(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-24
(54)【発明の名称】アキュムレーティングコンベヤ
(51)【国際特許分類】
B65G 21/18 20060101AFI20220517BHJP
B65G 15/02 20060101ALI20220517BHJP
【FI】
B65G21/18
B65G15/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021557010
(86)(22)【出願日】2020-03-27
(85)【翻訳文提出日】2021-11-19
(86)【国際出願番号】 EP2020058737
(87)【国際公開番号】W WO2020201101
(87)【国際公開日】2020-10-08
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508170586
【氏名又は名称】スペシャルティ・コンヴェヤー・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴァウテル・バルク
(72)【発明者】
【氏名】エミエル・マルテイン・スハウテン
(72)【発明者】
【氏名】ディック・クイン
【テーマコード(参考)】
3F023
【Fターム(参考)】
3F023AA03
3F023AB05
3F023BA02
3F023BB01
3F023BC02
3F023DA03
(57)【要約】
アキュムレーティングコンベヤ(1)は、一致する中心線を含む第1の螺旋状トラック(6)および第2の螺旋状トラック(7)と、上から見た場合に一方向に第1の湾曲部(8a)を、反対方向に第2の湾曲部(8b)をそれぞれが有する、第1のS字形ブリッジ(8)および第2のS字形ブリッジ(9)と、第1の補助ガイド(16)のセットおよび第2の補助ガイド(17)のセットと、運搬方向(X)に駆動可能であるエンドレスコンベヤベルト(10)とを含む。コンベヤベルト(10)は、第1および第2の螺旋状トラック(6、7)、ブリッジ(8、9)、ならびに補助ガイド(16、17)のセットによってガイド可能であり、そのため、動作条件下では、コンベヤベルト(10)は、第1の螺旋状トラック(6)を、その下方端部(18)から上方向にその上方端部(15)より下の場所まで、第1のブリッジ(8)を、第2の螺旋状トラック(7)における、その上方端部(19)より下の場所まで、第2の螺旋状トラック(7)を、下方向にその下方端部(20)まで、第1の補助ガイド(16)のセットを第2の螺旋状トラック(7)の上方端部(19)まで、第2の螺旋状トラック(7)を下方向に、第2のブリッジ(9)を第1の螺旋状トラック(6)まで、第1の螺旋状トラック(6)を上方向にその上方端部(15)まで、そして第2の補助ガイド(17)のセットを第1の螺旋状トラック(6)の下方端部(18)まで、連続してたどる。ブリッジ(8、9)は、第1および第2の螺旋状トラック(6、7)の共通の内側に少なくとも部分的に位置し、第1および第2の螺旋状トラック(6、7)に沿って同時に移動可能であり、一方では第1のブリッジ(8)を介した第1および第2の螺旋状トラック(6、7)の下方端部(18、20)間の、また他方では第2のブリッジ(9)を介した第1および第2の螺旋状トラック(6、7)の上方端部(15、19)間の、コンベヤベルト(10)の有効長さを変化させる。第1および第2のブリッジ(8、9)のうちの少なくとも一方の第1および第2の湾曲部(8a、8b)の少なくとも一部は、それらの内側に傾斜する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アキュムレーティングコンベヤ(1)であって、
一致する中心線を含む第1の螺旋状トラック(6)および第2の螺旋状トラック(7)と、
上から見た場合に一方向に第1の湾曲部(8a)を、反対方向に第2の湾曲部(8b)をそれぞれが有する、第1のS字形ブリッジ(8)および第2のS字形ブリッジ(9)と、
第1の補助ガイド(16)のセットおよび第2の補助ガイド(17)のセットと、
運搬方向(X)に駆動可能であるエンドレスコンベヤベルト(10)と
を含み、
前記コンベヤベルト(10)は、前記第1および第2の螺旋状トラック(6、7)、ブリッジ(8、9)、ならびに補助ガイド(16、17)のセットによってガイド可能であり、そのため、動作条件下では、前記コンベヤベルト(10)は、前記第1の螺旋状トラック(6)を、その下方端部(18)から上方向にその上方端部(15)より下の場所まで、前記第1のブリッジ(8)を、前記第2の螺旋状トラック(7)における、その上方端部(19)より下の場所まで、前記第2の螺旋状トラック(7)を、下方向にその下方端部(20)まで、前記第1の補助ガイド(16)のセットを前記第2の螺旋状トラック(7)の前記上方端部(19)まで、前記第2の螺旋状トラック(7)を下方向に、前記第2のブリッジ(9)を前記第1の螺旋状トラック(6)まで、前記第1の螺旋状トラック(6)を上方向にその前記上方端部(15)まで、そして前記第2の補助ガイド(17)のセットを前記第1の螺旋状トラック(6)の前記下方端部(18)まで、連続してたどり、
前記ブリッジ(8、9)は、前記第1および第2の螺旋状トラック(6、7)の共通の内側に少なくとも部分的に位置し、前記第1および第2の螺旋状トラック(6、7)に沿って同時に移動可能であり、一方では前記第1のブリッジ(8)を介した前記第1および第2の螺旋状トラック(6、7)の前記下方端部(18、20)間の、また他方では、前記第2のブリッジ(9)を介した前記第1および第2の螺旋状トラック(6、7)の前記上方端部(15、19)間の、前記コンベヤベルト(10)の有効長さを変化させ、
前記第1および第2のブリッジ(8、9)のうちの少なくとも一方の前記第1および第2の湾曲部(8a、8b)の少なくとも一部は、それらの内側に傾斜する
ことを特徴とする、アキュムレーティングコンベヤ(1)。
【請求項2】
前記第1および第2の螺旋状トラック(6、7)は互いを囲み、そのため、前記第1および第2の螺旋状トラック(6、7)は、それらの中心線に対して半径方向に互いに隣接して延びるか、または、
前記第1および第2の螺旋状トラック(6、7)は、互いに平行に延び、互いの上に位置し、そのため、これらは、共通の想像上の円筒上に位置し、一緒に共通の螺旋状経路をたどる、請求項1に記載のアキュムレーティングコンベヤ(1)。
【請求項3】
前記第1および第2のブリッジ(8、9)のうちの少なくとも一方は、第1のカーブセクション(34)を有し、前記第1のカーブセクション(34)は、第2のカーブセクション(33、35、36)と比べて、前記運搬方向(X)におけるあまり険しくない長手方向勾配と、上から見た場合のより小さな半径とを有する、請求項1または2に記載のアキュムレーティングコンベヤ(1)。
【請求項4】
前記第1および第2の螺旋状トラック(6、7)は互いを囲み、そのため、前記第1および第2の螺旋状トラック(6、7)は、それらの中心線に対して半径方向に互いに隣接して延び、
前記第1のカーブセクション(34)は、前記第1および第2の螺旋状トラック(6、7)の隣接する部分の上に少なくとも部分的に延びる、請求項1に基づく請求項3に記載のアキュムレーティングコンベヤ(1)。
【請求項5】
前記第1および第2のブリッジ(8、9)のうちの少なくとも一方の前記第1の湾曲部(8a)は、前記第1のカーブセクション(34)および前記第2のカーブセクション(35’)を含むが、前記第2の湾曲部(8b)は、前記第2のカーブセクション(35’)の半径と同じ半径を有する、請求項3または4に記載のアキュムレーティングコンベヤ(1)。
【請求項6】
前記第2の湾曲部(8b)は、前記第1の湾曲部(8a)の下流に位置する、請求項5に記載のアキュムレーティングコンベヤ(1)。
【請求項7】
前記コンベヤは、前記第1のブリッジ(8)および前記第2のブリッジ(9)における前記コンベヤベルト(10)のそれぞれの部分間に連結部(48)を備えて、それぞれの前記第1および第2のブリッジ(8、9)における前記コンベヤベルト(10)の前記それぞれの部分間に駆動力を伝達する、請求項1から6のいずれか一項に記載のアキュムレーティングコンベヤ(1)。
【請求項8】
前記第1および第2のブリッジ(8、9)のうちの少なくとも一方は、少なくとも、前記第1および第2のブリッジ(8、9)のうちの前記少なくとも一方に設けられたブリッジローラ(27)を介して、前記第1および第2の螺旋状トラック(6、7)のうちの少なくとも一方によって半径方向に支持され、前記ブリッジローラ(27)は、前記第1および第2の螺旋状トラック(6、7)のうちの前記少なくとも一方の上に載る、請求項1から7のいずれか一項に記載のアキュムレーティングコンベヤ(1)。
【請求項9】
前記ブリッジローラ(27)は、前記第1および第2のブリッジ(8、9)のうちの少なくとも一方のブリッジ入口(31)およびブリッジ出口(32)のうちの少なくとも一方に位置する、
請求項8に記載のアキュムレーティングコンベヤ(1)。
【請求項10】
前記第1および第2の螺旋状トラック(6、7)はそれぞれ、前記コンベヤベルト(10)をガイドするための内側レール(6a、7a)および外側レール(6b、7b)を含み、
前記内側および外側レール(6a、7a、6b、7b)は、螺旋状プレート(46)によって支持される、請求項1から9のいずれか一項に記載のアキュムレーティングコンベヤ(1)。
【請求項11】
前記第1および第2のブリッジ(8、9)は、少なくとも、前記第1および第2のブリッジ(8、9)間で前記第1および第2の螺旋状トラック(6、7)のうちの少なくとも一方に沿って延びる細長いカーブした連結要素(28)を通じて互いに連結され、かつ/または、
前記第1および第2のブリッジ(8、9)のうちの少なくとも一方の2つの離れた部分が、前記2つの離れた部分間で前記第1および第2の螺旋状トラック(6、7)のうちの一方に沿って延びる別の細長いカーブした連結要素(29、30)に固定される、請求項1から10のいずれか一項に記載のアキュムレーティングコンベヤ(1)。
【請求項12】
前記細長いカーブした連結要素(28)および前記別の細長いカーブした連結要素(29、30)のうちの少なくとも一方は、可撓性であり、前記第1および第2の螺旋状トラック(6、7)のうちの対応する一方によってガイドされる、請求項11に記載のアキュムレーティングコンベヤ(1)。
【請求項13】
前記第1および第2の螺旋状トラック(6、7)はそれぞれ、内側レール(6a、7a)と、前記内側レール(6a、6b)を囲む外側レール(6b、7b)とを備え、
前記コンベヤベルト(10)は、前記内側レール(6a、7a)によって上方、下方、および半径方向に支持され、前記外側レール(6b、7b)によって上方に支持され、前記外側レール(6b、7b)に対して上方向に移動可能であり、
前記アキュムレーティングコンベヤ(1)は、保護キャリッジ(41)を備え、前記保護キャリッジ(41)は、前記第1の螺旋状トラック(6)および前記第2の螺旋状トラック(7)のうちの少なくとも一方に沿ってその前記上方端部(15、19)と、その前記上方端部(15、19)から距離を置いた停止要素との間で自由に移動可能であり、
前記保護キャリッジ(41)は、前記外側レール(6b、7b)からの前記コンベヤベルト(10)の持上げを最小限に抑えるために前記保護キャリッジ(41)において前記コンベヤベルトより上に位置する保持部材(45)を含み、
前記第2のブリッジ(9)および前記保護キャリッジ(41)は、前記第2のブリッジ(9)が前記保護キャリッジ(41)を前記第1および第2の螺旋状トラック(6、7)のうちの前記少なくとも一方に沿って上方に押すことができるように適合された、協働する係合要素を備える、請求項1から12のいずれか一項に記載のアキュムレーティングコンベヤ(1)。
【請求項14】
前記螺旋状トラック(6、7)はそれぞれ、内側レール(6a、7a)と、前記内側レール(6a、7a)を囲む外側レール(6b、7b)とを備え、
前記コンベヤベルト(10)は、サイドボーチェーンなどの可撓性コンベヤライン(12)に装着されたスラット(11)を備え、
前記スラット(11)はそれぞれ、前記コンベヤベルト(10)の横断方向に互いから距離を置いた2つのガイドローラ(20)を備え、各ガイドローラ(20)は、垂直方向成分を含む回転軸を有し、
各スラット(11)の前記ガイドローラ(20)のうちの一方は、前記内側レール(6a、7a)によって上方、下方、および半径方向に支持され、
各スラットの一部は、前記外側レール(6b、7b)によって上方に支持され、前記外側レール(6b、7b)に対して上方向に移動可能であり、
前記ガイドローラ(20)のそれぞれと、前記ガイドローラ(20)が半径方向に支持された前記内側レール(6a、7a)との間の上方接触場所(37)は、前記第1および第2の螺旋状トラック(6、7)の前記中心線に向かう前記コンベヤライン(12)の結果的な半径方向力が作用する際に沿う線より上に位置する、請求項1から13のいずれか一項に記載のアキュムレーティングコンベヤ(1)。
【請求項15】
前記コンベヤベルト(10)は、サイドボーチェーンなどの可撓性コンベヤライン(12)に装着されたスラット(11)を含み、
前記スラット(11)はそれぞれ、前記コンベヤベルト(10)の横断方向に互いから距離を置いた2つのガイドローラ(20)を備え、前記ガイドローラ(20)はそれぞれ、垂直方向成分を含む回転軸を有し、
前記第1および第2のブリッジ(8、9)はそれぞれ、それぞれの前記ガイドローラ(20)をガイドするための内側および外側ガイド(22、23)を備え、
前記内側および外側ガイド(22、23)はそれぞれ、下方側壁(38)、上方側壁(39)、ならびに前記下方および上方側壁(38、39)間の底部を含むトラフ形状を有し、
前記下方および上方側壁(38、39)は、前記底部から見ると分岐しており、
前記下方および上方側壁(38、39)のうちの少なくとも一方は、前記底部に対して分岐角度を有し、前記分岐角度は、100°よりも小さい、請求項1から14のいずれか一項に記載のアキュムレーティングコンベヤ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アキュムレーティングコンベヤに関し、これは、一致する中心線を含む第1の螺旋状トラックおよび第2の螺旋状トラックと、上から見た場合に一方向に第1の湾曲部を、反対方向に第2の湾曲部をそれぞれが有する、第1のS字形ブリッジおよび第2のS字形ブリッジと、第1の補助ガイドのセットおよび第2の補助ガイドのセットと、運搬方向に駆動可能であるエンドレスコンベヤベルトとを含み、ここにおいて、コンベヤベルトは、第1および第2の螺旋状トラック、ブリッジ、ならびに補助ガイドのセットによってガイド可能であり、そのため、動作条件下では、コンベヤベルトは、第1の螺旋状トラックを、その下方端部から上方向にその上方端部より下の場所まで、第1のブリッジを、第2の螺旋状トラックにおける、その上方端部より下の場所まで、第2の螺旋状トラックを、下方向にその下方端部まで、第1の補助ガイドのセットを第2の螺旋状トラックの上方端部まで、第2の螺旋状トラックを下方向に、第2のブリッジを第1の螺旋状トラックまで、第1の螺旋状トラックを上方向にその上方端部まで、そして第2の補助ガイドのセットを第1の螺旋状トラックの下方端部まで、連続してたどり、ブリッジは、第1および第2の螺旋状トラックの共通の内側に少なくとも部分的に位置し、第1および第2の螺旋状トラックに沿って同時に移動可能であり、一方では第1のブリッジを介した第1および第2の螺旋状トラックの下方端部間の、また他方では第2のブリッジを介した第1および第2の螺旋状トラックの上方端部間の、コンベヤベルトの有効長さを変化させる。
【背景技術】
【0002】
このようなアキュムレーティングコンベヤは、特許文献1から知られている。知られているアキュムレーティングコンベヤは、ある質量流のロッド形状物品を、第1の螺旋状コンベヤの下方端部における第1のステーションから、第2の螺旋状コンベヤの下方端部における、離れた第2のステーションまで、第1のブリッジを介して輸送するために使用される。第1および第2の螺旋状トラックの下方端部間のコンベヤベルトの有効長さは変化し得るので、コンベヤは、可変容量の先入れ先出しリザーバとして適用され得る。それぞれのブリッジのブリッジ入口において、コンベヤベルトは、螺旋状トラックから持ち上げられ、それぞれのブリッジのブリッジ出口において、コンベヤベルトは、螺旋状トラック上に下ろされる。さらに、ブリッジの第1および第2の湾曲部は、第1および第2の螺旋状トラックの湾曲部よりも鋭い。第1のブリッジに沿って移動する間の遠心力により製品がコンベヤベルト上で傾くのを防ぐために、知られているアキュムレーティングコンベヤのコンベヤベルトの最高速度は制限されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、コンベヤベルトが比較的高速で動作され得る、アキュムレーティングコンベヤを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、本発明によるアキュムレーティングコンベヤで達成され、ここにおいて、第1および第2のブリッジのうちの少なくとも一方の第1および第2の湾曲部の少なくとも一部は、それらの内側に傾斜する。この特徴により、本発明によるアキュムレーティングコンベヤは、コンベヤベルトによって輸送される製品を傾けるリスクを最小限に抑えた、比較的高い運搬速度を可能にする。
【0006】
第1および第2の補助ガイドのセットは、コンベヤベルトを第1および第2の螺旋状トラックの外側でガイドするための、非螺旋状トラック、例えば、まっすぐなトラックもしくはカーブしたトラック、および/またはローラ、スプロケットなどを含み得る。
【0007】
コンベヤベルトは、駆動可能な可撓性コンベヤラインと、コンベヤラインに装着されたスラットとを含み得る。コンベヤラインは、サイドボーチェーンとすることができる。スラットはそれぞれ、コンベヤベルトの横断方向に互いから距離を置いた2つのガイドローラを備えることができ、ここにおいて、ガイドローラは、協働するレールに沿って転がる。
【0008】
第1および第2のブリッジは互いに固定され得、そのため、第1のブリッジおよび第2のブリッジは、ブリッジのうちの一方のみを駆動すると、同時に転置される。ブリッジのうちの一方のみの駆動は、第1および第2のブリッジのうちの一方の上流および下流でコンベヤベルトに牽引力の差を作り出すことによって、コンベヤベルトにより実行され得る。第1および第2のブリッジは、柔軟な方法で互いに連結され得、そのため、これらは、コンベヤベルトにおける張力を維持するために、例えばバネによって、第1および第2の螺旋状トラックに沿った方向に、互いに対して移動可能である。この特徴は、第1および/または第2のブリッジにおいて、傾斜する第1および第2の湾曲部を有さない、アキュムレーティングコンベヤにも適用され得る。
【0009】
本アキュムレーティングコンベヤは、コンベヤベルトを駆動するためのモータを備えることができる。例えば、第1のモータが、第1の螺旋状トラックの下方端部に、またはこれに近接して位置することができ、第2のモータが、第2の螺旋状トラックの下方端部に、またはこれに近接して位置することができる。両方のモータが同じ速度で動作される場合、第1および第2のブリッジは、第1および第2の螺旋状トラックに対して静止しており、第1のブリッジを介した第1および第2の螺旋状トラックの下方端部間のコンベヤベルトの有効長さは、同じままであり、第2のブリッジを介した第1および第2の螺旋状トラックの上方端部間のコンベヤベルトの有効長さは、同じままである。第1のモータのみが動作される場合、コンベヤベルトは、第2の螺旋状トラックの下方端部において移動せず、第1のモータは、コンベヤベルトによって第1および第2のブリッジを上方に引っ張り、したがって、第1のブリッジを介した第1および第2の螺旋状トラックの下方端部間のコンベヤベルトの有効長さを増大させる。この場合、製品は、これらを一時的に保管するために、第1の螺旋状トラックの下方端部において本アキュムレーティングコンベヤに供給され得るが、いかなる製品も、第2の螺旋状トラックの下方端部において本アキュムレーティングコンベヤを離れない。同様に、第2のブリッジを介した第1および第2の螺旋状トラックの上方端部間のコンベヤベルトの有効長さは減少する。製品が第2のブリッジを介した第1および第2の螺旋状トラックの上方端部間に保管される場合、製品は、第1の螺旋状トラックの上方端部を離れることができるが、いかなる製品も第2の螺旋状トラックの上方端部に供給され得ない。
【0010】
第2のモータのみが動作される場合、コンベヤベルトは、第1の螺旋状トラックの下方端部において移動せず、第2のモータは、コンベヤベルトによって第1および第2のブリッジを下方に引っ張り、したがって、第1のブリッジを介した第1および第2の螺旋状トラックの下方端部間のコンベヤベルトの有効長さを減少させる。この場合、いかなる製品も、第1の螺旋状トラックの下方端部において本アキュムレーティングコンベヤに供給され得ないが、保管された製品は、第2の螺旋状トラックの下方端部において本アキュムレーティングコンベヤを離れることができる。同様に、第2のブリッジを介した第1および第2の螺旋状トラックの上方端部間のコンベヤベルトの有効長さは増大する。製品は、第2の螺旋状トラックの上方端部に供給され得るが、いかなる製品も第1の螺旋状トラックの上方端部を離れない。
【0011】
具体的な一実施形態では、第1および第2の螺旋状トラックは互いを囲み、そのため、第1および第2の螺旋状トラックは、それらの中心線に対して半径方向に互いに隣接して延びる。代替的な一実施形態では、第1および第2の螺旋状トラックは、互いに平行に延び、互いの上に位置し、そのため、これらは、共通の想像上の円筒上に位置し、一緒に共通の螺旋状経路をたどる。後者の場合、第1および第2の螺旋状トラックは、互いの中に入れ子になる。
【0012】
特定の一実施形態では、第1および第2のブリッジのうちの少なくとも一方は、第1のカーブセクションを有し、これは、その第2のカーブセクションと比べて、運搬方向における、あまり険しくない長手方向勾配と、上から見た場合の、より小さな半径とを有する。製品が第1または第2のブリッジにわたって輸送されると、遠心力は、第1および第2のカーブセクションにおいて製品に作用する。運搬方向における長手方向勾配の険しさの減少により、特に円形底部を有する製品について、より高い遠心力が可能になると思われる。第1のカーブセクションは、あまり険しくない長手方向勾配を有し、これは、比較的高い運搬速度を可能にし、これにより、比較的小さな半径を適用する機会を提供する。他方では、より険しい長手方向勾配を有する第2のカーブセクションは、比較的高い運搬速度を可能にはしないが、その比較的大きな半径により、比較的高い運搬速度が達成され得る。
【0013】
第1および第2の螺旋状トラックが互いを囲み、そのため、第1および第2の螺旋状トラックがそれらの中心線に対して半径方向に互いに隣接して延びる場合、第1のカーブセクションは、第1および第2の螺旋状トラックの隣接する部分の上に少なくとも部分的に延びることができる。例えば、第1の螺旋状トラックが第2の螺旋状トラックを囲む場合、第1のブリッジは、コンベヤベルトを第1の螺旋状トラックから持ち上げ、これを、第1および第2の螺旋状トラックの隣接する部分の上で、第2の螺旋状トラックの内側に向かって、またそこから、さらに第2の螺旋状トラックに向かってガイドする。
【0014】
一方では、第1のブリッジが第1および第2の螺旋状トラックの上に位置する、隣接する部分におけるコンベヤベルトと、他方では、第1のブリッジのその場所より上にある第1および第2の螺旋状トラックの隣接する巻き(windings)との間の高さの損失を避けるために、運搬方向における長手方向勾配は、好ましくは、その場所では小さい。これにより、比較的小さな半径が可能となり、そうした理由から、第1のカーブセクションがそこに位置する。
【0015】
さらに具体的な一実施形態では、第1および第2のブリッジのうちの少なくとも一方の第1の湾曲部は、第1のカーブセクションおよび第2のカーブセクションを含むが、第2の湾曲部の少なくとも一部は、第2のカーブセクションの半径と同じである半径を有する。この場合、第1および第2のブリッジのうちの少なくとも一方の長さのおよそ4分の1未満が、最小の第1の半径を有し得る一方で、その長さの4分の3超が、最小の第1の半径よりも大きい、最小の第2の半径を有し得る。
【0016】
第2の湾曲部は、第1の湾曲部の下流に位置することができ、これは、第1のカーブセクションが第1および第2の螺旋状トラックの隣接する部分の上に位置するように、第1の螺旋状トラックが第2の螺旋状トラックを囲むことを意味する。
【0017】
傾斜角度は、第1および/または第2のブリッジに沿って変化し得、好ましくは次第に増える。第1および第2の螺旋状トラックはまた、それらの内側に傾斜し得る。
【0018】
第1および第2の螺旋状トラックの半径は第1および第2のブリッジ内部の任意のカーブセクションよりも大きいので、第1のカーブセクションの最大傾斜角度は、好ましくは第1および第2の螺旋状トラックの傾斜角度よりも大きい。
【0019】
有利な一実施形態では、本コンベヤは、第1のブリッジおよび第2のブリッジにおけるコンベヤベルトのそれぞれの部分間に連結部を備えて、それぞれの第1および第2のブリッジにおけるコンベヤベルトのそれぞれの部分間に駆動力を伝達する。このような連結部は、例えば、コンベヤベルトのチェーンに係合するスプロケットとすることができる。特に、ブリッジが本アキュムレーティングコンベヤ内で比較的高いかまたは低いレベルに位置するとき、コンベヤベルトが沿って移動する第1のブリッジより下と第2のブリッジより上との巻きの数には大きな差があり得、そのため、それぞれのブリッジにおけるコンベヤベルトの実際の牽引力は、コンベヤベルトが第1のブリッジの下流および/または第2のブリッジの下流の場所で引っ張られると、著しく変化し得る。連結部は、実際の牽引力が比較的高い、ブリッジのうちの一方におけるコンベヤベルトの部分を、連結部が適用されなかった場合に牽引力が比較的低い、他方のブリッジにおけるコンベヤベルトの部分によって、駆動するのに役立つ。
【0020】
第1および第2のブリッジのうちの少なくとも一方は、少なくとも、第1および第2のブリッジのうちの少なくとも一方に設けられたブリッジローラを通じて、第1および第2の螺旋状トラックのうちの少なくとも一方によって半径方向に支持され得、ここにおいて、ブリッジローラは、第1および第2の螺旋状トラックのうちの少なくとも一方の上に載る。ブリッジローラは、協働するブリッジと螺旋状トラックとの間の摩擦を最小限に抑えるが、ブリッジローラをガイドするための別個の支持トラックは、適用される必要がない。コンベヤベルトがガイドローラを含むスラットを含む場合、第1および第2のブリッジのうちの少なくとも一方のブリッジローラは、第1および第2の螺旋状トラックのうちの少なくとも一方の、ガイドローラと同じ表面上を転がり得る。
【0021】
好ましくは、ブリッジローラは、第1および第2のブリッジのうちの少なくとも一方のブリッジ入口およびブリッジ出口のうちの少なくとも一方に位置し、それは、コンベヤベルトを駆動する際のブリッジの端部における協働するブリッジと螺旋状トラックとの間の半径方向力が比較的高いためである。
【0022】
具体的な一実施形態では、第1および第2の螺旋状トラックはそれぞれ、コンベヤベルトをガイドするための内側レールおよび外側レールを含み、ここにおいて、内側および外側レールは、螺旋状プレートによって支持される。螺旋状プレートは、比較的薄いプレートの場合であっても、剛性支持体を形成すると思われる。螺旋状プレートを適用する利点は、螺旋状トラックの中心線に対して半径方向に、異なる高さで、かつ中心線の周りに異なる角度で延びる、従来の支持アームと比較して、要する高さが小さいことである。
【0023】
別の具体的な実施形態では、第1および第2のブリッジは、少なくとも、第1および第2のブリッジ間で第1および第2の螺旋状トラックのうちの少なくとも一方に沿って延びる細長いカーブした連結要素を通じて、互いに連結され、かつ/または第1および第2のブリッジのうちの少なくとも一方の2つの離れた部分が、この2つの離れた部分間で第1および第2の螺旋状トラックのうちの一方に沿って延びる別の細長いカーブした連結要素に固定される。この場合、第1および第2のブリッジの近くの第1および第2の螺旋状トラックにおける空間は、連結要素または別の連結要素を配置するのに使用される。
【0024】
細長いカーブした連結要素および別の細長いカーブした連結要素のうちの少なくとも一方は、可撓性で、第1および第2の螺旋状トラックのうちの対応する一方によってガイドされ得る。これは、第1および/または第2の螺旋状トラックが、コンベヤベルトをガイドするためだけでなく、一方では、第1のブリッジと第2のブリッジとの間で連結要素を、また第1および第2のブリッジのそれぞれの離れた部分間で連結要素を、ガイドするためにも使用されるので、有利である。可撓性の連結要素は、チェーンを含み得る。
【0025】
具体的な一実施形態では、第1および第2の螺旋状トラックはそれぞれ、内側レールと、内側レールを囲む外側レールとを備え、ここにおいて、コンベヤベルトは、内側レールによって上方、下方、および半径方向に支持され、外側レールによって上方に支持され、外側レールに対して上方向に移動可能であり、本アキュムレーティングコンベヤは、保護キャリッジを備え、これは、第1の螺旋状トラックおよび第2の螺旋状トラックのうちの少なくとも一方に沿ってその上方端部と、その上方端部から距離を置いた停止要素との間で自由に移動可能であり、保護キャリッジは、外側レールからのコンベヤベルトの持上げを最小限に抑えるために保護キャリッジにおいてコンベヤベルトより上に位置する保持部材を含み、第2のブリッジおよび保護キャリッジは、第2のブリッジが保護キャリッジを第1および第2の螺旋状トラックのうちの少なくとも一方に沿って上方に押すことができるように適合された、協働する係合要素を備える。コンベヤベルトは、例えばコンベヤベルトを外向き方向に移動させることによって、コンベヤベルトを螺旋状トラックから持ち上げる可能性を提供するために、外側レールによって下方に押されず、そのため、外側レールによって依然として上方に支持されているが、もはや内側レールでは上方向に妨害されない。しかしながら、これは、例えばコンベヤベルトにおいて過度の牽引力がある場合に、内側レールの周りでコンベヤベルトが傾くリスクをもたらし得る。第1および第2の螺旋状トラックのうちの少なくとも一方の上方端部と、停止要素との間の距離は、例えば、対応する螺旋状トラックの半巻き分とすることができる。対応する螺旋状トラックの上方端部と、牽引力のレベルが最も高い保護キャリッジとの間における本アキュムレーティングコンベヤの上側でコンベヤベルトが脱線した場合、その脱線は、上方端部から半巻き分のところに位置する保護キャリッジにおいて停止する。第1のブリッジを介した第1および第2の螺旋状トラックの下方端部間のコンベヤベルトのさらに長い有効長さが必要とされる場合、第2のブリッジは、保護キャリッジを上方向に停止要素から前方に移動させ得る。
【0026】
別の具体的な実施形態では、螺旋状トラックはそれぞれ、内側レールと、内側レールを囲む外側レールとを備え、ここにおいて、コンベヤベルトは、サイドボーチェーンなどの可撓性コンベヤラインに装着されたスラットを備え、スラットはそれぞれ、コンベヤベルトの横断方向に互いから距離を置いた2つのガイドローラを備え、各ガイドローラは、垂直方向成分を含む回転軸を有し、各スラットのガイドローラのうちの一方は、内側レールによって上方、下方、および半径方向に支持され、各スラットの一部は、外側レールによって上方に支持され、かつ外側レールに対して上方向に移動可能であり、ガイドローラのそれぞれと、ガイドローラが半径方向に支持された内側レールとの間の上方接触場所は、第1および第2の螺旋状トラックの中心線に向かうコンベヤラインの結果的な半径方向力がそのスラットに作用する際に沿う線より上に位置する。これは、傾く傾向が最小限に抑えられることを意味する。
【0027】
別の具体的な実施形態では、コンベヤベルトは、サイドボーチェーンなどの可撓性コンベヤラインに装着されたスラットを含み、ここにおいて、スラットはそれぞれ、コンベヤベルトの横断方向に互いから距離を置いた2つのガイドローラを備え、ガイドローラはそれぞれ、垂直方向成分を含む回転軸を有し、第1および第2のブリッジはそれぞれ、それぞれのガイドローラをガイドするための内側および外側ガイドを備え、内側および外側ガイドはそれぞれ、下方側壁、上方側壁、ならびに下方および上方側壁間の底部を含むトラフ形状を有し、下方および上方側壁は、底部から見ると分岐しており、下方および上方側壁のうちの少なくとも一方は、底部に対して分岐角度を有し、これは100°よりも小さい。これは、比較的小さな角度であり、コンベヤベルトが内側および外側ガイドに対してその横断方向に移動する場合に、コンベヤベルトの望ましくない追加の傾斜を防ぐ。このような移動は、第1および第2のブリッジのうちの少なくとも一方に沿ったある場所において、コンベヤベルトの牽引力が低い期間中に起こり得る。
【0028】
本発明は、例として本発明の実施形態を示す非常に概略的な図面を参照して、以下で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明によるアキュムレーティングコンベヤの一実施形態の斜視図である。
【
図2】上から見た場合の、
図1に示すような実施形態の断面図である。
【
図3】
図1と同様の図であるが、実施形態の一部を、より大きなスケールで示している。
【
図4】
図1の実施形態の一部のあるセクションの斜視図である。
【
図5】
図4と同様の図であるが、異なる場所におけるセクションを示している。
【
図6】より大きなスケールの、
図4の一部の平面図である。
【
図8】2つのスラットを含むコンベヤベルトの一実施形態の側面図である。
【
図9】
図8に示すようなコンベヤベルトの断面図である。
【
図10】コンベヤベルトが螺旋状トラックによって支持されている状態にある、
図9と同様の図である。
【
図11】
図10と同様の図であるが、代替的な一実施形態の一部を、より大きなスケールで示している。
【
図12】ブリッジのうちの一方におけるコンベヤベルトの断面図である。
【
図13】
図12と同様の図であるが、異なる状態を示している。
【
図14】
図1と同様の図であるが、その一部を、より大きなスケールで示している。
【
図16】
図1と同様の図であり、その一部を、より大きなスケールで示している。
【
図18】代替的な一実施形態の、
図1と同様の図である。
【
図19】
図18と同様の図であり、別の変形形態を示している。
【
図20】螺旋状支持プレートを含むアキュムレーティングコンベヤの一実施形態の斜視図である。
【
図22】本発明によるアキュムレーティングコンベヤの代替的な一実施形態の例示的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1および
図2は、本発明によるアキュムレーティングコンベヤ1の一実施形態を示す。アキュムレーティングコンベヤ1は、床に基礎を置く脚部3を含むフレーム2を有する。アキュムレーティングコンベヤ1は、製品が供給部(不図示)、例えば供給機械から受容される、製品入口4と、製品が、例えば受容機械(不図示)に放出される、製品出口5とを有する。アキュムレーティングコンベヤ1は、製品を製品入口4と製品出口5との間に一時的に保管するのに適している。例えば、供給部が製品を製品入口4に供給し続けるのに対し、製品出口5の下流にある受容機械が一時的に故障している場合、製品は保管され得る。これは、製造ラインが完全に停止するのを防ぐことができる。
【0031】
フレーム2は、外側螺旋状トラック6の形態の第1の螺旋状トラックと、内側螺旋状トラック7の形態の第2の螺旋状トラックとを支持する。外側螺旋状トラック6は、内側螺旋状トラック7を囲む。内側螺旋状トラック7および外側螺旋状トラック6は、互いに対して同心円状に配置される。言い換えれば、それらの中心線は一致する。アキュムレーティングコンベヤ1は、下方S字形ブリッジ8の形態の第1のS字形ブリッジと、下方ブリッジ8より上に位置する上方S字形ブリッジ9の形態の第2のS字形ブリッジとをさらに備える。上方ブリッジ9および下方ブリッジ8は、互いに連結され、内側螺旋状トラック7および外側螺旋状トラック6に沿って同時に移動可能である。
【0032】
アキュムレーティングコンベヤ1は、単一のエンドレスコンベヤベルト10、この場合は、水平および垂直方向に可撓性であるチェーン12、例えばサイドボーチェーンに装着された、スラット11を含む、スラットベルトを有する。チェーン12は、2つの電気モータ13、14によって駆動され、電気モータのうちの一方は、製品入口4に位置し、他方は、製品出口5に位置する。しかしながら、他の場所も考えられる。コンベヤベルト10は、内側螺旋状トラック7および外側螺旋状トラック6、上方ブリッジ9および下方ブリッジ8、第1の一連のホイールまたはスプロケット16および非螺旋状トラックの形態の第1の補助ガイドのセット、ならびに第2の一連のホイールまたはスプロケット17および非螺旋状トラックの形態の第2の補助ガイドのセットによって、ガイドされる。
【0033】
動作条件下では、コンベヤベルト10は、運搬方向Xに、製品入口4から水平トラックを介して外側螺旋状トラック6の下方端部18に移動し、次に、上方向に外側螺旋状トラック6に沿って移動し、そして、下方ブリッジ8に到達する。その後、コンベヤベルト10は、内側螺旋状トラック7への下方ブリッジ8を介して、螺旋状トラック7の上方端部19より下の場所まで移動し、次に、下方向に内側螺旋状トラック7に沿って移動する。内側螺旋状トラック7の下方端部20において、コンベヤベルト10は、内側螺旋状トラック7を離れ、水平トラックを介して、アキュムレーティングコンベヤ1の製品出口5におけるスプロケット16まで移動する。製品入口4と製品出口5との間のコンベヤベルト10の経路は、製品を支持および運搬する蓄積領域を形成する。蓄積領域の長さは、内側螺旋状トラック7および外側螺旋状トラック6に沿って上方ブリッジ9および下方ブリッジ8を転置することによって、変化し得る。
【0034】
蓄積領域の外側で、コンベヤベルト10は、製品出口5と製品入口4との間に空き領域を有する。空き領域は、製品を支持および運搬しないが、コンベヤベルト10を製品出口5から製品入口4へと、上方ブリッジ9を介して戻す。その長さは、蓄積領域の長さに逆比例して変化する。製品出口5におけるスプロケット16から、コンベヤベルト10は、内側螺旋状トラック7および外側螺旋状トラック6の下側にあるスプロケット16まで水平トラックに沿って裏返しに移動し、このスプロケット16は、コンベヤベルト10を外側螺旋状トラック6の外側において上方に導くが、内側螺旋状トラック7の上方端部19におけるスプロケット16は、コンベヤベルト10を内側螺旋状トラック7に導く。次に、コンベヤベルト10は、上方ブリッジ9に到達するまで、内側螺旋状トラック7に沿って下方に移動する。上方ブリッジ9は、コンベヤベルト10を外側螺旋状トラック6にガイドし、外側螺旋状トラック6は、コンベヤベルト10を、外側螺旋状トラック6の上方端部15におけるスプロケット17まで上方向にガイドし、このスプロケット17は、コンベヤベルト10を、外側螺旋状トラック6の外側において下方に導く。外側螺旋状トラック6の下側にあるスプロケット17は、コンベヤベルト10を、製品入口4におけるスプロケット17に向かって水平トラックに転換する。
【0035】
下方ブリッジ8および上方ブリッジ9は、モータ13、14の両方によって、内側螺旋状トラック7および外側螺旋状トラック6に沿って間接的に転置される。モータ13、14が同じ速度で動作される場合、下方ブリッジ8および上方ブリッジ9は、内側螺旋状トラック7および外側螺旋状トラック6に対して静止している。コンベヤベルト10の蓄積領域は同じ状態のままである。製品入口4におけるモータ14のみが動作される場合、コンベヤベルト10は、製品出口5では移動せず、製品入口4におけるモータ14が、コンベヤベルト10によって下方ブリッジ8および上方ブリッジ9を上方に引っ張る。その結果、蓄積領域が増大する。製品出口5におけるモータ13のみが動作される場合、コンベヤベルト10は、製品入口4では移動せず、製品出口5におけるモータ13は、コンベヤベルト10によって下方ブリッジ8および上方ブリッジ9を下方に引っ張る。その結果、蓄積領域が減少する。
【0036】
下方ブリッジ8と、ブリッジ出口32における内側螺旋状トラック7との間の移行領域は、外側螺旋状トラック6と、ブリッジ入口31における下方ブリッジ8との間の移行領域と同様であるが、逆の順序である。
図3を参照されたい。同様に、上方ブリッジ9と、それぞれの内側螺旋状トラック7および外側螺旋状トラック6との間の移行領域も同様である。
【0037】
図3~
図6は、上方ブリッジ9および下方ブリッジ8におけるアキュムレーティングコンベヤ1をさらに詳細に示す。
図4および
図5は、内側螺旋状トラック7および外側螺旋状トラック6が同様であることを示す。これらはそれぞれ、内側レール6a、7aと、外側レール6b、7bとを有する。
図4は、外側螺旋状トラック6におけるコンベヤベルト10のいくつかのスラット11を示す。説明上の理由で、スラット11の一部が不図示である。同じ理由から、スラット11の上側が
図6では不図示である。各スラット11は、コンベヤベルト10の横断方向に互いから距離を置いた、チェーン12の両側にある、2つのガイドローラ20を備えている。ガイドローラ20は、垂直方向成分を含む回転軸を有し、この場合、ガイドローラ20は円筒形である。内側螺旋状トラック7および外側螺旋状トラック6において、各スラット11のガイドローラ20のうちの一方は、内側螺旋状トラック7および外側螺旋状トラック6の中心線に対して半径方向に、上方向に、および下方向に、内側レール6a、7aによって支持される。この理由で、内側レール6a、7aはトラフ形状を有する。外側レール6b、7bは、動作条件下で外側レール6b、7bの上方表面上でスライドする、スラット11のスライド底部表面のみを通じて、スラット11を上方向に支持する。スライド底部表面は、スラット11のそれぞれの脚部の下側であり、その上にガイドローラが回転可能に装着される。ガイドローラ20とスラット11のスライド底部表面との間の高さの差により、外側レール6b、7bは、断面図で分かるように、内側螺旋状トラック7および外側螺旋状トラック6のそれぞれの内側レール6a、7aよりも低いところに位置する。
図5を参照されたい。各スラット11の2つのガイドローラ20のうちの作動している一方は、アキュムレーティングコンベヤ1内部のスラット11の実際の場所に左右されることに留意する。外側螺旋状トラック6の内側レール6aに沿って転がるガイドローラ20は、内側螺旋状トラック7の内側レール7aから距離を置いている。
【0038】
図4~
図6は、外側螺旋状トラック6とブリッジ入口31における下方ブリッジ8との間の移行領域をさらに詳細に示す。下方ブリッジ8は、ダイバータ21を備え、これは、内側レール6a、7aにおけるトラフ外形と同様であるトラフ外形を通じてガイドローラ20のうちの一方をガイドすることによって、スラット11を外向き方向にガイドする。スラット11を転換する第1段階中、これらは、一方ではダイバータ21のトラフ外形によって、また、他方ではスラット11が外向き方向にスライドする外側レール6bによって、上方に支持される。スラット11を転換する次の段階では、外側レール6bにおけるガイドローラ20は、下方ブリッジ8の外側ガイド22によって受容されるが、他方のガイドローラ20は、下方ブリッジ8の内側ガイド23によって受容される。その後、スラット11は、下方ブリッジ8の内側ガイド23および外側ガイド22によって規定される経路をたどる。内側ガイド23および外側ガイド22の両方は、トラフ形状である。下方ブリッジ8は、底部プレート24を有し、底部プレート24に内側ガイド23および外側ガイド22が装着され、底部プレート24は、外側レール6bに空間を提供するための切抜き25を有する。
【0039】
下方ブリッジ8のS字形の1つの湾曲部における内側ガイド23は、実際、反対側の湾曲部において外側ガイド22を形成すること、および、1つの湾曲部における外側ガイド22は、実際、反対側の湾曲部の内側ガイド23を形成することは、当業者に明らかであろう。
【0040】
図3~
図5は、下方ブリッジ8が、少なくとも、内側レール6aの上方表面上を転がるホイール26を通じて、外側螺旋状トラック6によって上方に支持され、ガイドされることを示す。下方ブリッジ8はまた、外側螺旋状トラック6の内側レール6aに沿って転がるブリッジローラ27を通じて、外側螺旋状トラック6の中心線に対して外向き半径方向に支持される。
図5および
図6は、ブリッジローラ27が、ダイバータ21において設けられ、コンベヤベルト10のスラット11のガイドローラ20と同じ表面上で、外側螺旋状トラック6の内側レール6aに沿って転がることを示す。
【0041】
ホイール26およびブリッジローラ27の適用は、下方ブリッジ8に限定されず、上方ブリッジ9においても適用され得る。ブリッジローラ27の適用は、本出願に記載するような他の態様に必ずしも関連しているわけでもない。言い換えれば、本発明は、以下の態様にも関連する:
【0042】
態様1:アキュムレーティングコンベヤであって、一致する中心線を含む第1の螺旋状トラックおよび第2の螺旋状トラックと、上から見た場合に一方向に第1の湾曲部を、反対方向に第2の湾曲部をそれぞれが有する、第1のS字形ブリッジおよび第2のS字形ブリッジと、第1の補助ガイドのセットおよび第2の補助ガイドのセットと、運搬方向に駆動可能であるエンドレスコンベヤベルトとを含み、コンベヤベルトは、前記第1および第2の螺旋状トラック、ブリッジ、ならびに補助ガイドのセットによってガイド可能であり、そのため、動作条件下では、コンベヤベルトは、第1の螺旋状トラックを、その下方端部から上方向にその上方端部より下の場所まで、第1のブリッジを、第2の螺旋状トラックにおける、その上方端部より下の場所まで、第2の螺旋状トラックを、下方向にその下方端部まで、第1の補助ガイドのセットを第2の螺旋状トラックの上方端部まで、第2の螺旋状トラックを下方向に、第2のブリッジを第1の螺旋状トラックまで、第1の螺旋状トラックを上方向にその上方端部まで、そして第2の補助ガイドのセットを第1の螺旋状トラックの下方端部まで、連続してたどり、ブリッジは、第1および第2の螺旋状トラックの共通の内側に少なくとも部分的に位置し、第1および第2の螺旋状トラックに沿って同時に移動可能であり、一方では第1のブリッジを介した第1および第2の螺旋状トラックの下方端部間の、また他方では第2のブリッジを介した第1および第2の螺旋状トラックの上方端部間の、コンベヤベルトの有効長さを変化させ、第1および第2のブリッジのうちの少なくとも一方は、少なくとも、垂直方向成分を含む回転軸を有し、かつ第1および第2のブリッジのうちの前記少なくとも一方に設けられたブリッジローラを通じて、第1および第2の螺旋状トラックのうちの少なくとも一方によって、第1および第2の螺旋状トラックの中心線に対して半径方向に支持され、ブリッジローラは、第1および第2の螺旋状トラックのうちの前記少なくとも一方の上に載る、アキュムレーティングコンベヤ。したがって、第1および第2の螺旋状トラックのうちの少なくとも一方は、コンベヤベルトおよびブリッジローラの両方をガイドする。
【0043】
態様2:ブリッジローラは、第1および第2のブリッジのうちの前記少なくとも一方のブリッジ入口およびブリッジ出口のうちの少なくとも一方に位置する、態様1に記載のアキュムレーティングコンベヤ。これは、対応する螺旋状トラックに対するブリッジの半径方向力が、コンベヤベルトにおける牽引力により比較的高いため、有利である。
【0044】
図3は、下方ブリッジ8および上方ブリッジ9が、内側螺旋状トラック7および外側螺旋状トラック6に沿ってチェーン28を通じて互いに連結されていることを示す。さらに、下方ブリッジ8の2つの離れた部分が、内側螺旋状トラック7に沿って移動可能であるチェーン29に固定される一方で、上方ブリッジ9の2つの離れた部分が、やはり内側螺旋状トラック7に位置し、かつこれに沿って移動可能であるチェーン30に固定される。
図3では、チェーン28、29、30は、単に、コンベヤベルト10と同じ材料の部品であり、内側螺旋状トラック7および外側螺旋状トラック6に沿ってスラット11のガイドローラ20によってガイドされるが、代替的なチェーンおよびガイドが考えられる。
【0045】
チェーン28~30の適用は、本出願に記載されるような他の態様に必ずしも関連しているわけではない。言い換えれば、本発明は、以下の態様にも関連する:
【0046】
態様1:アキュムレーティングコンベヤであって、一致する中心線を含む第1の螺旋状トラックおよび第2の螺旋状トラックと、上から見た場合に一方向に第1の湾曲部を、反対方向に第2の湾曲部をそれぞれが有する、第1のS字形ブリッジおよび第2のS字形ブリッジと、第1の補助ガイドのセットおよび第2の補助ガイドのセットと、運搬方向に駆動可能であるエンドレスコンベヤベルトとを含み、コンベヤベルトは、前記第1および第2の螺旋状トラック、ブリッジ、ならびに補助ガイドのセットによってガイド可能であり、そのため、動作条件下では、コンベヤベルトは、第1の螺旋状トラックを、その下方端部から上方向にその上方端部より下の場所まで、第1のブリッジを、第2の螺旋状トラックにおける、その上方端部より下の場所まで、第2の螺旋状トラックを、下方向にその下方端部まで、第1の補助ガイドのセットを第2の螺旋状トラックの上方端部まで、第2の螺旋状トラックを下方向に、第2のブリッジを第1の螺旋状トラックまで、第1の螺旋状トラックを上方向にその上方端部まで、そして第2の補助ガイドのセットを第1の螺旋状トラックの下方端部まで、連続してたどり、ブリッジは、第1および第2の螺旋状トラックの共通の内側に少なくとも部分的に位置し、第1および第2の螺旋状トラックに沿って同時に移動可能であり、一方では第1のブリッジを介した第1および第2の螺旋状トラックの下方端部間の、また他方では第2のブリッジを介した第1および第2の螺旋状トラックの上方端部間の、コンベヤベルトの有効長さを変化させ、第1および第2のブリッジは、少なくとも、第1のブリッジと第2のブリッジとの間で第1および第2の螺旋状トラックのうちの少なくとも一方に沿って延びる細長いカーブした連結要素を通じて、互いに連結され、かつ/または第1および第2のブリッジのうちの少なくとも一方の2つの離れた部分が、前記離れた部分間で第1および第2の螺旋状トラックのうちの一方に沿って延びる別の細長いカーブした連結要素に固定される、アキュムレーティングコンベヤ。
【0047】
態様2:細長いカーブした連結要素および別の細長いカーブした連結要素のうちの少なくとも一方は、その横断方向において可撓性であり、例えばチェーンであり、第1および第2の螺旋状トラックのうちの対応する一方によってガイドされる、態様1に記載のアキュムレーティングコンベヤ。
【0048】
態様3:第1および第2のブリッジは、内側および外側螺旋状トラックそれぞれに沿って延びる、2つの細長いカーブした連結要素を通じて、互いに連結される、態様1または2に記載のアキュムレーティングコンベヤ。
【0049】
図7は、上から見た場合にコンベヤベルト10が下方ブリッジ8を介して外側螺旋状トラック6から内側螺旋状トラック7までたどるブリッジ経路を示す。下方ブリッジ8は、上から見た場合に、一方向または時計回り方向に第1の湾曲部8aを、反対方向または反時計回り方向に第2の湾曲部8bを、含むS字形ブリッジ経路を有する。第2の湾曲部8bは、この実施形態では第1の湾曲部8aの下流に位置する。ブリッジ入口31からブリッジ出口32まで、ブリッジ経路は、リフト部分33と、クロスオーバ部分34と、下降部分35と、連結部分36とに連続して細分され得る。リフト部分33内部では、コンベヤベルト10は、本明細書中で前述したように、外側螺旋状トラック6から持ち上げられる。ブリッジ経路は、リフト部分33において運搬方向Xに長手方向勾配角度を有し、この角度は、運搬方向Xにおける外側螺旋状トラック6の長手方向勾配角度よりも大きい。他方では、リフト部分33内部の長手方向勾配角度は比較的小さく、例えば、外側螺旋状トラック6の角度は4.5°であり、リフト部分33内部の最大角度は3~8°である。
【0050】
クロスオーバ部分34内部では、ブリッジ経路は、内側螺旋状トラック7および外側螺旋状トラック6の隣接する部分の上を延びる。クロスオーバ部分34内部の長手方向勾配角度は、コンベヤベルト10と、クロスオーバ部分34より上の内側螺旋状トラック7および外側螺旋状トラック6の隣接する巻きとの間の高さを、可能な限り大きく保つために、依然としてやや小さい。長手方向勾配角度は、例えば1~3°であってよい。
【0051】
下降部分35および連結部分36内部では、ブリッジ経路は、内側螺旋状トラック7に到達するまで下方向に延びる。下降部分35および連結部分36内部の長手方向勾配角度は、比較的大きく、例えば3~8°である。クロスオーバ部分34と下降部分35との間の移行部は、実際には、内側螺旋状トラック7の内側レール7aに近い。
【0052】
ブリッジ経路の第1の湾曲部8aは、第2の湾曲部8bの最も急な部分よりも急である、最も急な部分を有する。ブリッジ経路の第2の湾曲部8bの最も急な部分は、カーブセクション35”であり、これは、下降部分35の一部であり、クロスオーバ部分34に隣接して第1の湾曲部8aに位置する下降部分35内部のカーブセクション35’の半径と同じである半径を有する。カーブセクション35’の前述した半径は、クロスオーバ部分34の半径よりも大きい。さらに具体的には、クロスオーバ部分34は、リフト部分33、連結部分36、および下降部分35のカーブセクション35’、35”のそれぞれと比べて、あまり険しくない長手方向勾配と、上から見た場合の、より小さな半径との組合せを有する。クロスオーバ部分34は、本発明の第1のブリッジ8の第1のカーブセクションとして示され得るが、リフト部分33、連結部分36、および下降部分35のカーブセクション35’、35”のそれぞれは、本発明による第1のブリッジ8の第2のカーブセクションとして示され得る。
【0053】
第1の湾曲部8aと第2の湾曲部8bとの間に、下降部分35は、まっすぐなセクションを有し、これは、ゼロよりも大きい、例えば運搬方向Xに測定した場合の1つのスラットの幅よりも大きい、長さを有する。まっすぐな部分は、第1の湾曲部8aと第2の湾曲部8bとの間で製品を安定して輸送する点に関して、有利と思われる。
【0054】
クロスオーバ部分の比較的小さな勾配および小さな半径の適用は、本出願に記載するような他の態様に必ずしも関連しているわけではない。言い換えれば、本発明は、以下の態様にも関連する:
【0055】
態様1:アキュムレーティングコンベヤであって、一致する中心線を含む第1の螺旋状トラックおよび第2の螺旋状トラックと、上から見た場合に一方向に第1の湾曲部を、反対方向に第2の湾曲部をそれぞれが有する、第1のS字形ブリッジおよび第2のS字形ブリッジと、第1の補助ガイドのセットおよび第2の補助ガイドのセットと、運搬方向に駆動可能であるエンドレスコンベヤベルトとを含み、コンベヤベルトは、前記第1および第2の螺旋状トラック、ブリッジ、ならびに補助ガイドのセットによってガイド可能であり、そのため、動作条件下では、コンベヤベルトは、第1の螺旋状トラックを、その下方端部から上方向にその上方端部より下の場所まで、第1のブリッジを、第2の螺旋状トラックにおける、その上方端部より下の場所まで、第2の螺旋状トラックを、下方向にその下方端部まで、第1の補助ガイドのセットを第2の螺旋状トラックの上方端部まで、第2の螺旋状トラックを下方向に、第2のブリッジを第1の螺旋状トラックまで、第1の螺旋状トラックを上方向にその上方端部まで、そして第2の補助ガイドのセットを第1の螺旋状トラックの下方端部まで、連続してたどり、ブリッジは、第1および第2の螺旋状トラックの共通の内側に少なくとも部分的に位置し、第1および第2の螺旋状トラックに沿って同時に移動可能であり、一方では第1のブリッジを介した第1および第2の螺旋状トラックの下方端部間の、また他方では第2のブリッジを介した第1および第2の螺旋状トラックの上方端部間の、コンベヤベルトの有効長さを変化させ、前記ブリッジはそれぞれ、それぞれのブリッジに沿って運搬方向に変化する長手方向勾配を有し、第1および第2のブリッジのうちの少なくとも一方は、第1のカーブセクションを有し、これは、その第2のカーブセクションと比べて、あまり険しくない長手方向勾配と、上から見た場合の、より小さな半径とを有する、アキュムレーティングコンベヤ。
【0056】
態様2:第1および第2の螺旋状トラックは、互いを囲み、そのため、第1および第2の螺旋状トラックは、それらの中心線に対して半径方向に互いに隣接して延びるか、または、第1および第2の螺旋状トラックは、互いに平行に延び、互いの上に位置し、そのため、これらは、共通の想像上の円筒上に位置し、一緒に共通の螺旋状経路をたどる、態様1に記載のアキュムレーティングコンベヤ。
【0057】
態様3:第1および第2の螺旋状トラックは、互いを囲み、そのため、第1および第2の螺旋状トラックは、それらの中心線に対して半径方向に互いに隣接して延び、第1のカーブセクションは、第1および第2の螺旋状トラックの隣接する部分の上に少なくとも部分的に延びる、態様1に記載のアキュムレーティングコンベヤ。
【0058】
態様4:第1および第2のブリッジのうちの少なくとも一方の第1の湾曲部は、第1のカーブセクションおよび第2のカーブセクションを含むが、第2の湾曲部は、第2のカーブセクションの半径と同じである半径を有する、態様1から3のいずれかに記載のアキュムレーティングコンベヤ。
【0059】
態様5:第2の湾曲部は、第1の湾曲部の下流に位置する、態様4に記載のアキュムレーティングコンベヤ。
【0060】
内側螺旋状トラック7および外側螺旋状トラック6は、例えば1°の傾斜角度だけ、それらの内側に傾斜する。下方ブリッジ8の内側ガイド23および外側ガイド22も、それらの内側に傾斜する。下方ブリッジ8のリフト部分33内部で、傾斜角度は、例えばブリッジ入口31における1°から、クロスオーバ部分34における最大5°まで増大する。この傾斜角度は、クロスオーバ部分34において維持され、下方ブリッジ8の中ほどのまっすぐなセクションにおいてゼロになるまで減少し、再びそこから第2の湾曲部8b内部の最も高いレベルまで、より高いレベルに増大する。傾斜角度は、連結セクション36内部で、例えばブリッジ出口32における1°まで減少する。上方ブリッジ9の内側および外側ガイドは、上方ブリッジ9の湾曲部が同様にそれらの内側に傾斜するように配置され得ることが、明らかであろう。
【0061】
上方ブリッジ9および下方ブリッジ8のトラフ形状の内側ガイド23および外側ガイド22は、トラフ形状の内側レール6a、7aの外形とは異なる外形を有する。上方ブリッジ9および下方ブリッジ8の内側ガイド23および外側ガイド22のトラフ形状の分岐する壁の間の角度は、例えば14~20°であってよい。
【0062】
図8および
図9は、2つのスラット11を含むコンベヤベルト10をさらに詳細に示し;その他のスラット11は、説明上の理由から不図示である。各スラット11は、チェーン12のそれぞれのリンクに装着される。
図10は、スラット11を示し、これは、そのガイドローラ20のうちの一方が外側螺旋状トラック6の内側レール6aによって上方、下方、および半径方向に支持され、スラット11もまた外側螺旋状トラック6の外側レール6bによって上方に支持されている状態にある。チェーン12は、明確性の理由から
図10では不図示である。スラット11は、外側レール6bにおいて上方にのみ支持されているので、コンベヤベルト10に過度の牽引力がある場合はその場所においてスラット11が持ち上げられるリスクがあり得る。これは、内側レール6aの周りでコンベヤベルト10が傾くことにもつながり得る。このリスクは、
図10に例示される、コンベヤベルト10および内側レール6aの形状および寸法によって最小限に抑えられる。チェーン12における牽引力は、外側螺旋状トラック6の中心線に向かって半径方向に、結果的な力Fを作り出す。傾きを避けるために、各スラット11のガイドローラ20のうちの一方と、ガイドローラ20が半径方向に支持される内側レール6aとの間の上方接触場所37は、
図10に例示される外側螺旋状トラック6の断面で分かるようにチェーン12の結果的な半径方向力Fが作用する際に沿う線より上に位置しなければならない。上方接触場所37は、ガイドローラ20と内側レール6aとの間の線接触の上方端部とすることができる。
【0063】
ガイドローラ20および内側レール6aの形状を注意深く互いに適合させることが重要である。例えば、円筒形のガイドローラ20と、凸状の半径方向支持表面を含む内側レール6aとの組合せは避けるべきであり、それは、凸状であることにより、結果的な力Fが螺旋状トラック6の断面で分かるように作用する際に沿う線の近く、またはその線と同じ高さレベルに位置する、有効な上方接触場所37がもたらされ得るためである。
【0064】
図11は、内側レール6aがわずかに傾けられ、そのため、円筒形のガイドローラ20と、ガイドローラ20が半径方向に支持される内側レール6aとの間の上方接触場所37が、可能な最も高い場所に位置する一実施形態を示す。これは、ガイドローラ20および内側レール6aの対向する表面間の角度αによって示される。この場合、ガイドローラ20と内側レール6aとの間に、線接触ではなく点接触が存在する。
【0065】
前述したような内側レール6aに関連する状況は、内側螺旋状トラック7の内側レール7aにも当てはまる。
【0066】
上方接触場所の場所と、結果的なチェーンの力が各スラットに作用する際に沿う半径方向の線との関係は、図面に示し、本明細書に記載するような、アキュムレーティングコンベヤの他の特徴には必ずしも関連しているわけではない。言い換えれば、本発明は、以下の態様にも関連する:
【0067】
態様1:螺旋状トラックと、螺旋状トラックに沿って駆動可能であるコンベヤベルトとを含むコンベヤであって、螺旋状トラックは、内側レールと、内側レールを囲む外側レールとを備え、コンベヤベルトは、サイドボーチェーンなどの可撓性コンベヤラインに装着されたスラットを備え、スラットはそれぞれ、垂直方向成分を含む回転軸を有するガイドローラを備え、このガイドローラは、内側レールによって上方、下方、および半径方向に支持され、スラットはそれぞれ、外側レールによって上方に支持され、外側レールに対して上方向に移動可能であり、ガイドローラと、ガイドローラが半径方向に支持される内側レールとの間の上方接触場所は、内側レールの中心線に向かうコンベヤラインの結果的な半径方向力が作用する際に沿う線より上に位置する、コンベヤ。ガイドローラは、内側レールの中心線に対して半径方向に、内側レールによって半径方向に支持される。
【0068】
態様2:内側レールの中心線に向かうコンベヤラインの結果的な半径方向力が作用する際に沿う線は、コンベヤラインの中心線と交差し、そのため、ガイドローラと、ガイドローラが半径方向に支持される内側レールとの間の上方接触場所は、内側レールの中心線が位置する螺旋状トラックの断面平面において見た場合にコンベヤラインの中心線より上に位置する、態様1に記載のコンベヤ。
【0069】
態様3:ガイドローラは円筒形であり、内側レールは、下方側壁と上方側壁との間の底部を含むトラフ形状を有し、この底部は、内側レールの中心線から半径方向にガイドローラを支持する、態様1または2に記載のコンベヤ。
【0070】
態様4:各スラットのガイドローラおよび内側レールは、上方接触場所が上方側壁に隣接した底部における点接触となるように配置される、態様3に記載のコンベヤ。
【0071】
図12および
図13は、下方ブリッジ8内部のコンベヤベルト10を示す。各スラット11のガイドローラ20は両方とも、下方ブリッジ8のそれぞれのトラフ形状の内側ガイド23および外側ガイド22に収容されることが分かる。これは、上方ブリッジ9においても当てはまる。内側ガイド23および外側ガイド22の高さレベルは、傾斜角度を作り出すために異なる。
図12は、ガイドローラ20の両方が内側ガイド23および外側ガイド22のそれぞれの下方側壁38上に位置する、通常の状況にあるスラット11のうちの1つを例示する。外側ガイド22におけるガイドローラ20が、例えばコンベヤベルト10における過度の牽引力により、その下方側壁38から持ち上げられると、外側ガイド22の上方側壁39によって止められる。
【0072】
内側ガイド23および外側ガイド22のそれぞれの下方側壁38と上方側壁39との間の角度は、比較的小さく、例えば10~20°であり、内側ガイド23および外側ガイド22内部でのスラット11の傾き範囲を制限する。これは
図13に例示されている。さらに、コンベヤベルト10は、牽引力のない状態にある場合、湾曲部内部で外向き方向に移動することができ、そのため、ガイドローラ20は、内側ガイド23および外側ガイド22の下方側壁38上でコンベヤベルト10の横断方向に移動する。
図12の場合には、これは、左側への転置となり、これは、より大きな傾斜角度をもたらす。それぞれの下方側壁38と上方側壁39との間の比較的小さな角度により、傾斜角度の最大変動が制限される。
【0073】
それぞれの下方側壁38と上方側壁39との間の比較的小さな角度は、図面に示し、本明細書に記載されるようなアキュムレーティングコンベヤの他の特徴に必ずしも関連しているわけではない。言い換えれば、本発明は、以下の態様にも関連する:
【0074】
アキュムレーティングコンベヤであって、一致する中心線を含む第1の螺旋状トラックおよび第2の螺旋状トラックと、上から見た場合に一方向に第1の湾曲部を、反対方向に第2の湾曲部をそれぞれが有する、第1のS字形ブリッジおよび第2のS字形ブリッジと、第1の補助ガイドのセットおよび第2の補助ガイドのセットと、運搬方向に駆動可能であるエンドレスコンベヤベルトとを含み、コンベヤベルトは、前記第1および第2の螺旋状トラック、ブリッジ、ならびに補助ガイドのセットによってガイド可能であり、そのため、動作条件下では、コンベヤベルトは、第1の螺旋状トラックを、その下方端部から上方向にその上方端部より下の場所まで、第1のブリッジを、第2の螺旋状トラックにおける、その上方端部より下の場所まで、第2の螺旋状トラックを、下方向にその下方端部まで、第1の補助ガイドのセットを第2の螺旋状トラックの上方端部まで、第2の螺旋状トラックを下方向に、第2のブリッジを第1の螺旋状トラックまで、第1の螺旋状トラックを上方向にその上方端部まで、そして第2の補助ガイドのセットを第1の螺旋状トラックの下方端部まで、連続してたどり、ブリッジは、第1および第2の螺旋状トラックの共通の内側に少なくとも部分的に位置し、第1および第2の螺旋状トラックに沿って同時に移動可能であり、一方では第1のブリッジを介した第1および第2の螺旋状トラックの下方端部間の、また他方では、第2のブリッジを介した第1および第2の螺旋状トラックの上方端部間の、コンベヤベルトの有効長さを変化させ、コンベヤベルトは、サイドボーチェーンなどの可撓性コンベヤラインに装着されたスラットを含み、スラットはそれぞれ、コンベヤベルトの横断方向に互いから距離を置いた2つのガイドローラを備え、ガイドローラはそれぞれ、垂直方向成分を含む回転軸を有し、第1および第2のブリッジはそれぞれ、それぞれのガイドローラをガイドするための内側および外側ガイドを備え、内側および外側ガイドはそれぞれ、下方側壁、上方側壁、および下方側壁と上方側壁との間の底部を含む、トラフ形状を有し、下方および上方側壁は、底部から見ると分岐し、下方および上方側壁の少なくとも一方は、110°よりも小さく、好ましくは100°よりも小さい、底部に対する分岐角度を有する、アキュムレーティングコンベヤ。
【0075】
内側レール6a、7aは、コンベヤベルト10のガイドローラ20を上方、下方、および半径方向に支持するためにトラフ形状を有してもよいが、トラフ形状の分岐する壁の間の角度は、ブリッジ8、9の内側ガイド23および外側ガイド22の場合よりも大きくてよく、例えば40°であってよいことに留意する。内側レール6a、7aの分岐角度は、内側レール6a、7aの半径が比較的大きいため、傾斜の変動の点からブリッジ8、9の場合ほど重大ではなく、そのため、コンベヤベルト10の許容可能な最大速度に対する、傾斜変動の影響は、ブリッジ8、9と比べて限られている。
【0076】
図14および
図15は、アキュムレーティングコンベヤ1の上側をさらに詳細に示す。内側螺旋状トラック7および外側螺旋状トラック6の上方端部15、19において、アキュムレーティングコンベヤ1は、コンベヤベルト10が内側螺旋状トラック7および外側螺旋状トラック6の外向き方向に転置するのを避けるため、外側レール6b、7bと、アキュムレーティングコンベヤ1の上側のスプロケット16、17との間のそれぞれの移行部においてスラット11をガイドするために、2つの外側レールガイド40を備える。コンベヤベルト10は、外側レールガイド40のうちの1つに近づく前に、スラット11のうちの1つの一部が対応するレールガイド40に衝突するのを避けるために、対応する外側レール6b、7bに載らなければならない。これは、コンベヤベルト10より上の2つの一連の収束ローラ44の存在により保証される。
図14を参照されたい。実際には、コンベヤベルト10の運搬方向に応じて、前述したリスクに対処するためには、1つの一連の収束ローラ44のみが必要であるが、コンベヤベルト10が反対方向にも駆動される場合には、両方の一連の収束ローラが適用され得る。
【0077】
図16および
図17は、保護キャリッジ41を示し、これは、例えばコンベヤベルト10における過度の牽引力により、コンベヤベルト10がアキュムレーティングコンベヤ1の上側で予想外に脱線した場合にコンベヤベルト10が完全に脱線するのを防ぐのに適切である。特に、小さな蓄積領域の場合、上方ブリッジ9と外側螺旋状トラック6の上方端部15との間で、外側螺旋状トラック6に沿ったコンベヤベルト10の距離は、比較的長く、その結果、コンベヤベルト10内の、スプロケット17に隣接した外側螺旋状トラック6の上方部分の牽引力が比較的高くなり、よって、外側螺旋状トラック6の内側レール6aの周りでのコンベヤベルト10の傾きにより、脱線のリスクが生じる。
【0078】
保護キャリッジ41は、キャリッジローラ43を通じて内側螺旋状トラック7および外側螺旋状トラック6に沿って自由に動く、U字形フレーム42を有する。下方ブリッジ8および上方ブリッジ9が比較的低い位置にある、通常の動作条件下では、保護キャリッジ41は、例えば内側螺旋状トラック7および外側螺旋状トラック6の上方端部15、19から、半巻き分の距離のところに位置し、ここで、保護キャリッジ41がさらに下方に動くのを防ぐために停止要素(不図示)に当接する。このような場所は
図1に例示されている。しかしながら、この距離は異なっていてよい。大きな蓄積領域が必要とされる場合、上方ブリッジ9は、第1の螺旋状トラック6および第2の螺旋状トラック7の上方端部15、19において止まるまで、内側螺旋状トラック7および外側螺旋状トラック6に沿って上方に、停止要素を越えて保護キャリッジ41を押す。
【0079】
保護キャリッジ41の機能は以下のとおりである:上方ブリッジ9および下方ブリッジ8が比較的低い高さの位置にあり、コンベヤベルト10が上方ブリッジ9より上の場所で、例えば外側螺旋状トラック6の上方端部15で、予想外に脱線した場合、これは、センサー(不図示)によって検出され、モータ13、14は、即座にスイッチをオフにされる。脱線が連鎖反応のように内側螺旋状トラック7および外側螺旋状トラック6に沿って下方に進むのを避けるため、保護キャリッジ41は、保護キャリッジ41のフレーム42の内側にあるホイール45によって脱線の長さを制限する。ホイール45は、協働するスラット11が内側レール6a、7aの周りで傾くのを防ぐ。保護キャリッジ41が、例えば、内側螺旋状トラック7および外側螺旋状トラック6の上方端部15、19から、半巻き分のところに位置する場合、脱線はその距離に制限される。
【0080】
保護キャリッジは、図面に示し、本明細書に記載するような、アキュムレーティングコンベヤの他の特徴には必ずしも関連しているわけではない。言い換えれば、本発明は、以下の態様にも関連する:
【0081】
態様1:アキュムレーティングコンベヤであって、一致する中心線を含む第1の螺旋状トラックおよび第2の螺旋状トラックと、上から見た場合に一方向に第1の湾曲部を、反対方向に第2の湾曲部をそれぞれが有する、第1のS字形ブリッジおよび第2のS字形ブリッジと、第1の補助ガイドのセットおよび第2の補助ガイドのセットと、運搬方向に駆動可能であるエンドレスコンベヤベルトとを含み、コンベヤベルトは、前記第1および第2の螺旋状トラック、ブリッジ、ならびに補助ガイドのセットによってガイド可能であり、そのため、動作条件下では、コンベヤベルトは、第1の螺旋状トラックを、その下方端部から上方向にその上方端部より下の場所まで、第1のブリッジを、第2の螺旋状トラックにおける、その上方端部より下の場所まで、第2の螺旋状トラックを、下方向にその下方端部まで、第1の補助ガイドのセットを第2の螺旋状トラックの上方端部まで、第2の螺旋状トラックを下方向に、第2のブリッジを第1の螺旋状トラックまで、第1の螺旋状トラックを上方向にその上方端部まで、そして第2の補助ガイドのセットを第1の螺旋状トラックの下方端部まで、連続してたどり、ブリッジは、第1および第2の螺旋状トラックの共通の内側に少なくとも部分的に位置し、第1および第2の螺旋状トラックに沿って同時に移動可能であり、一方では第1のブリッジを介した第1および第2の螺旋状トラックの下方端部間の、また他方では第2のブリッジを介した第1および第2の螺旋状トラックの上方端部間の、コンベヤベルトの有効長さを変化させ、第1および第2の螺旋状トラックはそれぞれ、内側レールと、内側レールを囲む外側レールとを備え、コンベヤベルトは、内側レールによって上方、下方、および半径方向に支持され、外側レールによって上方に支持され、外側レールに対して上方向に移動可能であり、アキュムレーティングコンベヤは、第1の螺旋状トラックおよび第2の螺旋状トラックのうちの少なくとも一方に沿って、その上方端部と、その上方端部から距離を置いた停止要素との間で、自由に移動可能である、保護キャリッジを備え、保護キャリッジは、コンベヤベルトを外側レールから持ち上げるのを最小限に抑えるために、保護キャリッジにおいてコンベヤベルトより上に位置する保持部材を含み、第2のブリッジおよび保護キャリッジは、協働する係合要素を備え、これらは、第2のブリッジが第1および第2の螺旋状トラックのうちの前記少なくとも一方に沿って保護キャリッジを上方に押すことができるように適合される、アキュムレーティングコンベヤ。協働する係合要素は、保護キャリッジおよび上方ブリッジにおける単純な接触表面とすることができる。保護キャリッジのこの機能は、損傷制御システムとして考えることができる。コンベヤベルトの過重荷が起こった場合、例えば上の半巻き分が、制御された様式で脱線し、瞬間的なベルト張力解放をもたらし得る。保持部材は、運搬方向が常に同じである場合のみ、第1の螺旋状トラックの外側レールにおいてコンベヤベルトより上に位置し得る。
【0082】
態様2:コンベヤベルトを駆動するための駆動モータが、第2の補助ガイドのセットに位置し、保護キャリッジが、第1の螺旋状トラックに位置する、態様1に記載のコンベヤ。この場合、駆動モータは、第1の螺旋状トラックにおいてコンベヤベルトに比較的高い牽引力を生成し、これは、脱線の最も高いリスクを生じる。
【0083】
態様3:保護キャリッジは、第1および第2の螺旋状トラックに位置し、保持部材は、第1および第2の螺旋状トラックの両方においてコンベヤベルトより上に位置する、態様1または2に記載のコンベヤ。
【0084】
図18は、2つのアキュムレーティングコンベヤ1が連続して配置された一実施形態を示す。
図1に示すような実施形態と比較して、
図18の実施形態の左部分は、第1の螺旋状トラック6および第2の螺旋状トラック7、第1のブリッジ8および第2のブリッジ9、ならびに第2の補助ガイド17のセットを含むものとして考えることができ、一方、右部分は、第1の補助ガイド16のセットを含むものとして考えることができる。この場合、第1の補助ガイド16のセットは、追加の第1の螺旋状トラック6’および第2の螺旋状トラック7’、ならびに追加の第1のブリッジ8’および第2のブリッジ9’を含み、これらは、
図18に示すような実施形態の左部分と同様に機能する。蓄積領域は、製品入口4から、左部分の第1のブリッジ8、右部分の追加の第1のブリッジ8’を介して、製品出口5まで延びる。この配置により、左部分の第1のブリッジ8と右部分の追加の第1のブリッジ8’との間のコンベヤベルト10の速度は、製品入口4におけるコンベヤベルト10の速度がゼロである場合に製品出口5におけるコンベヤベルト10の速度の半分である。製品出口5における速度がゼロであるが、製品入口における速度がゼロではない場合に、同じ効果が発生する。速度低下により、より少ない駆動力が必要とされる。
図19は、代替的な一実施形態を示し、これは、
図18に示すような実施形態と比べて、コンベヤベルト10の全長がより長くなるため、あまり好ましくない。
【0085】
さらに一般的な観点では、本発明は、以下の態様にも関連する:
【0086】
アキュムレーティングコンベヤであって、一致する中心線を含む第1の螺旋状トラックおよび第2の螺旋状トラックと、上から見た場合に一方向に第1の湾曲部を、反対方向に第2の湾曲部をそれぞれが有する、第1のS字形ブリッジおよび第2のS字形ブリッジと、第1の補助ガイドのセットおよび第2の補助ガイドのセットと、運搬方向に駆動可能であるエンドレスコンベヤベルトとを含み、コンベヤベルトは、前記第1および第2の螺旋状トラック、ブリッジ、ならびに補助ガイドのセットによってガイド可能であり、そのため、動作条件下では、コンベヤベルトは、第1の螺旋状トラックを、その下方端部から上方向にその上方端部より下の場所まで、第1のブリッジを、第2の螺旋状トラックにおける、その上方端部より下の場所まで、第2の螺旋状トラックを、下方向にその下方端部まで、第1の補助ガイドのセットを第2の螺旋状トラックの上方端部まで、第2の螺旋状トラックを下方向に、第2のブリッジを第1の螺旋状トラックまで、第1の螺旋状トラックを上方向にその上方端部まで、そして第2の補助ガイドのセットを第1の螺旋状トラックの下方端部まで、連続してたどり、ブリッジは、第1および第2の螺旋状トラックの共通の内側に少なくとも部分的に位置し、第1および第2の螺旋状トラックに沿って同時に移動可能であり、一方では第1のブリッジを介した第1および第2の螺旋状トラックの下方端部間の、また他方では、第2のブリッジを介した第1および第2の螺旋状トラックの上方端部間の、コンベヤベルトの有効長さを変化させ、第1の補助ガイドのセットは、一致する中心線を含む追加の第1の螺旋状トラックおよび追加の第2の螺旋状トラックと、上から見た場合に一方向に第1の湾曲部を、反対方向に第2の湾曲部をそれぞれが有する、追加の第1のS字形ブリッジおよび追加の第2のS字形ブリッジであって、追加のブリッジは、追加の第1および第2の螺旋状トラックの共通の内側に少なくとも部分的に位置し、追加の第1および第2の螺旋状トラックに沿って同時に移動可能である、追加の第1のS字形ブリッジおよび追加の第2のS字形ブリッジと、追加の第1の補助ガイドのセットとを含み、第1の補助ガイドのセットにおいて、コンベヤベルトは、第2の螺旋状トラックの下方端部から、追加の第1の螺旋状トラックを、その下方端部から上方向にその上方端部より下の場所まで、追加の第1のブリッジを、追加の第2の螺旋状トラックにおける、その上方端部より下の場所まで、追加の第2の螺旋状トラックを、下方向にその下方端部まで、追加の第1の補助ガイドのセットを追加の第2の螺旋状トラックの上方端部まで、追加の第2の螺旋状トラックを下方向に、追加の第2のブリッジを追加の第1の螺旋状トラックまで、追加の第1の螺旋状トラックを上方向にその上方端部まで、そしてそこから、第2の螺旋状トラックの上方端部まで、連続してたどる、アキュムレーティングコンベヤ。この実施形態は、本明細書に開示されるような他の実施形態に関する特徴と組み合わせられ得る。例えば、傾斜、異なる半径、および勾配角度は、ブリッジおよび追加のブリッジにおいて適用され得る。実際には、第1および第2の螺旋状トラックは、追加の第1および第2の螺旋状トラックから距離を置いて位置し得る。
【0087】
図20および
図21は、本発明の別の態様を示す。この場合、内側レール6a、7aおよび外側レール6b、7bは、螺旋状プレート46によって支持される。これは、比較的薄い螺旋状プレートの場合であっても、剛性支持体を作り出すと思われる。したがって、第1の螺旋状トラック6および第2の螺旋状トラック7は、内側螺旋状トラック7および外側螺旋状トラック6の中心線に対して半径方向に延び、内側螺旋状トラック7および外側螺旋状トラック6の中心線の周りで互いに対して角距離をなして配置される、従来の比較的厚いロッドの代わりに、比較的薄い螺旋状プレート46によって支持され得る。螺旋状プレート46、ならびに内側レール6a、7aおよび外側レール6b、7bのそれぞれの高さの合計は、最小限に抑えられ得る。螺旋状プレート46は、リング形状のプレートの変形によって作られ得、これは、リング形状のプレートの半径方向にギャップを含み、ここにおいて、ギャップの両側におけるリング形状のプレートの端部分は、リング形状のプレートの平面に垂直な方向に互いに対して転置され、フレーム2に取り付けられる。前述した転置により、リング形状のプレートは、螺旋形状へと自動的に変形する。
図20および
図21は、螺旋状プレート46が平坦なロッド47によってフレーム2に固定されることを示す。いくつかのそのような螺旋状プレート46は、互いの後ろに装着されて、複数の巻きを形成することができる。
【0088】
螺旋状プレートの適用は、本出願に記載するような他の態様に必ずしも関連しているわけではない。言い換えれば、本発明は、以下の態様にも関連する:
【0089】
態様1:螺旋状コンベヤであって、螺旋状レールによって支持およびガイドされる駆動可能なコンベヤベルトを含み、このレールは、螺旋状プレートによって支持され、螺旋状プレートは、フレームに固定される、螺旋状コンベヤ。
【0090】
態様2:螺旋状プレートは、リング形状のプレートの変形によって作られ、リング形状のプレートは、リング形状のプレートの半径方向にギャップを含み、ギャップの両側におけるリング形状のプレートの端部分は、リング形状のプレートの平面に垂直な方向に互いに対して転置され、フレームに取り付けられる、態様1に記載の螺旋状コンベヤ。
【0091】
実際には、螺旋状コンベヤは、互いに、またフレームに固定され得る、複数のそのような螺旋状プレートを備え得る。
【0092】
図22は、アキュムレーティングコンベヤ1の代替的な一実施形態の例示的な図面を示す。この実施形態は、下方ブリッジ8および上方ブリッジ9においてコンベヤベルト10のそれぞれの部分間に連結部48を備える。連結部48は、それぞれの下方ブリッジ8および上方ブリッジ9におけるコンベヤベルト10のそれぞれの部分間で駆動力を伝達する。この場合、連結部48は、下方ブリッジ8および上方ブリッジ9においてコンベヤベルト10のチェーン12に係合するスプロケットによって形成されるが、代替的な構成が考えられる。
【0093】
連結部48の機能は、以下の実施例によって説明され得る。下方ブリッジ8および上方ブリッジ9がアキュムレーティングコンベヤ1内で比較的高いレベルにあり、製品入口4における電気モータ14がコンベヤベルト10を引っ張ると、製品入口4のすぐ下流でのコンベヤベルト10における牽引力のレベルは低いが、製品出口5における電気モータ13の引張力、およびコンベヤベルト10が下方ブリッジ8まで移動する際に沿う、比較的多数の巻きにより、下方ブリッジ8に向かう移動中に著しく増大する。コンベヤベルト10が螺旋状経路をたどるので、必要とされる牽引力は、巻きの数と共に飛躍的に増大する。他方では、製品入口4における電気モータ14は、この状態では、上方ブリッジ9と製品入口4における電気モータ14との間の巻きの数が比較的少ないので、上方ブリッジ9においてコンベヤベルト10に比較的高い引張力を及ぼし得る。連結部48の存在により、上方ブリッジ9におけるコンベヤベルト10の部分は、この状況では、下方ブリッジ8におけるコンベヤベルト10の部分を駆動し得る。別の状況では、ブリッジ8、9がアキュムレーティングコンベヤ1内で比較的低い位置に位置する場合、下方ブリッジ8におけるコンベヤベルト10の部分は、連結部48を通じて、上方ブリッジ9におけるコンベヤベルト10の部分を駆動し得る。結果として、連結部48の存在は、コンベヤベルト10における牽引力のピークを滑らかにし得る。
【0094】
連結部の適用は、本出願に記載するような他の態様に必ずしも関連しているわけではない。言い換えれば、本発明は、以下の態様にも関連する:
【0095】
態様1:アキュムレーティングコンベヤであって、一致する中心線を含む第1の螺旋状トラックおよび第2の螺旋状トラックと、上から見た場合に一方向に第1の湾曲部を、反対方向に第2の湾曲部をそれぞれが有する、第1のS字形ブリッジおよび第2のS字形ブリッジと、第1の補助ガイドのセットおよび第2の補助ガイドのセットと、運搬方向に駆動可能であるエンドレスコンベヤベルトとを含み、コンベヤベルトは、前記第1および第2の螺旋状トラック、ブリッジ、ならびに補助ガイドのセットによってガイド可能であり、そのため、動作条件下では、コンベヤベルトは、第1の螺旋状トラックを、その下方端部から上方向にその上方端部より下の場所まで、第1のブリッジを、第2の螺旋状トラックにおける、その上方端部より下の場所まで、第2の螺旋状トラックを、下方向にその下方端部まで、第1の補助ガイドのセットを第2の螺旋状トラックの上方端部まで、第2の螺旋状トラックを下方向に、第2のブリッジを第1の螺旋状トラックまで、第1の螺旋状トラックを上方向にその上方端部まで、そして第2の補助ガイドのセットを第1の螺旋状トラックの下方端部まで、連続してたどり、ブリッジは、第1および第2の螺旋状トラックの共通の内側に少なくとも部分的に位置し、第1および第2の螺旋状トラックに沿って同時に移動可能であり、一方では第1のブリッジを介した第1および第2の螺旋状トラックの下方端部間の、また他方では第2のブリッジを介した第1および第2の螺旋状トラックの上方端部間の、コンベヤベルトの有効長さを変化させ、コンベヤは、第1のブリッジおよび第2のブリッジにおけるコンベヤベルトのそれぞれの部分間に連結部を備えて、それぞれの第1および第2のブリッジにおけるコンベヤベルトのそれぞれの部分間に駆動力を伝達する、アキュムレーティングコンベヤ。
【0096】
態様2:第1および第2のブリッジのそれぞれの第1の湾曲部と第2の湾曲部との間には、まっすぐな部分が存在し、連結部は、それぞれのまっすぐな部分におけるコンベヤベルトの部分に係合する、態様1に記載のアキュムレーティングコンベヤ。
【0097】
本発明は、図面に示し本明細書中で前述した実施形態に制限されず、それらは、特許請求の範囲およびそれらの技術的等価物の範囲内でさまざまに変化され得る。例えば、コンベヤベルトの運搬方向は、反対方向であってもよいが、製品入口および製品出口は逆にされる。製品入口および製品出口が図面に示すのとは異なる場所に位置することも可能である。
【0098】
さらに、蓄積領域および空き領域は逆にされてもよく、そのため、製品入口および製品出口は、それぞれの内側および外側螺旋状トラックの上方端部に位置し得る。この場合、上方ブリッジは、蓄積領域の一部を形成するが、下方ブリッジは、空き領域の一部を形成する。アキュムレーティングコンベヤの機能は、基本的には、前述し、図面に示したような実施形態においてと同じである。
【符号の説明】
【0099】
1 アキュムレーティングコンベヤ
2 フレーム
3 脚部
4 製品入口
5 製品出口
6 外側螺旋状トラック
6a 内側レール
6b 外側レール
6’ 追加の第1の螺旋状トラック
7 内側螺旋状トラック
7a 内側レール
7b 外側レール
7’ 第2の螺旋状トラック
8 下方S字形ブリッジ
8a 第1の湾曲部
8b 第2の湾曲部
8’ 追加の第1のブリッジ
9 上方S字形ブリッジ
9’ 追加の第2のブリッジ
10 エンドレスコンベヤベルト
11 スラット
12 チェーン
13 電気モータ
14 電気モータ
15 上方端部
16 スプロケット
16 補助ガイド
17 スプロケット
17 補助ガイド
18 下方端部
19 上方端部
20 下方端部
20 ガイドローラ
21 ダイバータ
22 外側ガイド
23 内側ガイド
24 底部プレート
25 切抜き
26 ホイール
27 ブリッジローラ
28 チェーン
29 チェーン
30 チェーン
31 ブリッジ入口
32 ブリッジ出口
33 リフト部分
34 クロスオーバ部分
35 下降部分
35’ カーブセクション
35” カーブセクション
36 連結部分
37 上方接触場所
38 下方側壁
39 上方側壁
40 外側レールガイド
41 保護キャリッジ
42 U字形フレーム
43 キャリッジローラ
44 収束ローラ
45 ホイール
46 螺旋状プレート
47 平坦なロッド
48 連結部
F 力
X 運搬方向
α 角度
【国際調査報告】