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特表2022-526251植物における遺伝子発現のプログラム可能なエピジェネティック制御
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-24
(54)【発明の名称】植物における遺伝子発現のプログラム可能なエピジェネティック制御
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/63 20060101AFI20220517BHJP
   A01H 5/00 20180101ALI20220517BHJP
   A01H 6/46 20180101ALI20220517BHJP
   A01H 6/54 20180101ALI20220517BHJP
   A01H 6/82 20180101ALI20220517BHJP
   A01H 5/10 20180101ALI20220517BHJP
   A01H 5/12 20180101ALI20220517BHJP
   A01N 61/00 20060101ALI20220517BHJP
   A01N 57/16 20060101ALI20220517BHJP
   A01P 21/00 20060101ALI20220517BHJP
   A01G 24/20 20180101ALI20220517BHJP
【FI】
C12N15/63 Z ZNA
A01H5/00 A
A01H6/46
A01H6/54
A01H6/82
A01H5/10
A01H5/12
A01N61/00 D
A01N57/16 104C
A01P21/00
A01G24/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021555276
(86)(22)【出願日】2020-03-18
(85)【翻訳文提出日】2021-11-12
(86)【国際出願番号】 US2020023391
(87)【国際公開番号】W WO2020191072
(87)【国際公開日】2020-09-24
(31)【優先権主張番号】62/820,172
(32)【優先日】2019-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516122405
【氏名又は名称】サウンド アグリカルチャー カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バイヤー,トラヴィス
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー,ケヴィン エル.
(72)【発明者】
【氏名】キーン,アデン
(72)【発明者】
【氏名】サムソン,ジェニファー アデル
(72)【発明者】
【氏名】ガライ,イチャソ
【テーマコード(参考)】
2B022
2B030
4H011
【Fターム(参考)】
2B022BA11
2B030AA02
2B030AB02
2B030AD04
2B030AD06
2B030AD07
2B030AD08
2B030AD15
2B030CA16
2B030CB02
4H011AB03
4H011BB19
4H011DA02
4H011DA15
4H011DA16
4H011DG06
4H011DH15
(57)【要約】
本明細書は、植物又は種子などの生物において標的遺伝子を少なくとも部分的にサイレンシング又は活性化するためのエピジェネティック修飾を導くために人工的に合成された核酸構築物、及びその製剤を開示する。併せて、かかる核酸構築物を植物又は種子に適用する方法も開示する。併せて、エピジェネティック修飾によって得られた操作された種子及び植物も開示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工核酸構築物であって、
(a)2’位若しくは3’位で修飾されたリボース、又は2’位若しくは3’位で修飾されたデオキシリボース、又はそれらの組合わせと、
(b)末端オーバーハングと、を含み、
前記人工核酸構築物は二本鎖であり、
前記人工核酸構築物の少なくとも1つの鎖は、独立して、少なくとも、長さ約10から約30のヌクレオチド又はヌクレオシド又はそれらの組合わせを含み、
生物と接触すると、前記人工核酸構築物の少なくとも一部は、前記生物の核酸配列中のヌクレオチド又はヌクレオシドの少なくとも1つの塩基のエピジェネティック修飾を促進にするように構成されている、人工核酸構築物。
【請求項2】
前記人工核酸構築物が、ヌクレオチド又はヌクレオシドのプリン塩基又はピリミジン塩基にエピジェネティック修飾を含まない、請求項1に記載の人工核酸構築物。
【請求項3】
前記人工核酸構築物が、DNAメチルトランスフェラーゼ、その生物学的に活性な断片、又はその誘導体を少なくとも部分的に含む系を介して前記エピジェネティック修飾を促進する、請求項1又は2に記載の人工核酸構築物。
【請求項4】
前記人工核酸構築物が、DNAアセチルトランスフェラーゼ、その生物学的に活性な断片、又はその誘導体を少なくとも部分的に含む系を介して前記エピジェネティック修飾を促進する、請求項1又は2に記載の人工核酸構築物。
【請求項5】
前記系が、RNA指向DNAメチル化経路の少なくとも1つの構成要素の少なくとも一部を含む、請求項3又は4に記載の人工核酸構築物。
【請求項6】
前記少なくとも1つの構成要素が、タンパク質又はその一部を含む、請求項5に記載の人工核酸構築物。
【請求項7】
前記タンパク質又はその一部が、酵素又はその一部である、請求項6に記載の人工核酸構築物。
【請求項8】
前記人工核酸構築物が、CRISPR、CRISPR関連タンパク質(Cas)、その生物学的に活性なフラグメント、その誘導体、その融合タンパク質、又はそれらの任意の組合わせの非存在下で前記エピジェネティック修飾を促進することができる、請求項1~7のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項9】
前記人工核酸構築物が、Cas1、Cas2、Cas3、Cas4、Cas5、Cas6、Cas7、Cas8、Cas9、又はそれらの任意の組合わせを含むCasの非存在下で前記エピジェネティック修飾を促進することができる、請求項1~8のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項10】
前記人工核酸構築物の糖のその総数に基づく少なくとも約80%が、それぞれ独立して、デオキシリボース、修飾デオキシリボース、又はそれらの組合わせを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項11】
前記人工核酸構築物の糖のその総数に基づく約20%未満が、それぞれ独立して、リボース、修飾リボース、又はそれらの組合わせを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項12】
前記人工核酸構築物が、RNA若しくはDNA、ヌクレオチド若しくはヌクレオシド、又はそれらの組合わせによって少なくとも部分的にコードされている、請求項1~11のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項13】
前記人工核酸構築物のヌクレオチド、ヌクレオシド、又はそれらの組合わせの少なくとも約80%がDNAである、請求項1~12のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項14】
前記人工核酸構築物の末端ヌクレオチド又は末端ヌクレオシドが、RNA、ヌクレオチド若しくはヌクレオシド、又はそれらの組合わせを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項15】
前記核酸配列中の複数のヌクレオチドが、同じエピジェネティック修飾を有する、請求項1~14のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項16】
前記核酸配列中の少なくとも10~12個のヌクレオチドが、同じエピジェネティック修飾を有する、請求項1~15のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項17】
前記核酸配列が、少なくとも約100個の連続するヌクレオチドを含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項18】
前記核酸配列が、CpGアイランドを含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項19】
前記修飾リボース又は前記修飾デオキシリボースが、前記人工核酸構築物の末端ヌクレオチド又は末端ヌクレオシドにある、請求項1~18のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項20】
前記修飾リボース又は前記修飾デオキシリボースが、2’-O-R基を含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項21】
R基が、アルキル、アリール、ハロアルキル、アミノ、メチル、アセチル、及びハロからなる群から選択される、請求項20に記載の人工核酸構築物。
【請求項22】
前記R基がメチルである、請求項21に記載の人工核酸構築物。
【請求項23】
さらに、プリン塩基又はピリミジン塩基の少なくとも1つに修飾を含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項24】
前記修飾が、複数の修飾を含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項25】
前記修飾が、前記人工核酸構築物の安定性を増加させる、請求項1~24のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項26】
前記修飾が、前記生物による前記人工核酸構築物の取り込みを増加させる、請求項1~25のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項27】
前記修飾が、前記人工核酸構築物の3´末端に実質的に配置されている、請求項1~26のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項28】
前記修飾が、前記人工核酸構築物の5’末端に実質的に配置されている、請求項1~27のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項29】
前記修飾が、メチル基、メトキシ基、エステル基、フルオロ基、ホスホロチオエート骨格、又はそれらの任意の組合わせを含む、請求項1~28のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項30】
前記末端オーバーハングが、3’末端オーバーハングである、請求項1~29のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項31】
前記人工核酸構築物が、2つの3’末端オーバーハングを含む、請求項1~30のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項32】
前記人工核酸構築物の少なくとも一本の鎖が、独立して、約20から約30個の長さのヌクレオチド若しくはヌクレオシド、又はそれらの組合わせを含む、請求項1~31のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項33】
少なくとも1つのデオキシリボ核酸を含む、請求項1~32のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項34】
少なくとも1つのリボ核酸を含む、請求項1~33のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項35】
前記人工核酸構築物が、その5’末端でリン酸化されていない少なくとも1つの鎖を含む、請求項1~34のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項36】
前記生物が、植物、種子、果実、葉、茎、根、花、古細菌、細菌、真菌、ウイルス、ウイルス様粒子、原生生物、藻類、線虫、これらのいずれかの一部、又はそれらの任意の組合わせを含む、請求項1~35のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項37】
配列番号1~62のうちの1つ以上と、少なくとも約80%、85%、90%、95%、若しくは98%、若しくは約100%の配列同一性を有し、又は配列番号1~62のうちの1つ以上の少なくとも10個の連続する塩基を有する、請求項1~36のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項38】
配列番号63~194のうちの1つ以上と、少なくとも約80%、85%、90%、95%、若しくは98%、若しくは約100%の配列同一性を有し、又は配列番号63~194のうちの1つ以上の少なくとも10個の連続する塩基を有する、請求項1~37のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項39】
配列番号195~404のうちの1つ以上と、少なくとも約80%、85%、90%、95%、若しくは98%、若しくは約100%の配列同一性を有し、又は配列番号195~404のうちの1つ以上の少なくとも10個の連続する塩基を有する、請求項1~38のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項40】
配列番号405~584のうちの1つ以上と、少なくとも約80%、85%、90%、95%、若しくは98%、若しくは約100%の配列同一性を有し、又は配列番号405~584のうちの1つ以上の少なくとも10個の連続する塩基を有する、請求項1~39のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項41】
配列番号585~684のうちの1つ以上と、少なくとも約80%、85%、90%、95%、若しくは98%、若しくは約100%の配列同一性を有し、又は配列番号585~684のうちの1つ以上の少なくとも10個の連続する塩基を有する、請求項1~40のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項42】
前記人工核酸構築物の主鎖に配置されたペプチド核酸、モルホリノ、ロックド核酸、グリコール核酸、トレオース核酸、又はそれらの任意の組合わせを含む、請求項1~41のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項43】
前記エピジェネティック修飾が、Nuclear RNA polymerase D1(NRPD1)、NRPE1、NRPD2/NRPE2、NRPD4/NRPE4、NRPE5、NRPE9B、NRPB1、RNA依存性RNAポリメラーゼ2(RDR2)、DICER-Like3(DCL3)、HUA Enhancer 1(HEN1)、Argonaute 4(AGO4)、AGO6、AGO9、Classy 1(CLSY1)、Defective in RNA-Directed DNA Methylation 1(DRD1)、Defective in Meristem Silencing 3(DMS3)、RNA-Directed DNA Methylation 1(RDM1)、KOW Domain-Containing Transcription Factor 1(KTF1)、Involved in De Novo 2(IDN2)、IDN2 Paralogue1(IDP1)、IDP2、DMS4、ドメイン再編成メチルトランスフェラーゼ2(DRM2)、SUVH2、SUVH9、SUVR2、Microrchidia 1(MORC1)、MORC6、Sawadee homeodomain homologue 1(SHH1)、ヒストンデアセチラーゼ6(HDA6)、Jumonji 14(JMJ14)、リジン特異的ヒストンデメチラーゼ1(LDL1)、LDL2、ユビキチン特異的プロテアーゼ26(UBP26)、Needed For RDR2-Independent DNA Methylation(NERD)、クロモメチラーゼ2(CMT2)、CMT3、メチルトランスフェラーゼ1(MET1)、SUVH4、Decreased DNA Methylation 1(DDM1)、それらの生物学的に活性なフラグメント、それらに関連する調節エレメント、それらに関連するイントロン、又はそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上のタンパク質を少なくとも部分的にコードするポリヌクレオチド配列に含まれる、請求項1~42のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項44】
前記エピジェネティック修飾が、酵素又はその触媒的若しくは生物学的に活性な断片によって触媒される、請求項1~43のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項45】
前記酵素又はその触媒的若しくは生物学的に活性な断片が、前記生物にとって内因性である、請求項44に記載の人工核酸構築物。
【請求項46】
前記酵素又はその触媒的若しくは生物学的に活性な断片が、TETファミリー酵素又はその触媒的若しくは生物学的に活性な断片を含む、請求項44又は45に記載の人工核酸構築物。
【請求項47】
前記酵素又はその触媒的若しくは生物学的に活性な断片が、メチルトランスフェラーゼ又はその触媒的若しくは生物学的に活性な断片を含む、請求項44から46のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項48】
前記メチルトランスフェラーゼが、クロモメチルトランスフェラーゼ(CMT)、ドメイン再編成メチルトランスフェラーゼ(DRM)、又はそれらの組合わせを含む、請求項47に記載の人工核酸構築物。
【請求項49】
前記エピジェネティック修飾が、前記少なくとも1つの塩基に化学基を付加する、請求項1~48のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項50】
前記エピジェネティック修飾が、前記少なくとも1つの塩基にメチル基を付加し、前記メチル基がメトキシ、ホルミル、若しくはカルボキシル基、又はカルボン酸に酸化される、請求項1~49のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項51】
前記少なくとも1つの塩基がシトシンである、請求項1~50のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項52】
前記エピジェネティック修飾が、メチル基、ヒドロキシメチル基、ホルミル基、カルボキシル基、又はそれらの任意の組合わせを含む、請求項1~51のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項53】
前記エピジェネティック修飾が、メチル基を含む、請求項52に記載の人工核酸構築物。
【請求項54】
前記核酸配列が、転写調節領域を含む、請求項1~53のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項55】
二本鎖人工核酸構築物の鎖が、転写調節領域の一部と、少なくとも約80%、85%、90%、95%、又は98%、又は約100%の配列同一性を有する、請求項1~54のいずれか一項に記載の人工核酸構築物。
【請求項56】
前記転写調節領域が、少なくとも約30%のグアニンシトシン(GC)含有量を有する、請求項54に記載の人工核酸構築物。
【請求項57】
請求項1~56のいずれか一項に記載の複数の少なくとも約2~100個の人工核酸構築物。
【請求項58】
請求項1~56のいずれか一項に記載の複数の少なくとも約2~50個の人工核酸構築物。
【請求項59】
請求項1~56のいずれか一項に記載の複数の少なくとも約2~20個の人工核酸構築物。
【請求項60】
前記人工核酸構築物の数の少なくとも約10%から約100%が前記複数の人工核酸構築物で異なる、請求項57~59のいずれか一項に記載の複数。
【請求項61】
前記複数の人工核酸構築物のそれぞれが異なる、請求項60に記載の複数。
【請求項62】
2’位若しくは3’位で修飾されたリボース、又は2’位若しくは3’位で修飾されたデオキシリボース、又はそれらの組合わせを含むヌクレオチド又はヌクレオシドを前記人工核酸構築物に付加することを含む、請求項1~56のいずれか一項に記載の人工核酸構築物を作製する方法。
【請求項63】
請求項1~56のいずれか一項に記載の人工核酸構築物を作製する方法であって、前記人工核酸構築物の2’位又は3’位でリボース、デオキシリボース、又はそれらの組合わせを修飾することを含む方法。
【請求項64】
2つ以上の前記人工核酸構築物を混合することを含む、請求項57~61のいずれか一項に記載の複数の方法。
【請求項65】
請求項1~56のいずれか一項に記載の人工核酸構築物又は請求項57~61のいずれか一項に記載の複数の人工核酸構築物を含む単離細胞。
【請求項66】
請求項1~56のいずれか一項に記載の人工核酸構築物又は請求項57~61のいずれか一項に記載の複数の人工核酸構築物を含む単離された真核細胞。
【請求項67】
請求項1~56のいずれか一項に記載の人工核酸構築物又は請求項57~61のいずれか一項に記載の複数を含む植物、種子、溶液、微生物、肥料又は土壌。
【請求項68】
(a)請求項1~67のいずれか一項に記載の人工核酸構築物と、(b)生物の核酸配列中の少なくとも1つの塩基のエピジェネティック修飾を行う酵素又はその触媒的若しくは生物学的活性断片とを含む組成物。
【請求項69】
請求項1~56のいずれか一項に記載の1つ以上の人工核酸構築物又は請求項57~61のいずれか一項に記載の複数の人工核酸構築物を含むベクターを含む組成物。
【請求項70】
(a)請求項1~56のいずれか一項に記載の人工核酸構築物、請求項57~61のいずれか一項に記載の複数の人工核酸構築物、又は請求項68若しくは69に記載の組成物と、(b)土壌、肥料、種子、植物、液体、又はそれらの任意の組合わせを含む容器とを含むキット。
【請求項71】
(a)請求項1~56のいずれか一項に記載の人工核酸構築物、請求項57~61のいずれか一項に記載の複数の人工核酸構築物、又は請求項68若しくは69に記載の組成物と、(b)賦形剤とを含む製剤。
【請求項72】
前記賦形剤が農業的に許容される賦形剤である、請求項71に記載の製剤。
【請求項73】
肥料又は土壌をさらに含む、請求項71又は72に記載の製剤。
【請求項74】
請求項1~56のいずれか一項に記載の人工核酸構築物、請求項57~61のいずれか一項に記載の複数の人工核酸構築物、又は請求項68若しくは69に記載の組成物を賦形剤と接触させて製剤を形成することを含む、製剤の製造方法。
【請求項75】
操作された植物又は種子であって、該操作された植物又は種子の少なくとも1つの遺伝子を少なくとも部分的にサイレンシング又は活性化する遺伝的修飾を含み、前記遺伝的修飾が前記少なくとも1つの遺伝子の転写調節領域にメチル化塩基を含み、前記遺伝的修飾が導入遺伝子を含まず、任意選択で、請求項1~56のいずれか一項に記載の人工核酸構築物又は請求項57~61のいずれか一項に記載の複数の人工核酸構築物を含む、操作された植物又は種子。
【請求項76】
2つの遺伝子がサイレンシングされている、請求項75に記載の操作された植物又は種子。
【請求項77】
前記少なくとも1つのメチル化された塩基が、前記核酸配列において天然ではメチル化されていない、請求項75又は76に記載の操作された植物又は種子。
【請求項78】
前記転写調節領域が、転写開始部位、TATAボックス、及び上流活性化配列からなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項75~77のいずれか一項に記載の操作された植物又は種子。
【請求項79】
前記メチル化塩基が、複数のメチル化塩基を含む、請求項75~78のいずれか一項に記載の操作された植物又は種子。
【請求項80】
複数の操作された植物又は種子であって、該操作された植物又は種子の少なくとも1つの遺伝子を少なくとも部分的にサイレンシング又は活性化する可変遺伝子発現を含み、任意選択で、請求項1~56のいずれか一項に記載の人工核酸構築物又は請求項57~61のいずれか一項に記載の複数の人工核酸構築物を含む、複数の操作された植物又は種子。
【請求項81】
前記操作された植物又は種子の中の天然ではメチル化されていない少なくとも1つの遺伝子内に少なくとも1つの修飾塩基を含む、請求項80に記載の複数の操作された植物又は種子。
【請求項82】
前記塩基が、アルキル、アリール、ハロアルキル、アミノ、メチル、アセチル、ハロ、又はそれらの組合わせで修飾されている、請求項81に記載の複数の操作された植物又は種子。
【請求項83】
前記操作された植物又は種子の中の少なくとも1つの遺伝子内に少なくとも1つのメチル化塩基を含む、請求項80~82のいずれか一項に記載の複数の操作された植物又は種子。
【請求項84】
農産物に物質を適用することを含む方法であって、前記農産物が、種子、植物、植物の構成要素、又はそれらの任意の組合わせを含み、前記物質が、請求項1~56のいずれか一項に記載の人工核酸構築物又は請求項57~61のいずれか一項に記載の複数の人工核酸構築物を含む、方法。
【請求項85】
前記農産物中の遺伝子を少なくとも部分的にサイレンシング又は活性化する、請求項80に記載の方法。
【請求項86】
前記遺伝子が、少なくとも1回又は2回の再生サイクルの間、少なくとも部分的にサイレンシングされる、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記適用することが、前記農産物と前記人工核酸構築物を含む物質を適用しない同等の農産物とを比較した場合に、以下、(a)前記農産物の酵素的褐変の防止又は低減又は遅延;(b)前記農産物の成長率、収量、又は寿命の増加;(c)前記農産物の成長率、収量、又は寿命を減少;(d)前記農産物の害虫抵抗性、耐塩性、耐熱性、重金属耐性、耐病性、又は干ばつ耐性の増加;(e)前記農産物によって作られる分子の量又は生産の増加又は少なくとも部分的な減少;(f)前記農産物の少なくとも一部の色の変色;(g)前記農産物の開花率の増加又は少なくとも部分的な減少;(h)前記農産物の体積又は重量の増加;(i)前記農産物の食用生産物の風味又は食感の改善;(j)前記農産物の貯蔵寿命の増加;(k)前記農産物の種子の数とサイズの減少;(j)前記農産物の栄養含有量の増加;のうちの1つ以上をもたらす、請求項80~86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項88】
前記農産物が、植物胚である、請求項80~87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項89】
前記農産物が、ダイズ、トウモロコシ、イネ、トマト、アルファルファ、コムギ、ジャガイモ及び緑藻類からなる群から選択される、請求項80~87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項90】
前記物質が、液体、土壌、微生物、肥料、又は除草剤である、請求項80~89のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年3月18日に出願された米国仮出願第62/820,172号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
【課題を解決するための手段】
【0004】
いくつかの態様では、核酸構築物、例えば、ポリヌクレオチドが本明細書に開示される。場合によって、本開示は、人工核酸構築物を提供し、ここで、人工核酸構築物は、(a)2’位若しくは3’位で修飾されたリボース、又は2’位若しくは3’位で修飾されたデオキシリボース、又はそれらの組合わせと、(b)末端オーバーハングと、を含み、ここで、人工核酸構築物は二本鎖であり、人工核酸構築物の少なくとも1つの鎖は、独立して、少なくとも、長さ約10~約30のヌクレオチド又はヌクレオシド又はそれらの組合わせを含み、生物と接触すると、人工核酸構築物の少なくとも一部は、i)生物の核酸配列中のヌクレオチド又はヌクレオシドの少なくとも1つの塩基のエピジェネティック修飾、ii)人工核酸構築物の少なくとも1つの鎖に少なくとも部分的に相補的である標的mRNA配列のサイレンシング、iii)標的mRNA配列の切断、又は、iv)i)、ii)、又はiii)の任意の組合わせ、を促進にするように構成されている。場合によって、人工核酸構築物は、ヌクレオチド又はヌクレオシドのプリン塩基又はピリミジン塩基にエピジェネティック修飾を含まない。場合によって、人工核酸構築物は、DNAメチルトランスフェラーゼ、その生物学的に活性な断片、又はその誘導体を少なくとも部分的に含む系を介してエピジェネティック修飾を促進する。場合によって、人工核酸構築物は、DNAアセチルトランスフェラーゼ、その生物学的に活性な断片、又はその誘導体を少なくとも部分的に含む系を介してエピジェネティック修飾を促進する。場合によって、系は、RNA指向DNAメチル化経路の少なくとも1つの構成要素の少なくとも一部を含む。場合によって、少なくとも1つの構成要素は、タンパク質又はその一部を含む。場合によって、タンパク質又はその一部は、酵素又はその一部である。場合によって、人工核酸構築物は、CRISPR、CRISPR関連タンパク質(Cas)、その生物学的に活性な断片、その誘導体、その融合タンパク質、又はそれらの任意の組合わせの非存在下でエピジェネティック修飾を促進することができる。場合によって、人工核酸構築物は、Cas1、Cas2、Cas3、Cas4、Cas5、Cas6、Cas7、Cas8、Cas9、又はそれらの任意の組合わせを含むCasの非存在下でエピジェネティック修飾を促進することができる。場合によって、人工核酸構築物の糖のその総数に基づく少なくとも約80%が、それぞれ独立して、デオキシリボース、修飾デオキシリボース、又はそれらの組合わせを含む。場合によって、人工核酸構築物の糖のその総数に基づく約20%未満が、それぞれ独立して、リボース、修飾リボース、又はそれらの組合わせを含む。場合によって、人工核酸構築物は、RNA若しくはDNA、ヌクレオチド若しくはヌクレオシド、又はそれらの組合わせによって少なくとも部分的にコードされている。場合によって、人工核酸構築物のヌクレオチド、ヌクレオシド、又はそれらの組合わせの少なくとも約80%がDNAである。場合によって、人工核酸構築物の末端ヌクレオチド又は末端ヌクレオシドは、RNA、ヌクレオチド若しくはヌクレオシド、又はそれらの組合わせを含む。場合によって、核酸配列中の複数のヌクレオチドは、同じエピジェネティック修飾を有する。場合によって、核酸配列中の少なくとも10~12ヌクレオチドは、同じエピジェネティック修飾を有する。場合によって、核酸配列は、少なくとも約100個の連続するヌクレオチドを含む。場合によって、核酸配列は、CpGアイランドを含む。場合によって、修飾リボース又は修飾デオキシリボースは、人工核酸構築物の末端ヌクレオチド又は末端ヌクレオシドにある。場合によって、修飾リボース又は修飾デオキシリボースは、2’-O-R基を含む。場合によって、R基は、アルキル、アリール、ハロアルキル、アミノ、メチル、アセチル及びハロからなる群より選択される。場合によって、R基は、メチルである。場合によって、人工核酸構築物は、さらに、プリン塩基又はピリミジン塩基の少なくとも1つに修飾を含む。場合によって、この修飾は、複数の修飾を含む。場合によって、この修飾は、人工核酸構築物の安定性を増加させる。場合によって、この修飾は、生物による人工核酸構築物の取り込みを増加させる。場合によって、この修飾は、人工核酸構築物の3’末端に実質的に配置される。場合によって、この修飾は、人工核酸構築物の5’末端に実質的に配置される。場合によって、この修飾は、メチル基、メトキシ基、エステル基、フルオロ基、ホスホロチオエート骨格、又はそれらの任意の組合わせを含む。場合によって、末端オーバーハングは、3’末端オーバーハングである。場合によって、人工核酸構築物は、2つの3’末端オーバーハングを含む。場合によって、人工核酸構築物の少なくとも一方の鎖は、独立して、約20~約30個の長さのヌクレオチド若しくはヌクレオシド、又はそれらの組合わせを含む。場合によって、人工核酸構築物は、少なくとも1つのデオキシリボ核酸を含む。場合によって、人工核酸構築物は、少なくとも1つのリボ核酸を含む。場合によって、人工核酸構築物は、その5’末端でリン酸化されていない少なくとも1つの鎖を含む。場合によって、生物は、植物、種子、果実、葉、茎、根、花、古細菌、細菌、真菌、ウイルス、ウイルス様粒子、原生生物、藻類、線虫、これらのいずれかの一部、又はそれらの任意の組合わせを含む。場合によって、人工核酸構築物は、配列番号1~62のうちの1つ以上と、少なくとも約80%、85%、90%、95%、若しくは98%、若しくは約100%の配列同一性を有し、又は配列番号1~62のうちの1つ以上の少なくとも10個の連続する塩基を有する。場合によって、人工核酸構築物は、配列番号63~194のうちの1つ以上と、少なくとも約80%、85%、90%、95%、若しくは98%、若しくは約100%の配列同一性を有し、又は配列番号63~194のうちの1つ以上の少なくとも10個の連続する塩基を有する。場合によって、人工核酸構築物は、配列番号195~404のうちの1つ以上と、少なくとも約80%、85%、90%、95%、若しくは98%、若しくは約100%の配列同一性を有し、又は配列番号195~404のうちの1つ以上の少なくとも10個の連続する塩基を有する。場合によって、人工核酸構築物は、配列番号405~584のうちの1つ以上と、少なくとも約80%、85%、90%、95%、若しくは98%、若しくは約100%の配列同一性を有し、又は配列番号405~584のうちの1つ以上の少なくとも10個の連続する塩基を有する。場合によって、人工核酸構築物は、配列番号585~684のうちの1つ以上と、少なくとも約80%、85%、90%、95%、若しくは98%、若しくは約100%の配列同一性を有し、又は配列番号585~684のうちの1つ以上の少なくとも10個の連続する塩基を有する。場合によって、人工核酸構築物は、人工核酸構築物の主鎖に配置されたペプチド核酸、モルホリノ、ロックド核酸、グリコール核酸、トレオース核酸、又はそれらの任意の組合わせを含む。場合によって、エピジェネティック修飾は、Nuclear RNA polymerase D1(NRPD1)、NRPE1、NRPD2/NRPE2、NRPD4/NRPE4、NRPE5、NRPE9B、NRPB1、RNA依存性RNAポリメラーゼ2(RDR2)、DICER-Like3(DCL3)、HUA Enhancer 1(HEN1)、Argonaute 4(AGO4)、AGO6、AGO9、Classy 1(CLSY1)、Defective in RNA-Directed DNA Methylation 1(DRD1)、Defective in Meristem Silencing 3(DMS3)、RNA-Directed DNA Methylation 1(RDM1)、KOW Domain-Containing Transcription Factor 1(KTF1)、Involved in De Novo 2(IDN2)、IDN2 Paralogue1(IDP1)、IDP2、DMS4、ドメイン再編成メチルトランスフェラーゼ2(DRM2)、SUVH2、SUVH9、SUVR2、Microrchidia 1(MORC1)、MORC6、Sawadee homeodomain homologue 1(SHH1)、ヒストンデアセチラーゼ6(HDA6)、Jumonji 14(JMJ14)、リジン特異的ヒストンデメチラーゼ1(LDL1)、LDL2、ユビキチン特異的プロテアーゼ26(UBP26)、Needed For RDR2-Independent DNA Methylation(NERD)、クロモメチラーゼ2(CMT2)、CMT3、メチルトランスフェラーゼ1(MET1)、SUVH4、Decreased DNA Methylation 1(DDM1)、それらの生物学的に活性なフラグメント、それらに関連する調節エレメント、それらに関連するイントロン、又はそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上のタンパク質を少なくとも部分的にコードするポリヌクレオチド配列に含まれる。場合によって、エピジェネティック修飾は、酵素又はその触媒的若しくは生物学的に活性な断片によって触媒される。場合によって、酵素又はその触媒的若しくは生物学的に活性な断片は、生物にとって内因性である。場合によって、酵素又はその触媒的若しくは生物学的に活性な断片は、TETファミリー酵素又はその触媒的若しくは生物学的に活性な断片を含む。場合によって、酵素又はその触媒的若しくは生物学的に活性な断片は、メチルトランスフェラーゼ又はその触媒的若しくは生物学的に活性な断片を含む。場合によって、メチルトランスフェラーゼは、クロモメチルトランスフェラーゼ(CMT)、ドメイン再編成メチルトランスフェラーゼ(DRM)又はそれらの組合わせを含む。場合によって、エピジェネティック修飾は、少なくとも1つの塩基に化学基を付加する。場合によって、エピジェネティック修飾は、少なくとも1つの塩基にメチル基を付加し、メチル基は、メトキシ、ホルミル若しくはカルボキシル基、又はカルボン酸に酸化される。場合によって、少なくとも1つの塩基は、シトシンである。場合によって、エピジェネティック修飾は、メチル基、ヒドロキシメチル基、ホルミル基、カルボキシル基、又はそれらの任意の組合わせを含む。場合によって、エピジェネティック修飾は、メチル基を含む。場合によって、核酸配列は、転写調節領域を含む。場合によって、二本鎖人工核酸構築物の鎖は、転写調節領域の一部と、少なくとも約80%、85%、90%、95%、又は98%、又は約100%の配列同一性を有する。場合によって、転写調節領域は、少なくとも約30%のグアニンシトシン(GC)含有量を有する。
【0005】
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に開示される複数の人工核酸構築物(二本鎖又は一本鎖)を提供し、例えば、少なくとも、約2~100、2~90、2~80、2~70、2~60、2~50、2~40、2~30、2~24、2~12、4~100、4~90、4~80、4~70、4~60、4~50、4~40、4~30、4~24、4~12、6~100、6~90、6~80、6~70、6~60、2~50、6~40、6~30、6~24、6~12、8~100、8~90、8~80、8~70、8~60、8~50、8~40、8~30、8~24、8~12、10~100、10~90、10~80、10~70、10~60、10~50、10~40、10~30、10~24、又は10~12の本明細書に記載の人工核酸構築物を提供する。場合によって、人工核酸構築物の数の少なくとも約10%から約100%が複数の人工核酸構築物で異なる。場合によって、複数の人工核酸構築物のそれぞれは異なる。
【0006】
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に開示される人工核酸構築物を作製する方法であって、2’位若しくは3’位で修飾されたリボース、又は2’位若しくは3’位で修飾されたデオキシリボース、又はそれらの組合わせを含むヌクレオチド又はヌクレオシドを人工核酸構築物に付加することを含む方法を提供する。
【0007】
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に開示される人工核酸構築物を作製する方法であって、人工核酸構築物の2’位又は3’位でリボース、デオキシリボース、又はそれらの組合わせを修飾することを含む方法を提供する。
【0008】
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に開示される複数の人工核酸構築物を作製する方法であって、2つ以上の人工核酸構築物を混合することを含む方法を提供する。
【0009】
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に開示される人工核酸構築物又はその複数の人工核酸構築物を含む単離細胞を提供する。場合によって、細胞は、真核細胞である。
【0010】
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に開示される人工核酸構築物又はその複数の人工核酸構築物を含む植物、種子、溶液、微生物、肥料又は土壌を提供する。
【0011】
いくつかの態様では、本開示は、(a)本明細書に開示される人工核酸構築物と、(b)生物の核酸配列中の少なくとも1つの塩基のエピジェネティック修飾を行う酵素又はその触媒的若しくは生物学的活性断片とを含む組成物を提供する。
【0012】
いくつかの態様では、本開示は、本明細書の1つ以上の人工核酸構築物又はその複数の人工核酸構築物を含むベクターを含む組成物を提供する。
【0013】
いくつかの態様では、本開示は、(a)本明細書に開示される人工核酸構築物、又はその複数、又はその組成物と、(b)土壌、肥料、種子、植物、液体、又はそれらの任意の組合わせを含む容器とを含むキットを提供する。
【0014】
いくつかの態様では、本開示は、(a)本明細書に開示される人工核酸構築物、又はその複数、又はその組成物と、(b)賦形剤とを含む製剤を提供する。場合によって、賦形剤は、農学的に許容される賦形剤である。場合によって、製剤は、さらに、肥料又は土壌を含む。
【0015】
いくつかの態様では、本開示は、製剤を作製する方法であって、本明細書に開示される人工核酸構築物、又はその複数、又はその組成物を賦形剤と接触させて製剤を形成することを含む方法を提供する。
【0016】
いくつかの態様では、本開示は、操作された植物又は種子の少なくとも1つの遺伝子を少なくとも部分的にサイレンシング又は活性化する遺伝的修飾を含む操作された植物又は種子を提供し、当該遺伝的修飾は、少なくとも1つの遺伝子の転写調節領域にメチル化塩基を含み、当該遺伝的修飾は、導入遺伝子を含まず、任意選択で、人工核酸構築物又はその複数の人工核酸構築物を含む。場合によって、2つの遺伝子がサイレンシングされる。場合によって、少なくとも1つのメチル化された塩基は、核酸配列において天然ではメチル化されていない。場合によって、転写調節領域は、転写開始部位、TATAボックス及び上流活性化配列からなる群より選択される少なくとも1つを含む。場合によって、メチル化された塩基は、複数のメチル化された塩基を含む。
【0017】
いくつかの態様では、本開示は、操作された植物又は種子の少なくとも1つの遺伝子を少なくとも部分的にサイレンシング又は活性化する可変遺伝子発現を含む複数の操作された植物又は種子を提供し、任意選択で、本明細書に開示される人工核酸構築物又はその複数の人工核酸構築物を含む。場合によって、操作された植物又は種子は、その中の少なくとも1つの遺伝子に少なくとも1つの修飾された塩基を含み、その遺伝子は天然ではメチル化されていない。場合によって、塩基は、アルキル、アリール、ハロアルキル、アミノ、メチル、アセチル、ハロ又はそれらの組合わせで修飾される。場合によって、操作された植物又は種子は、その中の少なくとも1つの遺伝子に少なくとも1つのメチル化塩基を含む。場合によって、上記複数は、少なくとも約10~20、20~50、50~100、100~1000、100~900、100~800、100~700、100~600、100~500、100~400、100~300、100~240、100~120、又は1000~10000個の操作された植物又は種子を含む。
【0018】
いくつかの態様では、本開示は、農産物に物質を適用することを含む方法を提供し、当該農産物は、種子、植物、植物の構成要素、又はそれらの任意の組合わせを含み、当該物質は、本明細書に開示される人工核酸構築物又はその複数の人工核酸構築物を含む。場合によって、本方法は、農産物中の遺伝子を少なくとも部分的にサイレンシング又は活性化する。場合によって、遺伝子は、少なくとも1回又は2回の再生サイクルの間、少なくとも部分的にサイレンシングされる。場合によって、上記適用することは、農産物と人工核酸構築物を含む物質を適用しない同等の農産物とを比較した場合に、以下、(a)農産物の酵素的褐変の防止又は低減又は遅延;(b)農産物の成長率、収量、又は寿命の増加;(c)農産物の成長率、収量、又は寿命を減少;(d)農産物の害虫抵抗性、耐塩性、耐熱性、重金属耐性、耐病性、又は干ばつ耐性の増加;(e)農産物によって作られる分子の量又は生産の増加又は少なくとも部分的な減少;(f)農産物の少なくとも一部の色の変色;(g)農産物の開花率の増加又は少なくとも部分的な減少;(h)農産物の体積又は重量の増加;(i)農産物の食用生産物の風味又は食感の改善;(j)農産物の貯蔵寿命の増加;(k)農産物の種子の数とサイズの減少;(j)農産物の栄養含有量の増加;のうちの1つ以上をもたらす。場合によって、農産物は、植物胚である。場合によって、農産物は、ダイズ、トウモロコシ、イネ、トマト、アルファルファ、コムギ、ジャガイモ及び緑藻類からなる群から選択される。場合によって、上記接触させることは、雑草の成長速度、収量、又は寿命を減少させる。場合によって、上記接触させることは、農産物の成長速度、収量、又は寿命を増加させ、上記分子は、精神賦活性物質である。場合によって、精神賦活性物質は、テトラヒドロカンナビノールを含む。場合によって、物質は、液体、土壌、微生物、肥料、又は除草剤である。
【0019】
参照による組み込み
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許、及び特許出願は、あたかも各個々の刊行物、特許、又は特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されているのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本開示の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載されている。本開示の特徴及び利点のより良い理解は、本開示の原理が利用される例示的な例を記載する以下の詳細な説明、及び添付の図面を参照することによって得られるであろう。
【0021】
図1】複数のCATSオリゴヌクレオチドによる未処理種子の処理を概略的に示す。
図2】CATSオリゴヌクレオチドの設計の非限定的な例を示す。
図3】CATSオリゴヌクレオチドでの処理によるトウモロコシ中のPDS1遺伝子のサイレンシングの結果を示す。PDS1-CATS植物は、対照トウモロコシ植物(下葉)と比較して、淡緑色葉表現型(上葉)を示す。
図4】浸潤投与法を用いたCATSオリゴヌクレオチドでの処理によるトウモロコシ植物におけるPDS1遺伝子のサイレンシングの結果を示す。
図5】CATS処理トウモロコシ植物におけるPDS1遺伝子の亜硫酸水素塩配列決定分析を示す。CATSオリゴヌクレオチドでの処理は、PDS1オープンリーディングフレームの上流のメチル化シトシンをもたらす。
図6A-D】図6A図6Dは、CATSオリゴヌクレオチドで処理することによってトウモロコシ中のLZY1遺伝子をサイレンシングした結果を示す。図6A;野生型植物において、シュートが重力の反対方向に成長すること(重力屈性)を示す。図6B;LZY1-CATS植物が野生型植物と比較して重力屈性の喪失を示すことを示す。図6C;野生型植物において、シュートが重力の反対方向に成長すること(重力屈性)を示す。図6D;LZY1-CATS植物が野生型植物と比較して重力屈性の喪失を示すことを示す。
図7A-C】図7A図7Cは、ジャガイモ植物におけるポリフェノールオキシダーゼ(PPO)遺伝子のサイレンシングの結果を示す。図7A;CATS処理されたジャガイモが、未処理の対照ジャガイモと比較して、より遅い酵素的褐変を示すことを示す。図7B;CATS処理されたジャガイモ植物におけるPPOmRNAレベルのRT-PCT分析を示す。図7C;CATS植物は、未処理の植物における対照mRNAと比較して、mRNA転写物のレベルが低下している(図7C)。
図8】トウモロコシにおけるBWF1遺伝子及びBR2遺伝子のサイレンシングの結果を示す。BWF1及びBR2を標的とするCATSオリゴヌクレオチドでの処理は、未処理の対照植物と比較して、より短いトウモロコシ植物をもたらす。
図9】エピジェネティック法を使用して、野生型集団と比較して可変の集団を作成することを示す。エピジェネティック法で処置された集団は、野生型集団と比較して遺伝子発現が低下し得る。
図10】CATSオリゴヌクレオチドを使用してトマト植物のOld Gold遺伝子を標的とすることを示す。1kb処理は、RO対照と比較して個々の植物における遺伝子発現を減少させることができる。
図11】ホスホロチオエート修飾、2´O-メチル修飾、2´-フルオロ修飾、又はそれらの任意の組合わせを含む修飾骨格を有する例示的なCATSオリゴヌクレオチドを示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
序論
【0023】
商業的価値を有する所望の表現型を誘発するために、植物における特定の標的遺伝子を少なくとも部分的にサイレンシング又は活性化するための分子技術が本明細書に開示される。場合によって、この技術は、Coat Applied Transcriptional Silencing(CATS)と呼ばれ、特異的に操作されたDNAオリゴヌクレオチド構築物を使用して、標的遺伝子の窒素塩基修飾(例えば、シトシンメチル化)及びエピジェネティックなサイレンシングを誘導する。本明細書に開示される方法は、トランスジェニック手法に必要な月又は年と比較して、数日の設計及び構築ワークフローを用いて、植物遺伝子発現の特異的多重操作を可能にする。
【0024】
本明細書に記載の操作されたDNAオリゴヌクレオチドは、RNA干渉経路に存在する核酸配列を模倣するように調製することができる。場合によって、RNA干渉経路は、生物(例えば、植物、真菌、細菌、又は動物)に天然に存在する経路であり得る。例えば、操作されたDNAオリゴヌクレオチドは、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)、線虫(Caenorhabditis elegans)、又はシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)のRNA干渉経路に存在する核酸配列を模倣するように調製することができる。例示的なRNA干渉経路は、シロイヌナズナのRNA干渉経路を含み得る。例示的なシロイヌナズナのRNA干渉経路では、ポリメラーゼIV酵素を使用した転写によって第1のRNA核酸が調製される。ポリメラーゼIVから転写される第1のRNA核酸は、一本鎖であり得、又は二本鎖RNA核酸に変換され得る。得られた二本鎖核酸をダイサー酵素(例えば、DICER-Like3(DCL3)酵素)によって処理して、より小さい二本鎖RNA核酸断片を生成することができる。かかるRNA核酸断片は、HUA Enhancer 1(HEN1)酵素又はその生物学的同等物によって、RNA核酸断片上に存在するリボース糖上に存在する2´又は3´ヒドロキシル基上でメチル化され得る。メチル化二本鎖RNA鎖は、Argonaute4(AGO4)酵素又はその生物学的等価物によって処理されて、一本鎖メチル化RNA核酸を生成することができる。場合によって、メチル化RNA核酸は、複数の経路を介して生物における遺伝子(遺伝子によってコードされるmRNA又はmRNAによってコードされるポリペプチドのレベルを含む)の発現を調節することができる。例えば、メチル化RNA核酸は、ポリペプチドをコードするmRNA配列に直接結合することができ、その結果、サイレンシングRNA核酸として作用する。さらに、メチル化RNA核酸は、メチル化RNA核酸がmRNA配列と会合するときに、mRNAの切断を誘導することができるAGO4などの酵素を動員することができる。さらに、メチル化mRNA核酸は、mRNA配列をコードするゲノムDNAのデノボメチル化を触媒するために、ドメイン再編成メチルトランスフェラーゼ2(DRM2)などのDNAメチル化酵素と会合することができる。場合によって、メチル化RNA核酸は、これらの作用のいずれか1つ、任意の2つ、又は3つすべてを介して生物における遺伝子の発現を調節することができる。
【0025】
したがって、操作されたオリゴヌクレオチドは、RNA干渉経路に存在する核酸を模倣するように操作することができる。例えば、操作されたオリゴヌクレオチドは、メチル化RNA核酸、例えばHEN1酵素を使用してメチル化されたRNA核酸を模倣するように操作することができる。したがって、そのような操作されたオリゴヌクレオチドは、上記の作用の任意の組合わせによって、生物における遺伝子(遺伝子によってコードされるmRNA又はmRNAによってコードされるポリペプチドのレベルを含む)の発現を調節することができる。例えば、操作されたオリゴヌクレオチドは、ポリペプチドをコードするmRNA配列に直接結合することができ、その結果、サイレンシング核酸として作用する。さらに、操作されたオリゴヌクレオチドは、操作されたオリゴヌクレオチドがmRNA配列と会合するときに、mRNAの切断を誘導することができるAGO4などの酵素を動員することができる。さらに、操作されたオリゴヌクレオチドは、mRNA配列をコードするゲノムDNAのデノボメチル化を触媒するために、ドメイン再編成メチルトランスフェラーゼ2(DRM2)などのDNAメチル化酵素と会合することができる。場合によって、操作されたオリゴヌクレオチドは、これらの作用のいずれか1つ、任意の2つ、又は3つすべてを介して生物における遺伝子の発現を調節することができる。
【0026】
さらに、操作されたオリゴヌクレオチドは、所望の標的mRNA配列に少なくとも部分的に相補的であるように設計することができる。場合によって、所望の標的mRNA配列は、RNA干渉経路における天然のメチル化RNA核酸の標的であるmRNAであり得る。場合によって、所望の標的mRNAは、RNA干渉経路における天然のメチル化RNA核酸の任意の標的とは別個かつ異なるmRNAであり得る。したがって、高度に特異的な遺伝子調節は、目的の標的mRNA核酸と会合することができる操作されたオリゴヌクレオチドを生成することによって達成することができる。
【0027】
場合によって、操作された核酸構築物は、標的遺伝子のオープンリーディングフレームの上流の転写調節領域と高い配列相同性を有するように設計される。場合によって、核酸構築物は、少なくとも1つの末端オーバーハングを有する二本鎖DNA構築物であり得、その結果、DNA構築物が植物の内因性DNAメチル化機構によって認識される二本鎖RNAを模倣し、それによって内因性DNAメチル化を転写調節領域に向ける。場合によって、遺伝子の転写調節領域内のシトシンのメチル化は、遺伝子を少なくとも部分的にサイレンシングする。
【0028】
本明細書に記載の核酸構築物の使用にはいくつかの利点がある。特別に設計されたオリゴヌクレオチドは、植物ゲノムの定義された領域にシトシンメチル化を導入し、これにより転写物発現レベルを制御することができる。核酸構築物は、植物の種皮又は成長中の根への適用によって導入することができ、調整された遺伝子発現プロファイルを有する植物の迅速な構築を可能にする。場合によって、修飾塩基(例えば、メチル化シトシン)は遺伝性であり、所望の発現プロファイルを有する親育種系統の生成を可能にする。メチル化及び変化した転写物レベルは、将来の子孫世代に伝播し得る。さらに、植物への核酸構築物の適用は、固有の標的化配列を有する核酸構築物の混合物の適用によって多重化することができ、その結果、遺伝子及び/又は複数の遺伝子の複数の転写調節領域が同時に標的化され得る。
【0029】
収量ドライバは、エピジェネティック機構によって調節され得る。収量ドライバの例は、雑種強勢、光合成及び種子サイズである。ストレス耐性は、エピジェネティック機構によって調節され得る。ストレス耐性の例は、耐病性、干ばつ耐性、耐塩性、耐熱性及び重金属ストレスである。CATヌクレオチドの適用は広範であり得、表現型に影響を与える多くの遺伝子調節ネットワークを包含する可能性がある。
【0030】
例えば、本明細書中に記載されるような構築物は、生物(例えば、農産物)の1つ以上の遺伝子に1つ以上のエピジェネティック修飾を提供し得る。かかるエピジェネティック修飾の導入は、農産物の1つ以上の特性を修飾し得る。かかる特徴は、光合成、雑種強勢、栄養効率、エネルギー効率、種子サイズ、植物バイオマス、概日リズム、開花時間、種子発達、根発達、病害耐性、干ばつ耐性、耐塩性、耐熱性、重金属ストレス、又はそれらの任意の組合わせのうちの1つ以上を含み得る。1つ以上の特性は、風味、色、テクスチャ、貯蔵寿命、種なし品種、又はそれらの任意の組合わせを含み得る。遺伝子に対するエピジェネティック修飾は、特徴を改変し得る。遺伝子に対するエピジェネティック修飾は、複数の特徴を改変し得る。複数のエピジェネティック修飾は、特性を改変し得る。複数のエピジェネティック修飾は、複数の特徴を改変し得る。
【0031】
さらに、本明細書に記載の構築物を利用して、農産物などの生物の多様なプールを作成することができる。構築物は、生物の1つ以上の遺伝子に1つ以上のエピジェネティック修飾を導入することができる。1つ以上のエピジェネティック修飾の導入は、1つ以上の遺伝子の少なくとも部分的なサイレンシング又は少なくとも部分的な活性化をもたらし得る。生物における1つ以上の遺伝子の活性化又はサイレンシング又はそれらの組合わせは、種の多様化をもたらし得る。生物の1つ以上の遺伝子にエピジェネティック修飾を導入することによって、子孫の多様なプールを作成することができる。そのような下流の用途は、有利な特性のための選択などの育種選択を含むことができる。
【0032】
定義
【0033】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載の方法及び材料と類似又は同等の任意の方法及び材料を、本明細書の製剤又は単位用量の実施又は試験に使用することができるが、ここではいくつかの方法及び材料を記載する。特に明記しない限り、本明細書で使用又は企図される技術は、標準的な方法である。材料、方法及び実施例は例示にすぎず、限定するものではない。
【0034】
1つ以上の発明の例又は態様の詳細は、添付の図面、特許請求の範囲、及び本明細書の説明に記載されている。本明細書に開示及び企図される本発明の例又は態様の他の特徴、目的、及び利点は、明示的に除外されない限り、任意の他の事例又は態様と組合わせることができる。
【0035】
例えば「含む(contain)」、「含む(containing)」、「含む(include)」、「含む(including)」などのオープンな用語は、含むことを意味する。
【0036】
単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数の言及を含むように本明細書で使用される。
【0037】
別段の指示がない限り、本明細書のいくつかの例は、数値範囲を意図する。数値範囲が提供される場合、別段の指示がない限り、その範囲は範囲の終点を含むことができる。別段の指示がない限り、数値範囲は、あたかも明示的に書き出されているかのように、その中のすべての値及び部分範囲を含むことができる。
【0038】
参照数値に関する「約」という用語は、その値に対してプラスマイナス10%の値の範囲を含むことができる。例えば、「約10」という量は、9から11の量を含み、参照数として9、10、及び11を含む。参照数値に関する「約」という用語はまた、その値に対してプラスマイナス10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、又は1%の値の範囲を含むことができる。
【0039】
本明細書における「促進する」という用語は、i)構築物がエピジェネティック修飾のために適切な分子系を有する生物に導入されると、生物が分子系の少なくとも一部を使用して生物内の核酸配列をエピジェネティックに修飾することを促進又は可能にする機構、又は、ii)人工核酸構築物の少なくとも1つの鎖に少なくとも部分的に相補的な標的mRNA配列のサイレンシング、iii)標的mRNA配列の切断、又は、iv)i)、ii)若しくはiii)の任意の組合わせを指すことができる。
【0040】
「化合物」という用語は、本明細書に開示される一般式によって包含される化合物、それらの一般式の任意の亜属、及びそれらの一般式又は亜一般式内の任意の特定の化合物を指すことができる。化合物は、それらの化学構造及び/又は化学名のいずれかによって同定される特定の種、亜属又はより大きな属であり得る。さらに、化合物はまた、本明細書に記載されるそのような種、亜属又は属のいずれかの置換又は修飾も含む。化学構造と化学名が矛盾する場合、化学構造が化合物の正体を決定し得る。化合物は、1つ以上のキラル中心及び/又は二重結合を含むことができ、したがって、立体異性体、異性体、エナンチオマー又はジアステレオマーとして存在することができる。したがって、本明細書の範囲内の化学構造は、立体異性的な不純物が混じっていない形態(例えば、幾何学的な不純物が混じっていない、エナンチオマー的な不純物が混じっていない、又はジアステレオマー的な不純物が混じっていない)及び、鏡像異性体及び立体異性体の混合物を含む、例示された化合物の全ての可能な鏡像異性体及び立体異性体を包含する。さらに、化合物の部分構造を示す場合、アスタリスクは分子の残りの部分構造との結合点を示す。エナンチオマーの混合物及び立体異性体の混合物は、当業者に周知の分離技術又はキラル合成技術を使用して、そのエナンチオマー成分又は立体異性体成分に分割することができる。化合物は、化合物の任意の塩形態又は溶媒和物形態を含むことができる。化合物は、化合物の任意の誘導体を含むことができる。
【0041】
「誘導体」という用語は、「類似体」という用語と互換的に使用することができる。化合物Aの1、2、3、4、又は5個の原子が別の原子又は官能基(例えば、アミノ、ハロ、置換若しくは非置換アルキル、置換若しくは非置換アリール、置換若しくは非置換ヘテロアルキル、置換若しくは非置換アリールアルキル、置換若しくは非置換ヘテロアリール、置換若しくは非置換ヘテロアリールアルキル、置換若しくは非置換シクロアルキル、又は置換若しくは非置換ヘテロシクロアルキル)で置換されて化合物Bを形成する場合、化合物Aは化合物Bの誘導体又は類似体であり得る。「誘導体」という用語はまた、別のものと構造的に類似しているが、組成がわずかに異なる化学化合物を指し得る(1個の原子が異なる元素の原子で置換されているか、又は特定の官能基が存在する場合のように)。
【0042】
「溶媒和物」という用語は、化合物の活性及び/又は特性の1つ以上を保持し、かつ、望ましくないものではない溶媒和物を含み得るが、これに限定されない。溶媒和物の例としては、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸、エタノールアミン、又はそれらの組合わせと組合わせた化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
「塩」という用語は、遊離酸及び遊離塩基の活性及び特性の1つ以上を保持し、かつ、望ましくないものではない塩を含み得るが、これらに限定されない。塩の例示的な例としては、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソブチレート、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオレート、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベレート、セバケート、フマレート、マレイン酸塩、ブチン-1,4-ジオエート、ヘキシン-1,6-ジオエート、安息香酸塩、クロロベンゾエート、メチルベンゾエート、ジニトロベンゾエート、ヒドロキシベンゾエート、メトキシベンゾエート、フタレート、スルホネート、キシレンスルホネート、フェニルアセタート、フェニルプロピオネート、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、y-ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、及びマンデル酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
別段の指示がない限り、化学構造は、その化学構造を有する任意の化合物を指すことができる。
【0045】
別段の指示がない限り、本明細書の製剤は、粉末状、ペレット状、又はビーズ状であり得、又は液体であり得る。
【0046】
別段の指示がない限り、本明細書の製剤は、製剤の重量基準で、約0重量%から約15重量%、例えば、約0~10重量%、0~5重量%、又は0~1重量%の量の水を含有し得、又は、約1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%、又は99重量%未満の水を含有し得る。
【0047】
別段の指示がない限り、本明細書中に開示又は例示される構造中に立体中心が存在するときはいつでも、立体中心は、それぞれの場合においてR又はSであり得る。
【0048】
別段の指示がない限り、本明細書中の分子構造の一部として使用される場合、記号
【化1】
があるときはいつでも、単結合を指すことができる。
【0049】
「アミノ」という用語は、孤立電子対を持つ塩基性窒素原子を含む官能基を指す場合がある。例えば、アミノは、以下の基;
【化2】
を含むことができ、ここで、各R’は、独立して、H、ハロ、アルキル、アリール、ヘテロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルである。
【0050】
「ハロ」又は「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素若しくはヨウ素又はそのラジカルを指すことができる。
【0051】
「アルキル」という用語は、親アルカン、アルケン又はアルキンの単一の炭素原子から1個の水素原子を除去することによって誘導される飽和又は不飽和、分岐、直鎖又は環状の一価炭化水素基を指すことができる。典型的なアルキル基としては、メチル;エチル、例えば、エタニル、エテニル、エチニル;プロピル、例えば、プロパン-1-イル、プロパン-2-イル、シクロプロパン-1-イル、プロパ-1-エン-1-イル、プロパ-1-エン-2-イル、プロパ-2-エン-1-イル(アリル)、シクロプロパ-1-エン-1-イル;シクロプロパ-2-エン-1-イル、プロパ-1-イン-1-イル、プロパ-2-イン-1-イル;ブチル、例えば、ブタン-1-イル、ブタン-2-イル、2-メチル-プロパン-1-イル、2-メチル-プロパン-2-イル、シクロブタン-1-イル、ブタ-1-エン-1-イル、ブタ-1-エン-2-イル、2-メチル-プロパ-1-エン-1-イル、ブタ-2-エン-1-イル、ブタ-2-エン-2-イル、ブタ-1,3-ジエン-1-イル、ブタ-1,3-ジエン-2-イル、シクロブタ-1-エン-1-イル、シクロブタ-1-エン-3-イル、シクロブタ-1,3-ジエン-1-イル、ブタ-1-イン-1-イル、ブタ-1-イン-3-イル、ブタ-3-イン-1-イル;などが挙げられるが、これに限定されない。
【0052】
「アリール」という用語は、親芳香環系の単一の炭素原子から1個の水素原子を除去することによって誘導される一価芳香族炭化水素基を指すことができる。典型的なアリール基としては、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、コロネン、フルオランテン、フルオレン、ヘキサセン、ヘキサフェン、ヘキサレン、as-インダセン、s-インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、オクタセン、オクタフェン、オクタレン、オバレン、ペンタ-2,4-ジエン、ペンタセン、ペンタレン、ペンタフェン、ペリレン、フェナレン、フェナントレン、ピセン、プレイアデン、ピレン、ピラントレン、ルビセン、トリフェニレン、トリナフタレンなどから誘導される基が挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の場合において、アリール基は、6個から20個の炭素原子を含む。
【0053】
「ヘテロアルキル、ヘテロアルカニル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル」という用語は、それぞれ、1個以上の炭素原子(及び任意の関連する水素原子)がそれぞれ独立して同じ又は異なるヘテロ原子基で置き換えられている、アルキル、アルカニル、アルケニル及びアルキニル基を指す。典型的なヘテロ原子基としては、限定するものではないが、-O-、-S-、-O-O’、-S-S-、-O-S-、-NR’-、=N-N=、-N=N-、-N=N-NR’-、-PH-、-P(O)-、-O-P(O)-、-S(O)-、-S(O)-、-SnH-などが挙げられ、式中、R’は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール又は置換アリールである。
【0054】
「ヘテロアリール」という用語は、親ヘテロ芳香族環系の単一の原子から1個の水素原子を除去することによって誘導される一価のヘテロ芳香族基を指すことができる。典型的なヘテロアリール基としては、アクリジン、アルシンドール、カルバゾール、β-カルボリン、クロマン、クロメン、シンノリン、フラン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリン、インドリジン、イソベンゾフラン、イソクロメン、イソインドール、イソインドリン、イソキノリン、イソチアゾール、イソオキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、ペリミジン、フェナントリジン、フェナントロリン、フェナジン、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、ピロリジン、キナゾリン、キノリン、キノリジン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアゾール、キサンテンなどから誘導される基が挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の場合において、ヘテロアリール基は、5~20員のヘテロアリールであり、他の場合においては、5~10員のヘテロアリールである。ある特定の場合において、ヘテロアリール基は、チオフェン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、ピリジン、キノリン、イミダゾール、オキサゾール及びピラジンから誘導されるものである。
【0055】
「アリールアルキル」という用語は、炭素原子、典型的には末端又はsp炭素原子に結合した水素原子の1つがアリール基で置き換えられている非環式アルキル基を指すことができる。典型的なアリールアルキル基としては、ベンジル、2-フェニルエタン-1-イル、2-フェニルエテン-1-イル、ナフチルメチル、2-ナフチルエタン-1-イル、2-ナフチルエテン-1-イル、ナフトベンジル、2-ナフトフェニルエタン-1-イルなどが挙げられるが、これらに限定されない。特定のアルキル部分が意図される場合、アリールアルカニル、アリールアルケニル及び/又はアリールアルキニルという命名法が使用される。ある特定の場合において、アリールアルキル基は、(C~C30)アリールアルキルであり、例えば、アリールアルキル基のアルカニル、アルケニル又はアルキニル部分は、(C~C10)であり、アリール部分は、(C~C20)である。
【0056】
「ヘテロアリールアルキル」という用語は、炭素原子、典型的には末端又はsp炭素原子に結合した水素原子の1つがヘテロアリール基で置き換えられている非環式アルキル基を指すことができる。特定のアルキル部分が意図される場合、ヘテロアリールアルカニル、ヘテロアリールアルケニル及び/又はヘテロアリールアルキニルという命名法が使用される。ある特定の場合において、ヘテロアリールアルキル基は、6~30員のヘテロアリールアルキルであり、例えば、ヘテロアリールアルキルのアルカニル、アルケニル又はアルキニル部分は、1~10員であり、ヘテロアリール部分は、5~20員のヘテロアリールである。
【0057】
「シクロアルキル」という用語は、飽和又は不飽和環状アルキル基を指すことができる。特定の飽和レベルが意図される場合、「シクロアルカニル」又は「シクロアルケニル」という命名法が使用される。典型的なシクロアルキル基としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどから誘導される基が挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の場合において、シクロアルキル基は、(C~C10)シクロアルキルであり、又はある特定の場合においては、(C~C)シクロアルキルである。
【0058】
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、1個以上の炭素原子(及び任意の関連する水素原子)が独立して同じ又は異なるヘテロ原子で置き換えられている飽和又は不飽和環状アルキル基を指すことができる。炭素原子を置換する典型的なヘテロ原子としては、N、P、O、S及びSiが挙げられるが、これらに限定されない。典型的なヘテロシクロアルキル基としては、エポキシド、イミダゾリジン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ピラゾリジン、ピロリジン、キヌクリジンなどから誘導される基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0059】
「ジアステレオマー過剰率」(DE)という用語は、2つのジアステレオマーの相対的存在量との差を指すことができる。例えば、2つのジアステレオマーが存在し、それらのモル又は重量百分率がA及びBである場合、DEは、DE=[(A-B)/(A+B)]100%として計算することができる。例えば、混合物が一方のジアステレオマーを75%、他方のジアステレオマーを25%含有する場合、ジアステレオマー過剰率は50%である。別の例では、一方のジアステレオマーが95%の混合物の場合、ジアステレオマー過剰率は90%である。
【0060】
「鏡像体過剰率」(EE)という用語は、2つの鏡像体の相対的存在量との差を指すことができる。例えば、2つのエナンチオマーが存在し、それらのモル又は重量百分率がA及びBである場合、EEは、EE=[(A-B)/(A+B)]100%として計算することができる。例えば、混合物が一方のエナンチオマーを75%、他方のエナンチオマーを25%含有する場合、エナンチオマー過剰率は50%である。別の例では、一方のエナンチオマーが95%の混合物の場合、エナンチオマー過剰率は90%である。
【0061】
「置換された」という用語は、1個以上の水素原子がそれぞれ独立して同じ又は異なる置換基で置き換えられている基を指すことができる。典型的な置換基としては、ハロ、アルキル、アリール、ヘテロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0062】
別段の指示がない限り、「処置した」は、「接触した」を指すことができる。同様に、「未処理」は、「未接触」を指すことができる。
【0063】
「実質的に同等の植物」という用語は、先に言及された植物と同じ種の植物を指すことができる。例えば、実質的に同等であるが、未接触の植物は、接触した植物と同じ種に属する。実質的に同等であるが未接触の植物は、接触した植物の約80%~120%の高さ(周囲の土壌から植物の最高点まで測定した場合)を有することができ、かつ/又は、接触した植物の約80%~120%の質量を有することができる。
【0064】
「干ばつ」という用語は、過去12か月以内に20インチ、15インチ、10インチ、又は5インチ未満の降雨量しかない状態を意味することができる。用語「干ばつ」はまた、-1.0未満のPalmer Drought Severity Index(PDSI)を有する状態を意味し得る。「十分に潅水された状態」という用語は、過去12ヶ月以内に20インチを超える降雨量がある状態を意味することができる。「十分に潅水された状態」という用語は、-1.0を超えるPDSIを有する状態を意味することができる。
【0065】
「植物」という用語は、「作物」という用語と互換的に使用することができ、食品、衣類、家畜飼料、バイオ燃料、医薬品、又は他の用途のために収穫され得る任意の作物、栽培植物、真菌、又は藻類を挙げることができるが、これらに限定されない。例えば、植物としては、畑作物及び温室作物が挙げられ、広エーカー作物、果実及び野菜、多年生木本作物、及び観賞植物が挙げられるが、これらに限定されない。植物としては、サトウキビ、カボチャ、トウモロコシ(コーン)、コムギ、イネ、キャッサバ、ダイズ、ヘイ、ジャガイモ、ワタ、トマト、アルファルファ及び緑藻類が挙げられるが、これらに限定されない。植物としては、また、キャベツ、カブ、ニンジン、パースニップ、ビート根、レタス、マメ、そらまめ、エンドウ豆、ジャガイモ、ナス、トマト、キュウリ、カボチャ(pumpkin)、カボチャ(squash)、タマネギ、ニンニク、ニラ、トウガラシ、ホウレンソウ、ヤマノイモ、サツマイモ、及びキャッサバなどの任意の野菜が挙げられるが、これらに限定されない。場合によって、植物はまた、果実、葉、茎、根、花、植物胚、又はそれらの任意の組合わせを含み得る。
【0066】
核酸構築物
【0067】
生物において遺伝子を少なくとも部分的にサイレンシング又は活性化するための核酸構築物であって、生物において遺伝子の少なくとも1つの塩基の内因性修飾(例えば、メチル化)を誘導するように構成されている核酸構築物が本明細書に開示される。場合によって、核酸構築物は、一本鎖又は二本鎖であり得る。
【0068】
場合によって、核酸構築物は、1)修飾リボース若しくは修飾デオキシリボース又はそれらの組合わせ、及び、2)末端オーバーハングを含む人工二本鎖核酸構築物であり得、ここで、核酸構築物が生物の核酸配列と会合すると、酵素は、生物の核酸配列中の少なくとも1つの塩基のエピジェネティック修飾を行う。場合によって、修飾リボース又は修飾デオキシリボースは、核酸構築物の末端ヌクレオチドに含まれる。場合によって、核酸構築物は、核酸配列と会合する目的タンパク質と会合する。
【0069】
場合によって、核酸構築物は、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、又はそれらの組合わせを含み得る。場合によって、核酸構築物は、少なくとも1つのデオキシリボ核酸を含み得る。場合によって、核酸構築物は、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、又は100個のデオキシリボ核酸を含み得る。場合によって、核酸構築物は、少なくとも1つのリボ核酸を含み得る。場合によって、核酸構築物は、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85又は100個のリボ核酸を含み得る。
【0070】
場合によって、遺伝子の塩基は、シトシンであり得る。場合によって、遺伝子の塩基は、アデニン、グアニン又はチミンであり得る。
【0071】
場合によって、核酸構築物は、二本鎖DNA構築物であり得る。場合によって、二本鎖DNA構築物は、同じ長さの2本のポリヌクレオチド鎖を含み得る。場合によって、二本鎖DNA構築物は、異なる長さの2つのポリヌクレオチド鎖を含み得る。場合によって、二本鎖DNA構築物は、少なくとも1つの末端オーバーハングを含み得る。場合によって、末端オーバーハングは、単一ヌクレオチドを含み得る。場合によって、末端オーバーハングは、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9又は10ヌクレオチドを含み得る。場合によって、二本鎖DNA構築物は、DNA構築物の各末端に末端オーバーハングを含み得る。場合によって、二本鎖DNA構築物は、DNA構築物の各末端に末端オーバーハングを含み得、末端オーバーハングは同じ長さである。場合によって、二本鎖DNA構築物は、DNA構築物の各末端に1ヌクレオチド末端オーバーハングを含み得る。場合によって、二本鎖DNA構築物は、3´-末端オーバーハングを含み得る。場合によって、二本鎖DNA構築物は、5´-末端オーバーハングを含み得る。場合によって、二本鎖DNA構築物は、DNA構築物の各末端に1ヌクレオチドの3’末端オーバーハングを含み得る。
【0072】
場合によって、核酸構築物は、少なくとも1箇所が修飾された、例えば、2’位及び/又は3’位で修飾された糖を含み得る。ヌクレオチド糖の番号付けは、当技術分野における位置番号付けの通常の慣習に従うと理解されるべきである。具体的には、ヌクレオチド糖の炭素ナンバリングは、以下に示すリボース糖によって示される通りである。
【0073】
【化3】
【化4】
【0074】
場合によって、修飾された糖は、2’-R基、2’-O-R基、3’-R基、又は3’-O-R基を含み得る。場合によって、R基は、アルキル、アリール、ハロアルキル、アミノ及びハロゲンからなる群より選択され得る。場合によって、R基は、フルオロ-(F)であり得る。場合によって、R基は、メトキシエチルであり得る。場合によって、R基は、メチルであり得る。場合によって、Rは、-(C=O)n-R1であり得、又は、リボース修飾は、以下によって表される構造を含む。
【0075】
【化5】
【0076】
場合によって、R1は、アルキル、アルケニル、アルキニルアリール、置換アルキル、置換アルケニル、置換アルキニル、又は置換アリールであり得る。
【0077】
場合によって、修飾された糖は、核酸構築物の少なくとも1つの鎖の末端ヌクレオチドに含まれ得る。場合によって、修飾された糖は、核酸構築物の少なくとも1つの鎖の3’末端ヌクレオチドに含まれ得る。場合によって、核酸構築物は、二本鎖DNA構築物であり得、DNA構築物の各鎖が少なくとも1つの修飾された糖を含む。場合によって、核酸構築物は、二本鎖DNA構築物であり得、DNA構築物の各鎖が鎖の3’末端ヌクレオチドに少なくとも1つの修飾された糖を含む。
【0078】
場合によって、糖は、リボースの誘導体であり得る。場合によって、糖は、アラビノースであり得る。場合によって、糖は、2’-デオキシ-2’-フルオロ-アラビノ(FANA)であり得る。場合によって、糖は、ヘキソースの誘導体(例えば、HNA;ヘキソース核酸)であり得る。場合によって、糖は、トレオースの誘導体(例えば、TNA;トレオース核酸)であり得る。場合によって、糖は、モルホリノ基及びホスホルアミデート結合から構成される骨格(例えばPMO;ホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー)で置き換えられ得る。場合によって、糖は、架橋糖(例えば、BNA;架橋核酸)であり得る。場合によって、2’位と4’位との間の架橋炭素は、メチレン基(例えば、LNA;ロックド核酸)であり得る。場合によって、2’位と4’位との間の架橋炭素は、エチル基であり得る。場合によって、2’、4’拘束性エチル糖誘導体は、S立体化学配置(例えば、(S)-cET)であり得る。場合によって、糖は、非環状であり得る。場合によって、糖は、2’及び3’結合を欠く誘導体又はリボース(例えば、UNA;ロックされていない核酸)であり得る。場合によって、糖は、トレオニノールの誘導体(例えば、aTNA;トレオニノール核酸)であり得る。場合によって、糖は、セリノールの誘導体(例えば、SNA;セリノール核酸)であり得る。場合によって、糖は、グリコールの誘導体(例えば、GNA;グリコール核酸)であり得る。
【0079】
場合によって、各鎖内の糖は、架橋ホスホジエステル結合によって3’から5’に結合している。場合によって、ホスホジエステル結合内の1個の酸素は、ホスホロチオエートを形成する硫黄で置き換えられてもよい。場合によって、ホスホジエステル結合内の2つの酸素が硫黄で置換されてホスホロジチオエート結合を形成する。場合によって、3’-5’ホスホジエステルは、非架橋酸素上にさらなるエステル基を含む。場合によって、糖架橋ホスフェートは、ホスホトリエステルであり得る。場合によって、ホスホトリエステルは、安定であり得る。場合によって、ホスホトリエステルは、生体可逆性であり得る。
【0080】
場合によって、本明細書中に開示される核酸は、リポソームと会合するか、又はリポソーム内に封入される。場合によって、リポソームは、カチオン性ペプチド(例えばDOTAP)から構成され得る。場合によって、リポソームは、イオン化可能な脂質(例えば、DLinDMA又はKC2-DMA)から構成され得る。
【0081】
場合によって、本明細書に開示される核酸は、ナノ粒子又はマイクロ粒子と会合するか、又はナノ粒子又はマイクロ粒子内に封入され得る。場合によって、ナノ粒子又はマイクロ粒子は、ポリ乳酸-co-グリコール酸(PLGA)から構成され得る。場合によって、核酸は、ナノ粒子に結合していてもよい。場合によって、ナノ粒子は、リポソームであり得る。場合によって、ナノ粒子は、ミセルであり得る。場合によって、ナノ粒子は、シリカを含む。場合によって、ナノ粒子は、鉱物又は鉱物誘導体を含む。場合によって、核酸は、金を含むナノ粒子にコンジュゲートされ得る。場合によって、ナノ粒子は、量子ドットであり得る。場合によって、核酸は、DNA又は他の核酸から構成されるナノ粒子にコンジュゲートされ得る。場合によって、核酸は、微粒子に付着され得る。場合によって、微粒子は、シリカを含み得る。場合によって、微粒子は、粘土を含み得る。
【0082】
場合によって、1つ以上の核酸配列は、リガンド又は他の部分に直接コンジュゲートされて、取り込み、輸送、細胞質又は核送達を増強し得る。場合によって、リガンドは、核酸二重鎖の5’末端に結合し得る。場合によって、リガンドは、核酸二重鎖の3’末端に結合し得る。場合によって、リガンドは、核酸二重鎖の5’末端及び3’末端の両方に結合し得る。場合によって、リガンドは、核酸二重鎖内の位置に結合し得る。場合によって、リガンドは、核酸塩基の1つの非ワトソン・クリック面に付着し得る。場合によって、リガンドは、ウラシルの5位に結合し得る。場合によって、リガンドは、核酸上の複数の位置に結合している。場合によって、2つ以上のリガンドが結合し得る。場合によって、同じリガンドの複数のコピーが結合している。場合によって、複数の異なるリガンドが結合している。
【0083】
場合によって、リガンドは、糖又は多糖であり得る。場合によって、リガンドは、GalNAcであり得る。場合によって、リガンドは、核酸上の単一の位置に結合した2つのGalNAc部分であり得る。場合によって、リガンドは、核酸上の単一の位置に結合した3つのGalNAc部分であり得る。場合によって、リガンドは、核酸上の単一の位置に結合した3つを超えるGalNAc部分であり得る。場合によって、リガンドは、キチン又はその誘導体であり得る。場合によって、リガンドは、マンノース又はその誘導体であり得る。場合によって、リガンドは、シアル酸又はその誘導体であり得る。
【0084】
場合によって、本明細書に開示される核酸は、ペプチド又はその誘導体にコンジュゲートされ得る。場合によって、ペプチドは、核酸取り込みを増強し得る。場合によって、ペプチドは、エンドソーム脱出を増強し得る。場合によって、ペプチドは、取り込み及びエンドソーム脱出の両方を増強し得る。場合によって、ペプチドは、血管組織への送達及び長距離輸送を増強し得る。場合によって、ペプチドは、カチオン性であり得る。場合によって、ペプチドは、ウイルスタンパク質の誘導体であり得る。場合によって、リガンドは、アルギニンリッチペプチド(例えば、TAT)であり得る。場合によって、ペプチドは、ヒスチジンリッチペプチド(例えば、Endo-Porter)であり得る。場合によって、ペプチドは、溶解性ペプチド(例えば、メリチン)であり得る。場合によって、ペプチドは、酸性条件に曝露されると活性化され得るマスクされたペプチドであり得る。場合によって、ペプチドは、pH感受性であり得る。場合によって、ペプチドは、細菌タンパク質の誘導体であり得る。場合によって、ペプチドは、フラジェリンの誘導体であり得る。場合によって、ペプチドは、EF-Tuの誘導体であり得る。
【0085】
場合によって、本明細書に開示される核酸は、ステロール又はステロール誘導体にコンジュゲートされ得る。場合によって、核酸は、コレステロール又はコレステロール誘導体にコンジュゲートされ得る。場合によって、核酸は、脂質にコンジュゲートされ得る。場合によって、核酸は、一本鎖脂質にコンジュゲートされ得る。場合によって、核酸は、1~22個の炭素を含む一本鎖脂質にコンジュゲートされ得る。場合によって、核酸は、飽和している一本鎖脂質にコンジュゲートされ得る。場合によって、核酸は、少なくとも1つの不飽和位置から構成され得る。場合によって、核酸は、ジアシル脂質にコンジュゲートされ得る。場合によって、核酸は、1~22個の炭素を含むジアシル脂質にコンジュゲートされ得る。場合によって、核酸は、飽和したジアシル脂質にコンジュゲートされ得る。場合によって、核酸は、少なくとも1つの不飽和位置を含む。場合によって、核酸は、ビタミン又はビタミン誘導体にコンジュゲートされ得る。場合によって、核酸は、トコフェロールにコンジュゲート化され得る。
【0086】
場合によって、核酸構築物は、少なくとも、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、又は50個の塩基対を含む。場合によって、核酸構築物は、少なくとも、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、又は50個の塩基対を含む。場合によって、核酸構築物は、2~約100個の塩基対を含む。場合によって、核酸構築物は、約10~約100個の塩基対を含む。場合によって、核酸構築物は、約10~約50個の塩基対を含む。場合によって、核酸構築物は、約10~約40個の塩基対を含む。場合によって、核酸構築物は、約10~約30個の塩基対を含む。場合によって、核酸構築物は、約20~約30個の塩基対を含む。場合によって、核酸構築物は、約(4、6、8、又は10)~約24個の塩基対、例えば、約10~約24個の塩基対を含む。場合によって、核酸構築物は、23個の塩基対を含む。場合によって、核酸構築物は、24個の塩基対を含む。
【0087】
場合によって、核酸構築物は、遺伝子の転写調節領域と少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%又は100%の配列同一性を有する。
【0088】
場合によって、転写調節領域は、少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%又は90%のグアニン-シトシン含有量(G-C含有量)を有する。場合によって、核酸構築物は、少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、又は90%のG-C含有量を有する少なくとも1つのヌクレオチド鎖を含む。
【0089】
場合によって、核酸構築物は、ポリヌクレオチド鎖の末端ヌクレオチドにおいてリン酸化されていなくてもよい少なくとも1つのポリヌクレオチド鎖を含む。場合によって、核酸構築物は、ポリヌクレオチド鎖の5’末端ヌクレオチドにおいてリン酸化されていなくてもよい少なくとも1つのポリヌクレオチド鎖を含む。場合によって、核酸構築物は、ポリヌクレオチド鎖の3’末端ヌクレオチドにおいてリン酸化されていなくてもよい少なくとも1つのポリヌクレオチド鎖を含む。場合によって、核酸構築物は、2本のポリヌクレオチド鎖を含む二本鎖核酸構築物であり得、各ポリヌクレオチド鎖は、ポリヌクレオチド鎖の5’末端ヌクレオチドでリン酸化されていなくてもよい。場合によって、核酸構築物は、2本のポリヌクレオチド鎖を含む二本鎖DNA構築物であり得、各ポリヌクレオチド鎖は、ポリヌクレオチド鎖の3’末端ヌクレオチドでリン酸化されていなくてもよい。
【0090】
場合によって、遺伝子は、少なくとも1回の再生サイクルの間、少なくとも部分的にサイレンシングされる。少なくとも部分的な遺伝子サイレンシングは、遺伝子が非修飾遺伝子と比較して減少したレベルで転写されることを意味すると理解されるべきである。場合によって、非修飾遺伝子は、野生型遺伝子である。遺伝子転写の測定は、当技術分野で一般的に知られている方法のいずれか、例えば、mRNA転写レベルの測定によって行うことができる。場合によって、遺伝子は、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20又は30回の再生サイクルの間、少なくとも部分的にサイレンシングされる。場合によって、遺伝子は、遺伝子の対応するmRNA転写レベルの測定によって決定した場合、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、又は100%サイレンシングされ得る。
【0091】
場合によって、内因性エピジェネティック修飾酵素又はその断片を、エピジェネティック修飾を標的とする当該核酸配列の一部に動員するように構成された核酸構築物が本明細書に開示される。「内因性」は、遺伝子を含む生物内で自然に発生することを意味すると理解されるべきである。したがって、「内因性」エピジェネティック修飾酵素は、遺伝子を含む生物に天然に存在する修飾酵素を意味すると理解されるべきである。
【0092】
場合によって、核酸構築物は、配列番号1~664のいずれか1つの核酸配列に対して50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、又は100%の配列同一性を有する核酸配列を含み得る。場合によって、核酸構築物は、配列番号1~664のいずれか1つの核酸配列を有する核酸配列を含み得る。
【0093】
場合によって、酵素又はその断片は、遺伝子の一部又は遺伝子の転写調節領域などの核酸配列の少なくとも1つの塩基へのメチル基の転移を触媒し得る。場合によって、酵素又はその断片は、メチルトランスフェラーゼを含み得る。場合によって、酵素又はその断片は、メチルトランスフェラーゼ(MET)、クロモメチルトランスフェラーゼ(CMT)、ドメイン再編成メチルトランスフェラーゼ(DRM)、その任意の触媒活性断片、又はそれらの任意の組合わせを含み得る。場合によって、酵素は、Dnmt3a、Dnmt3b、Dnmt3L、DRM1、DRM2、NtDRM1、Zmet3、Fmu、Dnmt1、MET1、DIM2、DRM2、CMT1、CMT3、それらの任意の触媒活性断片、又はそれらの任意の組合わせを含み得る。CMT酵素は、OsCMT3、ZCMT3、OsCMT1、NtCMT1、CMT3、それらの任意の触媒活性断片、又はそれらの任意の組合わせを含み得る。MET酵素は、NtMET1、OsMET1-2、ZMET1、OsMET1-1、MET1、それらの任意の触媒活性断片、又はそれらの任意の組合わせを含み得る。DRM酵素は、OsDRM3、OsDRM2、OsDRM1a、OsDRM1b、ZMET3、NtDRM1、DRM1、DRM2、それらの任意の触媒活性断片、又はそれらの任意の組合わせを含み得る。DNMT2酵素は、OsDNMT2、ZMET4、OsCMT2、それらの任意の触媒活性断片、又はそれらの任意の組合わせを含み得る。核酸配列を前述の酵素又はその断片のいずれかと接触させることができ、それによって、核酸配列(目的の遺伝子など)中の少なくとも1つの塩基のエピジェネティック修飾が生じる。核酸構築物を含む本明細書に記載の組成物は、内因性酵素又はその断片を核酸配列中の目的の塩基に誘導し、それによって、酵素又はその断片と目的の塩基との接触を指揮し、その結果、酵素又はその断片が目的の塩基のエピジェネティック修飾を行う。
【0094】
本明細書に記載の方法は、核酸配列(遺伝子の一部又は遺伝子の転写調節領域など)の1つ以上の塩基をメチル化することを含み得る。本明細書に記載の方法は、遺伝子の一部又は遺伝子の転写調節領域などの核酸配列の1つ以上の塩基を酸化することを含み得る。本明細書に記載の方法は、核酸配列の少なくとも1つの塩基をエピジェネティックに修飾することを含み得、当該エピジェネティック修飾は植物の子孫に遺伝性である。
【0095】
場合によって、酵素又はその断片は、核酸配列(遺伝子の一部又は遺伝子の転写調節領域など)の少なくとも1つの塩基のエピジェネティック修飾の変化を触媒し得る。エピジェネティック修飾の変化は、メチル化塩基のヒドロキシメチル化塩基、カルボキシル化塩基、ホルミル化塩基、又はこれらのいずれかの組合わせへの変換を含み得る。場合によって、酵素は、ジオキシゲナーゼを含み得る。場合によって、酵素は、テンイレブントランスロケーション(TET)ファミリー酵素を含み得る。場合によって、酵素は、TET1、TET2、TET3、CXXCフィンガータンパク質4(CXXC4)、その任意の触媒活性断片、又はそれらの任意の組合わせを含み得る。
【0096】
エピジェネティック修飾は、シトシン、チミン、ウラシル、アデニン、グアニン、又はそれらの任意の組合わせなどの任意の塩基で起こり得る。エピジェネティック修飾は、生物の少なくとも1つの子孫に伝えられるエピジェネティック修飾などの遺伝性エピジェネティック修飾であり得る。エピジェネティック修飾は、天然生物の核酸配列の特定の塩基で非天然に発生するエピジェネティック修飾ではなく、本明細書に記載の方法を使用して生物又は生物の祖先に導入されるエピジェネティック修飾などの、操作されたエピジェネティック修飾であり得る。生物は、親生物又は祖先生物に前もって導入され得る、少なくとも1つの再生サイクルの間保持される遺伝的エピジェネティック修飾を含み得る。
【0097】
場合によっては、エピジェネティック修飾は、酸化又は還元を含み得る。核酸配列は、1つ以上のエピジェネティック修飾塩基を含み得る。エピジェネティック修飾塩基は、シトシン、ウラシル、チミン、アデニン又はグアニンなどの任意の塩基を含み得る。エピジェネティック修飾塩基は、メチル化塩基、ヒドロキシメチル化塩基、ホルミル化塩基、又はカルボン酸含有塩基若しくはその塩を含み得る。エピジェネティック修飾塩基は、5-メチル化シトシン(5-mC)などの5-メチル化塩基を含み得る。エピジェネティック修飾塩基は、5-ヒドロキシメチル化シトシン(5-hmC)などの5-ヒドロキシメチル化塩基を含み得る。エピジェネティック修飾塩基は、5-ホルミル化シトシン(5-fC)などの5-ホルミル化塩基を含み得る。エピジェネティック修飾塩基は、5-カルボキシル化塩基又はその塩、例えば、5-カルボキシル化シトシン(5-caC)を含み得る。
【0098】
構築物は、化学修飾などの1つ以上の修飾を含み得る。構築物は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35個又はそれ以上の修飾を含み得る。構築物は、約1~約10個の修飾を含み得る。構築物は、約1~約20個の修飾を含み得る。構築物は、約5~約20個の修飾を含み得る。インビボで遂行する場合などに、構築物の安定性を高めるために構築物に修飾を加えることができる。インビボで遂行する場合などに、構築物の更新を増強するために構築物に修飾を加えることができる。構築物の塩基の一部が修飾を含み得、例えば、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%以上の塩基が修飾を含み得る。修飾は、メチル基、フルオロ基、ホスホロチオエート骨格、又はそれらの任意の組合わせの付加を含み得る。
【0099】
構築物は、二本鎖であり得る。二本鎖構築物は、約10塩基対(bp)から約100bpの長さを有し得る。構築物は、約10bpから約20bpsの長さを有し得る。構築物は、約10bp~約30bpsの長さを有し得る。構築物は、約10bp~約40bpsの長さを有し得る。構築物は、約10bp~約50bpsの長さを有し得る。構築物は、約10bp~約60bpsの長さを有し得る。構築物は、約10bp~約70bpsの長さを有し得る。構築物は、約10bp~約80bpsの長さを有し得る。構築物は、約10bp~約90bpsの長さを有し得る。構築物は、約15bp~約40bpの長さを有し得る。構築物は、約15bp~約35bpの長さを有し得る。構築物は、約15bp~約60bpの長さを有し得る。構築物は、約5bp~約30bpの長さを有し得る。構築物は、約5bp~約25bpsの長さを有し得る。
【0100】
エピジェネティック修飾の検出
【0101】
いくつかの態様では、DNAメチル化などの本明細書に開示されるエピジェネティック修飾を検出することができる。場合によって、修飾、例えば、メチル化ヌクレオチドは、バイサルファイトシーケンシングによって検出され得る。バイサルファイト処理は、シトシン塩基をウラシルに変換し、メチル化シトシンを未変換のままにすることができる。バイサルファイト処理を試料の一部に適用して、試料の第2の部分を未処理のままにすることができる。バイサルファイト処理は、配列決定前又は配列決定後に試料に対して実施することができる。バイサルファイト処理は、単独で又は追加の技術と組合わせて利用して、核酸配列におけるエピジェネティック修飾の存在、パターン若しくはレベルを決定することができ、例えば、配列におけるメチル化の存在、パターン若しくはレベルを決定することができる。バイサルファイトシーケンシングは、核酸配列におけるエピジェネティック修飾の存在、パターン、又はレベルを決定することができる。バイサルファイトフリーシーケンシングは、核酸配列におけるエピジェネティック修飾の存在、パターン、又はレベルを決定することができる。バイサルファイト処理された配列を、バイサルファイト処理されていない同等の配列と比較して、核酸配列におけるエピジェネティック修飾の存在、パターン、又はレベルを決定することができる。
【0102】
配列決定(バイサルファイトフリーシーケンシングなど)は、単独で又は追加の技術と組合わせて利用して、核酸配列におけるエピジェネティック修飾の存在、パターン又はレベルを決定することができ、例えば、配列におけるメチル化の存在、パターン又はレベルを決定することができる。配列決定(バイサルファイトフリーシーケンシングなど)は、核酸配列におけるエピジェネティック修飾の存在、パターン、又はレベルを決定することができる。配列決定は、核酸配列におけるエピジェネティック修飾の存在、パターン、又はレベルを決定することができる。処理された配列(エピジェネティック修飾に付加された標識を有する配列など)を、処理されていない同等の配列と比較して、核酸配列におけるエピジェネティック修飾の存在、パターン、又はレベルを決定することができる。
【0103】
本明細書で使用される「配列決定」という用語は、バイサルファイトフリーシーケンシング、バイサルファイトシーケンシング、TET支援バイサルファイト(TAB)配列決定、ACE配列決定、ハイスループット配列決定、Maxam-Gilbert配列決定、大規模並列署名配列決定、Polony配列決定、454ピロ配列決定、Sanger配列決定、Illumina配列決定、SOLiD配列決定、Ion Torrent半導体配列決定、DNAナノボール配列決定、Heliscope一分子配列決定、一分子リアルタイム(SMRT)配列決定、ナノポアDNA配列決定、ショットガン配列決定、RNA配列決定、Enigma配列決定、又はそれらの任意の組合わせを含み得る。
【0104】
場合によって、方法は、配列決定を含み得る。配列決定は、バイサルファイトシーケンシング又はバイサルファイトフリーシーケンシングを含み得る。
【0105】
場合によって、方法は、試料が得られた後であって試料が分析される前に、例えば、数秒、数分、数時間、数日、数週間、数ヶ月、数年又はそれ以上の時間、試料を保存することを含み得る。場合によって、対象から得られた試料は、試料の異なる部分が、本明細書に記載の方法の任意の組合わせ、保存、バイサルファイト処理、増幅、配列決定、ラベリング、細胞学的分析、適切性試験、核酸抽出、分子プロファイリング又はそれらの組合わせを含むがこれらに限定されない異なる下流の方法又はプロセスを受けるように、保存又はさらなる分析のステップの前にさらに分割される。
【0106】
場合によっては、試料の一部を保存し、当該試料の別の部分をさらに操作することができる。そのような操作としては、本明細書に記載の任意の方法、バイサルファイト処理;配列決定;増幅;ラベリング;分子プロファイリング;細胞染色;核酸(RNA又はDNA)の抽出、検出、又は定量;遺伝子発現産物(RNA又はタンパク質)の抽出、検出又は定量;固定化;及び検査が挙げられるが、これらに限定されない。
【0107】
場合によって、メチル化ヌクレオチドは、ナノポアシーケンシングによって検出され得る。ナノポアを用いて、あるサンプル、小さな部分(1つの完全な遺伝子又は1つの遺伝子の一部など)、かなりの部分(複数の遺伝子又は複数の染色体など)、又は個体のゲノム配列全体の配列決定を行うことができる。ナノポアシーケンシング技術は、Sequenom(カリフォルニア州サンディエゴ)、Illumina(カリフォルニア州サンディエゴ)、Oxford Nanopore Technologies LTD(キドリントン、英国)及びAgilent Laboratories(カリフォルニア州サンタクララ)から市販されているか、又は開発中である。ナノポアシーケンシングの方法及び装置は、当技術分野で説明されており、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,795,782号明細書に提供されている。
【0108】
ナノポアシーケンシングでは、電気泳動を使用して試料を通して細孔を輸送することができる。ナノポアシステムは、一定の電界が印加されたときにシステム内で電流を観察できるように電解液を含んでいてもよい。ナノポア表面を横切る電流密度の大きさは、ナノポアの寸法及びナノポアを占有している試料の組成に依存し得る。ナノポアシーケンシングの間、試料がナノポアに接近し、及び/又は通過すると、試料はナノポア表面全体の電流密度に特徴的な変化を引き起こし、電流のこれらの特徴的な変化により試料の同定が可能になる。本明細書で使用されるナノポアは、固体膜又は同様のフレームワーク内に構成された、固体ナノポア、タンパク質ナノポア、あるいは、タンパク質ナノポア又はカーボンナノチューブ若しくはグラフェンナノチューブなどの有機ナノチューブ含むハイブリッドナノポアであり得る。場合によって、ナノポアシーケンシングは、生物学的ナノポア、固体ナノポア、又は生物学的/固体ハイブリッドナノポアであり得る。
【0109】
場合によって、生物学的ナノポアは、脂質膜に埋め込まれ得る膜貫通タンパク質を含み得る。場合によって、本明細書に記載のナノポアは、アルファ溶血素を含み得る。場合によって、本明細書に記載のナノポアは、マイコバクテリウム・スメガマチス・ポリンを含み得る。
【0110】
固体ナノポアは、その系にタンパク質を取り込まない。代わりに、固体ナノポア技術は、試料が通過することができるナノメートルサイズの細孔を有する様々な金属又は金属合金基材を使用する。固体ナノポアは、窒化ケイ素(Si)、二酸化ケイ素(SiO)などを含むがこれらに限定されない様々な材料で製造することができる。場合によって、ナノポアシーケンシングは、トンネル電流の使用を含み得、試料(ssDNA)がナノポアを通過する際の塩基を通る電子トンネリングの測定値が得られる。場合によって、ナノポアシステムは、細孔の直径にわたって単層カーボンナノチューブを備えた固体ポアを有することができる。場合によって、ナノ電極は、本明細書に記載のナノポアシステムで使用され得る。場合によって、蛍光をナノポアと共に、例えば、固体ナノポア及び蛍光と共に使用することができる。例えば、そのようなシステムでは、蛍光配列決定法は、試料の各塩基を、蛍光プローブ鎖形成dsDNAに結合する複数のヌクレオチドの特徴的な表現に変換する(試料がDNAを含む場合)。2色系が使用される場合、各塩基は2つの別個の蛍光によって同定され、したがって2つの特定の配列に変換される。プローブは、各配列の開始時及び終了時において、それぞれ、フルオロフォア及びクエンチャーから構成され得る。各フルオロフォアは、先行する配列の最後にクエンチャーによって消火され得る。dsDNAが固体ナノポアを通って移動しているとき、プローブ鎖は外れ得、上流のフルオロフォアが蛍光を発する。
【0111】
場合によって、1~100nmのチャネル又は開口部が、固体基板、通常は、膜などの平面基板によって形成され得、それを通して一本鎖DNAなどの分析物が移動するように誘導される。他の例では、2~50nmのチャネル又は開口部が基板によって形成される。さらに他の例では、2~30nm、又は2~20nm、又は3~30nm、又は3~20nm、又は3~10nmのチャネル又は開口が基板によって形成される。
【0112】
場合によって、本明細書で有用な方法及びデバイスに関連して使用されるナノポアは、平面上に規則的に配置され得るナノポアのクラスタのアレイなどのアレイの形態で提供される。場合によって、クラスタは、異なるクラスタのナノポアからの光信号が使用される光学検出システムによって区別可能であるように、それぞれ別個の分解能制限領域内にあるが、同じクラスタ内のナノポアからの光信号は、使用される光学検出システムによってかかるクラスタ内の特定のナノポアに必ずしも割り当てることができない。
【0113】
配列同一性
【0114】
本明細書で使用される「相同」、「相同性」又は「パーセント相同性」という用語は、アミノ酸又はヌクレオチド配列と参照配列との間の配列類似性の程度を指す。本明細書で使用される場合、「相同性」という用語は、「同一性」という用語と互換的に使用することができる。場合によって、本明細書における配列類似性の程度は、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%、又は約100%であり得る。場合によって、パーセント配列相同性は、Karlin及びAltschulによって記載される式(Proc.Natl.Acad.Sci.USA87:2264-2268,1990,Proc.Natl.Acad.Sci.USA90:5873-5877,1993にて修正)を使用して決定することができる。かかる式は、Altschulら(J.Mol.Biol.215:403-410,1990)の基本的なローカルアライメント検索ツール(BLAST)プログラムに組み込まれている。配列のパーセント相同性は、本出願の出願日現在の最新バージョンのBLASTを使用して決定することができる。場合によって、配列の相同性パーセントは、Smith-Waterman相同性検索アルゴリズムを使用して決定することができる。Smith&Waterman(1981)Adv.Appl.Math.2:482-489。
【0115】
相同性パーセントは、連続した配列にわたって計算することができ、すなわち、一方の配列を他方の配列とアライメントし、一方の配列中の各アミノ酸を他方の配列中の対応するアミノ酸と一度に1残基ずつ直接比較する。これは「ギャップなし」アライメントと呼ばれる。典型的には、そのようなギャップなしアライメントは、比較的少数の残基に対してのみ行われる。より長い配列に対するほとんどの配列比較方法は、全体的な相同性スコアに過度に不利になることなく、可能性のある挿入及び欠失を考慮した最適なアラインメントを生成するように設計されている。これは、配列アラインメントに「隙間」を挿入して局所相同性を最大化しようとすることによって達成される。これらのより複雑な方法は、アラインメントにおいて生じる各ギャップに「ギャップペナルティ」を割り当てるので、同じ数の同一のアミノ酸について、2つの比較される配列間のより高い関連性を反映する可能な限り少ないギャップを有する配列アラインメントは、多くのギャップを有するものよりも高いスコアを得る。「アフィンギャップコスト」は、典型的には、ギャップの存在に対して比較的高いコストを請求し、ギャップ内の後続の各残基に対してより小さいペナルティを請求するために使用される。これは一般的に使用されているギャップスコアリングシステムである。高いギャップペナルティは、当然ながら、より少ないギャップで最適化されたアライメントを生成する。ほとんどのアライメントプログラムでは、ギャップペナルティを修正することが可能である。通常、配列比較のためにそのようなソフトウェアを使用する場合、デフォルト値が使用される。したがって、最大相同性%の計算では、ギャップペナルティを考慮して、最初に最適なアラインメントを生成する必要がある。最終的な相同性%は、同一性に関して測定され得るが、アライメントのプロセス自体は、通常、オール・オア・ナッシングの対の比較に基づいていない。代わりに、化学的類似性又は進化的距離に基づいて各ペアワイズ比較にスコアを割り当てるスケーリングされた類似性スコア行列が一般に使用される。一般的に使用されるそのような行列の例は、BLASTプログラムパッケージのデフォルト行列であるBLOSUM62行列である。場合によって、アラインメントは、ギャップオープンペナルティを12とし、ギャップ伸長ペナルティを2とし、ブロック置換行列(BLOSUM)を62としたアフィンギャップ検索を使用して、Smith-Waterman相同性検索アルゴリズムによって決定される。
【0116】
製剤
【0117】
1つ以上の核酸構築物、1つ以上の植物若しくは種子、1つ以上の植物成長調節剤、又はそれらの任意の塩若しくは溶媒和物、又はそれらの任意の組合わせを含む製剤も本明細書に開示される。製剤は、種子処理、土壌灌注、顆粒製剤又は葉面散布の形で、多種多様な作物の生産性を向上させたり、その表現型を変化させたりすることができる。
【0118】
本明細書では、さらに、本明細書に記載される1つ以上の核酸構築物を含む製剤が開示される。1つ以上の核酸構築物、塩又は溶媒和物は、植物又は種子の遺伝子を少なくとも部分的にサイレンシングすることができる。1つ以上の核酸構築物は、植物又は種子の遺伝子の表現型を変化させることができる。
【0119】
1つ以上の核酸構築物、植物又は種子を含む製剤は、さらに、1つ以上のストリゴラクトン、塩又は溶媒和物を含むことができる。製剤は、さらに、1つ以上の植物成長調節剤(PGR)、塩又は溶媒和物を含むことができる。製剤は、さらに、アブシシン酸(ABA)生合成の1つ以上の阻害剤、又はその任意の塩若しくは溶媒和物を含むことができる。製剤は、さらに、1つ以上のストリゴラクトン、塩又は溶媒和物、及び1つ以上の植物成長調節剤(PGR)、塩又は溶媒和物を含むことができる。製剤は、さらに、1つ以上のストリゴラクトン、塩若しくは溶媒和物、及び1つ以上のアブシシン酸(ABA)生合成の阻害剤、又はその任意の塩若しくは溶媒和物を含むことができる。製剤は、さらに、1つ以上の植物成長調節剤(PGR)、塩又は溶媒和物、及び1つ以上のアブシシン酸(ABA)生合成の阻害剤、又はその任意の塩若しくは溶媒和物を含むことができる。
【0120】
場合によって、本明細書に開示される製剤は、さらに、核酸送達を促進する1つ以上の添加剤を含み得る。場合によって、添加剤は、低分子量又は高分子量のポリアミンであり得る。場合によって、添加剤は、ポリエチレンイミン(PEI)であり得る。場合によって、添加剤は、ポリアミドアミン(PAMAM)デンドリマーであり得る。場合によって、ペプチドは、ウイルスタンパク質の誘導体であり得る。場合によって、添加剤は、カチオン性ペプチドであり得る。場合によって、添加剤は、アルギニンリッチペプチド(例えば、TAT)であり得る。場合によって、添加剤は、ヒスチジンリッチペプチド(例えば、Endo-Porter)であり得る。場合によって、添加剤は、溶解性ペプチド(例えば、メリチン)であり得る。
【0121】
製剤は、少なくとも約0.1%(w/w)の核酸構築物、植物又は種子を含み得、例えば、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.2%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.4%、少なくとも約0.5%、少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約9%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%の核酸構築物、植物又は種子を含み得る。
【0122】
製剤は、約95%(w/w)未満の核酸構築物、植物又は種子を含み得、例えば、約0.1%未満、約0.2%未満、約0.3%未満、約0.4%未満、約0.5%未満、約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約15%未満、約20%未満、約25%未満、約30%未満、約35%未満、約40%未満、約45%未満、約50%未満、約55%未満、約60%未満、約65%未満、約70%未満、約75%未満、約80%未満、約85%未満、約90%未満、又は約95%未満の核酸構築物、植物又は種子を含み得る。
【0123】
製剤は、約0.1%~100%(w/w)の核酸構築物、植物又は種子を含み得、例えば、約0.1%~1%、0.1%~5%、約0.1~10%、約0.1%~20%、約0.5%~1%、約0.5%~5%、約0.5%~10%、約0.5%~20%、約1%~5%、約1%~10%、約1%~20%、約5%~10%、約5%~20%、約10%~20%、約10%~30%、約20%~30%、約20%~40%、約30%~40%、約30%~50%、約40%~50%、約40%~60%、約50%~60%、約50%~70%、約60%~70%、約60%~80%、約70%~80%、約70%~90%、約80%~90%、約80%~95%、約90%~95%、約90%~99%、約90%~100%、約95%~99%、又は約99%~100%の核酸構築物、植物若しくは種子を含み得る。
【0124】
植物成長調節剤(PGR)
【0125】
製剤は、1つ以上の植物成長調節剤(PGR)、塩又は溶媒和物を含むことができる。PGRは、植物細胞、組織又は器官の成長及び/又は分化に影響を及ぼし得る多数の化学物質であり得る。植物成長調節剤は、細胞間コミュニケーションのための化学メッセンジャーとして機能することができる。PGRには、オーキシン、ジベレリン、サイトカイニン、アブシシン酸(ABA)及びエチレン、ブラシノステロイド、並びにポリアミンが含まれ得る。それらは、細胞の成長及び/又は発達を協調させるために協働することができる。PGRは、植物の水圧増大を誘発することができる。PGRは、植物の収穫量を増加させることができる。オーキシンは、インドール-3-酢酸(IAA)又はその誘導体若しくは化学的類似体を含むことができる。
【0126】
1つ以上の植物成長調節剤(PGR)、塩又は溶媒和物を含む製剤は、さらに、1つ以上の核酸構築物又は修飾植物若しくは種子を含むことができる。1つ以上の植物成長調節剤(PGR)、塩又は溶媒和物を含む製剤は、さらに、1つ以上のストリゴラクトン、塩又は溶媒和物を含むことができる。1つ以上の植物成長調節剤(PGR)、塩又は溶媒和物を含む製剤は、さらに、1つ以上のアブシシン酸(ABA)生合成の阻害剤又はその任意の塩若しくは溶媒和物を含むことができる。1つ以上の植物成長調節剤(PGR)、塩又は溶媒和物を含む製剤は、さらに、1つ以上の核酸構築物及び1つ以上のストリゴラクトン、塩又は溶媒和物を含むことができる。1つ以上の植物成長調節剤(PGR)、塩又は溶媒和物を含む製剤は、さらに、1つ以上の核酸構築物及び1つ以上のアブシシン酸(ABA)生合成の阻害剤又はその任意の塩若しくは溶媒和物を含むことができる。1つ以上の植物成長調節剤(PGR)、塩又は溶媒和物を含む製剤は、さらに、1つ以上のストリゴラクトン、塩又は溶媒和物及び1つ以上のアブシシン酸(ABA)生合成の阻害剤、又はその任意の塩又は溶媒和物をさらに含むことができる。
【0127】
製剤は、少なくとも約0.1%(w/w)の植物成長調節剤(PGR)、塩又は溶媒和物を含み得、例えば、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.2%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.4%、少なくとも約0.5%、少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約9%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%のPGR、塩、又は溶媒和物を含み得る。
【0128】
製剤は、約95%(w/w)未満のPGR、塩又は溶媒和物を含み得、例えば、約0.1%未満、約0.2%未満、約0.3%未満、約0.4%未満、約0.5%未満、約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約15%未満、約20%未満、約25%未満、約30%未満、約35%未満、約40%未満、約45%未満、約50%未満、約55%未満、約60%未満、約65%未満、約70%未満、約75%未満、約80%未満、約85%未満、約90%未満、又は約95%未満のPGR、塩又は溶媒和物を含み得る。
【0129】
製剤は、約0.1%~100%(w/w)のPGR、塩又は溶媒和物を含み得、例えば、約0.1%~1%、0.1%~5%、約0.1~10%、約0.1%~20%、約0.5%~1%、約0.5%~5%、約0.5%~10%、約0.5%~20%、約1%~5%、約1%~10%、約1%~20%、約5%~10%、約5%~20%、約10%~20%、約10%~30%、約20%~30%、約20%~40%、約30%~40%、約30%~50%、約40%~50%、約40%~60%、約50%~60%、約50%~70%、約60%~70%、約60%~80%、約70%~80%、約70%~90%、約80%~90%、約80%~95%、約90%~95%、約90%~99%、約90%~100%、約95%~99%、又は約99%~100%のPGR、塩又は溶媒和物を含み得る。
【0130】
オーキシン(例えば、IAA)
【0131】
製剤は、少なくとも約0.1%(w/w)のオーキシン(例えば、IAA)を含み得、例えば、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.2%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.4%、少なくとも約0.5%、少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約9%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%のオーキシン(例えば、IAA)を含み得る。
【0132】
製剤は、約95%(w/w)未満のオーキシン(例えば、IAA)を含み得、例えば、約0.1%未満、約0.2%未満、約0.3%未満、約0.4%未満、約0.5%未満、約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約15%未満、約20%未満、約25%未満、約30%未満、約35%未満、約40%未満、約45%未満、約50%未満、約55%未満、約60%未満、約65%未満、約70%未満、約75%未満、約80%未満、約85%未満、約90%未満、又は約95%未満のオーキシン(例えば、IAA)を含み得る。
【0133】
製剤は、約0.1%~100%(w/w)のオーキシン(例えば、IAA)を含み得、例えば、約0.1%~1%、0.1%~5%、約0.1~10%、約0.1%~20%、約0.5%~1%、約0.5%~5%、約0.5%~10%、約0.5%~20%、約1%~5%、約1%~10%、約1%~20%、約5%~10%、約5%~20%、約10%~20%、約10%~30%、約20%~30%、約20%~40%、約30%~40%、約30%~50%、約40%~50%、約40%~60%、約50%~60%、約50%~70%、約60%~70%、約60%~80%、約70%~80%、約70%~90%、約80%~90%、約80%~95%、約90%~95%、約90%~99%、約90%~100%、約95%~99%、又は約99%~100%のオーキシン(例えば、IAA)を含み得る。
【0134】
ジベレリン
【0135】
製剤は、GA1、GA3、GA4、GA7、GA0、ent-ジベレラン、ent-カウレン、それらの誘導体及び化学的類似体などの1つ以上のジベレリンを含み得る。製剤は、少なくとも約0.1%(w/w)のジベレリンを含み得、例えば、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.2%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.4%、少なくとも約0.5%、少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約9%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%のジベレリンを含み得る。
【0136】
製剤は、約95%(w/w)未満のジベレリンを含み得、例えば、約0.1%未満、約0.2%未満、約0.3%未満、約0.4%未満、約0.5%未満、約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約15%未満、約20%未満、約25%未満、約30%未満、約35%未満、約40%未満、約45%未満、約50%未満、約55%未満、約60%未満、約65%未満、約70%未満、約75%未満、約80%未満、約85%未満、約90%未満、又は約95%未満のジベレリンを含み得る。
【0137】
製剤は、約0.1%~100%(w/w)のジベレリンを含み得、例えば、約0.1%~1%、0.1%~5%、約0.1~10%、約0.1%~20%、約0.5%~1%、約0.5%~5%、約0.5%~10%、約0.5%~20%、約1%~5%、約1%~10%、約1%~20%、約5%~10%、約5%~20%、約10%~20%、約10%~30%、約20%~30%、約20%~40%、約30%~40%、約30%~50%、約40%~50%、約40%~60%、約50%~60%、約50%~70%、約60%~70%、約60%~80%、約70%~80%、約70%~90%、約80%~90%、約80%~95%、約90%~95%、約90%~99%、約90%~100%、約95%~99%、又は約99%~100%のジベレリンを含み得る。
【0138】
サイトカイニン
【0139】
製剤は、カイネチン、ゼアチン、6-ベンジルアミノプリン、ジフェニル尿素、チジアズロン、それらの誘導体及び化学的類似体などの1つ以上のサイトカイニンを含み得る。製剤は、少なくとも約0.1%(w/w)のサイトカイニンを含み得、例えば、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.2%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.4%、少なくとも約0.5%、少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約9%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%のサイトカイニンを含み得る。
【0140】
製剤は、約95%(w/w)未満のサイトカイニンを含み得、例えば、約0.1%未満、約0.2%未満、約0.3%未満、約0.4%未満、約0.5%未満、約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約15%未満、約20%未満、約25%未満、約30%未満、約35%未満、約40%未満、約45%未満、約50%未満、約55%未満、約60%未満、約65%未満、約70%未満、約75%未満、約80%未満、約85%未満、約90%未満、又は約95%未満のサイトカイニンを含み得る。
【0141】
製剤は、約0.1%~100%(w/w)のサイトカイニンを含み得、例えば、約0.1%~1%、0.1%~5%、約0.1~10%、約0.1%~20%、約0.5%~1%、約0.5%~5%、約0.5%~10%、約0.5%~20%、約1%~5%、約1%~10%、約1%~20%、約5%~10%、約5%~20%、約10%~20%、約10%~30%、約20%~30%、約20%~40%、約30%~40%、約30%~50%、約40%~50%、約40%~60%、約50%~60%、約50%~70%、約60%~70%、約60%~80%、約70%~80%、約70%~90%、約80%~90%、約80%~95%、約90%~95%、約90%~99%、約90%~100%、約95%~99%、又は約99%~100%のサイトカイニンを含み得る。
【0142】
賦形剤
【0143】
本明細書に開示される製剤は、さらに、1つ以上の賦形剤を含み得る。1つ以上の賦形剤は、1つ以上の農薬、1つ以上の安定剤、1つ以上の添加剤、1つ以上の担体、1つ以上の分散剤、1つ以上の肥料、又はそれらの任意の組合わせであり得る。一例では、1つ以上の賦形剤は、アセトンを含む。
【0144】
本明細書中に開示される製剤は、さらに、1つ以上の農薬を含み得る。農薬は、バイオ農薬であり得る。バイオ農薬は、微生物又は天然産物に基づくことができる農薬の形態であり得る。バイオ農薬には、有害生物を防除する天然に存在する物質(バイオケミカル農薬)、有害生物を防除する微生物(マイクロバイオ農薬)、及び遺伝物質(植物に組み込まれた保護物質)又はPIPを添加した植物によって産生される農薬物質が含まれ得る。バイオ農薬の例としては、グルコシノレート、キトサン、スピノサド、アルカロイド、テルペノイド、フェノール類、ピレスロイド、ロテノイド、ニコチノイド、ストリキニン、シリロシド、キャノーラ油及び重曹が挙げられ得るが、これらに限定されない。農薬は、有機リン系農薬、カルバメート系農薬、有機塩素系殺虫剤、ピレスロイド系農薬、スルホニル尿素系農薬、又はそれらの組合わせであり得る。農薬は、除草剤、殺藻剤、殺鳥剤、殺菌剤、殺真菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、軟体動物駆除剤、殺線虫剤、殺鼠剤、殺ウイルス剤、又はそれらの組合わせであり得る。
【0145】
製剤は、さらに、1つ以上の安定剤及び/又は他の添加剤を含み得る。安定剤及び/又は添加剤には、浸透剤、接着剤、固化防止剤、染料、分散剤、湿潤剤、乳化剤、消泡剤、抗菌剤、不凍液、顔料、着色剤、緩衝剤及び担体が含まれ得るが、これらに限定されない。製剤は、さらに、界面活性剤及び/又はアジュバントを含み得る。
【0146】
製剤は、さらに、1つ以上の担体を含み得る。担体の例としては、固体担体、スポンジ、織物及び合成材料が挙げられるが、これらに限定されない。合成材料は、多孔質合成材料であってもよい。追加の担体としては、ワックス、リノリン、パラフィン、デキストロース顆粒、スクロース顆粒、及びマルトース-デキストロース顆粒などの有機担体を挙げることができる。あるいは、担体は、天然粘土、カオリン、パイロフィライト、ベントナイト、アルミナ、モンモリロナイト、珪藻土、チョーク、珪藻土、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウム、硫黄、石灰、小麦粉、又はタルクなどの無機担体であり得る。製剤を担体に吸着させてもよい。担体は、化合物、塩、溶媒和物又は製剤の放出を可能にすることによいって特徴付けられ得る。
【0147】
製剤は、さらに、1つ以上の分散剤を含み得る。分散剤は、負に帯電したアニオン分散剤であってもよい。分散剤は、非イオン性分散剤であってもよい。
【0148】
製剤は、さらに、肥料を含んでもよい。肥料は、化学肥料であってもよい。肥料は、有機肥料であってもよい。肥料は、無機肥料であってもよい。肥料は、粒状又は粉末状の肥料であってもよい。肥料は、液体肥料であってもよい。肥料は、徐放性肥料であってもよい。
【0149】
本明細書に開示される製剤は、乾燥噴霧可能製剤として製剤化され得る。乾燥噴霧可能製剤の例としては、水和剤及び水分散性顆粒が挙げられ得るが、これらに限定されない。水和剤は、微粒子化されて粉末形態になった核酸構築物を含み得る。水に分散させた後、水和剤を懸濁粒子として利用してもよい。水分散性顆粒は、水の中で崩壊又は分散させてから利用する顆粒から構成され得る。水分散性顆粒は、0.2~4mmの範囲内の粒子を含み得る。水分散性顆粒は、凝集、噴霧乾燥又は押出技術によって形成され得る。
【0150】
製剤は、液体噴霧可能製剤として製剤化され得る。液体噴霧可能製剤の例としては、可溶性濃縮物、懸濁濃縮物、乳化性濃縮物、マイクロエマルション、油分散物、及びマイクロカプセル化粒子を挙げることができるが、これらに限定されない。懸濁濃縮物は、通常、使用前に水で希釈することが意図される、化合物、塩、溶媒和物又は製剤を流体に懸濁した安定な懸濁液を含み得る。乳化性濃縮物は、水に添加するとエマルションを形成する水不溶性有機溶媒和物中に、乳化剤と共に化合物、塩、溶媒和物又は製剤を含み得る。マイクロエマルションは、水に添加すると溶液/エマルションを形成する水不溶性有機溶媒和物中に、乳化剤と共に化合物、塩、溶媒和物、又は製剤を含み得る。
【0151】
製剤は、乾燥展延性顆粒製剤として製剤化することができる。乾燥展延性顆粒製剤は、不活性又は肥料担体上に土壌使用された顆粒を含み得る。
【0152】
製剤は、種子処理又は種子粉衣の形で製剤化することができる。
【0153】
製剤は、速放性になるように製剤化することができる。製剤は、徐放性になるように製剤化することができる。
【0154】
方法
【0155】
生物、例えば、植物又は種子の遺伝子を少なくとも部分的にサイレンシングする方法も本明細書に開示される。本方法は、生物を本明細書に開示される核酸構築物と接触させること、例えば、種子などの生物を核酸構築物の溶液と接触させることを含み得、又は、植物の葉などの生物に核酸構築物を直接投与することを含み得る。
【0156】
本明細書に開示される核酸構築物、植物、種子及び製剤は、農業において使用され得る。核酸構築物、植物、種子及び製剤は、植物の成長を促進するために使用され得る。本明細書に開示される核酸構築物及び製剤は、植物におけるシュートの安定性を増強するために使用され得る。核酸構築物、植物、種子及び製剤は、植物における輸送能力を高めるために使用され得る。核酸構築物、植物、種子及び製剤は、植物の干ばつ耐性を高めるために使用され得る。
【0157】
さらに、核酸構築物を含む製剤を植物又は種子に適用し、それによって農業を改善することを含む、農業を改善する方法が本明細書に開示される。農業を改善することは、植物の成長を促進することを含み得る。農業を改善することは、植物におけるシュートの安定性を高めることを含み得る。農業を改善することは、植物における輸送能力を高めることを含み得る。農業を改善することは、干ばつ耐性を高めることを含み得る。農業を改善することは、1つ以上の農薬の使用を減少させることを含み得る。農業を改善することは、1つ以上の農薬の使用を終了することを含み得る。農業を改善することは、植物に使用される給水量を減少させることを含み得る。農業を改善することは、植物への給水頻度を減少させることを含み得る。農業を改善することは、植物病原性真菌を防除することを含み得る。農業を改善することは、望ましくない植物の成長を防除することを含み得る。農業を改善することは、望ましくない昆虫又はダニの侵入を防除することを含み得る。農業を改善することは、植物の成長を調節することを含み得る。農業を改善することは、1つ以上の真菌の活性を促進又は刺激することを含み得る。
【0158】
さらに、植物病原性真菌及び/又は望ましくない植物成長及び/又は望ましくない昆虫若しくはダニの侵入を防除する方法、並びに/あるいは、植物の成長を調節する方法が、本明細書に開示される。本方法は、それぞれの有害生物、その生息地、若しくはそれぞれの有害生物から保護される植物に作用し、土壌に作用し、並びに/又は、望ましくない植物及び/若しくは作物植物及び/若しくはそれらの生息地に作用する、本明細書に開示される核酸構築物を含む製剤の使用を含み得る。
【0159】
本明細書に記載の核酸構築物は、植物の成長を少なくとも約5%増加させ得る。核酸構築物は、植物の成長を少なくとも約10%増加させ得る。核酸構築物は、植物の成長を少なくとも約15%増加させ得る。核酸構築物は、植物の成長を少なくとも約20%増加させ得る。核酸構築物は、植物の成長を少なくとも約25%増加させ得る。核酸構築物は、植物の成長を少なくとも約30%増加させ得る。核酸構築物は、植物の成長を少なくとも約50%増加させ得る。核酸構築物は、植物の成長を少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、100%又はそれを超えて増加させ得る。
【0160】
核酸構築物は、植物成長を少なくとも約1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、40、50倍又はそれを超えて増加させ得る。核酸構築物は、植物の成長を少なくとも約1.5倍以上増加させることができる。核酸構築物は、植物の成長を少なくとも約2倍以上増加させることができる。核酸構築物は、植物の成長を少なくとも約3倍以上増加させることができる。核酸構築物は、植物の成長を少なくとも約5倍以上増加させることができる。核酸構築物は、植物の成長を少なくとも約10倍以上増加させることができる。植物成長は、二次植物成長を含み得る。
【0161】
核酸構築物は、シュートの成長を少なくとも約5%増強し得る。核酸構築物は、シュートの成長を少なくとも約10%増強し得る。核酸構築物は、シュートの成長を少なくとも約15%増強し得る。核酸構築物は、シュートの成長を少なくとも約20%増強し得る。核酸構築物は、シュートの成長を少なくとも約25%増強し得る。核酸構築物は、シュートの成長を少なくとも約30%増強し得る。核酸構築物は、シュートの成長を少なくとも約50%増強し得る。核酸構築物は、シュートの成長を少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、100%又はそれを超えて増強し得る。核酸構築物は、シュートの成長を少なくとも約1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、40、50倍又はそれを超えて増強し得る。
【0162】
核酸構築物は、シュートの成長を少なくとも約1.5倍以上増強し得る。核酸構築物は、シュートの成長を少なくとも約2倍以上増強し得る。核酸構築物は、シュートの成長を少なくとも約3倍以上増強し得る。核酸構築物は、シュートの成長を少なくとも約5倍以上増強し得る。核酸構築物は、シュートの成長を少なくとも約10倍以上増強し得る。
【0163】
核酸構築物は、植物における輸送能力を少なくとも約5%増加させ得る。核酸構築物は、植物における輸送能力を少なくとも約10%増加させ得る。核酸構築物は、植物における輸送能力を少なくとも約15%増加させ得る。核酸構築物は、植物における輸送能力を少なくとも約20%増加させ得る。核酸構築物は、植物における輸送能力を少なくとも約25%増加させ得る。核酸構築物は、植物における輸送能力を少なくとも約30%増加させ得る。核酸構築物は、植物における輸送能力を少なくとも約50%増加させ得る。核酸構築物は、植物における輸送能力を少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、100%又はそれ以上増加させ得る。
【0164】
核酸構築物は、植物における輸送能力を少なくとも約1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、40、50倍又はそれを超えて増加させ得る。核酸構築物は、植物における輸送能力を少なくとも約1.5倍以上増加させ得る。核酸構築物は、植物における輸送能力を少なくとも約2倍以上増加させ得る。核酸構築物は、植物における輸送能力を少なくとも約3倍以上増加させ得る。核酸構築物は、植物における輸送能力を少なくとも約5倍以上増加させ得る。核酸構築物は、植物における輸送能力を少なくとも約10倍以上増加させ得る。
【0165】
核酸構築物は、植物の干ばつ耐性を少なくとも約5%増加させ得る。核酸構築物は、植物の干ばつ耐性を少なくとも約10%増加させ得る。核酸構築物は、植物の干ばつ耐性を少なくとも約15%増加させ得る。核酸構築物は、植物の干ばつ耐性を少なくとも約20%増加させ得る。核酸構築物は、植物の干ばつ耐性を少なくとも約25%増加させ得る。核酸構築物は、植物の干ばつ耐性を少なくとも約30%増加させ得る。核酸構築物は、植物の干ばつ耐性を少なくとも約50%増加させ得る。核酸構築物は、植物の干ばつ耐性を少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、100%又はそれ以上増加させ得る。
【0166】
核酸構築物は、植物における干ばつ耐性を少なくとも約1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、40、50倍又はそれを超えて増加させ得る。核酸構築物は、植物の干ばつ耐性を少なくとも約1.5倍以上増加させ得る。核酸構築物は、植物の干ばつ耐性を少なくとも約2倍以上増加させ得る。核酸構築物は、植物の干ばつ耐性を少なくとも約3倍以上増加させ得る。核酸構築物は、植物の干ばつ耐性を少なくとも約5倍以上増加させ得る。核酸構築物は、植物の干ばつ耐性を少なくとも約10倍以上増加させ得る。
【0167】
核酸構築物は、1つ以上の農薬の使用を低減し得る。1つ以上の農薬の使用を低減することは、植物に使用される1つ以上の農薬の量を低減することを含み得る。植物に使用される1つ以上の農薬の量は、少なくとも約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、又は100%低減し得る。植物に使用される1つ以上の農薬の量は、少なくとも約10%低減し得る。植物に使用される1つ以上の農薬の量は、少なくとも約20%低減し得る。植物に使用される1つ以上の農薬の量は、少なくとも約30%低減し得る。植物に使用される1つ以上の農薬の量は、少なくとも約50%低減し得る。
【0168】
代替的又は追加的に、1つ以上の農薬の使用を低減することは、1つ以上の農薬が植物に使用される頻度を低減することを含み得る。1つ以上の農薬が植物に使用される頻度は、少なくとも約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%又は100%低減し得る。1つ以上の農薬が植物に使用される頻度は、少なくとも約10%低減し得る。1つ以上の農薬が植物に使用される頻度は、少なくとも約20%低減し得る。1つ以上の農薬が植物に使用される頻度は、少なくとも約30%低減し得る。1つ以上の農薬が植物に使用される頻度は、少なくとも約40%低減し得る。1つ以上の農薬が植物に使用される頻度は、少なくとも約50%低減し得る。
【0169】
核酸構築物の使用は、植物に使用される水の量の低減を可能にし得る。植物に使用される水の量は、少なくとも約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、又は100%低減し得る。植物に使用される水の量は、少なくとも約10%低減し得る。植物に使用される水の量は、少なくとも約20%低減し得る。植物に使用される水の量は、少なくとも約30%低減し得る。植物に使用される水の量は、少なくとも約50%低減し得る。
【0170】
核酸構築物の使用は、水が植物に使用される頻度の低減を可能にし得る。水が植物に使用される頻度は、少なくとも約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、又は100%低減し得る。水が植物に使用される頻度は、少なくとも約10%低減し得る。水が植物に使用される頻度は、少なくとも約20%低減し得る。水が植物に使用される頻度は、少なくとも約30%低減し得る。水が植物に使用される頻度は、少なくとも約40%低減し得る。水が植物に使用される頻度は、少なくとも約50%低減し得る。
【0171】
本明細書に開示される化合物、塩、溶媒和物、製剤は、植物病原性真菌を防除するために使用され得る。農業を改善することは、望ましくない植物の成長を防除することを含み得る。望ましくない植物の成長を防除することは、望ましくない植物の発芽活性を刺激することを含み得る。望ましくない植物は、寄生植物であってもよい。望ましくない植物は、根寄生植物であってもよい。寄生植物の例としては、ウィッチウィード(ストリガ種)、ハマウツボ(オロバンケ種、Phelipanche種)、アレクトラ、ドッダー及びヤドリギを挙げることができるが、これらに限定されない。望ましくない植物は、オオバコ科に属し得る。望ましくない植物は、ウィッチウィードであってもよい。望ましくない植物の例としては、ハコベ、ウルシ、ハコベ、メヒシバ、タンポポ、オオバコ、ブタクサ、カキドウシ、イラクサ、エゾノキツネアザミ、ツタウルシ、ビタースイート、タンジー、ウィステリア、キランソウ、スィートオータムクレマチス、メギ、ランタナ、ブッドレア、セイヨウイボタ、葛、又はヘデラを挙げることができるが、これらに限定されない。望ましくない植物は、オロバンケ種であってもよい。化合物、塩、溶媒和物又は製剤は、望ましくない植物に直接使用され得る。化合物、塩、溶媒和物又は製剤は、望ましくない植物に間接的に使用され得る。
【0172】
本明細書に開示される核酸構築物又は製剤は、望ましくない昆虫又はダニの侵入を防除するために使用され得る。昆虫及びダニの例としては、クモ、ブナ、コナカイガラムシ、コナヒョウダニ、天敵ダニ、クモダニ及びアブラムシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0173】
本明細書に開示される核酸構築物又は製剤は、植物の成長を調節するために使用され得る。植物成長を調節することは、植物育種を調節することを含み得る。植物成長を調節することは、シュートの分岐を阻害することを含み得る。植物成長を調節することは、1つ以上の植物産物を調節することを含み得る。植物成長を調節することは、根の発達を阻害することを含み得る。
【0174】
本明細書に開示される核酸構築物又は製剤は、真菌の活性を促進又は刺激するために使用され得る。化合物、塩、溶媒和物又は製剤は、1つ以上の真菌の菌糸分岐活性を刺激し得る。化合物、塩、溶媒和物又は製剤は、1つ以上の真菌の胞子発芽を誘導し得る。1つ以上の真菌は、樹枝状菌根(AM)真菌であり得る。
【0175】
さらに、植物の寿命を維持又は延長する方法が本明細書に開示される。一般に、本方法は、植物を本明細書に開示される核酸構築物又は製剤と接触させることを含み得る。
【0176】
核酸構築物又は製剤は、切断された植物の寿命を維持又は延長するために使用され得る。切断された植物は、花であってもよい。切断された植物は、樹木であってもよい。切断された植物は、ブッシュであってもよいし、低木であってもよい。切断された植物は、野菜であってもよい。化合物、塩、溶媒和物又は製剤は、切断されていない植物の寿命を維持又は延長するために使用され得る。切断されていない植物は、花であってもよい。切断されていない植物は、樹木であってもよい。切断されていない植物は、ブッシュ又は低木であってもよい。切断されていない植物は、野菜であってもよい。化合物、塩、溶媒和物又は製剤は、鉢植え植物の寿命を維持又は延長するために使用され得る。鉢植え植物は、花であってもよい。鉢植え植物は、木であってもよい。鉢植え植物は、ブッシュであってもよいし、低木であってもよい。鉢植え植物は、野菜であってもよい。
【0177】
核酸構築物又は製剤は、花の寿命を維持又は延長するために使用され得る。花の例としては、ユリ、ヒナギク、バラ、マリーゴールド、キダチチョウセンアサガオ、フロックス、ビンカ、キンギョソウ、ホソバウンラン、ラン、シダ、ブラック・アイド・スーザン、ハエマンツス・コッキネウス、ブルーロベリア、アサガオ、ケシ、カレンジュラ、ゼラニウム、インパチェンス、ランタナ、ヒエンソウ、阿蘭陀海芋、ヒヤシンス、アザレア、ポインセチア、及びベゴニアを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0178】
核酸構築物又は製剤は、ブッシュ又は低木の寿命を維持又は延長するために使用され得る。ブッシュ及び低木の例としては、レンギョウ、フクシア、ハイビスカス、スグリ、ライラック、バラ、アジサイ、ヤナギ、モクレン、タイム、セッコウボク、ハナミズキ、及びモチノキが挙げられるが、これらに限定されない。
【0179】
核酸構築物又は製剤は、樹木の寿命を維持又は延長するために使用され得る。樹木の例としては、ヒノキ、ポインセチア、ヤシ、モミ、マツ、トウヒ、スギ、オーク、クワ、クリ、サンザシ、ポプラ及びカエデが挙げられるが、これらに限定されない。樹木は、モミの木であってもよい。モミの木は、ダグラスモミ、バルサムモミ、又はフレーザーモミの木であってもよい。樹木は、松の木であってもよい。松の木は、スコッチパイン、又はホワイトパインの木であってもよい。樹木は、トウヒの木であってもよい。トウヒの木は、ホワイトトウヒ、ノルウェートウヒ、又はブルートウヒの木であってもよい。樹木は、スギの木であってもよい。スギの木は、ヒマラヤスギ、又はイースタンレッドシダーであってもよい。樹木は、ヒノキの木であってもよい。ヒノキの木は、アリゾナヒノキ、又はリーランドヒノキの木であってもよい。
【0180】
植物を本明細書に開示される核酸構築物又は製剤と接触させ、それによって植物の寿命を延ばすか又は維持することができる。植物を核酸構築物又は製剤と接触させることは、核酸構築物又は製剤をスプレーの形で投与することを含み得る。植物を核酸構築物又は製剤と接触させることは、核酸を植物に注射することを含み得る。植物を核酸構築物又は製剤と接触させることは、植物成長材料を植物の灌水水に添加することを含み得る。植物を核酸構築物又は製剤と接触させることは、核酸構築物又は製剤を植物の生息地に与えることを含み得る。植物を核酸構築物又は製剤と接触させることは、核酸構築物又は製剤を植物容器(例えば、花瓶)に添加し、その植物容器に植物を入れることを含み得る。植物を核酸構築物又は製剤と接触させることは、核酸構築物又は製剤を土壌に添加することを含み得る。
【0181】
植物の寿命は、未処理の植物と比較して、少なくとも約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は97%延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して少なくとも約20%延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して少なくとも約30%延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して少なくとも約40%延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して少なくとも約50%延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して少なくとも約55%延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して少なくとも約60%延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して少なくとも約65%延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して少なくとも約70%延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して少なくとも約75%延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して少なくとも約80%延長され得る。植物の寿命は、植物の種子の最初の植え付けから植物の死までの成長時間を測定することによって決定することができる。
【0182】
植物の寿命は、未処理の植物と比較して、少なくとも約6、12、24、30、36、42、48、54、60、66、72、78、84、90、96,102,108,114、又は120時間延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して少なくとも約24時間延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して少なくとも約36時間延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して少なくとも約48時間延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して少なくとも約72時間延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して少なくとも約96時間延長され得る。
【0183】
植物の寿命は、未処理の植物と比較して、少なくとも約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、又は7日間延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して、少なくとも約8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20日間延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して、少なくとも約1日延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して、少なくとも約2日延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して、少なくとも約2.5日間延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して、少なくとも約3日間延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して、少なくとも約3.5日間延長され得る植物の寿命は、未処理の植物と比較して、少なくとも約4日間延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して、少なくとも約4.5日間延長され得る。
【0184】
植物の寿命は、未処理の植物と比較して、少なくとも約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、又は7週間延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して、少なくとも約8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20週間延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して、少なくとも約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、又は7ヶ月延長され得る。植物の寿命は、未処理の植物と比較して、少なくとも約8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20ヶ月延長され得る。
【0185】
植物の寿命を維持又は延長することは、植物のしおれを低減することを含み得る。植物のしおれを低減することは、植物の花又は葉の巻き込みを低減することを含み得る。植物のしおれは、未処理の植物と比較して、少なくとも約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は97%低減され得る。植物のしおれは、未処理の植物と比較して、少なくとも約10%低減され得る。植物のしおれは、未処理の植物と比較して、少なくとも約30%低減され得る。植物のしおれは、未処理の植物と比較して、少なくとも約50%低減され得る。植物のしおれは、未処理の植物と比較して、少なくとも約70%低減され得る。植物のしおれは、未処理の植物と比較して、少なくとも約80%低減され得る。
【0186】
植物ストレスの徴候は、植物のしおれを含み得る。例えば、ストレスを受けた植物は、葉又は花弁の巻き込みが生じる場合がある。本明細書に開示される植物成長材料は、植物のしおれを減少させることによって植物の寿命を延ばすことができる。植物のしおれを低減することは、未処理の植物と比較して、植物のしおれを遅らせることを含み得る。例えば、未処理の切断植物は、切断されてから36時間以内にしおれの徴候を示すことがあるが、植物成長材料で処理された切断された植物は、しおれが遅れることがある。植物のしおれは、未処理の植物と比較して、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、又は24時間遅延させることができる。植物のしおれは、未処理の植物と比較して、少なくとも約12時間遅延し得る。植物のしおれは、未処理の植物と比較して、少なくとも約24時間遅延し得る。植物のしおれは、未処理の植物と比較して、少なくとも約36時間遅延し得る。植物のしおれは、未処理の植物と比較して、少なくとも約48時間遅延し得る。
【0187】
植物ストレスのさらなる徴候は、膨らみの低下を含み得る。膨らみは、細胞の外側の低溶質濃度の領域から細胞の液胞への水の浸透流によって引き起こされる圧力を指し得る。膨らみを維持するために植物によって剛性が使用され得る。多くの場合、健康な植物は膨らんでいるが、不健康な植物は膨らみが少ない。植物の寿命を維持又は延長することは、植物の膨らみを延長又は維持することを含み得る。植物の膨らみは、未処理の植物の膨らみより大きくなり得る。植物の膨らみは、未処理の植物の膨らみよりも少なくとも約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は97%大きくなり得る。植物の膨らみは、未処理の植物の膨らみより少なくとも約10%大きくなり得る。植物の膨らみは、未処理の植物の膨らみより少なくとも約15%大きくなり得る。植物の膨らみは、未処理の植物の膨らみより少なくとも約25%大きくなり得る。植物の膨らみは、未処理の植物の膨らみより少なくとも約35%大きくなり得る。植物の膨らみは、未処理の植物の膨らみより少なくとも約45%大きくなり得る。植物の膨らみは、未処理の植物の膨らみより少なくとも約60%大きくなり得る。植物の膨らみは、未処理の植物の膨らみより少なくとも約75%大きくなり得る。
【0188】
ストレスを受けた植物は、膨らんだ状態の減少も示し得る。膨らんだ状態は、植物がその剛性を維持する期間を指す場合がある。植物の剛性は、植物の茎の剛性を指す場合がある。例えば、切断された植物が枯れると、その植物の茎の剛性が低下し、それによって切断された植物が倒れたり曲がったりすることがある。ストレスを受けた植物は、それ自体を直立させることができない場合がある。植物の寿命を維持又は延長することは、植物が膨らんだ状態を延長することを含み得る。植物が膨らんだ状態は、未処理の植物と比較して、少なくとも約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は97%増加し得る。植物が膨らんだ状態は、未処理の植物と比較して、少なくとも約20%増加し得る。植物が膨らんだ状態は、未処理の植物と比較して、少なくとも約30%増加し得る。植物が膨らんだ状態は、未処理の植物と比較して、少なくとも約40%増加し得る。植物が膨らんだ状態は、未処理の植物と比較して、少なくとも約50%増加し得る。
【0189】
植物が膨らんだ状態は、未処理の植物と比較して、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、又は24時間増加し得る。植物が膨らんだ状態は、未処理の植物と比較して、少なくとも約6時間増加し得る。植物が膨らんだ状態は、未処理の植物と比較して、少なくとも約12時間増加し得る。植物が膨らんだ状態は、未処理の植物と比較して、少なくとも約24時間増加し得る。
【0190】
ストレスを受けた植物は、葉又は花弁を失うことがある。植物を植物成長材料と接触させることにより、植物の1つ以上の花弁又は葉の喪失を減少又は遅延させることができる。例えば、未処理の植物が、その葉又は花弁の50%を失い得るのに対し、処理した植物は、その葉又は花弁の10~25%を失い得る。植物の1つ以上の花弁の喪失は、未処理の植物の1つ以上の花弁の喪失と比較して、少なくとも約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は97%減少し得る。植物の1つ以上の花弁の喪失は、未処理の植物の1つ以上の花弁の喪失と比較して、少なくとも約10%減少し得る。植物の1つ以上の花弁の喪失は、未処理の植物の1つ以上の花弁の喪失と比較して、少なくとも約20%減少し得る。植物の1つ以上の花弁の喪失は、未処理の植物の1つ以上の花弁の喪失と比較して、少なくとも約35%減少し得る。植物の1つ以上の花弁の喪失は、未処理の植物の1つ以上の花弁の喪失と比較して、少なくとも約50%減少し得る。植物の1つ以上の花弁の喪失は、未処理の植物の1つ以上の花弁の喪失と比較して、少なくとも約60%減少し得る。植物の1つ以上の花弁の喪失は、未処理の植物の1つ以上の花弁の喪失と比較して、少なくとも約70%減少し得る。
【0191】
植物の1つ以上の花弁の喪失は、未処理の植物の1つ以上の花弁の喪失と比較して、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、又は24時間遅延され得る。植物の1つ以上の花弁の喪失は、未処理の植物の1つ以上の花弁の喪失と比較して、少なくとも約25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は100時間遅延され得る。植物の1つ以上の花弁の喪失は、未処理の植物の1つ以上の花弁の喪失と比較して、少なくとも約6時間遅延され得る。植物の1つ以上の花弁の喪失は、未処理の植物の1つ以上の花弁の喪失と比較して、少なくとも約12時間遅延され得る。植物の1つ以上の花弁の喪失は、未処理の植物の1つ以上の花弁の喪失と比較して、少なくとも約18時間遅延され得る。植物の1つ以上の花弁の喪失は、未処理の植物の1つ以上の花弁の喪失と比較して、少なくとも約36時間遅延され得る。植物の1つ以上の花弁の喪失は、未処理の植物の1つ以上の花弁の喪失と比較して、少なくとも約48時間遅延され得る。植物の1つ以上の花弁の喪失は、未処理の植物の1つ以上の花弁の喪失と比較して、少なくとも約60時間遅延され得る。植物の1つ以上の花弁の喪失は、未処理の植物の1つ以上の花弁の喪失と比較して、少なくとも約72時間遅延され得る。植物の1つ以上の花弁の喪失は、未処理の植物の1つ以上の花弁の喪失と比較して、少なくとも約96時間遅延され得る。
【0192】
ストレスを受けた植物は変色の徴候を示すことがある。ストレスを受けた植物は茶色がかって見えることがある。代替的又は追加的に、ストレスを受けた植物は、緑色の葉の外観の減少を示す。ストレスを受けた植物のクロロフィル含有量も減少し得る。植物の寿命を維持又は延長することは、植物のクロロフィル含有量を維持することを含み得る。例えば、未処理の植物のクロロフィル含有量の減少は、切断されてから48時間以内に現れ得る。しかし、処理した植物のクロロフィル含有量の減少は、切断の60時間後に現れ得る。植物のクロロフィル含有量は、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、又は24時間維持され得る。植物のクロロフィル含有量は、少なくとも約6時間維持され得る。植物のクロロフィル含有量は、少なくとも約12時間維持され得る。植物のクロロフィル含有量は、少なくとも約24時間維持され得る。葉の枯死(早期黄変)などの変色は、栄養素の可用性が低い結果として起こり得、植物の健康状態が悪いことの指標となり得る。例えば、葉の枯死は、窒素欠乏の結果であり得る。
【0193】
植物の寿命を維持又は延長することは、植物のクロロフィル含有量の喪失を低減又は遅延させることを含み得る。植物のクロロフィル含有量は、未処理の植物のクロロフィル含有量よりも多くなり得る。植物のクロロフィル含有量は、未処理の植物の含有量よりも少なくとも約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、又は50%多くなり得る。植物のクロロフィル含有量は、未処理の植物の含有量よりも少なくとも約55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は97%多くなり得る。植物のクロロフィル含有量は、未処理の植物の含有量よりも少なくとも約20%多くなり得る。植物のクロロフィル含有量は、未処理の植物の含有量よりも少なくとも約30%多くなり得る。植物のクロロフィル含有量は、未処理の植物の含有量よりも少なくとも約40%多くなり得る。植物のクロロフィル含有量は、未処理の植物の含有量よりも少なくとも約50%多くなり得る。植物のクロロフィル含有量は、未処理の植物の含有量よりも少なくとも約60%多くなり得る。植物のクロロフィル含有量は、未処理の植物の含有量よりも少なくとも約1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、8、9、又は10倍多くなり得る。植物のクロロフィル含有量は、未処理の植物の含有量よりも少なくとも約11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は100倍多くなり得る。植物のクロロフィル含有量は、未処理の植物の含有量よりも少なくとも約2倍多くなり得る。植物のクロロフィル含有量は、未処理の植物の含有量よりも少なくとも約3倍多くなり得る。植物のクロロフィル含有量は、未処理の植物の含有量より少なくとも約4倍多くなり得る。植物のクロロフィル含有量は、未処理の植物の含有量より少なくとも約5倍多くなり得る。植物のクロロフィル含有量は、未処理の植物の含有量より少なくとも約10倍多くなり得る。
【0194】
植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失と比較して、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、又は24時間遅延し得る。植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失と比較して、少なくとも約30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、又は100時間遅延し得る。植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失と比較して、少なくとも約6時間遅延され得る。植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失と比較して、少なくとも約12時間遅延し得る。植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失と比較して、少なくとも約24時間遅延し得る。植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失と比較して、少なくとも約36時間遅延し得る。植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失と比較して、少なくとも約48時間遅延し得る。植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失と比較して、少なくとも約60時間遅延し得る。植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失と比較して、少なくとも約72時間遅延し得る。
【0195】
植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失よりも少なくなり得る。植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失よりも少なくとも約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、又は60%少なくなり得る。植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失よりも少なくとも約65%、70%、72%、75%、77%、80%、85%、90%、92%、95%、又は97%少なくなり得る。植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失よりも少なくとも約5%少なくなり得る。植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失よりも少なくとも約10%少なくなり得る。植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失よりも少なくとも約20%少なくなり得る。植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失よりも少なくとも約30%少なくなり得る。植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失よりも少なくとも約40%少なくなり得る。植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失よりも少なくとも約50%少なくなり得る。植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失よりも少なくとも約60%少なくなり得る。
【0196】
植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失の少なくとも約1/1.5、1/2、1/2.5、1/3、1/3.5、1/4、1/4.1/5、1/5、1/5.5、1/6、1/6.5、1/7、1/7.5、1/8、1/8.5、1/9、1/9.5、又は1/10倍であり得る。植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失の少なくとも約1/11、1/12、1/13、1/14、1/15、1/16、1/17、1/18、1/19、1/20、1/25、1/30、1/35、1/40、1/45、1/50、1/55、1/60、1/65、1/70、1/75、1/80、1/85、1/90、1/95、又は1/100倍であり得る。植物のクロロフィル含有量の減少は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失の少なくとも約1/2倍であり得る。植物のクロロフィル含有量の減少は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失の少なくとも約1/3倍であり得る。植物のクロロフィル含有量の減少は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失の少なくとも約1/5倍であり得る。植物のクロロフィル含有量の喪失は、未処理の植物のクロロフィル含有量の喪失の少なくとも約1/10倍であり得る。
【0197】
核酸構築物又は製剤は、植物に直接使用することができる。核酸構築物又は製剤は、植物の1つ以上の部分に使用することができる。植物の1つ以上の部分は、末端芽、花、側芽、葉身、葉軸、節、節間、葉柄、一次根、側根、根毛、根冠、又はそれらの組合わせを含み得る。製剤は、植物の葉身に使用することができる。製剤は、植物の根に使用することができる。
【0198】
代替的又は追加的に、核酸構築物又は製剤を土壌に使用することができる。製剤は、植物の周りの領域に使用することができる。植物の周りの領域は、土壌を含んでもよい。植物の周囲の領域は、隣接する植物を含むことができる。製剤は、植物又は種子を土壌に入れる前に土壌に使用することができる。製剤は、土壌中に存在する細菌群に使用することができる。製剤は、土壌中の天然細菌群を補うために追加の細菌と共に使用することができる。
【0199】
核酸構築物又は製剤は、寄生雑草の影響を受けやすい植物に使用することができる。植物の例としては、トウモロコシ、イネ、モロコシ、キビ及びサトウキビが挙げられるが、これらに限定されない。植物は、トウモロコシであってもよい。植物は、タバコであってもよい。植物は、イネであってもよい。
【0200】
核酸構築物又は製剤は、植物の食用生産物の味又は食感を改善し得る。非限定的な例では、標的遺伝子は、糖及び/又はデンプンの生合成又は貯蔵を制御し得る。標的遺伝子は、タンニン生合成を制御し得る。標的遺伝子は、アントシアニン生合成を制御し得る。標的遺伝子は、代謝産物生合成を制御し得る。
【0201】
核酸構築物は、例えば、植物の食用生産物の糖、デンプン、タンパク質及び/又は脂肪含量を増加又は減少させ、植物中のビタミン及び/又はミネラルの蓄積を増強することによって、植物の栄養含量を改善することができる。標的遺伝子は、糖生合成、炭水化物の生合成及び/若しくは貯蔵、タンパク質の生合成及び/若しくは分解、並びに/又は、二次代謝産物生合成を制御し得る。
【0202】
核酸構築物は、例えば、植物におけるエチレン生合成を減少させることによって、植物の食用生産物の貯蔵寿命を増加させることができる。標的遺伝子は、エチレン生合成を制御し得る。
【0203】
核酸構築物又は製剤は、シードコーティングの形で使用することができる。核酸構築物又は製剤は、種子処理の形で使用することができる。核酸構築物又は製剤は、種子粉衣の形で使用することができる。核酸構築物又は製剤は、スプレーの形で使用することができる。核酸構築物又は製剤は、葉面スプレーの形で使用することができる。核酸構築物又は製剤は、粉末の形で使用することができる。粉末は、水和剤であってもよい。
【0204】
場合によって、本明細書に記載の測定は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、6、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、又は40℃の温度で行うことができる。
【0205】
キット
【0206】
また、上記のように、主題の方法を実施する際に用いられるキットも提供される。キットは、本明細書に記載の組成物の1つ以上を含むことができる。キットは、少なくとも核酸構築物を含むことができる。キットは、少なくとも1つの操作された植物又は種子を含むことができる。
【0207】
キットは、核酸構築物の植物又は種子への投与を実施するための1つ以上の試薬(例えば、ポリヌクレオチド、緩衝液、カチオンなど)などを含み得る。キットの構成要素を用いて実施されるプロトコルにおいて所望されるさらなる試薬が存在してもよい。そのような追加の試薬としては、ポリメラーゼ、逆転写酵素、ニッカーゼ、制限エンドヌクレアーゼ、ウラシル-DNAグリコシラーゼ酵素、DNAをメチル化又は脱メチル化する酵素、エンドヌクレアーゼ、リガーゼなどの酵素又は酵素の組合わせの1つ以上が挙げられるが、これらに限定されない。
【0208】
キットの構成要素は、別々の容器に存在してもよく、又は1つ以上の構成要素が同じ容器に存在してもよく、容器は、キットがそのために設計されているアッセイ中に使用される貯蔵容器及び/又は容器であってもよい。
【0209】
上記の構成要素に加えて、主題のキットは、主題の方法を実施するための説明書をさらに含み得る。これらの説明書は、適切な媒体又は基材上に印刷された情報(例えば、情報が印刷された1枚又は複数の紙)、キットの包装、添付文書などの様々な形態で主題のキットに存在し得る。さらに別の手段は、情報が記録されているコンピュータ可読媒体(例えば、ディスケット、CDなど)である。存在し得るさらに別の手段は、削除されたサイトの情報にアクセスするためにインターネットを介して使用され得るウェブサイトアドレスである。
【0210】
結果の伝達
【0211】
本開示は、例えば、技術者、医師又は患者へのアッセイ結果若しくは診断又はその両方の伝達を提供する。ある場合には、コンピュータを使用して、本明細書の方法の結果を関係者、例えば、顧客、技術者、医師及びその患者などに伝達する。場合によって、本方法は、結果が伝達される国又は法域とは異なる国又は法域で、実行したり、結果を分析したりすることができる。場合によって、診断が得られた後、可能な限り早く結果を患者に伝達することができる。結果は、電子メールによって患者に送信されてもよく、又は電話によって患者に伝達されてもよい。コンピュータを使用して、電子メール又は電話によって結果を伝達することができる。特定の例では、結果を含むメッセージは、電気通信の当業者によく知られているコンピュータハードウェア及びソフトウェアの組合わせを使用して自動的に生成され、患者に配信することができる。特定の例では、植物及び種子の調製、並びにアッセイ結果の伝達を含む方法のステップの一部は、多様な(例えば、外国の)法域で実施され得る。
【0212】
本明細書で使用されるセクションの見出しは、構成上の目的のためだけのものであり、記載された主題を限定するものと解釈されるべきではない。
【0213】
本明細書に記載の方法及び組成物は、本明細書に記載の特定の方法論、プロトコル、細胞株、構築物及び試薬に限定されず、したがって変更し得ることを理解されたい。本明細書で使用される用語は、特定の例を説明するためだけのものであり、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される本明細書に記載される方法及び組成物の範囲を限定することを意図するものではないことも理解されたい。本開示の好ましい例が本明細書に示され説明されてきたが、かかる例が例示としてのみ提供されることは当業者には明らかであろう。本開示から逸脱することなく、当業者には多数の変形、変更、及び置換が思い浮かぶであろう。本明細書に記載された開示の例に対する様々な代替例が、本開示を実施する際に使用され得ることを理解されたい。以下の特許請求の範囲が本開示の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲内の方法及び構造並びにそれらの均等物がそれによって包含されることが意図される。
【0214】
いくつかの態様は、説明のための例示的なアプリケーションを参照して説明される。別段の指示がない限り、任意の例を任意の他の例と組合わせることができる。本明細書に記載される特徴の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細、関係、及び方法が記載されていることを理解されたい。ただし、当業者であれば、本明細書に記載の特徴は、1つ以上の特定の細部がなくても実施することができ、あるいは、他の方法を用いて実施することができることを容易に理解するであろう。本明細書に記載された特徴は、いくつかの動作が異なる順序で起こり得、かつ/又は、他の動作若しくは事象と同時に起こり得るため、説明された動作又は事象の順序によって限定されない。さらに、本明細書に記載された特徴にしたがって方法論を実施するために、説明されたすべての動作又は事象が必要とされるわけではない。
【実施例
【0215】
実施例1-CATSオリゴヌクレオチド核酸構築物溶液の調製
【0216】
オリゴヌクレオチドをカスタム合成した。96ウェルオリゴプレートを得た(関心の遺伝子座ごとに1つのプレート)。各オリゴプレートのプールストックは、そのプレートの各ウェルから20uLの400uMストックを採取し、これらを2mLチューブ内で合わせることによって作製した。その後、各プールしたsockを12mL滅菌ファルコンチューブ内で合わせ、ピペッティングによって混合し、短時間遠心分離してすべての内容物を回収した。次いで、このプールされたオリゴ混合物を2本の8ウェルPCTストリップチューブにピペットで入れ、スピンダウンした。チューブをPTC-200サーマルサイクラーに95度で1分間入れて内容物を変性させた後、室温で10分間冷却した。ストリップチューブの内容物を再度、新鮮な滅菌12mLファルコンチューブに合わせ、ピペッティングによって混合し、短時間遠心分離して内容物を回収した。この元の濃度のオリゴミックスを段階希釈したものを植物に適用した。オリゴヌクレオチドの代表的な配列を配列番号1~664に示す。
【0217】
実施例2-植物及び種子へのCATSヌクレオチドの適用
【0218】
トウモロコシにおける真空処理方法
【0219】
5つの20mL透明ガラスシンチレーションバイアルを調達し、6つのB73トウモロコシ種子を各バイアルに平らに置いた。バイアル1~4の種子は、900uLのオリゴ処理(それぞれ、元の濃度、1/10、1/100、及び1/1000)を受け、バイアル5の種子は900uLの水を受けた。20分間インキュベートした後、キャップを5本全てのバイアルから取り外し、次いでこれを気密チャンバに入れ、400mbarで18時間真空引きした。18時間後、バイアルを真空から取り出し、湿らせたSunshine Mix No.4を充填した100mmのプラスチックポットに各種子を植えた。種子を、長日条件に設定したNextLight Veg8 LEDパネルの下で発芽させるために放置した。
【0220】
溶液法における発芽及び増殖
【0221】
5つの20mL透明ガラスシンチレーションバイアルを調達し、6つのB73トウモロコシ種子を各バイアルに平らに置いた。バイアル1~4の種子は、900uLのオリゴ処理(それぞれ、元の濃度、1/10、1/100、及び1/1000)を受け、バイアル5の種子は900uLの水を受けた。バイアルに蓋をして暗所に置き、種子を4日間発芽させた。上胚軸が出現したら、暗色からバイアルを取り出し、処理溶液から胚を取り出し、湿らせたSunshine Mix No.4を充填した100mmのプラスチックポットにそれぞれを植えた。
【0222】
シリンジインフィルトレーション法
【0223】
上記のCATSオリゴヌクレオチド溶液は、オリゴヌクレオチドを植物上の特定の位置に局所的に送達するために、シリンジによって植物組織に直接投与することができる。
【0224】
実施例3-トウモロコシにおけるフィトエンデサチュラーゼ(PDS1)の標的化
【0225】
植物におけるカロテノイドの合成に関与する酵素であるフィトエンデサチュラーゼを標的とするように、CATSオリゴヌクレオチドを構築した。この遺伝子の突然変異又はノックアウトは、アルビノ表現型をもたらす。
【0226】
トウモロコシ植物のPDS1遺伝子オープンリーディングフレームの上流の転写調節領域を標的とする合計62個のオリゴヌクレオチド(配列番号1~62に示される31個のオリゴヌクレオチド対)を合成した。オリゴヌクレオチドの混合物をトウモロコシの種子、及び種子から育てた実生に適用した。PDS1-CATS植物は、非接触の対照植物と比較して淡緑色葉表現型を示した(図3)。
【0227】
シリンジインフィルトレーションによるトウモロコシ葉へのCATSオリゴヌクレオチドの直接投与は、色素沈着の局所的な喪失をもたらす(図4)。
【0228】
バイサルファイトシーケンシングによるDNAメチル化の確認
【0229】
滅菌ハサミで葉組織を切り取り、1個の中程度のガラスビーズが入った冷却した(LN2)密閉キャップチューブに入れた。葉組織を1800RPNで1:30ビーズビーティングした。PureLink Plant Total DNA抽出キットを用いてDNAを抽出した。抽出物からの合計20μLのDNAをZymo Research Corp Easy DNA Methylationキットと共に使用した。ヒト標準を使用して、キットが機能していることを確認した。MethPrimer2(http://www.urogene.org/cgi-bin/methprimer2/MethPrimer.cgi)を使用してプライマーを設計し、必要に応じてプライマーを縮重した。キットのバイサルファイト処理したDNAを用い、12.5μLのZymotaq、1μLのプライマーF、1μLのプライマーR、4μLのBS処理DNA、及び7.5μLの水を使用してPCR反応を行った。BS-PCRプライマーの最初のセットを50℃で増幅し、GCアイランドをカバーした。アンプリコンを配列クローニングして確認した。配列決定されたデータの最初の分析は、シトシンのいくつかがメチル化されたことを示している(図5)。
【0230】
実施例4-トウモロコシにおけるLZY1重力屈性調節因子の標的化
【0231】
植物調節因子Lazy1(LZY1)は、植物のシュートの重力屈性を制御することが知られている。野生型植物では、シュートは重力の反対方向に成長し、この方向性を維持するために曲がることによって方向の変化に応答する。対照的に、LZY1発現の変異体は、方向の変化に応答しない。LZY1調節因子を標的とするようにCATSオリゴを設計した。トウモロコシ植物のLZY1遺伝子オープンリーディングフレームの上流の転写調節領域を標的とする合計132個のオリゴヌクレオチド(配列番号63~194に示される67個のオリゴヌクレオチド対)を合成した。オリゴヌクレオチドの混合物をトウモロコシの種子、及び種子から育てた実生に適用した。
【0232】
図6B及び図6Dに示すように、CATS::LZY1実生は、対照植物が強い重力屈性応答を示す非修飾の植物(図6A及び図6C)と比較して、横向きにされたときに重力屈性の減少又は欠如を示す。
【0233】
実施例5-ジャガイモ中のポリフェノールオキシダーゼの標的化
【0234】
植物中のポリフェノール酵素オキシダーゼ(PPO)酵素は、植物の切断又は創傷後に生じる酵素的褐変表現型を担う。非褐変作物は、消費者の受け入れ及び食品廃棄物の観点から望ましい。非褐変のジャガイモを実現するために、ジャガイモ(Solanum tuberosum)中の7つのPPO対立遺伝子を同時に標的とするようにCATSオリゴを設計した。上記の「溶液中での増殖」法を使用して、合計210個の個々のオリゴ(配列番号195~404に示される105個のオリゴ対)を種ジャガイモに適用した。植物を温室条件で成長させ、植え付けの約3ヶ月後に塊茎を収穫した。PPO mRNAレベルのRT-PCT分析は、CATS植物が転写物のレベルを低下させたことを示し(図7B)、表現型分析は、CATS植物からの塊茎が、非修飾の対照植物のジャガイモと比較して、切断時の酵素的褐変を大幅に減少させたことを示す(図7A)。
【0235】
実施例4-低身長トウモロコシの作製
【0236】
CATSオリゴは、ブラシノステロイドの生合成に関与し、ジベレリン-ブラシノステロイドのバランスに関与する遺伝子(BWF1及びBR2)を標的とするように設計された。合計180個の個々のオリゴ(配列番号405~584に示される90個のオリゴ対)をトウモロコシ種子に適用した。接触した種子から成長した植物は、CATSオリゴと接触していない対照植物よりも短かった(図8)。
【0237】
実施例5-トマト植物集団におけるOld Gold遺伝子の標的化
【0238】
オリゴ処理及び植物成長条件
【0239】
オリゴを、この約1kb領域にわたって重複しないオリゴでmicroTomゲノム(配列番号585~684に示される、Old Goldの翻訳開始部位の約500bp上流及び下流)を標的化するように設計した。相補的なオリゴを、95℃で10分間インキュベートすることによってアニーリングし、室温まで徐々に冷却した後、アニーリングしたオリゴ対を各処理についてプールした。種子を、Old Gold(処理済み)又は対照としてのランダムオリゴ(未処理)のいずれかを標的とする250μM濃度の900ulのオリゴ(0.5×TE緩衝液)と共にインキュベートした。種子を、暗所で3日間、室温でインキュベートした後に、Sunshine Mix 土壌#4に植え、2枚の本葉が根付くまで(約2週間)16時間の光周期下で成長させた。出現した各試料から50~100mgの本葉の組織を採取し、液体窒素で凍結した後、後で分析するために-80で保存した。
【0240】
RNA単離
【0241】
出発物質からの全RNA単離を、PureLink Pro 96 total RNA Purification Kit(ThermoFisher Scientific)を製造者の説明書に従って使用して収集した。全RNAをRNaseフリー水で溶出した。単離できなかった組織を含む試料を廃棄した。Quant-iT(商標)RNA Assay Kit(広範囲)(ThermoFisher Scientific)を使用し、SpectraMax iD3 プレートリーダーで蛍光を用いて、総RNAを定量した。定量した全RNAを、RNaseフリー水を用いて1ngに希釈した。1ng/uL未満のRNAを破棄した。単離及び定量化が完了した後、1KB処理の40個の試料、2.5KBの45個の試料、RO(ランダムオリゴヌクレオチド)対照の44個の試料、及び水対照の11個の試料の集団サイズがあった。
【0242】
定量的リアルタイムPCR条件
【0243】
RT-qPCRを、Quantstudios 6 Flex Real-Time PCR Systems(Applied Biosystems)を使用して96ウェル光学プレートにおいて行った。Luna WarmStart逆転写酵素、並びにSYBR Green I(New England Biolabs)、10μMの各プライマー、RNaseフリー水、及び最終容量20μLの希釈RNA1μL(1ng/uL)を用いるLuna Universal One-Step RT-qPCR Kitを使用して反応を行った。以下の熱サイクル条件を(Luna Universal One-Step RT-qPCR Kitマニュアルに従って)すべての増幅に使用した。逆転写のために55℃で10分間、変性のために95℃で1分間、95℃で10秒間及び60℃で1分間の40回の増幅サイクル、並びに60~95℃の様々な段階の融解曲線。すべての試料を、各qPCRプレートについて、テクニカルトリプリケート及びRNaseフリー水の3つの非テンプレート対照で調製した。
【0244】
データ解析
【0245】
閾値サイクル(Ct)値を、RT-qPCRの間の各試料の3回の技術的複製から平均し、ΔCt値を計算するために使用した(Old Gold標的-GAPDHハウスキーピングリファレンス)。処置された集団(Old Gold)対未処置の集団(ランダムオリゴ)の遺伝子発現の変化を頻度ヒストグラムとして示す(図10)。各試料のΔCt値を2d.p.に丸め、0~-4.5ΔCt(log2)の範囲の0.1のクラス幅を有する群に分類し、負のΔCt値が大きいほど、GAPDH参照遺伝子と比較して、Old Gold標的遺伝子の下方制御がより大きいことを示す。
【0246】
実施例6-オリゴヌクレオチドの配列修飾の例
【0247】
本明細書に開示される核酸構築物、例えば、CATsオリゴヌクレオチドは、単一の位置又は複数の位置に様々な修飾を有することができる。これらの修飾としては、ホスホロチオエート修飾、2’O-メチル修飾、2’フルオロ修飾、又はそれらの任意の組合わせが挙げられるが、これらに限定されない。一例を図11に示す。CATsオリゴヌクレオチドなどの本明細書の構築物を使用するエピジェネティック修飾は、可変の遺伝子発現レベルを有する集団を作り出すことができる(図9)。
【0248】
配列
【0249】
PDS1遺伝子(mC=2’-O-メチルシトシン、mG=2’-O-メチルグアニン、mA=2’-O-メチルアデニン、mT=2’-O-メチルチミン、mU=2’-O-メチルウラシル)をサイレンシングするためのCATSオリゴヌクレオチド配列
【0250】
【表1】
【0251】
LZY1遺伝子(mC=2’-O-メチルシトシン、mG=2’-O-メチルグアニン、mA=2’-O-メチルアデニン、mT=2’-O-メチルチミン、mU=2’-O-メチルウラシル)をサイレンシングするためのCATSオリゴヌクレオチド配列
【0252】
【表2】
【0253】
PPO遺伝子(mC=2’-O-メチルシトシン、mG=2’-O-メチルグアニン、mA=2’-O-メチルアデニン、mT=2’-O-メチルチミン、mU=2’-O-メチルウラシル)をサイレンシングするためのCATSオリゴヌクレオチド配列
【0254】
【表3】
【0255】
DWF1遺伝子及びBR2遺伝子(mC=2’-O-メチルシトシン、mG=2’-O-メチルグアニン、mA=2’-O-メチルアデニン、mT=2’-O-メチルチミン、mU=2’-O-メチルウラシル)をサイレンシングするためのCATSオリゴヌクレオチド配列
【0256】
【表4】
【0257】
Old Gold遺伝子(mC=2’-O-メチルシトシン、mG=2’-O-メチルグアニン、mA=2’-O-メチルアデニン、mT=2’-O-メチルチミン、mU=2’-O-メチルウラシル)をサイレンシングするためのCATSオリゴヌクレオチド配列
【0258】
【表5】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【配列表】
2022526251000001.app
【国際調査報告】