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特表2022-526247加湿器での湿度出力を制御するためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-24
(54)【発明の名称】加湿器での湿度出力を制御するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/10 20060101AFI20220517BHJP
【FI】
A61M16/10 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021555193
(86)(22)【出願日】2020-03-11
(85)【翻訳文提出日】2021-10-26
(86)【国際出願番号】 NZ2020050024
(87)【国際公開番号】W WO2020185100
(87)【国際公開日】2020-09-17
(31)【優先権主張番号】62/816,623
(32)【優先日】2019-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504298349
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100196221
【弁理士】
【氏名又は名称】上潟口 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】リウ ポ-イェン
(57)【要約】
加熱及び加湿されたガスを患者に送達するために使用され、入口及び関連付けられたセンサを備える加湿チャンバを含む加湿器と、関連付けられたヒータ及びセンサと、関連付けられたヒータ及びセンサを備える吸気導管と、フェイス・マスクなどの、加熱されない、患者への接続装置とを含むことができる。加湿器は、入口ガス温度に応じて、たとえば、最高出口温度設定点を含む、加湿チャンバ出口温度設定点、又は生成される湿気の量を変更するように構成された制御システムを備えることができる。この制御システムは、患者に送達されるガス中の実質的に一貫した湿度を維持しながら、レインアウト(すなわち、凝縮物)を低減し、且つ/又は最小限に抑えることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに供給されるガス流を加湿するための加湿器であって、
ヒータ・プレートを含むベース・ユニットと、
加湿流体を保持するように構成された加湿チャンバであって、
導電性ベース、
前記ベース部分に連結されるように構成された1つ又は複数の壁部分、
入口、及び
出口
を備える加湿チャンバと、
前記加湿チャンバの前記入口内又は前記入口に隣接して配置される少なくとも1つの入口温度センサと、
前記加湿チャンバの前記出口内又は前記出口に隣接して配置される少なくとも1つの出口温度センサと、
前記出口温度センサから受信した信号から測定された出口温度の機能に少なくとも部分的に基づいて、ヒータ・プレート制御信号を出力して、前記ヒータ・プレートに供給される電力量を制御し、
前記入口温度センサから受信した信号に基づいて、前記加湿チャンバに受けられるガスの入口温度を求め、
前記入口温度が閾値温度を超えると判定し、
前記入口温度が前記閾値温度を超えるのに応答して、前記加湿チャンバの前記出口から出るガスの目標湿度を低減する
ように構成された電子制御装置と
を備える、加湿器。
【請求項2】
目標湿度を低減するための加湿器であって、前記制御装置は、前記入口温度が前記閾値温度を超えるのに応答して、前記ヒータ・プレートに供給される前記電力量を低減するように構成される、請求項1に記載の加湿器。
【請求項3】
前記制御装置が、前記電力量を電力閾値以下にまで低減するように構成される、請求項2に記載の加湿器。
【請求項4】
前記電力閾値が、19℃の最低露点を達成するように設定される、請求項3に記載の加湿器。
【請求項5】
前記電力閾値が、15mg/Lの最低湿度出力を達成するように設定される、請求項3又は4に記載の加湿器。
【請求項6】
前記制御装置は、前記入口温度が前記閾値温度を下回るときの第1のモードと、前記入口温度が前記閾値温度を超えるときの第2のモードとによって、前記ヒータ・プレートに供給される前記電力量を制御又は制限するように構成される、請求項1~5のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項7】
前記制御装置は、前記入口温度が前記閾値温度を下回るときに適用される第1の機能によって、前記ヒータ・プレート電力に供給される前記電力量を制御するように構成される、請求項1~6のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項8】
前記制御装置は、前記入口温度が前記閾値温度を超えるときに適用される、前記第1の機能とは異なる第2の機能によって、前記ヒータ・プレート電力に供給される前記電力量を制御又は制限するように構成される、請求項7に記載の加湿器。
【請求項9】
前記制御装置は、前記入口温度が閾値温度を超える場合に、出口温度設定点を低減するか、又はそれに上限を設けて最高許容出口温度設定点を規定するように構成される、請求項1~8のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項10】
前記制御装置は、前記入口温度が閾値温度を超える場合に、ヒータ・プレート温度設定点を低減するように構成される、請求項1~9のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項11】
前記閾値温度が22℃~24℃の間にある、請求項1~10のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項12】
前記閾値温度が、ほぼ22℃である、請求項1~11のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項13】
前記閾値温度が、ほぼ24℃である、請求項1~11のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項14】
前記閾値温度が、ほぼ26℃である、請求項1~10のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項15】
前記閾値温度が、出口温度設定点によって変化する、請求項1~10のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項16】
所望の露点がユーザによって選択される、請求項1~15のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項17】
複数のモードのうちの1つで動作可能であり、各モードが複数の所望の露点を規定し、前記複数のモードのうちのいずれか1つで動作するとき、前記制御装置が、前記閾値を超える前記入口温度に基づいて生成される湿気の量を低減するように構成される、請求項1~16のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項18】
前記複数のモードが、侵襲性モード、非侵襲性モード、及び高流量モードを含む、請求項17に記載の加湿器。
【請求項19】
前記制御装置が、非侵襲性モードで動作するときに、流入ガスに加えられる湿度を制限するように構成される、請求項18に記載の加湿器。
【請求項20】
前記モードが、ユーザによって手動で選択可能である、請求項18又は19に記載の加湿器。
【請求項21】
前記非侵襲性モードが、29℃、27℃、及び25℃の所望の露点を含む、請求項17~20のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項22】
前記非侵襲性モードが、27℃、25℃、及び23℃の所望の露点を含む、請求項17~20のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項23】
出口温度設定点の前記目標湿度は、前記入口温度が前記閾値温度を下回るときに予め定められ、前記入口温度が閾値を超える場合には、出口温度設定点において生成される湿気の量が、相対的に低い既定値まで低減される、請求項1~22のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項24】
ユーザに供給されるガス流を加湿するための加湿器であって、
ヒータ・プレートを含むベース・ユニットと、
導電性ベース、及び前記導電性ベースから延在する1つ又は複数の壁を含む取外し可能な加湿チャンバであって、前記1つ又は複数の壁及び前記導電性ベースが、加湿流体を保持するためのチャンバ空間を画定し、前記加湿チャンバがさらに、入口及び出口を含む取外し可能な加湿チャンバと、
前記加湿チャンバの前記入口内又は前記入口に隣接して配置される少なくとも1つの入口温度センサと、
前記加湿チャンバの前記出口内又は前記出口に隣接して配置される少なくとも1つの出口温度センサと、
前記出口温度センサから受信した信号から出口温度が測定される機能に少なくとも部分的に基づいて、ヒータ・プレート制御信号を出力して、前記ヒータ・プレートに供給される電力量を制御し、
前記入口温度センサから受信した信号に基づいて、前記加湿チャンバに受けられるガスの入口温度を測定し、
前記入口温度が閾値温度を超えると判定し、
前記入口温度が前記閾値温度を下回る場合は、第1の出口温度設定点を設定し、前記ガスの前記入口温度が前記閾値温度を超える場合には、第2の出口温度設定点を設定する
ように構成される電子制御装置と
を備える、加湿器。
【請求項25】
前記第1のチャンバ出口温度設定点が、前記第2のチャンバ出口温度設定点よりも高い、請求項24に記載の加湿器。
【請求項26】
前記閾値温度が22℃~24℃の間にある、請求項24~25のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項27】
前記閾値温度が24℃~26℃の間にある、請求項24~26のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項28】
前記閾値温度が、ほぼ26℃である、請求項24~27のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項29】
前記第2のチャンバ出口温度設定点が、24℃~32℃の間にある、請求項24~28のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項30】
前記第1のチャンバ出口温度設定点が、19℃~27℃の間にある、請求項24~29のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項31】
前記第1のチャンバ出口温度設定点が、26℃~35℃の間にある、請求項24~30のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項32】
前記電子制御装置が、前記チャンバ出口温度設定点に基づいて、前記ヒータ・プレートに供給される電力を制御又は制限するように構成される、請求項24~31のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項33】
前記電子制御装置は、前記入口温度が前記閾値温度を超えると、前記ヒータ・プレート電力を低減するように構成される、請求項24~32のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項34】
前記電子制御装置は、前記入口温度が前記閾値温度を下回るときに、流入ガスに加えられる第1の湿度に対応する第1のチャンバ出口温度設定点を、21mg/L~34mg/Lの間に設定するように構成される、請求項24~33のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項35】
前記電子制御装置は、前記入口温度が前記閾値温度を下回るときに、流入ガスに加えられる第2の湿度値に対応する第2のチャンバ出口温度設定点を、14mg/L~25mg/Lの間に設定するように構成され、前記第2の湿度値が前記第1の湿度値よりも低い、請求項24~34のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項36】
前記電子制御装置は、前記入口温度が温度閾値を超える場合に、前記ヒータ・プレートに供給される前記電力を低減するように構成される、請求項24~35のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項37】
前記電子制御装置が、必要な量の湿気が生成されるように、前記第1又は前記第2のチャンバ出口設定点温度に対応するヒータ・プレート電力を供給するように構成される、請求項24~36のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項38】
ユーザに供給されるガス流を加湿するための加湿器であって、
ヒータ・プレートを含むベース・ユニットと、
導電性ベース、及び前記導電性ベースから延在する1つ又は複数の壁を含む取外し可能な加湿チャンバであって、前記1つ又は複数の壁及び前記導電性ベースが、加湿流体を保持するためのチャンバ空間を画定し、前記加湿チャンバがさらに、入口及び出口を含む取外し可能な加湿チャンバと、
前記加湿チャンバの前記入口内又は前記入口に隣接して配置され、入口温度を測定するように構成された少なくとも1つの入口温度センサと、
前記加湿チャンバの前記出口内又は前記出口に隣接して配置され、出口温度を測定するように構成された少なくとも1つの出口温度センサと、
対応する入口温度について既定の最高許容チャンバ出口温度設定点に制御し、前記最高チャンバ出口温度設定点が、第1の機能によって規定される前記入口温度に関連付けられ、
前記入口温度に基づいて、対応する入口温度について新規の最高許容チャンバ出口温度設定点を規定する第2の機能を適用する
ように構成された電子制御装置と
を備える、加湿器。
【請求項39】
前記第2の機能によって規定される前記最高許容チャンバ出口温度設定点が、前記第1の機能によって規定される前記最高許容チャンバ出口温度よりも低い、請求項38に記載の加湿器。
【請求項40】
前記第1の機能によって生成される絶対湿度が、前記第2の機能によって生成される前記湿度出力よりも高い、請求項38又は39に記載の加湿器。
【請求項41】
ヒータ・プレートを備え、前記制御装置が、前記最高許容出口温度設定点に基づいて、前記ヒータ・プレートに供給される前記電力を制限又は制御するように構成される、請求項38~40のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項42】
前記制御装置が、前記第1の機能又は前記第2の機能に基づいて、前記ヒータ・プレートに供給される前記電力を制御又は制限するように構成される、請求項38~41のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項43】
前記制御装置は、前記ガス源が低温で乾燥したガス源の場合に、前記第1の機能を使用するように構成される、請求項38~42のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項44】
前記制御装置は、前記ガス源が室内空気連行ガス源の場合に、前記第2の機能を使用するように構成される、請求項38~43のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項45】
加湿器を使用してユーザに供給されるガス流内の湿度を制御するための電子制御装置であって、ベース・ユニット内のヒータ・プレートと、導電性ベース及び前記導電性ベースから延在する1つ又は複数の壁を含む加湿チャンバであって、入口及び出口をさらに備え、加湿流体を保持するように構成された加湿チャンバとを備え、
出口温度センサから受信した信号から前記加湿チャンバの出口温度が測定されるのに少なくとも部分的に基づいて、ヒータ・プレート制御信号を出力して、前記加湿器のヒータ・プレートに供給される電力量を制御し、
入口温度センサから受信した信号に基づいて、前記加湿チャンバに受けられるガスの入口温度を測定し、
前記入口温度が閾値温度を超えると判定し、
前記入口温度が前記閾値温度を超えるのに応答して、前記加湿チャンバの前記出口から出るガスに加えられる目標湿度を低減する
ように構成される、電子制御装置。
【請求項46】
前記目標湿度を低減するための電子制御装置であって、前記入口温度が前記閾値温度を超えるのに応答して、前記ヒータ・プレートに供給される前記電力量を低減するように構成される、請求項45に記載の電子制御装置。
【請求項47】
前記電力量を電力閾値以下にまで低減するように構成される、請求項46に記載の電子制御装置。
【請求項48】
前記電力閾値が、19℃の露点を達成するように設定される、請求項45~47のいずれか一項に記載の電子制御装置。
【請求項49】
前記電力閾値が、15mg/Lの湿度出力を達成するように設定される、請求項45~47のいずれか一項に記載の電子制御装置。
【請求項50】
前記入口温度が前記閾値温度を下回るときの第1のモードと、前記入口温度が前記閾値温度を超えるときの第2のモードとによって、前記ヒータ・プレートに供給される前記電力量を制限するように構成される、請求項45~49のいずれか一項に記載の電子制御装置。
【請求項51】
前記入口温度が前記閾値温度を下回るときに適用される第1の機能に従って、前記ヒータ・プレート制御信号を出力するように構成される、請求項50に記載の電子制御装置。
【請求項52】
前記入口温度が前記閾値温度を超えるときに適用される、前記第1の機能とは異なる第2の機能によって、前記ヒータ・プレート制御信号を出力するように構成される、請求項51に記載の電子制御装置。
【請求項53】
前記入口温度が閾値温度を超える場合に、チャンバ出口温度設定点を低減して最高許容チャンバ出口温度設定点を規定するように構成される、請求項45~52のいずれか一項に記載の電子制御装置。
【請求項54】
前記入口温度が閾値温度を超える場合に、ヒータ・プレート温度設定点を低減して最高許容ヒータ・プレート温度設定点を規定するように構成される、請求項45~53のいずれか一項に記載の電子制御装置。
【請求項55】
前記閾値温度が22℃~24℃の間にある、請求項45~54のいずれか一項に記載の電子制御装置。
【請求項56】
前記閾値温度が22℃である、請求項45~55のいずれか一項に記載の電子制御装置。
【請求項57】
前記閾値温度がほぼ24℃である、請求項45~55のいずれか一項に記載の電子制御装置。
【請求項58】
前記閾値温度がほぼ26℃である、請求項45~55のいずれか一項に記載の電子制御装置。
【請求項59】
前記閾値温度が所望の露点によって変化する、請求項45~58のいずれか一項に記載の電子制御装置。
【請求項60】
前記所望の露点がユーザによって選択される、請求項45~59のいずれか一項に記載の電子制御装置。
【請求項61】
複数のモードのうち加湿器モードを決定し、あるモードが複数の所望の露点を規定し、
前記加湿器モードに基づいて温度閾値を決定する
ように構成される、請求項45~61のいずれか一項に記載の電子制御装置。
【請求項62】
前記複数のモードが、侵襲性モード、非侵襲性モード、及び高流量モードを含む、請求項61に記載の電子制御装置。
【請求項63】
出口温度設定点の前記目標湿度は、前記入口温度が前記閾値温度を下回るときに予め定められ、前記入口温度が閾値を超える場合には、その出口温度設定点において生成される湿気の量が、相対的に低い既定値まで低減される、請求項45~62のいずれか一項に記載の電子制御装置。
【請求項64】
加湿器の出口での結露を低減する方法であって、
入口温度センサから受信される信号に基づいて、加湿チャンバ内に受けられるガスの入口温度を受信することと、
前記入口温度が閾値温度を超えると判定することと、
前記入口温度が前記閾値温度を超えるのに応答して、前記加湿チャンバの出口から出るガスに加えられる目標湿度を低減することと
を含む、方法。
【請求項65】
目標湿度を低減することは、前記入口温度が前記閾値温度を超えるのに応答して、ヒータ・プレートに供給される電力量を低減することを含む、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記ヒータ・プレートに供給される前記電力量を低減することが、電力閾値以下に前記電力量を低減することを含む、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記電力量を低減することは、前記入口温度が前記閾値温度を下回るときの第1のモードと、前記入口温度が前記閾値温度を超えるときの第2のモードとによって、前記ヒータ・プレートに供給される前記電力量を制限又は制御することを含む、請求項64~66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
第2のモードにおいて、前記制御装置が、少なくとも15mg/Lの最小湿度を達成するように、電力設定点、又はチャンバ出口温度設定点、又はヒータ・プレート温度設定点を設定するように構成される、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
第2のモードにおいて、前記制御装置が、少なくとも19℃の最小露点を達成するように、電力設定点、又はチャンバ出口設定点、又はヒータ・プレート温度設定点を設定するように構成される、請求項67又は68に記載の方法。
【請求項70】
前記電力量を低減することは、前記入口温度が前記閾値温度を下回るときに適用される第1の機能に従って、前記ヒータ・プレート電力に供給される前記電力量を制御又は制限することを含む、請求項67に記載の方法。
【請求項71】
前記電力量を低減することは、前記入口温度が前記閾値温度を超えるときに適用される、前記第1の機能とは異なる第2の機能に従って、前記ヒータ・プレート電力に供給される前記電力量を制御又は制限することを含む、請求項68に記載の方法。
【請求項72】
前記入口温度が閾値温度を超える場合に目標出口温度設定点を下げることを含む、請求項64~71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
前記入口温度が閾値温度を超える場合に目標ヒータ・プレート温度を下げることを含む、請求項64~71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
前記閾値温度が22℃~24℃の間にある、請求項64~71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
前記閾値温度が、ほぼ22℃である、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記閾値温度が、ほぼ24℃である、請求項74に記載の方法。
【請求項77】
前記閾値温度が、ほぼ26℃である、請求項74に記載の方法。
【請求項78】
前記閾値温度が所望の露点によって変化する、請求項64~77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
前記所望の露点がユーザによって選択される、請求項64~78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
複数のモードのうち加湿器モードを決定することであって、あるモードが複数の所望の露点を規定することと、
前記加湿器モードに基づいて温度閾値を決定することと
を含む、請求項64~79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
出口温度設定点の前記目標湿度は、前記入口温度が前記閾値温度を下回るときに予め定められ、前記入口温度が閾値を超える場合には、前記出口温度設定点において生成される湿気の量が、相対的に低い既定値まで低減される、請求項64~80のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
加湿器を動作させるための制御装置であって、
入口温度センサから受信される信号に基づいて、加湿チャンバ内に受けられるガスの入口温度を受信し、
前記入口温度が閾値を超えると判定し、
前記入口温度が前記閾値温度を超えるのに応答して、前記加湿チャンバの出口から出るガスの出口温度設定点、ヒータ・プレート電力設定点、又は前記加湿チャンバの出口から出るガスのヒータ・プレート温度設定点を低減する
ように構成される、制御装置。
【請求項83】
前記ヒータ・プレート電力設定点を電力閾値以下にまで低減するように構成される、請求項82に記載の制御装置。
【請求項84】
前記電力量を低減するための制御装置であって、前記入口温度が前記閾値温度を下回るときの第1のモードと、前記入口温度が前記閾値温度を超えるときの第2のモードとによって、前記ヒータ・プレートに供給される前記電力量又はヒータ・プレート電力設定点を制御又は制限するように構成される、請求項82又は83のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項85】
前記電力量を低減するための制御装置であって、前記入口温度が前記閾値温度を下回るときに適用される第1の機能に従って、前記ヒータ・プレート電力に供給される前記電力量を制御するように構成される、請求項82又は83のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項86】
前記電力量を低減するための制御装置であって、前記入口温度が前記閾値温度を超えるときに適用される、前記第1の機能とは異なる第2の機能に従って、前記ヒータ・プレート電力に供給される前記ヒータ・プレート電力設定点又は電力量を、低減制御又は制限するように構成される、請求項84に記載の制御装置。
【請求項87】
前記閾値温度が22℃~24℃の間にある、請求項82~86のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項88】
前記閾値温度が24℃~26℃の間にある、請求項82~86のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項89】
前記閾値温度が22℃である、請求項86に記載の制御装置。
【請求項90】
前記閾値温度が24℃である、請求項86に記載の制御装置。
【請求項91】
前記閾値温度が26℃である、請求項86に記載の制御装置。
【請求項92】
前記閾値温度が所望の露点によって変化する、請求項82~91のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項93】
前記所望の露点がユーザによって選択される、請求項82~92のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項94】
複数のモードのうち加湿器モードを決定し、あるモードが複数の所望の露点を規定し、
前記加湿器モードに基づいて温度閾値を決定する
ように構成される、請求項82~93のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項95】
前記複数のモードが、侵襲性モード、非侵襲性モード、及び高流量モードを含む、請求項94に記載の制御装置。
【請求項96】
前記モードが、ユーザによって手動で選択可能である、請求項93又は94に記載の制御装置。
【請求項97】
前記非侵襲性モードが、29℃、27℃、及び25℃の所望の露点を含む、請求項94~96のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項98】
前記非侵襲性モードが、27℃、25℃、及び23℃の所望の露点を含む、請求項94~96のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項99】
出口温度設定点の前記目標湿度は、前記入口温度が前記閾値温度を下回るときに予め定められ、前記入口温度が閾値を超える場合には、その出口温度設定点において生成される湿気の量が、相対的に低い既定値まで低減される、請求項82~98のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項100】
ユーザに供給されるガス流を加湿するための加湿器であって、
ヒータ・プレートを含むベース・ユニットと、
加湿流体を保持するように構成された加湿チャンバであって、
導電性ベース、
前記ベース部分に連結されるように構成された1つ又は複数の壁部分、
入口、及び
出口を
備える加湿チャンバと、
前記加湿チャンバの前記入口内又は前記入口に隣接して配置される少なくとも1つの入口温度センサと、
前記加湿チャンバの前記出口内又は前記出口に隣接して配置される少なくとも1つの出口温度センサと、
前記ベース・ユニットに関連付けられ、前記ヒータ・プレート、前記入口温度センサ、及び前記出口温度センサと電子的につながっている制御装置であって、
前記出口温度センサから受信した信号から測定された出口温度の機能に少なくとも部分的に基づいて、ヒータ・プレート制御信号を出力して、前記ヒータ・プレートに供給される電力量を制御し、
前記入口温度センサから受信した信号に基づいて、前記加湿チャンバに受けられるガスの入口温度を求め、
前記入口温度が閾値温度を超えるかどうか判定し、
前記入口温度が前記閾値温度を超えるのに応答して、前記加湿チャンバの前記出口から出るガスの最高許容チャンバ出口温度設定点を求める
ように構成された制御装置と
を備える、加湿器。
【請求項101】
前記最高許容チャンバ出口温度設定点は、前記入口温度に応じて決定される、請求項100に記載の加湿器。
【請求項102】
前記制御装置は、前記入口温度が前記閾値温度を下回るときの第1のモードと、前記入口温度が前記閾値温度を超えるときの第2のモードとによって、前記ヒータ・プレートに供給される最大電力量を制限又は制御するように構成される、請求項100又は101に記載の加湿器。
【請求項103】
前記制御装置は、前記入口温度が前記閾値温度度を下回るときに適用される、前記入口温度に関連付けられた第1の機能によって、前記ヒータ・プレート電力に供給される前記最大許容電力量を制限するように構成される、請求項100~102のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項104】
前記制御装置は、前記入口温度が前記閾値温度を超えるときに適用される、前記第1の機能とは異なる第2の機能によって、前記ヒータ・プレート電力に供給される前記最大許容電力量を制限するように構成される、請求項100~103のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項105】
前記第2の機能による前記ヒータ・プレートへの前記最大許容電力量が、前記第1の機能による前記ヒータ・プレートへの前記最大許容電力量よりも小さい、請求項100~104のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項106】
前記制御装置は、前記入口温度が閾値温度を超える場合に、最高許容ヒータ・プレート温度設定点を低減するように構成される、請求項100~104のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項107】
前記制御装置は、前記入口温度が閾値温度を超える場合に、最高許容ヒータ・プレート温度設定点を低減するように構成される、請求項100~106のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項108】
前記閾値温度が22℃~24℃の間にある、請求項100~107のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項109】
前記閾値温度が、ほぼ22℃である、請求項100~108のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項110】
前記閾値温度が、ほぼ24℃である、請求項100~109のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項111】
前記閾値温度が、ほぼ26℃である、請求項100~110のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項112】
前記閾値温度が、出口温度設定点によって変化する、請求項100~111のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項113】
所望の露点がユーザによって選択される、請求項100~112のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項114】
複数のモードのうちの1つで動作可能であり、各モードが複数の所望の露点を規定し、前記複数のモードのうちのいずれか1つで動作するとき、前記制御装置が、前記閾値を超える前記入口温度に基づいて生成される湿気の最大量を低減するように構成される、請求項100~113のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項115】
前記複数のモードが、侵襲性モード、非侵襲性モード、及び高流量モードを含む、請求項114に記載の加湿器。
【請求項116】
前記制御装置が、非侵襲性モードで動作するときに、流入ガスに加えられるその湿度を制限し、又はそれに上限を設けるように構成される、請求項115に記載の加湿器。
【請求項117】
前記モードが、ユーザによって手動で選択可能である、請求項115又は116に記載の加湿器。
【請求項118】
前記非侵襲性モードが、29℃、27℃、及び25℃の所望の露点を含む、請求項114~117のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項119】
前記非侵襲性モードが、27℃、25℃、及び23℃の所望の露点を含む、請求項114~118のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項120】
最高出口温度設定点の前記最高目標湿度は、前記入口温度が前記閾値温度を下回るときに予め定められ、前記入口温度が閾値を超える場合には、前記最高出口温度設定点において生成される湿気の量が、相対的に低い既定値まで低減される、請求項114~119のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項121】
ガスを加湿するための呼吸療法機器であって、
ベース・ユニットと、
前記ベース・ユニットの上又はベース・ユニットの内部に配置されたヒータ・プレートと、
導電性ベース、
加湿流体を保持するためのチャンバを画定する壁、
前記壁に画定される入口、
前記壁に画定される出口
を含む加湿チャンバであって、前記ヒータ・プレートに着脱可能に配置可能であり、したがって、前記ヒータ・プレートが、前記導電性ベースと熱的につながっていて、前記加湿流体を加熱するために熱を供給する加湿チャンバと、
前記入口内に、又はそれに隣接して配置される入口温度センサと、
前記出口内に、又はそれに隣接して配置される出口温度センサと、
前記入口温度センサ、前記出口温度センサ、及び前記ヒータ・プレートとつながっている制御装置であって、
前記入口温度センサからの信号を受信し、前記受信した信号に基づいて、前記入口に受けられるガスの温度を決定し、
前記入口に受けられるガスの前記温度が温度閾値に等しいか、又はそれを超えるかどうか検査し、
ガスの前記温度が前記温度閾値を超える場合には、
前記加湿チャンバを通過する前記ガスの目標湿度に上限を設けるか、又はそれを制限すること、又は
前記ヒータ・プレートに供給される最大許容ヒータ・プレート電力に上限を設けるか、又はそれを制限すること、又は
最高許容チャンバ出口温度設定点に上限を設けるか、又はそれを制限すること、又は
最高許容ヒータ・プレート温度設定点に上限を設けるか、又はそれを制限すること
のうちの1つ又は複数を実行するようにさらに構成された制御装置と
を備える、呼吸療法機器。
【請求項122】
ユーザに供給されるガス流を加湿するための加湿器であって、
ヒータ・プレートを含むベース・ユニットと、
加湿流体を保持するように構成された加湿チャンバであって、
導電性ベース、
前記ベース部分に連結されるように構成された1つ又は複数の壁部分、
入口、及び
出口
を備える加湿チャンバと、
前記加湿チャンバの前記入口内又は前記入口に隣接して配置される少なくとも1つの入口温度センサと、
前記加湿チャンバの前記出口内又は前記出口に隣接して配置される少なくとも1つの出口温度センサと、
前記ベース・ユニットに関連付けられ、前記ヒータ・プレート、前記入口温度センサ、及び前記出口温度センサと電子的につながっている制御装置であって、
前記入口温度センサからの信号に基づいて、前記加湿器に受けられる前記ガスの入口温度を決定し、
前記ガスの前記入口温度が温度閾値に等しいか、又はそれを超えるか判定し、
前記ガスの前記入口温度が前記温度閾値を下回るときは、第1の機能を適用して、最高許容チャンバ出口温度設定点を規定し、
前記ガスの前記入口温度が前記温度閾値以上であるときには、第2の機能を適用して、最高許容チャンバ出口温度設定点を規定し、
ヒータ・プレート制御信号を加えて、前記ヒータ・プレートへの電力を制御し、その結果、前記加湿器を通過する前記ガスの前記温度が、前記最高許容チャンバ出口温度設定点を下回るように制御され、又は
前記最高許容チャンバ出口温度設定点を下回るチャンバ出口温度設定点を設定し、制御信号を供給して、少なくとも前記設定されたチャンバ出口温度に基づいて、前記ヒータ・プレートへの電力を制御する
ように構成された制御装置と
を備える、加湿器。
【請求項123】
前記第1の機能及び第2の機能が区分的機能を規定する、請求項122に記載の加湿器。
【請求項124】
前記決定された最高許容チャンバ出口温度設定点に基づいて、最大許容ヒータ・プレート電力又は最高許容ヒータ・プレート温度設定点が設定される、請求項122に記載の加湿器。
【請求項125】
前記制御装置は、前記ガスの前記入口温度が前記温度閾値を下回るときに、第1の機能を適用して、最大許容ヒータ・プレート電力設定点を規定するか、又は最高許容ヒータ・プレート温度設定点を規定し、前記ガスの前記入口温度が前記温度閾値に等しいか、又はそれを超えるときには、第2の機能を適用して、最大許容ヒータ・プレート電力設定点を規定するか、又は最高許容ヒータ・プレート温度設定点を規定するように構成される、請求項122に記載の加湿器。
【請求項126】
前記制御装置が、ヒータ・プレート制御信号を印加して、前記ガスの前記入口温度に応じた前記第1の機能又は前記第2の機能によって、前記ヒータ・プレートに供給される前記電力を制御するように構成される、請求項125に記載の加湿器。
【請求項127】
前記制御装置が、ヒータ・プレート制御信号を印加して、前記最高許容チャンバ出口温度設定点、前記最高許容ヒータ・プレート温度設定点、及び前記最大許容ヒータ・プレート電力設定点に基づいて、前記ヒータ・プレートに供給される電力を制御するように構成される、請求項125に記載の加湿器。
【請求項128】
前記制御信号が、前記第1の機能又は前記第2の機能として決定される最大許容値によって制限される、請求項127に記載の加湿器。
【請求項129】
ガスを加湿するための加湿器であって、
ヒータ・プレートを含むベース・ユニットと、
加湿流体を保持するように構成された加湿チャンバであって、
導電性ベース、
前記ベース部分に連結されるように構成された1つ又は複数の壁部分、
入口、及び
出口
を備える加湿チャンバと、
前記加湿チャンバの前記入口内又は前記入口に隣接して配置される少なくとも1つの入口温度センサと、
前記加湿チャンバの前記出口内又は前記出口に隣接して配置される少なくとも1つの出口温度センサと、
前記ベース・ユニットに関連付けられ、前記ヒータ・プレート、前記入口温度センサ、及び前記出口温度センサと電子的につながっている制御装置であって、
前記入口温度センサからの信号に基づいて、前記加湿器に受けられる前記ガスの入口温度を決定する
ように構成される制御装置と
を備え、
前記加湿器に受けられる前記ガスの前記入口温度が温度閾値を超える場合に、前記加湿器内で生成される湿気の量に上限を設けるか、又はそれを制限するようにさらに構成される、加湿器。
【請求項130】
前記ヒータに供給される前記電力量を制御することを制御することによって、前記加湿器内で生成される前記湿気の量に上限を設けるか、又はそれを制限するように構成される、請求項129に記載の加湿器。
【請求項131】
前記制御装置によって、前記加湿器内で生成される前記湿気に上限が設けられるか、又はそれが制限され、前記加湿器に受けられる前記ガスの前記入口温度が温度閾値を超える場合、前記制御装置が、
前記最高許容チャンバ出口温度設定点に上限を設けるか、若しくはそれを制限し、且つ/又は、
前記最高許容ヒータ・プレート温度設定点に上限を設けるか、若しくはそれを制限し、且つ/又は、
前記最大許容ヒータ・プレート電力に上限を設けるか、若しくはそれを制限し、
所望の湿度に対応するチャンバ出口温度設定点、若しくはヒータ・プレート温度設定点、若しくはヒータ・プレート電力を決定し、前記決定されたチャンバ出口温度設定点、ヒータ・プレート温度設定点、及びヒータ・プレート電力が、前記対応する最大許容値を下回り、
前記決定されたチャンバ出口温度設定点、ヒータ・プレート温度設定点、若しくはヒータ・プレート電力のうち1つ又は複数に基づいて、ヒータ・プレート制御信号を供給して、前記ヒータ・プレートに供給される電力量を制御する
ように構成される、請求項129又は130に記載の加湿器。
【請求項132】
前記制御装置はさらに、ガスの前記入口温度が前記温度閾値を下回るとき、第1の最高許容チャンバ出口温度設定点、及び/又は第1の最高許容ヒータ・プレート温度設定点、及び/又は第1の最大許容ヒータ・プレート電力を決定するように構成され、前記ガスの前記入口温度が前記入口温度に等しいか、又はそれを超えるとき、前記第1の最高許容ヒータ・プレート温度設定点、最大許容ヒータ・プレート電力、及び最大許容ヒータ・プレート電力が、前記対応する値よりも大きい、請求項129~131のいずれか一項に記載の加湿器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、医療処置、たとえば呼吸器の加湿、高流量療法中での加湿、及び麻酔中/鎮静中での加湿、又は加湿されたガスが患者に供給される他の医療処置用のガスを加湿することに関する。より詳細には、本開示は、少なくとも加湿器と、呼吸ガスの温度及び/又は湿度のレベルを制御する加湿器を操作する方法とを含む、呼吸補助システムに関する。
【背景技術】
【0002】
補助なし吸気の際には、上気道は、体温が約37℃で相対湿度が100%、又は絶対湿度が約44mg/Lの湿度条件にまで、吸入ガスを加熱及び加湿する。呼吸補助システムの一部分として動作する加湿器では、患者の肺に到達する呼吸ガスが加湿されるような湿度状態にまで呼吸ガスを加熱及び加湿して、患者の気道に乾性ガスが供給されるのに起因する生理的ないかなる悪影響をも軽減することが有益となり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
数多くの加湿器は、たとえば、加湿器のヒータ・プレートへの電力を制御して、加湿されるガスの絶対湿度を制御することによって、流入ガスに加えられる湿度の量を監視することができる。しかし、加湿器によっては、流入ガスについての情報を得るための一体化された湿度計又は他の湿度計を必ずしも備えないものがあり、このことにより、流入ガスの湿度を直接に検出することがより困難になる。加湿器は、乾性ガス源、たとえばキャニスタ若しくは壁のガス源、又は乾性ガス(すなわち加湿されていないガス)を供給する換気装置とともに使用されることが多い。加湿器が、ガス源として室内空気の連行換気装置に接続されると、流入する湿気を直接検出することができないことによって、送達される湿度が不正確になることがあり、これにより、しばしばガスの過加湿に起因して、吸気管(すなわち、ガス送達導管)又は患者への接続装置において、望ましくない量の結露形成(別名「レインアウト」)を生じることになる場合がある。
【0004】
この望ましくない量の結露(すなわち、レインアウト)は、室内空気の連行換気装置によって連行された空気の湿度が、壁の発生源又はキャニスタからの乾性ガスよりも通常は高いことに起因することがある。室内の空気と、壁の発生源又はキャニスタからのガスとの湿度の差は、より熱帯の国及び地域ではさらに顕著になる場合がある。さらに、室内空気の連行換気装置は、一般にタービンを使用し、これによりガスを加熱する場合がある。
【0005】
たいていの加湿器は、流入ガスが乾燥しているという仮定の下に流入ガスを加熱及び加湿するので、流入空気中の湿度が高くなると、その結果、患者に送達される湿気が過剰になる場合がある。このような加湿器は、流入ガスが乾燥しているという仮定の下に、加湿チャンバ出口での所定の設定点に到達するように、流入する室内空気に過剰な湿気を加えてもよい。
【0006】
前述の仮定の下に動作すると、存在する室内空気からの既存の湿度により、加湿器へのガス源として乾性ガスが使用されるときよりもガス流路内でのガスの露点を高くすることができる。したがって、室内空気がガス源として使用されると、通常、チャンバ出口でのガスの湿度は相対的に高い。チャンバ出口でのガスの湿度が相対的に高いと、結露を防止するためにガスの温度を露点以上に維持しなければならない。比べてみると、乾性ガスがガス源として使用されると、チャンバ出口でのガスは、その湿度が相対的に低くなり、その露点が相対的に低くなることがある。したがって、乾性ガスがガス源として使用される場合のガスの温度は、相対的に露点が低いことに起因して低くなる場合がある。加湿チャンバと患者への接続装置との間の流路に沿ってガス流が冷却されるとき、室内の連行換気装置からのガスの予測湿度よりも高いこのことにより、露点に到達する前にガスが冷却され得る利用可能な温度範囲を狭めることになり、レインアウトが生じる。レインアウトは、具体的には、吸気管(すなわち、誘導管)の遠位端又は患者側にある患者への接続装置における問題であり、したがって患者に不快感及び/又は不都合をもたらす。さらに、患者への接続装置及びこの患者への接続装置の構成部品が加熱されておらず、その結果、通常は加熱される吸気管と比較して相対的に急速な温度降下がもたらされるので、レインアウトの問題が大きくなる。さらに、管又は患者への接続装置内での結露が、患者にとって危険になることがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、依然として実質的に一貫した目標湿度を患者に送達しながら、吸気管及び/又は患者への接続装置でのレインアウトを減少させるための、システム及び方法を提供する。本開示は、周囲空気を加湿しながら、又依然として患者に最小限の治療湿度を提供しながら、レインアウトを減少させるシステム及び方法に関する。最小限の治療湿度は、患者の気道の除湿又は乾燥を減少させ、患者の快適さを改善する。
【0008】
加湿器は、病院又は在宅医療の環境など、様々な療法用途において様々なレベルの治療湿度を提供することができる。たとえば、加湿器は、侵襲性及び/又は高流量の療法用に約44mg/L BTPS(約37℃で完全飽和)、及び/又は非侵襲性療法用に約32mg/L BTPS(約31℃で完全飽和)の所望の湿度レベルを送達することができる。患者の他の適切な快適さ設定も、様々な療法タイプに対して送達することができる。
【0009】
このシステムは、様々なチャンバ入口温度(すなわち、入口温度)及び/又は室内空気の連行換気装置を含むガス源など、ある範囲の入口供給源状態にわたって患者に送達されるガス内の所望の湿度レベルを出力することができる。有利には、このシステムは、たとえば加湿チャンバの湿度出力を所望の湿度未満に低減することによって、レインアウトを低減することができる。
【0010】
例によっては、加湿器によって患者に送達されるガスの所望の湿度は、流入ガスが乾燥しているなど、流入ガスについての1つ又は複数の仮定に基づいていてもよい。しかし、こうした仮定は、必ずしも正しいとは限らない。たとえば、周囲空気など、流入ガスがある程度の湿気を含むとき、患者に送達されるガスの湿度が高すぎて、レインアウトを生じる場合がある。システムによっては、レインアウトは、湿度センサを使用することによって、又は他の方法で流入ガスの湿度を直接測定することよって管理してもよい。しかし、このシステムは、湿度センサを使用することなく、且つ/又は流入ガスの湿度の直接入力を受けることなく、患者に送達されるガス中での実質的に一貫した湿度を維持しながら、加湿器の加湿チャンバの湿度出力を低減することができる。たとえば、このシステムは、入力ガスのパラメータを決定し、入力されるガスのタイプ及び/又はガス源のタイプを示すものとして、決定されたこのパラメータを使用することができる。
【0011】
ガス源のタイプにかかわらず(たとえば、換気装置のタイプにかかわらず)、患者に送達されるガスの実質的に一貫した湿度を依然として送達しながら、加湿器内での過剰結露を減少させるための例示的なシステム及び方法が本明細書に記載されている。本開示のある特定の態様、利点、及び新規な特徴について本明細書で述べる。このような利点すべては、必ずしも本開示の任意の具体的な実施形態に従って達成されるものではないことを理解されたい。したがって、本開示の特徴、態様、及び利点は、本明細書において教示又は示唆されてもよい他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書において教示されるある1つの利点又は一群の利点を達成又は選択する方式で実施又は実行されてもよい。
【0012】
ユーザに供給されるガス流を加湿するための加湿器は、ヒータ・プレートを含むことができるベース・ユニットと、加湿流体を保持するように構成され得る加湿チャンバであって、導電性ベース、このベース部分に連結されるように構成され得る1つ又は複数の壁部分、入口、及び出口を備えることができる加湿チャンバと、この加湿チャンバの入口内又は入口に隣接して配置される少なくとも1つの入口温度センサと、この加湿チャンバの出口内又は出口に隣接して配置される少なくとも1つの出口温度センサと、出口温度センサから受信した信号から出口温度が測定されるのに応答して、ヒータ・プレート制御信号を出力して、このヒータ・プレートに供給される電力量を制御し、入口温度センサから受信した信号に基づいて、加湿チャンバに受けられるガスの入口温度を求め、この入口温度が閾値温度を超えると判定し、この入口温度が閾値温度を超えるのに応答して、加湿チャンバの出口から出るガスの目標湿度を低減するように構成され得る制御装置とを備えることができる。
【0013】
加湿器は、目標湿度を低減してもよく、制御装置は、入口温度が閾値温度を超えるのに応答して、ヒータ・プレートに供給される電力量を低減するように構成されてもよい。この低減された目標湿度は、ヒータ・プレートに供給される電力を制御することによって達成される。ヒータ・プレートに供給される電力量によって、必要な目標湿度が生成される。目標湿度は、目標湿度限界から、相対的に低い目標湿度にまで低減される。例示的な別の実装形態では、入口温度が閾値温度を超える場合に、制御装置は、目標湿度に上限を設けるか、又はそれを制限して、第2の湿度になるように構成される。
【0014】
制御装置は、電力量を電力閾値以下に低減するように構成されてもよい。
【0015】
電力閾値は、19℃の最小露点を達成するように設定されてもよい。
【0016】
電力閾値は、15mg/Lの最小湿度出力を達成するように設定されてもよい。
【0017】
電力閾値は、25℃の露点を達成するように設定されてもよい。
【0018】
電力閾値は、22mg/Lの湿度出力を達成するように設定されてもよい。
【0019】
制御装置は、入口温度が閾値温度を下回るときの第1のモードと、入口温度が閾値温度を超えるときの第2のモードとによって、ヒータ・プレートに供給される電力量を制御するように構成されてもよい。
【0020】
第1のモードにおいて、制御装置は、少なくとも15mg/Lの最小湿度を達成するように、電力設定点、又はチャンバ出口設定点、又はヒータ・プレート温度設定点を設定するように構成されてもよい。第2のモードにおいて、制御装置は、少なくとも22mg/Lの最小湿度を達成するように、電力設定点、又はチャンバ出口設定点、又はヒータ・プレート温度設定点を設定するように構成されてもよい。
【0021】
第1のモードにおいて、制御装置は、少なくとも19℃の最小露点を達成するように、電力設定点、又はチャンバ出口設定点、又はヒータ・プレート温度設定点を設定するように構成されてもよい。第2のモードにおいて、制御装置は、少なくとも25℃の最小露点を達成するように、電力設定点、又はチャンバ出口設定点、又はヒータ・プレート温度設定点を設定するように構成されてもよい。
【0022】
制御装置は、入口温度が閾値温度を下回る場合があるときに適用される第1の機能に従って、ヒータ・プレート電力に供給される電力量を制御するように構成されてもよい。
【0023】
制御装置は、入口温度が閾値温度を超えるときに適用される、第1の機能とは異なっていてもよい第2の機能に従って、ヒータ・プレート電力に供給される電力量を制御するように構成されてもよい。第1の機能及び第2の機能は、ともに区分的機能を規定することができる。
【0024】
入口温度が閾値温度を超える場合、制御装置は、目標出口温度を下げるように構成されてもよい。入口温度が閾値温度を超える場合、この目標出口温度は、目標出口温度限界から、それより低い目標出口温度にまで下げられる。別の例では、制御装置は、目標出口温度を制限するか、又はそれに上限を設けるように構成される。
【0025】
入口温度が閾値温度を超える場合、制御装置は、目標ヒータ・プレート温度を下げるように構成されてもよい。入口温度が閾値温度を超える場合、目標ヒータ・プレート温度は、目標ヒータ・プレート温度限界から、それより低い目標ヒータ・プレート温度まで下げられる。別の例では、制御装置は、目標ヒータ・プレート温度を制限するか、又はそれに上限を設けるように構成される。
【0026】
閾値温度は、22℃~24℃の間でもよい。
【0027】
閾値温度は、22℃でもよい。
【0028】
閾値温度は、24℃でもよい。
【0029】
この閾値温度は、出口温度設定点によって変化してもよい。
【0030】
所望の露点は、ユーザが選択してもよい。
【0031】
加湿器は、複数のモードのうちの1つで動作可能でもよく、各モードは複数の所望の露点を規定し、この複数のモードのうちのいずれか1つで動作するとき、制御装置は、閾値を超える入口温度に基づいて生成される湿気の量を低減するように構成されてもよい。
【0032】
この複数のモードは、侵襲性モード、非侵襲性モード、及び高流量モードを含むことができる。
【0033】
モードは、ユーザが手動で選択できてもよい。
【0034】
非侵襲性モードは、31℃、29℃、27℃、及び25℃の所望の露点を含むことができる。
【0035】
加湿器は、複数のモードのうちの1つで動作可能でもよく、各モードは複数の出口温度設定点を規定し、この複数のモードのうちのいずれか1つで動作するとき、制御装置は、閾値を超える入口温度に基づいて生成される湿気の量を低減するように構成されてもよい。
【0036】
出口温度設定点の目標湿度は、入口温度が閾値温度を下回ることがあるときに予め定められていてもよく、入口温度が閾値を超える場合には、その出口温度設定点において生成される湿気の量が、相対的に低い既定値まで低減されてもよい。
【0037】
ユーザに供給されるガス流を加湿するための加湿器は、ヒータ・プレートを含むことができるベース・ユニットと、加湿流体を保持するように構成され得る加湿チャンバであって、導電性ベース、このベース部分に連結されるように構成され得る1つ又は複数の壁部分、入口、及び出口を備えることができる加湿チャンバと、この加湿チャンバの入口内又は入口に隣接して配置される少なくとも1つの入口温度センサと、この加湿チャンバの出口内又は出口に隣接して配置される少なくとも1つの出口温度センサと、出口温度センサから受信した信号から出口温度が測定されるのに応答して、ヒータ・プレート制御信号を出力して、このヒータ・プレートに供給される電力量を制御し、入口温度センサから受信した信号に基づいて、加湿チャンバに受けられるガスの入口温度を求め、この入口温度が閾値温度を超えるかどうか判定し、この入口温度が閾値温度を超えるのに応答して、加湿チャンバの出口から出るガスの目標湿度を低減するように構成され得る電子制御装置とを備えることができる。
【0038】
加湿器は、目標湿度を低減してもよく、制御装置は、入口温度が閾値温度を超えるのに応答して、ヒータ・プレートに供給される電力量を低減するように構成されてもよい。
【0039】
制御装置は、電力量を電力閾値以下に低減するように構成されてもよい。
【0040】
ヒータ・プレートに送達される電力閾値を下回る電力量の減少によって、加湿器の湿度出力が減少する。制御装置は、目標湿度に対応するヒータ・プレートに電力を送達するように構成される。加湿器は、この加湿器のヒータ・プレートに供給される電力によって、目標湿度又はほぼ目標湿度を出力する。
【0041】
電力閾値は、19℃の最小露点を達成するように設定されてもよい。
【0042】
電力閾値は、15mg/Lの最小湿度出力を達成するように設定されてもよい。
【0043】
電力閾値は、25℃の露点を達成するように設定されてもよい。
【0044】
電力閾値は、22mg/Lの湿度出力を達成するように設定されてもよい。
【0045】
制御装置は、入口温度が閾値温度を下回るときの第1のモードと、入口温度が閾値温度を超えるときの第2のモードとによって、ヒータ・プレートに供給される電力量を制御するように構成されてもよい。
【0046】
第1のモードにおいて、制御装置は、少なくとも15mg/Lの最小湿度を達成するように、電力設定点、又はチャンバ出口設定点、又はヒータ・プレート温度設定点を設定するように構成されてもよい。第2のモードにおいて、制御装置は、少なくとも22mg/Lの最小湿度を達成するように、電力設定点、又はチャンバ出口設定点、又はヒータ・プレート温度設定点を設定するように構成されてもよい。
【0047】
第1のモードにおいて、制御装置は、少なくとも19℃の最小露点を達成するように、電力設定点、又はチャンバ出口設定点、又はヒータ・プレート温度設定点を設定するように構成されてもよい。第2のモードにおいて、制御装置は、少なくとも25℃の最小露点を達成するように、電力設定点、又はチャンバ出口設定点、又はヒータ・プレート温度設定点を設定するように構成されてもよい。
【0048】
制御装置は、入口温度が閾値温度を下回る場合があるときに適用される第1の機能に従って、ヒータ・プレート電力に供給される電力量を制御するように構成されてもよい。
【0049】
制御装置は、入口温度が閾値温度を超えるときに適用される、第1の機能とは異なっていてもよい第2の機能に従って、ヒータ・プレート電力に供給される電力量を制御するように構成されてもよい。
【0050】
第1の機能及び第2の機能は、区分的機能を規定する。区分的機能は、ヒータ・プレート電力を規定してもよい。さらなる区分的関は、目標湿度を規定してもよい。目標湿度の区分的機能は、ヒータ・プレート電力を規定する区分的機能に対応するか、又はそれに関連してもよい。
【0051】
入口温度が閾値温度を超える場合、制御装置は、目標出口温度を下げるように構成されてもよい。
【0052】
入口温度が閾値温度を超える場合、制御装置は、目標ヒータ・プレート温度を下げるように構成されてもよい。
【0053】
閾値温度は、22℃~24℃の間でもよい。
【0054】
閾値温度は、22℃でもよい。
【0055】
閾値温度は、24℃でもよい。
【0056】
この閾値温度は、出口温度設定点によって変化してもよい。
【0057】
所望の露点は、ユーザが選択してもよい。
【0058】
加湿器は、複数のモードのうちの1つで動作可能でもよく、各モードは複数の所望の露点を規定し、この複数のモードのうちのいずれか1つで動作するとき、制御装置は、閾値を超える入口温度に基づいて生成される湿気の量を低減するように構成されてもよい。
【0059】
この複数のモードは、侵襲性モード、非侵襲性モード、及び高流量モードを含むことができる。
【0060】
モードは、ユーザが手動で選択できてもよい。
【0061】
非侵襲性モードは、31℃、29℃、27℃、及び25℃の所望の露点を含むことができる。
【0062】
加湿器は、複数のモードのうちの1つで動作可能でもよく、各モードは複数の出口温度設定点を規定し、この複数のモードのうちのいずれか1つで動作するとき、制御装置は、閾値を超える入口温度に基づいて生成される湿気の量を低減するように構成されてもよい。
【0063】
出口温度設定点の目標湿度は、入口温度が閾値温度を下回ることがあるときに予め定められていてもよく、入口温度が閾値を超える場合には、その出口温度設定点において生成される湿気の量が、相対的に低い既定値まで低減されてもよい。
【0064】
ユーザに供給されるガス流を加湿するための加湿器は、ヒータ・プレートを含むベース・ユニットと、導電性ベース、及びこの導電性ベースから延在する1つ又は複数の壁を含むことができる取外し可能な加湿チャンバであって、この1つ又は複数の壁及び導電性ベースが、加湿流体を保持するためのチャンバ空間を画定し、加湿チャンバがさらに、入口及び出口を含むことができる加湿チャンバと、この加湿チャンバの入口内又は入口に隣接して配置される少なくとも1つの入口温度センサと、この加湿チャンバの出口内又は出口に隣接して配置される少なくとも1つの出口温度センサと、出口温度センサから受信した信号から出口温度が測定されるのに応答して、ヒータ・プレート制御信号を出力して、このヒータ・プレートに供給される電力量を制御し、入口温度センサから受信した信号に基づいて、加湿チャンバに受けられるガスの入口温度を測定し、この入口温度が閾値温度を超えると判定し、この入口温度が閾値温度を下回る場合は、第1の出口温度設定点を設定し、ガスの入口温度が閾値温度を超えるか、又はそれに等しい場合には、第2の出口温度設定点を設定するように構成されてもよい電子制御装置とを備えることができる。
【0065】
閾値温度は、22℃~24℃の間でもよい。
【0066】
第1の出口温度設定点は、24℃~32℃の間でもよい。
【0067】
第2の出口温度設定点は、19℃~27℃の間でもよい。
【0068】
電子制御装置は、チャンバ出口温度設定点に基づいて、ヒータ・プレートに供給される電力を制御するように構成されてもよい。
【0069】
この電子制御装置は、入口温度が閾値温度を超えると、ヒータ・プレート電力を低減するように構成されてもよい。
【0070】
電子制御装置は、入口温度が閾値温度を下回るときは、ヒータ・プレートに第1の電力が送達され、入口温度が閾値温度を超えるか、又はそれに等しい場合には、ヒータ・プレートに第2の電力が送達されるように電力送達を制御するよう構成される。
【0071】
電子制御装置は、入口温度が閾値温度を超えるか、又はそれに等しい場合、ヒータ・プレートに送達される電力量に上限を設けるか、又はそれを制限するように構成される。
【0072】
電子制御装置は、21mg/L~34mg/Lの間の湿度値に対応する第1のチャンバ出口温度設定点を設定するように構成されてもよい。
【0073】
電子制御装置は、14mg/L~25mg/Lの間の湿度値に対応する第2のチャンバ出口温度設定点を設定するように構成されてもよい。
【0074】
電子制御装置は、入口温度が温度閾値を超える場合、ヒータ・プレートに供給される電力を低減するように構成されてもよい。
【0075】
ヒータ・プレートに供給される電力は、電力限界値から低減される。別の例では、入口温度が温度閾値を超える場合、ヒータ・プレートに供給される電力には上限が設けられてもよく、又はこれが制限されてもよい。
【0076】
電子制御装置は、必要な量の湿気を生成することができるように、第1又は第2のチャンバ出口設定点温度に対応するヒータ・プレート電力を供給するように構成されてもよい。
【0077】
ユーザに供給されるガス流を加湿するための加湿器は、ヒータ・プレートを含むベース・ユニットと、導電性ベース、及びこの導電性ベースから延在する1つ又は複数の壁を含むことができる取外し可能な加湿チャンバであって、この1つ又は複数の壁及び導電性ベースが、加湿流体を保持するためのチャンバ空間を画定し、加湿チャンバがさらに、入口及び出口を含むことができる加湿チャンバと、この加湿チャンバの入口内又は入口に隣接して配置され、入口温度を求めるように構成された少なくとも1つの入口温度センサと、この加湿チャンバの出口内又は出口に隣接して配置され、出口温度を求めるように構成された少なくとも1つの出口温度センサと、入口温度が閾値温度を超えるかどうか判定し、最高許容チャンバ出口温度、ヒータ・プレート温度、又は対応する入口温度での許容可能なヒータ・プレート電力に上限を設けるように構成された電子制御装置とを備えることができる。
【0078】
第2の機能によって規定される最高許容チャンバ出口温度は、第1の機能によって規定される最高許容チャンバ出口温度より低くてもよい。
【0079】
第1の機能によって生成される絶対湿度は、第2の機能によって生成される湿度出力より高くてもよい。
【0080】
加湿器は、ヒータ・プレートを備えることができ、制御装置は、最高許容出口温度に基づいて、このヒータ・プレートに供給される電力を制御するように構成されてもよい。
【0081】
制御装置は、第1の機能又は第2の機能に基づいて、ヒータ・プレートに供給される電力を制御するように構成されてもよい。
【0082】
ガス源が低温乾性ガス源でもよいとき、制御装置は第1の機能を使用するように構成されてもよい。
【0083】
ガス源が室内空気の連行ガス源でもよいとき、制御装置は第2の機能を使用するように構成されてもよい。
【0084】
ユーザに供給されるガス流を加湿するための加湿器は、ヒータ・プレートを含むベース・ユニットと、導電性ベース、及びこの導電性ベースから延在する1つ又は複数の壁を含むことができる取外し可能な加湿チャンバであって、この1つ又は複数の壁及び導電性ベースが、加湿流体を保持するためのチャンバ空間を画定し、加湿チャンバがさらに、入口及び出口を含むことができる加湿チャンバと、この加湿チャンバの入口内又は入口に隣接して配置され、入口温度を測定するように構成された少なくとも1つの入口温度センサと、この加湿チャンバの出口内又は出口に隣接して配置され、出口温度を測定するように構成された少なくとも1つの出口温度センサと、対応する入口温度について既定の最高許容出口温度に制御し、この最高許容出口温度が、第1の機能によって規定される入口温度に関連付けられてもよく、この入口温度に基づいて、対応する入口温度について新規の最高許容出口温度を規定する第2の機能を適用するように構成された電子制御装置とを備えることができる。
【0085】
第2の機能によって規定される最高許容チャンバ出口温度は、第1の機能によって規定される最高許容チャンバ出口温度より低くてもよい。
【0086】
第1の機能によって生成される絶対湿度は、第2の機能によって生成される湿度出力より高くてもよい。
【0087】
加湿器は、ヒータ・プレートを備えることができ、制御装置は、最高許容出口温度に基づいて、このヒータ・プレートに供給される電力を制御するように構成されてもよい。
【0088】
制御装置は、第1の機能又は第2の機能に基づいて、ヒータ・プレートに供給される電力を制御するように構成されてもよい。
【0089】
ガス源が低温乾性ガス源でもよいとき、制御装置は第1の機能を使用するように構成されてもよい。
【0090】
ガス源が室内空気の連行ガス源でもよいとき、制御装置は第2の機能を使用するように構成されてもよい。
【0091】
制御装置は、入口温度が閾値温度を下回る場合、第1の機能を使用又は実施するように構成され、入口温度が閾値温度以上である場合には、第2の機能を使用又は実施するようにさらに構成される。
【0092】
加湿器を使用してユーザに供給されるガス流内の湿度を制御するための電子制御装置は、ベース・ユニット内のヒータ・プレートと、導電性ベース及びこの導電性ベースから延在する1つ又は複数の壁を含む加湿チャンバであって、入口及び出口をさらに備え、加湿流体を保持するように構成された加湿チャンバとを備えることができ、出口温度センサから受信した信号から加湿チャンバの出口温度が測定されるのに応答して、ヒータ・プレート制御信号を出力して、加湿器のヒータ・プレートに供給される電力量を制御し、入口温度センサから受信した信号に基づいて、加湿チャンバに受けられるガスの入口温度を測定し、この入口温度が閾値温度を超えると判定し、この入口温度が閾値温度を超えるのに応答して、加湿チャンバの出口から出るガスの目標湿度を低減するように構成され得る。
【0093】
目標湿度を低減するために、制御装置は、入口温度が閾値温度を超えるのに応答して、ヒータ・プレートに供給される電力量を低減するように構成されてもよい。
【0094】
制御装置は、電力量を電力閾値以下に低減するように構成されてもよい。
【0095】
電力閾値は、19℃の最小露点を達成するように設定されてもよい。
【0096】
電力閾値は、15mg/Lの最小湿度出力を達成するように設定されてもよい。
【0097】
電力閾値は、25℃の露点を達成するように設定されてもよい。
【0098】
電力閾値は、22mg/Lの湿度出力を達成するように設定されてもよい。
【0099】
電子制御装置は、入口温度が閾値温度を下回る場合があるときの第1のモードと、入口温度が閾値温度を超えるときの第2のモードとによって、ヒータ・プレートに供給される電力量を制御するように構成されてもよい。
【0100】
第1のモードにおいて、制御装置は、少なくとも15mg/Lの最小湿度を達成するように、電力設定点、又はチャンバ出口設定点、又はヒータ・プレート温度設定点を設定するように構成されてもよい。第2のモードにおいて、制御装置は、少なくとも22mg/Lの最小湿度を達成するように、電力設定点、又はチャンバ出口設定点、又はヒータ・プレート温度設定点を設定するように構成されてもよい。
【0101】
第1のモードにおいて、制御装置は、少なくとも19℃の最小露点を達成するように、電力設定点、又はチャンバ出口設定点、又はヒータ・プレート温度設定点を設定するように構成されてもよい。第2のモードにおいて、制御装置は、少なくとも25℃の最小露点を達成するように、電力設定点、又はチャンバ出口設定点、又はヒータ・プレート温度設定点を設定するように構成されてもよい。
【0102】
電子制御装置は、入口温度が閾値温度を下回る場合があるときに適用される第1の機能に従って、ヒータ・プレート制御信号を出力するように構成されてもよい。
【0103】
電子制御装置は、入口温度が閾値温度を超えるときに適用される、第1の機能とは異なっていてもよい第2の機能に従って、ヒータ・プレート制御信号を出力するように構成されてもよい。
【0104】
一例では、第1の機能及び第2の機能は、区分的機能を規定する。
【0105】
入口温度が閾値温度を超える場合、電子制御装置は、目標出口温度を下げるように構成されてもよい。
【0106】
入口温度が閾値温度を超える場合、電子制御装置は、目標ヒータ・プレート温度を下げるように構成されてもよい。
【0107】
閾値温度は、22℃~24℃の間でもよい。
【0108】
閾値温度は、22℃でもよい。
【0109】
閾値温度は、24℃でもよい。
【0110】
閾値温度は、所望の露点によって変化してもよい。
【0111】
この所望の露点は、ユーザが選択してもよい。
【0112】
制御装置は、複数のモードのうち加湿器モードを決定し、あるモードが複数の所望の露点を規定し、この加湿器モードに基づいて温度閾値を決定するように構成されてもよい。
【0113】
この複数のモードは、侵襲性モード、非侵襲性モード、及び高流量モードを含むことができる。
【0114】
モードは、ユーザが手動で選択できてもよい。
【0115】
非侵襲性モードは、31℃、27℃、及び25℃の所望の露点を含むことができる。
【0116】
出口温度設定点の目標湿度は、入口温度が閾値温度を下回ることがあるときに予め定められていてもよく、入口温度が閾値を超える場合には、その出口温度設定点において生成される湿気の量が、相対的に低い既定値まで低減されてもよい。
【0117】
加湿器の出口での結露を低減する方法は、入口温度センサから受信される信号に基づいて、加湿チャンバ内に受けられるガスの入口温度を受信することと、この入口温度が閾値温度を超えると判定することと、この入口温度が閾値温度を超えるのに応答して、加湿チャンバの出口から出るガスの目標湿度を低減することとを含むことができる。
【0118】
目標湿度を低減することは、入口温度が閾値温度を超えるのに応答して、ヒータ・プレートに供給される電力量を低減することを含むことができる。入口温度が閾値温度を超えるのに応答して、ヒータ・プレートに供給される電力量は上限を設けられるか、又は制限される。
【0119】
ヒータ・プレートに供給される電力量を低減することは、電力閾値以下にこの電力量を低減することを含むことができる。
【0120】
電力閾値は、19℃の最小露点を達成するように設定されてもよい。
【0121】
電力閾値は、15mg/Lの最小湿度出力を達成するように設定されてもよい。
【0122】
電力閾値は、25℃の露点を達成するように設定されてもよい。
【0123】
電力閾値は、22mg/Lの湿度出力を達成するように設定されてもよい。
【0124】
電力量を低減することは、入口温度が閾値温度を下回る場合があるときの第1のモードと、入口温度が閾値温度を超えるときの第2のモードとによって、ヒータ・プレートに供給される電力量を制御することを含むことができる。
【0125】
第1のモードにおいて、少なくとも15mg/Lの最小湿度を達成するように、電力設定点、又はチャンバ出口設定点、又はヒータ・プレート温度設定点が設定されてもよい。第2のモードにおいて、少なくとも22mg/Lの最小湿度を達成するように、電力設定点、又はチャンバ出口設定点、又はヒータ・プレート温度設定点が設定されてもよい。
【0126】
第1のモードにおいて、少なくとも19℃の最小露点を達成するように、電力設定点、又はチャンバ出口設定点、又はヒータ・プレート温度設定点が設定されてもよい。第2のモードにおいて、少なくとも25℃の最小露点を達成するように、電力設定点、又はチャンバ出口設定点、又はヒータ・プレート温度設定点が設定されてもよい。
【0127】
電力量を低減することは、入口温度が閾値温度を下回る場合があるときに適用される第1の機能に従って、ヒータ・プレート電力に供給される電力量を制御することを含むことができる。
【0128】
電力量を低減することは、入口温度が閾値温度を超えるときに適用される、第1の機能とは異なっていてもよい第2の機能に従って、ヒータ・プレート電力に供給される電力量を制御することを含むことができる。
【0129】
入口温度が閾値温度を超える場合に目標出口温度を下げること。
【0130】
入口温度が閾値温度を超える場合に目標ヒータ・プレート温度を下げること。
【0131】
閾値温度は、22℃~24℃の間でもよい。
【0132】
閾値温度は、22℃でもよい。
【0133】
閾値温度は、24℃でもよい。
【0134】
閾値温度は、所望の露点によって変化してもよい。
【0135】
この所望の露点は、ユーザが選択してもよい。
【0136】
この方法はさらに、複数のモードのうち加湿器モードを決定することであって、あるモードが複数の所望の露点を規定することと、この加湿器モードに基づいて温度閾値を決定することとを含んでもよい。
【0137】
この複数のモードは、侵襲性モード、非侵襲性モード、及び高流量モードを含むことができる。
【0138】
このモードは、ユーザが手動で選択できてもよい。
【0139】
非侵襲性モードは、31℃、29℃、27℃、及び25℃の所望の露点を含むことができる。
【0140】
出口温度設定点の目標湿度は、入口温度が閾値温度を下回ることがあるときに予め定められていてもよく、入口温度が閾値を超える場合には、その出口温度設定点において生成される湿気の量が、相対的に低い既定値まで低減されてもよい。
【0141】
加湿器を動作させるための制御装置は、入口温度センサから受信される信号に基づいて、加湿チャンバ内に受けられるガスの入口温度を受信し、この入口温度が閾値温度を超えると判定し、この入口温度が閾値温度を超えるのに応答して、目標ヒータ・プレート電力、又は加湿チャンバの出口から出るガスの目標ヒータ・プレート温度を低減するように構成されてもよい。
【0142】
ヒータ・プレートに供給される電力量を低減するために、制御装置は、この電力量を電力閾値以下に低減するように構成されてもよい。
【0143】
電力閾値は、19℃の最小露点を達成するように設定されてもよい。
【0144】
電力閾値は、15mg/Lの最小湿度出力を達成するように設定されてもよい。
【0145】
電力閾値は、25℃の露点を達成するように設定されてもよい。
【0146】
電力閾値は、22mg/Lの湿度出力を達成するように設定されてもよい。
【0147】
電力量を低減するために、制御装置は、入口温度が閾値温度を下回るときの第1のモードと、入口温度が閾値温度を超えるときの第2のモードとによって、ヒータ・プレートに供給される電力量を制御するように構成されてもよい。
【0148】
第1のモードにおいて、制御装置は、少なくとも15mg/Lの最小湿度を達成するように、電力設定点、又はチャンバ出口設定点、又はヒータ・プレート温度設定点を設定するように構成されてもよい。第2のモードにおいて、制御装置は、少なくとも22mg/Lの最小湿度を達成するように、電力設定点、又はチャンバ出口設定点、又はヒータ・プレート温度設定点を設定するように構成されてもよい。
【0149】
第1のモードにおいて、制御装置は、少なくとも19℃の最小露点を達成するように、電力設定点、又はチャンバ出口設定点、又はヒータ・プレート温度設定点を設定するように構成されてもよい。第2のモードにおいて、制御装置は、少なくとも25℃の最小露点を達成するように、電力設定点、又はチャンバ出口設定点、又はヒータ・プレート温度設定点を設定するように構成されてもよい。
【0150】
電力量を低減するために、制御装置は、入口温度が閾値温度を下回る場合があるときに適用される第1の機能に従って、ヒータ・プレート電力に供給される電力量を制御するように構成されてもよい。
【0151】
電力量を低減するために、制御装置は、入口温度が閾値温度を超えるときに適用される、第1の機能とは異なっていてもよい第2の機能に従って、ヒータ・プレート電力に供給される電力量を低減制御するように構成されてもよい。
【0152】
閾値温度は、22℃~24℃の間でもよい。
【0153】
閾値温度は、22℃でもよい。
【0154】
閾値温度は、24℃でもよい。
【0155】
閾値温度は、所望の露点によって変化してもよい。
【0156】
この所望の露点は、ユーザが選択してもよい。
【0157】
制御装置は、複数のモードのうち加湿器モードを決定し、あるモードが複数の所望の露点を規定し、この加湿器モードに基づいて温度閾値を決定するように構成されてもよい。
【0158】
この複数のモードは、侵襲性モード、非侵襲性モード、及び高流量モードを含むことができる。
【0159】
このモードは、ユーザが手動で選択できてもよい。
【0160】
非侵襲性モードは、31℃、29℃、27℃、及び25℃の所望の露点を含むことができる。
【0161】
出口温度設定点の目標湿度は、入口温度が閾値温度を下回ることがあるときに予め定められていてもよく、入口温度が閾値を超える場合には、その出口温度設定点において生成される湿気の量が、相対的に低い既定値まで低減されてもよい。
【0162】
さらなる態様においては、ユーザに供給されるガス流を加湿するための加湿器が開示され、この加湿器は、
ヒータ・プレートを含むベース・ユニットと、
加湿流体を保持するように構成された加湿チャンバであって、
導電性ベース、
このベース部分に連結されるように構成された1つ又は複数の壁部分、
入口、及び
出口
を備える加湿チャンバと、
この加湿チャンバの入口内又は入口に隣接して配置される少なくとも1つの入口温度センサと、
この加湿チャンバの出口内又は出口に隣接して配置される少なくとも1つの出口温度センサと、
出口温度センサから受信した信号から測定された出口温度の機能に少なくとも部分的に基づいて、ヒータ・プレート制御信号を出力して、このヒータ・プレートに供給される電力量を制御し、
入口温度センサから受信した信号に基づいて、加湿チャンバに受けられるガスの入口温度を求め、
この入口温度が閾値温度を超えると判定し、
この入口温度が閾値温度を超えるのに応答して、加湿チャンバの出口から出るガスの最高目標湿度を低減する
ように構成された電子制御装置と
を備える。制御装置は、出口温度の機能に基づいて、ヒータ・プレートに供給される電力量を計算するように構成される。制御装置は、最高許容チャンバ出口温度設定点に基づいて、最大許容ヒータ・プレート電力に上限を設けるように構成される。
【0163】
導管及び管という用語は、本明細書において区別なく使用される。
【図面の簡単な説明】
【0164】
図1】例示的な呼吸補助システムの図を示す。
図2A】呼吸補助システムの構成要素と対話し、且つ/又はこの呼吸補助システムの構成要素を制御及び指示する例示的な制御システムのブロック図を示す。
図2B】例示的な制御装置のブロック図を示す。
図3】加湿チャンバの入口での、潜在的に可能なガスのタイプを示す。
図4A】室内空気の連行換気装置における入口温度の関数として、出口ガス中の実際の湿度の例示的なグラフを示す。
図4B】加湿器の様々な非侵襲性のユーザ設定について、室内空気の連行換気装置における入口温度の関数として、出口ガス中の実際の湿度の例示的なグラフを示す。
図5A】入口温度が36℃での追加の室内空気湿度の例示的な効果を示すグラフである。
図5B】入口温度が26℃での追加の室内空気湿度の例示的な効果を示すグラフである。
図5C】入口温度が21℃での追加の室内空気湿度の例示的な効果を示すグラフである。
図6A】入口温度に基づいて最大チャンバ出口設定点を設定する、例示的なプロセスを示す。
図6B】入口温度に基づいて最大チャンバ出口設定点を設定する、例示的な別のプロセスを示す。
図7】加湿器の入口におけるガスの状態について、改善された例示的な出口湿度レベルを示す。
図8】加湿器についての様々な例示的ユーザ設定におけるチャンバ入口温度の関数として、例示的な最高チャンバ出口温度限界を示す。
図9A】加湿器によって加えられる入口の温度及び湿度の関数として、例示的な加湿器によって加えられる湿度の一例を示す。
図9B】加湿器によって加えられる入口の温度及び湿度の関数として、例示的な加湿器によって加えられる湿度の一例を示す。
図10A】入口温度36℃における、非侵襲性モードでの例示的な湿度送達制御システムの例示的な動作を示すグラフである。
図10B】入口温度26℃における、非侵襲性モードでの例示的な湿度送達制御システムの例示的な動作を示すグラフである。
図10C】入口温度21℃における、非侵襲性モードでの例示的な湿度送達制御システムの例示的な動作を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0165】
概略
加熱及び加湿されたガスを患者に送達するための呼吸補助システムは、ガス源から受け取る呼吸ガスの流れを送達するように構成された患者への接続装置と、加湿器を介して患者への接続装置及びガス源と流体連結するように構成された吸気導管とを備えることができる。加湿器は、液体、チャンバ入口、チャンバ出口、及びチャンバ入口とチャンバ出口の間のガス流路をチャンバが保持できるように、このチャンバを画定する少なくとも1つの壁を有する加湿チャンバを備えることができる。チャンバ入口は、ガス源と流体連結するように構成することができ、チャンバ出口は、吸気導管と流体連結するように構成することができる。加湿チャンバは、ある量の液体(たとえば水)を保持することができる。加湿器は、加湿チャンバ内のガス流路での、ある量の液体及び呼吸ガスの流れを加熱して、呼吸ガスの流れを加熱及び加湿するように構成されたヒータ・プレートを備えることができる。加湿器はまた、このヒータ・プレートに供給される電力量を制御するように構成された、1つ又は複数のハードウェア・プロセッサを有する制御装置を備えることができる。
【0166】
本明細書に開示された加湿器の例は、加湿チャンバの出口温度設定点を、チャンバ入口温度の関数として変化させるように構成された制御装置を備えることができる。たとえば、この制御装置は、入口ガス温度を検出するように構成することができる。チャンバ入口温度が上昇すると、制御装置は、出口での所望の湿度レベルを相対的に低いレベル(相対的に低い治療レベルなど)にまで低下させることができ、それにより、加湿器に連結されたガス源である室内空気の連行換気装置の場合に加えてもよい追加の湿度を許容し、考慮に入れることができるようになる。制御装置は、ヒータ・プレートの電力設定点又はヒータ・プレートの温度設定点を任意に変更することによって、所望の湿度レベルを減少させることができる。こうした2つのパラメータは、チャンバ出口設定点に加えて、又はそれに代えて使用してもよい。制御装置は、入口温度が閾値を超える場合、周囲空気中で増加した湿度を考慮に入れるために、加湿器によって生成される湿気の量に上限が設けられるように、チャンバ出口温度設定点を制限し、又はそれに上限を設けるように構成されてもよい。上限が設けられたチャンバ出口温度設定点は、最高許容温度設定点を規定してもよい。加湿器の制御装置は、上限が設けられたチャンバ出口温度設定点(すなわち、最高許容温度設定点)よりも低く留まるように構成される。さらに、又は別法として、入口ガス温度が、最大許容ヒータ・プレート電力設定点を規定するための閾値を超える場合、ヒータ・プレートに供給される電力には上限が設けられてもよく、又はこれが制限されてもよい。入口ガス温度が閾値を超える場合、制御装置はまた、ヒータ・プレート温度設定点に上限を設けるか、又はそれを制限してもよい。上限を設けられたヒータ・プレート温度設定点は、入口ガス温度が閾値を超えるときの状態(すなわち、モード)における最高許容ヒータ・プレート温度設定点を規定する。この閾値は、温度閾値でもよい。このプロセスによって、流入ガス中に湿度が加わる結果として吸気管及び/又は患者への接続装置に生じることのある結露を低減しながら、加湿器が治療レベルの湿度を維持及び/又は送達できるようになってもよい。したがって、本明細書に記載のシステム及び方法は、呼吸補助システム内の様々な流入湿度レベルを考慮に入れることができ、流入ガスの湿度が乾性ガスよりも高いとき、レインアウトを減少させることによって患者の快適さを改善することができる。
【0167】
本明細書に開示される加湿器及び/又は加湿器制御装置は、加湿器を2つのモードで動作するよう制御するように構成してもよく、第1のモードは、相対的に温度が低く、且つ/又は湿度が低い入口ガス・モードであり、第2のモードは、相対的に温度が高く、且つ/又は湿度が高い入口ガス・モード、たとえば周囲空気である。制御される動作モードは、入口ガスの温度に基づくことができる。入口ガスの温度(又は、入口温度)が閾値を下回る場合、加湿器は第1のモードで機能する。入口ガスの温度が閾値を超える場合(すなわち入口温度、すなわち入口ガス温度が閾値を超える)、制御装置は第2のモードで動作する。第2のモードは、加湿器の湿度出力を低減する。加湿器によって生成される湿気の量を低減するように、チャンバ出口温度設定点に上限を設けるか、又はそれを制限することによって、これを実現することができる。言い換えれば、チャンバ出口温度設定点は、ガスの入口温度に基づいて制限されるか、又は上限を設けられて、最大許容チャンバ出口設定点を規定してもよい。加湿器制御装置は、決定された入口温度に基づいて、最大許容チャンバ出口設定点を修正するように構成される。制御装置は、ヒータ・プレート電力を制御して、ガス温度が確実に最大許容チャンバ出口設定点を下回るように構成される。さらに、又は別法として、制御装置は、第1のモードと比較して第2のモードにおいて生成される湿度を低減するか、若しくはそれに上限を設け、又はさらに低減するか、若しくはそれに上限を設けるように、ヒータ・プレート温度設定点又はヒータ・プレート電力に上限を設けるか、又はそれを制限してもよい。したがって、第2のモードは、入口ガス中に存在する湿度を補償することができる(たとえば、入口ガスが、相対的に湿度の高い周囲空気である場合)。
【0168】
本明細書に記載の加湿器及び使用法は、高流量、非侵襲性、侵襲性、及び/又は他の療法を実現するために使用することができる。加湿器は、侵襲性モード、非侵襲性モード、高流量モード、又は他のモードで動作させることができる。加湿器は、たとえば、気管内チューブ(ETチューブ)、フル・フェイス・マスク、鼻マスク、鼻カニューレ、鼻ピロー、密封プロング、又は他の任意の接続装置など、様々な患者への接続装置で動作することができる。他の所望の湿度レベルが実現可能でもよく、他のタイプの療法システムを使用してもよい。チャンバ出口温度設定点は、提供される療法及び所望の湿度レベルによって調整することができる。
【0169】
例示的な加湿器
図1には、例示的な呼吸補助システム100の概略図が示してある。図に示すように、この呼吸補助システム100は、加湿器104と、ガス源102と、患者への接続装置116と、加湿器104から患者への接続装置116まで呼吸ガスを輸送するように構成された吸気導管106とを備える。ガス源102及び加湿器104は、別々のハウジング内にあってもよく、又は同じハウジング内に近接配置されていてもよく、且つ/又は単一の機器内に含まれていてもよい。呼吸補助システム100は、患者への接続装置116からガス源102までガスを輸送するように構成された任意の呼気導管120と、吸気導管106及び呼気導管120を患者への接続装置116に接続するように構成された任意のY字形ピース114とを備える。呼吸補助システム100は、呼気導管120を備えていなくてもよく、又は呼気ポートを備えてもよい。呼気導管又は呼気ポートのどちらが含まれるかに応じて、呼吸補助システム100の動作パラメータを調整しなければならない場合がある。一例では、加湿器は、複数の動作パラメータで動作するように構成され、この動作パラメータは、加湿器が様々な構成、たとえば、単一の突出部構成(すなわち、吸気導管のみ)、又は2重の突出部構成(すなわち、吸気導管及び呼気導管)において動作できるように変更可能である。
【0170】
図に示すように、ガス源102は換気装置124を備え、これが送風機又は代替的にタービンを備えてもよい。ガス源102はまた、バルブ装置又はポンプなど、呼吸ガスの流れを加湿器104に送達するか、又は送り出すための他の機構を備えてもよい。図1でのガス源102は、例示的な室内連行換気装置又は周囲空気の連行換気装置である。ガス源102は、たとえば換気装置124によって周囲空気がガス源102内に引き込まれる、入口122を備えてもよい。ガス源102は、換気装置124の動作を制御するように構成された制御装置126を備えていてもよい。ガス源102は、ユーザ入力についての情報を制御装置126に提示することのできるユーザ・インターフェース132を備えていてもよい。制御装置126は、ユーザ・インターフェース132によって提示される情報に基づいて、且つ/又は他の情報、たとえばそれだけには限定されないが、換気装置124に関連付けられたセンサからなど、換気装置124からのフィードバックに基づいて、換気装置124の動作を制御することができる。周囲空気を吸引する代わりに、入口122を乾性ガスの供給源、たとえばガス・ボンベ又はガス・タンクに連結することができる。こうしたタイプの換気装置は、非連行換気装置と呼ばれることがあり、比例バルブなど1つ又は複数のバルブによって制御されてもよい。バルブは、制御装置126などの制御装置によって制御されてもよい。
【0171】
加湿器104は、ベース・ユニット、加湿チャンバ134、及びヒータ・プレート136を備えてもよい。ヒータ・プレート136は、ベース・ユニット上に配置される。加湿チャンバ134は、ある量の水W又は他の適切な液体を保持するように構成されてもよい。加湿チャンバ134は、ベース・ユニット上に配置され、ヒータ・プレート136に接触している。このチャンバ134は、ベース・ユニットから取外し可能である。ヒータ・プレート136は、加湿チャンバ134内の水W及び呼吸ガスの量を加熱するように構成することができ、呼吸ガスの温度を上昇させることができ、呼吸ガスによって取り込まれるある量の水Wから蒸気を生成してもよい。ヒータ・プレート136は、板形状の部材である。一例では、ヒータ・プレート136は、金属板、及び加熱素子に接触して配置された加熱素子を備える。加熱素子は、この金属板内に配置される。加熱素子は基板を含み、電線がその基板の周りに巻かれている。加湿チャンバ134は、チャンバ入口111及びチャンバ出口112を備えてもよい。吸気導管106は、加熱及び加湿された呼吸ガスが、吸気導管106によって加湿チャンバ134から患者への接続装置116に輸送され、次いで患者Pに送達されてもよいように、チャンバ出口112に接続されるように構成されてもよい。患者Pによって患者への接続装置116中に吐出されたガスは、呼気導管120によってガス源102に戻されていてもよい。呼吸補助システム100は、呼気導管120を備えなくてもよく、したがって、患者Pによって患者への接続装置116中に吐出されるガスが、直接に、又は任意に呼気ポートを通ってなどして大気中に放出されていてもよい。
【0172】
加湿器104は、たとえば、それだけには限定されないが、ヒータ・プレート136の動作を制御することのできる制御装置130を備えてもよい。制御装置130は、ベース・ユニット内に配置されることが好ましい。加湿器104及びガス源102が集積装置を形成するとき、制御装置126、130は、同じハードウェア・プロセッサ、又は別々のプロセッサでもよい。一例では、制御装置130はマイクロプロセッサでもよい。加湿器104はまた、ユーザ入力に関する情報を制御装置130に提供し、且つ/又はそこから受信するためのユーザ・インターフェース140を含んでもよい。ユーザ・インターフェース140は、ベース・ユニットに配置されてもよい。加湿器104はさらに、入口温度センサ113を備える。入口温度センサ113は、加湿器に入るガスの温度を検出するように構成されてもよい。入口温度センサ113は、この入口温度センサ113の位置に近い周囲空気の特性、たとえば周囲空気の温度などを測定してもよい。入口温度センサ113は、チャンバ入口111に、又はその近くに配置された温度センサとすることもできる。チャンバ入口111での温度センサは、ガス源102から流入する空気の温度と流量の両方を測定することができていてもよい。この測定は、周囲の状態を示すことができる。一例では、入口温度センサ113はサーミスタでもよい。さらに、且つ/又は代替的に、呼吸補助システム100は、チャンバ入口111に、又はその近くに配置された2つ以上のセンサを備えてもよい。この入口センサは、温度センサ及び別々の流量センサを備えることができる。1つ又は複数の入口センサは、ガス源102から加湿チャンバ134までの任意の位置に配置することができる。1つ又は複数の出口センサ110、及び1つ又は複数の入口センサは、加湿チャンバ134と一体化されてもよい。制御装置130は、入口温度センサ113の位置に近い周囲空気の特性についての情報を、入口温度センサ113から受信してもよい。制御装置130は、ユーザ・インターフェース140によって提示される情報に基づいて、入口温度センサ113によって提示される情報に基づいて、且つ/又は他の情報、たとえば、それだけには限定されないが、ヒータ・プレート136に、又はその近くに配置される温度センサ146からなど、ヒータ・プレート136からのフィードバックに基づいて、ヒータ・プレート136の動作を制御するように構成されてもよい。制御装置130は、ヒータ・プレート136が、呼吸ガス及び加湿チャンバ134内のある量の水Wに所望の量の熱を送達するよう、このヒータ・プレート136に供給するための電力量又は電力デューティ・サイクルを決定するように構成されてもよい。図示した例では、加湿器は湿度計を備えず、入口、出口、及びヒータ・プレートでの温度センサ、並びに出口での任意の流量センサのみを備える。温度センサが相対的に安くなることがあるので、湿度計がないことにより、1つ又は複数の湿度計を備える加湿器よりも、この加湿器を安くすることができる。
【0173】
呼吸補助システム100は、チャンバ出口位置112に関連する1つ又は複数の出口センサ110を備えてもよい。1つ又は複数の出口センサ110はまた、チャンバ出口112に、又はその近くに配置されてもよい。出口センサ110は、温度センサと流量センサの2つのセンサを備えることができる。温度センサは、サーミスタ(加熱されたサーミスタなど)とすることができる。サーミスタはまた、流量センサとして使用することができる。したがって、単一のセンサ110が、チャンバ出口112に、又はその近くに存在してもよい。呼吸補助システム100で動作することのできる、他のタイプの温度センサ及び流量センサも使用することができる。出口センサ110は、チャンバ出口112、チャンバ出口112と吸気導管106の間の接続部近くの吸気導管106、又は加湿チャンバ134の下流の適切な別の位置に配置されてもよい。制御装置130は、出口センサ110の場所を通って流れる呼吸ガスの特性に関する情報を、出口センサ110から受信してもよい。制御装置130は、前述のような他の情報源の代わりに、又はそれに加えて、出口センサ110によって提示される情報に基づいて、ヒータ・プレート136の動作を制御するように構成されてもよい。
【0174】
出口センサ110は、ヒータ・ベース(すなわち、ベース・ユニット)に一体化されてもよく、又はヒータ・ベース(すなわち、ベース・ユニット)の垂直部分に取外し可能な形で取り付けることのできる任意のカートリッジ上に配置されてもよい。チャンバ134がヒータ・ベース上の動作位置に配置されるとき、各センサは、入口ポート及び出口ポートに挿入可能でもよい。チャンバの入口及び出口は、入口温度センサ113及び出口センサ110に対応して、これらのセンサを受ける開口を備えてもよい。チャンバ内の各センサ開口は、各センサがガス経路に挿入されるとき、センサ先端部を覆うように構成されたポリマーのカバーを備えてもよく、したがって、各センサは、実際にはガスと接触しないので、(再)殺菌する必要がない。
【0175】
吸気導管106を通って流れる呼吸ガスは、この吸気導管106の壁を介して熱を失うことがあり、それによって、呼吸ガスの温度を低下させ、吸気導管106内に結露を生じさせる場合がある。吸気導管106は、この吸気導管106を加熱して、この熱損失を低減又は防止するように構成された導管ヒータ144を備えてもよい。前述の通り、制御装置130は、1つ又はいくつかの情報源に基づいて、導管ヒータ144の動作を制御するように構成されてもよい。具体的には、制御装置130は、導管ヒータ144が所望の量の熱を吸気導管106に送達するよう、この導管ヒータ144に供給するための電力量又は電力デューティ・サイクルを決定するように構成されてもよい。導管ヒータは、導管の壁内に配置されてもよく、又は導管の管腔内に配置されてもよい。
【0176】
呼吸補助システム100は、吸気導管106内に配置された1つ又は複数の導管センサ142を備えてもよい。この導管センサ142は、吸気導管106とY字形ピース114の間の接続部の近くの吸気導管106に、吸気導管106が患者への接続装置116に直接接続される場合は、吸気導管106と患者への接続装置116との間の接続部に、又はY字形ピース114若しくは患者への接続装置116に配置されてもよい。導管センサ142は、この導管センサ142の場所を通って流れる呼吸ガスの特性、たとえば呼吸ガスの温度などを測定してもよい。導管センサ142は、温度センサを備えることができる。導管センサ142はまた、別々の流量センサを備えることができる。本明細書に記載されているように、導管センサ142は、温度と流量の両方を測定することのできる一体型の流量と温度のセンサを備えることができる。制御装置130は、導管センサ142の場所を通って流れる呼吸ガスの特性に関する情報を、この導管センサ142から受信してもよい。制御装置130は、導管センサ142を通って流れる呼吸ガスの流量を決定してもよい。制御装置130は、前述のような他の情報源の代わりに、又はそれに加えて、導管センサ142から受信される情報に基づいて、導管ヒータ144の動作、及び/又はヒータ・プレート136の動作を制御するように構成されてもよい。この導管センサは、導管に一体化されてもよく、導管によって画定されるガス経路内に延在してもよい。さらに、導管センサのワイヤは、導管の壁に一体化されてもよく、又は導管に沿って延在してもよい。
【0177】
呼吸ガスはまた、患者への接続装置116の壁、Y字形ピース114、及び/又は患者への接続装置116を吸気導管106に接続してもよい他の任意の呼吸システムの構成要素を通して熱を失う場合がある。患者への接続装置116、Y字形ピース114、及び患者への接続装置116を吸気導管106に接続してもよい任意の他の呼吸システムの構成要素のうち、1つ又は複数が、関連付けられたヒータ及び/又は関連付けられたセンサを備えてもよい。制御装置130は、センサの場所を通って流れる呼吸ガスの特性に関する情報を、関連付けられたこのようなセンサから受信してもよい。制御装置130は、関連付けられたこのようなセンサから受信した情報を使用して、関連付けられたそれぞれのヒータの動作を制御してもよい。
【0178】
患者への接続装置116、Y字形ピース114、及び患者への接続装置116を吸気導管106に接続してもよい任意の他の呼吸システムの構成要素のうち、1つ又は複数が、関連付けられたヒータ及び/又は関連付けられたセンサを備えなくてもよい。制御装置130は、非加熱の呼吸システムの構成要素を通って流れる呼吸ガスによって失われる熱の推定値を使用して、ヒータ・プレート136及び/又は導管ヒータ144など、加湿器104に関連付けられた他のヒータを制御してもよい。制御装置130は、たとえば、出口センサ110、導管センサ142、入口温度センサ113、及び/又はユーザ・インターフェース140から受信される情報だが、それに限定されない、受信される他の情報に基づいて、且つ/又は制御装置内に配置されてもよいデータ記憶装置から検索される情報に基づいて、非加熱の呼吸システムの構成要素について、このような熱損失の推定値を計算してもよい。本明細書に記載の各センサから受信されるデータは、データ記憶装置に記憶することもできる。
【0179】
加湿器104は、侵襲性換気療法、非侵襲性換気療法、高流量療法、BiPaP療法、持続的気道陽圧療法、又は他の呼吸補助療法を含むが、それらに限定されない複数のタイプの呼吸療法向けに、加熱及び加湿された呼吸ガスを患者Pに送達するように呼吸補助システム100において使用されてもよい。ガス源102によって加湿器104に供給される呼吸ガスの湿度状態は変化することがある。たとえば、呼吸補助システム100で使用されるガス源102のタイプは、呼吸療法のタイプ、呼吸システムの構成、使用する場所(たとえば、家庭若しくは病院)、又は様々なガス供給源の可用性に依存する場合がある。様々な供給源からのガスは、温度及び湿度を含む様々な特性を有してもよい。周囲空気、具体的には、熱帯気象での周囲空気及び/又は夏季での周囲空気は、圧縮ガスのタンク又はボトルから得られるガスよりも湿度を高くすることができる。たとえば、様々な供給ガス特性にもかかわらず、適切に加湿されたガスを依然として受けながら、吸気管及び/又は患者への接続装置でのレインアウトを低減及び/又は最小化して、患者が快適な医療を受けるように、制御システム220(以下に述べる)を使用して呼吸補助システム100の動作パラメータを調整することが有益になることがある。制御システムは、供給ガスが乾燥しているか、又は周囲にあるものかの推論に基づいて、動作パラメータを自動的に調整することができてもよい。動作パラメータは、以下に述べるある特定の温度設定点を含んでもよい。さらに、又は別法として、動作パラメータは、露点、加湿器の湿度出力、又は他の適切なパラメータでもよい。
【0180】
図2Aには、ガス源102の入力状態を検出し、前述の呼吸補助システム100の各構成要素を自動的に制御して、患者に送達されるガスの出力状態を変更するための、例示的な制御システム220が示してある。制御システム220は、受け取った入力に基づいて、呼吸補助システム100の構成要素の動作を制御するように構成された出力を生成することができる。この制御システムは、ヒータ・プレート136など、加熱素子のうち1つの温度設定点を変更するように、ヒータ素子出力230を生成して、患者に送達されるガスの出力状態を制御することができる。制御システム220はまた、ヒータ・プレートの動作又はデューティ・サイクルを変更することができる。制御システム220は、入力状態を決定するために、加湿器104とガス源102の間での直接の通信を必要とすることはなくてもよい。制御システム220はまた、ガスの流量を変更するために流量制御出力など他の出力を生成し、且つ/又は表示装置への出力234を生成することができる。ユーザ入力210は、たとえば、タッチスクリーンなどのユーザ・インターフェースを介して受信することができる。ユーザ入力は、療法のタイプ(たとえば、侵襲性換気、非侵襲性換気、又は、たとえばFisher & Paykel HealthcareのOptiflow療法などの高流量療法)に対応する特定のモードの選択でもよい。さらなるユーザ入力は、患者に送達する所望の露点、すなわち所望の湿度値を指定してもよい。たとえば、各モードは、ユーザが選択することのできる、複数の事前設定された所望の露点値(31℃、29℃、27℃、又はそれ以外など)を含んでもよい。選択されたこの露点により、制御装置は、吸気導管内のヒータ・プレート及び/又はヒータ・ワイヤを制御して、選択された温度(すなわち、選択された露点)で飽和ガスを送達できるようになる。
【0181】
制御システム220は、入力状態を検出し、出力状態を制御するために、本明細書に記載のプログラミング命令を含むことができる。図2Bに示すように、このプログラミング命令は、制御装置126、130のメモリ924に記憶することができる。プログラミング命令は、本明細書に記載のプロセス及び機能に対応する命令を含むことができる。制御システム220は、制御装置126、130のハードウェア・プロセッサ922によって実行することができる。プログラミング命令は、C、C++、JAVA(登録商標)、又は他の任意の適切なプログラミング言語で実装することができる。制御システム220の各部分の一部又はすべては、ASIC及びFPGAなど、アプリケーションに特化した回路928に実装することができる。
【0182】
図2Aに示すように、制御システム220は、呼吸補助システム100の複数の構成要素から入力を受信することができる。他のタイプの入力も存在してよい。湿度センサは、備えられていてもよく、備えられていなくてもよい。制御装置はまた、システムの様々なセンサからの入力を受信してもよい。さらに、又は別法として、加湿器は、携帯電話又はタブレットなどのユーザ装置から、信号又は入力を受信してもよい。
【0183】
室内連行空気での過剰な湿度
図3には、加湿チャンバの入口での、潜在的に可能なガスの状態が示してある。入口湿度条件について知らない場合、加湿器は、図3に示すように、4つのタイプのガス状態から少なくとも3つの状態、すなわち、低温高湿(QI)、低温低湿(QII)、及び高温低湿(QIV)において、所望の湿度レベルに近い湿気を送達することができる。「低温」とは、おおよそ周囲温度、又は約24℃とすることのできる周囲温度よりも低い温度に対応することがあり、「高温」とは、周囲よりも高い温度に対応することがある。図3に示す例では、低温とは24℃未満とみなされ、高温とは24℃以上とみなされる。例によっては、24℃を超える入口温度は、室内空気の連行換気装置内のタービンによって生成される熱によって引き起こされることがある。室内連行換気装置のタービンを通過する周囲空気は、タービンがガスを回転させることに起因して周囲温度を超えて加熱される。例によっては、生成された熱を、高い周囲温度に加えてもよい。(たとえば、ガス・タンクからの)圧縮空気は、加湿されておらず(たとえば、湿度が周囲よりも低い)、一般には24℃を下回る(たとえば、温度が18℃の場合がある)ので、一般に低温及び低湿とみなされる。
【0184】
本明細書に記載の加湿器は、最大量の追加湿度を修正することができ、すなわち、記載された加湿器は、ガスの入口温度に基づいて、追加される湿度の量を修正することができる。例によっては、入口温度が低いとき(すなわち、図3での象限I及びIIに示すようにガスが低温であるとき)、チャンバ出口でのガスの相対湿度(RH)は、入口のガス湿度レベルにかかわらず、飽和に近くてもよい。これは、加湿器のヒータ・プレートが加熱し、ガスに湿気を加える場合があるからである。言い換えれば、入口温度と出口温度の間の温度差を十分に大きくし、その結果、加湿器がガスを飽和させるのに十分な湿度を加えることができるようになる。
【0185】
一方では、チャンバ入口温度が高いか、又は周囲状態から十分に上昇している(すなわち、図3の象限III及びIVに示すようにガスが高温である)例では、チャンバ出口でのRHレベルは低下する場合がある。これは、ヒータ・プレートには、ある特定の温度を超えて加熱することができないように、安全温度制限を設ける場合があるからである。したがって、ヒータ・プレートは、最高許容チャンバ出口温度設定点に到達する前に、加熱し、又湿度を加えるための、比較的小さいバッファ又は範囲を有してもよい。最高許容チャンバ出口温度設定点の一例は、約36℃とすることができる。
【0186】
さらに、又は別法として、湿度が同じレベルの相対的に高い温度においては、水面での湿ったガスの蒸気圧が増加することに起因して、水面から水が蒸発しにくくなることがある。したがって、様々な入口湿度レベルは、出口湿度レベルに様々な影響を及ぼす場合がある。
【0187】
別の例では、高温で(相対的に)乾燥したガスの患者への送達は、患者の気道に不可逆的な損傷を引き起こす場合がある。したがって、この問題を防止する助けとするために、このシステムは、流入する高温乾性ガスの湿度が低いとき、流入するこの高温乾性ガスが低温乾燥状態になるよう効果的に処理することによって、高温乾性ガスの送達を回避してもよい。この仮定が成立すると、ガスが加湿チャンバを通過するときに、流入ガスがヒータ・プレートによって加熱されるので、湿度を増加させることができるようになる。
【0188】
加湿器は一般に、さらに多くの熱及び湿度を流入ガスに加える。流入ガスの温度及び湿度にもよるが、場合によっては、これによって過剰な加湿及び/又は過熱となる場合がある。たとえば、室内空気の連行換気装置によって取り込まれる空気は、ある程度の湿度を含むことがある。室内空気の湿度は、ガス容器又は壁供給ガスなどの圧縮ガス源からのものよりも、高くすることができる。さらに、前述の通り、室内空気の連行換気装置は、送風機又はタービンを普通は使用し、これらはあいにくガスを加熱することがある。ガスの温度が上昇して露点が上昇することがあるので、この過剰な熱によって、室内連行空気が加湿チャンバに入る前にさらに加湿されることになる。
【0189】
図4Aには、あらゆる流入ガスが乾燥していると加湿器が仮定するとき、室内空気の連行換気装置の入口温度の関数として、出口ガスの露点の例示的なグラフが示してある。この露点は、絶対湿度値に対応する。具体的には、加湿器は、室内連行空気内に既に存在する湿度を考慮に入れない場合があるので、室内連行空気の場合に、不必要な湿気を加湿器がどのように追加する場合があるのかが図4Aに示してある。前述の通り、加湿器は、ガス源を使用して、ある範囲の様々なチャンバ入口温度にわたって所望の湿度レベルを確実に送達できてもよい。図4Aでの黒の実線は、チャンバによって加えられる湿度であり、低温の乾性ガスが使用されるときにチャンバによって加えられる湿度を表す。図4Aでの2重の黒線には、周囲空気が連行されるとき(具体的には、チャンバの湿度に加えて周囲の湿度)の累積湿度が示してある。乾燥した空気源の状態の下では、所望の湿度レベルは、加湿器によって加えられる湿度のレベルとほぼ同じでもよい。しかし、室内空気の連行換気装置とともに使用されると、図4Aに示すように、室内空気から追加される湿度によって、加湿器が所望又は目標の湿度レベルを超えて送達し、結露のレベルを増加させることができるようになる。
【0190】
所望の湿度レベルに基づいて、室内連行空気での様々なチャンバ入口温度で、過剰な加湿が生じる場合がある。図4Bには、室内空気の連行換気装置の様々なユーザ設定において、入口温度の関数として出口ガスの湿度の例示的なグラフが示してある。たとえば、図4Bに示すように、31℃の加湿器モード(マスク31の所望の湿度レベルとして示してある)は、約20℃のチャンバ入口温度において過剰に加湿し始めることができる。29℃の加湿器モード(マスク29の所望の湿度レベルとして示してある)は、約22℃のチャンバ入口温度において過剰に加湿し始めることができる。27℃の加湿器モード(マスク27の所望の湿度レベルとして示してある)は、約24℃のチャンバ入口温度において過剰に加湿し始めることができる。図4Bでの実線は、患者に送達される湿度(又は露点)を表す。マスク31、マスク29、及びマスク27の線は、「マスク・モード」で患者に送達される所望の露点を表す。所望の露点は、患者に送達される湿気の量に対応する。マスク・モードは、非侵襲性療法を表す。より具体的には、「マスク・モード」は、密封マスク、たとえばフル・マスクを使用して送達される呼吸療法を表す。マスク・モードは、加圧両方、たとえばバイレベル加圧両方若しくは持続的気道陽圧(CPAP)、又は他の非侵襲性換気モードを表す。過剰な加湿曲線(明るい方の2重線)は、追加の湿度、すなわち3つの異なる設定点でのマスク・モードにおいて周囲空気が使用されるときの周囲湿度に起因する過剰な加湿を示す。上向きの線は、ガス、すなわち相対的に高い所望の湿度で送達されるガスの露点が上昇することを表す。第1のモードでの制御装置は、乾性ガスが送達されているという仮定の下に動作し、したがって、この第1のモードで周囲空気が使用される場合、過剰な加湿が生じることが多い。本明細書に開示された各システムは、入口温度が閾値を超えるときに加湿器を第2のモードで機能させて、過剰な加湿を減少させる。
【0191】
図5A~5Cには、3つの異なる入口ガス温度での、加湿器の3つの異なる使用事例を表す。図5Aは、入口温度36℃における(すなわち、実際の入口ガス温度が36℃における)追加の室内空気湿度の影響を示すグラフである。図5Aに示すように、流入ガス温度510は、周囲よりも相対的に高くてもよい。たとえば、周囲温度は24℃でもよく、流入ガスの温度は36℃(すなわち、高温の流入ガス)でもよい。乾性ガス源を使用して所望の湿度レベルを達成しようとするには、加湿器は、線514で示すように、たとえば31℃の露点に対応する目標湿度に、最大チャンバ出口設定点を設定してもよい。線514は、流入ガスが乾性ガスであると加湿器が仮定するときの、動作の第1の機能(すなわち、第1のモード)でもよい。加湿器の標準動作において、高温で乾燥した流入ガスは、加湿チャンバ内の蒸発水面上を通過するときに、患者側でのたとえば31℃の所望の露点に対応する、チャンバ出口温度に対応する所望のレベルの湿度を獲得することができる。31℃の例示的な値は、患者における所望の露点を表す。この所望の露点を使用して、チャンバ出口設定点温度及び/又は患者側の設定点温度を、計算及び/又は設定することができる。さらに、チャンバ出口設定点を使用して、ヒータ・プレートの加熱/電力を制御して、チャンバ出口設定点を達成することができる。しかし、加湿器が室内空気の連行換気装置とともに使用されるとき、高温の流入ガスは、既に乾性ガスよりも多くの湿気を含んでおり、過剰に加湿する場合がある。それというのも、線512で示すように、36℃の露点と同等の実際の湿度を有する加湿チャンバ内での湿度を獲得するからである。この過剰な加湿は、結果として患者への接続装置において不要な結露を生じることになる場合があり、その結果、導管内での結露を生じる場合もある。
【0192】
ガスの温度が、ガスの実際の露点を下回って低下するので、結露が生じる場合がある。たとえば、追加の室内空気湿度に起因して、呼吸補助システム内のガスの実際の露点が、所望の湿度レベル(この例では、31℃の露点に対応する線514など)よりも高くなる場合があるので、結露が生じることがある。図5Aに示す例では、チャンバ出口での実際の露点は、たとえば線512で示すように36℃でもよい。呼吸補助システムでの吸気ワイヤのデューティ・サイクルは、チャンバ出口温度(たとえば、図5Aに示す36℃)から、患者側の温度(たとえば、図5Aに示す34℃)までガスを冷却できるように制御されてもよい。患者側の温度までガスが冷却されると、相対的に低い露点、たとえばこの例では34℃のガスにはもはや含むことのできない水蒸気が、液体へと結露することになる。この結露は、図5Aの灰色の区域で表される。図5Aには、第1の動作モード(すなわち、乾性ガスが使用されると仮定した場合の標準動作)が示してある。所望の患者側露点31℃を使用して、患者側のセンサでの温度、及びチャンバ出口設定点を規定してもよい。このモードでは、加湿器は、患者側において34℃の例示的な露点を達成するように制御されてもよい。ガスの出口温度は36℃でもよい。この出口温度は、チャンバ出口温度設定点及び/又は患者側で望まれる温度、この例では34℃よりも高いので、システムは、ガスがチャンバ出口から患者側へと移動するときにガスを冷却するように構成されることになり、チャンバ出口と患者側の間の線510によって示してある。しかし、ガスの露点はまた、チャンバ出口での36℃に対応してもよい。ガスの露点を、ガスの実際の温度よりも高くすることはできない。したがって、チャンバ出口と患者側の間でガスが冷却されると、このガスの露点も低下することになり、線510と同等になることはできるが、それを超えることはない。前述の通り、34℃という相対的に低い露点のガスにはもはや含むことのできない水蒸気が、結露して液体になる。この結露は、図5Aの灰色の区域で表してある。図5Aにはまた、吸気管の遠位端を越える任意の領域でもよい、患者への接続装置領域において生じることのある、さらなる冷却が示してある。こうした領域は、侵襲性呼吸療法向けの気管内チューブ又は非侵襲性療法向けのフル・フェイス・マスクなど、患者への接続装置を備えてもよい。
【0193】
ボトル入りガス又は乾性ガスで動作するとき、患者側の温度を計算し、所望の湿度レベルに対応する露点よりも高くなるように目標設定することができる。たとえば、34℃の患者側温度を目標設定してもよく、これは、所望の露点温度31℃よりも3℃だけ高い。この目標設定とは、患者への接続装置にわたってガスが移動するときの温度降下を考慮に入れることである。通常、患者への接続装置は加熱されないので、ガスは一般に、患者への接続装置全体にわたって冷却される。呼吸補助システムの動作時に3℃の温度降下を計算してもよいが、任意の適切な温度降下を使用してもよい。図5Aに示すように、ガスは実際の露点よりも低い状態にあるので、患者への接続装置全体にわたって31℃までガスがさらに冷却されるにつれて、患者への接続装置においてさらに多くの結露が形成される。これにより、患者は不快感を覚え、結露を処理するために、患者への接続装置及び/又は吸気管を患者が外すときに治療が中断される場合がある。さらに、患者への接続装置内部の結露によって、患者にとっての溺死リスクが増大することになるか、又は患者が不快感を覚えることになる場合があるので、さらなる結露が安全性リスクにもなり得る。
【0194】
図5B~5Cには、入口温度がそれぞれ26℃及び21℃の場合での、追加の室内空気湿度の影響が示してある。図5Bに示すように、入口温度が26℃のガスの場合(ガス温度は線520で示してある)、チャンバ出口での実際の露点は、線522で示すように33℃とすることができ、チャンバ出口での所望の露点は、線524で示すように31℃でもよい。このような場合、結露は、患者への接続装置に形成される場合があり、図5Bの斜線部分で示してある。図5Cに示すように、入口温度が21℃の場合(ガス温度は線530で示してある)、チャンバ出口での実際の露点(線534)及び所望の露点(線532)は31℃でもよい。このような場合、前述の通り、吸気管内又は患者への接続装置内に結露が形成されない場合があるが、それというのも、入口ガスが周囲空気に対して高温ではなく、したがって、入口ガスの湿度レベルにかかわらず、チャンバ出口でのガスの相対湿度が飽和に近くなることがあるからである。図5Cに示す場合には、ガスの温度が露点を超え、したがって結露が生じることはない。図5Cでは、乾燥した入口及び湿った入口の露点は、チャンバ出口と患者への接続装置出口との間で実質的に一定のままである。
【0195】
入口温度の関数として出口湿度を制御すること
本明細書に記載の制御システムは、チャンバ入口温度を監視するプロセスを介して、結露レベルを最小限に抑えるか、又は少なくとも低減し、患者への湿気送達を改善することができる。説明されている加湿器用の制御システムは、供給されるヒータ・プレート電力を制御し、且つ/又は監視されるチャンバ入口温度に基づいて、チャンバ出口温度設定点若しくは湿度設定点、又はヒータ・プレート電力若しくは温度設定点を修正して、導管内及び/又は患者への接続装置内、及び/又は導管の下流の非加熱区間内での結露を低減するように構成される。たとえば、チャンバ出口温度及び/又は湿度の挙動は、チャンバ入口温度の関数として動作することができる。たとえば、チャンバ出口温度設定点には、ガスの入口温度に基づいて上限が設けられてもよい(すなわち制限されてもよい)。別の例では、湿度設定点又はヒータ・プレート温度設定点又はヒータ・プレート電力設定点には、ガスの入口温度に基づいて上限が設けられてもよい。制御システムは、この機能的関連性を使用して、加湿器を介して過剰な湿気がガスに加えられないよう確実にする助けとしてもよい。具体的には、この機能的関連性は、閾値温度を超える流入ガスが過剰な湿気を含む可能性が高いと仮定してもよい。したがって、制御システムは、加湿器が流入ガスに加える湿気を相対的に少なくするように目標湿度を調節してもよい。たとえば、加湿器の所与の治療モードにおいては、チャンバ入口温度が閾値を下回る場合、所望の湿度レベル範囲を患者に送達することができる。チャンバ入口温度が閾値を超える場合、初めの所望の湿度レベル範囲よりも低い湿度レベル範囲まで、送達される湿度を低下させることができる。チャンバ出口温度設定点、ヒータ・プレート温度設定点、又はヒータ・プレート電力を制御することによって、湿度レベルを制御することができる。たとえば、図6Aでの流れ図、及び図7での略図に示すように、チャンバ出口温度設定点は、ガスの入口温度に基づいて制限されるか、又は上限を設けられてもよい。図示した例は、チャンバ出口温度設定点に上限を設けることによって、チャンバ出口温度設定点を制御することに基づいている。さらに、又は別法として、入口温度が閾値を超える場合、ヒータ・プレート設定点又はヒータ・プレート電力には上限が設けられるか、又はこれが制限されて、加湿器の湿度出力を低減してもよい。さらに、又は別法として、図6Bの流れ図及び図7の略図に示すように、最高チャンバ出口温度設定点(すなわち、最高許容チャンバ出口温度設定点)を低下させることによって、湿度レベルを制御することができる。最高チャンバ出口温度設定点を設けることができ、その後にヒータ・プレートへの電力が使用不能になる。チャンバ出口温度が最高許容チャンバ出口温度設定点を超える場合、制御装置は、ヒータ・プレートを使用不能又は停止するように構成される。一例では、ガスの入口温度に少なくとも部分的に基づいて、ヒータ・プレート電力が制限され、又はそれに上限が設けられて、最大許容ヒータ・プレート電力を規定してもよい。非限定的な例では、制御装置は、決定された入口温度に少なくとも部分的に基づいて、最大許容ヒータ・プレート電力を修正するように構成される。制御装置は、このヒータ・プレート電力を最大許容ヒータ・プレート電力にまで制御するように構成される。制御装置は、このヒータ・プレート電力を、最大許容ヒータ・プレート電力以下/未満に計算されてもよい任意のヒータ・プレート電力にまで制御するように構成される。さらなる例では、ガスの入口温度に少なくとも部分的に基づいて、ヒータ・プレート温度設定点が制限され、又はそれに上限が設けられて、最高許容ヒータ・プレート温度設定点を規定してもよい。非限定的な例では、制御装置は、決定された入口温度に少なくとも部分的に基づいて、最高許容ヒータ・プレート温度設定点を修正するように構成される。制御装置は、このヒータ・プレート電力を最高許容ヒータ・プレート温度設定点にまで制御するように構成される。制御装置は、このヒータ・プレート電力を、最高許容ヒータ・プレート温度設定点以下/未満に計算されてもよい任意のヒータ・プレート温度設定点にまで制御するように構成される。
【0196】
加湿器は、たとえば入口温度に基づいて加湿器の湿度出力又は他のパラメータを設定する、第2の動作モードを含んでもよい。この第2のモードでは、加湿器は、入口温度に基づいて、チャンバ出口設定点、ヒータ・プレート温度設定点、又はヒータ・プレート電力のいずれかを制御してもよい。第2の動作モードでは、ヒータ・プレートへの電力には、ガスの入口温度に基づいて上限が設けられてもよい。第2のモードは、入口温度が温度閾値を超える場合に作動してもよい。例によっては、温度閾値は、所定の閾値でもよい。一例では、この温度閾値は24℃である。一例では、第2のモードでは、ガスの入口温度が温度閾値を超える場合、チャンバ出口設定点には上限が設けられてもよい(すなわち、制限されてもよい)。さらに例では、ヒータ・プレート温度設定点には、ガスの入口温度が温度閾値を超える場合に上限が設けられてもよい(すなわち、制限されてもよい)。ガスの入口温度が温度閾値を超える場合、チャンバ出口温度設定点には、最大許容チャンバ出口で上限が設けられてもよい。入口温度が温度閾値を超える場合、ヒータ・プレート温度設定点には、最大許容ヒータ・プレート温度設定点で上限が設けられてもよい。入口温度が温度閾値を超える場合、ヒータ・プレート電力には、最大許容ヒータ・プレートにまで上限が設けられてもよい。上限が設けられたチャンバ出口温度設定点、又はヒータ・プレート温度設定点、又はヒータ・プレート電力は、ガスの入口温度に基づいて調節されてもよい(すなわち、修正されてもよい)。たとえば、入口温度が温度閾値を超えるとき、こうした最大許容設定点は、第2のモードにおける入口温度の関数として修正されてもよい。
【0197】
有利には、本明細書に記載の方法を使用すると、加湿器制御装置は、入力ガスの湿度を直接に決定する必要がなく、室内空気の連行換気装置が検出された場合には制御パラメータを調整する必要もない。記載された加湿器の制御方法(及び加湿器)はまた、この加湿器に接続された換気装置又はガス源のタイプを決定するための、特定のいかなるセンサ構成又は検出方法をも必要としない。さらに、この加湿器は、複雑で高価な湿度センサ(たとえば湿度計)を必要としない。したがって、この制御システム及び方法は、少なくとも、加湿チャンバの上流に湿度センサを必要としないので、室内連行空気を使用する加湿器の動作中に結露レベルを低減するための、比較的単純で費用対効果の大きい解決策を提供することができる。
【0198】
図6Aには、流入ガス温度閾値を使用して、最高許容チャンバ出口温度設定点を設定する例示的なプロセス600が示してある。たとえば、このプロセス600はステップ610を含んでもよく、ここで、このシステムは、加湿チャンバへの入口若しくは入口近く、又は加湿チャンバの上流でのガス流路内の任意の場所においてガスのガス温度を測定する。次いで、判定ブロック612において、このシステムは、測定されたガス温度が温度閾値を超えるかどうか判定してもよい。ガス温度が閾値を超える場合、システムは、ステップ616において最高チャンバ出口温度設定点を低減してもよい。入口温度が温度閾値を下回るとき、最高許容チャンバ出口温度設定点は、最高許容チャンバ出口温度設定点と比較して、それよりも低い値まで低減される。言い換えてみる。ガス温度(すなわち、入口ガス温度)が閾値を超えない場合、ステップ614の下での標準の動作の下で、たとえば、所定のチャンバ出口設定点及び/又はヒータ・プレートの所定の電力若しくはデューティ・サイクルを維持することによって、システムは継続してもよい。ステップ614は、第1の動作モード、すなわち標準の動作モードに対応してもよい。ステップ616は、出口での湿度に上限が設けられるか又は制限される、第2の動作モードに対応してもよい。チャンバ出口設定点に上限を設けることか、若しくはさらに上限を設けること、ヒータ・プレート温度(すなわち、ヒータ・プレート温度設定点)に上限を設けること、又はヒータ・プレート電力に上限を設けることによって、これを実現してもよい。上限が設けられ値は、閾値、たとえば温度閾値を超える入口温度に基づいて上限が設けられる。上限が設けられたチャンバ出口温度設定点は、最高許容チャンバ出口温度設定点を規定する。上限が設けられたヒータ・プレート温度(すなわち、ヒータ・プレート温度設定点)は、最高許容ヒータ・プレート温度設定点を規定する。上限が設けられたヒータ・プレート電力(すなわち、ヒータ・プレート電力設定点)は、最大許容ヒータ・プレート電力(すなわち、最大許容ヒータ・プレート電力設定点)である。上限が設けられた値は、入口温度の関数として、制御装置によって調節されてもよい。上限が設けられた値は、第2のモードでの、すなわちガスの入口温度が温度閾値を超えるときの最大許容値を規定する。一例では、第2のモードでの最大許容設定点は、第1のモードでの最大設定点より低くてもよい。
【0199】
図6Bには、流入ガス温度閾値を使用して、最高チャンバ出口温度設定点(すなわち、最高許容チャンバ出口温度設定点)を設定する例示的なプロセス601が示してある。たとえば、このプロセス601はステップ620を含んでもよく、ここで、このシステムは、加湿チャンバへの入口若しくは入口近く、又は加湿チャンバの上流でのガス流路内の任意の場所においてガスの温度を測定する。次いで、このシステムは、ステップ620において、入口ガス温度に基づいてチャンバ出口温度設定点を決定してもよい。入口ガス温度に加えて、チャンバ出口温度設定点を規定するために、他の入力を使用することができていてもよい。次いで、判定ブロック612において、このシステムは、測定された入口ガス温度が温度閾値を超えるかどうか判定してもよい。入口ガス温度が閾値を超えない場合、システムは、ステップ620において決定されたチャンバ出口温度設定点にまで、ステップ630においてヒータ・プレートを制御してもよい。一例では、ステップ620において決定されたチャンバ出口温度設定点は、最高許容チャンバ出口温度設定点を規定してもよく、すなわち、チャンバ出口温度での上限を規定してもよい。入口ガス温度が閾値を超える場合、システムは、ステップ626において、入口ガス温度に基づいて最高許容チャンバ出口温度設定点に上限を設けるか、又はそれを制限してもよく、すなわち、チャンバ出口でのガスの許容温度に上限を設けるか、又はそれを制限してもよい。システムが、ステップ626において最高許容チャンバ出口温度設定点に上限を設けるか、又はそれを制限すると、ステップ628において新規のチャンバ出口設定点温度を設定してもよい。ステップ628において新規のチャンバ出口設定点温度が設定されると、このシステム(すなわち、加湿器制御装置)は、ステップ628において決定されたチャンバ出口温度設定点にまで、ステップ630においてヒータ・プレートを制御するように構成される。制御装置は、少なくとも入口の温度及び流量に基づいて628において決定されたチャンバ出口温度設定点を調節して、所望の湿度レベルを達成するように構成されてもよい。制御装置は、ステップ626において決定された最高許容温度設定点を、チャンバ出口温度設定点が超えないよう、このチャンバ出口温度設定点を制御するように構成される。制御装置はさらに、ガスの温度が最高許容チャンバ出口温度のセンサを超えないように、チャンバ出口温度センサ(たとえば、センサ110)からのフィードバックに基づいて、ヒータ・プレート電力を制御するように構成される。
【0200】
ステップ620において決定されたチャンバ出口温度は、状況によっては制限なしになることがある。たとえば、「標準動作」(又は、第1の機能/モード)でのチャンバ出口温度は、制限されることなく、最高約36℃まで上昇することができる。最高値36℃は、チャンバ出口でのガス温度が36℃を超える場合に、ソフトウェアによる遮断若しくはハードウェアによる遮断のいずれか、又はその組合せによってヒータ・プレートの電力がオフにされることを意味する、ハード・リミットでもよい。チャンバ出口設定点は、入口温度、ヒータ・プレート温度、並びに/又は1つ若しくは複数の他のセンサ(たとえば、周囲温度センサ及び/若しくは流量)からの入力の何らかの組合せに基づいていてもよい。ステップ626において、チャンバ出口設定点に上限が設けられてもよく、又はそれが制限されてもよい。たとえば、「新規動作」において(すなわち、第2の機能/モードにおいて)、所与の入口温度において実現可能な最高出口温度が制限され/それに上限が設けられてもよく(すなわち、最高許容チャンバ出口温度を規定するために上限が設けられてもよく)、その結果、生成される湿気の量が、その特定の入口温度において制限される。
【0201】
前述の通り、システムは、ステップ610において。入口温度センサを用いてガス温度を測定してもよい。入口ガス・センサは、入口で使用することのできる入口ガス温度センサとすることができる。入口内のガスの温度を測定できるように、入口温度センサが、加湿チャンバへの入口に結合されてもよい。温度センサは、サーミスタ又はプローブ・センサなど、ガスの温度を測定するように構成された任意のセンサとすることができる。しかし、温度センサは、入口に直接取り付けられる必要はなく、入口の近くにあってもよく、又は入口の上若しくは入口の内部にあってもよい。入口内のガスは、加湿チャンバによってまだ加湿されていない、加湿チャンバに入る任意のガスとすることができる。こうしたガスには、ボトル入りガスなどの乾性ガス、又は室内連行ガスなど、過剰な湿度を含むガスが含まれ得る。
【0202】
温度閾値には、単一の温度閾値又は複数の温度閾値が含まれ得る。たとえば、複数の閾値の場合、システムは、入口ガス温度が第1の温度閾値を超えるかどうか判定して、第1のチャンバ出口設定点を設定し、入口ガス温度が第2の温度閾値を超えるかどうか判定して、第2のチャンバ出口設定点を設定してもよい。
【0203】
さらに、又は別法として、ステップ612において、システムは、入口温度が異なる湿度尺度にパスしているかどうか判定してもよい。たとえば、システムは、入口ガスの熱と湿度の間の機能的関連性を利用して、ステップ616、626、若しくは628において最大チャンバ出口設定点を低減するか、又はステップ614若しくは630において標準の制御を継続するかを決定してもよい。この機能的関連性は、現在の入口温度以外の要因を考慮に入れてもよい。周囲空気の圧力読取り値が閾値を超えるか、又は閾値を下回るか、又は閾値範囲内にある場合に、この圧力値を使用して、最高チャンバ出口温度に上限を設け、且つ/又はチャンバ出口温度を規定することができる。
【0204】
ステップ612における閾値は、所定の温度閾値又は温度閾値のセットを含んでもよい。所定とは、温度閾値が制御装置に予めプログラムされていることを意味する。代替形態では、温度閾値は、予め決定されていなくてもよく、その代わりに、チャンバ出口設定点、ヒータ・プレート温度設定点、流量、又は目標湿度のうち1つ又は複数に基づいて動的に計算されてもよい。温度閾値は、他の要因、たとえば患者側の温度設定点又は所望の(すなわち、選択された)患者側の露点に基づいて、制御装置によって計算されてもよい。温度閾値は、いくつかの温度に対応してもよい。たとえば、温度閾値は、19℃~26℃の間でもよい。本開示の全体を通して、第1の温度と第2の温度の間の温度範囲は、第1の温度と第2の温度の両方を含む。たとえば、閾値温度は、好ましくは22℃~24℃の間でもよい。所定の温度閾値は、加湿器の出口温度設定点によって変化することがある。所定の温度閾値はまた、ガスが加湿チャンバを通過した後の、このガスの目標湿度値によって変化することがある。目標湿度は、加湿器の様々なモードによって異なる場合がある。たとえば、加湿器は、侵襲性又は非侵襲性のモードなど、治療の必要性に基づいて、ガスの様々な温度及び湿度の状態を患者に送達する、様々な動作モードを有してもよい。各動作モードは、患者に送達するための複数の所望の露点、又は各モードを含んでいてもよい。たとえば、非侵襲性モード(すなわち、非侵襲性の換気送達に対応する)は、27℃の所望の露点モード、29℃のモード、及び31℃のモード、又は他の温度モードを含んでもよい。所望の各露点又は各モードは、ガスの目標湿度に対応してもよい。所望の各露点は、共有された又は固有の、対応する温度閾値を有してもよい。たとえば、27℃のモードは、22℃の対応する温度閾値を有してもよい。29℃と31℃の各モードは両方とも、24℃の対応する温度閾値を有してもよい。所望の露点モードに加えて、又はそれに代えて、動作モードは、複数のチャンバ出口設定点を含んでいてもよい。
【0205】
表1には、非侵襲性の治療モード向けの、最高許容チャンバ出口温度設定点、及び対応するチャンバ入口温度閾値における例示的ないくつかの関連した範囲が示してある。この表を見ると分かるように、湿度レベルは、mg/L並びに露点温度の両方として規定される。この露点温度は、チャンバ出口でのガスの要求温度に対応することができる。「チャンバ入口閾値」とは、加湿器によって出力され、流入ガスに取り入れられる所望の湿度レベルを、相対的に低い湿度レベルにまでいつ低減するかを制御装置に指示する、チャンバ入口温度を指すものである。「チャンバ入口が閾値を下回るときの乾燥湿度レベル範囲」とは、入口ガス温度がチャンバ入口温度閾値を下回るときに加湿器が送達する所望の湿度レベルを指すものである。これは、判定ブロック612においてガス入口温度が閾値温度を超えない場合に、図6Aのステップ614において、又は図6Bのステップ630の下で、標準の動作状態中に加湿器が実行することに対応できる。「チャンバ入口が閾値を超えるときの乾燥湿度レベル範囲」とは、チャンバ入口温度を超えるときに加湿器が送達する低下した湿度レベルを指すものである。この範囲は、湿度レベルについての最小許容公差に対応することができる。
【0206】
【表1】
【0207】
他の例では、他の治療モード向けの許容可能なチャンバ出口温度設定点における他の範囲が存在してもよい。たとえば、(侵襲性換気療法に対応する)侵襲性治療モードにおいては、チャンバ入口温度が閾値を超えるときの乾燥湿度レベル範囲は、36~40mg/Lを含むことができ、これは37℃のモードでの33~35℃の露点と同等でもよい。別の例では、(加湿された高流量療法の送達に対応する)高流量モードにおいて、チャンバ入口温度が閾値を超えるときの乾燥湿度レベル範囲は、36~40mg/Lを含むことができ、これは37℃のモードでの33~35℃の露点と同等でもよく、この閾値は、26~34mg/Lを含むことができ、これは35℃のモードでの28℃の露点と同等でもよく、且つ/又は、この閾値は、22~20mg/Lを含むことができ、これは33℃のモードでの26℃の露点と同等でもよい。
【0208】
このシステムは、加湿器内のヒータに供給される電力量を制御して、チャンバ出口温度設定点を達成してもよい。このヒータは、加湿器内のヒータ・プレートでもよい。たとえば、システムは、ヒータ・プレートへの電力量を制御して、このチャンバ出口設定点を達成してもよい。システムは、チャンバ出口において実際に測定された温度からのフィードバックを使用して、ヒータ・プレートへの電力量を制御する閉ループ・システムを使用してもよい。測定されたチャンバ出口温度とチャンバ出口設定点の間の誤差値を使用して、ヒータ・プレートに供給される電力を増減してもよい。システムは、電力に電圧を供給するPWMモジュールを制御することによって、電力を制御してもよい。システムは、ヒータに供給される電力量を低減してもよい。たとえば、システムは、電力閾値又は電力限界を設定してもよい。この電力閾値又は電力限界は、ガスの露点及び/又は目標湿度に対応してもよい。たとえば、電力閾値は、19℃での露点に対応してもよい。別の例では、電力閾値は、15.3mg/Lの湿度出力に対応してもよい。さらに、又は別法として、システムは、1つの機能又は1組の機能によって電力を制限することにより、電力量を低減してもよい。たとえば、システムは、入口温度が閾値温度を超えるか又は超えないときに、ヒータが第1の機能に従った電力量を出力するようにしてもよく、入口温度が第2の閾値温度を超えるか又は超えないときに、ヒータが第2の機能に従った電力量を出力するようにしてもよい。第1の機能は、ヒータ・プレートへの電力量を制御するように動作してもよく、ここで、この電力は、温度(すなわち、ガスの入口温度)が閾値を下回るときに、最大許容電力によって上限が設けられてもよい。最大許容電力は、ヒータ・プレートに供給される電力での安全性限界に対応してもよい。第2の機能は、ガスの入口温度が閾値を超えるときに、所与の入口温度における最大許容ヒータ・プレート電力に上限を設けてもよい。すなわち、第2の機能は、ヒータ・プレートへの電力量を制御するように動作してもよく、入口温度が閾値を超えるとき、この電力は、ヒータ・プレートへの最大許容電力を下回るようにさらに制限される。第1及び第2の機能は、いくつかの機能に対応してもよい。第2の機能において、制御装置は、ヒータ・プレートへの第2の最大許容電力を規定するように構成される。第2の最大許容電力は、新規の限界を規定する。ヒータ・プレートへの第2の最大許容電力は、第1の機能(すなわち、第1の最大許容ヒータ・プレート電力)によって規定される最大許容電力を下回ってもよい。ヒータ・プレートへの第2の最大許容電力は、低減された値である。第2の最大許容電力は、ガスの入口温度が温度閾値を超えるときの最大許容チャンバ出口設定点に対応してもよい。相対的に低い第2の許容ヒータ・プレート電力は、加湿器の出力湿度に上限を設ける。この上限設定により、ガスを過剰に加湿する可能性が低くなり、たとえば空気連行換気装置などの空気連行ガス源に起因するガス中の湿度を考慮するのに役立つ。最大許容ヒータ・プレート電力は、区分的機能で規定されてもよい。この区分的機能は、最高許容チャンバ出口温度設定点を規定する区分的機能と同様でもよく、又は少なくとも対応してもよい。たとえば、第1の機能及び第2の機能は、区分的機能として、ともに又は別々に動作してもよい。
【0209】
図7には、加湿器チャンバの入口におけるガスの状態について、改善された例示的な出口湿度レベルが示してある。図3について述べるように、入口湿度状態について知らない場合、加湿器は、4つのタイプのガス状態から3つの状態、すなわち、低温高湿(QI)、低温低湿(QII)、及び高温低湿(QIV)において、所望の湿度レベルに近い湿気を送達することができる。しかし、少なくとも流入ガスが高温高湿(QIII)の場合、吸気管及び/又は患者への接続装置において過剰なレインアウトが生じる場合がある。図6A及び図6Bに示すプロセス600及び601を使用して、システムは、タービン駆動の換気装置又は室内連行ガスとともに使用されるときでも、象限I、II、及びIIIに所望の湿度レベルを、又象限IVに治療湿度レベルを、さらに効果的に送達することができる。高温の入口ガスの状態は通常、熱を生成するタービンを有する室内空気連行換気装置に関連付けられているので、高温低湿の入口ガスの状態は、あまり一般的ではない。したがって、ガスは通常、「乾燥し」圧縮されたボトル・ガス又は壁のガスに対して湿度レベルが著しく高い場合がある。高温低湿の入口ガスの状態の、あまり一般的でないこの場合には、治療レベルの湿気を依然として患者に送達しながら、送達される湿度レベルを低減することができる。
【0210】
図8には、非侵襲性呼吸補助システムの一部として動作する加湿器について、例示的な異なる出口設定点、又は(マスク27、マスク29、及びマスク31のモードとして示してある)ユーザ・モードでのチャンバ入口温度に応じた例示的な最高チャンバ出口温度設定点が示してある。この加湿器は非侵襲性モードで動作している。非侵襲性モードはグラフィカル・ユーザ・インターフェース、たとえば加湿器のベース・ユニット上に配置されたタッチスクリーンによって選択されてもよい。このシステムは、図6Aのステップ616などにおいて、各出口設定点又はユーザ・モードの温度閾値に基づいて、図8に示す曲線の下の適切な値にチャンバ出口温度設定点を設定するように、既存の温度及び湿度の制御アルゴリズムを修正してもよい。線810は、チャンバ出口温度設定点が制限されず、唯一の限界が高温限界(又は温度安全性限界)である第1のモード/機能、及び入口温度が閾値温度を下回るときの第1のシステム動作を表す。第1のモード(すなわち、第1の機能)では、線810によって規定されるように、最高許容チャンバ出口温度設定点を36℃と規定する。図8を見ると分かるように、ヒータ・プレートに電力を制御するために使用される実際のチャンバ出口温度設定点は、線812、814、816に従って、選択された露点、すなわち27℃又は29℃又は31℃に対応する。こうしたチャンバ出口設定点は、たとえば流量など、ガス状態に応じて変化することがあるが、こうしたチャンバ出口温度設定点は、第1のモードのとき(すなわち、入口温度が温度閾値を下回るとき)、線810によって規定される最大許容限界を超えることはない。線810は、温度安全性限界に対応してもよい。第1のモード/機能の下では、システムは、線810の下のどこにでも、チャンバ出口温度設定点を設定してもよく、これは、たとえば36℃を下回る温度に対応してもよく、これは温度安全性限界として動作してもよい。すなわち、閾値温度を下回る入口温度で起こり得る第1のモード/機能の下では、システムは、所定の値に最高チャンバ出口温度設定点の上限を設けてもよく、又システムは、所望の湿度を達成するように、36℃までの任意の値にチャンバ出口温度設定点を調整してもよい。線812、814、及び816は、チャンバ出口温度設定点に上限が設けられ、各線に沿って、このチャンバ出口温度設定点が最高チャンバ出口温度設定点を超えることはない第2のモード/機能、及び入口温度が閾値温度を超えるときの第2のシステム動作を表す。チャンバ出口温度設定点は、入口温度が閾値を超える場合、線812、814、及び816の曲線の線の下に設定される。各線812、814、及び816は、入口温度とチャンバ出口温度の温度差に対応してもよい。この差は、所望の治療湿度レベルを達成するのに十分であってもよい(表1に従う)。線812、814、816は、第2のモード又は第2の機能では(すなわち、ガスの入口温度が温度閾値を超えるときは)、最高許容チャンバ出口温度設定点を規定する。線812、814、816は、第1のモードと第2のモードの両方でのチャンバ出口設定点を示す。第2のモードにおいて、すなわち、入口温度が温度閾値を超えるとき、線812、814、816は最高許容チャンバ出口温度設定点を規定する。この最大許容設定点は、線810によって規定されるように、第1のモードでは(すなわち、入口温度が温度閾値を下回るときは)、第1の最大許容設定点を下回る。線812、814、816のうちの任意の1つとともに線810は、最高許容チャンバ出口温度設定点を規定する区分的機能を表す。第1のモード、すなわち、区分的機能の第1の部分では、最大許容設定点が線810によって規定される。区分的機能の第2の部分では、(ユーザが選択した露点に応じて、)最大許容設定点が線812又は814又は816によってそれぞれ規定される。図8を見ても分かるように、第2のモードにおいて、入口温度が第2の温度閾値を超えるとき、最高許容チャンバ出口温度設定点が36℃に達し、その状態を維持する。第2の温度閾値は、要求される最小温度差を超える入口温度に対応する。第2の温度閾値は、単一の温度値又は温度値の範囲でもよい。各モード、たとえば27度、29度、又は31度のモードは、それ自体の第2の温度閾値を有してもよい。図8を見ると分かるように、制御装置は、チャンバ出口設定点とガスの入口温度との温度差を維持しようとする。この温度差は、チャンバ出口温度設定点を規定するために使用される。温度差は、少なくとも流量に依存し、周囲温度及びヒータ・プレート温度にさらに依存してもよい。図8に示すように、ガスの入口温度が第2の温度閾値を超えると、チャンバ出口温度設定点が、36℃の最高許容チャンバ出口温度設定点に設定される。図8に示すように、線812、814、及び816は、入口温度とチャンバ出口設定点の温度差が差の閾値を下回るとき、36℃で平らになる。
【0211】
図9Aには、入口の温度及び入口ガスが乾燥しているときに加えられる湿度に応じて、例示的な加湿器によって加えられる湿度の一例が示してある。たとえば、チャンバ入口温度が低い(たとえば、24℃の閾値を下回っている)とき、加湿器は、標準動作状態の下で(たとえば、図6Aのステップ614において、又図6Bのステップ630の下に示すように、判定ブロック612においてガス入口温度が閾値温度を超えない場合)流入ガスに所望の湿度レベルを送達することができる。チャンバ入口温度が約24℃を超えて上昇するとき、システムは、(たとえば、図6Aのステップ616において、又図6Bのステップ630の下に示すように、判定ブロック612おいて、ガス入口温度が閾値温度を超え、システムがステップ626及び628を実行する場合)流入ガスに対して相対的に低い所望の湿度レベルまで湿度レベルを低減することができる。先に論じたように、温度閾値を超える(すなわち、図7に示すように高温低湿ガスの)乾性ガスであるが、入口温度が同じガスとともにこのアルゴリズムが使用されるとき、患者に送達される湿度レベルは、相対的に低くなるが治療レベルである。このアルゴリズムが室内空気の連行換気装置(すなわち、図7に示すように高温高湿ガスを生成すること)とともに使用される場合、患者又はユーザに送達される湿度レベルは、相対的に低い所望の湿度レベルに加えて室内空気からの湿度である。すなわち、相対的に低いこの湿度レベルは、室内連行湿度を考慮に入れ、図4A~4B及び図5A~5Bに示される、この場合、考慮に入れない室内空気湿度が、相対的に高い望ましくないレベルまで露点を引き上げて、(患者への接続装置及び/又は吸気管を洗浄するために、患者に不快感及び/又は治療の中断を引き起こす過剰な結露などの)結露を起こすことになる問題を最小限に抑えることができる。言い換えてみると、図9Aに示すように、入口温度閾値を超えるとき、制御装置は、周囲空気からの増加した湿度量を考慮に入れるために、相対的に低い絶対湿度を生成するようにヒータ・プレートを制御してもよい。相対的に低い絶対湿度値及び流入空気からの湿度は、結果として、治療値の又は治療値を上回る絶対湿度を生成することができ、管又は患者への接続装置の中の結露を低減し、又はこの結露を最小限に抑えることができる。
【0212】
図9Bには、例示的な異なるユーザ設定又は出口温度設定点について、入口の温度及び入口ガスが乾燥しているときに加えられる湿度に応じて、例示的な加湿器によって加えられる湿度の一例が示してある。具体的には、図9Bには、加湿器の非侵襲性動作モード向けの相対的に低い湿度レベルの効果が示してあり、異なるユーザ設定又はチャンバ出口温度設定点である27℃、29℃、及び31℃が、それぞれマスク27、マスク29、及びマスク31に対応する。さらに、又は別法として、最高チャンバ出口温度設定点は、結露を最小限に抑えるように低減されたレベルで設定されてもよい(たとえば、25℃、27℃、29℃は、それぞれマスク27、マスク29、及びマスク31に対応する)。高流量モードの場合、類似の手法が制御装置によって採用されてもよい。或いは、高流量モードでは、最高許容湿度が変化しなくてもよい。侵襲性モード中は、湿度は、あらゆる入口温度の範囲にわたって、最大限に活用され、変化しない。
【0213】
例示的な湿度送達制御システム
図10A~10Cには、図5A~5Cに示す標準動作の下で形成され得る結露に対して解決策を提示し、図5A~5Cと例示的に重ね合わせたものが示してある。
【0214】
図10Aは、入口温度36℃での例示的な湿度送達制御システムの例示的な効果を示すグラフである。具体的には、図10Aには、目標湿度又は所望の湿度が、(たとえば、図5Aに示す)31℃の露点に対応する標準動作状態の下で加湿器を動作することと、低減された最大チャンバ出口設定点が29℃の露点に対応する加湿器を動作することとの比較が示してある。ガスが加湿器を通過するときの例示的な実際のガス温度が線1010で示してある。ガス温度は、図10Aに36℃として示す出口温度から、たとえば、図10Aに31℃として示す、患者への接続装置出口の目標温度まで低下することがある。ガスが室内連行されるとき、ガスは過剰な湿気を含むことがある。ガスが室内連行されないとき、ガスは「乾燥している」と考えられてもよい。6Aに示すプロセス601又は図6Bに示すプロセス600の下で、乾燥した入口の湿度(すなわち乾性ガス)によって表される目標湿度レベル又は所望の湿度レベル(線1014A)は、たとえば29℃の露点に対応する相対的に低い所望の湿度レベル(線1014B)まで下がることがある。線1014Aは、入口ガスの温度閾値を超えない場合、このシステムがチャンバ出口設定点に上限を設けないときの露点を表してもよい。線1014Bは、温度閾値を超えるとき、チャンバ出口設定点を下げた結果として生じる露点を表してもよい。室内連行ガスの場合、出口ガスの効果的な目標湿度を線1012Aから線1012Bに低下させてもよい。線1012Aは、チャンバ湿度に加えて周囲ガス湿度の露点を表してもよい(図5Aに示す)。線1012Bは、温度閾値を超え、チャンバ出口温度設定点が低下する(すなわち、最高許容チャンバ出口温度設定点に上限が設けられると)、その結果として生じる、チャンバ湿度に加えて周囲ガス湿度の露点を表してもよい。線1012B及び1014Bは、たとえば、チャンバ出口温度設定点に上限を設けることにより、チャンバ出口設定点が低下することに起因した露点の変化を表してもよい。線1012B及び1014Bは、チャンバ出口設定点が低減されると、加湿器によってガスに加えられる湿度量が低減することによる露点の低下を表してもよい。入口温度閾値を超えるとき、制御装置は、(線1014Aで示してある、)標準の制御と比べて、相対的に低いチャンバ出口設定点(又は相対的に低いヒータ・プレート電力設定点又はヒータ・プレート温度設定点又は相対的に低い湿度設定点)に、チャンバ出口温度設定点(又はヒータ・プレート電力設定点又はヒータ・プレート温度設定点又は湿度設定点)の上限を設けてもよい。チャンバ出口温度設定点に上限を設けることに追加して、又はその別法として、ヒータ・プレート設定点温度に上限を設けてもよく、又はヒータ・プレート電力設定点に上限を設けてもよい。相対的に低いチャンバ出口温度設定点によって、露点が相対的に低くなり、又加湿器による絶対湿度出力が相対的に小さくなる場合がある。加湿器が、室内空気の連行換気装置に接続されると、露点が1012Aから1012Bへと低下するので、斜線のついた三角形で示すように、形成される結露が少なくなることがある。チャンバ出口温度設定点に上限を設けて(又はヒータ・プレート電力設定点又はヒータ・プレート温度設定点に上限を設けて)、生成する湿度を低減することによってこれを実現する。上限を設けられたチャンバ出口温度設定点(又は上限を設けられたヒータ・プレート電力設定点又はヒータ・プレート温度設定点)は、最大許容設定点に対応する。第2のモードにおいて(すなわち、入口温度が温度域ちと等しいか、又はそれを超えるときに)、上限を設けられた設定点は、第1のモード(すなわち、入口温度が温度閾値を下回るとき)の最大設定点を下回る。入口温度が高いことが理由で多少の結露が依然として発生することがあるが、図5Aに示すように、加湿器の標準動作中のガスの結露レベルと比べて、図10Aの結露は著しく減少することがある。前述の通り、加湿器又は呼吸補助システム中に結露が発生する場合がある1つ又は複数の点を示すように説明する目的で、推定露点を表す水平直線として、線1012A、1012B、1014A、及び1014Bは示してある。
【0215】
図10Bは、入口温度26℃での例示的な湿度送達制御システムの例示的な効果を示すグラフである。具体的には、図10Bは、目標湿度が、(たとえば、図5Bに示す)31℃の露点に対応する標準動作状態の下で加湿器を動作することと、低減された最大チャンバ出口設定点が29℃の露点に対応する加湿器を動作することとの比較を示す。ガスが加湿器を通過するときの例示的なガス温度が線1030で示してある。プロセス600の下で、乾燥した入口の湿度によって表される目標湿度レベル(線1013A)は、たとえば29℃の露点に対応する、相対的に低い所望の湿度レベル(線1034B)まで下がることがある。線1034Aは、入口ガス温度閾値を超える場合に、このシステムがチャンバ出口温度設定点にさらに上限を設けないときのチャンバ出口の露点を表してもよい。線1034Bは、温度閾値を超えるとき、チャンバ出口温度設定点を低下させた(すなわち、これに上限を設けた)結果として生じる、チャンバ出口での露点を表してもよい。チャンバ出口温度設定点は、最高許容チャンバ出口温度設定点に上限を設けられる。室内連行ガスの場合は、出口ガスの効果的な目標湿度を線1032Aから線1032Bまで低下させてもよい。線1032Aは、チャンバ出口での露点を表してもよい(図5Bに示す)。ガスの出口温度は33℃でもよい。チャンバ出口と患者側のセンサとの間の線1030で示すように、この出口温度は、この例では34℃であるチャンバ出口温度設定点及び/又は患者側で望まれる温度よりも低いので、このシステムは、ガスがチャンバ出口から患者側へ移動するとき、ガスを加熱するように構成されることになる。次いで、患者側のセンサと患者への接続装置出口との間の線1030で示すように、患者への接続装置出口において約31℃に加熱されていない、患者への接続装置をガスが移動するとき、このガスは冷却されることになる。患者側と患者への接続装置出口との間でガスが冷却されると、ガスの露点はまた低下することになる。前述の通り、31℃という相対的に低い露点のガスにもはや含むことのできない水蒸気が、液体へと結露することになる。この結露は、図10Bの灰色の区域で表してある。線1032Bは、入口温度閾値を超え、チャンバ出口設定点が低下したときに結果として生じる、チャンバ出口での露点を表してもよい。線1032B及び1034Bは、たとえば、チャンバ出口設定点に上限を設けることにより、チャンバ出口設定点が低下することに起因した露点の変化を表してもよい。線1032B及び1034Bは、チャンバ出口設定点が低減される(すなわち、最大許容チャンバ出口設定点に上限が設けられる)と、加湿器によってガスに加えられる湿度量が低減することによる露点の低下を表してもよい。入口温度閾値を超えるとき、制御装置は、(線1014Aで表す)標準の制御と比べて、相対的に低いチャンバ出口設定点に、チャンバ出口設定点(又はヒータ・プレート電力設定点又はヒータ・プレート温度設定点)の上限を設けてもよい。チャンバ出口設定点に上限を設けることに加えて、又はその別法として、ヒータ・プレート設定点温度に上限を設けてもよく、又はヒータ・プレート電力設定点に上限を設けてもよい。相対的に低いチャンバ出口設定点によって、露点が相対的に低くなり、又絶対湿度が相対的に低くなる場合がある。相対的に低い、すなわち上限を設けられたチャンバ出口設定点は、第2のモードにおいて(すなわち、入口ガス温度が温度閾値を超えるとき)、最大許容チャンバ設定点に対応する。最大許容チャンバ設定点は、入口ガス温度の変化を基準として変化してもよい。実際の露点とも呼ばれる、所望の湿度の露点を低下させることによって、たとえば斜線部分で表す結露を避けてもよい。たとえば、入口ガス温度が温度閾値を超える場合、チャンバ出口温度設定点に上限を設けること(又はヒータ・プレート温度設定点若しくはヒータ・プレート電力設定点に上限を設けること)によって、結露の低減を実現することができる。前述の通り、加湿器又は呼吸補助システム中に結露が発生する場合がある1つ又は複数の点を示すように説明する目的で、推定露点を表す水平直線として、線1032A、1032B、1034A、及び1034Bは示してある。
【0216】
図10Cは、閾値温度24℃を下回る入口温度21℃での例示的な湿度送達制御システムの例示的な効果を示すグラフである。ガスが加湿器を通過するときの例示的なガス温度が線1040で示してある。目標湿度の露点は、入口温度閾値を超えていないので、低下するのではなく線1042Aに留まっていてもよい。図10Cに示す例では、加湿器は、入口温度が低い(すなわち、周囲温度よりも低い)ことに起因する入口湿度にかかわらず、低下した湿度レベルで飽和するまでガスを加熱及び加湿することができる。乾燥した入口及び湿った入口の湿度の線を合わせることによってこれを示す(すなわち、ガスがチャンバ出口から出た後、線1042A及び1044Aは同じである)。加湿器又は呼吸補助システム中に結露が発生する場合がある1つ又は複数の点を示すように説明する目的で、推定露点を表す水平直線として、線1042A及び1044Aは示してある。
【0217】
代替の構成では、加湿器は、温度センサの代わりに、加湿器の出口に湿度センサを備えてもよい。制御装置は、測定された入口温度に基づいてヒータ・プレートに供給される電力を制御するように構成される。制御装置は、ガスの入口温度が閾値温度を下回るときの第1のモード、及びガスの入口温度が温度閾値を超えるときの第2のモードで動作するように構成されてもよい。制御装置は、第1のモードでの第1の最高許容湿度値、及び第2のモードでの第2の最高許容湿度を規定するように構成されてもよい。第2の許容湿度は第1の最高許容湿度を下回る。制御装置は、出口湿度センサに基づいてガスの湿度を決定する。制御装置は、チャンバ出口での所望の湿度出力を達成するようにヒータ・プレートへの電力を制御するように構成される。第2のモードでは、ヒータ・プレートの電力レベルは、チャンバ出口の出力湿度が第2の最高許容湿度を確実に下回るように制御される。湿度設定点は、区分的機能によって規定されてもよい。区分的機能の第1の部分は、ガスの入口温度が温度閾値を下回るとき、第1の最高許容湿度出力を規定する。区分的機能の第2の部分は、第2の湿度出力を規定する。湿度設定点は、第2のモードでは、少なくとも入口温度及び流量読取り値に基づいて、制御装置によって調節されてもよい。しかし、最高許容湿度は、第2の最高許容湿度に対応する。湿度設定点は、ユーザによる所望の湿度入力に対応する第2の最高許容湿度よりも低くなるように調整されてもよい。しかし、第2のモードにおいて(すなわち、ガスの入口温度が温度閾値を超えるとき)、湿度出力が第2の最高許容湿度を超えることはない。湿度出力が第2の最高許容湿度を超える場合、ヒータ・プレート電力は、制御装置によってオフにされる。入口温度が温度閾値を超えるときの相対的に低い湿度は、管及び/又は患者への接続装置の中の凝縮物を低減する。相対的に低い湿度出力は、ガス、特に空気連行換気装置から受けられるガスの過剰な加湿を防止する助けになる。さらなる代替の構成では、システムは、入口ガスを測定して、ガスが高温高湿か、又は高温低湿かを判定する湿度センサとともに動作することができる。システムは、この追加情報を利用して、出口温度設定点を変更又は精緻化してもよい。さらに、又は別法として、システムは、周囲空気圧を決定するように構成された、入口ガスを測定する圧力センサとともに動作することができる。周囲空気圧を使用して、入口ガスの表示湿度を決定することができる。
【0218】
専門用語
本明細書に記載したものより多くの他の変形形態が本開示から明らかになろう。たとえば、実施形態に応じて、本明細書に記載の任意のアルゴリズムのうち、ある特定の行為、事象、又は機能を、異なる順序で実行し、追加し、一体化し、又はまとめて省くことができる(たとえば、記載されている行為又は事象が、アルゴリズムの実行にすべて必要なわけではない)。さらに、ある特定の実施形態では、たとえば、マルチスレッド処理、割込み処理、若しくはマルチ・プロセッサ、若しくはプロセッサ・コアによって、又は他の並列アーキテクチャにおいて、行為又は事象を同時に、むしろ連続的に実行することができる。さらに、互いに機能できる様々なマシン及び/又はコンピューティング・システムによって、様々なタスク又はプロセスを実行することができる。
【0219】
本明細書に開示された各実施形態とともに説明される例示的な様々な論理ブロック、モジュール、及びアルゴリズムのステップを、電子ハードウェア、コンピュータ・ソフトウェア、又はこの両方の組合せとして実装することができる。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に説明するために、例示的な様々な構成要素、ブロック、モジュール、及びステップについて、その機能性に関してこれまでに概ね述べてきた。こうした機能性がハードウェア又はソフトウェアとして実装されるかは、特定のアプリケーション及びシステム全体に加えられる設計上の制約に依存する。特定の各アプリケーション向けの様々な方法で、説明した機能性を実装することができるが、こうした実装形態の決定は、本開示の範囲から逸脱させるものとして解釈されるべきではない。
【0220】
たとえば、デジタル論理回路を備えるハードウェア・プロセッサ、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、又は他のプログラム可能な論理デバイス、ディスクリート・ゲート若しくはトランジスタ論理、ディスクリート・ハードウェア構成要素、又は本明細書に記載の各機能を実行するように設計された、これらの任意の組合せなどのマシンによって、本明細書に開示された各実施形態とともに説明される例示的な様々な論理ブロック及びモジュールを実装又は実行することができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサとすることができるが、別の選択として、プロッセサは、制御装置、マイクロコントローラ、又は状態機械、これらの組合せなどとすることができる。プロセッサは、コンピュータ実行可能な命令を処理するように構成された電気回路を備えることができる。別の実施形態では、プロセッサは、コンピュータ実行可能な命令を処理することなく、FPGA、又は論理演算を実行する他のプログラム可能なデバイスを備える。プロセッサはまた、計算装置の組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つ又は複数のマイクロプロセッサ、又は任意の他のこうした構成として実装することができる。コンピューティング環境は、いくつか例を挙げると、マイクロプロセッサ、メインフレーム・コンピュータ、デジタル信号プロセッサ、ポータブル計算装置、デバイス制御装置、又はアプライアンス内の計算エンジンに基づいたコンピュータ・システムを含むが、これらに限定されない任意のタイプのコンピュータ・システムを備えることができる。
【0221】
本明細書に開示された各実施形態とともに説明される方法、プロセス、又はアルゴリズムの各ステップは、ハードウェアで、1つ又は複数のメモリ装置に記憶され、1つ又は複数のプロセッサによって実行されるソフトウェア・モジュールで、又はこの2つの組合せで直接実施することができる。ソフトウェア・モジュールは、RAMメモリ、フラッシュ・メモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハード・ディスク、リムーバブル・ディスク、CD-ROM、又は当業者に知られている、任意の他の形態の持続的なコンピュータ読取り可能な記憶媒体、媒体、又は物理的なコンピュータ記憶装置内にあってもよい。例示的な記憶媒体はプロセッサに結合することができ、したがってこのプロセッサは、記憶媒体からの情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができる。別の選択では、記憶媒体をプロセッサと統合することができる。記憶媒体は、揮発性又は不揮発性とすることができる。プロセッサ及び記憶媒体は、ASIC内にあってもよい。
【0222】
特に記載のない限り、又は使用される文脈内で他の意味に理解されない限り、とりわけ、「can」、「might」、「may」、「e.g.,」など、本明細書で使用される条件付き文言は一般に、ある特定の実施形態は、ある特定の機能、要素、及び/又は状態を含む一方で、他の実施形態はこれらを含まないことを一般に伝えるものとする。したがって、こうした条件付き文言は一般に、各特徴、要素、及び/又は状態が、いずれにしても1つ又は複数の実施形態に必要とされること、又は作成者の入力又は指示の有無にかかわらず、特定の任意の実施形態において、こうした特徴、要素、及び/又は状態が含まれるのか、若しくはそれらが実行されるべきなのか判定するための論理を1つ又は複数の実施形態が必ず含むことを意味するものではない。「comprising」、「icluding」、「having」などの用語は、同義であり、包含的に変更可能にして使用され、追加の要素、特徴、行為、動作などを除外しない。「又は」という用語もやはり、(その排他的な意味ではなく)その包含的な意味において使用され、したがって、「又は」という用語は、たとえば、並んでいる要素をつなぐのに使用されるとき、その並んでいる要素のうちの1つ、いくつか、又はすべてを意味する。さらに、本明細書で使用される「each」という用語は、その本来の意味を有するのに加えて、「each」という用語が当てはまる1組の要素のうちの任意の一部を意味することができる。
【0223】
たとえば、「X、Y、及びZのうちの少なくとも1つ」という句などの離接的な文言は、特に記載のない限り、項目、用語などが、X、Y、又はZでもよいのか、又はその組合せでもよいのかを伝えるために一般に使用される文脈とともに理解されるべきである。したがって、こうした離接的な文言は一般に、ある特定の実施形態が、少なくとも1つのX、少なくとも1つのY、及び少なくとも1つのZがそれぞれ存在する必要があることを意味するものではない。
【0224】
特に明確に述べていない限り、「1つの(a)」又は「1つの(an)」などの冠詞は一般に、記載された1つ又は複数の項目を含むように解釈されるべきである。したがって、「~するように構成された装置」などの句は、1つ又は複数の列挙された装置を含むものとする。こうした1つ又は複数の列挙された装置はまた、言及され列挙されたものを実行するように集合的に構成することができる。たとえば、「列挙されたものA、B、及びCを実行するように構成されたプロセッサ」は、列挙されたものB及びCを実行するように構成された第2のプロセッサとともに動作する、列挙されたものAを実行するように構成された第1のプロセッサを含むことができる。
【0225】
これまで詳細な説明を示し、記載し、又様々な実施形態に適用される新規な特徴を指摘してきたが、例示した装置又はアルゴリズムの形態及び細部において、本開示の精神から逸脱することなく、様々な省略、代替、及び変更が可能であることが理解されよう。認識されるように、本明細書に記載した本発明のある特定の実施形態は、特徴の一部を使用することができ、又は他の特徴と分けて実行することができるので、本明細書に述べた特徴及び利点のすべてを提供するわけではない形態の範囲内で実施することができる。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
【国際調査報告】