(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-23
(54)【発明の名称】糸製造繊維機械のワークステーションにおける糸の非接触光学検出方法、糸の光学センサおよび繊維機械
(51)【国際特許分類】
B65H 63/032 20060101AFI20220516BHJP
B65H 63/036 20060101ALI20220516BHJP
【FI】
B65H63/032 A
B65H63/036 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021557738
(86)(22)【出願日】2020-03-27
(85)【翻訳文提出日】2021-11-26
(86)【国際出願番号】 CZ2020050015
(87)【国際公開番号】W WO2020200334
(87)【国際公開日】2020-10-08
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CZ
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513176454
【氏名又は名称】リーター シーゼット エス.アール.オー.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コウサリク、パヴェル
(72)【発明者】
【氏名】ベラン、ズデネク
【テーマコード(参考)】
3F115
【Fターム(参考)】
3F115CA18
3F115CA40
3F115CB01
3F115CC01
3F115CC08
3F115CC24
3F115CG10
(57)【要約】
本発明は、糸(1)製造繊維機械のワークステーションにおける糸(1)の非接触光学検出の方法であって、糸(1)が少なくとも1つの放射線源(90)と、互いに隣接して配置された少なくとも1列の放射線感受性素子を備える少なくとも1つの放射線の光学センサ手段(91)との間の感知スロット(92)内で移動し、これにより、移動する糸(1)による個々の放射線感受性素子のシェーディングが監視され、この監視プロセスに基づいて糸(1)の状態が評価される、方法に関する。感知スロット(92)内の糸(1)の位置Pおよび/または糸(1)の位置Pの経時変化が、監視され評価され、それによって糸(1)の切断に対応する糸(1)の位置Pの変化ΔPおよび/または糸(1)の位置Pの変化ΔPの経時変化を検出し、切断された糸(1)の端部が感知スロット(92)を通過する前に切断を検出すると、ワークステーションを停止させるための信号が、発せられる。また、本発明は、本発明を実施するための糸の光学センサおよび繊維機械に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
糸(1)の製造繊維機械(1)のワークステーションにおける糸(1)の非接触光学検出の方法であって、糸(1)が、少なくとも1つの放射線源(90)と、互いに隣接して配置された少なくとも1列の放射線感受性素子を備える少なくとも1つの放射線の光学センサ手段(91)との間の感知スロット(92)内を移動し、これにより、前記移動する糸(1)による前記個々の放射線感受性素子のシェーディングが監視され、前記監視プロセスに基づいて前記糸(1)の状態が評価される、方法において、前記感知スロット(92)内の前記糸(1)の位置Pおよび/または前記糸(1)の位置Pの経時変化が監視され評価され、それによって、糸(1)の切断に対応する前記糸(1)の位置Pの変化ΔPおよび/または位置Pの変化ΔPの経時変化を検出し、前記切断された糸(1)の端部が前記感知スロット(92)を通過する前に前記切断を検出すると、前記ワークステーションに停止信号が与えられることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記感知スロット(92)内の前記糸(1)の位置Pの任意の検出された変化ΔPおよび/または位置Pの経時変化における変化ΔPが、前記感知スロット(92)内の前記糸(1)の位置Pの前記変化ΔPの予め設定された限界値および/または位置Pの前記変化ΔPの予め設定された限界の経時変化と比較され、これにより、前記予め設定された限界値の超過が糸(1)の切断として示され、前記ワークステーションを停止させるための信号が与えられることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記感知スロット(92)内の前記糸(1)の位置Pの前記変化ΔPおよび/または前記糸(1)の位置Pの前記変化ΔPの経時変化を監視および評価することと一緒に、前記感知スロット内の前記糸(1)の直径(d)が監視され評価され、前記糸(1)の位置の前記変化ΔPおよび前記糸(1)の前記直径(d)の前記監視および評価の相互処理は、前記糸(1)の直径(d)の変化Δdが前記切断検出に及ぼす影響を排除することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記糸(1)の前記光学的監視からのデータが連続的に記憶され、前記糸切断(1)の前記検出後、前記糸(1)切断の前および前記糸(1)の切断中の前記糸(1)の位置Pの前記変化Δdおよび前記糸(1)の直径(d)の前記変化Δdが、遡って評価され、前記評価の結果が、糸(1)の位置Pの前記変化ΔPおよび前記糸(1)の直径dの前記変化Δdの前記予め設定された経時変化と比較され、前記糸(1)の切断タイプが決定されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記決定された切断のタイプに応じて、前記それぞれの紡績ステーションを停止させるための、および/またはサービスロボットの後続の挙動のための、および/または前記機械の人オペレータの後続の挙動のための特定のコマンドが、設定されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つの放射線源(90)と、感知スロット(92)の後方に、前記放射線源(90)の反対側に距離を置いて配置された少なくとも1つの光学センサ手段(91)とを備える、糸(1)製造繊維機械のワークステーションにおける糸(1)の光学センサであって、前記センサ手段(91)は、互いに隣接して配置された少なくとも1列の放射線感受性素子を有し、これにより、糸(1)の前記光学センサは、前記糸(1)の位置Pおよび直径(d)の監視および評価を含む、前記センサ(9)の前記感知スロット(92)内の糸(1)の状態の糸(1)監視評価装置を備え、前記監視評価装置は、糸(1)の切断を検出したときに前記ワークステーションを停止させるための装置に連結可能である、光学センサにおいて、糸(1)の状態の前記監視評価装置が、前記切断された糸(1)の端部が前記感知スロット(92)を通過する前の、前記糸(1)切断に対応する前記糸(1)の位置Pの変化ΔPおよび位置Pの前記変化ΔPの経時変化の検出器を備えることを特徴とする、糸の光学センサ。
【請求項7】
前記糸(1)の状態の前記監視評価装置が、前記感知スロット(92)内の前記糸(1)の位置Pの変化ΔPの予め設定された限界値および/または前記糸(1)の位置の前記変化ΔPの予め設定された限界値が記憶されるメモリ要素に結合され、前記糸監視評価装置(1)が、位置Pの変化ΔPの実際に監視され評価された値によって位置Pの変化ΔPの前記予め設定された限界値の超過を検出するように適合された比較手段をさらに備えることを特徴とする、請求項6に記載の糸の光学センサ。
【請求項8】
前記糸(1)の状態の前記監視評価装置が、前記糸(1)の位置Pおよび前記糸(1)の直径(d)の前記監視および評価の結果を相互に処理するための装置を備えることを特徴とする、請求項6または7に記載の糸の光学センサ。
【請求項9】
糸(1)の前記光学センサが、前記糸品質の光学センサ(9)によって形成されることを特徴とする、請求項6から8のいずれか一項に記載の糸の光学センサ。
【請求項10】
少なくとも1列のワークステーションを備える糸製造繊維機械であって、前記ワークステーションの各々が紡績ユニット(4)への繊維(2)供給装置(3)を備え、前記紡績ユニットの下流には、糸(1)引き出し機構(5)およびボビンへの糸(1)巻取装置(6)が配置され、これにより、各ワークステーションには、少なくとも1つの光学糸センサであって、前記機械の制御システムに接続され、位置Pおよび前記糸(1)の直径(d)の監視および評価を含む、前記センサの感知スロット内の糸(1)の状態の監視評価装置を備える、光学糸センサが配置され、糸(1)の状態の前記監視評価装置は、糸(1)の切断を検出したときに前記ワークステーションを停止させるための手段に連結されることを特徴とする、糸製造繊維機械において、各ワークステーションにおける糸(1)の前記光学センサの糸(1)の状態の前記監視評価装置が、前記切断された糸(1)の端部が前記感知スロット(92)を通過する前の、前記糸(1)の切断に対応する糸(1)の位置Pの変化ΔPおよび/または位置Pの前記変化ΔPの経時変化の検出器を備えることを特徴とする、糸製造繊維機械。
【請求項11】
糸(1)の前記光学センサが、紡績ユニット(4)からの糸(1)の出口と糸(1)引き出し機構(5)との間の前記ワークステーションに位置する前記糸(1)の品質の光学センサ(9)によって形成されることを特徴とする、請求項10に記載の繊維機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糸製造繊維機械のワークステーションにおける糸の非接触光学検出の方法であって、糸が、少なくとも1つの放射線源と、互いに隣接して配置された少なくとも1列の放射線感受性素子を備える少なくとも1つの放射線の光学センサ手段との間の感知スロット内で移動し、これにより、移動する糸による個々の放射線感受性素子のシェーディングが監視され、この監視に基づいて糸の状態が評価される、方法に関する。
【0002】
本発明はまた、少なくとも1つの放射線源と、感知スロットの後方に放射線源とは反対側に距離を置いて配置された少なくとも1つの光学センサ手段とを備える、糸製造繊維機械のワークステーションにおける糸の光学センサであって、センサ手段は、互いに隣接して配置された少なくとも1列の放射線感受性素子を有し、これにより、糸の光学センサは、糸の位置および直径の監視および評価を含む、センサの感知スロット内の糸の状態の監視評価装置を備え、この監視評価装置は、糸切断を検出したときにワークステーションを停止させるための装置に連結可能である、糸の光学センサに関する。
【0003】
さらに、本発明は、少なくとも1列のワークステーションを備える糸製造繊維機械であって、ワークステーションの各々は、紡績ユニットへの繊維供給装置を備え、紡績ユニットの下流には、糸引き出し機構およびボビンへの糸巻取装置が配置され、これにより、各ワークステーションには、少なくとも1つの光学糸センサであって、機械の制御システムに接続され、糸の位置および直径の監視および評価を含む、センサの感知スロット内の糸の状態の監視評価装置を備える、少なくとも1つの光学糸センサが配置され、糸状態のこの監視評価装置は、糸切断を検出したときにワークステーションを停止させるための手段に連結される、糸製造繊維機械に関する。
【背景技術】
【0004】
糸生産のための繊維機械では糸切断が発生し、これは、生産される糸全体の品質を低下させるだけでなく、とりわけ、糸切断を取り除いて糸生産を再開する必要があるため、機械の全体的な生産性を低下させる。生産を可能な限り迅速に、すなわち、糸切断を検出してから糸生産を再開するまでの間を可能な限り短い時間にして再開するためには、ボビン上の糸端部を探索して検出するプロセスを回避するために、糸の切断端をボビンに巻き取らないことが重要であり、このプロセスは、糸生産を再開するのに必要な時間を延ばし、糸生産を再開する成功率を低下させる。切断された糸端部がボビンに巻き取られることを回避するためには、ワークステーションの停止速度、すなわち、糸引き出し機構および糸巻取機構をワークステーションで最短時間で停止させて、糸の切断された端部がワークステーションの糸作業経路内で見つけやすくすることが、不可欠である。この目的のために、糸切断を検出した後にワークステーションを停止させる様々な方法が現在適用されており、それにより、糸端部は、ボビンに巻き取られる前であっても糸作業経路内で停止する。したがって、この目的を首尾よく達成するために、糸切断情報はできるだけ早く、理想的には糸切断が発生しようとしているが、実際の糸切断はまだ発生していない時点でワークステーション制御装置に利用可能であることが望ましい。
【0005】
いくつかの特許文献から、紡績ユニット(引き出し管)からの糸出口と糸引き出し機構との間、または糸引き出し機構と糸巻取装置との間の領域における糸の存在の静電容量式または触覚式または光学式の糸存在センサを利用する糸切断表示方法が、知られている。これらの解決策の欠点は、切断された糸端部がセンサの感知領域を通過するときにのみ生じる糸切断検出が、実際の糸切断発生の瞬間まで比較的大きな遅延を有し、この遅延は、例えば紡績ノズルまたは紡績ロータの回収溝内での糸切断発生の時点からの糸切断センサの距離に対応することである。この遅延は、ワークステーションを停止させるために必要な動作シーケンスを開始する瞬間を遅延させることになり得、それにより、切断された糸端部がスプールに巻き取られる前に切断された糸端部を正常に停止させるためには、巻取装置内のボビンだけでなくワークステーションの作業要素の非常に集中的な制動が必要であり、これにより、ボビンは大きな重量、したがって大きな慣性を有し得る。
【0006】
糸切断の早期検出およびワークステーション停止の早期開始のために、追加の糸切断センサを可能な限り紡績ロータの収集溝の近くまたは可能な限り紡績ノズルの近くに配置することが知られているが、これは空間的および動作上の理由から不可能であることが多い。さらに、現代の機械における糸の動きの速度が速いために、糸切断感知におけるそのような軌跡の違いが十分な結果をもたらさないようである。
【0007】
糸切断の早期検出の別の可能性は、糸の張力を監視するための特別なセンサの使用であるが、これは、ワークステーションの設置、ワークステーション、ワークステーションでのサービスロボットの動作の制御などの形態でさらなる欠点をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、背景技術の欠点を排除または少なくとも最小化すること、特に、ワークステーションに追加のセンサを設置することなく糸切断の早期検出を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、糸製造繊維機械のワークステーションにおける糸切断の非接触光学検出の方法によって達成され、その原理は、感知スロット内の糸の位置および/または糸の位置の経時変化が両方とも監視および評価され、これにより、糸切断に対応する糸位置の変化および/または糸位置の変化の経時変化が検出され、切断された糸端部が感知スロットを通過する前であっても糸切断を検出すると、ワークステーションを停止させるための信号が発せられることにある。
【0010】
本発明による糸切断評価の許容限界を設定するために、感知スロット内の糸位置の検出された変化および/または糸位置の変化の経時変化が、感知スロット内の糸位置の変化の予め設定された限界値および/または糸位置の変化の予め設定された限界の経時変化と比較され、これにより、これらの予め設定された限界値の超過が、糸切断として表示され、ワークステーションを停止させるための信号が、発せられる。
【0011】
不正確な糸切断検出を低減するために、感知スロット内の糸位置の変化および/または糸位置の変化の経時変化の監視および評価に加えて、糸径が感知スロット内で監視および評価され、糸位置変化および糸径の監視および評価の相互処理によって、糸切断検出に対する糸径変化の影響が、排除される。
【0012】
ワークステーションの動作を改善するために、糸の光学的監視からのデータが連続的に記憶され、糸切断の検出後、糸位置の変化の経時変化および糸径の変化の経時変化が糸切断前および糸切断中の両方で遡及的に評価され、この評価の結果が予め設定された経時変化と比較され、糸切断のタイプが決定される。
【0013】
糸切断検出後の動作の制御を改善するために、決定された糸切断のタイプに従って、それぞれの紡績ステーションを停止させるために、および/またはサービスロボットのその後の挙動のための、および/または機械の人オペレータのその後の挙動のための特定のコマンドが設定されると有利である。
【0014】
糸製造繊維機械のワークステーションにおける糸の糸切断の非接触光学検出のための光学センサの原理は、糸監視評価装置が、切断された糸端部が感知スロットを通過する前の、糸切断に対応する糸位置の変化および/または糸位置の経時変化における変化の検出器を備えることにある。
【0015】
本発明による糸切断評価の許容限界を設定するために、糸監視評価装置が、感知スロット内の糸位置の変化の予め設定された限界値および/または糸位置の変化の予め設定された限界の経時変化を記憶したメモリ手段に結合されている場合に有利であり、これにより、糸監視評価装置は、糸位置の変化の実際に監視され評価された値によって糸位置の変化の予め設定された限界値の超過を検出するように構成された比較手段をさらに備える。
【0016】
糸切断検出を改善し、検出誤差を低減するために、糸の監視評価装置が、糸位置および糸径の監視および評価の結果を相互に処理するための装置を備えていると有利である。
【0017】
性能および能力利用の観点から、糸の光学センサが糸品質の光学センサであると有利である。
【0018】
糸製造繊維機械の原理は、各ワークステーションにおける糸の光学センサの糸監視評価装置が、切断された糸端部が感知スロットを通過する前の、糸切断に対応する糸位置の変化および/または糸位置の変化の経時変化の検出器を備えるという事実にある。
【0019】
ワークステーション手段を利用する観点から、糸の光学センサが、紡績ユニットからの糸の出口と糸引き出し機構との間のワークステーションに位置する糸品質の光学センサによって形成されると有利である。
【0020】
特に、本発明の全体的な利点は、糸の切断された端部が光学センサを通過する前にワークステーションの停止動作を開始できることである。さらに、切断前および切断中の糸位置および糸径を監視する場合、技術的な切断と、例えばスライバ不純物によって引き起こされる切断、またはスライバ切断もしくはスライバ端部によって引き起こされる切断とを区別することができ、それに応じてワークステーションでの追従ステップを調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明は、図面に概略的に表されている。
【
図1】ワークステーションおよびその要素の例示的な配置を示す図である。
【
図2】糸の光学センサによって糸を測定する原理を示す図である。
【
図2a】時点t
1における糸センサ素子に対する糸の位置を示す図である。
【
図2b】時点t
2における糸センサ素子に対する糸の位置を示す図である。
【
図2c】時点t
3における糸センサ素子に対する糸の位置を示す図である。
【
図3a】時点t
1における糸の例示的な一列光学センサの幅にわたる糸陰影の瞬間的なサイズおよび位置を表す図である。
【
図3b】時点t
2における糸の例示的な一列光学センサの幅にわたる糸陰影の瞬間的なサイズおよび位置を表す図である。
【
図3c】時点t
3における糸の例示的な一列光学センサの幅にわたる糸陰影の瞬間的なサイズおよび位置を示す図である。
【
図4a】糸の光学センサによって糸径を測定する出力信号の一例の図である。
【
図4b】糸の光学センサの幅にわたる糸陰影の位置の測定された信号の一例の図である。
【
図4c】糸の光学センサの出力信号の処理中の糸切断の早期検出を示す図である。
【
図5】切断評価のためのセンサの回路の一部の概略配置の図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、糸1を生成し、ボビン上に糸1を巻き取るために互いに隣接して配置されたワークステーションの列を備える繊維機械の例示的な実施形態を参照して説明される。そのような繊維機械の例は、糸を製造するロータ紡績機であり、本発明は、空気紡績機のワークステーションにも同様に適用可能であり、または移動する糸で動作する繊維機械の巻き戻しおよび巻取りなどに使用することができる。
【0023】
糸形成のプロセスを通じた繊維移動の方向に、各ワークステーションは、まず、繊維2を紡績ユニット4に供給するための装置3を備える。
【0024】
繊維2は、適切な形態、例えばロービングまたはスライバなどの形態で、糸1の生産プロセスに供給される。
【0025】
繊維2を紡績ユニット4に供給するための装置3は、紡績ユニット4の上流側に配置され、別個の装置、例えば空気紡績機のドラフト装置として形成されるか、またはロータ紡績機の紡績ユニットの供給装置など、紡績ユニット4の一部として形成される。
【0026】
紡績ユニット4は、例えば、供給された繊維から糸1が内部で形成される図示しない紡績ロータまたは紡績ノズルを備える。
【0027】
紡績ユニット4の下流側には、例えば公知の引き出しローラ(図示せず)の糸1の引き出し機構5が、配置される。糸1の引き出し機構5の下流側には、ボビン(図示せず)への糸1の巻取装置6が配置されており、この装置は、ボビンへの糸1の巻取中のボビンの幅にわたる糸の図示しない横行装置を含む。
【0028】
紡績ユニット4、個々の装置3、5、6、およびワークステーションの他の作業ノードまたはその個々のまたは少なくともいくつかの作業要素は、制御システム、すなわち、それぞれのユニットの制御システムおよび/またはそれぞれのワークステーションの制御システムおよび/または機械のそれぞれのセクションの制御システムおよび/または機械全体の制御システムなどに接続され、一般的に言えば、これらは、制御システム7に接続される。制御システム7の個々の部分の特定の配置および階層は非常に可変的であり、したがってこの解決策の主題ではない。
【0029】
紡績ユニット4と巻取装置6との間には、少なくとも1つの糸品質センサ9が、配置されている。糸品質センサ9は、生産された糸1の品質を監視するためのシステムの一部であり、糸1の特性を測定して品質を評価し、糸1の欠陥を検出した後、欠陥の除去に関する決定を行い、必要に応じて、欠陥が除去されることを確実にする。図示する実施形態では、糸品質のセンサ9は、糸1の紡績ユニット4と引き出し機構5との間に配置されている。さらに、図示する実施形態では、糸1の引き出し機構5と糸1の巻取装置6との間に糸の存在のセンサ8が、配置されている。例示的な実施形態(図示せず)では、糸品質センサ9は、糸1の引き出し機構5と糸1の巻取装置6との間に配置される。別の例示的な実施形態(図示せず)では、糸1の1つのセンサのみ、すなわち糸品質センサ9がワークステーションに配置される。別の実施形態(図示せず)では、糸1の品質の少なくとも一対のセンサ9が、ワークステーションに配置される。糸品質センサ9および糸1の存在のセンサ8はいずれも、制御システム7に接続されている。
【0030】
図2に示すように、糸品質のセンサ9は、放射線源90と、それに対して配設された放射線のセンサ手段91とを備え、これにより、放射線のセンサ手段は、互いに隣接して配置された、放射線源90によって放射された放射線を感受する少なくとも1列の検出素子を備える。例えば、センサ手段91は、少なくとも単一ラインCCDまたはCMOS光学センサによって形成される。放射線のセンサ手段91は、制御評価電子機器Xに接続されている。
【0031】
放射線源90と放射線のセンサ手段91との間には、測定中に糸1が通過する感知スロット92が存在する。明らかに、センサ手段91は、センサ手段91に投影される陰影10の糸1の直径の方向に配置されている。結果として、例えば
図3a~
図3cから分かるように、センサ手段91の個々の検知素子の一部は、この陰影10によって完全に陰影が付けられ、一部は、部分的にのみ陰影が付けられ、一部は、全く陰影が付けられない。
【0032】
原則として、
図2~
図3cで分かるように、陰影が付けられた感知素子の数、すなわちセンサ手段91の陰影が付けられた幅のサイズから、糸1の直径dが決定され、センサ手段91の陰影が付けられた部分の両側の陰影が付けられていない感知素子の数、すなわち、センサ手段91の陰影が付けられた領域の各側のセンサ手段91の陰影が付けられていない幅P
1、P
2のサイズから、センサ手段91に対する糸1の位置Pが、決定される。簡単にするために、
図2から
図3cでは、センサ手段91に対する糸1の位置Pは、センサ手段91に対する糸1の中心の位置によって示されている。
【0033】
紡績プロセス中、すなわち糸1の生産中、糸1は、紡績ユニット4からボビン上の糸1の巻取装置6に移動し、糸品質のセンサ9の感知スロット92も通過する。この糸1の通過中、糸品質センサ9は、とりわけ、感知スロット92内の糸1の位置P、およびこの位置Pの変化ΔPを監視および評価する。加えて、糸品質センサ9は、感知スロット92内の糸1の直径dも監視する。紡績中、糸1は感知スロット92内で自然に移動するため、糸1の位置Pのこれらの変化ΔPは、糸1によってセンサ手段91上に投影(キャスト)される陰影10の位置の変化として現れ、これは、センサ手段91の陰影が付けられた領域の各側のセンサ手段91の陰影が付けられていない幅P1、P2のサイズによって、またはセンサ手段91の陰影が付けられた領域の各側のセンサ手段91の陰影が付けられていない幅P1、P2のサイズの変化に応じて評価される。ある程度まで、これは安定した紡績中にも起こり、これにより、安定した紡績中、感知スロット92内の糸1の動きは特徴的であり、これは糸1の生産中の糸1の多かれ少なかれ一定の張力に起因する。
【0034】
糸1の糸切断が発生した場合、または糸1の糸切断が発生しそうな場合(すなわち、いかなる瞬間にも切断が起こることは避けられない)、糸張力1は、ほぼ即座に変化する。この糸張力1の変化は、移動の経時変化、または感知スロット92内の糸1の位置Pに影響を及ぼす。その結果、糸1の糸切断または糸1の糸切断の接近は、糸1の切断された端部自体が感知スロット92を通過する前であっても、感知スロット92内での糸1の移動によって顕在化する。感知スロット92内の糸1の移動の経時変化、すなわち言い換えれば、位置Pの経時変化は、この場合、センサ手段91に対する糸1の位置Pの変化ΔPの対応する経時変化によって、すなわち、言い換えれば、センサ手段91上の糸1の陰影10の位置の変化の対応する経時変化によって、センサ手段91上に顕在化される。
【0035】
したがって、本発明による糸1の切断の検出時間を短縮するために、感知スロット92内の糸1の位置Pの変化ΔPが監視され評価され、これは、
図3aから3cを参照するとセンサ手段91上の糸1の陰影10の位置の変化としてそれ自体顕在化する、
図2a~
図2cのセンサ手段91の陰影が付けられていない領域の各側のセンサ手段91の陰影が付けられていない幅P
1、P
2の変化サイズを参照する。または糸1またはその陰影10の位置Pのこの変化ΔPの経時変化が、監視され評価される。この監視され評価された感知スロット92内の糸1の位置Pの変化ΔPまたは感知スロット92内の糸の陰影10の位置の変化が、予め設定された値を超える場合、この状態は、切断された糸1の端部が実際に感知スロット92を通過する前であっても、糸切断1であると考えられる。そのような糸1の切断の検出の後に、ワークステーションの制御された停止、紡績の再開などの、機械のそれぞれのワークステーションでのさらなる動作が続く。
【0036】
実際には、感知スロット92内の糸1の位置P、すなわち、センサ手段91上の糸1の陰影10の位置、またはセンサ9から得られる糸位置信号A(
図4b参照)もまた、糸直径dによって、例えば、糸1の局所的な太さまたは弱さの発生によって引き起こされる糸1の直径の不規則性によって影響されるようである。この結果、感知スロット92内の糸1の移動(位置P)を監視し評価することによって、糸1の切断の誤検出をもたらす可能性がある。したがって、好ましい実施形態では、本発明による糸品質のセンサ9による糸1の位置Pまたはその陰影10の変化ΔPの監視および評価によって糸1の切断の検出を改善するために、感知スロット92内の糸1の位置またはセンサ手段91上の糸1の陰影10の位置に対する糸1の現在の直径の影響は、糸1の位置Pだけでなく、感知スロット92内の糸1の直径も同時に監視し評価することによって排除され、それによって信号Bが得られる(
図4aを参照)。糸1の位置の変化ΔPの信号Aと糸1の直径dの信号B、言い換えれば糸直径dの変化Δdとを相互に処理することによって、結果として得られる信号C(
図4cを参照)が生成されて、本発明によって、すなわち切断された糸1がセンサ9を通過する前であっても糸品質センサ9内で糸1を移動させることによって、糸1の切断検出に対する糸1の直径dの変化Δdの影響を排除する。
【0037】
図4a~
図4cに示すように、糸1の直径dの変化Δdは、信号B上の糸1の直径dの変化Δdと同様に、信号A上の糸1の位置Pの変化ΔPとしても顕在化するので、制御評価電子機器X内の装置Kによって信号AおよびBの両方を、例えばここでは変更されていない信号C(
図4cおよび
図5参照)の形態に処理することによって、糸切断がないことが検出される。また、
図4a~
図4cに示すように、通常の紡績が継続され、時点t
1においても、通常の紡績が継続される。時点t
2で、糸1の位置PのΔPの変化が信号Aから検出され、これにより、糸1の直径dの信号Bは実質的に変化しないままであり、結果として得られる信号Cも変化を示し、これは糸切断1または不可避的に近づく切断と事前に考えることができる。時点t
3では、糸1の位置Pの変化ΔPが信号Aからさらに検出されると同時に、糸1の直径dの変化Δdが信号Bから検出され、この信号は、例えば、糸1の直径を切断された糸1の端部に向かって徐々に減少させることによって引き起こされ、それによって、糸1の切断された端部が糸品質のセンサ9の感知スロット92を通過する前に、糸1の切断が確実に検出される。
【0038】
例示的な実施形態(図示せず)では、糸品質センサ9は、位置Pを検出することができ、任意選択により、感知スロット92内の糸1の直径dも検出することができる別の適切な光学センサ、例えば、糸1の存在の光学センサなどに置き換えられる。
【0039】
ワークステーションの動作を改善するために、本発明による糸1の光学的監視からのデータは、メモリ内に連続的に記憶され、糸1の切断を検出した後、データが分析され、分析の後、検出された糸1の切断前および糸1の切断自体の間の、糸1の位置Pの変化ΔPの経時変化および糸1の直径dの変化Δdの経時変化の遡及的評価が続き、この評価の結果は、糸1の位置Pの変化ΔPおよび糸1の直径dの変化Δdの予め設定された経時変化と比較されて、糸1の切断の「タイプ」、例えばそれが技術的な切断であるか、もしくは例えばスライバ不純物によって引き起こされる切断であるか、またはそれが、スライバもしくはスライバ端部の切断などによって引き起こされる切断であるかどうかを決定する。糸1の切断の「タイプ」の決定は、例えば、特定のコマンドを設定してそれぞれの紡績ステーションを停止するため、および/または機械、作業手段、および/または所与のワークステーションでの機械の人オペレータのその後の挙動を決定して欠陥状態を排除するか、または糸切断の原因を排除するのに適している。
【手続補正書】
【提出日】2021-11-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糸製造繊維機械のワークステーションにおける糸の非接触光学検出の方法であって、糸が、少なくとも1つの放射線源と、互いに隣接して配置された少なくとも1列の放射線感受性素子を備える少なくとも1つの放射線の光学センサ手段との間の感知スロット内で移動し、これにより、移動する糸による個々の放射線感受性素子のシェーディングが監視され、この監視に基づいて糸の状態が評価される、方法に関する。
【0002】
本発明はまた、少なくとも1つの放射線源と、感知スロットの後方に放射線源とは反対側に距離を置いて配置された少なくとも1つの光学センサ手段とを備える、糸製造繊維機械のワークステーションにおける糸の光学センサであって、センサ手段は、互いに隣接して配置された少なくとも1列の放射線感受性素子を有し、これにより、糸の光学センサは、糸の位置および直径の監視および評価を含む、センサの感知スロット内の糸の状態の監視評価装置を備え、この監視評価装置は、糸切断を検出したときにワークステーションを停止させるための装置に連結可能である、糸の光学センサに関する。
【0003】
さらに、本発明は、少なくとも1列のワークステーションを備える糸製造繊維機械であって、ワークステーションの各々は、紡績ユニットへの繊維供給装置を備え、紡績ユニットの下流には、糸引き出し機構およびボビンへの糸巻取装置が配置され、これにより、各ワークステーションには、少なくとも1つの光学糸センサであって、機械の制御システムに接続され、糸の位置および直径の監視および評価を含む、センサの感知スロット内の糸の状態の監視評価装置を備える、少なくとも1つの光学糸センサが配置され、糸状態のこの監視評価装置は、糸切断を検出したときにワークステーションを停止させるための手段に連結される、糸製造繊維機械に関する。
【背景技術】
【0004】
糸生産のための繊維機械では糸切断が発生し、これは、生産される糸全体の品質を低下させるだけでなく、とりわけ、糸切断を取り除いて糸生産を再開する必要があるため、機械の全体的な生産性を低下させる。生産を可能な限り迅速に、すなわち、糸切断を検出してから糸生産を再開するまでの間を可能な限り短い時間にして再開するためには、ボビン上の糸端部を探索して検出するプロセスを回避するために、糸の切断端をボビンに巻き取らないことが重要であり、このプロセスは、糸生産を再開するのに必要な時間を延ばし、糸生産を再開する成功率を低下させる。切断された糸端部がボビンに巻き取られることを回避するためには、ワークステーションの停止速度、すなわち、糸引き出し機構および糸巻取機構をワークステーションで最短時間で停止させて、糸の切断された端部がワークステーションの糸作業経路内で見つけやすくすることが、不可欠である。この目的のために、糸切断を検出した後にワークステーションを停止させる様々な方法が現在適用されており、それにより、糸端部は、ボビンに巻き取られる前であっても糸作業経路内で停止する。したがって、この目的を首尾よく達成するために、糸切断情報はできるだけ早く、理想的には糸切断が発生しようとしているが、実際の糸切断はまだ発生していない時点でワークステーション制御装置に利用可能であることが望ましい。
【0005】
いくつかの特許文献から、紡績ユニット(引き出し管)からの糸出口と糸引き出し機構との間、または糸引き出し機構と糸巻取装置との間の領域における糸の存在の静電容量式または触覚式または光学式の糸存在センサを利用する糸切断表示方法が、知られている。これらの解決策の欠点は、切断された糸端部がセンサの感知領域を通過するときにのみ生じる糸切断検出が、実際の糸切断発生の瞬間まで比較的大きな遅延を有し、この遅延は、例えば紡績ノズルまたは紡績ロータの回収溝内での糸切断発生の時点からの糸切断センサの距離に対応することである。この遅延は、ワークステーションを停止させるために必要な動作シーケンスを開始する瞬間を遅延させることになり得、それにより、切断された糸端部がスプールに巻き取られる前に切断された糸端部を正常に停止させるためには、巻取装置内のボビンだけでなくワークステーションの作業要素の非常に集中的な制動が必要であり、これにより、ボビンは大きな重量、したがって大きな慣性を有し得る。
【0006】
糸切断の早期検出およびワークステーション停止の早期開始のために、追加の糸切断センサを可能な限り紡績ロータの収集溝の近くまたは可能な限り紡績ノズルの近くに配置することが知られているが、これは空間的および動作上の理由から不可能であることが多い。さらに、現代の機械における糸の動きの速度が速いために、糸切断感知におけるそのような軌跡の違いが十分な結果をもたらさないようである。
【0007】
糸切断の早期検出の別の可能性は、糸の張力を監視するための特別なセンサの使用であるが、これは、ワークステーションの設置、ワークステーション、ワークステーションでのサービスロボットの動作の制御などの形態でさらなる欠点をもたらす。
【0008】
独国特許出願公開第19544632号は、糸製造繊維機械のワークステーションにおいて、少なくとも1つの放射線源と、互いに隣接して配置された少なくとも1列の放射線感受性素子からなる少なくとも1つの放射線の光学センサ手段との間の検知スロット内を糸が移動し、それによって移動する糸による個々の放射線感受性素子の遮光が監視され、この監視プロセスに基づいて糸の状態が評価される、糸の非接触光学検出方法を開示している。糸の切れは、切れた糸の端が検出スロットを通過したときに検出される。ワークステーションに追加のセンサを設置しなければ、糸切れを早期に検知することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】独国特許出願公開第19544632号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、背景技術の欠点を排除または少なくとも最小化すること、特に、ワークステーションに追加のセンサを設置することなく糸切断の早期検出を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的は、糸製造繊維機械のワークステーションにおける糸切断の非接触光学検出の方法によって達成され、その原理は、感知スロット内の糸の位置および/または糸の位置の経時変化が両方とも監視および評価され、これにより、糸切断に対応する糸位置の変化および/または糸位置の変化の経時変化が検出され、切断された糸端部が感知スロットを通過する前であっても糸切断を検出すると、ワークステーションを停止させるための信号が発せられることにある。
【0012】
本発明による糸切断評価の許容限界を設定するために、感知スロット内の糸位置の検出された変化および/または糸位置の変化の経時変化が、感知スロット内の糸位置の変化の予め設定された限界値および/または糸位置の変化の予め設定された限界の経時変化と比較され、これにより、これらの予め設定された限界値の超過が、糸切断として表示され、ワークステーションを停止させるための信号が、発せられる。
【0013】
不正確な糸切断検出を低減するために、感知スロット内の糸位置の変化および/または糸位置の変化の経時変化の監視および評価に加えて、糸径が感知スロット内で監視および評価され、糸位置変化および糸径の監視および評価の相互処理によって、糸切断検出に対する糸径変化の影響が、排除される。
【0014】
ワークステーションの動作を改善するために、糸の光学的監視からのデータが連続的に記憶され、糸切断の検出後、糸位置の変化の経時変化および糸径の変化の経時変化が糸切断前および糸切断中の両方で遡及的に評価され、この評価の結果が予め設定された経時変化と比較され、糸切断のタイプが決定される。
【0015】
糸切断検出後の動作の制御を改善するために、決定された糸切断のタイプに従って、それぞれの紡績ステーションを停止させるために、および/またはサービスロボットのその後の挙動のための、および/または機械の人オペレータのその後の挙動のための特定のコマンドが設定されると有利である。
【0016】
糸製造繊維機械のワークステーションにおける糸の糸切断の非接触光学検出のための光学センサの原理は、糸監視評価装置が、切断された糸端部が感知スロットを通過する前の、糸切断に対応する糸位置の変化および/または糸位置の経時変化における変化の検出器を備えることにある。
【0017】
本発明による糸切断評価の許容限界を設定するために、糸監視評価装置が、感知スロット内の糸位置の変化の予め設定された限界値および/または糸位置の変化の予め設定された限界の経時変化を記憶したメモリ手段に結合されている場合に有利であり、これにより、糸監視評価装置は、糸位置の変化の実際に監視され評価された値によって糸位置の変化の予め設定された限界値の超過を検出するように構成された比較手段をさらに備える。
【0018】
糸切断検出を改善し、検出誤差を低減するために、糸の監視評価装置が、糸位置および糸径の監視および評価の結果を相互に処理するための装置を備えていると有利である。
【0019】
性能および能力利用の観点から、糸の光学センサが糸品質の光学センサであると有利である。
【0020】
糸製造繊維機械の原理は、各ワークステーションにおける糸の光学センサの糸監視評価装置が、切断された糸端部が感知スロットを通過する前の、糸切断に対応する糸位置の変化および/または糸位置の変化の経時変化の検出器を備えるという事実にある。
【0021】
ワークステーション手段を利用する観点から、糸の光学センサが、紡績ユニットからの糸の出口と糸引き出し機構との間のワークステーションに位置する糸品質の光学センサによって形成されると有利である。
【0022】
特に、本発明の全体的な利点は、糸の切断された端部が光学センサを通過する前にワークステーションの停止動作を開始できることである。さらに、切断前および切断中の糸位置および糸径を監視する場合、技術的な切断と、例えばスライバ不純物によって引き起こされる切断、またはスライバ切断もしくはスライバ端部によって引き起こされる切断とを区別することができ、それに応じてワークステーションでの追従ステップを調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明は、図面に概略的に表されている。
【
図1】ワークステーションおよびその要素の例示的な配置を示す図である。
【
図2】糸の光学センサによって糸を測定する原理を示す図である。
【
図2a】時点t
1における糸センサ素子に対する糸の位置を示す図である。
【
図2b】時点t
2における糸センサ素子に対する糸の位置を示す図である。
【
図2c】時点t
3における糸センサ素子に対する糸の位置を示す図である。
【
図3a】時点t
1における糸の例示的な一列光学センサの幅にわたる糸陰影の瞬間的なサイズおよび位置を表す図である。
【
図3b】時点t
2における糸の例示的な一列光学センサの幅にわたる糸陰影の瞬間的なサイズおよび位置を表す図である。
【
図3c】時点t
3における糸の例示的な一列光学センサの幅にわたる糸陰影の瞬間的なサイズおよび位置を示す図である。
【
図4a】糸の光学センサによって糸径を測定する出力信号の一例の図である。
【
図4b】糸の光学センサの幅にわたる糸陰影の位置の測定された信号の一例の図である。
【
図4c】糸の光学センサの出力信号の処理中の糸切断の早期検出を示す図である。
【
図5】切断評価のためのセンサの回路の一部の概略配置の図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、糸1を生成し、ボビン上に糸1を巻き取るために互いに隣接して配置されたワークステーションの列を備える繊維機械の例示的な実施形態を参照して説明される。そのような繊維機械の例は、糸を製造するロータ紡績機であり、本発明は、空気紡績機のワークステーションにも同様に適用可能であり、または移動する糸で動作する繊維機械の巻き戻しおよび巻取りなどに使用することができる。
【0025】
糸形成のプロセスを通じた繊維移動の方向に、各ワークステーションは、まず、繊維2を紡績ユニット4に供給するための装置3を備える。
【0026】
繊維2は、適切な形態、例えばロービングまたはスライバなどの形態で、糸1の生産プロセスに供給される。
【0027】
繊維2を紡績ユニット4に供給するための装置3は、紡績ユニット4の上流側に配置され、別個の装置、例えば空気紡績機のドラフト装置として形成されるか、またはロータ紡績機の紡績ユニットの供給装置など、紡績ユニット4の一部として形成される。
【0028】
紡績ユニット4は、例えば、供給された繊維から糸1が内部で形成される図示しない紡績ロータまたは紡績ノズルを備える。
【0029】
紡績ユニット4の下流側には、例えば公知の引き出しローラ(図示せず)の糸1の引き出し機構5が、配置される。糸1の引き出し機構5の下流側には、ボビン(図示せず)への糸1の巻取装置6が配置されており、この装置は、ボビンへの糸1の巻取中のボビンの幅にわたる糸の図示しない横行装置を含む。
【0030】
紡績ユニット4、個々の装置3、5、6、およびワークステーションの他の作業ノードまたはその個々のまたは少なくともいくつかの作業要素は、制御システム、すなわち、それぞれのユニットの制御システムおよび/またはそれぞれのワークステーションの制御システムおよび/または機械のそれぞれのセクションの制御システムおよび/または機械全体の制御システムなどに接続され、一般的に言えば、これらは、制御システム7に接続される。制御システム7の個々の部分の特定の配置および階層は非常に可変的であり、したがってこの解決策の主題ではない。
【0031】
紡績ユニット4と巻取装置6との間には、少なくとも1つの糸品質センサ9が、配置されている。糸品質センサ9は、生産された糸1の品質を監視するためのシステムの一部であり、糸1の特性を測定して品質を評価し、糸1の欠陥を検出した後、欠陥の除去に関する決定を行い、必要に応じて、欠陥が除去されることを確実にする。図示する実施形態では、糸品質のセンサ9は、糸1の紡績ユニット4と引き出し機構5との間に配置されている。さらに、図示する実施形態では、糸1の引き出し機構5と糸1の巻取装置6との間に糸の存在のセンサ8が、配置されている。例示的な実施形態(図示せず)では、糸品質センサ9は、糸1の引き出し機構5と糸1の巻取装置6との間に配置される。別の例示的な実施形態(図示せず)では、糸1の1つのセンサのみ、すなわち糸品質センサ9がワークステーションに配置される。別の実施形態(図示せず)では、糸1の品質の少なくとも一対のセンサ9が、ワークステーションに配置される。糸品質センサ9および糸1の存在のセンサ8はいずれも、制御システム7に接続されている。
【0032】
図2に示すように、糸品質のセンサ9は、放射線源90と、それに対して配設された放射線のセンサ手段91とを備え、これにより、放射線のセンサ手段は、互いに隣接して配置された、放射線源90によって放射された放射線を感受する少なくとも1列の検出素子を備える。例えば、センサ手段91は、少なくとも単一ラインCCDまたはCMOS光学センサによって形成される。放射線のセンサ手段91は、制御評価電子機器Xに接続されている。
【0033】
放射線源90と放射線のセンサ手段91との間には、測定中に糸1が通過する感知スロット92が存在する。明らかに、センサ手段91は、センサ手段91に投影される陰影10の糸1の直径の方向に配置されている。結果として、例えば
図3a~
図3cから分かるように、センサ手段91の個々の検知素子の一部は、この陰影10によって完全に陰影が付けられ、一部は、部分的にのみ陰影が付けられ、一部は、全く陰影が付けられない。
【0034】
原則として、
図2~
図3cで分かるように、陰影が付けられた感知素子の数、すなわちセンサ手段91の陰影が付けられた幅のサイズから、糸1の直径dが決定され、センサ手段91の陰影が付けられた部分の両側の陰影が付けられていない感知素子の数、すなわち、センサ手段91の陰影が付けられた領域の各側のセンサ手段91の陰影が付けられていない幅P
1、P
2のサイズから、センサ手段91に対する糸1の位置Pが、決定される。簡単にするために、
図2から
図3cでは、センサ手段91に対する糸1の位置Pは、センサ手段91に対する糸1の中心の位置によって示されている。
【0035】
紡績プロセス中、すなわち糸1の生産中、糸1は、紡績ユニット4からボビン上の糸1の巻取装置6に移動し、糸品質のセンサ9の感知スロット92も通過する。この糸1の通過中、糸品質センサ9は、とりわけ、感知スロット92内の糸1の位置P、およびこの位置Pの変化ΔPを監視および評価する。加えて、糸品質センサ9は、感知スロット92内の糸1の直径dも監視する。紡績中、糸1は感知スロット92内で自然に移動するため、糸1の位置Pのこれらの変化ΔPは、糸1によってセンサ手段91上に投影(キャスト)される陰影10の位置の変化として現れ、これは、センサ手段91の陰影が付けられた領域の各側のセンサ手段91の陰影が付けられていない幅P1、P2のサイズによって、またはセンサ手段91の陰影が付けられた領域の各側のセンサ手段91の陰影が付けられていない幅P1、P2のサイズの変化に応じて評価される。ある程度まで、これは安定した紡績中にも起こり、これにより、安定した紡績中、感知スロット92内の糸1の動きは特徴的であり、これは糸1の生産中の糸1の多かれ少なかれ一定の張力に起因する。
【0036】
糸1の糸切断が発生した場合、または糸1の糸切断が発生しそうな場合(すなわち、いかなる瞬間にも切断が起こることは避けられない)、糸張力1は、ほぼ即座に変化する。この糸張力1の変化は、移動の経時変化、または感知スロット92内の糸1の位置Pに影響を及ぼす。その結果、糸1の糸切断または糸1の糸切断の接近は、糸1の切断された端部自体が感知スロット92を通過する前であっても、感知スロット92内での糸1の移動によって顕在化する。感知スロット92内の糸1の移動の経時変化、すなわち言い換えれば、位置Pの経時変化は、この場合、センサ手段91に対する糸1の位置Pの変化ΔPの対応する経時変化によって、すなわち、言い換えれば、センサ手段91上の糸1の陰影10の位置の変化の対応する経時変化によって、センサ手段91上に顕在化される。
【0037】
したがって、本発明による糸1の切断の検出時間を短縮するために、感知スロット92内の糸1の位置Pの変化ΔPが監視され評価され、これは、
図3aから3cを参照するとセンサ手段91上の糸1の陰影10の位置の変化としてそれ自体顕在化する、
図2a~
図2cのセンサ手段91の陰影が付けられていない領域の各側のセンサ手段91の陰影が付けられていない幅P
1、P
2の変化サイズを参照する。または糸1またはその陰影10の位置Pのこの変化ΔPの経時変化が、監視され評価される。この監視され評価された感知スロット92内の糸1の位置Pの変化ΔPまたは感知スロット92内の糸の陰影10の位置の変化が、予め設定された値を超える場合、この状態は、切断された糸1の端部が実際に感知スロット92を通過する前であっても、糸切断1であると考えられる。そのような糸1の切断の検出の後に、ワークステーションの制御された停止、紡績の再開などの、機械のそれぞれのワークステーションでのさらなる動作が続く。
【0038】
実際には、感知スロット92内の糸1の位置P、すなわち、センサ手段91上の糸1の陰影10の位置、またはセンサ9から得られる糸位置信号A(
図4b参照)もまた、糸直径dによって、例えば、糸1の局所的な太さまたは弱さの発生によって引き起こされる糸1の直径の不規則性によって影響されるようである。この結果、感知スロット92内の糸1の移動(位置P)を監視し評価することによって、糸1の切断の誤検出をもたらす可能性がある。したがって、好ましい実施形態では、本発明による糸品質のセンサ9による糸1の位置Pまたはその陰影10の変化ΔPの監視および評価によって糸1の切断の検出を改善するために、感知スロット92内の糸1の位置またはセンサ手段91上の糸1の陰影10の位置に対する糸1の現在の直径の影響は、糸1の位置Pだけでなく、感知スロット92内の糸1の直径も同時に監視し評価することによって排除され、それによって信号Bが得られる(
図4aを参照)。糸1の位置の変化ΔPの信号Aと糸1の直径dの信号B、言い換えれば糸直径dの変化Δdとを相互に処理することによって、結果として得られる信号C(
図4cを参照)が生成されて、本発明によって、すなわち切断された糸1がセンサ9を通過する前であっても糸品質センサ9内で糸1を移動させることによって、糸1の切断検出に対する糸1の直径dの変化Δdの影響を排除する。
【0039】
図4a~
図4cに示すように、糸1の直径dの変化Δdは、信号B上の糸1の直径dの変化Δdと同様に、信号A上の糸1の位置Pの変化ΔPとしても顕在化するので、制御評価電子機器X内の装置Kによって信号AおよびBの両方を、例えばここでは変更されていない信号C(
図4cおよび
図5参照)の形態に処理することによって、糸切断がないことが検出される。また、
図4a~
図4cに示すように、通常の紡績が継続され、時点t
1においても、通常の紡績が継続される。時点t
2で、糸1の位置PのΔPの変化が信号Aから検出され、これにより、糸1の直径dの信号Bは実質的に変化しないままであり、結果として得られる信号Cも変化を示し、これは糸切断1または不可避的に近づく切断と事前に考えることができる。時点t
3では、糸1の位置Pの変化ΔPが信号Aからさらに検出されると同時に、糸1の直径dの変化Δdが信号Bから検出され、この信号は、例えば、糸1の直径を切断された糸1の端部に向かって徐々に減少させることによって引き起こされ、それによって、糸1の切断された端部が糸品質のセンサ9の感知スロット92を通過する前に、糸1の切断が確実に検出される。
【0040】
例示的な実施形態(図示せず)では、糸品質センサ9は、位置Pを検出することができ、任意選択により、感知スロット92内の糸1の直径dも検出することができる別の適切な光学センサ、例えば、糸1の存在の光学センサなどに置き換えられる。
【0041】
ワークステーションの動作を改善するために、本発明による糸1の光学的監視からのデータは、メモリ内に連続的に記憶され、糸1の切断を検出した後、データが分析され、分析の後、検出された糸1の切断前および糸1の切断自体の間の、糸1の位置Pの変化ΔPの経時変化および糸1の直径dの変化Δdの経時変化の遡及的評価が続き、この評価の結果は、糸1の位置Pの変化ΔPおよび糸1の直径dの変化Δdの予め設定された経時変化と比較されて、糸1の切断の「タイプ」、例えばそれが技術的な切断であるか、もしくは例えばスライバ不純物によって引き起こされる切断であるか、またはそれが、スライバもしくはスライバ端部の切断などによって引き起こされる切断であるかどうかを決定する。糸1の切断の「タイプ」の決定は、例えば、特定のコマンドを設定してそれぞれの紡績ステーションを停止するため、および/または機械、作業手段、および/または所与のワークステーションでの機械の人オペレータのその後の挙動を決定して欠陥状態を排除するか、または糸切断の原因を排除するのに適している。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
糸(1)の製造繊維機械(1)のワークステーションにおける糸(1)の非接触光学検出の方法であって、糸(1)が、少なくとも1つの放射線源(90)と、互いに隣接して配置された少なくとも1列の放射線感受性素子を備える少なくとも1つの放射線の光学センサ手段(91)との間の感知スロット(92)内を移動し、これにより、前記移動する糸(1)による前記個々の放射線感受性素子のシェーディングが監視され、前記監視プロセスに基づいて前記糸(1)の状態が評価される、方法において、前記感知スロット(92)内の前記糸(1)の位置Pおよび/または前記糸(1)の位置Pの経時変化が監視され評価され、それによって、糸(1)の切断に対応する前記糸(1)の位置Pの変化ΔPおよび/または位置Pの変化ΔPの経時変化を検出し、前記切断された糸(1)の端部が前記感知スロット(92)を通過する前に前記切断を検出すると、前記ワークステーションに停止信号が与えられることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記感知スロット(92)内の前記糸(1)の位置Pの任意の検出された変化ΔPおよび/または位置Pの経時変化における変化ΔPが、前記感知スロット(92)内の前記糸(1)の位置Pの前記変化ΔPの予め設定された限界値および/または位置Pの前記変化ΔPの予め設定された限界の経時変化と比較され、これにより、前記予め設定された限界値の超過が糸(1)の切断として示され、前記ワークステーションを停止させるための信号が与えられることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記感知スロット(92)内の前記糸(1)の位置Pの前記変化ΔPおよび/または前記糸(1)の位置Pの前記変化ΔPの経時変化を監視および評価することと一緒に、前記感知スロット内の前記糸(1)の直径(d)が監視され評価され、前記糸(1)の位置の前記変化ΔPおよび前記糸(1)の前記直径(d)の前記監視および評価の相互処理は、前記糸(1)の直径(d)の変化Δdが前記切断検出に及ぼす影響を排除することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記糸(1)の前記光学的監視からのデータが連続的に記憶され、前記糸切断(1)の前記検出後、前記糸(1)切断の前および前記糸(1)の切断中の前記糸(1)の位置Pの前記変化Δdおよび前記糸(1)の直径(d)の前記変化Δdが、遡って評価され、前記評価の結果が、糸(1)の位置Pの前記変化ΔPおよび前記糸(1)の直径dの前記変化Δdの前記予め設定された経時変化と比較され、前記糸(1)の切断タイプが決定されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記決定された切断のタイプに応じて、前記それぞれの紡績ステーションを停止させるための、および/またはサービスロボットの後続の挙動のための、および/または前記機械の人オペレータの後続の挙動のための特定のコマンドが、設定されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つの放射線源(90)と、感知スロット(92)の後方に、前記放射線源(90)の反対側に距離を置いて配置された少なくとも1つの光学センサ手段(91)とを備える、糸(1)製造繊維機械のワークステーションにおける糸(1)の光学センサであって、前記センサ手段(91)は、互いに隣接して配置された少なくとも1列の放射線感受性素子を有し、これにより、糸(1)の前記光学センサは、前記糸(1)の位置Pおよび直径(d)の監視および評価を含む、前記センサ(9)の前記感知スロット(92)内の糸(1)の状態の糸(1)監視評価装置を備え、前記監視評価装置は、糸(1)の切断を検出したときに前記ワークステーションを停止させるための装置に連結可能である、光学センサにおいて、糸(1)の状態の前記監視評価装置が、前記切断された糸(1)の端部が前記感知スロット(92)を通過する前の、前記糸(1)切断に対応する前記糸(1)の位置Pの変化ΔPおよび位置Pの前記変化ΔPの経時変化の検出器を備えることを特徴とする、糸の光学センサ。
【請求項7】
前記糸(1)の状態の前記監視評価装置が、前記感知スロット(92)内の前記糸(1)の位置Pの変化ΔPの予め設定された限界値および/または前記糸(1)の位置の前記変化ΔPの予め設定された限界値が記憶されるメモリ要素に結合され、前記糸監視評価装置(1)が、位置Pの変化ΔPの実際に監視され評価された値によって位置Pの変化ΔPの前記予め設定された限界値の超過を検出するように適合された比較手段をさらに備えることを特徴とする、請求項6に記載の糸の光学センサ。
【請求項8】
前記糸(1)の状態の前記監視評価装置が、前記糸(1)の位置Pおよび前記糸(1)の直径(d)の前記監視および評価の結果を相互に処理するための装置を備えることを特徴とする、請求項6または7に記載の糸の光学センサ。
【請求項9】
糸(1)の前記光学センサが、前記糸品質の光学センサ(9)によって形成されることを特徴とする、請求項6から8のいずれか一項に記載の糸の光学センサ。
【請求項10】
少なくとも1列のワークステーションを備える糸製造繊維機械であって、前記ワークステーションの各々が紡績ユニット(4)への繊維(2)供給装置(3)を備え、前記紡績ユニットの下流には、糸(1)引き出し機構(5)およびボビンへの糸(1)巻取装置(6)が配置され
、各ワークステーションには、
請求項6に記載の光学センサが少なくとも1つ配置されることを特徴とする、糸製造繊維機械。
【請求項11】
糸(1)の前記光学センサが、紡績ユニット(4)からの糸(1)の出口と糸(1)引き出し機構(5)との間の前記ワークステーションに位置する前記糸(1)の品質の光学センサ(9)によって形成されることを特徴とする、請求項10に記載の繊維機械。
【国際調査報告】