(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-13
(54)【発明の名称】インプラント保管容器
(51)【国際特許分類】
A61C 8/00 20060101AFI20220506BHJP
H05H 1/24 20060101ALI20220506BHJP
【FI】
A61C8/00 Z
H05H1/24
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020562178
(86)(22)【出願日】2020-09-29
(85)【翻訳文提出日】2020-11-05
(86)【国際出願番号】 KR2020013384
(87)【国際公開番号】W WO2021177527
(87)【国際公開日】2021-09-10
(31)【優先権主張番号】10-2020-0027058
(32)【優先日】2020-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0054652
(32)【優先日】2020-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0074260
(32)【優先日】2020-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0087734
(32)【優先日】2020-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0124911
(32)【優先日】2020-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517394201
【氏名又は名称】プラズマップ カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】イム,ユボン
(72)【発明者】
【氏名】イ,スンホン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジュンヨン
【テーマコード(参考)】
2G084
4C159
【Fターム(参考)】
2G084AA07
2G084BB37
2G084CC19
2G084CC32
2G084DD22
2G084FF22
2G084FF23
4C159AA01
4C159AA03
4C159AA29
4C159AA34
4C159AA58
(57)【要約】
本発明の一実施形態によるインプラント保管容器は、インプラント本体と、前記インプラント本体に連結されているホールディング・ブロックと、前記インプラント本体を収納し、かつ前記ホールディング・ブロックに連結されているカバーと、前記ホールディング・ブロックと前記カバーとの境界を密封して、前記カバーの内部の真空状態を維持する密封部材と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インプラント本体と、
前記インプラント本体に連結されているホールディング・ブロックと、
前記インプラント本体を収納し、かつ前記ホールディング・ブロックに連結されているカバーと、
前記ホールディング・ブロックと前記カバーとの境界を密封して、前記カバーの内部の真空状態を維持する密封部材と、を備えるインプラント保管容器。
【請求項2】
前記密封部材は、弾性のあるOリングまたはシーリングパッドである請求項1に記載のインプラント保管容器。
【請求項3】
前記密封部材は、弾性材質からなるが、前記カバーの内部空気を排気する時、前記密封部材に空気流通経路が一時的に形成されてから閉鎖される、回復ができる請求項1に記載のインプラント保管容器。
【請求項4】
前記カバーは、前記インプラント本体を収納する内側カバーと、前記内側カバーを収納する外側カバーとで構成され、前記密封部材は、前記外側カバーと前記ホールディング・ブロックとの境界を密封して、前記外側カバーの内部の真空状態を維持する請求項1に記載のインプラント保管容器。
【請求項5】
前記内側カバーは、内部空気を、前記内側カバーから前記外側カバーに流通させるための経路を備える請求項4に記載のインプラント保管容器。
【請求項6】
前記外側カバーが前記ホールディング・ブロックから分離される時、前記内側カバーが前記外側カバー及び前記ホールディング・ブロックから共に分離される請求項4に記載のインプラント保管容器。
【請求項7】
前記内側カバーは、誘電体障壁の放電のための誘電体領域を備える請求項4に記載のインプラント保管容器。
【請求項8】
前記ホールディング・ブロックは、前記カバーの内部空気を排気するホールを備える請求項1に記載のインプラント保管容器。
【請求項9】
前記ホールは、前記カバーの内部空気が排気された後、前記カバーの内側を真空に維持するための回復構造を備える請求項8に記載のインプラント保管容器。
【請求項10】
前記回復構造で前記カバーの内部空気を排気する時に、前記回復構造に空気流通経路が一時的に形成されてから閉鎖され、前記カバーの内側が真空を維持する請求項9に記載のインプラント保管容器。
【請求項11】
前記カバーは、前記カバーの内部空気を排気するホールを備える請求項1に記載のインプラント保管容器。
【請求項12】
前記ホールディング・ブロックの外面には電気端子を備え、
前記電気端子と前記インプラント本体とを連結する電気連結部をさらに備える請求項1に記載のインプラント保管容器。
【請求項13】
前記内側カバーは、誘電体障壁の放電のための誘電体領域を備える請求項1に記載のインプラント保管容器。
【請求項14】
前記誘電体領域は、紫外線を透過できる請求項13に記載のインプラント保管容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インプラント保管容器に係り、さらに詳細には、インプラント用のフィクスチャを収納して保管する保管容器の内部を真空にする、インプラント保管容器に関する。
【背景技術】
【0002】
インプラントは、人体組職が失われた時に体組職を回復させる代替物を意味し、歯科では、人工の歯牙構造物を意味する。
【0003】
インプラント手術過程では、失われた歯牙の歯根の代わりをするように、人体に拒絶反応のない材質(例えば、チタンなど)で作った人工歯根を骨に植える。次いで、人工歯根を歯槽骨に癒着させ、かつ補綴物を固定させて、人工歯牙構造を形成する。
【0004】
一般的に、歯科用インプラントは、チタンからなり、歯槽骨に植立されるフィクスチャと、フィクスチャ上に固定されて補綴物を支持するアバットメント(abutment)と、アバットメントをフィクスチャに固定させるアバットメント・スクリューと、アバットメントに固定される人工歯牙としての補綴物と、で構成される。
【0005】
歯科用インプラントの構成は、人体の組職内に挿入される構成であるほど滅菌状態及び表面活性化の状態が維持されねばならないため、包装と運び、そして包装の封切り時に汚染や損傷させないことが、何よりも重要な課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする技術的課題は、保管容器に保管されているインプラントの汚染及び損傷を防止するために、真空密封する構造を提供することである。
【0007】
また、本発明が解決しようとする他の技術的課題は、インプラントを保管する保管容器を、前記インプラントの表面改質のためのプラズマあるいは紫外線処理を行うに当って、誘電体障壁の放電のための誘電層または電極を印加する構成、あるいは紫外線の通過する材質を含んで提供することである。
【0008】
本発明が解決しようとする技術的課題は、バイオ素材などの被処理物のプラズマ処理による特性を与えるためのインプラント保管容器、このための装置、及びこれを用いる方法を提供することである。
【0009】
本発明が解決しようとする他の技術的課題は、プラズマを生成するための高電圧部を、被処理物に電気を印加して取り替えることで、装置を簡素化できるインプラント保管容器、このための装置、及びこれを用いる方法を提供することである。
【0010】
本発明が解決しようとするさらに他の技術的課題は、被処理物に電気を印加するための装置の連結部が、点接触で被処理物またはその連結部材に連結されることによる損傷を、側面の線接触または面接触になるように変更して、防止したインプラント保管容器、このための装置、及びこれを用いる方法を提供することである。
本発明が解決しようとするさらに他の技術的課題は、プラズマ処理空間の無菌性を確保できるように、プラズマ処理空間の真空状態を形成できるインプラント保管容器、このための装置、及びこれを用いる方法を提供することである。
【0011】
本発明が解決しようとするさらに他の技術的課題は、プラズマ表面処理が完了した後で真空状態に保管可能にして、無菌性及び生体親和性を維持できるインプラント保管容器、このための装置、及びこれを用いる方法を提供することである。
【0012】
本発明が解決しようとするさらに他の技術的課題は、真空でプラズマを用いて表面処理するに当って、フィクスチャを真空チャンバに移動させて処理する過程中の汚染を防止するインプラント保管容器、このための装置、及びこれを用いる方法を提供することである。
【0013】
本発明が解決しようとする技術的課題は、その内部にインプラント本体を収納し、カバーに連結され、かつ既定の組成比によって、プラズマ放電に用いられる放電ガスの満たされている内部ガス環境を、密閉された状態に維持させるカバーを備えるインプラント保管容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一実施形態によるインプラント保管容器は、インプラント本体と、前記インプラント本体に連結されているホールディング・ブロックと、前記インプラント本体を収納し、かつ前記ホールディング・ブロックに連結されているカバーと、前記ホールディング・ブロックと前記カバーとの境界を密封して、前記カバーの内部の真空状態を維持する密封部材と、を備える。
【0015】
一部の実施形態において、前記密封部材は、弾性のあるOリングまたはシーリングパッドである。
【0016】
一部の実施形態において、前記密封部材は、弾性材質からなるが、前記カバーの内部空気を排気する時、前記密封部材に空気流通経路が一時的に形成されてから閉鎖される、回復ができる。
【0017】
一部の実施形態において、前記カバーは、前記インプラント本体を収納する内側カバーと、前記内側カバーを収納する外側カバーとで構成され、前記密封部材は、前記外側カバーと前記ホールディング・ブロックとの境界を密封して、前記外側カバーの内部の真空状態を維持する。
【0018】
一部の実施形態において、前記内側カバーは、内部空気を、前記内側カバーから前記外側カバーに流通させるための経路を備える。
【0019】
一部の実施形態において、前記外側カバーが前記ホールディング・ブロックから分離される時、前記内側カバーが前記外側カバー及び前記ホールディング・ブロックから共に分離される。
【0020】
一部の実施形態において、前記内側カバーは、誘電体障壁の放電のための誘電体領域を備える。
【0021】
一部の実施形態において、前記ホールディング・ブロックは、前記カバーの内部空気を排気するホールを備える。
【0022】
一部の実施形態において、前記ホールは、前記カバーの内部空気が排気された後、前記カバーの内側を真空に維持するための回復構造を備える。
【0023】
一部の実施形態において、前記回復構造から前記カバーの内部空気を排気する時に、前記回復構造に空気流通経路が一時的に形成されてから閉鎖され、前記カバーの内側が真空を維持する。
【0024】
一部の実施形態において、前記カバーは、前記カバーの内部空気を排気する弁ポートを備える。
【0025】
一部の実施形態において、前記ホールディング・ブロックの外面には電気端子を備え、前記電気端子と前記インプラント本体とを連結する電気連結部をさらに備える。
【0026】
一部の実施形態において、前記カバーは、誘電体障壁の放電のための誘電体領域を備える。
【0027】
一部の実施形態において、前記誘電体領域は、紫外線を透過できる。
【0028】
本発明の一実施形態によるインプラント保管容器は、被処理物に当接して前記被処理物を固定させる固定部と、前記固定部を収納するカバーと、を備えるが、前記固定部は、前記カバーの外部から前記カバーの内部に挿入される接触部の側部に当接して、前記接触部から電気を印加される。
【0029】
一部の実施形態において、前記固定部及び前記被処理物は、電気の流通する素材からなり、前記接触部から印加された電気によって、前記被処理物がプラズマを生成する電源部になる。
【0030】
一部の実施形態において、前記カバーは、前記接触部によって貫通される第1領域を備え、前記第1領域は、弾性材質からなって、前記接触部によって貫通されても前記カバーの内部が密封され、真空状態を維持する。
【0031】
一部の実施形態において、前記カバーは、前記接触部によって内部空気が排気され、前記カバーの内部が真空状態になる。
【0032】
一部の実施形態において、前記固定部は、内側に膨らんでいる突出部を備え、前記突出部は、前記内側に挿入されている前記接触部の側部と当接する。
【0033】
一部の実施形態において、前記固定部は、前記被処理物と当接する第1固定部材と、前記第1固定部材に結合されている第2固定部材と、を備え、前記第1固定部材及び前記第2固定部材は、電気の流通する素材からなり、前記第2固定部材が前記接触部と当接して印加された電気を、前記被処理物に伝達する。
【0034】
一部の実施形態において、前記突出部によって形成される挿入ホームの内角は、前記接触部の先端の内角より大きい。
【0035】
一部の実施形態において、前記第1固定部材は、外周面の一部分が平面状にカットされたDカットの形状部を備え、前記被処理物が回転しないように固定させる。
【0036】
一部の実施形態において、前記カバーは、前記被処理物及び前記固定部を収納する内側カバーと、前記内側カバーを収納する外側カバーと、を備えるが、前記内側カバーと前記外側カバーとは、一定距離ほど離隔する。
【0037】
一部の実施形態において、前記インプラント保管容器は、前記カバーに連結されている密封部材をさらに備え、前記密封部材は、前記接触部によって貫通される貫通部を備え、前記貫通部は、弾性材質からなって、前記接触部によって貫通されても、前記カバーの内部が密封されて真空状態を維持する。
【0038】
一部の実施形態において、前記密封部材と前記カバーとの間に、弾性のあるOリングまたはシーリングパッドをさらに備える。
【0039】
一部の実施形態において、前記内側カバーは、前記内側カバーの内部空気を前記外側カバー側に流通させるための経路を備える。
【0040】
一部の実施形態において、前記インプラント保管容器は、前記外側カバーに連結されている密封部材と、前記密封部材と前記外側カバーとの間に、弾性のあるOリングまたはシーリングパッドをさらに備え、前記密封部材は、内側カバーに連結され、前記内側カバーは、弾性のあるキャップ部を通じて外側カバーに連結され、前記外側カバーの内部空気が排気されるにつれて、前記外側カバーの内部が前記弾性のあるOリングまたはシーリングパッドによって密封されて真空状態を維持し、前記外側カバーの内部空気が排気されるにつれて、前記外側カバーの内部圧力が増加して、前記キャップ部を通じて前記内側カバーと前記外側カバーとの結合が強化し、前記外側カバーの内部がベントされるにつれて、前記外側カバーの内部圧力が低減して、前記キャップ部の弾性回復を通じて、前記内側カバーと前記外側カバーとの結合が弱くなる。
【0041】
本発明の一実施形態によるプラズマ処理装置は、被処理物の収納されている容器を収納する収納部と、前記容器の内側に挿入されて、側部が前記被処理物と電気的に連結される接触部と、プラズマを生成するための電源を、前記接触部を通じて前記被処理物に印加する電源部と、を備える。
【0042】
一部の実施形態において、前記接触部は、前記容器の外面を貫通できる先端部を備える。
【0043】
一部の実施形態において、前記接触部は、前記容器の内部空気を排気するための空気流動経路を、前記接触部の内部に備える。
【0044】
一部の実施形態において、前記接触部に形成されている前記容器の内部空気を排気するためのホールは、前記接触部と前記被処理物との電気的接点より、前記被処理物からさらに遠い位置に形成される。
【0045】
一部の実施形態において、前記接触部の前記空気流動経路に連結され、前記容器の内部空気を排気する排気部をさらに備え、前記接触部は、電気の流通する素材で形成され、前記接触部の前記排気部に連結されている経路に、絶縁部をさらに備える。
【0046】
一部の実施形態において、前記容器の外周面に隣接して、前記電源部に連結され、かつ接地されている接地電極部をさらに備える。
【0047】
一部の実施形態において、前記収納部は、前記容器を収納して固定させる固定部をさらに備える。
【0048】
本発明の一実施形態によるプラズマ処理方法は、被処理物の収納されている容器を収納する段階と、接触部の側部が前記被処理物と電気的に連結されるように、前記容器の内側に移動する段階と、前記接触部を通じて前記容器の内部空気を排気する段階と、プラズマを生成するための電源を、前記接触部を通じて前記被処理物に印加する段階と、を含む。
【0049】
一部の実施形態において、前記容器の収納を感知し、前記容器が収納されている場合に、前記電力を印加する段階を含む。
【0050】
本発明の実施形態によるインプラント保管容器は、インプラント本体と、その内部に前記インプラント本体を収納するカバーと、前記カバーに連結され、かつ既定の組成比によってプラズマ放電に用いられる放電ガスが満たされている内部ガス環境を、密閉された状態に維持させる保管容器本体と、を備える。
【0051】
実施形態によって、前記インプラント保管容器は、前記保管容器本体と前記カバーとの境界を密封する密封部材をさらに備える。
【0052】
実施形態によって、前記密封部材は、弾性のあるOリングまたはシーリングパッドである。
【0053】
実施形態によって、前記保管容器本体は、弾性材質からなるが、前記カバーの内部に前記放電ガスを注入する時、ガス流通経路が一時的に形成されてから閉鎖される、回復の可能な貫通部を備える。
【0054】
実施形態によって、前記保管容器本体の外面または前記カバーの外面には、前記内部ガス環境に関する情報を表示する表示部がさらに備えられる。
【0055】
実施形態によって、前記表示部は、前記インプラント保管容器の内部に満たされている前記放電ガスの種類、前記放電ガスの組成比、前記放電ガスの内部圧力、及び使用可能期限のうち少なくともいずれが一つを表示する。
【0056】
実施形態によって、前記インプラント保管容器は、前記インプラント本体に連結されて、前記インプラント本体を固定させる固定部をさらに備える。
【0057】
実施形態によって、前記固定部は、前記インプラント本体に連結されている第1固定部材と、前記第1固定部材に結合されている第2固定部材と、を備える。
【0058】
実施形態によって、前記第1固定部材及び前記第2固定部材は、電気の流通する素材からなり、前記第2固定部材に印加された電圧を前記インプラント本体に伝達する。
【0059】
実施形態によって、前記インプラント本体は、電圧が印加されるにつれて、誘電体障壁の放電に使われる一つの電極として動作する。
【0060】
実施形態によって、前記放電ガスは、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス、キセノンガス、ラドンガス、窒素ガス、セレン化水素ガス、重水素ガス、フッ素ガス、塩素ガス、臭素ガス、ヨウ素ガス、水素ガス、水銀ガス、または前記ガスの組み合わせで構成される。
【0061】
実施形態によって、前記カバーは、前記インプラント本体を収納する内側カバーと、前記内側カバーを収納する外側カバーと、を備えるが、前記内側カバーと前記外側カバーとは、一定距離ほど離隔する。
【0062】
実施形態によって、前記内側カバーには、突出構造に形成された取っ手が構成される。
【0063】
実施形態によって、前記内側カバーは、前記内側カバーと前記外側カバーとの間に、ガスを流通させるための経路を備える。
【発明の効果】
【0064】
本発明の実施形態による装置は、収納されているインプラントに対する滅菌維持と、損傷及び汚染防止とのための真空密封を可能にする。
【0065】
また、本発明の実施形態による装置は、収納されているインプラントについてのプラズマ表面処理において、誘電体障壁の放電の効率性を高めるように真空密封を可能にする。
【0066】
また、本発明の実施形態による装置は、収納されているインプラントについてのプラズマ表面処理のための誘電体層及び印加電極のための構成を持ち、さらに低コストで効率性の高い処理装置に連結される。
【0067】
また、本発明の実施形態による装置は、収納されているインプラントに対する紫外線表面処理のための紫外線透過材質で構成して、効率性の高い処理装置に連結される。
【0068】
また、本発明の実施形態による装置は、収納されているインプラントについてのプラズマ表面処理と紫外線表面処理とを共に行って、表面処理の効率性を極大化する。
【0069】
また、本発明の実施形態による装置は、インプラントフィクスチャを真空で密封することで、フィクスチャの表面に有機物が付くことを防止する。
【0070】
また、本発明の実施形態による装置は、インプラントフィクスチャを包装状態で表面処理し、フィクスチャの表面の有機物をとり除いて、生体適合性を向上させる。
【0071】
本発明の実施形態による容器、装置及び方法は、バイオ素材などの被処理物のプラズマ処理による特性を与える。
【0072】
また、本発明の実施形態による容器、装置及び方法は、プラズマを生成するための高電圧部を、被処理物が電気を印加されて機能することで、装置を簡素化する。
【0073】
また、本発明の実施形態による容器、装置及び方法は、被処理物に電気を印加するための連結点を、点接触ではない線接触または面接触として、連結点のための装置の構成が損傷することを防止し、連結点をなすための動作の難易度を低める。
【0074】
また、本発明の実施形態による容器、装置及び方法は、真空での均一で安定したプラズマ表面処理が可能であり、高い空間均一度及び向上した表面処理性能を持つ。
【0075】
また、本発明の実施形態による容器、装置及び方法は、プラズマ処理空間の無菌性を確保できる。また、本発明の実施形態による容器、装置及び方法は、プラズマ処理の終わった被処理物を、滅菌維持と損傷及び汚染防止とのために真空密封できる。
【0076】
また、本発明の実施形態による容器、装置及び方法は、プラズマ表面処理が終わった後で真空状態に保管させて、無菌性及び生体親和性を維持できる。
【0077】
また、本発明の実施形態による容器、装置及び方法は、真空でプラズマを用いて表面処理するに当って、フィクスチャを真空チャンバに移動させて処理する過程中の汚染を防止する。
【0078】
本発明の実施形態による装置及び方法は、収納されているインプラント本体の汚染防止、滅菌状態維持、損傷防止のために、密閉状態を維持できる。
【0079】
また、本発明の実施形態による装置及び方法は、既定の組成比によって、プラズマ放電に用いられる放電ガスの満たされている内部ガス環境を、密閉された状態に維持することで、インプラント本体の収納されているインプラント保管容器自体を最適化させた状態で、プラズマ処理に使える。
【0080】
また、本発明の実施形態による装置及び方法は、インプラント本体に電圧が印加されるにつれて、誘電体障壁の放電に使われる一つの電極として動作することで、インプラント本体の効果的なプラズマ処理を行える。
【0081】
また、本発明の実施形態による装置及び方法は、インプラント保管容器の外部の表示部を通じて、インプラント保管容器の内部に満たされている放電ガスの種類、放電ガスの組成比、放電ガスの内部圧力、及び使用可能期限のうち少なくともいずれが一つを表示することで、インプラント保管容器を効果的に管理する。
【図面の簡単な説明】
【0082】
本発明の詳細な説明で引用される図面をさらに十分に理解するために、各図面の簡単な説明が提供される。
【
図1】本発明の一実施形態によるインプラント保管容器を概略的に示す構成図である。
【
図2】
図1のA-A線による概略的な断面図である。
【
図3】本発明の他の実施形態によるインプラント保管容器を概略的に示す構成断面図である。
【
図4】本発明のさらに他の実施形態によるインプラント保管容器を概略的に示す構成断面図である。
【
図5】本発明のさらに他の実施形態によるインプラント保管容器を概略的に示す構成図である。
【
図6】本発明の一実施形態によるインプラント保管容器を概略的に示す構成図である。
【
図7】
図6のA-A線による概略的な断面図である。
【
図8】
図7において、接触部が挿入された時を示す概略的な断面図である。
【
図10】本発明の一実施形態によるプラズマ処理装置を概略的に示す構成図である。
【
図11】
図10において、接触部が容器に挿入された時を概略的に示す構成図である。
【
図12】本発明の一実施形態によるプラズマ処理方法を示すフローチャートである。
【
図13】本発明の一実施形態によるインプラント保管容器の斜視図である。
【
図14】
図13のA-A線に沿って切断した時の一実施形態による断面図である。
【
図15】
図14において、接触部がインプラント保管容器に挿入された状態を示す図面である。
【
図17】発明の一実施形態によるプラズマ処理システムの概路図である。
【
図18】
図17のプラズマ処理システムで、接触部がインプラント保管容器に挿入された状態を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0083】
本発明の技術的思想は、多様な変更を加えられ、かつ多様な実施形態を持つことができるところ、特定の実施形態を図面に例示し、これを詳細に説明する。しかし、これは、本発明の技術的思想を特定の実施形態によって限定しようとするものではなく、本発明の技術的思想の範囲に含まれるすべての変更、均等物ないし代替物を含むと理解されねばならない。
【0084】
本発明の技術的思想を説明するに当って、係る公知技術についての具体的な説明が本発明の趣旨を不要に不明にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。また、本明細書の説明過程で用いられる数字(例えば、第1、第2など)は一つの構成要素を他の構成要素から区分するための識別記号に過ぎない。
【0085】
また、本明細書において、一構成要素が他の構成要素と“連結される”か、または“接続する”などと言及された時には、前記一構成要素が前記他の構成要素と直接連結されるか、または直接接続することもあるが、特に逆の記載が存在しない以上、中間にさらに他の構成要素を介して連結されるか、または接続することもあると理解されねばならない。
【0086】
また、本明細書に記載の“~部”、“~器”、“~子”、“~モジュール”などの用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、APU(Accelerate Processor Unit)、DSP(Drive Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアやソフトウェアまたはハードウェア及びソフトウェアの結合で具現され、少なくとも一つの機能や動作の処理に必要なデータを保存するメモリと結合される形態で具現されてもよい。
【0087】
そして、本明細書における構成部の区分は、各構成部が担当する主機能別に区分したことに過ぎないということを明らかにする。すなわち、以下で説明する2個以上の構成部が一つの構成部に合わせられるか、または一つの構成部がさらに細分化した機能別に2個以上に分化して備えられてもよい。そして、以下で説明する構成部それぞれは、自分の担当する主機能以外にも他の構成部が担当する機能のうち一部または全部の機能をさらに行ってもよく、構成部それぞれが担当する主機能のうち一部の機能が他の構成部によって専担されて行われてもよいということは言うまでもない。
【0088】
以下、本発明の技術的思想による実施形態を順次に詳細に説明する。
【0089】
図1は、本発明の一実施形態によるインプラント保管容器を概略的に示す構成図であり、
図2は、
図1のA-A線による概略的な分解断面図である。
【0090】
図1及び
図2を参照すれば、本発明の一実施形態によるインプラント保管容器100は、インプラント本体110と、インプラント本体110に連結されているホールディング・ブロック120と、インプラント本体110を収納し、かつホールディング・ブロック120に連結されているカバー130及び140と、ホールディング・ブロック120とカバー130及び140との境界を密封して、カバー130及び140の内部の真空状態を維持する密封部材150と、を備える。
【0091】
インプラント保管容器100は、その内部にインプラント本体110を収納した状態でインプラント本体110を保管できる。インプラント保管容器100は、インプラントアンプルなどとも呼ばれる。
【0092】
実施形態によって、インプラント本体110は、歯槽骨に挿入されて人工歯牙を支持する所定の構造物で構成される。実施形態によって、インプラント本体110は、上下方向に延長して全体的に柱状になっており、チタンなどの人体に無害で骨組職と容易に融合できる素材からなりうるが、これに限定されるものではない。よって、前記と類似した特性を持つ素材ならば何でも使われる。
【0093】
また、実施形態によって、インプラント本体110は、ねじのような形状を持って周辺との接触面積を拡大させる構造を持つことができ、一方向に外径が拡張または縮小する構成を持つ。
【0094】
インプラント本体110は、インプラント保管容器100に保管される対象であると共に、インプラント保管容器100のままプラズマ処理を行う場合に、プラズマ処理される対象である。
【0095】
実施形態によって、インプラント本体110は、電気の流通する他の被処理対象(または被処理物)で取り替えられる。
【0096】
実施形態によって、インプラント本体110は、インプラントにおいて、プラズマ処理の必要な部分を幅広く意味する。例えば、インプラント本体110は、インプラントフィクスチャであるが、これに限定されるものではない。
【0097】
インプラント本体110は、カバー130及び140に収納される。カバー130及び140は、円筒状または直方体型の本体部を持つ。
【0098】
実施形態によって、カバー130及び140は、インプラント本体110を収納する内側カバー130と、内側カバー130を収納する外側カバー140とで構成される。
【0099】
実施形態によって、外側カバー140は、樹脂素材で形成される。
【0100】
実施形態によって、外側カバー140は、密封部材150を通じて、ホールディング・ブロック120との境界が密封されて、外側カバー140の内部の真空状態が維持される。また、外側カバー140は、密封部材150を通じて、ホールディング・ブロック120に連結されて、真空の境界条件を形成する。
【0101】
実施形態によって、内側カバー130には、インプラント本体110が据え置きされて支持される支持手段131及び132が備えられて、インプラント本体110を所定の高さに支持する。支持手段131及び132は、インプラント本体110の下部に位置して固定支持する下部支持手段131と、インプラント本体110の上部に位置して固定支持する上部支持手段132と、で構成される。
【0102】
本明細書で“支持手段”とは、配置と関係なく、インプラント本体110を支持または固定するための構造を幅広く意味し、実施形態によって“固定部”とも呼ばれる。
【0103】
実施形態によって、支持手段131及び132は、インプラント本体110と同じ材質またはチタンなどの、人体に無害で骨組職と容易に融合できる素材で形成されて、インプラント本体110の汚染及び損傷を防止する。
【0104】
実施形態によって、内側カバー130は、上部支持手段132を弾性によって押して固定させる内側カバーキャップ133を備える。
【0105】
内側カバーキャップ133は、弾性を持って上部支持手段132に弾性圧力をかけて、インプラント本体110を固定させる。
【0106】
実施形態によって、内側カバーキャップ133は、内側カバー130の内部空気を内側カバー130から外側カバー140に流通させるための経路134を備える。
【0107】
実施形態によって、内側カバーキャップ133は、シリコン素材で形成される。
【0108】
実施形態によって、内側カバー130は、誘電体で構成されて、誘電体障壁の放電のための誘電体領域になる。また、内側カバー130の外周面の一部は、誘電体障壁の放電のための誘電体領域になるように、誘電体で構成される。
【0109】
実施形態によって、内側カバー130は、低膨脹耐熱ガラスで形成される。例えば、内側カバー130は、ホウケイ酸ガラスで形成される。
【0110】
実施形態によって、外側カバー140は、誘電体障壁の放電のためのグラウンド領域になる。また、外側カバー140の外周面の一部は、誘電体障壁の放電のためのグラウンド領域になるように構成される。
【0111】
実施形態によって、外側カバー140は、電気の流れない不導体で構成されて、インプラント本体110に電気が印加されても、外面へのユーザ安全性を確保する。
【0112】
実施形態によって、内側カバー130及び外側カバー140は、インプラント本体110についての紫外線処理ができるように、紫外線透過が可能である。
【0113】
これを通じて、カバー130及び140は、内部の真空が形成された状態で、プラズマ表面処理または紫外線処理を順次に、独立的に、または同時に行えるため、インプラント本体110についての表面処理効率性が向上する。
【0114】
ホールディング・ブロック120は、インプラント本体110に連結される。
【0115】
本明細書で“ホールディング・ブロック”とは、インプラント本体110を直接または間接的に支持または固定させる構造を幅広く意味し、実施形態によって“保管容器本体”などとも呼ばれる。
【0116】
実施形態によって、ホールディング・ブロック120は、その外面に電気端子122を備え、電気端子122と下部支持手段131とを連結する電気連結部121を備え、インプラント本体110に連結される。
【0117】
実施形態によって、電気連結部121は、電気的連結の可能な金属素材で形成され、インプラント保管容器100の外面に露出されている電気端子122に連結される。
【0118】
実施形態によって、電気端子122は、外部電源に連結されて、電気連結部121及び下部支持手段131を通じてインプラント本体110に電源を印加して、インプラント本体110を誘電体障壁の放電の電極とする。
【0119】
実施形態によって、ホールディング・ブロック120は、電気連結部121を通じて電気が印加される時、他の構造への電気流通による損傷の恐れを防止するために、電気連結部121の外周に絶縁部123を備える。
【0120】
実施形態によって、ホールディング・ブロック120は、カバー130及び140の内部空気を排気するホール124を備える。
【0121】
実施形態によって、ホール124は、カバー130及び140の内部空気を排気する複数の流路及び複数のホールで構成される。
【0122】
ホール124は、カバー130及び140の内部空気が排気された後、カバー130及び140の内側を真空に維持させるための回復構造であり、シーリングパッド(図示せず)を備える。
【0123】
シーリングパッドは、弾性材質で構成され、前記カバー130及び140の内部空気が排気される時に、空気流通経路が一時的に形成されてから、シーリングパッドの弾性回復によって閉鎖され、カバー130及び140の内側を真空に維持させる。
これを通じて、インプラント本体110は、外部の空気から遮断されて、汚染に露出されずにプラズマ表面処理ができる。
【0124】
実施形態によって、ホールディング・ブロック120及び絶縁部123は、樹脂素材で形成される。
【0125】
密封部材150は、ホールディング・ブロック120とカバー130及び140との境界を密封して、カバー130及び140の内部の真空状態を維持させる。
【0126】
実施形態によって、密封部材150は、外側カバー140とホールディング・ブロック120との境界を密封して、外側カバー140の内部の真空状態を維持させる。
【0127】
また、実施形態によって、密封部材150は、ホールディング・ブロック120とカバー130及び140とが連結された面に、真空の境界条件を形成する。
【0128】
実施形態によって、密封部材150は、弾性のあるOリングまたはシーリングパッドを備える。
【0129】
実施形態によって、密封部材150は、弾性材質で形成される。これを通じて、密封部材150は、空気流通のためのホール124が、ニードルなどの直径の小さな鋭い物体によって透過されて、カバー130及び140の内部空気を排気する時に、空気流通経路が一時的に形成される。また、密封部材150は、内部空気が排気された後、弾性によって空気流通経路が閉鎖される回復ができる。
【0130】
実施形態によって、密封部材150は、シリコン素材で形成される。
【0131】
実施形態によって、外側カバー140は、ホールディング・ブロック120と脱着自在の結着構造で連結され、内側カバー130は、外側カバー140及びホールディング・ブロック120に対して、内側カバーキャップ133の弾性によって固定される。
【0132】
よって、内側カバー130は、外側カバー140とホールディング・ブロック120とが分離されれば、外側カバー140とホールディング・ブロック120とから共に分離される。
【0133】
実施形態によって、内側カバー130がホールディング・ブロック120から分離される時、内側カバー130は、外側カバー140とホールディング・ブロック120とから独立的に分離される。
【0134】
図3は、本発明の他の実施形態によるインプラント保管容器を概略的に示す構成断面図である。
【0135】
図3を参照すれば、本発明の他の実施形態によるインプラント保管容器300は、インプラント本体310と、インプラント本体310に連結されているホールディング・ブロック320と、インプラント本体310を収納し、かつホールディング・ブロック320に連結されているカバー330と、ホールディング・ブロック320とカバー330との境界を密封して、カバー330の内部の真空状態を維持させる密封部材370と、を備える。
【0136】
実施形態によって、インプラント本体310は、延長部材340と固定結合され、延長部材340は、ベース・プレート350と固定結合され、ベース・プレート350は、ホールディング・ブロック320に連結される。
【0137】
また、実施形態によって、ホールディング・ブロック320は、それを貫通する電気連結部360を備え、電気連結部360は、ホールディング・ブロック320の外面に露出され、延長部材340に連結されて露出された外面を通じて、外部電源の印加を受け、インプラント本体310に電圧を印加する。
【0138】
実施形態によって、電気連結部360は、内側カバー130及び外側カバー140にそれぞれ備えられて、内側カバー130が外側カバー140とホールディング・ブロック120とから独立して分離される時、内側カバー130側の電気連結部と外側カバー140側の電気連結部とが分離されるように構成される。
【0139】
実施形態によって、電気連結部360は、外部の電源から電気を印加され、インプラント本体310に電気を印加して、プラズマ表面処理が行われるようにする。
【0140】
また、実施形態によって、密封部材370は、インプラント本体310に電気を印加して、プラズマ表面処理が行われる間に、カバー330の内部の真空状態を形成して維持させる。
【0141】
実施形態によって、カバー330は、カバー330の内部空気を排気する弁ポート380を備える。また、弁ポート380は、開閉の可能なチェック弁ポートであってもよい。
【0142】
実施形態によって、弁ポート380は、閉じられた構造で真空を維持できるが、排気されてガス抜きが要求される時に必要な力を減らすために、真空に露出される面積を最小化して構成される。
【0143】
実施形態によって、ベース・プレート350は、内部空気の排気がさらに円滑に行われるように、真空チャンネルホール351及び352を備える。
【0144】
実施形態によって、カバー330は、誘電体で形成される。
【0145】
実施形態によって、密封部材370は、真空密封されたOリングまたはゴム射出されたシーリングパッドである。
【0146】
図4は、本発明のさらに他の実施形態によるインプラント保管容器を概略的に示す構成断面図である。
【0147】
図4を参照すれば、本発明のさらに他の実施形態によるインプラント保管容器400は、インプラント本体410と、インプラント本体410に連結されているホールディング・ブロック420と、インプラント本体410を収納し、かつホールディング・ブロック420に連結されているカバー430と、ホールディング・ブロック420とカバー430との境界を密封して、カバー430の内部の真空状態を維持させる密封部材470と、を備える。
【0148】
実施形態によって、インプラント本体410は、延長部材440と固定結合され、延長部材440は、ベース・プレート450と固定結合され、ベース・プレート450は、ホールディング・ブロック420に連結される。
【0149】
また、実施形態によって、ホールディング・ブロック420は、それを貫通するものの屈折した電気連結部460を備え、電気連結部460は、ホールディング・ブロック420の外面に露出され、延長部材440に連結されて露出された外面を通じて、外部電源の印加を受け、インプラント本体410に電圧を印加する。
【0150】
電気連結部460は、インプラント保管容器400の中心部に位置せねばならないインプラント本体410に比べて、外部電源の印加が中心から逸脱してまたは側面で行われるように、屈折する。
【0151】
実施形態によって、ホールディング・ブロック420は、カバー430の内部空気を排気する排気ホール480を備え、排気ホール480を塞ぐ弾性のある真空ポンプポート490をさらに備える。
【0152】
図5は、本発明のさらに他の実施形態によるインプラント保管容器を概略的に示す構成図である。
図5を参照すれば、本発明のさらに他の実施形態によるインプラント保管容器500は、インプラント本体510、インプラント本体510に連結されているホールディング・ブロック520、インプラント本体510を収納し、ホールディング・ブロック520に連結されているカバー530及び540と、ホールディング・ブロック520とカバー530及び540との境界を密封して、カバー530及び540の内部の真空状態を維持させる密封部材550と、を備える。
【0153】
また、インプラント保管容器500は、カバー530及び540の内部の真空状態を解除するガス抜きのための第1ガス抜き部材560をさらに備える。
【0154】
第1ガス抜き部材560は、弾性のある密封部材550と当接して密封部材550を押す力を伝達し、密封部材550の形状を変更させることで、カバー530及び540に外部空気が流れ込む経路が発生するように構成される。
【0155】
また、インプラント保管容器500は、カバー530の内部の真空状態を解除するガス抜きのための第2ガス抜き部材570をさらに備える。
【0156】
実施形態によって、カバー530及び540は、インプラント本体510を収納する内側カバー530と、内側カバー530を収納する外側カバー540とで構成される。
【0157】
実施形態によって、内側カバー530は、弾性を持ち、内側カバーキャップ531を備える。
【0158】
第2ガス抜き部材570は、外側カバー540のホールを通じて内側カバーキャップ531と当接するが、内側カバーキャップ531の弾性性質のため、カバー530及び540の内部の真空状態が維持される。
【0159】
第2ガス抜き部材570は、内側カバーキャップ533を押す力を伝達して、内側カバータブ533の形状を変更させることで、カバー530及び540に外部空気が流れ込む経路が発生するように構成される。
【0160】
図6は、本発明の一実施形態によるインプラント保管容器を概略的に示す構成図である。
図6を参照すれば、本発明の一実施形態によるインプラント保管容器は、被処理物610に当接して被処理物610を固定させる固定部620と、固定部620を収納するカバー630と、を備える。
【0161】
実施形態によって、被処理物610は、インプラント本体である。
【0162】
実施形態によって、カバー630は、透明であり、ポリカーボネートで構成される。
【0163】
図7は、
図6のA-A線による概略的な断面図であり、
図8は、
図7において、接触部が挿入された時を示す概略的な断面図である。
【0164】
図7及び
図8を共に参照すれば、固定部620は、カバー630の外部からカバー630の内部に挿入される接触部700の側部と当接する。
【0165】
実施形態によって、接触部700は、電源に連結されて固定部620に電源を印加する。
【0166】
実施形態によって、固定部620及び被処理物610は、電気の流通する素材で構成され、接触部700から印加された電源が、固定部620を通じて被処理物610に連結されて、被処理物610が、プラズマを生成するための電源部になる。これを通じて、被処理物610は、誘電体障壁の放電を通じるプラズマ発生に際して、高電圧部として機能する。
【0167】
実施形態によって、接触部700は、先端の尖っているニードルであり、電気の流通する素材で形成され、内部の空気流通経路を備えて、電気の連結と内部の排気とを同時に具現したものである。
【0168】
実施形態によって、接触部700には、排気時に空気を吸い込むためのホール710が形成される。
【0169】
実施形態によって、カバー630は、接触部700によって貫通される貫通部641を備える。貫通部641は、弾性材質で形成されて、接触部700によって貫通されても、カバー630の内部が密封されて真空状態を維持可能にし、接触部700が離脱すれば、貫通された領域を閉鎖する回復ができる。
【0170】
実施形態によって、カバー630は、接触部700によって内部空気が排気されて、カバー630の内部が真空状態になり、これを維持するために密封される。
【0171】
実施形態によって、固定部620は、接触部700が挿入される内側に膨らんでいる突出部622-1を備え、突出部622-1は、接触部700が挿入されて移動するにつれて、接触部700の側部と当接する。
【0172】
図9は、
図8のB領域を拡大して得た図面である。
図9をさらに参照すれば、突出部622-1によって形成される挿入溝の内角b1は、接触部700の先端の内角b2より大きい。
【0173】
すなわち、接触部700は、突出部622-1によって形成される挿入溝に一定深さで挿入されるが、内角のサイズによってかかって当接する。
【0174】
実施形態によって、突出部622-1によって形成される挿入溝の内角b1は、接触部700が挿入されて接触部700の先端が固定部620に触れない状態で、接触部700の側部が突出部622-1に触れるように、接触部700の先端の内角b2より大きく、挿入溝は、一定深さを持つ。
【0175】
これを通じて、突出部622-1は、接触部700の先端が他の部材と接触して損傷することを防止し、接触部700の先端が他の部材と接触しないように、接触部700の側部と当接することで、さらに挿入されないように阻む。
【0176】
特に、突出部622-1は、接触部700の側部と線接触または面接触するため、接触部700の挿入程度を非常に精密に調整しなくてもよい。接触部700の先端が点接触するためには、精密な公差管理が要求されるが、接触部700の側部が線接触または面接触するためには、相対的に少なく精密な公差管理でも、電気的接触への信頼性を果たすことができる。
【0177】
実施形態によって、接触部700は、先端の損傷する点接触で被処理物610に電気を印加せず、側部が線接触または面接触して被処理物610に電気を印加するように、連結される。
【0178】
実施形態によって、固定部620は、被処理物610と当接する第1固定部材621と、第1固定部材621と結合されている第2固定部材622と、を備える。
【0179】
実施形態によって、第1固定部材621は、ストッパであって、被処理物610と同じ素材であってチタン素材で形成され、被処理物610の上下ないし回転動きがないように固定させる。
【0180】
実施形態によって、第2固定部材622は、アルミニウム素材で形成され、第1固定部材621と物理的に結着される。
【0181】
これを通じて、接触部700は、第1固定部材621より低い硬度の第2固定部材622と接触することで、損傷を減らす。
【0182】
実施形態によって、第1固定部材621及び第2固定部材622は、電気の流通する素材で構成され、第2固定部材622が接触部700と当接して、印加された電気を被処理物610に伝達する。
【0183】
実施形態によって、第1固定部材621は、外周面の一部分が平面状にカットされたDカットの形状部621-1を備えて、被処理物610が回転しないように固定させる。
【0184】
実施形態によって、第2固定部材622は、外周面の一部分が平面状にカットされたDカットの形状部(図示せず)を備えて、被処理物610が回転しないように固定させる。
【0185】
実施形態によって、カバー630は、被処理物610及び固定部620を収納する内側カバー631と、内側カバー631を収納する外側カバー632と、を備え、内側カバー631と外側カバー632とは、一定距離ほど離隔する。
【0186】
実施形態によって、内側カバー631は、内側カバー631の内部空気を外側カバー632側に流通させるための経路を備える。
【0187】
これを通じて、接触部700によって空気が排気される時、内側カバー631の内部空気と、外側カバー632の内部空気とがいずれも排気される。
【0188】
これを通じて、内側カバー631は、被処理物610に対する電気を印加する構造と、誘電体障壁の放電のための形状とを持ち、外側カバー632は、容器の外部と密封されて、真空を形成して維持できる構造と、外部から絶縁された安全とを提供する。
【0189】
実施形態によって、外側カバー632は、真空誘電体障壁の放電カバーであって、透明であり、ポリカーボネート素材で構成される。
【0190】
実施形態によって、内側カバー631は、誘電体障壁の放電カバーであって、透明であり、ポリカーボネート素材で構成される。
【0191】
実施形態によって、本発明の一実施形態によるインプラント保管容器は、カバー630に連結されている密封部材640をさらに備える。
【0192】
実施形態によって、密封部材640は、接触部700によって貫通される貫通部641を備え、貫通部641は、弾性材質で形成され、接触部700によって貫通されてもカバー630の内部が密封されて、真空状態を維持可能にする。
【0193】
実施形態によって、密封部材640及び貫通部641は、スチレンに基づいたABS素材、硬度60のシリコン素材、またはその混合素材で構成される。
【0194】
実施形態によって、本発明の一実施形態によるインプラント保管容器は、密封部材640とカバー630との間に、弾性のあるOリング650、またはシーリングパッドをさらに備える。
【0195】
実施形態によって、密封部材640はカバー630と螺合し、内部空気が排気されるにつれて、Oリング650またはシーリングパッドが押され、真空リークに対する密封が行われる。
【0196】
実施形態によって、Oリング650またはシーリングパッドは、フッ化炭素素材で構成される。
【0197】
実施形態によって、内側カバー631は、外側カバー632の内部空気が排気されるにつれて、密封部材640との結合が強化する。内側カバー631は、密封部材640に対して脱着自在に結合される。例えば、内側カバー631は、密封部材640と挟み合わせられ、内部の真空が維持されるように密封される。
【0198】
実施形態によって、内側カバー631は、外側カバー632の内部空気が排気されるにつれて、外側カバー632との結合が強化する。内側カバー631は、外側カバー632に対して脱着自在に結合され、内部の真空が維持されるように密封される。
【0199】
実施形態によって、内側カバー631は、外側カバー632の内部空気が排気されるにつれて、外側カバー632または密封部材640と当接する点、線または面の圧力が増加して、固定が強化する。例えば、キャップ部670は、弾性を持って外側カバー632と内側カバー631とを連結させ、外側カバー632の内部空気が排気されるにつれて、一定圧力で押されて、外側カバー632と内側カバー631との結合を強化させる。逆に、キャップ部670は、外側カバー632の内部がガス抜きされるにつれて、圧力が弱くなり、よって、弾性が回復して、外側カバー632と内側カバー631との結合を弱化させる。
【0200】
実施形態によって、内側カバー631は、外側カバー632の内部がガス抜きされるにつれて、外側カバー632または密封部材640と当接する点、線または面の圧力が減少して、固定が弱くなる。
【0201】
これを通じて、ユーザは、インプラント保管容器に収納されている被処理物610についてのプラズマ表面処理が完了した時、内部が真空の状態であるインプラント保管容器の内部をガス抜きする時、内側カバー631に手を触れずに、内側カバー631を容器から分離可能にする。
【0202】
特に、ユーザは、インプラント保管容器の内部をガス抜きして、外側カバー632と密封部材640とを分離すれば、内側カバー631は、密封部材640に脱着自在に結合された状態で、外側カバー632から分離される。次いで、ユーザは、キャップ部670の取っ手672を取って、内側キャップ部671を通じて連結されている内側カバー631を、密封部材640から分離して、被処理物610を取り出すようにする。
【0203】
実施形態によって、被処理物610は、ガイド部680または内側キャップ部671に連結され、取っ手672を通じて、内側カバー631が密封部材640から分離される時、取っ手672側に位置する。
【0204】
すなわち、内側カバー631は、ユーザの接触なしに手術室、手術台またはトレーに移動することができ、この過程中の感染を防止する。
【0205】
実施形態によって、本発明の一実施形態によるインプラント保管容器は、被処理物610の固定をさらに堅くするための、被処理物610と同じ素材であるチタン素材のガイド部680をさらに備える。
【0206】
実施形態によって、被処理物610は、その下部が第1固定部材621に当接し、その上部がガイド部680に当接することで、固定される。
【0207】
実施形態によって、本発明の一実施形態によるインプラント保管容器は、ガイド部680に連結されているキャップ部670をさらに備える。
【0208】
実施形態によって、キャップ部670は、ガイド部680と脱着自在に連結され、ガイド部680は、被処理物610と脱着自在に連結されて、キャップ部670を取って容器の外部に引っぱることで、被処理物610及びガイド部680を手に触れずに、容器から離脱させる。
【0209】
実施形態によって、キャップ部670は、内側カバー631の上部を覆う内側キャップ部671と、内側キャップ部671の離脱を防止するように、外側カバー632と当接して押す力を与える取っ手672と、で構成される。
【0210】
実施形態によって、内側キャップ部671は、スチレンに基づいたABS素材で形成され、取っ手672は、不透明な色のポリカーボネート素材で形成される。
【0211】
実施形態によって、本発明の一実施形態によるインプラント保管容器は、接触部700が貫通部641を突いて挿入された後、突出部622-1に当接するための移動経路についての経路部660をさらに備える。
【0212】
図10は、本発明の一実施形態によるプラズマ処理装置を概略的に示す構成図である。
図10を参照すれば、本発明の一実施形態によるプラズマ処理装置は、被処理物811が収納されている容器810を収納する収納部820と、被処理物811と電気的に連結される接触部830と、プラズマを生成するための電源を、接触部830を通じて前記被処理物811に印加する電源部840と、を備える。
【0213】
実施形態によって、被処理物811は、インプラント本体であり、容器810は、インプラント本体を収納するインプラント保管容器である。
【0214】
実施形態によって、接触部830は、容器810の外面を貫通できる先端部831を備えるニードルであって、電気の流通する素材で形成される。
【0215】
実施形態によって、接触部830は、容器810の内部空気を排気するための空気流通経路を、その内部に備える。すなわち、接触部830は、内部が空の管状になっている。
【0216】
図11は、
図10において、接触部が容器に挿入された時を概略的に示す構成図である。
図11をさらに参照すれば、接触部830は、容器810の内側に挿入され、その側部が接触部830を通じて、被処理物811と電気的に連結される。
【0217】
実施形態によって、接触部830は、被処理物811と電気的に連結されている部材812の挿入溝に挿入され、側部が部材812の内側突出部と当接して、電気的に連結される。
【0218】
実施形態によって、接触部830に形成されている容器810の内部空気を排気するためのホール832は、接触部830と被処理物811との電気的接点より、被処理物811からさらに遠い位置に形成される。
【0219】
実施形態によって、接触部830の側部と部材812とが触れる線または面より、プラズマ処理装置側にさらに近い位置に、ホール832が形成される。これを通じて、ホール832を通じる排気が、接触部830の側部と部材812とが触れた線または面への結着を強化させ、容器810の内部空気がいずれも排気されないという問題を解決する。
【0220】
実施形態によって、本発明の一実施形態によるプラズマ処理装置は、容器810が収納された時、電源部840に連結されて接地され、容器810の外周面に隣接している接地電極部821をさらに備える。
【0221】
実施形態によって、収納部820は、容器810を収納して固定させる固定部(図示せず)をさらに備える。
【0222】
望ましくは、収納部820は、容器810の収納如何を判定するセンシング部(図示せず)をさらに備え、センシング部によって判断された容器810の収納如何によって、装置の動作エラーを防止する。
【0223】
実施形態によって、本発明の一実施形態によるプラズマ処理装置は、接触部830の空気流動経路に連結されて、容器810の内部空気を排気する排気部850をさらに備える。
【0224】
実施形態によって、接触部830は、電気流通する素材で形成され、接触部830の前記排気部850に連結されている経路に、絶縁部860をさらに備える。
【0225】
実施形態によって、電源部840は、電源制御部881によって制御され、電源制御部881は、電源部840による電流をモニタリングする電流測定部883によって測定された情報を通じて、制御を行う。
【0226】
実施形態によって、収納部820は、接地電極部821及び誘電体部822を備える。
【0227】
実施形態によって、誘電体部822は、接地電極部821と当接し、接地電極部821よりは容器810に当接するように構成される。
【0228】
実施形態によって、本発明の一実施形態によるプラズマ処理装置は、接触部830の移動を制御する動き制御部882をさらに備える。
【0229】
実施形態によって、動き制御部882は、接触部830の、所定の経路を通じる移動を制御するための、下部限界センサー及び上部限界センサーによって受信された情報を用いる。
【0230】
実施形態によって、本発明の一実施形態によるプラズマ処理装置は、排気される空気の圧力を測定する圧力センサー871をさらに備える。
【0231】
実施形態によって、本発明の一実施形態によるプラズマ処理装置は、排気される動作の駆動または停止のための弁872を備える。
【0232】
実施形態によって、排気部850は、プラズマ処理装備と独立して離隔しているハウジングによって、独立型に構成される。
【0233】
実施形態によって、排気部850は、排気ポンプ851を備え、排気ポンプ851によって導出されるオイルを、オイル収去経路855を通じて収去するミスト・トラップ852と、排気部850の外に導出される空気の汚染を防止するためのオゾン・フィルタ853と、HEPA(high efficiency particulate air)フィルタ854と、を備える。
【0234】
図12は、本発明の一実施形態によるプラズマ処理方法を示すフローチャートである。
図12を参照すれば、本発明の一実施形態によるプラズマ処理方法は、被処理物が収納されている容器を収納する工程(S1210)と、接触部が容器の内側に移動する工程(S1220)と、容器の内部空気を排気する段階(S1230)と、被処理物に電源を印加する段階(S1240)と、を含む。
【0235】
S1210工程で、被処理物が収納されている容器は、装置の収納部に収納される。
【0236】
S1220工程で、装置の接触部は、接触部の側部が被処理物と電気的に連結されるように、容器の内側に移動する。
【0237】
S1230工程で、装置の接触部は、容器の内部空気を排気する。
【0238】
S1240工程で、装置の電源部は、プラズマを生成するための電源を、接触部を通じて被処理物に印加する。
【0239】
実施形態によって、本発明の一実施形態によるプラズマ処理方法は、容器の収納を感知して、容器が収納されている場合にのみ電力を印加する段階をさらに備える。
【0240】
図13は、本発明の一実施形態によるインプラント保管容器の斜視図である。
図14は、
図13のA-A線に沿って切断した時の一実施形態による断面図である。
図15は、
図14において、接触部がインプラント保管容器に挿入された状態を示す図面である。
【0241】
図13ないし
図15を参照すれば、本発明の実施形態によるインプラント保管容器900は、インプラント本体910と、固定部920と、カバー930と、保管容器本体940と、貫通部941と、密封部材950と、経路部960と、キャップ部970と、ガイド部980と、を備える。
【0242】
インプラント保管容器900は、その内部にインプラント本体910を収納した状態でインプラント本体910を保管できる。インプラント保管容器900は、インプラントアンプルなどとも呼ばれる。
【0243】
インプラント本体910は、インプラント保管容器900に保管される対象であると共に、インプラント保管容器900のままプラズマ処理を行う場合に、プラズマ処理される対象である。
【0244】
実施形態によって、インプラント本体910は、インプラントにおいて、プラズマ処理の必要な部分を幅広く意味する。例えば、インプラント本体910は、インプラントフィクスチャであるが、これに限定されるものではない。
【0245】
固定部920は、インプラント本体910に当接して、インプラント本体910を固定させる。
【0246】
実施形態によって、固定部920は、第1固定部材921及び第2固定部材922を備える。
【0247】
第1固定部材921は、インプラント本体910と当接するように構成され、インプラント本体910が上下左右方向または回転方向に動かないように固定させる。
【0248】
実施形態によって、第1固定部材921は、電気の流通する素材で具現される。実施形態によって、第1固定部材921は、インプラント本体910と同じ素材(例えば、チタン)で具現される。
【0249】
実施形態によって、第1固定部材921は、外周面の一部分が平面状にカットされた、Dカットの形状部921-1を備える。この時、Dカットの形状部921-1は、インプラント本体910の下端とかみ合って、インプラント本体910の動きを防止する。
【0250】
第2固定部材922は、第1固定部材921と当接するように構成される。電圧印加のための接触部1000がインプラント保管容器900内に挿入される場合、第2固定部材922は、接触部1000が損傷なしに安定的に接触できる構造を持つ。
【0251】
実施形態によって、第2固定部材922は、電気が流通しながら、第1固定部材に比べて硬度が相対的に低い素材(例えば、アルミニウム)で具現される。
【0252】
図15を共に参照すれば、インプラント本体910をプラズマ処理するために、接触部1000を通じて電圧を印加する場合、接触部1000は、固定部920、例えば、固定部920の第2固定部材922に当接して電圧を印加する。固定部920に印加された電圧は、インプラント本体910に伝達され、インプラント本体910は、電圧が印加されるにつれて、誘電体障壁の放電に使われる一つの電極として動作する。
【0253】
実施形態によって、固定部920、例えば、固定部920を構成する第1固定部材921及び第2固定部材922は、電気の流通する素材で構成される。
【0254】
実施形態によって、固定部920は、接触部1000が挿入される内側に膨らんで突出している突出部922-1を備える。突出部922-1が挿入される場合、突出部922-1は、接触部1000の側部と接触することで、電圧を印加される。
【0255】
カバー930は、その内部にインプラント本体910を収納する。
【0256】
実施形態によって、カバー930は、透明な材質で形成される。実施形態によって、カバー930は、ポリカーボネート材質で形成される。
【0257】
カバー930は、後述する保管容器本体940に連結されて、その内部を密閉された状態に維持させる。カバー930は、インプラント本体910を収納する内側カバー931と、内側カバー931を収納する外側カバー932と、で構成される。
【0258】
実施形態によって、内側カバー931と外側カバー932とは、一定距離ほど離隔する。
【0259】
実施形態によって、内側カバー931は、内側カバー931の内部ガスを、外側カバー932側に流通させるための経路を備える。この場合、内側カバー931の内部と外部との間には、ガスが自由に移動する。
【0260】
実施形態によって、内側カバー931と外側カバー932それぞれは、ポリカーボネート材質で形成される。
【0261】
実施形態によって、内側カバー931または外側カバー932のうちいずれか一つは、省略されたまま具現されてもよい。
【0262】
保管容器本体940は、カバー930に連結されて、既定の組成比によって、プラズマ放電に用いられる放電ガスが満たされている内部ガス環境を、密閉された状態に維持させる。
【0263】
本明細書で“保管容器本体”とは、インプラント保管容器900の少なくとも一部を構成する構造を、幅広く意味する。
【0264】
実施形態によって、保管容器本体940とカバー930との間には、保管容器本体940とカバー930との境界を密封する密封部材950が備えられる。
【0265】
実施形態によって、密封部材950は、弾性材質で形成される。
【0266】
実施形態によって、内部ガス環境は、大気圧より低い気圧状態に維持され、この場合、インプラント保管容器900の内部の気圧と大気圧との差によって発生する圧力によって、密封部材950が圧着されつつ密閉状態を維持させる。
【0267】
実施形態によって、密封部材950は、Oリングまたはシーリングパッドである。
【0268】
実施形態によって、内部ガス環境は、放電ガスの組成比、放電ガスの内部圧力などの環境を含む。
【0269】
実施形態によって、保管容器本体940は、カバー930と螺合する。
【0270】
放電ガスは、カバー930(例えば、外側カバー932)及び保管容器本体940によって密閉される内部空間に満たされる。
【0271】
実施形態によって、放電ガスは、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス、キセノンガス、ラドンガス、窒素ガス、セレン化水素ガス、重水素ガス、フッ素ガス、塩素ガス、臭素ガス、ヨウ素ガス、水素ガス、水銀ガス、または前記ガスの組み合わせで構成される。
【0272】
実施形態によって、保管容器本体940は、スチレンに基づいたABS素材、シリコン素材、またはこれらの混合素材で構成されるが、これに限定されるものではない。
【0273】
保管容器本体940の下部には、貫通部941及び経路部960が形成される。
【0274】
貫通部941は、弾性材質で形成されるが、インプラント保管容器900の内部に放電ガスを注入する時に、ガス流通経路が一時的に形成されてから閉鎖される、回復ができるように構成される。
【0275】
貫通部941は、接触部1000によって貫通可能に構成され、接触部1000によって貫通された時、貫通された部分が接触部1000に密着して、カバー930及び保管容器本体940によって密閉される内部空間に満たされている放電ガスの内部ガス環境を、密閉された状態に維持させる。
【0276】
実施形態によって、貫通部941は、スチレンに基づいたABS素材、シリコン素材、またはこれらの混合素材で構成されるが、これに限定されるものではない。
【0277】
経路部960は、インプラント保管容器900内に接触部1000が挿入される時、接触部1000が貫通部941を貫通した後で移動する経路を提供する。
【0278】
キャップ部970は、内側キャップ部971及び取っ手972を備える。
【0279】
内側キャップ部971は、弾性材質で形成され、カバー930及び保管容器本体940が密封された状態では、内側カバー931と外側カバー932との間で、押された状態に維持される。
【0280】
実施形態によって、内側キャップ部971は、スチレンに基づいたABS素材、シリコン素材、またはこれらの混合素材で構成されるが、これに限定されるものではない。
【0281】
インプラント保管容器900内のインプラント本体910についてのプラズマ処理が完了した後、インプラント保管容器900の内部をガス抜き処理すれば、内側キャップ部971の復元力によって、内側カバー931と外側カバー932とは、互いに遠くなる方向に力を受ける。これによって、内側カバー931と外側カバー932とは、手を触れずに分離される。
【0282】
内側カバー931と外側カバー932とが分離された後、ユーザは、取っ手972を引っぱることで、プラズマ処理されたインプラント本体910が収納されている内側カバー931を、保管容器本体940から分離する。
【0283】
実施形態によって、インプラント本体910は、ガイド部980または内側キャップ部971に連結されて、ユーザが、取っ手972を引っぱることで、内側カバー931が保管容器本体940から分離される時、内側カバー931側に位置する。
【0284】
内側カバー931と外側カバー932との分離は、最終的な使用段階で行われるため、内側カバー931については、インプラント本体910を最終的に扱う者以外の接触を遮断することで、外部感染を最小化する。
【0285】
実施形態によって、キャップ部970は、ガイド部980に連結され、ガイド部980は、インプラント本体910の上部に当接して、インプラント本体910を固定させる。
【0286】
保管容器本体940の外面には、内部ガス環境に関する情報を表示する表示部990が備えられる。
【0287】
実施形態によって、表示部990は、カバー930、例えば、外側カバー932の外面に配置されてもよい。
【0288】
実施形態によって、表示部990は、インプラント保管容器900の内部に満たされている放電ガスの種類、放電ガスの組成比、放電ガスの内部圧力、及び使用可能期限のうち少なくともいずれが一つを表示する。
【0289】
【0290】
図13ないし
図16を参照すれば、実施形態によって、突出部922-1によって形成される挿入溝の内角b1は、接触部1000の先端の内角b2より大きく形成される。
【0291】
この場合、接触部1000は、突出部922-1によって形成される挿入溝に一定深さで挿入された後、突出部922-1にかかって当接する。
【0292】
実施形態によって、突出部922-1によって形成される挿入溝の内角b1のサイズは、接触部1000が挿入されて接触部1000の先端が第1固定部材921に触れない状態で、接触部1000の側部が、突出部922-1に触れるように設定される。すなわち、突出部922-1は、接触部1000の先端が他の部材と接触することによって損傷することを防止しながらも、接触部1000の側部が安定的に当接するように具現される。
【0293】
実施形態によって、挿入溝の内角b1は、先端の内角b2と同じ値を持ってもよい。
【0294】
突出部922-1は、接触部1000の側部と線接触または面接触するため、接触部1000の挿入程度に少し誤差があっても、安定的な接触を通じる電圧印加が行われるようにする。すなわち、接触部1000は、接触部1000の側部が突出部922-1と線接触または面接触することで、固定部920を通じて、インプラント本体910に電圧を印加するようにする。
【0295】
図17は、本発明の一実施形態によるプラズマ処理システムの概路図である。
図18は、
図17のプラズマ処理システムで、接触部がインプラント保管容器に挿入された状態を示す図面である。
【0296】
図17及び
図18を参照すれば、本発明の一実施形態によるプラズマ処理システム1100は、インプラント保管容器1210と、収納部1220と、接地電極部1221と、誘電体部1222と、接触部1230と、駆動部1240と、絶縁部1242と、電源部1250と、電流測定部1252と、電源制御部1254と、を備える。
【0297】
実施形態によって、収納部1220と、接地電極部1221と、誘電体部1222と、接触部1230と、駆動部1240と、絶縁部1242と、電源部1250と、電流測定部1252と、電源制御部1254とは、インプラント保管容器1210とは別途のプラズマ処理装置のような形態に具現される。
【0298】
図17及び
図18のインプラント保管容器1210には、説明の便宜のために、カバー内に収納されているインプラント本体1211及び固定部1212のみを示しているが、インプラント保管容器1210は、
図13ないし
図15に示されている、本発明の一実施形態によるインプラント保管容器900でありうる。
【0299】
プラズマ処理装置の収納部1220は、インプラント保管容器1210を収納できる空間を提供する。
【0300】
収納部1220には、インプラント保管容器1210の外周面に隣接して配置されている、接地電極部1221及び誘電体部1222が備えられる。
【0301】
接地電極部1221は、電源部1250の接地端に連結されて、接地電極として機能する。
【0302】
誘電体部1222は、誘電体で構成され、プラズマ障壁放電の効果を高めるために、収納部1220に備えられるが、実施形態によって、誘電体部1222は備えられなくてもよい。
【0303】
実施形態によって、誘電体部1222は、接地電極部1221より、インプラント保管容器1210側に隣接するように構成される。
【0304】
接触部1230は、インプラント保管容器1210の内側に挿入されて、接触部1230の側部が固定部1212と当接する。これによって、接触部1230は、電源部1250から印加された電圧を、固定部1212を通じてインプラント本体1211に印加する。
【0305】
駆動部1240は、接触部1230の移動、例えば、上下方向の移動を制御する。
【0306】
実施形態によって、駆動部1240は、接触部1230が所定の経路を通じて所定の距離を移動するように、下部限界センサー及び上部限界センサーから収集されたセンシング情報を用いる。
【0307】
実施形態によって、駆動部1240は、接触部1230を移動させるためのモータを備える。
【0308】
他の実施形態によって、駆動部1240は、無動力の弾性素材で取り替えられる。この場合、弾性素材を通じて接触部1230の位置を固定させてから、インプラント保管容器1210が収納部1220に挿入された時、弾性素材の復元力を用いて、接触部1230をインプラント保管容器1210内に挿入させる。例えば、駆動部1240は、一定の弾性のあるバネを備える。
【0309】
絶縁部1242は、電気の流通する素材で具現される接触部1230と、他の構成(例えば、駆動部1240)との絶縁状態を維持させる。
【0310】
電源部1250は、接触部1230を通じて、インプラント本体1211にプラズマ生成のための電源を印加する。
【0311】
電流測定部1252は、電源部1250によって提供される電流をモニタリングし、モニタリングされた電流に関する情報を、電源制御部1254に伝送する。
【0312】
電源制御部1254は、電流測定部1252から伝達された、モニタリングされた電流に関する情報を用いて、供給される電源を制御する。
【0313】
以上、本発明を望ましい実施形態を挙げて詳細に説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されず、本発明の技術的思想及び範囲内で当業者によって様々な変形及び変更ができる。
【国際調査報告】