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特表2022-526243物質送達デバイスを使用するための対象者の識別および認可の検証のためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-24
(54)【発明の名称】物質送達デバイスを使用するための対象者の識別および認可の検証のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/1171 20160101AFI20220517BHJP
【FI】
A61B5/1171 200
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021555086
(86)(22)【出願日】2020-03-12
(85)【翻訳文提出日】2021-10-25
(86)【国際出願番号】 IL2020050292
(87)【国際公開番号】W WO2020183470
(87)【国際公開日】2020-09-17
(31)【優先権主張番号】62/817,133
(32)【優先日】2019-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/871,254
(32)【優先日】2019-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/958,444
(32)【優先日】2020-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/958,450
(32)【優先日】2020-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/958,454
(32)【優先日】2020-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】517002649
【氏名又は名称】サイケ メディカル リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SYQE MEDICAL LTD.
【住所又は居所原語表記】14 HaTchiya Street, Tel-Aviv, Israel
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】デヴィッドソン,ペリー
(72)【発明者】
【氏名】アイゼンシャー,イアニブ ヨセフ
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038VA07
4C038VB03
4C038VC05
(57)【要約】
物質送達デバイスを使用するための対象者の識別および認可の検証のためのシステムおよび方法が開示される。
【選択図】図1C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物質送達デバイスを使用するための対象者の識別および前記対象者の認可の検証の方法であって、
コンピューティングデバイスを物質送達デバイスに接続することと、
前記コンピューティングデバイスに関連付けられたカメラによって、対象者の顔画像または前記顔画像の少なくとも一部を示す対象者顔面データを取得することと、
前記コンピューティングデバイスによって、個人の認可と関連付けて前記個人の顔画像または前記顔画像の少なくとも一部を示す個人顔面および認可データを取得することと、
前記コンピューティングデバイスによって、前記対象者顔面データおよび前記個人顔面および認可データに基づいて、前記対象者が認可対象者であるかを決定することと、
前記物質送達デバイスによって、前記物質送達デバイスによって捕捉されている生体識別データを取得することと同時に、前記コンピューティングデバイスによって、前記物質送達デバイスが前記対象者によって使用されているかを決定することと、
前記コンピューティングデバイスによって、前記決定に基づいて、前記ユーザが前記物質送達デバイスを使用している間に捕捉された前記認可ユーザの前記生体データに認可インジケーションを関連付けることと、
前記関連付けを登録することと
を備える方法。
【請求項2】
前記コンピューティングデバイスによって、前記物質送達デバイスのデバイス関連データを前記コンピューティングデバイスに取得することを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記デバイス関連データを取得することは、前記物質送達デバイスによる前記コンピューティングデバイスへのデータの転送を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記対象者が前記認可対象者であるかを決定することは、前記デバイス関連データに少なくとも部分的に基づく、請求項2および3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記個人顔面および認可データを取得することは、前記コンピューティングデバイスに関連付けられたカメラによって撮影された前記個人の認可書の画像を受信することを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記個人顔面および認可データを取得することは、少なくとも1つの識別および認可データベースからデータを検索することを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記カメラによって、前記対象者による使用中の前記物質送達デバイスまたは前記物質送達デバイスの少なくとも一部の画像と同時に前記対象者の顔画像または前記顔画像の少なくとも一部を示す対象者顔面およびデバイスデータを取得することを備える、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記コンピューティングデバイスによって、前記物質送達デバイスが前記認可対象者によって使用されているかを決定することは、前記対象者顔面および前記デバイスデータに少なくとも部分的に基づく、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記対象者顔面および前記デバイスデータに基づいて前記物質送達デバイスが前記対象者によって使用されているかを決定することは、前記物質送達デバイスの前記画像が前記対象者の前記顔画像との既定の幾何的関係の範囲内であるかを決定することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記対象者顔面および前記デバイスデータを取得することは、前記生体データの取得および前記生体データと前記認可インジケーションとの関連付けの間、継続的に行われる、請求項7~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記対象者顔面データにおける前記対象者の前記顔画像の位置を追跡することを備える、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
追跡することは、少なくとも、前記物質送達デバイスによって前記生体識別データを取得することと同時に前記コンピューティングデバイスによって前記物質送達デバイスが前記対象者によって使用されているかを決定すること、および前記コンピューティングデバイスによって前記物質送達デバイスによって捕捉されている生体識別データを取得することの両方にかかる期間にわたり行われる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記カメラによって、前記物質送達デバイスの送信器によって送信可能な出力信号を検出することを備える、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記対象者顔面およびデバイスデータに基づいて、前記物質送達デバイスが前記対象者によって使用されているかを決定することは、前記出力信号の画像が、前記対象者の前記顔画像との既定の幾何的関係の範囲内であることを決定することに少なくとも部分的に基づく、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記コンピューティングデバイスに関連付けられた受信器によって、前記物質送達デバイスの送信器によって送信可能な出力信号を検出することを備える、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記コンピューティングデバイスによって、受信出力信号の方向を決定すること
を備え、
前記物質送達デバイスが前記対象者によって使用されているかを決定することは、前記決定された前記受信出力信号の方向、および前記対象者顔面データおよび前記対象者顔面およびデバイスデータの少なくとも1つに少なくとも部分的に基づく、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記コンピューティングデバイスによって、
前記対象者データおよび前記対象者顔面およびデバイスデータの少なくとも1つに基づく前記対象者の顔の現実世界位置、および
前記決定された受信出力信号の方向に基づく前記物質送達デバイスの現実世界位置
を決定することを備え、
前記物質送達デバイスが前記対象者によって使用されているかを決定することは、前記物質送達デバイスの前記現実世界位置が前記対象者の前記顔の前記現実世界位置との既定の幾何的関係の範囲内であることを決定することに少なくとも部分的に基づく、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記コンピューティングデバイスに関連付けられた前記カメラおよび受信器の少なくとも1つによって、前記物質送達デバイスの送信器によって送信可能な出力信号を検出することと、
前記コンピューティングデバイスおよび前記物質送達デバイスの少なくとも1つによって、前記出力信号の少なくとも1つの出力信号特性を定義することと
を備える、請求項1~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記出力信号の出力信号特性を定義することは、前記物質送達デバイスが前記コンピューティングデバイスに接続される時、または所定の時間間隔で行われる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
出力信号は、出力信号に符号化された生体識別データを含む、請求項18~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記物質送達デバイスのコントローラを介して、前記物質送達デバイスを使用する前記対象者の前記生体識別データを前記出力信号に符号化するように前記物質送達デバイスの前記送信器を制御することを備える、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記コンピューティングデバイスと前記物質送達デバイスとの間の前記接続を介して、前記コンピューティングデバイスによって前記物質送達デバイスにシステム信号を発行することを備え、前記出力信号の出力信号特性を定義することは、前記システム信号と前記出力信号との時間相関を検出することを含む、請求項18~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記コンピューティングデバイスによって前記生体識別データを受信することと、前記コンピューティングデバイスによって、前記出力信号に符号化された前記生体識別データが前記受信した生体識別データと一致することを決定することとを備える、請求項18~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記登録することは、前記認可対象者の前記認可に1または複数の制限を登録することを備える、請求項1~23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記物質送達デバイスによって、前記制限の1または複数を突破するために、前記登録の繰返しを要求することを更に備える、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
物質送達デバイスを使用するための対象者の識別および前記対象者の認可の検証のためのシステムであって、
対象者の顔画像または前記顔画像の少なくとも一部を示す対象者顔面データを取得するためのカメラと、
前記カメラとの通信状態にあり、前記物質送達デバイスに接続するように構成された処理ユニットであって、
個人の認可と関連付けて前記個人の顔画像または前記顔画像の少なくとも一部を示す個人顔面および認可データを取得し、
前記対象者顔面データおよび前記個人顔面および認可データに基づいて、前記対象者が認可対象者であるかを決定し、
前記物質送達デバイスが生体識別データを取得している間、前記物質送達デバイスが前記認可対象者によって使用されているかを決定し、
前記決定に基づいて、前記ユーザが前記物質送達デバイスを使用している間に捕捉された前記認可ユーザの前記生体データに認可インジケーションを関連付け、
前記関連付けを登録するように構成された処理ユニット
とを備えるシステム。
【請求項27】
前記処理ユニットは、前記物質送達デバイスの前記処理ユニットへの前記接続されると、デバイス関連データを取得するように構成される、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記処理ユニットは、前記デバイス関連データに少なくとも部分的に基づいて、前記対象者が前記認可対象者であるかを決定するように構成される、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記処理ユニットは、前記カメラによって撮影された前記個人の認可書の画像に少なくとも部分的に基づいて、前記個人顔面および認可データを取得するように構成される、請求項26~28のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項30】
前記処理ユニットは、少なくとも1つの識別および認可データベースから前記個人顔面および認可データを取得するように構成される、請求項26~29のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項31】
前記カメラは、前記対象者による使用中の前記物質送達デバイスまたは前記物質送達デバイスの少なくとも一部の画像と同時に前記対象者の顔画像または前記顔画像の少なくとも一部を示す対象者顔面およびデバイスデータを取得するように構成される、請求項26~30のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項32】
前記処理ユニットは、前記対象者顔面およびデバイスデータに少なくとも部分的に基づいて、前記物質送達デバイスが前記認可対象者によって使用されているかを決定するように構成される、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記処理ユニットは、前記物質送達デバイスが前記認可対象者によって使用されていることを確認するために、前記対象者顔面およびデバイスデータに基づいて、前記物質送達デバイスの前記画像が前記対象者の前記顔画像との既定の幾何的関係の範囲内であるかを決定するように構成される、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記対象者顔面および前記デバイスデータを取得することは、前記生体データの取得および前記生体データと前記認可インジケーションとの関連付けの間、継続的に行われる、請求項27~33に記載のシステム。
【請求項35】
前記処理ユニットは、前記対象者顔面データにおける前記対象者の前記顔画像の位置を追跡するように構成される、請求項26~34のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項36】
前記追跡することは、少なくとも、前記物質送達デバイスによって前記生体識別データを取得すること、前記処理ユニットによって前記物質送達デバイスが前記対象者によって使用されているかを決定すること、および前記処理ユニットによって前記物質送達デバイスによって捕捉されている生体識別データを取得することの両方にかかる期間にわたり行われる、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記カメラは、前記物質送達デバイスの送信器によって送信可能な出力信号を検出するように構成される、請求項26~36のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項38】
前記処理ユニットは、前記物質送達デバイスが前記認可対象者によって使用されていることを確認するために、前記対象者顔面およびデバイスデータに少なくとも部分的に基づいて、前記出力信号の画像が、前記対象者の前記顔画像との既定の幾何的関係の範囲内であることを決定するように構成される、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記処理ユニットに関連付けられた受信器を備え、前記受信器は、前記物質送達デバイスの送信器によって送信可能な出力信号を検出するように構成される、請求項26~38のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項40】
前記処理ユニットは、
受信出力信号の方向を決定し、
前記決定された前記受信出力信号の方向、および前記対象者顔面データおよび前記対象者顔面およびデバイスデータの少なくとも1つに少なくとも部分的に基づいて、前記物質送達デバイスが前記認可対象者によって使用されているかを決定する
ように構成される、請求項26~39のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項41】
前記処理ユニットは、
前記対象者データおよび前記対象者顔面およびデバイスデータの少なくとも1つに基づく前記対象者の顔の現実世界位置、
前記決定された受信出力信号の方向に基づく前記物質送達デバイスの現実世界位置、および
前記物質送達デバイスの前記現実世界位置が前記対象者の前記顔の前記現実世界位置との既定の幾何的関係の範囲内であること
を決定することによって、前記物質送達デバイスが前記生体識別データを取得している間、前記物質送達デバイスが前記認可対象者によって使用されているかを決定するように構成される、請求項26~40のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項42】
前記処理ユニットに関連付けられた前記カメラおよび受信器の少なくとも1つは、前記物質送達デバイスの送信器によって送信可能な出力信号を検出するように構成され、
前記処理ユニットは、前記出力信号の少なくとも1つの出力信号特性を定義するように構成される、請求項26~41のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項43】
前記出力信号は、内部に前記出力信号に符号化された生体識別データを含む、請求項42に記載のシステム。
【請求項44】
前記処理ユニットは、前記出力信号に符号化された前記生体識別データに少なくとも部分的に基づいて、前記物質送達デバイスが前記認可対象者によって使用されているかを決定するように構成される、請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記処理ユニットは、前記処理ユニットと前記物質送達デバイスとの間の前記接続を介して、前記物質送達デバイスにシステム信号を発行するように構成され、前記出力信号の出力信号特性を定義することは、前記システム信号と前記出力信号との時間相関を検出することを含む、請求項42~44のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項46】
前記カメラおよび前記処理ユニットは、単一のコンピューティングデバイスに実装される、請求項26~45のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項47】
電子肺送達デバイスを使用するための対象者の識別および前記対象者の年齢の検証の方法であって、
コンピューティングデバイスを電子肺送達デバイスに接続することと、
前記コンピューティングデバイスに関連付けられたカメラによって、対象者の顔画像または前記顔画像の少なくとも一部を示す対象者顔面データを取得することと、
前記コンピューティングデバイスによって、個人の年齢のインジケーションと関連付けて前記個人の顔画像または前記顔画像の少なくとも一部を示す個人顔面および年齢データを取得することと、
前記コンピューティングデバイスによって、前記対象者顔面データおよび前記個人顔面および年齢データに基づいて、前記対象者が対象年齢であるかを決定することと、
前記電子肺送達デバイスによって、前記電子肺送達デバイスによって捕捉されている生体識別データを取得することと同時に、前記コンピューティングデバイスによって、前記電子肺送達デバイスが前記対象者によって使用されているかを決定することと、
前記コンピューティングデバイスによって、前記決定に基づいて、前記ユーザが前記物質送達デバイスを使用している間に捕捉された前記認可ユーザの前記生体データに認可インジケーションを関連付け、前記関連付けを登録することと
を備える方法。
【請求項48】
対象者の文書化特性と関連付けて前記対象者を登録する方法であって、
コンピューティングデバイスをプローブに接続することと、
前記コンピューティングデバイスに関連付けられたカメラによって、前記対象者の顔画像または前記顔画像の少なくとも一部を示す対象者顔面データを取得することと、
前記コンピューティングデバイスによって、個人の前記文書化特性と関連付けて前記個人の顔画像または前記顔画像の少なくとも一部を示す個人顔面データおよび識別データを取得することと、
前記コンピューティングデバイスによって、前記対象者顔面データおよび前記個人顔面データおよび個人文書化特性に基づいて、前記対象者が前記文書化特性を有する対象者であるかを決定することと、
前記プローブによって、前記プローブによって捕捉されている生体識別データを取得することと同時に、前記コンピューティングデバイスによって、前記プローブが前記対象者によって使用されているかを決定することと、
前記コンピューティングデバイスによって、前記決定に基づいて、前記文書化特性に従って前記対象者の前記生体識別データを登録することと
を備える方法。
【請求項49】
対象者の特性と関連付けて前記対象者を登録するためのシステムであって、
対象者の顔画像または前記顔画像の少なくとも一部を示す対象者顔面データを取得するためのカメラと、
前記カメラとの通信状態にあり、プローブに接続するように構成された処理ユニットであって、
個人の前記文書化特性と関連付けて前記個人の顔画像または前記顔画像の少なくとも一部を示す個人顔面データおよび識別データを取得し、
前記対象者顔面データおよび前記個人顔面データおよび個人文書化特性に基づいて、前記対象者が前記文書化特性を有する対象者であるかを決定し、
前記プローブが生体識別データを取得している間、前記プローブが前記認可対象者によって使用されているかを決定し、
前記決定に基づいて、前記文書化特性に従って前記対象者の前記生体識別データを登録するように構成された処理ユニットと
を備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
現在、個人への物質送達デバイス(たとえば喫煙デバイス、吸入器、および電子タバコ)の販売は、デバイスを入手するために個人が販売者に許容可能な身分証明を提示することに基づいて制御され得る。たとえば、(例として)ニコチンを送達する電子タバコは、個人が特定の年齢を上回ることを証明するために、政府または連邦が発行した写真付き身分証明書(たとえばIDカードまたは運転免許証)を個人が示すことにより、販売店で個人に販売され得る。たとえば規制物質の吸入器は、薬物に関する有効なライセンスまたは処方箋と共に、そのような政府または連邦が発行した写真付き身分証明書を提示することを条件として販売され得る。
【0002】
個人が物質送達デバイスを所有物として所持すると、その個人が、その物質送達デバイスを他の任意の人物に提供したり、あるいは他者が、その個人の許可を得ずに物質送達デバイスを使用したりすることがある。これにより、無認可の人物(たとえば子供)が、幼い時に規制物質を入手および/または喫煙を開始することが起こり得る。
【0003】
識別は、その人の身元をシステムに提示するプロセスを指し得る。これは一般に、アクセス制限されたシステムへのアクセスの初期段階の一部である。識別プロセスは通常、その人の独自の個人識別データを提示すること(たとえば、プロセスへのログインまたはATMカードの使用時にユーザ名を提供すること)を伴う。
【0004】
認証は、システムに提供された身元を検証することに関し、多くの場合、認可された個人と無認可の個人、または異なる認可を有する個人を区別するために用いられる。認証は、識別が完了した後、または識別プロセスと同時に行われ得る。場合によっては、認証は、たとえば個人が既定の個人のグループに属すること(たとえば同じユーザIDを有する被雇用者グループの一人であること)を認証することによって、固有の個人の識別無しで行われる。これもまた、グループが識別されるという意味で、識別と見なされ得る。
【発明の概要】
【0005】
いくつかの実施形態は、物質送達デバイスを使用するための対象者の識別および対象者の認可の検証の方法を提供してよく、方法は、コンピューティングデバイスを物質送達デバイスに接続することと、コンピューティングデバイスに関連付けられたカメラによって、対象者の顔画像または顔画像の少なくとも一部を示す対象者顔面データを取得することと、コンピューティングデバイスによって、個人の認可と関連付けて個人の顔画像または顔画像の少なくとも一部を示す個人顔面および認可データを取得することと、コンピューティングデバイスによって、対象者顔面データおよび個人顔面および認可データに基づいて、対象者が認可対象者であるかを決定することと、物質送達デバイスによって、物質送達デバイスによって捕捉されている生体識別データを取得することと同時に、コンピューティングデバイスによって、物質送達デバイスが対象者によって使用されているかを決定することとを含んでよい。
【0006】
いくつかの実施形態において、方法は、コンピューティングデバイスによって、決定に基づいて、ユーザが物質送達デバイスを使用している間に捕捉された認可ユーザの生体データに認可インジケーションを関連付け、関連付けを登録することを含む。
【0007】
いくつかの実施形態において、方法は、対象者が認可対象者であり、物質送達デバイスが認可対象者によって使用されていた場合、コンピューティングデバイスによって、認可対象者の生体識別データを認可対象者の認可のインジケーションに関連付け、その関連付けを登録することを含む。
【0008】
いくつかの実施形態において、方法は、コンピューティングデバイスによって、物質送達デバイスのデバイス関連データをコンピューティングデバイスに取得することを含む。
【0009】
いくつかの実施形態において、デバイス関連データを取得することは、物質送達デバイスによるコンピューティングデバイスへのデータの転送を含む。
【0010】
いくつかの実施形態において、対象者が認可対象者であるかを決定することは、デバイス関連データに少なくとも部分的に基づく。
【0011】
いくつかの実施形態において、個人顔面および認可データを取得することは、コンピューティングデバイスに関連付けられたカメラによって撮影された個人の認可書の画像を受信することを含む。
【0012】
いくつかの実施形態において、個人顔面および認可データを取得することは、識別および認可データベースからデータを検索することを含む。
【0013】
いくつかの実施形態において、識別および認可データベースは、個人顔面データと認可データとを関連付けるように構成された複数のデータベースを含む。
【0014】
いくつかの実施形態において、方法は、カメラによって、対象者による使用中の物質送達デバイスまたは物質送達デバイスの少なくとも一部の画像と同時に対象者の顔画像または顔画像の少なくとも一部を示す対象者顔面およびデバイスデータを取得することを含む。
【0015】
いくつかの実施形態において、方法は、コンピューティングデバイスによって、物質送達デバイスが認可対象者によって使用されているかを決定することは、対象者顔面およびデバイスデータに少なくとも部分的に基づく。
【0016】
いくつかの実施形態において、対象者顔面およびデバイスデータに基づいて物質送達デバイスが対象者によって使用されているかを決定することは、物質送達デバイスの画像が対象者の顔画像との既定の幾何的関係の範囲内であるかを決定することを含む。
【0017】
いくつかの実施形態において、対象者顔面およびデバイスデータを取得することは、生体データの取得および生体データと認可インジケーションとの関連付けの間、継続的に行われる。
【0018】
いくつかの実施形態において、方法は、対象者顔面データにおける対象者の顔画像の位置を追跡することを含む。
【0019】
いくつかの実施形態において、追跡することは、少なくとも、物質送達デバイスによって生体識別データを取得することと同時にコンピューティングデバイスによって物質送達デバイスが対象者によって使用されているかを決定すること、およびコンピューティングデバイスによって物質送達デバイスによって捕捉されている生体識別データを取得することの両方にかかる期間にわたり行われる。
【0020】
いくつかの実施形態において、方法は、カメラによって、物質送達デバイスの送信器によって送信可能な出力信号を検出することを含む。
【0021】
いくつかの実施形態において、対象者顔面およびデバイスデータに基づいて、物質送達デバイスが対象者によって使用されているかを決定することは、出力信号の画像が、対象者の顔画像との既定の幾何的関係の範囲内であることを決定することに少なくとも部分的に基づく。
【0022】
いくつかの実施形態において、方法は、コンピューティングデバイスに関連付けられた受信器によって、物質送達デバイスの送信器によって送信可能な出力信号を検出することを含む。
【0023】
いくつかの実施形態において、方法は、コンピューティングデバイスによって、受信出力信号の方向を決定することを含み、物質送達デバイスが対象者によって使用されているかを決定することは、決定された受信出力信号の方向、および対象者顔面データおよび対象者顔面およびデバイスデータの少なくとも1つに少なくとも部分的に基づく。
【0024】
いくつかの実施形態において、方法は、コンピューティングデバイスによって、対象者データおよび対象者顔面およびデバイスデータの少なくとも1つに基づく対象者の顔の現実世界位置、および決定された受信出力信号の方向に基づく物質送達デバイスの現実世界位置を決定することを含み、物質送達デバイスが対象者によって使用されているかを決定することは、物質送達デバイスの現実世界位置が対象者の顔の現実世界位置との既定の幾何的関係の範囲内であることを決定することに少なくとも部分的に基づく。
【0025】
いくつかの実施形態において、方法は、コンピューティングデバイスに関連付けられたカメラおよび受信器の少なくとも1つによって、物質送達デバイスの送信器によって送信可能な出力信号を検出することと、コンピューティングデバイスおよび物質送達デバイスの少なくとも1つによって、出力信号の少なくとも1つの出力信号特性を定義することとを含む。
【0026】
いくつかの実施形態において、毎回出力信号の出力信号特性を定義することは、物質送達デバイスがコンピューティングデバイスに接続される時、または所定の時間間隔で行われる。
【0027】
いくつかの実施形態において、出力信号は、出力信号に符号化された生体識別データを含む。
【0028】
いくつかの実施形態において、方法は、物質送達デバイスのコントローラを介して、物質送達デバイスを使用する対象者の生体識別データを出力信号に符号化するように物質送達デバイスの送信器を制御することを含む。
【0029】
いくつかの実施形態において、方法は、コンピューティングデバイスと物質送達デバイスとの間の接続を介して、コンピューティングデバイスによって物質送達デバイスにシステム信号を発行することを含み、出力信号の出力信号特性を定義することは、システム信号と出力信号との時間相関を検出することを含む。
【0030】
いくつかの実施形態において、方法は、コンピューティングデバイスによって生体識別データを受信することと、コンピューティングデバイスによって、出力信号に符号化された生体識別データが受信した生体識別データと一致することを決定することとを含む。
【0031】
いくつかの実施形態において、登録することは、認可対象者の認可に1または複数の制限を登録することを含む。
【0032】
いくつかの実施形態において、方法は、物質送達デバイスによって、制限の1または複数を突破するために、登録の繰返しを要求することを含む。
【0033】
いくつかの実施形態は、物質送達デバイスを使用するための対象者の識別および対象者の認可の検証のためのシステムを提供してよく、システムは、対象者の顔画像または顔画像の少なくとも一部を示す対象者顔面データを取得するためのカメラと、カメラとの通信状態にあり、物質送達デバイスに接続するように構成された処理ユニットとを含んでよく、処理ユニットは、個人の認可と関連付けて個人の顔画像または顔画像の少なくとも一部を示す個人顔面および認可データを取得し、対象者顔面データおよび個人顔面および認可データに基づいて、対象者が認可対象者であるかを決定し、物質送達デバイスが生体識別データを取得している間、物質送達デバイスが認可対象者によって使用されているかを決定するように構成される。
【0034】
いくつかの実施形態において、処理ユニットは、対象者が認可対象者であり、物質送達デバイスが認可対象者によって使用されていた場合、認可対象者の認可のインジケーションに認可対象者の生体識別データを関連付け、その関連付けを登録するように構成される。
【0035】
いくつかの実施形態において、処理ユニットは、決定に基づいて、ユーザが物質送達デバイスを使用している間に捕捉された認可ユーザの生体データに認可インジケーションを関連付け、関連付けを登録するように構成される。
【0036】
いくつかの実施形態において、処理ユニットは、物質送達デバイスの処理ユニットへの接続の際、デバイス関連データを取得するように構成される。
【0037】
いくつかの実施形態において、処理ユニットは、デバイス関連データに少なくとも部分的に基づいて、対象者が認可対象者であるかを決定するように構成される。
【0038】
いくつかの実施形態において、処理ユニットは、カメラによって撮影された個人の認可書の画像に少なくとも部分的に基づいて、個人顔面および認可データを取得するように構成される。
【0039】
いくつかの実施形態において、処理ユニットは、識別および認可データベースから個人顔面および認可データを取得するように構成される。
【0040】
いくつかの実施形態において、識別および認可データベースは、個人顔面データと認可データとを関連付ける複数のデータベースを備える。
【0041】
いくつかの実施形態において、カメラは、対象者による使用中の物質送達デバイスまたは物質送達デバイスの少なくとも一部の画像と同時に対象者の顔画像または顔画像の少なくとも一部を示す対象者顔面およびデバイスデータを取得するように構成される。
【0042】
いくつかの実施形態において、処理ユニットは、対象者顔面およびデバイスデータに少なくとも部分的に基づいて、物質送達デバイスが認可対象者によって使用されているかを決定するように構成される。
【0043】
いくつかの実施形態において、処理ユニットは、物質送達デバイスが認可対象者によって使用されていることを確認するために、対象者顔面およびデバイスデータに基づいて、物質送達デバイスの画像が対象者の顔画像との既定の幾何的関係の範囲内であるかを決定するように構成される。
【0044】
いくつかの実施形態において、対象者顔面およびデバイスデータを取得することは、生体データの取得および生体データと認可インジケーションとの関連付けの間、継続的に行われる。
【0045】
いくつかの実施形態において、処理ユニットは、対象者顔面データにおける対象者の顔画像の位置を追跡するように構成される。
【0046】
いくつかの実施形態において、追跡することは、少なくとも、物質送達デバイスによって生体識別データを取得すること、処理ユニットによって物質送達デバイスが対象者によって使用されているかを決定すること、および処理ユニットによって物質送達デバイスによって捕捉されている生体識別データを取得することの両方にかかる期間にわたり行われる。
【0047】
いくつかの実施形態において、カメラは、物質送達デバイスの送信器によって送信可能な出力信号を検出するように構成される。
【0048】
いくつかの実施形態において、処理ユニットは、物質送達デバイスが認可対象者によって使用されていることを確認するために、対象者顔面およびデバイスデータに少なくとも部分的に基づいて、出力信号の画像が、対象者の顔画像との既定の幾何的関係の範囲内であることを決定するように構成される。
【0049】
いくつかの実施形態において、システムは、処理ユニットに関連付けられた受信器を含み、受信器は、物質送達デバイスの送信器によって送信可能な出力信号を検出するように構成される。
【0050】
いくつかの実施形態において、処理ユニットは、受信出力信号の方向を決定し、決定された受信出力信号の方向、および対象者顔面データおよび対象者顔面およびデバイスデータの少なくとも1つに少なくとも部分的に基づいて、物質送達デバイスが認可対象者によって使用されているかを決定するように構成される。
【0051】
いくつかの実施形態において、処理ユニットは、対象者データおよび対象者顔面およびデバイスデータの少なくとも1つに基づく対象者の顔の現実世界位置、決定された受信出力信号の方向に基づく物質送達デバイスの現実世界位置、および物質送達デバイスの現実世界位置が対象者の顔の現実世界位置との既定の幾何的関係の範囲内であることを決定することによって、物質送達デバイスが生体識別データを取得している間、物質送達デバイスが認可対象者によって使用されているかを決定するように構成される。
【0052】
いくつかの実施形態において、処理ユニットに関連付けられたカメラおよび受信器の少なくとも1つは、物質送達デバイスの送信器によって送信可能な出力信号を検出するように構成され、処理ユニットは、出力信号の少なくとも1つの出力信号特性を定義するように構成される。
【0053】
いくつかの実施形態において、出力信号は、出力信号に符号化された生体識別データを含む。
【0054】
いくつかの実施形態において、処理ユニットは、出力信号に符号化された生体識別データに少なくとも部分的に基づいて、物質送達デバイスが認可対象者によって使用されているかを決定するように構成される。
【0055】
いくつかの実施形態において、処理ユニットは、処理ユニットと物質送達デバイスとの間の接続を介して、物質送達デバイスにシステム信号を発行するように構成され、出力信号の出力信号特性を定義することは、システム信号と出力信号との時間相関を検出することを含む。
【0056】
いくつかの実施形態において、カメラおよび処理ユニットは、単一のコンピューティングデバイスに実装される。
【0057】
いくつかの実施形態は、電子肺送達デバイスを使用するための対象者の識別および対象者の年齢の検証の方法を提供してよく、方法は、コンピューティングデバイスを電子肺送達デバイスに接続することと、コンピューティングデバイスに関連付けられたカメラによって、対象者の顔画像または顔画像の少なくとも一部を示す対象者顔面データを取得することと、コンピューティングデバイスによって、個人の年齢のインジケーションと関連付けて個人の顔画像または顔画像の少なくとも一部を示す個人顔面および年齢データを取得することと、コンピューティングデバイスによって、対象者顔面データおよび個人顔面および年齢データに基づいて、対象者が対象年齢であるかを決定することと、電子肺送達デバイスによって、電子肺送達デバイスによって捕捉されている生体識別データを取得することと同時に、コンピューティングデバイスによって、電子肺送達デバイスが対象者によって使用されているかを決定することとを含んでよい。いくつかの実施形態において、方法は、コンピューティングデバイスによって、対象者が対象年齢であり、電子肺送達デバイスが認可対象者によって使用されていた場合、電子肺送達デバイスを使用するための対象者の認可のインジケーションに対象者の生体識別データを関連付け、その関連付けを登録することを含む。
【0058】
いくつかの実施形態において、方法は、コンピューティングデバイスによって、決定に基づいて、ユーザが物質送達デバイスを使用している間に捕捉された認可ユーザの生体データに認可インジケーションを関連付け、関連付けを登録することを含む。
【0059】
いくつかの実施形態は、対象者の文書化特性と関連付けて対象者を登録する方法を提供してよく、方法は、コンピューティングデバイスをプローブに接続することと、コンピューティングデバイスに関連付けられたカメラによって、対象者の顔画像または顔画像の少なくとも一部を示す対象者顔面データを取得することと、コンピューティングデバイスによって、個人の文書化特性と関連付けて個人の顔画像または顔画像の少なくとも一部を示す個人顔面データおよび識別データを取得することと、コンピューティングデバイスによって、対象者顔面データおよび個人顔面データおよび個人文書化特性に基づいて、対象者が文書化特性を有する対象者であるかを決定することと、プローブによって、プローブによって捕捉されている生体識別データを取得することと同時に、コンピューティングデバイスによって、プローブが対象者によって使用されているかを決定することと、コンピューティングデバイスによって、決定に基づいて、文書化特性に従って対象者の生体識別データを登録することとを含んでよい。
【0060】
いくつかの実施形態は、対象者の特性と関連付けて対象者を登録するためのシステムを提供してよく、システムは、対象者の顔画像または顔画像の少なくとも一部を示す対象者顔面データを取得するためのカメラと、カメラとの通信状態にあり、プローブに接続するように構成された処理ユニットとを含んでよく、処理ユニットは、個人の文書化特性と関連付けて個人の顔画像または顔画像の少なくとも一部を示す個人顔面データおよび識別データを取得し、対象者顔面データおよび個人顔面データおよび個人文書化特性に基づいて、対象者が文書化特性を有する対象者であるかを決定し、プローブが生体識別データを取得している間、プローブが認可対象者によって使用されているかを決定し、決定に基づいて、文書化特性に従って対象者の生体識別データを登録するように構成される。
【0061】
いくつかの実施形態は、電子肺送達デバイスを使用するための対象者の識別および対象者の年齢の検証の方法を提供してよく、方法は、コンピューティングデバイスを電子肺送達デバイスに接続することと、位置センサによって送達デバイスの位置を追跡することと、検出された位置における法律および/または条令によって許可された年齢に関連する法的データにアクセスすることと、コンピューティングデバイスに関連付けられたカメラによって、対象者の顔画像または顔画像の少なくとも一部を示す対象者顔面データを取得することと、コンピューティングデバイスによって、個人の年齢のインジケーションと関連付けて個人の顔画像または顔画像の少なくとも一部を示す個人顔面および年齢データを取得することと、コンピューティングデバイスによって、対象者顔面データ、検出されたデバイスの位置、法的データ、および個人顔面および年齢データに基づいて、対象者が現在のデバイス位置における法的に許可された年齢に達するかを決定することと、電子肺送達デバイスによって、電子肺送達デバイスによって捕捉されている生体識別データを取得することと同時に、コンピューティングデバイスによって、電子肺送達デバイスが対象者によって使用されているかを決定することと、コンピューティングデバイスによって、決定に基づいて、ユーザが物質送達デバイスを使用している間に捕捉された認可ユーザの生体データに認可インジケーションを関連付け、関連付けを登録することとを含んでよい。
【0062】
いくつかの実施形態において、デバイスの位置は、GPSセンサによって検出され得る。いくつかの実施形態において、位置データは、コンピューティングデバイスのIPアドレスによって検出され、または手動で入力され得る。
【0063】
いくつかの実施形態において、検出された位置における法的に許可された年齢は、18歳、19歳、21歳、16歳、または25歳のいずれか1つである。
【0064】
本発明のこれらの、追加の、および/または他の態様および/または利点は、以下に続く詳細な説明において記載され、場合によっては詳細な説明から推測され、および/または本発明の実施によって習得可能である。
【0065】
本発明の実施形態のより適切な理解のため、および本発明の実施形態がどのように実施され得るかを示すために、以下、単に例として添付図面が参照され、この図面において、全体を通して同様の番号が対応する要素または部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0066】
図1A-D】本発明のいくつかの実施形態に係る、物質送達デバイスを使用するための対象者を登録するためのシステムの概略図である。
図1E】本発明のいくつかの実施形態に係る、システムによって認証されない個人の登録を防止するための例を示す。
図2】本発明のいくつかの実施形態に係る、物質送達デバイスを使用するための対象者を登録するための方法のフローチャートである。
図3】いくつかの実施形態に係る、対象者に物質を送達するための物質送達デバイスのブロック図である。
図4A-B】いくつかの実施形態に係る、物質送達の概略図である。
図4C】波センサにカバーがない場合の受信波の例を示すグラフである。
図4D】波センサにカバーがある場合の同じ受信波の例を示すグラフである。
図5】いくつかの実施形態に係る、対象者に物質を送達するために対象者を認証する方法のフローチャートである。
図6A-B】認証方法のいくつかの実施形態に係る、8人の異なる対象者からの受信波の可能な区別を視覚化するT分布型確率的近傍埋込み(t-SNE)グラフであり、図6Bは、図6Aの一部の拡大図である。
図6C-D】認証方法のいくつかの実施形態に係る、図6Aのグラフに示す波サンプルの値を決定する際に用いられる参照波を示すグラフである。
図7A-B】認証方法のいくつかの実施形態に係る、受信波に従う成人と小児との可能な区別を視覚化するT分布型確率的近傍埋込み(t-SNE)グラフであり、図7Bは、図7Aの一部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0067】
説明の単純化および明確性のために、図に示す要素は必ずしも一定比率で拡大縮小されたものではないことが理解される。たとえば、要素のいくつかの寸法は、明確性のために、他の要素に対して大きく示され得る。また、参照番号は適宜、対応するまたは類似の要素を示すために複数の図で繰り返され得る。
【0068】
以下の説明において、本発明の様々な態様が説明される。説明のために、特定の構成および細部が、本発明の完全な理解をもたらすために記載される。ただし、本明細書に提示される特定の細部なしでも本発明が実施され得ることも当業者には明らかである。また、既知の特徴は、本発明を不明瞭にしないために省略または簡略化され得る。図面が特に参照される場合、示される具体例は、本発明の実例的説明のための例にすぎず、最も有用かつ容易に理解される本発明の原理および概念的態様であると思われるものを提供するために提示されることが強調される。この点に関して、本発明の基本的理解のために必要な範囲を超える本発明の構造的細部を示す試みはなされず、この説明に図面を伴うことにより、当業者には、本発明のいくつかの形態が実際にどのように具体化され得るかが明らかとなる。
【0069】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳しく説明する前に、理解すべき点として、本発明は、本出願において、以下の説明に記載され、または図面に示される構造の細部および構成要素の配置に限定されるものではない。本発明は、様々な方法で実施または実行され得る他の実施形態、ならびに開示される実施形態の組み合わせにも適用可能である。また、本明細書で用いられる表現および用語は、説明を目的としており、限定的なものとみなされてはならないことを理解すべきである。
【0070】
特に指定されない限り、以下の説明から明らかであるように、本明細書を通して、たとえば「処理する」、「計算する」、「算出する」、「決定する」、「高める」などの用語を用いる説明は、コンピューティングシステムのレジスタおよび/またはメモリ内でたとえば電子量などの物理量として表現されるデータを、コンピューティングシステムのメモリ、レジスタ、または他のそのような情報格納、送信、または表示デバイス内で同様に物理量として表現される他のデータに操作および/または変換するコンピュータまたはコンピューティングシステム、または同様の電子計算デバイスの動作および/またはプロセスを指すことが理解される。開示されるモジュールまたはユニットのいずれかは、少なくとも部分的に、コンピュータプロセッサによって実装され得る。
【0071】
ここで、本発明のいくつかの実施形態に係る、物質送達デバイス130に対象者90を登録するためのシステム100の概略図である図1A図1B図1C、および図1Dが参照される。
【0072】
登録は、識別された個人のデータおよび/または認可インジケーションに認証データを関連付け、格納するプロセスに関連する。認証データは、システムが、主張された対象者の身元を検証すること、および/または、外部の認可インジケーションを取得する必要なく、格納されたデータのみに基づいて対象者の認可を検証することを可能にする。いくつかの実施形態において、認証データは、対象者の特性を識別する生体測定値を示すデータである生体識別データであり、またはそれを含む。認可インジケーションは、たとえば、デバイス(たとえば物質送達デバイス)またはデータにアクセスおよび/または使用するための許可、許可された使用レジメ、使用範囲、および/または一部または全体制限を含んでよい。登録されると、個人は、生体識別インジケーション(たとえば指紋、網膜スキャン、および/または口腔シグネチャなど)を提供することのみによって、格納された情報に従ってアクセスを提供され得る。いくつかの実施形態において、物質送達デバイスは、登録されていない対象者に物質を送達しないように制御される。様々な実施形態において、物質送達デバイスは、登録された個人に、未登録対象者とは異なる物質、より多い量の物質、および/またはより高頻度で物質を送達するように制御される。
【0073】
いくつかの実施形態によると、システム100は、対象者90を識別すること、対象者90が物質送達デバイス130の使用を認可されていることを検証すること、および、他の対象者ではなく認可対象者90が物質送達デバイス130を使用していることを任意選択的にリアルタイム(またはほぼリアルタイム)で検証することが可能であってよい。そのような検証が完了すると、システム100は、対象者90の生体識別データ(たとえば生体識別)を物質送達デバイス130に格納することにより、対象者がデバイスを使用することを可能にしてよい。いくつかの実施形態において、生体識別データはシステム100に提供されるのではなく、検証が完了すると、システム100は、生体識別データを格納することを物質送達デバイス130に指示または許可する。
【0074】
システム100は、カメラ110および処理ユニット120を含んでよい。いくつかの実施形態において、カメラ110および処理ユニット120は、単一のコンピューティングデバイス(たとえばタブレット、セルラフォン、デスクトプコンピュータ、スマートウォッチなど)に実装され得る。他のいくつかの実施形態において、処理ユニット120は遠隔デバイスに、たとえば関連付けられたコンピューティングデバイス(たとえばデスクトップコンピュータ、サーバ、クラウドなど)に実装されてよく、カメラ110は、その遠隔デバイスとの(たとえば有線および/または無線)通信状態であってよい。
【0075】
いくつかの実施形態において、システム100は、物質送達デバイス130を含んでよい。他のいくつかの実施形態において、物質送達デバイス130は、システム100の一部でなくてよく、システム100は、1または複数の物質送達デバイス130と接続することが可能であってよい。物質送達デバイス130は、処理ユニット120に接続可能であってよい。その接続111は、有線または無線(たとえばBluetoothなど)であってよい。いくつかの実施形態において、物質送達デバイス130は、(たとえば物質を吸引および/または喫煙するための)肺送達デバイスであってよい。いくつかの実施形態において、物質送達デバイス130は、電子デバイスである。いくつかの実施形態において、物質送達デバイス130は、吸入器、気化器、または電子タバコであってよい。いくつかの実施形態において、物質送達デバイス130は、医療デバイス、非医療デバイス、またはそれらの組み合わせであってよい。
【0076】
いくつかの実施形態において、処理ユニット120は、物質送達デバイス130を処理ユニット120に接続する際、デバイス関連データを取得してよい。デバイス関連データは、たとえば、物質送達デバイス130のシリアル番号、物質送達デバイス130の種類(たとえば電子タバコ、気化器、医療デバイス、非医療デバイスなど)、物質送達デバイス130内の物質の種類(たとえば規制薬物か否か、物質の種類)を含んでよい。処理ユニット120は、対象者90と通信してよく、対象者90は、ユーザインタフェース140を介して処理ユニット120と通信してよい。たとえば、処理ユニットは、ユーザインタフェース140を介して対象者90への指示またはフィードバックを表示してよい。様々な実施形態において、処理ユニット120は、ユーザインタフェース140を介して対象者90からの入力を受信してよい。
【0077】
いくつかの実施形態において、ソフトウェアアプリケーションがユーザインタフェース140を提供してよい。ソフトウェアアプリケーションは、パーソナルコンピュータ、タブレット、セルフォン、デスクトップコンピュータ、スマートウォッチなどのいずれかを含み得る処理ユニット120において動作するように設計され得る。いくつかの実施形態において、ユーザインタフェース140は、物質送達デバイス130に(たとえばタッチスクリーン、押下用ボタン、および/または音声入力およびオーディオ出力として)統合される。
【0078】
いくつかの実施形態において、処理ユニット120は、カメラ110を用いて、対象者90の顔画像を示す(または顔画像の少なくとも一部を有する)対象者顔面データを取得してよい。いくつかの実施形態において、顔画像が捕捉されると、物質送達デバイスへの対象者の登録のために必要な全ての画像の取得が完了する前に対象者90が入れ替わらないことを確実にするために、カメラ110を介して顔画像が追跡される。
【0079】
いくつかの実施形態において、処理ユニット120は、個人の認可と関連付けて個人の顔画像を示す(または顔画像の少なくとも一部を有する)個人顔面および認可データ116を取得してよい。個人は、個人の顔画像に関連付けられた認可を有する任意の人物であってよい。認可は、物質送達デバイス130を使用するための条件を含んでよい。たとえば、物質送達デバイス130が電子タバコである場合、認可は、対象者90の年齢(たとえば18歳以上、21歳以上など)を含んでよい。いくつかの実施形態において、物質送達デバイス130が医療用吸入器である場合、認可は、規制薬物に関する有効な処方箋およびライセンスを含んでよい。この認可は、個人の顔画像に関連付けられ得る。
【0080】
いくつかの実施形態において、処理ユニット120は、認可データおよび/または顔画像データを取得するために、2つ以上の別個のデータベースにアクセスしてよい。いくつかの実施形態において、認可データおよび/または顔画像データの1つまたは両方は、個人によって処理ユニット120に入力され得る。様々な実施形態において、処理ユニット120は、対象者90の顔画像に基づいて、および/またはユーザインタフェースを介して入力されたデータ(たとえば氏名、ID番号またはパスポート番号、免許登録番号、パスワードなど)を用いて認可データを取得するために、2つ以上の別個のデータベースにアクセスしてよい。
【0081】
たとえば、処理ユニット120は、個人の1または複数の認可書80の画像を撮影するようにカメラ110を制御し、所轄機関によって発行された認可書80(たとえば本人確認書類)(たとえば政府または連邦による本人確認書類)の画像に基づいて個人の顔面および認可データ116(たとえば顔画像および認可、たとえば年齢など)を取得してよい。いくつかの実施形態において、そのような文書の有効性が検証される。
【0082】
例において、処理ユニット120は、識別および認可データベース、たとえば複数の個人の顔面および認可データを少なくとも格納する識別および認可データベース70から、個人の顔面および認可データ116を取得してよい。識別および認可データベース70に格納されたデータの他のいくつかの例は、国内または地域登記、免許取得者の車両データベース部門、患者の保健省および/または病院レジストリを含んでよい。そのようなデータベース70に格納された情報は、政府発行文書、生体識別データ、社会保障番号、ユーザ名、パスワード、規制物質の許可証、誕生日または年齢などを含んでよい。
【0083】
いくつかの実施形態において、個人の顔面および認可データ116を取得することは、確実性の層を追加し、および/または不正を防止するために、複数のソースにアクセスすることを含んでよい。たとえば、処理ユニット120は、対象者90の本人確認書類および識別データベースの両方から対象者90の識別データを取得し、2つのソースの比較に基づいて、証明書が有効であるか、および個人が証明書を実際に物理的に所有しているかを決定してよい。いくつかの実施形態において、本人確認書類および/または認可書は必要ではなく、全てのデータがデータベース(複数も可)70から遠隔で取得される。いくつかの実施形態において、データベース70の一部は、システム100および/または物質送達デバイス130に格納される。たとえば、所与の個人のデータが(たとえば、彼の顔画像、個人の認可書、および/またはユーザインタフェース140を介して入力されたデータに基づいて)データベース70内でアクセスされると、その個人の認可インジケーションは、システム100および/または物質送達デバイス130に格納される。
【0084】
いくつかの実施形態において、処理ユニット120は、1または複数の画像において個人の2つ以上の認可書80の画像を撮影するようにカメラ110を制御してよい。たとえば処理ユニット120は、顔画像データならびに個人識別データ(たとえば識別番号または社会保障番号)を提供する本人確認書類の画像、および(たとえば顔画像データを有さないが、氏名および/または識別番号/社会保障番号を有する)有効な医療処方箋の画像を撮影するようにカメラ110を制御してよい。いくつかの実施形態において、処理ユニット120は、画像から得た情報を組み合わせ、場合によっては、情報の確認のために少なくとも1つの公的データベースにアクセスしてよい。
【0085】
いくつかの実施形態において、処理ユニット120は、たとえば仮想アルゴリズムおよび/またはビデオストリーミングを用いること(たとえばワイヤフレームメッシュを課すことなど)によって、対象者90が、顔面および認可データ116を取得された個人であるかを決定してよい。任意選択的に、対象者90は、撮像および生体識別特性の取得中、常にビュー何に留まりカメラを向くように指示され得る。この決定は、対象者顔面データ112、顔面および認可データ116、および任意選択的に物質送達デバイス130のデバイス関連データに基づいてよい。
【0086】
たとえば、物質送達デバイス130が(たとえばデバイス関連データにおいて示されるように)ニコチンの送達のための電子タバコである場合、処理ユニット120は、(たとえば対象者顔面データ112に含まれる)対象者90の顔画像を(たとえば顔面および認可データ116に含まれる)個人の顔画像と比較して、対象者90がその個人であるかを決定し、更に、対象者90が電子タバコの使用許可を有するか(たとえば、顔面および認可データ116において示されるように対象者90の年齢が18歳以上、21歳以上などであること)を決定してよい。
【0087】
例において、物質送達デバイス130が(たとえばデバイス関連データにおいて示されるように)医療用大麻吸入器または気化器である場合、処理ユニット120は、(たとえば対象者顔面データ112に含まれる)対象者90の顔画像を(たとえば顔面および認可データ116に含まれる)個人の顔画像と比較して、対象者90がその個人であるかを決定し、更に、対象者90が医療用大麻吸入器の使用許可を有するか(たとえば、顔面および認可データ116において示されるように対象者90が医療用大麻に関する有効なライセンスまたは処方箋を有すること)を決定してよい。
【0088】
様々な実施形態において、物質送達デバイス130が様々な物質(たとえば非医療目的のニコチンおよび医療目的の規制物質)を送達するために用いられ得る場合、処理ユニット120は、(たとえば対象者顔面データ112に含まれる)対象者90の顔画像を(たとえば顔面および認可データ116に含まれる)個人の顔画像と比較して、対象者90がその個人であるかを決定してよい。加えて、処理ユニット120は、(a)対象者90が医療用大麻吸入器の使用許可を有するか(たとえば、顔面および認可データ116において示されるように対象者90が医療用大麻に関する有効なライセンスまたは処方箋を有すること)、および(b)対象者90が電子タバコの使用許可を有するか(たとえば、顔面および認可データ116において示されるように対象者90の年齢が18歳以上、21歳以上などであること)を決定する。両方の別個の認可は別々に格納されてよく、各々に関する格納された認可は、それぞれの物質を送達する準備の際、物質送達デバイス130によってアクセスされ得る。
【0089】
いくつかの実施形態において、対象者90が、顔面および認可データ116を取得された個人であるかを決定するために、処理ユニット120の代わりに、サービスプロバイダが遠隔アクセスされ得る。たとえば、場合によっては、認可書80の捕捉は、機械検証のために不十分であると判明し得る。そのような場合、公的データベースへのアクセス権を有するサービスプロバイダが確証を提供し得る。そのようなサービスプロバイダは、対象者90への口頭指令を提供することを含む、必要に応じた任意の段階で支援するために、システム100および/または対象者90によってリアルタイムでテレコンファレンスされ得る。
【0090】
このように、システム100は、対象者90を識別し、対象者90が物質送達デバイス130の使用を認可されているかを検証してよい。いくつかの実施形態において、処理ユニット120は、認可対象者90をメモリ150に(たとえば登録された認可対象者のリストに)登録してよい。
【0091】
様々な実施形態において、物質送達デバイス130は、物質送達デバイス130の使用前および/または使用中、対象者90の生体識別データを捕捉してよい。たとえば、生体識別データは指紋を含んでよい。
【0092】
いくつかの実施形態において、生体識別データは、口腔シグネチャを含んでよい。たとえば、物質送達デバイス130は、口腔サンプリングプローブを含んでよい。第1のモードにおいて、口腔サンプリングプローブは、登録のために使用され得る。第2のモードにおいて、口腔サンプリングプローブは、たとえば物質の送達を制御するために、認証のために使用され得る。口腔サンプリングプローブは、波発生器および波センサを含んでよい。波発生器は、対象者90の口腔空間内またはその近傍に波を伝送するように構成される。波センサは、対象者90から反射した波の少なくとも一部を受信するように構成される。一般に波センサを組み込むトランスデューサは、反射信号を電子データに変換し、データをメモリ150に格納してよい。任意選択的に、波は、音波および/または電磁波であってよく、またはそれを含んでよい。いくつかの実施形態において、口腔サンプリングプローブは、物質送達デバイス130に組み込まれる。様々な実施形態において、口腔サンプリングプローブは、個別のユニットであり、個人の認可のインジケーションと関連付けて同じ個人の口腔シグネチャを登録するためだけに、必要に応じて物質送達デバイス130および/または他のデバイスに結合され、および/または独立して使用され得る。いくつかの実施形態において、対象者または個人の口腔シグネチャは、波センサによって受信した波の反射の少なくとも一部および/または派生物および/またはその分析結果を示すデータを含む。
【0093】
いくつかの実施形態において、処理ユニット120は、対象者90が、登録プロセス中にリアルタイムで口腔シグネチャを採取された個人であることをリアルタイム(またはほぼリアルタイム)で決定するように構成される。いくつかの実施形態において、カメラ110は、口中にプローブを有する対象者90を撮像してよい。画像データはその後、メモリ150に格納され得る。
【0094】
任意選択的に、口腔サンプリングプローブは、(たとえば図1Cおよび図1Dに関して後述する出力信号133のような)出力信号をシステム100へ送信することが可能な(たとえば図1Cおよび図1Dに関して後述する送信器132のような)送信器を含む。いくつかの実施形態において、処理ユニット120は、出力信号を送信するために送信器132を制御してよい。出力信号は、たとえば1または複数の電磁波を含んでよい。
【0095】
(たとえば図1Cおよび図1Dに関して後述する受信器160のような)出力信号受信器、任意選択的にカメラ110および/またはアンテナは、出力信号を受信するように構成される。一般に信号受信機に組み込まれたトランスデューサは、反射信号を電子データに変換し、データをメモリ150に格納してよい。いくつかの実施形態において、処理ユニット120は、出力信号の方向と第2の画像の方向との比較に基づいて、登録プロセス中に口腔サンプリングプローブが実際に対象者90の口中に位置するかを決定するように動作可能である。いくつかの実施形態において、処理ユニット120は、対象者90の顔画像が捕捉されない、または捕捉されるがシステム100によって定義された最低信頼性レベルで認識されない程度まで対象者90が動き、または姿勢を変える場合の決定を防止するように動作可能である。いくつかの実施形態において、対象者90の顔画像が捕捉および識別されると、対象者90と他の対象者との入れ替わりを可能にし得る任意の姿勢および/または位置の変化は、処理ユニット120に決定を完了させない。それによってシステム100は、いくつかの実施形態において、登録中に対象者90の付近にいる第2の個人から口腔シグネチャが採取される可能性および/または対象者90が第2の個人と入れ替わる可能性を回避または低減し得る。
【0096】
いくつかの実施形態において、システム100は、対象者90の生体識別データを、認可対象者90の身元および認可インジケーションに関連付けることが可能であってよい。いくつかの実施形態において、システム100は、物質送達デバイス130による、対象者90の生体識別データと認可対象者90の身元および認可インジケーションとの関連付けを指示または許可することが可能であってよい。そのような関連付けは、認可された個人のデータベースに格納された生体識別データのインジケーションを格納すること、および/または認可に固有の符号化を用いることを含んでよい。いくつかの実施形態において、関連付けは、認可のインジケーションと共に生体識別データのインジケーションを格納することを含む。そのようなインジケーションの例は、個人の年齢のインジケーション(たとえば生年月日)、および必ずしも年齢の明記を伴わない、個人が閾値年齢より上であることのインジケーション、個人が規制物質に関する有効な処方箋を保持することのインジケーションなどを含んでよい。いくつかの実施形態において、インジケーションは、たとえば規制物質の種類および/または投与量および/またはレジメン、物質の1日単位の最大送達量、送達が認可される時間帯、認可が満了する日付といった認可の制限と関連付けて格納される。いくつかの実施形態において、そのような格納をもたらしたプロセスの詳細と関連付けて格納された生体識別データは、たとえば、認可の根拠のインジケーション(たとえば提示された認可書(複数も可)の画像および/または情報が検索されたデータベース)、および/またはプロセスが行われたタイミングおよび/または位置および/またはシステムを含む。
【0097】
様々な実施形態において、処理ユニット120は、物質送達デバイス130または物質送達デバイス130に関連付けられた口腔サンプリングプローブによって捕捉されている認可対象者90の生体識別データを取得すると同時に(またはほぼ同時に)、(たとえば後述するように)物質送達デバイス130が他の無認可対象者ではなく認可対象者90によって使用されていることを検証してよい。この検証の際、処理ユニット120は、認可対象者90の身元および認可および/または認可インジケーションに生体識別データを関連付け、この関連付けを登録してよい。処理ユニット120は、この登録を、メモリ150または物質送達デバイス130のメモリに格納してよい。いくつかの実施形態において、処理ユニット120は、(たとえば後述するように)生体識別データ自体が処理ユニット120に提供されることなく、物質送達デバイス130が対象者90の生体識別データを捕捉している間、物質送達デバイス130が認可対象者90によって使用されていることを検証してよい。
【0098】
認可対象者90の身元および認可と共に認可対象者90の生体識別データを登録することは、たとえば、対象者90による物質送達デバイス130の初回の使用中またはその前に一度だけ行われ得る。これにより、たとえば、物質送達デバイス130のその後の使用中、外部データベース、たとえば識別および認可データベース70にアクセスする必要がなくなり得る。たとえば、登録すると、認可対象者90は、物質送達デバイス130によって捕捉されている認可対象者90の生体識別データに基づいて認証され得る。
【0099】
いくつかの実施形態において、処理ユニット120は、認可対象者90の認可と共に認可対象者90の生体識別データを登録する時、認可対象者90の認可に1または複数の制限を設定してよい。たとえば、制限(複数も可)は、認可における満了期間、所与の時間フレーム内での物質の最大使用量などを含んでよい。いくつかの実施形態において、処理ユニット120は、登録された制限(複数も可)を突破するために、登録の繰返しを必要とし得る。いくつかの実施形態において、システム100および/または物質送達デバイス130は、登録の期間が満了したことを示す通知を発行し、更なる物質送達を可能にするために新たな登録が必要である。
【0100】
いくつかの実施形態において、物質送達デバイス130は、年齢分類を含む。いくつかの実施形態において、個人または対象者が登録されると、年齢分類は実施されない。これは、対象年齢である対象者が年齢分類器によってそのように識別されず、登録されていない任意の人物にはデバイスが役立たない場合、有利であり得る。いくつかの実施形態において、個人または対象者が登録されると、物質送達デバイス130を使用しようとする対象者が登録されるイベントにおいてのみ、年齢分類が行われる。これは、対象年齢である個人が年齢分類器によってそのように識別されない場合、有利であってよく、登録された者は誰でもデバイスを使用できるが、別の対象者によって利用される場合、その対象者は、年齢分類器によって対象年齢であると識別されなければ使用が不可能である。
【0101】
いくつかの実施形態において、処理ユニット120は、対象者顔面およびデバイスデータ114を取得するためにカメラ110を制御してよい。対象者顔面およびデバイスデータ114は、対象者90の顔画像(または少なくともその一部)、および対象者90の生体識別データを捕捉するために対象者90によって使用中の物質送達デバイス130の画像(または少なくともその一部)を示してよい。
【0102】
処理ユニット120は、対象者顔面およびデバイスデータ114に基づいて、物質送達デバイス130が認可対象者90によって使用されていることを確認するために、物質送達デバイス130の画像が対象者90の顔画像との既定の幾何的関係の範囲内であるかを決定してよい。たとえば、物質送達デバイスが、口腔認証を行うことが可能である場合、処理ユニット120は、対象者顔面およびデバイスデータ114における対象者90の顔画像の位置を自動追尾および追跡してよい。
【0103】
いくつかの実施形態において、物質送達デバイス130は、(たとえば図1Cおよび図1Dに示すような)出力信号133を送信することが可能な送信器132を含んでよい。いくつかの実施形態において、処理ユニット120は、出力信号133を送信するように物質送達デバイス130の送信器132を制御してよい。出力信号133は、たとえば1または複数の電磁波を含んでよい。
【0104】
いくつかの実施形態において、出力信号133は、可視光波長範囲内であってよい。この場合、出力信号133は、(たとえば図1Cに示すような)カメラ110によって検出可能であってよい。いくつかの実施形態において、処理ユニット120は、対象者顔面およびデバイスデータ114に基づいて、物質送達デバイス130が認可対象者90によって使用されているかを決定してよい。たとえば処理ユニット120は、対象者顔面およびデバイスデータ114に基づいて、物質送達デバイス130が認可対象者90によって使用されていることを確認するために、出力信号133の画像および/または方向が対象者90の顔画像との既定の幾何的関係の範囲内であることを決定してよい。
【0105】
他のいくつかの実施形態において、出力信号133は、可視光波長範囲内ではないことがある。この場合、システム100は、(たとえば図1Dに示すような)出力信号133を受信することが可能な受信器160を含んでよい。いくつかの実施形態において、処理ユニット120は、受信した出力信号133の方向を決定してよい。処理ユニット120は更に、決定された受信出力信号133の方向および対象者顔面データ112/対象者顔面およびデバイスデータ114に基づいて、物質送達デバイス130が認可対象者90によって使用されているかを決定してよい。たとえば処理ユニット120は、対象者顔面データ112および対象者顔面およびデバイスデータ114の少なくとも1つに基づいて、対象者90の顔の現実世界位置を決定し、決定された受信出力信号133の方向に基づいて物質送達デバイス130の現実世界位置を決定し、物質送達デバイス130が認可対象者90によって使用されていることを確認するために、物質送達デバイス130の現実世界位置が対象者90の顔の現実世界位置との所定の幾何的関係の範囲内であることを決定してよい。
【0106】
送信器132によって送信可能な出力信号133は、少なくとも1つの出力信号特性を有してよい。出力信号およびそれらの特性の例は、可視光、赤外光、無線周波数伝送、および任意の空間および/または時間パターンにおけるそれらの任意の組み合わせを含む。たとえば、出力信号133は、出力信号特性のパターンまたはバリエーションを含んでよい。出力信号特性は、たとえば、波長、色(たとえば電磁スペクトルの可視光波長範囲内である出力信号133の場合)、タイミング、持続期間、送信器132における信号源の数、強度、周波数などを含んでよい。任意選択的に、信号は、部分的または完全な重複を有する1または複数の信号を含んでよい。
【0107】
いくつかの実施形態において、出力信号133の少なくとも1つの出力信号特性は、物質送達デバイス130に固有であってよい。いくつかの実施形態において、出力信号133の少なくとも1つの固有出力信号特性は、物質送達デバイス130が処理ユニット120に接続される時に処理ユニット120によって定義され得る。様々な実施形態において、出力信号133の少なくとも1つの固有出力信号特性は、物質送達デバイス130が所定の時間間隔(たとえば毎週、毎月など)で処理ユニット120に接続される度に、処理ユニット120によって選択および/または変更され得る。いくつかの実施形態において、出力信号133の少なくとも1つの固有信号特性の検出は、物質送達デバイス130が認可対象者90によって使用されていることの決定に含まれる。
【0108】
たとえば、出力信号133の固有信号特性は、物質送達デバイス130による出力信号133の送信のタイミング(たとえば時間相関)、またはその一部を含んでよい。タイミングは、物質送達デバイス130と処理ユニット120との間の(たとえば有線通信またはWiFiおよびBluetoothなどの無線通信を介した)通信/接続111のタイミングに関して処理ユニット120によって定義され得る。有線または無線通信/接続111は、処理ユニット120によって物質送達デバイス130に提供されてよく、それによって、物質送達デバイス130に、生体識別データを取得させ、定められた時間に出力信号133を送信させる。有線または無線通信は、出力信号133の送信および生体識別データの取得との定められた時間相関で、物質送達デバイス130によって処理ユニット120に提供され得る。事前設定されたタイミングに従う出力信号133の送信の検出は、物質送達デバイス130が認可対象者90によって使用されていることの決定の一部であってよい。たとえば、事前設定されたタイミングと異なる検出された出力信号のタイミングは、検出された出力信号が、処理ユニット120との通信/接続111である物質送達デバイス130ではなく、異なる物質送達デバイスによって送信されていることを示してよい。
【0109】
いくつかの実施形態において、物質送達デバイス130のコントローラは、送信器132によって送信可能な出力信号133に対象者90の生体識別データを符号化してよい。たとえば、処理ユニット120または物質送達デバイス130のコントローラは、対象者90の生体識別データを符号化するために少なくとも1つの出力信号特性またはそのパターンを定義してよい。いくつかの実施形態において、処理ユニット120は、出力信号133に符号化された生体識別データ、および、それと、システム100によって物質送達デバイス130に登録されている生体識別データとの比較に更に基づいて、物質送達デバイス130が認可対象者90によって使用されているかを決定してよい。たとえば、処理ユニット120は、(たとえば無線または有線通信による)通信/接続111によって物質送達デバイス130から生体識別データを受信し、それを検出された出力信号133と比較してよい。合致が存在する場合のみ、システム100は、対象者90を登録するために物質送達デバイス130を認可する。たとえば、システム100は、物質送達デバイス130のコントローラに、検出された出力信号を送信してよく、コントローラは、それを捕捉された生体識別データと比較し、それらに一致がある場合のみ、登録を行う。
【0110】
ここで、本発明のいくつかの実施形態に係る、システム100によって認証されない個人の登録を防止するための例を示す図1Eが参照される。
【0111】
図1Eに示す例において、対象者90は、基本的に図1Aおよび図1Bに関して上述したように、システム100によって認可された個人として識別され、対象者91は、(何らかの理由で)識別されていない。たとえば、対象者90は対象年齢(たとえば18または21歳より上)であってよく、対象者91は対象年齢未満(たとえば18または21歳未満)であるか、または単純に、(たとえばシステム制限、または準備が整った文書を提供していないという理由を含む)他の何らかの理由でシステムによって認可されていない状態であってよい。
【0112】
図1Eにおいて、口腔サンプリングプローブまたはデバイス130は無認可対象者91によって保持され、システム100との通信111状態であり、同時に、認可された個人(対象者90)が採取プローブまたはデバイス1300を使用している。この例において、システム100は、撮像を介して、認可対象者90がサンプリングプローブまたはデバイスと接触していることを識別してよい。しかし、システム100は、対象者90がプローブまたはデバイス130を使用していることを確認できないので、登録は完了することができない。いくつかの例において、出力信号1330は、システム100によって受信され得るが、デバイス130に関連付けられた固有特性を有さない。いくつかの例において、出力信号133は、システム100によって受信されない。いくつかの例において、出力信号133は、システムによって受信されるが、認可された個人(対象者90)と結び付くものとして識別されない。
【0113】
図1Eは、出力信号133が(図1Cに示すような)カメラ110によって検出可能であるように示されたが、同じことが、(図1Dに示すような)受信器160を用いて検出可能である出力信号133によって得られ得る。また留意すべき点として、無認可対象者91は、対象者90と共にカメラ100によって撮像され得るが、画像処理を用いて、システム100は、対象者90に焦点を合わせてフレーム内の他の個人を無視することが可能であり得る。任意選択的に、カメラ110のフレーム内で複数の個人が検出される場合、システム100は、対象者90のみがフレーム内で認識可能であるようにカメラ、対象者90、および他の対象者の1または複数を再配置するように対象者90に指示してよい。
【0114】
いくつかの実施形態は、口腔サンプリングプローブを使用している対象者の文書化特性と関連付けて対象者を登録するためのシステムを提供してよい。システムは、図1A図1B図1C図1D、および図1Eに関して上述したシステム100と同様であり得るが、これらの図に示された物質送達デバイス130がプローブに置き換えられる。システムは、(たとえば図1A図1B図1C、および図1Dに関して上述したカメラ110と同様の)カメラ、コンピューティングデバイス、およびコンピューティングデバイスに接続された(たとえば図1A図1B図1C、および図1Dで説明した処理ユニット120と同様の)処理ユニットを含んでよい。
【0115】
カメラは、対象者の顔画像、または顔画像の少なくとも一部を示す対象者顔面データを取得してよい。
【0116】
コンピューティングデバイスは、口腔サンプリングプローブに接続するように構成され得る。いくつかの実施形態において、口腔サンプリングプローブは、物質送達デバイス(たとえば図1A図1B図1C、および図1Dに関して上述した物質送達デバイス130)に含まれ得る。いくつかの実施形態において、口腔サンプリングプローブは、対象者の口腔シグネチャを取得することが可能な任意の口腔プローブであってよい。たとえば、口腔サンプリングプローブは、図1A図1B図1C、および図1Dに関して上述した口腔サンプリングプローブと同様であってよい。いくつかの実施形態において、口腔サンプリングプローブは、パーソナルデバイス、流体送達デバイス、物質送達デバイス、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、電子デバイス、または呼気試験デバイスなどの少なくとも1つに関連付けられ得る。
【0117】
処理ユニットは、(たとえば図1A図1B図1C、および図1Dに関して上述したように)個人の文書化特性と関連付けて個人の顔画像または顔画像の少なくとも一部を示す個人顔面データおよび識別データを取得するように構成され得る。
【0118】
文書化特性は、顔画像データ(または顔画像の導出を可能にするデータ)に関連する(たとえば連邦、組織、DMVなどの)公的記録において文書化される任意の特性であってよい。たとえば、文書化特性は、運転免許、薬物使用ライセンス、年齢、氏名、識別/社会保障/パスポート番号、証明書などであってよい。文書化特性は、必ずしも認可を示すものではない。
【0119】
処理ユニットは、(たとえば図1A図1B図1C、および図1Dに関して上述したような)対象者顔面データおよび個人顔面データおよび個人文書化特性に基づいて、対象者が、文書化特性を有する対象者であるかを決定するように構成され得る。
【0120】
処理ユニットは、(たとえば図1A図1B図1C、および図1Dに関して上述したように)プローブが生体識別データを取得している間、プローブが認可対象者によって使用されているかを決定するように構成され得る。たとえば、プローブは、(たとえば図1Cおよび図1Dに関して上述した出力信号133などの)出力信号を送信することが可能な(たとえば図1Cおよび図1Dに関して上述した送信器132などの)送信器を含んでよい。いくつかの実施形態において、処理ユニットは、出力信号を送信するためにプローブの送信器を制御してよい。出力信号は、たとえば、1または複数の電磁波を含んでよい。いくつかの実施形態において、処理ユニットは、対象者顔面およびデバイスデータに基づいて、プローブが認可対象者によって使用されているかを決定してよい。たとえば、処理ユニットは、対象者顔面およびデバイスデータに基づいて、プローブが認可対象者によって使用されていることを確認するために、出力信号の画像および/または方向が対象者の顔画像との既定の幾何的関係の範囲内であることを決定してよい。任意選択的に、出力信号は、固有信号特性を含む。いくつかの実施形態において、出力信号の少なくとも1つの固有信号特性の検出は、プローブが認可対象者によって使用されていることの決定に含まれる。
【0121】
処理ユニットは、(たとえば図1A図1B図1C、および図1Dに関して上述したような)決定に基づいて、文書化特性に従って対象者の生体識別データを登録するように構成され得る。
【0122】
システムは、たとえば、個人のデータベース(たとえば年齢、ライセンスなど)に生体識別データを登録するために用いられ得る。任意選択的に、データベースは、認可された個人のみに基づくデータであり、そのようなデータベースに口腔シグネチャを含むことは、口腔シグネチャが属する個人の認可の十分なインジケーションとなる。任意選択的に、口腔シグネチャは、少なくとも1つの文書化特性と関連付けてデータベースに登録され、(たとえば、登録された生年月日が、個人が認可に必要な規定年齢より上であることを示す場合)認可は文書化特性に基づく。
【0123】
任意選択的に、システムは、ユーザが認可され、その認可が文書化特性に基づいて決定された場合のみ、デバイス(たとえば物質送達デバイス、またはたとえば血中アルコールレベルを決定するための呼気試験デバイス)に生体識別データを登録するために用いられ得る。様々な例において、システムは、今後の検索のために、生体IDと共に文書化特性を登録するために用いられ得る(次回のログインは、カメラではなく生体IDを用いてよい)。いくつかの実施形態において、システムは、デバイスの動作に関する指示(たとえば治療レジメンなど)である文書化特性と共に生体識別データを登録するために用いられ得る。
【0124】
ここで、本発明のいくつかの実施形態に係る、物質送達デバイスを使用するための対象者の登録方法のフローチャートである図2が参照される。
【0125】
方法は、方法を実行するように構成され得るシステム100によって実行され得る。留意すべき点として、方法は、図2に示すフローチャートおよび対応する説明に限定されるものではない。たとえば、様々な実施形態において、方法は、示された各ボックスを通って、または図示および説明されたものと全く同じ順序で進む必要はない。
【0126】
いくつかの実施形態は、コンピューティングデバイスを物質送達デバイスに接続すること(202)を含んでよい。接続は、有線または(たとえばWiFiおよび/またはBluetoothを用いる)無線であってよい。たとえば、対象者は、コンピューティングデバイス上でアプリケーションを用いる(また場合によってはアプリケーションをダウンロードする)ように指示され得る。ダウンロードされると、アプリケーションは、対象者に指示し、対象者からの入力を取得するためのユーザインタフェースを提供してよい。いくつかの実施形態において、ユーザインタフェースおよび/またはコンピューティングデバイスは、物質送達デバイスに含まれる。たとえば、コンピューティングデバイスは、処理ユニット120を含んでよく、物質送達デバイスは、図1A図1B図1C図1D、および図1Eに関して上述した物質送達デバイス130であってよい。
【0127】
いくつかの実施形態は、物質送達デバイスのコンピューティングデバイスへの接続の際、コンピューティングデバイスによって、デバイス関連データを取得することを含んでよい。デバイス関連データは、たとえば、物質送達デバイスのシリアル番号、物質送達デバイスの種類(たとえば電子タバコ、気化器、医療デバイス、非医療デバイスなど)、物質送達デバイス内の物質の種類(たとえば規制物質であるか否か、物質の種類など)などを含んでよい。いくつかの実施形態において、デバイス関連データの一部または全ては、ユーザインタフェースを介してユーザによって入力され、任意選択的に、物質送達デバイスを介して受信したデータに基づいて確認される。
【0128】
いくつかの実施形態は、コンピューティングデバイスに関連付けられたカメラによって、対象者の顔画像または顔画像の少なくとも一部を示す対象者顔面データを取得すること(204)を含んでよい。たとえば、図1A図1B図1C、および図1Dに関して上述したような対象者顔面データ112である。
【0129】
いくつかの実施形態は、コンピューティングデバイスによって、個人の認可と関連付けて個人の顔画像または顔画像の少なくとも一部を示す個人顔面および認可データを取得すること(206)を含んでよい。たとえば、図1A図1B図1C、および図1Dに関して上述したような個人顔面および認可データ116である。
【0130】
いくつかの実施形態は、カメラによって撮影された個人の認可書の画像に基づいて個人顔面および認可データを取得することを含んでよい。たとえば、図1A図1B図1C、および図1Dに関して上述したとおりである。
【0131】
いくつかの実施形態は、識別および認可データベースから個人顔面および認可データを取得することを含んでよい。たとえば、図1A図1B図1C、および図1Dに関して上述したような識別および認可データベース70である。いくつかの実施形態において、データベースまたはその一部は、システムおよび/または物質送達デバイスにローカルに格納される。たとえば、遠隔データベースからデータが検索されると、データは、システムが通信に依存しないようにローカルに格納され、登録方法は、接続の有無にかかわらず、場合によっては後日、進行してよい。
【0132】
いくつかの実施形態において、対象者は、カメラに認可書を提示する前に、個人識別データ(たとえばID番号または社会保障番号)を入力するように指示される。いくつかの実施形態において、識別および/または認可データは、カメラによって捕捉された対象者の顔画像のみに基づいて遠隔データベースから直接取得され、対象者は、識別を承認または否定するように指示される。いくつかの実施形態において、認可個人の顔画像またはその一部および/または認可を示すデータを確立するために、公的データベースおよび捕捉された認可書からのデータ両方が用いられる。
【0133】
いくつかの実施形態は、コンピューティングデバイスによって、対象者顔面データ、顔面および認可データ、および任意選択的にデバイス関連データに基づいて、対象者が認可対象者であるかを決定すること(208)を含んでよい。たとえば、図1A図1B図1C、および図1Dに関して上述したとおりである。対象者が認可された個人であると決定されない場合、登録は拒絶される(213)。
【0134】
いくつかの実施形態は、対象者がその個人でない場合、および/または対象者の入れ替わりまたは誤識別を可能にし得る程度まで対象者が姿勢および/または位置を変更した場合、繰り返し204を含んでよい。
【0135】
いくつかの実施形態は、物質送達デバイスによって捕捉されている生体識別データを取得することと同時に(またはほぼ同時に)、物質送達デバイスから出力信号を受信すること(210)を含んでよい。いくつかの実施形態において、対象者の顔画像が捕捉されると、それは、210が完了するまで常に(連続的に、または定期的にチェックされる場合、チェック時は必ず)カメラのフルビュー内に留まらなければならない。
【0136】
様々な実施形態は、210において取得された生体識別データおよび受信された出力信号に基づいて生体識別データが取得される(211)間、物質送達デバイスが対象者によって使用されていたかを決定することを含む。たとえば、図1A図1B図1C、および図1Dに関して上述したとおりである。対象者が、生体識別データが取得される間、物質送達デバイスがその対象者によって使用されていたことを決定されない場合、登録は拒絶される(213)。
【0137】
いくつかの実施形態において、生体識別データが取得される間、物質送達デバイスが対象者によって使用されていたかの決定後のみ、または決定と同時に、対象者が認可された個人であると識別されるように、208は210の後に行われる。
【0138】
いくつかの実施形態は、カメラによって、対象者の顔画像または顔画像の少なくとも一部および物質送達デバイスまたは物質送達デバイスの少なくとも一部の画像を示す対象者顔面およびデバイスデータを取得することを含んでよい。たとえば、図1B図1C、および図1Dに関して上述した対象者顔面およびデバイスデータ114である。いくつかの実施形態は、対象者顔面およびデバイスデータに基づいて、物質送達デバイスが対象者によって使用されているかを決定することを含んでよい。いくつかの実施形態は、コンピューティングデバイスによって、物質送達デバイスが対象者によって使用されていることを確認するために、対象者顔面およびデバイスデータに基づいて、物質送達デバイスの画像が対象者の顔画像との既定の幾何的関係の範囲内であるかを決定することを含んでよい。いくつかの実施形態は、対象者顔面データにおける対象者の顔画像の位置を追跡することを含んでよい。いくつかの実施形態において、そのような追跡は、204および210の両方を含む期間全体にわたる。そのような実施形態において、何らかの理由で追跡が中断された場合、方法は、登録なしで終了し、および/または、追跡期間204および210が繰り返される。たとえば、図1B図1C、および図1Dに関して上述したとおりである。様々な実施形態において、追跡の中断が既定の回数を超過して繰り返されると、登録は拒絶される。
【0139】
いくつかの実施形態において、既定の回数を超過して(たとえば5回より多く)登録が拒絶されると、方法が繰り返される前に、システムは既定の期間(たとえば15分間)ロックダウンする。いくつかの実施形態において、既定の回数を超過して(たとえば5回より多く、または10回より多く)登録が拒絶されると、物質送達デバイスのシステムおよび/またはコントローラによってアラーム(215)または通知が発行される。いくつかの実施形態において、既定の回数を超過して(たとえば5回より多く、または10回より多く)登録が拒絶されると、物質送達デバイスおよび/またはシステムはロックダウンされ、方法の実行は、ロックダウンをオーバライドするためのライセンスおよび/またはツールを有するサービスプロバイダの関与を再び必要とする。
【0140】
いくつかの実施形態において、対象者が認可されていることの決定(208)が、既定の回数を超過して(たとえば5回より多く)失敗すると、システムは、通信チャネルを開き、または遠隔サービスプロバイダを関与させるように対象者に推奨する。サービスプロバイダは、対象者の顔画像が追跡されている間、リアルタイムで208を行うためにテレコンファレンスを介して連絡され得る。
【0141】
様々な実施形態は、カメラによって、またはコンピューティングデバイスに関連付けられた受信器によって、物質送達デバイスによって送信可能な出力信号を検出することを含んでよい。たとえば、図1Cおよび図1Dに関して上述したような送信器132によって送信可能な出力信号133である。
【0142】
いくつかの実施形態において、出力信号は、(図1Cに関して上述したような)可視光波長範囲または他の任意の周波数における1または複数の電磁波を含んでよい。いくつかの実施形態は、カメラによって、物質送達デバイスによって送信可能な出力信号を検出することを含んでよい。いくつかの実施形態は、物質送達デバイスが対象者によって使用されていることを確認するために、コンピューティングデバイスによって、対象者顔面およびデバイスデータに基づいて、出力信号の画像が対象者の顔画像との既定の幾何的関係の範囲内であることを決定することを含んでよい。たとえば、これは、図1Cに関して上述される。
【0143】
いくつかの実施形態において、出力信号は、可視光波長範囲内でないことがある。いくつかの実施形態は、コンピューティングデバイスに関連付けられた受信器によって、出力信号を受信することを含んでよい。いくつかの実施形態において、出力信号は狭ビームであり、システムは、信号が受信器に向けられ、ユーザの顔面および物質送達デバイスがカメラによって捕捉されるような姿勢を取るように対象者に指示する。
【0144】
いくつかの実施形態は、コンピューティングデバイスによって、受信出力信号の方向を決定することを含んでよい。いくつかの実施形態は、決定された受信出力信号の方向、および対象者顔面データおよび対象者顔面およびデバイスデータの少なくとも1つに基づいて、物質送達デバイスが対象者によって使用されているかを決定することを含んでよい。たとえば、コンピューティングデバイスは、対象者データおよび対象者顔面およびデバイスデータの少なくとも1つに基づく対象者の顔の現実世界位置、決定された受信出力信号の方向に基づく物質送達デバイスの現実世界位置を決定し、物質送達デバイスが対象者によって使用されていることを確認するために、物質送達デバイスの現実世界位置が対象者の顔の現実世界位置との既定の幾何的関係の範囲内であることを決定してよい。たとえば、図1Dに関して上述したとおりである。
【0145】
送信器によって送信可能な出力信号は、少なくとも1つの出力信号特性を有してよい。たとえば、出力信号は、出力信号特性のパターンまたはバリエーションを含んでよい。出力信号特性は、たとえば、色(たとえば出力信号が電磁スペクトルの可視光波長範囲内である場合)、タイミング、持続期間、送信器における信号源の数、強度、周波数などを含んでよい。いくつかの実施形態において、出力信号の少なくとも1つの出力信号特性は、物質送達デバイスに固有であってよい。たとえば、図1Cおよび図1Dに関して上述したとおりである。
【0146】
いくつかの実施形態は、コンピューティングデバイスによって、出力信号を送信するために物質送達デバイスの送信器を制御することを含んでよい。いくつかの実施形態は、物質送達デバイスがコンピューティングデバイスに接続される時、コンピューティングデバイスによって、出力信号の少なくとも1つの出力信号特性を定義することを含んでよい。様々な実施形態は、物質送達デバイスがコンピューティングデバイスに接続される度、または所定の時間間隔で(たとえば毎週、毎月など)、出力信号の少なくとも1つの出力信号特性を変更することを含んでよい。たとえば、図1Cおよび図1Dに関して上述したとおりである。
【0147】
いくつかの実施形態は、コンピューティングデバイスによって、出力信号に符号化された生体識別データに更に基づいて、物質送達デバイスが対象者によって使用されているかを決定することを含んでよい。いくつかの実施形態は、コンピューティングデバイスによって、物質送達デバイスを用いて対象者の生体識別データを出力信号に符号化するように物質送達デバイスの送信器を制御することを含んでよい。たとえば、図1Cおよび図1Dに関して上述したとおりである。
【0148】
いくつかの実施形態は、デバイスが拒絶された場合、210、206、および/または204を繰り返すことを含んでよい。いくつかの実施形態は、方法または方法の一部が既定の回数(たとえば5または10)を超過して繰り返された場合、アラームおよび/または他の通知を発行すること(215)を含む。いくつかの実施形態は、方法または方法の一部が既定の回数(たとえば5または10)を超過して繰り返された場合、既定の期間または無期限でシステムおよび/または物質送達デバイスをロックすることを含む。いくつかの実施形態において、方法または方法の一部が既定の回数を超過して(たとえば5回より多く、または10回より多く)繰り返された場合、物質送達デバイスおよび/またはシステムはロックダウンされ、方法の実行は、ロックダウンをオーバライドするためのライセンスおよび/またはツールを有するサービスプロバイダの関与を再び必要とする。
【0149】
いくつかの実施形態は、物質送達デバイスが対象者によって使用されている場合、コンピューティングデバイスによって、物質送達デバイスによって捕捉されている対象者の生体識別データを対象者の身元および/または認可に関連付け、その関連付けを登録すること(212)を含んでよい。たとえば、図1A図1B図1C、および図1Dに関して上述したとおりである。
【0150】
いくつかの実施形態は、対象者の認可と共に対象者の生体識別データを登録する時、コンピューティングデバイスによって、対象者の認可に1または複数の制限を設定することを含んでよい。たとえば、制限(複数も可)は、認可の満了期間、所与の時間フレームにおける物質の最大使用量などを含んでよい。いくつかの実施形態は、1または複数の制限による制約の際、コンピューティングデバイスによって、登録の繰返しを要求することを含んでよい。たとえば、図1A図1B図1C、および図1Dに関して上述したとおりである。
【0151】
いくつかの実施形態は、口腔サンプリングプローブを使用する対象者の文書化特性と関連付けて対象者を登録する方法を提供してよい。この方法は、たとえば、図1A図1B図1C、および図1Dに関して上述したシステム100によって行われ得る。
【0152】
いくつかの実施形態は、(たとえば図1A図1B図1C、および図1Dに関して上述したように)コンピューティングデバイスを口腔サンプリングプローブに接続することを含んでよい。いくつかの実施形態において、口腔サンプリングプローブは、物質送達デバイス(たとえば図1A図1B図1C、および図1Dに関して上述した物質送達デバイス130)に接続可能であってよい。いくつかの実施形態において、口腔サンプリングプローブは、対象者の口腔シグネチャを取得することが可能な任意の口腔プローブであってよい。たとえば、口腔サンプリングプローブは、図1A図1B図1C、および図1Dに関して上述した口腔サンプリングプローブと同様であってよい。いくつかの実施形態において、口腔サンプリングプローブは、口腔シグネチャデータベース、パーソナルデバイス、流体送達デバイス、物質送達デバイス、吸入器、電子タバコ、PDA、電子デバイス、呼気試験デバイスなどの少なくとも1つに関連付けられ得る。いくつかの実施形態において、プローブは、登録のためだけに使用され、どのデバイスにも関連付けられなくてよい。登録が完了すると、個人の口腔シグネチャと関連付けて個人の特性を備えるデータは、必要に応じてアクセスされ得る個別メモリに格納される。
【0153】
いくつかの実施形態は、(たとえば図1A図1B図1C、および図1Dに関して上述したように)コンピューティングデバイスに関連付けられたカメラによって、対象者の顔画像または顔画像の少なくとも一部を示す対象者顔面データを取得することを含んでよい。
【0154】
いくつかの実施形態は、(たとえば図1A図1B図1C、および図1Dに関して上述したように)コンピューティングデバイスによって、個人の文書化特性と関連付けて個人の顔画像または顔画像の少なくとも一部を示す個人顔面データおよび識別データを取得することを含んでよい。文書化特性は、顔画像データまたは顔画像の導出を可能にするデータと関連付けて(たとえば連邦、組織、DMVなどの)公的記録において文書化された任意の特性であってよい。たとえば、文書化特性は、運転免許、薬物使用ライセンス、年齢、氏名、識別/社会保障/パスポート番号、証明書などであってよい。文書化特性は、必ずしも認可を示すものではない。
【0155】
いくつかの実施形態は、(たとえば図1A図1B図1C、および図1Dに関して上述したように)コンピューティングデバイスによって、対象者顔面データおよび個人顔面データおよび個人文書化特性に基づいて、対象者が文書化特性を有する対象者であるかを決定することを含んでよい。
【0156】
いくつかの実施形態は、(たとえば図1A図1B図1C、および図1Dに関して上述したように)プローブによって、プローブによって捕捉されている生体識別データを取得することと同時に、コンピューティングデバイスによって、プローブが対象者によって使用されているかを決定することを含んでよい。たとえば、プローブは、出力信号(たとえば図1Cおよび図1Dに関して上述した出力信号133)を送信することが可能な送信器(たとえば図1Cおよび図1Dに関して上述した送信器132)を含んでよい。いくつかの実施形態において、コンピューティングデバイスは、出力信号を送信するようにプローブの送信器を制御してよい。出力信号は、たとえば、1または複数の電磁波を含んでよい。いくつかの実施形態において、コンピューティングデバイスは、対象者顔面およびデバイスデータに基づいて、プローブが認可対象者によって使用されているかを決定してよい。たとえば、コンピューティングデバイスは、プローブが認可対象者によって使用されていることを確認するために、対象者顔面およびデバイスデータに基づいて、出力信号の画像および/または方向が対象者の顔画像との既定の幾何的関係の範囲内であることを決定してよい。任意選択的に、出力信号は、固有信号特性を含む。いくつかの実施形態において、出力信号の少なくとも1つの固有信号特性は、プローブが認可対象者によって使用されていることの決定に含まれる。
【0157】
いくつかの実施形態は、(たとえば図1A図1B図1C、および図1Dに関して上述したように)コンピューティングデバイスによって、決定に基づいて文書化特性に従って対象者の生体識別データを登録することを含んでよい。
【0158】
この方法は、たとえば、個人のデータベース(たとえば年齢、ライセンスなど)に生体識別データを登録するために用いられ得る。任意選択的に、データベースは、認可された個人のみに基づくデータであり、そのようなデータベースに口腔シグネチャを含むことは、その口腔シグネチャが属する個人の認可の十分なインジケーションとなる。任意選択的に、口腔シグネチャは、少なくとも1つの文書化特性と関連付けてデータベースに登録され、(たとえば登録された生年月日が、個人が認可のために必要な規定年齢より上であることを示す場合)認可は文書化特性に基づく。
【0159】
様々な例において、この方法は、ユーザが認可され、その認可が文書化特性に基づいて決定された場合のみ、生体識別データをデバイス(たとえば物質送達デバイス、またはたとえば血中アルコールレベルを決定するための呼気試験デバイス)に登録するために用いられ得る。いくつかの実施形態において、この方法は、後の検索のために生体IDと共に文書化特性を登録するために用いられ得る(次回のログインは、カメラではなく生体IDを用いてよい)。様々な実施形態において、この方法は、デバイスの動作に関する指示(たとえば治療レジメンなど)である文書化特性と共に生体識別データを登録するために用いられ得る。
【0160】
ここで、いくつかの実施形態に係る、対象者に物質を送達するための物質送達デバイス300のブロック図である図3が参照される。
【0161】
物質送達デバイス300は、物質送達部314、認証モジュール312、開口部326を含む。いくつかの実施形態において、物質送達デバイスは、任意選択的に対象者の口を介して、流体(たとえば空気などの気体および/または液体)を対象者に送達し得るデバイスである。いくつかの実施形態において、物質送達デバイスは、対象者の肺に流体を送達してよい。送達された流体は、物質の担体として働き得る。物質は、たとえば蒸気、粉末、および/またはエアゾールを含む任意の形態で吸入され得る。任意選択的に、デバイスは、電子制御され得る。いくつかの実施形態において、物質送達デバイスは、医療デバイスであってよい。肺送達のための物質送達デバイスの例は、医療および/または非医療目的で使用される、電子タバコ、喫煙デバイス、および吸入器を含んでよい。いくつかの実施形態において、物質送達デバイスは、対象者が認証モジュール312の操作のためだけに空気を吸入し得るデバイスであってよい。
【0162】
物質送達部314は、貯蔵器318、アクチュエータ316、導管320(たとえば分注ダクト)、および弁323を含む。認証モジュール312は、プロセッサ334、メモリ331、ストレージ332、通信モジュール330、およびディスプレイ328を含む。
【0163】
貯蔵器318は、アクチュエータ316に、また導管320(たとえば分注ダクト)を介して開口部326に結合され得る。アクチュエータ316は、導管320内、または物質送達デバイス内の流体の流れを調整し得る他の任意の位置に配置された弁323に結合され得る。プロセッサ334は、波発生器322、波センサ324、メモリ331、ストレージ332、通信モジュール330、および/またはディスプレイ328に結合され得る。
【0164】
波発生器322は、(たとえば音波、超音波を生成する)気圧波発生器であってよい。波発生器322は、低周波ブザーであってよい。波発生器322は、MEMSベースの部品であってよい。波発生器322は、音波または電磁波を伝送してよい。波発生器322は、単一パルス波および/または複数パルスの波を伝送してよい。
【0165】
いくつかの実施形態において、波発生器322は、スピーカであってよい。いくつかの実施形態において、波発生器322は、空気がその中または付近を通るとノイズを生成するように物質送達デバイス内に配置された受動構造(たとえば複数の波打ちシートまたはファン)であり、またはそれを含む。いくつかの実施形態において、受動波発生器は、呼吸作動型である。
【0166】
いくつかの実施形態において、波発生器322は、可視光、紫外光、赤外光、および無線周波数の1または複数の周波数を有する電磁波を伝送する。いくつかの実施形態において、他の範囲の電磁波も適用され得る。いくつかの実施形態において、波発生器322は、音波を伝送する。いくつかの実施形態において、伝送された音波は、超音波周波数範囲内である。いくつかの実施形態において、伝送波は、20キロヘルツ~1ギガヘルツの範囲の波であり、またはそれを含む。いくつかの実施形態において、伝送波は、1ギガヘルツ~3ギガヘルツ、またはそれより高い範囲の波であり、またはそれを含む。いくつかの実施形態において、伝送された音波は、人間に聞こえる周波数範囲内であり、たとえば20ヘルツ~20キロヘルツの周波数を有する。いくつかの実施形態において、伝送された超音波は、400Hz未満の周波数を有する。いくつかの実施形態において、音波は、閾値年齢未満の対象者には無視できないが、それより高齢のものには聞こえない周波数範囲を有する。たとえば、15~20キロヘルツの音波は、一般に、子供にしか聞こえない。したがって、デバイスは、子供に物質送達デバイス300の使用を不可能にさせ、および/または使用を躊躇させるために、この範囲内の音波を伝送してよい。いくつかの実施形態において、音波は、(たとえば精神的または肉体的な害を及ぼさないように)人間の耳に聞こえない。
【0167】
波センサ324は、音響センサ(たとえばマイクロフォン、指向性マイクロフォンアレイ)であってよい。センサ324は、圧電マイクロフォンであってよい。センサ324は、MEMSベースの部品であってよい。センサ324は、記録された背景雑音を低減し、対象者に特有の記録データ部分を増加させるために、雑音減衰器を備えてよい。センサ324は、受信波を電気信号に変換するために動作可能なトランスデューサを備えてよい。あるいは(図示されないが)、センサおよびコンバータは別々の部品であってよく、それらの各々がアナログまたはデジタルのいずれかであってよい。
【0168】
認証モジュール312(またはプロセッサ334)は、たとえばシステムを更新するため、認可された1または複数の対象者に関する認証データ、1または複数の認可対象者の詳細を有するリスト、および/または認可された1または複数の対象者に関連付けられた管理スキームまたは複数のスキームを取得および/または更新するために、遠隔デバイス(たとえばネットワークサーバ、クラウドベースサーバなど、医療サービスプロバイダなど)と通信するように構成され得る。認証モジュール312は、複数の位置に分散され得る。たとえば、ディスプレイ328および/またはストレージ332はスマートフォンにあってよい。様々な実施形態において、認証モジュール312の1または複数の要素は、物質送達デバイス300との有線または無線通信状態であるコンピューティングデバイスに収容される。
【0169】
ディスプレイ328は、物質送達デバイス300の使用、および/または対象者(複数も可)および/または介護者またはその他に関する情報を表示してよい。メモリ331は、使用情報、認証情報、登録情報、またはそれらの任意の組み合わせを格納してよい。様々な実施形態において、物質送達デバイス300は、複数の波発生器および/または複数のセンサを含む。様々な実施形態において、1または複数の波発生器および1または複数のセンサは、同じハウジング内にある。
【0170】
いくつかの実施形態において、弁323は、たとえば発生した吸入圧が閾値を超えた時のみ物質が吸入中に弁を通過するような、圧力依存流動弁である。いくつかの実施形態において、波発生器322は、一部のみ、または弁323が閉じている間のみ、伝送する。様々な実施形態において、弁は、電気式および/または機械式である。
【0171】
いくつかの実施形態において、物質送達デバイス300は、認証モジュール312を含まず、プロセッサのみを含む。いくつかの実施形態において、物質送達デバイス300は、弁323を含まない。様々な実施形態において、認証モジュール312の要素の1または複数は、物質送達デバイス300から除外される。
【0172】
図3に示すような物質送達デバイス300の構成要素は、単一のハウジングまたは多数のハウジングに収容され得る。様々な実施形態において、貯蔵器318は、1または複数の大麻由来物質、カンナビノイド、処方薬、薬剤、製薬、ニコチン、タバコ、喫煙用として知られる任意の物質または喫煙代替物、様々な風味および/または香りをもたらす物質、規制物質および大麻から得られる物質、タバコから得られる物質、または当技術分野において知られるような任意の物質のうちの1または複数の物質を収容し得る。
【0173】
物質送達デバイス300は、電子物質送達デバイスであってよく、および/またはバッテリ式/太陽電池式であってよい。
【0174】
いくつかの実施形態において、物質送達デバイス300は、通知モジュール(たとえばアラーム)を含む。通知モジュールは、音響通知、視覚通知、または両方を発行してよい(それらの1または複数がアラームを含んでよい)。通知は、対象者が年齢閾値未満であることが識別されると、および/または認可対象者ではないことが識別されると、トリガされ得る。いくつかの実施形態において、アラームは、遠隔デバイス(たとえば認証モジュールとの通信状態にあるスマートフォンおよび/または他のコンピュータ)に位置する。
【0175】
動作中、開口部326(たとえばマウスピース)が対象者の口32(たとえば唇、唇周辺の組織、および/または口腔)に向いた位置にある時、認証モジュール312は、波発生器322に波を伝送するように指示してよく、波発生器は、対象者に向けて波34を伝送してよい。これはたとえば、要求(たとえばボタンの押下、物質送達デバイスを介した吸入、マウスピースを人の口に置くこと、たとえばソフトウェアを介した、またはコード入力による起動認可の提供など)の際、および/または使用(初回の使用および/または他の使用)の際、行われ得る。図3に示すように、開口部326は、口腔30内に位置するが、開口部326は、波発生器によって発生した波を口32に衝突させる任意の位置に位置してよい。
【0176】
波の少なくとも一部は、対象者の口32から反射し、センサ324によって検出される反射36をもたらし得る。いくつかの実施形態において、波34の少なくとも一部は、口腔30によって吸収される。いくつかの実施形態において、センサ(不図示)は、センサが口腔30および/または口32による波の吸収を検出することを可能にする位置に位置する。
【0177】
いくつかの実施形態において、波発生器322およびセンサ324の少なくとも1つは、波伝送中に口と直接物理的に接触する位置にある。いくつかの実施形態において、波発生器322およびセンサ324の少なくとも1つは、両唇の間に位置し、唇の片方または両方と直接物理的に接触している。いくつかの実施形態において、波発生器322およびセンサ324の少なくとも1つは、1または複数の歯と直接物理的に接触する位置にある。いくつかの実施形態において、波発生器322およびセンサ324の少なくとも1つは、舌および/または口内部の1または複数と直接物理的に接触する位置にある。いくつかの実施形態において、波発生器322およびセンサ324は、対象者の口腔内に位置し、どの器官(たとえば唇、歯、口内部、および/または舌)とも接触していない。
【0178】
波発生器322およびセンサ324の少なくとも1つが筐体内に封入される実施形態のいくつかにおいて、少なくとも1つの筐体は、波伝送中に口の一部と直接物理的に接触する位置にある。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの筐体は、両唇の間に位置し、唇の片方または両方と直接物理的に接触している。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの筐体は、1または複数の歯と直接物理的に接触する位置にある。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの筐体は、舌および/または口内部の1または複数と直接物理的に接触する位置にある。いくつかの実施形態において、全ての筐体は対象者の口腔内に位置し、どの器官(たとえば唇、歯、口内部、および/または舌)とも接触していない。
【0179】
波センサ324は、検出された反射をプロセッサ334へ送信してよい。プロセッサ334は、対象者が物質送達デバイス300を使用する許可を有するかを決定するために、検出された反射を処理してよい。対象者が物質送達デバイス300を使用する許可を有する場合、対象者は認証され得る。
【0180】
対象者の認証が成功すると、アクチュエータ316は、貯蔵器318内に収容された物質の送達を作動させ、および/または弁323をたとえば開放または部分的開放などの特定の位置に制御してよい。アクチュエータ316は、貯蔵器318内に収容された物質を加熱する加熱要素(不図示)を作動させ得る。加熱された物質は、導管320を通って対象者の口腔30へ流入し得る。任意選択的に、加熱された物質は、加熱および/または冷却の結果、化学変化および/または構造変化を経てよい。任意選択的に、貯蔵器内の物質は液体形状であり、任意選択的に、加熱および/または圧力解放の1または複数によって放出される。いくつかの実施形態において、貯蔵器内の物質は粉末形状であり、加熱によって、および/または貯蔵器から粉末を抽出(または分注)することによって放出される。いくつかの実施形態において、物質は植物原料の状態であり、任意選択的に、加熱または気化によって放出される。いくつかの実施形態において、物質は通気性構造(たとえばパレット)を伴い、構造に空気流を通すことおよび/または構造を加熱することによってそこから抽出される。いくつかの実施形態において、プロセッサ334は、弁323を制御する。
【0181】
当技術分野において理解されるように、物質送達デバイス300は、空の状態であり1または複数の物質で充填/補充される貯蔵器を有してよい。任意選択的に、貯蔵器は交換可能である。たとえばいくつかの実施形態において、貯蔵器は、各々が1または複数の物質送達イベントのために構成された個別の物質担持ユニット(たとえばカプセル、チップ、キャニスタなど)の形態である。そのような貯蔵器は、物質送達デバイスによる自動交換のために格納部に格納されてよく、または手動で交換可能である。
【0182】
いくつかの実施形態において、物質送達デバイス300は、物質を送達する前に1回または複数回(n回)の認証を必要としてよく、nは整数値である。様々な実施形態において、動作中、対象者は、物質送達デバイス300の使用中に繰り返し認証される。繰返しの認証は、プロセッサ334が波発生器322に所望の認証に従って波を伝送させることによって起こり得る。認証は、既定の時間間隔で、トリガイベントの後、1回または所定の回数、既定の期間にわたり定期的に、またはそれらの任意の組み合わせで起こり得る。既定の期間および/または周期は、対象者によって入力されてよく、および/または物質送達デバイス300の種類および/または送達される物質の種類に基づいてよい。たとえば、タバコの物質送達デバイスまたはニコチン電子タバコの場合、既定の間隔は毎秒3~5パルスであってよい。いくつかの実施形態において、製薬または規制物質の物質送達デバイスの場合、既定の間隔は毎秒5~10パルスであってよい。所定の時間間隔は、一定(たとえば、たとえば5~50ミリ秒、50~200ミリ秒、200~1000ミリ秒のいずれかにおける所定のミリ秒数ごと、1秒ごと、5秒ごと、または10秒ごと)であってよい。いくつかの実施形態において、所定の時間間隔は変動する。たとえば、物質送達または吸入(または吐出)が進むにつれ、周期は(たとえば30ミリ秒ごとに認証モジュールを繰り返す周期から60ミリ秒ごとに繰り返す周期などに)低下し得る。任意選択的に、かろうじてパスする(たとえば非常に若い成人が識別される)認証の場合、認証プロセスの周期は(たとえば30ミリ秒ごとに認証モジュールを繰り返す周期から10ミリ秒ごとに繰り返す周期などに)増加し得る。
【0183】
いくつかの実施形態において、物質送達デバイス300は、認証するために数回(n回)の送信を必要としてよく、nは整数値である。たとえば、物質送達デバイス300は、認証の決定を下す前に、波発生器が5回波を伝送し、5回波を受信することを必要とし得る。この決定はその後、結合された受信波分析に基づいてよい。このようにすると、対象者の認証は、より正確であり得る。
【0184】
トリガイベントは、対象者によるデバイスの起動であってよい。たとえば、デバイスをオンにすること、保管位置(貯蔵器または貯蔵器を保持する格納部)から使用位置に物質を放出すること、および/またはデバイスを介した吸入が開始したことを感知すること(たとえば、呼吸作動型吸入器などでデバイス内のセンサによって気圧の低下を感知すること、または温度計が個人の口内に入ることなどで温度の変化を感知すること)による。
【0185】
トリガイベントは、物質送達デバイス300が、その位置を変え、または認可が発生した場所または位置から既定の最小範囲を超過した距離だけ動いたことであってよい。たとえば、対象者は通常、1回の吸入中に、(たとえば、防止することが望ましい、認証後に吸入デバイスが他の対象者に渡される場合を除き)吸入に特有の動きの最小範囲を超過して動くことは想定されない。対象者が認証された後、認証モジュール312が、物質送達デバイスがその位置を大幅に変えたこと(たとえば、他の対象者への吸入デバイスの受け渡しを示す、認可対象者の口の高さからウエストの高さへの垂直変位、または水平変位、および/または30度超過の傾き)を決定すると、物質の送達は停止し得る。
【0186】
物質送達デバイス300は、動き検出センサ(不図示)を含んでよい。動き検出センサは、物質送達デバイス300の動きを検出してよい。いくつかの実施形態において、動き検出センサは、センサによって検出された波を処理し、既定の最小範囲を超過する場合、プロセッサ334へ送信するためのプロセッサを含む。いくつかの実施形態において、動き検出センサは、プロセッサ334との通信状態にあってよく、プロセッサ334は、既定の最小範囲を超過するかを決定してよい。
【0187】
いくつかの実施形態において、既定の最小範囲の超過により、物質送達デバイス300は、(たとえば弁323を閉鎖すること、電源を遮断すること、および/または加熱要素を冷却させることによって)物質の送達を中止し、および/または認証をリセットし得る(たとえば、その対象者が過去に認証されていないものとして挙動する)。
【0188】
認証モジュール312は、既定の最小範囲を定義する1または複数の閾値を事前プログラムされ得る。任意選択的に、ある人物が登録され、物質送達デバイスを使用すると、閾値は、特定の対象者に特有の使用中の動きの観点から更新される。認証は、吸入ごとに繰り返され得る。これは、認可対象者が使用中に通常の動きを行うこと(たとえば電子タバコによる一連の吸入を行うこと)を可能にしながら、初回の吸入後、認可対象者から無認可の人物に物質送達デバイスが譲渡されることを防止し得る。
【0189】
いくつかの実施形態において、トリガイベントは、対象者の吸入である。いくつかの実施形態において、対象者の吸入が感知される度、物質送達デバイス300は、対象者を認証する。
【0190】
いくつかの実施形態において、物質送達デバイス300は、送達前に少なくとも1回、および物質の送達中に少なくとも1回、対象者を認証する。いくつかの実施形態において、物質送達デバイス300による認証は、送達前に開始し、送達の一部に重なる。
【0191】
既定の最小範囲は、吸入/吐出中に特有の動きの量であってよい。既定の最小範囲は、対象者によって入力され得る。既定の回数は、対象者によって入力され得る。既定の期間は、物質送達デバイス300が物質を送達するために通常かかる時間に基づいてよい。既定の期間、既定の最小範囲、および既定の回数の1または複数は、物質の種類に基づいてよい。
【0192】
様々な実施形態において、物質送達デバイス300が加熱要素を含む場合、加熱要素は、認証が行われるまで、既定の閾値より上まで加熱することを妨げられ得る。既定の閾値は、対象者が認証された場合に送達時間を早めるために、物質蒸発温度よりもわずかに低い温度(たとえば5~50℃)であってよい。いくつかの実施形態において、加熱は、対象者の認証後にのみ開始する。
【0193】
いくつかの実施形態において、波発生器322は、特定の方法で波を伝送するようにトリガされ得る。たとえば、波伝送は、現在の対象者による吸入の開始直後にトリガされ得る。そのような開始は、たとえば認可対象者(たとえば医師または医療介護者、取引のために認可を検証する店頭の販売者、福祉士、警察官、薬剤師、親など)によって監督され得る。監督は、登録プロセス中の波伝送のために最も有用であり得る。
【0194】
物質送達デバイス300は、医療用吸入器、気化器、または電子タバコであってよい。
【0195】
ここで、本発明のいくつかの実施形態に係る、物質送達デバイス400(たとえば図3において上述したような物質送達デバイス300)の概略図である図4Aおよび図4Bが参照される。
【0196】
物質送達デバイス400は、ハウジング410を含む。ハウジング410は、LED光源412、空気流開口部414、波センサ開口部416、および波発生器開口部418を含む。動作中、波は波発生器開口部418から出、波センサ開口部416は、反射した波を検出してよく、空気流開口部414は、流体がデバイスから流出することを可能にし得る。
【0197】
図4Bは、物質送達デバイス400のハウジング410内に収容された要素のいくつかを示す。電子機器および制御パネル420、電源ユニット422、波センサ筐体424、空気流導管426、波発生器筐体428、可撓性シール430は、ハウジング410内に位置するように示される。電子機器および制御パネル420は、図3において上述したような要素のいずれかを含んでよい。可撓性シール430は、たとえばシリコンゴム、他の種類のゴム、または可撓性ポリマ材料などの可撓性材料で作られ得る。いくつかの実施形態において、可撓性シールは、間に筐体を有さずに波発生器と直接接触している。いくつかの実施形態において、波発生器筐体は、たとえばシリコンゴムまたは他の種類のゴムまたは可撓性ポリマ材料などの可撓性材料で作られる。いくつかの実施形態において、波発生器は、導管を介してサンプル採取空間(たとえば口)に露出している。いくつかの実施形態において、波発生器は音発生器、たとえばスピーカ、またはブザーであり、波センサは音波センサ、たとえばマイクロフォンである。いくつかの実施形態において、音波センサは、記録された背景雑音を低減し、対象者に特有の記録データ部分を増やすために、雑音減衰器を備えてよい。いくつかの実施形態において、音波センサは、空気マイクロフォンよりも空気振動に鈍感であり得る、たとえば圧電セラミックマイクロフォンなどの接触マイクロフォンである。波センサ筐体424および波発生器筐体428の各々は、対象者の口の方向に開口端を有してよい。筐体424、428の各々の形状は、管状、円錐の管状、または他の円筒形または不規則形状であってよい。筐体424、428の各々は、中空であってよく、実質的に波発生器または波センサを完全に内部に封入してよい。いくつかの実施形態において、筐体424、428の各々は、媒体を含んでよく、その中に波発生器および/または波センサが配置される。
【0198】
波センサ筐体424は、波センサを収容し、波センサ開口部416またはその付近を終端とする端部を有する。空気流導管426は、そこから流体が対象者に流れる物質送達デバイス400の内部(たとえば図3において上述したような貯蔵器318)に連結される。波発生器筐体428は、波発生器(たとえば図3において上述したような発生器322)を収容し、波発生器カバー430(たとえば可撓性シール)を終端とする。可撓性シール430は、摩擦によって生じる聴覚妨害(たとえば雑音)を防止または低減するために、波発生器筐体428内に位置する波センサを覆ってよい。いくつかの実施形態において、可撓性シール430は存在しない。いくつかの実施形態において、波発生器筐体428および波センサは、たとえば雑音を防止または最小化するために、波センサ開口部416から距離を置いた位置にある。この距離は、雑音レベル、センサ感度、および波発生器パワーに基づいて決定され得る。
【0199】
様々な実施形態において、物質送達デバイス400は、複数の波発生器および/または複数の波センサを含む。複数の波発生器は、波発生器アレイを含んでよく、または波発生器アレイであってよい。複数の波センサは、波センサアレイを含んでよく、または波センサアレイであってよい。様々な実施形態において、複数の波発生器の一部または複数の波発生器の全てが封入される。様々な実施形態において、封入された複数の波発生器は、単一の筐体または多数の筐体内にある。様々な実施形態において、複数の波センサの一部または複数の波センサの全てが封入される。様々な実施形態において、封入された複数の波センサは、単一の筐体または多数の筐体内にある。
【0200】
いくつかの実施形態において、各筐体は、同じ媒体または異なる媒体を有する。いくつかの実施形態において、筐体は空気媒体を有する。
【0201】
動作中、複数の波発生器を有するいくつかの実施形態において、複数の波発生器は、同時に、連続的に、またはそれらの任意の組み合わせで用いられ得る。いくつかの実施形態において、複数の波発生器は、同じ波、異なる波、またはそれらの任意の組み合わせを伝送する。いくつかの実施形態において、複数の波センサは、同じ波、異なる波、またはそれらの任意の組み合わせを受信する。
【0202】
ここで、図4Cおよび図4Dが参照され、図4Cは、波センサにカバーがない場合の受信波の例を示すグラフであり、図4Dは、波センサにカバーがある場合の同じ受信波の例を示すグラフである。示されるように、図4Cにおける受信波は、図4Dにおける受信波には存在しない雑音を有する。
【0203】
ここで、いくつかの実施形態に係る、対象者に物質を送達するために対象者を認証する方法のフローチャートである図5が参照される。
【0204】
いくつかの実施形態は、対象者の口の少なくとも一部に向けて(たとえば図3において上述したような波発生器322によって生成された)波を伝送すること(510)を含んでよい。
【0205】
いくつかの実施形態は、対象者からの波の反射の少なくとも一部、対象者による波の吸収の少なくとも一部、またはその両方を含む反射波を(たとえば図3において上述したようなセンサ324を介して)受信すること(520)を含んでよい。たとえば、伝送(510)は継続的であってよく、受信(520)は、受信波の一部のみに関して間欠的に行われる。いくつかのそのような実施形態において、伝送することは、同じ波パターンを複数回繰り返し伝送することを含んでよく、任意選択的に、受信することは、各繰返しにおいて同じ時間に起こるように合わせられる。
【0206】
いくつかの実施形態は、反射波を処理すること(530)を含んでよい。いくつかの実施形態において、520で受信された波の全てが、処理に用いられる。いくつかの実施形態において、520で受信された波の一部のみが、処理に用いられる。たとえば、伝送(510)および受信(520)は継続的であってよく、処理(530)は、受信波の一部のみに関して間欠的に行われる。そのようないくつかの実施形態において、伝送することは、同じ波パターンを複数回繰り返し伝送することを含んでよく、任意選択的に、処理することは、各繰返しにおいて同じ時間に受信された波に関してのみ行われる。
【0207】
反射波を処理することは、対象者のシグネチャおよび/または対象者に関連付けられた個人データ(たとえば鼻腔または鼓室の識別)を決定することを伴ってよい。いくつかの実施形態において、処理された波は、過去に登録された、および/または物質を受け取ることが認可されたものとして登録された対象者の格納されたシグネチャ(たとえば、医師が薬局に処方箋を送信した後の薬局データベースにおける登録、および/または過去に検証された年齢または生年月日、被験者のデータベースに格納された識別情報)との比較によって分析され得る。
【0208】
いくつかの実施形態において、反射波は、対象者が子供であるか大人であるかを決定するために分析される。これらの実施形態において、波反射分析によって決定されない場合がある、閾値年齢付近における年齢の中間ギャップが存在し、すなわち、システムが曖昧な決定を下すこと、または、大人がシステムによって子供と識別される(または大人と識別されない)こと、あるいはその逆、すなわち子供が大人と識別される(または子供と識別されない)ことがある。そのような場合、認可されるべき対象者による使用が誤識別によって妨げられる(たとえば、大人が大人であると識別されないことにより喫煙を妨げられる)場合、対象者は、代替の識別方法に戻ってよい。たとえば、対象者は、たとえば店頭で有効な確認書類および年齢証明を示すことにより、子供/大人の識別をオーバライドすることが可能な状況で、自身のデバイスに登録され得る。そのような場合、販売者は、任意の対象者の登録を可能にするために必要な認可および/またはツール(ソフトウェア、ハードウェア、および/またはパスワード)を有してよい。いくつかの実施形態において、たとえばモバイルデバイスとデバイスに関連付けられたコントローラとの間での情報の無線転送(たとえばBluetooth、WiFi、および/またはRFIDなど)によって、子供/大人の識別のオーバライドとしてデバイスに登録するために用いられ得る対象者の年齢および/または認可および対象者の口腔シグネチャがモバイルデバイス(たとえばトークン)に記録され、またはこのために年齢識別が必要とされる。これらのデータの格納および/または通信は、年齢識別の不当なオーバライドが容易になることを防ぐために暗号化され得る。
【0209】
口腔シグネチャは、認可対象者が認証モジュール(たとえば同じデバイスの認証モジュール312)を使用する登録プロセスに先立って取得されてよく、対象者の口から受信され記録される波反射を示すデータは、格納されたデータに関連付けられ、またはデータへのアクセスを有するデバイスの使用中に取得された波反射との今後の比較用の波シグネチャとして保存される。登録中、対象者の口腔シグネチャは、認可インジケーションおよび/または認可対象者の身元と関連付けられ、メモリに記録され得る。いくつかの実施形態において、登録プロセス中にセキュリティトークンが必要である。いくつかの実施形態において、登録プロセスは、1度だけ起こる。様々な実施形態において、反射波は、現在の対象者の口の部分の1または複数の特徴(たとえば口腔、喉頭、咽頭、声帯、咽喉、舌、および/または口腔の他の部分、ならびにたとえばチューイングガム、食べ残し、保持器具、のど飴、および/またはキャンディといったものを口内に有することなどの瞬間的条件)に影響を受け得る。反射波は、舌の位置、または物質送達デバイスの位置および向き、および特に波発生器および/または波センサ、現在の対象者の現在の活動(たとえば吸入、吐出、身体活動、静止など)に影響を受け得る。吸入中に使用される場合、捕捉された反射は、吸入デバイスの使用中に通常生じる口腔内の変化と相関し得る、吸入中の特定の時点に関連付けられてよく、分析は、そのようなタイミングを考慮に入れてよい。吐出中に使用される場合、捕捉された反射は、吐出中に通常生じる口腔内の変化と相関し得る、吐出中の特定の時点に関連付けられてよく、分析は、そのようなタイミングを考慮に入れてよい。
【0210】
いくつかの実施形態において、反射波は、環境音の所定の参照波信号に関して正規化される。いくつかの実施形態において、雑音は反射波からフィルタ(または実質的にフィルタ)され、キャンセル(または実質的にキャンセル)され、またはそれらの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態において、雑音は環境雑音である。いくつかの実施形態において、既定の閾値未満の反射波の一部は、フィルタされる。いくつかの実施形態において、既定の閾値は、-6~-14デシベルである。いくつかの実施形態において、既定の閾値は、-7~-12デシベルであり、場合によっては-9~-12デシベルである。いくつかの実施形態において、既定の閾値は、-6~-8デシベルである。
【0211】
いくつかの実施形態は、対象者が認可対象者であるかを決定すること(540)を含んでよい。いくつかの実施形態において、対象者は、処理された反射波に基づいて認可対象者であると決定される。いくつかの実施形態において、対象者が認可対象者であることを決定するために、受信波と共に追加の識別データが用いられる。たとえば指紋、吸入パターン、声、網膜スキャン、呼吸パターン、顔認識、および/または任意の生体データである。生体データは、性別、民族、出生地、またはそれらの任意の組み合わせを含んでよい。いくつかの実施形態において、追加の識別情報は、対象者の使用履歴、パスワード、および/または1または複数のセキュリティクエスチョンへの応答を含む。いくつかの実施形態において、対象者が認可されているかを決定するために、対象者の見込み年齢が受信波に基づいて決定される。たとえば、年齢閾値を超過する対象者への物質送達デバイスのアクセスを制限することが望ましい。この決定は、たとえば、対象者が第1の閾値を超過すること、および/または対象者が第2の閾値未満ではないことを決定することを含む。いくつかの実施形態において、第1の閾値および第2の閾値は同じである。いくつかの実施形態において、認証のために機械学習アルゴリズムが用いられる。いくつかの実施形態において、年齢決定のために機械学習分類アルゴリズムが用いられる。
【0212】
いくつかの実施形態において、認証が有効である場合、いくつかの実施形態は、反射波の分析に基づいて、対象者が年齢制限に準拠するかを決定すること(570)を含む。年齢制限は、ユーザによって入力され、薬剤師によって設定され、製造者によって設定され、使用されるデバイスの種類に基づいて決定され、または他の方法で設定され得る。
【0213】
対象者が年齢制限に準拠しない場合、いくつかの実施形態は、対象者を拒絶すること(560)を含んでよい。対象者が年齢制限に準拠する場合、いくつかの実施形態は、対象者を許可すること(580)を含んでよい。この方法の認証の各々は、たとえば保護性を高めるため、および/または認証後にデバイスが無認可ユーザに渡ることを防止するために、使用イベント中に複数回起こってよい。
【0214】
いくつかの実施形態において、図5に示す方法は、年齢に関するデバイスの悪用に対する追加の保護層を提供する。したがって、誤った身元認可が発行された場合でも、年齢制限を満たさない対象者は拒絶または防止される。
【0215】
認証方法のいくつかの実施形態において、対象者の口から採取された波反射データは、制限された対象者のデータを備えるデータベースと比較して分析される。対象者は、制限されていないことが分かった場合のみ許可され得る。
【0216】
いくつかの実施形態において、対象者が制限された対象者であるかを決定することは、彼らの身元の認証後に行われる。いくつかの実施形態において、対象者が制限されているかの決定は、身元認証への追加であってよい。対象者が認可されると、システムは、制限された対象者のデータベースと比較して彼らの波反射データを分析する。対象者が制限されていないことが分かると、対象者は許可される。
【0217】
いくつかの実施形態において、対象者が制限されているかの決定は、身元認証の代わりであってよい。いくつかの実施形態において、システムは、対象者の身元が認証されていないことを決定してよい。代替の許可経路は、この対象者が制限されているか否かをチェックすることであってよく、制限されていないことが分かると、対象者は許可される。
【0218】
任意選択的に、制限および/または許可されたユーザのデータベースは、対象者の口腔シグネチャを収集し、それぞれ制限および/または許可データと関連付けてそれらを格納することによって生成される。たとえば、子供が大人であると誤識別された場合でも子供が親のデバイスを確実に使用できないようにするために、親は、我が子の口腔シグネチャを親の物質送達デバイスに制限された対象者として格納してよい。いくつかの実施形態において、若年成人は、対象年齢に達していることをデータベースに登録することを選択してよく、それによって、自身の口腔シグネチャが年齢認証によって正確に識別されない場合、データベースを介して許可された対象者であると識別され、データベース内でのそれらの存在が年齢の口腔認証をオーバライドする。いくつかの実施形態において、若年成人は、店頭で年齢証明を提示することによって、そのように登録してよい。
【0219】
いくつかの実施形態において、たとえば図3のデバイス300などのデバイスは、許可および/または制限対象者データベースからデータを検索するための通信ユニットを含む。いくつかの実施形態において、データベースまたは(たとえば地理的関連性に基づく)その一部は、デバイス内にローカルに格納される。たとえば図5に示すような方法において、データベースは、他の任意の形式の認証をオーバライドするために用いられ得る。
【0220】
ここで、認証方法のいくつかの実施形態に係る、8人の異なる対象者から受信した波の間で可能な区別を視覚化するT分布型確率的近傍埋込み(t-SNE)グラフを示す図6Aおよび図6Bが参照され、図6Bは、図6Aの一部の拡大図を示す。
【0221】
また、認証方法のいくつかの実施形態に係る、図6Aのグラフに示す波サンプルの値を決定する際に用いられる参照波を示すグラフを示す図6Cおよび図6Dも参照される。
【0222】
音波信号サンプルは、8人の異なる対象者から採取された。個人は、自身の口内にプローブを挿入し、動かないように指示された。プローブは、波発生器および反射波を受信する波センサを含んだ。波発生器は、46オーム受信器、平衡電機子スピーカ20Hz~8.8kHzトップラウンド105dBであった。波センサは、I2S MEMSマイクロフォン、無指向性、-26dB@94dB SPLであった。
【0223】
3200~9200Hzの線形周波数変調(LFM)音波のチャープが個人の口内に伝送された。チャープは3つの波サンプルを含み、その各々が、間に各50ミリ秒の中断を有して50ミリ秒続いた。したがってチャープ全体は250ミリ秒であった。8人の個人の各々から、20のチャープ、すなわち60のサンプルが採取された。
【0224】
プロセッサは、受信波反射を記録し、デジタル信号処理(DSP)アルゴリズムによって受信波を符号化し、データベースに格納した。3200~9200HzのLFM音波サンプルの参照チャープは、周囲に伝送され、個人のサンプル採取と同じ位置またはその隣で記録された。チャープは3つの波サンプルを含み、間に各50ミリ秒の中断を有して50ミリ秒続いた。3つの参照サンプルの1つは、図6Cおよび図6Dに示され、周囲音を表す。
【0225】
データの処理中、サンプルはクリーニングされ、参照波に関して正規化された。データは、ランダムツリー類の人工知能(AI)アルゴリズムに入力された。システムは、サンプル間で比較してデータを分析し、各サンプルに、他のサンプルに対するサンプルの様々な程度を示す多次元値を付与した。アルゴリズムは、図6Aに示すグラフ上のT分布型確率的近傍埋込み(t-SNE)を用いて、その分析を視覚化した。
【0226】
図6Aのグラフに示すマークの各々は、単一のサンプルを表す。結果を受信した後、グラフ上の各サンプルは、それが属する個人に関して記号を付与された。たとえば、円記号は、個人A_0の口への伝送中に受信した波反射を表し、正方形記号は、個人A_1から受信した波反射を表し、他も同様である。図6Aに示され得るように、AIアルゴリズムは、受信波を、各々が同じ個人のサンプルを備える個別のクラスタに配置した。その結果が示すように、システムは、個人の口から受信した波反射に基づいて個人を区別し得る。破線601によって示された図6Aの拡大部分は、より高い分解能で結果の一部を示すように図6Bに示される。示されるように、円記号の2つのクラスタ600は、個人A_0の口から得られた波反射を表し、逆三角形の3つのクラスタ610は、個人A_5の口から得られた波反射を表す。この2次元表現は、この例においてシステムによって分析されたデータ点の一部を表し、異なる個人は、同じ個人から得られたサンプル間の変動よりも大幅に大きな程度で互いに異なって現れることを示す。
【0227】
ここで、受信波反射に従う大人と子供との可能な区別を視覚化するT分布型確率的近傍埋込み(t-SNE)グラフを示す図7Aおよび図7Bが参照され、図7Bは、図7Aの破線長方形で示された部分701の拡大である。示された結果は、認証システムのいくつかの実施形態、および口へ伝送された波の反射に基づいて大人と子供とを区別する能力を試験するために行われた実験において収集された。
【0228】
28人の大人および38人の子供を含む66人の対象者から音波信号サンプルが採取された。大人は、25歳を超える年齢として定義された。子供は、15歳未満の年齢として定義された。対象者は、自身の口内にプローブを挿入し、サンプリング中に動かないように指示された。
【0229】
プローブは、音波発生器および反射波を受信するセンサを含んだ。波発生器は、46オーム受信器、平衡電機子スピーカ20Hz~8.8kHzトップラウンド105dBであった。波センサは、I2S MEMSマイクロフォン、無指向性、-26dB@94dB SPLであった。
【0230】
3200~9200Hzの線形周波数変調(LFM)音波が、個人の口内へ伝送された。チャープは、3つの波サンプルを含み、その各々が、間に50ミリ秒の中断を有して50ミリ秒続いた。したがってチャープ全体は250ミリ秒であった。個人の各々から、5つのチャープ、すなわち15のサンプルが採取された。
【0231】
プロセッサは、受信波反射を記録し、デジタル信号処理(DSP)アルゴリズムによって受信波を符号化し、データベースに格納した。参照波は、周囲音を表し、図6A、字6B、図6C、および図6Dの実験の説明に詳述したような参照チャープの記録と同様に、個人の口のサンプル採取の隣で記録された。
【0232】
データの処理中、サンプルはクリーニングされ、参照波に関して正規化された。初期訓練段階として、対象者のうちランダムに選択された49人に関するデータがシステムに入力された。対象者の各々は、大人/子供としてシステムに示された。
【0233】
次の段階として、システムは、インジケーションを付与されていない残りの17のサンプルを分析した。アルゴリズムは、サンプルの各々が大人に属するか子供に属するかを決定するために設定された。システムは、データを分析し、サンプル間で比較し、他のサンプルに対するサンプルの異なる程度を示す多次元値を各サンプルに付与した。アルゴリズムは、図7Aに示すグラフ上のT分布型確率的近傍埋込み(t-SNE)を用いてその分析を視覚化した。
【0234】
図7Aのグラフに示すマークの各々は、単一のサンプルを表す。アルゴリズムは、サンプルの各々を大人または年少者(子供)として分類した。サンプルは2回マークされた。星形は、年少者(子供)から得られた反射をマークするために用いられ、正方形は、大人に用いられた。分類記号の周囲に実績記号がマークされた。円形は成功を示し、すなわちアルゴリズムは、子供を子供として、または大人を大人として分類した。X形記号は失敗を示し、すなわちアルゴリズムは、子供を大人として、または大人を子供として分類した。図7Aの一部は、図7Bにおいて高分解能で破線長方形によって示された領域701を示す。示されるように、700は、年少者として正確に識別された(円形)年少者(星形)から得られたサンプルを示し、702は、大人として正確に識別された(円形)大人(正方形)から得られたサンプルを示す。アルゴリズムによる誤認識は704において示され、ここでは、大人(正方形)が大人として識別されなかった(Xによって示す)。図7Aに示す例において、このモデルは、76.3%の精度で子供と大人とを区別することが可能であった。機械学習を用いると、サンプルの数が増加するほど精度が高まると予想される。加えて、カットオフ値を変更することにより、偽陰性の増加と引き換えに偽陽性の数が減少すること、またその逆が考えられる。
【0235】
上述したように、いくつかの実施形態において、大人または子供の決定は、精度の可能性で提供されてよく、たとえば、システムの決定は、子供または大人を特徴付けるものとしてシステムに記録された波傾向および特性のパーセンテージレベル(%)に従って、75%の可能性で対象者が子供であるというものであってよい。
【0236】
いくつかの実施形態において、機械学習アルゴリズムは、年齢および/または他の身元基準認識の精度および効率を高めるように訓練され得る。年齢制限基準の有用な例は、子供によるタバコ、ニコチン、大麻、および/またはカンナビノイドの喫煙または吸引の防止、ならびに未成年または子供が医療デバイスを使用することの防止において役立ち得る。
【0237】
いくつかの実施形態において、人間のグループが、同じデバイス(たとえば図3において上述したような物質送達デバイス300などの流体送達デバイス)またはデバイスのセットを用いることを可能にされ得る(たとえば病院環境内の患者用デバイスまたは家族内の数人のメンバ)。プロセッサは、各対象者の使用の監視を可能にするように構成され得る。いくつかの実施形態において、デバイスからの入力に基づいて、同じデバイスは、各認可対象者に関連付けられた使用レジメ(たとえば物質投与量)を確立してよい。いくつかの実施形態において、同じデバイスは、認証モジュールからの入力に基づいて、並行して、または異なる時間および/または投与量で、認可対象者のグループに同じまたは異なる物質(複数も可)を投与することを容易にするように構成され得る。いくつかの実施形態において、同じデバイスが、たとえば家族の数人のメンバによって、病院内で数人の患者によってなど、人間のグループによって使用され得る。
【0238】
本発明の態様は、本発明の実施形態に係る方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフローチャート図および/または部分図を参照して上述される。フローチャート図および/または部分図の各部分、およびフローチャート図および/または部分図の部分の組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実装され得る。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して実行する命令が、フローチャートおよび/または部分図に記載された機能/動作またはその一部を実装するための手段を生成するように、機械を製造するための汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供され得る。
【0239】
またこれらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ可読媒体に格納された命令が、フローチャートおよび/または部分図の部分に記載された機能/動作またはその一部を実装する命令を含む製品を製造するように、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他のデバイスに特定の方法で機能するように指示し得るコンピュータ可読媒体に格納されてもよい。また、コンピュータプログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラマブル装置で実行する命令が、フローチャートおよび/または部分図の部分に記載された機能/動作またはその一部を実装するためのプロセスを提供するようなコンピュータ実装プロセスを生成するために、コンピュータ、他のプログラマブル装置、または他のデバイスにおいて一連の動作ステップを行わせるために、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他のデバイスにロードされてもよい。
【0240】
上述したフローチャートおよび図は、本発明の様々な実施形態に係るシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能、および動作を示す。この点に関して、フローチャート内の各部分または部分図は、指定された論理機能(複数も可)を実装するための1または複数の実行可能命令を含むモジュール、セグメント、またはコードの一部を表し得る。また、留意すべき点として、いくつかの代替実装において、その部分に記載された機能は、図に記載された順序を外れて起こり得る。たとえば、連続して示される2つの部分が、それに伴う機能に依存して、実際はほぼ同時に実行されてよく、または、場合によっては逆の順序で実行され得る。また留意すべき点として、部分図および/またはフローチャート図の各部分、および部分図および/またはフローチャート図における部分の組み合わせは、指定された機能または動作を行う専用ハードウェアベースのシステム、または専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせによって実装され得る。
【0241】
上記説明において、実施形態は、本発明の例または実装である。「1つの実施形態」、「実施形態」、「特定の実施形態」、または「いくつかの実施形態」の様々な外観は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すわけではない。本発明の様々な特徴が単一の実施形態の文脈で説明され得るが、特徴は、個別に、または任意の適当な組み合わせで提供されてもよい。逆に、本発明は、本明細書において明確性のために個別の実施形態の文脈で説明され得るが、本発明は、単一の実施形態において実装されてもよい。本発明の特定の実施形態は、上記で開示した様々な実施形態における特徴を含んでよく、特定の実施形態は、上記で開示した他の実施形態における要素を組み込んでよい。特定の実施形態の文脈における本発明の要素の開示は、それらを特定の実施形態における使用のみに限定するものと見なされてはならない。また、理解すべき点として、本発明は、様々な方法で実行または実施することができ、本発明は、上記説明において概説したもの以外の特定の実施形態において実装され得る。
【0242】
本発明は、これらの図面または対応する説明に限定されるものではない。たとえば、フローは、例示された各ボックスまたは文を通って、あるいは例示および説明されたものと全く同じ順序で進む必要はない。本明細書において使用される技術および科学用語の意味は、明確に定義されない限り、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものである。本発明は、限られた数の実施形態に関して説明されたが、これらは本発明の範囲の限定として解釈されてはならず、むしろ好適な実施形態のいくつかの例証として解釈すべきである。考えられる他の変形例、修正例、および適用例もまた、本発明の範囲内である。したがって、本発明の範囲は、ここまで説明したものによって限定されるのではなく、添付の特許請求の範囲およびそれらの法的均等物によって定められる。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
【国際調査報告】