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特表2022-525960大きな流体的に効果的な表面を有するMEMS
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-20
(54)【発明の名称】大きな流体的に効果的な表面を有するMEMS
(51)【国際特許分類】
   B81B 3/00 20060101AFI20220513BHJP
   H04R 17/10 20060101ALI20220513BHJP
   F04B 45/047 20060101ALI20220513BHJP
   H04R 19/02 20060101ALN20220513BHJP
【FI】
B81B3/00
H04R17/10
F04B45/047 Z
H04R19/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021556711
(86)(22)【出願日】2020-03-17
(85)【翻訳文提出日】2021-11-22
(86)【国際出願番号】 EP2020057298
(87)【国際公開番号】W WO2020193288
(87)【国際公開日】2020-10-01
(31)【優先権主張番号】102019203914.6
(32)【優先日】2019-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591037214
【氏名又は名称】フラウンホッファー-ゲゼルシャフト ツァ フェルダールング デァ アンゲヴァンテン フォアシュンク エー.ファオ
(74)【代理人】
【識別番号】100079577
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 全啓
(74)【代理人】
【識別番号】100167966
【弁理士】
【氏名又は名称】扇谷 一
(72)【発明者】
【氏名】ランガ セルジュ
(72)【発明者】
【氏名】コンラート ホルガー
(72)【発明者】
【氏名】カイザー ベルト
【テーマコード(参考)】
3C081
3H077
5D004
5D021
【Fターム(参考)】
3C081AA01
3C081AA13
3C081AA17
3C081BA01
3C081BA11
3C081BA22
3C081BA25
3C081BA41
3C081BA44
3C081BA48
3C081BA53
3C081BA55
3C081BA57
3C081CA13
3C081CA32
3C081DA03
3C081DA27
3C081DA29
3C081DA30
3C081DA31
3C081EA01
3C081EA07
3C081EA21
3C081EA32
3C081EA41
3H077AA01
3H077AA12
3H077CC02
3H077CC09
3H077DD01
3H077EE01
3H077FF07
3H077FF31
5D004DD01
5D021CC04
(57)【要約】
【課題】大きなアスペクト比を持ち、製作し易いマイクロエレクトロメカニカルシステムを提供する。
【解決手段】マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)は、キャビティを含んでいる基板を含む。MEMSは、第1のビーム、および、第2のビーム、および、第1のビームと第2のビームとの間に配置され、第1のビームと第2のビームとから電気的に絶縁された離れた領域に固定される第3のビームを含んでいるキャビティの中に配置された可動層の配置を含む。可動層の配置は、第1のビームと第3のビームとの間の電位に応答して、または、第2のビームと第3のビームとの間の電位に応答して、基板平面において動きの方向に沿って、動きを実行するように構成される。第1および第2および第3のビームは、可動層の配置の第1の層の部分である。可動層の配置は、基板平面に垂直な方向に沿って第1の層に隣接して配置される第2の層を含む。第2の層は、動きの方向に沿って移動可能に配置される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビティ(16)を含んでいる基板(12)と、
第1のビーム(26a)、および、第2のビーム(26b)、および、前記第1のビーム(26a)と前記第2のビーム(26b)との間に配置され、前記第1のビーム(26a)と前記第2のビーム(26b)とから電気的に絶縁された離れた領域に固定される第3のビーム(26c)を含んでいる前記キャビティ(16)の中に配置された可動層の配置(36)と、を備え、
前記可動層の配置(36)は、前記第1のビーム(26a)と前記第3のビーム(26c)との間の電位に応答して、または、前記第2のビーム(26b)と前記第3のビーム(26c)との間の電位に応答して、基板平面において動きの方向(34)に沿って、動きを実行するように構成され、
前記第1のビーム(26a)および前記第2のビーム(26b)および前記第3のビーム(26c)は、前記可動層の配置(36)の第1の層(24;241)の部分であり、前記可動層の配置は、前記基板平面に垂直な方向(z)に沿って前記第1の層(24;241)に隣接して配置される第2の層(242;18)を含み、前記第2の層(242;18)は、前記動きの方向(34)に沿って移動可能に配置される、MEMS。
【請求項2】
前記第1のビーム(26a)および前記第2のビーム(26b)および前記第3のビーム(26c)は、静電気的、圧電気的、熱機械的な電極である、請求項1に記載のMEMS。
【請求項3】
前記第2の層(242)は、第4のビーム(26d)および第5のビーム(26e)および第6のビーム(26f)に構造化され、前記基板平面に垂直な方向(z)に沿って、前記第4のビーム(26d)は前記第1のビーム(26a)に隣接して配置され、前記第5のビーム(26e)は、前記第2のビーム(26b)に隣接して配置され、前記第6のビーム(26f)は、前記第3のビーム(26c)に隣接して配置される、請求項1に記載のMEMS。
【請求項4】
隣接する層のビームは、相互にオフセットに配置される、請求項3に記載のMEMS。
【請求項5】
前記第1のビーム(26a)と前記第4のビーム(26d)、および、前記第2のビーム(26b)と前記第5のビーム(26e)、および、前記第3のビーム(26c)と前記第6のビーム(26f)のうちの少なくとも1つのペアは、前記第1の層(241)と前記第2の層(242)との間に配置された中間層(222)を介在させて、相互に機械的に接続される、請求項3に記載のMEMS。
【請求項6】
前記第3のビーム(26c)と前記前記第6のビーム(26f)とは、前記第1の層(241)と前記第2の層(242)との間に配置された中間層(222)を介在させて、相互に機械的に接続され、一方で前記第1のビーム(26a)と前記第4のビーム(26d)との間、および、他方で前記第2のビーム(26b)と前記第5のビーム(26e)との間の前記中間層(222)は、前記第1のビーム(26a)を前記第4のビーム(26d)から離れて置くと共に、前記第2のビーム(26b)を前記第5のビーム(26e)から離れて置くために取り除かれる、請求項3に記載のMEMS。
【請求項7】
一方で前記第1のビーム(26a)と前記第4のビーム(26d)とが、および、他方で前記第2のビーム(26b)と前記第5のビーム(26e)とが、前記第1の層(241)と前記第2の層(242)との間に配置された前記中間層(222)を介在させて相互に機械的に接続され、前記第3のビーム(26c)と前記第6のビーム(26f)との間の前記中間層(222)は、前記第3のビームと前記第6のビームとの間にギャップを設けるために、取り除かれる、請求項3に記載のMEMS。
【請求項8】
前記第1の層(241)と前記第2の層(242)とは、前記中間層(222)を介在させて、前記基板(12)の領域内で相互に接続され、前記中間層(222)は、前記第1のビーム(26a)と前記第4のビーム(26d)との間の、および、前記第2のビーム(26b)と前記第5のビーム(26e)との間の、および、前記第3のビーム(26c)と前記第6のビーム(26f)との間の前記キャビティ(16)の領域において取り除かれる、請求項3に記載のMEMS。
【請求項9】
前記第1のビーム(26a)および前記第2のビーム(26b)および前記第3のビーム(26c)は、可動層の構造(36)の第1の可動素子(321)を形成し、前記第4のビーム(26d)および前記第5のビーム(26e)および前記第6のビーム(26f)は、前記可動層の構造(36)の第2の可動素子(322)を形成し、前記第1の可動素子(321)は、前記第2の可動素子(322)に対して、前記動きの方向(34)に沿って可動に配置される、請求項8に記載のMEMS。
【請求項10】
一方では前記第1のビーム(26a)と前記第3のビーム(26c)との間に、および、他方では前記第4のビーム(26d)と前記第6のビーム(26f)との間に、異なる電位を印加することができる、および/または、
一方では前記第2のビーム(26b)と前記第3のビーム(26c)との間に、および、他方では前記第5のビーム(26e)と前記第6のビーム(26f)との間に、異なる電位を印加することができる、請求項9に記載のMEMS。
【請求項11】
前記第1のビーム(26a)および前記第2のビーム(26b)および前記第3のビーム(26c)は、可動素子(32)を形成し、前記第2の層(18)は、前記キャビティ(16)内の流体と相互作用するためのレジスタ構造(48)を形成し、前記レジスタ構造は、前記可動素子(32)に機械的に接続されると共に、前記可動素子(32)と一緒に動かされる、および/または、一緒に変形される、請求項1に記載のMEMS。
【請求項12】
前記レジスタ構造(48)は、中間層(22)の手段によって前記第1の層に接続される、請求項11に記載のMEMS。
【請求項13】
前記第1の層(241)は、前記第3のビーム(26c)とは反対を向く側の面に、前記第1のビーム(26a)または前記第2のビーム(26b)に機械的に固定されるピギーバック素子(62)をさらに含み、前記レジスタ構造(48)は、前記ピギーバック素子(62)の上に少なくとも部分的に配置される、請求項11に記載のMEMS。
【請求項14】
前記ピギーバック素子(62)は、結合素子(64)を介在させて前記第1のビーム(26a)または前記第2のビーム(26b)に機械的に堅く接続され、前記結合素子(64)は、前記可動素子(32)の変形の間に最大の撓みを生じる領域の中に配置される、請求項13に記載のMEMS。
【請求項15】
前記レジスタ構造(48)は、前記動きの方向(34)に垂直で、かつ、前記可動層の配置(36)の軸の延長方向(y)に沿って前記基板平面に平行に配置された、いくつかの部分素子(48a~48j)を含む、請求項11に記載のMEMS。
【請求項16】
前記部分素子(48a~48j)は、前記軸の延長方向(y)に沿って、相互に距離(72)を持つ、請求項15に記載のMEMS。
【請求項17】
前記距離(72)は、最大100μmであり、好ましくは最大10μmであり、特に好ましくは最大1μmである、請求項16に記載のMEMS。
【請求項18】
前記部分素子(48a~48j)は、前記第1のビーム(26a)または前記第2のビーム(26b)または前記第3のビーム(26c)のいずれかに、機械的に堅く接続される、請求項15に記載のMEMS。
【請求項19】
前記部分素子(48a~48j)は、前記第1のビーム(26a)および前記第2のビーム(26b)および前記第3のビーム(26c)のうちの少なくとも2つの上に配置される、請求項15に記載のMEMS。
【請求項20】
前記動きの方向(34)に沿ったまたは反対の方向での、前記レジスタ構造(48)と前記基板(12)との間の第1の距離(581)は、前記第1のビーム(26a)と前記第3のビーム(26c)との間の第2の距離(421)より大きい、請求項11に記載のMEMS。
【請求項21】
前記第1の距離(581)は、前記第2の距離(421)よりも、少なくとも1~20倍、好ましくは3~10倍、特に好ましくは5~7倍大きい、請求項20に記載のMEMS。
【請求項22】
前記第2の層(18)の前記基板平面に垂直な層厚(56)は、前記第1の層(241)よりも、少なくとも1~20倍、好ましくは3~10倍、特に好ましくは5~7倍大きい、請求項11に記載のMEMS。
【請求項23】
前記第1の層(241)の層厚(52)と、前記第1のビーム(26a)と前記第3のビーム(26c)との間の距離(421)と、についての前記第1の層(241)のアスペクト比は、40未満である、請求項11に記載のMEMS。
【請求項24】
前記レジスタ構造(48)は、前記第1の層(241)の第1の側に配置された第1のレジスタ構造であり、さらに、前記第1の側とは反対の側に配置された、前記第1の層(241)の第2の側に配置された第2のレジスタ構造を含む、請求項11に記載のMEMS。
【請求項25】
前記レジスタ構造(48)は、前記キャビティ(16)内に配置された流体のための流体レジスタを設けている、請求項11に記載のMEMS。
【請求項26】
前記可動層の配置(36)は、第4のビーム(26d)および第5のビーム(26e)および第6のビーム(26f)に構造化される第3の層(242)を含み、前記第1のビーム(26a)および前記第2のビーム(26b)および前記第3のビーム(26c)が、前記可動層の配置(36)の第1の可動素子(321)を形成すると共に、前記第4のビーム(26d)および前記第5のビーム(26e)および前記第6のビーム(26f)が、前記可動層の配置(36)の第2の可動素子(322)を形成する、請求項11に記載のMEMS。
【請求項27】
前記第1の可動素子(321)は、前記第2の可動素子(322)に機械的に接続されるか、または、接続されない、請求項26に記載のMEMS。
【請求項28】
前記レジスタ構造(48)は第1のレジスタ構造(481)であり、前記第2の可動素子(322)に接続された第2のレジスタ構造(482)含む、請求項26に記載のMEMS。
【請求項29】
前記第1の可動素子(321)および前記第2の可動素子(322)は、前記第1のレジスタ構造(481)と前記第2のレジスタ構造(482)との間に、相互に隣接して、かつ、前記基板平面に垂直な方向(z)に沿って配置される、請求項28に記載のMEMS。
【請求項30】
前記第1のレジスタ構造(481)および前記第2のレジスタ構造(482)は、前記第1の可動素子(321)と前記第2の可動素子(322)との間に、相互に隣接して、かつ、前記基板平面に垂直な方向(z)に沿って配置される、請求項28に記載のMEMS。
【請求項31】
前記第1のレジスタ構造(481)および前記第2のレジスタ構造(482)は、互いに対して可動である、請求項30に記載のMEMS。
【請求項32】
前記可動層の構造(36)は、前記基板(12)の一方の側に固定された、曲がっているビーム構造を含む、請求項1に記載のMEMS。
【請求項33】
前記第1の層(24;241)および前記第2の層(242;18)の前記基板平面に垂直な層厚は、少なくとも50μmである、請求項1に記載のMEMS。
【請求項34】
前記基板平面に平行で、かつ、前記動きの方向(34)に垂直な方向(y)での前記可動層の配置に沿っての軸の延長は、厚さ方向に沿って前記可動層の配置の大きさに比較して、少なくとも0.5倍の大きさを持つと共に、10μm~5000μmの範囲、好ましくは100μm~2000μmの範囲、特に好ましくは400μm~1500μmの範囲の値を持つ、請求項1に記載のMEMS。
【請求項35】
前記キャビティ(16)は、少なくとも1つの開口(28)を介在させて、前記基板(12)の外部の環境(88)に流体的に接続され、前記少なくとも1つの開口(28)は、前記可動層の配置の平面内に配置される、請求項1に記載のMEMS。
【請求項36】
MEMSのポンプ、または、MEMSのスピーカー、または、MEMSのマイクロフォン、または、MEMSのテラヘルツ導波路として構成される、請求項1に記載のMEMS。
【請求項37】
前記可動層の構造を制御するように構成された制御手段(86)を含む、請求項1に記載のMEMS。
【請求項38】
前記第1のビーム(26a)および前記第2のビーム(26b)および前記第3のビーム(26c)は、第1の可動素子(321)を形成し、前記MEMSは複数の可動素子を含み、前記制御手段(86)は、前記複数の可動素子を個々に制御するように構成される、請求項37に記載のMEMS。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体と相互作用するための大きな効果的な領域を含むように構成されたマイクロエレクトロメカニカルシステム(微小電気機械システム、以下、MEMSとも記す)に関する。本発明は、特に、リア(背後)構造またはレジスタ(抵抗体)構造を、スタック(積み重ね)および/または配置するために、拡大されたトランスバーサル(横断の)表面を持つNED(ナノ範囲の静電気駆動)に関する。
【背景技術】
【0002】
NED(ナノ範囲の静電気駆動)の原理は、特許文献1において説明される。NEDは、斬新なMEMS(微小電気機械システム)のアクチュエーター原理である。技術的な観点から、2つのタイプのNEDアクチュエーターが基本的に存在する。垂直のNED(V-NED)および横のNED(L-NED)である。V-NEDにおいて、対象物の例えばシリコン(Siビーム)は、垂直に、すなわち、例えばSiディスクまたはウェハーによって定義された基板平面の外を動く。L-NEDにおいて、Siビームなどの対象物は、横に、すなわち、例えばSiディスクの平面内を動く。
【0003】
NEDギャップにおいて、状況は、電極ギャップが小さければ小さいほど、電気力はより大きく働き、従って、ビームの望ましい撓みがより大きいように説明される。これは、非常に小さいギャップ距離(例えばナノメートルの範囲で)が、たいてい常に望ましいことを意味する。
【0004】
技術的に、電極間のそのような小さい距離は、常に作製し易いわけではない。通常、シリコンにギャップを作製するとき、深いシリコンエッチング(DSi)の方法が使われる。広く使われるDSiの方法は、いわゆるボッシュ法である。ボッシュ法によって、非常に小さいギャップ距離がエッチングできるけれども、しかし、それは、アスペクト(縦横)比、すなわち溝の深さと幅との間の比率が、30よりずっと多くないときだけである。
【0005】
これは、300nmのギャップ距離が必要であるとき、ボッシュ法は、妥当な品質を伴って10μmの深さにまでエッチングするだけである、ことを意味する。多くのL-NEDの応用のために、ほんの10μmの深さは十分ではない。例えば、100μmの深さが必要であるとき、これは、溝の幅も、10倍大きく、すなわち約3μmの幅を作らなければならない、という結果を持つ。
【0006】
図11aは、L-NEDとして構成された既知のMEMS1000の模式断面図または断面を示す。MEMS1000は、BSOI(絶縁体上に接合されたシリコン)ウェハーの処理ウェハーなどの基板層1002を含む。BSOIウェハーのデバイス層は、その上にスタックされる。層1002と層1004とは、酸化物層、すなわち、BSIOウェハーの埋められた酸化物(BOX)を介在させて接続される。層1004の形成された外部電極1008aおよび1008bは、層1004の内部電極1008cが外部電極1008aと1008bとの間に配置されるように配置される。NEDギャップ10121および10122は、例えば前述のDSiの方法の手段によって得られた電極の間に配置される。外部の溝10141と10142との間には、外部電極1008aおよび10008bがそれぞれ配置される。外部の基板として残留する層1004の素材は、電極によって形成された可動のビームを定義することができ、例えばDSiによっても形成できる。L-NEDアクチュエーターの高さ1016は、例えば、好ましくは電極1008aおよび/または電極1008bおよび/または電極1008cと層1002との間のギャップを追加することによって、可動素子の拡張に関連し、例えば層1002の主要な拡張方向によって定義された基板平面に対して垂直である。
【0007】
図11bは、MEMS1000の模式平面図を示す。電極1008bと電極1008cだけでなく、電極1008aと電極1008cは、それぞれ、離れた領域に配置された絶縁体層1022を介在させて、相互に機械的に堅く接続される。可動電極1008aおよび1008bおよび1008cによって形成された可動素子は、平面内に配置された動き1024の横方向に沿って可動である。
【0008】
L-NEDアクチュエーターの横の動きは、アクチュエーターが動く媒体(例えば、空気または液体)の動きを結果として生じる。この媒体の動きは、L-NEDアクチュエーターに基づいた(マイクロ)スピーカーまたは(マイクロ)ポンプを作製するために用いられる。スピーカーのボリュームまたはポンプのパワーは、動かされるボリューム(空気または液体)のサイズに依存する。L-NEDアクチュエーターの場合、動かされるボリュームは、L-NEDアクチュエーターの撓みの量、すなわち、動き1024の方向に沿った振幅および高さ1016によって決定される。従って、L-NEDアクチュエーターが高くて大きい撓みを持つ、MEMSスピーカーおよび/またはMEMSポンプを作製することが望ましい。
【0009】
上述したように、以下の一般的な主張は、L-NEDアクチュエーターに適用される。
・L-NEDアクチュエーターのギャップが小さければ小さいほど、撓みはより大きい。
・L-NEDアクチュエーターのギャップが小さければ小さいほど、作製中(ボッシュ法)の制限されたアスペクト比に基づいたアクチュエーターの高さはより小さい。
【0010】
これは、製作工程が、ビームの小さいギャップ(大きい撓み)および大きい高さを得ることを非常に難しくする、ことを意味する。
【0011】
L-NEDに基づいたマイクロスピーカーまたはマイクロポンプの原理は、特許文献2において説明される。
【0012】
図12は、主としてMEMS1000の側断面図に対応する、そこから知られているMEMS2000の模式断面図を示す。層1002は、電極1008aおよび電極1008bおよび電極1008cが動くキャビティ1028と、MEMS2000の外部の環境との間に、ボリュームの流れを許すように、開口1026を含む。その上で、別の絶縁層10062および別の基板層1032の手段によって、例えばMEMS2000の蓋を形成するように配置される。そして、それは、例えば、開口1026が音響または流体の出口として役立つとき、キャビティ1028のために開いている入口として役立つ開口1034も含む。層1002と電極1008aおよび/または電極1008bおよび/または電極1008cとの間の距離10361、および/または、それらの電極1008a~1008cと蓋ウェハー1032との間の距離10362は、通常、(10nm~10μmの厚さのSiの熱の酸化によって決定された)約1μmの値を持つことができる。
【0013】
図12に従う主要な原理は、蓋ウェハー1032を持つ、図11aおよび図11bの文脈において説明されるようなデバイスウェハーとも呼ばれる、BSOIウェハーの上に作製されたL-NEDアクチュエーターを提供することである。デバイスウェハーと蓋ウェハーとは、ボンディング法の手段によって接合される。出口1026と入口1034は、音響信号または流体のために提供される。
【0014】
L-NEDビームは、横に動くことができ、その方法で、音響効果またはポンプ効果を生成することができる。音響効果およびポンプ効果は、L-NEDの高さとL-NEDのギャップとの間の比率が大きいとき、より効果的になり、それは大きければ大きいほどより良い。L-NEDの高さ1016とL-NEDのギャップ1012との間の比率は、約30である。この制限はSi技術の製造工程に起因している。
【0015】
その上、図12に従うL-NEDビームは、垂直のプルイン効果によって制限される(プルインとは、静電気の力などによる、L-NEDビームと蓋ウェハーまたは処理ウェハーとの間の機械的および/または電気的な接触である)。これは、電圧がL-NEDの電極1008aまたは1008bまたは1008cのうちの1つに印加され、かつ、層1002および/または1032が接地するとき、L-NEDビームを底の方にまたは上の方に引く電気的垂直力が生じる、ことを意味する。L-NEDビームと蓋ウェハー1032または処理ウェハー1002との間の距離10361および10362が、相対的に小さい(1~2μmの範囲内)ので、底の方(垂直な、z方向)へのL-NEDビームの動きが、プルイン効果を結果として生じる。以下の2つの理由のために、垂直なプルインは望ましくない。
・機械的:操作の間、L-NEDビームと蓋ウェハーまたは処理ウェハーとの間の機械的な接触が、デバイスの機械的な破壊を結果として生じる。その上、非常に高い傾向にある動きの忠実さ(入力信号と出力信号との間の予期される体系的な接続)が制限される。その結果、歪みおよび摩擦損失および非線形性が結果として生じる。
・電気的:操作の間、L-NEDビームと蓋ウェハーまたは処理ウェハーとの間の電気的な接触が、デバイスの電気的な破壊(ショート)を結果として生じる。
【0016】
特許文献3は、大きなアスペクト比が、互いに対して電極のその後のシフトによって得られることを説明する。電極のその後のシフトは、制御することが困難である別のプロセスであり、それ故、エラーに陥り易い。
【0017】
従って、大きなアスペクト比を持ち、製作し易い、面内を移動可能な素子を持つMEMSは望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】国際特許WO2012/095185 A1
【特許文献2】ドイツ特許DE10 2015 210 919 A1
【特許文献3】ドイツ特許DE10 2017 203 722 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の目的は、大きなアスペクト比を持ち、製作し易いMEMSを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の目的は、独立した請求項の主題によって解決される。
【0021】
本発明の中心的な着想は、L-NEDデバイスの電極層が、流体と相互作用するための追加領域を提供する別の第2の層によって補われる、ということを見つけることである。この第2の層は、既に現存して制御可能なプロセスによって製作され、従って、簡素な製作を可能にし、同時に効果的なアスペクト比を増大できる。
【0022】
実施の形態に従って、MEMSは、キャビティを含んでいる基板を含む。MEMSは、第1のビーム、および、第2のビーム、および、第1のビームと第2のビームとの間に配置され、第1のビームと第2のビームとから電気的に絶縁された離れた領域に固定される第3のビームを含んでいるキャビティの中に配置された可動層の配置を含む。可動層の配置は、第1のビームと第3のビームとの間の電位に応答して、または、第2のビームと第3のビームとの間の電位に応答して、基板平面において動きの方向に沿って、動きを実行するように構成される。第1および第2および第3のビームは、可動層の配置の第1の層の部分である。可動層の配置は、基板平面に垂直な方向に沿って第1の層に隣接して配置されると共に、動きの方向に沿って移動可能に配置される、第2の層を含む。ビームの配置と比較して、第2の層は、流体、すなわちガスおよび/または液体と相互作用するための追加の効果的な領域を可能にする。
【0023】
実施の形態に従って、第2の層は、第4および第5および第6のビームに構造化される。z方向のように基板平面に垂直な方向に沿って、少なくともMEMSの待機状態において、第4のビームは第1のビームに隣接して配置され、第5のビームは第2のビームに隣接して配置され、第6のビームは第3のビームに隣接して配置される。これは、追加の能動的に制御可能な領域を可能にする。
【0024】
実施の形態に従って、第1の層と第2の層との間に配置された中間層を介在させて、第1のビームは第4のビームに機械的に接続され、および/または、第2のビームは第5のビームに機械的に接続され、および/または、第3のビームは第6のビームに機械的に接続される。これは、ビーム間の小さい流体損失、および、個々のビームの動きの機械的な結合を可能にする。
【0025】
実施の形態に従って、第3のビームと第6のビームとは、第1の層と第2の層との間に配置された中間層を介在させて、相互に機械的に接続される。中間層は、第1のビームを第4のビームから離れて置くと共に、第2のビームを第5のビームから離れて置くために、一方で第1のビームと第4のビームとの間、および、他方で第2のビームと第5のビームとの間を取り除かれる。これは、結合している動きが、第4および第5および第6のビームの間の機械的固定物を介在させて、まだ得られるので、動かされるべき低い集合体を可能にする。
【0026】
実施の形態に従って、一方で第1のビームと第4のビームとが、および、他方で第2のビームと第5のビームとが、第1の層と第2の層との間に配置された中間層を介在させて、相互に機械的に接続される。中間層は、第3のビームと第6のビームとの間にギャップを設けるために、第3のビームと第6のビームとの間を取り除かれる。これも、低い集合体を可能にする。
【0027】
実施の形態に従って、第1の層と第2の層とは、シリコン酸化物またはシリコン窒化物またはポリマーなどの、絶縁体層などの中間層を介在させて、基板の領域内で相互に接続される。中間層は、第1のビームと第4のビームとの間の、および、第2のビームと第5のビームとの間の、および、第3のビームと第6のビームとの間のキャビティの領域において取り除かれる。これは、第4および第5および第6のビームについて、第1および第2および第3のビームの独立した動きを可能にする。
【0028】
実施の形態に従って、第1および第2および第3のビームは、可動層の構造の第1の可動素子を形成する。第4および第5および第6のビームは、可動層の構造の第2の可動素子を形成する。第1の可動素子は、動きの方向に沿って、第2の可動素子に対して可動に配置される。これは、高い自由度をアクチュエーター的にだけでなくセンサー的にも提供する、可動素子の個々の撓みを可能にする。
【0029】
1つの実施の形態に従って、異なる電位が、一方では第1のビームと第3のビームとの間に、および、他方では第4のビームと第6のビームとの間に印加される。代わりに、または追加して、異なる電位が、一方では第2のビームと第3のビームとの間に、および、他方では第5のビームと第6のビームとの間に印加される。これは、例えばフェーズまたはフェーズオフセットの外で、可動素子の独立した評価および/または制御を可能にする。
【0030】
上述の実施の形態のいくつかは、第2の層がビームに構造化され、効果的な領域の拡大が第1の層に匹敵する追加のビーム領域の手段によって得られるように、説明される。別の実施の形態の特性は、代わりに、または追加して、第2の層がキャビティの中の流体と相互作用するためのレジスタ(抵抗体)構造を提供するという事実に関連する、本発明の装置と結合される。このために、レジスタ構造を、簡素な実施を可能にする電気的に受動的な方法で構成することは、重要である。同時に、レジスタ構造と外部の領域との間のプルイン効果は、減少されるか、または防止される。
【0031】
実施の形態に従って、第1のビームおよび第2のビームおよび第3のビームは、可動素子を形成する。第2の層は、キャビティの中の流体と相互作用するためのレジスタ構造を形成する。レジスタ構造は、可動素子に機械的に接続され、可動素子によって共に動かされる。これは、レジスタ構造の追加の配置によって、実際に効果的なアスペクト比の拡大を可能にする。これは、簡素で精密なプロセスによって実施される。
【0032】
実施の形態に従って、レジスタ構造は、中間層の手段によって第1の層に接続される。これは、スタック構造からMEMSを形成することによって、簡素な構成を可能にする。
【0033】
実施の形態に従って、第1の層は、第1および第2および第3のビームに加えて、第3のビームとは反対を向く側の面に、すなわちビームの配置の外側の面内の、第1または第2のビームに機械的に固定されるピギーバック(背中に乗った、または、おんぶ)素子を含む。レジスタ構造は、ピギーバック素子の上に少なくとも部分的に配置される。これは、低い程度の変形エネルギーが、レジスタ構造を変形するために必要であるように、電気的に必ずしも活発に変形しない素子の上のレジスタ構造の配置を可能にする。
【0034】
実施の形態に従って、ピギーバック素子は、第1または第2または第3のビームに機械的に固定される。レジスタ構造は、ピギーバック素子の上に少なくとも部分的に配置される。これは簡素な作製を可能にする。
【0035】
実施の形態に従って、ピギーバック素子は、結合素子を介在させて第1または第2のビームに機械的に接続される。結合素子は、可動素子の最大の撓みの領域の中の能動素子の変形の間に、最もわずかに変形される領域の中に配置される。そして、可動素子は、高い程度の物質的な緊張が起こる場所に配置されない。これは、結合素子および/またはレジスタ構造の変形のための不要な高い機械的エネルギーの防止を可能にする。
【0036】
実施の形態に従って、レジスタ構造は、動きの方向に垂直で、かつ、可動層の配置の軸の延長方向に沿って基板平面に平行に配置された、いくつかの部分素子を含む。これは、低い力がレジスタ構造の変形をもたらすことに十分であるように、レジスタ構造の効果的な堅さの減少を可能にする。これは、代わりまたは追加して、個々の部分素子の間の機械的な相互作用の減少または防止を可能にする。
【0037】
実施の形態に従って、部分素子は、基板平面に垂直で、かつ、動きの方向に垂直な平面への投影において、相互に距離を持つ。これは、変形の間の接触の自由、および/または、レジスタ構造の低い集合体を可能にする。
【0038】
実施の形態に従って、前記距離は、最大100μmであり、好ましくは最大10μmであり、特に好ましくは最大2μmである。これは、低い流体損失、または、壁のような構造としてレジスタ構造の流体的効果を可能にする。
【0039】
実施の形態に従って、部分素子は、第1のビームまたは第2のビームまたは第3のビームのいずれかに、機械的に堅く接続される。これは、斜めに動かされる流体ポイントを減少または防止することによって、低い流体損失を可能にする。
【0040】
代わりの実施の形態に従って、部分素子は、第1のビームおよび第2のビームおよび第3のビームのうちの少なくとも2つの上に配置される。動きの方向に沿って効果的な壁は、深さ方向に沿って、これに関してオフセットに(ずれて)配置された部分素子によって減衰される一方、レジスタ構造は、ビームについて完全にまたは部分的に対称の集合体の配分を可能にする。好ましくは、逆の効果は、基板平面に垂直な前述の平面への投影における部分的な領域のオーバーラップ(重複)によって補償される。
【0041】
実施の形態に従って、レジスタ構造と基板との間の第1の距離は、動きの方向に沿ってまたは逆方向に沿って、第1のビームと第3のビームとの間の第2の距離より大きい。レジスタ構造は、受動的な方法で構成され、流体の相互作用のために実施されるので、アスペクト比の制限が必要なギャップ構造の配置は、省略される。従って、合計でより大きいギャップが可能である。その結果、大きな効果的な寸法が、複雑なプロセスを必要としないで、z方向に沿って得られる。それは有利である。
【0042】
実施の形態に従って、第1の距離は、第2の距離より、少なくとも1~20倍、好ましくは3~10倍、特に好ましくは5~7倍大きい。
【0043】
実施の形態に従って、第2の層は、少なくとも1~20倍、好ましくは3~10倍、特に好ましくは5~7倍、第1の層より大きい、z方向に沿うように基板平面に垂直な層の蓋を含む。これは特に効果的なMEMSを可能にする。
【0044】
実施の形態に従って、第1の層の層厚と、第1のビームと第3のビームとの間、または、第2のビームと第3のビームとの間の距離と、についての第1の層のアスペクト比は、40未満である。それは簡素なプロセス制御を可能にする。
【0045】
実施の形態に従って、レジスタ構造は、第1の層の第1の側に配置された第1のレジスタ構造である。さらに、MEMSは、第1の側とは反対の側に配置された、第1の層の第2の側に配置された第2のレジスタ構造を含む。これは、両側の流体的に効果的な領域の拡大によって、MEMSの特に高い効果性を可能にする。
【0046】
実施の形態に従って、レジスタ構造は、キャビティ内に配置された流体のための流体レジスタを設けている。それは、スピーカーまたはポンプとしてのアクチュエーターの実施のためだけでなく、マイクロフォンまたはMEMSのテラヘルツ導波路などの他の実施のようなセンサー的な実施のためにも特に有利である。
【0047】
実施の形態に従って、レジスタ構造の利点と追加のビーム層の利点とは結合される。このために、可動層の配置は、少なくとも1つのレジスタ構造だけでなく2つのビーム層の両方が実施されるように、第4および第5および第6のビームに構造化される第3の層を含む。それは、効果の更なる増加を可能にする。
【0048】
ここで、第1および第2および第3のビームが、第1の可動素子を形成するように機械的に接続される一方、第4および第5および第6のビームが、第2の可動素子を形成するように機械的に接続される。
【0049】
実施の形態に従って、第1の可動素子は、第2の可動素子に機械的に接続される。それは、アスペクト比の技術的な限界を考慮するときに、より高いアスペクト比を可能にし、かつ、高い力が低電圧によって既に生成されるので、より低い操作電圧を可能にする。
【0050】
実施の形態に従って、レジスタ構造は第1のレジスタ構造である。MEMSは、第2の可動素子に接続された第2のレジスタ構造を含む。これは、一方で、簡素な作製だけでなく、効果的な領域が両側で拡大される異なる可動素子を持つ、個々の制御および/または感知、または検出によって、高い柔軟性を可能にする。
【0051】
実施の形態に従って、第1の可動素子および第2の可動素子は、基板平面に垂直な方向に沿って、相互に隣接して、かつ、第1のレジスタ構造と第2のレジスタ構造との間に配置される。これは、誘引行為の低い力およびプルイン効果が防止されるように、好ましくは接地される構造に対して外側に、好ましくは受動的なレジスタ構造の配置を可能にする。
【0052】
代わりの実施の形態に従って、第1のレジスタ構造および第2のレジスタ構造は、第1の可動素子と第2の可動素子との間に、相互に隣接して、かつ、基板平面に垂直な方向に沿って配置される。これは、可動素子の間の大きい距離を可能にし、それ故、低い電気的な相互の影響を可能にする。
【0053】
実施の形態に従って、第1のレジスタ構造および第2のレジスタ構造は、相互に可動である。それは、特にアクチュエーターの実施において、可動素子が相互に独立して制御できるという有利さを持つ。
【0054】
実施の形態に従って、可動層の構造は、基板の一方の側に固定された、曲がっているビーム構造を含む。一方の側に固定された、曲がっているビーム構造は、自由終端で大きい撓みを可能にする。それは、両側での固定が提供されることの防止、ここで防止される振幅の減少のために、上記の実施の形態に従って、プルイン効果が減少されるか、または防止されるので、特に有利である。
【0055】
実施の形態に従って、基板平面に垂直な第1の層および第2の層の層厚は、少なくとも50μmである。これは、特に大きいMEMSを可能にする。
【0056】
実施の形態に従って、基板平面に平行で、かつ、動きの方向に垂直な、可動層の配置の軸の延長方向は、動き構造の高さに対して、少なくともファクター0.5の寸法が得られるように構成される。それは、寸法または長さが、高さまたは厚さと同じ方法で効果に影響するので、特に有利である。
【0057】
実施の形態に従って、キャビティは、少なくとも1つの開口によって、基板の外部の環境に流体的に接続される。少なくとも1つの開口は、可動層の配置の平面内に配置される。これは、チップ領域が開口のためより他の目的のために使われるので、底層および/または蓋層が他の目的のために使われることを可能にする。
【0058】
実施の形態に従って、MEMSは、MEMSのポンプまたはMEMSのスピーカーまたはMEMSのマイクロフォンまたはMEMSのTHz(テラヘルツ)導波路として構成される。
【0059】
実施の形態に従って、MEMSは、可動層の構造を制御するように構成された制御手段を含む。
【0060】
実施の形態に従って、第1および第2および第3のビームは、第1の可動素子を形成する。MEMSは複数の、すなわち少なくとも2つの可動素子含む。制御手段は、複数の可動素子を個々に制御するように構成される。それは、MEMSを実施するとき、高い自由度を可能にする。
【0061】
別の有利な構成は、別の従属する請求項の主題である。
【0062】
本発明の好ましい実施の形態は、付随する図面を参照して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0063】
図1図1は、実施の形態に従うMEMSの模式断面図を示す。
図2図2は、実施の形態に従うMEMSの模式断面図を示す。追加のアクチュエーターの厚さは、追加の電極によって得られる。
図3a図3aは、実施の形態に従うMEMSの模式断面図を示す。第1および第2の層の外部電極は、中間層を介在させて相互に接続される。一方、内部電極において、中間層は、完全にまたは完璧に取り除かれるか、または配置されない。
図3b図3bは、実施の形態に従うMEMSの模式断面図を示す。図3aのMEMSに比較して、中間層は、2つの電極を相互に堅く機械的に接続するために、内部電極の間に配置されるけれども、外部電極の間では取り除かれる。
図4a図4aは、実施の形態に従うMEMSの模式断面図を示す。可動層の配置の第2の層は、例えば基板層の形成されたレジスタ構造を含む。
図4b図4bは、図4aのMEMSの模式断面図を示す。レジスタ構造は、外部電極に機械的に堅く接続される。
図4c図4cは、実施の形態に従うMEMSの模式断面図を示す。可動素子は、レジスタ構造が結合素子を介在させて機械的に堅く接続される、第1の層の電極の平面内のピギーバック素子を含む。
図4d図4dは、別の実施の形態に従うMEMSの模式平面図を示す。結合素子は、基板の一方の側に固定物された可動素子の自由に撓み可能な終端の上に配置される。
図4e図4eは、図4dの断面の平面A’-Aの、図4dのMEMSの模式的な断面図を示す。
図5a図5aは、実施の形態に従うMEMSの模式図を示す。可動素子は、2つの側に堅く固定物される。
図5b図5bは、可動素子の撓んだ状態の図5aのMEMSの模式図を示す。
図6a図6aは、実施の形態に従うMEMSの模式平面図を示す。レジスタ構造の部分素子は、電極のうちの1つの上に配置される。
図6b図6bは、実施の形態に従うMEMSの模式平面図を示す。レジスタ構造の部分素子は、電極のうちの少なくとも2つの上に配置される。
図7a図7aは、実施の形態、例えば、蓋層を通る図4aのMEMSに従うMEMSの模式断面図を示す。
図7b図7bは、実施の形態に従うMEMSの模式断面図を示す。キャビティを外部の環境に接続するための開口は、可動層の配置の平面内の基板の外に配置される。
図8a図8aは、2重に構成された電極と、リア(背後)構造またはレジスタ(抵抗体)構造の特性とを結合する、実施の形態に従うMEMSの模式断面図を示す。
図8b図8bは、実施の形態に従うMEMSの模式断面図を示す。図8aのMEMSについての2つの可動素子の相対的な方向は、レジスタ構造が相互に隣接して配置されるように、交換される。
図9図9は、実施の形態に従うMEMSの模式断面図を示す。異なる層の電極は、相互に接続され、相互にオフセットを持つ。
図10図10は、実施の形態に従うMEMSの模式断面図を示す。異なる層の電極は、相互に接触しないで、相互にオフセットを持つ。
図11a図11aは、L-NEDとして構成された既知のMEMSの模式断面図または断面を示す。
図11b図11bは、図11aのMEMSの模式平面図を示す。
図12図12は、別の既知のMEMSの模式断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0064】
本発明の実施の形態が、以下に、図面に基づいて、より詳細に議論される前に、同一のまたは機能的に等しいまたは等しい、異なる図面の中の素子および/または対象物および/または構造は、異なる実施の形態において図示されたこれらの素子の説明が、相互交換可能か、または相互適用可能であるように、同じ符号を提供される、ことが注目される。
【0065】
以下において、参照はMEMSコンバーターに対してなされる。(MEMS=マイクロエレクトロメカニカルシステム)。MEMSコンバーターは、適用された電気量(電流または電圧または充電または同様のもの)に基づいた、機械的な組成物の中の変化、すなわち変換をもたらす、1つまたはいくつかの電気的に能動な組成物を含む。この変化は、例えば、機械的な組成物の変形または加熱または張力に関連する。代わりまたは追加して、変形または加熱または張力などの、組成物の機械的な衝撃は、組成物の電気的な端子で検出される、電気信号または電気情報(電圧または電流または充電または同様のもの)を結果として生じる。いくつかの素材または組成物は相互依存関係を持ち、これは効果が相互交換可能なことを意味する。例えば、ピエゾ素材は、逆圧電効果(適用された電気信号に基づいた変形)、および、圧電効果(変形に基づいた電気充電を提供すること)を含む。
【0066】
以下に説明された実施の形態のうちのいくつかは、電極の配置が可動素子を形成するという事実に関連する。ここで、可動素子の動きは、電極の配置の変形から得られる。可能な相互依存関係によるセンサーの機能に関連して、アクチュエーターの構成は、電極の配置が、動きの横方向に沿って巨視的に変形する、すなわち、素子または領域が、動きの横方向に沿って移動可能である、ように構成される。素子または領域は、例えば、ビーム構造のビーム終端または中央領域である。微視的に見ると、動きの横方向に沿って変形可能素子を変形するとき、変形可能素子の変形は、動きの横方向に対して垂直に起こる。その後、説明された実施の形態は、巨視的なアプローチに関連する。
【0067】
以下に説明された実施の形態のうちのいくつかは、機械的固定物を介在させて相互に接続され、かつ、電位に基づいた動きを実行するように構成される電極に関連する。しかし、実施の形態はそれに制限されるものではなく、どのような型のビーム構造も、すなわち、作動に反応して、機械的固定物を介在させて動きへ変換された力を提供する(アクチュエーター)ように、および/または、圧電素材または他の作動素材を使うことによって変形を検出する(センサー)ように構成されるビームも含む。ビームは、例えば、印加された電位に基づいた変形を提供する静電気的および/または圧電的および/または熱機械的な電極である。
【0068】
図1は、実施の形態に従うMEMS10の模式断面図を示す。MEMS10は、例えばいくつかの個々の層の層スタック14から成る基板12を含む。基板12は、個々の層を部分的に取り除くことによって、基板12の内側に配置されたキャビティ16を含む。
【0069】
層スタック14は、いくつかの層を含む。例えば、層スタック14は、能動層またはデバイス層241が、ボンディングなどによる中間層221の手段によって配置される、第1の基板層181を含む。層の連続181および221および241は、使われた素材および/または寸法に関する図11aにおいて説明された層スタックに対応する。別の中間層222を介在させて、別の能動層242は、層スタックの一部を形成する。中間層223を介在させて、別の基板層182は、層スタック24の一部を形成する。層の連続182および223および242は、例えば、2つの半分の層スタックが、中間層222の手段によって相互に接続されるように、少なくとも層の型および層の順序について、好ましくは寸法に関しても、層の連続181および221および241を反映する。
【0070】
ここで、説明された層スタックは単に例示的である。基板層181および182は、例えば、層1002と1032に対応する。ここで、中間層221および/または222および/または223は、中間層1006として形成される。
【0071】
層スタック14は、異なるおよび/または追加の層を含む、および/または、説明された層の1つまたはいくつかを含まない。従って、別の層が配置される異なる基板(例えば、プリント回路基板または同様のもの)を介在させて、基板層181または182を配置しないこと、または、生成することが可能である。基板層181および/または182の欠如にもかかわらず、キャビティ16は基板12の中にまだ得られる。
【0072】
例示的に、MEMS10は、2つの能動層241および242が、中間層222を介在させて相互に接続されるように構成される。能動層241および/または242は、例えば、電気的に導電性の素材(例えばドーピングされた半導体素材および/または金属素材)を含む。キャビティ16は、能動層241および242から選択的に取り除くことによって得られる、と同様に、中間層222および電極構造26a~26fは、処理の適正な調整によって残るので、電気的に導電性の層の層配置は、簡素な構成を可能にする。代わりに、キャビティ16の中に生成および/または配置するなどの他の手段または処理によって、電極構造26a~26fをキャビティ16の中に完全にまたは部分的に配置することも可能である。その場合、電極構造26a~26fは、基板12の中に残っている能動層241および242の部分に比較して異なって形成される、すなわち、同じもの(基板12)は異なる素材を含む。
【0073】
基板層181および182は、それぞれ、開口1026および1034のために記述したように、流体の入口および/または流体の出口を提供する開口281または282を含む。
【0074】
従って、MEMS10は、説明された実施の形態に従う能動層として形成され、例えば層242を形成する、少なくとも1つの追加の層を通してMEMS2000を含む。
【0075】
電極26aおよび26bおよび26cは、レジスタ構造の部分素子が、少なくとも2つの電極の上に配置される、図11bのMEMS1000のために記述されたように、電気的に絶縁された方法で、離れた領域にて相互に固定される。電極26aと26cとの間の電位に応答して、および/または、電極26bと26cとの間の電位に応答して、動き34の方向に沿って離れたポイントでの機械的固定物によって得られた可動素子32の動きが、得られる。それ(可動素子32の動き)は、例えば方向1024に対応し、デカルトのx/y/z座標系のx/y平面内に配置される。x/y平面は、動き34が起こる方向に沿って面内の動きを定義する主張である。
【0076】
電極26d~26fは、層242の残っている部分であり、層241に隣接した基板平面x/yに対して垂直に配置される。電極26a~26cは、層の配置36の第1の層を少なくとも部分的に形成する。電極26d~26fは、層の配置36の第2の層を少なくとも部分的に形成する。
【0077】
寸法1016に比較して、z方向に沿った可動層の配置36の寸法38は、同じ処理が使われるので、電極26aと26cとの間の、または、電極26dと26fとの間のギャップ421、および、電極26bと26cとの間の、または、電極26eと26fとの間のギャップ422は、MEMS2000と同じまたは同等の寸法を持つけれども、拡大される。ギャップ寸法421および422と、z方向に沿った電極26a~26cまたは電極26d~26fの寸法と、の間のアスペクト比は、例えば、MEMS2000のために記述されたと同じまたは同様であり、40未満、特に約30の値を持つことができる。しかし、寸法38は、ギャップ寸法421および422を拡大することなく、層または電極26a~26fを並んで配置することによって、z方向に沿って、例えば二倍に増加するので、実際の効果的なアスペクト比は、より高い。
【0078】
ここに、中間層222を介在させて結合されたそれぞれ半分の層スタック14のMEMS10のz方向に平行な部分的な寸法または部分的な高さ441および442は、z方向に沿って、MEMS1000のそれぞれの寸法に略一致する。
【0079】
ここで、電極26d~26fの動きが異なる方法で得られる。例えば、ペアの電極26aと電極26d、および/または、電極26bと電極26e、および/または、電極26cと電極26fを機械的に結合することによって、機械的に堅く接続された他方の電極のそれぞれの動きは、可動素子32の電極26aまたは26bまたは26cの動きから直接に得られる。従って、例えばMEMS1000の素子1022に対応する、機械的な固定物461および462は、電極26d~26fの層において省略される。代わりに、または、追加して、離れた位置または領域に電極26d~26fを機械的に固定するために、層242の平面内にそれぞれの機械的な固定物46を提供することも可能である。従って、中間層222を介在させて可動素子32に機械的に堅く接続される、別の可動素子が得られる。それぞれの接続も、完全に、または部分的に省略される。
【0080】
すなわち、L-NEDの高さとL-NEDのギャップとの間の比率は、例えば、図1において説明されたように、蓋ウェハー(層181)を持つデバイスウェハー(層22)を接合する代わりに、2つのデバイスウェハー241および242を接合することによって2倍にできる。その結果、図1は、接合される2つのデバイスウェハーを示す。その結果、L-NEDビームは、相互に機械的に接続される。その方法において、L-NEDアクチュエーターのアスペクト比は2倍である。この解決はいくつかの利点を提供する。
【0081】
・マイクロスピーカーにおいて、例えば、アスペクト比を2倍にすることは、6dBのサウンドレベルの増加を結果として生じることができる。
・2倍にされたL-NEDの高さは、z方向に沿って、より高い曲がり強度を結果として生じることができる。それは、また、垂直の(z方向に沿う)プルイン効果のためのより低い敏感さを結果として生じ、高い設計自由度を可能にする。これは、例えば、L-NEDビームが、より長く作られることを可能にする。これは、同じもの(L-NEDビーム)が、y方向に沿って高い軸の延長を持つことができる、ことを意味する。代わりにまたは追加して、L-NEDビームは、両側の代わりに片側に固定される。それは、片側に固定されたL-NEDビームが、例えば両側に固定されたL-NEDビームより大きい撓みを可能にするので、有利である。
・それはまだ可能であるけれども、蓋は、既知の構成に従って絶対的に必要ではない。それは電位を保存することを提供する。
【0082】
仮に、例えば、図12に従う既知のMEMSに対して更新された参照を持つならば、層1002および10061および1004のデバイスウェハー(技術1と称する)と、蓋ウェハー1032(技術2と称する)とは、スピーカーまたはポンプのために、層10062の手段によって接合される。ここで、2つの異なる技術または作製ステップは、蓋およびデバイスウェハーを作製するために必要である。比較すると、接合される2つの組成物(441および442)は、デバイスウェハーであり、それ故、同じ技術1で作製されるので、図1に従うMEMS10は、これらの技術のうちの1つのみ(技術1)を使うことによって作製される。これは、技術2を使うことが省略されることを意味する。それは簡素な作製を可能にする。蓋ウェハーの役割は、今では182によって満たされる。
【0083】
ここで、蓋または底のような用語は、ここに説明されたMEMSの個々の素子の間のより良い区別のために使われるのみであり、特定の設計について、または、空間の層の配向についてのいずれにも制限されない、ことに注目するべきである。さらに、例示的に議論された、z方向に沿う寸法を2倍にすることは、可能な構成のうちの1つである、ことに注目するべきである。層241および242は、キャビティ16の領域だけでなく基板12の領域の両方に関連する、同じまたは異なる寸法を持つことができる。
【0084】
図2は、実施の形態に従うMEMS20の模式断面図を示す。中間層222は、一方の電極26aおよび26bおよび26cと、他方の電極26dおよび26eおよび26fとの間で取り除かれる。
【0085】
MEMS10におけるように、能動層242は、少なくとも図示された中空の状態において、電極26aまたは26bまたは26cに隣接して、基板平面に垂直なz方向に沿って配置される電極26dおよび26eおよび26fに構造化される。しかし、電極26dおよび26fは、機械的固定物463を介在させて離れた位置で相互に機械的に堅く接続され、電極26eおよび26fは、機械的固定物464を介在させて離れた位置で相互に機械的に堅く接続される。その結果、失っているまたは取り除かれた中間層222について、層の配置2は、可動素子321および322を含むことができる。それは、z方向に沿って同じまたは同等の効果的な寸法38を結果として生じるけれども、可動素子の異なる制御を可能にする。
【0086】
実施の形態に従って、異なる電位が、一方で電極26aと26cとの間に、他方で電極26dと26fとの間に印加される。代わりまたは追加して、異なる電位が、一方で電極26bと26cとの間に、他方で電極26eと26fとの間に印加される。それは、可動素子321および322の異なる動きを結果として生じる。これは、それぞれの電極が、応用特定集積回路(ASIC)などの任意の制御手段において、衝撃的に離される、および/または、接触するのみである、ことを意味する。
【0087】
すなわち、上部のデバイスウェハーのL-NEDビームは、底部のデバイスウェハーのL-NEDビームに直接に接続されない。2つのL-NEDビームは別々に制御される。
【0088】
図3aは、MEMS10と20との組み合わせの構成を提供する実施の形態に従う、MEMS301の模式断面図を示す。電極26bおよび電極26eと同様に電極26aおよび26dは、中間層222を介在させて相互に接続される。一方、電極26cと26fとの間の中間層222は、完全にまたは部分的に取り除かれるか、または、電極26cと26fとを互いから離して間隔を置くために配置されない。これは、電極26bおよび電極26eと同様に電極26aおよび26dの共通の動きを結果として生じる。その結果、機械的固定物46(図3aに図示されない)は、図2の構成に従うように、どのような位置にも配置される。例えば、動きの転送は、電極の間の中間層222によっても起こることができるので、個々の機械的固定物を省略することも可能である。
【0089】
図3bは、実施の形態に従うMEMS302の模式断面図を示す。MEMS301に比べて、中間層222は、2つの電極を機械的に堅く接続するために、電極26cと26fとの間に配置されるけれども、電極26aと26dとの間、および/または、電極26bと26eとの間は取り除かれる。ここに、図2に図示された機械的固定物46のうちのいくつかは、例えば、電極26aと26cとの間および電極26eと26fとの間、または、電極26bと26cとの間および電極26dと26fとの間では省略される。動きの転送は、電極26cと26fとの間の機械的に固定された接続を介在させて起こることができる。
【0090】
すなわち、上部のデバイスウェハーのL-NEDビームは、図3bに従うと中間電極のみにおいて、そして、図3aに従うと外部電極のみにおいて、底部のデバイスウェハーのL-NEDビームに部分的に直接に接続されるだけである。
【0091】
実施の形態は、電極26aと26d、および、電極26bと26e、および、電極26cと26fのうちの少なくとも1つの電極ペアが、層の間に配置された中間層222を介在させて相互に機械的に堅く接続される、どのような構成でも提供する。任意に、この層は、図2に基づいて説明されたように、完全に取り除くこともできる。
【0092】
上述のMEMS10および20および301および302は、寸法38とギャップ42との間のアスペクト比を増大させるために、相互の上面の上に配置または積み重ねられる、2つの能動的に形成された層を含む。これらのMEMSは、シリコン酸化物またはシリコン窒化物またはポリマーまたは同様のものなどの、中間層の手段によって相互に接続される2つの能動層を使用して説明されるけれども、実施の形態はそれらに制限されないだけでなく、3つ以上または4つ以上または5つ以上またはそれより多いどのような数の追加の別の層の配置でも可能にする。
【0093】
以下において、アスペクト比が、他の層、好ましくは受動層によって増大する、本発明の別の実施の形態が参照される。
【0094】
図4aは、実施の形態に従うMEMS40の模式断面図を示す。可動層の配置36の第2の層は、例えば、配置されて、または、キャビティ16の領域から取り除かれないで残り、電極26aおよび26bおよび26cについて追加の流体レジスタを提供するために、電極26aおよび/または26bおよび/または26cのうちの少なくとも1つに接続される、基板層18から形成されたレジスタ構造48を含む。例えば、レジスタ構造48は、選択的なエッチング方法の間、維持される。例えば高さ1016に対応する、z方向に沿った電極26aおよび26bおよび26cの高さ52に比べて、可動素子32の効果的な高さ54は、レジスタ構造48によって増大される。それは有利である。
【0095】
寸法52は、例えば、1μmと1mmとの間であり、好ましくは50μmと400μmとの間であり、特に好ましくは70μmと150μmとの間である。図1に関連して、1μmまたは2μmまたは10μmなどの数μmの寸法を持つことができる中間層222が追加されるので、これは、約2倍のサイズの寸法38を結果として生じる。そのようにして、寸法56は、少なくとも50μm、または、少なくとも100μm、または、少なくとも200μmにもできる。
【0096】
ここで、レジスタ構造48の高さまたは寸法56は、特に、y軸の位置でx方向に沿ってレジスタ構造48の選択的な配置を考慮するとき、非常に大きくできる。そのようにして、レジスタ構造48の高さ56について、基板層18とレジスタ構造48および/または482との間のギャップまたはボイド581によって説明される、このために使用されるアスペクト比は、例えば、略40未満の、または35未満の、または30未満の、またはそれより小さい制限比率の値も持つことができる。すなわち、寸法52は、このファクターによってギャップ421および/または422より大きくできる。電極26a~26cの間のギャップ421および/または422より非常に大きいギャップ581~582を考慮して、このアスペクト比は、寸法52に比較したときにも非常に大きい、z方向に沿う寸法56を結果として生じる。寸法56は、キャビティの領域の中の層18の層厚とも称される。それ故、レジスタ構造は、少なくとも2のまたは少なくとも3の、または少なくとも4の、またはそれより大きいファクターによって、電極26a~26cの領域の層24の寸法52より大きくできる。
【0097】
すなわち、図4aは、リア(背後)構造が中間電極の下に置かれる、リア構造を持つL-NEDビームを示す。
【0098】
図4aにおいては、可動素子32の中間電極26cのうちの1つのレジスタ構造が配置される一方、図4bは、レジスタ構造48が電極26bに機械的に堅く接続されるMEMS40の模式断面図を示す。代わりに、または、追加して、レジスタ構造48の少なくとも一部は、また、中間層22を介在させるなどして、電極26aに機械的に堅く接続される。
【0099】
図4aおよび4bに従う説明は、レジスタ構造48が電極26bまたは26cの1つに独占的に配置される、異なるMEMSに関連することができる。代わりに、レジスタ構造48は、また、以下により詳細に示されるように、図4aおよび図4bの説明がy軸に沿って異なる位置を示すように構造化される。
【0100】
レジスタ構造48またはその一部の素子は、レジスタ構造48が可動素子32と一緒に動かされるように、可動素子32に機械的に堅く接続される。
【0101】
すなわち、図4bは、断面において外部電極の下に置かれたリア構造を示す。
【0102】
図4cは、実施の形態に従うMEMS40’の模式断面図を示す。可動素子32は、レジスタ構造48が、中間層22の一部などによって機械的に堅く接続される、電極26a~26cの平面内で、ピギーバック素子62を含む。ピギーバック素子62は、層24、すなわち電極26a~26cと同じ素材から成るけれども、異なる素材からも形成できる。例えば、機械的な固定を提供する結合素子64は、ピギーバック素子62が機械的に堅く接続される電極26bとピギーバック素子62との間に配置される。結合素子64は、例えば、電気的な絶縁を提供できるけれども、しかし、それは任意である。結合素子64が、局部的に厚くする感じのように、y方向に沿った領域を少なくとも横切るx方向に沿って少なくとも局部的な広がりを表わすことは可能である。それは、しかし、生成された静電気の力について非対称を結果として生じる。好ましくは、ピギーバック素子62は、電極26cとは反対を向く側の面に、電極26bの側に配置される。代わりに、ピギーバック素子62は、また、好ましくは電極26cとは反対を向く側の面に、電極26aに機械的に堅く接続される。両方の実施は、また、組み合わされ、MEMS40に接続した主題と組み合わされる。これは、レジスタ構造48が、ピギーバック素子62に完全にまたは部分的に配置されることを意味する。
【0103】
結合素子64および/または局部的な広がりは、好ましくは、能動素子または可動素子32が変形するとき、最もわずかに変形するy方向に沿う領域の中に配置される。それは、可動素子の最大の撓みの領域である。これは、結合素子64が、好ましくは、可動素子の大きな程度の物質張力が起こる場所に配置されない、ことを意味する。最もわずかな変形の領域と活発な変形の領域との間の動きの振幅または張力の振幅は、例えば、2:1または3:1または4:1の比率を提供する。
【0104】
MEMS40と同様に、レジスタ構造48と基板の層18との間の距離は、ギャップ421および422によって説明された電極間の距離より大きい。距離は、好ましくは、少なくとも3のファクターだけ、または、好ましくは少なくとも4または少なくとも16のファクターだけ、第2の距離より大きい。
【0105】
レジスタ構造48は、キャビティ16の中に配置された流体のための流体レジスタを提供できる。MEMS40およびMEMS40’は、レジスタ構造48が、負のz方向に沿って電極構造26a~26cの一方の側のみに配置されるように、図示されているけれども、これらの実施の形態は、正のz方向に沿ってレジスタ構造を配置することにも関連する。別の実施の形態は、別のレジスタ構造が、層24および電極26a~26cの正および負のz方向に沿って両側にそれぞれ配置されるように、両方の実施の組み合わせに関連する。
【0106】
キャビティ16の外の流体の動きの方向を制御するために、例えば図3aおよび3bにおいて説明された追加の蓋層181および/または182が、それぞれの開口と共に配置され、提供される。ここに説明された実施の形態の開口は、層スタックの外層の一部として図示されるけれども、代わりに、または、追加して、開口は、例えば、MEMS10または20または301または302の層241および/または層242の中に、および/または、MEMS40または40’の層24および/または層18の中に横に提供される。これは、開口を持つそれぞれの蓋層の省略、および/または、それぞれのシリコン領域の他の用途を可能にする。
【0107】
機械的な固定物46は、図4aおよび図4bおよび図4cに図示されない、ことに注目するべきである。
【0108】
すなわち、図4cは、断面において電極に対して横に置かれたリア構造を示す。
【0109】
図4dは、別の実施の形態に従うMEMS40’’の模式平面図を示す。結合素子64は、可動素子またはその自由に撓み可能な終端を、MEMSのキャビティの窪み65の中を可動できる櫛構造を形成する、複数のレジスタ構造481および482に接続する、基板121の一方の側に固定された可動素子32の自由に撓み可能な終端に配置される。
【0110】
図4eは、図4dのA’-A断面の図4dのMEMS40’’の模式断面図を示す。可動素子32が、基板122に隣接してz方向に沿って動き、基板の上などに、動き38の方向に平行な拭き動きを形成する、ことが明らかになる。例えば中間層22を使用することによって、レジスタ素子481および482および483が配置される、結合素子64を介在させて、レジスタ素子も、キャビティの窪み65の中を動き38の方向に沿って動かされる。窪み65は、可動素子32および/またはz方向に沿うその電極のそれぞれのアスペクト比または寸法が防止されるように、基板122によってx方向に沿って横に制限される。基板122は、例えば、75μmより大きい、または、150μmより大きい、または、300μmより大きい寸法67、例えば、レジスタ構造481および482および483と同じサイズを含む。これは、可動素子32による直接的な流体の相互作用の代わりに、櫛構造のレジスタ構造481~483を介在させて、間接的な作動または感知が起きることを意味する。レジスタ構造481~483は、それぞれのアスペクト比を維持しながら、レジスタ構造481~483の間の大きな距離691および692のためにそれぞれ大きく構成される。結合素子64は、櫛構造に可動素子32の動きを転送することを可能にする。
【0111】
すなわち、リア構造は、結合素子64の、可動であるけれども変形しない部分の上に搭載される。結合素子64は、可動素子で動かされる。NEDは変形される。従って、変形した構造のための横の撓み方向の堅さの増加は、行為的に効果的ではなく、すなわち、防止され、後に、撓みの減少は起きない。しかし、減少した垂直のプルイン効果またはリスクの有利さは維持される。ここで、レジスタ構造による堅さの増加は効果的になる。NEDとリア構造との接続は、結合素子を介在してなされる。ここで、MEMS40’’のレジスタ構造の数は、どのような数も1以上である。動き38の方向に沿う櫛構造の横の寸法71は、150μmより大きく、または300μmより大きく、または600μmより大きく、例えば725μmである。
【0112】
図5aは、例えば底側から上を見た、実施の形態に従うMEMS50の模式図を示す。離れた位置の機械的な固定物461~468を介在させて相互に機械的に堅く接続された電極26aおよび26bおよび26cを含む可動素子は、両側に堅く固定される。電極26aおよび26cは、例えば、同じもの(電極26aおよび26c)は同じ連続的な層24から形成されるように、電気的におよび/または衝撃的に、相互に接続される。しかし、電極26cは、電極26aおよび26bとは異なる電位の印加を可能にするために、絶縁領域661および662を使用することによって、電極26aおよび26bから電気的に絶縁される。
【0113】
図5bは、図5aに比較可能なMEMS50の図面を示す。可動素子は、図5bにおいて撓む。可動素子の曲げ方向は、正のx方向に沿うように、機械的な固定物46の配向を介在させて調整される。
【0114】
図4aの文脈において説明したように、レジスタ構造48は、電極26cに機械的に堅く接続され、同じもの(電極26c)と一緒に動かされる。図5bの図面は、可動素子の撓みが、レジスタ構造48の撓みを結果として生じることを示す。それによって、高い程度の流体は、MEMS50がアクチュエーター動作される限り、動かされる。センサーの動作モードにおいて、少しの程度の動く流体、すなわち少しの力が、説明した撓みを起こすために十分である。
【0115】
電極26aおよび26bおよび26cの軸の延長、および、それ故、基板平面に平行で、例えばy方向に沿う、動き34の方向に垂直な可動層の配置は、厚さ方向zに沿う可動層の構造の大きさに比べて、少なくとも0.5倍、および、好ましくは少なくとも0.6倍、および、特に好ましくは少なくとも0.7倍である。y方向に沿う大きさは、代わりに、または、追加して、少なくとも10μmから最大5000μmまで、および、好ましくは少なくとも100μmから最大2000μmまで、および、特に好ましくは少なくとも400μmから最大1500μmまでの範囲の値を持つ。
【0116】
MEMS50は、可動素子が両側に固定されるように図示されているけれども、片側に固定することも可能である。
【0117】
すなわち、レジスタ構造の使用は、NEDデバイスの効率を増加させるための追加のまたは代わりのオプションである。L-NEDビームの図示された場合において、30未満または約30の共通のアスペクト比が、できる限り小さいNEDギャップ42が得られるように使われる。実施の形態は、L-NEDビームの前および/または後ろに、受動的なリア構造またはレジスタ構造を追加的に構造化するように指示される。リア構造は、部分的にまたは完全にL-NEDビームに接続される。L-NEDビームが動かされるとき、リア構造は良く動き、従って、流体として非常に多くの液体または空気が、L-NEDビームだけよって動かされる。リア構造は、L-NED電極に直接に接続されるので、リア構造は、L-NEDビームの撓みの間、ビーム自身と正確に同じ形をとる。これは、リア構造の撓みまたは湾曲が、L-NEDビームの1つと正確に同じであることを意味する。
【0118】
リア構造は、基本的に、望む限り高く作られる。すなわち、寸法56はどのようなサイズでも持つことができる。同じもの(寸法56)は、例えば、処理ウェハーの厚さと同じ大きさである。これは、例えば、少なくとも300μm、または少なくとも500μm、または少なくとも600μm以上を意味する。なぜなら、この構造は、L-NEDの制限、すなわち、狭いギャップおよび30未満のアスペクト比に最早従属しないからである。リア構造は、より広いギャップ(溝)によって簡単な方法で、BSOIウェハーの後ろから構造化される。後ろの溝は、まだ、作製の特定の制限(例えば、30未満のアスペクト比を持つボッシュ制限)に従属する。しかし、溝がより広く作られるので、特に、溝方向に沿って1つのレジスタ構造のみを使用するとき、同じもの(後ろの溝)も、非常に深くエッチングされ、大きい寸法56を結果として生じる。明らかに、リア構造は、また、図4cに図示されたように、外部のL-NED電極26aまたは26bの下に、または、L-NEDビームに平行な分離した構造としてさえ作製される。非制限の例によれば、L-NEDの高さ52は、75μmであり、リア構造の高さは600μmである。従って、それぞれの構造は、L-NED構造のみより8倍多い空気を動かすことができる。これは、マイクロスピーカーの場合において、約18dB多い音圧の水準に一致する。これは、L-NEDビームの撓みが追加のリア構造によって大きく影響されない、という仮定の下で起こる。これを保証するために、実施の形態は、リア構造の堅さを、横方向における、すなわち、x方向に沿って、または、動き34の方向に沿って、できる限り低く保持するように設計される。それは、例えば、この方向に沿って薄いレジスタ構造48によって得られる。方向34に沿ったレジスタ構造48の例示的な寸法は、例えば、最大100μm、または、最大50μm、または、最大1μmである。リア構造が機械的に安定できる限り.リア構造は、全体のシステムの慣性および横曲げ堅さに大きく影響しないように、できる限り薄く作られる。リア構造をL-NEDビームに接続することによる横の撓みの損失は、y方向に沿ってより長い寸法を使うことによって、および/または、システムの設計の追加の自由を表わすより柔らかい固定によって、代わりにまたは追加して補償される。
【0119】
すなわち、図5aおよび5bは、(両側に固定された)L-NEDビームが、待機状態または非撓み状態、および、撓み状態を図示された、底から上を見た図を示す。リア構造48は、L-NEDビームの動き、および/または、曲がり/湾曲に正確に従う。
【0120】
図6aは、実施の形態に従うMEMS60の模式平面図を示す。可動素子32は、一方の側に固定されて配置される。曲がるビーム構造の自由端68は、動き34の方向に沿って、両側に固定されたMEMS50の曲がるビームの中央領域より比較的な大きい撓みを持つことができる。
【0121】
そこから独立して、MEMS60は、レジスタ構造48の堅さを減少するための手段を含む。このため、レジスタ構造は、1つまたはいくつかの電極26aおよび/または26bおよび/または26cの上に配置される、少なくとも2個の、または、少なくとも3個の、または、少なくとも5個の、または、少なくとも10個以上の部分素子48a~48jのどのような数でも含む。そのようにして、例えば、部分素子48a~48jは、同じもの(部分素子48a~48j)のy方向に沿った、軸の経路に沿って中央の電極26cの上に配置される。レジスタ素子48の構造化に基づいて、部分素子48a~48jは、堅さの減少を提供する、すなわち、レジスタ構造によって堅さの増加のための量を低く保持するか、または同じものを最小化する、距離72a~72iによって相互に離れて間隔をおいて配置される。軸の延長方向yに沿って、動き34の方向に垂直に配置された部分素子48a~48jが、動き34の方向に沿って動くとき、距離72a~72iは、流体損失を防止するために、または、それらを少なくとも低く保持するために、等しいか、または異なり、例えば、最大100μm、または最大50μm、または最大5μmである。
【0122】
代わりの実施の形態に従って、レジスタ構造48の部分素子48a~48jは、全て、電極26aまたは電極26bまたは電極26cのいずれかに機械的に堅く接続される。
【0123】
図6bは、実施の形態に従うMEMS60’の模式平面図を示す。部分素子48a~48iは、電極26aおよび26bおよび26cのうちの少なくとも2つの上に配置される。図示された例おいて、部分素子は電極26aおよび26bおよび26cのそれぞれの上に配置される。部分素子は、キャビティの中の流体の抵抗を提供するために、軸の延長方向yに沿って、分配された方法で配置される。異なる電極26aおよび/または26bおよび/または26cの上に同じもの(部分素子)を配置することは、部分素子48a~48iの投影48’a~48’iが、軸の延長方向に平行で基板平面に垂直に配置された、例えばy/z平面に平行な平面74において重複する、すなわち、例えば投影48’aおよび48’bのために図示されたように距離を持たない、という別の自由度を結果として生じる。投影48’a~48’iのうちのいくつかは、隣接する投影に対して距離を持つことができるけれども、隣接する投影が重複することは、有利である。
【0124】
固定物461~468が、一方で電極26aと26cとの間に、他方で電極26bと26cとの間に対称的に配置される図6aと違って、図6bの中の固定物461~467は、例えば、可動素子の動きのプロフィールおよび/または負荷のプロフィールに順応して調整するために非対称である。
【0125】
部分素子48aは電極26aの上に配置され、部分素子48bは電極26bの上に配置されるけれども、流体の抵抗は動き34の方向に沿って得られる。堅さの減少は、分割または区画化によって得られる。しかし、同時に、投影間の重複76は、低い流体損失を可能にする。重複76の代わりに、好ましくは、流体損失を低くしておくために、距離72a~72hに対応して調整される距離78を含む投影48’bおよび48’cを考慮するとき、これは任意の特性であるという事実が、明らかになる。
【0126】
すなわち、動きの方向の堅さの増加への寄与、および、それ故、横の撓みの防止を大きく減少するために、その長さ方向の軸に沿ってリア構造を分割することが、追加して可能である。ここで、分割は、流体の効率(重要な音響のショート回路の防止、ことによると減衰調整)が、それぞれの幾何学的選択(小さいギャップ、すなわち距離72)によって特に調整される割込みによって図示される。本質的に、十分に小さいギャップを選択することは有利である。それぞれの流体損失だけでなく、アスペクト比、およびそれ故、与えられた最小の割込み幅の制限のため、図6bに図示されたように、リア構造を電極に交互に取り付けることは有利である。その結果、流体的に壁が建てられ、そして、堅さがなお大きく減少され、そして、技術的な境界条件が、投影が重複するという事実のために維持される。
【0127】
すなわち、図6aおよび6bは、割込みを持つリア構造を示す。リア構造に基づいたマイクロスピーカーまたはマイクロポンプの構造が図示される。すなわち、図4a~4cのリア構造は、上および/または底に蓋層を含み、入口および/または出口を提供される。
【0128】
図7aは、別の中間層または接合層821および822の手段によって、層18または24に接続される言及した蓋層781および782によって例えば図4aのMEMS40を補足する、実施の形態に従うMEMS701の模式断面図を示す。層781および782は、層18と同じ方法で形成される。接合層821および822は、中間層22と同じまたは同様な方法で形成される。可動素子の外部電極26aおよび26bと基板12との間の距離84は、高さ52のための不可欠の制限が存在しないように、ギャップ421~422より大きい。
【0129】
すなわち、マイクロスピーカーおよび/またはマイクロポンプにおいて、リア構造は別の重要な設計の利点を提供する。上述のように、MEMS2000などに従う既知のマイクロスピーカーは、いわゆる垂直のプルイン効果から損害を被る。これは、駆動電圧がそんなに高くないので、L-NEDビームが上または底に向かって引かれ、蓋層と接触して入り、すなわち、垂直のプルイン効果が起こることを意味する。zに沿って垂直な方向にL-NED構造が堅くなればなるほど、駆動電圧が、垂直なプルイン無しで、より高く起きる。垂直のプルインは、特に、一方の側に固定されたL-NEDビームのために危険である。通常の場合において、一方の側に固定されたL-NEDビームは、中央で両側に固定されたビームより少なくとも自由端でより大きい範囲に撓むことができる。しかし、駆動電圧が、垂直のプルイン効果のため、両側に固定された比較可能なL-NEDビームより小さいように選択されるとき、この有利さは、ことによると部分的に失われる。
【0130】
ことによると、L-NED構造の垂直の堅さは、主に、L-NEDビームの長さおよび固定によって、厚さ/高さによって定義される。ビームが薄くて短いほど、および/または、固定物の堅さが高いほど、垂直のプルインに対してビームはより無反応である。しかし、議論したように、L-NEDビームの厚さは、製造工程の制限が、ボッシュプロセスの制限などに従って当てはまるので、どのようなサイズも持つように選択されない。ビームの長さも、あまり短いように選択されないし、固定物の堅さも、これは横の撓みを制限するので、あまり低くない。これは、低い堅さの固定物を持つ長いビームが、高い撓みを得るために、設計に関してマイクロスピーカーとマイクロポンプのために望ましい、ことを意味する。しかし、これは、垂直のプルインのために駆動電圧を制限する。従って、長いビームおよび低い堅さを選択することによって撓みについて得られた有利さは、垂直のプルイン効果のために、駆動電圧を減少することによって、再び部分的に失われる。
【0131】
議論されたリア構造/レジスタ構造は、上述の難問のための解決を提供する。リア構造の高さは、どのようなサイズにおいても、例えばL-NEDビームより8倍大きくても選択されるので、全体の構造の堅さが、垂直の方向にリア構造によって大きく増加し、全体の堅さについて支配する。従って、追加の余裕が、L-NEDビームの長さおよび/または固定物を設計するために得られる。例えば、より多くの横の撓みを得るために、ビームは、より長いように設計され、固定物はより柔らかいように設計される。垂直のプルイン効果に関係する、結果として生じる不利は、その時、リア構造の高さによって補償される。この有利さは、両側に固定されたL-NEDビームだけでなく、片側に固定されたL-NEDビームの両方に当てはまる。
【0132】
図7bは、実施の形態に従うMEMS702の模式断面図を示す。基板12の外の外部の環境88にキャビティ16を接続するための開口282は、可動層の配置の平面内に配置される。これは、同じもの(開口282)が、レジスタ素子48、および/または、電極26aおよび26bおよび26cの層24、および/または、中間層22と少なくとも部分的に重複することを意味する。そのように横に配置された開口は、開口より他の目的のための層782の用法を可能にすることができる。代わりにまたは追加して、開口281も、横に配置できる。1つまたはいくつかの開口の横の配置は、どのような制限も無しに、ここに説明された全てのMEMSにおいて可能である。開口281および282は、また、可動層の配置の領域の中の両側に固定されたビームの固定物の領域の中に、または、可動層の配置の片側に固定されたビームに固定されて自由に可動の終端の領域の中に配置される。
【0133】
図8aは、2倍の電極とリア構造またはレジスタ構造との特徴を組み合わせる、実施の形態に従うMEMS801の模式断面図を示す。これは、また、例えば、MEMS701の文脈において説明された空洞16の中の可動構造が、二倍であるように、および/または、MEMS10または20または301または302が、レジスタ構造を追加して提供されるか、またはいくつかのレジスタ構造を提供されるように考慮される。そのようにして、例えば、層241および242は、中間層222を介在させて完全にまたは部分的に相互に接続される、電極26aおよび26bおよび26c、または、電極26dおよび26eおよび26fに構造化される。従って、中間層222との接続を介在させて相互に機械的に堅く接続される、2つの可動素子321および322が、得られる。それぞれのレジスタ構造481または482は、それぞれの可動素子321および322に機械的に堅く接続されるか、またはその一部分である。ここで、レジスタ構造481および482は、それが可動素子321および322の全ての層のために可能であるように、z方向に沿って異なる電極および/または異なる寸法で、同じまたは異なる方法で、例えば、異なる数の部分領域の中に、または、レジスタ構造の配置の中に、または、その部分領域の中に構造化することによって、構成される。
【0134】
MEMS801は、可動素子が、第1のレジスタ構造481と482との間の基板平面に垂直で、方向zに沿って電極配置26a~26c、および、電極26d~26fについて相互に隣接して配置されるように、構成される。
【0135】
図8bは、MEMS802の模式断面図を示す。可動素子321と322との相対的な配向は、MEMS801について相互交換される。レジスタ構造481および482が、それぞれ、相互に隣接して、かつ、可動素子321と322との間、および、電極配置26a~26cと電極26d~26fとの間の基板平面に垂直なz方向に沿って配置される。レジスタ構造481と482との間の中間層222は、取り除かれるように図示されるけれども、同じもの(中間層222)は、レジスタ構造481と482との間に機械的な固定物が提供されてもよい。しかし、示されたバリエーションにおいて、レジスタ構造481と482とは互いに対して可動である。それは、異なる制御を可能にする。両方のレジスタ構造は、可動素子321および322などを介在させて、この動きを可能にするか、または制御する能動構造に接続される。MEMS801および802に提供された制御手段は、個々にまたは共通して可動素子321および322を制御するように構成される。制御手段86は、可動層の構造を制御するために、ここに説明されたどのような他のMEMSにでも提供される。
【0136】
すなわち、電極とリア構造とを積み重ねる着想は、より高い音圧レベルさえ得るために組み合わされる。例示的な組み合わせが図8aおよび8bに図示される。これは、また、可動のボリュームの2倍をもたらす。すなわち、マイクロスピーカーの場合、6dBの特別のボリュームが得られる。これは、積み重ねとリア構造との組み合わせが、約25dB(2×9)のボリュームの理論的な改良をもたらすことを意味する。ボリュームの2倍のための2および9を持つ、この例20*log(2*9)=25dBにおいて、得られた全体の高さ(600+75)/75のファクターが説明される、ということが仮定される。図8aに従うこの構造において、垂直のプルインは、完全に取り除かれることさえできる。蓋781および782と同様に、リア構造481および482が接地されるとき、リア構造と蓋ウェハーとの間の電気力の出現は防止され、すなわち、垂直のプルインは最早実用的に起こらない。
【0137】
図8aおよび8bは、2つのL-NED-Tアクチュエーターの積み重ねを示すけれども、Tはレジスタ構造と組み合わされた電極の形を指示する。この概念は、例えば、別の追加の電極構造またはL-NEDアクチュエーターが追加されるように、どのようにでも拡張される。
【0138】
図9は、実施の形態に従うMEMS100の模式のサイド断面図を示す。電極またはビーム26aおよび26bおよび26cは、隣接層において配置される、ビームまたは電極26dおよび26eおよび26fについて、それぞれ、好ましくは、電極の個々のオフセット911および912および913によってオフセット(斜め)にされる、オフセットは、代わりに、また、2つまたはいくつかの素子のために同じ量を持つか、または、x方向に沿って異なる方向に導かれもする。
【0139】
層241および242、と同様に、これらの層から構造化される可動素子321および322は、例えば中間層221および222を介在させて、相互に接続される。実施の形態は、距離911および912および913が、同じ値を想定する必要がないけれども、そうすることができるとことを含む。
【0140】
図10は、ビームに構造化される層241および242が、可動層の配置36を形成する、実施の形態の断面図を示す。図9に相似して、ビームの距離911および912および913は、最大100μm、好ましくは50μm、特に好ましくは5μmである。
【0141】
本発明の実施の形態は、また、蓋およびフロア平面が、電気信号の分配のために利用可能であるように、リア構造の平面の中の横に、入口開口および/または出口開口を設計することを可能にする。従って、好ましい増加したパッキング密度が得られる。
【0142】
実施の形態は、L-NED基づいたアクチュエーターの垂直または断面領域の高い拡大、例えば16倍を可能にする。本発明のマイクロスピーカーのために、これは最高24dBより多くサウンドレベルを生成できる。それは重要な量である。その上、効果は、本発明のマイクロポンプのためも有利である。全体の構造の高さがリア構造によって増加するので、垂直のプルイン電圧は大きく増加する。より高いプルイン電圧は、いくつかの設計自由を提供し、例えば、より長いL-NEDの長さを作り、かつ、より大きいNED撓みを得るために、(片側または両側の)固定物をより柔らかくする。ポンプおよびスピーカーおよびマイクロフォンを除いて、他の応用は、高周波の、特にTHz(テラヘルツ)範囲のためのMEMS導波路にも関連する。
【0143】
いくつかの面が、装置の文脈内で説明されるけれども、これらの面が、対応する方法の説明も表わすことも明らかである。その結果、装置のブロックまたはデバイスは、方法のステップ、または、方法のステップの特徴にも対応する。類似的に、方法のステップの文脈の中で説明された面も、対応する装置の対応するブロックまたは詳細または特徴の説明も表わす。
【0144】
上で説明された実施の形態は、本発明の原理を単に示すに過ぎない。ここに説明された配置と詳細の一部修正とバリエーションが当業者に明白であることは理解される。それは、従って、実施の形態の説明と議論によってここに提供された特定の詳細によってというよりも、以下の請求項の範囲によってのみ制限されることを意図する。
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図5a
図5b
図6a
図6b
図7a
図7b
図8a
図8b
図9
図10
図11a
図11b
図12
【手続補正書】
【提出日】2021-11-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビティ(16)を含んでいる基板(12)と、
第1のビーム(26a)、および、第2のビーム(26b)、および、前記第1のビーム(26a)と前記第2のビーム(26b)との間に配置され、前記第1のビーム(26a)と前記第2のビーム(26b)とから電気的に絶縁された離れた領域に固定される第3のビーム(26c)を含んでいる前記キャビティ(16)の中に配置された可動層の配置(36)と、を備え、
前記可動層の配置(36)は、前記第1のビーム(26a)と前記第3のビーム(26c)との間の電位に応答して、または、前記第2のビーム(26b)と前記第3のビーム(26c)との間の電位に応答して、基板平面において動きの方向(34)に沿って、動きを実行するように構成され、
前記第1のビーム(26a)および前記第2のビーム(26b)および前記第3のビーム(26c)は、前記可動層の配置(36)の第1の層(24;241)の部分であり、前記可動層の配置は、前記基板平面に垂直な方向(z)に沿って前記第1の層(24;241)に隣接して配置される第2の層(242;18)を含み、前記第2の層(242;18)は、前記動きの方向(34)に沿って移動可能に配置され、
前記第1の層(24;24 1 )に関連して、第2の層(24 2 ;18)は、流体と相互作用するための追加領域を提供する、MEMS。
【請求項2】
前記第1のビーム(26a)および前記第2のビーム(26b)および前記第3のビーム(26c)は、静電気的、圧電気的、熱機械的な電極である、請求項1に記載のMEMS。
【請求項3】
前記第2の層(242)は、第4のビーム(26d)および第5のビーム(26e)および第6のビーム(26f)に構造化され、前記基板平面に垂直な方向(z)に沿って、前記第4のビーム(26d)は前記第1のビーム(26a)に隣接して配置され、前記第5のビーム(26e)は、前記第2のビーム(26b)に隣接して配置され、前記第6のビーム(26f)は、前記第3のビーム(26c)に隣接して配置される、請求項1に記載のMEMS。
【請求項4】
隣接する層のビームは、相互にオフセットに配置される、請求項3に記載のMEMS。
【請求項5】
前記第1のビーム(26a)と前記第4のビーム(26d)、および、前記第2のビーム(26b)と前記第5のビーム(26e)、および、前記第3のビーム(26c)と前記第6のビーム(26f)のうちの少なくとも1つのペアは、前記第1の層(241)と前記第2の層(242)との間に配置された中間層(222)を介在させて、相互に機械的に接続される、請求項3に記載のMEMS。
【請求項6】
前記第3のビーム(26c)と前記前記第6のビーム(26f)とは、前記第1の層(241)と前記第2の層(242)との間に配置された中間層(222)を介在させて、相互に機械的に接続され、一方で前記第1のビーム(26a)と前記第4のビーム(26d)との間、および、他方で前記第2のビーム(26b)と前記第5のビーム(26e)との間の前記中間層(222)は、前記第1のビーム(26a)を前記第4のビーム(26d)から離れて置くと共に、前記第2のビーム(26b)を前記第5のビーム(26e)から離れて置くために取り除かれる、請求項3に記載のMEMS。
【請求項7】
一方で前記第1のビーム(26a)と前記第4のビーム(26d)とが、および、他方で前記第2のビーム(26b)と前記第5のビーム(26e)とが、前記第1の層(241)と前記第2の層(242)との間に配置された前記中間層(222)を介在させて相互に機械的に接続され、前記第3のビーム(26c)と前記第6のビーム(26f)との間の前記中間層(222)は、前記第3のビームと前記第6のビームとの間にギャップを設けるために、取り除かれる、請求項3に記載のMEMS。
【請求項8】
前記第1の層(241)と前記第2の層(242)とは、前記中間層(222)を介在させて、前記基板(12)の領域内で相互に接続され、前記中間層(222)は、前記第1のビーム(26a)と前記第4のビーム(26d)との間の、および、前記第2のビーム(26b)と前記第5のビーム(26e)との間の、および、前記第3のビーム(26c)と前記第6のビーム(26f)との間の前記キャビティ(16)の領域において取り除かれる、請求項3に記載のMEMS。
【請求項9】
前記第1のビーム(26a)および前記第2のビーム(26b)および前記第3のビーム(26c)は、可動層の構造(36)の第1の可動素子(321)を形成し、前記第4のビーム(26d)および前記第5のビーム(26e)および前記第6のビーム(26f)は、前記可動層の構造(36)の第2の可動素子(322)を形成し、前記第1の可動素子(321)は、前記第2の可動素子(322)に対して、前記動きの方向(34)に沿って可動に配置される、請求項8に記載のMEMS。
【請求項10】
一方では前記第1のビーム(26a)と前記第3のビーム(26c)との間に、および、他方では前記第4のビーム(26d)と前記第6のビーム(26f)との間に、異なる電位を印加することができる、および/または、
一方では前記第2のビーム(26b)と前記第3のビーム(26c)との間に、および、他方では前記第5のビーム(26e)と前記第6のビーム(26f)との間に、異なる電位を印加することができる、請求項9に記載のMEMS。
【請求項11】
前記第1のビーム(26a)および前記第2のビーム(26b)および前記第3のビーム(26c)は、可動素子(32)を形成し、前記第2の層(18)は、前記キャビティ(16)内の流体と相互作用するためのレジスタ構造(48)を形成し、前記レジスタ構造は、前記可動素子(32)に機械的に接続されると共に、前記可動素子(32)と一緒に動かされる、および/または、一緒に変形される、請求項1に記載のMEMS。
【請求項12】
前記レジスタ構造(48)は、中間層(22)の手段によって前記第1の層に接続される、請求項11に記載のMEMS。
【請求項13】
前記第1の層(241)は、前記第3のビーム(26c)とは反対を向く側の面に、前記第1のビーム(26a)または前記第2のビーム(26b)に機械的に固定されるピギーバック素子(62)をさらに含み、前記レジスタ構造(48)は、前記ピギーバック素子(62)の上に少なくとも部分的に配置される、請求項11に記載のMEMS。
【請求項14】
前記ピギーバック素子(62)は、結合素子(64)を介在させて前記第1のビーム(26a)または前記第2のビーム(26b)に機械的に堅く接続され、前記結合素子(64)は、前記可動素子(32)の変形の間に最大の撓みを生じる領域の中に配置される、請求項13に記載のMEMS。
【請求項15】
前記レジスタ構造(48)は、前記動きの方向(34)に垂直で、かつ、前記可動層の配置(36)の軸の延長方向(y)に沿って前記基板平面に平行に配置された、いくつかの部分素子(48a~48j)を含む、請求項11に記載のMEMS。
【請求項16】
前記部分素子(48a~48j)は、前記軸の延長方向(y)に沿って、相互に距離(72)を持つ、請求項15に記載のMEMS。
【請求項17】
前記距離(72)は、最大100μmであり、好ましくは最大10μmであり、特に好ましくは最大1μmである、請求項16に記載のMEMS。
【請求項18】
前記部分素子(48a~48j)は、前記第1のビーム(26a)または前記第2のビーム(26b)または前記第3のビーム(26c)のいずれかに、機械的に堅く接続される、請求項15に記載のMEMS。
【請求項19】
前記部分素子(48a~48j)は、前記第1のビーム(26a)および前記第2のビーム(26b)および前記第3のビーム(26c)のうちの少なくとも2つの上に配置される、請求項15に記載のMEMS。
【請求項20】
前記動きの方向(34)に沿ったまたは反対の方向での、前記レジスタ構造(48)と前記基板(12)との間の第1の距離(581)は、前記第1のビーム(26a)と前記第3のビーム(26c)との間の第2の距離(421)より大きい、請求項11に記載のMEMS。
【請求項21】
前記第1の距離(581)は、前記第2の距離(421)よりも、少なくとも1~20倍、好ましくは3~10倍、特に好ましくは5~7倍大きい、請求項20に記載のMEMS。
【請求項22】
前記第2の層(18)の前記基板平面に垂直な層厚(56)は、前記第1の層(241)よりも、少なくとも1~20倍、好ましくは3~10倍、特に好ましくは5~7倍大きい、請求項11に記載のMEMS。
【請求項23】
前記第1の層(241)の層厚(52)と、前記第1のビーム(26a)と前記第3のビーム(26c)との間の距離(421)と、についての前記第1の層(241)のアスペクト比は、40未満である、請求項11に記載のMEMS。
【請求項24】
前記レジスタ構造(48)は、前記第1の層(241)の第1の側に配置された第1のレジスタ構造であり、さらに、前記第1の側とは反対の側に配置された、前記第1の層(241)の第2の側に配置された第2のレジスタ構造を含む、請求項11に記載のMEMS。
【請求項25】
前記レジスタ構造(48)は、前記キャビティ(16)内に配置された流体のための流体レジスタを設けている、請求項11に記載のMEMS。
【請求項26】
前記可動層の配置(36)は、第4のビーム(26d)および第5のビーム(26e)および第6のビーム(26f)に構造化される第3の層(242)を含み、前記第1のビーム(26a)および前記第2のビーム(26b)および前記第3のビーム(26c)が、前記可動層の配置(36)の第1の可動素子(321)を形成すると共に、前記第4のビーム(26d)および前記第5のビーム(26e)および前記第6のビーム(26f)が、前記可動層の配置(36)の第2の可動素子(322)を形成する、請求項11に記載のMEMS。
【請求項27】
前記第1の可動素子(321)は、前記第2の可動素子(322)に機械的に接続されるか、または、接続されない、請求項26に記載のMEMS。
【請求項28】
前記レジスタ構造(48)は第1のレジスタ構造(481)であり、前記第2の可動素子(322)に接続された第2のレジスタ構造(482)含む、請求項26に記載のMEMS。
【請求項29】
前記第1の可動素子(321)および前記第2の可動素子(322)は、前記第1のレジスタ構造(481)と前記第2のレジスタ構造(482)との間に、相互に隣接して、かつ、前記基板平面に垂直な方向(z)に沿って配置される、請求項28に記載のMEMS。
【請求項30】
前記第1のレジスタ構造(481)および前記第2のレジスタ構造(482)は、前記第1の可動素子(321)と前記第2の可動素子(322)との間に、相互に隣接して、かつ、前記基板平面に垂直な方向(z)に沿って配置される、請求項28に記載のMEMS。
【請求項31】
前記第1のレジスタ構造(481)および前記第2のレジスタ構造(482)は、互いに対して可動である、請求項30に記載のMEMS。
【請求項32】
前記可動層の構造(36)は、前記基板(12)の一方の側に固定された、曲がっているビーム構造を含む、請求項1に記載のMEMS。
【請求項33】
前記第1の層(24;241)および前記第2の層(242;18)の前記基板平面に垂直な層厚は、少なくとも50μmである、請求項1に記載のMEMS。
【請求項34】
前記基板平面に平行で、かつ、前記動きの方向(34)に垂直な方向(y)での前記可動層の配置に沿っての軸の延長は、厚さ方向に沿って前記可動層の配置の大きさに比較して、少なくとも0.5倍の大きさを持つ、請求項1に記載のMEMS。
【請求項35】
前記キャビティ(16)は、少なくとも1つの開口(28)を介在させて、前記基板(12)の外部の環境(88)に流体的に接続され、前記少なくとも1つの開口(28)は、前記可動層の配置の平面内に配置される、請求項1に記載のMEMS。
【請求項36】
MEMSのポンプ、または、MEMSのスピーカー、または、MEMSのマイクロフォン、または、MEMSのテラヘルツ導波路として構成される、請求項1に記載のMEMS。
【請求項37】
前記可動層の構造を制御するように構成された制御手段(86)を含む、請求項1に記載のMEMS。
【請求項38】
前記第1のビーム(26a)および前記第2のビーム(26b)および前記第3のビーム(26c)は、第1の可動素子(321)を形成し、前記MEMSは複数の可動素子を含み、前記制御手段(86)は、前記複数の可動素子を個々に制御するように構成される、請求項37に記載のMEMS。
【国際調査報告】