IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 2アーチェフトゥラ ソシエダ アノニマの特許一覧

特表2022-526197データを効率的に取得するための技術
<>
  • 特表-データを効率的に取得するための技術 図1a
  • 特表-データを効率的に取得するための技術 図1b
  • 特表-データを効率的に取得するための技術 図2
  • 特表-データを効率的に取得するための技術 図3
  • 特表-データを効率的に取得するための技術 図4
  • 特表-データを効率的に取得するための技術 図5
  • 特表-データを効率的に取得するための技術 図6a
  • 特表-データを効率的に取得するための技術 図6b
  • 特表-データを効率的に取得するための技術 図7
  • 特表-データを効率的に取得するための技術 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-23
(54)【発明の名称】データを効率的に取得するための技術
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/04 20120101AFI20220516BHJP
【FI】
G06Q10/04
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022504332
(86)(22)【出願日】2020-03-18
(85)【翻訳文提出日】2021-11-05
(86)【国際出願番号】 EP2020057449
(87)【国際公開番号】W WO2020187984
(87)【国際公開日】2020-09-24
(31)【優先権主張番号】19163909.5
(32)【優先日】2019-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521435112
【氏名又は名称】2アーチェフトゥラ ソシエダ アノニマ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ギールシュ
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA04
(57)【要約】
ユーザ(402)のパーソナリティデータのデジタル表現を、クライアントデバイス(406)によってサーバ(404)から効率的に取得できるようにする方法が開示され、パーソナリティデータのデジタル表現は、ユーザ適合したサービスをユーザ(402)に提供するためにクライアントデバイス(406)において処理される。技術の方法の実装は、サーバ(404)によって実行され、ユーザ(402)から得られた入力に基づいてユーザ(402)のパーソナリティデータを計算するようにトレーニングされたニューラルネットワークを保存することと、ユーザ(402)のパーソナリティデータのデジタル表現の要求を、クライアントデバイス(406)から受信することと、ユーザ(402)のパーソナリティデータの要求されたデジタル表現を、クライアントデバイス(406)に送信することを含み、ユーザ(402)のパーソナリティデータは、ユーザから得られた入力に基づいてニューラルネットワーク(602)を使用して計算される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ(402)のパーソナリティデータのデジタル表現を、クライアントデバイス(502、406)によってサーバ(404)から効率的に取得できるようにする方法であって、前記パーソナリティデータの前記デジタル表現は、ユーザ適合したサービスを前記ユーザ(402)に提供するために前記クライアントデバイス(406)において処理され、前記方法は前記サーバ(404)によって実行され、
前記ユーザ(402)から得られた入力に基づいてユーザ(402)のパーソナリティデータを計算するようにトレーニングされたニューラルネットワーク(602)を保存すること(S202)と、
ユーザ(402)のパーソナリティデータのデジタル表現の要求を、前記クライアントデバイス(502、406)から受信すること(S204)と、
前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータの前記要求されたデジタル表現を、前記クライアントデバイス(502、406)に送信すること(S206)であって、前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータは、前記ユーザ(402)から得られた入力に基づいて前記ニューラルネットワーク(602)を使用して計算される、ことと、
を有する方法。
【請求項2】
前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータの前記デジタル表現は、前記ユーザ(402)にサービスを提供する少なくとも1つのデバイス(406)を設定するために前記クライアントデバイス(502、406)において処理され、
任意選択で、前記少なくとも1つのデバイス(406)は、前記クライアントデバイス(406)を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ユーザ(402)を特徴付けるフィードバックを受信することと、
前記フィードバックに基づいて前記ニューラルネットワーク(602)を更新することと、
前記ユーザ(402)の更新されたパーソナリティデータのデジタル表現を、前記クライアントデバイス(502、406)に送信することであって、前記ユーザ(402)の前記更新されたパーソナリティデータは、前記更新されたニューラルネットワーク(602)を使用して計算される、ことを更に有し、
任意選択で、前記ユーザ(402)の前記更新されたパーソナリティデータの前記デジタル表現は、前記ユーザ(402)に前記サービスを提供する前記少なくとも1つのデバイス(406)の設定を改善するために前記クライアントデバイス(502、406)において処理される、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記フィードバックは、前記少なくとも1つのデバイス(406)によって提供される前記サービスを使用するときに前記少なくとも1つのデバイス(406)において監視される前記ユーザ(402)の行動を反映した行動データを含み、
任意選択で、前記行動データは、前記ユーザ(402)に前記サービスを提供する前記少なくとも1つのデバイス(406)によって実行される測定を使用して監視される、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのデバイス(406)は、車両を含み、前記行動データは、前記ユーザ(402)の運転行動を反映したデータを含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータは、前記クライアントデバイス(502、406)から前記要求を受信する前に計算され、前記要求は、前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータを計算する際に前記サーバ(404)によって前記ユーザ(402)に事前に提供されたアクセスコードを含み、前記アクセスコードは、前記ユーザ(402)が他のクライアントデバイス(502、406)から前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータの前記デジタル表現にアクセスすることを可能にする、
請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ユーザから得られた前記入力は、前記ユーザ(402)のパーソナリティ、目標、及び動機のうちの少なくとも1つに関する質問に対する回答を反映したデジタルスコアに対応し、デジタルスコアのそれぞれは、前記ニューラルネットワーク(602)を使用して前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータを計算するときに、前記ニューラルネットワーク(602)の別個の入力ノードへの入力として使用される。
請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記質問は、ユーザ(402)のパーソナリティデータを計算することを最適に達成可能な結果を表す質問セットから選択された質問に対応し、
前記選択された質問は、前記最適に達成可能な結果に関して最も影響力があると判定された前記質問セットの質問に対応し、
任意選択で、前記選択された質問の数は、前記質問セットに含まれる質問の数の10%未満である、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記質問は、前記質問セットの単一の質問のそれぞれによって達成可能な結果を、前記最適に達成可能な結果と相関させることと、前記最適に達成可能な結果と最も高い相関を有する前記質問セットから質問を選択することと、に基づいて前記質問セットから選択されるか、又は、
前記質問は、前記質問セットから繰り返して選択され、繰り返しのそれぞれにおいて、次の質問が前の質問に対する前記ユーザの回答に応じて選択され、繰り返しのそれぞれにおいて、前記次の質問は、前記ユーザのパーソナリティデータを計算するために達成可能な結果に最も影響力があると判定された前記質問セットの一つの質問として選択され、
任意選択で、前記ニューラルネットワーク(602)は、前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータの結果の確率曲線(604)を表す複数の出力ノードを含み、前記質問セットの最も影響力のある質問を、前記繰り返しのそれぞれの前記次の質問として判定することは、前記ニューラルネットワーク(602)の入力ノードのそれぞれについて、前記ニューラルネットワーク(602)の前記入力ノードのそれぞれに入力される前記デジタルスコアの変化が前記確率曲線(604)を変化させる程度を判定することを含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ユーザ(402)のパーソナリティデータのデジタル表現を、クライアントデバイス(502、406)によってサーバ(404)から効率的に取得できるようにする方法であって、前記方法は前記クライアントデバイス(502、406)によって実行され、
ユーザ(402)のパーソナリティデータのデジタル表現の要求を、前記サーバ(404)に送信すること(S302)と、
前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータの前記要求したデジタル表現を、前記サーバ(404)から受信すること(S304)であって、前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータは、前記ユーザ(402)から得られた入力に基づいて、前記ユーザ(402)から得られた入力に基づいてユーザ(402)のパーソナリティデータを計算するようにトレーニングされたニューラルネットワーク(602)を使用して計算される、ことと、
ユーザ適合したサービスを前記ユーザ(402)に提供するために前記パーソナリティデータの前記デジタル表現を処理(S306)することと、
を有する方法。
【請求項11】
コンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品が1つ又は複数のコンピューティングユニット上で実行されるときに、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を実行するためのプログラムコード部分を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項12】
1つ又は複数のコンピュータ可読記録媒体に保存された、請求項11に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項13】
ユーザ(402)のパーソナリティデータのデジタル表現を、クライアントデバイス(502、406)によってサーバ(404)から効率的に取得できるようにする前記サーバ(100、404)であって、前記パーソナリティデータの前記デジタル表現は、ユーザ適合したサービスを前記ユーザ(402)に提供するために前記クライアントデバイス(502、406)において処理され、前記サーバ(404)は、少なくとも1つのプロセッサ(102)及び少なくとも1つのメモリ(104)を備え、前記少なくとも1つのメモリ(104)は、前記サーバ(404)が請求項1から9のいずれか一項に記載の方法を実行するように動作可能であるように、前記少なくとも1つのプロセッサ(102)によって実行可能な命令を含む、サーバ(100、404)。
【請求項14】
ユーザ(402)のパーソナリティデータのデジタル表現をサーバ(404)から効率的に取得できるようにするクライアントデバイス(110、502、406)であって、前記クライアントデバイス(110、502、406)は、少なくとも1つのプロセッサ(112)及び少なくとも1つのメモリ(114)を備え、前記少なくとも1つのメモリ(114)は、前記クライアントデバイス(110、502、406)が請求項10に記載の方法を実行するように動作可能であるように、前記少なくとも1つのプロセッサ(112)によって実行可能な命令を含む、クライアントデバイス(110、502、406)。
【請求項15】
請求項13に記載のサーバ(100、404)と、請求項14に記載の少なくとも1つのクライアントデバイス(110、502、406)とを備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、データ取得(data retrieval)の分野に関し、特に、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現(digital representation)を、クライアントデバイスによってサーバから効率的に取得すること(efficient retrieval)を可能にするための技術が提示される。この技術は、方法、コンピュータプログラム、装置、及びシステムとして実施され得る。
【背景技術】
【0002】
パーソナリティテストは、人間のパーソナリティ特性を評価するために何十年も使用されており、一般に、テスト対象者から得られるパーソナリティ調査データに基づいて行われ、調査データは、心理学者等の専門家によって評価されて、人間のパーソナリティについての結論が出される。いわゆる「OCEAN」モデルは、「Big Five」パーソナリティ特性としても知られるパーソナリティ特性の広く受け入れられている分類(taxonomy)であり、パーソナリティディメンジョン(personality dimensions)として、開放性、誠実性、外向性、協調性、神経症傾向を含む。OCEANモデルを利用する広く知られているパーソナリティテストには、いわゆるInternational Personality Item Pool (IPIP)、HEXACO-60 inventory、及びBig-Five-Inventory-10(BFI-10)に基づくテストが含まれ、例えば、5つのパーソナリティディメンジョンのそれぞれについて人をテストするための質問セットを含む。従来のパーソナリティテストでは、一般に、人間のパーソナリティ特性の適格な評価を得るために、心理学者等の、人間の専門家によるレビューを必要とするが、パーソナリティテストの実行とその結果を技術システム上で実行されるプロセスに統合することは困難である。このような統合は、プロセスをユーザのパーソナリティに更に適合させるように調整することができ、例えば、ユーザ適合したサービスをユーザに提供する等、ユーザエクスペリエンス(user experience)を向上させることができるため、有益であり得る。
【発明の概要】
【0003】
したがって、パーソナリティテストとその結果を、技術システム上で実行されるプロセスに統合することを実際に実行可能とする技術的実装が必要とされる。
【0004】
第1の態様によれば、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を、クライアントデバイスによってサーバから効率的に取得すること可能にする方法が提供され、パーソナリティデータのデジタル表現は、ユーザ適合したサービスをユーザに提供するためにクライアントデバイスにおいて処理される。この方法は、サーバによって実行され、ユーザから得られた入力に基づいてユーザのパーソナリティデータを計算するようにトレーニングされたニューラルネットワークを保存することと、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現の要求を、クライアントデバイスから受信することと、ユーザのパーソナリティデータの要求されたデジタル表現を、クライアントデバイスに送信することを有し、ここで、ユーザのパーソナリティデータは、ユーザから得られた入力に基づいてニューラルネットワークを使用して計算される。
【0005】
トレーニングされたニューラルネットワークをサーバに保存してユーザのパーソナリティデータの計算に適用することによって、(従来の人間によるレビューが不要となり)ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を取得することが自動化されるため、ユーザのパーソナリティデータの取得と使用を、技術システム上で実行される(例えば自動化された)プロセスに統合することが可能となる。特に、ニューラルネットワークは、効率的な機能データ構造(functional data structure)と言うことができ、要求されたパーソナリティデータを単一の計算実行で計算すること、すなわち、ニューラルネットワークの入力ノードにおいてユーザから得られる入力を入力し、ニューラルネットワークの出力ノードからパーソナリティデータを表す結果の出力値を読み取ることによって計算することができる。このように、ニューラルネットワークは、クライアントデバイスにパーソナリティデータをデジタル表現の形で効率的に提供することを可能とし、ユーザの特定のパーソナリティに適合したサービスを提供するために使用することができ、それにより、クライアントデバイス側においてユーザエクスペリエンスを向上させる。データの効率的な提供によって、パーソナリティデータのデジタル表現が大幅に遅延することなしにクライアントデバイスに提供され、クライアントデバイスにおいて即座に処理されるため、パーソナリティデータの取得と使用の統合が特に実用的になる。これにより、パーソナリティデータの取得及び使用を、技術システム上で実行されるプロセスに一般に統合することが実際に実行可能な技術的実装が達成される。
【0006】
ユーザのパーソナリティデータは、ユーザの心理的特性、及び/又は好みを示し得るため、パーソナリティデータは、一般に、例えば、開放性、誠実性、外向性、協調性、神経症(上述のとおりビッグファイブとして知られる)のパーソナリティディメンジョンに基づく古典的なパーソナリティデータを含む心理的データならびに医療データ(例えば、好奇心、不安、鬱病等の傾向を示すデータ)を含み得る。ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現は、例えば、ユーザについてニューラルネットワークによって計算される開放性、誠実性、外向性、協調性、及び神経症のパーソナリティディメンジョンの少なくとも1つのデジタル表現等の上述した特性のデジタル表現を含み得る。
【0007】
クライアントデバイスは、ユーザ適合したサービスをユーザへ提供することを可能にする目的のために、パーソナリティデータのデジタル表現を処理するように設定され得る(may be configured)。1つの変形例では、クライアントデバイス自体が、パーソナリティデータのデジタル表現に基づいて設定可能(configurable)であり得る。パーソナリティデータのデジタル表現によって設定可能であり得る例示的なデバイスは、例えば、車両とすることができ、この場合、車両はクライアントデバイスであり得る。車両は、ユーザ(例えば、車両の運転者)のパーソナリティデータの受信したデジタル表現を処理し、運転者のパーソナリティに車両の運転設定を適合させ、これにより、ユーザのパーソナリティに適合した運転サービスを提供できるように、それ自体(例えば、そのサブコンポーネントを含む)を設定し得る。パーソナリティデータが、運転者がリスクを回避する傾向がある又は心配性であることを示している場合、例えば、車両の運転設定は、より安全志向であるように設定され、他方、よりリスクを求めるパーソナリティを有する傾向がある運転者の場合、車両は、運転設定がよりスポーティになるように設定することができる。この目的のために、他の設定のうち、車両の燃料及びブレーキ反応挙動をそれに応じて適合させることができる。車両関連サービスを提供する車両のサブコンポーネント、例えば、サウンドとボリュームの設定を含む車両のサウンドシステム等が、ユーザのパーソナリティに更に適合させるために、パーソナリティデータに基づいて設定されてもよい。
【0008】
他の変形例では、クライアントデバイスは、例えば、それがユーザにサービスを提供する少なくとも1つの他のデバイスである場合に、パーソナリティデータのデジタル表現に基づいて少なくとも1つの他のデバイスを設定してもよい。そのような変形例では、クライアントデバイスは、例えば、モバイル端末(例えば、スマートフォン)とすることができ、車両(すなわち、この場合、車両は、少なくとも1つの他のデバイスに対応する)と(例えば、Bluetooth(登録商標)を使用して)相互作用することができ、サーバからパーソナリティデータのデジタル表現を受信すると、モバイル端末は、インターフェースを介して車両を設定することができる。したがって、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現は、ユーザにサービスを提供する少なくとも1つのデバイスを設定するために、クライアントデバイスにおいて処理され得ると言うことができる。少なくとも1つのデバイスを設定することは、少なくとも1つのデバイスの少なくとも1つの設定(setting)を設定(configuring)すること、及び/又は少なくとも1つのデバイスによって提供されるサービスの少なくとも1つの設定を設定することを含み得る。車両は、パーソナリティデータに基づいて設定可能であるデバイスの単なる例に過ぎず、クライアントデバイス、及び/又は少なくとも1つの他のデバイスは、他のタイプのデバイスにも対応し得ることが理解されるであろう。
【0009】
一実施形態では、サーバによって実行される方法は、ユーザを特徴付けるフィードバックを受信することと、フィードバックに基づいてニューラルネットワークを更新することと、ユーザの更新されたパーソナリティデータのデジタル表現を、クライアントデバイスに送信することを更に含むことができ、ここで、ユーザの更新されたパーソナリティデータは、更新されたニューラルネットワークを使用して計算される。ユーザの更新されたパーソナリティデータのデジタル表現は、クライアントデバイスにおいて処理されて、ユーザにサービスを提供する少なくとも1つのデバイスの設定(例えば、上述した車両の設定のうちの1つ)を改善することができる。フィードバックは、クライアントデバイス、及び/又はユーザにサービスを提供する少なくとも1つのデバイスで収集することができ、ユーザのパーソナリティを示し得る。フィードバックは、例えば、少なくとも1つのデバイスによって提供されるサービスを使用するときに少なくとも1つのデバイスで監視されるユーザの行動を反映した行動データを含むことができ、1つの変形例では、行動データは、ユーザにサービスを提供する少なくとも1つのデバイスによって、(例えば、センサベースの)測定を使用して監視することができる。車両の例では、監視されるユーザの行動は、例えば、ユーザの運転行動とすることができ、運転行動は、車両のセンサによって測定される。運転行動を測定するために、センサは、例えば、ユーザのブレーキ反応及び強度を検知することができ、そのような測定は、ユーザのパーソナリティ(例えば、運転への積極性)を示し得るため、この情報がフィードバックとしてサーバに送信されてニューラルネットワークを更新し、それによって、ユーザのパーソナリティデータを計算するニューラルネットワークの機能が改善される。
【0010】
ニューラルネットワークを更新することは、クライアントデバイスから受信したフィードバックに基づいてニューラルネットワークをトレーニングすることを含むことができ、フィードバックがニューラルネットワークにまだ入力されていない新しい入力値を表す場合、ニューラルネットワークをトレーニングするときに新しい入力ノードをニューラルネットワークに追加して、新しい入力値を新しい入力ノードに割り当てることができる。これにより、本明細書に提示される技術的実装で採用される効率的な機能データ構造としてのニューラルネットワークの能力が特に明白になる。すなわち、ニューラルネットワークは、効率的に更新可能なデータ構造を表し、クライアントデバイスから受信したユーザのパーソナリティに関する任意のフィードバックに基づいて更新されて、パーソナリティデータを計算する機能が改善される。フィードバックによって伝達される情報は、ニューラルネットワークに直接統合することができ、一度トレーニングされると、パーソナリティデータのデジタル表現を要求するサーバに送信する後の要求にすぐに反映される。従来のパーソナリティ評価手法はかなり固定されており、そのような更新可能性を全くサポートしていないことがある。
【0011】
サーバからクライアントデバイスに送信されるユーザのパーソナリティのデジタル表現は、ユーザのパーソナリティの計算の以前の要求に応じてサーバによって以前に計算されたユーザのパーソナリティのデジタル表現に対応し得る(例えば、ユーザが質問セットに回答することによってパーソナリティテストを実行するとき)。したがって、ユーザのパーソナリティデータは、クライアントデバイスから要求を受信する前に計算することができ、要求は、ユーザのパーソナリティデータを計算するときにサーバによってユーザに事前に提供されたアクセスコードを含むことができ、アクセスコードは、ユーザが他のクライアントデバイスからユーザのパーソナリティデータのデジタル表現にアクセスすることを可能にする。そのような実装は、その特定のユーザのパーソナリティデータのデジタル表現がクライアントデバイスから要求されるたびにユーザのパーソナリティのデジタル表現を新たに計算する必要がないため、サーバにおける計算リソースを節約することができ、事前に計算されたパーソナリティデータに基づいて返信することもできる。そして、ユーザは、アクセスコードを使用して、ユーザが運転することができる他の車両、例えば、車及びオートバイ、又は他のタイプのデバイス等の、複数の他のクライアントデバイスから、パーソナリティデータのデジタル表現にアクセスすることができる。
【0012】
ユーザから得られた入力は、ユーザのパーソナリティ、目標、及び動機の少なくとも1つに関する質問に対する回答を反映した(例えば、パーソナリティテスト手法における質問回答スキームにおいて取得された)デジタルスコアに対応することができ、デジタルスコアのそれぞれは、ニューラルネットワークを使用してユーザのパーソナリティデータを計算するときに、ニューラルネットワークの別個の入力ノードへの入力として使用することができる。デジタルスコアは、例えば、1から5までの値を持つ5レベルのリッカートスケール(Likert scale)に対応することができる。ニューラルネットワークは、ニューラルネットワークの入力ノードを含む入力層と出力ノードを含む出力層との間に少なくとも2つの隠れ層を有するディープニューラルネットワークに対応し得る。パーソナリティに関する質問は、例えば、従来のIPIP、HEXACO-60、及び/又はBFI-10 poolsの質問に対応することができるが、ユーザの心理的特性、及び/又は好みについての質問を含む、ユーザのパーソナリティに関する他の質問も同様に使用できることが理解されるであろう。特に、ユーザの目標と動機に関する質問は、従来のIPIP、HEXACO-60、及びBFI-10手法よりも、計算されるパーソナリティデータの精度を高める追加のディメンジョン(例えば、ビッグファイブに加えて)を定義することができる。ネットワークは、複数の試験者(例えば、1000人以上)に実施された基本調査で収集されたデータに基づいてトレーニングすることができ、基本調査は、上述の質問を使用して実施することができる。
【0013】
ユーザのパーソナリティデータを計算するときの計算の複雑さを軽減するために、ニューラルネットワークは、特定のネットワーク構造を有するように設計され得る。上述の質問の文脈を考慮して、ニューラルネットワークの構造は、一般に、上述の質問の全てが使用されたときに利用可能な入力ノードの数と比較して入力ノードの数が減少するように設計され得る。したがって、質問は、ユーザのパーソナリティデータを計算することを最適に達成可能な結果を表す質問セットから選択された質問に対応することができ(すなわち、質問セットの全ての質問にユーザが回答した場合)、ここで、選択された質問は、最適に達成可能な結果に関して最も影響力があると判定された質問セットの質問に対応することができる。上述のように、質問に対する回答のそれぞれは、ニューラルネットワークの個別の入力ノードに入力されるため、質問セットのサブセットを選択すると、パーソナリティデータを計算するときの入力ノードの数が減少して計算の複雑さが軽減される。達成可能な結果に関して最も影響力のある質問が選択されるという事実により、ニューラルネットワークによって出力される結果の精度はほぼ維持される。
【0014】
実際、テストでは、結果の精度を大幅に犠牲にすることなく、質問の数を大幅に減らすことができることが示された。パーソナリティデータを計算することを最適に達成可能な結果を表す質問セットとして、標準のIPIP、HEXACO-60、及びBFI-10の質問(合計370の質問)を含み、任意選択で、ユーザの目標と動機に関する追加の質問(合計で370を超える質問の数になる)によって補足された質問セットを取り上げると、テストでは、最も影響力のある30の質問のみを使用した場合、最適に達成可能な結果の精度の約90%が達成されることが示された。したがって、選択される質問の数は、最適に達成可能な結果を表す質問セットに含まれる質問の数の10%未満(好ましくは5%未満)とすることができる。この場合、ニューラルネットワークの入力ノードの数を大幅に減らすことができるため、計算リソースが大幅に節約され、パーソナリティデータをより効率的に計算することができる。
【0015】
最適に達成可能な結果に関して最も影響力のある質問セットの質問を判定するために、1つの変形例では、質問セットの単一の質問のそれぞれによって達成可能な結果を、最適に達成可能な結果と相関させ、最適に達成可能な結果との相関が最も高い質問セットから質問を選択することに基づいて、質問セットから質問を選択することができる。したがって、最適に達成可能な結果を表す質問セットの固定サブセットを判定することができ、これを使用して、上述のように、入力ノードの数を減らしてニューラルネットワークをトレーニングすることができる。
【0016】
上述のように、最適に達成可能な結果は、標準のIPIP、HEXACO-60、及びBFI-10の質問を含む質問セット等に、任意選択で、上述のように、ユーザの目標と動機に関する追加の質問が補足された、全ての質問にユーザが回答した場合に達成される結果に対応することができる。一方、1つの変形例では、標準IPIPスコア(標準IPIPテストの全ての質問に回答することによって取得される)、標準HEXACO-60スコア(標準HEXACO-60テストの全ての質問に回答することによって取得される)、及び標準BFI-10のスコア(標準のBFI-10テストの全ての質問に回答することによって取得される)は、最適に達成可能な結果の参照として個別に取得でき、他の変形例では、これらの個々のスコアの組み合わされたスコアを、最適に達成可能な結果の参照として計算することによって改善を達成でき、ここで、組み合わされたスコアは、例えば、個々のスコアの(例えば、加重された)平均として計算される。組み合わされたスコアは、個々のスコアから導出可能な「真実」を表す「スーパースコア」として表すこともでき、一般に、判定されたスコアの意味を改善し、最適に達成可能な結果の参照を改善する。
【0017】
他の変形例では、質問は、質問セットから繰り返して選択することができ、繰り返しのそれぞれにおいて、前の質問に対するユーザの回答に応じて次の質問を選択することができ、繰り返しのそれぞれにおいて、次の質問は、ユーザのパーソナリティデータを計算するために達成可能な結果に最も影響を与えると判定された質問セットの一つの質問として選択することができる。これは、質問の適合選択(adaptive selection)と見なすことができ、質問は、ユーザの以前の質問に対する回答を考慮して、段階的な方法でユーザごとに判定される。1つの特定の変形例において、ニューラルネットワークは、ユーザのパーソナリティデータの結果の確率曲線(probability curve)を表す複数の出力ノードを含むことができ、ここで、質問セットの最も影響力のある質問を、繰り返しのそれぞれの次の質問として判定することは、ニューラルネットワークの入力ノードのそれぞれについて、ニューラルネットワークの入力ノードのそれぞれに入力されるデジタルスコアの変化が確率曲線を変化させる程度を判定することを含み得る。確率曲線の変化の程度が最も高いと判定された入力ノードに関連付けられた質問を、繰り返しのそれぞれにおいて最も影響力のある質問として選択することができる。
【0018】
計算の複雑さを更に軽減するために、上述の反復的かつ適合的な選択は、選択される質問の最大数、達成すべき最小結果精度(結果精度は、繰り返しごとに質問の回答とともに向上し、必要な最小結果精度に達したときに計算を停止することができる)、及び最大利用可能時間(最大利用可能時間が経過した時にテストを停止するか、質問のそれぞれをユーザの回答推定時間に関連付け、推定時間に基づいて選択される質問の数を判定することができる)等のような少なくとも1つの制約の下で実行され得る。これらの制約は、パーソナリティデータの計算ごとに個別に設定することができる。
【0019】
第2の態様によれば、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を、クライアントデバイスによってサーバから効率的に取得すること可能にする方法が提供される。この方法は、クライアントデバイスによって実行され、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現の要求を、サーバに送信することと、ユーザのパーソナリティデータの要求したデジタル表現を、サーバから受信することであって、ユーザのパーソナリティデータは、ユーザから得られた入力に基づいて、ユーザから得られた入力に基づいてユーザのパーソナリティデータを計算するようにトレーニングされたニューラルネットワークを使用して計算されることと、パーソナリティデータのデジタル表現を処理して、ユーザ適合したサービスをユーザに提供することを含み得る。
【0020】
第2の態様による方法は、第1の態様によるサーバによって実行される方法を補完することができるクライアントデバイスの観点からの方法を定義する。第2の態様のサーバ及びクライアントデバイスは、第1の態様に関連して上述したサーバ及びクライアントデバイスに対応し得る。したがって、第2の態様の方法に適用可能である第1の態様の方法に関して関連して述べたそれらの態様は、第2の態様の方法によっても含まれ、逆もまた同様である。したがって、以下では不必要な繰り返しを省略する。
【0021】
第1の態様の方法と同様に、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現は、ユーザにサービスを提供する少なくとも1つのデバイスを設定するために、クライアントデバイスにおいて処理されることができ、ここで、少なくとも1つのデバイスは、クライアントデバイスを含み得る。クライアントデバイスによって実行される方法は、ユーザを特徴付けるフィードバックをサーバに送信することと、ユーザの更新されたパーソナリティデータのデジタル表現をサーバから受信することを更に含むことができ、ここで、ユーザの更新されたパーソナリティデータは、フィードバックに基づいて更新されたニューラルネットワークを使用して計算され得る。ユーザの更新されたパーソナリティデータのデジタル表現は、クライアントデバイスにおいて処理されて、ユーザにサービスを提供する少なくとも1つのデバイスの設定を改善することができる。フィードバックは、少なくとも1つのデバイスによって提供されるサービスを使用するときに少なくとも1つのデバイスで監視されるユーザの行動を反映した行動データを含むことができ、ここで、行動データは、ユーザにサービスを提供する少なくとも1つのデバイスで実行される測定を使用して監視することができる。少なくとも1つのデバイスは、車両を含むことができ、行動データは、ユーザの運転行動を反映したデータを含み得る。ユーザのパーソナリティデータは、要求をサーバに送信する前に計算することができ、要求は、ユーザのパーソナリティデータを計算する際にサーバによってユーザに事前に提供されたアクセスコードを含むことができ、アクセスコードは、ユーザが他のクライアントデバイスからユーザのパーソナリティデータのデジタル表現にアクセスすることを可能にする。ユーザから得られた入力は、ユーザのパーソナリティ、目標、及び動機の少なくとも1つに関する質問に対する回答を反映したデジタルスコアに対応し得る。
【0022】
第3の態様によれば、コンピュータプログラム製品が提供される。コンピュータプログラム製品は、コンピュータプログラム製品が1つ又は複数のコンピューティングデバイス(例えば、プロセッサ又はプロセッサの分散セット)上で実行されるときに、第1の態様及び第2の態様のうちの少なくとも1つの方法を実行するためのプログラムコード部分を含む。コンピュータプログラム製品は、半導体メモリ、DVD、CD-ROM等のコンピュータ可読記録媒体に保存され得る。
【0023】
第4の態様によれば、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を、クライアントデバイスによってサーバから効率的に取得すること可能にするサーバが提供され、ここで、パーソナリティデータのデジタル表現は、ユーザ適合したサービスをユーザに提供するためにクライアントデバイスにおいて処理される。サーバは、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを含み、少なくとも1つのメモリは、サーバが第1の態様に関して本明細書に提示される方法ステップのいずれかを実行するように動作可能であるように、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令を含む。
【0024】
第5の態様によれば、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現をサーバから効率的に取得することを可能にするためのクライアントデバイスが提供される。クライアントデバイスは、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを含み、少なくとも1つのメモリは、クライアントデバイスが第2の態様に関して本明細書に提示される方法ステップのいずれかを実行するように動作可能であるように、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令を含む。
【0025】
第6の態様によれば、第4の態様によるサーバと、第5の態様による少なくとも1つのクライアントデバイスとを備えるシステムが提供される。
【0026】
本明細書に提示される技術の更なる詳細及び利点は、以下の図に示される例示的な実装を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1a図1aは、本開示によるサーバの例示的な構成を示す。
図1b図1bは、本開示によるクライアントデバイスの例示的な構成を示す。
図2図2は、本開示によるサーバによって実行される方法を示す。
図3図3は、本開示によるクライアントデバイスによって実行される方法を示す。
図4図4は、本開示によるユーザ、サーバ、及びクライアントデバイス(車両による例示)間の例示的な相互作用を示す。
図5図5は、本開示によるユーザのモバイル端末、車両、及びサーバ間の他の接続オプションを示す。
図6a図6aは、本開示によるニューラルネットワークの例示的な構造を示す。
図6b図6bは、本開示によるニューラルネットワークの例示的な構造を示す。
図7図7は、本開示による車両設定を適合させるために運転者の注意レベルを考慮することを含む例示的な実装を示す。
図8図8は、本開示によるユーザ適合したサービスをユーザに提供するために、ユーザのボディスキャンデータを考慮することを含む例示的な実装を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下では、限定の目的ではなく説明の目的で、本開示の十分な理解を提供するために具体的な詳細が説明される。本開示は、これらの具体的な詳細から逸脱する他の実装によっても実施され得ることが当業者には明らかであろう。
【0029】
当業者は、本明細書において以下に説明されるステップ、サービス、及び機能が、個々のハードウェア回路、プログラムされたマイクロプロセッサ又は汎用コンピュータと組み合わせて機能するソフトウェア、1つ又は複数の特定用途向け集積回路(ASICs)、及び/又は1つ以上のデジタルシグナルプロセッサ(DSP)を使用して実装され得ることを更に理解するであろう。本開示が方法に関して説明される場合、それもまた、1つ又は複数のプロセッサ、及び1つ又は複数のプロセッサに結合された1つ又は複数のメモリにおいて具体化され、ここで、1つ又は複数のメモリは、1つ又は複数のプロセッサによって実行されるときに本明細書に提示されるステップ、サービス、及び機能を実行する1つ又は複数のプログラムでコード化され得ることが理解されるであろう。
【0030】
図1aは、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を、クライアントデバイスによってサーバ100から効率的に取得できるようにするサーバ100の例示的な構成を概略的に示しており、パーソナリティデータのデジタル表現は、ユーザ適合したサービスをユーザに提供するためにクライアントデバイスにおいて処理される。サーバ100は、少なくとも1つのプロセッサ102及び少なくとも1つのメモリ104を有し、少なくとも1つのメモリ104は、要求サーバ100が本明細書に「サーバ」という参照とともに記載される方法のステップを実行するように動作可能であるように、少なくとも1つのプロセッサ102によって実行可能な命令を含む。
【0031】
サーバ100は、物理コンピューティングユニット、又は例えば、仮想マシンのような、仮想化されたコンピューティングユニット上に実装され得ることが理解されるであろう。更に、サーバ100は、必ずしもスタンドアロンコンピューティングユニット上に実装されることに限定されず、ソフトウェア、及び/又はハードウェアで実現される、例えば、クラウドコンピューティング環境等の、複数の分散コンピューティングユニット上に存在するコンポーネントとして実装され得ることも理解されるであろう。
【0032】
図1bは、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を、クライアントデバイス110によってサーバから効率的に取得できるようにするクライアントデバイス110の例示的な構成を概略的に示している。クライアントデバイス110は、少なくとも1つのプロセッサ112及び少なくとも1つのメモリ114を有し、少なくとも1つのメモリ114は、要求クライアントデバイス110が本明細書に「クライアントデバイス」という参照とともに記載される方法のステップを実行するように動作可能であるように、少なくとも1つのプロセッサ112によって実行可能な命令を含む。
【0033】
図2は、本開示によるサーバ100によって実行され得る方法を示している。この方法は、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を、クライアントデバイス(例えば、クライアントデバイス110)によってサーバ100から効率的に取得できるようにすることに特化している。この方法では、サーバ100は、本明細書に「サーバ」という参照とともに記載されるステップを実行することができ、上述の説明に沿って、ステップS202において、サーバ100は、ユーザから得られた入力に基づいてユーザのパーソナリティデータを計算するようにトレーニングされたニューラルネットワークを保存することができ、ステップS204において、サーバ100は、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現の要求を、クライアントデバイスから受信することができ、ステップS206において、サーバ100は、ユーザのパーソナリティデータの要求されたデジタル表現を、クライアントデバイスに送信することができ、ここで、ユーザのパーソナリティデータは、ユーザから得られた入力に基づいてニューラルネットワークを使用して計算される。
【0034】
図3は、本開示によるクライアントデバイス110によって実行され得る方法を示している。この方法は、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を、クライアントデバイス110によってサーバ(例えば、サーバ100)から効率的に取得できるようにすることに特化している。この方法では、クライアントデバイス110は、本明細書に「クライアントデバイス」という参照とともに記載されるステップを実行することができ、上述の説明に沿って、ステップS302において、クライアントデバイス110は、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現の要求を、サーバに送信することができ、ステップS304において、クライアントデバイス110は、ユーザのパーソナリティデータの要求したデジタル表現を、サーバから受信することができ、ここで、ユーザのパーソナリティデータは、ユーザから得られた入力に基づいて、ユーザから得られた入力に基づいてユーザのパーソナリティデータを計算するようにトレーニングされたニューラルネットワークを使用して計算され、ステップS306において、クライアントデバイス110は、パーソナリティデータのデジタル表現を処理して、ユーザ適合したサービスをユーザに提供することができる。
【0035】
図4は、ユーザ402と、ユーザから得られた入力に基づいてユーザのパーソナリティデータを計算するようにトレーニングされたニューラルネットワークを保存するサーバ404と、ユーザ402のパーソナリティデータのデジタル表現を取得してユーザ適合したサービスをユーザ402に提供するクライアントデバイスと、の間の例示的な相互作用を示し、ここで示される例では、クライアントデバイスは、ユーザ402によって運転される車両406であり得る。図に示されるように、ユーザ402は、例えば、彼のラップトップ又はスマートフォン上のウェブインターフェース又はアプリを使用して質問に回答することによって自動パーソナリティテストを実行し、サーバ404に保存されたニューラルネットワークに入力を提供することができ、それに基づいて、ニューラルネットワークは、ユーザ402のパーソナリティデータを計算することができる。パーソナリティデータのデジタル表現をユーザ402に送信する代わりに、示された図において、サーバ404は、ユーザ402が車両406を含む他のクライアントデバイスを使用してパーソナリティデータにアクセスするために使用可能なアクセスコードを、ユーザ402に提供することができる。ユーザ402は、アクセスコードを使用して車両406(より具体的には、そのボードコンピュータ)に登録又はログインすることができ、車両406は、アクセスコードを使用して、サーバ404からユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を要求することができる(図では、ユーザのパーソナリティデータを、ユーザの「MindDNA」と表記している)。
【0036】
車両406から要求を受信すると、サーバ404は、ユーザのパーソナリティデータを車両406に返信することができ、車両406は、ユーザ402のパーソナリティデータに従って、その運転設定(及び、任意選択で、車両406のサブコンポーネント)を設定することができ、例えば、車両406の燃料及びブレーキ反応挙動を適合させて、ユーザのパーソナリティ(例えば、リスク回避、リスク追求等)に特に適合した運転エクスペリエンスを提供することができる。そして、ユーザ402が車両406を運転するとき、車両406は、例えば、ユーザのブレーキ反応及び強さを測定するセンサを使用して、ユーザの運転行動を監視することができ、車両406は、この情報をフィードバックとしてサーバ404に提供することができ、ここで、フィードバックは、ユーザ402のパーソナリティデータを計算する能力を改善するためにニューラルネットワークを(トレーニングによって)更新するように処理される。それに応答して、サーバ404は、対応して更新されたユーザ402のパーソナリティデータを、車両406に送信することができ、車両406は、更新されたパーソナリティデータのデジタル表現を使用して、ユーザ402の実際のパーソナリティと更に整合するように車両設定を改善することができる。要約すると、ユーザのパーソナリティデータの取得及び使用を自動化されたプロセスに統合し、ユーザのパーソナリティデータから得られたユーザの好みに従って、提供されるデバイス又はサービスの設定を適合させ、それによってユーザエクスペリエンスを改善することが可能なシステムが提供される。
【0037】
図5は、本開示による、ユーザ402のモバイル端末502(例えば、スマートフォン)、車両406、及びサーバ404、の間の他の接続オプションを示している。1つの変形例では、車両406は、インターネットを介してサーバ404と直接的に通信することができ、ユーザ402が車両406で(例えば、キー、スマートカード、NFC/RFID、NFCを備えたスマートフォン、指紋等を使用して)認証されると、車両406は、ユーザ402の運転エクスペリエンスを改善するために、ユーザのパーソナリティデータ(図5では、再び、ユーザの「MindDNA」と表記している)を要求することができる。他の変形例では、ユーザ402がモバイル端末502を携帯しているとき、モバイル端末502は、(例えば、そこにインストールされた専用アプリを使用して)インターネットを介してサーバ404と通信し、ユーザ402のパーソナリティデータを要求することができる。この変形例では、車両406は、(例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、又はUSBケーブルを使用して)モバイル端末502とローカル通信し、モバイル端末502からユーザのパーソナリティデータを取得することができる。車両406とモバイル端末502との間の直接接続は、モバイル端末502に設置されたセンサ(例えば、移動及び加速度検出のためのジャイロスコープ、移動及び加速度検出ならびに運転経路の検出のためのGPS、又はパルス、血圧等を測定するための医療センサ等)を利用するために更に使用することができ、車両406自体によって収集された(例えば、ユーザの運転行動に関連する)フィードバックを補足し、それによって、モバイル端末502によって検知された追加のフィードバックをサーバ404に提供し、上述のように、フィードバックに基づいてニューラルネットワークを更新することができる。
【0038】
図6aは、本開示によるニューラルネットワーク602の例示的な構造を示している。ニューラルネットワーク602は、入力層、出力層、及び2つの隠れ層を含む。図6aに示されるニューラルネットワーク602は、一般的なディープニューラルネットワークの構造を示しているに過ぎず、サーバ404に保存されるニューラルネットワーク602の実際のノードの(少なくとも入力層及び隠れ層の)数は、図示されているよりも大幅に高くなり得る。上述のように、テストは、(標準のIPIP、HEXACO-60、及びBFI-10の質問から取得され、任意選択で、目標と動機に関する追加の質問によって補足される)合計370以上の質問の中で最も影響力のある30の質問を使用して実行され、ニューラルネットワーク602の入力層に30の入力ノードが生じる。この場合、例えば、各隠れ層は50ノードで構成することができる。更に、図示されるように、ニューラルネットワーク602は、出力層に単一の出力ノードを含み得る。この場合、出力層の出力ノードの結果の値は、ニューラルネットワーク602がトレーニングされた(ビッグファイブのうちの)1つのパーソナリティディメンジョンの値を表し得る。ニューラルネットワーク602のこのような構造は例示に過ぎず、他の構造が一般的に考えられることが理解されるであろう。
【0039】
ニューラルネットワーク602のより高度な構造は、利用可能な質問の完全なセットの数に応じた入力ノードを有し、質問は、標準のIPIP、HEXACO-60、及びBFI-10の質問から取得することができ、ユーザの目標及び動機に関する更なる質問、ならびに上述の質問ではカバーされていないようなユーザの他の心理的特性、及び/又は好みに関する質問を更に含むこともでき、潜在的には数百の質問、例えば、600以上の質問を更に追加し得る。したがって、そのようなニューラルネットワーク602は、利用可能な質問の完全なセットの単一の質問にそれぞれ対応する600以上の入力ノードを有することができ、隠れ層のノード数は、ニューラルネットワーク602の性能に応じて選択することができる。例えば、ニューラルネットワーク602は、それぞれ100のノードを有する2つの隠れ層で構成することができる。更に、入力層では、上述の600個以上の入力ノードを重複させ、重複された入力ノードのそれぞれを欠落質問インジケータ(missing-question-indicator)として使用することができる。欠落質問インジケータは、二分(dichotomous)され、すなわち、対応する(オリジナルの)入力ノードの質問に回答したかどうかを示す2つの値(例えば、0と1)を有することができる。入力ノードが重複しているため、入力層は合計1200を超える入力ノードを有し得る。
【0040】
より高度なニューラルネットワーク602の出力層は、1つのパーソナリティディメンジョンの確率曲線を共に表す複数の出力ノードを有することができる。例えば、このパーソナリティディメンジョンの出力に使用されるスケールが0~10の範囲で、出力ノードの数が50である場合、出力ノードのそれぞれはスケールの一部、すなわち、スケールの0-0.2、 0.2-0.4、 0.4-0.6、 ・・・ 9.8-10の部分に対応するスケール部分を表すことができる。そのような出力層は、単一の出力値の代わりに、このパーソナリティディメンジョンの出力値の確率曲線の全体を提供することができる。図6bは、例示的な出力層を、対応する確率曲線604とともに示す。そのような曲線は、出力値の最頻値(すなわち、曲線のピークによって示される)がどこにあるかを判定可能とするとともに、ニューラルネットワーク602が結果を計算する精度(すなわち、曲線の幅によって示される)を判定可能とする。高度なニューラルネットワーク602を使用して、ニューラルネットワーク602がディメンジョンのそれぞれについて別々にトレーニングされることで、任意の数の回答された質問についてのいくつかの確率曲線(例えば、ビッグファイブに対応する5つの確率曲線)の形でユーザのパーソナリティデータを計算することができる。質問がまだ回答されていない初期状態では、全ての欠落質問インジケータは「欠落」の値(例えば、0)を有することができる。質問に回答する度に、出力値の更新が計算され、回答された質問の数が増えるにつれて、出力層の確率曲線の幅が小さくなり、ニューラルネットワーク602が結果を計算する精度が着実に向上する。
【0041】
ニューラルネットワーク602のそのような構造は、ユーザによって次に回答される質問を質問の完全なセットから繰り返して選択することを可能にするので、特に有利であり、ここで、繰り返しのそれぞれにおいて、次の質問は、前の質問に対するユーザの回答に応じて選択することができ、ここで、繰り返しのそれぞれにおいて、次の質問は、ユーザのパーソナリティデータを計算するために達成可能な結果に最も影響を与えると判定された質問の完全なセットの一つの質問として選択することができる。この目的のために、回答された質問ごとに、いくつかの(例えば5つの)確率曲線を再計算することができ、再計算された確率曲線の中で、最大の幅を有する(すなわち、現在最も低い精度を有する確率曲線を表す)ものを判定することができる。繰り返しの次の質問として、このディメンジョンの精度を向上させるために、このディメンジョンの質問を選択することができる。最も影響力のある質問を判定するために、入力ノードのそれぞれへのデジタルスコア入力の変化が確率曲線を変化させる程度(例えば、曲線の幅が変化する程度)を、ニューラルネットワーク602の入力ノードのそれぞれについて判定することができる。これに基づいて、確率曲線の変化の程度が最も高いと判定された入力ノードに関連付けられた質問を、繰り返しのそれぞれで最も影響力のある質問として選択することができる。
【0042】
ニューラルネットワーク602の高度な構造はまた、フィードバックを容易にニューラルネットワークに統合することを可能にするため、有利であり得る。上述のように、フィードバックがニューラルネットワーク602にまだ入力されていない新しい入力値を表す場合、ニューラルネットワーク602をトレーニングするときに、新しい入力ノードは、ニューラルネットワーク602に単純に追加することができ、新しい入力値が新しい入力ノードに割り当てられる。このようにして、任意の種類の新しいフィードバックを容易にネットワークに統合することができ、ニューラルネットワーク602は、パーソナリティデータを計算するその能力を改善することができる。新しい入力ノードを追加するときの計算の複雑さを軽減する実装として、ネットワークが新しい入力ノードをネットワークの他のノードと相関させるようにトレーニングされているとき、最適に達成可能な結果に関して最も影響力があると判定されたノードのみを計算に組み込むことが考えられ、これにより、全てのノードを計算に組み込むことを避けることができる。また、ネットワークが新しい入力ノードをネットワークの他のノードと相関させるようにトレーニングされるとき、例えば、事前に計算する層の数を(例えば、2又は3に)制限して、ノードの後続の全ての組み合わせを計算しないようにすることが考えられる。
【0043】
上述の説明では、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を効率的に取得するため技術が、車両の燃料及びブレーキ反応挙動等の車両の運転設定を、ユーザのパーソナリティに適合させるという文脈で例示された。この場合、本明細書で説明された方法は、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を効率的に取得することを含む車両の運転設定を適合させる方法としても示され得る。車両の燃料及びブレーキ反応挙動を適合させることは、車両の運転設定を適合させる一例に過ぎず、より一般的には、車両の運転設定を適合させることは、車両の運転挙動に影響を与える任意の車両設定を適合させることを含み得ることが理解されるであろう。車両の運転設定を適合させることは、ユーザのパーソナリティに、車両の燃料及びブレーキ反応挙動を適合させること、車両のシャーシ設定を適合させること、車両のドライブモードを適合させること、及び車両等のアダプティブクルーズコントロール(ACC)の設定を適合させること、のうちの少なくとも1つを含み得る。車両のドライブモードを適合させることは、運転者のパーソナリティに応じて、車両のアクセルペダル及び燃料消費行動に影響を与える、エコノミー、コンフォート、又はスポーツモードを設定することを含み得る。パーソナリティデータが、運転者がリスクを回避する傾向があることを示している場合、例えば、ドライブモードをエコノミー又はコンフォートに設定することができ、他方、リスクを求めるパーソナリティを有する傾向がある運転者の場合、ドライブモードをスポーツモードに設定することができる。車両のドライブモードを適合させることはまた、例えば、車両の自動四輪駆動(4WD)モードを有効化/無効化することを含み得る。ACCの設定を適合させることは、例えば、運転者のリスク回避性に応じて、前方車両までの距離、及び/又は目標走行速度を設定することを含み得る。
【0044】
本明細書に提示される技術は、車両の客室内の環境条件を適合させる等、車両の文脈における他の目的にも使用され得る(又は、より一般的には、輸送手段の、客室内の環境条件を適合させる等、航空機、列車等の他の輸送手段にも同様に適用し得る)ことが理解されるであろう。この場合、本明細書に提示される方法は、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を効率的に取得することを含む輸送手段の客室内の環境条件を適合させる方法としても示し得る。輸送手段の客室内の環境条件を適合させることは、(例えば、客室のエアーコンディション設定を適合させることによって)客室の温度を適合させること、客室の内部照明を適合させることと、客室内の酸素レベル等を調整すること等、の少なくとも1つをユーザのパーソナリティに適合させることを含み得る。客室内の環境条件を適合させることに加えて、又は替えて、本明細書に提示される技術を使用して、客室に関するユーザ固有の設定を適合させることもできる。輸送手段の客室に関するユーザ固有の設定を適合させることは、シート設定(例えば、シート高さ、シート位置、シートマッサージの設定、シートベルトの張力等)を、客室内のユーザに適合させることと、客室内のユーザに提供されるサウンドシステムのイコライザー設定(例えば、低音又は高音の増減)をユーザのパーソナリティに適合させること、のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0045】
車両/輸送手段の設定の上述の適合のいずれも、ユーザのパーソナリティに適合させることに加えて、客室内で得られるユーザの注意レベルを示すユーザのセンサデータを考慮して(又は「基づいて」/「従って」)実行することができる。言い換えれば、クライアントデバイスは、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を考慮するだけでなく、ユーザの注意レベルを示すセンサデータも考慮して、車両の運転設定、客室内の環境条件、及び客室に関するユーザ固有の設定のうちの少なくとも1つを適合させるように設定され得る。すなわち、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現とユーザの注意レベルを示すセンサデータとは、上述の適合を実行する前に組み合わせることができる。ユーザの注意レベルを示すセンサデータは、例えば、ユーザの心拍、呼吸、倦怠感、反応時間、及びアルコール/薬物レベルのうちの少なくとも1つに関するデータを含むことができる。センサデータは、例えば、客室又はユーザのモバイル端末に設置された少なくとも1つのセンサによって収集される。
【0046】
図7は、車両の運転設定、客室内の環境条件、及び/又は客室に関するユーザ固有の設定を適合させるために、運転者の注意レベルを運転者のパーソナリティデータと組み合わせて考慮することを含む例示的な実装を示す。運転者の注意レベルは、例えば、ユーザの反応時間、倦怠感、心拍、呼吸、アルコール/薬物レベル、又はユーザの異常な行動等に関して、対応するセンサによってチェックされる。図の左側部分では、収集されたセンサデータがユーザの通常の注意レベルを示しているため、例えば、速度、音量、温度、シート設定等を含む車両設定は、通常のレベルのままとすることができる(例えば、運転者のパーソナリティ、すなわち「MindDNA」に適合される)。図の中央部分では、センサデータが運転者の注意レベルの低下を示しているため、車両設定は、運転者の注意を再びリフレッシュさせるために、シートマッサージ機能をオンすることを含め、減速、音量を増加、温度設定を低下させる等の変更を行うことができる。任意選択で、例えば、質問/回答スキームにおいて音声ベースの応答を提供するように運転者に要求する等の注意テストを実行することができ、注意テストの結果は、上述の設定を適合させる際に考慮され得る。一方、図の右側部分では、センサデータが運転者の注意レベルが非常に低いことを示しているため、ユーザに警告を発し、それに応じて車両設定を適合させることができ、例えば、非常に遅い速度(そして、例えば、次の停止機会において車両を強制的に停止させる)、音声をミュートする、及び/又はナビゲーションシステムによって次のホテルへ案内する等することができる。
【0047】
上述のように(例えば、車両の運転設定、客室内の環境条件、及び客室に関するユーザ固有の設定のうちの少なくとも1つを適合させることによって)ユーザ適合したサービスをユーザに提供するために、クライアントデバイスは、ユーザ適合したサービスをユーザに提供する前に(例えば、ユーザが車両を運転する前に)、ユーザの身体を(例えば、少なくとも一部を)スキャンすることによって導出可能(derivable)なユーザの(例えば、物理的な)特性を示すボディスキャンデータを更に考慮することができる。ユーザの身体をスキャンすることによって導出可能なユーザ特性は、例えば、ユーザのサイズ、体重、性別、年齢、身長、姿勢、及び感情状態のうちの少なくとも1つを含み得る。ボディスキャンデータは、(例えば、ユーザのモバイル端末の、又は車両/輸送手段に設置された)カメラ又はボイスレコーダーによって、ユーザの1つ又は複数の画像又は音声信号を取得することによって取得され、ここで、体/顔/音声認識技術を利用して、ユーザの身体をスキャンして上述のユーザ特性を導出することができる。したがって、クライアントデバイスは、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を考慮するだけでなく、ボディスキャンデータも考慮して(又は「基づいて」/「従って」)、ユーザ適合したサービスを提供するように構成される。すなわち、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現とボディスキャンデータとは、ユーザ適合したサービスをユーザに提供する前に組み合わせることができる。図8は、車両の運転設定、客室内の環境条件、及び/又は客室に関するユーザ固有の設定を適宜適合させるために、運転者のボディスキャンデータ(例えば、車両に入る前に、運転者のスマートフォン、スマートウォッチ、フィットネストラッカー等の、運転者のモバイル端末によって取得される)を、運転者のパーソナリティデータと組み合わせて考慮することを含む例示的な実装を示す。この図では、ボディスキャンデータを「BodyDNA」と表記しており、「MindDNA」と組み合わされて、いわゆる「LifeDNA」を形成している。取得されたボディスキャンデータはまた、上述のように、ニューラルネットワークを更新するためにユーザを特徴付けるフィードバックを提供するために使用され得ることも理解されるであろう。
【0048】
他の車両関連の使用例では、本明細書に提示される技術を使用して、車両を製造する前に、ユーザのパーソナリティに適合した車両設定を判定することもでき、車両は、判定された車両設定に基づいて(又は「従って」)製造され得る。車両は、それぞれが異なるモーター出力を有する異なるモーターオプション、駆動技術オプション(例えば、二輪駆動(2WD)又は4WD技術のサポート)、シャーシオプション、異なるドライブモードオプション、ACCのサポート等、異なる(例えば、車両メーカーによって提供される)設定オプションで製造可能であり、ユーザのために新しい車両が製造される場合、車両設定は、ユーザのパーソナリティに特別に適合するように判定される。例えば、パーソナリティデータが、ユーザがリスクを回避する傾向があることを示している場合、判定された車両設定は、パーソナリティデータがリスクを求めることを示しているユーザのために判定された車両設定と比較して、より低い出力を有するモーターの選択を含み得る。判定された車両設定に基づいて、車両は適宜製造され得る。したがって、上述の説明に沿って、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を、クライアントデバイスによってサーバから効率的に取得することを含む車両製造の方法も想定することができ、ユーザのパーソナリティに適合した車両設定を提供するために、パーソナリティデータのデジタル表現がクライアントデバイスにおいて処理される。この方法は、クライアントデバイスからサーバに、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現の要求を送信することと、クライアントデバイスがサーバから、ユーザのパーソナリティデータの要求したデジタル表現を受信することであって、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現は、ユーザから得られた入力に基づいて、ユーザから得られた入力に基づいてユーザのパーソナリティデータを計算するようにトレーニングされたニューラルネットワークを使用して計算されることと、パーソナリティデータのデジタル表現を処理して、ユーザのパーソナリティに適合した車両設定を判定することと、判定された車両設定に基づいて車両を製造することを含むことができる。車両の製造プロセスにおいて、判定された車両設定は、車両の製造に必要な車両部品の製造にも影響を与え得ることが理解されるであろう。例えば、車両の製造は、車両の製造に使用される1つ又は複数の車両部品の製造を含むことができ、車両部品は、判定された車両設定に従って(例えば、3Dプリンタを使用して)製造される。
【0049】
本明細書に提示される技術は、車両/輸送手段に関連する使用例だけでなく、例えば、スマート家電又はロボットの設定をユーザのパーソナリティに適合させる等の他の使用例にも利用可能であることが理解されるであろう。このように、上述の説明に沿って、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を効率的に取得することを含むスマート家電(例えば、自動ローラーシャッター(roller shutters)、エアーコンディション、冷蔵庫、洗濯機、テレビ、セットトップボックス等)の設定を適合させる方法も想定することができ、ここで、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現は、スマート家電の設定をユーザのパーソナリティに適合させるために(例えば、スマート家電が、例えば、シャッター(ローラーシャッター)、暖房/冷房(エアーコンディション)、冷蔵(冷蔵庫)、洗濯(洗濯機)又は記録/表示(テレビ/セットトップボックス)タスク)等の主要タスクを実行する方法を適合させるために、クライアントデバイスにおいて処理される。同様に、上述の説明に沿って、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を効率的に取得することを含むロボット(例えば、1つ以上の家庭用タスクを実行するように設定されたヒューマノイドロボット又は家庭用ロボット)の設定を適合させる方法を想定することができ、ここで、ユーザのパーソナリティのデジタル表現は、ロボットの設定をユーザのパーソナリティに適合させるために(例えば、家庭用ロボットによる家事の実行方法を適合させるために)、クライアントデバイスにおいて処理される。
【0050】
他の様々な使用例が一般的に考えられる。他の使用例は、例えば、仮想ロボットの設定を適合させること、医療機器の設定を適合させること、又は脳を刺激することまでも含み得る。したがって、上述の説明に沿って、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を効率的に取得することを含む仮想ロボット(例えば、チャットボット、仮想サービス員、仮想パーソナルアシスタント)の設定を適合させる方法も想定することができ、ここで、ユーザのパーソナリティのデジタル表現は、仮想ロボットの設定をユーザのパーソナリティに適合させるために(例えば、仮想ロボットがユーザをサポートするタスクを実行する方法を適合させるために)、クライアントデバイスにおいて処理される。同様に、上述の説明に沿って、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を効率的に取得することを含む医療機器(例えば、ベッドサイドの医療機器)の設定を適合させる方法を想定することができ、ここで、ユーザのパーソナリティのデジタル表現は、医療機器の設定をユーザのパーソナリティに適合させるために(例えば、鎮痛剤の投与量等の投与計画を適合させるために)、クライアントデバイスにおいて処理される。更に、ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を効率的に取得することを含む脳(例えば、生物又は脳の仮想表現)を刺激する方法を想定することができ、ここで、パーソナリティのデジタル表現は、ユーザのパーソナリティに基づいて脳の刺激手順を適合させるために、ユーザのクライアントデバイスで処理される。刺激手順は、例えば、生物の脳の電気的刺激、又は脳の仮想表現を適合させること/再設定することを含み得る。脳の仮想表現は、例えば、ユーザのパーソナリティに基づいてそのようなシステムの振る舞いに影響を与えるために、ロボット又は他の形態のインテリジェントシステムに供給される。
【0051】
上述の全ての例及び使用例において、設定(configuration)又は設定(setting)を「ユーザのパーソナリティに」「適合させる」ことについて言及しているとき、そのような適合は、(ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現によって示される)ユーザのパーソナリティの所定の特性を、対応するデバイス/装置(例えば、上述のような、車両、輸送手段、スマート家電、ロボット、医療機器等)の特定の構成又は設定にマッピングする、事前に定義されたマッピングを使用して実装され得ることが理解されるであろう。上述のように、例えば、パーソナリティデータが、運転者がリスクを回避する傾向があることを示している場合、車両のドライブモードをエコノミー又はコンフォートに設定することができ、他方、リスクを求めるパーソナリティを有する傾向がある運転者の場合、ドライブモードをスポーツモードに設定することができる。そのようなマッピングは、可能なパーソナリティ特性-構成/設定の組み合わせごとに事前に定義することができ、取得されたユーザのパーソナリティデータに応じて、デバイス/装置の構成又は設定を適宜適合させることができる。ユーザのパーソナリティ特性は、例えば、上述のように、ニューラルネットワークによって出力されるパーソナリティディメンジョン(例えば、ビッグファイブから)の値に対応し得る。
【0052】
本明細書に提示される技術の利点は、上述の説明から十分に理解され、本開示の範囲から逸脱することなく、又はその有利な効果の全てを犠牲にすることなく、その例示的な態様の形態、構造、及び配置に様々な変更を行うことができることは明らかであろう。本明細書に提示される技術は多くの方法で変形することができるため、本開示は、以下の特許請求の範囲によってのみ制限されるべきであることが理解されるであろう。
図1a
図1b
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2021-11-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0052】
本明細書に提示される技術の利点は、上述の説明から十分に理解され、本開示の範囲から逸脱することなく、又はその有利な効果の全てを犠牲にすることなく、その例示的な態様の形態、構造、及び配置に様々な変更を行うことができることは明らかであろう。本明細書に提示される技術は多くの方法で変形することができるため、本開示は、以下の特許請求の範囲によってのみ制限されるべきであることが理解されるであろう。
上述の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)
ユーザ(402)のパーソナリティデータのデジタル表現を、クライアントデバイス(502、406)によってサーバ(404)から効率的に取得できるようにする方法であって、前記パーソナリティデータの前記デジタル表現は、ユーザ適合したサービスを前記ユーザ(402)に提供するために前記クライアントデバイス(406)において処理され、前記方法は前記サーバ(404)によって実行され、
前記ユーザ(402)から得られた入力に基づいてユーザ(402)のパーソナリティデータを計算するようにトレーニングされたニューラルネットワーク(602)を保存すること(S202)と、
ユーザ(402)のパーソナリティデータのデジタル表現の要求を、前記クライアントデバイス(502、406)から受信すること(S204)と、
前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータの前記要求されたデジタル表現を、前記クライアントデバイス(502、406)に送信すること(S206)であって、前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータは、前記ユーザ(402)から得られた入力に基づいて前記ニューラルネットワーク(602)を使用して計算される、ことと、
を有する方法。
(付記2)
前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータの前記デジタル表現は、前記ユーザ(402)にサービスを提供する少なくとも1つのデバイス(406)を設定するために前記クライアントデバイス(502、406)において処理され、
任意選択で、前記少なくとも1つのデバイス(406)は、前記クライアントデバイス(406)を含む、
付記1に記載の方法。
(付記3)
前記ユーザ(402)を特徴付けるフィードバックを受信することと、
前記フィードバックに基づいて前記ニューラルネットワーク(602)を更新することと、
前記ユーザ(402)の更新されたパーソナリティデータのデジタル表現を、前記クライアントデバイス(502、406)に送信することであって、前記ユーザ(402)の前記更新されたパーソナリティデータは、前記更新されたニューラルネットワーク(602)を使用して計算される、ことを更に有し、
任意選択で、前記ユーザ(402)の前記更新されたパーソナリティデータの前記デジタル表現は、前記ユーザ(402)に前記サービスを提供する前記少なくとも1つのデバイス(406)の設定を改善するために前記クライアントデバイス(502、406)において処理される、
付記1又は2に記載の方法。
(付記4)
前記フィードバックは、前記少なくとも1つのデバイス(406)によって提供される前記サービスを使用するときに前記少なくとも1つのデバイス(406)において監視される前記ユーザ(402)の行動を反映した行動データを含み、
任意選択で、前記行動データは、前記ユーザ(402)に前記サービスを提供する前記少なくとも1つのデバイス(406)によって実行される測定を使用して監視される、
付記3に記載の方法。
(付記5)
前記少なくとも1つのデバイス(406)は、車両を含み、前記行動データは、前記ユーザ(402)の運転行動を反映したデータを含む、
付記4に記載の方法。
(付記6)
前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータは、前記クライアントデバイス(502、406)から前記要求を受信する前に計算され、前記要求は、前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータを計算する際に前記サーバ(404)によって前記ユーザ(402)に事前に提供されたアクセスコードを含み、前記アクセスコードは、前記ユーザ(402)が他のクライアントデバイス(502、406)から前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータの前記デジタル表現にアクセスすることを可能にする、
付記1から5のいずれか一項に記載の方法。
(付記7)
前記ユーザから得られた前記入力は、前記ユーザ(402)のパーソナリティ、目標、及び動機のうちの少なくとも1つに関する質問に対する回答を反映したデジタルスコアに対応し、デジタルスコアのそれぞれは、前記ニューラルネットワーク(602)を使用して前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータを計算するときに、前記ニューラルネットワーク(602)の別個の入力ノードへの入力として使用される。
付記1から6のいずれか一項に記載の方法。
(付記8)
前記質問は、ユーザ(402)のパーソナリティデータを計算することを最適に達成可能な結果を表す質問セットから選択された質問に対応し、
前記選択された質問は、前記最適に達成可能な結果に関して最も影響力があると判定された前記質問セットの質問に対応し、
任意選択で、前記選択された質問の数は、前記質問セットに含まれる質問の数の10%未満である、
付記7に記載の方法。
(付記9)
前記質問は、前記質問セットの単一の質問のそれぞれによって達成可能な結果を、前記最適に達成可能な結果と相関させることと、前記最適に達成可能な結果と最も高い相関を有する前記質問セットから質問を選択することと、に基づいて前記質問セットから選択されるか、又は、
前記質問は、前記質問セットから繰り返して選択され、繰り返しのそれぞれにおいて、次の質問が前の質問に対する前記ユーザの回答に応じて選択され、繰り返しのそれぞれにおいて、前記次の質問は、前記ユーザのパーソナリティデータを計算するために達成可能な結果に最も影響力があると判定された前記質問セットの一つの質問として選択され、
任意選択で、前記ニューラルネットワーク(602)は、前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータの結果の確率曲線(604)を表す複数の出力ノードを含み、前記質問セットの最も影響力のある質問を、前記繰り返しのそれぞれの前記次の質問として判定することは、前記ニューラルネットワーク(602)の入力ノードのそれぞれについて、前記ニューラルネットワーク(602)の前記入力ノードのそれぞれに入力される前記デジタルスコアの変化が前記確率曲線(604)を変化させる程度を判定することを含む、
付記8に記載の方法。
(付記10)
ユーザ(402)のパーソナリティデータのデジタル表現を、クライアントデバイス(502、406)によってサーバ(404)から効率的に取得できるようにする方法であって、前記方法は前記クライアントデバイス(502、406)によって実行され、
ユーザ(402)のパーソナリティデータのデジタル表現の要求を、前記サーバ(404)に送信すること(S302)と、
前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータの前記要求したデジタル表現を、前記サーバ(404)から受信すること(S304)であって、前記ユーザ(402)の前記パーソナリティデータは、前記ユーザ(402)から得られた入力に基づいて、前記ユーザ(402)から得られた入力に基づいてユーザ(402)のパーソナリティデータを計算するようにトレーニングされたニューラルネットワーク(602)を使用して計算される、ことと、
ユーザ適合したサービスを前記ユーザ(402)に提供するために前記パーソナリティデータの前記デジタル表現を処理(S306)することと、
を有する方法。
(付記11)
コンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品が1つ又は複数のコンピューティングユニット上で実行されるときに、付記1から10のいずれか一項に記載の方法を実行するためのプログラムコード部分を含む、コンピュータプログラム製品。
(付記12)
1つ又は複数のコンピュータ可読記録媒体に保存された、付記11に記載のコンピュータプログラム製品。
(付記13)
ユーザ(402)のパーソナリティデータのデジタル表現を、クライアントデバイス(502、406)によってサーバ(404)から効率的に取得できるようにする前記サーバ(100、404)であって、前記パーソナリティデータの前記デジタル表現は、ユーザ適合したサービスを前記ユーザ(402)に提供するために前記クライアントデバイス(502、406)において処理され、前記サーバ(404)は、少なくとも1つのプロセッサ(102)及び少なくとも1つのメモリ(104)を備え、前記少なくとも1つのメモリ(104)は、前記サーバ(404)が付記1から9のいずれか一項に記載の方法を実行するように動作可能であるように、前記少なくとも1つのプロセッサ(102)によって実行可能な命令を含む、サーバ(100、404)。
(付記14)
ユーザ(402)のパーソナリティデータのデジタル表現をサーバ(404)から効率的に取得できるようにするクライアントデバイス(110、502、406)であって、前記クライアントデバイス(110、502、406)は、少なくとも1つのプロセッサ(112)及び少なくとも1つのメモリ(114)を備え、前記少なくとも1つのメモリ(114)は、前記クライアントデバイス(110、502、406)が付記10に記載の方法を実行するように動作可能であるように、前記少なくとも1つのプロセッサ(112)によって実行可能な命令を含む、クライアントデバイス(110、502、406)。
(付記15)
付記13に記載のサーバ(100、404)と、付記14に記載の少なくとも1つのクライアントデバイス(110、502、406)とを備えるシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を、クライアントデバイス(110)によってサーバ(100)から取得すことを含む方法であって、前記パーソナリティデータの前記デジタル表現は、前記パーソナリティに適合した車両設定を前記ユーザに提供するために前記クライアントデバイス(110)において処理され、前記方法は前記サーバ(100)によって実行され、
前記ユーザから得られた入力に基づいてユーザのパーソナリティデータを計算するようにトレーニングされたニューラルネットワーク(602)を保存すること(S202)と、
ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現の要求を、前記クライアントデバイス(110)から受信すること(S204)と、
前記ユーザの前記パーソナリティデータの前記要求されたデジタル表現を、前記クライアントデバイス(110)に送信すること(S206)であって、前記ユーザの前記パーソナリティデータは、前記ユーザから得られた入力に基づいて前記ニューラルネットワーク(602)を使用して計算される、ことと、
を有し、前記ユーザの前記パーソナリティデータの前記デジタル表現は、前記ユーザの前記パーソナリティに適合した車両設定を判定するために前記クライアントデバイス(110)において処理される、方法。
【請求項2】
前記判定された車両設定に基づいて、車両が製造される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記車両を製造することは、前記車両を製造するために使用される1つ又は複数の車両部品を製造することを含み、前記車両部品は、前記判定された車両設定に従って製造される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ユーザを特徴付けるフィードバックを受信することと、
前記フィードバックに基づいて前記ニューラルネットワーク(602)を更新することと、
前記ユーザの更新されたパーソナリティデータのデジタル表現を、前記クライアントデバイス(110)に送信することであって、前記ユーザの前記更新されたパーソナリティデータは、前記更新されたニューラルネットワーク(602)を使用して計算される、ことを更に有する
請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザの前記更新されたパーソナリティデータの前記デジタル表現は、前記車両設定を改善するために前記クライアントデバイス(110)において処理される、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記フィードバックは、前記クライアントデバイス(110)において収集される、
請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記フィードバックは、前記ユーザの前記パーソナリティを示す、
請求項4から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ユーザの前記パーソナリティデータは、
前記ユーザの心理的特性、
前記ユーザの好み、
のうちの少なくとも1つを示す、
請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記ユーザから得られた前記入力は、前記ユーザのパーソナリティ、目標、及び動機のうちの少なくとも1つに関する質問に対する回答を反映したデジタルスコアに対応し、デジタルスコアのそれぞれは、前記ニューラルネットワーク(602)を使用して前記ユーザの前記パーソナリティデータを計算するときに、前記ニューラルネットワーク(602)の別個の入力ノードへの入力として使用される。
請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記ユーザの前記パーソナリティに関する前記質問は、
International Personality Item Pool (IPIP)、
HEXACO-60 pool、
Big-Five-Inventory-10(BFI-10) pool、
前記ユーザの心理的特性についての質問、
前記ユーザの好みについての質問、
のうちの少なくとも1つの質問に対応する、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記質問は、ユーザのパーソナリティデータを計算することを最適に達成可能な結果を表す質問セットから選択された質問に対応し、
前記選択された質問は、前記最適に達成可能な結果に関して最も影響力があると判定された前記質問セットの質問に対応する
請求項9から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記選択された質問の数は、前記質問セットに含まれる質問の数の10%未満である、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記質問は、前記質問セットの単一の質問のそれぞれによって達成可能な結果を、前記最適に達成可能な結果と相関させることと、前記最適に達成可能な結果と最も高い相関を有する前記質問セットから質問を選択することと、に基づいて前記質問セットから選択される、
請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記質問は、前記質問セットから繰り返して選択され、繰り返しのそれぞれにおいて、次の質問が前の質問に対する前記ユーザの回答に応じて選択され、繰り返しのそれぞれにおいて、前記次の質問は、前記ユーザのパーソナリティデータを計算するために達成可能な結果に最も影響力があると判定された前記質問セットの一つの質問として選択される、
請求項11又は12に記載の方法。
【請求項15】
前記ニューラルネットワーク(602)は、前記ユーザの前記パーソナリティデータの結果の確率曲線(604)を表す複数の出力ノードを含み、前記質問セットの最も影響力のある質問を、前記繰り返しのそれぞれの前記次の質問として判定することは、前記ニューラルネットワーク(602)の入力ノードのそれぞれについて、前記ニューラルネットワーク(602)の前記入力ノードのそれぞれに入力される前記デジタルスコアの変化が前記確率曲線(604)を変化させる程度を判定することを含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ユーザの前記パーソナリティデータは、前記クライアントデバイス(110)から前記要求を受信する前に計算され、前記要求は、前記ユーザの前記パーソナリティデータを計算する際に前記サーバ(100)によって前記ユーザに事前に提供されたアクセスコードを含み、前記アクセスコードは、前記ユーザが他のクライアントデバイス(110)から前記ユーザの前記パーソナリティデータの前記デジタル表現にアクセスすることを可能にする、
請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を、クライアントデバイス(110)によってサーバ(100)から取得すことを含む方法であって、前記方法は前記クライアントデバイス(110)によって実行され、
ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現の要求を、前記サーバ(100)に送信すること(S302)と、
前記ユーザの前記パーソナリティデータの前記要求したデジタル表現を、前記サーバ(100)から受信すること(S304)であって、前記ユーザの前記パーソナリティデータは、前記ユーザから得られた入力に基づいて、前記ユーザから得られた入力に基づいてユーザのパーソナリティデータを計算するようにトレーニングされたニューラルネットワーク(602)を使用して計算される、ことと、
前記ユーザの前記パーソナリティに適合した車両設定を判定するために前記パーソナリティデータの前記デジタル表現を処理(S306)することと、
を有する方法。
【請求項18】
前記判定された車両設定に基づいて、車両が製造される、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記車両を製造することは、前記車両を製造するために使用される1つ又は複数の車両部品を製造することを含み、前記車両部品は、前記判定された車両設定に従って製造される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ユーザを特徴付けるフィードバックを、前記サーバ(100)に送信することと、
前記ユーザの更新されたパーソナリティデータのデジタル表現を、前記サーバ(100)から受信することであって、前記ユーザの前記更新されたパーソナリティデータは、前記フィードバックに基づいて更新された前記ニューラルネットワーク(602)を使用して計算される、ことを更に有する、
請求項17から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記ユーザの前記更新されたパーソナリティデータの前記デジタル表現は、前記車両設定を改善するために前記クライアントデバイス(110)において処理される、
請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記フィードバックは、前記クライアントデバイス(110)において収集される、
請求項20又は21に記載の方法。
【請求項23】
前記フィードバックは、前記ユーザの前記パーソナリティを示す、
請求項20から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記ユーザの前記パーソナリティデータは、
前記ユーザの心理的特性、
前記ユーザの好み、
のうちの少なくとも1つを示す、
請求項17から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記ユーザから得られた前記入力は、前記ユーザのパーソナリティ、目標、及び動機のうちの少なくとも1つに関する質問に対する回答を反映したデジタルスコアに対応し、デジタルスコアのそれぞれは、前記ニューラルネットワーク(602)を使用して前記ユーザの前記パーソナリティデータを計算するときに、前記ニューラルネットワーク(602)の別個の入力ノードへの入力として使用される。
請求項17から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記ユーザの前記パーソナリティに関する前記質問は、
International Personality Item Pool (IPIP)、
HEXACO-60 pool、
Big-Five-Inventory-10(BFI-10) pool、
前記ユーザの心理的特性についての質問、
前記ユーザの好みについての質問、
のうちの少なくとも1つの質問に対応する、
請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記質問は、ユーザのパーソナリティデータを計算することを最適に達成可能な結果を表す質問セットから選択された質問に対応し、
前記選択された質問は、前記最適に達成可能な結果に関して最も影響力があると判定された前記質問セットの質問に対応する、
請求項25又は26に記載の方法。
【請求項28】
前記選択された質問の数は、前記質問セットに含まれる質問の数の10%未満である、
請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記質問は、前記質問セットの単一の質問のそれぞれによって達成可能な結果を前記最適に達成可能な結果と相関させることと、前記最適に達成可能な結果と最も高い相関を有する前記質問セットから質問を選択することと、に基づいて前記質問セットから選択される、
請求項27又は28に記載の方法。
【請求項30】
前記質問は、前記質問セットから繰り返して選択され、繰り返しのそれぞれにおいて、次の質問が前の質問に対する前記ユーザの回答に応じて選択され、繰り返しのそれぞれにおいて、前記次の質問は、前記ユーザのパーソナリティデータを計算するために達成可能な結果に最も影響力があると判定された前記質問セットの一つの質問として選択される、
請求項27又は28に記載の方法。
【請求項31】
前記ニューラルネットワーク(602)は、前記ユーザの前記パーソナリティデータの結果の確率曲線(604)を表す複数の出力ノードを含み、前記質問セットの最も影響力のある質問を、前記繰り返しのそれぞれの前記次の質問として判定することは、前記ニューラルネットワーク(602)の入力ノードのそれぞれについて、前記ニューラルネットワーク(602)の前記入力ノードのそれぞれに入力される前記デジタルスコアの変化が前記確率曲線(604)を変化させる程度を判定することを含む、
請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記ユーザの前記パーソナリティデータは、前記サーバ(100)に前記要求を送信する前に計算され、前記要求は、前記ユーザの前記パーソナリティデータを計算する際に前記サーバ(100)によって前記ユーザに事前に提供されたアクセスコードを含み、前記アクセスコードは、前記ユーザが他のクライアントデバイス(110)から前記ユーザの前記パーソナリティデータの前記デジタル表現にアクセスすることを可能にする、
請求項17から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
コンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品が1つ又は複数のコンピューティングユニット上で実行されるときに、請求項1から32のいずれか一項に記載の方法を実行するためのプログラムコード部分を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項34】
1つ又は複数のコンピュータ可読記録媒体に保存された、請求項33に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項35】
ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を、クライアントデバイス(110)によってサーバ(100)から取得できるようにする前記サーバ(100、100)であって、前記パーソナリティデータの前記デジタル表現は、前記パーソナリティに適合した車両設定を前記ユーザに提供するために前記クライアントデバイス(110)において処理され、前記サーバ(100)は、少なくとも1つのプロセッサ(102)及び少なくとも1つのメモリ(104)を備え、前記少なくとも1つのメモリ(104)は、前記サーバ(100)が請求項1から16のいずれか一項に記載の方法を実行するように動作可能であるように、前記少なくとも1つのプロセッサ(102)によって実行可能な命令を含む、サーバ(100、100)。
【請求項36】
ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現をサーバ(100)から取得できるようにするクライアントデバイス(110、110)であって、前記クライアントデバイス(110、110)は、少なくとも1つのプロセッサ(112)及び少なくとも1つのメモリ(114)を備え、前記少なくとも1つのメモリ(114)は、前記クライアントデバイス(110、110)が請求項17から32のいずれか一項に記載の方法を実行するように動作可能であるように、前記少なくとも1つのプロセッサ(112)によって実行可能な命令を含む、クライアントデバイス(110、110)。
【請求項37】
請求項35に記載のサーバ(100、100)と、請求項36に記載の少なくとも1つのクライアントデバイス(110、110)とを備えるシステム。
【請求項38】
ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を取得することを含む方法であって、前記パーソナリティデータの前記デジタル表現は、前記ユーザの前記パーソナリティに適合した車両設定を提供するために処理され、前記方法は、
ユーザのパーソナリティデータのデジタル表現を取得することであって、前記ユーザの前記パーソナリティデータは、前記ユーザから得られた入力に基づいて、前記ユーザから得られた入力に基づいてユーザのパーソナリティデータを計算するようにトレーニングされたニューラルネットワーク(602)を使用して計算される、ことと、
前記ユーザの前記パーソナリティに適合した車両設定を判定するために前記パーソナリティデータの前記デジタル表現を処理することと、
を有する、方法。
【請求項39】
前記判定された車両設定に基づいて、車両が製造される、
請求項38に記載の方法。
【国際調査報告】