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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-20
(54)【発明の名称】自動車投光器用のライトモジュール
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/675 20180101AFI20220513BHJP
   F21S 41/143 20180101ALI20220513BHJP
   F21S 41/365 20180101ALI20220513BHJP
   F21W 102/10 20180101ALN20220513BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220513BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20220513BHJP
【FI】
F21S41/675
F21S41/143
F21S41/365
F21W102:10
F21Y115:10
F21Y115:30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021559894
(86)(22)【出願日】2020-03-16
(85)【翻訳文提出日】2021-10-08
(86)【国際出願番号】 EP2020057066
(87)【国際公開番号】W WO2020207706
(87)【国際公開日】2020-10-15
(31)【優先権主張番号】19168608.8
(32)【優先日】2019-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593045569
【氏名又は名称】ツェットカーヴェー グループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】ミッターレーナー、シュテファン
(57)【要約】
【課題】光学的な効率が同じであるか又は高められた状態で配光の歪みを減少させることのできるライトモジュールを提供する。
【解決手段】自動車投光器用のライトモジュールであって、予設定された光線路(3)を有する光線を発生させる照射装置(2)と、予設定された光線路(3)を偏向するために照射装置(2)のあとに設けられている光偏向装置(4)と、光線の更なる進行経過において光偏向装置(4)のあとに設けられた面状光変調器(5)と、但し光偏向装置(4)は、放射すべき照射像(6)を面状光変調器(5)上で生成するために、実質的に光偏向装置(4)に入射する全ての光線を面状光変調器(5)に向かわせるものであり、更に照射像(6)を配光のかたちでライトモジュールの前方に結像するように構成されている結像システム(7)とを含み、この際、光偏向装置(4)は、光偏向要素(40)と位置調節システム(41)を含み、この際、位置調節システム(41)は、光偏向要素(40)を少なくとも2つの互いに交差する旋回軸線(H、V)の周りで旋回させ且つそれにより光偏向装置(4)と面状光変調器(5)の間の光線路(3’)を変更するように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車投光器用のライトモジュールであって、
- 予設定された光線路(3)を有する光線を発生させるように構成されている照射装置(2)と、
- 予設定された光線路(3)を偏向するために前記照射装置(2)のあとに設けられている光偏向装置(4)と、
- 光線の更なる進行経過において前記光偏向装置(4)のあとに設けられた面状光変調器(5)と、但し前記光偏向装置(4)は、放射すべき照射像(6)を前記面状光変調器(5)上で生成するために、実質的に前記光偏向装置(4)に入射する全ての光線を前記面状光変調器(5)に向かわせるものであり、更に
- 前記照射像(6)を配光のかたちで前記ライトモジュールの前方に結像するように構成されている結像システム(7)とを含んだ構成であり、
前記光偏向装置(4)は、光偏向要素(40)と位置調節システム(41)を含み、前記位置調節システム(41)は、前記光偏向要素(40)を少なくとも2つの互いに交差する旋回軸線(H、V)の周りで旋回させ且つそれにより前記光偏向装置(4)と前記面状光変調器(5)の間の光線路(3’)を変更するように構成されていること、
を特徴とするライトモジュール。
【請求項2】
前記位置調節システム(41)は、追加的に、前記光偏向要素(40)を第3の軸線に沿って、即ち所謂摺動軸線(Z)に沿って移動させるように構成されており、前記摺動軸線(Z)は、少なくとも2つの互いに交差する前記旋回軸線(H、V)に対し、好ましくは直角に延在し、特に前記光偏向装置(4)により前記面状光変調器(5)に向けられた光線は、収束又は発散すること、
を特徴とする、請求項1に記載のライトモジュール。
【請求項3】
前記光偏向装置(4)は、更に、前記光偏向要素(40)がはめ込まれている支持フレーム(42)を含み、前記位置調節システム(41)は、前記支持フレーム(42)と係合状態にあり、そして前記支持フレーム(42)内にはめ込まれた前記光偏向要素(40)とともに前記支持フレーム(42)を少なくとも2つの互いに交差する前記旋回軸線(H、V)の周りで旋回させ且つそれにより前記光偏向装置(4)と前記面状光変調器(5)の間の光線路(3’)を変更するように構成されていること、
を特徴とする、請求項1又は2に記載のライトモジュール。
【請求項4】
前記位置調節システム(41)は、3つの調節ねじ(410、411、412)、例えばボールねじを有すること、
を特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のライトモジュール。
【請求項5】
前記調節ねじは、機械的及び/又は電動的に駆動可能であること、
を特徴とする、請求項4に記載のライトモジュール。
【請求項6】
少なくとも2つの互いに交差する前記旋回軸線(H、V)は、互いに直交すること、
を特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のライトモジュール。
【請求項7】
少なくとも2つの互いに交差する前記旋回軸線は、垂直方向に延在する軸線(V)と水平方向に延在する軸線(H)であること、
を特徴とする、請求項6に記載のライトモジュール。
【請求項8】
前記光偏向要素(40)は、湾曲したミラーとして、例えば凹面鏡として構成されていること、
を特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のライトモジュール。
【請求項9】
例えば、実質的に放物状及び/又は双曲状の延在経過を有する湾曲した前記ミラーの光反射面(401)は、2つの対称軸線(401x、401y)を有し、好ましくは、前記光反射面は、それらの2つの対称軸線(401x、401y)の一方に関して又は両方に関して鏡面対称に構成されており、例えば、第1の対称軸線(401x)は、水平方向に延在し、第2の対称軸線(401y)は、垂直方向に延在すること、
を特徴とする、請求項8に記載のライトモジュール。
【請求項10】
各対称軸線(401x、401y)は、それぞれの前記旋回軸線(H、V)と重なること、
を特徴とする、請求項9に記載のライトモジュール。
【請求項11】
前記光偏向要素(40)は、前記光偏向要素(40)に入射する光線を、前記光偏向要素(40)に入射する光線の入射方向に関し、後方に散乱させるように構成されていること、
を特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のライトモジュール。
【請求項12】
前記光偏向装置(4)を除き、前記ライトモジュール(1)の全ての構成要素が、組み立てられた状態の前記ライトモジュール(1)内で動かないように配設されていること、
を特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のライトモジュール。
【請求項13】
前記面状光変調器(5)は、デジタル制御可能なマイクロミラーデバイス、例えばDMDチップであること、
を特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載のライトモジュール。
【請求項14】
前記光偏向装置(2)は、実質的に前記光偏向装置(2)に入射する全ての光線を収束光線束のかたちで前記面状光変調器(5)に向かわせるように構成されていること、
を特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載のライトモジュール。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載のライトモジュールを少なくとも1つ備えた自動車投光器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車投光器用のライトモジュールに関し、この際、ライトモジュールは、ライトモジュールの稼働状態において、予設定された光線路を有する光線を発生させる照射装置と、予設定された光線路を偏向するために照射装置のあとに設けられている光偏向装置と、光線の更なる進行経過において光偏向装置のあとに設けられた面状光変調器と、但し光偏向装置は、ライトモジュールの稼働状態において、放射すべき照射像を面状光変調器上で生成するために、実質的に光偏向装置に入射する全ての光線を面状光変調器に向かわせるものであり、更に照射像を配光のかたちでライトモジュールの前方に結像するように構成されている結像システムとを含んでいる。
【0002】
それに加え、本発明は、少なくとも1つのそのようなライトモジュールを備えた自動車投光器(例えば自動車前照灯)に関する。
【背景技術】
【0003】
上記の形式のライトモジュールは、従来技術から既知である。既知のライトモジュールにおいて、光偏向装置は、面状光変調器に対してフィックスで位置決めされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2803528号明細書
【特許文献2】オーストリア国特許出願公開第517752号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように光偏向装置が面状光変調器に対してフィックスで位置決めされていることにより、光重心の位置を変更すること、又は結像システムのレンズ公差ないしレンズ収差により発生する配光内の歪みを補償することは、極めて困難である。
【0006】
それに加え、面状光変調器の全ミラー行列構造は、照射像内に含まれており、それにより所謂「照射オーバーフィル」ないし所謂「オーバーフィル領域」が発生する。オーバーフィル領域は、面状光変調器に入射するがミラー行列構造には入射しない光により発生する。それにより光学的な効率が減少される。
【0007】
本発明の課題は、光学的な効率が同じであるか又は高められた状態で配光の歪みを減少させることのできるライトモジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題は、上記の形式のライトモジュールにおいて、光偏向装置が光偏向要素と位置調節システムを含み、この際、位置調節システムは、光偏向要素を少なくとも2つの互いに交差する旋回軸線の周りで旋回させ且つそれにより光偏向装置と面状光変調器の間の光線路を変更するように構成されていることにより解決される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明を実施するための形態について説明する。
【0010】
本発明により、光偏向装置と面状光変調器の間の光線路を例えば回転させること(回すこと)又は傾動させること(傾けること)ができ、このことは、結果として面状光変調器上の照射像の移動を生じさせ、従って面状光変調器のミラー行列構造(Spiegelmatrix)に関する照射像の位置の変更を生じさせる。それにより光偏向要素が、第1の旋回軸線、第2の旋回軸線、又はこれらの両方の旋回軸線の周りで旋回されるか否かに応じ、オーバーフィル領域を変更することができ、しかしまた(面状光変調器における)光重心を移動させ、配光の歪みを補償することもできる。光偏向装置と面状光変調器の間の光線路は、光偏向装置により偏向された状態にある予設定された光線路である。
【0011】
位置調節システムは、例えば機械的及び/又は電動的であり得て、機械的及び/又は電動的な要素を含むことができる。
【0012】
有利には、光偏向装置により面状光変調器に向けられた光線は、収束又は発散することを考慮することができる。
【0013】
結像尺度の変更に関しては、位置調節システムが、追加的に、光偏向要素を第3の軸線に沿って、即ち所謂摺動軸線(スライド軸線)に沿って移動させるように構成されていると、有利で有り得る。この際、摺動軸線は、少なくとも2つの互いに交差する旋回軸線に対し、好ましくは直角に延在する。それにより例えば、放射すべき照射像の大きさを変えることができ、オーバーフィル領域の調節/減少を簡単化することができる。
【0014】
この際、光偏向装置により面状光変調器上に向けられた光線が収束するのであれば、放射すべき照射像の大きさを小さくするためには、光偏向装置と面状光変調器の間の間隔を大きくすることができる。しかし光偏向装置により面状光変調器上に向けられた光線が発散するのであれば、放射すべき照射像の大きさを小さくするためには、光偏向装置と面状光変調器の間の間隔を小さくすることができる。
【0015】
好ましい一実施形態において、光偏向装置は、更に、光偏向要素がはめ込まれている支持フレームを含むことができ、この際、位置調節システムは、支持フレームと係合状態にあり、そして支持フレーム内にはめ込まれた光偏向要素とともに支持フレームを少なくとも2つの互いに交差する旋回軸線の周りで旋回させ且つそれにより光偏向装置と面状光変調器の間の光線路を変更するように構成されている。
【0016】
更に、位置調節システムが3つの調節ねじ、例えばボールねじを有することを考慮することができる。
【0017】
この際、調節ねじが機械的及び/又は電動的に駆動可能であると、目的に適い得る。
【0018】
少なくとも2つの互いに交差する旋回軸線が互いに直交すると、目的に適い得て、この際、少なくとも2つの互いに交差する旋回軸線は、好ましくは、垂直方向に延在する軸線と水平方向に延在する軸線である。好ましくは、少なくとも2つの互いに交差するこれらの軸線により、ライトモジュールの主放射方向に直交して延在する1つの面が規定される。
【0019】
ライトモジュールは、有利には、投射型ライトモジュールとして構成されていることが可能である。つまりライトモジュール内で結像システムのあとに更なる光学要素が設けられることなく、照射像は、結像システムにより直接的にライトモジュールの前方に投射され、またこの結像システムでは、好ましくはレンズと任意選択的に絞り(シェード)だけが光線形成のために使用されるが、リフレクタが使用されることはない。この形式のライトモジュールは、従来技術では、投射原理に基づくライトモジュールとして既知である。
【0020】
好ましい一実施形態において、光偏向要素は、湾曲したミラーとして構成されていることを考慮することができる。
【0021】
有利には、湾曲したミラーは、凹面鏡として、つまり凹状の(内側に向かってアーチ形の)ミラーであることを考慮することができる。
【0022】
それに加え、有利には、湾曲したミラーの光反射面が、実質的に放物状及び/又は双曲状の延在経過を有することを考慮することができる。この際、二次曲面は、同時に(第1の方向に沿った)放物状の延在経過と(第2の方向に沿った)双曲状の延在経過を有することができることを付言する。
【0023】
湾曲したミラーの光反射面が、2つの対称軸線を有すると、更なる利点が得られ、この際、好ましくは、光反射面は、それらの2つの対称軸線の一方に関して又は両方に関して鏡面対称に構成されており、この際、好ましくは、第1の対称軸線は、水平方向に延在し、第2の対称軸線は、垂直方向に延在する。これらの対称軸線により、ミラーの光反射面上に二次元座標系を規定することができる。その面は、例えば、第1の対称軸線に沿って放物状又は双曲状の延在経過を有することができる。同様にその面は、第2の対称軸線に沿って放物状又は双曲状の延在経過を有することができ、それにより例えば、一方の方向に沿って実質的に双曲状であり、他方の方向に沿って放物状であるミラーを設けることもできる。
【0024】
各対称軸線が、それぞれの旋回軸線と重なる(ないし一致する)一実施形態は、特に有利である。この際、調節に際し、つまり光線路の偏向に際し、例えば調節軸線の周りのミラーの「離脱(Ausscheren)」に起因する歪みは、発生しない、ないし可能な限り少ない。
【0025】
利用可能な構成空間に関しては、光偏向要素が、ライトモジュールの稼働状態において、光偏向要素に入射する光線を、光偏向要素に入射する光線の入射方向に関し、後方散乱させると、有利であり得る。
【0026】
摺動軸線が、実質的にライトモジュールの主放射方向と平行に延在すると、目的に適い得る。
【0027】
それに加え、照射装置が、実質的に平行に延在する光線を生成すると、目的に適っている。
【0028】
面状光変調器は、好ましくは、デジタル制御可能なマイクロミラーデバイスとして、例えばDMDチップとして構成されていることが可能である。
【0029】
更に、光偏向装置は、実質的に光偏向装置に入射する全ての光線を収束光線束ないし非発散光線束のかたちで面状光変調器に向かわせるように構成されていることを考慮することができる。
【0030】
それに加え、光偏向装置を除き、ライトモジュールの全ての構成要素が、組み立てられた状態のライトモジュール内で、固定的に、即ち動かないように配設されていると、有利であり得る。この場合、ライトモジュールの調整のためには、1つの光学要素だけ、即ち光偏向装置だけが必要であるという利点が得られ、この際、例えばLED光源、DMD、レンズなどのような全ての他の構成要素は、互いにフィックスで位置決めされている。
【0031】
有利には、照射装置が、1つ又は複数の光源、例えばLED光源、又は例えば予設定された色のレーザ光を実質的に白色光に変換するためにレーザダイオードの前に備えられた光変換手段(ライトコンバージョン手段)を有するレーザダイオードのような、半導体を基礎とした半導体ベースの光源を含んでいることを考慮することができる。
【0032】
光源が、行列状(マトリックス状)に、例えば1x2行列構造、2x3行列構造、又は3x4行列構造として配設されていると、目的に適い得る。この際、例えばライトモジュールのロバストネス(頑丈さ)を高めることができる。例えば光源のうち1つが故障した場合には、残りの光源を用いることにより、法律に準拠した配光を生成するためにまだ十分な光出力を提供することができ、或いは、例えば最寄りの工場まで走行可能であるためにライトモジュールの前方の領域をまだ十分に照射することのできる最小限の非常時配光を提供することもできる。
【0033】
好ましい一実施形態では、有利には、各光源の前には、この光源により発生された光を成形するために、1つ又は複数の光学系が備えられていることを考慮することができる。
【0034】
前記光学系が、光源により放出された大部分の光を捉え且つ後続の光学系ないし光偏向要素に向かわせるように構成及び/又は配設されていると、目的に適い得る。
【0035】
一実施形態において、前記光学系は、拡開光学系として又はコリメータ光学系として構成されていることを考慮することができる。
【0036】
位置調節システムは、好ましくは、調節三角形システムとして構成されている(例えば本出願人による上記特許文献1(EP 2 803 528 A1)及び上記特許文献2(AT 517752 A1(出願番号:A 50797/2015))を参照)。
【0037】
「調節三角形システム」との概念のもとでは、本発明との関連において、全般的に、3つの調節要素(例えば調節ねじ)を介し、位置調節すべき装置を位置調節する調節システムとして理解される。この際、調節三角形システムの3つの調節要素は、位置調節すべき装置と係合状態にあり、それにより3つの係合点が構成され、これらの係合点自体が三角形、即ち調節三角形を規定する。
【0038】
面状光変調器とは、光の変調がミラー行列構造(ミラーマトリックス)を介して行われるマイクロミラーアクチュエータの一種である。ミラー行列構造は、通常は半導体チップ上に配設されており、この際、ミラー数は、例えば数百のミラーから数百万のミラーに至るまで変えることができる。所定のマイクロコントローラにより制御され、行列構造内の個々のミラーは、時間経過内で(不連続の)振れ状態をとることができる。それにより部分光線の偏向ないし位相シフト効果を達成することができる。行列状の配設構造を用いることにより、面状光変調器は、光源の光を、像ないし配光が(結像システムを用いて)投射されるように偏向させることができる。面状光変調器のための例は、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)があり、デジタルマイクロミラーデバイスは、デジタルライトプロセッシング(DLP)のような製品の技術的な基礎を表している。
【0039】
以下、本発明を、更なる利点とともに、図面に具体的に示された例示の実施形態に基づいて詳細に説明する
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】一ライトモジュールの分解図を示す図である。
図2図1の分解図の一拡大部分を示す図である。
図3図1のライトモジュールの一光偏向装置を示す図である。
【実施例
【0041】
読みやすさを容易にするために、そして目的に適うところにおいて、図面には、基準軸線が記入されている。これらの基準軸線は、自動車内の本発明の対象の専門的に見て正しい取付位置に関するものであり、自動車に関する座標系を表している。
【0042】
それに加え、「水平方向」、「垂直方向」、「上方」、「下方」などのような方向に関する概念は、本発明との関連において、相対的な意味として理解され、自動車内の本発明の対象の上述の専門的に見て正しい取付位置に関するか、又は光像内ないし交通空間内の放射された配光について本分野での通常の配向に関することが明らかであるべきである。
【0043】
先ず図1図2が参照される。これらの図は、本発明によるライトモジュールに対応する自動車投光器用のライトモジュール1を示している。ライトモジュール1は、照射装置(照明装置)2を含んでいる。照射装置2は、一般的に1つ又は複数の光源20、21、例えばLED光源、又は例えば予設定された色のレーザ光を実質的に白色光に変換するためにレーザダイオードの前に備えられた光変換手段(ライトコンバージョン手段)を有するレーザダイオードのような、半導体を基礎とした半導体ベースの光源を含んでいる。光源20、21は、行列状(マトリックス状)に配設されていることが可能であり、図1図2は、例えばLED光源20、21の1x2行列構造を示している。各光源20、21の前には、この光源20、21により発生された光を成形するために、一般的に1つ又は複数の光学系22、23、24、25が備えられていることが可能である。好ましくは、光学系22、24は、光源20、21により放出された大部分の光を捉え且つ後続の光学系23、25に向かわせることを可能にする。図1図2から、各光源20ないし21のあとには、それぞれの拡開光学系22ないし24と、それぞれのコリメータ光学系23ないし25が備えられていることが可能であり、この際、それぞれの拡開光学系22、24は、対応の光源20、21により放出された光を発散光束に成形し、コリメータ光学系23、25は、発散光束をコリメート(平行化)する。一般的に照射装置2は、予設定された光線路3を有する光線を生成する。好ましくは、これらの光線は、実質的に平行に延在する。
【0044】
照射装置2により生成された光線は、光偏向装置4の方向に伝播し、光偏向装置4は、予設定された光線路3を偏向するために照射装置2のあと(即ち、光進行経路で見た後)に設けられている(nachgeordnet)。
【0045】
光偏向装置4は、光線を面状光変調器(空間光変調器:SLM)5に向けて偏向する。つまり面状光変調器5は、光偏向装置4のあとに設けられている。この際、光偏向装置4は、実質的に光偏向装置4に入射する全ての光線を面状光変調器5に向けて偏向し、それにより面状光変調器5上で照射像6が生成される。既述したように、面状光変調器5の個々のマイクロミラーの振れ(傾斜状態)は、変更可能である。それにより照射像6を修正することができる。このようにして例えばライトモジュールのADB機能(アダプティブドライビングビーム機能)を実現することができる。
【0046】
更にライトモジュール1は、面状光変調器5の前に備えられ且つ照射像6を(ここでは非図示の)配光のかたちでライトモジュール1の前方に結像するように構成されている結像システム7を含んでいる。面状光変調器5と結像システム7の間に更なる光学要素は設けられてなく、結像システム7は、レンズと任意選択的に絞り(シェード)だけを光学要素として含んでいるので、ライトモジュール1は、投射型のライトモジュールである。
【0047】
図1は、レンズホルダ内にはめ込まれた2つ以上のレンズを含んだレンズ系として構成された結像システム7を示している。図示されたレンズ系は、3つのレンズを有している。しかしまた結像システムは、単一のレンズとして、例えば1つの自由形状レンズとして構成されていることも可能である。面状光変調器5の全ての(振れ状態にない)マイクロミラーは(完全に)好ましくは結像システム7の焦点面内に位置する。
【0048】
光偏向装置4は、照射装置2と面状光変調器5の両方の方に向いていることのできる光偏向要素40を有する。それに加え、光偏向装置4は、点Pで互いに交差する少なくとも2つの旋回軸線H、Vの周りで旋回し且つそれにより光偏向装置4と面状光変調器5の間の光線路3’を変更するように構成されている位置調節システム41を含んでいる。光偏向装置4と面状光変調器5の間の光線路3’は、光偏向装置4により偏向され且つ好ましくは修正された状態にある予設定された光線路3である。少なくとも2つの互いに交差する旋回軸線H、Vは、例えば互いに直交していることができ、この際、好ましくは、そのうちの一方は垂直方向に延在し、他方は水平方向に延在する。つまりライトモジュール1の調整ないし調節時には、位置調節システム41を用いて光偏向要素40を調節することができ、例えば、旋回させ、回転させ、又は傾動させることができる。それにより、例えば、面状光変調器5上の照射像6の位置を変更することができる。光偏向装置4は、好ましくは、入射する光線を偏向するだけでなく、入射する光線を集める(収束)又は拡げる(発散する)ことができる。
【0049】
それに加え、位置調節システム41は、光偏向要素40を、少なくとも2つの互いに交差する旋回軸線H、Vに対して直角に延在する第3の摺動軸線(スライド軸線)Zに沿って移動させるように構成されていることが可能である。摺動軸線Zは、図1図2で見てとれるように、ライトモジュール1の主放射方向Xと平行に延在することができる。それにより面状光変調器5上の照射像6の大きさを変更することができる。
【0050】
一方の又は両方の旋回軸線H、Vの周りの旋回、回転、又は傾動により、照射像6を(面状光変調器5において)移動及び/又は傾動させることができる。
【0051】
摺動軸線Zに沿った移動により、照射像6を拡大又は縮小することができ、或いはその尺度を変更することができ、それにより例えばライトモジュール1の結像尺度を変更することもできる。図2から、例えば、照射像6が上記のオーバーフィル領域(矩形から溢れている部分)を有することが見てとれる。摺動軸線Zに沿った移動により、このオーバーフィル領域を減少ないし回避することができる。
【0052】
更に光偏向装置4は、はめ込み枠のような支持フレーム42を含むことができる。光偏向要素40は、支持フレーム42内に(固定的に)保持され、ないしはめ込まれている。この際、位置調節システム41は、支持フレーム42と係合状態にあることができ、支持フレーム42内にはめ込まれた光偏向要素40とともに支持フレーム42を少なくとも2つの互いに交差する旋回軸線H、Vの周りで旋回させ且つ任意選択的に摺動軸線Zに沿って移動させるように構成されていることが可能である。
【0053】
記述したように、位置調節システム41は、好ましくは調節三角形システムとして構成されており、調節三角形システムは、例えば、調節ねじ410、411、412のような3つの調節要素を介し、例えば支持フレーム42内にはめ込まれた光偏向要素40を位置調節する。図1図3で見ることのできる調節ねじ410、411、412は、ボールねじとして構成されており、それらのヘッド部は、当該ヘッド部に対応する支持フレーム42の受容部ないしソケット部に受容されている。つまりこれらの調節ねじは、支持フレーム42と係合状態にあり、それにより3つの係合点(支承箇所とも呼ばれる)が構成され、これらの係合点自体が三角形413(いわゆる調節三角形)を規定する。また位置調節システム41の調節要素は、支持フレーム42を必要とせずに、光偏向要素40の対応の領域と(対応の支承箇所において)直接的に係合状態にあることもできる。これらの領域は、同様にボールねじのヘッド部のためのソケット部ないし受容部のように構成されていることが可能である。
【0054】
例えば調節ねじ410、411、412のような調節要素は、ここでは非図示の機械的及び/又は電動的な駆動部を用いて駆動可能であり得る。
【0055】
この際、1つ又は2つの調節要素が位置調節されると(例えばボールねじのねじ込みないしねじ戻しによる)、一方の又は両方の旋回軸線H、Vの周りの上述の旋回、回転、又は傾動を実現することができ、それにより照射像6を(面状光変調器5において)移動及び/又は傾動させることができる。
【0056】
3つの全ての調節要素が位置調節されると(例えばボールねじのねじ込みないしねじ戻しによる)、摺動軸線Zに沿った上述の移動を実現することができ、それにより照射像6を(面状光変調器5において)拡大又は縮小することができる。
【0057】
図3では、光偏向要素40が、湾曲したミラーとして、例えば凹面鏡として構成され得ることが明確に示されている。この際、ここでは凹状で内側に向かってアーチ形のミラーの光反射面401は、2つの対称軸線401x、401yを有することができる。光反射面401は、それぞれの対称軸線401x、401yにより規定された異なる方向に沿って、例えば、放物状と双曲状、又は放物状と放物状などのような、異なる延在経過又は同じ延在経過を有することができる。光反射面401は、これらの対称軸線401x、401yの一方に関して又は両方に関して鏡面対称に構成されていることが可能である。好ましくは、第1の対称軸線401xは、水平方向に延在し、第2の対称軸線401yは、垂直方向に延在する。各対称軸線401x、401yは、それぞれの旋回軸線H、Vと重なる(ないし一致する)ことができる。例えば、図3から見てとれるように、水平方向に延在する対称軸線401xは、水平方向の旋回軸線Hと重なることができ、垂直方向に延在する対称軸線401yは、垂直方向の旋回軸線Vと重なることができる(つまり例えば、対称軸線401xにより規定される面は、HZ面と平行であることができ、対称軸線401yにより規定される面は、VZ面と平行であることができる)。この際、ミラーを位置調節する際の意図しない歪みを僅かに留めることができる。湾曲したミラーの焦点は、例えば、面状光変調器5のミラー行列構造上に位置することができる。
【0058】
また光偏向要素40は、自由形状に形成されたリフレクタ面を有するミラーとして構成されていることも可能であり、この際、ミラーの形状は、面状光変調器(DMDチップ)5上の(所望の)照射像6の形状に適合されている。
【0059】
ここで、照射装置2と光偏向装置4の間の間隔、及び光偏向装置4と面状光変調器5の間の間隔は、基本的に異なっていてよいことを述べておくが、それによりライトモジュール1の全サイズを様々な構成空間予設定値に適合させることができる。構成空間が予設定されると直ちに、照射装置2と、光偏向装置4と、面状光変調器5と、結像システム7とが、予設定値を満たすために、互いにフィックス(定置状態)で位置決めされる。
【0060】
図3から、光偏向要素40が、光偏向要素40に入射する光線を、光偏向要素40に入射する光線の入射方向(X又はZ)に関し、後方散乱させ得ることを見ることができる。
【0061】
面状光変調器5は、好ましくは、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)として構成されている。
【0062】
一般的に光偏向装置4は、実質的に光偏向装置4に入射する全ての光線を収束光線束ないし非発散光線束のかたちで面状光変調器5に向かわせることができる。
【0063】
本発明の分野及び範囲から逸脱することなく、前述のライトモジュールにおいて部材の変更及び/又は追加を行うことができることは、明らかである。
【0064】
ここまで本発明が幾つかの具体的な例に関して説明されてきたが、当業者が、ライトモジュールについて、請求項に記載された特性を有し且つそれにより確定された全ての保護範囲に含まれる多くの他の対応形態を得ることのできる状態にもちろんあるということは、同様に明らかである。
【0065】
請求項における参照符号は、本発明のより良い理解のためだけに用いられ、決して本発明の限定を意味するものではない。
【符号の説明】
【0066】
1 ライトモジュール
2 照射装置
3 光線路
3’ 光線路
4 光偏向装置
5 面状光変調器
6 照射像
7 結像システム
20 光源
21 光源
22 光学系(拡開光学系)
23 光学系(コリメータ光学系)
24 光学系(拡開光学系)
25 光学系(コリメータ光学系
40 光偏向要素
41 位置調節システム
42 支持フレーム

401 光反射面
401x 対称軸線
401y 対称軸線
410 調節ねじ
411 調節ねじ
412 調節ねじ
413 調節三角形

X 主放射方向
H 旋回軸線
V 旋回軸線
Z 摺動軸線
P 交差点
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2021-10-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車投光器用のライトモジュールであって、
- 予設定された光線路(3)を有する光線を発生させるように構成されている照射装置(2)と、
- 予設定された光線路(3)を偏向するために前記照射装置(2)のあとに設けられている光偏向装置(4)と、
- 光線の更なる進行経過において前記光偏向装置(4)のあとに設けられた面状光変調器(5)と、但し前記光偏向装置(4)は、放射すべき照射像(6)を前記面状光変調器(5)上で生成するために、実質的に前記光偏向装置(4)に入射する全ての光線を前記面状光変調器(5)に向かわせるものであり、更に
- 前記照射像(6)を配光のかたちで前記ライトモジュール(1)の前方に結像するように構成されている結像システム(7)とを含んだ構成であり、
前記光偏向装置(4)は、光偏向要素(40)と位置調節システム(41)を含み、前記位置調節システム(41)は、前記光偏向要素(40)を少なくとも2つの互いに交差する旋回軸線(H、V)の周りで旋回させ且つそれにより前記光偏向装置(4)と前記面状光変調器(5)の間の光線路(3’)を変更するように構成されていること、
を特徴とするライトモジュール。
【請求項2】
前記位置調節システム(41)は、追加的に、前記光偏向要素(40)を第3の軸線に沿って、即ち所謂摺動軸線(Z)に沿って移動させるように構成されており、前記摺動軸線(Z)は、少なくとも2つの互いに交差する前記旋回軸線(H、V)に対し、角に延在し、記光偏向装置(4)により前記面状光変調器(5)に向けられた光線は、収束又は発散すること、
を特徴とする、請求項1に記載のライトモジュール。
【請求項3】
前記光偏向装置(4)は、更に、前記光偏向要素(40)がはめ込まれている支持フレーム(42)を含み、前記位置調節システム(41)は、前記支持フレーム(42)と係合状態にあり、そして前記支持フレーム(42)内にはめ込まれた前記光偏向要素(40)とともに前記支持フレーム(42)を少なくとも2つの互いに交差する前記旋回軸線(H、V)の周りで旋回させ且つそれにより前記光偏向装置(4)と前記面状光変調器(5)の間の光線路(3’)を変更するように構成されていること、
を特徴とする、請求項1又は2に記載のライトモジュール。
【請求項4】
前記位置調節システム(41)は、3つの調節ねじ(410、411、412)或いはボールねじを有すること、
を特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のライトモジュール。
【請求項5】
前記調節ねじ(410、411、412)は、機械的及び/又は電動的に駆動可能であること、
を特徴とする、請求項4に記載のライトモジュール。
【請求項6】
少なくとも2つの互いに交差する前記旋回軸線(H、V)は、互いに直交すること、
を特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のライトモジュール。
【請求項7】
少なくとも2つの互いに交差する前記旋回軸線は、垂直方向に延在する軸線(V)と水平方向に延在する軸線(H)であること、
を特徴とする、請求項6に記載のライトモジュール。
【請求項8】
前記光偏向要素(40)は、湾曲したミラーとして、或いは凹面鏡として構成されていること、
を特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のライトモジュール。
【請求項9】
曲した前記ミラーの光反射面(401)は、2つの対称軸線(401x、401y)を有し、記光反射面(401)は、それらの2つの対称軸線(401x、401y)の一方に関して又は両方に関して鏡面対称に構成されており、1の対称軸線(401x)は、水平方向に延在し、第2の対称軸線(401y)は、垂直方向に延在すること、
を特徴とする、請求項8に記載のライトモジュール。
【請求項10】
各対称軸線(401x、401y)は、それぞれの前記旋回軸線(H、V)と重なること、
を特徴とする、請求項9に記載のライトモジュール。
【請求項11】
前記光偏向要素(40)は、前記光偏向要素(40)に入射する光線を、前記光偏向要素(40)に入射する光線の入射方向に関し、後方に散乱させるように構成されていること、
を特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のライトモジュール。
【請求項12】
前記光偏向装置(4)を除き、前記ライトモジュール(1)の全ての構成要素が、組み立てられた状態の前記ライトモジュール(1)内で動かないように配設されていること、
を特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のライトモジュール。
【請求項13】
前記面状光変調器(5)は、デジタル制御可能なマイクロミラーデバイス、或いはDMDチップであること、
を特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載のライトモジュール。
【請求項14】
前記光偏向装置()は、実質的に前記光偏向装置()に入射する全ての光線を収束光線束のかたちで前記面状光変調器(5)に向かわせるように構成されていること、
を特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載のライトモジュール。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載のライトモジュール(1)を少なくとも1つ備えた自動車投光器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2803528号明細書
【特許文献2】オーストリア国特許出願公開第517752号明細書
【特許文献3】仏国特許出願公開第3008477号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第10344173号明細書
【特許文献5】特開2016-091976号公報
【特許文献6】国際公開第2017/143372号
【特許文献7】仏国特許出願公開第3063396号明細書
【特許文献8】仏国特許出願公開第3062458号明細書
【特許文献9】国際公開第2017/045004号
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記の課題は、上記の形式のライトモジュールにおいて、光偏向装置が光偏向要素と位置調節システムを含み、この際、位置調節システムは、光偏向要素を少なくとも2つの互いに交差する旋回軸線の周りで旋回させ且つそれにより光偏向装置と面状光変調器の間の光線路を変更するように構成されていることにより解決される。
即ち本発明の第1の視点により、
自動車投光器用のライトモジュールであって、
- 予設定された光線路を有する光線を発生させるように構成されている照射装置と、
- 予設定された光線路を偏向するために前記照射装置のあとに設けられている光偏向装置と、
- 光線の更なる進行経過において前記光偏向装置のあとに設けられた面状光変調器と、但し前記光偏向装置は、放射すべき照射像を前記面状光変調器上で生成するために、実質的に前記光偏向装置に入射する全ての光線を前記面状光変調器に向かわせるものであり、更に
- 前記照射像を配光のかたちで前記ライトモジュールの前方に結像するように構成されている結像システムとを含んだ構成であり、
前記光偏向装置は、光偏向要素と位置調節システムを含み、前記位置調節システムは、前記光偏向要素を少なくとも2つの互いに交差する旋回軸線の周りで旋回させ且つそれにより前記光偏向装置と前記面状光変調器の間の光線路を変更するように構成されていること、を特徴とするライトモジュールが提供される。
更に本発明の第2の視点により、
前記ライトモジュールを少なくとも1つ備えた自動車投光器が提供される。
尚、本願の特許請求の範囲に付記された図面参照符号は、専ら本発明の理解の容易化のためのものであり、図示の形態への限定を意図するものではないことを付言する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明において、以下の形態が可能である。
(形態1)
自動車投光器用のライトモジュールであって、
- 予設定された光線路を有する光線を発生させるように構成されている照射装置と、
- 予設定された光線路を偏向するために前記照射装置のあとに設けられている光偏向装置と、
- 光線の更なる進行経過において前記光偏向装置のあとに設けられた面状光変調器と、但し前記光偏向装置は、放射すべき照射像を前記面状光変調器上で生成するために、実質的に前記光偏向装置に入射する全ての光線を前記面状光変調器に向かわせるものであり、更に
- 前記照射像を配光のかたちで前記ライトモジュールの前方に結像するように構成されている結像システムとを含んだ構成であり、
前記光偏向装置は、光偏向要素と位置調節システムを含み、前記位置調節システムは、前記光偏向要素を少なくとも2つの互いに交差する旋回軸線の周りで旋回させ且つそれにより前記光偏向装置と前記面状光変調器の間の光線路を変更するように構成されていること。
(形態2)
前記位置調節システムは、追加的に、前記光偏向要素を第3の軸線に沿って、即ち所謂摺動軸線に沿って移動させるように構成されており、前記摺動軸線は、少なくとも2つの互いに交差する前記旋回軸線に対し、好ましくは直角に延在し、特に前記光偏向装置により前記面状光変調器に向けられた光線は、収束又は発散すること、が好ましい。
(形態3)
前記光偏向装置は、更に、前記光偏向要素がはめ込まれている支持フレームを含み、前記位置調節システムは、前記支持フレームと係合状態にあり、そして前記支持フレーム内にはめ込まれた前記光偏向要素とともに前記支持フレームを少なくとも2つの互いに交差する前記旋回軸線の周りで旋回させ且つそれにより前記光偏向装置と前記面状光変調器の間の光線路を変更するように構成されていること、が好ましい。
(形態4)
前記位置調節システムは、3つの調節ねじ、例えばボールねじを有すること、が好ましい。
(形態5)
前記調節ねじは、機械的及び/又は電動的に駆動可能であること、が好ましい。
(形態6)
少なくとも2つの互いに交差する前記旋回軸線は、互いに直交すること、が好ましい。
(形態7)
少なくとも2つの互いに交差する前記旋回軸線は、垂直方向に延在する軸線と水平方向に延在する軸線であること、が好ましい。
(形態8)
前記光偏向要素は、湾曲したミラーとして、例えば凹面鏡として構成されていること、が好ましい。
(形態9)
例えば、実質的に放物状及び/又は双曲状の延在経過を有する湾曲した前記ミラーの光反射面は、2つの対称軸線を有し、好ましくは、前記光反射面は、それらの2つの対称軸線の一方に関して又は両方に関して鏡面対称に構成されており、例えば、第1の対称軸線は、水平方向に延在し、第2の対称軸線は、垂直方向に延在すること、が好ましい。
(形態10)
各対称軸線は、それぞれの前記旋回軸線と重なること、が好ましい。
(形態11)
前記光偏向要素は、前記光偏向要素に入射する光線を、前記光偏向要素に入射する光線の入射方向に関し、後方に散乱させるように構成されていること、が好ましい。
(形態12)
前記光偏向装置を除き、前記ライトモジュールの全ての構成要素が、組み立てられた状態の前記ライトモジュール内で動かないように配設されていること、が好ましい。
(形態13)
前記面状光変調器は、デジタル制御可能なマイクロミラーデバイス、例えばDMDチップであること、が好ましい。
(形態14)
前記光偏向装置は、実質的に前記光偏向装置に入射する全ての光線を収束光線束のかたちで前記面状光変調器に向かわせるように構成されていること、が好ましい。
(形態15)
前記ライトモジュールを少なくとも1つ備えた自動車投光器。
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正の内容】
図3
【国際調査報告】