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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-18
(54)【発明の名称】鼻炎治療器用光ガイド
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/22 20060101AFI20220511BHJP
   A61B 17/24 20060101ALI20220511BHJP
【FI】
A61B18/22
A61B17/24
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021556377
(86)(22)【出願日】2019-11-04
(85)【翻訳文提出日】2021-10-14
(86)【国際出願番号】 KR2019014783
(87)【国際公開番号】W WO2020197027
(87)【国際公開日】2020-10-01
(31)【優先権主張番号】10-2019-0033953
(32)【優先日】2019-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521432007
【氏名又は名称】ミリント カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】MIRINT CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】#508 Changupgwan Shingu University 377 Gwangmyung-ro Jungwon-gu Seongnam-si Gyeonggi-do 13174,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン ホ
【テーマコード(参考)】
4C026
4C160
【Fターム(参考)】
4C026AA04
4C026BB08
4C026FF13
4C026FF17
4C026FF34
4C160MM06
(57)【要約】
本発明は、鼻炎治療器用光ガイドに係り、射出成形で加工して、部分的な破れ、不完全な加工を防止することにより、品質の不均衡等を予防するためのものである。
特に、本発明は、射出成形で加工されて、クラッディングを含まないものの、終端側面で発生し得る光漏れを最小化することができる鼻炎治療器用光ガイドに関する。
また、治療に必要な制限された範囲における拡散を誘導することにより、機器のバッテリー消耗を最小化するとともに、拡散による治療効率を確保することができる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブで保護され、鼻腔に挿入され、レーザーが入射して照射される光ガイドにおいて、
一端の一部が水平に形成された前面部、
前記一端の他の一部が下向き傾斜して形成された傾斜部、
前記前面部の一端から前記傾斜部の最下地点まで前記傾斜部を除いた周縁部分に形成された底面部、及び
前記傾斜部及び前記底面部の下部の周縁部分を形成する周縁部を含むことを特徴とする鼻炎治療器用光ガイド。
【請求項2】
前記前面部は、
前記光ガイドの直径に対して1/3.1乃至1/3の割合の領域で形成されたことを特徴とする請求項1に記載の鼻炎治療器用光ガイド。
【請求項3】
前記前面部の最大長さ及び前記底面部の高さは、
1:3.6乃至1:3.75の割合で形成されたことを特徴とする請求項1に記載の鼻炎治療器用光ガイド。
【請求項4】
前記傾斜部は、
前記光ガイドの直径に対して1/1.5乃至1/1.45の割合の領域で形成されたことを特徴とする請求項1に記載の鼻炎治療器用光ガイド。
【請求項5】
前記底面部の高さ及び前記傾斜部の底辺の長さは、
1:1.7乃至1:1.8の割合で形成されたことを特徴とする請求項1に記載の鼻炎治療器用光ガイド。
【請求項6】
前記前面部及び前記傾斜部は、
前記光ガイドの直径において1:1.8乃至1:2.2の割合の領域で形成されたことを特徴とする請求項1に記載の鼻炎治療器用光ガイド。
【請求項7】
前記傾斜部及び前記周縁部の最上地点の水平軸までの内角は、
55乃至62°で形成されたことを特徴とする請求項1に記載の鼻炎治療器用光ガイド。
【請求項8】
前記傾斜部及び前記周縁部のうち少なくとも一つは、
レーザーの漏れを遮断する遮光コーティングが構成されたことを特徴とする請求項1に記載の鼻炎治療器用光ガイド。
【請求項9】
前記光ガイドは、
射出成形で加工されたことを特徴とする請求項1に記載の鼻炎治療器用光ガイド。
【請求項10】
前記光ガイドの表面には、
クラッディングがないことを特徴とする請求項1に記載の鼻炎治療器用光ガイド。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鼻炎治療器用光ガイドに係り、さらに詳しくは、射出成形で加工して、部分的な破れ、不完全な加工を防止することにより、品質の不均衡等を予防するためのものである。
【0002】
特に、本発明は、射出成形で加工されて、クラッディングを含まないものの、終端側面で発生し得る光漏れを最小化することができる鼻炎治療器用光ガイドに関する。
【0003】
また、治療に必要な制限された範囲における拡散を誘導することにより、機器のバッテリー消耗を最小化するとともに、拡散による治療効率を確保することができる鼻炎治療器用光ガイドに関する。
【背景技術】
【0004】
一般に、現代人は、季節の変化による温度差や、環境汚染、大気汚染物質の増加等により、風邪や鼻炎及び呼吸器疾患に感染する可能性が極めて高い。
【0005】
特に、乳児は、抵抗力が弱くて、疾病にかかる確率が高く、自分で体温を調節する能力が落ちるので、風邪、鼻炎及び呼吸器系のウイルス性疾患にしばしばかかるようになる。
【0006】
風邪をひけば、鼻水が出るか、鼻水による鼻づまり現象が現れ、乳児の場合、呼吸障害を起こし、危険な状況に置かれることもあり、大人の場合も、正常な呼吸が困難であり、活動に支障をきたすだけでなく、鼻炎または蓄膿症等のような疾患に発展する可能性が極めて高くなる。
【0007】
また、人体の呼吸器官である鼻の内部にある鼻腔の粘膜に生じる炎症を起こす鼻炎は、風邪によるウイルス性鼻炎及びアレルギー性鼻炎が最も多く発生しており、鼻炎に感染すれば、呼吸困難を引き起こすだけでなく、それに伴う頭痛や注意力の低下のような症状が現れるようになる。
【0008】
通常、鼻炎症状の緩和及び治療の目的として用いられる鼻炎治療器としては、治療用薬物、例えば、食塩水、塩化ベンゼトニウム、アルコール等を、超音波を用いて、小粒の水蒸気として噴霧する超音波噴霧方式、及び前記治療用薬物や食塩水を一定の温度に加熱し、発生する水蒸気を用いて、水蒸気が膨張して噴き出される圧縮空気噴霧方式により製作された製品が広く用いられている。
【0009】
このうち、圧縮空気噴霧方式は、空気圧を用いて、治療薬物を微細且つ強力に噴霧させることにより、超音波噴霧方式に比べて、治療効果に優れ、一般に多く用いられている実情である。
【0010】
しかしながら、上記した超音波噴霧方式及び圧縮空気噴霧方式により製作された鼻炎治療器は、使用時、その都度過量の薬品が消費され、しかも、前記鼻炎治療器は、結果的に鼻腔の患部に異物である液状の薬物を直接噴射する形態であるので、噴射するときの衝撃により鼻腔に刺激を与えて、他の鼻炎疾患を引き起こす恐れがあり、使い心地が悪くて、相対的に鼻炎疾患の多い子供や老弱者が使用を控える実情であり、一定の空間に備え付けられた状態で使わなければならないので、使用上の制約が発生するという短所があった。
【0011】
最近、低出力レーザー治療(LLLT:Low Level Laser Therapy)により、半導体レーザーを鼻腔に照射して、レーザーの生体促進効果により、アレルギー性鼻炎症状を改善するためのレーザー鼻炎治療器が開発されているが、レーザーの直進性のため、レーザーが照射される治療範囲が狭く、それにより、治療効率が低いという問題点があった。
【0012】
このような問題点を解決するために、自社では、光ガイドの終端を傾斜してグラインディング加工して拡散を誘導する方式を試みたが、この場合、照射方向の一貫性の確保が難しく、治療範囲内における光出力ばらつき等の品質の問題が発生した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記した問題点を解決するために、本発明は、射出成形で加工して、部分的な破れ、不完全な加工を防止するすることができる鼻炎治療器用光ガイドを提供することを目的とする。
【0014】
一方、本発明は、射出成形で加工されて、クラッディングを含まないものの、終端側面で発生し得る光漏れを最小化することができる鼻炎治療器用光ガイドを提供することを他の目的とする。
【0015】
このため、本発明は、終端の一部は、水平に形成し、他の一部のみを傾斜して形成して、鼻炎の治療の際に、治療に必要な制限された範囲における拡散を誘導することにより、機器のバッテリー消耗を最小化するとともに、拡散による治療効率を確保することができる鼻炎治療器用光ガイドを提供することをまた他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記した目的を達成するために、本発明による鼻炎治療器用光ガイドは、プローブで保護され、鼻腔に挿入され、レーザーが入射して照射される光ガイドであって、一端の一部が水平に形成された前面部、前記一端の他の一部が下向き傾斜して形成された傾斜部、前記前面部の一端から前記傾斜部の最下地点まで前記傾斜部を除いた周縁部分に形成された底面部、及び前記傾斜部及び前記底面部の下部の周縁部分を形成する周縁部を含む。
【0017】
また、前記前面部は、前記光ガイドの直径に対して1/3.1乃至1/3の割合の領域で形成されてもよい。
【0018】
また、前記前面部の最大長さ及び前記底面部の高さは、1:3.6乃至1:3.75の割合で形成されてもよい。
【0019】
また、前記傾斜部は、前記光ガイドの直径に対して1/1.5乃至1/1.45の割合の領域で形成されてもよい。
【0020】
また、前記底面部の高さ及び前記傾斜部の底辺の長さは、1:1.7乃至1:1.8の割合で形成されてもよい。
【0021】
また、前記前面部及び前記傾斜部は、前記光ガイドの直径において1:1.8乃至1:2.2の割合の領域で形成されてもよい。
【0022】
また、前記傾斜部及び前記周縁部の最上地点の水平軸までの内角は、55乃至62°で形成されてもよい。
【0023】
また、前記傾斜部及び前記周縁部のうち少なくとも一つは、レーザーの漏れを遮断する遮光コーティングが構成されてもよい。
【0024】
また、前記光ガイドは、射出成形で加工される。
【0025】
また、前記光ガイドの表面には、クラッディングなしで構成されてもよい。
【発明の効果】
【0026】
上記した解決手段により、本発明は、射出成形で加工して、部分的な破れ、不完全な加工を防止することにより、品質のばらつき等を予防することができるという長所がある。
【0027】
特に、本発明は、終端の一部は、水平に形成し、他の一部のみを傾斜して形成して、鼻炎の治療の際に、治療に必要な制限された範囲における拡散を誘導することにより、機器のバッテリー消耗を最小化するとともに、拡散による治療効率を確保することができるという長所がある。
【0028】
これにより、本発明は、射出成形で加工されて、特有の形状を有することにより、クラッディングを含まないので発生し得る光漏れを防止することができ、治療に必要な部分に均一な拡散を誘導して、治療の効率を高めることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明による鼻炎治療器用光ガイドを含む鼻炎治療器の一実施形態を示す斜視図である。
図2】本発明による鼻炎治療器用光ガイドを説明するために、図1を基準として、左側面から見た状態を示す図である。
図3】本発明による鼻炎治療器用光ガイドを説明するために、図1を基準として、上側面から見た状態を示す図である。
図4】本発明による鼻炎治療器用光ガイドから照射される光を示す図である。
図5】遮光コーティングが形成された鼻炎治療器用光ガイドを概略的に示す図である。
図6】本発明による鼻炎治療器用光ガイドにおける形状別のレーザー出力パワーの測定による均一出力の比較結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明による鼻炎治療器用光ファイバーの例は、様々に適用されてもよく、以下、添付された図面を参照して、最も好適な実施形態について説明する。
【0031】
図1は、本発明による鼻炎治療器用光ガイドを含む鼻炎治療器の一実施形態を示す斜視図である。
【0032】
図1を参照すれば、本発明による鼻炎治療器用光ガイド100は、鼻腔にレーザーを照射して、生体促進効果により、アレルギー性鼻炎症状を改善することができる鼻炎治療器Aに構成されるものであって、鼻炎治療が必要な使用者の鼻腔に挿入されるプローブPの内部に構成される。
【0033】
一般に、鼻炎治療器に用いられる光ガイド100の終端は、垂直に切断されるか、半円形状に形成されているが、このように形成された光ガイド100は、レーザーの光が光ガイド100の終端において直進性を持ち過ぎるか、不要に前方向へ拡散して、治療効率が落ちるという問題点があった。
【0034】
これを改善するために、自社で、光ガイド100の終端の全体を斜線で研削加工した光ガイド100を試みたが、この場合、一定方向にのみ照射が集中するという問題点があり、特に、光ガイド100の終端を加工しながら発生する部分的な破れ、不完全な加工により、光損傷が発生するという問題、及びこれにより光の拡散角度が不均一であるという問題点があった。
【0035】
本発明による鼻炎治療器用光ガイド100は、レーザーが鼻腔において拡散し過ぎるか、特定部位にのみ集中することを防止するためのものであって、特に、研削加工の問題点を改善するために射出成形で加工される。
【0036】
しかしながら、射出成形で加工された光ガイド100は、表面にクラッディングが含まれず、クラッディングが含まれない光ガイド100の場合、終端の側面から光が漏れるという問題点がある。
【0037】
本発明は、上述したレーザーの不要な拡散または集中による非効率的な治療を防止し、製造の簡便さ、品質の均一化のための鼻炎治療器用光ガイド100に関するものであって、これについての説明は、図2及び図3を参照して詳しく説明する。
【0038】
図2は、本発明による鼻炎治療器用光ガイドを説明するために、図1を基準として、左側面から見た状態を示す図である。
【0039】
図3は、本発明による鼻炎治療器用光ガイドを説明するために、図1を基準として、上側面から見た状態を示す図である。
【0040】
図2を参照すると、本発明による鼻炎治療器用光ガイド100は、一端の一部は水平に、一端の他の一部は斜線で傾斜して射出成形して製造される。
【0041】
すなわち、本発明は、一端の一部が水平に形成された前面部110、一端の他の一部が傾斜して形成された傾斜部120を含む。
【0042】
また、全体的な円柱状において、側面周縁部分のうち、前記傾斜部120の最下地点を基準として、その下部に形成される側面周縁部分を周縁部140と定義し、その他の傾斜部120の最下地点を基準として、その上部に形成される部分を底面部130と定義する。
【0043】
すなわち、本発明は、前面部110から傾斜部120の最下地点の向かい側の位置まで傾斜部120を除いた周縁部分を形成する傾斜部120、及び底面部130の下部の周縁部分を形成する周縁部140で構成されてもよい。
【0044】
上述した底面部130は、鼻腔において上顎骨側に位置する鼻腔の底面と向い合うようになる。
【0045】
レーザーで鼻炎を治療する場合、鼻腔粘膜と鼻甲介に集中して生体促進を行うことが好ましいが、過酸化物分解酵素またはカタラーゼを活性化させ、血液内の活性酸素種を抑制することにより、過敏反応である鼻炎症状を緩和させることが最も効率的である。
【0046】
したがって、本発明による鼻炎治療器用光ガイド100に入射されるレーザーは、傾斜部120では、全反射が行われ、前面部110及び底面部130にのみレーザー出力が均一に出るようにすることが好ましい。前面部110及び底面部130から照射されるレーザーを鼻腔の粘膜細胞に伝達し、特に、底面部130の周縁の側面部分から照射されるレーザーを鼻甲介に伝達することができる。
【0047】
但し、本発明による鼻炎治療器用光ガイド100は、傾斜部120の角度に応じて、前面部110及び底面部130から照射されるレーザーが不均一に照射され得る。
【0048】
本発明による鼻炎治療器用光ガイド100の傾斜部120は、周縁部140の最上地点の水平軸までの内角(θ、以下「傾斜度」という。)が、55乃至62°で形成されることが好ましい。
【0049】
このため、本発明による鼻炎治療器用光ガイド100の前面部110は、図2及び図3に示すように、光ガイド100の直径aに対して1/3.1乃至1/3の割合の領域で形成されることが好ましい。
【0050】
ここで、領域とは、図2を基準として、水平最大長さb、または図3を基準として、垂直最大長さbとなり、面積となってもよい。
【0051】
また、前面部110の最大長さb及び底面部130の高さdは、1:3.6乃至1:3.75の割合で形成されることが好ましい。
【0052】
本発明による鼻炎治療器用光ガイド100は、光ガイド100の直径aに応じて、前面部110の最大長さbを算定してもよく、前面部110の最大長さbに応じて、底面部130の高さdを算定して、好適な傾斜度(θ)をなす傾斜部120が構成されてもよい。
【0053】
また、本発明による鼻炎治療器用光ガイド100は、傾斜部120を基準として、好適な傾斜度(θ)で形成された傾斜部120が構成されてもよい。
【0054】
傾斜部120は、図2を基準として、前面部110の一端から周縁部140の一端まで下向き傾斜して形成される。
【0055】
傾斜部120は、図2及び図3に示すように、光ガイド100の直径aに対して、1/1.5乃至1/1.45の割合の領域で形成されることが好ましい。
【0056】
ここで、領域とは、図2を基準として、底辺の長さc、または図3を基準として、垂直最大長さcとなってもよく、面積となってもよい。
【0057】
また、底面部130の高さd及び傾斜部120の底辺の長さcは、1:1.7乃至1:1.8の割合で形成されることが好ましい。
【0058】
従って、光ガイド100の直径aに応じて、傾斜部120の底辺の長さcを算定してもよく、傾斜部120の底辺の長さcに応じて、底面部130の高さdを算定して、好適な傾斜度(θ)で形成された傾斜部120が構成されてもよい。
【0059】
上述したように構成される前面部110及び傾斜部120は、光ガイド100直径aにおいて、1:1.8乃至1:2.2の割合の領域で形成される。
【0060】
図4は、本発明による鼻炎治療器用光ガイドから照射される光を示す図である。
【0061】
このように構成される鼻炎治療器用光ガイド100は、水平に形成された前面部110及び傾斜して形成された傾斜部120により、図4の(a)乃至(c)に示すように、前面部110及び底面部130から均一な出力パワーのレーザーが照射される。傾斜部120では、全反射となり、レーザーが照射されないことが好ましい。
【0062】
図5は、遮光コーティングが形成された鼻炎治療器用光ガイドを概略的に示す図である。
【0063】
図5を参照すると、本発明は、射出成形で加工されることにより、クラッディングを含まないので発生し得る周縁部140の一側または全体における光漏れを防止することができる遮光コーティング150を含んでもよい。
【0064】
遮光コーティング150は、図5に示すように、傾斜部120及び周縁部140のうち少なくとも一つの表面に形成されてもよい。
【0065】
特に、周縁部140に形成される遮光コーティング150は、底面部130の最下地点までのみ形成されることが好ましい。
【0066】
これにより、本発明は、前面部110及び底面部130のほか、他の部分からレーザーが漏れることを遮断し、光漏れをさらに防止することができるという効果がある。
【0067】
以下、本発明の一実施形態を適用した実験結果により詳しく説明する。
【0068】
図6は、本発明による鼻炎治療器用光ガイドにおける形状別のレーザー出力パワーの測定による均一出力の比較結果を示す図であって、鼻炎治療器用光ファイバーの前面部110、傾斜部120、及び前面部110の長さによる前面部110及び底面部130のレーザー出力パワーを測定した。
【0069】
比較例1:5.2mm直径の光ファイバー、前面部の最大長さ1.7mm、傾斜部の底辺の長さc3.5mm、底面部の高さ4.2mmで構成され、傾斜部の傾斜度を50°で構成
【0070】
実施例:5.2mm直径の光ファイバー、前面部の最大長さ1.7mm、傾斜部の底辺の長さ3.5mm、底面部の高さ6.2mmで構成され、傾斜部の傾斜度を60°で構成
【0071】
比較例2:5.2mm直径の光ファイバー、前面部の最大長さ1.7mm、傾斜部の底辺の長さc3.5mm、底面部の高さ7.2mmで構成され、傾斜部の傾斜度を64°で構成された場合に対する均一出力の比較結果を示したものである。
【0072】
図6の結果を検討すると、比較例1の場合、0°で測定したレーザー出力値は5.5mWであり、45°の出力値は10mWであり、90°の出力値は7.5mWであると確認された。
【0073】
これに対して、実施例の場合、0°の出力値は7.1mWであり、45°の出力値は6.5mWであり、90°の出力値は6.5mWであると確認され、比較例2の場合、0°の出力値は8mWであり、45°の出力値は7mWであり、90°の出力値は3mWであると確認された。
【0074】
傾斜部の傾斜度が50°で形成された比較例1の場合、最大レーザー出力パワーが最も高いものと示されたが、0°と45°に比べて、90°においてレーザー出力パワーが集中するものと示された。これに対して、傾斜部の傾斜度が64°で形成された比較例2の場合、45°及び90°に比べて、0°においてレーザー出力パワーが集中するものと示された。
【0075】
これに対して、傾斜部の傾斜度が60°で形成された実施例の場合、0°、45°、及び90°で測定されたレーザー出力パワーの偏差が最も低いものと示され、レーザーが均一に出力されることが確認された。
【0076】
これにより、傾斜部120の傾斜度が低いほど、底面部130側にレーザーが集中し、傾斜部120の傾斜度が高いほど、前面部110にレーザーが集中することが確認された。
【0077】
従って、本発明による鼻炎治療器用光ファイバー100は、傾斜部120の傾斜度(θ)を60°で構成することが好ましく、このため、前面部110の最大長さbを光ファイバー100の直径aに対して1/3.03で形成し、底面部130の高さdは、前面部110の最大長さbの3.7倍で形成することが好ましい。また、傾斜部120を基準として、傾斜部120の底辺の長さcを光ファイバー100の直径aに対して1/1.48で形成し、底面部130の高さdは、傾斜部120の底辺の長さcの1.78倍で形成することが好ましい。
【0078】
これにより、本発明は、終端の一部は、水平に形成し、他の一部のみを傾斜して形成して、鼻炎の治療の際に、治療に必要な制限された範囲における拡散を誘導することにより、機器のバッテリー消耗を最小化することができ、クラッディングを含まないので発生し得る光漏れを防止して、治療に必要な部分に均一な拡散を誘導して、治療効率を高めることができる効果がある。
【0079】
以上、本発明による鼻炎治療器用光ファイバーについて説明した。このような本発明の技術的構成は、本発明が属する技術分野における当業者であれば、本発明のその技術的思想や必須的特徴を変更することなく、他の具体的な形態として実施され得ることを理解することができるであろう。
【0080】
従って、上述した実施例は、全ての面において例示的なものであって、限定的なものではないと理解されなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、医療分野及びウェアラブルヘルスケアはもとより、これに類似乃至関連した分野における活用が可能であり、製品の信頼性及び競争力を向上させることができる。
【符号の説明】
【0082】
100 鼻炎治療器用光ガイド
110 前面部
120 傾斜部
130 底面部
140 周縁部
150 遮光コーティング
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】