(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-23
(54)【発明の名称】ポリポドシド甘味フレーバー改質剤
(51)【国際特許分類】
C07J 17/00 20060101AFI20220516BHJP
A61K 31/704 20060101ALI20220516BHJP
A61P 3/04 20060101ALI20220516BHJP
A23L 27/00 20160101ALI20220516BHJP
A61K 36/12 20060101ALN20220516BHJP
【FI】
C07J17/00 CSP
A61K31/704
A61P3/04
A23L27/00 Z
A61K36/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021526639
(86)(22)【出願日】2020-04-01
(85)【翻訳文提出日】2021-07-09
(86)【国際出願番号】 US2020026097
(87)【国際公開番号】W WO2020205922
(87)【国際公開日】2020-10-08
(32)【優先日】2019-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519321867
【氏名又は名称】フィルメニッヒ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Firmenich Incorporated
【住所又は居所原語表記】250 Plainsboro Road, Plainsboro, NJ 08536, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ラマ ラオ マナム
(72)【発明者】
【氏名】ニコル サーヴァント
(72)【発明者】
【氏名】アンドルー ピー. パトロン
(72)【発明者】
【氏名】クリスティナ スサント
(72)【発明者】
【氏名】エミリア アヴァネス
【テーマコード(参考)】
4B047
4C086
4C088
4C091
【Fターム(参考)】
4B047LB08
4B047LG05
4B047LG06
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086EA19
4C086GA17
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA70
4C088AA18
4C088AC13
4C088BA13
4C088BA23
4C088BA32
4C088CA14
4C088MA01
4C088MA52
4C088NA14
4C088ZA70
4C091AA01
4C091BB20
4C091CC01
4C091DD01
4C091EE06
4C091FF04
4C091FF14
4C091GG01
4C091HH01
4C091JJ03
4C091KK01
4C091LL01
4C091MM03
4C091NN01
4C091PA02
4C091PA07
4C091QQ01
4C091RR13
(57)【要約】
本発明は、構造式(I)を有する化合物またはその塩もしくは溶媒和物を含み、ここで、R1~R9は、本明細書に定義した通りである。これらの化合物は、甘味フレーバー改質剤として有用である。本発明はまた、本化合物を含む組成物、および組成物の甘味を増強する方法も含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式(I):
【化1】
を有する単離された化合物またはその塩もしくは溶媒和物であって、ここで、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
7およびR
8が、独立して、水素、アルキル、テトラヒドロフラニル、置換テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルまたは置換テトラヒドロピラニルであり、かつ
R
5およびR
9が、独立して、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、置換アルコキシ、テトラヒドロフラニル、置換テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルまたは置換テトラヒドロピラニルであり、
ただし、
(a) R
1、R
2、R
3およびR
4のうちの少なくとも1つが水素であり、
(b) R
6、R
7およびR
8のうちの少なくとも1つが水素であり、かつ
(c) 式(I)が、以下の化合物:
【化2】
を含まない、
単離された化合物またはその塩もしくは溶媒和物。
【請求項2】
式(Ia):
【化3】
によって表され、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
7およびR
8が、独立して、水素、アルキル、テトラヒドロフラニル、置換テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルまたは置換テトラヒドロピラニルであり、かつ
R
5が、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、置換アルコキシ、テトラヒドロフラニル、置換テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルまたは置換テトラヒドロピラニルである、
請求項1記載の化合物。
【請求項3】
(a) R
1、R
2、R
3、R
5、R
6、R
7およびR
8が水素である場合、R
4が2-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオールの部分ではないか、
(b) R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7およびR
8がすべて水素であるわけではないか、または
(c) R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6およびR
8が水素である場合、R
7がアルキルではない、
請求項1または2記載の化合物。
【請求項4】
R
1が水素である、請求項1から3までのいずれか1項記載の化合物。
【請求項5】
R
3が水素である、請求項1から4までのいずれか1項記載の化合物。
【請求項6】
R
2およびR
4が、独立して、水素、テトラヒドロフラニル、置換テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルまたは置換テトラヒドロピラニルである、請求項1から5までのいずれか1項記載の化合物。
【請求項7】
ヘテロシクリルがテトラヒドロピラニルである、請求項6記載の化合物。
【請求項8】
R
5が、水素、ヒドロキシル、アルコキシまたは置換アルコキシである、請求項3から6までのいずれか1項記載の化合物。
【請求項9】
R
6、R
7およびR
8が水素である、請求項3から8までのいずれか1項記載の化合物。
【請求項10】
構造式(Ib):
【化4】
によって表され、ここで、
R
2、R
3およびR
4が、独立して、水素、テトラヒドロフラニル、置換テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルまたは置換テトラヒドロピラニルであり、かつ
R
5が、水素、ヒドロキシル、アルコキシまたは置換アルコキシであり、
ただし、
(a) R
2、R
3およびR
5が水素である場合、R
4が2-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオールの部分ではなく、かつ
(b) R
2、R
3、R
4およびR
5のうちの少なくとも1つが水素ではない、
請求項2記載の化合物。
【請求項11】
R
3が水素であり、R
2およびR
4が、独立して、水素または置換テトラヒドロピラニルである、請求項10記載の化合物。
【請求項12】
R
5が、水素、アルコキシまたは置換アルコキシである、請求項10または11記載の化合物。
【請求項13】
【化5-1】
【化5-2】
からなる群から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項14】
摂取許容可能な成分と、式(I):
【化6】
の構造を有する1つ以上の化合物またはその塩もしくは溶媒和物とを含む、摂取可能な組成物であって、ここで、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
7およびR
8が、独立して、水素、アルキル、テトラヒドロフラニル、置換テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルまたは置換テトラヒドロピラニルであり、かつ
R
5およびR
9が、独立して、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、置換アルコキシ、テトラヒドロフラニル、置換テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルまたは置換テトラヒドロピラニルであり、
ただし、
(a) R
1、R
2、R
3およびR
4のうちの少なくとも1つが水素であり、
(b) R
6、R
7およびR
8のうちの少なくとも1つが水素であり、かつ
(c) 式(I)が、以下の化合物:
【化7】
を含まない、
摂取可能な組成物。
【請求項15】
増量剤と、式(I):
【化8】
の構造を有する1つ以上の化合物またはその塩もしくは溶媒和物とを含む、組成物であって、ここで、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
7およびR
8が、独立して、水素、アルキル、テトラヒドロフラニル、置換テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルまたは置換テトラヒドロピラニルであり、かつ
R
5およびR
9が、独立して、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、置換アルコキシ、テトラヒドロフラニル、置換テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルまたは置換テトラヒドロピラニルであり、
ただし、
(a) R
1、R
2、R
3およびR
4のうちの少なくとも1つが水素であり、
(b) R
6、R
7およびR
8のうちの少なくとも1つが水素であり、かつ
(c) 式(I)が、以下の化合物:
【化9】
を含まない、
組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、甘味フレーバーを改質するのに適したポリポジウム・グリシリザ(Polypodium glycyrrhiza)のようなポリポジウム属の植物からの、単離または精製されたポリポドシド化合物および抽出物に関する。
【背景技術】
【0002】
味覚系は、外界の化学的組成についての感覚情報を提供する。味覚伝達は、動物における化学物質で誘発される感覚の最も精巧な形態の1つである。味覚のシグナリングは、単純な後生動物から脊椎動物の最も複雑なものまで動物界を通じて見出される。哺乳動物は、5つの基本的な味覚様式、すなわち、甘味、苦味、酸味、塩味および旨味(食欲をそそる味としても知られているグルタミン酸一ナトリウムの味)を有すると考えられている。
【0003】
肥満、糖尿病および心血管疾患は、世界的に増加している健康上の懸念であるが、米国では驚くべき速度で増加している。砂糖およびカロリーは、健康に良い栄養効果をもたらすために制限され得る重要な要素である。高甘味度甘味剤は、砂糖の甘さをさまざまな味の品質で提供することができる。これらは砂糖よりも何倍も甘いので、砂糖に取って代わるのに必要な甘味剤が、はるかに少なくなる。
【0004】
高甘味度甘味剤は、化学的に異なる幅広い構造を有し、したがって、限定するものではないが、臭い、フレーバー、口当たりおよび後味のようなさまざまな特性を有する。これらの特性、特にフレーバーおよび後味は、味見時間とともに変化するとよく知られているので、各時間的プロファイルは、甘味剤に固有となっている(Tunaley, A., “Perceptual Characteristics of Sweeteners”, Progress in Sweeteners, T. H. Grenby, Ed. Elsevier Applied Science, 1989)。
【0005】
サッカリンおよび6-メチル-1,2,3-オキサチアジン-4(3H)-オン-2,2-二酸化カリウム塩(アセスルファムカリウム)のような甘味剤は、苦いおよび/または金属的な後味を有すると一般に特徴付けられる。2,4-ジヒドロキシ安息香酸で調製された製品は、甘味剤に関連する不所望な後味の減少を、それ自体の味が知覚できる濃度よりも低い濃度で示すと主張されている。また、スクラロースおよびアスパルテームのような高甘味度甘味剤は、甘味の送達に問題がある、すなわち、甘味の開始および残存が遅れると報告されている(S. G. Wiet等, J. Food Sci., 58(3):599-602, 666, 1993)。
【0006】
したがって、当技術分野では、新規の甘味フレーバー改質剤を開発する必要がある。
発明の概要
【0007】
一実施形態では、本発明は、構造式(I):
【化1】
を有する単離または精製された化合物またはその塩もしくは溶媒和物であって、ここで、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
7およびR
8が、独立して、水素、アルキル、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルであり、R
5およびR
9が、独立して、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルである、
単離または精製された化合物またはその塩もしくは溶媒和物を提供する。
【0008】
一実施形態では、本発明は、構造式(I):
【化2】
を有する1つ以上の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を含む、ポリポジウム・グリシリザのようなポリポジウム属の植物の抽出物であって、ここで、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
7およびR
8が、独立して、水素、アルキル、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルであり、R
5およびR
9が、独立して、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルであり、ここで、抽出物がヒトまたは動物による消費に適している、
抽出物を提供する。
【0009】
別の実施形態では、本発明は、本発明の単離または精製された化合物または抽出物と任意選択的に摂取許容可能な賦形剤とを含む、摂取可能な組成物を提供する。
【0010】
別の実施形態では、本発明は、組成物の甘味を改質する方法であって、その組成物を本発明の単離または精製された化合物または抽出物と接触させて、甘味が改質された組成物を形成することを含む、方法を提供する。この方法では、本化合物は、化学感覚受容体修飾因子、化学感覚受容体リガンド修飾因子、またはその両方、すなわち、部分化学感覚受容体修飾因子および部分化学感覚受容体リガンド修飾因子であり得る。例えば、本化合物は、甘味受容体アゴニスト、または甘味増強剤、または部分甘味受容体アゴニストおよび部分甘味増強剤であり得る。
【0011】
別の実施形態では、本発明は、i)フレーバー改質成分としての本発明の単離または精製された化合物または抽出物と、ii)担体と、iii)任意選択的に少なくとも1つの補助剤とを含む、フレーバー濃縮配合物を提供する。
発明を実施するための形態
【0012】
本発明は、概して、単離された甘味フレーバー改質化合物、これらの単離された化合物を含む組成物、およびこれらを分離して使用する方法に関する。一実施形態では、これらの単離された化合物は、ノンカロリーまたは低カロリーの高効能の天然甘味剤である。一実施形態では、本発明は、インビトロで甘味受容体を活性化し、かつ感覚研究において甘味を付与することができる、いくつかの新規のポリポドシド類似体の同定に関する。本発明の単離された甘味フレーバー改質化合物は、さまざまな摂取可能な組成物において使用することができる。一実施形態では、摂取可能な組成物は、本発明の少なくとも1つの単離された甘味フレーバー改質化合物を含む。別の実施形態では、摂取可能な組成物は、天然甘味剤、例えばスクロース、合成の高効能甘味剤、例えばスクラロースであり得る1つ以上の甘味剤をさらに含む。本発明はまた、他の天然または合成甘味剤と併せて新規の天然甘味剤を利用することによって、より砂糖に似た味または特徴を付与することで、ノンカロリーまたは低カロリーの天然および/または合成の高効能甘味剤の味を改善することができる組成物および方法にも関する。一実施形態では、甘味剤組成物および方法は、甘味の開始および甘味の残存を含むより砂糖に似た時間的プロファイル、ならびに/またはより砂糖に似たフレーバープロファイルを提供する。
【0013】
本発明のこれらの実施形態および他の実施形態、利点、ならびに特徴は、以下の項に記載される。特に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての科学技術用語は、本発明が属する分野の当業者が通常理解するのと同じ意味を有する。
【0014】
定義
「アルキル」とは、それ自体で、または他の置換基の一部として、親アルカン、アルケンまたはアルキンの単一の炭素原子から1個の水素原子を除去することによって誘導される飽和または不飽和の分岐状、直鎖状または環状一価炭化水素基を指す。「アルキル」という用語は、本明細書において以下で定義される「シクロアルキル」を含む。典型的なアルキル基としては、メチル;エタニル、エテニル、エチニルのようなエチル;プロパン-1-イル、プロパン-2-イル、シクロプロパン-1-イル、プロパ-1-エン-1-イル、プロパ-1-エン-2-イル、プロパ-2-エン-1-イル(アリル)、シクロプロパ-1-エン-1-イルのようなプロピル;シクロプロパ-2-エン-1-イル、プロパ-1-イン-1-イル、プロパ-2-イン-1-イルなど;ブタン-1-イル、ブタン-2-イル、2-メチル-プロパン-1-イル、2-メチル-プロパン-2-イル、シクロブタン-1-イル、ブタ-1-エン-1-イル、ブタ-1-エン-2-イル、2-メチル-プロパ-1-エン-1-イル、ブタ-2-エン-1-イル、ブタ-2-エン-2-イル、ブタ-1,3-ジエン-1-イル、ブタ-1,3-ジエン-2-イル、シクロブタ-1-エン-1-イル、シクロブタ-1-エン-3-イル、シクロブタ-1,3-ジエン-1-イル、ブタ-1-イン-1-イル、ブタ-1-イン-3-イル、ブタ-3-イン-1-イルなどのようなブチル;などが挙げられるが、これらに限定されることはない。「アルキル」という用語は、具体的には、いかなる程度またはレベルの飽和をも有する基、すなわち、炭素-炭素単結合のみを有する基、1つ以上の炭素-炭素二重結合を有する基、1つ以上の炭素-炭素三重結合を有する基、および炭素-炭素単結合、二重結合および三重結合の混合物を有する基を含むことが意図されている。特定のレベルの飽和が意図されている場合、「アルカニル」、「アルケニル」および「アルキニル」という表現が使用される。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~20個の炭素原子を含む(C1~C20アルキル)。他の実施形態では、アルキル基は、1~12個の炭素原子を含む(C1~C12アルキル)。さらなる他の実施形態では、アルキル基は、1~6個の炭素原子を含む(C1~C6アルキル)。アルキル基がさらに別の原子と連結すると、これは「アルキレン」基となることに留意したい。言い換えるなら、「アルキレン」という用語は、二価アルキルを指す。例えば、-CH2CH3はエチルであり、-CH2CH2-はエチレンである。すなわち、「アルキレン」とは、それ自体で、または別の置換基の一部として、親アルカン、アルケンまたはアルキンの単一の炭素原子または2個の異なる炭素原子から2個の水素原子を除去することによって誘導される飽和または不飽和の、分岐状、直鎖状または環状二価炭化水素基を指す。「アルキレン」という用語は、本明細書において以下で定義される「シクロアルキレン」を含む。「アルキレン」という用語は、具体的には、いかなる程度またはレベルの飽和をも有する基、すなわち、炭素-炭素単結合のみを有する基、1つ以上の炭素-炭素二重結合を有する基、1つ以上の炭素-炭素三重結合を有する基、および炭素-炭素単結合、二重結合および三重結合の混合物を有する基を含むことが意図されている。特定のレベルの飽和が意図されている場合、「アルカニレン」、「アルケニレン」および「アルキニレン」という表現が使用される。いくつかの実施形態では、アルキレン基は、1~20個の炭素原子を含む(C1~C20アルキレン)。他の実施形態では、アルキレン基は、1~12個の炭素原子を含む(C1~C12アルキレン)。さらなる他の実施形態では、アルキレン基は、1~6個の炭素原子を含む(C1~C6アルキレン)。
【0015】
「アルカニル」とは、それ自体で、または別の置換基の一部として、親アルカンの単一の炭素原子から1個の水素原子を除去することによって誘導される飽和の分岐状、直鎖状または環状アルキル基を指す。「アルカニル」という用語は、本明細書において以下で定義される「シクロアルカニル」を含む。典型的なアルカニル基としては、メタニル;エタニル;プロパン-1-イル、プロパン-2-イル(イソプロピル)、シクロプロパン-1-イルなどのようなプロパニル;ブタン-1-イル、ブタン-2-イル(sec-ブチル)、2-メチル-プロパン-1-イル(イソブチル)、2-メチル-プロパン-2-イル(t-ブチル)、シクロブタン-1-イルなどのようなブタニル;などが挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0016】
「アルケニル」とは、それ自体で、または別の置換基の一部として、親アルケンの単一の炭素原子から1個の水素原子を除去することによって誘導される少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する不飽和の分岐状、直鎖状または環状アルキル基を指す。「アルケニル」という用語は、本明細書において以下で定義される「シクロアルケニル」を含む。この基は、二重結合に対してシスまたはトランス立体配座のいずれかであり得る。典型的なアルケニル基としては、エテニル;プロパ-1-エン-1-イル、プロパ-1-エン-2-イル、プロパ-2-エン-1-イル(アリル)、プロパ-2-エン-2-イル、シクロプロパ-1-エン-1-イル、シクロプロパ-2-エン-1-イルのようなプロペニル;ブタ-1-エン-1-イル、ブタ-1-エン-2-イル、2-メチル-プロパ-1-エン-1-イル、ブタ-2-エン-1-イル、ブタ-2-エン-1-イル、ブタ-2-エン-2-イル、ブタ-1,3-ジエン-1-イル、ブタ-1,3-ジエン-2-イル、シクロブタ-1-エン-1-イル、シクロブタ-1-エン-3-イル、シクロブタ-1,3-ジエン-1-イルなどのようなブテニル;などが挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0017】
「アルキニル」とは、それ自体で、または別の置換基の一部として、親アルキンの単一の炭素原子から1個の水素原子を除去することによって誘導される少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する不飽和の分岐状、直鎖状または環状アルキル基を指す。典型的なアルキニル基としては、エチニル;プロパ-1-イン-1-イル、プロパ-2-イン-1-イルなどのようなプロピニル;ブタ-1-イン-1-イル、ブタ-1-イン-3-イル、ブタ-3-イン-1-イルなどのようなブチニル;などが挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0018】
「アルコキシ」とは、それ自体で、または別の置換基の一部として、式-O-R199の基を指し、ここで、R199は、本明細書において定義されるアルキルまたは置換アルキルである。
【0019】
「アシル」とは、それ自体で、または別の置換基の一部として、基-C(O)R200を指し、ここで、R200は、水素、本明細書において定義される、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルである。代表的な例としては、ホルミル、アセチル、シクロヘキシルカルボニル、シクロヘキシルメチルカルボニル、ベンゾイル、ベンジルカルボニルなどが挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0020】
「アリール」とは、それ自体で、または別の置換基の一部として、本明細書において定義される、親芳香族環系の単一の炭素原子から1個の水素原子を除去することによって誘導される一価芳香族炭化水素基を指す。典型的なアリール基としては、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、コロネン、フルオルアンテン、フルオレン、ヘキサセン、ヘキサフェン、ヘキサレン、as-インダセン、s-インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、オクタセン、オクタフェン、オクタレン、オバレン、ペンタ-2,4-ジエン、ペンタセン、ペンタレン、ペンタフェン、ペリレン、フェナレン、フェナントレン、ピセン、プレイアデン、ピレン、ピラントレン、ルビセン、トリフェニレン、トリナフタレンなどから誘導される基が挙げられるが、これらに限定されることはない。いくつかの実施形態では、アリール基は、6~20個の炭素原子(C6~C20アリール)を含み、すなわち、6~20員のアリール環である。他の実施形態では、アリール基は、6~15個の炭素原子(C6~C15アリール)を含み、すなわち、6~15員のアリール環である。さらなる他の実施形態では、アリール基は、6~15個の炭素原子(C6~C10アリール)を含み、すなわち、6~10員のアリール環である。
【0021】
「アリールアルキル」または「アラルキル」とは、それ自体で、またはもう1つの置換基の一部として、炭素原子、典型的には末端またはsp3炭素原子に結合した水素原子のうちの1つが本明細書において定義されるアリール基で置換された、非環状アルキル基を指す。すなわち、アリールアルキルまたはアラルキル基は、分子の他の部分にさらに結合したアルキレン基に連結したアリール基から構成される。アリールアルキルまたはアラルキル基中のアルキレン基は、1~12個の炭素原子、または1~6個の炭素原子、または1~3個の炭素原子を有するアルキレンであり得る。典型的なアリールアルキル基としては、ベンジル、2-フェニルエタン-1-イル、2-フェニルエテン-1-イル、ナフチルメチル、2-ナフチルエタンー1-イル、2-ナフチルエテン-1-イル、ナフトベンジル、2-ナフトフェニルエタン-1-イルなどが挙げられるが、これらに限定されることはない。特定のアルキル部分が意図されている場合、アリールアルカニル、アリールアルケニルおよび/またはアリールアルキニルの名称が使用される。いくつかの実施形態では、アリールアルキル基は、(C6~C30)アリールアルキルであり、例えば、アリールアルキル基のアルカニル、アルケニルまたはアルキニル部分は、(C1~C10)アルキルであり、アリール部分は、(C6~C20)アリールである。他の実施形態では、アリールアルキル基は、(C6~C20)アリールアルキルであり、例えば、アリールアルキル基のアルカニル、アルケニルまたはアルキニル部分は、(C1~C8)アルキルであり、アリール部分は、(C6~C12)アリールである。さらなる他の実施形態では、アリールアルキル基は、(C6~C15)アリールアルキルであり、例えば、アリールアルキル基のアルカニル、アルケニルまたはアルキニル部分は、(C1~C5)アルキルであり、アリール部分は、(C6~C10)アリールである。
【0022】
「シクロアルキル」または「カルボシクリル」とは、それ自体で、または別の置換基の一部として、本明細書において定義される飽和または不飽和の環状アルキル基を指す。同様に、「シクロアルキレン」または「カルボシクリレン」とは、それ自体で、または別の置換基の一部として、本明細書において定義される飽和または不飽和の環状アルキレン基を指す。特定レベルの飽和が意図されている場合、「シクロアルカニル」、「シクロアルケニル」または「シクロアルキニル」の名称が使用される。典型的なシクロアルキル基としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどから誘導される基が挙げられるが、これらに限定されることはない。いくつかの実施形態では、シクロアルキル基は、3~10個の環原子を含む(C3~C10シクロアルキル)。他の実施形態では、シクロアルキル基は、3~7個の環原子を含む(C3~C7シクロアルキル)。シクロアルキルは、N、P、O、SおよびSiを含むがこれらに限定されることはない1個以上のヘテロ原子によってさらに置換されていてもよく、これらは、一価または多価結合を介してシクロアルキルの炭素原子に結合する。
【0023】
「抽出物」とは、少なくとも1つの精製または他の処理ステップによって植物から採取された物質または混合物を意味する。本明細書で使用される場合、「植物」とは、植物全体、植物の一部、植物組織、植物細胞またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されることはない。いくつかの実施形態では、植物はシダである。いくつかの実施形態では、シダは、リコリスファーン(すなわち、ポリポジウム・グリシリザ)のようなポリポジウム属の植物である。一実施形態では、抽出物は、本明細書に記載の構造式(I)、(Ia)を有する1つ以上の化合物またはそれらの任意の亜属もしくは種を含む。いくつかの実施形態では、抽出物は、ポリポジウム属の植物、植物の一部、植物組織または植物細胞から得られる。いくつかの実施形態では、抽出物は、植物の根茎から得られる。
【0024】
「植物の一部」または「植物組織」とは、植物の任意の部分を指す。植物の一部の例としては、葉、茎、根、塊茎、種子、枝、軟毛、根粒、葉腋、花、花粉、雄しべ、雌しべ、花弁、花柄、葉柄、柱頭、花柱、包葉、果実、幹、心皮、萼片、葯、胚珠、小花柄、針、球果、根茎、胞子、ストロン、シュート、果皮、内胚乳、胎座、液果、雄しべ、および葉鞘が挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0025】
「シダ」とは、クラドキシロプシダ(Cladoxylopsida)、プシロトプシダ(Psilotopsida)、エクイセトプシダ(Equisetopsida)(別名:スフェノプシダ(Sphenopsida))、マラチオプシダ(Marattiopsida)、ポリポジオプシダ(Polypodiopsida)(別名:プテリドプシダ(Pteridopsida)、フィリコプシダ(Filicopsida))、ジゴプテリダレス(Zygopteridales)、スタウロプテリダレス(Stauropteridales)またはラコフィタレス(Rhacophytales)のクラスの植物を指す。シダは、多くの場合羽状である本葉(大葉)を有するという点で、小葉植物とは異なる維管束植物である。これらは、花および種子がない生殖様式において、種子植物(裸子植物および被子植物)とは異なる。他のすべての維管束植物と同様に、これらは、世代交代と呼ばれる生活環を有し、二倍体の胞子体相と一倍体の配偶体相が交互に現れることを特徴としている。シダの配偶体は自由生活性有機体であるが、裸子植物および被子植物の配偶体は胞子体に依存している。
【0026】
「ポリポジウム」とは、真のシダ属、別名ホリーファーンを指す。ポリポジウム属のシダ植物は、陸生または着生シダであり得る。ポリポジウム属の植物は、通常、匍匐、密集した毛状またはうろこ状の根茎を有し、その長さに沿って間隔を置いて葉を付ける。これらの種は、サイズおよび一般的な外観、ならびに葉の特徴が異なり得て、葉は、常緑であり、1~2年間持続し、羽状または羽状中裂であり、約10cm~約80cm以上である。胞子嚢または胞子嚢群(スポランギア)は、葉の裏側にあり、これらは、球形および裸であり、膜(インダシウム)で覆われていない。ポリポジウム属の植物は、一倍体、二倍体または多倍数体であり得る。植物は、純粋な系統(例えば、近交系)または2つ以上の植物種に由来する雑種系統のいずれかであり得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの種はポリポジウム属である。いくつかの実施形態では、すべての親種はポリポジウム属である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの親植物はポリポジウム・グリシリザである。いくつかの実施形態では、植物はポリポジウム・グリシリザである。いくつかの実施形態では、植物はポリポジウム種の特定の品種または栽培品種である。いくつかの実施形態では、植物は、ポリポジウム・グリシリザのようなポリポジウム属の植物の子孫である。いくつかの実施形態では、植物は、2つ以上のシダ植物間の交配に由来し、ここで、少なくとも1つの親植物は、ポリポジウム・グリシリザのようなポリポジウム属である。
【0027】
いくつかの実施形態では、植物は、ポリポジウム・アビタグアエ(Polypodium abitaguae)、ポリポジウム・アルフレディ(Polypodium alfredii)、ポリポジウム・アモルフ・スクスドルフ(Polypodium amorphum Suksdorf)(不規則ポリポディ)、ポリポジウム・アパラチアヌム(Polypodium appalachianum)、(Haufler & Windham-アパラチアンロックキャップファーン)、ポリポジウム・アルギロレピス(Polypodium argyrolepis)、ポリポジウム・アステロレピスBaker(Polypodium asterolepis Baker)、ポリポジウム・ビラルジエリ(Polypodium billardieri)、ポリポジウム・カリフォルニクムKaulf.(Polypodium californicum Kaulf.)、ポリポジウム・カリリザ(Polypodium calirhiza)(ネスト化ポリポディ(nested polypody)、ハビットポリポディ(habit polypody)、ポリポジウム・カンブリクムL.(Polypodium cambricum L.)(すなわち、ポリポジウム・アウストラルFee(P. austral Fee)-サザンポリポディ(southern polypody))、ポリポジウム・キノレピス(Polypodium chionolepis)、ポリポジウム・デクマヌム(Polypodium decumanum)(すなわち、カラグアラファーン(Calaguala fern))、ポリポジウム・エクスカバトゥムRoxb.(Polypodium excavatum Roxb.)、ポリポジウム・エクシグウム(Polypodium exiguum)(すなわち、ハグミータイト(hug-me-tight))、ポリポジウム・フィー(Bory) Mett.(Polypodium feei (Bory) Mett.)、ポリポジウム×フォントクエリ(Polypodium × font queri)(ポリポジウム・カンブリクム×ポリポジウム・ブルガレ(P. vulgare))、ポリポジウム・フォルモサヌムBaker(Polypodium formosanum Baker)(すなわち、グラブファーン(grub fern))、ポリポジウム・フルフラセウムSchltdl. & Cham(Polypodium furfuraceum Schltdl. & Cham)、ポリポジウム・グリシリザ(すなわち、リコリスファーン)、ポリポジウム・ヘスペリウムMaxon(Polypodium hesperium Maxon)(ウェスタンポリポディ(western polypody))、ポリポジウム・インカヌム(Polypodium incanum)、ポリポジウム×インコグニトゥム(Polypodium × incognitum)、ポリポジウム・インテルジェクトゥムShivas(Polypodium interjectum Shivas)(中間ポリポディ(intermediate polypody))、ポリポジウム・ラティシムム(Polypodium latissimum)、ポリポジウム・レピドプテリス(Langsd. & Fisch.)Kunze(Polypodium lepidopteris (Langsd. & Fisch.) Kunze)、ポリポジウム・マカロネシクムBobrov(Polypodium macaronesicum Bobrov)、ポリポジウム×マントニアエ(Polypodium × mantoniae)(ポリポジウム・インテルジェクトゥム×ポリポジウム・ブルガレ)、ポリポジウム・ミンデンセ(Polypodium mindense)、ポリポジウム・ミクストゥム(Polypodium mixtum)、ポリポジウム・ニグレセンスBlume(Polypodium nigrescens Blume)、ポリポジウム・ニッポニクム(Polypodium nipponicum)(すなわち、アオネカズラ(日本))、ポリポジウム・ペルクスム(Polypodium percussum)、ポリポジウム・フィマトデスL.(Polypodium phymatodes L.)、ポリポジウム・ピリゲルム(Polypodium piligerum)、ポリポジウム・プンクタトゥムThunb. Ex Murray(Polypodium punctatum Thunb. Ex Murray)、ポリポジウム・プストゥラトゥム(Polypodium pustulatum)、ポリポジウム・ピクノカルプムC.Chr.(Polypodium pycnocarpum C.Chr.)、ポリポジウム・キテンセ(Polypodium quitense)、ポリポジウム・リンバキイ(Polypodium rimbachii)、ポリポジウム×ロスマレリ(Polypodium × rothmaleri)(ポリポジウム・カンブリクム×ポリポジウム・インテルジェクトゥム)、ポリポジウム・サキシモンタヌムWindham(Polypodium saximontanum Windham)、ポリポジウム・スクレリ(Polypodium scouleri)(Hooker & Greville - コーストポリポディ(coast polypody))、ポリポジウム・スクトゥラトゥム(Polypodium scutulatum)、ポリポジウム・セグレガトゥム(Polypodium segregatum)、ポリポジウム×シバシアエRothm.(Polypodium × shivasiae Rothm.)(ポリポジウム・カンブリクム×ポリポジウム・インテルジェクトゥム)、ポリポジウム・シビリクムSipliv.(Polypodium sibiricum Sipliv.)(シベリアンポリポディ(Siberian polypody))、ポリポジウム・トリセリアレSwartz(Polypodium triseriale Swartz)、ポリポジウム・バージニアヌムL.(Polypodium virginianum L.)-ロックポリポディ(rock polypody)、ポリポジウム・ブルガレ-一般的なポリポディ、ポリポジウム・キサラペンセ(Polypodium xalapense)およびそれらに由来するいずれの雑種からなる群から選択される。さらなるポリポジウム種およびポリポジウム種のさらなる記載については、Royal Botanic Garden Edinburgh (RBGE) (2007): Digital Flora Europaea: Polypodium species list.; United States Department of Agriculture (2007): Germplasm Resources Information Network - Polypodium.; MooreおよびBradbury (Polypodium to Lastrea. Genus I-V, Volume 1 of Nature printed British Ferns: Being Figures and Descriptions of the Species and Varieties of Ferns Found in the United Kingdom)、ならびにLowe等(Ferns: Gymnogramma, Nothochlaena, Niphobolus, Polypodium, Groombridge and Sons, 1867)で見ることができ、これらはそれぞれ、あらゆる目的のために参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0028】
リコリスファーン、多足シダおよびスイートルートとして一般的に知られているポリポジウム・グリシリザは、主に、アラスカ南部、ユーコン準州南西部、ブリティッシュコロンビア州西部、ワシントン州、オレゴン州およびカリフォルニア州の狭い域に生息する北アメリカ西部原産の常緑シダであるが、アイダホ州およびアリゾナ州から、2つの非常に隔離した分布が知られている。これは、湿気の多い気候で繁栄し、涼しく湿った夏および暖かく湿った冬の地域に生息している。胞子は、葉の裏側の丸い胞子嚢にあり、涼しい気候および高い湿度において放出される。リコリスファーンは、典型的には、生きている木の枝または倒れた木の枝に着生的に成長し、多くはエイサー・マクロフィルム(Acer macrophyllum)種や、沿岸の森林地帯において岩生植物として岩盤上に再発する。この種のシダは、コケに覆われた基質中で繁栄することもよく見られる。ポリポジウム・グリシリザは、栄養素および日光の点で条件が最も良好な場所で成長し、海岸林床の上およびしばしばその上方にある隙間を占める。リコリスファーンの根茎または茎は、土壌の下で水平に成長し、新しい葉の成長を可能にする成長先端を含む。根茎の堅さは、質感において、木のような硬さからフラシ天のような柔らかさまでさまざまであり得る。根茎の内部には維管束組織があり、これによって、必要に応じて、必須のミネラル、水および食物が、植物の残りの部分に輸送される。
【0029】
「近交系」、「近交系植物」という用語が本発明の文脈で使用される。これは、近交系の単一遺伝子変換も含む。本明細書で使用される場合、単一対立遺伝子変換植物という用語は、植物育種技術によって開発された植物を指し、ここで、育種技術を介して近交系に導入された単一対立遺伝子に加えて、同系交配種の望ましい形態学的および生理学的特徴の本質的にすべてが回復される。
【0030】
「雑種」という用語は、1つ以上の遺伝子が異なる親間の交配から生じる個々の細胞、組織または植物を指す。
【0031】
「子孫」という用語は、1つ以上の親植物またはその子孫からの栄養生殖または有性生殖の子孫として生じる任意の植物を指す。例えば、子孫植物は、親植物のクローニングまたは自家受粉によって、または2つの親植物を交配することによって得ることができ、自家受粉ならびにF1またはF2またはさらにそれ以上の世代を含み得る。F1は、少なくとも一方が形質の供与体として初めて使用される親から産出された第1世代の子孫であり、第2世代(F2)またはそれ以降の世代(F3、F4など)の子孫は、F1、F2などの自家受粉から産出される標本である。したがって、F1は、2つの真の育種親(真の育種は、形質に関して同型接合である)の交配から生じる雑種であり得て(通常は雑種である)、F2は、該F1雑種の自家受粉から生じる子孫であり得る(通常は子孫である)。
【0032】
「品種」または「栽培品種」という用語は、構造的特徴および性能によって同じ種内の他の品種から識別可能な類似した植物の群を意味する。本明細書で使用される場合、「品種」という用語は、1972年11月10日、1978年10月23日および1991年3月19日にジュネーブで改正された、1961年12月2日のInternational Convention for the Protection of New Varieties of Plants(UPOV条約)の対応する定義と同じ意味を有する。したがって、「品種」とは、公知の最低ランクの単一の植物分類群内の植物のグループを意味し、このグループは、育成者権の付与条件が完全に満たされているかどうかに関係なく、i)所定の遺伝子型または遺伝子型の組み合わせから生じる特性の発現によって定義することができ、ii)少なくとも1つの上記の特性の発現によって他の植物グループと区別することができ、iii)変わらずに繁殖するその適合性に関してユニットと考えられ得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、抽出用の植物は自然環境で栽培される。いくつかの実施形態では、抽出用の植物は、温室のような制御された環境で栽培される。いくつかの実施形態では、抽出用の植物、植物の一部または植物細胞は、組織培養物として栽培される。いくつかの実施形態では、抽出用の植物は、生活環の間に、1つより多くの環境で連続的に栽培される。いくつかの実施形態では、組織培養物は根茎細胞を含む。いくつかの実施形態では、抽出用の植物は胞子体段階にある。いくつかの実施形態では、抽出用の植物は配偶体段階にある。シダを繁殖させるための非限定的な手順は、Ide等, ”Fern horticulture: past, present, and future”, Intercept (January 1, 1900)、MorelおよびWetnore, ”Fern Callus Tissue Cultur”, 38(2): 141-143, American Journal of Botany, 1951、TrigianoおよびGray, ”Plant Tissue Culture Concepts and Laboratory Exercises”, Taylor & Francis, 1999、George等, ”Plant Propagation by Tissue Culture”, Springer, 2007に記載されており、これらはそれぞれ、あらゆる目的のために参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0034】
本発明の化合物を産生するシダ植物は、元々の親シダ植物と比較して、1つ以上の目的の化合物の産生の増加、または目的の化合物間の比率の変更を伴う、新しい品種または新種を産生する育種プログラムに使用され得る。育種プログラムは、農学的に重要なさらなる形質を有する新しい品種または新種を産生するためにも使用され得る。本明細書で使用される場合、「農学的に重要な形質」としては、ヒトでの使用に有用または有利な植物または植物の一部における任意の表現型が挙げられる。農学的に重要な形質の例としては、バイオマス産生、害虫抵抗性、生命力、発育時間(収穫までの時間)、増強された栄養素含有量、新しい成長パターン、フレーバーまたは色、塩分、熱、干ばつおよび寒さに対する耐性の増加などが挙げられるが、これらに限定されることはない。シダ植物の多様体、変異体および微々たる変形形態は、これに限定されることはないが変異誘発(例えば、化学的変異誘発、放射線変異誘発、トランスポゾン変異誘発、挿入変異誘発、シグネチャータグ変異誘発、指向性変異誘発および自然変異誘発)を含む、当業者が利用可能な方法によって生成され得る。作用物質、プロトコルのような植物における変異誘発のさらなる情報については、Acquaah等, ”Principles of plant genetics and breeding”, Wiley-Blackwell, 2007, ISBN 1405136464, 9781405136464)を参照し、これは、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0035】
「ヘテロアルキル」、「ヘテロアルカニル」、「ヘテロアルケニル」および「ヘテロアルキニル」とは、それ自体で、または他の置換基の一部として、1個以上の炭素原子(および任意選択的にいずれかの関連する水素原子)が、それぞれ互いに独立して、同じまたは異なるヘテロ原子またはヘテロ原子基で置き換えられている、アルキル、アルカニル、アルケニルおよびアルキニル基をそれぞれ指す。同様に、「ヘテロアルキレン」、「ヘテロアルカニレン」、「ヘテロアルケニレン」および「ヘテロアルキニレン」とは、それ自体で、または他の置換基の一部として、1個以上の炭素原子(および任意選択的にいずれかの関連する水素原子)が、それぞれ互いに独立して、同じまたは異なるヘテロ原子またはヘテロ原子基で置き換えられている、アルキレン、アルカニレン、アルケニレンおよびアルキニレン基をそれぞれ指す。炭素原子を置き換えることができる典型的なヘテロ原子またはヘテロ原子基としては、-O-、-S-、-N-、-Si-、-NH-、-S(O)-、-S(O)2-、-S(O)NH-、-S(O)2NH-などおよびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されることはない。ヘテロ原子またはヘテロ原子基は、アルキル、アルケニルまたはアルキニル基のいずれの内部位置において置き換えられていてもよい。これらの基に含まれ得る典型的なヘテロ原子基としては、-O-、-S-、-O-O-、-S-S-、-O-S-、-NR201R202-、=N-N=、-N=N-、-N=N-NR203R204-、-PR205-、-P(O)2-、-POR206-、-O-P(O)2-、-SO-、-SO2-、-SnR207R208-などが挙げられるが、これらに限定されることはなく、ここで、R201、R202、R203、R204、R205、R206、R207およびR208は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換シクロヘテロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルである。
【0036】
「シクロヘテロアルキル」または「ヘテロシクリル」とは、それ自体で、または別の置換基の一部として、1個以上の炭素原子(および任意選択的にいずれかの関連する水素原子)が、独立して、同じまたは異なるヘテロ原子で置き換えられている、飽和または不飽和の環状アルキル基を指す。同様に、「シクロヘテロアルキレン」または「ヘテロシクリレン」とは、それ自体で、または別の置換基の一部として、1個以上の炭素原子(および任意選択的にいずれかの関連する水素原子)が、独立して、同じまたは異なるヘテロ原子で置き換えられている、飽和または不飽和の環状アルキレン基を指す。シクロヘテロアルキルは、N、P、O、SおよびSiを含むがこれらに限定されることはない1個以上のヘテロ原子によってさらに置換されていてもよく、これらは、一価または多価結合を介してシクロヘテロアルキルの炭素原子に結合する。炭素原子を置き換える典型的なヘテロ原子としては、N、P、O、S、Siなどが挙げられるが、これらに限定されることはない。特定レベルの飽和が意図されている場合、「シクロヘテロアルカニル」または「シクロヘテロアルケニル」の名称が使用される。典型的なシクロヘテロアルキル基としては、エポキシド、アジリン、チイラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、イミダゾリジン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ピラゾリジン、ピロリドン、キヌクリジンなどから誘導される基が挙げられるが、これらに限定されることはない。いくつかの実施形態では、シクロヘテロアルキル基は、3~10個の環原子を含む(3~10員シクロヘテロアルキル)。他の実施形態では、シクロアルキル基は、5~7個の環原子を含む(5~7員シクロヘテロアルキル)。シクロヘテロアルキル基は、ヘテロ原子、例えば窒素原子において、(C1~C6)アルキル基で置換されていてもよい。具体的な例としては、N-メチル-イミダゾリジニル、N-メチル-モルホリニル、N-メチル-ピペラジニル、N-メチル-ピペリジニル、N-メチル-ピラゾリジニルおよびN-メチル-ピロリジニルが「シクロヘテロアルキル」の定義に含まれる。シクロヘテロアルキル基は、環炭素原子または環ヘテロ原子を介して分子の残りに結合していてもよい。
【0037】
一実施形態では、ヘテロシクリルとしては、環内に1個以上の窒素原子を有するヘテロ環を表す「アザシクリル」が挙げられる。アザシクリルは、酸素および硫黄のようなさらなる他のヘテロ原子をさらに含んでいてもよい。アザシクリルは、アゼチジン、イミダゾリジン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ピラゾリジン、ピロリドン、ジアゼパン、アゼパン、ジアゾカンおよびアゾカンのような、1個以上の窒素原子を有する4員環、5員環、6員環、7員環または8員環であり得る。
【0038】
「アミン」とは、-NH2の構造式を有する部分を指す。「置換アミン」とは、-NRXRYの構造式を有する部分を指し、ここで、RXおよびRYは、独立して、水素(ただし、RXおよびRYが両方水素であるわけではない)、アルキル、置換アルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、カルボシクリル、置換カルボシクリル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アシル、置換アシル、イミン、置換イミン、アミジン、例えば、-C(NH)-NH2または置換アミジンである。-NRXRYの一実施形態では、RXは水素であり、RYは、アルキル、置換アルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、カルボシクリル、置換カルボシクリル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アシル、置換アシル、イミン、置換イミン、アミジン、例えば、-C(NH)-NH2または置換アミジンである。
【0039】
「目的の化合物」とは、(I)および(Ia)のような本明細書に開示されている構造式に包含される化合物を指し、その構造が本明細書に開示されているこれらの式内のいずれの下位および特定の化合物も含む。化合物は、それらの化学構造および/または化学名のいずれかによっても識別することができる。化学構造および化学名が矛盾する場合、化学構造によって化合物の同一性を特定する。本明細書中に記載されている化合物は、1つ以上のキラル中心および/または二重結合を含み得るので、二重結合異性体(すなわち、幾何異性体)、エナンチオマーまたはジアステレオマーのような立体異性体として存在し得る。したがって、本明細書で描かれている化学構造は、立体異性体的に純粋な形態(例えば、幾何学的に純粋、エナンチオマー的に純粋またはジアステレオマー的に純粋)ならびにエナンチオマーおよび立体異性体混合物を含む、示されている化合物のすべての可能なエナンチオマーおよび立体異性体を包含する。エナンチオマーおよび立体異性体混合物は、当業者によく知られている分離技術またはキラル合成技術を使用してそれらの成分であるエナンチオマーまたは立体異性体に分けることができる。すなわち、本明細書に記載されている式(I)の化合物は、立体異性的に純粋なまたは立体異性的に富化されたその化合物を含む。これらの化合物は、エノール形態、ケト形態およびそれらの混合物を含むいくつかの互変異性形態でも存在し得る。したがって、本明細書で描かれている化学構造は、示されている化合物のすべての可能な互変異性形態を包含する。本明細書で使用される場合、「互変異性体」という用語は、互いに非常に容易に変化して平衡状態でともに存在することができる異性体を指す。一般に、化合物は、水和されていても、溶媒和されていても、または窒素酸化物であってもよい。特定の化合物は、複数の結晶形態またはアモルファス形態で存在し得る。一般に、すべての物理的形態は、本明細書において企図される使用と同等であり、本発明の範囲内にあることを意図している。さらに、化合物の部分構造が示されている場合、括弧は、分子の残りの部分への部分構造の結合点を示すと理解すべきである。
【0040】
「ハロ」とは、それ自体で、または別の置換基の一部として、-F、-Cl、-Brまたは-I基を指す。
【0041】
「ヘテロアリール」とは、それ自体で、または別の置換基の一部として、本明細書中に定義される親ヘテロ芳香族環系または部分ヘテロ芳香族環系の単一原子から1個の水素原子を除去することによって誘導される一価ヘテロ芳香族基または部分ヘテロ芳香族基を指す。典型的なヘテロアリール基としては、アクリジン、β-カルボリン、クロマン、クロメン、シンノリン、フラン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリン、インドリジン、イソベンゾフラン、イソクロメン、イソインドール、イソインドリン、イソキノリン、イソチアゾール、イソオキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、ペリミジン、フェナントリジン、フェナントロリン、フェナジン、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、ピロリジン、キナゾリン、キノリン、キノリジン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアゾール、キサンテンなどから誘導される基が挙げられるが、これらに限定されることはない。いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基は、5~20個の環原子を含む(5~20員ヘテロアリール)。他の実施形態では、ヘテロアリール基は、5~10個の環原子を含む(5~10員ヘテロアリール)。例示的なヘテロアリール基としては、フラン、チオフェン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンズイミダゾール、インドール、ピリジン、ピラゾール、キノリン、イミダゾール、オキサゾール、イソオキサゾールおよびピラジンから誘導されるものが挙げられる。
【0042】
「ヘテロアリールアルキル」とは、それ自体で、または別の置換基の一部として、炭素原子、典型的には末端またはsp3炭素原子に結合した水素原子のうちの1つがヘテロアリール基で置換された、非環状アルキル基を指す。すなわち、ヘテロアリールアルキル基は、分子の他の部分にさらに結合したアルキレン基に結合したヘテロアリール基から構成される。ヘテロアリールアルキル基中のアルキレン基は、1~12個の炭素原子、または1~6個の炭素原子、または1~3個の炭素原子を有するアルキレンであり得る。特定のアルキル部分が意図されている場合、ヘテロアリールアルカニル、ヘテロアリールアルケニルおよび/またはヘテロアリールアルキニルの名称が使用される。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールアルキル基は、6~21員ヘテロアリールアルキルであり、例えば、ヘテロアリールアルキルのアルカニレン、アルケニレンまたはアルキニレン部分は、(C1~C6)アルキレンであり、ヘテロアリール部分は、5~15員ヘテロアリールである。他の実施形態では、ヘテロアリールアルキルは、6~13員ヘテロアリールアルキルであり、例えば、アルカニレン、アルケニレンまたはアルキニレン部分は、(C1~C3)アルキレンであり、ヘテロアリール部分は、5~10員ヘテロアリールである。
【0043】
本明細書で使用される場合、「ヒト味覚パネル」とは、官能試験に言及する場合、スケーリング試験を実施するヒトのパネリストを使用した、甘味フレーバーまたは甘味フレーバー増強の測定を意味する。実験化合物を含有する試験サンプルを、(例えば、スクラロース、スクロース、フルクトースおよび他の甘味剤のような)甘味剤の濃度の知覚される甘味強度についての用量-応答曲線と比較して、同等の甘味強度を特定することができる。5~8人以上のパネリストの群が、さまざまな濃度の甘味剤、ならびに甘味剤の添加ありおよびなしの双方の実験化合物を含む溶液を味見する。次いで、パネリストは、0~15で固定の構造化された水平線スケール(0は甘味なしに等しく、15は15%のスクロースサンプルと同等の甘味に等しい)において、すべてのサンプルの甘味強度に評点を付ける。甘味強度のスコアをパネリストの間で平均する。次いで、平均スコア、および/または甘味剤の用量-応答曲線についての線の方程式を使用して、実験化合物を含有するサンプルについて同等の甘味濃度を特定する。ヒト味覚パネルによる官能試験の例は、本願の実験1として記載されている。
【0044】
本明細書で使用される化合物に言及する場合、「単離された」という用語は、目的の化合物を化学的または酵素的に合成する場合に、あるいは他の成分、原料または化学物質が、天然の状態で目的の化合物とともに自然に存在する場合に、他の成分、原料または化学物質が使用または生成されるかどうかにかかわらず、目的の化合物とともに存在する他の成分、原料または化学物質から分離または単離されることを意味する。一実施形態では、「単離された」という用語は、少なくとも1回の精製または他の処理ステップによって、リコリスファーン、すなわちポリポジウム・グリシリザ中にてその天然の状態で目的の化合物に通常付随する成分、原料または化学物質中に、目的の化合物が実質的または本質的にないことを意味する。そのような単離された化合物は、実質的に純粋であるとも説明することができる。本明細書で使用される場合、「実質的に純粋な」という用語は、目的の化合物が、目的の化合物に天然に付随する成分、原料または化学物質から分離されていることを表す。一実施形態では、単離された化合物は、全材料の少なくとも約50%、少なくとも約60%、または少なくとも約70%、または少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%(体積、湿潤重量もしくは乾燥重量、またはモルパーセントもしくはモル分率による)が目的の化合物である場合、実質的に純粋である。純度は、任意の適切な方法、例えば、クロマトグラフィー、ゲル電気泳動またはHPLC分析によって測定することができる。
【0045】
「保護基」とは、分子マスク中の反応性官能基に結合した場合に官能基の反応性を低減するまたは妨げる原子の群を指す。保護基の例は、Green等, “Protective Groups in Organic Chemistry”, Wiley, 2nd ed. 1991およびHarrison等, “Compendium of Synthetic Organic Methods”, Vols. 1-8 , John Wiley and Sons, 1971-1996に見ることができる。代表的なアミノ保護基としては、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル(「CBZ」)、tert-ブトキシカルボニル(「Boc」)、トリメチルシリル(「TMS」)、2-トリメチルシリル-エタンスルホニル(「SES」)、トリチルおよび置換トリチル基、アリールオキシカルボニル、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(「FMOC」)、ニトロ-ベラトリルオキシカルボニル(「NVOC」)などが挙げられるが、これらに限定されることはない。代表的なヒドロキシ保護基としては、ヒドロキシ基がアシル化またはアルキル化されているもの、例えば、ベンジル、およびトリチルエーテル、ならびにアルキルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテル、トリアルキルシリルエーテル、およびアリルエーテルが挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0046】
「精製された」とは、目的の化合物を、他の低分子(例えば、ポリポドシドA、ポリポドシドBまたはポリポドシドC)および/または高分子(例えば、タンパク質、核酸など)を含む他の分子から、そのような分離後の他の分子のパーセントと比較した場合に目的の化合物のパーセントを増加させる手法で分離し、それによって、目的の化合物が、他の分子と比較した場合に、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%w/w超で存在することを意味する。本明細書に記載されている精製に言及する場合、目的の化合物が、目的の化合物のエナンチオマーおよびジアステレオマーおよび/またはいずれかもしくはすべての互変異性形態を含む立体異性体を含み得て、かつこれらが、必ずしも他の分子とは見なされないと理解される。
【0047】
「立体異性的に純粋」とは、目的の化合物が、この化合物の他の立体異性体を実質的に含まないことを意味する。一実施形態では、立体的に純粋な目的の化合物は、この化合物の反対のエナンチオマーを実質的に含んでいなくてもよい。一実施形態では、立体的に純粋な目的の化合物は、この化合物の他のジアステレオマーを実質的に含んでいなくてもよい。典型的な立体異性的に純粋な目的の化合物は、約80重量%超の1つの立体異性体および約20重量%未満の他の立体異性体、より好ましくは、約90重量%超の1つの立体異性体および約10重量%未満の他の立体異性体、さらにより好ましくは、約95重量%超の立体異性体および約5重量%未満の他の立体異性体、最も好ましくは、約97重量%超の立体異性体および約3重量%未満の他の立体異性体を含む。本明細書で使用される場合、および他に示されない限り、「立体異性的に富化された」という用語は、目的の化合物またはその組成物が、約60重量%超の1つの立体異性体、または約70重量%超、または約80重量%超の1つの立体異性体を含むことを意味する。立体異性的に純粋なまたは立体異性的に富化された式(I)の特定の化合物は、本明細書に記載されている所望の味プロファイルを示す。
【0048】
「塩」とは、親化合物の所望の薬理学的活性を保有する化合物の塩を指す。そのような塩としては、以下のものが挙げられる:(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などのような無機酸で形成された、または酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタン-ジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4-メチルビシクロ[2.2.2]-オクタ-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などのような有機酸で形成された酸付加塩、あるいは(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオンもしくはアルミニウムイオンによって置き換えられる場合、またはエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルグルカミンのような有機塩基と配位する場合に形成される塩。
【0049】
「溶媒和物」とは、溶媒和によって形成された化合物(溶質の分子またはイオンと溶媒分子との組み合わせ)、または1つ以上の溶媒分子を有する、溶質イオンまたは分子、すなわち本発明の化合物からなる集合体を意味する。水が溶媒である場合、対応する溶媒和物は「水和物」である。
【0050】
アミンオキシドまたはアミン-N-オキシドとしても知られている「N-オキシド」とは、本発明の化合物のアミン基の酸化を介して本発明の化合物から誘導される化合物を意味する。2つのR基がヘテロアリール環系中にある場合、N-オキシドは、典型的には、官能基R3N+-O-(R3N=OまたはR3N→Oと書かれる場合もある)またはR2N+-O-(R2N=OまたはR2N→Oと書かれる場合もある)を含む。
【0051】
「置換された」とは、特定の基を修飾するのに使用される場合、特定の基の1個以上の水素原子が、それぞれ互いに独立して、同じまたは異なる置換基で置き換えられていることを意味する。「任意選択的に置換された」という用語は、置換されているか、または置換されていない(すなわち、非置換)ことを意味する。例えば、任意選択的に置換されたアザ環は、アザ環が置換されていても、または置換されていなくてもよいことを意味する。特定の基において飽和炭素原子を置換するのに有用な置換基としては、-Ra、ハロ、-O-、=O、-ORb、-SRb、-S-、=S、-NRcRc、=NRb、=N-ORb、トリハロメチル、-CF3、-CN、-OCN、-SCN、-NO、-NO2、=N2、-N3、-S(O)2Rb、-S(O)2NRbRb、-S(O)2O-、-S(O)2ORb、-OS(O)2Rb、-OS(O)2O-、-OS(O)2ORb、-P(O)(O-)2、-P(O)(ORb)(O-)、-P(O)(ORb)(ORb)、-C(O)Rb、-C(S)Rb、-C(NRb)Rb、-C(O)O-、-C(O)ORb、-C(S)ORb、-C(O)NRcRc、-C(NRb)NRcRc、-OC(O)Rb、-OC(S)Rb、-OC(O)O-、-OC(O)ORb、-OC(S)ORb、-NRbC(O)Rb、-NRbC(S)Rb、-NRbC(O)O-、-NRbC(O)ORb、-NRbC(S)ORb、-NRbC(O)NRcRc、-NRbC(NRb)Rbおよび-NRbC(NRb)NRcRcが挙げられるが、これらに限定されることはなく、ここで、Raは、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、各Rbは、独立して、水素またはRaであり、各Rcは、独立してRbであるか、あるいは2つのRcは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、O、NおよびSからなる群から選択される同じまたは異なる1~4個のさらなるヘテロ原子を任意選択的に含み得る4員、5員、6員または7員シクロヘテロアルキルを形成し得る。具体的な例として、-NRcRcは、-NH2、-NHアルキル、N-ピロリジニルおよびN-モルホルニルを含むことが意図されている。別の具体的な例として、置換アルキルは、-アルキレン-O-アルキル、-アルキレン-ヘテロアリール、-アルキレン-シクロヘテロアルキル、-アルキレン-C(O)ORb、-アルキレン-C(O)NRbRbおよび-CH2-CH2-C(O)-CH3を含むことが意図されている。1つ以上の置換基は、これらが結合している原子と一緒になって、シクロアルキルおよびシクロヘテロアルキルを含む環状環を形成することができる。
【0052】
同様に、特定の基において不飽和炭素原子を置換するのに有用な置換基としては、-Ra、ハロ、-O-、-ORb、-SRb、-S-、-NRcRc、トリハロメチル、-CF3、-CN、-OCN、-SCN、-NO、-NO2、-N3、-S(O)2Rb、-S(O)2O-、-S(O)2ORb、-OS(O)2Rb、-OS(O)2O-、-OS(O)2ORb、-P(O)(O-)2、-P(O)(ORb)(O-)、-P(O)(ORb)(ORb)、-C(O)Rb、-C(S)Rb、-C(NRb)Rb、-C(O)O-、-C(O)ORb、-C(S)ORb、-C(O)NRcRc、-C(NRb)NRcRc、-OC(O)Rb、-OC(S)Rb、-OC(O)O-、-OC(O)ORb、-OC(S)ORb、-NRbC(O)Rb、-NRbC(S)Rb、-NRbC(O)O-、-NRbC(O)ORb、-NRbC(S)ORb、-NRbC(O)NRcRc、-NRbC(NRb)Rbおよび-NRbC(NRb)NRcRcが挙げられるが、これらに限定されることはなく、ここで、Ra、RbおよびRcは、先に定義した通りである。
【0053】
ヘテロアルキルおよびシクロヘテロアルキル基において窒素原子を置換するのに有用な置換基としては、-Ra、-O-、-ORb、-SRb、-S-、-NRcRc、トリハロメチル、-CF3、-CN、-NO、-NO2、-S(O)2Rb、-S(O)2O-、-S(O)2ORb、-OS(O)2Rb、-OS(O)2O-、-OS(O)2ORb、-P(O)(O-)2、-P(O)(ORb)(O-)、-P(O)(ORb)(ORb)、-C(O)Rb、-C(S)Rb、-C(NRb)Rb、-C(O)ORb、-C(S)ORb、-C(O)NRcRc、-C(NRb)NRcRc、-OC(O)Rb、-OC(S)Rb、-OC(O)ORb、-OC(S)ORb、-NRbC(O)Rb、-NRbC(S)Rb、-NRbC(O)ORb、-NRbC(S)ORb、-NRbC(O)NRcRc、-NRbC(NRb)Rbおよび-NRbC(NRb)NRcRcが挙げられるが、これらに限定されることはなく、ここで、Ra、RbおよびRcは、先に定義した通りである。
【0054】
他の特定の基または原子を置換するのに有用な上記のリストからの置換基は、当業者には明らかであろう。
【0055】
化学式によって表される先に参照された置換基は、当業者に知られているそれらの化学名によっても容易に認識される。例えば、これらの置換基としては、アルキル、ヘテロアルキル、ハロ、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、シアノ、ニトロ、ハロアルキル、カルボン酸、アミド、エステル、アシル、チオール、アルキルチオ、スルホンアミドなどが挙げられる。
【0056】
特定の基を置換するのに使用される置換基は、典型的には、先に特定されたさまざまな基から選択される同じまたは異なる基のうちの1つ以上でさらに置換され得る。
【0057】
「ビヒクル」とは、化合物がそれとともに投与される希釈剤、補助剤、賦形剤または担体を指す。
【0058】
本明細書で使用される場合、「摂取可能な組成物」としては、消費を意図するかどうかにかかわらず、単独でまたは別の物質と一緒に経口摂取することができる任意の物質が挙げられる。摂取可能な組成物としては、「食品または飲料製品」および「非可食製品」の両方が挙げられる。「食品または飲料製品」とは、固体、半固体または液体(例えば、飲料)を含む、ヒトまたは動物による消費を意図したあらゆる可食製品を意味する。「非可食製品」または「非食用組成物」という用語は、ヒトまたは動物が、消費以外の目的で、または食品もしくは飲料として摂取できるあらゆる製品または組成物を含む。例えば、非可食製品または非食用組成物としては、サプリメント、栄養補強食品、機能食品製品(例えば、栄養を供給する基本的な栄養機能を超えて健康促進および/または病気予防特性を有すると主張されているいずれかの新鮮なまたは加工された食品)、医薬品および市販薬、歯磨き剤およびマウスウォッシュのようなオーラルケア製品、甘くしたリップバームのような化粧品、ならびに甘味剤を含有する場合または含有しない場合のある他のパーソナルケア製品が挙げられる。
【0059】
「摂取許容可能な担体または賦形剤」とは、本発明の化合物の所望の分散投与形態を調製して本発明の化合物を分散/希釈形態で投与し、それによって、本発明の化合物の生物学的有効性を最大化するために使用される、媒体および/または組成物である。媒体および/または組成物は、製品の意図されている使用に応じた任意の形態、例えば、固体、半固体、液体、ペースト、ゲル、ローション、クリーム、泡状物質、懸濁液、溶液またはそれらの任意の組み合わせ(例えば、固形分を含有する液体)であり得る。摂取許容可能な担体としては、中性、酸性もしくは塩基性のpHの水、果実もしくは野菜ジュース、酢、マリネード、ビール、ワイン、天然水/脂肪乳剤、例えば牛乳もしくはコンデンスミルク、可食油およびショートニング、脂肪酸およびそれらのアルキルエステル、プロピレングリコールの低分子量オリゴマー、脂肪酸のグリセリルエステル、および水性媒体中のそのような疎水性物質の分散液もしくは乳剤、塩化ナトリウムなどの塩、小麦粉、エタノールなどの溶媒、野菜粉末もしくは小麦粉などの固形可食希釈剤、または他の液体ビヒクル、分散もしくは懸濁助剤、界面活性剤、等張剤、増粘もしくは乳化剤、保存剤、固体バインダー、潤滑剤などのような多くの一般的な食品成分が挙げられる。
【0060】
「摂取許容可能な成分」とは、経口摂取に適しており、かつ本明細書に記載の化合物と組み合わせて摂取可能な組成物を形成することができる、物質である。摂取許容可能な成分は、製品の意図されている使用に応じた任意の形態、例えば、固体、半固体、液体、ペースト、ゲル、ローション、クリーム、泡状物質、懸濁液、溶液またはそれらの任意の組み合わせ(例えば、固形分を含有する液体)であり得る。摂取許容可能な成分は、人工であっても、または天然であってもよい。摂取許容可能な成分としては、中性、酸性もしくは塩基性のpHの水、果実もしくは野菜ジュース、酢、マリネード、ビール、ワイン、天然水/脂肪乳剤、例えば牛乳もしくはコンデンスミルク、可食油およびショートニング、脂肪酸およびそれらのアルキルエステル、プロピレングリコールの低分子量オリゴマー、脂肪酸のグリセリルエステル、および水性媒体中のそのような疎水性物質の分散液もしくは乳剤、塩化ナトリウムなどの塩、小麦粉、エタノールなどの溶媒、野菜粉末もしくは小麦粉などの固形可食希釈剤、または他の液体ビヒクル、分散もしくは懸濁助剤、界面活性剤、等張剤、増粘もしくは乳化剤、保存剤、固体バインダー、潤滑剤などのような多くの一般的な食品成分が挙げられる。
【0061】
摂取許容可能なさらなる成分としては、例えば、クエン酸、リン酸、アスコルビン酸、重硫酸ナトリウム、乳酸または酒石酸を含む、酸;例えば、カフェイン、キニーネ、緑茶、カテキン、ポリフェノール、グリーンロブスタコーヒー抽出物、グリーンコーヒー抽出物、ホエイタンパク質単離物または塩化カリウムを含む、苦味成分;例えば、カラメル色素、赤#40、黄#5、黄#6、青#1、赤#3、紫人参、黒人参ジュース、紫サツマイモ、野菜ジュース、果実ジュース、β-カロテン、ターメリッククルクミンまたは二酸化チタンを含む、着色剤;例えば、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、メタ重硫酸ナトリウム、ソルビン酸または安息香酸を含む、保存剤;例えば、アスコルビン酸、EDTAカルシウム二ナトリウム、α-トコフェロール、混合トコフェロール、ローズマリー抽出物、ブドウ種子抽出物、レスベラトロールまたはヘキサメタリン酸ナトリウムを含む、酸化防止剤;例えば、レスベラトロール、Co-Q10、オメガ3脂肪酸、テアニン、塩化コリン(シトコリン)、ファイバーソル、イヌリン(チコリの根)、タウリン、オタネニンジン抽出物、グアナ抽出物、生姜抽出物、L-フェニルアラニン、L-カルニチン、L-酒石酸塩、D-グルクロノラクトン、イノシトール、バイオフラボノイド、エキナセア(Echinacea)、ギンコビロバ、イエルバメイト、亜麻仁油、ガルシニアカンボギアの皮抽出物、白茶抽出物、リボース、ミルクシスル抽出物、ブドウ種子抽出物、塩酸ピロジキシン(ビタミンB6)、シアノバラミン(ビタミンB12)、ナイアシンアミド(ビタミンB3)、ビオチン、乳酸カルシウム、パントテン酸カルシウム(パントテン酸)、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化クロム、ポリニコチン酸クロム、硫酸第二銅、葉酸、ピロリン酸第二鉄、鉄、乳酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、リン酸一カリウム、リン酸一ナトリウム、リン、ヨウ化カリウム、リン酸カリウム、リボフラビン、硫酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、一硝酸チアミン、ビタミンD3、パルミチン酸ビタミンA、グルコン酸亜鉛、乳酸亜鉛または硫酸亜鉛を含む、ビタミンまたは機能性成分;例えば、エステルガム、臭素化植物油(BVO)またはイソ酪酸酢酸スクロース(SAIB)を含む曇剤;例えば、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウムまたは塩を含む、緩衝剤;例えば、プロピレングリコール、エチルアルコール、グリセリン、アラビアガム(アカシアガム)、マルトデキストリン、加工コーンスターチ、デキストロース、天然香料、他の天然香料を有する天然香料(天然香料WONF)、天然および人工香料、人工香料、二酸化ケイ素、炭酸マグネシウムまたはリン酸三カルシウムを含む香料;例えば、ペクチン、キサンタンガム、カルボキシルメチルセルロース(CMC)、ポリソルベート60、ポリソルベート80、中鎖トリグリセリド、セルロースゲル、セルロースガム、カゼイン酸ナトリウム、加工食品デンプン、アラビアガム(アカシアガム)またはカラギーナンを含む、安定剤が挙げられる。
【0062】
いくつかの実施形態は、増量剤と、式(I)の構造を有する1つ以上の化合物とを含む、組成物を提供する。いくつかの実施形態では、組成物は、30重量%超の増量剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、40重量%超の増量剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、50重量%超の増量剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、70重量%超の増量剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、90重量%超の増量剤を含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、組成物は、30重量%~99.5重量%の増量剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、30重量%~95重量%の増量剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、50重量%~99.5重量%の増量剤を含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、増量剤は、マルトデキストリン、デキストロマルトデキストリンブレンド、コーンシロップ固形物、スクロース、フルクトース、グルコース、転化糖、ソルビトール、キシロース、リブロース、マンノース、マンニトール、ガラクチトール、ラクチトール、イソマルト、マルトース、タガトース、ラクトース、イヌリン、グリセロール、プロピレングリコール、ポリデキストロース、フルクトオリゴ糖、セルロース、セルロース誘導体、エリトリトールおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0065】
いくつかの実施形態では、増量剤はマルトデキストリンである。いくつかの実施形態では、増量剤はラクトースである。いくつかの実施形態では、増量剤はエリトリトールである。いくつかの実施形態では、増量剤はマンニトールである。
【0066】
いくつかの実施形態では、組成物は、この組成物を含有するパケットを含む卓上用甘味剤製品である。いくつかの実施形態では、パケットは、1人用パケットである。いくつかの実施形態では、パケットは0.2インチ~2インチの幅を有する。いくつかの実施形態では、パケットは0.5インチ~1インチの幅を有する。いくつかの実施形態では、パケットは、1インチ~5インチの長さを有する。いくつかの実施形態では、パケットは、1.5インチ~3インチの長さを有する。いくつかの実施形態では、製品は、0.5g~3gの組成物を含む。いくつかの実施形態では、製品は、0.75g~1.5gの組成物を含む。
【0067】
本発明によると、化学感覚受容体は、例えば、味蕾、または消化管のような身体内部器官などにおいて発現される味覚受容体または味覚関連受容体を介して、化学感覚感知または化学感覚リガンドで誘発されるシグナル伝達に関連する任意の受容体であり得る。一実施形態では、化学感覚受容体は、7回膜貫通型受容体スーパーファミリーまたはGタンパク質共役受容体(GPCR)に属する受容体である。別の実施形態では、化学感覚受容体は、1つ以上のGタンパク質を介してシグナル伝達を行う受容体である。さらなる別の実施形態では、化学感覚受容体は、GPCRのファミリーCまたはクラスCに属する受容体である。さらなる別の実施形態では、化学感覚受容体は、T1Rファミリーに属する受容体である。さらなる別の実施形態では、化学感覚受容体は、T1R1、T1R2、T1R3、またはそれらの等価物もしくは変形形態もしくはそれらの組み合わせの受容体である。さらなる別の実施形態では、化学感覚受容体は、T1R2およびT1R3、またはそれらの等価物もしくは変形形態のヘテロダイマーである。
【0068】
本明細書において、「増強剤」とは、特定の受容体、好ましくは、化学感覚、例えば、T1R2/T1R3受容体の活性化を調節する(増加させる)、化合物またはその摂取許容可能な塩もしくは溶媒和物を指す。本明細書において、そのような増強剤は、そのリガンドによって化学感覚受容体の活性化を増強する。典型的には、「増強剤」は、特定のリガンドに特異的であり、すなわち、これは、特定の化学感覚リガンドまたはそれに密接に関連するリガンド以外の化学感覚リガンドによる化学感覚受容体の活性化を増強しない。一部の増強剤は、そのリガンド増強濃度では、それ自体では特定の受容体の活性化をもたらさない。すなわち、これらの増強剤のリガンド増強濃度は、増強剤自体によって特定の受容体を実質的に活性化することなくリガンドによって特定の受容体の活性化を増加または増強する増強剤の濃度レベルである。いくつかの実施形態では、特定の増強剤は、リガンド増強濃度よりも高い濃度で使用される場合、受容体の活性化を調節(例えば、増加または増強)することに加えて、それ自体で特定の受容体を活性化することもできる。例えば、特定の増強剤は、リガンド増強濃度よりも高い濃度で使用される場合、同様に甘味剤(すなわち、甘いフレーバー剤/成分)であり得る。他の実施形態では、特定の増強剤は、同じ濃度で同時に受容体の活性化を調節(例えば、増加または増強)することに加えて、それ自体で特定の受容体を活性化することができる。言い換えるなら、特定の増強剤は、同時に甘味剤(すなわち、甘味フレーバー剤/成分)でもある。
【0069】
本明細書において、「フレーバー」とは、対象における味覚の知覚を指し、これは、甘味、酸味、塩味、苦味および旨味を含む。対象は、ヒトまたは動物であり得る。
【0070】
本明細書において、「フレーバー剤」とは、動物またはヒトにおいてフレーバーまたは味を誘発する化合物またはその摂取許容可能な塩もしくは溶媒和物を指す。フレーバー剤は、天然、半合成または合成であり得る。
【0071】
本明細書において、「フレーバー改質剤(flavor modifier, flavor modifying agent)」とは、動物またはヒトにおけるフレーバー剤の味の増強もしくは強化および/または誘発を含む調節を行う化合物またはその摂取許容可能な塩もしくは溶媒和物を指す。
【0072】
本明細書において、「フレーバー増強剤」とは、フレーバー剤またはフレーバー剤を含む摂取可能な組成物の味を増強および/または増倍する化合物またはその摂取許容可能な塩を指す。
【0073】
「甘味フレーバー」とは、動物またはヒトにおいてフルクトースのような砂糖によって典型的に誘発される甘味を指す。
【0074】
本明細書において、「甘味フレーバー剤」、「甘味剤成分」、「甘味剤」または「甘味化合物」とは、対象において検出可能な甘味フレーバーを誘発する化合物またはその摂取許容可能な塩、例えば、フルクトース、またはT1R2/T1R3受容体をインビトロで活性化する化合物を指す。対象は、ヒトまたは動物であり得る。
【0075】
本明細書において、「甘味フレーバー改質剤(sweet flavor modifier, sweet flavor modifying agent)」とは、動物またはヒトにおける甘味フレーバー剤の甘味の増強もしくは強化、誘導または遮断を含む調節を行う化合物またはその摂取許容可能な塩もしくは溶媒和物を指す。甘味フレーバー改質剤は、甘味フレーバー増強剤および甘味フレーバー剤の両方を含む。
【0076】
本明細書において、「甘味増強剤(sweet flavor enhancer, sweet flavor enhancing agent)」とは、甘味フレーバーの増強剤を指し、増強剤という用語は、先に定義したものと同じである。
【0077】
本明細書において、「甘味受容体活性化化合物」または「甘味受容体アゴニスト」とは、T1R2/T1R3受容体のような甘味受容体を活性化する化合物を指す。甘味受容体活性化化合物の一例は、フルクトースのような甘味剤である。
【0078】
本明細書において、「甘味受容体調節化合物」とは、T1R2/T1R3受容体のような甘味受容体を調節(活性化、遮断またはその活性化を増強/低減)する化合物を指す。
【0079】
本明細書において、「甘味受容体増強化合物」とは、甘味受容体活性化化合物、例えば、フルクトースの効果を増強または強化する化合物を指す。
【0080】
本甘味受容体増強化合物または甘味フレーバー増強剤は、そのリガンド増強使用濃度において、それ自体で特定の受容体の活性化をもたらすこともあれば、そうではないこともある。一部の甘味受容体増強化合物または甘味フレーバー増強剤は、受容体の活性化を調節する(増加させる)ことに加えて、それ自体で特定の受容体を活性化することもできる。例えば、一部の甘味受容体増強化合物または甘味フレーバー増強剤は、受容体アゴニストとして作用し、T1R2/T1R3受容体のような甘味受容体も活性化することができる。
【0081】
本明細書において、「甘味フレーバー調節量」とは、摂取可能な組成物における甘味を変化(増加または減少のいずれか)させるのに十分な式(I)の化合物の量またはヒトの対象によって知覚されるのに十分なその前駆体の量を指す。本発明の多くの実施形態では、大部分のヒトの対象が、本化合物を含む摂取可能な組成物の甘味フレーバーの調節を知覚するのに、少なくとも約0.001ppmの本化合物が存在する必要があるであろう。所望の程度の甘味フレーバーの調節を経済的に提供するために典型的に使用され得る広い範囲の濃度は、約0.001ppm~10,000ppmであるか、または約0.1ppm~約1,000ppmの狭い範囲であり得る。甘味フレーバー調節量の代替的な範囲は、約0.01ppm~約3,000ppm、約0.05ppm~約1,500ppm、約0.1ppm~約500ppm、または約0.1ppm~約300ppmであり得る。
【0082】
本明細書において、「甘味フレーバー増強量」とは、動物またはヒトによって知覚される、摂取可能な組成物中のフレーバー剤、例えばフルクトースの味を増強するのに十分な化合物の量を指す。甘味フレーバー増強量の広い範囲は、約0.001ppm~100ppmであるか、または約0.1ppm~約10ppmの狭い範囲であり得る。甘味フレーバー増強量の代替的な範囲は、約0.01ppm~約30ppm、約0.05ppm~約15ppm、約0.1ppm~約5ppm、または約0.1ppm~約3ppmであり得る。いくつかの実施形態では、甘味フレーバー増強量は、本発明の甘味フレーバー増強剤のリガンド増強濃度に対応する量である。
【0083】
本明細書において、「甘味受容体調節量」とは、甘味受容体タンパク質を調節(活性化、増強または遮断)するのに十分な化合物の量を指す。本発明の多くの実施形態では、甘味受容体調節量は、少なくとも約10nM、または少なくとも約100nM(すなわち、約0.1μM)、または少なくとも約1μM、または少なくとも約10μMである。「T1R2/T1R3受容体調節または活性化量」とは、T1R2/T1R3受容体を調節または活性化するのに十分な化合物の量である。「甘味受容体」とは、甘味化合物によって調節可能な味覚受容体である。好ましくは、甘味受容体は、Gタンパク質共役受容体であり、より好ましくは、甘味受容体は、T1R2/T1R3受容体である。
【0084】
本発明の化合物の「砂糖に似た」特徴としては、スクロースの特性に類似した任意の特性が挙げられ、また最大応答、フレーバープロファイル、時間的プロファイル、適応行動、口当たり、濃度/応答関数、味覚物質/およびフレーバー/甘味の相互作用、空間パターン選択性、ならびに温度効果が挙げられるが、これらに限定されることはない。これらの特徴は、スクロースの味が他の化合物の味とは異なる次元である。これらのうち、フレーバープロファイルおよび時間的プロファイルが特に重要である。甘い食品または飲料の1回の味見では、(1)甘味剤のフレーバープロファイルを構成する特性、ならびに(2)スクロースおよび他の化合物について観察されるものの間の、甘味剤の時間的プロファイルを構成する甘味の開始および消失の速度における、差異に注目することができる。
【0085】
甘味剤のフレーバープロファイルは、示されるすべての味特性の相対強度の定量的プロファイルである。そのようなプロファイルは、多くの場合、ヒストグラムまたはレーダープロットとしてプロットされる。
【0086】
化合物
一実施形態では、本発明は、構造式(I):
【化3】
を有する単離された化合物またはその塩もしくは溶媒和物であって、ここで、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
7およびR
8が、独立して、水素、アルキル、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルであり、R
5およびR
9が、独立して、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルである、
単離された化合物またはその塩もしくは溶媒和物を提供する。式(I)の一実施形態では、R
5は、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルであり、R
9は水素である。式(I)の別の実施形態では、R
5は水素であり、R
9は、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルである。一実施形態では、ヘテロシクリルは、テトラヒドロフラニルまたはテトラヒドロピラニルであり、置換ヘテロシクリルは、置換テトラヒドロフラニルまたは置換テトラヒドロピラニルである。一実施形態では、置換は、複数のヒドロキシル置換を含む。
【0087】
一実施形態では、本発明は、構造式(I):
【化4】
を有する精製された化合物またはその塩もしくは溶媒和物であって、ここで、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
7およびR
8が、独立して、水素、アルキル、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルであり、R
5およびR
9が、独立して、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルである、
精製された化合物またはその塩もしくは溶媒和物を提供する。式(I)の一実施形態では、R
5は、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルであり、R
9は水素である。式(I)の別の実施形態では、R
5は水素であり、R
9は、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルである。一実施形態では、ヘテロシクリルは、テトラヒドロフラニルまたはテトラヒドロピラニルであり、置換ヘテロシクリルは、置換テトラヒドロフラニルまたは置換テトラヒドロピラニルである。一実施形態では、置換は、複数のヒドロキシル置換を含む。
【0088】
本発明の一実施形態では、式(I)の単離または精製された化合物は、約80%以上の純度を有する。別の実施形態では、式(I)の単離された化合物は、約85%以上の純度を有する。別の実施形態では、式(I)の単離された化合物は、約90%以上の純度を有する。別の実施形態では、式(I)の単離された化合物は、約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%以上の純度を有する。
【0089】
一実施形態では、本発明は、構造式(I):
【化5】
を有する1つ以上の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を含む、ポリポジウム・グリシリザ抽出物であって、ここで、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
7およびR
8が、独立して、水素、アルキル、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルであり、R
5が、水素、ヒドロキシル、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルであり、抽出物が、ヒトまたは動物による消費に適している、
抽出物を提供する。式(I)の一実施形態では、R
5は、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルであり、R
9は水素である。式(I)の別の実施形態では、R
5は水素であり、R
9は、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルである。一実施形態では、ヘテロシクリルは、テトラヒドロフラニルまたはテトラヒドロピラニルであり、置換ヘテロシクリルは、置換テトラヒドロフラニルまたは置換テトラヒドロピラニルである。一実施形態では、置換は、複数のヒドロキシル置換を含む。
【0090】
一実施形態では、抽出物は、ヒト味覚パネルを使用した官能試験で、ポリポドシドAと比較して改善された味プロファイルを提供することから、ヒトまたは動物による消費に適している。例えば、式(I)の抽出物または単離もしくは精製された化合物は、ヒト味覚パネルを使用した官能試験で、異味の低下、後味の残存率の低下、および/または砂糖に似た時間的プロファイル(甘味の開始、甘味の残存を含むが、これらに限定されることはない)、および/または砂糖に似たフレーバープロファイルを示す。
【0091】
式(I)の抽出物または単離もしくは精製された化合物が砂糖に似た特徴を示すかどうかは、任意の適切な試験方法によって特定され得る。当業者であれば理解しているように、味覚および口当たりの特徴の知覚に関しては、「平均的な評価者」は存在しない場合がある。これらの個人の感受性の違いに取り組むのではなく、テイスターのグループの平均的な反応を測定するなど、「クラウドソーシング」アプローチを取ることが最善である。
【0092】
いくつかの実施形態では、これは、砂糖を含む組成物および式(I)の抽出物または単離もしくは精製された化合物を含む組成物を味見し、甘味剤組成物の特徴の類似性に関する自身の印象を回答する評価者のパネルによって決定される。いくつかの実施形態では、感覚パネルは、専門の評価者から構成される。いくつかの実施形態では、感覚パネルは、一般の人々の評価者から構成される。いくつかの実施形態では、これは、所定の集団のヒトから投票によって決定される。いくつかの実施形態では、投票は、ランダムに選ばれた人々から構成される。いくつかの実施形態では、感覚パネルは、生涯にわたって所定の量および頻度で砂糖を消費する人々から構成される。今日では、平均的なアメリカ人は、1年間にほぼ152ポンドの砂糖を消費している。これは、1週間に消費される砂糖3ポンド(または6カップ)に相当する。
【0093】
いくつかの実施形態では、式(I)の抽出物または単離もしくは精製された化合物は、試験前に希釈される。いくつかの実施形態では、式(I)の抽出物または単離もしくは精製された化合物は、試験前に、約2倍、約5倍、約10倍、約50倍、約100倍、約200倍、約300倍、約400倍、約500倍、約1000倍またはそれ以上に希釈される。
【0094】
試験は、添加剤ありおよび/またはなしで実施され得る。いくつかの実施形態では、式(I)の抽出物または単離もしくは精製された化合物は、1つ以上の添加剤に対する甘味増強剤として試験される。
【0095】
この試験では、参加者は、添加剤ありおよび/またはなしで、甘味剤組成物の特徴と砂糖を含むものの特徴との類似性について印象を回答することができる。組成物がより砂糖に似た味を有するかどうかを決定するための適切な手順は、本明細書において以下に記載されている実施形態に記載されている。
【0096】
いくつかの実施形態では、評価者のパネルを使用して、甘味の残存率の低下を測定する。評価者のパネルは、通常8~12人の構成員がいるが、それより少なくても多くてもよい。いくつかの実施形態では、評価者は、スクリーニングされており、サンプルを最初に口に入れてからのいくつかの時点、例えば、約5秒、10秒、20秒、30秒、40秒、50秒、1分、1.5分、2分、2.5分、3分以上で、これを吐き出してから、甘味の知覚を評価し、甘味を測定するように訓練されている。各時点で、砂糖と抽出物または式(I)の単離もしくは精製された化合物との間の類似性に関してスコアが与えられる。例えば、スコア10とは、100%同一のフレーバープロファイルを意味し、スコア0とは、類似のフレーバープロファイルがまったくないことを意味する。統計分析を使用して、添加剤を含有するサンプルと添加剤を含有していないサンプルとの間で結果を比較する。サンプルが口からなくなった後に測定される時点でのスコアの減少は、甘味の知覚が減少したことを示している。
【0097】
評価者のパネルは、当業者によく知られている手順を使用して訓練され得る。いくつかの実施形態では、訓練の焦点は、甘味の認識および測定である。特定の実施形態では、評価者のパネルは、Spectrum(商標)Descriptive Analysis Method (Meilgaard等, “Sensory Evaluation Techniques.”, 3rd edition, Chapter 1)、AROXA(商標)フレーバー標準物、および/またはSIEBEL Institute of Technologyの感覚訓練総合キットを使用して訓練され得る。この訓練としては、市販製品および試験サンプルの品質を採点すること、製品が事前に定義された基準に適合する程度を評価すること、目的の化合物のフレーバーを記述すること(定性的または定量的)、2つ以上の製品または製品バッチ間で類似性の度合いを決定すること、製品の貯蔵寿命を評価すること、原材料または「製造中」の製品の品質を評価すること、および汚れが存在する場合に包装材料をスクリーニングすることが挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0098】
いくつかの実施形態では、各評価者は、結果の正確性および再現性を保証するために、サンプル1つあたり約1~約5回、甘味残存率の低下の測定を繰り返す。いくつかの実施形態では、評価者は、各繰り返しおよび/またはサンプルの間に少なくとも5分の休憩を取り、水で十分に濯いで口の中をきれいにする。
【0099】
いくつかの実施形態では、味見すべきサンプルは、液体または固体である。いくつかの実施形態では、甘味を測定する方法は、所定の量のサンプル、例えば、約1mL~約10mL以上の液体サンプルを口に入れることまたは約0.1g~約10gの固体サンプルを口に入れることと、所定の時間、例えば、約1秒、5秒、10秒、20秒、30秒またはそれ以上にわたってサンプルを口の中に保持することとを含む。いくつかの実施形態では、サンプルは、口の中で穏やかに渦を巻いて動かされる。いくつかの実施形態では、サンプルは、口の中で渦を巻いて動かされない。
【0100】
試験の非限定的な例では、サンプルを口に入れた後に、約1~5秒で知覚される甘味強度を評価する。次いで、サンプルを吐き出し(サンプルを吐き出した後に飲み込まない)、口を一口の水で濯ぐ(例えば、マウスウォッシュのように口の中で水を勢いよく動かす)。濯ぎ水を吐き出した後に、濯ぎ水を吐き出した直後に知覚される甘味強度を評価する。次いで、評価者は、約0.5~1分間待機し、待機中に、評価者は、知覚された最大甘味強度の時間を特定し、その時点での甘味強度を評価し、さらに10~30秒後の甘味強度を評価し、さらに60秒後(例えば、濯ぎ後に累積で120秒)の甘味強度を評価し、さらに60秒後(例えば、濯ぎ後に累積で180秒)の甘味強度を評価する。サンプル間で、評価者は、約5~10分間休憩を取り、水で十分に濯ぎ、口の中をきれいにする。
【0101】
いくつかの実施形態では、試験は二重盲検試験である。いくつかの実施形態では、意思伝達を避けるために、すべての評価者は隔離されている。いくつかの実施形態では、評価者は、感覚の鋭敏さにおいて固有の欠陥を有する者を特定するために、検査前にスクリーニングされる。このスクリーニングによって、テイスター候補者の訓練に対する反応を予測し、訓練後に最も優れたパフォーマンスを発揮する可能性が最も高い人物を特定することもできる。この後者の理由から、スクリーニングは、現在の能力に焦点を当てていない場合がある。そのような試験にこれらから期待される予測力を持たせるには、スクリーニング段階で訓練を行う手法が、訓練段階で行われる手法と同等である必要がある。
【0102】
感覚評価者の選択および訓練に関するガイドラインは、ISO 8586-1(Sensory analysis - General guidance for the selection, training and monitoring of assessors - part 1 - selected assessors)、ISO 8586-1(Sensory analysis - General guidance for the selection, training and monitoring of assessors - part 2 - experts)、ISO 13299 - Sensory Analysis (Methodology - General guidance for establishing a sensory profile)、およびGuidelines for the selection and training of assessors for descriptive analysis - Guideline 37 (CCFRA, 2002)に見ることができ、これらはそれぞれ、あらゆる目的のために参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0103】
一実施形態では、本発明は、最終的な食品または飲料製品のようなすぐに使用できる組成物を調製する方法を提供する。この方法は、第1の食品または飲料製品のような第1の組成物を、構造式(I)を有する化合物、例えば、式(I)の単離もしくは精製された化合物または式(I)の1つ以上の化合物を含む抽出物を含むフレーバー濃縮組成物または配合物(例えば、固体または液体)と接触させて、すぐに使用できる組成物を形成することを含む。
【0104】
一実施形態では、本発明は、フレーバー調製物を供給する方法を提供する。この方法は、構造式(I)を有する化合物、例えば、式(I)の単離もしくは精製された化合物または式(I)の1つ以上の化合物を含む抽出物を含むフレーバー濃縮組成物または配合物(例えば、固体または液体)を実体に提供することを含む。
【0105】
式(I)の一実施形態では、R1、R2、R3およびR4のうちの少なくとも1つは水素である。
【0106】
式(I)の一実施形態では、R6、R7およびR8のうちの少なくとも1つは水素である。
【0107】
式(I)の一実施形態では、式(I)は、以下の化合物を含まない:
【化6】
【0108】
式(I)の一実施形態では、化合物は、ポリポドシドAと比較して、水または他の水性媒体または他の水性媒体中で増加した溶解性を示す。一実施形態では、式(I)の化合物は、水または米国薬局方(USP 26, NF 21, 2003)によって定義されている他の水性媒体中にわずかに溶ける。一実施形態では、式(I)の化合物は、水または米国薬局方によって定義されている他の水性媒体中に溶けにくい。一実施形態では、式(I)の化合物は、水または米国薬局方によって定義されている他の水性媒体中に溶ける。一実施形態では、式(I)の化合物は、水または米国薬局方によって定義されている他の水性媒体中に自由に溶ける。一実施形態では、式(I)の化合物は、水または米国薬局方によって定義されている他の水性媒体中に非常によく溶ける。したがって、式(I)の化合物は、さまざまな配合物または製品を製造するために、実験室または工業的操作で処理するのに適している。
【0109】
本発明の一実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ia):
【化7】
によって表され、ここで、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
7およびR
8は、独立して、水素、アルキル、テトラヒドロフラニル、置換テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルまたは置換テトラヒドロピラニルであり、R
5は、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、置換アルコキシ、テトラヒドロフラニル、置換テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルまたは置換テトラヒドロピラニルである。
【0110】
式(Ia)の一実施形態では、R1、R2、R3、R5、R6、R7およびR8が水素である場合、R4は2-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオールの部分ではない。
【0111】
式(Ia)の一実施形態では、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8はすべて水素であるわけではない。
【0112】
式(Ia)の一実施形態では、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR8が水素である場合、R7はアルキルではない。
【0113】
式(Ia)の一実施形態では、R1は水素である。
【0114】
式(Ia)の一実施形態では、R3は水素である。
【0115】
式(Ia)の一実施形態では、R2およびR4は、独立して、水素、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルである。一実施形態では、ヘテロシクリルは、テトラヒドロフラニルまたはテトラヒドロピラニルであり、置換ヘテロシクリルは、置換テトラヒドロフラニルまたは置換テトラヒドロピラニルである。一実施形態では、置換は、複数のヒドロキシル置換を含む。特定の一実施形態では、ヘテロシクリルはテトラヒドロピラン部分であり、置換ヘテロシクリルは置換テトラヒドロピラン部分である。例えば、テトラヒドロピラン部分は、アルキル、ヒドロキシルまたは置換テトラヒドロピラン部分から選択される1つ以上の基で置換され得る。一実施形態では、R4は、置換テトラヒドロフラニルまたは置換テトラヒドロピラニルであり、置換は、1つより多くのヒドロキシル基を含むが、アルキル基を含まない。
【0116】
式(Ia)の一実施形態では、R5は、水素、ヒドロキシルまたはアルコキシである。
【0117】
式(Ia)の一実施形態では、R6、R7およびR8は水素である。
【0118】
本発明の一実施形態では、式(I)または(Ia)の化合物は、構造式(Ib):
【化8】
によって表され、ここで、
R
2、R
3およびR
4は、独立して、水素、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルであり、R
5は、水素、ヒドロキシル、アルコキシまたは置換アルコキシである。一実施形態では、ヘテロシクリルは、テトラヒドロフラニルまたはテトラヒドロピラニルであり、置換ヘテロシクリルは、置換テトラヒドロフラニルまたは置換テトラヒドロピラニルである。
【0119】
式(Ib)の一実施形態では、R2、R3およびR5が水素である場合、R4は2-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオールの部分ではない。
【0120】
式(Ib)の一実施形態では、R2、R3、R4およびR4のうちの少なくとも1つは水素ではない。
【0121】
式(Ib)の一実施形態では、R3は水素であり、R2およびR4は、独立して、水素または置換テトラヒドロピラン部分である。例えば、テトラヒドロピラン部分は、アルキル、ヒドロキシルおよび置換テトラヒドロピラン部分から選択される1つ以上の基で置換され得る。
【0122】
式(Ib)の一実施形態では、R5は、水素、アルコキシまたは置換アルコキシである。
【0123】
特定の具体的な実施形態では、本発明の化合物は、以下のものからなる群から選択される:
【化9-1】
【化9-2】
【0124】
組成物
本化合物は、本発明の1つ以上の方法のために、例えば、化学感覚または化学感覚に関する感覚もしくは反応に関連する受容体およびそれらのリガンドを修飾するために使用され得る。本発明によると、化学感覚受容体および/またはそのリガンドを調節する方法は、化学感覚受容体の活性、構造、機能、発現および/または修飾を調節すること、ならびに状態、例えば、化学感覚受容体に関連する生理学的または病理学的状態の予防措置を調節する、処理するまたは取ることを含む。一般に、化学感覚受容体に関連する生理学的または病理学的状態としては、化学感覚受容体および/またはそのリガンドに関連する状態、疾患または障害、例えば、胃腸障害、代謝障害、機能性胃腸障害などが挙げられる。一実施形態では、この方法は、甘味フレーバーを増加または増強することを含む。別の実施形態では、この方法は、内部器官など、味蕾以外の身体の箇所で発現される甘味受容体および/またはそのリガンドを調節することを含む。一般に、本発明の化合物は、個別にまたは組み合わせて、例えば摂取可能な組成物などの組成物中に提供することができる。一実施形態では、本化合物は、甘味剤組成物において1つ以上の本化合物を1つ以上の甘味剤と組み合わせることによって、より砂糖に似た時間的プロファイルおよび/またはフレーバープロファイルを甘味剤組成物に付与することができる。別の実施形態では、本化合物は、その組成物を1つ以上の本化合物と接触させて改質された組成物を形成することによって、組成物の甘味を増加または増強することができる。別の実施形態では、本化合物は、味蕾以外の体内で発現される甘味受容体および/またはそれらのリガンドを調節する組成物中にあり得る。
【0125】
式(I)、(Ia)の化合物、ならびにそのさまざまな亜属および種、ならびにそれらの塩および/または溶媒和物は、好ましくは、食用として許容可能であるべきであり、例えば、未改質の食用組成物に改善されたおよび/または心地よい甘味を与える観点から食料および飲料での消費に適していると考えられるべきであり、また食用組成物用のフレーバー剤として用いられる典型的な濃度で動物またはヒトに対して、有意に有毒ではないか、あるいは不快または不所望な薬理学的または毒物学的効果を引き起こさない。
【0126】
フレーバー化合物が食用として許容可能であることを証明する方法のうちの1つは、化合物を、米国食品香料製造業者協会(FEMA)の専門家パネルによって試験および/または評価し、「一般的に安全であると認識されている」(「GRAS」)と発表することである。フレーバー化合物のFEMA/GRAS評価プロセスは複雑であるものの、Smith等によってFood Technology, 57(5), pgs 46-59, May 2003の“GRAS Flavoring Substances 21,”という表題の論文で論じられたように、食品製品調製技術における当業者にはよく知られており、その内容全体は、参照によって本明細書に組み込まれる。FEMAの専門家パネルに加えて、関連する科学分野の独立的な有資格の専門家パネルが、GRASステータスについての特定の化合物の安全性を評価するために製造業者によって組織される場合がある。このプロセスは、「GRASステータスの自己決定」として知られている。フレーバー化合物が食用として許容可能であることを証明する別の方法は、WHO/FAO合同食品添加物専門家委員会またはJECFAによる好評価を得ることである。規制当局による独立的な評価など、食品製品調製技術の当業者に一般的に知られている他の評価方法もある。
【0127】
一実施形態では、本発明の化合物は、アゴニストとして、またはそのリガンド増強濃度で、例えば、数ppmのオーダーの非常に低い濃度で、1つ以上の公知の甘味剤(天然または人工)と組み合わせて使用して、所望の甘味度を有する摂取可能な組成物を調製するために必要な公知の甘味剤の濃度を減少させることができる。
【0128】
甘味剤をそのような組み合わせで使用するために一般に使用される公知または人工の甘味剤としては、一般的なサッカリド甘味剤、例えば、スクロース、フルクトース、グルコース、ならびに(高果糖コーンシロップを含む)コーンシロップもしくは他のシロップのような天然糖を含む甘味剤組成物、または天然果実および野菜源に由来する甘味剤濃縮物、エリトリトール、イソマルト、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、マルトデキストリンなどのような半合成「糖アルコール」甘味剤、ならびにアスパルテーム、サッカリン、アセスルファムK、シクラメート、スクラロースおよびアリテームのような人工甘味剤が挙げられるが、これらに限定されることはない。甘味剤としては、シクラミン酸、モグロシド、タガトース、マルトース、ガラクトース、マンノース、スクロース、フルクトース、ラクトース、ネオテームおよび他のアスパルテーム誘導体、グルコース、D-トリプトファン、グリシン、マルチトール、ラクチトール、イソマルト、水素添加グルコースシロップ(HGS)、水素添加デンプン加水分解物(HSH)、ステビオシド、レバウジオシドAおよび他の甘いステビアベースのグリコシド、カレラームおよび他のグアニジンベースの甘味剤などが挙げられる。「甘味剤」という用語は、本明細書において開示されているような甘味剤の組み合わせも含む。
【0129】
一実施形態では、本化合物は、サプリメント、栄養補強食品、機能食品製品(例えば、栄養を供給する基本的な栄養機能を超えて健康促進および/または病気予防特性を有すると主張されているいずれかの新鮮なまたは加工された食品)、医薬品、市販薬(OTC)製品、オーラルケア製品、甘くしたリップバームのような化粧品、および他のパーソナルケア製品のような非食用組成物または非可食製品に添加される。
【0130】
一般に、市販薬(OTC)製品およびオーラルケア製品とは、概して、処方箋なしで、および/または医療専門家を訪問することなく販売できる家庭でのおよび/または個人での使用のための製品を指す。OTC製品の例としては、ビタミンおよび栄養補助食品、局所鎮痛剤および/または麻酔剤、咳、風邪およびアレルギー治療薬、抗ヒスタミン剤および/またはアレルギー治療薬、ならびにそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されることはない。ビタミンおよび栄養補助食品としては、ビタミン、栄養補助食品、トニック/ビンに入れた栄養ドリンク、子供専用のビタミン、栄養補助食品、栄養の、または栄養に関する、または栄養を提供する任意の他の製品、ならびにそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されることはない。局所鎮痛剤および/または麻酔剤としては、表層または深部に存在する痛みおよび疼痛、例えば、筋肉痛を軽減するのに使用される任意の局所クリーム/軟膏/ゲル、生歯ゲル、鎮痛成分を有するパッチおよびそれらの組み合わせが挙げられる。咳、風邪およびアレルギーの治療薬としては、充血除去薬、咳治療薬、咽頭用製剤、医療用菓子、抗ヒスタミン剤および子供用の咳、風邪およびアレルギー治療薬、ならびに組み合わせ製品が挙げられるが、これらに限定されることはない。抗ヒスタミン剤および/またはアレルギー治療薬としては、枯草熱、鼻アレルギー、昆虫の噛傷および刺傷のための任意の全身治療が挙げられるが、これに限定されることはない。オーラルケア製品の例としては、口清浄ストリップ、歯磨き剤、歯ブラシ、マウスウォッシュ/デンタルリンス、義歯ケア、家庭用マウスフレッシュナー、歯用ホワイトニング剤、歯磨き剤およびデンタルフロスが挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0131】
別の実施形態では、本化合物は、食品または飲料の製品または配合物に添加される。食品および飲料製品または配合物の例としては、食用製品用の甘味コーティング、フロスティングまたはグレーズ、あるいはスープ類、乾燥加工食品類、飲料類、調理済み食品類、缶詰食品類または保存食品類、冷凍加工食品類、冷蔵加工食品類、スナック食品類、焼き物類、菓子類、乳製品類、アイスクリーム類、代替食品類、パスタおよび麺類、ならびにソース、ドレッシング、調味料類、ベビーフード類、ならびに/またはスプレッド類に含まれる任意の実体が挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0132】
一般に、スープ類とは、缶詰/保存、乾燥、インスタント、チルド、UHTおよび冷凍スープを指す。この定義の目的では、スープとは、肉、家禽、魚、野菜、穀物、果実および他の成分から調製された、これらの成分のいくつかまたはすべての目に見える断片を含み得る液体中で調理した食品を意味する。これは、(ブロスとして)透明または(チャウダーとして)濃厚、滑らか、ピューレ入りまたは塊入り、調理済み、半濃縮または濃縮であってもよく、またファーストコースとして、または食事のメインコースとして、または(飲料のように一口で飲まれる)間食として熱くまたは冷たくされていてもよい。スープは、他の食事成分を調製するための材料として使用されてもよく、ブロス(コンソメ)からソース(クリームまたはチーズベースのスープ)までの範囲にあり得る。
【0133】
脱水および調理用食品類とは、一般に、(i)(技術は問わず)完成した製品として、または製品、ソースおよびレシピミックス内の成分として別々に販売される、粉末、顆粒、ペースト、濃縮された液体製品(圧縮されたキューブ、錠剤、または粉末もしくは造粒形態の濃縮ブイヨン、ブイヨン、およびブイヨンに似た製品を含む)のような調理補助製品、(ii)パスタ、ジャガイモおよび米料理を含む、調理済み食品、ミールおよび1人用アントレの脱水スープミックス、脱水インスタントスープ、脱水即席スープ、脱水または環境調製物を含む脱水および凍結乾燥スープのようなミール溶液製品、ならびに(iii)脱水、液体または冷凍であるかを問わず、完成した製品、または製品内の成分として販売される、調味料、マリネード、サラダドレッシング、サラダトッピング、ディップ、ブレッディング、練り粉ミックス、常温保存可能なスプレッド、バーベキューソース、液体レシピミックス、濃縮物、サラダ用のレシピミックスを含むソースまたはソースミックスのようなミール装飾製品を意味する。
【0134】
飲料類とは、通常、炭酸および非炭酸飲料、アルコールおよび非アルコール飲料、すぐに飲める飲料、ソーダのような飲料を調製するための液体濃縮配合物、および乾燥粉末化飲料前駆体ミックスを含むがこれらに限定されることはない、飲料、飲料ミックスおよび濃縮物を意味する。飲料類としては、アルコール飲料、ソフトドリンク、スポーツドリンク、アイソトニック飲料およびホットドリンクも挙げられる。アルコール飲料としては、ビール、サイダー/ペリエ、FAB、ワイン、スピリッツが挙げられるが、これらに限定されることはない。ソフトドリンクとしては、コーラおよび非コーラ炭酸飲料のような炭酸飲料;ジュース、ネクター、ジュース飲料およびフルーツフレーバー飲料のようなフルーツジュース;炭酸水、湧き水および精製/食卓用水を含むボトリングされた水;炭酸化可能なまたは非発泡性であり得て、かつスポーツ飲料、エネルギー飲料またはエリキシル飲料を含み得る、機能飲料;すぐに飲めるようにされた液体および粉末濃縮物のような濃縮物が挙げられるが、これらに限定されることはない。これらの飲料(ホットまたはコールド)としては、フレッシュ、インスタントおよび組み合わせコーヒーのようなコーヒーまたはアイスコーヒー;紅茶、緑茶、白茶、ウーロン茶およびフレーバー茶のような茶または冷茶;ならびにミルクまたは水と混合された、フレーバー、モルトまたは植物ベースの粉末、顆粒、ブロックまたは錠剤を含む他の飲料が挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0135】
スナック食品類とは、一般に、甘いおよび塩味のスナックおよびスナックバーを含むがこれに限定されることはない、軽いインフォーマルな食物であり得る任意の食品を指す。スナック食品の例としては、フルーツスナック、チップス/クリスプ、押出スナック、トルティーヤ/コーンチップス、ポップコーン、プレッツェル、ナッツおよび他の甘いおよび塩味のスナックが挙げられるが、これらに限定されることはない。スナックバーの例としては、グラノーラ/ミューズリーバー、朝食バー、エネルギーバー、フルーツバーおよび他のスナックバーが挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0136】
焼き物類とは、一般に、その調製プロセスが熱または過剰な日光への曝露を含む任意の可食製品を指す。焼き物の例としては、パン、バンズ、クッキー、マフィン、シリアル、トースターペストリー、ペストリー、ワッフル、トルティーヤ、ビスケット、パイ、ベーグル、タルト、キッシュ、ケーキ、任意の焼き食品およびそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0137】
アイスクリーム類とは、一般に、クリームおよび砂糖およびフレーバーを含有する冷凍デザートを指す。アイスクリームの例としては、インパルスアイスクリーム;持ち帰り用アイスクリーム;フローズンヨーグルトおよび職人によるアイスクリーム;大豆、オートムギ、豆(例えば、小豆および緑豆)および米ベースのアイスクリームが挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0138】
菓子類とは、一般に、甘い味覚の可食製品を指す。菓子の例としては、キャンディー、ゼラチン、チョコレート菓子、砂糖菓子、ガムなど、および任意の組み合わせ製品が挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0139】
代替食品類とは、一般に、特に健康またはフィットネスに関心のある人々のための通常の食事を置き換える意図での任意の食品を指す。代替食品の例としては、ダイエット製品および回復期製品が挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0140】
調理済み食品類とは、一般に、手の込んだ調製または加工なく食事として供することができる任意の食品を指す。調理済み食品としては、製造業者によってそれらにレシピ「技量」が加えられており、その結果、高度の準備性、完了性および便宜性がもたらされる、製品が挙げられる。調理済み食品の例としては、缶詰/保存、冷凍、乾燥、冷蔵調理済みの食品、ディナーミックス、冷凍ピザ、冷蔵ピザ、および調製されたサラダが挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0141】
パスタおよび麺類としては、缶詰、乾燥および冷蔵/生パスタ、ならびに味付けなし、インスタント、冷蔵、冷凍およびスナック麺を含む、任意のパスタおよび/または麺が挙げられるが、これに限定されることはない。
【0142】
缶詰/保存食品類としては、缶詰/保存肉および肉製品、魚/魚介類、野菜、トマト、豆、果実、調理済み食品、スープ、パスタおよび他の缶詰/保存食品が挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0143】
冷凍加工食品類としては、冷凍加工赤身肉、加工家禽、加工魚/魚介類、加工野菜、肉代替物、加工ジャガイモ、ベーカリー製品、デザート、調理済み食品、ピザ、スープ、麺および他の冷凍食品が挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0144】
乾燥加工食品類としては、米、デザートミックス、乾燥調理済み食品、脱水スープ、インスタントスープ、乾燥パスタ、味付けなしの麺およびインスタント麺が挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0145】
冷蔵加工食品類としては、冷蔵加工肉、加工魚/魚介類製品、ランチキット、新鮮なカットフルーツ、調理済み食品、ピザ、調製されたサラダ、スープ、生パスタおよび麺が挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0146】
ソース、ドレッシングおよび調味料類としては、トマトペーストおよびピューレ、ブイヨン/ストックキューブ、ハーブおよびスパイス、グルタミン酸一ナトリウム(MSG)、食卓用ソース、大豆ベースのソース、パスタソース、ウエット/調理ソース、ドライソース/粉末ミックス、ケチャップ、マヨネーズ、マスタード、サラダドレッシング、ビネグレット、ディップ、漬物および他のソース、ドレッシングおよび調味料が挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0147】
ベビーフード類としては、ミルクまたは大豆ベースの調理物、ならびに調製した、乾燥したおよび他のベビーフードが挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0148】
スプレッド類としては、ジャムおよび砂糖漬け、蜂蜜、チョコレートスプレッド、ナッツベースのスプレッドおよび酵母ベースのスプレッドが挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0149】
乳製品類は、一般に、哺乳動物のミルクから製造された可食製品を指す。乳製品の例としては、飲料ミルク製品、チーズ、ヨーグルトおよびサワーミルクドリンク、ならびに他の乳製品が挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0150】
食用組成物、特に、食品および飲料製品または配合物についてのさらなる例は、以下のように提供される。例示的な食用組成物としては、1つ以上の菓子、チョコレート菓子、錠剤、カウントライン、バッグ入りのセルフライン/ソフトライン、箱入りの詰め合せ物、標準的な箱に入った詰め合せ物、ツイスト包装ミニアチュア、季節のチョコレート、おもちゃ付きのチョコレート、アルファジョール、他のチョコレート菓子、ミント、標準的なミント、パワーミント、ハードキャンディ、トローチ、ガム、ゼリーおよびチューズ、タフィー、キャラメルおよびヌガー、薬用菓子、ロリポップ、リコリス、他の砂糖菓子、ガム、チューインガム、砂糖処理ガム、シュガーフリーガム、機能性ガム、バブルガム、パン、パッケージされた/産業用パン、パッケージされていない/職人によるパン、ペストリー、ケーキ、パッケージされた/産業用ケーキ、パッケージされていない/職人によるケーキ、クッキー、チョコレートコーティングされたビスケット、サンドイッチビスケット、詰め物をしたビスケット、塩味のビスケットおよびクラッカー、パン代替物、朝食シリアル、RTEシリアル、家族用朝食シリアル、フレーク、ミューズリー、他のシリアル、子供用朝食シリアル、ホットシリアル、アイスクリーム、インパルスアイスクリーム、1人用乳製アイスクリーム、1人用ウォーターアイスクリーム、マルチパック乳製アイスクリーム、マルチパックウォーターアイスクリーム、持ち帰り用アイスクリーム、持ち帰り用乳製アイスクリーム、アイスクリームデザート、バルクアイスクリーム、持ち帰り用ウォーターアイスクリーム、フローズンヨーグルト、職人によるアイスクリーム、乳製品、ミルク、新鮮な/殺菌されたミルク、全脂肪の新鮮な/殺菌されたミルク、半脱脂の新鮮な/殺菌されたミルク、長寿命/UHTミルク、全脂肪の長寿命/UHTミルク、半脱脂の長寿命/UHTミルク、無脂肪の長寿命/UHTミルク、ヤギミルク、コンデンス/エバミルク、味付けしていないコンデンス/エバミルク、フレーバー付きの、機能的および他のコンデンスミルク、フレーバーミルクドリンク、乳製品のみのフレーバーミルクドリンク、フルーツジュースを有するフレーバーミルクドリンク、豆乳、サワーミルクドリンク、発酵乳ドリンク、コーヒーホワイトナー、粉末ミルク、フレーバー粉末ミルクドリンク、クリーム、チーズ、加工チーズ、スプレッド可能な加工チーズ、スプレッド不可能な加工チーズ、未加工チーズ、スプレッド可能な未加工チーズ、ハードチーズ、パッケージされたハードチーズ、パッケージされていないハードチーズ、ヨーグルト、味付けしていない/天然ヨーグルト、フレーバーヨーグルト、フルーツヨーグルト、プロビオティックヨーグルト、飲用ヨーグルト、通常飲用ヨーグルト、プロビオティック飲用ヨーグルト、冷蔵および常温保存可能なデザート、乳製品ベースのデザート、大豆ベースのデザート、冷蔵スナック、フロマージュフレおよびクワルク、プレーンフロマージュフレおよびクワルク、フレーバーフロマージュフレおよびクワルク、塩味のフロマージュフレおよびクワルク、甘いおよび塩味のスナック、フルーツスナック、チップス/クリスプ、押出スナック、トルティーヤ/トウモロコシチップ、ポップコーン、プレッツェル、ナッツ、他の甘いおよび塩味のスナック、スナックバー、グラノーラバー、朝食バー、エネルギーバー、フルーツバー、他のスナックバー、代替食品製品、ダイエット製品、回復期ドリンク、調理済み食品、缶詰調理済み食品、冷凍調理済み食品、乾燥調理済み食品、冷蔵調理済み食品、ディナーミックス、冷凍ピザ、冷蔵ピザ、スープ、缶詰スープ、脱水スープ、インスタントスープ、冷蔵スープ、ホットスープ、冷凍スープ、パスタ、缶詰パスタ、乾燥パスタ、冷蔵/新鮮パスタ、麺、プレーン麺、インスタント麺、カップ/ボールインスタント麺、パウチインスタント麺、冷蔵麺、スナック麺、缶詰食品、缶詰肉および肉製品、缶詰魚/シーフード、缶詰野菜、缶詰トマト、缶詰豆、缶詰果実、缶詰調理済み食品、缶詰スープ、缶詰パスタ、他の缶詰食品、冷凍食品、冷凍加工赤身肉、冷凍加工家禽、冷凍加工魚/シーフード、冷凍加工野菜、冷凍肉代替物、冷凍ジャガイモ、オーブンで焼いたポテトチップス、オーブンで焼いた他のジャガイモ製品、非オーブン冷凍ジャガイモ、冷凍ベーカリー製品、冷凍デザート、冷凍調理済み食品、冷凍ピザ、冷凍スープ、冷凍麺、他の冷凍食品、乾燥食品、デザートミックス、乾燥調理済み食品、脱水スープ、インスタントスープ、乾燥パスタ、プレーン麺、インスタント麺、カップ/ボールインスタント麺、パウチインスタント麺、冷蔵食品、冷蔵加工肉、冷蔵魚/シーフード製品、冷蔵加工魚、冷蔵されたコーティング済みの魚、冷蔵燻製魚、冷蔵ランチキット、冷蔵調理済み食品、冷蔵ピザ、冷蔵スープ、冷蔵/新鮮パスタ、冷蔵麺、油脂、オリーブ油、野菜および種子油、調理脂肪、バター、マーガリン、スプレッド可能な油脂、スプレッド可能な機能性油脂、ソース、ドレッシングおよび調味料、トマトペーストおよびピューレ、ブイヨン/ストックキューブ、ストックキューブ、グレービー顆粒、液体ストックおよびフォンド、ハーブおよびスパイス、発酵ソース、大豆ベースのソース、パスタソース、ウエットソース、ドライソース/粉末ミックス、ケチャップ、マヨネーズ、レギュラーマヨネーズ、マスタード、サラダドレッシング、レギュラーサラダドレッシング、低脂肪サラダドレッシング、ビネグレット、ディップ、漬物、他のソース、ドレッシングおよび調味料、ベビーフード、調合乳、標準調合乳、フォローオン調合乳、幼児調合乳、低アレルギー調合乳、調製されたベビーフード、乾燥ベビーフード、他のベビーフード、スプレッド、ジャムおよび砂糖漬け、蜂蜜、チョコレートスプレッド、ナッツベースのスプレッド、ならびに酵母ベースのスプレッドが挙げられる。また、例示的な食用組成物としては、菓子、ベーカリー製品、アイスクリーム、乳製品、甘いおよび塩味のスナック、スナックバー、代替食品製品、調理済み食品、スープ、パスタ、麺、缶詰食品、冷凍食品、乾燥食品、冷蔵食品、油脂、ベビーフード、もしくはスプレッド、またはそれらの混合物が挙げられる。また、例示的な食用組成物としては、理想的には、すでに知られているサッカリド甘味剤または人工甘味剤の濃度の低下を可能にするための、朝食シリアル、甘い飲料、または飲料を調製するための固体もしくは液体濃縮組成物が挙げられる。
【0151】
典型的には、本化合物の1つ以上の少なくとも甘味受容体調節量、甘味受容体リガンド調節量、甘味フレーバー調節量、甘味フレーバー剤量、甘味フレーバー増強量または治療上有効な量が、例えば、当分野で一般に知られている手順を介して、一般にはヒトまたは動物によって判断して、あるいは配合物試験の場合には、少なくとも8人のヒト味覚試験者のパネルの大多数によって判断して、甘味フレーバーで修飾された摂取可能な組成物が、本発明の化合物なしで調製された摂取可能な組成物と比較して増大した甘味の味覚を有するように、任意選択的に公知の甘味剤の存在下で、摂取可能な組成物に添加されるであろう。
【0152】
摂取可能な組成物のフレーバーを調節または改善するのに必要な甘味フレーバー剤の濃度は、当然のことながら、摂取可能な組成物およびそのさまざまな他の成分の特定のタイプ、特に、他の公知の甘味フレーバー剤の存在およびその濃度、組成物を味見するさまざまな人間の天然の遺伝的変動および個人の好みおよび健康状態、ならびにそのような化学感覚化合物の味覚に対する特定の化合物の主観的効果を含む、多くの変数に依存するであろう。
【0153】
本化合物の1つの用途は、他の天然または合成の甘味味覚物質およびこれらから作製された摂取可能な組成物の甘味または他の味覚特性を調節する(誘発、増強または阻害する)ためのものである。一実施形態では、本発明の化合物は、そのリガンド増強濃度で使用または提供される。例えば、典型的には、本発明の化合物または成分の広いがそれでもやはり低い範囲、すなわち、約0.1ppm~10,000ppmが必要とされるか、あるいは約10ppm~約1,000ppm、約1ppm~約3,000ppm、約5ppm~約1,000ppm、約1ppm~約500ppm、または約2ppm~約200ppm、または約1ppm~約100ppmのより狭い代替的な範囲が必要とされるであろう。
【0154】
いくつかの実施形態は、式(I)の構造を有する1つ以上の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を含む組成物に関する。いくつかの実施形態では、組成物中の化合物の濃度は、100ppm超である。いくつかの実施形態では、化合物の濃度は、300ppm超である。いくつかの実施形態では、化合物の濃度は、500ppm超である。いくつかの実施形態では、化合物の濃度は、800ppm超である。
【0155】
いくつかの実施形態では、化合物の濃度は、300ppm~4,000ppmである。いくつかの実施形態では、化合物の濃度は、300ppm~2,000ppmである。いくつかの実施形態では、化合物の濃度は、300ppm~1,500ppmである。いくつかの実施形態では、化合物の濃度は、800ppm~1,500ppmである。
【0156】
一実施形態では、本発明は、甘味増強組成物を提供する。甘味増強組成物は、本発明の化合物を、甘味を提供するのに有効な量、例えば甘味フレーバー増強量で、甘味剤の第1の量と組み合わせて含み、ここで、甘味は、化合物なしの第1の量の甘味剤によって提供される甘味よりも大きい。
【0157】
一実施形態では、本発明は、本発明の甘味増強組成物を含む摂取可能な組成物を提供する。特定の実施形態では、本摂取可能な組成物は、食品または飲料製品、医薬組成物、栄養製品、栄養補助食品、市販薬またはオーラルケア製品の形態にある。
【0158】
一実施形態では、本発明は、甘味剤、例えば、本化合物以外のスクロースの不在下で、甘味を提供するのに有効な量、例えば、それらのリガンド増強濃度よりも高い濃度で本発明の1つ以上の化合物を含む甘味剤代替組成物を提供する。
【0159】
本発明の別の態様によると、本発明の化合物は、例えば、すぐに使用できる(すなわち、調理済み)製品を製造するためのその後の処理に適したフレーバー濃縮配合物中に提供される。「フレーバー濃縮配合物」とは、すぐに使用できる組成物になるために1つ以上の希釈媒体で再構成されるべき配合物を意味する。本明細書において、「すぐに使用できる組成物」という用語は、「摂取可能な組成物」と交換可能に使用され、これは、消費を意図するかどうかにかかわらず、単独でまたは別の物質と一緒に経口摂取できる任意の物質を表す。一実施形態では、すぐに使用できる組成物は、ヒトまたは動物が直接摂取できる組成物を含む。フレーバー濃縮配合物は、典型的には、1つ以上のフレーバーを希釈媒体に付与または修飾するために、1つ以上の希釈媒体、例えば、任意の消費可能または摂取可能な成分または製品と混合またはこれで希釈することによって使用される。そのような使用プロセスは、多くの場合、再構成と呼ばれる。再構成は、家庭の場または工業的な場で実施することができる。例えば、消費者が冷凍果実ジュース濃縮物をキッチンで水または他の水性媒体で再構成して、すぐに使用できる果実ジュース飲料を得ることができる。別の例では、大規模な工業規模での製造によってソフトドリンクシロップ濃縮物を水または他の水性媒体で再構成して、すぐに使用できるソフトドリンクを製造することができる。フレーバー濃縮配合物は、すぐに使用できる組成物よりも高い濃度のフレーバー剤またはフレーバー改質剤を有するので、フレーバー濃縮配合物は、典型的には、再構成なしで直接消費するのには適していない。フレーバー濃縮配合物の使用および製造には多くの利点がある。例えば、1つの利点は、固体または液体の適切な溶媒を添加することによって使用時にフレーバー濃縮配合物を再構成することができることから、輸送の重量および体積が減少することである。
【0160】
一実施形態では、フレーバー濃縮配合物は、i)フレーバー改質成分としての本発明の化合物と、ii)担体と、iii)任意選択的に少なくとも1つの補助剤とを含む。「フレーバー改質成分として」という用語は、本発明の化合物が、配合物中でフレーバー剤またはフレーバー改質剤(例えば、フレーバー増強剤)として作用することを表す。「担体」という用語は、溶媒、結合剤または他の不活性媒体などの通常不活性な付属物質を表し、これは、本化合物および1つ以上の任意選択的な補助剤と組み合わせて使用されて配合物を形成する。例えば、水またはデンプンがフレーバー濃縮配合物の担体となり得る。いくつかの実施形態では、担体は、フレーバー濃縮配合物を再構成するための希釈媒体と同じであり、他の実施形態では、担体は、希釈媒体とは異なる。本明細書で使用される場合、「担体」という用語は、摂取許容可能な担体を含むが、これに限定されることはない。
【0161】
一実施形態では、フレーバー濃縮配合物は、約10重量%または15重量%超の本発明の化合物を含む。別の実施形態では、フレーバー濃縮配合物は、約20重量%、25重量%、30重量%、35重量%もしくは40重量%、またはそれらの間の任意の量の本化合物を含む。別の実施形態では、フレーバー濃縮配合物は、約40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%もしくは65重量%超、またはそれらの間の任意の量の本化合物を含む。別の実施形態では、フレーバー濃縮配合物は、約65重量%超の本化合物を含む。
【0162】
「補助剤」という用語は、本発明の化合物などの活性成分の意図する機能または有効性を補足、安定化、維持または増強する添加剤を表す。一実施形態では、少なくとも1つの補助剤は、1つ以上のフレーバー剤を含む。フレーバー剤は、チョコレート、コーヒー、茶、モカ、フレンチバニラ、ピーナッツバター、チャイまたはそれらの組み合わせのフレーバーのような、当業者または消費者に知られている任意のフレーバーであり得る。別の実施形態では、少なくとも1つの補助剤は、1つ以上の甘味剤を含む。1つ以上の甘味剤は、本願に記載されている甘味剤のうちのいずれかであり得る。別の実施形態では、少なくとも1つの補助剤は、乳化剤、安定剤、抗菌保存剤、酸化防止剤、ビタミン、ミネラル、脂肪、デンプン、タンパク質濃縮物および単離物、塩、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の成分を含む。乳化剤、安定剤、抗菌保存剤、酸化防止剤、ビタミン、ミネラル、脂肪、デンプン、タンパク質濃縮物および単離物、ならびに塩の例は、米国特許第6,468,576号明細書に記載されており、その内容は、あらゆる目的のために参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0163】
一実施形態では、本フレーバー濃縮配合物は、溶液および懸濁液を含む液体、固体、泡状物質、ペースト、ゲル、クリームおよびそれらの組み合わせ、例えば、特定の量の固形分を含有する液体からなる群から選択される形態にあり得る。一実施形態では、フレーバー濃縮配合物は、水性ベースおよび非水性ベースを含む液体の形態にある。本フレーバー濃縮配合物は、炭酸または非炭酸であり得る。
【0164】
フレーバー濃縮配合物は、凝固点降下剤、核形成剤またはその両方を少なくとも1つの補助剤としてさらに含み得る。凝固点降下剤とは、化合物または薬剤が添加される液体または溶媒の凝固点を低下させることができる、摂取許容可能な化合物または薬剤である。すなわち、凝固点降下剤を含有する液体または溶液は、凝固点降下剤なしの液体または溶媒よりも凝固点が低い。開始凝固点を下げることに加えて、凝固点降下剤はまた、フレーバー濃縮配合物の水分活性を下げることもできる。凝固点降下剤の例としては、炭水化物、油、エチルアルコール、ポリオール、例えばグリセロールおよびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されることはない。核形成剤とは、核形成を促進することができる摂取許容可能な化合物または薬剤を表す。フレーバー濃縮配合物中に核形成剤が存在すると、冷凍スラッシュの口当たりを改善すること、および所望の氷結晶化中心の数を増加させることによって凍結温度でのスラッシュの物理的特性および性能の維持を補助することができる。核形成剤の例としては、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、二酸化チタンおよびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0165】
一実施形態では、フレーバー濃縮配合物は、長期の貯蔵寿命のために低い水分活性を有するように配合される。水分活性は、同じ温度での純水の蒸気圧に対する配合物中の水の蒸気圧の比率である。一実施形態では、フレーバー濃縮配合物は、約0.85未満の水分活性を有する。別の実施形態では、フレーバー濃縮配合物は、約0.80未満の水分活性を有する。別の実施形態では、フレーバー濃縮配合物は、約0.75未満の水分活性を有する。
【0166】
一実施形態では、フレーバー濃縮配合物は、すぐに使用できる組成物中の化合物の濃度の少なくとも2倍の濃度の本化合物を有する。一実施形態では、フレーバー濃縮配合物は、すぐに使用できる組成物中の化合物の濃度の少なくとも5倍の濃度の本化合物を有する。一実施形態では、フレーバー濃縮配合物は、すぐに使用できる組成物中の化合物の濃度の少なくとも10倍の濃度の本化合物を有する。一実施形態では、フレーバー濃縮配合物は、すぐに使用できる組成物中の化合物の濃度の少なくとも15倍の濃度の本化合物を有する。一実施形態では、フレーバー濃縮配合物は、すぐに使用できる組成物中の化合物の濃度の少なくとも20倍の濃度の本化合物を有する。一実施形態では、フレーバー濃縮配合物は、すぐに使用できる組成物中の化合物の濃度の少なくとも30倍の濃度の本化合物を有する。一実施形態では、フレーバー濃縮配合物は、すぐに使用できる組成物中の化合物の濃度の少なくとも40倍の濃度の本化合物を有する。一実施形態では、フレーバー濃縮配合物は、すぐに使用できる組成物中の化合物の濃度の少なくとも50倍の濃度の本化合物を有する。一実施形態では、フレーバー濃縮配合物は、すぐに使用できる組成物中の化合物の濃度の少なくとも60倍の濃度の本化合物を有する。一実施形態では、フレーバー濃縮配合物は、すぐに使用できる組成物中の化合物の濃度の100倍までの濃度の本化合物を有する。
【0167】
調製および実施例
本化合物またはその中間体を調製するのに有用ないくつかの例示的な単離および精製方法を以下に記載する。
【0168】
ポリポジウム・グリシリザ(リコリスファーン)の8つの1ガロンポットを、ワシントン州スタンウッドにある「Keeping it green」苗園から得た。植物材料を、植物の土を除去し、植物を水で洗浄することによって処理した。根茎を植物の残りの部分から分離し、小さい断片に切断し、約5日間凍結乾燥させた。乾燥した根茎(100g)を秤量し、ブレンダー内で微細な手触りになるまで砕いて、複数のセルにおいて標準抽出プロセスにてASEで抽出した。複数のセルからのヘキサン、EtOAcおよびMeOH抽出物を合して(各段階)、genevac上で溶媒を蒸発させて、5.2gのヘキサン、1.9gのEtOAc、および21gのMeOH抽出物を得た。
【0169】
21gのMeOH抽出物を、MeOHを使用して8つの10gのC18サンプレット(Biotage)に充填した。各サンプルを、5%のメタノール水で事前に平衡化した60gのC18SNAPカラム(Biotage)に充填した。水-メタノールの段階的勾配でカラムを溶出した:5%のメタノール→35%のメタノール→70%のメタノール→100%のメタノール(各段階で100mLの画分を収集)。溶媒を減圧下で蒸発させ、8回のランからの抽出物を合して、5%の抽出物8.9g、35%の抽出物6.5g、70%の抽出物2.4g、および100%の抽出物2gを得た。所望の化合物は、70%および100%の段階で溶出した。
【0170】
SPEからの70%および100%の段階を、逆相HPLC(30×100mmのAtlantis prep T3 OBDカラム、5μm、Waters)において、21回の注入(70%から11回のラン、100%の段階から10回のラン、約210mgの各注入は2mLのDMSOに溶解)で、Bが1%→95%のA/B勾配(A=水、B=アセトニトリル)を50.5分間にわたって使用し、95%のBで洗浄し、続いて1%で再平衡化して、分画した(合計ランタイム=61分)。各ランを、30mL/画分で72本の風袋管(tared tubes)(12画分/プレート、ラン1回あたり6つのプレート)に収集した。プレートをGenevac内で乾燥させ、再秤量して各画分の正味重量を求めた。すべてのfrxnを保管のためにnuncプレートに移した。ポリポドシドF(6)およびC(3)を、100%frxnのfrxn34および37からそれぞれ単離および特性評価した。ポリポドシドA、B、D、EおよびGをfrxn26中で共溶出した。少量のfrxn26を、ポリポドシドG(7)を単離するための修正された方法を使用して、逆相HPLCでさらに精製した。
【0171】
C18HPLCのランからのFrxn26を合し(870mg)、さらに、HILIC HPLC(30×100mmのBEHアミドカラム、5μm、Waters)において、Bが90%→65%のA/B勾配(A=3:1のメタノール:水に入った100mMのギ酸アンモニウム、B=アセトニトリル)を20分間にわたって使用し、5%のBで洗浄し、続いて90%で再平衡化して、精製した(合計ランタイム=33.2分)。各ランは、14mL/画分で24本の風袋管(12画分/プレート、ラン1回あたり2つのプレート)に収集し、収集ウィンドウを所望のピーク溶出の真ん中で中央に置いた。各親サンプルは28mgであり、350μLのメタノールおよび350μLのアセトニトリルに溶解した。70%および100%の段階からのプールされた画分26は、この手順を使用して精製した。
【0172】
プレートをGenevac内で乾燥させ、再秤量して各画分の正味重量を求めた。Bが90%→65%の勾配を5分間にわたって使用して、同じタイプのHILICカラム(2.1×75mm、1.7μmの粒子、Waters)を使用して、各画分をUPLCで分析した。所望の純度を有する所望のピークを含む画分をプールし(合計72の画分)、減圧下で乾燥させて、白色の固体を得た。ポリポドシドAは、精製プロセスの主要な化合物であった。微量化合物であるポリポドシドB、DおよびEは、ポリポドシドAよりも数frxn早く溶出した。例示された化合物を、スペクトルデータ分析および文献における公知のポリポドシド異性体とのデータ比較によって特性評価した。
【0173】
ポリポドシドDを、1H-NMRおよびLC-MSデータに基づいて、近い異性体であるポリポドシドAと比較して特性評価した。ポリポドシドDは、ポリポドシドAよりも14質量単位少なく、これは、1H-NMRスペクトルで糖メチル二重線のうちの1つが欠落していることとも一致していた。詳細なスペクトル比較に基づくと、C-3で結合した糖単位のうちの1つが、ポリポドシドAのラムノースの代わりに、キシロースまたはアラビノースのいずれかであることは明らかであった。
【0174】
ポリポドシドAのスペクトルデータ(1):
【化10】
ポリポドシドBのスペクトルデータ(2):
【化11】
ポリポドシドCのスペクトルデータ(3):
【化12】
ポリポドシドDのスペクトルデータ(4):
【化13】
ポリポドシドEのスペクトルデータ(5):
【化14】
ポリポドシドFのスペクトルデータ(6):
【化15】
【化16】
ポリポドシドGのスペクトルデータ(7):
【化17】
【0175】
生物学的試験
単離された本化合物は、試験されて甘味改質活性を示した。具体的には、本化合物は、以下の表1に示されるように、T1R2/T1R3受容体の活性化を示した。
【0176】
【0177】
実験1:一対比較試験を実施するヒトのパネリストを使用する甘味フレーバー測定
実験化合物を含有する試験サンプルをヒトのパネリストにペアで提示し、サンプルのどちらがより甘いかを判定するように彼らに求めた。本化合物は、広範囲のpH値を有する媒体中で甘味フレーバーの増強を示し、この実験は、約2.8または7.1のpHで試験したサンプルの結果を提供した。10~16人以上のパネリストのグループが各試験に参加した。対象は、試験前の少なくとも1時間は飲食を控えた(水を除く)。対象は、口の中をきれいにするために数回水で濯いだ。
【0178】
化合物の存在下または不在下で、甘味剤としてのスクロースまたはHFCSを用いて、味覚試験を実施した。重炭酸ナトリウムを有する水中で0.2%の化合物の原液を調製し、次いで、この原液を最終的なサンプルで希釈して、化合物の目標とする最終濃度を達成した。pH2.8で評価したサンプルでは、クエン酸を使用して溶液のpHを約pH2.8に低下させる。また、味見用サンプルを、スクロースまたはHFCSのない低リン酸ナトリウム緩衝剤(pH7.1;「LSB」)でも調製し、化合物のみの味を評価した。低リン酸ナトリウム緩衝剤は、0.3mMのKCl、0.5mMのNa2HPO4および0.175mMのKH2PO4からなる。サンプル量は、通常20mlである。
【0179】
一対比較試験では、パネリストは、2つの異なるサンプルが提示され、より甘いサンプルを特定するように求められた。一対比較試験におけるサンプルは、ランダムなバランスの取れた順序で提示した。パネリストは、味覚試験の間に1分までの遅れを設けて、口の中から味をなくした。
【0180】
二項確率表を使用して、α=0.05での各試験について正しい数の応答が発生する確率を決定した。
【0181】
試験:
甘味についての一対比較試験(サンプルサイズ0.25mL)
4%のスクロース対LSB+87ppmのポリポドシドD
4%のスクロース対2%のスクロース
4%のスクロース対3%のスクロース
配合物:
すべてのサンプルは、pH約7.1の低ナトリウム緩衝剤(LSB)で作製されており、0%のエタノールを含有する。
【0182】
配合物番号=46126088、43666553、43666554、43666555。
【0183】
結論:
パネリストは、4%のスクロースが、LSB+87ppmのポリポドシドDと甘味において有意差がないと見出した(p=0.441)。
【0184】
パネリストは、4%のスクロースが、2%のスクロースよりも有意に甘いことを見出した(p=0.001)。
【0185】
パネリストは、4%のスクロースが、3%のスクロースよりも有意に甘いことを見出した(p=0.001)。
【0186】
【0187】
これらの結果は、ポリポドシドDが甘味を有し、感覚研究においてレバウジオシドAよりも高い効能を示すことを明らかに示している。
【0188】
本明細書のすべての刊行物および特許出願は、個々の刊行物または特許出願が参照によって組み込まれるように具体的かつ個別に示されているかのように、同程度に参照によって組み込まれる。
【0189】
前述の詳細な説明は、単に理解を明確にするために与えられており、当業者には変形形態が明らかであるので、そこから不必要な限定が理解されるべきではない。これは、本明細書に記載されている情報のいずれかが、従来技術であること、または現在特許請求されている発明に関連していること、あるいは具体的または暗示的に参照されているいずれかの刊行物が従来技術であることを認めるものではない。
【0190】
本発明を実施するために発明者に知られている最良の形態を含む、本発明の実施形態が本明細書に記載されている。これらの好ましい実施形態の変形形態は、前述の説明を読むことによって当業者には明らかになり得る。本発明者らは、当業者がそのような変形形態を適切なものとして用いることを期待しており、本発明者らは、本発明が本明細書に具体的に記載されている手法以外で実施されることを意図している。したがって、本発明は、適用法によって許容されるように、本明細書に添付されている特許請求の範囲に列挙されている主題のすべての変形形態および同等物を含む。さらに、本明細書において別段の指示がない限り、または文脈上明らかに矛盾しない限り、それらのすべての可能な変形形態における上記の要素のあらゆる組み合わせが本発明に包含される。
【0191】
さらなる実施形態:
1. 構造式(I):
【化18】
を有する単離された化合物またはその塩もしくは溶媒和物であって、ここで、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
7およびR
8が、独立して、水素、アルキル、テトラヒドロフラニル、置換テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルまたは置換テトラヒドロピラニルであり、かつ
R
5およびR
9が、独立して、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、置換アルコキシ、テトラヒドロフラニル、置換テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルまたは置換テトラヒドロピラニルであり、
ただし、
(a) R
1、R
2、R
3およびR
4のうちの少なくとも1つが水素であり、
(b) R
6、R
7およびR
8のうちの少なくとも1つが水素であり、かつ
(c) 式(I)が、以下の化合物:
【化19】
を含まない、
単離された化合物またはその塩もしくは溶媒和物。
【0192】
2. 式(Ia):
【化20】
によって表され、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
7およびR
8が、独立して、水素、アルキル、テトラヒドロフラニル、置換テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルまたは置換テトラヒドロピラニルであり、かつ
R
5が、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、置換アルコキシ、テトラヒドロフラニル、置換テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルまたは置換テトラヒドロピラニルである、
実施形態1記載の化合物。
【0193】
3.
(a) R1、R2、R3、R5、R6、R7およびR8が水素である場合、R4が2-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオールの部分ではないか、
(b) R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8がすべて水素であるわけではないか、または
(c) R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR8が水素である場合、R7がアルキルではない、
実施形態1または2記載の化合物。
【0194】
4. R1が水素である、実施形態1から3までのいずれか1つ記載の化合物。
【0195】
5. R3が水素である、実施形態1から4までのいずれか1つ記載の化合物。
【0196】
6. R2およびR4が、独立して、水素、テトラヒドロフラニル、置換テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルまたは置換テトラヒドロピラニルである、実施形態1から5までのいずれか1つ記載の化合物。
【0197】
7. ヘテロシクリルがテトラヒドロピラニルである、実施形態6記載の化合物。
【0198】
8. R5が、水素、ヒドロキシル、アルコキシまたは置換アルコキシである、実施形態3から6までのいずれか1つ記載の化合物。
【0199】
9. R6、R7およびR8が水素である、実施形態3から8までのいずれか1つ記載の化合物。
【0200】
10. 構造式(Ib):
【化21】
によって表され、ここで、
R
2、R
3およびR
4が、独立して、水素、テトラヒドロフラニル、置換テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルまたは置換テトラヒドロピラニルであり、かつ
R
5が、水素、ヒドロキシル、アルコキシまたは置換アルコキシであり、
ただし、
(a) R
2、R
3およびR
5が水素である場合、R
4が2-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオールの部分ではなく、かつ
(b) R
2、R
3、R
4およびR
5のうちの少なくとも1つが水素ではない、
実施形態2記載の化合物。
【0201】
11. R3が水素であり、R2およびR4が、独立して、水素または置換テトラヒドロピラニルである、実施形態10記載の化合物。
【0202】
12. R5が、水素、アルコキシまたは置換アルコキシである、実施形態10または11記載の化合物。
【0203】
13.
【化22】
からなる群から選択される、実施形態1記載の化合物。
【0204】
14.構造式(I):
【化23】
を有する精製された化合物またはその塩もしくは溶媒和物であって、ここで、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
7およびR
8が、独立して、水素、アルキル、テトラヒドロフラニル、置換テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルまたは置換テトラヒドロピラニルであり、かつ
R
5およびR
9が、独立して、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、置換アルコキシ、テトラヒドロフラニル、置換テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルまたは置換テトラヒドロピラニルであり、
ただし、
(a) R
1、R
2、R
3およびR
4のうちの少なくとも1つが水素であり、
(b) R
6、R
7およびR
8のうちの少なくとも1つが水素であり、かつ
(c) 式(I)が、以下の化合物:
【化24】
を含まない、
精製された化合物またはその塩もしくは溶媒和物。
【0205】
15. 式(Ia):
【化25】
によって表され、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
7およびR
8が、独立して、水素、アルキル、テトラヒドロフラニル、置換テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルまたは置換テトラヒドロピラニルであり、かつ
R
5が、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、置換アルコキシ、テトラヒドロフラニル、置換テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルまたは置換テトラヒドロピラニルである、
実施形態14記載の化合物。
【0206】
16. 構造式(I):
【化26】
を有する1つ以上の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を含む、ポリポジウム属の植物の抽出物であって、ここで
R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
7およびR
8が、独立して、水素、アルキル、テトラヒドロフラニル、置換テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルまたは置換テトラヒドロピラニルであり、かつ
R
5およびR
9が、独立して、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、置換アルコキシ、テトラヒドロフラニル、置換テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルまたは置換テトラヒドロピラニルであり、
ただし、
(a) R
1、R
2、R
3およびR
4のうちの少なくとも1つが水素であり、
(b) R
6、R
7およびR
8のうちの少なくとも1つが水素であり、かつ
(c) 抽出物または式(I)が、以下の化合物:
【化27】
を含まず、
ここで、抽出物がヒトまたは動物による消費に適している、
抽出物。
【0207】
17. 式(I)の化合物が、式(Ia):
【化28】
によって表され、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
7およびR
8が、独立して、水素、アルキル、テトラヒドロフラニル、置換テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルまたは置換テトラヒドロピラニルであり、かつ
R
5が、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、置換アルコキシ、テトラヒドロフラニル、置換テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルまたは置換テトラヒドロピラニルである、
実施形態16記載の抽出物。
【0208】
18. ヒト味覚パネルを使用した官能試験で、ポリポドシドAと比較して異味の低下および/または後味の残存率の低下を示す、実施形態16記載の抽出物。
【0209】
19. ヒト味覚パネルを使用した官能試験で、甘味の開始、甘味の残存を含む砂糖に似た時間的プロファイル、および/または砂糖に似たフレーバープロファイルを示す、実施形態16または18記載の抽出物。
【0210】
20. 植物がポリポジウム・グリシリザである、実施形態16から19までのいずれか1つ記載の抽出物。
【0211】
21. 植物が、植物全体、植物の一部、植物組織、植物細胞またはそれらの組み合わせである、実施形態16から19までのいずれか1つ記載の抽出物。
【0212】
22. 植物の根茎から得られる、実施形態16から19までのいずれか1つ記載の抽出物。
【0213】
23. 摂取許容可能な成分と、式(I):
【化29】
の構造を有する1つ以上の化合物またはその塩もしくは溶媒和物とを含む、摂取可能な組成物であって、ここで、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
7およびR
8が、独立して、水素、アルキル、テトラヒドロフラニル、置換テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルまたは置換テトラヒドロピラニルであり、かつ
R
5およびR
9が、独立して、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、置換アルコキシ、テトラヒドロフラニル、置換テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルまたは置換テトラヒドロピラニルであり、
ただし、
(a) R
1、R
2、R
3およびR
4のうちの少なくとも1つが水素であり、
(b) R
6、R
7およびR
8のうちの少なくとも1つが水素であり、かつ
(c) 式(I)が、以下の化合物:
【化30】
を含まない、
摂取可能な組成物。
【0214】
24. 摂取可能な成分が、野菜ジュース、果実ジュース、ビールまたはワインを含む、実施形態23記載の摂取可能な組成物。
【0215】
25. 摂取可能な成分が酸を含む、実施形態23記載の摂取可能な組成物。
【0216】
26. 酸がクエン酸またはリン酸である、実施形態25記載の摂取可能な組成物。
【0217】
27. 摂取可能な成分が、苦味剤、着色剤、保存剤、機能性成分、緩衝剤、天然香料、人工香料、食品添加物、酸味料、1つ以上の脂肪、油または乳剤、および小麦粉または野菜粉末のうちの1つ以上を含む、実施形態23記載の摂取可能な組成物。
【0218】
28. 1つ以上の甘味剤をさらに含む、実施形態23記載の摂取可能な組成物。
【0219】
29. 甘味剤が、スクロース、フルクトース、グルコース、ガラクトース、マンノース、ラクトース、タガトース、マルトース、高果糖コーンシロップ、D-トリプトファン、グリシン、エリトリトール、イソマルト、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、マルトデキストリン、マルチトール、イソマルト、水素添加グルコースシロップ(HGS)、水素添加デンプン加水分解物(HSH)、ステビオシド、レバウジオシドA、他の甘いステビアベースのグリコシド、カレラーム、他のグアニジンベースの甘味剤、サッカリン、アセスルファムK、シクラメート、スクラロース、アリテーム、モグロシド、ネオテーム、アスパルテーム、他のアスパルテーム誘導体およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態28記載の摂取可能な組成物。
【0220】
30. 実施形態1から14までのいずれか1つ記載の化合物または実施形態15から19までのいずれか1つ記載の抽出物を含有していない摂取可能な組成物と比較して甘味が増加した、実施形態23記載の摂取可能な組成物。
【0221】
31. 食品または飲料製品、医薬組成物、栄養製品、栄養補助食品、市販薬またはオーラルケア製品の形態にある、実施形態23記載の摂取可能な組成物。
【0222】
32. 食品または飲料製品が、ヒトまたは動物による消費のためのものである、実施形態31記載の摂取可能な組成物。
【0223】
33. 食品または飲料製品が、スープ類;乾燥加工食品類;飲料類;調理済み食品類;缶詰食品類または保存食品類;冷凍加工食品類;冷蔵加工食品類;スナック食品類;焼き物類;菓子類;乳製品類;アイスクリーム類;代替食品類;パスタおよび麺類;ソース、ドレッシング、調味料類;ベビーフード類;スプレッド類;甘味コーティング、フロスティングまたはグレーズ;ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態31記載の摂取可能な組成物。
【0224】
34. 式(I):
【化31】
の構造を有する1つ以上の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を含む、組成物であって、ここで、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
7およびR
8が、独立して、水素、アルキル、テトラヒドロフラニル、置換テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルまたは置換テトラヒドロピラニルであり、かつ
R
5およびR
9が、独立して、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、置換アルコキシ、テトラヒドロフラニル、置換テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルまたは置換テトラヒドロピラニルであり、
ただし、
(a) R
1、R
2、R
3およびR
4のうちの少なくとも1つが水素であり、
(b) R
6、R
7およびR
8のうちの少なくとも1つが水素であり、かつ
(c) 式(I)が、以下の化合物:
【化32】
を含まず、
ここで、組成物が50重量%超の化合物を含む、
組成物。
【0225】
35. 70重量%超の化合物を含む、実施形態34記載の組成物。
【0226】
36. 増量剤と、式(I):
【化33】
の構造を有する1つ以上の化合物またはその塩もしくは溶媒和物とを含む、組成物であって、ここで、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
7およびR
8が、独立して、水素、アルキル、テトラヒドロフラニル、置換テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルまたは置換テトラヒドロピラニルであり、かつ
R
5およびR
9が、独立して、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、置換アルコキシ、テトラヒドロフラニル、置換テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルまたは置換テトラヒドロピラニルであり、
ただし、
(a) R
1、R
2、R
3およびR
4のうちの少なくとも1つが水素であり、
(b) R
6、R
7およびR
8のうちの少なくとも1つが水素であり、かつ
(c) 式(I)が、以下の化合物:
【化34】
を含まない、
組成物。
【0227】
37. 30重量%超の増量剤を含む、実施形態36記載の増量剤。
【0228】
38. 50重量%超の増量剤を含む、実施形態36記載の増量剤。
【0229】
39. 70重量%超の増量剤を含む、実施形態36記載の増量剤。
【0230】
40. 90重量%超の増量剤を含む、実施形態36記載の増量剤。
【0231】
41. 増量剤が、マルトデキストリン、デキストロマルトデキストリンブレンド、コーンシロップ固形物、スクロース、フルクトース、グルコース、転化糖、ソルビトール、キシロース、リブロース、マンノース、マンニトール、ガラクチトール、ラクチトール、イソマルト、マルトース、タガトース、ラクトース、イヌリン、グリセロール、プロピレングリコール、ポリデキストロース、フルクトオリゴ糖、セルロース、セルロース誘導体、エリトリトールおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態36から40までのいずれか1つ記載の組成物。
【0232】
42. 増量剤が、マルトデキストリン、ラクトース、エリトリトールおよびマンニトールから選択される、実施形態36から40までのいずれか1つ記載の組成物。
【0233】
43. 式(I)の構造:
【化35】
を有する1つ以上の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を含む、組成物であって、ここで
R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、R
7およびR
8が、独立して、水素、アルキル、テトラヒドロフラニル、置換テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルまたは置換テトラヒドロピラニルであり、かつ
R
5およびR
9が、独立して、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、置換アルコキシ、テトラヒドロフラニル、置換テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルまたは置換テトラヒドロピラニルであり、
ただし、
(a) R
1、R
2、R
3およびR
4のうちの少なくとも1つが水素であり、
(b) R
6、R
7およびR
8のうちの少なくとも1つが水素であり、かつ
(c) 式(I)が、以下の化合物:
【化36】
を含まず、
ここで、組成物中の化合物の濃度が100ppm超である、
組成物。
【0234】
44. 化合物の濃度が、300ppm~4,000ppmである、実施形態43記載の組成物。
【0235】
45. 化合物の濃度が、300ppm~2,000ppmである、実施形態43記載の組成物。
【0236】
46. 化合物の濃度が、800ppm~1,500ppmである、実施形態43記載の組成物。
【0237】
47. 実施形態36から46までのいずれか1つ記載の組成物を含有するパケットを含む、卓上用甘味剤製品。
【0238】
48. パケットが1人用パケットである、実施形態47記載の製品。
【0239】
49. 組成物の甘味を改質する方法であって、その組成物を実施形態1から15までのいずれか1つ記載の単離または精製された化合物または実施形態16から22までのいずれか1つ記載の抽出物と接触させて、甘味が改質された組成物を形成することを含む、方法。
【0240】
50. 組成物が1つ以上の甘味剤を含む、実施形態49記載の方法。
【0241】
51.
i) フレーバー改質成分としての実施形態1から15までのいずれか1つ記載の単離または精製された化合物または実施形態16から22までのいずれか1つ記載の抽出物と、
ii) 担体と、
iii) 任意選択的に少なくとも1つの補助剤と
を含む、フレーバー濃縮配合物。
【0242】
52. 少なくとも1つの補助剤が1つ以上のフレーバー剤を含む、実施形態51記載のフレーバー濃縮配合物。
【0243】
53. 少なくとも1つの補助剤が1つ以上の甘味剤を含む、実施形態51または52記載のフレーバー濃縮配合物。
【0244】
54. 少なくとも1つの補助剤が、乳化剤、安定剤、抗菌保存剤、酸化防止剤、ビタミン、ミネラル、脂肪、デンプン、タンパク質濃縮物および単離物、塩、凝固点降下剤、核形成剤、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の成分を含む、実施形態51から53までのいずれか1つ記載のフレーバー濃縮配合物。
【0245】
55. 液体、固体、半固体、泡状物質、ペースト、ゲル、クリーム、ローションおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される形態にある、実施形態51から54までのいずれか1つ記載のフレーバー濃縮配合物。
【0246】
56. 実施形態1から15までのいずれか1つ記載の化合物または実施形態16から22までのいずれか1つ記載の抽出物が、すぐに使用できる組成物中の濃度の少なくとも2倍の濃度である、実施形態51から55までのいずれか1つ記載のフレーバー濃縮配合物。
【0247】
57. 第1の組成物を実施形態51記載のフレーバー濃縮配合物と接触させて、すぐに使用できる組成物を形成することを含む、すぐに使用できる組成物を調製する方法。
【0248】
58. 実施形態51記載のフレーバー濃縮配合物を実体に提供することを含む、フレーバー調製物を供給する方法。
【国際調査報告】