(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-24
(54)【発明の名称】柔軟な可撓性プリント回路アセンブリを含む患者着用センサ
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20220517BHJP
A61B 5/332 20210101ALI20220517BHJP
A61B 5/02 20060101ALI20220517BHJP
【FI】
A61B5/00 102A
A61B5/332
A61B5/02 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021558849
(86)(22)【出願日】2020-04-28
(85)【翻訳文提出日】2021-09-30
(86)【国際出願番号】 US2020030177
(87)【国際公開番号】W WO2020223181
(87)【国際公開日】2020-11-05
(32)【優先日】2019-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519422371
【氏名又は名称】ムラタ バイオス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】マーシク、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ラ プラント、ブランドン
(72)【発明者】
【氏名】バーテ、ダッタトラヤ
(72)【発明者】
【氏名】マザー、スコット
(72)【発明者】
【氏名】近藤 靖浩
(72)【発明者】
【氏名】平田 篤彦
【テーマコード(参考)】
4C017
4C117
4C127
【Fターム(参考)】
4C017AA02
4C017AA08
4C017AA09
4C017AA12
4C017AA14
4C017AA16
4C017AA18
4C017AA20
4C017AB04
4C017AC16
4C017CC01
4C017CC08
4C117XA01
4C117XA04
4C117XB04
4C117XC11
4C117XC26
4C117XE13
4C117XE15
4C117XE17
4C117XE20
4C117XE23
4C117XE26
4C117XE37
4C117XE57
4C127AA02
4C127AA06
4C127BB03
4C127BB05
(57)【要約】
患者監視デバイスは、剛性補強材を備えた剛性部分、及び配線を備えた可撓性部分を含む可撓性プリント回路と、配線の一端に接続され、剛性部分から独立して2次元的又は3次元的に移動可能、かつ電極アセンブリに接続可能なコネクタと、を備えたアダプタを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アダプタを備え、
前記アダプタは、可撓性プリント回路を含み、前記可撓性プリント回路は、
剛性補強材を含む剛性部分と、
配線を含む可撓性部分と、を含み、
前記アダプタは、前記配線の一端に接続され、前記剛性部分から独立して2次元的又は3次元的に移動可能な、かつ電極アセンブリに接続可能なコネクタを含む、患者監視デバイス。
【請求項2】
前記剛性補強材は、可撓性プリント回路上の電子部品と重なる、請求項1に記載の患者監視デバイス。
【請求項3】
前記可撓性部分は、前記剛性部分から延び、蛇行形状を有する、請求項1に記載の患者監視デバイス。
【請求項4】
前記可撓性部分は、前記剛性部分から延び、前記可撓性部分と前記剛性部分との間にギャップを有する、請求項1に記載の患者監視デバイス。
【請求項5】
前記可撓性部分は、前記剛性部分から直線部分を有して延びる、請求項1に記載の患者監視デバイス。
【請求項6】
前記可撓性部分は、前記剛性部分から直線部分を有して延び、らせん部分で終端される、請求項1に記載の患者監視デバイス。
【請求項7】
前記可撓性プリント回路は、追加の剛性補強材を含む追加の剛性部分を含む、請求項1に記載の患者監視デバイス。
【請求項8】
前記アダプタに接続可能かつ前記アダプタから分離可能であるセンサアセンブリと、
前記追加の剛性部分に接続された剛性回路基板と、
前記剛性回路基板に接続されたセンサコネクタと、をさらに備え、
前記センサコネクタは、前記センサアセンブリに接続可能かつ前記センサアセンブリから分離可能である、請求項7に記載の患者監視デバイス。
【請求項9】
前記電極アセンブリをさらに備え、
前記電極アセンブリは、患者に取り付け可能である、請求項1に記載の患者監視デバイス。
【請求項10】
前記コネクタは、前記剛性部分から独立して2次元的又は3次元的に回転可能である、請求項1に記載の患者監視デバイス。
【請求項11】
前記アダプタに接続可能かつ前記アダプタから分離可能であるセンサアセンブリをさらに備える、請求項1に記載の患者監視デバイス。
【請求項12】
前記センサアセンブリは、前記アダプタに対する前記センサアセンブリの接続及び分離中に、電子機器アセンブリを把持するのを補助するためのグリップを含む、請求項11に記載の患者監視デバイス。
【請求項13】
前記アダプタ及び前記センサアセンブリの両方は、前記アダプタ及び前記センサアセンブリの接続又は分離を補助するためのプッシュタブを含む、請求項11に記載の患者監視デバイス。
【請求項14】
前記センサアセンブリの前記プッシュタブは、前記アダプタの前記プッシュタブに対して横方向にオフセットされる、請求項13に記載の患者監視デバイス。
【請求項15】
第1のプッシュタブを含むアダプタと、
前記アダプタに接続され、第2のプッシュタブを含むセンサアセンブリと、を備え、
前記アダプタ及び前記センサアセンブリは、前記第1及び第2のプッシュタブに反対方向に力を加えることによって分離される、患者監視デバイス。
【請求項16】
前記第1及び第2のプッシュタブは、互いに横方向にオフセットされる、請求項15に記載の患者監視デバイス。
【請求項17】
前記第1及び第2のプッシュタブは、ユーザの左手の親指及び左手の人差し指を使用して前記アダプタ及び前記センサアセンブリを分離できるように、互いに横方向にオフセットされる、請求項16に記載の患者監視デバイス。
【請求項18】
前記アダプタ及び前記センサアセンブリの一方はアームを含み、前記センサアセンブリ及び前記アダプタの他方は、前記アームと係合可能なレッジを含む、請求項15に記載の患者監視デバイス。
【請求項19】
前記各アームは、対応するレッジを受承するスロットを含む、請求項18に記載の患者監視デバイス。
【請求項20】
前記センサアセンブリは、前記センサアセンブリを把持するのを補助するためのグリップを含む、請求項15に記載の患者監視デバイス。
【請求項21】
アダプタを備え、前記アダプタは、
剛性補強材を含む剛性部分を含む可撓性プリント回路と、
電極アセンブリに接続可能なコネクタと、
可撓性プリント回路及び前記コネクタを接続する個別のワイヤと、を含み、
前記コネクタは、前記剛性部分から独立して2次元的又は3次元的に移動可能である、患者監視デバイス。
【請求項22】
前記電極アセンブリをさらに備え、
前記電極アセンブリは、患者に取り付け可能である、請求項21に記載の患者監視デバイス。
【請求項23】
前記コネクタは、前記剛性部分から独立して2次元的又は3次元的に回転可能である、請求項21に記載の患者監視デバイス。
【請求項24】
アダプタを備え、
前記アダプタは、可撓性プリント回路を含み、前記可撓性プリント回路は、
剛性補強材を含む剛性部分と、
配線を有するとともに前記剛性部分から延び、可撓性部分と前記剛性部分との間にギャップを有する可撓性部分と、を含み、
前記アダプタは、前記配線の一端に接続され、かつ電極アセンブリに接続可能なコネクタを含む、患者監視デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用中に、患者の皮膚に一時的に取付又は接着される電極アセンブリを含む、患者着用センサ監視デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの様々なタイプの患者監視システムは、患者の皮膚への直接の電気的インターフェースを必要とする。いくつかのアプリケーションでは、患者の皮膚への直接の電気的インターフェースは、その皮膚の位置に存在する電気信号を感知する。一方、他のアプリケーションでは、直接の電気的インターフェースは、その皮膚の位置に電流刺激信号を加える。したがって、患者監視システムは、通常、患者データを検出し、記録し、通信する、患者着用センサアセンブリを必要とする。そのため、患者着用センサアセンブリは、信号品質の向上、信号ノイズの低減、患者の快適性の向上、信頼性の向上、及び患者の皮膚への接着性の向上を提供できる、いくつかの構造的特徴を含むことがある。
【0003】
患者着用センサは、血圧、体温、呼吸数、血中酸素濃度、心電図(ECG)、心調律、心拍数、血糖値、及び水和(生体インピーダンス)レベルなどのバイタルサイン(生命徴候)情報を受信することができる。患者着用センサはまた、患者の運動、活動、睡眠パターンなどの患者に関する追加情報を追跡及び記録することができる。
【0004】
従来の患者着用センサは、患者の皮膚で感知した情報を収集し、そのデータを監視システムの別のデバイス(例えば、ベッドサイドモニタ、タブレットデバイス、携帯電話、中央処理サーバなど)に無線で送信し、次いで、病院、診療所、又は在宅監視システムのネットワークシステムに接続することができる。そのような患者着用センサは、患者の皮膚に取り付けられる複数の個別の電極を備えた接着電極アセンブリと、感知、処理及び通信電子機器のすべてを含むセンサアセンブリと、自己完結型センサ送信デバイス内の電源とを含むことができる。この従来のセンサ送信デバイスでは、電極アセンブリは、直接の電気的インターフェース、患者の皮膚に取り付けるための接着部、及びセンサアセンブリが接続されて支持されるプラットフォームを提供する。
【0005】
従来の皮膚電極アセンブリは、電気リード線(すなわち、長いワイヤ)によって監視システムに接続され、監視システムに「つながれた(tethered)」患者とともに使用されることを意図している。この従来の皮膚電極アセンブリでは、患者着用アセンブリは、通常、患者の皮膚に接着できる1つ以上の電極を備えた電極アセンブリと、電極アセンブリの1つ以上の電極と関連する数の接点を備えた関連コネクタアセンブリとを含む。コネクタアセンブリは、監視システムのリード線に接続されることで、電極アセンブリの1つ以上の電極と監視システムの感知処理回路との間に電気的接続を提供することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
すべての患者着用センサは、患者にとって快適であるべきである。さらに、部品は、柔軟性があり、寸法が小さく、化学的に不活性で、消毒剤に耐性があり、無毒で、人体に対して低刺激性であり、使いやすく、落下による衝撃に耐えるのに十分な耐久性を有し、患者に取り付けるための1つ以上の方法を提供するべきである。これらの検討事項への適合に加えて、従来の患者着用センサは、接着及び電気的な接触に問題を有する可能性がある。つまり、患者着用センサは、信頼性が高く、例えば患者の運動中を含むすべての標準的な使用条件を通じて患者との接触を維持する必要がある。さらに、患者着用センサは、電極又は患者の接触点に機械的な圧力をもたらす患者の運動によって引き起こされる電極間の変動を最小限に抑える必要がある。
【0007】
粘着性の監視電極によって患者の皮膚に取り付けられたアダプタに取り付けられたセンサを含む既知のツーピースの患者着用センサでは、ユーザ又は介護者は、低下したバッテリを交換するために、アダプタを患者に付けたまま、アダプタからセンサを取り外すことが必要になる場合がある。通常、一方の手でセンサを握り、他方の手でアダプタを持ちながら、センサとアダプタとを互いに引き離すことにより、センサを取り外す。したがって、センサがアダプタから離脱する瞬間、センサとアダプタとを引き離すために必要な強い離脱力のために、ユーザの一方の手が患者の顔に当たる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題を克服するために、本発明の好ましい実施形態は、センサとアダプタとの接続解除を容易にするためのセンサ及びアダプタのプッシュタブを含む患者監視デバイスを提供する。さらに、本発明の好ましい実施形態は、電気部品が可撓性プリント回路に接続されるとともに補強材を備えた剛性部分、及び可撓性部分の2次元的又は3次元的な移動を可能にする補強材を備えない可撓性部分を含む、可撓性プリント回路を含む患者監視デバイスを提供する。
【0009】
本発明の好ましい実施形態によれば、患者監視デバイスは、剛性補強材を備えた剛性部分、及び配線を備えた可撓性部分を含む可撓性プリント回路と、配線の一端に接続され、剛性部分から独立して2次元的又は3次元的に移動可能、かつ電極アセンブリに接続可能なコネクタと、を備えたアダプタを含む。
【0010】
剛性補強材は、好ましくは、可撓性プリント回路上の電子部品と重なる。好ましくは、可撓性部分は、剛性部分から延び、蛇行形状を有する。可撓性部分は、好ましくは、剛性部分から延び、可撓性部分と剛性部分との間にギャップを有する。可撓性部分は、好ましくは、剛性部分から直線部分を有して延びる。可撓性部分は、好ましくは、剛性部分から直線部分を有して延び、らせん部分で終端される。
【0011】
可撓性プリント回路は、好ましくは、追加の剛性補強材を含む追加の剛性部分を含む。好ましくは、患者監視デバイスは、アダプタに接続可能かつアダプタから分離可能であるセンサアセンブリ、追加の剛性部分に接続された剛性回路基板、及び剛性回路基板に接続されたセンサコネクタをさらに含み、センサコネクタは、センサアセンブリに接続可能かつセンサアセンブリから分離可能である。
【0012】
患者監視デバイスは、好ましくは、患者に取り付け可能な電極アセンブリをさらに含む。コネクタは、好ましくは、剛性部分から独立して2次元的又は3次元的に回転可能である。
【0013】
患者監視デバイスは、好ましくは、アダプタに接続可能かつアダプタから分離可能であるセンサアセンブリをさらに含む。センサアセンブリは、好ましくは、アダプタに対するセンサアセンブリの接続及び分離中に、第2の電子機器アセンブリを把持するのを補助するためのグリップを含む。アダプタ及びセンサアセンブリの両方は、好ましくは、アダプタ及びセンサアセンブリの接続又は分離を補助するためのプッシュタブを含む。センサアセンブリのプッシュタブは、好ましくは、アダプタのプッシュタブに対して横方向にオフセットされている。
【0014】
本発明の好ましい実施形態によれば、患者監視デバイスは、第1のプッシュタブを含むアダプタと、アダプタに接続され、第2のプッシュタブを含むセンサアセンブリとを含む。アダプタ及びセンサアセンブリは、第1及び第2のプッシュタブに反対方向に力を加えることによって分離される。
【0015】
第1及び第2のプッシュタブは、好ましくは、横方向にオフセットされている。第1及び第2のプッシュタブは、好ましくは、ユーザの左手の親指及び左手の人差し指を使用してアダプタ及びセンサアセンブリを分離できるように、横方向にオフセットされている。好ましくは、アダプタ及びセンサアセンブリの一方はアームを含み、センサアセンブリ及びアダプタの他方は、アームと係合可能なレッジを含む。各アームは、好ましくは、対応するレッジを受承するスロットを含む。センサアセンブリは、好ましくは、センサアセンブリを把持するのを補助するためのグリップを含む。
【0016】
本発明の好ましい実施形態によれば、患者監視デバイスは、剛性補強材を含む剛性部分を備えた可撓性プリント回路を含み、電極アセンブリに接続可能なコネクタを含み、かつ可撓性プリント回路とコネクタとを接続する個別のワイヤを含む、アダプタを含む。コネクタは、剛性部分から独立して2次元的又は3次元的に移動可能である。
【0017】
好ましくは、患者監視デバイスは、患者に取り付け可能な電極アセンブリをさらに含む。コネクタは、好ましくは、剛性部分から独立して2次元的又は3次元的に回転可能である。
【0018】
本発明の好ましい実施形態によれば、患者監視デバイスは、剛性補強材を含む剛性部分、及び配線を含みかつ剛性部分から延びて可撓性部分と剛性部分との間にギャップを有する可撓性部分を含む可撓性プリント回路と、配線の一端に接続され、電極アセンブリに接続可能なコネクタと、を備えたアダプタを含む。
【0019】
本発明の上記及び他の機能、要素、特徴、ステップ及び利点は、添付の図面を参照しつつ、以下の本発明の好ましい実施形態の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の好ましい実施形態による患者と接触している患者着用センサを示す図である。
【
図2】本発明の好ましい実施形態による患者着用センサを示す図である。
【
図3】本発明の好ましい実施形態によるセンサを示す図である。
【
図4】本発明の好ましい実施形態によるアダプタを示す図である。
【
図5】本発明の好ましい実施形態によるセンサの正面図である。
【
図6】本発明の好ましい実施形態によるセンサの背面図である。
【
図7】本発明の好ましい実施形態によるアダプタの正面斜視図である。
【
図8】本発明の好ましい実施形態によるアダプタの背面斜視図である。
【
図9】本発明の好ましい実施形態によるアダプタの部分分解図である。
【
図10】本発明の好ましい実施形態による可撓性プリント回路を示す図である。
【
図11】本発明の好ましい実施形態による可撓性プリント回路の平面図である。
【
図12】本発明の好ましい実施形態による可撓性プリント回路の例示的な平面図である。
【
図13】本発明の好ましい実施形態による可撓性プリント回路の例示的な平面図である。
【
図14】本発明の好ましい実施形態による可撓性プリント回路の例示的な平面図である。
【
図15】本発明の好ましい実施形態による可撓性プリント回路の例示的な平面図である。
【
図16】本発明の好ましい実施形態による可撓性プリント回路の例示的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、患者104に取り付けられた患者着用センサ102を示す。
図1に示される例では、患者着用センサ102は、患者104の胸部に取り付けられている。
しかし、患者着用センサ102は、患者の身体の1つ以上の他の領域に取り付けてもよい。患者着用センサ102は、患者104の又は患者着用センサ102が接触している別の患者の様々なバイタルサイン及び他の情報を検出、記録、保存、及び送信することができる。例えば、患者着用センサ102は、様々な生物学的情報、バイタルサイン、患者情報を測定するために、患者104の皮膚に接触するいくつかの接着電極を含むことができる。患者情報は、心調律、心拍数、血圧、体温、呼吸数、血中酸素濃度、血糖値、水和レベル、発汗、及び生体インピーダンスを含むが、これらに限定されない。患者着用センサ102はまた、患者の動き、運動、活動、位置、姿勢、及び物理的位置を追跡することができる。
【0022】
患者着用センサ102はまた、有線又は無線通信のいずれかを介して、1つ以上の他のコンピュータデバイスと通信することができる。例えば、患者着用センサ102は、ブルートゥース(登録商標)、WiFi、又はセルラー通信プロトコルを使用して、ベッドサイドモニタ、パーソナルコンピュータ、タブレットデバイス、携帯電話、中央サーバ、又はクラウドベースのネットワークなどの他のコンピュータデバイスと通信することができる。一例として、患者着用センサ102は、患者104から収集されたバイタルサイン情報を、ベッドサイドモニタとして機能するタブレットデバイス又はパーソナルコンピュータに送信してもよい。タブレット又はパソコンは、受信した情報を処理し、介護者や他のユーザにわかりやすい形式で表示してもよい。例えば、タブレットデバイスは、ブルートゥース接続を介して患者着用センサ102からバイタルサイン情報を受信し、患者の心電図(ECG)波形、ならびに患者の心拍数、呼吸数、血中酸素濃度、体温、及び/又は他のバイタルサインについての情報を表示してもよい。別の例として、患者着用センサ102は、有線接続を介してコンピュータデバイス(ベッドサイドモニタなど)に定期的に接続され、患者着用センサ102によって収集された情報を該コンピュータ装置によって保存、処理、及び表示し、及び/又は1つ以上の他のコンピュータデバイス(例えば、パーソナルコンピュータ、病院にあるサーバ、クラウドストレージサーバなど)に転送してもよい。
【0023】
さらに、患者着用センサ102によって記録された情報は、患者104の状態のリアルタイム又はほぼリアルタイムの分析の両方で使用するため、ならびに患者104のバイタルサイン情報を経時的に追跡するために、他のコンピュータデバイスに送信することができる。例えば、患者着用センサ102によって記録された情報は、表示装置に送信されることにより、介護者が情報を観察し、該情報に基づいて患者104の患者ケアを調整できるようにしてもよい。情報を中央情報リポジトリに送信して、患者の過去のバイタルサインやその他の情報を記録できるようにしてもよい。患者のリアルタイム及び過去のバイタルサイン情報、及びその他の情報は、患者と物理的に同じ場所にいない介護者がアクセスできる。例えば、患者着用センサ102によって収集されたバイタルサイン情報は、患者104が所有するモバイルデバイス(例えば、スマートフォン)に送信して、患者104が情報を閲覧できるようにしてもよい。情報はさらに、1人以上の(例えば、パーソナルコンピュータ又はモバイルデバイスを使用する)介護者がアクセスできる中央サーバに送信して、介護者が収集された情報を閲覧し、患者104が位置する場所から離れた場所から患者104の患者ケア決定を行うことができるようにしてもよい。
【0024】
患者着用センサ102の一部として含めることができる他の部品は、電源、ボタンあるいはユーザ入力を受信するための他の入力機構、1つ以上の可聴アラーム又はスピーカ、及びライト又は表示画面を含む。患者着用センサ102の電源は、標準の使い捨て電池を収納する電池パック、充電式電池、又はフル充電された電池パックと交換できる取り外し可能な電池パックであってもよい。患者着用センサ102は、例えば、ボタン、キー、又はタッチスクリーンなどの入力機構をさらに含むことができる。入力機構により、患者104又は介護者は、患者着用センサ102の設定を調整し、様々な試験(センサ試験、バッテリ電力レベル試験など)を実行し、又は患者着用センサ102の1つ以上のアラームをリセットすることができる。入力機構はまた、患者104が支援を必要としている場合に、患者104が救難連絡を(例えば、介護者又は病院の警報システムに)発信できるようにしてもよい。
【0025】
図2は、例示的な患者着用センサ202の斜視図である。
図2に示すように、患者着用センサ202は、アダプタ220に連結されたセンサ210を含むことができる。アダプタ220は、異なるセンサ(図示略)に接続可能なレセプタクル221を含むことができる。アダプタ220は、任意の数及び任意のタイプのレセプタクル221を含んでよい。
【0026】
図3及び
図4は、それぞれ、例示的なセンサ310及び例示的なアダプタ320の斜視図である。
図3に示すように、センサ310は、電気コネクタ315、プッシュタブ316、レッジ317、ピンチグリップ318、及びレセプタクル319を含むことができる。コネクタ315は、アダプタ320のソケットコネクタ325に差し込まれ、センサ310とアダプタ320との間で電力及び電気信号を送受信するために使用される。センサ310のプッシュタブ316及びアダプタ320のプッシュタブ326を使用して、センサ310及びアダプタ320を結合及び分離することができる。レッジ317は、センサ310の反対側に配置することができ、アダプタ320の対応するアーム327と係合することができる。レッジ317及びアーム327を使用して、センサ310をアダプタ320と位置合わせし、センサ310をアダプタ320に固定することができる。センサ310は、反対側にピンチグリップ318を含むことができ、これにより、ユーザ又は介護者は、センサ310をより容易に把持することができる。
図3では、ピンチグリップ318は3つの隆起を含むが、任意の数及び任意のタイプのグリップを用いてもよい。代替的に、グリップをまったく用いなくてもよい。センサ310は、センサ310を充電するために、又はセンサ310がアダプタ320に接続されていないときにデータを送受信するために使用し得るレセプタクル319を含むことができる。例えば、レセプタクル319は、アダプタ320以外の電子デバイスにデータを送受信するために使用してもよい。
【0027】
図4に示すように、アダプタ320は、ソケットコネクタ325、プッシュタブ326、アーム327、及びレセプタクル329を含むことができる。ソケットコネクタ325は、コネクタ315を受承することができる。ソケットコネクタ325がアダプタ320上に配置され、コネクタ315がセンサ上に配置される代わりに、ソケットコネクタがセンサ310上に配置され、コネクタがアダプタ320上に配置されてもよい。プッシュタブ326は、センサ310をアダプタに対して結合及び分離するために、プッシュタブ316とともに使用することができる。アーム327は、アダプタ320の反対側に配置することができ、センサ310を位置合わせするとともに固定するために、レッジ317とともに使用することができる。
図4に示すように、アーム327は、レッジ317を受承するスロットを含むことができる。任意の配置及びタイプのアームを使用してもよい。アーム327をアダプタ320上に配置し、レッジ317をセンサ310上に配置する代わりに、アームをセンサ310上に配置し、レッジをアダプタ320上に配置してもよい。レセプタクル329は、患者着用センサ、指着用センサ、手首センサ、バッテリ充電器、コンピュータデバイスなどの別の電気デバイスを接続するために使用することができる。
【0028】
図5は例示的なセンサ400の正面図であり、
図6はセンサ400の背面図である。
図5及び
図6は、アダプタに機械的及び電気的に接続するために使用されるコネクタ410と、センサ400をアダプタに対して抜き差しするときにユーザがセンサ400を持ったり掴んだりするのを補助するために使用される、センサ400の各側に1つある2つのピンチグリップ420を示す。図示のように、グリップ420は、他の適切な機構が可能であるが、センサ400のハウジングの表面における一連の隆起又は突起によって画定される。
図5はまた、センサ400の前面にあるプッシュタブ430を示しており、プッシュタブ430は、アダプタに対してセンサ400を抜き差しするときにユーザが挿入力又は分離力を加えるのを補助することができる。
【0029】
追加的に、
図5は、センサ400及びアダプタを一緒に保持するために(
図7に示される)アダプタ上のアームに嵌合するように使用される、センサ400の各側に1つある2つのレッジ440を示す。
【0030】
図7及び
図8は、それぞれアダプタ500の正面及び背面斜視図である。
図7は、アダプタ500が、直接の配線又はコネクタを介して内部電子機器にアクセスして接続するために使用できる追加のレセプタクル510,520を含んでもよいことを示す。図示のように、レセプタクル510はアダプタ500の底部にあり、レセプタクル520は右側にあるが、他の場所にあってもよい。
【0031】
さらに、
図7は、アダプタ500が、アダプタ500の各側に1つある2つのアーム540を含んでもよいことを示す。図示のように、アーム540は、アダプタ500に対してセンサを抜き差しするときにセンサの位置合わせ及び固定を補助する、内向きのスロット及び凹部を含むことができる。アーム540のスロット及び/又は凹部は、センサの側面のレッジと係合することで、レッジと嵌合してセンサとアダプタ500を一緒に保持することができる。
【0032】
図7はまた、アダプタ500に対してセンサを抜き差しするときにユーザが挿入力又は分離力を加えるのを補助するために使用することができる、アダプタ500の前面上のプッシュタブ530を示す。
図2に示すように、センサ210及びアダプタ220の前面のプッシュタブは、互いに横方向にオフセットされているため、2つのデバイスを抜き差しするときにユーザは、プッシュタブの両側にアクセスし、親指及び他の指を使用して、センサ210をアダプタ200に向けて引っ張る又はセンサ210をアダプタ200から押し離すことができる。
【0033】
ユーザがアダプタからセンサを取り外そうとするとき、彼又は彼女は、親指を含む指をプッシュタブに置き、それらを反対方向に押することにより、センサを容易に外すことができる。より具体的には、ユーザは、右手の親指と右手の人差し指でセンサグリップを保持しながら、センサのプッシュタブの下側に左手の親指を置き、アダプタのプッシュタブの上側に左手の人差し指を置くことができる。次に、左手の人差し指及び親指のひねる動作により、プッシュタブが互いに離れるように押され、センサがアダプタから安全な方法で取り外される。左手でプッシュタブを操作する間、ユーザが右手でセンサを握るように促すために、センサのプッシュタブをアダプタのプッシュタブの左側に配置してもよい。よくあることではあるが、患者着用センサが患者の胸の左側に接触していると仮定すると、ユーザの右手でセンサを取り外すと、ユーザの左手を使用する場合よりも、センサを取り外すときにユーザの手が患者の顔に当たる可能性が低くなる。
【0034】
図8の背面斜視図は、アダプタ500のアーム540及びレセプタクル520を示す。さらに、
図8は、アダプタ500が2つの安定化ブーツ550を含んでもよいことを示すが、他の数でもよい。安定化ブーツ550は、アダプタ500から延びており、それぞれがスナップコネクタ555を介して電気接点を取り囲むことができる。安定化ブーツ550は、患者の動きによって引き起こされるアダプタ500への衝撃を吸収し、スナップコネクタ555を介してより安定した信号を提供することができる。安定化ブーツ550はまた、患者の皮膚の伸縮によって引き起こされる動きを吸収することができ、歩く、走る、寝返りを打つなどの患者の他の運動によって引き起こされる動作に起因した衝撃を吸収することができる。さらに、安定化ブーツ550はまた、嵌合スナップコネクタのスナップ係合及びスナップ解除によって引き起こされる、スナップコネクタ555及び内部の連結された配線への瞬間的な機械的衝撃を吸収することができる。
【0035】
安定化ブーツ550は、X、Y、及びZ方向における伸縮(compliance)及びX、Y、及びZ方向周りの回転をある程度可能にしつつ、患者の運動によって引き起こされる衝撃を吸収することができる。安定化ブーツ550は、患者に対する患者着用センサのX軸及びY軸方向よりもZ軸方向により大きな程度の動きを提供することによって、患者着用センサ、スナップコネクタ555、及び患者に接続された接着パッドの間の接続に安定性を提供することができる。Z軸は、例えば、患者の皮膚(したがって、接着電極パッドの接触面)に実質的に垂直な方向であってもよく、X軸及びY軸の方向は、患者の皮膚(したがって、接着電極パッドの接触面)に実質的に平行である。使用時には、患者着用センサにおける接着電極パッド部分の接着側は患者に貼り付けられ、接着電極パッドの反対側は、電気接点555に係合する接着電極パッドの電極の使い捨てスナップコネクタを介して患者着用センサに取り付けられる。患者着用センサが患者に取り付けられると、患者は自由に動くことができるため、接着電極パッドの電極が患者に接触する皮膚上の接触点の相対位置が変位する可能性がある。安定化ブーツ550は、患者の運動によって引き起こされる動きの一部又はすべてを吸収することができ、それによって、接着電極パッドの電極によって受信される信号の完全性及び質への悪影響を低減できる。いくつかの実装形態では、安定化ブーツ550は、電気接点555を超えて、接着電極パッドの電極の一部を少なくとも部分的に取り囲むように延びる。
【0036】
安定化ブーツ550は、オーバーモールドプロセスを用いて形成することができ、これにより、安定化ブーツ550は、一体部品としてアダプタ500のハウジングの一部と結合される。オーバーモールドプロセスにより、安定化ブーツ550をアダプタハウジングの少なくとも一部の一体部品として画定することを可能にしながら、アダプタハウジングの他の部分を形成するために使用される材料よりも剛性が低い材料により安定化ブーツ550を構成することが可能になる。例えば、安定化ブーツ550は、オーバーモールドプロセスを使用して熱可塑性エラストマ(TPE)材料により画定することができる。
【0037】
図9は、上部ハウジングが取り外されたアダプタ600の部品の分解図を示す。
図9に示されるアダプタ600の部品は、下部ハウジング610、スナップコネクタ620、可撓性プリント回路(FPC)630、及びコネクタ650を含むコネクタボード640を含む。図示のように、下部ハウジング610は、アダプタ600の部品及び上部ハウジング(
図9において図示略)を取り付けて固定するために使用される構造的特徴を含むことができる。
【0038】
上部ハウジング及び下部ハウジング610は、患者及びセンサへの容易な取り付けを促しつつ、アダプタ600又は患者着用センサを落とした場合の損傷からアダプタ600の内部部品を保護するのに十分な構造的強度を有するように、成形プラスチック又は適切かつ軽量な他の材料により構成することができる。上部ハウジング及び下部ハウジング610は、例えば、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、又はABS/PCブレンドなどの耐衝撃性プラスチックから成形されたプラスチック射出成形部品であってもよい。上部ハウジング及び下部ハウジング610はまた、湿気がアダプタ600の内部部品に到達しないように、防水又は半防水シールにて互いに係合してもよい。
【0039】
図9に示すように、下部ハウジング610は、
図8に示す下部ハウジング610の後ろから突出する安定化ブーツ550によって支持される2つのスナップコネクタ620を配置及び位置合わせするために使用される2つの凹部を含むことができる。スナップコネクタ620は、患者に接続されたセンサ又は使い捨て電極などの電気デバイスの対応するスナップコネクタと嵌合して、電気デバイスとアダプタ600との間の機械的接続及び電気的接続の両方を形成することができる。さらに、対応する嵌合スナップコネクタのスナップコネクタ620の1つへの各接続は、電気デバイスからFPC630の処理部品との間で信号を送受信するための電気的接続を形成する。
【0040】
FPC630は、集積回路チップ及び/又は他の電気部品(図示略)として実装された様々な処理部品を備えた剛性部分を含むことができる。したがって、FPC630は、ポリイミド、又は他の任意の適切な材料により構成することができる。FPC630は、抵抗器などの受動部品を含むことができ、信号を送信することができる。FPC630はまた、患者から受信した信号を処理することができる1つ以上のプロセッサなどの能動部品を含むことができ、1つ以上の通信プロトコル(例えば、ブルートゥース(登録商標)、WiFi、セルラー通信など)を使用して他のコンピュータデバイスと通信するための一つ以上の通信モジュールを含むことができる。FPC630の回路に含めることができる他の部品は、センサ、1つ以上の加速度計、GPS又は他の位置検出回路、周囲温度を感知する温度センサ、周囲の光を感知する光センサなどの電子デバイスとインターフェースするインターフェース回路、及びライト、スピーカ、可聴アラーム、表示画面などの出力デバイスの制御を通じてユーザに情報を出力する出力回路である。
【0041】
FPC630は、スナップコネクタ620のそれぞれと位置合わせされる可撓性部分635をさらに含むことができる。可撓性部分635は、スナップコネクタに接続される配線を含む。各可撓性部分635は、患者に接続することができるセンサ又は患者に接続することができる電極などの電気デバイスの嵌合スナップコネクタを受承するスナップコネクタ620と位置合わせされる。可撓性部分635を使用する代わりに、FPC630をスナップコネクタ620に接続すべく、個別のワイヤを使用することも可能である。
【0042】
FPC630の一部を、例えば180°曲げて、FPC630をセンサと接続できるようにするのではなく、FPC630は、コネクタボード640及びコネクタ650を使用することができる。コネクタボード640は、はんだ付けによって、個別の配線によって、又は追加のスタッキングコネクタを介して、FPC630に直接、電気的に接続することができる。コネクタボード640は、好ましくは、剛性プリント回路基板(PCB)であるが、可撓性回路基板又は他の任意の適切な基板であってもよい。
【0043】
可撓性部分635は、患者の皮膚の動きに伴うスナップコネクタ620の動きを吸収するために使用される。ただし、FPC630が組み立てプロセス中に意図せずに曲げられたり、誤って取り扱われたりするときに発生する高い応力集中に起因して、取り付けられた電気部品の近くで配線の切断の問題が発生する可能性がある。配線の疲労や損傷の問題を防ぐために、電気部品が取り付けられているFPC630の一部に補強材を追加することができる。
【0044】
図10の左側部分は、
図9のFPC630を示しており、コネクタボード640に接続される円A内のFPC630の一部を含む。
図10の右側部分は、円Aを拡大して示す。拡大した領域に示すように、FPC630は、コネクタボード640が取り付けられる領域と重なるようにFPC630の下側に接着された補強材637を含むことができる。この補強材637は、FPC630の材料よりも剛性が高く、FPC630における補強材637が取り付けられる部分に機械的強度を付加する。追加された補強材637により、取り扱う際及び組み立てる際の配線の疲労又は損傷の問題が排除又は最小化される。補強材637は、FR4、G10などのガラス強化エポキシラミネート材料、又はその他の適切な材料により構成することができる。補強材は、製造公差内で約0.4mmの厚さであってもよく、また他の適切な厚さであってもよい。
【0045】
図11は、
図9及び
図10に示したものと同様のFPC800の平面図である。この図は、電気部品を含み、機械的強度及び一体性を高めるために使用できる輪郭領域836,838に、補強材を追加できることを示す。補強材は、製造公差内で約0.2mmの厚さであってもよく、また他の適切な厚さであってもよい。
【0046】
別の問題は、患者の皮膚の動き、又は嵌合スナップコネクタのスナップ係合及びスナップ解除による安定化ブーツの繰り返し動作の間に、安定化ブーツからスナップコネクタを介して伝わる力によって引き起こされるFPCの配線の疲労によって、別の問題が生じる可能性がある。配線の疲労は、FPCと、スナップコネクタ、嵌合スナップコネクタ、及びセンサなどの電気デバイスを備えた関連回路との断続的な接触又は完全な切断を引き起こす可能性がある。この問題は、FPCで配線経路の様々な構成を使用することで排除又は最小化できる。
図12~
図14は、様々な配線経路の可能性のある構成を備えたFPCの例示の平面図を示す。
【0047】
図12は、先の図に示したものと同様のFPC900を示す。FPC900は、FPC900の各側に配置され、対応するスナップコネクタに接続される1つの配線又は電極を備えた、蛇行形状の可撓性部分935を含むことができる。スナップコネクタは、環状リング965の中心にあり、カバー層によって銅が覆われていない環状リング965の上半分をはんだ付けすることによって環状リング965に接続することができ、これにより、スナップコネクタのより大きな動作が可能になり、配線の疲労が減少する。はんだ付けの代わりに、スナップコネクタと環状リング965とを任意の適切な方法で接続してもよい。
【0048】
図示のように、可撓性部分935の蛇行形状は、FPC900から延びており、FPC900の主部分に最も近いU字形部分945を含み、直線部分955に続くとともに環状リング965で終わる。環状リング965は、アダプタを組み立てる際に対応するスナップコネクタに接続される。図示のように、可撓性部分935とFPC900の主部分との間にはギャップ975がある。このギャップ975により、環状リング965はFPC900の主部分に対して3次元的に動くことが可能になる。これにより、可撓性部分935は、環状リング965の動きによって引き起こされる配線の損傷なしに、機械的応力を吸収することができる。蛇行形状の機能により、スナップアップ及びスナップダウンの動作のZ軸だけでなく、Z軸に垂直な平面でのX軸及びY軸の動作に対しても、FPC900の弾性コンプライアンスを向上させることができる。さらに、蛇行形状の機能により、X、Y、及びZ方向の周りに回転できる。この蛇行形状により、FPCに高い応力を発生させることなくスナップを変位させることもできる。したがって、蛇行形状の配線は、FPCの破壊を防ぐことができる。
【0049】
図13は、逆T字形の可撓性部分1035を含むFPC1000を示す。
図13の平面図では、逆T字形の可撓性部分1035は、FPC1000の主部分から分離された水平部分1045を含む。T字形の可撓性部分1035は、水平部分1045の実質的に中心から延び、環状リング1065で終端する、FPC1000の主部分から分離された垂直部分1055をさらに含む。環状リング1065は、アダプタを組み立てる際に対応するスナップコネクタに接続される。図示のように、可撓性部分1035とFPC1000の主部分との間には、2つのギャップ1075,1085がある。これらのギャップ1075,1085により、環状リング1065がFPC1000の主部分に対して3次元的に動き、FPC1000の主部分の周りで3次元的に回転することが可能になる。これにより、可撓性部分1035は、環状リング1065の動きによって引き起こされる配線の損傷なしに、機械的応力を吸収することができる。
【0050】
図14は、リング端子の可撓性部分1135を含むFPC1100を示す。
図14の平面図では、リング端子の可撓性部分1135は、環状リング1165で終端する、FPC1100の主部分から分離された垂直部分1145を含む。環状リング1165は、アダプタを組み立てる際に対応するスナップコネクタに接続される。図示のように、可撓性部分1135とFPC1100の主部分との間にはギャップ1175がある。このギャップ1175により、環状リング1165がFPC1100の主部分に対して3次元的に動き、FPC1100の主部分の周りで3次元的に回転することが可能になる。これにより、可撓性部分1135は、環状リング1165の動きによって引き起こされる配線の損傷なしに、機械的応力を吸収することもできる。
【0051】
リング端子の可撓性部分の変形例として、
図15は、らせん状の可撓性部分1235を含むFPC1200を示す。このらせん状は、環状のリングが完全には画定されておらず、クエスチョンマーク(又は逆クエスチョンマーク)に似ている。
図15の平面図では、らせん状の可撓性部分1235は、らせん状部分1265で終端する、FPC1200の主部分から分離された垂直部分1245を含む。らせん状部分1265は、アダプタを組み立てる際に対応するスナップコネクタに接続される。図示のように、可撓性部分1235とFPC1200の主部分との間にはギャップ1275がある。らせん状部分は、らせんの先端部分のみをスナップコネクタにはんだ付けできるため、スナップコネクタが動くことが可能になる。このギャップ1275により、らせん状部分1265がFPC1200の主部分に対して3次元的に動き、FPC1200の主部分の周りで3次元的に回転することが可能になる。これにより、可撓性部分1235は、らせん状部分1265の動きによって引き起こされる配線の損傷なしに、機械的応力を吸収することもできる。
【0052】
選択的に、
図12~
図14の可撓性回路に示される可撓性部分のいずれかは、環状リングではなく、らせん状部分で終端してもよい。
図16は、FPC1300の可撓性部分の代わりに個別のワイヤ1335を使用できることを示す。個別のワイヤ1335は、FPC1300にはんだ付けしてもよく、又はコネクタ1339を介してFPC1300に接続してもよい。個別のワイヤ1335は、スナップコネクタ1320にはんだ付けしてもよい。代替的に、個別のワイヤ1335はFPC1300に接続してもよく、スナップコネクタ1320は任意の適切な方法である。
図16に示すように、FPC1300は、スナップコネクタ1320を完全に取り囲むことができる。
図16において破線で示すように、個別のワイヤ1335は、FPC1300の第1側でスナップコネクタ1320に取り付けることができ、FPC1300の下で第1側と反対のFPC1300の第2側に延びることができ、それから第1側に戻ることができ、個別のワイヤ1335はFPC1300の第1側に取り付けられる。このような個別のワイヤ1335の配置は、患者の運動により、又は嵌合コネクタをスナップコネクタ1320にスナップ係合及びスナップ解除することにより、スナップコネクタ1320が上方に移動するときに、個別のワイヤ1335がスナップコネクタ1320と上部ハウジングとの間に挟まれるのを防ぐことができる。
【0053】
3次元的な動きを可能にする代わりに、可撓性部分が2次元的な動きのみをできるようにしてもよい。
上述の説明は、本発明の例示にすぎないことを理解されたい。当業者であれば、本発明から逸脱することなく、様々な代替及び変更を考案することができる。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲内にある、そのようなすべての代替、変更、及び相違を包含することを意図している。
【手続補正書】
【提出日】2021-09-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
安定化ブーツ550は、X、Y、及びZ方向における伸縮(compliance)及びX、Y、及びZ方向周りの回転をある程度可能にしつつ、患者の運動によって引き起こされる衝撃を吸収することができる。安定化ブーツ550は、患者に対する患者着用センサのX軸及びY軸方向よりもZ軸方向により大きな程度の動きを提供することによって、患者着用センサ、スナップコネクタ555、及び患者に接続された接着パッドの間の接続に安定性を提供することができる。Z軸は、例えば、患者の皮膚(したがって、接着電極パッドの接触面)に実質的に垂直な方向であってもよく、X軸及びY軸の方向は、患者の皮膚(したがって、接着電極パッドの接触面)に実質的に平行である。使用時には、患者着用センサにおける接着電極パッド部分の接着側は患者に貼り付けられ、接着電極パッドの反対側は、電気接点に係合する接着電極パッドの電極の使い捨てスナップコネクタを介して患者着用センサに取り付けられる。患者着用センサが患者に取り付けられると、患者は自由に動くことができるため、接着電極パッドの電極が患者に接触する皮膚上の接触点の相対位置が変位する可能性がある。安定化ブーツ550は、患者の運動によって引き起こされる動きの一部又はすべてを吸収することができ、それによって、接着電極パッドの電極によって受信される信号の完全性及び質への悪影響を低減できる。いくつかの実装形態では、安定化ブーツ550は、電気接点を超えて、接着電極パッドの電極の一部を少なくとも部分的に取り囲むように延びる。
【国際調査報告】