(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-20
(54)【発明の名称】医療用針用ガイド装置
(51)【国際特許分類】
A61B 34/30 20160101AFI20220513BHJP
【FI】
A61B34/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021544708
(86)(22)【出願日】2020-03-31
(85)【翻訳文提出日】2021-09-28
(86)【国際出願番号】 EP2020059131
(87)【国際公開番号】W WO2020201286
(87)【国際公開日】2020-10-08
(32)【優先日】2019-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520148884
【氏名又は名称】クアンタム サージカル
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ナホム,ベルタン
(72)【発明者】
【氏名】バダノ,フェルナンド
(72)【発明者】
【氏名】ブロンデル,リュシアン
(72)【発明者】
【氏名】オリーブ,セバスティアン
(57)【要約】
針用のガイド装置(20)は、医療支援ロボットアーム(10)の端部に取り付けられるように意図されたツールホルダ(21)を備え、前記ツールホルダ(21)は針ガイド(22)を支持し、針ガイド(22)は、それぞれ溝(35、45)が設けられた2つのジョー(30、40)を備え、前記溝はともに平行な長手方向軸に沿って延在し、前記ジョー(30、40)は、溝(35、45)が隣接し且つ針を誘導するガイド通路(23)を画定する「誘導位置」と称する位置と、溝(35、45)が互いから分離され且つ針を横方向に係合解除することができるゾーンを画定する「係合解除位置」と称する位置との間で、ジョー(30、40)が互いに対して回転移動することができるように、ツールホルダによって支持される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療支援ロボットアーム(10)の端部に取り付けられるように意図されたツールホルダ(21)を含み、前記ツールホルダ(21)が針ガイド(22)を支持する、針を誘導する装置(20)であって、
前記針ガイド(22)が、それぞれの溝(35、45)を含む第1ジョー(30)及び第2ジョー(40)を含み、前記2つの溝が平行な長手方向軸に沿って延在し、前記第1ジョー(30)及び第2ジョー(40)が、前記溝(35、45)が隣接し且つ針を誘導するための導管(23)を画定する「ガイド位置」と称する位置と、前記溝(35、45)が互いから離れるように移動し且つ針横方向係合解除ゾーンを画定する「係合解除位置」と称する位置との間で、前記第1ジョー(30)及び前記第2ジョー(40)が互いに対して回転移動することができるように、前記ツールホルダによって支持されていることを特徴とする、ガイド装置(20)。
【請求項2】
前記第1ジョー(30)又は前記第2ジョー(40)が、前記第1ジョー(30)又は前記第2ジョー(40)が他方のジョー(30;40)に対して移動するように駆動されるという付勢によって前記第1ジョー(30)又は前記第2ジョー(40)を操作するハンドル(49)を備える、請求項1に記載の針ガイド装置(20)。
【請求項3】
前記ツールホルダ(21)が、2つの端部開口部の間を長手方向に延在するハウジング(210)を備え、前記針ガイド(22)が前記ハウジング(210)内に係合し、前記ツールホルダ(21)が、前記ハウジング(210)の前記長手方向軸に対して平行な軸に沿って前記端部開口部の一方から他方まで延在する軸方向貫通開口部(214)を含み、前記軸方向貫通開口部(214)が、前記第1ジョー(30)及び前記第2ジョー(40)が前記係合解除位置にあるとき前記横方向係合解除ゾーンに面する、請求項1又は2に記載の針ガイド装置(20)。
【請求項4】
前記第1ジョー(30)及び前記第2ジョー(40)が、不動ジョー(30)及び可動ジョー(40)によってそれぞれ形成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の針ガイド装置(20)。
【請求項5】
前記不動ジョー(30)が前記ハウジング(210)内に係合し、前記不動ジョー(30)及び前記ハウジング(210)が、それらのそれぞれの対向する面上に、前記ツールホルダ(21)に対して回転しないように前記不動ジョー(30)を固定するように互いに協働する入れ子要素(50)を有する、請求項3又は4に記載の針ガイド装置(20)。
【請求項6】
前記入れ子要素(50)が、
-前記不動ジョー(30)の「外面」と称する面の上で長手方向に延在するレリーフと、
-前記ハウジング(210)の「内壁」(213)と称する面の上で長手方向に延在するレリーフと、
を含む、それぞれの相補的な形状のレリーフによって形成されている、請求項5に記載の針ガイド装置(20)。
【請求項7】
前記第1ジョー(30)及び前記第2ジョー(40)が、互いに取外し可能に取り付けられるとともに、前記ツールホルダ(21)の前記ハウジング(210)内に取外し可能に係合する、請求項1~6のいずれか一項に記載の針ガイド装置(20)。
【請求項8】
前記不動ジョー(30)が、前記ツールホルダ(21)と一体的に形成されている、請求項4に記載の針ガイド装置(20)。
【請求項9】
前記ツールホルダ(21)が、前記ハウジング(210)に対して半径方向に延在する貫通開口部(24)を備え、そこを通って前記操作ハンドル(49)が延在し、前記開口部(24)が、前記操作ハンドル(49)を誘導する経路を形成する、請求項2又は3に記載の針ガイド装置(20)。
【請求項10】
前記開口部(24)が、前記ハウジング(210)に対して軸方向に延在する部分を含み、前記部分が、前記ハウジング(210)の前記端部開口部のうちの1つと同一平面である「上面」(211)と称する前記ツールホルダ(21)の面の上で開放している、請求項9に記載の針ガイド装置(20)。
【請求項11】
前記第1ジョー(30)及び前記第2ジョー(40)が、それぞれの軸方向肩部(36、46)を含み、前記軸方向肩部(36、46)が相補的な輪郭を有し、それにより、前記軸方向肩部(36、46)が互いに協働する、請求項1~10のいずれか一項に記載の針ガイド装置(20)。
【請求項12】
前記第1ジョー(30)及び前記第2ジョー(40)が、前記第1ジョー(30)又は前記第2ジョー(40)のいずれかから、他方のジョー(30;40)の前記軸方向肩部(46)に形成された軸方向ハウジング(47)を通って長手方向に延在するロッド(60)により、取外し可能に相互接続される、請求項11に記載の針ガイド装置(20)。
【請求項13】
前記溝(35、45)のうちの一方に収容されるとともに、前記第1ジョー(30)及び前記第2ジョー(40)が前記誘導位置にあるときに前記ガイド導管(23)を通る針の移動距離の長さを決定するように構成された、センサを備える、請求項7に記載の針ガイド装置(20)。
【請求項14】
前記針ガイド(22)が、前記第1ジョー(30)及び前記第2ジョー(40)に接続されるとともに、前記第1ジョー(30)及び前記第2ジョー(40)の互いに対する角度移動を同期させる、運動伝達部材(70)を含む、請求項1又は2に記載の針ガイド装置(20)。
【請求項15】
前記第1ジョー(30)及び前記第2ジョー(40)をそれらの誘導位置に向かって回転させるように、前記ジョー(30、40)の少なくとも一方に対して配置された弾性部材(71)を含む、請求項14に記載の針ガイド装置(20)。
【請求項16】
各第1ジョー(30)及び各第2ジョー(40)が、前記溝(35、45)の高さに少なくとも1つの歯(37、57)を含み、前記少なくとも1つの歯(37、57)が、前記針ガイド(22)が前記誘導位置にあるときに相互に入り込むように適合されている、請求項1、2、14又は15のいずれか一項に記載の針ガイド装置(20)。
【請求項17】
前記溝(35、45)がV字型断面を有する、請求項16に記載の針ガイド装置(20)。
【請求項18】
前記針ガイド(22)を前記誘導位置で係止する機構(80)を備え、前記係止機構(80)が、前記第1ジョー(30)又は前記第2ジョー(40)が所定角度位置を越えて枢動したときに前記第1ジョー(30)又は前記第2ジョー(40)を回転しないように固定するように構成されている、請求項1、2、又は14~17のいずれか一項に記載の針ガイド装置(20)。
【請求項19】
前記係止機構(80)が、
-前記操作ハンドル(49)を前記第1ジョー(30)に又は前記第2ジョー(40)に接続するとともに、2つの極限角度位置の間の前記ジョーに対する前記ハンドルの1つの回転自由度を可能にする、ピボット接続部と、
-前記操作ハンドル(49)から前記ツールホルダ(21)に向かって延在するリップ(81)と、
-前記第1ジョー(30)及び前記第2ジョー(40)が前記誘導位置にあるときに前記リップ(81)が前記ツールホルダ(21)の接触面(215)に対して弓なりになるように、前記ハンドルをその極限角度位置のうちの一方に向かって回転するように付勢する弾性部材(82)と、
を含む、請求項2及び18に記載の針ガイド装置(20)。
【請求項20】
前記第1ジョー(30)及び前記第2ジョー(40)の各々に機械的に示された基準光学素子を含む光学ナビゲーションシステムと、各基準光学素子の位置を決定する読取モジュールとを含み、前記ナビゲーションシステムが、制御ユニットに接続されるように意図され、前記制御ユニットが、前記光学ナビゲーションシステムによって送信される前記光学素子の位置に関する情報に基づいて前記第1ジョー(30)及び前記第2ジョー(40)の位置を決定するように構成されている、請求項1~19のいずれか一項に記載の針ガイド装置(20)。
【請求項21】
その端部のうちの1つに、請求項1~20のいずれか一項に記載の針ガイド装置(20)を含むロボットアーム(10)であって、前記針ガイド装置(20)の光学ナビゲーションシステムから、前記第1ジョー(30)又は前記第2ジョー(40)の位置に関する情報を受信するように意図された制御ユニットを備え、前記制御ユニットが、前記ジョー(30;40)の位置を決定するとともに、前記ジョー(30;40)の前記決定された位置に従って前記ロボットアーム(10)の所与の位置での構成を命令するように構成されていることを特徴とする、ロボットアーム(10)。
【請求項22】
前記制御ユニットが、
-前記第1ジョー(30)及び前記第2ジョー(40)が誘導位置にあると判断すると、前記ロボットアーム(10)のすべての移動を禁止し、
-前記第1ジョー(30)及び前記第2ジョー(40)が係合解除位置にあると判断すると、前記ロボットアーム(10)の移動を可能にする
ように構成されている、請求項21に記載のロボットアーム(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
本発明は、医療機器に関し、医療支援ロボットアームの端部に取り付けられた医療機器の分野にある。本発明は、より詳細には、ロボットアームのツールホルダに取り付けられるように意図された医療用針を誘導する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術
「低侵襲手術」として知られる外科手術技法を使用する外科処置により、操作者、典型的には外科医は、患者の体内に生成された、たとえば1センチメートル程度の、短い長さの切開部内に長く且つ細い器具を挿入することにより、患者の標的解剖学的ゾーンに到達することができる。
【0003】
いくつかの操作に関して、それらの器具は、標的解剖学的ゾーンに到達するために患者の体内のある一定の深さまで挿入されるように意図された、1つ又は複数の針又は剛性円筒状器具(たとえば、アンテナ、電極、カニューレ)であり得る。
【0004】
針が操作者によって完全に手動で挿入される場合、処置の結果は、操作者の技能によって大きく左右される。高い精度に達することは困難であり、このように精度がないことから、患者に損傷を与える可能性がある医療ミスが生じる危険性が高い。
【0005】
操作の精度は、操作者が遠隔制御するロボットアームの使用によって向上させることができる。この種のロボットアームは、部分的には依然として操作者の技能に依存し、患者の連続的な撮像を必要とする可能性があり、それにより、患者は必然的にある一定の線量の放射線に曝露されることになる。
【0006】
挿入ジェスチャの精度をさらに向上させるとともに、患者及び医療関係者が曝露される放射線の線量を制限するために、自動的に制御されるロボットアームを使用することができる。
【0007】
ロボットアームは、その端部に、針を誘導する装置を担持する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
操作者は、ロボットアームに、到達するべき患者の標的解剖学的ゾーンの座標を通信し、アームは、標的解剖学的ゾーンの正面で針ガイド装置を移動させるように制御される。次いで、針は、操作者により、標的解剖学的ゾーンに到達するようにガイド装置内に挿入される。針がそのゾーンに正確に到達するために、ガイド装置内で針の並進軸の位置を制御する必要がある。したがって、ガイド装置、したがってアームのすべての移動を習熟することが必須である。
【0009】
処置に、標的解剖学的ゾーン内への針の逐次挿入が必要である場合、移動の制御はいっそう重要である。この場合、針ガイド装置は、各針の挿入中は、前記針の並進軸の位置が維持されるように固定され、針が標的解剖学的ゾーン内に挿入されると、針を移動させることなく解放されなければならない。実際に、標的解剖学的ゾーンに挿入された針の制御されないいかなる移動も、患者に損傷を与えやすい。
【0010】
したがって、一方で、針が標的解剖学的ゾーンに到達するまで位置が維持される並進軸に沿って、少なくとも1つの針の挿入を誘導し、他方で、前記針が標的解剖学的ゾーンに挿入されると、その針を誘導する装置を、前記針を移動させる危険なしに解放する必要がある。
【0011】
さらに、患者の体内に挿入された針の長さを知る必要もある。
【0012】
最後に、同じ医療処置中に又は別個の医療処置中に同じガイド装置を用いて異なる直径の少なくとも2つの針の挿入を誘導する必要があり、各針は、針が標的解剖学的ゾーンに到達するまで位置が維持される、同じ並進軸に沿って誘導されなければならず、且つ、針が標的解剖学的ゾーンに挿入されると、針が移動する危険なしにガイド装置から係合解除されなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0013】
発明の概要
本発明の目的は、上述した必要性に対処することであり、このために、本発明は、医療支援ロボットアームの端部に取り付けられるように意図されたツールホルダを含む、針を誘導する装置(ガイド装置)に関する。ツールホルダは、針ガイドを支持する。針ガイドは、それぞれの溝を含む第1ジョー及び第2ジョーを含み、前記2つの溝は、平行な長手方向軸に沿って延在している。前記第1ジョー及び第2ジョーは、上記溝が隣接し且つ針を誘導するための導管を画定する「ガイド位置」と称する位置と、溝が互いから離れるように移動し且つ針横方向係合解除ゾーンを画定する「係合解除位置」と称する位置との間で、第1ジョー及び第2ジョーが互いに対して回転移動することができるように、ツールホルダによって支持されている。
【0014】
ガイド装置が誘導位置を占めると、針が患者の標的解剖学的ゾーンに到達するまで、ガイド導管を通して並進移動で針を誘導することができる。
【0015】
ガイド導管は、針に1つの並進移動自由度のみを可能にするように構成されている。
【0016】
ジョーが係合解除位置にあるとき、ガイド装置は、係合解除ゾーンから離れる方向に並進移動することにより、標的解剖学的ゾーンに到達した針を自由に横方向に係合解除することができる。この横方向係合解除は、たとえば、標的解剖学的ゾーン内に1つの針のみを挿入しなければならない場合は、手術の最後に、又は標的解剖学的ゾーン内にさらなる針を導入しなければならない場合は、手術中に、行われる。
【0017】
適切な言い回しではないが、本明細書では、誘導位置及び係合解除位置が針ガイドにより且つジョーにより占められると述べられていることが留意されるべきである。
【0018】
本発明の特徴により、針が標的解剖学的ゾーンにおいて適所に固定されたままであるように、針ガイドから針を接触なしに係合解除することができる。
【0019】
したがって、患者に損傷を与える可能性がある針の望ましくない移動が防止される。
【0020】
これらの特徴により、ガイド装置は、標的解剖学的ゾーンに到達するために同じガイド装置を使用して、同じ手術中に同じ直径の複数の針を連続して挿入するのを可能にする。
【0021】
特定の実施形態では、本発明は、以下の特徴もまた、別個に又は技術的に作動可能な組合せのうちの各々で有する。
【0022】
本発明の特定の実施形態では、第1ジョー又は第2ジョーは、前記第1ジョー又は前記第2ジョーが他方のジョーに対して移動するように駆動されるという付勢(solicitation)によって第1ジョー又は第2ジョーを操作するハンドルを備える。
【0023】
本発明の特定の実施形態では、ツールホルダは、2つの端部開口部の間を長手方向に延在するハウジングを備え、ハウジング内に針ガイドが係合する。ツールホルダは、ハウジングの長手方向軸に対して平行な軸に沿って前記端部開口部の一方から他方まで延在する軸方向貫通開口を含み、軸方向貫通開口部は、ジョーが係合解除位置にあるとき横方向係合解除ゾーンに面する。
【0024】
したがって、針が標的解剖学的ゾーンに到達するまで誘導されると、標的解剖学的ゾーンにおける適所に固定されたままであるように、針を接触なしにガイド装置から係合解除することができる。
【0025】
本発明の特定の実施形態では、第1ジョー及び第2ジョーは、不動ジョー及び可動ジョーによってそれぞれ形成されている。
【0026】
本発明の特定の実施形態では、不動ジョーはハウジング内に係合し、前記不動ジョー及び前記ハウジングは、それらのそれぞれの対向する面上に、ツールホルダに対して回転しないように前記不動ジョーを固定するように互いに協働する入れ子要素を有する
【0027】
入れ子要素は、互いに直接協働することができ、これは、たとえば、入れ子要素がそれぞれ溝及び突起(tongue)(さねはぎ)によってそれぞれ形成されている場合である。こうした要素は、別法として、互いに間接的に協働することができ、これは、たとえば、入れ子要素がキー又はピンが挿入される溝によって形成される場合である。
【0028】
入れ子要素は、有利には、ハウジング内への針ガイドの挿入中にポカヨケ機能を有する。
【0029】
本発明の特定の実施形態では、入れ子要素は、
-不動ジョーの「外面」と称する面の上で長手方向に延在するレリーフと、
-ハウジングの「内壁」と称する面の上で長手方向に延在するレリーフと、
を含む、それぞれの相補的な形状のレリーフによって形成されている。
【0030】
これらのレリーフは、突起及び溝によって形成することができる。
【0031】
入れ子要素により、不動ジョーは、単純且つ信頼性の高い方法で固定される。
【0032】
本発明の特定の実施形態では、第1ジョー及び第2ジョーは、互いに取外し可能に取り付けられる。それらは、好ましくは、ツールホルダのハウジング内に取外し可能に係合する。
【0033】
この種の特徴は、特に、ガイド装置の滅菌の有効性を向上させることを目標とし、前記装置の各構成要素は個々に滅菌可能である。
【0034】
本発明の特定の実施形態では、不動ジョーは、ツールホルダと一体的に形成されており、したがって、不動ジョー及びツールホルダは一体型構成要素を形成する。
【0035】
本発明の特定の実施形態では、ツールホルダは、ハウジングに対して半径方向に延在する貫通開口部を備える。第1ジョー又は第2ジョーは、その開口部を通って延在する、第1ジョー又は第2ジョーを操作するためのハンドルを含み、付勢されると、それにより、前記第1ジョー又は第2ジョーがハウジング内で移動するように駆動される。開口部は、有利には、操作ハンドルを誘導する経路を形成する。
【0036】
本発明の特定の実施形態では、開口部は、ハウジングに対して軸方向に延在する部分を含み、前記部分は、前記ハウジングの端部開口部のうちの1つと同一平面である「上面」と称するツールホルダの面の上で開放している。
【0037】
したがって、ジョーのうちの一方(適用可能な場合は、本発明の特定の実施形態に応じて両方のジョー)を、ガイド装置の各構成要素を個々に滅菌し、それにより、ガイド装置の滅菌の有効性を向上させるために、ツールホルダから取り外すことができる。
【0038】
この特徴により、ガイド装置の構成要素は、個々に交換することも可能である。
【0039】
本発明の特定の実施形態では、第1ジョー及び第2ジョーは、それぞれの軸方向肩部を含む。軸方向肩部は相補的な輪郭を有し、それにより、軸方向肩部は互いに協働する。
【0040】
第1ジョー及び第2ジョーは、それらの軸方向肩部を介して互いに当接し(rest against)、前記肩部は、少なくとも一部には互いに交互配置される。
【0041】
この特徴は、有利に、ハウジング内の第2ジョーの回転の誘導に好都合である。
【0042】
軸方向肩部は、有利には、第2ジョーの角度移動のための当接部となることができる。
【0043】
本発明の特定の実施形態では、第1ジョー及び第2ジョーは、第1ジョー又は第2ジョーのいずれかから、他方のジョーの軸方向肩部に形成された軸方向ハウジングを通って長手方向に延在するロッドにより、取外し可能に相互接続される。ジョーは、1つの回転自由度のみを可能にする機械的接続部により相互接続される。
【0044】
ロッドにより、ジョーの回転軸は同軸である。
【0045】
この特徴は、第1ジョー及び第2ジョーの滅菌の有効性の向上に関与することに加えて、前記ジョーの迅速な取付け及び取外しを可能にする。
【0046】
本発明の特定の実施形態では、ガイド装置は、第1ジョー及び第2ジョーの各々に機械的に接続された基準光学素子を含む光学ナビゲーションシステムと、各基準光学素子の位置を決定する読取モジュールとを含み、前記ナビゲーションシステムは、制御ユニットに接続されるように意図され、制御ユニットは、前記光学ナビゲーションシステムによって送信される光学素子の位置に関する情報に基づいて前記第1ジョー及び前記第2ジョーの位置を決定するように構成されている。
【0047】
これらの特徴により、ツールホルダ内のジョーの位置を自動的に決定することができる。
【0048】
本発明の特定の実施形態では、ガイド装置は、溝のうちの一方に収容されるとともに、ジョーが誘導位置にあるときにガイド導管を通る針の移動距離の長さを決定するように構成された、センサを含む。
【0049】
センサは、有利には、制御装置に接続することができ、制御装置は、ガイド導管に挿入された針の移動距離の長さに関連する情報に基づくとともに、針ガイドの位置に対する患者の標的解剖学的ゾーンの位置に基づき、患者の前記解剖学的ゾーンに対する前記針の位置を決定するように構成されている。
【0050】
上述した又は後述する特徴のうちのいくつか又はすべてと組み合わさった針ガイド装置もまた本発明の範囲内にあり、そこでは、針ガイドは、ジョーに接続されるとともに、ジョーの互いに対する角度移動を同期させる、運動伝達部材を含む。
【0051】
この特徴により、2つのジョーは、互いに角度的に対称に移動する。
【0052】
言い換えれば、一方のジョーの回転中、伝達部材は、同一の角度移動で他方のジョーの回転を駆動する。
【0053】
したがって、たとえば針を交換するとき、針の長手方向軸の位置を変更することなく、溝によって針を把持することができ、それにより、針を位置決めする際の誤差を防止することができる。
【0054】
さらに、この特徴により、異なる直径の針の使用が可能になる。
【0055】
本発明の特定の実施形態では、ガイド装置は、第1ジョー及び第2ジョーをそれらの誘導位置に向かって回転させるように、ジョーの少なくとも一方に接して配置された弾性部材を含む。
【0056】
この特徴は、係合解除位置における針ガイドのいかなる移動も、したがって針のいかなる偶発的な移動も防止することができるという点で有利である。
【0057】
さらに、この特徴により、誘導位置にあるジョーの系統的な駆動が可能になり、したがって、操作者がこの操作を手動で実施する必要がなくなる。
【0058】
本発明の特定の実施形態では、各ジョーは、溝の高さに少なくとも1つの歯を含み、前記少なくとも1つの歯は、針ガイドが誘導位置にあるときに相互に入り込むように適合されている。
【0059】
各ジョーは、より詳細には、少なくとも1つの歯を含み、前記歯は対面して配置されている。溝は、ジョーのそれぞれの歯において横向きに形成されている。
【0060】
この特徴により、ジョーによって、特に歯によって針に加えられる締付力の前記針に沿った分散、したがって、ガイド導管内に係合しているときの針の安定性の保証への関与が可能になる。
【0061】
本発明の特定の実施形態では、溝はV字型断面を有する
【0062】
したがって、所与のツールホルダ位置に対して、針は、その直径がいかなるものであっても正確に同様に2つのジョーの間でガイド導管内に把持され、前記針の長手方向軸の位置は針の直径に依存しない。したがって、操作中に針を交換し、いかなる直径であっても針の同じ並進移動軸を維持することができる。
【0063】
本発明の特定の実施形態では、針ガイド装置は、針ガイドを誘導位置で係止する機構を備える。この係止機構は、第1ジョー又は第2ジョーが所定角度位置を越えて枢動したときにその第1ジョー又は第2ジョーを回転しないように固定するように構成されている。
【0064】
この特徴により、有利には、ジョーによる針の保持、より詳細には、針の長手方向軸に沿った並進移動を可能にしながら針のすべての角度に関する移動の防止が可能になる。
【0065】
したがって、針のいかなる偶発的な横方向に作用する付勢によっても、ガイド導管から針を係合解除させ且つ最終的に患者に損傷を与えやすい、針の移動に至ることはない。
【0066】
本発明の特定の実施形態では、係止機構は、
-操作ハンドルを第1ジョーに又は第2ジョーに接続するとともに、2つの極限角度位置の間の前記ジョーに対する前記ハンドルの1つの回転自由度を可能にする、ピボット接続部と、
-操作ハンドルからツールホルダ向かって延在するリップと、
-第1ジョー及び第2ジョーが誘導位置にあるときにリップがツールホルダの接触面に対して弓なりになる(braced)ように、前記ハンドルをその極限角度位置のうちの一方に向かって回転するように付勢する弾性部材と、
を含む。
【0067】
言い換えれば、弾性部材は、ツールホルダの接触面に対してリップを弓なりにする現象を発生させるように操作ハンドルを付勢する。
【0068】
この特徴により、単純な機械的手段による針ガイドの誘導位置での固定が可能になる。
【0069】
別の利点は、針ガイドを係合解除位置に移動させる針ガイドの迅速な係止解除にある。
【0070】
実際には、弓なり現象をもたらす摩擦を低減させる及び/又はなくすように、弾性部材による操作ハンドルの付勢に対抗する力を加えるだけでよい。
【0071】
別の態様によれば、本発明はまた、端部のうちの1つに、上述した針ガイド装置を含むロボットアームに関する。
【0072】
ロボットアームは、針ガイド装置の光学ナビゲーションシステムから、第1ジョー又は第2ジョーの位置に関する情報を受信するように意図された制御ユニットを備える。制御ユニットは、ジョーの位置を決定するとともに、前記ジョーの決定された位置に従ってロボットアームの所与の位置での構成を命令するように構成されている。
【0073】
本発明の特定の実施形態では、制御ユニットは、
-第1ジョー及び第2ジョーが誘導位置にあると判断すると、ロボットアームのすべての移動を禁止し、
-第1ジョー及び第2ジョーが係合解除位置にあると判断すると、ロボットアームの移動を可能にする
ように構成されている、
【0074】
したがって、ガイド装置の、したがってガイド導管に挿入された針の並進移動軸の位置を変更することができない。
【0075】
この特徴により、さらに、患者の標的解剖学的ゾーンへの針の挿入の精度を保証するように、手術中のガイド導管の位置の維持が可能になる。
【0076】
さらに、この特徴により、針が挿入される針ガイドを担持するロボットアームの偶発的な移動によってもたらされる可能性がある損傷を防止することができる。
【0077】
第1ジョー及び第2ジョーが係合解除位置にあるとき、ガイド装置とのいかなる接触もなしに針ガイドから針を係合解除するために、患者の標的解剖学的ゾーンに対して横方向に移動することができるように、ロボットアームを移動させることができる。したがって、針は、その係合解除中、固定されたままである。
【0078】
図の簡単な説明
本発明は、非限定的な例として与えられる以下の説明を、以下の図を参照して読むことにより、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【
図1】ロボットアームと、第1実施形態による針ガイド装置と、ロボットアームの自由端とガイド装置とのインタフェースを提供するツールチェンジャとの分解斜視図を表す。
【
図2】
図1のガイド装置の上方からの斜視図を表し、ガイド装置は、一部のみが示されているツールホルダと、針を誘導するために適所にあるように示されている針ガイドとを含む。
【
図3】
図2のガイド装置の下方からの斜視図を表す。
【
図4】
図2のガイド装置の針ガイドの上方からの斜視図を表す。
【
図5】
図2の針ガイドの可動ジョーの上方からの斜視図を表す。
【
図6】
図2の針ガイドの不動ジョーの下方からの斜視図を表す。
【
図7】針ガイド装置の第2実施形態の斜視図を表す。
【発明を実施するための形態】
【0080】
これらの図では、図の間で同一の参照番号は、同一の又は類似する要素を示す。さらに、明確にするために、図面は、別段の指示がない限り、正確な縮尺ではない。
【0081】
実施形態の説明
図1はロボットアーム10を示し、ロボットアーム10は、その自由端に第1実施形態による針ガイド装置20を含み、針ガイド2装置20は、手術中に操作者が患者の体内に針を標的解剖学的ゾーン内に挿入されるまで導入するのを、支援するように意図されている。ロボットアーム10は、好ましくは、その自由端に、前記自由端とガイド装置20との間のインタフェースを提供するツールチェンジャを含む。
【0082】
ガイド装置20は、
図2及び
図3が示すように、ロボットアーム10に取り付けられるように意図されたツールホルダ21と、前記ツールホルダ21と協働する針ガイド22とを含む。
【0083】
ツールホルダ21はハウジング210を含み、ハウジング210は、ツールホルダ21の「上面」211と称する面の上及び「下面」212と称する面の上でそれぞれ開放している2つの端部開口部の間を、長手方向に延在している。ハウジング210は、内壁213によりその2つの端部開口部の間に画定されている。
【0084】
内壁213は、
図1~
図3に示す好ましい実施形態では、円形状の断面を有する。
【0085】
針ガイド22は、ハウジング210内に係合し、本発明の好ましい実施形態では2つのジョー30、40を含み、ジョー30、40は、前記ジョー30、40が針を誘導する導管23を画定する「ガイド位置」と、ジョー30、40が針横方向係合解除ゾーンを画定する「係合解除」位置との間で自由に回転することができるように、互いに取り付けられている。
【0086】
ジョーは、概して、以下、「第1ジョー」30及び「第2ジョー」40と称する。
【0087】
図1~
図3が示すように、ツールホルダ21は、ハウジング210の長手方向軸に対して平行な軸に沿ってハウジング210の端部開口部のうちの一方から他方まで延在する、軸方向貫通開口部214を含む。第1ジョー30及び第2ジョー40は、有利には、係合解除位置にあるとき、横方向係合解除ゾーンが軸方向貫通開口部214に面するように、ハウジング210内に配置されている。
【0088】
したがって、患者の標的解剖学的ゾーンに針を導入するために第1ジョー30及び第2ジョー40が誘導位置にあるときにガイド導管23に挿入された針は、前記ガイド装置20の移動により、第1ジョー30及び第2ジョー40が横方向係合解除ゾーン及び軸方向貫通開口部214を介して係合解除位置を占めると、ガイド装置20から横方向に引き抜くことができる。
【0089】
第1実施形態では、針ガイド22がハウジング210内に係合すると、「不動ジョー」30と称する第1ジョー30は、好ましくは、ツールホルダ21に対して固定され、「可動ジョー」40と称する第2ジョー40は、好ましくは、ハウジング210の長手方向軸に対して平行な回転軸を中心に、前記不動ジョー30に対して自由に回転することができる。
【0090】
図4~
図6が示すように、不動ジョー30及び可動ジョー40は、より詳細には、ハウジング210の長手方向軸に対して平行な長手方向軸に沿って、「上端部」31、41及び「下端部」32、42とそれぞれ称する2つの端部の間に延在している。前記不動ジョー30及び前記可動ジョー40は、それぞれ、それらの上端部31、41と下端部32、42との間に画定され、それらの周囲面により、以降「外輪面」33、43と称する部分が、以降「内輪面」34、44と称する上記部分とは反対側の部分に接続されている。
【0091】
本文において、「上(方)」及び「下(方)」という相対的な用語は、いわゆる「上方」要素がいわゆる「下方」要素よりも上方に位置するように定義され、前記相対的な用語は、
図1及び
図3においてロボットアーム10及びガイド装置20が表される位置に関する、ということが留意されるべきである。
【0092】
不動ジョー30及び可動ジョー40の外輪面33、43は、各々、円形状の断面を有し、針ガイド22がツールホルダ21内に係合するとハウジング210の内壁213に面するように配置されている。
【0093】
図4が示すように、本発明の好ましい実施形態では、不動ジョー30及び可動ジョー40の外輪面33、43は、円形断面の円筒体内に内接している。外輪面33、43及びハウジング210の内壁213は、前記不動ジョー30及び前記可動ジョー40がハウジング210内に係合したとき、同心である。
【0094】
ハウジング210内に係合するために、不動ジョー30及び可動ジョー40は、それらの外輪面33、43の断面の半径が前記ハウジング210の内壁213の断面の半径よりも小さいようなサイズである。
【0095】
不動ジョー30及び可動ジョー40の内輪面34、44は、針ガイド22がツールホルダ21内に係合すると互いに面するように配置され、前記不動ジョー30と前記可動ジョー40との角度的な相対移動のための空間を形成するようなサイズである。
【0096】
各不動ジョー30及び可動ジョー40は、その内輪面34、44に、その下端部32、42からその上端部31、41まで長手方向軸に沿って延在する溝35、45を含む。溝35、45は、同一の寸法の円形状のそれぞれの断面を有する。別法として、溝35、45は、多角形の断面を有することができる。
【0097】
溝35、45は、不動ジョー30及び可動ジョー40が誘導位置にあるとき、前記溝35、45がそれらの長さのすべてにわたって隣接するとともに、針のためのガイド導管23を形成するというものであり、それにより、ジョーが係合解除位置を占めると、前記溝35、45は、離れるように移動し、それらの間に針横方向係合解除ゾーンを画定する。
【0098】
溝35、45は、好ましくは、外輪面33、43の直径を含む平面に含まれる不動ジョー30及び可動ジョー40のそれぞれの内輪面34、44の一部の上に配置されている。
【0099】
本発明の好ましい実施形態では、不動ジョー30及びハウジング210は、それらの対向するそれぞれの面、すなわち、不動ジョー30の外輪面33及びハウジング210の内壁213に、ツールホルダ21に対して回転しないように前記不動ジョー30を固定するように互いに協働する入れ子要素50を有する。
【0100】
入れ子要素50は、有利には、ツールホルダ21と不動ジョー30との間の1つの並進移動自由度を可能にすることができ、それにより、針ガイド22は、より詳細に後述するようにツールホルダ21のハウジング210内に取外し可能に係合することができる。
【0101】
入れ子要素50は、好ましくは、不動ジョー30の長手方向軸に対して且つハウジング210の長手方向軸に対して平行にそれぞれ延在する相補的形状のレリーフによって形成される。たとえば、これらのレリーフは、
図2が示すように、それぞれ突起及び溝の形態をとり、突起は、好ましい実施形態では、不動ジョー30の外輪面33にあり、溝は、ハウジング210の内壁213にある。別法として、突起は、ハウジング210の内壁213にあり、溝は、不動ジョー30の外輪面33にある。
【0102】
したがって、不動ジョー30は、単純且つ信頼性の高い方法で固定される。
【0103】
入れ子要素50は、別法として、
図3が示すように、不動ジョー30の外輪面33とハウジング210の内壁213とにおいてそれぞれ、互いに面して長手方向に配置された溝の形態をとることができ、そこでは、キー又はピンが係合するように意図される。
【0104】
入れ子要素50は、ハウジング210内への針ガイド22の挿入中のポカヨケ機能という利点を有する。
【0105】
不動ジョー30のみ及び可動ジョー40のみの
図5及び
図6の図が示すように、前記不動ジョー30及び前記可動ジョー40は、各々、その内輪面34、44に軸方向肩部36、46を有し、そこを介して、前記ジョーが互いに協働する。
【0106】
不動ジョー30及び可動ジョー40の軸方向肩部36、46は、前記ジョーの長手方向軸に対して実質的に直交する平面に位置する支持面360、460から互いに離れるように、且つ、前記不動ジョー30及び前記可動ジョー40の上端部31、41及び下端部32、42の一方又は他方と同一平面にある面まで延在している。
【0107】
より正確には、
図4及び
図6が示すように、不動ジョー30の軸方向肩部36は、その上端部31と同一平面である面まで延在し、可動ジョー40の軸方向肩部46は、その下端部42と同一平面である面まで延在している。言い換えれば、不動ジョー30の軸方向肩部36は、可動ジョー40の軸方向肩部46の上に重なる。
【0108】
本発明の好ましい実施形態では、不動ジョー30及び可動ジョー40の軸方向肩部36、46の支持面360、460は、各々、前記ジョーの上端部31、41と下端部32、42との間で等距離に配置されている。
【0109】
軸方向肩部36、46は、それらのそれぞれの支持面360、460を介して互いに当接し、不動ジョー30及び可動ジョー40が少なくとも部分的に互いに交互配置されるように、相補的な輪郭を有する。
【0110】
図4が示すように、軸方向肩部36、46は中心部分を含み、そこを通して、不動ジョー30及び可動ジョー40は、それらの係合解除位置と誘導位置との間で移動するとき、連続的に互いに当接及び圧接する(bear against)。
【0111】
図5及び
図6が示すように、各軸方向肩部36、46の中心部分の高さにおける内輪面34、44の断面は、円形状の部分を含み、円形状の前記部分は、外輪面33、43の断面及び内壁213の断面と同心である。
【0112】
軸方向肩部36、46は、不動ジョー30及び可動ジョー40の外輪面33、43と整列する円筒面まで中心部分を広げるそれぞれの側面部分も含む。言い換えれば、円筒面は、不動ジョー30及び可動ジョー40の外輪面33、43と同じ円形円筒体内に内接する。
【0113】
したがって、側面部分は、円筒の扇形部の概略的な形状を有する。
【0114】
図5及び
図6が示すように、内輪面34、44の断面は、各軸方向肩部36、46の側面部分の高さにおいて、外輪面33、43まで円形状の部分を広げる直線部分を含む。
【0115】
軸方向肩部36、46の側面部分は、可動ジョー40が係合解除位置にあるときに可動ジョー40の角度移動のための当接部となるように構成されている。
【0116】
側面部分は、より詳細には、可動ジョー40が係合解除位置にあるとき、それらの支持面360、460を介して互いに当接及び圧接するようなサイズであり、不動ジョー30の軸方向肩部36の側面部分は、可動ジョー40の内輪面44と接触し、可動ジョー40の軸方向肩部46の側面部分は、不動ジョー30の内輪面34と接触する。
【0117】
軸方向肩部36、46の側面部分は、好ましくは、誘導位置と係合解除位置との間の可動ジョー40の45度の角度移動を可能にするようなサイズである。
【0118】
この特徴により、不動ジョー30と可動ジョー40との接触面積の最大化と、したがって、係合解除位置と誘導位置との間で展開する可動ジョー40の移動の優れた精度とが可能になる。
【0119】
不動ジョー30及び可動ジョー40は、好ましくは、軸方向に延在するとともに可動ジョー40の軸方向肩部46に形成された、「同軸ハウジング」47と称するハウジングを通して、不動ジョーから長手方向に延在するロッド60により、移動可能に相互接続され、前記可動ジョー40はロッド60を中心に自由に枢動することができる。言い換えれば、ロッド60は、可動ジョー40の回転軸と一致する長手方向軸に沿って軸方向ハウジング47内に延在する。
【0120】
図5及び
図6が示すように、軸方向ハウジング47は、より詳細には、可動ジョー40の軸方向肩部46の中心部分を通って形成されている。
【0121】
ロッド60は2つの端部の間で延在し、「上端部」と称するそれらのうちの一方は不動ジョー30に強固に接続され、「下端部」と称するそれらのうちの他方は、軸方向ハウジング47内に自由に回転可能に係合する。
【0122】
この特徴により、不動ジョー30及び可動ジョー40を互いから分離することができる。この種の配置は、特に、針ガイド22の滅菌の有効性を向上させることを目標とする。
【0123】
ロッド60の下端部は、有利には、不動ジョー30と可動ジョー40との間の並進移動を防止するように適合された、並進移動を阻止する要素を含む。この特徴は、不動ジョー30及び可動ジョー40が時期尚早に外れるのを防止することを目標とする。
【0124】
この種の並進移動を阻止する要素は、
図6が示すように、前記ロッド60内に半径方向に延在するピン61に形成することができる。ピン61は、前記可動ジョー40を不動ジョー30に接して保持するように、可動ジョー40に接して配置されるように意図されている。
【0125】
より詳細には、
図3が示すように、可動ジョー40は、有利にはチャンバ471を含み、チャンバ471を介して軸方向ハウジング47はその下端部42において開放し、前記チャンバ471は、不動ジョー30が可動ジョー40に固定されるとピン61を受け入れるように適合されている。
【0126】
図5は、軸方向ハウジング47の長さのすべてにわたって延在する2つの直径方向に対向する軸方向溝470を示す。これらの軸方向溝470は、不動ジョー30及び可動ジョー40を互いに取り付けるか又は取り外すときに摺動するピン61を受け入れるように意図されている。別法として、ピン61の長さに応じて、可動ジョー40の軸方向ハウジング47は、1つの軸方向溝470のみを含む場合もある。
【0127】
軸方向溝470は、好ましくは、前記ジョーが、係合解除位置と誘導位置との間の等距離に、すなわち可動ジョー40の2つの極限位置の間の中間移動距離において、互いに対して角度的に位置決めされるときにのみ、不動ジョー30及び可動ジョー40を互いに取り付けるか又は取り外すことができるように、軸方向ハウジング47内に配置されている。
【0128】
可動ジョー40は、有利には、その外輪面43から半径方向に延在する、可動ジョー40を操作するためのハンドル49を含む。操作ハンドル49により、操作者によって付勢されるときに前記可動ジョー40をハウジング210内で移動するように駆動することができる。この操作ハンドル49は、ツールホルダ21に形成されるとともに、以降「半径方向部分」240と称する部分によりハウジング210に対して半径方向に延在する、開口部24を通って移動するように意図されている。
【0129】
したがって、開口部24は、操作ハンドル49を誘導する経路を形成するとともに、係合解除位置と誘導位置との間の可動ジョー40の角度移動を可能にするのに十分な長さにわたって延在している。
【0130】
図2及び
図3に示すように、半径方向部分240は、好ましくはその端部のうちの一方において、ツールホルダ21の上面211上で開放するまでハウジング210に対して軸方向に延在する「軸方向部分」241と称する部分により、広がっている。
【0131】
この種の特徴は、それにより、開口部24の半径方向部分240において操作ハンドル49を枢動させ、その後、ハウジング210の長手方向軸に沿った軸方向部分241において前記ハンドルを並進移動させることによって、針ガイド22をツールホルダ21から取り外すことができるため、有利である。したがって、ツールホルダ21及び針ガイド22を最適な方法で滅菌することができる。
【0132】
逆に、ツールホルダ21において針ガイド22を係合させるために、操作者は、操作ハンドル49が半径方向部分240に達するまで針ガイド22をハウジング210の長手方向軸に沿って並進移動させることにより、開口部24の軸方向部分241を通して操作ハンドル49を導入する。
【0133】
軸方向部分により、有利には、可動ジョー40が誘導位置にある場合にのみ、ツールホルダ21からの針ガイド22の取外しが可能である。
【0134】
したがって、ハウジング210内に針ガイド22を設置した後に、針を軸方向に直接誘導することができる。
【0135】
これにより、前記可動ジョー40のその誘導位置に向かう作動中に、針が、不動ジョー30と可動ジョー40との間のガイド導管23の外部で詰まるすべての危険が防止される。こうした詰まりは、患者に対して有害である可能性がある針の不確実な誘導をもたらす可能性がある。
【0136】
ハウジング210内に針ガイド22を係合させるのを容易にするために、不動ジョー30及び可動ジョー40は、有利には、それらのそれぞれの下端部32、42とそれらのそれぞれの外輪面33、34との間に延在する面取り部38、48を含むことができる。
【0137】
図には示さない針ガイド20の第1実施形態の変形では、ツールホルダ21及び不動ジョーは、一体型構成要素を形成する。本発明のこの実施形態では、可動ジョーは、その軸方向肩部が支持面から前記可動ジョーの上端部と同一平面である面まで延在することを除き、可動ジョーの上記記載に対応する。
【0138】
本発明のこの実施形態では、不動ジョーの軸方向肩部は、支持面から前記不動ジョーの下端部と同一平面である面まで延在する。
【0139】
ここでは、可動ジョーの軸方向肩部が、不動ジョーの軸方向肩部、すなわちツールホルダ21の軸方向肩部の上に重なることが明らかである。
【0140】
さらに、ロッドは、可動ジョーに強固に固定され、不動ジョーの軸方向ハウジング内に、自由に回転可能であるように係合する。前記軸方向ハウジングは、軸方向肩部の支持面から前記ツールホルダ21の下面上で開放するチャンバまで延在する、2つの直径方向に対応する軸方向溝を含む。本発明の好ましい実施形態に類似する方法で、ロッドは、その下端部において、可動ジョーをツールホルダ21に取り付けるか又はツールホルダ21から取り外すときに溝内で摺動するように意図されているピン等、並進移動阻止要素を有する。
【0141】
本発明のこの実施形態では、ツールホルダ21は、ジョーが誘導位置にあるときにガイド導管を通って移動する針の移動距離の長さを決定するように適合されたセンサを備える。
【0142】
センサは、有利には制御ユニットに接続され、制御ユニットは、ガイド導管内に挿入された針の移動距離の長さに関する情報に基づくとともに、針ガイドの位置に対する患者の標的解剖学的ゾーンの位置に基づき、患者の前記標的解剖学的ゾーンに対する前記針の位置を決定する。
【0143】
センサは、画像を取り込むことによりガイド導管を通して導入される針の移動を検出するように適合された、当業者には本質的に既知である光センサであり得る。センサは、同様に当業者には本質的に既知である線形測定センサによって等しく形成され得る。
【0144】
別法として、ツールホルダ21は、ガイド導管内を移動する目盛り付き針の移動距離を、前記針上の目盛りを読み取ることにより決定するように適合された、線形光符号器タイプのセンサを組み込むことができる。
【0145】
さらなる代替形態は、センサが、針が導管を通して挿入されたときに針によって駆動されるホイールの形態をとることであり、前記ホイールは、回転速度計等の回転数計に関連する。ホイールの直径は制御ユニットによって既知であり、前記制御ユニットは、針の移動中に発生する角度変位の関数として、ガイド導管を通して挿入された針の長さを決定することができる。
【0146】
図7~
図9は、第2実施形態による針ガイド装置20を表す。
【0147】
この第2実施形態によるガイド装置20は、ツールホルダ21と、誘導位置と係合解除位置との間で互いに対して移動可能な第1ジョー30及び第2ジョー40を含む針ガイド22とを同様に含むという点で、第1実施形態によるガイド装置20と同様である。
【0148】
さらに、この第2実施形態では、ここでは「駆動ジョー」40と称する第2ジョー40もまた、操作ハンドル49を含む。しかしながら、ツールホルダ21は、操作ハンドル49が移動する開口部を含まない。
【0149】
この実施形態では、第1ジョー30は「被駆動ジョー」30と称する。
【0150】
第1実施形態とは対照的に、第2実施形態では、被駆動ジョー30及び駆動ジョー40は、それぞれの異なる、すなわち非同軸の回転軸を中心に回転して移動可能であるように、ツールホルダ21に取り付けられている。非駆動ジョー30及び駆動ジョー40の回転軸は、好ましくは互いに平行である。
【0151】
ツールホルダ21は、間に非駆動ジョー30及び駆動ジョー40が配置される「上部突出部」及び「下部突出部」を備える、ヨークを含む。
図7には、上部突出部のみを見ることができる。
【0152】
上部突出部及び下部突出部は一対のオリフィスを含み、2つの対向する対のオリフィスは取付シャフトを受け入れ、各取付シャフトは、被駆動ジョー30又は駆動ジョー40の貫通ハウジング内に係合する。
【0153】
したがって、各被駆動ジョー30及び駆動ジョー40は、それが関連するシャフトを中心に自由に枢動することができる。
【0154】
図7~
図9が示すように、針ガイドは、有利には、被駆動ジョー30に且つ駆動ジョー40に接続された運動伝達部材70を含み、それは、前記被駆動ジョー30及び前記駆動ジョー40の互いに対する角度移動を同期させる。
【0155】
図8に示すように、運動伝達部材70は、好ましくは、被駆動ジョー30及び駆動ジョー40にそれぞれ配置された2つの噛合い歯付きホイール部分によって形成されている。
【0156】
別法として、運動伝達部材70は、カム機構(図には示さず)によって形成することができ、そこでは、ジョーのうちの一方、たとえば駆動ジョー40から延在するオス部が、他方のジョー、たとえば被駆動ジョー30から延在するメス部と協働する。
【0157】
この特徴により、被駆動ジョー30及び駆動ジョー40は、対称角度移動で駆動され、すなわち、同じ角度を通して移動する。
【0158】
したがって、針を、その長手方向軸の位置を変更することなく、溝35、45によって把持することができ、これにより、たとえば針変更中に、いかなる針の位置決め誤差も回避することができる。
【0159】
さらに、この特徴により、異なる直径の針の使用が可能になる。この特徴により、好ましくは、直径が11G~21G(それらの値を含む)である針の誘導が可能になる。
【0160】
図9が示すように、前記被駆動ジョー30及び前記駆動ジョー40がそれらの誘導位置に向かって回転するのを付勢するように、被駆動ジョー30及び/又は駆動ジョー40に接して弾性部材71が配置されている。
【0161】
弾性部材71は、より詳細には、被駆動ジョー30と駆動ジョー40との間に、それらの溝35、45とは反対側に配置され、各端部が前記被駆動ジョー30又は前記駆動ジョー40に圧接する、ねじりばねであり得る。別法として、弾性部材71は圧縮ばねであり得る。
【0162】
この特徴は、針ガイド22の係合解除位置における移動、したがって針の偶発的な移動を防止することができるという点で有利である。
【0163】
さらに、この特徴により、被駆動ジョー30及び駆動ジョー40の誘導位置への系統的駆動が可能になり、したがって、操作者がこの操作を手動で実施する必要をなくすことができる。
【0164】
被駆動ジョー30及び駆動ジョー40は、有利には、それらの内輪面34、44とそれらの外輪面33、43との間の接合部に、針ガイド22が誘導位置にあるときに互いに入り込むように適合された歯37、57を含む。
【0165】
図7~
図9に示すように、したがって、各歯37、57は、溝35、45の一部を含み、前記溝35、45は、歯37、57に対して横向きに延在する。
【0166】
これらの特徴により、被駆動ジョー30及び駆動ジョー40により、特に歯37、57により針に加えられる締付力の前記針に沿った分散と、したがって、針がガイド導管23内に係合したときの針の安定性を保証することへの関与とが可能になる。
【0167】
溝35、45は、好ましくは、V字型断面を有する。
【0168】
したがって、ツールホルダ21の所与の位置に対して、針は、その直径がいかなるものであっても正確に同じ位置で、ガイド導管23内で被駆動ジョー30と駆動ジョー40との間で把持される。言い換えれば、前記針の長手方向軸の位置は針の直径に依存しない。したがって、操作中に針を変更すること、及びいかなる直径であっても針の同じ並進移動軸を維持することが可能である。
【0169】
図7及び
図8では、ガイド装置20は、針ガイド22を誘導位置で係止する機構80を備えるように表されている。
【0170】
係止機構80は、ジョーのうちの一方、好ましくは駆動ジョー40を、それが所定角度位置を越えて枢動したときに回転しないように係止するように構成されている。所定角度位置は、誘導位置にあるときのジョーの位置に対応する。
【0171】
したがって、駆動ジョー40を回転しないように固定することにより、ジョーを互いに結合する伝達部材によって被駆動ジョー30の枢動を防止することができる。
【0172】
係止機構80により、有利には、針を被駆動ジョー30及び駆動ジョー40によって保持することができ、より詳細には、針の長手方向軸に沿った並進移動を可能にしながら、針の角度的な相対移動を防止することができる。
【0173】
したがって、針のいかなる偶発的な横方向に作用する付勢によっても、ガイド導管から針を係合解除させ且つ最終的に患者に損傷を与えやすい、針の移動に至ることはない。
【0174】
係止機構80は、操作ハンドル49を駆動ジョー40に接続するピボット接続部を含む。したがって、操作ハンドル49は、以降「阻止位置」及び「阻止解除位置」と称する2つの極限角度位置の間で前記駆動ジョー40に対して自由に枢動することができる。
【0175】
操作ハンドル49は、有利には、
図8及び
図9の断面図に見ることができるように、操作ハンドルがその阻止解除位置に向かって枢動したときに駆動ジョー40に対する操作ハンドルの回転を防止するように駆動ジョー40の肩部と協働するように構成された肩部を含む。これらの肩部は、第1角度付き当接部を形成する。
【0176】
操作ハンドル49及び駆動ジョー40は、
図7に見ることができる第2角度付き当接部を形成するように、前記操作ハンドル49がその阻止位置に向かって枢動したときに駆動ジョー40に対する前記操作ハンドル49の回転を防止するように、互いに協働するように、等しく適合させることができる。
【0177】
図7~
図9に表されている係止機構例では、リップ81が、操作ハンドル49からツールホルダ21に向かって延在している。
【0178】
操作ハンドル49が阻止位置を占めると、リップ81は、ツールホルダ21の表面に圧接して当接するように意図されている。このために、ツールホルダ21は、その上を圧接している前記リップ81を受け入れるように意図された接触面215を含む。
【0179】
接触面215は、好ましくは、
図7~
図9が示すように、実質的に凹状の断面を有するとともに、たとえばツールホルダ21の空洞から突起まで延在する。
【0180】
ツールホルダ21は、被駆動ジョー30及び駆動ジョー40が係合解除位置にあるとき、リップ81が空洞内に係合するように構成されている。したがって、空洞は、リップ81の角度移動範囲に対応する。
【0181】
図7~
図9が示すように、操作ハンドル49は開口部490を備えることができ、被駆動ジョー30及び駆動ジョー40がそれらの係合解除位置に向かって移動するとき、ツールホルダの突起はそこを通って導入される。
【0182】
係止機構80は、有利には、前記ハンドルをその阻止位置に向かって回転させる弾性部材82を含み、それにより、被駆動ジョー30及び駆動ジョー40が誘導位置にあるとき、リップ81はツールホルダ21の接触面215に対して弓なりになる。
【0183】
弾性部材82は、好ましくは、駆動ジョー40と操作ハンドルとの間に配置されたねじりばねによって形成される。
【0184】
この係止機構80は、有利には、いかなる針の直径がガイド導管に係合しても有利に有効である。
【0185】
さらに、この特徴により、単純な機械的手段による針ガイドの誘導位置における固定が可能になる。
【0186】
別の利点は、針ガイドを係合解除位置に移動させる針ガイドの迅速な阻止解除にある。
【0187】
実際には、上記弓なり現象の原因である摩擦を低減させる及び/又は克服するために、弾性部材の付勢に対抗する力を操作ハンドルに加えるだけでよい。
【0188】
上述した特徴は、有利に、本発明によるガイド装置20の両方の実施形態に適合することができる。
【0189】
ガイド装置20は、有利には、光学ナビゲーションシステム(図には示さず)を含むことができ、それは、前記光学ナビゲーションシステムによって送信される情報に基づいて、第1ジョー30及び第2ジョー40の互いに対する位置を決定するロボットアーム10の制御ユニットに接続されるように意図されている。
【0190】
制御ユニットは、ロボットアーム10の移動、したがって、第1ジョー30及び第2ジョー40の互いに対する位置の関数としての針ガイド22の移動を制御するように構成されている。
【0191】
光学ナビゲーションシステムは、表面が反射性である球体等の基準光学素子を含む。
【0192】
球体は、第1ジョー30及び第2ジョー40の各々の上端部31、41から延在する枝状部によって担持される。
【0193】
光学ナビゲーションシステムは、各基準光学素子の空間内の位置に関する情報を制御ユニットに送信する読取モジュールも含む。
【0194】
第1ジョー30は、より詳細には、個々の基準光学素子を含み、第2ジョー40は、より詳細には、基準光学素子の少なくとも1つの対を含む。基準光学素子の対は、共通の枝状部から延在する一対の枝状部によって担持され、枝状部は、その共通の枝状部によって可動ジョー40に取り付けられている。
【0195】
読取モジュールによって受信された情報に基づき、制御ユニットは、基準光学素子の対の個々の基準光学素子に対する位置を決定し、それから、第1ジョー30及び第2ジョー40の互いに対する位置を導出することができる。
【0196】
制御ユニットは、第1ジョー30及び第2ジョー40が誘導位置にあると判断した場合、ロボットアーム10の移動を防止するように構成されている。したがって、ガイド導管23の位置を変更すること、したがって、前記導管に挿入された針の並進移動軸を移動させるか又はガイドから針を横方向に解除することはできない。
【0197】
この特徴により、手術中に、患者の標的解剖学的ゾーン内への針の挿入の精度を保証するように、ガイド装置20の、したがってガイド導管23の位置を維持することができる。
【0198】
さらに、この特徴により、針ガイド22に挿入された針の移動によってもたらされやすい不慮の事故を回避することができる。
【0199】
制御ユニットは、さらに、第1ジョー30及び第2ジョー40が係合解除位置にあると判断した場合に、ロボットアーム10の移動を可能にするように構成されている。そのため、ガイド装置20と接触することなく針ガイド22から針を係合解除するように、患者の標的解剖学的ゾーンの横方向にロボットアーム10を移動させることができる。したがって、針は、その係合解除中に固定されたままである。
【0200】
この特徴により、標的解剖学的ゾーンに挿入された針の移動によってもたらされやすい不慮の事故を防止することができる。
【0201】
より全体的には、上記で考慮した本発明の実施形態及び応用は、非限定的な例として記載されていることと、したがって、他の変形形態を構想することができることとが留意されるべきである。
【国際調査報告】