IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ グローエ アクチエンゲゼルシャフトの特許一覧

特表2022-525988便器の本体およびそのような本体を製造する方法
<>
  • 特表-便器の本体およびそのような本体を製造する方法 図1
  • 特表-便器の本体およびそのような本体を製造する方法 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-20
(54)【発明の名称】便器の本体およびそのような本体を製造する方法
(51)【国際特許分類】
   E03D 11/02 20060101AFI20220513BHJP
【FI】
E03D11/02 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021557484
(86)(22)【出願日】2020-03-20
(85)【翻訳文提出日】2021-10-27
(86)【国際出願番号】 EP2020057742
(87)【国際公開番号】W WO2020193395
(87)【国際公開日】2020-10-01
(31)【優先権主張番号】102019002225.4
(32)【優先日】2019-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513228719
【氏名又は名称】グローエ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Grohe AG
【住所又は居所原語表記】58675 Hemer, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】トルステン マイヤー
(72)【発明者】
【氏名】ホルスト バッハマン
【テーマコード(参考)】
2D039
【Fターム(参考)】
2D039AA02
2D039AD00
(57)【要約】
便器の本体(1)であって、外皮(2)と、水を案内する内側部分(3)とを少なくとも有しており、内側部分(3)には、想定される使用時に一般に水が供給されており、外皮(2)は、本体(1)の水を案内しない部分のみを含み、外皮(2)は、ミネラルキャスト材料から成り、内側部分(3)は、別の材料から成る、本体(1)。本体を製造する方法も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器の本体(1)であって、外皮(2)と、水を案内する内側部分(3)とを少なくとも有しており、前記内側部分(3)には、想定される使用時に一般に水が供給されており、前記外皮(2)は、前記本体(1)の水を案内しない部分のみを含み、前記外皮(2)は、ミネラルキャスト材料から成り、前記内側部分(3)は、別の材料から成る、本体(1)。
【請求項2】
前記内側部分(3)は、セラミック材料から成る、請求項1記載の本体(1)。
【請求項3】
前記外皮(2)と前記内側部分(3)とは、少なくとも接着剤結合部(4)を介して互いに結合されている、請求項1または2記載の本体(1)。
【請求項4】
前記外皮(2)と前記内側部分(3)とは、少なくともねじ締結部、緊締結合部またはクリップ結合部を介して互いに結合されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の本体(1)。
【請求項5】
便器の本体(1)を製造する方法であって、前記本体(1)は、外皮(2)と、水を案内する内側部分(3)とを少なくとも有しており、前記内側部分(3)には、想定される使用時に一般に水が供給され、前記外皮(2)は、前記本体(1)の水を案内しない部分のみを含み、
a)ミネラルキャスト材料から製造された前記外皮(2)を提供するステップと、
b)前記外皮(2)とは別の材料から製造された前記内側部分(3)を提供するステップと、
c)前記外皮(2)を前記内側部分(3)に結合して、前記本体を形成するステップと
を少なくとも含む、方法。
【請求項6】
前記内側部分(3)は、セラミック材料から成る、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記結合することは、接着することを含む、請求項5または6記載の方法。
【請求項8】
前記結合することは、ねじ締結すること、緊締することまたはクリップ留めすることを含む、請求項5から7までのいずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に便器(小便器またはこれに類するものも含む)の本体およびそのような本体を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ごく最近、ミネラルキャストから成る洗面器、浴槽およびシャワー槽の大きな成長が見られた。今日、この材料から、便器、小便器およびこれに類するものの本体を製造することはできない。なぜならば、この材料は、十分な耐薬品性および/または耐摩耗性を有していないからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、先行技術に関して挙げた問題を少なくとも部分的に解決することである。特に、それでもなおミネラルキャストが使用される、便器の本体が提案される。さらに、材料であるミネラルキャストを含む本体を製造する方法が提案されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題の解決には、請求項1に記載の特徴を有する本体ならびに請求項5に記載の特徴を有する方法が寄与する。有利な改良形態は、従属請求項の対象である。請求項で個々に挙げられた特徴は、技術的に有用なやり方で互いに組み合わせ可能であり、本明細書からの説明的な事実関係および/または図面からの詳細によって補足されてよく、その際に、本発明のさらなる実施変化形態が示される。
【0005】
特に便器、小便器等の本体であって、外皮と、水を案内する内側部分とを少なくとも有しており、内側部分には、想定される使用時に一般に水が供給されている、本体が提案される。外皮は、本体の水を案内しない部分のみを含み、この外皮は、ミネラルキャスト材料から成り、内側部分は、別の材料(ミネラルキャスト材料ではない)から成る。
【0006】
特に、互いに異なる材料から製造されているハイブリッド本体が提案される。それぞれの材料は、本体のそれぞれ異なる領域のための特性を考慮して特定されている。
【0007】
(便器)本体には、一般に(例えばフラッシングタンクまたは圧力管路に接続された)水流入部を介して水が供給される。さらに、流出部が設けられており、この流出部を介して、特に水を本体から下水管路内に移送することができる。水流入部と流出部とは、一般に、本体の水を案内する内側部分を介して互いに接続されている。
【0008】
この限りにおいて、「本体」という用語は、特に便器、小便器等のいわゆる「陶器」に該当する。
【0009】
特に、外皮(のみ)が、(実質的に)ミネラルキャスト材料から成る。
【0010】
ミネラルキャストは、特に、鉱物性の充填材、例えば石英礫、石英砂および/または岩粉と、わずかな割合のエポキシバインダーとから成る材料である。これらの素材が互いに混合され、作製法に応じて、均質な材料として、例えば冷間で(周囲温度で、すなわち特別に加熱されずに)、例えば木材、鋼またはプラスチックから成る注型用型に流し込まれる。注型工程中に、混合物を稠密化および脱気するために、注型用型が動かされ、例えば揺すられてよい。数時間後、部品は離型させることができ、組付け可能な状態になる。この材料は、ポリマーコンクリートまたは反応性樹脂コンクリートの名称でも知られている。
【0011】
ミネラルキャスト材料は、特に便器本体に通常使用されるセラミックに対して、いくつかの利点を有している。特に、ミネラルキャストの使用によって、より小さい曲率半径、より小さい誤差を具現することができ、また電気的または機械的なコンポーネントならびに接続点の組み込みを実現することができる。さらに、この材料から外皮を形成することによって、例えば洗面器、シャワー槽、浴槽等のような様々な衛生設備の、統一のとれたまたは互いに調和したデザインを保証することができる。
【0012】
セラミックに、例えば(セラミックの焼成前に)コンポーネントを組み込むことは(例えば焼成中の高い温度に基づき)できない。さらには、製造中のセラミックの大きな収縮が、コンポーネントの組み込みを妨げる。
【0013】
特に、内側部分は、セラミック材料から成る。
【0014】
提案される本体のためには、特に内側部分ではセラミック材料の高い硬度と衛生特性とが利用され、外皮のためには、ミネラルキャスト材料の利点、すなわち、わずかな収縮、狭い誤差の保証、平坦な表面、小さい曲率半径の具現が利用される。
【0015】
特に、外皮と内側部分とは、少なくとも(または専ら)接着剤結合部を介して互いに結合されている。
【0016】
外皮と内側部分とは、(代替的に)少なくともねじ締結部、緊締結合部またはクリップ結合部を介して互いに結合されていてもよい。
【0017】
特に、結合部は、本体の(通常は)見ることができない領域、例えば本体の内室の上縁部に配置されている。特に、結合部は、本体の(想定される使用時に)液体の供給を受けない領域に配置される。
【0018】
好ましくは、結合部は、液体密に構成されている。しかしまた、結合部が、完全に液体密に構成されているのではなく、例えば飛沫水に対してのみ液体密に構成されていることも可能である。
【0019】
本体、特に既述の本体を製造する方法が提案される。本体は、外皮と、水を案内する内側部分とを少なくとも有しており、内側部分には、想定される使用時に一般に水が供給され、外皮は、本体の水を案内しない部分のみを含む。方法は、
a)ミネラルキャスト材料から製造された外皮を提供するステップと、
b)外皮とは別の材料から製造された内側部分を提供するステップと、
c)外皮を内側部分に結合して、本体を形成するステップと、
を少なくとも含む。
【0020】
特に、内側部分は、セラミック材料から成る。
【0021】
特に、結合することは、接着することを含む。
【0022】
特に、結合することは、ねじ締結すること、緊締することまたはクリップ留めすることを含む。
【0023】
方法の実施形態は、特に本体に転用可能であり、その逆も可能である。
【0024】
好ましくは、本明細書で提案された本体は、人体の排泄物、特に尿を受容するために使用される。
【0025】
所定の相互関係および/または順序が必要である場合、それは本明細書に明示して挙げられているか、または当業者にとって、具体的に記載された構成を検討すれば得られるものであることは明らかである。ある構成部分が複数存在し得る(「少なくとも1つの」)限りにおいて、これらの構成部分の1つについての記載は、これらの複数の構成部分のすべてまたは一部に同様に適用することができるが、このことは必ずしも必須ではない。
【0026】
本発明ならびに技術的な環境を、以下に添付の図面につき詳細に説明する。本発明が、挙げられた実施例によって限定されるべきではないことを附言しておく。特に、明確に別の記載のない限り、図面で説明された事実関係の部分態様を抽出し、本明細書からの別の構成部分および知見と組み合わせることも可能である。特に、図面および特に図示されたサイズ比は、単に概略的であることを附言しておく。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本体の側方断面図である。
図2】本体を製造する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、本体1の側方断面図を示す。図2は、本体1を製造する方法を示す。以下では、図1図2とを一緒に説明する。
【0029】
本体1は、外皮2と、水を案内する内側部分3とを有している。内側部分3には、想定される使用時に一般に水が供給されている。外皮2は、本体1の水を案内しない部分のみを含む。この外皮2は、ミネラルキャスト材料から成り、内側部分3は、別の材料(ミネラルキャスト材料ではない)から成る。
【0030】
本体1には、(例えばフラッシングタンクまたは圧力管路に接続された)水流入部5を介して水が供給されている。さらに、流出部6が設けられており、この流出部6を介して、特に水を本体1から下水管路内に移送することができる。水流入部5と流出部6とは、本体1の水を案内する内側部分3を介して互いに接続されている。
【0031】
外皮2と内側部分3とは、専ら(本実施例では接着剤による)結合部4を介して互いに結合されている。
【0032】
結合部4は、本体1の(通常は)見ることができない領域、本実施例では本体1の内室の上縁部に配置されている。
【0033】
本体を製造する方法は、ステップa)により、外皮2を提供することを含む。外皮2は、ミネラルキャスト材料から製造されている。ステップb)により、内側部分3の提供が行われる。内側部分3は、外皮2とは別の材料から製造されている。ステップc)により、結合部4を介して外皮2を内側部分3に結合することにより、本体1が形成される。
【符号の説明】
【0034】
1 本体
2 外皮
3 内側部分
4 結合部
5 水流入部
6 流出部
図1
図2
【国際調査報告】