(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-13
(54)【発明の名称】コアレス変圧器およびインダクタのためのコイルを製造するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H01F 41/04 20060101AFI20220506BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20220506BHJP
B29C 64/112 20170101ALI20220506BHJP
H05K 1/16 20060101ALI20220506BHJP
H01F 30/10 20060101ALI20220506BHJP
H01F 17/00 20060101ALI20220506BHJP
H01F 17/02 20060101ALI20220506BHJP
H01F 27/28 20060101ALI20220506BHJP
【FI】
H01F41/04 C
B33Y10/00
B29C64/112
H05K1/16 B
H01F30/10 D
H01F17/00 D
H01F17/02
H01F27/28 K
H01F27/28 104
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021565076
(86)(22)【出願日】2020-05-04
(85)【翻訳文提出日】2021-12-24
(86)【国際出願番号】 US2020031274
(87)【国際公開番号】W WO2020223724
(87)【国際公開日】2020-11-05
(32)【優先日】2019-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517151372
【氏名又は名称】ナノ ディメンション テクノロジーズ,リミテッド
【住所又は居所原語表記】2 Ilan Ramon St., 74036 Nes Ziona, Israel
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤマダ,ミノル
【テーマコード(参考)】
4E351
4F213
5E043
5E062
5E070
【Fターム(参考)】
4E351AA02
4E351BB09
4E351BB31
4E351CC08
4E351DD04
4E351DD05
4E351DD06
4E351DD10
4E351DD11
4E351DD19
4E351DD23
4E351GG06
4F213AB13
4F213AH36
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL29
5E043AA08
5E043BA01
5E043BA02
5E062DD04
5E070AA11
5E070AB04
5E070CB13
(57)【要約】
本開示は、1つ以上のコイルインダクタを含むコアレスプリント回路基板(PCB)ベースの変圧器および/またはコアレスPCBベースの回路を製造するためのシステムおよび方法に関する。より具体的には、本開示は、一次巻線および二次巻線の連結ヘリックスアーキテクチャを有するコアレスPCBベースの変圧器および/またはインダクタを製造するためのシステムおよび方法に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの一次巻線および1つの二次巻線要素を含むコアレスプリント回路基板(PCB)ベースの変圧器(cPCBT)を製造する方法であって、前記cPCBTは、ステップアップ/ダウン動作を達成するために動作可能な前記一次巻線要素と前記二次巻線要素との巻線のターン比を有し、前記方法は、
a.インクジェット印刷システムであって、
i.誘電性インクを分注するように適合された第1のプリントヘッドと、
ii.導電性インクを分注するように適合された第2のプリントヘッドと、
iii.前記第1のプリントヘッドおよび前記第2のプリントヘッドに動作可能に結合され、基板を各プリントヘッドに搬送するように構成されたコンベヤと、
iv.前記第1、および第2のプリントヘッドの各々と通信する、コンピュータ支援製造(「CAM」)モジュールであって、前記CAMは、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されるとき、前記CAMに、
1.前記cPCBTを表す3D視覚化ファイルを受信するステップと、
2.複数の順序付けられたファイルを有するファイルライブラリを生成し、各順序付けられたファイルは、導電性パターン、および誘電性パターン、および少なくとも前記印刷順序を表すメタファイルの少なくとも1つで、その上に有する前記cPCBTを印刷するための実質的に2D層を表すステップとを含むステップを実行することによって、前記インクジェット印刷システムを制御するようにさせる命令を格納するために動作可能な非一時的なコンピュータ可読記憶デバイスと通信する、少なくとも1つのプロセッサを含む中央処理モジュール(CPM)をさらに備える、CAMモジュールとを有するインクジェット印刷システムを提供すること、
b.前記誘電性インクジェットインク組成物、および前記導電性インクジェットインク組成物を提供すること、
c.前記CAMモジュールを使用して、印刷のために第1の順序付けられた層ファイルを取得すること、
d.前記第1のプリントヘッドを使用して、前記基板上に前記第1の順序付けられた層ファイルの前記誘電性インクジェットインクに対応する前記パターンを形成すること、
e.化学線を使用して、前記誘電性パターンを硬化させること、
f.前記第2のプリントヘッドを使用して、cPCBTの印刷のための前記第1の順序付けられたファイルファイルに前記導電性パターンを形成すること、
g.熱を使用して、硬化および焼結のステップが別々に実行される、前記第1の順序付けられた層ファイルの前記導電性インクジェットインクに対応する前記パターンを焼結すること、
h.前記CAMモジュールを使用して、前記cPCBTを印刷するための後続の層を表す順序付けられた層ファイルを前記ライブラリから取得すること、
i.前記第1のプリントヘッドを使用して、前記後続の順序付けられた層ファイルの前記誘電性インクに対応する前記パターンを形成すること、
j.化学線を使用して、前記後続の順序付けられた層ファイルの前記誘電性パターンを硬化させること、
k.前記第2のプリントヘッドを使用して、cPCBTの印刷のための前記後続の順序付けられた層ファイルに前記導電性パターンを形成すること、
l.熱を使用して、前記後続の順序付けられた層ファイルの前記導電性パターンを焼結すること、
m.前記cPCBTを印刷するための後続層を表す順序付けられた層ファイルを前記ライブラリから取得するステップから、前記後続の順序付けられた層ファイルの前記導電性パターンを焼結するステップまでを繰り返すことを含み、前記最終層を印刷すると、ステップアップ/ダウン動作を達成するために動作可能である二次巻線要素に対する一次巻線要素の巻線ターン比、および/またはヘリカルインダクタコイルを伴う前記cPCBTを形成し、前記巻線ならびに/あるいは前記ヘリカル誘導コイルの前記一次巻線要素および前記二次巻線要素の各々は、ブラインドビアおよび埋め込みビアの少なくとも1つを伴う後続のサブ要素アークに連結された所定のラジアンの複数のサブ要素アークから構成される方法。
【請求項2】
前記一次巻線要素の各々および各二次巻線要素が、平面巻線、積層巻線、およびインターリーブ巻線のうちの少なくとも1つとして配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記一次巻線要素の各々および各二次巻線要素が二重ヘリカル巻線として配置され、前記二次ヘリカル巻線要素が前記一次ヘリカル巻線要素内に同心円状に入れ子になっている、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記二次ヘリカル巻線要素が前記一次ヘリカル巻線要素と同じピッチを有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記一次ヘリカル巻線要素と前記二次ヘリカル巻線要素との前記ターン比が1.1から40の間である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記一次および二次ヘリカル巻線要素が少なくとも15の巻線取り層上にわたり形成され、少なくとも1つの巻線取り層が前記cPCBTの外部巻線層である、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記一次および二次ヘリカル巻線要素が少なくとも15の巻線層上にわたり形成され、巻線層が前記cPCBTの外部巻線層ではない、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記一次ヘリカル巻線要素および前記二次ヘリカル巻線要素の各々が、所定のラジアンの複数のサブ要素アークから構成され、各サブ要素アークが平面であるように構成される、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
各アークが3.14ラジアン(rad)の半円である、請求項9に記載の方法。
【請求項10】
前記一次ヘリカル巻線要素が、前記基底巻線層で前記二次ヘリカル巻線要素に電気的に結合されている、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記巻線層が並列に接続されている、請求項3に記載の方法。
【請求項12】
前記cPCBTが100kHzから5Mhzの間の周波数で動作可能である、請求項3に記載の方法。
【請求項13】
前記cPCBTが、低周波数非ゼロスイッチング信号によって変調された高周波キャリア信号によって動作するようにサイズ設定および構成され、前記スイッチング信号は、約350kHzから約1.0MHzの間の周波数である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記cPCBTが20の巻線層の巻線を形成している、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
付加的に製造する電子(AME)形成cPCBTを動作させることを含む方法であって、前記AME形成cPCBTは、低周波数非ゼロスイッチング信号によって変調された高周波キャリア信号によって100kHzから5Mhzの間の周波数で動作し、前記スイッチング信号は、約100kHzから約1.0MHzの間の周波数である方法。
【請求項16】
前記AME形成cPCBTは、一次ヘリカル巻線要素の内部に入れ子にされた二次ヘリカル巻線付け要素からなる巻線コイルをさらに有し、前記二次ヘリカル巻線付け要素は、前記一次ヘリカル巻線付け要素と同じピッチを有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記一次ヘリカル巻線要素と前記二次ヘリカル巻線要素との間の前記ターン比が約1.1から約40の間である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
少なくとも前記二次ヘリカル巻線要素、および前記一次ヘリカル巻線要素の前記ピッチが、約20μmから約1000μmとの間である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記一次ヘリカル巻線要素および前記二次ヘリカル巻線要素がそれぞれ、ブラインドビアおよび埋め込みビアのうちの少なくとも1つによって同じまたは異なるラジアンを有するアークに連結された所定のラジアンを伴うアークから構成される、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示は、付加的に製造された電子(AME)回路ベースの変圧器を製造するためのシステムおよび方法に向けられている。より具体的には、本開示は、ステップアップ/ダウンデータおよび/またはエネルギー保存と変換を提供するように構成された巻線要素を有するコアレスAME回路ベースの変圧器および/またはインダクタを製造するための、あるいは磁場で一時的なエネルギー保存のためのシステムおよび方法に向けられている。
【0002】
最近では、コンバータのスイッチング周波数を増大させることによって達成され得る、小型、軽量、高速電圧調整に対応、および費用対効果の高い電源を有するなど、DC/DCスイッチモード電源(SMPS)の要件に関する要望が増えている。
【0003】
さらに、Power over Ethernet(PoE)、WLANアクセスポイント、インターネットプロトコル(IP)電話、多種多様なテレコムアプリケーションとラップトップアダプタ、セットトップボックスなどの様々なAC/DCおよびDC/DCコンバータアプリケーションは、コンパクトなスイッチモード電源(SMPS)を取得するために、様々なステップダウンターン比の高周波変圧器を必要とする。
【0004】
高周波磁気に関連する他の問題は、漏れインダクタンス、スキンおよび近接効果、ならびに不均衡な磁束分布であり、これらはすべて、局所的なホットスポットを生成し、結合係数を低下させる可能性がある。例えば、インダクタ巻線のこの「寄生」容量は、スイッチング動作の帯域幅に対して制限する要因である。
【0005】
コアレス変圧器および/またはインダクタの短絡インダクタンスの値に影響を与えるいくつかの要因がある。巻線戦略、構築技術、変圧器の一次巻線要素と二次巻線要素の分離、さらにターンの形状と寸法はすべて、一般的なPCBベースのコアレス変圧器で取得される、通常はnHから数μHの範囲である値を超える開回路インダクタンス値を達成するのに貢献する。
【0006】
本開示は、積層造形の技術およびシステムを使用することによって、上記で特定された欠点の1つ以上を克服することを目的としている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
様々な実施形態において、ヘリカル巻線アーキテクチャを有するPCBベースの変圧器および/またはインダクタ回路を製造するための積層造形法が開示されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態では、本明細書で少なくとも1つの一次巻線および1つの二次巻線要素を含むAMEコアレスプリント回路基板変圧器(cPCBT)を製造するための方法が提供され、前記変圧器は、ステップアップ/ダウン動作を達成するために動作可能な二次巻線要素に対する一次巻線要素の巻線のターン比を有し、本方法は、誘電性インクを分配するように適合された第1のプリントヘッド、導電性インクを分配するように適合された第2のプリントヘッド、基板を各プリントヘッドに搬送するように構成された、第1および第2のプリントヘッドに動作可能に結合されたコンベヤ、第1のプリントヘッド、第2のプリントヘッド、およびコンベヤと通信するコンピュータ支援製造(「CAM」)モジュールを有する印刷システムを提供することを含み、CAMモジュールは、少なくとも1つのプロセッサと、実行時に、少なくとも1つのプロセッサが変圧器を表す3D視覚化ファイルを受信し、3D視覚化ファイルを使用して、複数の層ファイルを含むライブラリを生成し、各層ファイルはプリント回路基板変圧器を印刷するための実質的に2D層を表し、ライブラリを使用して、各層ファイル上に、cPCBTの導電性部分を印刷するための順序付けられた層ファイルの各々の導電性部分を含む導電性インクパターンを生成し、ライブラリを使用して、cPCBTの誘電性部分を印刷するために、順序付けられた層ファイルの各々の誘電性インク部分に対応するインクパターンを各層に生成するように構成された一連の実行可能命令をその上に格納する不揮発性メモリとを備え、導電性パターンと誘電性パターンは同じ層ファイルにあり、CAMモジュールは第1および第2のプリントヘッドの各々を制御するように構成され、本方法は、誘電性インク組成物、および導電性インク組成物を提供すること、CAMモジュールを使用して、第1の層ファイルを取得すること、第1のプリントヘッドを使用して、基板上の誘電性インクに対応するパターンを形成すること、化学線を使用して、誘電性パターンを硬化させること、第2のプリントヘッドを使用して、導電性インクに対応するパターンを形成すること、ならびに熱を使用して、導電性インクに対応するパターンを焼結することを含み、硬化のステップは、焼結のステップとは別に実行される。
【0009】
別の例示的な実装形態では、本明細書でヘリカル巻線を含むcPCBベースのバイアスサプライヤを製造するための方法が提供され、本方法は、誘電性インクを分配するように適合された第1のプリントヘッド、導電性インクを分配するように適合された第2のプリントヘッド、基板を各プリントヘッドに搬送するように構成された、第1および第2のプリントヘッドに動作可能に結合されたコンベヤ、ならびに第1のプリントヘッド、第2のプリントヘッド、およびコンベヤと通信するコンピュータ支援製造(「CAM」)モジュールを有する印刷システムを提供することを含み、CAMモジュールは、少なくとも1つのプロセッサと、実行時に、少なくとも1つのプロセッサがcPCBベースのバイアスサプライヤを表す3D視覚化ファイルを受信し、3D視覚化ファイルを使用して、複数の順序付けられた層ファイルを含むライブラリを生成し、各順序付けられた層ファイルはcPCBベースのバイアスサプライヤを順序正しく印刷するための実質的に2D層を表し、ライブラリを使用して、cPCBベースのバイアスサプライヤの導電性部分を印刷するために、順序付けされた層ファイルの各々の導電性部分を含む導電性インクパターンを生成し、ライブラリを使用して、cPCBベースのバイアスサプライヤの誘電性部分を印刷するために、順序付けされた層ファイルの各々の誘電性インク部分に対応するインクパターンを生成し、導電性および誘電性パターンは、同じ実質的に2Dの順序付けられた層ファイルの各々にあるように構成された一連の実行可能命令をその上に格納する不揮発性メモリとを備え、CAMモジュールは、第1および第2のプリントヘッドの各々を制御するように構成され、本方法は、誘電性インク組成物、および導電性インク組成物を提供すること、CAMモジュールを使用して、印刷のための第1の層ファイルを取得すること、第1のプリントヘッドを使用して、cPCBベースのバイアスサプライヤの誘電性インクに対応するパターンを形成すること、化学線を使用して、誘電性インクに対応するパターンを硬化させること、第2のプリントヘッドを使用して、印刷のための第1の層の導電性インクに対応するパターンを形成すること、ならびに熱を使用して、導電性インクに対応するパターンを焼結することを含み、硬化および焼結のステップは別々に実行される。
【0010】
さらに別の例示的な実装形態では、本明細書で提供されるのは、コアレス積層PCBベースの変圧器を動作させる方法であり、前記変圧器は、100kHzから5Mhzの間の周波数で動作し、前記変圧器は、低周波数の非ゼロスイッチング信号によって変調された高周波の搬送波信号によって動作し、前記スイッチング信号は、約350kHzから約1.0MHzの間の周波数である。
【0011】
さらに別の例示的な実装形態では、本明細書で提供されるのは、プリント回路基板(PCB)、フレキシブルプリント回路(FPC)、および高密度相互接続プリント回路基板(HDIPCB)のうちの少なくとも1つであり、各々は本明細書に開示されるcPCB変圧器を含む。
【0012】
システムのこれらおよびその他の特徴、ならびに例えば、パワーMOSFET(金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)およびIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)デバイスのゲート駆動回路において使用するコアレスPCBベースの変圧器を製造するための方法は、例示的であり、限定的ではない図および例と併せて読むと、以下の詳細な説明から明らかになろう。
【0013】
ステップアップ/ステップダウンデータおよび/またはエネルギー変換を提供するように構成された巻線要素を有するコアレスPCBベースの変圧器、ならびに/あるいはインダクタを含むコアレスPCBベースの回路を印刷するための直接または間接の積層造形方法およびシステムをよりよく理解するために、その実施形態に関して、参照が添付の例および図に行われる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、
図3に示されるcPCBベースの変圧器の等価集中回路モデルである。
【
図3A】
図3Aは、
図4Aに図示されている、説明された、開示されたシステムおよび方法を使用して製造されたcPCBベースの変圧器の一実施形態の概略上面図を示す。
【
図3B】
図3Bは、3Aと同じ概略であり、
図1の集中回路モデルの構成部品を示している。
【
図6】
図6は、積層巻線構造の従来技術の接続を示し、それにより、4層の印刷されたスパイラル巻線インダクタ:(a)従来の巻線方法、(b)交流巻線方法、および(c)部分交流巻線方法(LEEらから:広い周波数帯域幅の印刷されたスパイラル巻線インダクタ、パワーエレクトロニクスに関するIEEEトランザクション、VOL.26、NO.10、(2011)、pp.2936~2945)は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書で提供されるのは、ヘリカル巻線要素を有する、コアレスPCBベースの変圧器およびインダクタ含有回路を製造するためのシステムおよび方法の実装形態、例、および構成である。
【0016】
具体的には、特定の実装形態では、一次巻線要素と二次巻線要素との間のより良い結合を確実にするために、一次二次二次一次(PSSP)構造を有する、cPCBベースの変圧器が本明細書に開示されている。cPCBベースの変圧器コイル(またはインダクタコイル(例えば、
図5A、5Bを参照)は、巻線がヘリカル状であり、連結(連係)アーキテクチャを有し、それにより、所定のラジアンのアーク部分がブラインドビアと埋め込みビアの少なくとも1つにより、同じまたは異なるアーク部分に連結し、こうして、ピッチとターンが可変の連結ヘリックスを形成する。(変圧器の場合の各巻線要素の)ヘリカル巻線構造は、平面フープタイプ、蛇行、および閉じたタイプのコイルなどの他の構造と比較するとき、以下などの与えられた幾何学的パラメータに対して、より高い値のインダクタンスとより低い抵抗を提供するように構成される。
・一次(Np)/二次(Ns)のターン数
・導体の幅(W)
・導体の高さ(H)
・絶縁層の厚さ(Z)
・トラックセパレーション(S)
・内側/外側の半径(Ri/Ro)
・巻線の形状(円形スパイラル)
【0017】
例示的な実装形態では、cPCBTの一次および二次巻線ヘリカル要素は、二次ヘリカル巻線要素が一次ヘリカル巻線要素内で、同心円状に(すなわち、同軸に)入れ子になるように二重ヘリックスを形成するように製造され、一次巻線要素と二次巻線要素の巻線のターン比が≠1になるように、両方とも同じピッチであるが異なるターンを有し、したがって、データ/電力の転送でステップアップまたはステップダウン機能を提供するように構成されている。
【0018】
別の例示的な実装形態では、二重ヘリックスは共通軸に沿って平行移動されないが、ステップアップ/ダウン変換機能なしで誘導が望ましい特定の環境および例では、本明細書に開示されるシステムに実装される方法を使用して、ヘリックス(スパイラル)の縦軸に沿って平行移動する二重ヘリックス巻線要素を製造することができる。
【0019】
本明細書で使用される場合、説明されるヘリックスの文脈における「ピッチ」という用語は、導電性物質の360°ターンを達成するのに必要なヘリックスの定義された縦軸(X
L、例えば、
図5Aを参照)と平行な距離(例えば、μm単位)を指す。同様に、説明されるヘリックスの文脈における「ターン」という用語は、縦軸X
Lの周りのヘリカルの完全な360°回転を得るのに必要な長さ(例えば、μm単位)を指す。
【0020】
本明細書に記載のシステム、方法、および組成物を使用して、単一の連続積層造形プロセス(パス)において、プリントヘッドと導電性および誘電性インク組成物との組み合わせを利用して、コアレスPCBベース(cPCB)変圧器および/またはインダクタコイルを形成/製造することができ、例えば、インクジェット印刷デバイスを使用するか、または複数のパスを使用する。本明細書に記載のシステム、方法、および組成物を使用して、熱硬化性樹脂材料を使用して、プリント基板の絶縁部分および/または誘電性部分を形成することができる(例えば、
図4Aの100を参照)。この印刷された誘電性インクジェットインク(DI)材料は、位置(例えば、
図2、104
iを参照)、コア(レス)位置350のためのメッキスルーホール(例えば、バイアスサプライヤ
図4A)、ならびに入力および出力接合部301、302(
図4A、4B)を介して正確を含む最適化された形状で印刷される。
【0021】
インクジェットインクが参照されるが、他の積層造形方法(ラピッドプロトタイピング、ラピッドマニュファクチャリング、および3D印刷としても知られている)もまた、開示された方法の実装形態において企図される。一例示的な実施形態では、本明細書に記載のcPCBベースの変圧器/インダクタは、同様に、選択的レーザー焼結(SLS)プロセス、直接金属レーザー焼結(DMLS)、電子ビーム溶融(EBM)、選択的熱焼結(SHS)、またはステレオリソグラフィー(SLA)によって製造することができる。本明細書に記載のcPCBベースの変圧器は、例えば、二重ヘリカル巻線ループを備え、任意の好適な積層造形材料、例えば、金属粉末(例えば、コバルトクロム、鋼、アルミニウム、チタンおよび/またはニッケル合金)、ガスアトマイズ金属粉末、熱可塑性粉末(例えば、ポリ乳酸(PLA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、および/または高密度ポリエチレン(HDPE))、フォトポリマー樹脂(例えば、PMMAなどのUV硬化性フォトポリマー)、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、または本明細書に記載の機能を可能にする任意の他の好適な材料から製造されてもよい。
【0022】
使用されるシステムは、通常、いくつかのサブシステムおよびモジュールを含み得る。これらは、例えば、追加の導電性および誘電性プリントヘッド、プリントヘッドの動き、チャック、その加熱およびコンベヤの動きを制御するための機械的サブシステム、インク組成物注入システム、硬化(例えば、UV放射源)/焼結(例えば、指向性発熱要素、集束IRランプなど)サブシステム、プロセスを制御し、適切な印刷命令を生成するように動作可能な、少なくとも1つのプロセッサもしくは中央処理装置、またはモジュール(CPU、CPM)、またはグラフィカル処理装置(GPU)を伴うコンピュータ化サブシステム、コンポーネント配置システム(例えば、二次巻線要素の端子間の外部共振コンデンサ用)、自動ロボットアーム、はんだ付け用の熱風ナイフ、マシンビジョンシステム、ならびに3D印刷を制御するためのコマンドおよび制御システムなどであり得る。
【0023】
したがって、一実装形態では、本明細書では少なくとも1つの一次巻線および少なくとも1つの二次巻線要素を含むコアレスプリント回路基板(PCB)ベースの変圧器(cPCBT)を製造するための方法が提供され、前記cPCBTは、ステップアップ/ダウン動作を達成するために動作可能な二次巻線要素に対する一次巻線要素の巻線のターン比を有し、本方法は、誘電性インクを分配するように適合された第1のプリントヘッド、導電性インクを分配するように適合された第2のプリントヘッド、基板を各プリントヘッドに搬送するように構成された、第1および第2のプリントヘッドに動作可能に結合されたコンベヤ、第1のプリントヘッド、第2のプリントヘッド、およびコンベヤと通信するコンピュータ支援製造(「CAM」)モジュールを有する印刷システムを提供することを含み、CAMモジュールは、少なくとも1つのプロセッサと、実行時に、少なくとも1つのプロセッサが変圧器を表す3D視覚化ファイルを受信し、3D視覚化ファイルを使用して、複数の順序付けられた層ファイルを含むライブラリを生成し、各順序付けられた層ファイルは少なくとも順序付けられた層ファイルの印刷順序を定義するメタファイルと共にcPCBTを印刷するための実質的に2D層を表し、ライブラリを使用して、順序付けられた層ファイルごとに、PCB変圧器の導電性部分を印刷するために順序付けられた層ファイルの各々の導電性部分を含む導電性インクパターンを生成し、ライブラリを使用し、導電性パターンを含む同じ順序付けられた層ファイルに対して、誘電性インク部分に対応するインクパターンを生成するように構成された一連の実行可能命令をその上に格納する不揮発性メモリとを備え、CAMモジュールは、第1および第2のプリントヘッドの各々を制御するように動作可能であり、本方法は、誘電性インク組成物、および導電性インク組成物を提供すること、CAMモジュールを使用して、第1の順序付けられた層ファイルを取得すること、第1のプリントヘッドを使用して、誘電性インクに対応するパターンを形成する(言い換えれば、印刷する)こと、化学線を使用して、第1の順序付けられた層ファイルの誘電性インクに対応するパターンを硬化させること、第2のプリントヘッドを使用して、第1の順序付けられた層ファイルの導電性インクに対応するパターンを形成すること、ならびに、熱を使用して、導電性インクに対応するパターンを焼結することを含み、硬化および焼結のステップは、別々に(言い換えれば、異なるサブシステムを使用して、同時にではなく順次に)実行される。
【0024】
同様に、
図3A~
図4Bに示される別の例示的な実装形態では、本明細書で提供されるものは、連結されたヘリカル巻線を含む、例えば、バイアス電圧を提供するためのcPCBベースのバイアスサプライヤを製造するための方法であり、本方法は、誘電性インクを分配するように適合された第1のプリントヘッド、導電性インクを分配するように適合された第2のプリントヘッド、基板を第1および第2のプリントヘッドの各々に搬送するように構成された、第1および第2のプリントヘッドに動作可能に結合されたコンベヤ、ならびに第1のプリントヘッド、第2のプリントヘッド、およびコンベヤと通信するコンピュータ支援製造(「CAM」)モジュールを有する印刷システムを提供することを含み、CAMモジュールは、少なくとも1つのプロセッサと、実行時に、少なくとも1つのプロセッサがcPCBベースのバイアスサプライヤを表す3D視覚化ファイルを受信し、3D視覚化ファイルを使用して、複数の順序付けられた層ファイルを含むライブラリを生成し、各順序付けられた層ファイルはcPCBベースのバイアスサプライヤを印刷するための実質的に2D層を表し、ライブラリを使用して、順序付けられた層ファイルごとに、cPCBベースのバイアスサプライヤの導電性部分を含む導電性インクパターンを生成し、ライブラリを使用して、各順序付けされた層ファイルごとに、cPCBベースのバイアスサプライヤの誘電性部分を印刷するための誘電性インク部分に対応するインクパターンを生成し、誘電性パターンおよび導電性パターンは、ライブラリの同じ順序付けされた層ファイルにあるように構成された、一連の実行可能命令を伴うプロセッサ可読媒体をその上に格納する不揮発性メモリとを備え、CAMモジュールは、第1および第2のプリントヘッドの各々、ならびにコンベヤを制御するように構成され、本方法は、誘電性インク組成物、および導電性インク組成物を提供すること、CAMモジュールを使用して、第1の順序付けられた層ファイルを取得すること、第1のプリントヘッドを使用して、第1の順序付けられた層ファイルのcPCBベースのバイアスサプライヤの誘電性インクに対応するパターンを形成すること、化学線を使用して、印刷のための第1の順序付けられた層ファイルの誘電性インクに対応するパターンを硬化させること、第2のプリントヘッドを使用して、印刷のための第1の順序付けられた層ファイルの導電性インクに対応するパターンを形成すること、ならびに熱を使用して、導電性インクに対応するパターンを焼結することを含み、硬化および焼結のステップは別々に実行される。
【0025】
以下の説明から明らかであるように特に明記しない限り、本開示全体を通して、「アクセスする」または「配置する」または「形成する」または「装着する」または「除去する」または「取り付ける」または「処理する」または「行う」または「生成する」または「調整する」または「作成する」または「実行する」または「継続する」または「計算する」または「決定する」などの用語を利用する説明は、コンピュータシステムのレジスタ、ライブラリ、データベース、およびメモリ内の物理的(電子)量として表されるデータを、コンピュータシステムメモリまたはレジスタ内の物理的量として同様に表される他のデータに操作および変換するコンピュータシステム、または同様の電子コンピューティングデバイス、あるいは他のそのような情報の保存、伝送または表示デバイスの、またはその制御下の、アクションおよびプロセスを指すと理解されるべきである。しかしながら、これらおよび類似の用語はすべて、適切な物理量に関連付けられており、これらのアクションおよび量に適用される便利なラベルにすぎないことに注意されたい。
【0026】
一連の実行可能命令は、実行時に、プロセッサが、3D視覚化ファイルを使用して、複数の後続層ファイルのライブラリを生成するようにさらに構成され、各後続層ファイルは、cPCB変圧器またはインダクタ含有回路の後続部分を印刷するために実質的に2次元(2D)の後続層を表す。
【0027】
したがって、CAMモジュールは、cPBCTの3D視覚化ファイル、またはcPCBベースのバイアスサプライヤから変換されたファイルを格納する順序付けられた2Dファイルライブラリで構成できる。本明細書で使用される「ライブラリ」という用語は、3D視覚化ファイルから導出されたすべての2D順序付け層ファイルの集合を指し、導電性パターンおよび誘電性パターンそれぞれを印刷するのに必要な情報を含み、これは、コンピュータ可読媒体で実行され得るデータ収集アプリケーションによってアクセス可能であり、使用される。本開示の文脈において、「順序付けられた」層ファイルは、例えば、CAMモジュールに含まれる少なくとも1つのプロセッサによってアクセス可能なメタファイルで指定される、実質的に2D層ファイルおよびそれらの印刷順序を指す。
【0028】
CAMモジュールは、ライブラリと通信する少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサによって実行するための一組の操作命令を格納する不揮発性メモリデバイスと、プロセッサおよびライブラリと通信する1つまたは複数のマイクロメカニカルインクジェットプリントヘッドと、2Dファイルライブラリ、メモリ、およびマイクロメカニカルインクジェットプリントヘッドと通信する1つの(または、複数の)プリントヘッドインターフェース回路、機能層に特定したプリンタ動作パラメータを提供するように構成された2Dファイルライブラリを、さらに含む。
【0029】
「モジュール」という用語の使用は、モジュールの一部として説明されたまたは特許請求されている構成要素または機能がすべて(単一の)共通パッケージで構成されていることを暗示するものではない。実際、モジュールの様々な構成要素のいずれかまたはすべては、制御ロジックまたは他の構成要素に関係なく、単一のパッケージに組み合わせるか、または別々に維持することができ、さらに、複数のグループもしくはパッケージに、または複数の(リモート)位置およびデバイスにわたって分散することができる。さらに、特定の実装形態では、「モジュール」という用語は、モノリシックまたは分散型ハードウェアユニットを指す。また、第1のプリントヘッドの文脈における「分注する」という用語は、インク滴が分注されるデバイスを示すために使用される。分注器は、例えば、マイクロバルブ、圧電分注器、連続ジェットプリントヘッド、沸騰(バブルジェット(登録商標))分注器、および分注器を通って流れる流体の温度および特性に影響を及ぼす他のものを含む、少量の液体を分注するための装置であり得る。
【0030】
したがって、一例示的な実装形態では、システムおよび組成物を使用して実装された方法は、本明細書に記載のコアまたはコアレスPCBベースの変圧器およびPCBベースのバイアスサプライヤを形成/製造し、ステップアップ/ダウン動作を達成するように動作可能な一次巻線要素と二次巻線要素の巻線のターン比を有し、ならびに/あるいはヘリカルインダクタコイルは、熱を使用するステップに続いて(例えば、集束IRランプ、シールドされた熱要素などを用いて)、導電性インクに対応するパターンを焼結すること、CAMモジュールを使用して、ライブラリにアクセスすること、(コアレス)PCBの後続層の生成された順序付き層ファイルを取得すること、および後続層を形成するためのステップを繰り返すことをさらに含み、一次巻線要素の各々および各二次巻線要素は、平面巻線、積層巻線、およびインターリーブ巻線のうちの少なくとも1つとして配置される。
【0031】
したがって、別の例示的な実装形態では、本明細書で提供されるのは、ステップアップ/ダウンを達成するように動作可能な一次巻線要素と二次巻線要素との巻線のターン比を伴う、cPCBTおよび/またはヘリカルインダクタコイルのうちの少なくとも1つを製造する方法であり、本方法は、誘電性インクを分配するように適合された第1のプリントヘッド、導電性インクを分配するように適合された第2のプリントヘッド、基板を各プリントヘッドに搬送するように構成された、第1および第2のプリントヘッドに動作可能に結合された、コンベヤ、第1、および第2のプリントヘッドの各々と通信する、コンピュータ支援製造(「CAM」)モジュールで、CAMは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、cPCBTを表す3D視覚化ファイルを受信すること、および複数の順序付けられたファイルを有するファイルライブラリを生成することで、各順序付けられたファイルは、導電性パターン、誘電性パターン、および少なくとも印刷順序を表すメタファイルのうちの少なくとも1つをその上に有するcPCBTを印刷するための実質的に2D層を表すものを含むステップを実行することによって、CAMにインクジェット印刷システムを制御させる命令を格納するように動作可能な非一時的コンピュータ可読記憶デバイスと通信する少なくとも1つのプロセッサを含む中央処理モジュール(CPM)をさらに含むものを有するインクジェット印刷システムを提供すること、誘電性インクジェットインク組成物、および導電性インクジェットインク組成物を提供すること、CAMモジュールを使用して、印刷のための第1の順序付けられた層ファイルを取得すること、第1のプリントヘッドを使用して、基板上の第1の順序付けられたファイルの誘電性インクジェットインクに対応するパターンを形成すること、化学線を使用して、誘電性パターンを硬化させること、第2のプリントヘッドを使用して、cPCBTの印刷のための第1の順序付けられたファイルに導電性パターンを形成すること、熱を使用して、導電性インクジェットインクに対応するパターンを焼結すること、CAMモジュールを使用して、cPCBTを印刷するための後続層を表す順序付けられた層ファイルをライブラリから取得することを含み、後続のファイルは、誘電性インクおよび導電性インクのうちの少なくとも1つを表すパターンの命令を印刷すること、第1のプリントヘッドを使用すること、誘電性インクに対応するパターンを形成すること、CAMモジュールを使用するステップまで、2Dファイルライブラリから後続の実質的に2D層を取得することのステップを繰り返すことを含み、最終層を印刷すると、ステップアップ/ダウン動作を達成するように動作可能な二次巻線要素に対する一次巻線要素の巻線のターン比、および/またはヘリカルインダクタコイルを伴うcPCBTを形成し、巻線ならびに/あるいはヘリカル誘導コイルの一次巻線要素および二次巻線要素の各々は、所定のラジアンの複数のサブ要素アークから構成され、各サブ要素アークは、連続する巻線層において平面であるように構成され、ブラインドビアおよび埋め込みビアの少なくとも1つを伴う後続のサブ要素アークに連結される。
【0032】
「平面巻線」変圧器という用語は、この文脈において、実質的に平面の導電性パターンを使用することによって巻線が実装されている変圧器構造を意味し、それらのうちの少なくとも2つは、2つの連続する導電層の間に絶縁層が存在するように、互いに積み重ねられている。同様に、この文脈における「積層巻線」は、PCB全体にわたって(スパイラル)巻線の層を同心円状に積み重ねることによって巻線が実装される構造を指す(例えば、
図6を参照)。また、この文脈における「インターリーブ巻線」という用語は、一次および二次巻線要素がディスクの形態で(言い換えれば、平面または積重)巻かれ、二次巻線要素が一次巻線要素と交互に積み重ねられることによって、巻線が実装される構造を指す。
【0033】
一例では、本明細書に開示されたcPCBベースの変圧器の巻線を形成する一次巻線要素および各二次巻線要素の各々および/または誘導コイル(単一の巻線要素を伴う)は、複数の巻線層のヘリカル巻線として配置され、第1の巻線層は頂端巻線層であり、最後の巻線層は基底巻線層であり、それによって、各巻線層は、ビア、例えば、埋め込みビア、またはブラインドビアによって隣接する(後続/先行)巻線層に結合される。
【0034】
cPCBTの一例示的な実装形態では、本明細書に開示されるcPCBベースの変圧器の一次巻線要素の各々および各二次巻線要素は、二重ヘリカル巻線として配置され、それによって、二次ヘリカル巻線要素は、一次ヘリカル巻線要素内に同心円状に入れ子にされる(例えば、
図2を参照)。さらに、二次ヘリカル巻線要素は、一次ヘリカル巻線要素と同じピッチを有する。したがって、別の例示的な実装形態では、一次巻線要素および二次巻線要素の各々は、所定のラジアンの複数のサブ要素アークから構成され、各サブ要素アークは、連続する巻線層において平面になるように構成され、ブラインドビア、および埋め込みビアの少なくとも1つにより、後続のサブ要素アークに連結される。
図2に示されるように、一次ヘリカル巻線要素105の各ターンは、半円アークサブ要素105jからなり、cPCBベースの変圧器の任意の内部層の上部層101、または下部層102、またはブラインドビア104iを指す場合、ブラインドビアを介して別の半円アークサブ要素105j’に連結される。同様に、二次ヘリカル巻線要素106の各ターンは、半円アークサブ要素106kからなり、cPCBベースの変圧器の任意の内部層の上部層101、または下部層102、またはブラインドビア104iを指す場合、ブラインドビアを介して別の半円アークサブ要素106k’に連結される。
【0035】
他の例では、一次105j、105’および二次106k、106’巻線要素の各サブ要素アークは、同じまたは異なる長さの、任意の数の円形サブ要素と単一のターンを形成し、与えられた半径を有するターンにより与えられた厚さの所定の数のターンを提供するように構成することができる。電力またはデータのステップ/アップ、ステップダウン変換を提供するために、サブ要素アークと連結された一次巻線と二次巻線要素の(単一)ターン比は1.1から40の間である。例えば、ターン比は、1.1から2.0の間、または1.1から1.5の間、例えば、1.25であり得る。したがって、
図2に示されるように、一次ヘリカル巻線のターン直径は、例えば、10mmであり得るが、二次ヘリカル巻線要素のターン直径は、直径8mmであり得る。
【0036】
例えば、本明細書に開示されたcPCBベースの変圧器(cPCBT)の一次および二次ヘリカル巻線要素は、少なくとも15の巻線層上に形成され、少なくとも1つの巻線層は、cPCBTの外側(外部)巻線層である。言い換えれば、組み込まれるターンの数に関係なく、一次および/または二次ヘリカル巻線要素の各々は、少なくとも15層にわたって形成される。本明細書に開示されたヘリカル巻線要素の文脈における「層」という用語は、サブ要素アークを形成する導電性トレースが印刷される層を指すことに留意されたい。例えば、各々が独自の層にある、0.42ラジアンの各々、15個のサブ要素アークを使用して、第1のアークはcPCBベースの変圧器の外部層に配置され、15個のサブ要素アークはビアによって連結され、第1はブラインドビアと残り(ヘリックスがcPCBベースの変圧器の厚さにまたがるように構成されていない場合)で、埋め込みビアは1ターンを形成する。別の例では、同じ厚さで、サブ要素アークのラジアンを変えると、同じターン直径およびターン比を有するより多数のターンを形成することが可能である。さらに、開示されたシステムで実装された方法を使用して、cPCBベースの変圧器の外面の間に巻線コイル全体を形成することが可能である。さらに、寄生容量が問題となるアプリケーション(例えば、高帯域幅のスイッチング動作)では、例えば、ピッチを増加させ、したがって層間の距離を増加させる(カップリング性能を損なうことなく誘電性ラミネート層の厚さを増加させることによって性能を改善することが可能であることに留意されたい。
【0037】
さらに別の例示的な実施形態では、一次ヘリカル巻線要素は、基底巻線層、頂端巻線要素、または一次ヘリカル巻線要素の頂端層から、二次ヘリカル巻線要素の基底層、およびその逆で二次ヘリカル巻線要素に電気的に結合される。
【0038】
本明細書に記載のシステムおよび方法を使用して形成されたcPCBベースの変圧器は、100kHzから5Mhzの間、例えば2Mhzから5MHzの間の周波数で動作するように構成および適合されたサイズであり、前記変圧器は、低周波非ゼロスイッチング信号によって変調された、高周波搬送波信号によって動作され、低周波数、非ゼロスイッチング信号は、約100kHzから約1.0MHzの間、例えば、約350KHzから約1.0MHzの間の周波数である。
【0039】
「形成する」(および、その変形「形成される」など)という用語は、一例示的な実装では、当技術分野で既知の任意の好適な方式を使用して、流体または材料(例えば、導電性インク)を別の材料(例えば、基板、樹脂、または別の層)と接触させて、圧送、注入、鋳込み、放出、変位、スポッティング、循環、または他の方法で配置することを指す。
【0040】
本明細書に記載の適切なプリントヘッドによって堆積された絶縁および/または誘電性の層またはパターンの硬化は、例えば、加熱、光重合、乾燥、プラズマ堆積、アニーリング、酸化還元反応の促進、紫外線ビームによる照射、または前述のうちの1つ以上を含む組み合わせによって達成され得る。硬化は、単一のプロセスで実施する必要はなく、同時にまたは順次にいくつかのプロセスを伴うことができる(例えば、追加のプリントヘッドを用いた架橋剤の乾燥および加熱および堆積)。一例示的な実装形態では、硬化は、約355nmから約400nmの間、例えば395nmの波長で動作可能なUVロッドランプなどの化学線を使用して行われ、誘電性パターンがランプの下を通過する、または代替的に、ランプは、DIインク組成物に含まれる光開始剤を活性化するように構成された、所定の高さでDIパターン上を通過する。本明細書に記載の多機能性アクリレートと共に使用することができる光開始剤は、例えば、ラジカル光開始剤であり得る。これらのラジカル光開始剤は、例えば、CIBA SPECIALTY CHEMICALのIrgacure(登録商標)500およびDarocur(登録商標)1173、Irgacure(登録商標)819、Irgacure(登録商標)184、TPO-L(エチル(2,4,6,トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィネート)ベンゾフェノン、およびアセトフェノン化合物などであり得る。例えば、ラジカル光開始剤は、混合トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート塩などのカチオン性光開始剤であり得る。本明細書に記載の活性連続相において使用されたラジカル光開始剤の別の例は、2-イソプロピルチオキサントンであり得る。
【0041】
さらに、別の例示的な実装形態では、架橋は、架橋剤を使用する共有結合によって、すなわち、連結基を形成することによって、またはこれらに限定されないが、メタクリレート、メタクリルアミド、アクリレート、またはアクリルアミドなどのモノマーのラジカル重合によって、部分を一緒に接合することを指す。いくつかの実施形態では、連結基は、ポリマーアームの末端まで成長する。
【0042】
したがって、一例示的な実装形態では、ビニル成分は、モノマー、コモノマー、および/もしくは多官能性アクリレートを含む群から選択されるオリゴマー、それらのカーボネートコポリマー、それらのウレタンコポリマー、または前述のものを含むモノマーおよび/もしくはオリゴマーの組成物である。このため、多官能性アクリレートは、1,2-エタンジオールジアクリレート、1,3-プロパンジオールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ビスフェノール-A-ジグリシジルエーテルジアクリレート、ヒドロキシピバル酸ネオペンタンジオールジアクリレート、エトキシ化ビスフェノール-A-ジグリシジルエーテルジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシル化グリセロールトリアクリレート、トリス(2-アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、または前述のもののうちの1つ以上を含む多官能性アクリレート組成物である。
【0043】
他の機能ヘッドは、本明細書に記載の方法を実装するためのシステムで使用されるインクジェットインクプリントヘッドの前、間、または後に位置し得る。これらは、所定の波長(λ)、例えば190nm~約400nmの電磁放射線を放出するように構成された電磁放射源を含み得、例示的な実装における例えば395nmを使用して、光重合性絶縁体および/または誘電性を加速および/または変調および/または促進することができる。他の機能ヘッドは、加熱素子、様々なインク(例えば、コンデンサ、トランジスタなどの様々な構成部品の、支持体、事前はんだ付け接続インク、ラベル印刷)を有する追加のプリントヘッド、および前述のものの組み合わせであり得る。
【0044】
加えて、本開示の文脈において、「焼結」という用語は、CIをその融点より低い温度で加熱することにより、金属(例えば、Ag、Cu、Au)ナノ粒子を含む導電性インク(CI)からトレース、充填ビア、メッキビア、または任意の金属パターンを形成するプロセスを指す。一例示的な実施形態では、焼結は、事前定義された領域を加熱するように動作可能な集束IRランプまたは同様のデバイスを使用して行われる。
【0045】
他の同様の機能ステップ(したがって、これらのステップに影響を及ぼす支持システム)は、DIまたは金属導電性インクジェットインクプリントヘッドのそれぞれの前または後に(例えば、導電層を焼結するために)行われ得る。これらのステップは(これらに限定されないが)、(フォトレジストマスク支援パターンの)光退色、光硬化、または任意の他の適切な(例えば、UV光源を使用する)活性放射線源への曝露、(例えば、真空領域または加熱素子を使用する)乾燥、(例えば、加圧プラズマガンおよびプラズマビームコントローラを使用する)(反応性)プラズマ蒸着、陽イオン開始剤、例えば[4-[(2-ヒドロキシテトラデシル)-オキシル]-フェニル]-フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートを可撓性樹脂ポリマー溶液もしくは可撓性導電性樹脂溶液に使用することによるような架橋、コーティング前、アニーリング、または酸化還元反応の促進、およびそれらの組み合わせ(これらのプロセスが利用される順序を問わない)を、含み得る。ある特定の実施形態では、レーザー(例えば、選択的レーザー焼結/溶融、直接レーザー焼結/溶融)、または電子ビーム溶融が、硬質樹脂および/または可撓性部分上で使用され得る。
【0046】
導電性インク組成物を配合することは、もしあれば、堆積ツール(例えば、組成物の粘度および表面張力に関する)および堆積表面特質(例えば、親水性または疎水性、および基板または使用されていれば支持材料(例えば、ガラス)の界面エネルギー)、または連続層が堆積される基板層、によって課される要件を考慮し得る。例えば、導電性インクジェットインクおよび/またはDIのいずれかの粘性(印刷温度℃で測定)は、例えば、約5cP以上、例えば、約8cP以上、または約10cP以上、および約30cP以下、例えば、約20cP以下、または約15cP以下であり得る。導電性インクは、それぞれ、約25mN/m~約35mN/mの動的表面張力(インクジェットインク液滴がプリントヘッド開口部で形成されるときの表面張力を指す)を有するように構成(例えば、配合)され得、例えば、約29mN/m~約31mN/mの動的表面張力が、50ミリ秒および25℃の表面寿命で最大気泡圧力張力測定によって測定され得る。動的表面張力は、剥離可能な基板、支持材料、樹脂層、またはそれらの組み合わせとの接触角が約100°~約165°となるように定式化され得る。
【0047】
一例示的な実装形態では、「チャック」という用語は、基板またはワークピースを支持、把持、または保持するための機構を意味することが意図される。チャックは、1つ以上の基板を含み得る。一実施形態では、チャックは、ステージおよびインサートの組み合わせ、プラットフォームを含み、ジャケット付きであるか、そうでなければ加熱および/または冷却のために構成され得、別の同様の部品、または任意のそれらの組み合わせを有し得る。
【0048】
一例示的な実施形態では、cPCBベースの変圧器および/またはcPCBベースのバイアスサプライヤならびに本明細書に記載のヘリカル巻線コイルを含む、記載の単一のインダクタコイルを使用する他の回路を形成/製造するために、直接、連続または半連続インクジェット印刷を可能にするインクジェットインク組成物、システム、および方法は、プリントヘッド(またはチャック)が、例えば、2つの(X-Y)(プリントヘッドがZ軸でも移動して、例えば、層間にヘリカルピッチを形成するブラインドおよび/または埋め込みビアを形成することを理解されたい)次元で、チャックまたは後続の任意の層の上の所定の間隔で操作されるときに、本明細書に提供される液体のインクジェットインクの液滴をオリフィスから一度に1回吐出することによってパターン化され得る。プリントヘッドの高さは、層の数に応じて変更することができ、例えば、一定の間隔を維持することができる。各液滴は、例えば、オリフィスに動作可能に結合されたウェル内から、例示的な実装では、変形可能な圧電結晶を介して、圧電インパルスによって、命令に基づいて基板に対して所定の軌道を取るように構成され得る。第1のインクジェット金属インクの印刷は、付加的であり得、より多くの数の層を収容することができる。本明細書に記載の方法で使用される、提供されるインクジェットプリントヘッドは、約0.3μm~10,000μm以下の最小層フィルム厚を提供し得る。
【0049】
記載の方法で使用され、かつ記載のシステムに実装可能な様々なプリントヘッド間で操作するコンベヤは、約5mm/秒~約1000mm/秒の速度で移動するように構成され得る。チャックの速度は、例えば、所望のスループット、プロセスで使用されるプリントヘッドの数、本明細書に記載の組み込みパッシブ部品および埋め込みアクティブ部品を含むプリント回路基板の層の数および厚さ、インクの硬化時間、インク溶剤の蒸発速度、金属粒子または金属ポリマーペーストの第1のインクジェット導電性インクを含有するプリントヘッドと、第2の熱硬化性樹脂および基板形成インクジェットインクを含む第2のプリントヘッドとの間の間隔など、または前述の1つ以上を含む因子の組み合わせに依存し得る。
【0050】
一例示的な実装形態では、金属性(または金属性)インクおよび/または第2の樹脂インクの各液滴の量は、0.5~300ピコリットル(pL)、例えば、1~4pLの範囲とすることができ、駆動パルスの強度、その波形およびインクの特性に依存し得る。単一の液滴を吐出する波形は、10V~約70Vのパルス、または約16V~約20Vであり得、インクは約2kHz~約500kHzの周波数で吐出され得る。本明細書で提供される製造システムを使用して、波形を使用する制御は、プリントヘッドのノズルアレイの各ノズルの制御を可能にし、ヘリカル巻線に必要とされる必要な精度に有益なドロップオンデマンド(DOD)を達成することに留意されたい。
【0051】
cPCBTおよび/または単一のインダクタコイル(cPCBI)を含むcPCBベースの回路の製造に使用される組み込みパッシブ部品および埋め込みアクティブ部品を含むプリント回路基板を表す3D視覚化ファイルは、ODB、ODB++、.asm、STL、IGES、DXF、DMIS、NC、STEP、Catia、SolidWorks、Autocad、ProE、3D Studio、Gerber、EXCELLONファイル、Rhino、Altium、Orcad、または前述のうちの1つ以上を含むファイルであり得、少なくとも1つの実質的に2Dの層を表す(および、ライブラリにアップロードされた)ファイルは、例えば、JPEG、GIF、TIFF、BMP、PDFファイル、または前述のうちの1つ以上を含む組み合わせであり得る。
【0052】
本明細書に記載の印刷プロセスを制御するコンピュータは、コンピュータ可読プログラムコードが組み込まれたコンピュータ可読記憶媒体を備えることができ、このコンピュータ可読プログラムコードは、デジタルコンピューティングデバイス内のプロセッサによって実行されると、3次元インクジェット印刷ユニットに、一例示的な実装形態において、cPCBTで、一次ヘリカル巻線要素に同心円状に入れ子にされた二次ヘリカル巻線要素からなる、ヘリカルコイルを有する、記載のcPCBTおよび/またはcPCBIに関連付けられた、コンピュータ支援設計/コンピュータ支援製造(CAD/CAM)で生成される情報(例えば、3D視覚化ファイル)を前処理し、それによって、複数の2Dファイル(すなわち、PCBを印刷するための少なくとも1つの実質的に2Dの層を表すファイル)のライブラリを生成することと、基板の表面に3次元インクジェット印刷ユニットの第2のインクジェットプリントヘッドからの金属材料の液滴の流れを向けることと、基板の表面に第1のインクジェットプリントヘッドからのDI樹脂材料の液滴の流れを向けることと、代替的または追加的に、別のインクジェットプリントヘッドからの液滴材料の流れ(例えば、支持インク)を向けることと、基板のX-Y平面内でインクジェットヘッドに対して基板を移動することであって、インクジェットヘッドに対して基板のX-Y平面内で基板を移動するステップが、複数の層(および/または、各層内の導電性またはDIインクジェットインクのパターン)のそれぞれについて、層ごとの製造において実行される、移動することと、を行うステップを実行させる。
【0053】
加えて、コンピュータプログラムは、本明細書に記載の方法のステップを実行するためのプログラムコード手段、ならびにコンピュータによって読み取ることができる媒体に格納されたプログラムコード手段を含むコンピュータプログラム製品を含むことができる。本明細書に説明される方法で使用されるメモリデバイスは、様々なタイプの不揮発性メモリデバイスまたは記憶デバイス(つまり、電力がない場合にその情報を失わないメモリデバイス)のいずれかであり得る。「メモリデバイス」という用語は、インストール媒体、例えば、CD-ROM、フロッピーディスク、またはテープデバイス、または磁気媒体などの不揮発性メモリ、例えば、ハードドライブ、光ストレージ、またはROM、EPROM、FLASH(登録商標)などを包含することが意図される。
【0054】
メモリデバイスは、さらに他のタイプのメモリ、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。加えて、メモリ媒体は、プログラムが実行される第1のコンピュータ(例えば、提供される3Dインクジェットプリンタ)に位置してもよく、および/またはインターネットなどのネットワーク上で第1のコンピュータに接続する第2の異なるコンピュータに位置してもよい。後者の場合、第2のコンピュータは、実行のために第1のコンピュータにプログラム命令をさらに提供し得る。「メモリデバイス」という用語はまた、異なる位置、例えば、ネットワーク上で接続されている異なるコンピュータに存在し得る2つ以上のメモリデバイスを含み得る。したがって、例えば、ビットマップライブラリは、提供される3Dインクジェットプリンタに結合されたCAMモジュールから離れたメモリデバイス上に存在し、提供される3Dインクジェットプリンタによって(例えば、広域ネットワークによって)アクセス可能であり得る。
【0055】
特に明記しない限り、以下の議論から明らかなように、本明細書の議論全体を通して、「処理」、「読み込み」、「通信」、「検出」、「計算」、「決定」、「分析」などの用語を利用することが、トランジスタアーキテクチャなどの物理的に表されるデータを物理的構造(すなわち、樹脂または金属/金属性)層として同様に表される他のデータに操作および/または変換する、コンピュータもしくはコンピューティングシステム、または同様の電子コンピューティングデバイスの動作および/またはプロセスを指すことが理解される。
【0056】
さらに、システム、方法、AME回路、およびプログラムに関して、「動作可能」という用語は、システムおよび/もしくはデバイスおよび/もしくはプログラム、または特定の要素もしくはステップが完全に機能的なサイズにされ、適合および較正され、アクティブ化、結合、実装、実行、実現されたとき、または実行可能プログラムがシステムおよび/もしくはデバイスに関連付けられた少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに、列挙された機能を実行するための適用可能な動作要件のために必要な素子を含み、それを満たすことを意味する。システムおよびAME回路(cPCBT/cPCBI)に関連して、「動作可能」という用語は、システムおよび/または回路が完全に機能的であり、かつ較正されており、メモリデバイスに格納された、プロセッサ可読媒体にある一組の実行可能命令が少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに列挙された機能を実行するための適用可能な動作要件のためのロジックを含み、それを満たすことを意味する。
【0057】
さらに、本明細書で使用される場合、「2Dファイルライブラリ」という用語は、一緒に組み立ておよび印刷されるとき、単一のcPCBT/cPCBI、または所定の目的に使用される複数のcPCBT/cPCBIを一緒に定義する所与のファイルのセットを指す。さらに、「2Dファイルライブラリ」という用語は、検索がcPCBT/cPCBI全体に対するものであるか、またはPCB内の所与の特定の層に対するものであるかにかかわらず、所与のPCBの構造層を提供するためにインデックス付けされ、検索され、再組み立てされることが可能な一組の2Dファイルまたは任意の他のラスタグラフィックファイルフォーマット(一般に矩形グリッドの形態のピクセルの集合としての画像の表現、例えば、BMP、PNG、TIFF、GIF)を指すために使用することもできる。
【0058】
コンピュータ支援設計/コンピュータ支援製造(CAD/CAM)で生成される情報は、製造される本明細書に記載の一体的に印刷されたヘリカル巻線コイル構成部品を有するcPCBT/cPCBIに関連付けられ、方法、プログラム、およびライブラリで使用され、変換されたCAD/CAMデータパッケージに基づくことができ、例えば、IGES、DXF、DWG、DMIS、NCファイル、GERBER(登録商標)ファイル、EXCELLON(登録商標)、STL、EPRTファイル、ODB、ODB++、.asm、STL、IGES、STEP、Catia、SolidWorks、Autocad、ProE、3D Studio、Gerber、Rhino a Altium、Orcad、Eagleファイル、または前述のうちの1つ以上を含むパッケージであり得る。加えて、グラフィックスオブジェクトに付帯する属性は、製造に必要なメタ情報を転送し、PCBを正確に定義することができる。したがって、例示的な実装形態では、前処理アルゴリズムを使用して、本明細書に記載のGERBER(登録商標)、EXCELLON(登録商標)、DWG、DXF、STL、EPRT ASMなどが、2Dファイルに変換される。さらに、本明細書に記載の方法を使用して製造された接点は、任意の層、または層の組み合わせでトレースに結合することができる。
【0059】
本明細書に開示される構成部品、プロセス、アセンブリ、およびデバイスのより完全な理解は、添付の図面を参照することによって得ることができる。これらの図(figure)(本明細書では「図(FIG.)」とも呼ばれる)は、本開示の利便性および実証の容易さに基づく概略的な表現(例えば、図)にすぎず、したがって、デバイスまたはその構成部品の相対的なサイズおよび寸法を示すこと、および/または例示的な実装形態の範囲を定義または限定することを意図するものではない。以下の説明では、わかりやすくするために特定の用語を使用しているが、これらの用語は、図面で図解するために選択された実装形態の特定の構造のみを指すことを意図するものであり、開示の範囲を定義または制限することを意図するものではない。図面および以下の記載において、同様の数字表示は、同様の機能および/または組成および/または構造の構成部品を指すことを理解されたい。
実施例1.LCDバイアスサプライヤのための半円形サブ要素アークのヘリカル巻線誘導コイル
【0060】
図1に示す
図1~
図5Bに目を向けると、
図1は、本明細書に記載のシステムに実装された方法を使用して製造された高周波cPCBIの等価集中回路モデルの概略図である。cPCBIは、中小規模のLCDバイアス電源および白色LEDバックライト電源に使用できる。
図3Bに示すように、cPCBIは、高周波ステップアップスイッチングレギュレータ(例えば、スイッチブーストコンバータ)をもたらす4.7マイクロファラドの主要キャパシタンス(μF)を示す、一次コンデンサC1によって分離された、入力ポート301
I(約3と6ボルトの間用)と入力接地301
Gからなるコンタクト接合部(J
1、
図1)301を含み、フィードバック端子331
F(FB、
図1)、スイッチピン331
S(SW、
図1)入力電圧端子331
V(VI、
図1)、および単一のヘリカル巻線コイル350に接続されたイネーブルピン331E(EN、
図1)を示す。デューティサイクルは、結合された集積回路(IC)によって制御され、最小オン期間は0%をわずかに上回り、最大は約50%である。同様に、ICはスイッチング動作周波数を約100KHzから約1.0MHzの間に制御する。コイル電流SWがオフの位置にあるとき、電流はコイルを通ってダイオード341(D1
図1)に流れるが、コイル電流スイッチSWがオンの位置にあるとき、電流はコイルを通ってIC331(U1、
図1)に流れる。
【0061】
図2に示すように、変圧器のコイル構成を示しており、2つの絶縁された巻線要素は、20個の半円形のサブ要素アーク105jを有する一次ヘリカル巻線要素105および一次ヘリカル巻線要素105の単一のターンを形成する105j’からなり、半円形のサブ要素アーク105j、および105j’は、それぞれ異なる(巻線層)に配置され、上部層101からのブラインドビア104iによって連結され、それにより、後続の層は、埋め込まれたビア104i’と連結される。示すように、2つのサブ要素アークごとに、10mmの内径(ID)を有する単一のターンが形成される。ピッチは35μmに設定され、すべての層の全体的な巻線の厚さは1.4mm(20層x70μ/ターン)であった。二次ヘリカル巻線要素106の単一のターンを形成する20個の半円形サブ要素アーク106k、および106k’を有する二次ヘリカル巻線要素106も示され、半円形サブ要素アーク106k、および106k’はそれぞれ、異なる層に配置され、上部層101からのブラインドビア104iによって連結され、それにより、後続の層は、埋め込まれたビア104i’と連結され、2つのサブ要素アークごとに、8mmの内径(ID)を有する単一のターンを形成する。
【0062】
図2に示すように、より良い結合性能を確実にするために、半円形の一次サブ要素アーク105jは、アークの遠地点が同じ層上の二次サブ要素アークの106kの遠地点から最大距離にあるように構成される。さらに、示されるように、一次ヘリカル巻線要素105および二次ヘリカル巻線要素106は、基底層102で電気的に結合される(例えば、
図2を参照)。単一の誘導コイルは、2.0μHから約5.0μH、例えば、3.0μHを生成するように構成されているが、ターンの数およびcPCBIの厚さを増やすことにより、20μHも可能である。
【0063】
図1、
図3B~
図4Bに戻ると、抵抗器311、312(R1、R2、
図1)が印刷され、それぞれ2.2メガオームおよび160キロオームの抵抗を提供するように構成された。さらに、低ESR入力コンデンサ321(C1、
図1)、出力コンデンサ322(C2、
図1)、およびフィードフォワードコンデンサ323(C3、
図1)は、例えば、コンバータのより低いスイッチング周波数の下での動作に必要である。また、LCDバイアスサプライヤの高効率を実現するために使用されるダイオード341も示されている。加えて、4つのLEDライト332~335も構成されていた。
【0064】
方法とシステムを使用して、ヘリカルインダクタコイルを含むすべてのインフラストラクチャが印刷された。特定の実施形態では、入力コンデンサ321および/または出力コンデンサ322はまた、単一のヘリカル誘導コイルと一体的に印刷することができ、したがって、製造時間および開発時間を短縮する。トレース幅(したがって、内部コイル直径と外部コイル直径(OD/ID)の比率、誘導/変圧器コイルのヘリックス(スパイラル)のピッチと回転(例えば、
図5A、5Bを参照)は、cPCBIの場合、LCDブーストサプライヤの公称負荷電流、入力および出力電圧とともに、コンバータのスイッチング周波数の性能を向上させるために変更することもできる。
【0065】
本明細書で使用される「含む(comprising)」という用語およびその派生語は、記載された特徴、要素、構成部品、群、整数、および/またはステップの存在を指定するが、他の記載されていない特徴、要素、構成部品、群、整数、および/またはステップの存在を除外しない、制約のない用語であることを意図している。上記は、用語「含む(including)」、「有する(having)」、およびそれらの派生語などの類似の意味を持つ単語にも適用される。
【0066】
本明細書で開示されるすべての範囲はエンドポイントを含み、エンドポイントは互いに独立して組み合わせることができる。「組み合わせ」には、ブレンド、混合物、合金、反応生成物などが含まれる。本明細書の「a」、「an」および「the」という用語は、量の制限を示すものではなく、本明細書で特に指示しない限り、または文脈により明らかに矛盾しない限り、単数および複数の両方を包含すると解釈されるものとする。本明細書で使用される接尾辞「(複数)」は、それが修飾する用語の単数および複数の両方を含むことを意図し、それにより、その用語の1つ以上を含む(例えば、プリントヘッド(複数)は1つ以上のプリントヘッドを含む)。明細書全体を通じて、「一実施形態」、「別の例示的な実装形態」、「一例示的な実装形態」などへの言及は、存在する場合、実施形態に関連して記載の特定の要素(例えば、特徴、構造、および/または特質)が本明細書に記載の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味し、他の実装形態に存在してもしなくてもよいことを意味する。加えて、記載の要素は、様々な実装形態において任意の好適な様式で組み合わせてもよいことを理解されたい。さらに、本明細書の「第1」、「第2」などの用語は、任意の順序、量、または重要性を示すのではなく、1つの要素と別の要素を示すために使用される。
【0067】
同様に、「約」という用語は、量、サイズ、式、パラメータ、およびその他の量と特性が正確ではないことやその必要がないことを意味するが、必要に応じて、許容範囲、変換係数、四捨五入、測定誤差など、および当業者に公知の他の要因を反映して、近似および/またはより大きいまたはより小さいことがあり得る。一般に、量、サイズ、配合、パラメータ、または他の量もしくは特質は、明示的にそう述べられているかどうかにかかわらず、「約」または「おおよそ」である。
【0068】
したがって、一例示的な実装形態では、本明細書で提供されるのは、少なくとも1つの一次巻線および1つの二次巻線を含むコアレスプリント回路基板(PCB)ベースの変圧器(cPCBT)を製造する方法であり、前記cPCBTはステップアップ/ダウン動作を達成するように動作可能な一次巻線要素と二次巻線要素との巻線のターン比を有し、本方法は、誘電性インクを分配するように適合された第1のプリントヘッド、導電性インクを分配するように適合された第2のプリントヘッド、基板を各プリントヘッドに搬送するように構成された、第1および第2のプリントヘッドに動作可能に結合された、コンベヤ、第1、および第2のプリントヘッドの各々と通信する、コンピュータ支援製造(「CAM」)モジュールで、CAMは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、cPCBTを表す3D視覚化ファイルを受信すること、および複数の順序付けられたファイルを有するファイルライブラリを生成することで、各順序付けられたファイルは、導電性パターン、誘電性パターン、および少なくとも印刷順序を表すメタファイルのうちの少なくとも1つをその上に有するcPCBTを印刷するための実質的に2D層を表す、生成することを含むステップを実行することによって、CAMにインクジェット印刷システムを制御させる命令を格納するように動作可能な非一時的コンピュータ可読記憶デバイスと通信する少なくとも1つのプロセッサを含む中央処理モジュール(CPM)をさらに含むものを有するインクジェット印刷システムを提供すること、誘電性インクジェットインク組成物、および導電性インクジェットインク組成物を提供すること、CAMモジュールを使用して、印刷のための第1の順序付けられた層ファイルを取得すること、第1のプリントヘッドを使用して、基板上の第1の順序付けられたファイルの誘電性インクジェットインクに対応するパターンを形成すること、化学線を使用して、誘電性パターンを硬化させること、第2のプリントヘッドを使用して、cPCBTの印刷のための第1の順序付けられたファイルに導電性パターンを形成すること、熱を使用して、第1の順序付けられたファイルの導電性インクジェットインクに対応するパターンを焼結することであって、硬化および焼結のステップは別々に実行されるもの、CAMモジュールを使用して、cPCBTを印刷するための後続層を表す順序付けられた層ファイルをライブラリから取得すること、第1のプリントヘッドを使用して、後続の順序付けられた層ファイルの誘電性インクに対応するパターンを形成すること、化学線を使用して、後続の順序付けられた層ファイルの誘電性パターンを硬化させること、第2のプリントヘッドを使用して、cPCBTを印刷するための後続の順序付けられた層ファイルの導電性パターンを形成すること、熱を使用して、後続の順序付けられた層ファイルの導電性パターンを焼結すること、cPCBTを印刷するための後続層を表す順序付けられた層ファイルをライブラリから取得するステップから、後続の順序付けられた層ファイルの導電性パターンを焼結するステップまでを繰り返すことを含み、最終層を印刷すると、cPCBTを形成し、ステップアップ/ダウン動作を達成するように動作可能な二次巻線要素に対する一次巻線要素の巻線のターン比、および/またはヘリカルインダクタコイルを伴い、巻線および/またはヘリカル誘導コイルの一次巻線要素および二次巻線要素の各々は、ブラインドビアおよび埋め込みビアのうちの少なくとも1つを伴う後続のサブ要素アークに連結された所定のラジアンの複数のサブ要素アークからなり、(i)一次巻線要素の各々および各二次巻線要素は、平面巻線、積層巻線、およびインターリーブ巻線の少なくとも1つとして配置され、(ii)さらに、一次巻線要素の各々および各二次巻線要素は二重ヘリカル巻線として配置され、二次ヘリカル巻線要素は一次ヘリカル巻線要素の内側に同心円状に入れ子にされ、(iii)二次ヘリカル巻線要素は一次ヘリカル巻線要素と同じピッチを有し、(iv)一次ヘリカル巻線要素と二次ヘリカル巻線要素とのターン比は1.1から40の間であり、(v)少なくとも15の巻線層にわたって形成され、少なくとも1つの巻線層がcPCBTの外部巻線層であるか、または(vi)一次および二次ヘリカル巻線要素は、少なくとも15の巻線層にわたって形成され、巻線層は、cPCBTの外部巻線層ではなく、(vii)一次ヘリカル巻線要素および二次ヘリカル巻線要素の各々は、所定のラジアンの複数のサブ要素アークからなり、各サブ要素アークは平面になるように構成され、(viii)各アークは3.14ラジアン(rad)の半円であり、(ix)一次ヘリカル巻線要素は、基底巻線層で二次ヘリカル巻線要素に電気的に結合され、(x)巻線層は並列に接続され、(xi)cPCBTは、100kHzから5Mhzの間の周波数で動作可能で、(xii)前記cPCBTは、低周波数の非ゼロスイッチング信号によって変調された高周波キャリア信号によって動作するようにサイズ設定および構成され、スイッチング信号は、約350kHzから約1.0MHzの間の周波数であり、(xiii)cPCBTは20の巻線層の巻線を形成している。
【0069】
別の例示的な実装形態では、本明細書で提供されるのは、追加的に製造された電子(AME)形成cPCBTであり、前記AME形成cPCBTは、低周波数非ゼロスイッチング信号によって変調された高周波キャリア信号によって100kHzから5Mhzの間の周波数で動作し、前記スイッチング信号は、約100kHzから約1.0MHzの間の周波数であり、(xiv)AME形成cPCBTは、一次ヘリカル巻線要素内に入れ子にされた二次ヘリカル巻線要素からなる巻線コイルをさらに有し、二次ヘリカル巻線要素は、一次ヘリカル巻線要素と同じピッチを有し、(xv)一次ヘリカル巻線要素と二次ヘリカル巻線要素とのターン比は、約1.1から約40の間であり、(xvi)少なくとも二次ヘリカル巻線要素、および一次ヘリカル巻線要素のピッチは、約20μmから約1000μmの間であり、(xvii)一次ヘリカル巻線要素および二次ヘリカル巻線要素は各々、ブラインドビアおよび埋め込みビアの少なくとも1つによる同じまたは異なるラジアンを有するアークに連結された所定のラジアンを伴うアークからなる。
【0070】
変換された3D視覚化CAD/CAMデータパッケージに基づくインクジェット印刷を使用して、cPCBTおよび/またはcPCBIを製造するために積層造形を使用することに関する前述の開示について、いくつかの実装形態の観点から説明してきたが、他の実装形態は、本明細書の開示によって当業者に明らかになるであろう。さらに、説明された実装形態は、例としてのみ提示されており、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。実際、本明細書に説明される新規の方法、プログラム、ライブラリ、およびシステムを、その趣旨から逸脱することなく、他の様々な形態で具体化してもよい。したがって、他の組み合わせ、省略、置換、および修正は、本明細書の開示を考慮することで当業者に明らかになるであろう。
【手続補正書】
【提出日】2022-02-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの一次巻線および1つの二次巻線要素を含むコアレスプリント回路基板(PCB)ベースの変圧器(cPCBT)を製造する方法であって、前記cPCBTは、ステップアップ/ダウン動作を達成するために動作可能な前記一次巻線要素と前記二次巻線要素との巻線のターン比を有し、前記方法は、
a.インクジェット印刷システムであって、
i.誘電性インクを分注するように適合された第1のプリントヘッドと、
ii.導電性インクを分注するように適合された第2のプリントヘッドと、
iii.前記第1のプリントヘッドおよび前記第2のプリントヘッドに動作可能に結合され、基板を各プリントヘッドに搬送するように構成されたコンベヤと、
iv.前記第1、および第2のプリントヘッドの各々と通信する、コンピュータ支援製造(「CAM」)モジュールであって、前記CAMは、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されるとき、前記CAMに、
1.前記cPCBTを表す3D視覚化ファイルを受信するステップと、
2.複数の順序付けられたファイルを有するファイルライブラリを生成し、各順序付けられたファイルは、導電性パターン、および誘電性パターン、および少なくとも前記印刷順序を表すメタファイルの少なくとも1つで、その上に有する前記cPCBTを印刷するための実質的に2D層を表すステップとを含むステップを実行することによって、前記インクジェット印刷システムを制御するようにさせる命令を格納するために動作可能な非一時的なコンピュータ可読記憶デバイスと通信する、少なくとも1つのプロセッサを含む中央処理モジュール(CPM)をさらに備える、CAMモジュールとを有するインクジェット印刷システムを提供すること、
b.前記誘電性インクジェットインク組成物、および前記導電性インクジェットインク組成物を提供すること、
c.前記CAMモジュールを使用して、印刷のために第1の順序付けられた層ファイルを取得すること、
d.前記第1のプリントヘッドを使用して、前記基板上に前記第1の順序付けられた層ファイルの前記誘電性インクジェットインクに対応する前記パターンを形成すること、
e.化学線を使用して、前記誘電性パターンを硬化させること、
f.前記第2のプリントヘッドを使用して、cPCBTの印刷のための前記第1の順序付けられたファイルファイルに前記導電性パターンを形成すること、
g.熱を使用して、硬化および焼結のステップが別々に実行される、前記第1の順序付けられた層ファイルの前記導電性インクジェットインクに対応する前記パターンを焼結すること、
h.前記CAMモジュールを使用して、前記cPCBTを印刷するための後続の層を表す順序付けられた層ファイルを前記ライブラリから取得すること、
i.前記第1のプリントヘッドを使用して、前記後続の順序付けられた層ファイルの前記誘電性インクに対応する前記パターンを形成すること、
j.化学線を使用して、前記後続の順序付けられた層ファイルの前記誘電性パターンを硬化させること、
k.前記第2のプリントヘッドを使用して、cPCBTの印刷のための前記後続の順序付けられた層ファイルに前記導電性パターンを形成すること、
l.熱を使用して、前記後続の順序付けられた層ファイルの前記導電性パターンを焼結すること、
m.前記cPCBTを印刷するための後続層を表す順序付けられた層ファイルを前記ライブラリから取得するステップから、前記後続の順序付けられた層ファイルの前記導電性パターンを焼結するステップまでを繰り返すことを含み、前記最終層を印刷すると、ステップアップ/ダウン動作を達成するために動作可能である二次巻線要素に対する一次巻線要素の巻線ターン比、および/またはヘリカルインダクタコイルを伴う前記cPCBTを形成し、前記巻線ならびに/あるいは前記ヘリカル誘導コイルの前記一次巻線要素および前記二次巻線要素の各々は、ブラインドビアおよび埋め込みビアの少なくとも1つを伴う後続のサブ要素アークに連結された所定のラジアンの複数のサブ要素アークから構成される方法。
【請求項2】
前記一次巻線要素の各々および各二次巻線要素が、平面巻線、積層巻線、およびインターリーブ巻線のうちの少なくとも1つとして配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記一次巻線要素の各々および各二次巻線要素が二重ヘリカル巻線として配置され、前記二次ヘリカル巻線要素が前記一次ヘリカル巻線要素内に同心円状に入れ子になっている、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記二次ヘリカル巻線要素が前記一次ヘリカル巻線要素と同じピッチを有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記一次ヘリカル巻線要素と前記二次ヘリカル巻線要素との前記ターン比が1.1から40の間である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記一次および二次ヘリカル巻線要素が少なくとも15の巻線取り層上にわたり形成され、少なくとも1つの巻線取り層が前記cPCBTの外部巻線層である、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記一次および二次ヘリカル巻線要素が少なくとも15の巻線層上にわたり形成され、巻線層が前記cPCBTの外部巻線層ではない、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記一次ヘリカル巻線要素および前記二次ヘリカル巻線要素の各々が、所定のラジアンの複数のサブ要素アークから構成され、各サブ要素アークが平面であるように構成される、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
各アークが3.14ラジアン(rad)の半円である、請求項9に記載の方法。
【請求項10】
前記一次ヘリカル巻線要素が、前記基底巻線層で前記二次ヘリカル巻線要素に電気的に結合されている、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記巻線層が並列に接続されている、請求項3に記載の方法。
【請求項12】
前記cPCBTが100kHzから5Mhzの間の周波数で動作可能である、請求項3に記載の方法。
【請求項13】
前記cPCBTが、低周波数非ゼロスイッチング信号によって変調された高周波キャリア信号によって動作するようにサイズ設定および構成され、前記スイッチング信号は、約350kHzから約1.0MHzの間の周波数である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記cPCBTが20の巻線層の巻線を形成している、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
付加的に製造する電子(AME)形成cPCBTを動作させることを含む方法であって、前記AME形成cPCBTは、低周波数非ゼロスイッチング信号によって変調された高周波キャリア信号によって100kHzから5Mhzの間の周波数で動作し、前記スイッチング信号は、約100kHzから約1.0MHzの間の周波数であり、
前記AME形成cPCBTは、一次ヘリカル巻線要素の内部に入れ子にされた二次ヘリカル巻線付け要素からなる巻線コイルをさらに有し、前記二次ヘリカル巻線付け要素は、前記一次ヘリカル巻線付け要素と同じピッチを有す
る方法。
【請求項16】
前記一次ヘリカル巻線要素と前記二次ヘリカル巻線要素との間の前記ターン比が約1.1から約40の間である、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
少なくとも前記二次ヘリカル巻線要素、および前記一次ヘリカル巻線要素の前記ピッチが、約20μmから約1000μmとの間である、請求項
16に記載の方法。
【請求項18】
前記一次ヘリカル巻線要素および前記二次ヘリカル巻線要素がそれぞれ、ブラインドビアおよび埋め込みビアのうちの少なくとも1つによって同じまたは異なるラジアンを有するアークに連結された所定のラジアンを伴うアークから構成される、請求項
15に記載の方法。
【国際調査報告】