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特表2022-525991食品製品をリコールするための方法及びそのサーバ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-20
(54)【発明の名称】食品製品をリコールするための方法及びそのサーバ
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20220513BHJP
【FI】
G06Q10/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021557750
(86)(22)【出願日】2020-03-17
(85)【翻訳文提出日】2021-11-25
(86)【国際出願番号】 EP2020057166
(87)【国際公開番号】W WO2020200743
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】19166289.9
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【弁理士】
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】ジャンニ・コラッツァリ
(72)【発明者】
【氏名】ジャンパオロ・ガルッチ
(72)【発明者】
【氏名】ダヴィデ・パンゼラ
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC51
(57)【要約】
サーバ(140)を用いて食品製品(156)をリコールするための方法(200)。本方法は、リコール要求(150)、及び食品製品を保持する食品包装(156)に関連付けられた識別を受信すること(202)と、包装現地(102)を消費者(126a~c)と接続する物流ネットワーク(158)内に設けられた多数の識別チェックポイント(130、132、134a~b、136a~d、138a~d)から識別にリンクされた識別登録を識別すること(204)であって、識別登録の各々がタイムスタンプに関連付けられている、識別すること(204)と、識別登録から最も直近の識別登録を識別すること(206)と、最も直近の識別登録に関連付けられた物流ネットワーク(158)内の現在の物流ノードを識別すること(208)と、現在の物流ノードに関連付けられた通信デバイス(128a)を識別すること(210)と、リコール通知(154)を通信デバイス(152a)へ伝達すること(212)と、を含む。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ(140)を用いて食品製品(156)をリコールするための方法(200)であって、前記方法が、
リコール要求(150)、及び前記食品製品を保持する食品包装(156)に関連付けられた識別を受信すること(202)と、
包装現地(102)を消費者(126a~c)と接続する物流ネットワーク(158)内に設けられた多数の識別チェックポイント(130、132、134a~b、136a~d、138a~d)から前記識別にリンクされた識別登録を識別すること(204)であって、前記識別登録の各々がタイムスタンプに関連付けられている、識別すること(204)と、
前記識別登録から最も直近の識別登録を識別すること(206)と、
前記最も直近の識別登録に関連付けられた前記物流ネットワーク(158)内の現在の物流ノードを識別すること(208)と、
前記現在の物流ノードに関連付けられた通信デバイス(128a)を識別すること(210)と、
リコール通知(154)を前記通信デバイス(152a)へ伝達すること(212)と、
を含む、方法。
【請求項2】
前記通信デバイス(152a)からのリコール確認を要求すること(214)と、
前記通信デバイス(152a)からの前記リコール確認を受信すること(216)と、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記リコール要求(150)及び前記識別が、前記包装現地(102)にリンクされた食品生産者から伝達され、前記方法が、
前記リコール確認を前記食品生産者へ伝達すること(218)をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記物流ネットワーク(158)が多数の物流ノードを含み、前記物流ノードが、包装現地(102)、配送センター(120a~b)、輸送担体(118a~b、122a~b)、店舗(124a~d)、食品貯蔵デバイス、及び消費者(126a~c)から成る群から選定される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記識別が、前記食品包装(156)上又は内に提供された包装識別デバイス内に記憶された包装識別を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記識別が、前記食品包装を保持するように仕組まれた、パレット又はトレーなどの、担体(116)内又は上に提供された担体識別デバイス内に提供された担体識別を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記識別が、食品包装のバッチにリンクされたバッチ識別を含み、前記食品製品を保持する前記食品包装が食品包装の前記バッチのうちの1つである、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
製品情報の要求及び前記識別を前記通信デバイスから受信すること(220)と、
前記製品情報を前記通信デバイスへ伝送すること(222)と、
前記通信デバイス(152a)に関連付けられた前記消費者(126a)を前記現在の物流ノードとして設定すること(224)と、
をさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記製品情報が賞味期限を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記通信デバイス(126a~c)が、前記食品製品を貯蔵するように仕組まれており、前記食品包装から前記包装識別を読み取り、前記リコール通知を受信するように構成された食品貯蔵デバイス内に統合されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
食品製品をリコールするように仕組まれたサーバ(140)であって、前記サーバが、メモリ(302)と、制御ユニット(304)と、トランシーバ(308)とを備え、
前記トランシーバ(308)が、
リコール要求(150)、及び前記食品製品を保持する食品包装に関連付けられた識別を受信することと、
リコール通知(154)を通信デバイス(152a)へ伝達することと、
を行うように構成されており、
前記制御ユニット(304)が、
包装現地を消費者と接続する物流ネットワーク内に設けられた多数の識別チェックポイントから前記識別にリンクされた識別登録を識別するための識別登録識別器機能(310)を実行することであって、前記識別登録の各々がタイムスタンプに関連付けられている、実行することと、
前記識別登録から最も直近の識別登録を識別するための最直近識別器機能(312)を実行することと、
前記最も直近の識別登録に関連付けられた前記物流ネットワーク内の現在の物流ノードを識別するための現在の物流ノード識別器機能(314)を実行することと、
前記現在の物流ノードに関連付けられた前記通信デバイスを識別するための関連通信デバイス機能(316)を実行することと、
を行うように構成されている、サーバ(140)。
【請求項12】
前記物流ネットワーク(158)が多数の物流ノードを含み、前記物流ノードが、配送センター(120a~b)、輸送担体(118~b、122a~b)、店舗(124a~d)、食品貯蔵デバイス、及び消費者(126a~c)から成る群から選定される、請求項11に記載のサーバ。
【請求項13】
前記識別が、前記食品包装上又は内に提供された包装識別デバイス内に記憶された包装識別を含む、請求項11又は12に記載のサーバ。
【請求項14】
前記トランシーバ(308)が、
製品情報の要求及び前記識別を前記通信デバイス(126a~c)から受信することと、
前記製品情報を前記通信デバイス(126a~c)へ伝送することと、
を行うようにさらに構成されており、
前記制御ユニット(304)が、
前記通信デバイス(126a~c)に関連付けられた前記消費者(126a)を前記現在の物流ノードとして設定するための現在の物流ノード設定機能(318)を実行するようにさらに構成されている、請求項11~13のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項15】
前記通信デバイス(152a~c)が、前記食品製品を貯蔵するように仕組まれており、前記食品包装(156)から前記包装識別を読み取り、前記リコール通知を受信するように構成された前記食品貯蔵デバイス内に統合されている、請求項11~14のいずれか一項に記載のサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は食品安全の技術分野に関し、より詳細には、消費されることが不適切であることが分かった食品製品をリコールすることの技術分野に関する。より詳細には、それは、食品製品をリコールするための方法、及び食品製品をリコールするように構成されたサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
現今の食品生産においては、消費者が食品製品によって被害を被らないことを確実にするために従われるべき厳格な食品安全規制が存在する。食品安全規制は、どの種類の材料が食品製品と接触することを許されるのか、どのぐらいの頻度でサンプルが採取されなければならないのか、どのような種類の試験がサンプルに対して遂行されなければならないのか、消費するのに安全と考えられるために、食品製品が、何度でどのぐらいの時間、熱処理されなければならないのかなどを規定している。たとえ、規制が整備され、食品生産から頻繁なサンプル抽出が行われ、いくつかの異なる品質管理が遂行されても、それにもかかわらず、食品生産現地から出荷された食品製品をリコールすることが時折必要になる。
【0003】
目下、食品製品がリコールされたときには、食品包装が出荷された先の配送センターが連絡を受ける。食品包装が配送センターから店舗へ輸送された場合には、配送センターが今度は店舗に連絡する。食品製品が商品棚に到着し、食品製品をリコールすると決定が行われる前に消費者に販売された場合には、食品製品が有害であり、したがって、消費されるべきでない可能性があることを消費者に知らせるために、新聞及び他の媒体を利用することができる。
【0004】
目下用いられているアプローチの問題は、情報が、消費者、又は食品製品を有する他の関係者に行く途中で停止させられるリスクがあることである。例えば、食品製品が配送センター内に置かれている時間を低減することによって、食品生産現地から消費者までの配送時間が絶えず改善されているため、及び複雑な輸送ネットワークが用いられているため、それにもかかわらず、リコールされている食品製品が消費者に到着してしまうリスクがある。
【0005】
消費者が被害を被ることを回避するために、高い安全マージンを有する厳格なアプローチがしばしば適用される。実際には、これは、疑わしい場合には、食品製品が破棄されることを意味する。換言すれば、食品安全非準拠食品製品によって消費者に被害を被らせることを回避するために、多数の食品安全準拠食品製品が、安全を期するために破棄される。
【0006】
上述のことに基づいて、リコールされた食品製品へのアクセスを有する人に、これらが消費されないよう、リコール要求が届き、効果として、健康問題を回避することができ、これを、食品安全準拠食品製品がほとんど破棄されないよう、食品の無駄を低レベルに保つことができる仕方で行うことを有効にもたらすことができる方法又は装置が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来技術の以上において識別された制約のうちの1つ以上を少なくとも部分的に克服することを目的とする。特に、食品製品のための確実で時間効率の良いリコール通知システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様によれば、サーバを用いて食品製品をリコールするための方法が提供される。本方法は、リコール要求、及び食品製品を保持する食品包装に関連付けられた識別を受信することと、包装現地(packaging site)を消費者と接続する物流ネットワーク内に設けられた多数の識別チェックポイントから識別にリンクされた識別登録を識別することであって、識別登録の各々がタイムスタンプに関連付けられている、識別することと、識別登録から最も直近の識別登録を識別することと、最も直近の識別登録に関連付けられた物流ネットワーク内の現在の物流ノードを識別することと、現在の物流ノードに関連付けられた通信デバイスを識別することと、リコール通知を通信デバイスへ伝達することと、を含んでもよい。
【0009】
本方法は、通信デバイスからのリコール確認を要求することと、通信デバイスからのリコール確認を受信することと、をさらに含んでもよい。
【0010】
リコール要求及び識別は、包装現地にリンクされた食品生産者から伝達され得、本方法は、リコール確認を食品生産者へ伝達することをさらに含んでもよい。
【0011】
物流ネットワークは、多数の物流ノードを含み、物流ノードは、包装現地、配送センター、輸送担体、店舗、食品貯蔵デバイス、及び消費者から成る群から選定されてもよい。
【0012】
識別は、食品包装上又は内に提供された包装識別デバイス内に記憶された包装識別を含んでもよい。
【0013】
識別は、食品包装を保持するように構成された、パレット又はトレーなどの、担体内又は上に提供された担体識別デバイス内に提供された担体識別を含んでもよい。
【0014】
識別は、食品包装のバッチにリンクされたバッチ識別を含んでもよく、食品製品を保持する食品包装は食品包装のバッチのうちの1つである。
【0015】
本方法は、製品情報の要求及び識別を通信デバイスから受信することと、製品情報を通信デバイスへ伝送することと、通信デバイスに関連付けられた消費者を現在の物流ノードとして設定することと、をさらに含んでもよい。
【0016】
製品情報は賞味期限を含んでもよい。
【0017】
通信デバイスは、食品製品を貯蔵するように仕組まれており、食品包装から包装識別を読み取り、リコール通知を受信するように構成された食品貯蔵デバイス内に統合されてもよい。
【0018】
第2の態様によれば、食品製品をリコールするように仕組まれたサーバであって、サーバが、メモリと、制御ユニットと、トランシーバとを備え、トランシーバが、リコール要求、及び食品製品を保持する食品包装に関連付けられた識別を受信することと、リコール通知を通信デバイスへ伝達することと、を行うように構成されており、制御ユニットが、包装現地を消費者と接続する物流ネットワーク内に設けられた多数の識別チェックポイントから識別にリンクされた識別登録を識別するための識別登録識別器機能を実行することであって、識別登録の各々がタイムスタンプに関連付けられている、実行することと、識別登録から最も直近の識別登録を識別するための最直近識別器機能を実行することと、最も直近の識別登録に関連付けられた物流ネットワーク内の現在の物流ノードを識別するための現在の物流ノード識別器機能を実行することと、現在の物流ノードに関連付けられた通信デバイスを識別するための関連通信デバイス機能を実行することと、を行うように構成されている、サーバが提供される。
【0019】
物流ネットワークは、多数の物流ノードを含んでもよく、物流ノードは、配送センター、輸送担体、店舗、食品貯蔵デバイス、及び消費者から成る群から選定される。
【0020】
識別は、食品包装上又は内に提供された包装識別デバイス内に記憶された包装識別を含んでもよい。
【0021】
トランシーバは、製品情報の要求及び識別を通信デバイスから受信することと、製品情報を通信デバイスへ伝送することと、を行うようにさらに構成されてもよく、制御ユニットは、通信デバイスに関連付けられた消費者を現在の物流ノードとして設定するための現在の物流ノード設定機能を実行するようにさらに構成されている。
【0022】
通信デバイスは、食品製品を貯蔵するように仕組まれており、食品包装から包装識別を読み取り、リコール通知を受信するように構成された食品貯蔵デバイス内に統合されてもよい。
【0023】
本発明のさらに他の目的、特徴、態様、及び利点が以下の詳細な説明及び図面から明白になるであろう。
【0024】
次に、添付の概略図を参照して本発明の実施形態を例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、サーバを用いることによって食品製品をリコールするためのシステムを全体的に示す。
図2図2は、食品製品をリコールするための方法を示すフローチャートである。
図3図3はサーバをさらに詳細に示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1を参照すると、食品製品をリコールするためのシステム100が例として示されている。システム100は、食品材料104、例えば、りんごジュースに加工されるべきりんご、及び包装材料106、例えば、カートン包装材料のリールが提供され得る包装現地102を含む。加工機器108において、食品材料を食品製品に形成することができる。包装機器110において、食品製品を包装することができ、これにより、食品製品を保持する食品包装112が提供される。時として、一次包装とも称される、食品包装112は、その後、グループ化され、時として、二次包装機とも称される、下流の機器114によって二次包装内に包装され得る。下流の機器114は、二次包装を、又は一次包装を直接、パレット、又はより一般的に言えば、担体116上に詰めるように仕組まれたパレタイザを含んでもよい。
【0027】
包装現地102から、包装112を保持する担体116は輸送担体118a、118bによって配送センター120a、120bへ輸送されてもよい。配送センター120a、120bは、様々な食品生産者及び他の種類の生産者からの商品が配送され、再包装され、輸送担体122a、122bによって店舗124a、124b、124c、124dへ輸送される、小売業者によって所有される施設であってもよい。店舗124a、124b、124c、124dは、消費者126a、126b、126cが、買うべき食品製品を収集し、レジで会計係に支払う、食品雑貨店などの、実店舗であり得るが、それはまた、食品製品がオンラインで注文され、店員によって手作業で、又はロボット若しくは同様のものによって自動的に収集される、いわゆるダークストアであってもよい。
【0028】
図1に示されるように、いくつかの配送センター120a、120bは食品製品を同じ店舗124a、124b、124c、124dへ配送することができ、全く同一の店舗が食品製品を多くの異なる配送センターから受け取ることができる。さらに、食品製品が1つの店舗から他へ輸送されること、或いは食品製品が1つの配送センターから他へ、又は店舗から配送センターへ輸送され得ることも可能である。さらに、図示のように、全く同一の消費者126aが食品製品を異なる店舗から買ってもよい。加えて、図示されていないが、食品製品が1人の消費者から他者へ与えられること、また、物流ノードの追加の、又はより少数の層が設けられることが可能である。
【0029】
消費者126a、126b、126cは、携帯電話などの、通信デバイス128a、128b、128cを有してもよい。通信デバイス128a、128b、128cはユーザ識別に関連付けられてもよく、これらは消費者に関連付けられてもよい。本文脈における、これの利点は、食品製品が消費者のうちの1人126aによって買われたことを識別することができた場合、消費者は、食品製品がリコールされた場合に、その人に関連付けられた通信デバイス128aを介して連絡され得ることである。同様の仕方で、通信デバイスは、包装現地102、配送センター120a、120b、及び店舗124a、124b、124c、124dに関連付けられてもよい。例えば、配送センターで働く作業員は、再包装の際にどの製品を選ぶべきかを知るための特別な通信デバイスを有してもよく、リコール情報が有効に提供されることをもたらすために、この情報はこれらのデバイスを介して作業員に提供されてもよい。別のオプションは、デジタルダッシュボード又は携帯電話の形態の通信デバイスを有することである。
【0030】
食品製品の経過を追うことができるために、識別チェックポイントがシステム100内に提供されてもよい。識別チェックポイントは、食品製品を保持する食品包装内又は上に提供された、RFIDタグ又はNFCチップなどの、包装識別デバイスを読み取ることができる。各包装は固有識別を提供され得るため、包装現地102から消費者126a、126b、126cまで包装を追うことができる。識別チェックポイント130、132、134~b、136a~d、138a~dが、例として、包装機器110において、機器114の下流において、配送センター120a~bにおける配送点において、店舗124a~dにおける配送点において、店舗124a~dにおけるレジにおいて提供されてもよい。包装識別デバイスを包装内又は上に有することの代替例として、包装識別は包装上に印刷されてもよい。
【0031】
しかし、食品製品を追跡するために用いられる識別は包装識別に限定されず、担体識別を含むこともでき、これにより、食品製品は、パレット又は同様のものの上に詰められている場合にさえも、容易に見つけることができる。さらに、識別はバッチ識別を含むことができ、これにより、同じバッチに関連する食品製品を都合よく見分ける(spot)ことができる。上述されたように、識別は固有識別であってもよいが、包装レベルまででなく、バッチレベルまで追跡することができれば十分である場合には、識別はバッチ固有であってもよい。各包装が固有識別を提供されないようにすることによって、よりコスト効率の良い解決策が達成されてもよい。
【0032】
識別チェックポイント130、132、134~b、136a~d、138a~dは、包装及び担体から読み取られた識別データをサーバ140へ伝達してもよい。このデータを提供されることによって、サーバ140は包装及び担体を、それらが包装現地102から消費者126a、126b、126cへ輸送されている際に追跡することができる。冗長性を提供するため、及びデータ通信がダウンした状況に対処するために、サブデータベース142、144a~b、146a~dが、包装現地102、配送センター120a、120b、及び店舗124a~dのために提供されてもよい。
【0033】
食品安全及び食品品質を保証するために、品質管理機器148が提供されてもよい。図1に例として示されるシステム100では、これが包装現地102に接続されている様子が示されている。しかし、品質管理機器148を、配送センター120a~b内など、他の場所内に同様に有することも可能である。
【0034】
消費するのが安全でない食品製品が生産され、包装現地102から出荷されたことが検出された場合には、リコール要求150、及び食品製品を保持する食品包装に関連付けられた識別が品質管理機器148からサーバ140へ伝送されてもよい。識別チェックポイント130、132、134~b、136a~d、138a~dによって生成された全てのデータへのアクセスを有することによって、食品包装にリンクされた識別登録を識別することができる。識別登録に関連付けられたタイムスタンプを用いることによって、最も直近の識別登録を識別することができる。その結果、この最も直近の識別登録に基づいて、現在の物流ノードを識別することができる。換言すれば、包装がどこで最後に登録されたのかを決定することができる。物流ノード、例えば、包装現地102、輸送担体118a~b、122a~b、店舗124a~d、及び消費者126a~126cに関連付けられた通信デバイスを有することによって、現在の物流ノードに関連付けられた通信デバイスを識別することができ、その後、リコール通知をこの通信デバイス128aへ伝達することができる。例えば、包装156内に保持された食品製品がリコールされるべきである場合には、消費者126aが現在の物流ノードであると見出され、その人に関連付けられた通信デバイス128aが、リコール通知が伝送される通信デバイスになるであろう。このように、包装現地102を消費者126a~cと接続する物流ネットワーク158内で包装156を識別することができる。
【0035】
通信デバイス128aを消費者126aに関連付けることは異なる仕方で達成することができる。例えば、通信デバイス128aを用いることによって、例えば、携帯電話にリンクされた、非物理的クレジットカード、又はApple Pay(商標)などの、他の支払い解決策を用いること、或いは例えば、消費者の識別を検証するための携帯電話の顔認識又は指紋認識能力を用いることによって、携帯電話と組み合わせて用いられるべきクレジットカードを有することによって、食料雑貨品の代金を支払う場合には、通信デバイス128aは支払い目的のために消費者126aに関連付けられる。異なる目的のために行われた関連付けがすでに存在する事実を利用することができる。例えば、支払いプロセスの間に、消費者に対して、購入中の食品製品のうちのいずれかがリコールされた場合には、支払いプロセスにおいて用いられる、通信デバイス126aを介して連絡を受けるようリンクするかどうかの質問を提示することができる。消費者が肯定的回答をした場合には、関連付けを行うことができる。別のオプションは、質問を何も提示せずに関連付けを自動的に行うことである。通信デバイス128aはまた、消費者126aに間接的に関連付けられてもよい。例えば、食品製品が購入され、これらが会員カードにリンクされた場合には、会員カードと通信デバイスとの間のリンクが存在する場合には、これが今度はユーザの通信デバイス128aに接続されてもよい。
【0036】
さらなるオプションとして、消費者126aが、食料品の買い物をする際にセルフスキャンを用いる場合、すなわち、店舗によって提供されたスキャナを用いることによって食品製品のバーコードを自分でスキャンする場合には、スキャナは、消費者126aの、携帯電話などの、通信デバイス128aに接続し、スキャナにスキャンされた食品製品を通信デバイスにも関連付けてもよい。このオプションは、QRコードなど、包装識別が包装上に印刷されている場合には、特に有利であることが判明している。この場合には、スキャナが光スキャナである場合には、食品製品を支払い目的のために登録するために用いられるバーコード、及びリコール目的のために用いられる包装識別が、すなわち、全く同一のデバイスによって読み取られてもよい。
【0037】
図2に、上述されたアプローチがさらに示されている。同図には、サーバ140を用いて食品製品をリコールするための方法200を示すフローチャートが提供されている。第1のステップ202において、リコール要求を受信することができる。次に、第2のステップ204において、物流ネットワーク内の多数の識別チェックポイントから識別にリンクされた識別チェックポイントからの識別登録を識別することができる。識別登録の各々はタイムスタンプに関連付けられている。その後、第3のステップ206において、最も直近の識別登録を識別することができる。その後、第4のステップ208において、識別チェックポイントの場所が知られていることを利用することによって、最も直近の識別登録に関連付けられた現在の物流ノードを識別することができる。次に、第5のステップ210において、現在の物流ノードに関連付けられた通信デバイスを識別することができる。その後、第6のステップ212において、リコール通知を通信デバイスへ伝達することができる。
【0038】
任意選択的に、リコール通知が無事に受信されたことを確実にするために、第7のステップ214において、リコール確認を要求することができ、第8のステップ216において、リコール確認を受信することができる。
【0039】
任意選択的に、食品生産者、例えば、包装現地102を運営する会社に、リコール確認が受信されたことの情報を提供するために、第9のステップ218において、リコール確認を、生産された食品へ伝達することができる。
【0040】
加えて、食品製品は、識別チェックポイントによって収集されたデータのみに基づかずに通信デバイスにリンクされてもよい。第10のステップ220において、製品情報の要求及び包装識別がサーバによって通信デバイスから受信されてもよい。製品情報は、賞味期限、栄養価、又は他の食品関連情報を含んでもよい。要求を受信した後に、第11のステップ222において、製品情報を通信デバイスへ伝送してもよい。包装識別、及び通信デバイスを介して消費者にどのように連絡するべきかを知ることによって、第12のステップ224において、通信デバイスに関連付けられた消費者を現在の物流ノードとして設定してもよい。
【0041】
通信デバイスは、通信用にのみ作られたデバイスである必要はない。例えば、通信デバイスは、食品製品を貯蔵するように仕組まれており、食品包装から識別を読み取り、リコール通知を受信するように構成された食品貯蔵デバイス内に統合されてもよい。例えば、食料品の買い物リストを作成し、近づいた賞味期限について通知するために包装の識別を読み取ることができるスマートフリッジが、スマートフリッジ内に保持された食品製品に関連するリコール通知を受信する機能性も備えてもよい。
【0042】
図3は、食品製品をリコールするためのサーバ140をさらに詳細に示す。サーバ140は、メモリ302、プロセッサ306を含む制御ユニット304、及びトランシーバ308を備えてもよい。
【0043】
トランシーバ308は、リコール要求、及び食品製品を保持する食品包装156に関連付けられた識別を受信し、リコール通知を通信デバイス128aへ伝達するように構成されてもよい。
【0044】
メモリ302は、制御ユニット308によって実行され得る機能の形態の命令を含み得る。包装現地を消費者と接続する物流ネットワーク内に設けられた多数の識別チェックポイントから識別にリンクされた識別登録を識別するための識別登録識別器機能310が提供され得、識別登録の各々はタイムスタンプに関連付けられている。さらに、識別登録から最も直近の識別登録を識別するための最直近識別器機能312が提供されてもよい。なおさらに、最も直近の識別登録に関連付けられた物流ネットワーク内の現在の物流ノードを識別するための現在の物流ノード識別器機能314と、現在の物流ノードに関連付けられた通信デバイスを識別するための関連通信デバイス機能316とが提供されてもよい。
【0045】
任意選択的に、トランシーバ308は、製品情報の要求及び包装識別を通信デバイス126a~cから受信し、製品情報を通信デバイス126a~cへ伝送するようにさらに構成されてもよく、メモリ302は、通信デバイス126a~cに関連付けられた消費者126aを現在の物流ノードとして設定するための現在の物流ノード設定機能318をさらに含んでもよい。
【0046】
以上の説明から、したがって、本発明の様々な実施形態が説明され、示されたが、本発明はこれらに限定されず、添付の請求項において規定される主題の範囲内で他に具体化されてもよい。
図1
図2
図3
【国際調査報告】