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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-24
(54)【発明の名称】生体認証入力デバイス
(51)【国際特許分類】
   G06T 1/00 20060101AFI20220517BHJP
   G06K 7/00 20060101ALI20220517BHJP
   G02B 5/02 20060101ALI20220517BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20220517BHJP
   G02B 5/22 20060101ALI20220517BHJP
【FI】
G06T1/00 420C
G06T1/00 400H
G06K7/00 021
G02B5/02 B
G02B5/30
G02B5/22
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021552143
(86)(22)【出願日】2020-03-19
(85)【翻訳文提出日】2021-09-02
(86)【国際出願番号】 US2020023554
(87)【国際公開番号】W WO2020191154
(87)【国際公開日】2020-09-24
(31)【優先権主張番号】16/359,469
(32)【優先日】2019-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ZIGBEE
3.UNIX
4.Linux
(71)【出願人】
【識別番号】506329306
【氏名又は名称】アマゾン テクノロジーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106541
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 信和
(72)【発明者】
【氏名】ガブリエレ ハンター
(72)【発明者】
【氏名】パク ヒュンギュ
(72)【発明者】
【氏名】スミス マシュー クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】デュエリ マルクス ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ロー ハウイ ホワイ
【テーマコード(参考)】
2H042
2H148
2H149
5B047
【Fターム(参考)】
2H042BA02
2H042BA03
2H042BA12
2H042BA16
2H148CA01
2H148CA12
2H148CA17
2H148CA24
2H149AA00
2H149AA28
2H149BA02
2H149EA10
2H149FC06
5B047AA23
5B047AB02
5B047BA02
5B047BB06
5B047BC04
5B047BC11
5B047DB01
(57)【要約】
生体認証入力デバイスは、第1の偏光を有する偏光子の背後にある画像センサを使用して、視野(FOV)内にあるユーザの掌の画像を生成するセンサアセンブリを含む。FOV内の掌は、第1の偏光及び第2の偏光を有する光により異なる時間に照射される。画像は、偏光された光を使用して取得され、表面の特徴及び皮下の特徴の画像を提供する。画像は次いで、ユーザを識別するよう処理されてもよい。デバイスは、ユーザに情報を提供し、またはユーザから入力を受信するためのタッチスクリーンを含んでもよい。デバイスは、入場門及びポイントオブセールなどの便利な位置にデバイスを搭載するためのスタンドを含んでもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラアセンブリであって、
赤外線光に感応する画像センサであって、前記画像センサは、第1の視野(FOV)内から画像を取得する、前記画像センサと、
第1の偏光を有する第1の偏光子であって、前記第1の偏光子は、前記画像センサの光学経路にある、前記第1の偏光子と、
を含む、前記カメラアセンブリと、
前記第1のFOVの少なくとも一部を照射する第1の偏光赤外線光モジュールであって、前記第1の偏光赤外線光モジュールは、
第1の赤外線光源と、
第2の偏光を有する第2の偏光子と、
を含む、前記第1の偏光赤外線光モジュールと、
前記第1のFOVの少なくとも一部を照射する第2の偏光赤外線光モジュールであって、前記第2の偏光赤外線光モジュールは、
第2の赤外線光源と、
前記第1の偏光を有する第3の偏光子と、
を含む、前記第2の偏光赤外線光モジュールと、
を備える、デバイス。
【請求項2】
前記第1の偏光は、第1の方向において線形であり、前記第2の偏光は、前記第1の方向に垂直な第2の方向において線形である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記第1の偏光赤外線光モジュールは、
赤外線光に対して不透過である第1のバリアを更に含み、前記第1のバリアは、前記第1の赤外線光源と前記カメラアセンブリとの間にあり、
前記第2の偏光赤外線光モジュールは、
赤外線光に対して不透過である第2のバリアを更に含み、前記第2のバリアは、前記第2の赤外線光源と前記カメラアセンブリとの間にある、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記第1の偏光赤外線光モジュールは、第1の拡散板を更に含み、
前記第2の偏光赤外線光モジュールは、第2の拡散板を更に含む、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記第1のFOVの少なくとも一部を照射する第3の偏光赤外線光モジュールであって、前記第3の偏光赤外線光モジュールは、
第3の赤外線光源と、
前記第2の偏光を有する第4の偏光子と、
を含む、前記第3の偏光赤外線光モジュールと、
前記第1のFOVの少なくとも一部を照射する第4の偏光赤外線光モジュールであって、前記第4の偏光赤外線光モジュールは、
第4の赤外線光源と、
前記第1の偏光を有する第5の偏光子と、
を含む、前記第4の偏光赤外線光モジュールと、を更に備え、
前記第1の偏光赤外線光モジュールは、前記カメラアセンブリの開口部の第1の側に配列され、
前記第3の偏光赤外線光モジュールは、前記第1の側とは反対にある、前記カメラアセンブリの前記開口部の第2の側に配列され、
前記第2の偏光赤外線光モジュールは、前記第1の偏光赤外線光モジュールと前記第3の偏光赤外線光モジュールとの間にある、前記カメラアセンブリの前記開口部の第3の側に配列され、
前記第4の偏光赤外線光モジュールは、前記第3の側とは反対にある、前記カメラアセンブリの前記開口部の第4の側に配列される、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
可視光源と、
光学的に透過な材料を含む第1の構造であって、前記第1の構造の少なくとも一部は、前記可視光源から前記第1の構造の外面に可視光を伝達する光パイプを含む、前記第1の構造と、
を更に備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記カメラアセンブリ、前記第1の偏光赤外線光モジュール、及び前記第2の偏光赤外線光モジュールを取り囲む周囲に沿って配列された複数の可視光源を更に備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
1つ以上の改ざん防止機構と、
カードリーダであって、
挿入されたカードへの電気的接続をもたらす複数の電気接点、または
近接場通信(NFC)通信インタフェース、
のうちの1つ以上を含む、前記カードリーダと、
を更に備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
第1のコンピュータ実行可能命令を記憶したメモリと、
ハードウェアプロセッサであって、前記ハードウェアプロセッサは、
前記第1の赤外線光源を動作させ、
前記第2の赤外線光源を動作させ、
前記画像センサを動作させる、
よう前記第1のコンピュータ実行可能命令を実行する、前記ハードウェアプロセッサと、
を更に備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
カメラアセンブリであって、
赤外線光に感応する画像センサであって、前記画像センサは、第1の視野(FOV)内から画像を取得する、前記画像センサと、
前記画像センサの光学経路にある、前記第1の偏光子と、
を含む、前記カメラアセンブリと、
前記第1のFOVの少なくとも一部を照射する第1の偏光赤外線光モジュールであって、前記第1の偏光赤外線光モジュールは、
第1の赤外線光源と、
第2の偏光子と、
を含む、前記第1の偏光赤外線光モジュールと、
前記第1のFOVの少なくとも一部を含む第2のFOVを有する近接センサと、
前記近接センサからのデータに応答して、前記画像センサ及び前記第1の赤外線光源を動作させるコントローラと、
を備える、デバイス。
【請求項11】
前記第1の偏光子は、光を選択的にフィルタリングするよう、前記コントローラからの入力に応答し、前記第1の偏光子は、
機械的切り替え可能偏光子であって、1つ以上の偏光子を移動させる1つ以上のアクチュエータであって、前記1つ以上の偏光子は、第1の偏光を有する光を通す第1の偏光素子及び第2の偏光を有する光を通す第2の偏光素子を含む、前記機械的切り替え可能偏光子、
液晶、または
光弾性変調器、
のうちの1つ以上を含む、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記第1の偏光赤外線光モジュールは、
第1の拡散板と、
赤外線光に不透過な第1のバリアであって、前記第1のバリアは、前記第1の赤外線光源と前記カメラアセンブリとの間にある、前記第1のバリアと、
を更に含む、請求項10に記載のデバイス。
【請求項13】
前記近接センサは、
光学タイムオブフライトセンサ、
構造化光センサ、
光学視差センサ、
容量性センサ、または
超音波センサ、
のうちの1つ以上を含む、請求項10に記載のデバイス。
【請求項14】
外部環境と前記カメラアセンブリ及び前記第1の偏光赤外線光モジュールとの間に配列されたセンサウインドウを更に備え、
前記センサウインドウは、赤外線光に対して透過である、請求項10に記載のデバイス。
【請求項15】
前記カメラアセンブリ及び前記第1の偏光赤外線光モジュールを取り囲む周囲に沿って配列された複数の可視光源を更に備える、請求項10に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、「Biometric Input Device」と題する2019年3月20日に出願された米国特許出願第16/359,469号に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
店舗、図書館、病院、オフィス、及びアパートメントなどの施設は、施設においてユーザを識別する能力を必要とすることがある。
【0003】
添付図面を参照して、詳細な説明が説明される。図面では、参照符号の最も左の桁(複数可)は、参照符号が最初に表れる図を識別する。異なる図における同一の参照符号の使用は、同様または同一の項目または特徴を示す。図面は必ずしも、同一縮尺で描かれず、いくつかの図では、特定の態様の理解を促進するために、比率または他の態様が誇張されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】いくつかの実装態様に従った、生体認証入力デバイスを示す。
図2】いくつかの実装態様に従った、センサアセンブリ及びマザーボードアセンブリを含む内部構成要素を有するデバイスの側面図を示す。
図3】いくつかの実装態様に従った、デバイスのセンサアセンブリの断面図を示す。
図4】いくつかの実装態様に従った、デバイスのセンサアセンブリの斜視図を示す。
図5】いくつかの実装態様に従った、デバイスのセンサアセンブリの分解図を示す。
図6】いくつかの実装態様に従った、デバイスのセンサアセンブリの一部の平面図を示す。
図7】いくつかの実装態様に従った、デバイスのカメラアセンブリの図を示す。
図8】いくつかの実装態様に従った、デバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
実施態様が例として本明細書で説明されるが、当業者は、実施態様が説明される実施例または図面に限定されないことを認識するであろう。図面及びそれらに対する詳細な説明は、実施態様を開示される特定の形式に限定することを意図しておらず、それどころか、発明は、添付の請求項によって定義されるような精神及び範囲に収まる全ての修正、同等物、及び代替物を網羅することになることが理解されるべきである。本明細書で使用される見出しは、構成のみを目的としており、説明及び請求項の範囲を限定するために使用されることを意味しない。本出願の全体を通じて使用されるように、用語「~してもよい(may)」は、必須という意味ではなく(すなわち、必要であることを意味する)、許容的な意味(すなわち、~する見込みを有することを意味する)において使用される。同様に、用語「含む(include)」、「含んでいる(including)」、及び「含む(includes)」は、限定しないが、~を含むことを意味する。
【0006】
ユーザの正確且つ高速な識別は、アクセス及び支払などを含む様々な様式において使用することができる情報を提供する。1つの状況では、施設またはその一部への物理的なアクセスを制御するために、生体認証入力が使用されることがある。例えば、オフィス、居住地、倉庫、輸送施設、または他の位置への入場は、入場門においてユーザが生体認証入力を提示することに応答することがある。生体認証入力が前に記憶されたデータに対応する場合、ユーザは、入場することが許可されることがある。
【0007】
別の状況では、物品またはサービスに対する支払いを促進するために、生体認証入力が使用されることがある。例えば、ユーザは、ポイントオブセールス(POS)において生体認証入力を提供することがある。ユーザの識別を判定するために、生体認証入力が使用されることがある。ユーザの識別は次いで、アカウント、及び前に記憶された銀行アカウントまたはクレジットカードアカウントなど、支払方法と関連付けられることがある。
【0008】
別の状況では、電子記録を署名するために、生体認証入力が使用されることがある。例えば、契約に合意し、配送を受け付けたなどの特定のユーザに関する情報を提供するために、生体認証入力が使用されることがある。
【0009】
ユーザを識別するための従来のシステムは、不正を受けやすいこと、速度の制約、精度の制約、及び動作の制約を含むいくつかの重大な欠点を被る。例えば、識別カードなどのトークンを提示することによってユーザを識別するための従来のシステムは、トークンを提示する承認されたユーザ以外の何者かによって危険に晒されることがある。結果として、「持っているもの(something you have)」の使用のみを伴うシステムは、不正使用に対して脆弱である。生体認証識別システムは、複製すること、または転送されることが困難であり、または不可能である特定の個人の特性を使用することによってこれに対処する。従来の生体認証識別システムの動作は、データを取得することが低速であること、解像度が制約されること、及び頻繁に使用される環境において摩耗を増大させることなど、動作的な問題を生じさせる。例えば、従来の掌に基づく生体認証識別システムは、ユーザの手と走査デバイスとの間の物理的な接触を必要とする。この物理的な接触は、非衛生的であると見なされることがあり、何らかのユーザにとって実現することが困難であることがある。それらのシステムによって取得されたデータは、相対的に低解像度のデータでもあることがあり、結果として、識別において信頼度を低減させる。それら因子及び他の因子は、ユーザトラフィックの流量を著しく妨げることなく、ユーザの迅速な識別が求められる状況における使用に既存のシステムが適切でないことを結果としてもたらす。例えば、既存のシステムによって生じる遅延は、混雑したチェックアウトの列またはラッシュアワーでの施設への入口における遅延など、深刻な負の影響を生じさせる。
【0010】
本開示において説明されるのは、ユーザの非接触生体認証識別に対して使用することができる、画像を取得する生体認証入力デバイス(デバイス)である。デバイスは、光学タイムオブフライトセンサなどの近接センサを含むことができるセンサアセンブリを含む。近接センサが物体の存在を検出するとき、照射をもたらすよう、デバイスにおける偏光赤外線光源が異なる時間に活性化されてもよいと共に、赤外線光に感応するデバイスにおけるカメラは、異なる時間に画像を取得する。画像は、異なる時間に異なる偏光により赤外線光によって照射されるように、カメラの視野(FOV)内の物体の画像である。例えば、第1の偏光を有する赤外線光を使用する1つ以上の画像の第1のセットが取得されてもよく、第2の偏光を有する赤外線光を使用する1つ以上の画像の第2のセットが取得されてもよい。カメラは、第1の偏光を有する偏光子を含んでもよい。画像の第1のセットは、ユーザの掌における線及びしわなどの外部特性を表すと共に、画像の第2のセットは、静脈、骨、軟組織、または皮膚の表皮の下の他の構造などの内部解剖学的構造を表す。
【0011】
画像またはそれらの画像に基づいた情報は次いで、外部デバイスに送信されてもよい。例えば、画像または画像における特徴を示す情報は、暗号化されてもよく、識別、支払アカウント情報、及びポータルを通過する承認を判定することを処理するためのサーバに送信されてもよい。
【0012】
デバイスは、出力デバイスを含んでもよい。1つの実装態様では、デバイスは、1つ以上の可視光源を含んでもよい。可視光を放射する発光ダイオード(LED)は、データの取得が成功または不成功であったかの視覚的インジケーションをユーザに提供し、位置決めプロンプトを提供する、などのよう動作してもよい。リングの形状における光パイプは、カメラの周りに配列されてもよく、LEDからデバイスの外側に光を方向付けてもよい。例えば、ユーザがFOVの内部にそれらの手を移動させるにつれて、可視光LEDは、青に点灯してもよく、リングを照射し、それらの手がFOV内にあることの視覚的インジケータをユーザに提供する。別の実施例では、画像の取得に成功した後、可視光LEDは、緑に点灯してもよく、それらの手の使用可能な画像が取得されたことの視覚的インジケータをユーザに提供するようリングを照射する。
【0013】
デバイスは、ディスプレイ、スピーカ、及びプリンタなどの他の出力デバイスを含んでもよい。例えば、手の位置付けを促すこと、画像の取得が成功したことを示すこと、及び取引の承認または否認を示すことなどの情報をユーザに提供するために、ディスプレイスクリーンが使用されてもよい。
【0014】
デバイスは、カードリーダ、タッチセンサ、ボタン、及びマイクロフォンなどの他の入力デバイスを含んでもよい。カードリーダは、EMVカードとの有線通信または無線通信をもたらすEMVカードリーダを含んでもよい。例えば、ユーザは、センサアセンブリによって取得される画像と共に、取引を認可するために使用されるEMVカードを挿入してもよい。タッチセンサは、タッチスクリーンを設けるよう、ディスプレイスクリーンと組み合わされてもよい。ユーザは、タッチスクリーンに接触することによって入力を提供してもよい。
【0015】
デバイスはコンパクトであり、既存のシステムまたは新たなシステムとの容易な統合を可能にする。デバイスは、様々な状況において生体認証入力の高速且つ非接触の取得を促進する。デバイスは容易に配置され、支持構造上に置かれ、スタンドに固定され、別のデバイスと統合されるなどのポータブルデバイスとして異なる実装態様が使用されてもよい。デバイスによって生成された生体認証入力を使用することによって、コンピュータシステムは、特定の時間に特定のデバイスにおける特定のユーザの物理的存在を判定することが可能である。取引の支払いを認可すること、安全な領域への入場を得ること、契約に署名することなどのために、この情報が使用されてもよい。
【0016】
例示的なシステム
図1は、いくつかの実装態様に従った、生体認証入力デバイス102(デバイス)を示す。ユーザは、デバイス102に近づいてもよく、デバイス102のセンサウインドウ106上にそれらの手104を置くことができる。センサウインドウ106の下のセンサアセンブリは、視野(FOV)108を有するカメラを含んでもよい。動作の間、カメラは、FOV108内にある手104の1つ以上の画像などの生体認証入力を取得する。センサアセンブリは、以下で更に詳細に議論される。この実装態様では、FOV108は全体的に、上方向に方位付けられる。他の実装態様では、FOV108は、他の方向に方向付けられてもよい。例えば、FOV108は、下方向に方向付けられてもよく、ユーザは、センサウインドウ106の下にユーザの手104を置いてもよい。
【0017】
デバイス102は、ディスプレイデバイス110(ディスプレイ)を含んでもよい。例えば、ディスプレイ110は、テキスト及び画像などを提示することが可能な液晶ディスプレイを含んでもよい。いくつかの実装態様では、ディスプレイ110は、タッチスクリーンとして動作するためのタッチセンサを組み込んでよい。
【0018】
デバイス102は、カード114と併用して動作することが可能なカードリーダ112を含んでもよい。カード114は、磁気ストライプなどの磁気メモリ媒体、マイクロプロセッサ、または他のデバイスを含んでもよい。カードリーダ112は、有線接続を介して、物理的接触を介して、または無線でカード114と相互作用するように構成されてもよい。例えば、カードリーダ112は、磁気読取りヘッド、電気接点、及び近接場通信(NFC)通信インタフェースなどを含んでもよい。例えば、有線接続をもたらすために、カードリーダ112は、挿入されたカード114に電気接続をもたらすための複数の電気接点を含んでもよい。別の実施例では、無線接続をもたらすために、カードリーダ112は、国際標準化機構(International Organization for Standardization(ISO))並びに国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission(IEC及びEMVCoなど))によって発布されたようなISO/IEC14443仕様の少なくとも一部に準拠してもよい。他の実装態様では、カードリーダ112は、動作の間に使用されなくてもよく、またはデバイス102から省略されてもよい。
【0019】
デバイス102を支持するために、スタンド116が使用されてもよい。いくつかの実装態様では、スタンド116は、表面に固定されてもよい。例えば、スタンド116は、カウンタトップに取り付けられてもよい。
【0020】
図2は、いくつかの実装態様に従った、デバイス102の側面図を示す。デバイス102の内部構成要素は、センサアセンブリ202及びマザーボードアセンブリ204を含む。センサアセンブリ202は、手104の画像などの生体認証入力を取得するために使用される、カメラ、発光体、及び偏光子などを含んでもよい。マザーボードアセンブリ204は、カードリーダ112、1つ以上のプロセッサ、メモリ、出力デバイス、コントローラ、及び入力デバイスなどを含んでもよい。
【0021】
デバイス102は、上部筐体206及び下部筐体208を含んでもよい。組み合わされるとき、センサアセンブリ202及びマザーボードアセンブリ204は、上部筐体206及び下部筐体208内で少なくとも部分的に包囲される。上部筐体206及び下部筐体208は、その中に包囲された構成要素に近接した内面及び周囲環境に露出された外面を有する。スタンド116は、下部筐体208の下側に取り付けられるとしても示される。
【0022】
デバイス102、またはその一部は、改ざん防止機構を含んでもよい。デバイス102への認可されていない入場が試みられる場合、デバイス102の少なくとも一部を無効にするために、改ざん防止機構が使用されてもよい。例えば、カードリーダ112は、1つ以上の導電体を有するエンクロージャ内で封入されてもよい。1つ以上の導電体の破損は、改ざんの試みとして記録されてもよい。物理的改ざんを判定するために、デバイスがX線撮影されているかどうかを判定するよう輻射をイオン化するための検出器などの他の技術が使用されてもよい。潜在的な改ざんまたは実際の改ざんの判定は、それらに限定されないが、記憶消去及び自己破壊などを含むアクションを軽減することを結果としてもたらすことができる。
【0023】
図3は、いくつかの実装態様に従った、デバイス102のセンサアセンブリ202の断面図を示す。上部筐体206の第1の端は、センサウインドウ106に対する開口を含む。この実装態様では、開口及びセンサウインドウ106は、形状において円形である。センサウインドウ106は、赤外線光に対して透過であってもよく、可視光に対して不透過であってもよい。いくつかの実装態様では、センサウインドウ106は、反射防止被膜、耐ひっかき性のための被膜、及び汚れ防止被膜などのうちの1つ以上を含んでもよい。反射防止被膜は、外(上)側、内(下)側、またはその両方の上に存在してもよい。汚れ防止被膜は、外(上)側上に存在してもよい。
【0024】
センサアセンブリ202は、光学クレイドル302、カメラアセンブリ304、回路基板306、及び照射リング308を含む。光学クレイドル302は、センサアセンブリ202の構成要素を支持するフレームまたは構造を提供する。カメラアセンブリ304は、光学クレイドル302に搭載される。センサウインドウ106は、外部環境とカメラアセンブリ304との間に配列される。カメラアセンブリ304は、画像センサ及び偏光子を含み、図7に関してより詳細に説明される。
【0025】
回路基板306は、光学クレイドル302の上面に搭載される。回路基板306は、可視光源及び赤外線光源などを含んでもよい。照射リング308は、回路基板306の上に配列される。よって、照射リング308の内側部分は、回路基板306の一部及び可視光LEDなどのその上の構成要素に近接する。そこに表される照射リング308の外側部分は全体的に円形であり、上部筐体206において開口内に配列される。
【0026】
照射リング308は、光がユーザに視認可能であることができるように、回路基板306上で可視光源によって生成された光を方向付ける、光パイプ、光ガイド、及び光学導波管などを含む。例えば、照射リング308は、透明または半透明のプラスチックまたはガラスなどの光学的に透過な材料を含んでもよい。照射リング308は、光学クレイドル302、回路基板306、上部筐体206、またはデバイス102の他の部分に搭載されてもよい。センサウインドウ106は次いで、照射リング308に固定される。他の実装態様では、センサウインドウ106は、矩形などの異なる形状を有してもよく、センサウインドウ106の周囲の少なくとも一部に沿って延在する光パイプが使用されてもよい。
【0027】
図4は、いくつかの実装態様に従った、デバイス102のセンサアセンブリ202の斜視図を示す。この図では、センサウインドウ106は、適切な位置で、照射リング308に搭載される。例えば、センサウインドウ106は、機械的ファスナ、機械的保持機構、及び接着剤などのうちの1つ以上を使用して、照射リング308に搭載されてもよい。照射リング308は、複数の機械的ファスナを使用して光学クレイドル302に搭載される。回路基板306は、照射リング308と光学クレイドル302との間で保持される。
【0028】
図5は、いくつかの実装態様に従った、デバイス102のセンサアセンブリ202の分解図を示す。センサウインドウ106は、照射リング308に搭載される。回路基板306は、上側が照射リング308の下側に近接するように搭載される。回路基板306は、1つ以上の可視光源502を含んでもよい。例えば、可視光源502は、発光ダイオード(LED)、量子ドット、電子発光デバイス、蛍光デバイス、ランプ、及びレーザなどを含んでもよい。この例示では、可視光源502は、照射リング308の内側部分の少なくとも一部に対応する円周囲に沿って円形構成に置かれた複数のLEDを含む。
【0029】
センサアセンブリ202は、回路基板306上の1つ以上の偏光赤外線光モジュール(PIRLM)504を含む。PIRLM504は、特定の偏光を有する赤外線光を生じさせる。各々のPIRLM504は、1つ以上の赤外線光源506を含んでもよい。例えば、赤外線光源506は、LED、量子ドット、電子発光デバイス、蛍光デバイス、ランプ、及びレーザなどを含んでもよい。例を続けると、赤外線光源506は、740nm~1000nmの波長を有する光を発するLEDを含んでもよい。1つの実装態様では、IR光源506は、850nmの赤外線光を放射してもよい。この例示では、各々のPIRLM504は、4つの赤外線LEDを含む。偏光子508は、赤外線光源506の上に配列される。拡散板510は、偏光子508の上に配列される。拡散板510は、光を拡散すると共に、通過する光の偏光を維持するマクロレンズアレイ(MLA)を含んでもよい。他の実装態様では、他の配列が使用されてもよい。例えば、拡散板510は、赤外線光源506の上に配列されてもよく、偏光子508は、拡散板510の上に配列されてもよい。いくつかの実装態様では、拡散板510の上面または下面のうちの1つ以上は、反射防止被膜を有してもよい。
【0030】
偏光子508は、線形偏光を有する光を通す二色性材料または二色性構造体を含んでもよい。例えば、偏光子508は、整列されたポリフッ化ビニリデン鎖、及びガラスなどの透明基板に埋め込まれた銀ナノ粒子などを含んでもよい。他の実装態様では、それらに限定されないが、ワイヤグリッド偏光子、ビームスプリッティング偏光子、1/4波長板、液晶、及び光弾性変調器などを含む他の偏光デバイスが使用されてもよい。例えば、光弾性変調器は、石英ガラスなど、半波長共鳴バーを振動させるよう圧電トランスデューサを駆動する電気信号によって制御されるデバイスを含んでもよい。信号の周波数を変化させることによって、トランスデューサによって生じる振動の周波数が変化し、共鳴バーを通る光の偏光が選択されてもよい。
【0031】
この実装態様では、4つのPIRLM504は、回路基板306において開口部の周りに配列される。組み立てられるとき、カメラアセンブリ304は、開口部を通じて少なくとも部分的に延在する。各々のPIRLM504は、活性化されると、特定の偏光を有する赤外線光を放射する。いくつかの実装態様では、PIRLM504の第1のペアは、第1の偏光を有する赤外線光を放射してもよいと共に、PIRLM504の第2のペアは、第2の偏光を有する赤外線光を放射する。どのペアが特定の時間に照射されるかを選択的に動作させることによって、FOV108及びその中の物体は、特定の偏光を有する赤外線光によって照射される。
【0032】
センサアセンブリ202はまた、1つ以上の近接センサ512を含んでもよい。例えば、複数の近接センサ512は、PIRLM504と可視光源502との間に配列されてもよい。他の実装態様では、FOV108の少なくとも一部を含むために、それらのそれぞれの視野を有する1つ以上の近接センサ512が配列されてもよい。他の実装態様では、1つ以上の近接センサ(複数可)512が他の位置に置かれてもよい。例えば、近接センサ512は、マザーボードアセンブリ204上に位置してもよい。
【0033】
手104などの物体がFOV108内にあるかどうかを判定するために、近接センサ(複数可)512が使用されてもよい。物体が存在するかどうか、及び物体の少なくとも一部への距離を示す距離データを判定するために、光学近接センサ512は、タイムオブフライト(ToF)、構造化ライト、光学視差、干渉法、または他の技術を使用してもよい。例えば、光学視差近接センサ512は、物体の画像を取得し、画像における物体の位置の不一致に基づいて物体の位置を判定するために、既知の距離だけ分離された少なくとも2つのカメラを使用してもよい。光学近接センサ512は、動作の間に赤外線光を使用してもよい。例えば、赤外線光学ToFセンサは、光検出器に反射され、またはそうでなければ光検出器に戻される、光学エミッタまたは発光体からの放射された赤外線光のパルスの伝播時間(または、「ラウンドトリップ」時間)を判定する。伝播時間を半分に除算し、結果を空気中の光の速度と乗算することによって、物体への距離が判定されてもよい。別の実装態様では、構造化光パターンが光学エミッタによって設けられてもよい。構造化光パターンの一部は次いで、カメラなどのセンサを使用して、物体上で検出されてもよい。構造化光パターンの特徴の間の明白な距離に基づいて、物体への距離が計算されてもよい。物体への距離を判定するための他の技術も使用されてもよい。別の実施例では、皮膚及び衣服など、物体を特徴付けるために、反射された光の色が使用されてもよい。
【0034】
光学近接センサ512の代わりにまたはそれに加えて、他の現象を使用する近接センサ512も使用されてもよい。例えば、容量性センサは、電極における静電容量の変化に基づいて、物体の近接性を判定してもよい。別の実施例では、超音波センサは、超音波音を生成及び検出するために、1つ以上のトランスデューサを使用してもよい。反射された音の検出に基づいて、物体の存在及び物体への距離などの情報が判定されてもよい。
【0035】
赤外線光源506のうちの1つ以上の動作またはカメラの動作を制御するために、近接センサ(複数可)512によって提供される距離データが使用されてもよい。1つの実装態様では、赤外線光源(複数可)506の出力の強度は、距離に少なくとも部分的に基づいて判定されてもよい。例を続けると、物体がセンサアセンブリ202の近くに移動するにつれて、赤外線光源(複数可)506によってもたらされる照射の強度が減少することができ、逆もまたそうである。別の実装態様では、赤外線光源(複数可)506の出力の強度は、カメラについての露光時間は変化する間、一定のままであることができる。例えば、物体がセンサアセンブリ202の近くに移動するにつれて、画像を取得するために使用される露光時間は、結果として生じる画像が過度に露光されることを防止するために減少することができ、逆もまたそうである。更なる別の実装態様では、照射及び露光時間の両方を制御するために、距離データが使用されてもよい。
【0036】
いくつかの実装態様では、赤外線光源506による照射の強度は、画像センサによって取得された画像に少なくとも部分的に基づいて判定されてもよい。取得された画像内の画素の平均強度が閾値を下回る場合、赤外線光源(複数可)506の強度が増大することができる。同様に、取得された画像内の画素の平均強度が閾値を上回る場合、赤外線光源(複数可)506の強度が減少することができる。いくつかの実装態様では、デバイスまたはその構成要素の動作を制御するために、距離データ及び画像データが使用されてもよい。
【0037】
別の実装態様では、FOV108内に物体が存在するかどうかを判定するために、画像センサが使用されてもよい。例えば、画像センサが動作してもよい。赤外線光源506のうちの1つ以上は、FOV108を照射するよう動作してもよい。1つ以上の画像は、画像センサによって取得されてもよく、背景画像に対して、または連続画像の間のいずれかで変化が発生したかどうかを判定するよう比較されてもよい。例えば、画像は、毎秒10画像のレートにおいて取得されてもよい。閾値を超える変化は、画像を取得するレートの増大を結果としてもたらし、赤外線光の異なる偏光により画像を取得するための説明された処理を開始する。
【0038】
1つ以上のバリアもセンサアセンブリ202に含まれてもよい。それらのバリアは、赤外線光に対して不透過であってもよい。バリアは、隣接するPIRLM504の間、PIRLM504とカメラアセンブリ304の少なくとも一部との間、またはデバイス102内の他の位置に置かれてもよい。バリアは、デバイス102内に留まるIR光源506から放射された光が、レンズまたはピンホールなど、カメラアセンブリ304の開口部に入射することを防止する。例えば、バリアは、赤外線光源506によって放射された赤外線光が、「こぼれ落ちること」及び手104から反射された光と干渉することを防止する。1つの実装態様では、バリアは、PIRLM504についての筐体を含んでもよい。例えば、各々のPIRLM504は、バリアとして作用する壁を有するユニットを含んでもよい。別の実装態様では、バリアは、回路基板306に固定されてもよく、または回路基板306から延在してもよい。更なる別の実装態様では、バリアは、カメラアセンブリ304からセンサウインドウ106に延在する赤外線不透過材料の構造を含む。例えば、伸縮自在な材料の赤外線不透過ブートまたはガスケットは、カメラアセンブリ304とセンサウインドウ106の内面との間に配列されてもよい。このブートは、デバイス102の内側にある赤外線光の反射が、カメラアセンブリ304の開口部に入射することを防止する。
【0039】
第1の伸縮自在なプリント回路(FPC)514は、回路基板306から延在する。マザーボードアセンブリ204に電気的接続をもたらすために、第1のFPC514が使用されてもよい。第2のFPC516は、カメラアセンブリ304から延在する。例えば、第1のFPC514は、可視光源502、PIRLM504、及び近接センサ512を動作させる電力及び制御信号を提供してもよい。マザーボードアセンブリ204に電気的接続をもたらすために、第2のFPC516が使用されてもよい。例えば、画像センサを動作させ、可変偏光子を動作させ、画像センサからマザーボードアセンブリ204にデータを転送するなどの制御信号を提供するために、第2のFPC516が使用されてもよい。
【0040】
図6は、いくつかの実装態様に従った、デバイス102のセンサアセンブリ202の一部の平面図を示す。この図では、第1のFPC514及び第2のFPC516が視認可能である。照射リング308の外形が点線により示される。
【0041】
カメラアセンブリ304の上部は、回路基板306における開口部において視認可能である。カメラアセンブリ304は、レンズ(ここに示されるような)及びピンホールなど、光に対する入口を有する。カメラアセンブリ304の光に対する入口の周りに配列されるのは、4つのPIRLM504(1)~504(4)である。PIRLM504は、カメラアセンブリ304の反対側上のペアが同一の偏光を有する光を放射するように配列されてもよい。例えば、PIRLM504(1)及び504(3)は、第1の偏光を有する赤外線光を放射してもよいと共に、PIRLM504(2)及び504(4)は、第2の偏光を有する赤外線光を放射してもよい。
【0042】
PIRLM504の周りに配列されるのは、4つの近接センサ512である。近接センサ512は、個々にまたは集約してのいずれかで、FOV108内で手104などの物体の存在を検出することが可能であるように構成される。
【0043】
カメラアセンブリ304を取り囲む回路基板306の周囲に配列されるのは、可視光LEDなどの可視光源502である。ここに示される実装態様では、可視光源502は、円形配列にある。組み立てられるとき、照射リング308の下部は、可視光源502のうちの少なくとも1つに近接する。活性であるとき、可視光源502からの光の少なくとも一部は、内側反射を介して照射リング308の外側部分に伝達されてもよい。
【0044】
他の実装態様では、他の数及び他の配列の様々な構成要素が使用されてもよい。例えば、異なる数の可視光源502、PIRLM504、及び近接センサ512などが使用されてもよい。カメラアセンブリ304の光に対する入口は概して、センサアセンブリ202の中心に配列されると共に、他の実装態様では、カメラアセンブリ304は、中心から外れてもよく、PIRLM504の配列は、非対称であってもよい、などである。
【0045】
図7は、いくつかの実装態様に従った、デバイス102のカメラアセンブリ304の図を示す。カメラアセンブリ304は、レンズ702、レンズ本体704、偏光子706、及び画像センサ708を含んでもよい。この例示では、FOV108からの光は、レンズ702を含む開口部を通じてカメラアセンブリ304に入射する。他の実装態様では、FOV108からの光の入射を可能にするために、ピンホールが使用されてもよい。FOV108から画像センサ708に延在する光学経路に他のレンズまたは構成要素(図示せず)が存在してもよい。例えば、光学帯域通過フィルタが光学経路に含まれてもよい。光学帯域通過フィルタは、赤外線光源506によって生成された光の波長を通すように構成されてもよい。例えば、光学帯域通過フィルタは、790nm~900nmの波長に対して透過であってもよい。別の実施例では、光学経路にシャッタが存在してもよい。動作の間、画像センサ708に到達する光は、光学経路における偏光子706によって制限されるように、特定の偏光を有する光に制約される。
【0046】
第2のFPC516は、画像センサ708またはいずれかの関連する電子装置をマザーボードアセンブリ204に接続する。第2のFPC516は、カメラアセンブリ304及びマザーボードアセンブリ204における電子装置の間で、電力、データ、制御信号、及び他の信号を転送するための1つ以上のトレースを含んでもよい。第2のFPC516はまた、1つ以上の改ざん防止機構を含んでもよい。例えば、第2のFPC516は、改ざん防止トレースまたはセキュリティメッシュの1つ以上の追加の層を含んでもよい。第2のFPC516を物理的に危険に晒す試みは、トレースまたはセキュリティメッシュの破損によって検出されてもよい。
【0047】
偏光子706は、固定または可変であってもよい。静的偏光子は、組み立ての時に固定される。偏光子706は、ワイヤグリッド偏光子、または線形偏光を有する光を通す他の構造を含んでもよい。二色性材料などの材料が使用されてもよい。例えば、偏光子706は、整列されたポリフッ化ビニリデン鎖、及びガラスなどの透明基板に埋め込まれた銀ナノ粒子などを含んでもよい。他の実装態様では、それらに限定されないが、ビームスプリッティング偏光子、1/4波長板、液晶、及び光弾性変調器などを含む他の偏光デバイスが使用されてもよい。
【0048】
可変偏光子706は、入力に基づいて選択された偏光に対する制御を可能にする。これは、可変偏光子706がコントローラまたは他の電子装置からのコマンドに対して第1の偏光と第2の偏光との間で変化することを可能にする。例えば、可変偏光子706は、石英ガラスなど、半波長共鳴バーを振動させるよう圧電トランスデューサを駆動する電気信号によって制御される光弾性変調器を含んでもよい。信号の周波数を変化させることによって、トランスデューサによって生じる振動の周波数が変化し、共鳴バーを通る光の偏光が選択されてもよい。別の実装態様では、可変偏光子706は、光学経路に選択的に挿入することができる2つ以上の異なる静的偏光子を含む、機械的切り替え可能偏光子を含んでもよい。例えば、第1の静的偏光子を光学経路にあるように移動させ、または光学経路において第2の静的偏光子に切り替えるために、線形モータ、ロータリモータ、及び圧電モータなどの1つ以上のアクチュエータが使用されてもよい。第1の静的偏光子は、第1の偏光を有してもよいと共に、第2の静的偏光子は、第2の偏光を有する。更なる別の実装態様では、機械的切り替え可能偏光子は、第1の方位から第2の方位に静的偏光子を回転させてもよい。
【0049】
画像センサ708は、赤外線光源506によって放射された波長(複数可)を含む赤外線光を検出するように構成される。画像センサ708は、電荷結合素子(CCD)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)素子、及びマイクロボロメータなどを含んでもよい。
【0050】
マザーボードアセンブリ204は、可視光源(複数可)502を動作させ、赤外線光源(複数可)506を動作させ、近接センサ(複数可)512を動作させ、画像センサ708を動作させる、などの電子装置を含んでもよい。例えば、近接センサ512は、FOV108内で手104などの物体の存在を検出するよう動作してもよい。近接センサ(複数可)512が物体の存在を検出するとき、画像センサ708が異なる時間に画像を取得する間、赤外線光源506は、特定の偏光を有する赤外線光による照射をもたらすよう、異なる時間に活性化されてもよい。
【0051】
近接センサ(複数可)512によって取得された距離データは、それらの構成要素の動作において使用されてもよい。例えば、距離データは、赤外線光源(複数可)506によってもたらされる照射の強度または画像センサ708の露光時間のうちの1つ以上を制御する入力として使用されてもよい。
【0052】
1つの実装態様では、赤外線光源(複数可)506の出力の強度は、距離データに基づいて判定されてもよい。例えば、照射の強度は、距離データによって示された距離に比例してもよい。物体への距離が大きい場合、照射の強度は高い。同様に、物体への距離が小さい場合、照射の強度が低い。別の実装態様では、画像センサ708の露光時間は、距離データによって示された距離に比例してもよい。例えば、物体への距離が減少するにつれて、画像を取得するために使用される露光時間は、画像の過度の露光を防止するために減少してもよい。同様に、物体への距離が増大するにつれて、露光時間は、画像の露光不足を防止するために増大してもよい。別の実装態様では、照射及び露光時間の両方を制御するために、距離データが使用されてもよい。
【0053】
画像は、異なる時間に異なる偏光により赤外線光によって照射されるように、FOV108内の物体の画像である。例えば、第1の偏光を有する赤外線光を使用する1つ以上の画像の第1のセットが取得されてもよく、第2の偏光を有する赤外線光を使用する1つ以上の画像の第2のセットが取得されてもよい。画像センサ708の光学経路における偏光子706の偏光と同一の偏光を有する赤外線光により手104などの物体が照射されるとき、表面特徴は、結果として生じる画像を支配する。これは、反射された赤外線光のほとんどが反射に起因した同一の偏光を有することを理由とする。比較すると、照射が偏光子706とは異なる偏光を使用するとき、それらの内部特徴からの散乱は、反射された光の偏光を変化させる。結果として、静脈、骨、軟組織、または皮膚の表皮の下の他の構造などの内部解剖学的構造は、結果として生じる画像を支配する。
【0054】
結果として生じる画像は、生体認証識別のために処理及び使用されてもよい。表面を主に表し、より深い解剖学的特徴を主に表す1つ以上の画像の異なるセットの組み合わせは、更なる細部を提供する。識別の精度を改善し、識別を阻害する表面変化の影響を減少させるなどのために、このより増大した細部が使用されてもよい。
【0055】
図8は、いくつかの実装態様に従った、デバイス102のブロック図である。
【0056】
1つ以上の電力供給装置802は、デバイス102における構成要素を動作させるために適切な電力を提供するように構成される。いくつかの実装態様では、電力供給装置802は、線間電圧によって供給される外部電力供給装置、再充電可能バッテリ、太陽電池セル、電力コンディショニング回路、及び無線電力受信機などを含んでもよい。
【0057】
デバイス102は、1つ以上の記憶された命令を実行するように構成された1つ以上のハードウェアプロセッサ804(プロセッサ)を含んでもよい。プロセッサ804は、1つ以上のコアを含んでもよい。1つ以上のクロック806は、日付、時間、及びティックなどを示す情報を提供することができる。例えば、プロセッサ804は、タイムスタンプを生成し、事前にプログラムされたアクションをトリガするなどのために、クロック806からのデータを使用してもよい。
【0058】
デバイス102は、入力/出力(I/O)インタフェース810及びネットワークインタフェース812などの1つ以上の通信インタフェース808を含んでもよい。通信インタフェース808は、デバイス102またはその構成要素が、他のデバイスまたは構成要素と通信することを可能にする。通信インタフェース808は、1つ以上のI/Oインタフェース810を含んでもよい。I/Oインタフェース810は、Bluetooth、ZigBee、Inter-Integrated Circuit(I2C)、シリアルペリフェラルインタフェース(SPI)、及びユニバーサルシリアルバス(USB)インプリメンターズフォーラム、RS-232によって発布されたようなUSBなどのインタフェースを含んでもよい。
【0059】
ネットワークインタフェース812は、デバイス102と、アクセスポイント、ポイントオブセールスデバイス、支払端末、及びサーバなどの他のデバイスとの間の通信をもたらすように構成される。ネットワークインタフェース812は、有線または無線パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、及びワイドエリアネットワーク(WAN)などに結合するように構成されたデバイスを含んでもよい。例えば、ネットワークインタフェース812は、イーサネット、Wi-Fi、4G、5G、及びLTEなどに準拠したデバイスを含んでもよい。
【0060】
デバイス102も、1つ以上のバス、またはデバイス102の様々なモジュールと構成要素との間でデータを転送することを可能にする他の内部通信ハードウェアもしくは他の内部通信ソフトウェアを含んでもよい。
【0061】
I/Oインタフェース(複数可)810は、1つ以上のI/Oデバイス814に結合してもよい。I/Oデバイス814は、入力デバイス816及び出力デバイス818を含んでもよい。
【0062】
入力デバイス816は、近接センサ(複数可)512、カメラアセンブリ304における画像センサ708、並びにカードリーダ112、スイッチ816(1)、タッチセンサ816(2)、及びマイクロフォン816(3)などのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0063】
デバイス102によって追加の近接センサ512が採用されてもよい。近接センサ512は、FOV108の外側で物体の存在をも検出するよう、デバイス102上に位置付けられてもよい。例えば、近接センサ512は、それらがデバイス102に近づくにつれてユーザを検出するように配列されてもよい。この検出に応答して、デバイス102は、ディスプレイ110上で情報を提示してもよく、可視光源502を照射してもよく、画像センサ708及び赤外線光源506を動作させてもよい、などである。
【0064】
スイッチ816(1)は、ユーザからの入力を受け付けるように構成される。スイッチ816(1)は、機械的機構、容量性機構、光学機構、または他の機構を含んでもよい。例えば、スイッチ816(1)は、入力信号を生成するようユーザの指の押下から加えられた力を受け付けるように構成された機械的スイッチを含んでもよい。
【0065】
タッチセンサ816(2)は、ユーザのタッチまたはニアタッチの位置を判定するために、抵抗性機構、容量性機構、表面静電容量機構、投影型静電容量機構、相互静電容量機構、光学機構、補間力感知抵抗(IFSR)機構、または他の機構を使用してもよい。例えば、IFSRは、加えられた力に応答して電気抵抗を変化させるように構成された材料を含んでもよい。電気抵抗におけるその変化の材料内の位置は、タッチの位置を示すことができる。
【0066】
マイクロフォン816(3)は、環境に存在する音に関する情報を取得するように構成されてもよい。いくつかの実装態様では、マイクロフォンアレイを形成するために、複数のマイクロフォン816(3)が使用されてもよい。マイクロフォンアレイは、利得の方向性をもたらすために、ビームフォーミング技術を実装してもよい。例えば、利得は、デバイス102の動作の間のユーザの予測された位置に向かって方向付けられてもよい。
【0067】
出力デバイス818は、可視光源(複数可)502、赤外線光源506、ディスプレイ110、スピーカ818(1)、プリンタ、触覚出力デバイス、または他のデバイスのうちの1つ以上を含んでもよい。例えば、グラフィカルユーザインタフェースを介してユーザに情報を提供するために、ディスプレイ110が使用されてもよい。別の実施例では、レシートを印刷するために、プリンタが使用されてもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、I/Oデバイス814は、デバイス102と物理的に合体されてもよく、または外部に置かれてもよい。
【0069】
デバイス102は、1つ以上のメモリ820を含んでもよい。メモリ820は、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体(CRSM)を含む。CRSMは、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光学記憶媒体、量子記憶媒体、及び機械的コンピュータ記憶媒体などのうちのいずれか1つ以上であってもよい。メモリ820は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、及びデバイス102の動作のための他のデータの記憶をもたらす。いくつかの例示的なメモリ820に記憶された機能的モジュールが示されるが、代わりに、同一の機能性がハードウェア、ファームウェアにおいて、またはシステムオンチップ(SOC)として実装されてもよい。
【0070】
メモリ820は、少なくとも1つのオペレーティングシステム(OS)モジュール822を含んでもよい。OSモジュール822は、I/Oインタフェース810、ネットワークインタフェース812、I/Oデバイス814などのハードウェアリソースデバイスを管理し、プロセッサ804上で実行するアプリケーションまたはモジュールに様々なサービスを提供するように構成される。OSモジュール822は、FreeBSD Projectによって発布されたようなFreeBSDオペレーティングシステムの変形、他のUNIXもしくはUNIXのようなオペレーティングシステム、Linus Torvaldsによって発布されたようなLinuxオペレーティングシステムの変形、Microsoft Corporation of Redmond,Washington,USAからのWindowsオペレーティングシステム、Google Corporation of Mountain View,California,USAからのAndroidオペレーティングシステム、Apple Corporation of Cupertino,California,USAからのiOSオペレーティングシステム、または他のオペレーティングシステムを実装してもよい。
【0071】
以下のモジュールのうちの1つ以上を含むデータストア824は、メモリ820に記憶されてもよい。それらのモジュールは、フォアグラウンドアプリケーション、バックグラウンドタスク、及びデーモンなどとして実行されてもよい。モジュールは、通信モジュール826、データ取得モジュール828、または他のモジュール830のうちの1つ以上を含んでもよい。データストア824は、情報を記憶するために、フラットファイル、データベース、リンク付けリスト、ツリー、実行可能コード、スクリプト、または他のデータ構造を使用してもよい。いくつかの実装態様では、データストア824またはデータストア824の一部は、1つ以上の他のデバイスにわたって分散されてもよい。
【0072】
通信モジュール826は、1つ以上の他のデバイスとの通信を確立するように構成されてもよい。通信は、認証及び暗号化などがされてもよい。通信モジュール826はまた、通信インタフェース808を制御してもよい。
【0073】
データ取得モジュール828は、入力デバイス816からデータを取得するように構成される。1つ以上の取得パラメータ832がメモリ820に記憶されてもよい。取得パラメータ832は、データサンプルレート、サンプル周波数、及びスケジューリングなど、データ取得モジュール828の動作を指定することができる。データ取得モジュール828は、画像センサ708及び赤外線光源(複数可)506などを動作させるように構成されてもよい。例えば、データ取得モジュール828は、物体がFOV108内にあることを判定するよう、近接センサ512、画像センサ708、またはその両方からデータを取得してもよい。この判定に基づいて、1回目に、1つ以上のPIRLM504と関連付けられたIR光源506の第1のセットは、画像を取得するために画像センサ708が使用される間、第1の偏光を有する赤外線照射をもたらすよう活性化される。2回目に、1つ以上のPIRLM504と関連付けられたIR光源506の第2のセットは、画像を取得するために画像センサ708が使用される間、第2の偏光を有する赤外線照射をもたらすよう活性化される。代わりに、2回目に、1つ以上のPIRLM504は、画像センサ708の光学経路における偏光子706が第2の偏光に設定される間、第1の偏光による赤外線照射をもたらすよう活性化されてもよい。画像は、画像データ834としてデータストア824に記憶されてもよい。
【0074】
いくつかの実装態様では、近接センサ512からのデータの代わりにまたはそれに加えて、FOV108内で物体の存在を判定するために、画像センサ708からのデータが使用されてもよい。例えば、画像センサ708及びPIRLM504のうちの1つ以上は、毎秒10回取得及び照射するなど、第1のサンプルレートにおいて動作してもよい。取得された画像は、画像における変化が閾値を超えるかどうかを判定するよう処理されてもよい。例えば、第1の画像は、変化が存在するかどうかを判定するよう、第2の画像と比較されてもよい。変化は、FOV108内の物体を示すと見なされてもよい。変化に応答して、システムは、赤外線光の異なる偏光により画像を取得するよう、上記説明されたように動作してもよい。他の実装態様では、赤外線光の異なる偏光により画像の取得を開始するために、他の技術が使用されてもよい。例えば、手104が画像に存在するとニューラルネットワークが判定する場合、システムは、サンプルレートを増大させてもよく、赤外線光の異なる偏光により画像を取得するよう、上記説明されたように動作してもよい。
【0075】
いくつかの実装態様では、IR帯域通過フィルタは、物体の存在を判定するよう画像を取得する間、光学経路から除去されてもよい。例えば、IR帯域通過フィルタを光学経路内に及び光学経路外に移動させるために、機械的アクチュエータが使用されてもよい。IR帯域通過フィルタを除去することによって、PIRLM504の使用なしに、周囲光は、FOV108内での物体検出のための画像の取得を可能にするために十分であることができる。
【0076】
画像データ834は、別のデバイスに送信されてもよく、プロセッサ804によって処理されてもよい、などである。例えば、1つの実装態様では、画像データ834は、画像データ834に存在する1つ以上の特徴を判定するよう処理されてもよい。特徴を示すデータは、暗号化されてもよく、サーバなどの外部デバイスに送信されてもよい。
【0077】
データ取得モジュール828は、他の入力デバイス816からデータを取得してもよい。例えば、カードデータ836は、カードリーダ112から取得されてもよい。カードデータ836は、カードリーダ112のプロセッサによって提供される暗号化されたデータを含んでもよい。
【0078】
デバイス識別データ838は、データストア824に記憶されてもよい。デバイス識別データ838は、特定のデバイス102を示す情報を提供してもよい。例えば、デバイス識別データ838は、暗号によって署名されたデジタル署名を含んでもよい。
【0079】
データ取得モジュール828は、他のセンサから取得された入力データ840を記憶してもよい。例えば、入力データ840を生成するために、スイッチ816(1)またはタッチセンサ816(2)からの入力が使用されてもよい。
【0080】
他のモジュール830は、画像データ834に存在する特徴を表す特徴ベクトルを生成する特徴判定モジュールを含んでもよい。特徴判定モジュールは、入力として画像データ834を受け付け、出力として1つ以上の特徴ベクトルを提供する1つ以上のニューラルネットワークを利用してもよい。
【0081】
データストア824は、出力データ842を記憶してもよい。例えば、出力データ842は、画像データ834を処理することによって生成された特徴ベクトルを含んでもよい。
【0082】
他のモジュール830は、I/Oデバイス814のうちの1つ以上を使用してユーザインタフェースを設けるユーザインタフェースモジュールを含んでもよい。ユーザから入力を取得し、ユーザに情報を提示するなどのために、ユーザインタフェースモジュールが使用されてもよい。例えば、ユーザインタフェースモジュールは、タッチセンサ816(2)を介してユーザからの入力を受け付けてもよく、ユーザに出力を提供するために可視光源(複数可)502を使用してもよい。
【0083】
他のデータ844もデータストア824に記憶されてもよい。
【0084】
本開示において説明されたデバイス及び技術は、様々な設定において使用されてもよい。例えば、システムは、ポイントオブセールス(POS)デバイスと併用して使用されてもよい。ユーザは、ユーザの識別と関連付けられたアカウントにより支払う意図及び承認を示す生体認証データを取得するために使用されるデバイス102に、ユーザの手104を提示してもよい。別の実施例では、ロボットは、デバイス102を組み込んでもよい。ロボットは、生体認証データを取得するために、デバイス102を使用してもよく、生体認証データは次いで、ユーザ102に小包が配送されるかどうかを判定し、識別に基づいて、どの小包を配送するかを判定するために使用される。
【0085】
本明細書で議論された処理は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせにおいて実装されてもよい。ソフトウェアのコンテキストでは、説明された動作は、1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、記述された動作を実行する、1つ以上の非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶されたコンピュータ実行可能命令を表す。概して、コンピュータ実行可能命令は、特定の機能を実行し、または特定の抽象データタイプを実装する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、及びデータ構造を含む。当業者は、上記図に表された特定のステップまたは動作が除去されてもよく、組み合わされてもよく、または代替的な順序において実行されてもよいことを容易に認識するであろう。いずれかのステップまたは動作も、連続してまたは並行して実行されてもよい。更に、動作が説明される順序は、限定として解釈されることを意図していない。
【0086】
実施形態は、本明細書で説明される処理または方法を実行するようコンピュータ(または、他の電子デバイス)をプログラムするために使用することができる、命令を記憶した(圧縮または非圧縮の形式において)非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含むソフトウェアプログラムまたはコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光学記憶媒体、及び量子記憶媒体などのうちの1つ以上であってもよい。例えば、コンピュータ可読記憶媒体は、それらに限定されないが、ハードドライブ、フロッピディスケット、光学ディスク、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラマブルROM(EPROM)、電子的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、磁気もしくは光学カード、ソリッドステートメモリデバイス、または電子命令を記憶するのに適切な他のタイプの物理媒体を含んでもよい。更に、実施形態はまた、一時的機械可読信号(圧縮または非圧縮の形式において)を含むコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。一時的機械可読信号の例は、キャリアを使用して変調されているかまたは変調されていないかに関わらず、それらに限定されないが、1つ以上のネットワークによって転送される信号を含む、コンピュータプログラムをホストもしくは実行するコンピュータシステムまたは機械がアクセスするように構成することができる信号を含む。例えば、一時的機械可読信号は、インターネットによるソフトウェアの送信を含んでもよい。
【0087】
それらのプログラムの別個のインスタンスは、いずれかの数の別個のコンピュータシステム上で実行されてもよく、または任意の数の別個のコンピュータシステムにまたがって分散されてもよい。よって、特定のステップが特定のデバイス、ソフトウェアプログラム、プロセス、またはエンティティによって実行されるとして説明されてきたが、このことが当てはまる必要はなく、様々な代替的な実施態様が当業者によって理解されるであろう。
【0088】
加えて、当業者は、上記説明された技術が様々なデバイス、環境、及び状況において利用されてもよいことを容易に認識するであろう。主題が構造的特徴または方法論的行為に特有の言語において説明されてきたが、添付の特許請求の範囲において定義される主題は、説明される特定の特徴または行為に必ずしも限定されないことが理解されよう。むしろ、特定の特徴及び行為は、特許請求の範囲を実装する例示的な形式として開示される。
【0089】
条項
1.第1の開口を有する上部筐体と、
下部筐体と、
前記上部筐体及び前記下部筐体によって包囲されたセンサアセンブリであって、前記センサアセンブリは、
上側及び下側を有する第1の回路基板と、
前記第1の回路基板の前記上側に搭載された赤外線光学タイムオブフライトセンサであって、前記赤外線光学タイムオブフライトセンサは、前記第1の回路基板から離れて方向付けられた第1の視野(FOV)を有する、前記赤外線光学タイムオブフライトセンサと、
前記第1の回路基板の前記上側に搭載された第1の可視光源と、
光学的に透過な材料を含む照射リングであって、前記照射リングの第1の部分は、前記第1の可視光源に近接し、前記照射リングの第2の部分は、前記上部筐体の前記第1の開口内にある、前記照射リングと、
前記第1の回路基板の前記上側に搭載された第1の偏光赤外線光モジュールであって、前記第1の偏光赤外線光モジュールは、
第1の赤外線光源と、
前記第1の赤外線光源の上に搭載された、第1の偏光を有する第1の偏光子と、
前記第1の偏光子の上に搭載された第1の拡散板と、
を含む、前記第1の偏光赤外線光モジュールと、
前記第1の回路基板の前記上側に搭載された第2の偏光赤外線光モジュールであって、前記第2の偏光赤外線光モジュールは、
第2の赤外線光源と、
前記第2の赤外線光源の上に搭載された、第2の偏光を有する第2の偏光子と、
前記第2の偏光子の上に搭載された第2の拡散板と、
を含む、前記第2の偏光赤外線光モジュールと、
カメラアセンブリであって、
1つ以上のレンズと、
赤外線光に感応する画像センサと、
前記1つ以上のレンズと前記画像センサとの間に搭載された、前記第1の偏光を有する第3の偏光子と、
を含む、前記カメラアセンブリと、
前記上部筐体の前記第1の開口内で前記第1の回路基板の前記上側の上に搭載されたセンサウインドウであって、前記センサウインドウは、赤外線光に透過であり、可視光に対して不透過である、前記センサウインドウと、
を含む、前記センサアセンブリと、
前記上部筐体及び前記下部筐体によってまた包囲された電子装置であって、前記電子装置は、
第1のコンピュータ実行可能命令を記憶したメモリと、
ハードウェアプロセッサであって、前記ハードウェアプロセッサは、
前記光学タイムオブフライトセンサを動作させ、
前記第1の可視光源を動作させ、
前記第1の赤外線光源を動作させ、
前記第2の赤外線光源を動作させ、
前記画像センサを動作させる、
よう前記第1のコンピュータ実行可能命令を実行する、前記ハードウェアプロセッサと、
を含む、前記電子装置と、
を備える、デバイス。
【0090】
2.ディスプレイデバイスと、
カードリーダであって、
挿入されたカードへの電気的接続をもたらす複数の電気接点、または
近接場通信(NFC)通信インタフェース、のうちの1つ以上を含む、
前記カードリーダと、
を更に備える、条項1に記載のデバイス。
【0091】
3.カメラアセンブリであって、
赤外線光に感応する画像センサであって、前記画像センサは、第1の視野(FOV)内から画像を取得する、前記画像センサと、
第1の偏光を有する第1の偏光子であって、前記第1の偏光子は、前記画像センサの光学経路にある、前記第1の偏光子と、
を含む、前記カメラアセンブリと、
前記第1のFOVの少なくとも一部を照射する第1の偏光赤外線光モジュールであって、前記第1の偏光赤外線光モジュールは、
第1の赤外線光源と、
第2の偏光を有する第2の偏光子と、
を含む、前記第1の偏光赤外線光モジュールと、
前記第1のFOVの少なくとも一部を照射する第2の偏光赤外線光モジュールであって、前記第2の偏光赤外線光モジュールは、
第2の赤外線光源と、
前記第1の偏光を有する第3の偏光子と、
を含む、前記第2の偏光赤外線光モジュールと、
を備える、デバイス。
【0092】
4.前記第1の偏光子は、ワイヤグリッド偏光子を含む、条項3に記載のデバイス。
【0093】
5.前記第1の偏光は、第1の方向において線形であり、前記第2の偏光は、前記第1の方向に垂直な第2の方向において線形である、条項3及び4に記載のデバイス。
【0094】
6.前記第1の偏光赤外線光モジュールは、
赤外線光に対して不透過である第1のバリアを更に含み、前記第1のバリアは、前記第1の赤外線光源と前記カメラアセンブリとの間にあり、
前記第2の偏光赤外線光モジュールは、
赤外線光に対して不透過である第2のバリアを更に含み、前記第2のバリアは、前記第2の赤外線光源と前記カメラアセンブリとの間にある、
条項3~5に記載のデバイス。
【0095】
7.前記第1の偏光赤外線光モジュールは、第1の拡散板を更に含み、
前記第2の偏光赤外線光モジュールは、第2の拡散板を更に含む、
条項3~6に記載のデバイス。
【0096】
8.前記第1のFOVの少なくとも一部を含む第2のFOVを有する近接センサを更に備え、前記近接センサは、
光学タイムオブフライトセンサ、
構造化光センサ、
光学視差センサ、
容量性センサ、または
超音波センサ、
のうちの1つ以上を含む、条項3~7に記載のデバイス。
【0097】
9.外部環境と前記カメラアセンブリ、前記第1の偏光赤外線光モジュール、及び前記第2の偏光赤外線光モジュールとの間に配列されたセンサウインドウを更に備え、前記センサウインドウは、赤外線光に対して透過である、条項3~8に記載のデバイス。
【0098】
10.前記第1のFOVの少なくとも一部を照射する第3の偏光赤外線光モジュールであって、前記第3の偏光赤外線光モジュールは、
第3の赤外線光源と、
前記第2の偏光を有する第4の偏光子と、
を含む、前記第3の偏光赤外線光モジュールと、
前記第1のFOVの少なくとも一部を照射する第4の偏光赤外線光モジュールであって、前記第4の偏光赤外線光モジュールは、
第4の赤外線光源と、
前記第1の偏光を有する第5の偏光子と、
を含む、前記第4の偏光赤外線光モジュールと、を更に備え、
前記第1の偏光赤外線光モジュールは、前記カメラアセンブリの開口部の第1の側に配列され、
前記第3の偏光赤外線光モジュールは、前記第1の側とは反対にある、前記カメラアセンブリの前記開口部の第2の側に配列され、
前記第2の偏光赤外線光モジュールは、前記第1の偏光赤外線光モジュールと前記第3の偏光赤外線光モジュールとの間にある、前記カメラアセンブリの前記開口部の第3の側に配列され、
前記第4の偏光赤外線光モジュールは、前記第3の側とは反対にある、前記カメラアセンブリの前記開口部の第4の側に配列される、
条項3~9に記載のデバイス。
【0099】
11.可視光源と、
光学的に透過な材料を含む第1の構造であって、前記第1の構造の少なくとも一部は、前記可視光源から前記第1の構造の外面に可視光を伝達する光パイプを含む、前記第1の構造と、
を更に備える、条項3~10に記載のデバイス。
【0100】
12.前記カメラアセンブリ、前記第1の偏光赤外線光モジュール、及び前記第2の偏光赤外線光モジュールを取り囲む周囲に沿って配列された複数の可視光源を更に備える、条項3~11に記載のデバイス。
【0101】
13.1つ以上の改ざん防止機構と、
カードリーダであって、
挿入されたカードへの電気的接続をもたらす複数の電気接点、または
近接場通信(NFC)通信インタフェース、
のうちの1つ以上を含む、前記カードリーダと、
を更に備える、条項3~12に記載のデバイス。
【0102】
14.第1のコンピュータ実行可能命令を記憶したメモリと、
ハードウェアプロセッサであって、前記ハードウェアプロセッサは、
前記第1の赤外線光源を動作させ、
前記第2の赤外線光源を動作させ、
前記画像センサを動作させる、
よう前記第1のコンピュータ実行可能命令を実行する、前記ハードウェアプロセッサと、
を更に備える、条項3~13に記載のデバイス。
【0103】
15.カメラアセンブリであって、
赤外線光に感応する画像センサであって、前記画像センサは、第1の視野(FOV)内から画像を取得する、前記画像センサと、
前記画像センサの光学経路にある、前記第1の偏光子と、
を含む、前記カメラアセンブリと、
前記第1のFOVの少なくとも一部を照射する第1の偏光赤外線光モジュールであって、前記第1の偏光赤外線光モジュールは、
第1の赤外線光源と、
第2の偏光子と、
を含む、前記第1の偏光赤外線光モジュールと、
前記第1のFOVの少なくとも一部を含む第2のFOVを有する近接センサと、
前記近接センサからのデータに応答して、前記画像センサ及び前記第1の赤外線光源を動作させるコントローラと、
を備える、デバイス。
【0104】
16.前記第1の偏光子は、光を選択的にフィルタリングするよう、前記コントローラからの入力に応答し、前記第1の偏光子は、
機械的切り替え可能偏光子であって、1つ以上の偏光子を移動させる1つ以上のアクチュエータであって、前記1つ以上の偏光子は、第1の偏光を有する光を通す第1の偏光素子及び第2の偏光を有する光を通す第2の偏光素子を含む、前記機械的切り替え可能偏光子、
液晶、または
光弾性変調器、
のうちの1つ以上を含む、条項15に記載のデバイス。
【0105】
17.前記第1の偏光赤外線光モジュールは、
第1の拡散板と、
赤外線光に不透過な第1のバリアであって、前記第1のバリアは、前記第1の赤外線光源と前記カメラアセンブリとの間にある、前記第1のバリアと、
を更に含む、条項15及び16に記載のデバイス。
【0106】
18.前記近接センサは、
光学タイムオブフライトセンサ、
構造化光センサ、
光学視差センサ、
容量性センサ、または
超音波センサ、
のうちの1つ以上を含む、条項15~17に記載のデバイス。
【0107】
19.外部環境と前記カメラアセンブリ及び前記第1の偏光赤外線光モジュールとの間に配列されたセンサウインドウを更に備え、
前記センサウインドウは、赤外線光に対して透過である、条項15~18に記載のデバイス。
【0108】
20.前記カメラアセンブリ及び前記第1の偏光赤外線光モジュールを取り囲む周囲に沿って配列された複数の可視光源を更に備える、条項15~19に記載のデバイス。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】