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特表2022-525722バイオ製造プロセスにおけるビジョンシステムの使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-19
(54)【発明の名称】バイオ製造プロセスにおけるビジョンシステムの使用
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/21 20060101AFI20220512BHJP
【FI】
C12M1/21
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021545693
(86)(22)【出願日】2020-03-26
(85)【翻訳文提出日】2021-09-03
(86)【国際出願番号】 US2020025040
(87)【国際公開番号】W WO2020198518
(87)【国際公開日】2020-10-01
(31)【優先権主張番号】62/825,351
(32)【優先日】2019-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.iPhone
(71)【出願人】
【識別番号】504115013
【氏名又は名称】イー・エム・デイー・ミリポア・コーポレイシヨン
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハンセン,アン
(72)【発明者】
【氏名】オブライエン,ケビン
(72)【発明者】
【氏名】ウッド,エイミー
(72)【発明者】
【氏名】レイン,ノア
(72)【発明者】
【氏名】ジャンコ,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ヒラー,オリバー
【テーマコード(参考)】
4B029
【Fターム(参考)】
4B029AA01
4B029BB11
4B029BB12
4B029DE06
4B029DE08
4B029DG10
(57)【要約】
生物学的流体を処理するためのシステムであって、バイオリアクタであって、窓を含む、バイオリアクタと;加工助剤の送達を可能にするための少なくとも1つのポートと;制御システムと;センサと、信号を送信するための送信機と;信号変換器と;信号を受信するためのコントローラと;加工助剤をポートに送達するための弁とを備え、センサは、プロセス状態を感知し、信号を送信し、信号が、参照信号と比較され、比較に基づいてプロセスアクションが任意選択的にとられるシステム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物学的流体を加工するためのシステムであって、
バイオリアクタであって、窓を含む、バイオリアクタ、
加工助剤の送達を可能にするための少なくとも1つのポート、
制御システム
を備え、制御システムは、
センサと、
信号を送信するための送信機と、
信号変換器と、
信号を受信するためのコントローラと、
加工助剤をポートに送達するための弁または機構と
を備え、
センサは、プロセス状況を感知し、信号を送信し、信号が、参照信号と比較され、比較に基づいてプロセスアクションが任意選択的にとられる、システム。
【請求項2】
センサが、カメラまたは流体レベルセンサを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
コントローラが、マイクロプロセッサを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
マイクロプロセッサが、iPad、スマートフォン、iPhone、タブレット、携帯情報端末、またはハンドヘルドマイクロプロセッサである、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
バイオリアクタ内の生物学的流体を処理するための方法であって、
流体レベルおよび/または流体の表面上に置かれた泡レベルの参照写真または画像を撮影および記憶することを、任意選択的に含み、
生物学的流体に対する生物学的プロセスを開始することと、
センサを使用して信号を生成することと、
信号をコントローラに送ることと、
参照ファイルまたは標準を含むデータベースをインテロゲートすることと、
参照ファイルまたは標準を信号と比較することと、ローカルプロセス自動化制御スキッド、集中プロセス自動化制御スキッド、携帯情報端末、スマートフォン、iPhone、タブレット、iPad、またはハンドヘルドマイクロプロセッサのうちの少なくとも1つに信号を自動的に送ることであって、信号はアラートまたはプロセス命令のセットを含む、ことと
を含む、方法。
【請求項6】
プロセス命令のセットが、加工助剤または薬剤をバイオリアクタ内に送達するために機構にエネルギーを与えるかまたは弁を開くための命令を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
信号が、流体レベルまたは泡の存在を感知する、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
加工助剤または薬剤が、緩衝剤、塩溶液、消泡添加剤、pH緩衝剤、供給原料、栄養素、細胞培養培地、ならびに/または、生物学的流体の加工および/もしくは細胞培養プロセスに関連する他の添加剤を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
センサを使用して信号を生成するステップが、既知の時間間隔で繰り返される、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
時間間隔が、約1分から5分である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
バイオリアクタ内の生物学的流体を処理するための方法であって、
生物学的流体に対する生物学的プロセスを開始すること、
センサを使用して信号を生成することであって、信号は、流体レベルおよび/または流体の表面上に置かれた泡レベルのプロセス写真または画像の撮影である、こと、
信号をコントローラに送ること、
信号を参照値と比較すること、
ローカルプロセス自動化制御スキッド、集中プロセス自動化制御スキッド、携帯情報端末、スマートフォン、iPhone、タブレット、iPad、またはハンドヘルドマイクロプロセッサのうちの少なくとも1つに信号を自動的に送ることであって、信号はアラートまたはプロセス命令のセットを含む、こと
を含む、方法。
【請求項12】
プロセス命令のセットが、加工助剤または薬剤をバイオリアクタ内に送達するために、弁を開くためか、または計量ポンプにエネルギーを与えるための命令を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
加工助剤または薬剤が、緩衝剤、塩溶液、消泡添加剤、pH緩衝剤、供給原料、栄養素、細胞培養培地、ならびに/または生物学的流体の加工および/もしくは細胞培養プロセスに関連する他の添加剤を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
信号を生成するステップが、既知の時間間隔で繰り返される、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
時間間隔が、約1分から5分である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
バイオリアクタ内の生物学的流体を処理するための方法であって、
参照データセットを作り出すことと、
ネットワークをトレーニングすることと、
加工中に監視されている生物学的プロセスから1つ以上の画像を取得することと、
1つ以上の画像を参照データセットと比較することと、
バイオリアクタと通信する機器に信号を送ることと
を含む、バイオリアクタ内の生物学的流体を処理するための方法。
【請求項17】
参照データセットが、例えば、一続きのもしくは一連の画像もしくはビデオ、またはビデオから間引かれた一続きのもしくは一連の画像を含み得る、請求項16に記載のバイオリアクタ内の生物学的流体を処理するための方法。
【請求項18】
参照データセットが、デジタルメモリ、デジタルサーバ、またはメモリを有する任意のマイクロプロセッサに記憶される、請求項17に記載のバイオリアクタ内の生物学的流体を処理するための方法。
【請求項19】
画像が、画像内の異なる領域に関してラベル付けまたは分類される、請求項16に記載のバイオリアクタ内の生物学的流体を処理するための方法。
【請求項20】
ラベルが、1)空気、2)液体、3)泡、および4)またはバックグラウンドを含む、請求項19に記載のバイオリアクタ内の生物学的流体を処理するための方法。
【請求項21】
ネットワークが、結果を改善するためにパラメータを調節する、請求項16に記載のバイオリアクタ内の生物学的流体を処理するための方法。
【請求項22】
監視されているプロセスから取得された1つ以上の画像が、リアルタイムでの使用および分析のために作られる、請求項16に記載のバイオリアクタ内の生物学的流体を処理するための方法。
【請求項23】
信号が視覚および/または可聴アラームである、請求項16に記載のバイオリアクタ内の生物学的流体を処理するための方法。
【請求項24】
信号が、バイオリアクタと通信する機器への信号であり、1つ以上の画像を取得するステップで決定された泡の量に適切な量の消泡添加剤を分配する、請求項16に記載のバイオリアクタ内の生物学的流体を処理するための方法。
【請求項25】
監視されている生物学的プロセスから1つ以上の画像を取得することが、画素ごとの分類を含む、請求項16に記載のバイオリアクタ内の生物学的流体を処理するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2019年3月28日に提出された米国仮出願第62/825,351号の利益を主張し、その全内容は参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、生物学的流体を含み、加工し、および操作するためのシステムに関する。より具体的には、いくつかの実施形態において、中に含まれる生化学的、生物学的反応、および/または細胞増殖等を行うためのリアクタとして使用されることができる鋼製バイオリアクタまたは可撓性の折り畳み可能なバッグを含むシステムおよび方法が記載される。
【背景技術】
【0003】
生物学的流体を含み、加工し、および操作するための多くの種類の容器が利用可能である。例えば、生物学的材料、例えば、哺乳動物細胞および植物細胞等を含む細胞、ならびにウイルス培養物または微生物培養物は、バイオリアクタを使用して培養されることができる。従来のバイオリアクタ、例えば鋼製容器、または使い捨てバイオリアクタが使用されることができ、その多くはプラスチックバッグを使用する。加工中、様々な供給原料、酸素、pH緩衝剤および塩、ならびに他の加工助剤等の添加剤が、細胞培養物を含む生物学的流体に添加される。さらに、これらの添加剤は、強力なインペラを使用して混合され、より理想的な混合基準を達成するためにバッフルの使用を含むことができる。
【0004】
細胞培養物のバイオ処理は、手動で、または器具を用いて監視されなければならない。バッグ内の生物学的液体または細胞の状態または状況を決定するために、そのようなバイオリアクタおよびバッグ内で様々なセンサが一般に使用される。そのようなセンサは、典型的には、pH、溶存ガス、温度、濁度、導電率、バイオマス、代謝産物および/または阻害剤、関心のある生成物等を監視して、バイオリアクタまたはバッグ全体のそのような特性の均一性を決定する。そうするために、センサは、浸漬管内のバッグの上部からバッグの内部容積内の1つ以上の場所に配置されることが多い。代替として、センサは、単にバイオリアクタの内壁に据え付けられる。そのようなセンサの使用は、法外な費用がかかる可能性がある。センサが再使用される場合、それらは洗浄および滅菌されなければならない。いくつかの場合では、センサは使い捨てセンサであり、ひいては廃棄される。
【0005】
生物学的流体および添加剤の激しい混合のために、処理されている生物学的流体の表面に泡が形成されることが多く、これは好ましくない。泡の量を減らすために、消泡添加剤が添加される。しかしながら、消泡添加剤の添加は、手動介入に依存し、常時監視の状況を作り出す。また、消泡添加剤の量および添加のタイミングは、共に反応的および主観的である。プロセス制御された自動方式で消泡添加剤を添加するためのセンサおよびカメラ等のプロセスおよび器具は、当技術における進歩を表す。さらに、生物学的流体の状態を制御するための濁度、色、および他の特性を監視するための自動プロセスは、当該技術における進歩を表す。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施形態は、生物学的流体を含み、加工し、および操作するためのシステムおよび方法に関し、特許請求の範囲においてさらに完全に記載されるように、図面のうちの少なくとも1つに、実質的に示されるおよび/または関連して説明されるように、いくつかの実施形態において、鋼タンクと、バイオリアクタとして使用され得る可撓性の折り畳み可能なバッグとを備え、バイオリアクタまたはバッグの外側に置かれた流体レベルセンサおよび/またはカメラをさらに備えるシステムおよび方法に関する。生物学的流体を加工するためのシステムであって、バイオリアクタであって、窓を含む、バイオリアクタと、加工助剤の送達を可能にするための少なくとも1つのポートと;制御システムと、センサと;信号を送信するための送信機と;信号変換器と;信号を受信するためのコントローラと;加工助剤をポートに送達するための弁またはポンプ等の機構とを備え、センサがプロセス状況を感知し、信号を送信し、信号を参照信号、データ点、および/または記憶された参照データと比較し、比較に基づいてプロセスアクションが任意選択的にとられる、システム、ならびにそれに関連する方法が開示される。
【0007】
本開示の様々な利点、態様、新規および発明的特徴、ならびにその例示的な実施形態の詳細は、以下の説明および図面からより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示に記載のいくつかの実施形態による、窓を有する鋼製バイオリアクタおよびそれと通信する制御システムの正面図である。
図2】本開示に記載のいくつかの実施形態による、窓およびセンサを有する可撓性バッグバイオリアクタの正面図である。
図3】本開示に記載のいくつかの実施形態による、生物学的流体を処理するための方法を示すフロー図である。
図4】本開示に記載のいくつかの実施形態による、生物学的流体を処理するための第2の方法を示すフロー図である。
図5】本開示の実施形態による、液体を有する領域、泡を有する領域、および空気の領域を含む内部容積を有するバイオリアクタを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
したがって、本明細書に開示された特徴を詳細に理解することができる方法で、上で簡単に要約された本開示の実施形態のより具体的な説明は、添付の図面を参照することによって得られることができる。しかしながら、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、本明細書に開示された実施形態が他の等しく有効な実施形態を認めることができるため、その範囲を限定するものと見なされるべきではないことに留意されたい。また、一実施形態の要素および特徴は、さらなる列挙なしに他の実施形態に見出されことができ、可能な場合には、図に共通する同等の要素を示すために同一の参照番号が使用されていることも理解されたい。
【0010】
本明細書に記載のバイオリアクタ、バッグ、またはコンテナのいずれかは、その内容物、例えば生物学的流体が、センサ、例えば流体レベルセンサおよび/またはカメラによって識別され得るように、1つ以上の透明窓を含むことができる。本明細書に記載のバイオリアクタ、バッグ、またはコンテナの任意の実施形態は、例えばベンチトップスケールから3000Lバイオリアクタまで、混合される細胞および培養培地等の生物学的流体を含むのに十分なサイズのものである。
【0011】
流体レベルセンサおよび/またはカメラは、多くの状況を検出することができる。例えば、発泡、漏れ、容積レベル、色、濁度、透明度、均一性、流れ、および/もしくは、圧力変化によるバッグの膨らみまたは形状の変化である。
【0012】
いくつかの実施形態によれば、バイオリアクタは、液体または流体を受け入れて維持するように設計される。いくつかの実施形態において、バイオリアクタは、ステンレス鋼バイオリアクタである。いくつかの実施形態において、バイオリアクタは、可撓性の使い捨てバッグである。
【0013】
ここで図面を参照すると、図1は、本開示に記載のいくつかの実施形態による、透明窓20を有する鋼製バイオリアクタ100およびそれと通信する制御システム50の正面図を示す。鋼製バイオリアクタ100は、一般に、円筒形状に形成され、内部作業容積32を有する壁10を備える。内部作業容積32は、実質的に形状を変化させることなく、非常に少量の、例えば0.5リットル(L)から例えば4000Lの液体を加工することができる。
【0014】
制御システム50は、信号を生成するためのセンサ52と、信号を送信するための送信機54と、信号変換器56と、コントローラ58と、弁60とを備える。センサ52は、例えばカメラまたは流体レベルセンサであってもよく、内部の作業容積32内の流体の表面38上に置かれた泡36の存在および/または高さを感知することができる。いくつかの例示的なセンサおよび/または画像生成デバイスは、米国マサチューセッツ州ナティックのコグネックス社、日本京都のオムロン社、および/または日本大阪のキーエンス社によって市販されている。コントローラ58は、専用のマイクロプロセッサ、すなわちコンピュータであってもよい。代替として、コントローラ58は、信号を受信し、出力機構に命令を提供することができ、遠隔地から制御され得るコンピュータ、iPad(R)、または他の携帯情報端末であってもよい。出力機構は、ポンプまたは弁であってもよい。弁60は、開閉のための信号を受信することができる任意の形式の弁であってもよい。いくつかのシステムでは、様々な「加工助剤」、例えば消泡添加剤の入力は、任意選択的にコントローラ58と通信する蠕動ポンプ等の計量ポンプによって制御される。そのような弁は、空気弁、油圧弁、または電気弁を含む。制御システム50は、リアルタイムのフィードバックおよび制御、すなわちサーボ制御、比例積分微分(PID)制御等を提供することができることを理解されたい。例えば、センサ52によって生成された信号は、消泡添加剤等の薬剤または加工助剤を送達するように弁60に命令することができる。さらに、制御システム50は、例えば、処理されている流体の表面38上で検出された泡36の高さに基づいて、異なるまたは変化する量の薬剤または加工助剤を送達するように弁60に命令することができる。薬剤または加工は、48または入口44を介して内部の作業容積32に加えられてもよい。
【0015】
バイオリアクタ100は、ベース14と、1つ以上の可動ブレードまたはベーン16とをさらに備えるインペラアセンブリ28を有する。いくつかの実施形態において、インペラアセンブリ28用のモータ(図示せず)等のドライバは、バイオリアクタ100の外部にある。いくつかの実施形態において、コンテナ10は、0.5Lの最小内部作業容積、および4000Lの最大内部作業容積を有する。サイズに関係なく、バイオリアクタ100は、動作するために完全な液体容量である必要はないことを理解されたい。例えば、200Lであろうと3000Lであろうと、任意のバイオリアクタ100は、インペラアセンブリ28の直上の液体高さにある最大内部作業容積Hまたは代替として最小内部作業容積Lで動作することができる。バイオリアクタ100はまた、最大作業容積Hと最小作業容積Lとの間の任意の作業内部容積で動作することができる。いくつかの実施形態において、インペラアセンブリ28の少なくとも一部は、バイオリアクタ100の内部作業容積32内に置かれる。
【0016】
作動時にブレード16がバイオリアクタ100内の流体を十分に撹拌することができると仮定して、インペラアセンブリ28のブレード16の数および形状は特に限定されない。ブレードは、ポリエチレン等のプラスチック材料、または滅菌目的のために、ポリプロピレンもしくはポリプロピレンコポリマー等のガンマ線照射に耐性のある任意のポリマーで構築され得る。バイオリアクタ100は、任意選択的に、ベース14が、ポリエチレン等のプラスチック材料、またはやはり滅菌目的のために、ポリプロピレンもしくはポリプロピレンコポリマー等のガンマ線照射に耐性のある任意のポリマーで構築されることを含む。バイオリアクタ100は、比較的平坦な底部B、または代替として円錐形の底部(図示せず)もしくは他のテーパ状の底部を有することができる。代替として、バイオリアクタ100は、二次元テーパ状底部(図示せず)を備えてもよい。
【0017】
いくつかの実施形態において、ベース14は、軸方向に延在する部材22を含む。軸方向に延在する部材22は、混合インペラオーバーモールド磁石(図示せず)等のインペラアセンブリ28の磁気ベースを収容し、ブレード16は、部材22の軸方向上方に延在し、磁気インペラが駆動磁石によって駆動されると自由に回転する。インペラアセンブリ28がバイオリアクタ100内に設置されるいくつかの実施形態において、延在する部材22は、バイオリアクタ100の外側に突出し、ベース14はバイオリアクタ100に封止される。インペラアセンブリ28の残りの部分は、バイオリアクタ100の内部に収納される。いくつかの実施形態において、インペラアセンブリ28は、バイオリアクタ100の底部Bまたはその近くに配置され、バイオリアクタ100は、混合位置(例えば、吊り下げ位置)にあり、バイオリアクタ100の出口30等の少なくとも1つのポート46の近位にある。
【0018】
バイオリアクタ100は、複数のバッフル入口40をさらに備える。内部の作業容積32への流体アクセスは、複数のポート46のうちの1つ以上を介する。複数のポート46は、任意選択的に、バイオリアクタ100に直接接着、接続、封止、または溶着される。複数のポート46の各々またはいずれかは、プラグ(図示せず)、コネクタ(図示せず)を備えてもよく、またはそれらと取り付けられた、もしくは一体的に形成された導管もしくはチューブ44を有してもよい。いくつかの例示的な実施形態において、チューブ44は、放射線による滅菌に適したシリコーン材料で形成される。いくつかの例示的な実施形態において、チューブ44は、溶着可能なチューブ材料で形成される。流体は、ポート30を介してバイオリアクタから出ることができることにさらに留意されたい。例えば、バイオリアクタ100は、バイオリアクタ100の底部Bの近位に複数の出口ポート30を備える。
【0019】
いくつかの実施形態において、出口ポート30および/または複数の入口バッフル入口40は、一方向弁(図示せず)または疎水性膜(図示せず)を備え、その結果、液体(弁による)またはガス(弁または疎水性膜による)は、必要に応じて、選択的にのみそこを出入りすることができる。
【0020】
図2は、本開示に記載のいくつかの実施形態による、プラスチック窓22およびセンサ50を有する可撓性バイオリアクタバッグ200の正面図を示す。使い捨てバイオリアクタであってもよい可撓性バイオリアクタバッグ200は、一般に、ほぼ円筒形に形成され、内部作業容積32を有する壁12を含む。可撓性バイオリアクタバッグ200は、例えばシェル5内に収納されてもよい。内部作業容積32は、実質的に形状を変化させることなく、非常に少量の、例えば0.5Lから例えば4000Lの液体を加工することができる。
【0021】
上記のように、制御システム50は、信号を生成するためのセンサ52と、信号を送信するための送信機54と、信号変換器56と、コントローラ58と、弁60とを備える。センサ52は、例えばカメラまたは流体レベルセンサであってもよく、窓22を介して、内部の作業容積32内の流体の表面38上に置かれた泡36の存在および/または高さを感知することができる。上記のように、カメラまたは流体センサは、当業者に知られているように、様々な製造業者のいずれかによって供給され得る。コントローラ58は、専用のマイクロプロセッサ、すなわちコンピュータであってもよい。代替として、コントローラ58は、信号を受信し、弁60に命令を提供することができ、遠隔地から制御され得るコンピュータ、ローカルプロセス自動化制御スキッド(local process automation control skid)、集中プロセス自動化制御スキッド(centralized process automation control skid)、iPad、または他の携帯情報端末であってもよい。上述のように、弁60または計量システムは、開閉のための信号を受信することができる任意の形式の弁であってもよい。そのような弁は、空気弁、油圧弁、または電気弁を含む。制御システム50は、リアルタイムのフィードバックおよび制御、すなわちサーボ制御、比例積分微分(PID)制御等を提供することができることを理解されたい。例えば、センサ52によって生成された信号は、消泡添加剤等の薬剤または加工助剤を送達するように弁60に命令することができる。また、センサ52によって生成された信号は、消泡添加剤等の薬剤または加工助剤を送達するように弁60に命令することができる。さらに、制御システム50は、例えば、処理されている流体の表面38上で検出された泡36の高さに基づいて、異なるまたは変化する量の薬剤または加工助剤を送達するように弁60に命令することができる。薬剤または加工は、48または入口44を介して内部の作業容積32に加えられてもよい。
【0022】
可撓性バイオリアクタバッグ200は、ベース14と、1つ以上の可動ブレードまたはベーン16とをさらに備えるインペラアセンブリ28を有する。いくつかの実施形態において、インペラアセンブリ28用のモータ(図示せず)等のドライバは、可撓性バイオリアクタバッグ200の外部にある。いくつかの実施形態において、可撓性バイオリアクタバッグは、例えば0.5L~10Lの最小内部作業容積、および4000Lの最大内部作業容積を有する。サイズに関係なく、可撓性バイオリアクタバッグ200は、動作するために完全な液体容量である必要はないことを理解されたい。例えば、例えば10Lであろうと4000Lであろうと、任意の可撓性バイオリアクタバッグ200は、インペラアセンブリ28の直上の液体高さにある最大内部作業容積Hまたは代替として最小内部作業容積Lで動作することができる。可撓性バイオリアクタバッグ200はまた、最大作業容積Hと最小作業容積Lとの間の任意の作業内部容積で動作することができる。いくつかの実施形態において、インペラアセンブリ28の少なくとも一部は、可撓性バイオリアクタバッグ200の内部作業容積32内に置かれる。
【0023】
作動時にブレード16が可撓性バイオリアクタバッグ200内の流体を十分に撹拌することができると仮定して、インペラアセンブリ28のブレード16の数および形状は特に限定されない。ブレードは、ポリエチレン等のプラスチック材料、または滅菌目的のために、ポリプロピレンもしくはポリプロピレンコポリマー等のガンマ線照射に耐性のある任意のポリマーで構築され得る。可撓性バイオリアクタバッグ200は、任意選択的に、ベース14が、やはり滅菌目的のために、ポリエチレン等のプラスチック材料、またはポリプロピレンもしくはポリプロピレンコポリマー等のガンマ線照射に耐性のある任意のポリマーで構築されることを含む。可撓性バイオリアクタバッグ200は、比較的平坦な底部B、または代替として円錐形の底部(図示せず)もしくは他のテーパ状の底部を有することができる。代替として、可撓性バイオリアクタバッグ200は、二次元テーパ状底部(図示せず)を備えてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態において、ベース14は、軸方向に延在する部材22を含む。軸方向に延在する部材22は、混合インペラオーバーモールド磁石(mixing impeller overmolded magnet)(図示せず)等のインペラアセンブリ28の磁気ベースを収容し、ブレード16は、部材22の軸方向上方に延在し、磁気インペラが駆動磁石によって駆動されると自由に回転する。インペラアセンブリ28がバイオリアクタ100内に設置されるいくつかの実施形態において、延在する部材22は、可撓性バイオリアクタバッグ200の外側に突出し、ベース14は可撓性バイオリアクタバッグ200に封止される。インペラアセンブリ28の残りの部分は、可撓性バイオリアクタバッグ200の内部に収納される。いくつかの実施形態において、インペラアセンブリ28は、可撓性バイオリアクタバッグ200の底部Bまたはその近くに配置され、可撓性バイオリアクタバッグ200は、混合位置(例えば、吊り下げ位置)にあり、可撓性バイオリアクタバッグ200の出口30等の少なくとも1つのポート46の近位にある。
【0025】
可撓性バイオリアクタバッグ200は、図1に記載のバイオリアクタ100と同様に、複数のバッフル入口40をさらに備える。内部の作業容積32への流体アクセスは、複数のポート46のうちの1つ以上を介する。複数のポート46は、任意選択的に、可撓性バイオリアクタバッグ200に直接接着、封止、または溶着される。複数のポート46の各々またはいずれかは、プラグ(図示せず)を備えてもよく、またはそれと取り付けられた、もしくは一体的に形成された導管もしくはチューブ44を有してもよい。いくつかの例示的な実施形態において、チューブ44は、放射線による滅菌に適したシリコーン材料で形成される。流体は、ポート30を介してバイオリアクタから出ることができることにさらに留意されたい。例えば、可撓性バイオリアクタバッグ200は、可撓性バイオリアクタバッグ200の底部Bの近位に複数の出口ポート30を備える。
【0026】
いくつかの実施形態において、出口ポート30および/または複数の入口バッフル入口40は、一方向弁(図示せず)または疎水性膜(図示せず)を備え、その結果、液体(弁による)またはガス(弁または疎水性膜による)は、必要に応じて、選択的にのみそこを出入りすることができる。
【0027】
図3は、本開示に記載のいくつかの実施形態による、生物学的流体を処理するための方法300を示すフロー図である。生物学的プロセスは、例えば、細胞培養、清澄化、精製、ウイルス排除、ウイルス不活性化、研磨、および当業者に公知の他の生物学的プロセスを含み得る。方法300は、ステップ301において、参照写真または画像を撮影および記憶することを、任意選択的に含む。画像は、プロセスアクションがとられないことを必要とする流体レベルの画像である。画像はまた、プロセスアクションがとられるべきではないことを示す、流体レベルの表面上に泡を全くまたはほとんど有しない流体の画像であってもよい。例えば、プロセスアクションは、携帯情報端末、すなわちスマートフォン、タブレット、iPad(R)、または任意のハンドヘルドマイクロプロセッサに信号を送ることを含むことができる。信号は、単純なアラートを含むことができる。代替として、信号は、最終的に、例えば加工助剤または薬剤をバイオリアクタ内に送達するための弁の開放等のプロセスアクションが自動的にとられるフィードバックループの一部であってもよい。いくつかの実施形態において、助剤または薬剤は、緩衝剤、塩溶液、消泡添加剤、pH緩衝剤、供給原料、栄養素、細胞培養培地、および/または生物学的流体の加工、細胞培養プロセス等に関連する他の添加剤を含む。
【0028】
ステップ302において、生物学的流体に対する生物学的プロセス、例えば細胞培養プロセスが開始される。ステップ304において、センサが生物学的流体の特性を測定する。例えば、流体レベルセンサは、生物学的流体の高さ、および/または泡の存在が生物学的流体の表面上にあるかどうかを測定することができる。いくつかの実施形態において、センサはカメラを備える。カメラは、生物学的流体の流体レベルおよび/または泡のスナップショットを撮影することができる。
【0029】
ステップ306において、マイクロプロセッサまたは他のデジタルデバイスが、測定された特性を標準と比較する。例えば、カメラで撮影されたプロセス写真が参照写真と比較され得る。
【0030】
ステップ308において、マイクロプロセッサにロードされたソフトウェアは、参照写真をプロセス写真と比較する。また、いくつかの実施形態において、ビジョンシステム(およびソフトウェア)は、プロセス写真を参照写真と明示的に比較しない。むしろ、いくつかの実施形態において、ビジョンシステムは、プロセス写真または画像に対して測定を実行し、それらの測定値を参照値と比較する。例えば、許容可能な泡レベル、すなわちプロセスアクションがとられる必要がない泡レベルが1.25センチメートル(cm)である場合、プロセス写真が測定され、例えば1.3cmの泡レベルを有することが見出されると、アラーム/アクションがトリガされる。プロセス写真と参照写真(または参照値)との間の差が、ステップ312でプロセスアクションがとられることを明示する場合。例えば、プロセスアクションは、プロセスに関連する人、例えば作業者の携帯情報端末に信号を送ることであってもよい。また、プロセスアクションは、例えば、加工助剤または薬剤が生物学的流体を保持および/または加工するバイオリアクタ内に送達されるように弁にエネルギーを与えるために信号を送ることを含み得る。流体レベルセンサはまた、そのような信号を送ることができる。これらの例のいずれにおいても、ステップ312において、助剤または薬剤が送達される。参照写真とプロセス写真との間の差が中程度であり、アクションがとられる必要がない場合、ステップ310においてアクションはとられない。上記のように、流体レベルセンサもそのような決定を行うことができる。いずれの場合も、方法300はステップ314に進む。時間間隔、例えば1~5分を経過させることができる。次いで、方法300は、ステップ304に戻る。このループは、例えば、生物学的流体の加工の終了まで継続し、その後、方法300はステップ316で終了する。
【0031】
図4は、本開示に記載のいくつかの実施形態による、生物学的流体を処理するための第2の方法400を示すフロー図である。プロセス400はステップ402で開始し、この時点で参照データセットが作り出される。参照データセットは、例えば、一続きのもしくは一連の画像もしくはビデオ、またはビデオから間引かれた一続きのもしくは一連の画像を含み得る。参照データセットは、デジタルメモリ、デジタルサーバ、またはメモリを有する任意のマイクロプロセッサに記憶され得る。一続きのもしくは一連の画像またはビデオは、バイオリアクタ内の生物学的プロセスから作られる。画像は、画像内の異なる領域に対してラベル付けまたは分類され、マスクと呼ばれるラベル付けされた画像をもたらす。1つのそのようなマスクは、4つのクラス、1)空気、2)液体、3)泡、および4)任意選択のバックグラウンド、すなわち空気、液体、または泡ではない画像内のすべてを含む。
【0032】
ステップ404において、ネットワークがトレーニングされる。データセットからの画像が入力としてネットワークに提供され、予測が生成される。予測およびマスク画像(グラウンドトゥルース(ground truth)とも呼ばれる)が比較され、誤差または偏差がネットワークを通して逆伝播される。次いで、ネットワークは、その結果を改善し、誤差または偏差を最小にするようにそのパラメータを調節する。この調節ステップは、ネットワークがモデルの適切な予測を行うためにどの特徴を探すべきかを分析および決定するまで継続する。
【0033】
ステップ406において、以前に見られなかったデータ、例えば、監視されているプロセスから取得された新規画像が作り出される。次いで、監視されるプロセスからの新規画像が、以前に作り出されたモデルと比較されることができ、新しいデータに対する推論がリアルタイムでの使用および分析のために行われる。
【0034】
ステップ408において、監視されるプロセスからの以前に決定されたパラメータ、例えば泡の量が、アクションのための閾値に達した場合、任意選択的にアクションがとられる。アクションは、視覚的および/または可聴アラームであってもよい。いくつかの実施形態において、アクションは、バイオリアクタと通信する機器に信号を送ることであり、すなわち、消泡添加剤等の添加剤が、ステップ406で決定された泡の量に適切な速度および/または量でバイオリアクタ内に分配される。その後、プロセス400は終了する。
【0035】
方法400は、バイオリアクタの内容物(すなわち泡のレベルまたは高さ)の検出を可能にし、ピクセルをカウントすることによって内容物の容積も決定するピクセルごとの分類を含むことを理解されたい。さらに、方法400は、内容物が完全に混合されたときを検出するために使用されることができる。例えば、方法400は、目視検査後にオペレータのアクションを必要とするのとは対照的に、生物学的プロセスにおける様々な粉末混合ステップおよび粉末が完全に混合されているかどうかを自動的に決定するために使用することができる。
【0036】
図5は、本開示の実施形態による、液体を有する領域、泡を有する領域、および空気の領域を含む内部容積を有するバイオリアクタ500を示す。バイオリアクタ500は、ベース502と、シリンダ504と、上部506と、入力部508とを備える。シリンダ504内には、内部容積510がある。生物学的流体等の、ある容積の液体512を含む内部容積510が示されている。液体512の上方は泡514の領域であり、泡514の領域の上方は空気516を有する領域である。方法400で説明したように、液体512、泡514、および空気516の領域の画像が撮影されて、モデルおよびマスク、ならびに監視されるプロセスを作り出すことができる。図1のように使用されるセンサ、カメラ、および他の画像取得デバイスのいずれも、さらなる列挙なしで図5に組み込まれことができる。
【0037】
いくつかの実施形態において、可撓性バイオリアクタバッグ200は、超高分子量ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、極低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、低密度または中密度ポリエチレンを含むポリエチレン;ポリプロピレン;エチレンビニルアルコール(EVOH);ポリ塩化ビニル(PVC);ポリ酢酸ビニル(PVA);エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVAコポリマー);熱可塑性エラストマー(TPE)、および/または前述の材料のいずれかのブレンドもしくはアロイ、ならびに当業者に公知の他の様々な熱可塑性材料および添加剤等のポリマー組成物で形成された単層の壁または多層の可撓性壁を備える。使い捨てバッグは、それが製造される材料のおかげで、折り畳み可能および膨張可能である。使い捨てバッグは、類似または異なる熱可塑性樹脂の共押出(co-extrusion);異なる熱可塑性物質の多層ラミネート;溶着および/または熱処理、ヒートステーキング(heat staking)、カレンダー仕上げ等を含むがこれらに限定されない様々なプロセスによって形成され得る。前述のプロセスのいずれも、隣接する層の間の接着を促進するために、織布または不織布基材、接着剤、結合層、プライマー、表面処理および/または同様のものの層をさらに含んでもよい。「異なる」とは、EVOHの1つ以上の層を有するポリエチレン層等の異なるポリマータイプ、ならびに同じポリマータイプであるが、分子量、直鎖または分岐状ポリマー、充填剤等の異なる特質のものが本明細書で企図されることを意味する。典型的には、医療グレードのポリマー、およびいくつかの実施形態において動物質を含まないプラスチックが、バッグを製造するために使用される。医療グレードのポリマーは、例えば、蒸気、エチレンオキシド、またはベータ線および/もしくはガンマ線を含む放射線によって滅菌されることができる。また、ほとんどの医療グレードのポリマーは、良好な引張強度および低いガス移動について規定されている。いくつかの実施形態において、ポリマー材料は透明または半透明であり、内容物の視覚的監視を可能にし、典型的には溶着可能であり、支持されていない。いくつかの実施形態において、バッグは、生物学的に活性な環境を支持することができるバイオリアクタ、例えば細胞培養のコンテキストで細胞を増殖させることができるバイオリアクタであってもよい。いくつかの実施形態において、バッグは二次元、すなわち「ピロー」バッグであってもよく、または代替として、バッグは三次元バッグであってもよい。バッグの特定の幾何学的形状は、本明細書に開示されるいずれの実施形態においても限定されない。いくつかの実施形態において、バッグは、ポートまたは通気口等のアクセスポイントを提供することができる剛性ベースを含んでもよい。本明細書に記載のいかなるバッグも、1つ以上の入口、1つ以上の出口、ならびに任意選択的に、導電率、濁度、pH、温度、溶存ガス、例えば酸素および二酸化炭素等の当業者に知られているようなパラメータについてバッグ内の液体を感知するための滅菌ガス通気口、スパージャ、およびポート等の他の特徴をさらに備えてもよい。
【0038】
本開示のいくつかの実施形態の一態様において、バッグは、磁気により駆動される消泡デバイスを備えてもよく、その少なくとも一部は、ある容積の液体、すなわち生物学的流体の上方のバッグのヘッドスペースに位置付けられる。消泡デバイスは、消泡デバイスの少なくとも一部の回転中にヘッドスペース内の泡を壊すように構成および準備される。
【0039】
いくつかの実施形態において、バッグはまた、バッグ内の圧力を決定するための圧力センサと、バッグと流体的に通信する圧力センサと、バッグに関連付けられ、折り畳み可能なバッグ内の泡を壊すように構成された消泡デバイスとを備える。バッグはまた、圧力センサおよび/または消泡デバイスと動作可能に関連付けられた制御システムと通信してもよく、制御システムは、圧力センサから信号を受信すると消泡デバイスを調整する。
【0040】
中に含まれる化学的、生化学的および/または生物学的反応を実行するためのリアクタとして使用され得る支持されるバッグを伴うシステムおよび方法を含む、流体を含み、操作するためのシステムが提供される。一般に、ガス送達構成、泡制御システム、ならびにバイオリアクタ用のバッグ成形方法および物品等の流体格納システムのための一連の改善および特徴が提供される。いくつかの実施形態において、バッグ内に含まれた流体は、例えば流体が内部容積バッグ内に導かれるようにスパージングすることができ、いくつかの場合には必要に応じてスパージングをアクティブ化またはその程度を変更することによってスパージングが制御されることができる。いくつかの場合には、多数のスパージャが使用されてもよい。いくつかの実施形態において、バッグは、容器内に発生した、または含まれた泡を機械的に低減することができるデバイスを含む。センサおよび/またはコントローラは、発泡を監視および/または制御するために任意選択的に使用されてもよい。
【0041】
本明細書に列挙される定式化のすべての範囲は、それらの間の範囲を含み、端点を含むかまたは除外することができる。任意選択的に含まれる範囲は、列挙された桁、または次に小さい桁での、それらの間の整数値(または1つの元の端点を含む)からのものである。例えば、下側の値が0.2である場合、任意選択的な含まれる端点は、0.3、0.4、…1.1、1.2等、および1、2、3等であってもよく;上側が8である場合、任意選択的な含まれる端点は、7、6等、および7.9、7.8等であってもよい。3以上等の片側の境界も同様に、列挙された桁または1つ下での桁の整数値から始まる一貫した境界(または範囲)を含む。例えば、3以上は、4または3.1以上を含む。
【0042】
本明細書を通して、「一実施形態」、「特定の実施形態」、「1つ以上の実施形態」、「いくつかの実施形態」、または「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特徴、構造、材料、または特質が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを示す。したがって、本明細書全体を通して、「1つ以上の実施形態において」、「特定の実施形態において」、「一実施形態において」、「いくつかの実施形態において」、または「実施形態において」等の語句の出現は、必ずしも同じ実施形態を言及しているわけではない。
【0043】
いくつかの実施形態を上で議論したが、他の実施形態および用途も以下の特許請求の範囲内である。本明細書は、特定の実施形態を参照して説明しているが、これらの実施形態は、本開示の原理および用途の単なる例示であることを理解されたい。したがって、例示的な実施形態に対して多数の修正を行うことができること、ならびに本開示による実施形態の趣旨および範囲から逸脱することなく他の構成およびパターンを考案することができることをさらに理解されたい。さらに、特定の特徴、構造、材料、または特質は、実施形態のいずれか1つ以上において任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0044】
本明細書で引用された特許出願および特許、ならびに他の非特許文献の刊行物は、個々の刊行物または参考文献のそれぞれが完全に記載されているものとして参照により本明細書に組み込まれることが具体的および個別に示されているかのように、引用部分全体においてその全体が参照により本明細書に組み込まれる。本出願が優先権を主張するいかなる特許出願も、刊行物および参考文献について上述した様式で参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】