(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-24
(54)【発明の名称】閉鎖カバーを有するミキサ
(51)【国際特許分類】
B01F 35/75 20220101AFI20220517BHJP
B01F 29/80 20220101ALI20220517BHJP
【FI】
B01F15/02 C
B01F9/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021558733
(86)(22)【出願日】2020-03-27
(85)【翻訳文提出日】2021-09-30
(86)【国際出願番号】 EP2020058738
(87)【国際公開番号】W WO2020201102
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】102019108869.0
(32)【優先日】2019-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519321948
【氏名又は名称】マシーネンファブリック グスタフ アイリヒ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ザイラー
【テーマコード(参考)】
4G036
4G037
【Fターム(参考)】
4G036AA23
4G037AA12
4G037EA05
(57)【要約】
本発明は、機械台に保持された混合容器であって、前記混合容器の底部における排出口を有する混合容器と、閉鎖カバーであって、前記閉鎖カバーが前記排出口を閉鎖する閉鎖位置と前記閉鎖カバーが前記排出口を閉鎖しない開放位置との間で往復移動可能な閉鎖カバーと、を備えたミキサに関する。排出用開口部を容易に開閉することができ、閉鎖カバーの駆動部が汚れるリスクの著しく少ないミキサを提供するために、閉鎖カバーが、4つの回転ジョイントを備えた4本の棒のリンク機構によって機械台に連結されている本発明が提案されており、4本の棒のリンク機構の第1の回転ジョイント及び第2の回転ジョイントが、閉鎖カバーに配置され、4本の棒のリンク機構の第3の回転ジョイント及び第4の回転ジョイントが、機械台に配置されていることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械台に保持された混合容器であって、前記混合容器の底部における排出口を有する混合容器と、閉鎖カバーであって、前記閉鎖カバーが前記排出口を閉鎖する閉鎖位置と前記閉鎖カバーが前記排出口を閉鎖しない開放位置との間で往復移動可能な閉鎖カバーと、を備えたミキサであって、
前記閉鎖カバーは,4つの回転ジョイントを備えた4本の棒のリンク機構を用いて前記機械台に連結され、前記4本の棒のリンク機構の第1の回転ジョイント及び第2の回転ジョイントが前記閉鎖カバーに配置され、前記4本の棒のリンク機構の第3の回転ジョイント及び第4の回転ジョイントが前記機械台に配置されていることを特徴とする、ミキサ。
【請求項2】
前記4本の棒のリンク機構の全てのジョイント軸は、互いに平行に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のミキサ。
【請求項3】
前記4本の棒のリンク機構の前記第1のジョイントは、長さcのクランク要素を用いて前記4本の棒のリンク機構の前記第4のジョイントと連結され、前記4本の棒のリンク機構の前記第2のジョイントは、長さaのレバー要素を用いて前記4本の棒のリンク機構の前記第3のジョイントと連結され、前記4本の棒のリンク機構の前記第3のジョイントは、長さbの連結要素を用いて前記4本の棒のリンク機構の前記第4のジョイントと連結され、
第1のジョイントのジョイント軸と第2のジョイントのジョイント軸とは、互いに間隔gを空けて配置され、
第3のジョイント軸と第4のジョイント軸とを結ぶ直線に垂直な方向における前記第1のジョイント軸と前記第2のジョイント軸との間隔がeとされ、かつ、前記第3のジョイント軸と前記第4のジョイント軸とを結ぶ直線に平行な方向における前記第1のジョイント軸と前記第2のジョイント軸との間隔がdとされており、
好ましくは、a)前記第1のジョイントは、前記第2のジョイントよりも近い位置で、前記排出口が配置されている平面に配置され、かつ/又は、b)前記第4のジョイントは、前記第3のジョイントよりも前記閉鎖カバーに近い位置とされていることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のミキサ。
【請求項4】
0.9≦(a+e)/c≦1.1、好ましくは、0.95≦(a+e)/c≦1.05、特に好ましくは、c=a+eとされることを特徴とする、請求項3に記載のミキサ。
【請求項5】
前記閉鎖カバーが、前記連結要素に固定されていることを特徴とする、請求項3又は請求項4に記載のミキサ。
【請求項6】
前記第2のジョイントのジョイント軸は、シャフトの形式とされており、該シャフトを回転させるための駆動部が設けられると共に、該シャフトが回転したときに前記レバー要素が前記ジョイントの前記ジョイント軸の回りに回転するように、前記レバー要素は、該シャフトに固定されている、又は、好ましくは、前記第1のジョイントのジョイント軸は、シャフトの形式とされており、該シャフトを回転させるための駆動部が設けられると共に、該シャフトが回転したときに前記クランク要素が前記ジョイントの前記ジョイント軸の回りに回転するように、前記クランク要素は、該シャフトに固定されている、ことの何れかを特徴とする請求項3から請求項5の何れか1項に記載のミキサ。
【請求項7】
前記連結要素が前記閉鎖カバーに対して実質的に垂直に配置されていることを特徴とする、請求項3から請求項6の何れか1項に記載のミキサ。
【請求項8】
前記第3のジョイント軸と前記第4のジョイント軸との前記間隔bに対する前記連結要素の長さfの比率は、2≦f/b≦10とされていることを特徴とする、請求項3から請求項7の何れか1項に記載のミキサ。
【請求項9】
前記間隔dの前記間隔bに対する比率が、0.75≦d/b≦1.5、とされ、好ましくは、0.85≦d/b≦1.2とされていることを特徴とする、請求項3から請求項8の何れか1項に記載のミキサ。
【請求項10】
前記閉鎖カバーの前記閉鎖位置において、前記クランク要素と前記レバー要素とが互いに実質的に平行に延在していることを特徴とする、請求項3から請求項9の何れか1項に記載のミキサ。
【請求項11】
前記閉鎖カバーの前記閉鎖位置から前記開放位置への移動において、前記シャフトへ向けた、前記底部上における前記閉鎖カバーの端部の突出部が、前記排出口の領域に入らないように、前記4つのジョイントの位置と同様に前記クランク要素、前記連結要素及び前記レバー要素の長さは、調和されていることを特徴とする、請求項3から請求項10の何れか1項に記載のミキサ。
【請求項12】
前記閉鎖カバーは、半径rの円形とされ,好ましくは、前記連結要素が、その中心点において前記閉鎖カバーに連結されていることを特徴とする、請求項3から請求項11の何れか1項に記載のミキサ。
【請求項13】
a≦c、とされ、好ましくは、0.1≦r/a≦1.2とされていることを特徴とする、請求項12に記載のミキサ。
【請求項14】
前記混合容器は、前記混合容器の軸線回りに回転可能とされ、前記4本の棒のリンク機構は、前記混合容器と一緒に前記混合容器の軸線回りに回転しないように配置されていることを特徴とする、請求項1から請求項13の何れか1項に記載のミキサ。
【請求項15】
前記第3のジョイント軸と前記第4のジョイント軸とを通って延在する直線は、前記混合容器の軸線上にあり、前記閉鎖カバーの中心点を通って延在することを特徴とする、請求項3から請求項14の何れか1項に記載のミキサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械台に保持された混合容器からなるミキサに関するものであり、混合容器はその底部に排出口を有しており、閉鎖カバーであって、閉鎖カバーが排出口を閉鎖する閉鎖位置と閉鎖カバーが排出口を閉鎖しない開放位置との間で往復移動可能な閉鎖カバーが設けられている。
【背景技術】
【0002】
このような混合装置は知られている。多くの場合、これらは、容器の軸線回りに回転可能な容器を有する。さらに、容器の内部には、通常、回転可能な混合ツールが配置されている。このような配置では、混合ツールは、容器の回転軸に平行に配置されたミキサシャフト回りに回転可能とされ、例えば、混合ブレードがミキサシャフトに固定されていることを特徴とする。
【0003】
このような混合装置は、例えば、特許文献1又は特許文献2から知られている。
図1及び
図2は、特許文献1から知られているミキサ装置に実質的に対応するミキサ装置を示す。この配置において、
図1は、混合容器の平面図を示し、一方、
図2は、ミキサ装置に沿った断面図を示す。
【0004】
円筒形の混合容器101は、混合容器内に偏心し、横方向に配置された混合ブレード104を有する中央シャフト103上に配置された、片持ちで取り付けられた混合ツール102と、上方側から片持ちで垂直に取り付けられた固定の壁部/底部スクレーパ105と、を有する。混合ツール102の最下段のブレード面には、容器底部の表面に対して少しの間隔で作動する、垂直方向下向きに突出する底部ブレード106が固定されている。
【0005】
混合容器101の中央部には、排出用開口部107が配置されている。排出用開口部107は、閉鎖カバー108で閉じることができる。図示された実施形態では、閉鎖カバー108は、取り付けフォーク及び取り付けピン109を用いてキャリアアーム110と連結されており、それゆえ、取り付けピン109の傾斜軸回りに回動可能とされている。キャリアアーム110は、回動軸111を用いて回転可能に取り付けられている。図示されていない復帰要素は、外力が作用することなく、閉鎖カバー108がキャリアアーム110に対して所定の位置を取ることを提供する。
【0006】
排出用開口部107が閉じられたとき、すなわち、閉鎖カバー108が排出用開口部107内に配置されたとき、閉鎖カバー108は容器の底面と同一の平面を仕切る。この結果、平坦な底面が形成され、その上を混合される材料が移動する。これによって、閉鎖カバーの上には底部ブレード106が到達しないデッドスペースがないため、混合されるすべての材料の効率的な混合が保証される。
【0007】
閉鎖カバーが容器底面と同じ高さに配置されるという要求は、閉鎖カバーの設計の構成とガイダンスに関して困難性を生じさせる。
【0008】
基本的には、排出用開口部を開くために、閉鎖カバーを直線的に下方側へ移動させる必要がある。しかしながら、容器の底部における排出用開口部の配置によって、混合された材料が閉鎖カバーの全ての端面を流れ、閉鎖カバーの駆動部を汚す可能性がある。さらに、混合される材料の残余堆積物が平坦な閉鎖カバー上に横たわったままとなり、混合される材料の残りの部分と一緒に流れ出ない。しかしながら、閉鎖カバーと排出用開口部との接触面は、実質的に円筒形又は円錐形であるため、閉鎖カバーが、排出用開口部から外側へ向けて回動することは不可能である。
【0009】
交換可能な摩耗性コーティングが施された混合容器及び閉鎖カバーの場合、特に、追加的に真空密閉された混合容器の場合、閉鎖カバー及び排出用開口部の円筒形の接触面が特によく密閉されることが知られている。しかしながら、混合容器の底部の厚さとその上に固定される摩耗性コーティングのために、開放時の閉鎖カバーは、回動運動に移行させる前に、円筒状の接触面に沿って排出用開口部の内側にできるだけ平行な長い距離を移動させなければならない。好ましくは、このような場合、閉鎖カバーの上側は、その上に配置されている混合された材料が完全に流れ去ることを許容するために、排出用開口部の軸線の方向に下向きに回動する。このため、
図2に示された閉鎖カバーの駆動部は、軸111回りの回動と、復帰要素と連動した軸109回りの回動の両方を許容する。例えば、特許文献2に示されているような、復帰要素を備えた既知の閉鎖カバーは、製造コストが高く、かつ、容易に洗浄することができない。閉鎖カバーの回転運動のために、閉鎖カバーは、排出用開口部から回動できるように、排出用開口部内に一定のクリアランスを有する必要がある。この結果として形成された隙間のために、排出用開口部が閉鎖されていても、混合される材料の成分が容器から漏れ得る。さらに、再び開口部に配置して確実にシールするために、空にする作業の後には、閉鎖カバーを徹底的に洗浄しなければならない。さらに、混合される材料が、閉鎖カバーの下側にある回動軸109の領域に蓄積され、かつ、回動動作を妨げ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開第2011/128435号
【特許文献2】欧州特許出願公開第1103492号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述した技術の状態を考慮して、本発明の課題は、排出用開口部を容易に開閉することができ、閉鎖カバーの駆動部が汚れるリスクが著しく少ないミキサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、その目的は、閉鎖カバーが4つの回転ジョイントを備えた4つの棒のリンク機構によって機械台と連結され、4つの棒のリンク機構の第1の回転ジョイント及び第2の回転ジョイントが機械台上に配置され、4つの棒のリンク機構の第3の回転ジョイント及び第4の回転ジョイントが閉鎖カバー上に配置されることで達成される。
【0013】
機械台に対する、それゆえ、混合容器に対する閉鎖カバーの動きは、4つの棒のリンク機構によって個別に適合させることができる。この場合、第3の回転ジョイント及び第4の回転ジョイントは、閉鎖カバーに直接配置することができる。代替としては、更なる要素を閉鎖カバーに固定することができ、その上に第3の回転ジョイント及び第4の回転ジョイントが配置される。
【0014】
この点で、4つの棒のリンク機構の全てのジョイント軸が互いに平行に配置されている場合が有利である。
【0015】
好ましい実施形態では、4つの棒のリンク機構の第1のジョイントは、クランク要素を用いて4つの棒のリンク機構の第4のジョイントと連結接続されている。第1のジョイントのジョイント軸と第4のジョイントのジョイント軸とは、間隔cで互いに離間されている。4つの棒のリンク機構の第2のジョイントは、レバー要素を用いて4つの棒のリンク機構の第3のジョイントと連結されている。第2のジョイントのジョイント軸と第3のジョイントのジョイント軸とは、間隔aで互いに離間されている。4つの棒のリンク機構の第3のジョイントは、長さfの連結要素を用いて4つの棒のリンク機構の第4のジョイントと連結され、第3のジョイントのジョイント軸と第4のジョイントのジョイント軸とは、間隔bで互いに離間されている。それゆえ、連結要素は、間隔bよりも長くなってもよい。第1のジョイントと第2のジョイントのジョイント軸は、間隔gで互いに離間されている。
【0016】
さらに、特に好ましい実施形態では、閉鎖カバーが連結要素に固定されている。この場合、連結要素は、第3のジョイントと第4のジョイントとの間だけでなく、閉鎖カバーまで延在されてもよい。第3のジョイントは、連結要素の端、すなわち、閉鎖カバーの反対側に配置されてもよい。
【0017】
排出用開口部に出入りする閉鎖カバーの駆動運動を提供するために、好ましい実施形態は、第2のジョイントのジョイント軸がシャフトの形式とされており、シャフトを回転させるための駆動部が設けられると共に、シャフトが回転したときにレバー要素がジョイントのジョイント軸の回りに回転するように、レバー要素は、シャフトに固定されている、又は、好ましくは、第1のジョイントのジョイント軸がシャフトの形式とされており、シャフトを回転させるための駆動部が設けられると共に、シャフトが回転したときにクランク要素がジョイントのジョイント軸の回りに回転するように、クランク要素は、シャフトに固定されている、ことの何れかである。
【0018】
それゆえ、閉鎖カバーを開閉するためには、閉鎖カバーの所望の動きを実現するために、シャフトが駆動されるだけでよい。
【0019】
さらに好ましい実施形態では、連結要素は、閉鎖カバーに対して実質的に垂直に配置されている。
【0020】
一般的には、閉鎖カバーは、閉鎖位置において混合カバーの内部に面する平らな内面と、内面と反対側の外面と、内面と外面とを一緒に連結する、外周に延在する端面と、を有する。連結要素を閉鎖カバーに対して垂直に配置することは、連結要素が閉鎖カバーの内面に対して垂直に配置され、この点で混合容器の内部に延在しないことを意味する。
【0021】
例として、第3のジョイント及び第4のジョイントのジョイント軸、並びに、連結要素が閉鎖カバーに連結される連結点は、閉鎖カバーの外面及び/又は内面に垂直に延在する共通の平面内にある。
【0022】
さらに好ましい実施形態では、長さaは、長さcよりも短くされている。レバー要素がクランク要素よりも短いという事実によって、このことは、閉鎖カバーを閉鎖開口部から移動させるために最初は実質的に直線的な動きであり、それから回動運動へ移行する動きを生じさせる。
【0023】
この場合、0.9≦(a+e)/c≦1.1、好ましくは、0.95≦(a+e)/c≦1.05、特に好ましくは、c=a+eといったように、長さcが、長さaと間隔eとの合計にほぼ対応すると有利である。この場合、eは、第3のジョイント軸と第4のジョイント軸とを結ぶ直線に垂直な方向における第1のジョイント軸と第2のジョイント軸との間の間隔とされている。間隔bは、第3のジョイント軸と第4のジョイント軸とを結ぶ直線に平行な方向における第1のジョイント軸と第2のジョイント軸との間の間隔とされている。それゆえ、間隔gは、式:e2+d2=g2から導き出される。
【0024】
さらに好ましい実施形態では、第1のジョイントは、第2のジョイントよりも、排出口が配置されている平面に近い。
【0025】
第4のジョイントが第3のジョイントよりも閉鎖カバーに近い場合には、さらに有利である。
【0026】
さらに、特に好ましい実施形態では、閉鎖カバーの閉鎖位置において、クランク要素とレバー要素とは、互いに実質的に平行に延在されている。閉鎖カバーの閉鎖位置において、クランク要素と連結要素を有するレバー要素とが、80度から100度の間の角度を形成することがさらに好ましい。さらに、連結要素の長さfの第3のジョイント軸と第4のジョイント軸との間の間隔bに対する比率が2から10の間とされている場合に有利とされている。
【0027】
さらに好ましい実施形態では、0.75 ≦d/b≦1.5とされ、特に好ましくは、0.85≦d/b≦1.2とされている。
【0028】
有利なことには、クランク要素及びレバー要素は棒形状とされている。好ましくは、連結要素も棒形状とされている。
【0029】
さらに好ましい実施形態では、閉鎖カバーの閉鎖位置から開放位置への移動において、シャフトへ向けた、容器底部上における閉鎖カバーの端部の突出部が、排出口の領域に入らないように、4つのジョイントの位置と同様にクランク要素、連結要素及びレバー要素の長さは、調和されている。
【0030】
この設計構成によって、クランク要素、レバー要素、第3のジョイント及び第4のジョイントに落下し、4つの棒のリンク機構の動きにひどく影響を与える程度に汚してしまうことのないように、混合される材料が、閉鎖カバーの開放時に排出口から落下するのを可能な限り少なくする。基本的に、閉鎖カバーは、4つの棒のリンク機構を混合される材料の落下から保護し、リンク機構の耐用年数を大幅に延長する。さらに、ジョイントは、一般的に混合される材料によって汚されないため、洗浄の手間が軽減される。
【0031】
さらに好ましい実施形態では、閉鎖カバーは半径rの円形とされており、好ましくは、連結要素は、閉鎖カバーの中心点と同じ位置で連結されている。
【0032】
a≦c、とされ、好ましくは、0.1≦r/a≦1.2、とされると、さらに有利である。
【0033】
さらに好ましい構成では、比率a/eが、0.9≦a/e≦20、とされ、特に好ましくは、1.0≦a/e≦10、とされている。このことは、特に、cがaとeの合計にほぼ対応する場合に有利とされている。
【0034】
さらに好ましい実施形態では、混合容器は、混合容器の軸回りに回転可能とされ、4つの棒のリンク機構は、混合容器と共に混合容器の軸回りに回転しないように配置されている。さらに特に好ましい実施形態では、直線は、混合容器の軸の第3のジョイント軸及び第4のジョイント軸を通って、かつ、閉鎖カバーの中心点を通って延在する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
さらなる利点、特徴及び可能な用途は、以下の好ましい実施形態及び添付の図の説明から明らかにされる。
【0036】
【
図1】
図1は、従来技術の混合容器の平面図を示す。
【
図2】
図2は、
図1のミキサ装置及びその中に設置された混合容器を通る断面の側面図を示す。
【
図3】
図3は、本発明による一実施形態の下方側からの斜視図を示す。
【
図4】
図4は、
図3の実施形態の閉鎖部を開放した状態の斜視図を示す。
【
図6】
図6は、本発明による4つの棒のリンク機構の線図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1及び
図2は、本明細書で既に説明した従来技術のミキサを示す。
【0038】
図3は、本発明によるミキサの一実施形態の下方側からの斜視図を示す。図は、機械台2上に回転可能に取り付けられた円筒形の混合容器1の底部を示す。混合容器1の下面において、閉鎖カバー3が配置された閉鎖開口部が示されている。閉鎖カバー3は、その上に第3のジョイント軸10と第4のジョイント軸11とが順番に配置された、連結要素4に固定されている。
【0039】
図4は、閉鎖カバーが(部分的に)開放された位置にある、本発明によるミキサの斜視図を示す。閉鎖カバー3は、端面13を有する。連結要素4は、図示された位置では正確には閉鎖位置ではない、閉鎖カバー3に連結されている。図示された実施形態では、閉鎖カバーは円形とされており、連結要素は閉鎖カバー3の円形形状の中心点12に連結されている。排出口5は、混合容器1の底部に配置されている。連結要素4は、クランク要素7とレバー要素6の両方を用いて機械台2と連結されている。
【0040】
機械台には、クランク要素によって係合される第1の回転ジョイント8と、レバー要素によって係合される第2の回転ジョイント9と、が固定されている。
【0041】
閉鎖カバー3を閉鎖位置と開放位置との間で往復運動させるために、クランク要素7をシャフトのジョイント軸を中心に回転させることができるように、クランク要素は、対応する駆動部(図示省略)から回転ジョイント8を介したシャフトを用いて駆動される。また、第3の回転ジョイント10のための第3の軸と第4の回転ジョイント11のための軸とが配置されている連結要素4を見出すことができる。
【0042】
図5は、閉鎖カバーが(部分的に)開放された位置にある、
図4に示された本発明によるミキサの側面図を示す。
【0043】
図6は、機構の斜視図を示す。4つの棒のリンク機構は、機械台2に固定された第1の回転ジョイント及び第2の回転ジョイント8、9を有する。第3の回転ジョイント10と第4の回転ジョイント11は、連結要素4に固定されている。
【0044】
第1の回転ジョイント8は、クランク要素7を用いて第4の回転ジョイント11に連結されている。第2の回転ジョイント9は、レバー要素6を用いて第3の回転ジョイント10に連結されている。
【0045】
連結要素4は、第3の回転ジョイント10と第4の回転ジョイント11とを接続するだけでなく、閉鎖カバー3まで延在し、かつ、そこで閉鎖カバーの中心点12に係合する。連結要素は、閉鎖カバーに対して垂直に配置されている。第3の回転ジョイント10は、連結要素4の閉鎖カバー3とは反対側の端部にある。
【0046】
混合される材料が第1の回転ジョイント8又は第2の回転ジョイント9に落下しないことを確実にするために、混合容器の底面に平行な方向に閉鎖位置から開放位置へ移動する際に、第1の回転ジョイント及び第2の回転ジョイント8、9に向かっている閉鎖カバー3の端面13の点は、可能な限り第1の回転ジョイント8から遠ざからないようにされるべきである。この場合、閉鎖カバー3は、同時に、混合される材料による汚れを防ぐために、回転ジョイント10、11も覆う。
【0047】
図示された実施形態では、レバー要素6は、500mmの長さとされている。クランク要素の長さcは600mmとされている。連結要素4は、350mmの全長を有しており、第3の回転ジョイント及び第4の回転ジョイントは、60mmの間隔bで互いに離間されている。第1の回転ジョイントと第2の回転ジョイントの間隔dも、間隔bと同様に60mmとされている。閉鎖カバーは、半径rが250mmとされている。
【符号の説明】
【0048】
1 混合容器
2 機械台
3 閉鎖カバー
4 連結要素
5 排出口
6 レバー要素
7 クランク要素
8、9、10、11 回転ジョイント
12 閉鎖カバーの中心点
13 端面
101 混合容器
102 混合ツール
103 中央シャフト
104 混合ブレード
105 壁部/底部スクレーパ
106 底部ブレード
107 排出用開口部
108 閉鎖カバー
109 取り付けピン
110 キャリアアーム
111 回動軸
112 転送ボックス
【国際調査報告】