(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-11
(54)【発明の名称】アブレーションエネルギーを送達するための生体適合性金属デバイス
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20220428BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021570899
(86)(22)【出願日】2020-05-29
(85)【翻訳文提出日】2022-01-21
(86)【国際出願番号】 US2020035088
(87)【国際公開番号】W WO2020243406
(87)【国際公開日】2020-12-03
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516277576
【氏名又は名称】リウー, ロバート エフ.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】リウー, ロバート エフ.
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK04
4C160KK15
4C160KK37
(57)【要約】
本開示は、アブレートされるべき標的組織への伝導性流体の搬送を可能にするような多孔性を提供するためのメッシュの形態にある、生体適合性材料から成る、アブレーションデバイスを対象とする。メッシュはまた、生体適合性材料の耐久性を向上させ、アブレーション鉗子およびアブレーションプローブ等の再利用可能なデバイスならびに使い捨て可能なアブレーションデバイスの両方ために必要とされる、生体適合性材料の量を低減させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉗子であって、
第1および第2のピンサであって、各ピンサは、中間本体部分と、前記本体部分から延在する近位部分と、前記本体部分から延在する遠位部分とを有する、第1および第2のピンサと、
前記第1のピンサ、第2のピンサ、または前記第1のピンサおよび第2のピンサの両方の遠位部分まで延在する、少なくとも1つの管腔と、
電気エネルギー源および前記第1のピンサの近位端に動作可能に結合されている、第1の導電体と、
接地および前記第2のピンサの近位端に動作可能に結合されている、第2の導電体と、
生体適合性材料のメッシュを備える、各ピンサの前記遠位部分に動作可能に接続されている、伝導性先端であって、各伝導性先端は、前記少なくとも1つの管腔と流体連通し、前記少なくとも1つの管腔から前記メッシュを通した前記伝導性先端の外部への流体の通過を可能にするように構成されている、伝導性先端と
を備え、
前記鉗子は、相互に向かって圧縮されると、前記第1および第2のピンサの遠位部分の前記伝導性先端に、アブレーションのための電気エネルギーを送達するように構成されている、鉗子。
【請求項2】
前記鉗子は、前記第1および第2のピンサが、相互に向かって圧縮されると、流体を前記少なくとも1つの管腔から前記伝導性先端の外部に送達するように構成されている、請求項1に記載の鉗子。
【請求項3】
前記メッシュは、融合層から成る、請求項1に記載の鉗子。
【請求項4】
前記メッシュは、1つ、2つ、3つ、または5つの層から成る、請求項3に記載の鉗子。
【請求項5】
各伝導性先端の前記メッシュは、厚さが約1,700マイクロメートルである、請求項4に記載の鉗子。
【請求項6】
前記生体適合性材料は、銀、金、チタン、タングステン、またはステンレス鋼から成る、請求項1に記載の鉗子。
【請求項7】
前記生体適合性材料は、焼結される、請求項6に記載の鉗子。
【請求項8】
前記アブレーションのためのエネルギーは、双極エネルギーである、請求項1に記載の鉗子。
【請求項9】
前記鉗子の前記本体部分、遠位部分、および/または近位部分は、生体適合性材料の前記メッシュを備える、請求項1に記載の鉗子。
【請求項10】
前記鉗子は、使い捨て可能である、請求項1に記載の鉗子。
【請求項11】
各ピンサ上の前記メッシュは、厚さが12.7マイクロメートル~127マイクロメートルの範囲内である、請求項10に記載の鉗子。
【請求項12】
前記メッシュは、1~50のミクロン定格を有する、請求項1に記載の鉗子。
【請求項13】
前記メッシュは、15~35のミクロン定格を有する、請求項12に記載の鉗子。
【請求項14】
前記メッシュは、25のミクロン定格を有する、請求項13に記載の鉗子。
【請求項15】
プローブであって、
近位端と、遠位端とを有する、伸長シャフトと、
前記伸長シャフトの遠位端まで延在する少なくとも1つの管腔と、
電気エネルギー源および前記伸長シャフトの近位端に動作可能に結合されている、第1の導電体と、
生体適合性材料のメッシュを備える、前記伸長シャフトの遠位部分に動作可能に接続されている、1つ以上の伝導性先端であって、前記1つ以上の伝導性先端は、前記少なくとも1つの管腔と流体連通し、前記少なくとも1つの管腔から前記メッシュを通した前記1つ以上の伝導性先端の外部への流体の通過を可能にするように構成されている、1つ以上の伝導性先端と
を備え、
前記プローブは、標的組織と接触すると、前記伸長体の遠位部分の前記1つ以上の伝導性先端に、アブレーションのための電気エネルギーを送達するように構成されている、プローブ。
【請求項16】
鉗子は、前記1つ以上の伝導性先端が、標的組織と接触すると、流体を前記少なくとも1つの管腔から前記1つ以上の伝導性先端の外部に送達するように構成されている、請求項15に記載のプローブ。
【請求項17】
前記メッシュは、融合層から成る、請求項15に記載のプローブ。
【請求項18】
前記メッシュは、1つ、2つ、3つ、または5つの層から成る、請求項16に記載のプローブ。
【請求項19】
前記1つ以上の伝導性先端のメッシュは、厚さが約1,700マイクロメートルである、請求項18に記載のプローブ。
【請求項20】
前記生体適合性材料は、銀、金、チタン、タングステン、またはステンレス鋼から成る、請求項16に記載のプローブ。
【請求項21】
前記生体適合性材料は、焼結される、請求項20に記載のプローブ。
【請求項22】
前記アブレーションのためのエネルギーは、RFエネルギーである、請求項16に記載のプローブ。
【請求項23】
前記伸長シャフトは、生体適合性材料の前記メッシュを備える、請求項16に記載のプローブ。
【請求項24】
前記鉗子は、使い捨て可能である、請求項16に記載のプローブ。
【請求項25】
各ピンサ上の前記メッシュは、厚さが12.7マイクロメートル~127マイクロメートルの範囲内である、請求項24に記載のプローブ。
【請求項27】
前記メッシュは、1~50のミクロン定格を有する、請求項16に記載のプローブ。
【請求項28】
前記メッシュは、15~35のミクロン定格を有する、請求項27に記載のプローブ。
【請求項29】
前記メッシュは、25のミクロン定格を有する、請求項28に記載のプローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本願は、そのそれぞれの内容が、参照することによってそれらの全体として本明細書に組み込まれる、2019年5月31日に出願された米国仮出願第62/855,472号、および2019年5月31日に出願された米国仮出願第62/855,477号の利益を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、概して、組織のアブレーションのためのエネルギーを送達するために設計される一方、本デバイスの接触端への身体組織の付着を防止するように設計される、使い捨て可能な、双極アブレーション鉗子およびプローブに関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
アブレーション療法は、医療従事者(すなわち、外科医)が、多くの条件下に存在する異常な組織を破壊する、または外科手術に続いて組織を凝固させ、シールするために使用する、あるタイプの低侵襲性手技である。
【0004】
アブレーションエネルギーを送達する、双極鉗子が、典型的には、導電体に接続される、近位端と、鉗子の使用の間に先端間で身体組織に接触し、それを握持または狭持する先端を伴う、反対の遠位端とを有する、一対の電極アームを伴って構築される。鉗子アームが、外科医によって手動で操作され、アームの遠位端先端間で身体組織を握持すると、電流が、一方の鉗子アームから身体組織を通して他方の鉗子アームまで流される。鉗子先端および身体組織を通して通過する本電流は、鉗子先端ならびに先端間で保持される身体組織を加熱し、組織を継合または凝固させる。
【0005】
アブレーションプローブもまた、アブレーションエネルギーを送達するために使用されることができる。アブレーションプローブは、先端を伴う遠位端を伴う、伸長シャフトを備えてもよい。プローブは、患者の身体の中に導入され、組織へのアブレーションのための指向されるエネルギーを、プローブの遠位端の先端から送達することができる。
【0006】
患者の安全性の理由のために、身体組織に接触するアブレーション鉗子またはプローブの一部が、身体組織と反応しないであろう、生体適合性材料から構築または形成されることが、要求される。デバイスの先端上で一般的に使用される生体適合性材料は、ステンレス鋼、チタン、タングステン、金、または銀等の高価な金属である。デバイス先端上での本金属の使用は、鉗子の製造コストにおける重要な要因である。
【0007】
しかしながら、さらに依然として、アブレーションデバイスから生産される熱が、生体適合性材料に付着する身体組織の部片をもたらし得る。結果として、外科手術手技に続くデバイスの滅菌は、身体組織を除去するために、デバイス先端の擦落または掻爬を要求し、高価な生体適合性金属の一部が先端から除去されることをもたらす。ある時間周期にわたって、およびデバイス先端の数回の使用ならびに後続の洗浄の後、十分な量の生体適合性金属が、デバイスから、生体適合性材料がもはや器具の使用時において身体組織に接触しないであろう場所まで除去され得る。
【0008】
双極電気外科手術デバイスの耐用寿命を延長するために、層の厚さまたはデバイスの遠位端先端における生体適合性金属の量が、増大される必要がある。遠位端先端上の生体適合性金属の量の増大に伴って、鉗子は、生体適合性金属が、先端の繰り返される滅菌および擦落ならびに掻爬によってデバイス先端から離れるように摩耗する前に、より多い回数、使用および滅菌されることができる。しかしながら、デバイスの遠位端先端上で使用される生体適合性金属のタイプ(すなわち、金、銀等)に起因して、金属の厚さを増大させることは、外科手術用器具のコストを有意に増大させる。
【0009】
アブレーション鉗子およびアブレーションプローブはまた、鉗子またはプローブを通して延在する、管腔を備え、灌流生理食塩水等の伝導性流体を、周囲の組織の中への灌流のために、鉗子またはプローブの遠位端に送達し得る。伝導性流体は、アブレートされている組織の局地的温度を低減させ、組織の蒸発および焼焦を最小限化することが示されている。伝導性流体を使用するために、本デバイスの遠位端または鉗子電極アームもしくはプローブシャフトの全体が、多孔性構造物から構成され、伝導性流体が、アブレーションプロセスの間に、管腔を通して、多孔性構造物を通して外に、隣接する組織の中に搬送されることを可能にする。
【0010】
先行技術において使用される、多孔性構造物は、焼結プロセスを使用して形成され、これは、複数の粒子(好ましくは、潤滑剤および/または合金元素と混合された微粉砕金属粉末の混成物)を、ある形状に圧密し、次いで、混成物を高温に曝すことを伴う。粒子を圧密すると、制御される量の混合された粉末が、精密ダイの中に自動的に重力供給され、通常、低圧における室温において、圧密される。これは、いったんダイから射出されると、工程内での取扱および焼結炉への輸送を可能にするために十分に堅性になるであろう。粉末鍛造、静水圧プレス、押出、射出成型、および溶射成形等の他の専門的な圧密ならびに代替形成方法もまた、使用されることができる。焼結の間に、未完成材料が、制御雰囲気炉内に設置され、焼結温度において保持される、ベース金属の融解点を下回る温度まで加熱され、次いで、冷却される。焼結は、粉末粒子間の圧密された機械的接合を冶金的結合に変換する。接触点の間の間質空間が、細孔として維持されるであろう。構造物の多孔性の量および特性が、粉末特性、粉末組成、ならびに圧密化、および焼結プロセスを通して制御されることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
(発明の要約)
しかしながら、焼結された材料は、脆性であり、生体適合性金属を要求する、再利用可能なアブレーションデバイスの作用部分の全体または有意な部分を形成するために使用されることはできない。これは、焼結された材料が、強度を欠き、電気外科手術デバイスの耐用寿命を延長するために必要とされる、生体適合性の金属の必要とされる厚さまたは耐久性を提供し得ないためである。
【0012】
伝導性流体の組織への搬送を可能にするために、多孔性を伴う、対象の組織との接触点において、生体適合性金属を提供する、アブレーションデバイスの必要性が、存在する。また、製造コストを低減させ、単回使用後のデバイスの処分も可能にし得る様式において構築される、アブレーションデバイスの必要性も、残存している。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(融合メッシュ)
本発明は、伝導性流体の標的組織への搬送を可能にするために多孔性を提供するための、メッシュの形態にある、生体適合性材料から成る、アブレーションデバイスを提供する。本発明の側面では、メッシュは、融合メッシュを含んでもよい。メッシュはさらに、焼結された生体適合性材料から成ってもよい。メッシュは、提供される種々の厚さの生体適合性材料が、再利用可能なデバイスおよび使い捨て可能なデバイスとともに使用されることを可能にする。本発明のデバイス内で使用されるメッシュは、産業用ローラを用いて均一に製織(またはカレンダ処理)され、炉内で、機械的加重下で積層されてもよい。本発明の側面では、メッシュは、炉の内側において高温の不活性ガス下で、融合(拡散接合)された状態になり、個々のワイヤおよびメッシュの各隣接する層が、相互に接合することをもたらす。いったん制御された環境内で冷却されると、メッシュは、堅性になる。有利なこととして、非メッシュ状に焼結される金属よりも、メッシュは、焼結された材料から構成される場合でも、著しく強力であり、液体のミクロン未満の濾過のために使用されることができ、高圧に耐えながら、安定した濾過定格を維持することができる。メッシュは、いかなる内部支持体も要求せず、これは、メッシュを経時的に材料の損失なく、耐久性があり、洗浄することを容易にする。メッシュはさらに、極めて高い温度、重い機械的圧力、酸化、水圧、腐食、および摩耗に対して耐久性がある。
【0014】
メッシュ内の生体適合性材料は、銀、金、チタン、タングステン、またはステンレス鋼であってもよい。生体適合性材料は、焼結されてもよい。好ましい実施形態では、メッシュは、焼結されたステンレス鋼メッシュである。有利なこととして、メッシュは、ともに接合される、例えば、融合される、複数の層を備える。例えば、生体適合性材料は、1つ、2つ、3つ、または5つの層のメッシュであってもよい。生体適合性材料のメッシュは、TWP Inc.(Berkley,Californiaを本拠地とする)によって販売されるものであってもよい。
【0015】
本発明のデバイス内で使用されるメッシュは、当業者が、本デバイスのニーズに従って選択することが可能であるであろう、複数の幅および厚さで使用可能であってもよい。
【0016】
有利なこととして、生体適合性材料のメッシュが、多孔性であるため、液体が、メッシュを通して濾過することができる。当業者はまた、本デバイスのニーズのために好適な、ミクロン定格を選択することが可能となるであろう。本発明の側面では、生体適合性材料のメッシュは、1~50のミクロン定格を有してもよい。例えば、メッシュは、約15~35のミクロン定格を有してもよい。メッシュは、25のミクロン定格を有してもよい。
【0017】
(双極鉗子)
故に、本発明のある側面では、提供されるものは、第1および第2のピンサであって、各ピンサは、中間本体部分と、本体部分から延在する、近位部分と、本体部分から延在する、遠位部分とを有する、第1および第2のピンサとを備える、鉗子である。鉗子は、第1のピンサ、第2のピンサ、または第1のピンサおよび第2のピンサの両方の遠位部分まで延在する、少なくとも1つの管腔と、電気エネルギー源ならびに第1のピンサの近位端に動作可能に結合される、第1の導電体と、接地および第2のピンサの近位端に動作可能に結合される、第2の導電体と、各ピンサの遠位部分に動作可能に接続される、伝導性先端とを有する。有利なこととして、伝導性先端は、生体適合性材料のメッシュを備える。各伝導性先端は、少なくとも1つの管腔と流体連通し、少なくとも1つの管腔からメッシュを通した伝導性先端の外部への流体の通過を可能にするように構成される。鉗子は、相互に向かって圧縮されると、第1および第2のピンサの遠位部分の伝導性先端に、アブレーションのための電気エネルギーを送達するように構成される。
【0018】
本発明の側面のさらなる側面では、鉗子は、第1および第2のピンサが、相互に向かって圧縮されると、流体を少なくとも1つの管腔から伝導性先端の外部に送達するように構成される。例えば、アブレーションのためのエネルギーは、双極エネルギーであってもよい。
【0019】
有利なこととして、鉗子の本体部分、遠位部分、および/または近位部分は、生体適合性材料のメッシュを備えてもよい。本デバイスの一部が、メッシュを備えるとき、その部分は、少なくとも1つの管腔と流体連通し、流体の本デバイスの外部および標的組織への搬送を可能にしてもよい。
【0020】
本発明のある側面では、鉗子は、使い捨て可能である。使い捨て可能な鉗子を使用することの利点は、非使い捨て可能な鉗子の寿命を延長するために必要とされるであろう、メッシュの厚さが、低減され得ることである。例えば、使い捨て可能な鉗子では、各ピンサ先端上のメッシュの厚さは、12.7マイクロメートル~127マイクロメートルの範囲内であってもよい。
【0021】
有利なこととして、本発明のメッシュは、再利用可能な鉗子との組み合わせにおいて使用されることができる。例えば、再利用可能な鉗子を備える実施形態では、メッシュの厚さは、約1,700マイクロメートルであってもよい。
【0022】
(アブレーションプローブ)
本発明の別の側面では、提供されるものは、プローブであって、近位端と、遠位端とを有する、伸長シャフトと、伸長シャフトの遠位端まで延在する、少なくとも1つの管腔と、電気エネルギー源および伸長シャフトの近位端に動作可能に結合される、第1の導電体と、生体適合性材料のメッシュを備える、伸長シャフトの遠位部分に動作可能に接続される、1つ以上の伝導性先端とを備える、プローブである。1つ以上の伝導性先端は、少なくとも1つの管腔と流体連通し、少なくとも1つの管腔からメッシュを通した1つ以上の伝導性先端の外部への流体の通過を可能にするように構成され、プローブは、標的組織と接触すると、伸長体の遠位部分の伝導性先端に、アブレーションのための電気エネルギーを送達するように構成される。
【0023】
本発明のある側面では、プローブは、1つ以上の伝導性先端が、標的組織と接触すると、流体を少なくとも1つの管腔から1つ以上の伝導性先端の外部に送達するように構成される。有利なこととして、プローブの伸長シャフトは、生体適合性材料のメッシュを備えてもよい。伸長体が、メッシュを備えるとき、伸長体は、少なくとも1つの管腔と流体連通し、流体の本体の外部および標的組織への搬送を可能にしてもよい。
【0024】
本発明のある側面では、プローブは、使い捨て可能である。使い捨て可能なプローブを使用することの利点は、非使い捨て可能なプローブの寿命を延長するために必要とされるであろう、メッシュの厚さが、低減され得ることである。例えば、使い捨て可能なプローブでは、伝導性先端上のメッシュの厚さは、12.7マイクロメートル~127マイクロメートルの範囲内であってもよい。
【0025】
有利なこととして、本発明のメッシュは、再利用可能なプローブとの組み合わせにおいて使用されることができる。例えば、再利用可能なプローブを備える実施形態では、メッシュの厚さは、約1,700マイクロメートルであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
請求される主題の特徴および利点は、その説明が添付図面を参照して考慮されるべきである、それと一貫する実施形態の以下の発明を実施するための形態から明白となるであろう。
【0027】
【
図1】
図1は、本発明の鉗子のある実施形態の図である。
【0028】
【
図2】
図2は、個々の構成要素が隔離されている、鉗子のある実施形態の図である。
【0029】
【
図3】
図3は、本発明の鉗子の伝導性先端のある実施形態の図である。
【0030】
【
図4】
図4は、本発明の鉗子の少なくとも1つの管腔の図である。
【0031】
【
図5】
図5は、本発明の鉗子のピンサの断面の図である。
【0032】
【
図6】
図6は、本発明の鉗子のある実施形態の図である。
【0033】
【
図7】
図7は、本発明の鉗子のある実施形態の図である。
【0034】
【
図8】
図8は、本発明の鉗子のピンサの断面の図である。
【0035】
【
図9】
図9は、本発明の鉗子の伝導性先端のある実施形態の図である。
【0036】
【
図10】
図10は、本発明のプローブのある実施形態の図である。
【0037】
【
図11】
図11は、本発明のプローブの伝導性先端の断面である。
【0038】
【
図12】
図12は、本発明のプローブのある実施形態の図である。
【0039】
【
図13】
図13は、本発明のプローブの伝導性先端の断面である。
【0040】
【
図14】
図14は、本発明のプローブのある実施形態の図である。
【0041】
【
図15】
図15は、本発明のプローブの伝導性先端の断面である。
【0042】
【
図16】
図16は、本発明のプローブのある実施形態の図である。
【0043】
【
図17】
図17は、本発明のプローブの伝導性先端の断面である。
【0044】
【
図18】
図18は、本発明のデバイス内で使用されるメッシュの層のある実施形態の拡大図である。
【0045】
【
図19】
図19は、付随のサイズ目盛を伴う、本発明のデバイス内で使用されるメッシュの層のある実施形態の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本開示の完全な理解のために、上記に説明される図面と併せて、添付の請求項を含む、以下の発明を実施するための形態を参照されたい。本開示は、例示的実施形態に関連して説明されるが、本開示は、本明細書に記載される具体的形態に限定することを意図していない。種々の省略および均等物の代用が、状況が示唆または好都合と見なし得る場合、検討されることを理解されたい。
【0047】
(詳細な説明)
本発明は、概して、アブレートされるべき標的組織への伝導性流体の搬送を可能にするような多孔性を提供するためのメッシュの形態にある、生体適合性材料から成る、アブレーションデバイスを対象とする。メッシュはまた、生体適合性材料の耐久性を向上させ、再利用可能なデバイスおよび使い捨て可能なアブレーションデバイスの両方ために必要とされる、生体適合性材料の量を低減させる。有利なこととして、標的組織に接触するアブレーションデバイスの一部は、生体適合性材料から成り、それによって、組織付着を低減させる。加えて、メッシュが、多孔性であり、伝導性流体の搬送を可能にするため、組織付着は、さらに低減される。本デバイスは、標的組織へのネルギー、例えば、高周波(RF)エネルギーの低侵襲性送達を可能にする。本発明において使用されるメッシュは、融合メッシュを含んでもよい。メッシュはさらに、焼結された生体適合性材料から成ってもよい。
【0048】
本発明の第1の側面では、提供されるものは、第1および第2のピンサであって、各ピンサは、中間本体部分と、本体部分から延在する、近位部分と、本体部分から延在する、遠位部分とを有する、第1および第2のピンサを備える、鉗子である。鉗子は、第1のピンサ、第2のピンサ、または第1のピンサおよび第2のピンサの両方の遠位部分まで延在する、少なくとも1つの管腔と、電気エネルギー源ならびに第1のピンサの近位端に動作可能に結合される、第1の導電体と、接地および第2のピンサの近位端に動作可能に結合される、第2の導電体と、各ピンサの遠位部分に動作可能に接続される、伝導性先端とを有する。有利なこととして、伝導性先端は、生体適合性材料のメッシュを備える。各伝導性先端は、少なくとも1つの管腔と流体連通し、少なくとも1つの管腔からメッシュを通した伝導性先端の外部への流体の通過を可能にするように構成される。鉗子は、相互に向かって圧縮されると、第1および第2のピンサの遠位部分の伝導性先端に、アブレーションのための電気エネルギーを送達するように構成される。本発明と併用可能な鉗子設計が、米国特許第8,361,070号(その全体が、参照することによって組み込まれる)に説明されている。
【0049】
本発明の別の側面では、提供されるものは、プローブであって、近位端と、遠位端とを有する、伸長シャフトと、伸長シャフトの遠位端まで延在する、少なくとも1つの管腔と、電気エネルギー源および伸長シャフトの近位端に動作可能に結合される、第1の導電体と、生体適合性材料のメッシュを備える、伸長シャフトの遠位部分に動作可能に接続される、伝導性先端とを備える、プローブである。伝導性先端は、少なくとも1つの管腔と流体連通し、少なくとも1つの管腔からメッシュを通した伝導性先端の外部への流体の通過を可能にするように構成され、プローブは、標的組織と接触すると、伸長体の遠位部分の伝導性先端に、アブレーションのための電気エネルギーを送達するように構成される。本発明と併用可能なアブレーションプローブ設計が、米国特許第7,993,335号(その全体が、参照することによって組み込まれる)に説明されている。
【0050】
図1は、本発明の鉗子1のある実施形態を図示する。鉗子は、それぞれが、近位端15と、遠位端17と、本体部分13とを備える、伸長ピンサを備える。遠位端17の端部におけるものは、伝導性先端19である。ピンサは、同一の構成を有してもよく、アルミニウムまたは生体適合性材料のブランクからレーザ切断されることができる。打抜加工、水噴射切断、EDM、プラズマ切断、または成型プロセスもまた、鉗子ピンサを形成するために使用され得る。本発明の側面では、鉗子は、構成要素を定位置において保持するための、ともに溶接された射出成型プラスチックから成る。
【0051】
図2は、個々の構成要素が隔離されている、
図1の鉗子1のある実施形態を図示する。鉗子1は、鉗子の各ピンサの近位端を導電体に接続する、伝導性ワイヤ22を備える。本発明の側面では、1つのピンサが、電気エネルギー源に接続され、第2のピンサが、接地に接続される。鉗子はまた、流体を鉗子の遠位端に提供する、少なくとも1つの管腔24も備える。遠位端において描写されるものは、生体適合性材料のメッシュを備える、伝導性先端19である。鉗子は、手動で圧縮され、ピンサをまとめ、それによって、1つのピンサの伝導性先端から組織を通した第2のピンサの伝導性先端への、アブレーションのためのエネルギーを伝導することができる。鉗子の本体13は、伝導性ワイヤと、管腔とを含む、鉗子上のピンサにわたって摺動し、それぞれをともに保持する。本発明の側面では、鉗子の本体は、配線および管類を定位置において保持するY字形接合部を伴う、ハブである。ハブは、射出成型プラスチックと協働し、構成要素を定位置において保持してもよい。代替実施形態では、ピンサは、それらの近位端においてともに固着され、接続領域は、鉗子の本体を提供する。導電体は、ピンサの近位端の周囲に基部を形成する注封材料によって、ピンサに固着されてもよい。
【0052】
図3は、本発明の鉗子の遠位先端の拡大図を図示する。伝導性先端19は、生体適合性材料のメッシュを備える。伝導性ワイヤ22は、伝導性先端19と接触し、電気エネルギー源から伝導性先端に、アブレーションのためのエネルギーを提供する。少なくとも1つの管腔24もまた、伝導性先端19と流体連通する遠位端に提供され、アブレーションの間に、伝導性流体が、メッシュの多孔性部を通して伝導性先端の外部、および標的組織に提供されることを可能にする。伝導性先端は、各ピンサの遠位部に圧着されることができる。本発明の側面では、伝導性先端は、除去可能である。これは、生体適合性材料から成る伝導性要素が、デバイス全体を置換する必要なく、置換されることを可能にするため、有利である。伝導性先端はまた、伝導性ワイヤにレーザ溶接され、アセンブリの先端を定位置において保持してもよい。
【0053】
図4は、本発明の鉗子のある実施形態を図示し、本体13、1つ以上の管腔24、および遠位先端19が、描写される。描写されるように、1つ以上の管腔19は、少なくとも本体13から、ピンサの遠位端および伝導性先端19(図示せず)まで延在する。
【0054】
図5は、鉗子のピンサの断面を図示する。示されるように、伝導性ワイヤ22および1つ以上の管腔24は、鉗子のピンサ内に格納され、ピンサを通して鉗子の遠位端まで延在する。
【0055】
図6および
図7は、本発明の鉗子60の別の実施形態を図示する。ピンサ62の中間部分は、外科医の片手によって、鉗子を使用して快適に保持されるように成形および定寸される。ピンサは、アルミニウム、ステンレス鋼、真鍮、スズ、銅、生体適合性材料、またはこれらの材料の合金から構築されてもよい。ピンサはまた、プラスチック材料から構築されてもよい。プラスチック材料から成る実施形態では、伝導性ワイヤ22は、ピンサの長さに及び、電気エネルギー源から鉗子の遠位端に、アブレーションのためのエネルギーを送達する。1つ以上の管腔24もまた、ピンサの長さに及び、鉗子の遠位端に伝導性流体を送達するように設計されてもよい。本体部分13は、2つのピンサの近位端をともに保持し、ワイヤおよび1つ以上の管腔端部をピンサの近位端に固着させる。本体部分13は、中空内部を有し、電気絶縁材料から成ってもよい。コードは、本体を通して通過し、流体源または電気エネルギー源から鉗子の遠位端まで延在する。
【0056】
鉗子のピンサの中間部分または鉗子の本体は、絶縁コーティングにおいて完全に被覆されてもよい。コーティングは、電気絶縁性であってもよい、および/または、また、熱絶縁性であってもよい。コーティングは、ピンサの中間部分のみを被覆し、ピンサの近位端部分およびピンサの遠位端部分を、コーティング層から突出し、暴露されたままにする。鉗子が、再利用可能ではなく、使い捨て可能であるように設計される場合、はるかにより薄い層の絶縁コーティングが、有利には、適用されてもよい。
【0057】
図8は、
図6に描写されるピンサの断面の拡大図を図示する。示されるように、伝導性ワイヤ22は、1つ以上の管腔24の側方に格納され、鉗子のピンサに沿って延在する。1つ以上の管腔24もまた、鉗子のピンサに提供され、それによって、部分的に暴露される、筐体から側方に延在してもよく、伝導性ワイヤ22は、鉗子のピンサ内に完全に格納されてもよい。
【0058】
図9は、本発明の鉗子のある実施形態のピンサの遠位端の拡大図を図示する。図示されるものは、鉗子19の伝導性先端の生体適合性材料のメッシュの斜交平行模様95である。1つ以上の多くの管腔24が、鉗子の遠位端まで延在し、遠位先端と流体連通し、伝導性流体が、伝導性先端のメッシュを通して伝導性先端の外部およびアブレートされている標的組織に搬送されることを可能にする。伝導性ワイヤ22は、1つ以上の管腔24を通過して延在し、伝導性先端19にアブレーションのためのエネルギーを動作可能に伝導する。伝導性ワイヤ22は、伝導性先端にレーザ溶接されてもよい。
【0059】
本発明の伝導性ワイヤ22は、任意の公知の伝導性要素およびワイヤであることができ、任意の公知の伝導性材料から作製されることができる。伝導性ワイヤ22は、従来のものであってもよく、1つ以上の絶縁層を備えてもよい。本発明の側面では、伝導性ワイヤは、鉗子の近位端から鉗子の遠位端まで延在し、アブレーションのためのエネルギーを伝導および送達する。伝導性ワイヤは、エネルギーが伝達されるように継続することを可能にする任意の手段によって、定位置において役立つことができる。例えば、ワイヤの端部は、ワイヤを定位置において保持するように圧着される、または1つ以上の構成要素にレーザ融合されてもよい。コードの長さは、電源と接続されると、ピンサが、外科医の手によって容易に操作されることを可能にする。
【0060】
図10は、本発明のある実施形態のアブレーションプローブ101を図示する。プローブは、伸長体109と、生体適合性材料のメッシュ107と、随意に、不活性スペーサ103とを備える、2つの伝導性先端105とを備える。不活性スペーサは、好ましくは、プラスチック材料から成ってもよい。不活性スペーサを提供することの利点は、これが、1つの伝導性先端が電気エネルギー源に電気的に結合されること、および第2の伝導性先端が接地に電気的に結合されることを可能にすることである。少なくとも2つの伝導性先端を伴う設定を使用することによって、アブレーションのための双極エネルギーが、提供されることができる。
【0061】
図11は、
図10に図示されるアブレーションプローブの遠位端105の断面の拡大図を図示する。伸長体115は、遠位端105にわたって熱収縮または押出され、2つの伝導性先端107を緊密に格納してもよい。好ましくは、プラスチック等の不活性材料のスペーサが、2つの伝導性先端を分離するために提供される(103)。各伝導性先端107の背後において描写されるものは、伝導性先端と流体連通し、流体を、1つ以上の管腔から、メッシュの細孔を通してメッシュの外部に、それによって、標的組織に搬送する、管腔113である。各伝導性先端107の背後におけるものは、アブレーションのためのエネルギーを各伝導性先端に提供する、伝導性ワイヤ(描写せず)である。本発明の側面では、プローブは、標的組織と接触すると、伸長体の遠位部分の伝導性先端に、アブレーションのための電気エネルギーを送達するように構成される。本発明の側面では、伸長体は、プローブ105の遠位端に、それによって、標的組織に、アブレーションのエネルギーの伝導をトリガする、および/または1つ以上の管腔を通してプローブの遠位端105に、ならびに伝導性先端107のメッシュを通して標的組織に、伝導性流体を搬送するための、外科医によって使用可能である、ボタン111もしくは制御機構を備えてもよい、またはさらに備えてもよい。
【0062】
図12は、
図10に描写される、本発明のアブレーションプローブ122の側面図を図示する。アブレーションプローブは、伸長体109と、遠位端105と、生体適合性材料のメッシュと、不活性スペーサ103とを備える、2つの伝導性先端107とを備える。描写されるように、伸長体109の中間部分のための2部品から成るプラスチックアセンブリが、管類および配線が、アブレーションプローブの中空体を通して嵌合することを可能にする。
【0063】
図13は、
図12に図示されるアブレーションプローブの遠位端105の断面の拡大図を図示する。示されるものは、伸長体の長さに沿ってアブレーションプローブの遠位端まで延在する、1つ以上の管腔113である。各管腔は、各伝導性先端107と別個に流体連通する。また、示されるものは、伸長体の長さに沿ってアブレーションプローブの遠位端まで延在する、1つ以上の伝導性ワイヤ133である。各伝導性ワイヤ133は、各伝導性先端107と別個に連通する。各伝導性ワイヤ133はまた、各伝導性先端107と流体連通する、1つ以上の管腔113内に格納されてもよい。加えて、各伝導性先端107は、不活性スペーサ103によって分離される。伝導性先端107は、伝導性ワイヤ133に独立して結合されるため、一方の伝導性先端が、電気エネルギー源に結合されることができ、他方の伝導性先端が、接地に結合されることができる。伝導性ワイヤ133は、伝導性先端107に溶接されてもよい。
【0064】
図14は、本発明のアブレーションプローブの別の実施形態140を図示する。プローブは、伸長体109と、生体適合性材料のメッシュ107を備える、単一の伝導性先端107とを備える。単一の伝導性先端107のみが、提供されるため、デバイス140は、好ましくは、単極放射を伝送する。伝導性ワイヤ133は、伸長体109の長さに沿ってアブレーションプローブの遠位端まで延在する。伸長体は、プローブ105の遠位端に、それによって、標的組織に、アブレーションのエネルギーの伝導をトリガする、および/または1つ以上の管腔を通してプローブの遠位端105に、ならびに伝導性先端107のメッシュを通して標的組織に、伝導性流体を搬送するための、外科医によって使用可能である、ボタン111または制御機構を備える。
【0065】
描写されるように、伸長体109の中間部分のための2部品から成るプラスチックアセンブリが、管類および配線がアブレーションプローブの中空体を通して嵌合することを可能にする。本発明のある側面では、伝導性先端107は、円形または卵形の形状を有し、伝導性先端107の外向き部分の半球全体の周囲において面取りされる。
【0066】
図15は、
図14に図示されるアブレーションプローブの遠位端140の断面の拡大図である。伝導性ワイヤは、伸長体109の長さに沿ってアブレーションプローブの遠位端まで延在し、伝導性先端107にアブレーションのためのエネルギーを提供する。伝導性ワイヤ133は、伝導性先端にレーザ溶接されてもよく、伝導性先端と流体連通する、1つ以上の管腔113の内側において格納されてもよい。伝導性先端107は、円形または卵形の形状を有し、伝導性先端107の外向き部分の半球全体の周囲において面取りされる。
【0067】
図16は、本発明のアブレーションプローブの別の実施形態160を図示する。アブレーションプローブ160は、伸長体109の中間部分のための2部品から成るプラスチックアセンブリを備え、管類および配線が、アブレーションプローブの中空体を通して嵌合することを可能にする。伝導性ワイヤ142が、伸長体に沿ってアブレーションプローブの遠位先端まで延在し、プローブの伝導性先端107に、アブレーションのためのエネルギーを提供する。本発明のある側面では、伝導性先端107は、尖頭先端を有する。伝導性先端107の尖頭先端は、面取りされた縁を有してもよい。
【0068】
図17は、
図16に図示されるアブレーションプローブの遠位端140の断面の拡大図を図示する。伝導性ワイヤは、伸長体に沿って延在し、伝導性先端にアブレーションのためのエネルギーを提供する。伝導性ワイヤ133は、伝導性先端107と流体連通する、1つ以上の管腔113内に格納されてもよい。伝導性先端107は、面取りされた縁を伴う、尖頭状である。切り欠き171が、伝導性先端107をプローブの遠位端内の定位置内に係止する。有利なこととして、切り欠きまたは他の物理的固定機構が、存在するとき、接着剤または溶接は、伝導性先端107を定位置において保持するために使用される必要はない。また、伝導性先端107は、容易に除去および置換されることもできる。単一の伝導性先端107のみが、提供されるため、デバイス160は、好ましくは、単極放射を伝送する。
【0069】
図18は、本発明のデバイス内で使用される、生体適合性材料のメッシュの拡大図を描写する。
【0070】
図19は、本発明のデバイス内で使用される、生体適合性材料のメッシュのパターニングの拡大図を描写し、比較サイズが、描写される。
【0071】
本発明の側面では、生体適合性材料のメッシュは、20~80パーセントまたは30~70パーセントの多孔性を有する。メッシュはまた、流体を灌流するであろう、細孔の数を増加させるために、微多孔性であってもよい。メッシュはまた、多孔性構造物を通した流体のより効率的な流動を提供するために、無作為の様式において配列される、相互接続細孔を有してもよい。より高い多孔性は、流体が、メッシュを通してより自由に流動することを可能にし、多孔性は、流体の所望の流量に応じて調節されることができる。
【0072】
微多孔性メッシュの場合には、細孔は、0.05~20ミクロンの有効径を有してもよい。マクロ多孔性メッシュは、20~2,000ミクロンの有効径を伴う、細孔を有してもよい。本発明の好ましい側面では、細孔は、1~50ミクロンのサイズを有する。例えば、細孔は、15~35ミクロンの有効径を有する。細孔は、25ミクロンの有効径を有してもよい。
【0073】
本発明の側面はさらに、本発明の鉗子またはプローブに、生理食塩水等の伝導性流体を提供するように構成される、ポンプアセンブリを提供してもよい。本発明と併用可能なポンプアセンブリが、米国特許第5,279,569号(その全体が本明細書に組み込まれる)に説明されている。例えば、ポンプアセンブリは、本デバイスに流体を供給する、源リザーバを備えてもよい。流体は、随意に、冷却されてもよい。
【0074】
電気エネルギー源は、任意の源であることができる。好ましい側面では、源は、RF発生器である。従来のRF電力供給源は、200KHz~1.24MHzの範囲内の周波数において動作する。本発明の側面はまた、より低い電力供給源を用いても動作される。例えば、好適な電力供給源は、アブレーション電流および150Vを下回る電圧、例えば、50V~100Vを供給することが可能であり得る。電力供給源はまた、20W~200Wの電力出力を提供してもよい。上記に説明されるように、RFエネルギーは、本デバイスの設計に応じて、単極または双極であってもよい。
【0075】
ポンプアセンブリおよび電気エネルギー源は両方とも、制御回路網によって制御されることができる。本発明のデバイスとの併用のために好適なコントローラが、米国特許第6,235,022号(その全体が、参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示されている。
【0076】
本発明のデバイスは、アブレーションが必要とされている身体内の任意の場所において、アブレーションのためのエネルギーを提供し得る。例えば、本デバイスは、外科手術手技に続く、固形腫瘍または組織にアブレーションを送達することにおいて使用され得る。アブレートされるべき身体の面積は、限定ではないが、肝臓、腎臓、膵臓、乳房、前立腺、または肺を含む。治療領域の周囲寸法が、規則的、例えば、球状または楕円形であってもよい。本発明のデバイスは、超音波走査、磁気共鳴映像(MRI)、コンピュータ断層撮影(CAT)、蛍光透視、(放射標識腫瘍特異的プローブを使用した)核走査、および同等物等、標的組織を明瞭にすることが可能である、従来の撮像技法とともに使用されてもよい。
【0077】
(参照による組み込み)
特許、特許出願、特許刊行物、雑誌、書籍、論文、ウェブコンテンツ等の他の文書の参照および引用が、本開示全体を通して行なわれている。そのような文書は全て、あらゆる目的のために、参照することによって、それらの全体として本明細書に組み込まれる。
【0078】
(均等物)
種々の修正およびさらなる実施形態が、本明細書に図示かつ説明されるもの以外に、可能性として考えられる。本明細書における主題は、種々の他の実施形態を作成するように適合され得る情報、例示、および指針を含有する。
【国際調査報告】