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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-24
(54)【発明の名称】ロボット掃除機
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/28 20060101AFI20220517BHJP
   G05D 1/02 20200101ALI20220517BHJP
【FI】
A47L9/28 E
G05D1/02 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021556277
(86)(22)【出願日】2020-03-04
(85)【翻訳文提出日】2021-09-16
(86)【国際出願番号】 KR2020003038
(87)【国際公開番号】W WO2020197119
(87)【国際公開日】2020-10-01
(31)【優先権主張番号】10-2019-0034540
(32)【優先日】2019-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】ソン ピョンコン
(72)【発明者】
【氏名】チェ キュチョン
(72)【発明者】
【氏名】ソン ヨンクク
(72)【発明者】
【氏名】イ チャンヒョン
【テーマコード(参考)】
3B057
5H301
【Fターム(参考)】
3B057DA00
3B057DE00
5H301AA01
5H301BB11
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301GG08
5H301GG09
5H301GG10
5H301LL11
(57)【要約】
本発明は、制御部を備える掃除機本体と、前記掃除機本体の上面から突出するように配置され、前記掃除機本体の周辺にレーザを照射して前記掃除機本体の周辺に位置する障害物を検知する第1検知部と、前記掃除機本体の上側角部の側面と上面に対してそれぞれ傾斜して配置され、前記掃除機本体の側方及び上方を共に撮影する第2検知部と、前記掃除機本体の前面に配置され、前記掃除機本体の前方周辺に超音波を放射し、その後反射する超音波を用いて前記掃除機本体の前方周辺に位置する障害物を検知する第3検知部と、前記掃除機本体の前面に配置され、前記掃除機本体の前方を撮影する第4検知部とを含むロボット掃除機を開示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律走行を制御する制御部を備える掃除機本体と、
前記掃除機本体の上面から突出するように配置され、前記掃除機本体の周辺にレーザを照射して前記掃除機本体の周辺に位置する障害物を検知する第1検知部と、
前記掃除機本体の上側角部の側面と上面に対してそれぞれ傾斜して配置され、前記掃除機本体の側方及び上方を共に撮影する第2検知部と、
前記掃除機本体の前面に配置され、前記掃除機本体の前方周辺に超音波を放射し、その後反射する超音波を用いて前記掃除機本体の前方周辺に位置する障害物を検知する第3検知部と、
前記掃除機本体の前面に配置され、前記掃除機本体の前方を撮影する第4検知部とを含む、ロボット掃除機。
【請求項2】
前記第2検知部は、
前記掃除機本体の上側角部領域の一側と他側にそれぞれ傾斜して配置され、前記掃除機本体の側方及び上方を共に撮影する第1カメラ部及び第2カメラ部を含む、請求項1に記載のロボット掃除機。
【請求項3】
前記制御部は、それぞれ前記第1検知部で測定された情報、前記第1及び第2カメラ部で撮影された映像情報の全部又は一部を組み合わせて走行領域内の現在位置を検知する、請求項2に記載のロボット掃除機。
【請求項4】
前記第2検知部は、前記掃除機本体の上下方向を基準に、前記第1検知部の下側に配置される、請求項1に記載のロボット掃除機。
【請求項5】
前記第1検知部は、前記第2検知部の後方に配置される、請求項1に記載のロボット掃除機。
【請求項6】
前記第1検知部は、周囲360度の範囲に直線状のレーザを照射し、所定の検知距離内に位置する障害物を検知するように構成される、請求項1に記載のロボット掃除機。
【請求項7】
前記第3検知部は、前記掃除機本体の上下方向を基準に、前記第4検知部の下側に配置される、請求項1に記載のロボット掃除機。
【請求項8】
前記第3検知部は、複数で構成され、それぞれ前記掃除機本体の前方中心線から左右対称の位置に配置される、請求項7に記載のロボット掃除機。
【請求項9】
前記第4検知部は、光軸が前記掃除機本体の前方下側に向かって傾斜して配置され、床から前記掃除機本体の最上部の高さまでの領域を含む映像を撮影できる範囲を有する、請求項1に記載のロボット掃除機。
【請求項10】
前記第4検知部は、撮影領域内の物体に関する距離情報を含むデプス画像(depth image)を撮影する、請求項1に記載のロボット掃除機。
【請求項11】
前記制御部は、それぞれ前記第1検知部で測定された情報、前記第3検知部で測定された情報、及び前記第4検知部で撮影された映像情報の全部又は一部を組み合わせて前記掃除機本体の周辺に位置する障害物を検知する、請求項1に記載のロボット掃除機。
【請求項12】
自律走行を制御する制御部を備える掃除機本体と、
前記掃除機本体の上面から突出するように配置され、前記掃除機本体の周辺にレーザを照射して前記掃除機本体の周辺に位置する障害物を検知する第1検知部と、
前記掃除機本体の上側角部の側面と上面に対してそれぞれ傾斜して配置され、前記掃除機本体の側方及び上方を共に撮影する第2検知部とを含む、ロボット掃除機。
【請求項13】
前記第2検知部は、
前記掃除機本体の上側角部領域の一側と他側にそれぞれ傾斜して配置され、前記掃除機本体の側方及び上方を共に撮影する第1カメラ部及び第2カメラ部を含む、請求項12に記載のロボット掃除機。
【請求項14】
自律走行を制御する制御部を備える掃除機本体と、
前記掃除機本体の上面から突出するように配置され、前記掃除機本体の周辺にレーザを照射して前記掃除機本体の周辺に位置する障害物を検知する第1検知部と、
前記掃除機本体の前面に配置され、前記掃除機本体の前方周辺に超音波を放射し、その後反射する超音波を用いて前記掃除機本体の前方周辺に位置する障害物を検知する第3検知部と、
前記掃除機本体の前面に配置され、前記掃除機本体の前方を撮影する第4検知部とを含む、ロボット掃除機。
【請求項15】
前記第4検知部は、光軸が前記掃除機本体の前方下側に向かって傾斜して配置され、床から前記掃除機本体の最上部の高さまでの領域を含む映像を撮影できる範囲を有する、請求項14に記載のロボット掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定領域を自ら走行しながら床を掃除する機能を実行するロボット掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ロボット掃除機は、所定領域を自律走行しながら自ら周辺環境を認識し、その環境に適した掃除機能を実行するように構成されている。ロボット掃除機が実行する掃除機能としては、床領域に存在する塵や異物を吸入して除去する機能が代表的に挙げられる。また、ロボット掃除機は、倉庫、家庭、事務所などの様々な環境で用いられる。
【0003】
一方、ロボット掃除機の中核技術の一つである自律走行は、ロボット掃除機が作業を行う環境において自らの現在位置を正確に認識することにより行われる。
【0004】
一般に、ロボット掃除機が自らの現在位置を認識する方法は、各種センサにより取得した情報を用いてSLAM(Simultaneous Localization And Map-Building)作業を行い、その結果として作成される地図情報を用いることにより実現することができる。また、ロボット掃除機は、自律走行特性を用いて家の内部を撮影、監視する機能などを実行することもある。
【0005】
さらに、ロボット掃除機の自律走行が円滑に行われるためには、走行領域内に存在する障害物を検知する技術の開発が必要である。
【0006】
よって、特許文献1(2017年11月29日)に開示されているように、ロボット掃除機の自律走行と障害物回避機能の実現のために、ロボット掃除機の前方領域を撮影又は検知するセンサの適用が試みられており、そのような試みによりロボット掃除機に適用されるセンサの数も以前より増えている。
【0007】
それと共に、ロボット掃除機の自律走行及び障害物回避性能をさらに向上させるために、ロボット掃除機に適用される様々なセンサの最適化された設計に関する研究が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2017-0131172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、ロボット掃除機の自律走行及び障害物回避性能をさらに向上させるために、ロボット掃除機に適用される検知部の最適化された構成と配置構造を提供することを第1の目的とする。
【0010】
また、本発明は、ロボット掃除機が現在の自らの位置を認識するために適用される検知部の最適化された構造を提供することを第2の目的とする。
【0011】
さらに、本発明は、ロボット掃除機の障害物回避のために適用される検知部の最適化された構造を提供することを第3の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の目的を達成するために、ロボット掃除機は、制御部を備える掃除機本体と、前記掃除機本体の上面から突出するように配置され、前記掃除機本体の周辺にレーザを照射して前記掃除機本体の周辺に位置する障害物を検知する第1検知部と、前記掃除機本体の上側角部の側面と上面に対してそれぞれ傾斜して配置され、前記掃除機本体の側方及び上方を共に撮影する第2検知部と、前記掃除機本体の前面に配置され、前記掃除機本体の前方周辺に超音波を放射し、その後反射する超音波を用いて前記掃除機本体の前方周辺に位置する障害物を検知する第3検知部と、前記本体の前面に配置され、前記掃除機本体の前方を撮影する第4検知部とを含む。
【0013】
前記第2検知部は、前記掃除機本体の上側角部領域の一側と他側にそれぞれ傾斜して配置され、前記掃除機本体の側方及び上方を共に撮影する第1カメラ部及び第2カメラ部を含んでもよい。
【0014】
前記制御部は、それぞれ前記第1検知部で測定された情報、前記第1及び第2カメラ部で撮影された映像情報の全部又は一部を組み合わせて走行領域内の現在位置を検知するようにしてもよい。
【0015】
前記第2検知部は、前記掃除機本体の上下方向を基準に、前記第1検知部の下側に配置されてもよい。
【0016】
前記第1検知部は、前記第2検知部の後方に配置されてもよい。
【0017】
前記第1検知部は、周囲360度の範囲に直線状のレーザを照射し、所定の検知距離内に位置する障害物を検知するように構成されてもよい。
【0018】
前記第3検知部は、前記掃除機本体の上下方向を基準に、前記第4検知部の下側に配置されてもよい。
【0019】
前記第3検知部は、複数で構成され、それぞれ前記掃除機本体の前方中心線から左右対称の位置に配置されてもよい。
【0020】
前記第4検知部は、光軸が前記掃除機本体の前方下側に向かって傾斜して配置され、床から前記掃除機本体の最上部の高さまでの領域を含む映像を撮影できる範囲を有するようにしてもよい。
【0021】
前記第4検知部は、撮影領域内の物体に関する距離情報を含むデプス画像(depth image)を撮影するようにしてもよい。
【0022】
前記制御部は、それぞれ前記第1検知部で測定された情報、前記第3検知部で測定された情報、及び前記第4検知部で撮影された映像情報の全部又は一部を組み合わせて前記掃除機本体の周辺に位置する障害物を検知するようにしてもよい。
【0023】
本発明の第2の目的を達成するために、ロボット掃除機は、自律走行を制御する制御部を備える掃除機本体と、前記掃除機本体の上面から突出するように配置され、前記掃除機本体の周辺にレーザを照射して前記掃除機本体の周辺に位置する障害物を検知する第1検知部と、前記掃除機本体の上側角部の側面と上面に対してそれぞれ傾斜して配置され、前記掃除機本体の側方及び上方を共に撮影する第2検知部とを含む。
【0024】
前記第2検知部は、前記掃除機本体の上側角部領域の一側と他側にそれぞれ傾斜して配置され、前記掃除機本体の側方及び上方を共に撮影する第1カメラ部及び第2カメラ部を含んでもよい。
【0025】
本発明の第3の目的を達成するために、ロボット掃除機は、自律走行を制御する制御部を備える掃除機本体と、前記掃除機本体の上面から突出するように配置され、前記掃除機本体の周辺にレーザを照射して前記掃除機本体の周辺に位置する障害物を検知する第1検知部と、前記掃除機本体の前面に配置され、前記掃除機本体の前方周辺に超音波を放射し、その後反射する超音波を用いて前記掃除機本体の前方周辺に位置する障害物を検知する第3検知部と、前記本体の前面に配置され、前記掃除機本体の前方を撮影する第4検知部とを含む。
【0026】
前記第4検知部は、光軸が前記掃除機本体の前方下側に向かって傾斜して配置され、床から前記掃除機本体の最上部の高さまでの領域を含む映像を撮影できる範囲を有するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0027】
前述した解決手段により得られる本発明の効果は次の通りである。
【0028】
第一に、ロボット掃除機の自律走行機能の実行に必要な位置認識のために、掃除機本体の周辺にレーザを照射する第1検知部と、掃除機本体の側方及び上方を共に撮影する第2検知部を配置し、ロボット掃除機の障害物回避のために、第1検知部と、掃除機本体の前方周辺に超音波を放射する第3検知部と、掃除機本体の前方を撮影する第4検知部を配置し、光と超音波のように異なる方式を用いると共に、異なる領域を検知する第1~第4検知部の構成及び配置を用いて、互いの検知機能を補完することにより、ロボット掃除機の自律走行及び障害物回避性能をさらに向上させることができる。
【0029】
第二に、ロボット掃除機の自律走行機能の実行に必要な位置認識のために、掃除機本体の周辺にレーザを照射する第1検知部と、掃除機本体の側方及び上方を共に撮影する第2検知部を配置し、第2検知部が検知できない領域に対して第1検知部から取得される情報を用いることにより、ロボット掃除機の自律走行性能をさらに向上させることができる。
【0030】
第三に、ロボット掃除機の障害物回避機能の実行のために、掃除機本体の周辺にレーザを照射する第1検知部と、掃除機本体の前方周辺に超音波を放射する第3検知部と、掃除機本体の前方を撮影する第4検知部を配置し、第1検知部、第3検知部、第4検知部でそれぞれ検知が不可能又は困難な物体を検知するための相互補完過程を経ることにより、ロボット掃除機の障害物回避性能をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明によるロボット掃除機の一例を示す斜視図である。
図2図1に示すロボット掃除機の平面図である。
図3図1に示すロボット掃除機の正面図である。
図4図1に示すロボット掃除機の底面図である。
図5図3に示すロボット掃除機の断面図である。
図6図1に示す第1検知部から照射されるレーザの形態を概念的に示す正面図である。
図7図1に示す第1検知部から照射されるレーザの形態を概念的に示す平面図である。
図8図1に示す第2検知部で撮影される映像の範囲を示す概念図である。
図9図1に示す第3検知部から放射される超音波の形態を概念的に示す斜視図である。
図10図1に示す第4検知部で撮影される映像の範囲を概念的に示す断面図である。
図11図1に示す第1検知部、第2検知部、第3検知部及び第4検知部でそれぞれ検知する領域を概念的に示す斜視図である。
図12図1に示す第1検知部、第2検知部、第3検知部及び第4検知部でそれぞれ検知する領域を概念的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して、本発明によるロボット掃除機についてより詳細に説明する。
【0033】
図1は本発明によるロボット掃除機100の一例を示す斜視図であり、図2図1に示すロボット掃除機100の平面図であり、図3図1に示すロボット掃除機100の正面図であり、図4図1に示すロボット掃除機100の底面図であり、図5図3に示すロボット掃除機100の断面図である。
【0034】
図1図5に示すように、ロボット掃除機100は、所定領域を自律走行しながら自ら周辺環境を認識し、その環境に適した掃除機能を実行する。ここで言う掃除機能には、床領域に存在する塵や異物を吸入して除去する機能が含まれる。また、ロボット掃除機100は、倉庫、家庭、事務所などの様々な環境で用いられる。
【0035】
ロボット掃除機100は、掃除機本体110と、第1検知部120と、第2検知部130と、第3検知部140と、第4検知部150とを含む。
【0036】
掃除機本体110は、ロボット掃除機100の自律走行を制御する制御部(図示せず)を備える。また、掃除機本体110は、ロボット掃除機100の走行のためのホイール部117を備える。ホイール部117により、ロボット掃除機100は地面G上を移動することができる。
【0037】
ホイール部117は、掃除機本体110の下部で地面Gと接するように配置され、ロボット掃除機100の移動方向の転換のために、掃除機本体110と垂直な軸を中心に回転可能に構成される。ホイール部117は、掃除機本体110に複数で構成され、それぞれ独立して駆動される。
【0038】
一方、掃除機本体110には、ロボット掃除機100の駆動のための電源を供給する第1バッテリ111a及び第2バッテリ111bが取り付けられる。第1バッテリ111a及び第2バッテリ111bは、それぞれが掃除機本体110から分離可能に構成されて別途に充電されるようにしてもよく、掃除機本体110に取り付けられた状態で充電可能に構成されるようにしてもよい。
【0039】
また、掃除機本体110の上面には、ロボット掃除機100の駆動に関する様々な状態情報を表示してユーザに提供するディスプレイ部112が配置される。前記状態情報には、電源状態、清掃状態、清掃モード、動作時間、故障の有無などの様々な情報が含まれる。前記清掃モードには、倉庫や長い廊下などの空間のように障害物が多くない空間を所定のパターンで走行して掃除するモードや、事務所のように様々な障害物が多く存在する空間を所定のパターンを持たずに自律走行して清掃を行うモードが含まれる。
【0040】
また、掃除機本体110の上面には、ディスプレイ部112と共にロボット掃除機110の状態を他の形態で表示するランプ113が配置される。ランプ113は、様々な色の光を様々な方法で発散するように構成される。
【0041】
例えば、ランプ113は、色、明るさ、点滅方法などが異なる光を表示する。よって、ユーザは、ディスプレイ部112によるロボット掃除機100の状態情報の確認が困難な状況でも、ランプ113から発散される光により、ロボット掃除機100の状態情報をより直観的に確認することができる。また、本発明においてはランプ113が1つで構成される場合を例に挙げて説明したが、複数で構成され、隣接して配置されるようにしてもよい。
【0042】
また、掃除機本体110の底面部の両側には、第1サイドブラシ181と第2サイドブラシ182が備えられる。第1サイドブラシ181及び第2サイドブラシ182は、ロボット掃除機100の垂直軸を中心に回転可能に構成され、ロボット掃除機100の外側領域の床に存在する塵を掃いてロボット掃除機100の吸入部119に移動させる機能を実行する。第1サイドブラシ181と第2サイドブラシ182の外周面には、地面Gの異物を床から分離させるための複数の第1ブラシ181aと第2ブラシ182aがそれぞれ形成される。
【0043】
吸入部119は、塵を含む空気を吸入して掃除するように構成され、図4に示すように、掃除機本体110の底部側前半領域に配置される。このような吸入部119の構造によれば、床G領域の角部に存在する異物にさらに近接することができるので、清掃効果が高まる。
【0044】
また、掃除機本体110の内部には、図5に示すように、ロボット掃除機100の吸入部119により掃除機本体110の内部に集められた異物を収容するための塵ボックス115が配置される。さらに、塵ボックス115は、比較的粒子が大きな異物と比較的粒子が小さな異物をそれぞれ集塵するように区画形成される第1収容部115a及び第2収容部115bを備える。さらに、塵ボックス115の上部には、塵ボックス115の外部に排出される空気中の異物や塵をフィルタリングする塵フィルタ115cが装着される。
【0045】
一方、ロボット掃除機100は、フロントキャスター118aと、第1リアキャスター118bと、第2リアキャスター118cとをさらに含む。
【0046】
フロントキャスター118aは、掃除機本体110の底部側前端部に配置され、ロボット掃除機100の走行時にホイール部117と共に掃除機本体110を支持し、地面Gに沿って回転可能に構成される。また、掃除機本体110の底部側後端部の両側には、フロントキャスター118aと同様に掃除機本体110を支持し、ロボット掃除機100の走行を補助する第1リアキャスター118b及び第2リアキャスター118cが配置される。
【0047】
第1検知部120は、掃除機本体110の上面から所定の高さで突出するように配置される。また、第1検知部120は、掃除機本体110の周辺にレーザを照射することにより、ロボット掃除機100の走行状態又は停止状態で、掃除機本体110の周辺に位置する壁などの障害物を検知するように構成される。例えば、第1検知部120は、ライダー(LiDAR)で構成される。ライダーとは、レーザパルスを発射し、その光が周囲の対象物体から反射して戻ってくるものを受信し、物体までの距離などを測定することにより、周辺の状態を精密に描き出す装置である。
【0048】
第2検知部130は、掃除機本体110の上側角部の側面と上面に対してそれぞれ傾斜して配置されるので、掃除機本体110の側方及び上方を共に撮影することができる。例えば、第2検知部130は、一般的な撮影用カメラで構成される。また、第2検知部130の傾きαは、例えば地面Gから30゜の傾きとなるように配置される。さらに、掃除機本体110の内部に配置される第2検知部130の傾きαは、掃除機本体11の外観の傾きより小さく形成されるので、第1検知部120から照射されるレーザとの干渉を最小限に抑えることができる。
【0049】
また、第2検知部130は、図5に示すように、掃除機本体110の上下方向を基準に、第1検知部120の下側に配置される。さらに、第1検知部120は、第2検知部130の後方に配置される。一方、第2検知部130は、1つで構成されてもよく、複数で構成され、互いに離隔して配置されてもよい。
【0050】
さらに、第2検知部130は、第2検知部130を覆うように配置されるウィンドウ130’を備える。ウィンドウ130’は、赤外線領域を選択的に透過させるフィルタ(図示せず)を備えるので、暗い環境でもロボット掃除機100の周辺環境に関する映像情報をある程度提供することができる。前記フィルタは、ウィンドウ130’ではなく、第2検知部130自体に形成されてもよい。
【0051】
さらに、第2検知部130は、第1カメラ部131と、第2カメラ部132とを含む。
【0052】
第1カメラ部131及び第2カメラ部132は、掃除機本体110の上側角部領域の一側と他側にそれぞれ傾斜して配置され、掃除機本体110の側方及び上方を共に撮影するように構成される。第1カメラ部131及び第2カメラ部132は、それぞれ図2に示すように、掃除機本体110の前方中心線CLから左右対称の位置に配置される。よって、第1カメラ131と第2カメラ132により掃除機本体110の周辺環境のより広い領域を含むように撮影することができ、その結果、第1カメラ131と第2カメラ132により撮影される映像を用いて得られる情報の量をさらに増加させることができる。なお、ロボット掃除機100の前方とは、掃除機本体110が正方向Fに走行する側、すなわち掃除機本体110の前方を意味し、ロボット掃除機100の後方[すなわち、正方向Fの反対となる逆方向R]とは、掃除機本体110の後方を意味する。
【0053】
第3検知部140は、掃除機本体110の前面に配置され、掃除機本体110の前方周辺に超音波を放射し、その後反射する超音波を受信することにより、掃除機本体110の周辺に位置する障害物との距離及び方向を検知することができる。また、第3検知部140は、図3に示すように、複数で構成される。例えば、第3検知部140は、掃除機本体110の前方中心線CLから左右対称の位置に配置される第1超音波センサ141、第2超音波センサ142、第3超音波センサ143、第4超音波センサ144、第5超音波センサ145、第6超音波センサ146の計6つで構成され、掃除機本体110の前方中心線CLを基準に、左右60゜の範囲内で所定間隔離隔して互いに対称の位置に配置される。
【0054】
第4検知部150は、掃除機本体110の前面に配置され、掃除機本体110の前方を撮影するように構成される。また、第4検知部150は、ロボット掃除機100の走行状態又は停止状態で、撮影領域内に存在する物体に関する距離情報を含むデプス画像を撮影するように構成される。よって、第4検知部150により行われる障害物検知の精度を向上させることができる。例えば、第4検知部150は、前記デプス画像を用いて、ロボット掃除機100の前方に位置する小さく薄い障害物や敷居などを検知し、反射度が低い黒色の物体や透明な物体も一部認識することができる。また、第4検知部150により撮影される映像は、カラー又は白黒で取得されて用いられる。さらに、第3検知部140は、図3に示すように、掃除機本体110の上下方向を基準に、第4検知部150の下側に配置される。
【0055】
以下、図6図10を参照して、第1検知部120、第2検知部130、第3検知部140、第4検知部150によりそれぞれ検知される領域と形態について説明する。
【0056】
図6及び図7図1に示す第1検知部120から照射されるレーザの形態を概念的に示す正面図及び平面図であり、図8図1に示す第2検知部130で撮影される映像の範囲を示す概念図であり、図9図1に示す第3検知部140から放射される超音波の形態を概念的に示す斜視図であり、図10図1に示す第4検知部150で撮影される映像の範囲を概念的に示す断面図である。
【0057】
まず、図6及び図7に示すように、第1検知部120は、第1検知部120の周囲360度の範囲に直線状のレーザ120aを照射し、所定の検知距離、例えば15cm~1100cm以内に位置するロボット掃除機100の周辺の障害物を検知するように構成される。また、第1検知部120は、前記360度のレーザ照射範囲内で0.25度ずつ間隔をおいて照射することにより、周辺の障害物を検知することができる。
【0058】
次に、図8に示すように、第2検知部130は、掃除機本体110の上側角部領域の一側と他側から、それぞれ掃除機本体110の側方及び上方を共に撮影して第1カメラ部映像131a及び第2カメラ部映像132aを取得するように構成される。
【0059】
次に、図9に示すように、第3検知部140は、掃除機本体110の前方周辺に超音波を放射し、反射して戻ってくる超音波を受信することにより、掃除機本体110の前方周辺に位置する障害物を検知することができる。例えば、第3検知部140は、5cm~30cmの範囲の検知距離を有し、図9に示す形態の超音波検知領域140aを形成する。
【0060】
最後に、図10に示すように、第4検知部150は、第4検知部150の光軸150’が掃除機本体110の前方下側に向かって傾斜して配置される。例えば、第4検知部150の傾きβが地面Gに向かって10゜傾斜した形態である。
【0061】
このように、第4検知部150は、床Gから最上部の高さHまでの領域を含む映像を撮影できる範囲、すなわち画角(angle of view)150aを有するように構成される。例えば、第4検知部150で撮影される映像は、74度(horizontal width)、58度(vertical height)、88度(distance from scene to lens)の画角を有する。また、第4検知部150による障害物検知距離が10cm~100cmの範囲となるように形成される。
【0062】
このような第4検知部150の構成によれば、図10に示すように、ロボット掃除機100の前方下側に発生する撮影不可領域(dead zone)Dを減らすことができ、ロボット掃除機100に近接した領域に存在する床Gの障害物を検知することができ、ロボット掃除機100の前方上側では、ロボット掃除機100が通過できない高さに存在する障害物を検知することができる。
【0063】
以下、図11及び図12を参照して、第1検知部120、第2検知部130、第3検知部140、第4検知部150の各検知機能が相互補完される特徴について説明する。
【0064】
図11及び図12図1に示す第1検知部120、第2検知部130、第3検知部140及び第4検知部150でそれぞれ検知する領域を概念的に示す斜視図及び側面図である。
【0065】
図11及び図12に示すように、まず第1検知部120は、第1検知部120が配置された高さと同じ高さに位置する障害物のみ検知することができ、レーザなどの光を用いるセンサであるので、光が反射しにくい暗い物体や透明な物体は検知することができない。また、第2検知部130は、画角から外れた領域に対しては撮影できない状況が発生し得る。
【0066】
さらに、第3検知部140は、光が反射しにくいために第1検知部120や第4検知部150などの光センサでは検知が難しい黒色の暗い物体や、ガラスなどの透明な物体を検知することができる。しかし、第3検知部140は、音波を吸収する布製やスポンジ製の物体や、角が尖った物体や、2cm以下の薄い形態の物体を検知することは困難である。
【0067】
また、第4検知部150は、光センサであり、ロボット掃除機100の前面部の上下端に位置する障害物を検知することができる。さらに、光センサであるが、デプス画像を用いることにより、物体の端面ではなく、全面を全て検知することができ、反射度が低い暗い物体や透明な物体も一部認識することができる。
【0068】
ここで、制御部は、それぞれ第1検知部120で測定された情報、第1カメラ部131及び第2カメラ部132で撮影された映像情報の全部又は一部を組み合わせてロボット掃除機100の走行領域内の現在位置を検知することができる。例えば、制御部は、掃除機本体110の上面の左右両側に配置される第1カメラ部131及び第2カメラ部132で撮影できない領域における周辺の物体との距離情報を第1検知部120により測定し、ロボット掃除機100の位置認識のためのデータ作成に用いる。
【0069】
また、ロボット掃除機100の制御部は、それぞれ第1検知部120で測定された情報、第3検知部140で測定された情報、及び第4検知部150で撮影された映像情報の全部又は一部を組み合わせて掃除機本体110の周辺に位置する障害物を検知することができる。例えば、光を用いる第4検知部150は、掃除機本体110の前方を撮影し、超音波を用いる第3検知部140が検知できない障害物を検知することができる。また、第4検知部140は、掃除機本体110の上面から突出するように配置される第1検知部120では検知することが困難な掃除機本体の前方の上下端に位置する障害物を検知し、第1検知部120の検知不可領域を補完することができる。
【0070】
前述した本発明のロボット掃除機100によれば、光と超音波のように異なる方式を用いると共に、異なる領域を検知する第1検知部120、第2検知部130、第3検知部140、第4検知部150の最適化された構成と配置を用いて、第1検知部120、第2検知部130、第3検知部140、第4検知部150の互いの検知機能の不足を補完することにより、工場、事務所などのように地形が複雑で障害物が多い環境や、光の量が多くない暗い環境でも、ロボット掃除機100の自律走行及び障害物回避性能を安定して実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、自律走行機能を有するロボット掃除機に関する産業分野において有用である。
図1
図2
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図5
図6
図7
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図10
図11
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【国際調査報告】