(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-19
(54)【発明の名称】電気スイッチ
(51)【国際特許分類】
H01H 23/16 20060101AFI20220512BHJP
H01H 23/24 20060101ALI20220512BHJP
H01H 50/00 20060101ALI20220512BHJP
H01H 51/10 20060101ALI20220512BHJP
【FI】
H01H23/16 M
H01H23/24 B
H01H50/00 J
H01H51/10 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021556733
(86)(22)【出願日】2020-03-20
(85)【翻訳文提出日】2021-11-19
(86)【国際出願番号】 EP2020057792
(87)【国際公開番号】W WO2020188085
(87)【国際公開日】2020-09-24
(31)【優先権主張番号】102019107223.9
(32)【優先日】2019-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516259309
【氏名又は名称】ジョンソン エレクトリック ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ガスマン イェルク
【テーマコード(参考)】
5G035
【Fターム(参考)】
5G035AA02
5G035CA01
5G035CB01
5G035JA01
5G035MA02
(57)【要約】
本発明は、電気スイッチ(10)に関し、電気スイッチ(10)は、電気装置をオン及び/又はオフに切り換えるように働き、この目的のために、スイッチハウジング(11)内に接点システム(41,61)を有する。手動作動部材(20)又は遠隔制御アクチュエータ(30)によって、スイッチング動作を行うことができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(11)と、
手動作動部材(20)であって、前記作動部材(20)は、移動可能に取り付けられ、2つの異なるスイッチング位置に対応する2つの異なる作動位置を有するように構成される、手動作動部材(20)と、
前記ハウジング(11)の内部の少なくとも2つの電気接点(41,61)であって、各電気接点(41,61)は、電気接続(15,16)として前記ハウジング(11)から引き出され、一方の接点は固定接点(61)として設計され、他方の接点は可動接点(41)として設計される、少なくとも2つの電気接点(41,61)と、
を備える電気スイッチ(10)であって、
遠隔制御のための双安定アクチュエータ(30)が、前記スイッチの前記ハウジング(11)に一体化され、
前記作動部材(20)は、前記双安定アクチュエータ(30)の制御レバー(50)と直接的又は間接的に相互に作用し、
前記作動部材(20)と、前記双安定アクチュエータ(30)の前記制御レバー(50)と、前記可動電気接点(41)とは、互いに強制的に結合され、
手動又は遠隔制御の方法で、一方のスイッチング位置から他方のスイッチング位置に前記作動部材(20)を移動させることができるようになっている、
ことを特徴とする電気スイッチ。
【請求項2】
前記双安定電気機械アクチュエータ(30)は、2つのヨーク半体(34,35)の間に永久磁石(32)を保持し、
前記アクチュエータ(30)と前記制御レバー(50)のアーム(53,54)との接触によって、前記永久磁石(32)は、永久磁石により発生する磁束(A,B)を含む閉磁気回路を生成することによって、前記制御レバー(50)の自己保持位置を可能にし、
前記アクチュエータ(30)の両側に、それぞれの励磁巻線(21)があり、前記励磁巻線(21)は、付勢された時に、永久磁束の方向と反対の方向を有する電磁磁束を発生させる、
ことを特徴とする、請求項1に記載のスイッチ。
【請求項3】
前記制御レバー(50)のアーム(53,54)と接触する前記アクチュエータ(30)の前記ヨーク半体(34,35)内の電磁束の発生によって、前記制御レバー(50)の位置が切り換えられることによって、前記電磁束がなくても、前記制御レバー(50)のアーム(53,54)は、閉永久磁気回路によって、前記アクチュエータ(30)上の各位置に保持されることを特徴とする、請求項2に記載のスイッチ。
【請求項4】
前記励磁巻線(21)を作動させるための電気接続(17,18)が設けられて、前記ハウジング内に配置されるプリント回路基板(19)に接続されることを特徴とする、請求項2又は3に記載のスイッチ。
【請求項5】
前記制御レバー(50)のアーム(54)は、それと前記アクチュエータ(30)との接触点を越えて延びて、前記制御レバー(50)は、このアーム(54)で、前記可動接点(41)に接続される伝達部材(52)に結合されることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のスイッチ。
【請求項6】
前記可動接点(41)は、接点バネ(40)によって支持され、前記接点バネ(40)のL形アーム(43)の係合端部(44)が、前記伝達部材(52)に係合し、前記接点バネ(40)の他端は、前記プリント回路基板(19)に接続されるか又は端子(15)に直接接続されることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のスイッチ。
【請求項7】
前記接点バネ(40)上の前記接点は、バネ舌部(42)の自由端に配置されることを特徴とする、請求項6に記載のスイッチ。
【請求項8】
開位置において、前記バネ舌部(42)は、前記接点バネ(40)によって離れるように広げられて、すなわち前記固定接点(61)の方向に離れるように広げられて保持され、前記広げることは、前記アクチュエータ(30)上のストッパ(33)によって行われることを特徴とする、請求項7に記載のスイッチ。
【請求項9】
スイッチオン位置において、前記接点バネ(40)は、前記バネ舌部(42)によって離れるように広げられて保持され、前記広げることは前記固定接点(61)によって行われ、したがって、このオーバーストロークが接触圧力を増加させることを特徴とする、請求項7又は8に記載のスイッチ。
【請求項10】
前記ハウジング(11)内の固定接点として、更なる接点が設けられることによって、切り換えスイッチの機能が実現され、前記更なる固定接点は、前記アクチュエータ(30)の前記ストッパ(33)に取って代わり、前記バネ舌部(42)は、両側に接点(41)を有することを特徴とする、請求項7乃至9のいずれか一項に記載のスイッチ。
【請求項11】
前記作動部材(20)は、枢軸(21)の下方にスロットガイド(23)を有するロッカー(22)であり、前記スロットガイド(23)に、枢動可能な前記制御レバー(50)の駆動ヘッド(51)が係合し、
前記ヨークが閉じられた時に、前記制御レバーの2つの可能な安定位置から、前記ロッカー(22)の2つの規定されたスイッチング位置及び2つの一意に割り当てられた位置が生じるように、前記ロッカー(22)は、前記制御スロット(23)を介して前記制御レバー(50)に結合される、
ことを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のスイッチ。
【請求項12】
前記制御レバー(50)は、前記双安定アクチュエータ(11)に枢動可能に取り付けられ、この軸受点が、前記駆動ヘッド(51)の下方かつ前記アクチュエータ(30)の上方に位置することを特徴とする、請求項11に記載のスイッチ。
【請求項13】
前記作動部材(20)は、スライダ(24)であり、前記スライダ(24)は、前記制御レバー(50)の駆動ヘッド(51)の受け口を有することを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のスイッチ。
【請求項14】
手動又は遠隔制御のスイッチングが行われたかどうかにかかわらず、前記作動部材(20)の一方の位置はオン位置を示し、前記作動部材(20)の他方の位置はオフ位置を示すことを特徴とする、請求項1乃至13のいずれか一項に記載のスイッチ。
【請求項15】
更なる電子制御又は表示部材が、前記ハウジング(11)内又は上に配置されることを特徴とする、請求項1乃至14のいずれか一項に記載のスイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
電気スイッチは、電気装置をオン及び/又はオフに切り換えるために使用され、この目的のために、スイッチハウジング内に接点システムを有する。手動作動部材、例えばロッカー又はスライダによって、スイッチング動作を行うことができる。ロッカー又はスライダの位置は、スイッチオン位置又はスイッチオフ位置を示す。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び特許文献2から、作動部材に能動的に接続される制御可能なアクチュエータによって、ロッカーを移動させる解決策も知られている。しかしながら、このような接点システムのスイッチングは、1つのスイッチング位置でしか行われない。更に、このロッカースイッチは、手動でオン及びオフに切り換えられた時に、同様に挙動しない。しかしながら、オン及びオフ切り換えプロセスに対して均一な触覚を有するロッカースイッチが望まれる。
【0003】
更に、グローバルインフラストラクチャ(モノのインターネット)への電気装置の統合は、装置が互いにネットワーク化されることが必要である。このようなシステム(IOT)の場合、作動部材の両方のスイッチング位置でアクチュエータによってロッカースイッチを制御できることが前提条件である。これは、両方向の移動を能動的に発生させることができるアクチュエータを必要とし、それは、上記のアクチュエータでは不可能である。このような遠隔制御ロッカースイッチは、特許文献3及び特許文献4に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】DE 198 02 332 B4
【特許文献2】DE 10 2013 008 128 A1
【特許文献3】DE 10 2016 101 016
【特許文献4】DE 10 2016 101 017
【特許文献5】DE 10 2010 017 874 B4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、両方のスイッチング位置で手動操作及び遠隔操作できることによって、両方のスイッチング動作が、等しく、すなわち同じスイッチング力及び同じスイッチング触覚で行われるスイッチを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このタスクは、請求項1の特徴を有するスイッチで解決される。有利な設計の解決策は、従属請求項に記載する。
【0007】
手動操作のために、新しい電気スイッチは、ロッカー又はスライダなどの作動部材を有し、作動部材は、移動可能に取り付けられ、2つの異なる作動位置を呈することができる。少なくとも1つの可動接点及び少なくとも1つの固定接点を含む接点システムが、ハウジング内に配置される。これらの接点から、電気接続がハウジングから引き出される。作動部材は、可動接点に直接接続されない。可動接点を保持する接点部材に作動部材の作動時の手動移動を伝達するために、伝達機構が設けられ、伝達機構は、一方で作動部材と相互に作用し、他方で可動接点と相互に作用して、スイッチ位置、例えばスイッチオン位置に対応する作動位置で負荷回路を閉じ、他のスイッチ位置、すなわちスイッチオフ位置に対応する他の作動位置で負荷回路を遮断するようになっている。
【0008】
ここで、上記の作動部材の手動操作に加えて、遠隔制御によって、一方のスイッチング位置から他方のスイッチング位置へのスイッチングが可能である。この遠隔制御スイッチングは、スイッチのハウジング内に配置される双安定電気機械アクチュエータによって、発明的方法で行われる。アクチュエータは、中央部で永久磁石と嵌合される2つのヨーク半体からなるe字状の磁気回路を有する。
【0009】
一態様では、スイッチは、作動部材としてロッカーを有する。伝達機構は、アクチュエータの枢動制御レバーであり、これは、ロッカーの枢軸の下方に配置されるスロットガイド内で駆動ヘッドと係合する。この直接結合の代わりに、伝達率を適合させるための中間部材による間接結合も可能である。この制御レバー又は部材は、また、可動接点と嵌合される接点バネに直接的又は間接的に接続される。枢動制御レバーは、2つのアームを有する。制御レバーの枢動位置に応じて、一方のアームは、双安定アクチュエータに接触して、接触によって閉磁気回路を形成する。永久磁石は、永久磁束を発生させることにより、制御レバーの自己保持スイッチング位置を提供する。このスイッチング位置は、更なる磁界を発生させることによってキャンセルすることができる。この目的のために、アクチュエータの両側に、励磁巻線が配置される。励磁巻線を付勢することによって、電磁束を発生させることができる。励磁巻線は、この付勢中に永久磁束と反対の方向に向く電磁束が発生するように巻き付けられて、ヨークの一方の半体内でこの閉磁気回路が消されて、制御レバーのアームが吸着されなくなるようになっている。ヨークの他方の半体内に常に存在する磁束は、制御レバーの他方のアームに吸引力を作用させて、枢動制御レバーを枢動させる。これは、制御レバーに結合される接点バネによって有利に支持され、接点バネは、スイッチングを支持するそれぞれの接触位置で力を発生させるように設計される。
【0010】
スイッチの別の態様では、双安定アクチュエータの枢動制御レバーと相互に作用するスライダによって、手動操作が行われる。同様に、伝達機構として、アクチュエータの枢動制御レバーが設けられて、スライダの受け口で駆動ヘッドと係合する。この直接結合の代わりに、間接結合も可能である。制御レバーは、また、接点バネに直接的又は間接的に接続される。
【0011】
別の態様では、スイッチは、ハウジングと、ハウジングの内部の少なくとも2つの電気接点とを備え、各電気接点は、電気接続としてハウジングから引き出され、一方の接点は固定接点として設計され、他方の接点は可動接点として設計される。新しい電気スイッチは、2つの異なるスイッチング位置に対応する2つの異なる作動位置を有する作動アセンブリを備え、更に、遠隔制御のための双安定アクチュエータが、スイッチのハウジングに一体化され、作動アセンブリは、双安定アクチュエータの制御部材と直接的又は間接的に相互に作用し、作動アセンブリと、双安定アクチュエータの制御部材と、可動電気接点とは、互いに強制的に結合されて、新しい電気スイッチを、一方のスイッチング位置から他方のスイッチング位置に遠隔で切り換えることができるようになっている。
【0012】
新しい電気スイッチの核心は、2つのヨーク半体及び永久磁石を含む双安定アクチュエータである。励磁コイルの受動状態では、すなわち、これらのコイルが付勢されていない時、永久磁束が、アクチュエータの制御レバーのアームを保持して、アームをそれぞれのヨーク上に安定的に引き付ける。作動部材は、アクチュエータにおいてどのアームが保持されるかに応じて、すなわち制御レバーとの能動接続により、例えばロッカーのスロットガイド内のスイッチヘッドを介して、スイッチオン位置又はスイッチオフ位置を示す。
【0013】
双安定磁気アクチュエータのスイッチングを支持するために、接点バネは、アクチュエータの端部位置において他方のスイッチング位置の方向に予備負荷力を発生させるように、有利に設計される。
【0014】
他方、制御レバーは、可動接点を含む接点バネに作用する。特に、本発明の一実施形態では、制御レバーの一方のアームが、それとアクチュエータとの接触点を越えて延びて、この端部で、接点バネに接続される伝達部材に結合されることが提供される。このようにして、可動接点を含む接点バネは、制御レバーの一方の枢動位置で固定接点に押し当てられ、制御レバーの他方の枢動位置でこの固定接点から引き離される。接点バネは、バネ舌部が可動接点のキャリアとして露出されるように設計される。バネ舌部を解放することによって、この接点バネは、接点が閉じていわゆるオーバーストロークを発生させた後でも、移動し続けることができる。これにより、接点が閉じられた時に、適切な接触力を発生させる。
【0015】
接点システムを切り換えるために、一方で、ロッカー又はスライダによる手動操作が可能であり、これは、制御レバーとの能動接続を介して、制御レバーの枢動、したがって接点システムの切り換えを引き起こす。他方、スイッチの遠隔制御のために、回路に応じて一方又は両方のコイルを作動させることによって、それぞれの閉永久磁気回路が消されて、他方のヨークで、永久磁気バイパスが制御レバーのアームを吸着し、これは、制御レバーを枢動させることを意味する。コイルがその制御電圧から切断された後、この全閉永久磁気回路は、また、吸着された制御レバーを保持させることにより、新たなスイッチング位置を維持させる。
【0016】
新しい電気スイッチは、「モノのインターネット」システムへの電気装置の統合を可能にするとともに、遠隔で切り換えることができる。ここで、この作動は、遠隔制御中に作動部材の位置でも確実に見える。というのは、アクチュエータが遠隔制御される場合でも、ロッカー又はスライダはその作動位置を変更するからである。更に、新しい電気スイッチは、通常の手動の方法で同時に操作することができる。遠隔制御及び手動スイッチング機能の両方が同様に実行され、例えばロッカーが手動操作される時、ロッカーは気持ちのよい触覚を有する。これは、両方のスイッチング動作中に、オフに切り換える時及びオンに切り換える時の両方において、双安定アクチュエータの同等の移動挙動によって実現される。特に、正確なスイッチング点を、両方の作動方向に発生させて、手動作動中に検知することができる。このような双安定アクチュエータ及びその動作モードは、特許文献5から公知である。それは、高エネルギスペクトル及び高保持力を示し、電気スイッチ全体を非常に小型化することができるようになっている。
【0017】
スイッチの全ての可動構成要素、すなわち、作動部材、制御レバー、接点バネは、積極的に結合されて接点システムを切り換え、これらの構成要素のうちの1つが移動すると、他の構成要素が移動することになる。これにより、外部から、すなわち作動部材の作動位置で、スイッチング状態を明確に認識することができる。双安定電気機械アクチュエータによって、確実に、システムが2つの規定された状態のみを呈することができる。
【0018】
以下に、2つの設計例によって、本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】オフ位置でのハウジングなしのロッカースイッチの側面図である。
【
図3】ハウジング及びロッカーなしのロッカースイッチの斜視図である。
【
図4】オン位置でのハウジングなしのロッカースイッチの側面図である。
【
図5】ハウジングなしのスライドスイッチの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、ハウジング11を含むロッカースイッチとして電気スイッチ10の態様を示す。手動作動部材20、すなわちロッカー22が、ハウジング11上に取り付けられて、枢動することができる。このロッカー22は、異なる作動位置を有する。すなわち、
図4に示す一方の作動位置では、これはスイッチ10のオン位置に対応し、他方の位置では、これはスイッチのオフ位置に対応する(
図2参照)。4つの電気接続15、16、17、18が、ハウジング11から突出する。電気接続17、18は、双安定アクチュエータ30のための制御接続である。
図2(ハウジングなしでスイッチ10を示す)からより良く分かるように、電気接続15は、プリント回路基板19を介して接点バネ40に接続される。接点バネ40は、バネ舌部42の端部で可動接点41を保持する。電気接続16は、固定接点61に接続される。
【0021】
図2に、オフ位置の電気スイッチ10を示し、ロッカー22を矢印の方向に手動操作することによって、スイッチ10をオン位置に移動させることができる。ロッカー22は、枢軸21を中心として枢動する。この枢軸21の下方に、ロッカー22に嵌合されるスロットガイド23がある。このスロットガイド23に、制御レバー又は部材50の駆動ヘッド51が係合する。ロッカー22が操作された場合、駆動ヘッド51の位置がスロットガイド23を介して変更されて、これにより、制御レバー又は部材50を枢動させる。この設計例では、この制御レバー50は、双安定アクチュエータ30に枢動可能に取り付けられる。駆動ヘッド51の下方に、枢軸55が位置する。制御レバー50は、2つのアーム53、54を有する。延出アーム54は、伝達部材52と結合される。この伝達部材52に、接点バネ40のL形アーム43が係合して、ロッカー22の操作によって、制御レバー50を枢動させて、接点バネ40を下げるようになっている。これにより、可動接点41が固定接点61上に押圧されるので、接触することになる。
【0022】
制御レバー50は、ロッカー22だけでなく双安定電気機械アクチュエータ30にも能動的に接続されるので、遠隔制御によって同様に上記の手動スイッチング動作を行うことができる。このアクチュエータ30は、ハウジング11内に配置され、中心脚部36を保持する2つのヨーク半体34、35の間の中央部に永久磁石32を保持する。このようにして、e字状の磁気コアが作成される。アクチュエータ30の両側に、励磁巻線31がある。受動状態では、すなわち、励磁巻線31が作動されていないので追加の磁界を発生していない時、永久磁石32は、制御レバー50のアーム53、54を保持する。
図2では、これはアーム53である。図示のアクチュエータ30の左半分において、制御レバー50のアーム53に接触することによって、閉永久磁気回路Aが存在することによって、永久磁束が、永久磁石32、中心脚部36、ヨーク34及びアーム53を介して流れる。永久磁石32によって供給されるこの永久磁束は、アクチュエータ30上のアーム53をヨーク34上に安定的に引き付ける。
図2に示す制御レバー50のこの位置では、接点バネ40は、伝達部材52を介して上方に引っ張られて、接点41は、固定接点61から離れている。この手動又は遠隔制御のスイッチオフ位置では、
図2に示すように、制御レバー50は左に傾斜し、ロッカー22は右に傾斜している。
【0023】
ここで、コイル31(この場合、ヨーク34の励磁巻線31)が作動された場合、コイル31の磁界は磁束Aと反対であるので、ヨーク34の磁気回路Aはキャンセルされる。永久磁石により発生する磁束Aは、左の並列回路から右の並列回路B内に移動する。これにより、制御レバー50のアーム54に磁気吸引力を作用させて、制御レバー50を右に枢動させて、ヨーク35のギャップを閉じる。ヨーク34のコイル31から制御電圧が切断された場合、アーム54はアクチュエータ30に残る。永久磁石32は、その永久磁界Bにより、アーム54を保持する磁力を発生させる。この位置は
図4に示す。アーム54が下げられた場合、伝達部材52も下げられて、接点バネ40のアーム43を移動させる。接点バネ40を下げることによって、可動接点41と固定接点61との間の接触が確立される。この手動又は遠隔制御のスイッチオン位置では、この例では、制御レバー50は右に傾斜し、ロッカー22は左に傾斜している。ロッカー22を矢印の方向に操作して、接点を開くことができる。同様に、ヨーク35に隣接する励磁巻線31を励磁して、磁界を発生させることによってこのスイッチングプロセスを引き起こすことができる。
【0024】
図2~
図4に示すように、接点バネ40から可動接点41が提供される。接点バネ40の形状は、
図3の斜視図で最も良く示される。接点バネ40は、可動接点41のキャリアとしてのバネ舌部42が露出されるように設計される。この例では、接点バネ40の一端は、プリント回路基板19を介して電気接続15に接続されて、この端部でしっかりと固締される。接点バネ40の他端は、アーム43に対してL形であり、アーム43は、伝達部材52に係合する係合端部44を有する。この伝達部材52は、制御レバー50に結合されて、制御レバー50の枢動によって、接点バネ40を下げたり上げたりするようになっている。バネ舌部42の解放により、接点バネ40が下げられた時に、この接点バネ40は、接点が閉じていわゆるオーバーストロークを発生させた後に、更に下方に移動することもできる(
図4参照)。これにより、接点が閉じられた時に、適切な接触力を発生させる。
図2に示すスイッチオフ位置では、バネ舌部42の端部は、ストッパ33に押し当たる。ここでも、接点バネ40の移動は妨げられないが、結果として生じる停止力が、スイッチング移動の開始を支持する。図示の接点バネ40は、バネ舌部42の解放により、製造及び組立公差に起因して接点バネ40の端部位置が変化する場合でも、接点41が固定接点61に安全に接触するという利点を有する。更に、望ましくない接触バウンス(跳ね返り)が抑制される。
【0025】
接点バネ40は、いくつかの対向接点61とそれに応じて相互に作用する接点41を含むいくつかの露出されたバネ舌部42を有することができる。すなわち、接点システムは、接点41、61のいくつかの対を含む。このようにして、接触バウンス(跳ね返り)を更に最小限にすることができ、スイッチ10の同じ設置スペースに対して、電流容量又はスイッチング容量を増加させることができる。
【0026】
更に、オン位置及びオフ位置において、規定されたバネ力を双安定アクチュエータ30に提供することができて、スイッチング移動の開始が支持され、より速くかつより安全なスイッチングが行われるようになっている。他の実施形態では、他の任意の形状を有する制御部材に代えて、制御レバー50を使用することができることに留意されたい。
【0027】
スイッチ10の更なる態様では、前述のストッパ33の代わりに、別の接点を設けて、切り換えスイッチを形成することができる。
【0028】
図5は、本発明によるスイッチ10’の更なる態様を示す(ここではハウジングなし)。手動制御部材20は、スライダ24である。スイッチ10’の更なる構造は、上記のロッカースイッチ10の構造に対応する。スライダ24は、その下側に、双安定アクチュエータ30に取り付けられる制御レバー50の駆動ヘッド51の受け口25を有する。スライダ24が作動された時に、駆動ヘッド51の位置が変化して、ロッカースイッチ10と同様に、制御レバー50を枢動させて接点バネ40を下げたり上げたりする。
【0029】
本発明は、示される設計例に限定されない。スイッチ10、10’は、照明、通信、時間制御又は音響信号を提供する更なる電子部材を含むことができる。
【符号の説明】
【0030】
10,10’ スイッチ
11 ハウジング
15 4のための接続
16 61のための接続
17,18 3のための接続
19 プリント回路基板
20 作動部材
21 枢軸
22 ロッカー
23 スロットガイド
24 スライダ
25 受け口
30 双安定アクチュエータ
31 励磁巻線/コイル
32 永久磁石
33 ストッパ
34,35 ヨーク
36 中心脚部
40 接点バネ
41 接点
42 バネ舌部
43 アーム
44 係合端部
50 制御レバー
51 駆動ヘッド
52 伝達部材/結合器
53,54 アーム
55 枢軸
61 固定接点
A,B 磁気回路
【国際調査報告】