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特表2022-525983注入可能な製品のためのパッケージのための開口デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-20
(54)【発明の名称】注入可能な製品のためのパッケージのための開口デバイス
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/74 20060101AFI20220513BHJP
【FI】
B65D5/74 020
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021557154
(86)(22)【出願日】2020-03-19
(85)【翻訳文提出日】2021-11-22
(86)【国際出願番号】 EP2020057570
(87)【国際公開番号】W WO2020193350
(87)【国際公開日】2020-10-01
(31)【優先権主張番号】19165242.9
(32)【優先日】2019-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【弁理士】
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】ダヴィデ・コッラディ
(72)【発明者】
【氏名】ロッコ・デ・パオラ
(72)【発明者】
【氏名】フランコ・カーニ
(72)【発明者】
【氏名】マッシモ・テデスキ
(72)【発明者】
【氏名】フランチェスカ・タヴォーニ
(72)【発明者】
【氏名】ジュリオ・ベルターニ
(72)【発明者】
【氏名】ピエトロ・マルティーニ
(72)【発明者】
【氏名】リーヴィオ・ヴェロネージ
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB02
3E060BC04
3E060DA14
3E060EA03
3E060EA12
(57)【要約】
注入可能な製品のためのパッケージ(2、3)に適用されるように構成された開口デバイス(1)であって、注入開口(11)であって、それを通して使用時に注入可能な製品を注ぐための注入開口(11)を画定する注入口(10)と、注入開口(11)をそれぞれ閉鎖及び開放するために注入口(10)に対して係合及び係脱するように構成されたキャップ(12)と、注入開口(11)を閉鎖及び/又は密封する閉鎖要素(30)であって、注入口(10)と一片に形成され、且つ開口デバイス(1)の最初の開放中に壊れるように構成された破壊可能な連結部(31)によって注入口(10)に連結され、注入開口(11)を通して延在し、且つキャップ(12)に連結された突起部(24)を含む閉鎖要素(30)と、注入口(10)に嵌合され、且つ開口デバイス(1)の最初の開放中に壊れるように構成された少なくとも1つの破壊可能な連結橋を用いて、初めにキャップ(12)に連結されたタンパーエビデンス手段(21)とを含み、キャップ(12)は、タンパーエビデンス手段(21)にヒンジ連結され、それにより注入口(10)に繋がれる、開口デバイス(1)が記載される。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
注入可能な製品のためのパッケージ(2、3)に適用されるように構成された開口デバイス(1)であって、
- 注入開口(11)であって、それを通して使用時に前記注入可能な製品を注ぐための注入開口(11)を画定する注入口(10)と、
- 前記注入開口(11)をそれぞれ閉鎖及び開放するために前記注入口(10)に対して係合及び係脱するように構成されたキャップ(12)と、
- 前記注入開口(11)を閉鎖及び/又は密封する閉鎖要素(30)であって、前記注入口(10)と一片に形成され、且つ前記開口デバイス(1)の最初の開放中に壊れるように構成された破壊可能な連結部(31)によって前記注入口(10)に連結され、前記注入開口(11)を通して延在し、且つ前記キャップ(12)に連結された突起部(24)を含む閉鎖要素(30)と、
- 前記注入口(10)に嵌合され、且つ前記開口デバイス(1)の最初の開放中に壊れるように構成された少なくとも1つの破壊可能な連結橋を用いて、初めに前記キャップ(12)に連結されたタンパーエビデンス手段(21)と
を含む開口デバイス(1)において、
前記キャップ(12)は、前記タンパーエビデンス手段(21)にヒンジ連結され、それにより前記注入口(10)に繋がれることを特徴とする、開口デバイス(1)。
【請求項2】
前記キャップ(12)を前記タンパーエビデンス手段(21)にヒンジ連結するヒンジ要素(26)を更に含む、請求項1に記載の開口デバイス。
【請求項3】
前記ヒンジ要素(26)は、前記キャップ(12)に嵌合された第1の端部(27)、前記タンパーエビデンス手段(21)に嵌合された第2の端部(28)及び前記第1の端部(27)と前記第2の端部(28)とを互いに連結する連結部(29)を含む、請求項2に記載の開口デバイス。
【請求項4】
前記キャップ(12)は、上部(15)及び側部(16)を含み、前記側部(16)は、前記上部(15)から突出し、且つ前記注入開口(11)を閉鎖するために前記注入口(10)に係合するように構成され、
前記第1の端部(27)は、前記側部(16)に嵌合される、請求項3に記載の開口デバイス。
【請求項5】
前記タンパーエビデンス手段は、前記注入口(10)に嵌合されるように構成されたタンパーエビデンスリング(21)を含み、
前記第2の端部(28)は、前記タンパーエビデンスリング(21)の外側面(21a)に嵌合される、請求項3又は4に記載の開口デバイス。
【請求項6】
前記注入口(10)は、第1の長手方向軸(B)を有し、且つ前記注入開口(11)を同軸に画定する円筒カラー(14)を含み、
前記キャップ(12)は、第2の長手方向軸(C)を有し、且つ前記注入開口(11)を閉鎖するために前記カラー(14)に同軸に係合するように構成され、
前記タンパーエビデンスリング(21)は、前記カラー(14)を中心として同軸に嵌合され、且つ前記第1の長手方向軸(B)に対して相対的に軸方向に固定されるように構成される、請求項5に記載の開口デバイス。
【請求項7】
前記キャップ(12)及び前記ヒンジ要素(26)は、一片に一体形成される、請求項2~6のいずれか一項に記載の開口デバイス。
【請求項8】
前記キャップ(12)、前記ヒンジ要素(26)及び前記タンパーエビデンス手段(21)は、一片に一体形成される、請求項2~6のいずれか一項に記載の開口デバイス。
【請求項9】
前記キャップ(12)は、スナップ方式で前記注入口(10)に係合するように構成される、請求項1~8のいずれか一項に記載の開口デバイス。
【請求項10】
前記閉鎖要素(30)は、前記パッケージ(2、3)の開口部(7)上に成形されたプラスチック材料から作成される、請求項1~9のいずれか一項に記載の開口デバイス(1)。
【請求項11】
前記破壊可能な連結部(31)は、前記キャップ(12)によって前記突起部(24)上に及ぼされる引く作用を用いて壊れるように構成される、請求項1~10のいずれか一項に記載の開口デバイス(1)。
【請求項12】
注入可能な製品を収容し、且つ開口部(7)を有するパッケージ材料(2)のシートから得られるパッケージ(3)であって、請求項1~11のいずれか一項に記載の開口デバイス(1)であって、前記開口部(7)において嵌合される開口デバイス(1)を含むパッケージ(3)。
【請求項13】
前記開口デバイス(1)の前記注入口(10)は、前記開口部(7)上に成形されたプラスチック材料から作成される、請求項12に記載のパッケージ(3)。
【請求項14】
前記開口デバイス(1)の前記閉鎖要素(30)は、前記開口部(7)上に成形されたプラスチック材料から作成される、請求項12又は13に記載のパッケージ(3)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注入可能な製品のためのパッケージ、具体的には注入可能な製品、好ましくは注入可能な食品製品を収容するパッケージを形成するためのシートパッケージ材料に適用されるように構成された開口デバイス、具体的には再閉鎖可能な開口デバイスに関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、シートパッケージ材料上に直接成形されるように設計され、従ってパッケージを形成するために折り畳まれ、注入可能な製品を充填され、且つ密封されるように適合された開口デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
一般に知られているように、果汁、UHT(超高温熱処理)牛乳、葡萄酒、トマトソース、その他などの多くの注入可能な食品製品は、殺菌されたパッケージ材料から作られたパッケージに入れて販売されている。
【0004】
典型的な例は、Tetra Brik Aseptic(登録商標)として公知である、注入可能な食品製品のための平行六面体形状のパッケージであり、Tetra Brik Aseptic(登録商標)は、パッケージ材料の積層されたシートを折り畳んで密封することによって作成される。
【0005】
具体的には、パッケージ材料は、繊維材料、例えば紙又は鉱物を充填したポリプロピレン材料から作成され得る、剛性及び強度のための基層と、基層の両側を覆う熱融着プラスチック材料、例えばポリエチレンフィルムとから作成されたいくつかの積層を実質的に含む多層構造を有する。
【0006】
UHT牛乳又は果汁などの長期保存製品のための無菌パッケージの場合、パッケージ材料は、気体遮断材料の層、例えばアルミニウム箔又はエチルビニルアルコール(EVOH)フィルムも含み、これは、熱融着プラスチック材料の層の上に重ね合わされ、次いで熱融着プラスチック材料の別の層で覆われる。プラスチック材料のこの別の層は、最終的に注入可能な食品製品に接触するパッケージの内面を形成する。
【0007】
この種のパッケージは、一般に全自動パッケージ機で生産され、全自動パッケージ機内では、連続したチューブがパッケージ材料のシートから形成される。
【0008】
更に、パッケージ材料のシートは、化学殺菌剤を加えることにより、パッケージ機内で殺菌され、化学殺菌剤は、次いで、殺菌が完了した後に取り除かれる。
【0009】
その後、パッケージ材料のシートは、閉鎖した殺菌環境内に維持され、チューブを形成するために折り畳まれて長手方向に密封される。
【0010】
形成動作を完了するために、チューブは、上からパイプを用いて注入可能な食品製品を充填され、形成され、密封され、その後、等しく間隔を空けた横方向の断面に沿って切断される。
【0011】
長手方向密封帯、上側方密封帯及び底側方密封帯を有するピローパックがそれにより得られ、次いでそれぞれ完成した実質的に平行六面体形状のパッケージを形成するために機械的に折り畳まれる。
【0012】
代わりに、パッケージ材料は、ブランクに切断され、ブランクは、軸を形成する際にパッケージに形成され、得られるパッケージは、食品製品を充填されて密封される。このようなパッケージの一例は、Tetra Rex(登録商標)の商品名で一般的に公知のいわゆる「ゲーブルトップ」パッケージである。
【0013】
上記のパッケージを開けるために、様々な解決策が提案されており、その1つは、プラスチック材料から作成され、実質的に注入口を含み、貫通注入開口を画定し、パッケージの壁、典型的には上壁の上に配置された穴又は貫通可能部若しくは引き裂き部の上に嵌合された、再閉鎖可能な開口デバイスの使用を伴う。
【0014】
公知の解決策によれば、注入口は、いわゆる予め積層された穴、すなわち基層のみを通して形成され、積層処理により、気体遮断材料の層を含むパッケージ材料の他の積層によって覆われた穴の上に嵌合される。
【0015】
換言すると、注入口は、予め積層された穴の貫通可能部の上に嵌合され、典型的には接着され、穴は、そのような積層から作成される。
【0016】
代替的な解決策によれば、貫通可能部は、この場合、パッケージ材料の全厚さを通して形成された穴を閉鎖するために、パッケージ材料に取り付けたパッチによって画定され得る。
【0017】
公知の解決策によれば、注入口の開口は、注入口に一体的に連結され、より小さい断面の環状の引き裂くことができる部材に沿って、そこから分離可能なプラスチック閉鎖要素によって密封される。
【0018】
具体的には、注入口及び閉鎖要素は、パッケージ材料内に形成された貫通可能部上に直接的に一片に射出成形される。
【0019】
閉鎖要素は、パッケージの上壁に得られた穴を密封するように、パッケージ材料と実質的に同じレベルで延在する。
【0020】
閉鎖要素は、開口デバイスの最初の開放中に取り外されるように構成される。
【0021】
上述の型の開口デバイスは、例えば、ネジ式の取り外し可能なキャップ(又は蓋)を更に含み、キャップは、注入口を外方に閉鎖し、その最初の開放後、すなわち閉鎖要素の取り外し後にパッケージを閉鎖することができるように注入口に嵌合するように構成される。
【0022】
開口デバイスを生産中、その上に注入口及び閉鎖要素が形成される貫通可能部は、開口構成における2つの鋳型間に置かれる。鋳型は、次いで、閉鎖構成に達するようにパッケージ材料に向かってずれ、閉鎖構成において、鋳型は、パッケージ材料の両面と協働し、上述の貫通可能部を収納する閉鎖された鋳型空洞を画定する。
【0023】
射出成形操作は、溶解したプラスチック材料を、閉鎖構造において鋳型によって画定された鋳型空洞内に射出することによって行われる。より詳細には、溶解したプラスチック材料は、注入口及び閉鎖要素を形成するために、鋳造空洞を完全に充填するように押し付けられる。
【0024】
具体的には、溶解したプラスチック材料は、貫通可能部の側面に射出され、これは、完成したパッケージの内側に面し、それによりその側面に取り付けられた閉鎖要素を形成する。成形圧力及び鋳型の特定の幾何形状に起因して、溶解したプラスチック材料は、次いで、貫通可能部を貫通してその反対側から突起するように押し付けられる。
【0025】
このようにして、注入口は、閉鎖要素と一体形成され、貫通可能部の反対側から突起する。そのため、注入開口は、閉鎖要素により貫通可能部の付近のその片側で閉鎖される。
【0026】
その後、別個に形成されたキャップは、閉鎖要素によって閉鎖された一方(反対側)と異なるその別の側面で注入開口を閉鎖するために注入口に嵌合される。
【0027】
典型的には、キャップは、注入口に螺合される。この目的のために、注入口は、雄ネジ及び実質的に円筒形状のカラーを含むのに対して、キャップは、雌ネジを含み、初めにカラーに螺合される。その上、キャップは、一般に相対的タンパーエビデンスリングと一体形成され、タンパーエビデンスリングは、複数の破壊可能な橋を用いてキャップ自体に同軸に連結され、タンパーエビデンスリングは、橋が壊されてカラーからキャップのネジが外されると、カラーに嵌合したままであるように定められている。
【0028】
キャップの開封後、すなわちタンパーエビデンスリングからキャップを分離して、トルクを加えることによりカラーからキャップのネジを外した後、使用者も、パッケージの内側にアクセスするために、予め積層された穴を覆う貫通可能部を取り外さなければならない(すなわち切断するか又は引き裂かなければならない)ことが当技術分野で公知である。
【0029】
この目的のために、公知の構成によれば、開口デバイスは、閉鎖要素に結合され、キャップのネジがカラーから外されると使用者によって引き裂かれるように構成された引き抜きトングを含む。
【0030】
代替的な解決策によれば、閉鎖要素は、注入開口を通して延在する突起部と一片に形成され、キャップに溶接される。そのため、このような突起部は、閉鎖要素をキャップに一体的に連結する。
【0031】
この構成により、キャップを上昇させるのみで、すなわち最初にキャップのネジを外す間にパッケージを1ステップの低い労力で開けることができる。実際に、この移動中、引く作用は、キャップに一体的に連結された閉鎖要素に及ぼされ、キャップは、注入口からより小さい断面の環状部材に沿って引き裂かれる。具体的には、引き裂く作用は、環状部材の所与の点で開始し、次いで注入口から閉鎖要素を完全に分離させるまで部材の残余部に伝播する。
【0032】
食糧及び食糧以外の製品のパッケージ及び充填に伴う環境影響を低減する必要性が絶えず増えていることが当技術分野で公知である。具体的には、水中及び陸上環境を汚染する可能性があるパッケージのプラスチック成分に関して十分に注意を払わなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0033】
従って、簡単であり且つ低コストの手法で上述の必要性を満たすように設計された、注入可能な製品のためのパッケージに適用されるように構成された開口デバイスを提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0034】
この目的は、請求項1に記載の開口デバイスによって達成される。
【0035】
本発明の非限定的な実施形態は、添付図面を参照して例として記載される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】その上に本発明による開口デバイスが嵌合される、注入可能な製品を収容するために密封されたパッケージの上部の斜視図である。
図2】分かりやすくするために部品を取り除いた、図1の開口デバイス及びパッケージのより拡大した部分側断面図である。
図3】分かりやすくするために部品を取り除いた、図2の開口デバイス及びパッケージの詳細のより拡大した側断面図である。
図4図1のパッケージを形成することを意図したパッケージ材料のシートのより拡大した部分側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1を参照すると、番号1は、注入可能な製品、好ましくは注入可能な食品製品のためのパッケージに適用されるように構成された開口デバイスを全体として示す。
【0038】
示された例では、パッケージは、注入可能な製品を収容するように適合され、その上に、好ましくはプラスチック材料から作成された開口デバイス1が嵌合される壁、具体的には上壁4を有する、パッケージ材料2の多層シートから作成されたパッケージ3によって画定される。
【0039】
具体的には、パッケージ3は、牛乳、水、果汁又は同様のものなどの注入可能な製品を収容するように適合される。
【0040】
示された例では、開口デバイス1は、パッケージ材料2の開口面積に嵌合され、次にパッケージ3を形成するために公知の手法で折り畳まれ、注入可能な製品を充填され、密封される。開口面積は、パッケージ材料2の領域内に配置され、この領域は、パッケージ3の上壁4を形成する。
【0041】
示されていない代替的な実施形態によれば、開口デバイス1は、パッケージ3が完全に形成された後、この場合には接着物質、例えば糊などの従来の固定手段により又は溶接技術、例えばレーザ溶接若しくはマイクロフレーム溶接を用いて開口面積に嵌合される。
【0042】
図2~4を参照すると、パッケージ材料2は、繊維材料、例えば紙又は鉱物充填ポリプロピレン材料から作成され得る、剛性及び強度を提供するための基層5と、カバー層配置6とを含む。
【0043】
詳細には、カバー層配置6は、第1の被覆層6a及び第2の被覆層6bを含み、いずれも熱融着プラスチック材料、例えばポリエチレンフィルムから作成され、基層5の両側を覆う。
【0044】
パッケージ材料2は、開口面積に貫通可能部7を含み、開口デバイス1は、貫通可能部7に嵌合され、貫通可能部7は、使用時及びパッケージ3の形成後に注入可能な製品をパッケージ3から出すことができるように、少なくとも一部が上壁4から分離するように構成される。
【0045】
従って、貫通可能部7は、開口デバイス1が嵌合される開口面積を画定する。
【0046】
示されていない別の実施形態によれば、開口面積は、パッケージ材料2、具体的には上壁4を形成するパッケージ材料2の部分に作成された貫通穴であってもよい。
【0047】
この場合、パッケージ3は、長期保存食品製品のための殺菌パッケージであり、従って、カバー層配置6は、気体遮断材料、例えばアルミニウム箔又はエチルビニルアルコール(EVOH)フィルムから作成された遮断層8も含み、これは、熱融着プラスチック材料から作成されたカバー層配置6の第2の被覆層6b上に重ね合わされ、次に第3の被覆層6cで覆われる。
【0048】
具体的には、第3の被覆層6cは、最終的に注入可能な食品製品を収容するパッケージ3の内面を形成する。
【0049】
換言すると、第1の被覆層6a、第2の被覆層6b、遮断層8及び第3の被覆層6cは、連続したシートの形態のパッケージ材料2を生産するとき、パッケージ3を形成するために連続したシートを切断して折り畳む前に、積層処理により基層5に加えた積層を画定する。
【0050】
貫通可能部7は、基層5のみを通して形成された貫通穴によって画定され、第1の被覆層6a、第2の被覆層6b、遮断層8及び第3の被覆層6cによって覆われる。
【0051】
実際には、貫通可能部7は、上記の積層から作成され、基層5内に形成された貫通穴を閉鎖する。
【0052】
好ましくは、貫通可能部7は、カバー層配置6の統合部である。
【0053】
示されていない代替的な実施形態によれば、貫通可能部7は、1つ又は複数の第1の被覆層6a、第2の被覆層6b、遮断層8及び第3の被覆層6cのみから作成されてもよい。例えば、貫通可能部7は、遮断層8のみから作成されてもよい。
【0054】
示されていない更なる代替的な実施形態によれば、貫通可能部7は、この場合、パッケージ材料2の全厚を通して形成された穴を覆うために、パッケージ材料2に取り付けられたパッチによって画定されてもよい。
【0055】
貫通可能部7は、好ましくは、上壁4に対して直角、具体的にはパッケージ3が底壁(示されておらず、実質的に上壁4に平行である)上に立つときに垂直な軸Aを有する。
【0056】
示された非限定的な例によれば、貫通可能部7は、軸Aと同心に実質的な円形形状を有する。
【0057】
図1~3を参照すると、開口デバイス1は、
- 貫通可能部7において上壁4、すなわちパッケージ材料2に固定され、使用時にそれを通して注入可能な製品が注がれる開口11aで終了する、注入可能な製品のための貫通注入開口、すなわち経路11を画定する注入口10と、
- 経路11の1領域において、具体的にはパッケージ材料2の同じレベルで経路11を閉鎖及び/又は密封し、開口デバイス1の最初の開放中に容易に引き裂かれるように適合された、より小さい断面の環状部材31によって注入口10に一体的に連結された閉鎖要素30と、
- 注入口10と接触して協働するように構成され、具体的には開口11aにおいて、すなわち閉鎖要素30によって閉鎖及び/又は密封されたのと異なる(反対側の)経路11の領域において、経路11を閉鎖するために注入口10に係合するように構成されたキャップ12と
を含む。
【0058】
詳細には、開口11aは、軸Aと同軸に配置され、キャップ12は、経路11を閉鎖するために軸Aと同軸に注入口10に係合するように構成される。
【0059】
環状部材31は、それに沿って使用時に閉鎖要素31を注入口10から分離するためのティアラインを画定する。
【0060】
本発明のこの非限定的な好ましい実施形態によれば、注入口10及び閉鎖要素30は、一片に一体形成され、貫通可能部7に直接嵌合されるのに対して、キャップ12は、注入口10及び閉鎖要素30と別個に形成され、その後、注入口10に嵌合される。
【0061】
具体的には、本明細書に開示された解決策によれば、注入口10及び閉鎖要素30は、溶解したプラスチック材料を成形することにより、具体的には射出成形操作により、パッケージ材料2がパッケージ3に変形される前にパッケージ材料2上において得られる。
【0062】
より詳細には、溶解したプラスチック材料は、成形装置(それ自体が公知であり、示されていない)内に公知の手法で置かれた貫通可能部7の片側7a、すなわち最終的にパッケージ3の内側に面する側面上に射出される。具体的には、溶解したプラスチック材料は、貫通可能部7に直接取り付けた閉鎖要素30をこの方法で形成するように、その環状周辺領域まで側面7aを覆う。溶解したプラスチック材料は、次いで、貫通可能部7の反対側7bから突出する注入口10を形成するために、このような環状周辺領域で貫通可能部7を貫通するように押し付けられる。より具体的には、注入口10は、環状部材31を通して閉鎖要素30に連結される。
【0063】
このようにして、貫通可能部7は、最初に貫通され、次いで閉鎖要素30を形成するプラスチック材料によって再密封される。
【0064】
注入口10は、貫通可能部7を包囲するようにパッケージ3の上壁4に実質的に平行なパッケージ材料2に成形され、閉鎖要素30、好ましくは平坦な基板13を含む。
【0065】
具体的には、基板13は、貫通可能部7の側面7a上に成形される。
【0066】
従って、閉鎖要素30及び貫通可能部7は、経路11を密封する密封部を一緒に画定する。
【0067】
閉鎖要素30は、実質的にコンフェティ部を有し、軸Aに対して横方向の基板13の実質的な半径方向延長部を画定する。
【0068】
実際に、閉鎖要素30は、初めに経路11の一方の軸端を閉鎖及び/又は密封するのに対して、キャップ12は、使用時に経路11の反対側の軸端、すなわち開口11aを閉鎖する。
【0069】
注入口10は、基板13から横方向、具体的には直角に突出し、使用時に軸Aと同軸の長手方向軸Bを有する円筒カラー14を更に含む。具体的には、カラー14は、経路11を同軸に画定する。そのため、開口11aは、軸Bとも同軸に配置される。
【0070】
実際に、注入口10のカラー14は、貫通可能部7の両側7a、7b上に配置されるように、その貫通の後続として貫通可能部7を通して延在する。
【0071】
図1及び2に見られるように、キャップ12は、実質的に平坦な円形部15及び円筒部16を含み、円筒部16は、平坦部15からキャップ12自体の長手方向軸Cに沿って突出し、経路11を閉鎖するためにカラー14に同軸に係合するように構成される。
【0072】
この目的のために、キャップ12は、平坦部15から軸Cに実質的に平行な方向に突起する環状係合部32を備え、同じ側面から、円筒部16は、突起し、経路11を閉鎖するために注入口10のカラー14に係合するように構成される。
【0073】
詳細には、係合部32は、円筒部16より軸Cに半径方向に近い位置に配置され、スナップ結合を画定するカラー14に係合するように構成される。
【0074】
より詳細には、係合部32は、実質的にフック形状の断面を有し、凹状内部は、軸Cに向かって面し、凸状外部は、円筒部16の内側面20に面する。
【0075】
使用時、キャップ12は、
- キャップ12がカラー14に係合され、それにより経路11及び開口11aを閉鎖する閉位置と、
- キャップ12がカラー14から係脱して注入口10から取り外される開位置と
の間で移動することができる。
【0076】
キャップ12が閉位置にあるとき、係合部32は、カラー14の経路11に係合する。より詳細には、外側凸部は、カラー14の内面18と接触して協働し、それによりキャップ12とカラー14との間に上記のスナップ結合を画定し、それにより、その上にカラー14を押す作用に起因して軸C(従って軸B)に向かって内方にわずかに曲がる。
【0077】
実際に、係合部32は、直径内面18が軸Bに対して有するより軸Cに対して相対的に大きい直径をその凸部に有する。従って、キャップ12がその閉位置にあるとき、係合部32は、そのような内部表面18に接触して協働し、それにより軸B及び軸Cに向かって曲げられ、干渉スナップ結合を決定する。
【0078】
開口デバイス1は、好ましくは、キャップ12と一体形成され、例えばキャップ12と一緒に射出成形され、いくつかの破壊可能な連結橋を用いて初めにキャップ12の縁部22に同軸に連結されたタンパーエビデンス手段、具体的にはタンパーエビデンスリング21を更に含む。
【0079】
詳細には、キャップ12は、縁部22及びタンパーエビデンスリング21が依然として破壊可能な連結橋によって互いに連結されたままの状態で、閉位置において注入口10のカラー14に(最初の開放前に)初めに係合される。
【0080】
この実施形態によれば、タンパーエビデンスリング21は、軸A及び軸Bに対して相対的に実質的に軸方向に固定され、キャップ12から分離すると、タンパーエビデンスリング21は、軸A及び軸Bに対して相対的に実質的に軸方向に固定されたままである。
【0081】
この目的のために、カラー14は、タンパーエビデンスリング21の対応する環状突起23のための軸方向当接部を画定する環状突起19を含む。
【0082】
従来、突起19は、軸Bに対してカラー14から外方に半径方向に突起するのに対して、突起23は、タンパーエビデンスリング21がカラー14に嵌合されるとき、軸Bに対して内方に半径方向に突起する。
【0083】
キャップ12が注入口10上に嵌合されると、タンパーエビデンスリング21は、突起23が突起19より貫通可能部7に近い軸位置に配置されるようにカラー14に係合する。
【0084】
このようにして、突起19は、それぞれの突起23に対する上軸停止部として作用し、それにより軸A及び軸Bに沿ってタンパーエビデンスリング21が軸方向に移動することを防止し、すなわちタンパーエビデンスリング21がカラー14から軸方向に外れることを防ぐ。
【0085】
一実施形態では、タンパーエビデンスリング21は、軸A及び軸Bに対して角度も固定される。
【0086】
更なる実施形態では、タンパーエビデンスリング21は、軸A及び軸Bに対して回転可能である。
【0087】
開封されると、キャップ12は、閉位置と開位置との間で移動することができる。
【0088】
キャップ12がカラー14から最初に係脱する間、すなわちキャップ12がその閉位置からその開位置に最初に移動する間、タンパーエビデンスリング21とキャップ12とを初めに連結する連結橋が壊れる。
【0089】
より詳細には、キャップ12がカラー14から最初に係脱した後、タンパーエビデンスリング21の突起23は、突起19に対して軸方向に当接し、突起19は、上述したように、このような突起23に対する軸方向停止部として作用する。
【0090】
連結橋に掛けられた力に起因して、これらの連結橋は、壊れ、それによりキャップ12がタンパーエビデンスリング21から解放され、タンパーエビデンスリング21がカラー14から係脱することができる。
【0091】
キャップ12の開封後、すなわちキャップ12がタンパーエビデンスリング21から分離し、キャップ12がカラー14から係脱した後、閉鎖要素30及び貫通可能部7も、パッケージ3の内側の注入可能な製品にアクセスするために取り除かれなければならないことが当技術分野で公知である。
【0092】
この目的のために、閉鎖要素30は、初めに経路11を通して(最初の開放前に)延在し、キャップ12が注入口10に嵌合されると、キャップ12、具体的には平坦部15に連結、具体的には溶接されるように構成された突起24を含み、具体的には突起24と一片に形成される。
【0093】
キャップ12を注入口10に嵌合する間、突起部24は、詳細に記載されていない公知の手法に従って平坦部15に連結(固定)、具体的には融着される。
【0094】
図2に示されたように、突起部24は、キャップ12が注入口10に嵌合されると、閉鎖要素30から軸方向に突起し、閉鎖要素30を平坦部15と連結する2つの脚25を含む。
【0095】
具体的には、脚25は、上記のように、溶解したプラスチック材料を貫通可能部7で射出する間、閉鎖要素30及び注入口10と一片に形成される。
【0096】
開口デバイス1の最初の開放中、キャップ12は、使用者によって引き上げられる。その結果、キャップ12は、カラー14から係脱され、平坦部15に溶接された脚25は、閉鎖要素30に引く作用を及ぼす。従って、閉鎖要素30は、環状部材31に沿って注入口10の基板13から引き裂かれる。
【0097】
具体的には、引き裂くことは、基板13の弱化領域として作用する環状部材31の所与の点で始まり、次いで閉鎖要素30を注入口10から完全に分離させ、従って貫通可能部7をパッケージ材料2及び上壁4から完全に分離させるまで、部材31の残余部に伝播する(図2)。
【0098】
本発明の重要な態様によれば、キャップ12は、タンパーエビデンスリング21にヒンジ連結され、それによりキャップ12がそれに嵌合されると注入口10に繋がれる。
【0099】
詳細には、開口デバイス1は、キャップ12をタンパーエビデンスリング21にヒンジ連結するヒンジ要素を含み、好ましくはプラスチックヒンジ26によって画定される。
【0100】
そのため、ヒンジ26は、キャップ12がカラー14から係脱することができ、キャップ12が注入口10、すなわちパッケージ材料2及び/又はパッケージ3から分離しないように(及び具体的には別個に処分されないように)構成される。
【0101】
好ましくは、ヒンジ26は、軸A、具体的には軸A及び軸B、より具体的には軸A、軸B及び軸Cに対して相対的に角度が固定される。
【0102】
詳細には、ヒンジ26は、キャップ12に嵌合された第1の端部27、タンパーエビデンスリング21に嵌合された第2の端部28及び第1の端部27と第2の端部28とを互いに連結する連結部29を含む。
【0103】
図2及び3に見られるように、第1の端部27は、キャップ12の円筒部16に嵌合され、第2の端部28は、タンパーエビデンスリング21の外側面21aに嵌合される。
【0104】
より詳細には、第1の端部27は、縁部22に嵌合される。
【0105】
示されていない代替的な実施形態によれば、第1の端部27は、平坦部15に嵌合される。
【0106】
この具体例では、第1の端部27、第2の端部28及び連結部29は、一片に一体形成される。
【0107】
好ましくは、キャップ12及びヒンジ26は、一片に一体形成される。
【0108】
更により好ましくは、キャップ12、ヒンジ26及びタンパーエビデンスリング21は、一片に一体形成され、その後、上記のように注入口10に嵌合される。
【0109】
この非限定的な好ましい実施形態によれば、タンパーエビデンスリング21は、詳細に記載されていない公知の手法に従い、例えば突起と凹部との間の結合を用いて軸A及び軸Bに対して角度も固定される。
【0110】
この構成により、パッケージ3の外側に注入可能な製品を注ぐ間、パッケージ3から出る注入可能な製品の注入軌道の正面にキャップ12が不要に移動することを防止する。
【0111】
上記を考慮すると、ヒンジ26は、注入口10からキャップ12の最大距離の領域を画定し、その中では、キャップ12は、注入口10から離れ、且つ注入口10に向かって近づくことができ、使用時にパッケージ3から注入可能な製品が出ることを妨害しない。
【0112】
開口デバイス1の動作は、図1及び2を参照して以下に記載され、キャップ12が依然として注入口10上に受けられている状態から始まる。
【0113】
この状況から開始してパッケージ3を開くために、使用者は、キャップ12を係脱し、それによりタンパーエビデンスリング21の連結橋が壊れ、基板13から閉鎖要素30が引き裂かれ、これにより貫通可能部7を引き裂くことを決定する。
【0114】
この係脱の作用により、キャップ12がその閉位置からその開位置にずれる。
【0115】
キャップ12が閉位置から開位置にずれる間、キャップ12は、上記のようにヒンジ26を用いて注入口10に繋がれる。
【0116】
注入可能な製品の所望の量が経路11を通して注がれると、使用者は、キャップ12をカラー14に再び係合することにより、経路11を閉鎖することができる。
【0117】
本発明による開口デバイス1の利点は、前述から明らかであろう。
【0118】
具体的には、ヒンジ26の存在により、キャップ12は、注入口10、従ってパッケージ材料2及び/又はパッケージ3に確実に繋がれ、パッケージ3の使用後、環境においてキャップ12が分散する危険性が一貫して低減され、それにより環境のプラスチック汚染を防ぐ一方、当技術分野で公知であり、ヒンジ26を備えない開口デバイスと少なくとも同じ多様性を維持する。
【0119】
追加として、ヒンジ26は、キャップ12及びタンパーエビデンスリング21と一体形成されるため、その実施は、キャップ12及びタンパーエビデンスリング21の構造に対するわずかな設計修正のみを必要とし、注入口10の設計修正及び適合を必要としない。
【0120】
明らかに、本明細書に記載されたように、しかし添付の特許請求の範囲に定義されたような保護の範囲から逸脱することなく、開口デバイス1に対する変更形態がなされてもよい。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】