(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-20
(54)【発明の名称】喫煙代用システム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/50 20200101AFI20220513BHJP
A24F 40/60 20200101ALI20220513BHJP
【FI】
A24F40/50
A24F40/60
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021556987
(86)(22)【出願日】2020-03-13
(85)【翻訳文提出日】2021-11-22
(86)【国際出願番号】 EP2020056810
(87)【国際公開番号】W WO2020193198
(87)【国際公開日】2020-10-01
(32)【優先日】2019-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517211274
【氏名又は名称】ネルディア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100093861
【氏名又は名称】大賀 眞司
(74)【代理人】
【識別番号】100129218
【氏名又は名称】百本 宏之
(72)【発明者】
【氏名】ケイト・フェリー
(72)【発明者】
【氏名】ロス・シェントン
(72)【発明者】
【氏名】クリス・ロード
(72)【発明者】
【氏名】メッド・ベニエザ-
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB22
4B162AB23
4B162AB28
4B162AC34
4B162AC50
4B162AD02
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4B162AD12
4B162AD15
4B162AD16
4B162AD20
4B162AD22
4B162AD23
(57)【要約】
非燃焼加熱式デバイスが、コントローラと、加熱器と、ユーザインターフェースとを含み、コントローラは、ユーザインターフェースで受け取ったユーザ選択に基づいて、選択的にロック動作モードまたは待機動作モードに入るように構成され、それによって加熱器は、両方の動作モードで非活動化され、コントローラは、ユーザインターフェースで、i)デバイスがロック動作モードに入ったときに、第1の所定のユーザ入力を受け取ったとき、またはii)デバイスが待機動作モードに入ったときに、第1の所定のユーザ入力とは異なる第2の所定のユーザ入力を受け取ったとき、加熱器を活動化するようにさらに構成される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントローラと、
加熱器と、
ユーザインターフェースとを含み、
前記コントローラが、前記ユーザインターフェースで受け取ったユーザ選択に基づいて、選択的にロック動作モードまたは待機動作モードに入るように構成され、それによって前記加熱器が、両方の動作モードで非活動化され、
前記コントローラが、前記ユーザインターフェースで、i)前記デバイスが前記ロック動作モードに入ったときに、第1の所定のユーザ入力を受け取ったとき、またはii)前記デバイスが前記待機動作モードに入ったときに、前記第1の所定のユーザ入力とは異なる第2の所定のユーザ入力を受け取ったとき、前記加熱器を活動化するようにさらに構成される、
非燃焼加熱式デバイス。
【請求項2】
前記ユーザ選択が、所定のユーザ選択を含み、前記コントローラが、所定の事象の発生を検出したとき、前記加熱器を非活動化して、前記デバイスを前記ロック動作モードまたは前記待機動作モードに入れるように構成される、請求項1に記載の非燃焼加熱式デバイス。
【請求項3】
前記所定の事象が、i)前記消耗品の枯渇、ii)前記デバイスからの前記消耗品の取出し、iii)前記デバイスのキャップの後退、およびiv)加熱器の活動化または行われた最後のパフからの所定の期間の経過のうちの1つまたは複数を含む、請求項2に記載の非燃焼加熱式デバイス。
【請求項4】
前記ユーザインターフェースで前記ユーザ選択を受け取ったとき、前記コントローラが、前記加熱器を非活動化し、前記デバイスを前記ロック動作モードまたは前記待機動作モードに入れるように構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載の非燃焼加熱式デバイス。
【請求項5】
前記ユーザ選択が、前記デバイスをそれぞれのロック動作モードおよび待機動作モードに各々入れるための異なる選択入力を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の非燃焼加熱式デバイス。
【請求項6】
前記第1の所定のユーザ入力が、前記ユーザインターフェースでの複数のユーザ押下を含み、前記第2の所定のユーザ入力が、前記ユーザインターフェースでの1つまたは複数のユーザ押下を含み、前記第2の所定のユーザ入力における前記ユーザ押下の数が、前記第1の所定の入力における前記ユーザ押下の数より小さい、請求項1から5のいずれか一項に記載の非燃焼加熱式デバイス。
【請求項7】
前記第1の所定のユーザ入力が、前記インターフェースで受け取られるユーザパスワードおよび指紋入力のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の非燃焼加熱式デバイス。
【請求項8】
前記第2の所定のユーザ入力が、前記ユーザインターフェースでの単一のユーザ押下を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の非燃焼加熱式デバイス。
【請求項9】
i)請求項1から8のいずれか一項に記載の非燃焼加熱式デバイスと、
ii)エアロゾル形成物品と
を含む喫煙代用システム。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか一項に記載の非燃焼加熱式デバイスを動作させる方法であって、
i)前記ユーザ選択を受け取ることと、
ii)前記ユーザ選択に基づいて、前記ロック動作モードまたは前記待機動作モードに入ることと、
iii)前記デバイスが前記ロック動作モードに入ったときに、前記第1の所定のユーザ入力を受け取ったとき、または前記デバイスが前記待機動作モードに入ったときに、前記第2の所定のユーザ入力を受け取ったとき、前記加熱器を活動化することとを含む、方法。
【請求項11】
i)前記所定の事象の発生を検出することと、
ii)前記加熱器を非活動化して、前記デバイスを前記ロック動作モードまたは前記待機動作モードに入れることと
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[1]本発明は、喫煙代用システムに関し、それだけには限らないが詳細には、非燃焼加熱式デバイスを含む喫煙代用システム、およびエアロゾル形成物品に関する。
【背景技術】
【0002】
[2]タバコの喫煙は、喫煙者を、潜在的に有害な物質にさらすものと一般的にみなされている。タバコが燃えること、および/またはタバコの燃焼によって引き起こされる熱、ならびにタバコの煙それ自体における燃えたタバコの成分を通して、著しい量の潜在的に有害な物質が生成されると一般的に考えられている。
【0003】
[3]シガレットなどの従来の可燃性喫煙物品は、通常、ラッパーによって取り囲まれたタバコの細片を含む円柱状のタバコロッドを含み、通常は、巻かれたタバコロッドと当接関係で軸方向に位置合わせされた円柱状フィルタも含む。フィルタは、通常、プラグラップによって外接された濾過材料を含む。巻かれたタバコロッドおよびフィルタは、フィルタの長さ全体および巻かれたタバコロッドの隣接部分に外接する巻かれた帯状のチップペーパーによって一緒にまとめられる。このタイプの従来のシガレットは、フィルタとは反対の位置にある端部に火をつけて、タバコロッドを燃やすことによって使用される。喫煙者は、シガレットの口側端またはフィルタ端で吸い込むことによって、自身の口の中に主流煙を受け入れる。
【0004】
[4]タバコなどの有機材料の燃焼は、タールおよび他の潜在的に有害な副産物を生み出すことが知られている。タバコの喫煙を回避するために、さまざまな喫煙代用システム(または「代用喫煙システム」)が提案されている。
【0005】
[5]そのような喫煙代用システムは、喫煙をやめ、ニコチンへの依存を克服することを望む人々に向けたニコチン置換療法の一部を形成することができる。
【0006】
[6]喫煙代用システムは、エアロゾル(「蒸気」とも呼ばれる)を生み出すことによって、ユーザが喫煙の行為をシミュレートするのを可能にする電子システムを含み、エアロゾルは、口を通って肺の中に吸い込まれ(吸入され)、次いで吐き出される。吸入されたエアロゾルは、通常、従来の喫煙に関連付けられた匂いおよび健康リスクのない、または匂いおよび健康リスクがより少ない、ニコチンおよび/または風味付けを有している。
【0007】
[7]一般に、喫煙代用システムは、従来の喫煙および可燃性タバコ製品で体験したものと同様の体験および満足感をユーザに提供しながら、喫煙の習慣的行為の代用を提供することを意図している。いくつかの喫煙代用システムは、喫煙代用物品(「消耗品」とも呼ばれる)を使用し、そのような喫煙代用物品は、従来のシガレットに似せて設計されており、一端にマウスピースのついた円柱状の形である。
【0008】
[8]喫煙代用システムの人気および使用は、過去数年間で急速に成長している。もともとはタバコの喫煙をやめたいと望む常習的な喫煙者を支援する補助として市販化されたものの、消費者は、喫煙代用システムを、望ましいライフスタイルの付属品としてますます見るようになっている。
【0009】
[9]いくつかの異なるカテゴリの喫煙代用システムが存在し、その各々が、異なる喫煙代用アプローチを利用する。
【0010】
[10]喫煙代用システムのための1つのアプローチが、いわゆる加熱式タバコ(「HT」)アプローチであり、このアプローチでは、タバコ(「eリキッド」ではない)は、加熱され、または加温されて蒸気を放出する。HTは、「非燃焼加熱式」(「HNB」)としても知られている。タバコは、葉タバコであっても再構成タバコであってもよい。蒸気は、ニコチンおよび/または風味付けを含有することができる。HTアプローチにおいて、その意図は、タバコが燃やされずに加熱され、すなわちタバコが燃焼を受けないことである。
【0011】
[11]典型的なHT喫煙代用システムは、デバイスおよび消耗品を含むことができる。消耗品は、タバコ材料を含むことができる。デバイスおよび消耗品は、物理的にともに結合されるように構成されてよい。使用において、デバイスの加熱要素によってタバコ材料に熱が付与されてよく、タバコ材料を通る空気流が、タバコ材料における成分を蒸気として放出させる。蒸気はまた、タバコ材料におけるキャリア(このキャリアは、たとえばプロピレングリコールおよび/または野菜グリセリンを含むことができる)、加えて、タバコから放出される揮発性化合物から形成されてもよい。放出された蒸気は、タバコを通して吸い込まれた空気流に同伴されてよい。
【0012】
[12]蒸発した場所から消耗品の出口(たとえば、マウスピース)へと、蒸気が消耗品を通過する(空気流に同伴される)とき、蒸気は、冷え、凝結して、ユーザによる吸入のためのエアロゾルを形成する。エアロゾルは、通常、揮発性化合物を含有する。
【0013】
[13]HT喫煙代用システムにおいては、タバコ材料を燃やすこととは対照的に、加熱することにより、喫煙中に通例生み出されるより多くの有害な化合物をより少なくさせる、またはより少量にさせると信じられている。結果として、HTアプローチは、タバコが燃えること、タバコの燃焼、および熱分解(pyrolytic)劣化を通して生じ得る、匂いおよび/または健康リスクを低減することができる。
【0014】
[14]使用されていないとき、現在利用可能なHT喫煙代用デバイスは、通常、待機動作モードに入る。すなわち、そのようなHT喫煙代用デバイスの加熱器は、ユーザインターフェースの単一のユーザ押下を受け取ると、再活動化されてよい。しかし、そのようなデバイスは、無許可のユーザ、特に未成年者にとって、危険を呈することがある。さらに、デバイスは、待機動作モードで輸送および貯蔵されるとき、ユーザインターフェースが押下されると、不注意で電源投入される可能性がある。
【0015】
[15]ユーザ体験を強化し、HT喫煙代用システムの機能を改善するために、喫煙代用システム、特にHT喫煙代用システムの改善された設計が必要とされている。
【0016】
[16]本開示は、上記の課題に鑑みて考案された。
【発明の概要】
【0017】
[17]最も一般的に、本発明は、ユーザ選択に基づいて、ロック動作モードまたは待機動作モードに入るように構成された非燃焼加熱式デバイスに関する。加熱器をロック動作モードから活動化するために、単一のユーザ押下より複雑な設定のユーザ入力を必要としてよく、それによって、加熱器は、子どもにとって安全となり、またはデバイスを不注意に活動化することに対する余分の保護層を提供することが可能になり得る。しかし同時に、デバイスを使用するたびにそのような複雑な設定のユーザ入力を入力することは、ユーザにとって不都合となり得る。したがって、本発明は、ユーザが、ユーザの好みに従って、ロック動作モードと待機動作モードとの間で選択することを可能にすることができることが有利である。
【0018】
[18]本発明の第1の態様によれば、コントローラと、加熱器と、ユーザインターフェースとを含む非燃焼加熱式デバイスが提供され、コントローラは、ユーザインターフェースで受け取ったユーザ選択に基づいて、選択的にロック動作モードまたは待機動作モードに入るように構成され、それによって加熱器は、両方の動作モードで非活動化され、コントローラは、ユーザインターフェースで、i)デバイスがロック動作モードに入ったときに、第1の所定のユーザ入力を受け取ったとき、またはii)デバイスが待機動作モードに入ったときに、第1の所定のユーザ入力とは異なる第2の所定のユーザ入力を受け取ったとき、加熱器を活動化するようにさらに構成される。
【0019】
[19]概して、加熱器は、デバイスがロック動作モードおよび待機動作モードのどちらに入ったときも、非活動化されてよい。しかし、コントローラ、ならびにユーザインターフェースなどのデバイスの他の電子構成要素は、デバイスがロック動作モードおよび待機動作モードに入ったとき、活動状態または動作状態のままとしてよい。
【0020】
[20]たとえば、加熱器は、動作モードの両方で非活動化されるのに対して、加熱器は各々、加熱器を再活動化するために、特有の所定のユーザ入力を必要としてよい。より具体的には、第1の所定のユーザ入力は、保証されない加熱器の活動化を回避するために、第2の所定のユーザ入力より複雑な技法を伴う1組のユーザ入力としてよく、たとえばユーザは、加熱器を活動化するためにデバイスをアンロックしなければならない。他方では、第2の所定のユーザ入力は、はるかに簡単な入力技法としてよく、したがってユーザは、加熱器を好都合に活動化することができる。
【0021】
[21]加熱器は、第1の所定のユーザ入力を待機動作モードで受け取ったとき、活動化してもしなくてもよい。たとえば、加熱器は、第1の所定のユーザ入力を受け取ったとき、第2の所定のユーザ入力(たとえば、単一のユーザ押下)が、第1の所定のユーザ入力(たとえば、複数のユーザ押下)の一部を形成する場合、それにもかかわらず活動化することができる。別法として、加熱器は、第1の所定のユーザ入力を受け取ったとき、第2の所定のユーザ入力(たとえば、所与の時間枠内の単一のユーザ押下)が、第1の所定のユーザ入力(たとえば、所与の時間枠内の複数のユーザ押下)の一部を形成する場合でも、活動化しなくてよい。
【0022】
[22]加熱器は、ロック動作モードにおいて、第2の所定のユーザ入力、または第1の所定のユーザ入力以外の任意の他のユーザ入力を受け取ったとき、活動化しなくてよい。これにより、特定の第1の所定のユーザ入力を受け取らない限り、加熱器が活動化するのを防止することができることが有利である。
【0023】
[23]印加される所定のユーザ入力のタイプに応じて、ユーザインターフェースは、ユーザボタン、キーパッド、カメラ、または指紋リーダのうちの1つまたは複数を含むことができる。これにより、所定のユーザ入力を1つまたは複数の可能な方法で入力することを可能にすることができる。
【0024】
[24]任意選択の特徴について、次に説明する。これらは、単独で、または任意の態様との任意の組合せで、適用可能である。
【0025】
[25]任意選択で、前記ユーザ選択は、所定のユーザ選択を含み、コントローラは、所定の事象の発生を検出したとき、加熱器を非活動化して、デバイスをロック動作モードまたは待機動作モードに入れるように構成される。
【0026】
[26]たとえば、所定のユーザ選択は、加熱器の活動化前に受け取ったユーザ選択としてよく、デバイスメモリに記憶してよい。したがって、所定の事象の発生を検出したとき、コントローラは、所定のユーザ選択をメモリから取り出すことができ、加熱器を非活動化するとき、コントローラは、前記所定のユーザ選択に基づいて、デバイスをロックまたは待機動作モードのうちの1つに入れることができる。メモリに記憶されているそのような所定のユーザ選択は、ユーザがユーザインターフェースで新しいユーザ選択を入力した後、上書きされてよい。たとえば、ユーザは、待機動作モードをデフォルトとして選択することができ、したがってデバイスは、加熱器が非活動化されるたびに、待機動作モードに入ることができる。ユーザは、場合によっては、ロック動作モードを選択することができ、それによって、所望される場合、以前のユーザ選択を上書きすることができる。
【0027】
[27]そのような構成は、ユーザが使用のたびにユーザ選択を入力する必要がないため、デバイスの動作を簡略化することが有利である。
【0028】
[28]任意選択で、所定の事象は、i)消耗品の枯渇または消耗、ii)デバイスからの消耗品の取出し、iii)デバイスのキャップの後退、およびiv)加熱器の活動化からの所定の期間の経過のうちの1つまたは複数を含む。
【0029】
[29]所定の事象は、ユーザセッションまたは喫煙セッションの終了に対応することができる。たとえば、コントローラは、加熱器を自動的に非活動化するように構成されてよい。これにより、デバイスが加熱器または消耗品の過熱を回避し、それによって関連するリスクを低減し、ならびに電池でのエネルギー流出を低減することを可能にすることができることが有利である。
【0030】
[30]デバイスは、前記所定の事象を検出する1つまたは複数の検出器を含むことができる。マイクロスイッチまたは他の手段が設けられてよく、そのような手段は、キャップと、消耗品と、デバイスとの間の相対的な動きを検出し、それによって加熱器を非活動化するようにコントローラに信号送信する。パフセンサが設けられてよく、パフセンサは、行われたパフの数および/または消耗品が枯渇するまでに残っている数を数える。たとえば、コントローラは、行われたパフの数が、消耗品にとって可能なパフの所定の数に到達したとき、加熱器を非活動化するように構成されてよい。コントローラは、加熱器の活動化またはパフが最後に行われたときからの経過時間を判定することができ、経過時間が所定の期間に到達すると、加熱器を非活動化することができる。
【0031】
[31]別法として、または加えて、ユーザインターフェースでユーザ選択を受け取ったとき、コントローラは、加熱器を非活動化し、デバイスをロック動作モードまたは待機動作モードに入れるように構成される。より具体的には、ユーザ選択は、たとえばユーザセッション中に、加熱器が活動化されたとき、受け取られ得る。すなわち、ユーザセッション中に受け取ったユーザ選択は、加熱器を非活動化してよく、たとえばセッションは、記載のように所定の事象の発生を検出したときは、終了しなくてよいが、ユーザ選択を受け取ったことに基づいて終了することができる。別法として、ユーザセッション中に受け取ったユーザ選択は、加熱器を非活動化しなくてよく、たとえばセッションは、継続することができ、記載のように所定の事象の発生を検出したときのみ終了する。さらに、加熱器の活動化中に受け取ったユーザ選択は、デバイスメモリに記憶されている所定のユーザ選択を上書きすることができる。
【0032】
[32]任意選択で、ユーザ選択は、デバイスをそれぞれのロック動作モードおよび待機動作モードに各々入れるための異なる選択入力を含む。たとえば、ロック動作モードに入るための選択入力は、ユーザインターフェースでのユーザ押下を所与の時間量にわたって、たとえば少なくとも2秒にわたって保持することとしてよく、待機動作モードに入るための選択入力は、各々1秒未満だけ続くユーザインターフェースでの複数のより短いユーザ押下、たとえばユーザインターフェースでの複数のタップとしてよい。選択入力は、セッション中の加熱器の活動化の前または途中に、ユーザインターフェースで入力されてよい。
【0033】
[33]任意選択で、第1の所定のユーザ入力は、ユーザインターフェースでの複数のユーザ押下を含み、第2の所定のユーザ入力は、ユーザインターフェースでの1つまたは複数のユーザ押下を含み、第2の所定のユーザ入力におけるユーザ押下の数は、第1の所定の入力におけるユーザ押下の数より小さい。ユーザインターフェースは、ボタンまたはタッチパッドとしてよい。ユーザ押下は、ユーザインターフェースで、所定の期間内に入力されてよい。ユーザ押下は、ユーザインターフェースで、ユーザ押下シーケンスとして、所定の頻度で入力されてよい。たとえば、第1の所定のシーケンスにおけるユーザ押下の数は、少なくとも3回の押下、または3~5回の押下の範囲内、好ましくは5回の押下としてよい。第2の所定のシーケンスにおけるユーザ押下の数は、2回以下の押下、好ましくは単一のユーザ押下としてよい。そのような構成の結果、第1の所定のユーザ入力と第2の所定のユーザ入力との間で顕著な区別が生じ、それによって第1の所定のユーザ入力以外のユーザ入力がユーザインターフェースで入力されたときに、加熱器を活動化する可能性を低減することができることが有利である。
【0034】
[34]任意選択で、第1の所定のユーザ入力は、インターフェースで受け取られるユーザパスワードおよび指紋入力のうちの少なくとも1つを含む。たとえば、第1の所定のユーザ入力は、キーボードまたはキーパッドで入力されるパスワードまたはコードとしてよい。第1の所定のユーザ入力は、指紋レコグナイザで識別可能な指紋としてよい。これにより、未成年者などの無許可のユーザからデバイスをロックすることを可能にすることができることが有利である。
【0035】
[35]任意選択で、第2の所定のユーザ入力は、ユーザインターフェースでの単一のユーザ押下を含む。たとえば、単一のユーザ押下は、1秒未満だけ続くユーザインターフェースでの短いユーザ押下としてよく、または1秒を超えて続くユーザインターフェースでのユーザ押下をユーザが保持することを必要としてよい。単一のユーザ押下は、ユーザが加熱器を待機動作モードから迅速に活動化することができるように、1秒未満だけ続くユーザ押下を含むことができることが好ましい。
【0036】
[36]任意選択で、デバイスは、ユーザパスワード、所定の期間にわたる所定のパターンでの電源ボタンの押下、および指紋検出のうちの少なくとも1つを含む所定のユーザ入力を受け取るためのユーザインターフェースを含むことができる。
【0037】
[37]デバイスは、細長い本体を含むことができる。細長い本体の端部は、エアロゾル形成物品に係合するように構成されてよい。たとえば、本体は、加熱式タバコ(HT)消耗品(または非燃焼加熱式(HNB)消耗品)に係合するように構成されてよい。用語「加熱式タバコ」および「非燃焼加熱式」は、燃焼されるのではなく加熱されるタイプの消耗品について説明するために、本明細書で区別なく使用される(または、そのような消耗品とともに使用するためのデバイスについて説明するために、区別なく使用される)。デバイスは、消耗品の少なくとも一部分を受け取るように(すなわち、消耗品に係合するように)構成された空洞を含むことができる。エアロゾル形成物品は、エアロゾル形成体(たとえば、エアロゾル形成基質によって担持される)を含むタイプとしてよい。
【0038】
[38]デバイスは、エアロゾル形成物品を加熱する加熱器を含むことができる。加熱器は、加熱要素を含むことができ、加熱要素は、デバイスの本体から延びるロッドの形としてよい。加熱要素は、エアロゾル形成物品に係合するように構成された本体の端部から延びることができる。
【0039】
[39]加熱器(したがって、加熱要素)は、本体に堅く取り付けられてよい。加熱要素は、長手方向軸を画定するように細長くすることができ、たとえば、実質的に円形の横断方向プロファイル(すなわち、加熱要素の長手方向軸に対して横断方向)を有することができる(すなわち、加熱要素を略円柱状としてよい)。別法として、加熱要素は、方形の横断方向プロファイルを有することができる(すなわち、加熱器を「ブレード加熱器」としてよい)。別法として、加熱要素は、管の形状としてよい(すなわち、加熱器を「管状加熱器」としてよい)。加熱要素は、他の形をとってもよい(たとえば、加熱要素が長円形の横断方向プロファイルを有してもよい)。加熱要素の横断方向プロファイルの形状および/またはサイズ(たとえば、直径)は、加熱要素の長さ全体(または実質的に長さ全体)にわたって概して一貫したものとしてよい。
【0040】
[40]加熱要素は、長さ15mm~25mm、たとえば長さ18mm~20mm、たとえば長さ約19mmとしてよい。加熱要素は、1.5mm~2.5mmの直径、たとえば2mm~2.3mmの直径、たとえば約2.15mmの直径を有することができる。
【0041】
[41]加熱要素は、セラミックから形成されてよい。加熱要素は、Al2O3を含むコア(たとえば、セラミックコア)を含むことができる。加熱要素のコアは、1.8mm~2.1mm、たとえば1.9mm~2mmの直径を有することができる。加熱要素は、Al2O3を含む外層(たとえば、外側セラミック層)を含むことができる。外層の厚さは、160μm~220μm、たとえば170μm~190μm、たとえば約180μmとしてよい。加熱要素は、加熱トラックを含むことができ、加熱トラックは、加熱要素に沿って長手方向に延びることができる。加熱トラックは、加熱要素の外層とコアとの間に挟まれてよい。加熱トラックは、タングステンおよび/またはレニウムを含むことができる。加熱トラックは、約20μmの厚さを有することができる。
【0042】
[42]加熱要素は、(デバイスの)空洞に位置してよく、空洞の内部ベースから空洞の開口の方へ(たとえば、長手方向軸に沿って)延びることができる。加熱要素の長さ(すなわち、加熱器の長手方向軸に沿った長さ)は、空洞の深さより小さくすることができる。したがって、加熱要素は、空洞の長さの一部分のみにわたって延びることができる。すなわち、加熱要素は、空洞の開口を通って(または越えて)延びなくてよい。
【0043】
[43]加熱要素は、エアロゾル形成物品が空洞に受け入れられたとき、エアロゾル形成物品(たとえば、HT消耗品)に挿入されるように構成されてよい。その点で、加熱要素の遠位端(すなわち、デバイスに取り付けられた加熱要素のベースから遠位)が、先細りした部分を含むことができ、それにより、エアロゾル形成物品への加熱要素の挿入を容易にすることができる。エアロゾル形成物品が空洞に受け入れられたとき、加熱要素はエアロゾル形成物品に完全に貫入することができる。すなわち、加熱要素の長さ全体または実質的に長さ全体が、エアロゾル形成物品に受け入れられてよい。
【0044】
[44]加熱要素は、エアロゾル形成物品(たとえば、HT消耗品)の一部を形成するエアロゾル形成基質の軸方向の長さより小さい、または実質的に同じ長さを有することができる。したがって、そのようなエアロゾル形成物品がデバイスに係合されたとき、加熱要素は、エアロゾル形成基質のみに貫入することができ、エアロゾル形成物品の他の構成要素は貫入しなくてよい。加熱要素は、エアロゾル形成物品のエアロゾル形成基質の実質的に軸方向の長さ全体にわたって、エアロゾル形成基質に貫入することができる。したがって、加熱要素によって貫入されたとき、加熱要素(たとえば、その外周面)から周辺のエアロゾル形成基質へ、熱が伝達され得る。すなわち、熱は、径方向外方(円柱状の加熱要素の場合)またはたとえば径方向内方(管状加熱器の場合)へ伝達され得る。
【0045】
[45]加熱器が管状加熱器である場合、管状加熱器の加熱要素は、空洞の少なくとも一部分を取り囲むことができる。エアロゾル形成物品の一部分が空洞に受け入れられたとき、加熱要素は、エアロゾル形成物品の一部分を取り囲む(すなわち、エアロゾル形成物品のその部分を加熱する)ことができる。特に、加熱要素は、エアロゾル形成物品のエアロゾル形成基質を取り囲むことができる。すなわち、エアロゾル形成物品がデバイスに係合されたとき、エアロゾル形成物品のエアロゾル形成基質は、(管状)加熱要素の内面に隣接して位置してよい。加熱要素が活動化されたとき、加熱要素の内面から径方向内方へ熱が伝達されて、エアロゾル形成基質を加熱することができる。
【0046】
[46]空洞は、(たとえば、円周)壁(または複数の壁)を含むことができ、(管状)加熱要素は、この壁の少なくとも一部分の周りに延びることができる。このようにして、壁は、加熱要素の内面とエアロゾル形成物品の外面との間に位置してよい。空洞の壁(または複数の壁)は、加熱要素からエアロゾル形成物品への熱伝導を可能にするために、熱伝導性材料(たとえば、金属)から形成されてよい。したがって、加熱要素から、空洞壁(または複数の壁)を通って、空洞に受け入れられたエアロゾル形成物品のエアロゾル形成基質へ、熱が伝導され得る。
【0047】
[47]いくつかの実施形態において、デバイスは、エアロゾル形成物品に係合するように構成された本体の端部に配置されたキャップを含むことができる。デバイスが、加熱要素を有する加熱器を含む場合、キャップは、加熱要素を少なくとも部分的に囲むことができる。キャップは、加熱要素へのアクセスが提供される開放位置と、キャップが加熱要素を少なくとも部分的に囲む閉鎖位置との間で、可動としてよい。キャップは、デバイスの本体に摺動可能に係合されてよく、開放位置と閉鎖位置との間で摺動可能としてよい。
【0048】
[48]キャップは、デバイスの空洞の少なくとも一部分を画定することができる。すなわち、空洞は、キャップによって完全に画定されてよく、またはキャップおよび本体の各々が、空洞の一部分を画定してよい。キャップが空洞を完全に画定する場合、キャップは、加熱要素を空洞に受け入れる(キャップが閉鎖位置にあるとき)ための開口部を含むことができる。キャップは、空洞への開口を含むことができる。開口は、エアロゾル形成物品の少なくとも一部分を受け取るように構成されてよい。すなわち、エアロゾル形成物品は、開口を通って空洞に挿入されてよい(デバイスに係合される)。
【0049】
[49]キャップは、エアロゾル形成物品がデバイスに係合された(たとえば、空洞に受け入れられた)とき、エアロゾル形成物品の一部分のみが空洞に受け入れられるように構成されてよい。すなわち、エアロゾル形成物品の一部分(空洞に受け入れられていない部分)が、開口から突出してよい(すなわち、開口を越えて延びる)。エアロゾル形成物品のこの(突出)部分は、エアロゾル形成物品の末端(たとえば、口側端)としてよく、この末端は、デバイスによって形成されたエアロゾルを吸入する目的で、ユーザの口に受け入れられてよい。
【0050】
[50]デバイスは、電源を含むことができ、または電源(たとえば、デバイスとは別個の電源)に接続可能としてよい。電源は、加熱器に電気的に接続可能としてよい。その点で、加熱器への電源の電気的接続を変更(たとえば、トグル)することは、加熱器の状態に影響を及ぼし得る。たとえば、加熱器への電源の電気的接続をトグルすることで、加熱器をオン状態とオフ状態との間でトグルすることができる。電源は、パワーストアとしてよい。たとえば、電源は、電池または再充電可能な電池(たとえば、リチウムイオン電池)としてよい。
【0051】
[51]デバイスは、入力接続(たとえば、USBポート、Micro USBポート、USB-Cポートなど)を含むことができる。入力接続は、電源供給口などの外部電力源に接続するように構成されてよい。入力接続は、場合により、内部電源(たとえば、電池または再充電可能な電池)の代用として使用されてよい。すなわち、入力接続は、加熱器に電気的に接続可能としてよい(加熱器に電力を提供するため)。したがって、いくつかの形態において、入力接続は、デバイスの電源の少なくとも一部を形成してよい。
【0052】
[52]電源が再充電可能な電源(再充電可能な電池など)を含む場合、入力接続は、電源を充電および再充電するために使用されてよい。
【0053】
[53]デバイスは、ユーザインターフェース(UI)を含むことができる。いくつかの実施形態において、UIは、ユーザから動作コマンドを受け取るための入力手段を含むことができる。たとえば、UIは、ユーザ入力またはユーザ押下、すなわち第1の所定のユーザ入力、第2の所定のユーザ入力、および/またはユーザ選択、たとえば選択入力を受け取るように構成されてよい。具体的には、ユーザ入力は、ユーザパスワード、電源ボタンの押下(ユーザ押下)、および指紋検出のうちの少なくとも1つを含む。UIの入力手段は、ユーザがデバイスの動作の少なくとも1つの形態を制御することを可能にすることができる。いくつかの実施形態において、入力手段は、デバイスをオン状態とオフ状態との間で切り換えるための電源ボタンを含むことができる。
【0054】
[54]いくつかの実施形態において、UIは、加えて、または別法として、ユーザに情報を伝達するための出力手段を含むことができる。いくつかの実施形態において、出力手段は、デバイスの現在の動作モードをユーザに示すように構成されてよい。いくつかの実施形態において、出力手段はまた、デバイス(および/またはエアロゾル形成物品)の状態をユーザに示すためのライトを含むことができる。ユーザに示されるデバイス(および/またはエアロゾル形成物品)の状態は、加熱器の動作を示す状態を含むことができる。たとえば、状態は、加熱器がオフ状態であるかオン状態であるかを含むことができる。いくつかの実施形態において、UIユニットは、ボタン、ディスプレイ、タッチスクリーン、スイッチ、ライトなどのうちの少なくとも1つを含むことができる。たとえば、出力手段は、1つまたは複数(たとえば、2つ、3つ、4つなど)の発光ダイオード(「LED」)を含むことができ、発光ダイオードは、デバイスの本体に位置してよい。
【0055】
[55]デバイスは、パフセンサ(たとえば、空気流センサ)をさらに含むことができ、パフセンサは、UIの入力手段の一部を形成する。パフセンサは、ユーザがエアロゾル形成物品の端部(すなわち、末端(口側端))で吸い込んだことを検出するように構成されてよい。パフセンサは、たとえば、圧力センサまたはマイクロフォンとしてよい。パフセンサは、パフの状態を示す信号を生み出すように構成されてよい。信号は、ユーザが(エアロゾル形成物品からのエアロゾルを)吸い込んだことを、たとえば2値信号の形で示すことができる。別法として、または加えて、信号は、吸込みの特徴(たとえば、吸込みの流量、吸込みの時間の長さなど)を示すことができる。いくつかの実施形態において、デバイスは、運動センサ、圧力センサ、マイクロスイッチなど、所定の事象の発生を検出するための1つまたは複数の他のタイプの検出器またはセンサを含むことができる。前記所定の事象は、(i)消耗品の枯渇または消耗、(ii)デバイスからの消耗品の取出し、(iii)デバイスのキャップの後退、および(iv)加熱器の活動化または行われた最後のパフからの所定の期間の経過のうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0056】
[56]デバイスは、コントローラを含むことができ、またはコントローラに接続可能としてよく、コントローラは、デバイスの少なくとも1つの機能を制御するように構成されてよい。コントローラは、マイクロコントローラを含むことができ、マイクロコントローラは、たとえば、プリント回路基板(PCB)に取り付けられてよい。コントローラはまた、メモリ、たとえば不揮発性メモリを含むことができる。メモリは、命令を含むことができ、命令は、実施されたとき、コントローラに、方法の特定のタスクまたはステップを実行させることができる。デバイスが入力接続を含む場合、コントローラは、入力接続に接続されてよい。
【0057】
[57]コントローラは、加熱器(およびたとえば、加熱要素)の動作を制御するように構成されてよい。したがって、コントローラは、デバイスに係合されたエアロゾル形成物品のエアロゾル形成部分の蒸発を制御するように構成されてよい。さらに、コントローラは、ユーザインターフェースで受け取ったユーザ選択に基づいて、選択的にロック動作モードまたは待機動作モードに入るように構成されてよい。さらに、コントローラは、ユーザインターフェースで、i)デバイスがロック動作モードに入ったときに、第1の所定のユーザ入力を受け取ったとき、またはii)デバイスが待機動作モードに入ったときに、第1の所定のユーザ入力とは異なる第2の所定のユーザ入力を受け取ったとき、加熱器を活動化するように構成されてよい。
【0058】
[58]加えて、コントローラは、電源によって加熱器に印加される電圧を制御するように構成されてよい。たとえば、コントローラは、加熱器に(電源の)全出力電圧を印加することと、加熱器に電圧を印加しないこととの間で、トグルするように構成されてよい。別法として、または加えて、制御ユニットは、より複雑な加熱器制御プロトコルを実施してもよい。
【0059】
[59]デバイスは、電源によって供給された出力電圧を調整して調整電圧を形成するための電圧調整器をさらに含むことができる。調整電圧は、次に、加熱器に印加されてよい。いくつかの実施形態において、電圧調整器は、ロック動作モードおよび待機動作モードの両方で、電源によって加熱器に供給される出力電圧を調整するように構成されてよい。たとえば、ロック動作モードおよび待機動作モード中、電圧調整器は、電源が加熱器に電力を供給することを可能にしなくてもよい。
【0060】
[60]いくつかの実施形態において、デバイスがUIを含む場合、コントローラは、UIの1つまたは複数の構成要素に動作可能に接続されてよい。コントローラは、UIの入力手段からコマンド信号を受け取るように構成されてよい。コントローラは、コマンド信号に応答して、加熱器を制御するように構成されてよい。たとえば、コントローラは、UIから「オン」および「オフ」コマンド信号を受け取るように構成されてよく、それに応答して、対応するオンまたはオフ状態になるように、加熱器を制御することができる。
【0061】
[61]コントローラは、UIの構成要素へ出力信号を送るように構成されてよい。UIは、そのような出力信号(コントローラから受け取る)に応答して、出力手段を介して、情報をユーザへ伝達するように構成されてよい。たとえば、デバイスが1つまたは複数のLEDを含む場合、LEDは、コントローラに動作可能に接続されてよい。したがって、コントローラは、LEDの点灯を(たとえば、出力信号に応答して)制御するように構成されてよい。たとえば、コントローラは、加熱器の状態(たとえば、オンまたはオフ)に従って、LEDの点灯を制御するように構成されてよい。
【0062】
[62]デバイスがセンサ(たとえば、パフ/空気流センサ)を含む場合、コントローラは、センサに動作可能に接続されてよい。コントローラは、センサからの信号(たとえば、デバイスおよび/または係合されたエアロゾル形成物品の状態を示す)を受け取るように構成されてよい。コントローラは、センサからの信号に基づいて、加熱器、または出力手段の形態を制御するように構成されてよい。
【0063】
[63]デバイスは、外部デバイスと無線で(たとえば、Bluetooth(登録商標)(たとえば、Bluetoothの低エネルギー接続)またはWiFi(登録商標)を介して)通信するように構成された無線インターフェースを含むことができる。同様に、入力接続は、デバイスと外部デバイスとの間の通信を提供するために、外部デバイスに有線接続するように構成されてよい。
【0064】
[64]外部デバイスは、移動デバイスとしてよい。たとえば、外部デバイスは、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、またはスマートカーとしてよい。外部デバイス(たとえば、移動デバイス)には、アプリケーション(たとえば、アプリ)がインストールされてよい。アプリケーションは、有線または無線接続を介したデバイスと外部デバイスとの間の通信を容易にすることができる。
【0065】
[65]無線または有線インターフェースは、外部デバイスとデバイスのコントローラとの間で信号を伝達するように構成されてよい。この点で、コントローラは、外部デバイスから受け取った信号に応答して、デバイスの形態を制御することができる。別法として、または加えて、外部デバイスは、デバイス(たとえば、デバイスのコントローラ)から受け取った信号に応答することができる。
【0066】
[66]第2の態様において、第1の態様による非燃焼加熱式デバイスと、エアロゾル形成物品とを含むシステム(たとえば、喫煙代用システム)が提供される。エアロゾル形成物品は、エアロゾル形成物品の上流端に、エアロゾル形成基質を含むことができる。物品は、喫煙代用物品、たとえば加熱式タバコ(HT)消耗品(非燃焼加熱式(HNB)消耗品としても知られる)の形としてよい。
【0067】
[67]本明細書では、用語「上流」および「下流」は、蒸気/エアロゾルの流れ方向を指すことを意図しており、すなわち物品/消耗品の下流端は、エアロゾルがユーザによる吸入のために消耗品を出る口側端または出口である。物品/消耗品の上流端は、下流端とは反対の位置にある端部である。
【0068】
[68]エアロゾル形成基質は、エアロゾルを形成することができる少なくとも1つの揮発性化合物を放出するために、加熱することが可能である。エアロゾル形成基質は、物品/消耗品の上流端に位置してよい。
【0069】
[69]エアロゾルを生成するために、エアロゾル形成基質は、少なくとも1つの揮発性化合物を含み、そのような揮発性化合物は、蒸発/エアロゾル化されるように意図され、吸入されるときに、ユーザに、気晴らし効果および/または薬用効果を提供することができる。好適な化学的および/または生理学的に活性な揮発性化合物は、nicotine(ニコチン)、cocaine(コカイン)、caffeine(カフェイン)、opiates(アヘン剤)およびopoids(オピオイド)、cathine(カチン)およびcathinone(カチノン)、kavalactones(カバラクトン)、mysticin、beta-carboline alkaloids(ベータ・カルボリンアルカロイド)、salvinorin A(サルビノリンA)からなる群を、上記の任意の組合せ、機能的等価物、および/または合成の代替物と一緒に含む。
【0070】
[70]エアロゾル形成基質は、植物材料を含むことができる。植物材料は、Amaranthus dubius、Arctostaphylos uva-ursi(クマコケモモ)、Argemone mexicana、Amica、Artemisia vulgaris、Yellow Tees(イエローティー)、Galea zacatechichi、Canavalia maritima(Baybean(ベイビーン))、Cecropia mexicana(Guamura(グアムラ))、Cestrum noctumum、Cynoglossum virginianum(wild comfrey(ワイルドコンフリー))、Cytisus scoparius、damiana(ダミアナ)、Entada rheedii、Eschscholzia califomica(California Poppy(ハナビシソウ))、Fittonia albivenis、Hippobroma longiflora、Humulus japonica(Japanese Hops(カナムグラ))、Humulus lupulus(Hops(ホップ))、Lactuca virosa(Lettuce Opium(ワイルドレタス))、Laggera alata、Leonotis leonurus、Leonurus cardiaca(Motherwort(ヨウシュメハジキ))、Leonurus sibiricus(Honeyweed(メハジキ))、Lobelia cardinalis、Lobelia inflata(Indian-tobacco(ロベリアソウ))、Lobelia siphilitica、Nepeta cataria(Catnip(イヌハッカ))、タバコ属種(タバコ)、Nymphaea alba(White Lily(セイヨウスイレン))、Nymphaea caerulea(Blue Lily(ルリスイレン))、Opium poppy(ケシ)、Passiflora incamata(Passionflower(チャボトケイソウ))、Pedicularis densiflora(Indian Warrior(インディアンウォーリアー))、Pedicularis groenlandica(Elephant’s Head(エレファントヘッド))、Salvia divinorum、Salvia dorrii(Tobacco Sage(タバコ・セージ))、サルビア属種(セージ)、Scutellaria galericulata、Scutellaria lateriflora、Scutellaria nana、Scutellaria属種(Skullcap(タツナミソウ))、Sida acuta(Wireweed(ホソバキンゴジカ))、Sida rhombifolia、Silene capensis、Syzygium aromaticum(Clove(チョウジ))、Tagetes lucida(Mexican Tarragon(ミントマリーゴールド))、Tarchonanthus camphoratus、Tumera diffusa(Damiana(ダミアナ))、モウズイカ属(モウズイカ)、Zamia latifolia(Maconha Brava(マコンハ・ブラーバ))を含むリストから選択された少なくとも1つの植物材料を、上記の任意の組合せ、機能的等価物、および/または合成の代替物と一緒に含むことができる。
【0071】
[71]植物材料は、タバコとしてよい。任意のタイプのタバコが使用されてよい。これは、それだけに限定されるものではないが、鉄管乾燥タバコ、バーレイタバコ、メリーランドタバコ、暗色空気乾燥タバコ、オリエンタルタバコ、暗色火干タバコ、ペリックタバコ、およびルスチカタバコを含む。これはまた、上述したタバコのブレンドを含む。
【0072】
[72]タバコは、葉タバコ、茎タバコ、タバコ粉末、タバコダスト、タバコ派生物、膨化タバコ、均質タバコ、刻みタバコ、押出しタバコ、刻みラグタバコ、および/または再構成タバコ(たとえば、スラリーリーコンまたは紙リーコン)の1つまたは複数を含むことができる。
【0073】
[73]エアロゾル形成基質は、均質(たとえば、紙/スラリーリーコン)タバコの収集シート、またはそのようなシートから形成された収集細片/ストリップを含むことができる。
【0074】
[74]エアロゾル形成基質は、湿潤剤、風味剤、充填剤、水性/非水性溶媒、および結合剤から選択された1つまたは複数の添加物を含むことができる。
【0075】
[75]風味剤は、固体または液体の形で提供されてよい。風味剤は、メントール、リコリス、チョコレート、果実風味(たとえば、柑橘類、サクランボなどを含む)、バニラ、香辛料(たとえば、ショウガ、シナモン)、およびタバコ風味を含むことができる。風味剤は、エアロゾル形成基質全体にわたって均一に分散されても、エアロゾル形成基質全体にわたって離れた場所および/またはさまざまな濃度で提供されてもよい。
【0076】
[76]エアロゾル形成基質は、物品/消耗品が従来のシガレットに似るように、実質的に円柱状の形状で形成されてよい。エアロゾル形成基質は、5~10mm、たとえば6~9mmまたは6~8mm、たとえば約7mmの直径を有することができる。エアロゾル形成基質は、10~15mm、たとえば約12または13mmなど11~14mmの軸方向の長さを有することができる。
【0077】
[77]物品/消耗品は、少なくとも1つのフィルタ要素を含むことができる。物品/消耗品の下流/口側端に、末端フィルタ要素が位置してよい。
【0078】
[78]フィルタ要素または少なくとも1つのフィルタ要素(たとえば、末端フィルタ要素)は、酢酸セルロースまたはポリプロピレンのトウから構成されてよい。少なくとも1つのフィルタ要素(たとえば、末端フィルタ要素)は、活性炭から構成されてよい。少なくとも1つのフィルタ要素(たとえば、末端要素)は、紙から構成されてよい。フィルタ要素または各フィルタ要素は、少なくとも部分的(たとえば全体的)に、プラグラップ、たとえば紙プラグラップによって外接されてよい。
【0079】
[79]外接するチップ層、たとえばチップペーパー層によって、末端フィルタ要素(物品/消耗品の下流端)を上流要素につなぎ合わせて、物品/消耗品を形成することができる。チップペーパーは、末端フィルタ要素の軸方向の長さより長い軸方向の長さを有することができ、したがってチップペーパーは、末端フィルタ要素と、あらゆる隣接上流要素を取り囲むラップ層とに完全に外接する。
【0080】
[80]いくつかの実施形態において、物品/消耗品は、エアロゾル形成基質から生成(熱交換による)されたエアロゾルを、ユーザによって吸入される前に冷却するように適合されたエアロゾル冷却要素を含むことができる。
【0081】
[81]物品/消耗品は、エアロゾル形成基質と消耗品の下流端との間に空間または空洞を画定するスペーサ要素を含むことができる。スペーサ要素は、紙筒を含むことができる。スペーサ要素は、(紙)ラップ層によって外接されてよい。
【0082】
[82]本発明の第3の態様によれば、第2の態様によるシステムを使用する方法が提供され、この方法は、エアロゾル形成物品をデバイスに挿入することと、デバイスの加熱器を使用して物品を加熱することとを含む。
【0083】
[83]任意選択で、この方法は、デバイスの本体内の空洞に物品を挿入することと、物品を挿入するとき、物品をデバイスの加熱要素に貫入させることとを含むことができる。
【0084】
[84]本発明の第4の態様によれば、第1の態様による非燃焼加熱式デバイスを動作させる方法が提供され、この方法は、i)ユーザ選択を受け取ることと、ii)前記ユーザ選択に基づいて、ロック動作モードまたは待機動作モードに入ることと、iii)デバイスがロック動作モードに入ったときに、第1の所定のユーザ入力を受け取ったとき、またはデバイスが待機動作モードに入ったときに、第2の所定のユーザ入力を受け取ったとき、加熱器を活動化することとを含む。
【0085】
[85]任意選択で、この方法は、i)所定の事象の発生を検出することと、ii)加熱器を非活動化して、デバイスをロック動作モードまたは待機動作モードに入れることとをさらに含む。
【0086】
[86]本発明は、記載の態様および好ましい特徴の組合せが、明白に容認できないまたは明示的に回避される場合を除いて、そのような組合せを含む。
【0087】
[87]相互に排他的な場合を除いて、上記の態様のいずれか1つに関連して説明する特徴またはパラメータは、いずれの他の態様にも適用されてよいことが、当業者には認識されよう。さらに、相互に排他的な場合を除いて、本明細書に記載する任意の特徴またはパラメータは、いずれの態様に適用されてもよく、かつ/または本明細書に記載する任意の他の特徴もしくはパラメータと組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0088】
[88]本発明を理解することができるように、およびそのさらなる態様および特徴を認識することができるように、添付の図面を参照して、本発明の原理を例示する実施形態について、これよりさらに詳細に論じることにする。
【
図1A】[89]
図1Aは、喫煙代用システムの概略図である。
【
図2A】[91]
図2Aは、消耗品がデバイスに係合されている、喫煙代用システムの第1の実施形態の正面図である。
【
図2B】[92]
図2Bは、消耗品がデバイスから切り離されている、喫煙代用システムの第1の実施形態の正面図である。
【
図2C】[93]
図2Cは、喫煙代用システムの第1の実施形態の消耗品の断面図である。
【
図2D】[94]
図2Dは、喫煙代用システムの第1の実施形態のデバイスの端部の詳細図である。
【
図2E】[95]
図2Eは、喫煙代用システムの第1の実施形態の断面図である。
【
図3】[96]
図3は、喫煙代用デバイスの動作方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0089】
[97]本発明の態様および実施形態について、添付の図を参照して次に論じる。さらなる態様および実施形態は、当業者には明らかである。この本文で触れるすべての文書は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0090】
[98]
図1Aは、喫煙代用システム100の概略的な全体像を提供する概略図である。システム100は、代用喫煙デバイス101と、消耗品102の形のエアロゾル形成物品とを含み、消耗品102は、エアロゾル形成体103を含む。システムは、エアロゾル形成体103を加熱することによって、エアロゾル形成体を蒸発させるように構成される(ユーザによる吸入のための蒸気/エアロゾルを形成する)。
【0091】
[99]示されているシステムにおいて、加熱器104は、消耗品102の一部を形成し、エアロゾル形成体103を加熱するように構成される。この変形例において、加熱器104は、たとえば消耗品102がデバイス101に係合されているとき、電源105に電気的に接続可能である。加熱器104からの熱により、エアロゾル形成体103が蒸発し、蒸気を生じさせる。次に蒸気は凝結してエアロゾルを形成し、エアロゾルは最終的にユーザによって吸引される。
【0092】
[100]システム100は、電源105をさらに含み、電源105は、デバイス101の一部を形成する。他の実施形態において、電源105は、デバイス101の外部に位置してよい(ただし、デバイス101に接続可能である)。電源105は、電源105が加熱器104に電力を供給することが可能になるように(すなわち、エアロゾル形成体103を加熱する目的)、加熱器104に電気的に接続可能である。したがって、加熱器104への電源105の電気的接続を制御することで、加熱器104の状態の制御を提供する。電源105は、パワーストア、たとえば電池または再充電可能な電池(たとえば、リチウムイオン電池)としてよい。
【0093】
[101]システム100は、コネクタ106(たとえば、USBポート、Micro USBポート、USB-Cポートなどの形)を含むI/Oモジュールをさらに含む。コネクタ106は、外部電力源、たとえば電源供給口に接続するように構成される。コネクタ106は、電源105の代用として使用されてよい。すなわち、コネクタ106は、加熱器104に電気を供給するように、加熱器104に電気的に接続可能としてよい。そのような実施形態において、デバイスは電源を含まなくてよく、代わりにシステムの電源が、コネクタ106および外部電力源(コネクタ106が電気的接続を提供する)を含むことができる。
【0094】
[102]いくつかの実施形態において、コネクタ106は、電源105が再充電可能な電池を含む場合、電源105を充電および再充電するために使用されてよい。
【0095】
[103]システム100はまた、ユーザインターフェース(UI)107を含む。図示しないが、UI107は、ユーザからコマンドを受け取るための入力手段を含むことができる。UI107の入力手段により、ユーザは、システム100の動作の少なくとも1つの形態を制御することが可能になる。入力手段は、たとえば、ボタン、タッチスクリーン、スイッチ、マイクロフォンなどの形としてよい。
【0096】
[104]UI107はまた、ユーザに情報を伝達するための出力手段を含む。出力手段は、たとえば、ライト(たとえば、LED)、ディスプレイ画面、スピーカ、振動生成器などを含むことができる。
【0097】
[105]システム100は、コントローラ108と、コントローラ108に動作可能に結合されたメモリ109とをさらに含み、コントローラ108は、デバイス101の少なくとも1つの機能を制御するように構成される。示されている実施形態において、コントローラ108は、デバイス101の構成要素であるが、他の実施形態では、デバイス101とは別個(ただし、デバイス101に接続可能)としてよい。さらに、コントローラ108は、ユーザインターフェース107で受け取ったユーザ選択に基づいて、選択的にロック動作モードまたは待機動作モードに入るように構成されてよい。さらに、コントローラは、ユーザインターフェース107で、i)デバイス101がロック動作モードに入ったときに、第1の所定のユーザ入力を受け取ったとき、またはii)デバイス101が待機動作モードに入ったときに、第1の所定のユーザ入力とは異なる第2の所定のユーザ入力を受け取ったとき、加熱器104を活動化するように構成されてよい。さらに、コントローラ108は、加熱器104の動作を制御するように構成され、たとえば、電源105から加熱器104に印加される電圧を制御するように構成されてよい。コントローラ108は、電源105の全出力電圧が加熱器104に印加されるオン状態と、加熱器104に電圧が印加されないオフ状態との間で、加熱器104への電力の供給をトグルするように構成されてよい。一例では、コントローラ108は、デバイス101がロック動作モードおよび待機動作モードの両方で動作しているとき、加熱器104を非活動化するように構成されてよい。
【0098】
[106]図示しないが、システム100はまた、電源105からの出力電圧を調整して調整電圧を形成するための電圧調整器を含むことができる。調整電圧は、次いで、加熱器104に印加されてよい。いくつかの実施形態において、電圧調整器は、調整電圧を加熱器104に印加して加熱器104を活動化することを可能にすることができる。さらに、電圧調整器は、デバイス101がロック動作モードおよび待機動作モードで動作しているとき、加熱器104への電圧の供給を切断することができる。
【0099】
[107]加熱器104に接続されることに加えて、コントローラ108は、UI107に動作可能に接続される。したがって、コントローラ108は、UI107の入力手段から入力信号を受け取ることができる。同様に、コントローラ108は、UI107へ出力信号を伝送することができる。それに応答して、UI107の出力手段は、出力信号に基づいて、ユーザに情報を伝達することができる。コントローラはまた、メモリ109を含み、メモリ109は不揮発性メモリである。メモリ109は、命令を含み、命令は、実施されたとき、コントローラ108に、方法の特定のタスクまたはステップを実行させる。メモリはまた、所定のユーザ選択を記憶するように構成され、メモリ109に記憶されている所定のユーザ選択は、ユーザインターフェース107で受け取ったさらに更新されているユーザ選択によって、上書きすることができる。
【0100】
[108]さらに、システム100は、デバイス101内のコントローラ108に結合された検出器またはセンサ110を含むことができる。センサ110は、マイクロスイッチ、パフセンサ、圧力センサ、運動センサ、またはデバイス101内に取り付けられた任意の他の類似のセンサとしてよい。センサ110は、(i)消耗品102の枯渇、たとえば消耗品102の完全な消費、(ii)デバイス101からの消耗品102の取出し、(iii)デバイス101のキャップの後退、ならびに(iv)加熱器104の活動化または行われた最後のパフからの所定の期間の経過を含む所定の状態のうちの少なくとも1つを検出し、それによって加熱器104を非活動化するように構成されてよい。
【0101】
[109]
図1Bは、
図1Aのシステム100の変形例を示す概略図である。
図1Bのシステム100’において、加熱器104は、消耗品102ではなくデバイス101の一部を形成する。この変形例において、加熱器104は、電源105に電気的に接続されている。
【0102】
[110]
図2Aおよび
図2Bは、加熱式タバコ(HT)喫煙代用システム200を示す。システム200は、
図1Aまたは
図1Bに関連して説明したシステム100、100’の一例である。システム200はHTデバイス201とHT消耗品202とを含む。上記の
図1Aおよび
図1Bの説明は、
図2Aおよび
図2Bのシステム200にも適用可能であり、したがって繰り返さないこととする。
【0103】
[111]デバイス201および消耗品202は、消耗品202をデバイス201に係合することができるように構成される。
図2Aは、デバイス201および消耗品202を係合された状態で示し、
図2Bは、デバイス201および消耗品202を切り離された状態で示す。
【0104】
[112]デバイス201は、本体209およびキャップ210を含む。使用において、キャップ210は、本体209の端部で係合される。これらの図からは明らかでないが、キャップ210は、本体209に対して可動である。特に、キャップ210は摺動可能であり、本体209の長手方向軸に沿って摺動することができる。
【0105】
[113]デバイス201は、デバイス201の長手方向軸に沿ってデバイス201の本体209の外面に線形に配置された複数の発光ダイオード(LED)211の形の出力手段(デバイス201のUIの一部を形成する)を含む。ボタン212も、デバイス201の本体209の外面に配置され、複数のLED211から軸方向に(すなわち、長手方向軸に沿って)隔置される。
【0106】
[114]
図2Cは、システム200の消耗品202の詳細断面図を示す。消耗品202は、シガレットに概ね類似している。その点で、消耗品202は、略円柱状の形を有し、7mmの直径および70mmの軸方向の長さを有する。消耗品202は、エアロゾル形成基質213、末端フィルタ要素214、上流フィルタ要素215、およびスペーサ要素216を含む。他の実施形態において、消耗品は、冷却要素をさらに含むことができる。冷却要素は、蒸気の凝結を容易にするために、エアロゾル形成基質213によって形成された蒸気と熱を交換して、蒸気を冷却することができる。
【0107】
[115]エアロゾル形成基質213は、実質的に円柱状であり、消耗品202の上流端217に位置し、システム200のエアロゾル形成体を含む。その点で、エアロゾル形成基質213は、デバイス201によって加熱されて蒸気を放出するように構成される。放出された蒸気は、次に、エアロゾル形成基質213を流れる空気流に同伴される。空気流は、ユーザが消耗品202の下流端218(すなわち、末端または口側端)で吸い込む作用によって生み出される。
【0108】
[116]本実施形態において、エアロゾル形成基質213はタバコ材料を含み、タバコ材料は、たとえば、タバコ植物の任意の好適な部分(たとえば、葉、茎、根、皮、種、および花)を含むことができる。タバコは、葉タバコ、茎タバコ、タバコ粉末、タバコダスト、タバコ派生物、膨化タバコ、均質タバコ、刻みタバコ、押出しタバコ、刻みラグタバコ、および/または再構成タバコ(たとえば、スラリーリーコンまたは紙リーコン)の1つまたは複数を含むことができる。たとえば、エアロゾル形成基質213は、均質(たとえば、紙/スラリーリーコン)タバコの収集シート、またはそのようなシートから形成された収集細片/ストリップを含むことができる。
【0109】
[117]エアロゾルを生成するために、エアロゾル形成基質213は、少なくとも1つの揮発性化合物を含み、そのような揮発性化合物は、蒸発/エアロゾル化されるように意図され、吸入されるときに、ユーザに、気晴らし効果および/または薬用効果を提供することができる。エアロゾル形成基質213は、1つまたは複数の添加物をさらに含むことができる。たとえば、そのような添加物は、湿潤剤(たとえば、プロピレングリコールおよび/または野菜グリセリン)、風味剤、充填剤、水性/非水性溶媒、および/または結合剤の形としてよい。
【0110】
[118]末端フィルタ要素214もまた、実質的に円柱状であり、エアロゾル形成基質213の下流で、消耗品202の下流端218に位置する。末端フィルタ要素214は、孔219(たとえば、空気流のため)が形成された中空フィルタ要素の形である。孔219の直径は2mmである。末端フィルタ要素214は、多孔質の(たとえば、モノアセテートの)フィルタ材料から形成される。上述したように、消耗品202の下流端218(すなわち、末端フィルタ214が位置する)は、ユーザが吸い込む消耗品202のマウスピース部分を形成する。空気流は、上流端217から、消耗品202の構成要素を通って吸い込まれて、下流端218から出る。空気流は、ユーザが消耗品202の下流端218(すなわち、マウスピース部分)で吸い込むことによって駆動される。
【0111】
[119]上流フィルタ要素215は、エアロゾル形成基質213と末端フィルタ要素214との間で、エアロゾル形成基質213に軸方向に隣接して位置する。末端フィルタ214と同様に、上流フィルタ要素215は、中空フィルタ要素の形であり、孔220が中空フィルタ要素を通って軸方向に延びる。このようにして、上流フィルタ215は、空気流制限器として作用することができる。上流フィルタ要素215は、多孔質の(たとえば、モノアセテートの)フィルタ材料から形成される。上流フィルタ要素215の孔220は、末端フィルタ要素214より大きい直径(3mm)を有する。
【0112】
[120]スペーサ216は、紙筒の形であり、上流フィルタ要素215と末端フィルタ要素214との間に空洞またはチャンバを画定する。スペーサ216は、エアロゾル形成基質213からの蒸気/エアロゾルの冷却および混合の両方を可能にするように作用する。スペーサは、7mmの外径および14mmの軸方向の長さを有する。
【0113】
[121]これらの図からは明らかでないが、エアロゾル形成基質213、上流フィルタ215、およびスペーサ216は、紙ラップ層によって外接される。末端フィルタ214は、チップ層によって外接され、チップ層はまた、紙ラップ層の一部分に外接する(末端フィルタ214を消耗品202の残りの構成要素に接続するため)。上流フィルタ215および末端フィルタ214は、プラグラップの形のさらなるラップ層によって外接される。
【0114】
[122]次にデバイス201を再び参照すると、
図2Dは、消耗品202に係合するように構成されたデバイス201の端部の詳細図を示す。デバイス201のキャップ210は、キャップ210によって画定された内部空洞222への開口221を含む(
図2Dからより明らかである)。開口221および空洞222は、消耗品202の少なくとも一部分を受け取るように形成される。消耗品202をデバイス201に係合するとき、消耗品202の一部分が、開口221を通って空洞222に受け入れられる。係合後(
図2B参照)、消耗品202の下流端218は、開口221から突出し、したがってデバイス201からも突出する。開口221は、横方向に配置されたノッチ226を含む。消耗品202が開口221に受け入れられたとき、これらのノッチ226は開いたままであり、たとえばデバイス201の端部を覆うためのカバーを保持するために使用され得る。
【0115】
[123]
図2Eは、デバイス201を通る中心長手方向平面の断面図を示す。デバイス201は、消耗品202が係合された状態で示されている。
【0116】
[124]デバイス201は加熱器204を含み、加熱器204は加熱要素223を含む。加熱器204は、デバイス201の本体209の一部を形成し、本体209に堅く取り付けられる。示されている実施形態において、加熱器204はロッド加熱器であり、加熱要素223が円形の横断方向プロファイルを有している。他の実施形態において、加熱器は、ブレード加熱器(たとえば、方形の横断方向プロファイルを有する加熱要素)または管状加熱器(たとえば、管状の形を有する加熱要素)の形としてよい。
【0117】
[125]加熱器204の加熱要素223は、空洞222の内部ベースから長手方向軸に沿って開口221の方へ突出する。この図から明らかなように、加熱要素の長さ(すなわち、長手方向軸に沿った長さ)は、空洞222の深さより小さい。このようにして、加熱要素223は、開口221から突出せず、または開口221を越えて延びない。
【0118】
[126]消耗品202が空洞222に受け入れられたとき(
図2Eに示す)、加熱要素223は、消耗品202のエアロゾル形成基質213に貫入する。特に、加熱要素223は、挿入されたとき、エアロゾル形成基質213の軸方向の長さのほぼ全体にわたって延びる。したがって、加熱器204が活動化されたとき、加熱要素223の外周面からエアロゾル形成基質213へ、熱が径方向に伝達される。
【0119】
[127]デバイス201は、電子機器空洞224をさらに含む。再充電可能な電池205(リチウムイオン電池)の形の電源が、電子機器空洞224に位置する。
【0120】
[128]デバイス201は、USBポート206の形のコネクタ(すなわち、デバイス201のIOモジュールの一部を形成する)を含む。たとえば、コネクタは、別法として、たとえばマイクロUSBポートまたはUSB-Cポートとしてよい。USBポート206は、再充電可能な電池205を再充電するために使用されてよい。
【0121】
[129]デバイス201は、電子機器空洞224に位置するコントローラ(図示せず)を含む。コントローラは、プリント回路基板(PCB)に取り付けられたマイクロコントローラを含む。USBポート206はまた、コントローラ208に接続される(すなわち、PCBおよびマイクロコントローラに接続される)。
【0122】
[130]コントローラ208は、デバイス201の少なくとも1つの機能を制御するように構成される。たとえば、コントローラ208は、加熱器204の動作を制御するように構成される。加熱器204の動作のそのような制御は、コントローラが加熱器204への再充電可能な電池205の電気的接続をトグルすることによって実現されてよい。たとえば、コントローラ208は、ユーザがボタン212を押下したことに応答して、加熱器204を制御するように構成される。ボタン212を押下することで、コントローラが、加熱器204に電圧(再充電可能な電池205から)が印加される(加熱要素223が加熱される)ことを可能にし得る。
【0123】
[131]一態様において、コントローラ208は、ユーザインターフェースで受け取ったユーザ選択に基づいて、選択的にロック動作モードまたは待機動作モードに入るように構成される。さらに、コントローラ208は、ユーザインターフェースで、i)デバイスがロック動作モードに入ったときに、第1の所定のユーザ入力を受け取ったとき、またはii)デバイスが待機動作モードに入ったときに、第1の所定のユーザ入力とは異なる第2の所定のユーザ入力を受け取ったとき、加熱器を活動化するように構成される。
【0124】
[132]示されている実施形態において、コントローラ208は、検出器またはセンサで、所定の事象の発生を検出したとき加熱器204を非活動化し、デバイス201のメモリに記憶されている所定のユーザ選択に基づいて、デバイス201をロック動作モードまたは待機動作モードに入れるように構成される。
【0125】
[133]所定の事象は、ユーザセッションまたは喫煙セッションの終了に対応する。示されている実施形態において、所定の事象は、i)消耗品202の枯渇、ii)デバイス201からの消耗品202の取出し、iii)デバイス201のキャップ210の後退、およびiv)加熱器204の活動化からの所定の期間の経過のうちのいずれか1つである。所定の事象の発生を検出したとき、コントローラ208は、加熱器204を自動的に非活動化するように構成される。
【0126】
[134]所定の事象のうちのいくつかは、何らかの形で、デバイス201に物理的な損傷を引き起こす可能性があることを理解されたい。たとえば、加熱器204がまだ活動状態または通電状態にあるとき、消耗品202が取り外された場合、加熱器204が過熱することがあり、それによって、加熱器204または加熱器204に物理的に接続された他の構成要素に損傷を招く可能性がある。同様に、デバイス201のキャップ210の後退、および所定の(すなわち、長い)期間を超えた加熱器204の活動化は、加熱器204を過熱させる可能性がある。
【0127】
[135]所定のユーザ選択は、加熱器204の活動化前に受け取られ、それによってメモリに記憶されているユーザ選択である。したがって、所定の事象の発生を検出したとき、コントローラ208は、所定のユーザ選択をメモリから取り出し、加熱器204を非活動化するとき、前記所定のユーザ選択に基づいて、ロックまたは待機動作モードのうちの1つに入るように構成される。
【0128】
[136]デバイス201のメモリに記憶されているそのような所定のユーザ選択は、ユーザがユーザインターフェース212で新しいユーザ選択を入力した後、上書きすることができる。たとえば、ユーザは、待機動作モードをデフォルト動作モードとして選択することができ、したがってデバイス201は、加熱器204が非活動化されるたびに、待機動作モードに入る。ユーザは、場合によっては、ロック動作モードを選択することができ、それによって所望される場合、以前のユーザ選択を上書きする。
【0129】
[137]示されている実施形態において、デバイス201は、加熱器204が活動化されたとき、所定の事象のうちの1つまたは複数の発生を検出するように構成された検出器またはセンサ110をさらに含む。一例では、センサ110は、圧力センサ(たとえば、デバイス201の空洞222内で生じる差に基づく)、またはデバイス201に対する消耗品202および/もしくはキャップ210の動き、たとえばデバイス201からの消耗品202の取出し、および/もしくはデバイス201のキャップ210の後退を検出するように構成されたマイクロスイッチとしてよい。別の例において、センサ110は、加熱器204の活動化もしくは行われた最後のパフからの経過時間を判定するように構成された、コントローラ208に設けられたタイマ、または消耗品202に対する可能な数のパフから行われたパフの数を検出するように構成されたパフセンサである。センサ110は、この情報をコントローラ208へ提供するように構成される。コントローラ208は、前記情報に基づいて、所定の事象のうちの1つまたは複数の発生を検出するように構成される。
【0130】
[138]他の実施形態において、ユーザインターフェースでユーザ選択を受け取ったとき、コントローラ208は、加熱器204を非活動化し、デバイス201をロック動作モードまたは待機動作モードに入れるように構成されてよい。より具体的には、ユーザ選択は、たとえばユーザセッション中に、加熱器204が活動化されたとき、受け取られ得る。すなわち、ユーザセッション中に受け取ったユーザ選択は、加熱器204を非活動化してよく、たとえばセッションは、所定の事象の発生を検出したときは、終了しなくてよいが、ユーザ選択を受け取ったことに基づいて終了してよい。さらに、加熱器の活動化中に受け取ったユーザ選択は、デバイスメモリに記憶されている所定のユーザ選択を上書きすることができる。
【0131】
[139]示されている実施形態において、ユーザ選択は、それぞれのロック動作モードおよび待機動作モードに各々入れるための異なる選択入力を含む。ロック動作モードに入るための選択入力は、ユーザインターフェース212でのユーザ押下を少なくとも2秒にわたって保持することによって実現され、待機動作モードに入るための選択入力は、各々1秒未満だけ続くユーザインターフェースでの複数のより短いユーザ押下によって実現される。選択入力は、セッション中の加熱器の活動化の前または途中に、ユーザインターフェースで入力することができる。
【0132】
[140]示されている実施形態において、第1の所定のユーザ入力は、ユーザインターフェースでの複数のユーザ押下を含み、第2の所定のユーザ入力は、ユーザインターフェースでの1つまたは複数のユーザ押下を含み、第2の所定のユーザ入力におけるユーザ押下の数は、第1の所定の入力におけるユーザ押下の数より小さい。ユーザインターフェースは、ボタン212である。ユーザ押下は、所定の期間内、たとえば3秒以内のボタン212の物理的な押下である。この例において、第1の所定のシーケンスにおけるユーザ押下の数は、5回である。
【0133】
[141]他の実施形態において、第1の所定のユーザ入力は、インターフェース212で受け取られるユーザパスワードおよび指紋入力のうちの少なくとも1つを含むことができる。第1の所定のユーザ入力は、キーボードまたはキーパッドで入力されるパスワードまたはコードとしてよい。第1の所定のユーザ入力は、指紋レコグナイザで識別可能な指紋としてよい。前記ユーザ入力は、デバイス201がロック動作モードに入ったとき、所定のユーザ入力の知識がなければ、未成年者、またはデバイス201の所有者以外の無許可の者が、加熱器204を活動化することができないため、追加の保護層をデバイス201に提供する。
【0134】
[142]ロック動作モードは、子どもに安全な機構CSMとして定義されてよく、デバイス201は、活動状態のままであるが、デバイス201の加熱器204は無効にされ、子どもがデバイスを使用することを防止する。コントローラ208はまた、デバイス201または消耗品202の状態(たとえば、その検出)に応答して、LED211を制御するように構成される。たとえば、コントローラは、デバイス201がオン状態にあるかオフ状態にあるかを示すように、LEDを制御することができる(たとえば、デバイスがオン状態にあるとき、LEDのうちの1つまたは複数が、コントローラによって点灯されてよい)。加えて、コントローラ208は、デバイス201がロック動作モードまたは待機動作モードのうちのいずれか1つに入ったことを示すように、LEDを制御することができる。他の実施形態において、デバイス201は、デバイス201がロック動作モードまたは待機動作モードのうちのいずれか1つに入ったことを示す触覚/音声フィードバックを提供するために、触覚センサ、音声センサなどの他の出力手段をさらに含むことができる。
【0135】
[143]デバイス201は、パフセンサ225の形のさらなる入力手段(すなわち、ボタン212に加えて)を含む。パフセンサ225は、ユーザが消耗品202の下流端218で吸い込んだ(すなわち、吸入した)ことを検出するように構成される。パフセンサ225は、たとえば、圧力センサ、流量計、またはマイクロフォンの形としてよい。パフセンサ225は、電子機器空洞224内のコントローラ208に動作可能に接続され、したがって、パフ状態(すなわち、吸い込んでいるか吸い込んでいないか)を示すパフセンサ225からの信号が、コントローラ208への入力を形成する(したがって、コントローラ208によって反応されてよい)。
【0136】
[144]
図3は、活動動作モードと非活動動作モードとの間でデバイスを切り換える方法の流れ図を示す。
【0137】
[145]
図3に示すように、方法300は、デバイス201のコントローラ208によって実施される1つまたは複数のブロックを含む。方法300は、コントローラ実行可能命令の概略的なコンテキストで説明され得る。概して、コントローラ実行可能命令は、特定の関数を実行するまたは特定の抽象データ型を実施するルーチン、プログラム、オブジェクト、構成要素、データ構造、手順、モジュール、および関数を含むことができる。
【0138】
[146]方法300が説明される順序は、限定として解釈されることを意図したものではなく、方法300を実施するために、任意の数の記載する方法ブロックは、任意の順序で組み合されてよい。加えて、本明細書に記載する主題の範囲から逸脱することなく、個々のブロックが方法300から削除されてよい。さらに、方法300は、任意の好適なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組合せで実施されてよい。
【0139】
[147]方法300は、活動化状態にある加熱器204を非活動化するステップと、デバイス201を2つの動作モードのうちの1つに入れるステップと、異なる所定のユーザ入力を受け取ったとき、デバイスが入っている動作モードに従って、加熱器204を再活動化するステップとを含む。
【0140】
[148]ブロック301で、コントローラ208は、ユーザ選択を受け取るように構成される。ユーザ選択は、ユーザインターフェース212で入力され、加熱器204が非活動化されたとき、デバイス201をロック動作モードに入れるか、および待機動作モードに入れるかの間で選択するための命令として働く。ユーザ選択は、デバイス201をそれぞれのロック動作モードおよび待機動作モードに各々入れるための異なる選択入力を含む。
【0141】
[149]示されている実施形態において、ユーザ選択は、加熱器204の活動化前にユーザによってユーザインターフェース212で入れられて、メモリに記憶されている所定のユーザ選択である。検出器またはセンサによって、所定の事象の発生を検出したとき、コントローラ208は、ブロック302で、加熱器204を非活動化するように構成される。上述したように、所定の事象は、(i)消耗品202の枯渇または消耗、(ii)デバイス201からの消耗品202の取出し、(iii)デバイス201からのキャップ209の後退、および(iv)加熱器204の活動化または行われた最後のパフからの所定の期間の経過のうちの1つまたは複数を含む。
【0142】
[150]他の実施形態において、コントローラ208は、加熱器204が活動化されたとき、ユーザ選択を受け取ることができ、前記ユーザ選択を受け取ったとき、加熱器204は非活動化されてよい。
【0143】
[151]ユーザ選択に基づいて、コントローラ208は、デバイス201をロック動作モード303または待機動作モード304に入れるように構成される。2つの動作モードは、加熱器204を活動化するために、ユーザが特定の所定のユーザ入力をユーザインターフェース212で入力することを各々必要とすることから、互いに異なる。
【0144】
[152]デバイス201がロック動作モード303に入っているとき、コントローラ208は、ユーザインターフェース212で第1の所定のユーザ入力が受け取られたとき(305)のみ、加熱器204を活動化する(307)。前記ロック動作モード303において、コントローラ208が第2の所定のユーザ入力または第1の所定のユーザ入力以外の任意の他のユーザ入力をユーザインターフェース212で検出したとき、コントローラ208は、加熱器204を非活動状態で維持するように構成される(309)。
【0145】
[153]他方では、デバイス201が待機動作モード304に入っているとき、コントローラ208は、ユーザインターフェース212で第2の所定のユーザ入力が受け取られたとき(306)のみ、加熱器204を活動化する(307)。前記待機動作モード304において、コントローラ208が第1の所定のユーザ入力または第2の所定のユーザ入力以外の任意の他のユーザ入力をユーザインターフェース212で検出したとき、コントローラ208は、加熱器204を非活動状態で維持するように構成されてよい(309)。しかし、いくつかの実施形態において、第2の所定のユーザ入力が第1の所定のユーザ入力の一部を形成する場合、たとえば第2の所定のユーザ入力が単一のユーザ押下を含み、第1の所定のユーザ入力が複数のユーザ押下を含む場合、コントローラ208は、それにもかかわらず、第1の所定のユーザ入力を受け取ったとき、加熱器を活動化することができる。
【0146】
[154]本発明について、上述した例示的な実施形態とともに説明したが、多くの等価の修正形態および変形形態は、この開示が与えられたとき、当業者には明らかである。したがって、上述した本発明の例示的な実施形態は、限定的ではなく例示的であるとみなされる。本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、記載する実施形態に対して、さまざまな変化が加えられてもよい。
【0147】
[155]あらゆる疑問を回避するために、本明細書に提供されるあらゆる理論的説明は、読み手の理解を改善する目的で提供されたものである。本発明者らは、これらの理論的説明のいずれにも拘束されることを望まない。
【0148】
[156]本明細書で使用されるあらゆる項目名は、構成のみを目的としたものであり、記載する主題を限定すると解釈されるべきではない。
【0149】
[157]続く特許請求の範囲を含む本明細書全体を通して、別段コンテキストが要求しない限り、単語「有する(have)」、「含む(comprise)」、および「含む(include)」、ならびに「having」、「comprises」、「comprising」、および「including」などの変化形は、記述された完全体またはステップ、あるいは完全体またはステップの群を含めることを含意するように理解されることになるものの、いかなる他の完全体またはステップ、あるいは完全体またはステップの群も排除するものではない。
【0150】
[158]本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるとき、別段コンテキストが明白に指示しない限り、単数形「a」、「an」、および「the」は、複数の参照を含むことに留意されたい。本明細書では、範囲は、「概ね(about)」1つの特定の値から、および/または「概ね(about)」別の特定の値までとして表されてよい。そのような範囲が表現されるとき、別の実施形態は、1つの特定の値から、および/または他の特定の値までを含む。同様に、接頭辞「約(about)」の使用によって、値が近似として表現されるとき、特定の値が別の実施形態を形成することが理解されよう。数値に関連する用語「約(about)」は、任意選択であり、たとえば±10%を意味する。
【0151】
[159]単語「好ましい(preferred)」および「好ましくは(preferably)」は、本明細書において、いくつかの状況下で特定の利益を提供することができる本発明の実施形態を指すために使用される。しかし、他の実施形態もまた、同じまたは異なる状況下で好ましいことがあることを理解されたい。したがって、1つまたは複数の好ましい実施形態への言及は、他の実施形態が有用でないことを意味または含意するものではなく、本開示の範囲または特許請求の範囲から他の実施形態を除外することを意図したものでもない。
【国際調査報告】