(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-17
(54)【発明の名称】地中にパイプを設置するための装置、方法及び掘削リグ
(51)【国際特許分類】
E21B 19/08 20060101AFI20220510BHJP
【FI】
E21B19/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021556504
(86)(22)【出願日】2020-03-11
(85)【翻訳文提出日】2021-11-17
(86)【国際出願番号】 SE2020050263
(87)【国際公開番号】W WO2020190196
(87)【国際公開日】2020-09-24
(32)【優先日】2019-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】398056193
【氏名又は名称】エピロック ロック ドリルス アクチボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100194113
【氏名又は名称】八木田 智
(72)【発明者】
【氏名】オルソン,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】エケファルク,マルティン
(72)【発明者】
【氏名】ラーション,ビョルン アー.
【テーマコード(参考)】
2D129
【Fターム(参考)】
2D129AA02
2D129AA04
2D129AA08
2D129AB05
2D129AB21
2D129AB23
2D129BA02
2D129BA05
2D129DC07
2D129DC13
2D129EA11
2D129EC33
(57)【要約】
本発明に係る装置(102)は、地盤にパイプ(104,106)を設置する装置であって、掘削工具(110)に接続されたパイプ(104,106)を装備し、前記掘削工具(110)で、パイプ(104,106)と共に地盤(108)を掘削するように構成されている。前記装置(102)は、ドリルリグ(116)のブーム(114)に取り付け可能であり、長手方向(120)にのびるガイド(118)を備えたフィードビーム(112)と、フィードビーム(112)に対して長手方向(120)に移動可能なフィーダ(122)と、フィーダを保持してガイドするように構成されたガイド(118)と、フィーダ(122)に取り付けられ、フィードビーム(112)に対して移動可能な掘削機(124)であって、掘削作業時に、一つ又は複数のパイプ(104,106)の内部で長手方向(120)に延びる一つ又は複数のドリルロッド(126,128)によって掘削工具(110)取り付けられるように構成された掘削機(124)と、フィードビーム(112)に取り付けられ、ドリルロッド(126,128)を把持及び/又は保持するグリッパ(140)を有する第一アーム(138)とを有し、前記第一アーム(138)が、非作動位置と作動位置との間で、フィードビーム(112)に対して移動可能であり、第一アーム(138)の作動位置において、第一アーム(138)のグリッパ(140)が、ドイルロッド(126,128)を把持及び/又は保持するように構成されている。地盤(108)にパイプ(104,106)を設置する掘削リグ(116)は、ブーム(114)及び上述の装置(102)を備えている。地盤にパイプを設置する方法は、上記した装置(102)に関連している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプ(104,106)を地盤(108)に設置する装置(102)であって、
掘削工具(110)に接続されたパイプ(104,106)を設置し、ドリル工具(110)でパイプ(104,106)と共に、地盤(108)を掘削するように構成されている前記装置(102)において、
前記装置(102)が、
掘削リグ(116)のブーム(114)に取付可能又は接続可能なフィードビーム(112)であって、長手方向(120)に延びるガイド(118)を備えたフィードビーム(112)と、
フィーダ(122)と、
前記フィーダ(122)がフィードビーム(112)に対して長手方向(120)に移動可能であり、前記フィーダ(122)を保持してガイドするように構成されたガイド(118)と、
フィーダ(122)に取り付けられ、かつ、フィードビーム(122)に対して移動可能な掘削機(124)であって、掘削作業時に、一つ又は複数のパイプ(104,106)の内部に長手方向(120)に延びる一つ又は複数のドリルロッド(126,128)を用いて掘削工具(110)に取り付けられるように構成された掘削機(124)と、
前記フィードビーム(112)に取り付けられた第一アーム(138)であって、ドリルロッド(126,128)を把持及び/又は保持するグリッパ(140)を有し、非作動位置と作動位置との間でフィードビーム(112)に対して移動可能であり、作動位置において、そのグリッパ(14)がドリルロッド(126,128)を把持及び/又は保持するように構成された第一アーム(138)と
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項2】
第一アーム(138)の作動位置において、第一アーム(138)のグリッパ(140)が、二つのドリルロッド(126,128)を支持して、二つのドリルロッド(126,128)の長手方向軸線(156,158)を整列させて、これらのドリルロッド(126,128)を整列させる
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
第一アーム(138)が、非作動位置と作動位置との間で、フィードビーム(112)に対して揺動的に動かされ得る
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記第一アーム(138)の作動位置が、第一作動位置及び第二作動位置を有し、
第一アーム(138)が、第一作動位置及び第二作動位置に移動可能であり、
第一アーム(138)の第一作動位置において、第一アーム(138)のグリッパ(140)が、ドリルセンタに配置された一つ又は二つのドリルロッド(126,128)を把持し、
第一アーム(138)の第二作動位置において、第一アーム(138)のグリッパ(140)が、複数のドリルロッド(126,128)の第一ドリルロッド(126)と第二ドリルロッド(128)とを相互作用させて、第一ドリルロッド(126)を、パイプ(104,106)のうちの第一パイプ(104)の内面エッジ(166)に対して押し、第二ドリルロッド(128)を、パイプ(104,106)のうちの第二パイプ(106)の内面エッジ(168)に対して押すように構成されている
ことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記装置(102)が、フィーダ(122)に取り付けられ、フィードビーム(112)に対して移動可能である屑シールド(208)を備え、
前記屑シールド(208)が、ガイド(118)の一部をカバーするように構成され、かつ、ガイド(118)から離れるように屑を案内するように構成され、それにより、屑がフィードビーム(112)に入ることを防止する
ことを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の装置。
【請求項6】
フィーダ(122)が、第一位置(134)と第二位置(136)との間でフィードビーム(112)に対して長手方向(120)に移動可能であり、
第一アーム(138)が、フィーダ(122)の第二位置(136)又はフィーダ(122)の第一位置(134)でフィードビーム(112)に取り付けられる
ことを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載の装置。
【請求項7】
第一アーム(138)の作動位置において、第一アーム(138)のグリッパ(140)が、フィーダ(122)が第二位置(136)にあり、かつ、掘削機(124)が第一ドリルロッド(126)から取り外されるべき時に、複数のドリルロッド(126,128)のうちの第一ドリルロッド(126)を把持するように構成されている
ことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
複数のドリルロッド(126,128)が相互に着脱可能であり、
第一アーム(138)の作動位置において、第一アーム(138)のグリッパ(140)が、フィーダ(122)が第一位置(134)にあり、かつ、第一ドリルロッド(126)が掘削機(124)に取り付けられた複数のドリルロッド(126,128)のうちの第二ドリルロッド(126)から取り外されるべき時に、複数のドリルロッド(126,128)のうちの第一ドリルロッド(126)の端部(164)を把持するように構成されている
ことを特徴とする請求項6又は7に記載の装置。
【請求項9】
前記装置(102)が、ドリルロッド(126,128)を把持して保持するグリッパ(172)を有する第二アーム(170)を備え、
前記第二アーム(170)が、非作動位置と作動位置との間でフィードビーム(112)に対して移動可能であり、
第二アーム(170)の作動位置において、第二アーム(170)のグリッパ(172)が、ドリルロッド(126,128)を把持して保持するように構成され、かつ、
第二アーム(170)が、フィーダ(122)の第一位置(134)においてフィードビーム(112)に取り付けられている
ことを特徴とする請求項1~8の何れか一項に記載の装置。
【請求項10】
第二アーム(170)が、非作動位置と作動位置との間で、フィードビーム(112)に対して揺動的に移動可能である
ことを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
第二アーム(170)の作動位置において、第二アーム(170)のグリッパ(172)が、フィーダ(122)が第一位置(134)にあり、かつ、掘削機(124)がドリルロッド(126,128)から取り外されるべき時、又は、ドリルロッド(126,128)に取り付けられるべき時に、ドリルロッド(126,128)を把持するように構成されている
ことを特徴とする請求項9又は10に記載の装置。
【請求項12】
第一アーム(138)のグリッパ(140)及び/又は第二アーム(170)のグリッパ(172)が、ネジ結合(133,135)を用いて相互に着脱可能な複数のドリルロッド(126,128)を把持して保持するように構成され、及び/又は掘削機(124)がネジ結合(133,135)を用いて相互に着脱可能な複数のドリルロッド(126,128)に着脱可能である
ことを特徴とする請求項1~11の何れか一項に記載の装置。
【請求項13】
掘削機(124)が、ネジ結合(133,135,137)によってドリルロッド(126,128)に取り付け可能である
ことを特徴とする請求項1~12の何れか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記装置(102)が、フィードビーム(112)に対してパイプ(104,106)を供給して移動させるためのパイプ供給装置(188)を備え、
前記装置(102)が、フィードビーム(112)に取り付けられる第三アーム(190)を有し、
前記パイプ供給装置(188)が、第三アーム(190)に取り付けられており、
第三アーム(190)が、非作動位置及び作動位置の間でフィードビーム(112)に対して移動可能であり、
第三アーム(190)の作動位置において、パイプ供給装置(188)が、複数のパイプ(104,106)のうちの第一パイプ(104,106)を、複数のパイプ(104,106)の第二パイプ(104,106)に対して動かして、前記第一パイプ(104,106)を、前記第二パイプ(104,106)に取り付けるように構成されている
ことを特徴とする請求項1~13の何れか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記パイプ供給装置(188)が、第三アーム(190)が作動位置にある時に、パイプ(104,106)を把持して供給するためのグリッパ(192)を備え、
前記パイプ供給装置(188)の前記グリッパ(192)が、パイプ(104,106)に対して当接する一つ又は複数の駆動輪(194)を備えている
ことを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記パイプ供給装置(188)の前記グリッパ(192)が、長手方向(120)と実質的に平行な中心軸線(196)に対して周方向に相互に離間した三つの駆動輪(194)を備えている
ことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
各駆動輪(194)が、それを中心に駆動輪(194)が回転可能な回転軸(198)を有し、
駆動輪(194)の前記回転軸(198)が、長手方向(120)に対して鋭角(200)を成す
ことを特徴とする請求項15又は16に記載の装置。
【請求項18】
第三アーム(190)が、非作動位置及び作動位置の間で、フィードビーム(112)に対して揺動的に移動可能である
ことを特徴とする請求項14~17の何れか一項に記載の装置。
【請求項19】
装置(102)が、フィードビーム(112)に取り付けられた一つ又は複数のパイプ案内要素(204,206)を備え、
前記パイプ案内要素(204,206)が、非作動位置と作動位置との間でフィードビーム(112)に対して揺動可能であり、
作動位置において、前記パイプ案内要素(204,206)が、パイプ(104,106)をガイドするパイプ供給装置(188)を補助するように構成されている
ことを特徴とする請求項14~18の何れか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記パイプ供給装置(188)が、ネジ結合によって他のパイプ(104,106)に取り付け可能なパイプ(104,106)を供給して動かすように構成されている
ことを特徴とする請求項14~19の何れか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記装置(102)が、長手方向(120)に延びるピボット部材(202)を備え、
前記ピボット部材(202)が、フィードビーム(112)に対して揺動可能であり、
第一アーム(138)、第二アーム(170)、第三アーム(190)及びパイプ案内要素(204,206)の一つ又は複数が、ピボット部材(202)に取り付けられる
ことを特徴とする請求項1~20の何れか一項に記載の装置。
【請求項22】
パイプ(104,106)を地盤に設置する装置(102)であって、
該装置(102)が、掘削工具(110)に接続されたパイプ(104,106)を設置し、前記パイプ(104,106)と共に前記掘削工具(110)で地盤(108)を掘削するように構成されている装置(102)において、
該装置(102)が、
掘削リグ(116)のブーム(114)に取付可能又は接続可能なフィードビーム(112)であって、長手方向(120)に延びるガイド(118)を備えたフィードビーム(112)と、
前記フィーダ(122)がフィードビーム(112)に対して長手方向(120)に移動可能であり、前記フィーダ(122)を保持してガイドするように構成されたガイド(118)と、
フィーダ(122)に取り付けられ、かつ、フィードビーム(122)に対して移動可能な掘削機(124)であって、掘削作業時に、一つ又は複数のパイプ(104,106)の内部に長手方向(120)に延びる一つ又は複数のドリルロッド(126,128)を用いて掘削工具(110)に取り付けられるように構成された掘削機(124)と、
フィードビーム(112)に対して、パイプ(104,106)を供給して移動させるパイプ供給装置(188)と、
フィードビーム(112)に取り付けられるアーム(190)と
を備え、
前記パイプ供給装置(188)が前記アーム(190)に取り付けられ、
前記アーム(190)が非作動位置と作動位置との間でフィードビーム(112)に対して移動可能であり、
前記アーム(190)の作動位置において、前記パイプ供給装置(188)が、複数のパイプ(104,106)のうちの第一パイプ(104,106)を、複数のパイプ(104,106)のうちの第二パイプ(104,106)に対して移動させて、前記第一パイプ(104,106)を、前記第二パイプ(104,106)に取り付けるように構成されている
ことを特徴とする装置。
【請求項23】
前記パイプ供給装置(188)が、アーム(190)が作動位置にある時に、パイプ(104,106)を把持して供給するグリッパ(192)を備え、
パイプ供給装置(188)のグリッパ(192)が、前記パイプ(104,106)に当接する一つ又は複数の駆動輪(194)を備えている
ことを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項24】
パイプ供給装置(188)のグリッパ(192)が、長手方向(120)に実質的に平行な中心軸線(196)に対して周方向に相互に離間した三つの駆動輪(194)を備えている
ことを特徴とする請求項23に記載の装置。
【請求項25】
パイプ(104,106)を地盤(108)に設置する装置(102)であって、
掘削工具(110)に接続されたパイプ(104,106)を設置し、ドリル工具(110)でパイプ(104,106)と共に、地盤(108)を掘削するように構成されている前記装置(102)において、
前記装置(102)が、
掘削リグ(116)のブーム(114)に取付可能又は接続可能なフィードビーム(112)であって、長手方向(120)に延びるガイド(118)を備えたフィードビーム(112)と、
フィーダ(122)と、
前記フィーダ(122)がフィードビーム(112)に対して長手方向(120)に移動可能であり、前記フィーダ(122)を保持してガイドするように構成されたガイド(118)と、
フィーダ(122)に取り付けられ、かつ、フィードビーム(122)に対して移動可能な掘削機(124)であって、掘削作業時に、一つ又は複数のパイプ(104,106)の内部に長手方向(120)に延びる一つ又は複数のドリルロッド(126,128)を用いて掘削工具(110)に取り付けられるように構成された掘削機(124)と、
フィーダ(122)に取り付けられ、フィードビーム(112)に対して移動可能な屑シールド(208)であって、ガイド(118)の一部をカバーし、ガイド(118)から離すように屑をガイドするように構成され、それにより、屑がフィードビーム(112)に入ることを防止する屑シールド(208)と
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項26】
地盤(108)にパイプ(104,106)を設置する掘削リグ(116)であって、
前記掘削リグ(116)が、ブーム(114)及び該ブーム(114)に取り付け、又は、接続された請求項1~25の何れか一項に記載の装置(102)を備えている
ことを特徴とする掘削リグ。
【請求項27】
掘削工具(110)に接続されたパイプ(104,106)を地盤(108)に設置する方法であって、
該方法が、装置(102)を用いてパイプ(104,106)と共に掘削工具(110)で地盤(108)を掘削する工程(317)を有し、
前記装置(102)が、
掘削リグ(116)のブーム(114)に取付可能なフィードビーム(112)であって、長手方向(120)に延びるガイド(118)を備えたフィードビーム(112)と、
フィーダ(122)と、
フィーダ(122)を保持して案内するガイド(118)と、
フィードビーム(112)に対して長手方向(120)に移動するフィーダ(122)と、
フィーダ(122)に取り付けられ、フィードビーム(112)に対して移動可能な掘削機(124)と
を備え、
該方法が、掘削作業中に、一つ又は複数のパイプ(104,106)の内部で長手方向(120)に冤罪する一つ又は複数のドリルロッド(126,128)を用いて掘削機(124)を掘削工具(110)に取り付ける工程(309)と、
フィードビーム(112)に取り付けられた第一アーム(138)を、非作動位置と作動位置との間でフィードビーム(112)に対して移動させる工程(311)と、
第一アーム(138)が作動位置にある時に、第一アーム(138)のグリッパ(140)を用いてドリルロッド(126,128)を把持及び/又は保持して、ドリルロッド(126,128)の取り付け又は取り外しを補助する工程(312)と
を備えていることを特徴とする方法。
【請求項28】
第一アーム(138)のグリッパ(140)によって、二つのドリルロッド(126,128)を支持し、ドリルロッド(126,128)の長手方向軸線(156,158)を整列し、第一アーム(138)が作動位置にある時にドリルロッド(126,128)を整列する工程
を備えていることを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
非作動位置と作動位置との間で、フィードビーム(U112)に対して第一アーム(138)を揺動的に移動させる工程
を備えていることを特徴とする請求項27又は28に記載の方法。
【請求項30】
前記方法が、
フィードビーム(112)に取り付けられた第二アーム(170)を、非作動位置及び作動位置間で、フィードビーム(112)に対して動かす工程(307)及び
第二アーム(170)が作動位置にある時に第二アーム(170)のグリッパ(172)によってドリルロッド(126,128)を把持して保持し、ドリルロッド(126,128)の取り付け又は取り外しを補助する工程(308)
を有することを特徴とする請求項27~29の何れか一項に記載の方法。
【請求項31】
掘削工具(110)に接続されたパイプ(104,106)を地盤(108)に設置する方法であって、
該方法が、装置(102)を用いてパイプ(104,106)と共に掘削工具(110)で地盤(108)を掘削する工程(317)を有し、
前記装置(102)が、
掘削リグ(116)のブーム(114)に取付可能なフィードビーム(112)であって、長手方向(120)に延びるガイド(118)を備えたフィードビーム(112)と、
フィーダ(122)と、
フィーダ(122)を保持して案内するガイド(118)と、
フィードビーム(112)に対して長手方向(120)に移動するフィーダ(122)と、
フィーダ(122)に取り付けられ、フィードビーム(112)に対して移動可能な掘削機(124)と
を備え、
該方法が、
掘削作業中に、一つ又は複数のパイプ(104,106)の内部で、長手方向(120)に延びる一つ又は複数のドリルロッド(126,128)によって、掘削機(124)を掘削工具(110)に取り付ける工程(309)と、
フィードビーム(112)に取り付けられ、かつ、パイプ供給装置(188)が取り付けられたアーム(190)を、非作動位置と作動位置との間で、フィードビーム(112)に対して動かす工程(307)と、
アーム(190)が、第一及び第二パイプ(104,106)を相互に取り付けるために作動位置にある時に、前記パイプ(104,106)のうちの第一パイプ(104,106)を、フィードビーム(112)に対して、かつ、前記パイプ(104,106)のうちの第二パイプ(104,106)に対して、パイプ供給装置(188)を用いて供給して動かす工程(315)と
を備えていることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中にパイプを設置するための装置に関する。前記装置は、掘削工具に接続されたパイプを設置し、パイプと共に掘削工具を地中に掘削するように構成されている。前記装置の掘削機は、掘削作業中に、一つ又は複数のパイプの内部に延びる一つ又は複数のドリルロッドによって掘削工具に取り付けられるように構成されている。また、本発明は、地中にパイプを設置するための掘削リグに関し、該掘削リグは、ブーム及び上述した種類の装置を備える。さらに、本発明は、掘削工具に接続されたパイプを地中に設置するための方法にも関する。前記方法は、上述した種類の装置を用いて、パイプと共に掘削工具を地中に掘削するステップを含む。
【背景技術】
【0002】
地下のトンネルや部屋を掘削及び穿孔する場合、時には地盤が弱い状態のこともある。従来、トンネルや部屋の屋根や壁を支え、安定性を高めるために、複数のパイプを地中、即ち、屋根や壁に設置することがある。従来は、同一のドリル孔に一つ又は複数のパイプを次々に設置したり、複数のドリル孔内で並んで延びるように、即ち、実質的に相互に平行に延びるように複数のパイプが設置したりしていた。このようにして形成された構造は、パイプルーフ、パイプウォール又はパイプアンブレラと呼ばれることがある。このようにパイプを設置するという概念は、パイプルーフィングと呼ばれることもある。パイプをこのように設置することで、ポータル部分の安定性を高めたり、地下構造物の崩壊部分の再掘削を行うことができる。また、別の用途として地盤改良がある。従来は、単回使用の掘削工具を第一パイプに回転可能に取り付け、前記掘削工具で、パイプと一緒に地盤の掘削をしている。パイプを設置するために使用される従来の装置は、ドリルリグのブームに取り付けられている。従来、前記パイプを設置するための装置の掘削機は、掘削作業中に、相互に取り付けられ、パイプの内部で長手方向に延びる一つ又は複数のドリルロッドによって掘削工具に取り付けられている。上述したようなパイプの設置方法は、多くの工程を含み、複雑である。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、従来の解決手段の欠点や問題点を緩和又は解決する解決手段を提供することを目的としている。
【0004】
本発明の第一の態様によれば、本発明の上述した目的及び他の目的は、地盤にパイプを設置する装置を提供することによって達成される。
前記装置は、掘削工具に接続されたパイプを設置し、パイプと一緒に掘削工具で地盤を掘削するように構成されている。
前記装置は、
掘削リグのブームに取付可能又は接続可能なフィードビームであって、長手方向に延びるガイドを備えたフィードビームと、
フィードビームに対して長手方向に移動可能なフィーダと、
フィーダを保持して案内するように構成されたガイドと、
フィーダに取り付けられ、フィードビームに対して移動可能な掘削機であって、掘削作業中に、一つ又は複数のパイプの内部で長手方向に延びる一つ又は複数のドリルロッドによって、掘削工具に取り付けられるように構成された掘削機と、
フィードビームに取り付けられた第一アームであって、ドリルロッドを把持及び/又は保持するグリッパを備えた第一アームと
を備え、
前記第一アームが、非作動位置及び作動位置の間でフィードビームに対して移動可能であり、
第一アームの作動位置において、第一アームのグリッパがドリルロッドを把持及び/又は保持するように構成されている
ことを特徴とする。
【0005】
第一の態様による装置の利点は、第一アームの上述の可動性によって、第一アームが非作動位置にある時、従って離れる方向に動かされている時に、ドリルロッドを受け入れて、そのドリルロッドを、ドリルロッドを掘削機及び隣接するドリルロッドに取付可能な作動位置に配置し、第一アームが作動位置にある時に、ドリルロッドを操作、即ち、第一アームのグリッパによって把持又は保持できるようにすることにある。従来の解決手段によるパイプの設置では、幾つかの工程で一人以上のオペレータによるパイプ及びドリルロッドの手動操作が必要となるため、複数人のオペレータが必要となる。第一態様による装置の利点は、一つ又は複数のオペレータによるドリルロッドの手動作業なしに、より多くの工程が装置のみで実行できることにある。従って、パイプの設置は、少ない手動作業でより効率的に行われる。パイプの設置に必要とされる時間は、効果的に低減される。第一の態様による装置を用いることで、地盤へのパイプの設置又はパイプルーフィング処理が改善され、より少ない工数で済むようになる。その結果、弱い地盤条件を有する天井や壁の安定性を効率的に高めることができる。
【0006】
穿孔工具は、パイプに回転可能に取り付けられ得る。掘削工具は、その端部でパイプに回転可能に取り付けられた環状ドリルビット、及び、該環状ドリルビットに固定的に取り付けられたパイロットドリルビットを有し得る。前記パイロットドリルビットは、有利には、環状ドリルビットに着脱可能に取り付けられる。前記パイロットドリルビットは、有利には、ドリルロッドに着脱可能に取り付けられる。環状ドリルビットは、単回使用のドリルビットであり、ドリル孔内に残される。パイロットドリルビットは、連続したパイプ設置のために再使用することができる。選択的に、掘削工具は、パイプに回転可能に取り付けられた単回使用の掘削工具であってもよく、また、ドリルロッドは、インターフェースと見なすことができるアダプタによって単回使用の掘削工具に取り付けられてもよい。
【0007】
一般に、ドリルロッドは、掘削後に設置されたパイプから取り外され、連続したパイプ設置に再使用される。一般的に、複数のドリルロッドは、相互に取り付け可能であり、例えば、相互に取り外し可能に取り付ることができ、掘削作業中にはお互いに取り付けられる。一般に、掘削作業の間、掘削機は一つ又は複数のドリルロッドに取り付けられる。パイプは、互いに取り付け可能であり得る。
【0008】
第一アームの作動位置において、第一アームのグリッパは、ドリルロッドを把持するように構成され、及び/又は、第一アームの作動位置において、第一アームのグリッパは、ドリルロッドを保持するように構成される。ドリルロッドの保持は、ドリルロッドを支持すること、押圧すること及び/又は案内することを含み得る。第一アームは、フィードビームに直接又は間接的に取り付けられ得る。
【0009】
第一の態様による装置の有利な実施形態によれば、第一アームの作動位置において、第一アームのグリッパは、二つのドリルロッドを支持して、二つのドリルロッドの長手方向通信軸線を整列させてドイルロッドを整列させるように構成されている。この実施形態の利点は、二つの隣接するドリルロッドを相互に取り付ける工程が、容易になり、より少ない手動作業で行うことができることにある。従って、地盤にパイプを設置する作業がさらに改善される。
【0010】
第一態様による装置の別の有利な実施例によれば、第一アームの作動位置において、第一アームのグリッパは、掘削機が第二ドイルロッドに取り付けられるべき時に、複数のドリルロッドのうちの第一ドリルロッドの端部と、複数のドリルロッドのうちの第一ドリルロッドに取り付けられるべき第二ドリルロッドの端部とを保持するように構成されている。この実施形態の利点は、二つの隣接するドリルロッドを相互に取り付ける工程が、容易になり、より少ない手動作業で実行され得ることにある。従って、パイプの地盤への設置が改善される。
【0011】
第一の態様による装置のさらに別の有利な実施形態によれば、第一アームは、非作動位置と作動位置との間でフィードビームに対して揺動的に移動可能である。従って、第一アームは、非作動位置と作動位置との間で揺動可能である。この実施形態の利点は、非作動位置と作動位置との間での第一アームの効率的な移動が達成されることであり、それにより、ドリルロッドの取り付け、例えば、あるドリルロッドの別のドリルロッド及び/又は掘削機への取り付け、及び、あるドリルロッドの別のドリルロッド又は掘削機からの取り外しが容易になり、より少ない手動作業で行うことができることにある。従って、地盤へのパイプの設置が改善される。
【0012】
第一の態様による装置のさらに別の有利な実施形態によれば、第一アームの作動位置は、第一作動位置及び第二作動位置を含み、ここで、第一アームは、第一作動位置及び第二作動位置に移動可能であり、第一アームの第一作動位置において、第一アームのグリッパは、ドリルセンタに配置された一つ又は複数のドリルロッドを把持するように構成され、第一アームの第二作動位置において、第一アームのグリッパは、複数のドリルロッドのうちの第一ドリルロッドと、複数のドリルロッドの第二ドリルロッドとを相互作用させ、第一ドリルロッドを、複数のパイプのうちの第一パイプの内面エッジに押圧し、第二ドリルロッドを複数のパイプのうちの第二パイプの内面エッジに押圧するように構成されている。従って、第一アームの第二作動位置において、第一アームのグリッパは、第一ドリルロッドと第二ドリルロッドとを相互作用させて、第一ドリルロッドを第一パイプの内面のエッジに押圧し、第二ドリルロッドを第二パイプの内面のエッジに押圧するように構成されている。有利には、第二ドリルロッドは、第一アームが第二作動位置にある時に掘削機に取り付けられる。さらに有利には、第一ドリルロッドは、第一アームが第二作動位置にある時に、掘削工具又は他のドリルロッドに取り付けられる。この実施形態の利点は、あるドリルロッドの他のドリルロッド又は掘削機への取り付け及びあるドリルロッドの他のドリルロッドから又は掘削機からの取り外しが容易になり、かつ、より少ない手動作業で行うことができることにある。従って、地盤へのパイプの設置が改善される。
【0013】
第一の態様による装置のさらに別の有利な実施形態によれば、フィーダは、第一位置と第二位置との間で、フィードビームに対して長手方向に移動可能であり、第一アームは、フィーダの第二位置又はフィーダの第一位置で、フィーダに対して、例えば、直接的又は間接的に取り付けられる。この実施形態の利点は、あるドリルロッドの他のドリルロッド又は掘削機への取り付け、及び、あるドリルロッドの他のドリルロッドから又は掘削機からの取り外しが容易になり、よりすくない手動作業で行うことができるようになることにある。従って、パイプの地盤への設置が改善される。
【0014】
第一の態様による装置の有利な実施形態によれば、装置は、フィーダに例えば、直接又は間接的に取り付けられ屑シールドを有し、前記屑シールドは、フィードビームに対して移動可能であり、前記屑シールドは、ガイドの一部をカバーし、ガイドから離す方向に屑を案内し、それにより、屑がフィードビームに入ることを防止する。この実施形態の利点は、屑がフィードビームに入ることを効果的に防止することができる
それがなければ、ガイドやフィーダの機能や動きを損なう可能性があり、さらにはガイドやフィーダを損傷させる可能性もある。この実施形態によって、地盤へのパイプの設置又はパイプルーフィング工程が改善される。従って、弱い地盤を有するルーフ及び壁の安定性を、効率的に高めることができる。屑には、ドリル孔から排出される地中の物質やスラリーが含まれる。
【0015】
第一の態様による装置のさらに有利な実施形態によれば、フィーダが、第一位置及び第二位置間でフィードビームに対して長手方向に移動可能である場合、屑シールドは、フィーダが第一位置及び第二位置間の任意の位置にある時に、フィーダとフィーダの台に位置との間に位置決めされるように構成されている。この実施形態の利点は、屑がフィードビームに入ることを効率的に防止できることにある。
【0016】
第一の態様による装置のさらに有利な実施形態によれば、第一アームの作動位置において、第一アームのグリッパは、フィーダが第二位置にあり、かつ、掘削機が第一ドリルロッドから取り外されるべき時に、複数のドリルロッドのうちの第一ドリルロッドを把持するように構成されている。この実施形態の利点は、あるドリルロッドを他のドリルロッドから取り外す工程が容易になり、それをより少ない手動作業で行うことができることにある。その結果、地盤にパイプを設置する作業が改善される。
【0017】
第一の態様による装置の別の有利な実施形態によれば、複数のドリルロッドが相互に取り付け可能であり、第一アームの作動位置において、第一アームのグリッパは、フィーダが第一位置にあり、かつ、第一ドリルロッドが、掘削機に取り付けられた複数のドリルロッドのうちの第二ドリルロッドから取り外されるべき時に、複数のドリルロッドのうちの第一ドリルロッドの端部を把持するように構成される。この実施形態の利点は、あるドリルロッドの他のドリルロッドからの取り外しが容易になり、少ない手動作業で行うことが可能になることにある。従って、ドリルロッドを次のパイプ設置に再利用するためにドリルロッドを設置されたパイプから除去する工程が容易になる。従って、地盤へのパイプの設置が改善される。
【0018】
第一の態様による装置のさらに別の有利な実施形態によれば、前記装置は、ドリルロッドを把持及び保持するグリッパを備えた第二アームを有し、前記第二アームは非作動位置と作動位置との間でフィードビームに対して移動可能であり、第二アームの作動位置において、第二アームのグリッパは、ドリルロッドを把持及び保持するように構成され、第二アームは、フィーダの第一位置で、フィードビームに、例えば、直接又は間接的に取り付けられる。この実施形態の利点は、ドリルロッドの掘削機への取り付け、及び、ドリルロッドの掘削機からの取り外しが容易になり、少ない手作業で実施できるようになることにある。従って、地盤へのパイプの設置作業が改善される。
【0019】
第一の態様による装置の有利な実施形態によれば、第二アームは、非作動位置及び作動位置間でフィードビームに対して揺動的に移動可能である。従って、第二アームは、非作動位置と作動位置との間で揺動可能である。この実施形態の利点は、非作動位置と作動位置との間の第二アームの効率的な移動を達成することができ、それにより、ドリルロッドの掘削機への取り付け及びドリルロッドの掘削機からの取り外しが容易になり、少ない手動作業で行うことができるようになることにある。従って、地盤へのパイプの設置作業が改善される。
【0020】
第一の態様による装置のさらに有利な実施形態によれば、第二アームの作動位置において、第二アームのグリッパは、フィーダが第一位置にあり、かつ、掘削機がドリルロッドから取り外されるべき時、又は取り付けられるべき時に、ドリルロッドを把持するように構成されている。この実施形態の利点は、ドリルロッドの掘削機への取り付け及びドリルロッドの掘削機からの取り外しが容易になり、より少ない手動作業で行うことができるようになることにある。従って、地盤へのパイプの設置作業が改善される。
【0021】
第一の態様による装置の別の有利な実施形態によれば、第二アームの非作動位置において、第二アームのグリッパは、フィーダの第一位置とフィーダの第二位置との間で、ドリルロッドがその静止位置から作動位置へ動かされる前にドリルロッドを把持するように構成され、ドリルロッドの作動位置において、掘削機がドリルロッドに取付可能である。この実施形態の利点は、ドリルロッドの掘削機への装着及び取付けが容易になり、より少ない手動作業で行うことができるようになることにある。従って、地盤へのパイプの設置作業が改善される。
【0022】
第一の態様による装置の別の有利な実施形態によれば、第二アームの作動位置において、第二アームのグリッパは、ドリルロッドが、フィーダの第一位置とフィーダの第二位置との間で、作動位置から離されて、静止位置に動かされるべき時に、ドリルロッドを把持するように構成されている。この実施形態の利点は、ドリルロッドの取り外しが容易になり、連続するパイプ設置に再利用できるようになることにある。従って、地盤へのパイプの設置作業が改善される。
【0023】
第一の態様による装置のさらに有利な実施形態によれば、第二アームの作動位置において、第二アームのグリッパは、ドリルロッドが掘削機に取り付けられるべき時、及びフィードビームが地盤又は床まで下げられるべき時に、ドリルロッドを把持するように構成されている。この実施形態の利点は、装置及びその掘削機を、掘削機が取り付けられたドリルロッドと共に地盤又は床まで確実に支持して下げることができることにある。従って、他のドリルロッドを取り外した後に、掘削機から最後のドリルロッドを取り外す必要がなく、それにより、連続したパイプ設置に再使用するためのドリルロッドの回収が容易になる。従って、地盤へのパイプの設置作業が改善される。
【0024】
第一の態様による装置の有利な実施形態によれば、第一アームのグリッパ及び/又は第二アームのグリッパが、ネジ結合によって相互に取付可能なドリルロッドを把持及び/又は保持するように構成され、及び/又は掘削機がネジ結合によって相互に取付可能なドリルロッドに取付可能である。ネジ結合は、ドリルロッドを相互に取り付ける効率的な方法であり、それにより、連続するパイプ設置のために再使用するためのドリルロッドの取り付け及びドリルロッドの取り外しが容易になる。従って、地盤へのパイプの設置作業が改善される。しかしながら、ドリルロッドは、他の手段、例えば、バヨネットマウントによって取り付けることも可能である。
【0025】
第一の態様による装置のさらに好ましい実施形態によれば、掘削機は、ネジ結合によってドリルロッドに取付可能である。ネジ結合は、掘削機をドリルロッドに取り付ける効率的な方法であり、掘削機は、ネジ結合によって相互に取り付けられたドリルロ度と効率的に相互作用することになり、それにより、連続するパイプ設置において再利用するための掘削機のドリルロッドへの取り付け及びドリルロッドの掘削機からの取り外しが容易になる。従って、地盤へのパイプの設置作業が改善される。しかしながら、ドリルロッド及び掘削機管の取り付けには別の方法を使用することが可能であり、例えば、バヨネットマウントが用いられ得る。
【0026】
第一の態様による装置の別の有利な実施形態によれば、第一アーム及び/又は第二アームのグリッパは、相互に移動可能な一対のペンチを有し、一対のペンチは、ドリルロッドを把持するように構成されている。
【0027】
第一の態様による装置の別の有利な実施形態によれば、前記装置は、フィードビームに対してパイプを供給して動かすためのパイプ供給装置を有し、前記装置は、フィードビームに例えば、直接又は間接的に取り付けられる第三アームを備え、前記パイプ供給装置は、前記第三アームに取り付けられ、前記第三アームは、非作動位置及び作動位置間でフィードビームに対して移動可能であり、かつ、第三アームの作動位置において、前記パイプ供給装置は、第二パイプに第一パイプを取り付けるために、複数のパイプのうちの第一パイプを、複数のパイプのうちの第二パイプへ動かすように構成されている。この実施形態の利点は、上述した第三アームの移動可能性によって、第三アームが非作動位置にもってこられた時、及び、パイプ又はドリルロッドの取り扱いが必要な時に、、第三アームのパイプ供給装置を容易に遠ざけることができるようになることにある。供給されるべき位置にパイプが配置されると、第三アームは作動位置に持ってこられ得、かつ、パイプは第三アームのパイプ供給装置によって供給され、作業者による手動作業なしに隣接するパイプに取り付けられ得る。この実施形態のさらなる利点は、上述した第三アームの移動可能性によって、パイプ供給装置が、パイプを静置位置から供給される準備ができた位置まで動かすためのグリップとして作動できることにある。この実施形態の別の利点は、一人又は複数の作業者によるパイプの手動作業なしに、より多くの工程を前記装置のみで実行できることにある。パイプの設置作業は、より効率的になり、必要な手動作業がより少なくなる。パイプの設置に必要な時間が効率的に短縮される。この実施形態によって、地盤へのパイプの設置作業又はパイプルーフィング工程が改善され、工数が削減される。従って、弱い地盤を有するルーフ及び壁の安定性を効率的に高めることができる。
【0028】
第一の態様による装置の別の有利な実施形態によれば、第三アームの作動位置において、パイプ供給装置は、パイプを、その長手方向中心軸線を中心に、フィードビームに対して回転させるように構成されている。従って、第三アームの作動位置において、パイプ供給装置を、パイプを、その長手方向回軸線を中心に、隣接するパイプに対して回転させるように構成することも可能である。第三アームの作動位置において、パイプ供給装置は、フィードビームに対して長手方向にパイプを動かすように構成され得る。従って、第三アームの作動位置において、パイプ供給装置は、パイプを、隣接するパイプに対して長手方向に動かすようにも構成され得る。これは、複数のパイプを相互に取り付ける効率的な方法であり、作業者による手作業を必要としない。従って、パイプの設置作業は、より効率的になる。
【0029】
第一の態様による装置のさらに別の有利な実施形態によれば、パイプ供給装置は、第三アームが作動位置にある時に、パイプを長手方向に把持して供給するグリッパを備え、パイプ供給装置のグリッパは、パイプに当接する一つ又は複数の駆動輪を有する。この実施形態の利点は、パイプを、静止位置から供給する準備ができている作動位置まで容易に移動できることにある。パイプ供給装置のグリッパは、パイプを把持して、パイプを供給する準備ができている作動位置へ効率的に動かすことと、駆動輪によってパイプを効率的に供給することの両方を可能にする。駆動輪を導入することにより、パイプの効率的な供給が可能になり、それにより、パイプの設置がより効率的になる。従って、第三アームの非作動位置において、第三アームのグリッパは、パイプが静止位置にある時にパイプを把持し、パイプを供給する準備ができている作動位置に動かすように構成され得る。
【0030】
第一の態様による装置の有利な実施形態によれば、第三アームは、フィーダの第一位置及びフィーダの第二位置間で、フィードビームに、例えば、直接又は間接的に取り付けられる。第三アームのこの位置によって、パイプ供給装置及びパイプ供給装置のグリッパは、パイプを効率的に取り扱うことができ、それにより、パイプの設置がより効率的になり、手作業の作業量を低減することができる。
【0031】
第一の態様による装置のさらに有利な実施形態によれば、第三アームのグリッパは、第一アームのグリッパと、第二アームのグリッパとの間に、これらのアームが作動位置にある時に、位置決めされるように構成される。この第三アームの位置によって、パイプ供給装置及びパイプ供給装置のグリッパは、パイプを効率的に取り扱うことができ、それにより、パイプの設置は、より効率的になり、必要な手動作業を減らすことができる。
【0032】
第一の態様による装置の有利な実施形態によれば、パイプ供給装置のグリッパは、長手方向に実質的に平行な中心軸線に対して周方向に相互に離間した三つの駆動輪を有する。この実施形態の利点は、パイプの効率的な供給が可能になることにある。従って、地盤へのパイプの設置が改善され、必要な工数を減らすことができる。選択的に、パイプ供給装置は、二つの駆動輪及び一つのアイドラ輪、又は一つの駆動輪及び二つのアイドラ輪を有し得る。他の組み合わせも可能である。
【0033】
第一の態様による装置のさらに別の有利な実施形態によれば、各駆動輪は、それを中心に駆動輪を回転可能にする回転軸を有し、駆動輪の回転軸は、長手方向に対して鋭角を成している。この実施形態の利点は、パイプの効率的な供給を可能にすることにある。従って、地盤へのパイプの設置を改善し、必要な工数を減らすことができる。
【0034】
第一の態様による装置のさらに別の有利な実施形態によれば、第三アームは、非作動位置と作動位置との間で、フィードビームに対して揺動的に移動可能である。従って、第三アームは、非作動位置と作動位置との間で揺動可能である。この実施形態の利点は、非作動位置と作動位置との間で第三アームの効率的な動作が得られることにあり、それにより、ドリルロッド及びパイプの取り扱いが容易になることにある。その結果、パイプの設置作業が改善される。
【0035】
第一の態様による装置の有利な実施形態によれば、前記装置は、フィードビームに例えば、直接又は間接的に取り付けられた一つ又は複数のパイプ案内要素を有し、前記パイプ案内要素は、非作動位置と作動位置との間でフィードビームに対して揺動可能であり、かつ、作動位置において、前記パイプ案内要素は、パイプをガイドしているパイプ供給装置を補助するように構成される。この実施形態の利点は、静止位置から、パイプの供給の準備ができている位置までのパイプの動作をさらに効率的にでき、かつ、他のパイプに取り付けるために供給される時にパイプの案内がより改善されることにある。パイプ案内要素の非作動位置において、パイプ案内要素は、パイプをその静止位置から、供給する準備ができている作動位置まで、長手方向に移動している第三アームのグリッパを補助するように構成され得る。
【0036】
第一の態様による装置のさらに有利な実施形態によれば、アーム及びパイプ案内要素が作動位置にある時に、一つのパイプ案内要素が、第一アームのグリッパと第三アームのグリッパとの間に位置するように構成され、アーム及びパイプ案内要素が作動位置にある時に、一つのパイプ案内要素が、第二アームのグリッパと第三アームのグリッパとの間に位置するように構成される。この実施形態の利点は、静止位置から、パイプを供給する準備ができている位置までのパイプの動きをさらに効率的にし、かつ、他のパイプに取り付けるために供給される時のパイプの案内がさらに改善されることにある。
【0037】
第一の態様による装置の別の有利な実施形態によれば、前記装置は、長手方向にのびるピボット部材を備え、前記ピボット部材はフィードビームに対して揺動可能であり、第一アーム、第二アーム、第三アーム及びパイプ案内要素の一つ又は複数が、前記ピボット部材に取り付けられている。第一アーム及び/又は第二アーム及び/又は第三アーム及び/又はパイプ案内要素は、例えば、直接又は間接的に、ピボット部材に取り付けられる。この実施形態の利点は、非作動位置及び作動位置の間でのアーム及びパイプ案内要素の効率的な動きが得られることにある。従って、パイプ設置作業がより効率的になる。
【0038】
第一の態様による装置のさらに別の有利な実施形態によれば、パイプ供給装置は、ネジ結合によって他のパイプに取付可能なパイプを供給して動かすように構成される。これは、複数のパイプを相互にとりつける効率的な方法であり、作業者による必要な手動作業の量を減らすことができる。従って、パイプ設置作業がさらに効率化される。
【0039】
第一の態様による装置の有利な実施形態によれば、パイプ供給装置は、圧力嵌めによって他のパイプに取り付け可能なパイプを供給して動かすように構成される。従って、パイプ供給装置は、径が小さいパイプの一端を、他のパイプの端部に圧力嵌めするか、または、その逆にするように構成され得る。
【0040】
本発明の第二の態様によれば、本発明の実施態様の上述した目的及び他の目的は、以下の構成を有する地盤にパイプを設置する装置を提供することによって達成される。
該装置は、掘削工具に連結されたパイプを装備し、掘削工具でパイプと共に地盤を掘削するように構成された地盤にパイプを設置する装置であって、
該装置が、
掘削リグのブームに取付可能又は連結可能なフィードビームであって、長手方向に延びるガイドを有するフィードビームと、
フィードビームに対して長手方向に移動可能なフィーダ―と、
前記フィーダ―を保持してガイドするように構成されたガイドと、
フィーダに取り付けられ、フィードビームに対して移動可能な掘削機であって、掘削動作中に、一つ又は複数のパイプ内で長手方向に延びる一つ又は複数のドリルロッドによって掘削工具に取り付けられるように構成された掘削機と、
フィードビームに対してパイプを供給して動かすパイプ供給装置と、
フィードビームに、例えば、直接又は間接的に取り付けられたアームと
を備え、
前記パイプ供給装置が前記アームに取り付けられ、
前記アームが、非作動位置と作動位置との間で前記フィードビームに対して移動可能であり、かつ、
アームの作動位置において、パイプ供給装置が、複数のパイプのうちの第一パイプを、複数のパイプのうちの第二パイプに対して動かして、前記第一パイプを前記第二パイプに取り付けるように構成されている。
【0041】
第二の態様による装置の利点は、上記したアームの動作可能性によって、アームのパイプ供給装置を、パイプ又はドリルロッドの操作が必要な時に、アームを非動作位置に持って行くように動かすことが容易になることにある。パイプが、供給すべき位置に配置されると、アームは、作動位置に持ってこられ得、前記ア―むのパイプ供給装置によってパイプが供給され得る。第二の態様による装置のさらなる利点は、上述したアームの動作可能性によって、パイプ供給装置が、パイプを静止位置から、供給する準備ができた位置まで動かすグリップとして機能し得ることにある。第二の態様による装置の別の利点は、一人又は複数の作業者によるパイプの手動操作なしに、又は、低減された手動操作量で、前記装置のみで複数の工程が実行され得ることにある。従って、パイプの設置がより効率的になり、必要な手動操作の量を減らすことができる。第二の態様による装置によって、地盤へのパイプの設置又はパイプルーフィング工程は改善され、必要な工数を減らすことができ、パイプの設置に必要な時間を効率的に短縮することができる。その結果、弱い地盤状態を有するフール及び壁の安定性を効果的な方法で向上させることができる。
【0042】
第二の態様による装置の別の有利な実施形態によれば、アームの作動位置において、パイプ供給装置は、パイプを、その長手方向軸線を中心として、フィードビームに対して回転させるように構成される。従って、アームの作動位置において、パイプ供給装置は、パイプを、その長手方向軸線を中心として、複数のパイプのうちの隣接するパイプに対して回転させるように構成され得る。アームの作動位置において、パイプ供給装置は、パイプを長手方向に、フィードビームに対して移動させるように構成され得る。従って、アームの作動位置において、パイプ供給装置は、また、パイプを、複数のパイプのうちの隣接するパイプに対して、長手方向に移動させるようにも構成され得る。これは、パイプを相互に取り付けるための効率的な方法であり、作業者による手動操作を必要としない。従って、パイプの設置作業はより効率的になる。
【0043】
第二の態様による装置の別の有利な実施形態によれば、パイプ供給装置は、アームが作動位置にある時に、パイプを長手方向に把持して供給するグリッパを備え、パイプ供給装置の前記グリッパは、パイプに当接する一つ又は複数の駆動輪を有する。この実施形態の利点は、第一の態様による装置の対応する実施形態に関して上述した利点に対応する。
【0044】
第二の態様による装置の別の有利な実施形態によれば、パイプ供給装置のグリッパは、長手方向に実質的に平行な回転軸線に対して、周方向に相互に離間した三つの駆動輪を有する。この実施形態の利点は、第一の態様による装置の対応する実施形態に関して上述した利点に対応する。
【0045】
第二の態様による装置の別の有利な実施形態によれば、各駆動輪は、それを中心に駆動輪が回転可能な回転軸を備え、駆動輪の回転軸は、長手方向に鋭角を成している。この実施形態の利点は、第一の態様による装置の対応する実施形態に関して上述した利点に対応する。
【0046】
第二の態様による装置のさらに別の有利な実施形態によれば、アームは、フィーダの第一位置及びフィーダの第二位置間で、フィードビームに対して、例えば、直接又は間接的に取り付けられる。この実施形態の利点は、第一の態様による装置の対応する実施形態に関して上述した利点に対応する。
【0047】
第二の態様の装置のさらに別の有利な実施形態によれば、アームは、非作動位置及び作動位置間で、フィードビームに対して揺動的に動作可能である。従って、アームは、非作動位置と作動位置との間で揺動可能である。この実施形態の利点は、第一の態様による装置の対応する実施形態に関して上述した利点に対応する。
【0048】
第二の態様による装置の有利な実施形態によれば、前記装置は、フィードビームに、例えば、直接又は間接的に取り付けられた一つ又は複数のパイプ案内要素を有し、前記パイプ案内要素は、非作動位置と作動位置との間でフィードビームに対して揺動可能であり、かつ、作動位置において、パイプ案内要素は、パイプを案内するパイプ供給装置を補助するように構成されている。パイプ案内要素の非作動位置において、パイプ案内要素は、パイプを、その静止位置から供給の準備ができている動作位置まで動かしているアームのグリッパを補助するように構成され得る。この実施形態の利点は、第一の態様による装置の対応する実施形態に関して上述した利点に対応する。
【0049】
第二の態様による装置のさらに有利な実施形態によれば、アーム及びパイプ案内要素が作動位置にある時に、一つのパイプ案内委要素が、アームのグリッパと、フィーダの第一位置との間に位置し、アーム及びパイプ案内要素が作動位置に配置されている時に、一つのパイプ案内要素が、アームのグリッパとフィーダの第二位置との間、及び/又はアームのグリッパとパイプガイドとの間に位置するように構成され得る。この実施形態の利点は、第一の態様による装置の対応する実施形態に関して上述した利点に対応する。
【0050】
第二の態様による装置の別の有利な実施形態によれば、前記装置は、長手方向に延びるピボット部材を有し、前記ピボット部材は、フィードビームに対して揺動可能であり、アーム及びパイプ案内要素の一つ又は複数が、ピボット部材に取り付けられている。従って、アーム及び/又はパイプ案内要素は、ピボット部材に、例えば、直接又は間接的に取り付けられる。この実施形態の利点は、第一の態様による装置の対応する実施形態に関して上述した利点に対応する。
【0051】
第二の態様による装置のさらに別の有利な実施形態によれば、パイプ供給装置は、ネジ結合によって他のパイプに取付可能なパイプを供給して動かすように構成されている。この実施形態の利点は、第一の態様による装置の対応する実施形態に関して上述した利点に対応する。
【0052】
第二の態様による装置の別の有利な実施形態によれば、パイプ供給装置は、圧力嵌めによって他のパイプに取付可能なパイプを供給して動かすように構成されている。従って、パイプ供給部材は、直径が小さい一つのパイプの一端を、他のパイプの端部に圧力嵌めするように、又は、直径が大きいパイプの一端を、他のパイプの端部に圧力嵌めするように構成され得る。
【0053】
本発明の第三の態様によれば、本発明の実施態様の上述した目的及び他の目的は、以下の構成を有する地盤にパイプを設置する装置を提供することによって達成される。
該装置は、掘削工具に連結されたパイプを装備し、掘削工具でパイプと共に地盤を掘削するように構成された地盤にパイプを設置する装置であって、
該装置が
掘削リグのブームに取付可能又は連結可能なフィードビームであって、長手方向に延びるガイドを有するフィードビームと、
フィードビームに対して長手方向に移動可能なフィーダ―と、
前記フィーダ―を保持してガイドするように構成されたガイドと、
フィーダに取り付けられ、フィードビームに対して移動可能な掘削機であって、掘削動作中に、一つ又は複数のパイプ内で長手方向に延びる一つ又は複数のドリルロッドによって掘削工具に取り付けられるように構成された掘削機と、
フィーダに、例えば、直接又は間接的に取り付けられ、フィードビームに対して移動可能な屑シールドと
を備え、
前記屑シールドが、前記ガイドの一部をカバーし、ガイドから離れる方向に屑をガイドし、屑がフィードビームの中に入り込むことを防止するように構成されている。
【0054】
第三の態様による装置の利点は、屑がフィードビームの中に入り込むことを効果的に防止することにあり、それがなければ、ガイドやフィーダの機能や動きを損なう可能性があり、さらにはガイドやフィーダを損傷させる可能性がある。
第三の態様による装置によって、地盤へのパイプの設置又はパイプルーフィング工程が改善される。従って、弱い地盤を有するルーフ及び壁の安定性を、効率的に高めることができる。屑には、ドリル孔から排出される地中の物質やスラリーが含まれる。
【0055】
第三の態様による装置の有利な実施形態によれば、フィーダが、第一位置及び第二位置間でフィードビームに対して長手方向に移動可能であり、フィーダが、第一位置及び第二位置間の何れかに配置されている時に、屑シールドが、フィーダとフィーダの第二位置との間に位置するように構成されている。この実施形態の利点は、屑がフィードビームに入ることを効率的に防止できることにある。
【0056】
本発明の第四の態様によれば、本発明の実施形態の上述した目的及び他の目的は、ブームと、該ブームに取り付けられ又は連結される請求項1~25の何れか一項に記載の装置又は上述又は以下に説明する実施形態の何れかの装置とを備えた、地盤にパイプを設置する掘削リグを提供することによって達成される。第四の態様による掘削リグの利点は、第一の態様による対応する装置に関して上述した利点に対応している。
【0057】
本発明の第五の態様によれば、本発明の実施形態の上述した目的及び他の目的は、以下に説明する掘削工具に連結されたパイプを地盤に設置する方法を提供することによって達成される。
この方法は、パイプを地盤に設置する装置を用いて、掘削工具でパイプと共に地盤を掘削する工程を有する、地盤に掘削工具に連結されたパイプを設置する方法であって、
前記装置が、
長手方向に延びるガイドを備えた、掘削リグのブームに取付可能なフィードビームと、
フィードビームに対して長手方向に移動可能なフィーダと、
フィーダを保持してガイドするガイドと、
フィーダに取り付けられ、フィードビームに対して移動可能な掘削機と
を備え、
該方法が、
掘削作業中に、一つ又は複数のパイプの中を長手方向に延びる一つ又は複数のドリルロッドによって、掘削工具に掘削機を取り付ける工程と、
フィードビームに取り付けられた第一アームを、非作動位置と作動位置との間でフィードビームに対して移動させる工程と、
第一アームが作動位置にある時に、ドリルロッドの取り付け又は取り外しを補助するために、第一アームのグリッパによってドリルロッドを把持する及び/又は保持する工程と
を有する。
【0058】
第五の態様による方法の利点は、第一の態様による対応する装置に関して上述した利点に対応する。
【0059】
第五の態様による方法の有利な実施形態によれば、前記方法は、第一アームが作動位置にある時に、第一アームのグリッパによって二つのドリルロッドを支持して、これらドリルロッドの長手方向中心軸線を整列させて、これらドリルロッドを整列させる工程を有する。この実施形態の利点は、第一の態様による装置の対応する実施形態に関して上述した利点に対応する。
【0060】
第五の態様による方法のさらに有利な実施形態によれば、前記方法は、第一アームを、非作動位置及び作動位置間でフィードビームに対して揺動的に動かす工程を有する。この実施形態の利点は、第一の態様による装置の対応する実施形態に関して上述した利点に対応する。
【0061】
第五の態様による方法の別の有利な実施形態によれば、前記方法は、フィードビームに取り付けられた第二アームを、非作動位置及び作動位置間でフィードビームに対して動かす工程と、第二アームが作動位置にある時に、ドリルロッドの取り付け又は取り外しを補助するために、第二アームのグリッパを用いてドリルロッドを把持して保持する工程とを有する。この実施形態の利点は、第一の態様による装置の対応する実施形態に関して上述した利点に対応する。
【0062】
本発明の第六の態様によれば、本発明の実施形態の上述した目的及び他の目的は、以下に説明する掘削工具に連結されたパイプを地盤に設置する方法を提供することによって達成される。
前記方法は、パイプを地盤に設置する装置を用いて、掘削工具でパイプと共に地盤を掘削する工程を有する、地盤に、掘削工具に連結されたパイプを設置する方法であって、
前記装置が、
長手方向に延びるガイドを備えた、掘削リグのブームに取付可能なフィードビームと、
フィードビームに対して長手方向に移動可能なフィーダと、
フィーダを保持してガイドするガイドと、
フィーダに取り付けられ、フィードビームに対して移動可能な掘削機と
を備え、
該方法が、
掘削作業中に、一つ又は複数のパイプの中で長手方向に延びる一つ又は複数のドイルロッドによって、掘削機を掘削工具に取り付ける工程と、
フィードビームに取り付けられ、かつ、パイプ供給装置が取り付けられたアームを、非作動位置と作動位置との間でフィードビームに対して移動させる工程と、
アームが作動位置にある時に、第一パイプを第二パイプに取り付けるために、前記パイプ供給装置を用いて、第一パイプを、フィードビームに対して、かつ、第二パイプに対して移動させる工程と
を有する。
【0063】
第六の態様による方法の利点は、第二の態様による対応する装置に関連した上述した利点に対応する。
【0064】
本装置は、岩盤にパイプを設置するように構成されていてもよい。そして、掘削機は、岩盤掘削機であってもよい。また、掘削機は、パーカッシブ式又は打撃式掘削機であってもよい。また、装置は、トップハンマ式掘削用のトップハンマ式装置であり得、即ち、掘削工具がドリルストリングの一端に配置され、掘削機がドリルストリングの他端に配置された装置であり得る。
【0065】
前記装置、掘削リグ及び方法の各々の上述の特徴及び実施形態は、さらなる有利な実施形態を提供する様々な実施可能な方法で組み合わせられ得る。
【0066】
本発明のさらに有利な実施形態及び本発明の実施形態によるさらなる利点は、従属項及び実施形態の詳細な説明から明らかになる。
【0067】
本発明の態様は、例示的な目的のために、幾つかの実施形態を用いて、添付図面を参照しながら以下に、より詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【
図1】第1の態様、第2の態様及び/又は第3の態様による装置の実施形態を示す概略斜視図である。
【
図2】フィーダ及び掘削機が異なる位置にある状態の
図1の装置の概略斜視図である。
【
図3】複数のドリルロッド及び複数のパイプが互いに分離している状態の概略斜視図である。
【
図4a】ドリルロッドがパイプに挿入されている状態の、
図3のパイプ及びドリルロッドの概略断面図である。
【
図4b】ドリルロッドがパイプに挿入されている状態の、
図3のパイプ及びドリルロッドの概略断面図である。
【
図5】第一アームが非作動位置にある時の、
図1及び
図2の装置の第一アームの拡大概略斜視図である。
【
図6】パイプ及びドリルロッドが本質的に第一アームの前に配置されている状態の、
図5の第一アームの概略斜視図である。
【
図7】作動位置にある
図5及び6の第一アームの概略斜視図である。
【
図8】別の作動位置にある
図5及び
図6の第第一アームの概略斜視図である。
【
図9】第二アームが非作動位置にある時の、
図1及び
図2の装置の第二アームの拡大概略図である。
【
図10】作動位置にある
図9の第二アームの概略斜視図である。
【
図11】
図10と同じ作動位置にある
図10の第二アームを、異なる視点から見た概略斜視図である。
【
図13】
図12の第三アームを異なる視点から見た概略斜視図である。
【
図14】パイプ及びドリルロッドが静止位置にある状態の、
図1及び
図2の装置の概略斜視図である。
【
図15】パイプ及びドリルロッドが作動位置にある状態の、
図1及び
図2の装置の概略斜視図である。
【
図16】、第1の態様、第2の態様及び/又は第3の態様による装置の実施形態を取り付けることができる掘削リグの概略側面図である。
【
図17】発明の第五及び第六の態様による方法の実施形態を示すフローチャートである
【
図18】本発明の第五及び第六の態様による方法の実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0069】
図1及び2は、第1の態様、第2の態様及び/又は第3の態様による装置102の実施形態を概略的に示しており、この装置102は、地盤108(
図16参照)にパイプ104及び106(
図3参照)を設置して地盤108の安定性を高めるための装置である。地盤108の安定性を高めるためにパイプを設置する従来の工程は、パイプルーフィングと呼ばれることがある。
図3を参照すると、装置102は、掘削工具110(
図4a参照)に機械的に接続されたパイプ104及び106を設置するように構成されている。装置102は、掘削工具110を、パイプ104,106と共に地盤108に掘削して埋め込むように構成されている。各パイプ104及び106は、金属若しくは金属合金、又はその他の適切な材料若しくは材料の混合物で形成され得る。装置102は、ドリル孔を穿孔し、前記ドリル孔にパイプ104及び106を埋める方法に従って動作するように構成されている。この方法は、一連のシーケンスを含み、各ドリル孔に対して一つのシーケンスがある。各シーケンスは、複数のステップを含む。
【0070】
図1、
図2及び
図16を参照すると、装置102は、掘削装置116のブーム114に取り付け可能又は機械的に接続可能なフィードビーム112を有する。フィードビーム112は、長手方向120に延びるガイド118を有する。装置102は、フィーダ122を備えている。フィーダ122は、キャリッジと呼ばれ得る。ガイド118は、フィーダ122を保持及び案内するように構成されている。フィーダ122は、フィードビーム112に対して長手方向120に移動可能である。装置102は、フィーダ122に取り付けられた掘削機124を有し、従って、前記掘削機124はフィードビーム112に対して移動可能である。装置102は、フィーダ122をガイド118に沿って駆動するための駆動機構を有する。前記駆動機構は、油圧式、空気圧式、機械式及び/又は電気式の駆動機構であり得、かつ、例えば、フィーダ122を引っ張るように構成されたワイヤを有し得る。
【0071】
図1及び
図3を参照すると、掘削機124は、掘削作業中に、一本又は複数のパイプ104、106の内部で長手方向120に延びる一つ又は複数のドリルロッド126,128によって、掘削工具110が取り付けられるように構成されている。ドリルロッド126,128の全体がパイプ104,106の内部で延びることは必要ではなく、掘削作業中にドリルロッド126,128の少なくとも一部がパイプ104,106の内部で延びていれば十分であることを理解されたい。このことは、特に、掘削作業中に掘削機124に直接取り付けられたドリルロッド128の場合に当てはまり得る。しかし、一般的には、ドリルロッド126,128の大部分、即ち、ドリルロッド126,128の主要部分が、掘削作業中にパイプ104,106の内部で延びている。ドリルロッド126,128の一部は、掘削作業中に、異なるパイプ104,106内に延在し得、即ち、配置され得る。幾つかのドリルロッド126については、ドリルロッド126全体が、掘削作業中に一つ又は複数のパイプ104,106の内部で延び得る。掘削機124は、ドリルロッド126,128に取り付け可能な回転可能取付軸129を有する。各ドリルロッド126,128は、金属若しくは金属合金、又は他の適切な材料若しくは材料の混合物で形成され得る。
【0072】
図3及び
図4aを参照すると、掘削工具110は、ドリルロッド126,128のうちの第一ドリルロッド126に、例えば、バヨネットマウント又はねじ結合よって回転可能に取り付けられている。他のドリルロッド128、この実施形態の場合は一本の第二ドリルロッド128は、第一ドリルロッド126に着脱可能に取り付けられており、従って、掘削工具110に間接的に取り付けられている。この実施形態では、掘削工具110は、パイプ104,106のうちの第一パイプ104の端部に回転可能に取り付けられた環状ドリルビット130を有する。さらに、掘削工具110は、環状ドリルビット130に固定的に取り付けられたパイロットドリルビット132を有する。従って、環状ドリルビット130及びパイロットドリルビット132は、掘削時に第一パイプ104に対して一緒に回転する。環状ドリルビット130及びパイロットドリルビット132は、一緒にドリル孔を開ける。パイロットドリルビット132は、有利には、例えば、ねじ結合又はバヨネットマウントによって、環状ドリルビット130に着脱可能に取り付けられる。パイロットドリルビット132は、有利には、ドリルロッド126,128に着脱可能に取り付けられている。環状ドリルビット130は、単回使用のドリルビットであり、穿孔後にドリル孔に残される。パイロットドリルビット132は、連続したパイプ設置のために再使用され得る。掘削工具110の他の設計が可能であることを理解されたい。
【0073】
一般的に、ドリルロッド126,128は、掘削後に設置されたパイプ104,106から取り外され、連続したパイプの設置に再使用される。ドリルロッド126及び128は、例えば、ネジ結合によって互いに着脱可能に取り付けられており、掘削作業中は、作動、即ち、作業ドリルロッド126及び128は、互いに取り付けられる。掘削機124は、例えば、ネジ結合又はバヨネットマウントによって、ドリルロッド126、128に着脱可能に取り付けられる。
図4a及び
図4bを参照すると、各ドリルロッド126,128は、一端に雌ねじ133を有し、他端に雄ねじ135を有する。掘削機124の回転可能取付軸129は、雄ねじ137を有する(
図10参照)。代替案として、ドリルロッド126,128は、バヨネットマウントによって互いに着脱可能に取り付けられることも可能である。
【0074】
掘削作業中、掘削機124は、ドリルロッド126,128に取り付けられ、ドリルロッド126,128を回転させて打撃するように構成され得る。
図4a及び
図4bを参照すると、各ドリルロッド126,128は長手方向中心軸線156,158を有し、掘削機124は、ドリルロッド126,128の長手方向中心軸線156,158を中心にドリルロッド126,128を回転させるように構成されている。ドリルロッド126,128が掘削機124に機械的に接続又は取り付けられた時、ドリルロッド126,128は長手方向120に延びる。ドリルロッド126,128が動作位置、即ち、掘削位置にある時、ドリルロッド126,128は、パイプ104,106の内部に少なくとも部分的に長手方向120に延びるように構成されており、即ち、ドリルロッド126,128が動作位置、即ち、掘削位置にある時、ドリルロッド126,128の少なくとも一部は、パイプ104,106の内部に長手方向120に延びている。一般的には、ドリルロッド126,128が動作位置、即ち、掘削位置にある時、ドリルロッド126,128の大部分は、パイプ104,106の内部に位置する。パイプ104,106は、互いに取り付け可能であり、これについては、以下に、さらに詳細に説明する。ドリルロッド126,128は、第一パイプ104が環状ドリルビット130に取り付けられ、かつ、他のパイプ106が第一パイプ104に取り付けられているので、掘削時にドリルツール110を回転させ、押し込み、かつ、打撃/打ち込みさせ、従って、パイプ104,106をドリル孔に引き込む。一般的には、ドリルロッド126,128の長さは、パイプ104,106の長さを上回る。
【0075】
図3、
図4a、
図4b、
図6、
図7、
図8、
図14及び
図15では、二本のパイプ104、106及び二本のドリルロッド126、128のみが示されている。しかしながら、より多くのパイプ104,106が設置され得、かつ、パイプ104,106の設置のために、より多くのドリルロッド126,128が使用され得ることを理解されたい。
【0076】
図1及び
図2を参照すると、フィーダ122、従って、それに取り付けられた掘削機124は、ガイド118に沿って、第一位置134(
図1参照)と第二位置136(
図2参照)との間で、フィードビーム112に対して長手方向120に移動可能である。フィーダ122の第一位置134は、第一端部位置であり得る。フィーダ122の第二位置136は、第二端部位置であり得る。フィーダ122の第一位置134は、後方、即ち、後ろ側位置であり得る。フィーダ122の第二位置136は、前方位置であり得る。掘削を開始する時、フィーダ122は、
図1に示すように、第一位置134に位置決めされ、ドリルロッド128及びパイプ106は、例えば、
図15に示すように、フィーダ122の第一及び第二位置134,136の間の動作位置、即ち、作業位置に配置されている。掘削中は、フィーダ122(及び掘削機124)は、第一位置134(
図1参照)から第二位置136(
図2参照)に動かされる。掘削時には、装置102は、フィーダ122の第二位置136が、フィーダ122の第一位置134に対して、掘削されるドリル穴により近くなり、即ち、掘削される地盤の地層により近くなるように構成されている。
【0077】
図1及び
図5~
図8を参照すると、装置102は、第一アーム138を備え、この第一アーム138は、フィードビーム112に、例えば、直接又は間接的に取り付けられている。本実施形態では、第一アーム138は、フィードビーム112に揺動可能に取り付けられている。したがって、第一アーム138は、フィードビーム112に対して揺動可能である。第一アーム138は、ドリルロッド126,128を把持及び/又は保持するためのグリッパ140を有している。本実施形態では、第一アーム138は、
図1、
図2、
図5及び
図6に示す非作動位置と、
図7及び
図8に示す作動位置との間で、フィードビーム112に対して揺動動作可能である。従って、第一アーム138は、非作動位置と作動位置との間で揺動可能である。
図7及び8を参照すると、第一アーム138の作動位置では、第一アーム138のグリッパ140が、ドリルロッド126,128を把持及び/又は保持するように構成されている。第一アーム138のグリッパ140によってドリルロッド126,128を保持することは、ドリルロッド126,128を支持すること、押し出すこと及び/又はガイドすることを含んでもよい。
【0078】
図5を参照すると、第一アーム138は、第一シャフト144の第一ピボット軸142を中心にして揺動可能である。第一シャフト144は、フィードビーム112に取り付けられている。第一アーム138は、装置102の第一油圧又は空気圧シリンダ146によって、非作動位置と作動位置との間で動かされる。第一アーム138のグリッパ140は、それらの間にドリルロッド126,128を把持するために、互いに対して移動可能な第一グリップ部材147及び第二グリップ部材148を有する。第一グリップ部材147は、第一アーム138の駆動機構150によって移動可能である。第一アーム138のグリッパ140は、ドリルロッド126,128を保持するための、例えばドリルロッド126,128を押圧し、支持し及び/又は案内するための一つ又は複数のシート149又は凹部を有する。装置102は、フィードビーム112によって搬送されるパイプ104,106を、フィードビーム112の端部でガイドするように構成されたパイプガイド152を有する。パイプガイド152は、環状であってもよく、従って、それを介してパイプ104,106が案内される開口部を形成し得る。一般的に、装置102が動作して地盤108にパイプ104,106を設置している時、パイプガイド152は、パイプ104,106が設置されるドリル孔と、掘削機124との間に位置し、例えば、フィーダ122の第二位置136と、パイプ104,106が設置されるドリル孔との間に位置する。
【0079】
図6を参照すると、第一パイプ104は、第一ドリルロッド126によって、地盤108の中に穿孔されている。第二ドリルロッド128は、第一ドリルロッド126に取り付けられようとしている。その後、第二パイプ106が第一パイプ104に取り付けられることになるが、これについては、以下にさらに詳細に開示する。
【0080】
図7を参照すると、第一アーム138の作動位置では、第一アーム138のグリッパ140は、第1のドリルロッド126及び第2のドリルロッド128、即ち、二本のドリルロッド126,128を支持するように構成されており、ドリルロッド126,128の長手方向の中心軸線156,158(
図4a及び
図4b参照)を整列させて、ドリルロッド126,128を整列させる。その際、掘削機124が、第二ドリルロッド128を回転させ、第二ドリルロッド128がネジ結合によって第1のドリルロッド126にねじ込まれ、両者が取り付けられるようになっている。言い換えれば、第一アーム138の作動位置において、第一アーム138のグリッパ140は、第一ドリルロッド126の端部160を保持し、かつ、掘削機124が第二ドリルロッド128に取り付けられる時に、第一ドリルロッド126に取り付けられるべき第二ドリルロッド128の端部162を保持するように構成されている。有利には、第一アーム138のグリッパ140は、二つのドリルロッドの端部126及び128を保持している時に、第一ドリルロッド126の端部160を押し、かつ、第二ドリルロッド128の端部162を押すように構成される。
【0081】
図8を参照すると、第一アーム138は別の作動位置にある。始めに、フィーダ122が第二位置136に位置している時に、第一ドリルロッド126及びパイロットドリルビット132は、環状ドリルビット130から離脱されている。その後、フィーダ122が第一位置134に動かされ、第二パイプ106から第二ドリルロッド128を引き出す。フィーダ122が、第一位置134に位置している時、第一アーム138は、ドリルロッド126,128を互いに離脱させて回収し、連続したパイプ設置のために再使用する場合には、この他の作動位置に配置される。
図8に示す第一アーム138の作動位置では、第一アーム138のグリッパ140は、フィーダ122が第一位置134にあり、かつ、第一ドリルロッド126が掘削機124に取り付けられた第二ドリルロッド128から取り外されるべき時に、第一ドリルロッド126の端部164を把持するように構成されている。掘削機124によって、第二ドリルロッド128は、第一アーム138のグリッパ140によってしっかりと把持されている第一ドリルロッド126から外される。このようにして、第二ドリルロッド128は、第一ドリルロッド126から取り外される。
【0082】
さらに、第一アーム138の作動位置において、第一アーム138のグリッパ140は、フィーダ122及び掘削機124が第二位置136にある時、及び掘削機124を第一ドリルロッド126から離脱させる時に、第一ドリルロッド126を把持するように構成されている。この工程は、動作中、第一パイプ104のほぼ全体が掘削されてドリル孔に引き込まれ、第二ドリルロッド128が第一ドリルロッド126に取り付けられ、第二パイプ106が第一パイプ104に取り付けられることになった時に行われる。第二ドリルロッド128を第一ドリルロッド126と掘削機124との間に取り付けるために、まず、掘削機124を第一ドリルロッド126から切り離す必要がある。従って、第一アーム138のグリッパ140によって第一ドリルロッド126がしっかりとグリップされて保持され、掘削機124の取付軸129の回転によって穿孔機124が第一ドリルロッド126との係合から外され、フィーダ122及び掘削機124を第一位置134に動かされる。フィーダ122及び掘削機124が第一位置にある時、装置102は、取り付けられる第二ドリルロッド128及び第二パイプ106を受け取る準備ができている。
【0083】
図7及び
図8を参照すると、第一アーム138の作動位置は、
図8に示すような第一作動位置と、
図7に示すような第二作動位置とを含むものとして説明され得る。第一アーム138は、第一作動位置と第二作動位置とに移動可能である。
図8を参照すると、第一アーム138の第一作動位置では、第一アーム138のグリッパ140は、ドリル中心に配置されたドリルロッド126,128のうちの一つ又は二つをグリップするように構成されている。
図7を参照すると、第一アーム138の第二作動位置では、第一アーム138のグリッパ140は、第一ドリルロッド126及び第二ドリルロッド128と相互作用して、第一ドリルロッド126を第一パイプ104の内面エッジ166に押し付け、第二ドリルロッド128を第二パイプ106の内面エッジ168に押し付けるように構成されている。
図7をさらに参照すると、第一アーム138の第二作動位置では、第一アーム138のグリッパ140は、第一ドリルロッド126及び第二ドリルロッド128と相互作用して、第一ドリルロッド126を第一パイプ104の内面、即ち、第一パイプ104の内面のエッジ166に押し付け、第二ドリルロッド128を第二パイプ106の内面、即ち、第二パイプ106の内面のエッジ168に押し付けるように構成されている。有利には、これは、第二ドリルロッド128が掘削機124に取り付けられる時に行われる。さらに有利には、これは、第一ドリルロッド126が、掘削工具110又は別のドリルロッドに取り付けられる時に行われる。
【0084】
図7及び
図8を参照すると、第一アーム138の作動位置において、第一アーム138のグリッパ140は、パイプガイド152に隣接するように構成されている。第一アーム138の作動位置において、第一アーム138のグリッパ140は、フィーダ122及び掘削機124が、フィーダ122の第一位置134とフィーダ122の第二位置136との間の任意の場所に位置する時に、パイプガイド152と掘削機124との間に配置されるように構成されている。第一アーム138は、フィーダ122の第二位置136において、フィードビーム112に、例えば、直接又は間接的に取り付けられる。
【0085】
図1及び
図9から
図11を参照すると、装置102は、ドリルロッド126,128を把持して保持するためのグリッパ172を有する第二アーム170を備えている。第二アーム170は、
図1及び
図9に示す非作動位置と、
図10及び
図11に示す作動位置との間で、フィードビーム112に対して移動可能である。第二アーム170の作動位置では、第二アーム170のグリッパ172は、ドリルロッド126,128を把持して保持するように構成されている。第二アーム170は、フィーダ122の第一位置134において、フィードビーム112に、例えば直接又は間接的に取り付けられる。図示実施形態では、第二アーム170は、非作動位置と作動位置との間でフィードビーム112に対して揺動可能に移動可能である。従って、第二アーム170は、非作動位置と作動位置との間で揺動可能である。
【0086】
図1、2及び9を参照すると、装置102は、長手方向120に延びるピボット部材202を含む。ピボット部材202は、その長手方向中心軸線203(
図5参照)を中心にして、フィードビーム112に対して揺動可能である。ピボット部材202は、フィードビーム112に揺動可能に取り付けられている。ピボット部材202の長手方向中心軸線203は、長手方向120と実質的に平行であり得る。装置102は、ピボット部材202の長手方向中心軸線203を中心にピボット部材202を揺動させるように構成された、例えば電気モータのようなモータ等から成る駆動機構205を有する。
【0087】
図9を参照すると、第二アーム170は、装置102のピボット部材202に取り付けられている。第二アーム170は、第二シャフト176の第二ピボット軸を中心に揺動可能である。より正確には、図示実施形態では、第二シャフト176はピボット部材202に揺動可能に取り付けられており、従って、第二アーム170はピボット部材202に対して揺動可能である。従って、第二アーム170は、ピボット部材202の長手方向中心軸線203(
図5参照)を中心としても、第二シャフト176の第二ピボット軸を中心としても、揺動可能である。例えば、第二アーム170は、装置102の第二油圧又は空気圧シリンダ178によって、非作動位置と作動位置との間で動かされ得る。第二アーム170のグリッパ172は、それらの間にドリルロッド126,128を把持するために互いに移動可能な第一グリップ部材180及び第二グリップ部材182を有する。第二アーム170のグリッパ172の第一グリップ部材180は、第二アーム186の駆動機構184によって移動可能である。
【0088】
図10及び
図11を参照すると、第二アーム170の作動位置において、第二アーム170のグリッパ172は、フィーダ122が第一位置134にある時、及び、掘削機124が掘削機124の取付軸129によって第二ドリルロッド128に取り付けられる(又は、第二ドリルロッド128から取り外される)時に、ドリルロッド126,128を把持するように構成されている。従って、第二アーム170のグリッパ172は、第二ドリルロッド128をしっかりと把持し、取付軸129を回転させることで、掘削機124が第二ドリルロッド128に取り付けられ、取付軸129の雄ねじ137が第二ドリルロッド128の雌ねじ133に係合する。
図9は、掘削機124が、第二ドリルロッド128に取り付けられた後、第二アーム137が非作動位置にある状態を示したものである。
【0089】
図14を参照すると、第二アーム170の非作動位置が図示されている。第二アーム170の非作動位置において、第二アーム170のグリッパ172は、ドリルロッド128が、
図14に示されている静止位置から、フィーダ122の第一位置134とフィーダ122の第二位置136との間の作動位置、即ち、動作位置に移動する前に、ドリルロッド128を把持するように構成されている。ドリルロッド128のこの作動位置、即ち、動作位置において、掘削機124はドリルロッド128に取り付け可能である。
【0090】
図8を参照すると、第二アーム170の作動位置において、第二アーム170のグリッパ172は、ドリルロッド128が、フィーダ122の第一位置134とフィーダ122の第二位置136との間の作動位置、即ち、動作位置から離れて静止位置に移動されるべき時に、ドリルロッド128を把持するように構成される。さらに、第二アーム170の作動位置では、第二アーム170のグリッパ172は、ドリルロッド126が掘削機124に取り付けられている時、及びフィードビーム112が地盤又はフロアに下ろされる時に、ドリルロッド126を把持するように構成されている。
【0091】
図1、2、12、13、14、及び15を参照すると、装置102は、フィードビーム112に対してパイプ104、106を供給して移動させるためのパイプ供給装置188を有する。この実施形態では、パイプ104,106は、ネジ結合によって互いに取り付け可能である。この装置は、フィードビーム112に、例えば直接又は間接的に取り付けられる第三アーム190を有する。パイプ供給装置188は、第三アーム190に取り付けられている。第三アーム190は、
図14に示す(
図1及び
図2にも示されている)非作動位置と、
図15に示す作動位置との間で、フィードビーム112に対して移動可能である。
図1を参照すると、第三アーム190は、ピボット部材202に取り付けられており、従って、ピボット部材202と一緒に揺動可能である。従って、第三アーム190は、フィードビーム112に対して、非作動位置と作動位置との間で、揺動可能に動作し得る。従って、第三アーム190は、非作動位置と作動位置との間で揺動可能である。
【0092】
第三アーム190の作動位置において、パイプ供給装置188は、第二パイプ106を第一パイプ104に取り付けるために、第二パイプ106を第一パイプ104に対して動かすように構成されている。第三アーム190の作動位置では、パイプ供給装置188は、フィードビーム112に対してパイプ106の長手方向中心軸線158(
図4b参照)を中心にパイプ106を回転させるように構成されている。従って、第三アーム190の作動位置では、パイプ供給装置188は、隣接するパイプ104、この実施形態では、第一パイプ104に対して、パイプ106の長手方向中心軸線158を中心にパイプ106を回転させるように構成される。第三アーム190の作動位置では、パイプ供給装置188は、フィードビーム112に対してパイプ106を長手方向120に移動させるようにも構成されている。従って、第三アーム190の作動位置では、パイプ供給装置188は、隣接するパイプ104、即ち、第一パイプ104に対して長手方向120にパイプ106を動かすように構成されている。これは、作業者による手作業を必要とせずに、パイプ104、106を互いに取り付けるための効率的な方法である。特に、この方法は、パイプ104,106がネジ結合によって互いに取り付け可能である場合に、パイプ104,106を相互に取り付ける効率的な方法である。第三アーム190は、フィーダ122の第一位置134とフィーダ122の第二位置136との間で、フィードビーム112に、例えば、直接又は間接的に取り付けられる。
【0093】
図12及び
図13を参照すると、パイプフィーダ188は、第三アーム190が作動位置にある時に、パイプ104,106を把持して供給するためのグリッパ192を有する。パイプ供給装置188のグリッパ192は、パイプ104,106に対して当接する一つ又は複数の駆動輪194を備えている。駆動輪194は、第三アーム190が作動位置にある時に、パイプ104,106に対して当接するように構成されている。第三アーム190のグリッパ192は、アーム138,170及び190が作動位置にある時に、第一アーム138のグリッパ140と第二アーム170のグリッパ172との間に配置されるように構成されている。第三アーム190の非作動位置において、第三アーム190のグリッパ192は、パイプ104,106が静止位置にある時にパイプ104,106を把持し、パイプ104,106が供給可能な作動位置に、即ち、フィーダ122の第一位置134とフィーダ122の第二位置136との間の作動位置に、パイプ104,106を移動させるように構成されている。
【0094】
図13を参照すると、パイプ供給装置188のグリッパ192は、長手方向120に実質的に平行な中心軸線196に対して、周方向に互いに離間した三つの駆動輪194を有している。従って、三つの駆動輪194は、互いに離間している。各駆動輪194は、それを中心に駆動輪194が回転可能な回転軸線198を有している。各駆動輪194は、駆動輪194の回転軸線198を中心に駆動輪194を回転させるように構成された駆動機構199に接続されている。駆動輪194の回転軸線198は、ガイド118の長手方向120と鋭角200を形成している。鋭角200は、1°~45°の間(及びそれを含む)であり得、例えば、2°~10°の間(及びそれを含む)であり得る。鋭角200は、2°であり得る。パイプ104,106が、ネジ結合によって互いに取り付けられる場合、有利には、前記鋭角200は、パイプ104,106のねじ山のピッチに適合される。
【0095】
上述した駆動輪194の代わりに、パイプ供給装置のグリッパは、パイプ106をしっかりと把持するように構成され得、かつ、ピボット部材202は、例えば、一つ以上の入れ子式シリンダによって、フィードビーム112に対して長手方向120に移動可能にされ、パイプ106を別のパイプ104に取り付けるために、パイプ106を、フィードビーム112に対して長手方向120に移動させるように構成され得る。例えば、入れ子式シリンダは、ピボット部材202と駆動機構205との間、又は、駆動機構205とフィードビーム112との間に配置及び/又は取り付けられ得る。選択的に、上述した駆動輪194の代わりに、パイプ供給装置のグリッパは、パイプ106をしっかりと把持するように構成され、かつ、第三アームは、ピボット部材202に対して長手方向120に移動可能にされ、従って、パイプ106を別のパイプ104に取り付けるために、パイプ106をフィードビーム112に対して長手方向120に移動させるように構成され得る。
【0096】
図1、14及び15を参照すると、装置102は、フィードビーム112に、例えば直接又は間接的に取り付けられた一つ又は複数のパイプ案内要素204、206を備えている。図示実施形態では、二つのパイプ案内要素204,206が設けられている。パイプ案内要素204,206は、
図1及び
図14に示す非作動位置と、
図15に示す作動位置との間で、フィードビーム112に対して揺動可能である。
図15に示す作動位置では、パイプ案内要素204,206は、パイプ104,106を案内する際に、パイプ供給装置188を補助するように構成されている。パイプ案内要素204,206の非作動位置では、パイプ案内要素204,206は、パイプ104,106を静止位置から、パイプ104,106を供給する準備ができている作動位置に移動させる際に、第三アーム190のグリッパ192を補助するように構成されている。アーム138、170、190及びパイプ案内要素204、206が動作位置に配置されている時、パイプ案内要素204、206のうちの第一パイプ案内要素204が、第一アーム138のグリッパ140と第三アーム190のグリッパ192との間に配置されるように構成される。アーム138、170、190及びパイプ案内要素204、206が作動位置に配置されている時、パイプ案内要素204、206のうちの第二パイプ案内要素206は、第二アーム170のグリッパ172と第三アーム190のグリッパ192との間に配置されるように構成される。
図14及び
図15を参照すると、各パイプ案内要素204,206は、ピボット部材202に取り付けられており、それによって、各パイプ案内要素204,206は、揺動可能にされている。
【0097】
図1,2及び9を参照すると、装置102は、フィーダ122に、例えば直接又は間接的に取り付けられ、かつ、フィーダ112に対して移動可能な屑シールド208を有する。屑シールド208は、ガイド118の一部を覆うように構成されており、かつ、屑をガイド118から遠ざけるように案内するように構成されており、これにより、屑が、ガイド118の機能を損なうか、又はガイド118を損傷する可能性があるフィードビーム112に入ることが防止される。屑、即ち、ドリルホールから放出される地盤材やスラリーは、掘削工具110が回転可能に取り付けられた第一パイプ104に入り、開放端を有する最後のパイプ106から出る。一本のパイプ104のみが掘削工具110に接続されている掘削開始時には、最初のパイプ104と最後のパイプ104は同じパイプ104である。屑シールド208は、フィーダ122が第一位置134と第二位置136との間の任意の位置にある時に、フィーダ122とフィーダ122の第二位置136との間に配置されるように構成されている。さらに、屑シールド208は、フィーダ122が第一位置134と第二位置136との間の任意の位置に配置されている時に、フィーダ122とパイプガイド152との間に配置されるように構成されている。
図9を参照すると、装置102は、掘削動作中に、屑シールド208の一部、即ち、部分209が、最後のパイプ106の(開放)端部211とフィードビーム112との間に延在又は配置されるように構成され得、それによって、屑がフィードビーム112に入ることが効率的に防止される。
図2を参照すると、屑シールド208の少なくとも部分213又は一部は、柔軟な材料、例えばゴムなどのエラストマー材料で形成され得る。有利には、可撓性材料で作られた部分209は、フィーダ122から離れる方向を向いている。この構成は、フィーダ122が第二位置136にあり、かつ、屑シールド208がパイプガイド152に接し得る時に有利である。選択的に、屑シールド208全体が前記可撓性材料で形成され得る。
【0098】
図16を参照すると、掘削リグ116が概略的に示されている。掘削リグ116は、車輪212が回転可能に取り付けられた掘削リグ本体210を有する。掘削リグ116は、パイプ104106を設置すべき掘削される地盤108の近くに駐車される。掘削リグ116は、掘削リグ本体210に対して移動可能なブーム114を有する。ブーム114には、フィードビーム112及び装置102が、例えば直接又は間接的に取り付けられている。
【0099】
本装置102は、岩盤又は岩盤層にパイプを設置するように構成されていてもよく、即ち、この場合、地盤108は岩盤又は岩盤層である。掘削機124は、岩盤掘削機であり得る。また、掘削機124は、パーカッシブ式、即ち、打撃式掘削機であり得る。装置102は、トップハンマ式掘削用のトップハンマ式掘削装置であってもよく、即ち、その場合、掘削工具110は、ドリルストリングの一端に配置され、掘削機124は、ドリルストリングの他端に配置される。ドリルストリングは、特に、ドリルロッド126、128によって形成される。
【0100】
図17は、本発明の第五及び第六の態様に従った方法の実施形態を示すフローチャートである。この方法の実施形態は、掘削ツール110に機械的に接続されたパイプ104,106を地盤108に設置する方法を提供するものである。この方法の実施形態は、掘削装置116のブーム114に取り付け可能なフィードビーム112を備えた装置102によって、パイプ104,106と共に掘削工具110を地盤108に掘削して埋め込むことを含み、この場合、フィードビーム112は、長手方向120に延びるガイド118及びフィーダ122を有し、前記ガイド118はフィーダ122を保持して案内し、フィーダ122はフィードビーム112に対して長手方向120に移動し、掘削機124は、フィーダ122に取り付けられ、フィードビーム112に対して移動可能である。この方法のこれらの実施形態では、ドリルロッド126,128及び掘削機124は、ねじ結合によって互いに取り付けられており、パイプ104,106は、ねじ結合によって互いに取り付けられている。
【0101】
さらなる掘削の前に、第二ドリルロッド126等の後続のドリルロッド128、及び第二パイプ106等の後続のパイプ106を設置するために、方法の実施形態は以下の工程を含む。
・フィーダ122が(
図2に示すように)第二位置136に位置している時、フィードビーム112に取り付けられた第一アーム138を、フィードビーム112に対して、非作動位置から作動位置へ揺動的に動かす工程301
・第一アーム138が作動位置にある時に、第一アーム138のグリッパ140によって第一ドリルロッド126を把持する工程302
・第一アーム138のグリッパ140によって第一ドリルロッド128をしっかりと把持した状態で、掘削機124によって掘削機124の取付軸129をその長手方向の中心軸線を中心に回転させることで、第一ドリルロッド126を掘削機124から離脱させる工程303
・フィーダ122を第二位置136から第一位置134に移動させる工程304
・第二ドリルロッド128が、第一位置134と第二位置136との間で静止位置(
図14参照)から動作位置、即ち、作動位置(
図15参照)に動かされる前に、フィードビーム112に取り付けられた第二アーム170のグリッパ172によって、第二ドリルロッド128を第二パイプ106の内部に部分的に配置した状態で、第二ドリルロッド128を把持する工程305
この工程は
図14に示されている。
・第三アーム190が非作動位置にある時に、パイプ供給装置188が取り付けられ、かつ、フィードビーム112に取り付けられた第三アーム190のグリッパ192によって第二パイプ106を把持する工程306
この工程は
図14に示されている。
・フィードビーム112に対して第二アーム170を非作動位置から作動位置へと揺動的に動かし、フィードビーム112に対して第三アーム190を非作動位置から作動位置へと揺動的に動かし、それにより、第二ドリルロッド128及び第二パイプ106を、第一位置134と第二位置136との間で、静止位置(
図14参照)から動作位置、即ち、作動位置(
図15参照)へと移動させる工程307
・第二アーム170が作動位置にある時に、第二アーム170のグリッパ172によって第二ドリルロッド128を把持して保持する工程308
この工程は
図9及び
図10に示されている。
・第二アーム170のグリッパ172によって第二ドリルロッド128をしっかりと把持して保持しながら、掘削機124の取付軸129をその長手方向の中心軸線を中心に回転させることによって、ねじ結合で、第二ドリルロッド128を掘削機124に取り付ける工程309
・フィードビーム112に対して第二アーム170を作動位置(
図9及び10参照)から非作動位置(
図9参照)へ揺動的に動かす工程310
・フィードビーム112に取り付けられた第一アーム138を、フィードビーム112に対して、非作動位置(
図5及び
図6参照)から作動位置(
図7参照)へ揺動的に動かす工程311
・第一アーム138が作動位置にある時に、第一アーム138のグリッパ140によって二つのドリルロッド126,128を保持312する工程312であって、第一アーム138のグリッパ140によって第二ドリルロッド128及び隣接する第一ドリルロッド126を支持して、二つのドリルロッド126,128の長手方向中心軸線156,158(
図4a,4b参照)を整列させて二つのドリルロッド126,128を整列し、第一アーム138を二つのドリルロッド126,128と強制的に相互作用させて、第一ドリルロッド126を第一パイプ104の内面エッジ166に押し付け、かつ、第二ドリルロッド128を第二パイプ106の内面エッジ168に押し付ける工程
この工程は、
図7及び
図15に示されている。
・二つのドリルロッド126,128を保持しながら、第二ドリルロッド128をねじ結合によって第一ドリルロッド126に取り付け、かつ、掘削機124によって第二ドリルロッド128をその長手方向中心軸線158を中心に回転させる工程313
この工程は、
図7に示されている。
・フィードビーム112に取り付けられた第一アーム138を、フィードビーム138に対して、作動位置(
図7参照)から非作動位置(
図5及び6参照)まで、揺動的に動かす工程314
・第三アーム190が作動位置にある時に、パイプ供給装置188を用いて第二パイプ106をフィードビーム112及び第一パイプ104に対して供給することによって、第二パイプ106をネジ結合で第一パイプ104に取り付ける工程315
フィードビーム112に対して第三アーム190を作動位置から非作動位置に移動させる工程316(
図1及び
図2参照)、及び
・フィーダ122を第一位置134から第二位置136に移動させながら、掘削工具110によってドリル孔を掘削しながら、掘削機124、回転しながら打撃するドリルロッド126,128、及び掘削工具110を用いて、パイプ104,106をドリル孔に引き込む工程317
図18には、本発明の第五及び第六の態様に従った方法の別の実施形態を示すフローチャートが示されている。
連続したパイプ設置のために再使用される第二ドリルロッド128などのドリルロッド128を切り離すために、この方法の一実施形態は以下の工程を含む。
・フィーダ122が第二位置136に位置している時(
図2参照)、第一ドリルロッド126及びパイロットドリルビット132を環状ドリルビット130から切り離す工程401
・フィーダ122及び掘削機124を、第二位置136(
図2参照)から第一位置134(
図8参照)に移動する工程402
・第一アーム138を、非作動位置(
図1及び
図5参照)から作動位置(
図8参照)に揺動的に動かす工程403
・第一アーム138が作動位置にある時に、第一アーム138のグリッパ140によって第一ドリルロッド126を把持する工程404。
この工程は
図8に示されている。
・第一アーム138のグリッパ140によって第一ドリルロッド126をしっかりと把持しながら、掘削機124によって第二ドリルロッド128をその長手方向中心軸線158を中心に回転させることによって、第二ドリルロッド128を第一ドリルロッド126から離脱させる工程405
この工程は
図8に示されている。
・第二アーム170を非作動位置(
図1参照)から作動位置へ揺動的に動かし、かつ、第三アーム190を非作動位置(
図1参照)から作動位置へ揺動的に動かす工程406
・第二アーム170が作動位置にある時に、第二アーム170のグリッパ172によって第二ドリルロッド128を把持する工程407
・第二アーム170のグリッパ172によって第二ドリルロッド128をしっかりと把持しながら、掘削機124を用いて掘削機124の取付軸129をその長手方向中心軸線を中心に回転させることによって、第二ドリルロッド128を掘削機124から離脱させる工程408
・第二アーム170を作動位置から非作動位置へ揺動的に動かし、第三アーム190を作動位置から非作動位置へ揺動的に動かし、この移動中に第三アーム190がドリルロッド128の支持を補助し、それによって第二ドリルロッド128をその動作位置、即ち、作動位置から後続の収集のための静止位置へと移動させる工程409、及び
・次のドリルロッド126を収集するために、フィーダ122及び掘削機124を第一位置134から第二位置に移動させる工程410
【0102】
パイプ104,106が地盤108に設置された時、パイプ104,106にセメント又はその他の適切な材料が充填され得る。
【0103】
追加のドリルロッド及び追加のパイプを装着して取り付ける時、かつ、追加のロッドを取り外す時に、一つ又は複数の追加の工程が追加されて実行され得、かつ、上述の工程のいくつかが繰り返され得ることは理解されるべきである。また、上述の工程のうち、一つ又は複数の工程を除外してもよい。連続してパイプを設置するためにドリルロッド124,126を取り外す際、最後のドリルロッド126は掘削機124に取り付けられたままであってもよい。
【0104】
本発明による装置102の幾つかの実施形態では、第二アーム170、第三アーム190、パイプ案内要素204、206及び屑シールド208が除外され得、第一アーム138を残したままにされ得る。他の幾つか実施形態では、第一アーム138、第三アーム190、パイプ案内要素204、206、及び屑シールド208が除外され得、第二アーム170が残したままにされ得る。
【0105】
幾つかの別の実施形態では、第一アーム138、第二アーム170、パイプ案内要素204、206、及び屑シールド208が除外され得、第三アーム190が残したままにされ得る。幾つかの他の実施形態では、第一、第二及び第三アーム138,170及び190並びにパイプ案内要素204,206が除外され得、屑シールド208が残したままにされ得る。
【0106】
ドリルロッド126,128は、液体、例えば水を供給するために中空であり得、それにより、掘削機124及び中空ドリルロッド126,128を介して、掘削ツール110に液体、例えば、水が供給され得る。しかし、液体供給について他の解決手段を用いることも可能である。
【0107】
本発明は、図示された実施形態に限定されるものではなく、添付の請求項の範囲から逸脱することなく、当業者によって多くの方法で修正及び変更され得る。
【国際調査報告】