(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-20
(54)【発明の名称】アクティブに加熱または冷却される被服または履物、及び、これらと共に使用されるハンガー
(51)【国際特許分類】
A41D 13/005 20060101AFI20220513BHJP
A47G 25/28 20060101ALI20220513BHJP
A41D 31/04 20190101ALI20220513BHJP
A41D 31/00 20190101ALI20220513BHJP
【FI】
A41D13/005
A47G25/28 Z
A41D31/04 Z
A41D31/00 502B
A41D31/00 502N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021555425
(86)(22)【出願日】2020-03-12
(85)【翻訳文提出日】2021-11-05
(86)【国際出願番号】 US2020022441
(87)【国際公開番号】W WO2020190651
(87)【国際公開日】2020-09-24
(32)【優先日】2019-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517360055
【氏名又は名称】エンバー テクノロジーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー クレイトン
(72)【発明者】
【氏名】リース ダレン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ホーランド ヤング
(72)【発明者】
【氏名】ムリンティ ラーフル
(72)【発明者】
【氏名】ウェイカム クリストファー トマス
(72)【発明者】
【氏名】ティンペリ ミッコ ジュハニ
(72)【発明者】
【氏名】エメルト ジェイコブ ウィリアム
【テーマコード(参考)】
3B011
3K099
【Fターム(参考)】
3B011AA01
3B011AC01
3K099AA01
3K099BA30
3K099EA19
(57)【要約】
アクティブ温度制御を備えた被服または履物は、1以上の加熱または冷却素子と、1以上のバッテリと、1以上の電力レシーバと、を含む。被服または履物の回路は、1以上の加熱または冷却素子と関連付けられた被服の1以上の部分を加熱または冷却するために、1以上の加熱または冷却素子に対する電力の伝送を制御するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクティブ温度制御を備えた被服であって、
1以上の加熱または冷却素子と、
1以上のバッテリと、
1以上の電力レシーバと、
1以上のセンサと、
回路と、を備えており、
前記回路は、前記1以上の加熱または冷却素子と関連付けられた前記被服の1以上の部分を加熱または冷却するために、前記1以上の加熱または冷却素子に対する電力の伝送を制御するように構成されていることを特徴とするアクティブ温度制御を備えた被服。
【請求項2】
前記被服が、シャツまたはジャケットである請求項1に記載の被服。
【請求項3】
前記1以上の加熱または冷却素子は、前記被服の布地に織り込まれているか、または、二層の布地の間に配置されている請求項1または2に記載の被服。
【請求項4】
前記1以上のバッテリは、取り外し可能であり、前記被服は前記1以上のバッテリを取り外した状態で洗濯が可能になっている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の被服。
【請求項5】
前記1以上のバッテリは、相変化材料内に封入されており、前記被服を洗濯及び乾燥させている間、前記1以上のバッテリを前記被服内に取りつけたままにすることが可能になっている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の被服。
【請求項6】
前記1以上の電力レシーバのうち少なくとも1つは、誘導を介して受電するように構成された誘導コイルである請求項1乃至5のいずれか1項に記載の被服。
【請求項7】
前記1以上の電力レシーバのうち少なくとも1つは、ガルバニック接続を介して受電するように構成された電気接点である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の被服。
【請求項8】
前記被服は、シャツまたはジャケットであり、
前記1以上の加熱または冷却素子は、前記被服の左袖及び右袖内の1以上の加熱素子、前記被服の上胸部及び腹部の一方または両方内の1以上の加熱素子、または、前記被服の上背部及び下背部の一方または両方内の1以上の加熱素子を含み、
前記1以上の加熱素子のそれぞれの動作は、前記回路によって独立して制御可能である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の被服。
【請求項9】
前記1以上の電力レシーバは、ハンガー、フック、スタンド、引出し、または、電力マット内の1以上の電力トランスミッタから受電し、
前記1以上の電力レシーバは、前記1以上の電力トランスミッタと概ね並んで配置されているか、または、前記1以上の電力トランスミッタとケーブルを介して接続されている請求項1乃至8のいずれか1項に記載の被服。
【請求項10】
前記被服は、シャツまたはジャケットであり、
前記1以上の電力レシーバは、前記被服の肩部に配置されており、
前記1以上の電力レシーバは、ハンガー、フックまたはスタンド上の1以上の電力トランスミッタと概ね並ぶように構成されており、これらを介して前記被服に電力が伝送される請求項1乃至9のいずれか1項に記載の被服。
【請求項11】
前記回路は、リモート電子デバイスと無線通信するように構成されており、
前記回路は、前記回路が前記リモート電子デバイスから無線により受信する前記リモート電子デバイスを用いたユーザによる入力に少なくとも部分的に基づいて前記1以上の加熱または冷却素子の動作を制御するように構成されている請求項1乃至10のいずれか1項に記載の被服。
【請求項12】
前記被服から、アクティブ温度制御を備えた1以上の追加の被服品またはアクセサリ品に送電する1以上の電力トランスミッタをさらに備えている請求項1乃至11のいずれか1項に記載の被服。
【請求項13】
前記被服は、シャツ若しくはジャケット、パンツ及び靴のうち1つであり、
前記1以上の追加の被服品は、シャツ若しくはジャケット、パンツ及び靴のうちの他のものであり、
前記1以上のアクセサリ品は、手袋または靴下であり、
前記シャツ若しくはジャケット、パンツ、靴、手袋及び靴下のそれぞれが、前記回路によって動作可能な、前記1以上の加熱または冷却素子に関連付けられた面を加熱または冷却するための前記1以上の加熱または冷却素子を有している請求項12に記載の被服。
【請求項14】
前記被服の1以上の部分に配置され、温度、湿度、酸素レベル及び心拍数から選択された1以上のパラメータを測定するように構成された1以上のセンサをさらに備えており、
前記1以上のセンサは、測定したパラメータ情報を前記回路に送信するように構成されており、
前記回路は、前記測定したパラメータ情報に基づいて、前記1以上の加熱または冷却素子の動作を制御するように構成されている請求項1乃至13のいずれか1項に記載の被服。
【請求項15】
アクティブ温度制御を備えた被服と共に使用するハンガー・アセンブリであって、
1以上の電力レシーバと、
ハンガー本体部内の1以上の電力トランスミッタと、
前記ハンガー本体部内の回路とを備えており、
前記回路は、前記被服が前記ハンガー・アセンブリに掛けられると、前記1以上の電力トランスミッタと通信し、前記ハンガー・アセンブリ内の前記1以上の電力トランスミッタから前記アクティブ温度制御を備えた前記被服内の前記1以上の電力レシーバへの電力の伝送を制御するように構成されていることを特徴とするハンガー・アセンブリ。
【請求項16】
前記1以上の電力レシーバは、前記ハンガー本体部に取り付けられたフック内の1以上の電気接点である請求項15に記載のハンガー・アセンブリ。
【請求項17】
前記1以上の電力レシーバは、壁電源に接続するように構成された電気コード及び電気プラグである請求項15に記載のハンガー・アセンブリ。
【請求項18】
前記ハンガー本体部は、スタンド上に配置される請求項15乃至17のいずれか1項に記載のハンガー・アセンブリ。
【請求項19】
前記1以上の電力トランスミッタは、前記ハンガー本体部の肩部内にある請求項15乃至18のいずれか1項に記載のハンガー・アセンブリ。
【請求項20】
1以上の電力レシーバ、1以上の電力トランスミッタ及び回路と通信する1以上のバッテリをさらに備え、
前記1以上のバッテリは、充電のために前記電力レシーバから受電する、及び、前記電力トランスミッタに送電して前記ハンガー本体部に吊り下げられたアクティブ温度制御を備えた被服に送電する、一方または双方を行うように構成されている請求項15乃至19のいずれか1項に記載のハンガー・アセンブリ。
【請求項21】
壁面コンセントに接続可能な電力線、及び、電気プラグを有するクローゼット・ロッド、壁に取り付けられたフック、または、フックを有するロッドをさらに備えており、
前記クローゼット・ロッド、前記壁に取り付けられたフック、または、前記フックを有するロッドの1以上の電気コネクタまたは電気接点に送電し、ハンガー本体部またはアクティブ温度制御を備えた被服のフックまたはコネクタによって少なくとも一部が受電され、ハンガーまたは被服に送電する請求項15乃至20のいずれか1項に記載のハンガー・アセンブリ。
【請求項22】
前記クローゼット・ロッドは、円形状、矩形状、三日月状の形状のうちの1つを有しており、少なくとも一部が中空である請求項21に記載のハンガー・アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先出願の参照による援用)
本出願と共に提出された出願データシートにおいて外国または国内における優先権主張が特定される全ての出願は、37 CFR 1.57の下で参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、被服(garments)及び履物(footwear)に関し、より詳細には、アクティブに加熱または冷却される被服または履物に関する。
【背景技術】
【0003】
被服(例えば、ジャケット、スウェットシャツ、パンツ、スウェットパンツ、シャツ)及び履物は、特定の機能(例えば、冬物、夏物、スポーツウェア等)を有することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ユーザが着用する被服及び履物は、天候(例えば、冬には重いまたは層状の被服や、夏には軽い被服)に依存することがあり、このことにより、ユーザが、季節に応じて使用するための様々な被服を有することを必要とする一方、他の季節ではその被服を(例えば、クローゼット、屋根裏などに)しまわなければならない(例えば、夏の間、冬用の被服をしまう)。さらに、スポーツウェアは、特定の周囲温度範囲で使用するように設計されている。スポーツウェアは、湿気や汗を逃がす材料を含む可能性があり、ユーザを高温の天候下で冷やすことができるが、温度が下がった場合は、ユーザを適切に保温できないことがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様によれば、アクティブ温度制御を備えた被服及び/または履物を提供する。
【0006】
本開示の別の態様によれば、被服は、電力を受け(例えば、バッテリなどの電源から電力を受け取り)、被服の1以上の領域を加熱し、それによって、加熱される被服の領域に近接するユーザの身体の一部を温める加熱素子(heating elements)を有する。被服は、被服を着用しているユーザの身体の1つ以上の領域を温めるために、選択的に(例えば、そのようなヒータを制御するために回路内のMOSFETを使用して、例えば、互いに独立して)加熱することができる1つ以上の(例えば、複数の)領域を任意に有することができる。一実施の態様では、被服は、選択的に(例えば、互いに独立して)加熱することができる複数の(例えば、6つの)加熱セクション(例えば、上胸部(upper chest)、腹部(abdomen)、上背部(upper back)、下背部(lower back)、左腕、右腕)を有するジャケットまたはシャツであってもよい。
【0007】
本開示の別の態様によれば、被服及び/または履物には、被服及び/または履物によって保持される、1つまたは複数のバッテリによって電力供給されるアクティブ温度制御を備えている。一実施の形態では、1つまたは複数のバッテリは取り外し可能であり、バッテリなしで、被服の洗濯(例えば、洗濯機及び乾燥機を用いた洗濯)を可能にする。別の実施の態様では、1つまたは複数のバッテリは、洗浄プロセス中の洗濯機及び/または乾燥機内の加熱及び衝撃に耐えるように構成される。バッテリは再充電可能であってもよい。
【0008】
本開示の別の態様によれば、被服がハンガーに吊り下げられたときに、アクティブ温度制御を備えた被服内の1以上のバッテリを支持及び充電するためのハンガーを提供する。ハンガーは、被服がハンガーに吊り下げられたときに、被服内の1以上の電力レシーバ(power receivers)に電力を伝送するように構成された1以上の電力トランスミッタ(power transmitters)と、1以上の電力トランスミッタへの電力の伝送を制御する回路とを任意に含むことができる。
【0009】
1つの任意の実施の形態では、ハンガーの1以上の電力トランスミッタは、被服がハンガーに吊り下げられたときに、被服内の誘導電力レシーバ(例えば、誘導コイル)に電力を伝送する誘導電力トランスミッタ(例えば、誘導コイル)である。例えば、被服がハンガーに吊り下げられたときに、誘導電力トランスミッタが誘導電力レシーバに近接する。
【0010】
1つの任意の実施の形態では、ハンガーの1以上の電力トランスミッタは、被服がハンガーに吊り下げられたときに、被服内のガルバニック電力レシーバ(galvanic power receivers)(例えば、接点)に電力を伝送するガルバニック電力トランスミッタ(例えば、電気接点(electrical contacts))である。例えば、被服がハンガーに吊り下げられたときに、ガルバニック電力トランスミッタは、ガルバニック電力レシーバの少なくとも一部に近接(例えば、接触)する。
【0011】
任意の一実施の形態では、ハンガーは、スタンド(例えば、自立型スタンド)の上部に組み込まれている。
【0012】
任意の一実施の形態では、ハンガーは、回路に電力を供給する1以上のバッテリ(例えば、充電可能なバッテリ)と、1以上の電力トランスミッタとを有することができる。
【0013】
別の任意の実施において、ハンガーは、(例えば、クローゼット・ロッド等の)フック(hook)またはバー(bar)上の対応する電気接点と接触するように構成された(例えば、ハンガーのフック内の)1以上の電気接点を有する。フックまたはバーは、フックまたはバー内の電気接点、及び、ハンガー内の電気接点を介して、ハンガー内の1以上の電力トランスミッタ、及び/または、(ハンガーに任意のバッテリが含まれている場合)ハンガー内の1以上のバッテリに給電するため、電源(例えば、壁面コンセント(wall outlet))に接続されてもよい。ハンガー内の1以上の電力トランスミッタは、被服の1以上のバッテリを充電するために、被服内の1以上の電力レシーバに対して電力を伝送することができる。
【0014】
本開示の別の態様によれば、アクティブ温度制御を備えた被服は、従来のハンガーに掛けることができ、このハンガーを(例えばクローゼット・ロッド等の)フックまたはバーに掛けることができる。フックまたはバーは、1以上の電気コネクタを有することができ、フックまたはバーは、(例えば、電気コード及び電気コードの端部の電気プラグを介して)電源に接続することができる。被服は、被服上の電気接点に取り外し可能に(例えば、磁石で)接続されたテザー・ケーブル(tethered cable)を任意に含むことができる。テザー・ケーブルの反対側の端部は、フックまたはバーの電気コネクタに接続されていてもよく、バッテリの充電のために被服(例えば、被服の1以上のバッテリ)への電力の伝送が可能となる。バッテリは、後に、被服内の1つ以上の加熱または冷却素子、及び、被服の他の電子部品(electronics)(例えば、回路、センサ)に電力を供給することができる。
【0015】
本開示の別の態様によれば、(例えば、ドレッサーやたんす(chest of drawers)内の)引き出し(drawers)が、電源に電気的に接続された1以上のコネクタ(例えば、壁面ソケットに接続された電気コード及び電気プラグを介した壁電源(wall power))を有することができる。1以上のアクティブ温度制御を備えた被服は、引き出しにしまっておいてもよい。(1以上の)被服は、被服上の電気接点に取り外し可能に(例えば、磁石で)接続されたテザー・ケーブルを任意に含むことができる。テザー・ケーブルの反対側の端部は、引き出しの電気コネクタに接続されていてもよく、バッテリの充電のために被服(例えば、被服の1以上のバッテリ)への電力の伝送が可能となる。バッテリは、後に、被服内の1つ以上の加熱または冷却素子、及び、被服の他の電子部品(例えば、回路、センサ)に電力を供給することができる。
【0016】
本開示の別の態様によれば、アクティブ温度制御を備えた靴を提供する。靴は、1以上のバッテリと、1以上の加熱素子に給電可能な回路とを含む。一実施の態様では、1以上の加熱素子は、靴のインソール(insole)に組み込まれる。別の実施の態様では、1以上の加熱素子は、靴下の布地に組み込まれ(例えば、織り込まれ)、靴下と靴(例えば、靴のインソール)との間の電気的接触により、靴内の1以上のバッテリから靴下内の1以上の加熱素子に電力を伝送する。
【0017】
本開示の別の態様によれば、アクティブ温度制御を備えた手袋を提供する。手袋は、任意に、1以上のバッテリと、手袋内の1以上の加熱素子への給電を制御する回路を有する(例えば、手袋の布地に織り込まれている)。別の実施の形態においては、1以上のバッテリは除外され、手袋内の電気接点(例えば、スナップ、導電性ベルクロ(登録商標)、誘導コイル)は、被服から(例えば、被服内のバッテリから)手袋内の加熱素子へ給電するために、アクティブ温度制御を備えた被服のスリーブ内の電気接点(例えば、スナップ、導電性ベルクロ、誘導コイル)に接続されてもよい。
【0018】
本開示の別の態様によれば、アクティブ温度制御を備えたパンツ(pants)を提供する。パンツは、任意に、1以上のバッテリと、パンツ内の1以上の加熱素子への給電を制御する回路を有する(例えば、手袋の布地に織り込まれている)。別の実施の形態においては、1以上のバッテリは除外され、パンツ内の電気接点(例えば、スナップ、導電性ベルクロ、誘導コイル)は、被服から(例えば、被服内のバッテリから)パンツ内の加熱素子へ給電するために、アクティブ温度制御を備えた被服(例えば、シャツ)のウエスト内の電気接点(例えば、スナップ、導電性ベルクロ、誘導コイル)に接続されてもよい。
【0019】
本開示の別の態様によれば、被服及び/または履物のアクティブ温度制御は、リモート電子デバイス上のユーザ・インタフェース(例えば、アプリケーション(アプリ)を介したスマートフォン上のスクリーン)を介して、ユーザによって無線で制御されてもよい。ユーザは、加熱する被服または履物の部分と、それに対する加熱レベル(例えば、高、中、低)とを選択することができる。リモート電子デバイスは、被服または履物内の無線レシーバ及び/またはトランシーバ(例えば、被服または履物の回路内の無線レシーバまたはトランシーバ)と無線で通信することができる。任意に、被服または履物内の1以上のセンサ(例えば、温度センサ、湿度センサ)は、被服または履物内の回路と通信することができ、回路は、感知された情報に基づいて、被服または履物内の加熱または冷却要素の動作を制御することができる(例えば、加熱または冷却要素を自動的にオンにする、自動的にオフにする、または、給電量を調整する)。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】電力トランスミッタを備えたハンガーの概略図である。
【
図2】電力トランスミッタを備えたハンガーの概略図である。
【
図3B】1以上のハンガーとともに使用される吊り下げロッドの概略図である。
【
図4】吊り下げロッドと結合されたハンガーのフックの概略図である。
【
図5】吊り下げロッドと結合されたハンガーのフックの概略図である。
【
図6】吊り下げロッドと結合されたハンガーのフックの概略図である。
【
図7】吊り下げロッドと結合されたハンガーのフックの概略図である。
【
図8】吊り下げロッドと結合されたハンガーのフックの概略図である。
【
図9】ハンガーを吊り下げることができる吊り下げロッドの概略断面図である。
【
図10】
図9の吊り下げロッドに結合されたハンガーのフックの概略図である。
【
図11】1以上のハンガーとともに使用される吊り下げロッドの概略図である。
【
図12】1以上のハンガーとともに使用される吊り下げロッドの概略図である。
【
図13】1以上のハンガーとともに使用される吊り下げロッドの概略図である。
【
図14】
図13の吊り下げロッドに吊り下げられた従来のハンガーの概略図である。
【
図15A】被服またはハンガーを吊り下げるための(格納位置にある)1以上の可動フックを有する吊り下げロッドの概略図である。
【
図15C】1以上のフックが折られていないまたは展開位置にある
図15Aの吊り下げロッドの概略図である。
【
図16】被服またはハンガーを吊り下げるための壁に取り付けられたフックの概略図である。
【
図17】吊り下げロッドに取り付けられたハンガーの概略図である。
【
図18】ハンガーを有するスタンドの概略図である。
【
図19】ドレッサーまたはたんすのための引き出しの概略図である。
【
図20】ドレッサーまたはたんすのための引き出し内で使用されるパワーマットの概略図である。
【
図21】アクティブ温度制御を備えた被服(例えば、シャツ)の概略図である。
【
図22】ハンガーに吊り下げられたアクティブ温度制御を備えた被服(例えば、シャツ)の概略図である。
【
図23】アクティブ温度制御を備えた被服(例えば、シャツ)内の電子部品の概略図である。
【
図24】アクティブ温度制御を備えた被服(例えば、ジャケット)及び一対の手袋の概略図である。
【
図25A】アクティブ温度制御及び被服の袖と接続するための送電接続部を備えた手袋の概略図である。
【
図25B】アクティブ温度制御及び被服の袖と接続するための送電接続部を備えた手袋の概略図である。
【
図25C】アクティブ温度制御及び被服の袖と接続するための送電接続部を備えた手袋の概略図である。
【
図26】アクティブ温度制御を備えた被服またはアクセサリにおいて使用される送電接続部の概略図である。
【
図27】アクティブ温度制御を備えた被服またはアクセサリにおいて使用される送電接続部の概略図である。
【
図28】アクティブ温度制御と、送電接続部を備えたスポーツウェア衣服(例えば、上着、パンツ、手袋、靴下)の概略図である。
【
図29】電力トランスミッタに接続可能な電力レシーバ及び電力トランスミッタを備えた被服(例えば、シャツ)の概略図である。
【
図30】吊り下げロッドに吊り下げられた従来のハンガーに吊り下げられたアクティブ温度制御を備えた被服(例えば、シャツ)の概略図である。被服は、被服への電力の伝送のために電気接点を介して吊り下げロッドに接続されている。
【
図31】アクティブ温度制御を備えた被服の一部の概略断面図である。
【
図32A】アクティブ温度制御を備えた履物(靴)の分解図である。
【
図32C】アクティブ温度制御を備えた靴下を有する履物(靴)の概略断面図である。
【
図33】アクティブ温度制御を備えた手袋の概略図である。
【
図34】ユーザによって装着される複数の加熱領域を有する被服の概略図である。
【
図35】被服のアクティブ温度制御システムを制御するために使用されるリモート電子デバイス(スマートフォン)上のグラフィカル・ユーザ・インタフェースである。
【
図36】ユーザによって装着される複数のセンサを有する被服(アクティブ温度制御を備えた被服)の概略図である。
【
図37】アクティブ温度制御を備えた被服(シャツ、ジャケット、パンツ)、アクセサリ(手袋)または履物(靴下、靴)内の電子部品の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、ハンガー100を示している。ハンガー100は、フック10と、2つの肩部22を有する本体部20とを有する。フック10は、本体(例えば、湾曲本体)12を有し、本体12により、後述のように、ハンガーがフックまたは吊り下げロッド(例えば、クローゼット・ロッド)に結合され得る(例えば、吊り下げられ得る)。
【0022】
ハンガー100は、1以上の(例えば、一対の)電力トランスミッタ30を有し、この電力トランスミッタを介して、ハンガー100は、後述のように、アクティブ温度制御電子部品を有する被服(例えば、シャツ、ジャケット)に電力を伝送することができる。一実施の形態では、ハンガー100は、(例えば、ハンガー100がハンガー100に給電するフックまたはロッドに結合されていないときに)(1以上の)電力トランスミッタ30に給電できる1以上のバッテリ(例えば、充電可能バッテリ、リチウムイオンバッテリ)40を有していてもよい。一実施の形態では、1以上のバッテリ40は、ハンガー100に着脱自在に連結されており、(例えば、充電パッドまたはマット上(例えば、誘導結合を介した)、またはバッテリ40と充電器との間の電気的接触を介した)充電のために着脱することができる。
【0023】
図2は、ハンガー100’を概略的に示している。ハンガー100’は、
図1のハンガー100と同様のものである。したがって、ハンガー100’の様々な構成部分を示すために使用される参照符号は、数字識別子に「’」が追加されていることを除いて、
図1のハンガー100の対応する構成部分を識別するために使用される参照符号と同一である。したがって、
図1のハンガー100の様々な構成部分の構造及び説明は、以下に説明することを除いて、
図2のハンガー100’の対応する構成部分にも当てはまることが理解される。
【0024】
ハンガー100’は、ハンガー本体20’が、(例えば、開口部24’を通してズボンまたはパンツの脚部分を延ばすことによって)一着のパンツまたはズボンをハンガー100’から吊り下げることを可能にする開口部24’を有する点でハンガー100とは異なる。
【0025】
図3Aは、ハンガー100,100’内の電子回路の概略図である。1以上の(例えば、一対の)電力トランスミッタ30は、回路50(例えば、制御回路)と通信する(例えば、電線(electrical lines)を介して電気的に接続されている)。回路50は、1以上のバッテリ40と通信する(例えば、電線を介して電気的に接続されている)。フック本体12の1以上の表面(例えば、対向面)に配置されていてもよい電気接点52,54は、それぞれ電線53,55を介して回路50と通信する(例えば、電気的に接続される)。回路50は、任意に、a)1以上のバッテリ40、及び、b)電気接点52,54に接続された電源のうちの1つまたは両方から(1以上の)電力トランスミッタ30への給電を制御することができる。回路50は、電源から電気接点52,54を介して受け取った電力で、1以上のバッテリ40の充電(例えば、充電回路を介して)を任意に制御することができる。一実施の態様では、1以上のバッテリ40は除外され、回路50は、電源から電気接点52,54を介して(1以上の)電力トランスミッタ30への給電を制御する。回路50は、ハンガー100,100’上(例えば、フック10上)の1以上のライト(図示せず)に給電して、ハンガー100,100’の動作状態を示す1以上のパラメータ(例えば、バッテリ40が満充電状態であること、バッテリ40の残量が少ないこと、(1以上の)電力トランスミッタを介して給電されていること等)をユーザに示すことができる。
【0026】
図3Bは、ハンガー100,100’のようなハンガーをかけることができる吊り下げロッド300(例えばクローゼット・ロッド)の概略図である。任意に、吊り下げロッド300は、略円筒形状(例えば、ロッド300の中心軸に対して横断方向の略円形断面を有する)を有する。しかしながら、吊り下げロッド300は、他の適切な形状を有することができる。ロッド300は、ロッド300の両側に、1以上の電気コネクタまたは接点314を有することができる。
図3Bには、ロッド300の一方の側のコネクタまたは接点314だけを示しているが、類似のコネクタまたは接点が、ロッド300の直径方向反対側の表面上に対向して配置されている。電気コネクタまたは接点314は、ハンガー100,100’の電気接点(例えば、電気接点52,54)と取り外し可能に係合(例えば、接触)して、ロッド300からハンガー100,100’に給電することができる。吊り下げロッド300は、電気コネクタまたは接点314、及び、電気コネクタまたは接点314に給電するために壁面コンセントに接続可能な電気プラグ306に電気的に接続された電気コード304を有する。任意に、電気コード304は、AC電力をDC電力に変換し、且つ、電圧を120VACから、ハンガー100,100’に給電するのに適した、及び/または、ハンガー100,100’内の任意の1以上のバッテリを充電するのに適した低いDC電圧に降圧するために、アダプタ(図示せず)を介して電気コネクタまたは接点314に接続してもよい。任意に、ロッド300は、電力がロッド300からハンガー100,100’,100’’に伝送されていることをユーザに示すために、点灯する1以上のライト(図示せず)を有することができる。
【0027】
図4は、吊り下げロッド300A(例えばクローゼット・ロッド)から吊り下げることができるハンガー100,100’のようなハンガー用のフック10Aの概略図である。フック100Aは、ロッド300Aの電気接点またはコネクタ312A,314Aと接触する一対の屈曲部12A,14Aを有する。屈曲部12A,14Aは、フック10Aを介して、(断面で示した)吊り下げロッド300Aからハンガーに給電するため、電気接点またはコネクタ312A,314Aに接触する電気接点(例えば、
図3に示す接点52,54)を有していてもよい。吊り下げロッド300Aは、任意に、(フック10Aを受けるロッド300Aの少なくとも一部分に)、矩形状の断面を有していてもよい。これにより、(金属製のハンガーが使用される場合)ハンガーのフックの金属部分が電気接点312A,314Aに不用意に接触し、短絡を引き起こすことなく、従来のハンガーをロッド300Bに吊り下げることができる。
【0028】
図5は、ハンガー100,100’のようなハンガー用のフック10Bの概略図である。フック10Bは、
図4のフック10Aと同様のものである。したがって、フック10Bの様々な構成部分を示すために使用される参照符号は、「A」の代わりに「B」が数字識別子に追加されていることを除いて、
図4のフック10Aの対応する構成部分を識別するために使用される参照符号と同一である。したがって、
図4のフック10Aの様々な構成部分の構造及び説明は、以下に説明することを除いて、
図4のフック10Bの対応する構成部分にも当てはまることが理解される。
【0029】
フック10Bは、吊り下げロッド300Aの電気コネクタまたは接点312A,314Aと接触する、可撓性の(deflectable)(例えば、バネ付勢された)電気接点13B,15Bを有するという点で、フック10Aと異なる。可撓性電気接点13B,15Bは、フック10Bの両側にあるフック部12B,14Bの内側に配置されている。
【0030】
図6は、吊り下げロッド300B(例えば、クローゼット・ロッド)から吊下げることができるハンガー100,100’等のハンガーのためのフック10Cの概略図である。フック100Cは、プロング(prong)12Cを有する本体12を有している。プロング12Cの両側には電気接点を有している。(断面図で示した)ロッド300Bは、ロッド300Bの上端に凹みまたは凹部(recess or cavity)312を有しており、フック10Cが吊り下げロッド300Bの上に配置されると、ここにフック10Cのプロング12Cが延び入ることができる(例えば、挿入できる)。フック10Cのプロング12Cの電気接点は、ロッド300Bの電気コネクタまたは接点312B,314Bと係合(例えば、接触)し、ここで、電気コネクタまたは接点312B,314Bは、ロッド300Bの凹みまたは凹部312を画定する壁部に配置され、それによって、ロッド300Bの凹部に電気的な接続を提供する。吊り下げロッド300Bは、凹みまたは凹部312を有するロッド300Bの頂部の位置を除いて、外側湾曲(例えば、円形)表面を有する。これにより、従来のハンガーを、そのようなハンガーの金属部分が電気接点312B,314Bに不用意に触れて、短絡を引き起こすことなく、また、ユーザ(例えば、ユーザの指)が電気コネクタまたは接点312B,314Bと不注意に接触することなく、ロッド300Bに吊り下げることができる。
【0031】
図7は、ハンガー100,100’等のハンガー用のフック10Dの概略図である。フック10Dは、
図6のフック10Cと同様のものである。したがって、フック10Dの様々な構成部分を示すために使用される参照符号は、「C」の代わりに「D」が数字識別子に追加されていることを除いて、
図6のフック10Cの対応する構成部分を識別するために使用される参照符号と同一である。したがって、
図6のフック10Cの様々な構成部分の構造及び説明は、以下に説明することを除いて、
図7のフック10Dの対応する構成部分にも当てはまることが理解される。
【0032】
フック10Dは、(断面で示した)吊り下げロッド300Bの電気コネクタまたは接点312B,314Bに接触する、可撓性の(例えば、バネ付勢された(spring biased))電気接点13D,15Dを有する点で、フック10Cと異なる。可撓性電気接点13D,15Dは、吊り下げロッド300Bの凹みまたは凹部312内に延び入るプロング12D上に配置されている。
【0033】
図8は、ハンガー100,100’等のハンガー用のフック10Eの概略図である。フック10Eは、
図4のフック10Aと同様のものである。したがって、フック10Eの様々な構成部分を示すために使用される参照符号は、「A」の代わりに「E」が数字識別子に追加されていることを除いて、
図4のフック10Aの対応する構成部分を識別するために使用される参照符号と同一である。したがって、
図4のフック10Aの様々な構成部分の構造及び説明は、以下に説明することを除いて、
図8のフック10Eの対応する構成部分にも当てはまることが理解される。
【0034】
フック10Eは、フック本体12が湾曲している(例えば、連続的に湾曲している)点、及び、吊り下げロッド300C(例えば、クローゼット・ロッド)の両側外面上の電気コネクタまたは接点312C、314Cと係合する接点12E、14Eを有する点で、フック10Aと異なる。(断面で示した)吊り下げロッド300Cは、任意に、円形の形状または輪郭を有する。
【0035】
図9は、1以上のハンガーを吊り下げることができる、吊り下げロッド300Dの概略(断面)図である。吊り下げロッド300Dは、略矩形状または長方形状の断面を有し、開口部302Dを介してアクセス可能なチャネルまたは凹部304Dを画定する。(開口部302Dを横切って対向する)チャネルの壁部は、電気コネクタまたは接点312D,314Dを有してもよい。
【0036】
図10は、電気接点を有する1以上のプロング(一対のプロング)12Fを有することができるハンガー100,100’ 等のハンガーのコネクタ10Fの概略図である。コネクタ12Fは、十字状の一対のプロング12Fを有していてもよい。コネクタ12Fは、コネクタ12Bが凹部またはチャネル304D内に延び入るように、吊り下げロッド300D内の開口部302Dを通り抜けられるようにするため、回転させることができる。次いで、コネクタ12Fは、コネクタ12Fの電気接点が、吊り下げロッド300Dの電気コネクタまたは接点312D,314Dと係合(例えば、接触)するように回転させることができる。したがって、コネクタ10Fは、吊り下げロッド300Dの電気コネクタまたは接点312D,314Dとの電気的接続に影響する同構造(例えば、十字型またはT字型コネクタ12F)によって吊り下げロッド300Dからサポートされる。
【0037】
図11は、ハンガー100,100’等のハンガーを吊り下げることができるロッド300’(例えばクローゼット・ロッド)の概略図である。ロッド300’は、
図3Bのロッド300と同様のものである。したがって、ロッド300’の様々な構成部分を示すために使用される参照符号は、数字識別子に「’」が追加されていることを除いて、
図3Bのロッド300の対応する構成部分を識別するために使用される参照符号と同一である。したがって、
図3Bのロッド300の様々な構成部分の構造及び説明は、以下に説明することを除いて、
図11のロッド300’の対応する構成部分にも当てはまることが理解される。
【0038】
ロッド300’は、電気接点312が、ロッド300のように側面に設けられている代わりに、ロッド300’の上面または上部に設けられている点で、ロッド300と異なる。
【0039】
図12は、ロッド300Bの概略斜視図である(例えば、
図6及び
図7にも示している)。ロッド300Bは、複数の凹みまたは凹部312を有することができる。この複数の凹みまたは凹部312を介して、ハンガー100,100’等のハンガーのフック10C、10D等のフック内の電気接点が電気コネクタまたは接点312B,314Bにアクセスし、接触する。
【0040】
図13は、ハンガー100,100’等のハンガーを吊り下げることができるロッド300E(例えば、クローゼット・ロッド)の概略斜視図である。
図14は、ロッド300Eの断面図である。ロッド300Eは、
図3Bのロッド300に同様のものである。したがって、ロッド300Eの様々な構成部分を示すために使用される参照符号は、「E」が数字識別子に追加されていることを除いて、
図3Bのロッド300の対応する構成部分を識別するために使用される参照符号と同一である。したがって、
図3Bのロッド300の様々な構成部分の構造及び説明は、以下に説明することを除いて、
図13のロッド300Eの対応する構成部分にも当てはまることが理解される。
【0041】
ロッド300Eは、ロッド300Eが、略平面(例えば、平坦)な上面302Eを有し、且つ、電気接点及びコネクタ312Eが、ロッド300のように側面に設けられている代わりに、上面302E上に設けられている点で、ロッド300と異なる。平坦な上面302E、及び、上面302E上の電気接点またはコネクタ312Eにより、ハンガーHの金属部分が電気接点312Eに不用意に接触し、短絡を引き起こすことなく、ロッド300Eに従来のハンガーH(
図14参照)をかけることができる。
【0042】
図15Aは、被服またはハンガー100,100’等のハンガーを吊り下げるための1以上の(複数の)フック310Fを有する吊り下げロッド300Fの概略斜視図である。
図15Aは、複数のフック310Fが閉位置または格納位置(retracted position)にあるロッド300Fを示す。
図15Bは、ロッド300Fの側面図(end view)である。一実施の形態では、ロッド300Fは、円形の輪郭または断面を有する。別の実施の形態において、ロッド300Fは、楕円、長方形等の別の適切な輪郭または断面形状を有することができる。
図15Cは、フック310Fが開位置または展開位置(extended position)にある状態のロッド300Fの斜視図である。
【0043】
ロッド300Fは、ロッド300Fに給電するために壁面コンセントに接続することができる電気コード及び電気プラグを有することができる点で、
図3Bのロッド300と似ているとすることができる。ロッド300Fは、外面302Fを有する。
図15A及び
図15Bに示すように、フック310Fが閉位置または格納位置にあるとき、フック310Fの表面312Fは、ロッド300Fの外面302Fに対して面一または格納状態であってもよい。フック310Fは、フック310Fを展開位置または格納位置に動かすためにユーザによって係合される(例えば、つかむことができる)ハンドルまたはタブ314Fを有していてもよい。フック310Fが展開位置にあることを示す
図15Cに示すように、フック310Fは、ハンガー100,100F等のハンガーのフック上の電気接点と接触して、ハンガー100,100’に給電することができる1以上の電気接点316Fをその内面に有していてもよい。
【0044】
図16は、壁に取り付けられたフック300Gの側面図である。フック300Gは、フック300Gから、フック300Gのフック部材302Gに給電するために壁面コンセントに接続することができる電気プラグ306Gに延びる電気コード304Gを有することができる。一実施の形態では、フック部材302Gは、ハンガー100,100’等のハンガーのフック上の1以上の電気接点に接触して、ハンガー100,100’に給電することができる1以上の電気接点316Gを有する。
【0045】
図17は、(断面で示した)ロッド300’に吊り下げることができるハンガー100’’(例えば、旅行用ハンガー)の概略(断面)図である。ハンガー100’’は、肩部22’’を有する略三角形状であり、ズボンやパンツをかけることができる開口部24’’を規定している。ハンガー100’’の頂点(apex)は、ロッド300’上にハンガー100’’を配置するためのフック100’’を提供する。フック100’’は、ロッド300’の電気接点またはコネクタ312’と接触することができる電気接点212’’,214’’を有する。ロッド300’の外面302’は、円形であってもよく、他の形状であってもよい。ハンガー100’’は、ロッド300’にハンガー100’’をかけることを可能にする開位置と、ロッド300’からハンガー100’’を分離することを妨げる(例えば、防止する)閉位置との間で動作可能なラッチ(latch)18’’を有している。ハンガー100,100’のように、ハンガー100’’は、電力トランスミッタ30’’を有し、任意に、1以上のバッテリ40’’を有する。
【0046】
有利に、フック10A~10E,10’,10’’またはコネクタ10Fは、吊り下げロッド300,300A,300B,300C,300D,300E,300’から、吊り下げロッド300,300A,300B,300C,300D,300E,300’内の電気コネクタまたは接点312A~312D,314A~314D,312E,312’を介してハンガー100,100’,100’’に給電するために、ハンガー100,100’,100’’のフック10の代わりに使用されてもよい。一の実施の形態において、ロッド300,300A,300B,300C,300D,300E,300’の少なくとも一部(例えば、全長)は、ロッド300,300A,300B,300C,300D,300E,300’に吊り下げられた複数のハンガー100,100’,100’’に給電するために電気コネクタまたは接点を有していてもよい。
【0047】
図18は、ハンガー100’’’を有するスタンド300Hの概略斜視図である。スタンド300Hは、支持ロッド309が支持されるベース部308を有していてもよい。支持ロッド309は、ベース部308とハンガー100’’’との間に延在する。スタンド300Hは、ハンガー100’’’内の1以上の電力トランスミッタ30’’’に給電するために壁の電源ソケットに接続することができる電気コード304H及び電気プラグ306Hを有する。ハンガー100’’’は、ハンガー100に似たものであってもよく、任意に、
図3Aに示すような回路を有することができる。スタンド300Hは、ズボンまたはパンツを吊るすための別個の吊り下げロッド307を任意に有する。代わりに、スタンド300Hは、アクティブ温度制御を備えた被服(例えば、コート)を吊り下げるための1以上のフックを有するコートスタンドであってもよい。コートスタンドのフック上の電気接点は、被服上の1以上の電気接点(例えば、被服の吊り下げタブまたはループ)と係合(例えば、接触)してもよい。
【0048】
図19は、ドレッサーまたはたんす等のための引き出し300Jの概略斜視図である。引き出し300Jは、(以下でさらに説明するように)アクティブ温度制御を備えた1以上の被服Gを折り畳んで保管することができる空間302Jを画定する。引き出し300Jは、その表面(例えば、引き出しの後部の表面)上に1以上の電気コネクタまたは接点316Jを有していてもよい。電気コネクタまたは接点316Jは、ケーブル350JのUSBプラグを受け入れるUSBポートとすることができる。あるいは、電気コネクタまたは接点316Jは、被服Gに接続するケーブル350Jの磁気接点に(誘導を介して)給電する磁気誘導電力トランスミッタとすることができる。上述のように、電力は、ドレッサー近くの壁の電源ソケットに接続可能な電気コード及び電気プラグまたは接点(図示せず)を介して電気コネクタまたは接点316Jに対して供給されてもよい。1以上のケーブル350Jは、後で被服Gの温度制御システムに電力を供給する目的で被服Gのバッテリ(例えば、充電式バッテリ)を充電する等のために、引き出し300Jの電気接点またはコネクタ、及び、被服内の1以上の電気接点の一方または両方に取り外し可能に接続されてもよい。
【0049】
図20は、例えば、(ドレッサーまたはたんすの)既存の引き出しに取り外し可能に挿入することができる、パワーマット(power mat)300Kの概略斜視図である。パワーマット300Kは、パワーマット300Kの1以上の電気接点316Kに電力を供給するために壁電源に接続するために、電気コード304K及び電気プラグ306Kを有していてもよい。アクティブ温度制御を備えた被服Gで後で使用するための充電のために、パワーマット300Kから被服Gの1以上のバッテリに給電するために、被服G内の電気接点が電気接点316Kに電気的に接続されるように(例えば、ケーブル350J等の1以上のケーブルを介して)、アクティブ温度制御を備えた1以上の被服Gを、パワーマット300K上(例えば、そしてドレッサーの引き出し内)に配置することができる。
【0050】
図21は、アクティブ温度制御を備えた被服400(例えば、シャツ)を示している。被服400は、被服400の肩部分に1以上の電力レシーバ430と、被服400の1以上のポケットに収容され得る(例えば、複数のポケットに収容される)1以上のバッテリ440と、回路450(例えば、制御回路)と、後述の1以上の加熱素子を有し、回路450は、被服の少なくとも一部の温度を選択的に調節するために、1以上のバッテリ440から1以上の加熱素子への電力の供給を制御可能である。被服400は、任意に、例えば被服400の袖の中に、アクセサリ(accessories)(例えば、後述のように、手袋、イヤー・ウォーマー)に接続して、アクセサリへの給電を可能にする1以上の電力トランスミッタ460を含んでもよい。
【0051】
一実施の態様では、1以上のバッテリ440は、例えば、(1以上の)電力レシーバ430を介して受電される電力により再充電可能である。一実施の形態では、1以上のバッテリ440は、被服400内に恒久的に収容されている(例えば、バッテリ440は取り外し不可能である)。バッテリ440は、被服400が洗濯機で洗濯され、乾燥機で乾燥されるときに熱及び/または衝撃を吸収することができる相変化材料(phase change material)(例えば、バッテリ440を収容するケース)に収容する(例えば、ケース内に入れる(encased))ことができる。別の実施の態様では、1以上のバッテリ440は、充電のために取り外し可能である。例えば、1以上のバッテリは、被服440内の電気接点に接触して、バッテリを1以上の電力レシーバ430、回路450、及び1以上の加熱素子に電気的に接続する電気接点を有していてもよい。被服400から一旦取り外されると、バッテリ440は、充電モジュール(例えば、壁電源に接続された充電モジュール)を使用して充電することができ、バッテリ440の電気接点が充電モジュールの電気接点に接触する。また、バッテリが被服400から取り外されると、被服を(例えば、洗濯機及び乾燥機を使用して)洗濯することができる。有利には、バッテリの接点はもちろん、回路、及び、電気ワイヤ及び回路間の電気的接続は、(例えば、洗濯機にて)被服が水に曝された場合に、電子部品(例えば、回路450、(1以上の)電力レシーバ等)への損傷を抑制(例えば、防止)するために、(例えば、エポキシ・ポッティング(epoxy potting)を用いて)水密であってもよい。
【0052】
図22を参照すると、被服400内の1以上の電力レシーバ430は、(例えば、ハンガー100,100’内のバッテリ40を介して、及び/または、ハンガーが吊り下げられているロッドから伝送される電力を介して直接)ハンガー100,100’内の1以上の電力トランスミッタ30から受電できる。一実施の形態では、ハンガー100,100’内の電力トランスミッタ30、及び、被服400内の電力レシーバ430は、電力が誘導を介して伝送されるように誘導コイルであってもよい。被服400及びハンガー100,100’の一方は磁石を有することができ、被服400及びハンガー100,100’の他方は、効率的な電力伝送を可能にするために、(1以上の)電力トランスミッタ30及び(1以上の)電力レシーバ430の位置合わせを容易にするために、金属部品または異なる極性の磁石を有していてもよい。別の実施の態様では、被服400内の電力トランスミッタ30及び電力レシーバ430は、(1以上の)トランスミッタ30及び(1以上の)レシーバ430内の電気接点を介してガルバニック電気接続(galvanic electrical connection)を提供する。
【0053】
図23は、被服400内の電子部品の概略図である。被服400は、被服400の肩部分に近接する1以上の(例えば、一対の)電力レシーバ430と、1以上のバッテリ440と、回路450(例えば、制御回路)とを含む。被服400はまた、本明細書に記載されるように、被服全体に分配された1以上の加熱素子を含む。1以上の加熱素子は、被服400の胴部分(torso position)に1以上の加熱素子H1を、被服400の左袖部分に1以上の加熱素子H2を、及び、被服400の右袖部分に1以上の加熱素子H3を含むことができる。被服400の他の部分に追加の加熱素子を設けることができる。1以上の加熱素子400は、回路450及び1以上のバッテリ440の一方または両方に(例えば、電線で)接続されていてもよい。電力レシーバ430は、回路430に接続されていてもよい。
【0054】
1以上の加熱素子H1,H2,H3等の被服400の1以上の加熱素子は、一実施の形態では、被服400の布地材料に織り込まれたヒータ・ワイヤであってもよい。別の実施の形態では、1つ以上の加熱素子H1,H2,H3は、被服400の布地材料上の金属エッチングされたヒータ・パターンであってもよい。別の実施の形態では、1以上の加熱素子H1,H2,H3は、被服400の布地上に直接、電気めっき(electroplating)することによって形成することができる。別の実施の態様では、1以上の加熱素子H1,H2,H3は、加熱素子の作動中にユーザによる均一な温度感覚を促進する(例えば、ホット・スポットを抑制または防止する)ために、ヒート・スプレッダを含むことができる。一実施の形態では、ヒート・スプレッダは、アルミニウム製の織メッシュ材料(aluminum woven mesh material)とすることができる。別の実施の形態では、ヒート・スプレッダは、グラファイトであってもよい。加熱素子及び/またはスプレッダは、他の適切な構成または材料を有していてもよい。
【0055】
図24は、アクティブ温度制御を備えた被服500(例えば、ジャケット)を示している。被服500は、
図21の被服400と同様のものである。したがって、被服500の様々な構成部分を示すために使用される参照番号は、数字識別子が「4」の代わりに「5」で始まることを除いて、
図21の被服400の対応する構成部分を識別するために使用される参照番号と同一である。したがって、
図21の被服400の様々な構成部分の構造及び説明は、以下に記載されることを除いて、
図24の被服500の対応する構成部分にも当てはまることが理解される。
【0056】
被服500は、ジャケットであり、フードを含む点で被服400と異なる。任意に、被服500は、異なる材料(例えば、耐水性材料)で作られていてもよい。被服500は、被服500の肩部分に(1以上の)電力レシーバを有し、被服500の袖の手首部分に(1以上の)電力トランスミッタ560を有する。
図24は、後述のように、1以上の加熱素子を有することができ、(1以上の)電力トランスミッタ560から電力を受け取ることができるアクセサリ(例えば、手袋)600を示している。
【0057】
図25Aは、被服400,500内の1以上の電力トランスミッタ460,560から電力を受け取ることができる1以上の電力レシーバ660Aを備えた手袋600Aの概略図である。電力レシーバ660A及び電力トランスミッタ460,560は、手袋600内の1以上の加熱素子に給電するために、電力が誘導を介して伝送されるように誘導コイルであってもよい。被服400,500及び手袋600Aの一方は磁石を有することができ、被服400,500及び手袋600Aの他方は、効率的な電力の伝送を可能にするために、(1以上の)電力トランスミッタ460,560及び(1以上の)電力レシーバ660の位置合わせを容易にするために、金属部品または異なる極性の磁石を有していてもよい。
【0058】
図25Bは、被服400,500内の1以上の電力トランスミッタ460,560から電力を受け取ることができる1以上の電力レシーバ660Bを備えた手袋600Bの概略図である。(1以上の)電力レシーバ660B及び(1以上の)電力トランスミッタ460,560は、手袋600内の1以上の加熱素子に給電するために、直接接続を介して手袋600Bに電力が伝送されるように、導電性フープ及びループ(conductive hoop and loop)(例えば、VELCRO(登録商標))材料とすることができる。
【0059】
図25Cは、被服400,500内の1以上の電力トランスミッタ460,560から電力を受け取ることができる1以上の電力レシーバ660Cを備えた手袋600Cの概略図である。手袋600内の1以上の加熱素子に給電するために、直接接続を介して手袋600Cに電力が伝送されるように、(1以上の)電力レシーバ660Cは、電気ケーブルであってもよく、電力トランスミッタ460,560は、電気ケーブルが結合されるコネクタを含む。
【0060】
図26は、被服の電力トランスミッタ460,560とアクセサリ(例えば、手袋)の電力レシーバ660との間の電力伝送接続の概略図である。図示した実施の形態では、(1以上の)電力トランスミッタ460,560及び(1以上の)電力レシーバ660は、互いに取り外し可能に結合して、電力をアクセサリ(例えば、手袋)に伝送するための電気接続をもたらすことができるスナップである。
【0061】
図27は、被服の電力トランスミッタ460,560とアクセサリ(例えば、手袋)の電力レシーバ660との間の電力伝送接続の概略図である。図示した実施の形態では、(1以上の)電力トランスミッタ460,560及び(1以上の)電力レシーバ660は、互いに取り外し可能に結合して、電力をアクセサリ(例えば、手袋)に伝送するための電気接続をもたらすことができる導電性フープ及びループ(例えば、VELCRO(登録商標))である。
【0062】
図28は、シャツまたは上着(top)400、パンツ700を含み、そして、任意に手袋600及び靴下800を含む(これら全ては、アクティブ温度制御を行うために、1以上の加熱素子及び電子部品を有することができる)スポーツウェア衣服(sportswear outfit)の概略図である。手袋600は、上述の方法で上着400から電力を受け取ることができる。パンツ700は、任意で、それ自体の電源(例えば、バッテリ、回路等)を有することができる。別の実施の態様では、パンツ700は、バッテリを排除し、シャツ400からパンツ700への給電を容易にするために、(例えば、パンツ700の腰部及びシャツ400の底部を介して)シャツ400との電気的接続を有することができる。靴下800は、パンツ700から靴下800への給電を容易にするために、パンツ700の下端との電気的接続を有することができる。
【0063】
図29は、(例えば、被服Gのバッテリを充電するために)電力トランスミッタ316Lに接続することができる電力レシーバ416を備えた被服(例えば、シャツ)Gの概略図である。電力トランスミッタ316Lは、壁面コンセントに接続できる、電源コード304L及び電気プラグ304Kを有していてもよい。
【0064】
図30は、1以上のコネクタ(例えば、USBコネクタ)316Lを有する吊り下げロッド300L上の従来のハンガーに掛けられたアクティブ温度制御を備えた被服400,500の概略図である。電気ケーブル350Lは、コネクタ316L、及び、被服400,500内の電気接点に接続し、(例えば、バッテリを充電するために被服400,500のバッテリに対して)ロッド300Lから被服400,500に電力を伝送することができる。
【0065】
図31は、被服400,500,700の一部の概略断面図である。被服は、任意に、第1の層L1(例えば、外側層)を有していてもよい。第1の層L1は、絶縁性(insulative)または通気性のある(breathable)布地で作ることができる。被服は、上述の1以上の加熱素子を含むことができる第2の層L2を有することができる。1以上の加熱素子は、布地に織り込まれていてもよい。被服は、任意に、第3の層L3を有していてもよい。第3の層L3は、任意に、絶縁性布地またはモイスチャ・ウィッキング(moisture wicking)であってもよい。
【0066】
図32A~
図32Cは、アクティブ温度制御を備えた履物(靴)900を示している。靴900は、アッパー910と、ソール930と、インソール920と、支持パッド925と、1以上のバッテリ940とを有している。図示していないが、靴900はまた、1以上のバッテリ940、及び、靴900を着用した足の1以上の表面を加熱するために(回路によって)作動可能な1以上の加熱素子に電気的に接続する回路を有する。一実施の態様では、1以上の加熱素子は、インソール920内にあり、靴900を着用している人間の足の裏を加熱する。別の実施の形態では、1以上の加熱素子は靴下800内にある。靴下800は、靴900内の1以上の電気接点916に接触して、靴900内のバッテリ940から電力を受け取る1以上の電気接点816を有する。
【0067】
靴900内のバッテリ940は、(例えば、靴900が置かれた下駄箱上の)電力トランスミッタから電力を受け取る靴内の電力レシーバを介して充電することができる。靴900内の電力レシーバは、一実施の形態では、下駄箱内の誘導コイルと整列させて、(バッテリ940を充電するために)下駄箱から靴900に電力を伝送する誘導コイルであってもよい。別の実施の形態では、靴900内の電力レシーバは、下駄箱内の電気接点に接触して靴900に電力を伝送する(例えば、バッテリ940を充電する)電気接点である。別の実施の態様では、靴900は、バッテリ940を充電するために壁電力コンセントに接続することができる電気ケーブルのコネクタを受け入れることができるUSBポートを有していてもよい。
【0068】
図33は、手袋600の概略図である。この実施の態様では、手袋600は、手袋600内の1以上の加熱素子に給電する1以上のバッテリ640を有する。
【0069】
図34は、1以上の加熱素子H1~H7を有する被服400,500の概略図を示す。1以上の加熱素子H1は、被服400,500の上側胸部(upper chest portion)に配置することができ、1以上の加熱素子H2は、被服400,500の背面部(back portion)に配置することができ、1以上の加熱素子H3は、被服400,500の腹部(abdomen portion)に配置することができ、1以上の加熱素子H4は、被服400,500の右腕部上側に配置することができ、1以上の加熱素子H5は、被服400,500の右腕部下側に配置することができ、以上の加熱素子H6は、被服400,500の左腕部上側に配置することができ、1以上の加熱素子H7は、被服400,500の左腕部下側に配置することができる。加熱素子H1~H7の各々は、(回路450,550によって)選択的に動作させて、ユーザの身体のその関連部分を加熱することができる。一実施の態様では、加熱素子H1~H7のうちの1以上は、残りの加熱素子H1~H7とは独立して(例えば、異なるパワーまたは加熱レベルで)動作する。
【0070】
1つまたは複数の加熱素子H1~H7の動作は、リモート電子デバイス(例えば、スマートフォン、タブレット・コンピュータ)1000上のアプリケーション(アプリ)1100のユーザ・インタフェース1120を介して制御することができる。アプリケーション1100は、人体(例えば、人体の胴体部(human torso))をグラフィカル・ユーザ・インタフェースまたはGUI1120上に表示し、ユーザは、(例えば、被服400,500の1以上の加熱素子H1~H7に関連したGUI1120上の人体の胴体部の一部を触れることによって)被服400,500の一部を加熱するために選択し、また、例えば、GUI1120上の人体の胴体部の一部をタップまたは押圧し続け、GUI1120上の胴体部のタッチされた部分に関連付けられた1以上の加熱または冷却素子H1~H7の加熱またはパワーレベルを、加熱またはパワーレベルの設定オプション内を循環させることで、それに対する加熱レベル(例えば、高,中,低;加温(warm),保温(cozy),緩和(soothing))を選択することができる。ユーザは、任意に、加熱素子H1~H7のうちの1つに対応するユーザ・インタフェース1200上のアイコンを押すまたはタッチして、加熱素子H1~H7の動作レベルを変更することができる。一実施の形態では、加熱素子H1~H7の加熱レベルは、様々なプリセットのパワー/加熱レベル(例えば、高,中,低;加温,保温,緩和)の間で変化させることができる。ユーザによる選択は、(回路450,550内の無線レシーバまたはトランシーバ(transceiver)を介して)被服400,500内の回路450,550に無線で送信される。したがって、ユーザは、被服400,500の異なる部分に対して異なる加熱レベルを設定するためにアプリケーション1100を使用し、専用の(personalized)環境制御の提供を受けることができる。アプリケーション1100は、ユーザの習慣(例えば、トレーニングの時間)を学習し、身体活動のためにユーザが被服を着用する前に被服を予熱するために被服400,500内の回路450,550に命令を送ることができる。ユーザは、任意に、アプリケーション1100を介してカスタム・ワークアウト・スケジュール(custom workout schedule)を追加することもでき、アプリケーション1100は、ユーザが被服400,500を装着する前に被服400,500を自動的に予熱させるように、被服400,500に(回路450,550を介して)命令を通信することができる。
【0071】
他の実施の形態において、加熱素子H1~H7は、(例えば、加熱素子H1~H7の一部を擦るような)ジェスチャー、及び、各加熱素子H1~H7に関連付けられた被服内の容量性タッチセンサ(capacitive touch sensors)または加速度センサ(accelerometer)を介して制御可能であってもよい。容量性タッチセンサまたは加速度センサは、ジェスチャーを感知し、(例えば、加熱素子H1~H7をオンにする、オフにする、温度調整をする、のように)加熱素子H1~H7を動作させるために回路450,550に信号を通信することができる。別の実施の態様では、加熱素子H1~H7は、音声制御、または無線通信機能を有する任意のウェアラブル電子デバイス(例えば、Apple(登録商標)ウォッチ)を介して制御することができる。別の実施の形態では、回路450,550は、(例えば、スマートフォン1000内の)気象アプリと無線で通信し、予測された周囲温度に基づいて加熱素子H1~H7を自動的に制御することができる。
【0072】
スマートフォン1000上のアプリケーション1100を介して加熱素子H1~H7の制御を可能にするため、任意に、被服400,500,700または履物900のボタンを使用して、スマートフォン1000とペアリングしてもよい。
【0073】
図36を参照すると、被服400,500,700は、1以上(例えば、複数)のセンサS1,S2,S3・・・Snを有することができる。センサは、(ユーザの体温、周囲温度を感知する)温度センサ、湿度センサ、心拍センサ、酸素レベルセンサ等を含むことができる。センサS1,S2,S3・・・Snは、そのようなパラメータを連続的に監視し、回路450,550と通信することができ、回路450,550は、感知された情報に基づいて(例えば、感知された体温に基づいて、感知された周囲温度または湿度などに基づいて、例えば、加熱素子H1~H7によって被服の各位置で適用される加熱を自動キャリブレーションするために)、加熱素子H1~H7の動作を制御することができる。例えば、センサS1,S2,S3・・・Snは、所望の温度に達したことを検知し、加熱素子H1~H7の1以上を自動的にオフにすることができる。被服400,500は、(本明細書でさらに詳述する温度センサによって感知される)周囲温度及びユーザが選択した快適性レベルに基づいて、加熱素子H1~H7によって加熱レベルの動的調整を提供することができる。
【0074】
上述の被服400,500,700,アクセサリ600または履物900は、抵抗加熱素子であり得る加熱素子H1~H7を含んでいるが、代わりに、加熱または冷却素子(例えば、ペルチェ素子または熱電モジュール(thermoelectric module)を有する関連付けられた被服または履物の位置のユーザの身体の領域を加熱または冷却することができる熱電素子(thermoelectric elements)またはペルチェ素子(Peltier elements))を含んでもよい。
【0075】
図37は、アクティブ温度制御を備えた被服400,500,700,アクセサリ600または履物900内の電子部品を示す概略ブロック図である。図示した実施の形態では、回路EM(例えば、回路450,550)は、1以上のセンサS1~Sn(例えば、温度センサ、湿度センサ、心拍センサ、酸素レベルセンサ)から感知情報を受信することができる。電力レシーバPR(例えば、(1以上の)電力レシーバPR430,530,660A,660B,660C,960)は、電源(例えば、ハンガー100,100’,100’’,ロッド300,300A,300B,300C,300D,300E,300’,フック300F,300G,スタンド300Hまたは下駄箱)から回路EMに電力を伝送するために、回路EMと通信することができる(例えば、電気的に接続されている)。回路EMは、1以上の加熱または冷却素子HC(例えば、加熱素子H1~H7)から情報を受信し、及び/または、(加熱素子がペルチェ素子の場合)加熱モード及び/または冷却モード中の加熱または冷却素子H1~H7のそれぞれを動作させる、オフにする、オンにする、出力を変動させる等のために、1以上の加熱または冷却素子H1~H7に情報を送信してもよく、また、任意に、バッテリを充電する、または、1以上の加熱または冷却素子H1~H7にバッテリによって給電されている電力を管理するため、1以上の電力貯蔵デバイスPS(バッテリ440,540,640)に情報を送信してもよい。
【0076】
任意に、回路EMは、無線通信システム(例えば、WiFiまたはBluetooth(登録商標)BT)またはセル無線(cell radio)を介して、電子デバイスED(例えば、モバイル電話、スマートフォン、PDA、タブレット・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、電子ウォッチ、デスクトップ・コンピュータ、リモート・サーバ等のモバイル電子デバイス)、若しくは、クラウド(cloud)CL(例えば、クラウドベースのデータ・ストレージ・システム)と、通信するために(例えば、情報(例えば、感知した温度、湿度、心拍数、酸素レベル)を送信するために)、または、情報(例えば、ユーザによる指示)を受信するために、無線トランスミッタ、無線レシーバ、及び/または、無線トランシーバを含んでもよい。電子デバイスED(電子デバイス1000等)は、コンテナ・システム(container system)の動作に関連する情報を表示することができ、また、ユーザから情報(例えば、命令)を受信し、情報を被服400,500,700,アクセサリ(手袋)600または履物900に通信することができるユーザ・インタフェースUI2(グラフィカル・ユーザ・インタフェースまたはGUI1100など)を有することができる。
【0077】
任意に、回路EMは、ユーザ・パフォーマンスを評価するのに使用できる記録を(例えば、運動の合間の、マラソンまたはトライアスロン等のトレーニング中の)ユーザに提供するために、遠隔位置(例えば、クラウドベースのデータ・ストレージ・システム、リモート・コンピュータ、リモート・サーバ、スマートフォンまたはタブレット・コンピュータまたはラップトップまたはデスクトップ・コンピュータなどのモバイル電子デバイス)、及び/または、被服400,500,700,アクセサリ600または履物900を着用している個人に対して情報(例えば、温度履歴、心拍数履歴、酸素レベル履歴など)を(例えば無線にて)通信してもよい。
〔追加の実施の形態〕
本発明の実施の形態では、アクティブ温度制御を備えた被服または履物、またはアクティブ温度制御を備えた被服のためのハンガー・アセンブリは、以下の条項のいずれかに従うことができる
第1項:
アクティブ温度制御を備えた被服であって、
1以上の加熱または冷却素子と、
1以上のバッテリと、
1以上の電力レシーバと、
回路と、を備えており、
前記回路は、前記1以上の加熱または冷却素子と関連付けられた前記被服の1以上の部分を加熱または冷却するために、前記1以上の加熱または冷却素子に対する電力の伝送を制御するように構成されていることを特徴とするアクティブ温度制御を備えた被服。
【0078】
第2項:
前記被服が、シャツまたはジャケットである第1項に記載の被服。
【0079】
第3項:
前記1以上の加熱または冷却素子は、前記被服の布地に織り込まれているか、または、二層の布地の間に配置されている第1項または第2項に記載の被服。
【0080】
第4項:
前記1以上のバッテリは、取り外し可能であり、前記被服は前記1以上のバッテリを取り外した状態で洗濯が可能になっている第1項乃至第3項のいずれか1項に記載の被服。
【0081】
第5項:
前記1以上のバッテリは、相変化材料内に封入されており、前記被服を洗濯及び乾燥させている間、前記1以上のバッテリを前記被服内に取りつけたままにすることが可能になっている第1項乃至第4項のいずれか1項に記載の被服。
【0082】
第6項:
前記1以上の電力レシーバのうち少なくとも1つは、誘導を介して受電するように構成された誘導コイルである第1項乃至第5項のいずれか1項に記載の被服。
【0083】
第7項:
前記1以上の電力レシーバのうち少なくとも1つは、ガルバニック接続を介して受電するように構成された電気接点である第1項乃至第5項のいずれか1項に記載の被服。
【0084】
第8項:
前記被服は、シャツまたはジャケットであり、
前記1以上の加熱または冷却素子は、前記被服の左袖及び右袖内の1以上の加熱素子、前記被服の上胸部及び腹部の一方または両方内の1以上の加熱素子、または、前記被服の上背部及び下背部の一方または両方内の1以上の加熱素子を含み、
前記1以上の加熱素子のそれぞれの動作は、前記回路によって独立して制御可能である第1項乃至第7項のいずれか1項に記載の被服。
【0085】
第9項:
前記1以上の電力レシーバは、ハンガー、フック、スタンド、引出し、または、電力マット内の1以上の電力トランスミッタから受電し、
前記1以上の電力レシーバは、前記1以上の電力トランスミッタと概ね並んで配置されているか、または、前記1以上の電力トランスミッタとケーブルを介して接続されている第1項乃至第8項のいずれか1項に記載の被服。
【0086】
第10項:
前記被服は、シャツまたはジャケットであり、
前記1以上の電力レシーバは、前記被服の肩部に配置されており、
前記1以上の電力レシーバは、ハンガー、フックまたはスタンド上の1以上の電力トランスミッタと概ね並ぶように構成されており、これらを介して前記被服に電力が伝送される第1項乃至第9項のいずれか1項に記載の被服。
【0087】
第11項:
前記回路は、リモート電子デバイスと無線通信するように構成されており、
前記回路は、前記回路が前記リモート電子デバイスから無線により受信する前記リモート電子デバイスを用いたユーザによる入力に少なくとも部分的に基づいて前記1以上の加熱または冷却素子の動作を制御するように構成されている第1項乃至第10項のいずれか1項に記載の被服。
【0088】
第12項:
前記被服から、アクティブ温度制御を備えた1以上の追加の被服品またはアクセサリ品に送電する1以上の電力トランスミッタをさらに備えている第1項乃至第11項のいずれか1項に記載の被服。
【0089】
第13項:
前記被服は、シャツ若しくはジャケット、パンツ及び靴のうち1つであり、
前記1以上の追加の被服品は、シャツ若しくはジャケット、パンツ及び靴のうちの他のものであり、
前記1以上のアクセサリ品は、手袋または靴下であり、
前記シャツ若しくはジャケット、パンツ、靴、手袋及び靴下のそれぞれが、前記回路によって動作可能な、前記1以上の加熱または冷却素子に関連付けられた面を加熱または冷却するための前記1以上の加熱または冷却素子を有している第12項に記載の被服。
【0090】
第14項:
前記被服の1以上の部分に配置され、温度、湿度、酸素レベル及び心拍数から選択された1以上のパラメータを測定するように構成された1以上のセンサをさらに備えており、
前記1以上のセンサは、測定したパラメータ情報を前記回路に送信するように構成されており、
前記回路は、前記測定したパラメータ情報に基づいて、前記1以上の加熱または冷却素子の動作を制御するように構成されている第1項乃至第13項のいずれか1項に記載の被服。
【0091】
第15項:
アクティブ温度制御を備えた被服と共に使用するハンガー・アセンブリであって、
1以上の電力レシーバと、
ハンガー本体部内の1以上の電力トランスミッタと、
前記ハンガー本体部内の回路とを備えており、
前記回路は、前記被服が前記ハンガー・アセンブリに掛けられると、前記1以上の電力トランスミッタと通信し、前記ハンガー・アセンブリ内の前記1以上の電力トランスミッタから前記アクティブ温度制御を備えた前記被服内の前記1以上の電力レシーバへの電力の伝送を制御するように構成されていることを特徴とするハンガー・アセンブリ。
【0092】
第16項:
前記1以上の電力レシーバは、前記ハンガー本体部に取り付けられたフック内の1以上の電気接点である第15項に記載のハンガー・アセンブリ。
【0093】
第17項:
前記1以上の電力レシーバは、壁電源に接続するように構成された電気コード及び電気プラグである第15項に記載のハンガー・アセンブリ。
【0094】
第18項:
前記ハンガー本体部は、スタンド上に配置される第15項乃至第17項のいずれか1項に記載のハンガー・アセンブリ。
【0095】
第19項:
前記1以上の電力トランスミッタは、前記ハンガー本体部の肩部内にある第15項乃至第18項のいずれか1項に記載のハンガー・アセンブリ。
【0096】
第20項:
1以上の電力レシーバ、1以上の電力トランスミッタ及び回路と通信する1以上のバッテリをさらに備え、
前記1以上のバッテリは、充電のために前記電力レシーバから受電する、及び、前記電力トランスミッタに送電して前記ハンガー本体部に吊り下げられたアクティブ温度制御を備えた被服に送電する、一方または双方を行うように構成されている第15項乃至第19項のいずれか1項に記載のハンガー・アセンブリ。
【0097】
第21項:
壁面コンセントに接続可能な電力線、及び、電気プラグを有するクローゼット・ロッド、壁に取り付けられたフック、または、フックを有するロッドをさらに備えており、
前記クローゼット・ロッド、前記壁に取り付けられたフック、または、前記フックを有するロッドの1以上の電気コネクタまたは電気接点に送電し、ハンガー本体部またはアクティブ温度制御を備えた被服のフックまたはコネクタによって少なくとも一部が受電され、ハンガーまたは被服に送電する第15項乃至第20項のいずれか1項に記載のハンガー・アセンブリ。
【0098】
第22項:
前記クローゼット・ロッドは、円形状、矩形状、三日月状の形状のうちの1つを有しており、少なくとも一部が中空である第21項に記載のハンガー・アセンブリ。
【0099】
以上、本発明の特定の実施形態を説明してきたが、これらの実施形態は、例としてのみ提示されており、本開示の範囲を限定することを意図していない。実際に、本明細書に記載される新規な方法及びシステムは、様々な他の形態で具現化されてもよい。例えば、バッテリ40,440,540,640の代わりに、スーパーキャパシタを使用することができる。これは、より高速に充電することができるが、エネルギー蓄積容量は少ない。さらに、本明細書で説明されるシステム及び方法における様々な省略、置換、及び、変更は、本開示の趣旨から逸脱することなく行われ得る。添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物は、本開示の範囲及び趣旨に含まれるように、このような形態または変更を包含することが意図される。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照することによってのみ定義される。
【0100】
特定の態様、実施形態、または、実施例に関連して説明される特徴、材料、特性、またはグループは、本明細書のこのセクションまたは他の箇所で説明される任意の他の態様、実施形態、または実施例と互換性が否定されない限り、それらに適用可能であると理解されるべきである。本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書、及び、図面を含む)に開示された特徴の全て、及び/または、そのように開示された任意の方法またはプロセスのステップのすべては、そのような特徴及び/またはステップの少なくともいくつかが相互に排他的である組み合わせ除き、任意の組合せで組み合わせることができる。保護は、前述の実施形態の詳細に限定されない。保護は、本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む)に開示された特徴の任意の新規な1つ、または任意の新規な組み合わせ、またはそのように開示された任意の方法またはプロセスのステップの任意の新規な1つ、または任意の新規な組み合わせに及ぶ。
【0101】
さらに、別個の実装の文脈で本開示に記載される特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて実施することもできる。反対に、単一の実施形態の文脈で説明される様々な特徴は、複数の実施形態で別々に、または、任意の適切なサブコンビネーションで実施することもできる。さらに、特徴は、特定の組み合わせで作用するものとして上述されている場合もあるが、特許請求される組み合わせからの1つ以上の特徴は、場合によっては、組み合わせから削除されてもよく、組み合わせは、サブコンビネーションのサブコンビネーションまたはバリエーションとして特許請求されてもよい。
【0102】
さらに、動作は、図面に示される、または、特定の順序で本明細書に記載されている場合があるが、そのような動作は、所望の結果を達成するために、示される特定の順序、または順次的な順序で、または、すべての動作が実行される必要はない。図示または説明されていない他の動作を、例示的な方法及びプロセスに組み込むことができる。例えば、1以上の追加の動作を、説明した動作のいずれかの前、後、同時、またはその間に実行することができる。さらに、動作は、他の実施の形態では、再配置または再順序付けされてもよい。当業者であれば、いくつかの実施形態において、図示及び/または開示されたプロセスにおいて行われる実際のステップは、図面に示されたものとは異なり得ることを理解されたい。実施形態に応じて、上述のステップのうちのいくつかを除去することができ、他のステップを追加することができる。さらに、上記で開示された特定の実施形態の特徴及び属性は、追加の実施形態を形成するために異なる方法で組み合わされてもよく、それらのすべては、本開示の範囲内にある。また、上述の実施態様における種々のシステム構成要素の分離は、すべての実施態様においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきではなく、説明される部品及びシステムは、一般に、単一の製品に一体化される、または、複数の製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。
【0103】
本開示の目的のために、特定の態様、利点、及び、新規な特徴について、本明細書に説明する。必ずしもすべてのそのような利点が、任意の特定の実施形態にしたがって達成され得るわけではない。したがって、例えば、当業者は、本開示が、本明細書で教示または示唆され得るような他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示されるような1つの利点または利点のグループを達成する方法で実施または実行され得ることを認識されたい。
【0104】
「可能」、または「できる」などの条件用語(conditional language)は、特に断りのない限り、または、使用されるような文脈内で別様に理解されない限り、一般に、特定の特徴、要素、及び/または、ステップを、特定の実施形態において含み、他の実施形態においては含まないことを伝えるように意図されている。したがって、そのような条件用語は、これら特徴、要素、及び/または、ステップが、特定の実施形態において含まれている、または、実行されるかに関わらず、一般に、特徴、要素、及び/または、ステップが、1以上の実施形態に何らかの形で必要とされること、または、1以上の実施形態が、ユーザ入力または指示の有無にかかわらず、決定するためのロジックを含むことを意味することを意図しない。
【0105】
語句「X、Y及びZのうちの少なくとも1つ」などの接合語(conjunctive language)は、特に明記されない限り、または、一般に使用される文脈で他に理解されない限り、項目、用語などがX、Y、またはZのいずれかであってもよいことを意味している。したがって、このような接合語は、特定の実施の形態が、少なくとも1つのX、少なくとも1つのY、そして、少なくとも1つのZ(at least one of X, at least one of Y, and at least one of Z)の存在を必要とすることを意味することを意図するものではない。
【0106】
本明細書で使用される用語「約」、「ほぼ」、「一般に」、及び「実質的に」などの程度を示す語は、所望の機能を実現する、または、所望の結果を得られる記載された値(value)、量(amount)、または特性(characteristic)に近い値、量、または特性を表す。例えば、用語「約」、「ほぼ」、「一般に」、及び「実質的に」は、記載された量の10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、0.01%未満の量を指し得る。他の例として、特定の実施の形態では、用語「一般的に平行」及び「実質的に平行」とは、正確な平行状態から15度、10度、5度、3度、1度、または0.1度以下で逸脱する値、量、または特徴を意味する。
【0107】
本開示の範囲は、この箇所または本明細書の他の箇所における好ましい実施形態の特定の開示によって限定されるようには意図されておらず、この箇所または本明細書の他の箇所所に提示されるように、あるいは将来提示されるように、特許請求の範囲によって定義されてもよい。特許請求の範囲の用語は、特許請求の範囲に採用された用語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書に記載された例に限定されるものではなく、出願の手続中にも広く解釈されるべきであり、これらの例は、非排他的なものとして解釈されるべきである。
【国際調査報告】