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特表2022-525516デュアルビューゾーンバックライト、デュアルモードディスプレイ、及び指向性エミッタを使用する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-17
(54)【発明の名称】デュアルビューゾーンバックライト、デュアルモードディスプレイ、及び指向性エミッタを使用する方法
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20220510BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20220510BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20220510BHJP
   G02B 30/26 20200101ALI20220510BHJP
   F21Y 115/20 20160101ALN20220510BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20220510BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220510BHJP
   F21Y 113/13 20160101ALN20220510BHJP
【FI】
F21S2/00 433
G02F1/13357
G02F1/1335
G02B30/26
F21Y115:20
F21Y115:15
F21Y115:10
F21Y113:13
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021555566
(86)(22)【出願日】2019-11-15
(85)【翻訳文提出日】2021-09-14
(86)【国際出願番号】 US2019061886
(87)【国際公開番号】W WO2020190341
(87)【国際公開日】2020-09-24
(31)【優先権主張番号】62/819,635
(32)【優先日】2019-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514274546
【氏名又は名称】レイア、インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LEIA INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100126354
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 尚
(72)【発明者】
【氏名】ファタル,デイヴィッド エー.
【テーマコード(参考)】
2H199
2H291
2H391
3K244
【Fターム(参考)】
2H199BA12
2H199BA17
2H199BB02
2H199BB22
2H199BB29
2H199BB50
2H199BB52
2H199BB59
2H291FA43Z
2H291FA48Z
2H291FA74Z
2H291FA75Z
2H291FA82Z
2H291FA84Z
2H291FA85Z
2H291FA86Z
2H291FA87Z
2H291MA01
2H391AA03
2H391AA15
2H391AB02
2H391AB03
2H391AB04
2H391AB05
2H391AB07
2H391AB08
2H391AB22
2H391AB43
2H391AB45
2H391AB46
2H391AC02
2H391AC30
2H391AD02
2H391AD07
2H391AD25
2H391AD26
2H391AD27
2H391AD28
2H391AD35
2H391AD36
2H391AD37
2H391AD38
2H391AD43
2H391FA03
2H391FA04
3K244AA02
3K244BA15
3K244BA16
3K244BA50
3K244CA03
3K244DA01
3K244DA02
3K244DA03
3K244DA17
3K244DA22
3K244EA02
3K244EA12
3K244EA23
3K244EB01
3K244EC03
3K244EC06
3K244EC12
3K244EC27
(57)【要約】
デュアルビューゾーンバックライト及びデュアルモードディスプレイは、指向性エミッタを含む第1のバックライト領域を用いて、第1のモードにおいて、第1のビューゾーン及び広角エミッタを含む第2のバックライト領域に向けて指向性放射光を提供し、第1及び第2のビューゾーンに向けて広角放射光を提供する。デュアルモードディスプレイは、第2のモードにおいて、第1のビューゾーンおよび第2のビューゾーンの両方に向けて広角光を提供するための第2のバックライトを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のビューゾーンに向けて指向性放射光を放射するように構成された指向性エミッタを含む第1のバックライト領域と、
前記第1のビューゾーン及び第2のビューゾーンの両方に向けて広角放射光を放射するように構成された広角エミッタを含む第2のバックライト領域であって、前記第2のバックライト領域が、前記第1のバックライト領域に隣接している、第2のバックライト領域と、を含み、
前記第1のビューゾーンのビューイング範囲が、前記第2のビューゾーンのビューイング範囲の方向とは異なる方向を有し、前記第1のビューゾーンの前記ビューイング範囲及び前記第2のビューゾーンのビューイング範囲が、角度空間において相互に排他的である、デュアルビューゾーンバックライト。
【請求項2】
前記指向性エミッタが、前記第1のバックライト領域全体にわたって互いに離間して配置された複数のアクティブ光エミッタを含み、前記複数のアクティブ光エミッタのうちのアクティブ光エミッタ(an active optical emitter)が、前記指向性放射光を前記第1のビューゾーンに提供するように構成されている、請求項1に記載のデュアルビューゾーンバックライト。
【請求項3】
前記第1のバックライト領域内の前記指向性エミッタの前記複数のアクティブ光エミッタのうちの前記アクティブ光エミッタが、実質的に前記第1のビューゾーンに限定された角度方向に指向性放射光を提供するように構成された発光ダイオードを含む、請求項2に記載のデュアルビューゾーンバックライト。
【請求項4】
前記広角エミッタが、前記第2のバックライト領域全体にわたって互いに離間して配置された複数のアクティブ光エミッタを含み、前記複数のアクティブ光エミッタのうちのアクティブ光エミッタ(an active optical emitter)が、前記広角放射光を前記第1及び第2のビューゾーンの両方に提供するように構成されている、請求項1に記載のデュアルビューゾーンバックライト。
【請求項5】
前記第2のバックライト領域内の前記広角エミッタの前記複数のアクティブ光エミッタのうちの前記アクティブ光エミッタが、発光ダイオードを含む、請求項4に記載のデュアルビューゾーンバックライト。
【請求項6】
前記広角エミッタが、
前記第1のビューゾーンの前記方向に放射光を提供するように構成された第1の複数の指向性アクティブ光エミッタと、
前記第2のビューゾーンの前記方向に放射光を提供するように構成された第2の複数の指向性アクティブ光エミッタと、を含み、
前記第1の複数の指向性アクティブ光エミッタ及び前記第2の複数の指向性アクティブ光エミッタの両方の指向性アクティブ光エミッタが、前記第2のバックライト領域全体にわたって互いに離間して配置され、前記第1の複数の指向性アクティブ光エミッタからの前記放射光と前記第2の複数の指向性アクティブ光エミッタからの前記放射光との組み合わせが、前記広角エミッタの前記広角放射光を表している、請求項4に記載のデュアルビューゾーンバックライト。
【請求項7】
請求項1に記載のデュアルビューゾーンバックライトを含む電子ディスプレイであって、前記電子ディスプレイが、前記指向性放射光及び前記広角放射光の両方を表示画像として変調するように構成されたライトバルブのアレイを更に含み、前記表示画像が、前記第1及び第2のビューゾーンに提供されている、電子ディスプレイ。
【請求項8】
前記第1のビューゾーンに提供される前記表示画像が、前記第2のビューゾーンに提供される前記表示画像とは異なる、請求項7に記載の電子ディスプレイ。
【請求項9】
請求項1に記載のデュアルビューゾーンバックライトを含むデュアルモードバックライトであって、前記デュアルモードバックライトが、前記デュアルビューゾーンバックライトに隣接し、前記デュアルビューゾーンバックライトに向けて光を放射するように構成された第2のバックライトを更に含み、
前記デュアルビューゾーンバックライトが、前記第2のバックライトから放射された前記光に対して光学的に透明であり、前記デュアルビューゾーンバックライトが、第1のモード中に前記指向性放射光及び前記広角放射光の両方を放射するように構成され、前記第2のバックライトが、第2のモード中に前記デュアルビューゾーンバックライトに向けて前記光を放射するように構成されている、デュアルモードバックライト。
【請求項10】
第1のモード中に光を放射するように構成されたデュアルビューゾーンバックライトであって、前記デュアルビューゾーンバックライトが、第1のバックライト領域内の指向性エミッタ及び第2のバックライト領域内の広角エミッタを含み、前記指向性エミッタが、前記第1のバックライト領域から第1のビューゾーンに向けて指向性放射光として光を放射するように構成され、前記広角エミッタが、前記第2のバックライト領域から前記第1のビューゾーン及び第2のビューゾーンの両方に向けて広角放射光として光を放射するように構成されている、デュアルビューゾーンバックライトと、
前記デュアルビューゾーンバックライトに隣接し、第2のモード中に光を放射するように構成された広角バックライトであって、前記光が、前記デュアルビューゾーンバックライトを通して、広角光として前記第1及び第2のビューゾーンの両方に向けて放射される、広角バックライトと、
前記デュアルビューゾーンバックライト及び前記広角バックライトから放射された前記光を変調して表示画像を提供するように構成されたライトバルブのアレイと、を含む、デュアルモードディスプレイ。
【請求項11】
前記第1のモードの間、前記デュアルモードディスプレイが、前記第1のビューゾーンで排他的に可視である第1の画像と、前記第2のビューゾーンで排他的に可視である第2の画像と、を含む前記表示画像を提供するように構成され、前記第2のモードの間、前記デュアルモードディスプレイが、前記第1及び第2のビューゾーンの両方で可視である前記表示画像を提供するように構成されている、請求項10に記載のデュアルモードディスプレイ。
【請求項12】
前記デュアルビューゾーンバックライトが、
前記第2のモード中に前記広角バックライトによって放射された広角光に対して透明であるように構成された透明基板と、
前記指向性エミッタとしての前記第1のバックライト領域に対応する前記透明基板の一部の長さ方向に沿って互いに離間して配置された複数の指向性アクティブ光エミッタであって、前記複数の指向性アクティブ光エミッタのうちの指向性アクティブ光エミッタ(a directional active optical emitter)が、前記指向性放射光として光を放射するように構成されている、複数の指向性アクティブ光エミッタと、
前記広角エミッタとしての前記第2のバックライト領域に対応する前記透明基板の一部の長さ方向に沿って分布する複数の広角アクティブ光エミッタであって、前記複数の広角アクティブ光エミッタのうちの広角アクティブ光エミッタ(a broad-angle active optical emitter)が、前記広角放射光として光を放射するように構成されている、複数の広角アクティブ光エミッタと、を含む、請求項10に記載のデュアルモードディスプレイ。
【請求項13】
前記第1のバックライト領域内の前記複数の指向性エミッタアクティブ光エミッタのうちの前記指向性アクティブ光エミッタ及び前記第2のバックライト領域内の前記広角アクティブ光エミッタのうちの一方又は両方が、発光ダイオードを含み、前記指向性アクティブ光エミッタの前記発光ダイオードが、実質的に前記第1のビューゾーンに限定された角度方向に指向性放射光を提供するように構成されている、請求項12に記載のデュアルモードディスプレイ。
【請求項14】
前記デュアルビューゾーンバックライトが、マルチビュー画像のビュー方向に対応する主角度方向を有する指向性光ビームとして前記指向性放射光を提供するように構成された複数のマルチビーム要素を含み、前記第1のモードの間、前記第1のビューゾーンで可視である前記表示画像が、前記マルチビュー画像である、請求項10に記載のデュアルモードディスプレイ。
【請求項15】
前記指向性エミッタの前記マルチビーム要素が、前記ライトバルブのアレイのうちのライトバルブ(a light valve)のサイズの半分から2倍の間のサイズを有する指向性アクティブ光エミッタを含む、請求項14に記載のデュアルモードディスプレイ。
【請求項16】
デュアルビューゾーンバックライトの操作方法であって、前記方法が、
指向性エミッタを含む第1のバックライト領域を用いて、第1のビューゾーンに向けて指向性放射光を放射する工程と、
広角エミッタを含む第2のバックライト領域を用いて、前記第1のビューゾーン及び第2のビューゾーンの両方に向けて広角放射光を放射する工程であって、前記第2のバックライト領域が、前記第1のバックライト領域に隣接している、工程と、を含み、
前記第1のビューゾーンのビューイング範囲が、前記第2のビューゾーンのビューイング角及びビューイング範囲の方向とはビューイング角及び方向の両方が異なる、方法。
【請求項17】
前記指向性エミッタ及び前記広角エミッタのうちの一方又は両方が、複数のアクティブ光エミッタを含む、請求項16に記載のデュアルビューゾーンバックライトの操作方法。
【請求項18】
前記指向性エミッタの前記複数のアクティブ光エミッタが、前記第1のバックライト領域全体にわたって互いに離間して配置された指向性アクティブ光エミッタを含み、前記広角エミッタの前記複数のアクティブ光エミッタが、前記第2のバックライト領域全体にわたって互いに離間して配置された広角アクティブ光エミッタを含む、請求項17に記載のデュアルビューゾーンバックライトの操作方法。
【請求項19】
前記デュアルビューゾーンバックライトの表面に隣接する第2のバックライトを使用して光を提供する工程と、
前記デュアルsバックライトの厚みを介して前記第2のバックライトからの前記光を送信する工程と、
前記光を、前記第2のバックライトから前記第1及び第2のビューゾーンに向けて放射された光として放射する工程と、を更に含み、
前記指向性放射光及び前記広角放射光の両方が、第1のモード中に放射され、前記第2のバックライトが、第2のモード中に光を提供する、請求項16に記載のデュアルビューゾーンバックライトの操作方法。
【請求項20】
ライトバルブのアレイを使用して前記指向性放射光及び前記広角放射光を変調して、前記第1のビューゾーン内の第1の表示画像及び前記第2のビューゾーン内の第2の表示画像を提供する工程を更に含む、請求項16に記載のデュアルビューゾーンバックライトの操作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年3月17日に出願された米国仮特許出願第62/819,635号の優先権を主張し、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
該当なし
【背景技術】
【0003】
電子ディスプレイは、多種多様なデバイス及び製品のユーザに情報を伝達するためのほぼ普遍的な媒体である。最も一般的に採用されている電子ディスプレイとして、ブラウン管(CRT)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネセンスディスプレイ(EL)、有機発光ダイオード(OLED)、アクティブマトリクスOLED(AMOLED)ディスプレイ、電気泳動ディスプレイ(EP)及び電気機械又は電気流体光変調を採用する種々のディスプレイ(例えば、デジタルマイクロミラーデバイス、エレクトロウェッティングディスプレイなど)が挙げられる。電子ディスプレイは、概して、アクティブディスプレイ(すなわち、光を放射するディスプレイ)又はパッシブディスプレイ(すなわち、別の光源によって提供される光を変調するディスプレイ)のいずれかに分類することができる。アクティブディスプレイの最も顕著な例としては、CRT、PDP、OLED/AMOLEDが挙げられる。放射光を考慮した場合、一般的にパッシブに分類されるディスプレイは、LCD及びEPディスプレイである。パッシブディスプレイは、本質的に低い電力消費を含むがこれに限定されない魅力的な性能特性を示すことが多いものの、光を放射する能力がないことを考慮すると、多くの実用的な用途での使用が幾分制限される場合がある。
【0004】
放射光に関連するパッシブディスプレイの制限を克服するために、多くのパッシブディスプレイは、外部光源に結合されている。結合された光源は、これらの他のパッシブディスプレイが光を放射し、実質的にアクティブディスプレイとして機能することを可能にし得る。かかる結合された光源の例として、バックライトがある。バックライトは、パッシブディスプレイを照明するために、他のパッシブディスプレイの背後に配置される光源(多くの場合、パネルバックライト)として機能することができる。例えば、バックライトは、LCD又はEPディスプレイに結合することができる。バックライトは、LCD又はEPディスプレイを通過する光を放射する。放射された光は、LCD又はEPディスプレイによって変調され、変調された光は、次に、LCD又はEPディスプレイから放射される。多くの場合、バックライトは、白色光を放射するように構成されている。次に、カラーフィルタを使用して、白色光をディスプレイで使用される種々の色に変換する。カラーフィルタは、例えば、LCD又はEPディスプレイ(あまり一般的ではない)の出力に、又は、バックライトとLCD又はEPディスプレイとの間に配置することができる。あるいは、種々の色は、異なる色、例えば原色を使用するディスプレイのフィールドシーケンシャル照明によって実装することができる。
【発明の概要】
【0005】
本明細書で説明する原理による例及び実施形態の種々の特徴は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照するとより容易に理解することができ、同様の参照番号は同様の構造要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A】本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイの斜視図を示す。
【0007】
図1B】本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイのビュー方向に対応する特定の主角度方向を有する光ビームの角度成分のグラフィック表現を示す。
【0008】
図2A】本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例における回折格子の断面図を示す。
【0009】
図2B】本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例における傾斜回折格子の断面図を示す。
【0010】
図3A】本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例におけるデュアルビューゾーンバックライトの断面図を示す。
【0011】
図3B】本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例におけるデュアルビューゾーンバックライトの平面図を示す。
【0012】
図3C】本明細書で説明する原理と一致する別の実施形態による、一例におけるデュアルビューゾーンバックライトの斜視図を示す。
【0013】
図4】本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例におけるデュアルビューゾーンバックライトによって提供される照明のグラフィック表現を示す。
【0014】
図5A】本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例におけるデュアルビューゾーンバックライトの一部の断面図を示す。
【0015】
図5B】本明細書で説明する原理と一致する別の実施形態による、一例におけるデュアルビューゾーンバックライトの一部の断面図を示す。
【0016】
図6】本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例におけるコリメートされた光源を含むデュアルビューゾーンバックライトの一部の斜視図を示す。
【0017】
図7A】本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例におけるデュアルビューゾーンバックライトの断面図を示す。
【0018】
図7B】本明細書で説明する原理と一致する別の実施形態による、一例におけるデュアルビューゾーンバックライトの断面図を示す。
【0019】
図7C】本明細書で説明する原理と一致する別の実施形態による、一例におけるデュアルビューゾーンバックライトの斜視図を示す。
【0020】
図8A】本明細書で説明する原理と一致する別の実施形態による、一例におけるデュアルモードディスプレイの断面図を示す。
【0021】
図8B】本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、別の例におけるデュアルモードディスプレイの断面図を示す。
【0022】
図9】本明細書の原理と一致する実施形態による、一例におけるデュアルビューゾーンバックライトの操作方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
特定の例及び実施形態は、上記で参照した図に示した特徴に加えて、又はその特徴に代えて、他の特徴を有する。これらの特徴及び他の特徴を、上記で参照した図を参照して以下に詳述する。
【0024】
本明細書で説明する原理による例及び実施形態により、電子ディスプレイへ適用される、同一のバックライト上の広角エミッタ及び指向性エミッタを使用するバックライトが提供される。本明細書の原理と一致する種々の実施形態では、デュアルビューゾーンバックライトが提供される。デュアルビューゾーンバックライトは、指向性エミッタを使用して、第1のビューゾーンに向けて指向性放射光を放射し、広角エミッタを使用して、第1のビューゾーン及び第2のビューゾーンの両方に向けて広角放射光を放射するように構成される。更に、種々の実施形態において、第1のビューゾーンのビューイング(viewing)範囲又は円錐は、第2のビューゾーンのビューイング範囲又は円錐の方向とは異なる方向を有する。
【0025】
種々の実施形態では、デュアルモードディスプレイも提供される。特に、デュアルモードディスプレイは、デュアルバックライトディスプレイ内でデュアルビューゾーンバックライトと広角バックライトとを組み合わせて、同じスクリーン上の2つの別々の画像を含む第1のモードと、スクリーン全体を占める単一の画像を含む第2のモードとを提供する。一部の実施形態では、デュアルモードディスプレイは、マルチビューディスプレイであり得る。本明細書に記載のデュアルビューゾーンバックライト及びデュアルモードディスプレイの使用には、携帯電話(例えば、スマートフォン)、時計、タブレットコンピューティング、モバイルコンピュータ(例えば、ラップトップコンピュータ)、パーソナルコンピュータ及びコンピュータモニタ、自動車用ディスプレイコンソール、カメラディスプレイ、並びにその他の種々のモバイル及び実質的に非モバイルのディスプレイアプリケーション及びデバイスが含まれるが、これらに限定されない。
【0026】
本明細書では、「二次元ディスプレイ」又は「2Dディスプレイ」は、画像を見る方向に関係なく実質的に同じ画像のビューを(すなわち、事前定義されたビューイング角内又は2Dディスプレイの範囲内で)提供するように構成されたディスプレイとして定義される。2Dディスプレイの例として、多くのスマートフォン及びコンピュータモニタに見られる従来の液晶ディスプレイ(LCD)が挙げられる。本明細書では対照的に、「マルチビューディスプレイ」は、異なるビュー方向内のマルチビュー画像、又は異なるビュー方向からの異なるマルチビュー画像のビューを提供するように構成された電子ディスプレイ又はディスプレイシステムとして定義される。特に、異なるビューは、マルチビュー画像のシーン又はオブジェクトの異なる斜視図を表すことができる。
【0027】
本明細書では、「マルチビューディスプレイ」は、異なるビュー方向内で異なるマルチビュー画像のビューを提供するように構成された電子ディスプレイ又はディスプレイシステムとして定義される。図1Aは、本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイ10の斜視図を示す。図1Aに示すように、マルチビューディスプレイ10には、ビューの対象となるマルチビュー画像を表示するスクリーン12が含まれる。スクリーン12は、例えば、電話(例えば、携帯電話、スマートフォンなど)、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータのコンピュータモニタ、カメラディスプレイ、又は実質的に任意の他のデバイスの電子ディスプレイの表示スクリーンであってもよい。
【0028】
マルチビューディスプレイ10は、スクリーン12に対して異なるビュー方向16で異なるマルチビュー画像のビュー14を提供する。ビュー方向16は、スクリーン12から種々の異なる主角度方向に延在する矢印として示されている。異なるビュー14は、矢印の終端で網掛けされた多角形の箱として示されている(すなわち、ビュー方向16を描写している)。4つのビュー14及び4つのビュー方向16のみが示されているが、これらは全てが例示であり、限定ではない。異なるビュー14が図1Aではスクリーンの上方にあるように示されているが、ビュー14は、マルチビュー画像がマルチビューディスプレイ10に表示されているときに、実際にはスクリーン12上又はその近傍に表示されることに留意されたい。スクリーン12の上方にビュー14を描写することは、説明を簡略化するためだけのものであり、特定のビュー14に対応するビュー方向16のそれぞれの1つからマルチビューディスプレイ10を見ることを表すことを意図している。
【0029】
ビュー方向又は等価的にマルチビューディスプレイのビュー方向に対応する方向を有する光ビームは、本明細書の定義では、概して、角度成分{θ,φ}によって与えられる主角度方向を有する。角度成分θは、本明細書では、光ビームの「仰角成分」又は「仰角」を指す。角度成分φは、光ビームの「方位角成分」又は「方位角」を指す。定義では、仰角θは、垂直面(例えば、マルチビュー表示スクリーン平面に垂直)における角度であり、方位角φは、水平面(例えば、マルチビュー表示スクリーン平面に平行)における角度である。
【0030】
図1Bは、本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイのビュー方向(例えば、図1Aのビュー方向16)に対応する特定の主角度方向を有する光ビーム20の角度成分{θ,φ}のグラフィック表現を示す。更に、光ビーム20は、本明細書での定義では、特定の点から放射されるか、又は出射される。すなわち、定義では、光ビーム20は、マルチビューディスプレイ内の特定の原点に関連する中心光線を有する。図1Bはまた、光ビーム(又はビュー方向)の原点Oを示す。
【0031】
更に、本明細書では、「マルチビュー画像」及び「マルチビューディスプレイ」という用語で使用される「マルチビュー」は、異なる視点を表す複数のビュー、又は複数ビューのうちのビュー(views of the view plurality)間の角度視差を含む複数のビューとして定義される。更に、本明細書では、「マルチビュー」という用語は、本明細書での定義では、2つを超える異なるビュー(すなわち、最小で3つのビュー、概して3つを超えるビュー)を明示的に含む。したがって、本明細書で使用される「マルチビューディスプレイ」は、シーン又は画像を表すために2つの異なるビューのみを含む立体視ディスプレイとは明確に区別される。しかしながら、マルチビュー画像及びマルチビューディスプレイは、2つを超えるビューを含むものの、本明細書の定義では、マルチビュー画像は、マルチビューのビュー(the multiview views)のうちの2つのみを選択して一度に見ることによって(例えば、1眼につき1つのビューを選択することによって)、画像の立体視ペアとして(例えば、マルチビューディスプレイ上で)見ることができることに留意されたい。
【0032】
「マルチビューピクセル」は、本明細書では、マルチビューディスプレイの複数の異なるビューの各ビューにおける、「ビュー」ピクセルを表すピクセルの集合(例えば、ライトバルブの集合)として定義される。特に、マルチビューピクセルは、異なるマルチビュー画像のビューの各々におけるビューピクセルに対応するか、又はビューピクセルを表す個々のピクセル(又はライトバルブ)を有し得る。更に、マルチビューピクセルのピクセルは、本明細書での定義では、ピクセルの各々が異なるビューのうちの対応する1つビューの所定のビュー方向に関連付けられるという点で、いわゆる「指向性ピクセル」である。更に、種々の例及び実施形態では、マルチビューピクセルのピクセルによって表される異なるビューピクセルは、異なるビューの各々において、同等又は少なくとも実質的に同様の位置又は座標を有してもよい。例えば、第1のマルチビューピクセルは、異なるマルチビュー画像のビューの各々において{x,y}に位置するビューピクセルに対応する個々のピクセルを有し、一方、第2のマルチビューピクセルは、異なるビューの各々において{x,y}に位置するビューピクセルに対応する個々のピクセルを有するなどしてもよい。
【0033】
本明細書では、「導光体」は、全内部反射を使用して構造内に光を導く構造として定義される。特に、導光体は、導光体の動作波長において実質的に透明であるコアを含むことができる。「導光体」という用語は、概して、導光体の誘電体材料とその導光体を取り囲む材料又は媒体との間の界面で光を導くために全内部反射を使用する誘電体光導波路を指す。定義では、全内部反射の条件は、導光体の屈折率が、導光体材料の表面に隣接する周囲の媒体の屈折率よりも大きいことである。一部の実施形態では、導光体は、全内部反射を更に促進するために、前述の屈折率差に加えて、又はその代わりにコーティングを含んでもよい。コーティングは、例えば、反射コーティングであってもよい。導光体は、プレート又はスラブガイド及びストリップガイドのうちの一方又は両方を含むが、これらに限定されない、複数の導光体のいずれであってもよい。
【0034】
本明細書の定義では、「マルチビーム要素」は、複数の指向性光ビームを含む光を生成するバックライト又はディスプレイの構造又は要素である。本明細書の定義では、マルチビーム要素によって生成される複数の指向性光ビーム(the plurality of directional light beams)(又は「複数の指向性光ビーム(directional light beam plurality)」)のうちの指向性光ビーム(directional light beams)は、互いに異なる主角度方向を有する。特に、定義では、複数の指向性光ビームのうちの指向性光ビーム(a directional light beam)は、複数の指向性光ビームのうちの別の指向性光ビーム(another directional light beam)とは異なる所定の主角度方向を有する。一部の実施形態では、マルチビーム要素のサイズは、マルチビーム要素に関連するディスプレイ(例えば、マルチビューディスプレイ)で使用されるライトバルブのサイズに相当し得る。特に、一部の実施形態では、マルチビーム要素のサイズは、ライトバルブのサイズの約1/2~約2倍であってもよい。一部の実施形態では、マルチビーム要素は、偏光選択的散乱を提供し得る。
【0035】
一部の実施形態では、複数の指向性光ビームは、ライトフィールドを表すことができる。例えば、複数の指向性光ビームは、実質的に円錐形の空間領域に閉じ込められてもよく、又は複数の光ビームにおける光ビームの異なる主角度方向を含む所定の角度広がりを有していてもよい。このように、組み合わされた指向性光ビームの所定の角度広がり(すなわち、複数の指向性光ビーム)がライトフィールドを表していてもよい。
【0036】
種々の実施形態では、複数の指向性光ビームにおける種々の指向性光ビームの異なる主角度方向は、他の特性と共に、マルチビーム要素のサイズ(例えば、長さ、幅、面積等のうちの1又はそれ以上)を含むがこれに限定されない特性によって決定される。例えば、回折マルチビーム要素では、「回折格子ピッチ」又は回折特徴部の間隔、及び回折マルチビーム要素内の回折格子の配向は、種々の指向性光ビームの異なる主角度方向を少なくとも部分的に決定する特性であってもよい。一部の実施形態では、マルチビーム要素は、本明細書での定義では、「拡張点光源」、すなわち、マルチビーム要素の範囲にわたって分散された複数の点光源と見なすことができる。更に、マルチビーム要素によって生成される指向性光ビームは、図1Bに関して上述したように、角度成分{θ,φ}によって与えられる主角度方向を有することができる。
【0037】
一部の実施形態では、マルチビーム要素は、関連するマルチビューピクセルの形状に類似した形状を有し得る。例えば、マルチビーム要素及びマルチビューピクセルの両方が正方形の形状を有してもよい。別の例では、マルチビーム要素の形状は長方形であってもよく、関連する長方形の形状のマルチビューピクセルに類似していてもよい。更に他の例では、マルチビーム要素及び対応するマルチビューピクセルは、三角形、六角形、及び円形を含むか、又はそれらに少なくとも近似される、他の種々の類似の形状を有するが、これらに限定されない。
【0038】
本明細書では、「回折格子」は、概して、回折格子に入射する光の回折を提供するように配置された複数の特徴部(すなわち、回折特徴部)として定義される。一部の例では、複数の特徴部は、周期的又は準周期的に配置することができる。例えば、回折格子は、一次元(1D)アレイで配置された複数の特徴部(例えば、材料表面の複数の溝又は隆起)を含むことができる。他の例では、回折格子は、二次元(2D)アレイの特徴部であってもよい。回折格子は、例えば、材料表面の2Dアレイのバンプ又は穴であってもよい。
【0039】
したがって、本明細書での定義では、「回折格子」は、回折格子に入射する光の回折を提供する構造である。光が導光体から回折格子に入射する場合、提供される回折又は回折散乱は、結果として、回折格子が回折によって導光体から出てくる光をカップリングすることができるという意味で、「回折カップリング」を指す。回折格子はまた、回折によって(すなわち、回折角で)光の角度を方向転換又は変更する。特に、回折の結果として、回折格子を出る光は、概して、回折格子に入射する光(すなわち、入射光)の伝搬方向とは異なる伝搬方向を有する。回折による光の伝搬方向の変化は、本明細書では「回折リダイレクション」を指す。したがって、回折格子は、回折格子に入射する光を回折的に方向転換する回折特徴部を含む構造であると理解することができ、光が導光体から入射する場合、回折格子は導光体からの光を回折的に取り出すことができる。
【0040】
更に、本明細書での定義では、回折格子の特徴部は「回折特徴部」を指し、材料表面で、材料表面内で、及び材料表面上(すなわち、2つの材料の間の境界)で、1又はそれ以上の回折特徴部であり得る。表面は、例えば、導光体の表面であってもよい。回折特徴部は、表面で、表面内で、又は表面上で、溝、隆起、穴、及びバンプのうちの1又はそれ以上を含むがこれらに限定されない、光を回折する種々の構造の任意のものを含むことができる。例えば、回折格子は、材料表面に複数の実質的に平行な溝を含むことができる。別の例では、回折格子は、材料表面から隆起する複数の平行な隆起を含むことができる。回折特徴部(例えば、溝、隆起、穴、バンプなど)は、正弦波プロファイル、矩形プロファイル(例えば、二元回折格子)、三角形プロファイル及び鋸歯プロファイル(例えば、ブレーズド格子)のうちの1又はそれ以上を含むがこれらに限定されない、回折を提供する種々な断面形状又はプロファイルのうちの任意のものを有していてもよい。
【0041】
本明細書で説明する種々の例によれば、回折格子(例えば、以下に記載されるような指向性散乱要素又はマルチビーム要素の回折格子)を採用して、導光体(例えば、プレート導光体)から出た光を光ビームとして回折的に散乱させるか、又はカップリングすることができる。特に、局所的に周期的な回折格子の回折角θ、又は局所的に周期的な回折格子によって提供される回折角θは、式(1)で与えられ得る。
【数1】
(1)
式中、λは光の波長、mは回折次数、nは導光体の屈折率、dは回折格子の特徴部間の距離又は間隔、θは回折格子上の光の入射角である。簡略化のために、式(1)では、回折格子が導光体の表面に隣接し、導光体の外側の材料の屈折率が1に等しい(すなわち、nout=1)と仮定する。回折次数mは、概して、整数で与えられる。回折格子によって生成された光ビームの回折角θは、回折次数が正(例えば、m>0)である式(1)で与えられ得る。例えば、一次回折は、回折次数mが1に等しい場合(すなわち、m=1)に提供される。
【0042】
図2Aは、本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例における回折格子30の断面図を示す。例えば、回折格子30は、導光体40の表面上に位置してもよい。更に、図2Aは、入射角θで回折格子30に入射する光ビーム50を示している。光ビーム50は、導光体40内の導波光ビームである。また、図2Aには、入射光ビーム50の回折の結果として回折格子30によって回折的に生成され取り出される指向性光ビーム60が示されている。指向性光ビーム60は、式(1)で与えられる回折角θ(又は本明細書では「主角度方向」)を有する。回折角θは、例えば、回折格子30の回折次数「m」に対応し得る。
【0043】
本明細書の定義では、「傾斜」回折格子は、回折格子の表面の表面法線に対して傾斜角を有する回折特徴部を有する回折格子である。種々の実施形態では、傾斜回折格子は、入射光の回折による片側散乱を提供し得る。
【0044】
図2Bは、本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例における傾斜回折格子80の断面図を示す。図示のように、傾斜回折格子80は、導光体40の表面に位置する二元回折格子であり、図2Aに図示の回折格子30に類似している。しかしながら、図2Bに示される傾斜回折格子80は、図示のように、格子の高さ、深さ、又は厚さtとともに、(破線で示される)表面法線に対して傾斜角γを有する回折特徴部82を含む。また、傾斜回折格子80による入射光ビーム50の片側回折散乱を表す入射光ビーム50及び指向性光ビーム60も示されている。種々の実施形態では、傾斜回折格子80による二次方向への光の回折散乱は、片側回折散乱によって抑制されることに留意されたい。図2Bにおいて、「バツ印が付された」破線の矢印90は、傾斜回折格子80による二次方向への抑制された回折散乱を表す。
【0045】
種々の実施形態では、回折特徴部82の傾斜角γは、二次方向の回折散乱が抑制される程度を含む傾斜回折格子80の片側回折特性を制御するように選択され得る。例えば、傾斜角γは、約20度(20°)~約60度(60°)、又は約30度(30°)~約50度(50°)、又は約40度(40°)~約55度(55°)であるように選択されてもよい。約30°~60°の範囲の傾斜角γは、例えば、傾斜回折格子80によって提供される片側方向と比較した場合、二次方向の回折散乱を約40倍(40x)以上良好に抑制することができる。一部の実施形態では、回折特徴部82の厚さtは、約100ナノメートル(100nm)~約400ナノメートル(400nm)であり得る。例えば、厚さtは、約300nm~約500ナノメートル(500nm)の範囲内の格子周期pに対して、約150ナノメートル(150nm)~約300ナノメートル(300nm)であってもよい。
【0046】
更に、一部の実施形態では、回折特徴部は湾曲していてもよく、光の伝搬方向に対して所定の配向(例えば、回転)を有していてもよい。回折特徴部の曲線及び回折特徴部の配向のうちの一方又は両方は、例えば、回折格子によって結合された光の方向を制御するように構成されてもよい。例えば、結合された光の主角度方向は、入射光の伝搬方向に対する光が回折格子に入射する点での回折特徴部の角度の関数であってもよい。
【0047】
定義では、「広角放射光」又は「広角ビューイング」における「広角」という用語は、マルチビュー画像又はマルチビューディスプレイのビューの円錐角よりも大きい円錐角を有する光として定義される。特に、一部の実施形態では、広角放射光は、約60度(60°)よりも大きい円錐角を有し得る。他の実施形態では、広角放射光の円錐角は、約50度(50°)より大きくてもよく、又は約40度(40°)より大きくてもよい。例えば、広角放射光の円錐角は、約120度(120°)であってもよい。
【0048】
一部の実施形態では、広角放射光の円錐角は、液晶コンピュータモニタ、液晶タブレット、液晶テレビ、又は広角ビューイング(例えば、法線方向に対して約±40~60°)を目的とした同様のデジタルディスプレイデバイスのビューイング角とほぼ同じであると定義することができる。他の実施形態では、広角放射光はまた、拡散光、実質的な拡散光、無指向性光(すなわち、特定の又は定義された指向性を有しない光)、又は単一若しくは実質的に均一な方向を有する光として特徴付け又は説明され得る。
【0049】
本明細書では、「コリメータ」は、光をコリメートするように構成された実質的に任意の光学デバイス又は装置として定義される。種々の実施形態では、コリメータによって提供されるコリメーションの量は、ある実施形態から別の実施形態へと、所定の程度又は量で変化し得る。更に、コリメータは、2つの直交する方向(例えば、垂直方向及び水平方向)のうちの一方又は両方でコリメーションを提供するように構成され得る。すなわち、コリメータは、一部の実施形態では、光コリメーションを提供する2つの直交する方向のうちの一方又は両方の形状を含み得る。
【0050】
本明細書では、「コリメーション係数」は、光がコリメートされる程度として定義される。特に、コリメーション係数は、本明細書の定義では、コリメートされた光のビーム内の光線の角度広がりを定義する。例えば、コリメーション係数σは、コリメート光のビーム内の光線の大部分が特定の角度広がり(例えば、コリメートされた光ビームの中心又は主角度方向について+/-σ度)内にあることを指定してもよい。一部の例によれば、コリメートされた光ビームの光線は、角度に関してガウス分布を有してもよく、角度広がりは、コリメートされた光ビームのピーク強度の1/2によって決定される角度であってもよい。
【0051】
本明細書において、「角度保持散乱特徴部」又は同等の「角度保持散乱体」は、特徴部又は散乱体に入射する光の角度広がりを散乱光に実質的に保持する方法で光を散乱するように構成された、任意の特徴部又は散乱体である。特に、定義では、角度保持散乱特徴部によって散乱された光の角度広がりσは、入射光の角度広がりσの関数である(すなわち、σ=f(σ))。一部の実施形態では、散乱光の角度広がりσは、入射光の角度広がり又はコリメーション係数σの線形関数である(例えば、σ=a・σ、ここで、aは整数である)。すなわち、角度保持散乱特徴部によって散乱された光の角度広がりσは、入射光の角度広がり又はコリメーション係数σに実質的に比例し得る。例えば、散乱光の角度広がりσは、入射光の角度広がりσに実質的に等しくなり得る(例えば、σ≒σ)。均一な回折格子(すなわち、実質的に均一又は一定の回折特徴部間隔又は格子ピッチを有する回折格子)は、角度保持散乱特徴部の例である。
【0052】
本明細書では、「片側回折散乱要素」のような「片側」という用語は、「一方の側」又は「優先的に一方向」が第1の側に対応し、別の方向が第2の側に対応することを意味するものとして定義される。特に、「片側バックライト」は、第1の側の反対側の第2の側からではなく、第1の側から光を放射するバックライトとして定義される。例えば、片側バックライトは、第1の(例えば、正の)半空間に光を放射することができるが、対応する第2の(例えば、負の)半空間には放射しない。第1の半空間は片側バックライトの上に存在し得、第2の半空間は片側バックライトの下に存在し得る。したがって、片側バックライトは、例えば、片側バックライトより上の領域又は方向に光を放射し、片側バックライトの下にある別の領域又は別の方向には光をほとんど又はまったく放射しなくてもよい。同様に、例えば片側回折散乱要素又は片側マルチビーム要素であるがこれらに限定されない「片側散乱体」は、本明細書の定義では、第1の表面に向けて、かつ第1の表面から光を散乱するように構成されるが、第1の表面の反対側の第2の表面からは光を散乱させないように構成されている。
【0053】
本明細書では、「光源」は、光源(例えば、光を生成及び放射するように構成された光エミッタ)として定義される。例えば、光源は、アクティブ化又はオンされたときに光を放射する発光ダイオード(LED)などの光エミッタを含んでもよい。特に、本明細書では、光源は、実質的に任意の光源であるか、又は発光ダイオード(LED)、レーザ、有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード、プラズマベースの光エミッタ、蛍光ランプ、白熱灯、及び事実上他の任意の光源のうちの1又はそれ以上を含むがこれらに限定されない、実質的に任意の光エミッタを含み得る。光源によって生成される光は、色を有することができ(すなわち、特定の波長の光を含み得る)、又はある範囲の波長(例えば、白色光)であり得る。一部の実施形態では、光源は、複数の光エミッタを含み得る。例えば、光源は、光エミッタのうちの少なくとも1つが色又は同等の波長を有する光を生成する光エミッタの集合又はグループを含んでもよく、この色又は波長は、当該集合又はグループのうちの他の少なくとも1つの光エミッタによって生成される光の色又は波長とは異なる。異なる色として、例えば、原色(例えば、赤色、緑色、青色)が挙げられる。
【0054】
本明細書では、「アクティブ光エミッタ」は、アクティブ光源(例えば、アクティブ化されたときに光を生成及び放射するように構成された光エミッタ)として定義される。したがって、アクティブ光エミッタは、定義上、別の光源からの光を受け取ることはない。代わりに、アクティブ光エミッタは、アクティブ化されると直接光を生成する。アクティブ光エミッタは、本明細書の定義では、電圧又は電流などの電源を印加することによってアクティブ化することができる。例えば、アクティブ光エミッタ光源は、アクティブ化又はオンされたときに光を放射する発光ダイオード(LED)などの光エミッタを含んでもよい。例えば、LEDの端子に電圧を印加すると、LEDがアクティブ化されてもよい。特に、本明細書では、光源は、実質的に任意のアクティブ光源であるか、又は発光ダイオード(LED)、レーザ、有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード、プラズマベースの光エミッタ、及びマイクロLED(μLED)のうちの1又はそれ以上を含むがこれらに限定されない、実質的に任意のアクティブ光エミッタを含み得る。アクティブ光エミッタによって生成される光は、色を有することができ(すなわち、特定の波長の光を含み得る)、又は複数又はある範囲の波長(例えば、多色光又は白色光)であり得る。アクティブ光エミッタによって提供又は生成される異なる色の光には、例えば、原色(例えば、赤色、緑色、青色)が含まれ得るが、これらに限定されない。本明細書の定義では、「カラーエミッタ」は、色を有する光を提供するアクティブ光エミッタである。一部の実施形態では、アクティブ光エミッタは、複数のアクティブ光エミッタを含み得る。例えば、アクティブ光エミッタは、アクティブ光エミッタの集合又はグループを含んでもよい。一部の実施形態では、アクティブ光エミッタの集合又はグループ内のアクティブ光エミッタのうちの少なくとも1つは、複数の他の光エミッタのうちの少なくとも1つによって生成される光の色又は波長とは異なる色又は同等の波長を有する光を生成することができる。
【0055】
本明細書では、「ビューゾーン」は、表示画像を見ることができる領域又は角度範囲として定義される。特に、表示画像は、本明細書の定義では、ビューゾーン内で可視であってもよく、ビューゾーンの外側では可視でなくてもよい。
【0056】
更に、本明細書で使用される場合、冠詞「a」は、特許技術におけるその通常の意味、すなわち「1又はそれ以上」を有することが意図されている。例えば、「指向性散乱要素(a directional scattering element)」は、1又はそれ以上の指向性散乱要素を意味する。したがって、「指向性散乱要素(the directional scattering element)」は、本明細書では「指向性散乱要素(複数可)(directional scattering element(s))」を意味する。また、本明細書における「頂」、「底」、「上部」、「下部」、「上」、「下」、「前」、「後」、「第1」、「第2」、「左」又は「右」のいずれの言及も、本明細書の制限を意図するものではない。本明細書において、「約」という用語は、値に適用される場合、値を生成するために使用される機器の許容範囲内を意味し、また、特に明示的に指定されない限り、プラス又はマイナス10%、プラス又はマイナス5%、プラス又はマイナス1%を意味する場合がある。更に、本明細書で使用される「実質的に」という用語は、過半数、又はほぼ全て、又は全て、又は約51%~約100%の範囲内の量を意味する。更に、本明細書の例は、例示のみを目的とするものであり、説明の目的で提示されており、限定するためではない。
【0057】
本明細書で説明する原理の一部の実施形態では、デュアルビューゾーンバックライトが提供される。図3Aは、本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例におけるデュアルビューゾーンバックライト100の断面図を示す。図3Bは、本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例におけるデュアルビューゾーンバックライト100の平面図を示す。図3Cは、本明細書で説明する原理と一致する別の実施形態による、一例におけるデュアルビューゾーンバックライト100の斜視図を示す。図示のデュアルビューゾーンバックライト100は、例えば、後述するデュアルモードディスプレイを含む電子ディスプレイのバックライトに使用することができるが、これに限定されるものではない。
【0058】
図3A図3Cに示されるデュアルビューゾーンバックライト100は、第1のバックライト領域100a及び第2のバックライト領域100bを含み、第2のバックライト領域100bは、第1のバックライト領域100aに隣接している。第1のバックライト領域100aは、指向性放射光102を放射するように構成された指向性エミッタ120を含む。特に、指向性エミッタ120によって放射される指向性放射光102は、種々の実施形態では、第1のバックライト領域100aによって、デュアルビューゾーンバックライト100の第1のビューゾーンIに方向付けられる。第2のバックライト領域100bは、第1のビューゾーンI及び第2のビューゾーンIIの両方に向けて広角放射光104を放射するように構成された広角エミッタ130を含む。種々の実施形態では、第1のビューゾーンIのビューイング範囲又は円錐は、第2のビューゾーンIIのビューイング範囲の方向とは異なる方向を有する。一部の実施形態では、第1のビューゾーンIのビューイング範囲及び第2のビューゾーンIIのビューイング範囲は、角度空間において相互に排他的である。
【0059】
図3Aでは、第1のビューゾーンIのビューイング範囲又は円錐は、角度範囲及びビューイング範囲の方向(例えば、ビューイング角範囲又は円錐角)の両方を示す破線によって表されている。第1のバックライト領域100aの指向性エミッタ120によって放射される指向性放射光102は、例えば、図示のように、第1のビューゾーンIのビューイング範囲又は円錐角に実質的に限定され得る(すなわち、破線間に限定され得る)。同様に、図3Aでは、第2のビューゾーンIは、図3Aの破線で示されているように、角度範囲及び方向の両方を備えたビューイング範囲を有する。図示のように、第1のビューゾーンIのビューイング範囲は、第2のビューゾーンIIのビューイング範囲とは異なる方向を向いている。更に、図3Aに示すように、第1及び第2のビューゾーンI、IIのビューイング範囲は、角度空間で相互に排他的である。つまり、ビューイング範囲又は円錐は、互いに重なり合うことはない。他の実施形態(図示せず)では、第1及び第2のビューゾーンI、IIのビューイング範囲は、少なくともある程度、互いに重なり合ってもよい。
【0060】
図3A図3Cでは、隣接する第1及び第2のバックライト領域100a、100bは、境界100’によって分離されているものとして示されている。破線で示されている境界100’は、例えば、yz平面とデュアルビューゾーンバックライト100との間の交点を表してもよい。図3A図3Cでは、境界100’は、第1及び第2のバックライト領域100a、100bの各々を描写する、単なる仮想的な分離である。図示のように、第1のバックライト領域100aは、境界100’の側に位置するデュアルビューゾーンバックライト100の第1の部分を占め、第2のバックライト領域100bは、境界100’の反対側の第2の部分を占めている。
【0061】
種々の実施形態では、第1及び第2のバックライト領域100a、100bの間の境界100’は、デュアルビューゾーンバックライト100の長さ方向(すなわち、x方向)に沿って、実質的にどこに位置していてもよい。例えば、図示のように、境界100’は、デュアルビューゾーンバックライト100の長さの約3分の2に位置している。したがって、図示のように、第1のバックライト領域100aは、デュアルビューゾーンバックライト100の約3分の2を含み、第2のバックライト領域100bは、デュアルビューゾーンバックライト100の約3分の1を含む。他の実施形態(図示せず)では、第1のバックライト領域100aは、デュアルビューゾーンバックライト100の約半分、又はデュアルビューゾーンバックライト100の3分の1を含んでもよく、第2のバックライト領域100bは、その残りの部分を含んでもよい。更に他の実施形態(図示せず)では、境界100’は、デュアルビューゾーンバックライト100の長さ方向に沿って、例えば、xz平面とデュアルビューゾーンバックライト100との間の交点に沿って位置していてもよい。このように、境界100’は、デュアルビューゾーンバックライト100を「上部」領域及び「下部」領域に分割してもよく、上部及び下部領域のうちの一方が第1のバックライト領域100aに対応し、他方が第2のバックライト領域100bに対応してもよい。一部の実施形態(図示されていない)では、境界100’は、湾曲しているか、区分的に線形(例えば、図示のような直線以外)であり得る。例えば、第2のバックライト領域100bは、デュアルビューゾーンバックライト100の長方形部分を占めてもよく、第1のバックライト領域100aは、第2のバックライト領域100bの複数の側に隣接していてもよい。
【0062】
上述のように、第1のバックライト領域100aの指向性エミッタ120によって放射される指向性放射光102は、第1のビューゾーンIのビューイング範囲を表す角度空間の領域に限定され得る。種々の実施形態において、指向性放射光102の円錐角は、比較的狭くてもよい。特に、指向性放射光102は、約60度(60°)未満の円錐角を有し得る。他の実施形態では、指向性放射光102は、約40度(40°)未満、又は約30度(30°)未満、又は約20度(20°)未満の円錐角を有し得る。更に他の実施形態では、第1のビューゾーンIのビューゾーンの円錐角は、60°より大きくても、約90度(90°)より小さくてもよく、その結果、ビューイング範囲の方向は、第1のバックライト領域100aに対応するデュアルビューゾーンバックライト100の側の半空間、例えば、図3Aに図示のデュアルビューゾーンバックライト100の上方かつ境界100’の右側の半空間に限定されるか、又は少なくとも実質的に限定される。
【0063】
対照的に、広角エミッタ130によって放射される広角放射光104は、比較的広い角度空間の領域に提供され得る。広角放射光104が比較的広角であることにより、広角放射光104は、第1のビューゾーンI及び第2のビューゾーンIIの両方を照明し、あるいは到達することが可能となる。第2のバックライト領域100bの広角エミッタ130によって提供される広角放射光104は、広角ビューイングを目的としたディスプレイ用途における照明源としての使用に好適であり得る。例えば、広角放射光104は、約±40~60°以上の円錐角を有してもよい。広角放射光の円錐角は、一部の実施形態では、液晶モニタ、液晶タブレット、又は液晶テレビとほぼ同じビューイング角を提供し得る。
【0064】
図4は、本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例におけるデュアルビューゾーンバックライト100によって提供される照明のグラフィック表現を示す。図示のように、第1のバックライト領域100aは、指向性エミッタ120を使用して指向性放射光102を提供し、第2のバックライト領域100bは、広角エミッタ130を使用して広角放射光104を提供する。更に、図4に示すように、指向性エミッタ120を使用して第1のバックライト領域100aによって提供された指向性放射光102は、第1のビューゾーンIを排他的に照明するように構成され、一方、広角エミッタ130を使用して第2のバックライト領域100bによって提供された広角放射光104は、第1のビューゾーンI及び第2のビューゾーンIIの両方を照明するように構成される。
【0065】
更に、上述のように、デュアルビューゾーンバックライト100は、第2のビューゾーンIIのビューイング範囲又は円錐の方向とは異なる方向を有する第1のビューゾーンIのビューイング範囲又は円錐を提供する。すなわち、第1のビューゾーンIのビューイング範囲の中心線と第2のビューゾーンIIのビューイング範囲の中心線とは、平行ではなく、互いに発散している。放射光に関して、第1のバックライト領域100aの指向性エミッタ120によって放射される指向性放射光102と、第2のバックライト領域100bの広角エミッタ130によって放射される広角放射光104とは、異なる方向に放射される。特に、一部の実施形態では、指向性放射光102の方向、及び第1のビューゾーンIのビューイング範囲の方向も、第2のビューゾーンIIのビューイング円錐の方向から離れるように勾配又は傾斜している。第1のビューゾーンIのビューイング範囲の傾斜は、例えば、第2のビューゾーンIIへの指向性放射光102の侵入を最小限にするのに役立ち得る。したがって、一部の実施形態では、指向性エミッタ120からの指向性放射光102は、第1のバックライト領域100aに対応する表面法線に対して傾斜角を有しており、第1のバックライト領域100aから、指向性放射光102が指向性エミッタ120によって放射される。例えば、第1のバックライト領域100aの指向性エミッタ120によって放射される指向性放射光102は、表面法線に対して約20度(20°)~約45度(45°)の傾斜角を有してもよい。他の非限定的な例では、傾斜角は、約10度(10°)、又は15度(15°)、又は30度(30°)、又は50度(50°)より大きくてもよい。種々の実施形態では、指向性放射光102が閉じ込められるビューイング範囲又は円錐の角度(例えば、円錐角)は、傾斜角を中心とし得る。
【0066】
(例えば、図3A図3Cに示される)一部の実施形態では、指向性エミッタ120及び広角エミッタ130のうちの一方又は両方は、パッシブ光エミッタを含む。特に、指向性エミッタ120及び広角エミッタ130は、それ自体では光を生成せず、パッシブエミッタとして、代わりに、別の光源からの光をリダイレクトして、それぞれ指向性放射光102及び広角放射光104を表す放射光を提供する。(例えば、以下に説明する図7A図7Cに示される)他の実施形態では、第1のバックライト領域100aの指向性エミッタ120及び第2のバックライト領域100bの広角エミッタ130のうちの一方又は両方が、アクティブ光エミッタを含む。指向性エミッタ120及び広角エミッタ130のアクティブ光エミッタは、それぞれ、指向性放射光102及び広角放射光104を表す放射光を直接生成する。
【0067】
指向性エミッタ120及び広角エミッタ130のうちの一方又は両方がパッシブ光エミッタを含む(例えば、図3A図3Cに示される)一部の実施形態では、デュアルビューゾーンバックライト100は、導光体110を更に含み得る。導光体110は、光を導光体110の長さ方向に沿って導波光112(すなわち、導波光ビーム112)として導くように構成される。例えば、導光体110は、光導波路として構成された誘電体材料を含んでもよい。誘電体材料は、誘電体光導波路を取り囲む媒体の第2の屈折率よりも大きい第1の屈折率を有していてもよい。屈折率の差は、例えば、導光体110の1又はそれ以上の導波モードに従って、導波光112の全内部反射を促進するように構成される。
【0068】
一部の実施形態では、導光体110は、光学的に透明な誘電体材料の拡張された実質的に平面のシートを含むスラブ又はプレート光導波路(すなわち、プレート導光体)であってもよい。実質的に平面の誘電体シートは、全内部反射を使用して、導波光112を導くように構成される。種々の例によれば、導光体110の光学的に透明な材料は、種々のタイプのガラス(例えば、シリカガラス、アルカリアルミノシリケートガラス、ホウケイ酸ガラスなど)、及び実質的に光学的に透明なプラスチック又はポリマー(例えば、ポリ(メチルメタクリレート)又は「アクリルガラス」、ポリカーボネートなど)のうちの1又はそれ以上を含むがこれらに限定されない、種々の誘電体材料のうちの任意のものを含むか、又は種々の誘電体材料のうちの任意のもので構成されていてもよい。一部の例では、導光体110は、導光体110の表面(例えば、第1の表面及び第2の表面のうちの一方又は両方)の少なくとも一部にクラッド層(図示せず)を更に含んでもよい。一部の例によれば、クラッド層を使用して、全内部反射を更に促進してもよい。
【0069】
更に、一部の実施形態では、導光体110は、導光体110の第1の表面110’(例えば、前面又は頂面あるいは前側又は頂側)と、第2の表面110’’(例えば、後面又は底面あるいは後側又は底側)との間の非ゼロ伝搬角度での全内部反射に従って導波光112を導くように構成されている。特に、導波光112は、非ゼロ伝搬角度で導光体110の第1の表面110’と第2の表面110’’との間で反射又は「跳ね返す」ことによって伝搬する。一部の実施形態では、異なる色の光を含む複数の導波光ビーム112は、異なる色固有の非ゼロ伝搬角度のそれぞれのもので導光体110によって導かれてもよい。なお、図3Aでは、説明を簡略化するために、非ゼロ伝搬角度は示されていない。しかしながら、伝搬方向114を描写する太い矢印は、図3Aの導光体長さに沿った導波光112の一般的な伝搬方向を示している。
【0070】
一部の実施形態では、導波光112は、コリメートされ得るか、又は同等に(例えば、後述のように、コリメータによって提供される)コリメートされた光ビームであり得る。本明細書において、「コリメート光」又は「コリメートされた光ビーム」は、一般に、光ビームの光線が、光ビーム(例えば、導波光112)内の所定の又は定義された角度広がりに実質的に限定される光のビームとして定義される。更に、本明細書の定義では、コリメートされた光ビームから発散又は散乱された光線は、コリメートされた光ビームの一部であるとは見なされない。更に、導波光112は、種々の実施形態において、コリメーション係数σに従って、又はコリメーション係数σを有するようにコリメートされ得る。
【0071】
一部の実施形態では、図3A図3Cに示されるデュアルビューゾーンバックライト100の指向性エミッタ120は、指向性散乱特徴部を含み得る。指向性エミッタ120の指向性散乱特徴部は、第1のバックライト領域100aに対応する導光体110の一部からの指向性放射光102として、導波光112の一部を導光体から散乱させるように構成される。特に、一部の実施形態では、指向性エミッタ120の指向性散乱特徴部は、第1のバックライト領域100aに対応する導光体110の一部に位置し得る。一部の実施形態では、指向性エミッタ120の指向性散乱特徴部は、第1のバックライト領域100aのみに限定され得る。言い換えれば、第1のバックライト領域100aは、指向性散乱特徴部を含む導光体110の一部とともに、指向性エミッタ120の指向性散乱特徴部を含み得る。
【0072】
(例えば、図3Cに示される)一部の実施形態では、指向性エミッタ120の指向性散乱特徴部は、複数の指向性散乱要素122(又は同等の指向性散乱体)を含む。複数の指向性散乱要素122は、第1のバックライト領域100aに対応する導光体部分の長さ方向に沿って互いに離間して配置され得る。種々の実施形態では、複数の指向性散乱要素の指向性散乱要素122は、導光体110から、指向性放射光102として導波光112の一部を散乱させるように構成される。更に、複数の指向性散乱要素122は、有限空間によって互いに分離され得、導光体長に沿った個々の別個の要素を表すことができる。特に、本明細書の定義では、複数の指向性散乱要素122は、有限の(すなわち、非ゼロの)要素間距離(例えば、有限の中心間距離)に従って、互いに離間して配置される。更に、一部の実施形態では、複数の指向性散乱要素122は、一般に、互いに交差、重複、又は別様で接触することはない。すなわち、複数の指向性散乱要素122の各々は、概して別個であり、複数の指向性散乱要素122のうちの他の要素から分離されている。
【0073】
種々の実施形態では、複数の指向性散乱要素122は、導光体110の表面(例えば、第1の表面110’又は第2の表面110’’)で、その上で、及びその中のうちの1又はそれ以上である種々の構成で配置され得る。例えば、指向性散乱要素122は、導光体表面全体にわたって(例えば、アレイとして)列及び行に配置されてもよい。別の例では、複数の指向性散乱要素122をグループに配置してもよく、グループを行及び列に配置してもよい。更に別の例では、複数の指向性散乱要素122は、例えば、図3Cに示すように、導光体110全体にランダムに分布されてもよい。
【0074】
種々の実施形態において、指向性散乱要素122は、指向性散乱を提供又は生成するように構成される種々の異なる構造又は特徴部のいずれかを含み得、これは、回折格子、微小反射散乱要素、及び微小屈折散乱要素、並びに指向性散乱特性を有するそれらの種々の組み合わせを含むが、これらに限定されない。一部の実施形態では、指向性エミッタ120(又はその指向性散乱要素122)の方向散乱特徴部は、角度保持散乱特徴部(又は要素)として構成され得る。一部の実施形態では、指向性エミッタ120(又はその指向性散乱要素122)の方向散乱特徴部は、片側散乱特徴部(又は片側散乱要素)として構成され得る。
【0075】
一部の実施形態では、図3A図3Cに示されるデュアルビューゾーンバックライト100の広角エミッタ130は、広角散乱特徴部を含み得る。広角エミッタ130の広角散乱特徴部は、第2のバックライト領域100bに対応する導光体110の一部から、広角放射光104として、導波光112の一部を導光体110から散乱させるように構成される。特に、一部の実施形態では、広角エミッタ130の広角散乱特徴部は、第2のバックライト領域100bに対応する導光体110の一部に位置し得る。一部の実施形態では、広角散乱特徴部は、第2のバックライト領域100bにのみ限定され得る。言い換えれば、第2のバックライト領域100bは、広角エミッタ130の広角散乱特徴部を含む導光体110の一部とともに広角散乱特徴部を含み得る。
【0076】
種々の実施形態では、広角エミッタ130の広角散乱特徴部は、広角放射光104を提供するように構成された実質的に任意の散乱特徴部を含み得る。一部の実施形態では、広角散乱特徴部は、例えば、図3Cに示すように、複数の指向性散乱要素132を含む。具体的には、広角エミッタ130の広角散乱特徴部は、第1のビューゾーンIの方向に導波光部分を散乱させるように構成された第1の複数の指向性散乱要素132’を含み得る。広角エミッタ130の広角散乱特徴部は、第2のビューゾーンIIの方向に導波光部分を散乱させるように構成された第2の複数の指向性散乱要素132’’を更に含み得る。種々の実施形態では、第1の複数の指向性散乱要素及び第2の複数の指向性散乱要素の両方の指向性散乱要素132’、132’’は、第2のバックライト領域100bに対応する導光体部分の長さ方向に沿って互いに離間して配置され得る。
【0077】
一部の実施形態では、第1及び第2の複数の指向性散乱要素のうちの一方又は両方の指向性散乱要素132は、第1のバックライト領域100aの指向性散乱要素122と同じであるか、又は実質的に類似し得る。したがって、第1又は第2の複数の指向性散乱要素の指向性散乱要素132は、散乱を提供するか、又は提供するように構成された種々の異なる構造又は特徴部のいずれかを含み得、これは、回折格子、微小反射散乱要素、及び微小屈折散乱要素、並びにそれらの種々の組み合わせを含むが、これらに限定されない。更に、広角エミッタ130(又はその第1及び第2の複数の指向性散乱要素132)の広角散乱特徴部は、角度保持散乱特徴部(又は複数の要素)として構成され得る。一部の実施形態では、広角エミッタ130(又はその第1及び第2の複数の指向性散乱要素132)の広角散乱特徴部は、片側散乱特徴部(又は片側散乱要素)として構成され得る。
【0078】
一部の実施形態では、第2のバックライト領域100bの第1の複数の指向性散乱要素及び第2の複数の指向性散乱要素の両方の指向性散乱要素132は、第2のバックライト領域100bに対応する導光体110の一部の長さ及び幅にわたってランダムに分布されている。種々の実施形態では、第1の複数の指向性散乱要素132’及び第2の複数の指向性散乱要素132’’は、組み合わされて、広角散乱方式で導波光の一部を散乱又は結合して、第1のビューゾーンI及び第2のビューゾーンIIの両方に方向付けられた広角放射光104を提供する。
【0079】
一部の実施形態では、デュアルビューゾーンバックライト100は、導光体110の表面に実質的に直交する方向にデュアルビューゾーンバックライト100に入射する光に対して、光学的に透明であり得る。特に、かかる光に対する指向性エミッタ120の指向性散乱特徴部及び広角エミッタ130の広角散乱特徴部の影響は、最小限であり得る。代わりに、種々の実施形態では、指向性散乱特徴部及び広角散乱特徴部は、非ゼロの伝搬角度で伝搬し、導光体110内からある角度で特徴部に入射する導波光と相互作用するように構成される。
【0080】
一部の実施形態では、指向性エミッタ120の指向性散乱特徴部及び広角エミッタ130の広角散乱特徴部のうちの一方又は両方は、複数のマルチビーム要素を含み得る。例えば、複数の指向性散乱要素の指向性散乱要素122、132は、マルチビーム要素であってもよく、又はマルチビーム要素を含んでもよい。複数のマルチビーム要素のうちのマルチビーム要素は、マルチビュー画像のビュー方向に対応する主角度方向を有する複数の指向性光ビームとして、導光体110からの光を散乱させるように構成される。種々の実施形態では、マルチビーム要素は、導波光112の一部を散乱させるように構成された複数の異なる構造のうちのいずれかを含み得る。例えば、当該異なる構造は、回折格子、微小反射要素、微小屈折要素、又はそれらの種々の組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。種々の実施形態では、回折格子を含むマルチビーム要素は、異なる主角度方向を有する複数の指向性光ビームとして、導波光部分を回折的に散乱させるように構成され、微小反射要素を含むマルチビーム要素は、導波光部分を複数の指向性光ビームとして反射的に散乱させるように構成され、微小屈折要素を含むマルチビーム要素は、屈折によって、又は屈折を使用して(すなわち、導波光部分を屈折的に結合して)、導波光部分を複数の指向性光ビームとして散乱させるように構成される。
【0081】
図5Aは、本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例におけるデュアルビューゾーンバックライト100の一部の断面図を示す。図5Bは、本明細書で説明する原理と一致する別の実施形態による、一例におけるデュアルビューゾーンバックライト100の一部の断面図を示す。特に、図5A図5Bは、導光体110及び一対の指向性散乱要素122を含む、デュアルビューゾーンバックライト100の一部を示している。指向性散乱要素122の各々は、片側散乱を提供するように構成された回折格子を含む。特に、図5Aの指向性散乱要素122は、それぞれ、傾斜回折格子を含み、一方、図5Bでは、指向性散乱要素122は、図示のように、反射性回折格子を含む。反射性回折格子は、例えば、回折格子及び反射性材料層を含んでもよい。
【0082】
図示のように、指向性散乱要素122の回折格子は、導波光112の片側散乱を提供して、指向性放射光102を提供する。したがって、図5A図5Bに示されるデュアルビューゾーンバックライト100の一部は、第1のバックライト領域100aの一部を表し得る。図示されていないが、一対の指向性散乱要素122は、代替として、広角放射光104を提供するように構成され得るため、デュアルビューゾーンバックライト100の図示された部分は、第2のバックライト領域100bの一部を等しく表し得る。例えば(図示せず)、一対のうちの第1の指向性散乱要素122は、導波光112の一部をビューゾーンIの方向に散乱させるように構成されてもよく、一対のうちの第2の散乱指向性要素122は、導波光112の別の一部を第2のビューゾーンIIに向けて散乱させるように構成されてもよい。
【0083】
一部の実施形態では、デュアルビューゾーンバックライト100は、導光体110の入力部に、コリメートされた光源140を更に含み得る。コリメートされた光源140は、導波光112として導かれるコリメートされた光を導光体110に提供するように構成される。一部の実施形態では、コリメートされた光源140は、光源とコリメータとを別々に含むことができ、コリメータは、光源と導光体110との間に配置される。コリメータは、光源によって生成された実質的にコリメートされていない光をコリメートして、コリメート光を提供するように構成することができる。コリメータは、コリメート光を導光体110に伝達するように更に構成することができる。コリメート光は、非ゼロ伝搬角度を有し得、一部の実施形態では、導波光112として導かれる導光体110に送達されるとき、所定のコリメーション係数σに従ってコリメートされ得る。
【0084】
一部の実施形態では、コリメートされた光源140は、テーパー状のコリメータを含み得る。図6は、本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例におけるコリメートされた光源140を含むデュアルビューゾーンバックライト100の一部の斜視図を示す。図示のように、デュアルビューゾーンバックライト100は、導光体110、第1のバックライト領域100a、及び第2のバックライト領域100bを含む。図示のデュアルビューゾーンバックライト100は、導光体110の縁部にコリメートされた光源140を更に含む。コリメートされた光源140は、テーパー状コリメータ142及び光エミッタ144を含む。次に、テーパー状コリメータ142は、図示のように、テーパー状導光体を含む。種々の実施形態では、光エミッタ144によって放射された光は、テーパー状コリメータ142によってコリメートされて、導光体110内にコリメートされた導波光を提供する。
【0085】
上述のように、一部の実施形態では、第1のバックライト領域100aの指向性エミッタ120及び第2のバックライト領域100bの広角エミッタ130のうちの一方又は両方が、アクティブ光エミッタを含む。図7Aは、本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、一例におけるデュアルビューゾーンバックライト100の断面図を示す。図7Bは、本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、別の例におけるデュアルビューゾーンバックライト100の断面図を示す。図7Cは、本明細書で説明する原理と一致する別の実施形態による、一例におけるデュアルビューゾーンバックライト100の斜視図を示す。特に、図7A、7B、及び7Cは、アクティブ光エミッタを含む、指向性エミッタ120及び広角エミッタ130の両方を備えたデュアルビューゾーンバックライト100を示している。更に、図7A図7Cは、図3A図3B及び4を参照して上述と実質的に同様の特性を有する指向性放射光102及び広角放射光104を示している。更に、図7A、7B、及び7Cに示すように、デュアルビューゾーンバックライト100は、指向性エミッタ120を含む第1のバックライト領域100a及び広角エミッタ130を含む第2のバックライト領域100b、並びに境界100’を含む。図7A図7Cはまた、一部の実施形態において、指向性エミッタ120及び広角エミッタ130のアクティブ光エミッタを支持し得、かつ相互接続し得る基板111を示している。
【0086】
図7A図7Cに示すように、第1のバックライト領域100a内の指向性エミッタ120は、指向性放射光102を提供するように構成された複数のアクティブ光エミッタを含む。図示のように、指向性エミッタ120のアクティブ光エミッタは、第1のバックライト領域100a全体にわたって互いに離間して配置されている。指向性エミッタ120内の複数のアクティブ光エミッタのうちの1つのアクティブ光エミッタ(an active optical emitter)は、図示のように、指向性放射光102を第1のビューゾーンIに提供するように構成される。
【0087】
更に、図7A図7Cに示すように、第2のバックライト領域100b内の広角エミッタ130は、広角放射光104を提供するように構成された複数のアクティブ光エミッタを含む。図示のように、複数のアクティブ光エミッタのうちのアクティブ光エミッタ(active optical emitters)は、第2のバックライト領域100b全体にわたって互いに離間して配置されている。広角エミッタ130内の複数のアクティブ光エミッタのうちのアクティブ光エミッタ(the active optical emitter)は、広角放射光104を第1のビューゾーンI及び第2のビューゾーンIIの両方に提供するように構成される。
【0088】
一部の実施形態では、指向性エミッタ120及び広角エミッタ130のうちの一方又は両方のアクティブ光エミッタは、マイクロ発光ダイオード(マイクロLED又はμLED)を含み得る。本明細書では、μLEDは、微視的発光ダイオード(LED)、すなわち、微視的寸法を有するLEDとして定義される。一部の実施形態では、μLEDは、複数のμLEDを含み得る。一部の実施形態では、アクティブエミッタは、有機発光ダイオード(OLED)を含み得る。本明細書で定義されるように、OLEDは、電流又は同様の電気刺激に応答して光を放射するように構成された有機化合物を含む発光エレクトロルミネセンスフィルム又は層を有するエミッタである。他の実施形態では、LED、高輝度LED、及び量子ドットLEDなどであるがこれらに限定されない、別のタイプの光エミッタをアクティブ光エミッタとして使用することができる。一部の実施形態では、アクティブ光エミッタ(例えば、LED、μLED、OLEDなど)は、マルチビーム要素であり得る。特に、アクティブ光エミッタのサイズは、アクティブ光エミッタによって放射される光を変調するために使用されるライトバルブのサイズの半分から2倍の間であり得る。
【0089】
一部の実施形態では、指向性エミッタ120及び広角エミッタ130のうちの一方又は両方のアクティブ光エミッタは、特定の色を有する実質的に単色である光を提供するように構成され得る(すなわち、光は、特定の波長の光を含み得る)。他の実施形態では、アクティブ光エミッタは、複数の波長またはある範囲の波長を含む、白色光などであるがこれらに限定されない多色光を提供するように構成され得る。例えば、アクティブ光エミッタは、赤色光、緑色光、青色光、又はそれらの組み合わせのうちの1又はそれ以上を提供するように構成されてもよい。別の例では、アクティブ光エミッタは、実質的に白色光である光を提供するように構成されてもよい(すなわち、アクティブ光エミッタは、白色μLED又は白色OLEDであってもよい)。一部の実施形態において、アクティブ光エミッタは、マイクロレンズ、回折格子、あるいは1又はそれ以上の(例えば、コリメーション係数による)コリメーション、偏光制御、及びアクティブ光エミッタによって放射される光の方向を提供するように構成された別の光学フィルム又は構成要素を含み得る。例えば、マイクロレンズ、回折格子、又は他の光学フィルムは、アクティブ光エミッタによって放射される光の方向を制御するため(例えば、指向性放射光102を提供するため)に使用されてもよい。一部の実施形態では、指向性エミッタ120及び広角エミッタ130のうちの一方又は両方のアクティブ光エミッタは、独立して制御し、アクティブ化し、又は一方若しくは両方に電力を供給して、局所調光を提供し、モードを切り替えることができる。
【0090】
一部の実施形態では、アクティブ光エミッタは、例えば、図示のように、基板150によって支持され得る。更に、上述のパッシブ光エミッタと同様に、第1のバックライト領域100a及び第2のバックライト領域100bのうちの一方又は両方のアクティブ光エミッタは、1D又は2Dアレイとして配置され得る。
【0091】
一部の実施形態(図示せず)では、広角エミッタ130は、第1のビューゾーンIの方向に放射された光を提供するように構成された第1の複数の指向性アクティブ光エミッタを含み得る。これらの実施形態の一部では、広角エミッタ130は、第2のビューゾーンIIの方向に放射された光を提供するように構成された第2の複数の指向性アクティブ光エミッタを更に含み得る。第1の複数の指向性アクティブ光エミッタ及び第2の複数のアクティブ光エミッタの両方の指向性アクティブ光エミッタは、第2のバックライト領域100b全体にわたって互いに離間して配置され得る。例えば、第1及び第2の複数のアクティブ光エミッタのうちの指向性アクティブ光エミッタ(the directional active optical emitters)は、図3Cに関して上述した、第1の複数の指向性散乱要素及び第2の複数の指向性散乱要素の両方の指向性散乱要素132’、132’’と実質的に同様に、第2のバックライト領域100b内に配置されてもよい。同様に、一部の実施形態では、第1及び第2の複数の指向性アクティブ光エミッタのうちの一方又は両方の指向性光エミッタは、第1のバックライト領域100aの指向性アクティブ光エミッタと同じであるか、又は実質的に類似し得る。更に、種々の実施形態では、第1の複数の指向性アクティブ光エミッタからの放射光と第2の複数の指向性アクティブ光エミッタからの放射光との組み合わせにより、広角エミッタ130の広角放射光104を表すことができる。
【0092】
本明細書で説明する原理の他の実施形態では、デュアルモードディスプレイが提供される。種々の実施形態では、デュアルモードディスプレイは、デュアルバックライト構成を使用して、デュアルモードの動作を提供する。特に、デュアルモードディスプレイは、デュアルバックライトディスプレイ構成内でデュアルビューゾーンバックライトと広角バックライトとを組み合わせて、同じスクリーン上の2つの別々の画像を含む第1のモードと、スクリーン全体を占める単一の画像を含む第2のモードとを提供する。更に、一部の実施形態では、2つの別個の画像のうちの第1の画像は、スクリーン全体を占めるように表示されてもよく、一方、2つの別個の画像のうちの第2の画像は、スクリーンの一部にのみ表示されてもよい。デュアルモードディスプレイは、例えば、車両(例えば、自動車)にダッシュボードディスプレイとして使用されてもよい。第1のモード、例えば、乗客娯楽モードの間、運転手及び乗客の各々に対してデュアルビューゾーンバックライトを使用して、異なる画像が投影され得る。乗客は、投影された画像を、スクリーン全体を占めるように見ることができ、同時に、運転手は、例えば、スクリーンの一部を占める別の画像を見ることができる。第2のモード、例えば、フルディスプレイモードの間は、同じ画像が運転手と同乗者の両方に投影され得る。
【0093】
図8Aは、本明細書で説明する原理と一致する別の実施形態による、一例におけるデュアルモードディスプレイ200の断面図を示す。図8Bは、本明細書で説明する原理と一致する実施形態による、別の例におけるデュアルモードディスプレイ200の断面図を示す。特に、図8Aは、例えば、第1のモード(モード1)中のデュアルモードディスプレイ200を表すことができ、図8Bは、第2のモード(モード2)中のデュアルモードディスプレイ200を表すことができる。
【0094】
図8A及び8Bに示すように、デュアルモードディスプレイ200は、デュアルビューゾーンバックライト210を含む。デュアルビューゾーンバックライト210は、第1のモード(モード1)中に光を放射するように構成される。特に、デュアルビューゾーンバックライト210は、第1のモード(モード1)中に、指向性放射光202として、デュアルビューゾーンバックライト210の第1のバックライト領域210aから第1のビューゾーンIに向けて光を放射するように構成される。更に、デュアルビューゾーンバックライト210は、第1のモード(モード1)中に第2のバックライト領域210bから第1のビューゾーンI及び第2のビューゾーンIIの両方に向けて広角放射光204として光を放射するように構成される。一部の実施形態では、デュアルビューゾーンバックライト210は、前述のデュアルビューゾーンバックライト100と実質的に同様であり得る。したがって、デュアルビューゾーンバックライト210は、第1のバックライト領域210a内の指向性エミッタ214と、第2のバックライト領域210b内の広角エミッタ216と、を含む。同様に、指向性エミッタ214、広角エミッタ216、第1のバックライト領域210a、及び第2のバックライト領域210bは、上述の指向性エミッタ120、広角エミッタ130、第1のバックライト領域100a、及び第2のバックライト領域100bとそれぞれ実質的に同様であり得る。図8Aは、第1のモード(モード1)中に指向性放射光202及び広角放射光204の両方を提供するデュアルビューゾーンバックライト210を示しており、指向性放射光202及び広角放射光204の各々が破線で描かれている。
【0095】
デュアルモードディスプレイ200は、デュアルビューゾーンバックライト210に隣接する広角バックライト220を更に含む。図8A及び8Bに示すように、広角バックライト220は、デュアルビューゾーンバックライト210の下に位置しており、狭ギャップによってそこから分離されている。更に、広角バックライト220の上面(すなわち、光放射面)は、図示のように、デュアルビューゾーンバックライト210の底面(すなわち、光受容面)に実質的に平行である。種々の実施形態では、広角バックライト220は、デュアルモードディスプレイ200の第2のモード(モード2)中に光を放射するように構成される。更に、広角バックライト220によって放射された光は、デュアルビューゾーンバックライト210を通して、広角放射光204として、第1のビューゾーンI及び第2のビューゾーンIIの両方に向けて放射される。特に、広角バックライト220からの広角放射光204は、広角バックライト220の上面から、デュアルビューゾーンバックライト210の底面に向かって放射される。広角放射光204は、図示のように、デュアルビューゾーンバックライト210の厚みを通って伝搬して、デュアルビューゾーンバックライト210の上面から出て、第1のビューゾーンI及び第2のビューゾーンIIの両方に向かう。
【0096】
デュアルモードディスプレイ200は、ライトバルブ230のアレイを更に含む。ライトバルブ230のアレイは、デュアルビューゾーンバックライト210及び広角バックライト220によって放射された光を変調して表示画像を提供するように構成される。特に、ライトバルブ230のアレイは、第1のモード中にデュアルビューゾーンバックライト210からの指向性放射光202及び広角放射光204の両方を変調し、第2のモード中に広角バックライト220からの広角放射光204を変調するように構成される。種々の実施形態において、バルブのアレイのライトバルブ230として、異なるタイプのライトバルブを使用することができ、これには、液晶ライトバルブ、電気泳動ライトバルブ、及びエレクトロウェッティングに基づくライトバルブのうちの1又はそれ以上が含まれるが、これらに限定されない。
【0097】
種々の実施形態において、第1のモードの間、デュアルモードディスプレイ200は、第1のビューゾーンIで排他的に可視である第1の画像と、第2のビューゾーンIIで排他的に可視である第2の画像とを含む表示画像を提供するように構成される。一部の実施形態では、第1のビューゾーンIで可視である第1の画像は、デュアルモードディスプレイ200の表面全体を占めるか、又は全体にわたって延在するように表示され得る。更に、一部の実施形態では、第2のビューゾーンIIで可視である第2の画像は、第2のバックライト領域210bに対応するデュアルモードディスプレイ200の表面の一部のみを占めるか、又は全体にわたって延在するように表示され得る。デュアルモードディスプレイ面の残りの部分は、第1のモード中に第2のビューゾーンII内で見るか、又は第2のビューゾーンIIから見ると、暗くなる場合がある。
【0098】
種々の実施形態において、第2のモードの間、デュアルモードディスプレイ200は、第1のビューゾーンI及び第2のビューゾーンIIの両方で可視である表示画像を提供するように構成される。更に、同じ表示画像が、第2のモードの間、第1及び第2のビューゾーンI、IIの両方に提供される。更に、第2のモードの間、デュアルビューゾーンバックライト210は非アクティブであり、放射光を提供しない。代わりに、表示画像として変調される放射光は、広角放射光204として広角バックライト220によって提供される。
【0099】
上述のように、一部の実施形態では、デュアルビューゾーンバックライト210は、上述のデュアルビューゾーンバックライト100と実質的に同様であり得る。特に、指向性エミッタ214及び広角エミッタ216のうちの一方又は両方がパッシブ光エミッタを含む場合、デュアルビューゾーンバックライト210は、光を導波光として導くように構成された導光体212を含み得る。種々の実施形態では、導光体212は、全内部反射を使用して導波光を導くように構成され得る。更に、導波光は、導光体212による非ゼロ伝搬角度、又は導光体212内の非ゼロ伝搬角度のうちの一方又は両方で導くことができる。一部の実施形態では、導光体212は、上述のデュアルビューゾーンバックライト100の導光体110と実質的に同様であり得る。一部の実施形態では、導波光は、コリメートされ得るか、又はコリメーション係数を有するコリメートされた光ビームであり得る。あるいは、指向性エミッタ214及び広角エミッタ216のうちの一方又は両方がアクティブ光エミッタを含む場合、デュアルビューゾーンバックライト210は、第2のモード(モード2)中に広角バックライト220によって放射された広角放射光204に対して透明であるように構成された透明基板212’を含み得る。
【0100】
パッシブ光エミッタが使用される一部の実施形態では、デュアルビューゾーンバックライト210の指向性エミッタ214は、第1のバックライト領域210aに対応する導光体212の一部の長さ方向に沿って互いに離間して配置された複数の指向性散乱要素を更に含み得る。指向性エミッタ214の複数の指向性散乱要素のうちの指向性散乱要素(a directional scattering element)は、導光体212から、導波光の一部を指向性放射光202として散乱させるように構成することができる。更に、複数の指向性散乱要素のうちの各指向性散乱要素は、概して別個であり、複数の指向性散乱要素のうちの他の要素(the other ones)から分離され得る。種々の実施形態では、複数の指向性散乱要素は、導光体212の表面(例えば、第1の表面又は第2の表面)で、その上で、及びその中のうちの1又はそれ以上である種々の構成で配置され得る。一部の実施形態では、指向性エミッタ214の指向性散乱要素は、デュアルビューゾーンバックライト100に関して上述した指向性エミッタ120の指向性散乱特徴部の指向性散乱要素122と実質的に同様であり得る。
【0101】
更に、パッシブ光エミッタが使用される一部の実施形態では、デュアルビューゾーンバックライト210の広角エミッタ216は、第2のバックライト領域210bに対応する導光体212の一部の長さ方向に沿って分布された広角散乱特徴部を含み得る。広角エミッタ216の広角散乱特徴部は、広角放射光204として、導波光の一部を導光体212から散乱させるように構成される。一部の実施形態では、広角エミッタ216の広角散乱特徴部は、広角放射光204として光を協調的に散乱させるように構成された複数の異なる指向性散乱体を含み得る。具体的には、広角エミッタ216の広角散乱特徴部は、第1のビューゾーンIの方向に導波光部分を散乱させるように構成された第1の複数の指向性散乱要素と、第2のビューゾーンIIの方向に導波光部分を散乱させるように構成された第2の複数の指向性散乱要素と、を含み得る。第1又は第2の複数の指向性散乱要素のうちの指向性散乱要素(a directional scattering element)は、例えば、指向性エミッタ214の指向性散乱要素と同じであるか、又は実質的に類似していてもよい。
【0102】
一部の実施形態では、指向性散乱要素は、回折格子、微小反射要素、及び微小屈折要素のうちの1又はそれ以上を含み得る。一部の実施形態では、指向性散乱要素は、角度保持散乱要素及び一方向散乱要素のうちの一方又は両方として構成され得る。角度保持散乱は、例えば、指向性放射光202に導波光部分のコリメーション係数を保持するように構成することができる。すなわち、角度保持散乱は、指向性放射光202において指向性散乱要素に入射する光の角度広がりを保持するように構成される。
【0103】
一部の実施形態では、複数の指向性散乱要素は、マルチビュー画像のビュー方向に対応する主角度方向を有する指向性光ビームとして指向性放射光202を提供するように構成された複数のマルチビーム要素を含む。これらの実施形態では、第1のモード中に第1のビューゾーンで可視である表示画像は、マルチビュー画像を含み得る。一部の実施形態では、複数のマルチビーム要素は、上述のデュアルビューゾーンバックライト100のマルチビーム要素と実質的に同様である。
【0104】
あるいは、上述のように、指向性エミッタ214及び広角エミッタ216のうちの一方又は両方がアクティブ光エミッタを含む場合、デュアルビューゾーンバックライト210は、第2のモード(モード2)中に広角バックライト220によって放射された広角放射光204に対して透明であるように構成された透明基板212’を含み得る。
【0105】
アクティブ光エミッタが使用される一部の実施形態では、デュアルビューゾーンバックライト210の指向性エミッタ214は、第1のバックライト領域210aに対応する透明基板212’の一部の長さ方向に沿って互いに離間して配置された複数の指向性アクティブ光エミッタを更に含む。種々の実施形態では、複数の指向性アクティブ光エミッタのうちの1つの指向性アクティブ光エミッタ(a directional active optical emitter)は、第1のモード(モード1)中に指向性放射光202として光を放射するように構成される。一部の実施形態では、指向性エミッタ214の指向性アクティブ光エミッタは、図7A図7Bを参照して上述のデュアルビューゾーンバックライト100の指向性エミッタ120のアクティブ光エミッタと実質的に同様であり得る。
【0106】
更に、アクティブ光エミッタが使用される一部の実施形態では、デュアルビューゾーンバックライト210の広角エミッタ216は、第2のバックライト領域210bに対応する透明基板212’の一部の長さ方向に沿って互いに離間して配置された複数の広角アクティブ光エミッタを更に含む。種々の実施形態では、複数の広角アクティブ光エミッタのうちの1つの広角アクティブ光エミッタ(a broad-angle active optical emitter)は、第1のモード(モード1)中に広角放射光204として光を放射するように構成される。一部の実施形態では、広角エミッタ216の広角アクティブ光エミッタは、図7A図7Bを参照して上述のデュアルビューゾーンバックライト100の広角エミッタ130のアクティブ光エミッタと実質的に同様であり得る。
【0107】
本明細書で説明する原理の他の実施形態では、デュアルビューゾーンバックライトの操作方法300が説明される。図9は、本明細書の原理と一致する実施形態による、一例におけるデュアルビューゾーンバックライトの操作方法300のフローチャートを示す。図9に示すように、デュアルビューゾーンバックライトの操作方法300は、指向性エミッタを含む第1のバックライト領域を用いて、指向性放射光を第1のビューゾーンに向けて放射する工程(310)を含む。一部の実施形態では、第1のビューゾーンに向けて放射(310)される指向性放射光は、デュアルビューゾーンバックライト100に関して上述した指向性放射光102と実質的に同様であり得る。更に、一部の実施形態では、第1のバックライト領域及び指向性エミッタは、同じく上述のデュアルビューゾーンバックライト100の第1のバックライト領域100a及び指向性エミッタ120にそれぞれ実質的に類似し得る。
【0108】
図9に示されるデュアルビューゾーンバックライトの操作方法300は、第1のビューゾーン及び第2のビューゾーンに向けて広角放射光を放射する工程(320)を更に含む。種々の実施形態では、広角放射光を放射する工程(320)は、広角エミッタを含む第2のバックライト領域を用いるものであり、ここで、第2のバックライト領域は、第1のバックライト領域に隣接している。更に、第1のビューゾーンのビューイング範囲は、第2のビューゾーンのビューイング範囲のビューイング角及びビューイング方向とは、ビューイング角及び方向の両方が異なる。一部の実施形態では、第1及び第2のビューゾーンの両方に向けて放射(320)される広角放射光は、デュアルビューゾーンバックライト100に関して上述の広角放射光104と実質的に同様であり得る。更に、一部の実施形態では、第2のバックライト領域及び広角エミッタは、同じく上述のデュアルビューゾーンバックライト100の第2のバックライト領域100b及び広角エミッタ130にそれぞれ実質的に類似し得る。
【0109】
一部の実施形態(図示せず)では、デュアルビューゾーンバックライトの操作方法300は、導波光として導光体内の光を導く工程を更に含み、第1及び第2のバックライト領域は、導光体の隣接部分を含む。種々の実施形態では、導光体は、全内部反射を使用して導波光を導くように構成され得る。一部の実施形態では、導波光は、コリメートされ得るか、又はコリメートされた光ビームであり得る。導光体は、一部の実施形態では、上述のデュアルビューゾーンバックライト100の導光体110と実質的に同様であり得る。
【0110】
一部の実施形態(図示せず)では、デュアルビューゾーンバックライトの操作方法300は、第1のバックライト領域に対応する導光体の一部に沿って位置する指向性エミッタの指向性散乱特徴部を使用して、導波光の一部を指向性放射光として散乱させる工程を更に含み得る。一部の実施形態では、指向性散乱特徴部は、デュアルビューゾーンバックライト100に関して上述した指向性エミッタ120の指向性散乱特徴部と実質的に同様であり得る。例えば、指向性散乱特徴部は、複数の指向性散乱要素(又は同等の指向性散乱体)を含んでもよい。複数の指向性散乱要素のうちの指向性散乱要素(the directional acattering elements)は、第1のバックライト領域に対応する導光体部分の長さ方向に沿って互いに離間して配置されてもよい。複数の指向性散乱要素は、指向性放射光として導波光の一部を導光体から散乱させるように構成される。
【0111】
一部の実施形態(図示せず)では、デュアルビューゾーンバックライトの操作方法300は、第2のバックライト領域に対応する導光体の一部に沿って位置する広角エミッタの広角散乱特徴部を使用して、導波光の一部を広角放射光として散乱させる工程を更に含み得る。一部の実施形態では、広角散乱特徴部は、デュアルビューゾーンバックライト100に関して上述した広角エミッタ130の広角散乱特徴部と実質的に同様であり得る。例えば、広角散乱特徴部は、複数の指向性散乱体を含んでもよい。具体的には、広角散乱特徴部は、第1のビューゾーンの方向に導波光部分を散乱させるように構成された第1の複数の指向性散乱要素を含み得る。更に、広角散乱特徴部は、第2のビューゾーンの方向に導波光部分を散乱させるように構成された第2の複数の指向性散乱要素を含み得る。
【0112】
一部の実施形態では、指向性散乱特徴部及び広角散乱特徴部のうちの一方又は両方の指向性散乱要素は、回折格子、微小反射要素、及び微小屈折要素のうちの1又はそれ以上を含み得る。一部の実施形態では、互いに離間して配置された指向性散乱要素は、角度保持散乱要素及び一方向散乱要素のうちの一方又は両方として構成され得る。
【0113】
一部の実施形態では、指向性エミッタ及び広角エミッタのうちの一方又は両方は、複数のアクティブ光エミッタを含む。特に、指向性エミッタの複数のアクティブ光エミッタは、第1のバックライト領域210a全体にわたって互いに離間して配置された指向性アクティブ光エミッタを含み得る。更に、広角エミッタの複数のアクティブ光エミッタは、第2のバックライト領域210b全体にわたって互いに離間して配置された広角アクティブ光エミッタを含み得る。
【0114】
一部の実施形態(図示せず)では、デュアルビューゾーンバックライトの操作方法300は、デュアルビューゾーンバックライトの表面に隣接する第2のバックライトを使用して光を提供する工程を更に含む。一部の実施形態では、第2のバックライトは、デュアルモードディスプレイ200に関して前述した広角バックライト220と実質的に同様の広角バックライトであり得る。したがって、第2のバックライトは、広角光を放射するように構成され得る。これらの実施形態では、デュアルビューゾーンバックライトの操作方法300は、第2のバックライトからの光を、ある厚さのデュアルビューゾーンバックライトを通して送信する工程を更に含み得る。種々の実施形態において、デュアルビューゾーンバックライトは、第2のバックライトから放射される光に対して光学的に透明である。デュアルビューゾーンバックライトの操作方法は、第2のバックライトから第1及び第2のビューゾーンに向けて光を放射光として放射する工程を更に含む。第2のバックライトから放射された光の広い円錐角により、放射光は、第1のビューゾーン及び第2のビューゾーンの両方から見ることができる。デュアルモードディスプレイに関して前述したように、指向性放射光及び広角放射光の両方が第1のモード中に放射され得るが、一方で、第2のバックライトは第2のモード中に光を提供する。
【0115】
一部の実施形態では、デュアルビューゾーンバックライトの操作方法300は、表示画像を提供するために、ライトバルブのアレイを使用して、指向性放射光及び広角放射光を変調する工程(330)を更に含む。特に、第1の表示画像は、第1のビューゾーンに提供され、第2の表示画像は、変調(330)することによって第2のビューゾーンに提供される。一部の実施形態では、ライトバルブのアレイは、上述のデュアルモードディスプレイ200のライトバルブ230のアレイと実質的に同様であってもよい。例えば、バルブのアレイのライトバルブとして、異なるタイプのライトバルブを使用することができ、これには、液晶ライトバルブ、電気泳動ライトバルブ、及びエレクトロウェッティングに基づくライトバルブのうちの1又はそれ以上が含まれるが、これらに限定されない。
【0116】
このように、デュアルビューゾーンバックライト、デュアルモードディスプレイ、並びに指向性エミッタを含む第1のバックライト領域と広角エミッタを含む第2のバックライト領域とを使用して、放射光を一対のビューゾーンに提供するデュアルビューゾーンバックライトの操作方法の例及び実施形態が説明された。上述の例は、本明細書で説明する原理を表す多くの特定の例の一部を単に例示するものであることを理解されたい。当業者は明らかに、以下の特許請求の範囲によって定義される範囲から逸脱することなく、多数の他の構成を容易に考案することができる。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9
【手続補正書】
【提出日】2021-09-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本開示は、以下の[1]から[20]を含む。
[1]第1のビューゾーンに向けて指向性放射光を放射するように構成された指向性エミッタを含む第1のバックライト領域と、
上記第1のビューゾーン及び第2のビューゾーンの両方に向けて広角放射光を放射するように構成された広角エミッタを含む第2のバックライト領域であって、上記第2のバックライト領域が、上記第1のバックライト領域に隣接している、第2のバックライト領域と、を含み、
上記第1のビューゾーンのビューイング範囲が、上記第2のビューゾーンのビューイング範囲の方向とは異なる方向を有し、上記第1のビューゾーンの上記ビューイング範囲及び上記第2のビューゾーンのビューイング範囲が、角度空間において相互に排他的である、デュアルビューゾーンバックライト。
[2]上記指向性エミッタが、上記第1のバックライト領域全体にわたって互いに離間して配置された複数のアクティブ光エミッタを含み、上記複数のアクティブ光エミッタのうちのアクティブ光エミッタ(an active optical emitter)が、上記指向性放射光を上記第1のビューゾーンに提供するように構成されている、上記[1]に記載のデュアルビューゾーンバックライト。
[3]上記第1のバックライト領域内の上記指向性エミッタの上記複数のアクティブ光エミッタのうちの上記アクティブ光エミッタが、実質的に上記第1のビューゾーンに限定された角度方向に指向性放射光を提供するように構成された発光ダイオードを含む、上記[2]に記載のデュアルビューゾーンバックライト。
[4]上記広角エミッタが、上記第2のバックライト領域全体にわたって互いに離間して配置された複数のアクティブ光エミッタを含み、上記複数のアクティブ光エミッタのうちのアクティブ光エミッタ(an active optical emitter)が、上記広角放射光を上記第1及び第2のビューゾーンの両方に提供するように構成されている、上記[1]に記載のデュアルビューゾーンバックライト。
[5]上記第2のバックライト領域内の上記広角エミッタの上記複数のアクティブ光エミッタのうちの上記アクティブ光エミッタが、発光ダイオードを含む、上記[4]に記載のデュアルビューゾーンバックライト。
[6]上記広角エミッタが、
上記第1のビューゾーンの上記方向に放射光を提供するように構成された第1の複数の指向性アクティブ光エミッタと、
上記第2のビューゾーンの上記方向に放射光を提供するように構成された第2の複数の指向性アクティブ光エミッタと、を含み、
上記第1の複数の指向性アクティブ光エミッタ及び上記第2の複数の指向性アクティブ光エミッタの両方の指向性アクティブ光エミッタが、上記第2のバックライト領域全体にわたって互いに離間して配置され、上記第1の複数の指向性アクティブ光エミッタからの上記放射光と上記第2の複数の指向性アクティブ光エミッタからの上記放射光との組み合わせが、上記広角エミッタの上記広角放射光を表している、上記[4]に記載のデュアルビューゾーンバックライト。
[7]上記[1]に記載のデュアルビューゾーンバックライトを含む電子ディスプレイであって、上記電子ディスプレイが、上記指向性放射光及び上記広角放射光の両方を表示画像として変調するように構成されたライトバルブのアレイを更に含み、上記表示画像が、上記第1及び第2のビューゾーンに提供されている、電子ディスプレイ。
[8]上記第1のビューゾーンに提供される上記表示画像が、上記第2のビューゾーンに提供される上記表示画像とは異なる、上記[7]に記載の電子ディスプレイ。
[9]上記[1]に記載のデュアルビューゾーンバックライトを含むデュアルモードバックライトであって、上記デュアルモードバックライトが、上記デュアルビューゾーンバックライトに隣接し、上記デュアルビューゾーンバックライトに向けて光を放射するように構成された第2のバックライトを更に含み、
上記デュアルビューゾーンバックライトが、上記第2のバックライトから放射された上記光に対して光学的に透明であり、上記デュアルビューゾーンバックライトが、第1のモード中に上記指向性放射光及び上記広角放射光の両方を放射するように構成され、上記第2のバックライトが、第2のモード中に上記デュアルビューゾーンバックライトに向けて上記光を放射するように構成されている、デュアルモードバックライト。
[10]第1のモード中に光を放射するように構成されたデュアルビューゾーンバックライトであって、上記デュアルビューゾーンバックライトが、第1のバックライト領域内の指向性エミッタ及び第2のバックライト領域内の広角エミッタを含み、上記指向性エミッタが、上記第1のバックライト領域から第1のビューゾーンに向けて指向性放射光として光を放射するように構成され、上記広角エミッタが、上記第2のバックライト領域から上記第1のビューゾーン及び第2のビューゾーンの両方に向けて広角放射光として光を放射するように構成されている、デュアルビューゾーンバックライトと、
上記デュアルビューゾーンバックライトに隣接し、第2のモード中に光を放射するように構成された広角バックライトであって、上記光が、上記デュアルビューゾーンバックライトを通して、広角光として上記第1及び第2のビューゾーンの両方に向けて放射される、広角バックライトと、
上記デュアルビューゾーンバックライト及び上記広角バックライトから放射された上記光を変調して表示画像を提供するように構成されたライトバルブのアレイと、を含む、デュアルモードディスプレイ。
[11]上記第1のモードの間、上記デュアルモードディスプレイが、上記第1のビューゾーンで排他的に可視である第1の画像と、上記第2のビューゾーンで排他的に可視である第2の画像と、を含む上記表示画像を提供するように構成され、上記第2のモードの間、上記デュアルモードディスプレイが、上記第1及び第2のビューゾーンの両方で可視である上記表示画像を提供するように構成されている、上記[10]に記載のデュアルモードディスプレイ。
[12]上記デュアルビューゾーンバックライトが、
上記第2のモード中に上記広角バックライトによって放射された広角光に対して透明であるように構成された透明基板と、
上記指向性エミッタとしての上記第1のバックライト領域に対応する上記透明基板の一部の長さ方向に沿って互いに離間して配置された複数の指向性アクティブ光エミッタであって、上記複数の指向性アクティブ光エミッタのうちの指向性アクティブ光エミッタ(a directional active optical emitter)が、上記指向性放射光として光を放射するように構成されている、複数の指向性アクティブ光エミッタと、
上記広角エミッタとしての上記第2のバックライト領域に対応する上記透明基板の一部の長さ方向に沿って分布する複数の広角アクティブ光エミッタであって、上記複数の広角アクティブ光エミッタのうちの広角アクティブ光エミッタ(a broad-angle active optical emitter)が、上記広角放射光として光を放射するように構成されている、複数の広角アクティブ光エミッタと、を含む、上記[10]に記載のデュアルモードディスプレイ。
[13]上記第1のバックライト領域内の上記複数の指向性エミッタアクティブ光エミッタのうちの上記指向性アクティブ光エミッタ及び上記第2のバックライト領域内の上記広角アクティブ光エミッタのうちの一方又は両方が、発光ダイオードを含み、上記指向性アクティブ光エミッタの上記発光ダイオードが、実質的に上記第1のビューゾーンに限定された角度方向に指向性放射光を提供するように構成されている、上記[12]に記載のデュアルモードディスプレイ。
[14]上記デュアルビューゾーンバックライトが、マルチビュー画像のビュー方向に対応する主角度方向を有する指向性光ビームとして上記指向性放射光を提供するように構成された複数のマルチビーム要素を含み、上記第1のモードの間、上記第1のビューゾーンで可視である上記表示画像が、上記マルチビュー画像である、上記[10]に記載のデュアルモードディスプレイ。
[15]上記指向性エミッタの上記マルチビーム要素が、上記ライトバルブのアレイのうちのライトバルブ(a light valve)のサイズの半分から2倍の間のサイズを有する指向性アクティブ光エミッタを含む、上記[14]に記載のデュアルモードディスプレイ。
[16]デュアルビューゾーンバックライトの操作方法であって、上記方法が、
指向性エミッタを含む第1のバックライト領域を用いて、第1のビューゾーンに向けて指向性放射光を放射する工程と、
広角エミッタを含む第2のバックライト領域を用いて、上記第1のビューゾーン及び第2のビューゾーンの両方に向けて広角放射光を放射する工程であって、上記第2のバックライト領域が、上記第1のバックライト領域に隣接している、工程と、を含み、
上記第1のビューゾーンのビューイング範囲が、上記第2のビューゾーンのビューイング角及びビューイング範囲の方向とはビューイング角及び方向の両方が異なる、方法。
[17]上記指向性エミッタ及び上記広角エミッタのうちの一方又は両方が、複数のアクティブ光エミッタを含む、上記[16]に記載のデュアルビューゾーンバックライトの操作方法。
[18]上記指向性エミッタの上記複数のアクティブ光エミッタが、上記第1のバックライト領域全体にわたって互いに離間して配置された指向性アクティブ光エミッタを含み、上記広角エミッタの上記複数のアクティブ光エミッタが、上記第2のバックライト領域全体にわたって互いに離間して配置された広角アクティブ光エミッタを含む、上記[17]に記載のデュアルビューゾーンバックライトの操作方法。
[19]上記デュアルビューゾーンバックライトの表面に隣接する第2のバックライトを使用して光を提供する工程と、
上記デュアルsバックライトの厚みを介して上記第2のバックライトからの上記光を送信する工程と、
上記光を、上記第2のバックライトから上記第1及び第2のビューゾーンに向けて放射された光として放射する工程と、を更に含み、
上記指向性放射光及び上記広角放射光の両方が、第1のモード中に放射され、上記第2のバックライトが、第2のモード中に光を提供する、上記[16]に記載のデュアルビューゾーンバックライトの操作方法。
[20]ライトバルブのアレイを使用して上記指向性放射光及び上記広角放射光を変調して、上記第1のビューゾーン内の第1の表示画像及び上記第2のビューゾーン内の第2の表示画像を提供する工程を更に含む、上記[16]に記載のデュアルビューゾーンバックライトの操作方法。
本明細書で説明する原理による例及び実施形態の種々の特徴は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照するとより容易に理解することができ、同様の参照番号は同様の構造要素を示す。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0077】
一部の実施形態では、第1及び第2の複数の指向性散乱要素のうちの一方又は両方の指向性散乱要素132は、第1のバックライト領域100aの指向性散乱要素122と同じであるか、又は実質的に類似し得る。したがって、第1又は第2の複数の指向性散乱要素132’、132’’の指向性散乱要素132は、散乱を提供するか、又は提供するように構成された種々の異なる構造又は特徴部のいずれかを含み得、これは、回折格子、微小反射散乱要素、及び微小屈折散乱要素、並びにそれらの種々の組み合わせを含むが、これらに限定されない。更に、広角エミッタ130(又はその第1及び第2の複数の指向性散乱要素132’、132’’)の広角散乱特徴部は、角度保持散乱特徴部(又は複数の要素)として構成され得る。一部の実施形態では、広角エミッタ130(又はその第1及び第2の複数の指向性散乱要素132’、132’’)の広角散乱特徴部は、片側散乱特徴部(又は片側散乱要素)として構成され得る。
【国際調査報告】