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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-12
(54)【発明の名称】保護用ヘッドバンド
(51)【国際特許分類】
   A41D 20/00 20060101AFI20220502BHJP
   A41D 13/015 20060101ALI20220502BHJP
【FI】
A41D20/00
A41D13/015
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022502797
(86)(22)【出願日】2020-03-17
(85)【翻訳文提出日】2021-11-12
(86)【国際出願番号】 US2020023107
(87)【国際公開番号】W WO2020190918
(87)【国際公開日】2020-09-24
(31)【優先権主張番号】62/819,796
(32)【優先日】2019-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521425238
【氏名又は名称】セカンド スカル,インク.
【氏名又は名称原語表記】2ND SKULL,INC.
【住所又は居所原語表記】4800 Liberty Avenue,3rd Floor,Pittsburgh,PA 15224 (US)
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オリヴァレス ヴェラスコ,フレデリコ
(72)【発明者】
【氏名】マラナ フラド,アルベルト
(72)【発明者】
【氏名】ソラーノ レイヴァ,フアン
【テーマコード(参考)】
3B011
【Fターム(参考)】
3B011AB11
3B011AB18
3B011AC04
(57)【要約】
ヘッドバンドは、ポケットを画成する織物層、ポケット内のヘッドバンドの周方向に位置決めされたパディング層、及び衝撃パネルを有して、提供される。衝撃パネルは、ヘッドバンドの装着者の額近傍に位置決めされる。パディング層の1つは、パディング層が、衝撃パネルと装着者の額との間で位置決めされるように、衝撃パネルの後部に位置決めされる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドバンドであって、
装着者の頭部を受けるために、円形の開口を画成する、最外層であって、
外側対面部分と、
内側対面部分と、を具備し、前記内側対面部分は、装着者の頭部に直接接触するように位置決めされ、
複数の周方向に間隔をおいて配置されたポケットを画成する、最外層と、
複数のパディングパネルであって、前記複数のパディングパネルの各々1つは、前記複数の周方向に間隔をおいて配置されたポケットの各々1つ内に位置決めされる、複数のパディングパネルと、
前方対面ポケット内に位置決めされる、衝撃パネルであって、前記前方対面ポケットは、前記複数の円周方向に間隔をおいて配置されたポケットの1つであって、前記外側対面部分と、前記前方対面ポケット内に位置決めされた前記複数のパディングパネルの前記各々1つとの間に位置決めされる、衝撃パネルと、を具備する、ヘッドバンド。
【請求項2】
前記最外層は、合計5つの周方向に間隔をおいて配置されたポケットを画成する、請求項1に記載のヘッドバンド。
【請求項3】
前記複数の周方向に間隔をおいて配置されたポケットの各々は、前記外側対面部分を前記内側対面部分に縫合することで画成される、請求項2に記載のヘッドバンド。
【請求項4】
前記前方対面ポケット内に位置決めされた前記複数のパディングパネルの前記各々1つは、第1の厚さを有し、前記衝撃パネルは、第2の厚さを有し、前記第1の厚さは、前記第2の厚さよりも大きい、請求項1~3のいずれか一項に記載のヘッドバンド。
【請求項5】
前記前方対面ポケット内に位置決めされた前記複数のパディングパネルの前記各々1つは、前記衝撃パネルに結合される、請求項1~4のいずれか一項に記載のヘッドバンド。
【請求項6】
前記前方対面ポケット内に位置決めされた前記複数のパディングパネルの前記各々1つは、前記衝撃パネルから分離される、請求項1~5のいずれか一項に記載のヘッドバンド。
【請求項7】
前記衝撃パネルは、プラスチック材料、発泡スチロール、硬質フォーム、炭素繊維、ポリスチレン、及びポリカーボネートのいずれかで少なくとも部分的に形成される、請求項1~6のいずれか一項に記載のヘッドバンド。
【請求項8】
前記衝撃パネルは、曲率半径を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載のヘッドバンド。
【請求項9】
前記内側対面部分に結合された滑り止め機能をさらに具備する、請求項1~8のいずれか一項に記載のヘッドバンド。
【請求項10】
前記滑り止め機能は、シリコンバンドを含む、請求項9に記載のヘッドバンド。
【請求項11】
少なくとも1つのセンサを具備する電子追跡システムをさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のヘッドバンド。
【請求項12】
前記少なくとも1つのセンサは、速度、衝撃、又は温度に応答して出力を生成する、請求項11に記載のヘッドバンド。
【請求項13】
前記最外層は、内部織物層に縫合された外部織物層を含み、前記外部織物層は、前記外側対面部分を画成し、前記内部織物層は、前記内側対面部分を画成する、請求項1~12のいずれか一項に記載のヘッドバンド。
【請求項14】
ヘッドバンドであって、
外部織物層と、
最外層をまとめて画成するために、前記外部織物層に縫合される、内部織物層であって、前記最外層は、装着者の頭部を受けるために、円形の開口を画成し、前記内部織物層は、装着者の頭部に直接接触するように位置決めされ、前記内部織物層及び前記外部織物層は、複数の周方向に間隔をおいて配置されたポケットをまとめて画成し、前記複数の周方向に間隔をおいて配置されたポケットは、前方対面ポケットを具備する、内部織物層と、
複数のパディングパネルであって、前記複数のパディングパネルの各々1つは、前記複数の周方向に間隔をおいて配置されたポケットの各々1つ内に位置決めされる、複数のパディングパネルと、
前記前方対面ポケット内に位置決めされる、衝撃パネルであって、前記外部織物層と、前記前方対面ポケット内に位置決めされた前記複数のパディングパネルの前記各々1つとの間に位置決めされる、衝撃パネルと、を具備する、ヘッドバンド。
【請求項15】
前記最外層は、合計5つの周方向に間隔をおいて配置されたポケットを画成する、請求項14に記載のヘッドバンド。
【請求項16】
前記前方対面ポケット内に位置決めされた前記複数のパディングパネルの前記各々1つは、前記衝撃パネルに接着される、請求項14又は15に記載のヘッドバンド。
【請求項17】
前記前方対面ポケット内に位置決めされた前記複数のパディングパネルの前記各々1つは、前記衝撃パネルから分離される、請求項14~16のいずれか一項に記載のヘッドバンド。
【請求項18】
前記衝撃パネルは、プラスチック材料、発泡スチロール、硬質フォーム、炭素繊維、ポリスチレン、及びポリカーボネートのいずれかで少なくとも部分的に形成される、請求項14~17のいずれか一項に記載のヘッドバンド。
【請求項19】
前記内側対面部分に結合された滑り止め機能をさらに具備する、請求項14~18のいずれか一項に記載のヘッドバンド。
【請求項20】
ヘッドバンドであって、
外部織物層と、
少なくとも5つのポケットをまとめて画成するために、前記外部織物層に縫合される、内部織物層であって、前記少なくとも5つのポケットの1つは、前方対面ポケットである、内部織物層と、
複数のパディングパネルであって、前記複数のパディングパネルの各々1つは、前記少なくとも5つのポケットの各々1つ内に位置決めされる、複数のパディングパネルと、
前記前方対面ポケット内に位置決めされる、衝撃パネルであって、前記外部織物層と、前記前方対面ポケット内に位置決めされた前記複数のパディングパネルの前記各々1つとの間に位置決めされ、前記前方対面ポケット内に位置決めされた前記複数のパディングパネルの前記各々1つの輪郭形状に略類似の輪郭形状を有し、プラスチック材料、発泡スチロール、硬質フォーム、炭素繊維、ポリスチレン、及びポリカーボネートのいずれかで少なくとも部分的に形成される、衝撃パネルと、を具備する、ヘッドバンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、発明の名称が「PROTECTIVE HEADBAND(保護用ヘッドバンド)」である、2019年3月18日出願の、米国仮特許出願第62/819,796の利点を主張し、その記載内容を、完全な形で本明細書に引用することで組み込む。
【0002】
下記記載のシステム及び方法は、一般的に、頭部保護の分野に関する。該システム及び方法は、より詳しくは、スポーツ、又は運動、あるいは他の身体的な取組みの間に装着可能なヘッドバンドに関する。
【背景技術】
【0003】
この場合、個人が、フットボール、ラクロス、ホッケー、サッカー、ラグビー、バスケットボール、バレーボール等の接触スポーツ活動、又はスキー、スケートボード等の他の身体活動に参加する際に、その個人選手の体の部分が、衝撃又は他の身体的接触を受けることは珍しくない。このような活動中に個人を保護する手段として、パディングを提供するよう様々な試みがなされてきた。従来の保護具は、ヘルメット、肩パッド、大腿パッド、及びすねパッドを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本開示は、以下図面と併せて、いくつかの典型的な実施形態の詳細な説明から、より容易に理解されるであろう。
【0005】
図1図1は、1つの非限定的な実施形態に係る、ヘッドバンドの等角図である。
図2図2は、部分を取り外してわかりやすくした、図1のヘッドバンドの分解等角図である。
図3図3は、平らに広げられた状態の、図1のヘッドバンドの典型的なパディング層を示す。
図4図4は、部分を取り外してわかりやすくした、図1のヘッドバンドの別の分解等角図である。
図5図5は、様々な非限定的な実施形態に係る、典型的なヘッドバンドの分解図を示す。
図6図6は、様々な非限定的な実施形態に係る、典型的なヘッドバンドの分解図を示す。
図7図7は、様々な非限定的な実施形態に係る、典型的なヘッドバンドの分解図を示す。
図8図8は、1つの非限定的な実施形態に係る、衝撃パネルを示す。
図9図9は、1つの非限定的な実施形態に係る、典型的なパディングパネルと組み合わせた図8の衝撃パネルを示す。
図10図10は、1つの非限定的な実施形態に係る、典型的なパディングパネルと組み合わせた図8の衝撃パネルを示す。
図11図11は、1つの非限定的な実施形態に係る、典型的なヘッドバンドのパディング層の等角図を示す。
図12図12は、様々な非限定的な実施形態に係る、典型的なヘッドバンドの部分図である。
図13図13は、様々な非限定的な実施形態に係る、典型的なヘッドバンドの部分図である。
図14図14は、様々な非限定的な実施形態に係る、典型的な縫合方法を示す。
図15図15は、様々な非限定的な実施形態に係る、典型的な縫合方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示の様々な非限定的な実施形態は、本明細書開示のヘッドバンドの構造、機能、及び使用の原理の全体を理解するように記載される。これらの非限定的な実施形態の1つ以上の実施例は、添付図面に例示される。当業者は、本明細書に具体的に記載され、添付図面に例示されるシステム及び方法が、非限定的な実施形態であることを理解するであろう。1つの非限定的な実施形態に関連して例示又は記載される特徴は、他の非限定的な実施形態の特徴と組み合わせ得る。このような修正や変更は、本開示の範囲内に包含されることを意図する。
【0007】
本開示の実施形態は、一般的に、ヘッドバンド、ヘッドバンドシステム、ヘッドバンドの使用方法、及びヘッドバンドの作製方法を対象とする。このようなシステム及び方法は、様々な状況や用途で実行され得る。1つの典型的な実施形態において、ヘッドバンドは、面ストラップ等の固定ストラップを使用することなく、ユーザの頭部に保持可能なように、圧縮式である。他の実施形態において、調整ストラップは、ヘッドバンドを所定位置に固定する一助となるために使用可能である。ヘッドバンドは、本明細書で一般的にパディングと称される、衝撃を吸収又は分散する材料製の1つ以上の層、部分、又はポケットで構成可能である。特定の種類のパディングは、ヘッドバンドのスタイル、スポーツ又は運動の用途、ユーザのタイプ、ヘッドバンドの大きさ等の様々な要素に基づいて、変更可能である。以下でより詳細に記載の通り、いくつかの実施形態において、ヘッドバンドは、内層、中間層、及び最外層を含む多層を有し得る。中間層は、パディングを含むことができる。
【0008】
ヘッドバンドはまた、装着時に、ユーザの額近傍に位置決め可能な硬質部分を含み得る。いくつかの典型的な実施形態において、ヘッドバンドは、パディング層をヘッドバンドから必ずしも取り外すことなく、洗濯可能である。ヘッドバンドはまた、通気特性、汗拡散特性、又は通気孔等の他の快適性に関する特性を有し得る。ヘッドバンドは、耐水又は撥水性を有することができる。いくつかの実施形態において、ヘッドバンドは、抗菌剤、防臭剤、又は他の脱臭又は殺菌化合物を含み得る。いくつかの実施形態において、ヘッドバンドは、化学処理、構成手法、材料等の任意の適切な手法を使用して、紫外線から保護するように構成される。さらに、ヘッドバンドは、ヘッドバンドを装着者の頭部に装着するのを維持する一助として、シリコングリップ要素等の滑り止め機能を具備できる。
【0009】
本明細書記載のヘッドバンドは、異なる年齢層のユーザに装着する大きさであり得る。1つの典型的な実施形態において、子供の「フリーサイズ」のヘッドバンドは、子供に適合する大きさで、大人の「フリーサイズ」のヘッドバンドは、大人に適合する大きさである。下記により詳細に記載の通り、ヘッドバンドに組み込まれた弾性構成要素は、ヘッドバンドを異なる大きさの頭部に装着させる一方、ユーザの頭部にヘッドバンドを保持する一助とするのが可能である。いくつかの実施形態において、ヘッドバンドは、異なる大きさ(S、M、L、エックスL等)に作製可能である。いくつかの実施形態において、ヘッドバンドは、異なる頭部の大きさに装着されるように選択的に調整可能であり得る。
【0010】
明細書全体にわたり、「様々な実施形態」、「いくつかの実施形態」、「1つの実施形態」、「いくつかの典型的な実施形態」、「1つの典型的な実施形態」又は「ある実施形態」と言及することで、実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、又は特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。このため、明細書全体にわたり、「様々な実施形態において」、「いくつかの実施形態において」、「1つの実施形態において」、「いくつかの典型的な実施形態」、「1つの典型的な実施形態」又は「ある実施形態において」の記載は、必ずしもすべてが、同一の実施形態を指すわけではない。さらに、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態に適切な方法で組み合わせられ得る。
【0011】
図1図4は、1つの非限定的な実施形態に係る、典型的なヘッドバンド100を示す。図1は、ヘッドバンド100の等角図である。図2は、部分を取り外してわかりやすくした、ヘッドバンド100の分解等角図である。図3は、平らに広げられた状態の、ヘッドバンド100の典型的なパディング層104を示す。図4は、部分を取り外してわかりやすくした、ヘッドバンド100の別の分解等角図である。ヘッドバンド100は、一般的に、パディング層104を少なくとも部分的に囲む最外層102を有し得る。いくつかの構成において、パディング層104の部分は、可視で、それ以外では露出され得る。他の実施形態において、パディング層104は、最外層102により全体が囲まれ又は覆われている。パディング層104は、ヘッドバンド100の周方向に位置決めされる複数のパディングパネル106で形成可能である。いくつかの実施形態において、パディングパネル106のすべては、構成が類似し得る。その代わりとして、1つ以上のパディングパネル106は、他のパディングパネル106と異なるように構成可能である。ヘッドバンド100は、衝撃パネル108を含むことができる。図2及び図4が、衝撃パネル108の典型的な構成を示す一方、本開示は、その程度に限定的ではない。その代わりに、本開示に係る衝撃パネルは、様々な形状、大きさ、厚さ、及び曲率を含む、任意の様々な適切な構成を有し得る。いくつかの実施形態において、衝撃パネルの厚さは、パディングパネルの厚さより小さい。衝撃パネルは、その形状を、容易に変形できないように、略硬質であり得る。その代わりとして、衝撃パネルは、衝撃パネルが、ヘッドバンドを装着者の頭部に装着する場合等、湾曲又は曲げられるように、少なくとも準可撓性又は曲げ可能であり得る。さらに、図示の通り、様々な実施形態によれば、衝撃パネル108は、中央パディングパネル等のパディングパネル106の1つに類似して成形可能である。ヘッドバンド100は、衝撃パネル108が、一般的に、前方に、ユーザの額近傍に面するように、ユーザによって装着可能である。パディングパネル106は、衝撃パネル108とユーザの額との間で位置決めされる。したがって、ボールやそれ以外により、ユーザの頭部の前部が衝撃を受けるスポーツイベントの間、衝撃パネル108は、衝撃を受けられ、衝撃力は、下部のパディングパネル106に分散可能である。
【0012】
図3を参照すると、隣接するパディングパネル106は、互いに周方向に間隔をおいて配置され、それらの間で隙間を形成可能である。いくつかの実施形態において、縫合、接着剤、超音波溶接、又は他の接続手段は、隙間に適用して、最外層102の部分を、隣接するパディングパネル106間の隙間に固定可能である。例えば、最外層102は、外側に面する外側部分と内側に面する内側部分を有し得る。内側部分は、装着者が装着する場合、装着者の頭部に接触可能である。内側部分と外側部分の各々は、外面と内面を有し得る。パディングパネル106は、内側部分の内面と外側部分の内面との間で位置決め可能である。パディングの隙間が、隣接するパディングパネル106間で画成される場合、外側部分の内面は、パディングの隙間の1つ以上の中の内側部分の内面に結合可能である。利点として、最外層102をそれらの領域に縫合又はそれ以外で接続することで、ポケットは、パディングパネル106の各々の相対的配置の維持の一助となるように形成可能である。
【0013】
図5図7は、様々な非限定的な実施形態に係る、典型的なヘッドバンドの分解図を示す。まず図5を参照すると、ヘッドバンドは、縫い目218を使用して、一緒に縫合可能な外部パネル202Aと内部パネル202Bとを具備する。縫い目218は、パディング層204の個々のパネル206を部分的又は全体的に囲み得る。例示された実施形態において、中央パディングパネル220は、一般的に、衝撃パネル208に類似した形状であり、これらは、一般的に同延となる。例示された実施形態において、中央パディングパネル220は、複数の開口部を具備するが、本開示は、その程度に限定的でない。衝撃パネル208は、接着剤又は他の接合手法を使用して、中央パディングパネル220に結合可能である。いくつかの実施形態において、衝撃パネル208と中央パディングパネル220は、互いに結合されないが、むしろ、両方は、外部パネル202Aと内部パネル202Bにより形成される同一のポケット内に位置決めされる。さらに、図5が、衝撃パネル208と中央パディングパネル220が中央ポケット内に位置決めされ、残りのポケットのみパディングパネルを有することを示すものの、本開示は、その程度に限定的ではない。実際、ヘッドバンドの任意のポケットは、パディングパネルのみ、衝撃パネルのみ、又は少なくとも1つの衝撃パネルと組み合わせた少なくとも1つの衝撃パネルを収納可能である。いくつかの実施形態において、ヘッドバンドは、5つのポケットを画成し、その各々は、パディングパネルを保持する。
【0014】
図6は、別の典型的なヘッドバンドの分解図を示す。外部パネル302Aと内部パネル302Bは、縫い目318を使用して、一緒に縫合される。縫い目318は、パディング層304の個々のパネル306を部分的又は全体的に囲み得る。例示された実施形態において、中央パディングパネル320は、一般的に、衝撃パネル308に類似した形状である。衝撃パネル308は、接着剤又は他の接合手法を使用して、中央パディングパネル320に結合可能である。いくつかの実施形態において、衝撃パネル308と中央パディングパネル320は、互いに結合されないが、むしろ、両方は、外部パネル302Aと内部パネル302Bにより形成される同一のポケット内に位置決めされる。
【0015】
図7は、別の典型的なヘッドバンドの分解図を示す。外部パネル402Aと内部パネル402Bは、縫い目418を使用して、一緒に縫合可能である。縫い目418は、パディング層404の個々のパネル406を部分的又は全体的に囲み得る。例示された実施形態において、中央パディングパネル420は、一般的に、衝撃パネル408に類似した形状である。衝撃パネル408は、接着剤又は他の接合手法を使用して、中央パディングパネル420に結合可能である。いくつかの実施形態において、衝撃パネル408と中央パディングパネル420は、互いに結合されないが、むしろ、両方は、外部パネル402Aと内部パネル402Bにより形成される同一のポケット内に位置決めされる。
【0016】
図8は、1つの非限定的な実施形態に係る衝撃パネル508を示す。図9及び図10は、1つの非限定的な実施形態に係る、典型的なパディングパネル506と組み合わせた図8の衝撃パネル508を示す。衝撃パネル508は、任意の適切な硬質又は準硬質材料から形成可能である。様々な実施形態によれば、衝撃パネル508は、プラスチック材料、発泡スチロール、硬質フォーム、炭素繊維、ポリスチレン、又はポリカーボネート等で制限なく、形成可能である。いくつかの実施形態において、衝撃パネル508は、硬質であるものの、ユーザの頭部に適合するよう湾曲するように、さらに曲げが可能である。他の実施形態において、衝撃パネル508は、非可撓性であるように形成可能であるため、所望の曲率を常に維持する。図10は、衝撃パネル508が、曲率半径Rを有するように湾曲可能であることを示す。曲率半径は、装着者の頭部の曲率半径と同程度になるような寸法であり得る。
【0017】
図11は、ヘッドバンド600の典型的なパディング層604の等角図を示す。パディング層604は、複数のパディングパネル606を具備する。パディング層604は、第1のパディング端622と第2のパディング端620により画成される隙間を含む。該隙間は、一般的に、装着者が装着する場合、ヘッドバンド600の後部で位置決めされ得る。いくつかの実施形態において、隙間は、上部から下部まで内側にテーパー加工した、V字型の隙間であるが、本開示は、その程度に限定的ではない。追跡システム650は、隙間に位置決め可能である。追跡システム650は、他のパラメータの中で、速度、位置、衝撃、温度等を監視するために、1つ以上のセンサを具備可能である。追跡システム650は、例えば、ヘッドバンド600で画成されるポケット又は区画内に位置決め可能である。いくつかの実施形態において、ポケット又は区画は、ヘッドバンド600の最外層により画成される。追跡システム650は、例えば、データを、モバイル機器、タブレット、スマートウォッチ等の遠隔計算装置に提供可能である。追跡システム650を使用することで、衝撃もしくはトレーニング負荷を過度に受ける、高リスクの運動選手又は一般人が、特定可能である。さらに、パフォーマンスに基づいた測定基準は、他の測定基準同様、最高速度、走行距離、体の角度及び加速度を含めて、追跡・記録可能である。追加的に又はその代わりとして、他の種類の追跡システムは、様々な他の検知技術の中で、ヘッドバンドの織物又はヤードに埋め込まれたセンサと、パディングパネルに追加されたセンサと、を具備する追跡システムを含んで、利用可能である。
【0018】
図12及び図13は、様々な非限定的な実施形態に係る、典型的なヘッドバンドの部分図である。図12は、2つの隣接するパディングパネル706の間で位置決めされた追跡システム750を示す。パディングパネル706は、第1のパディング端722と第2のパディング端720との間に隙間を画成する。追跡システム750は、該隙間に位置決めされる。図13は、2つの隣接するパディングパネル806の間で位置決めされた追跡システム850を示す。パディングパネル806は、第1のパディング端822と第2のパディング端820との間に隙間を画成する。追跡システム850は、該隙間に位置決めされる。
【0019】
図14及び図15は、様々な非限定的な実施形態に係る、典型的な縫合方法を示す。このような縫合技術は、例えば、最外層902を形成するために、図5に示す外部パネル202Aと内部パネル202Bに類似して、外部パネルを内部パネルに縫合する等のために使用可能である。外部パネルと内部パネルは、伸縮可能、又はそれ以外では伸縮可能な部位を有し、それによって、ヘッドバンドは、ユーザの頭部に装着される場合、曲がりや伸びが可能である。以下に提供するように、いくつかの実施形態において、外部パネルと内部パネルは、スパンデックスを含む。いくつかの実施形態において、パディングパネルの各々は、外部パネルと内部パネルの両方から分離される。いくつかの実施形態において、パディングパネルの1つ以上は、外部パネルと内部パネルの1つ又は両方に結合される。
【0020】
本開示にしたがってヘッドバンドにより利用されるパディング層は、所望の特性と衝撃応答を提供する任意の適切な材料からなり得る。例えば、パディング層は、以下材料、熱可塑性ポリウレタン樹脂(例えば、Skydex Technologies社製が利用可能)、軍用材料、衝撃吸収シリコン、D30(登録商標)衝撃吸収材料、衝撃ゲル、織物、非織物、綿、エラストマー、IMPAXX(登録商標)エネルギー吸収フォーム(Dow Automotive社製が利用可能)、DEFLEXION衝撃吸収材料(Dow Corning社製が利用可能)、発泡スチロール、高分子ゲル、一般的な衝撃吸収弾性率計、粘弾性高分子、PORON(登録商標)XRD衝撃保護(Rogers Corporation社製が利用可能)、SMARTFOAM材料(Rogers Corporation社との協同による、XONano(登録商標)社製が利用可能)、Sorbothane(登録商標)(Sorbothane Inc社製が利用可能)、Neoprene(DuPont社製が利用可能)、エチルビニルアセテート、衝撃分散ゲル、フォーム、ゴム等の1つ以上からなり得る。パディング層は、通気性のある及び/又は一般的に多孔性であって、通気を行うことができる。いくつかの実施形態において、パディング層は、関連するヘッドバンドの通気性を補助するメッシュ材料である。上記に記載した通り、パディング層は、1つ以上の層に取付可能である。いくつかの実施形態において、パディング層は、一般的に、層間で分離されて、「浮遊」可能である。
【0021】
いくつかの実施形態において、本システム及び方法に係るパディング層は、頻度依存の低密度フォーム材料等の頻度依存性材料からなり得る。適切な低密度フォームの例は、ポリエステルとポリエーテルポリウレタンフォームを含む。いくつかの実施形態において、このようなフォームは、約5~約35ポンド/立方フィート(pcf)、より詳しくは、約10~約30pcf、さらにより詳しくは、約15~約25pcfの範囲の密度を有する。PORON(登録商標)及びPORON XRD(登録商標)は、Rogers Corporation社製が利用可能で、連続気泡で、微細セルポリウレタンフォームであって、1つの適切な頻度依存性フォームの例である。しかしながら、耐衝撃性を提供するために、パディング層は、任意の適切なエネルギー吸収又は頻度依存性材料であり得る。したがって、他の頻度依存性フォーム又は他の種類の材料は、本開示の範囲から逸脱することなく、使用可能である。
【0022】
本開示に係るヘッドバンドの他の層は、同一材料又は異なる材料のいずれかであり得る。材料は、例えば、制限なく、ポリエステル、ナイロン、スパンデックス、ELASTENE(Dow Chemical社製が利用可能)、綿、暗所で発光する又は蛍光性の材料等であり得る。内層又は外層のいずれかはまた、メッシュ又はそれ以外の多孔性材料であり得る。いくつかの実施形態において、内層及び/又は外層は、スパンデックス/ポリエステルの混合物等の様々な材料の混合物であり得る。いくつかの実施形態において、ヘッドバンドは、防水、耐水、又は撥水性である。他の耐久性材料は、ニット製品、織物及び非織物、革、ビニル又は他の任意の適切な材料を含む、任意の実施形態の外層用に使用可能である。いくつかの例において、ある程度弾性である層用の材料を使用することは所望であり得、したがって、スパンデックス織物等の伸縮性織物は、所望であり得る。このような材料は、装着者の頭部へのヘッドバンドの装着を維持するために、圧縮力を与える一助となり得る。
【0023】
本明細書記載のシステム及び方法に係る様々なヘッドバンドは、様々なコーティング、作用物質、又は処置により作製され、又はそれ以外では、それらを含んで、抗菌特性を発揮可能である。いくつかの実施形態は、例えば、抗菌保護用にMicroban International、Ltd社提供の、Microban(登録商標)を利用可能である。いくつかの実施形態において、パディング層は、抗菌剤と、さらに抗菌剤で処理されたヘッドバンドの1つ以上の他の織物層と、を含む。織物層用の抗菌保護は、例えば、織物に適用された化学コーティングの形態であり得る。一般的に、抗菌技術は、細菌がより長期にわたり、新たに生じる臭いに対処して、洗浄又は洗濯の頻度を最小限にすることを、臭い対策とする。任意の適切な方法は、ヘッドバンドに抗菌特性を提供するために使用可能である。1つの実施形態において、DOW Corning Corp社提供のAEGIS Microbe Shield(登録商標)等が利用される。抗菌剤の他の例は、The Dow Chemical Company社提供のSILVADUR(登録商標)、NanoHorizons、Inc社提供のSmart Silver、及びHealthGuard社提供のHealthGuard(登録商標)Premium Protectionを含む。
【0024】
いくつかの実施形態において、ヘッドバンド、又はヘッドバンドの少なくとも様々な構成要素は、水分拡散特性を提供するように構成される。一般的に、水分拡散は汗対策になり、その機能は、装着者の体温を下げるために、皮膚から汗を除去することによる。任意の適切な水分拡散を使用可能である。1つの実施形態において、水分拡散処置をヘッドバンドの織物に局所適用することが利用される。局所処置は、ヘッドバンドに汗吸収能力を与えるために適用される。一般的に、親水性(吸水性)による仕上げ又は処置により、ヘッドバンドが残留物を吸収可能な一方、ヘッドバンドの疎水性(撥水性)の繊維は、該残留物を素早く乾燥させる一助となり、装着者の快適性をさらに高める。1つの実施形態において、繊維の混合物は、疎水性繊維(ポリエステル等)と親水性繊維の両方の混合物を組み合わせることで、水分拡散特性を提供するために使用される。これら繊維の特定の混合物により、親水性繊維が流体を吸収可能で、それを大きな表面積にわたって移動させる一方、疎水性繊維は、乾燥時間を短縮する。これらの種類の繊維混合物を利用するヘッドバンドの1つの利点は、水分対策の特性が、繊維混合物に固有で、洗濯による色落ちやすり減りが決して起こらないことである。
【0025】
本開示の実施形態に係るヘッドバンドは、超音波溶接、縫合、接着、及び/又はキルティング等の様々な作製方法を使用して作製され得る。追加的に又はその代わりとして、付加製造及び/又は3次元印刷プロセスが利用可能である。縫合は、内部織物層を外部織物層に結合して、パディング層を収納するためのポケットを作製するために使用可能である。いくつかの実施形態において、二本針の縫合は、ヘッドバンドの様々な構成要素を取り付けるために利用される。二重縫合方法により、二本針は、プラスチック製ホルダーに取り付けられた2つの針を使用して、平行な二重縫合を作成する。標準ニードルシャンクは、プラスチック製ホルダーに加えられるため、ミシンのニードルホルダーに挿入可能である。1つのニードルは、もう1つのニードルよりも短いので、ボビンが、縫い目の両方を千鳥がけ縫いにできる。ヘッドバンドは、異なる大きさに作製可能なため、子供サイズの頭と大人サイズの頭の両方に装着可能である。
【0026】
本明細書記載のシステム及び方法にしたがって作製される様々な層のヘッドバンドの特定の組み合わせの材料を、変更可能である。以下に、材料の組み合わせのいくつかの非限定的な実施例を記載する。他の組み合わせが想定され、本開示の範囲内であることは、容易に理解される。いくつかのヘッドバンドに対して、1つ以上の層は、ポリエステル又はナイロンを約80~90%と、スパンデックス又はElasteneを約10~20%含み得る。1つの実施形態において、1つ以上の層は、ポリエステルを約86%とスパンデックスを約14%含み得る。1つ以上の層はまた、通気性を高めるためのメッシュタイプの材料であり得る。ヘッドバンドの層は、様々な織物重量を有し得る。いくつかの実施形態において、外層又は内層の織物重量は、例えば、約5~約12オンスの範囲であり得る。
【0027】
いくつかの実施形態において、織物層の1つ以上は、ポリエステルを約60%と綿を約40%含み得る。1つの実施形態において、1つ以上の織物層は、綿を約100%含み得る。1つの実施形態において、1つ以上の織物層は、ポリエステルを約80%とスパンデックスを約20%含み得る。1つの実施形態において、1つ以上の織物層は、ポリエステルを約90%とスパンデックスを約10%含み得る。1つの実施形態において、1つ以上の織物層は、ポリエステルを約86%とスパンデックスを約14%含み得る。いくつかの実施形態において、1つ以上の織物層は、アクリルを約100%含み得る。1つの実施形態において、1つ以上の層は、アクリルを約85%とナイロンを約15%含み得る。
【0028】
いくつかの実施形態において、1つ以上の織物層は、綿を約100%含み得る。1つの実施形態において、1つ以上の織物層は、綿を約80%とポリエステルを約20%含み得る。さらに、様々なヘッドバンドは、着色材料、染料用の特定の色から作製可能、又は暗所で発光して及び/又は反射性材料で作製可能である。
【0029】
本明細書記載の様々な実施形態において、単一の構成要素は、複数の構成要素に置き換えられ得、複数の構成要素は、単一の構成要素に置き換えられ得、所定の機能を果たす。このような置換が有効でない可能性がある場合を除いて、該置換は、実施形態の意図する範囲内にあるものとする。様々な実施形態が、本明細書で記載されたものの、それら実施形態の様々な修正、変更、及び適合が、利点の少なくともいくつかを達成することで、当業者に着想可能であることは、明らかであるべきである。したがって、開示された実施形態は、このようなすべての修正、変更、及び適合を、本明細書記載の実施形態の範囲から逸脱することなく、含むことを意図する。
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【国際調査報告】