IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 浙江鋒▲り▼新能源科技有限公司の特許一覧

特表2022-525771リチウム金属の負極、その製作方法及び当該負極を用いたリチウム電池
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-19
(54)【発明の名称】リチウム金属の負極、その製作方法及び当該負極を用いたリチウム電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/134 20100101AFI20220512BHJP
   H01M 4/1395 20100101ALI20220512BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20220512BHJP
   H01M 10/0566 20100101ALI20220512BHJP
   H01M 10/0562 20100101ALI20220512BHJP
【FI】
H01M4/134
H01M4/1395
H01M10/052
H01M10/0566
H01M10/0562
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021555869
(86)(22)【出願日】2019-06-22
(85)【翻訳文提出日】2021-09-15
(86)【国際出願番号】 CN2019092437
(87)【国際公開番号】W WO2020215474
(87)【国際公開日】2020-10-29
(31)【優先権主張番号】201910341520.1
(32)【優先日】2019-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521394059
【氏名又は名称】浙江鋒▲り▼新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG FUNLITHIUM NEW ENERGY TECH CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 211, Xingguang Road, High-tech Zone Ningbo, Zhejiang 315040, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】崔 言明
(72)【発明者】
【氏名】劉 張波
(72)【発明者】
【氏名】許 暁雄
(72)【発明者】
【氏名】黄 園橋
【テーマコード(参考)】
5H029
5H050
【Fターム(参考)】
5H029AJ03
5H029AL12
5H029AM01
5H029AM02
5H029AM06
5H029CJ08
5H029CJ22
5H029HJ01
5H029HJ02
5H029HJ04
5H029HJ05
5H029HJ10
5H050AA08
5H050BA16
5H050CA07
5H050CB12
5H050GA10
5H050GA22
5H050HA01
5H050HA02
5H050HA04
5H050HA05
5H050HA10
(57)【要約】
リチウム金属の負極、その製作方法及び当該負極を用いたリチウム電池である。リチウム金属の負極を製作する方法は、リチウム塩及び有機溶剤を選択して混合することにより電解質を配置すること、電解質及び粘着付与剤を比例に従って均一に混合することにより黏稠的液体Aを取得すること、比例に従って黏稠的液体Aに等価体積量の直径が1-30μmのリチウム粉末を加入して均一に攪拌して混合することにより、ペースト状であるリチウムペーストを取得すること、リチウムペーストを集電体に均一に覆うことにより、リチウム金属の負極を取得することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集電体及び集電体の一方側に覆われるリチウムペースト層を含み、
前記集電体は、不活性導電材料であり、
前記リチウムペースト層は、ペースト状であるリチウムペーストにより塗布されてなるものであり、
前記リチウムペーストは、10-60質量部のリチウム粉末、10-20質量部の粘着付与剤、30-80質量部の電解質を含む原材料により混合されてなるものであり、前記リチウム粉末は、等価体積量の直径が1-30μmであり、前記電解質は、リチウム塩と有機溶剤とを混合して配合されてなるものであり、
前記電解質におけるリチウム塩濃度が0.5mol/L-5mol/Lであり、前記有機溶剤は、それぞれ、リチウム粉末及びリチウム塩と反応しない、ことを特徴とするリチウム金属の負極。
【請求項2】
前記リチウム塩は、LiN(SOCF、LiNO、LiAsF、LiPF、LiI、LiBF、LiClO、LiSOCF、LiB(Cのうちの一つ又は複数である、ことを特徴とする請求項1に記載のリチウム金属の負極。
【請求項3】
前記有機溶剤は、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、1、3-ジオキソラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフランのうちの一つ又は複数である、ことを特徴とする請求項2に記載のリチウム金属の負極。
【請求項4】
前記粘着付与剤は、ヒュームドシリカ、有機ベントナイト、ポリエチレンワックス、ポリアミドワックス、水素化ヒマシ油のうちの一つ又は複数を含む、ことを特徴とする請求項3に記載のリチウム金属の負極。
【請求項5】
前記リチウムペースト層は、その厚さが5-60μmである、ことを特徴とする請求項1に記載のリチウム金属の負極。
【請求項6】
請求項1から5のうちのいずれか一項に記載のリチウム金属の負極を製作する方法であって、
リチウム塩及び有機溶剤を選択して混合することにより、リチウム塩の濃度が0.5mol/L-5mol/Lの電解質を取得するステップS1と、
質量部に従って、10-20部の粘着付与剤及び30-80部の電解質を均一に混合することにより黏稠的液体Aを取得するステップS2と、
質量部に従って、10-60部のリチウム粉末をステップS2により取得された黏稠的液体Aに加入し均一に攪拌して混合することにより、ペースト状となるリチウムペーストを取得するステップS3と、
リチウムペーストを集電体の側面に均一に覆ってリチウムペースト層を形成することにより、リチウム金属の負極を取得するステップS4と、を含む、ことを特徴とするリチウム金属の負極の製作方法。
【請求項7】
前記ステップS4には、攪拌を行うことが、真空の圧力が10-10-4Paの真空雰囲気に行われる、ことを特徴とする請求項6に記載のリチウム金属の負極の製作方法。
【請求項8】
ステップS1乃至ステップS5ステップは、いずれも、露点温度が-10℃よりも小さい乾燥雰囲気に実施される、ことを特徴とする請求項7に記載のリチウム金属の負極の製作方法。
【請求項9】
請求項1乃至5のうちのいずれか一項に記載のリチウム金属の負極を含む液体又は固体のリチウム金属電池である、ことを特徴とするリチウム電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウム電池に関し、特に、リチウム金属の負極、その製作方法及び当該負極を用いたリチウム電池に関する。
【背景技術】
【0002】
Sony会社がグラファイト負極を用いて層間反応をメカニズムとする商業利用リチウムイオン電池を開発してきた。以来、リチウムイオン電池が急速に発展しつつある。しかしながら、商業の利用におけるグラファイトを負極とするリチウムイオン電池は、長い航続に対する要求を満たすことが難しい。今まで発展してきたリチウムイオン電池については、従来のグラファイト負極に比べると、十倍だけの理論容量を有し、最も低い負電位がより低くなるリチウム金属の負極が、現在、リチウム金属電池にとって人気のある研究の方向となっている。
【0003】
従来の市場において実際の応用が成功となったのは、エネルギー密度及び電流密度が共に比較的低いリチウム金属電池である。Autolibというパリの自動車共有サービスは、およそ4000台のBluecarが使われている。これは、世界上にEV(ElectricVehicle、電気自動車)に商業化のリチウム金属電池を使うことが最初のことであり、そのエネルギー密度が170wh/kgだけであり、しかも、作動電流を向上させるために、リチウム金属電池の作動温度が必要に応じて80℃と高い。高いエネルギー、高いパワー密度を有するリチウム金属電池の促進が制限される理由は、以下のことを含む。従来のリチウム金属は、負極の表面にリチウムを堆積する箇所が限られることから、局所的に電流が比較的大きい。また、リチウム金属電池が充放電を行う過程において、特に大電流で充電を行う際には、リチウム金属における負極の表面にリチウムが均一でなく沈降されてしまい、リチウムのデンドライトが発生し易い。このリチウムデンドライトは、セパレータを刺して電池が無効になり、又は、安全上の問題を招致してしまう恐れがある。しかも、一部のデンドライトは、再度利用できない「デッドリチウム」を脱離して形成することにより、クーロン効率が低くなる。
【0004】
従来の技術には、リチウムデンドライトがリチウム金属負極に生成しないように抑制するにあたって主に注目を浴びるのは、より安定なリチウム金属/電解質の界面を形成すること、又は、物理的バリア層によりデンドライトの生成を抑えるということである。しかしながら、上記した方法は、低い面積容量密度(0.5-1.0mAh/cm)及び低い電流密度(<0.5mA/cm)の場合にのみ効果が図れており、高いエネルギーや高いパワー密度を有する電池を製作し又は研究する場合に、その効果が限られている。
【0005】
それと同時に、通常のリチウム金属箔片負極が放電を行う過程において提供する電子/イオン反応面積が限られるため、より大きい電流で放電することが受けられず、リチウム金属電池におけるエネルギーパワーの上限及びエネルギー密度が制限されてしまう。通常のリチウム金属箔片の負極は、リチウム金属電池が充放電を行うサイクルの過程に極めて大きい膨張と収縮が伴うことから、リチウム金属箔片負極に比較的高いサイクルの安定性を有させ、また、固体電池などに適用させることに役立たない。通常のリチウム金属箔片負極は、高い活性及び展延性を有しており、超薄型処理加工が不便である。また、通常のリチウム金属の負極は、電解質に対して如何なる吸収の役割も有さないことから、電解質を長期間にわたって保存する過程において、正極に過度吸収されてしまうことにより、電解質が電池に均一でなく分布することになり、電池の保存や高温での性能に役立たない。現在、現状は、上記などの問題により、高いエネルギーや高いパワー密度を有するリチウム金属電池の促進が制限されてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来の技術に存在している不足に対して、リチウム金属の負極の面積容量及び電子/イオンの反応面積を極めて高くし、ひいては、リチウム金属電池における高いエネルギーの性能を高め、リチウム金属電池における高いエネルギーと高いパワー密度とのニーズを満たすことができる、リチウム金属の負極を提供することを第一の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記した技術的目的が以下の技術的手段により実現されるものである。
リチウム金属の負極は、集電体及び集電体の一方側に覆われるリチウムペースト層を含み、前記集電体は、不活性導電材料であり、前記リチウムペースト層は、ペースト状であるリチウムペーストにより塗布されてなるものであり、前記リチウムペーストは、10-60質量部のリチウム粉末、10-20質量部の粘着付与剤、30-80質量部の電解質を含む原材料により混合されてなるものであり、前記リチウム粉末は、等価体積量の直径が1-30μmであり、前記電解質は、リチウム塩と有機溶剤とを混合して配合されてなるものであり、前記電解質におけるリチウム塩濃度が0.5mol/L-5mol/Lであり、前記有機溶剤は、それぞれ、リチウム粉末及びリチウム塩と反応しない。
【0008】
上記した技術的手段を用いることにより、高い比表面積であるリチウム粉末粒子、粘着付与剤及び電解質を混合してなるリチウムペーストが均一に集電体材の表面に覆われてリチウムペースト層を形成しており、リチウムペースト層におけるリチウム粉末粒子は、負極が放電を行う時の陽イオン材料となり、リチウム粉末粒子は、粘着付与剤及び電解質により包まれてリチウムペーストに均一に分散すると共に、リチウム粉末粒子の分散密度が大きいことから、リチウム金属の負極の面積容量及び電子/イオンの反応面積を極めて高くし、ひいては、リチウム金属電池における高いエネルギーの性能を高め、リチウム金属電池における高いエネルギーと高いパワー密度というニーズを満たすことができる。
【0009】
同時にリチウム粉末粒子とリチウム粉末粒子とは、それら同士が固定しているわけではない。よって、リチウム粉末粒子は、リチウム金属電池が充放電を行う過程において、分布状況及び大きさ、リチウムペースト層におけるリチウム粉末粒子の層積、アブレーション、並びに、リチウム金属の負極における局所的電流分布によって、柔軟に移動することにより、分布の状況が変わり、ひいては、本願に係るリチウム金属の負極を用いたリチウム金属電池が充電を行う際のリチウムの沈降電位を高めると共に、リチウム金属の負極における局所的電流密度を下げ、ひいては、リチウムデンドライトの成長速度を下げることにより、本願に係るリチウム金属の負極が長期間にわたって使用されるとクーロン効率が低下してしまうのを緩めて、本願に係るリチウム金属の負極を用いたリチウム金属電池のサイクル効率及び安全性能を高めることができる。
【0010】
リチウム金属電池が充放電を行うサイクル過程では、従来のリチウム金属の負極がリチウム金属の沈降・析出により膨張・収縮を生じることから、リチウム金属の負極におけるサイクルの安定性に破壊を生じてしまう。また、リチウム金属固体電池は、リチウム金属の負極の膨張・収縮により、リチウム金属における負極と固体電解質との間の結合を破壊して、リチウム金属固体電池のサイクル効率を下げることもある。本願に係るリチウムペースト層は、リチウムペーストにより集電体を覆うものであり、また、リチウムペーストに粘着付与剤、液体の電解質及び固定でないリチウム粉末粒子を含んでいるため、リチウムペースト層に変形能力及び良い流動性を有させることができる。リチウムペースト層は、リチウム金属電池が充放電を行うサイクル過程において、変形により緩衝して膨張・収縮を緩めることにより、リチウム金属における負極のサイクル安定性を高めると共に、リチウム金属固体電池に応用される場合に、リチウムペースト層と固体電解質との接触を効果的に保持することにより、本願に係るリチウム金属の負極をリチウム金属固体電池に適用する応用効果を高め、リチウム金属固体電池の適用を促進することに役立つ。
【0011】
同時に、従来のリチウム金属の負極には、展延性及び高活性がリチウム箔に限られる一方、リチウムペースト層が有する流動性により、本願に係るリチウム金属の負極は、従来のリチウム箔負極を超薄に加工する時にリチウム箔の厚さが薄くなると平坦性が低下し、粘稠になり、組み立てが難しくなるという問題を解決することができ、リチウムペースト層の厚さが薄いと共に制御可能であり、製作の効率が高まり、製作のコストが低くなり、本願に係るリチウム金属の負極を用いたリチウム金属電池における質量エネルギー密度及び体積エネルギー密度が高まる。
【0012】
また、リチウムペーストにおけるリチウム粉末粒子及び粘着付与剤は、電解質の液体を保持する能力を持つことから、保存の際にリチウム金属に対する電解質の浸み込みと接触を保証することができると共に、電解質が長期間にわたって保存される際にリチウム金属電池の正極により過度に吸収されてしまうのを防ぎ、電解質を電池に均一に分布するように促進して、リチウム金属電池の保存性能を高めることができる。
【0013】
本発明は、さらに、前記リチウム塩がLiN(SOCF3)、LiNO、LiAsF、LiPF、LiI、LiBF、LiClO、LiSOCF、LiB(Cのうちの一つ又は複数であるように、設置される。
【0014】
本発明は、さらに、前記有機溶剤がプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、1,3-ジオキソラン、ジメチルカーボネート、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフランのうちの一つ又は複数であるように、設置される。
【0015】
上記した技術的手段を用いることにより、有機溶剤を、リチウム塩溶解を分散する担体とすると共にリチウムペーストの成膜助剤とする場合に、リチウムペーストの成膜性を高めることができ、リチウムペースト層を簡便に超薄型加工するようにすることができ、本願に係る負極を用いたリチウム金属電池は、単位質量当たり又は単位体積当たり、より多い電池手段の数が増えて、積層回数或巻回回数、本願に係るリチウム金属の負極を用いたリチウム金属電池における質量エネルギー密度及び体積エネルギー密度を高めることができる。しかも、フルオロエチレンカーボネートを添加することにより、電解質の分解をさらに抑えて、界面阻抗を減らして、リチウム金属電池のエネルギーパワーを高めることができる。
【0016】
本発明は、さらに、前記粘着付与剤がヒュームドシリカ、有機ベントナイト、ポリエチレンワックス、ポリアミドワックス又は水素化ヒマシ油のうちの一つ又は複数を含むように、設置される。
【0017】
上記した技術的手段を用いることにより、上記した粘着付与剤が電解質の粘度を高め、リチウム粉末粒子の沈降を防ぎ、リチウムペーストの液のしみ出しによる成層を避けると共に、上記した粘着付与剤の加入により、リチウム粉末粒子の表面をIn situ修飾して、リチウム粉末粒子と有機溶剤との相容性を高め、リチウム粉末粒子を均一にリチウムペーストに分散するように促進する。
【0018】
本発明は、さらに、前記リチウムペースト層の厚さが5-60μmであるように、設置される。
【0019】
上記した技術的手段を用いることにより、リチウムペースト層の加工厚さが薄いことから、製作コストを削減することができ、本願に係るリチウム金属の負極を用いたリチウム金属電池における質量エネルギー密度及び体積エネルギー密度を高めることに役立つ。
【0020】
本発明は、従来の技術に存在している不足に対して、リチウム粉末をリチウムペーストに均一に混合するように保証して、リチウムペースト液のしみ出しによる成層を防止することができる、リチウム金属の負極の製作方法を提供することを第二の目的とする。
【0021】
本発明は、上記した技術的目的が以下の技術的手段により実現されるものである。
リチウム金属の負極を製作する方法は、リチウム塩及び有機溶剤を選択して混合することによりリチウム塩濃度が0.5mol/L-5mol/Lの電解質を取得するステップS1と、質量部に従って、10-20部の粘着付与剤及び30-80部の電解質を均一に混合して黏稠的液体Aを取得するステップS2と、質量部に従って、10-60部のリチウム粉末をステップS2により取得された黏稠的液体Aに加入し均一に攪拌して混合することにより、ペースト状となるリチウムペーストを取得するステップS3と、リチウムペーストを集電体の側面に均一に覆ってリチウムペースト層を形成することにより、リチウム金属の負極を取得するステップS4と、を含む。
【0022】
上記した技術的手段を用いることにより、リチウム金属の負極を製作する製作方法において、リチウムペーストを製作する過程が二つのステップに分けられ、まず、電解質と粘着付与剤とを混合して黏稠的液体Aを取得し、次に、黏稠的液体Aとリチウム粉末とを混合し、リチウム粉末に黏稠的液体Aを加入してから攪拌する過程において、リチウム粉末粒子が黏稠的液体Aにより包まれて保護され、リチウム粉末粒子間又はリチウム粉末粒子と攪拌設備との間の衝突に対する緩衝という役割を達成して、攪拌の際にリチウム粉末粒子の破壊確率を減らして、リチウム粉末粒子の完全性を保持すると共に、粘性が比較的大きい黏稠的液体Aにより、混合際にリチウム粉末粒子の沈降を避け、リチウム粉末をリチウムペースト内に均一に混合して、リチウムペーストの液のしみ出しによる成層を防ぐことができる。
【0023】
本発明は、さらに、前記ステップS4には、攪拌を行うことが、真空の圧力が10-10-4Paの真空雰囲気に行われるように、設置される。
【0024】
上記した技術的手段を用いることにより、リチウム粉末を黏稠的液体Aに加入し攪拌すると、黏稠的液体Aに気体を入れるように容易に攪拌したり溶入したりすることができ、真空雰囲気に黏稠的液体Aに混ぜられる微小気泡又は溶解されている気体を抜き、製作されたリチウムペーストに微小気泡を混ぜると共に、リチウムペースト層において充放電の過程に析出された微小気泡を避けることにより、リチウムペーストの成膜性を高め、本願に係るリチウム金属の負極が良くなり、本願に係るリチウム金属の負極を用いたリチウム金属電池の性能を高めることができる。
【0025】
本発明は、さらに、S1乃至S5ステップは、いずれも、露点温度が-10℃よりも小さい乾燥雰囲気に実施されるように、設置される。
【0026】
上記した技術的手段を用いることにより、リチウムペーストを製作する過程において、リチウムペーストの湿り気を防ぎ、リチウムペーストにおける水の含有によりリチウム金属電池のクーロン効率の低下および安全上のリスクを防ぐことができる。
【0027】
本発明は、従来の技術に存在している不足に対して、充放電を行うサイクル性が良いと共に高いエネルギーと高いパワー密度との特性を有し、充放電を行うサイクル性が良い電池を提供することを第三の目的とする。
【0028】
本発明は、上記した技術的目的が以下の技術的手段により実現されるものである。
リチウム金属電池は、上記したリチウム金属の負極を用いた液体又は固体のリチウム金属電池である。
【発明の効果】
【0029】
以上より、本発明が以下のように有益な効果を有する。
【0030】
1.高い比表面積のリチウム粉末粒子、粘着付与剤及電解質を混合して取得したリチウムペーストを集電体材の表面に均一に覆うことによりリチウムペースト層を形成する。リチウムペースト層には、リチウム粉末粒子が、負極が放電を行う際の陽イオン材料となる。リチウム粉末粒子は、粘着付与剤及び電解質により包まれてリチウムペーストに均一に分散しており、しかも、この分散の密度が大きい。従って、リチウム金属の負極の面積容量及び電子/イオンの反応面積を極めて高くし、ひいては、リチウム金属電池における高いエネルギー性能を高め、リチウム金属電池に対して、高いエネルギーと高いパワー密度というニーズを満たすことができる。
【0031】
2.リチウム粉末粒子とリチウム粉末粒子とは、それら同士が固定しているわけではない。リチウム粉末粒子は、リチウムペースト層内におけるリチウム粉末粒子の分布及びリチウム粉末粒子の大きさによってリチウムペースト層内を移動し、そして、リチウム金属電池が充電を行う際において、リチウム金属の負極におけるリチウムの沈降電位を高め、リチウム金属の負極における局所的電流密度を低下させ、ひいては、リチウムデンドライトの成長速率を低下させることにより、本願に係るリチウム金属の負極を長期間にわたって使用する際のクーロン効率の低下を緩め、本願に係るリチウム金属の負極を用いたリチウム金属電池におけるサイクル効率及び安全性能を高めることができる。
【0032】
3.リチウムペースト層は、変形の能力を有しており、リチウム金属電池が充放電を行うサイクルの過程において、変形により緩衝という役割を達成して、リチウム金属の負極のサイクル安定性を高めると共に、リチウム金属固体電池に応用される場合に、リチウムペースト層と固体電解質とを良く接触させて、本願に係るリチウム金属の負極をリチウム金属固体電池に応用する効果を高め、リチウム金属固体電池の使用を促進することに役立つ。
【0033】
4.リチウムペーストは、良い流動性を有しており、リチウムペーストの加工性を高め、覆われたリチウムペースト層は、その厚さが薄くしかも制御可能であり、製作の効率を高め、製作用コストを低下させると共に、本願に係るリチウム金属の負極を用いたリチウム金属電池における質量エネルギー密度及び体積エネルギー密度を高めることができる。
【0034】
5.リチウムペーストにおけるリチウム粉末粒子自体及び粘着付与剤は、電解質の液体をある程度で保持できる能力を持ち、保存の際にリチウム金属に対する電解質の浸み込み及び接触を保証でき、電解質が長期間にわたって保存される過程にリチウム金属電池における正極により多すぎて吸収されてしまうのを防ぎ、電解質を電池に均一に分布するように促進し、リチウム金属電池の保存性能を高めることができる。
【0035】
6.リチウム金属の負極を製作する方法は、リチウムペーストを取得する形態が二つ段階に分けられており、まず、電解質と粘着付与剤を混合して黏稠的液体Aを取得し、次に、黏稠的液体Aとリチウム粉末とを混合することにより、リチウム粉末粒子が攪拌の際に破壊されてしまう確率を低くして、リチウム粉末をリチウムペーストに均一に混合するように保証して、リチウムペーストに液体を析出して層に分けられてしまうのを防止することができる。
【0036】
7.本願に係るリチウム金属の負極を用いると、リチウム金属電池に、良いサイクル安定性、高いエネルギー密度及び高いパワー密度を有させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0037】
第一実施例
リチウム金属の負極は、集電体及び集電体に覆われるリチウムペースト層を含む。
【0038】
集電体は、不活性導電材料であり、実際の場合によって選択可能であり、ここでは、厚さが8μmの銅箔が好ましい。
【0039】
リチウムペースト層は、ペースト状であるリチウムペーストにより直接覆われてなるものであり、リチウムペースト層の厚さが5-60μmである。
【0040】
リチウムペーストは、10-60質量部のリチウム粉末、10-20質量部の粘着付与剤、30-80質量部の電解質を含む原材料を混合してなるものである。
【0041】
リチウム粉末は、その形状が粒子状、フレーク状又はニードル状であり、その等価体積量の直径が1-30μmであり、つまり、リチウム粉末の粒子は、その最大の等価体積量の直径が30μmである。
【0042】
粘着付与剤は、ヒュームドシリカ、有機ベントナイト、ポリエチレンワックス、ポリアミドワックス又は水素化ヒマシ油のうちの一つ又は複数である。
【0043】
電解質は、リチウム塩及び有機溶剤を混合し配合してなるものであり、ただし、リチウム塩濃度が0.5mol/L-5mol/Lである。リチウム塩は、LiN(SOCF(単にLiTFSIと呼ばれる)、LiNO、LiAsF、LiPF、LiI、LiBF、LiClO、LiSOCF、LiB(C(単にLiBOBと呼ばれる)のうちの一つ又は複数であり、有機溶剤は、プロピレンカーボネート(単にPCと呼ばれる)、エチレンカーボネート(単にECと呼ばれる)、フルオロエチレンカーボネート(単にFECと呼ばれる)、ジエチルカーボネート(単にDECと呼ばれる)、ジメチルカーボネート(単にDMCと呼ばれる)、エチルメチルカーボネート(単にEMCと呼ばれる)、1、3-ジオキソラン(単にDOLと呼ばれる)、エチレングリコールジメチルエーテル(単にDMEと呼ばれる)、ジメチルスルホキシド(単にDMSOと呼ばれる)、テトラヒドロフラン(単にTHFと呼ばれる)のうちの一つ又は複数を配合してなるものである。
【0044】
上記したリチウム金属の負極を製作する方法は、以下の通りである。
ステップS1は、LiTFSI、LiNO、LiAsF、LiPF、LiI、LiBF、LiClO、LiSOCF、LiBOBにおける一つ又は複数をリチウム塩として選択し、PC、EC、FEC、DEC、DMC、EMC、DOL、DME、DMSO、THFの一つ又は複数を機溶剤として選択して配合し、リチウム塩及び有機溶剤を混合し配合することにより、リチウム塩濃度が0.5mol/L-5mol/Lの電解質を取得する。
ステップS2は、質量部に従って、10-20部の粘着付与剤及び30-80部の電解質を均一に混合して黏稠的液体Aを取得する。
ステップS3は、真空の圧力が10-10-4Paの真空雰囲気において、10-60部のリチウム粉末を黏稠的液体Aに加入し、均一に攪拌して混合することにより、ペースト状となるリチウムペーストを取得する。
ステップS4は、リチウムペーストを集電体に均一に覆って、リチウム金属の負極を取得する。
【0045】
上記したステップS1乃至S4ステップは、共に、乾燥雰囲気に実施される。
【0046】
上記した製作方法によると、実施例1A乃至1Fに係るリチウム金属の負極を取得する。具体的なパラメータは、表1に示される。
【0047】
【表1】
【0048】
第二実施例
リチウム金属の負極は、その製作方法におけるステップが第一実施例のほうと同じであり、実施例1A乃至1Fに係るリチウム金属の負極を取得する。その具体的なパラメータは、表2に示される。
【0049】
【表2】
【0050】
第三実施例
リチウム金属電池は、液体のリチウム金属電池であり、第一実施例のリチウム金属の負極を含む。当該リチウム金属電池を製作する方法が以下の通りである。
ステップX1は、第一実施例により取得されたリチウム金属の負極におけるリチウムペースト層を有する一方側に、順にPE-PP-PEセパレータ紙及び正極をラミネートして組み合わせ、電池セルを取得する。
ステップX2は、他の部品及びハウジングを組み立て、リチウム金属電池を取得する。
【0051】
以上より、実施例1A-1Fに係る異なるパラメータで製作されたリチウム金属の負極により、異なるリチウム金属電池を取得する。実施例3A-3Fに係る具体的なパラメータは、表3に示される。
【0052】
【表3】
【0053】
第四実施例
リチウム金属電池は、液体であるリチウム金属電池であり、第二実施例に係るリチウム金属の負極を含んでいる。当該リチウム金属電池を製作する方法は、以下の通りである。
ステップX1は、第一実施例により取得されたリチウム金属の負極におけるリチウムペースト層を有する一方側に、固体電解質膜及び正極を順に貼り合わせて、電池セルを取得する。
ステップX2は、他の部品及びハウジングを組み立て、リチウム金属電池を取得する。
【0054】
固体電解質は、従来の技術通りに、ここで、プレス焼結又は形状セットなどの方法により固体電解質を薄膜に製作する。ここで、それは、LLZO固体電解質膜である。
【0055】
以上より、実施例2A-2Fにおける異なるパラメータに従って製作されたリチウム金属の負極により、異なるリチウム金属電池を取得する。実施例4A-4Fに係る具体的なパラメータは、表4に示される。
【0056】
【表4】
【0057】
同時に第一対比例及び第二対比例を設置する。
【0058】
第一対比例
リチウム金属電池は、従来の液体リチウム金属電池である。集電体は、厚さが8μmの銅箔であり、負極は、厚さが100μmのリチウム箔であり、LiTFSI/EC-DMCを電解質として、PE-PP-PEセパレータ紙及びNCM正極を組み合わせてから、次の組立てを経て、第一対比例に係るリチウム金属の電池を取得する。
【0059】
第二対比例
リチウム金属電池は、その製作方法が以下の通りである。
厚さが100μmのリチウム箔を負極として、その両側にそれぞれLLZO固体電解質膜及び厚さが8μmの銅箔を貼り合わせてから、NCM正極を組み立てると、次の組立てを経て、第二対比例に係るリチウム金属の負極を有する電池を取得する。
【0060】
第三実施例、第四実施例、第一対比例及び第二対比例所得の電池を、電池の検測機器(深▲せい▼市NEWARE電子有限公司の市販品)で検測し、検測の結果を表5に示す。
【0061】
【表5】
【0062】
第三実施例及び第一対比例による測定の結果を対比すると分かるように、本願に係るリチウム金属の負極により製作された液体のリチウム金属電池は、リチウム箔を負極として用いる従来の液体リチウム金属電池に対して、リチウムペースト層の厚さの調節は、必要に応じてリチウム金属電池のエネルギー密度を調整することが可能であり、高いエネルギー密度のリチウム金属電池を取得することができる。それと同時に、第一実施例により製作されたリチウム金属電池は、リチウム箔を負極として用いる従来の液体のリチウム金属電池に対して、そのクーロン効率、エネルギーパワー及びサイクル安定性は、共に、著しく向上している。
【0063】
第四実施例及び第二対比例に係る測定結果を対比すると分かるように、本願に係るリチウム金属の負極により製作された固体のリチウム金属電池は、リチウム箔を負極として用いる従来の固体のリチウム金属電池に対して、固体のリチウム電池に固体電解質膜が用いられることから、本願に係るリチウム金属の負極により作製されたリチウム金属電池のエネルギー密度を向上する効果が明らかに現れると共に、リチウム箔を負極として用いる固体のリチウム金属電池に対して、本願に係るリチウム金属の負極により製作されたリチウム金属電池におけるクーロン効率、エネルギーパワー及びサイクル安定性が同様に著しく向上している。
【0064】
第五実施例
リチウム金属電池は、実施例3Aに基づくものであるが、その相違がリチウム金属の負極を製作する方法において電解質、粘着付与剤及びリチウム粉末を同時に加入して混合するということにある。
【0065】
第六実施例
リチウム金属電池は、実施例3Aに基づくものであるが、その相違がリチウム金属の負極の製作方法においてステップS4における攪拌の過程が常圧に行われるということにある。
【0066】
第三対比例
リチウム金属電池は、実施例3Aに基づくものであるが、その相違がリチウム金属の負極を製作する過程が、相対湿度が80%の雰囲気に実施されるということにある。
【0067】
第七実施例
リチウム金属電池は、実施例3Aに基づくものであるが、その相違が、具体的な成分のパラメータが表6に示されるように粘着付与剤の成分が異なるということにある。
【0068】
【表6】
【0069】
第五実施例乃至第七実施例及び第三対比例により取得された電池については、電池検測機器(深▲せい▼市NEWARE電子有限公司の市販品)を用いて検測し、検測の結果を表7に示す。
【0070】
【表7】
【0071】
対比表4における実施例3Aのデータ及び表7における第五実施例のデータ、実施例3Aに係る電池エネルギー密度、平均クーロン効率、サイクル寿命、最大の安定電流は、いずれも、第五実施例のほうよりも優れる。リチウムペーストを製作する時に、まず、電解質と粘着付与剤とを混合して黏稠的液体Aを取得し、次に、黏稠的液体Aとリチウム粉末とを混合することから、リチウム粉末粒子が混合の時に沈降により寄り集まるのを避け、リチウム粉末を混合する際に攪拌によりリチウム粉末の形状を破壊させてしまうのを少なくすると共に、リチウム粉末をリチウムペーストに均一に混合するように保証し、それと同時に、電解質が先に粘着付与剤と混合すると、リチウムペーストの粘度を簡便に調整することができ、リチウムペーストの液のしみ出しによる成層を防ぎ、リチウムペーストの品質及び安定性を高め、第三実施例に係るリチウム金属の負極を用いたリチウム金属電池のサイクル安定性、エネルギー密度及びエネルギーパワーの性能を高めることができる。
【0072】
対比表4における実施例3Aのデータ及び表7における第六実施例のデータ、実施例3Aに係る電池エネルギー密度、平均クーロン効率、サイクル寿命は、いずれも、第六実施例のほうよりも優れる。リチウム金属の負極を製作することが真空の雰囲気に操作されることから、リチウムペーストに混合される微小気泡及び溶解した気体量を少なくすることにより、本願に係るリチウム金属の負極を用いるリチウム金属電池におけるサイクル安定性、エネルギー密度及びエネルギーパワーの性能を高めることができる。
【0073】
第三対比例では、湿っぽい雰囲気にリチウム金属の負極を製作して電池を組み立てると、この電池を使用できないことから、乾燥雰囲気にリチウムペーストを製作することにより、リチウムペーストの湿り気を防ぎ、本願に係るリチウム金属電池を製造する歩留り率を高め、製作すべき製品を減少して安全上のリスクを低下させることができる。
【0074】
対比表4における実施例3Aのデータ、及び表7における第七実施例のデータ、実施例3Aに係る電池エネルギー密度、平均クーロン効率、サイクル寿命は、いずれも、第七実施例のようよりも優れる。本願では、粘着付与剤についてヒュームドシリカ、有機ベントナイト、ポリエチレンワックス、ポリアミドワックス或水素化ヒマシ油のうちの一つ又は複数を選択することにより、電解質の粘度を高め、リチウム粒子が沈殿してリチウムペーストに液体を析出して層に分けられてしまうのを防ぐことができると共に、リチウム粉末粒子の表面をIn situ修飾でき、リチウム粉末粒子をリチウムペーストに均一に分散して、電池の性能を高めることができる。
【0075】
第四対比例
リチウム金属電池は、第二対比例に基づくものであるが、その相違が、製作を行う際に負極であるリチウム箔の厚さが異なるということにある。
【0076】
上記した製作方法により、異なる厚さのリチウム箔を用いてリチウム金属電池を製作し、対比例4A-4Eに係るものを取得して、このリチウム箔厚さとリチウム負極の歩留り率を表8に示す。
【0077】
【表8】
【0078】
リチウム箔厚さが100μmよりも小さいと、得られたリチウム箔の厚さの偏差が増えて、組み立ての際に組み合わせが難しくなり、リチウム箔自身が有する活性及び展延性により、リチウム箔自身に粘性を生じて展開できず、リチウム金属の負極を組み立て製作することができないことになる。
【0079】
表1及び表2におけるリチウムペースト層の厚さ、及び、表5における各リチウム金属電池についての測定結果からわかるように、本願に係るリチウム金属の負極にリチウムペーストを用いることにより、超薄型加工を実施する実行可能性を有することになり、リチウムペースト層の厚さが5μmに達してもと共に製作されたリチウム金属電池が依然として電流の出力を安定的に高め、質量当たり又は体積当たりにより多くの電池セルの数、積層回数又は巻回回数が増えて、本願に係るリチウム金属の負極を用いることにより、高質量エネルギー密度及び高体積エネルギー密度の特性を有するリチウム金属電池を製作することができる。
【0080】
この具体的な実施例は、本発明を解釈するためのものに過ぎず、本発明を限定するためのものではない。当業者にとっては、本明細書を読んでから必要に応じて本実施例について創造性を有さない補正を行うことも可能であり、本発明による特許請求の範囲に含まれるものは、いずれも、特許法により保護されるものである。
【国際調査報告】