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特表2022-525399サブピクチャ適応解像度変更のための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-13
(54)【発明の名称】サブピクチャ適応解像度変更のための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 19/70 20140101AFI20220506BHJP
   H04N 19/30 20140101ALI20220506BHJP
【FI】
H04N19/70
H04N19/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021555166
(86)(22)【出願日】2020-03-11
(85)【翻訳文提出日】2021-11-10
(86)【国際出願番号】 US2020022006
(87)【国際公開番号】W WO2020185842
(87)【国際公開日】2020-09-17
(31)【優先権主張番号】62/816,686
(32)【優先日】2019-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/866,528
(32)【優先日】2019-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】514041959
【氏名又は名称】ヴィド スケール インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フ、ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ネフ、ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】フ、ユーウェン
【テーマコード(参考)】
5C159
【Fターム(参考)】
5C159MA31
5C159RC11
(57)【要約】
通信システムにおけるピクチャおよびビデオコード化に関する方法および装置が提供される。そこには、パラメータセットに関連付けられる1つまたは複数のレイヤを判定することと、パラメータセットに関連付けられる1つまたは複数のレイヤが独立してコード化されるかどうかを示すインジケーションを含むシンタックス要素を生成することと、シンタックス要素を含むメッセージを生成することが含まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パラメータセットに関連付けられる1つまたは複数のレイヤを判定することと、
前記パラメータセットに関連付けられる前記1つまたは複数のレイヤが独立してコード化されているかどうかを示すインジケーションを含むシンタックス要素を生成することと、
前記シンタックス要素を含むメッセージを生成することと
を備える方法。
【請求項2】
前記インジケーションは、前記パラメータセットに関連付けられる前記1つまたは複数のレイヤのそれぞれが独立してコード化されていることを示す全レイヤ独立フラグである、請求項1の方法。
【請求項3】
前記インジケーションは、レイヤ依存性情報がシグナリングされないことを示す、請求項1の方法。
【請求項4】
前記インジケーションは、前記パラメータセットに関連付けられる前記1つまたは複数のレイヤのうちの少なくとも1つが独立してコード化されないことを示す、請求項1の方法。
【請求項5】
前記パラメータセットは、クロスレイヤパラメータセットである、請求項1の方法。
【請求項6】
前記クロスレイヤパラメータセットは、ビデオパラメータセット(VPS)またはデコーダパラメータセット(DPS)である、請求項5の方法。
【請求項7】
前記シンタックス要素を含む前記メッセージを送信することをさらに備える、請求項1の方法。
【請求項8】
少なくともシンタックス要素を含むメッセージを受信することと、
前記シンタックス要素から、パラメータセットに関連付けられるそれぞれのレイヤが独立してコード化されているかどうかを示すインジケーションを判定することと、
前記インジケーションに基づいて前記パラメータセットに関連付けられる1つまたは複数のレイヤを復号することと
を備える方法。
【請求項9】
前記インジケーションは、前記パラメータセットに関連付けられるそれぞれのレイヤが独立してコード化されていることを示す全レイヤ独立フラグである、請求項8の方法。
【請求項10】
前記インジケーションは、前記パラメータセットに関連付けられるそれぞれのレイヤが独立してコード化されており、レイヤ依存性情報がシグナリングされないことを示す、請求項8の方法。
【請求項11】
前記インジケーションは、前記パラメータセットに関連付けられる少なくとも1つのレイヤが独立してコード化されないことを示す、請求項8の方法。
【請求項12】
独立してコード化されない前記少なくとも1つのレイヤについてのレイヤ依存性情報を受信することをさらに備え、
前記1つまたは複数のレイヤを復号することは、受信された前記レイヤ依存性情報を使用して前記少なくとも1つのレイヤを復号することを備える、請求項11の方法。
【請求項13】
前記パラメータセットは、クロスレイヤパラメータセットである、請求項8の方法。
【請求項14】
前記クロスレイヤパラメータセットは、ビデオパラメータセット(VPS)またはデコーダパラメータセット(DPS)である、請求項13の方法。
【請求項15】
ビューポートの適応切り替えと共に使用するためにサブピクチャ特性情報を付加拡張情報(SEI)メッセージに選択的に含める
前記SEIメッセージをビットストリームに含めることと
を備える方法。
【請求項16】
前記ビューポートに関連づけられるサブピクチャのセットを識別することと、
識別された前記サブピクチャのセットに関連付けられる前記サブピクチャ特性情報を識別することと
を備え、
前記サブピクチャ特性情報を前記SEIメッセージに選択的に含めることは、識別された前記サブピクチャ特性情報を含む前記SEIメッセージを生成することを含む、請求項15の方法。
【請求項17】
前記サブピクチャ特性情報は、1つまたは複数のレイヤ識別情報(IDs)、1つまたは複数のタイルグループIDs、各サブピクチャの座標、サブピクチャのセットの各サブピクチャの位置およびフォーマット、ピクチャの球座標空間上にマッピングされることになる各サブピクチャについてのマッピング情報、ビット深度、カラーサブサンプリング情報、符号化プロファイル、並びに1つまたは複数のサブピクチャのための符号化レベルのいずれかを示し、および/または含む、請求項15の方法。
【請求項18】
前記サブピクチャ特性情報を前記SEIメッセージに選択的に含めることは、
前記SEIメッセージの中の前記サブピクチャ特性情報を示すシンタックスを生成することを含む、請求項15の方法。
【請求項19】
前記サブピクチャのセットは、ピクチャに関連付けられるタイルグループのセットである、請求項16の方法。
【請求項20】
ピクチャに関連付けられる付加拡張情報(SEI)メッセージを受信することと、
前記SEIメッセージにおいて示される1つまたは複数のパラメータに基づいて適応解像度変更(ARC)を実行するように推奨されたサブピクチャのセットを識別することと、
前記ARCを実行するために前記サブピクチャのセットから1つまたは複数のサブピクチャを選択することと
を備える方法。
【請求項21】
請求項1乃至20のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成された1つまたは複数のプロセッサを備えた装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信システムにおけるピクチャおよび/またはビデオコード化に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本願は、2019年3月11日に米国特許商標庁に出願された米国特許仮出願第62/816,686号明細書および2019年6月25日に米国特許商標庁に出願された米国特許仮出願第62/866,528号明細書に対する優先権およびその利益を主張するものであり、それらのそれぞれの内容全体が、下記にそれら全体として、適用可能なあらゆる目的のために完全に記載されているかのように、参照により本明細書に組み込まれている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】JCTVC-F158,“Resolution switching for coding efficiency and resilience”, July 2011
【非特許文献2】JVET-M0135,“On adaptive resolution change for VVC”, January 2019
【非特許文献3】JVET-M0259,“Use cases and proposed design choices or adaptive resolution changing”, January 2019
【非特許文献4】JVET-M0261,“AHG12:On grouping of tiles”, January 2019
【発明の概要】
【0004】
本明細書に開示されている実施形態は、一般に、通信システムにおけるピクチャおよび/またはビデオコード化のための方法および装置に関する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本明細書に添付図面と共に例として与えられる下記の詳細な説明から、より詳細な理解が得られ得る。そのような図面内の図は、詳細な説明と同様に例である。従って、図および詳細な説明は、限定するものと理解されるべきでなく、他の等しく効果的な例が可能であり、そうである可能性が高い。さらに、図内の同様の符号は、同様の要素を示す。
図1A】1つまたは複数の開示されている実施形態が実装され得る例示的な通信システムを示すシステム図である。
図1B】一実施形態による、図1Aに示されている通信システム内で使用され得る例示的な無線送受信ユニット(WTRU)を示すシステム図である。
図1C】一実施形態による、図1Aに示されている通信システム内で使用され得る例示的な無線アクセスネットワーク(RAN)および例示的なコアネットワーク(CN)を示すシステム図である。
図1D】一実施形態による、図1Aに示されている通信システム内で使用され得るさらなる例示的なRANおよびさらなる例示的なCNを示すシステム図である。
図2】1つまたは複数の実施形態による、ビデオストリーミングアーキテクチャの一例を示すブロック図である。
図3】1つまたは複数の実施形態による、適応解像度変更(ARC)の一例の図である。
図4】1つまたは複数の実施形態による、ビューポート適応ストリーミングの一例の図である。
図5】1つまたは複数の実施形態による、ビューポート切り替えの一例の図である。
図6】1つまたは複数の実施形態による、ARCを用いたビューポート切り替えの一例の図である。
図7】1つまたは複数の実施形態による、付加拡張情報(SEI)メッセージによって提供されるサブピクチャ特性情報に基づいて実施されるARCの一例の図である。
図8】1つまたは複数の実施形態による、低解像度表現と高解像度表現との間のARC移行の一例の図である。
図9】1つまたは複数の実施形態による、1つまたは複数のARC移行点を決定するための例示的な符号化手順の図である。
図10】1つまたは複数の実施形態による、レイヤ間予測に基づくARCの一例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の詳細な説明には、本明細書で開示されている実施形態および/または例を完全に理解するために、多数の特定の詳細が記載されている。しかし、そのような実施形態および例は、本明細書に記載されている特定の詳細の一部または全てがなくても実施され得ることを理解されたい。他の場合には、以下の説明を不明瞭にしないように、周知の方法、手順、構成要素、および回路は詳細に記載されていない。さらに、本明細書に具体的に記載されていない実施形態および例が、これらの実施形態、並びに本明細書に記載され、開示され、または他の形で明示的に、暗黙に、および/または本来的に提供されている(まとめて「提供されている」)他の例の代わりに、またはそれらとの組合せで実施されてもよい。装置、システム、デバイスなど、および/またはその任意の要素が動作、プロセス、アルゴリズム、機能など、および/またはその任意の部分を実施する様々な実施形態が、本明細書において記載および/または特許請求されているが、本明細書において記載および/または特許請求されているどの実施形態も、任意の装置、システム、デバイスなど、および/またはその任意の要素が任意の動作、プロセス、アルゴリズム、機能など、および/またはその任意の部分を実施するように構成されることを理解されたい。
【0007】
本願では、「再構築される」および「復号される」という用語は、相互交換可能に使用され、「画素」および「サンプル」という用語は、相互交換可能に使用され、「画像」「ピクチャ」および「フレーム」という用語は、相互交換可能に使用され得る。必ずではないが通常、「再構築される」という用語はエンコーダ側で使用され、一方、「復号される」はデコーダ側で使用される。
【0008】
様々な方法が本明細書に記載されており、それらの方法のそれぞれは、記載の方法を達成するための1つまたは複数のステップまたはアクションを含む。ステップまたはアクションの特定の順序が方法の適正な動作のために必要とされない限り、特定のステップおよび/またはアクションの順序および/または使用は、修正されても組み合わされてもよい。さらに、「第1の」「第2の」などの用語は、様々な実施形態において、例えば「第1の復号」および「第2の復号」など、要素、構成要素、ステップ動作などを修飾するために使用され得る。そのような用語の使用は、特に必要とされない限り、修飾された動作に対する順序を暗示しない。その結果、この例では、第1の復号は第2の復号の前に実施されることを必要とせず、例えば第2の復号の前、第2の復号中、または第2の復号と重なり合う期間内に行われてもよい。
【0009】
代表的な通信ネットワーク
本明細書で提供される方法、装置、およびシステムは、有線ネットワークと無線ネットワークの両方を含む通信に非常に適している。有線ネットワークはよく知られている。図1A~1Dに関して、様々なタイプの無線デバイスおよびインフラストラクチャの概要が提供される。そこでは、ネットワークの様々な要素が、本明細書で提供される方法、装置、およびシステムを利用し、実行し、それらに従って配置され、および/または適合され、および/または構成され得る。
【0010】
図1Aは、1つまたは複数の開示された実施形態を実施できる例示的な通信システム100を示す図である。通信システム100は、複数の無線ユーザに音声、データ、ビデオ、メッセージング、ブロードキャストなどのコンテンツを提供する多元接続システムであってよい。通信システム100は、無線帯域幅を含むシステムリソースの共有を通してそのようなコンテンツに複数の無線ユーザがアクセスすることを可能にし得る。例えば、通信システム100は、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、直交FDMA(OFDMA)、シングルキャリアFDMA(SC-FDMA)、ゼロテールユニークワードDFT拡散OFDM(ZT-UW-DFT-S-OFDM)、ユニークワードOFDM(UW-OFDM)、リソースブロックフィルタ処理済みOFDM、フィルタバンクマルチキャリア(FBMC)などの1つまたは複数のチャネルアクセス方式を採用することができる。
【0011】
図1Aに示すように、通信システム100は、無線送受信ユニット(WTRU)102a、102b、102c、102dと、RAN104/113と、CN106/115と、公衆交換電話網(PSTN)108と、インターネット110と、他のネットワーク112とを含んでよいが、開示する実施形態が、任意の数のWTRU、基地局、ネットワーク、および/またはネットワーク要素を企図することを理解されよう。WTRU102a、102b、102c、102dの各々は、無線環境において動作および/または通信するように構成された任意のタイプのデバイスであってよい。例えば、WTRU102a、102b、102c、102dは、いずれも「ステーション」および/または「STA」と呼ばれることがあるが、これらは、無線信号を送信および/または受信するように構成されてよく、ユーザ機器(UE)、移動局、固定またはモバイル加入者ユニット、サブスクリプションベースのユニット、ページャ、セルラー電話機、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、スマートフォン、ラップトップ、ノートブック、パーソナルコンピュータ、無線センサ、ホットスポットまたはMi-Fiデバイス、IoTデバイス、腕時計または他のウェアラブル、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、車両、ドローン、医療機器および応用例(例えば遠隔手術)、産業デバイスおよび応用例(例えば、産業上のおよび/または自動化された処理チェーンのコンテキストで動作する、ロボットおよび/または他の無線デバイス)、消費者電子デバイス、商業および/または産業無線ネットワーク上で動作するデバイスなどを含むことができる。WTRU102a、102b、102c、および102dはいずれも、互換的にUEと呼ばれることがある。
【0012】
通信システム100はまた、基地局114aおよび/または基地局114bを含むこともできる。基地局114a、114bの各々は、WTRU102a、102b、102c、102dのうちの少なくとも1つと無線でインタフェースして、CN106/115、インターネット110、および/または他のネットワーク112などの1つまたは複数の通信ネットワークへのアクセスを容易にするように構成された、任意のタイプのデバイスであってよい。例えば、基地局114a、114bは、ベーストランシーバステーション(BTS)、ノードB、eノードB、ホームノードB、ホームeノードB、gNB、新無線(NR)ノードB、サイトコントローラ、アクセスポイント(AP)、無線ルータなどであってよい。基地局114a、114bはそれぞれ単一の要素として描かれているが、基地局114a、114bが任意の数の相互接続された基地局および/またはネットワーク要素を含み得ることは理解されるであろう。
【0013】
基地局114aは、他の基地局、および/または基地局コントローラ(BSC)、無線ネットワークコントローラ(RNC)、リレーノードなどのネットワーク要素(図示せず)をも含み得るRAN104/113の一部であってよい。基地局114aおよび/または基地局114bは、セル(図示せず)と呼ばれ得る1つまたは複数のキャリア周波数上で無線信号を送信および/または受信するように構成されてよい。これらの周波数は、認可スペクトル、無認可スペクトル、または認可スペクトルと無認可スペクトルとの組合せにあってよい。セルは、比較的固定的であり得るかまたは時間に伴って変化し得る特定の地理エリアに、無線サービスのためのカバレッジを提供することができる。セルは、セルセクタにさらに分割されてよい。例えば、基地局114aに関連付けられるセルは、3つのセクタに分割されてよい。従って、一実施形態では、基地局114aは、3つの送受信機、例えば、セルのセクタごとに1つの送受信機を含んでよい。一実施形態では、基地局114aは、多入力多出力(MIMO)技術を採用してよく、セルのセクタごとに複数の送受信機を利用してよい。例えば、所望の空間的方向で信号を送信および/または受信するために、ビームフォーミングが使用されてよい。
【0014】
基地局114a、114bは、エアインタフェース116を介してWTRU102a、102b、102c、102dのうちの1つまたは複数と通信することができ、エアインタフェース116は、任意の適切な無線通信リンク(例えば、無線周波数(RF)、マイクロ波、センチメートル波、マイクロメートル波、赤外線(IR)、紫外線(UV)、可視光など)であってよい。エアインタフェース116は、任意の好適な無線アクセス技術(RAT)を使用して確立されてよい。
【0015】
より詳細には、上記のように、通信システム100は、多元接続システムであってよく、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC-FDMAなどの1つまたは複数のチャネルアクセス方式を採用してよい。例えば、RAN104/113における基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、広帯域CDMA(WCDMA)を使用してエアインタフェース115/116/117を確立し得るユニバーサルモバイルテレコミュニケーションズシステム(UMTS)地上波無線アクセス(UTRA)などの無線技術を実装してよい。WCDMA(登録商標)は、高速パケットアクセス(HSPA)および/または発展型HSPA(HSPA+)などの通信プロトコルを含んでよい。HSPAは、高速ダウンリンク(DL)パケットアクセス(HSDPA)および/または高速ULパケットアクセス(HSUPA)を含んでよい。
【0016】
一実施形態では、基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、進化型UMTS地上無線アクセス(E-UTRA)などの無線技術を実装することができ、これは、ロングタームエボリューション(LTE)および/またはLTEアドバンスト(LTE-A)および/またはLTEアドバンストプロ(LTE-A Pro)を使用してエアインタフェース116を確立することができる。
【0017】
一実施形態では、基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、新無線(NR)を使用してエアインタフェース116を確立し得るNR無線アクセスなどの無線技術を実装してよい。
【0018】
一実施形態では、基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、複数の無線アクセス技術を実装することができる。例えば、基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、例えば、デュアル接続性(DC)原理を使用してLTE無線アクセスとNR無線アクセスとを一緒に実装することができる。従って、WTRU102a、102b、102cによって利用されるエアインタフェースは、複数のタイプの無線アクセス技術および/または複数のタイプの基地局(例えば、eNBおよびgNB)との間で送られる送信によって特徴づけられてよい。
【0019】
他の実施形態では、基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、IEEE802.11(すなわち、WiFi(Wireless Fidelity))、IEEE802.16(すなわち、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access))、CDMA2000、CDMA2000 1X、CDMA2000 EV-DO、インタリム規格2000(IS-2000)、インタリム規格95(IS-95)、インタリム規格856(IS-856)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)、GSM進化型高速データレート(EDGE)、GSM EDGE(GERAN)などの無線技術を実装してよい。
【0020】
図1Aにおける基地局114bは、例えば、無線ルータ、ホームNodeB、ホームeNodeB、またはアクセスポイントであってよく、職場、家庭、車両、構内、産業設備、(例えば、ドローンが使用するための)空中回廊、道路などの局所的エリアでの無線接続性を容易にするために任意の好適なRATを利用してよい。一実施形態では、基地局114bおよびWTRU102c、102dは、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)を確立するためにIEEE802.11などの無線技術を実装してよい。一実施形態では、基地局114bおよびWTRU102c、102dは、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)を確立するためにIEEE802.15などの無線技術を実装してよい。また別の実施形態では、基地局114bおよびWTRU102c、102dは、ピコセルまたはフェムトセルを確立するためにセルラベースのRAT(例えば、WCDMA、CDMA2000、GSM、LTE、LTE-A、LTE-A Pro、NRなど)を利用してよい。図1Aに示すように、基地局114bは、インターネット110への直接接続を有してよい。したがって、基地局114bは、CN106/115を介してインターネット110にアクセスする必要がなくてよい。
【0021】
RAN104/113は、CN106/115と通信していてよく、CN106/115は、WTRU102a、102b、102c、102dのうちの1つもしくは複数に音声、データ、アプリケーション、および/またはVoIPサービスを提供するように構成された任意のタイプのネットワークであってよい。データは、異なるスループット要件、待ち時間要件、誤り耐性要件、信頼性要件、データスループット要件、モビリティ要件などの変動するサービス品質(QoS)要件を有してよい。CN106/115は、呼制御、課金サービス、モバイル位置情報サービス、プリペイド発呼、インターネット接続性、ビデオ配信などを与え、および/またはユーザ認証などの高レベルなセキュリティ機能を実行してよい。図1Aには示されていないが、RAN104/113および/またはCN106/115が、RAN104/113と同じRATまたは異なるRATを採用する他のRANと直接的または間接的に通信していてもよいことを理解されよう。例えば、NR無線技術を利用していることがあるRAN104/113に接続されることに加えて、CN106/115はまた、GSM、UMTS、CDMA2000、WiMAX、E-UTRA、またはWiFi無線技術を採用する別のRAN(図示せず)と通信していることがある。
【0022】
CN106/115はまた、PSTN108、インターネット110および/または他のネットワーク112にアクセスするためにWTRU102a、102b、102c、102dのためのゲートウェイとして働いてよい。PSTN108は、基本電話サービス(POTS)を提供する回線交換電話網を含んでよい。インターネット110は、TCP/IPインターネットプロトコルスイートにおけるTCP、UDPおよび/またはIPなどの共通の通信プロトコルを使用する相互接続されたコンピュータネットワークおよびデバイスのグローバルシステムを含んでよい。ネットワーク112は、他のサービスプロバイダによって所有および/または運営される有線および/または無線通信ネットワークを含んでよい。例えば、ネットワーク112は、RAN104/113と同じRATまたは異なるRATを採用してよい1つまたは複数のRANに接続された別のCNを含んでよい。
【0023】
通信システム100におけるWTRU102a、102b、102c、102dの一部または全部は、マルチモード能力を含んでよい(例えば、WTRU102a、102b、102c、102dは、異なる無線リンクを介して異なる無線ネットワークと通信するための複数の送受信機を含んでよい)。例えば、図1Aに示すWTRU102cは、セルラベースの無線技術を採用し得る基地局114aと通信し、IEEE802無線技術を採用し得る基地局114bと通信するように構成されてよい。
【0024】
図1Bは、例示的なWTRU102を示すシステム図である。図1Bに示すように、WTRU102は、特に、プロセッサ118、送受信機120、送受信要素122、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、ディスプレイ/タッチパッド128、非リムーバブルメモリ130、リムーバブルメモリ132、電源134、GPSチップセット136、および/または他の周辺機器138を含んでよい。WTRU102が実施形態との一貫性を維持しながら前述の要素の任意のサブコンビネーションを備え得ることは理解されるであろう。
【0025】
プロセッサ118は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来のプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに関連する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)回路、他のタイプの集積回路(IC)、状態機械などであってよい。プロセッサ118は、信号符号化、データ処理、電力制御、入出力処理、および/またはWTRU102が無線環境において動作することを可能にする任意の他の機能を実行してよい。プロセッサ118は、送受信要素122に結合され得る送受信機120に結合されてよい。図1Bに、別個の構成要素としてプロセッサ118と送受信機120を示しているが、プロセッサ118と送受信機120が電子パッケージまたはチップに一緒に統合されてよいことを理解されよう。
【0026】
送受信要素122は、エアインタフェース116を介して基地局(例えば、基地局114a)との間で信号を送受信するように構成されてよい。例えば、一実施形態では、送受信要素122は、RF信号を送信および/または受信するように構成されたアンテナであってよい。一実施形態では、送受信要素122は、例えば、IR、UV、または可視光信号を送信および/または受信するように構成されたエミッタ/検出器であってよい。また別の実施形態では、送受信要素122は、RF信号と光信号との両方を送信および/または受信するように構成されてよい。送受信要素122が任意の組合せの無線信号を送信および/または受信するように構成されてよいことは理解されるであろう。
【0027】
図1Bでは送受信要素122が単一の要素として描かれているが、WTRU102は、任意の数の送受信要素122を含んでよい。より詳細には、WTRU102は、MIMO技術を採用してよい。従って、一実施形態では、WTRU102は、エアインタフェース116を介して無線信号を送信および受信するための2つ以上の送受信要素122(例えば、複数のアンテナ)を含んでよい。
【0028】
送受信機120は、送受信要素122によって送信されることになる信号を変調し、送受信要素122によって受信された信号を復調するように構成されてよい。上記のように、WTRU102は、マルチモード能力を有してよい。従って、送受信機120は、WTRU102が、例えば、NRおよびIEEE802.11などの複数のRATを介して通信することを可能にするための複数の送受信機を含んでよい。
【0029】
WTRU102のプロセッサ118は、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、および/またはディスプレイ/タッチパッド128(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)ディスプレイユニットまたは有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイユニット)に結合されてよく、それらからユーザ入力データを受信してよい。プロセッサ118はまた、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、および/またはディスプレイ/タッチパッド128にユーザデータを出力してよい。さらに、プロセッサ118は、非リムーバブルメモリ130および/またはリムーバブルメモリ132などの任意のタイプの好適なメモリの情報にアクセスし、それにデータを記憶してよい。非リムーバブルメモリ130は、RAM、ROM、ハードディスク、または任意の他のタイプのメモリストレージデバイスを含んでよい。リムーバブルメモリ132は、SIMカード、メモリスティック、セキュアデジタル(SD)メモリカードなどを含んでよい。他の実施形態では、プロセッサ118は、サーバまたはホームコンピュータ(図示せず)上など、WTRU102上に物理的に位置しないメモリの情報にアクセスし、それにデータを記憶してよい。
【0030】
プロセッサ118は、電源134から電力を受け取ることができ、WTRU102における他の構成要素に電力を分配および/または制御するように構成されてよい。電源134は、WTRU102に電力供給するための任意の好適なデバイスであってよい。例えば、電源134は、1つまたは複数の乾電池バッテリ(例えば、ニッケルカドミウム(NiCd)、ニッケル亜鉛(NiZn)、ニッケル水素(NiMH)、リチウムイオン(Li-ion)など)、太陽電池、燃料電池などを含んでよい。
【0031】
プロセッサ118はまた、WTRU102の現在のロケーションに関するロケーション情報(例えば、経度および緯度)を提供するように構成され得るGPSチップセット136に結合されてよい。GPSチップセット136からの情報に加えて、または、それの代わりに、WTRU102は、基地局(例えば、基地局114a、114b)からエアインタフェース116を介してロケーション情報を受信し、および/または2つ以上の近くの基地局から受信される信号のタイミングに基づいてそのロケーションを決定してよい。WTRU102が、実施形態との一貫性を維持しながら、任意の好適なロケーション決定方法によってロケーション情報を取得してよいことを理解されよう。
【0032】
プロセッサ118はさらに、他の周辺機器138にも結合されてよく、周辺機器138は、追加の特徴、機能、および/または有線若しくは無線接続性を提供する1つまたは複数のソフトウェアおよび/またはハードウェアモジュールを含むことができる。例えば、周辺機器138は、加速度計、eコンパス、衛星送受信機、(写真および/またはビデオのための)デジタルカメラ、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、振動デバイス、テレビジョン送受信機、ハンズフリーヘッドセット、Bluetooth(登録商標)モジュール、周波数変調(FM)無線ユニット、デジタル音楽プレーヤ、メディアプレーヤ、ビデオゲームプレーヤモジュール、インターネットブラウザ、バーチャルリアリティおよび/または拡張現実(VR/AR)デバイス、アクティビティトラッカなどを含んでよい。周辺機器138は、1つまたは複数のセンサを含んでよく、センサは、ジャイロスコープ、加速度計、ホール効果センサ、磁力計、向きセンサ、近接センサ、温度センサ、時間センサ、ジオロケーションセンサ、高度計、光センサ、タッチセンサ、磁力計、気圧計、ジェスチャセンサ、生体センサ、および/もしくは湿度センサのうちの1つまたは複数であってよい。
【0033】
WTRU102は、(例えば、(例えば、送信のための)ULと(例えば、受信のための)ダウンリンクとの両方のための特定のサブフレームに関連する)信号の一部または全部の送信および受信が並列および/または同時であってよい全二重無線を含んでよい。全二重無線は、ハードウェア(例えば、チョーク)またはプロセッサ(例えば、別個のプロセッサ(図示せず)またはプロセッサ118)を介した信号処理のいずれかを介して自己干渉を小さくするかおよび/または実質的になくすために干渉管理ユニット139を含んでよい。一実施形態では、WTRU102は、(例えば、(例えば、送信のための)ULまたは(例えば、受信のための)ダウンリンクのいずれかのための特定のサブフレームに関連する)信号の一部または全部の送信および受信のための半二重無線を含んでよい。
【0034】
図1Cは、一実施形態による、RAN104およびCN106を示すシステム図である。上記のように、RAN104は、E-UTRA無線技術を採用して、エアインタフェース116を介してWTRU102a、102b、102cと通信することができる。RAN104はまた、CN106とも通信していてよい。
【0035】
RAN104はeノードB160a、160b、160cを含むことができるが、RAN104が実施形態との一貫性を維持しながら任意の数のeノードBを含み得ることは理解されるであろう。eノードB160a、160b、160cはそれぞれ、エアインタフェース116を介してWTRU102a、102b、102cと通信するための1つまたは複数の送受信機を備えることができる。一実施形態では、eノードB160a、160b、160cは、MIMO技術を実装してよい。従って、eノードB160aは、例えば、WTRU102aに無線信号を送信するおよび/またはそれから無線信号を受信するために複数のアンテナを使用してよい。
【0036】
eノードB160a、160b、160cの各々は、特定のセル(図示せず)に関連付けられてよく、無線リソース管理決定、ハンドオーバ決定、ULおよび/またはDLにおけるユーザのスケジューリングなどを扱うように構成されてよい。図1Cに示すように、eノードB160a、160b、160cは、X2インタフェースを介して相互に通信してよい。
【0037】
図1Cに示されるCN106は、モビリティ管理エンティティ(MME)162と、サービングゲートウェイ(SGW)164と、パケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(またはPGW)166とを含んでよい。上記の要素の各々がCN106の一部として示されているが、これらの要素のいずれかがCNオペレータ以外のエンティティによって所有および/または動作されてよいことを理解されよう。
【0038】
MME162は、S1インタフェースを介してRAN104内のeノードB160a、160b、160cの各々に接続されてよく、制御ノードとして働いてよい。例えば、MME162は、WTRU102a、102b、102cのユーザを認証すること、ベアラのアクティブ化/非アクティブ化、WTRU102a、102b、102cの初期アタッチの間に特定のサービングゲートウェイを選択することなどを担当してよい。MME162は、RAN104とGSMおよび/またはWCDMAなどの他の無線技術を採用する他のRAN(図示せず)との間で切り替えるための制御プレーン機能を提供し得る。
【0039】
SGW164は、S1インタフェースを介してRAN104内のeノードB160a、160b、160cの各々に接続されてよい。SGW164は、概して、WTRU102a、102b、102cとの間でユーザデータパケットをルーティングし、転送することができる。SGW164は、eノードB間のハンドオーバの間にユーザプレーンをアンカリングすること、DLデータがWTRU102a、102b、102cのために利用可能であるときにページングをトリガすること、WTRU102a、102b、102cのコンテキストを管理および記憶することなどの他の機能を実行してよい。
【0040】
SGW164は、WTRU102a、102b、102cとIP対応デバイスとの間の通信を容易にするためにインターネット110などのパケット交換ネットワークへのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供し得るPGW166に接続されてよい。
【0041】
CN106は、他のネットワークとの通信を容易にし得る。例えば、CN106は、WTRU102a、102b、102cと従来の固定通信デバイスとの間の通信を容易にするためにPSTN108などの回線交換ネットワークへのアクセスをWTRU102a、102b、102cに与えてよい。例えば、CN106は、CN106とPSTN108との間のインタフェースとしての働きをするIPゲートウェイ(例えば、IPマルチメディアサブシステム(IMS)サーバ)を含むか、またはこのIPゲートウェイと通信することができる。さらに、CN106は、他のサービスプロバイダによって所有および/または運営される他の有線および/または無線ネットワークを含み得る他のネットワーク112へのアクセスを、WTRU102a、102b、102cに提供することができる。
【0042】
WTRUが無線端末として図1A図1Dに記載されているが、いくつかの代表的な実施形態では、そのような端末が(例えば、一時的にまたは永続的に)通信ネットワークとの有線通信インタフェースを使用し得ると考えられる。
【0043】
代表的な実施形態では、他のネットワーク112は、WLANであってよい。
【0044】
インフラストラクチャ基本サービスセット(BSS)モードのWLANには、BSS用のアクセスポイント(AP)と、APに関連付けられた1つ以上のステーション(STA)がある。APは、BSSへのトラフィックおよび/またはBSSからのトラフィックを搬送する配信システム(DS)または別のタイプの有線/無線ネットワークへの、アクセスまたはインタフェースを有することができる。生じたSTAへのトラフィックは、APを通して到着してよく、STAに送られてよい。STAからBSSの外部の宛先に発信されるトラフィックは、APに送信され、それぞれの宛先に配信されてよい。BSS内のSTA間のトラフィックは、APを介して送信でき、例えば、送信元STAがAPにトラフィックを送信し、APが宛先STAにトラフィックを配信する場合がある。BSS内のSTA間のトラフィックは、ピアツーピアトラフィックと見なされたり、呼ばれたりする場合がある。ピアツーピアトラフィックは、直接リンクセットアップ(DLS)を使用して、送信元STAと宛先STAの間で(例えば、直接)送信できる。特定の代表的な実施形態では、DLSは、802.11e DLSまたは802.11zトンネルDLS(TDLS)を使用することができる。独立BSS(IBSS)モードを使用するWLANにはAPがない場合があり、IBSS内またはIBSSを使用するSTA(例えば、全てのSTA)は相互に直接通信する場合がある。IBSS通信モードは、本明細書では「アドホック」通信モードと呼ばれることがある。
【0045】
802.11acインフラストラクチャモードの動作または同様の動作モードを使用する場合、APは、プライマリチャネルなどの固定チャネルでビーコンを送信することができる。プライマリチャネルは、固定幅(例えば、20MHzの広い帯域幅)またはシグナリングを介して動的に設定された幅にすることができる。プライマリチャネルは、BSSの動作チャネルであってよく、APとの接続を確立するためにSTAによって使用されてよい。特定の代表的な実施形態では、搬送波感知多重アクセス/衝突回避方式(CSMA/CA)は、例えば802.11システムにおいて実装され得る。CSMA/CAの場合、APを含むSTA(例えば、全てのSTA)がプライマリチャネルを検知することができる。プライマリチャネルが特定のSTAによって感知/検出され、および/またはビジーであると判断された場合、特定のSTAはバックオフすることができる。1つのSTA(例えば、ただ1つのステーション)は、特定のBSSでいつでも送信できる。
【0046】
ハイスループット(HT)STAは、例えばプライマリ20MHzチャネルと隣接または非隣接20MHzチャネルとを組み合わせて40MHz幅のチャネルを形成することを介して、40MHz幅のチャネルを通信に使用することができる。
【0047】
ベリーハイスループット(VHT)STAは、20MHz、40MHz、80MHz、および/または160MHz幅のチャネルをサポートすることができる。40MHzおよび/または80MHzのチャネルは、連続する20MHzチャネルを組み合わせることによって形成できる。160MHzチャネルは、8つの連続した20MHzチャネルを結合することによって、または2つの非連続80MHzチャネルを結合することによって形成されてよく、後者は80+80構成と呼ばれることがある。80+80構成の場合、データは、チャネル符号化後にセグメントパーサの中を通されてよく、セグメントパーサはデータを2つのストリームに分割することができる。逆高速フーリエ変換(IFFT)処理、および時間領域処理は、各ストリームで個別に実行できる。ストリームは、2つの80MHzチャネル上にマッピングされてよく、データは送信側STAによって送信されてよい。受信側STAの受信機では、80+80構成についての上記の動作を逆にすることができ、組み合わされたデータを媒体アクセス制御(MAC)に送信することができる。
【0048】
サブ1GHz動作モードが、802.11afおよび802.11ahによってサポートされる。802.11afおよび802.11ahでは、チャネル動作帯域幅およびキャリアは、802.11nおよび802.11acで使用されるものに対して相対的に低減される。802.11afは、TVホワイトスペース(TVWS)スペクトルにおける5MHz、10MHz、および20MHzの帯域幅をサポートし、802.11ahは、非TVWSスペクトルを使用して1MHz、2MHz、4MHz、8MHz、および16MHzの帯域幅をサポートする。代表的な実施形態によれば、802.11ahは、マクロカバレッジエリア中のMTCデバイスなど、メータータイプ制御/マシンタイプ通信をサポートすることができる。MTCデバイスは、特定の機能、例えば、特定のおよび/または制限された帯域幅のサポート(例えば、サポートのみ)を含む制限された機能を有し得る。MTCデバイスは、閾値を超えるバッテリ寿命を有するバッテリを含み得る(例えば、非常に長いバッテリ寿命を維持する)。
【0049】
WLANシステムは、802.11n、802.11ac、802.11af、および802.11ahなど複数のチャネルおよびチャネル帯域幅をサポートすることができ、このWLANシステムは、プライマリチャネルとして指定され得るチャネルを含む。プライマリチャネルは、BSS中の全てのSTAによってサポートされる最大共通動作帯域幅に等しい帯域幅を有することができる。プライマリチャネルの帯域幅は、最小帯域幅の動作モードをサポートするBSSで動作している全てのSTAの中から、STAによって設定および/または制限される場合がある。802.11ahの例では、APとBSS中の他のSTAとが2MHz、4MHz、8MHz、16MHz、および/または他のチャネル帯域幅動作モードをサポートする場合であっても、プライマリチャネルは、1MHzモードをサポートする(例えば、それだけをサポートする)STA(例えば、MTCタイプのデバイス)のために1MHz幅であってよい。キャリア感知および/またはネットワーク割り当てベクトル(NAV)設定は、プライマリチャネルのステータスに依存し得る。例えば、(1MHzの動作モードのみをサポートする)STAがAPに送信しているために、プライマリチャネルがビジーである場合、周波数帯域の大部分がアイドル状態のままであり、利用できる場合があったとしても、全体の利用可能な周波数帯域は、ビジーであると考えられ得る。
【0050】
米国では、802.11ahで使用できる使用可能な周波数帯域は、902MHz~928MHzである。韓国では、利用可能な周波数帯域は、917.5MHz~923.5MHzである。日本では、利用可能な周波数帯域は916.5MHz~927.5MHzである。802.11ahで使用可能な合計帯域幅は、国コードに応じて6MHz~26MHzである。
【0051】
図1Dは、一実施形態による、RAN113およびCN115を示すシステム図である。上記のように、RAN113は、エアインタフェース116を介してWTRU102a、102b、102cと通信するためにNR無線技術を採用することができる。RAN113はまた、CN115と通信していてもよい。
【0052】
RAN113は、gNB180a、180b、180cを含み得るが、RAN113は、一実施形態と一貫性を保ちながら、任意の数のgNBを含み得ることが理解されるであろう。gNB180a、180b、180cはそれぞれ、エアインタフェース116を介してWTRU102a、102b、102cと通信するための1つまたは複数の送受信機を含み得る。一実施形態では、gNB180a、180b、180cは、MIMO技術を実装することができる。例えば、gNB180a、108bは、ビームフォーミングを利用して、gNB180a、180b、180cとの間で信号を送信および/または受信することができる。従って、例えばgNB180aは、複数のアンテナを使用して、WTRU102aとの間で無線信号を送信および/または受信することができる。一実施形態では、gNB180a、180b、180cは、キャリアアグリゲーション技術を実装することができる。例えば、gNB180aは、複数のコンポーネントキャリアをWTRU102a(図示せず)に送信することができる。これらのコンポーネントキャリアのサブセットが無認可スペクトル上にあり、残りのコンポーネントキャリアが認可スペクトル上にあってよい。一実施形態では、gNB180a、180b、180cは、多地点協調(CoMP)技術を実装することができる。例えば、WTRU102aは、gNB180aとgNB180b(および/またはgNB180c)とから協調送信を受信することができる。
【0053】
WTRU102a、102b、102cは、スケーラブルヌメロロジー(scalable numerology)に関連付けられた伝送を使用してgNB180a、180b、180cと通信することができる。例えば、OFDMシンボルスペーシングおよび/またはOFDMサブキャリアスペーシングは、異なる伝送、異なるセル、および/または無線伝送スペクトルの異なる部分によって変動し得る。WTRU102a、102b、102cは、様々なまたはスケーラブルな長さのサブフレームまたは送信時間間隔(TTI)を使用して(例えば、様々な数のOFDMシンボルを含み、および/または持続する様々な長さの絶対時間)、gNB180a、180b、180cと通信することができる。
【0054】
gNB180a、180b、180cは、スタンドアロン構成および/または非スタンドアロン構成でWTRU102a、102b、102cと通信するように構成され得る。スタンドアロン構成では、WTRU102a、102b、102cは、他のRAN(例えば、eノードB160a、160b、160cなど)にもアクセスすることなく、gNB180a、180b、180cと通信することができる。スタンドアロン構成では、WTRU102a、102b、102cは、1つまたは複数のgNB180a、180b、180cをモビリティアンカーポイントとして利用することができる。スタンドアロン構成では、WTRU102a、102b、102cは、無認可帯域中の信号を使用してgNB180a、180b、180cと通信することができる。非スタンドアロン構成では、WTRU102a、102b、102cは、eノードB160a、160b、160cなど別のRANとも通信/接続しながら、gNB180a、180b、180cと通信/接続することができる。例えば、WTRU102a、102b、102cは、DC原理を実装して、ほぼ同時に1つまたは複数のgNB180a、180b、180cおよび1つまたは複数のeノードB160a、160b、160cと通信することができる。非スタンドアロン構成では、eノードB160a、160b、160cは、WTRU102a、102b、102cのためのモビリティアンカーとしての働きをすることができ、gNB180a、180b、180cは、WTRU102a、102b、102cにサービスするための追加のカバレッジおよび/またはスループットを提供することができる。
【0055】
gNB180a、180b、180cのそれぞれは、特定のセル(図示せず)に関連付けられ得、並びに無線リソース管理決定、ハンドオーバ決定、ULおよび/またはDLにおけるユーザのスケジューリング、ネットワークスライシングのサポート、デュアル接続、NRとE-UTRA間のインターワーキング、ユーザプレーンデータのユーザプレーン機能(UPF)184a、184bへのルーティング、コントロールプレーン情報のアクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)182a、182bへのルーティングなどを処理するように構成され得る。図1Dに示すように、gNB180a、180b、180cは、Xnインタフェースを介して互いに通信することができる。
【0056】
図1Dに示されるCN115は、少なくとも1つのAMF182a、182b、少なくとも1つのUPF184a、184b、少なくとも1つのセッション管理機能(SMF)183a、183b、および場合によってはデータネットワーク(DN)185a、185bを含み得る。上記の要素の各々がCN115の一部として示されているが、これらの要素のいずれかがCNオペレータ以外のエンティティによって所有および/または動作されてよいことを理解されよう。
【0057】
AMF182a、182bは、N2インタフェースを介してRAN113内の1つまたは複数のgNB180a、180b、180cに接続され、制御ノードとして機能し得る。例えば、AMF182a、182bは、WTRU102a、102b、102cのユーザの認証、ネットワークスライシングのサポート(例えば、異なる要件を有する異なるPDUセッションの処理)、特定のSMF183a、183bの選択、登録エリアの管理、NASシグナリングの終了、モビリティ管理などを担当し得る。ネットワークスライシングは、WTRU102a、102b、102cで利用されているサービスのタイプに基づいて、WTRU102a、102b、102cのCNサポートをカスタマイズするために、AMF182a、182bによって使用され得る。例えば、超高信頼性低遅延(URLLC)アクセスに依存するサービス、拡張された大規模モバイルブロードバンド(eMBB)アクセスに依存するサービス、マシンタイプ通信(MTC)アクセス用のサービスなど、様々なユースケースに対して様々なネットワークスライスを確立できる。AMF182は、RAN113と、LTE、LTE-A、LTE-A Pro、および/またはWiFiなどの非3GPPアクセス技術などの他の無線技術を使用する他のRAN(図示せず)との間で切り替えるための制御プレーン機能を提供し得る。
【0058】
SMF183a、183bは、N11インタフェースを介してCN115内のAMF182a、182bに接続され得る。SMF183a、183bはまた、N4インタフェースを介してCN115内のUPF184a、184bに接続され得る。SMF183a、183bは、UPF184a、184bを選択および制御し、UPF184a、184bを介したトラフィックのルーティングを構成することができる。SMF183a、183bは、WTRUまたはUEのIPアドレスの管理および割り当て、PDUセッションの管理、ポリシー実施およびQoSの制御、ダウンリンクデータ通知の提供などの他の機能を実行することができる。PDUセッションタイプは、IPベース、非IPベース、イーサネット(登録商標)ベースなどであってよい。
【0059】
UPF184a、184bは、N3インタフェースを介してRAN113内の1つまたは複数のgNB180a、180b、180cに接続され得、これは、WTRU102a、102b、102cに、インターネット110などのパケット交換ネットワークへのアクセスを提供し、WTRU102a、102b、102cとIP対応デバイスとの間の通信を容易にする。UPF184、184bは、パケットのルーティングおよび転送、ユーザプレーンポリシーの実施、マルチホームPDUセッションのサポート、ユーザプレーンQoSの処理、ダウンリンクパケットのバッファリング、モビリティアンカーの提供などの他の機能を実行することができる。
【0060】
CN115は、他のネットワークとの通信を容易にし得る。例えば、CN115は、CN115とPSTN108との間のインタフェースとして働くIPゲートウェイ(例えば、IPマルチメディアサブシステム(IMS)サーバ)を含んでよいか、またはそれと通信してよい。さらに、CN115は、他のサービスプロバイダによって所有および/または動作される他の有線および/または無線ネットワークを含み得る他のネットワーク112へのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供し得る。一実施形態では、WTRU102a、102b、102cは、UPF184a、184bへのN3インタフェース、およびUPF184a、184bとローカルデータネットワーク(DN)185a、185bとの間のN6インタフェースを介して、UPF184a、184bを通ってDN185a、185bに接続され得る。
【0061】
図1A~1Dと、図1A~1Dの対応する記述とに鑑みて、WTRU102a~d、基地局114a~b、eノードB160a~c、MME162、SGW164、PGW166、gNB180a~c、AMF182a~b、UPF184a~b、SMF183a~b、DN185a~bおよび/または本明細書に記載の他の任意のデバイスのうちの1つまたは複数に関する、本明細書に記載の機能のうちの1つ若しくは複数または全てが、1つまたは複数のエミュレーションデバイス(図示せず)によって実施されてよい。エミュレーションデバイスは、本明細書に記載の機能のうちの1つ若しくは複数または全てをエミュレートするように構成された1つまたは複数のデバイスであってよい。例えば、エミュレーションデバイスは、他のデバイスをテストするため、並びに/またはネットワークおよび/若しくはWTRU機能をシミュレートするために使用されてよい。
【0062】
エミュレーションデバイスは、ラボ環境および/またはオペレータネットワーク環境で他のデバイスの1つまたは複数のテストを実装するように設計することができる。例えば、1つまたは複数のエミュレーションデバイスは、通信ネットワーク内の他のデバイスをテストするために、有線および/または無線通信ネットワークの一部として完全にまたは部分的に実装および/またはデプロイされて、1つ若しくは複数または全ての機能を実施することができる。1つまたは複数のエミュレーションデバイスは、有線および/または無線通信ネットワークの一部として一時的に実装/デプロイされて、1つ若しくは複数または全ての機能を実施することができる。エミュレーションデバイスは、テストの目的で別のデバイスに直接結合することができ、および/または無線通信を使用してテストを実行することができる。
【0063】
1つまたは複数のエミュレーションデバイスは、有線および/または無線通信ネットワークの一部として実装/デプロイされずに、全ての機能を含めた1つまたは複数の機能を実施することもできる。例えば、エミュレーションデバイスは、1つまたは複数のコンポーネントのテストを実装するために、テスト用ラボにおけるテスト用シナリオで、かつ/または非デプロイ(例えばテスト用の)有線および/若しくは無線通信ネットワークにおけるテスト用シナリオで、利用されてよい。1つまたは複数のエミュレーションデバイスは、テスト機器であってよい。直接RF結合、および/または、RF回路(例えば、1つ若しくは複数のアンテナを備え得る)を介した無線通信が、エミュレーションデバイスによって使用されて、データが送信および/または受信されてよい。
【0064】
代表的なアーキテクチャ/フレームワーク
ビデオコーディングシステムは、デジタルビデオ信号を圧縮するために使用され得、これは、ビデオ信号の記憶の必要および/または送信帯域幅を削減し得る。ビデオコーディングシステムは、ブロックベースのシステム、ウェーブレットベースのシステム、および/またはオブジェクトベースのシステムを含み得る。ブロックベースのビデオコーディングシステムは、MPEG-1/2/4パート2、H.264/MPEG-4パート10AVC、VC-1、高効率ビデオコーディング(HEVC)、および/または汎用ビデオコーディング(VVC)など1つまたは複数の標準に基づき、それを使用し、それに従い、それに準拠するなどであり得る。ブロックベースのビデオコーディングシステムは、ブロックベースのハイブリッドビデオコーディングフレームワークを含み得る。
【0065】
図2は、ビデオストリーミングアーキテクチャ200の一例を示すブロック図である。この例では、サーバ202は、1つまたは複数のビデオエンコーダ(例えば、エンコーダ204、206、および208)から構成され得、各エンコーダは、異なる解像度、フレームレート、またはビットレートでビデオビットストリームを生成し得る。ミドルボックス210が使用または構成されることがある。一例では、ミドルボックス210は、メディアアウェアネットワーク要素(MANE:media aware network element)であってよい。ミドルボックス210は、入力ビデオビットストリームの上位シンタックスを生成、転送、識別、またはパースし、1つの入力ビデオビットストリームからサブビットストリームを抽出し、および/または抽出されたサブビットストリームをクライアントまたはデコーダ212に出力し得る。ミドルボックス210は、複数の入力ビデオビットストリームから複数のサブビットストリームを抽出し、それらを組み合わせ、クライアントまたはデコーダ212に送達する新しい出力ビデオビットストリームを形成してもよい。
【0066】
様々な実施形態では、1つまたは複数のエンコーダ(例えば、エンコーダ204、206、および/または208)、ミドルボックス210、および/またはデコーダ212は、メモリと通信可能に結合されたプロセッサを有するデバイス内で実装され得る。メモリは、本明細書で開示されている様々な実施形態のいずれか(例えば、代表的な手順)を実施するための命令を含めて、プロセッサによって実行可能な命令を含み得る。様々な実施形態では、このデバイスは、無線送受信ユニット(WTRU)の様々な要素として構成されてよく、および/またはそれらと共に構成されてよい。WTRUおよびその要素の例示的な詳細が、本明細書において、図1A図1Dおよび添付の開示内で提供されている。
【0067】
本願に記載の様々な方法および態様は、モジュール、例えば図2に示されている1つまたは複数のビデオエンコーダ(例えば、エンコーダ204、206、および208)およびデコーダ212のイントラ予測モジュール、エントロピーコード化モジュール、および/または復号モジュールを修正するために使用することができる。さらに、本態様は、VVCまたはHEVCに限定されず、例えば以前から存在しているか将来開発されるかに関わらず他の標準および推奨に、また任意のそのような標準および推奨(VVCおよびHEVCを含む)の拡張物に適用することができる。別段示されていない限り、または技術的に排除されない限り、本願に記載の態様は、個々に、または組み合わせて使用することができる。
【0068】
本願では、様々な数値が使用される。特定の値は、例示目的のものであり、記載の態様は、これらの特定の値に限定されない。
【0069】
適応解像度変更のための代表的な手順
AVCおよび/またはHEVCを使用する様々な方式は、イントラランダムアクセスポイント(IRAP)ピクチャを導入することなく解像度を変更する能力をもち得ない。合理的な品質でコード化されたIRAPピクチャは、一般に、非IRAPピクチャよりはるかに大きなフレームサイズ(例えば、フレームをコード化するために使用される、より多数のビット)を有する。さらに、IRAPピクチャは、復号するのがより複雑である。適応解像度変更(ARC)は、空間解像度が非IRAPピクチャで変化し得る方式および機能のいずれかを指し得る。
【0070】
図3はARC機構300の一例を示す。図3を参照すると、高解像度ピクチャフレームNo.3は、同じ解像度を有する参照ピクチャフレームNo.2からインター予測で符号化され得、低解像度ピクチャフレームNo.5は、同じ解像度を有する参照ピクチャフレームNo.4からインター予測で符号化され得る。ARC中に、高解像度ピクチャフレームNo.3は、動き補償のために低解像度ピクチャフレームNo.2からアップスケールされる参照ピクチャフレームNo.2によって再構築され得、低解像度ピクチャフレームNo.5は、動き補償のために高解像度ピクチャフレームNo.4からダウンスケールされる参照ピクチャフレームNo.4によって再構築され得る。その結果、解像度切り替えが1つまたは複数の非IRAPフレームで行われ、またはそれらに対して実施され得る。
【0071】
様々な実装形態では、例えばARCを使用してピクチャおよび/またはビデオ(「ピクチャ/ビデオ」)フレームを処理することからマルチパーティビデオ会議が受益し得、その場合、1人もしくは複数の、または全ての参加者(すなわち、そのピクチャ/ビデオ)が共有画面上で個々に表示され、活発な発言者(すなわち、そのピクチャ/ビデオ)が、残りの参加者より大きなビデオサイズで表示される。活発な発言者が頻繁に変化する場合、新たな活発な発言者をスワップインし、古い方をスワップアウトすることによる頻繁な、および/または予測不能な解像度変更を効率的に達成するために、ARCが使用され得る(例えば、使用されることが必要とされ得る)。現在の適応ビデオストリーミング手法は、通常、変化するネットワーク帯域幅に合致するように、IRAPピクチャ後、ビデオ表現ビットレートまたは解像度を変更する。
【0072】
ARCは、1つまたは複数の高い(または大きい)フレームサイズのIRAPピクチャを送る必要をなくすことによって、適応ストリーミング性能を改善し得る。ARCは、アプリケーションが通常、表示する前に、ある数の復号されたピクチャおよび/または復号時間の範囲まで、例えばより小さいサイズのピクチャに鑑みてバッファするので、ストリーミング開始レイテンシを削減し得る。現在の動き制約タイルセット(MCTS)ベースのビューポート適応360度ビデオストリーミング下では、ビューポートを表すサブピクチャは通常、高い解像度を使用して送達され、他のエリア(例えば、ユーザの視界に入らないエリア)を表すサブピクチャは通常、より低い解像度を使用して送達される。ビューポートが変化したとき、サブピクチャの対応する解像度はそれに応じて変更され、ユーザ体験は、高品質ビューポートの切り替えレイテンシによって影響を受ける。
【0073】
図4は、ビューポート適応ストリーミング機構400の一例を示す。ビューポートサブピクチャ(例えば、手前のビュー)は、高解像度360度ビデオ(表現No.1)から抽出され、他のエリアを表すサブピクチャは、低解像度360度ビデオ(表現No.2)から抽出される。抽出されたサブピクチャは、(例えば、図4の右下の一連のフレームによって示されているように)単一の表現に組み合わされ得る。得られた、構成またはマージされたビューポート適応ビデオは、ユーザが送達帯域幅の低減された高品質ビューポートを体験することができるようにユーザ(またはクライアント)に送達される。ユーザがビューポートを手前のビューから右のビューへ変更した場合、高解像度の右のビューのサブピクチャがIRAPピクチャ上に抽出され、高解像度の右のビューのサブピクチャおよび低解像度の手前のサブピクチャを組み込む、構成またはマージされたビデオの新しいビデオフレームが形成される。その結果、IRAP距離の長さが高品質ビューポート切り替えレイテンシに影響を及ぼし得、高ビットレートIRAPピクチャもまた、ネットワークおよび/または処理負荷を増大し得る。ARCは、より速いビューポート切り替えを可能にし得、異なる(例えば、360度)ビデオ表現のために異なるIRAP距離をサポートし得る。
【0074】
参照ピクチャを(例えば、非特許文献1および/または非特許文献2に提案されている手法を使用して)再スケーリングすることによって、ピクチャ/ビデオフレームが解像度にわたって予測され得る。ピクチャ解像度インデックス(PRI)がピクチャパラメータセット(PPS)内でシグナリングされ得、(例えば、ピクチャに関連付けられた)スライスがそのピクチャからのものであり、インデックスによって示される解像度を有することを示す。ランダムアクセス(例えば、IRAP)ピクチャに由来するサブピクチャ、および非ランダムアクセス(例えば、非IRAP)ピクチャに由来する別のサブピクチャを(例えば、非特許文献3に提案されている方式を使用して)汎用ビデオコーディング(VVC)に準拠する同じコード化ピクチャにマージすることを可能にすることが望ましいものとなり得る。
【0075】
ビューポート切り替えのための代表的な手順
ビューポート適応ストリーミング(例えば、360度ビデオに関連する)の場合、各サブピクチャに対応するサブビットストリームは、その元のビットストリームおよび/または表現から抽出され得、複数のサブビットストリームが新しいビットストリームを形成するようにマージされ得る。元のビットストリームおよび/または新しいビットストリームは、例えばHEVC、VVC、および/または同様のタイプのビットストリームであってよい。現在のビューポート適応ストリーミングでは、サブビットストリームマージングは、圧縮領域において実施され、そうすることは、いくつかの問題を導入し得る。例えばビューポート切り替えは、(時間的に)それに続く非IRAPピクチャが正しい参照ピクチャおよび/または参照サブピクチャを有することを確実にするために、含まれるサブピクチャ全てが瞬間的な復号リフレッシュ(IDR)ピクチャであるときだけ行われる。しかし、IDRピクチャの使用は、レイテンシ問題を導入し得る。
【0076】
図5は、現在のビューポートが新しいビューポートに切り替えられるビューポート切り替え機構500を示す。図5を参照すると、新しいビューポートに合致するように、右のビューサブピクチャは、より低い解像度からより高い解像度へ切り替えを受け、手前のビューサブピクチャは、より高い解像度からより低い解像度へ切り替えを受ける。破線は、時間インター予測を表す。現在のビューポート切り替え方式では、切り替えは、より高い解像度の右のビューサブピクチャとより低い解像度の手前のビューサブピクチャとが共にIDRピクチャであるときだけ行われ得るが、それは同じビューの、それに続くサブピクチャが同じ解像度サブピクチャからインター予測されるからである。インター予測は、同じ解像度を有するサブピクチャに対して継続されるので、上のビュー、後ろのビュー、左のビュー、および下のビューなど他のサブピクチャは、IRAPピクチャとして符号化されなくてもよい。
【0077】
本明細書に提供されている方法および/または技術によれば、ARCは、例えばサブピクチャが同じビューのサブピクチャから異なる解像度で予測され得るように、適応ビューポート切り替え(および/または適応ビューポートストリーミング)に関連して実施され得る。図6は、ARCを用いたビューポート切り替え機構600の一例を示す。図6を参照すると、高解像度の右のビューのサブピクチャは、前の低解像度の右のビューのサブピクチャから予測され得、低解像度の手前のビューのサブピクチャは、前の高解像度の手前のビューのサブピクチャから予測され得る。前のサブピクチャを使用することによって、予測されることになるサブピクチャは、IRAPサブピクチャを導入することなく予測され得る。切り替えレイテンシとトランスポートビットレートが共に、IRAPサブピクチャを導入しないことによって低減され得る。
【0078】
現在、VVCは、同じビューサブピクチャがピクチャ内で異なる位置(例えば、時々に変化する位置)にパックされ得るときを含めて、そのようなサブピクチャ抽出および位置変更方式のための復号プロセスを指定しない。各サブピクチャの動きベクトルは、復号サブピクチャ内の座標から参照サブピクチャ内の座標へのオフセットをもたらし得、これらの座標は、同じ解像度を有するピクチャにわたって一貫しているものとする(または少なくとも一貫していると仮定され得る)。
【0079】
やはり図6を参照すると、参照サブピクチャは、現在のサブピクチャの解像度に合致するようにスケールアップまたはスケールダウンされ得るが、ピクチャ内の参照サブピクチャおよび現在のサブピクチャの座標は異なり得る。本明細書に提供されている方法および/または技術によれば、現在の復号プロセスおよび関連のシグナリングは、本明細書で開示されているビューポート適応手法を達成および/または実装するように修正され得る。本明細書に提供されている方法および/または技術は、同じ2次元(2D)または3次元(3D)コンテンツ領域にマッピングされる複数の表現のサブピクチャのセットまたはグループを、例えばエレメンタリビットストリームレベルまたはシステムレベルで識別するためのシグナリングまたはメタデータがないという欠点を含めて、復号に関連付けられた現在のシグナリングにおける欠点に対処する。
【0080】
いくつかの付加拡張情報(SEI)メッセージは、HEVCにおける矩形領域および360度ビデオ情報を指定する。パンスキャン(pan-scan)矩形SEIメッセージは、アクティブSPSによって指定されるコンフォーマンスクロッピングウィンドウに対する1つまたは複数の矩形エリアの座標を指定する。正距円筒図法およびキューブマップ投影SEIメッセージは、360度ビデオピクチャをサポートするように、球座標空間(例えば、球座標を使用してアドレスされる)上への投影ピクチャのカラーサンプルを再マッピングすることを可能にするための情報を提供する。領域ごとパッキング(region-wise packing)SEIメッセージは、投影ピクチャ上への切り取られた復号ピクチャのカラーサンプルを再マッピングすることを可能にするための情報、並びにガードバンドがあればそのロケーションおよびサイズに関する情報を提供する。しかし、これらのSEIメッセージは全て、単一の表現(またはレイヤ)のために設計されており、その結果、異なる解像度を有する複数の表現にわたるサブピクチャ間の関係に対処していない。
【0081】
サブピクチャベースのアプリケーションのための代表的な手順
いくつかのサブピクチャベースのアプリケーションの場合、抽出された各サブピクチャは、新しいピクチャ内の異なる位置に割り当てられ得る。本明細書で使用されるとき、サブピクチャ特性SEIメッセージは、同じソースコンテンツ領域に関連付けられた複数のレイヤまたは表現にわたって1つまたは複数のサブピクチャまたはタイルグループを示し得る(および/またはそれらの特性を定義し、もしくはそれらの定義された特性を示し得る)サブピクチャ特性情報を含むSEIメッセージを指す。一実施形態では、サブピクチャ特性情報は、1つまたは複数の推奨されるARC切り替え点を示すための1つまたは複数の追加のインジケータを含み得る。あるいは、サブピクチャ特性SEIメッセージまたは同様のタイプのSEIメッセージが、1つまたは複数の推奨されるARC切り替え点を示すためのインジケータを含んでもよい。一実施形態では、サブピクチャ特性情報は、例えば、より良好な再構築ピクチャ品質を達成する、またはいくつかの制約を適用するために、1つまたは複数の実際のARC切り替え点を含み得る。あるいは、サブピクチャ特性SEIメッセージまたは同様のタイプのSEIメッセージが、1つまたは複数の実際のARC切り替え点を含んでもよい。
【0082】
サブピクチャ特性SEIメッセージ
一実施形態では、ビデオコンテンツが、複数のコード化されたバージョンまたは表現(またはレイヤ)に符号化され得る。各表現は、異なる解像度および/または品質でコード化され得る。360度ビデオの場合、例えば各表現は、異なる投影および/または領域ごとパッキングフォーマットにあり得る。元のコンテンツ領域は、表現の異なる部分、すなわちサブピクチャにマッピングされ得る。サブピクチャは、異なる表現において異なるように回転、スケーリング、または投影され得る。同じコンテンツ領域に対応するサブピクチャの位置およびサイズもまた、異なる表現にわたって変わり得る。ミドルボックスまたはクライアントが、それらの表現にわたって1つまたは複数のサブピクチャをフェッチし得る。ミドルボックスまたはクライアントは、複数のフェッチされたサブピクチャを使用してビューポート依存のストリーミングアプリケーションのための新しいピクチャを形成し得る。新しいピクチャは、異なるサブピクチャを異なる品質レベルおよび/または解像度で組み合わせたものであり得る。新しいピクチャの形成は、例えば、(例えば360度)ビデオクライアントのストリーミングの必要を満たすように実施され得る。
【0083】
一実施形態では、コンテンツ制作者が複数の表現を生成し得る。同じコンテンツに関連付けられた全ての表現が、マルチレイヤ構造に構成され得る。一実施形態では、各表現は、レイヤであってよい。各レイヤは、独立してコード化されてよく、または他のレイヤに依存してもよい。特定のコード化されたビデオ表現を識別するために、レイヤIDが使用されてもよい。各レイヤは、複数のサブピクチャを有し得る。各サブピクチャは、一意のサブピクチャIDまたはタイルグループIDによって識別され得る。各表現に関連付けられた投影および領域ごとパッキングSEIメッセージから、サブピクチャと元のコンテンツ領域(例えば、領域360度コンテンツ球)との間の対応関係を導出することが可能である。しかし、そうすることは、ミドルボックスまたはクライアントが各レイヤからの複数のSEIメッセージをパースすることを必要とすることになり、この導出プロセスは、ミドルボックスまたはクライアントのワークロードを増大し得る。サブピクチャ特性(例えば、複数のレイヤにわたるサブピクチャ間の対応関係、および(例えば、360度)ビデオ球上の領域に対する各レイヤ内のサブピクチャのマッピング)を表す単一のSEIメッセージまたはパラメータセットは、サブピクチャと、対応する元のコンテンツ領域との間のマッピングを単純化し、サブピクチャベースのアプリケーションを容易にし得る。
【0084】
一実施形態では、サブピクチャ分割レイアウトがPPS内でシグナリングされ得る。サブピクチャ解像度は、(例えば、PPSまたはタイルグループヘッダ内で)明示的にシグナリングされ得る。あるいは、サブピクチャ解像度は、タイルグループレイアウトおよび全体的なピクチャ解像度から導出され得る。1つの(例えば、各)サブピクチャを対応する球空間にマッピングするために、サブピクチャ特性SEIメッセージは、レイヤID、タイルグループID、サブピクチャの座標、および球座標空間へのそのマッピングなどの情報を含み、および/または提供し得る。SEIメッセージは、ビューポート適応ストリーミングおよびサブピクチャの領域ごとパッキングに使用可能ないずれかまたは全てのサブピクチャをリストし得る。デコーダは、そのようなSEIメッセージに基づいて現在のサブピクチャと並置され得る、または並置され得ない対応する参照サブピクチャを識別し得る。参照サブピクチャの解像度に応じて、デコーダは、ARCのためにサブピクチャをスケーリングし、現在のサブピクチャと参照サブピクチャとの間で座標を位置合わせし得る。
【0085】
表1は、サブピクチャ特性SEIメッセージシンタックス構造の一例を提供する。表1は、球領域(ビューポート)、および同じ球領域をカバーするサブピクチャの数をリストする。また、表1は、アクティブなシーケンスパラメータセット(SPS)によって指定されるコンフォーマンスクロッピングウィンドウに対する位置変更された各サブピクチャの座標を提供する。
【0086】
【表1】
【0087】
表1において、num_source_content_regions_minus1に1を加えたものは、SEIメッセージによって指定されるソースコンテンツ領域の数を指定し得る。
【0088】
表1において、source_content_region_positionは、i番目のソースコンテンツ領域の位置を指定し得る。2Dソースコンテンツの場合、それは、2D座標における領域の左上の位置であり得る。360度ビデオコンテンツの場合、それは、球中心方位角および傾斜位置であり得る。
【0089】
表1において、source_content_region_sizeは、i番目のソースコンテンツ領域のサイズを指定し得る。2Dソースコンテンツの場合、それは、領域の幅および高さであり得る。360度ビデオコンテンツの場合、それは、グローバル座標軸に対する傾斜角、度を単位とする球範囲の中心点を通る球領域の方位角範囲および仰角範囲であり得る。
【0090】
表1において、num_subpics_minus1[i]に1を加えたものは、i番目のソースコンテンツ領域に関連付けられたサブピクチャの数を指定し得る。
【0091】
表1において、layer_id[i][j]は、i番目のソースコンテンツ領域に関連付けられたj番目のサブピクチャが属するレイヤ識別子を指定し得る。
【0092】
表1において、subpic_coordinate[i][j]は、ピクチャ内のi番目のソースコンテンツ領域に関連付けられたj番目のサブピクチャの座標を指定し得る。それは、サブピクチャの左上位置またはサブピクチャの中央位置とすることができる。
【0093】
表1において、subpic_id[i][j]は、i番目のソースコンテンツ領域に関連付けられたj番目のサブピクチャのサブピクチャIDを指定し得る。サブピクチャIDおよび/またはタイルグループIDは、サブピクチャを識別するために使用され得る。
【0094】
表1において、subpic_width[i][j]およびsubpic_height[i][j]は、i番目のソースコンテンツ領域に関連付けられたj番目のサブピクチャの解像度を指定し得る。
【0095】
様々な実施形態では、各サブピクチャまたはサブピクチャのグループについてのビット深度、カラーサブサンプリング、符号化プロファイル、および/または符号化レベルなど特性が、サブピクチャ特性SEIメッセージ内に含まれ得る。
【0096】
様々な実施形態では、サブピクチャ特性SEIメッセージは、複数の表現またはレイヤの中で同じソースコンテンツ領域に関連付けられたサブピクチャの数を示し得る。デコーダは、前のピクチャ内で使用可能な対応する参照サブピクチャを決定し、ARCを実施するためにアクティブなPPSから参照サブピクチャ位置およびサイズを導出し得る。開示されているSEIメッセージは、例えば、各表現またはレイヤのパラメータセットまたはSEIメッセージをデコーダがパースしなくてもよいように導出を単純化するために、各サブピクチャの位置およびサイズを明示的にシグナリングしてもよい。また、サブピクチャ特性SEIメッセージの開示されているシンタックス要素は、ビデオパラメータセット(VPS)またはデコーダパラメータセット(DPS)などクロスレイヤパラメータセットによって実施されてもよい。
【0097】
様々な実施形態では、ミドルボックスは、開示されているSEIメッセージに依拠し得る。例えばミドルボックスは、SEIメッセージに基づいてビューポートに合致するサブピクチャを抽出し得る。ミドルボックスは、例えば、フレームサイズ(例えば、フレームをコード化するために必要とされるビットの数)を削減するために、抽出されたサブピクチャを使用してARCピクチャを形成し得る。クライアントは、提案されているSEIメッセージに依拠し得る。例えば、クライアントは、SEIメッセージに基づいてARCサブピクチャおよび関連の参照サブピクチャを識別し得る。クライアントは、適正な動き補償プロセスのためにARCサブピクチャと参照サブピクチャとの間で座標を位置合わせし得る。
【0098】
図7は、サブピクチャベースのARC機構700の一例を示す。図7を参照すると、キューブマップ投影フォーマットの各サブピクチャが2つの解像度にコード化され得る。ビューポートに合致するサブピクチャが、高解像度表現から抽出され得る。残りのサブピクチャは、低解像度表現から抽出され得る。様々な実施形態では、サブピクチャ特性SEIメッセージは、同じソースコンテンツ領域に関連付けられたサブピクチャを示し得る。例えばタイルグループNo.0およびタイルグループNo.6は共に左面をカバーし、タイルグループNo.1およびタイルグループNo.7は共に手前面をカバーするが、異なる解像度で、異なる表現内にある。
【0099】
エクストラクタが非IRAP高解像度サブピクチャをビューポート変更に合致するように抽出する場合、エクストラクタは、サブピクチャ特性SEIメッセージでARC発生をシグナリングし得る。サブピクチャNo.2(右)およびサブピクチャNo.7(手前)が前のピクチャ内で使用可能でなかったので、デコーダは、右のサブピクチャと手前のサブピクチャが共にARCサブピクチャであることを見つけ出し得る。ARCサブピクチャを再構築するために、デコーダは、SEIメッセージをパースし、タイルグループNo.2およびタイルグループNo.7と同じ領域に関連付けられたサブピクチャを識別し得る。例えば、タイルグループNo.1は、タイルグループNo.7と同じコンテンツ領域に関連付けられ得、前の復号されたピクチャ内で使用可能である。タイルグループNo.8は、タイルグループNo.2と同じコンテンツ領域に関連付けられ得、前の復号されたピクチャ内で使用可能である。PPSから導出されたサブピクチャ位置およびサイズに基づいて、デコーダは、ARC動き補償のために、復号されたサブピクチャNo.1をスケールダウンし、復号されたサブピクチャNo.8をスケールアップし得る。サブピクチャNo.2の各サンプルの動きベクトルは、例えば、図7に(dMVx,dMVy)とマークされているように、サブピクチャNo.2の座標とサブピクチャNo.8の座標との間のオフセットだけシフトし得る(例えば、シフトするものとする)。オフセットは、例えばルーマサンプリンググリッドに対する16分の1サンプル間隔を単位とし得る。同じ動きベクトルシフトが、タイルグループNo.7の各サンプルにも当てはまり得る。
【0100】
一実施形態では、同じソースコンテンツ領域に関連付けられた全てのサブピクチャがサブピクチャグループに割り当てられ得、各サブピクチャグループは、それ自体の一意のIDを有し得る。サブピクチャグループID、および領域位置およびサイズなどその特性は、タイルグループヘッダ内、またはPPSタイルグループレイアウトシンタックスフィールド内で搬送され得る。
【0101】
一実施形態では、SEI特性メッセージは、識別子、座標、サブピクチャサイズ、ビット深度、クロマサブサンプリング、投影フォーマット、領域ごとパッキングなどを含めて、ARC中に、現在のサブピクチャおよびその関連の参照サブピクチャの特性をシグナリングし得る。表2は、ARCサブピクチャ特性SEIメッセージの一例を提供する。
【0102】
【表2】
【0103】
表2において、num_arc_subpics_minus1に1を加えたものは、適応解像度変更に関連付けられたサブピクチャの数を指定し得る。
【0104】
表2において、arc_subpic_id[i]およびreference_subpic_id[i]は、i番目のARCサブピクチャおよび関連の参照サブピクチャの識別子を指定し得る。
【0105】
表2において、arc_subpic_coordinate[i]およびarc_subpic_size[i]は、i番目のARCサブピクチャの座標(例えば、中央または左上サンプル位置)およびサイズを指定し得る。
【0106】
表2において、reference_subpic_coordinate[i]およびreference_subpic_size[i]は、i番目のARCサブピクチャの参照サブピクチャの座標(例えば、中央または左上サンプル位置)およびサイズを指定し得る。
【0107】
様々な実施形態では、ARCサブピクチャSEIメッセージは、ビット深度、カラーサブサンプリング、符号化プロファイル、および/または符号化レベルを含めて、ARCサブピクチャおよび関連の参照サブピクチャのフォーマットを示す情報を含み得る。
【0108】
様々な実施形態では、ARCサブピクチャSEIメッセージは、ARC後のコード化サブピクチャ、およびARC前の対応する参照サブピクチャを示す情報を含み得る。クライアントは、そのようなインジケーションに基づいて動き補償のために対応する参照ピクチャをスケーリングまたは変換(例えば、ミラーリング、スケーリング、または回転)することができる。このメッセージは、サブピクチャビットストリームを抽出および位置変更するミドルボックスまたはエクストラクタによって(例えば、通常)生成され得る。このメッセージは、ARCピクチャに添付され得る(例えば、添付されるものとする)。そのようなメッセージに基づいて、クライアントまたはデコーダは、ARCサブピクチャおよび関連の参照サブピクチャを識別し、動き補償のために2つのサブピクチャ間で座標を位置合わせし得る。
【0109】
推奨されるARC移行SEIメッセージ
様々な実施形態では、ARCは、例えば、高ビットレートIDRもしくはIRAPピクチャを回避するために、および/または受け入れられる復号ピクチャ品質を維持するために、スケーリングされた、再構築されたピクチャを参照ピクチャとして使用し得る。同じコンテンツの符号化されたビデオの複数のバージョンがあり得る。再構築されたピクチャ品質および誤差伝搬を含むARC移行性能は、スケーリングフィルタ設計、参照ピクチャ、および時間レイヤに依存し得る。
【0110】
図8は、POC No.4上でのARC移行が誤差伝搬を引き起こさない可能性がある時間スケーラビリティ機構800を示す。異なるバージョンおよびコード化構造間でのサブピクチャの相関に応じて、エンコーダは、最良のARC移行点に気付き得る。例えば、エンコーダは、ARCのための移行点を決定するために、各IRAP間隔またはピクチャのグループ(GOP)間隔内でARCをシミュレーションし得る。
【0111】
図9は、最適なARC移行点を決定するための一例を示す。従来の時間インター予測および動き補償の他に、エンコーダは、異なる表現からのスケーリングされたピクチャを参照することによってピクチャを再構築することをシミュレーションし、PSNRを計算し、最も高いピーク信号対雑音比(PSNR)を達成するピクチャを推奨されるARC移行点としてマークし得る。
【0112】
一実施形態では、ARC移行点(例えば、POC No.3)を決定するために、機構900は、SHVCにおいて指定されるレイヤ間予測を2つの表現間で定期的に実施し得る。この追加のレイヤ間コード化データは、ARCが実施されるときエンドユーザに送達され得る。
【0113】
図10は、スケーリングされた低解像度IRAPピクチャから高解像度表現ピクチャが定期的に予測される例示的な機構1000を示す。これらのピクチャは、ARC移行ピクチャとしてマークされる。低解像度から高解像度表現への移行は、これらのARC移行点でのみ行われ得、一方、高解像度から低解像度表現への移行は、低解像度IRAPピクチャのサイズが高解像度IRAPピクチャサイズよりはるかに小さいので、任意の低解像度IRAPピクチャで行われ得る。ARCを実施するとき、低解像度IRAPピクチャは、高解像度ピクチャのためのレイヤ間参照ピクチャとしてビットストリーム内で搬送され得る。
【0114】
やはり図10を参照すると、ビットストリームNo.1は、定期的なIRAPピクチャで時間予測された低解像度コード化ストリームであり得、ビットストリームNo.2は、低解像度IRAPピクチャからレイヤ間予測されたARCピクチャで時間予測された高解像度コード化ストリームであり得る。ARC移行ビットストリームは、低解像度参照ピクチャ(POC No.4)、レイヤ間予測されたARCピクチャ(POC No.4)、およびそれに続く時間予測された高解像度ピクチャを含み得る。
【0115】
様々な実施形態では、推奨されるARC移行SEIメッセージは、サブピクチャ特性SEIメッセージに含まれ得、または別々に使用もしくは送信される。推奨されるARC移行SEIメッセージは、高解像度表現のためのPOC値を含み得、POC値は、レイヤIDまたはタイルグループIDなど表現ID、スケーリングフィルタ係数、および予測方法(例えば、時間予測またはレイヤ間予測)を有する、対応するより低いレイヤの参照ピクチャのものである。
【0116】
表3は、推奨されるARC移行SEIメッセージの例示的なシンタックスを提供する。このメッセージは、そのレイヤID、POC値、およびサブピクチャIDで推奨されるARCサブピクチャを識別する。また、このメッセージは、そこから切り替えることが推奨される複数のサブピクチャを示す。スケーリングフィルタは、ARC品質を改善するために、カスタマイズされたスケーリングフィルタをサポートし得る。
【0117】
【表3】
【0118】
表3では、arc_layer_idは、ARCサブピクチャが関連付けられるレイヤの識別子を指定し得る。
【0119】
表3では、arc_poc_lsbは、ARCサブピクチャのPOC LSB値を指定し得る。
【0120】
表3では、arc_subpic_idは、ARCサブピクチャの識別子を指定し得る。
【0121】
表3では、num_ref_subpic_minus1に1を加えたものは、ARC中にそこから切り替えられる推奨されるサブピクチャの数を指定し得る。
【0122】
表3では、reference_subpic_id[i]は、ARC中にそこから切り替えられるi番目の推奨されるサブピクチャを指定し得る。
【0123】
表3では、scaling_filterは、推奨されるスケーリングフィルタ係数を含む構造であり得る。
【0124】
様々な実施形態では、SEIメッセージは、複数の推奨されるARC移行点を提供し、これらの点を優先順位付けし得る。ARCを実施するサブピクチャの優先順位を示すために、優先順位インジケータがSEIメッセージ内でシグナリングされ得る。より高い優先順位は、関連のサブピクチャに対してより良好なARC性能が達成され得ることを示す。
【0125】
ARC切り替えインジケータ
ARC発生をデコーダに示すために、インジケータを使用し、SEIメッセージ、PPS、またはサブピクチャ関連のパラメータセットでシグナリングしてもよい。このインジケータは、レイヤIDおよびPOC番号などパラメータを搬送し得る。ARC切り替え点後のいくつかのピクチャは、スケーリングされたピクチャを参照として使用することになるので、動き補償誤差は、正確な時間情報および参照サンプルに依拠するそれらのコード化ツールの性能を減じ得る。例えば双方向オプティカルフロー(BDOF)は、前方予測および後方予測からの2つの時間予測間の差、並びに空間勾配を使用して、時間予測信号に基づいて各4×4サブブロックについてデルタ動きベクトルを導出することを必要とする。時間差と空間勾配は共に、ARC切り替え点後、参照ピクチャの空間スケーリング後に変更されることになり、導出結果は、大きく変化することになる。デコーダ側動きベクトルリファインメント(DMVR)は、2つの参照ピクチャからの2つの時間予測を使用してコード化ユニット内の各サブブロック(例えば、16×16)についてデルタ動きベクトルを導出する。導出結果は、時間参照ピクチャがスケーリングされた場合、変化することになる。BDOFおよびDMVRなどデコーダ側導出関連のコード化技術は、ARCピクチャ、および復号順で次のIRAPピクチャに先行する後続のピクチャ全てにおいて無効にされるものとする。様々な実施形態では、これらのコード化技術は、ARC関連のSEIメッセージ内でシグナリングされるインジケータに基づいて無効にされ得、またはそれらは、スケーリング比に基づいて適応的に無効にされ得る。スケーリング比が1に近い場合には、それらは有効にされ得、そうではなくスケーリング比1から離れている場合、それらは無効にされ得る。これらのコード化ツールを無効にすることにより、コード化性能に影響を及ぼすことなく、デコーダワークロードおよび電力消費がさらに削減され得る。
【0126】
時間動きベクトル予測(TMVP)およびサブブロック時間動きベクトル予測(SbTMVP)もまた、解像度変更により、動きベクトルスケーリングにより影響を受け得、動きベクトル誤差は、動きベクトル予測により1ピクチャ内で伝搬され得る。動きベクトルの誤差は、動き補償によりピクチャ品質に対して大きな影響を有する。様々な実施形態では、エンコーダは、参照ピクチャスケーリングおよび動きベクトルスケーリングによって影響を受け得るARC切り替え点後のインターピクチャなどピクチャを符号化するとき、ピクチャ品質がARC切り替え後、影響を受けすぎないように、これらのデコーダ側導出関連のコード化技術、TMVP、およびSbTMVPを無効にし得る。
【0127】
様々な実施形態では、1つまたは複数のコード化ツール(例えば、所定のコード化ツール)がARC移行点で無効にされることになるかどうか示すために、インジケーションまたはフラグ(例えば、制約フラグ)が使用され得る。一例では、デコーダは、制約フラグがSPS内に設定されており、その制約フラグが、1つまたは複数のコード化ツールの制約がコード化ビデオシーケンス(CVS)全体に適用されることを示すことを検出し得る。例えばレイヤベースの空間スケーラビリティは、各高解像度エンハンスメントピクチャが低解像度(例えば、ベースレイヤ)ピクチャから予測されることを可能とし得、1つまたは複数のコード化ツールの制約は、各エンハンスメントレイヤ(例えば、ビットストリーム内の最初のレイヤであるベースレイヤ以外のレイヤ)フレームに適用される。単一レイヤシーケンスの場合、エンコーダは、ARC移行のためいくつかの、または所定のフレームに対して制約フラグを設定し得る。デコーダは、フラグをスライスレベルで検出し、関連のフレーム(例えば、そのスライスを含むフレーム)に対してARCを実施し得る。
【0128】
表4は、SPS内でシグナリングされる制約フラグsps_arc_constraint_flagを含むSPSの例示的なシンタックスを提供する。
【0129】
【表4】
【0130】
表4では、sps_arc_constraint_flagは、制約フラグである。sps_arc_constraint_flagの値が1に等しいとき、それは、SPSに関連付けられたCVSについて、コード化ツールTMVP、DMVR、および/またはBDOFが無効にされる(例えば、0に等しい値を有するslice_temporal_mvp_enabled_flag、bdofFlag、および/またはdmvrFlag)ものとすることを示す、または指定する。sps_arc_constraint_flagが0に等しい値を有するとき、そのフラグは、制約を課さないことを示す、または指定する。
【0131】
表5は、スライスヘッダの例示的なシンタックスを提供する。制約フラグslice_arc_constraint_flagは、スライスヘッダ内でシグナリングされる。
【0132】
【表5】
【0133】
表5では、slice_arc_constraint_flagは、制約フラグである。slice_arc_constraint_flagの値が1に等しいとき、それは、関連のスライスについて、コード化ツールTMVP、DMVR、および/またはBDOFが無効にされる(例えば、0に等しい値を有する関連のスライスのslice_temporal_mvp_enabled_flag、bdofFlag、および/またはdmvrFlag)ものとすることを示す、または指定する。slice_arc_constraint_flagが0に等しい値を有するとき、そのフラグは、制約を課さないことを示す、または指定する。slice_arc_constraint_flagが存在しないとき、1に等しい値を有することが推定される。
【0134】
様々な実施形態では、(例えば、上記の1つまたは複数の制約フラグを使用してシグナリングされる)コード化ツールの制約は、ARC移行後、無効にされることになるツールの既知または固定のセットを示し(またはその参照を提供し)得る。例えばコード化ツールの制約は、ARC移行後、および/または次のIRAPピクチャまで、BDOFおよびDMVRを無効にし得る。別の実施形態では、コード化ツールの制約がアクティブであるときどのコード化ツールが無効にされるか適応的に指定するために、追加のシグナリング(例えば、1つまたは複数の追加のフラグ)がシンタックス内で提供され得る。例えば、第1のフラグが、コード化ツールの制約によってBDOFが無効にされることになるかどうか指定し得、第2のフラグが、コード化ツールの制約によってDMVRが無効にされることになるかどうか指定し得、1つまたは複数の追加のフラグが、コード化ツールの制約によって他のツールが無効にされることになるかどうか指定し得る。
【0135】
様々な実施形態では、表6は、各レイヤが独立してコード化され、その結果、レイヤ間の依存性が指定されることを必要としないことを示すために全レイヤ独立フラグが使用される、VPSの例示的なシンタックスを提供する。
【0136】
【表6】
【0137】
表6では、1に等しいvps_all_layers_independent_flagは、各レイヤ(VPSによって指定される)が独立レイヤであることを指定し得、0に等しいvps_all_layers_independent_flagは、1つまたは複数のレイヤ(VPSによって指定される)が独立レイヤでないことがあることを指定し得る。vps_all_layers_independent_flagが1に設定されているとき、レイヤ依存性シグナリング(例えば、direct_dependency_flag)は、シグナリングされる必要がないことになる。
【0138】
様々な実施形態では、通信システムにおけるピクチャおよび/またはビデオコード化のための方法および装置が提供される。例えば、方法は、ビューポートの適応切り替えと共に使用するために、SEIメッセージにサブピクチャ特性情報を選択的に含めるステップと、そのSEIメッセージを生成/送信するステップとを含み得る。また、方法は、ビューポートに関連付けられたサブピクチャのセットを識別するステップと、サブピクチャの識別されたセットに関連付けられたサブピクチャ特性情報を識別するステップとを含み得る。一例では、SEIメッセージにサブピクチャ特性情報を選択的に含めるステップは、識別されたサブピクチャ特性情報を含むSEIメッセージを生成することを含み得る。
【0139】
様々な実施形態では、サブピクチャ特性情報は、1つまたは複数のレイヤ識別情報(IDs)、1つまたは複数のタイルグループIDs、各サブピクチャの座標、サブピクチャのセットの各サブピクチャの位置およびフォーマット、ピクチャの球座標空間上にマッピングされることになる各サブピクチャについてのマッピング情報、ビット深度、カラーサブサンプリング情報、符号化プロファイル、並びに1つまたは複数のサブピクチャのための符号化レベルのいずれかを示し、および/または含む。
【0140】
様々な実施形態では、方法は、SEIメッセージ内のサブピクチャ特性情報を示すためにシンタックスを生成することを含み得る。
【0141】
様々な実施形態では、サブピクチャのセットは、ピクチャに関連付けられたタイルグループのセットであり得る。
【0142】
様々な実施形態では、方法は、ビューポートの適応切り替えに関連してARCと共に使用するために、SEIメッセージにサブピクチャ特性情報を選択的に含めるステップと、そのSEIメッセージを生成/送信するステップとを含み得る。一例では、サブピクチャ特性情報は、ビューポートの適応切り替えのためにARCが適用され得る低解像度サブピクチャおよび高解像度サブピクチャのいずれかを示す情報を含み得る。一例では、低解像度サブピクチャおよび高解像度サブピクチャは、ビューポートに使用される同じソースコンテンツ領域に関連付けられる。
【0143】
様々な実施形態では、SEIメッセージは、第1のIRAPピクチャを含むフレームの後で、第2のIRAPピクチャを含む次のフレームの前に送信され得る。
【0144】
様々な実施形態では、本明細書で論じられている方法のいずれかは、ARCに使用可能なピクチャに関連付けられたサブピクチャのセットを識別するステップを含み、サブピクチャのセットは、低解像度サブピクチャおよび高解像度サブピクチャを含み、また、サブピクチャの識別されたセットに関連付けられたサブピクチャ特性情報を識別するステップを含み得る。一例では、サブピクチャ特性情報をSEIメッセージに選択的に含めるステップは、識別されたサブピクチャ特性情報を含むSEIメッセージを生成することを含み得る。
【0145】
様々な実施形態では、方法は、ビューポートの適応切り替えと共に使用するために、サブピクチャ特性情報を含むSEIメッセージを受信するステップと、サブピクチャ特性情報に基づいてARCを実施するステップとを含み得る。
【0146】
様々な実施形態では、サブピクチャ特性情報は、ビューポートの適応切り替えのためにARCが適用され得る低解像度サブピクチャおよび高解像度サブピクチャのいずれかを示す情報を含み得る。
【0147】
様々な実施形態では、ARCは、少なくとも一部には、示された低解像度サブピクチャを高解像度サブピクチャに適合すること、および/または示された高解像度サブピクチャを低解像度サブピクチャに適合することによって実施され得る。
【0148】
様々な実施形態では、ARCを実施するステップは、サブピクチャ特性情報に基づいてビューポートの適応切り替えに関連してARCを実施することを含み得る。
【0149】
様々な実施形態では、ARCは、IRAPピクチャフレームを導入することなく実施され得る。
【0150】
様々な実施形態では、ARCは、少なくとも一部には、示された低解像度サブピクチャを高解像度サブピクチャに適合すること、および示された高解像度サブピクチャを低解像度サブピクチャに適合することによって実施され得る。
【0151】
様々な実施形態では、本明細書で論じられている方法のいずれかは、受信されたSEIメッセージを復号するステップを含み得る。
【0152】
様々な実施形態では、ARCを実施するステップは、サブピクチャ特性情報に基づいて低解像度サブピクチャをスケールアップすることを含み得る。
【0153】
様々な実施形態では、ARCを実施するステップは、サブピクチャ特性情報に基づいて高解像度サブピクチャをスケールダウンすることを含み得る。
【0154】
様々な実施形態では、ARCを実施するステップは、サブピクチャ特性情報に基づいて、サブピクチャのセットと、対応する参照サブピクチャのセットとの間で座標を位置合わせすることを含み得る。
【0155】
様々な実施形態では、ARCを実施するステップは、サブピクチャ特性情報に基づいてサブピクチャの位置およびフォーマットを決定することと、対応する参照サブピクチャの解像度を決定することと、決定された位置およびフォーマット並びに参照サブピクチャの解像度に基づいてサブピクチャの解像度をスケーリングすることと、スケーリングされたサブピクチャをピクチャの対応する座標にマッピングすることとを含み得る。
【0156】
様々な実施形態では、サブピクチャは、タイルグループを含み得る。
【0157】
様々な実施形態では、本明細書で論じられている方法のいずれかは、サブピクチャ特性情報に基づいて、対応する参照サブピクチャがサブピクチャと並置されるかどうか決定することを含み得る。
【0158】
様々な実施形態では、SEIメッセージが、サブピクチャ特性情報を有するシンタックスを含み得る。
【0159】
様々な実施形態では、シンタックスがクロスレイヤパラメータセットによって搬送され得る。
【0160】
様々な実施形態では、サブピクチャ特性情報は、コンフォーマンスクロッピングウィンドウに対する位置変更された各サブピクチャの座標を示し得る。
【0161】
様々な実施形態では、本明細書で論じられている方法のいずれかは、1つまたは複数の前のピクチャ内で使用可能な対応する参照サブピクチャを決定するステップと、サブピクチャ特性情報に基づいて対応する参照サブピクチャの位置およびフォーマットを導出するステップとを含み得る。
【0162】
様々な実施形態では、サブピクチャ特性情報は、1つまたは複数の低解像度サブピクチャおよび1つまたは複数の高解像度サブピクチャを含むサブピクチャのセットの特性を示し得る。
【0163】
様々な実施形態では、方法は、ARC切り替え点後の1つまたは複数のピクチャがスケーリングされたピクチャを参照として使用するARC切り替え点を識別するステップと、ARC切り替え点を示すインジケータを送るステップとを含み得る。
【0164】
様々な実施形態では、インジケータは、SEIメッセージ、ピクチャパラメータセット(PPS)、およびサブピクチャ関連のパラメータセットのいずれかで送信される。
【0165】
様々な実施形態では、インジケータは、パラメータを含み、パラメータは、レイヤID、およびピクチャオーダカウント(POC)値のいずれかを含む。
【0166】
様々な実施形態では、方法は、ARC切り替え点を示すインジケータを受信するステップと、ARC切り替え点およびスケーリングされたピクチャを識別するステップとを含み得る。様々な実施形態では、ARC切り替え点後に受信される1つまたは複数のピクチャは、スケーリングされたピクチャを参照として使用し得る。
【0167】
様々な実施形態では、方法は、ARCを実施するために使用可能である、または推奨されるピクチャに関連付けられたサブピクチャのセットを識別するステップと、サブピクチャのセットの1つまたは複数のパラメータを示すSEIメッセージを生成する/送るステップとを含み得る。
【0168】
様々な実施形態では、上記で論じられている1つまたは複数のパラメータは、ピクチャの高解像度表現のためのPOC値、表現IDを有する対応する、より低い解像度の参照ピクチャのPOC値、1つまたは複数のスケーリングフィルタ係数、および予測方法のいずれかを含み得る。
【0169】
様々な実施形態では、表現IDは、レイヤIDまたはタイルグループIDであり得る。
【0170】
様々な実施形態では、予測方法は、時間予測およびレイヤ間予測のいずれかを含み得る。
【0171】
様々な実施形態では、シンタックスは、サブピクチャのセットの1つのサブピクチャの情報を示し得、この情報は、サブピクチャに関連付けられたレイヤID、POC値、およびサブピクチャIDのいずれかを含む。
【0172】
様々な実施形態では、方法は、ピクチャに関連付けられたSEIメッセージを受信するステップと、SEIメッセージに示された1つまたは複数のパラメータに基づいて、ARCを実施するために推奨されるサブピクチャのセットを識別するステップと、ARCを実施するために、1つまたは複数のサブピクチャをサブピクチャのセットから選択するステップとを含み得る。
【0173】
様々な実施形態では、SEIメッセージは、サブピクチャのセットのそれぞれのサブピクチャの優先順位を示す優先順位インジケータを含み得る。
【0174】
様々な実施形態では、本明細書で論じられている優先順位は、それぞれのサブピクチャに対するより良好なARC性能を示す高い優先順位であり得る。
【0175】
様々な実施形態では、装置は、本明細書で論じられている任意の方法を実装または実施する1つまたは複数のプロセッサ、エンコーダ、デコーダ、送信機、受信機、および/またはメモリを備え得る。
【0176】
様々な実施形態では、ミドルボックスは、本明細書で論じられている任意の方法を実装または実施する1つまたは複数のプロセッサ、エンコーダ、デコーダ、送信機、受信機、および/またはメモリを備え得る。
【0177】
以下の参照文献のそれぞれが、参照により本明細書に組み込まれている:[1]非特許文献1;[2]非特許文献2;[3]非特許文献3;[4]非特許文献4;および[5]米国特許仮出願第62/775,130号明細書。
【0178】
結び
上記では特徴および要素が特定の組合せで記述されているが、各特徴または要素は、単独で使用されることも可能であり、または他の特徴および要素との任意の組合せで使用され得ることを、当業者は理解するであろう。さらに、本明細書に記載の方法は、コンピュータまたはプロセッサによる実行のために、コンピュータ可読媒体に組み込まれたコンピュータプログラム、ソフトウェア、またはファームウェアに実装され得る。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体の例には、限定されるわけではないが、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、内蔵ハードディスクやリムーバブルディスクなどの磁気媒体、磁気光学媒体、CD-ROMディスクやデジタル多用途ディスク(DVD)などの光学メディアが含まれる。ソフトウェアに関連するプロセッサを使用して、WTRU102、UE、端末、基地局、RNC、または任意のホストコンピュータで使用するための無線周波数トランシーバを実装することができる。
【0179】
さらに、上記の実施形態では、処理プラットフォーム、コンピューティングシステム、コントローラ、およびプロセッサを含む他のデバイスが記載されている。これらのデバイスには、少なくとも1つの中央処理装置(CPU)とメモリが含まれ得る。コンピュータプログラミングの当業者の慣行に従って、動作または命令の行為および記号表現への参照は、様々なCPUおよびメモリによって実行され得る。そのような行為および操作または命令は、「実行された」、「コンピュータによって実行された」または「CPUによって実行された」と呼ばれることがある。
【0180】
当業者は、行為および象徴的に表される操作または命令が、CPUによる電気信号の操作を含むことを理解するであろう。電気システムは、結果として生じる電気信号の変換または削減、およびメモリシステム内のメモリ位置でのデータビットの維持を引き起こし、それによってCPUの動作、および信号の他の処理を再構成または変更する可能性のあるデータビットを表す。データビットが維持されるメモリ位置は、データビットに対応する、またはデータビットを表す特定の電気的、磁気的、光学的、または有機的な特性を持つ物理的な位置である。代表的な実施形態は、上記のプラットフォームまたはCPUに限定されず、他のプラットフォームおよびCPUは、提供された方法をサポートし得ることを理解されたい。
【0181】
データビットは、磁気ディスク、光ディスク、およびその他の揮発性(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))または不揮発性(例えば、読み取り専用メモリ(ROM))のCPU読み取り可能な大容量記憶システムを含むコンピュータ可読媒体上に維持することもできる。コンピュータ可読媒体は、処理システム上に排他的に存在するか、または処理システムに対してローカルまたはリモートであり得る複数の相互接続された処理システム間で分散される、協調または相互接続されたコンピュータ可読媒体を含み得る。代表的な実施形態は、上記のメモリに限定されず、他のプラットフォームおよびメモリが、説明された方法をサポートし得ることが理解される。
【0182】
例示的な実施形態では、本明細書に記載の操作、プロセスなどのいずれも、コンピュータ可読媒体に格納されたコンピュータ可読命令として実装することができる。コンピュータ可読命令は、モバイルユニットのプロセッサ、ネットワーク要素、および/または他の任意のコンピューティングデバイスによって実行され得る。
【0183】
システムの側面のハードウェアとソフトウェアの実装にはほとんど違いがない。ハードウェアまたはソフトウェアの使用は、一般に(常にではないが、特定のコンテキストではハードウェアとソフトウェアの選択が重要になる場合がある)、コストと効率のトレードオフを表す設計上の選択である。本明細書に記載のプロセスおよび/またはシステムおよび/または他の技術が影響を受ける可能性のある様々な媒体(例えば、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェア)があり得、好ましい媒体は、プロセスおよび/またはシステムおよび/または他の技術がデプロイされる状況によって変化し得る。例えば、実装者が速度と精度が最優先事項であると判断した場合、実装者は主にハードウェアおよび/またはファームウェア媒体を選択できる。柔軟性が最優先される場合、実装者は主にソフトウェア実装を選択できる。あるいは、実装者は、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアのいくつかの組み合わせを選択することができる。
【0184】
前述の詳細な説明は、ブロック図、フローチャート、および/または例を使用することにより、デバイスおよび/またはプロセスの様々な実施形態を示している。そのようなブロック図、フローチャート、および/または例が1つまたは複数の機能および/または操作を含む限り、そのようなブロック図、フローチャート、または例内の各機能および/または操作が、個別におよび/または集合的に、広範囲のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらのバーチャルな任意の組み合わせによって実施され得ることが当業者によって理解されるであろう。適切なプロセッサには、例えば、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来のプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに関連する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け標準製品(ASSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)回路、その他のタイプの集積回路(IC)、および/またはステートマシンが含まれる。
【0185】
特徴および要素は特定の組み合わせで上記に説明されているが、当業者は、各特徴または要素が単独で、または他の特徴および要素と任意の組み合わせで使用できることを理解するであろう。本開示は、様々な態様の例示として意図されている、本出願に記載されている特定の実施形態に関して限定されるべきではない。当業者には明らかであるように、その精神および範囲から逸脱することなく、多くの修正および変形を行うことができる。本出願の説明で使用される要素、行為、または命令は、明示的にそのように提供されない限り、本発明にとって重要または必須であると解釈されるべきではない。本明細書に列挙されたものに加えて、本開示の範囲内の機能的に同等の方法および装置は、前述の説明から当業者には明らかであろう。かかる修正および変形は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。本開示は、添付の請求項の用語、およびそのような請求項が権利を与えられる同等物の全範囲によってのみ制限されるべきである。この開示は、特定の方法またはシステムに限定されないことを理解されたい。
【0186】
また、本明細書で使用される用語は特定の態様のみを記載するためにあり、限定することを意図するものではないことも理解されたい。本明細書で使用される場合、本明細書で言及される場合、用語「ステーション」およびその略語「STA」、「ユーザ機器」およびその略語「UE」は、(i)以下に説明するような、無線送受信ユニット(WTRU)、(ii)以下に説明するような、WTRUのいくつかの実施形態のいずれか、(iii)以下に説明するような、WTRUの一部または全ての構造および機能で構成された無線対応および/または有線対応(例えば、テザー可能)デバイス、(iv)以下に説明するような、WTRUの全ての構造および機能よりも少ない構成で構成された無線対応および/または有線対応のデバイス、または(v)同様のものを意味する。本明細書に列挙された任意のUEまたはモバイルデバイスを表す(または交換可能である)ことができる例示的なWTRUの詳細は、図1A図1Dに関して以下に提供される。
【0187】
特定の代表的な実施形態では、本明細書に記載の主題のいくつかの部分は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、および/または他の統合フォーマットを介して実装され得る。しかしながら、当業者は、本明細書に開示される実施形態のいくつかの態様が、全体的または部分的に、1つまたは複数のコンピュータ上で実行される1つまたは複数のコンピュータプログラム(例えば、1つまたは1つ以上のコンピュータシステムで実行される複数のプログラム)として、1つ以上のプロセッサで実行される1つ以上のプログラム(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサで実行される1つ以上のプログラム)として、ファームウェア、またはそれらの仮想上の任意の組み合わせとして集積回路内で実装され、並びに回路を設計すること、および/またはソフトウェアおよび/またはファームウェアのためのコードを書くことは、本開示に照らして当業者の技能の範囲内であることを理解するであろう。さらに、当業者は、本明細書に記載の主題のメカニズムが様々な形態のプログラム製品として配布され得ること、および本明細書に記載の主題の例示的な実施形態が実際に配信を実行するために使用される信号伝達媒体の特定のタイプに関係なく適用されることを理解するであろう。信号伝達媒体の例には、限定されるわけではないが、フロッピーディスク、ハードディスクドライブ、CD、DVD、デジタルテープ、コンピュータメモリなどの記録可能なタイプの媒体、およびデジタルおよび/またはアナログ通信媒体(例えば、光ファイバーケーブル、導波路、有線通信リンク、無線通信リンクなど)などの伝送タイプの媒体が含まれる。
【0188】
本明細書に記載の主題は、異なる他の構成要素に含まれる、またはそれらと接続される異なる構成要素を示すことがある。そのような描写されたアーキテクチャは単なる例であり、実際、同じ機能を達成する他の多くのアーキテクチャが実装され得ることが理解されるべきである。概念的な意味では、同じ機能を実現するためのコンポーネントの配置は、目的の機能を実現できるように効果的に「関連付け」られる。したがって、特定の機能を達成するために組み合わされた本明細書の任意の2つのコンポーネントは、アーキテクチャまたは中間コンポーネントに関係なく、所望の機能が達成されるように互いに「関連付けられている」と見なされ得る。同様に、そのように関連付けられた任意の2つの構成要素はまた、所望の機能を達成するために互いに「操作可能に接続された」または「操作可能に結合された」と見なされ得、そのように関連付けられ得る任意の2つの構成要素もまた、目的の機能を実現するために相互に「操作可能に結合可能である」と見なされる。動作可能に結合可能な特定の例には、限定されるわけではないが、物理的に結合可能および/または物理的に相互作用するコンポーネント、および/または無線的に相互作用可能な、および/または無線的に相互作用するコンポーネント、および/または論理的に相互作用するおよび/または論理的に相互作用可能なコンポーネントが含まれる。
【0189】
本明細書における実質的に任意の複数形および/または単数形の用語の使用に関して、当業者は、文脈および/または用途に適切であるように、複数形から単数形へ、および/または単数形から複数形へと翻訳することができる。明確にするために、様々な単数形/複数形の順列を本明細書に明示的に記載することができる。
【0190】
一般に、本明細書で、特に添付の特許請求の範囲で使用される用語(例えば、添付の特許請求の範囲)は、一般に「オープン」な用語として意図されている(例えば、「含む」という用語は、「含むがこれに限定されない」と解釈されるべきであり、「持つ」という用語は「少なくとも持つ」と解釈されるべきであり、「含む」という用語は「含むがこれに限定されない」と解釈されるべきであるなど)。特定の数の導入された請求項の記載が意図されている場合、そのような意図は請求項に明示的に記載され、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが当業者によってさらに理解されるであろう。例えば、1つの項目のみが意図されている場合、「単一」または同様の言語という用語が使用され得る。ただし、そのような句の使用は、不定冠詞「a」または「an」によるクレームの記載の導入が、そのような導入されたクレームの記載を含む特定のクレームを、そのような記載を1つだけ含む実施形態に限定することを意味すると解釈されるべきではない。同じクレームには、「1つ以上」または「少なくとも1つ」という導入句と、「a」または「an」などの不定冠詞が含まれる(例えば、「a」および/または「an」は「少なくとも1つ」または「1つ以上」と解釈されるべきである)。また、これは請求項の記載を導入するために使用される定冠詞の使用についても同様である。さらに、導入された請求項の特定の数が明示的に記載されている場合でも、当業者は、そのような記載が少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることを認識するであろう(例えば、他の修飾子がない「2つの記載」のそのままの記載は、少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)。
【0191】
さらに、「A、B、Cなどの少なくとも1つ」に類似した規則が使用される場合、一般に、そのような構成は、当業者が慣習を理解するという意味で意図されている(例えば、「A、B、およびCの少なくとも1つを有するシステム」は、限定されないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBを一緒に、AとCを一緒に、BとCを一緒に、および/またはA、B、Cを一緒になどのシステムを含む)。「A、B、またはCなどの少なくとも1つ」に類似した規則が使用される場合、一般に、そのような構成は、当業者が慣習を理解するという意味で意図されている(例えば、「A、B、またはCの少なくとも1つを有するシステム」は、限定されないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBを一緒に、AとCを一緒に、BとCを一緒に、および/またはA、B、Cを一緒になどのシステムを含む)。説明、特許請求の範囲、または図面のいずれにおいても、2つ以上の代替用語を提示する事実上全ての選言的な単語および/または句は、用語の1つ、いずれかの用語、または両方の用語を含む可能性を企図するために理解されるべきであることが当業者によってさらに理解される。例えば、「AまたはB」という句は、「A」または「B」または「AおよびB」の可能性を含むと理解されるであろう。さらに、本明細書で使用される、複数のアイテムおよび/またはアイテムの複数のカテゴリのリストに続く「のいずれか」という用語は、「のいずれか」、「任意の組み合わせ」、「任意の複数」、および/またはアイテムおよび/またはアイテムのカテゴリの「複数の任意の組み合わせ」、個別に、または他のアイテムおよび/または他のカテゴリのアイテムと組み合わせて、を含むことを意図する。さらに、本明細書で使用される場合、「セット」または「グループ」という用語は、ゼロを含む任意の数の項目を含むことを意図している。さらに、本明細書で使用される場合、「数」という用語は、ゼロを含む任意の数を含むことを意図している。
【0192】
さらに、本開示の特徴または態様がマーカッシュグループに関して説明される場合、当業者は、それによって、本開示が、マーカッシュグループの任意の個々のメンバーまたはメンバーのサブグループに関しても説明されることを認識するであろう。
【0193】
当業者によって理解されるように、書面による説明を提供することに関してなど、あらゆる目的のために、本明細書に開示される全ての範囲はまた、ありとあらゆる可能なサブレンジおよびそのサブレンジの組み合わせを包含する。リストされた範囲はどれも、同じ範囲を少なくとも等しい半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分割できるように十分に記述していると簡単に認識できる。非限定的な例として、本明細書で論じられる各範囲は、下3分の1、中3分の1、および上3分の1などに容易に分解され得る。当業者によっても理解されるように、「まで」、「少なくとも」、「より大きい」、「より小さい」などの全ての言語は、列挙された数を含み、その後に上記のようにサブレンジに分解され得る範囲を指す。最後に、当業者によって理解されるように、範囲は、個々のメンバーを含む。したがって、例えば、1~3個のセルを有するグループは、1、2、または3個のセルを有するグループを指す。同様に、1~5個のセルを有するグループは、1、2、3、4、または5個のセルを有するグループなどを指す。
【0194】
さらに、クレームは、その趣旨で述べられていない限り、提供された順序または要素に限定されるものとして解釈されるべきではない。さらに、クレームでの「手段」という用語の使用は、米国特許法112条6項またはミーンズプラスファンクションクレームフォーマットを呼び出すことを意図しており、「手段」という用語のないクレームはそのように意図されない。
【0195】
ソフトウェアに関連するプロセッサを使用して、無線送受信ユニット(WTRU)、ユーザ機器(UE)、端末、基地局、モビリティ管理エンティティ(MME)または進化パケットコア(EPC)または任意のホストコンピュータで使用するための無線周波数トランシーバを実装することができる。WTRUは、ソフトウェア定義無線(SDR)を含むハードウェアおよび/またはソフトウェアにおいて実装されるモジュール、並びにカメラ、ビデオカメラモジュール、ビデオフォン、スピーカフォン、振動デバイス、スピーカ、マイク、テレビトランシーバー、ハンズフリーヘッドセット、キーボード、Bluetoothモジュール、周波数変調(FM)無線ユニット、ニアフィールド通信(NFC)モジュール、液晶ディスプレイ(LCD)ディスプレイユニット、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイユニット、デジタル音楽プレーヤ、メディアプレーヤ、ビデオゲームプレーヤモジュール、インターネットブラウザ、および/または無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)または超広帯域(UWB)モジュールと組み合わせて使用され得る。
【0196】
本発明は通信システムに関して説明されてきたが、システムは、マイクロプロセッサ/汎用コンピュータ(図示せず)上のソフトウェアで実装され得ることが企図されている。特定の実施形態では、様々なコンポーネントの機能のうちの1つまたは複数は、汎用コンピュータを制御するソフトウェアに実装され得る。
【0197】
本発明は、本明細書で具体的な実施形態を参照して例示及び記載されているが、示されている細部に本発明を限定することを意図するものではない。むしろ、本発明から離れることなく、特許請求の範囲の相当物の範囲内において、細部における様々な変更が行われてよい。
【0198】
本開示を通して、当業者は、特定の代表的な実施形態が、代替として、または他の代表的な実施形態と組み合わせて使用され得ることを理解している。
【0199】
上記では特徴および要素が特定の組合せで記述されているが、各特徴または要素は、単独で使用されることも可能であり、または他の特徴および要素との任意の組合せで使用され得ることを、当業者は理解するであろう。さらに、本明細書に記載の方法は、コンピュータまたはプロセッサによる実行のために、コンピュータ可読媒体に組み込まれたコンピュータプログラム、ソフトウェア、またはファームウェアに実装され得る。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体の例には、限定されるわけではないが、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、内蔵ハードディスクやリムーバブルディスクなどの磁気媒体、磁気光学媒体、CD-ROMディスクやデジタル多用途ディスク(DVD)などの光学メディアが含まれる。ソフトウェアと連携したプロセッサが使用されて、WTRU、UE、端末、基地局、RNC、または任意のホストコンピュータ中で使用される無線周波数送受信機が実装されてよい。
【0200】
さらに、上記の実施形態では、処理プラットフォーム、コンピューティングシステム、コントローラ、およびプロセッサを含む他のデバイスが記載されている。これらのデバイスには、少なくとも1つの中央処理装置(CPU)とメモリが含まれ得る。コンピュータプログラミングの当業者の慣行に従って、動作または命令の行為および記号表現への参照は、様々なCPUおよびメモリによって実行され得る。そのような行為および操作または命令は、「実行された」、「コンピュータによって実行された」または「CPUによって実行された」と呼ばれることがある。
【0201】
当業者は、行為および象徴的に表される操作または命令が、CPUによる電気信号の操作を含むことを理解するであろう。電気システムは、結果として生じる電気信号の変換または削減、およびメモリシステム内のメモリ位置でのデータビットの維持を引き起こし、それによってCPUの動作、および信号の他の処理を再構成または変更する可能性のあるデータビットを表す。データビットが維持されるメモリ位置は、データビットに対応する、またはデータビットを表す特定の電気的、磁気的、光学的、または有機的な特性を持つ物理的な位置である。
【0202】
データビットは、磁気ディスク、光ディスク、およびその他の揮発性(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))または不揮発性(例えば、読み取り専用メモリ(ROM))のCPU読み取り可能な大容量記憶システムを含むコンピュータ可読媒体上に維持することもできる。コンピュータ可読媒体は、処理システム上に排他的に存在するか、または処理システムに対してローカルまたはリモートであり得る複数の相互接続された処理システム間で分散される、協調または相互接続されたコンピュータ可読媒体を含み得る。代表的な実施形態は、上記のメモリに限定されず、他のプラットフォームおよびメモリが、説明された方法をサポートし得ることが理解される。
【0203】
適切なプロセッサには、例えば、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来のプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに関連する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け標準製品(ASSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)回路、その他のタイプの集積回路(IC)、および/またはステートマシンが含まれる。
【0204】
本発明は通信システムに関して説明されてきたが、システムは、マイクロプロセッサ/汎用コンピュータ(図示せず)上のソフトウェアで実装され得ることが企図されている。特定の実施形態では、様々なコンポーネントの機能のうちの1つまたは複数は、汎用コンピュータを制御するソフトウェアに実装され得る。
【0205】
本発明は、本明細書で具体的な実施形態を参照して例示及び記載されているが、示されている細部に本発明を限定することを意図するものではない。むしろ、本発明から離れることなく、特許請求の範囲の相当物の範囲内において、細部における様々な変更が行われてよい。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2021-11-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオパラメータセット(VPS)に関連付けられる1つまたは複数のレイヤを判定することと、
前記VPSに関連付けられる前記1つまたは複数のレイヤが独立してコード化されているかどうかを示すインジケーションを含むシンタックス要素を生成することと、
前記シンタックス要素を含むメッセージを生成することと
を備える方法。
【請求項2】
前記インジケーションは、前記VPSに関連付けられる前記1つまたは複数のレイヤのそれぞれが独立してコード化されていることを示す全レイヤ独立フラグである、請求項1の方法。
【請求項3】
前記インジケーションは、レイヤ依存性情報がシグナリングされないことを示す、請求項1の方法。
【請求項4】
前記インジケーションは、前記VPSに関連付けられる前記1つまたは複数のレイヤのうちの少なくとも1つが独立してコード化されないことを示す、請求項1の方法。
【請求項5】
前記VPSは、クロスレイヤパラメータセットである、請求項1の方法。
【請求項6】
前記VPSは、デコーダパラメータセット(DPS)を含む、請求項1の方法。
【請求項7】
前記シンタックス要素を含む前記メッセージを送信することをさらに備える、請求項1の方法。
【請求項8】
少なくともシンタックス要素を含むメッセージを受信することと、
前記シンタックス要素から、ビデオパラメータセット(VPS)に関連付けられるそれぞれのレイヤが独立してコード化されているかどうかを示すインジケーションを判定することと、
前記インジケーションに基づいて前記VPSに関連付けられる1つまたは複数のレイヤを復号することと
を備える方法。
【請求項9】
前記インジケーションは、前記VPSに関連付けられるそれぞれのレイヤが独立してコード化されていることを示す全レイヤ独立フラグである、請求項8の方法。
【請求項10】
前記インジケーションは、前記VPSに関連付けられるそれぞれのレイヤが独立してコード化されており、レイヤ依存性情報がシグナリングされないことを示す、請求項8の方法。
【請求項11】
前記インジケーションは、前記VPSに関連付けられる少なくとも1つのレイヤが独立してコード化されないことを示す、請求項8の方法。
【請求項12】
独立してコード化されない前記少なくとも1つのレイヤについてのレイヤ依存性情報を受信することをさらに備え、
前記1つまたは複数のレイヤを復号することは、受信された前記レイヤ依存性情報を使用して前記少なくとも1つのレイヤを復号することを備える、請求項11の方法。
【請求項13】
前記VPSは、クロスレイヤパラメータセットである、請求項8の方法。
【請求項14】
前記VPSは、デコーダパラメータセット(DPS)を含む、請求項8の方法。
【請求項15】
ビデオパラメータセット(VPS)に関連付けられる1つまたは複数のレイヤを判定することと、
前記VPSに関連付けられる前記1つまたは複数のレイヤが独立してコード化されているかどうかを示すインジケーションを含むシンタックス要素を生成することと、
前記シンタックス要素を含むメッセージを生成することと
を実行するように構成された1つまたは複数のプロセッサを備えた装置。
【請求項16】
前記インジケーションは、前記VPSに関連付けられる前記1つまたは複数のレイヤのそれぞれが独立してコード化されていることを示す全レイヤ独立フラグである、請求項15の装置。
【請求項17】
前記インジケーションは、レイヤ依存性情報がシグナリングされないことを示す、請求項15の装置。
【請求項18】
前記インジケーションは、前記VPSに関連付けられる前記1つまたは複数のレイヤのうちの少なくとも1つが独立してコード化されないことを示す、請求項15の装置。
【請求項19】
前記シンタックス要素を含む前記メッセージを送信するように構成された送信機をさらに備えた、請求項15の装置。
【請求項20】
少なくともシンタックス要素を含むメッセージを受信することと、
前記シンタックス要素から、ビデオパラメータセット(VPS)に関連付けられるそれぞれのレイヤが独立してコード化されているかどうかを示すインジケーションを判定することと、
前記インジケーションに基づいて前記VPSに関連付けられる1つまたは複数のレイヤを復号することと
を実行するように構成された1つまたは複数のプロセッサを備えた装置。
【国際調査報告】