(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-17
(54)【発明の名称】DC-DCコンバータ
(51)【国際特許分類】
H02M 3/155 20060101AFI20220510BHJP
【FI】
H02M3/155 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021533243
(86)(22)【出願日】2020-03-10
(85)【翻訳文提出日】2021-06-08
(86)【国際出願番号】 CN2020078510
(87)【国際公開番号】W WO2021147148
(87)【国際公開日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】202010077274.6
(32)【優先日】2020-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521250478
【氏名又は名称】上海韋孜美電子科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Wiz Semiconductor Incorporated
【住所又は居所原語表記】7F, No. 88, ShangKe Road, Pudong District, Shanghai 201210, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】李 玉山
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AA14
5H730AS04
5H730AS05
5H730BB02
5H730BB03
5H730BB57
5H730DD04
5H730EE59
5H730FD01
5H730FG05
5H730FG16
(57)【要約】
本願は、昇圧-降圧変換を実現可能なDC-DCコンバータを開示する。コンバータは、電源入力回路と、電源出力回路と、制御回路と、互いに並列に接続されている第1相チャージポンプ変換ブランチ及び第2相チャージポンプ変換ブランチと、を含み、第1相チャージポンプ変換ブランチの第1端及び第2相チャージポンプ変換ブランチの第1端は、それぞれ電源入力回路の出力端に接続され、第1相チャージポンプ変換ブランチの第2端及び第2相チャージポンプ変換ブランチの第2端は、それぞれ電源出力回路の入力端に接続され、第1相チャージポンプ変換ブランチ及び第2相チャージポンプ変換ブランチは、それぞれ制御回路に接続されているとともに互いに独立して制御回路により制御され、制御回路は、コンバータにより出力されたフィードバック信号に基づいて、第1相チャージポンプ変換ブランチ及び第2相チャージポンプ変換ブランチの制御信号を生成する。本発明に開示されている技術方案は、より高い電圧変換の効率及び作動モードの柔軟な切替を実現することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源入力回路と、
電源出力回路と、
制御回路と、
互いに並列に接続されている第1相チャージポンプ変換ブランチ及び第2相チャージポンプ変換ブランチと、
を含むDC-DCコンバータであって、
第1相チャージポンプ変換ブランチの第1端及び第2相チャージポンプ変換ブランチの第1端は、それぞれ電源入力回路の出力端に接続され、第1相チャージポンプ変換ブランチの第2端及び第2相チャージポンプ変換ブランチの第2端は、それぞれ電源出力回路の入力端に接続され、第1相チャージポンプ変換ブランチ及び第2相チャージポンプ変換ブランチは、それぞれ制御回路に接続されているとともに互いに独立して制御回路により制御され、制御回路は、コンバータにより出力されたフィードバック信号に基づいて、第1相チャージポンプ変換ブランチ及び第2相チャージポンプ変換ブランチの制御信号を生成することを特徴とするDC-DCコンバータ。
【請求項2】
第1相チャージポンプ変換ブランチは、第1キャパシタ、第1スイッチコンビネーション及び第2スイッチコンビネーションを含み、第1スイッチコンビネーション及び第2スイッチコンビネーションは、それぞれ第1キャパシタに接続され、第1スイッチコンビネーション及び第2スイッチコンビネーションは、それぞれ制御回路に接続されているとともに互いに独立して制御回路により制御され、第1キャパシタの充放電モードの切替を実現し、
第2相チャージポンプ変換ブランチは、第2キャパシタ、第3スイッチコンビネーションと第4スイッチコンビネーションを含み、第3スイッチコンビネーション及び第4スイッチコンビネーションは、それぞれ第2キャパシタに接続され、第3スイッチコンビネーション及び第4スイッチコンビネーションは、それぞれ制御回路に接続されているとともに互いに独立して制御回路により制御され、第2キャパシタの充放電モードの切替を実現することを特徴とする請求項1に記載のDC-DCコンバータ。
【請求項3】
第1スイッチコンビネーションは第1スイッチと第4スイッチを含み、第2スイッチコンビネーションは第2スイッチと第3スイッチを含み、第1スイッチの第1端及び第3スイッチの第1端は、それぞれ電源入力回路の出力端に接続され、第1スイッチの第2端及び第2スイッチの第1端は、それぞれ第1ノードに接続され、第3スイッチの第2端及び第4スイッチの第1端は、それぞれ第2ノードに接続され、第2スイッチの第2端は固定電圧ノードに接続され、第1キャパシタは、第1ノードと第2ノードとの間に設けられ、第1スイッチの第3端、第2スイッチの第3端、第3スイッチの第3端及び第4スイッチの第3端は、それぞれ制御回路に接続されているとともに互いに独立して前記制御回路により制御され、
第3スイッチコンビネーションは第5スイッチと第8スイッチを含み、第4スイッチコンビネーションは第6スイッチと第7スイッチを含み、第5スイッチの第1端及び第7スイッチの第1端は、それぞれ電源入力回路の出力端に接続され、第5スイッチの第2端及び第6スイッチの第1端は、それぞれ第3ノードに接続され、第7スイッチの第2端及び第8スイッチの第1端は、それぞれ第4ノードに接続され、第6スイッチの第2端は固定電圧ノードに接続され、第2キャパシタは、第3ノードと第4ノードとの間に設けられ、第5スイッチの第3端、第6スイッチの第3端、第7スイッチの第3端及び第8スイッチの第3端は、それぞれ制御回路に接続されているとともに互いに独立して制御回路により制御される
ことを特徴とする請求項2に記載のDC-DCコンバータ。
【請求項4】
第4スイッチの第2端及び第8スイッチの第2端は、それぞれ第5ノードに接続されていることを特徴とする請求項3に記載のDC-DCコンバータ。
【請求項5】
第5ノードは、電源出力回路の入力端に接続されていることを特徴とする請求項4に記載のDC-DCコンバータ。
【請求項6】
電源出力回路は、第9スイッチ、インダクタと第3キャパシタを含み、インダクタの第1端は、電圧出力回路の入力端によって第5ノードに接続され、インダクタの第2端は、電源出力回路の出力端に接続され、第3キャパシタの第1端は、インダクタの第2端と電源出力回路の出力端との間に形成されている第6ノードに接続され、第3キャパシタの第2端は固定電圧ノードに接続され、第9スイッチの第1端は、電圧出力回路の入力端によって第5ノードに接続され、第9スイッチの第2端は固定電圧ノードに接続され、第9スイッチの第3端は、制御回路に接続されているとともに制御回路により制御されることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のDC-DCコンバータ。
【請求項7】
制御回路は、互いに直列に接続されている電源変換レギュレータと駆動コントローラを含み、電源変換レギュレータの第1端は、第6ノードと電源出力回路の出力端との間に形成されている第7ノードに接続され、電源変換レギュレータの第2端は駆動コントローラに接続されていることを特徴とする請求項6に記載のDC-DCコンバータ。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の第1相チャージポンプ変換ブランチ及び/又は第2相チャージポンプ変換ブランチを2つ以上含み、2つ以上の第1相チャージポンプ変換ブランチ及び/又は第2相チャージポンプ変換ブランチは、互いに並列に接続されていることを特徴とするDC-DCコンバータ。
【請求項9】
2つ以上の第1相チャージポンプ変換ブランチの第1端及び/又は第2相チャージポンプ変換ブランチの第1端は、それぞれ電源入力回路の出力端に接続され、2つ以上の第1相チャージポンプ変換ブランチの第2端及び/又は第2相チャージポンプ変換ブランチの第2端は、それぞれ電源出力回路の入力端に接続され、2つ以上の第1相チャージポンプ変換ブランチ及び/又は第2相チャージポンプ変換ブランチは、それぞれ制御回路に接続されているとともに互いに独立して制御回路により制御され、制御回路は、コンバータにより出力されたフィードバック信号に基づいて、2つ以上の第1相チャージポンプ変換ブランチ及び/又は第2相チャージポンプ変換ブランチの制御信号を生成することを特徴とする請求項8に記載のDC-DCコンバータ。
【請求項10】
2つ以上の第1相チャージポンプ変換ブランチにおける第4スイッチの第2端及び/又は第2相チャージポンプ変換ブランチにおける第8スイッチの第2端は、それぞれ第5ノードに接続されていることを特徴とする請求項9に記載のDC-DCコンバータ。
【請求項11】
第5ノードは電源出力回路の入力端に接続されていることを特徴とする請求項10に記載のDC-DCコンバータ。
【請求項12】
電源出力回路は、第9スイッチ、インダクタと第3キャパシタを含み、インダクタの第1端は、電圧出力回路の入力端によって第5ノードに接続され、インダクタの第2端は、電源出力回路の出力端に接続され、第3キャパシタの第1端は、インダクタの第2端と電源出力回路の出力端との間に形成されている第6ノードに接続され、第3キャパシタの第2端は固定電圧ノードに接続され、第9スイッチの第1端は、電圧出力回路の入力端によって第5ノードに接続され、第9スイッチの第2端は固定電圧ノードに接続され、第9スイッチの第3端は、制御回路に接続されているとともに制御回路により制御されることを特徴とする請求項9~11のいずれか1項に記載のDC-DCコンバータ。
【請求項13】
制御回路は、互いに直列に接続されている電源変換レギュレータと駆動コントローラを含み、電源変換レギュレータの第1端は、第6ノードと電源出力回路の出力端との間に形成されている第7ノードに接続され、電源変換レギュレータの第2端は駆動コントローラに接続されていることを特徴とする請求項9~11のいずれか1項に記載のDC-DCコンバータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、DC-DCコンバータに係る技術分野に関し、特に、昇圧-降圧DC-DCコンバータに関する。
【背景技術】
【0002】
DC-DCコンバータは、その入力電圧より高くても低くてもよい定電圧出力を生成するために用いられる。従来技術において、一例としてDC-DCコンバータは、1つのインダクタと4つのスイッチから構成されているが、このようなDC-DCコンバータは、昇圧モードで、スイッチングノイズ及び過渡応答の点で好ましくない。
【0003】
上記問題を解決するために、単一インダクタの昇圧コンバータをインダクタベースの降圧コンバータに接続するか、あるいは、キャパシタベースのチャージポンプをインダクタベースの降圧コンバータに接続することで、上記技術問題を解決できることが提案された。このような2種類の方法では、多くのスイッチが設けられているので、変換効率が制限される。特許番号US8854019には、昇圧-降圧コンバータの効率を高めるための、チャージポンプ及びDC/DCコンバータを有する混合回路が開示されているが、このような技術方案では、チャージポンプは常に運転状態にある必要があり、そうでなければ、キャパシタにより駆動される4つのスイッチが制御不能になり、また、低デューティ比の状態で、効率が低いとともに、二相電圧ダブラは、同期して作動し又は単独のチャージポンプとして作動することができず、柔軟性には制限がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明の1つの目的は、従来の方案の欠点及び問題を緩和又は解決する概念を提供することである。
【0005】
本発明の別の目的は、給電システムにおける昇圧-降圧への応用のための新規なDC-DCコンバータを提供することである。
【0006】
本発明の第1側面によれば、
電源入力回路と、
電源出力回路と、
制御回路と、
互いに並列に接続されている第1相チャージポンプ変換ブランチ及び第2相チャージポンプ変換ブランチと、
を含むDC-DCコンバータであって、
第1相チャージポンプ変換ブランチの第1端及び第2相チャージポンプ変換ブランチの第1端は、それぞれ電源入力回路の出力端に接続され、第1相チャージポンプ変換ブランチの第2端及び第2相チャージポンプ変換ブランチの第2端は、それぞれ電源出力回路の入力端に接続され、第1相チャージポンプ変換ブランチ及び第2相チャージポンプ変換ブランチは、それぞれ制御回路に接続されているとともに互いに独立して制御回路により制御され、制御回路は、コンバータにより出力されたフィードバック信号に基づいて、第1相チャージポンプ変換ブランチ及び第2相チャージポンプ変換ブランチの制御信号を生成するDC-DCコンバータを用いて、上記目的と他の目的を実現する。
【0007】
本発明の実施例に係るDC-DCコンバータを用い、制御回路によって第1相チャージポンプ変換ブランチ及び第2相チャージポンプ変換ブランチを制御し、上記第1相チャージポンプ変換ブランチ及び上記第2相チャージポンプ変換ブランチが、同相又は逆相で作動してもよく、二相のうちの1つの相のみで作動してもよいことを実現した。
【0008】
本発明の第1側面に係る第1実施形態によれば、第1相チャージポンプ変換ブランチは、第1キャパシタ、第1スイッチコンビネーション及び第2スイッチコンビネーションを含み、第1スイッチコンビネーション及び第2スイッチコンビネーションは、それぞれ第1キャパシタに接続され、第1スイッチコンビネーション及び第2スイッチコンビネーションは、それぞれ制御回路に接続されているとともに互いに独立して制御回路により制御され、第1キャパシタの充放電モードの切替を実現し、
第2相チャージポンプ変換ブランチは、第2キャパシタ、第3スイッチコンビネーションと第4スイッチコンビネーションを含み、第3スイッチコンビネーション及び第4スイッチコンビネーションは、それぞれ第2キャパシタに接続され、第3スイッチコンビネーション及び第4スイッチコンビネーションは、それぞれ制御回路に接続されているとともに互いに独立して制御回路により制御され、第2キャパシタの充放電モードの切替を実現する。
【0009】
本発明の第1側面に係る第2実施形態によれば、第1スイッチコンビネーションは第1スイッチと第4スイッチを含み、第2スイッチコンビネーションは第2スイッチと第3スイッチを含み、第1スイッチの第1端及び第3スイッチの第1端は、それぞれ電源入力回路の出力端に接続され、第1スイッチの第2端及び第2スイッチの第1端は、それぞれ第1ノードに接続され、第3スイッチの第2端及び第4スイッチの第1端は、それぞれ第2ノードに接続され、第2スイッチの第2端は固定電圧ノードに接続され、第1キャパシタは、第1ノードと第2ノードとの間に設けられ、第1スイッチの第3端、第2スイッチの第3端、第3スイッチの第3端及び第4スイッチの第3端は、それぞれ制御回路に接続されているとともに互いに独立して制御回路により制御され、
第3スイッチコンビネーションは第5スイッチと第8スイッチを含み、第4スイッチコンビネーションは第6スイッチと第7スイッチを含み、第5スイッチの第1端及び第7スイッチの第1端は、それぞれ電源入力回路の出力端に接続され、第5スイッチの第2端及び第6スイッチの第1端は、それぞれ第3ノードに接続され、第7スイッチの第2端及び第8スイッチの第1端は、それぞれ第4ノードに接続され、第6スイッチの第2端は固定電圧ノードに接続され、第2キャパシタは、第3ノードと第4ノードとの間に設けられ、第5スイッチの第3端、第6スイッチの第3端、第7スイッチの第3端及び第8スイッチの第3端は、それぞれ制御回路に接続されているとともに互いに独立して制御回路により制御される。
【0010】
本発明の第1側面に係る第1実施形態及び第2実施形態によれば、制御回路による第1スイッチコンビネーション及び第2スイッチコンビネーションにおけるスイッチの制御を実現でき、上記第1スイッチコンビネーション及び第2スイッチコンビネーションにおけるスイッチは、第1キャパシタ及び第2キャパシタによって制御駆動されることなく、制御回路によって制御駆動される。このように、チャージポンプは常に運転状態にある必要があり、そうでなければ、キャパシタにより駆動されるスイッチが制御不能になるという技術問題を解決することができる。
【0011】
本発明の第1側面に係る第3実施形態によれば、第4スイッチの第2端及び第8スイッチの第2端は、それぞれ第5ノードに接続されている。
【0012】
本発明の第1側面に係る第4実施形態によれば、第5ノードは電源出力回路の入力端に接続されている。
【0013】
本発明の第1側面又は第1側面に係るいずれかの実施形態によれば、電源出力回路は、第9スイッチ、インダクタと第3キャパシタを含み、インダクタの第1端は、電源出力回路の入力端によって第5ノードに接続され、インダクタの第2端は、電源出力回路の出力端に接続され、第3キャパシタの第1端は、インダクタの第2端と電源出力回路の出力端との間に形成されている第6ノードに接続され、第3キャパシタの第2端は固定電圧ノードに接続され、第9スイッチの第1端は、電源出力回路の入力端によって第5ノードに接続され、第9スイッチの第2端は固定電圧ノードに接続され、第9スイッチの第3端は、制御回路に接続されているとともに互いに独立して制御回路により制御される。
【0014】
本発明の第1側面又は第1側面に係るいずれかの実施形態によれば、制御回路は、互いに直列に接続されている電源変換レギュレータと駆動コントローラを含み、電源変換レギュレータの第1端は、第6ノードと電源出力回路の出力端との間に形成されている第7ノードに接続され、電源変換レギュレータの第2端は駆動コントローラに接続されている。
【0015】
本発明の第2側面によれば、前述した請求項のいずれか1項に記載の第1相チャージポンプ変換ブランチ及び/又は第2相チャージポンプ変換ブランチを2つ以上含み、2つ以上の第1相チャージポンプ変換ブランチ及び/又は第2相チャージポンプ変換ブランチは、互いに並列に接続されている、別のDC-DCコンバータを用いて、上記目的と他の目的を実現する。
【0016】
ハイパワーの応用について、2つ以上の第1相チャージポンプ変換ブランチ及び/又は第2相チャージポンプ変換ブランチからなるコンバータを並列して運転させることが好ましい。なお、2つ以上の第1相チャージポンプ変換ブランチ及び/又は第2相チャージポンプ変換ブランチからなるコンバータを並列して運転させることで、出力電圧の倍数を大きくすることができる。
【0017】
本発明の第2側面に係る第1実施形態によれば、2つ以上の第1相チャージポンプ変換ブランチの第1端及び/又は第2相チャージポンプ変換ブランチの第1端は、それぞれ電源入力回路の出力端に接続され、2つ以上の第1相チャージポンプ変換ブランチの第2端及び/又は第2相チャージポンプ変換ブランチの第2端は、それぞれ電源出力回路の入力端に接続され、2つ以上の第1相チャージポンプ変換ブランチ及び/又は第2相チャージポンプ変換ブランチは、それぞれ制御回路に接続されているとともに互いに独立して制御回路により制御され、制御回路は、コンバータにより出力されたフィードバック信号に基づいて、2つ以上の第1相チャージポンプ変換ブランチ及び/又は第2相チャージポンプ変換ブランチの制御信号を生成する。
【0018】
本発明の第2側面に係る第2実施形態によれば、2つ以上の第1相チャージポンプ変換ブランチにおける第4スイッチの第2端及び/又は第2相チャージポンプ変換ブランチにおける第8スイッチの第2端は、それぞれ第5ノードに接続されている。
【0019】
本発明の第2側面に係る第3実施形態によれば、第5ノードは、電源出力回路の入力端に接続されている。
【0020】
本発明の第2側面又は第2側面に係るいずれかの実施形態によれば、電源出力回路は、第9スイッチ、インダクタと第3キャパシタを含み、インダクタの第1端は、電圧出力回路の入力端によって第5ノードに接続され、インダクタの第2端は、電源出力回路の出力端に接続され、第3キャパシタの第1端は、インダクタの第2端と電源出力回路の出力端との間に形成されている第6ノードに接続され、第3キャパシタの第2端は固定電圧ノードに接続され、第9スイッチの第1端は、電圧出力回路の入力端によって第5ノードに接続され、第9スイッチの第2端は固定電圧ノードに接続され、第9スイッチの第3端は、制御回路に接続されているとともに制御回路により制御される。
【0021】
本発明の第2側面又は第2側面に係るいずれかの実施形態によれば、制御回路は、互いに直列に接続されている電源変換レギュレータと駆動コントローラを含み、電源変換レギュレータの第1端は、第6ノードと電源出力回路の出力端との間に形成されている第7ノードに接続され、電源変換レギュレータの第2端は駆動コントローラに接続されている。
【0022】
ここでのDC-DCコンバータのより多くの応用及びメリットは、以下の詳しい説明から明らかになることに注意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
ここで説明される図面は、本願の更なる理解を提供するためのものであり、本願の一部を構成し、本願の模式的な実施例及びその説明は、本願に対する不適切な限定を構成せず、本願を解釈するためのものである。図面において、
【
図1】従来技術に開示されたDC-DCコンバータの回路図である。
【
図2】本発明の実施例により提供されるDC-DCコンバータの構造ブロック図である。
【
図3】本発明の実施例により提供されるDC-DCコンバータの回路図である。
【
図4】本発明の実施例により提供される二相ポンプのタイミングチャートである。
【
図5】本発明の実施例により提供される単相ポンプのタイミングチャートである。
【
図6】本発明の実施例により提供される降圧重負荷モードでのタイミングチャートである。
【
図7】本発明の実施例により提供される降圧軽負荷モードでのタイミングチャートである。
【
図8】本発明の実施例により提供される別のDC-DCコンバータの回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本願の目的、技術方案及び利点をより明確にするために、以下、本願の具体的な実施例及び対応する図面に即して、本願の技術方案をより明確で、完全に説明する。当然ながら、説明される実施例は、本願のすべての実施例ではなく、一部の実施例に過ぎない。本願における実施例に基づいて、当業者が進歩性のある労働を費やせずに取得した他のすべての実施例は、いずれも本願の保護範囲に入る。
【0025】
注意すべきなのは、本願の明細書、特許請求の範囲及び上記図面における「第1」、「第2」といった用語は、類似した対象を区別するためのものであり、所定の順序又は前後の順番を説明するために用いられる必要がないことである。ここで説明される本願の実施例をここで図示又は説明される順序以外の順序で実施できるように、このように使用されるデータは適切な場合で入れ替えられることができることを理解すべきである。
【0026】
以下、図面によって、本願の各実施例により提供される技術方案を詳細に説明する。
図1は、従来技術に開示されたDC-DCコンバータである。上記DC-DCコンバータには、インダクタLを含む降圧変換回路が追加されており、インダクタLは、常に電圧出力回路の入力端と電圧出力回路の出力端とを連通し、チャージポンプスイッチS1~S8とスイッチS9との間のタイミングを調節することで、昇圧及び降圧の過程を実現し、単一のスイッチコントローラ113のみでスイッチS3、S4、S7、S8及びS9を制御し、スイッチS1、S2は対応する第2キャパシタ34により制御され、スイッチS5、S6は対応する第1キャパシタ24により制御され、スイッチS1~S8及びS9は、MOSスイッチが最も好ましく、スイッチS3、S4、S7、S8及びS9は、好ましくはドライバによって駆動されるが、スイッチS1、S2、S5、S6は、ドライバによって制御駆動される必要がなく、この理由は、第1キャパシタ24の正極端及び第2キャパシタ34の正極端が高い電圧まで達してこれらのスイッチを駆動でき、例えば、スイッチS1及びスイッチS2は、第2キャパシタ34の正極端の電圧により駆動され、駆動電圧は対応するジャンパにより伝送され、同様に、スイッチS5及びスイッチS6は、第1キャパシタ24の正極端の電圧により駆動され、駆動電圧は対応するジャンパにより伝送されるためである。
【0027】
従来技術に開示される技術方案において、スイッチS1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8及びS9のうち、S3、S4、S7、S8、S9のみがドライバにより駆動され、残りのスイッチS1、S2、S5、S6がフライングキャパシタにより直接駆動される。このような特殊な駆動構造は、以下の制限性がある。チャージポンプは常に運転状態にある必要があり、そうでなければ、キャパシタにより駆動される4つのスイッチが制御不能になる。低デューティ比の状態で、効率が非常に低い。これは、出力電圧が入力電圧よりも小さい降圧条件下においても、チャージポンプ電圧ダブラを常に運転させる必要があるが、理想的な場合に、昇圧を必要としない時、電圧ダブラをオフにすべきであるからである。当該構造において、2つの電圧ダブラは、同期して作動し又は単独のチャージポンプとして作動することができない。
【0028】
図1に係るDC-DCコンバータの回路に対して、
図2には、回路の複雑さ及び変換効率がより高い変換回路、即ち、本発明で提出するコンバータ回路が示されている。
【0029】
本発明の第1側面として、
図2に示すように、本発明の実施例に係るDC-DCコンバータの簡略化ブロック図である。
図2を参照し、DC-DCコンバータは、電源入力回路101、電源出力回路109、制御回路107、並びに互いに並列に接続されている第1相チャージポンプ変換ブランチ103及び第2相チャージポンプ変換ブランチ105を含む。ここで、電源入力回路101の入力端は、電源に接続されて入力電圧を受け取ることができ、電源入力回路101の出力端は、第1相チャージポンプ変換ブランチ103の第1端及び第2相チャージポンプ変換ブランチ105の第1端に接続され、電源出力回路109の入力端は、第1相チャージポンプ変換ブランチ103の第2端及び第2相チャージポンプ変換ブランチ105の第2端に接続され、制御回路107は、第1相チャージポンプ変換ブランチ103及び第2相チャージポンプ変換ブランチ105に接続され、第1相チャージポンプ変換ブランチ103及び第2相チャージポンプ変換ブランチ105は、互いに独立して制御回路107により制御され、制御回路107は、受信されたイネーブル信号に応じて第1相チャージポンプ変換ブランチ103及び第2相チャージポンプ変換ブランチ105に制御信号を出力し、上記第1相チャージポンプ変換ブランチ103及び第2相チャージポンプ変換ブランチ105の充放電過程の切替をさらに制御するために用いられ、出力電圧に対する調整を完成することができる。
【0030】
上記電源入力回路101の一端は、電源に接続され、他端は、第1相チャージポンプ変換ブランチ103及び第2相チャージポンプ変換ブランチ105に接続され、上記電源入力回路101は、第1相チャージポンプ変換ブランチ103及び第2相チャージポンプ変換ブランチ105の入力端として、DC-DCコンバータ全体に電圧を入力するために用いられる。電源出力回路109の入力端は、第1相チャージポンプ変換ブランチ103及び第2相チャージポンプ変換ブランチ105の出力端に接続され、第1相チャージポンプ変換ブランチ103及び第2相チャージポンプ変換ブランチ105により出力された電圧を出力するために用いられる。
【0031】
図3は、本発明の実施例に係る第1相チャージポンプ変換ブランチ及び第2相チャージポンプ変換ブランチを有するDC-DCコンバータを示す。
図2には、DC-DCコンバータの実施可能な形態が示されている。
【0032】
図3には、第1相チャージポンプ変換ブランチ103及び第2相チャージポンプ変換ブランチ105のDC-DCコンバータでの具体的な構造が示されている。当該第1相チャージポンプ変換ブランチ103及び第2相チャージポンプ変換ブランチ105は、制御回路107により充放電過程の切替を完成するように制御され、さらに出力電圧に対する調整を完成することができる。ある入力と出力の条件で、例えば、出力の目標が入力よりもやや高い場合、二相チャージポンプは同期して運転できれば、実効スイッチ抵抗が1/2減少し、2つの平行経路を構成するので、効率がより高くなり、これらの条件で、キャパシタを完全に充電するのに十分な時間(スイッチS9をオンにする時)があれば、これらを充電するために次の完全なサイクルを犠牲にする必要がない。
【0033】
図3において、第1相チャージポンプ変換ブランチ103及び第2相チャージポンプ変換ブランチ105は、それぞれ1つのキャパシタを含み、キャパシタは、エネルギー貯蔵素子として、入力電圧よりも大きい出力電圧を生成し、又は負の出力電圧を生成することができる。本実施例において、第1相チャージポンプ変換ブランチ103及び第2相チャージポンプ変換ブランチ105の両方を設けることで、DC-DCコンバータの最大出力電圧を入力電圧の2倍にすることができる。
【0034】
第1相チャージポンプ変換ブランチ103と第2相チャージポンプ変換ブランチ105とは、構造が同様である。第1相チャージポンプ変換ブランチ103は、第1キャパシタ24、第1スイッチコンビネーションと第2スイッチコンビネーションを含み、第1スイッチコンビネーション及び第2スイッチコンビネーションは、それぞれ第1キャパシタ24に接続され、第1スイッチコンビネーション及び第2スイッチコンビネーションは、それぞれ制御回路107に接続されているとともに互いに独立して制御回路107により制御され、第1キャパシタ24の充放電モードの切替を実現し、第1スイッチコンビネーション及び第2スイッチコンビネーションにおけるスイッチは、制御回路107により入力されたイネーブルパルス信号により制御され、第1キャパシタ24の充放電モードの切替を実現する。
【0035】
第2相チャージポンプ変換ブランチ105は、第2キャパシタ34、第3スイッチコンビネーションと第4スイッチコンビネーションを含み、第3スイッチコンビネーション及び第4スイッチコンビネーションは、それぞれ第2キャパシタ34に接続され、第3スイッチコンビネーション及び第4スイッチコンビネーションは、それぞれ制御回路107に接続されているとともに互いに独立して制御回路107により制御され、第2キャパシタ34の充放電モードの切替を実現し、第3スイッチコンビネーション及び第4スイッチコンビネーションにおけるスイッチは、制御回路107により入力されたイネーブルパルス信号により制御され、第2キャパシタ34の充放電モードの切替を実現する。
【0036】
上記第1スイッチコンビネーション、第2スイッチコンビネーション及び第1キャパシタ24からなる第1相チャージポンプ変換ブランチ103と、第3スイッチコンビネーション、第4スイッチコンビネーション及び第2キャパシタ34からなる第2相チャージポンプ変換ブランチ105とは、制御回路107によりそれぞれ独立して制御されることによって、第1スイッチコンビネーション、第2スイッチコンビネーション、第3スイッチコンビネーション及び第4スイッチコンビネーションの独立した作動を実現し、第1相チャージポンプ変換ブランチ103と第2相チャージポンプ変換ブランチ105との交互作動又は同時作動をさらに実現することができる。このようにして、ある入力と出力の条件で、例えば、出力の目標が入力よりもやや高い場合、2つのチャージポンプは同期して運転できれば、実効スイッチ抵抗が1/2減少し、2つの平行経路を構成するので、効率がより高くなる。これらの条件で、キャパシタを完全に充電するのに十分な時間(スイッチS9をオンにする時)があれば、これらを充電するために次の完全なサイクルを犠牲にする必要がない。
【0037】
当該実施例において、第1スイッチコンビネーションは、第1スイッチS1と第4スイッチS4を含み、第2スイッチコンビネーションは、第2スイッチS2と第3スイッチS3を含み、第1スイッチS1の第1端及び第3スイッチS3の第1端は、いずれも電源入力回路101の出力端に接続され、スイッチに接続されている回路に電圧を入力するために用いられ、第1スイッチS1の第2端及び第2スイッチS2の第1端は、それぞれ第1ノード13に接続される。ここで、第1ノード13は、第1スイッチS1の第2端と第2スイッチS2の第1端との間に設けられ、第3スイッチS3の第2端及び第4スイッチS4の第1端は、それぞれ第2ノード15に接続される。ここで、第2ノード15は、第3スイッチS3の第2端と第4スイッチS4の第1端との間に設けられ、第2スイッチS2の第2端は固定電圧ノード29に接続される。ここで、固定電圧ノード29は、接地短絡に用いられ、第1キャパシタ24は、第1ノード13と第2ノード15との間に設けられ、第1キャパシタ24は、第1ノード13及び第2ノード15が位置するジャンパにより電圧を伝達し、第1スイッチS1の第3端、第2スイッチS2の第3端、第3スイッチS3の第3端及び第4スイッチS4の第3端は、それぞれ制御回路107に接続されているとともに互いに独立して制御回路107により制御される。
【0038】
第3スイッチコンビネーションは、第5スイッチS5と第8スイッチS8を含み、第4スイッチコンビネーションは、第6スイッチS6と第7スイッチS7を含み、第5スイッチS5の第1端及び第7スイッチS7の第1端は、いずれも電源入力回路101の出力端に接続され、スイッチに接続されている回路に電圧を入力するために用いられ、第5スイッチS5の第2端及び第6スイッチS6の第1端は、それぞれ第3ノード17に接続される。ここで、第3ノード17は、第5スイッチS5の第2端と第6スイッチS6の第1端との間に設けられ、第7スイッチS7の第2端及び第8スイッチS8の第1端は、それぞれ第4ノード19に接続される。ここで、第4ノード19は、第7スイッチS7の第2端と第8スイッチS8の第1端との間に設けられ、第6スイッチS6の第2端は固定電圧ノード29に接続される。ここで、固定電圧ノード29は、接地短絡に用いられ、第2キャパシタ34は、第3ノード17と第4ノード19との間に設けられ、第2キャパシタ34は、第3ノード17及び第4ノード19が位置するジャンパにより電圧を伝達し、第5スイッチS5の第3端、第6スイッチS6の第3端、第7スイッチS7の第3端及び第8スイッチS8の第3端は、それぞれ制御回路107に接続されているとともに互いに独立して制御回路107により制御される。
【0039】
図3において、a、b、c、d、e、f、g及びhは、それぞれ制御回路107がコンバータにより出力されたフィードバック信号に基づいて生成するスイッチS1~S9へのタイミング制御信号を表す。
【0040】
本発明の実施例において、第1キャパシタ24及び第2キャパシタ34は、正極と負極を区別してもしなくてもよい。ここで、第1キャパシタ24及び第2キャパシタ34は正極と負極を区別しないことを例として、本発明の実施例を説明する。第1キャパシタ24は、第1ノード13と第2ノード15との間に設けられ、制御回路107により第1スイッチS1及び第2スイッチS2が制御され、第1ノード13は、電源入力回路101と固定電圧ノード29との間で切替を行い、制御回路107により第3スイッチS3及び第4スイッチS4が制御され、第2ノード15は、電源入力回路101と電源出力回路109との間で切替を行う。第2キャパシタ34は、第3ノード17と第4ノード19との間に設けられ、制御回路107により第5スイッチS5及び第6スイッチS6が制御され、第3ノード17は、電源入力回路101と固定電圧ノード29との間で切替を行い、制御回路107により第7スイッチS7及び第8スイッチS8が制御され、第4ノード19は、電源入力回路101と電源出力回路109との間で切替を行う。本発明の実施例において、第1キャパシタ24が負荷に電荷を転送する過程中、第2キャパシタ34を再充電することができ、逆も同様である。ポンピングと充電を同時に行うことにより、第1キャパシタ24及び第2キャパシタ34は、常に電源の2倍に近い安定した電圧を維持する。
【0041】
上記スイッチS1~S9は、N型又はP型MOSスイッチであってもよい。本発明の実施例において、スイッチS2、S6、S9が面積の小さいN型MOSスイッチを採用することは、同じオン抵抗の状態に対してより有利である。異なる駆動回路の設計に基づいて、スイッチS1、S3、S4、S5、S7、S8は、N型又はP型MOSスイッチであってもよい。従来技術に提出された、単一の操作モードのみがある構造と異なり、本発明の実施例に開示される技術方案では、本発明に開示される構造は、スイッチ調節によって多種の操作モードを実現することができる。
【0042】
制御回路107により第3スイッチS3及び第7スイッチS7が制御され、第1キャパシタ24及び/又は第2キャパシタ34の第1端は、電源入力回路101の出力端に選択的に接続され、制御回路107により第2スイッチS2及び第6スイッチS6が制御され、第1キャパシタ24及び/又は第2キャパシタ34の第2端は、固定電圧ノード29に選択的に接続され、第1キャパシタ24及び/又は第2キャパシタ34を充電する段階に、第1相チャージポンプ変換ブランチ103における第1スイッチS1及び第4スイッチS4がオフされ、第1相チャージポンプ変換ブランチ103における第3スイッチS3及び第2スイッチS2がオンされて第1キャパシタ24の第1端が電源入力回路101の出力端に接続され、第1キャパシタ24の第2端は固定電圧ノード29に接続されるようになり、及び/又は、第2相チャージポンプ変換ブランチ105における第5スイッチS5及び第8スイッチS8がオフされ、第2相チャージポンプ変換ブランチ105における第7スイッチS7及び第6スイッチS6がオンされて第2キャパシタ34の第1端が電源入力回路101の出力端に接続され、第2キャパシタ34の第2端は固定電圧ノード29に接続されるようになる。本発明の実施例において、第1キャパシタ24及び第2キャパシタ34を同時に又は個別に充電することが実現され、第1キャパシタ24及び/又は第2キャパシタ34の充電時間が十分に長いと、第1キャパシタ24及び/又は第2キャパシタ34の充電電圧は、電源の電圧レベルに達する。
【0043】
放電段階に、第1相チャージポンプ変換ブランチ103における第1スイッチS1及び第4スイッチS4がオンされ、第1相チャージポンプ変換ブランチ103における第2スイッチS2及び第3スイッチS3がオフされ、第1キャパシタ24の第1端は、電源出力回路109の入力端に接続され、第1キャパシタ24の第2端は、電源入力回路101の出力端に接続されるようになり、第2相チャージポンプ変換ブランチ105における第5スイッチS5及び第8スイッチS8がオンされ、第6スイッチS6及び第7スイッチS7がオフされ、第2キャパシタ34の第1端は、電源出力回路109の入力端に接続され、第2キャパシタ34の第2端は、電源入力回路101の出力端に接続されるようになる。放電段階に、満充電状態の第1キャパシタ24及び/又は第2キャパシタ34は、それぞれ電源に直列に接続されて負荷に電源電圧よりも高い初期電圧を提供し、出力電圧における脈動電圧量を制限するために、制御回路107は比較的少量の電荷変換によって、第1キャパシタ24及び/又は第2キャパシタ34を充電段階に切り替える。DC-DCコンバータが電荷を負荷に転送するニーズを満たすために、制御回路は、上記過程に従って開閉の切替を行う。
【0044】
上記制御過程から分かるように、本発明の実施例に開示されるDC-DCコンバータにおけるスイッチS1~S9は、直接制御回路107により制御駆動され、第1キャパシタ24及び/又は第2キャパシタ34により直接駆動されるスイッチが存在しない。本発明に開示される技術方案によれば、チャージポンプは常に運転状態にある必要がなく、低デューティ比の状態で、効率が高くなる。これは、出力電圧が入力電圧よりも小さい降圧条件下においても、チャージポンプ電圧ダブラは常に運転する必要がなく、本発明に開示される実施例において、第1相チャージポンプ変換ブランチ及び第2相チャージポンプ変換ブランチは、同期して作動し又は単独に作動することができ、換言すれば、第1相チャージポンプ変換ブランチ及び第2相チャージポンプ変換ブランチは、2つの電圧ダブラである。
【0045】
本発明の1つの実施例として、第1キャパシタ24及び第2キャパシタ34は、正極と負極を区別すると、第3スイッチS3の第2端と第4スイッチS4の第1端との間の第2ノード15は、第1キャパシタ24の正極端に接続され、第1スイッチS1の第2端と第2スイッチS2の第1端との間に設けられている第1ノード13は、第1キャパシタ24の負極端に接続され、第5スイッチS5の第2端と第6スイッチS6の第1端との間に設けられている第3ノード17は、第2キャパシタ34の負極端に接続され、第7スイッチS7の第2端と第8スイッチS8の第1端との間に設けられている第4ノード19は、第2キャパシタ34の正極端に接続されている。
【0046】
本発明の1つの実施例として、上記第1相チャージポンプ変換ブランチ103における第4スイッチS4の第2端及び第2相チャージポンプ変換ブランチ105における第8スイッチS8の第2端は、それぞれ第5ノード31に接続される。ここで、第5ノード31は、第1相チャージポンプ変換ブランチ103における第4スイッチS4の第2端と第2相チャージポンプ変換ブランチ105における第8スイッチS8の第2端との間に設けられ、上記第1相チャージポンプ変換ブランチ103及び第2相チャージポンプ変換ブランチ105において電圧が第5ノード31が設けられたジャンパによって、電源出力回路109に伝達され、つまり、第5ノード31は電源出力回路109の入力端に接続されている。
【0047】
本発明の1つの実施例として、上記電源出力回路109は、第9スイッチS9、インダクタL及び第3キャパシタ44を含み、インダクタLの第1端は、電源出力回路の入力端21によって第5ノード31に接続され、インダクタLの第2端は、電源出力回路の出力端27に接続され、第3キャパシタ44の第1端は、インダクタLの第2端と電源出力回路の出力端27との間に形成されている第6ノード23に接続され、第3キャパシタ44の第2端は固定電圧ノード29に接続され、第9スイッチS9の第1端は、電源出力回路の入力端21によって第5ノード31に接続され、第9スイッチS9の第2端は固定電圧ノード29に接続され、第9スイッチS9の第3端は制御回路107に接続されて制御回路107により制御され、第9スイッチS9のオンとオフによってチャージポンプのスイッチと協働し、降圧作用を果たす。上述した制御回路107による制御で、第9スイッチS9がオンされて電源出力回路の入力端21が固定電圧ノード29に接続されるようになり、制御回路107は、第9スイッチS9を開閉することで第1相チャージポンプ変換ブランチ103及び/又は第2相チャージポンプ変換ブランチ105と協働して降圧効果を果たし、インダクタL及び第3キャパシタ44は、ローパスフィルタとして機能し、変換後の電圧を負荷に伝送し、出力電圧における脈動電圧の大きさは、主にインダクタLのインダクタンスの大きさ及び第3キャパシタ44の容量値に依存する。
【0048】
要するに、電源出力回路109は、整流フィルタリング部分及びフリーホイーリングスイッチから構成され、フリーホイーリングスイッチとチャージポンプとの協働によって、コンバータ全体は、昇降圧の目的を実現することができる。
【0049】
本発明の1つの実施例として、制御回路107は、互いに直列に接続されている電源変換レギュレータ111及び駆動コントローラ113を含み、電源変換レギュレータ111の第1端は、第6ノード23と電源出力回路の出力端27との間に形成されている第7ノード25に接続され、電源変換レギュレータ111の第2端は駆動コントローラ113に接続されている。本発明に開示される実施例において、出力電圧を調節する必要がある時、電源変換レギュレータ111によって出力対象の電圧信号が取得され、そして駆動コントローラ113に伝送され、駆動コントローラ113によって、受信されたイネーブル信号に応じて第1相チャージポンプ変換ブランチ103及び第2相チャージポンプ変換ブランチ105に制御信号が出力され、さらに第1スイッチコンビネーション、第2スイッチコンビネーション、第3スイッチコンビネーション及び第4スイッチコンビネーションが独立して制御され、負荷への所要の電圧の出力を実現する。
【0050】
本発明に開示されるDC-DCコンバータ構造は、スイッチ調節によって多種の操作モードを実現することができる。下図に示すとおりである。
【0051】
図4は、本発明に開示される二相ポンプの異なる段階における切替タイミング図である。
図4に示すように、タイミング図は、1サイクルを示し、このサイクルにおける放電段階に、制御回路は、スイッチタイミング信号を送信して、第1スイッチコンビネーション及び第3スイッチコンビネーションを、2クロックサイクル内に交互に切り替えるように駆動し、従来技術と同様に、第1相チャージポンプ変換ブランチ103と第2相チャージポンプ変換ブランチ105との交互作動を実現した。制御回路107は、第1キャパシタ24及び第2キャパシタ34が交互に放電するように、スイッチタイミング信号を送信して第1スイッチコンビネーション及び第3スイッチコンビネーションを駆動する。電荷は電源出力回路の入力端21に伝送され、第1キャパシタ24又は第2キャパシタ34はバッテリ電源に直列に接続され、この時、入力電圧の2倍となる出力電圧を出力することができる。第1スイッチコンビネーションと第3スイッチコンビネーションとを切り替える時、第9スイッチS9は、第1スイッチコンビネーション及び第3スイッチコンビネーションにおける開閉状態に一致しない。VLXは、電源出力回路109により入力された電圧であり、インダクタLの電流ILは、第1相チャージポンプ変換ブランチ103と第2相チャージポンプ変換ブランチ105との交互切替に応じて変化する。
図4は、第1スイッチS1と第4スイッチS4、又は第5スイッチS5と第8スイッチS8を同時に開閉して二相ポンプの異なる段階における切替タイミング図を示すが、第1スイッチS1と第4スイッチS4、又は第5スイッチS5と第8スイッチS8を完全に同時に開閉する必要がなく、ゲーティング信号の間に遅延Tdがあるが、操作に影響を与えない。
【0052】
図5は、本発明に開示される単相ポンプの異なる段階における切替タイミング図である。
図5に示すように、タイミング図は、1サイクルを示し、このサイクルにおける放電段階に、制御回路は、スイッチタイミング信号を送信して、第1スイッチコンビネーション及び第3スイッチコンビネーションを、2クロックサイクル内に同時に切り替えるように駆動し、従来技術と異なり、第1相チャージポンプ変換ブランチ103と第2相チャージポンプ変換ブランチ105との同時作動を実現した。制御回路107は、第1キャパシタ24及び第2キャパシタ34が同時に放電するように、スイッチタイミング信号を送信して第1スイッチコンビネーション及び第3スイッチコンビネーションを駆動する。電荷は電源出力回路の入力端21に伝送され、第1キャパシタ24及び第2キャパシタ34は、それぞれバッテリ電源に直列に接続され、この時、入力電圧の2倍となる出力電圧を出力することができる。インダクタLの電流ILは、第1相チャージポンプ変換ブランチ103と第2相チャージポンプ変換ブランチ105との同時切替に応じて変化する。
図5は、第1スイッチS1と第4スイッチS4、及び第5スイッチS5と第8スイッチS8を同時に開閉して単相ポンプの異なる段階における切替タイミング図を示すが、第1スイッチS1と第4スイッチS4、及び第5スイッチS5と第8スイッチS8を完全に同時に開閉する必要がなく、ゲーティング信号の間に遅延Tdがあるが、操作に影響を与えない。
図5において、第9スイッチS9は、第2スイッチS2、第3スイッチS3、第6スイッチS6、第7スイッチS7の開閉状態に一致する。本発明に係るコンバータが高デューティ比のサイクルにある場合、出力電圧が高い時、多くの電荷が、第1キャパシタ24及び第2キャパシタ34に対して出し入れされる。その結果、本発明に係るコンバータが低デューティ比のサイクルで作動する時、負荷を流れる電流が少なく、あるいは、スイッチ駆動は、高い負荷電流又は電荷の低出力電圧での伝送を許容するように再構成される。
【0053】
図6は、本発明の降圧重負荷モードでのコンバータの運転タイミング図である。本発明の実施例において、コンバータは降圧重負荷モードで、電圧ダブラがオフされ、第1スイッチS1、第2スイッチS2、第3スイッチS3、第5スイッチS5、第6スイッチS6及び第7スイッチS7は、開閉の切替を停止し、つまり、第3スイッチS3、第7スイッチS7、第2スイッチS2、第6スイッチS6は、静的なオン状態にあり、第1スイッチS1及び第5スイッチS5は、静的なオフ状態にある。ここで、第3スイッチS3及び第4スイッチS4のうちの一方は、静的なオン状態にあり、例えば、第3スイッチS3は静的なオン状態にあり、第4スイッチS4は開閉の切替を行う。同様に、第7スイッチS7及び第8スイッチS8のうちの一方は、静的なオン状態にあり、例えば、第7スイッチS7は静的なオン状態にあり、第8スイッチS8は開閉の切替を行う。2つの位相のスイッチは、時間に応じて並行して駆動し、同時開閉を実現し、効率を高めることができる。本発明の実施例において、コンバータは、降圧重負荷モードで、一例として、
図6に示すように、第4スイッチS4及び第8スイッチS8は、開閉の切替を行い、第3スイッチS3及び第7スイッチS7は、静的なオン状態にあり、第9スイッチS9は、第4スイッチS4及び第8スイッチS8の開閉状態に一致しない。また、第4スイッチS4及び第8スイッチS8は、静的なオン状態にあり、第3スイッチS3及び第7スイッチS7は、開閉の切替を行い、第9スイッチS9は、第3スイッチS3及び第7スイッチS7の開閉状態に一致しないようにしてもよく、この例では、第1スイッチS1及び第5スイッチS5は、静的なオフ状態にあり、第2スイッチS2及び第6スイッチS6は、オンされて第1キャパシタ24及び第2キャパシタ34を充電することができるが、これは必須ではない。
【0054】
図7は、本発明の降圧軽負荷モードでのコンバータの運転タイミング図である。本発明の実施例において、コンバータは降圧軽負荷モードで、電圧ダブラがオフされ、第1スイッチS1、第2スイッチS2、第3スイッチS3、第5スイッチS5、第6スイッチS6、第7スイッチS7及び第8スイッチS8は、開閉の切替を停止し、つまり、第3スイッチS3、第7スイッチS7、第2スイッチS2、第6スイッチS6は、静的なオン状態にあり、第1スイッチS1、第5スイッチS5及び第8スイッチS8は、静的なオフ状態にある。本発明の実施例において、コンバータは降圧軽負荷モードで、第3スイッチS3及び第4スイッチS4のうちの一方が、静的なオン状態にある。一定の時間内に、第3スイッチS3、第4スイッチS4、第7スイッチS7及び第8スイッチS8のうち、1つのみが降圧コンバータのスイッチとして開閉の切替を行い、残りのスイッチが静的にオンされ又はオフされることで、コンバータの降圧軽負荷モードでの電圧出力を実現することができる。例えば、第4スイッチS4で開閉の切替を行うようにすると、第4スイッチS4が切替を行う時、第3スイッチS3は、静的なオン状態にあり、第7スイッチS7及び第8スイッチS8のうちの一方が静的にオンされてもよく、あるいは、両者が静的にオンされてもよい。なお、この例において、第1スイッチS1及び第5スイッチS5をオンにし、第2スイッチS2及び第6スイッチS6をオフにすることで、第1キャパシタ24及び第2キャパシタ34を完全に充電することができるが、充電は必須ではない。
【0055】
降圧軽負荷モードで、面積の大きいスイッチをセグメント化して、スイッチ損失をさらに低減させることもできる。
図7において、第4スイッチS4の一部のみを開閉の切替に用いるように取り、第4スイッチS4の残りの部分が静的にオンされる。これは、第4スイッチS4をセグメント化して駆動制御することによって実現することができる。
【0056】
操作モードの選択は、入力電圧Vin、出力電圧Voutの電圧目標値、軽負荷条件及び異なるモードでの効率による。重負荷時に高い電圧Voutを出力し、例えば、電圧Voutが入力電圧Vin電圧の2倍に近いとされる時、二相ポンプの効率がより高くなる。重負荷でVin<Vout≦2Vinの場合に、単相ポンプの効率がより高い。あるいは、Vout<Vinに対して、電圧ダブラをオフする時、降圧モードのみを起動することがより有効である。降圧モードで、軽負荷時に1つの位相のみに対して開閉の切替を行うことができ、重負荷条件で、2つの位相を並列接続して効率を高めることができる。
【0057】
本発明に開示される技術方案は、全体コントローラによりすべてのスイッチを制御し、チャージポンプが常に運転状態にあることを回避し、低デューティ比の状態で、効率を非常に向上させ、2つの電圧ダブラは、同期して作動し又は単独のチャージポンプとして作動することができ、電圧変換の効率が向上した。
【0058】
本発明の第2側面として、別のDC-DCコンバータ構造をさらに開示し、前述した実施例のいずれか1つに記載の第1相チャージポンプ変換ブランチ103及び/又は第2相チャージポンプ変換ブランチ105を2つ以上含み、2つ以上の第1相チャージポンプ変換ブランチ103及び/又は第2相チャージポンプ変換ブランチ105は、互いに並列に接続されている。
【0059】
2つ以上の第1相チャージポンプ変換ブランチ103の第1端及び第2相チャージポンプ変換ブランチ105の第1端は、それぞれ電源入力回路101の出力端に接続され、2つ以上の第1相チャージポンプ変換ブランチ103の第2端及び/又は第2相チャージポンプ変換ブランチ105の第2端は、それぞれ電源出力回路の入力端21に接続され、2つ以上の第1相チャージポンプ変換ブランチ103及び/又は第2相チャージポンプ変換ブランチ105は、それぞれ制御回路107に接続されているとともに互いに独立して制御回路により制御され、制御回路は、受信されたイネーブル信号に応じて2つ以上の第1相チャージポンプ変換ブランチ103及び/又は第2相チャージポンプ変換ブランチ107に制御信号を出力するために用いられる。
【0060】
上述した2つ以上の第1相チャージポンプ変換ブランチ103におけるS4の第2端及び/又は第2相チャージポンプ変換ブランチ105におけるS8の第2端は、それぞれ第5ノード31に接続されている。
【0061】
図8に示すように、DC-DCコンバータに1つの第2相チャージポンプ変換ブランチ105が追加されることが示されている。第2相チャージポンプ変換ブランチ105は、第4キャパシタ54、第5スイッチコンビネーション及び第6スイッチコンビネーションを含み、第5スイッチコンビネーション及び第6スイッチコンビネーションは、それぞれ第4キャパシタ54に接続され、第5スイッチコンビネーション及び第6スイッチコンビネーションは、それぞれ制御回路107に接続されているとともに互いに独立して制御回路107により制御され、第4キャパシタ54の充放電モードの切替を実現し、第5スイッチコンビネーション及び第6スイッチコンビネーションは、制御回路107によって、コンバータにより出力されたフィードバック信号に基づいて追加された第2相チャージポンプ変換ブランチ105に対する制御信号を生成することにより、第4キャパシタ54の充放電モードの切替を実現する。
【0062】
第5スイッチコンビネーションは、第10スイッチS10及び第13スイッチS13を含み、第6スイッチコンビネーションは、第12スイッチS12及び第11スイッチS11を含み、第10スイッチS10の第1端及び第12スイッチS12の第1端は、電源入力回路101の出力端に接続され、電圧を入力するために用いられ、第10スイッチS10の第2端及び第11スイッチS11の第1端は、それぞれ第8ノード33に接続される。ここで、第8ノード33は、第10スイッチS10の第2端と第11スイッチS11の第1端との間に設けられ、第12スイッチS12の第2端及び第13スイッチS13の第1端は、それぞれ第9ノード35に接続される。ここで、第9ノード35は、第12スイッチS12の第2端と第13スイッチS13の第1端との間に設けられ、第11スイッチS11の第2端は固定電圧ノード29に接続される。ここで、固定電圧ノード29は、接地短絡に用いられ、第4キャパシタ54は、第8ノード33と第9ノード35との間に設けられ、第4キャパシタ54は、第8ノード33及び第9ノード35が位置するジャンパにより電圧を伝達し、第10スイッチS10の第3端、第11スイッチS11の第3端、第12スイッチS12の第3端及び第13スイッチS13の第3端は、それぞれ制御回路107に接続されているとともに互いに独立して制御回路107により制御され、第13スイッチS13の第2端は第5ノード31に接続されている。第5ノード31は電源出力回路の入力端21に接続されている。
【0063】
図8において、a、b、c、d、e、f、g、h、i、j、k及びmは、それぞれ制御回路107がコンバータにより出力されたフィードバック信号に基づいて生成するスイッチS1~S9へのタイミング制御信号を表す。
【0064】
上記電源出力回路109は、第9スイッチS9、インダクタL及び第3キャパシタ44を含み、インダクタLの第1端は、電源出力回路の入力端21によって第5ノード31に接続され、インダクタLの第2端は、電源出力回路の出力端27に接続され、第3キャパシタ44の第1端は、インダクタLの第2端と電源出力回路の出力端27との間に形成されている第6ノード23に接続され、第3キャパシタ44の第2端は固定電圧ノード29に接続され、第9スイッチS9の第1端は、電源出力回路の入力端21によって第5ノード31に接続され、第9スイッチS9の第2端は固定電圧ノード29に接続され、第9スイッチS9の第3端は制御回路107に接続されて制御回路107により制御され、第9スイッチS9のオンとオフによってチャージポンプのスイッチと協働し、降圧作用を果たす。上述した制御回路107による制御で、第9スイッチS9がオンされて電源出力回路の入力端21が固定電圧ノード29に接続されるようになり、制御回路107は、第9スイッチS9を開閉することで第1相チャージポンプ変換ブランチ103及び/又は第2相チャージポンプ変換ブランチ105と協働して降圧効果を果たし、インダクタL及び第3キャパシタ44は、ローパスフィルタとして機能し、変換後の電圧を負荷に伝送し、出力電圧における脈動電圧の大きさは、主にインダクタLのインダクタンスの大きさ及び第3キャパシタ44の容量値に依存する。
【0065】
要するに、電源出力回路109は、整流フィルタリング部分及びフリーホイーリングスイッチから構成され、フリーホイーリングスイッチとチャージポンプとの協働によって、コンバータ全体は、昇降圧の目的を実現することができる。
【0066】
制御回路107は、互いに直列に接続されている電源変換レギュレータ111及び駆動コントローラ113を含み、電源変換レギュレータ111の第1端は、第6ノード23と電源出力回路の出力端27との間に形成されている第7ノード25に接続され、電源変換レギュレータ111の第2端は駆動コントローラ113に接続されている。本発明に開示される実施例において、出力電圧を調節する必要がある時、電源変換レギュレータ111によって出力対象の電圧信号が取得され、そして駆動コントローラ113に伝送され、駆動コントローラ113によって、受信されたイネーブル信号に応じて第1相チャージポンプ変換ブランチ103及び第2相チャージポンプ変換ブランチ105に制御信号が出力され、さらに第1スイッチコンビネーション、第2スイッチコンビネーション、第3スイッチコンビネーション及び第4スイッチコンビネーションが独立して制御され、負荷への所要の電圧の出力を実現する。
【0067】
図8に示す実施例の具体的な作動原理は、上記第1側面と一致しているので、ここで説明を重複しない。
【0068】
本発明に開示される技術方案は、全体コントローラによりすべてのスイッチを制御し、チャージポンプが常に運転状態にあることを回避し、低デューティ比の状態で、効率を非常に向上させ、複数の電圧ダブラは、同期して作動し又は単独のチャージポンプとして作動することができ、電圧変換の効率が向上した。
【0069】
以上の説明は、本願の実施例に過ぎず、本願を制限するためのものではない。当業者にとって、本願は、様々な変更及び変形が可能である。本願の精神及び原理の範囲内で行われる修飾、等価の置換、改良などは、本願の特許請求の範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0070】
S1:第1スイッチ
S2:第2スイッチ
S3:第3スイッチ
S4:第4スイッチ
S5:第5スイッチ
S6:第6スイッチ
S7:第7スイッチ
S8:第8スイッチ
S9:第9スイッチ
S10:第10スイッチ
S11:第11スイッチ
S12:第12スイッチ
S13:第13スイッチ
24:第1キャパシタ
34:第2キャパシタ
44:第3キャパシタ
54:第4キャパシタ
【国際調査報告】