(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-11
(54)【発明の名称】洗い流し組成物および活性剤を送達するためのそれらの使用
(51)【国際特許分類】
A61K 8/92 20060101AFI20220428BHJP
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A61Q 7/00 20060101ALI20220428BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20220428BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20220428BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20220428BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20220428BHJP
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A61P 29/00 20060101ALI20220428BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20220428BHJP
A61K 47/20 20060101ALI20220428BHJP
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A61K 47/38 20060101ALI20220428BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20220428BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20220428BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20220428BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20220428BHJP
A61K 47/14 20060101ALI20220428BHJP
A61K 47/44 20170101ALI20220428BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20220428BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20220428BHJP
A61K 47/10 20060101ALI20220428BHJP
A61K 31/194 20060101ALI20220428BHJP
A61K 31/07 20060101ALI20220428BHJP
A61K 31/195 20060101ALI20220428BHJP
A61K 31/05 20060101ALI20220428BHJP
A61K 31/352 20060101ALI20220428BHJP
A61K 31/167 20060101ALI20220428BHJP
A61K 31/58 20060101ALI20220428BHJP
A61K 31/573 20060101ALI20220428BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20220428BHJP
A61K 31/506 20060101ALI20220428BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20220428BHJP
A61P 33/14 20060101ALI20220428BHJP
A61K 8/02 20060101ALI20220428BHJP
A01N 37/40 20060101ALI20220428BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20220428BHJP
A01N 25/30 20060101ALI20220428BHJP
【FI】
A61K8/92
A61Q5/00
A61Q7/00
A61Q19/00
A61Q19/10
A61Q5/12
A61Q5/02
A61P17/00
A61P29/00
A61P17/06
A61K47/20
A61K47/46
A61K47/38
A61K8/73
A61K47/36
A61K47/32
A61K8/81
A61K47/14
A61K47/44
A61K47/02
A61K47/12
A61K47/10
A61K31/194
A61K31/07
A61K31/195
A61K31/05
A61K31/352
A61K31/167
A61K31/58
A61K31/573
A61K45/00
A61K31/506
A61K47/34
A61P33/14
A61K8/02
A01N37/40
A01P3/00
A01N25/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021555588
(86)(22)【出願日】2020-03-16
(85)【翻訳文提出日】2021-11-08
(86)【国際出願番号】 CA2020050350
(87)【国際公開番号】W WO2020181395
(87)【国際公開日】2020-09-17
(32)【優先日】2019-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521420864
【氏名又は名称】クレシタ セラピューティクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ケルム,ゲーリー ロバート
(72)【発明者】
【氏名】フル,ウェイド
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー,キャロライン ショーン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C083
4C084
4C086
4C206
4H011
【Fターム(参考)】
4C076AA17
4C076AA95
4C076BB31
4C076DD02
4C076DD07
4C076DD12
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4C076FF65
4C083AA121
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4H011AA02
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4H011BC03
4H011BC06
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4H011DG15
(57)【要約】
本出願は、油相と、水性界面活性剤マトリックスとを含む洗い流し組成物に関し、1つ以上の活性剤が、1つ以上の非極性の水非混和性溶媒中に溶解され、油相は、水性界面活性剤マトリックス中に分散されている。本出願はまた、活性剤を、それを必要とする対象に局所的に、例えば皮膚、毛髪、および頭皮に送達する方法にも関する。本出願はまた、皮膚炎および乾癬などの局所状態を治療および/または予防するための洗い流し組成物の使用にも関する。いくつかの実施形態では、本出願の洗い流し組成物は、シャンプー組成物である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗い流し組成物であって、
a)油相と、
b)水性界面活性剤マトリックスと、を含み、
前記油相が、1つ以上の非極性の水非混和性溶媒中に溶解された1つ以上の活性剤を含み、前記油相が、前記水性界面活性剤マトリックス中に分散されている、洗い流し組成物。
【請求項2】
前記水性界面活性剤マトリックスが、1つ以上の界面活性剤と、1つ以上のポリマーと、を含む、請求項1に記載の洗い流し組成物。
【請求項3】
前記水性界面活性剤マトリックスが、1つ以上の界面活性剤と、水中に分散または溶解された1つ以上のポリマーと、を含む、請求項2に記載の洗い流し組成物。
【請求項4】
前記1つ以上の界面活性剤が、1つ以上のアニオン性界面活性剤であり、前記1つ以上のポリマーが、1つ以上のカチオン性ポリマーである、請求項2または3に記載の洗い流し組成物。
【請求項5】
前記1つ以上のアニオン性界面活性剤および前記1つ以上のカチオン性ポリマーが、コアセルベートを形成する、請求項4に記載の洗い流し組成物。
【請求項6】
前記水性界面活性剤マトリックスが、さらに水を含み、エタノールおよび/または他の水混和性溶媒を実質的に含まない、請求項1~5のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項7】
前記1つ以上のポリマーが、親水性ポリマーである、請求項2~6のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項8】
前記1つ以上のアニオン性界面活性剤が、ラウレス硫酸ナトリウムおよびラウリル硫酸ナトリウムならびにこれらの混合物から選択される、請求項4に記載の洗い流し組成物。
【請求項9】
前記1つ以上のカチオン性ポリマーが、カチオン性セルロース誘導体と、カチオン性グアー誘導体と、アクリルアミドとのアクリルアミドプロピルトリモニウムクロリドコポリマーと、モノマージアリルジメチルアンモニウムクロリドから誘導されたホモポリマーと、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドとアクリルアミドとから誘導されたコポリマーと、
(a)式Iを有するモノマー
【化1】
(式中、R
1は、HまたはCH
3であり、Yは、OまたはNHであり、Zは、C
1~6アルキレンであり、R
2、R
3、およびR
4は、各々独立して、C
1~22アルキルまたはC
1~22ヒドロキシアルキルであり、Xは、ハロゲン化物およびC
1~4アルキルスルフェートから選択される一価アニオンである)、
(b)ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、
(c)ならびにこれらの混合物、から選択されるカチオン性モノマーのホモポリマーまたはコポリマーと、から選択される、請求項4に記載の洗い流し組成物。
【請求項10】
前記1つ以上のカチオン性ポリマーが、カチオン性セルロース誘導体から選択される、請求項4に記載の洗い流し組成物。
【請求項11】
前記カチオン性セルロース誘導体が、ヒドロキシエチルセルロースとトリメチルアンモニウム置換エポキシドとの反応から誘導されるポリマー第四級アンモニウム塩である、請求項10に記載の洗い流し組成物。
【請求項12】
前記カチオン性ヒドロキシエチルセルロース誘導体が、低粘度ポリクオタニウムポリマーおよび高粘度ポリクオタニウムポリマー、ならびにこれらの混合物から選択される、請求項10に記載の洗い流し組成物。
【請求項13】
前記カチオン性ヒドロキシエチルセルロース誘導体が、低粘度ポリクオタニウムポリマーと高粘度ポリクオタニウムポリマーとの混合物である、請求項12に記載の洗い流し組成物。
【請求項14】
前記低粘度ポリクオタニウムポリマー対前記高粘度ポリクオタニウムポリマーの重量比が、約2:1~約5:1、約2.5:1~約4.5:1、または約2.6:1~約4.2:1である、請求項13に記載の洗い流し組成物。
【請求項15】
約4.0重量%~約12.0重量%、約5.0重量%~約9.0重量%、約6.0重量%~約8.0重量%、または約7.0重量%~約8重量%の前記1つ以上のアニオン性界面活性剤、および約0.5重量%~約5.0重量%、約1.0重量%~約3.0重量%、約1.2重量%~約2.5重量%、または約1.5重量%~約2重量%の前記1つ以上のカチオン性ポリマー、を含む、請求項4、5、および8~14のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項16】
約12重量%未満、約10.0重量%未満、約9.0重量%未満、約8.0重量%未満、約7.0重量%、約6.0重量%未満、約5.0重量%未満、または約4.0重量%未満の前記1つ以上のアニオン性界面活性剤を含む、請求項4、5、および8~15のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項17】
前記コアセルベートが、前記1つ以上の活性剤を含む前記1つ以上の非極性水非混和性溶媒の、皮膚、毛髪、頭皮、および/または別の解剖学的表面上への付着を容易にする、請求項5に記載の洗い流し組成物。
【請求項18】
前記1つ以上の界面活性剤が、1つ以上の両性界面活性剤および/または1つ以上の非イオン性界面活性剤をさらに含む、請求項2~17のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項19】
前記1つ以上の両性界面活性剤が、アンホカルボキシレート、アルキルベタイン、アミドアルキルベタイン、アミドアルキルスルタイン、アンホホスフェート、ホスホベタイン、ピロホスホベタイン、カルボキシアルキルアルキルポリアミン、ココアミドプロピルベタイン、およびこれらの混合物から選択される、請求項18に記載の洗い流し組成物。
【請求項20】
前記1つ以上の両性界面活性剤が、ココアミドプロピルベタインである、請求項19に記載の洗い流し組成物。
【請求項21】
約0.0重量%~約5.0重量%、約0.1重量%~約5.0重量%、0.5重量%~約4.5重量%、約2.0重量%~約4.0重量%、または約2.0重量%~約3.0重量%の前記1つ以上の両性界面活性剤を含む、請求項18~20のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項22】
前記1つ以上の非イオン性界面活性剤が、ポリソルベート20、C
8~22アルキルグルコシド、ココナッツ脂肪酸モノエタノールアミド、ココナッツ脂肪酸ジエタノールアミド、ココモノエタノールアミド、およびこれらの混合物から選択される、請求項18~21のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項23】
前記1つ以上の非イオン性界面活性剤が、ココモノエタノールアミドである、請求項22に記載の洗い流し組成物。
【請求項24】
約0重量%~約2.0重量%、約0.05重量%~約2.0重量%、0.1重量%~約1.5重量%、約0.2重量%~約1.0重量%、または約0.3重量%の前記1つ以上の非イオン性界面活性剤を含む、請求項18~23のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項25】
アニオン性、非イオン性、および両性界面活性剤を含む、約13重量%未満、約12重量%未満、約11重量%未満、約10重量%未満、約9重量%未満、約8重量%未満、または約7重量%未満の全界面活性剤を含む、請求項1~24のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項26】
前記油相が、1つ以上の非極性の水非混和性溶媒を含み、前記溶媒が、20℃で約10mg/ml未満の水溶性を有する、請求項1~25のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項27】
前記油相が、1つ以上の浸透促進剤をさらに含む、請求項1~26のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項28】
前記1つ以上の浸透促進剤が、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸、オレイン酸グリセリル、およびこれらの混合物から選択される、請求項27に記載の洗い流し組成物。
【請求項29】
約0.1重量%~約2.0重量%、約0.2重量%~約1.75重量%、約0.75重量%~約1.5重量%、約0.1重量%~約1.0重量%、約0.25重量%~約0.75重量%、または約1.0重量%の前記1つ以上の浸透促進剤を含む、請求項27または28に記載の洗い流し組成物。
【請求項30】
前記1つ以上の浸透促進剤が、ラウリン酸メチルおよびミリスチン酸イソプロピルを含む、請求項27~29のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項31】
約0.2重量%~約0.3重量%、または約0.25重量%のラウリン酸メチルおよび約0.6重量%~約0.9重量%、または約0.75重量%のミリスチン酸イソプロピルを含む、請求項30に記載の洗い流し組成物。
【請求項32】
前記1つ以上の非極性の水非混和性溶媒が、ジイ-ソプロピルアジペート、ペパーミント油、ココナッツ油、およびこれらの混合物から選択される、請求項1~31のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項33】
前記非極性の水非混和性溶媒が、任意選択にペパーミント油と組み合わせられた、イソプロピルN-ラウロイルサルコシネートまたはジイソプロピルアジペートである、請求項32に記載の洗い流し組成物。
【請求項34】
約0.1重量%~約7.0重量%、約0.5重量%~約5.0重量%、約0.6重量%~約4.0重量%、または約0.7重量%~約3.0重量%の前記1つ以上の非極性の水非混和性溶媒を含む、請求項32または33に記載の洗い流し組成物。
【請求項35】
前記油相が、ジメチコン、シクロメチコン、脂肪アルコール、およびこれらの混合物から選択される1つ以上の水非混和性または水不溶性成分をさらに含む、請求項32~34のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項36】
約0.1重量%~約1.5重量%、約0.3重量%~約1.3重量%、または約0.5重量%~約1.0重量%の前記1つ以上の水非混和性または水不溶性成分を含む、請求項35に記載の洗い流し組成物。
【請求項37】
前記油相が、約10重量%未満、約5重量%未満、約4重量%未満、約3重量%未満、または約2.5重量%未満の前記洗い流し組成物である、請求項1~36のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項38】
前記油相が、約2重量%、約3重量%、または約3.5重量%の前記洗い流し組成物である、請求項37に記載の洗い流し組成物。
【請求項39】
1つ以上のイオン強度調整剤をさらに含む、請求項1~38のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項40】
前記イオン強度調整剤が、薬学的に許容されるアルカリ金属ハロゲン化物(例えば、塩化カリウムおよび塩化ナトリウム)ならびにアルカリ土類ハロゲン化物(例えば、塩化カルシウムおよび塩化マグネシウム)から選択される、請求項39に記載の洗い流し組成物。
【請求項41】
約0.1重量%~約2.0重量%、約0.3重量%~約1.5重量%、または約0.8重量%~約1.2重量%の前記1つ以上のイオン強度調整剤を含む、請求項39または40に記載の洗い流し組成物。
【請求項42】
1つ以上の緩衝液および/またはpH調整剤をさらに含む、請求項1~41のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項43】
前記緩衝液および/またはpH調整剤が、シトレート、ラクテート、マンデレート、アセテート、ベンゾエート、タータレート、フマレート、グルクロネート、グリコレート、およびセバケート、ならびにこれらの塩、ならびに/または水酸化ナトリウムのうちの1つ以上から選択される、請求項42に記載の洗い流し組成物。
【請求項44】
約0.1重量%~約2.0重量%、約0.3重量%~約1.5重量%、または約0.8重量%~約1.2重量%の前記1つ以上の緩衝液および/またはpH調整剤を含む、請求項42または43に記載の洗い流し組成物。
【請求項45】
1つ以上の防腐剤、1つ以上の香料、1つ以上の保湿剤、およびこれらの混合物から選択される追加の配合成分をさらに含む、請求項1~44のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項46】
前記1つ以上の保湿剤が、1つ以上の炭化水素ポリオール化合物である、請求項45に記載の洗い流し組成物。
【請求項47】
前記1つ以上の炭化水素ポリオール化合物が、グリセリン、1,3-プロパンジオール、ソルビトール、およびこれらの混合物から選択される、請求項46に記載の洗い流し組成物。
【請求項48】
前記保湿剤が、グリセリンである、請求項47に記載の洗い流し組成物。
【請求項49】
約0.5重量%~約3.0重量%、約1.0重量%~約2.5重量%、または約1.5重量%~約2.5重量%の前記1つ以上の保湿剤を含む、請求項46~48のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項50】
前記1つ以上の防腐剤が、フェノキシエタノール、カプリリルグリコール、1,2-ヘキサンジオール、デカン-1,2-ジオール、およびこれらの混合物から選択される、請求項45~49のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項51】
前記防腐剤が、フェノキシエタノールである、請求項50に記載の洗い流し組成物。
【請求項52】
約0.1重量%~約2.0重量%、約0.3重量%~約1.5重量%、または約0.8重量%~約1.3重量%の前記1つ以上の防腐剤を含む、請求項45~51のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項53】
前記1つ以上の活性剤が、アゼライン酸、レチノール、トラネキサム酸、レゾルシノール、親油性ビタミン、ビタミン誘導体、カンナビノイド、リドカイン、コルチコステロイド、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項1~52のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項54】
前記活性剤が、プロピオン酸ハロベタゾールである、請求項53に記載の洗い流し組成物。
【請求項55】
前記1つ以上の活性剤が、ヒドロコルチゾン、アムシノニド、ブデソニド、デソニド、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、ハルシノニド、トリアムシノロンアセトニド、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、フルオコルトロン、ハロメタゾン、モメタゾン、ジプロピオン酸アルクロメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、プロピオン酸クロベタゾール、酪酸クロベタゾン、酢酸フルプレドニデン、フロ酸モメタゾン、シクレソニド、酢酸コルチゾン、ヒドロコルチゾンアセポネート、酢酸ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンブテプレート、酪酸ヒドロコルチゾン、吉草酸ヒドロコルチゾン、プレドニカルベート、ピボル酸クロコルトロン、ピバル酸チキソコルトール、抗真菌剤、アゾール、ケトコナゾール、エコナゾール、ルルコナゾール、硫化セレン、ジンクピリチオン、テルビナフィン、ナトリウムスルファセタミド、イソトレチノイン、トレチノイン酸、タール、ピロクトンオラミン、コールタール、硫黄、クリンバゾール、シクロピロックスオラミン、亜鉛オマジン、サリチル酸、角質溶解剤、ビタミン、ビタミンD、ビタミンDアナログ、カルシポトリエン、カルシポトリオール、ビタミンA、レチノイド、およびこれらの混合物から選択される、請求項53に記載の洗い流し組成物。
【請求項56】
前記1つ以上のコルチコステロイドが、プロゲストゲン化合物、メタゾン化合物、およびこれらの混合物から選択される、請求項53に記載の洗い流し組成物。
【請求項57】
前記プロゲストゲン化合物が、プロゲステロンまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、および/もしくはプロドラッグであり、前記メタゾン化合物が、アルクロメタゾン、アメロメタゾン、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、コルメタゾン、デソキシメタゾン、デキサメタゾン、フルメタゾン、ハロメタゾン、イコメタゾン、モメタゾンパラメタゾン、またはこれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、および/もしくはプロドラッグから選択される、請求項56に記載の洗い流し組成物。
【請求項58】
前記1つ以上の活性剤が、成長促進剤、毛髪強化剤、着色剤、日焼け止め剤、除毛剤/脱毛剤、制汗剤、シラミ駆除剤、農薬、およびこれらの混合物から選択される、請求項1~52のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項59】
前記成長促進剤が、ミノキシジルである、請求項58に記載の洗い流し組成物。
【請求項60】
約0.01重量%~約10.0重量%、約0.02重量%~約1.0重量%、約0.03重量%~約0.5重量%、または約0.05重量%の前記1つ以上の活性剤を含む、請求項1~59のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項61】
エタノールおよび/または他の水混和性有機溶媒などの水混和性溶媒を実質的に含まない、請求項1~60のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項62】
前記水性界面活性剤マトリックスが、
a)1つ以上のアニオン性界面活性剤と、
b)1つ以上のカチオン性ポリマーと、
c)1つ以上の両性界面活性剤および/または1つ以上の非イオン性界面活性剤と、
d)1つ以上のイオン強度調整剤と、
e)水と、
f)任意選択で、1つ以上の防腐剤、保湿剤、緩衝液、および/またはpH調整剤と、を含む、請求項1に記載の洗い流し組成物。
【請求項63】
前記油相が、
a)1つ以上の活性剤と、
b)1つ以上の非極性の水非混和性溶媒と、
c)任意選択で、1つ以上の水非混和性または水不溶性成分と、
d)任意選択で、1つ以上の浸透促進剤と、を含む、請求項1または62に記載の洗い流し組成物。
【請求項64】
a)1つ以上の活性剤と、
b)1つ以上のアニオン性界面活性剤と、
c)1つ以上のカチオン性ポリマーと、
d)1つ以上の両性界面活性剤および/または非イオン性界面活性剤と、
e)1つ以上のイオン強度調整剤と、
f)1つ以上の非極性の水非混和性溶媒と、
g)任意選択で、1つ以上の水非混和性または水不溶性成分と、
h)任意選択で、1つ以上の保湿剤と、
i)任意選択で、1つ以上の浸透促進剤と、
j)任意選択で、1つ以上の緩衝液、pH調整剤、および/または防腐剤と、
k)残りは水と、を含む、請求項1に記載の洗い流し組成物。
【請求項65】
a)約4重量%~約12重量%の1つ以上のアニオン性界面活性剤と、
b)約0.5重量%~約5.0重量%の1つ以上のカチオン性ポリマーと、
c)約1.0重量%~約5.0重量%の1つ以上の両性界面活性剤と、
d)任意選択で、約0.1重量%~約1.0重量%の1つ以上の非イオン性界面活性剤と、
e)約0.1重量%~約2.0重量%の1つ以上のイオン強度調整剤と、
f)任意選択で、約0.1重量%~約2.0重量%の1つ以上の緩衝液および/またはpH調整剤と、
g)任意選択で、約0.1重量%~約2.0重量%の1つ以上の防腐剤と、
h)約0.01重量%~約1重量%の1つ以上の活性剤と、
i)約0.5重量%~約2.5重量%の1つ以上の非極性の水非混和性溶媒と、
j)任意選択で、約0.1重量%~約2.0重量%の1つ以上の水非混和性または水不溶性成分と、
k)任意選択で、約0.5重量%~約2.0重量%の1つ以上の前記浸透促進剤と、
l)任意選択で、約0.1重量%~約3.0重量%の1つ以上の保湿剤と、
m)残りは水と、を含む、請求項64に記載の洗い流し組成物。
【請求項66】
刺激性ではない、請求項1~65のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項67】
前記油相対前記水性界面活性剤マトリックスの重量比が、約1:99~約1:9である、請求項1~66のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項68】
約25%~約50%または約27%~約45%の前記1つ以上の活性剤が、前記1つ以上の非極性の水非混和性溶媒中で可溶化される、請求項1~67のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項69】
前記1つ以上の活性剤が、非微粒子状および可溶化形態で前記組成物中に存在する、請求項1~68のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項70】
前記1つ以上の非極性の水非混和性溶媒が、前記1つ以上の非極性の水非混和性溶媒の総重量に基づいて、約10重量%~約25重量%のペパーミント油を含む、請求項1~69のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項71】
前記ペパーミント油が、前記洗い流し組成物の安定性および/または効力を改善する量で存在する、請求項70に記載の洗い流し組成物。
【請求項72】
前記洗い流し組成物が、発泡性組成物である、請求項1~71のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項73】
約5.5~約7または約5.6~約6.5のpHを有する、請求項1~72のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項74】
前記1つ以上の活性剤が、25℃で3、6、9、12、24、30、33、36、39、42、45、または48か月後に、元の量の少なくとも約95%、96%、97%、または98%の量で存在する、請求項1~73のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項75】
約3、6、9、12、24、30、33、36、39、42、45、または48か月を超える、医薬品規制調和国際会議(ICH)の長期保管条件で決定された許容可能な貯蔵寿命を有する、請求項1~73のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項76】
前記洗い流し組成物が、45℃で3、6、9、12、または24か月間貯蔵した後に、約2%または3%未満の不純物を含む、請求項1~73のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項77】
前記洗い流し組成物が、25℃で3、6、9、12、24、30、33、36、39、42、45、または48か月間貯蔵した後に、約1%または2%未満の不純物を含む、請求項1~73のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項78】
前記洗い流し組成物が、25℃または45℃で3、6、9、12、24、30、33、36、39、42、45、または48か月間貯蔵した後に、外観が変化していない、請求項1~77のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項79】
前記洗い流し組成物が、前記組成物中の前記1つ以上の活性剤の総量の約5%~約30%の、適用表面上に前記1つ以上の活性剤の付着を提供する、請求項1~78のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項80】
前記洗い流し組成物が、前記組成物中の前記1つ以上の活性剤の総量の約5%~約25%の、前記適用表面上に前記1つ以上の活性剤の付着を提供する、請求項79に記載の洗い流し組成物。
【請求項81】
前記洗い流し組成物が、対象の摩耗研究において好高評価を示す、請求項1~80のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項82】
前記洗い流し組成物が、対象に関する摩耗研究において、良好な泡立ち特性、良好なすすぎ特性、良好な芳香特性、および/または良好な粘度特性を示す、請求項81に記載の洗い流し組成物。
【請求項83】
前記洗い流し組成物が、前記摩耗研究において、1つ以上の活性剤を含む他の市販の洗い流し組成物よりもランクが高い、請求項81または82に記載の洗い流し組成物。
【請求項84】
前記組成物が、ヘアケア組成物、パーソナルケア組成物、スキンケア組成物、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項1~83のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項85】
前記組成物が、クレンジング組成物、コンディショニング組成物、保湿組成物、シェービング組成物、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項84に記載の洗い流し組成物。
【請求項86】
前記クレンジング組成物が、顔面、手、または身体のクレンザーまたはウォッシュ、あるいはバスまたはシャワー製品である、請求項85に記載の組成物。
【請求項87】
前記ヘアケア組成物が、シャンプー組成物および/またはヘアコンディショニング組成物である、請求項85に記載の組成物。
【請求項88】
前記シェービング組成物が、シェービングゲルおよび/またはシェービングフォームである、請求項85に記載の組成物。
【請求項89】
前記組成物が、シャンプーである、請求項1~83のいずれか一項に記載の洗い流し組成物。
【請求項90】
必要とする対象に1つ以上の活性剤を局所投与する方法であって、
a)請求項1~89のいずれか一項に記載の洗い流し組成物を、前記対象に局所適用することと、
b)水を添加し、任意選択で泡を作り出すことと、
c)前記組成物をすすぐことと、を含む、方法。
【請求項91】
前記1つ以上の活性剤が、アゼライン酸、レチノール、トラネキサム酸、レゾルシノール、親油性ビタミン、ビタミン誘導体、カンナビノイド、リドカイン、コルチコステロイド、およびこれらの混合物から選択される、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
ステップa)およびb)が、約15分未満、約10分未満、または約5分未満だけ分離される、請求項90または91に記載の方法。
【請求項93】
前記洗い流し組成物が、前記対象の皮膚、毛髪、頭皮、および/または別の解剖学的表面に適用される、請求項90~93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項94】
有効量の前記洗い流し組成物が適用され、前記有効量が、前記1つ以上の活性剤で治療可能な疾患、障害、または状態を治療するのに有効な量であり、および/または前記1つ以上の活性剤で治療可能な疾患、障害、または状態の症状を治療するのに有効な量である、請求項90~93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項95】
前記1つ以上の活性剤で治療可能な前記疾患、障害、または状態が、炎症性皮膚疾患、炎症性頭皮疾患、真菌性皮膚疾患、真菌性頭皮疾患、脂漏性皮膚炎、乾癬、乾燥皮膚、乾燥頭皮、および/またはフケである、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
前記洗い流し組成物が、すすぎの前に5分~15分未満の間、前記対象に適用される、請求項90~95のいずれか一項に記載の方法。
【請求項97】
前記洗い流し組成物が、すすぎの前に10分未満の間、前記対象に適用される、請求項90~95のいずれか一項に記載の方法。
【請求項98】
前記洗い流し組成物が、すすぎの前に5分未満の間、前記対象に適用される、請求項90~95のいずれか一項に記載の方法。
【請求項99】
前記対象ステップの前記皮膚、毛髪、頭皮および/または他の解剖学的表面上に付着した1つ以上の活性剤の量が、前記組成物において前記活性剤の総濃度の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、または50%である、請求項93~98のいずれか一項に記載の方法。
【請求項100】
前記洗い流し組成物が、シャンプーである、請求項90~99のいずれか一項に記載の方法。
【請求項101】
ステップb)が、泡を作り出すことを含む、請求項90~100のいずれか一項に記載の方法。
【請求項102】
1つ以上の活性剤を用いて、疾患、障害、もしくは状態を治療および/もしくは予防する方法、または障害、疾患、もしくは状態の症状を治療および/もしくは予防する方法であって、
a)請求項1~89のいずれか一項に記載の洗い流し組成物を、それを必要とする対象に局所適用することと、
b)水を添加し、任意選択で泡を作り出すことと、
c)前記組成物をすすぐことと、を含み、
前記疾患、障害、または状態が、前記1つ以上の活性剤で治療可能なものである、方法。
【請求項103】
前記洗い流し組成物の有効量が適用され、前記有効量が、前記1つ以上の活性剤で治療可能な前記疾患、障害、もしくは状態を治療するのに有効な量であり、および/または前記1つ以上の活性剤で治療可能な前記障害、疾患、または状態の症状を治療するのに有効な量である、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
クレンジングを必要とする対象の毛髪、頭皮、皮膚、および/または別の解剖学的表面をクレンジングする方法であって、
a)請求項1~89のいずれか一項に記載の洗い流し組成物を、前記対象に局所適用することと、
b)水を添加し、任意選択で泡を作り出すことと、
c)前記組成物をすすぐことと、を含む、方法。
【請求項105】
前記洗い流し組成物が、前記対象の前記皮膚、毛髪、頭皮、および/または別の解剖学的表面に適用される、請求項90~104のいずれか一項に記載の方法。
【請求項106】
プロピオン酸ハロベタゾールを含む洗い流し組成物を、それを必要とする対象に局所投与する方法であって、
a)プロピオン酸ハロベタゾールを含む洗い流し組成物を前記対象に局所適用することと、
b)水を添加し、任意選択で泡を作り出すことと、
c)前記組成物をすすぐことと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年3月14日に出願された米国特許出願第62/818,366号の優先権の利益を主張するものであり、その内容は、参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【0002】
本出願は、例えば、活性医薬配合成分(API)、特に、疎水性APIなどの活性剤の送達および付着のための有用な洗い流し組成物に関する。より具体的には、本出願は、油相と水性界面活性剤マトリックスとを含むシャンプー組成物などの洗い流し組成物であって、1つ以上の活性剤が油相に溶解される洗い流し組成物に関し、ならびに1つ以上の活性剤を対象に送達するための方法および洗い流し組成物の使用に関する。
【0003】
はじめに
界面活性剤が豊富な水系組成物での疎水性および難溶性のAPIの送達は、例えば、そのような組成物の不安定性およびそのような媒体におけるAPIの難溶性に起因して難しい場合がある。この問題は、シャンプーを含む洗い流し組成物などのパーソナルケア製品において顕著であり、理想的には、当該製品は、適切な発泡および洗い流しを可能にする十分に短い時間だけ適用されるが、製品の適用中に毛髪および皮膚上に十分なAPIを付着させて、薬理作用部位へのAPIの拡散を可能にすることに関するニーズがある。
【0004】
頭皮における皮膚炎または乾癬などの皮膚状態を有するユーザーのために、シャンプーなどの有効なAPI含有洗い落し送達系を開発することは、コルチコステロイド(例えば、プロピオン酸クロベタゾール、プロピオン酸ハロベタゾール)などの多くのAPIの疎水性および水不溶性が高いことから、特に難しい。
【0005】
現在、頭皮の乾癬病変を治療する、GaldermaからのClobex(商標)というプロピオン酸クロベタゾールを含有する市販の1つのシャンプー製品が存在している。しかしながら、この組成物では、シャンプーを頭皮に適用し、15分間そのままにしてから、泡立ててすすぐ必要がある。環境保護庁(EPA)の推定に基づく米国の典型的なシャワー時間は約8分であるため、この時間の長さはユーザーにはかなり不便である。
【0006】
米国特許第6,495,498(B2)号は、水溶性シリコーン剤、カチオン性コンディショニング剤、および有効薬剤を送達するための洗剤を含むシャンプー組成物を開示している。しかしながら、この特許は、油相における活性剤の可溶化を開示していない。
【0007】
米国特許第4,835,148号は、毛髪洗浄中の希釈時にAPIの不溶性微粒子が懸濁液から出て頭皮に付着する必要がある、頭皮の皮膚障害を標的とする洗い流しシャンプー組成物を開示している。水不溶性微粒子は一般に薬理作用の部位に拡散せず、また薬理活性を生成せず、そのような拡散および活性が起こり得る前にその場で皮脂に溶解しなければならないため、この送達方法は、通常は、治療効果を得るために皮膚に浸透する必要があるAPIにとっては無効である。
【0008】
米国特許第6,183,757(B1)号は、水性組成物中の付着助剤として、抗菌活性剤、アニオン性界面活性剤、およびカチオン性ポリマーを含む洗い流し抗菌性クレンジング組成物を開示している。しかしながら、この特許は、水非混和性油相での疎水性APIの可溶化を教示していない。
【0009】
ヘアクレンジングのためのシャンプーおよび他の洗い流し製品などのパーソナルケア製品のための疎水性APIを含有する組成物、すなわち、使用するのに簡便であり(例えば、短い放置時間)、ならびに皮膚および毛髪上への当該APIの付着、またそれがその薬理学的活性を発揮する部位へのその後の拡散を可能にする当該製品を開発するニーズが存在する。
【発明の概要】
【0010】
水不溶性油相に溶解した疎水性の水不溶性活性剤を含有する洗い流し組成物を、皮膚科領域の局所使用のために本明細書に開示される。本出願の洗い流し組成物は、水不溶性疎水性活性剤、例えば、水性アルコール界面活性剤マトリックスに溶解された水不溶性疎水性活性剤を含む現在の洗い流し組成物と比較して、短縮された局所適用時間を有する。本出願の組成物はまた、安定性および活性剤の付着量が改善されており、および/または対象における実際の使用(摩耗)試験で良好なスコアが得られている。
【0011】
したがって、一態様では、本出願は、洗い流し組成物であって、
a)油相と
b)水性界面活性剤マトリックスと、を含み、
当該油相が、1つ以上の非極性の水非混和性溶媒中に溶解された1つ以上の活性剤を含み、油相が、水性界面活性剤マトリックス中に分散されている、洗い流し組成物に関する。
【0012】
別の態様では、本出願は、1つ以上の活性剤を、それを必要とする対象に局所投与する方法であって、
a)本出願の洗い流し組成物を対象に局所適用することと、
b)水を添加し、任意選択で泡を作り出すことと、
c)当該組成物をすすぐことと、を含む、方法に関する。
【0013】
別の態様では、本出願は、プロピオン酸ハロベタゾールを含む洗い流し組成物を、それを必要とする対象に局所投与する方法であって、
a)プロピオン酸ハロベタゾールを含む洗い流し組成物を対象に局所適用することと、
b)水を添加し、任意選択で泡を作り出すことと、
c)当該組成物をすすぐことと、を含む、方法に関する。
【0014】
別の態様では、本出願は、以下を含む活性剤を用いて、疾患、障害、もしくは状態、またはそれらの症状を治療および/または予防する方法であって、
a)本出願の洗い流し組成物を、それを必要とする対象に局所適用することと、
b)水を添加し、任意選択で泡を作り出すことと、
c)当該組成物をすすぐことと、を含み、
疾患、障害、または状態が、1つ以上の活性剤で治療可能なものである、方法に関する。
【0015】
別の態様では、本出願は、それを必要とする対象の毛髪、頭皮、皮膚、および/または他の解剖学的表面をクレンジングする方法であって、
a)本出願の洗い流し組成物を対象に局所適用することと、
b)水を添加し、任意選択で泡を作り出すことと、
c)当該組成物をすすぐことと、を含む、方法に関する。
【0016】
別の態様では、本出願は、本出願の洗い流し組成物を使用して、それを必要とする対象に1つ以上の活性剤を投与することに関する。
【0017】
別の態様では、本出願は、それを必要とする対象の疾患、障害、または状態を治療、および/または予防するための本出願の洗い流し組成物の使用に関し、当該の疾患、障害、または状態は、1つ以上の活性剤で治療可能なものである。
【0018】
別の態様では、本出願は、本出願の洗い流し組成物を使用して、それを必要とする対象の毛髪、頭皮、皮膚、および/または他の解剖学的表面をクレンジングすることに関する。
【0019】
本出願の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、本出願の実施形態を示している詳細な説明および特定の例は、ただ例示として与えられており、また、これらの実施形態によって特許請求の範囲は限定されるべきではないが、全体としての説明と一致する最も広い解釈を与えられるべきである、ことを理解すべきである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
I.定義
別段の指示がない限り、この項および他の項で説明される定義および実施形態は、当業者によって理解されるように、それらが好適である本明細書で説明される本出願のすべての実施形態および態様に適用可能であるように意図される。
【0021】
本明細書で使用される「本出願の組成物」または「本出願の組成物」などの用語は、少なくとも油相、水性界面活性剤マトリックス、および本明細書に記載のように油相に溶解された活性剤を含む洗い流し組成物を指す。
【0022】
本出願の組成物中の配合成分に関して本明細書で使用される「好適な」という用語は、配合成分が、本明細書に記載の配合成分と物理的および化学的に適合性であり、および/または組成物の安定性、美学、および/または性能を過度に損なうべきではないことを意味する。好適な配合成分の選択は、当業者が行うことができる。
【0023】
本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、列挙された品目が個別にまたは組み合わせて存在するまたは使用されることを意味する。事実上、この用語は、列挙された品目の「少なくとも1つ」または「1つ以上」が使用されるまたは存在することを意味する。
【0024】
本出願で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上明確に別段の指示がない限り、複数の参照を含む。例えば、「溶媒」を含む実施形態は、1つの溶媒または2つ以上の追加の溶媒によるある特定の態様を提示していると理解するべきである。
【0025】
追加または第2の溶媒などの「追加の」または「第2の」成分を含む実施形態では、本明細書で使用される第2の成分は、他の成分または第1の成分と化学的に異なる。「第3の(third)」成分は、他の成分、第1の成分、および、第2の成分と相違するものであって、また、さらに列挙された成分、または、さらに「他の(additional)」成分も同様に相違するものである。
【0026】
本出願の範囲を理解する上で、本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」という用語およびその派生語は、述べられた特徴、要素、成分、配合成分、群、整数、および/または工程の存在を指定する非制限的用語であることが意図されるが、他の述べられていない特徴、要素、成分、配合成分、群、整数、および/または工程の存在を除外しない。上記は、「含む(including)」、「有する(having)」という用語およびそれらの派生語など、同様の意味を持つ単語にも適用される。
【0027】
本明細書で使用される場合、「からなる(consisting)」という用語およびその派生語は、述べられた特徴、要素、成分、配合成分、群、整数、および/または工程の存在を指定する制限的用語であることが意図され、他の述べられていない特徴、要素、成分、配合成分、群、整数、および/または工程の存在を除外する。
【0028】
本明細書で使用される場合、「から本質的になる(consisting essentially of)」という用語は、述べられた特徴、要素、成分、配合成分、群、整数、および/または工程の存在、ならびに特徴、要素、成分、配合成分、群、整数、および/または工程の基本的で新規な特性に重大な影響を与えないものを指定することが意図される。
【0029】
本明細書で使用される「約」、「実質的に」、および「およそ」という用語は、最終結果が有意に変更されないように、修飾された用語の妥当な量の逸脱を意味している。これらの程度の用語は、この逸脱が、それが変更する単語の意味を否定しない場合、または文脈が当業者に別の方法を示唆しない限り、修飾された用語の少なくとも±5%の逸脱を含むと解釈されるべきである。
【0030】
本説明は、当業者によって使用される多くの化学用語および略語について言及している。それにもかかわらず、明確さおよび一貫性のために、選択した用語に関する定義を提供している。
【0031】
本明細書で使用される「アルキル」という用語は、それが単独で使用されるか、または別の基の一部として使用されるかにかかわらず、直鎖または分岐鎖の飽和アルキル基を意味する。参照されるアルキル基で可能な炭素原子の数は、接頭辞「Cn1~n2」で示される。例えば、C1~6アルキルという用語は、1、2、3、4、5、または6個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。特に明記しない限り、すべてのアルキル基は任意選択でフルオロ置換される。
【0032】
本明細書で使用される「アルキレン」という用語は、それが単独で使用されるか、または別の基の一部として使用されるかにかかわらず、直鎖または分岐鎖の飽和アルキレン基、すなわち、その末端の2つに置換基を含有する飽和炭素鎖を意味する。参照されるアルキレン基で可能な炭素原子の数は、接頭辞「Cn1~n2」で示される。例えば、C1~10アルキレンという用語は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個の炭素原子を有するアルキレン基を意味する。特に明記しない限り、すべてのアルキレン基は、任意選択でフルオロ置換される。
【0033】
「薬学的に許容される」という用語は、対象、例えば、ヒトの標的の治療に適合することを意味している。
【0034】
「薬学的に許容される担体」という用語は、医薬組成物の形成を可能にするために活性配合成分と混合される非毒性の溶媒、分散剤、賦形剤、アジュバント、または他の材料、すなわち、対象に投与することができる剤形を意味している。
【0035】
「薬学的に許容される塩」という用語は、対象の治療に好適であるか、または対象の治療と適合性がある、酸付加塩または塩基付加塩のいずれかを意味している。好適な塩に関する選択基準は、当業者に知られていよう(例えば、S.M.Berge,et aI.,”Pharmaceutical Salts,”J.Pharm.Sci.1977,66,1-19を参照されたい)。
【0036】
対象の治療に好適な、または適合性のある、酸添加塩は、任意の塩基性化合物の任意の無毒の有機または無機の酸添加塩である。酸付加塩を形成する塩基性化合物としては、例えば、アミン基を含む化合物が挙げられる。好適な塩を形成する例示的な無機酸としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、およびリン酸、ならびに酸性金属塩、例えば、一水素オルトリン酸ナトリウムおよび硫酸水素カリウムが挙げられる。好適な塩を形成する例示的な有機酸としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸、およびトリカルボン酸が挙げられる。そのような有機酸の例は、例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、桂皮、マンデリック、サリチル酸、2-フェノキシ安息香酸、p-トルエンスルホン酸、および他のスルホン酸、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、および2-ヒドロキシエタンスルホン酸である。一酸性塩または二酸性塩のいずれかを形成することができ、そのような塩は、水和、溶媒和、または実質的に無水の形態のいずれかで存在することができる。一般に、酸付加塩は、水および様々な親水性有機溶媒においてより可溶性であり、それらの遊離塩基の形態と比較してより高い融点を一般に示す。適切な塩に関する選択基準は、当業者には既知であろう。シュウ酸塩などであるがこれらに限定されない他の非薬学的に許容される塩は、例えば、実験室での使用のための、またはその後の薬学的に許容される酸付加塩への変換のための、本出願の化合物の単離において使用され得る。
【0037】
対象の治療に好適な、または適合性のある、塩基付加塩は、任意の酸性化合物の任意の無毒の有機または無機の塩基付加塩である。塩基性付加塩を形成する酸性化合物としては、例えば、カルボン酸基を含む化合物が挙げられる。好適な塩を形成する例示的な無機塩基としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、または水酸化バリウム、ならびにアンモニアが挙げられる。好適な塩を形成する例示的な有機塩基としては、脂肪族、脂環式、または芳香族有機アミン、例えば、イソプロピルアミン、メチルアミン、トリメチルアミン、ピコリン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2-ジメチルアミノエタノール、2-ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N-エチルピペリジン、ポリアミン樹脂などが挙げられる。例示的な有機塩基は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン、およびカフェインである。
【0038】
本出願の化合物のプロドラッグは、例えば、利用可能なヒドロキシ、チオール、アミノ、またはカルボキシル基で形成された従来のエステルであり得る。例えば、利用可能なヒドロキシまたはアミノ基は、塩基の存在下で、任意選択で、不活性溶媒(例えば、ピリジン中の酸塩化物)において、活性化酸を使用してアシル化され得る。プロドラッグとして利用されてきたいくつかの一般的なエステルは、フェニルエステル、脂肪族(C1~C24)エステル、アシルオキシメチルエステル、カルバメート、およびアミノ酸エステルである。
【0039】
本明細書で使用される「溶媒和物」という用語は、好適な溶媒の分子が結晶格子に組み込まれている、化合物、または化合物の塩もしくはプロドラッグを意味する。好適な溶媒は、投与される用法用量(dosage)で生理学的に許容できる。好適な溶媒の例は、エタノール、水などである。水が溶媒であるとき、分子は「水和物」と称される。本出願の化合物の溶媒和物の形成は、化合物および溶媒和物に応じて変化するであろう。一般に、溶媒和物は、化合物を適切な溶媒に溶解し、冷却または逆溶媒を使用することによって溶媒和物を単離することによって形成される。溶媒和物は、典型的には、周囲条件下で乾燥または共沸される。特定の溶媒和物を形成するための好適な条件の選択は、当業者が行うことができる。
【0040】
本明細書で使用される「標的」という用語は、哺乳動物を含む動物界のすべてのメンバーを含み、適切にはヒトを指す。したがって、本出願の方法および組成物は、ヒトの治療および獣医学の用途の両方に適用可能である。
【0041】
本明細書で使用される「身体」という用語は、対象の身体のすべての部分またはその表面(on)を含む。
【0042】
本明細書で使用され、当技術分野でよく理解されている「治療すること」または「治療」という用語は、臨床結果を含む有益なまたは所望の結果を得るためのアプローチを意味する。いくつかの実施形態では、有益なまたは望ましい臨床結果としては、検出可能または検出不可能かどうかに関係なく、1つ以上の症状または状態の緩和または改善、疾患の程度の減少、疾患の安定した(すなわち、悪化しない)状態、疾患の拡大の防止、疾患の進行の遅延または減速、病状の改善または軽減、疾患の再発の減少、および寛解(部分的または全体的かどうかに関係なく)を挙げることができるが、これらに限定されない。「治療すること」および「治療」はまた、治療を受けない場合に予想される生存率と比較して、生存率を延長することも意味する場合がある。本明細書で使用される「治療すること」および「治療」は、予防的治療も含み得る。治療方法は、治療有効量の1つ以上の活性剤または組成物を対象に投与することを含み、任意選択で単回投与からなるか、あるいは一連の投与を含む。
【0043】
本明細書で使用される場合、「有効量」または「治療有効量」という用語は、所望の結果を達成するために必要な用法用量および期間において有効である1つ以上の活性剤の量を意味する。
【0044】
本明細書で使用される「投与した、投与される」という用語は、細胞、組織、器官、または対象への、本出願の1つ以上の組成物の治療有効量を投与することを意味する。
【0045】
「コアセルベート」という用語は、疎水性力および/またはイオン性力によって一緒に保たれた界面活性剤とポリマーとの凝集体、特に、本明細書で定義される水性界面活性剤マトリックスにおいて可溶性であることができ、また、例えば、泡立てまたはすすぎによって、過剰の水を添加すると溶液から沈殿し得る、アニオン性界面活性剤とカチオン性ポリマーとの凝集体を説明するために本明細書で使用される。
【0046】
本明細書で使用される「活性医薬剤」、「活性剤」、「活性医薬配合成分」、「活性配合成分」、「API」、または「API」などの用語は、有用な薬理学的または有益な効果を発揮することができる、任意の化合物または化合物の混合物、またはその薬学的に許容される塩、これらの溶媒和物および/またはプロドラッグを指すことを意図している。例えば、活性剤またはAPIは、薬理学的活動を提供すること、または、そうでなければ病気の診断、治癒、低減、治療、もしくは予防において直接的な効果を有すること、または、人間の生理学的機能の回復、修正、もしくは改変において直接的な効果を有すること、が意図された完成医薬品において使用される任意の物質を指すことができる(World Health Organisation, Working Document QAS 11.426 Rev 1を参照されたい)。
【0047】
本明細書で使用される「洗い流し組成物」という用語は、対象の表面上に使用、投与、または局所的に適用され、続いて、水などの液体ですすぐことによって除去されるのに好適な組成物を指す。「洗い流し」という用語は、「ウォッシュオフ」と交換可能に使用することができる。
【0048】
本明細書で使用される「すすぐ」または「すすぎ、すすぐこと」という用語は、水などの液体を使用して対象からまたは対象から離れている組成物を除去または洗浄することを意味する。すすぎとは、実質的にすべての組成物(および該当する場合は、無関係な破片)を除去または洗い流すことを意味する。この文脈における「実質的に」という用語は、組成物のすべてまたはほとんどすべてが除去される、すなわち、組成物の10%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、または0.1%未満の組成物が、すすいだ後も残ったままであることを意味している。「洗浄」または「除去」はまた、特に石鹸および他の関連製品の場合、洗浄または除去を容易にするためのワイプまたはクロスの使用も含む。
【0049】
本明細書で使用される「水性界面活性剤マトリックス」という用語は、水性溶媒に可溶であり、洗い流し組成物での使用に好適な1つ以上の界面活性剤および1つ以上のポリマーを含む組成物を指す。
【0050】
本明細書で使用される「油相」という用語は、水に不溶性(例えば、20℃および大気圧で約10mg/mL未満の溶解度)である配合成分または配合成分の組み合わせを指す。
【0051】
本明細書で使用される「油相」という用語は、水に可溶性(例えば、20℃および大気圧で約10mg/mLを超える溶解度)である配合成分または配合成分の組み合わせを指す。
【0052】
本明細書で使用される「水非混和性溶媒」という用語は、水に不溶性(例えば、20℃および大気圧で約10mg/mL未満の溶解度を有する)である溶媒を指す。
【0053】
本明細書で使用される「プロピオン酸ハロベタゾール」または「HBP」という用語は、下式
【化1】
の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、および/またはプロドラッグを指す。
【0054】
II.本出願の組成物
一態様では、本出願は、
a)油相と、
b)水性界面活性剤マトリックスと、を含み、
当該油相が、1つ以上の非極性の水非混和性溶媒中に溶解された1つ以上の活性剤を含み、油相が、水性界面活性剤マトリックス中に分散されている、洗い流し組成物に関する。
【0055】
一態様では、本出願は、
a)油相と、
b)水性界面活性剤マトリックスと、を含み、
当該油相が、1つ以上の非極性の水非混和性溶媒中に溶解された1つ以上の活性剤を含み、油相が、水性界面活性剤マトリックス中に分散されている、シャンプー組成物に関する。
【0056】
いくつかの実施形態では、洗い流し組成物は、例えば、皮膚、頭皮、毛髪、および/または別の解剖学的表面上で、身体への局所適用によって投与または使用される。洗い流し組成物が投与または使用されるとき、身体は湿っているまたは乾いているかのいずれかである。任意選択で、組成物の投与または使用の前に、身体を水で湿らせる。任意選択で、洗い流し組成物は、投与または使用後、およびすすぎ(例えば、洗い流し)によって除去される前または最中に、水を使用して泡立てられる。いくつかの実施形態では、すすぎによる除去は、例えば、すすぎ前またはすすぎ中の身体への活性剤の付着に起因して、洗い流し組成物に含まれる実質的な量の任意の活性薬剤を除去しない。一実施形態では、身体上、例えば、皮膚、頭皮、毛髪、および/または他の解剖学的表面上に付着した活性剤の量は、組成物中の活性剤の総濃度の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、または50%である。別の実施形態では、身体上、例えば、皮膚、頭皮、毛髪、および/または別の解剖学的表面上に付着した活性剤の量は、コンパレータ組成物の、身体上、例えば、皮膚、頭皮、毛髪、および/または別の解剖学的表面上に付着した活性剤に比べて、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、またはそれより多い(例えば、実施例3およびClobex Rep.コンパレータを参照されたい)。
【0057】
いくつかの実施形態では、洗い流し組成物は、ヘアケア組成物、パーソナルケア組成物、およびスキンケア組成物、ならびにこれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、洗い流し組成物は、クレンジング組成物、コンディショニング組成物、保湿組成物、およびシェービング組成物、ならびにこれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、クレンジング組成物としては、顔面、手、および身体のクレンザーまたはウォッシュ、ならびにシャワー製品、例えば、ウォッシュ、フォーム、およびゲルが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ヘアケア組成物は、シャンプー組成物および/またはヘアコンディショニング組成物である。いくつかの実施形態では、シェービング組成物は、シェービングゲル、および/またはシェービングフォームである。
【0058】
いくつかの実施形態では、洗い流し組成物は、薬物、化粧品、および/またはホメオパシー製品であり得る。いくつかの実施形態では、製剤は、処方薬または一般市販薬の製品であり得る。
【0059】
水性界面活性剤マトリックス
いくつかの実施形態では、水性界面活性剤マトリックスは、1つ以上の界面活性剤および1つ以上のポリマーを含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、水性界面活性剤マトリックスは、水に分散または溶解された1つ以上の界面活性剤および1つ以上のポリマーを含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、水性界面活性剤マトリックスは、1つ以上のアニオン性界面活性剤および1つ以上のカチオン性ポリマーを含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、水性界面活性剤マトリックスは、コアセルベートを形成する1つ以上のアニオン性界面活性剤および1つ以上のカチオン性ポリマーを含む。理論によって限定されることを望まないが、いくつかの実施形態では、コアセルベートは、活性剤を含む非極性の水非混和性溶媒の、身体上、例えば皮膚、頭皮、毛髪、および/または別の解剖学的表面上への付着を容易にする。
【0063】
いくつかの実施形態では、水性界面活性剤マトリックスは、水、1つ以上の界面活性剤、1つ以上のポリマーを含み、エタノールおよび/または他の水混和性有機溶媒を欠いているか、または実質的に含まない。
【0064】
いくつかの実施形態では、1つ以上のポリマーは親水性ポリマーである。
【0065】
いくつかの実施形態では、水性界面活性剤マトリックスは、
a)1つ以上のアニオン性界面活性剤と、
b)1つ以上のカチオン性ポリマーと、
c)1つ以上の両性界面活性剤および/または1つ以上の非イオン性界面活性剤と、
d)1つ以上のイオン強度調整剤と、
e)水と、
f)任意選択で、1つ以上の防腐剤、保湿剤、緩衝液、および/またはpH調整剤と、を含む。
【0066】
アニオン性界面活性剤
本出願の洗い流し組成物のクレンジング特性は、主に、典型的には1つ以上のアニオン性界面活性剤を含む一次界面活性剤系によって提供される。アニオン性界面活性剤は、本明細書に記載の配合成分と物理的および化学的に適合性であるべきであり、または、製品の安定性、美観、もしくは性能を過度に損なうべきではない。本明細書の洗い流し組成物で使用するのに好適なアニオン性界面活性剤としては、ヘアケアまたは他のパーソナルケアクレンジング組成物での使用が知られているものが挙げられる。いくつかの実施形態では、1つ以上のアニオン性界面活性剤は、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルフェノキシポリオキシエチレンエタノールのスルフェートエステル、アルファ-オレフィンスルホネート、ベータ-アルキルオキシアルカンスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アルキルカーボネート、アルキルエーテルカルボキシレート、脂肪酸、スルホスクシネート、アルキルエーテルスルホスクシネート、サルコシネート、アルキルホスフェート、アミノ酸塩、オクトキシノールホスフェート、ノノキシノールホスフェート、タウレート、脂肪タウリド、硫酸化モノグリセリド、脂肪酸アミドポリオキシエチレンスルフェート、およびイセチオネート、ならびにこれらの混合物として知られている界面活性剤クラスから選択される。アニオン性界面活性剤は、一般に、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、リチウム塩、アルキルアンモニウム塩、またはヒドロキシアルキルアンモニウム塩の形態の中和塩として組成物中に存在する。多くの追加の好適な界面活性剤は、例えば、McCutcheon’s Detergents and Emulsifiers(North American Edition and International Edition,1994)に記載されている。
【0067】
いくつかの実施形態では、1つ以上のアニオン性界面活性剤は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,932,203号に記載されているアニオン性洗浄性界面活性剤から選択される。
【0068】
いくつかの実施形態では、1つ以上のアニオン性界面活性剤は、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルホスフェート、アミノ酸塩、例えば、N-アシル-L-グルタメート、アルファ-オレフィンスルホネート、アルキルサルコシネート、アルキルベンゼンスルホネート、アシルイセチオネート、アルキルスルホコハクネート、およびアシルメチルタウリド、ならびにこれらの混合物から選択される。いくつかの実施形態では、1つ以上のアニオン性界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、およびラウレス硫酸ナトリウム(エトキシル化ラウリルスルフェート)、ならびにこれらの混合物から選択される。いくつかの実施形態では、1つ以上のアニオン性界面活性剤は、ラウレス硫酸ナトリウムおよびラウリル硫酸ナトリウム、ならびにこれらの混合物から選択される。
【0069】
いくつかの実施形態では、本出願の洗い流し組成物は、約4.0重量%~約12.0重量%、約5.0重量%~約9.0重量%、約6.0重量%~約8.0重量%、または約7.0重量%~約8重量%の1つ以上のアニオン性界面活性剤を含む。他の実施形態では、本出願の洗い流し組成物は、約12重量%未満、約10.0重量%未満、約9.0重量%未満、約8.0重量%未満、約7.0重量%未満、約6.0重量%未満、約5.0重量%未満、または約4.0重量%以下の1つ以上のアニオン性界面活性剤を含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、1つ以上のアニオン性界面活性剤は、1つ以上のカチオン性ポリマーとコアセルベートを形成するのに有効な量で存在し、頭皮への活性剤を含む非極性の水非混和性溶媒の付着を容易にする。
【0071】
カチオン性ポリマー
カチオン性ポリマーは、本明細書に記載の配合成分と物理的および化学的に適合性であるべきであり、または、製品の安定性、美観、もしくは性能を過度に損なうべきではない。本明細書の洗い流し組成物で使用するのに好適なカチオン性ポリマーとしては、ヘアケアまたは他のパーソナルケアクレンジング組成物での使用が知られているものが挙げられる。
【0072】
いくつかの実施形態では、1つ以上のカチオン性ポリマーは、カチオン性セルロース誘導体と、カチオン性グアー誘導体と、アクリルアミドとのアクリルアミドプロピルトリモニウムクロリドコポリマーと、モノマージアリルジメチルアンモニウムクロリドから誘導されたホモポリマーと、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドとアクリルアミドとから誘導されたコポリマーと、
(a)式Iを有するモノマー
【化2】
(式中、R
1は、HまたはCH
3であり、Yは、OまたはNHであり、Zは、C
1~6アルキレンであり、R
2、R
3、およびR
4は、各々独立して、C
1~22アルキルまたはC
1~22ヒドロキシアルキルであり、Xは、ハロゲン化物およびC
1~4アルキルサルフェートから選択される一価アニオンである)、
(b)ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、
(c)ならびにこれらの混合物、から選択されるカチオン性モノマーのホモポリマーまたはコポリマーと、から選択される。
【0073】
いくつかの実施形態では、1つ以上のカチオン性ポリマーは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,932,203号に開示されているカチオン性ヘアコンディショニングポリマーから選択される。
【0074】
いくつかの実施形態では、1つ以上のカチオン性ポリマーは、カチオン性セルロース誘導体から選択される。いくつかの実施形態では、カチオン性セルロース誘導体は、ヒドロキシエチルセルロースとトリメチルアンモニウム置換エポキシドとの反応から誘導されるポリマー第四級アンモニウム塩である。この材料は、ポリクオタニウム-10として知られており、「CELQUAT(商標)」として、イリノイ州シカゴにあるAkzoNobel Surface Chemistryから市販されている。
【0075】
いくつかの実施形態では、カチオン性ヒドロキシエチルセルロースは、低粘度(例えば、2%水溶液の場合、400cPs)のポリクオタニウム-10ポリマー、および高粘度(例えば、1%水溶液の場合、1500cPs)のポリクオタニウム-10ポリマー、ならびにこれらの混合物から選択される。いくつかの実施形態では、カチオン性ヒドロキシエチルセルロースは、低粘度のポリクオタニウム-10ポリマーと高粘度のポリクオタニウム-10ポリマーとの混合物である。いくつかの実施形態では、低粘度ポリクオタニウム-10ポリマー対高粘度ポリクオタニウム-10ポリマーの重量比は、約2:1~約5:1、約2.5:1~約4.5:1、または約2.6:1~約4.2:1である。いくつかの実施形態では、低粘度ポリクオタニウム-10ポリマーはCelquat(商標)SC-240Cであり、高粘度ポリクオタニウム-10ポリマーはCelquat(商標)SC-230Mであり、これらは両方ともイリノイ州シカゴにあるAkzoNobel Surface Chemistryから市販されている。
【0076】
いくつかの実施形態では、本出願の洗い流し組成物は、約0.5重量%~約5.0重量%、約1.0重量%~約3.0重量%、約1.2重量%~約2.5重量%、または約1.5重量%~約2重量%の1つ以上のカチオン性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、本出願の洗い流し組成物は、約0.4重量%~約4.0重量%の1つ以上の低粘度カチオン性ポリマーおよび約0.1重量%~約1.0重量%の1つ以上の高粘度界面活性剤ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、本出願の洗い流し組成物は、約1重量%~約2.0重量%の1つ以上の低粘度カチオン性ポリマーおよび約0.2重量%~約0.5重量%の1つ以上の高粘度カチオン性ポリマーを含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、1つ以上のカチオン性ポリマーは、1つ以上のアニオン性界面活性剤とコアセルベートを形成するのに有効な量で存在し、活性剤を含む非極性の水非混和性溶媒の、身体上、例えば皮膚、頭皮、毛髪、および/または別の解剖学的表面上への付着を容易にする。
両性および非イオン性界面活性剤
【0078】
いくつかの実施形態では、本出願の組成物は、1つ以上の両性界面活性剤および/または1つ以上の非イオン性界面活性剤をさらに含む。本明細書の洗い流し組成物で使用するのに好適な両性および/または非イオン性界面活性剤としては、ヘアケアまたは他のパーソナルケアクレンジング組成物での使用が知られているものが挙げられる。両性界面活性剤および/または非イオン性界面活性剤は、本明細書に記載の配合成分と物理的および化学的に適合性であるべきであり、または、製品の安定性、美観、もしくは性能を過度に損なうべきではない。
【0079】
いくつかの実施形態では、1つ以上の両性および/または非イオン性ポリマーは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,932,203号に開示されている両性/双性イオンおよび非イオン性ポリマーから選択される。
【0080】
洗い流し組成物での使用に好適な両性界面活性剤は、当技術分野で良く知られており、脂肪族ラジカルが直鎖または分枝鎖であることができる脂肪族第二級および第三級アミンの誘導体として広く記載されている両性界面活性剤を含み、脂肪族置換基の1つは、約8~約18個の炭素原子を含有し、もう1つは、カルボキシ、スルホネート、スルフェート、ホスフェート、またはホスホネートなどのアニオン性水可溶性基を含有する。
【0081】
いくつかの実施形態では、好適な両性界面活性剤としては、アンホカルボキシレート、アルキルベタイン、アミドアルキルベタイン、アミドアルキルスルタイン、アンホホスフェート、ホスホベタイン、ピロホスホベタイン、およびカルボキシアルキルアルキルポリアミン、ならびにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、両性界面活性剤は、ココアミドプロピルベタインである。
【0082】
いくつかの実施形態では、本出願の洗い流し組成物は、約0.0重量%~約5.0重量%、約0.1重量%~約5.0重量%、0.5重量%~約4.5重量%、約2.0重量%~約4.0重量%、または約2.0重量%~約3.0重量%の1つ以上の両性界面活性剤を含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、好適な非イオン性界面活性剤としては、ポリソルベート20、C8~22アルキルグルコシド、ココナッツ脂肪酸モノエタノールアミド、例えば、コカミドMEA、およびココナッツ脂肪酸ジエタノールアミド、ならびにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、非イオン性界面活性剤はココモノエタノールアミドである。
【0084】
いくつかの実施形態では、本出願の洗い流し組成物は、約0重量%~約2.0重量%、約0.05重量%~約2.0重量%、0.1重量%~約1.5重量%、約0.2重量%~約1.0重量%、または約0.3重量%の1つ以上の非イオン性界面活性剤を含む。
【0085】
一実施形態では、本出願の洗い流し組成物は、約13重量%未満、約12重量%未満、約11重量%未満、約10重量%未満、約9重量%未満、約8重量%未満、または約7重量%未満の、アニオン性、カチオン性、非イオン性、および両性の界面活性剤を含む総界面活性剤を含む。
【0086】
界面活性剤の量と活性剤の付着量との間に反比例の関係が本出願の組成物に存在することが本明細書で確認されている。例えば、組成物中の総界面活性剤の量が多いほど、身体上、例えば皮膚、頭皮、毛髪、および/または別の解剖学的表面上への活性剤の付着レベルが低下する。理論に拘束されることなく、高レベルの界面活性剤は、洗い流し組成物のミセルにおける活性剤の捕捉を促進し、それによって、泡立ておよびすすぎ中に活性剤のウォッシュアウトをもたらすと考えられる。
【0087】
イオン強度調整剤
いくつかの実施形態では、本出願の洗い流し組成物は、1つ以上のイオン強度調整剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のイオン強度調整剤は、薬学的に許容されるアルカリ金属ハロゲン化物(例えば、塩化カリウムおよび塩化ナトリウム)およびアルカリ土類ハロゲン化物(例えば、CaCl2およびMgCl2)またはこれらの混合物である。いくつかの実施形態では、イオン強度調整剤は塩化ナトリウムである。いくつかの実施形態では、本出願の洗い流し組成物は、約0.1重量%~約2.0重量%、約0.3重量%~約1.5重量%、または約0.8重量%~約1.2重量%の1つ以上のイオン強度調整剤を含む。
【0088】
理論に拘束されることなく、イオン強度調整剤は、配合物中のミセルの構造に影響を及ぼし、それによって粘度に影響を及ぼす。
緩衝液/pH調整剤
【0089】
いくつかの実施形態では、本出願の洗い流し組成物は、1つ以上の緩衝液および/または1つ以上のpH調整剤をさらに含む。緩衝液およびpH調整剤は、当技術分野で良く知られており、任意の好適なそのような薬剤から選択することができる。いくつかの実施形態では、緩衝液はクエン酸緩衝液である。いくつかの実施形態では、pH調整剤は水酸化ナトリウム(NaOH)である。他の実施形態では、好適な緩衝液としては、クエン酸塩、乳酸塩、マンデル酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、グルクロン酸、グリコール酸塩、およびセバ酸塩、またはこれらの塩および混合物が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本出願の洗い流し組成物は、約0.1重量%~約2.0重量%、約0.3重量%~約1.5重量%、または約0.8重量%~約1.2重量%の1つ以上の緩衝液および/または1つ以上のpH調整剤を含む。
溶媒
【0090】
いくつかの実施形態では、水性界面活性剤マトリックスの溶媒は水である。いくつかの実施形態では、本出願の洗い流し組成物は、10重量%未満、約5重量%未満、約3重量%未満、約1重量%未満、または約0.5重量%未満の水混和性溶媒、例えば、エタノール、または他の水混和性有機溶媒、例えば、他の水混和性揮発性有機溶媒を含む。いくつかの実施形態では、本出願の洗い流し組成物は、水混和性溶媒、例えば、エタノール、または他の水混和性有機溶媒、例えば、他の水混和性揮発性有機溶媒を実質的に含まない。「実質的に含まない」という用語は、当該組成物が、約1重量%未満、約0.5重量%未満、または0.1重量%未満の水混和性溶媒、例えば、エタノール、または他の水混和性有機溶媒、例えば、他の水混和性揮発性有機溶媒を含むことを意味している。
【0091】
油相
いくつかの実施形態では、油相は、
a)1つ以上の活性剤と、
b)1つ以上の非極性の水非混和性溶媒と、
c)任意選択で、1つ以上の水非混和性または水不溶性成分と、
d)任意選択で、1つ以上の浸透促進剤と、を含む。
【0092】
いくつかの実施形態では、油相は、洗い流し組成物の約10重量%未満、約5重量%未満、約4重量%未満、約3重量%未満、または約2.5重量%未満である。いくつかの実施形態では、油相は、洗い流し組成物の約2重量%、約3重量%、または約3.5重量%である。
【0093】
非極性の水非混和性溶媒
いくつかの実施形態では、油相は、1つ以上の非極性の水非混和性溶媒を含み、溶媒は、20℃および大気圧で約10mg/ml未満の水溶性を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上の非極性の水非混和性溶媒は、室温で液体であり、水不溶性であり、約1~6のlog Pで1%を超えるHBP溶解度を有し得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の非極性の水非混和性溶媒は、合計で少なくとも2つの水素結合アクセプター/ドナーおよび約1~6のlog Pを有する水不溶性の液体であり得る。
【0094】
さらなる実施形態では、1つ以上の非極性の水非混和性溶媒は、イソプロピルN-ラウロイルサルコシネート、アジピン酸ジイソプロピル、ペパーミント油、およびココナッツ油、ならびにこれらの混合物から選択される。いくつかの実施形態では、非極性の水非混和性溶媒は、アジピン酸ジイソプロピルであり、任意選択でペパーミント油と組み合わせる。いくつかの実施形態では、本出願の洗い流し組成物は、約0.1重量%~約7.0重量%、0.5重量%~約5.0重量%、約0.6重量%~約4.0重量%、または約0.7重量%~約3.0重量%の1つ以上の非極性の水非混和性溶媒を含む。
【0095】
いくつかの実施形態では、1つ以上の非極性の水非混和性溶媒は、1つ以上の非極性の水非混和性溶媒の総重量に基づいて、約10重量%~約25重量%のペパーミント油を含む。いくつかの実施形態では、ペパーミント油は、洗い流し組成物の安定性および/または効力を改善する量で存在する。
【0096】
水非混和性または水不溶性成分
いくつかの実施形態では、油相は、1つ以上の水非混和性または水不溶性成分をさらに含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の水非混和性または水不溶性成分は、水と相互作用して油/水界面で水性ゲル相を生成することによって、界面活性剤相における油相の分散を拡散または安定化させるのを助ける成分から選択される。いくつかの実施形態では、1つ以上の水非混和性または水不溶性成分は、ジメチコン、シクロメチコン、および脂肪アルコール(例えば、セトステアリル、ミリスチル、セチル、およびステアリルアルコール)、ならびにこれらの混合物から選択される。いくつかの実施形態では、油相は、約0.1重量%~約1.5重量%、約0.3重量%~約1.3重量%、または約0.5重量%~約1.0重量%の1つ以上の水非混和性または水不溶性成分を含む。
【0097】
浸透促進剤
浸透促進剤は、洗い流し組成物の任意の配合成分である。さらに、毛髪、頭皮、または皮膚上への活性剤の付着は、浸透促進剤のファクターではない。活性剤の付着および浸透/透過は、互いに独立して起こり得る。
【0098】
いくつかの実施形態では、油相は、1つ以上の浸透促進剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の浸透促進剤は、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸、およびオレイン酸グリセリル、ならびにこれらの混合物から選択される。
【0099】
いくつかの実施形態では、本出願の組成物は、約0.1重量%~約2.0重量%、約0.2重量%~約1.75重量%、約0.75重量%~約1.5重量%、約0.1重量%~約1.0重量%、約0.25重量%~約0.75重量%、または約1.0重量%の1つ以上の浸透促進剤を含む。
【0100】
いくつかの実施形態では、1つ以上の浸透促進剤は、ラウリン酸メチルおよびミリスチン酸イソプロピルを含む。いくつかの実施形態では、本出願の組成物は、約0.2重量%~約0.3重量%、または約0.25重量%のラウリン酸メチルおよび約0.6重量%~約0.9重量%、または約0.75重量%のミリスチン酸イソプロピルを含む。
【0101】
一実施形態では、油相の総量は、組成物の約5重量%未満、約4重量%未満、約3重量%未満、または約2.5重量%未満である。別の実施形態では、油相の総量は、組成物の約2重量%、約3重量%、または約3.5重量%である。
【0102】
活性剤
いくつかの実施形態では、1つ以上の活性剤は、対象に局所投与されることが望ましいと考えられる任意の活性剤から選択される。例えば、1つ以上の活性剤は、皮膚および/または毛髪に影響を及ぼす状態を治療するための任意の活性剤から選択され得る。いくつかの実施形態では、皮膚は頭皮である。
【0103】
いくつかの実施形態では、1つ以上の活性剤は、薬物、化粧品、またはホメオパシー剤、ならびにこれらの組み合わせから選択される。
【0104】
いくつかの実施形態では、1つ以上の活性剤は疎水性である。
【0105】
いくつかの実施形態では、1つ以上の活性剤は、アゼライン酸、レチノール、トラネキサム酸、レゾルシノール、親油性ビタミンおよびビタミン誘導体、カンナビノイド(カンナビジオール(CBD)および/またはテトラヒドロカンナビノール(THC)を含む)、リドカイン、およびこれらの組み合わせから選択される。アゼライン酸は、にきびの治療に使用することができる。いくつかの実施形態では、レチノールは、老化防止および/またはしわ防止の目的で使用される。いくつかの実施形態では、トラネキサム酸、レゾルシノールおよび/または親油性ビタミン/ビタミン誘導体は、美白および/または色素沈着過剰のために使用される。いくつかの実施形態では、CBDは、皮膚の若返りのために、および/または乾癬および痛みを治療するために使用される。いくつかの実施形態では、リドカインは、疼痛緩和のために、および/または局所麻酔薬として使用される。
【0106】
いくつかの実施形態では、1つ以上の活性剤は、局所コルチコステロイドなどの選択されたコルチコステロイドである。いくつかの実施形態では、1つ以上の活性剤は、ヒドロコルチゾン、アムシノニド、ブデソニド、デソニド、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、ハルシノニド、トリアムシノロンアセトニド、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、フルオコルトロン、ハロメタゾン、モメタゾン、ジプロピオン酸アルクロメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、プロピオン酸クロベタゾール、酪酸クロベタゾン、酢酸フルプレドニデン、フロ酸モメタゾン、シクレソニド、酢酸コルチゾン、ヒドロコルチゾンアセポネート、酢酸ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンブテプレート、酪酸ヒドロコルチゾン、吉草酸ヒドロコルチゾン、プレドニカルベートチキソコルトールピバレート、ピバル酸クロコルトロン、およびこれらの混合物から選択される。
【0107】
いくつかの実施形態では、コルチコステロイドは、プロゲストゲン化合物およびメタゾン化合物、ならびにこれらの混合物から選択される。プロゲストゲン化合物は、プロゲステロン受容体に結合して活性化させるステロイドホルモンのクラスに属する化合物であり、その一例はプロゲステロンである。メタゾンは、プレグナンステロイド核のC16アルファまたはC16ベータ位置におけるメチル基による置換によって定義されるコルチコステロイドのクラスである。メタゾンの例としては、アルクロメタゾン、アメロメタゾン、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、コルメタゾン、デソキシメタゾン、デキサメタゾン、フルメタゾン、ハロメタゾン、イコメタゾン、モメタゾン、およびパラメタゾン、または薬学的に許容される塩、溶媒和物、および/またはこれらのプロドラッグが挙げられるが、これらに限定されない。
【0108】
いくつかの実施形態では、活性剤は、プロピオン酸ハロベタゾール(HBP)である。
【0109】
いくつかの実施形態では、1つ以上の活性剤は、成長促進剤、毛髪強化剤および着色剤、日焼け止め剤、除毛剤/脱毛剤、制汗剤、シラミ駆除剤、農薬、およびこれらの混合物から選択される。いくつかの実施形態では、成長促進剤はミノキシジルである。
【0110】
いくつかの実施形態では、1つ以上の活性剤は、抗真菌剤から選択される。抗真菌剤としては、アゾールが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アゾールは、ケトコナゾール、エコナゾール、ルルコナゾール、およびこれらの混合物から選択される。
【0111】
いくつかの実施形態では、1つ以上の活性剤は、炎症性皮膚疾患(例えば、炎症性頭皮疾患)、真菌性皮膚疾患(例えば、真菌性頭皮疾患)、脂漏性皮膚炎、乾癬、乾燥頭皮、および/またはフケの治療に有用な活性剤である。そのような状態を治療するのに有用な例示的な活性剤としては、硫化セレン、ジンクピリチオン、テルビナフィン、ナトリウムスルファセタミド、イソトレチノイン、トレチノイン酸、タール、ピロクトンオラミン、コールタール、硫黄、クライマゾール、シクロピロックスオラミン、ケトコナゾール、亜鉛オマジン、サリチル酸、角質溶解剤、およびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0112】
いくつかの実施形態では、使用され得る1つ以上の活性物質は、ビタミン、例えば、ビタミンD、ビタミンD類似体、カルシポトリエン、カルシポトリオール、ビタミンA、レチノイド、およびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0113】
使用できる他の治療活性剤の例としては、アドレナリン作動薬、副腎皮質ステロイド、副腎皮質抑制剤、アルドステロン拮抗薬、アミノ酸、同化剤、中枢神経刺激薬、鎮痛剤、麻酔剤、食欲抑制薬、抗にきび剤、アドレナリン拮抗薬、抗アレルギー薬、抗アメーバ薬、抗貧血薬、抗狭心症薬、抗関節炎薬、抗喘息薬、抗アテローム性動脈硬化薬、抗菌薬、抗コリン作動薬、抗凝固剤、抗けいれん剤、抗うつ薬、抗糖尿病剤、抗下痢剤、抗利尿薬、抗催吐剤、抗てんかん薬、抗線維素溶解薬、抗真菌剤、抗出血薬、抗ヒスタミン薬、抗高脂血症薬、降圧薬、抗低血圧薬、抗感染薬、抗炎症薬、抗微生物薬、抗片頭痛薬、抗有糸分裂薬、抗カビ剤(antimycotic)、制吐薬、抗腫瘍薬、抗好中球減少薬、抗寄生虫薬、抗増殖薬、抗精神病薬、抗リウマチ薬、抗脂漏薬、分泌抑制薬、抗痙攣薬、抗血栓薬、抗潰瘍薬、抗ウイルス薬、食欲抑制薬、血糖調節剤、骨吸収阻害剤、気管支拡張剤、心臓血管剤、コリン作動性薬、抑制剤、診断補助剤、利尿剤、ドーパミン作動剤、エストロゲン受容体アゴニスト、線維素溶解剤、蛍光剤、遊離酸素ラジカルスカベンジャー、胃酸抑制剤、胃腸運動エフェクター、糖質コルチコイド、発毛刺激剤、止血剤、ヒスタミンH2受容体拮抗薬、ホルモン、低コレステロール血症薬、血糖降下薬、抗高脂血症薬、降圧薬、造影剤、免疫剤、免疫調節薬、免疫制御剤、免疫刺激剤、免疫抑制剤、角質溶解剤、LHRHアゴニスト、気分調節剤、粘液溶解薬、散瞳薬、鼻うっ血除去剤、神経筋遮断剤、神経保護薬、NMDAアンタゴニスト、非ホルモン性ステロール誘導体、プラスミノーゲン活性化因子、血小板活性化因子アンタゴニスト、血小板凝集阻害薬、向精神薬、放射性薬剤、殺虫剤、硬化薬、鎮静剤、鎮静催眠薬、選択的アデノシンAlアンタゴニスト、セロトニンアンタゴニスト、セロトニン阻害薬、セロトニン受容体アンタゴニスト、ステロイド、甲状腺ホルモン、抗甲状腺薬、甲状腺模倣薬(thyromimetic)、精神安定剤、筋萎縮性側索硬化症薬、脳虚血薬、パジェット病剤、不安定狭心症薬、血管収縮剤、血管拡張薬、創傷治癒剤、キサンチンオキシダーゼ阻害剤などが挙げられる。
【0114】
いくつかの実施形態では、本出願は、組成物から、1つ以上の活性剤を除外する。例えば、一実施形態では、組成物からシリコーンが除外される。別の例では、組成物からジンクピリチオンが除外される。
【0115】
いくつかの実施形態では、本出願の1つ以上の活性剤を組成物から除外することが好ましい場合がある。例えば、一実施形態では、組成物からシリコーンが除外され得る。別の例では、組成物からジンクピリチオンが除外され得る。
【0116】
いくつかの実施形態では、本出願の洗い流し組成物は、約0.01重量%~約10.0重量%、約0.02重量%~約1.0重量%、または約0.03重量%~約0.5重量%、または約0.05重量%の1つ以上の活性剤を含む。
【0117】
追加の配合成分
いくつかの実施形態では、本出願の洗い流し組成物は、1つ以上の防腐剤、1つ以上の香料、1つ以上の保湿剤、1つ以上の発泡剤、1つ以上の推進剤、およびパーソナルケアまたはヘアケア組成物などの洗い流し組成物において使用される任意の他の配合成分、ならびにこれらの混合物から選択される追加の配合成分をさらに含む。これらの配合成分が油相または水性界面活性剤マトリックス中に含まれるか否かは、当業者によく知られているように、各配合成分の溶解特性に依存することになる。
【0118】
いくつかの実施形態では、保湿剤は、グリセリン、1,3-プロパンジオール、ソルビトール、および他の炭化水素ポリオール化合物、またはこれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、保湿剤はグリセリンである。いくつかの実施形態では、本出願の洗い流し組成物は、約0.5重量%~約3.0重量%、約1.0重量%~約2.5重量%、または約1.5重量%~約2.5重量%の1つ以上の保湿剤を含む。いくつかの実施形態では、保湿剤は、水性界面活性剤マトリックスに含まれる。
【0119】
いくつかの実施形態では、1つ以上の防腐剤は、当該技術分野で知られている任意の好適な防腐剤、例えば、Orth,Donald,Ph.D.Insights into Cosmetic Microbiology,Alluredbooks,Carol Stream II USA,2010に開示されているものから選択され、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、本出願の洗い流し組成物の1つ以上の防腐剤は、フェノキシエタノールカプリリルグリコール、1,2-ヘキサンジオール、デカン-1,2-ジオール、およびこれらの混合物から選択される。いくつかの実施形態では、本出願の洗い流し組成物の防腐剤は、Symrise AGから入手可能なフェノキシエタノールまたはSymocide(商標)PCである。いくつかの実施形態では、洗い流し組成物は、約0.1重量%~約2.0重量%、約0.3重量%~約1.5重量%、または約0.8重量%~約1.3重量%の1つ以上の防腐剤を含む。
【0120】
本出願の特定の組成物
いくつかの実施形態では、洗い流し組成物は、
a)1つ以上の活性剤と、
b)1つ以上のアニオン性界面活性剤と、
c)1つ以上のカチオン性ポリマーと、
d)1つ以上の両性界面活性剤および/または非イオン性界面活性剤と、
e)1つ以上のイオン強度調整剤と、
f)1つ以上の非極性の水非混和性溶媒と、
g)任意選択で、1つ以上の水非混和性または水不溶性成分と、
h)任意選択で、1つ以上の保湿剤と、
i)任意選択で、1つ以上の浸透促進剤と、
j)任意選択で、1つ以上の緩衝液、pH調整剤、および/または防腐剤と、
k)残りは水と、を含む。
【0121】
いくつかの実施形態では、洗い流し組成物は、
a)約4重量%~約12重量%の1つ以上のアニオン性界面活性剤と、
b)約0.5重量%~約5.0重量%の1つ以上のカチオン性ポリマーと、
c)約1.0重量%~約5.0重量%の1つ以上の両性界面活性剤と、
d)任意選択で、約0.1重量%~約1.0重量%の1つ以上の非イオン性界面活性剤と、
e)約0.1重量%~約2.0重量%の1つ以上のイオン強度調整剤と、
f)任意選択で、約0.1重量%~約2.0重量%の1つ以上の緩衝液および/またはpH調整剤と、
g)任意選択で、約0.1重量%~約2.0重量%の1つ以上の防腐剤と、
h)約0.01重量%~約1重量%の1つ以上の活性剤と、
i)約0.5重量%~約2.5重量%の1つ以上の非極性の水非混和性溶媒と、
j)任意選択で、約0.1重量%~約2.0重量%の1つ以上の水非混和性または水不溶性成分と、
k)任意選択で、約0.5重量%~約2.0重量%の1つ以上の浸透促進剤と、
l)任意選択で、約0.1重量%~約3.0重量%の1つ以上の保湿剤と、
m)残りは水と、を含む。
【0122】
いくつかの実施形態では、本出願の洗い流し組成物は、刺激性ではない。
【0123】
いくつかの実施形態では、油相対水性界面活性剤マトリックスの重量比は、約1:99~約1:9である。
【0124】
いくつかの実施形態では、活性剤の約25%~約50%または約27%~約45%は、1つ以上の非極性の水非混和性溶媒に可溶化される。
【0125】
いくつかの実施形態では、活性剤は、非微粒子状および可溶化形態で組成物中に存在する。
【0126】
いくつかの実施形態では、本出願の組成物は、約3、6、9、12、24、30、33、36、39、42、45、または48か月を超える許容可能な貯蔵寿命を有する。いくつかの実施形態では、本出願の組成物は、約12、24、または36か月を超える許容可能な貯蔵寿命を有する。いくつかの実施形態では、貯蔵寿命は、医薬品規制調和国際会議(ICH)の長期保管条件において、
(a)より活性な薬剤、薬学的に許容される塩、溶媒和物、および/またはこれらのプロドラッグの1つに関するアッセイの線形回帰の95%片側下限信頼区間、
(b)1つ以上の活性剤、薬学的に許容される塩、溶媒和物、および/またはこれらのプロドラッグに関する分解生成物の線形回帰の95%片側上限信頼区間、または
(c)組成物のpH安定性、によって決定される。
【0127】
いくつかの実施形態では、本出願の洗い流し組成物は、45℃で3、6、9、12、24、30、33、36、39、42、45、または48か月間保管した後、1つ以上の活性剤の元の量の約95%または約96%を超える量を含む。いくつかの実施形態では、本出願の洗い流し組成物は、25℃で3、6、9、12、または24か月間保管した後、1つ以上の活性剤の元の量の約95%、96%、97%、または約98%を超える量を含む。
【0128】
いくつかの実施形態では、本出願の洗い流し組成物は、45℃で3、6、9、12、24、30、33、36、39、42、45、または48か月間保管した後、約2%または3%を下回る不純物を含む。いくつかの実施形態では、本出願の洗い流し組成物は、25℃で3、6、9、12、または24か月間保管した後、約1%または2%を下回る不純物を含む。
【0129】
いくつかの実施形態では、本出願の洗い流し組成物は、微粒子を含有しない。いくつかの実施形態では、本出願の洗い流し組成物は、25℃または45℃で3、6、9、12、24、30、33、36、39、42、45、または48か月間保管した後、外観に変化はない。
【0130】
いくつかの実施形態では、洗い流し組成物は、組成物中の1つ以上の活性剤の総量の約5%~約30%の、適用表面上に1つ以上の活性剤の付着を提供する。いくつかの実施形態では、洗い流し組成物は、組成物中の1つ以上の活性剤の総量の約10%~約25%の、適用表面上に1つ以上の活性剤の付着を提供する。いくつかの実施形態では、洗い流し組成物は、組成物中の1つ以上の活性剤の総量の約5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%を超える、適用表面上に1つ以上の活性剤の付着を提供する。
【0131】
いくつかの実施形態では、洗い流し組成物は、約5.5~約7または約5.6~約6.5のpHを有する。
【0132】
いくつかの実施形態では、本出願の洗い流し組成物は、ヒト対象を含む対象での使用(摩耗)研究において実際に良好なレビューを示す。いくつかの実施形態では、洗い流し組成物は、ヒト対象を含む対象での摩耗研究において、良好な泡立ち特性、良好なすすぎ特性、良好な芳香特性、および/または良好な粘度特性を示す。いくつかの実施形態では、本出願の洗い流し組成物は、シャンプーClobex(商標)などの1つ以上の活性剤を含む他の市販の洗い流し組成物よりも摩耗研究において上位にランク付けされる。いくつかの実施形態では、摩耗研究は、洗い流し組成物が適用される対象の1つ以上の身体部分を湿潤させることと、対象の手のひらに適切な量の洗い流し組成物を、例えば、小さじ1~3杯または1つ以上の身体部分のサイズに好適な量の洗い流し組成物を分配することと、洗い流し組成物を1つ以上の身体部分に確実に接触させるために、指でマッサージしながら、対象の1つ以上の身体部分に洗い流し組成物を適用することと、を含む。次いで、対象を、洗い流し組成物を1つ以上の身体部分と少なくとも5分、しかし10分以下、接触させたままにし、続いて、洗い流し組成物にさらに水を加え、マッサージして泡を作り出してから、すすぐ。洗い流し組成物がシャンプー組成物である実施形態では、摩耗研究は、例えば、シャワーで、対象の頭皮および毛髪を湿潤させることと、対象の手のひらに約小さじ1杯(5mL)のシャンプー組成物を分配し、対象の頭皮に、そのシャンプー組成物を適用することと、指でマッサージして、シャンプーを頭皮(髪だけでなく)に確実に接触させることと、を含む。次いで、対象を、シャンプーを頭皮と少なくとも5分、しかし10分以下、接触させたままにし、続いて、シャンプーにさらに水を加え、マッサージして泡を作り出してから、すすぐ。
【0133】
III.本出願の方法
別の態様では、本出願は、1つ以上の活性剤を、それを必要とする対象に局所投与する方法であって、
a)本出願の洗い流し組成物を対象に局所適用することと、
b)水を添加し、任意選択で泡を作り出すことと、
c)当該組成物をすすぐことと、を含む、方法に関する。
【0134】
いくつかの実施形態では、本出願は、1つ以上の活性剤を、それを必要とする対象に局所投与する方法であって、
a)本出願のシャンプー組成物を対象に局所適用することと、
b)水を添加し、泡を作り出すことと、
c)当該組成物をすすぐことと、を含む、方法を含む。
【0135】
別の態様では、本出願は、プロピオン酸ハロベタゾールを含む洗い流し組成物を、それを必要とする対象に局所投与する方法であって、
a)本出願のプロピオン酸ハロベタゾールを含む洗い流し組成物を対象に局所適用することと、
b)水を添加し、任意選択で泡を作り出すことと、
c)当該組成物をすすぐことと、を含む、方法に関する。
【0136】
別の態様では、本出願は、プロピオン酸ハロベタゾールを含む洗い流し組成物を、それを必要とする対象に局所投与する方法であって、
a)プロピオン酸ハロベタゾールを含むシャンプー組成物を対象に局所適用することと、
b)水を添加し、泡を作り出すことと、
c)当該組成物をすすぐことと、を含む、方法を含む。
【0137】
一実施形態では、本出願の方法のステップa)~ステップb)の時間は、15分未満、10分未満、または約5分である。別の実施形態では、本出願の方法のステップa)~ステップc)の時間は、15分未満、10分未満、または約5分である。
【0138】
本出願の洗い流し組成物は、比較配合と比較した場合、改善された活性剤付着を示す。本明細書に記載のように、比較配合は、HBP Clobex Replicate(またはClobex HBP System)である(実施例を参照されたい)。一実施形態では、本出願の組成物によって皮膚、頭皮、または毛髪上に付着した活性剤の量は、比較配合に比べて、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、または少なくとも10倍である。
【0139】
一実施形態では、本出願の方法のステップa)~b)の時間における身体上、例えば、皮膚、頭皮、毛髪、または別の解剖学的表面上に付着した活性剤の量は、当該組成物中の活性剤の総濃度の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、または50%である。別の実施形態では、本出願の方法のステップa)~b)の時間における身体上、例えば、皮膚、頭皮、毛髪、または別の解剖学的表面上に付着した活性剤の量は、コンパレータ組成物の、身体上、例えば、皮膚、頭皮、毛髪、または別の解剖学的表面上に付着した活性剤に比べて5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、またはそれより多い。
【0140】
一実施形態では、本出願の方法のステップa)~b)の時間は、15分未満、10分未満、または約5分であり、ステップa)~b)の時間における身体上、例えば、皮膚、頭皮、毛髪、または別の解剖学的表面上に付着した活性剤の量は、当該組成物中の活性剤の総濃度の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、または50%である。別の実施形態では、本出願の方法のステップa)~b)の時間は、15分未満、10分未満、または約5分であり、身体上、例えば、皮膚、頭皮、毛髪、または別の解剖学的表面上に付着した活性剤の量は、コンパレータ組成物の、皮膚、頭皮、または毛髪上に付着した活性剤に比べて5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、またはそれより多い。
【0141】
別の態様では、本出願は、1つ以上の活性剤を用いて、疾患、障害、もしくは状態を治療および/もしくは予防する方法、または疾患、障害、もしくは状態の症状を治療および/もしくは予防する方法であって、
a)本出願の洗い流し組成物を、それを必要とする対象に局所適用することと、
b)水を添加し、任意選択で泡を作り出すことと、
c)当該組成物をすすぐことと、を含み、
疾患、障害、または状態は、1つ以上の活性剤で治療可能なものである、方法に関する。
【0142】
いくつかの実施形態では、本出願は、1つ以上の活性剤を用いて、疾患、障害、もしくは状態を治療および/もしくは予防する方法、または疾患、障害、もしくは状態の症状を治療および/もしくは予防する方法であって、
a)本出願のシャンプー組成物を、それを必要とする対象に局所適用することと、
b)水を添加し、泡を作り出すことと、
c)当該組成物をすすぐことと、を含み、
疾患、障害、または状態は、1つ以上の活性剤で治療可能なものである、方法を含む。
【0143】
別の態様では、本出願は、それを必要とする対象の身体の方法であって、
a)本出願の洗い流し組成物を対象に局所適用することと、
b)水を添加し、任意選択で泡を作り出すことと、
c)当該組成物をすすぐことと、を含む、方法に関する。
【0144】
別の態様では、本出願は、それを必要とする対象の毛髪、頭皮、および/または皮膚をクレンジングする方法であって、
d)本出願の洗い流し組成物を対象に局所適用することと、
e)水を添加し、任意選択で泡を作り出すことと、
f)当該組成物をすすぐことと、を含む、方法に関する。
【0145】
いくつかの実施形態では、本出願は、それを必要とする対象の毛髪および頭皮をクレンジングする方法であって、
a)本出願のシャンプー組成物を対象に局所適用することと、
b)水を添加し、任意選択で泡を作り出すことと、
c)当該組成物をすすぐことと、を含む、方法を含む。
【0146】
別の態様では、本出願は、本出願の洗い流し組成物を使用して、それを必要とする対象に1つ以上の活性剤を投与することに関する。一実施形態では、本出願は、本出願のシャンプー組成物を使用して、それを必要とする対象に1つ以上の活性剤を投与することに関する。
【0147】
別の態様では、本出願は、それを必要とする対象の疾患、障害、または状態を治療、および/または予防するための本出願の洗い流し組成物の使用に関し、当該の疾患、障害、または状態は、1つ以上の活性剤で治療可能なものである。いくつかの実施形態では、本出願は、それを必要とする対象の疾患、障害、または状態を治療および/または予防するための本出願のシャンプー組成物の使用を含み、当該の疾患、障害、または状態は、1つ以上の活性剤で治療可能なものである。
【0148】
別の態様では、本出願は、本出願の洗い流し組成物を使用して、それを必要とする対象の身体をクレンジングすることに関する。別の態様では、本出願は、本出願の洗い流し組成物を使用して、それを必要とする対象の毛髪、頭皮、および/または皮膚をクレンジングすることに関する。いくつかの実施形態では、本出願は、本出願のシャンプー組成物を使用して、それを必要とする対象の毛髪および頭皮をクレンジングすることに関する。
【0149】
いくつかの実施形態では、洗い流し組成物は、対象の身体上に使用されるか、または身体に適用される。いくつかの実施形態では、洗い流し組成物は、対象の皮膚上に使用されるか、または皮膚に適用される。いくつかの実施形態では、洗い流し組成物は、対象の毛髪、頭皮、または皮膚上に使用されるか、またはそれらに適用される。いくつかの実施形態では、洗い流し組成物は、任意選択の泡立ておよびすすぎの前に、5~15分未満の間、対象に使用されるか、または適用される。いくつかの実施形態では、洗い流し組成物は、任意選択の泡立ておよびすすぎの前に、10分未満の間、対象に使用されるか、または適用される。いくつかの実施形態では、洗い流し組成物は、任意選択の泡立ておよびすすぎの前に、5分未満の間、対象に使用または適用される。
【0150】
いくつかの実施形態では、洗い流し組成物の有効量が、使用または適用され、当該有効量は、1つ以上の活性剤で治療可能な疾患、障害、もしくは状態を治療するのに有効な量であり、および/または1つ以上の活性剤で治療可能な疾患、障害、または状態の症状を治療するのに有効な量である。いくつかの実施形態では、1つ以上の活性剤はコルチコステロイドであり、活性剤で治療可能な状態は、フケ、脂漏性皮膚炎、および/または乾癬から選択される。いくつかの実施形態では、1つ以上の活性剤は、炎症性皮膚疾患、炎症性頭皮疾患、真菌性皮膚疾患、真菌性頭皮疾患、脂漏性皮膚炎、乾癬、乾燥皮膚、乾燥頭皮、および/またはフケを治療する際に有用である。
【0151】
例えば、洗い流し組成物は、少なくとも1日1回適用または使用され得る。しかしながら、別の実施形態では、洗い流し組成物は、週に約1回から週に6回、適用または使用される。別の実施形態では、洗い流し組成物は、週に約1回から1日約1回または約2回適用または使用される。いくつかの実施形態では、洗い流し組成物は、週に1回から2週間に1回、3週間に1回、4週間に1回、または月に1回適用または使用される。いくつかの実施形態では、洗い流し組成物は、1日1回、1日2回、1日3回、または1日4回適用または使用される。治療の長さおよびタイミングは、さまざまなファクター、例えば、疾患、障害または状態の重症度、対象の年齢、1つ以上の活性剤の濃度および/または活性、および/またはこれらの組み合わせによって左右される。治療に使用される洗い流し組成物の有効量は、特定の治療療法の過程で増加または減少し得ることも理解されよう。投与量の変化は、当技術分野で知られている標準的な診断アッセイによって生じ、明らかになる可能性がある。いくつかの場合では、長期にわたる投与が必要である。例えば、洗い流し組成物は、対象を治療するのに十分な量および期間で投与または使用され得る。
【0152】
疾患、障害、または状態を治療するという文脈において、有効量とは、例えば、本出願の洗い流し組成物の投与または使用の無い治療と比較して、疾患、障害、または状態を治療する量である。いくつかの実施形態では、有効量は、対象の疾患状態、年齢、性別、および/または体重などのファクターに従って変化する。さらなる実施形態では、有効量に相当する所与の組成物の量は、所与の活性剤、組成物、状態のタイプ、疾患または障害、治療される対象のアイデンティティなどのファクターに従って変化するであろうが、それにもかかわらず、当業者によって型通りに決定される場合がある。
【0153】
いくつかの実施形態では、本出願の組成物は、デバイスの文脈で、デバイスと一緒に、またはデバイスの一部として使用される。いくつかの実施形態では、デバイスは、組成物の使用、適用、または投与を容易にするためであり、例えば、発泡デバイス、エアロゾルデバイス、ポンプデバイス、ロールオンデバイス、または任意の他の好適なアプリケータ、例えば、ブラシ、くし、スポンジ、パッドなどが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本出願の組成物は、美容目的のために使用される。
【0154】
本出願の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、本出願の実施形態を示している詳細な説明および特定の例は、ただ例示として与えられており、また、これらの実施形態によって特許請求の範囲は限定されるべきではないが、全体としての説明と一致する最も広い解釈を与えられるべきである、ことを理解すべきである。
【0155】
IV.実施例
実施例1:活性剤としてHBPを使用するClobex(商標)組成物
プロピオン酸クロベタゾール(CP)の代わりにHBPを使用したClobex配合の複製(米国特許第7,316,810号、同第7,700,081号、および同第8,066,975号に基づくClobex配合の複製)を、ビヒクル(HBPは水で置き換えた)の他に調製して、シャンプー組成物としての洗い流し組成物の試作品に関するその後の評価のためのベンチマークを提供した。これらの組成物のこれらの含有量を表1に提供する。
【0156】
Clobexシャンプーに10%エタノールを含めることは、シャンプーの泡立ちに悪影響を与えることが予想され、皮膚に長時間放置すると刺激を引き起こし得るが、CPを可溶化し、ならびにClobex製品ラベルに記載されている15分間の「放置(leave-on)」の間に薬物の皮膚吸収を高めるために、製品に組み込まれていると考えられる。
【表1】
【0157】
実施例2:本出願の例示的な組成物
以下の組成物は、さまざまな界面活性剤のタイプおよびレベル、さまざまなレベルのカチオン性ポリマー、およびさまざまなタイプおよびレベルの水不溶性油相溶媒を使用して調製した。
【表2】
【0158】
組成物HA、HA-2、およびCA(表2に示した)は、組成物AA(表2に示した)と比較して、カチオン性ポリマーの総量が少なく、界面活性剤レベルは高くなっているが、泡立ちおよびレオロジーを改善するために油相に変更を加えた。総油相レベルが低下し、セトステアリルアルコールおよびシクロメチコンを除去した。より高いMWの油成分であるココナッツ油を、HBPの溶解性のために導入した。アジピン酸ジイソプロピルのレベルを、HAおよびCAが含むHBP、ならびにペパーミント油を可溶化するのに必要なレベルに最小限に抑えて、HBPを可溶化させるのを助けた。
【0159】
実施例3:組成物のin vitroでの皮膚付着および安定性
(a)活性剤の付着
Clobex HBP複製および組成物AA、HA、およびCA(API)を、以下のシミュレートされたシャンプープロトコルを使用して、約35℃に維持された直径15mmのフランツセルに取り付けたヒトの死体皮膚にin vitroで付着させた薬物の量を評価した。
生成物の適用
・細胞あたり17~20mgの目標量を適用し、必要に応じて拡散させて、均一な皮膚被覆を達成し、15分間放置する。
・移動相で分析するために、拡散デバイスに接着している生成物/薬物を回収する。
・200μLの水を加えて混合して、約30秒間泡立てる。
・さらに0.5mLの水で希釈し、60秒間混合する。
・水/生成物を注ぎ出し、分析のために保持する。
・1.0mLの水ですすぎ、分析のために回収する。
・試験手順の終了(24時間)
・レセプター液を取り出し、アッセイのために保持する。
・皮膚を取り出し、濾紙(移動相に浸したもの)で強く拭いて、残留物を取り除く。
・薬物アッセイのために濾紙を抽出する。
・薬物アッセイのために、皮膚を切り取り、移動相で抽出する。
アッセイ:
・拡散デバイスに接着した薬物
・泡立ちおよび希釈由来の水/生成物
・すすぎ水
・組み合わせることができた水系
・レセプター液
・試験終了時に残留生成物を除去するために使用された濾紙の抽出
・皮膚の抽出
【0160】
4つの生成物の各々の4つの複製を評価した。
【0161】
表3は、24時間後に皮膚表面で検出されたHBPの量をまとめていて、それは、適用中に組成物から付着した薬物の量と見なすことができる。3つの組成物はすべて、24時間後のHBP量がClobex複製よりもかなり高かった。これは、シャンプーマトリックスの分散油相にHBPを組み込むアプローチが、比較的高レベルのエタノール(10%)を含有する界面活性剤マトリックスに薬物を可溶化するClobexで使用されるアプローチよりもHBPを付着させることに優れていることを示唆している。組成物AAは最も好ましい結果をもたらした。
【表3】
【0162】
(b)安定性
表4~7は、25℃および45℃(加速条件)でのClobex HBP複製および組成物AA、HA、およびCAに関する3か月における利用可能な安定性データのまとめを示している。
【0163】
表4に示したように、HBPを使用したClobexの複製は、明澄であり、他の最終的な組成物はわずかに不透明であった。Clobexの複製および配合物HAおよびCAは、25℃および45℃で3か月間物理的に安定しているように見えた。組成物AAは、45℃(加速条件)で3か月間安定であった。
【表4】
【0164】
(c)pH安定性
表5に示したように、すべての生成物は、25℃で比較的安定なpH値を有していた。
【表5】
【0165】
(d)HBPの安定性および不純物
HBPの安定性(表6)および不純物の存在(表7)は、25℃および45℃の両方において、Clobex HBP複製と一緒に、組成物AA、HA、およびCA(API)について評価した。
【表6】
【表7】
【0166】
実施例4:摩耗研究
Clobex HBP複製および組成物AA、HA、およびCA(API)配合物を、次の手順を使用して、7人の患者によって使用中の特性について評価した。
「シャワーで頭皮および髪を湿潤させる。小さじ1杯のシャンプーを手のひらに分配し、頭皮に適用し、指でマッサージして、シャンプーが毛髪だけでなく頭皮にも接触するようにする。シャンプーを頭皮に接触させたまま(および少なくとも5分間)、身体の残りの部分にシャワーをし続ける。
頭皮上のシャンプーに水を添加し、マッサージして、泡立ちを作り出す。すすいで、シャンプーと身体の残りの部分との接触を最小限に抑える。」
【0167】
その結果を表8に示す。まとめられたランキングに基づくと、HAが最も好ましく、次にCAが続き、どちらもClobex HBP複製よりもはるかに高く評価された。AAは、Clobex HBP複製と同様の評価であった。
【表8】
【0168】
実施例5:0.5%サリチル酸を含むにきび洗顔剤またはクレンザー
【表9】
【0169】
本願発明を、実施例を参照して説明してきたが、特許請求の範囲は、実施例に記載された実施形態によって限定されるべきではなく、本明細書全体と一致する最も広い解釈が与えられるべきであることを理解されたい。
【0170】
すべての出版物、特許、および特許出願は、個々の出版物、特許、または特許出願が、参照によりその全体が組み込まれることが明確かつ個別に示されているのと同程度に、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。本出願における用語が、参照により本明細書に組み込まれる文書において異なるように定義されていることが判明した場合、本明細書に提供される定義は、その用語の定義として機能するものである。
【国際調査報告】