(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-16
(54)【発明の名称】封入式針を備えたカテーテル用針アセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61M 25/06 20060101AFI20220509BHJP
【FI】
A61M25/06 512
A61M25/06 510
A61M25/06 580
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021556299
(86)(22)【出願日】2020-03-19
(85)【翻訳文提出日】2021-10-04
(86)【国際出願番号】 US2020023700
(87)【国際公開番号】W WO2020191228
(87)【国際公開日】2020-09-24
(32)【優先日】2019-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520063565
【氏名又は名称】アイ-ブイ アクセス テクノロジー,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】特許業務法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】ヘンツラー,ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】ホール,ジェイムス
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA05
4C267AA12
4C267BB04
4C267BB11
4C267BB40
4C267CC08
4C267HH09
(57)【要約】
針を貫通させたカテーテル-拡張部アセンブリを含む針カテーテル挿入装置。拡張部および針は、針カテーテル挿入装置が、針の先端部を露出させた準備位置から、拡張部が針を包囲した遮蔽位置まで移動できるように、互いに対して移動可能である。遮蔽位置への針カテーテル挿入装置の配置は、拡張部を針のハブ内にロックされた形態に手動で作動させることによって達成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡張部ハブから延びる拡張部チューブからなる拡張部であって、前記拡張部ハブにはロック要素およびアクチュエータタブが設けられている、拡張部と、
鋭利な先端部を有する針カニューレおよび前記針カニューレの近位端に設けられた針ハブからなる針であって、前記針カニューレは、前記針カニューレを貫通して延びる針ルーメンを有するとともに前記針ハブ内のフラッシュチャンバーと流体連通しており、準備位置では、前記針は前記拡張部内に配置され、前記鋭利な先端部は、前記拡張部チューブの遠位部まで延びている、針と、
カテーテルハブから延びるカテーテルチューブからなるとともに前記拡張部を覆うように配置されているカテーテルと、
を備え、
前記拡張部ハブが前記針ハブに対して相対的に変位することにより、前記ロック要素が前記針ハブの一部に係合し、これにより、前記拡張部チューブの遠位端が先鋭化された端部を超えて延びるロックされた形態に前記拡張部が配置される、カテーテルアセンブリ。
【請求項2】
前記針ハブは、前記針ハブに結合された本体部材をさらに備え、前記本体部材は、前記本体部材が遠位方向に移動することにより前記拡張部ハブが遠位方向に移動するように、前記拡張部ハブに隣接して配置され、前記本体部材に対して前記拡張部ハブが移動することにより、前記本体部材の凹部内に前記ロック要素が着座し、前記本体部材と前記拡張部とをロックする、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項3】
前記拡張部ハブは、前記針ハブの外側で、前記本体部材の通路内に配置されており、これにより、ロックする前に、前記拡張部ハブは、前記本体部材の前記通路内で摺動可能である、請求項2に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項4】
前記本体部材の前記通路が少なくとも1つのレール部材からなり、前記拡張部ハブが少なくとも1つのスロットからなり、前記少なくとも1つのスロットは、前記拡張部ハブが前記本体部材に対して相対的に回転することを防止するように、前記少なくとも1つのレール部材を受承する、請求項3に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項5】
前記少なくとも1つのレール部材の一部が、前記少なくとも1つのスロットを介して前記針ハブに結合されている、請求項4に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項6】
前記アクチュエータタブは、前記本体部材を超えて半径方向に延びており、前記アクチュエータタブは、前記本体部材が前記拡張部ハブとロックされるまで、前記本体部材に対する前記拡張部ハブの遠位方向の移動を許容する、請求項2に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項7】
前記ロック要素は、前記フラッシュチャンバーの一部と係合してロック形態をとる、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項8】
前記針ハブが前記フラッシュチャンバーを中心として摺動するように構成されている、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項9】
前記フラッシュチャンバー内に配置されたプラグをさらに備え、前記プラグは、ガスの通過を許容する一方で、液体の通過を阻止する、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項10】
カテーテルアセンブリを提供するステップであって、鋭利な先端部を有する針カニューレ、および前記針カニューレの近位端に配置された針ハブを有する針であって、前記針カニューレは、その中を延びる針ルーメンを有するとともに前記針ハブ内のフラッシュチャンバーと流体連通する、針と、前記カテーテルアセンブリを構成する拡張部であって、拡張部ハブから延びる拡張部チューブをさらに含み、前記拡張部ハブは、ロック要素およびアクチュエータタブを有し、前記拡張部チューブが前記針カニューレの鋭利な先端部の近位側に配置される、拡張部と、カテーテルハブから延びるカテーテルチューブを有するカテーテルであって、前記カテーテルが前記拡張部の外側に配置され、準備位置において前記鋭利な先端部が前記拡張部チューブの遠位側に延び、前記カテーテルが前記拡張部を覆うように配置される、カテーテルと、を備えるカテーテルアセンブリを提供するステップと、
前記カニューレの前記鋭利な先端部が血管に入るようにカテーテルアセンブリを組織内に前進させるステップと、
前記血管からの血液のために前記フラッシュチャンバーを観察するステップと、
前記フラッシュチャンバー内に血液の存在を観察すると、前記血管から前記カニューレの前記鋭利な先端部を移動させることなく、前記拡張部チューブが前記鋭利な先端部を超えて遠位方向に延びてロック位置に至るように、前記拡張部を前記針の遠位側に前進させるステップと、
前記カテーテルの遠位側の前記先端部が静脈に入るようにロックされた前記拡張部および前記針を必要に応じて前進させるステップと、
ロックされた前記針および前記拡張部のアセンブリを安定させた後に、前記カテーテルを遠位側に所望の長さまで前記静脈または動脈に前進させるステップと、
前記カテーテルが前記血管内へのアクセス経路を提供するように前記針および前記拡張部を前記血管および組織から引き抜くステップと、
を含む、血管にアクセスする方法。
【請求項11】
前記針ハブは、前記針ハブに結合された本体部材をさらに備え、前記拡張部を前記針の遠位側に前記ロック位置まで前進させるステップは、前記拡張部ハブの前記ロック要素が前記本体部材の凹部に係合して前記ロック位置を生じさせるように、前記アクチュエータタブを前記本体部材に対して相対的に前進させるステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記拡張部ハブは、前記針ハブの外側で、前記本体部材の通路内に配置されており、前記ロック位置の前に、前記拡張部ハブが前記本体部材の前記通路内で摺動可能である、請求項10に記載のカテーテルアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
オーバーザニードルカテーテルは、一般的に、カテーテルチューブのルーメンを通って延びる鋭利な先端部を備えるカニューレを含み、その鋭利な先端部はチューブの遠位端から突出している。医療従事者は、カニューレの鋭利な先端部を皮膚から血管内に進める。カテーテルの遠位端は、カニューレ(針ともいう)をさらに前進させることで血管内に進む。一旦カテーテルチューブが血管内に入ると、医療従事者はカテーテルを血管内に残しつつ針を引き抜き、血管にアクセスするためにカテーテルのハブを露出させ、これを血管から医療用流体を送出または抽出するための接続部とする。
【背景技術】
【0002】
医療従事者は、カテーテルから針のカニューレを取り外した後に、誤って針を刺してしまうという大きなリスクに直面する。このようなリスクには、患者の血液などの体液に触れることで感染する可能性のある、あらゆる血液媒介性疾患にさらされることが含まれることは明らかである。このような血液媒介性疾患には、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、B型肝炎(HBV)、C型肝炎(HCV)などがあるが、これらに限定されるものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
カテーテルを挿入した後に針先端部を遮蔽するための既存の試みが数多くある。このような装置は、Smiths Medical ASD, Inc.に付与された米国特許第7658725号および米国特許第7736342号、並びにC.R.Bard, Inc.に付与された米国特許第9095683号、同第9861792号、および米国特許出願公開第20180126125号に記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
長尺状をなす針ガードハウジングを使用して、手動で移動可能な針支持体で針カニューレを包囲することにより針先を遮蔽する密閉型針装置は、広く受け入れられているとともに広く使用されているが、その機構をシンプルかつ製造しやすいものにするために、さらなる改良が望まれている。したがって、針を保護するとともにシンプルかつ使いやすい針カテーテルアセンブリの挿入を可能にする改良が必要とされている。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1A】
図1Aおよび
図1Bは、安全カテーテル-針アセンブリの基本構成要素として、カテーテルおよび針をそれぞれ例示している。
【
図1B】
図1Aおよび
図1Bは、安全カテーテル-針アセンブリの基本構成要素として、カテーテルおよび針をそれぞれ例示している。
【
図3A】
図3A乃至
図3Cは、本明細書に開示されるカテーテル針アセンブリの変形例と組み合わせて使用するための保護シースを示す図である。
【
図3B】
図3A乃至
図3Cは、本明細書に開示されるカテーテル針アセンブリの変形例と組み合わせて使用するための保護シースを示す図である。
【
図3C】
図3A乃至
図3Cは、本明細書に開示されるカテーテル針アセンブリの変形例と組み合わせて使用するための保護シースを示す図である。
【
図4A】
図4A乃至
図4Dは、カテーテル針アセンブリが非保護/準備状態から保護/遮蔽状態に移行する様子を示す図である。
【
図4B】
図4A乃至
図4Dは、カテーテル針アセンブリが非保護/準備状態から保護/遮蔽状態に移行する様子を示す図である。
【
図4C】
図4A乃至
図4Dは、カテーテル針アセンブリが非保護/準備状態から保護/遮蔽状態に移行する様子を示す図である。
【
図4D】
図4A乃至
図4Dは、カテーテル針アセンブリが非保護/準備状態から保護/遮蔽状態に移行する様子を示す図である。
【
図5A】
図5Aおよび
図5Bは、本開示の安全アセンブリの変形例の使用時の動作の一例を示す図である。
【
図5B】
図5Aおよび
図5Bは、本開示の安全アセンブリの変形例の使用時の動作の一例を示す図である。
【
図6A】
図6A乃至
図6Cは、カテーテルと組み合わせて使用するための改良されたバルブを示す図である。
【
図6B】
図6A乃至
図6Cは、カテーテルと組み合わせて使用するための改良されたバルブを示す図である。
【
図6C】
図6A乃至
図6Cは、カテーテルと組み合わせて使用するための改良されたバルブを示す図である。
【
図7A】
図7A乃至
図7Cは、本明細書で述べた安全カテーテル-針アセンブリの例示的な基本構成要素を示す図である。
【
図7B】
図7A乃至
図7Cは、本明細書で述べた安全カテーテル-針アセンブリの例示的な基本構成要素を示す図である。
【
図7C】
図7A乃至
図7Cは、本明細書で述べた安全カテーテル-針アセンブリの例示的な基本構成要素を示す図である。
【
図8A】
図8Aおよび
図8Bは、組み立てられた安全カテーテルー針アセンブリを示す図であり、カテーテルは、針を覆うように配置されている拡張部を覆うように配置されている。
【
図8B】
図8Aおよび
図8Bは、組み立てられた安全カテーテルー針アセンブリを示す図であり、カテーテルは、針を覆うように配置されている拡張部を覆うように配置されている。
【
図9A】
図9Aおよび
図9Bは、針の鋭利な先端部を遮蔽するためにアセンブリを作動させる一例を示す図である。
【
図9B】
図9Aおよび
図9Bは、針の鋭利な先端部を遮蔽するためにアセンブリを作動させる一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、本発明の例示的な実施形態を示しており、上述した本発明の一般的な説明、および後述する詳細な説明と合わせて、本発明を説明するのに役立つ。
【0007】
図1A乃至
図5Bは、保護された状態で針を固定することができる針アセンブリの変形例を示している(
図1A乃至
図5Bは、様々な構成要素をよりわかりやすく示すために、必ずしも縮尺を合わせていない)。本明細書に記載されている装置は、改良されたカテーテル-針-拡張部アセンブリ(または単に拡張部-針アセンブリ)であり、静脈内への針の挿入、フラッシュバックによる静脈へのアクセスの決定を可能にし、そして静脈から針を移動させることなく針を保護された形態にすることを可能にする。装置はシンプルで使いやすい必要がある。本明細書に記載されているロックする拡張部安全装置により、深くアクセスすることや超音波ガイドも可能になる。ロック拡張部は、針の傾斜部をフードで覆うことで静脈の外傷を低減し、安全シースで針刺しに対して安全性を確保する。本明細書に記載されている拡張部は、静脈壁を拡張して、挿入部位を浸潤から「シール」する。
【0008】
図1Aおよび
図1Bは、本明細書に記載の安全カテーテルー針アセンブリの例示的な基本構成要素を示している。
図1Aは、カテーテルハブ106に結合されたカテーテルチューブ104または押し出し部を有するカテーテル102を示す。カテーテルハブ106は、カテーテルハブ106のチャンバー内に着座したバルブ170を備えた一般的に周知の内部ルアーテーパー部を含むことができる。カテーテルハブ106は、任意に、ハブの外側に、またはハブから延びるねじ部108(図示しない)を含むことができる。
【0009】
図1Bは、鋭利な先端部126で終端するカニューレ122または針軸体を有する針120を示している。針120は、針ハブ124を含む。図示の変形例では、針ハブ124は、多孔質プラグ(
図1Bには図示しない)を備えるフラッシュチャンバー128を含む。プラグは、針ハブ124の近位端に向かっているフラッシュチャンバー128の近位端に配置することができる。プラグ130は、当該技術分野で周知であり、参照により組み込まれている米国特許第7736342号に記載されているものと同様である。一変形例では、プラグ130は、ガス(空気など)を通過させることができるが、血液または他の流体をフラッシュチャンバー128内に保持することができる通気材料からなる。プラグ130は、通常、所定の位置に留まり、フラッシュチャンバー128を通過する流体の通過を防止するが、代替的変形例には、プラグ130が取り外され、医療従事者がフラッシュチャンバー128および針カニューレ24に、必要に応じてアクセスすることができる構成が含まれる。いくつかの変形例では、フラッシュチャンバーおよび針ハブのうちの少なくともいずれか一方は、チャンバーおよび針内の血液または流体の流れを可視化できるように、全体的に透明または部分的に不透明にすることができる。
【0010】
これに代えて、図示しないが、プラグ130を介してガイドワイヤーを配置することもできる。このような変形例では、プラグがフラッシュチャンバー128から近位方向に液体が通過するのを防止可能にするとともにガイドワイヤはプラグ130を介して摺動可能である。後述するように、フラッシュチャンバー128は、一旦針120の鋭利な先端部126が血管を貫通すると、医療従事者がチャンバー128への血液の流れを観察することを可能にする。代替的変形例では、フラッシュチャンバー128は、針ハブ124から着脱可能または分離することができる。これに代えて、フラッシュチャンバーおよび針ハブのうちの少なくともいずれか一方は1つ以上の窓を備え、針/フラッシュチャンバー内の物質を視覚的に確認可能にしてもよい。
【0011】
図1Bは、1つ以上のトラック/キーウェイ134およびポケット136を有する針をさらに例示している。後述するように、トラック/キーウェイ134により、針ハブ1124に対して本体ユニットを結合することができる。
【0012】
図2A乃至
図2Cは、針ハブ120に結合する本体部材140を示している。
図2Aは、針120の針ハブ124から間隔をあけて配置された本体部材140を示す分解組立図である。本体部材140は、把持面146を含むことができ、これにより、後述するように、針-カテーテルアセンブリの操作と、針120の遠位端を覆う保護用拡張部またはシース(図示しない)の移動とが可能になる。本体部材140は、1つ以上のレール構造体142を含む通路148を含む。レール構造体は、後述する拡張部ハブやシースハブを摺動自在に受承する。図示のように、アタッチメント要素またはクリップ144は、針ハブ124のトラック134の上を進められる。
【0013】
図2Bは、ロック要素144がポケット内に固定されて本体部材140と針120との間の相対的な動きを防止するように、本体部材140が針ハブ124を覆うように配置されている態様を示している。
【0014】
図2Cは、本体部材140を示す底面図である。いくつかの変形例では、ロック要素144は、レール142から延びている。これに代えて、ロック要素144とレール142とを個別の構造体にしてもよい。また、
図2Cは、本体部材がポケット149を有するものとして図示している。ポケットは、保護シース/拡張部を針120に対して所定の位置にロックするために、拡張部/シースハブの一部であるタブまたは他の突出部を受承することができる。
【0015】
図3A乃至
図3Cは、本明細書に開示されるカテーテル針アセンブリの変形例と組み合わせて使用するための保護シースを示す。この変形例では、保護シース150は、以下に記載されるように、拡張部チューブ160の先端が針の進入後に組織を拡張することにより、拡張部としても機能する。
図3Aは、カテーテル針アセンブリに対して拡張部150を移動させるために使用することができる突出部158を備えるハブ152を有する拡張部150の変形例を示す等角図である。ハブ152は、複数の溝またはスロット162を含む。図示の変形例では、ハブ152の壁部を通って延びる2つのスロット162が設けられる。しかしながら、代替的変形例には、ハブ152を貫通していない凹部が含まれる。これに代えて、スロット162を、拡張部ハブ152に沿ってスロットまたはチャネルを形成する突出部に置き換えてもよい。
【0016】
図3Bは、
図3Bの拡張部を示す側面図である。図示のように、拡張部本体152は、1つ以上のロックタブ154を任意に含むことができる。後述するように、ロックタブ154は、一旦拡張部/シースが針の鋭利な先端部を遮蔽すると、針に対する拡張部/シースの移動を防止するように構成されている。
【0017】
図3Cは、本体部材140の通路148内に配置された拡張部150を示している。図示のように、スロット162は、本体部材140内のレール142に並べられる。本体部材140は、
図2Bに示すように、針120に結合されている。
【0018】
図4A乃至
図4Dは、カテーテル針アセンブリ100が、保護されていない/準備ができている状態から、保護されている/遮蔽されている状態に移行する態様を示している。
図4Aは、カテーテル102が拡張部またはシース160上に配置される、本明細書で議論されるような針カテーテルアセンブリ100の変形例を示す。(上述したように、シースという用語は、本明細書において議論される変形例の目的のために、拡張部を含むことが意図されている)。カテーテル102およびシース160は、遠位の鋭利な先端部126で終端する針120上に配置される。この変形例では、カテーテルチューブ104は、拡張部またはシースチューブ160の近位側に延びている。拡張部ハブ152の突出部158は、カテーテル102(またはバルブ)と本体部材140との間に配置される。本明細書で述べたように、本体部材140は、本体部材140の移動または操作によって、カテーテルアセンブリ100を挿入して(後述するように)血管を貫通させることができるように、針120に結合されている。
図4Aに示す形態は、アセンブリ100が組織を貫通する準備ができているように、針の先端部126が拡張部160およびカテーテルチューブ104から突出しているので、保護されていない/準備ができている状態と考えられる。
【0019】
図4Bは、本体部材140およびその中に配置された拡張部ハブ152を示す断面図である。図示のように、拡張部ハブ154は、タブ154を含む。この変形例では、タブ154は、本体部材140の外側に配置されている。しかしながら、他の構成も本開示の範囲内にある。カテーテルアセンブリ100の構造体により、タブ154と本体部材140のポケット149との位置合わせが可能である。
【0020】
図4Cは、拡張部ハブ152の突出部158が本体部材140に対して移動している
図4Aのカテーテルアセンブリ100を示している。突出部158は、本体部材140に対して遠位に進むか、本体部材410を近位に移動させることができる。いずれにしても、針120が本体部材140に結合されているため、突出部158/拡張部ハブ152と本体部材140との間の相対的な動きにより、拡張部チューブ160内での針先端部(図示しない)の位置決めが行われる。この動作により、アセンブリ100は保護された状態または遮蔽された状態になる。アセンブリ100の変形により、遮蔽中にカテーテル102をアセンブリ100上に配置することができる。これに代えて、遮蔽処理中にカテーテルをアセンブリ100から取り外すこともできる。
【0021】
図4Dは、拡張部ハブ152が本体部材140に対して相対的に移動される
図4Bの断面図を示す。図示のように、拡張部ハブのタブ154は、本体部材140のポケット149内に移動して、本体部材140に対して拡張部150を効果的にロックする。本体部材140が針(図示しない)に結合されているので、拡張部150も針に対してロックされた状態になる。
【0022】
図5Aおよび
図5Bは、本開示の安全アセンブリ100の変形例の使用時の動作の一例を示している。
図5Aは、医療従事者がアセンブリ100を患者の組織20を通して、直接血管22に投与する状況を示している。アセンブリ100は、準備が整った状態または保護されていない状態にある。医療従事者は、針ハブ内での血液のフラッシュバックを観察することにより、針カニューレの鋭利な先端部126が血管22内に配置されていることを確認する。フラッシュバックは、血管22内の血液が針の内腔に入り、フラッシュバックチャンバーに流れ込むことで生じる。これに代えて、針カニューレの壁部に1つ以上の個別の穴を設けて、針の内腔およびフラッシュチャンバー内への血液の進入を可能にしてもよい。一旦医療従事者がフラッシュバック(またはチャンバー内への他の液体の流れ)を観察すると、医療従事者は、針アセンブリ100を所定の位置に維持するとともに上述したように拡張部の作動タブを前進させることができる。
図5Bは、フラッシュバックが観察され、作動タブ(図示しない-
図4Aの158)が、拡張部チューブ160を含む拡張部アセンブリと、針カニューレの鋭利な先端部126との間に相対的な運動を生じさせたときの装置アセンブリ100の状態を示す。一変形例では、作動タブが前進して針を遮蔽する。拡張部チューブ160を前進させることにより、装置アセンブリ100の遠位端が血管22内に確実に維持されるようになる。代替的変形例では、前進タブを静止させ、針ハブを移動させて、鋭利な遠位先端部126を拡張部チューブ160の開口部の近位側に移動させることができる。
【0023】
図6A乃至6Cは、本明細書に記載された任意のカテーテルと組み合わせて使用するための改良されたバルブを示す。典型的には、このようなカテーテル102は、オスのルアーと組み合わせて使用される。カテーテル102は、開放された近位端を形成する近位面110を備えるチャンバー112を有するカテーテルハブ106を含む。チャンバー112は、カテーテルに結合されたカテーテルチューブ104と流体連通している。チューブは、チャンバー112と流体連通する1つ以上のルーメンを含む。バルブまたはセプタムバルブ170は、遠位端にバリア層(またはセプタム)172を含み、バリア層172は、1つ以上のスリット174を有することができる。図示の変形例は、3つのリーフレット構造体またはフラップを形成する3つのスリットを有するバリア層174を示している。しかしながら、バルブ170の変形例は、任意の数のリーフレットを形成する任意の数のスリットを含む。バリア層172は、一般的に、カテーテル治療/注入処置中に一般的に遭遇する血液、薬剤、および他の流体への曝露に適合する、可撓性または半可撓性を備える材料を含む。
【0024】
図6Bに示すように、バルブは、バリア層172から近位に延びる壁部176を含み、バルブキャビティ182を形成する。フランジ部180は、バルブ170の近位端で壁部176の周囲に形成されている。フランジ部は、壁部の直径よりも大きな直径で構成されている。バルブ170の変形例は、バルブ170を包囲するフランジ部180を含む。これに代えて、フランジ部180は、壁部に対して円周方向に連続していないような開口部またはセグメントを含んでもよい。
【0025】
図6Cは、フランジ部180がカテーテルハブ106の近位面110に係合し、ハブ106のチャンバー112の外側にあるように、カテーテルハブ106に結合されたバルブ170を示している。バルブ170の壁部176は、チャンバーの表面に係合している。バルブ170は、様々な点でカテーテルに取り付けることができる。例えば、アセンブリの変形例には、壁部196がチャンバー140の壁部に対して単に配置される、接着剤または接合材料を用いてフランジ部180でカテーテルハブ106に固定されるだけのバルブ170が含まれる。これに代えて、または組み合わせて、バルブ190は、外壁部176でカテーテルハブ106に取り付けられてもよい。別の変形例では、バルブ170をカテーテルハブ106に単に圧入することができる。カテーテルハブ106内でのバルブ170の着座を容易にするために、当業者に周知の任意の数の要素を使用することができる(例えば、ポケット、リブ、あるいはバルブまたはチャンバーの表面の摩擦抵抗の増加など)。
【0026】
図7A乃至
図7Cは、本明細書で論じる安全カテーテルー針アセンブリの別の例を示す。
図7Aは、カテーテルハブ106に結合されたカテーテルチューブ104または押し出し部を有するカテーテル102を示す。
【0027】
図7Bは、鋭い先端部126で終端するカニューレ122または針軸体を有する針120を示している。針120は、針ハブ124を含む。図示の変形例では、針ハブ124は、多孔質プラグ130を備えるフラッシュチャンバー128を含む。プラグ130は、針ハブ124の近位端に向かっているフラッシュチャンバー128の近位端に配置されている。プラグ130は、当該技術分野で周知であり、参照により組み込まれている米国特許第7736342号に記載されているものと同様である。プラグ130は、ガス(空気など)を通過させることができるが、血液または他の流体をフラッシュチャンバー128内に保持することができる通気材料からなる。プラグ130は、通常、フラッシュチャンバー128を通過する流体に対して所定の位置にあるが、代替的変形例には、プラグ130が取り外され、医療従事者がフラッシュチャンバー128および針カニューレ24に、必要に応じてアクセスすることができる構成が含まれる。これに代えて、図示しないが、プラグ130を介してガイドワイヤーを配置することもできる。このような変形例では、プラグがフラッシュチャンバー128から近位方向に液体が通過するのを防止可能にするとともにガイドワイヤはプラグ130を介して摺動可能である。後述するように、フラッシュチャンバー128は、一旦針120の鋭利な先端部126が血管を貫通すると、医療従事者がチャンバー128への血液の流れを観察することを可能にする。代替的変形例では、フラッシュチャンバー128は、針ハブ124から着脱可能または分離することができる。
【0028】
図7Cは、拡張部チューブ160の端部に拡張部ハブ152を有する拡張部150を示す。図の中では、拡張部ハブ152は、説明のために2つの部分に分かれて示される。拡張部ハブ152は、ロック要素をさらに含み、これは、この図示の変形例では、一組のロックタブ154,156からなる。しかしながら、ロック要素は、本明細書に記載されているように、針120に対する拡張部150のロックを可能にする1つのロック構造体またはタブまたは任意の類似の構造体で構成することができる。拡張部ハブ152は、医療従事者が拡張部150を針120に対して相対的に移動させることができるタブまたは突出部152をさらに含む。
【0029】
図8Aおよび
図8Bは、組み立てられた安全カテーテル-針アセンブリ100を示しており、カテーテルは、針を覆うように配置されている拡張部の上に配置されている。
図8Aは、アセンブリ100の頂面図を示しており、
図8Bは、アセンブリ100を等角度図で示している。この配置では、拡張部ハブ152は、後述するように摺動式にフラッシュチャンバー128を覆うように配置される。そのため、医療従事者は、針ハブ124を把持し、片手でアクチュエータタブ158を前進させて、針と拡張部との間に相対的な動きを生じさせ、後述するように針を保護状態に配置することができる。
図8Bに示すロック要素154は、説明のために回転した状態で示されている。後述するように、ロック要素154は、針ハブ124の一部と係合し、これにより、医療従事者は拡張部を鋭利な先端部が覆われるような安全な位置にロックすることができる。
【0030】
図8Aおよび
図8Bに示す変形例では、カテーテルハブ106は、鋭利な先端部がカテーテルチューブ104に隣接する拡張部チューブ160の遠位端で露出する「準備状態」に装置がなるように、拡張部ハブを覆うように配置される。
図8Cは、カテーテルチューブ104が拡張部チューブ122の端部に隣接している状態で、拡張部チューブ122を超えて延びる針カニューレの鋭利な先端部126をさらに例示するための、
図8Bの遠位端を示す拡大図である。
【0031】
図示していないが、アセンブリ100は、鋭利な先端部126を覆う任意の数の保護ガードを含むことができる。例えば、アセンブリ100は、鋭利な先端部126を覆うように、かつ任意に拡張部160およびカテーテルチューブ104を覆うように配置された使い捨てのガードを備えた準備形態で提供することができる。したがって、医療従事者がアセンブリ100を挿入する準備ができたら、医療従事者は、使い捨てガードを取り外すとともに廃棄し、装置を挿入することができる。
【0032】
図9Aおよび
図9Bは、針の鋭利な先端部を遮蔽するためにアセンブリを作動させる一例を示している。
図9Aは、針および拡張部を示す図である(図示のため、カテーテルは省略されている)。図示のように、針ハブ124に対してアクチュエータタブ158が移動12することにより、針が拡張部チューブ160によって遮蔽されるように、針に対して拡張部ハブ152および拡張部チューブ160を移動させる。
図9Bは、鋭利な先端部126がカテーテルチューブ104および拡張部チューブ160内にある保護された形態にあるときの装置の状態を示している。
【0033】
図10Aおよび
図10Bは、針120に対する拡張部150のロック要素を例示する図面である。カテーテルは、明瞭に示すべく図示していないが、典型的には、上述したように、カテーテルは、拡張部150上に配置される。また、拡張部150は、ロック動作をよりよく示すために、針ハブ124の外側で、針ハブ124に対して回転させた状態で示されている。後述するように、組み立ての際には、拡張部150を拡張部チューブ160の軸線を中心として90度回転させ、これにより、拡張部のアライメントスロット162は、フラッシュチャンバー支持部材132を中心として摺動する。準備または初期形態では、拡張部ハブ152のロック要素154および156は、フラッシュチャンバー128および支持体132の近位側に位置する。一旦鋭利な先端部を血管内に配置すると、血液がチャンバー128に入り、針カニューレが血管内に正しく配置されたことが確認できる。この時点で、医療従事者は、針アセンブリを所定の位置に維持し、アクチュエータタブ(図示しない)を用いて、針カニューレ122の鋭利な先端部126を拡張部チューブ160内に固定する(
図4B参照)。
【0034】
図10Bに示すように、この動作により、拡張部ハブ152は遠位方向に移動14される(または、拡張部ハブ152と針ハブ124との間の相対的な移動が生じる)。この移動によりさらに、最後部のフラッシュチャンバー支持体132に対して進んだときに、ロックタブ154および156は互いに離間するように偏向される。拡張部ハブ152(または作動タブ)が継続的に前進14することにより、ロック要素(タブ154,156)は、最後部のフラッシュチャンバー支持体132の遠位側に移動し、支持体132は、ロック要素(154,156)に隣接するクリアランス開口部164内に配置され、ロック要素はもはや支持体によって偏向されず、初期位置に戻り、要素が支持体の反対側にあるので、拡張部を「ロック」するようになる。これにより、針が血管22内に留まっている間、上述したように、針の鋭利な先端部から遠位の拡張部ハブ152および拡張部チューブ160が効果的にロックされる。一旦ロックされると、針は拡張部内で遮蔽され、カテーテルを血管内に残したまま、2つの構成要素が取り払われるとともに廃棄される。
【0035】
さらなる変形例において、カテーテルハブは拡張部と係合し、これにより、カテーテルハブをアセンブリから前進させると、拡張部が針アセンブリに対して相対的に張引され、拡張部がロックされた形態になり、遠位針先端部を遮蔽する。カテーテルは続いてロックされた拡張部から分離または係合解除し、所望の長さの静脈や動脈に移動する。ロックされた拡張部/針アセンブリを続いてカテーテルから引き抜く。これに代えて、この構成により、針および拡張部を引き抜く動作により、拡張部が針に対して相対的に移動し、これにより、針および拡張部が針の先端部を遮蔽する保護状態に配置してもよい。
【手続補正書】
【提出日】2021-11-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
長尺状をなす針ガードハウジングを使用して、手動で移動可能な針支持体で針カニューレを包囲することにより針先を遮蔽する密閉型針装置は、広く受け入れられているとともに広く使用されているが、その機構をシンプルかつ製造しやすいものにするために、さらなる改良が望まれている。したがって、針を保護するとともにシンプルかつ使いやすい針カテーテルアセンブリの挿入を可能にする改良された針カテーテルアセンブリが必要とされている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
図1Bは、1つ以上のトラック/キーウェイ134およびポケット136を有する針をさらに例示している。後述するように、トラック/キーウェイ134により、針ハブ
124に対して本体ユニットを結合することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
図3Bは、図
3Aの拡張部を示す側面図である。図示のように、拡張部本体152は、1つ以上のロックタブ154を任意に含むことができる。後述するように、ロックタブ154は、一旦拡張部/シースが針の鋭利な先端部を遮蔽すると、針に対する拡張部/シースの移動を防止するように構成されている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
図4Bは、本体部材140およびその中に配置された拡張部ハブ152を示す断面図である。図示のように、拡張部ハブ
152は、タブ154を含む。この変形例では、タブ154は、本体部材140の外側に配置されている。しかしながら、他の構成も本開示の範囲内にある。カテーテルアセンブリ100の構造体により、タブ154と本体部材140のポケット149との位置合わせが可能である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
図4Cは、拡張部ハブ152の突出部158が本体部材140に対して移動している
図4Aのカテーテルアセンブリ100を示している。突出部158は、本体部材140に対して遠位に進むか、本体部材
140を近位に移動させることができる。いずれにしても、針120が本体部材140に結合されているため、突出部158/拡張部ハブ152と本体部材140との間の相対的な動きにより、拡張部チューブ160内での針先端部(図示しない)の位置決めが行われる。この動作により、アセンブリ100は保護された状態または遮蔽された状態になる。アセンブリ100の変形により、遮蔽中にカテーテル102をアセンブリ100上に配置することができる。これに代えて、遮蔽処理中にカテーテルをアセンブリ100から取り外すこともできる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
図6Cは、フランジ部180がカテーテルハブ106の近位面110に係合し、ハブ106のチャンバー112の外側にあるように、カテーテルハブ106に結合されたバルブ170を示している。バルブ170の壁部176は、チャンバーの表面に係合している。バルブ170は、様々な点でカテーテルに取り付けることができる。例えば、アセンブリの変形例には、壁部
176がチャンバー140の壁部に対して単に配置される、接着剤または接合材料を用いてフランジ部180でカテーテルハブ106に固定されるだけのバルブ170が含まれる。これに代えて、または組み合わせて、バルブ
170は、外壁部176でカテーテルハブ106に取り付けられてもよい。別の変形例では、バルブ170をカテーテルハブ106に単に圧入することができる。カテーテルハブ106内でのバルブ170の着座を容易にするために、当業者に周知の任意の数の要素を使用することができる(例えば、ポケット、リブ、あるいはバルブまたはチャンバーの表面の摩擦抵抗の増加など)。
【手続補正7】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡張部ハブから延びる拡張部チューブからなる拡張部であって、前記拡張部ハブにはロック要素およびアクチュエータタブが設けられている、拡張部と、
鋭利な先端部を有する針カニューレおよび前記針カニューレの近位端に設けられた針ハブからなる針であって、前記針カニューレは、前記針カニューレを貫通して延びる針ルーメンを有するとともに前記針ハブ内のフラッシュチャンバーと流体連通しており、準備位置では、前記針は前記拡張部内に配置され、前記鋭利な先端部は、前記拡張部チューブの遠位部まで延びている、針と、
カテーテルハブから延びるカテーテルチューブからなるとともに前記拡張部を覆うように配置されているカテーテルと、
を備え、
前記拡張部ハブが前記針ハブに対して相対的に変位することにより、前記ロック要素が前記針ハブの一部に係合し、これにより、前記拡張部チューブの遠位端が先鋭化された端部を超えて延びるロックされた形態に前記拡張部が配置される、カテーテルアセンブリ。
【請求項2】
前記針ハブは、前記針ハブに結合された本体部材をさらに備え、前記本体部材は、前記本体部材が遠位方向に移動することにより前記拡張部ハブが遠位方向に移動するように、前記拡張部ハブに隣接して配置され、前記本体部材に対して前記拡張部ハブが移動することにより、前記本体部材の凹部内に前記ロック要素が着座し、前記本体部材と前記拡張部とをロックする、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項3】
前記拡張部ハブは、前記針ハブの外側で、前記本体部材の通路内に配置されており、これにより、ロックする前に、前記拡張部ハブは、前記本体部材の前記通路内で摺動可能である、請求項2に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項4】
前記本体部材の前記通路が少なくとも1つのレール部材からなり、前記拡張部ハブが少なくとも1つのスロットからなり、前記少なくとも1つのスロットは、前記拡張部ハブが前記本体部材に対して相対的に回転することを防止するように、前記少なくとも1つのレール部材を受承する、請求項3に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項5】
前記少なくとも1つのレール部材の一部が、前記少なくとも1つのスロットを介して前記針ハブに結合されている、請求項4に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項6】
前記アクチュエータタブは、前記本体部材を超えて半径方向に延びており、前記アクチュエータタブは、前記本体部材が前記拡張部ハブとロックされるまで、前記本体部材に対する前記拡張部ハブの遠位方向の移動を許容する、請求項2に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項7】
前記ロック要素は、前記フラッシュチャンバーの一部と係合してロック形態をとる、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項8】
前記針ハブが前記フラッシュチャンバーを中心として摺動するように構成されている、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項9】
前記フラッシュチャンバー内に配置されたプラグをさらに備え、前記プラグは、ガスの通過を許容する一方で、液体の通過を阻止する、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項10】
カテーテルアセンブリを提供するステップであって、鋭利な先端部を有する針カニューレ、および前記針カニューレの近位端に配置された針ハブを有する針であって、前記針カニューレは、その中を延びる針ルーメンを有するとともに前記針ハブ内のフラッシュチャンバーと流体連通する、針と、前記カテーテルアセンブリを構成する拡張部であって、拡張部ハブから延びる拡張部チューブをさらに含み、前記拡張部ハブは、ロック要素およびアクチュエータタブを有し、前記拡張部チューブが前記針カニューレの鋭利な先端部の近位側に配置される、拡張部と、カテーテルハブから延びるカテーテルチューブを有するカテーテルであって、前記カテーテルが前記拡張部の外側に配置され、準備位置において前記鋭利な先端部が前記拡張部チューブの遠位側に延び、前記カテーテルが前記拡張部を覆うように配置される、カテーテルと、を備えるカテーテルアセンブリを提供するステップと、
前記
針カニューレの前記鋭利な先端部が血管に入るようにカテーテルアセンブリを組織内に前進させるステップと、
前記血管からの血液のために前記フラッシュチャンバーを観察するステップと、
前記フラッシュチャンバー内に血液の存在を観察すると、前記血管から前記
針カニューレの前記鋭利な先端部を移動させることなく、前記拡張部チューブが前記鋭利な先端部を超えて遠位方向に延びてロック位置に至るように、前記拡張部を前記針の遠位側に前進させるステップと、
前記カテーテルの遠位側
の先端部が
前記血管に入るよう
に前記拡張部および前記針
カニューレを
前記ロック位置に必要に応じて前進させるステップと、
前記針
カニューレおよび前記拡張部を
前記ロック位置において安定させた後に、前記カテーテルを遠位側に所望の長さまで前記
血管内に前進させるステップと、
前記カテーテルが前記血管内へのアクセス経路を提供するように前記針および前記拡張部を前記血管および組織から引き抜くステップと、
を含む、血管にアクセスする方法。
【請求項11】
前記針ハブは、前記針ハブに結合された本体部材をさらに備え、前記拡張部を前記針の遠位側に前記ロック位置まで前進させるステップは、前記拡張部ハブの前記ロック要素が前記本体部材の凹部に係合して前記ロック位置を生じさせるように、前記アクチュエータタブを前記本体部材に対して相対的に前進させるステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記拡張部ハブは、前記針ハブの外側で、前記本体部材の通路内に配置されており、前記ロック位置の前に、前記拡張部ハブが前記本体部材の前記通路内で摺動可能である、請求項
11に記載の
方法。
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】