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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-20
(54)【発明の名称】発電用ソーラーアレイモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/05 20140101AFI20220513BHJP
【FI】
H01L31/04 570
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021556494
(86)(22)【出願日】2020-03-18
(85)【翻訳文提出日】2021-11-17
(86)【国際出願番号】 IL2020050320
(87)【国際公開番号】W WO2020188566
(87)【国際公開日】2020-09-24
(31)【優先権主張番号】62/819,718
(32)【優先日】2019-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/940,893
(32)【優先日】2019-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/966,028
(32)【優先日】2020-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512190295
【氏名又は名称】ソーラーワット リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファテルマッハー ボリス
(72)【発明者】
【氏名】パズ ガビ
【テーマコード(参考)】
5F151
【Fターム(参考)】
5F151BA13
5F151BA17
5F151EA19
5F151JA02
5F151JA07
(57)【要約】
太陽電池モジュールから生成される電力を最大化するとともに、遮光によって生じる電力低下を最小化するための太陽光発電モジュールであって、前記モジュールは、N列M行のマトリックスに配列された太陽電池を含む。太陽電池の少なくとも1対の隣接する行は、前記少なくとも1対の隣接する行の少なくとも2つの隣接する列にわたって延在する単一の幅広ポリマー導体ストライプによって機械的かつ電気的に相互接続されている。相互ストリングの隣接する行の各対における全ての太陽電池は、前記ポリマー導体ストライプに埋め込まれた少なくとも1つのそれぞれの細い電線導体によって直列に電気的に相互接続されている。太陽電池の各ストリングにおける少なくとも1つの太陽電池は、並列接続導電手段によって、隣接するストリングの相互の行に位置する1つまたは2つの太陽電池に並列に電気的に相互接続されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池モジュールから生成される電力を最大化するとともに、遮光によって生じる電力低下を最小化するための太陽光発電モジュールであって、
前記モジュールは、複数の共通の太陽電池(25)または太陽電池サブセル(27)を有し、前記太陽電池(25、27)は、N列M行の物理的マトリックスに配列されており、
太陽電池(25)または太陽電池サブセル(27)の少なくとも1対の隣接する行は、前記少なくとも1対の隣接する行の少なくとも2つの隣接する列にわたって延在する延性導電性配線接続技術である、単一の幅広ポリマー導体ストライプ(150)によって機械的かつ電気的に相互接続されている、
太陽光発電モジュール。
【請求項2】
太陽電池の各列において、少なくとも1対の隣接する太陽電池(25、27)は、前記ポリマー導体ストライプ(150)内に埋め込まれた少なくとも1つのそれぞれの細い電線導体(152)によって直列に電気的に相互接続されている、
請求項1に記載の太陽光発電モジュール。
【請求項3】
相互ストリングの隣接する行の各対における全ての太陽電池(25、27)は、前記ポリマー導体ストライプ(150)内に埋め込まれた少なくとも1つのそれぞれの細い電線導体(152)によって直列に電気的に相互接続されている、
請求項2に記載の太陽光発電モジュール。
【請求項4】
太陽電池の各ストリング(26)における少なくとも1つの太陽電池(25、27)は、並列接続導電手段によって、隣接するストリングの相互の行に位置する1つまたは2つの太陽電池に並列に電気的に相互接続されている、
請求項3に記載の太陽光発電モジュール。
【請求項5】
前記並列接続導電手段は、前記太陽電池の列の間に全てのストリングにわたって配置された、または、前記太陽電池(25、27)上に全てのストリングにわたって配置された、少なくとも1つの細長い共通導電線(160)であり、
前記細長い共通導電線(160)は、前記電線導体(152)に導電的に取り付けられて少なくとも部分的な導電グリッドを局所的に形成する、
請求項4に記載の太陽光発電モジュール。
【請求項6】
前記並列接続導電手段は、前記太陽電池(25、27)の列の間に全てのストリングにわたって配置された単一のまたは導電的に連鎖した横方向ポリマー導体クロスストライプ(161)内に埋め込まれた少なくとも1つの細い電線導体(162)であり、
前記横方向ポリマー導体クロスストライプ(161)は、前記電線導体(152)に導電的に取り付けられて少なくとも部分的な導電グリッドを局所的に形成する、
請求項4に記載の太陽光発電モジュール。
【請求項7】
前記並列接続導電手段は、前記少なくとも1つの行の太陽電池(25、27)の前記太陽電池(25、27)上に配置された単一または導電的に連鎖した横方向ポリマー導体クロスストライプ(155)のストライプ内に埋め込まれた少なくとも1つの細い電線導体(154)であり、
前記横方向ポリマー導体断面ストライプ(155)は、前記電線導体(152)に導電的に取り付けられて少なくとも部分的な導電グリッドを局所的に形成する、
請求項4に記載の太陽光発電モジュール。
【請求項8】
前記並列接続導電手段は、複数の短い導体を有し、
前記複数の短い導体は、各々、太陽電池(25、27)の隣接するストリング(26)の隣接する太陽電池(25、27)を機械的に相互接続し、
前記短い導体は、前記隣接する太陽電池(25、27)に並列に電気的に相互接続されている、
請求項4に記載の太陽光発電モジュール(102)。
【請求項9】
前記短い導体は、短い共通の導電線または幅広導体セグメント(600、602、604、614a、614b)である、
請求項8に記載の太陽光発電モジュール。
【請求項10】
前記短い導体は、少なくとも1つの細い電線導体(166)が埋め込まれた短い横方向ポリマー導体クロスセグメント(159)である、
請求項8に記載の太陽光発電モジュール。
【請求項11】
前記太陽電池は、共通太陽電池(25)であり、
前記並列接続導電手段は、前記複数の短い導体(159)を有し、
前記短い導体は、各々、太陽電池の隣接するストリング(26)の隣接する太陽電池(25)を機械的に相互接続し、
前記短い横方向ポリマー導体クロスセグメント(159)は、前記隣接する太陽電池(25)を並列に電気的に相互接続する、
請求項10に記載の太陽光発電モジュール(101)。
【請求項12】
前記太陽電池は、太陽電池(25、27)であり、
各列における各対の太陽電池(25、27)は、前記単一の幅広ポリマー導体ストライプ(150)の代わりに、幅狭ポリマー導体ストライプ(64、74)内に埋め込まれた前記細い電線導体(62、72)によって直列に電気的に相互接続されている、
請求項10に記載の太陽電池発電モジュール(101)。
【請求項13】
前記太陽電池は、太陽電池(25、27)であり、
各列における各対の太陽電池(25、27)は、幅広ポリマー導体ストライプ(150)内に埋め込まれた前記細い電線導体(152)によって直列に電気的に相互接続されている、
請求項10に記載の太陽光発電モジュール(102)。
【請求項14】
前記太陽電池は、太陽電池サブセル(27)であり、
各列における各対の太陽電池サブセル(27)は、前記単一の幅広ポリマー導体ストライプ(150)の代わりに、幅狭ポリマー導体ストライプ(74)内に埋め込まれた前記細い電線導体(72)によって直列に電気的に相互接続されている、
請求項8に記載の太陽発電モジュール(110)。
【請求項15】
太陽電池のストリングにおいて隣接する共通の太陽電池(25)間に形成される最小ギャップgは、共通の太陽電池モジュールポリマーストライプ配線で用いる共通のポリマー導体ストライプ(64)内に埋め込まれる電線導体(62)の厚さおよび延性によって制限され、
太陽電池のストリングにおいて前記ポリマー導体ストライプ(74、150、156)によって直列に機械的かつ電気的に相互接続された隣接する太陽電池サブセル(27)間には最小ギャップgが形成され、前記ポリマー導体ストライプセグメント(74、150、156)は、より薄い電線(72)が埋め込まれており、共通のポリマー導体ストライプセグメントよりも延性が高く、これにより、g>gとなるようにギャップgを狭くするのを容易にする、
請求項8に記載の太陽光発電モジュール。
【請求項16】
太陽電池の隣接するストリング(26)の前記隣接する太陽電池セル(25、27)間に形成されるギャップgの最小化が可能であり、前記隣接する太陽電池セルは、並列に電気的に相互接続され、ギャップgは、前記短い導体によって機械的かつ電気的にブリッジされ、前記短い導体は、以下を含む導体の群から選択される、
短いポリマー導体セグメント(159)であって、少なくとも1つの薄い電線導体(166)が埋め込まれている、短いポリマー導体セグメント(159)、
単一のポリマー導体ストライプ(156、150)であって、少なくとも1つの幅広導体セグメント(600、602、604)が埋め込まれている、単一のポリマー導体ストライプ(156、150)、
ポリマー導体セグメント(610)であって、a)太陽電池(25、27)の行の隣接するペアの太陽電池(25、27)の一対を直列に機械的かつ電気的に相互接続するように構成されたポリマー導体部分(612)と、b)前記ポリマー導体セグメント(610)の一方の所定の側から延びる、前記短い導体である、幅広導体ウイング部(614a)と、を有し、前記幅広導体ウイング部(614a)は、前記行の隣接するペアの太陽電池(25、27)の次のペアの次の隣接するポリマー導体セグメント(610)の前記ポリマー導体部分(612)に導電的に取り付けられるように構成されている、ポリマー導体セグメント(610)、
ポリマー導体セグメント(611)であって、a)太陽電池(25、27)の行の隣接するペアの太陽電池(25、27)の一対を直列に機械的かつ電気的に相互接続するように構成されたポリマー導体部分(613)と、b)前記ポリマー導体部分(613)の一方の所定の側から延在する幅広導体ウイング部(614b)と、前記幅広導体ウイング部(614b)は、前記短い導体である、c)前記ポリマー導体部分(612)の他方の側から延在する第2の受入導電性ウイング部(615)と、を有し、前記幅広導体ウイング部(614b)は、前記行の隣接するペアの太陽電池(25、27)の次のペアの次の隣接するポリマー導体セグメント(611)の前記第2の受入導電性ウイング部(615)に導電的に取り付けられるように構成されている、ポリマー導体セグメント(611)、ならびに、
単一の幅広ポリマー導体ストライプ(620)であって、前記少なくとも2つの隣接する列の間に形成されるギャップgを含む、前記少なくとも一対の隣接する行の少なくとも2つの隣接する列にわたって延在し、前記単一の幅広ポリマー導体ストライプ(620)が、a)前記行の隣接するペアの太陽電池(25、27)の各対を直列に機械的かつ電気的に相互接続するように構成されたポリマー導体セグメント(150)と、b)幅広導体ウイング部(624)と、を有し、前記幅広導体ウイング部(624)は、前記gをブリッジし、それによって、前記少なくとも2つの隣接する列の太陽電池(25、27)の各ペアを並列に電気的に接続するように構成されている、単一の幅広ポリマー導体ストライプ(620)、
請求項8に記載の太陽光発電モジュール。
【請求項17】
前記幅広導体ウイング部(614a、614b)の、前記行の隣接するペアの太陽電池(25、27)の次のペアの次の隣接するポリマー導体セグメント(610)の前記ポリマー導体部分(612)への、前記導電性のある取り付けは、溶接工程によって行われる、
請求項16に記載の太陽光発電モジュール。
【請求項18】
前記幅広導体ウイング部(614a、614b)の、前記行の隣接するペアの太陽電池(25、27)の次のペアの次の隣接するポリマー導体セグメント(611)の前記第2の受入導電性ウイング部(615)への、前記導電性のある取り付けは、溶接工程によって行われる、
請求項16に記載の太陽光発電モジュール。
【請求項19】
前記溶接工程は、溶融温度まで加熱することを含む、
請求項17または18に記載の太陽光発電モジュール。
【請求項20】
前記幅広導体(600、602、604、614a、614b)の前記導電性は、導電性金属を使用することによって、または、接着性導電接着剤によって、達成される、
請求項16~18のいずれか一項に記載の太陽光発電モジュール。
【請求項21】
前記ギャップgおよびgの間隔を置いて配置される共通太陽電池(25)のマトリックスを収容するように予め構成された共通の表面積を有する請求項15~18のいずれか一項に記載のソーラーアレイモジュールであって、
前記ソーラーアレイモジュールは、太陽電池サブセル(27)のマトリックスを収容するように再構成され、前記ソーラーアレイモジュールは、請求項5~14のいずれか一項に記載の十字交差マトリックスで電気的に相互接続された複数の太陽電池サブセル(27)をさらに有し、前記複数の太陽電池サブセル(27)の少なくとも大部分は、前記ギャップgおよびgの間隔を置いてそれぞれ配置される、
ソーラーアレイモジュール。
【請求項22】
前記太陽電池サブセル(27)は全て、矩形の形状を有し、基本的に等しい寸法を有する、
請求項21に記載のソーラーアレイモジュール。
【請求項23】
前記太陽電池サブセル(27)は、4つの角(24)を切り取って製造されたほぼ正方形の共通太陽電池から切断され、前記切断されたサブセルは、それぞれ2つの角が切り取られた、2つのエッジサブセル(27e)と、少なくとも1つの矩形の内側サブセル(27r)とを含む、
請求項21に記載のソーラーアレイモジュール。
【請求項24】
前記切断された太陽電池サブセルは、少なくとも1つの矩形の内側サブセル(27r)をさらに含む、
請求項23に記載のソーラーアレイモジュール。
【請求項25】
前記切断された太陽電池サブセル(27e、27r)は、太陽電池サブセル(27)のグループに分類され、各グループは、基本的に等しい寸法を有する、
請求項24に記載のソーラーアレイモジュール。
【請求項26】
前記収容されたマトリックスの太陽電池サブセル(27)は、基本的に等しい寸法を有する、
請求項25に記載のソーラーアレイモジュール(500、502)。
【請求項27】
前記収容されたマトリックスの太陽電池サブセル(27)は、寸法が混在している、
請求項25に記載のソーラーアレイモジュール(504)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年3月18日出願の米国仮出願第62/819,718号、2019年11月27日出願の米国仮出願第62/940,893号、および2020年1月27日出願の米国仮出願第62/966,028号に基づく米国特許法第119条(e)に基づく利益を主張し、これらの米国仮出願の開示内容は、参照により本明細書に含まれている。
【0002】
本発明は、発電用ソーラーアレイモジュールに関し、より詳細には、ソーラーモジュールからの発電を最大化するのを容易にしたソーラーアレイモジュールであって、遮光によって生じる電力低下を最小化することによって、ポリマー導体技術のような、ポリマー導体技術を用いてマトリックス構成で相互接続された、複数の太陽電池からの発電を最大化するように構成されたソーラーアレイモジュールに関する。
【背景技術】
【0003】
光電池(photovoltaic cell)(以下、「PV電池」、「PV太陽電池」、「太陽電池(solar cell)」、または単に「電池(cell)」ともいう)は、便利な電気を発生させるためにさまざまな用途で広く使用されている。一般的に、単一の太陽電池は、約0.5Vの出力電圧を生成し、複数の電池は、電圧レベルを高くするために通常直列に接続されている。太陽電池は、2011年1月23日出願の特許文献1、ならびに、本出願と同じ発明者による、共同所有の特許文献2に記載されているように、一般的にソーラーアレイ内で相互接続されている。特許文献2は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0004】
多数の個々の光起電力(PV)太陽電池が互いに電気的に接続されて、共通ソーラーアレイモジュールを形成する。共通ソーラーアレイモジュールの太陽電池は、直列に電気的に相互接続され、ここで、正極(一般に、限定なしに、太陽電池の裏面)は、隣接するセルの太陽電池の負極(一般に、限定なしに、太陽電池の上面)に接続されている。
【0005】
ソーラーアレイモジュールの太陽電池は、一般に、N列M行のマトリックスに配置されている。個々の電池のセル電圧は、約0.5ボルトであるため、60個の太陽電池が6×10マトリックスに配列された共通ソーラーアレイモジュールは、30ボルトの電圧を生じ、約1.6m(約1m×約1.6m)の表面積を有する。
【0006】
上記の記載は一般的なPVモジュールについて説明しているが、上記したモジュールにおける以外の相互接続の態様および太陽電池の個数を使用することができることを理解されたい。また、十字交差(crisscross)ネットワーク構成を有するソーラーアレイモジュールにおいて、全ての太陽電池は、並列に電気的に相互接続され、ここで、各ソーラーアレイモジュールは、多数の太陽電池または切断された太陽電池サブセルを含む。
【0007】
太陽電池25の十字交差ネットワーク構成を含む、ソーラーアレイモジュール30の一例を概略的に示す、図1にも言及する。この例において、ソーラーアレイモジュール30は、m(この例では8)列(「ストリング26」c-c)およびn(この例では6)行(r-r)に配置された、48個の太陽電池25を含み、ここで、各ストリング26は、n個の太陽電池25を含み、並列相互接続によって接続され、十字交差構成を形成している。
【0008】
「十字交差(crisscross)」実装は、特許文献1(PCT公開出願第WO/2011/089607号)に掲載された、同じ発明者による以前述べた発明に関連し、これは、まるで本明細書に完全に記載されているかのように参照により本明細書に組み込まれている。「十字交差」実装は、電池間の電気的相互接続が、全ての隣接する電池を相互接続する規則的なグリッドパターンに従って決定される、電気配線構成である。対照的に、本発明は、規則的なグリッドパターンに従って必ずしも決定されない電気的相互接続に関する。
【0009】
太陽電池の十字交差構成を有するソーラーアレイモジュールは、一般的な15.6cm×15.6cmのPV太陽電池、または、例えば、限定なしに、1/3の大きさしかないPV太陽電池(切断されたまたは加工された太陽電池サブセル)15.6cm×5.2cmのPV太陽電池で構成することができる。PV電池によって生成される電流はPV太陽電池の活性領域に正比例するため、PV太陽電池の大きさが小さくなるほど、電流が大きく減少し、したがって、電力損失が大きく減少することを理解されたい。
【0010】
太陽電池サブセル27の十字交差構成を含む、従来技術の太陽電池アレイモジュール32の一例を概略的に示す、図2にも言及する。この例において、ソーラーアレイモジュール32は、ソーラーアレイモジュール30と同様に8列(「ストリング26」c-c)、および6行(r11-r23)に配置された、48個(図示のように、限定なしに)の太陽電池サブセル27を含み、ここで、各列は、6個の太陽電池サブセル27を含み、並列相互接続によって接続され、十字交差構成を形成している。しかし、太陽電池サブセル27は、一般的な太陽電池25よりもかなり小さい。この非限定的な例において、太陽電池サブセル27の大きさは、約15.6cm×15.6cmである一般的な大きさの太陽電池25と比較して、約15.6cm×5.2cmである。したがって、3つの太陽電池サブセル27のサブストリング28を形成することによって、組み合わさったサブストリング28は同じ光露出可能面積を有し、サブストリング28の電圧は3倍になる一方で、電流は1/3になる。図2に示す例において、48個の太陽電池サブセル27は、生成される電力の点で、2行分の太陽電池25と等価である。したがって、ソーラーアレイモジュール30によって生成される電力と同じ電力を生成するためには、m(この例では8)列および3n(この例では18)行に配置された、144個の太陽電池サブセル27が必要とされる。
【0011】
太陽電池サブセルのみから成るソーラーアレイモジュールにおける電流は、1つ以上の共通の太陽電池を有するソーラーアレイモジュールにおける電流よりもかなり小さい。共通の(PV)太陽電池または太陽電池サブセルの直列接続は、箔ベースの配線技術、例えば、限定なしに、図3aおよび図3bに示すように、MEYER BURGER AG[CH]による「SmartWire Connection technology」(「SWCT」、「SWCT技術」)に基づく箔であって、特許文献3およびT.Soderstromaらによる「SmartWire Connection technology」にも記載されているものを用いて行うことができる。このような技術(以下、「ポリマー系導体」技術または単に「ポリマー導体」技術という)において、それぞれの共通太陽電池25は、片面または両面に箔50のラミネート加工を施してあり、ここで、箔50は、15~38本の細い電線52を含み、この細い電線は、各々、大幅に減少した電流を流す。また、比較的細い電線52は、一般的な太陽電池モジュールにおける一般的なPV電池で使用される配線に対して、延性も一般的なセル配線よりも高く、配線全体のコストを低減する。
【0012】
電線は、低融点合金(一般的にはインジウム50%で厚さ3~5μmの合金層)で被覆された丸いCu系電線である。電線52は、金属化セルに直接塗布されるポリマー箔50に埋め込まれ、その後、スタックは、一緒にラミネートされる。電線52は、電池の金属部(metallization)にボンディングされ、金属(例えば、Cu、Ag、Al、Ni、およびこれらの合金)に電気接点を提供する。電線52の数およびその厚さは、ほとんどいかなるセルメタライゼーション設計またはセル電力クラスにも適合するようにカスタマイズすることができる。複数の電線52をボンディングすることによって、電線の数を特定のセル設計に適合させることができるため、オーム損失および/またはフィンガの厚さを制限することができることに留意されたい。また、セル表面(表側と裏側の両面)に一般的に使用されるバスバーは必要とされないことに留意されたい。また、ボンディングは、一般的には、ポリマー系導体を125℃(または、その他のあらかじめ設計された温度)に加熱し、それによって電線を太陽電池の金属化部に溶接することによって行われることに留意されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】PCT公開出願第WO/2011/089607号
【特許文献2】PCT公開出願第WO/2018/142398号
【特許文献3】欧州特許出願第3165361号
【発明の概要】
【0014】
本開示の主な意図は、ポリマー導体技術、または通常の単一導体配線技術、またはそれらの組み合わせを使用して十字交差構成を形成することを含むソーラーモジュール組み立て方法を提供することを含む。
【0015】
ポリマー導体技術は、薄くされた導電線を提供するため、ポリマー導体箔セグメントは、共通セル配線よりも延性が高いことを理解されたい。
【0016】
また、一連の通常の太陽電池(25)または太陽電池サブセル(27)を接続するのに使用されるポリマー導体技術は、隣接する太陽電池サブセルを互いに接近させて、一部のセルまたは各セル間に形成されるギャップを最小限に抑えることを容易にすることを理解されたい。隣接する太陽電池または太陽電池サブセルを十字交差マトリックスアレイに並列に接続することは、多数の細い電線で構成される短い横方向配線を有するポリマー系導体を用いて、または、任意選択的にポリマー系導体の短いセグメントに埋め込むことができる短い規則的な横方向電線(導体)を用いて、行うことができる。
【0017】
本開示全体を通して、本発明は、本文および関連する図面を使用して説明されることに留意されたい。式は、当業者を助ける可能性としてのみ含まれ、いかなる方法においても本発明を限定するものとみなされるべきではない。当業者は、さまざまな他の式を使用することができる。
【0018】
本発明の教示によれば、太陽電池モジュールから生成される電力を最大化するとともに、遮光によって生じる電力低下を最小化するための太陽光発電モジュールであって、前記モジュールは、複数の共通の太陽電池または太陽電池サブセル(以下、「太陽電池」という)を含み、前記太陽電池は、N列M行の物理的マトリックスに配列されている、太陽光発電モジュールが提供される。
【0019】
太陽電池の少なくとも1対の隣接する行は、前記少なくとも1対の隣接する行の少なくとも2つの隣接する列にわたって延在する、延性導電性配線接続技術である、単一の幅広ポリマー導体ストライプ(150)によって機械的かつ電気的に相互接続されている。
【0020】
太陽電池の各列において少なくとも1対の隣接する太陽電池は、前記ポリマー導体ストライプ内に埋め込まれた少なくとも1つのそれぞれの細い電線導体によって直列に電気的に相互接続されている。
【0021】
相互ストリングの隣接する行の各対における全ての太陽電池は、前記ポリマー導体ストライプ内に埋め込まれた少なくとも1つのそれぞれの細い電線導体によって直列に電気的に相互接続されている。
【0022】
太陽電池の各ストリングにおける少なくとも1つの太陽電池は、並列接続導電手段によって、隣接するストリングの相互の行に位置する1つまたは2つの太陽電池に並列に電気的に相互接続されている。
【0023】
一実施形態において、前記並列接続導電手段は、前記太陽電池の列の間に全てのストリングにわたって配置された、または、前記太陽電池上に全てのストリングにわたって配置された、少なくとも1つの細長い共通導電線であり、また、前記細長い共通導電線は、前記電線導体に導電的に取り付けられて少なくとも部分的な導電グリッドを局所的に形成する。
【0024】
他の実施態様において、前記並列接続導電手段は、前記太陽電池の列の間に全てのストリングにわたって配置された単一のまたは導電的に連鎖した横方向ポリマー導体クロスストライプ内に埋め込まれた少なくとも1つの細い電線導体であり、また、前記横方向ポリマー導体クロスストライプは、前記電線導体に導電的に取り付けられて少なくとも部分的な導電グリッドを局所的に形成する。
【0025】
さらに他の実施形態において、前記並列接続導電手段は、前記少なくとも1つの行の太陽電池の前記太陽電池上に配置された単一(または導電的に連鎖した)横方向ポリマー導体クロスストライプのストライプ内に埋め込まれた少なくとも1つの細い電線導体であり、また、前記横方向ポリマー導体断面ストライプは、前記電線導体に導電的に取り付けられて少なくとも部分的な導電グリッドを局所的に形成する。
【0026】
さらに他の実施態様において、前記並列接続導電手段は、複数の短い導体を含み、前記複数の短い導体は、各々、太陽電池の隣接するストリングの隣接する太陽電池を機械的に相互接続し、また、前記短い導体は、前記隣接する太陽電池に並列に電気的に相互接続されている。
【0027】
一実施形態において、前記短い導体は、短い共通の導電線または幅広導体セグメントである。
【0028】
他の実施形態において、前記短い導体は、少なくとも1つの細い電線導体が埋め込まれた短い横方向ポリマー導体クロスセグメントである。任意選択的に、前記太陽電池が共通太陽電池である場合、前記並列接続導電手段は、前記複数の短い導体を含み、前記短い導体は、各々、太陽電池の隣接するストリングの隣接する太陽電池を機械的に相互接続し、また、前記短い横方向ポリマー導体クロスセグメントは、前記隣接する太陽電池を並列に電気的に相互接続する。任意選択的に、前記太陽電池が共通太陽電池または太陽電池サブセルである場合、各列における各対の太陽電池は、前記単一の幅広ポリマー導体ストライプの代わりに、幅狭ポリマー導体ストライプ内に埋め込まれた前記細い電線導体によって直列に電気的に相互接続されている。さらに他の選択肢において、各列における各対の太陽電池は、幅広ポリマー導体ストライプ内に埋め込まれた前記細い電線導体によって直列に電気的に相互接続されている。
【0029】
任意選択的に、前記太陽電池が太陽電池サブセルである場合、各列における各対の太陽電池サブセルは、前記単一の幅広ポリマー導体ストライプの代わりに、幅狭ポリマー導体ストライプ内に埋め込まれた前記細い電線導体によって直列に電気的に相互接続されている。
【0030】
任意選択的に、太陽電池のストリングにおいて隣接する共通の太陽電池間に形成される最小ギャップgは、共通の太陽電池モジュールポリマーストライプ配線で用いる共通のポリマー導体ストライプ内に埋め込まれる電線導体の厚さおよび延性によって制限され、前記太陽電池が太陽電池サブセルである場合には、太陽電池サブセルのストリングにおいて隣接する太陽電池サブセル間に最小ギャップgが形成され、前記太陽電池サブセルは、前記ポリマー導体ストライプによって直列に機械的かつ電気的に相互接続されており、前記ポリマー導体ストライプセグメントは、より薄い電線が埋め込まれており、前記ストライプセグメントは共通のポリマー導体ストライプセグメントよりも延性が高いため、それは、g>gとなるようにギャップgを狭くするのを容易にする。
【0031】
太陽電池の隣接するストリングの前記隣接する太陽電池セル間に形成されるギャップgの最小化が可能であり、前記隣接する太陽電池セルは、並列に電気的に相互接続され、ギャップgは、前記短い導体によって機械的かつ電気的にブリッジされ、前記短い導体は、以下を含む導体の群から選択される、
短いポリマー導体セグメントであって、少なくとも1つの薄い電線導体が埋め込まれている、短いポリマー導体セグメント、
単一のポリマー導体ストライプ(156、150)であって、少なくとも1つの幅広導体セグメント(600、602、604)が埋め込まれている、単一のポリマー導体ストライプ(156、150)、
ポリマー導体セグメント(610)であって、
a)太陽電池の行の隣接するペアの太陽電池の一対を直列に機械的かつ電気的に相互接続するように構成されたポリマー導体部分(612)と、
b)前記ポリマー導体セグメント(610)の一方の所定の側から延びる、前記短い導体である、幅広導体ウイング部(614a)と、を含み、
前記幅広導体ウイング部(614a)は、前記行の隣接するペアの太陽電池の次のペアの次の隣接するポリマー導体セグメント(610)の前記ポリマー導体部分(612)に導電的に取り付けられるように構成されている、ポリマー導体セグメント(610)、
ポリマー導体セグメント(611)であって、
a)太陽電池の行の隣接するペアの太陽電池の一対を直列に機械的かつ電気的に相互接続するように構成されたポリマー導体部分(613)と、
b)前記ポリマー導体部分(613)の一方の所定の側から延在する幅広導体ウイング部(614b)と、前記幅広導体ウイング部(614b)は、前記短い導体である、
c)前記ポリマー導体部分(612)の他方の側から延在する第2の受入導電性ウイング部(615)と、を含み、
前記幅広導体ウイング部(614b)は、前記行の隣接するペアの太陽電池の次のペアの次の隣接するポリマー導体セグメント(611)の前記第2の受入導電性ウイング部(615)に導電的に取り付けられるように構成されている、ポリマー導体セグメント(611)、ならびに、
単一の幅広ポリマー導体ストライプ(620)であって、前記少なくとも2つの隣接する列の間に形成されるギャップgを含む、前記少なくとも一対の隣接する行の少なくとも2つの隣接する列にわたって延在し、前記単一の幅広ポリマー導体ストライプ(620)が、
a)前記行の隣接するペアの太陽電池の各対を直列に機械的かつ電気的に相互接続するように構成されたポリマー導体セグメント(150)と、
b)幅広導体ウイング部(624)と、を含み、
前記幅広導体ウイング部(624)は、前記gをブリッジし、それによって、前記少なくとも2つの隣接する列の太陽電池の各ペアを並列に電気的に接続するように構成されている、単一の幅広ポリマー導体ストライプ(620)。
【0032】
任意選択的に、前記幅広導体ウイング部(614a、614b)の、前記行の隣接するペアの太陽電池の次のペアの次の隣接するポリマー導体セグメント(610)の前記ポリマー導体部分(612)への、前記導電性のある取り付けは、溶接工程によって行われる。
【0033】
任意選択的に、前記幅広導体ウイング部(614a、614b)の、前記行の隣接するペアの太陽電池の次のペアの次の隣接するポリマー導体セグメント(611)の前記第2の受入導電性ウイング部(615)への、前記導電性のある取り付けは、溶接工程によって行われる。
【0034】
前記溶接工程は、溶融温度まで加熱することを含むことができる。
【0035】
前記幅広導体(600、602、604、614a、614b)の前記導電性は、導電性金属を使用することによって、または、接着性導電接着剤によって、達成される。
【0036】
ソーラーアレイモジュールは、前記ギャップgおよびgの間隔を置いて配置される共通太陽電池(25)のマトリックスを収容するように予め構成された共通の表面積を有することができ、前記ソーラーアレイモジュールは、太陽電池サブセル(27)のマトリックスを収容するように再構成され、前記ソーラーアレイモジュールは、請求項5~13のいずれか一項に記載の十字交差マトリックスで電気的に相互接続された複数の太陽電池サブセル(27)をさらに含み、前記複数の太陽電池サブセル(27)の少なくとも大部分は、前記ギャップgおよびgの間隔を置いてそれぞれ配置される。
【0037】
任意選択的に、前記太陽電池サブセルは全て、矩形の形状を有し、基本的に等しい寸法を有する。
【0038】
任意選択的に、前記太陽電池サブセルは、4つの角を切り取って製造されたほぼ正方形の共通太陽電池から切断され、前記切断されたサブセルは、それぞれ2つの角が切り取られた、2つのエッジサブセルと、任意選択的に、少なくとも1つの矩形の内側サブセルとを含む。前記切断された太陽電池サブセルは、太陽電池サブセルのグループに分類することができ、各グループは、基本的に等しい寸法を有する。
【0039】
前記収容されたマトリックスの太陽電池サブセルは、基本的に等しい寸法を有することができ、または、混在する寸法を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
本発明は、本明細書の以下の詳細な説明および添付の図面から完全に理解される。これらは、単に例示および一例としてのみ与えられ、したがって、いかなる形でも限定しない。
【0041】
図1】(従来技術)太陽電池の十字交差構成を有するソーラーアレイモジュールの一例を示す概略図である。
図2】(従来技術)太陽電池サブセルの十字交差構成を有するソーラーアレイモジュールの一例を示す概略図である。
図3a】(従来技術)複数の薄い導電線を含む箔のラミネート加工を施した面を有するPV太陽電池の一例を示す断面図である。
図3b】(従来技術)図3aに示すように、複数の薄い導電線を間に含むポリマー導体箔のラミネート加工を施している面を有するPV太陽電池の一例を示す図である。
図4a】(従来技術)行のペアで配列された太陽電池の太陽電池のソーラーアレイの一例を示す概略図であり、ここで、一対の2つの隣接する行では、セルの例示的な各ペアが、それぞれのポリマー導体セグメントによって直列に機械的かつ電気的に相互接続されて示され、また、その他の行では、セルのペアが、ポリマー導体セグメントの単一ストライプによって機械的に相互接続され、また、単一ポリマー導体ストライプに埋め込まれた導電線は、隣接する行のセルの各ペアを直列に電気的に相互接続する。
図4b】(従来技術)ポリマー導体技術によって相互接続された一対の太陽電池を示す概略断面(BB’)図である。
図5】本発明の教示による、明確化のためだけに示された、行のペアを示し、ここで、行の各ペアにおけるセルの全てのペアは、全ての列にわたって太陽電池の全てにわたって延在する単一の幅広ポリマー導体ストライプによって機械的かつ電気的に相互接続されている。
図6a】アレイに配列された太陽電池のソーラーモジュールの一例を示す概略図であり、ここで、一対の2つの隣接する行の太陽電池のペアは、ポリマー導体セグメントの単一のストライプによって機械的に相互接続され、また、単一の幅広ストライプに埋め込まれた導電線は、2つの隣接する行それぞれの太陽電池のペアそれぞれを直列に電気的に相互接続する。
図6b】それぞれのポリマー導体セグメントによって相互接続された、太陽電池のストリングを示す概略断面(DD’)図である。
図7a】6×8の太陽電池マトリックスにおける、太陽電池の十字交差構成を含む、ソーラーアレイモジュールの一例を示す概略図であり、ここで、セルのそれぞれ2つの隣接する行は、ポリマー導体の単一の幅広ストライプによって直列に機械的に相互接続され、2つの隣接する行のそれぞれの行における隣接するセルの各ペアは、そのポリマー導体ストライプセグメントによって直列に電気的に相互接続され、また、全ての連続的に形成されたストリングは、単一の共通電線によって並列に相互接続されている。
図7b】直列に接続された太陽電池のストリングを示す概略断面(GG’)図であり、ここで、ストリングの各セルは、2つの隣接する行の全てのセルを組み込むポリマー導体セグメントの単一のショートストライプによって隣接するセルに直列に接続され、また、全てのストリングは、隣接するセルの各ペアの間に示される共通電線によって並列に相互接続されている。
図8a】6×8の太陽電池マトリックスにおける、太陽電池の十字交差構成を含む、ソーラーアレイモジュールの一例を示す概略図であり、ここで、セルのそれぞれ2つの隣接する行の隣接するセルの各ペアは、全ての列にわたって2つの隣接する行にわたって延在する、ポリマー導体のそれぞれの折り畳み単一ストライプの電線によって直列に電気的に相互接続され、また、全てのストリングは、ポリマー導体のそれぞれの細長いポリマー導体ストライプに埋め込まれた細い電線によって、または、全ての列にわたって2つの隣接する行の間に延在する共通導電線よりも細い少なくとも2つの導電線によって、並列に電気的に相互接続されている。
図8b】概略断面(HH’)図であり、ここで、ストリングの各セルは、全ての列にわたって2つの隣接する行にわたって延在するポリマー導体の折り畳み単一ストライプによって、隣接するセルに直列に接続され、また、全てのストリングは、ポリマー導体のそれぞれの折り畳み単一セグメントの上方に配置され且つ当該各折り畳み単一セグメントに電気的に相互接続された、ポリマー導体の細長いストライプに埋め込まれた細い電線によって、並列に電気的に相互接続されている。
図8c】直列に接続された太陽電池のストリングを示す概略断面図であり、ここで、ストリングの各セルは、ポリマー導体の折り畳み単一セグメントによって、隣接するセルに直列に接続され、また、多数の細い電線が内部に埋め込まれた、それぞれのポリマー導体並列接続セグメントが、隣接する行の隣接するセルの各ペアの間に示され、ポリマー導体の折り畳み単一セグメントの下方に配置され、且つ、当該折り畳み単一セグメントに電気的に相互接続されている。
図9】6×8の太陽電池マトリックスにおいて太陽電池の十字交差構成で配列された、ソーラーアレイモジュールの一例を示す概略図であり、ここで、セルのそれぞれ2つの隣接する行は、ポリマー導体セグメントの幅広単一折り畳みストライプによって直列に電気的に相互接続され、このストライプでは、電線が、直列に電気的に接続されたセルのストリングに沿って延在し、また、全てのストリングにおけるセルの各行は、太陽電池上に配置された細長いポリマー導体セグメントの単一ストライプによって並列に電気的に相互接続され、このストライプでは、埋め込まれた細い電線導体が、全ての列にわたって、2つの隣接する行にわたって延在している。
図10a】6×8の太陽電池マトリックスにおいて、太陽電池の十字交差構成を含むソーラーアレイモジュールの他の一例を示す概略図であり、複数の導電性の細い電線が内部に埋め込まれたそれぞれのポリマー導体ストライプセグメントによって直列に電気的に接続された太陽電池の各ペアの例を特徴とし、ここで、セルの各行は、太陽電池上に配置された別の単一の横方向ポリマー導体ストライプによって並列に電気的に相互接続され、このストライプでは、細い電線導体が、全ての列にわたって、2つの隣接する行にわたって延在し、また、両ポリマーの細い電線導体は、電気的に相互接続されている(それらの間に導電的に交差するグリッド電線導体を形成する)。
図10b】6×8の太陽電池マトリックスにおいて、太陽電池の十字交差構成を含むソーラーアレイモジュールの他の一例を示す概略図であり、複数の導電性の細い電線が内部に埋め込まれたそれぞれのポリマー導体ストライプセグメントによって直列に電気的に接続された太陽電池の各ペアの例を特徴とし、ここで、セルの各行の太陽電池は、別の単一の横方向ポリマー導体ストライプによって並列に電気的に相互接続され、このストライプでは、細い電線導体が、全ての列にわたって、2つの隣接する行にわたって延在し、また、両ポリマーの細い電線導体は、電気的に相互接続されている(それらの間に導電的に交差するグリッド電線導体を形成する)。
図11】6×8の太陽電池マトリックスにおいて、太陽電池の十字交差構成を含むソーラーアレイモジュールの他の一例を示す概略図であり、複数の導電性の細い電線が内部に埋め込まれたそれぞれのポリマー導体ストライプセグメントによって直列に電気的に接続された太陽電池の各ペアの例を特徴とし、ここで、短いポリマー導体セグメントが、それぞれの隣接するセル(の一部または各々)を電気的に接続して、必要とされる並列電気接続を容易にする。
図12】6×8の太陽電池マトリックスにおいて、太陽電池または太陽電池サブセルの十字交差構成を含むソーラーアレイモジュールの他の一例を示す概略図であり、セルの全ての列における隣接するセルの各ペアを機械的に相互接続するポリマー導体の単一幅広ストライプによって直列に電気的に相互接続された太陽電池の各ペアの例を特徴とし、そのストライプでは、導電線が、セルまたはサブセルの各ペアを直列に電気的に接続し、ここで、それぞれの短いポリマー導体セグメントが、各行における隣接するセル(の一部または各々)の間を並列に電気的に接続する。
図13】6×24の太陽電池または太陽電池サブセルマトリックスにおいて、太陽電池または太陽電池サブセルの十字交差構成を含む、限定されないソーラーアレイモジュールの他の一例を示す概略図であり、少なくとも1つの導電性の細い電線が内部に埋め込まれたポリマー導体セグメントによって直列に電気的に接続された隣接する行における複数の各ペアの太陽電池または太陽電池サブセルの例を特徴とし、ここで、それぞれの短いポリマー導体セグメントが、各行における隣接するセル(の一部または各々)の間を並列に電気的に接続する。
図14図14aは、太陽電池の一対のストリング(またはその一部)を示す、ソーラーアレイマトリックスの部分の他の一例を示す概略図であり、ここで、太陽電池の各ストリングは、ポリマー導体のセグメントによって電気的に相互接続された太陽電池のペアから成り、また、一部のまたは各太陽電池も、個々の短いポリマー導体セグメントによって、その隣接する太陽電池と並列に電気的に相互接続されている。 図14bおよび図14cは、太陽電池のストリングにおいて直列に相互接続された太陽電池のペアを示す概略断面(それぞれLL’およびMM’)図であり、ここで、太陽電池の行における一部のまたは各太陽電池は、ポリマー導体セグメントの短いストライプによって、隣接する行におけるそれぞれの隣接する太陽電池に並列に相互接続されている。
図15a】2対の太陽電池を示す図であり、ここで、太陽電池の各対は、図4aに示すように、1対の隣接する行のセルからのセルを含み、セルの例示的な各ペアは、それぞれのポリマー電体セグメントによって直列に機械的かつ電気的に相互接続され、また、2対のセル間に形成されるギャップは、gである。
図15b】2対の太陽電池を示す図であり、ここで、太陽電池の各対は、図4aに行rおよびrに示すように、1対の隣接する行のサブセルからのセルを含み、サブセルの例示的な各ペアは、それぞれのポリマー導体セグメントによって直列に機械的かつ電気的に相互接続され、また、2つのセル間に形成されるギャップは、gに最小化される。
図15c】2対の太陽電池を示す図であり、ここで、太陽電池の各対は、1対の隣接する行からのセルを含み、前記2対のセルは、ポリマー導体の単一の幅広ストライプによって機械的に相互接続され、その単一ポリマー導体ストライプに埋め込まれた導電性の細い電線は、前記2対のセルのそれぞれを直列に電気的に相互接続し、また、2つのセル間に形成されるギャップは、gに最小化される。
図15d図15cに示す2つの太陽電池を示す図であり、ここで、幅広ポリマー導体箔セグメントは、幅がw(ここで、w>g)の幅広セグメント導体をさらに含む。
図15e図15dに示す幅広ポリマー導体の、太陽電池のペア間の例示的な並列相互接続部への任意選択的分割を示す図である。
図15f図15dに示す幅広ポリマー導体の、太陽電池のペア間の例示的な並列相互接続部への任意選択的分割を示す図である。
図16a図15d~15fに示すように、太陽電池のペアの2つの行を示す図であり、ここで、ポリマー導体セグメントは、本開示のいくつかの態様による、幅広ウイング導体をさらに含む。
図16b】溶接工程後の、図16aまたは(およそ)図16cのいずれかに示すように、太陽電池の行のペアを示す図であり、ここで、各行における太陽電池は、形成された溶接幅広ストライプ導体によって並列に電気的に接続されている。
図16c図16aに示す構成の変形例を示す図であり、ここで、使用したポリマー導体セグメントは、本開示のいくつかの態様による、図16aに示す構成で使用されるポリマー導体セグメントよりも幅が狭い。
図17】本開示の他のいくつかの態様による太陽電池の行のペアを示す図であり、ここで、太陽電池の各ペアの隣接する行のペアは、太陽電池の全ての列にわたって隣接するセルの各ペアを機械的かつ電気的に相互接続するポリマー導体セグメントの単一の幅広ストライプによって相互接続され、また、ポリマー導体セグメントの幅広ストライプは、太陽電池の全ての列にわたって隣接するセルの各ペアにわたって配置される場合のために、多数の幅広電線をさらに含み、また、幅広電線は、行のペアの太陽電池間の並列電気接続を容易にする。
図18図18aは、4つの角が切り取られた略正方形の形状を有し、且つ、大きさが約15.6cm×15.6cmである、通常サイズのPV太陽電池を示す図である。 図18bおよび図18cは、第1のサイズ(j)を有する2つのエッジサブセルと、第2のサイズ(k)を有する3つの内側矩形サブセルと、に分割された通常サイズのPV太陽電池を示す非限定的な例を示す図である。
図19】十字交差構成で配列された60個の内側矩形サブセルのマトリックスレイアウトを有するソーラーモジュールの非限定的な一例を示す図である。
図20】十字交差構成で配列された60個のエッジサブセルのマトリックスレイアウトを有するソーラーモジュールの非限定的な一例を示す図である。
図21】24個のエッジサブセルと36個の矩形サブセルを組み合わせて、60個の太陽電池サブセルを十字交差構成で配列したモジュールにした、非限定的な一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、添付図面を参照して本発明をより完全に説明する。しかし、本発明は、多くの異なる形態で実施することができ、本明細書に記載された実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が詳細かつ完全になり、本発明の範囲を当業者に完全に伝えるように、提供される。
【0043】
別段の定義がない限り、本明細書で用いる全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に提供される方法および実施例は、単に例示にすぎず、限定することを意図しない。
【0044】
本明細書では、説明は太陽電池に言及し、一般的な太陽電池または太陽電池サブセルのいずれかに言及することに留意されたい。
【0045】
ここで、図面を参照する。図4aは、各行に8個の太陽電池を有する、太陽電池(25、27)の従来技術に係る行ペア60の一例を示す概略図であり、内部に埋め込まれた複数の細い電線導体62(図4b参照)を有する幅狭延性ポリマー導体セグメント64によって直列に電気的に相互接続された、共通太陽電池25(または太陽電池サブセル27)の単一ペア(E)を有する例示的な行を特徴とする。この非限定的な例では、太陽電池(25、27)の2つの例示的な行に、行r-r図4a参照)という標識が付され、また、この非限定的な例では、太陽電池(25、27)の複数の列またはストリング26に、列c-cのストリングという標識が付されている。図4b(従来技術)は、細い電線導体62を有するポリマー導体セグメント64のセグメントによって相互接続された、太陽電池(25、27)の、一対の太陽電池(25、27)を示す概略断面(BB’)図である。細い電線導体62は、ポリマー導体セグメント64の延性を容易にし、また、電線の遮光を最小化することを理解されたい。また、幅狭ポリマー導体ストライプ64は、隣接する行のペアごとに、1つの列(ストリング)のみにわたって連続的に延在しなければならず、これは、幅が狭いポリマー導体ストライプ64の幅を決めることを理解されたい。
【0046】
ここで、本開示の教示による、明確化のためだけに示された、一対の行FおよびFを示す図5を参照する。一対の行Fおよび一対の行Fは、各々、各それぞれの列c-cにおいて、各対の行FおよびFにおける全てのペアの電池(25、27)が、単一の幅広ポリマー導体ストライプ150によって機械的かつ電気的に相互接続されている、太陽電池(25、27)のペアを含み、ストライプ150は、全ての列(c-c)にわたって、2つの隣接する行の全ての太陽電池(25、27)にわたって延在している。幅広ポリマー導体ストライプ150は、隣接する行の各ペアの少なくとも2つの隣接する列にわたって延在すべきであり、これにより、幅狭ポリマー導体ストライプ64と比較して、幅広ポリマー導体ストライプ150の最小幅が決まることを理解されたい。一対の行Fおよび一対の行Fは、それぞれの列c-cにおいて、各ペアの電池(25、27)が、単一の幅広ポリマー導体ストライプ150に埋め込まれた少なくとも1つの導電線によって直列に電気的に相互接続されている、太陽電池(25、27)のペアを含む。
【0047】
隣接するストリングの太陽電池(25、27)を並列に接続する場合、一対の太陽電池(25、27)の一対のストリングの2つの隣接する太陽電池(25、27)の間に形成されるギャップは、gcまで最小化することができることを理解されたい。
【0048】
図6aは、n×m(図示の例では6×8)の太陽電池マトリックスを有するアレイに配列された太陽電池のソーラーモジュール100の一例を示す概略図であり、ここで、各対の隣接する行の太陽電池(25、27)は、2つの隣接する行の全ての太陽電池(25、27)にわたって延在する延性ポリマー導体の単一の幅広ストライプ150によって機械的かつ電気的に相互接続され、また、その単一の幅広ポリマー導体ストライプ150内に埋め込まれた導電線は、2つの隣接する行それぞれの各列c-cにおける太陽電池(25、27)のペアをそれぞれ直列に電気的に相互接続し、これにより、全てのストリング26gが、直列に電気的に接続される。
【0049】
図6bは、幅広ポリマー導体ストライプ150によって相互接続された、太陽電池(25、27)のストリング26gを示す概略断面(DD’)図である。図示したm列における電池25の個々のペアは、ポリマー導体箔セグメント(非限定的な例として提供される)などのポリマー導体ストライプのそれぞれ単一の幅広ストライプ150によって、直列に機械的かつ電気的に相互接続されている。
【0050】
図7aは、n×m(図示の例では6×8)の太陽電池マトリックスを形成する、十字交差構成に適したアレイに配列された太陽電池(25、27)のソーラーアレイ200の一例を示す概略図であり、ここで、太陽電池(25、27)のそれぞれ2つの隣接する行は、単一の幅広(隣接する行の各ペアの少なくとも2つの隣接する列にわたって延在する)ポリマー導体ストライプ150によって、直列に機械的かつ電気的に相互接続され、また、各ストリング26aの電池は、電池の行の間に全てのストリング26aにわたって配置された細長い単一の共通導電線160(一般的には1mmよりも厚い)によって、並列に電気的に相互接続されている。図7bは、機械的かつ電気的に直列接続された太陽電池(25、27)のストリング26aを示す概略断面(GG’)図であり、ここで、ストリング26aの各太陽電池は、ポリマー導体ストライプ150の幅広単一折り畳みセグメントによって隣接する電池(25、27)に直列に電気的に接続され、また、共通電線160は、ポリマー導体の各折り畳みセグメントの上方で、各ペアの隣接する電池(25、27)の間に示される。
【0051】
図8aは、6×8の太陽電池マトリックス300を形成する、十字交差構成に適したアレイに配列された太陽電池(25、27)のソーラーアレイ300の一例を示す概略図であり、ここで、太陽電池(25、27)のそれぞれ2つの隣接する行は、単一の幅広ポリマー導体ストライプ150によって直列に機械的かつ電気的に相互接続され、また、各ストリング26bの電池は、電池の行の間に配置され且つ全てのストリング26bにわたって延在する単一の横方向ポリマー導体クロスストライプ161(または、代替的に、多数の薄い共通導体)によって、並列に電気的に相互接続されている。2つの隣接する行の各行における隣接する電池(25、27)の各ペアは、隣接する行の各ペアの少なくとも2つの隣接する列にわたって延在するそれぞれの幅広ポリマー導体ストライプ150に埋め込まれた電線導体152によって、直列に電気的に相互接続されている。
【0052】
図8bは、2つの隣接する行にわたって、隣接する行の各ペアの少なくとも2つの隣接する列にわたって(限定なしに、全ての列にわたって延在している状態で示されている)延在するそれぞれの折り畳み単一ポリマー導体ストライプ150に埋め込まれた薄い電線導体152によって、直接に電気的に接続された太陽電池(25、27)のストリング26bを示す概略断面(HH’)図であり、ここで、電池(25、27)の各行は、別の単一の横方向ポリマー導体クロスストライプ161によって並列に相互接続され、この横方向クロスストライプ161では電線導体162が電池(25、27)の全てのストリング26bにわたって延在しており、また、横方向ストライプ161は、それぞれの折り畳み単一幅広ポリマー導体ストライプ150の上方に配置され且つ当該各導体ストライプ150に電気的に相互接続された状態で示されている。横方向ストライプ161に埋め込まれた電線導体162は、横方向ストライプ161が重畳されたポリマー導体ストライプ150に埋め込まれた電線導体152に導電的に取り付けられて、少なくとも部分的な導電グリッドを局所的に形成することを理解されたい。
【0053】
図8cは、直列に電気的に接続されてストリング26cを形成する太陽電池(25、27)のペアを示す概略断面図であり、ここで、ストリング26cの各電池は、それぞれの折り畳み単一幅広ポリマー導体ストライプ150に埋め込まれた細い電線導体152によって、隣接する行の隣接する電池に直列に接続され、また、多数の細い電線導体162が内部に埋め込まれている、それぞれのポリマー導体並列電気接続セグメント161が、各行の隣接するセル(25、27)の各ペアの間に示され、また、ポリマー導体並列接続セグメント161は、それぞれの折り畳み単一ポリマー導体ストライプ150の下方に配置され、且つ、当該それぞれの折り畳み単一ポリマー導体ストライプ150に電気的に相互接続されている。
【0054】
図9は、6×8の太陽電池マトリックス400を形成する、十字交差構成に適したアレイに配列された太陽電池(25、27)のソーラーアレイ400の一例を示す概略図であり、ここで、太陽電池(25、27)のそれぞれ2つの隣接する行は、単一の幅広ポリマー導体ストライプ150によって直列に相互接続されており、その幅広ストライプ150では、電線が、直列に電気的に接続された太陽電池(25、27)のストリング26dに沿って延在している。各行(r~r、これらの一部または各々)の全ての太陽電池(25、27)は、電池の行の電池上に配置され且つ全てのストリング26hにわたって延在するそれぞれの単一の(または導電的に連鎖した)横方向ポリマー導体ストライプ155に埋め込まれた細い電線導体154によって並列に電気的に相互接続されている。横方向ストライプ155に埋め込まれた電線導体154は、横方向ストライプ155が重畳されたポリマー導体ストライプ150に埋め込まれた電線導体152に電気的かつ導電的に取り付けられて、少なくとも部分的な導電グリッドを局所的に形成することを理解されたい。
【0055】
サブセル27のみのアレイの場合、モジュールにおける電流は、共通太陽電池25のアレイと比較して、大幅に減少することを理解されたい。これは、その業界で一般的に使用されているポリマー導体箔64と比較して、ポリマー導体箔74に埋め込まれた電線72を含む導電線の厚さの減少を容易にする。また、これは、ポリマー導体箔74全体の延性を改善することができ、電池のストリングにおける電池間に必要とされるギャップの縮小を容易にする。
【0056】
次に、6×8の太陽電池マトリックスにおいて太陽電池(25、27)の十字交差構成を含むソーラーアレイモジュール103の他の一例を概略的に示す図10aを参照する。ソーラーアレイモジュール103は、列(この例ではc-c)を含み、各列において、隣接する太陽電池(25、27)のペアが、少なくとも1つの細い電線導体(62、72)(一般的には、複数のスマート電線導体(62、72))が内部に埋め込まれたそれぞれのポリマー導体セグメント(64、74)によって直列に機械的かつ電気的に相互接続されて、太陽電池(25、27)のストリング26hを形成している。
【0057】
太陽電池(25、27)の行(r、r、r、r、r、およびr、これらの一部または各々)における電池は、それぞれの単一の(または導電性に連鎖した)横方向ポリマー導体ストライプ155に埋め込まれた細い電線導体154によって並列に電気的に相互接続され、ここで、横方向ポリマー導体ストライプ155は、電池の行の電池上に配置され、且つ、全てのストリング26hにわたって延在している。横方向ストライプ155に埋め込まれた電線導体154は、横方向ストライプ155が重畳されたポリマー導体ストライプ150に埋め込まれた電線導体152に電気的かつ導電的に取り付けられて、少なくとも部分的な導電グリッドを局所的に形成することを理解されたい。
【0058】
次に、6×8の太陽電池マトリックスにおいて太陽電池(25、27)の十字交差構成を含むソーラーアレイモジュール103の他の一例を概略的に示す図10bを参照する。ソーラーアレイモジュール103は、列(この例ではc-c)を含み、各列において、隣接する太陽電池(25、27)のペアが、少なくとも1つの細い電線導体62(一般的には、複数のスマート電線導体(62、72))が内部に埋め込まれたそれぞれのポリマー導体セグメント(64、74)によって直列に機械的かつ電気的に相互接続されて、太陽電池(25、27)のストリング26hを形成している。太陽電池(25、27)の行(r、r、r、r、r、およびr、これらの一部または各々)における電池(25、27)は、それぞれの単一の(または導線的に連鎖した)横方向ポリマー導体ストライプ155に埋め込まれた細い電線導線154によって並列に電気的に相互接続され、ここで、横方向ポリマー導体ストライプ155は、電池の行の間に配置され、且つ、全てのストリング26hにわたって延在している。横方向ストライプ155に埋め込まれた電線導体154は、横方向ストライプ155が重畳されたポリマー導体ストライプ150に埋め込まれた電線導体152に電気的かつ導電的に取り付けられて、少なくとも部分的な導電グリッドを局所的に形成することを理解されたい。また、ポリマー導体セグメント(64、74)の折曲線は、図10aなどに151として示されていることを理解されたい。
【0059】
次に、6×8の太陽電池マトリックスにおいて太陽電池(25、27)の十字交差構成を含むソーラーアレイモジュール101の他の一例を概略的に示す図11を参照する。ソーラーアレイモジュール101は、列(この例ではc-c)を含み、各列において、隣接する太陽電池(25、27)のペアが、少なくとも1つの細い電線導体(62、72)(一般的には、複数のスマート電線導体(62、72))が内部に埋め込まれたそれぞれの幅狭ポリマー導体セグメント(64、74)によって直列に機械的かつ電気的に相互接続されて、太陽電池(25、27)のストリング26eを形成している。太陽電池(25、27)の行(r、r、r、r、r、およびr)における太陽電池(25、27)(の一部または各々)は、それぞれの横方向ショートポリマー導体セグメント159に埋め込まれた電線導線166によって(または、代替的に、一般的な短い共通配線セグメントによって)、並列に電気的に相互接続されている。横方向ショートポリマー導体セグメント159に埋め込まれた電線導体166は、それぞれの横方向ショートポリマー導体セグメント159が重畳された幅狭ポリマー導体セグメント(64、74)に埋め込まれた電線導体(62、72)に導電的に取り付けられて、少なくとも部分的な導電グリッドを局所的に形成することを理解されたい。図11に示す非限定的な例では、ソーラーアレイモジュール101は、上面図に示されており、ここで、行r~rにおけるショートポリマー導体セグメント159は、太陽電池(25、27)の各ペアの上面もしくは底面に、または、電池間のそれぞれの幅狭ポリマー導体セグメント(64、74)に、導電的に接続されてもよい。幅狭ポリマー導体セグメント(64、74)の折曲線は、図11などに151として示されていることを理解されたい。
【0060】
また、6×8の太陽電池マトリックスにおいて太陽電池(25、27)の十字交差構成を含むソーラーアレイモジュール102の一例を概略的に示す図12を参照し、ここで、太陽電池(25、27)のそれぞれ2つの隣接する行は、多数の細い電線導体152が内部に埋め込まれた幅広ポリマー導体ストライプ150によって直列に機械的かつ電気的に相互接続され、また、その電線導体152は、隣接する電池(25、27)の各ペアに沿って延在しており、それによって、電池(25、27)のストリング26fを形成する。全てのペアの太陽電池(25、27)は、2つの隣接する行にわたって横方向に、全ての列にわたって延在するそれぞれの単一幅広ポリマー導体ストライプ150によって直列に接続されている。太陽電池(25、27)の行(r、r、r、r、r、およびr)における太陽電池(25、27)(の一部または各々)は、それぞれの横方向ショートポリマー導体セグメント159に埋め込まれた電線導線166によって(または、代替的に、一般的な短い共通配線セグメントによって)並列に電気的に相互接続されている。横方向ショートポリマー導体セグメント159に埋め込まれた電線導体166は、それぞれの横方向ショートポリマー導体セグメント159が重畳されたポリマー導体ストライプ150に埋め込まれた電線導体152に導電的に取り付けられて、少なくとも部分的な導電グリッドを局所的に形成することを理解されたい。図12に示す非限定的な例では、ソーラーアレイモジュール102は、上面図に示されており、ここで、行r~rにおけるショート導体セグメント159は、太陽電池(25、27)(の一部もしくは各々)の各ペアの上面もしくは底面に、または、電池間のそれぞれのポリマー導体ストライプ150に、導電的に接続されてもよい。
【0061】
また、ソーラーアレイ101の例と同様に、6×24の太陽電池サブセルマトリックスにおいて太陽電池サブセル27のアレイ構成を含むソーラーアレイモジュール110の一例を概略的に示す図13を参照する。ソーラーアレイモジュール110は、列(この例ではc-c24)を含み、各列において、隣接する太陽電池サブセル27のペアが、少なくとも1つの電線導体72(一般的には、複数の細い電線導体)が内部に埋め込まれたそれぞれの幅狭ポリマー導体セグメント74によって直列に機械的かつ電気的に相互接続されて、サブセル27のストリング29を形成している。太陽電池サブセル27の行(r、r、r、r、r、およびr)における太陽電池サブセル27は、それぞれの横方向ショートポリマー導体セグメント159に埋め込まれた電線導体166によって(または、任意選択的に、一般的な短い共通配線セグメントによって)、並列に電気的に相互接続されている。横方向ショートポリマー導体セグメント159に埋め込まれた電線導体166は、それぞれの横方向ショートポリマー導体セグメント159が重畳された幅狭ポリマー導体セグメント74に埋め込まれた電線導体72に導電的に取り付けられて、少なくとも部分的な導電グリッドを局所的に形成することを理解されたい。図13に示す非限定的な例では、ソーラーアレイモジュール110は、上面図に示されており、ここで、行r~rにおけるショートポリマー導体セグメント159は、太陽電池(25、27)の各ペアの上面または底面に導電的に接続されてもよい。
【0062】
図14aは、太陽電池サブセル27の一対のストリング26(またはその一部)を示す、ソーラーアレイマトリックスの部分の一例を概略的に示し、ここで、サブセル27の各ストリング26は、細い電線導体72が内部に埋め込まれたそれぞれの幅狭ポリマー導体セグメント74によって直列に電気的に相互接続された太陽電池サブセル27のペアから成る。また、そのような太陽電池サブセル27の各々(または一部)は、個々のショートポリマー導体セグメント159によって、その隣接する太陽電池サブセル27と並列に相互接続されている。
【0063】
サブセル27のみのアレイの場合、モジュールにおける電流は、共通太陽電池25のアレイと比較して、大幅に減少することを理解されたい。これは、その業界で一般的に使用されている、ポリマー導体箔に埋め込まれた電線を含む、導電線の厚さの減少を容易にする。また、これは、ポリマー導体箔の延性を改善することができ、電池のストリングにおける電池間に必要とされるギャップの縮小を容易にする。
【0064】
図14bおよび図14cは、細い電線導体152を有するポリマー導体ストライプ150によって直列に相互接続された太陽電池サブセル27のペアを示す概略断面(それぞれLL’およびMM’)図である。サブセルの行における各サブセル27は、それぞれのショートポリマー導体セグメント159によって(または、代替的に、短い共通導電線によって)、隣接するストリングの隣接するサブセル27に、並列に相互接続されている。ポリマー導体159のショートセグメントは、サブセル27のストリング26の各ペアの隣接するサブセル27の間に形成されるギャップgをブリッジし、ここで、g>gである。
【0065】
隣接するストリングの太陽電池(25、27)を並列に接続する場合、太陽電池(25、27)の一対のストリングの2つの隣接するサブセル27の間に形成されるギャップは、gまで最小化することができることを理解されたい。
【0066】
非限定的な例において、6×10のマトリックスに配列された60個の共通太陽電池25を有し、且つ、共通太陽電池25の構成済みマトリックスを受け取るように構成された約1.6m(約1m×約1.6m)のモジュール表面積を有する、一般的なソーラーアレイモジュールに再び言及する。各共通太陽電池25を太陽電池サブセル27に切断する(または、そのような太陽電池サブセルを製造する)ことは、共通太陽電池25のマトリックスによって占められていたのと同じモジュール表面積を適合させるという問題を引き起こす。
【0067】
一つの問題は、複数の太陽電池サブセル27の間に形成される複数のギャップであり、この形成されるギャップの数は、共通太陽電池25の間に形成されるギャップの数よりもかなり多い。
【0068】
太陽電池サブセルは、一般的なサイズのPV太陽電池に対して、大きさおよび面積サイズが小さく、そのような太陽電池サブセルは、かなり小さな電流を生成し、したがって、かなり細い導電性接続線を用いることができることを理解されたい。例えば、細線接続技術を用いる。
【0069】
また、ポリマー導体技術では細い電線導体72を提供するため、幅狭ポリマー導体セグメント74は、一般的なソーラーモジュール配線の一般的な電線よりも延性が高いことを理解されたい。これにより、一般的なソーラーモジュールにおいて共通PV電池と共に使用される配線に対して、配線全体のコストを低減する。
【0070】
さらに、小さなサイズの電池(切断されたサブセル)を有する十字交差マトリックスアレイにおいて、細い電線を使用するポリマー導体技術、および/または、細い電線の量を少なくすることは、隣接する太陽電池サブセルを互いに接近させて、それらの間に形成されるギャップを最小化することを容易にすることを理解されたい。
【0071】
図5および図6に戻って参照すると、ポリマー導体技術を用いて、太陽電池のストリングにおける隣接する共通太陽電池25の間に形成されるギャップは、共通配線を有し、隣接する太陽電池25の間に形成されるギャップをgにする。図14a、図14b、および図14cを再び参照すると、サブセルのストリング26における隣接する太陽電池サブセル27間に形成されるギャップを狭くしてgのギャップを形成することができる(ここで、「g>g」)ことが示されている。例えば、一般的なソーラーモジュールのセル間に形成されるギャップgは、約2mmであり、一方で、共通太陽電池25(15.6cm×15.6cm)を5つの同様のストライプ(15.6cm×3.1cm)に切断した場合、ギャップを例えば1mmに低減することができ、それに応じて、必要なモジュール表面積を低減することができる。
【0072】
次に、図15a~5fを参照する。図15aは、共通太陽電池25に対して図4aに示すように、太陽電池の一対の隣接する行(rおよびr)の2つの太陽電池(25、27)を示す。例示的な各ペアの太陽電池(25、27)は、それぞれの幅狭ポリマー導体セグメント64によって直列に機械的かつ電気的に相互接続され、ここで、共通太陽電池25または太陽電池サブセル27の各ペアの太陽電池(25、27)の間に形成されるギャップは、gとして示されている。図15bは、太陽電池の隣接するストリングのペアの太陽電池(25、27)の2つのペアを示し、ここで、例示的な各ペアの太陽電池は、それぞれの幅狭ポリマー導体セグメント74によって直列に機械的かつ電気的に相互接続され、また、太陽電池(25、27)のストリングの太陽電池の2つのペアの間に形成されるギャップは、gに最小化されている。
【0073】
図15cは、サブセルの一対の隣接する行の太陽電池(25、27)の2つのペアを示し、ここで、サブセルの当該2つのペアは、少なくとも当該サブセルの2つのペアを覆う単一の幅広ポリマー導体ストライプ156によって機械的かつ電気的に相互接続され、また、その単一の幅広ポリマー導体ストライプ156に埋め込まれた導電性の細い電線は、2対のサブセルのそれぞれを直列に電気的に相互接続する。また、行の各ペアにおいて、サブセルの2つのペアの間に形成されるギャップも、gに最小化され、ここで、複数の細い電線導体152が内部に埋め込まれたポリマー導体ストライプ156は、ギャップg以上を含んでサブセルの両方のペアを覆っている。
【0074】
図15dは、図15cに示すように、太陽電池サブセル27の2つのペアを示し、ここで、幅広ポリマー導体セグメント156は、幅がw(ここで、「w>g」)の幅広導体セグメント600をさらに含み、また、幅広導体セグメント600は、ギャップgを形成する両方のバンクに重なって、それによってギャップgを導電的にブリッジするように構成されている。図15eおよび図15fは、幅広導体セグメント600の、例示的な幅広導体セグメント602および604への任意選択的な分割を示す。これにより、セグメント導体600、602、および/または604は、それぞれ、各行の隣接する太陽電池(25、27)を並列に電気的に接続するのを容易にする。
【0075】
また、図15d~図15fに示すように、太陽電池(25、27)のペアの2つの行を示す図16aを参照すると、ポリマー導体セグメント610は、図15aに示すような、ポリマー導体セグメント156と類似しているポリマー導体部分612を含む。しかし、ポリマー導体セグメント610は、幅広導体セグメント600(または602または604)と類似しており且つポリマー導体部分612の片側から延びる延長ウイングである、幅広導体ウイング部614aをさらに含む。太陽電池(25、27)の隣接する行の各ペアにおける太陽電池(25、27)の最後のペア616は、図15aに示すような幅狭ポリマー導体64のままである。幅広ウイング導体は、例えば、ポリマー導体セグメント612の複数の細い電線導体62の高さと同じ高さの規則的な金属導体として予め設計されてもよく、または、ポリマー導体セグメント612の通常のセグメント溶接プロセス中に、隣接する太陽電池(25、27)のポリマーセグメント612への導電性溶接を容易にする接着性導電接着剤として予め設計されてもよい。
【0076】
太陽電池(25、27)の十字交差構成を有するソーラーアレイモジュールの製造中、幅広導体ウイング614aは、隣接する太陽電池(25、27)の各ポリマー導体部分612のバンクの上に配置され、そこに溶接される。一般的に、溶接は、それぞれのポリマー導体を予め設計された溶接温度に加熱することによって行われる。
【0077】
図16bは、溶接工程後の、本開示のいくつかの他の態様による、太陽電池(25、27)の行のペアを示す。各ペアの太陽電池(25、27)の一対の隣接する行は、隣接するサブセルの各ペアを、太陽電池(25、27)の全ての関連する行および列にわたって、機械的かつ電気的に相互接続する単一の幅広ポリマー導体ストライプ618によって相互接続されている。一実施態様において、ポリマー導体ストライプ618の埋め込み導電線62は、単一太陽電池(25、27)の各ペアを直列に電気的に接続する。幅広ポリマー導体ストライプ618は、幅広ポリマー導体ストライプ618を、隣接するサブセルの各ペアの上に、サブセルのすべての列にわたって配置する場合に、それぞれの幅広導体ウイング614が、サブセルの各行におけるそれぞれの隣接する太陽電池(25、27)の隣接する太陽電池(25、27)のポリマー導体部分612の側端領域と重なり合って、行のペアの各行における太陽電池(25、27)間の並列電気接続を容易にするように、幅広導体ウイングの多数のセグメント614aをさらに含むことができる。これにより、溶接工程の後、行におけるサブセルは、幅広の電線614aによって並列に電気的に接続され、太陽電池(25、27)の各アレイにおける全ての太陽電池(25、27)は、直列にも並列にも相互接続される、つまり、十字交差構成の状態になる。
【0078】
図16cは、図16aに示す構成の変形例であり、ここで、太陽電池(25、27)の隣接する行の各ペアにおける太陽電池(25、27)の第2のペアから始めて、ポリマー導体セグメント611は、(ポリマー導体セグメント610と比較して)ポリマー導体部分612よりも狭いポリマー導体部分613をさらに含み、また、第2の受入導電性ウイング615が、ポリマー導体部分613の他方の側から延びている。第2の受入導電性ウイング615は、2つの隣接する行の2つの隣接するセル上の、ポリマー導体部分613に配置された、太陽電池(25、27)のそれぞれの導電面の第2のバンクが、隣接する太陽電池(25、27)のポリマー導体部分613の幅広導体ウイング614bを受け入れる(619)ことを可能にする。太陽電池(25、27)の隣接する行の各ペアにおける太陽電池(25、27)の第1のペアは、図16aと同様に、ポリマー導電体部分612を受け入れる。太陽電池(25、27)の隣接する行の各ペアにおける太陽電池(25、27)の最後のペア617は、幅広導体ウイング614bを含んでいないが、太陽電池(25、27)の隣接する行の前のペアの幅広導電体ウイング614bを受容するように構成された第2の受入導電性ウイング(615)は含んでいる。
【0079】
太陽電池(25、27)の十字交差構成を有するソーラーアレイモジュールの製造中において、製造プロセスの溶接工程の前に太陽電池(25、27)のペアを整列させる場合、溶接工程において、幅広ウイング導体614b(または614a)が、太陽電池(25、27)の現在のペアの第2の受入導電性ウイング615に導電的に溶接されるように、幅広ウイング導体614bは、太陽電池(25、27)の隣接するペアの隣接する太陽電池(25、27)の露出領域615(数ミリメートル)に配置する(619)。溶接工程の後、各行における太陽電池(25、27)の行のペアは、幅広ストライプ導体618と同様に、溶接された幅広セグメント導体によって並列に電気的に接続される。
【0080】
ポリマー導体技術の生産時に、それぞれのポリマー導体を予め設計された溶接温度に加熱することによって、2つのサブセルが互いに溶接され、それによって、2つのサブセル間の電気的接続が容易になることに留意されたい。幅広ポリマー導体600、または、サブセルの2つの隣接するペアを並列接続するためのセグメント幅広ポリマー導体602、604、614a、もしくは614bの溶接工程は、一連のポリマー導体の通常の溶接工程と同時に行われることを理解されたい。
【0081】
図17は、本開示の他のいくつかの態様によるサブセル27の行のペアを示す。太陽電池27の各ペアの一対の隣接する行は、隣接するサブセル27の各ペアをサブセルの全ての関連する行および列にわたって機械的かつ電気的に相互接続する単一の幅広ポリマー導体ストライプ620によって相互接続され、このポリマー導体ストライプでは、埋め込み導電線が各サブセルの各ペアを直接に電気的に接続する。幅広ポリマー導体ストライプ620は、幅広ポリマー導体ストライプ620を、隣接するサブセルの各ペアの上に、サブセルの全ての列にわたって配置する場合に、それぞれの幅広ポリマー導体ストライプ624が、サブセルの各行における隣接するサブセル27両方と重なり合って、行のペアの各行におけるサブセル27間の並列電気接続を容易にするように、幅広導体ウイングの多数のセグメント624をさらに含む。これにより、溶接工程の後、行におけるサブセルは、幅広の電線624によって並列に電気的に接続され、サブセルのアレイにおける全てのサブセル27は、直列にも並列にも相互接続される、つまり、十字交差構成の状態になる。
【0082】
しばしば発生する別の問題は、4つの角を切り取って製造されたいくつかのタイプの太陽電池25におけるものである。図18aは、寸法がH×Wの通常サイズのPV太陽電池25を示し、ここで、一般的に、通常サイズのPV太陽電池25は、正方形の形状(H=W=S)を有する(ここで、S=15.6cm)。4つの角を切り取ったこのような通常サイズのPV太陽電池25を切断することによって、通常サイズのPV太陽電池25を、それぞれが同じ幅j=S/pを有する、または、異なる幅を有する、「p」個の小さいサブセルに分割することができる。通常サイズのPV太陽電池25の角24は切り取られてもよいため、いくつかの実施態様では、第2の幅サイズ(k)を有することができる(ここで、j≠k)。
【0083】
図18a~図18cに示す例において、通常サイズのPV太陽電池25は、5つのサブセル27、つまり、第1のサイズ(j)を有する2つのエッジサブセル27eと、第2のサイズ(k)を有する3つの内側サブセル27rとに分割される。いくつかの実施形態では、j=kであることを理解されたい。さらに、エッジサブセル27eおよび矩形の内側サブセル27rに切断するさまざまな可能性があることを理解されたい。
【0084】
さらに、太陽電池モジュール500には、切断された電池のさまざまな可能なレイアウトがあることを理解されたい。いくつかの実施態様において、ソーラーモジュールは、複数の太陽電池サブセルから組み立てられるが、同じタイプ/大きさ(上記の非限定的な例では、27eまたは27r)である。例えば、図19に示すように、組み立てたモジュールは、矩形サブセル(27r)のみから成り、これは、図20に示す、エッジサブセル(27e)のみから成るソーラーモジュール502よりも高い電力収率を提供する。
【0085】
いくつかの他の実施形態では、両方のタイプの太陽電池サブセル(27eおよび27r)が、単一の太陽電池モジュールレイアウト504にマッピングされるように組み合わされる。非限定的な例が図21に示されており、24個のエッジサブセル27eと36個の矩形サブセル27rを組み合わせて、60個の太陽電池サブセルを有するモジュールとしている。この例では、60個の太陽電池サブセルが、12個の通常サイズのPV太陽電池25から切り出されており、それぞれの通常サイズのPV太陽電池からは、2個のエッジサブセルと3個の内側サブセルが得られる。さまざまなサイズの太陽電池サブセルを組み合わせて単一のソーラーモジュールにする場合、小さい方のセル(上記の例ではエッジサブセル27e)は、総発電量を減少させることが多い、なぜなら、小さい方のセルの低い電流発生能力が、大きい方のセル(上記の例では矩形サブセル27r)によって発生する高い電流の流れを制限するからであることを理解されたい。本開示のいくつかの実施形態では、ソーラーアレイモジュール(99、100、101、102、103、110、200、300、400、500、502、504)は、所望の用途のための動作電力を提供する太陽光発電モジュールを形成するように構成される。
【0086】
本開示のいくつかの実施形態では、ソーラーアレイモジュール(99、100、101、102、103、110、200、300、400、500、502、504)は、所望の用途のための動作電力を提供する太陽光発電システムを形成するように構成される。
【0087】
以上、いくつかの実施形態および例を用いて本発明を説明してきたが、本発明は、多くの方法で変更することができることを理解されたい。このような変更は、本発明の精神および範囲からの逸脱と見なされるべきではなく、当業者に明らかであるような全てのそのような変更が意図される。
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5
図6a
図6b
図7a
図7b
図8a
図8b
図8c
図9
図10a
図10b
図11
図12
図13
図14
図15a
図15b
図15c
図15d
図15e
図15f
図16a
図16b
図16c
図17
図18
図19
図20
図21
【国際調査報告】