床下部過誤腫、特発性てんかん、特発性全般てんかん、特発性局在関連てんかん、特発性部分てんかん、特発性痙攣、若年性欠神性てんかん、若年性ミオクロニーてんかん、ラフォラ病、ラフォラ進行性ミオクロニーてんかん、ランドウ・クレフナー症候群、ラスクール・グラハム・リトル症候群、レノックス症候群、レノックス・ガストー症候群、医学的難治性てんかん、中側頭葉-側頭葉硬化症、ミオクローヌス発作、新生児てんかん、後頭葉てんかん、大田原症候群、パナイトポーラス症候群、頭頂葉てんかん、PCDH19てんかん、光感受性てんかん、進行性ミオクローヌスてんかん、ラスムッセン脳炎、ラスムッセン症候群、難治性てんかん、てんかん障害、てんかん重積状態、スタージ・ウェーバー症候群、症候性全般てんかん、症候性部分てんかん、TBCK関連ID症候群、側頭葉てんかん、側頭葉発作、強直間代発作、ウエスト症候群、振戦、小脳振戦、小脳流出性振戦、意図振戦、本態性振戦、良性本態性振戦、パーキンソニズム性振戦および薬剤誘発性体位性振戦が挙げられる。
【0289】
医薬組成物
一実施態様によれば、本発明は、化合物1またはその塩(または、その結晶形態、水和物または溶媒和物)ならびに医薬的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクルを含む組成物を提供する。いくつかの実施態様では、本明細書の組成物中の化合物1の量は、対象における様々な神経学的および/または精神医学的疾患、障害および/または症状を治療、予防および/または管理するのに有効な量である。いくつかの実施態様では、本発明の組成物は、そのような組成物を必要とする対象に投与するために製剤化される。いくつかの実施態様では、本発明の組成物は、対象への経口投与のために製剤化される。
【0290】
本明細書で使用されるように、投与が意図される「対象」という用語には、ヒト、すなわち、あらゆる年齢層の男性または女性、例えば、小児対象(例えば、乳児、子供、青年)または成人対象(例えば、若年成人、中年成人または高齢者)および/または他の霊長類(例えば、カニクイザル、アカゲザルなど);牛、豚、馬、ヒツジ、ヤギ、ネコおよび/またはイヌなどの商業的に関連する哺乳類;および/またはニワトリ、アヒル、ガチョウ、ウズラおよび/または七面鳥などの商業的に関連がある鳥類などの哺乳類を含むことが意図される。
【0291】
特定の実施態様では、本明細書において、化合物1またはその塩(または、その結晶形態、水和物または溶媒和物)と医薬的に許容される賦形剤または担体を含む組成物(例えば、医薬組成物)が提供される。いくつかの実施態様では、本明細書が提供するものは、有効量の化合物1またはその塩(または、その結晶形態、水和物もしくは溶媒和物)または本明細書に記載の医薬組成物を投与することを特徴とする、治療を必要とする対象における神経学的または精神医学的な疾患および障害を治療する方法が提供される。担体および賦形剤の例は、当業者には十分知られており、例えば、Ansel, Howard C, et al., Ansel's Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems. Philadelphia: Lippincott, Williams & Wilkins, 2004; Gennaro, Alfonso R., et al. Remington: The Science and Practice of Pharmacy. Philadelphia: Rowe, Raymond C. Handbook of Pharmaceutical Excipients. Chicago, Pharmaceutical Press, 2005に詳細に記載されている。また製剤は、薬剤(すなわち、本発明の化合物またはその医薬組成物)の洗練された外観を提供するため、または医薬品(すなわち、医薬)の製造を助けるために、1または複数の緩衝剤、安定化剤、界面活性剤、湿潤剤、潤滑剤、乳化剤、懸濁剤、防腐剤、酸化防止剤、不透明化剤、滑沢剤、加工助剤、着色剤、甘味料、香料、希釈剤およびその他の既知の添加剤を含むことができる。
【0292】
本発明の組成物は、経口、非経口、吸入、局所、直腸、鼻腔、頬、舌下、膣または移植されたリザーバーを介して投与することができる。本明細書で使用される用語「非経口」には、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑膜内、胸骨内、髄腔内、肝内、病巣内および頭蓋内の注射または点滴技術が挙げらる。好ましくは、組成物は、経口、腹腔内または静脈内に投与される。本明細書の組成物の無菌注射形態は、水性または油性の懸濁液であってもよい。これらの懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を用いて、当該分野では既知の技術に従って製剤化されてもよい。また無菌注射製剤は、例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液として、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の無菌注射溶液または懸濁液であってもよい。使用され得る許容し得るビヒクルおよび溶媒の一つは、水、リンガー溶液および生理食塩液の溶液である。さらに、無菌の固定油は、溶媒または懸濁媒体として従来から使用されている。本発明の医薬的に許容される組成物は、カプセル、錠剤、水性懸濁液または溶液を含むあらゆる経口的に許容される投与形態で、経口投与されてもよい。
【0293】
単一の剤形の組成物を製造するために担体材料と組み合わせることができる化合物1またはその塩(または、その結晶形態、水和物または溶媒和物)の量は、処理される宿主および特定の投与様式を含む様々な要因に応じて変化する。また、あらゆる特定の対象に対する特定の投与量および治療レジメンは、用いられる化合物1の特定の形態の活性、年齢、体重、一般的な健康状態、性別、食事、投与時間、排泄率、薬剤の組み合わせおよび治療を行う医師の判断および治療される特定の疾患の重症度を含む様々な要因に依って変わることを理解すべきである。
【0294】
併用療法
いくつかの実施態様では、本発明は、本明細書に記載の神経学的および/または精神医学的疾患および/または障害を治療する方法を提供するものであって、本願化合物を、1または複数の医薬剤と組み合わせて投与することを含む方法を提供する。化合物1またはその塩(または、その結晶形態、水和物または溶媒和物)と組み合わせて使用することができる好適な医薬剤としては、抗パーキンソン病薬、抗アルツハイマー病薬、抗うつ薬、抗精神病薬、抗虚血薬、CNS抑制薬、抗コリン剤、向精神薬、てんかん薬、注意欠陥治療薬(例えば、ADD/ADHD)、睡眠促進薬、覚醒促進薬および疼痛薬が挙げられる。いくつかの実施態様では、好適な医薬製剤は抗不安薬である。
【0295】
好適な抗パーキンソン病薬には、ドーパミン補充療法(例えば、L-DOPA、カルビドパ、COMT阻害剤(例えば、エンタカポンまたはトルカポン))、ドーパミンアゴニスト(例えば、D1アゴニスト、D2アゴニスト、D1/D2混合アゴニスト、ブロモクリプチン、ペルゴリド、カベルゴリン、ロピニロール、プラミペキソール、ピリベジルまたはアポモルフィンとドンペリドンとの併用)、ヒスタミンH2アンタゴニスト、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(例えば、セレギリン、ラサギリン、サフィナミドおよびトラニルシプロミン)、特定の非定型抗精神病薬、例えばピマバンセリン(非ドーパミン作動性非定型抗精神病薬であり、セロトニン5-HT2A受容体のインバースアゴニスト)ならびにアマンタジンが挙げられる。
【0296】
いくつかの実施態様では、化合物1またはその塩(あるいは、その結晶形態、水和物または溶媒和物)は、レボドパ(選択的脳外デカルボキシラーゼ阻害剤、例えばカルビドパまたはベンセラジドとの併用または非併用)、抗コリン剤、例えばビペリデン(あらゆるその塩酸塩または乳酸塩として)およびトリヘキシフェニジル(ベンズヘキシル)塩酸塩、COMT阻害剤、例えばエンタカポンまたはトルカポン、MAO A/B阻害剤、抗酸化剤、A2aアデノシン受容体拮抗薬、コリン作動薬、MDA受容体拮抗薬、セロトニン受容体拮抗薬ならびにドーパミン受容体作動薬(例えば、アレンテモール、ブロモクリプチン、フェノルドパム、リスリド、ナキサゴリド、ペルゴリドおよびプラミペキソール)と組み合わせて使用することができる。ドーパミンアゴニストが、例えば、アレンテモール臭化水素酸塩、ブロモクリプチンメシル酸塩、フェノルドーパムメシル酸塩、ナキサゴリド塩酸塩およびペルゴリドメシル酸塩などの医薬的に許容される塩の形態であり得ることは、理解されるであろう。リスリドおよびプラミペキソールは、非塩形態で一般的に使用される。
【0297】
適切な抗アルツハイマー薬としては、β-セクレターゼ阻害剤、γセクレターゼ阻害剤、コリンエステラーゼ阻害剤(例えば、ドネペジル、ガランタミンまたはリバスチグミン)、HMG-CoA還元酵素阻害剤、イブプロフェンを含むNSAID、ビタミンEおよび抗アミロイド抗体が挙げられる。いくつかの実施態様では、抗アルツハイマー病薬は、メマンチンである。
【0298】
適切な抗うつ剤および抗不安剤には、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(例えば、三級アミン三環系および二級アミン三環系)、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、モノアミン酸化酵素阻害剤(MAOI)、モノアミンオキシダーゼの可逆的阻害剤(RIMA)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)、コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニスト、α-アドレナリン受容体アンタゴニスト、ニューロキニン-1受容体アンタゴニスト、非定型抗うつ剤、ベンゾジアゼピン、5-HTl Aアゴニストまたはアンタゴニスト、特に5-HTl A部分アゴニストおよびコルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニストなどが挙げられる。
【0299】
特に適切な抗うつ剤および抗不安剤としては、アミトリプチリン、クロミプラミン、ドキセピン、イミプラミンおよびトリミプラミン;アモキサピン、デシプラミン、シタロプラム、エスシタロプラム、マプロチリン、ノルトリプチリンおよびプロトリプチリン;フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチンおよびセルトラリン;イソカルボキサジド、フェネルジン、トラニルシプロミンおよびセレギリン;モクロベミド;ベンラファキシン、デスベンラファキシン、デュロキセチン、アプレピタント、ブプロピオン、ビラゾドン、ミルタザピン、リチウム、ネファゾドン、トラゾドンおよびビロキサジン;アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、クロナゼパム、クロラゼペート、ジアゼパム、ハラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパムおよびプラゼパム;ブスピロン、フレシノキサン、ゲピロンおよびイプサピロン、レボキセチン、ボルチオキセチン、クロラゼペートおよびケタミン、ならびにそれらの医薬的に許容される塩が挙げられる。いくつかの実施態様では、適切な抗うつ剤および抗不安剤は、チアネプチンまたはその医薬的に許容される塩である。
【0300】
適切な抗精神病薬および気分安定剤には、D2アンタゴニスト、5HT2A拮抗薬、非定型抗精神病薬、リチウムおよび抗痙攣薬が挙げられる。
【0301】
特に適切な抗精神病薬および気分安定薬としては、クロルプロマジン、フルフェナジン、ハロペリドール、アミスルプリド、ペルフェナジン、チオリダジン、トリフルオペラジン、アリピプラゾール、アセナピン、クロザピン、オランザピン、パリペリドン、ブレクスピプラゾール、パリペリドン、カリプラジン、ピマバンセリン、イロペリドン、ルマテペロン、MIN-101、クエチアピン、リスペリドン、ジプラシドン、ルラシドン、フルペンチキソール、レボメプロマジン、ペリシアジン、ペルフェナジン、ピモジド、プロクロルペラジン、ズクロペンチキソール、オランザピンおよびフルオキセチン、リチウム、カルバマゼピン、ラモトリギン、バルプロ酸、イロペリドン、チオチキセン、ガバペンチン、チアガビンおよびこれらの医薬的に許容される塩が挙げられる。
【0302】
適切なてんかん薬としては、レベチラセタム、オクスカルバゼピン、クロバザム、レチガビン、ゾニサミド、フェルバメート、エスリカルバゼピン酢酸エステル、ラコサミド、カルバマゼピン、チアガビン、メスキシミド、プロガビド、バルプロ酸、ラモトリギン、ブリバラセタム、ルフィナミド、トピラメートおよびペランパネルが挙げられる。
【0303】
適切な注意喚起薬には、メチルフェニデート、アトモキセチン、グアンファシン、D-アンフェタミン、リスデキサンフェタミン、メチルアンフェタミンおよびクロニジンが挙げられる。
【0304】
適切な睡眠促進薬には、ラメルテオン、トリアゾラム、ゾピクロン、エスゾピクロン、ゾルピデム、テマゼパムおよびトラゾドンが挙げられる。
【0305】
適切な覚醒促進薬には、モダフィニル、D-アンフェタミン、カフェインおよびアルモダフィニルが挙げられる。
【0306】
適切な鎮痛薬には、デキストロメトルファン、タペンタドール、ブプレノルフィン、コデイン、フェンタニル、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、モルヒネ、ナロキセゴール、オキシコドン、トラマドール、ガバペンチル、ジフルプレドナート、プレガバリン、アセチルサリチル酸、ブロムフェナク、ジクロフェナク、ジフルニサル、インドメタシン、ケトロラク、メオキシカンおよびナプロキセンが挙げられる。
【0307】
いくつかの実施態様では、本発明の化合物および組成物は、他の治療法と組み合わせて使用することができる。適切な治療法には、心理療法、認知行動療法、電気痙攣療法、経頭蓋磁気刺激、迷走神経刺激および深脳刺激が挙げられる。
【0308】
正確な必要量は、対象の人種、年齢および一般的な症状、症状の重症度、特定の薬剤、その投与様式などに応じて、対象ごとに異なる。本願の化合物および組成物は、投与の容易性および投与量の均一化のために、好ましくは投与単位形態で製剤化される。本明細書で用いられる「投与単位形態」という表現は、治療対象に適した物理的に分けられた薬剤の単位を意味する。しかし、本願化合物および組成物の1日の総使用量は、健全な医学的判断の範囲内で主治医によって決定されることが理解されるであろう。
【0309】
本明細書の医薬的に許容される組成物は、治療される感染症の重症度に応じて、経口、直腸、非経口、胃内、腹腔内、局所的(粉末、軟膏または液滴として)に、口腔または経口または鼻腔内スプレーなどとして、ヒトおよびその他の動物に投与することができる。いくつかの実施態様では、化合物1またはその塩(または、その結晶形態、水和物または溶媒和物)は、所望の治療効果を得るために、対象の体重に対して1日あたり約0.01mg/kg~約50mg/kg、好ましくは約1mg/kg~約25mg/kgの投与量で、1日1回または複数回、経口または非経口的に投与することができる。
【0310】
いくつかの実施態様では、2種類以上の治療薬の組み合わせを、化合物1またはその塩(または、その結晶形態、水和物もしくは溶媒和物)と一緒に投与してもよい。いくつかの実施態様では、3つ以上の治療剤の組み合わせを、化合物1またはその塩(または、その結晶形態、水和物または溶媒和物)と共に投与してもよい。
【0311】
本発明の化合物および組成物と併用してもよいその他の薬剤の例示としては、ビタミンおよび栄養補助食品;制吐剤、例えば、5-HT3受容体拮抗薬、ドーパミン拮抗薬、K1受容体拮抗薬、ヒスタミン受容体拮抗薬、カンナビノイド、ベンゾジアゼピンまたは抗コリン剤;βインターフェロンなどの多発性硬化症(MS)を治療するための薬剤、例えば、Avonex(登録商標)およびRebif(登録商標)、ダルファンプリジン、アレムツズマブ)、Copaxone(登録商標)およびミトキサントロン;ハンチントン病治療薬、例えば、テトラベナジン;喘息治療薬、例えば、アルブテロールおよびSingulair(登録商標);抗炎症剤、例えば、コルチコステロイド、T Fブロッカー、IL-1 RA、アザチオプリンおよびスルファサラジン;免疫調節剤および免疫抑制剤、例えば、シクロスポリン、タクロリムス、ラパマイシン、ミコフェノール酸モフェチル、インターフェロン、コルチコステロイド、シクロホスファミド、アザチオプリンおよびスルファサラジン;神経栄養因子、例えば、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、MAO阻害剤、インターフェロン、抗痙攣剤、イオンチャネル遮断剤、リルゾール;心血管疾患治療薬、例えば、β遮断剤、ACE阻害剤、利尿剤、硝酸塩、カルシウムチャネル遮断剤およびスタチン、フィブラート、コレステロール吸収阻害剤、胆汁酸封鎖剤およびナイアシン;肝疾患治療剤、例えば、副腎皮質ホルモン剤、コレスチラミン、インターフェロンおよび抗ウイルス剤;血液疾患治療剤、例えば、副腎皮質ホルモン剤、抗白血病剤および成長因子;免疫不全疾患治療剤、例えば、γグロブリン;ならびに糖尿病治療薬、例えば、ビグアニド系薬剤(メトホルミン、フェンホルミン、ブホルミン)、チアゾリジン系薬剤(ロシグリタゾン、ピオグリタゾン、トログリタゾン)、スルホニルウレア系薬剤(トルブタミド、アセトヘキサミド、トラザミド、クロルプロパミド、グリピジド、グリブリド、グリメピリド、グリクラジド)、メグリチニド系薬剤(レパグリニド、ナテグリニド)、α-グルコシダーゼ阻害剤(ミグリトール、アカルボース)、インクレチン模倣剤(エキセナチド、リラグルチド、タスポグルチド)、胃抑制ペプチドアナログ、DPP-4阻害剤(ビルダグリプチン、シタグリプチン、サキサグリプチン、リナグリプチン、アログリプチン)、アミリンアナログ(プラムリンチド)ならびにインスリンおよびインスリンアナログが挙げられる。
【0312】
いくつかの実施態様では、化合物1またはその塩(または、その結晶形態、水和物または溶媒和物)は、アンチセンス医薬品、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体あるいはsiRNA治療薬と組み合わせて投与される。
【0313】
それらの追加の薬剤は、複数回の投与レジメンの一部として、本願化合物を含有する組成物とは別に投与してもよい。あるいは、それらの薬剤は、本願の化合物と一緒に単一の組成物で混和された単一の投与形態の一部であってもよい。複数回の投与レジメンの一部として投与する場合、2つの活性剤は、同時に、順に、または互いに一定期間内に(通常は、互いに5時間以内に)投与することができる。
【0314】
本明細書で使用される「併用」、「組み合わせて」および関連する用語は、本明細書に従った治療剤の同時または連続的投与を意味する。例えば、化合物1またはその塩(または、その結晶形態、水和物または溶媒和物)は、別の治療剤と同時に、または順に、別々に単位剤形で投与してもよく、単一の単位剤形にて一緒に投与してもよい。従って、本明細書は、化合物1またはその塩(または、その結晶形態、水和物または溶媒和物)、追加の治療剤および医薬的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクルを含む単一の単位投与形態を提供する。
【0315】
本願の化合物および追加の治療剤(上記のような追加の治療剤を含む組成物の場合)の両方を、担体材料と組み合わせて1つの剤形にすることができる量は、治療される宿主および特定の投与方法によって異なる。好ましくは、本発明の組成物は、0.01~100mg/kg体重/日の本願化合物の投与量が投与できるように製剤化されるべきである。
【0316】
追加の治療剤を含む組成物では、その追加の治療剤ならびに化合物1またはその塩(または、その結晶形態、水和物または溶媒和物)が、相乗的に作用する可能性がある。従って、このような組成物中の追加の治療剤の量は、その治療剤のみを使用する単剤療法では、必要量よりも少なくなる。このような組成物では、0.01~100mg/kg体重/日の量の追加治療剤を投与することができる。
【0317】
本明細書の組成物中に存在する追加の治療剤の量は、その治療剤を唯一の活性剤として含んでいる組成物として通常投与される量以下である。好ましくは、本願に開示されている組成物中の追加の治療剤の量は、その治療剤を唯一の治療活性剤として含んでいる組成物中に通常存在している量の約50%~100%の範囲とする。
【0318】
いくつかの実施態様では、本発明は、化合物1またはその塩(または、その結晶形態、水和物または溶媒和物)と、医薬的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクルを含む医薬品を提供する。
【0319】
いくつかの実施態様では、本発明は、神経学的および/または精神医学的疾患または障害を治療するための医薬品の製造における、化合物1またはその塩(または、その結晶形態、水和物または溶媒和物)の使用を提供する。
【実施例
【0320】
実施例1:化合物1の塩の製造
化合物1の遊離塩基(500mg)をMeOH(34mL)に溶解した。この溶液を33個のバイアルに分けた(化合物1が15mgのスケールとする)。各バイアルに、適切な対イオン(0.95当量)を加えて、表1に記載のスクリーニング溶媒に溶解した。溶液を、60℃で1時間加熱した後、室温で静置し、冷却した。各バイアルを開封し、室温にて静置させた(ゆっくりと蒸発させる)。いくつかのケースには、アセトンまたはEtOAcの添加剤をバイアルに加えて、室温で静置し、ゆっくりと蒸発させた。溶媒スクリーニングの結果を、以下の表1に示す。さらに、表1に示す通りの特定の実験を、より大規模スケールで行った。
【表1】

【表2】
【0321】
実施例2.遊離塩基の合成
化合物1のヒドロクロリド(600mg)に、飽和炭酸水素ナトリウム水(15mL)および水(5mL)を加えた。この溶液を、クロロホルム(15mL、3回)で抽出した。有機抽出液を、ブライン(20mL)で洗い、蒸発させた。化合物1の遊離塩基を、油状物として単離した(約500mg)。
【0322】
実施例3.化合物1のヒドロクロリド形態HA
化合物1のヒドロクロリドHAのXRPDスペクトルを、図1(FIG.1)に示し、対応するピークデータを以下の表2に示す。
【表3】
【表4】
【0323】
形態HAのDSCサーモグラムを、図2(FIG.2)に示す。このサーモグラムは、約99℃および約187℃の温度での吸熱ピークにより特徴付けられる。図3(FIG.3)は、形態HAの熱重量分析(TGA)サーモグラムを示している。図4(FIG.4)は、形態HAの動的水蒸気収着(DVS)等温線を示す。
【0324】
実施例4.化合物1のヒドロクロリド形態HB
化合物1のヒドロクロリドHBのXRPDスペクトルを、図5(FIG.5)に示し、対応するピークデータを以下の表3に示す。
【表5】
【0325】
図6(FIG.6)は、形態HBの動的水蒸気収着(DVS)等温線を示す。
【0326】
実施例5.化合物1のホスフェート
化合物1のホスフェートのXRPDスペクトルを、図7(FIG.7)に示し、対応するピークデータを以下の表4に示す。
表4.化合物1のホスフェートに対するXRPDピークデータ
【表6】
【表7】
【0327】
化合物1のホスフェートのDSCサーモグラムを、図8(FIG.8)に示す。このサーモグラムは、約213℃の温度の吸熱ピークにより特徴づけられる。図9(FIG.9)は、化合物1のホスフェートの熱重量分析(TGA)サーモグラムを示す。図10(FIG.10)は、化合物1のホスフェートの動的水蒸気吸着(DVS)等温線を示す。
【0328】
実施例6.化合物1のL-タートレート形態LA
化合物1形態LAのXRPDスペクトルを、図11(FIG.11)に示し、対応するピークデータを以下の表5に示す。
表5.化合物1のL-タートレート形態LAに対するXRPDピークデータ
【表8】
【表9】
【0329】
形態LAのDSCサーモグラムを、図12(FIG.12)に示す。このサーモグラムは、約89℃および約138℃の温度での吸熱ピークによって特徴付けられる。図13(FIG.13)は、化合物1のL-タートレート形態LAの熱重量分析(TGA)サーモグラムを示す。図14(FIG.14)は、形態LAの動的水蒸気収着(DVS)等温線を示す。
【0330】
実施例7.化合物1のL-タートレート形態LB
化合物1のL-タートレート形態LBのXRPDスペクトルを、図15(FIG.15)に示し、対応するピークデータを、以下の表6に示す。
表6.化合物1のL-タートレート形態LBのXRPDピークデータ
【表10】
【表11】
【0331】
図16(FIG.16)は、形態LBの動的水蒸気吸着(DVS)等温線を示す。
【0332】
実施例8.化合物1のL-タートレート形態LC
化合物1のL-タートレート形態LCのXRPDスペクトルを、図17(FIG.17)に示し、対応するピークデータを以下の表7に示す。
表7.化合物1のL-タートレート形態LCのXRPDピークデータ
【表12】
【表13】
【0333】
形態LCのDSCサーモグラムを、図18(FIG.18)に示す。このサーモグラムは、約137℃の温度の吸熱ピークにより特徴づけられる。図19(図19)は、化合物1のL-タートレート形態LCの熱重量分析(TGA)サーモグラムを示す。図20(FIG.20)は、形態LCの動的水蒸気収着(DVS)等温線を示す。
【0334】
実施例9.化合物1のD-タートレート
化合物1のD-タートレートのXRPDスペクトルを、図22(FIG.22)に示し、対応するピークデータを、以下の表8に示す。

表8.化合物1のD-タートレートのXRPDピークデータ
【表14】
【0335】
化合物1のD-タートレートのDSCサーモグラムを、図23(FIG.23)に示す。このサーモグラムは、約76℃および約153℃の温度での吸熱ピークにより特徴付けられる。図23(FIG.23)は、化合物1のD-タートレートの熱重量分析(TGA)のサーモグラムを示す。図24(FIG.24)は、化合物1のD-タートレートの動的水蒸気収着(DVS)等温線を示す。
【0336】
実施例10.化合物1のフマレート形態FA
化合物1のフマレートFAのXRPDスペクトルを、図25(FIG.25)に示し、対応するピークデータを、以下の表9に示す。
表9.化合物1のフマレート形態FAのXRPDピークデータ
【表15】
【表16】
【0337】
形態FAのDSCサーモグラムを、図26(FIG.26)に示す。このサーモグラムは、約147℃の温度での吸熱ピークにより特徴づけられる。図27(FIG.27)は、化合物1のフマレート形態FAの熱重量分析(TGA)サーモグラムを示す。図28(FIG.28)は、形態FAの動的水蒸気吸着(DVS)等温線を示す。
【0338】
実施例11.化合物1のフマレート形態FB
化合物1のフマレートFBのXRPDスペクトルを、図29(FIG.29)に示し、対応するピークデータを、以下の表10に示す。
表10.化合物1のフマレート形態FBのXRPDピークデータ
【表17】
【表18】
【0339】
形態FBのDSCサーモグラムを、図30(FIG.30)に示す。このサーモグラムは、約96℃、約139℃および約146℃の温度での吸熱ピークにより特徴付けられる。図31(FIG.31)は、化合物1のフマレート形態FBの熱重量分析(TGA)サーモグラムを示す。図32(FIG.32)は、形態FBの動的水蒸気吸着(DVS)等温線を示す。
【0340】
実施例12.化合物1のシトレート
化合物1のシトレートのXRPDスペクトルを、図33(FIG.33)に示し、対応するピークデータを、以下の表11に示す。
表11.化合物1のシトレートのXRPDピークデータ
【表19】
【表20】
【0341】
化合物1のシトレートのDSCサーモグラムを、図34(FIG.34)に示す。このサーモグラムは、約142℃の温度での吸熱ピークにより特徴付けられる。図35(FIG.35)は、化合物1のシトレートの熱重量分析(TGA)サーモグラムを示す。図36(FIG.36)は、化合物1のシトレートの動的水蒸気吸着(DVS)等温線を示す。
【0342】
実施例13.化合物1のスクシネート
化合物1のスクシネートのXRPDスペクトルを、図37(FIG.37)に示し、対応するピークデータを、下記の表12に示す。
表12.化合物1のスクシネートのXRPDピークデータ
【表21】
【表22】
【0343】
化合物1のスクシネートのDSCサーモグラムを、図38(FIG.38)に示す。このサーモグラムは、約153℃の温度での吸熱ピークにより特徴付けられる。図39(FIG.39)は、化合物1のスクシネートの熱重量分析(TGA)サーモグラムを示す。図40(FIG.40)は、化合物1のスクシネートの動的水蒸気吸着(DVS)等温線を示す。
【0344】
実施例14.化合物1のグルタレート
化合物1のグルタレートのXRPDスペクトルを、図41(FIG.41)に示し、対応するピークデータを、以下の表13に示す。
表13.化合物1のグルタレートのXRPDピークデータ
【表23】

【表24】
【0345】
図42(FIG.42)は、化合物1のグルタレートの動的水蒸気吸着(DVS)等温線を示す。
【0346】
実施例15.化合物1のL-マレート
化合物1のL-マレートのXRPDスペクトルを、図43(FIG.43)に示し、対応するピークデータを、以下の表14に示す。
表14.化合物1のL-マレートのXRPDピークデータ
【表25】
【表26】
【0347】
化合物1のL-マレートののDSCサーモグラムを、図44(FIG.44)に示す。このサーモグラムは、約82℃の温度での吸熱ピークにより特徴付けられる。図45(FIG.45)は、化合物1のマレートの熱重量分析(TGA)サーモグラムを示す。図46(FIG.46)は、化合物1のマレートの動的水蒸気吸着(DVS)等温線を示す。
【0348】
実施例16.化合物1のベシレート
化合物1のベシレートのXRPDスペクトルを、図47(FIG.47)に示し、対応するピークデータを、以下の表15に示す。
表15.化合物1のベシレートのXRPDピークデータ
【表27】
【0349】
化合物1のベシレートのDSCサーモグラムを、図48(FIG.48)に示す。このサーモグラムは、約136℃の温度で吸熱ピークにより特徴付けられる。図49(FIG.49)は、化合物1のベシレートの熱重量分析(TGA)サーモグラムを示す。図50(FIG.50)は、化合物1のベシレートの動的水蒸気吸着(DVS)等温線を示す。
【0350】
実施例17.安定性試験
各サンプルを、60℃および60℃で75%RHにて1ヶ月間保存した。各サンプルを、20日後および1ヶ月後にHPLCで測定した。HPLCの条件は、下記に記載する。
【表28】
【0351】
安定性の結果を、以下の表16に示す。
【表29】
【0352】
化合物1の遊離塩基(非晶質)は、60℃および60℃の75%RHで不安定であった。その他の塩(ヒドロクロリド、ホスフェート、L-タートレート、フマレート、シトレート)は、安定であった。
【0353】
実施例18.ホスフェートの多形体スクリーニング
化合物1のホスフェートを、溶媒スクリーニング、スラリースクリーニングおよび急速冷却スクリーニングの3種類の多形体スクリーニングに供した。各スクリーニングの手順を、以下に示す。
【0354】
溶媒スクリーニング:化合物1のホスフェート(5mg)を、小さなガラス製バイアルに入れて、90℃または沸点で試料が溶解するまで溶媒を加えた。溶媒の最大容量は、500μLであった。溶液または懸濁液を1時間加熱した後、室温で一晩静置して冷却し、5℃で3日間冷却した。沈殿していないサンプルを開封して、乾燥するまで室温で静置した(ゆっくりと蒸発させた)。沈殿した固体を、焼結フィルタープレートによりろ過して、プレート上で直接XRPDにより測定した。
【0355】
スラリースクリーニング:化合物1のホスフェート(10mg)を小さなガラス製バイアルに入れ、水と混合した有機溶媒を加えた。その後、該サンプルを、室温または50℃で4~10日間振とうして懸濁させた。懸濁液をろ過した。回収した固形物をXRPDで分析し、多形体を決定した。
【0356】
急速冷却スクリーニング:化合物1のホスフェート(10mg)を、90℃または沸点で溶解した。この溶液を、0℃で急速に冷却した。1時間後、溶液を、-20℃で3日間冷却した。沈殿した結晶をろ過した。回収した固体をXRPDで分析し、多形体を決定した。
【0357】
スクリーニング試験(75回以上の試験)から、1つの多形体(実施例5に記載の化合物1のホスフェート)のみが同定された。
【0358】
実施例19.化合物1および化合物1のホスフェートの合成
工程1.1-(5-ブロモ-8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミントリフルオロメタンスルホネートの製造
【化25】
【0359】
ジクロロメタン(300mL)中の2-(2-ブロモ-5-フルオロフェニル)エタン-1-オール(200g,913mmol)およびN-メチルアミノアセトアルデヒドジメチルアセタール(130g,1091mmol)の溶液を0℃に冷却し、外部冷却により温度を35℃以下に維持しながら、トリフルオロメタンスルホン酸(554g,3691mmol)を、1時間かけて添加した。混合物を30℃まで温めて、30℃で23時間撹拌した。混合物を20℃まで冷却し、メタノール(33mL)、ジクロロメタン(1275mL)およびtert-ブチルメチルエーテル(1358mL)を加えた。沈殿物を吸引濾過により回収した。固体を、1:1(v/v)のジクロロメタンおよびtert-ブチルメチルエーテルからなる溶液(1830mL)で洗浄し、45℃で21時間、真空下(>28”Hg)で乾燥させて、1-(5-ブロモ-8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミントリフルオロメタンスルホネート(339g,87%収率)を、褐色粉末として得た。MS(ESI):m/z 274, 276[M+H]1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6):δ ppm 8.65 (br s, 1 H), 8.54 (br s, 1 H), 7.67 (dd, J=8.80, 5.28 Hz, 1 H), 7.15 (dd, J=9.98, 8.80 Hz, 1 H), 5.21 (dd, J=9.78, 2.35 Hz, 1 H), 4.06 (dt, J=12.03, 5.92 Hz, 1 H), 3.89 (dt, J=11.93, 5.18 Hz, 1 H), 3.50 - 3.38 (m, 1 H), 3.31 (br s, 1 H), 2.73 (t, J=5.67 Hz, 2 H), 2.64 (br s, 3 H); 13C-NMR (100 MHz, DMSO-d6):δ ppm 158.91, 156.48, 136.20, 136.16, 132.57, 132.48, 123.37, 123.20, 119.20, 119.17, 115.34, 115.10, 66.59, 59.63, 49.09, 49.04, 33.01, 28.75, 28.73.
【0360】
工程2.(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミニウム(2R,3R)-2,3-ビス(ベンゾイルオキシ)-3-カルボキシプロパノエートの製造
【化26】
1-(5-ブロモ-8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミントリフルオロメタンスルホネート(300g、707mmol)、10重量%(乾燥基準)パラジウム/活性炭、50%水(1.2g)、メタノール(1006mL)および5重量%の炭酸カリウム水溶液(1059g)を含む水溶液を、25℃、5バールの水素圧で1時間水素化した。圧力を解放し、溶液を、5ミクロンの使い捨てポリプロピレン・インライン・フィルターカートリッジに通して濾過し、1:1(v/v)のメタノールおよび水(540g)を含む溶液でリンスした。溶液を減圧濃縮し、最終容量を1200mLとした。この混合溶液に、tert-ブチルメチルエーテル(893mL)および20重量%の水酸化カリウム(185mL)を加えた。この混合物を、20℃で10分間撹拌した。撹拌を停止して、相を分離した。水相を、tert-ブチルメチルエーテル(649mL)で抽出した。合わせた有機層を、減圧濃縮し、最終容量を450mLとした。この溶液に、SDA(特殊変性アルコール)3Aエタノール(851mL)を加えた。この溶液を、減圧濃縮し、最終容量を675mLとした。溶液(溶液A)を、次の処理のために保持した。別の容器に、ジベンゾイル-L-酒石酸(252g,703mmol)、SDA3Aエタノール(2704mL)および脱イオン水(69mL)を加えた。混合物を約70℃に加熱し、溶液Aを9分かけて添加すると、沈殿が生じた。混合物を約70℃で45分間撹拌した後、約2.5時間かけて20℃まで冷却した。沈殿物を吸引濾過により回収した。固体を、SDA3Aエタノール(960mL)で洗い、45℃で17時間、真空下(>28''Hg)で乾燥させて、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミニウム(2R,3R)-2,3-ビス(ベンゾイルオキシ)-3-カルボキシプロパノエート(181g,収率46%)を白色固体として得た。
【0361】
ジベンゾイル-L-酒石酸以外の別の溶解剤も検討したが、その多くは、様々な理由(例えば、入手可能性、コスト、性能)から適切ではないか、または実用的ではないことがわかった。そのような溶解剤としては、(R)-マンデル酸、L-酒石酸およびL-リンゴ酸が挙げられる。しかし、N-アセチル-D-ロイシンを用いると、目的の(R)異性体を、約91:9の比率かつ約17%の収率で得ることができた。
【0362】
中間体(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミニウム(2R,3R)-2,3-ビス(ベンゾイルオキシ)-3-カルボキシプロパノエートの光学純度は、以下の再結晶方法を行うことにより、96.4%deに濃縮された。
【0363】
(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミニウム(2R,3R)-2,3-ビス(ベンゾイルオキシ)-3-カルボキシプロパノエート(177g,320mmol)に、メタノール(3578mL)を加え、溶液を大気圧で最終容量1326mLまで濃縮すると、結晶化が起こった。スラリーの温度を約62℃に調整し、20分間撹拌を続けた。スラリーを2時間かけて10℃まで冷却し、吸引濾過により固体を回収した。固体を、冷(10℃)メタノール(675mL)で洗浄し、45℃の真空下(>28''Hg)で終夜乾燥させて、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミニウム(2R,3R)-2,3-ビス(ベンゾイルオキシ)-3-カルボキシプロパノエート(136g, 収率77%)を、白色固体として得た。MS(ESI):m/z 196[M+H]1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ ppm 8.03 - 7.85 (m, 4 H), 7.70 - 7.55 (m, 2 H), 7.54 - 7.43 (m, 4 H), 7.27 (td, J=7.92, 6.06 Hz, 1 H), 7.11 - 6.89 (m, 2H), 5.67 (s, 2 H), 5.15 (dd, J=9.98, 2.93 Hz, 1 H), 3.92 (ddd, J=11.84, 7.34, 4.70 Hz, 1 H), 3.69 (dt, J=11.54, 4.99 Hz, 1 H), 3.36 - 3.24 (m, 1 H), 3.22 - 3.04 (m, 1 H), 2.80 - 2.61 (m, 2 H), 2.54 (s, 3 H);13C-NMR (100 MHz, DMSO-d6): δ ppm 168.21, 164.89, 159.56, 157.13, 136.87, 136.82, 133.37, 129.60, 129.23, 128.88, 128.80, 128.65, 125.10, 125.07, 120.58, 120.43, 114.57, 113.07, 112.87, 72.47, 66.71, 59.65, 49.22, 49.17, 32.62, 27.28, 27.26.
【0364】
工程3.(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンホスフェートの製造
【化27】

化合物(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミニウム(2R,3R)-2,3-ビス(ベンゾイルオキシ)-3-カルボキシプロパノエート(75g,135.5mmol)およびtert-ブチルメチルエーテル(223mL)の混合物に、14重量%水酸化カリウム(120mL)および塩化ナトリウム(15g)を含む溶液を加えた。混合物を23~25℃で10分間撹拌した。撹拌を停止し、相を分離した。水相を、tert-ブチルメチルエーテル(2×78mL)で抽出した。合わせた有機層を、減圧濃縮し、最終容量を90mLとした。この溶液を約48℃まで冷却し、アセトニトリル(288mL)を加えた。溶液を大気圧で濃縮して、最終容量を約210mLとした。この混合物を20℃に冷却し、アセトニトリル(97mL)および脱イオン水(23mL)を加えた。これに20℃で、87重量%のHPO(16.9g)およびアセトニトリル(81mL)を含む水溶液を加えた。添加中に生成物が沈殿した。スラリーを20℃で3時間撹拌し、吸引濾過により固体を回収した。固体を、アセトニトリル(135mL)および脱イオン水(8mL)を含む水溶液で洗い、55℃で一晩、真空(>28"Hg)下で乾燥させて、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンホスフェート(36g,収率89%)を、白色の結晶性固体として得たが、これは実施例5で特徴分析された化合物1のホスフェートであった。MS(ESI):m/z 196[M+H]1H-NMR (400 MHz, D2O): δ ppm 7.27 (td, J=7.83, 5.87 Hz, 1 H), 7.03 (d, J=7.25 Hz, 1 H), 6.97 (dd, J=10.37, 8.80 Hz, 1 H), 5.25 (t, J=5.87 Hz, 1 H), 4.04 (dt, J=11.74, 5.87 Hz, 1 H), 3.91 - 3.80 (m, 1 H), 3.47 (d, J=5.87 Hz, 2H); 2.83 (t, J=5.48 Hz, 2H), 2.75 (s, 3H); 13C-NMR (100 MHz, D2O with 5% methanol-d4): δ ppm 161.09, 158.67, 138.10, 138.07, 130.51, 130.42, 126.19, 126.16, 120.28, 120.13, 114.37, 114.17, 68.33, 62.15, 51.39, 51.34, 34.05, 28.38, 28.35.
【0365】
工程4.水/アセトンを用いる(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンホスフェートの再結晶化
【化28】
工程3から(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンホスフェートの生成物(19.5g)を、20℃で70gの水に溶解し、次いで30gのアセトンを、この工程中に入れて16.3wt%の出発溶液を作った。この溶液をポリッシュフィルターに通して、不溶性物質を除去した。その後、約1時間以内に600gのアセトンを溶液に入れた。添加中に生成物が結晶化した。スラリーを20℃で少なくとも30分撹拌し、吸引濾過により固体を回収した。固体を二成分混合溶媒のアセトン(54g)および脱イオン水(6g)で洗い、55℃で一晩、真空下(>28''Hg)で乾燥させて、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンホスフェート(18.1g,収率93%)を、白色の結晶性固体として得た。
【0366】
工程4.水/アセトンを用いる(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンホスフェートの再結晶化
【化29】
【0367】
工程3から(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンホスフェートの生成物(35.0g)を、20℃で水(70g)に溶解した後、アセトニトリル(30g)を、この工程中に加えて、25.9重量%の出発溶液を調製した。この溶液を、ポリッシュフィルターに通し全ての不要性物質を除去した。その後、約1時間以内に600gのアセトニトリルを、この溶液に加えた。添加中にこの生成物が結晶化した。スラリーを、20℃で少なくとも30分間撹拌し、吸引濾過により固体を回収した。固体を、二成分混合溶媒のアセトニトリル(90g)および脱イオン水(10g)を用いて洗い、55℃で終夜、真空下(>28''Hg)で乾燥させて、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンホスフェート(31.2g,収率89%)を白色の結晶性固体として得た。
【0368】
本発明の様々な好ましい実施態様[A]~[DY]について、以下の文章にて説明することができる:
[実施態様A]
(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンホスフェート(化合物1のホスフェート);
(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンL-タートレート(化合物1のL-タートレート);
(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンD-タートレート(化合物1のD-タートレート);
(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンフマレート (化合物1のフマレート);
(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンシトレート (化合物1のシトレート);
(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンスクシネート (化合物1のスクシネート);
(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミングルタレート(化合物1のグルタレート);
(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンL-マレート(化合物1のL-マレート);
(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンベシレート (化合物1のベシレート);または
(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミントシレート (化合物1のトシレート)、
である塩、あるいはその水和物または溶媒和物。
[実施態様B]
塩が固体形態である、上記実施態様[A]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様C]
塩が、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンホスフェート(化合物1のメチルメタンアミンホスフェート)である、上記実施態様[A]もしくは[B]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様D]
化合物1のホスフェートが結晶である、上記実施態様[C]の塩、または本発明の他の実施態様に関する塩。
[実施態様E]
塩が、4.6°±0.2°、9.1°±0.2°および18.2°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す、上記実施態様[D]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様F]
塩が、4.6°±0.2°、9.1°±0.2°、15.7°±0.2°、18.2°±0.2°、22.3°±0.2°、22.8°±0.2°および24.8°±0.2°から選択される2θに関して、少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示す、上記実施態様[D]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様G]
塩が、4.6°±0.2°、9.1°±0.2°、15.7°±0.2°、18.2°±0.2°、22.3°±0.2°、22.8°±0.2°および24.8°±0.2°から選択される2θに関して、少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを示す、上記実施態様[D]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様H]
塩が、4.6°±0.2°、9.1°±0.2°、15.7°±0.2°、18.2°±0.2°、22.3°±0.2°、22.8°±0.2°および24.8°±0.2°から選択される2θに関して、少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを示す、上記実施態様[D]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様I]
塩が、実質的に図6(FIG.6)に表される通りの特徴的なピークのXRPDパターンを示す、上記実施態様[D]~[H]のいずれか1つの塩または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様J]
塩が、約213℃の温度で吸熱ピークを示す、上記実施態様[D]~[I]のいずれか1つの塩または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様K]
塩が、実質的に図7(FIG.7)に表される通りのDSCサーモグラムを示す、上記実施態様[D]~[J]のいずれか1つの塩または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様L]
塩が、実質的に図9(FIG.9)に表される通りのDVS等温線を示す、上記実施態様[D]~[K]のいずれか1つの塩または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様M]
塩が、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンL-タートレート(化合物1のL-タートレート)である、実施態様[A]または[B]のいずれか1つの塩または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様N]
化合物1のL-タートレートが、結晶である、上記実施態様[M]の塩または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様O]
形態LAである、上記実施態様[N]の塩または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様P]
形態LAが、12.1°±0.2°、18.1°±0.2°および24.2°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す、上記実施態様[O]の塩または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様Q]
形態LAが、実質的に図10(FIG.10)に表される通りの特徴的なピークのXRPDパターンを示す、上記実施態様[N]または[O]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様R]
形態LBである、上記実施態様[N]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様S]
形態LBが、18.7°±0.2°、25.0°±0.2°および31.4°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す、上記実施態様[R]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様T]
形態LBが、実質的に図14(FIG.14)に表される通りの特徴的なXRPDピークを示す、上記実施態様[R]または[S]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様U]
形態LCである、上記実施態様[N]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様V]
形態LCが、12.2°±0.2°、16.5°±0.2°および24.8°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す、上記実施態様[U]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様W]
形態LCが、実質的に図16(FIG.16)に表される通りの特徴的なXRPDピークを示す、上記実施態様[U]または[V]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様X]
塩が、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンD-タートレート(化合物1のD-タートレート)である、上記実施態様[A]または[B]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様Y]
化合物1のD-タートレートが、結晶である、上記実施態様[X]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様Z]
塩が、11.9°±0.2°、16.9°±0.2°および17.9°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す、上記実施態様[Y]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様AA]
塩が、実質的に図20(FIG.20)に表される通りの特徴的なXRPDピークを示す、上記実施態様[Y]または[Z]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様AB]
塩が、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンフマレート (化合物1のL-フマレート)である、上記実施態様[A]または[B]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様AC]
化合物1のフマレートが、結晶である、上記実施態様[AB]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様AD]
形態FAである、上記実施態様[AC]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様AE]
形態FAが、7.7°±0.2°、14.2°±0.2°および15.2°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す、上記実施態様[AD]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様AF]
形態FAが、実質的に図22(FIG.22)に表される通りの特徴的なピークを示すXRPDパターンを示す、上記実施態様[AD]または[AE]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様AG]
形態FBである、上記の実施態様[AC]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様AH]
形態FBが、6.7°±0.2°、13.8°±0.2°および20.2°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す、上記実施態様[AG]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様AI]
形態FBが、実質的に図26(FIG.26)に表される通りの特徴的なピークを示すXRPDパターンを示す、上記実施態様[AG]または[AH]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様AJ]
塩が、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンシトレート(化合物1のシトレート)である、上記実施態様[A]または[B]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様AK]
化合物1のシトレートが結晶である、上記実施態様[AJ]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様AL]
塩が、6.5°±0.2°、15.5°±0.2°および20.4°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す、上記実施態様[AK]、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様AM]
塩が、実質的に図30(FIG.30)に表される通りの特徴的なピークを有するXRPDパターンを示す、上記実施態様[AK]または[AL]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様AN]
塩が、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンスクシネート (化合物1のスクシネート)である、上記実施態様[A]または[B]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様AO]
化合物1のスクシネートが結晶である、上記実施態様[AN]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様AP]
塩が、6.6°±0.2°、12.8°±0.2°および13.9°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す、上記の実施態様[AO]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様AQ]
塩が、実質的に図34(FIG.34)に表される通りの特徴的なピークのXRPDパターンを示す、上記実施態様[AO]または[AP]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様AR]
塩が、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミングルタレート(化合物1のグルタレート)である、上記実施態様[A]または[B]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様AS]
化合物1のグルタレートが結晶である、上記実施態様[AR]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様AT]
塩が、9.1°±0.2°、10.6°±0.2°および18.2°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す、上記実施態様[AS]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様AU]
塩が、実質的に図38(FIG.38)に表される通りの特徴的なピークのXRPDパターンを示す、上記実施態様[AS]または[AT]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様AV]
塩が、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンL-マレート(化合物1のL-マレート)である、上記実施態様[A]または[B]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様AW]
化合物1のL-マレートが結晶である、上記実施態様[AV]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様AX]
塩が、13.5°±0.2°、18.8°±0.2°および25.2°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す、上記実施態様[AW]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様AY]
塩が、実質的に図40(FIG.40)に表される通りの特徴的なピークを有するXRPDパターンを示す、上記実施態様[AW]または[AX]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様AZ]
塩が、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンベシレート(化合物1のベシレート)である、上記実施態様[A]または[B]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様BA]
化合物1のベシレートが結晶である、上記実施態様[AZ]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様BB]
塩が、6.0°±0.2°、12.0°±0.2°および24.1°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す、上記実施態様[BA]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様BC]
塩が、実質的に図44(FIG.44)に表される通りの特徴的なピークを有するXRPDパターンを示す、上記実施態様[BA]または[BB]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様BD]
塩が、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミントシレート(化合物1のトシレート)である、上記実施態様[A]の塩、または本発明のその他の実施態様の塩。
[実施態様BE]
塩が、結晶であって、かつ形態HAまたは形態HBである、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンヒドロクロリド(化合物1のヒドロクロリド)である塩、あるいはその水和物または溶媒和物。
[実施態様BF]
形態HAである、上記実施態様[BE]の塩、または本発明のその他の実施態様の塩。
[実施態様BG]
形態HAが、9.4°±0.2°、11.4±0.2°および15.1°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す、上記実施態様[BF]の塩、または本発明のその他の実施態様の塩。
[実施態様BH]
形態HAが、9.4°±0.2°、11.4±0.2°、15.1°±0.2°、17.2°±0.2°および17.6°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す、上記実施態様[BF]の塩、または本発明のその他の実施態様の塩。
[実施態様BI]
形態HAが、9.4°±0.2°、11.4°±0.2°、14.2°±0.2°、15.1°±0.2°、17.2°±0.2°、17.6°±0.2°および27.0°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示す、上記実施態様[BF]の塩、または本発明のその他の実施態様の塩。
[実施態様BJ]
形態HAが、9.4°±0.2°、11.4°±0.2°、14.2°±0.2°、15.1°±0.2°、17.2°±0.2°、17.6°±0.2°および27.0°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを示す、上記実施態様[BF]の塩、または本発明のその他の実施態様の塩。
[実施態様BK]
形態HAが、9.4°±0.2°、11.4°±0.2°、14.2°±0.2°、15.1°±0.2°、17.2°±0.2°、17.6°±0.2°および27.0°±0.2°から選択される2θに関する少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを示す、上記実施態様[BF]の塩、または本発明のその他の実施態様の塩。
[実施態様BL]
形態HAが、実質的に図1(FIG.1)に表される通りの特徴的なピークを有するXRPDパターンを示す、上記実施態様[BE]~[BK]のいずれか1つに記載の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様BM]
形態HAが、約99℃および約187℃の温度で吸熱ピークを示す、上記実施態様[BE]~[BL]のいずれか1つに記載の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様BN]
形態HAが、実質的に図2(FIG.2)に表される通りのDSCサーモグラムを示す、上記実施態様[BE]~[BM]のいずれか1つに記載の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様BO]
形態HAが、実質的に図4(FIG.4)に表される通りのDVS等温線を示す、上記の実施態様[BE]~[BN]のいずれか1つに記載の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様BP]
形態HBである、上記の実施態様[BE]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様BQ]
形態HBが、8.6°±0.2°、9.6°±0.2°および10.3°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す、上記実施態様[BP]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様BR]
形態HBが、8.6°±0.2°、9.6°±0.2°、10.3°±0.2°および17.3°±0.2°から選択される2θに関して特徴的なXRPDピークを示す、上記実施態様[BP]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様BS]
形態HBが、8.6°±0.2°、9.6°±0.2°、10.3°±0.2°、12.6°±0.2°、14.7°±0.2°、17.3°±0.2°および23.8°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも1つの特徴的なXRPDピークを示す、上記実施態様[BP]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様BT]
形態HBが、8.6°±0.2°、9.6°±0.2°、10.3°±0.2°、12.6°±0.2°、14.7°±0.2°、17.3°±0.2°および23.8°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも2つの特徴的なXRPDピークを示す、上記実施態様[BP]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様BU]
形態HBが、8.6°±0.2°、9.6°±0.2°、10.3°±0.2°、12.6°±0.2°、14.7°±0.2°、17.3°±0.2°および23.8°±0.2°から選択される2θに関して少なくとも3つの特徴的なXRPDピークを示す、上記実施態様[BP]の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様BV]
形態HBが、実質的に図5(FIG.5)に表される通りの特徴的なピークを有するXRPDパターンを示す、上記の実施態様[BP]~[BU]のいずれか1つに記載の塩、または本発明のその他の実施態様に関する塩。
[実施態様BW]
上記実施態様[A]~[BV]のいずれか1つに記載の塩または本発明のその他の実施態様に関する塩および医薬的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
[実施態様BX]
治療を必要とする対象における神経学的または精神医学的疾患または障害を治療するための方法であって、上記実施態様[A]~[BV]のいずれか1つに記載の塩または上記[実施態様BW]または本発明のその他の実施態様に関する医薬組成物の有効量を、前記対象に投与することを特徴とする、方法。
[実施態様BY]
神経学的または精神医学的疾患または障害が、うつ病、双極性障害、疼痛、統合失調症またはその他の精神病性疾患、強迫性障害、中毒症、社会性障害、注意欠陥多動性障害、不安障害、運動障害、てんかん、自閉症または認知疾患または障害である、上記実施態様[BX]に記載の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様BZ]
神経学的または精神医学的疾患または障害が、うつ病である、上記実施態様[BX]に記載の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様CA]
うつ病が、治療抵抗性うつ病(TRD)、大うつ病性障害(MDD)、単極性うつ病、双極性うつ病または別の疾患もしくは障害に関連するうつ病である、上記の実施態様[BZ]に記載の方法、または本発明のその他の実施態様に記載の方法。
[実施態様CB]
神経学的疾患または障害が、アルツハイマー病およびパーキンソン病から選択される、上記実施態様[BX]に記載の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様CC]
アルツハイマー病が、焦燥性興奮を伴うアルツハイマー病、攻撃行動を伴うアルツハイマー病、アルツハイマー病性の焦燥性興奮、または焦燥性興奮/攻撃を伴うアルツハイマー病であることを特徴とする、上記実施態様[CB]に記載の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様CD]
有効量の上記実施態様[A]~[BV]のいずれか1つの塩、または上記[実施態様BW]の医薬組成物、または本発明のその他の実施態様に関するものの有効量を、前記対象に投与することを特徴とする、治療を必要とする対象における焦燥性興奮を治療する方法。
[実施態様CE]
治療を必要とする対象における神経学的または精神医学的疾患または障害に関連する焦燥性興奮を治療する方法であって、有効量の上記実施態様[A]~[BV]のいずれか1つの塩、または上記[実施態様BW]または本発明のその他の実施態様に関する医薬組成物を、前記対象に投与することを特徴とする、方法。
[実施態様CF]
構造:
【化30】
化合物1のホスフェート

である、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンホスフェート(化合物1のホスフェート)を製造する方法であって、
構造:
【化31】

である(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミン(化合物1)をリン酸と反応させることを特徴とする、方法。
[実施態様CG]
リン酸がリン酸水溶液である、上記実施態様[CF]の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様CH]
リン酸水溶液が、約80重量%~約95重量%のリン酸水溶液である、上記実施態様[CF]の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様CI]
リン酸水溶液が、約87重量%のリン酸水溶液である、上記実施態様[CF]の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様CJ]
化合物1とリン酸の反応が、S1a(ここで、S1aが溶媒である)の存在下で行われる、上記実施態様[CF]~[CI]のいずれか1つに記載の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様CK]
S1aが、アセトニトリルおよび水の混合物である、上記実施態様[CJ]の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様CL]
S1aが、アセトンおよび水の混合物である、上記実施態様[CJ]の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様CM]
S1aが、極性プロトン性溶媒、水またはそれらの混合物である、上記実施態様[CJ]の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様CN]
化合物1のモル当量あたり、約1~約5モル当量のリン酸が使用される、上記実施態様[CF]~[CM]のいずれか1つに記載の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様CO]
化合物1が、構造:
【化32】

である(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンジベンゾイル-L-タートレート(化合物1のジベンゾイル-L-タートレート)を、B1(ここで、B1は塩基である)と反応させることを特徴とする方法により製造される、上記実施態様[CF]~[CN]のいずれか1つに記載の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様CP]
構造:
【化33】

化合物1のジベンゾイル-L-タートレート

である(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンジベンゾイル-L-タートレート(化合物1のジベンゾイル-L-タートレート)を、B1(ここで、B1は塩基である)と反応させることを特徴とする、(R)-1-(8-フルオロクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミン
[実施態様CQ]
B1が水酸化アルカリ塩基である、上記実施態様[CO]または[CP]の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様CR]
B1が水酸化カリウムである、上記実施態様[CO]または[CP]の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様CS]
B1が水酸化カリウムの水溶液である、上記実施態様[CO]または[CP]の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様CT]
水酸化カリウムの水溶液が、約10重量%~約20重量%の水酸化カリウム水溶液である、上記実施態様[CS]の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様CU]
水酸化カリウムの水溶液が、約14重量%の水酸化カリウム水溶液である、上記実施態様[CS]の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様CV]
化合物1のジベンゾイル-L-タートレートと塩基の反応が、S2(ここで、S2は溶媒である)の存在下で行われる、上記実施態様[CO]~[CU]のいずれか1つに記載の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様CW]
S2が極性非プロトン性溶媒である、上記実施態様[CV]の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様CX]
化合物1のジベンゾイル-L-タートレートのモル当量あたり、約0.5~約5モル当量のB1が使用される、上記実施態様[CO]~[CW]のいずれか1つに記載の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様CY]
化合物1のジベンゾイル-L-タートレートとB1の反応が、塩化ナトリウムの存在下でさらに行われる、上記実施態様[CO]~[CX]のいずれか1つに記載の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様CZ]
化合物1のジベンゾイル-L-タートレートのモル当量あたり、約1~約10モル当量の塩化ナトリウムが使用される、上記実施態様[CO]~[CY]のいずれか1つに記載の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様DA]
構造:
【化34】
である1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミン(ラセミ化合物1)を、ジベンゾイル-L-酒石酸と、S3(ここで、S3は溶媒である)の存在下で、反応させることを特徴とする、(R)-1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミンジベンゾイル-L-タートレート(化合物1のジベンゾイル-L-タートレート)を製造するための方法。
[実施態様DB]
S3が、極性プロトン性溶媒である、上記実施態様[DA]の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様DC]
S3が、メタノールおよび水の混合物である、上記実施態様[DA]の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様DD]
ラセミ化合物1のモル当量あたり、約1~約5モル当量のジベンゾイル-L-酒石酸が使用される、上記実施態様[DA]~[DC]のいずれか1つに記載の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様DE]
化合物1のジベンゾイル-L-タートレートを、ラセミ化合物1、ジベンゾイル-L-酒石酸およびS3を含む混合物から沈殿させることをさら特徴とする、上記実施態様[DA]~[DD]のいずれか1つに記載の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様DF]
化合物1のジベンゾイル-L-タートレートを、S3a(ここで、S3aは溶媒である)から単離することをさらに特徴とする、上記実施態様[DA]~[DE]のいずれか1つに記載の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様DG]
S3aがメタノールである、上記実施態様[DF]の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様DH]
1-(8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミン(ラセミ化合物1)が、構造:
【化35】
(式中、Xがハロである)

である式IIの化合物またはその塩を、金属触媒の存在下で水素化することを特徴とする方法により製造される、上記実施態様[DA]~[DG]のいずれか1つに記載の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様DI]
式IIの化合物が、構造:
【化36】

である1-(5-ブロモ-8-フルオロイソクロマン-1-イル)-N-メチルメタンアミントリフルオロメタンスルホネート(化合物2)である、上記実施態様[DH]の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様DJ]
金属触媒がパラジウム/活性炭である、上記実施態様[DH]または[DI]の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様DK]
式IIの化合物の水素化が、約2~約10バールの水素圧力で行われる、上記実施態様[DH]~[DJ]のいずれか1つの方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様DL]
式IIの化合物の水素化が、約5バールの水素圧力で行われる、上記の実施態様[DH]~[DK]のいずれか1つに記載の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様DM]
式IIの化合物の水素化が、S4(ここで、S4は溶媒である)の存在下で行われる、上記の実施態様[DH]~[DL]のいずれか1つに記載の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様DN]
S4が極性プロトン性溶媒である、上記実施態様[DM]の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様DO]
式IIの化合物の水素化が、B2(ここで、B2は塩基である)の存在下で行われる、上記実施態様[DH]~[DN]のいずれか1つの方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様DP]
B2が炭酸塩の塩基である、上記実施態様[DO]の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様DQ]
B2が炭酸カリウムである、上記実施態様[DO]の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様DR]
B2が炭酸カリウムの水溶液である、上記実施態様[DO]の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様DS]
式IIの化合物が、構造:
【化37】

(ここで、Xはハロである)
である式IIIの化合物またはその塩を、構造:
【化38】
であるN-メチルアミノアセトアルデヒドジメチルアセタール(化合物4)と、A1の存在下(ここで、A1は酸である)で反応させることにより製造される、上記実施態様[DH]~[DR]のいずれか1つに記載の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様DT]
式IIIの化合物が、構造:
【化39】

である2-(2-ブロモ-5-フルオロフェニル)エタン-1-オール(化合物3)である、上記実施態様[DS]の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様DU]
A1がトリフルオロメタンスルホン酸である、上記実施態様[DS]または[DT]の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様DV]
式IIIの化合物と化合物4の反応が、S5(ここで、S5は溶媒である)の存在下で行われる、上記実施態様[DS]~[DU]のいずれか1つに記載の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様DW]
S5がハロゲン化溶媒である、上記実施態様[DV]の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様DX]
式IIIの化合物のモル当量あたり、約1.2モル当量の化合物4が使用される、上記実施態様[DS]~[DW]のいずれか1つに記載の方法、または本発明のその他の実施態様に関する方法。
[実施態様DY]
化合物1のホスフェートが結晶である、上記実施態様[CF]~[CO]のいずれか1つの方法または本発明のその他の実施態様に従って製造された、化合物1のホスフェート。
【0369】
本明細書に記載された内容に加えて、本発明に関する様々な変更は、前述の説明から当業者には明らかであろう。かかる変更も、添付の請求項の範囲内に入ることが意図されている。本願で引用されている全ての特許、特許出願および出版物を含む各参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図1
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【国際調査報告】