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▶ スミス アンド ネフュー ピーエルシーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-20
(54)【発明の名称】センサ統合基板用設計ルール
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/00 20060101AFI20220513BHJP
   A61F 13/02 20060101ALI20220513BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20220513BHJP
【FI】
A61F13/00 T
A61F13/02 D
A61B5/00 102A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021555169
(86)(22)【出願日】2020-03-16
(85)【翻訳文提出日】2021-09-13
(86)【国際出願番号】 EP2020057145
(87)【国際公開番号】W WO2020187851
(87)【国際公開日】2020-09-24
(31)【優先権主張番号】1903661.5
(32)【優先日】2019-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】1918640.2
(32)【優先日】2019-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391018787
【氏名又は名称】スミス アンド ネフュー ピーエルシー
【氏名又は名称原語表記】SMITH & NEPHEW PUBLIC LIMITED COMPANY
【住所又は居所原語表記】Building 5,Croxley Park,Hatters Lane,Watford,Hertfordshire WD18 8YE,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ハント、アラン、ケネス、フレイザー、グルージョン
(72)【発明者】
【氏名】パーティントン、リー、イアン
(72)【発明者】
【氏名】フィリップス、マルカス、ダミアン
(72)【発明者】
【氏名】クインタナー、フェリックス、クラレンス
【テーマコード(参考)】
4C117
【Fターム(参考)】
4C117XB01
4C117XB03
4C117XD07
4C117XD08
4C117XD09
4C117XE06
4C117XE20
4C117XE23
4C117XE33
4C117XJ06
(57)【要約】
【解決手段】 創傷監視および/もしくは治療装置ならびに/または創傷被覆材の製造の方法は、穿孔されるように構成されていない基板の領域に電子部品および接続を位置付けることを含む。方法はまた、部品を位置付けること、ならびに特に、基板上の穿孔の位置付けから生じた制約に基づいて接続を位置付けること、および成形することのためのルールのセットと、信号の完全性の許容可能なレベルを維持することの目標とに従うことを含むことができる。方法は、多層基板を製造することをさらに含む。こうした方法を使用して製造された創傷監視および/または治療装置がまた開示される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
創傷監視および/または治療装置を製造する方法であって、前記方法が、
第1のセンサに接続されるように構成された第1の導電性トラックを、実質的に可撓性の基板上に位置付けることであって、前記第1のトラックが、前記第1の導電性トラックによって伝導される電気信号の完全性を維持するための第1の最小幅を有している、位置付けることと、
第2のセンサに接続されるように構成された第2の導電性トラックを、前記基板上に位置付けることであって、前記第2のトラックが、前記第2の導電性トラックによって伝導される電気信号の完全性を維持するための第2の最小幅を有している、位置付けることと、
第3のセンサに接続されるように構成された第3のトラックを、前記基板上に位置付けることであって、前記第3のトラックが、第3の導電性トラックによって伝導される電気信号の完全性を維持するための第3の最小幅を有している、位置付けることと、を含み、
第1、第2、および第3の導電性トラックが、複数の開口部で穿孔されるように構成されていない基板の部分上に位置付けられており、前記複数の開口部は、流体が前記基板を通過することを可能にするように構成されており、
流体が前記基板を通過することを可能にするように構成された前記複数の開口部の場所またはサイズのうちの少なくとも1つが、前記第1、第2、または第3の最小幅のうちの少なくとも1つの最大寸法を制約し、
前記第1、第2、および第3のセンサが、異なるタイプのセンサである、方法。
【請求項2】
前記複数の開口部を形成するために前記基板を穿孔することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の開口部を形成するために前記基板を穿孔することが、前記第1、第2、および第3の導電性トラックが位置付けられる前記基板の前記部分を穿孔しないことを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1、第2、または第3の導電性トラックのうちの少なくとも1つを位置付けることが、導電性インクを使用して、前記第1、第2、または第3の導電性トラックのうちの前記少なくとも1つを印刷することを含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記導電性インクが、銀インクを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記第1、第2、または第3のセンサのうちの少なくとも1つに電力を供給するように構成された第4のトラックを、前記基板上に位置付けることをさらに含み、前記第4のトラックが、第4の最小幅を有しており、前記複数の開口部の前記場所またはサイズのうちの少なくとも1つが、前記第4の最小幅の最大寸法をさらに制約する、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1、第2、および第3の導電性トラック、第1のセンサ、第2のセンサ、および第3のセンサが、前記複数の開口部から少なくとも最小距離離れて位置付けられている、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1、第2、または第3の最小幅のうちの少なくとも2つが、互いに異なっている、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の導電性トラックが、アナログ信号を伝導するように構成されており、前記第2の導電性トラックが、デジタル信号を伝導するように構成されており、前記第1の最小幅が、前記第2の最小幅よりも小さい、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のセンサが、温度センサを含み、前記第2のセンサが、光センサを含み、前記第3のセンサが、インピーダンスセンサを含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
先行請求項のいずれか一項以上に記載の方法を使用して製造される、創傷監視および/もしくは治療装置ならびに/または創傷被覆材。
【請求項12】
創傷監視および/または治療装置を製造する方法であって、前記方法が、
第1の方向に配向されており、かつ電気信号を送信するように構成されている第1の導電性トラックを、実質的に可撓性の基板上に位置付けることと、
前記第1の導電性トラックに隣接しており、かつ前記第1の導電性トラックから第1の最小距離にある前記基板上に、第2の導電性トラックを位置付けることであって、前記第2の導電性トラックが、前記第1の方向に配向されており、かつ電気信号を送信するように構成されている、位置付けることと、を含み、
前記第1の最小距離は、滲出液が前記基板を通過することを可能にするように構成された少なくとも1つの開口部の場所またはサイズのうちの少なくとも1つによって画定される、方法。
【請求項13】
前記基板を穿孔して、前記第1の導電性トラックを前記第2の導電性トラックから分離する前記基板の一部分内に前記少なくとも1つの開口部を形成することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
第2の方向に配向されており、かつ電気信号を送信するように構成されている第3の導電性トラックを、前記基板上に位置付けることであって、前記第2の方向が、前記第1の方向とは異なっている、位置付けることと、
前記導電性第3のトラックに隣接しており、かつ前記第3の導電性トラックから第2の最小距離にある前記基板上に、第4の導電性トラックを位置付けることであって、前記第4の導電性トラックが、前記第2の方向に配向されており、かつ電気信号を送信するように構成されている、位置付けることであって、前記第2の最小距離が、前記第1の最小距離とは異なっている、位置付けることと、をさらに含む、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記第2の方向に配向された第3および第4の導電性トラックを前記基板上に位置付けることが、前記第1の方向に配向された前記第1および第2の導電性トラックの各々から第3の最小距離に、第3および第4の導電性トラックを位置付けることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の方向が、前記第1の方向に対して垂直である、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1、第2、第3、または第4の導電性トラックのうちの少なくとも1つを位置付けることが、導電性インクを使用して、前記第1、第2、第3、または第4の導電性トラックのうちの前記少なくとも1つを印刷することを含む、請求項14~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記導電性インクが、銀インクを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
請求項12~18のいずれか一項に記載の方法を使用して製造される、創傷監視および/もしくは治療装置ならびに/または創傷被覆材。
【請求項20】
創傷監視および/または治療装置を製造する方法であって、前記方法が、
第1の方向に配向されており、かつ電気信号を送信するように構成されている第1の導電性トラックを、実質的に可撓性の基板上に位置付けることと、
前記第1の方向とは異なる第2の方向に配向された第2の導電性トラックを、前記基板上に位置付けることであって、前記第2の導電性トラックが、電気信号を送信するように構成されており、前記第2の導電性トラックが、前記第1の導電性トラックと同じ幅を有している、位置付けることと、
前記第1および第2の導電性トラックとオーバーラップする実質的に円形の導電性エリアを形成することによって、前記第1の導電性トラックと第2の導電性トラックとの間に電気的接続を形成することであって、前記導電性エリアの半径が、前記第1および第2の導電性トラックの幅の約半分である、形成することと、を含む、方法。
【請求項21】
前記第1または第2の導電性トラックのうちの少なくとも1つを位置付けることが、導電性インクを使用して、前記第1または第2の導電性トラックのうちの前記少なくとも1つを印刷することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記電気的接続を形成することが、乾燥インクのうちの少なくとも一部分を除去して、前記第1および第2の導電性トラックの幅の約半分の前記半径を有する前記実質的に円形の導電性エリアを形成することを含む、請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
請求項20~22のいずれか一項に記載の方法を使用して製造される、創傷監視および/もしくは治療装置ならびに/または創傷被覆材。
【請求項24】
創傷監視および/または治療装置を製造する方法であって、前記方法が、
電気信号を送信するように構成された第1の導電性トラックを、実質的に可撓性の基板上に位置付けることであって、前記第1の導電性トラックが、第1の幅を有している、位置付けることと、
電気信号を送信するように構成された第2の導電性トラックを、前記基板上に位置付けることであって、前記第2の導電性トラックが、前記第1の幅とは異なる第2の幅を有している、位置付けることと、
湾曲したコネクタで第1のトラックおよび第2のトラックを電気的に接続することと、を含む、方法。
【請求項25】
前記コネクタの近位にある前記第1の導電性トラックおよび前記コネクタの近位にある前記第2の導電性トラックの部分が、約90度の遷移を全く含まないように成形されている、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第1の導電性トラックもしくは第2の導電性トラックのうちの少なくとも1つを位置付けること、または前記湾曲したコネクタで第1のトラックおよび第2のトラックを電気的に接続することのうちの少なくとも1つが、導電性インクを使用して、前記第1の導電性トラック、第2の導電性トラック、または前記湾曲したコネクタのうちの前記少なくとも1つを印刷することを含む、請求項24または25に記載の方法。
【請求項27】
請求項24~26のいずれか一項に記載の方法を使用して製造される、創傷監視および/もしくは治療装置ならびに/または創傷被覆材。
【請求項28】
創傷被覆材であって、
第1の側面、および前記第1の側面と対向する第2の側面を有する可撓性または実質的に可撓性の基板と、
前記基板の前記第1の側面上に位置付けられた第1の電気導電性トラックと、
前記基板の前記第2の側面上に位置付けられた第2の電気導電性トラックであって、前記第2の電気導電性トラックが、前記基板を通過する電気導電性材料を介して前記第1の電気導電性トラックに電気的に接続されている、第2の電気導電性トラックと、を含む、創傷被覆材。
【請求項29】
前記電気導電性材料が、前記基板を通して穿孔内に位置付けられている、先行請求項のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
【請求項30】
前記基板の前記第1の側面上に位置付けられており、かつ前記第1の電気導電性トラックに電気的に接続されている、第1の電子部品と、
前記基板の前記第2の側面上に位置付けられており、かつ前記第2の電気導電性トラックに電気的に接続されている、第2の電子部品と、をさらに含む、先行請求項のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
【請求項31】
前記第1の電子部品が、創傷の複数のパラメータを測定するように構成された複数のセンサを含み、前記第2の電子部品が、前記複数のセンサによって測定された前記複数のパラメータの少なくとも一部を、遠隔コンピューティングデバイスに送信するように構成されたアンテナを含む、先行請求項のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
【請求項32】
前記第1の電子部品、第2の電子部品、第1の電気導電性トラック、または第2の電気導電性トラックのうちの少なくとも1つに適用される実質的に非伸縮性のコーティングをさらに含む、請求項30または31に記載の創傷被覆材。
【請求項33】
前記実質的に非伸縮性のコーティングの上に適用される実質的に伸縮性のコーティングをさらに含む、請求項32に記載の創傷被覆材。
【請求項34】
前記基板が、熱可塑性ポリウレタン(TPU)を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
【請求項35】
前記第1の電気導電性トラックの一部分が、前記第2の電気導電性トラックの一部分とオーバーラップする、先行請求項のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
【請求項36】
前記第1の電気導電性トラックまたは第2の電気導電性トラックのうちの少なくとも1つが、前記穿孔の少なくとも一部を覆う、請求項29~35のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
【請求項37】
第1および第2の電気導電性トラックが、導電性インクまたは導電性接着剤を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
【請求項38】
前記電気導電性材料が、導電性インクまたは導電性接着剤を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
【請求項39】
前記導電性インクが、銀インクを含む、請求項37または38に記載の創傷被覆材。
【請求項40】
前記第1の電気導電性トラックが、前記第2の電気導電性トラックと直接接触しない、先行請求項のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
【請求項41】
前記基板の前記第1の側面上に位置付けられた第3の電気導電性トラックと、
前記第1および第3の電気導電性トラックを分離する、第1の非導電性マスクと、をさらに含む、先行請求項のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
【請求項42】
前記基板の前記第2の側面上に位置付けられた第4の電気導電性トラックと、
前記第2および第4の電気導電性トラックを分離する、第2の非導電性マスクと、をさらに含む、先行請求項のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
【請求項43】
創傷被覆材を製造する方法であって、前記方法が、
電気導電性材料を、前記創傷被覆材の可撓性または実質的に可撓性の基板に通すことと、
第1の電気導電性トラックを前記基板の第1の側面上に位置付け、前記電気導電性材料との電気的接続を形成することと、
前記第1の側面と対向する側に位置する前記基板の第2の側面上に、第2の電気導電性トラックを位置付け、前記電気導電性材料との電気的接続を形成することと、を含み、
前記第1の電気導電性トラックと第2の電気導電性トラックが、前記導電性材料を介して電気的に接続されている、方法。
【請求項44】
前記基板を通して穿孔を形成することと、前記電気導電性材料で前記穿孔を少なくとも部分的に充填することと、をさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
第1の電子部品を前記基板の前記第1の側面上に位置付け、前記第1の電子部品を前記第1の電気導電性トラックに電気的に接続することと、
第2の電子を前記基板の前記第2の側面上に位置付け、前記第2の電子部品を前記第2の電気導電性トラックに電気的に接続することと、をさらに含む、請求項43または44に記載の方法。
【請求項46】
前記第1の電子部品、第2の電子部品、第1の電気導電性トラック、または第2の電気導電性トラックのうちの少なくとも1つに、実質的に非伸縮性のコーティングを適用することをさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記実質的に非伸縮性のコーティングの上に、実質的に伸縮性のコーティングを適用することをさらに含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記第2の電気導電性トラックを前記基板の前記第2の側面上に位置付けることが、前記第1の電気導電性トラックの一部分とオーバーラップすることを含む、請求項43~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記第1または第2の電気導電性トラックのうちの少なくとも1つを位置付けることが、導電性インクまたは導電性接着剤を使用して、前記第1または第2の電気導電性トラックのうちの前記少なくとも1つを印刷することを含む、請求項43~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記導電性インクが、銀インクを含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記電気導電性材料が、導電性インクまたは導電性接着剤を含む、請求項43~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記導電性インクが、銀インクを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
創傷監視および/または治療装置を製造する方法であって、前記方法が、
第1の方向に配向されており、かつ電気信号を送信するように構成されている第1の導電性トラックを、実質的に可撓性の基板上に位置付けることと、
別の導電性トラックまたは電気部品に電気的に接続されるように構成された前記第1の導電性トラックの一部分を除いて前記第1の導電性トラックを第1のマスクで覆うことによって、第1の非導電性マスクを前記基板上に位置付けることと、を含む、方法。
【請求項54】
前記第1の導電性トラックを位置付けることが、導電性インクまたは導電性接着剤を使用して、前記基板上に前記第1の導電性トラックを印刷することを含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記第1の導電性トラックの前記部分が、パッドまたはビアを含む、請求項53または54に記載の方法。
【請求項56】
前記第1のマスクを前記基板上に位置付けることが、前記第1のマスクで前記基板の実質的に表面全体を覆うことを含む、請求項53~55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記第1の方向とは異なる第2の方向に配向された第2の導電性トラックを、前記基板上に位置付けることであって、前記第2の導電性トラックが、電気信号を送信するように構成されている、位置付けることと、
別の導電性トラックまたは電気部品に電気的に接続されるように構成された前記第2の導電性トラックの一部分を除いて前記第2の導電性トラックを第2のマスクで覆うことによって、第2の非導電性マスクを前記基板上に位置付けることと、をさらに含む、請求項53~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記第2の導電性トラックを位置付けることが、導電性インクまたは導電性接着剤を使用して、前記基板上に前記第2の導電性トラックを印刷することを含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記第2の導電性トラックの前記部分が、パッドまたはビアを含む、請求項57または58に記載の方法。
【請求項60】
前記第2のマスクを前記基板上に位置付けることが、前記第2のマスクで前記基板の実質的に表面全体を覆うことを含む、請求項53~59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
請求項53~60のいずれか一項に記載の方法を使用して製造される、創傷監視および/もしくは治療装置ならびに/または創傷被覆材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、創傷被覆材およびシステムに組み込むことができるセンサ統合基板に関し、具体的には、こうした基板用の設計ルールに関する。
【0002】
関連技術の説明
医学のほぼすべての分野は、治療される組織、器官、または系の状態に関する改善された情報から、特に、そのような情報が治療中にリアルタイムで集められる場合に、利益を得ることができる。センサデータ収集を使用することなく、多くのタイプの治療が依然として日常的に行われており、その代わりに、このような治療は、定量的センサデータではなく、介護者または他の限定された手段による目視検査に依存する。例えば、被覆材を介した創傷治療および/または陰圧創傷療法の場合、データ収集は、概して、介護者による目視検査に限定され、多くの場合、下にある創傷組織は、包帯または他の視覚的障害によって不明瞭であり得る。無傷で、傷のない皮膚であっても、潰瘍につながり得る、易感染性の血管またはより深い組織の損傷などの、肉眼では不可視である、下にある損傷を有する場合がある。創傷治療と同様に、ギプスまたは他の包囲体による体肢の固定を必要とする整形外科的治療中、下にある組織に関する限定された情報のみが集められる。骨プレートなどの内部組織修復の事例では、連続した直接センサ駆動データ収集は、実施されない。さらに、筋骨格機能を支持するために使用されるブレースおよび/またはスリーブは、下にある筋肉の機能または体肢の動きを監視しない。直接治療以外には、患者パラメータを監視する能力を追加することによって、ベッドおよび毛布などの一般的な病室用品が改善され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
こうした創傷監視および/または治療システムは、組織と接触することによる固有の問題を示している。さらに、創傷は、障害なく治癒されるべきである。同時に、そのようなシステムがヒトまたは動物の組織上での使用に対して信頼性および安全性を確保するよう注意しなければならない。
【0004】
したがって、改善された創傷監視および/または治療システムに対するニーズがある。
【0005】
一部の場合に、創傷監視および/または治療装置(例えば、創傷被覆材)を製造する方法は、第1のセンサに接続されるように構成された第1の導電性トラックを、実質的に可撓性の基板上に位置付けることであって、第1のトラックが、第1の導電性トラックによって伝導される電気信号の完全性を維持するための第1の最小幅を有している、位置付けることと、第2のセンサに接続されるように構成された第2の導電性トラックを、基板上に位置付けることであって、第2のトラックが、第2の導電性トラックによって伝導される電気信号の完全性を維持するための第2の最小幅を有している、位置付けることと、第3のセンサに接続されるように構成された第3のトラックを、基板上に位置付けることであって、第3のトラックが、第1の導電性トラックによって伝導される電気信号の完全性を維持するための第3の最小幅を有している、位置付けることと、を含み得る。第1、第2、および第3の導電性トラックは、複数の開口部で穿孔されるように構成されていない基板の部分上に位置付けられてもよく、複数の開口部は、流体が基板を通過することを可能にするように構成されている。流体が基板を通過することを可能にするように構成された複数の開口部の場所またはサイズのうちの少なくとも1つは、第1、第2、または第3の最小幅のうちの少なくとも1つの最大寸法を制約し得る。第1、第2、および第3のセンサは、異なるタイプのセンサであり得る。
【0006】
上記の段落の方法および/または本明細書に記載される方法のうちのいずれかは、次の特徴のうちの1つ以上を含み得る。方法は、複数の開口部を形成するために基板を穿孔することを含み得る。複数の開口部を形成するために基板を穿孔することは、第1、第2、および第3の導電性トラックが位置付けられた基板の部分を穿孔しないことを含み得る。第1、第2、または第3の導電性トラックのうちの少なくとも1つを位置付けることは、導電性インクを使用して、第1、第2、または第3の導電性トラックのうちの少なくとも1つを印刷することを含み得る。導電性インクは、銀インクを含み得る。方法は、第1、第2、または第3のセンサのうちの少なくとも1つに電力を供給するように構成された第4のトラックを、基板上に位置付けることをさらに含み得、第4のトラックは、第4の最小幅を有しており、複数の開口部の場所またはサイズのうちの少なくとも1つは、第4の最小幅の最大寸法をさらに制約し得る。第1、第2、および第3の導電性トラック、第1のセンサ、第2のセンサ、および第3のセンサは、複数の開口部から少なくとも最小距離離れて位置付けられ得る。
【0007】
上記の段落のうちのいずれかの方法および/または本明細書に記載される方法のうちのいずれかは、次の特徴のうちの1つ以上を含み得る。第1、第2、または第3の最小幅のうちの少なくとも2つは、互いに異なっていてもよい。第1の導電性トラックは、アナログ信号を伝導するように構成され得、第2の導電性トラックは、デジタル信号を伝導するように構成され得、第1の最小幅は、第2の最小幅よりも小さくてもよい。第1のセンサは、温度センサを含み得、第2のセンサは、光センサを含み得、第3のセンサは、インピーダンスセンサを含み得る。
【0008】
一部の場合に、創傷監視および/または、治療装置(例えば、創傷被覆材)を製造する方法は、第1の方向に配向されており、かつ電気信号を送信するように構成されている第1の導電性トラックを、実質的に可撓性の基板上に位置付けることと、第1の導電性トラックから第1の最小距離にあり、第1の導電性トラックに隣接している基板上に、第2の導電性トラックを位置付けることであって、第2の導電性トラックが、第1の方向に配向されており、かつ電気信号を送信するように構成されている、位置付けることと、を含み得る。第1の最小距離は、滲出液が基板を通過することを可能にするように構成された少なくとも1つの開口部の場所またはサイズのうちの少なくとも1つによって画定され得る。
【0009】
上記の段落のうちのいずれかの方法および/または本明細書に記載される方法のうちのいずれかは、次の特徴のうちの1つ以上を含み得る。方法は、基板を穿孔して、第1の導電性トラックを第2の導電性トラックから分離する基板の一部分内に少なくとも1つの開口部を形成することを含み得る。方法は、第2の方向に配向されており、かつ電気信号を送信するように構成されている第3の導電性トラックを、基板上に位置付けることであって、第2の方向が、第1の方向とは異なっている、位置付けることと、第3の導電性トラックから第2の最小距離にあり、導電性第3のトラックに隣接している基板上に、第4の導電性トラックを位置付けることであって、第4の導電性トラックが、第2の方向に配向されており、かつ電気信号を送信するように構成されている、位置付けることであって、第2の最小距離が、第1の最小距離とは異なっている、位置付けることと、を含み得る。第2の方向に配向された第3および第4の導電性トラックを基板上に位置付けることは、第1の方向に配向された第1および第2の導電性トラックの各々から第3の最小距離に、第3および第4の導電性トラックを位置付けることを含み得る。第2の方向は、第1の方向に対して垂直であり得る。第1、第2、第3、または第4の導電性トラックのうちの少なくとも1つを位置付けることは、導電性インクを使用して、第1、第2、第3、または第4の導電性トラックのうちの少なくとも1つを印刷することを含み得る。導電性インクは、銀インクを含み得る。
【0010】
一部の場合に、創傷監視および/または、治療装置(例えば、創傷被覆材)を製造する方法は、第1の方向に配向されており、かつ電気信号を送信するように構成されている第1の導電性トラックを、実質的に可撓性の基板上に位置付けることと、第1の方向とは異なる第2の方向に配向された第2の導電性トラックを、基板上に位置付けることであって、第2の導電性トラックが、電気信号を送信するように構成されており、第2の導電性トラックが、第1の導電性トラックと同じ幅を有している、位置付けることと、第1および第2の導電性トラックとオーバーラップする実質的に円形の導電性エリアを形成することによって、第1の導電性トラックと第2の導電性トラックとの間に電気的接続を形成することであって、導電性エリアの半径が、第1および第2の導電性トラックの幅の約半分である、形成することと、を含み得る。
【0011】
上記の段落のうちのいずれかの方法および/または本明細書に記載される方法のうちのいずれかは、次の特徴のうちの1つ以上を含み得る。第1または第2の導電性トラックのうちの少なくとも1つを位置付けることは、導電性インクを使用して、第1または第2の導電性トラックのうちの少なくとも1つを印刷することを含み得る。導電性インクは、銀インクを含み得る。電気的接続を形成することは、乾燥インクのうちの少なくとも一部分を除去して、第1および第2の導電性トラックの幅の約半分の半径を有する実質的に円形の導電性エリアを形成することを含み得る。
【0012】
一部の場合に、創傷監視および/または、治療装置(例えば、創傷被覆材)を製造する方法は、電気信号を送信するように構成された第1の導電性トラックを、実質的に可撓性の基板上に位置付けることであって、第1の導電性トラックが、第1の幅を有している、位置付けることと、電気信号を送信するように構成された第2の導電性トラックを、基板上に位置付けることであって、第2の導電性トラックが、第1の幅とは異なる第2の幅を有している、位置付けることと、湾曲したコネクタで第1のトラックおよび第2のトラックを電気的に接続することと、を含み得る。
【0013】
上記の段落のうちのいずれかの方法および/または本明細書に記載される方法のうちのいずれかは、次の特徴のうちの1つ以上を含み得る。コネクタの近位にある第1の導電性トラックおよびコネクタの近位にある第2の導電性トラックの部分は、約90度の遷移を全く含まないように成形され得る。第1の導電性トラックもしくは第2の導電性トラックのうちの少なくとも1つを位置付けること、または湾曲したコネクタで第1のトラックおよび第2のトラックを電気的に接続することのうちの少なくとも1つは、導電性インクを使用して、第1の導電性トラック、第2の導電性トラック、または湾曲したコネクタのうちの少なくとも1つを印刷することを含み得る。導電性インクは、銀インクを含み得る。
【0014】
一部の場合に、創傷監視および/または、治療装置(例えば、創傷被覆材)を製造する方法は、第1の方向に配向されており、かつ電気信号を送信するように構成されている第1の導電性トラックを、可撓性の基板上に位置付けることと、第1の方向とは異なる第2の方向に配向された第2の導電性トラックを、可撓性の基板上に位置付けることであって、第2の導電性トラックが、電気信号を送信するように構成されており、第2の導電性トラックの少なくとも一部分が、第1の導電性トラックの少なくとも一部分とオーバーラップしている、位置付けることと、第2の導電性トラックの部分とオーバーラップしている第1の導電性トラックの部分の間にマスク領域を形成することであって、マスク領域が、第1および第2の導電性トラックのオーバーラップしている部分を電気的に隔離している、形成することと、を含み得る。第1または第2の導電性トラックのうちの少なくとも1つを位置付けることは、導電性インクを使用して、第1または第2の導電性トラックのうちの少なくとも1つを印刷することを含み得る。マスク領域は、非導電性塗料から形成され得る。
【0015】
創傷被覆材は、第1の側面、および第1の側面と対向する第2の側面を有する可撓性または実質的に可撓性の基板を含み得る。第1の電気導電性トラックは、基板の第1の側面上に位置付けられ得る。第2の電気導電性トラックは、基板の第2の側面上に位置付けられ得る。第2の電気導電性トラックは、基板を通過する電気導電性材料を介して第1の電気導電性トラックに電気的に接続され得る。
【0016】
いずれかの上記の段落の創傷被覆材および/または本明細書に開示される創傷被覆材のいずれかは、次の特徴のうちの1つ以上を含み得る。電気導電性材料は、基板を通して穿孔内に位置付けられている。創傷被覆材は、基板の第1の側面上に位置付けられており、かつ第1の電気導電性トラックに電気的に接続されている、第1の電子部品を含み得る。創傷被覆材は、基板の第2の側面上に位置付けられており、かつ第2の電気導電性トラックに電気的に接続されている、第2の電子部品を含み得る。第1の電子部品は、創傷の複数のパラメータを測定するように構成された複数のセンサを含み得る。第2の電子部品は、複数のセンサによって測定された複数のパラメータの少なくとも一部を、遠隔コンピューティングデバイスに送信するように構成されたアンテナを含み得る。
【0017】
いずれかの上記の段落の創傷被覆材および/または本明細書に開示される創傷被覆材のいずれかは、次の特徴のうちの1つ以上を含み得る。創傷被覆材は、第1の電子部品、第2の電子部品、第1の電気導電性トラック、または第2の電気導電性トラックのうちの少なくとも1つに適用される実質的に非伸縮性のコーティングを含み得る。創傷被覆材は、実質的に非伸縮性のコーティングの上に適用される実質的に伸縮性のコーティングを含み得る。基板は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)を含み得るか、または熱可塑性ポリウレタン(TPU)から作製され得る。第1の電気導電性トラックの一部分は、第2の電気導電性トラックの一部分とオーバーラップし得る。第1の電気導電性トラックまたは第2の電気導電性トラックのうちの少なくとも1つは、穿孔の少なくとも一部を覆い得る。第1および第2の電気導電性トラックは、導電性インクまたは導電性接着剤を含み得る。電気導電性材料は、導電性インクまたは導電性接着剤を含み得る。導電性インクは、銀インクを含み得る。第1の電気導電性トラックは、第2の電気導電性トラックと直接接触しない場合がある。
【0018】
いずれかの上記の段落の創傷被覆材および/または本明細書に開示される創傷被覆材のいずれかは、次の特徴のうちの1つ以上を含み得る。創傷被覆材は、基板の第1の側面上に位置付けられた第3の電気導電性トラックを含み得る。創傷被覆材は、第1および第3の電気導電性トラックを分離する、第1の非導電性マスクを含み得る。創傷被覆材は、基板の第2の側面上に位置付けられた第4の電気導電性トラックを含み得る。創傷被覆材は、第2および第4の電気導電性トラックを分離する、第2の非導電性マスクを含み得る。
【0019】
創傷被覆材を製造する方法は、電気導電性材料を、創傷被覆材の可撓性または実質的に可撓性の基板に通すことを含み得る。方法は、第1の電気導電性トラックを基板の第1の側面上に位置付けることを含み得る。方法は、電気導電性材料との電気的接続を形成することを含み得る。方法は、第1の側面と対向する側に位置する基板の第2の側面上に、第2の電気導電性トラックを位置付けることを含み得る。方法は、電気導電性材料との電気的接続を形成することを含み得る。第1の電気導電性トラックと第2の電気導電性トラックは、導電性材料を介して電気的に接続され得る。
【0020】
任意の前述の段落の方法および/または本明細書に開示される方法のうちのいずれかは、次の特徴のうちの1つ以上を含み得る。方法は、基板を通して穿孔を形成することと、電気導電性材料で穿孔を少なくとも部分的に充填することと、を含み得る。方法は、第1の電子部品を基板の第1の側面上に位置付け、第1の電子部品を第1の電気導電性トラックに電気的に接続することを含み得る。方法は、第2の電子部品を基板の第2の側面上に位置付け、第2の電子部品を第2の電気導電性トラックに電気的に接続することを含み得る。
【0021】
任意の前述の段落の方法および/または本明細書に開示される方法のうちのいずれかは、次の特徴のうちの1つ以上を含み得る。方法は、第1の電子部品、第2の電子部品、第1の電気導電性トラック、または第2の電気導電性トラックのうちの少なくとも1つに、実質的に非伸縮性のコーティングを適用することを含み得る。方法は、実質的に非伸縮性のコーティングの上に、実質的に伸縮性のコーティングを適用することを含み得る。基板は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)を含み得るか、または熱可塑性ポリウレタン(TPU)から作製され得る。第2の電気導電性トラックを基板の第2の側面上に位置付けることは、第1の電気導電性トラックの一部分をオーバーラップすることを含み得る。第1または第2の電気導電性トラックのうちの少なくとも1つを位置付けることは、穿孔の少なくとも一部を覆うことを含み得る。第1または第2の電気導電性トラックのうちの少なくとも1つを位置付けることは、導電性インクまたは導電性接着剤を使用して、第1または第2の電気導電性トラックのうちの少なくとも1つを印刷することを含み得る。電気導電性材料は、導電性インクまたは導電性接着剤を含み得る。導電性インクは、銀インクを含み得る。
【0022】
任意の前述の段落の方法および/または本明細書に開示される方法のうちのいずれかは、次の特徴のうちの1つ以上を含み得る。方法は、第3の電気導電性トラックを基板の第1の側面上に位置付けることを含み得る。方法は、第1の非導電性マスクを第1の電気導電性トラックと第3の電気導電性トラックとの間に位置付けることを含み得る。方法は、第4の電気導電性トラックを基板の第2の側面上に位置付けることを含み得る。方法は、第2の非導電性マスクを第2の電気導電性トラックと第4の電気導電性トラックとの間に位置付けることを含み得る。
【0023】
創傷監視および/または療法装置(例えば、創傷被覆材)を製造する方法は、第1の方向に配向されており、かつ電気信号を送信するように構成されている第1の導電性トラックを、実質的に可撓性の基板上に位置付けることを含み得る。方法は、別の導電性トラックまたは電気部品に電気的に接続されるように構成された第1の導電性トラックの一部分を除いて第1の導電性トラックを第1のマスクで覆うことによって、第1の非導電性マスクを基板上に位置付けることを含み得る。第1の導電性トラックを第1のマスクで覆うことは、第1の導電性トラックの導電性材料の移動または分散を防止または低減し得る。
【0024】
上記の段落のうちのいずれかの方法および/または本明細書に開示される方法のうちのいずれかは、次の特徴のうちの1つ以上を含み得る。第1の導電性トラックを位置付けることは、導電性インクまたは導電性接着剤を使用して、基板上に第1の導電性トラックを印刷することを含み得る。第1の導電性トラックの部分は、パッドまたはビアであり得る。第1のマスクを基板上に位置付けることは、第1のマスクで基板の実質的に表面全体を覆うことを含み得る。
【0025】
上記の段落のうちのいずれかの方法および/または本明細書に開示される方法のうちのいずれかは、次の特徴のうちの1つ以上を含み得る。方法は、第1の方向とは異なる第2の方向に配向された第2の導電性トラックを、基板上に位置付けることであって、第2の導電性トラックが、電気信号を送信するように構成されている、位置付けることを含み得る。方法は、別の導電性トラックまたは電気部品に電気的に接続されるように構成された第2の導電性トラックの一部分を除いて第2の導電性トラックを第2のマスクで覆うことによって、第2の非導電性マスクを基板上に位置付けることを含み得る。第2の導電性トラックを第2のマスクで覆うことは、第2の導電性トラックの導電性材料の移動または分散を防止または低減し得る。第2の導電性トラックを位置付けることは、導電性インクまたは導電性接着剤を使用して、基板上に第2の導電性トラックを印刷することを含み得る。第2の導電性トラックの部分は、パッドまたはビアであり得る。第2のマスクを基板上に位置付けることは、第2のマスクで基板の実質的に表面全体を覆うことを含み得る。
【0026】
本明細書に記載される方法のうちのいずれかの任意の特徴を、本明細書に記載される他の方法のうちのいずれかの任意の特徴とともに使用することができる。
【0027】
一部の場合に、前述の段落のうちのいずれか1つ以上の方法および/または本明細書に記載される方法のうちのいずれかを使用して製造された創傷監視および/または療法装置(例えば、創傷被覆材)が開示される。一部の場合に、前述の段落のうちのいずれか1つ以上の方法および/または本明細書に記載される方法のうちのいずれかを使用して製造された1つ以上の電子部品および/または接続を支持する基板が開示される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本開示の実施形態は、単に例示として、添付図面を参照して、ここで以下に説明される。
【0029】
図1A図1Aは、創傷監視および療法システムを示している。
図1B図1B図1Dは、電子部品を支持する基板を示しており、ここにおいて、図1Bは、電子部品を支持する基板の斜視図を示しており、図1C-Dは、電子部品を支持する穿孔された基板の斜視図および上面図を示している。
図1C図1B図1Dは、電子部品を支持する基板を示しており、ここにおいて、図1Bは、電子部品を支持する基板の斜視図を示しており、図1C-Dは、電子部品を支持する穿孔された基板の斜視図および上面図を示している。
図1D図1B図1Dは、電子部品を支持する基板を示しており、ここにおいて、図1Bは、電子部品を支持する基板の斜視図を示しており、図1C-Dは、電子部品を支持する穿孔された基板の斜視図および上面図を示している。
図2A図2Aおよび図2Bは、創傷被覆材の断面を示している。
図2B図2Aおよび図2Bは、創傷被覆材の断面を示している。
図3A】電子部品を支持する穿孔された基板の斜視図および上面図を示している。
図3B】電子部品を支持する穿孔された基板の斜視図および上面図を示している。
図4図4は、穿孔された基板上に位置付けられた部品およびトレースを示している。
図5図5は、穿孔された基板上に位置付けられたトレースを示している。
図6図6は、穿孔された基板上に位置付けられた複数のトレースを示している。
図7図7は、最小距離だけ分離された隣接するトレースを示している。
図8図8は、最小距離だけ分離されたトレースの2つのペアを示している。
図9図9は、異なる層に位置付けられた2つのトレースを示している。
図10図10は、接合部で接合された2つのトレースを示している。
図11図11は、接合部で別のトレースと交わる1つのトレースを示している。
図12図12は、部品に接続している複数のトレースを示している。
図13図13は、穿孔された基板上に位置付けられたトレースを示している。
図14A図14A図14Cは、1つ以上の電子接続または電子部品を支持する基板の斜視図および断面図を示している。
図14B図14A図14Cは、1つ以上の電子接続または電子部品を支持する基板の斜視図および断面図を示している。
図14C図14A図14Cは、1つ以上の電子接続または電子部品を支持する基板の斜視図および断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本明細書に開示される実施形態は、センサ対応基板を用いて生物学的組織を監視または治療することのうちの少なくとも1つの装置および方法に関する。本明細書に開示される実施形態は、特定のタイプの組織または損傷の治療または監視に限定されないが、代わりに、本明細書に開示されるセンサ対応技術は、センサ対応基板から利益を得ることができる任意のタイプの療法に広く適用可能である。いくつかの実装形態は、診断の決定および患者管理の決定の両方を行うために、医療従事者によって信頼されるセンサおよびデータ収集を利用する。
【0031】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、無傷のおよび損傷したヒトまたは動物の組織の両方の治療に使用されるように構成された基板上に装着されているか、または基板内に埋め込まれている、センサの使用に関する。そのようなセンサは、囲んでいる組織についての情報を収集し、そのような情報を、さらなる治療に利用されるように、コンピューティングデバイスまたは介護者に送信し得る。特定の実施形態では、そのようなセンサは、関節炎、温度、または問題を起こす傾向があり、監視を必要とする他のエリアを監視するためのエリアを含む、身体上の任意の場所の皮膚に取り付けられ得る。本明細書に開示されるセンサはまた、例えば、MRIまたは他の技術を実施する前に、デバイスの存在を示すために、放射線不透過性マーカなどのマーカを組み込み得る。
【0032】
本明細書に開示されるセンサ実施形態は、衣服と組み合わせて使用され得る。本明細書に開示されるセンサの実施形態とともに使用するための衣服の非限定的な例としては、シャツ、パンツ、ズボン、ドレス、下着、外着、手袋、靴、帽子、および他の好適な衣類が挙げられる。特定の実施形態では、本明細書に開示されるセンサ実施形態は、特定の衣類に溶接または積層され得る。センサ実施形態は、衣類上に直接印刷されてもよく、および/または布に埋め込まれてもよい。微多孔膜などの通気性および印刷可能な材料も好適であり得る。
【0033】
本明細書に開示されるセンサ実施形態は、病院用ベッド内などの緩衝材またはベッドパッドに組み込まれて、本明細書に開示される任意の特性などの患者特性を監視し得る。特定の実施形態では、そのようなセンサを含有する使い捨てフィルムは、病院用ベッドの上に配置され、必要に応じて除去/交換され得る。
【0034】
いくつかの実装形態では、本明細書に開示されるセンサ実施形態は、センサ実施形態が自立運転するように、エネルギーハーベスティングを組み込み得る。例えば、エネルギーは、熱エネルギー源、運動エネルギー源、化学勾配、または任意の好適なエネルギー源から回収され得る。
【0035】
本明細書に開示されるセンサ実施形態は、スポーツ医学を含むリハビリテーションデバイスおよび治療に利用され得る。例えば、本明細書に開示されるセンサ実施形態は、ブレース、スリーブ、ラップ、支持体、および他の好適なアイテムに使用され得る。同様に、本明細書に開示されるセンサ実施形態は、ヘルメット、スリーブ、および/またはパッドなどの、スポーツ用品に組み込まれ得る。例えば、そのようなセンサ実施形態は、脳振盪診断に有用であり得る、加速度などの特性を監視するために、保護ヘルメットに組み込まれ得る。
【0036】
本明細書に開示されるセンサ実施形態は、外科用デバイス、例えば、Smith&Nephew IncによるNAVIO外科システムと協働して使用され得る。いくつかの実装形態では、本明細書に開示されるセンサ実施形態は、外科用デバイスの配置をガイドするために、そのような外科用デバイスと通信し得る。いくつかの実装形態では、本明細書に開示されるセンサ実施形態は、潜在的な手術部位への、もしくはそこから離れる血流を監視するか、または手術部位への血流がないことを確認し得る。さらなる外科用データが、瘢痕化の防止を支援し、罹患エリアから離れたエリアを監視するために収集され得る。
【0037】
外科技術をさらに支援するために、本明細書に開示されるセンサは、外科用ドレープに組み込まれて、肉眼では即座に可視ではない場合があるドレープ下の組織に関する情報を提供し得る。例えば、センサ埋め込み可撓性ドレープは、改善されたエリアフォーカスデータ収集を提供するために有利に位置付けられたセンサを有し得る。特定の実装形態では、本明細書に開示されるセンサ実施形態は、ドレープの境界または内部に組み込まれて、手術シアタを制限/制御するフェンシングを作成し得る。
【0038】
本明細書に開示されるセンサ実施形態はまた、術前評価のために利用され得る。例えば、そのようなセンサ実施形態は、可能性のある切開部位について皮膚および下にある組織を監視することによるなどの、潜在的な手術部位についての情報を収集するために使用され得る。例えば、灌流レベルまたは他の好適な特性は、個々の患者が外科的合併症のリスクにあり得るかどうかを評価するために、皮膚の表面および組織のより深部で監視され得る。本明細書に開示されるものなどのセンサ実施形態は、微生物感染の存在を評価し、抗菌剤の使用の指示を提供するために使用され得る。さらに、本明細書に開示されるセンサ実施形態は、圧迫潰瘍損傷および/または脂肪組織レベルを識別するなどの、より深部の組織でさらなる情報を収集し得る。
【0039】
本明細書に開示されるセンサ実施形態は、心血管監視に利用され得る。例えば、そのようなセンサ実施形態は、皮膚に対して配置され得る可撓性の心血管モニタに組み込まれて、心血管系の特徴を監視し、そのような情報を別のデバイスおよび/または介護者に伝達し得る。例えば、そのようなデバイスは、脈拍数、血液の酸素化、および/または心臓の電気的活動を監視し得る。同様に、本明細書に開示されるセンサ実施形態は、ニューロンの電気的活動を監視するなどの、神経生理学的用途に利用され得る。
【0040】
本明細書に開示されるセンサ実施形態は、可撓性インプラントを含む、移植可能な整形外科用インプラントなどの移植可能なデバイスに組み込まれ得る。そのようなセンサ実施形態は、インプラント部位に関する情報を収集し、この情報を外部ソースに送信するように構成され得る。いくつかの実施形態では、内部ソースはまた、そのようなインプラントに電力を提供し得る。
【0041】
本明細書に開示されるセンサ実施形態はまた、筋肉中のラクトースの蓄積または皮膚の表面上の汗の生成などの、皮膚の表面または皮膚の表面下の生化学的活動を監視するために利用され得る。いくつかの実施形態では、グルコース濃度、尿濃度、組織圧力、皮膚温度、皮膚表面導電率、皮膚表面抵抗率、皮膚水和、皮膚浸軟、および/または皮膚の裂けなどの、他の特性が監視され得る。
【0042】
本明細書に開示されるセンサ実施形態は、耳、鼻、および喉(ENT)用途に組み込まれ得る。例えば、そのようなセンサ実施形態は、洞通路内の創傷監視などの、ENT関連手術からの回復を監視するために利用され得る。
【0043】
本明細書に開示されるセンサ実施形態は、ポリマーフィルムを用いた封止などの、封止を伴うセンサ印刷技術を包含し得る。そのようなフィルムは、ポリウレタンなどの、本明細書に説明される任意のポリマーを使用して構築され得る。センサ実施形態の封止は、電子機器の防水、ならびに局所組織、局所流体、および潜在的な損傷の他のソースからの保護を提供し得る。
【0044】
特定の実施形態では、本明細書に開示されるセンサは、器官保護層に組み込まれ得る。そのようなセンサ埋め込み器官保護層は、関心対象の器官を保護し、器官保護層が定位置にあり、保護を提供することを確認することの両方を行い得る。さらに、センサ埋め込み器官保護層は、血流、酸素化、および器官の健康の他の好適なマーカを監視することなどによって、下にある器官を監視するために利用され得る。いくつかの実施形態では、センサ対応器官保護層は、器官の脂肪および筋肉の含量を監視することなどによって、移植された器官を監視するために使用され得る。さらに、センサ対応器官保護層は、移植中、および器官のリハビリテーション中などの移植後に、器官を監視するために使用され得る。
【0045】
本明細書に開示されるセンサ実施形態は、創傷(以下により詳細に開示される)の治療、または様々な他の用途に組み込まれ得る。本明細書に開示されるセンサ実施形態に対する追加の用途の非限定的な例としては、無傷の皮膚の監視および治療、血流の監視などの心血管用途、体肢運動および骨修復の監視などの整形外科用途、電気インパルスの監視などの神経生理学的用途、ならびに改善されたセンサ対応監視から利益を得ることができる任意の他の組織、器官、系、または条件が挙げられる。
【0046】
創傷療法
本明細書に開示するいくつかの実施形態は、ヒトまたは動物の体に対する創傷療法に関する。そのため、本明細書における創傷へのいかなる言及も、ヒトまたは動物の体上の創傷を指すことができ、本明細書における体へのいかなる言及も、ヒトまたは動物の体を指し得る。開示された技術実施形態は、例えば、陰圧源ならびに創傷被覆材構成要素および装置を含む、減圧を伴うか、または減圧を伴わない、生理学的組織もしくは生体組織への損傷を防止もしくは最小化すること、または損傷した組織(例えば、本明細書に説明される創傷)の治療に関し得る。創傷オーバーレイおよびパッキング材料、または、存在する場合には内層を備える、装置および構成要素は、時に総称して被覆材と呼ばれる。いくつかの実施形態では、創傷被覆材は、減圧せずに利用されるように提供され得る。
【0047】
本明細書に開示するいくつかの実施形態は、ヒトまたは動物の体に対する創傷療法に関する。そのため、本明細書における創傷へのいかなる言及も、ヒトまたは動物の体上の創傷を指すことができ、本明細書における体へのいかなる言及も、ヒトまたは動物の体を指し得る。開示された技術実施形態は、生理学的組織もしくは生体組織への損傷を防止もしくは最小化すること、または損傷した組織(例えば、本明細書に説明される創傷)の治療に関し得る。
【0048】
本明細書で使用される場合、「創傷」という表現は、切断、強打、または他の衝撃、典型的には皮膚が切断または破損される衝撃によって引き起こされ得る、生体組織への傷害を含み得る。創傷は、慢性または急性の傷害であり得る。急性創傷は、手術または外傷の結果として生じる。それらは、予測される時間フレーム内で治癒の段階を進行する。慢性創傷は、典型的には、急性創傷として始まる。急性創傷は、治癒段階に従わないときに慢性創傷となり得、長期化した回復を結果的にもたらす。急性創傷から慢性創傷への遷移は、患者が免疫不全状態であることに起因し得ると考えられる。
【0049】
慢性創傷は、例えば、慢性創傷の大部分を占め、主に高齢者に影響を及ぼす静脈性潰瘍(脚で発生するものなど)、糖尿病性潰瘍(例えば、足または足首潰瘍)、末梢動脈疾患、圧迫潰瘍、または表皮水疱症(EB)を含み得る。
【0050】
他の創傷の例としては、腹部創傷、または手術、外傷、胸骨切開、筋膜切開、あるいは他の状態のいずれかの結果としての他の大規模または切開性の創傷、裂開創傷、急性創傷、慢性創傷、亜急性創傷および裂開創傷、外傷性創傷、フラップおよび皮膚移植片、裂傷、擦傷、挫傷、火傷、糖尿病性潰瘍、圧迫潰瘍、ストーマ、術創、外傷性潰瘍および静脈性潰瘍などが挙げられるが、それらに限定されない。
【0051】
創傷はまた、深部組織傷害を含み得る。深部組織傷害は、固有の形態の圧迫潰瘍を説明するために、米国褥瘡諮問委員会(National Pressure Ulcer Advisory Panel(NPUAP))によって提案された用語である。これらの潰瘍は、紫色の圧迫潰瘍、悪化する可能性のある潰瘍、および骨隆起のあざなどの用語で、長年にわたって臨床医によって説明されてきた。
【0052】
創傷はまた、本明細書で考察されるように、創傷になるリスクがある組織を含み得る。例えば、リスクがある組織には、(例えば、関節置換/外科的修正/再建のために)切断される潜在性を有し得る、骨隆起の上の組織(深部組織傷害/侵襲のリスクがある)または術前の組織(例えば、膝組織)が含まれ得る。
【0053】
いくつかの実施態様は、進歩的履物、患者の寝返り、オフロード(例えば、糖尿病性足部潰瘍のオフロード)、感染症の治療、システミックス、抗菌剤、抗生物質、手術、組織の除去、血流への影響、理学療法、運動、入浴、栄養、水分補給、神経刺激、超音波、電気刺激、酸素療法、マイクロ波療法、活性剤オゾン、抗生物質、抗菌剤などのうちの1つ以上と組み合わせて、本明細書に開示された技術を用いて創傷を治療する方法に関する。
【0054】
代替的にまたは追加的に、創傷は、局所陰圧(TNP)および/または適用された陰圧の使用によって支援されない従来の高度な創傷ケア(非陰圧療法とも称され得る)を使用して治療され得る。
【0055】
高度な創傷ケアは、吸収被覆材、閉塞被覆材、創傷被覆材または補助材における抗微生物剤および/または創傷清拭剤の使用、パッド(例えば、ストッキングまたは包帯などの緩衝または圧迫療法)の使用などの使用を含み得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、創傷被覆材は、1つ以上の吸収層を備える。吸収層は、発泡体または超吸収性であってもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、開示された技術は、非陰圧被覆材とともに使用され得る。創傷部位における保護を提供するのに好適な非陰圧創傷被覆材は、創傷滲出液を吸収するための吸収層と、使用時に吸収層によって吸収される創傷滲出液の視界を少なくとも部分的に遮蔽するための遮蔽要素と、を備え得る。遮蔽要素は、部分的に半透明であってもよい。遮蔽要素は、マスキング層であってもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される非陰圧創傷被覆材は、創傷接触層を備え、吸収層が創傷接触層の上に重なる。創傷接触層は、創傷上に実質的に流体密封シールを形成するための接着剤部分を担持し得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される創傷被覆材は、超吸収性繊維、またはビスコース繊維もしくはポリエステル繊維の層をさらに含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される創傷被覆材は、裏当て層をさらに備える。裏当て層は、透明または不透明のフィルムであってもよい。典型的には、裏当て層は、ポリウレタンフィルム(典型的には、透明ポリウレタンフィルム)を含む。
【0061】
一部の場合に、発泡体は、開放セル発泡体、または閉鎖セル発泡体であってもよく、典型的には、開放セル発泡体であり得る。発泡体は、親水性であってもよい。
【0062】
創傷被覆材は、透過層を含んでもよく、層は、発泡体とすることができる。透過層は、ポリウレタンフィルムに積層されたポリウレタン発泡体であり得る。
【0063】
非陰圧創傷被覆材は、圧迫包帯であってもよい。圧迫包帯は、浮腫、ならびに、例えば、下肢の他の静脈およびリンパ系疾患の治療における使用で知られている。圧迫包帯は、いくつかの実施形態では、内側皮膚に面した層および弾性外層を含む包帯システムを備えてもよく、内層は、発泡体の第1のプライと、吸収性不織布ウェブの第2のプライと、を備え、内層および外層は、患者の体肢に巻き付けることができるように十分に細長い。
【0064】
陰圧創傷療法
いくつかの実施形態では、創傷の治療は、陰圧創傷療法を使用して実施され得る。本開示の実施形態は、概して、TNPシステムで使用するように適用可能であることが理解されよう。手短に言えば、陰圧創傷治療は、組織の浮腫を減少させ、血流および顆粒組織形成を促し、過度の滲出液を除去することによって、「治癒が困難な」創傷の多くの形態を閉鎖および治癒するのを支援し、細菌負荷(および、それゆえ感染リスク)を減少させ得る。加えて、治療によって、創傷の不安を減らすことが可能になり、より早期の治癒に導く。TNP治療システムはまた、流体を除去し、閉鎖の並列された位置で組織を安定化するのに役立つことで、外科的に閉じられた創傷の治癒を支援してもよい。TNP治療のさらなる有益な使用は、過剰な流体を除去することが重要であり、組織の生存度を確保するために移植片が組織に近接していることが求められる、移植片およびフラップにおいて見出され得る。
【0065】
大きすぎて自然には閉じられない、もしくはそうでなければ、創傷の部位への陰圧の適用では治癒しない、開放創または慢性創傷の治療のために、陰圧療法が使用され得る。典型的な陰圧(TNP)療法または陰圧創傷療法(NPWT)システムは、創傷の上に流体に対して不透過性または半透過性の被覆を配置することと、創傷を囲む患者の組織に対して被覆を封止する、様々な手段を使用することと、陰圧を被覆の真下に作り出し維持するような手法で、陰圧源(真空ポンプなど)を被覆に接続することと、を伴う。このような陰圧は、創傷部位における肉芽組織の形成を促進し、かつ人体の通常の炎症プロセスを補助しながら、同時に有害なサイトカインまたはバクテリアを含む可能性がある過剰な流体を除去することにより、創傷の治癒を促進すると考えられている。
【0066】
NPWTに使用される被覆材のいくつかは、異なるタイプの材料および層、例えば、ガーゼ、パッド、発泡体パッド、または多層創傷被覆材を含み得る。多層創傷被覆材の一例は、NPWTで創傷を治療する、キャニスタなしのシステムを提供するように、裏当て層の下方に創傷接触層および超吸収層を含む、Smith&Nephewから市販されているPICO被覆材である。創傷被覆材は、被覆材から流体を汲み上げるか、またはポンプから創傷被覆材へ陰圧を伝達するように使用されてもよい、長いチューブへの接続を提供する、吸引ポートにシールされてもよい。加えて、Smith&Nephewから市販されているRENASYS-F、RENASYS-G、RENASYS-ABおよびRENASYS-F/ABも、NPWT創傷被覆材およびシステムのさらなる例である。多層創傷被覆材の別の例は、陰圧を使用せずに創傷を治療するために使用される、湿潤創傷環境被覆材を含む、Smith&Nephewから市販されているALLEVYN Life被覆材である。
【0067】
本明細書に使用する通り、-XmmHgなど、減圧または陰圧レベルは、760mmHg(または1atm、29.93inHg、101.325kPa、14.696psiなど)に相当し得る、平常の周囲気圧に対する圧力レベルを表す。したがって、-XmmHgの陰圧値は、760mmHgよりもXmmHg低い絶対圧力、または、言い換えれば、(760-X)mmHgの絶対圧力を反映する。加えて、XmmHgよりも「低い」または「小さい」陰圧は、気圧により近い圧力に相当する(例えば、-40mmHgは-60mmHgよりも低い)。-XmmHgよりも「高い」または「大きい」陰圧は、気圧からより離れた圧力に相当する(例えば、-80mmHgは-60mmHgよりも高い)。いくつかの実施形態では、局所的な周囲気圧は基準点として使用され、そのような局所的な気圧は、必ずしも、例えば、760mmHgでなくてもよい。
【0068】
本明細書に記載する創傷閉鎖デバイスのいくつかの実施形態では、創傷の縮小の増加が、囲んでいる創傷組織における組織拡張の増加につながり得る。この影響は、場合により、創傷閉鎖デバイスの実施形態によって創傷に適用される引張力の増加と連動して、組織に適用される力を変化させること、例えば、時間とともに創傷に適用される陰圧を変化させることによって増大する場合がある。いくつかの実施形態では、例えば、正弦波、方形波を使用して、または1つ以上の生理学的指標(心拍など)と同期して、時間とともに陰圧を変化させてもよい。
【0069】
本明細書に開示される実施形態のいずれかは、吸収材料を説明する、WO2010/061225、US2016/114074、US2006/0142560、およびUS5,703,225、非陰圧創傷被覆材を説明するWO2013/007973、多層創傷被覆材を説明する、GB1618298.2(2016年10月28日出願)、GB1621057.7(2016年12月12日出願)、およびGB1709987.0(2017年6月22日出願)、創傷被覆材を説明する、EP2498829およびEP1718257、圧迫包帯を説明する、WO2006/110527、US6,759,566、およびUS2002/0099318、創傷閉鎖デバイスを説明する、US8,235,955およびUS7,753,894、陰圧創傷療法被覆材、創傷被覆材構成要素、創傷治療装置、および方法を説明する、WO2013/175306、WO2016/174048、US2015/0190286、US2011/0282309、およびUS2016/0339158のうちの1つ以上に開示される特徴のいずれかと併せて使用され得る。これらの出願の各々の開示は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0070】
センサ対応創傷監視および治療システム
図1Aは、いくつかの実施形態による創傷監視および治療システム10を示している。システムは、コントローラ24に接続されたセンサ対応創傷被覆材22を含む。本明細書に記載されるように、被覆材22は、患者の創傷の上またはその中に置かれてもよく、様々なセンサを埋め込むか、またはそうでなければ被覆材22内に配置して利用し、それにより、創傷または創傷周囲(傷のない皮膚を含み得る)などの創傷の周囲のエリアのうちの1つ以上から測定データを収集することができる。コントローラ24は、被覆材22によって収集されたデータを受信、記憶、および処理することができる。通信を容易にするために、被覆材22は、本明細書に記載されるような1つ以上のアンテナなどの1つ以上の通信モジュールを含み得る。一部の場合に、コントローラ24は、1つ以上のコマンドおよびデータを被覆材22に送信することができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、創傷被覆材22は、使い捨てであってもよく、コントローラ24は再使用可能であってもよい。いくつかの実施形態では、創傷被覆材22は、再使用可能であってもよい。いくつかの実施形態では、創傷被覆材22は、再滅菌されるか、またはそうでなければ消毒もしくは殺菌され得る。いくつかの実施形態では、コントローラ24は、使い捨てであってもよい。いくつかの実施形態では、創傷被覆材22およびコントローラ24は、永久的に接続されてもよく、組み合わされた創傷被覆材および制御ボックスは、使い捨てであるか、または再利用可能であるか、もしくは再滅菌されるか、またはそうでなければ消毒もしくは殺菌され得る。コントローラ24は、創傷被覆材22上に位置付けられ得る。コントローラ24は、ケーブルまたは別の有線もしくは無線の電気的接続によってなど、創傷被覆材22から空間的に分離され得る。コントローラ24は、電源(バッテリなど)、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のデータ記憶素子、および通信デバイスを含み得る。いくつかの実施形態では、コントローラ24は、温度センサまたは光(または光学)センサなどの1つ以上のセンサを含んで、創傷被覆材22から離れて位置する患者または環境状態に関する情報を集めることができる。いくつかの実施形態では、コントローラ24の1つ以上のセンサは、加速度計、動きセンサ、またはジャイロスコープを含み得る。
【0072】
いくつかの実施形態では、創傷被覆材22は、情報をユーザに通信するための1つ以上のインジケータを含み得る。インジケータは、視覚、可聴、触覚、または触知であってもよい。通信された情報には、測定データ、創傷状態等が含まれ得る。
【0073】
コントローラ24は、要求されたときに、定期的に、またはそれに類似のときのように、通信デバイス30にデータを通信することができる。通信デバイスが通信範囲に配置されるときに、近距離無線通信(NFC)、RFID、またはそれに類似のものを介してなど、有線または無線インターフェースを介して通信を行うことができる。例えば、通信範囲は、コントローラ24に対しておよそ3cm以下または以上の範囲以内などで、近接していてもよい。通信デバイス30は、初期化中および治療終了時になど、臨床医によって通信範囲に配置され得る。コントローラ24は、データを要求する通信デバイス30からのコマンドにデータで応答することができる。通信は、1つ以上のメモリ記憶デバイス(例えば、SDカード)などのハードウェアまたはデータ記憶装置の転送を介して実施され得る。一部の場合に、通信は、視覚的、聴覚的、または触覚的になど、非電子的に実施され得、コントローラ24または通信デバイス30のうちの1つ以上は、データのこうした非電子通信のためのインターフェースを提供することができる。
【0074】
通信デバイス30は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォンなどのコンピューティングデバイス40に有線または無線インターフェースを介して接続され得る。例えば、有線USBプロトコルは、デバイス30とデバイス40との間のデータの通信に使用され得る。別の例として、データの通信は、1つ以上のメモリ記憶デバイス(例えば、SDカード)などのハードウェアまたはデータ記憶装置の転送を介して実施され得る。一部の場合に、データの通信は、視覚的、聴覚的、または触覚的になど、非電子的に実施され得、通信デバイス30またはコンピューティングデバイス40のうちの1つ以上は、データのこうした非電子通信のためのインターフェースを提供することができる。
【0075】
コンピューティングデバイス40は、被覆材22によって収集されたデータをさらに処理することができる。例えば、コンピューティングデバイス40は、皮膚灌流圧を決定し、有線または無線インターフェースを介してコンピューティングデバイス40にデータを通信するように構成されている、被覆材22および灌流決定デバイス70から収集されたデータを集約することができる。例えば、有線USBプロトコルは、デバイス70とデバイス40との間の通信に使用され得る。
【0076】
コンピューティングデバイス40は、医療データを記憶および処理するリモートコンピューティングデバイス50と有線または無線インターフェースを介して通信するように構成され得る。いくつかの実施形態では、リモートコンピューティングデバイス50は、リモートストレージ、サーバー、処理デバイス、または情報ストレージの任意の手段のうちの1つ以上を含む、クラウドコンピューティングデバイスであってもよい。例えば、リモートコンピューティングデバイス50は、Health Insurance Portability & Accountability Act(HIPAA)、データ保護に関する欧州連合の指令など、1つ以上の適用されるセキュリティおよびプライバシー基準に従って、医療データを処理および記憶することができる。リモートコンピューティングデバイス50は、例えば、モバイルデバイス60上など、リモートアクセスおよび表示のために、コンピューティングデバイス40またはモバイルデバイス60のうちの1つ以上によって提供されるデータを利用可能にすることができる。特定の実装形態では、リモートコンピューティングデバイス50上の記憶装置のために、追加のデータを加えることができる。例えば、専用アプリ、ウェブブラウザインターフェース、またはそれに類似のものを介して、モバイルデバイス60によって追加のデータを加えることができる。リモートコンピューティングデバイス50は、創傷被覆材22、灌流決定デバイス70、またはモバイルデバイスのうちの1つ以上からのデータを処理して、1つ以上の治療療法を提案または調整するなど、治療計画を評価または決定することができる。
【0077】
本明細書に記載されるように、モバイルデバイス60は、患者の創傷の1つ以上の画像を撮影することができる。こうしたデータは、有線または無線インターフェースを介してリモートコンピューティングデバイス50に送信され得る。スマートフォンが図示されているが、モバイルデバイス60は、カメラなどの撮像機能を含む任意の好適なコンピューティングデバイスであってもよい。モバイルデバイス60はまた、質問票への応答において医療従事者によって入力されるデータなどの追加のデータを収集することができる。
【0078】
センサ対応基板および創傷被覆材
1つ以上のセンサを含む、いくつかの電子部品を組み込む創傷被覆材は、創傷の特徴を監視するために利用され得る。創傷からデータを収集および分析することは、創傷が治癒曲線上にあるか否かを決定すること、適切な療法を選択すること、創傷が治癒したか否かを決定することなどに対する有用な洞察を提供し得る。
【0079】
いくつかの実素形態では、いくつかのセンサ技術が、創傷被覆材、または創傷被覆材装置全体の一部を形成する1つ以上の構成要素で使用され得る。例えば、図1B図1Dに例示されるように、1つ以上のセンサは、基板上または基板内(そのような基板は、「センサ統合基板」または「センサ対応基板」と称され得る)に組み込まれ得る。基板は、四角形を有するように例示されるが、基板が、長方形、円形、楕円形などの他の形状を有してもよいことが理解されるであろう。一部の場合に、1つ以上のセンサを支持する基板は、創傷の上または中に直接的または間接的に配置される個々の材料層として提供され得る。センサ統合基板は、より大きい創傷被覆材装置の一部であり得る。一部の場合に、センサ統合基板は、単一のユニット被覆材の一部である。追加的または代替的に、センサ統合基板は、創傷の上または中に直接的または間接的に配置され、次いで、ガーゼ、発泡体、または他の創傷包装材料、超吸収層、ドレープ、Smith&Nephewによって製造されたPicoまたはAllevyn Life被覆材などの完全一体型被覆材などのうちの1つ以上を含み得る、二次創傷被覆材によって被覆され得る。
【0080】
センサ統合基板は、創傷と接触して配置され得、流体が、創傷の中の組織への損傷を全くまたはほとんど引き起こさずに、基板を通過することを可能にし得る。基板は、創傷に適合または創傷を被覆するために、可撓性、弾性、伸張性、または伸縮性、または実質的に可撓性、弾性、伸張性、または伸縮性であり得る。例えば、基板は、ポリウレタン、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、シリコーン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレンテトラフタレート(PET)、ポリブタレンテトレアフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルイミド(PEI)、ならびに様々なフッ素ポリマー(FEP)およびコポリマー材料のうち1つ以上などの伸縮性または実質的に伸縮性の材料、または別の好適な材料から作製され得る。
【0081】
伸縮性または実質的に伸縮性の材料は、長さまたは幅など、その開始寸法の5%以下もしくは以上、10%以下もしくは以上、20%以下もしくは以上、または20%超に延伸され得る。一部の場合に、伸縮性または実質的に伸縮性の材料は、延伸された後、開始寸法(長さまたは幅など)の5%以下または以上の範囲以内に戻ることができる。
【0082】
一部の場合に、基板は、ポリアミド、ポリイミド(PI)、ポリエステル、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルイミド(PEI)を含む可撓性ポリマー、ならびに様々なフッ素ポリマー(FEP)およびコポリマーなどで形成され得る、1つ以上の可撓性回路基板を含み得る。1つ以上のセンサは、2層可撓性回路に組み込まれ得る。いくつかのシナリオでは、1つ以上の回路基板は、多層可撓性回路基板とすることができる。
【0083】
一部の場合に、センサ統合基板は、湿潤または乾燥組織に接着する接着剤を組み込み得る。一部の場合に、1つ以上の可撓性回路を位置付けられ得る1つ以上のセンサが、創傷被覆材の任意の層に組み込まれ得る。例えば、創傷接触層は、創傷接触層の下表面から突出し、創傷に直接接触する、1つ以上のセンサを可能にする、切り欠き部またはスリットを有し得る。いくつかの状況では、1つ以上のセンサは、例えば、吸収層などの創傷被覆材の他の構成要素に組み込まれるか、またはその中に封入され得る。
【0084】
図1B図1Dに示されるように、センサ統合基板100Bは、複数の電子部品と、部品のうちの少なくともいくつかを相互接続する複数の電子接続と、を支持し得る。電子部品は、センサ、アンプ、コンデンサ、抵抗器、インダクタ、コントローラ、プロセッサ、ダイオードなどの本明細書に説明される任意の電子部品のうちの1つ以上とすることができる。電子接続は、電子部品のうちの1つ以上を電気的に接続し得る。電子接続は、銅、導電性インク(銀インク、グラファイトインク、カーボンインクなど)の使用などの、基板上に印刷されたトレースまたはトラックとすることができる。電子接続の少なくとも一部は、可撓性または伸縮性であっても、実質的に可撓性または伸縮性であってもよい。
【0085】
複数の電子部品は、図1B図1Dに例示されるように、外側4×4グリッドおよび内側4×4グリッドで配置され得る、1つ以上のインピーダンスまたは導電率センサ110を含み得る。センサ110は、パッドの任意のペアにわたる組織のインピーダンスまたは導電率を測定するように構成されたパッドとして例示される。2つ(またはそれ超)の励起パッド115が、例示されるように配置されて、パッドにわたって励起信号を提供し、この励起信号は、組織によって伝導され、これに応答して、組織のインピーダンスまたはコンダクタンスが、パッド110にわたって測定され得る。1つ以上のアンプ120などの電気部品が、組織のインピーダンスまたはコンダクタンスを測定するために使用され得る。インピーダンスまたはコンダクタンスの測定値は、生きている組織および死んだ組織を識別し、治癒の進捗を監視するためなどに使用され得る。内側および外側グリッド内のパッド110の配置は、創傷のインピーダンスまたはコンダクタンス、創傷の外周、または創傷を囲む組織もしくはエリアを測定するために使用され得る。
【0086】
複数の電子部品は、創傷または周囲の組織の温度を測定するように構成された1つ以上の温度センサ130を含み得る。例えば、9つの温度センサが、基板100Bの外周の周囲に配置された。1つ以上の温度センサは、1つ以上の熱電対またはサーモスタットを含み得る。1つ以上の温度センサは、較正され得、1つ以上のセンサから得られるデータは、創傷環境についての情報を提供するように処理され得る。一部の場合に、周囲空気温度を測定する周囲センサが、環境温度シフトと関連付けられた問題を排除することを支援するために使用され得る。
【0087】
複数の電子部品は、1つ以上の光学センサ150を含み得る。1つ以上の光学センサ150は、創傷の外観を測定するか、または創傷を撮像するように構成され得る。一部の場合に、光を放射する光源または照明源、および創傷によって反射された光を検出する光センサまたは検出器が、1つ以上の光学センサとして使用される。光源は、発光ダイオード(LED)とすることができ、例えば、1つ以上の白色LED、赤色、緑色、青色(RGB)LED、紫外線(UV)LEDなどである。光センサは、色を検出するように構成されたRGBセンサ、赤外線(IR)色センサ、UVセンサなどのうちの1つ以上とすることができる。一部の場合に、光源および検出器の両方は、皮膚に押し付けられることになり、それにより、光が組織中に透過し、組織自体のスペクトル特性を呈することになる。いくつかのシナリオでは、1つ以上の光学センサは、電荷結合素子(CCD)、CMOS画像センサなどの、撮像デバイスを含み得る。
【0088】
一部の場合に、超高輝度LED、RGBセンサ、およびポリエステル光学フィルタが、組織色分化を通して測定するために、1つ以上の光学センサの部品として使用され得る。例えば、表面の色が反射光から測定され得るため、色は、所与の幾何学的形状に対して最初に組織を通過した光から測定され得る。これは、皮膚と接触しているLEDから拡散した散光などからの色感知を含み得る。いくつかの実施形態では、LEDを、近位RGBセンサとともに使用して、組織を通って拡散した光を検出することができる。光学センサは、拡散した内部光または表面反射光を用いて撮像し得る。
【0089】
複数の電子部品のうちの1つ以上は、制御モジュールによって制御され得る。制御モジュールは、1つ以上のセンサによって取得された1つ以上の測定値を受信および処理し得る。図1Aに例示される24などの外部制御モジュールは、コネクタ140を介して複数の電子部品の少なくともいくつかに接続され得る。一部の場合に、コネクタ140は、図1Cに例示されるように導電性トラック部分の端に位置付けられるか、または図1Bに例示されるように端から離れた位置で導電性トラック部分に取り付けられ得る(例えば、接着剤でトラック部分の上部に取り付けられる)。制御モジュールは、1つ以上のコントローラもしくはマイクロプロセッサ、メモリなどを含み得る。一部の場合に、1つ以上のコントローラは、基板上に位置付けられ得、コネクタ140は、使用されない。一部の場合に、データおよびコマンドは、基板上に位置付けられたトランシーバによるなどの、無線で通信され得、コネクタ140は、使用されない。
【0090】
一部の場合に、1つ以上のpHセンサ、圧力センサ、灌流センサなどの、追加的または代替的なセンサが、基板上に位置付けられてもよい。
【0091】
一部の場合に、基板は、図1Cおよび図1Dに例示されるように穿孔され得る。複数の穿孔160が、基板100C内に形成され得、流体が基板を通過することを可能にする。陰圧創傷療法の適用と併せて穿孔された基板を使用することが有利であり得るが、その間、減圧が、被覆材によって被覆された創傷に適用され、創傷から流体(創傷滲出液など)の除去を引き起こす。穿孔160は、図1B図1Dに例示されるように、複数の電子部品および接続の周囲に形成され得る。穿孔160は、スリットまたは孔として形成され得る。一部の場合に、穿孔160は、流体が基板を通過することを可能にしつつ、組織の内成長を防止することを助けるために十分に小さくてもよい。
【0092】
一部の場合に、本明細書に説明される創傷被覆材または創傷被覆材構成要素のいずれかは、陰圧創傷療法デバイスも含むキットの一部であり得る。センサ統合基板、二次被覆材、または陰圧創傷療法デバイスなどのキットの1つ以上の構成要素は、滅菌され得る。
【0093】
本明細書に開示される実施形態のいずれかは、「SENSOR ENABLED WOUND MONITORING AND THERAPY APPARATUS」と題された国際特許公開第WO2017/195038号、「COMPONENT STRESS RELIEF FOR SENSOR ENABLED NEGATIVE PRESSURE WOUND THERAPY DRESSINGS」と題された国際特許公開第WO2018/189265号、「SKEWING PADS FOR IMPEDANCE MEASUREMENT」と題された国際特許出願第PCT/EP2018/069886号、「SENSOR POSITIONING AND OPTICAL SENSING FOR SENSOR ENABLED WOUND THERAPY DRESSINGS AND SYSTEMS」と題された国際特許出願第PCT/EP2018/075815号に説明される実施形態のいずれかとともに使用され得、これらの各々は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0094】
封入および応力緩和
一部の場合に、基板は、基板または基板によって支持される部品のうちの1つ以上を封入または被覆するように被覆され得る。コーティングは、生体適合性を提供すること、電子回路が液体と接触することから遮蔽または保護すること、患者の快適さを増大させるために電子部品用のパッドを提供することなどを行い得る。そのようなコーティングは、「コンフォーマルコート」または「ソフトコート」とも称され得る。ソフトコートは、伸縮性または実質的に伸縮性であり得る。ソフトコートは、疎水性または実質的に疎水性であり得る。
【0095】
一部の場合に、基板が、より良好に創傷に適合するか、または創傷を被覆するために、伸縮性または実質的に伸縮性であることが望ましい場合があるが、電子部品または接続の少なくともいくつかは、伸縮性または可撓性ではなくてもよい。そのような事例では、基板が創傷内または創傷上に位置付けられるときに、望ましくないまたは過剰な局所的な歪みまたは応力が、電子部品の支持エリアまたは装着部などの、1つ以上の電子部品上に及ぼされ得る。例えば、そのような応力は、患者の動き、創傷の形状またはサイズの変化(例えば、その治癒に起因する)などに起因し得る。そのような応力は、1つ以上の電子部品または接続の移動、脱落、または誤作動(例えば、接続解除されているピンまたは別のコネクタからの開回路の生成)を引き起こし得る。代替的または追加的に、1つ以上の電子部品によって収集された測定値が、創傷の同じまたは実質的に同じ場所または領域における経時的な変化を正確に取り込むように、1つ以上のセンサなどの1つ以上の電子部品の位置を、創傷に対して同じまたは実質的に同じ場所または領域(創傷と接触するなど)に維持することが望ましい場合がある。伸縮性の基板の表面は、例えば、患者が動く時に移動し得るが、創傷に対して1つ以上の電子部品の同じまたは実質的に同じ位置を維持することが望ましい場合がある。
【0096】
これらの問題に対処するために、一部の場合に、非伸縮性または実質的に非伸縮性のコーティング(そのようなコーティングは、「ハードコート」とも称され得る)が、1つ以上の電子部品、1つ以上の電子接続などに適用され得る。ハードコートは、1つ以上の電子部品、1つ以上の電子接続などのための補強または応力緩和のうちの1つ以上を提供し得る。ハードコーティングは、アクリル化または修飾ウレタン材料から形成され得る。例えば、ハードコートは、Dymax 1901-M、Dymax 9001-E、Dymax 20351、Dymax 20558、Henkel Loctite 3211、または別の好適な材料のうちの1つ以上とすることができる。ハードコートは、硬化前に約13,500cP~50,000cPの粘度を有するか、または硬化前に約3,600cP~約6,600cPの粘度を有し得る。一部の場合に、ハードコートは、約50,000cP以下の粘度を有し得る。ハードコートは、約D40~約D65の硬度および/または約1.5~2.5%の線形収縮を有し得る。
【0097】
一部の場合に、別のコーティング(複数可)が適用されて、電子接続または電子部品などの、基板によって支持される基板または部品のうちの1つ以上を封入または被覆し得る。コーティングは、生体適合性を提供すること、電子回路が液体と接触することから遮蔽または保護すること、患者の快適さを増大させるために電子部品用のパッドを提供することなどを行い得る。本明細書で使用される場合、生体適合性は、ISO10993またはUSPクラスVIなどの、1つ以上の適用可能な規格に適合することを意味し得る。本明細書で説明されるように、そのようなコーティングは、「コンフォーマルコート」または「ソフトコート」とも称され得る。
【0098】
ソフトコートは、1つ以上の好適なポリマー、1072-M接着剤(例えば、Dymax 1072-M)、1165-M接着剤(Dymax 1165-Mなど)などの接着剤、パリレン(例Parylene Cなど)、シリコーン、エポキシ、ウレタン、アクリル化ウレタン、アクリル化ウレタン代替物(Henkel Loctite 3381など)、または他の好適な生体適合性、かつ実質的に伸縮性の材料から形成され得る。ソフトコートは、例えば、約80ミクロン以下~数ミリメートル以上までの薄いコーティングとすることができる。ソフトコートは、約A100、A80、A50以下よりも低い硬度を有し得る。ソフトコートは、約100%、200%、300%以上を超える破壊時伸びを有し得る。ソフトコートは、約8,000~14,500センチポアズ(cP)の粘度を有し得る。一部の場合に、コーティングは、約3,000cP以上の粘度を有し得る。一部の場合に、コーティングは、約3,000cP未満の粘度を有し得る。
【0099】
本明細書に説明されるハードコートまたはソフトコートのいずれも、積層、接着、溶接(例えば、超音波溶接)、光、UV、熱(例えば、加熱)などのうちの1つ以上による硬化のうちの1つ以上によって適用され得る。本明細書に説明されるハードまたはソフトコートのいずれも、光感知を容易にするために透明または実質的に透明であり得る。本明細書に説明されるコーティングのいずれも、EtO滅菌などの滅菌に供されるときに、接着強度を保持し得る。本明細書に説明されるコーティングのいずれも、UV光下などの、蛍光を発光するように改変され得る。
【0100】
図2Aおよび図2Bは、センサ統合基板を含む、創傷被覆材の断面を例示する。図2Aに示される被覆材200Aは、本明細書に説明されるように、複数の電子部品(基板から突出して示される)および複数の電子接続を支持する、センサ統合基板205を含み得る。被覆材200Aは、1つ以上の電子部品または接続に適用される、ハードコート214を含み得る。一部の場合に、ハードコートは、電子部品が電子接続に接続されているエリアに適用され得る。これは、これらの接続を補強し得る。一部の場合に、ハードコートは、電子部品または接続のうちの1つ以上の各々に適用され得る。
【0101】
被覆材200Aは、ソフトコート216を含み得、これは、基板の創傷に面する側全体に適用され得る。ソフトコート216は、基板、電子部品、および接続を封入するために、基板の創傷に面する側のエリア全体または実質的に全体に適用され得る。一部の場合に、ソフトコート216は、電子部品または接続のうちの1つ以上を支持するそれらの領域などの、基板の特定の領域に適用され得る。
【0102】
被覆材200Aは、創傷接触層218を含み得る。創傷接触層218は、基板を創傷に接着するように構成された接着材料を含み得、これは、創傷との1つ以上のセンサの接触を維持することを容易にし得る。創傷接触層218は、シリコーンから形成され得る。シリコン材料は、低粘着性(または粘着性)シリコーンとすることができる。創傷接触層218は、フィルム上に装着されたシリコーン接着剤を含み得る。一部の場合に、創傷接触層218は、Smith&Nephewによって製造されたAllevyn Life Non-Bordered被覆材で使用される材料と同様であり得る。
【0103】
創傷接触層218は、基板の創傷に面する側のエリア全体または実質的に全体に適用され得る。一部の場合に、接触層218は、電子部品または接続のうちの1つ以上を支持するそれらの領域などの、基板の特定の領域に適用され得る。
【0104】
図2Aに例示されるように、複数の穿孔230は、基板、ハードコート、ソフトコート、および創傷接触層のうちの1つ以上を通して形成され得る。本明細書に説明されるように、穿孔は、電子部品または接続を支持しない基板の領域またはエリアで作製され得る。
【0105】
被覆材200Aは、接触層218に適用される保護層220を含み得る。保護層220は、ラミネート紙などの紙で作製され得る。保護層220は、使用前に創傷接触層218を保護し、ユーザのための容易な適用を容易にし得る。保護層218は、複数の(例えば、2つの)ハンドルを含み得る。ハンドルは、ハンドルを分離するスリットが、スリット上に折り畳まれたハンドルの1つによって被覆される、折り畳まれた構成で適用され得る。一部の場合に、保護層218は、Allevyn Life Non-Bordered被覆材で使用される保護層と同様であり得る。
【0106】
例示されるように、ウィッキング層212は、基板の、反対側の創傷に面していない側の上に位置付けられ得る。ウィッキング層212は、ウィッキング層の下の層を通る流体の通過を容易にし得る。例えば、ウィッキング層は、流体を、基板からなどの下層から離れて、ウィッキング層212の上に位置付けられた1つ以上の上層に向かって輸送し得る。そのような1つ以上の上層は、本明細書に説明される1つ以上の吸収材料を含み得る。一部の場合に、ウィッキング層212は、Allevyn Life Non-Bordered被覆材に使用されるものと同様の発泡体などの発泡体から形成される。ウィッキング層は、拡張可能または実質的に拡張可能であり得る。
【0107】
図2Bの被覆材200Bに例示されるように、ソフトコート210の追加層は、基板とウィッキング層212との間の基板の創傷に面していない側の上に位置付けられ得る。例えば、ソフトコート210は、基板が流体に対して不透過性ではない材料から形成される場合、基板の創傷に面していない側を流体から保護し得る。そのような場合、ソフトコート210は、疎水性または実質的に疎水性であり得る。ソフトコート210は、ソフトコート218と同じまたは異なる材料で作製され得る。ソフトコート210は、例示および説明されるように穿孔され得る。一部の場合に、ソフトコートは、創傷に面する側および創傷に面していない側の両方を含む、基板全体を封入し得る。
【0108】
図3Aおよび図3Bは、コーティングされたセンサ統合基板300を例示する。基板300は、創傷に面していない側216を上にして例示されている。基板300は、本明細書に説明される基板のいずれかに類似してもよい。
【0109】
本明細書に記載の実施形態のいずれかを、その全体が参照により組み込まれる、「BIOCOMPATIBLE ENCAPSULATION AND COMPONENT STRESS RELIEF FOR SENSOR ENABLED NEGATIVE PRESSURE WOUND THERAPY DRESSINGS」と題する国際特許出願第PCT/EP2018/069883号に記載の実施形態のいずれかとともに使用することができる。
【0110】
いくつかの実装形態では、基板の境界または縁は、切断によって平滑化されてもよく、滑らかな輪郭を有してもよく、繊維を含むなどして、患者の快適さを改善することができる。
【0111】
一部の場合に、基板は、無線通信のための1つ以上のアンテナを含み得る。例えば、1つ以上のアンテナを、基板上の1つ以上の接続またはトレースとして印刷することができる。1つ以上のアンテナは、コントローラ24などのコントローラを使用することなく、1つ以上のセンサによって収集された測定データを通信するために使用され得る。1つ以上のアンテナを追加的に使用して、電源から無線で電力を受信することができる。特定の事例では、1つ以上のアンテナトレースは、1つ以上のアンテナの共鳴周波数が、患者に対して使用時に基板が応力下にあるときに固定されたままになるように、実質的に非伸縮性の材料(本明細書に記述される)上に位置付けられ得る。1つ以上の共鳴周波数を固定することは、RFIDなどの特定の通信プロトコルに有利であり得る。
【0112】
穿孔された基板上の部品の位置付けに関する設計ルール
一部の場合に、複数の穿孔は、図1Cおよび図1Dに示されるように、基板内に形成され得る。隣接する穿孔間のサイズ、数、密度、または距離のうちの1つ以上などの穿孔の位置付けは、陰圧創傷療法などの基板が使用される特定の用途によって決定され得る。例えば、流体が基板の下の創傷の領域に望ましくないプール(これは皮膚の浸軟、感染症などを引き起こす可能性がある)がない状態で基板を通って移動することを確実にするために、特定の最小サイズおよび隣接する1つ以上の穿孔から特定の最大距離の穿孔を形成することが望ましい場合がある。一方で、電気部品および接続を通して穿孔を形成することは望ましくない場合があるため、穿孔の位置付けは、電気部品および接続の基板上の寸法および位置付けに対する制限または制約のセットを提供し、基板上に位置付けられた電子機器が適切かつ効率的に機能することを確実にすることができる。こうした制約のセットは、時には「設計ルール」と呼ばれることがある。一部の場合に、追加的なまたは代替的な制限または制約のセットは、トレースに沿って電気信号の完全性を維持する1つ以上の要件によって決定され得る。以下の段落では、設計ルールの少なくとも一部について説明する。
【0113】
図4は、複数の穿孔616を有する基板上に位置付けられた複数の電子部品およびトレースを示している。穿孔616のうちのいくつかは、円形または三角形、正方形、十字形、星形などであってもよい。一部の場合に、穿孔616のうちのいくつかは、直径1.8mm(またはそれ未満もしくはそれ超)の開口部など、約0.400mm~約2.00mmの開口部を有し得る。基板上に位置する部品は、温度センサ600、光学センサ602、および導電率センサまたはパッド604を含み得る。部品は、トレース606、607、および608によって回路の他の部分に接続され得る。トレースは、導電性インク(本明細書に記述される通り)または本明細書に記述されるような実質的に可撓性の基板上に位置するのに好適な別の導電性材料から作製され得る。トレースは、スクリーン印刷によって基板上に位置付けられ得る。一部の場合に、トレースは、約10μm未満、約10μm、または約10μm超の厚さを有し得る。トレースは、2つのスクリーン印刷によって基板上に位置付けられてもよい。このような場合、トレースは、約20μm未満、約20μm、または約20μm超の厚さを有し得る。一部の実例では、より厚いトレースは、有利には、より薄いトレースよりもインピーダンスのばらつきが小さい(および/またはより小さな総インピーダンス)場合があり、これはトレースによって実施される電気信号の信号の完全性を改善することができる。
【0114】
図4に示すように、トレース606、607、および608は、穿孔616の周りを動作するように位置付けられ得る。3つの部品600、602、および604、ならびに3つのトレース606、607、および608が図示されているが、一部の場合では、それ超または未満の部品および/またはトレースが存在し得る。インピーダンスの変動性を低減するために、トレースは最小幅要件を有することができる。トレース606、607、および608の各々は、独自の最小幅要件を有してもよく、またはトレースのうちの1つ以上が同じ最小幅要件を共有してもよい。図5に示すように、穿孔のサイズおよび隣接する穿孔間の距離などの穿孔の位置付けは、トレースの最小幅を制約する可能性がある。穿孔の位置付けは、トレースの最小幅が特定の寸法を超えることを許容しない場合があるため、トレースを作るために使用される材料のタイプなどのトレースの1つ以上の特性を、それに応じて選択する必要がある場合がある。一部の場合に、デジタル信号を実施するように構成されているトレースは、(例えば、アナログ信号はデジタル信号よりも信号の劣化の影響を受けやすいため、トレースの導電性アナログ信号に対するインピーダンス変動は、より小さくする必要がある場合があるため)アナログ信号を実施するように構成されているトレースよりも小さな最小幅の要件を有する場合がある。一部の場合に、デジタル信号トレース(例えば、温度または光信号トレース)の最小幅は、約0.3mm(またはそれ未満もしくはそれ超)であってもよく、アナログ信号トレース(例えば、導電率信号トレース)の最小幅は、約0.5mm(またはそれ未満もしくはそれ超)、約1.0mm(またはそれ未満もしくはそれ超)などであってもよい。トレース606、607、および608の最小幅は、それぞれ614、612、および610として図示される。いくつかの実装形態では、より低いインピーダンスを有する導電性インクが、トレースの少なくとも一部の材料として使用される場合、こうしたトレースの幅を減少することができる。これは、高いインピーダンスを有する導電性インクのトレース形成よりも、低いインピーダンスを有する導電性インクのトレース形成に沿った、インピーダンスの小さな変動に起因し得る。
【0115】
一部の場合に、電力トレースまたは接地トレースのうちの1つ以上はまた、最小幅要件を有し得る。例えば、電源トレース(アナログ電子機器に給電するために15Vなど)は、約1.0mm(またはそれ未満もしくはそれ超)の最小幅を有し得る。別の例として、低電圧信号の電源トレース(例えば、デジタル電子機器に給電するために3Vなど)は、約0.5mm(またはそれ未満もしくはそれ超)の最小幅を有し得る。一部の場合に、光学センサの光センサ用の制御信号などのデジタル回路用の電力または接地トレースのうちの1つ以上は、デジタル信号トレースのものよりも幅の広い最小幅の要件を有し得る。これは、デジタル回路の動作に関連するスイッチングノイズに適応する必要がある電力および/または接地トレースに起因し得る。例えば、光センサの電源トレースは、約0.75mm(またはそれ未満もしくはそれ超)の最小幅を有し得る。
【0116】
一部の実例では、アナログおよびデジタルの接地は、異なる最小幅を有する別個の1つ以上のトレースとして形成され得る。本明細書に記載されるように、アナログトレースは、アナログトレースが変動性インピーダンスの増加または増大に対する寛容性が低いため、幅が広い幅要件を有し得る。
【0117】
一部の場合に、電子部品またはトレースのうちの1つ以上は、1つ以上の隣接する穿孔の縁または中心からなど、穿孔から離れた最小距離に位置付けられる。これは、有利には、例えば、電子部品または電気トレースから穿孔を介して組織へ、特に滲出液などの導電性流体が穿孔を充填する場合に作動中に導電される電流または静電放電のリスクを低減することによって、基板によって支持される基板および/または回路の電気イミュニティを有利に改善することができる。
【0118】
図5は、穿孔702を有する基板上に位置付けられたトレース700を示している。図5に示すように、トレースの幅は、隣接する穿孔間の距離または間隔など、穿孔702の位置付けによって制約または制限される。こうした制限により、トレース700の最小幅は、図示された幅704以下とすることができる。
【0119】
一部の場合に、同一または異なる幅のトレースを互いに接続することができる(またはトレースは、異なる幅を互いに接続した部分を有することができる)。信号の完全性を改善するために、こうした接続または遷移を、段階的にすること、または滑らかにすることのうちの1つ以上にすることが有利であり得る。こうした遷移は、時には「ティアドロップ」と呼ばれることがある。例えば、接続または遷移は、鋭角または端(例えば、90度角)を有しない場合がある。これにより、インピーダンスのばらつきを低減し、信号の完全性を向上させることができる。図6は、コネクタ806(図1B図1Dに例示されるコネクタ140と同様であり得るに接続された複数のトレースを示している。複数のトレースは、穿孔808を備えた基板上に位置付けられている。図6に示されるように、トレース822は、光源(LEDなど)のオン/オフ信号を運ぶことができる。こうした信号は、デジタル信号とすることができる。トレース822は、コネクタ806に近づくにつれて、トレース824のより狭い部分に向かって先細りにすることができる。図示するように、部分822と824との間の遷移は、漸進的で滑らかであり得る。例えば、遷移は、細長くて丸いものとすることができる。トレース816は、光源に対する電圧信号を伝送することができる。トレース816は、トレースがコネクタ806に近づくにつれて、トレース818および820のより狭い部分に向かって先細りにすることができる。部分816~818および818~820への遷移は、図6に示されるように、細長くて丸いなど、漸進的で滑らかであり得る。
【0120】
トレース810は、3V信号などのデジタル電源信号を運ぶことができる。トレース810は、トレースがコネクタ806に近づくにつれて、トレース(または他のトレース)812および814のより狭い部分に向かって先細りにすることができる。部分(またはトレース)810から812への遷移、および812から814への遷移は、図6に示されるように、細長くて丸いなど、漸進的で滑らかであり得る。トレース800は、デジタル接地信号を伝送することができる。トレース800は、トレースがコントローラ806に近づくにつれて、トレース(または他のトレース)802および804のより狭い部分に向かって先細りにすることができる。部分(またはトレース)800~802への遷移、および802~804への遷移は、図6に示されるように、細長くて丸いなど、漸進的で滑らかであり得る。
【0121】
一部の場合に、トレースの幅は、多数のトレースをコネクタ806に接続することによって生じるスペースの制約のために、コネクタ806により近くで狭くなる(または先細りになる)。一部の実例では、トレースのうちのいずれかは、3つ以上の漸進的で滑らかな部分を含み得る。
【0122】
一部の場合に、プリント回路基板(PCB)基板とは異なり、トレースが本明細書に記述される実質的に可撓性の基板上にルーティングされ得るエリアを増加するために、複数層を提供することは不可能であり得る。こうした基板では、トレースは、創傷に面する側または非創傷に面する側など、基板の一方の側上に印刷される必要がある場合がある。このような基板上にトレースをルーティングするためのエリアを増やすために、トレースを左右または水平にルーティングすることによって形成される層(PCB用語を使用して下層として機能し得る、第1の層と称する)、および上下または垂直にルーティングすることによって形成される層(PCB用語を使用して上層として機能し得る、第2の層と称する)である、2つの層を形成することができる。追加的な層は、一部の場合に、トレースを、例えば、対角線上にルーティングすることによって形成することができる。異なる層は、非導電性塗料などの非導電性材料から作製されたマスクによって分離され得る。例えば、本明細書に記載されるように、マスク領域は、第1の層および第2の層からの2つのトレースがクロスオーバーする位置に位置付けられ得る(2つのトレースが電気的に接続されることが望ましい場合を除く)。
【0123】
いくつかの実装形態では、隣接するトレース間に短絡を生じるリスクを回避または最小化するために(導電性インクを印刷してトレースを形成するときなど)、隣接するトレース間に最小距離(またはギャップ)要件が存在し得る。こうした最小距離要件は、第1の層および第2の層のトレースに対して同一であってもよく、または異なっていてもよい。最小距離要件は、隣接する穿孔間の距離または間隔によるなど、穿孔の位置付けによって制限され得る。
【0124】
図7は、穿孔904を有する基板上に位置付けられた一対の隣接するトレースを示している。図7に示すように、トレース900およびトレース902は、最小距離Dだけ分離されている。また、図7に示すように、トレース900およびトレース902は、穿孔904がない基板のエリアに位置付けられている。一部の場合に、第1の層(または第2の層)のトレースは、少なくとも約0.2mm(またはそれ未満もしくはそれ超)の最小距離要件を有し得る。一部の場合に、第2の層(または第1の層)のトレースは、少なくとも約0.4mm(またはそれ未満もしくはそれ超)の最小距離要件を有し得る。最小距離におけるこれらの差異は、第2の層(または第1の層)のトレースが印刷される前に印刷される第1の層(または第2の層)のトレースに起因し得る。
【0125】
いくつかの実例においては、トレースの一部またはすべての部分は、平行ではない。こうした実例では、最小距離Dは、2つのトレース900、902が互いに最も近い点で測定され得る。
【0126】
図8は、2つの対のトレースを示している。図8に示すように、同じ方向に配向されているトレース1000および1002は、最小距離D1だけ分離されている。トレース1004および1006は、最小距離D2だけ分離されている。図8に示すように、トレース1004および1006の一部は、トレース1000および1002とは異なる方向に配向されている。トレース1000、1002、およびトレース1004、1006の2つの対は、2つの対のトレース間に最小距離D3があるように位置付けられている。距離D3は、トレース1002、1004(これは、互いに対から最も近い2つのトレースである)の間で測定することができる。互いに対から最も近い2つのトレースは、異なる方向に配向され得る。最小距離D1、D2、およびD3は、互いに異なっていてもよい。一部の場合に、任意の2つ以上の最小距離は、同じであってもよい。
【0127】
図9に示すように、トレース1100は、水平層内に位置付けられてもよく、トレース1102は、少なくとも部分的に垂直層内に位置付けられてもよい。本明細書に記載されるように、同じ層に位置付けられているトレース1100および1102の部分は、最小距離Dだけ分離され得る。一部の場合に、最小距離Dは、少なくとも約0.3mm(またはそれ未満もしくはそれ超)とすることができる。マスク1104は、垂直層内に位置付けられたトレース1102の一部分が水平層内に位置付けられたトレース1100と交差するクロスオーバー領域で、トレース1100および1102を分離することができる。マスク1104は、トレース1100とトレース1102との間に位置付けられ得る。マスク1104は、電気的に離れることができ、トレース1100、1102が互いに電気的に接続されることを防止することができる。いくつかの実施形態では、マスクは、非導電性塗料で作製され得る。いくつかの実施形態では、マスクは、トレースの交差のエリアよりも大きいエリアを有し得る。
【0128】
図10は、接続または接合部1204に電気的に接続された2つのトレース1200および1202の部分を示している。接合部1204は、インピーダンスの変化または増大を最小化または除去するように設計され得、これは信号の完全性を改善することができる。接合部1204は、2つのトレースの間にオーバーラップを形成することができる。一部の場合に、図10に示すように、接合部1204は、例えば、トレース1200および1202の幅(トレースが同一である、または実質的に同じ幅Wを有する場合)の少なくとも半分に等しい半径を有する円形または実質的に円形の形状を有し得る。一部の場合に、図11に示すように、半径は、例えば、より大きな幅を有するトレース(トレースが同じ幅を持たない場合)の幅の少なくとも半分とすることができる。この方法で接合部1204をサイズ設定すると、有利には、トレース間のオーバーラップが増大し得る。一部の実例では、接合部の半径は、幅の半分より大きく、または幅の半分未満とすることができる。
【0129】
一部の場合に、接合部は、基板上の島として形成されてもよく、トレースは、島に接触するように位置付けられてもよい。島は、例えば、鋭い遷移を有する形状(例えば、90度遷移を有する長方形形状など)よりも、信号の完全性を維持するのに有利であり得るため、丸い形状または実質的に丸い形状を有し得る。
【0130】
一部の場合に、接合部1204は、実質的に円形の端部を有する細長い形状を有し得る。いくつかの実施形態では、その伸長は、トレースのうちの少なくとも1つの方向を基準にすることができる。接合部1204は、導電性材料で作製され得る。例えば、接合部は、トレースのものと同一または異なる導電性インクで作製され得る。いくつかの実施形態では、接合部は、まず非円形エリアを印刷し、次いで材料を除去して(乾燥するときなど)円形エリアを形成することによって、基板上に位置付けられ得る。
【0131】
信号の完全性の観点からは、トレースを接続する接合部またはその近位に鋭角または角(例えば、90度角)が形成されないようにトレースを成形することによって、トレース間に電気的接続を形成することが有利であり得る。本明細書に記載されるように、ティアドロップは、少なくともいくつかの電気的接続を形成するために使用され得る。これは、インピーダンスの変動性を低減し、寄生容量を低減し、信号の完全性の改善につながる可能性がある。例えば、図10に示すように、トレース1200および1200は、90度よりも小さい(またはより急な)角度で接続するようにルーティングされる。
【0132】
別の例として、本明細書に記載されるように、異なる幅のトレースを互いに接続することができる(または異なる幅を有する同じトレースの一部分を互いに接続することができる)。トレース(またはトレース部分)は、トレース(またはトレース部分)を接続する接合部で、および/または接合部の近位で、丸い遷移などの漸進的な、または滑らかな遷移を有するように成形され得る。
【0133】
図11は、接合部1302で電気的に接続された2つのトレースの部分を示している。図11に示すように、トレース1300および1304は異なる幅を有している。接合部1302に対して近位のトレース1300および1304の遷移部分1306および1308は、それぞれ、滑らかな形状を有するように設計され得る。遷移部分は、実質的に丸いまたは円形の形状を有し得る。図11に示すように、遷移部分1306、1308は、ある角度で接合部1302に接近しており、丸いまたは円形の形状(または円弧形状である)を有している。一部の実例では、遷移部分1306、1308は、それぞれのトレースが同一直線または実質的に同一直線である場合、直線であってもよい。いくつかの実装形態では、クロスオーバー領域において一対のトレースを単離するマスクは、実質的に丸い形状など、滑らかな形状を有し得る。
【0134】
図12は、電子部品1400およびトレース1404、1406を支持する基板の斜視図を示している。トレース1406は、電子部品1400のピンに接続され得る。本明細書に記載されるように、トレース1406のうちの1つ以上は、垂直層に位置付けられてもよく、トレース1404は、水平層に位置付けられてもよい。いくつかの実施形態では、電子機器を基板上に置く製造方法は、3以上の層のトレースの印刷を含み得る。トレース1404および1406は、トレースがオーバーラップする点でマスク領域1402によって分離され得る。マスク領域1402は、非導電性塗料などの非導電性材料から作製され得る。いくつかの実施形態では、マスクは、トレースの交差のエリアよりも大きいエリアを有し得る。
【0135】
トレースの移動の防止
本明細書に記載されるように、トレース(またはトラック)は、銀インクなどの導電性インクまたは接着剤から作製され得る。トレースの導電性材料が移動または分散し、一部の場合に、隣接するトレース間の短絡を引き起こす可能性があり得る。移動は、信号の完全性(特にアナログ信号について)にマイナスの影響をもたらし、患者の安全性に悪影響を与える可能性がある。移動は、例えば、本明細書に記載されるようなソフトコートで基板をコーティングすることに起因し得る。
【0136】
移動は、1つ以上のマスクを適用することによって防止または低減され得る。図13は、本明細書に記載の基板のいずれかに類似し得る、基板1500を示している。基板1500は、本明細書に記載されるように(例えば、図4および図5を参照して)、1つ以上の穿孔1516で穿孔され得る。基板1500は、本明細書に記載されるように(例えば、図12に関連して)、垂直層に1つ以上のトレース1504、および水平層に1つ以上のトレース1506を含み得る。移動を防止するために、トレースを、以下のように基板上に適用する(例えば、基板上に印刷する)ことができる。層のうちの1つのトレース(例えば、水平層のトレース1506または垂直層のトレース1504)を最初に適用することができる。層のうちの1つのトレースが基板1500上に適用された後、第1のマスクを基板1500に適用することができる。第1のマスクは、層のうちの1つの適用されたトレースを保護し、分離することができる。例えば、図13を参照すると、こうしたマスクの一部分は、1502として示されている。第1のマスクは、(例えば、図12の部品1400のピン1410と接続するために)パッドなどのトレースとの電気的接続が形成されるべき領域、トレースを別のトレース(例えば、図13の1510)に接続する領域(ビアと呼ばれることもある)等を除いて、基板1500全体に適用され得る。第1のマスクが適用された後、他の層のトレースを基板1500に適用することができる。その後、第2のマスクを基板1500に適用することができる。第2のマスクは、適用されたトレースを保護し、分離することができる。本明細書に記載されるように、第2のマスクは、トレースとの電気的接続が形成されるべき領域を除いて、基板1500全体に適用され得る。1つ以上のマスクの適用は、トレースの導電性材料の移動を防止または最小化することができる。
【0137】
多層可撓性基板
図14Aは、1つ以上の電子的接続または電子部品を支持する基板400の斜視図を示している。基板400は、基板100A、100B、200、または300のうちのいずれかなど、本明細書に記載される可撓性または実質的に可撓性の基板のいずれかに類似し得る。基板400は、第1の側面に対向する第1の側面402および第2の側面404を含み得る。第1の側面402は、創傷に面する側面であってもよく、第2の側面404は、非創傷に面する側面であってもよい(またはその逆であってもよい)。本明細書に記載されるように、少なくとも1つの導電性トラック432は、基板400の第1の側面402上に位置付けられ得る。基板400の第2の側面404上に少なくとも別の導電性トラックを位置付けることが有利であり得る。これは、トラックが基板400上にルーティングされ得るエリア、1つ以上の電子部品を位置付けるためのエリア、および1つ以上の平面(例えば、接地面、電力面など)の位置付けのためのエリアを増加させることができる。プリント回路基板(PCB)の用語を使用して、第1および第2の側面402および404は、トラックがルーティングされ得る第1および第2の層(または上層および下層)として機能し得る。このようにして、基板上に2つの層を形成することができる。
【0138】
一部の場合に、基板400の対向する側面上に位置付けられたトラックまたは部品のうちの1つ以上は、電気的に接続されてもよい。例えば、アンテナは、基板400の第1の側面上に位置付けられてもよく、一方で、(例えば、トランシーバとして機能する)信号を送信および/または受信するように構成され得る無線周波数(RF)回路の少なくとも一部は、基板400の第2の側面上に位置付けられてもよい(またはその逆であってもよい)。RF回路は、アンテナに接続されてもよい。別の例として、接地面または電力面は、基板400の第1の側面上に少なくとも部分的に位置付けられてもよく、一方で、1つ以上の電子部品は、基板400の第2の側面上に位置付けられてもよい(またはその逆であってもよい)。1つ以上の電子部品の少なくとも一部は、接地面または電力面に接続されてもよい。
【0139】
多層PCBは、PCBの異なる層に位置付けられたトラックを接続するためのビアを使用し得る。ビアは、バレル(例えば、PCBのドリル穴を充填する導電性管)、パッド(例えば、バレルの各端部の部品またはトラックへの接続部)、およびアンチパッド(例えば、バレルとバレルが接続されていない部品またはトラックとの間のクリアランス穴)を含み得る。PCBとは異なり、基板400は可撓性または実質的に可撓性であり得るため、このようなビアを支持しない場合がある。一部の場合に、基板400の対向する側面上に位置付けられた1つ以上のトラックまたは部品を接続するために、導電性接続を基板を通して行うことができる。接続は、導電性材料を基板400に通すことによって行うことができる。例えば、穿孔を基板400に作製することができ、導電性材料は、例えば、穿孔を充填するために、穿孔内に位置付けられ得る。一部の場合に、導電性材料は、導電性インク、導電性接着剤、はんだペースト、ワイヤ、またはこれに類するものであり得る。
【0140】
図14Aおよび図14Bを参照すると、基板400の第1の側面402上に位置付けられた導電性トラック432は、接続450を介して基板400の第2の側面404上に位置付けられた別の導電性トラック434に電気的に接続され得る。トラック432の一部分は、トラック434の一部分とオーバーラップし得る。接続450は、トラック432および434の部分がオーバーラップする場所に形成され得る。基板400の断面図を示す図14Bに例示されるように、接続450は、基板を通る穿孔であってもよい。導電性材料は、例えば、穿孔の充填するために、穿孔内に位置付けられ得る。トラック432および434は、穿孔の少なくとも一部を覆うことができる。例えば、トラック432および434のオーバーラップ部分は、穿孔の少なくとも一部を覆うことができる。
【0141】
図14Aおよび図14Bに例示されるように、トラック432は、別のトラック436に電気的に接続されない場合がある。図14Bを参照すると、トラック436は、基板400の第2の側面404上に位置付けられ得る。図14Bに示されるように、トラック432と436との間の接続が基板を介して形成されないため、トラック432および436は、電気的に接続されない場合がある。
【0142】
一部の場合に、トラック436は、基板404の第1の側面402上に位置付けられ得る。図14Aおよび図14Cに例示されるように、電気的に単離または非導電性材料で作製されたマスク領域またはマスク442は、基板400上に位置付けられ得る。マスク442は、トラック432と436との間の電気的接続の形成を防止し得る。マスクは、基板400の同じ側面上に位置付けられた2つ以上のトラックが交差またはクロスオーバーする領域に位置付けられ得るが、電気的に接続されるべきではない。マスクは、トラック間に位置付けられ得る。マスクは、トレースの交差のエリアよりも大きいエリアを有し得る。マスクは、非導電性塗料または別の非導電性材料で作製され得る。
【0143】
追加的または代替的に、トラックが基板400上をルーティングすることができるエリア、および1つ以上の電子部品を位置付けるためのエリアを増加させるために、トラックは、基板の同じサイズ(第1の層と呼んでもよい)上のy軸(例えば、左/右または水平)、および基板の同じ側面(第2の層と呼んでもよい)上のx軸(または上下または垂直)に沿ってルーティングし得る。このようにして、基板上に4つの層を形成することができる。例えば、トラック432は、y軸に沿ってルーティングされている(または第1の層内に位置付けられている)ものとして例示されており、トラック436は、x軸に沿ってルーティングされている(または第2の層内に位置付けられている)ものとして例示されている。本明細書に記載されるように、基板の同じ側面上の異なる層におけるトラックは、マスクによって分離され得る。例えば、マスクは、第1の層および第2の層からのトラックがクロスオーバーする場所に位置付けられ得る(トラックが電気的に接続されることが望ましい場合を除く)。図14Aを参照すると、マスク442は、トラック432とトラック436との間に位置付けられ得る。
【0144】
トラック432は、y軸に沿った方向に走るものとして示されているが、トラック432は、x軸に沿った方向に走ることができる。トラック434および436は、x軸に沿った方向に走るものとして示されているが、トラック434および436は、y軸に沿った方向に走ることができる。
【0145】
一部の場合に、複数の基板を積み重ねることができる。例えば、2つの基板が積み重ねられる場合、これは、4つの層(上層および下層を有する各基板)、8つの層(上層、下層、第1の層、および第2の層を有する各基板)、またはこれに類するものの形成をもたらし得る。
【0146】
他の変化形態
本開示の実施形態の一部は、センサなどの電子部品の、創傷被覆材の中またはその上への配設を示しているが、開示された部品の配設は、それほど限定されない。いくつかの実装形態では、部品は、本明細書で広く定義されるように、任意の創傷の上に位置付けられるために、別の被覆材、構造、または基板上に配設されてもよく、または別々に提供されてもよい。部品の配設は、創傷の防止または治療のうちの1つ以上のために使用され得る。さらに、本明細書に開示される実施形態は、創傷の監視または治療のためにこのような基板が使用されるか否かにかかわらず、1つ以上の電子部品または接続を支持する任意の基板に広く適用可能である。
【0147】
本明細書に開示される実施形態のいずれかは、「SENSOR ENABLED WOUND MONITORING AND THERAPY APPARATUS」と題された国際特許公開第WO2017/195038号、「COMPONENT STRESS RELIEF FOR SENSOR ENABLED NEGATIVE PRESSURE WOUND THERAPY DRESSINGS」と題された国際特許公開第WO2018/189265号、「BIOCOMPATIBLE ENCAPSULATION AND COMPONENT STRESS RELIEF FOR SENSOR ENABLED NEGATIVE PRESSURE WOUND THERAPY DRESSINGS」と題された国際特許出願第PCT/EP2018/069883号、および「SENSOR INTEGRATED DRESSINGS AND SYSTEMS」と題された国際特許出願第PCT/EP2020/052111 号に説明される実施形態のいずれかとともに使用され得、これらの各々は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0148】
いくつかの実施形態では、1つ以上の電子部品は、創傷に面する側面の基板の側上に位置付けられてもよい。本明細書に記載のシステムおよび方法は、かかる部品の配設に等しく適用可能である。本明細書に記載される任意の創傷被覆材の実施形態は、他の記載される創傷被覆材の実施形態のいずれかの特徴を含み得る。同様に、本明細書に記載の任意のコントローラは、他の記載される創傷被覆材の実施形態のうちのいずれかの特徴を含み得る。さらに、特定の実施形態に記載される任意のデバイス、コンポーネント、またはモジュールは、デバイス、コンポーネント、またはモジュールの他の記載される実施形態のいずれかの特徴を含み得る。
【0149】
本明細書に提供される閾値、限界値、期間などのいかなる値も、絶対的な値であることを意図するものではなく、したがって、およその値であり得る。加えて、本明細書に提供される任意の閾値、限界値、期間などは、自動的にまたはユーザによってのいずれかで、固定されるかまたは変動し得る。さらに、本明細書で使用される場合、参照値に関連した、上回る、超、未満などの相対的な程度を表す用語は、参照値と等しい場合も包含することが意図される。例えば、正の参照値を超えることは、参照値以上であることを包含することができる。加えて、本明細書で使用される場合、参照値に関連した、上回る、超、未満などの相対的な程度を表す用語は、参照値に関連した、下回る、未満、超などの開示された関係とは逆のものも包含することが意図される。さらに、様々なプロセスのブロックは、ある値が特定の閾値に達するかまたは達しないかを決定することに関して記載され得るが、ブロックは、例えば、ある値が(i)閾値未満であるかもしくは閾値を超えているか、または(ii)閾値を満たすかもしくは満たしていないかに関しても同様に理解され得る。
【0150】
特定の態様、実施形態、または実施例に関連して説明される特性、物質、特徴、または群は、本明細書に記載される他の任意の態様、実施形態、または実施例に、これらと両立できないことがない限り、適用可能であることを理解されたい。本明細書(あらゆる添付の特許請求の範囲、要約書、および図面を含む)に開示されるすべての特徴、または同様に開示される任意の方法もしくはプロセスのすべてのステップは、そのような特徴またはステップの少なくとも一部が互いに排他的である組み合わせを除いて、あらゆる組み合わせで組み合わされ得る。保護対象は、前述の任意の実施形態の詳細に限定されない。保護対象は、本明細書(あらゆる添付の特許請求の範囲、要約書、および図面を含む)に開示される特徴のうちの任意の新規のもの、もしくは任意の新規の組み合わせ、または同様に開示される任意の方法もしくはプロセスのステップのうちの任意の新規のもの、もしくは任意の新規の組み合わせに及ぶ。
【0151】
特定の実施形態が説明されてきたが、これらの実施形態は、単に例として提示されており、保護範囲を限定することを意図するものではない。実際、本明細書に説明される新規の方法およびシステムは、様々な他の形態で具現化され得る。さらに、本明細書に記載の方法およびシステムの形態において、様々な省略、置換、および変更がなされ得る。当業者であれば、いくつかの実施形態では、図示または開示されたプロセスにおいて実施される実際のステップが、図面に示されたものとは異なり得ることを理解するであろう。実施形態によっては、上述したステップのうちのある特定のステップが除かれる場合もあれば、他のものが追加される場合もある。例えば、開示されたプロセスにおいて実施される実際のステップまたはステップの順序は、図面に示されたものとは異なり得る。実施形態によっては、上述したステップのうちのある特定のステップが除かれる場合もあれば、他のものが追加される場合もある。例えば、図面に図示した様々なコンポーネントは、プロセッサ、コントローラ、ASIC、FPGA、または専用ハードウェア上のソフトウェアまたはファームウェアとして実装され得る。コントローラ、プロセッサ、ASIC、FPGAおよび類似ものなど、ハードウェアコンポーネントは論理回路を含み得る。さらに、上記に開示された特定の実施形態の特徴および特性は、異なる方式で組み合わされて追加の実施形態を形成し得るが、そのすべては本開示の範囲内に収まる。
【0152】
本開示には、特定の実施形態、実施例、および用途が含まれるが、本開示は、具体的に開示された実施形態の範囲を超えて、他の代替の実施形態または使用ならびにその明らかな変更形およびその等価物にまでおよび、これには本明細書に記載された特徴および利点のすべてを提供しているとは限らない実施形態が含まれることは、当業者に理解されるであろう。したがって、本開示の範囲は、本明細書における好ましい実施形態の特定の開示によって限定されることを意図するものではなく、本明細書に提示されるまたはこの後に提示される特許請求の範囲によって定義され得る。
【0153】
「し得る(can)」、「できる(could)」、「可能性がある(might)」、または「場合がある(may)」等の条件付き言い回しは、別途具体的に記載されない限り、または使用される文脈の範囲内で別途解釈されない限り、特定の実施形態が、特定の特徴、要素、またはステップを含む一方で、他の実施形態は含まないということの伝達を意図するのが通例である。したがって、そのような条件付き言い回しは、概して、特徴、要素、もしくはステップが1つ以上の実施形態に多少なりとも必要とされるということ、またはこれらの特徴、要素、もしくはステップが任意の特定の実施形態に含まれているかどうか、もしくは任意の特定の実施形態で実施されるべきかどうかを、ユーザ入力または命令の有無にかかわらず決定するためのロジックが、1つ以上の実施形態に必然的に含まれているということを示唆することを意図するものではない。「備える」、「含む」、および「有する」等の用語は、同義語であり、包含的に、オープンエンドの様式で使用され、追加の要素、特徴、行為、動作などを排除するものではない。また、「または」という用語は、包括的な意味で(排他的な意味ではなく)使用されることにより、例えば、要素の列記をつなぐのに使用される場合、「または」という用語は、列記内の要素のうちの1つ、いくつか、またはすべてを意味する。さらに、「各々」という用語は、本明細書で使用される場合、その通常の意味を有することに加えて、「各々」という用語が適用されている一連の要素の任意のサブセットも意味し得る。
【0154】
語句「X、Y、およびZのうちの少なくとも1つ」等の連言的言い回しは、別途具体的に記載されない限り、ある項目や用語等が、Xか、Yか、Zのいずれかであり得ることを示唆するのに一般的に用いられる文脈によって、別途解釈されるものである。したがって、こうした連言的言い回しは、特定の実施形態が、少なくとも1つのXと、少なくとも1つYと、少なくとも1つのZとを含むことを必要とするという示唆を必ずしも意図するものではない。
【0155】
本明細書で使用される「およそ」、「約」、「概して」、および「実質的に」という用語等の、本明細書で使用される程度を表す言い回しは、所望の機能を依然として果たすかまたは所望の結果をもたらす所定の値、量、または特性に近い値、量、または特性を表すものである。例えば、「およそ」、「約」、「概して」、および「実質的に」という用語は、所定の量の10%未満以内、5%未満以内、1%未満以内、0.1%未満以内、および0.01%未満以内である量を指し得る。別の例として、特定の実施形態では、「概して平行」および「実質的に平行」という用語は、丁度平行である状態から15度以下、10度、5度、3度、1度、または0.1度逸脱する値、量、または特性を指す。
【0156】
本開示の範囲は、本節におけるまたは本明細書の他の箇所における好ましい実施形態の特定の開示によって制限されることを意図するものではなく、本節においてもしくは本明細書の他の箇所において提示されるか、またはこの後に提示される特許請求の範囲によって定義され得る。本特許請求の範囲の言い回しは、本特許請求の範囲で用いられている言い回しに基づいて広い意味で解釈されるべきであり、本明細書に記載される例または本出願の手続き中に記載される例に限定されるものではなく、それらの例は非排他的なものとして解釈されるべきである。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図14C
【国際調査報告】