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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-17
(54)【発明の名称】力伝達用のレバーシステム
(51)【国際特許分類】
   B02C 15/04 20060101AFI20220510BHJP
【FI】
B02C15/04
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021538817
(86)(22)【出願日】2019-04-04
(85)【翻訳文提出日】2021-07-01
(86)【国際出願番号】 EP2019058516
(87)【国際公開番号】W WO2020200455
(87)【国際公開日】2020-10-08
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591031407
【氏名又は名称】ロエシェ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クロコウ アレキサンダー
(72)【発明者】
【氏名】グルーべ ディルク
(72)【発明者】
【氏名】レッシュ トーマス
(72)【発明者】
【氏名】バッテンワース ヨルク
【テーマコード(参考)】
4D063
【Fターム(参考)】
4D063EE03
4D063EE12
4D063EE26
4D063GA06
4D063GA08
4D063GC23
4D063GD04
4D063GD13
(57)【要約】
本発明は、粉砕ローラへの力伝達用のレバーシステムに関する。ミルスタンドの中への組み込みをもはや必要としないながらも、取り付け作業および保守作業のためにより容易にアクセスできる簡素化レバーシステムが作り出される。この目的のために、措置が特に、粉砕ローラと反対方向に延びるレバーアームを有する、ずれて配置されたサイドレバーが、粉砕ローラの中央ロッキングレバーに設けられることでなされ、さらに、ロッキングレバーおよび粉砕ローラへの力伝達が、サイドレバーのレバーアームおよび油圧シリンダのピストンロッドを介して行われることでなされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉砕ローラ(3)への力伝達用のレバーシステム(1)であって、
前記レバーシステム(1)は、軸受ブロック(12)に支持されているロッキングレバー軸(9)を有する中央ロッキングレバー(10)と、
力を前記ロッキングレバー(10)に加えるためのピストンロッド(16)を有する油圧シリンダ(15)と、
を備え、
前記中央ロッキングレバー(10)に、ずれて配置されたサイドレバー(11)が設けられること、
前記サイドレバー(11)が、前記粉砕ローラ(3)と反対方向に延びるレバーアーム(13)を有すること、および
前記サイドレバー(11)の前記レバーアーム(13)と前記油圧シリンダ(15)の前記ピストンロッド(16)との間に力結合が提供されることを特徴とするレバーシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のレバーシステムであって、
前記油圧シリンダ(15)が、前記サイドレバー(11)の前記レバーアーム(13)に対して実質的に垂直に作用する力結合を達成できるように配置されることを特徴とするレバーシステム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のレバーシステムであって、
前記サイドレバー(11)が、前記中央ロッキングレバー(10)との結合解除および結合がされ得るように構成されることを特徴とするレバーシステム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のレバーシステムであって、
前記ロッキングレバー軸(9)の前記軸受ブロック(12)および前記油圧シリンダ(15)が軸受台座に設けられること、特に段付きコンクリート台座(25)に設けられることを特徴とするレバーシステム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のレバーシステムであって、
前記油圧シリンダ(15)が、前記サイドレバー(11)および前記粉砕ローラ(3)に押圧するように作動することを特徴とするレバーシステム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のレバーシステムであって、
前記ロッキングレバー軸(9)が、2つの異なる軸受(21、22)によって支持されること、および
前記サイドレバー(11)側の前記軸受(21)が、反対側の前記軸受(22)よりも大きく設計されることを特徴とするレバーシステム。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載のレバーシステムであって、
前記粉砕ローラ(3)を回動させるために、油圧シリンダ(30)およびピストンロッド(31)を備えた別個のユニットが、前記サイドレバー(11)に対して、横の空いた領域(27)の前記軸受台座(24、25)に配置できることを特徴とするレバーシステム。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載のレバーシステムであって、
油圧装置に必要なポンプおよびアキュムレータユニット(17)を前記油圧シリンダ(15)に局部的に近接して配置できること、特に前記段付きコンクリート台座(25)に配置できることを特徴とするレバーシステム。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載のレバーシステムであって、
前記サイドレバー(11)がほぼ三角形またはL字形であり、その長い方の脚が、前記油圧シリンダ(15)に力結合され、前記ローラ軸(6)にほぼ平行に並べられることを特徴とするレバーシステム。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載のレバーシステムであって、
前記サイドレバー(11)の短い方のL字形脚の端部領域に、前記中央ロッキングレバー(10)に対してフランジ状の固定具(14)が設けられることを特徴とするレバーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載の粉砕ローラへの力伝達用のレバーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
このタイプのレバーシステムは特に、セメントクリンカまたは石炭などの粉砕材料を砕くためのローラミルまたは縦型ミルに使用される。
このような縦型ミルに関して、たとえばWO2005/028112A1が参照される。
図6および図7にも、このようなレバーシステム50の一例が示されている。図6による斜視側面図は円錐形粉砕ローラ51を示し、このローラは動作時に、その粉砕面と共に、砕かれるべき粉砕材料に力結合され摩擦係合されるようにして回転する。粉砕材料が載せられ搬送される、十分に知られている粉砕テーブルは図6、7には示されていない。
【0003】
これまで通常に使用されているレバーシステム50は、上向きに突出するロッキングレバーフォーク53を有し、このロッキングレバーフォーク53は、ロッキングレバー軸54に支持され、動作時にはL字型の中央ロッキングレバー52に堅固に連結される。中央ロッキングレバー52は、端部で支持され粉砕テーブルの方に向いている粉砕ローラ51の軸を収容する。
【0004】
下向きに延び、ミルの中心に向けてわずかに曲げられているロッキングレバーフォーク53は、下端の両側でそれぞれの油圧シリンダ56、57にヒンジ穴67を介して連結される。ポンプユニット63およびアキュムレータユニット64と合わせて、これらの油圧シリンダ56、67は、粉砕ローラ51の油空圧ばねシステムを形成する。対応する粉砕材料にかける粉砕ローラ51の圧縮力を増大させるために、油圧シリンダは、そのピストンロッドおよびヒンジ穴67を介した連結部と共に、ロッキングレバー52に、したがって粉砕ローラに張力を加えることで作動し、それによって、特に、発生する力による亀裂および破損がロッキングレバーに現れるおそれがある。
【0005】
知られているレバーシステムは、これまでの既存のその設計では、4つの粉砕ローラを備えた縦型ミルの形で、対応するレバーシステム50を備えた4つのミルスタンド60が縦型ミルの粉砕テーブルのまわりに等距離で配置されるように、鋼製のミルスタンド60に組み込まれている。
【0006】
この知られているレバーシステムの欠点は、特に鋳造ロッキングレバーフォークと油空圧ばねシステムの設計とに起因して生じる、比較的大きい労力および高いコストである。同様に、これまでに用いられている、粉砕ローラへの圧縮力を増大させるためにロッキングレバーに張力を加えるという原理には改善が必要である。ロッキングレバーフォーク53を取り外すことが必要な場合、この取り外しには、ロッキングレバー軸54から外れて穴をあける必要が通常あるので、かなりの作業量が必要になる。加えて、以前のレバーシステムのミルスタンドに組み込まれた構造上の構成要素へのアクセス性およびその取り扱い性もまた、改善が必要なように見える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開2005/028112号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、粉砕ローラ用の以前のレバーシステムの欠点を克服し、それによって、取り付けおよび維持の点でコスト効率をより高くし、さらには簡単にもすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、この目的は、請求項1の特徴を有する、粉砕ローラへの力伝達用のレバーシステムによって達成される。
【0010】
本質的な中核の着想は、粉砕ローラへの力伝達のためにこれまで使用されているロッキングレバーフォークが廃され、代わりに措置が、粉砕ローラと反対方向に延び、油圧シリンダのピストンロッドに結合する力が端部に与えられるレバーアームを有する、ずれて配置されたサイドレバーが中央ロッキングレバーに提供される、ということに見ることができる。この場合、油圧シリンダとサイドレバーの端部の間の配置は、油圧シリンダのピストンロッドが、粉砕ローラから外方を向くサイドレバーのレバーアームの端部に実質的に垂直に作用し得るように実現される。
【0011】
ミルの粉砕トラックの領域内の通常の動作位置から粉砕ローラ軸のほぼ鉛直位置まで保守または修理のために回動する粉砕ローラの能力に関して、サイドレバーは、中央ロッキングレバーとの結合解除および結合が容易にされ得るように構成される。
【0012】
さらに、ロッキングレバー軸および油圧シリンダを軸受台座に、特に段付きコンクリート台座に設置することによって特徴付けられる。このようにして、ロッキングレバー軸および油圧シリンダのための比較的コスト効率の高い軸受ブロックが得られ、この場合、この比較的開放型の配置は、レバーシステムをおおむね閉じられたミルスタンドの中に組み込むこと、ならびに、不可欠な構造上の構成要素およびモジュールを、アクセス性をよくするために支持構造体の外部に設置することに代わって、構造上の構成要素の保守、取り付けおよび取り外しに関しての改善をもたらす。
【0013】
本発明によるレバーシステムは、力が油圧シリンダによってサイドレバーにおおむね垂直に、または鉛直に加えられるので、可傾レバー構成概念と呼ぶこともできる。このレバーシステムによりまた、動作中に粉砕材料に作用し、粉砕ローラの重力と、油圧シリンダによって付加的に生成される油圧力とを合わせたものから成る、粉砕力の比較的容易な変更が可能にもなる。油圧シリンダは、好ましくは下方ミル部分のコンクリート台座に配置される。サイドレバーおよび中央ロッキングレバーへの結合を含む油圧シリンダのこの配置は、シリンダがピストンロッド側で加圧され、したがって引っ張りシリンダとして動作するほとんどの従来のミルとは対照的に、粉砕動作中に押圧シリンダとして機能することを可能にする。
【0014】
粉砕動作中に力が油圧シリンダの下方のピストン側シリンダチャンバに加えられることにより、ピストン面とピストンロッド側の面の関係に応じて、油圧シリンダは、この対応する配置では、より小さく、よりコスト効率の高い構造になり得ることが可能である。
さらに、油圧シリンダおよびそのピストンロッドのおおむね垂直な配置により、ピストン、ピストンロッド案内およびピストン、ならびにその封止にかかる、これまでの従来の油圧シリンダの傾斜配置においてはこれらの要素の破損につながり得る、横の力が防止される。したがって、本発明による設計および配置は、油圧シリンダのピストンの負荷の低減をもたらし、それにより油圧シリンダは、簡単な設計とすることができ、少ない負荷容量で設計することができる。
【0015】
それによって、本発明による構成概念では、上述の構造上の構成要素の破損によるミル全体の故障のリスクもまた低減する。
【0016】
サイドレバーのずれた配置により、軸受ブロック内のロッキングレバー軸の両軸受の不均等な負荷が存在することも考慮されなければならないが、本発明によれば、この不均等は、サイドレバー側に位置する軸受がサイドレバーの反対側に位置する軸受よりも大きく設計されることで補償され、この軸受の設計は、サイドレバーの直接軸受よりも特に小さく、よりコスト効率の高い寸法とすることができる。両軸受は、好ましくはころ軸受として設計される。
【0017】
コンクリート台座への油圧シリンダの配置および配列の故に、ミルの対応するばねシステム用の必要なポンプおよびアキュムレータユニットをコンクリート台座上の油圧シリンダに局部的に近接して、すなわちそのすぐ近くに隣接して位置付けるための有利な可能性もある。このそれぞれに短い、ポンプと、一方ではアキュムレータユニットとの間、他方では油圧シリンダとの間の油圧接続には、局部的に近接する配置の故に可撓性高圧ホースを使用することができ、それによって、取り付け時間および構成要素コストをかなり低減させることができる。
【0018】
本発明によるレバーシステムならびに、油圧シリンダ、サイドレバーおよびポンプなどの不可欠な構造上の構成要素とアキュムレータユニットとの互いに局部的に近接した配置はまた、各個別のローラモジュールにそれ自体のレバーおよび油圧システムを付与することによって、対向する粉砕ローラ間の困難なパイプ接続を回避できるようにミルの簡略化構造体をその全体で実現することが目標とされる。
【0019】
ローラミルの動作中の、対向する粉砕ローラのローラ力の補償と、スライド軸受の、特にミルの粉砕テーブルの下に位置付けられた歯車伝動装置の軸方向スライド軸受の、ほとんど均等な負荷の達成とは、本構成概念では、ローラ力の電子的調節によって実現され、それによって、各個別のローラモジュールのミルのばねシステムを電子的に迅速に調節できるようになる。
【0020】
加えて、本発明によるレバーシステムは、粉砕トラックの領域内の動作位置からおおむね鉛直な上向きに傾斜した位置への粉砕ローラの回動が比較的容易に行われ得るように設計される。
【0021】
この目的のために、油圧シリンダおよびピストンロッドを備えた別個のユニットが、コンクリート台座上の、サイドレバーに対して横に位置する中央ロッキングレバーの空いた領域に配置される。この目的のために、レバーシステムの空いた側に、より長いピストンロッドを備えた油圧シリンダが設けられ、その上端は、中央ロッキングレバーに直接または間接的に固定され、油圧シリンダの下方基礎ブロックは、コンクリート台座に連結されるか、またはわずかに下方に位置する段付き領域に連結される。中央ロッキングレバーに対するサイドレバーの固定フランジが解放された後に、油圧スイングシリンダが作動すると、粉砕ローラを引き上げ、これを外向きおよび上向きに少なくとも鉛直位置まで回動させることが可能になる。
【0022】
本発明のさらなる展開として、サイドレバーは適宜に三角形またはL字形に設計され、その長い方の脚が油圧シリンダに力結合され、ローラ軸とほぼ平行に並べられる。この場合、ほぼ平行な配置では、長い方のL字形脚とローラ軸の長手方向軸との間の10°~15°の角度もまた了解される。
【0023】
サイドレバーの短い方のL字形脚の端部領域には、中央ロッキングレバーに対する力結合された固定具、および/またはフランジ状の固定具が適宜に設けられる。このようにして、サイドレバーと中央ロッキングレバーの間の形状固定連結部が作り出され得る。こうして、粉砕ローラの回動を実現するには、対応する固定具の簡単な片側の解放しか必要とされないので、これらの連結要素を取り外す労力は、ロッキングレバーに両側配置することと比較して、かなり低減される。
【0024】
さらに、サイドレバーおよび対応する油圧シリンダのずれた配置には、別個の油圧スイングシリンダを結合して粉砕ローラを回動させるためのアクセス性、およびこの領域の保守作業のためのアクセス性がよくなるという効果がある。
【0025】
本発明について、図示の例示的な実施形態によって以下でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】外側からローラミルの粉砕テーブルに向かって描写されたレバーシステムの斜視図であり、この場合にはレバーシステムを備えた粉砕ローラの単一のモジュールだけが示されている。
図2】いわばローラミルの内側から描写した、図1によるレバーシステムの一例の側面斜視図である。
図3】粉砕テーブルに向かって描写した、それぞれのロッキングレバー軸の領域の、図1による線S-Sに沿った簡略化断面図である。
図4】油圧スイングシリンダがサイドレバーの反対側の空いた領域に取り付けられた、図1による例の図である。
図5】粉砕ローラが鉛直の位置に回動された、図4による例の図である。
図6】ミルスタンド内に収容されている、ロッキングレバーフォークおよびその駆動用の2つの油圧シリンダの装置を備えた先行技術によるレバーシステムの例の図である。
図7】ローラミルのハウジングの内部から外向きの、先行技術に準じた図6による例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1に、本発明によるレバーシステム1が、対応する粉砕テーブル4に向く向きの斜視図で概略的に示されている。動作時に、砕かれるべき粉砕材料に力により接続して摩擦係合されるようにして回転する円錐形の粉砕ローラ3が、中央ロッキングレバー10内のそのローラ軸6によって案内される。
【0028】
中央ロッキングレバー10は、この例では段付きコンクリート台座25に固定されているU字形軸受ブロック12に、ロッキングレバー軸9を介して配置される。
【0029】
図2によるレバーシステム1の斜視側面図において、サイドレバー11は、一方で中央ロッキングレバー10の左側部の領域にフランジ状の固定具14によって堅固に取り付けられており、この場合、サイドレバー11は下方領域でロッキングレバー軸9に支持されている。
ほぼ三角形またはL字形の設計になっているサイドレバー11は、そのL字形の長い方の脚が粉砕ローラ3の、もっと厳密には粉砕ローラ軸6と反対の方に向いている。サイドレバー11に力を加えるために、レバーアーム13の端部領域に固定穴18が用意され、この穴を介して油圧シリンダ15のピストンロッド16がサイドレバー11と係合している。
油圧シリンダ15は、基礎ブロック19によってコンクリートブロックの台座24の領域に固定されている。
【0030】
さらに、油圧シリンダ15まで近距離のところに、または局部的に近接してアキュムレータユニット17が配置されており、対応する高圧ホースを介して油圧シリンダ15およびそのシリンダチャンバに連結されている。アキュムレータユニット17に付与されたポンプユニットは図1には示されていない。力を両方向に加えることができる油圧シリンダ15と共に、ポンプおよびアキュムレータユニット17は、粉砕ローラ3の油空圧ばねシステムを形成する。一方で、油圧シリンダ15およびピストンロッド16と、サイドレバー11のレバーアーム13に続く垂直の配列との間の図示の構成により、油圧シリンダ15が圧力シリンダとして機能することが可能になり、それにより、粉砕動作の間、粉砕ローラおよび粉砕テーブル4上の粉砕材料に加えられるべき必要な油圧力を確保することができる。
【0031】
サイドレバー11は、本質的に中央ロッキングレバー10の一方の側にだけ取り付けられているので、側方の空いた領域27が他方の側に残存し、この領域に油圧スイングシリンダ30を図4および図5に示されるように配置することができる。
【0032】
図3に、図1による線S-Sに対応する断面図が簡略化され概略的に示されている。中央ロッキングレバー10の左側へのサイドレバー11のずれた配置により、ローラ軸受であることが好ましい再度レバー11側の軸受21は、右側に設けられた軸受22よりもわずかに大きい設計になっており、両方の軸受21、22によって、粉砕ローラ3、そのローラ軸6、および中央ロッキングレバー10に作用する重力は、サイドレバー11に作用する重力を含めてロッキングレバー軸9に伝達され、次いで軸受ブロック12に伝達される。
【0033】
図4に、図1によるレバーシステム1の斜視側面図が示されており、この図では、油圧スイングシリンダ30が、コンクリート台座25に固定された基礎ブロック34から始まって、そのピストンロッド31によってヘッドブロック33にまで達している。このヘッドブロック33は、中央ロッキングレバー10に堅く固定されている結合板32に回転自在に係合する。
【0034】
したがって、粉砕ローラ3を図4に示された位置から、図5に示された、おおむね鉛直に回動した位置にまで回動させることが必要になったならば、図4による例では、ピストンロッド31がシリンダの中に後退するように力を油圧スイングシリンダ30に加えることが必要になる。この動きの過程の結果として、図5に示されるように、粉砕ローラ3は、粉砕テーブル4の方に傾いたその位置(図4)から、図5による、ローラミルのハウジングの外に回動した位置にまで回動されている。このおおむね鉛直な粉砕ローラ3の回動した位置は、粉砕ローラ3またはローラミル全体の保守または修理を目的として特に想定されている。
【0035】
サイドレバー11のずれた配置、およびピストンロッド16との油圧シリンダ15のおおむね垂直な力の結合を含む本発明による構成概念は、一方では、比較的簡単で確実な粉砕ローラ3の加圧を可能にする。
【0036】
他方では、サイドレバー11の反対側に横の空いた領域27が作り出され、粉砕ローラ3を回動させるための油圧スイングシリンダ30を比較的簡単かつ迅速に配置することができ、この場合、開放型のコンクリート台座25におけるこれらの構造上の構成要素の取り付けおよび取り外しにもまた、適切に対処することができる。その理由は、使用することが、従来のように、おおむね閉じられたミルスタンドの中にレバーシステム全体を組み込むことで成り立っていないからである。
【0037】
さらに、これまで使用されていた、特に鋳造材料で構成されるロッキングレバーフォークを廃し、その代わりに、適宜に鋼板で構成されるサイドレバーを利用することにより、コストが著しく低減することになる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2020-12-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉砕ローラ(3)への力伝達用のレバーシステム(1)であって、
前記レバーシステム(1)は、軸受ブロック(12)に支持されているロッキングレバー軸(9)を有する中央ロッキングレバー(10)と、
力を前記ロッキングレバー(10)に加えるためのピストンロッド(16)を有する油圧シリンダ(15)と、
を備え、
前記中央ロッキングレバー(10)に、前記中央ロッキングレバーの片側だけに、ずれて配置されたサイドレバー(11)が設けられること、
前記サイドレバー(11)が、前記粉砕ローラ(3)と反対方向に延びるレバーアーム(13)を有すること、および
前記サイドレバー(11)の前記レバーアーム(13)と前記油圧シリンダ(15)の前記ピストンロッド(16)との間に力結合が提供されることを特徴とするレバーシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のレバーシステムであって、
前記油圧シリンダ(15)が、前記サイドレバー(11)の前記レバーアーム(13)に対して実質的に垂直に作用する力結合を達成できるように配置されることを特徴とするレバーシステム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のレバーシステムであって、
前記サイドレバー(11)が、前記中央ロッキングレバー(10)との結合解除および結合がされ得るように構成されることを特徴とするレバーシステム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のレバーシステムであって、
前記ロッキングレバー軸(9)の前記軸受ブロック(12)および前記油圧シリンダ(15)が軸受台座に設けられること、特に段付きコンクリート台座(25)に設けられることを特徴とするレバーシステム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のレバーシステムであって、
前記油圧シリンダ(15)が、前記サイドレバー(11)および前記粉砕ローラ(3)に加圧するように作動することを特徴とするレバーシステム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のレバーシステムであって、
前記ロッキングレバー軸(9)が、2つの異なる軸受(21、22)によって支持されること、および
前記サイドレバー(11)側の前記軸受(21)が、反対側の前記軸受(22)よりも大きく設計されることを特徴とするレバーシステム。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載のレバーシステムであって、
前記粉砕ローラ(3)を回動させるために、油圧シリンダ(30)およびピストンロッド(31)を備えた別個のユニットが、前記サイドレバー(11)に対して、横の空いた領域(27)の前記軸受台座(24、25)に配置できることを特徴とするレバーシステム。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載のレバーシステムであって、
油圧装置に必要なポンプおよびアキュムレータユニット(17)を前記油圧シリンダ(15)に局部的に近接して配置できること、特に前記段付きコンクリート台座(25)に配置できることを特徴とするレバーシステム。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載のレバーシステムであって、
前記サイドレバー(11)がほぼ三角形またはL字形であり、その長い方の脚が、前記油圧シリンダ(15)に力結合され、前記ローラ軸(6)にほぼ平行に並べられることを特徴とするレバーシステム。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載のレバーシステムであって、
前記サイドレバー(11)の短い方のL字形脚の端部領域に、前記中央ロッキングレバー(10)に対してフランジ状の固定具(14)が設けられることを特徴とするレバーシステム。
【手続補正書】
【提出日】2022-01-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉砕ローラ(3)への力伝達用のレバーシステム(1)であって、
前記レバーシステム(1)は、軸受ブロック(12)に支持されているロッキングレバー軸(9)を有する中央ロッキングレバー(10)と、
力を前記ロッキングレバー(10)に加えるためのピストンロッド(16)を有する油圧シリンダ(15)と、
を備え、
前記中央ロッキングレバー(10)に、前記中央ロッキングレバーの片側だけにずれて配置されたサイドレバー(11)が設けられること、
前記サイドレバー(11)が、前記粉砕ローラ(3)と反対方向に延びるレバーアーム(13)を有すること、および
前記サイドレバー(11)の前記レバーアーム(13)と前記油圧シリンダ(15)の前記ピストンロッド(16)との間に力結合が提供されることを特徴とするレバーシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のレバーシステムであって、
前記油圧シリンダ(15)が、前記サイドレバー(11)の前記レバーアーム(13)に対して実質的に垂直に作用する力結合を達成できるように配置されることを特徴とするレバーシステム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のレバーシステムであって、
前記サイドレバー(11)が、前記中央ロッキングレバー(10)との結合解除および結合がされ得るように構成されることを特徴とするレバーシステム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のレバーシステムであって、
前記ロッキングレバー軸(9)の前記軸受ブロック(12)および前記油圧シリンダ(15)が軸受台座(24)に設けられること、特に段付きコンクリート台座(25)に設けられることを特徴とするレバーシステム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のレバーシステムであって、
前記油圧シリンダ(15)が、前記サイドレバー(11)および前記粉砕ローラ(3)に押圧するように作動することを特徴とするレバーシステム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のレバーシステムであって、
前記ロッキングレバー軸(9)が、2つの異なる軸受(21、22)によって支持されること、および
前記サイドレバー(11)側の前記軸受(21)が、反対側の前記軸受(22)よりも大きく設計されることを特徴とするレバーシステム。
【請求項7】
請求項に記載のレバーシステムであって、
前記粉砕ローラ(3)を回動させるために、油圧シリンダ(30)およびピストンロッド(31)を備えた別個のユニットが、前記サイドレバー(11)に対して、横の空いた領域(27)の前記軸受台座(24)または前記段付きコンクリート台座(25)に配置できることを特徴とするレバーシステム。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載のレバーシステムであって、
油圧装置に必要なポンプおよびアキュムレータユニット(17)を前記油圧シリンダ(15)に局部的に近接して配置できることを特徴とするレバーシステム。
【請求項9】
請求項4に記載のレバーシステムであって、
油圧装置に必要なポンプおよびアキュムレータユニット(17)を前記油圧シリンダ(15)に局部的に近接して、前記段付きコンクリート台座(25)に配置できることを特徴とするレバーシステム。
【請求項10】
請求項1からのいずれか1項に記載のレバーシステムであって、
前記サイドレバー(11)がほぼ三角形またはL字形であり、その長い方の脚が、前記油圧シリンダ(15)に力結合され、前記粉砕ローラ(3)の回転を案内するローラ軸(6)にほぼ平行に並べられることを特徴とするレバーシステム。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載のレバーシステムであって、
前記サイドレバー(11)の短い方のL字形脚の端部領域に、前記中央ロッキングレバー(10)に対してフランジ状の固定具(14)が設けられることを特徴とするレバーシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
図2によるレバーシステム1の斜視側面図において、サイドレバー11は、一方で中央ロッキングレバー10の左側部の領域に位置し、中央ロッキングレバー10にフランジ状の固定具14によって堅固に取り付けられており、この場合、サイドレバー11は下方領域でロッキングレバー軸9に支持されている。
ほぼ三角形またはL字形の設計になっているサイドレバー11は、そのL字形の長い方の脚が粉砕ローラ3の、もっと厳密には粉砕ローラ軸6と反対の方に向いている。サイドレバー11に力を加えるために、レバーアーム13の端部領域に固定穴18が用意され、この穴を介して油圧シリンダ15のピストンロッド16がサイドレバー11と係合している。
油圧シリンダ15は、基礎ブロック19によってコンクリートブロックの台座24の領域に固定されている。
【国際調査報告】